幸子「カワイイボクと日常の風景」
かな子「幸子ちゃん、次のお休みってもう予定あるかな?」
幸子「いえ、特に何も入ってませんよ」
かな子「私もその日お休みなんだけど、よかったらお茶会でもどう?」
幸子「お茶会ですか?」
かな子「うん、今度駅前に新しいお店がオープンするから行ってみたくて。どうかな?」
幸子「フフーン! 休日のお茶会なんてボクにぴったりですね、ご一緒しますよ!」
かな子「ありがとう♪ ほかのみんなも誘ってみるから、また連絡するね」
幸子「わかりました、ボクに相応しい優雅なティータイムにしましょう!」
……
…
幸子「そんなわけでお店にきたわけですが」
かな子「お、美味しそう……早く食べよう!」
志保「とりあえず端から一個ずつ取ってきたよっ」
菜帆「いいですね、いっぱい食べましょう~!」
幸子「ケーキバイキングだったんですね……って、いきなり大皿いっぱいにケーキが!」
みちる「フゴフゴ! サンドイッチもありますよ!」
幸子「みちるさんはすでに食べ始めてますし」
愛梨「美味し~♪ 食べてたら暑くなってきちゃった……脱いじゃおうかな~」
幸子「愛梨さん!ここでおはだけは止めてください!」
里美「まぁまぁ幸子ちゃん、紅茶どうぞ~」
幸子「ありがとうございます……甘ァい! 砂糖何杯入れたんですかこれ!?」
幸子「ありがとうございます、クラリスさんがいてくれて助かりました」
クラリス「ふふ、みなさん賑やかですね」
幸子「本当ですよ、お茶会というより戦場です」
クラリス「まぁ、それは早くしないとなくなってしまいますね……慈しみに感謝し、ここに用意された物を祝福し、私達の心と身体を支える糧といたしましょう」
幸子「ク、クラリスさんもそっち寄りでしたね……あぁ、優雅なお茶会は夢のまた夢ですか……こうなりゃヤケです! ボクも食べますよ!」
……
…
モバP「『人気アイドル、ケーキバイキング店での一幕』か、見事にすっぱ抜かれたな」
幸子「……」
モバP「幸子はやけ食いしてる写真がバッチリ写って、まぁ」
幸子「よ、よく食べるボクもカワイイですからね、写真に撮られてしまうのも無理ありませんよ!」
モバP「ほう……早速だが大食いロケの企画がきてるんだよなぁ」
幸子「これ以上バラエティ路線にさせるのはやめてください!」
レナ「……こっちかしら?」
幸子「……♪」
レナ「……それとも左?」
幸子「む……」
レナ「ババは右ね、はい私の勝ち」
幸子「フギャー! 何回やってもレナさんに勝てません!」
レナ「ごめんね、ゲームとはいえ勝負なら手を抜かない主義なの」
幸子「ディーラーの観察眼は流石ですね!」
レナ「私じゃなくて幸子ちゃんがわかりやすいのよ。すぐ表情に出るんだから」
幸子「確かにボクのカワイさは隠しようがありませんからね……」
レナ(見ていて退屈しないわ……)
幸子「わわ、地震です!」
輝子「けっこう大きい……!」
乃々「あぅぅ、揺れも長いんですけど……」
まゆ「まずは落ち着いて机の下へ避難しましょう!」
モバP「――で、どうしてわざわざ俺のデスクに避難したんだ?」
まゆ「ここならプロデューサーさんが守ってくれそうで……」
輝子「トモダチが心配で……」
乃々「もりくぼの安住の地はここですから……」
幸子「みなさんの勢いに巻き込まれてつい……」
まゆ「リボンがどこかに引っかかってますぅ」
輝子「いまの私たち、絡まりあってどんな体勢になってるんだ……?」
乃々「うぅ、キツいんですけど……むーりぃー」
幸子「ちょ! いまふともも触ったの誰の手ですか! くすぐったいです!」
モバP「すげー面白いことになってるな……パシャリと」
幸子「写メ撮ってないで助けてください!」
幸子「意外と混んでますね……あ、あそこ空いてますよ」
凛「先に席取っちゃおうか」
加蓮「まとめて注文してくるから荷物みてて。凛はいつものでいいよね、幸子は何にする?」
幸子「注文してくる、ですか? あれ、席にメニューがありませんね、店員さんが持ってきてくれるんでしょうか?」
凛「……こういうとこ、もしかして初めて来た?」
幸子「はい、こういったお店で食事する機会が今までなかったので……加蓮さん?」
加蓮「あーいや、幸子って結構なお嬢様なんだなって」
幸子「へ、どういう意味ですか?」
凛「こういうお店はカウンターまで注文しに行くんだよ」
幸子「……も、もちろん知ってましたよ!」
加蓮「ちょっと遅かったかなぁ」
幸子「おはようござ……あれは、洋子さんといつきさんがお話してますね」
洋子「いつきちゃん、この前お勧めしてくれたの試してみたけどすっごい良かったよ!」
いつき「あの振動、気持ちよかったでしょ?」
洋子「うん、手でするのと全然違う感覚でクセになっちゃいそう!」
いつき「こすらずに当てるだけでいいから手も楽だよね」
幸子「わー! 事務所でなに話してるんですか!」
いつき「今の話聞こえちゃってた?」
幸子「聞いてたのがボクでよかったですよ……小さい子もいるんですから、その、場所をわきまえてください!」
いつき「あーまぁ幸子ちゃんくらいにはまだ早いかもね」
洋子「中学生なら使ってもいいんじゃない? 幸子ちゃんは使ったことある?」
幸子「そんなのないですよ!」
幸子「え、それは……言いたくありません!」
洋子「健康とか美容のこと考えると、使った方がいいよ!」
幸子「アレって……健康にいいんですか?」
洋子「うん、やっぱり綺麗になるよ。幸子ちゃんも今よりもっと可愛くなるね!」
幸子「今より、もっとカワイイ……」
いつき「ものは試しで一度使ってみたら? いま見せてあげるから」
幸子「持ち歩いてるんですか!?」
幸子「100歩譲ってそれはいいとしても、事務所で出さないでください!」
洋子「あー、ここで取り出すのはちょっと汚く感じる子もいるかもね」
いつき「ちゃんと使った後は洗ってるよ?」
幸子「そういう問題じゃないですよ!」
いつき「まぁまぁ。種類も多いし、いざ買う時に迷うこともあるだろうからさ、私のお勧めはこれだよ!」
幸子「だから出さないで……あれ、これは?」
いつき「この電動歯ブラシ、ほんと気持ちいいの!」
幸子「電動歯ブラシ……あ、あはは、そうですよね……はぁ」
いつき「幸子ちゃん、その様子だと別の何かと勘違いしてたとか?」
洋子「なんだと思ってたの?」
幸子「うぅ……な、なんでもいいじゃないですか!」
幸子「な、なにもこんな嵐の夜にホラー映画鑑賞しなくても……!」
小梅「ふ、雰囲気……出るよね……えへへ」
輝子「小梅ちゃん、眼が輝いてるな……じゃあ、再生するね?」
フッ
「!?」
「テレビもプレーヤーも消えてるし……停電、みたいだね。ヒカリダケくんがいれば……」
「部屋に、懐中電灯あるから……ちょっと待ってて……」
「ま、待って下さい! きっとすぐに付きますよ、だから傍に!」ギュッ
「あう……」
「こうも暗いと、怪我するかもしれないしな……じっとしてるのも、ありだと思うぞ」
「そうですよ! だから小梅さんも動かずに! ボ、ボクがこのまま手を握っていてあげますからね!」
「そ、それって……幸子ちゃんが怖いんじゃ……あ、それに……」
「そんなことありませんよ!」
小梅「あ……付いた、ね……」
輝子「うん……すぐに復旧して、よかった」
幸子「フ、フフーン! びっくりはしましたけど、大したことなかったですね! 今ならホラー映画も落ち着いて見れそうです!」
小梅「そう、よかった……」
幸子「あれ……小梅さん輝子さん、電気付いてから動きました……?」
輝子「私は、停電前からずっとテレビの前にいたけど……?」
幸子「ボクはずっとベッドの上にいましたから……えっと、つまり、停電の間ボクが手を握ってたのは……」
小梅「……あの子が『幸子ちゃんが怖がってたから』って……」
幸子「」
小梅「あれ……幸子ちゃん……? もしもーし……」
輝子「このまま、寝かせておこう……」
こずえ「さちこー……なにしてるのー……?」
幸子「宿題です。事務所でやってしまおうと思いまして」
こずえ「わぁー……さちこののーと……きれいー」
幸子「フフーン! そうでしょう、ノートの清書は得意ですよ!」
こずえ「せいしょ……? せいしょって……なぁにー?」
幸子「そうですねぇ、見やすくきれいに書き直すこと、とでも言えばいいんでしょうか」
こずえ「ふーん……こずえも……せいしょやるー」
幸子「では隣で一緒にやりましょう」
……
…
幸子「よし、終わりました。こずえちゃんはどうですか?」
こずえ「ふわぁ……んー……」
幸子「おねむみたいですね」
こずえ「うんー……さちこー……そっちいくー」
幸子「わっと、こずえちゃん?」
こずえ「えへへ……ぎゅってすると……ぬくいー」
幸子(これはボクに負けず劣らずのカワイさ……つい手が自然と頭に伸びちゃいますね)
こずえ「ふわぁ……なでなでされるの……すきー……もっとー」
幸子「もう、甘えんぼですね」
こずえ「さちこも……いっしょに…………」
幸子「寝ちゃいましたか……あれ、この体勢じゃボクが動くと起こしちゃいますよね、どうしましょう……」
……
…
ちひろ「あら……ふふ、ソファで寄り添いあって、二人とも可愛い寝顔ね」
こずえ「ん……ふわぁ……」
幸子「すぅ……すぅ……」
司会者「ではここでロシアン対決! 3個のうちひとつは激辛ソースたっぷりの特製まんじゅうになっております!」
茄子「ドキドキですねー♪」
ほたる「見た目じゃわかりませんね……」
幸子(カンペの指示もなし。ガチ○コ勝負ということですけど、このメンツでは……)
茄子「じゃあ私から……これにします」
幸子(茄子さんの選んだものは間違いなくセーフでしょう。つまりどちらかが……)
ほたる「幸子さんが悩んでいるので、次は私が……」
幸子「!」
幸子(このままじっとしてれば余ったものはセーフに? でもそれじゃあほたるさんが!)
幸子「そのおまんじゅうはボクが頂いていきますよ!」
ほたる「あっ……!」
幸子「フフーン! 手を伸ばしてましたけど先に取ったのはボクの方ですね!」
司会者「おっと、幸子ちゃんが早い者勝ちと言わんばかりだ! はたして吉と出るか凶と出るか!? それでは一斉に実食を!」
3人「いただきまーす!」
……
…
3人「おつかれ様でした! お先失礼します!」
茄子「終わったら迎えに行くから連絡してと言われてるので、プロデューサーに電話しますね。ちょっと待ってて下さい」
幸子「はい、お願いします」
ほたる「あの、幸子さん」
幸子「なんでしょうか?」
幸子「そうですよ、結果は予想通りだったので茄子さんもほたるさんも流石です」
ほたる「そんな、私の不幸を肩代わりするような……ごめんなさい」
幸子「謝ることないですよ! 奪い取ったものが激辛って、番組的にもおいしいですからね!」
ほたる「でも、喉とか大丈夫ですか……食べた瞬間の驚きようはすごかったですし……」
幸子「あぁ、実は激辛というほどではありませんでしたよ」
ほたる「え……だってあのリアクションは……」
ほたる「幸子さん、すごいです……私じゃその場で演技できる自信なんか……」
幸子「慣れってやつです。それに……」
茄子「プロデューサー、もうすぐ着くそうです。幸子ちゃんのために喉とお腹に優しいもの持ってくるって言ってました」
ほたる「収録のことお話したんですか?」
茄子「いえ、企画内容自体は知ってると思いますけど、結果はまだ伝えてないですよ」
幸子「やっぱりボクがそうするだろうってお見通しみたいですね。まぁボクのプロデューサーさんですから、ボクのことを理解するのは当然ですけどね!」
幸子「プロデューサーさんからボクたち2人揃って打ち合わせって、なんなんでしょう?」
仁奈「いっしょにお仕事できるなら楽しみでごぜーますね!」
幸子「そうですね。仁奈ちゃんと一緒ならそんなに体張ったことされないでしょうから、そこも嬉しいです」
仁奈「幸子おねーさん、余分に髪留め持ってやがりますか?」
幸子「持ってますけど、どうしました?」
仁奈「幸子おねーさんのきもちになるですよ」
幸子「ボクのきもちに?」
仁奈「いっしょにお仕事するなら、おなじきもちになってみてーです!」
幸子「フフーン、いいですね。じゃあ付けてあげます」
幸子「さっそくボクのきもちになってますね」
仁奈「プロデューサーさん! なんでこんなロケばかりでやがりますか!」
幸子「……ん?」
仁奈「ボクのカワイさなら大丈夫? 全くしょうがないですね、やってあげましょう! ボクはカワイイでごぜーますからね!」
幸子「仁奈ちゃんの中でボクはこんなにチョロいイメージなんですか!?」
仁奈「プロデューサーさん! レディを待たせるなんてダメダメでごぜーます!」
モバP「ん、その髪留めは……あぁ幸子のきもちになってるのか、可愛いなー」
仁奈「フフーン! ボクがカワイイのは当然です! もっと褒めてくだせー!」
幸子「あの、もう止めてください! 何だか恥ずかしくなってきました!」
モバP「んじゃ本題入るとするか。ズバリ今度のライブで――」
モバP「幸子、入るぞー?」
幸子「どうぞ」
モバP「盛り上がってるなぁ、控室まで歓声が聞こえるなんて」
幸子「そう、ですね」
モバP「なんだ、緊張してるのか?」
幸子「そ、そんなわけないですよ!」
モバP(足ガクガクじゃねぇか……)
モバP「確かに今回は予告なしだからな、びっくりされるかもしれんが間違いなく盛り上がるよ。俺が保証する」
幸子「なに言ってるんですか、ステージに立つボクを観たら、みんなボクの虜になっちゃいますよ!」
モバP「それを俺は確信してるんだよ。だから大丈夫だ、いつも通りで行って来い」
幸子「はぁ……プロデューサーさんは楽観的ですねぇ。でも、そう言われて悪い気はしませんね、まぁ当然のことですし♪」
モバP「空の上からの次は奈落からだ、観客の度肝抜いてやれ」
幸子「はい! いってきます!」
幸子「皆さんは幸運ですね! カワイイボクがサプライズゲストですよ!」
ここまで読んで下さった方に、素敵なサプライズを。
元スレ
幸子「カワイイボクと日常の風景」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1477570487/
幸子「カワイイボクと日常の風景」
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- 幸子ちゃん
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- サプライズ登場
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