幼馴染「またフラれたの? 飽きないわね」 男「……うるせえな」
男「お前には関係ないだろ」
幼馴染「いいじゃない、教えてくれたって。女さん? 委員長? それとも部長かしら?」
男「いま名前が挙がった人たちには、既にフラれてるよ!」
幼馴染「そうだったわね。ごめんなさい」
幼馴染「違うわよ。それで誰に告白したの?」
男「……言いたくない」
幼馴染「そう。なら、これ以上は追及しないわ」
男「ほー……」
幼馴染「なによ?」
男「いや、こんな簡単に引き下がるとは思わなくてな」
幼馴染「だって、あなたから聞かなくとも、勝手に情報が入ってくるもの」
男「なんでだよ!?」
幼馴染「女子の情報網は侮らないことね」
幼馴染「そうね。放課後の教室なんて、誰も来ないものね」
男「なんで俺の告白スポット知ってるんだよ!」
幼馴染「だから、私の耳に入ってくるって言ってるでしょ、ロマンチストさん」
幼馴染「いいえ。友くんは、『俺は知らない。つーか、そんなこと言いふらすなよ』って、あなたを擁護していたわ」
男「なんだよ、それ……」
幼馴染「今回、教室で待ち合わせすることを約束したとき、相手の子がニヤニヤしていなかった?」
男「にやにやっていうか、笑顔で返事してくれたけど……?」
幼馴染「『ワンパターンだな』」
男「!?」
幼馴染「笑顔の裏では、そう思っていたはずよ」
幼馴染「今回の相手は知らないわ」
男「なんだよ……。焦らせんなよ……」
幼馴染「前回の子から聞いたのよ」
男「う、嘘だろ!?」
幼馴染「本当よ。『よく2回もフラれた場所で告白できるよね。頭おかしいんじゃないの』と言っていたわ」
男「 」
男「……みんな知ってるの?」
幼馴染「ええ。学年中に知れ渡ってるわよ。あなたの告白メソッドのすべてが」
男「死にたい……」
幼馴染「……」ベシッ
男「痛い! なんで叩くんだよ! 慰めろよ!」
幼馴染「いやよ。あなたを慰めると、簡単に恋に落ちるみたいだもの」
男「恋は鮮度が大事なんだよ……」
幼馴染「あら、私を口説くの?」
男「なんでそうなるんだよ!」
幼馴染「だって、二回目の告白の時に、その台詞を使用したんでしょう?」
男「台詞まで広まってるのかよ……」
男「なんで、お前は覚えてんだよ……」
幼馴染「あなたを虐めるネタになりそうだったから」
男「お前なあ……」
幼馴染「私に言葉攻めされるの好きでしょう?」
男「……嫌いではない」
幼馴染「妹?」
幼妹「あ、取り込み中?」
幼馴染「この雄豚は気にしないで」
男「誰が豚だ!」
幼妹「そうだよー。確かに豚っぽいけど、一応は直立二足歩行をしているから、人間に分類されるんだし、人権はあるんじゃないかな?」
幼馴染「フォローになってないわよ」
男「……」キュン
幼馴染「……私が言うのもなんだけど、調教されすぎよ、あなた」
幼妹「えっとね、わたしの友だちがね、お姉ちゃんと同級生の人に告白されたんだって」
幼馴染「あら、そうなの?」
男「……」
幼妹「で、すごく気持ち悪かったから、お姉ちゃんになんとかしてほしいみたい。よくわかんないけど、お姉ちゃんはその人の担当なんでしょう?」
幼馴染「ええ、そうみたいね。非常に不本意なのだけれど」
男「……ノーコメント」
幼馴染「いまさら隠せないわよ。別にあなたが誰に惚れてもいいわ。でも、周りに迷惑をかけないでほしいの」
男「……今まで俺が告白した人たちから、相談されてたのか?」
幼馴染「というよりも、お願いをされたわ」
男「お願い?」
幼馴染「ええ。はやくバストアップをして頂戴、とね」
幼馴染「むしろ、それが原因で周囲に言いふらしているんじゃないかしら」
男「違うんだ! 俺は、ただ……」
幼馴染「ただ『君の胸を愛してる』のよね」
男「そうだ! 俺はあいつらのお○ぱいが好きなんだ!」
幼馴染「よくもまあ、そんな勝ち誇った顔で、馬鹿げたことを宣言できるわね」
幼馴染「そんなロマンは理解したくないわ」
男「それはお前が貧乳だからだ!」
幼馴染「……私が、この貧相な胸をコンプレックスに感じているから、女性の胸に興奮する世の男たちのロマンを理解したくないと言いたいのね?」
男「そうだ! 言い逃れできないだろ!」
幼馴染「……認めるわ。あなたの言うとおりだわ」
幼馴染「でも……」
男「なんだよ……」
幼馴染「私がコンプレックスに感じるようになったのは、あなたのせいよ」
幼馴染「そうやって、誤魔化すのはお互いにやめましょう」
男「……」
幼馴染「私たちの意地の張り合いで、周囲に迷惑をかけるのは良くないもの」
男「うるせ……」
幼馴染「つまり、胸以外は興味がないんでしょう」
男「あんな不細工のどこに惚れればいいんだよ」
幼馴染「あなたが告白した子たちは、整っている部類に入るわよ」
男「……でも、お前より可愛くないし」
男「だから、周りに言いふらして、憂さ晴らししてるのか……」
幼馴染「そうよ。だって、許せないじゃない。本当に好きだった人にそんなことされたら」
男「……」
幼馴染「あなたの犯した罪は重いわよ」
幼馴染「やめなさい。そんなことしても、火に油を注ぐだけだわ」
男「でも……」
幼馴染「大丈夫よ。そのうち、彼女たちはあなたのことなんか忘れて、他の男に恋をするのだから」
男「それはそれで悲しいな……」
幼馴染「女とはそういう生き物よ」
男「どういうことだよ……?」
幼馴染「私の負けってことよ」
男「そ、それって……!」
幼馴染「……いえ、やっぱり引き分けということにしましょう」プイッ
男「ええ……?」
幼馴染「あなたの思惑通りになったけれど、最後のところは譲らないということよ」
男「……よくわかんないけど」
幼馴染「なら、私の勝ちね。もう一度、作戦を練り直しなさい」
男「……はあ?」
男「お前がちゃんと説明してくれればな」
幼馴染「いやよ。私が説明する義理はないわ」
男「自分が言い出したことだろ。責任もてよ」
幼馴染「……明日するから」
男「ダメだ」
幼馴染「お互い冷静になってから話しあったほうがいいじゃない……」
男「だからだよ。恋は鮮度が大事なんだからさ、感情が昂ってるときのほうが告白しやすい」
幼馴染「わ、わかっているんじゃない! 狡いわよ!」
男「そうだよ。俺は狡い。そうでもなけりゃ、好きな人の友達に告白して、好きな人を妬かせようなんて思いつかねえだろ」
男「そのほうが効果的だと思ったんだから、仕方ねえだろ」
幼馴染「……そうね。実際に有効だったわ。私、あの子たちを殺してやりたいと思ったもの」
男「あはは。幼ちゃんらしいな」
幼馴染「このタイミングでその呼び方をするのね。本当に狡いわ……」
男「良かったよ。苦労した甲斐があった」
幼馴染「……でも、あなたから告白して頂戴」
男「どうしてそこは譲らないの?」
幼馴染「……どうせ、それもわかっているんでしょう?」
男「いや、それは本当にわかんないんだよ。好きな人には自分から告白するって、昔から言ってたし」
幼馴染「……だって、あなたに告白されているあの子たちが羨ましくなってしまったんだもの」
幼馴染「だめ……?」
男「ダメっていうか、その……」
幼馴染「お願い……」
男「……明日にしよ?」
幼馴染「やだ! いまがいいの!」ギュウ
男「こんな時に素の幼ちゃんに戻るのは反則だよ……」
男「な、なに言ってんの!?」
幼馴染「巨乳じゃないから、『君の胸を愛してる』って言ってくれないんでしょ……?」
男「その台詞でいいのかよ……」
幼馴染「わたし、頑張ってバストアップするから。男ちゃん好みの胸のサイズにするから……」
幼馴染「だから、お願い……」
男「そうか、なら……って、そういう問題じゃねえよ」
幼馴染「……ごめんなさい。やっぱり、わたしのこの胸が……」
男「そういうことじゃなくてさ、あいつらのいいところは胸しかねえし、というか胸しか記憶にないし」
幼馴染「わたしの胸を記憶に残すにはどうしたらいいの!?」
男「おーい」
幼馴染「ん……」
男「幼ちゃんにどんなこと伝えればいいのかわからなくなっただけだよ。幼ちゃんの好きなところがたくさんあるから悩んじゃってさ」
幼馴染「……」
男「でも、シンプルな言葉でいいんだよね。そのほうがきっと伝わる」
幼馴染「……」
男「好きだよ、幼ちゃん。俺とずっと一緒にいてほしい」
幼馴染「仕方ないわね。付き合ってあげるわ」
男「貴様……!」
幼馴染「違うわよ。あなたが頭を撫でてくれたから、落ち着いたの」
男「なに、その人格入れ替わりのスイッチ」
幼馴染「あら、素の私のほうが好みなの? 昔は泣き虫な私を疎ましそうに扱っていたのに」
男「そうだっけ?」
幼馴染「そうよ。だから、泣かないように我慢したし、あなたに甘えないようにしたわ」
男「なるほど。それでいまみたいなツンツンキャラになったのか」
幼馴染「ええ。こうみえても努力してるのよ。あなたに釣り合うために」
幼馴染「……歪んだ成長だけれどね」
男「でも、そのおかげで付き合えることになったんだし、いいじゃん」
幼馴染「……そうかもしれないわね」
男「幼ちゃん、これからは気兼ねなく甘えてね。いつでも、ウエルカムだよ!」
幼馴染「甘えないわよ。私は強くなったの。むしろ、あなたが私に甘えるのではなくて?」
男「あはは。そうかもしれないね」
・
・
・
数か月後
男「また、なでなでしてほしいの? 飽きないね」
幼馴染「……うるさいわね」
END
元スレ
幼馴染「またフラれたの? 飽きないわね」 男「……うるせえな」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1476708108/
幼馴染「またフラれたの? 飽きないわね」 男「……うるせえな」
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コメント一覧 (20)
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- 2016年10月17日 22:42
- 寝取り物嫌いだ
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- 2016年10月17日 22:50
- 寝取り要素ないんですが
-
- 2016年10月17日 23:01
- やっぱり寝取られと言えばオトメドリが良いと思う。
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- 2016年10月17日 23:15
- ナデナデしてもらうのが好きな幼馴染みは、どこに行ったら買えますか?
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- 2016年10月17日 23:21
- オトメドリってNTRなの?
アマガミの奴も普通に幸せにしてたし
-
- 2016年10月17日 23:43
- なんかいやらしい話だな
いやへんな意味ではなく
コンセプトはわかるが男の行動があまりにあれに見えすぎてうーん
こういう行動をさせること自体が悪いとは思わんがさすがに自覚的すぎて唯の屑にしか見えん
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- 2016年10月18日 00:21
- 女の子たちはこのクズ男の顔をズタズタにする権利があるってレベルのクズだな・・・
-
- 2016年10月18日 00:31
- 単純に気持ち悪い
-
- 2016年10月18日 00:57
- こんなクズ男好きになる理由がわからん
幼馴染はわりとかわいいけど
-
- 2016年10月18日 05:25
- がはらさんにしか思えん
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- 2016年10月18日 09:44
- 立ち上がれブサイクよ!!
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- 2016年10月18日 10:27
- ※これは創作なので「こんなの居たらとっくに愛想尽かされてる」とか言わないでね
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- 2016年10月18日 11:14
- 話はキショいけど口調だけキツめなツンな幼馴染みは欲しい
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- 2016年10月18日 17:39
- またーふられたのー♪
きりーすぎた前髪♪
かくーしきーれないよ♪
みたいなssかと思ってた
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- 2016年10月19日 11:47
- 俺の言いたいことがすでに書かれていた
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- 2016年11月01日 20:04
- 主人公たちの都合しか考えずにも物語作るからこんな気持ち悪い話なんねん
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- 2017年05月10日 00:21
- お笑い芸人のネタに有りそう
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- 2017年06月08日 03:35
- クッソ迷惑で気持ち悪い男だな
ないわ
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- 2017年06月08日 04:23
- 気持ち悪い
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- 2017年06月08日 04:23
- 男がキモい