ベジータ「オレのギャリック砲とそっくりだ! 訴えてやる!」
発端はベジータ氏と孫悟空氏の戦闘であった。
地球に来襲していたベジータ氏は、孫悟空氏との戦闘中、彼が放ったかめはめ波が、
自身の必殺技であるギャリック砲に似すぎてはいないか、と疑念を抱いた。
ベジータ氏は即刻戦闘を中断し、孫悟空氏に対して自分の技を盗作したとして、
かめはめ波の使用差し止めと、損害賠償7800万ゼニーを求める訴えを起こした。
これが世にいう「ギャリック・かめはめ裁判」の幕開けである。
この裁判の争点は、主に以下の二点となる。
・エネルギー波は法で保護されるべき著作物の類にあたるのか。
・ギャリック砲とかめはめ波は本当に似ているのか。
かくして地方裁判所にて、第一審が開かれた。
地方裁判所での一審では、ベジータ氏の訴えが全面的に退けられる形となった。
理由は「エネルギー波とは武術や格闘技の技の一種であり、法で保護するものとして不適当」
というものであった。
ボクシングのパンチや柔道の投げ技を著作物扱いするようなもの、という理屈である。
ベジータ氏はこの判決を不服とし、控訴した。
二審では、ベジータ氏がエネルギー波は法で保護されるべきもの、にあたることを主張した。
「エネルギー波を発射するのは特別な素養や訓練を要し、手足で行うような技とは一線を画す。
単なる攻撃手段ではなく、戦闘者のイメージすら左右するものであり、一種の芸術品と評しても過言ではない。
ゆえに安易な模倣は許されない」と主張。
さらに「技である以上、酷似した技を同じ名前で使用する分には問題ないが、
今回のケースでは孫悟空氏は他人の技に自分の技名を冠して使用している点が悪質」とも付け加えた。
高裁はこの訴えを認める判決を下し、二審ではベジータ氏が逆転勝訴となる。
孫悟空氏は上告を行い、この裁判は最高裁までもつれこんだ。
最高裁もまた、ベジータ氏の「エネルギー波は一般的な格闘技の技とは一線を画す」
「悪質な場合は法で保護されることもありえる」という主張を採用した。
これで二つの争点のうち、一つ目はベジータ氏に軍配が上がったことになる。
あとは、ギャリック砲とかめはめ波が本当に似ているかどうか、である。
ベジータ氏と孫悟空氏がそれぞれ「ギャリック砲」と「3倍界王拳かめはめ波」を撃ち、
裁判所が壊滅する一幕もあったが、どうにか裁判は続けられた。
結果として、裁判所は「二つの技は使用者のモーションこそ違うものの、
外観・性質ともに類似点が多いと言わざるを得ない」という結論を下した。
ベジータ氏が有利になった格好である。
対して、孫悟空氏は師匠である武天老師氏を引き合いに出した上で、
「かめはめ波は武天老師氏が生み出した技であり、それはベジータ氏が生まれる前のことである。
ゆえにギャリック砲の盗作ではありえない」
と主張した。
かめはめ波の起源を明確にすることで、盗作の疑いを晴らそうとしたわけである。
一方、ベジータ氏も
「同じく武天老師氏の弟子であるヤムチャ氏もサイバイマンにかめはめ波を使っていたが、
彼のかめはめ波はとても貧弱で、ギャリック砲とは似ても似つかぬものであった。
よって“武天老師氏が編み出したかめはめ波”と“今回孫悟空氏が放ったかめはめ波”は別物とすべき」
と反論した。
かめはめ波とギャリック砲が別物なのは認めるが、「今回孫悟空氏が使用したかめはめ波」は盗作、
という主旨である。
両者の激しい論戦は平行線をたどり、いよいよ判決が下る時となった。
裁判長は次のように述べた。
「ベジータ氏のギャリック砲と孫悟空氏のかめはめ波は、外見的特徴、技の性質、破壊力など、
さまざまな点で酷似していると言わざるを得ない」とした上で、
「しかしながら、直前まで亡くなっていた孫悟空氏がベジータ氏の技を盗作するのは、
状況的に無理がある」とし、
「高いレベルの二人の格闘者が、全く違う訓練や経験を経たにも関わらず、
同じような技を繰り出せるようになる事態は十分起こり得る」と結論付け、ベジータ氏の訴えを退けた。
「ギャリック・かめはめ裁判」は、ようやく決着を見たのである。
その後、ベジータ氏はナメック星での戦いでも、人造人間や魔人ブウとの戦いでも、
ギャリック砲を用いなかった。
そのことについてインタビューすると、
「あのクソッタレ裁判のことを思い出しちまうからな」
と笑いながら答えてくれた。
― 完 ―
盗作騒ぎのゴタゴタの雰囲気が少しでも出せていればさいわいです
元スレ
ベジータ「オレのギャリック砲とそっくりだ! 訴えてやる!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1475580839/
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コメント一覧 (33)
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- 2016年10月04日 21:53
- 雰囲気はある
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- 2016年10月04日 21:56
- サラリとヤムチャディスられてて草
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- 2016年10月04日 21:56
- タイトルが面白かった
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- 2016年10月04日 21:58
- 面白い。実際に裁判になった場合、ベジータの主張は退けられそうだな
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- 2016年10月04日 22:01
- 特許の拒絶に反論している気分になった・・・
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- 2016年10月04日 22:03
- 爆笑しました!
隣人に壁ドンされました!
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- 2016年10月04日 22:12
- 理論はガバガバだけど面白かった
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- 2016年10月04日 22:51
- ただ一つ言える
セルの場合遺伝レベルでの盗作行為である
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- 2016年10月04日 23:02
- 気円斬は揉めなさそう
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- 2016年10月04日 23:02
- 威力が貧弱の一点で主題を無視してディスられるヤムチャ氏w
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- 2016年10月04日 23:04
- 人間が手からビームみたいな技をだすのは
亀仙人が最初だっけ
コブラのサイコガンは一応銃身から出しているから別として
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- 2016年10月04日 23:20
- ファイナルフラッシュのせいでいらない子と化したギャリック砲
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- 2016年10月04日 23:29
- ビッグバンアタックとファイナルフラッシュの違いがわからん
というかそれぞれの特徴がわからん
DBって名前違うだけで結局はどれも気功撃ってるだけじゃないの?
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- 2016年10月04日 23:34
- 気円斬もフリーザ様が同じような技使ってたような…
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- 2016年10月04日 23:56
- ( (c :; ]ミ<そこで当職の出番ってわけだ
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- 2016年10月05日 00:23
- ※14
ホーミング機能がついた上位互換だから・・・
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- 2016年10月05日 00:32
- >>11
北斗剛掌波のが先だし、もっと前からあると思う。
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- 2016年10月05日 01:08
- ※11
手からビームの原典は神話に出てくる手から稲妻や火を発射する神や魔法使いとかじゃないかな
近代の漫画ならアメコミのアイアンマンが1963年で手からビーム撃ってたからドラゴンボールや北斗の拳よりだいぶ古いな
まあ手と言ってもパワードスーツだけど
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- 2016年10月05日 01:37
- ドラゴンボール改のBGM盗用問題
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- 2016年10月05日 03:24
- いいねこれ
魅力的な文章だ
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- 2016年10月05日 04:32
- そもそもかめはめ波は亀仙人の技なんだからギャリック砲より前に存在している。よって盗作である可能性は低い。むしろ逆に亀仙人から盗作としてギャリック砲が訴えられるかもしれん
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- 2016年10月05日 04:58
- ※21
ちゃんと読んだ?
まぁ誰もが思うであろうその部分も取り上げてるんだけど…
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- 2016年10月05日 05:37
- ギャリック砲とかめはめ波が本当に似ているかどうか、最高裁に行く前にやっとけよ
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- 2016年10月05日 09:47
- 最高裁でやらなきゃ最高裁行く意味無いだろ
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- 2016年10月05日 10:09
- そもそも手からビームに個性があるって不思議な話だよな
ブラスターメテオとギガンティックミーティアかっこいい
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- 2016年10月05日 10:47
- 何を思ってそっくりと言ったのか。
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- 2016年10月05日 11:23
- どどん波とかめかめ波みたくエネルギーの質が同じで、放出エネルギー量もほぼ同等ってのを撃ち合った瞬間察したベジータ氏
魔貫光殺法やら気円斬やら、ぶつかり合うことすらなさそうな技が出てきてたから作者や編集も説明がいると思ったんでしょ
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- 2016年10月05日 20:16
- ※13
ビッグバンアタックは半身を前に出しながら片手で撃つエネルギー弾
ファイナルフラッシュは腕を大きく広げた後、目の前で蟹さん作って放つエネルギー波だったと思う。
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- 2016年10月06日 10:15
- ビッグバンアタック→アトミックバズーカ
ファイナルフラッシュ→ソーラレイ
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- 2016年10月07日 13:45
- そもそも、ベジータさんは、宇宙人なので国籍及び戸籍は存在せず、審議における訴訟権が存在せず(略
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- 2016年10月18日 22:03
- 最高裁、壊滅に吹いたwwwww
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- 2016年10月28日 22:27
- 微分積分に関する盗作疑惑のゴタゴタを思い出してクスッと来た。
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- 2020年05月23日 20:26
- 威力はともかく、見た目や規模が酷似している「超かめはめ波」を六年前の時点で孫悟空氏が公衆の面前で披露しているのだから、ベジータ氏こそパクリの可能性があるのでは?