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雪歩「黄金の月」

2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:30:30.56 ID:QntfD5Ns0

雪歩「黄金の月」



―――車内―――

雪歩「……プロデューサー」

P「ん? どうした?」

雪歩「ちょっとだけ、いいですか? このあたりで少し、外の空気に当たりたくって」

P「具合でも悪いのか?」

雪歩「いえ、特に具合悪くはないんですが……」

P「………」



3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:31:01.37 ID:QntfD5Ns0

―――数か月前


P「なぁ、雪歩。撮影の調子はどうだ?」

雪歩「えっと…上手く行ってますよ。」

P「そうか、ならよかった。」


P(出会った頃は、俳優との撮影はずっと戸惑っていたけど、今はそういうこともなさそうだ)

P(ここ最近は、雪歩もドラマに起用されることが多くなった)

P(アイドルというよりもむしろ、中途半端な仕事をしない、女優としてしっかりとした地位を築き始めている)

P(時々ぼんやりと、昔の雪歩と重ねてしまう……本当の意味で大人びた彼女と。)



4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:31:32.69 ID:QntfD5Ns0

P「……成長、したもんだなぁ」

雪歩「はい?」

P「あ、ああ、いやこっちの話だ」

雪歩「あ、お茶、なくなっちゃいましたね。また淹れてきます」

P「ああ、ありがとう」


―――



6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:32:06.64 ID:QntfD5Ns0

美希「ただいまなのー!」

P「お帰り、美希」

小鳥雪歩あずさ「おかえりなさい、美希ちゃん」

P「そっちも撮影だったな。どうだった?」

美希「ばっちりなの! プロデューサーも、今日はあと終わり?」ニコッ

P「あー、書類だけ整理したら終わりかな。でもそんなにはかからないさ」

美希「それならよかったの! 最近、ちょっと疲れた顔してたから、早く帰って休むの!」

P「ありがとう、美希」



7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:32:38.28 ID:QntfD5Ns0

P(美希も…まぁ、身体以外の部分もしっかりと大人になってきた。)

P(俺の事も、ハニーとは呼ばなくなってから、二年近く経っている)

P(丁度そのころから、アイドルとしての仕事よりも、女優としての活動が中心になっていた)

P(最初の頃はさみしかったにせよ、彼女が『芸能人』である意識を持ち始めたからだと、すんなり受け入れた)


P「……皆それぞれが、大人になっていくんだなぁ」ボソッ

小鳥あずさ「 」ビクッ

P「?」



8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:33:09.40 ID:QntfD5Ns0

――――二年ほど前


あずさ「ねぇ、美希ちゃん?」

美希「なぁに?」

あずさ「……最近、プロデューサーさんのこと、……その。。」

美希「?」

あずさ「呼び方、変わっちゃったのは、どうしてかなぁって思って……」

美希「ハニーって呼ばなくなった理由?」

あずさ「え、ええ。ちょっと気になって……」

美希「うーん、それはきっと……あずさもとっくにわかってる気がするの!」

あずさ「!」



9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:33:42.47 ID:QntfD5Ns0

美希「……あの二人見てたら、気づいちゃったの」

あずさ「……」

美希「ミキは……ハニーの事大好きだけど、、、なんだろう、お父さんとお母さんをみてる感じ?」

美希「ミキには、ハニーの事を全部わかってあげることはできないし、もちろんそれは雪歩も同じだけど……」

美希「きっと、雪歩の方が上手に…プロデューサーのことを大事にしてあげられる気がするの!」

あずさ「……そう」

美希「でもね、あきらめたつもりはないんだよ? 大好き!っていうのを今は言わないでいて、いつかは……」

美希「いつかは、必ずまたハニーを振り向かせてやるの!」

あずさ「……ふふっ。。ありがとう、私も元気がでたようなきがするわ」

美希「えへへ! どういたしましてなのー!」


…………



10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:34:14.79 ID:QntfD5Ns0

―――車外―――


雪歩「……6月にしては、すこし、涼しいですね」

P「……ああ、そうだな」

雪歩「雨が降らなくって、よかったですね」

P「………そうだな、最後に、いい気持ちで終われたな」

雪歩「ふふっ」


P(そう軽く笑ったきり、雪歩はぼんやりとしている。)


P(徐々に女優の仕事が膨大になっており、アイドルとして活動することが負担になっていた)

P(来年以降の予定もドラマや映画の撮影で追われることを見越して、地方ではあったが、ホールでソロライブを企画した)

P(表向きにはしていないにせよ、『アイドルの雪歩』はこれを最後に、休止することを、決意していた)

P(おそらくそれを察していたからこそ、遠路からもたくさんのファンが訪れてくれた)



11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:34:51.73 ID:QntfD5Ns0

雪歩「……そうですね、6年、かな。あっという間、でしたね。プロデューサー」

P「そうかな。あれこれ、道のりは長かった気はするけど」


P(思い出したように、俺の問いかけに答えた)



13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:35:54.02 ID:QntfD5Ns0

―――数週間前―――


春香「プロデューサーさん!」

P「どうした、春香?」

春香「……雪歩と、上手く行ってますか?」

P「? ああ、順調だよ。」

春香「……2人の仲が、ですよ」

P「…いや、いつも通りだが……」

春香「そろそろ、気づいてはいるんでしょう?」

P「……!」



14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:36:25.10 ID:QntfD5Ns0

春香「雪歩のこと、ちゃんと考えてあげないといけませんよ。もう、これ以上は言いません!」

P「……そうか。。ちゃんと、考えるよ」

春香「ならよろしい」ニッコ

P「こいつめ」コツン

春香「あいた」

P「じゃあな、またあとで」

春香「はい!」



15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:36:56.15 ID:QntfD5Ns0

……………

春香「……プロデューサーさんの、ばーか」ボソッ



16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:37:51.13 ID:QntfD5Ns0

―――――――

P(気づいてはいる)

P(雪歩が俺に、特別な感情を抱いていることは)

P(そして少なくとも、俺も雪歩といることに、落ち着きを覚えている。)

P(でもそれは、お互いに深く踏み込むこともなく、干渉しすぎるでもなく、2人でいつも事務所で過ごしていることが当たり前になってしまったからだ)

P(どこかのタイミングで、どちらかが好意を言葉にしてしまえば、上手く実を結んだだろう)

P(………でも今更、どんな言葉で、伝えればいいんだろう)


―――――――



18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:38:52.91 ID:QntfD5Ns0

社長「それで? 君は雪歩くんの担当を、近い将来外れよう、というのかね」

P「ええ」

P「俺の実力に、限界を感じてはいるのです。というかむしろ――」

社長「彼女らの、新しい分野を上手く切り開ける自信がない、のかな」

P「…! ――はい」

P「女優業に関しては、俺よりも律子の方がずっと専門的です。実際、あずささんを成功させたのも彼女です」

P「雪歩や美希は、もうそろそろ律子にバトンタッチしてもいい頃合いかと」

社長「……しかし、雪歩くんは……、受け入れると思うかね?」

P「……」

社長「なぁ、Pくん。私にも、あるアイドルがどんな気持ちで君をみているのか、ある程度は予想がつくんだよ」

社長「それd

P「それでも」

P「雪歩を成功させることは、俺ではもう難しいと思うのです」


――――――



20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:39:41.08 ID:QntfD5Ns0

P(色々なことを伝えたい。けれども、それらを一緒に言葉にすると、きっと霞んでしまう)

P(………)



22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:41:38.13 ID:QntfD5Ns0

雪歩「……プロデューサー?」

P「! なんだ、雪歩?」

雪歩「ここの道、私今でも覚えてるんです」

雪歩「ビルもなくって、車通りも少なくって。人も時々しか見当たらない、この道路」

P「前にも、ライブで来たっけ、な」

雪歩「ええ」

雪歩「でも、たぶんここぐらいなんですよ。地方で覚えてるところ」

雪歩「やっとソロライブができるようになった頃、ツアーで回って……」

雪歩「この道路辺りを走ってる時に、プロデューサーが、物凄くほめてくれたの、覚えてるんです」

雪歩「何をどう誉められたのかは、記憶が薄いんですけど、その時の風景が、写真みたいに焼付いてる……」

雪歩「こんなことって、あるんですね」ニコッ

P「焼き付けるにしては、少し殺風景すぎるかもしれないけど、な」ニコ

雪歩「もう……でも、今夜はあの時とは違いますね。だって、すごく綺麗な月……」

P「本当だ……」



25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:45:55.53 ID:QntfD5Ns0

雪歩「……ねぇ、プロデューサー。私、知ってるんですよ」

P「…?」

雪歩「プロデューサーが、私の担当をはずれちゃうってこと」

P「…! ……誰から、聞いたんだ」

雪歩「誰でもないですよ。私…なんとなく感じ取っちゃったんです。」

雪歩「少しずつ、距離感みたいな、すごく微かだけど、遠くなってるようなきがして」

P「そんなつもりはなかったんだが、な」

雪歩「ふふ、女の勘はよくあたるんですよ」


雪歩「本当は、最後のライブをしたいって言ったのも、きっとこのままいたら、プロデューサーが困っちゃうだろうなって思ったからなんですよ」

雪歩「女優業の方だけになれば、きっとプロデューサーさんも……」


雪歩「安心して、他のコの面倒を見れる、かなっ…て」クルッ



31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:59:33.40 ID:QntfD5Ns0

P(………)

P(ああ、これはなんだか知っている感覚だ。なんだろう)

P(そうだ。。かつての恋人と、最後の電話をしたときに、似てる)

P(彼女の方が、どんどん大人になっていったような気がして、止められないまま……)


P(ちがう、違うんだ。本当はもっと伝えたいことがあるんだ。でもそれを…)

P(それを言葉にしてしまっても……)

P(雪歩の未来に、何もできやしない)



33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 01:03:49.46 ID:QntfD5Ns0

雪歩「プロ、デューサー…?」

P「あ、いや、その……」

雪歩「違うんです」

雪歩「私、どうしてもプロデューサーに、本当に二人っきりになれる時に、言いたかったことがあって…」

雪歩「私……」


P(……違う。今それを、君は言ってはいけない。それを言われたら、俺は君の未来を守れない……)

P「雪h

雪歩「私!!」

P「!」

雪歩「……私。。」ギュッ

P「………」



36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 01:08:47.97 ID:QntfD5Ns0

雪歩「私! 後ろ向きな性格を直すことが、できました!!」

雪歩「男の人も……誰でも大丈夫、とは、言い切れないですが……平気になれました」

雪歩「前みたいに、穴掘って埋まることも無くなりましたし………」

雪歩「ずっとずっと、自分に自信が持てるようになり、まし、た……」ポロッ

雪歩「それ、もっ…プロデューサーのおかげ、で・・・・」ボロボロ

雪歩「えへへ、ダメですね。強くなったって言ってるそばから・・・」グスッ

雪歩「で、でもっ、もう私、ちゃんと一人でもお仕事できます!」

雪歩「だから、プロ、デューサー、は……私みたいに、埋もれてたコを、助けてあげて、くだざい!」グスッ



39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 01:18:28.51 ID:QntfD5Ns0

P「……!!」

P「……違う」

雪歩「! え、な、なんです、…か?」

P「違う、と思うんだ。雪歩が、本当に言いたかったこと」

雪歩「……」グス

P「なぁ。ずっと待たせてしまったな。でも、今度は俺が言う番だ」



42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 01:34:05.11 ID:QntfD5Ns0

雪歩「ぷろ、でゅ……えっ…!」

P「……」ギュウ

雪歩「えっ…あっ…///」

P「……雪歩、一緒にいてくれ」

雪歩「ぷ、ぷろ……」

P「……ずっと、知らないふりをして、2人で、やり過ごしてしまったな」

P「でも、こういうのは、俺の方から言うべきだと、やっと気づいたよ」

P「……俺はお前のプロデューサーだ。トップアイドルの座を手に入れたなら、今度はもっと上を目指そう」

雪歩「…!」ポロ

P(俺はずっと恐れてたんだ。雪歩の手が、いつか離れてしまうのを。だから、ずっとどっちつかずの関係を守ってきたんだ)

P「お前と、一緒にいたい。…これが、どういう意味か、分かる、な?」

雪歩「……う、あぁ、…は、はいぃ……」グスッ

雪歩「プ、プロデューサぁ……」ボロ

雪歩「ずっと、…ずっと待ってたんですよ……」ボロボロ



44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 01:37:41.74 ID:QntfD5Ns0

雪歩「でも、私じゃ、ダメ、だって……おもったら……」

雪歩「こわくって、こわくって………」ボロボロ

P「……つよく、なったんだろ?」

雪歩「…そんな、こと、いっても……いっても……」

雪歩「プロデューサーだって、泣いてるじゃないですかぁ……」

P「ああ……」ポロ



45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 01:43:45.07 ID:QntfD5Ns0

P「大丈夫さ、2人なら、きっとやっていけるさ」



46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 01:45:40.14 ID:QntfD5Ns0

――――――




P「雪歩、目を閉じて」

雪歩「……はい」




P 雪歩「………………」




――――――



P「夜空に光る 黄金の月などなくても」



―終―



47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 01:49:02.79 ID:QntfD5Ns0

深夜まで支援ありがとうございました。

お気づきの方もいる通り、スガシカオの「黄金の月」という、素晴らしい名曲を下地にしてコソコソ書いてみました。
http://www.youtube.com/watch?v=aQBG8e-DYFo




元スレ
雪歩「黄金の月」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1352820568/
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        コメント一覧

          • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月22日 10:12
          • ......と・・・と。。。の違いは何なんだ
          • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月22日 10:17
          • 下手なくせして拘るから…
          • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月22日 10:19
          • 1 うーんーこー
          • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月22日 14:03
          • もう全部“‥‥‥”で統一してくれ
          • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月22日 17:52

          • お前ら細かいこと気にしすぎ
            使い分けてたのは……ほら・・・その。。。あれだよ、気分だろ?
          • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月22日 17:59
          • なんかこれ見たことあるなって思ったらこれ2012年かよ
          • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月22日 20:38
          • ロタティオンかな?(馬の骨)
          • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月25日 02:21
          • >>7 おまおれ

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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