【FGO】ローマが行く~ぶらりキャメロットの旅~

1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/15(月) 19:36:24.36 ID:xb27mSHnO


第6章のネタバレを含みます
それもまたローマ!


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ロマン「ぐだ子ちゃん……今回も危険な旅になると思うけど」

ダ・ヴィンチちゃん「なに、私がいるから心配いらないさ」

マシュ「頑張りましょう、先輩!」

ぐだ子「うん、頼りにしてるよ」

ロマン「それじゃ、気を付けて」


…………………………………………………………

【神聖円卓領域キャメロット AD.1273】



3:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/15(月) 19:47:21.80 ID:xb27mSHnO



マシュ「到着……といいたいところですがここはどこでしょうか!?砂嵐が酷くて周りが見えません!」

ダ・ヴィンチちゃん「うーん、少し座標に問題があったのかな?」

ぐだ子「なんか遭難の予感……」

マシュ「敵性反応です、先輩!」

ぐだ子「今回のパーティー編成はいい感じに出来たからよゆーよゆー」

ロムルス「ふむ、此度もまたローマのごとく」

ネロ「ふふん!余に任せるがよい」

カエサル「やれやれ、私は休んでいたいのだがな」

カリギュラ「ウォォォォォォ!!ネロォォォォォォォォォォォォォォ!!」

スパルタクス「フハハハハ!!愛!愛!!」

マシュ「」




4:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/15(月) 20:11:27.25 ID:xb27mSHnO



マシュ「せ、先輩……今回のパーティーって」

ぐだ子「ずばり、ローマ!」

ロムルス「ローマ!!」

カエサル「おぉ、これは神祖様」

カリギュラ「ゥゥゥゥ、ネロォ……」

ネロ「叔父上に神祖ロムルス!偉大なるカエサルも!」

スパルタクス「アッセイ!」

ネロ「誰だこやつ」

ダ・ヴィンチちゃん「うんうん♪中々に面白いね」




5:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/15(月) 20:17:42.45 ID:EDFfO9DjO



マシュ「……!敵、来ます!」

ネロ「全て余に任せるがよい♪」

カリギュラ「ウォォォォォォ!!」

マシュ「あ、勝手にネロさんとカリギュラさんが突撃してしまいました!」

ぐだ子「いけいけぇ!」

マシュ「先輩!?」



━━━━━戦闘終了━━━━━

マシュ「ふぅ……戦闘終了しました。お疲れ様です」

ダ・ヴィンチちゃん「いやー、お見事お見事。私、特に何もすることなかったね」

ロムルス「ローマ」

ネロ「この程度、造作もない」

カリギュラ「ネロォ……」

マシュ「結局ほぼお二方のみで殲滅されてしまいましたね」






6:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/15(月) 20:28:04.82 ID:EDFfO9DjO



ダ・ヴィンチちゃん「ふむ……最後の敵は何か妙だったね」

マシュ「えぇ。ですが砂嵐が酷くて正体までは……」

ぐだ子「なんか鎧を纏った大きな騎士に見えたな」

マシュ「鎧の、騎士ですか?」

ぐだ子「yes!」

ダ・ヴィンチちゃん「それが本当なら興味深いことだね」

マシュ「……取り敢えずここが目的地であるエルサレムではないことはたしかですね」

ダ・ヴィンチちゃん「これはロマンにスペシャルなお仕置きをしないとね!」

マシュ「!?先輩、また敵性反応です!」

ダ・ヴィンチちゃん「これは中々にまずいことになったぞ……」

ぐだ子「?」

ダ・ヴィンチちゃん「ぐだ子ちゃん、覚悟しなさい。次は間違いなく強敵だ」

スフィンクス「キュィィィィィ」

マシュ「これは…まさか」

ダ・ヴィンチちゃん「スフィンクス……神獣だね」




8:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/15(月) 20:35:38.06 ID:EDFfO9DjO



ぐだ子「どどどどうしよう」

マシュ「落ち着いてください先輩!」

カエサル「……やれやら。たまには黄金剣も振るってやらねばな」

ローマ「そうか……汝もまたローマであったか」

スパルタクス「我が愛を受け取りたまえ!」

スフィンクス「キュィィィィ!!」

マシュ「来ます!」

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ぐだ子「……倒した?」

ダ・ヴィンチちゃん「そんなに甘くはないよ。かすり傷にもならないさ」

マシュ「消えてしまいましたね……」

ダ・ヴィンチちゃん「戻って来る前に移動しよう。もう周囲の状況はスキャンしてある」

ぐだ子「流石はダ・ヴィンチちゃん!」

ダ・ヴィンチちゃん「誉めてもマナプリくらいしか出ないよ。……西に水源、というより都市があるみたいだね」

マシュ「移動しましょう」






9:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/15(月) 20:43:53.11 ID:EDFfO9DjO




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ぐだ子「……死にそう」

マシュ「もう10kmほど歩きましたね。先輩、私が盾に乗せて縄で引っ張りましょうか?」

ネロ「馬でもあればよいのだがな」

ダ・ヴィンチちゃん「仕方がないさ。流石の私でも馬は用意できないよ」

カエサル「こうも歩かされるとなると痩せてしまうな」

マシュ「カエサルさんは痩せてください」

ぐだ子「あ、建物が見える!」

ダ・ヴィンチちゃん「神殿だね。ようやく一休み……ごめん。やっぱり戻ろう」

マシュ「どうしたんですか?」

ダ・ヴィンチちゃん「神殿までの間に何か動いているのが見えるかい?」

ぐだ子「沢山いる!」

ダ・ヴィンチちゃん「あれ、全部さっきと同じスフィンクスだ」

マシュ「な!?」

ダ・ヴィンチちゃん「あれをなぎ倒すなんて無理だからね。私も命が惜しい」

スパルタクス「ほう…」

マシュ「スパルタクスさんはおとなしくしていてください」





10:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/15(月) 20:49:22.47 ID:EDFfO9DjO



ロムルス「ローマに任せるがよい」

【皇帝特権:EX 気配遮断】

マシュ「これは」

ダ・ヴィンチちゃん「え?何これ。チートかい?」

カエサル「流石は神祖様ですな」

ロムルス「よい。これも全て我が愛しきローマのため」

ネロ「余は自分でどうにかできたのに……」ムス

ロムルス「許せ、ネロよ」ナデリナデリ

ネロ「むふぅ♪」

マシュ「これで、あの中を突っ切っても」

ダ・ヴィンチちゃん「平気だろうね。まったくわけがわからないよ」

ぐだ子「れっつごー!」






11:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/15(月) 20:56:47.73 ID:EDFfO9DjO



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マシュ「なんか、スフィンクスの真横を通るのは見えてないとはいえ恐ろしいですね……」

ダ・ヴィンチちゃん「まるで透明人間か何かにでもなった気分だよ」

ぐだ子「やっと休める……」

カエサル「ようやく入り口か」

カリギュラ「ゥゥゥゥゥ」

ダ・ヴィンチちゃん「……あー、ここまで来てあれなんだけどやっぱり違うところ行かないかい?」

ネロ「何故だ!」

ダ・ヴィンチちゃん「ここの神殿の持ち主がわかっちゃったんだよね」

マシュ「何か問題でも?」

ダ・ヴィンチちゃん「なんて言えばいいんだろうな……」

マシュ「先輩、後ろに下がってください!神殿から何か出てきます!」




16:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/16(火) 13:03:19.66 ID:lbjvJIZwO



ダ・ヴィンチちゃん「この魔力反応は……」

???「な、出口で待ち伏せだと!?」

カエサル「ふむ?」

???「オジマンディアスめ、我らの考えを読んで既に兵を配置したとでもいうのか!」

ダ・ヴィンチちゃん「なんか、人を抱えてるね」

ぐだ子「?」

マシュ「落ち着いてください!我々に戦闘の意思はありません」

???「問答無用!かかれ!」

ぐだ子「マシュ、取り敢えず全員峰打ちで」

マシュ「任せてくださいマスター」

カエサル「やれやれ、困ったものだな」

ネロ「少しばかり灸を据えてやらねばな」




17:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/16(火) 13:13:53.96 ID:lbjvJIZwO



━━━━━戦闘終了━━━━━

ガキンッ

???「くっ……」ポロッ

マシュ「……貴方は」

百貌「私の仮面が!」

ぐだ子「……ハサンだ」

百貌「くそっ、作戦は失敗だ!逃げるぞ!」ダッ

マシュ「あ、待ってください!」

百貌「待てと言われて待つ奴がいるか。バカめ!」

ネロ「うむ、我らの勝利だな!」

ダ・ヴィンチちゃん「取り敢えずこの人をどうにかしよう」

もぞもぞ

マシュ「あの、大丈夫ですか?」ユサユサ

ニトクリス「……ここは」

スパルタクス「アッセイ!!」

ニトクリス「ぴぎぃ!?」

ネロ「お主は下がっておれ!」ゲシッ

マシュ「えーっと……」

ニトクリス「……この賊め!私のことを拐おうとするなど、許さぬぞ!」

マシュ「あの!」

ダ・ヴィンチちゃん「あー、これは勘違いされてるね」

ニトクリス「先程は油断しましたが、今度はやられませんよ!」




18:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/16(火) 13:35:45.73 ID:lbjvJIZwO



ダ・ヴィンチちゃん「ダメだね。敵意丸出しだ」

マシュ「どうしましょうか」

ニトクリス「こそこそと話し込んで!私をファラオ、ニトクリスと知っての狼藉ですか!?」

ぐだ子「おこなの?」

ニトクリス「お、おこ?」

ぐだ子「怒ってるの?」

ニトクリス「怒ってますとも!おこですよ!おこ!」

ぐだ子「えぇー、せっかく助けたのに」

ニトクリス「知りません!貴女たちはまず蛮勇をもってこのニトクリスの情けを得なければなりません!」

ぐだ子「むちゃくちゃな!」

ニトクリス「覚悟なさい!」

カエサル「……まぁ、待て。私に任せなさい」

カリギュラ「ウォォォォォォ!!DEEEEEEEBUUUUUUU!!!」






19:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/16(火) 13:44:17.16 ID:lbjvJIZwO



カエサル「ファラオニトクリスよ」

ニトクリス「なんですか!」

カエサル「この仮面を見るがいい」

ニトクリス「それは……山の民のものですね」

カエサル「私たちは誘拐されそうになっていた貴殿を助けたのだ」

ニトクリス「そ、そんな証拠はないじゃないですか!貴女たちが山の民の者かもしれませんし!」

カエサル「そうだ。その通り。関係しているかもしれない」

ニトクリス「ならばやはり」

カエサル「しかし、そうならばなぜここで貴女を起こす必要がある?」

ニトクリス「それは……」

カエサル「ファラオとやらは恩人に大して礼節もわきまえぬものなのか。幻滅した」

ニトクリス「な!?そんなことはありません!!ファラオは恩人にはしかと礼をもって返します!」

カエサル「しかし、貴殿は我らに矛を向けようとしているではないか。やはりファラオとはその程度なのか」

ニトクリス「そんなことありません!!」

カエサル「では恩返しとやらを見せて貰おう」

ニトクリス「いいですとも!見ていなさい!」

カエサル「(ニヤリ」

マシュ「先輩、カエサルさんがニトクリスさんを丸め込めてしまいました」

ぐだ子「流石は偉大なるカエサル!」

ニトクリス「ついてきなさい!」




20:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/16(火) 18:58:44.11 ID:Eu31i+ErO



ぐだ子「水飲みたい!果物食べたい!」

ダ・ヴィンチちゃん「水浴びもしたいぞー!」

ニトクリス「急に態度が大きくなってませんか!?」

カエサル「恩人」

ニトクリス「ぐぬぬ……」

マシュ「なんかすみません……」

ニトクリス「仕方がありません……。恩人なのですから!貴方達を!特別に!私の客人として!もてなしましょう」

ネロ「うむ、良い。許す」ニパァ

ニトクリス「ここから西に行った所にある、我らがファラオの光輝の大複合神殿に案内しましょう」

ロムルス「ローマか」

ニトクリス「違います!」

ネロ「行くぞ!」

ニトクリス「貴女たちは道中の護衛ですからね!……風よ、暫しその任を解きます」

マシュ「すごい!砂嵐が止みました!」

ニトクリス「ふふん、喜んで貰えたならやったかいがありました」

ダ・ヴィンチちゃん「でも空にはまだあの光帯があるんだね」

ニトクリス「忌々しきものです……。空には太陽だけで十分だというのに」




22:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/16(火) 20:02:23.05 ID:rL39rLlBO



ぐだ子「また、歩くのか……」

マシュ「先輩、私がおんぶしましょうか?」

ぐだ子「マシュに悪いから頑張る」

マシュ「もっと私に頼ってください!」

ぐだ子「マ、マシュ!」ギュー

マシュ「先輩!」ギュー

ニトクリス「貴女たち、私を忘れていませんか?」

マシュ「あ、すみません!うっかり存在を忘れていました!」

ニトクリス「親切なようで辛辣ですね!?貴女、名前は?」

マシュ「これは重ね重ね失礼しました。私はマシュ・キリエライトです。こちらが私のマスターの」

ぐだ子「ぐだ子どすえ」

ダ・ヴィンチちゃん「万能の天才、ダ・ヴィンチちゃんだよ」

ロムルス「ローマである」

カエサル「赤セイバーだ」

ネロ「それは私だ、偉大なるカエサル!」

ニトクリス「えーっと……」

カエサル「ガイウス・ユリウス・カエサルだ」

ネロ「華のローマ皇帝、ネロ・クラウディウスだ!」

カリギュラ「uuuuuuu……」

ネロ「こちらが私の叔父上だ」

スパルタクス「フハハハハ!!君は、圧制者かな?」

ネロ「こやつは知らん」

マシュ「スパルタクスさんです……」






24:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/16(火) 20:20:01.19 ID:d2SPf7rzO



ニトクリス「取り敢えず、罪人名簿に名前はありませんね。ひと安心です」

ネロ「なぜ余が罪人などになる必要がある!余が罪人となるのならば間違ってるのは法の方だ!」

カリギュラ「ね、ネロ……」ナデリナデリ

ネロ「ふん!」

ニトクリス「大神殿に行くのですか、行かないのですか!私は忙しいのです!」

マシュ「行きます行きます!案内、よろしくお願いします」

ニトクリス「ふん、では道中の護衛は任せましたよ」

ダ・ヴィンチちゃん「先程も言ってたけど、ここは君の領地ではないのかい?護衛が必要とは思えないけど」

ニトクリス「ここは我がファラオの領地です。それに、先程風を止めたので好まざる魔獣どもか寄ってきます」

ぐだ子「なるほど……マシュ」

マシュ「はい、マスター。ニトクリスさん、その後ろのはどちらですか?」

ニトクリス「え?……な!?敵です!これはまごうことなき敵です!」

カエサル「で、あろうな」チャキ

ネロ「軽く払ってやろう」



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ダ・ヴィンチ「なんだったんだろうね、今の敵は」

ぐだ子「……タコ?」

スパルタクス「我が愛を受け取りたまえ!」ブンッ

マシュ「あぁ!?スパルタクスさん!敵をそのように投げては」

???「うわぁぁぁぁぁ!!?」グシャ

ぐだ子「え?」

ダ・ヴィンチちゃん「え?」

マシュ「え?」




25:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/16(火) 20:29:54.44 ID:d2SPf7rzO



マシュ「……あのー、大丈夫ですか?」

???「え、えぇ……なんとか。びっくりしましたよ。空から得体のしれない物が降ってきて」

マシュ「申し訳ありません……」

???「いえ、こちらこそ周りを見ていなかったのが悪いのです……」

ネロ「貴様も謝らんか!」ゲシッ

スパルタクス「ぬぅ……」

ダ・ヴィンチちゃん「大丈夫かい?必要なら手当てもするけど」

???「あ、それは大丈夫です!お構い無く」

ぐだ子「貴方はだれ?」

ルキウス「えーっと……ルキウスです」

ダ・ヴィンチちゃん「ルキウス……」

ロムルス「……」

ルキウス「で、では私はこれにて!」ダッ

マシュ「あ、行ってしまいました」

ぐだ子「なんか申し訳ないことしたね」

ダ・ヴィンチちゃん「彼の名前……」

ぐだ子「どうかしたの?」

ダ・ヴィンチちゃん「あ、いや……ローマ皇帝の一人なんだけど大して活躍もない人物なんだ」

マシュ「ローマ皇帝ということはロムルスさん?」

ロムルス「……いや、奴もまたローマなのであろう」

マシュ「?」




26:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/16(火) 20:34:56.28 ID:d2SPf7rzO



ニトクリス「まったく、貴方たちは録なことをしませんね!」

カエサル「返す言葉もないな」

ネロ「それもこれも全てこやつのせいではないか!」

スパルタクス「我が反逆は天をも討ち下ろす」

ニトクリス「貴方たちは一体何者なのですか?」

ぐだ子「えーっと……」

ダ・ヴィンチちゃん「私たちは、」
ロムルス「ローマである!」

ニトクリス「え?」

ロムルス「ローマである」

ニトクリス「いや、ですからそれはどこだと……」

ロムルス「ローマである」グイッ

ニトクリス「いや……あの……」

ロムルス「ローマである!」カッ

ニトクリス「ひっ!?わ、わかりました!ローマですね!」

ぐだ子「ローマすげぇ」

マシュ「ローマですね」




27:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/16(火) 20:43:46.29 ID:d2SPf7rzO



ダ・ヴィンチちゃん「話を戻すけど、ファラオニトクリス、君はサーヴァントなんだよね?」

ニトクリス「えぇ、ファラオオジマンディアスに召喚されて、このエジプト領の一部の守護を任されています」

マシュ「エジプト領ですか?」

ニトクリス「ファラオオジマンディアスは召喚されてから瞬く間に覇権を握り、この地を納めました。……さきほどから要領を得ませんが、貴方たちはここがどこかわからずに入り込んだのですか?」

ダ・ヴィンチちゃん「それは多目に見て欲しいな」

ニトクリス「まったく、本当にどこから来たのやら……」

ロムルス「……」グッ

ニトクリス「ひっ!ローマ!ローマですよね!?」

マシュ「なんかロムルスさんに恐怖を覚えてしまったようですね」

ニトクリス「話を戻しますが、そのファラオオジマンディアスに対立するものたちが現れました……」

カエサル「少しいいか、ダ・ヴィンチ嬢」ボソッ

ダ・ヴィンチちゃん「なんだいカエサル」ボソッ

カエサル「ここではエルサレムの話題は出さない方が得策と見える」ボソッ

ダ・ヴィンチちゃん「なるほど、政治家の君がいうなら間違いないね」ボソッ




31:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/16(火) 21:06:05.97 ID:d2SPf7rzO



ニトクリス「人の話を聞いてますか?」

ダ・ヴィンチちゃん「あぁ、いや、うん!聞いてる聞いてる!」

ニトクリス「……はぁ。では、私はここまでです。あとはこの道を真っ直ぐに進みなさい」

ぐだ子「一緒に行かないの?」

ニトクリス「私は忙しいのです!」

マシュ「女王ニトクリス、感謝いたします!」

ニトクリス「では……」クル スタスタ

マシュ「行ってしまいましたね」

ダ・ヴィンチちゃん「気を取り直して行こうか」

ぐだ子「ローマ!」

マシュ「先輩、それ掛け声ですか?」

ぐだ子「ローマ!」

ロムルス「ローマ!」

マシュ「……行きましょう」




32:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/16(火) 21:19:43.72 ID:jHrnF1TbO



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マシュ「この丘が最後です!…くっ、突風が!」

ぐだ子「スパさん、前進!」

スパルタクス「もっとだ!」

ダ・ヴィンチちゃん「うーん、いい風避けだね」

マシュ「あの、先輩……私の宝具で……」

カエサル「温存出来るに越したことはないぞ」

マシュ「……はい」

ぐだ子「うわっ!?」

ダ・ヴィンチ「え?」

マシュ「これは!」

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スパルタクス「見事な闘技場なり」

マシュ「違います!これが……太陽王オジマンディアスの居城、伝説に名高い光輝の大複合神殿!」

ダ・ヴィンチちゃん「流石だね」

ぐだ子「そのオジマンディアスって誰?」

ダ・ヴィンチちゃん「あー、こういう時にロマンがレクチャーしてたのか。太陽王オジマンディアス。正しくはラムセス2世。古代エジプトにおける最大最強のファラオさ」

マシュ「もっとも神に近いとされていたファラオです。建築王とも言われてました!」

ぐだ子「なるほど!」

ネロ「ふーむ、これなら私のリサイタルをするに相応しい舞台だな」

カリギュラ「ネロ……リサイタル……」

ローマ「ふむ、これもまたローマであるな」

カエサル「……」

マシュ「カエサルさん、どうかしましたか?」

カエサル「……なに、少しあやつのことを思い出しただけだ」

マシュ「あやつ……とは」

ダ・ヴィンチちゃん「クレオパトラ女王のことだと思うよ」

カエサル「ふむ……いかんな。感傷的になってしまった」




33:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/16(火) 21:28:56.21 ID:jHrnF1TbO



マシュ「すみません……余計なことを聞いてしまって」

カエサル「なに、気にすることはない。あれは仕方のないことだった」

ダ・ヴィンチちゃん「ところでマシュ、ロマンとは通信できたかい?」

マシュ「あ、すみません。失念していました。未だに回復していません」

ダ・ヴィンチちゃん「なるほど……となると、やっぱり」

ぐだ子「何かわかったの?」

ダ・ヴィンチちゃん「我々は確かに13世紀のエルサレムにレイシフトしてきた。ここまでは間違いない。けれどこの辺りの魔力はだいぶ古い……紀元前のものだろう。」

マシュ「ということは?」

ダ・ヴィンチちゃん「ニトクリスはここをエジプト領だと言っていた。それは土地の話だけじゃなくここら一帯が古代エジプト領なんだ」

ぐだ子「……え?」

カエサル「つまり何の因果かはしれないが古代エジプト領がエルサレム周辺に現れて魔力が混雑し、我々は訳のわからん所に飛ばされた。おまけに通信も出来ないということか」

ダ・ヴィンチちゃん「そういうことだね」

ぐだ子「大変じゃん!?」




34:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/16(火) 21:42:58.00 ID:jHrnF1TbO



ダ・ヴィンチちゃん「うーん、さらに砂漠の中に強く魔力が歪んでる所もあるけど……これが今回の探索の鍵かな?」

ネロ「話しは後だ。余は疲れたぞ」

ダ・ヴィンチちゃん「そうだね。中に入ろう。きっと涼しいはずだ」


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オジマンディアス「ふぅむ……眠いな。余は非常に眠い」

マシュ(vip待遇で連れてこられたのはいいんですが、彼がオジマンディアス王なのでしょうか?)

ニトクリス「やっときましたね!ローマの者たち!ちょっと遅いのはきにしません!貴方たちは王への謁見を許されました!そこに平服しなさい!」

ネロ「断る!」

スパルタクス「これは、圧制者の気配だ!」

ニトクリス「な!?」

ダ・ヴィンチちゃん「ははは、早速大変なことになりそうだね」

マシュ「笑い事ではありません!」

ネロ「余は皇帝だ!その余が何故平服などせねばならんのだ!」

カエサル「相手に平服するなど敗けを認めるようなものだな」

スパルタクス「圧制者は滅ぼすべし」

ニトクリス「取り敢えず座りなさい!!」

ネロ「ふん!」ムスゥ

ニトクリス「この方こそが最も偉大なるファラオ!最も勇壮!最も威光に満ちた神たらんとする━━ファラオ、オジマンディアスである!」

オジマンディアス「珍しいなニトクリス。そなたが大声をあげるとは。よほどそやつらが気に入ったと見える」






35:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/16(火) 21:56:01.21 ID:jHrnF1TbO



ニトクリス「あの……いえ……」

オジマンディアス「よい、それは喜ばしいことだ。実に。実に」

ニトクリス「申し訳ありませんファラオ。昂りのまま貴方の真名を語りあげるなど」

オジマンディアス「そうだな。余の楽しみを奪った罪は重い。後程腕を切り落とし瓶に詰めよ。」

ニトクリス「はい。温情、ありがたく」

ぐだ子「……あいつ気にくわない」

オジマンディアス「さて、お前たちが異邦からの旅人か。我が名はオジマンディアス。神であり太陽であり、地上を支配するファラオである」

ネロ「ふん!」

オジマンディアス「そして余は非常に眠い。故に言葉は最小限に留める。我が玉音、心して拝聴せよ」

ぐだ子「おっけー」

ニトクリス「な!?無礼であろう!」

オジマンディアス「お前たちがカルデアからの使者であること。5つの特異点を修復したものであること。そして、この第6の楔、砂の聖地に現れたこと、全てを承知している」

ぐだ子「……まじ?」

オジマンディアス「何故なら貴様らが欲する聖杯は余が持っている」

ぐだ子「まさか魔神柱」

オジマンディアス「馬鹿者、誰が魔術王なぞに与するか」

ぐだ子「ですよねー」




36:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/16(火) 22:06:22.22 ID:jHrnF1TbO



オジマンディアス「これは余が十字軍から━━」ボトッ

フォウ「フォーーーウ!!?」

ぐだ子「首が!?……ってあれ、フォウ君いたの」

マシュ「忘れてました」

オジマンディアス「十字軍めから余が没収したものだ。余に相応しいものとしてな」

ぐだ子「あの、何事も無いように進めてますけど首が……」

オジマンディアス「気のせいだ。旅の疲れであろう。不敬だが、一度のみ許す」

ぐだ子「あ、はい」

オジマンディアス「あり得ぬことだ。それで余は聖杯を手にしたが━━おっと」ズルッ

ぐだ子「」

オジマンディアス「………………(見たか?という沈黙)」

ぐだ子「」ブンブンブン

オジマンディアス「ニトクリス!」

ニトクリス「はっ、何用でしょうかファラオ」

オジマンディアス「余は調子が出ん!故に身体を動かす。火の精を呼べ!」

ぐだ子「いや、あの」

オジマンディアス「ゆくぞカルデアのマスター!余は先程の沈黙が気に入った!」

マシュ「なんか無茶苦茶ですが、オジマンディアスが臨戦態勢です!」

ネロ「少しばかり遊んでやるとしよう」

カエサル「やれやれ、また労働か」

ダ・ヴィンチちゃん「仕方ないね」




37:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/16(火) 22:22:42.42 ID:jHrnF1TbO



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オジマンディアス「ふっ、遊びといいつつつい熱が入ったわ。お陰で首の調子もよくなった」

ぐだ子「どういたしまして」

ニトクリス「ファラオ、いったい何が……。この者達を処罰するおつもりで?」

オジマンディアス「当たり前だ。この者たちの目的は聖杯。しかし、聖杯は既に余の物。ではいずれ殺し会う定め。生かして返す通りはない」

ニトクリス「それでは……私はファラオの敵をここに招いてしまったわけですか!?」

オジマンディアス「此度に関してはそなたの罪ではない。知識を与えなかった私の落ち度だ」

ぐだ子「?」

オジマンディアス「うっかり第4特異点辺りで息絶えたものと思っていたが。余の予測も笑えぬわ」

ぐだ子「これって誉められてる?」

マシュ「いいえ、マスター」

オジマンディアス「まったく━━━遅い!遅すぎるわ!カルデアのマスターよ!」

ぐだ子「え!?」

オジマンディアス「貴様らが訪れる前にこの時代の人理は崩壊したわ!」

マシュ「オジマンディアス王……!?それはいったい……」


オジマンディアス「言葉通りの意味だ。本来ならば聖地を奪い合う戦いがおきた。二つの民族による殺しあいだ。その果てに聖杯はどちらかに渡り魔神柱の温床となったであろう」











38:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/17(水) 18:46:33.50 ID:bKoh9viLO



オジマンディアス「━━お前たちがもう少し早く来ていれば、な」

ダ・ヴィンチちゃん「でもそうはならなかった。聖地奪還の戦いは起きていない……」

オジマンディアス「……」

ダ・ヴィンチちゃん「何故ならば聖杯はオジマンディアス王、貴方が持っているから。きっと十字軍の誰かに召喚されて当然の様に敵対し聖地を我が物にしたんだろう。そして、人理の崩壊も」

オジマンディアス「……何者だ。中々の知恵者とみえる」

ぐだ子「我らがダ・ヴィンチちゃんです」

オジマンディアス「知らんな。だが美しい。余の側室になることを許そう」

ダ・ヴィンチちゃん「それはどーも。それで、こちらの見解はどうかな?」

オジマンディアス「フハハハハ、ハハハハハ!残念だがそれは違うぞ、異邦からの賢人よ」

ぐだ子「違うじゃんダ・ヴィンチちゃん」

ダ・ヴィンチちゃん「あれれー?」

オジマンディアス「この余が!太陽王たる万能の余が!聖杯などという毒の杯を使うはずがなかろう!……余は聖杯の持ち主であり、聖杯の守護者である!聖地になど、余はまったく興味がない!」

ぐだ子「あ、はい」






39:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/17(水) 19:22:24.97 ID:bKoh9viLO



オジマンディアス「故に心して聞くがいい!この時代を特例の特異点として、人理を完膚なきまでに破壊した者は━━」

マシュ「……」ゴクリ

オジマンディアス「貴様らが目指しているであろうエルサレムの残骸、絶望の聖都に座している!通り名を獅子王、純白の獅子王と謳ってなぁ!」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

マシュ「嵐の様な展開でしたね……」

ぐだ子「疲れたね……」

ダ・ヴィンチちゃん「まさか一戦交えた後に豪華な食事を振る舞ってくれるだなんてね」

ネロ「そのあとに"では帰れ"と追い出されだがな!」プンスコ

カエサル「取り敢えず、話を纏めよう」

マシュ「はい、オジマンディアス王の話ではまずは聖都を目指せとのことです」

カエサル「協定を結ぶには覚悟も矜持も足りぬと来たか……」

ネロ「つくづく上からで気にくわぬ奴だ!」

ダ・ヴィンチちゃん「次に会うときは戦いは避けられないね」

カエサル「気が乗らんな……」

ぐだ子「追放された身としては大人しく去るしかないよね」

マシュ「もっと建築の事とか色々聞きたかったのですが……。オジマンディアス王がとってもせっかちで」

ニトクリス「なんの不満があるというのですか!王は貴方たちに貴重な食糧も水も分け与えたというのに!」

ぐだ子「ねぇねぇ、おこなの?」

ニトクリス「おこですよ!」

マシュ「い、いえ!女王ニトクリス、それは大変感謝しています!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

オジマンディアス『エジプト領を出るまでに野垂れ死にされては余の面子が立たぬ』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

マシュ「そういって大量に物資を分けていだきましたし」




40:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/17(水) 21:18:17.49 ID:+36vrjWxO



ダ・ヴィンチちゃん「うんうん、気前よく神殿の資材も分けてくれたしね」

ニトクリス「あの方は無慈悲ですが、勇気ある者には寛大です。それに、王も貴方たちを気に入ったのでしょう」

ぐだ子「え」

ニトクリス「ですが、それも一度きり……次に会うときが貴方がたの死の運命です。お忘れのないように」

マシュ「ご忠告、ありがとうございます」

ニトクリス「では、私もこれで……」

ぐだ子「行っちゃったね」

マシュ「えぇ、スフィンクスに乗って」

ダ・ヴィンチちゃん「いいなー!私もスフィンクス乗りたいなー」ガタンガタン!

マシュ「あの、ダ・ヴィンチちゃん?」

ぐだ子「なんかうるさい」

ダ・ヴィンチちゃん「フフフ、よくぞ聞いてくれた!今回は長旅になると思ってね、オジマンディアス王から木材を分けて貰いスパさんとカリギュラ公に手伝って貰ってこいつを作ったのさ!」

マシュ「通りで静かな訳でした」

ダ・ヴィンチちゃん「じゃーん!砂漠移動用車なんか作ってみましたー!はーい、拍手ー」

ぐだ子「わっほい!」

ダ・ヴィンチちゃん「名付けて【万能車輌オーニソプター・スピンクス】!」

フォウ「フォウ!フォーーーーウッッッッッ!!(特別意訳:ダ・ヴィンチちゃんってバカだよねーー!)」

マシュ「これはまさしくオーパーツです!先輩!」

ぐだ子「すげぇ!ダ・ヴィンチちゃんすげぇ!」




41:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/17(水) 21:26:49.47 ID:+36vrjWxO



ダ・ヴィンチちゃん「一応、この世界の技術の枠にぎりぎり押し込めたから!全部木組みだけど、ちゃんと動くよ?」

ネロ「おぉ!これは素晴らしい!して、エネルギー源は?スパPエンジンか?」

マシュ「なんですか、そのスパルタクスさんが過労死しそうなエネルギーは……」

ネロ「何をいう。アッセイを動力源に動く次世代エコエネルギーではないか!」

ダ・ヴィンチちゃん「安心したまえ。エネルギーは魔力だよ」

マシュ「なんということでしょうか!ダ・ヴィンチちゃん、免許は必要なのでしょうか!」

ダ・ヴィンチちゃん「自転車みたいなものだからね、必要ないよ。そのかわり60kmくらいしか出ないけどね」

ネロ「余が運転するぞ!騎乗スキルも持っているからな!」フン

マシュ「それなら私だって持ってますよ!」

カエサル「誰でもよいではないか……」

ロムルス「ふむ……これもまたローマか」

カリギュラ「運転……ネロ……あぁ」

ネロ「マスター!」
マシュ「先輩!」

ぐだ子「……順番で」ウズウズ

ダ・ヴィンチちゃん「ぐだ子ちゃんも運転したいんだね」




42:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/17(水) 21:41:02.56 ID:RwQQ9gc4O



マシュ「では僭越ながら!運転させていただきます!」

ダ・ヴィンチちゃん「うんうん!これで肉体労働ともおさらば。目指すは東へ100キロの彼方!砂漠を越えた先だ!」

マシュ「ラジャー!」

フォウ君「フォウ!」

ネロ「おー!」

ぐだ子「いぇーい!」

スパルタクス「アッセイ!!」

カエサル「やれやれ」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

マシュ「砂嵐を抜けました!視界良好、バギーも問題なし。いかがですか、先輩!」

ぐだ子「ひゃっほー!もっと飛ばせー!」

マシュ「了解です!」

ネロ「う、後が狭いぞ」ムギュ

カエサル「ふむ、やや窮屈であるな」

ネロ「偉大なるカエサルのお腹が余を押しておるぅ!」

カリギュラ「DEEEEEEBUUUUUUU!!」

スパルタクス「あぁ、闘技場を思い出すな」

ネロ「なぜ余の周りにはこうもデカいのが多いのだ!!」

ロムルス「ネロよ、こちらに来るか」

ネロ「神祖ロムルス……良いのか?」

ロムルス「よい、我が愛しき子、ネロよ」

ネロ「♪」

ダ・ヴィンチちゃん「ぐだ子ちゃん、疲れてない?ジュース飲む?それともマッサージ?」

ぐだ子「至れり尽くせり」

ダ・ヴィンチちゃん「私は究極のお節介、お世話焼きだからね!」




43:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/17(水) 21:52:55.58 ID:RwQQ9gc4O



ダ・ヴィンチちゃん「そろそろ通信も回復するかな」

ぐだ子「ロマン大丈夫かな……。心配してるよね」

ダ・ヴィンチちゃん「そりゃもちろん。でもね、本音を言えば良かったとも思ってるよ」

ぐだ子「なんで?」

ダ・ヴィンチちゃん「ここ最近、彼は無理をし過ぎているからね」

ぐだ子「……」

ダ・ヴィンチちゃん「知っての通り、彼は凡人だ。天才でもなんでもない。だから時間と体力を犠牲にして頑張っているんだよ……」

ぐだ子「……なんとなく知ってた」

ダ・ヴィンチちゃん「今のカルデアはロマニがいないと回らない……。様々な仕事を彼は凡人なりに頑張っているんだよ」

ぐだ子「……でも」

ダ・ヴィンチちゃん「確かに……カルデアの実験に関してはロマニも加害者だ。怒ったりするのも当然だ」

ぐだ子「……」

ダ・ヴィンチちゃん「凡人は天才の真似事をすべきではないんだよ……」

マシュ「飛びます、マスター!」

ガタッ!ガタンッッッッッ!!

キィィィ

カエサル「ふぅ……これは酷いな……」

マシュ「……砂漠を抜けましたが……ここは」




44:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/17(水) 22:04:35.12 ID:RwQQ9gc4O



ダ・ヴィンチちゃん「予想通り……しかし、ここまで酷いとは。人が住める環境ではないよ」

ぐだ子「予想通りって?」

ダ・ヴィンチちゃん「これが魔術王の仕事さ。結論だけを言うとこの大地は燃え尽きる。オジマンディアス王が聖杯を使わない理由がそれさ」

マシュ「つまり……」

ダ・ヴィンチちゃん「聖杯を使うまでもなく滅びるということさ」

マシュ「いったいこの時代に何が……」

カエサル「話もいいが囲まれているぞ」

ロムルス「ふむ、敵か」

???「飯だ……女だ……」

???「ありがてぇ、ありがてぇ!」

マシュ「なんということでしょう!彼らは人間です!魔獣でもサーヴァントでもありません!」

ダ・ヴィンチちゃん「ぐだ子ちゃん、マシュ……手加減もいいけど今回ばかりは考えてくれ」

ぐだ子「それって」

ダ・ヴィンチちゃん「彼らは半ば屍鬼化している。もう他者を傷つけることだけしか出来ない存在になってしまっているんだ」

マシュ「……くっ」

ダ・ヴィンチちゃん「ここはそういう時代なんだ……剣をとり、今こそ童貞を捨てなさい」

ぐだ子「……女なんだけど」

ダ・ヴィンチちゃん「……」

ぐだ子「……」

ダ・ヴィンチちゃん「処女を捨てなさい」

ぐだ子「はい」




45:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/17(水) 22:15:23.31 ID:RwQQ9gc4O



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

マシュ「戦闘終了です、マスター……」

ネロ「手加減とは案外難しいものだな」

カリギュラ「殺さない……殺さない……」

ダ・ヴィンチちゃん「いやはや、流石だね。この状況下でも死人はいないよ。悶絶してるのは多数おるけどね」

ぐだ子「偶然です」

ダ・ヴィンチちゃん「いや、いいんだ。それが君の在り方なんだからね。さて、仲間を呼ばれる前に逃げるとするか」

ぐだ子「……食糧、たくさんあったよね?」

ダ・ヴィンチちゃん「だそうだ諸君。私は反対だがどうするかね」

マシュ「私は賛成です!」

ネロ「余はマスターに任せる」

カエサル「私も任せる」

カリギュラ「ぅぅぅぅぅ」

ロムルス「許す」

スパルタクス「全ての者に、等しく愛を」

マシュ「賛成多数です!」

ダ・ヴィンチちゃん「やれやれ。まぁ、ほんの一瞬でも彼らの心に潤いを与えるとするか……。聞きたまえ!ここに食糧と水を置いておく。少しばかりの蘇生だ。すぐ忘れてしまうかもしれないけどね」

???「うぉぉぉぉぉ!よこせ!」

???「それは俺のだ!」

ダ・ヴィンチちゃん「……行こうか」

ぐだ子「はい!」




46:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/17(水) 22:25:46.94 ID:RwQQ9gc4O



???「……待て」

ダ・ヴィンチちゃん「なんだい?」

???「お前たちは東へ行くのか。…まさか聖都へ?」

ダ・ヴィンチちゃん「そうだよ。その聖都へさ。ここで唯一の都市なんだろ?」

???「あそこには十字軍を滅ぼした偉大なる獅子王がいる」

ダ・ヴィンチちゃん(ふーむ、オジマンディアスの言うとおり、本当に獅子王とやらがいるのか……。それならそれでさらにわけがわからなくなるぞ)

???「気を付けろ……壁に近づけば死ぬぞ。死にたくなかったら砂漠に逃げろ……」

マシュ「……助言、ありがとうございます!」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ロマン『あ、やっと繋がった!大丈夫だったかい!?』

ぐだ子「大丈夫だったよ!」

ロマン『……はぁ、よかった……』

マシュ「これでこそDr.ロマンですね!」

ロマン『丸二日も支援が出来なくて大変だったろ……取り敢えず、状況を教えてくれないか?』

マシュ「はい、これまでのことを説明します」




47:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/17(水) 22:42:05.90 ID:AUQ9tih/O



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ロマン『そうか……そんなことが……。通りで通信が上手くいかないはずだ。今後エジプトは鬼門だね』

マシュ「はい」

ロマン『それにしてもオジマンディアス王か……今回もめんどくさそうだね』

ぐだ子「色々ヤヴァかった」

ロマン『うん、お疲れ様。でも今回は中々頼りになる味方がいそうだね。オジマンディアス王は確かに獅子王って言ったんだね?』

マシュ「そうです」

ロマン『ならそれは間違いなく獅子心王、リチャード一世だ。彼がいれば太陽王もどうにかなる』

ぐだ子「へぇ」

ロマン『君たちは十字軍に合流して
上手くリチャード一世と……って、なんだいその顔は』

ぐだ子「……」プルプル

ロマン『なんで笑いを堪えてるんだいぐだ子ちゃーん!?ボク、おかしなこといってるかなー?』

ダ・ヴィンチちゃん「ははは、ではここからはダ・ヴィンチが代わろう。ロマン、予想外のアクシデントを聞きたがっていたね。なら喜びたまえ。十字軍は既に壊滅しているよ」

ロマン『な、なんだってー!?……もう一度言おう。な、なんだってー!?』

ぐだ子「ねぇ、マシュ。リチャード一世って誰?」

マシュ「英国王、リチャード一世。第三回十字軍で勇名を馳せた獅子心王です。その勇猛さからライオンハーテッドとも呼ばれ敵将からも最高の騎士と讃えられた人物です」

ぐだ子「流石は私のマシュ、物知り」ナデリナデリ

マシュ「あ、ありがとうございます///」

ネロ「マスター!余も撫でるがよい♪」

ぐだ子「よしきた!」ナデリナデリ

ネロ「♪」ムフゥ







48:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/17(水) 23:17:07.64 ID:AUQ9tih/O



ロマン『取り敢えずカルデアからデータを送るよ。特異点の地図だけど、いいかい?そこには大きな都市がある。間違いなく十字軍が占領した街だ。……でも、十字軍が壊滅したとなるとそこには誰がいるんだい?』

ダ・ヴィンチちゃん「うーん、それはやっぱり確認しないとわからないかなー」

ロマン『さて、どうするべき━━━まって、前方500mほど先に強力なサーヴァントの反応だ。気を付けて』

マシュ「止めます!マスター、どうしますか?」

ぐだ子「取り敢えず静かに近づいて様子見しよう」

カエサル「やれやれ、嫌な予感がするぞ」

ぐだ子「二手に別れよう。バギー待機組と斥候組!」

カエサル「私とカリギュラとネロは残ろう」

マシュ「できればスパルタクスさんにも残って欲しいのですが」

ネロ「行く気満々だぞ」

スパルタクス「愛なき刃は哀しきなり!」

ぐだ子「取り敢えず行こうか。スパさん、姿勢低くして」





50:気を付けます 2016/08/18(木) 13:26:47.40 ID:76Kahix6O


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ウワァァァァァァ!!

ダ・ヴィンチちゃん「止まるんだ!」

ぐだ子「!」ビクッ

ダ・ヴィンチちゃん「そこに隠れて!まだ向こうには気づかれてないうちに」

マシュ「わかりました」

……………………………………………………

トリスタン「あぁ、私は悲しい……人の命とはこうも容易く散ってしまうのですね」ザクッ

男性「助けてく」ドサッ

トリスタン「さて、粛清も終わりました。帰りましょう……」


………………………………………………………

マシュ「こんな……酷い……」

ダ・ヴィンチちゃん「しっ!動いてはダメだ。今行けば確実に殺される……」

スパルタクス「おぉ、なんたることだ……」

ぐだ子「……スパさん?」

スパルタクス「か弱きものが成すすべもなく力尽きる……このような圧制、許してはならない!」

ダ・ヴィンチちゃん「皆の所に戻ろう……」

ぐだ子「待って……。せめて彼らを埋葬してあげようよ」

マシュ「はい、先輩に賛成です……」

ダ・ヴィンチちゃん「わかった。でも手早くね」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

カエサル「なるほどな……。取り敢えずマスターが無事で何よりだ」

ロムルス「……」

マシュ「あんなにも簡単に人を殺せるなんて……間違っています」

カエサル「この先、いずれ会いまみえるだろうな」

ロマン『それにしても彼の力は異質だった。本当に何もなくてよかったよ』

ダ・ヴィンチちゃん「何にしても聖都に向かおう。話しはそれからだ」




51:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/18(木) 13:42:53.80 ID:76Kahix6O



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ダ・ヴィンチ「見えてきたよ」

ぐだ子「あれが……聖都」

マシュ「門の外、外縁部に沢山の人がいます」

ダ・ヴィンチちゃん「きっと難民だろう」

ぐだ子「話を聞いてみよう」

ダ・ヴィンチちゃん「そうだね。まずは情報収集といこうか。目立ちそうだしオーニソプターは畳んでおくね」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

マシュ「先輩!」

ぐだ子「マシュ、どうだった?」

マシュ「彼らはセイバツの儀を待っているようです」

ロマン『なるほど……獅子王に謁見するためにはまずは聖都に入る必要があるね。ぐだ子ちゃんたちもちょうどいいからお邪魔しちゃおう』

ぐだ子「そうだね」

ロムルス「……風が」

ネロ「どうした、神祖ロムルス」

ロムルス「いや、なんでもない……」

ネロ「そうか!では余は夜営の準備を手伝ってくるぞ!」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ロマン『何か動きがあるみたいだ。取り敢えずマントで顔を隠してなるべく気づかれないようにね』

ネロ「余はこの赤い外套がよいのだが」

ダ・ヴィンチちゃん「隠れるという案に真っ向からぶつかる格好だね」

ネロ「そうであろう♪そうであろう♪」

ぐだ子「誉めてないから」

マシュ「スパルタクスさん、しっかり被ってください」

ぐだ子「……すごく、目立ちます」





52:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/18(木) 13:58:57.95 ID:76Kahix6O



マシュ「暗闇に紛れて取り敢えず潜入成功です。正門からはかなり遠いですね」

ロマン『気づいてると思うけど、君たちの周りを高濃度の魔力が囲っているよ』

ダ・ヴィンチちゃん「聖都から出てきた騎士みたいだけど」

マシュ「難民たちを守るようにたっていますね」

パーッ
ぐだ子「……あれ、寝てた!?」

マシュ「いえ先輩。急に昼になりました!」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ザワザワ

ガウェイン「落ち着きなさい。これは獅子王が与えたもうた我が"祝福"です」

マシュ「先輩、騎士が現れました」

男「おぉ、ガウェイン卿だ!」
女「これで聖都に入れる!」

ロマン『始まったのかい?ものすごいサーヴァント反応が出ているけど』

ダ・ヴィンチちゃん「……考えうる限り最悪の展開だ。皆、いますぐ逃げるぞ!」

ロマン『レオナルド、どうした』

ダ・ヴィンチちゃん「いいから急いで!今ならまだ間に合うから。何が聖抜だ!」

ガウェイン「滅び行く世界のなかで、このキャメロットのみが永久に輝き続けます。私たちはあらゆる者たちを受け入れる」

難民たち「やった!噂は本当だったんだ!」

ガウェイン「ですが、その前に我が王の赦しを得てからですが」

難民たち「正門の上に誰かいるぞ!」

???「最果てに導かれるものは限られている。故に私は無垢なるものだけを選び取る……光よ」






53:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/18(木) 14:08:44.90 ID:76Kahix6O



マシュ「数名が光だしました……」

ガウェイン「その者たちを中へ。残りの者たちには慈悲を」

少年「おかあさん?」

母親「そんな!この子も一緒に!」

ガウェイン「なりません」

粛清騎士「………」チャキ

マシュ「まさか!?」

難民たち「おい、待ってくれ……うわ、何を!?」ザクッ

カエサル「これは……あまりにも惨い」

ダ・ヴィンチちゃん「我々も危険だね」

マシュ「許せません!マシュ・キリエライト、突撃します!」

ダ・ヴィンチちゃん「マシュ!」

ぐだ子「……突撃するしかなくなった」

カエサル「やれやれ……仕方ない」

ネロ「余に任せるがよい」

カリギュラ「殺す……生け贄……」

スパルタクス「今こそ反逆の時!」

ダ・ヴィンチちゃん「あーもう!まったく!」





54:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/18(木) 23:11:57.65 ID:ygKv27NeO



ガウェイン「おや、何者ですか」

ネロ「なに、貴様程度に名乗るほどでもない」

ガウェイン「そうですか。それは残念です……」

ネロ「あの者どもを止めねばそなたの首が舞うことになるぞ」

ガウェイン「面白い冗談ですね」

ネロ「冗談だと思うか?」

ガウェイン「貴女には無理ですよ」

ネロ「では試してみるがいい」

ガウェイン「私も自分の職務を全うしましょう。貴女を粛清させていただきます」


………………………………………………………

マシュ「はぁ!」

ぐだ子「マシュ!さっきの子供は?」

マシュ「私の後ろに!」

ぐだ子「よっこいせっと……。マシュ、撤退!」

マシュ「はい!」

粛清騎士「……」

カエサル「やれやれ、きりがないな」

スパルタクス「我が愛を受け取りたまえ!」ガシャン

ぐだ子「一点突破!待避!」

ロムルス「マグヌス!」





55:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/18(木) 23:34:42.59 ID:ygKv27NeO




ぐだ子「走って!」

ガウェイン「させませんよ」ブンッ

マシュ「先輩!」ガキンッ

ぐだ子「マシュ、ありがとう!」

ガウェイン「貴女たちはここで死ぬのです」

マシュ「うぐっ……」

ぐだ子「あれ、ネロは!?」

ガウェイン「彼女なら粛正しましたよ。門を汚した罪は、貴方たちの命で償っていただきます」

ぐだ子「なっ!?」

ガウェイン「次は貴女方だ」

ロマン『ダメだ!円卓の騎士ガウェインは日中は無敵といっていい!勝てないぞ』

???『━━剣を摂れ、銀色の腕!』カッ!!

ガウェイン「なっ!?」

ぐだ子「うわっ!?」

ルキウス「私が血路を開きます!撤退しましょう!」

ガウェイン「━━何故、何故貴方がここに!?」

ルキウス「外道に落ちたな、サー・ガウェイン!」

ガウェイン「くっ!逃がしません!」

ネロ「我が才を見よ! 万雷の喝采を聞け! しかして讃えよ! 黄金の劇場を!」

ぐだ子「ネロ!」

ネロ『童女謳う華の帝政!』

ガウェイン「まだ生きていたのですか!」

ネロ「余は、例え三度落陽を迎えたとしても倒れぬわ」ハァハァ




56:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/18(木) 23:54:44.82 ID:ygKv27NeO



ダ・ヴィンチちゃん「目を塞ぎたまえ!」
カッッッッッッ!!

ぐだ子「なにこれ!?」

ダ・ヴィンチちゃん「こっちだ!」グイッ

マシュ「ルキウスさんもこちらへ!」

ルキウス「え!?は、はい!」

ガウェイン「待ちなさい!ベディヴィエール!」

ぐだ子「……え?」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ダ・ヴィンチちゃん「危ない所だった……」

ルキウス「何とか逃げ切れましたね」

ロマン『二ヶ所から難民たちは脱出したみたいだ。全員とはいかなかったけどね』

ぐだ子「あの、名前……」

ダ・ヴィンチちゃん「えーっと、ベディヴィエール卿でいいのかな?」

ベディヴィエール「……はい。私は円卓の騎士の一人、ベディヴィエールです」

カエサル「我々に偽名を使うのだからやはり訳ありだったのだろう」

ベディヴィエール「騙すような真似をしてすみません」

ダ・ヴィンチちゃん「突然身分を明かすなんて出来ないからね。仕方ないさ」

マシュ「当面のことなんですが……。ネロさんの怪我が思っていた以上に酷いので治療をしたいのですが」

ベディヴィエール「それならば北の山岳地帯にいる山の民を頼ろうと思います」

マシュ「山の民……ですか」

ベディヴィエール「えぇ、我らも今や聖騎士に追われる身。なんとか匿って頂こうと考えています……。難民の方たちならば何とか取り持って貰えると思うのですが」

カエサル「ならば私が難民たちと交渉を謀ろう。何、道中の安全をちらつかせればどうとでもなろう」

ぐだ子「流石ははデブ。汚い」

カエサル「デブではない。ふくよかと呼べ」




57:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/19(金) 13:32:58.85 ID:FAzXAPvYO



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

カエサル「交渉は万事、上手く行ったぞ」

マシュ「こういうとき、カエサルさんはとても頼りになります」

ベディヴィエール「それでは……」

カエサル「うむ。北の山脈へ進路をとるとしよう」

ダ・ヴィンチちゃん「そうと決まればさっさと移動だ。彼らは徒歩な上に疲労困憊と来ている。追撃隊が来る前に少しでも距離を稼ごう」

マシュ「はい!」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ベディヴィエール「だいぶ移動して来ましたね。もう一方に逃げた人たちは無事でしょうか……」

マシュ「そうだといいのですけれど」

ロマン『突然だけど悪い知らせだ。後方からサーヴァント反応が高速で接近中。複数の魔力もあるからきっと粛正騎士と円卓の騎士だ!』

ぐだ子「どどどどうしよう」

ベディヴィエール「また私が輝ける腕で応戦して時間を稼ぎましょう」

ダ・ヴィンチちゃん「それはダメだ。それを使う度に君の身体には相当の負担が掛かっているはずだ」

ベディヴィエール「ですが他に方法が!」

ダ・ヴィンチちゃん「この天才に任せたまえよ。オーニソプターを改造して……。即席の移動式爆弾に早変わり!」

ぐだ子「おぉ!それを使って時間稼ぎをするんだね」




58:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/19(金) 13:43:44.50 ID:FAzXAPvYO



ダ・ヴィンチちゃん「さ、時間がないから先に行きたまえ」

ぐだ子「え?ダ・ヴィンチちゃんは?」

ダ・ヴィンチちゃん「私はこれを操縦しなくちゃいけないから残るよ」

マシュ「遠隔操作をすればよいのでは?」

ダ・ヴィンチちゃん「無理無理。時間があるならともかく、即席にそんなものはないよ。それに私の魔力を暴走させて爆発を起こさせるんだから私がいなきゃね」

ロマン『なにをいってるんだレオナルド!』

ダ・ヴィンチちゃん「なに、これも人理救済のためだ。まぁ、このために私がいたようなものだからね!ささ、早くいきなさい!」

ぐだ子「ダ・ヴィンチちゃん!」

ロマン『……あっそ。好きにしなよ』

マシュ「ドクター!」

ロマン『どうせ言ったって聞きやしないんだから。好きにすればいいさ』

マシュ「……」

ダ・ヴィンチちゃん「うん、そうさせて貰うよ。……ぐだ子ちゃん、後は頼んだよ」

ぐだ子「……ダメ」ギュッ

ダ・ヴィンチちゃん「時間がないんだ!離したまえ!」

ぐだ子「ダメ!!誰にも死んで欲しくないの!」

ダ・ヴィンチちゃん「なに、英霊なんてものは既に死んでいるものだ。いまさら気にすることでもない」

ぐだ子「それでも!」

ダ・ヴィンチちゃん「いい加減にしなさい!!」

ぐだ子「」ビクッ

ダ・ヴィンチちゃん「いいかい。君たちがこんな所で死んでしまったら、世界は誰が救うんだい?私たちはね、君に希望を託しているんだ」

ぐだ子「……」

ダ・ヴィンチちゃん「お願い、ぐだ子ちゃん」

ぐだ子「……させない」

ロマン『ぐだ子ちゃん!レオナルドの意思を無駄にしては』

ぐだ子「私は闘えない!戦力になんてならない!……でも、仲間を見捨てることなんてもっとできない!」

ダ・ヴィンチちゃん「ぐだ子ちゃん……」





59:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/19(金) 13:58:34.66 ID:FAzXAPvYO



ぐだ子「ローマ!!皆を守るために力を貸して!」

ロムルス「その言葉を待っていた。……万人はローマである。ならば、守護者として私は全てのローマを守ろう」

ぐだ子「お願い!!」

ロムルス「ゆくぞ!…すべて、すべて、我が槍にこそ通ず━━」

ダ・ヴィンチちゃん「まさか!?」

ロムルス『すべては我が槍に通ず!!』カッ!!!

ゴゴゴゴゴゴッッッッッ

ロマン『何もない荒野に樹海が!?』

マシュ「後方に広がっていきます!」

ダ・ヴィンチちゃん「なんてこった……」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

粛正騎士「隊長!前方に突然樹海が!こちらにきます!」

ランスロット「くっ、止まれ!後退しろ!」

粛正騎士「はっ!」

ランスロット「あと少しで追い付く所だったのだがな……。してやられた」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ぐだ子「よしっ!逃げよう!」

ダ・ヴィンチちゃん「ぐだ子ちゃん……君って奴は……」

ぐだ子「絶対に……いなくなっちゃダメ。ダ・ヴィンチちゃんを犠牲に助かっても、私嬉しくない」ギュッ

ダ・ヴィンチちゃん「……うん、ごめんよ」ナデリナデリ

ベディヴィエール「皆さん、大丈夫ですか━━って、なんですかこの樹海は……!?」

マシュ「ロムルスさんの宝具です。これで時間を稼いでいるうちに逃げましょう!」

ダ・ヴィンチちゃん「よし、遅れた分は全速力だ!オーニソプターに乗り込みたまえ!」

ロマン『レオナルド……』

ダ・ヴィンチちゃん「私が間違っていたのかな。自己犠牲は必ずしも人のためになるとは限らないものなんだね」

ロマン『でも少なくとも、さっきの君の選択は間違ってはいなかったよ』

ダ・ヴィンチちゃん「ロムルスもありがとう。おかげで助かった」

ロムルス「礼など不要だ。ローマとは守るべきものである」

ダ・ヴィンチちゃん「そうだね!ローマ最高!!」








60:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/19(金) 17:43:30.70 ID:wXxYGzy1O



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ベディヴィエール「ここからは険しい山道を登ることになりますね」

ダ・ヴィンチちゃん「あぁ、スピンクスとはここでお別れか……勿体ない」

マシュ「仕方ありません。山道を登ることは難しいと思います」

ダ・ヴィンチちゃん「先に行っててくれ。私はスピンクスを解体してから進むことにするよ」

ぐだ子「なんで解体しちゃうの?」

ダ・ヴィンチちゃん「こんなものがあったら敵に居場所がバレてしまうからね……やれやれ、面倒くさい」

ぐだ子「スパさん、あれぶっ壊して!」

スパルタクス「さぁ、勇者よ。剣をとれ。私と共に圧制者を抱擁しようではないか」バキッグシャグシャ

ダ・ヴィンチちゃん「うわぁぁぁぁぁ!!?私のスピンクスがぁぁぁぁ!?」

ぐだ子「解体の手間が省けた」

スパルタクス「あぁ、我らは無力なり……」

ダ・ヴィンチちゃん「ありがとう、スパさんとぐだ子ちゃん……」シクシク

マシュ「なんというか……ご愁傷様です」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

マシュ「魔獣の群れを退けました」

カエサル「運動のし過ぎで腹が減るな」

ダ・ヴィンチちゃん「我慢してくれ。流石の私も食糧だけはどうしようもないからね」

ベディヴィエール「難民の方たちもろくに食べていませんからね」

ダ・ヴィンチちゃん「オジマンディアス王からわけて貰ったとはいえ限りがあるからね。やりくりしてきたけどそれももう限界だ」

ベディヴィエール「仕方ありませんね」チャキ

マシュ「ベディヴィエール卿?」

ベディヴィエール「食べましょう……魔物を」

マシュ「え!?」

ベディヴィエール「任せてください。目利きは出来ます」

マシュ「いえ!そういう話ではなくて!━━行ってしまいました」





61:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/19(金) 18:09:43.35 ID:wXxYGzy1O


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

カエサル「ふむ、味と見た目と香りにさえ目を塞げば食べれなくもないな」

ぐだ子「不味い」

マシュ「うっ……なんかドロッとしたものが口に広がります」

ダ・ヴィンチちゃん「ところでネロ公の様子はどうだい?」

カリギュラ「ネロは、寝ている……。あまり……良くはない」

マシュ「一刻も早くカルデアからの支援を受けてネロさんの治療をしたいのですが……」

ベディヴィエール「彼らの話ではもう少しで山の民の集落につくようです」

ダ・ヴィンチちゃん「ともかく先を急がなければ」

マシュ「はい」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


難民「ここの辺りのはずなんだが……」

???「止まれ!……異邦の者たちよ、聖騎士を連れて何をしに参った!!返答によっては容赦はしない!」

ぐだ子「異邦の者って」

マシュ「私たちのことですね」

難民「私たちは聖都から逃げてきた者だ!見ての通り怪我人や子供もいる!どうか助けてくれないか!……虫のいい話だとはわかっている」

スーッ
呪腕「その気持ちがあるならば私は何もいわぬ。村の者は寛大だ。汝らを受け入れよう」

マシュ「やりましたね先輩!」

呪腕「だが貴様らは別だ!異邦の者よ、貴様らには死んで貰う!私には村を守る義務がある」

マシュ「待ってください!私たちは聖騎士とは関係ありません!去れと言われれば大人しく去ります!」

ぐだ子「え!?」

呪腕「ならん!その足で聖騎士どものところに駆け込まれてはたまらんからな!」

マシュ「どうしましょう先輩……」

呪腕「貴様らが果てるか!この呪腕のハサンが果てるか!いざ勝負!」




62:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/19(金) 18:21:58.26 ID:wXxYGzy1O



カエサル「話を聞かないのでは仕方あるまい」

ぐだ子「マシュ、峰打ちでいこう」

マシュ「はい、マスター」

少年「待って!」

呪腕「お前は、ルシュド!?」

ルシュド「お姉ちゃんたちは僕たちをここまで守ってきてくれたんだよ!お願い!お姉ちゃんたちをいじめないで!」

呪腕「……ぐっ、しかし」

???「俺もそいつらは敵にみえないぜ、呪腕殿」

呪腕「アーラシュ殿まで……」

アーラシュ「俺は人を見る目があるつもりなんだが……。なに、敵だったならばさっさと射殺してしまえばいいだろ」

呪腕「ぬぅ……」

ぐだ子「ぐだ子です!私たちを信じてください!!あと射殺さないで!!」

呪腕「……その名、限りなく真名に近いな。聖騎士にはいない名だ」

マシュ「それでは!」

呪腕「……アーラシュ殿、村への案内を頼む」

アーラシュ「承った。……そういえば呪腕殿、確か聖都の門で民を助けた者に感謝の抱擁をせねばとか言ってなかったか?」

スパルタクス「抱擁とな?」

マシュ「呼んでいませんよ」

呪腕「ぐぬぅ……このハサン、半年に一回の失言よ……」

ロマン『なんか割りとうっかりサーヴァントなんだね』

呪腕「だぁぁぁぁまらっしゃぃ!!声だけの臆病者めが!」

ロマン『うわぁぁぁぁ!!?ごめんなさいぃぃぃぃ!』

アーラシュ「ハハハハ!ついてきな!」




63:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/19(金) 21:06:23.62 ID:t4shKjVVO



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マシュ「凄いです先輩!立派な村があります!」

ベディヴィエール「これほどの規模とは……」

ダ・ヴィンチちゃん「よく今まで見つからなかったね」

アーラシュ「それはそれ。昔からの知恵とか色々な」

マシュ「世界には不思議がいっぱいですね!」

アーラシュ「着いて早々疲れているところで悪いが、少しばかり狩りに付き合ってくれないか?色々と安全を確保するのに苦労してるんだ」

ベディヴィエール「わかりました」

アーラシュ「騎士の兄さんは休んでな。もうボロボロなんだろ?なんとなくわかるんだよ」

ぐだ子「ベディは休んでて」

ベディヴィエール「ベディ!?あ、いえ。わかりました」

ロムルス「ローマも赴こう」

アーラシュ「よっしゃ、ならいくぜ。道中あんたらのことを色々教えて貰えると助かるんだが」

ロマン『任せて!』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

アーラシュ「今日はこれで終わりだな」

マシュ「お疲れ様です」

アーラシュ「村に着いたら早速サークルとやらを設置するといい。霊脈なら確かだ」

マシュ「勝手にやって怒られませんかね?」

アーラシュ「なに、呪腕殿も内心認めているから大丈夫だろう……たぶん」

ぐだ子「意外と適当なのね」

マシュ「それなら早速設置してきます!」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ダ・ヴィンチちゃん「物資到着確認。あー、今回はめんどくさいからダ・ヴィンチちゃんコーナーは省略するよー」

マシュ「これでネロさんの治療ができますね」

カリギュラ「ネロ……」





64:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/19(金) 21:33:32.97 ID:t4shKjVVO



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

マシュ「一週間経ちましたね」

ぐだ子「毎日忙しいね」

ベディヴィエール「少しよろしいでしょうか」

マシュ「なんでしょうか?」

ベディヴィエール「……マシュさんはどの様なサーヴァントなのでしょうか。普通のサーヴァントとは異なると思うのですが」

マシュ「……」チラッ

ぐだ子「……」コクッ

マシュ「私は……サーヴァントと人間の融合したデミ・サーヴァント、です」

ベディヴィエール「なるほど……。となると貴女のその合体している人物の真名についてなのですが……」

マシュ「!」

ぐだ子「なにか知ってるの?」

ベディヴィエール「あ、これ知らないやつでしたか」

マシュ「教えてくださるんですか!?」

ベディヴィエール「えーっと……」

ぐだ子「もったいぶらず教えてよベディ」

ベディヴィエール「えー……では、ヒントだけ」

マシュ「!」ワクワク

ベディヴィエール「貴女に力を貸している人物は、我ら円卓の中でもとても重要な人物です」

マシュ「円卓の……騎士?」

ぐだ子「マシュが騎士!」

マシュ「私が……騎士、ですか」

ぐだ子「マシュが私のナイト様だった件」

マシュ「先輩が私の守るべきお姫さまなんですね!」

ベディヴィエール「あの……いいですか?」

マシュ「あ、すみません!トリップしてました」

ぐだ子「マシュー!」ギュッ



65:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/19(金) 21:48:46.38 ID:t4shKjVVO



ベディヴィエール「ここからが本題なのですが」

マシュ「はい!」

ベディヴィエール「私は明日、ハサン殿に共に獅子王たちと戦ってくれるように頼むつもりです」

マシュ「はい!」

ベディヴィエール「しかし、人理の守り手である貴女たちが獅子王に立ち向かう必要はないわけです」

マシュ「はい!」

ベディヴィエール「あの、聞いてます?」

マシュ「聞いてますよ?」

ベディヴィエール「……」

ぐだ子「ベディが何を言いたいのかわかるよ」

ベディヴィエール「では……」

ぐだ子「でも獅子王は気に入らないからボコる。オジマンディアスも気に入らないからボコる。これだけは今回の旅で確定してるから」

ベディヴィエール「えー……」

マシュ「私は先輩の方針に従います」

ぐだ子「旅は道連れでしょベディ」

ベディヴィエール「え?」

ぐだ子「もうここまで一緒に過ごしたら私たちは仲間だよ」

ベディヴィエール「……」ポカーン

ぐだ子「ベディ?」

ベディヴィエール「……フフフ」

ぐだ子「え、急にどうしたの」

ベディヴィエール「失礼しました……。いえ、とても頼りになるお言葉を聞けて嬉しく思います。レディ・マシュ、レディ・ぐだ子。私と共に戦って頂けますか?」

ぐだ子「もちろん!」

マシュ「当然です」

ベディヴィエール「ありがとうございます。それでは、ゆっくり休んでください」

ぐだ子「おやすみー」

マシュ「おやすみなさい」

ぐだ子「……マシュ、一緒に寝ようか」

マシュ「……えっと、先輩?」

ぐだ子「今夜は寝かせないぜ」ボソッ

マシュ「///」




66:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/19(金) 22:08:13.18 ID:baH5QGTJO

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

呪腕「我らと共闘……?」

ベディヴィエール「獅子王を討つためにどうか力を貸して頂けないでしょうか」

呪腕「断ると言ったら?」

ぐだ子「諦める」

ベディヴィエール「え!?」

ロマン『ぐだ子ちゃん!?』

呪腕「なんと!?」

アーラシュ「おいおい、諦めるのが早すぎるんじゃねぇか?」

ぐだ子「だってハサンはこの村を守らなきゃいけないし、アーラシュも同じ。村を危険にさらすくらいなら私たちだけでどうにかした方がいいでしょ」

呪腕「いや、確かにそうなのだが……」

ぐだ子「是非もないよね!」

呪腕「いや、しかし……」

ネロ「全て余に任せるがよい!」

マシュ「ネロさん、元気が有り余っていますね」

ネロ「当然であろう!数日間寝てばかりだったのだからな!しかーし!余は既に問題なし!ならばどうにでもなろう」

カンカンカン!!

呪腕「何事だ!」

見張り「大変だ!西の村から狼煙が上がっている!」

呪腕「敵に見つかったか!」

ぐだ子「マシュ!行くよ!」

マシュ「はい、先輩!」

呪腕「ダメだ、ここからでは西の村につく頃には全滅してしまう!」

アーラシュ「……俺に任せろ」

ダ・ヴィンチちゃん「何か秘策でも?」

アーラシュ「付いてこい」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ぐだ子「これは」

マシュ「大きな弓ですね」

アーラシュ「西の村に駆けつけてくれる奴は乗れ!」

ネロ「余はいくぞ!」

ぐだ子「私も」

マシュ「はい!」

カリギュラ「行こう……」

ダ・ヴィンチちゃん「いってらっしゃい!」

ぐだ子「いかないの?」

ダ・ヴィンチちゃん「嫌な予感がプンプンするからね!私は遠慮しておくよ」

ぐだ子「?」

アーラシュ「角度よし…方向よし…いいか!掴まれ!」

マシュ「どうするんですか?」

アーラシュ「━━飛ぶぞ」

マシュ「……え?」

バシュン!!

ダ・ヴィンチちゃん「……行ったね」



69:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/19(金) 22:28:29.24 ID:baH5QGTJO



ぐだ子「」

ネロ「余は楽しいぃぃぃぃぃぃ♪」

マシュ「あわわわわわわわわ!!?」

アーラシュ「落ちるぞ!」

マシュ「宝具、展開します!」

ド━━━━━━━ンッ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

アーラシュ「よし、狙い通りだ!」

ネロ「空を飛ぶとはこういう気持ちなのだな!」

マシュ「先輩!しっかりしてください!」

モードレッド「……なんだテメェら。空から急に現れやがって」

ロマン『超近距離に強力なサーヴァント反応!というより、目の前だ!』

ネロ「貴様か、村を襲う賊とやらは」

モードレッド「はぁ?俺が賊だと?バカか!俺は円卓の騎士が一人モードレット様だ!ここいらにいる異教徒どもを皆殺しにしてるだけだ」

ネロ「なるほど、やはり賊ではないか」

モードレッド「気に食わねぇ……。ぶっ殺してやる!」

ネロ「露と消えるがよい」

マシュ「気を付けてくださいネロさん!彼女も円卓の騎士、ガウェイン卿と同じくなんらかの特殊な能力があるはずです!」

ネロ「構うものか。反逆者は余が直々に処断してやろう」

アーラシュ「後方支援は任せろ!」

モードレッド「ふざけやがって!!我が祝福は"暴走"!見せてやるよ、反逆の刃を!」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ガキンッ
ネロ「ふむ、中々やるではないか」
キンッ
モードレッド「ちょこまかと鬱陶しい野郎だな!」

ネロ「次で決めてやろう」

モードレッド「ほざけ!……これこそは、我が父を滅ぼす邪剣!」

ロマン『魔力が急激に上昇している!くるぞ!』

モードレッド『我が麗しき父への叛逆!』グッ

アーラシュ「させるか!」バシュ

モードレッド「くそがっ!」キンッ

アーラシュ「悪いがそんなもの、ぶっぱなされたら堪ったもんじゃねぇからな」




70:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/19(金) 22:39:10.76 ID:baH5QGTJO


モードレッド「こうなったら……俺の全魔力でここいら一帯を吹き飛ばしてやる!」

ネロ「ほう……。勝てぬと悟って自爆か」

モードレッド「ほざいてろ!勝てばいいんだよ!勝てばな!」

アーラシュ「させるか!」バシュバシュ!!!

モードレッド「くそっ!!テメェ、さっきから人の頭や間接狙いやがって!」

アーラシュ「自爆だと……?ふざけるな!!」

モードレッド「な!?」ビクッ

アーラシュ「そんなもので手に入れたものが勝利なわけあるか!自分の命を大切にしろ!」

モードレッド「俺にお説教でもしようってのか!」

アーラシュ「俺はガキの一人よがりは嫌いなんだよ。……今回は見逃してやる。さっさと失せろ!」

モードレッド「……チッ。お前、顔を覚えたぞ。次にあったら真っ先にぶっ殺してやるからな!」

ネロ「余を無視するではない!」

モードレッド「テメェもついでにぶっ殺すリストにいれてやるよ赤いの」

ネロ「余がついでだと!?」

モードレッド「……じゃあな」

ネロ「待て!貴様、首を跳ねてやる!」

アーラシュ「……」

マシュ「アーラシュさん?」

アーラシュ「すまねぇ。ついカッとなって逃がしちまった」

ぐだ子「自己犠牲はよくない」

アーラシュ「……そうだよな」





71:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/19(金) 22:53:37.70 ID:baH5QGTJO



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

呪腕「百貌はおらぬか!」

ぐだ子「いつのまにハサンが」

マシュ「我々の空中飛行についてきたそうです」

ぐだ子「……帰りは歩こう」ブルブル

アーラシュ「帰りもあれなら楽なんだがな。何故かみんな嫌がる」

カリギュラ「uuuuuuu……」

ネロ「余は楽しかったのだがな」



百貌「……呪腕か」

呪腕「おぉ、無事であったか!」

百貌「奴らが攻めてきた時にはダメかと思ったが急に撤退したのでな。なんとか助かった」

呪腕「それならば彼らのお陰だ」

百貌「……そうか、感謝す、る」

ぐだ子「いえいえ」

百貌「……」

ぐだ子「……」

百貌「貴様、あの神殿の時の!?」

ぐだ子「?」

百貌「忘れたとは言わせぬぞ!我らの邪魔をしおって!」

ぐだ子「なんのこと?」

マシュ「すみません!先輩はどうでもいいことはすぐに忘れてしまうんです!」

ぐだ子「……なんか、ごめんなさい」

百貌「……怒る気も失せたわ」

呪腕「なんだ知り合いであったのか。ならば話が早いな」

百貌「違うわ!」

ぐだ子「ごめんね?」

百貌「あー!!もう!」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


百貌「呪腕、一つ困ったことがあるのだ」

呪腕「なんだ?」

百貌「新しく襲名したハサンが敵に囚われてしまった……」

呪腕「なんと!?」

百貌「このままでは遅かれ早かれ口を割るであろう。今日の襲撃もそれが原因やもしれん」

呪腕「ふむ、どうしたものか……」

ぐだ子「助ければいいじゃん」

百貌「簡単にいうな!」

ぐだ子「でも大切な仲間なんでしょ?」

呪腕「……」

百貌「……敵に囚われた時点で本来ならば自決するべきなのだ。だが、奴は若い。ならば我々がなんとかするしかあるまい」

ぐだ子「どっちにしろそのハサンの所に行かなきゃいけないなら行くしかないよね」




72:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/19(金) 23:04:44.55 ID:baH5QGTJO



呪腕「そうだ、ぐだ子殿。敵に囚われたハサンを救出出来た時には、我々は共に獅子王を討つとお約束しよう」

百貌「なんだその話しは!?聞いていないぞ!」

呪腕「今言ったからな」

百貌「私は反対だ!どこの誰かもわからぬ奴と組めるか!」

呪腕「だが、彼らは聖都の門で聖騎士を相手に奮闘したのだぞ?」

百貌「だがな!」

呪腕「それに我々は助けられた恩をまだ返せていないぞ」

百貌「……くっ」

ロマン『アサシンって見かけによらず義理深いんだね』

アーラシュ「そうと決まればまずは村に戻ろう。百貌殿、この村も破棄して我らの所に来るべきだ。場所が割れてしまった今、ここにいるのは危険だ」

百貌「……わかった」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ベディヴィエール「なるほど、流石はレディ・ぐだ子」

ダ・ヴィンチちゃん「やるねぇ、ぐだ子ちゃん!」

ぐだ子「取り敢えず救出チームを作ろうと思う」

百貌「私は案内人としてゆくぞ」

ぐだ子「あとは……マシュとスパさんとローマ!」

ローマ「うむ」

スパルタクス「我が愛を欲するか!」

カエサル「我々はここで大人しく待っているとしよう」

百貌「いっておくが貴様らは人質だからな!何かあれば躊躇なく首を跳ねてやる!」

呪腕「私もついていこう」

ぐだ子「おなしゃす!」

百貌「では出るぞ。時間がない」

ぐだ子「行ってきまーす!」

ダ・ヴィンチちゃん「うん、気を付けたまえ」





73:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 08:58:09.77 ID:w5LoFyHCO



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

百貌「ここから奴が捕らえられている砦まで大体1日ほど歩いた距離にある」

マシュ「急ぎましょう」

ぐだ子「スピンクス号壊しちゃったの失敗したかな」

マシュ「仕方がありません」

百貌「ふむ、砂嵐か……」

呪腕「この期に乗じて進みましょうぞ。聖騎士達にも見つかり辛いはずです」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

???「いやーーー!!たーすーけーてー!」

ぐだ子「悲鳴が聞こえた気が」

ロマン『前方に強力なサーヴァント反応だ!気を付けてくれ!……というか、なんだこの数値!?尋常ではないぞ!』

呪腕「サーヴァントが一般人を襲ってるとでもいうのか!」

マシュ「反英霊かもしれません!」

ぐだ子「取り敢えず助けにいこう」ダッ

百貌「おい、待て!周りを見ずに突っ込むなどバカか!?」

呪腕「仕方あるまい。聖都の門でのこともそうだったが、それが彼らの良いところだ」ダッ

百貌「非情になれない私が恨めしい!」ダッ


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

マシュ「魔獣、撃退しました!」

???「ふぇぇ……もうやだよぉ……」シクシク

ロマン『気を付けてくれ。サーヴァント反応は消失していない』

マシュ「しかし、敵影はありません」

ぐだ子「大丈夫?」

???「もうやだぁ……おうち帰るぅ……。なんで一人ぼっちで現界しちゃうのよぉ……菩薩様の声も聞こえないし……トータのばかぁ……」シクシク

ぐだ子「よしよし」ナデリナデリ

???「それもこれも弟子達に暇なんて出さなければ……ううん、でもあいつら最近だらけてたし……」




74:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 09:22:00.01 ID:w5LoFyHCO



マシュ「もしかして彼女が……」

ぐだ子「サーヴァント」

ロマン『えぇ!?トップレベルの霊基を持っているのに魔獣に襲われて泣いていたのかい!?』

???「泣いてないもん!ちょっと寂しくて悲しかっただけだもん!」

マシュ「もしかして、この方って面白い方ですか?」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

三蔵「改めて自己紹介!私は玄奘三蔵!天竺からの帰り道でこんな所に現界しちゃったみたい……これも御仏の導き……なのよね?」

呪腕「……」

百貌「……」

三蔵「やっぱり私がここに呼ばれた理由は、きっとこの世界を救済するためなのよね!うんうん!御仏の導きなら仕方ないわね!」

マシュ「先輩、三蔵法師のテンションの落差が」

ぐだ子「知ってた」

マシュ「あの……三蔵法師?」

三蔵「なに?えーっと、マシュ」

マシュ「三蔵法師は聖都側のサーヴァントではありませんよね?」

三蔵「もちろん!」

ロマン『よかった。それなら、君はぐだ子ちゃんたちの仲間になってくれるかい?』

三蔵「そうね。受けた恩はしっかりできるだけ返さないといけないもんね!それに、私はそのためにここに来たと思うから」

ぐだ子「やったね!」

三蔵「旅の高僧、三蔵法師が旅する貴女たちの仲間になるのは当然よね!」

ロマン『ありがとう三蔵法師!サーヴァントの加入は願ってもない幸運だ!』

三蔵「幸運じゃないわ。御仏の導き!」

百貌「な、なにはともあれ戦力が増えるのいいことだ……」

三蔵「この御仏少女三蔵にどーんと任せなさい!」





75:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 09:33:36.49 ID:w5LoFyHCO



ぐだ子「ところで三蔵ちゃん、なんで一人なの?」

三蔵「そうよ!トータを探さなきゃ!」

マシュ「トータ、さんですか?」

三蔵「随分前に知り合ったサーヴァントなんだけと、頼りないから弟子にしてあげたの。それなのに聖騎士の砦の所でドジ踏んで捕まっちゃったから……。私はお師匠さまだから助けようとしたんだけど」

呪腕「迷ってしまったというわけですな」

三蔵「仕方ないじゃない!一人は寂しい心細いし怖いし……うぅ、トータぁ……」

マシュ「三蔵法師、安心してください。何を隠そう私のマスターも今からその砦にいくところです」

三蔵「ほぇ…?本当に?」

ぐだ子「あーうん、もう全部任せて」

三蔵「あーーーん!ありがとう、ぐだ子!大好き!もうお弟子決定!」ギュッ

ぐだ子「ムギュっ!たわわに実った二つのスイカが!」

マシュ「先輩!?」

ぐだ子「幸せ」

マシュ「もう、先輩!」ギュッ

ぐだ子「メロンが二つ増えた」

ロマン『ハハハ……』




76:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 09:46:52.93 ID:w5LoFyHCO



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

百貌「見えた」

呪腕「ふーむ、しかしどのように侵入いたしましょうか」

マシュ「陽動部隊と救出部隊に別れて目的を果たしましょう」

百貌「なら陽動は私に任せろ。得意分野だ」

マシュ「私が先輩を抱えて砦の外壁を乗り越えましょう」

呪腕「では私も救出部隊だな」

ぐだ子「ローマとスパさんはどうしようか」

マシュ「侵入は難しそうですから陽動ですかね」

ぐだ子「なんかいい方法はないか……」

スパルタクス「我らはなんと無力なのか」

ロムルス「ローマ……」

スパルタクス「叛逆せねばならぬな」ダッ

マシュ「あ!?スパルタクスさんが勝手に突撃してしまいました!」

呪腕「なんと!?」

百貌「バカなのか!?バカなのか!?」

三蔵「よーし、私も行くわよー!」

ぐだ子「是非もないよね!」

マシュ「作戦が決行前に頓挫してしまいました!」

ぐだ子「スパさん!宝具でぶっ飛ばせ!」

スパルタクス「フハハハハハハ!!ゆくぞ!我が愛は爆発するぅ!!」バリバリバリ

ドガ━━━━━━━ン

兵士「何事だ!?」

兵士「敵襲!敵襲ー!」


ぐだ子「よし、外壁が吹き飛んだ。侵入しよう」

呪腕「こうなってしまっては時間との問題ですな!」

百貌「こやつらを頼った私がバカだった……」

三蔵「トータぁ!どこー!」




77:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 10:04:32.27 ID:w5LoFyHCO



ロマン『地下に二つのサーヴァント反応だ。かなり広いな……地下牢か』

呪腕「ふむ……地下牢とは。酷いことをされてないとよいが」

ぐだ子「スパさん!ここで叛逆タイム!時間を稼いで!」

スパルタクス「おぉ、愛が溢れる…」

ロムルス「ローマもここに残ろう」

呪腕「参りましょう!」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

三蔵「凄いわ骸骨の人!簡単に入り口を見つけてしまうなんて」

呪腕「なに、古今東西地下牢などどこも同じようなものですぞ」

マシュ「流石ですね」

三蔵「トータ!どこー!」

呪腕「こちらですな」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

マシュ「まさに迷宮ですね」

呪腕「マシュ殿は気付いていないかもしれませんがここは既に地下3階ほどの深さですぞ」

マシュ「そうなのですか!?」

呪腕「暗がりになれていないとわかりませんな」

三蔵「トータぁ……どこぉ……。うぅ、もしかしてもうやられちゃったのかなぁ」シクシク

ぐだ子「そんなことないよ!」

三蔵「私、お師匠さまなのに……弟子一人助けられないなんて……ごめんねトータ……」

フォウ「フォーウ!」

ぐだ子「またフォウ君いつのまに付いてきてるし」

フォウ「フォウフォウ!」ダッ

マシュ「あ、待ってくださいフォウさん!━━先輩、こちらに隠し通路がありました!」

ぐだ子「なんと」







79:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 10:24:40.09 ID:w5LoFyHCO



マシュ「守衛とサーヴァントがいます!」

三蔵「トータ?……トータ!」

藤太「ん?その落ち着きのなさはもしや三蔵か?」

三蔵「トータだ!トータがいた!そうよ、貴女のお師匠さま三蔵よ!」

藤太「なるほど、確かに!だが気を付けよ。そこの番は拙者に並ぶ怪力無双よ!」

呪腕「なに私に任せて貰おう……」

ぐだ子「まさか」

呪腕「雲を溢せ……」

スプリガン「グォォォォォォ」

呪腕『妄想心音!』グシャ

バタン……

藤太「おぉ、これはお見事!では拙者も……」ギギギィ

マシュ「……あの、普通に出ませんでしたか?」

藤太「そりゃいつでも出られたからな。上の騒ぎもお主たちの仕業だな?━━いや皆までいうな。三蔵を仲間にするとは底無しの善人に他あるまいて」

三蔵「トータ!ちゃんと挨拶しなさい!」

藤太「ふむ、確かに互いに名前も知らぬのもあれだな。……改めてサーヴァント、アーチャー。俵藤太だ。縁あってそこの三蔵のお守りをしていた」

三蔵「お守りじゃなくて護衛!いい?貴方は私の弟子なんだからね!……だから、私に心配させないで」

藤太「元の原因はお主が『あの砦、絶対面白い!』などと兵士に喧嘩を売ったのが原因であろう!挙げ句勝手にいなくなりおって」

三蔵「な、なんのことかわからないわ!」

ロマン『なんかまた凄い人だなあ』

マシュ「藤太さん、他に捕らえられている方をしりませんか?具体的にはこのハサンさんみたいや方なのですが」

藤太「うむ、それならばこの先に一人おったな」

呪腕「真ですか!ぐだ子殿、急ぎましょう!」




80:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 11:05:25.88 ID:w5LoFyHCO



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

呪腕「ここですな!」

藤太「拙者に任せろ」ガシャン
ガチャン!!!

マシュ「女性が吊るされています!」

呪腕「大丈夫か、静謐の!」

静謐「あ……」

ぐだ子「とにかく下ろしてあげよう」

静謐「……」フラッ

ぐだ子「危ない!」ガシッ

バタッ…チュッ

マシュ「」

静謐「あ……」

ぐだ子「柔らかかった」

静謐「ごめんなさい、ごめんなさい……」

ぐだ子「謝る必要なんてないよ!(キリッ」

静謐「いえ、私が口付けた人は死んでしまうんです……」

マシュ「な!?先輩!大丈夫ですか!?」

ぐだ子「……」

マシュ「先輩!」

ぐだ子「うぐっ、大丈夫じゃないかも……マシュとキスすれば治ると思う」

マシュ「わかりました!マシュ・キリエライト、頑張ります!」

ロマン『マシュ、騙されないで。ぐだ子ちゃんのバイタルに異常はないよ』

マシュ「そうなのですかドクター」

ぐだ子「マシュ、ちゅー」

静謐「嘘……そんな、平気な人がいるだなんて……」

ロマン『彼女は謎の毒耐性を持っているんだよ』

呪腕「ぐだ子殿、何はともあれ脱出しましょう」

ガチャン
ロムルス「迎えに来たぞ」

ぐだ子「ローマ!」

ロムルス「うむ、ローマである」

静謐「あぁ、ぐだ子様……」ギュッ

呪腕「これ、静謐の!離れんか!」

マシュ「先輩は渡しません!」ギュッ

ぐだ子「両手に華」

呪腕「方や毒草ですがな」




81:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 11:16:56.23 ID:w5LoFyHCO



ロムルス「急げ、敵がくる」

【皇帝特権:EX 気配遮断】

藤太「これは」

マシュ「ロムルスさんの皇帝特権のスキルで一時的に皆さんにアサシンの気配遮断スキルを付与した状態になっています」

三蔵「すごーい!なにこれ!まさに御仏の加護ね!」

マシュ「声までは隠せないので気を付けてください」

三蔵「大丈夫!大丈夫!」

藤太「こら三蔵、静かにせんか」

三蔵「トータうるさいよ!静かにしなさい!」

藤太「こやつは……」

呪腕「参りましょう……」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

百貌「スパルタクス殿、いったん下がるぞ」

スパルタクス「我が叛逆は永遠不滅!」

百貌「ダメだ……意思疏通が出来ないではないか!」

呪腕「待たせたな百貌!救出してきたぞ」

百貌「遅いわ!」

静謐「すみません、私のせいで……」ギュ―

百貌「……何をしている」

静謐「ぐだ子様をお守りしております」ギュッ

呪腕「自分に触れられる者がいて嬉しいのだろう……」

百貌「……兎に角、急いで逃げるぞ!聖都から聖騎士が来るようだ!」

藤太「そうだな。しかし、どうやって逃げる?」

百貌「馬小屋から馬を拝借するまでよ」

ロムルス「ローマ」

【皇帝特権:EX 騎乗】

ぐだ子「チート過ぎワロタ」

マシュ「私は元々騎乗スキル持ちですよ先輩!」





82:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 11:27:42.04 ID:w5LoFyHCO



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

藤太「しっかり掴まっておれよ三蔵!」

三蔵「わかったわよ!」ギュッ

呪腕「ふむ、こうですかな?」

百貌「ゆくぞ」

スパルタクス「反撃の狼煙をあげるのだ!」

ロムルス「ローマである」

マシュ「先輩、掴まってください!」

ぐだ子「こう?」ムニュ

マシュ「せ、先輩!?///」

ぐだ子「マシュのマシュマロさいこー」

静謐「あぁ、ぐだ子様……///」ギュッ

マシュ「三人は乗りすぎです!あ、先輩、もっと優しく!///」

百貌「置いていって構わんか?」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ダ・ヴィンチちゃん「お帰りー!どうだった?」

マシュ「はぁはぁ……先輩、激しいです///」

ぐだ子「仲間が増えたよ」スタッ

三蔵「御仏の導きによって三蔵法師、貴女たちの仲間になったわ!」

藤太「うむ、俵藤太だ。助けられた恩はしっかり返させて貰うぞ」

静謐「……改めまして、静謐のハサンです。この度は私が未熟な為に皆さんに迷惑を掛けました……」

呪腕「しかし、無事でよかった」

アーラシュ「呪腕殿、無事で何よりだ。ぐだ子も、よくやった!」







83:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 11:54:30.72 ID:w5LoFyHCO


ベディヴィエール「皆さん、無事でよかったです……」

ダ・ヴィンチちゃん「お祝いといきたい所だけど、あんまり食糧に関しては心もとないね」

藤太「うむ、ならば拙者の出番だな!」

マシュ「藤太さん?」

藤太「まぁ、見ておれ……対宴宝具!美味しいお米がどーん!どーん!」カッ!!

呪腕「な」

ベディヴィエール「な」

ダ・ヴィンチちゃん「わーお」

ぐだ子「うひょぉぉぉぉぉ」

百貌「なんだこれは!?食糧なのか!?食糧なのか!?」

マシュ「はい!これはまごうことなくお米です!」

アーラシュ「なんだそりゃあ!あんた、すげぇ弓兵だな!」

藤太「まだまだ出るぞ!どーん!どーん!」

三蔵「うんうん!これも御仏の加護よね!」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

三蔵「ほわたたたたたたた━━━━━!!あちょ━━━!!」

難民「おぉ!!」

三蔵「まだまだお握り握っちゃうわよー!」

藤太「ははははは!良い飲みっぷりだなアーラシュ殿!」

アーラシュ「いやなに、トータ殿の食いっぷりも中々のものだ!」

百貌「出来上がっているな……。いや、うむ。確かにこの米で出来た酒とやらは旨いが」

ダ・ヴィンチちゃん「うんうん、良いものだねぇ!」

三蔵「ありゃ、ちょっとお握り作り過ぎたかな?」

カエサル「ふむ、私に任せるがいい」

三蔵「カエサル?」

カエサル「私が来た!私が見た!━━ならば後は、食うだけのこと!!」

三蔵「うわー!すごい!すごーい!」

カエサル「作り過ぎた?安心しなさい。私がいる」

三蔵「うわー、ポヨンポヨンだぁ!」

カエサル「ええい!触るな!」


呪腕「ふむ、俵殿には感謝してもしきれないな」

マシュ「はい!皆さん幸せそうです!」

ぐだ子「ほら、マシュも食べなよ」

マシュ「はい!いただきます!……むぐっ!?」

ぐだ子「ベディの取ってきた魔物」

マシュ「あ、ありがとうございます……」モッチャモッチャ






84:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 15:01:06.20 ID:rv5VhCTfO



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

呪腕「改めてぐだ子殿、我らと共に獅子王と戦っては下さらぬか?」

ぐだ子「うん、お願いします」

百貌「これでサーヴァントの頭数は揃ったな」

呪腕「しかし、円卓の騎士には祝福がある故に我らだけで太刀打ち出来るかどうか……」

マシュ「特に門で戦ったガウェイン卿は日中はほぼ無敵です!」

静謐「では……初代様にお願いするのは如何でしょうか」

呪腕「……」

百貌「……」

静謐「?」

呪腕「……うむ、それも仕方あるまい」

百貌「だが!」

呪腕「あのお方ならば、聖騎士たちもなんとかなるやもしれん……」

百貌「……」

ぐだ子「却下で」

呪腕「な、ぐだ子殿!?」

ぐだ子「あのいけすかない聖騎士たちは私たちがリベンジマッチするって決めてるからね」

ダ・ヴィンチちゃん「ぐだ子ちゃんらしいね」

呪腕「ですがガウェイン卿をどうするおつもりか!」

ぐだ子「マシュがなんとかしてくれる」

マシュ「え!?」

アーラシュ「あのモードレッドはどうするつもりだ?」

ぐだ子「マシュがなんとかしてくれる」

マシュ「……あの、先輩?」

三蔵「ランスロット卿はどうするの?」

ぐだ子「マシュがなんとかしてくれる」

マシュ「無理です!無理ですよ先輩!」

百貌「トリスタン卿はどうする」

ぐだ子「ベディに丸投げ」

ベディヴィエール「私ですか!?」





86:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 15:29:57.99 ID:kNm0L/kPO


ベディヴィエール「……確かに、トリスタン卿は私の友です。間違っているならば私が正さなければ……」ブツブツ

ぐだ子「よし、万事おっけー!」

ダ・ヴィンチちゃん「オジマンディアス王はどうするつもりだい?」

ぐだ子「……忘れてた」

マシュ「聖杯の回収もしなくてはいけませんね」

ぐだ子「ぐぬぬぬ」

百貌「……わかった。私は荒野に戻って方々に散った仲間たちを集め、戦力を整えるとしよう」

ダ・ヴィンチちゃん「なら私は少しばかり調査でもしようかな」

呪腕「私はもぬけの殻になった西の村を見に行きます」

マシュ「なら私たちは狩りにでも行きましょうか」

藤太「うむ、穀物があっても肉や植物も摂ったことに越したことはないな!」

三蔵「肉はダメだけど、キノコとかなら集められるわ。毒かどうかなんて御仏パワーで判別しちゃうんだから!」

ベディヴィエール「肉なら私が……」

マシュ「ベディヴィエール卿は私たちと一緒に木の実を集めましょう!」

ベディヴィエール「え、ですが……」

マシュ「集めましょう!!」

ベディヴィエール「わ、わかりました。レディ・マシュ」

ぐだ子「チームローマは周囲の警戒!」

ロムルス「うむ」

ネロ「承った」モッキュモッキュ

カエサル「ネロよ、何を食べているのだ」

ネロ「昨晩のお握りだ」モッキュモッキュ

カエサル「どれ、私にも一つ」

ネロ「ならぬ」

カエサル「ぐぬぬぬ」

カリギュラ「ぅぅぅぅ、ぐぅぅ!」

スパルタクス「あぁ、闘技場よ。我は抗い続けよう」

ぐだ子「解散!」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



87:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 16:13:20.76 ID:kNm0L/kPO



マシュ「なかなか見つかりませんね」

ぐだ子「山なのに木があるところが少なすぎる」

ベディヴィエール「やはり狩りの方が……」

マシュ「肉は藤太さんに任せましょう!」

ぐだ子「私はマシュのマシュマロでも……」

マシュ「先輩!!///」

ベディヴィエール「は、はははは……」

ぐだ子「ベディのマシュマロでも……」

ベディヴィエール「私にマシュマロはありません!」

ぐだ子「ぐへへへへ」

藤太「おーい!」

三蔵「いたいた!」

ぐだ子「三蔵ちゃん!」ギュッ

三蔵「どうしたのぐだ子?あ、お師匠さまに会えて嬉しいんでしょう!よしよし!」

ぐだ子「たまりません」

藤太「下心丸出しな空気を感じるのだが」

マシュ「どうでしたか?」

藤太「うむ、鹿が居たので一頭ほど捕まえたぞ」

マシュ「凄いです!」

藤太「なに、大したことではない」

三蔵「私は……じゃーん!たくさんのキノコ!」

ぐだ子「三蔵ちゃんのキノコ……」

マシュ「先輩!」

三蔵「これは食べれるでしょー!これもきっと平気!これも大丈夫!」

藤太「まったく、どうやって判別してるのやら」

三蔵「御仏の声だけど?」

藤太「……」

マシュ「……」

三蔵「あ、これなんて少し痺れるけど味は最高よ!」

マシュ「捨てましょう」

藤太「うむ、異議なし」

三蔵「ちょっと!?ちょっと!?なにしてるのよ!」

マシュ「三蔵法師、私たちと木の実を探しましょうか」

三蔵「うぅ……あんまりだよお……一生懸命集めたのに……」




88:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 17:01:56.77 ID:kNm0L/kPO



ぐだ子「いい子いい子」ナデリナデリ

マシュ「すみません、ですが皆さんの健康のためです」

藤太「……」ウンウン

ベディヴィエール「……皆さん!あれを見てください!」

マシュ「あれは……狼煙?」

藤太「いかん!村に火の手が見えるぞ!」

ぐだ子「まさか!」

ベディヴィエール「戻りましょう!」

マシュ「三蔵法師!村に戻りましょう!」

三蔵「……なによ」

藤太「拗ねてる場合か!敵が攻めてきた!」

三蔵「な!?それを早く言いなさいよ!トータ!走るわよ!」

藤太「おう!」

マシュ「先輩、私たちも!」

ぐだ子「おう!」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

粛正騎士「粛正完了。引き続き異端者を捜索する」

マシュ「あれは!……手に、人の」

ベディヴィエール「酷い……」

マシュ「うわぁぁぁぁぁぁ!!?」

粛正騎士「異端者を発見」

マシュ「このぉぉぉぉぉ!!」

ぐだ子「マシュ!落ち着いて!」

マシュ「この!この!この!」ガンガンガンッ

ベディヴィエール「落ち着いてください!」ガシッ

マシュ「……はぁ、はぁ」

ぐだ子「村に急ごう」




89:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 17:27:49.17 ID:kNm0L/kPO



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ぐだ子「なにこれ……」

マシュ「酷い……」

ベディヴィエール「……生き残っている人を探しましょう」

トリスタン「それは無駄なことです」

マシュ「貴方は!」

トリスタン「あぁ、私は悲しい。獅子王に歯向かう異教徒は皆殺しにしなければなりません」

ベディヴィエール「トリスタン卿!」

トリスタン「懐かしい声ですね、ベディヴィエール卿」

ベディヴィエール「何故……何故あなたがこのようなことを!」

トリスタン「全ては獅子王の創る理想の世界の為です」

ベディヴィエール「なんてことだ……」

トリスタン「邪魔をしないでください。私も友は切りたくありません」

ベディヴィエール「……それは出来ません。私は、貴方を倒してでも獅子王に会わなければならなくなりました」

トリスタン「……そうですか。ならば私もせめてこの弓で貴方を殺して差し上げましょう。友として」

ベディヴィエール『剣を摂れ、銀色の腕!』

トリスタン「ふっ……」

マシュ「……効いていません」

トリスタン「無駄ですよ。全てね」

静謐「ぐだ子様!」

ぐだ子「静謐ちゃん!」

静謐「ご安心ください、村人は皆避難場所に退避しました」

トリスタン「おや、誰かと思えば……薄汚い暗殺者ですか。……あぁ、貴女には感謝をしなければ」

静謐「なんのことですか」

トリスタン「貴女のおかげで、私はここを見つけることが出来ました。あぁ、貴女が大人しく砦で死んでいれば無駄な犠牲など出さずに済んだかもしれないのに」

静謐「……嘘、そんな……」

ぐだ子「耳を貸さないで!」

マシュ「そうです!例え追跡出来たとしても、それは我々全員がその対象だったはずです!静謐さんは悪くありません!」






90:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 17:45:56.22 ID:kNm0L/kPO


ぐだ子「そういえばアーラシュは?」

静謐「私たちに避難を促して、何人かの人を連れて 敵を足止めにしに行ったのですが……」

トリスタン「残念ながら、その弓兵はランスロット卿が切りましたよ」

ぐだ子「……嘘でしょ」

トリスタン「残念ながらランスロット卿は弓兵を頼むと言ったら本当に弓兵を切っただけで下山してしまいましたけどね」

マシュ「アーラシュさんが、やられるなんて……」

ベディヴィエール「……うぐっ!?」

トリスタン「……その輝ける腕も貴方には過ぎたモノのようですね」

ベディヴィエール「まだです!」

トリスタン「では一つ、面白いものをご覧にいれましょう」

ロマン『熱源反応!……西の村の方角だ!』

カッ!!
ドゴ━━━━━━━ン!!

マシュ「━━あ、あ……」

トリスタン「異教徒の村を一つ、獅子王の聖槍によって浄化しました」

ベディヴィエール「なんてことを……」

トリスタン「次はこの村です」

マシュ「……くっ」

「まだよ!」

ぐだ子「三蔵ちゃん!」

三蔵「ホアタ━━━━━!!」ドカッ

藤太「ふんっ!」ビュン

呪腕「石榴と散れっ!!」シュッ






91:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 17:56:39.74 ID:kNm0L/kPO



スパルタクス「おぉ、圧制者よ!汝を抱擁せん!」ザクッ

ロムルス「セプテム!」ブンッ

ネロ「はぁ!」ズバッ

カエサル「なんとか間に合ったようだな」

トリスタン「くっ……。こうも集まられると厄介ですね」

呪腕「貴様だけは生かしておかぬ!」

ぐだ子「覚悟しなさい!」

トリスタン「フフフ、残念ですが時間切れです。あと5分ほどでここも光に消えます」

ベディヴィエール「トリスタン卿!」

トリスタン「騎士たちよ、後は頼みますよ。……それではさようなら」


粛正騎士「……」ザッ

ベディヴィエール「トリスタン!!」

マシュ「数が多い……」

呪腕「静謐の、わかっているな」

静謐「はい!例え私たちが果てたとしてもぐだ子様はお守りいたします!」

呪腕「ゆくぞ!」






92:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 18:15:34.36 ID:kNm0L/kPO



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

マシュ「粛正騎士達、消失しました!」

三蔵「どうしよう!早く逃げなきゃ!てか、みんな逃がさなきゃ!」

呪腕「今からでは間に合わぬ……」

ダ・ヴィンチちゃん「やぁやぁ、皆のダ・ヴィンチちゃんだよ」

マシュ「ダ・ヴィンチちゃん!?今までなにを!」

ダ・ヴィンチちゃん「ごめんね……。調べものをしてたら遅れちゃった。でも、その代わりに彼を見つけてきたよ」

アーラシュ「……よぉ、すまねぇな。」フラッ

呪腕「アーラシュ殿!」

アーラシュ「すまねぇ、呪腕殿……。あれだけ大口を叩いていてこの様だ」

マシュ「喋らないでください!傷が!」

アーラシュ「なに、どうせ長くは持たない。……あの光の柱をどうにかしないといけないんだろ?最期の一仕事だ」

ロマン『まさか』

アーラシュ「あぁ、俺の"宝具"であいつを吹き飛ばす」

ベディヴィエール「それでは、アーラシュ殿が!」

アーラシュ「すまねぇな、ベディヴィエール卿。あんなに自己犠牲どうこう言っていたのに最期はこれだ」

ぐだ子「……何をするつもりなの?」

アーラシュ「俺の全力の宝具をあの柱にぶつけるんだ」

ロマン『彼、アーラシュ・カマンガーは長くに渡って続いた二国間の戦争を一つの矢で国境を作り終わらせた救国の英雄だ。ただ、その矢を放った代償に彼の五体はばらばらになってしまったんだ』

アーラシュ「ま、そういうことだ」

呪腕「……皆、あとはアーラシュ殿に任せて避難しよう」

ダ・ヴィンチちゃん「……こればかりはどうしようもない。アーラシュ殿、お願い出来るかな」

アーラシュ「あぁ、任された」

三蔵「……行こう」

藤太「拙者は残ろう」

三蔵「何を言ってるのよトータ!」

藤太「なに、見届け人も必要だろう」

三蔵「あーもう!男ってみんなそうなんだから!」

藤太「すまんな、三蔵」

三蔵「勝手にしなさいよ!」






93:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 18:33:42.60 ID:kNm0L/kPO


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

マシュ「避難完了しました!」

ダ・ヴィンチちゃん「あれ、ぐだ子ちゃんは?」

ネロ「神祖ロムルスもおらぬぞ!」

ダ・ヴィンチちゃん「まさか!」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

アーラシュ「行ったか……」

藤太「アーラシュ殿、拙者はここで見届けさせて貰うぞ。なに、失敗しても拙者がなんとかするゆえ後の事はきにするな」

アーラシュ「かたじけないトータ殿」

藤太「……」

アーラシュ「━━━陽のいと聖なる主よ。あらゆる叡智、尊厳、力をあたえたもう輝きの主よ。我が心を、我が考えを、我が成しうることをご照覧あれ」

藤太「……」

アーラシュ「さあ、月と星を創りしものよ。我が行い、我が最期、我が成しうる聖なる献身を見よ!!」

ぐだ子「━━待って」

ロムルス「……」

アーラシュ「な、ぐだ子!?何故ここに来た!」

ぐだ子「……私は決して誰も死なせない」

藤太「何をいっているんだぐだ子殿!」

ぐだ子「アーラシュは言ってたよね。自己犠牲で手に入れる勝利に価値なんてないって」

アーラシュ「……そうだな」

ぐだ子「ならここでアーラシュが命を掛けてあれを止めるっていうなら、私がアーラシュを止める!」

アーラシュ「でもな、ぐだ子」

ぐだ子「黙って!」

藤太「ぐだ子殿、あの光の柱を止めるにはアーラシュ殿しか!」

ぐだ子「藤太」

藤太「な、なんだ」

ぐだ子「━━━私のサーヴァントはね、最強なんだ」ニッコリ







94:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 19:18:20.78 ID:kNm0L/kPO



ロムルス「よいか?」

ぐだ子「うん、それじゃやろっか」

ロムルス「━━空を見よ、大地を見よ!」

アーラシュ「いったい何を!」

ロムルス「━━それこそがローマである!!」

ぐだ子「令呪をもって、ロムルスに力を与える!━━━あの光を打ち破れ!」

ロムルス『すべては我が槍にこそ通ず!!』

━━━━━ゴゴゴゴゴゴゴ!!!

藤太「これは!?」

アーラシュ「大樹が……天を覆っている」

ぐだ子「これが大質量宝具ローマだ!」

藤太「なんということだ」

ぐだ子「いけぇ!ローマ!!」

ロムルス「……ぐっ!」

アーラシュ「ダメだ……押されている!やはり俺が宝具で!」

ぐだ子「大人しくみてなさい!」

ロムルス「ぐぅぅ!━━我こそがローマであり、汝らもまたローマである!!」

【皇帝特権:EX 神性】

ロムルス「ゆくぞ、過去!現在!未來!すべてのローマが世界を包むのだ!!」

アーラシュ「光が……」

藤太「消えていく……」

ロムルス「……これこそが」

ぐだ子「ローマである!!」

アーラシュ「━━━は、はははは!」

藤太「━━━━ふ、ふはははは!!」

アーラシュ「……あぁ、これがローマか」

藤太「うむ、ローマなのだな」




97:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 19:32:29.10 ID:kNm0L/kPO



ダ・ヴィンチちゃん「ぐだ子ちゃん!」

マシュ「マスター!」

呪腕「ぐだ子殿!」

静謐「ぐだ子様!」

ネロ「神祖ロムルスよ!」

カリギュラ「…神祖……ロムルス…」

カエサル「流石は神祖様ですな」

三蔵「ぐだ子!━━━ってなにこのでっかい木は!?まさか、これがあの光の柱を?すっごい!!まさしく御仏の加護ね!」

藤太「ははははは!違うぞ三蔵!これはローマだ!」

アーラシュ「あぁ、ローマだな!」

三蔵「なによ、よくわかんないんだけど!」

ぐだ子「アーラシュ、動かないでね」

アーラシュ「なんだ?」

ぐだ子「令呪をもって命じる。アーラシュの霊基よ、修復せよ」シュゥゥゥゥゥゥ

アーラシュ「傷が……」

ぐだ子「これでよし!」

アーラシュ「よかったのか?令呪ってのは貴重なものなんだろ」

ぐだ子「大丈夫、寝たら復活する」

アーラシュ「へー、便利なんだな」




98:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 19:45:54.95 ID:tLkhmD2aO



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ダ・ヴィンチちゃん「それで、これからのことなんだけど」

ぐだ子「決まっているよ」

ダ・ヴィンチちゃん「どうするんだい?」

ぐだ子「オジマンディアスをぶっ飛ばして聖杯を回収する」

マシュ「確かに、オジマンディアス王と同盟を結んで獅子王に立ち向かった方がいいですよね」

ぐだ子「え?聞いてた?ぶっ飛ばすんだけど」

カエサル「だが、奴は我らに力を貸すと思うか?」

ぐだ子「ねぇ……」

ダ・ヴィンチちゃん「確かに私たちのことを認めてくれるかどうかはわからない……」

ぐだ子「私ね、一ついい案が浮かんだんだけど」

ベディヴィエール「その案と言うのは?」

ぐだ子「うん!ここにね、ローマを建国するの!」

呪腕「え」

静謐「え」

アーラシュ「は?」

藤太「な!?」

三蔵「?」

ダ・ヴィンチちゃん「待って待って待って!ぐだ子ちゃん、発想がぶっ飛び過ぎててよくわからないんだけど!?」

マシュ「先輩の発想にはいつもド胆を抜かれますが今回は一段とまたぶっ飛んでます!」

カエサル「……なるほどな」

ネロ「ふむ!よいではないか!」

カリギュラ「……余は……構わない……」

スパルタクス「アッセイ!」

ダ・ヴィンチちゃん「今ので理解できたのかい!?」

カエサル「つまりマスターが言いたいのは、国と個人ではどうしても差が生じてしまう。故に我らが国を造ることで、国と国という同じ高さの土俵に立とうということだ」

ダ・ヴィンチちゃん「」ポカーン

マシュ「」ポカーン





99:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 20:00:27.28 ID:tLkhmD2aO



ダ・ヴィンチちゃん「ぐだ子ちゃんって……もしかして私以上の天才なのかもね」

ロマン『レオナルドが敗けを認めてるだってぇ!?』

ダ・ヴィンチちゃん「だってこの天才の頭脳を持ってしても考えられないことを考え付くんだから、彼女はやっぱり普通ではないね」

ロマン『(一般的に考えて)確かに普通ではないね』

マシュ「流石先輩です!」

ぐだ子「よせやい、照れる」

アーラシュ「俺は異議なしだ。ローマってやつの凄さを目の当たりにしたんだ。仲間に入れてくれ」

藤太「うむ、拙者も参加させて貰おう!」

三蔵「ちょっと!なに勝手に決めてるのよ!」

藤太「ではお前は加わらんのか?」

三蔵「そうとは言ってないでしょ!弟子が二人もそっちにいるのにお師匠さまの私が参加しない訳にいかないでしょ!」

呪腕「我々も参加してよろしいか?」

静謐「私も、ぐだ子様の為にこの身、この命捧げます」

ベディヴィエール「微力ですが、戦列に加えていただけますか?」

ぐだ子「みんな!」

カエサル「ふむ、では暫定だがここに山岳ローマ帝国連合を建国と参ろうか」

ネロ「では国家の代表だが……」

ベディヴィエール「それはもちろん」

「「「ぐだ子(さま)(さん)(殿)!」」」

ぐだ子「━━え?」

マシュ「なんで鳩が豆鉄砲を食らったみたいな顔をしてるんですか!?」

ぐだ子「いや、私はそういうのはちょっと……」

カエサル「我ら全員の総意だ。諦めろ」

ぐだ子「民主主義反対!」

カエサル「なに、マスターは座ってるだけでよい。後は全て私とダ・ヴィンチ女史の二人で進める」

ぐだ子「酷い傀儡政治を垣間見た」




100:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 20:13:59.52 ID:tLkhmD2aO



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カエサル『私は戦力の調整と作戦を考える』

ダ・ヴィンチちゃん『私はもっぱら足りない武具とかの錬成かな。あと必要なら馬の手配も』

カエサル『そういうわけでオジマンディアス王への面会は任せた』

ダ・ヴィンチちゃん『健闘を祈るよ』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ぐだ子「ねぇ……私、一応国の代表なんだよね?」

マシュ「えぇ!ですからこうやってオジマンディアス王の元へと向かっているところです」

ぐだ子「なんか納得いかない!」

ベディヴィエール「仕方ありません。ですが、外交も立派な仕事ですから」

ぐだ子「外交ならふくよかデブの方が適任じゃん!」

マシュ「先輩、両方とも同じ意味合いです」

ぐだ子「あの腹黒デブの得意分野じゃん!」

マシュ「先輩、それではただの悪口です」

ぐだ子「偉大なるカエサルめぇ!カルデアに帰ったら偉大なるチャーシューにしてやる!!ねぇ、スパさん!」

スパルタクス「フハハハハ、愛を求めるものよ。汝を抱擁せん!」

マシュ「ところで先輩は何故スパルタクスさんに肩車されているのですか?」

ぐだ子「馬の代わり」

マシュ「流石に失礼かと!」

ぐだ子「大丈夫だよ。ねぇ、スパさん!」

スパルタクス「我が愛を欲するか?」

ぐだ子「いらない」

ロマン『あー、お楽しみの所悪いんだけど』

マシュ「どうしましたかドクター」

ロマン『後方から強力なサーヴァント反応に魔力複数……間違いなく聖騎士だ!』




101:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 20:26:53.83 ID:tLkhmD2aO



ぐだ子「よいしょっと……マシュ、ベディ!」

マシュ「はい、マスター!」

ベディヴィエール「はい、レディ・ぐだ子」

ぐだ子「にげ」
マシュ・ベディヴィエール「迎撃します!」

ぐだ子「……迎撃で」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ランスロット「……やはり卿であったか、サー・ベディヴィエール」

ベディヴィエール「サー・ランスロット……」

ランスロット「今ならまだ間に合う。剣を収め、私と共に獅子王様の所へくるのだ」

ベディヴィエール「それはできません!」

ランスロット「何故だ!」

ベディヴィエール「私は、自分の忠義を貫かねばなりません!王が間違っているのならば、王を諌めなければならない!」

ランスロット「……無駄なことを」

ベディヴィエール「やってみなければわかりません!」

マシュ「……先輩」

ぐだ子「どうしたのマシュ!」

マシュ「ランスロット卿を見ていると……いつも以上に胸がざわついて苦しいんです」

ベディヴィエール「……」

マシュ「私、このままでは戦えません……」

ベディヴィエール「落ち着きなさい、レディ・マシュ。……これは、自分で見つけるべき答えだったのかもしれませんが、私は貴女に力を授けたサーヴァントの名を教えましょう」

マシュ「!」

ベディヴィエール「心して聞きなさい!その名前は━━━円卓の騎士が一人、サー・ギャラハドです!」

マシュ「!?」

ランスロット「!?」

ベディヴィエール「ちなみにそこの男が父親です!」

ランスロット「!?!?!?」

マシュ「貴方が……私のお父さん」

ランスロット「待て待て待て!!どういうことだ!?」

ベディヴィエール「何を白々しい!薄々は気付いていたのでしょう!」

ランスロット「いや、確かにそこの少女からは見知った感じがしてはいたがな!?いきなり息子と言われても困る!」






102:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 21:25:17.71 ID:tLkhmD2aO



マシュ「……なんだか、心の中がスッキリしました」シュゥゥゥゥゥゥ

ぐだ子「マシュの姿が!」

マシュ「マシュ・キリエライト、装い新たに力を一新!いけます!」

ベディヴィエール「さぁレディ、共にそこのダメ親父を殴って目覚めさせるのです!」

マシュ「はい!」

ランスロット「待ってくれ!いや、本当に!」

ベディヴィエール「覚悟!」

マシュ「行きますよ、お父さん!」

ランスロット「!?!?///」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ベディヴィエール「容易かったですね」

マシュ「思っていたよりも簡単でした」

ランスロット「狼狽える人間をよってたかってリンチして勝てない方がおかしいではないか!」

マシュ「まだ息があります!今度こそ!」

ランスロット「待て!!こちらにもう戦闘の意思はない!」

マシュ「……チッ」

ランスロット「何故舌打ちをした!?」

マシュ「すみません。私の中のギャラハドさんが勝手に」

ランスロット「……」

ベディヴィエール「さぁ、どうしますか?」

ランスロット「……薄々は感じてはいたんだ」

マシュ「先輩、いきなり自分語りを始めましたよ!」

ぐだ子「あ、うん。聞いてあげて」

ランスロット「あの方は我々の知る王ではない。故に我らが召喚されたとき、あのお方は選択の機会を与えてくださった。我々は選んだだけだ」

ベディヴィエール「では今もその選択は正しいと思いますか?」

ランスロット「……わからない」

ベディヴィエール「……ならば、私と共に王に会いに行き、真意を問いませんか?」

ランスロット「……」

マシュ「……チッ」

ランスロット「わかった!共にいく!だから舌打ちはやめてくれ!なんか心にくる!」




103:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 21:37:23.67 ID:tLkhmD2aO



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

マシュ「というわけで役に立つ様で立たない。少し役に立つランスロット卿が仲間になりました」

ぐだ子「桃屋のラー油みたいな聖騎士だね」

ランスロット「なぁ、何故彼女はこんなにも私に対して辛辣なんだ?」

ベディヴィエール「自分の胸に手を当てて深く考えてみなさい」

ランスロット「……うむ、思い当たる節しかないな!」

ベディヴィエール「……少しは過去を反省して距離を縮めてみればよいのでは?」

ランスロット「前から思っていたがベディヴィエール卿は良い奴だな!今度ガウェイン卿のポテトを奢ろう!」

ベディヴィエール「慎んでご遠慮します」

ランスロット「では早速行ってくる。おーい、マシュ!」

マシュ「気安く名前を呼ばないで頂けますか?ラー油野郎」

ランスロット「」

ぐだ子「いつもと違うマシュで新鮮」

ランスロット「なぁ、ベディヴィエール卿。私はラー油っぽいか?」

ベディヴィエール「ラー油っぽいんじゃないですか」

ランスロット「そうか……ラー油っぽいか……」

ベディヴィエール「いきなり敵だった人間に気安く名前を呼ばれたらそうなりますよ」

ランスロット「卿にわかるか!?いきなり目の前に現れた息子がたわわな美少女になっていた私の気持ちが!」

ベディヴィエール「わかりたくもありません」

ぐだ子「男だと思っていた偉人や英雄が女だったってのはよくある」

ランスロット「そうか……よくあるのか……」




106:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 21:46:13.46 ID:tLkhmD2aO



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

マシュ「……なんとか明るいうちに光輝の大複合神殿に付きました」

スフィンクス「キィィィィィィ」

ぐだ子「出迎えのムード完璧だね。お土産でも持ってくればよかった」

ランスロット「うむ……」

ベディヴィエール「何を悩んでいるんですか」

ランスロット「いや、ここで格好よくあのスフィンクスを倒せば少しは息子との距離が縮まるかなーとな」

ベディヴィエール「ここまできて自分のことしか考えていない貴方に驚きです」

ランスロット「よし、ものは試しだ!」ダッ

ベディヴィエール「……はぁ」

ランスロット「ぐだ子殿、マシュ嬢!ここは私に任せて先に進みなさい!」

マシュ「それでは行きましょう先輩」

ぐだ子「お、おう」

ベディヴィエール「行きましょう」

ぐだ子「頑張ってねー」

ランスロット「お任せを!」

マシュ「先輩、あんなの応援する必要性ありません。必要なら私だけを応援してください」

ぐだ子「マシュからヤンデレの香りが……」

ベディヴィエール「大丈夫でしょうか……」






108:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 22:11:22.50 ID:Yq9vJAvTO



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

マシュ「先輩、やはり使いを送った方がよくなかったですか?」

ぐだ子「今更すぎる」

ベディヴィエール「既に見張りも何人か倒していますし、兵士もなぎ倒していますから今更ですね」

ぐだ子「取り敢えず会ってから考えよう」

マシュ「無事にたどり着けますかね!」

???「残念ながらそれは不可能です!」

ぐだ子「あ、ニトクリス!」

ニトクリス「まだ名乗っていません!」

マシュ「ファラオ・ニトクリス!お久しぶりです!」

ニトクリス「え?あ、はい。お久しぶりです」

ぐだ子「通りますよ!」

ニトクリス「え?あ、はい。どうぞ━━ってダメですダメです!通しませんよ!?」

ぐだ子「ダメか」

マシュ「ダメでしたね」

ニトクリス「うっかり通すところでした!」

ベディヴィエール「すみません。私たちはどうしてもオジマンディアス王とお会いしなければならないのです」

ニトクリス「なりません!」

ぐだ子「ケチ!」

ニトクリス「ケチ!?し、失礼な!」

ぐだ子「ニトクリスのケチんぼ!」

ニトクリス「私はケチではありません!」

ぐだ子「なら通してよ!」

ニトクリス「良いでしょう!通りなさい!」

ぐだ子「チョロいぜ」ダッ

マシュ「失礼します!」

ベディヴィエール「御免!」

ニトクリス「……あ」






110:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 22:29:23.49 ID:Yq9vJAvTO



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

オジマンディアス「━━申し開きはあるかニトクリス」

ニトクリス「……ありません」

オジマンディアス「うむ、では後ほどその両足を削ぎ壺に詰めよ」

ニトクリス「は、寛大な処置に感謝いたします!」

ぐだ子「おい、会いに来たんだから無視するな」

ベディヴィエール「なんか急に態度が大きくなっていませんか?」ボソッ

マシュ「カエサルさんに何か吹き込まれたのでしょう」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

カエサル『あの手の人間は下手にでれば付け上がる。故に対等を意識して話すのだ』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

オジマンディアス「なんの用だ。言った筈だぞ、次に会うときは殺すとな」

ぐだ子「お前の言うとおり覚悟と矜持を持って来てやったぞ」

オジマンディアス「━━ほう。して、その覚悟とはなんだ」

ぐだ子「建国して、ローマ皇帝になった」

オジマンディアス「……」

ニトクリス「……」

マシュ「二人とも停止しています」

ぐだ子「これで一国の王と王で対等な立場になったな」

オジマンディアス「━━は、ははははは!!」

ニトクリス「ファラオ!?」

オジマンディアス「なるほど!そういうことか!クハハハハ!面白い!面白いぞ!ローマなどという弱小国の分際で余と対等だと抜かすか!」

ぐだ子「……は?」

マシュ「あ、先輩がキレました」

オジマンディアス「我らエジプト文明にも劣るカスの分際でよく吠えるわ!」

ぐだ子「……ローマの属国風情が粋がるなよ」

オジマンディアス「……なに。今なんといった」

ニトクリス「あわわわわ」ガタガタ

ぐだ子「エジプトなんていうローマの属国風情が粋がるなよって言ったんだよ」

オジマンディアス「……よし、お前は余が自らの手で殺してやろう」

ぐだ子「上等だ!前から気にくわなかったんだよ!その玉座から引きずり下ろしてやるから覚悟しな!」

ベディヴィエール「あの……共闘の申し出をしにきたのでは」

マシュ「ベディヴィエール卿、行きますよ!」

ベディヴィエール「……はい」




112:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 22:55:35.33 ID:Yq9vJAvTO



ぐだ子「カモン!スパさん!」

ガシャン!
スパルタクス「フハハハハ!我が愛に敵なし!」

マシュ「スパルタクスさんが壁を破壊して入ってきました!」

ベディヴィエール「道理でいなかったわけです」

ぐだ子「スパさん、圧制者だよ!」

スパルタクス「……なに?圧制者とな?」

ぐだ子「オジマンディアス王は圧制を敷く悪い支配者だよ!」

スパルタクス「よろしい!ならば叛逆だ!」

オジマンディアス「ふん!神の威光の前にひれ伏すがいい!」

ぐだ子「おい、オジマンディアス!特別に聖杯使ってもいいぞ」

マシュ「先輩がオジマンディアス王を煽ってます」

オジマンディアス「余がなぜその様なものを使う必要がある」

ぐだ子「ハンデだよ。ハンデ」

オジマンディアス「」ブチッ

マシュ「オジマンディアス王、キレました」

ベディヴィエール「あぁ、余計なことを……」

オジマンディアス「ゆくぞ!ニトクリス!!」

ニトクリス「は、はい!お任せくださいファラオ!」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

スパルタクス「我が愛で圧制者を滅ぼすべし!」

ニトクリス「くっ!」

マシュ「はぁ!」

ベディヴィエール「輝ける腕よ!」

オジマンディアス「なんのこれしき!」

スパルタクス「ふん!」ガシッ

ニトクリス「うわぁ!?」

スパルタクス「我が一撃で砕け散るがいい」ブンッ

ニトクリス「にゃぁぁぁぁぁ!!?」

ドンッ
オジマンディアス「くっ!何をしているニトクリス!!」

ニトクリス「も、申し訳ありませんファラオ!」

ベディヴィエール「今です!隙が出来ました!」

マシュ「これで決めます!」




114:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 23:11:12.95 ID:Yq9vJAvTO



ランスロット「極光よ、斬撃より湖面を映せ!」

マシュ「え?」

ランスロット『━━━縛鎖全断・過重湖光!』

オジマンディアス「ぐぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

ニトクリス「ファラオ!?」

オジマンディアス「よもや、余が敗れるとは……」

ランスロット「━━ふん、口ほどにもない」

マシュ「」

ベディヴィエール「」

ランスロット「やりましたな、ぐだ子殿!マシュ嬢!ベディヴィエール卿!スパルタクス殿!」ニッコリ

マシュ「……」プルプル

ベディヴィエール「ランスロット卿!」

ランスロット「お疲れ様です、ベディヴィエール卿!なんとか倒せましたな!」

ベディヴィエール「空気を読みなさいバカ!」

ランスロット「な!?バカとはなんだ!バカとは!」

マシュ「うぅ……先輩……うわぁぁぁぁ!」シクシク

ぐだ子「おぉ、よしよし!マシュは頑張ったね!見てたよ!」ナデリナデリ

マシュ「うわぁぁぁぁ!!あの穀潰しが!私の手柄を横取りしましたぁぁぁぁ!うわぁぁぁぁん」シクシク

ランスロット「」

ベディヴィエール「擁護できません」

ランスロット「いや、私は良かれと思ってだな!?」

ぐだ子「スパさん、抱擁」

スパルタクス「ふんっ」ガシッ

ランスロット「ぐぉぉぉぉぉぉ!!?中身が!口から中身が出るぅぅぅ!!?」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

オジマンディアス「余が、敗れるとはな……。持っていけ、聖杯だ」

ベディヴィエール「ありがとうございます」

オジマンディアス「そして即刻失せろ。顔も見たくない」

ぐだ子「帰ろ、マシュ……」ナデリナデリ

マシュ「先輩……」ギュッ

ぐだ子「今夜はたっぷり慰めてあげるからね」

スパルタクス「アッセイ!」

ベディヴィエール「帰りますか」

ランスロット「待ってくれ!置いていかないでくれ!」

ベディヴィエール「……はぁ」

ランスロット「ベディヴィエール卿!卿なら見捨てないと思っていたぞ!」

ベディヴィエール「スパルタクス殿、これを引きずって頂けますか?」

スパルタクス「さぁ、共にゆこう!」ズルズル

ランスロット「いたっ!もっと優しくしてくれ!ぐはっ」









115:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 23:27:20.99 ID:Yq9vJAvTO



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ぐだ子「ただいま!」

ダ・ヴィンチちゃん「おかえりなさい!首尾はどう?」

ぐだ子「オジマンディアスをぶっ飛ばして聖杯を回収してきたよ!」

ダ・ヴィンチちゃん「あれ、同盟は?」

ぐだ子「……」サッ

ダ・ヴィンチちゃん「……さぁ、ぐだ子ちゃん!こっちをみたまえ」グググ

ぐだ子「いたっ!痛いです!」

ダ・ヴィンチちゃん「……はぁ、まったく仕方がないなぁ」

カエサル「ふむ、元よりこうなるとは思っていたからな」

ぐだ子「さーせん。あ、でも他にも収穫があったよ」

ダ・ヴィンチちゃん「同盟よりも有用なものかい?」

マシュ「獅子王の聖槍の正体、聖都の内部情報、戦力、あとおまけで聖騎士です」

ダ・ヴィンチちゃん「それは本当かい!?」

ランスロット「待て!!その情報の出所は全て私ではないか!なのにその私がおまけとはどういうことだ」

ダ・ヴィンチちゃん「この人は?」

ベディヴィエール「サー・ランスロットです」

ダ・ヴィンチちゃん「……」

ランスロット「……」

呪腕「ダ・ヴィンチ殿、武器の数ですが……おや、ぐだ子殿お帰りでしたか。して、そちらは客人ですかな?」

ランスロット「円卓の騎士、ランスロットだ」

呪腕「……」

ランスロット「……」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ランスロット「おかしいな……どう見てもこれでは私がこれから処刑されるみたいではないか」

ベディヴィエール「いえどう見ても処刑です」

ランスロット「何故だ!?」

呪腕「流石はぐだ子殿!厄介な聖騎士を捕縛してくるとは!このハサン、感服いたしましたぞ!」

静謐「流石はぐだ子様です///」




116:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 23:43:08.38 ID:Yq9vJAvTO



ぐだ子「うん、まぁね!」

ランスロット「ぐだ子殿ぉ!?」

百貌「ほう……戻ってきてみれば大層なことになっているではないか」

呪腕「ふむ、百貌のか。ぐだ子殿がオジマンディアスを倒しただけでなく聖騎士の一人を捕縛してきたというのだ。これを喜ばなくてどうする!」

百貌「なるほどな……。ふっ、大したものだ」

呪腕「それで百貌の。戦力はどうなった」

百貌「うむ、各地域の代表を連れてきた。これから納得して貰う」

呪腕「うむ、任せたぞ」

ランスロット「ぬぉぉぉぉぉ!!マシュ嬢!助けくれぇ!父親を見殺しにするのはよくないぞ!」

マシュ「~♪」

ランスロット「鼻歌混じりで無視だと……」

ぐだ子「ねぇ、ハサンたち」

呪腕「なんですかな?」

百貌「どうした?」

ぐだ子「そのランスロットを戦力に加えたいんだけど」

ランスロット「ぐだ子殿!!」

呪腕「なりませぬ。いつ裏切るやもしれませんし、それに奴に殺されていった者たちが許さないでしょう」

百貌「その通りだ」

ぐだ子「うーん……」

ランスロット「」

百貌「処刑がてら各地域の代表を連れてくる。そこで改めて戦列に加わって貰おう」

呪腕「うむ」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

百貌「それではこれより、我らが山岳ローマ帝国連合の皇帝、ぐだ子殿からのあいさつだ」

ぐだ子「なにそれ聞いてない」

カエサル「適当に話をすればよい。あとはどうにでもなる」

ぐだ子「うぃっす……」

民衆「……」ザワザワ

ぐだ子「えーっと……」

民衆「……」ジー

ぐだ子「我々はローマである!」

民衆「……ローマ?」ザワザワ



117:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/20(土) 23:55:59.63 ID:Yq9vJAvTO



ぐだ子「獅子王による裁きを止めたこの大樹もローマである!」

民衆「……ローマすげぇ」ザワザワ

ぐだ子「万人は全てローマであり、世界とは即ちローマである!!」

民衆「……ローマなのか」ザワザワ

ぐだ子「あの聖騎士をみよ!」

ランスロット「!」ビクッ

民衆「……聖騎士だ」ザワザワ

ぐだ子「三蔵ちゃん!牢を壊して!」

三蔵「ん?いいの?」

ぐだ子「おっけー」

呪腕「ぐだ子殿!?」

三蔵「それじゃぁ……ホワタ━━━!!」ガシャ!!

ランスロット「おぉ、助かりました!」

民衆「……うわぁ、聖騎士が!」ザワザワ!!

ぐだ子「見るがいい!その聖騎士もまたローマである!」

ランスロット「え!?え!?」

ぐだ子「……」クイッ

ランスロット「…ろ、ローマである!」

アーラシュ「ローマなのか。なら仕方ないな」

藤太「うむ、ローマなら仕方あるまい」

民衆「ローマすげぇ!!」ザワザワ

ぐだ子「私たちは今一度立ち上がらなければならない!理不尽な獅子王の裁きに対して!私たちは立ち向かわなければならない!」

民衆「……」ゴクリ

ぐだ子「何故ならそれもまた、ローマであるからだ!」

ウォォォォォォ!!
民衆「「「ローマ!ローマ!ローマ!」」」

ランスロット「……///」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ロムルス「ぐだ子よ……」

ぐだ子「あ、ローマ!」

ロムルス「よきローマであった」

ぐだ子「えへへ♪ありがと!」

ロムルス「汝もまたローマ皇帝である。故に、ローマも汝を我が子の様に愛そう」

ぐだ子「ローマ!」

ロムルス「うむ、ローマである!」




118:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/21(日) 00:15:02.51 ID:lo8CqPE0O



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

カエサル「では最終確認といこう」

全員「おう!」

カエサル「全体の指揮は私が執る」

ぐだ子「任せたよ」

カエサル「うむ、任された。最初にランスロット卿の遊撃部隊を外苑部にいるモードレッドの部隊にぶつける」

ランスロット「あぁ、兵の練度ならば敗ける要素がない」

カエサル「そして門に陣取るガウェインについてだが……」

カリギュラ「俺が……殺す……」

カエサル「任せたぞ」

マシュ「あ、あの!」

カエサル「なんだ?」

マシュ「カリギュラさんだけでガウェイン卿を抑えられるのでしょうか……やはりもう何人かで掛かった方がよいかと」

ベディヴィエール「私も同感です」

カエサル「……よいか二人とも」

マシュ「はい」

カエサル「私は勝てる戦いしかしない。それは逆をいえばカリギュラだけで十分に勝てるという確固たる自信があるのだ」

マシュ「カリギュラさんだけで……?」

カエサル「仲間を信じろ」

マシュ「!━━はい!」

カエサル「次に門の上の弓兵についてだが……」

アーラシュ「それは俺とトータ殿に任せて貰おう」

藤太「うむ!腕がなる」

三蔵「ねぇねぇ!私は?」

カエサル「トータ殿と共にいるといい」

三蔵「おっけー!私がトータをばっちり守っちゃうんだから!」

藤太「拙者がお守りをするの間違いではないのか……」

カエサル「ネロ、スパルタクス、神祖様、マスター、マシュ、ベディヴィエール卿、ダ・ヴィンチ女史……それに暗殺者は各部隊で戦闘、門が開き次第突入だ」

呪腕「承った!」

百貌「任されよ」

静謐「はい!」

ネロ「うむ!」

ロムルス「わかった」

スパルタクス「叛逆だな」

ベディヴィエール「はい!」

マシュ「頑張ります!」

ダ・ヴィンチちゃん「この万能天才ダ・ヴィンチちゃんが万々活躍してみせるさ」

ぐだ子「━━━わかった」




119:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/21(日) 00:31:23.79 ID:lo8CqPE0O



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

カエサル「両軍にらみ合いが始まったな」

ベディヴィエール「向こうの矢が当たらない絶妙な位置ですね」

ランスロット「騎士たちよ、覚悟は出来ているな!」

ダ・ヴィンチちゃん「ぐだ子ちゃん、覚悟はいいかい?」

ぐだ子「是非もないよね!」

マシュ「マスターは最後まで私が御守りします!」

ロムルス「ローマに任せるがよい」

スパルタクス「あぁ、この高揚感!懐かしき闘技場ではないか!」

カリギュラ「太陽は丸い……偉大なるカエサルも丸い……太陽はカエサル?」

ネロ「ふむ、胸が高鳴るな!」

三蔵「うわぁ!?トータ助けてぇ!」

藤太「ええい、しっかり手綱を掴まんか!」

三蔵「ぐっ!!」

藤太「力を入れすぎだ……。いつもの三蔵らしくないぞ」

三蔵「なによ!それじゃあいつも脱力してスライムみたいだっていいたいの!?」

藤太「そうは言っておらんだろ」

三蔵「うぅ……」

藤太「……お主はいつも通り、拙者の後ろで御仏パワーとやらを皆にみせてやれ」

三蔵「私が……?」

藤太「なんだ。それとも菩薩の声が聞こえなくなったのか?」

三蔵「バカ言わないで!私は御仏パワー全開の高僧少女三蔵法師なんだからね!敵も味方も、全員救ってあげるわ!」

藤太「うむ、その意気だ!」

アーラシュ「ははははは!!トータ殿はやはり三蔵殿と一緒にいると輝いているな!」

呪腕「我らの悲願がここに」

百貌「今こそ、山の翁の力を見せるとき!」

静謐「見ていてください……ぐだ子様!」

カエサル「ゆくぞ━━━進め、賽は投げられた!」





120:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/21(日) 00:55:22.38 ID:lo8CqPE0O



カエサル「左翼前進!右翼も時間を置いて前進せよ!」

アーラシュ「最初から全力でいくぞ!」バシュバシュ!!
【弓矢作成:A】

藤太「拙者も負けていられないな!」バシュ!!

三蔵「いけいけトータ!!がんばれー!」

藤太「うるさいぞ三蔵!」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ガウェイン「━━ほう、私の守る正門に真っ正面から一人で挑んでくるとは……」

カリギュラ「……」

ガウェイン「勇気と無謀の違いを教えて差し上げましょう」

カリギュラ「……お前は」

ガウェイン「……なんですか?」

カリギュラ「お前は……余の可愛いネロを傷つけた。……その罪を……お前の命で……償え!!」

ガウェイン「……お忘れでは無いでしょうか?私の祝福は常に太陽の恵みがあること。そして日中の私は無敵です」

カリギュラ「それが……どうした!」

ガウェイン「ここまで言ってわからないとは……せいぜいあの世で後悔なさい」

カリギュラ「ウラァァァァァ!!」

ガウェイン「ふんっ!」




121:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/21(日) 01:23:06.41 ID:lo8CqPE0O



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ランスロット「一人ずつ確実に仕留めろ!敵は所詮有象無象だ!」

モードレッド「……てめぇ、ランスロット!裏切りやがったな!」

ランスロット「裏切りだと?……ふん、私は裏切ってなどいない!」

モードレッド「じゃぁなんだっていうんだよ!」

ランスロット「私は王の行いを諌めるためにきたのだ!全ては我が王の為!」

モードレッド「ふざけんな!」

ランスロット「貴様にもわかるときがくる」

モードレッド「黙れ裏切りもの!俺がこの手で切ってやる!」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ガウェイン「どうしましたか?貴方の攻撃では私を倒すことはおろか、傷つけることすら叶いませんよ」

カリギュラ「……この時を待っていた」

ガウェイン「?」

カリギュラ「捧げよ、その命……その魂を!」

ガウェイン「……これは、辺りが薄暗く!?」

カリギュラ『我が心を喰らえ、月の光!!』

ガウェイン「……太陽が月に飲まれただと!?」

騎士「なんだ……この光は……!?」

騎士「うわぁぁぁぁぁぁ!!」

ガウェイン「精神汚染の類いか!」

カリギュラ「食らえぇぇぇぇぇぇ!!」ガシャン!!

ガウェイン「ぐあっ!?」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

カエサル「……日中が無敵ならば上書きしてしまえばいい。ただ、それだけのことよ」

アーラシュ「よう司令官殿!あらかた片付けたぜ!」

藤太「うむ!さて、次はどうする?」

カエサル「決まっておろう。門を破るのだ」






122:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/21(日) 10:56:32.83 ID:7vQcdBhHO


アーラシュ「だがあの門を壊すのは一筋縄ではいかんぞ」

カエサル「それについてだが……」

ダ・ヴィンチちゃん「はいはーい!万能天才美女のダ・ヴィンチちゃんの登場だよ!はい、拍手!」

アーラシュ「おぉ!」パチパチパチ

三蔵「!」パチパチパチ

藤太「ダ・ヴィンチ殿、何か策があるのか?」

ダ・ヴィンチちゃん「いやー、天才過ぎるってのも困りものだよね~♪うんうん、自分の才能が怖いよ」

カエサル「ダ・ヴィンチ女史!」

ダ・ヴィンチちゃん「まぁまぁ、慌てなさんな。ちゃーんと計算して、どうやったらあの門を破壊できるか考えたよ」

藤太「ふむ」

ダ・ヴィンチちゃん「結論から言おう!あれは通常の攻撃では壊せない!」

アーラシュ「……」

三蔵「じゃあ、どうするの?」

ダ・ヴィンチちゃん「まぁ、最後まで話を聞きたまえ。あくまで通常の攻撃では、だよ」

アーラシュ「……?」

カエサル「我らの宝具をぶつけるのだな」

ダ・ヴィンチちゃん「その通り!」

アーラシュ「なるほど……ならば俺に任せ」

ダ・ヴィンチちゃん「ちなみにアーラシュの宝具は禁止だよ」

アーラシュ「なに!?」

ダ・ヴィンチちゃん「そんなこと許したらぐだ子ちゃんが座まで君を殴りにいくはめになるからね」

アーラシュ「むぅ……確かに、俺はぐだ子を悲しませたくはないな」

ダ・ヴィンチちゃん「大丈夫、私と藤太殿、ベディヴィエール卿の宝具で破壊できる」

アーラシュ「うーむ……最終決戦で仕事がないというのもな……」

藤太「はははは!そういうなアーラシュ殿、我らに任せて英気を養っておくべきだ。まだ円卓の騎士は残っている故にな」

アーラシュ「……わかった」

カエサル「では行こう」

三蔵「あれ、私何もしてない」




124:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/21(日) 11:22:52.23 ID:7vQcdBhHO



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

カリギュラ「Aaaaaaaaaa!!!」

ガウェイン「ぐぁっ!?」

カリギュラ「……はぁ……はぁ」

ガウェイン「……ここまで、私を追い詰めた者はいませんでした」

カリギュラ「……uuuuuuu!!」

ガウェイン「ならば貴方には私の全力をぶつけましょう!!」

カリギュラ「……!」

ガウェイン「この剣は太陽の移し身。あらゆる不浄を清める焔の陽炎」

カリギュラ「……くっ!」

ガウェイン『転輪する勝利の剣!』 カッ!!

カリギュラ「ぁぁぁぁぁぁ!!?」

ガウェイン「我が王のために!貴方をここで倒す!!」

カリギュラ「」

ガウェイン「━━━っ!はぁ……はぁ……」ガクッ

カリギュラ「」

ガウェイン「なんとか……倒せました……。ですが、まだ敵は!」

カリギュラ「……」

ガウェイン「……そういえば、なぜまだ月が残っているのだ?」

カリギュラ「……」ムクッ

ガウェイン「まさか!?」

カリギュラ「……」ガシッ

ガウェイン「ぐっ!?」

カリギュラ「……まだだ……余は倒れぬぞ」グググッ

ガウェイン「かはっ!」

カリギュラ「フンッ!!」ボキッ

ガウェイン「……こんな、はずでは」ガクッ

カリギュラ「……」

ガウェイン「…なぜ、貴方はそこまで」

カリギュラ「……お前は……余の可愛い姪を傷つけた」

ガウェイン「……そうでしたね。……あぁ、お許しください、我が王よ」シュゥゥゥゥゥ

カリギュラ「……」

呪腕「カリギュラ殿!お見事でした!」

カリギュラ「……」バタッ

呪腕「カリギュラ殿!?」

カリギュラ「……余は、少しばかり疲れた」

呪腕「……あとは我らにお任せを」

カリギュラ「……うむ」




125:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/21(日) 12:09:47.85 ID:7vQcdBhHO



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

カエサル「……うむ、カリギュラはよくやった」

マシュ「えぇ!」

ベディヴィエール「あとはこの門を攻略するだけですね」

ぐだ子「令呪ブーストする?」

ダ・ヴィンチちゃん「大丈夫、それはしっかり取っておきなさい」

藤太「よし、拙者が米だけではないところを見せてやろう!」

ベディヴィエール「大丈夫…いけます」

ダ・ヴィンチちゃん「準備はいいかい?」

藤太「任されよ!」

ベディヴィエール「はい!」



ダ・ヴィンチちゃん「東方の三博士、北欧の大神、知恵の果実……我が叡智、我が万能は、あらゆる叡智を凌駕する」

藤太「南無八幡大菩薩……願わくば、この矢を届けたまえ!」

ベディヴィエール「我が魂喰らいて奔れ、銀の流星!デッドエンド――銀色の腕!!」

ダ・ヴィンチちゃん『万能の人!』

藤太『八幡祈願・大妖射貫!』

ベディヴィエール『剣を摂れ、銀色の腕!』


ガシャ━━━━━━ン!!!

ダ・ヴィンチちゃん「どうだ!」

カエサル「うーむ、半壊といったところか」

ダ・ヴィンチちゃん「な!火力が足りなかったのか!?」

ぐだ子「ダ・ヴィンチちゃんの計算が間違って…」

ダ・ヴィンチちゃん「シャラップ!ぐだ子ちゃん!」

三蔵「……」

藤太「ならばもう一発!」

ベディヴィエール「……はぁ、はぁ」

ダ・ヴィンチちゃん「それは難しい……。私の魔力も今のでだいぶ消費してしまった」

アーラシュ「くそ!どうすれば!」

三蔵「━━うん!そうよね!お弟子が頑張っているんだからお師匠さまが良いところ見せないとね!」

ぐだ子「三蔵ちゃん?」

三蔵「皆が頑張ってるのはお釈迦様にはちゃーんとお見通しなんだから!」

マシュ「三蔵法師?」

三蔵「今こそ御仏の加護、見せてあげる!!」

藤太「何をするつもりだ三蔵!」

三蔵「皆!退いてなさい!御仏パワー全開なんだから!」

ダ・ヴィンチちゃん「皆!伏せるんだ!」

三蔵『五行山・釈迦如来掌!!』カッ!!




126:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/21(日) 12:36:05.25 ID:7vQcdBhHO


マシュ「門が……吹き飛びました」

三蔵「よし!これも御仏の加護ね!」

藤太「お主というやつは……」

三蔵「どうトータ!少しは見直した?」

藤太「ははははは!!それでこそ俺の師匠だな!」

三蔵「ふふん!」

カエサル「気を付けろ。門を壊したことで中と外から兵が集まってきたぞ」

三蔵「ふぅ……私、少し疲れちゃった」フラッ

藤太「おっと!うむ、あとは拙者たちに任せろ」

ロマン『みんな、後方から強大な魔力反応が複数だ!……これは』

???「行きなさい!スフィンクス達よ!聖都の敵を蹂躙するのです!」

スフィンクス「キィィィィィィ」

ぐだ子「ニトクリス!」

ニトクリス「だからまだ名乗ってません!」

マシュ「女王ニトクリス!なぜここに!」

ニトクリス「不甲斐ない貴方たちを見かねて加勢にきただけです!」

ぐだ子「オジマンディアスめ、余計な真似を」

ニトクリス「いえ、ファラオは関係ありません」

マシュ「え?」

ダ・ヴィンチちゃん「でも、その神獣はオジマンディアスのものだろう?」

ニトクリス「……」サッ

ぐだ子「勝手に持ち出したのか」

ニトクリス「ち、違います!これは……そう!スフィンクス達の散歩です!」

ぐだ子「犬じゃあるまいし」

ニトクリス「散歩の途中で偶然通り掛かっただけです!」

ダ・ヴィンチちゃん「それにしては距離があるような」

ニトクリス「いいのです!!」




127:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/21(日) 12:43:29.13 ID:7vQcdBhHO



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

オジマンディアス「……ニトクリスよ」

ニトクリス「な、なんでしょうファラオ!」

オジマンディアス「余の神獣たちがおらぬのだが」

ニトクリス「た、ただいま散歩に連れていっております!」

オジマンディアス「……ニトクリスよ」

ニトクリス「な、なんでしょうファラオ!」

オジマンディアス「余に対して鏡像で会話をするのは不敬だとは思わぬか?」

ニトクリス「……」ガタガタ

オジマンディアス「……ふむ、だが許す。余も獅子王とやらは気に食わぬ」

ニトクリス「!」

オジマンディアス「蹂躙せしめよ」

ニトクリス「はっ!必ずやファラオの威光を知らしめて参ります!」

オジマンディアス「……ふむ、だが後ほどその耳を切り落とし壺に詰めよ」

ニトクリス「ひぃぃぃぃ!!?」






128:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/21(日) 14:21:36.88 ID:dgijcdkZO


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

カエサル「では正門前は私と女王ニトクリスに任せ先に進め」

マシュ「カエサルさんは?」

カエサル「指揮官がいなくなっては軍が保てなくなるからな。やれやれ、損な役回りだ」

ぐだ子「任せたよデブ!」

カエサル「デブではない!ふくよかと呼べ!……さぁ行け」

ベディヴィエール「かたじけない!」

ネロ「マスター!」

ぐだ子「ん?ネロだ」

ネロ「馬を連れてきたぞ!」

ロムルス「乗るがいい」

ダ・ヴィンチちゃん「よしきた!」

アーラシュ「助かった!」

藤太「拙者も門に留まろう」

カエサル「よいのか?」

藤太「なに、拙者の師匠を守らねばならぬからな!」

カリギュラ「…まだ……戦えるぞ」ムクッ

カエサル「見上げた皇帝だ」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

騎士「ランスロット卿!モードレッド卿を逃しました!」

ランスロット「くっ、私は奴を追う!お前たちはこの場で残りの敵を殲滅しろ。ただし、投降するものは殺すな」

騎士「はっ!」




129:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/21(日) 14:22:59.89 ID:dgijcdkZO


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

マシュ「城内に侵入しました!このまま全速力で駆け抜けます!先輩、しっかり掴まってください!」

ぐだ子「マシュのマシュマロ~♪」フニフニ

マシュ「今はダメです!先輩///」

ロマン『高魔力反応だ!避けて!』

モードレッド『我が麗しき父への叛逆!』

マシュ「危ない!」

ドガ━━━ン!!

モードレッド「……ちっ、避けられたか。だが、ここは通さねぇぞ」

マシュ「モードレッド卿が立ちはだかっています!」

アーラシュ「……俺に任せろ」

マシュ「アーラシュさん!」

ネロ「うむ、余もあやつに用がある」

ぐだ子「ネロ!」

ダ・ヴィンチちゃん「彼らに任せて進もう!」

モードレッド「行かせるか!」

アーラシュ「ふっ!」バシュ!!

モードレッド「ちっ!」

アーラシュ「お前の相手は俺と」

ネロ「このネロ・クラウディスだ」

モードレッド「やっぱりてめぇらはぶっ殺さないといけねぇらしいな!」

アーラシュ「悪いがそれは無理だ」

モードレッド「なに?」

アーラシュ「俺はぐだ子のために戦う。悪いが敗ける訳にはいかないんだ。最初から全力でいかせて貰う!」

ネロ「開け、門よ!招き蕩う黄金劇場!」

モードレッド「なんだよここは!」

ネロ「貴様は特別に余の造った黄金劇場で相手をしてやろう!」

アーラシュ「ほう、こいつはすげぇや!」

ネロ「ゆくぞ弓兵よ!」

アーラシュ「おう!」

モードレッド「くそったれがっ!!」




130:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/21(日) 15:58:15.84 ID:dgijcdkZO


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


ダ・ヴィンチちゃん「城が見えてきたね。いよいよ本丸だ」

トリスタン「━━残念ながら貴女たちの運命はここまでです」

ベディヴィエール「トリスタン!」

トリスタン「ベディヴィエール卿、よくぞここまで来ました。ですが私は悲しい。せっかくここまで来た貴女たちの希望はここで断たれてしまうのですから」


呪腕「━━ほざけ!」ビュ

百貌「━━はっ!」バッ

静謐「━━このっ!」サッ

トリスタン「ふん」キンッ


ぐだ子「ハサンズ!」

呪腕「ぐだ子殿、ここは私たちに任せて頂きたい!」

百貌「奴は村の者たち、同胞の仇!」

静謐「私たちが奴を討たねばなりません!」

マシュ「皆さん……」

ぐだ子「任せた!」

トリスタン「……貴方たち程度がよってたかってきた所で私を倒すことなど出来ませんよ」

ベディヴィエール「私も……!」

ぐだ子「行くよベディ」

ベディヴィエール「ですが私は!」

ぐだ子「ベディ、今本当に貴方がしないといけないことを考えて!」

ベディヴィエール「!」

ダ・ヴィンチちゃん「……行こう」

呪腕「ここから先は行かせぬぞ」

トリスタン「無駄なことを……。貴方たちを始末して彼らも処理するだけです」

百貌「覚悟!」

呪腕「我らを甘くみるなよ!貴様に対しての策は練ってあるわ!」

静謐「参ります!」




131:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/21(日) 17:13:18.51 ID:dgijcdkZO



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

モードレッド「まだまだァ!」

アーラシュ「俺の矢は、大地を割る!」

ネロ「さぁ、舞うがいい」

モードレッド『我が麗しき父への叛逆!!』

アーラシュ「おっと!」

モードレッド「ちっ、避けんじゃねぇよ!」

ネロ「貴様、宝具を撃ち放題など卑怯ではないか!」

モードレッド「俺はいいんだよ!」

アーラシュ「俺なんて宝具禁止だからな!」

ネロ「撃てばよいではないか」

アーラシュ「ぐだ子との約束で封印してるんだよ」

モードレッド「俺に宝具なんて撃つ必要がないってことか!舐めやがって!」

アーラシュ「そういうことじゃねぇよ!」

モードレッド「━━これこそは、我が父を滅ぼす邪剣!」

ネロ「来たぞ!」

アーラシュ「━━━今だ!」バシュ

モードレッド「なっ!?」グサッ

ネロ「我が才を見よ! 万雷の喝采を聞け!しかして讃えよ! 黄金の劇場を!」

モードレッド「━━父上」

ネロ『童女謳う華の帝政!!』

モードレッド「うぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ネロ「勝負あったな」

モードレッド「くそっ……俺の何が悪かったんだよ」

アーラシュ「お前は間違っちゃいない」

モードレッド「え?」

アーラシュ「ただ、違うやり方もあったかもしれないっていうことだ」

モードレッド「……そうかよ」シュゥゥゥゥゥ

アーラシュ「あぁ、次に会うときは共に戦えることを願う」

モードレッド「……ふん、次こそは敗けねぇからな!」シュン

ネロ「終わったな」

アーラシュ「お疲れさん」

ネロ「うむ!」






132:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/21(日) 18:03:52.87 ID:dgijcdkZO


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ぐだ子「もうすぐ城だね」

ロムルス「……ぐだ子よ、下がれ」

ダ・ヴィンチちゃん「どうしたんだい急に?」

ゴゴゴゴゴゴ!!

マシュ「これは!?」

ぐだ子「地震だ」

ベディヴィエール「━━聖槍が起動しました!」

ダ・ヴィンチちゃん「城が覆われていく……」

ロマン『なんだなんだこれは!!わけのわからない数値を叩き出してるぞ!?』

ロムルス「……」

ダ・ヴィンチちゃん「これじゃ中に入れないじゃないか!」

ベディヴィエール「また輝ける腕で……」

ロマン『無駄だ!このエネルギーの前では意味がない!』

ぐだ子「あれ、詰んだ?」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ニトクリス「ファラオよ!獅子王が聖槍を起動させました!」

オジマンディアス「……ほう」

ニトクリス「如何なさいましょうか」

オジマンディアス「ふん、決まっておろう」

ニトクリス「では」

オジマンディアス「ふはははは!!余の威光を知らしめてやれ!デンデラの大電球を起動せよ!」

ニトクリス「デンデラの大電球、起動!」

オジマンディアス「目標、聖都」

ニトクリス「━━充電完了、発射!」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ロマン『次はなんだ!?砂漠から高エネルギー反応だ!』

ズド━━━━━ン!!

ぐだ子「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁ!!?」

マシュ「これは!」

ダ・ヴィンチちゃん「オジマンディアスだ」

ぐだ子「ちっ、あいつ余計な真似を!」











134:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/21(日) 18:25:58.11 ID:dgijcdkZO



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ニトクリス「着弾!……無傷です」

オジマンディアス「ならば壊れるまで撃てば良かろう!第二射用意!」

ニトクリス「━━━充電完了、発射します!」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ロマン『第二射くるぞ!』

ズド━━━━━ン!!

マシュ「直撃しています!ですが……」

ダ・ヴィンチちゃん「ダメだ、びくともしない」

ベディヴィエール「なんか規模が凄すぎて訳がわかりません」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

トリスタン「……王が聖槍を起動しましたか」

呪腕「……はぁ、はぁ」

百貌「こやつ、化け物か!」

トリスタン「心外ですね。歴とした人間ですよ。ただ、貴方たちが弱いだけです」

呪腕「しかし、百貌の!」

百貌「あぁ、ゆくぞ!」

トリスタン「無駄ですよ、何もかも」

呪腕「それはどうかな!」

百貌「気がついてないようだな!」

トリスタン「これは!?」

静謐「お二方が注意を惹いている間に私が舞わせて貰いました!私の力は毒を操ること!」

百貌「貴様が生きている時、毒に倒れたというのは既に調べがついている!」

呪腕「これで終わりだ」




135:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/21(日) 20:27:06.92 ID:/MXyrUtPO



トリスタン「……」ポロロン

スパッ
静謐「━━え?」

呪腕「静謐の!」

百貌「何故だ!何故毒が効いていない!?」

トリスタン「我が祝福は"反転"。毒など効きませんよ。言ったでしょう?━━無駄だと」

静謐「……あ、あぁ!」

トリスタン「まずは一人」ポロロン

静謐「ひっ!?」

「ふんぬ!」

静謐「……あれ」

トリスタン「……何者ですか」

スパルタクス「これが、愛か……」タラー

呪腕「スパルタクス殿!」

静謐「あの、えっと……」

百貌「静謐、早く立たんか!」

静謐「は、はい!」

呪腕「スパルタクス殿、何故ここに!」

百貌「聞くだけ無駄だと思うぞ」

スパルタクス「私を呼ぶ声が、ここに導いた」

トリスタン「あぁ、私は悲しい。例え誰が加勢しようとも死体が増えるだけだというのに」

百貌「……く、万策尽きたか」

呪腕「まだ諦めるではない!」

トリスタン「大人しく首を差し出せば、楽にしてあげましょう」

スパルタクス「……汝は無辜の民を傷つけたな?」

トリスタン「はい?」

スパルタクス「我が同胞、奴隷…さまざまな者が圧圧制者に苦しめられた」

トリスタン「それがなにか。弱者が淘汰されるのはいつの世も必然です」

呪腕「なにを!」

スパルタクス「故に私は叛逆した。圧制者に!国に!そして世界に!」

トリスタン「……」

スパルタクス「私は全ての叛逆するものの指導者として戦わなければならない」

トリスタン「貴方が何を言いたいのか、私にはわかりません」

スパルタクス「問おう!━━━━君は圧制者かな?」(ニヤリ

トリスタン「弱者をいたぶることが圧制だというならば、私は圧制者なのでしょう。さぁ、下らない問答はそれまでにして貴方の首を頂きましょう」

スパルタクス「そうか……圧制者か!ならばこの叛逆も必然なり!故に、私は汝を我が愛を持って滅ぼそうではないか」






136:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/21(日) 21:00:22.33 ID:/MXyrUtPO



トリスタン「正面から向かってくるとは……愚かですね。ですが、仕方ありません。私のフェイルノートの前にはどこから来ようとも関係ありません」

スパルタクス「我が叛逆に後退の二文字はない!」

呪腕「柘榴と散れッ!」ビュン

百貌「他愛なし!」ヒュッ

静謐「やらせません!」ビュッ

トリスタン「ふっ」ポロロン
キンッキンッ!!

呪腕「ダメだ、通らぬか!」

百貌「諦めるな!」

スパルタクス「さぁ、覚悟するがいい」

トリスタン「それは貴方の方でしょう。」ポロロン

ズバン!ザク!!

呪腕「スパルタクス殿!」

スパルタクス「ふははは!もっとだ!」ダクダク…

静謐「いけません!あんなに血が!」

スパルタクス「ふん!」

【被虐の誉れ:B+】

トリスタン「本来ならば腕や足が飛んでもおかしくないはずなのですが……恐るべき肉体と耐久ですね。ですが、その傷でどこまで耐えられるのか」

呪腕「少しでも我々に攻撃を向けさせるのだ!」

静謐「はい!」

トリスタン「鬱陶しい虫ですね。先に殺してしまいましょうか」ポロロン

ザクッ
静謐「━━え!?」
ビチャッ
スパルタクス「……弱者の盾となる以上の快感はない!」

静謐「そんな、なんで!」

スパルタクス「さぁ、前を向け!ここより叛逆の始まりだ」フラッ

静謐「私……助けられてばっかりで……!?」

百貌「後悔している暇があるのならば戦え!スパルタクス殿の傷を無駄にするな!」

スパルタクス「素晴らしい……素晴らしいぞぉ……この快感を倍返しに……」

トリスタン「落ちなさい」ポロロン

スパルタクス「ぬぅ……」ドサッ

トリスタン「……やれやれ。耐久力のある者の相手にこんなにも手間取るなど」

呪腕「くそ!」

トリスタン「最後まで首をはねることはなりませんでしたが、まぁよしとしましょう」




137:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/21(日) 21:10:24.84 ID:/MXyrUtPO



トリスタン「さて、残るは有象無象だけですね」スタスタ

呪腕「……諦めてはならぬぞ!最後までこやつを足止めするのだ!」

百貌「承知!」

静謐「はい!」

ガシッ

トリスタン「……はい?」

スパルタクス「」ムクッ

トリスタン「くっ!殺したはずでは!」

スパルタクス「……我が叛逆は永遠不滅である!」

【不屈の意志:A】

トリスタン「この!」ポロロン

ザクッ!!
スパルタクス「さぁ」ガシッ!グッ!

トリスタン「離せ!この!」

スパルタクス「我が愛を受けとりたまえ」ガシッ

トリスタン「ぐぁぁぁぁぁ!!?」ボキボキゴキ

スパルタクス「逝くぞ……我が愛は、爆発するぅ!!」
バリバリバリ!!

トリスタン「この私が!?この私がぁぁぁぁぁ!!」シュゥゥゥゥゥ

呪腕「!」

百貌「……あぁ」

静謐「勝ち、ました……」

スパルタクス「圧制者とは永遠に相容れぬことはない。死ぬがよい」

静謐「スパルタクス様!傷が!━━無い?」

呪腕「あれほどの大怪我が瞬く間に!」

百貌「やはり化け物か」

スパルタクス「あとは任せたぞ、マスター」




139:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/21(日) 21:27:59.55 ID:/MXyrUtPO



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ニトクリス「聖都から光が来ます!」

オジマンディアス「やり返してきおったか!」

ニトクリス「私が受け止めます!」ダッ

オジマンディアス「防御はニトクリスに任せ引き続き聖都に向かって攻撃を続けろ!第五射用意!」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ニトクリス「冥界の鏡よ!今こそその力を示すがいい!」

カッ!!

ニトクリス「うぐっ!?なんですかこれは!思ってたよりも数十倍キツいです!」

オジマンディアス『ニトクリス』

ニトクリス「は、はい!」

オジマンディアス『耐えよ』

ニトクリス「わ、わかりました!」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ぐだ子「どうしようか」

ダ・ヴィンチちゃん「オジマンディアス王の攻撃でもびくともしないなんて」

ぐだ子「ローマの宝具でも難しい?」

ロムルス「……不可能ではないが」

ぐだ子「なら!」

ロムルス「令呪を5画用いる必要がある」

ぐだ子「無理ぃ!!」

マシュ「あの光の柱を受け止めることは出来たのに壊すことは難しいのですか?」

ロマン『あれは世界と隔絶した結界なんだ!しかも世界の焼却にも耐えられるね!むしろ令呪5画でそれを破壊できる方が凄いよ』




140:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/21(日) 21:44:42.58 ID:/MXyrUtPO



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

カッ!!
ニトクリス「光が増えてませんか!?」

グググッ

ニトクリス「わ、私にもファラオとしての意地があります!」

オジマンディアス『ニトクリス…もういい。もはやこれまでだ』

ニトクリス「そんな!?」

オジマンディアス『だがむざむざやられるのは非常に癪だからな!最期にとっておきをみせてやるわ!』

ニトクリス「まさか!?」

オジマンディアス『あと数十秒ほど持たせよ。それで終わる』

ニトクリス「はい!」

オジマンディアス『それはそうと、貴様自身は鏡像であったな』

ニトクリス「……」

オジマンディアス『……』

ニトクリス「……お許しを」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

オジマンディアス「獅子王か……ふん、余が万全であれば跡形もなく消し去ってやったものを」

ミシミシ

オジマンディアス「しかーし!我が力をあの愚かなローマ皇帝ぐだ子に見せびらかし、格の違いというものを教えてやろうではないか!」

ゴゴゴゴ

オジマンディアス「全能の神よ、我が業を見よ!そして平伏せよ。我が無限の光輝、太陽は此処に降臨せり!」

ミシミシッ

オジマンディアス『光輝の大複合神殿!!』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ダ・ヴィンチちゃん「あれをみるんだ!」

マシュ「な」

ベディヴィエール「な」

ロムルス「ほう」

ぐだ子「」

マシュ「巨大なピラミッドが光の塔に向かって高速で落下していきます」

ダ・ヴィンチちゃん「間違いない、あれこそがオジマンディアス王最後の切り札!自身の作り出した神殿を相手にぶつける質量攻撃!」

ゴゴゴゴゴゴ!!

ガシャ━━━━ン!!!

ベディヴィエール「光の塔が!」

マシュ「壊れました!」




142:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/21(日) 21:55:59.90 ID:/MXyrUtPO



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

オジマンディアス「ふはははは!!どうせ余の威光に間抜け面を晒しておるのだろうなぁ!」シュゥゥゥゥゥ

ニトクリス「ファラオ・オジマンディアス!」

オジマンディアス「ニトクリスか」

ニトクリス「あぁ、お身体が!」

オジマンディアス「ふん、余の全力を放ったのだ。仕方あるまい。……しかし、やはり肉体というのは惰弱でならんな」

ニトクリス「ファラオ……」

オジマンディアス「ローマ皇帝ぐだ子よ!余がここまでお膳立てしてやったのだ!!敗けることなど許さぬぞ!」

ニトクリス「はい!その通りです!」

オジマンディアス「……ニトクリス、大義であった」

ゴゴゴゴゴゴ!!!!!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ロマン『エジプト領、消滅確認……』

ダ・ヴィンチちゃん「最後の最後にオジマンディアス王に助けられたね」

ぐだ子「……」

マシュ「……先輩?」

ぐだ子「……あぁ!めっちゃ腹立つ!!腹立つけど!!でも━━オジマンディアス王の最期の勇姿、しっかりとこの目に焼き付けたよ」

ロムルス「うむ、奴もまた」

ぐだ子・ロムルス「ローマだ!」





143:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/21(日) 22:06:17.03 ID:/MXyrUtPO



ランスロット「おぉ、ここにいたか!」

マシュ「敵です、先輩」

ランスロット「待て!味方であろう!?」

ダ・ヴィンチちゃん「やぁランスロット卿。どうしたんだい?」

ランスロット「モードレッドを取り逃がしてな。急いで追いかけて来たのだが」

マシュ「モードレッド卿はアーラシュさんとネロさんが相手をしてくれています。このノロマ!愚図!」

ランスロット「うーむ、美少女からの罵倒が段々と心地よくなってきたな!」

マシュ「先輩、助けてください!気持ち悪い変質者がいます!」

ランスロット「……。モードレッド卿に関しては道中二人に会い、勝ったと聞いた。それとそのあとにアサシン達とスパルタクス殿がいてトリスタン卿に勝利したようだ」

ぐだ子「スパさん、いないと思ったらそんな所にいたのか」

ダ・ヴィンチちゃん「それじゃ、する事無いんじゃない?」

ランスロット「いや、そうでもない。私はこれから中にいるであろうアグラヴェイン卿を捕縛してくる。奴なら何か獅子王に関して知っているかもしれん」

ベディヴィエール「なるほど……アグラヴェイン卿ですか。確かに彼なら」

ランスロット「奴が逃げる前に捕まえなければならん。先に行かせてもらう!御免!」ダッ

ダ・ヴィンチちゃん「私たちもうかうかしてられない。早く獅子王の元へと急ごう!」

ぐだ子「応ッ!」





144:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/21(日) 22:15:59.35 ID:/MXyrUtPO



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ベディヴィエール「こちらです!」

ダ・ヴィンチちゃん「随分詳しいね」

ベディヴィエール「この城の中ですが、キャメロットと似ているのです」

ぐだ子「円卓の騎士の城か……」

マシュ「……」

ぐだ子「マシュ、大丈夫?」

マシュ「え?あ、はい!大丈夫です」

ぐだ子「気を引き閉めてね」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ベディヴィエール「……ここが、王の間のはずです」

ぐだ子「ぜはぁ……ぜはぁ……」

マシュ「どうしましょうダ・ヴィンチちゃん!先輩が戦闘前から既に疲労困憊なんですが!」

ダ・ヴィンチちゃん「体力無さすぎだよぐだ子ちゃん。帰ったらスパルタ式トレーニングだね」

ぐだ子「あぁぁぁ!!?嫌だ!スパルタは嫌だ!脳トレはこりごりだァ!!」

マシュ「先輩!?落ち着いてください!ダ・ヴィンチちゃん、これは!?」

ダ・ヴィンチちゃん「以前もレオニダス王に体力の無さを指摘されてトレーニングすることになったんだけど、脳トレと称してキメラやデーモンと装備なしで格闘させられたんだよ」

マシュ「」

ベディヴィエール「……あの、部屋に入ってよろしいですか?」

マシュ「すみません、ベディヴィエール卿!」

ぐだ子「あぁぁぁぁ……」ガタガタ




145:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/21(日) 23:01:53.76 ID:77zVCVBRO



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ダ・ヴィンチちゃん「ここが……王の間か。円卓の騎士たちが集った場所」

ベディヴィエール「……」

マシュ「玉座に誰かいます!」

獅子王「お前たちは何者だ。何を成すためにここまで来た」

マシュ「凄いプレッシャーです……」

ダ・ヴィンチちゃん「恐れいった。並みのサーヴァントなら萎縮して呼吸すらも出来なくなるぞ」

獅子王「答えよ。カルデアのマスター、ぐだ子」

ぐだ子「ちょっくらお前をぶっ飛ばしにきてやったぞ。首を洗って待っていたか?覚悟しろよ」

マシュ「先輩!?」

獅子王「ほう、この私。引いてはこの世界を滅ぼすというのか」

ぐだ子「関係ないね。私はお前をぶっ飛ばすと決めた。それは山の民のためであり、ここまで私を連れてきてくれた者のためであり、私に希望を寄せてくれた者たちの為だから。あとついでにオジマンディアスの為。最後にあいつに借を作って癪だからここで返さなきゃ」

獅子王「そうか、ならば私も私に歯向かう者を処さねばならんな」

ぐだ子「なんだこいつ、お○ぱいと態度がデカいな!」

マシュ「態度がデカいのは先輩もです」

獅子王「私は魔術王に滅ぼされぬ理想の都市を造る。そこに貴様らの魂は不要だ。死ぬがよい」

ぐだ子「お願いされたって入るか」

獅子王「━━━━円卓を解放する。見るがいい。世界の果てを」

ダ・ヴィンチちゃん「これは……。まさか獅子王は世界の果てで待って居たとでもいうのか!?」

獅子王「ふん」ブンッ

ドゴッ!!

ダ・ヴィンチちゃん「うわっ!?」

ベディヴィエール「ぐっ!?」

マシュ「くっ!」

ロマン『あわわわ!聖槍の一振りで通信が乱れたぞ!?』

ダ・ヴィンチちゃん「あー……これはちょっと話にならないかな。火力が違いすぎるよ。万能を超越している。……いうなれば権能の域?」





146:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/21(日) 23:18:25.65 ID:77zVCVBRO



マシュ「それって」

ダ・ヴィンチちゃん「彼女はもうサーヴァントという枠には収まらない。いうなれば聖槍の化身、女神ロンゴミニアドだ……」

ロマン『そんなのに勝てるのかい!?』

ダ・ヴィンチちゃん「アハハハハ、もう笑うしかないよねー!」

ロマン『レオナルド!』

マシュ「ダ・ヴィンチちゃん!待ってください」

ダ・ヴィンチちゃ「ハハハ━━ん?」

マシュ「先輩は諦めていません!それどころか睨みつけてます!主に胸部を」

ぐだ子「……」ジーッ

獅子王「私は神だ。だが、神は人が居ねば成り立たぬ。故に私は善なるものを集め、庇護し、永遠を授けるのだ。それが彼らにとっての幸せである」

ベディヴィエール「……くっ!」

獅子王「汝らはその幸福を踏みにじろうというのか」

マシュ「━━それは間違っています!」

ぐだ子「マシュ!」

マシュ「私は、貴方のいう幸せを認める訳にはいきません!」

ベディヴィエール「レディ・マシュ……」

マシュ「私は、この時代の人々を沢山見てきました
!……戦いで家族を失った人、愛するものを守るために散った人、美味しい食事で笑顔を取り戻した人!」

獅子王「……」

マシュ「たとえ死んでしまったとしても!そこで終わりではありません!命は先に続くもの!」

ロムルス「……」

マシュ「多くのものを失っても!それは永遠にいつまでもいつまでも広がっていくのです!」

ぐだ子「……マシュの言うとおりだ!」

マシュ「先輩……」

ぐだ子「お前のいう幸せなんて一人よがりでしかない!バーカ!」

獅子王「この私を、バカだと?」

ぐだ子「何度でも言ってやる!バーカ!バーカ!」

獅子王「……もはや言葉は不要だな」

ロムルス「……待て」




147:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/21(日) 23:42:49.96 ID:77zVCVBRO



ぐだ子「ローマ!?」

獅子王「……なんだ」

ロムルス「━━私はある時、一つの国を建てた」

獅子王「……」

ロムルス「その国の為に私は弟を殺し、他国を侵略し、そして国を見守る神へとなった」

獅子王「それがどうした」

ロムルス「国は私の手を離れ、成長し、広がり、繁栄し、そして滅びた。……だが、彼らは自分たちで苦しみ、嘆き、喜びを分かち合い生きてきた!」

獅子王「……」

ロムルス「人々の幸せとは即ち彼らのものであり、決して我々が決めることではない!たとえそれが滅びに繋がろうとも彼ら自身の選択なのだ!」

獅子王「……」

ロムルス「同じランサーであり、神となった先達の者として言っておこう」

獅子王「……」

ロムルス「貴様は傲慢だ!自らが民を庇護し、永遠を与えるなどと思い上がるな!盾の少女の言うとおり、人々は自分の足で運命を切り開き、次へと繋げていくのだ!それでも自らのエゴを突き通そうというのならば!」

ぐだ子「……」

ロムルス「このローマが!貴様の前に立ちはだかろう!」

ぐだ子「ローマ!」

ロムルス「ぐだ子よ、ローマに力を貸してくれるな」

ぐだ子「もちろん、仲間だから当然!」

マシュ「先輩!」

ぐだ子「マシュだって!……ローマもダ・ヴィンチちゃんも!ベディだって!私の大切な仲間なんだ!━━獅子王、お前の野望はここで砕く!」

獅子王「愚かな……聖槍、抜錨。其は空を裂き地を繋ぐ嵐の錨━━」

マシュ「先輩、来ます!」

ロムルス「ローマである!」

獅子王『最果てにて輝ける槍!!』

マシュ「マスター・ぐだ子!!最後まで私を信じてください!私に力をください!」

ぐだ子「うん!」

マシュ「見ていてください所長━━。今こそ人理の礎を証明します……!!!」




148:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/21(日) 23:49:37.24 ID:77zVCVBRO



マシュ「それは全ての疵、全ての怨恨を癒す我らが故郷。顕現せよ!」

ぐだ子「これは━━」

マシュ『今は遥か理想の城!!』





149:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/22(月) 00:06:51.07 ID:CxG0fj5+O


ゴゴゴゴゴゴ!!

マシュ「くっ!!負けません!」

ぐだ子「マシュ!」

ベディヴィエール「……ぐだ子、下がってください」

ぐだ子「ベディ?」

ベディヴィエール「サー・キリエライト。力まないでください。その盾は貴女の心と同じです。折れなければ決して崩れません」

マシュ「ベディヴィエール卿?……えっと、こうですか?」

ベディヴィエール「えぇ、いい感じです。……忘れないでください。白亜の城は持ち主の心によって変わります。汚れれば崩れ、一点の迷いもなければ決して門は壊れない」

マシュ「はい!」

ベディヴィエール「貴女は敵を倒す騎士ではなく、味方を守る騎士なのです。その善なる心を示すために円卓に選ばれたのです」

ロマン『……待ってくれ!なんかおかしいぞ!』

ダ・ヴィンチちゃん「どうしたんだロマニ」

ロマン『そこにベディヴィエール卿はいるかい!?』

ぐだ子「いるけど」

ロマン『彼の霊基が観測できない……というより、彼は人間だ!』

ダ・ヴィンチちゃん「━━━━━っ」

ぐだ子「━━━━━━!?」

マシュ「━━━━━え?」

ベディヴィエール「……今まで騙してすみません」

獅子王「お前は、お前は何者なんだ!」

ベディヴィエール「円卓が騎士の一人!ベディヴィエールです!王よ、貴方の為に私はここまできた!」

獅子王「ベディヴィエール……知らない!私は知らない!」

ベディヴィエール「これは私の贖罪なのです」

マシュ「いったいどういうことですか!?」

ベディヴィエール「そう、私は罪を犯しました。あの日あの時、王の命令に躊躇った私は……三度目ですら聖剣の返還をできなかった」




150:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/22(月) 00:32:40.16 ID:CxG0fj5+O



ぐだ子「なっ!?」

ダ・ヴィンチちゃん「嘘だろ!?」

ベディヴィエール「森に戻ると王は消えていました。そこで気がついたのです。私は、永遠に王から安息を奪ってしまったのだと。だから私はかの魔術師の力を借りて!ここまで来たのです!」

ロマン『えっ!?つまりは1500年もさ迷っていたのかい!?いくら聖剣が成長を止めるとは言っても、それは肉体だけの話だ!精神は常人なら持つはずか無い!』

獅子王「ベディヴィエール……。懐かしい響きだ……。お前が私の騎士だと言うのならば戻ってこい」

ベディヴィエール「それは出来ません我が王よ。私は貴方の敵だ。そして、私も貴方の間違いを正さなければならない!ぐだ子━━最後にまた私に力を!」

ぐだ子「……」

ベディヴィエール「貴女は私にいいました。これが、私が本当になさなければいけないことです!」

ぐだ子「……わかった」

ベディヴィエール「……ありがとうございます」

ぐだ子「マシュ!ローマ!ダ・ヴィンチちゃん!それにベディ!最後の戦いだ!」

マシュ「はい!」

ロムルス「ローマに任せよ」

ダ・ヴィンチちゃん「うん、最後のもう一踏ん張りだ」

ベディヴィエール「行きます!」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

獅子王「やはり貴様らはここで死んで貰う」

マシュ「させません!」

ロムルス「マグヌス!」

ダ・ヴィンチちゃん「万能には万能の戦い方があるのさ!」

獅子王「今度こそ消え失せるがいい!」

マシュ「宝具、展開します!」

ロムルス「すべて、すべて。我が槍に通ず━━」

ベディヴィエール「これで最後です!銀色の腕よ!」

ダ・ヴィンチちゃん「我が叡知、御覧あれ!」

獅子王『最果てにて輝ける槍!!』

マシュ『今は遥か理想の城!!』

ロムルス『すべては我が槍に通ず!!』

ベディヴィエール『一閃せよ、銀色の腕!!』

ダ・ヴィンチちゃん『万能の人!!』

ぐだ子「負けないで!!」

ガシャ━━━━━ン!!!




151:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/22(月) 00:46:25.78 ID:CxG0fj5+O


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

獅子王「くっ……」

ロムルス「……お前もまたローマであった」

獅子王「……私が、ローマだと?」

ロムルス「私は全てのローマを愛する。故にローマであったお前もまた全てを……ローマを愛していた」

獅子王「……ローマ、か」

ロムルス「ならばお前もローマに相違ない」

獅子王「……そうか、私のしてきたことは」

ベディヴィエール「我が王よ!」

獅子王「……卿か」

ベディヴィエール「我々は貴方の苦悩を何も知らずにいた。ただ一人、全てを背負わせてしまいました。ブリテンを救った王よ、我が主よ。今こそ━━いえ、今度こそ聖剣をお返しいたします」シュゥゥゥゥゥ

獅子王「そうか、思い出した……。森で私に見せた泣き腫らした顔を……。……見事だ、我が最高にして最後忠節の騎士よ。━━聖剣は今、還された。誇るがよい、ベディヴィエール」

マシュ「ベディヴィエール卿、身体が!?」

ベディヴィエール「いま、私は役目を終えることが出来ました。それもこれもサー・キリエライト。それにぐだ子、貴女たちのお陰です!」

ぐだ子「ベディ……」

ベディヴィエール「……感謝してもしきれませんが……ありがとうございます」シュン

ロマン『……ベディヴィエール卿の消滅を確認』

獅子王「……」

ぐだ子「……まだやる?」

獅子王「……いや、いい」

ぐだ子「あっそう」

獅子王「そこの男が申してた通り、私は傲慢だった。所詮は私の一人よがりでしかなかったわけだ。だがお前たちのお陰で私は止まり、大切なものを思い出せた。感謝する」

ロムルス「うむ、ローマである」

獅子王「ローマか……。私にその資格があるかな」

ぐだ子「なに言ってんの」

獅子王「ん?」

ぐだ子「全てのものはローマであり、全ての民もローマである。……獅子王だってもう立派なローマだよ。ね?」

マシュ「はい!ローマです!」

ダ・ヴィンチちゃん「うん、ローマだね」

ロマン『ローマだ!』

ロムルス「ローマである!」

獅子王「そうか……」

ぐだ子「あ、笑った?」

獅子王「私だって、嬉しければ笑いもする」







152:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/22(月) 00:57:16.98 ID:ksXPW7bCO


ゴゴゴゴゴゴ

ぐだ子「今度はなに!?って消えてる!?」シュゥゥゥゥゥ

マシュ「先輩!」シュゥゥゥゥゥ

ダ・ヴィンチちゃん「うわぁぁぁ!?なんだこれは!」シュゥゥゥゥゥ

ロムルス「うむ」シュゥゥゥゥゥ

ロマン『あ、そうか!ぐだ子ちゃんたちは既に聖杯を回収してる!そして、歪みの原因であった聖槍も取り除いたから急速に人理の修復が始まったんだ!』

獅子王「……そうか、帰るのか」

ぐだ子「そっか……この旅も終わりなんだね」

ロマン『大丈夫だとは思うけど、全員カルデアに帰ることを強くイメージするんだ!』

ぐだ子「あ、そうだ!最後に一つだけいい?」

獅子王「なんだ?」

ぐだ子「その立派なローマを触らせてください!」

マシュ「先輩!?」

獅子王「……少しだけだからな///」

ぐだ子「うっひょ!やったね!それじゃ、しつれ」シュン

マシュ「先輩、最低です」シュン

ダ・ヴィンチちゃん「あははは、ぐだ子ちゃんらしいよ」シュン

ロムルス「……」

獅子王「ローマよ!」

ロムルス「なんだ?」

獅子王「……いずれまた会おう。今度は共に並んで」

ロムルス「……待っているぞ」

獅子王「ローマ!」

ロムルス「ローマ!!」シュン


獅子王「……行ってしまったな」




153:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/22(月) 01:16:27.97 ID:ksXPW7bCO



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

スパルタクス「闘技場よ、また戻ってこようぞ!」シュゥゥゥゥゥ

呪腕「帰られるのですな」

百貌「このご恩、感謝してもしきれません」

静謐「スパルタクス様!……ぐだ子様にもよろしくお伝えください」

スパルタクス「前を向け!剣を掲げよ!圧制への叛逆は終わらない!フハハハハハ!!」シュン

呪腕「……行ってしまったな」

百貌「うむ……だがな」

静謐「いずれ私たちも、ぐだ子様の元へ参ることができましょう。そのときこそ」

呪腕「この身の全てを捧げましょう」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ネロ「なんだ、もう帰宅か……つまらん」シュゥゥゥゥゥ

アーラシュ「俺たちも座に帰ると思うが、そっちに召還されたらまたよろしく頼む」シュゥゥゥゥゥ

ネロ「フフフフ!期待しているがよい!」

アーラシュ「あぁ、それじゃあな!俺たちはローマだ!」シュン

ネロ「ローマである!」シュン

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

カエサル「やれやれ、漸くか」シュゥゥゥゥゥ

ニトクリス「疲れました…」シュゥゥゥゥゥ

カリギュラ「あぁ……ネロ……」シュゥゥゥゥゥ

藤太「うむ、これでお役御免か」シュゥゥゥゥゥ

三蔵「うぅ……」シュゥゥゥゥゥ

藤太「どうした三蔵よ……」

カエサル「皆、今回は助かった。マスターに代わり礼をいうぞ」

ニトクリス「ふん!ファラオとして当然のことをしたまでです!……いずれ、会うことになるかもしれませんね。そんな予感がします」

カリギュラ「……ネロォ……」

三蔵「私もカルデア行きたいー!ぐだ子にもっと修行をつけて世界を救っちゃうんだから!」

藤太「安心しろ師匠、ぐだ子殿なら必ず我々を呼び出すだろう。それまでは我慢しろ。なに、俺たちには御仏の加護があるからな!」

三蔵「……それもそうね!それじゃ、お先に!」シュン

藤太「ではな!」シュン

カリギュラ「ネロ……」シュン

カエサル「さらばだ、我が愛しきクレオパトラの故郷、エジプトの者よ」シュン

ニトクリス「……さよなら」

シーン

ニトクリス「……」

シーン

ニトクリス「なかなか消えないんですけど!」シュン




154:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/22(月) 01:31:34.05 ID:ksXPW7bCO



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ぐだ子「……んん」

マシュ「先輩!」

ぐだ子「……ん?」

マシュ「ドクター!先輩も目を覚ましました!」

ぐだ子「……」

マシュ「……先輩?どこか体調でも?」

ぐだ子「……」ワキワキ

マシュ「あの、先輩?」

ぐだ子「……も」

マシュ「も?」

ぐだ子「揉みそこねたぁぁぁぁぁぁぁ!!」

マシュ「」

ぐだ子「タイミングおかしかったよね!?なんでいいとこで戻るのさ!ねぇ、ロマン!」

ロマン「えぇ!?僕は何もしてないよ!」

ダ・ヴィンチちゃん「やぁ、ぐだ子ちゃん!目覚めはいかがかな?」

ぐだ子「オジマンディアスの生着替えを見たくらいに最悪」

ダ・ヴィンチちゃん「うん、それは結構」

ぐだ子「あーあ、ガチャでもして気分発散しよー」

ロムルス「……ぐだ子よ」

ぐだ子「!ローマ」

ロムルス「……」ギュッ

ぐだ子「!?」

ロムルス「此度はよくやった」ナデリナデリ

ぐだ子「あぁ^偉大なるローマに包まれてるんじゃぁ~」

ネロ「あ!ズルいぞマスター!余にも代われ!」

ぐだ子「嫌ですー、代わりませんー」

ネロ「むぅ!」

カエサル「やれやれ、騒がしいな」

カリギュラ「うぅ……ネロォ……」

ロマン「あ、そういえば一つ朗報があるんだけど」

ぐだ子「なに?」

ロマン「今回、一人の人間がその功績を称えられたのか、はたまた獅子王の粋な計らいなのか分からないけど、座に登録されたよ」

マシュ「それって!」

ロマン「会いにいって御覧。彼も待ってるはずさ」

マシュ「はい!行きましょう、先輩!」グイッ

ぐだ子「うわっと!マシュ、引っ張らないでー!」



マシュ(まだ見たことのない世界も沢山ありますけど、私はこの手で守れる物を大事にしたいです!先輩も、ダ・ヴィンチちゃんも、ドクターロマンも!それに英霊の方々も!)

マシュ「マシュ・キリエライト、行きます!」


end



156:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/22(月) 01:39:57.62 ID:ksXPW7bCO


おまけ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

アグラヴェイン「我が王よ!」

獅子王「アグラヴェインか」

アグラヴェイン「賊どもはどこに!」

獅子王「……帰ったよ」

アグラヴェイン「……帰った?」

獅子王「それとロンゴミニアドの計画は終わりだ」

アグラヴェイン「な、何故ですか!?」

獅子王「私は作られた人々の幸せよりも自然な幸せの方が良いと気付いたのだ。ローマによってな」

アグラヴェイン「……ローマ、ですか?」

獅子王「うむ!アグラヴェイン、お前もローマだ!大義であった」

アグラヴェイン「は、はぁ……」

ランスロット「見つけたぞアグラヴェイン!」

獅子王「ん?」

ランスロット「わ、我が王!?」

獅子王「ランスロット、お前もローマだ!」ビシッ

ランスロット「ろ、ローマ!」

アグラヴェイン「……なんだ、そのポーズは」

ランスロット「な、これは身体が勝手に!」

アグラヴェイン「……フフ」

ランスロット「ええい、笑うな!」

獅子王「……うむ、ローマだ」(ニッコリ




158:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/22(月) 01:52:47.33 ID:ksXPW7bCO


おまけ2

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ぐだ子「あぁ……出ねぇ……」ガチャガチャ

マシュ「あの、先輩……」

ぐだ子「獅子王が出ねぇよぉ!!」ガンガン!!

マシュ「叩いてはいけませんよ!?」

ぐだ子「あ、石が無くなった……」

マシュ「それでは撤収しま」

ぐだ子「ねぇマシュ、お願いがあるんだけど」

マシュ「もう貸しませんからね!?」

ぐだ子「お願いマシュ!!一生のお願い!!」

マシュ「何度目ですかそれ!さっき貸したのはどうしたんですか!?」

ぐだ子「メロンゼリーになった」

マシュ「」

藤太「はははは!やはりぐだ子殿は面白いなぁ!」

三蔵「ぐだ子ったら少し目を離した隙に欲まみれになってるんだから!」

静謐「あぁ、そんなぐだ子様も素敵です///」

百貌「……そうか?」

呪腕「見ていて飽きませぬな!」

アーラシュ「同感だ」

ニトクリス「呼ばれるにしては早すぎませんか!」

マシュ「もう!これで最後ですからね!」

ぐだ子「ありがとうマシュ!愛してる!」

マシュ「も、もう!///」


ペカァァァァァ!!

ぐだ子「虹演出キタ━━(°∀°)━━!!獅子王だよ!獅子王きたよ!」

マシュ「やりましたね、先輩!」

オジマンディアス「我が名はオジマンディアス。王の中の王。全能の神よ、我が業を見よ―――そして絶望せよ!」

ぐだ子「」

マシュ「……えーっと」

オジマンディアス「ん?いつぞやの間抜け面ではないか」

マシュ「……先輩?」

ぐだ子「マナプリにしなきゃ!(使命感」

マシュ「ダメですよ先輩!!ダメですってばー!!」


本当に終わり



元スレ
【FGO】ローマが行く~ぶらりキャメロットの旅~
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1471257384/
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         コメント一覧 (37)

          • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月22日 07:07
          • うーん、はしょっても良かったんじゃないかな
            誰でもあそこにアリトリアを誰でもいいから連れて来たいと思うはず
          • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月22日 07:11
          • いや、別に連れていきたいとは思わないけど?
          • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月22日 07:50
          • さすロマ
            所々リヨぐだ子がいますねぇ・・・
          • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月22日 08:01
          • 5 ローマ!
          • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月22日 08:06
          • ロムルス星3がいまだに納得いかん
            本来ギルと同格以上だろあのローマ
          • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月22日 08:31
          • 空気に徹するキングハサンとかいうアサシンの鑑。
            ◯ームズ含めてネタバレの塊だからね。仕方ないね
          • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月22日 08:36
          • やっぱりローマがナンバー1!
          • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月22日 09:11
          • ローマ!
          • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月22日 09:32
          • 5 ローマってなんだよ(哲学)
          • 10. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月22日 10:15
          • ※9
            何!?お前はローマではないのか!?
          • 11. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月22日 10:32
          • ローマっ!!
          • 12. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月22日 10:57
          • まだ途中だけど、なんだろう
            ローマだから仕方ないってなるなこれ
          • 13. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月22日 11:18
          • ローマ!
          • 14. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月22日 13:03
          • ※5
            あのお方は星なんかに縛られないから…(狂でもないのに意思疎通が出来ないからとか言えない)
          • 15. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月22日 13:51
          • ローマ!(まだ六章終わってないとか言えない)
          • 16. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月22日 14:22
          • ローマ!(水着鯖1体も引けませんでした)
          • 17. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月22日 14:47
          • ローマ!(ローマ!)
          • 18. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月22日 14:59
          • ちょっとー、ぐだとマシュの濃厚な絡みがキンクリされてるじゃないのよー
          • 19. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月22日 15:39
          • この世に存在するものはすべてローマに通じている

            なので僕もローマ貴方もローマ
            あまねくローマである……
          • 20. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月22日 15:54
          • ローマ殺さなきゃ…(ブーディカ、ハンニバル並感)
          • 21. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月22日 16:43
          • ローマ!(宿題終わってねぇ)
          • 22. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月22日 21:15
          • ローマ!!(ネロ引けねぇ!!)
          • 23. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月23日 06:15
          • 米5
            星の数云々言いだしたら、公式で「普通に弓を撃っただけで宝具級の威力を出し、神霊級の耐久力と精神力を持ち、真名開放した宝具は日本全土を壊滅させられる、アーチャーの語源になった大英雄」なのに、カルデアでは自己再生機能付の爆弾みたいな扱いを受けてるステラさんが可哀想だから止めて差し上げろ。
          • 24. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月23日 10:32
          • ※23ステラガッツチャレンジは腹筋がステラされるところだったよ。
            あとステキャン。ケリィの外道さが余すこと無く発揮されていた。
          • 25. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月23日 22:55
          • 5 ローマ!作者もまたローマである!
          • 26. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月26日 12:33
          • しかしまあ…幾ら何でもうまくいきすぎな設定かと。物語におけるハッピーエンドには違いないが、人間的成長を遂げるGOにおいては、この展開は流石にやりすぎかと
          • 27. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月31日 18:12
          • 5 やっぱりローマってすげえや!!(ローマ民並感想)
            星の数はアレだよ、アーラシュさんも神祖も皆のためを思って少なくしてるんだよ…

            とにかく世界は全てローマ!! ローマを讃えるのだ!!!
          • 28. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年09月02日 17:32
          • 序盤はローマじゃなくてもよくねと思ったけどやっぱりローマだったな
          • 29. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年09月19日 12:10
          • ランスロに追われる時の宝具、「全ては我が槍に通ずる」の方より「全ては我が愛に通ずる」使った方が良かったんじゃないかな、アレ城壁の宝具だし足止め考えれば
          • 30. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年09月27日 23:31
          • 5 ローマのちからってすげー!
          • 31. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年11月27日 02:27
          • 5 いやアンタ、ガチャ何十回回したかわからんけど、星5鯖×2、星4鯖×1は豪運でしょ!
            物欲センサーさん、もう少し仕事しようよ!

            作品自体は大変ローマであった!!!
            \\\٩(๑`^´๑)۶////
          • 32. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年12月03日 12:10
          • 大団円だけどアトラス院と霊廟のサーヴァントにあってない以上いずれくる7章で詰みそうだなこの御一行
            SSは本当にローマだった、面白かったよ
          • 33. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年12月10日 23:00
          • 申し訳ないけど、このSSシリーズで確実に7章詰むと思う
            少なからず、マーリンがこの段階で興味持つかすら不明だし、アナに到ってあの様子じゃ心開く所か逆に不審になりかねん。
            しかも、AUOの癖を真に理解してないと独りよがりと思われる…単に力づくや「私が正しい」だけじゃ絶対にウルクは攻略できない。
          • 34. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年01月12日 20:50
          • これが…ローマ…
          • 35. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年12月09日 01:06
          • 1 改めて見ると…ローマだけ活躍して他のサーヴァントすらろくに協力関係すら築けない
            このカルデアと言うよりマスターはもう終わりですね
          • 36. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年03月01日 19:02
          • 5 ローマ!
          • 37. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年10月30日 00:36
          • 1 うん…いやまあローマは良いんだけど…うん…なんかなあ…って感じるんだよなあ…

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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