まほ「みほみたいになりたい」
- 2016年07月28日 04:40
- SS、ガールズ&パンツァー
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エリカ「相談ですか? 私でお役に立てるかはわかりませんが、それでもよろしければ」
まほ「ありがとう。では早速本題だが‥‥みほ、いるだろう? 私の妹且つ、現大洗生徒の」
エリカ「はい」
まほ「最近改めて感じたんだが、みほはかなり慕われているようなんだ。戦車道の仲間達に」
エリカ「はあ。まあ、試合の時から察するに、そんな感じでしたよね」
まほ「単刀直入に言うとだな‥‥みほみたいになりたい」
エリカ「‥‥はい?」
まほ「エリカはともかくとして、もっと他の子にも慕われたい」
エリカ「あの‥‥既にもう、十分慕われてると思うんですが。それ以上って、信仰の対象とかになりたいんですか?」
まほ「いや、自惚れに聞こえるかも知れないが、それは私も自覚している。だが私の場合、戦車道とか西住流ありきというか、どっちかというと、尊敬されている、という感じじゃないか」
エリカ「はあ」
まほ「もう少しこう、なんていうか、別ベクトルというか、なんだろう。こう‥‥」
エリカ「なんです?」
まほ「かわいくなりたい」
エリカ「はい?」
まほ「みほはかわいいだろう? 姉が言うのもアレだが」
エリカ「はあ、まあ」
まほ「あんな感じになりたい」
エリカ「‥‥隊長がですか?」
まほ「そうじゃなきゃ意味がないだろう。それでまあ、他の子たちにも、尊敬というより、親しまれたい」
まほ「うん?」
エリカ「この件は、明日以降に持ち越しでもよろしいでしょうか」
まほ「なんで」
エリカ「いえ、私ちょっと、今日はお昼食べ損ねちゃいまして。早めに帰って何か食べたいなと」
まほ「相談に乗ってくれると言ったじゃないか」
エリカ「いえ、そうなんですが、もっとこう、大事な話かと。今回は急を要する内容ではないかなーと」
まほ「私にとっては一大事なんだが」
エリカ「それはそうかも知れませんが‥‥私の腹ペコ具合も、なかなか深刻になってきてまして」
まほ「‥‥わかった。よしわかった。エリカ。帰ったら何を食べるつもりだ?」
エリカ「え? そうですね‥‥まだ決めてませんが、帰りに何か割引きになったお弁当かお惣菜でも買おうかと。仕送り前で、割とカツカツですし」
まほ「帰りにどこか寄らないか。何か食べながら話そう」
エリカ「えっ」
まほ「相談に乗ってもらう以上、支払いは私が持とう。どうだ」
エリカ「いいんですか?」
まほ「もちろん、無理にとは言わないけれど」
エリカ「不肖逸見、隊長がお困りと言うのに、どうして見過ごす事ができましょうか! お供いたします!」
まほ「よく言う。それで、何が食べたい? ガストもいいし、ドンキーでは新メニューを出し始めたみたいだぞ」
エリカ「久し振りに焼肉とか食べたいですね。一人だとなかなか行かないですし」
まほ「えっ。割と容赦ないな‥‥ちょっと待って。‥‥ひぃ、ふぅ、み‥‥言っとくけど、高級店とかは無理だぞ。私だって、次の仕送りまではあまり余裕がない」
エリカ「そんな贅沢は言いませんよ」
まほ「そうか。では行こう。その代わり、しっかり付き合ってもらうぞ」
エリカ「もちろんです!」
エリカ「ええ。気楽じゃないですか。それに、もしお悩みが解決しなかった場合の事を考えると、重責が計り知れないですし」
まほ「いや、だったらもう少しちゃんとしたところに行って、プレッシャーを与えたいんだが。逆に」
エリカ「大丈夫ですよ。店のグレードによってマジメに答えるかふざけるか決めるなんて事、しませんよ。隊長相手に」
まほ「まあ、エリカに限ってそんなわけはないと私も思うが。とりあえず、ある程度満たされてから話そうか」
エリカ「そうですね。お腹空きすぎて、お腹と背中が日本戦車の装甲みたいになってますよ」
まほ「ふふっ‥‥む? エリカ!」
エリカ「はい?」
まほ「カレーがある」
エリカ「ああ、こういう店、結構置いてますよ。スパゲティとかたこ焼きもありますし」
まほ「せっかくだから味見してみよう。他の物を食べられなくなったら困るから、ほどほどに」
エリカ「サラダとか食べましょうか。今のご時勢、肉より野菜の方が高級だったりしますよね」
まほ「それで肝心の肉は‥‥ふむ、正直あまり期待してなかったけれど、結構色々あるものね」
エリカ「ですよね。色々分けっこして、味見してみましょうか」
まほ「これ、美味しそう」
エリカ「こっちもなかなか‥‥まあ、最初はこんなものですかね」
まほ「じゃあ、席に戻ろう。私もお腹が空いてきた」
エリカ「では隊長。いただきます。焼けるまではそのまま食べられるものをつつきつつ、お話の続きを」
まほ「いただきます。どこまで話したかしら」
エリカ「みほみたいになりたい、という、壮絶なジョークをぶちかましたところですね」
まほ「そうか。いや、別に冗談で言ったわけではないけど」
エリカ「無礼は承知ですが、かなり無理があると思いますよ」
まほ「それは自覚してる。大体、私がいきなりあんな感じになったら、隊員も混乱するし士気の低下も有り得るだろう」
エリカ「ですよね」
まほ「しかし、徐々に形から入るというのはどうだろう。チーム名とか」
エリカ「たしかに、大洗はちょっと可愛い感じのチーム名つけてるし、連合組んだ時もそんな感じでしたよね。それに則るなら、象さんチームとか虎さんチームとかでしょうか」
まほ「いや、戦車の名前から取るのはよそう。かなり重複してるからな」
エリア「ああ、たしかに。虎さんチームα、虎さんチームβとかになると、可愛いんだかなんなんだかわからなくなりますよね」
エリカ「なんです?」
まほ「マネしたみたいでかっこ悪いじゃないか」
エリカ「みたいっていうか、思いっ切りマネしてるんですけどね」
まほ「あと、もう少し迫力が欲しいな。大洗はともかく、黒森峰の戦車道チームである以上、ある程度は威厳が無いと」
エリカ「なかなか贅沢を言いますね。じゃあ、かっこよかったり、ちょっと怖そうな動物を選んで、○○隊、とかでどうです?」
まほ「うん、なかなかいいな。可愛らしさからは少し外れるが、今までの無機質さよりは親しみやすいだろう」
エリカ「例えば、なんですかね。鮫とかどうです?」
まほ「シャーク隊か。いいじゃないか!」
エリカ「英語にすると、雰囲気出ますね」
まほ「カマキリとかはどうだ。マンティス隊だ」
エリカ「若干悪役っぽいけど、いいですね。ちょっと、指示出す感じで言ってみたらどうです?」
まほ「やってみよう。では‥‥マンティス隊、前へ。シャーク隊は周囲を警戒しつつ待機」
エリカ「いいじゃないですか!」
まほ「しっくり来るな」
エリカ「他に厳つそうなのは‥‥クモ。スパイダーとかですかね」
まほ「せっかくだしもっとかっこよく、ゴライアスバードイーターとかはどうだろう」
エリカ「長すぎませんか。ゴライアスバードイーター隊。ちょっと聞いただけじゃ、クモなのかどうかもわかりませんし」
まほ「そうか」
エリカ「ちなみに、せっかくだしドイツ語にしたらどんな感じになるんですかね」
まほ「ああ、ドイツ語は響きがかっこいいからな」
エリカ「ええと‥‥カマキリは、ゴッテスアンベーテリン、らしいですね」
まほ「長いな。ゴライアスバードイーターとさほど変わらない」
エリカ「なんでそんなにゴライアスバードイーター推しなんですか。鮫は‥‥あった。ハイ、っていうみたいです」
まほ「うっ‥‥ちょっと、無いな」
エリカ「ハイ隊‥‥沖縄っぽいですね」
まほ「逆に、ドイツ語でしっくり来る単語を探した方が早いかも知れない」
エリカ「そうですね。カッツェ、は猫ですね」
まほ「なかなかだな」
エリカ「あとカッコよさそうなのは‥‥あっ、シュバインとかいうのありますよ」
まほ「おお、いいじゃないか」
エリカ「意味は‥‥あ、豚ですね」
まほ「無しだな‥‥」
エリカ「響き重視で、いいんじゃないですか?」
まほ「いや、指示を出す度に部下を豚って呼ぶんだぞ?」
エリカ「その筋の子なら喜ぶんじゃないですかね」
まほ「その筋の子がいるなら、それはそれで嫌すぎるんだが」
まほ「そうだな。色で統一とか、シンプルでいいんじゃないか?」
エリカ「色ですか。それだと‥‥ロト隊、ゲルプ隊、グリューン隊、みたいな感じになるみたいですね」
まほ「かっこいいが、戦車というよりは戦闘機に乗ってそうだ」
エリカ「はい?」
まほ「いや、こっちの話。だが、これでチーム名についてはなんとなく方向性が見えてきたな」
エリカ「ですね。そうだ、名前といえば、作戦名とかはどうします?」
まほ「流石はエリカ。私も、次はそれについて意見を聞こうと思っていた。それはそうと、このカレーなかなか悪くないな」
エリカ「聞いた話だと、味付けしないで焼いた肉をカレーにトッピングするとか、個々人でアレンジするのが流行ってるみたいですよ」
まほ「贅沢だな。‥‥やってみよう。豚バラがいいかな」
エリカ「それ、もう塩ダレに漬け込んであるやつじゃないですか?さっき食べましたけど」
まほ「そうか‥‥では、こっちを。‥‥うん、当たり前のように美味しいな」
エリカ「あとは、綿あめを乗せて焼くと照り焼きっぽくなるとか聞きましたね。‥‥なんの話でしたっけ」
まほ「作戦名」
エリカ「あ、そうでした」
まほ「大洗は、かなり直感的な付け方をしているな」
エリカ「なんでしたっけ。こそこそ作戦とか、もくもく作戦、私達が負けた直接の作戦は、フラフラ作戦、とかでしたっけ」
まほ「一見ふざけてるが、万一作戦内容を忘れても、作戦名からの連想ですぐに思い出せるな」
エリカ「アンツィオもそんな感じにした方がいいのでは」
まほ「たしかに。だが、あそここそ雰囲気とか響き重視だろうからな」
エリカ「それで、私達はどんな感じがいいです?」
まほ「一度、大洗方式で考えてみるか」
エリカ「そうですね。では、名前から直感的に動きがわかるように」
まほ「ズズズイーン、ドゥダダン! 作戦とかどうだろう」
エリカ「‥‥なんです? それ」
まほ「勢いよく真正面へ前進、接敵後、速やかに砲撃という感じだな」
エリカ「もう少しなんとかなりませんかね」
まほ「では、シュシュイーン、ヒュワッ! 作戦とか」
エリカ「‥‥なんです?」
まほ「先遣隊が敵の側面へシュシュイーンと展開、そこに気を取られている間に、別働隊がヒュワッと奇襲をかける作戦だ」
エリカ「擬音が独特すぎるんですが」
まほ「そうか?」
まほ「優秀で助かる。偉人の名言からでも取ってくるか?」
エリカ「もしくは、チーム名と同じく、単純にかっこいい単語ですかね」
まほ「かっこいい単語か‥‥そういえば、ベルリンの赤い雨とかいう言葉を聞いた事があるな」
エリカ「かっこいいですね」
まほ「あとは、ハンブルクの黒い霧とか、ゾーリンゲンの鈍色刃とか」
エリカ「かっこいいですけど、どこで聞いたんですか」
まほ「隊員が持ってた漫画に載ってた」
エリカ「なるほど。たしかに漫画的な響きですね」
まほ「このまま引用でいいんじゃないか。ブレーメンサンセット作戦、とか」
エリカ「いいですが、足りなくなりません? 自分で考えないと」
まほ「たしかに、4つを使い回し続けるというのも格好がつかないな」
エリカ「あっ」
まほ「何?」
エリカ「ブレーメンといえば、御伽噺から取ってくるとかどうですかね。響き的に悪く無さそうだし、そもそもの目的である、可愛らしさとか親しみやすさにも繋がりません?」
まほ「なるほど。流石はエリカ。頼れる」
エリカ「それほどでも」
まほ「ブレーメンの音楽隊作戦を開始。うん、いいじゃないか」
エリカ「ラプンツェル作戦、手無し娘作戦‥‥これならいくらでも出てきますし、足りなくなる事はないでしょう」
まほ「そうだな。‥‥ちょっと待って。なんだその二つめの話。手無し娘? 怖いんだが」
エリカ「あれ、こういう話ありませんでしたっけ」
まほ「知らないが‥‥その作戦は禁止にしよう。怖いから」
エリカ「わかりました。何はともあれ、チーム名と作戦名がお洒落になったら、多少は雰囲気も変わるんじゃないですか?」
まほ「そうだな。明日から、早速試してみよう」
エリカ「‥‥それはそうと、その食べ方、気に入ったんですか?」
まほ「ああ、うん。似たような味付けの肉ばかり食べてると、口の中がモタッとしてしまうだろう。そんな時、カレー味で一度リセットするんだ」
エリカ「本当にカレーがお好きなんですね」
まほ「‥‥実を言うと、そこは少し自信があるんだ」
エリカ「自信?」
エリカ「まあ、たしかに」
まほ「イメージ的には、好物は茹でたジャガイモです、とか言ってそうじゃないか」
エリカ「そこまでは言いませんが」
まほ「自分で言うのはなんだが、ちょっとかわいくないか?」
エリカ「あー‥‥うーん‥‥それなんですけどね」
まほ「うん?」
エリカ「ほら、その意味で言うと、私の好物もハンバーグで、イメージ的には似たような感じじゃないか」
まほ「ああ。隊長と副隊長が揃って子供っぽい食べ物が好き、とか、時々言われるな」
エリカ「実際、友達なんかには、その顔面でハンバーグ好きって、とか言っていじられるんですよ」
まほ「やはりギャップがあって、いいんじゃないか」
エリカ「ただ、そのギャップって‥‥なんていうんですかね。ほら、普段強気な子がお化け嫌いだと、可愛いじゃないですか」
まほ「たしかに」
エリカ「私達の場合、そういうのとは違って‥‥わかりやすく例を挙げると、真壁刀義がスイーツ好きとか、どっちかというと、そういう感じなんじゃないかなーと」
まほ「まかっ‥‥全然かわいくないじゃないか」
エリカ「ですよね? 真壁が甘い物好きだって聞いて、「あーん、真壁ったらあんなビジュアルなのに嬉しそうにエクレア食べてて、かわいーん」ってならないじゃないですか」
まほ「たしかに。ちょっと面白いだけだな」
エリカ「私達も、そっち系統だと思うんですよ」
まほ「うぐぐ‥‥言われてみると、カレーという単語も、少し面白く聞こえる気がしてきた」
エリカ「なんせ、キレンジャーの好物ですからね」
まほ「待って。それ言われるともう、かわいらしさが一かけらも見えなくなってしまったんだが」
まほ「マカロンだな」
エリカ「もう、そっちは単語自体がメルヘンチックですもんね」
まほ「そうだな。なんだマカロンって。今までに多分2回くらいしか食べた事ないぞ」
エリカ「やっぱり、デザート系がいいんじゃないですか。単純に言葉の響きがかわいいですし」
まほ「それはそうだが‥‥さっきの、スイーツ真壁現象が発生しないか?」
エリカ「いや、仮にも隊長は女子なんですから、強面プロレスラーとは違うと思いますよ」
まほ「そうだろうか。‥‥待て。仮にもとか言うんじゃない」
エリカ「ま、まあまあ。ちょっと、試してみましょうよ。西住まほ隊長、好きな食べ物はなんですか?」
まほ「プリンです」
エリカ「んふっ」
まほ「笑ってるじゃないか!」
エリカ「い、いや違、違うんですよ。なんでよりによってプリンなんですか。完全に笑わせにきてるじゃないですか」
まほ「失敬な」
エリカ「パ行は禁止にしましょう。笑っちゃうから。では‥‥西住さん、好きな食べ物は?」
まほ「アロエヨーグルトです」
エリカ「ふぐぅ!」
まほ「くふっ‥‥な、なんで笑うんだ。美味しいじゃないか」
エリカ「いや、美味しいですけど! 大好物聞かれてアロエヨーグルトって答える奴、世の中にいるわけないじゃないですか! 世界中に1人もいないですよ! 自分でちょっと笑っちゃってるし」
まほ「た、たしかに、そんな人見た事ないが」
エリカ「もうちょっと、好物の欄に書かれておかしくないやつにしましょうよ。西住さん、好物はなんですか?」
まほ「ジャムパンです」
エリカ「くっふ! つ、ついにスイーツのジャンル飛び越えちゃったじゃないですか!」
まほ「イ、イチゴは可愛いじゃないか」
エリカ「いや、そこにパンが付いちゃうと、いっぺんに可愛くなくなりますから!‥‥ん? 普通に、果物っていう手もあるんじゃないですか?」
まほ「たしかに。ブドウとか」
エリカ「いいんじゃないですか? では試しに‥‥隊長、好きなものはなんですか?」
まほ「マルセイバターサンドです」
エリカ「なんで干しちゃうんですか! ブドウを!」
まほ「スイーツ路線が諦め切れなくて」
エリカ「あれもう、路線的にはスイーツとかじゃなくて、お土産っていう別ジャンルですから。同系統はウナギパイとかシウマイですから」
エリカ「いや、だから、完全にマネしてるんですけどね。しかし、マカロン強いですね」
まほ「たしかに。付け焼刃で超えられる気がしない」
エリカ「もういっそ、完全に乗っかっちゃえばいいんじゃないですか?」
まほ「と言うと?」
エリカ「マキロンとか」
まほ「んふっ‥‥なんだ? 私は「訓練後のこの一杯がたまらんな」とか言って、消毒液飲むのか?」
エリカ「に、人気出るんじゃないですか?」
まほ「出るかも知れないが、それは金魚飲むおじさんとかと同列の人気だろう」
エリカ「あっはは! あ、こ、好物、金魚でいいんじゃないです?」
まほ「そ、そんな事が書かれた雑誌、お母様に読まれてみろ。二度と飲み食いできない身体にされる」
エリカ「くふっ。に、西住流こわい。‥‥あ!」
まほ「どうした?」
エリカ「お母様の手料理、とかいいんじゃないです?」
まほ「うーん‥‥あー‥‥せめて、高校入学の時とかなら‥‥今更だと、取ってつけた感がないか?」
エリカ「そうですか? 学園艦で3年過ごして、改めてお母様の味が恋しく感じた、みたいな」
まほ「ふむ‥‥もしかしたら、お小遣いも上がるかも知れない」
エリカ「いい事尽くめじゃないですか」
まほ「しかし、相手はお母様だからな。読む人によっては、若干、言わされてるっぽく見えないか?」
エリカ「どれだけ恐怖政治なんですか。世間のイメージ」
まほ「まあ、もし機会があれば言ってみる事にしよう」
エリカ「他には、あれですね。あの子、ぬいぐるみ好きじゃないですか」
まほ「ああ。あの、可愛くないやつ」
エリカ「可愛くないけど、一応ぬいぐるみですからね。隊長も、ぬいぐるみの一つや二つ持っておくのはどうです?」
まほ「ぬいぐるみか‥‥」
エリカ「ほら、向こうが熊なら、虎とかいいんじゃないですか? その2匹が一緒に出てる作品とかありますし」
まほ「ああ、あの有名な。しかし‥‥あの作品、熊はまあ可愛いが、虎はあれ‥‥微妙じゃないか? デザイン。声もターミネーターだし」
エリカ「怒られますよ」
エリカ「言われてみれば。マウスにティーガーにエレファントに」
まほ「戦車の分のぬいぐるみを揃えるというのはどうだろう。チームに愛着があるみたいで、可愛くないか?」
エリカ「‥‥物凄く今更なんですが、自分で可愛くないか、とかって言っちゃうと、かなり可愛さが削がれる気がしますね」
まほ「たしかに。まあいい。今度の長期休暇にでも、ランド的なところへ行ってみよう」
エリカ「日程によっては、シー的な方にも行けるんじゃないです? 調べておきましょうか」
まほ「頼む」
エリカ「あ、お金渡しておくんで、私にも一匹、ティーガー的なもの買ってきてもらったり出来ます?」
まほ「えっ」
エリカ「え? ダ、ダメです?」
まほ「いや、そうじゃなくて。‥‥一緒に行かないのか?」
エリカ「えっ。今、そんな感じの流れでした?」
まほ「流れ的には微妙だったかも知れないけど、ランド的なところに一人で行くのは辛いだろう。流石に」
エリカ「まあ、そうですが。わかりました。ご一緒します」
まほ「助かる」
エリカ「あっ」
まほ「うん?」
エリカ「隊長。今回の件って、そもそも隊員に親しまれたいってところから始まったんですよね? 可愛らしさとかは二の次というか」
まほ「まあ、そうだな」
エリカ「他の子も誘えばいいんじゃないですか? ランド的なところに」
まほ「‥‥‥‥」
エリカ「‥‥‥‥」
まほ「エリカ」
エリカ「はい?」
まほ「エリカを副隊長に任命した私は正しかったのだと、今改めて感じた」
エリカ「ありがとうございます。できれば戦車で感じて欲しかったですが」
まほ「よし。そうかそうか。よしよし。エリカ、食べよう。何やら、俄然食欲が沸いてきた」
エリカ「よかったですね」
まほ「卒業前に戦車道の仲間と遊びに行くというのは、親しみ云々を抜きにしても、楽しみだな」
エリカ「そうですね。私もですし、他の子も喜ぶと思います」
エリカ「最悪、知波単との練習試合でも組めばどうにかなりそうですね。あそこたしか、千葉的な県の学校だった筈ですし、性格的にも、うちが申し込めば、有り難がって受けてくれそうな気がします」
まほ「‥‥エリカ」
エリカ「はい?」
まほ「飛び級して、私と一緒に卒業しよう。私にはエリカが必要だ」
エリカ「プロポーズですか?」
まほ「財力と地位なら保証できるぞ」
エリカ「生々しすぎる」
まほ「まあ、それは置いておくとして、高校を出たら、うちに入門しないか。戦車を続けるのなら」
エリカ「そうですね‥‥」
まほ「しばらくは私も一隊員として大学戦車道に身を投じるが、いつまでもそのままの地位に甘んじているつもりは無いからな。やはり、頼れる副官が必要だ。どうせなら、西住流の元で公私共に連携を高めた方がいいじゃないか」
エリカ「もしかしたら、隊長が副官になるかも知れませんよ? 私が西住流を学んで、グレートエリカとして生まれ変わってしまったら」
まほ「ふっ、それはそれで面白い。いや、グレートエリカを名乗るつもりなら、恥ずかしすぎるから、泣きながらでも阻止するが」
エリカ「ちょっとその光景も見てみたいですね。どちらにせよ、今はまだ先の話です。私は来年、必ず雪辱を果たすつもりです。全てはそれからですよ」
まほ「頼もしいな。ますます手放したくない。だがエリカがそう言うのなら、まずは私の引退まで、私の戦車道をみっちりと全て叩き込んでやろう。厳しいのと優しいの、どっちがいい?」
エリカ「優しいのでお願いします」
まほ「なんで今の流れでそうなるんだ」
エリカ「冗談ですよ」
まほ「ならば、スタミナを付けないとな。お代わりを取りに行こう」
エリカ「お供します。あっちの方に、お寿司とかあるはずですよ」
まほ「さっき、カニも見かけたぞ。本当になんでもあるな」
エリカ「今度、他の子達も誘って来ましょうか」
まほ「それはいい。エリカ」
エリカ「はい?」
まほ「懇親会、楽しみだな」
エリカ「はい!」
数ヵ月後、タイミングの巡り会わせが悪く、都合の付かない学校ばかりで、唯一試合を組めた相手はプラウダ。
懇親会の行き先も、夢の国から、登別伊達時代村に変更されるのだが、なんだかんだで割と楽しかったりするのはまた別の話である。
おわり
というわけで読んでくれた人いたらありがとうございます。
元スレ
まほ「みほみたいになりたい」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1469638068/
まほ「みほみたいになりたい」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1469638068/
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- P「アイドルの楽屋にエ口本を置いておく!」
- 杏「杏・輝子・小梅のシンデレラジオ 第38回」
コメント一覧 (44)
-
- 2016年07月28日 05:06
- 二人してポンコツなんだから…
この時間に焼肉食べたくなったじゃないの、バカー!
-
- 2016年07月28日 05:36
- 親睦旅行いいね
-
- 2016年07月28日 06:35
- まほ「もくもく作戦です!」
・・・う~ん?
-
- 2016年07月28日 06:36
- ハンバーグカレーコンビすき
-
- 2016年07月28日 07:00
- そういえば中の人はお空の方でもドイツ系で隊長をやってたっけか
-
- 2016年07月28日 07:02
- ほっこりした
-
- 2016年07月28日 07:14
- SSではまぽりんの方が人気だから…(ポンコツから目を背けながら
-
- 2016年07月28日 07:14
- Maho《ロト1より各機、野犬狩りだ》
-
- 2016年07月28日 07:20
- まほにきっちり言う事は言うエリカのなんと貴重な事か。
内容は残念過ぎだがw
-
- 2016年07月28日 08:16
- まほ「…ふぅ、やっと1機。ちょっときついわね……デスクワークで鈍ったかしら〜?」
これも戦車道よ!って言ってた時から、口調安定してなかったからね
-
- 2016年07月28日 08:16
- まほとエリカ2人ともボケツッコミやってるのは貴重だし、気の合う仲間な雰囲気が良い
-
- 2016年07月28日 08:30
- ほのぼのした
作戦名は○○カレー作戦とかにしたらいいんじゃないかなと思った。
-
- 2016年07月28日 08:31
- ぽんこつしてるけど壊れてない姉すき
-
- 2016年07月28日 08:40
- ミーナと同じ声優だったのか
知らんかった
-
- 2016年07月28日 08:40
- エリカ「このやり取りを録音して隊員に配信すれば解決するんじゃないですか?」
まほ「いやそれはそれで威厳がだな…」
エリカ「贅沢ですね…」
-
- 2016年07月28日 09:13
- 壊れすぎず、硬すぎず、これは良い黒森峰
-
- 2016年07月28日 09:22
- スタ○ナ太郎は却下
-
- 2016年07月28日 09:25
- シュバイン…シューちゃん…
まほのポンコツ度合いがほどよい
エリカとの黄金バッテリーやな
-
- 2016年07月28日 10:00
- まほ「ボコボコ作戦だ。」
隊員「なにそれこわい」
-
- 2016年07月28日 10:49
- 良い雰囲気
-
- 2016年07月28日 12:29
- もしかしてだけど、この人アイマスとか書いてない?
キャラ崩壊しない絶妙な崩し具合とか小気味良い掛け合いとかプロレスネタとか、見覚えあるんだが
違ったらスマソ
-
- 2016年07月28日 13:28
- ディズニーが伏字じゃない・・・だと・・・
-
- 2016年07月28日 14:10
- 戦車道以外はちょっと抜けてるまほとしっかりしてるエリカのコンビいいゾ〜これ
-
- 2016年07月28日 14:12
- 青森直近のレジャー施設って登別伊達時代村だったのか……
-
- 2016年07月28日 14:18
- シュバインっての豚って意味なのか、ビルトシュバインにすれば猪になってマシ?になるか?
-
- 2016年07月28日 14:23
- これを他のメンバーの前でやるだけで親しみやすいと思うんだが
-
- 2016年07月28日 14:43
- ※26
乗り手が裏切りそうな名前だな
-
- 2016年07月28日 15:21
- 顔を引き締めるのに苦労する良ほんわかぽんこつSS
-
- 2016年07月28日 15:44
- Maho《我々の戦い方を貫けばいい それが勝利へと導く》
-
- 2016年07月28日 16:48
- これはいいまほ
-
- 2016年07月28日 17:16
- 最高のエリまほキメた
-
- 2016年07月28日 18:45
- よかった
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- 2016年07月28日 18:58
- Maho 《手加減は無しだ、噛みつかれるぞ》
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- 2016年07月28日 19:41
- ポンコツそうでポンコツじゃないでもちょっとポンコツなお姉ちゃんはいいぞ
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- 2016年07月29日 00:18
- >ロト隊、ゲルプ隊、グリューン隊
お!ベルカ空軍ゥー!
そんでみぽりんが大洗の鬼神とか呼ばれるんだな
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- 2016年07月29日 23:38
- ※11
田中さんも口調が安定しないまほのキャラ掴みにくかったらしいからね
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- 2016年07月30日 04:02
- まほ「みほが返信してくれない」のひと?
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- 2016年07月30日 10:29
- するする読める文章で、内容も面白かったです
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- 2016年07月31日 11:51
- マルセイバターサンドおいしいよな
ジャムパンと並べられるとちょっとアレだが
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- 2016年08月13日 05:16
- きっと本編ではたまたま会話が繋がらなかった所だけが映されたけど裏ではこんな風にお喋りしてるんだ
きっとそうなんだ
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- 2016年08月17日 23:28
- ドンキーといいマルセイといい時代村といい、作者は道民?
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- 2017年12月21日 00:49
- サメさんチーム…!!
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- 2018年02月19日 02:34
- エリカ「色ですか。それだと‥‥ロト隊、ゲルプ隊、グリューン隊、みたいな感じになるみたいですね」
今さらだけどファイヤーエンブレム聖戦の系譜ってドイツ語だらけだったんだなぁ、12魔将も皆ドイツ語だったしゲルプリッターとかグリューンリッターとかいたもんなぁ
逸見・グレート・エリカ
ガタイがよさそう(小並感)