紗枝「舞台裏の事故」 まゆ「天国にいったスタッフさん」
―注意―
わずかですが流血描写があります
紗枝ちゃんの方言を含めキャラが崩壊しているかもしれません
P「不慮の事故か…」
P「そりゃあ事故なんてどれも不慮のものだ」
紗枝「あの…プロデューサーはん」
P「どうした、紗枝」
紗枝「事の重大さは、うちも、まゆはんも…」
紗枝「重々理解しとるつもりどす」
まゆ「……」
紗枝「簡単に受け止められる重さやないと、自覚もしとりますゆえ」
P「そうか…」
ピピピ
P「っと電話…ちひろさんからか」
P「俺はちひろさんと話してから行く」
P「2人は先に医務室へ向かってくれ」
まゆ「…はい」
紗枝「ほな、まゆはん行こか」
P「…」
P「今、スタッフさんが運ばれた医務室に向かってます」
P「それから、簡単にあらましを聞きました」
P「まず、紗枝ですが」
P「どうも紗枝が駄目押ししちゃったみたいです」
ちひろ「駄目押し…悪く言えばとどめってことですか」
P「そうですね…」
P「それから、まゆも」
P「スタッフさんに、相当押し付けてたようです」
ちひろ「あの2人がそんな…」
ちひろ「まあ、事情はわかりました」
ちひろ「こんなことを言うのもなんですが…」
ちひろ「根回しは任せてください」
P「…助かります」
P「なんでしょう」
ちひろ「医務室に運ばれる被害者が自分だったら良かった」
ちひろ「そう、考えてませんか?」
P「………」
ちひろ「…私はあの2人が、どんな子か知ってるつもりです」
ちひろ「くれぐれも、あの2人の前では」
ちひろ「そんなことを口走らないようにしてくださいね?」
P「…気を付けておきます」
ピッ
P「…ふう…」
P「どうして…」
P「どうして…こんなことに…」
まゆ「もう少しでまゆ達の出番ですねぇ」
紗枝「そうやね…」
まゆ「お客さんの声、ここまで届いてきますねぇ」
紗枝「そ、そうやね…」
まゆ「…?」
まゆ「どうしたんです紗枝ちゃん…顔色が良くないみたい」
紗枝「………」
紗枝「まゆはん、実はうち…」
紗枝「………」
まゆ「…?」
まゆ(なんでしょう…こころなしかモジモジしてるような)
紗枝「お水やらお菓子やら、ぎょうさん用意して貰とったやろ?」
まゆ「ええ…」
紗枝「せっかくやし、なんか摘もうとしてな」
紗枝「ちょこれいと、貰おうとしたんよ」
紗枝「そしたら、床に水が零れとったみたいでな」
紗枝「うち気付かんと、滑ってしもたんよ」
まゆ「そんな…大丈夫なんですか!?」
紗枝「まゆはんは優しおすなあ」
紗枝「大丈夫、尻餅は突いてもうたけど怪我はしとらんよ」
まゆ「良かったぁ…」
紗枝「そん時な、ちょうどちょこれいとを包みから出したところやってな」
紗枝「それで、ちょうど…」
紗枝「ちょこれいとの上に尻餅突いてしもたんよ…」
まゆ「チョコの上に…あっ…」
紗枝「そう…」
紗枝「あんすこ…汚してしもたんよ」
紗枝「うん…あんすこ履いとらんのよ」
紗枝「うちの担当、踊りはそれほど激しないけどな」
紗枝「それでもすかあとやから、捲れてまう危険もある」
紗枝「そんなとき、ちょこの染みたあんすこ見られてもうたら…」
紗枝「まるでうちが粗相してもうた風に見えてしまうやろ?」
まゆ「ですねぇ…」
紗枝「もしそないなったら、いくら言い訳したかてあかん」
紗枝「誰も信じてくれひんまま、みんなに泥塗ることになる」
紗枝「それやったら…」
紗枝「まだ、素の下着見られる方がましやから…」
まゆ「そんな…」
紗枝「元より捲れる心配はあんまないし」
紗枝「それに、遠目にはあんすこと下着の違いなんてわからんやろしな」
まゆ「それでも、もしパンツ見られちゃったら…」
紗枝「うん、いま、えろう恥ずかしい」
紗枝「まあ、プロデューサーはんが予備のを取りに行ってくれとるんやけどな」
紗枝「でも、会場広いし駐車場まで離れとるし」
紗枝「うちの出番までに間に合うか…」
まゆ「………」
紗枝「うん?」
まゆ「…!」
ヌギッ
紗枝「!?」
まゆ「…んっ…」
ヌギヌギ
紗枝「まゆはん!?」
まゆ「よいしょっと…んん…」
まゆ「…これでよしっと」
まゆ「紗枝ちゃん」
まゆ「まゆのアンスコ、履いてください」
紗枝「えっ!?」
まゆ「まゆと紗枝ちゃんだと、サイズそう変わりませんし」
まゆ「まゆの出番の方が紗枝ちゃんより後ですから」
まゆ「プロデューサーさんは紗枝ちゃんの出番に間に合わないかもしれない」
まゆ「でもまゆの出番には間に合うかもしれない」
まゆ「だから、紗枝ちゃん」
まゆ「まゆのを渡しますから、履いてください」
紗枝「まゆはん…」
まゆ「まゆだって、女の子です」
まゆ「パンツ見られちゃう恥ずかしさはわかってるつもりですから」
まゆ「紗枝ちゃんに味わわせちゃうわけにはいきません」
紗枝「まゆはん…おおきに」
ホカホカ
紗枝「…んっと…」
紗枝「よいせ…よいせ」
紗枝(あ、温い)
紗枝(まゆはんの温もりが伝おうてくる…)
紗枝(ほんま、ええ子やわあ…)
紗枝「んっ」
紗枝「うん…ちょうどええわあ」
まゆ「それは良かったです♪」
紗枝「あっ、ちょうど出番やなあ」
まゆ「ギリギリセーフでしたねぇ」
紗枝「それじゃあ、うち行って来るわ」
まゆ「はい、頑張ってください」
まゆ(…勢いで脱いじゃいましたが)
フリフリ
まゆ(こうも裾が広がっちゃってると)
まゆ(見えちゃわないか急に心細くなってきましたね…)
モジモジ
まゆ「………」
まゆ(この辺はスタッフさんも少ないですが)
まゆ(それでも視線を感じちゃいますねぇ…)
まゆ(紗枝ちゃんのステージも見ておきたいですが)
まゆ(一旦控え室に戻るとしますか)
まゆ(プロデューサーさんも、そっちに来るかもしれませんし)
まゆ(あら…?)
スタッフ「あっ、お疲れ様です!」
まゆ「お疲れ様です♪」
スタッフ「すみません、水が零れてるのに気付きませんで」
スタッフ「今拭いてますので狭くて申し訳ない」
まゆ「いえ、平気ですよぉ」
スタッフ「あ、もし着替えとかあるのでしたら出てますから」
まゆ「大丈夫です、ちょっと寄っただけですから」
まゆ(控え室に男のスタッフさんと2人きり…)
まゆ(まあ、もっと大勢の中に居るよりは…)
まゆ(まゆも、お水いただこうかしら)
まゆ(スタッフさんの傍を通ることになっちゃうけど…)
まゆ「………」
まゆ(スタッフさん、四つん這いになって床を拭いてくれてますね)
まゆ(…中、見えちゃいませんよね…?)
まゆ(時間に余裕だってないですし)
まゆ(さっと行ってさっと飲んじゃいましょう)
まゆ「………」
スタスタスタ
スタッフ「あっ、その辺はまだ…」
まゆ「えっ?」
ツルン
まゆ「あっ…」
まゆ「きゃっ!」
スタッフ「危ないっ!」
ドンガラガッシャーン!
ドスン ギュムッ
!?……!
まゆ「あいたたた…」
……!…!………!
まゆ「うぅ…」
……っ……!!
まゆ(うかつでした…早足で歩いたばっかりに)
………!
まゆ(滑って尻餅を突いちゃうなんて…)
………………
まゆ(…?)
…っ…
まゆ(何か聞こえますね)
………
まゆ(小さな声ですが、すぐ近く…まゆの下から)
……
まゆ(そういえば、思いっ切り尻餅を突いちゃったのに、痛くない…)
……
まゆ「………っ!」
まゆ(な、なんてことでしょう)
まゆ(ま、まゆの…まゆのお尻の下に)
まゆ(スタッフさんのお顔が!)
…んふっ…!
まゆ「んんっ!」
まゆ(スタッフさんの呼吸が、まゆの…まゆに!)
まゆ「や、やだっ!」
ギュゥゥゥゥ!
んーーーーっ!!
まゆ「だ、駄目…」
んーっ!……んっ…っふ…
まゆ「…息しちゃ駄目ぇ…」
………っ!
まゆ「そこは…プロデューサーさんの…ためのぉ…!」
……ん……ふぅ……
まゆ「やぁぁぁん………」
………
ギュムムム
………
………♪
紗枝「ふぅ…」
紗枝「お疲れ様です~」
紗枝(いや~、まゆはんのおかげで助かったわあ)
紗枝「…?」
紗枝(で、そのまゆはんが居らんようなっとる…)
紗枝(控え室に戻ったんかいな)
紗枝(喉乾いたし、うちも一旦戻ろか)
まゆ「……んう……」
紗枝「お、まゆはんここに居ったんやあ」
まゆ「さ、紗枝ちゃあん…」
紗枝「…どないしたん、そんな涙目でへたってしもうて」
紗枝「…ん?」
紗枝(まゆはんの下に…誰か居る!?)
まゆ「ま、まゆ…まゆは…」
まゆ「腰が…抜けちゃってぇ…」
紗枝(まゆはん、スタッフさんを尻に敷いてしもとる!?)
紗枝「わかった、手ぇ貸すさかい掴んどくれやす」
まゆ「はい…」
ギュウッ
まゆ「んっ…」
紗枝「行くよ、せーのっ」
紗枝「よいしょぉー!」
スタッ
まゆ「………」
スタッフ「…ふぇ、えふぇへへ…」
まゆ「ご…ごめん…なさい」
まゆ「痛かった、ですかぁ…?」
まゆ「鼻血も…こんなに」
スタッフ「いゃぁ…だいりょーぶ、らいりょーう…ふぇふふへへぇ…」
紗枝「あかん…完全に正気やないわあ…」
紗枝「両目とも、はぁとまぁくになってしもとる…」
まゆ「うぅ…」
まゆ「まゆが…ずっとお尻に敷いちゃってましたから…」
紗枝(よりにもよって、スタッフさんの顔を)
紗枝(…よりにもよって、あんすこ履いてないときに)
スタッフ「うぇへ…うぇへへはぁぁ…」
紗枝(そらまあ、こうなってまうわなあ…)
紗枝「どないもこないも…起こってしもた事はしゃあない」
まゆ「ですよねぇ…」
紗枝「とりあえず、うちの次の出番まだ先やから」
紗枝「まゆはんは準備に向こうてくれやす」
紗枝「ここは、うちが引き受けるさかい」
まゆ「紗枝ちゃん…ごめんなさい」
まゆ「うん?」
紗枝「借りとったあんすこ、返さなあかんな…」
紗枝「結局プロデューサーはんも間に合わんかったようやし」
まゆ「そうですね…」
紗枝「ほな、ちょう待ってや」
ヌギッ
紗枝「んっ…」
ヌギヌギ
紗枝(なんやら…脱ぎにくおますなあ…)
紗枝(舞台に上がっとったせいで、汗でも吸うたんやろか)
紗枝「よっと…あっ」
グラッ
まゆ「あっ!」
ドスン!
………!!
紗枝(体制崩して倒れてしもうた!)
まゆ「さ、紗枝ちゃん!」
紗枝(またよりにもよって…)
紗枝(スタッフさんの、お顔の上に…!)
ズシッ
紗枝「す、すんません!」
紗枝「すぐ立ち上がりますさかい」
紗枝「んっ」
ギュウウウ
紗枝(あかん)
紗枝(脱ぎ掛けやったあんすこが引っ掛かって、足かせみたいになって)
紗枝(足がうまく動かへん…!)
紗枝「ん…っ」
ギュムッギュムッ
まゆ「紗枝ちゃん、まゆの手を!」
紗枝「まゆはん!」
ファイトーイッパーツ!
スタッフ「………」
紗枝(ああ…今度こそ気ぃ失うてしもた)
紗枝(ぎょうさん鼻血に塗れたまんまで…)
P「…はぁ…はぁ…」
まゆ「プロデューサー、さん…」
P「すまん、遅くなった」
P「アンスコ持って来た…ぞ…?」
紗枝「ぷ、プロデューサーはん…堪忍やで…」
P「どうした、その人…一体何が…」
P(出番の近かったまゆをステージへ急がせて)
P(紗枝から何が起こったか断片的ではあるが把握した)
P(まったく…)
P(不慮の事故にもほどがある…)
P(…愚痴っていても仕方ない)
P(俺も医務室に向かわなければ)
P「申し訳ありませんでした!」
2人「すみませんでした!」
スタッフ「いや、大丈夫ですから!」
スタッフ「こちらこそ、みっともない姿を見せちゃいました」
スタッフ「私ならもう平気です」
P(そうは言っても、無理をしているのはわかる)
P(脇のゴミ箱にあるティッシュの量が尋常じゃない)
P(鼻血はもう止まっているようではあるが)
P(かなりの量が出たのは間違いない)
スタッフ「いえ、そこまでしなくて大丈夫ですから!」
P「しかし…」
スタッフ「私だって、こんな仕事してますから」
スタッフ「アイドルの方々や関係者に迷惑はかけられません」
スタッフ「もちろん、この事故のことだって公表しませんから安心してください」
P「…そう言っていただけると助かります」
スタッフ「とにかくです」
スタッフ「私ならもう元気ですから」
スタッフ「それに、何よりも…」
スタッフ「お2人とも、けがなくて良かったです!」
流血沙汰でありながら、これは表には出てこなかった
ちひろさんが念のため雑誌社に手をまわしてくれていたのもあるが、
何より当事者のスタッフがどこにも公表しなかったからである
舞台裏の事故は、ひっそりと幕を下ろしたのだった
尚この後に、被害者が自分であれば良かったとプロデューサーが呟いてしまい、
それを聞きつけた2人に顔を潰されることになるのだが、
それはまた別のお話…
こんな重圧に耐えられる人は居るのかと思いながらかきました
(尚自分は耐えられそうにありません)
ここまで読んでいただきありがとうございました
元スレ
紗枝「舞台裏の事故」 まゆ「天国にいったスタッフさん」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1466797256/
紗枝「舞台裏の事故」 まゆ「天国にいったスタッフさん」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1466797256/
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コメント一覧 (30)
-
- 2016年06月25日 12:16
- ※さえはんとままゆに女性スタッフが奈落に突き落とされません
-
- 2016年06月25日 12:16
- そういう事かw 確かにPが自分が被害者ならなんて言ったら殉職なんてレベルじゃない大惨事になるわな
-
- 2016年06月25日 12:31
- 人生の終わりはこんな感じでいてほしい
-
- 2016年06月25日 12:35
- けがなかった…けがなかった…
うっ
-
- 2016年06月25日 12:43
- これは天国にイキますね
-
- 2016年06月25日 12:51
- かなりの量が出た。
どっちの話しなんですかねぇ……
-
- 2016年06月25日 12:58
- おっしゃ
スタッフになればええんやな?
-
- 2016年06月25日 13:01
- 良かった、自分の下着を汚してしまったスタッフはいなかったんだね
-
- 2016年06月25日 13:07
- スタッフ....不慮の事故....、ひらめいた!
-
- 2016年06月25日 13:08
- この後スタッフはちひろさんにめちゃくちゃ脳味噌クチュクチュされた
-
- 2016年06月25日 13:09
- ※10
あっあっあっ
-
- 2016年06月25日 13:13
- 2人とも、けがなかったのか……ちょっと遅くないか?
-
- 2016年06月25日 13:36
- ちっひの「手回し」…
-
- 2016年06月25日 13:48
- ※12
けがない方が興奮するんだよなぁ
けがあると引くわー
-
- 2016年06月25日 13:54
- なんでか分からんが読みながら鼻から深く息を吸い込んでしまった
なんでか分からんが
-
- 2016年06月25日 14:08
- 圧迫祭りよ!
-
- 2016年06月25日 15:16
- 何とかほたるちゃんの不幸で俺の上にふみふみが落ちてこねーかなぁ
-
- 2016年06月25日 16:38
- なんでPaPの話してんのかと思ったらそういうことかwww
-
- 2016年06月25日 16:54
- 「Pさんに、けがなくて良かったです!」
-
- 2016年06月25日 17:58
- もしこれが卯月やかな子だったら・・・
-
- 2016年06月25日 19:01
- ※17
植木鉢「よろしくニキーwww」
-
- 2016年06月25日 19:15
- ※14
お前、けが無かったのか……
ああ、ついピッカリ言ってしまった。本当にもうしわけーない
どうやって君をハゲましたらいい?
-
- 2016年06月25日 20:09
- 俺ちょっと及川さんが出るイベントのスタッフになってくる
-
- 2016年06月25日 20:26
- 僕はこずえちゃんのイベントスタッフになる!
お子様だし、故意に頭を突っ込んでも意味が分からず笑顔で微笑んでくれるだろう
-
- 2016年06月25日 20:38
- ん?
このスレタイとよく似たSSあったような‥‥。
確か「天国の◯◯◯」‥‥シリーズ化していたような‥‥。
気のせいか?
-
- 2016年06月25日 21:43
- アンスコで察した
-
- 2016年06月25日 21:54
- このスタッフはリトさんではないな
-
- 2016年06月26日 00:05
- え?何だって?
ケツ圧が高いって!?
-
- 2016年06月27日 10:40
- アイドル二人に顔面騎○位されたいだけの人生だった…
-
- 2016年06月30日 02:08
- >スタッフ「お2人とも、けがなくて良かったです!」
完全にアレな台詞じゃないですかやだー