あずさ「己の限界」
「ハニー! ミキと一緒にお昼寝するのー!」
今日も朝から美希ちゃんの声が事務所に響いていた
明るい声と共に抱き着いてくる美希ちゃんにたいして、困った様な、そして若干嬉しそうな顔をしたプロデューサーさんが居る
呆れかえった顔をしながら、美希ちゃんの暴走を静止しようとしている律子さん
キツめの口調でプロデューサーさんにお説教? をしている伊織ちゃん
そのやり取りに便乗して、なにやら悪戯をしようとしている亜美ちゃんと真美ちゃん
騒ぐ皆を横目に、落ち着いた動きでお茶が入った湯呑を下げる雪歩ちゃん
然りげ無く雪歩ちゃんの手助けをする真ちゃん
喧嘩していると思ったのだろうか、やよいちゃんが二人を止めに入っている
机の上に、自分が作ってきたであろうクッキーを並べて皆のリアクションを待っている春香ちゃん
その机の上に並べられたクッキーを食べようと、忍び寄るハム蔵ちゃんを叱っている響ちゃん
雑誌を読みながらもチラチラと、美希ちゃんとプロデューサーさんのやり取り観察している千早ちゃん
ソファーに座り、お湯が注がれているであろうカップラーメンを目の前に置き、それから視線を逸らさずにじっと時を待つ貴音ちゃん
音無さんは……事務処理に追われているのかしら……涙目で律子さんとプロデューサーさんを見ている
何時もの風景
何時もの日常
そんな皆のやり取りを『あらあら』 と何時も通りのリアクションを取りながら観察しているのが私
平和な765プロ
だけど……そんな賑やかなやり取りの中、私の胸の内に秘められた想いは誰も知らない
プロデューサーさんへの恋心
嫉妬の念を抱きながらも、押さえ込み続けている私の醜い感情
裏の三浦あずさ
部屋で一人プロデューサーさんの写真を眺めている私
カーテンの隙間からは月明かりと共に、車が奏でる都会的な喧騒が部屋へと流れ込んできていた
写真に映った鈍感なプロデューサーさんは、私の気持ちに気付いていないでしょう
……気付くはずもない
だって私はその感情を押し殺して生きている
全ては私のくだらないプライドのため
事務所の皆がプロデューサーさんに向ける好意を知っているからこその我慢
アイドルの中で最年長である私だからこその我慢
私は皆のお姉さん
お姉さんは我慢して、一番良い条件を皆に譲らなければならない
それが、私がずっと探し求めていた運命の人であっても……
………けれど、どんどん膨らむこの想い
我慢すればする程、プロデューサーさんに抱く想いは強くなる一方だった
美希ちゃんがプロデューサーさんに抱きつく度に胸が苦しくなる
春香ちゃんがプロデューサーさんにクッキーを渡して、頭を撫でられているのを見るだけで心臓が痛くなる
音無さんと飲みに行く約束を、笑顔で交わしているプロデューサーさんを見ているだけで涙が出そうになる
けれど、その全てを抑え込み笑顔でいる私がいる
自分でも訳が分からないプライドがそうさせる
笑顔という名の仮面を被った馬鹿な私
自己満足でお姉さんぶる馬鹿な私
分かっていても止められない馬鹿な私
一人、部屋で涙を流す馬鹿な私……
私の目覚めを手助けしてくれるのは小鳥の囀りではなく、プロデューサーさんの優しい声でもなく、けたたましく鳴る大量の目覚まし時計
のそのそベッドから這い出て、のそのそと朝食の準備をする
何時もの流れ
何時もの朝
朝食を済ませると、シャワーを浴びて、髪の毛を乾かし、化粧を済ませる
何時もの流れ
何時もの準備
机の上に置かれた写真立ての中で、優しい笑顔を見せているプロデューサーさんにキスをして家を出る
何時もの流れ
何時もの……我慢
「おはようございます~」
何時も通りの朝の挨拶を誰に向けるでもなく、事務所の扉を開けると同時に笑顔で放つ
「あ、おはようございますあずささん。 丁度良かった。 今から重大発表がありますんで集まってください」
朝一番に私を出迎えてくれたのは、嬉しそうな顔をしたプロデューサーさんでした
その顔に見惚れる時間も無いままに、プロデューサーさんは私の手を引き、社長室へと連れて行ってくれた
数秒の間だけだが、私の右手で感じるプロデューサーさんの手の温もりは、頑固な私のプライドを崩そうとしていた
しかし崩されかけたプライドは、社長室の中で待ち構えていた皆の表情を見ると、何時もの強引に作られた笑顔の仮面を被った私に戻った
「さて……皆揃ったようなので、これから重大発表をしたいと思う」
社長がわざとらしい咳払いをし、真剣な顔で話し始めた
しかしその真剣な表情とは裏腹に、少し上がった口角からこれから話される発表の内容は皆にとって喜ばしい事だと推測される
「実はだね……なんと! 皆のオフの予定を合わせれたので、慰安旅行に行く事が決定したのだよ!」
社長の口から発表された内容は、案の定皆にとって喜ばしいものでした
そうして、ワンテンポ遅れてやってくる皆の驚きの声
皆の嬉しそうな顔、声が社長室に響き渡る
その中に混じって喜んでいるプロデューサーさん
私も皆で揃っての旅行なんて初めてで、とても楽しみです
……今回くらいは純粋に楽しみましょう
「それじゃあ各自自由行動! けど遠くへ行っちゃダメよー!」
引率役の律子さんが、笑顔で皆に注意をしている
皆も律子さんの声を皮切りに、満面の笑みで海へ向かって走っていった
楽しそうな皆の声と、静かな波の音、柔らかい風の音
全てが私の心の疲れを癒してくれているようです……
「けど良かったですね。 来れたのが伊織の家のプライベートビーチで」
「そうですね。 他の人達が居たら騒ぎになりかねないですからね」
ビデオカメラを持ったプロデューサーさんと、一眼レフを持った律子さんが肩を並べて皆の様子を見ている
保護者ともとれる二人の距離感に、また胸が少し痛んだ
プシュ
そんな事を考えている私の横で、音無さんがビールのプルタブを開けていた
「さぁさぁ! あずささんも飲みましょう!」
このビーチに辿り着くまでの車内でも結構な量を飲んでいた音無さんは、顔を真っ赤にして完璧に出来上がっていた
「いえいえ~、私はそんな~」
無難な返事でその場を逃れようとする私
しかし音無さんは、片手に持っていたもう一本のビールのプルタブを開け、私に無理やり手渡してきた
右手に持ったビールの缶はキンキンに冷えており、砂浜の照り返しによって温められた私の身体を冷やしてくれていた
「ハニーも一緒に遊ぶのー!」
「うわ! こら美希!」
視線を缶ビールから前へ戻すと、水着姿の美希ちゃんがプロデューサーさんに抱き着いているのが見えた
……また締め付けられる私の胸
それを誤魔化すためか、私は右手に持ったビールを口に当て、一気に喉へと流し込んだ
「おぉ! あずささんもいける口ですねー!」
音無さんが楽しそうな声を出し、それが聞こえると同時に、私の胸の痛みが引いていくのが分かった
お酒を飲む事によって、私を苦しめていた痛みから解放される
……それが分かった瞬間私の右手は、再び音無さんから差し出されたビールの缶を手にとっていた
「近所のお寺で祭りがやってるらしいから、これから皆で行くぞ!」
プロデューサーさんはそう言っていたと思う
何故“思う”だけなのかというと……少々飲みすぎてしまったらしく、私の耳に届くプロデューサーさんの声は、少し掠れて聞こえたから
「それとな、実は旅館の女将さんのお気遣いで浴衣を貸してもらえるらしい! 各自部屋で着替えて、一時間後に玄関集合な!」
浴衣……お祭り……
あれ……音無さん、私を引っ張って何処へ連れて行くんですかー?
少し意識が飛んでいました……
先程より気分も晴れ、意識もはっきりしてきましたが……
……何故私は浴衣を着て、旅館の玄関に立っているのかしら?
「お、あずささんはやっぱり浴衣似合いますね」
「あ……プロデューサーさん……」
「あれ、どうしました、あずささん? 顔色が悪いですよ?」
「い……いえ、大丈夫ですよ~」
酔が覚めると同時に、気持ち悪さと頭痛が私を襲ってきた
けれど、何故かプロデューサーさんにそれを知られたくなく、強がってしまう私
「そうですか……具合悪かったら遠慮せずに言ってくださいね」
「は、はい」
「それじゃあ皆で祭り会場へ行きましょう」
……微かだが思い出してきた
海から旅館に戻って直ぐに、プロデューサーさんが皆で祭りに行く事を提案したんだった
私は現状を少し把握し、そのまま皆の後ろを着いて祭り会場まで向かった
「プロデューサーさん! りんご飴ですよ! りんご飴!」
「兄ちゃん! 亜美、あの射的やりたーい!」
「兄ちゃん兄ちゃん! 真美はあのわたあめが欲しい!」
「ハニー! 美希と一緒に焼きおにぎり食べるの!」
祭り会場である神社の参道には様々な出店が立ち並び、スピーカーから流れる祭囃子がお祭りの活気を更に盛り上げていた
その参道で皆から引っ張られ、色々な物を買わされるプロデューサーさん
……社長がもし今日来ていたなら、その役目は社長のものになっていたでしょうね
「ぷろりゅーりゃーしゃーん! あはひといっひょにのみまひょー!」
「こら、小鳥さん飲みすぎですよ! まったくもう……」
プロデューサーさんにまとわりつく音無さんは、律子さんに羽交い絞めにされていました
そんな賑やかな皆の行動を後ろで見ているだけの私
下手なプライドと具合の悪さが相まって、今私は引き攣った笑顔になっているでしょう
……少しフラフラしますし……
「……大丈夫ですか、あずささん?」
「あ……プロデューサーさん……」
立ち止まり、少しふらついていた私の目の前には、何時の間にかプロデューサーさんが立っていた
……こんな姿見られたくないのに……
「……具合悪いんですね?」
「……いえ、大丈夫です」
「……俺は嘘付く人が嫌いです」
「…っ」
「旅館へ帰りましょう。 俺が送っていきます」
「で、でも皆は……」
「音無さん……律子に任せるんで大丈夫です」
「でも……」
「デモも、ストもありません! 行きますよ!」
「あ……」
久しぶりに感じるこの手の温もり
プロデューサーさんの優しい手の温もり
………ずっとこうして、私の手を握っていてほしい
私の手を引くプロデューサーさんの背中を見ながら、私のくだらないプライドは少し崩れかけていた
先程まで耳元で聞こえていた祭囃子も今じゃ私の耳元から離れ、遠くで賑やかに鳴り響いているだけだった
頭に響き、不快だったはずの祭囃子も今では心地良い音へと変わっている
その心地良い音に耳を傾けている私の手を黙って引いてくれているプロデューサーさんは、先程から一言も発する事なく前を向き続けている
何時も迷子になってしまっている私を探しに来てくれて、見付けた後に笑顔で私を事務所までエスコートしてくれる姿と被るこの状況
……けれど今回は私の手を握ってくれている
嬉しさの所為か、お酒の所為か分からないが頭がポーっとしてきた
そんな呆けている私が神社の階段を下りている最中何かに躓き、バランスを崩してしまった
現実に頭を引き戻し慌てて体勢を立て直そうとするが、地面に着こうとした右手はプロデューサーさんに握られていたため、私の身体は階段へと引き寄せられていった
目を瞑り身構えていたが、何時まで経っても私の身体に階段が触れる事はなかった
……その代わりに感じる人の温もり
「大丈夫ですかあずささん!」
目を開けると、そこにはプロデューサーさんの顔
私はプロデューサーさんに抱き締められていた
「良かった……あ、鼻緒が切れちゃってますね……」
右足に履いていた下駄が、足先でプラプラ動くのを感じ取れた
見て確認すればよかったのだろうが、私の視線はプロデューサーさんの顔から離せずにいた
「……どうしました?」
「あ……いえ……」
顔が熱くなる
今までこんな近くでプロデューサーさんの顔を見た事がなかったから……
「……けど、これじゃあ歩いて旅館に戻るのは無理ですね……」
「そう……ですね……」
プロデューサーさんは少し悩んだ表情を見せた後、いきなりしゃがみ込んで私に背を向けた
「俺がおぶって連れて行きますんで、掴まってください」
「え……」
「いいから早く」
「は、はい」
勢いで身体を寄せたプロデューサーさんの背中は暑さの所為か、汗で少し湿っていた
「じゃあ行きますね」
私になるべく振動を伝えない為か、プロデューサーさんはゆっくりと階段を下りていく
しかし嫌でも伝わる振動の所為か、隠れた欲求の所為か分からないが、私は手をプロデューサーさんの首へと回し、身体をプロデューサーさんの背中へ密着させた
温かく、広いプロデューサーさんの背中
その温もりに私のくだらないプライドは、またも少し崩れてしまった
月明かりとは違う、人工的な明かりが私達を包む
……もう旅館へ着いてしまった
プロデューサーさんが押しにくそうにエレベーターのボタンを押し、開かれた狭い箱の中へと乗り込む
エレベーターの扉が締まると、密室の中に思い沈黙が訪れる
「……」
「……」
先程から身体の中で鳴り響く私の心臓の音は、プロデューサーさんに伝わっているのかしら?
……もし伝わっているのであれば……プロデューサーさんは、私の隠した気持ちに気付いてくれるかしら?
……他力本願で、踏み出す事の出来ない私の欲求
それはもう……限界を迎えかけていた
もやもやした感情をそのまま、エレベーターは私達が泊まる部屋がある階で止まり、密室を作り出していた扉が勢いよく開いた
無言のまま歩みを進めるプロデューサーさん
一歩一歩、私が泊まる部屋へと進んでいく
その一歩一歩の振動が……私のプライドをさらに崩していく
まだこの温もりを感じていたい
まだ一緒にいたい
まだ……まだ………
そんな私の願いが届く事はなく、ガチャリと開く扉
開かれた扉の先は薄暗く、その暗闇はプロデューサーさんにこの先何も伝えられずに過ごす、私の未来を表しているかのようだった
「着きましたよ、あずささん」
「……」
そう言うと、プロデューサーさんはゆっくりと私を背中から降ろしてくれた
しかし私の脚はいう事を聞かずに、立つ事さえままならなかった
プロデューサーさんと一緒に過ごすこの時間が終わってしまうのを拒むかのように
「……立てませんか?」
「……」
駄々っ子のように、黙って俯く私
何時もの私は何処?
プライドは?
笑顔の仮面は?
お姉さんの威厳は?
何処……?
「……しょうがないですね」
「……っ?!」
いきなり浮き上がる私の身体
これは……お姫様だっこ?
「ベッドまでお運びしますね、お姫様」
………お姫様……?
だめ……そんな事言わないでください……
……我慢出来なくなっちゃいます……ずっと押さえ込んでいた私の気持ちが……
……そんな私を知らずにゆっくりとベッドへ向かうプロデューサーさん
一歩……また一歩……私達が泊まる部屋はそこまで広くないです……ほら………もうベッドの傍まで来ちゃった……
ゆっくりと私の身体をベッドに降ろすプロデューサーさん
……背中に柔らかい感触が触れた瞬間
………私はプロデューサーさんにしがみついていました
「あ、あずささん……?」
「……」
もう……我慢の限界です……
お姉さんぶるのに疲れました
くだらないプライドなんてもう何処かへ行ってしまいました
仮面は砕けてボロボロです
まだお酒は残っています……だから伝えます……私の隠した気持ち……ずっと我慢してきたこの感情……
しっかり……受け止めてくださいね……
あずさ「性欲の……限界……っ!」
P「……はい?」
あずさ「プロデューサーさん、子作りしましょう」
P「いやいやいや……はい?」
あずさ「私はアイドル事務所が作れるぐらい子供が欲しいです」
P「落ち着きましょうあずささん」
あずさ「突き合いましょうプロデューサーさん」
P「なんか変な誤字を見た気がする」
あずさ「そんな誤字を事後に変換するために子作りに励みましょう」
P「上手い事言ってんじゃねーよ」
あずさ「もう限界なんです! 写真を見ての一人遊びはもう嫌なんです!」
P「……取り敢えず落ち着いてください、あずささん」
あずさ「私は落ち着いてますよ」
P「じゃあ深呼吸してください」
あずさ「ひっひっふー」
P「ラマーズ法だねそれ」
あずさ「気が早かったですね、てへぺろ☆」
P「あれ? 俺が知ってるあずささん何処いったの?」
あずさ「私は今、迷子になってませんよ?」
P「なってるよ。 現在進行形で思考が迷子だよ」
あずさ「怒った顔のプロデューサーさんも素敵です。 抱いてください」
P「取ってつけたように抱く事を促さないでください」
あずさ「じゃあ責任をとってください」
P「なんのですか?」
あずさ「プロデューサーさんの汗ばんだ背中から発せられた雄のフェロモンに誘われ、私の中から湧き上がってくる雌としての性的欲求が脳髄を刺激し、先程から疼いて仕方がない下腹部に位置する女性特有の秘部から溢れ出る粘度の高い体液がこれ以上出てこないようにするために、プロデューサーさんの下腹部で唸りを上げる男性器で栓をしてください」
P「止めて、あずささんの口からそんな卑猥な言葉聞きたくない」
あずさ「口でもいいですよ?」
P「しゃらっぷ」
あずさ「あ~……でぃすいずあぺん?」
P「俺の股間部分を見ながら言うの止めてもらえませんか。 なんだか心折れそう」
あずさ「私はプロデューサーさんがどんなサイズでも受け入れます! むしろ初めてなので小さい方がいいです!」
P「やだ、この人怖い」
あずさ「………私……そんな魅力無いでしょうか……」
P「……あずささん……」
あずさ「やっぱり……若い娘には敵わないんですかね………」
P「そ、そんな事ありません! あずささんはとっても魅力的です!」
あずさ「じゃあ抱いてください」
P「ちくしょう! はめられた!」
あずさ「え? ハメられるのは私ですよ?」
P「続け様にこの野郎」
あずさ「あらあら~、私は野郎じゃなくて女ですよ~」
P「揚げ足をとらないでください」
あずさ「盗られたのは私の心です」
P「カリオストロは名作ですね」
あずさ「カリ? やだ//// プロデューサーさんったら……////」
P「ちくしょう……話を逸らそうとしたのに……」
あずさ「そらそうだなんて……もうそり立ってるんですか? 確かめさせてください」
P「その小鳥脳をなんとかしてください」
あずさ「……なんで今音無さんの名前が出てくるんですか?」
P「え?」
あずさ「今は私とプロデューサーさんしかこの部屋にいないんですよ? なのになんで他の人の名前が出てくるんですか?」
P「えっと……」
あずさ「今だけでもいいんです……私だけを見てください……お願いします……」
P「……」
あずさ「……あ、ごめんなさい……そうそう、抱いてk」
P「もういいんですよ、あずささん」
あずさ「もういいって……何がでしょうか?」
P「無理してそんな事言って、無理な笑顔見せないでください」
あずさ「無理なんて……」
P「……じゃあ、なんで泣いてるんですか?」
あずさ「え……な、なんで……なんで涙が……」
P「何時も通りのあずささんでいいんです……無理にキャラを作らないでください」
あずさ「……」
P「俺は……何時ものあずささんが好きです」
あずさ「……え?」
P「プリンを美味しそうに食べてるあずささんが好きです」
あずさ「……」
P「迷子になって、申し訳なさそうに俺に電話を架けてくるあずささんの声が好きです」
あずさ「……」
P「俺と話している時に見せてくれる、あずささんの眩しい笑顔が大好きです」
あずさ「……プ、プロデューサーさん……」
P「……海でのあずささんの水着姿は見れませんでした……もし見てしまったら……我慢出来なくなっちゃいそうで……」
あずさ「我慢って……」
P「祭りでの浴衣姿もそうです。 皆がいる時は我慢できましたが……階段で転びそうになって、そのまま抱き締めてしまった時は……正直、キスしちゃいそうになりました」
あずさ「……」
P「それにおぶった時だってあんなに密着してきて……こっちだって我慢の限界ですよ」
あずさ「……それって……」
P「あずささん……好きです。 俺と付き合ってください。 これは誤字じゃないですよ」
あずさ「……」
P「……あずささん?」
あずさ「ずっと……ずっと我慢してました……くだらないプライドで自分を偽って、無理やり笑顔の仮面を被って……ずっとずっと……プロデューサーさんへの気持ちを隠して過ごしていました……」
P「……うん」
あずさ「下手にお姉さんぶって……我慢してたのに……もう……私も限界です……」
P「うん……」
あずさ「……私も好きです……大好きです! 愛してます! ずっと伝えたいと思ってました! 私と付き合ってくださいプロデューサーさん!」
P「……喜んで!」
あずさ「プロデューサーさん……んっ……」
薄暗い部屋の中で抱き合う私とプロデューサーさん
ずっと……ずっと……夢見ていた二人の時間
その夢が現実となり重なり合う唇
ずっと……待ち焦がれていたプロデューサーさんの体温……
ヒュー……ドーン……
カーテンを閉め忘れた窓の外で、眩い光が一瞬にして咲いて消えた
ドーン……
ドーン……
パラパラパラ……
咲いては消え、咲いては消えを繰り返す儚い華
その儚さを憂う事なく、何度も口付けを繰り返す私達
私達の恋は始まったばかり……心恋で留まっていた私の想いが行き着く先を知った今、この恋が花火のように儚く消える宿命を持っているとは思えない
だって……プロデューサーさんは儚い花火を見る事なく、花火が放つ光に照らされた私の目を見つめてくれているんだから……
おわりおわり
くぅ~疲れてないw これにて完結です!
実は、あずささんの誕生日を祝いたいがために書いたのが始まりでした
本当は壊れるあずささんを書きたかっただけなのですが←
ネタを無駄にするわけには行かないのでコメディで挑んでみた所存ですw
以下、あずささん達のみんなへのメッセジをどぞ
あずさ「フフッ」
あずさ「アラアラ~」
マミ「アラアラウフフ」
京子「アラ~」
ほむら「マァマァ」ドタプーン
では、
あずさ、あずさ、あずさ、あずさ、あずさ、キング「アラアラ~」
終
あずさ、あずさ、あずさ、あずさ、あずさ「ジュシポリイェ~イ」
あずささん誕生日おめでとうございます
これからもあずささんの益々の御成長(意味深)を心よりお祈り申し上げます
じゃあの
元スレ
あずさ「己の限界」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1374229817/
あずさ「己の限界」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1374229817/
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コメント一覧 (6)
-
- 2016年06月05日 15:18
- ???「くっ、この世界線も駄目だったピヨ」
-
- 2016年06月05日 15:22
- これ、まさか人数分あるの……?
-
- 2016年06月05日 15:32
- 千早のヤツ面白かったけど、パターンが分かっちゃってると面白さが半減しちゃうなぁ……
-
- 2016年06月05日 17:32
- じゃあの、の人だったのか。なんか懐かしい気分になったわ。
-
- 2016年06月05日 17:36
- 途中までしんみりBGMそこから笑いSEが入るコントの流れほんと好き
-
- 2016年06月05日 19:00
- 裏の三浦あずさ……プフックックフフッ……