兎娘「私と子作りしてくれませんか?」
- 2016年05月20日 02:10
- SS、神話・民話・不思議な話
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男「……は?」
今俺の目の前にいるのは低身長で茶髪なバニーガール。
そのバニーガールから突然の交尾を求められ、俺は凍りついた。
拗れて固まった思考回路を再び動かすために、とりあえず俺は状況を整理することにした。
一体どうしてこんなことになったのか……。
男「ふぅ~。今日も疲れた」
いつものように仕事からアパートに帰ってきた俺は風呂に入り、コンビニで買ってきた弁当を食べながらテレビを見ていた。
『なんでやねんっ!』
男「あはは…」
これが俺の日常。これが終われば明日に備えてさっさと寝る。
そこにソファーの上に置いてあった携帯から着信音が鳴り、そのバイブがソファーの表面を叩いた。
それは俺の変化ない日常に割り込む。
男(誰だ?)
携帯を手に取り、発信主を画面を見て確認する。
画面には『母』と書かれていた。
男「はぁ…母さんからか…」
俺は別に実家にいる母のことが嫌いというわけではない。
むしろ好きか嫌いかと言われれば好きな方だ。
しかし最近の母との電話は少し憂鬱なものであった。
母「もしもし男?今年も野菜収穫したから送っといたわよ。明日には届くと思うから…」
男「ああ分かったよ。ありがとう母さん」
母は趣味で家庭菜園をしている。
俺も子供のころからその家でとれた野菜を食べてきた。
そして今もその野菜を母が実家から偶に送ってきてくれているというわけだ。
これはありがたいので嬉しいのだが、憂鬱の種はこの次の話題にあった。
男(はぁ、始まったよ…)
母は俺が大学を卒業して就職してから電話の度にほぼ毎回この話題を振ってくる。
もちろん俺にそんな人などいるわけがなく、この質問がたまらなく苦痛だった。
男「だからさ、前にも言ったけど仕事が忙しくて今はそれどころじゃないっていうか…そうそう聞いてくれよ!今日なんか会社の先輩が…」
母「あんたいっつもそうやって話題を逸らすじゃない!母さんもね、早く孫の顔を見て安心したいのよ…」
母「とにかく、次までの課題!次母さんが電話かけたときは彼女の話くらいはすること!いいわね?」
男「は?なんだよそれ、そんなの無理にきまってんじゃ…あっ…切られた…」
母は俺の愚痴を聞いてくれることもなく勝手に課題を提示すると電話を切った。
仕事が忙しいのは嘘ではない。だがそんな毎日残業というほどではない。
男「しっかし、出会いがないよな~出会いが…」
職場は殆ど男性ばかりで女性があまりいないし、いてもおばちゃんたちばかりだ。
自分と年の近い若い女の人はさらに少なく…同僚くらいか?
男(いや、でも同僚はな~…ありえないだろ…)
男(というか母さんも俺の趣味というか…好みのタイプというか…そういうの考えてくれてないよな。ただ自分が早く孫の顔が見たいから俺を急かしてるだけって感じだ)
男「俺がどんな悪女や鬼嫁とくっついてもいいのかっつーの!!」
男「とにかく彼女なんて無理無理!」
俺はテレビの電源を消してリモコンをソファの上に放るとベッドに倒れこみ、母に次の課題も果たせそうにないことを心の中で軽く謝罪すると眠りについた。
同僚「ちょっと男くん聞いてよぉ~」
男「んあ?どうしたんだ?」
同僚「昨日彼氏と別ちゃった…」
男(またか…)
男「ふーん。で、どっちから振ったんだ?」
同僚「そりゃあまぁ…私からだけどさ」
男(知ってた)
同僚と付き合うのがありえないと思った理由はこれ、こいつは男癖が酷すぎる。
ここだけ聞くと確かにその彼氏の方が悪いように聞こえるがどうせ最初に誘ったのはこいつからだろう。
こいつはいつもそうだ。自分から男に近づいて、飽きたり自分のいいようにならなかったりするとすぐ別れる。
男(まぁでも…)
同僚「ねぇ?聞いてんの?」
同僚というひいき目に見てもこいつは見た目は魅力的と言える。
俺だってこんな性格と知らずに近づかれたらいいように振り回されそうだ。
こいつに騙された男たちにも同情する。
男「はぁ?考えてねーよそんなこと」
同僚「素直じゃないな~…いいよ。今私フリーだし、今度一緒に飲みにでも行こうよ」
男「まぁ、それくらいなら付き合うけど…」
同僚「今のうちに私の機嫌とっとけば、飲みに行った後もしかするともしかしちゃうかも?なんてね…私そろそろ持ち場戻るね。じゃあね~」
その辺のイケメンは食い尽くしたのだろうか。とうとう俺みたいな何の特徴も魅力もない男にも色目を使ってくるようになるとは…
男「見境ないやつ…」
下を向いて歩きながら一人、妙な苛立ちにじわじわとまとわりつかれる。
男(どいつもこいつも相手さえいりゃそれでいいってか?)
男(…そりゃあまぁ、俺だって帰っても自分以外誰もいない空間に寂しさを覚えることだってあるけどさ)
男(そういえば長らく誰かに『おかえり』を言われたことがない…寂しすぎる…)
男(って駄目だ駄目だ!このままじゃ完全に母さんや同僚の思考に流される!)
下を向いていると嫌なことばかり考えてしまうと思い顔を上げた。
すると
男(なんだあれ…?猫…じゃないよな…尻尾も短いし)
そもそも猫は前進するのにいちいち跳ねることはない。
…となると。
男(あれは…兎?)
野生の兎なんて見たことが無かったため、自分の中での信憑性が薄かったが近づくにつれてそれは確信へと変わっていく。
男(アパートで誰かが飼ってたのが逃げ出したのか?)
男(まぁ実際のところはどうなのか知らないし、もしかすると本当に野生かもしれないし人様のペットにお節介に手を出して怪我させても面倒だし…)
俺は兎を無視して階段を上ることにした。
兎は近づいてくる俺に気がついてからも逃げることもなく怯える様子も無かった。
それどころか無視して階段を上る俺についてくるではないか。
男「…なんだこいつ」
結局兎は俺の家の玄関の前まで付いてきてしまった。
下に視線を送ると、茶色い毛玉の中の黒い瞳が俺をジッと見つめていた。
男「悪いけど人様のペットに餌をやる事はできねーよ。お前は家に帰れ」
鍵を通して扉をスッと開く。
兎「!」ザッ
男「こいつっ…!!」
俺が玄関に入るよりも先にわずかに作られた扉の隙間を兎は滑り込んだ。
その速さは正しく脱兎のごとくだ。やっていることは逆なのだが…
その後俺も玄関に入り扉を片手で開けて暫く兎が出て行くのを待ったが、兎は出て行く様子がない。
腕も疲れ、仕方なく扉を閉めた。
男「ちと強引だが抱えて管理人さんのところに連れて行くか…」
両腕で兎を抱えようと座り込んで両手を近づける。
そのときだった。
急に兎が白く光りだしたのだ。
男「うぉっ!なんだ!?眩しっ…!?」
眩しさの中、細目で光を見ると白い光はみるみるうちに大きくなりやがて人型になって落ち着きを取り戻した。
兎娘「ふぅ…作戦成功ですね。やはり『愛らしいものに近づかれるとついつい家に入れたくなる』というデータは本物だったようですね」
男「……へ?」
さっきまで兎だった光は中学生くらいの身長の茶髪の美少女バニーガールへと姿を変えた。
俺(ってそうじゃなくて!)
俺「なんだよこれ…ドッキリ…?カメラでもあんの?」
目の前の超常現象が受け入れられず周りを見渡しカメラを探すも、当然あるわけがない。
俺「だ…誰だよあんた…」
兎娘「誰も何も先程まであなたの足元にいた兎ですが…」
尻もちをついて口をパクパクする俺にバニーガールは真顔で遠回しにありえないはずの現象が起こったと告げた。
男「……」
もう一度視線を下にするも兎の姿は無し。
信じ難いが…そういうことなのか…?
兎娘「ここまで見たからにはあなたには私たちの実験に協力してもらいます」
男「実験……?」
兎娘「まあ、ここではなんですのでどうぞ上がってください」
男「…ここ俺の家なんだけど」
流れに流され部屋に上がり兎娘の話を聞くことになってしまった。
決して可愛い子だったからとかそんなのではない。…と、思いたい。
兎娘「私は兎娘と申します。未来から来ました研究員です」
男「未来兎か…」
あんなものを見せられた後だ。
もう番組のドッキリだろうが最新技術のCGだろうがなんだろうが付き合ってやることにした。
例え本当にドッキリだとしてもテレビ的にもそっちの方がいいだろ?
兎娘「…本当ですよ?」
兎娘は俺の頭の中を覗き込んだように念を押した。
男(はは、未来兎はエスパー能力も備えてるのか?)
兎娘「そちらは」
男「へ?ああ、俺は男」
兎娘「男さんですか」
兎娘「では、協力してもらう実験についてなのですが」
男「お、おう…」
兎娘「単刀直入に言いますね」
男(これから俺はどんなことに巻き込まれてしまうのだろう…)
大勢の未来兎たちに捕まって手術台に縛り付けられ、あらゆることの実験台にされる自分を想像して冷や汗が出る。
しかし、次に聞く内容で汗は一瞬で引っ込み俺は凍りつくことになる。
兎娘「私と子作りしてくれませんか?」
男「……は?」
凍りつく俺を他所に兎娘はソファーに手をつき俺にお尻を向けて見せた。
目の前に魅力的なお尻を左右に軽くふりふりと振られる。
男「い、いやちょっとまて。おかしいだろ。もうちょっと詳細をくれ」
これまた勢いで詳細を求めてしまった。
普通に断って未来に帰ってもらえば良かったと言ってから後悔した。
兎娘「ふむ…おかしいですね。ないすばにーな女性にこうして誘惑されるとこの時代の人間の男性はすぐにでも飛びつくと聞いていたのですが…」
男「それ多分ナイスバディの間違いじゃないか?」
男(あとナイスバディというには背が低い気もするが…)
突然なこと続きで彼女をあまりじっくりと見ようとしなかったが、改めて見ると出るところはちゃんと出ており、低身長だがそこも女の子らしいと言え、『守ってあげたくなるタイプ』という感じだった。
まるで男性の要望に応えましたと言わんばかりの見た目だ。
そんなバニーガールに誘惑されては飛びついていた奴も確かにいたかもしれない。
兎娘「私たちがあまり強い種族ではないことはご存知ですよね」
兎娘「なので私たちはその分たくさんの子孫を残すことで繁栄してきました。すぐ死んでしまうならたくさん増やそうという寸法です」
男「確かに兎のオスの性欲が強いっていう話ならよく聞くな」
兎娘「そこでですね。私たちはさらなる繁栄のために人間と交配出来るように進化したというわけです。人間も一年中発情期ということで都合が良かったそうです」
男「で、人の姿にもなれるようになったってわけか。猿からとかならまだ分かるが兎からとは…生物の進化ってのはやっぱすげーな。未来じゃ何が起こってもおかしくないな」
兎娘「はい。私たちは子兎から人間の姿になれるようになり、子兎からの成長速度を落とすかわりに平均寿命も50歳くらいまで伸びました」
男「確かに凄いんだがもっと強そうな種族の姿になれるようにしようとか考えなかったのか?例えばほら、同じ哺乳類なら熊とかさ…」
兎娘「私たちの繁栄の仕方はあくまでたくさんの子孫を残すことですので」キリッ
男「そ、そうか…ブレねーんだな…」
兎娘「当然ですが進化しているのは私たちだけではないので…人類に協力を仰ごうとしたら『私たち人類はお前ら下等生物に利用される立場ではない』と」
兎娘「そういうわけで仕方なくタイムマシンを作りこちらの時代の人類に協力してもらうことにしたのです」
男(仕方なくで作られるタイムマシン…)
男「そっちの時代の人類は具体的にはどんな風に進化してるんだ?」
兎娘「あらゆる種族の特性を自由に身につけられる程度には…」
男(もうそいつら火星に住んでそうだな…)
『では』に合わせて兎娘はまたソファーの方を向いた。
理性と欲望の狭間でどうしたらいいかとオロオロとしている俺を見た兎娘はじれったいなといいたげな目をこちらに向けてきた。
兎娘「服を脱がせるのが面倒ならば自分で脱ぎましょうか?またまたおかしいですね。人間の男性は無理矢理服を脱がせるのにも興奮すると聞いていたのですが…」
兎娘「もしかしてあなたはKOUHAという者ですか?」
男「そうかもな…まぁそこは置いといて…」
男「お前さ…本当に人間の男だったら誰でもいいのかよ」
兎娘「はい。私は元気な赤ちゃんが産めるなら誰でも構いません」
『誰でも構いません』その言葉が耳についた。
脳裏によぎったのは母と同僚の姿だった。
男(全員が全員そう思われてるだなんて、人類舐められてんな…ん…?)
もしかして未来の人類が兎たちとの交配を拒んだ理由はそういうことか?
自分たち人類には自分たちなりの愛があると、そう伝えたかったんじゃないのか?
男「ええっとだな…人間がそういうことするには基本段階がある。まずはお互いがお互いを好きであること。これは最低限だと思う」
男「そう。だから…」
兎娘「つまり私が男さんのことが好きで、男さんも私のことが好きならばいい。ということでしょうか?」
男「え?は?あ…ま、まぁそういうことだけど。俺たち今日会ったばっかりで付き合ってるってわけでもないだろ?」
男「だからさ、未来に帰って無理だったって仲間に伝えといてくれよ」
これで面倒ごとに巻き込まれずになんとかこの場をやり過ごせる。そう思っていた。
男「どうした?」
兎娘は少し考えると首を横に振った。
兎娘「そういうわけにはいきません。私たちは結果を残さなければなりませんので」
兎娘「暫く私はここにいることにします。私はあなたのことを好きになります。だから男さんは私を好きになってください」
男「い…あ…え……?」
言ってることがめちゃくちゃだ。
兎娘「さっきからデータ通りにいかなかったり、聞いたことのないデータを提供してきたりとあなたの思想には少し興味があります。人間のこと、色々と教えてくれませんか?」
兎娘は俺にずいっと顔を寄せてそう言った。
男「う…」
男(ち、近い…)
これもこいつらのデータによる作戦だってのか?
男(たしかにこいつは可愛いし、いい匂いするけど…)
なんだかすごくドキドキした。してしまった。
緊張から来るものとは違う…
それは生きてて初めての感覚だった。
でも…
男(引っかかるかよ。だから人類舐めんなって…)
兎娘「……」ジッ
男「分かっ…た」
男(あ)
俺もやはりオスだった。
でも二度のお尻に耐えたのだ。それだけで全国の男たちは俺に賞賛してくれてもよいのではないだろうか。
一度は独身男性の悲しきボロがでたが、これから、これからは『オス』ではなく『男』だと証明してみせろ俺…
兎娘「そうですか。では暫くの間協力おねがいします」
と言う兎娘からはもう頼みごとをするときの色っぽい表情はどこかへ消え、またもニュートラルな真顔に戻った。
それを見た俺はなんだか悔しくなって手で髪をくしゃくしゃとした後に顔を覆った。
男(やっぱり作戦だったのかよ…変にドキドキして損した…しにてぇ…)
男「なぁまだ起きてるか?」
兎娘に話かけるも返事がない。寝ているのだろう。
兎娘はソファで兎の姿となり丸まっていた。
男「寝たか…にしてもなんか大変なことになっちまったな…」
男「……」チラッ
兎娘「ぷぅ…ぷぅ…」
なんとなく、これがチャンスだと思ってしまった自分がどこかにいたとか?
それとも……
男「馬鹿馬鹿しい…あいつは兎だぞ?」
男「はっ…結局、テメーも誰でもいいのかよってな」
自分で自分にムカついて軽く頬をつねると痛くなって、また目が冴えてしまった。
…ください
…おきてください
男「ん?んん~…なんか重っ…」
兎娘「おはようございます。男さん」
男「う、うわぁ!!何してんだよお前!!」
朝起きると馬乗りする形で俺の上に兎娘が乗っていた。
男「一体どんな調べ方してるんだ…」
兎娘「それは機密事項ですので…」
男「そうかいそうかい。とりあえず降りてくれるか?というか今何時だ?」
兎娘「7時です」
男「……7時?」
男「う、うぇぇ!?7時!?やばいやばいやばい!」
男(昨日中々寝れなくて寝るのが遅かったからか!)
男「すまん!お前が起こしてくれなかったらマジでやばかったわ!」
兎娘「ありがとうございます。私のこと好きになってくれましたか?」
男(人がドタバタしてる中で何言ってんだこいつ)
男「あー、まぁちょっとな。あーやばいやばい」
質問を適当に流して着替える。
男「うわっ!」
袖を通していると兎娘が突然目の前に来てベッド側へ押し倒してきた。
男「な、何してんだよ!どけよ!マジで時間やばいんだって」
兎娘「先ほど私のことを好きになったと言ってたではありませんか」
男「あ~もう…」
適当な返答をした自分を恨んだ。
男「は?」
兎娘「……」スッ
こんなときに限ってそんなわけないだろとキレ気味に睨み返してやると彼女は真顔で俺の股間を指差した。
男「…?」
男「あ」
男「こ、これは生理現象だ馬鹿」
兎娘「私は兎ですよ?」
男「そういう意味じゃねーから!」
ぐぅ~
兎娘「あ…」
男「……」
兎娘「お腹が空きました」
男「はぁ…」
男「冷蔵庫の野菜室に昨日母さんから届いた野菜があるからそれでも食ってろ」
同僚「男くんなんだか元気ないね~。もしかしてまた先輩にいろいろ言われちゃった?まぁ今日男くん朝礼ギリギリだったもんね~」
男「ん、ああ…ちょっといろいろあってな…」
男(いきなりバニーガールの格好したガキと同居することになったとか言ってもまず信じてもらえんだろうな)
同僚「ええ~!反応薄っ!私これでも君の同僚だよ?もっと頼ってくれてもいいんだよ~?」
男「お前そう言って退屈しのぎに人から話題引きずり出そうとしてるだけだろ」
男「否定しないのな…なんて言ったらいいんだろうな。兎を飼うことになった」
同僚「へ~、兎ねぇ?どうしたのいきなり」
男「そこ詳しく言えないからはぐらかしたんだろうが」
同僚「え~!つまんな~い!」
男「だったら聞くけど、俺が未来人を見たんだっつたらお前信じるか?」
同僚「いきなり何の話?さすがにそれは信じられないけど」
男「じゃあいいや。それじゃあ俺はそろそろ持ち場戻るから」
同僚「あ!ちょっと待ってよ~!」
俺は同僚の声を無視して後ろも振り向かずにその場を後にした。
ああいう無駄に顔広い奴に変なこと言ったってロクなことにならないだろう。
職場で一時笑い者にされるのがオチだ。
同僚「あらら…疲れてるのは本当みたいだったけど話してるときは楽しそうだった…?ああ見えて実はおもしろいことがあったのかな?」
同僚「…もしかして、本当に未来人にでも会ったのかね?」
今家に帰ると兎娘がいる。
ということはだ…
男「ただいま」
そう、この瞬間。
兎娘からここ数年聞いてなかった言葉を聞けるはずだ!
男「……」
だが俺が玄関を通って来たその空間には、いつもと変わらない景色が広がっていた。
男「あれ?おーい、兎娘…」
男「いない…」
兎の姿になってベッドにでも潜り込んでいるの
か?
男「いない…」
男「いない…」
トイレの中、風呂場…
男「いない…」
家の隅々まで調べるも気配すらない。
絶対ありえないだろうがクローゼットの中まで調べた。
男「なんだそりゃ…全部、夢だったってのかよ。いやそんなはずは…」
朝、母からの贈り物の野菜を食べろと言ったからあいつが本当にこの場所にいたのなら野菜が減ってるはずだ。
早速冷蔵庫を調べる。
男「減ってる…人参が一本…」
とりあえず朝まであいつがいたことは間違いない。
男(となると考えられるのは…)
他を当たった?
朝も俺があいつを拒んだから…?
男「っ!」
心の奥底からふつふつ湧き上がる謎の後悔の念。
なんで俺はこんなに後悔してるんだよ。
別に冷静にそんなのいらないだろ。
今までだってずっと一人だったんだから。
じゃあなんで…
『人間のこと、色々と教えてくれませんか?』
あのときの、俺が唯一屈してしまったときの兎娘の顔を思い出した。
男(なんだよ、やっぱり俺…もう…)
男「後悔してもしょうがないよな。風呂入るか…」
いつもみたいに風呂に入って、飯食いながらテレビ見て、明日に備えて寝る。
それでいいだろ。
昨日は不思議な夢を見ていた。
そういうことにしておこう。
風呂場に行こうとしたときだった。
男「!?」
クローゼットの方から妙な音がした。
男(さっきは特に異変はなかったよな…?)
クローゼットに近づく。
ガタタ!ガタタ!
男(やっぱり変な音がする…もしかしてあいつがここに…?)
変な期待を胸に思い切りクローゼットを開ける。
男「うわっ!」
兎娘「おっと…」
すると中からパンパンのリュックサックを背負った白いネグリジェ姿の兎娘が飛び出してきた。
一瞬は驚き身を退いたが、兎娘がまだいてくれたということに今度は謎の安心感を覚え、衝動的に兎娘を抱きしめて受け止めた。
兎娘「未来に暫くここに滞在する許可を取りに、あと色んなものを持ってきました」
男「未来…?」
クローゼットの中を見直すも最初に調べたときと変わらずそこには俺の服しかなかった。
兎娘「すみません。勝手ながらこのクローゼットと未来のタイムマシンをリンクさせていただきました」
男「はぁ…勝手すぎ…せめて未来に許可取りに行く前に俺にもその許可を取れよ」
兎娘「それは失礼しました」
兎娘「あと…いつまでこのままなんでしょうか」
男「あ…うわっ!」
そこで自分が兎娘を抱きしめたまんまだったのに気がついた。
慌てて腕を離す。
男(兎って抱きかかえられると捕食されるときの恐怖を感じるって聞いたことあるから、やっぱり怖かったのか?)
兎娘「一応未来からいろんな服を持ってきました。男性を振り向かせるにはまず見た目から…ということで…ちなみに今の見た目はどうですか?」
兎娘はくるりと横に軽く一回転して見せた。
しょ、正直……
男「かわいい…と、思う…」
兎娘「ありがとうございます。では、私のことは好きになっていただけましたか?」
男(ここであのときみたいな適当な返答はできない…けど…)
なぜだか嫌いはあり得ない。
いや、それはないか…それならあのときにもうこいつのお尻に飛びついてる。
二目惚れ…いや、三つ目惚れか…?なんだそれ…。
とにかく、人間のことをいろいろ教えてくれと頼まれた時から、俺はもう…
男「好きになってる…かも…」
いざ口にすると恥ずかしい。
ってかこれって軽く告白なんじゃ…
兎娘「そうですか。思ったより早い結果でしたね。暫くここにいる必要も無かったと。24時間後には未来に帰ることになりそうですね」
男「え…?いや…それは…というか本当に用が済んだらすぐ帰っちまうんだな」
兎娘「一応研究員として来ているので。目標達成後はあまり長居はできませんよ」
兎娘がじりじりと俺に近づく。
ぽんっ…と前に身体を寄せると、顔を上げていつもの真顔と声で言った。
兎娘「では、しましょうか…」
兎娘「…?」
彼女は小首を傾げた。
男(好きになるとか無理なこといってたけど、やっぱり特徴も魅力もない俺を何もなしに好きになるってのは無理な話だよな)
男「お互いがお互いを好きでないとだめだって言ったろ?」
兎娘「そうですか。ならどうやってあなたを好きになればよいですか」
男「そこを努力するのはお前じゃなくて俺かな…」
男「そう!絶対お前を振り向かせてみせるから、だから待っててほしい…他を当たることはしないでくれるか?」
兎娘「元々ここに置いてもらうことにしてからはそのようなつもりは無かったのですが。…約束します」
男「そ、そっか…ありがとな。んじゃあ俺は風呂場行くから…」
少し違和感があったが人生初の告白をしてしまった。
まさか人生初の告白相手が兎になるとは…一昨日までの俺にこのことを伝えたらいったいどんな反応をするだろうか。
男「ん?どうした?」
兎娘「今さらですが…おかえりなさいませ。お仕事お疲れ様でした」
男「!!」
男「お、おう。お前もおかえり」
兎娘「はい。ただいまです」
男(いっつも真顔のくせにたまに微笑みやがって…)
男(しかもさらっと俺の期待してた言葉までくれるし)
…可愛いやつだな。
兎娘「…いいんですか?」
男「何がだ?」
兎娘「さっきまではまだ駄目だと仰っていたので…」
男「いやいやいや!違う違う違う!俺はソファで寝るの!」
兎娘「そうですか…」
兎娘が少し俯いて肩を落とした。
男(そういう反応やめろよな。ただでさえ我慢してるのに、そっちもその気なら別にいいんじゃないかなっていう邪念が出ちまうだろうが!)
男「その、一応お前も女の子だろ?…風邪ひいたらいけないし…」
兎娘「なんだか急に私に優しくなりましたね」
男「そりゃあな」
俺は昨日に引き続き眠れないでいた。
兎娘はベッドで人の姿のまま寝ている。
男(や、やばい同じ部屋に女の子が寝てるって考えただけで落ち着かねぇ…)
男(水でも飲むか)
ソファから降り、水道水をコップ一杯注ぎ込み一口飲んだ。
男「はぁ…ちょっと落ち着いたかも」
男「……」スッ
身体が勝手にどんどん兎娘に近づいてしまう。
男(おいおいおい止まれよ、止まれ)
そう思いつつもとうとうベッドの前まで来てしまった。
兎娘「ぷぅ…すぅ…ぷぅ…」
人間から見れば、まだ少しあどけなさが残る寝顔が見えた。
男「まぁ身長だけ見たら完全に中学生くらいのガキだし」
頬にすこし指を立てる。
ぷにりと柔らかい肌に指が落ち込んで行く。
男「これに惚れるって…俺って口リコン?」
男「う、うぉっ…すまん…起こしちまったか」
兎娘「まさか寝込みを襲う趣味の持ち主でしたか。まぁそういうのが好きな人間もいると聞いていたので別段特に驚きませんが」
兎娘はゆっくりと身体を起こしながらそう言った。
男「ち、ちが…別に俺はそんなつもりじゃ…」
兎娘「でも、駄目ですよ」
口元に人差し指を立てて、あざとく微笑む。
男「へ?」
兎娘「まだ私は男さんのことが『好き』かどうか分かりませんからね。それでは駄目なのでしょう?」
兎娘「しかし…」
男「ん?」
彼女は俺の手を取るとそれを自分の頬に当てて、じぃっと俺を見つめた。
兎娘「男さんに触れられているのは嫌いじゃありません。それは抱きしめられたときに気づきました」
男「え、それって怖くなかったってこと?」
兎娘「はい」
なんだ怖がらせるようなことはしてなかったんだなと安心していたら、兎娘が突然返答に困る質問をしてきた。
兎娘「男さんは私に触れるのが好きなんですか?」
兎娘「そうですか。なら、ここで一緒に寝てみませんか?大丈夫ですよ、一緒に寝るだけです」
男「え…」
窓から差し込む月明かりが、ベッドに座る美少女を照らす。
そのときの兎娘の顔はほんの少し蕩けていて頬を桃色に染めているようにも見えた。
男「そ、それなら…いい、けど」
男(…また屈してしまった)
しかもせっかく水を飲んで落ち着いたというのに……
兎娘「もっとお顔を見せてください。何か思うところがあるかもしれませんので」
男「やっぱり、俺はソファでいいか?」
胸の高鳴りは悪化している。
兎娘「私に触れないのですか?」
男「二日連続朝礼ギリギリになるわけにはいかないからな」
兎娘「そうですか…何故か分かりませんが少し残念です…」
男(だからそういうこと言うなっての!)
明日からはもう屈しない。
絶対にな!
男「え?いや、別に何も無いけど」
同僚「うっそだ~。昨日も疲れてるように見えて話してるときはどっか楽しそうだったし」
男「まぁ強いて言うなら、今日は朝礼ギリギリじゃなかったってことかな」
同僚「あっはは。何それ~昨日ギリギリだったってだけでいつもは普通じゃん」
同僚「ぶっちゃけさ、彼女でもできた?なんかそういう顔してる」
男「か、彼女?それはないそれは絶対にない」
手をブンブンと振って否定してみせた。
これはあれだ。我ながら露骨過ぎて逆に疑われるやつだ。
男「……」
なんというか、思ったより心にグサリと来る反応だった。
男「俺には可愛い兎ができたからそれでいいんだよ」
柄にもなく妙な見栄の張り方をしてしまった。
他から聞くと実に哀れな返し方だ。
妹や姉ならまだしもペットでこれを言うか?
悲しき一人暮らしの男丸出しの発言である。
男「え、何お前うち来るの?」
同僚「はぁ~?今度一緒に飲みに行こうって言ったじゃん!そのついでに家に連れ込もうとか考えなかったの?」
男「…すまんまったく」
同僚「ええ~!そんなんだからいつまでたっても童貞なんだよ!」
男「ばっ、馬鹿お前声デカ…ってか!ど、童貞じゃねーし!」
もちろん嘘だ。
今日はよく見栄を張る日だ。
同僚はバツが悪そうにスタスタと持ち場に帰って行った。
男(ありゃ完全に嘘ってバレてるな…。まぁ最初からバレてたけど)
同僚「……」スタスタ
同僚「そんなに私って男くんから見て魅力ないかな~?」ボソボソ
同僚「結構自信あるんだけどな~」
家に帰った俺は兎娘から頼みごとをされた。
なんでも仕事場での俺の話を聞きたいと言う。
兎娘「はい。男さんのことをもっと知れたらなと」
男「まぁいいけど…」
男「でな?先輩がこれまたうるさくて…」
気がついたら俺の愚痴を聞いてもらってるだけとなっていた。
兎娘「そうですか。それは大変ですね」
男「あっ、すまん!気がついたら愚痴ばっかりに…」
こうなってしまったのは恐らく今まで愚痴を聞いてもらう相手が俺にいなかったからだろう。
家に帰っても一人、母との電話では母は彼女はできたか云々で聞く耳持たず…。
そんなんだから
男「ちょっと、嬉しくなっちまって…」
兎娘「私で良ければいつでも聞きますよ」
男「本当か?ありがとな」
兎娘「いえ、男さんと話してるのも嫌いじゃないので」
男(こいつはまた期待させることを言う…)
男「ん~…」ポリポリ
兎娘「…?」
それからというもの、俺は兎娘によく愚痴を聞いてもらうようになった。
ここだけ言えば情けない話だけど、単純に家に帰ると話し相手がいるというのが嬉しかった。
男「今日さ、休みだから一緒にどっかいこうぜ!お前もずっとここにいると暇だろ?」
男「人間のこと、もっと知るいい機会だと思ってさ」
兎娘「別に私は構いませんが…一体どこへ?」
男「まずは飯だ飯!」
男(サラダバーあるところ選んで良かったな。…ずっとりんごばっか食ってるけど)
男「もっといろんなもんあるぞ?キャベツとか、レタスとか…」
兎娘「ただのキャベツとレタスはあまり…身体に良くないので…」
男「え、そうなのか。知らなかった」
男(もっと兎のこと調べといた方がいいな)
兎娘「…人参とりんごが美味しいです」モッシャモッシャ
男「こうして見るとやっぱお前って兎なんだなって思うよ」
兎娘「デートするならやはり普通の人間の女の子の方が良いですか?」
男「いや、実は普通の女の子ともデートしたことがないんだなこれが」
兎娘「そうなんですか」
男「悲しい話ことにな…」
兎娘「悲しいんですか?」
男「や、やめてくれ!これ以上俺の心の傷をえぐらないでくれ!」
兎娘「私は…何故でしょう。それがとても嬉しいです」
男「え…?」
兎娘「もうお腹はいっぱいです。次はどこに行くんですか?」
男「あ、ああ。次は映画だ!」
兎娘「すごかったですね。あの兎、兎の姿のままなのに長時間の二足歩行をこなしたり、人の言葉が喋れていました」
男(俺からすりゃあお前らの方がびっくり生物だがな)
兎娘「最後なんて崖から飛び込んだりして…未来でも生身であんなことをしては大怪我どころではすみませんよ」
男(でも未来だったら兎は無理でも人間なら生きていけそうだけどな…)
兎娘「はい。分かりました」
そう兎娘に伝えてから俺は自販機へと歩いて行った。
兎娘(男さん、ありがとうごさいます)
DQN「あれ?君もしかして一人?」
兎娘「…?いいえ、男さんを待っていて」
DQN「誰そいつ。君みたいな超カワイイ子一人にするなんてロクなヤツじゃねーよそいつ」
DQN2「ねぇ?お兄さんたちと遊ばない?」
兎娘「いえ、男さんにここで待っていてくれと言われましたので…」
DQN「いいからこっち来なって!」グイッ
兎娘「きゃっ…」
DQN2「いい声出すじゃん。あっちの人気のない路地行くか」
DQN「まだガキだが久しぶりの上玉だなこりゃ。お兄さんたちが大人の遊びを教えてやるぜ」
男「…あれ?あいつどこ行ったんだ?」
男「おーい!兎娘!おーい!」
男「おいおいおい…マジでどこ行ったんだあいつ。家の中探し回ってもいなかったのに街中とかマジで勘弁してくれよ」
男「また勝手に未来に帰ったりとかしてないよな…とりあえず探すか…」
DQN2「はいはい…脱ぎましょうね~」
兎娘「や、やめてください…」
兎娘(兎の姿になって逃げましょうか…しかし街中を兎の姿で走り回っては目立ってしまい男さんに迷惑がかかってしまいますね…)
兎娘(ここは頑張って振りほどきましょう)
兎娘「離して、くださっ…い!」ブン!
DQN2「あっ!こらっ!暴れんな」
DQN「おいコラ大人しくしろや」ガシッ
兎娘「ひっ!」ビクッ
DQN「はは見ろよ。ちょっと強めに掴んだだけで」
兎娘(ほ、捕食されてしまいます…)ガクガク
DQN「こんなにビビってやんの。動物かよ」
DQN「いやまてよ?」
DQN「ある意味間違えでもねーか?」ニヤリ
DQN2「すげ…服の上からでもそこそこだったけど…こいつガキのくせに結構胸あるじゃん!」
DQN「へぇ~いい乳してんじゃん」ムニムニ
兎胸「い、いやぁ…やめて…ください…」
DQN2「おら!壁に手ついてケツ向けな!」
兎娘「はぅ…」
DQN「へへ。尻もいい感じじゃん。男を誘うために生まれてきたカラダしてんな」
DQN「おらよ!」ペチンッ
兎娘「ひゃん!」
兎娘「お、お願いです…やめてください…痛いことしないでください…」
DQN2「まぁ初めては痛いかもしれねーけど時期に気持ちよくなるからよぉ」
兎娘「ま、待ってください!男さんが人間とこういうことをするにはお互いがお互いを好きであることが最低条件だと…」
DQN「君さ、見るからに処女だよね?ということはその男って奴は君のこと嫌いなんじゃない?」
兎娘「そんなことありません!男さんは私のことが好きだと言ってくれました!」
DQN2「うるせぇ!お前は黙ってケツ差し出しときゃいいんだよ!」
ペチンッ
兎娘「いたぃっ…」
兎娘(怖い…怖い怖い怖い…怖いですよぅ…)
兎娘(男さん…助けてくださぃ…)
映画館内、トイレ付近…入り口付近…
近くの店…
ひたすら走り回る。
兎娘を探して…
男「はぁ…はぁ…どこにもいない…マジで未来に帰っちまったのか?」
もう半分未来に帰った説を信じて諦めかけていたそのときだった。
男「同僚!ちょうど良かった!今人を…人?まぁいいやとにかく人を探していて」
同僚「え?どんな人?」
男「茶髪で中学生くらいの背丈の女の子だよ!あと頭にうさ耳みたいなリボンしてる!」
同僚「ああ。その子ならさっきコワそうな男の人たちとそっちの路地に入って行ったよ。私でも可愛いと思った子だったからすごく印象的だったけど…男くんの知り合い?」
男「それ本当か?情報ありがとな!」
同僚「ちょっと待ってよ!あの子本当に男くんの知り合いなの!?」
男「未来人!」
同僚「…走って行っちゃった」
同僚「未来人…?結局未来人ってなんだったんだろ…」
兎娘「ひっ…ひっ…んぅ…」
DQN「お前下手すぎるだろ。感じるどころか怖がってんじゃん」
DQN2「怖がってんのは元からだろ…なぁもうめんどくさくね?」
DQN「俺も面倒になってきたわ。挿れるか」
男「おいっ!お前ら何やってんだ!」
兎娘「男さん…?」
DQN「チッ!誰か来やがったか!」
男「今警察を…」
DQN「させっかよ!」
ゲシッ!
男「ぐぼぉ…」
兎娘「!!」
DQN2「はいスマホゲーッツ…」
男「くっそぉ…」
DQN「あいつの彼氏かなんか知らねーがお前はそこでくたばってろ」ボゴッ
男「あがっ!」
DQN2「男はお呼びじゃねーんだよォ!」バキッ
男「かはっ…」
腹や脚や頭に入れられる、一発一発が気が遠くなりそうな強烈な打撃。
兎娘「男さん…!いやだ…男さぁん!」グスッ
目の前で好きな女の子が怖い思いしてるっていうのに…
何もできないのか俺は…
やっぱり男なら喧嘩の練習の一つや二つしといた方がいいのか?
DQN「続きやるぞ」
DQN2「俺あいつのせいでちょい萎えたわ。しゃぶってもらうか」
男「やめ…ろ…」
DQN「あぁ?」
男「やめろっつてんだろおおおお!」ダッ!
DQN2「ん?あぁ?」
同僚「そこのコワいお兄さん達、そこまでです。お姉さん警察呼んじゃいました」
兎娘「……」
男「…同僚!?」
DQN「は?」
DQN2「マジかよやべーじゃん!」
DQN「逃げるぞ!」
DQN2「退けよ!クソ女!」ドンッ
同僚「んにゃっ!」
DQN「クソッ覚えとけよ?次会ったら犯してやる!」
同僚「男くん大丈夫?ボコボコじゃん…ひっどい顔。救急車呼ぼうか?」
男「いやいい…す、すまん…助かった」
同僚「まっ、本当は警察なんか読んでないんだけどね。面倒なの嫌いだし」
兎娘「あなたが同僚さんですか…?男さんを助けてくださって本当にありがとうございました」
同僚「あれ?そこの美少女、私のこと知ってんの~?」
兎娘「はい。男さんから話は伺っていたので」
男「あ~、そ、それはだな…」
兎娘「男さんは…」
ギュッ
男「んぁ?」
兎娘はボロボロな僕の身体を少しだけ起こして僕の顔をそっと胸に埋めた。
柔らかい…
男(どうしたんだ?)
兎娘「私の大好きな人です…」
男「え!?」
同僚「ああ~!やっぱり彼女できてたんだ。なーんだ。じゃっ、これ一つ貸しだからね。あとはごゆっくり~」
男「で、兎娘…い、今の本当なのか…?」
兎娘「はい。本当ですよ」
兎娘「今日ずっと男さんと一緒にいて分かったんです。男さんと一緒にいるのは楽しいし、データには無かった新しいこともいっぱい知れて…」
兎娘「それにさっきあの人たちに襲われて、無理矢理交配させられそうになって…本当に嫌だったんです。少し前の私なら嫌な顔一つせずに普通に受け入れられたはずだったのに…」
兎娘「もう…男さんとじゃないと嫌なんです…私。男さんが殴られてるときはもう男さんが死んでしまうんじゃないかって…怖くなって…! 」グスッ
男「…そっか。怖い思いさせちゃったな」
兎娘は目に涙を浮かべながら俺に訴えかけていた。
こんな感情が表に出ている兎娘をみるのは初めてだ。
兎娘「うっ…うぁ…うぅぅ…」グスッグスッ
男「本当はさ、ボウリングとか、カラオケとかまだまだ行きたい場所があったんだけど…今日は身体中が痛くてかなわねぇ。帰るか…」
兎娘「ずみまぜん…」
男「いいんだよ。それはまた今度でもいいだろ。今回はお前が無事だったのが何よりだよ」
兎娘「肩…がじましょうか?」
男「いい。一人で歩ける」
家に帰ってきた俺は兎娘から怪我の治療を受けていた。
男「いだぁ!!」
兎娘「我慢してください。未来の薬はちゃんと塗れば即効性も高いですから」
男(現代の消毒液と大して変わらないような…だってこれあくまで人間を追った兎の技術だしな…)
兎娘「これからはあんな無茶はしないでください」
男「…そのせいで他人との関わりも薄くて彼女もできなかったわけだが」
兎娘「でもそうでなければ、私と男さんはこんな関係になることは無かった。KOUHAな男さんのことです。男さんに彼女がいたら絶対に私を追い返していたでしょう?」
男「分かんねーぜ?お前みたいなやつなら簡単に心揺らいでたかもしれないだろ」
兎娘「それはありえません」
男「ず、随分と自信があるんだな」
兎娘「だからこそ…安心できるんです。男さんは私の特別で、私は男さんの特別だって…」
男「そっか…」
この日から兎娘は普段のテンションはそんなに変わらないが、少しだけ感情が表に出やすくなった。
俺の怪我も徐々に治り、あの一件からさらに2週間が経とうとしていた。
ダッダッ
兎娘「おかえりなさいませ…です」ギュッ
男「そんなに引っ付かなくても俺は逃げたりしねーよ」
兎娘「んっ…はい…」スリスリ
兎娘は俺が帰ってくるとすぐにくっついてくるようになった。
その姿はまるで飼い主ににおいを擦り付ける兎のようだ。
もはや風呂やトイレ以外ではほぼほぼ近くにいたがる。そんな感じだ。
兎娘「あの…男さん…」
男「どうした?」
兎娘「怪我をしていたときは我慢していたのですが…さすがにもぅ…」
兎娘が俺の胸あたりに頭を擦り付ける。
兎娘「我慢できませんよ…」
男「!!」
男(いっ…)
顔を上げて俺を見上げるその視線は初日のと比べものにならないほどの破壊力だった。
うっとりとした表情。
赤く染まった頬に息が当たるのが分かるほどの荒い息。
完全に発情してしまっている。
兎娘「最近、男さんのことを考えると抑えられなくなってしまって…今ももう、気持ちが、溢れちゃって…」
兎娘はもじもじとして太ももあたりをこすりあわせている。
男「っ!…」
こんなものを見せられてはさすがに俺も衝動を抑えきれそうになくなってきたが、それでもまだ俺の中には引っかかっていることがあった。
それは
男(こいつは役目を終えると未来に帰っちゃうんだよな…)
それだけがたまらなく嫌だった。
ずっと一緒にいられるわけではない。いつかは別れなければならない。
それは分かっている。
でも今は…今はまだ…こいつと一緒にいたい。
一時の肉欲なんかよりもそっちの気持ちの方が何倍もある。
だから…
男「ごめん。今はまだ無理…」
兎娘「えっ…?」
男「いつか、いつかは絶対するから。今は」
兎娘「そう、ですか…すみません…」
男「すまん…」
今日は兎娘に屈しなかった。
偉いぞ、俺。
男「なんだ、今日はどうした?」
なんだか浮かない顔の同僚に話かけられた。
俺の知らない間にもう新しい彼氏を作って別れでもしたのか?
だとしたら過去最速だな。
男「慰めてって言われてもな~」
同僚「今日さ、飲みに行かない?」
男「唐突だな」
同僚「唐突でもないよ。前一緒に行こうって言ったら、男くんもそれくらいなら付き合うっていってくれたじゃない」
男(そういえばそんな約束したっけな…)
同僚「いいでしょ?」
男(兎娘に帰り遅れるとか伝えてないけど、早く切り上げればいいか…)
男「はぁ。分かったよ」
同僚「……でさー、信じらんないよ!あれもうセクハラだよセクハラ!うぃっく…」
男(できあがるのはえーなこいつ…)
同僚「ねー、男くんもそう思うでしょ?」
男「お、おう。それじゃあ俺はこれで……」
ガシッ
男「!?」
同僚「…もうちょっと一緒に居てくれてもいいんじゃない?」
男「俺早く帰らないと…」
同僚「じゃあさ、男くんの家に泊まらせてよぉ」
男「えぇ…普通にやだよ」
同僚「そんなこと言っていいのかな~?」
男「なんでそんな上から目線なんだよ」
同僚「貸し…忘れたわけじゃないでしょ?」
男「なっ…!」
同僚「あの怖いお兄さんたちにも次会ったら犯すとか言われたりしたし、今は一人になりたくないかなぁ…怖いよぉ~。明日は休みだし…ね?」
男(まぁこのままずるずるここにいることになるよりかマシか…)
男「分かったから…とりあえず手離せ」
ダッダッダッ
すごい勢いの足音だ。
兎娘「男さん、遅かったじゃないですか」ギュ
男「わ、悪い。そしてそれに続きすまんが…」
兎娘「?」
男「上がっていいぞ」
同僚「ふぁ~い…あ!この子もしかして言ってたうさちゃん?」
兎娘「…ぶー」
同僚「かわいい~!」ギュ~
兎娘「ぶー!ぶー!」ジタバタ
男(…もしかして怒ってるのか?)
男『実は今日は同僚が泊まることになった。だから同僚が帰るまでは兎の姿でいて欲しい』
兎娘『…分かりました』
………………
同僚「あーもう眠たい…」
男「ああっ!お前!」
同僚は俺に断りを入れることもなく俺のベッドに豪快に飛び込んだ。
男「何やってんだよ…ってか風呂とか入らなくていいのか?」
同僚の肩を掴み身体を起こそうとする。
男(完全に酔っ払いだな)
男「はいはい。じゃあ離しますよ~」
置いていた手を肩から離そうとしたときだった。
同僚「離しちゃうんだ…」
男「なんだ?支えてた方が良かったか?面倒くさいやつだな」
同僚「そうじゃなくてさ!」
男「えっ?ってうわっ!」
背中の後ろに手を回され一気に手前に引き寄せられた。身体はバランスを崩して同僚に覆い被さるように倒れこむ。
同僚「男くんさ~…察しが悪いよ…」
男「察するも何もお前だしな」
同僚「それひどくない?」
同僚「もうおこったぞ~!そっちにその気がないならこっちから攻めてやる!」
男「やっ…やめ…」
兎娘「やめてくださいっ!」
後ろから兎娘がらしくない大声で叫んだ。
男「お、お前…」
同僚「へ…彼女さん…?男くん同居してたの!?」
兎娘はもう驚愕する同僚を気にも止めず、そのままこちらへ歩いてきた。
兎娘「こんなの…駄目ですよ…」
兎娘「駄目ですよぉ!」
兎娘は俺の腹に手を回して引っ張り、俺の身体を同僚から離した。
同僚「ごめんね…完全に酔いがさめたよ。もう私帰るね…」
男「さ、流石に送っていくぞ」
兎娘「むぅ」
同僚「いいよいいよ…その辺でタクシー拾うから。なんかこのままだと彼女さんに殺されそうな勢いだし。おじゃましました~」
同僚はそう言うとそそくさと退散した。
男「いやすまん!悪かったって!」
兎娘「許して欲しいですか?」
兎娘の怒りの視線に声も出せず俺はコクコクとうなづく。
もはや俺が兎で兎娘はそれを喰らう肉食獣のようだ。
男(同僚のやつ、とんでもないことしてくれたな…覚えとけよ)
兎娘「なら…」
兎娘「私と子作りしてくれませんか?」
兎娘「お願いします!」グスッ
うるうると今にも泣き出してしまいそうな兎娘の顔を見るともう断れなくなった。
今回の件は俺にも問題があるし…。
男「分かったよ…」
男「分かったから、泣かないでくれ。好きな女の子の泣き顔は見たくないもんだから」
だってここから先の、少なくとも24時間後には、俺の目の前にこいつの姿はもう無いわけで…。
それが、辛くないわけがないわけで。
兎娘「…男さん?」
男「泣くな!泣くな!」
男「くっそぉ…学生のころの卒業式ですら泣いたことなかったのによ。変なもんの卒業前に泣いてんじゃねーよ」
下らないギャグを一人で呟いて誤魔化しても溢れる涙が止まらない。
男「情けないから、泣かないでくれよ…俺…」
頼むから…この涙を誰か止めてくれ…
男「あっ…」
兎娘「しょっぱいのはそんなに好きではありません」
男「ははっ…じゃあなんで舐めたんだよ」
兎娘「泣き顔…見たくありませんから…」
男「……」
兎娘「笑ってください」
兎娘「笑顔で、私を送り出してください」
甘い匂いがする。
鼻から通って頭の中にこびりつくような…そんな感覚がする。
生温かい吐息が部屋中に広がっていく。
兎娘「では、私はこれで」
男「ああ、元気でな」
次の日の朝、兎娘は荷物をまとめてクローゼットの前へと立っていた。
兎娘「泣いてはいけないのでしょう?」
兎娘「『愛する人の前では泣いてはいけない』これも新しいデータとしてまとめておきます」
男「なんか持って帰るデータとしては微妙な気もするが、ま、いいんじゃないか?」
兎娘「今まで本当にありがとうございました」
兎娘「…大好きですよ。こういうときは…ええっと、そうです。愛しています」
兎娘「……できることならずっとここに居たいくらい」
兎娘「…もう行きますね」
クローゼットの中に空間の歪み(?)のようなものが発生した。
ここから先に未来があるのか。
男「なんでた?」
兎娘「少々…酷なデータですから…」
兎娘は後ろ姿そう言い残して振り向かずにクローゼットの歪みの中へと飛び込んで消えた。
男「振り向かなくてもばればれだっつの」
クローゼットに手を押し付けるも手のひらはクローゼットの奥でしっかりと止まった。
男「だよな。何やってんだよあほくせぇ」
男「うっ…うぅ…あーくそ…」
男(…確かにこりゃ酷だわ)
母さんごめん。
俺、やっぱ彼女なんて作れねーわ。
人間の女よりも兎のメスの方が好きとは…
とんだ変人だな。
男「寝てた」
同僚「寝てた?」
男「そう。ずっと寝てた」
同僚「えっ…もしかして寝てたってそういう…」
男「そんなんじゃねーよアホ。マジでずっと寝てたんだよ」
同僚「もしかして私のせいで振られちゃった?」
男「まぁ、物理的に別れはした」
同僚「そ、そうなんだ。なんか本当にごめん…」
同僚「や、その…私で良かったら彼女さんの代わりになるよ?いつもみたいに飽きたら別れるとか絶対しないから、だから…」
男「お前には俺なんかよりもっといいイケメンの方が似合ってるって。気にすんな」
同僚「でも…」
男「じゃあ今度飲みに付き合え。それで手打ちにしてやる」
同僚「ほ、本当?それなら喜んで付き合うよ!なんなら全部私の奢りでいいよ!」
男「本当かよ。酔ってそのこと忘れんなよ?」
同僚「へへ、気をつけまーす」
俺には何も変化のない日常が完全に戻ってきていた。
もう『おかえり』がなくても寂しくない。
一生独身を固く誓った身だ。
男(もうちょっとやそっとじゃ寂しくともなんともねぇぜ)
しかし俺には不思議な日課ができてしまった。
目の前には当然俺の服。
だがそこには
男「おーい。元気か?…なんてな」
自身の服に語りかける痛々しい独身男がいた。
男(やめないとなとは思うんだけどな)
ため息を吐きクローゼットを閉じようとしたときだった。
ガタッガタタ…
男「!!」
突如クローゼットの中の空間が歪み、渦巻きだした。
男(も、もしかして…!)
歪んだ空間の中から飛び出したのは4ヶ月前ここを去った兎娘…
男「うおっ!兎娘!帰ってきたのか!?」
…と
子兎娘「ひあっ!」
子兎娘2「うわぁ!」
小さな女の子が二人。
男「!?」
男「で、行くあてもなくここへ来たと」
兎娘「はい」
男「まぁ、それはいいんだけど。この子たちは?」
兎娘「何言ってるんですか。あなたの子どもたちですよ?」
子兎娘「ぱぱー」
子兎娘2「すごーい!ぱぱおっきー!」
男「」
将来はどちらも美人になるだろう。
二人の頭に手を乗せて撫でる。
子兎娘「ぱぱの手あったかーい」
子兎娘2「えへへ~」
男「二人ともかわいいな~」
兎娘「む…」
兎娘が急にすり寄ってきた。
兎娘「子どもたちばかりずるいです。私にも何かしてください」
子兎娘「ままあまえんぼーさん」
男「子どもに嫉妬すんなよ…」
兎娘「ですが…」
ウーウー
兎娘の言葉にポケットの中に入れていた携帯の着信音が割り込んだ。
男「あ」
そこで母からの課題を思い出した。
男(彼女どころか、もう子どもいるんだけど…)
はは…どう説明しろってんだよ…
おわり
元スレ
兎娘「私と子作りしてくれませんか?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1463578733/
兎娘「私と子作りしてくれませんか?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1463578733/
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コメント一覧 (26)
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- 2016年05月20日 02:34
- 兎娘なら白髪だろ…
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- 2016年05月20日 02:58
- 髪の長さがわからんぞ
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- 2016年05月20日 03:11
- SSとかでよくいる性欲の塊DQNすこ
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- 2016年05月20日 04:14
- え?子作り描写がないんだけど?
-
- 2016年05月20日 04:49
- 二足歩行のウサギ…cat shit oneかな?(すっとぼけ
-
- 2016年05月20日 04:57
- あ~こころがぴょんぴょんするんじゃぁ
-
- 2016年05月20日 06:32
- ①鹿
②羊
③兎
以上!三大えロ動物でした
-
- 2016年05月20日 06:49
- 途中までは面白かったが残念だ
-
- 2016年05月20日 07:03
- 石恵さんの描いたチマメ隊が可愛いくてどうにかなりそうだ
-
- 2016年05月20日 07:09
- 久しぶりにこんな良いの見れたわ
-
- 2016年05月20日 11:22
- DQNがKBSという感じだった
兎娘はかわいかった
-
- 2016年05月20日 11:49
- ※7
山羊が抜けてる
形や具合が人間のにそっくりで、使いやすいらしいぞ
-
- 2016年05月20日 13:02
- コメに某幸運の素兎か狂気の瞳の兎の名を出してるかと思った俺がバカだった
-
- 2016年05月20日 16:00
- DQN「悪役なら任せろー!」バリバリ
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- 2016年05月20日 17:48
- DQNが唐突すぎ、未来からの刺客とかにすればいいのに
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- 2016年05月21日 03:17
- SSなんてDQN出さないと話展開できないような人らしかいないってことでしょ
-
- 2016年05月21日 07:39
- ああ、DQNは名作だよな
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- 2016年05月21日 16:07
- ※1
髪は紫、目は赤だろ。
-
- 2016年05月21日 16:31
- *18それなんてうどんげ?ww
まぁ、俺もだけどw
-
- 2016年05月21日 17:40
- 途中までダラダラと読んで
>さっきまで兎だった光は中学生くらいの身長の茶髪の美少女バニーガールへと姿を変えた。
で爆笑してしまった。
休日なのに疲れてるな俺・・・。寝よ
-
- 2016年05月21日 19:27
- そうか未来から幽鬼うさぎたんが会いに来るのか
-
- 2016年05月22日 03:24
- 面白かった!また頼むう!
-
- 2016年05月24日 20:06
- ※21
3000円になりまーす!
-
- 2016年05月25日 18:05
- 微笑ましい
-
- 2016年06月01日 15:26
- 金!暴力!SEX!って感じで
-
- 2016年09月17日 08:30
- これ続きあるよな