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女騎士「助けて!ネクロマンサー!!」

1:かものはし 2016/05/05(木) 19:54:21.86 ID:69tovjlwO

女騎士「…ネクロマンサーですか?」

大臣「あぁ、最近彼の者が我が軍に対してテロ行為を行っておってな」

女騎士「はぁ…、それで私に討伐してこいと」

大臣「その通りだ。任せたぞ」

女騎士「かしこまりました。…ところでそのネクロマンサーは何処にいるのでしょうか?」

大臣「それを見付けるのも貴様の仕事だ」

女騎士「…しかし、我ら三人で大陸中を探すと言うのは…」

大臣「これは国王からの勅命である」

女騎士「ち、勅命でございますか!?」

大臣「左様。国王自らお主達を信頼しての命である。心してかかれ!」

女騎士「はっ!この女騎士めにお任せください!!」



4:かものはし 2016/05/05(木) 20:04:15.42 ID:69tovjlwO

【王国内・喫茶店】


僧侶「国王からの勅命ですか?」

女騎士「あぁ、名誉なことだ」

僧侶「何処にいるかも解らないネクロマンサーを探しだして討伐する…ですか?」

女騎士「…あ、あぁ」

僧侶「私達たった三人で、大陸中の何処にいるかも解らないネクロマンサーを探して討伐する…ですか?」

女騎士「…」

僧侶「…」

魔術師「…ククク」

女騎士「嬉しかったんだもん!!」ブワッ

僧侶「ちょっと、泣かないでくださいよ」

女騎士「最近、任務を与えられなかったから…必要にされて…エグッ…勅命で…グスッ…」

僧侶「…はぁ、文句言った私が悪かったです。そもそも国王からの命ですし断れませんよね」

女騎士「…うん」

魔術師「しかし、増員ぐらいは交渉の余地があったのではないかい?」

女騎士「」ブワッ

僧侶(はぁ、全く女騎士さんは)

魔術師(女騎士君は)

僧侶・魔術師((可愛いな。))



7:かものはし 2016/05/05(木) 20:15:06.96 ID:69tovjlwO

魔術師「引き受けてしまったものはしょうがない」

僧侶「そうですね。私達も尽力しますから、一緒にネクロマンサーを倒しましょう!」

女騎士「ありがとう…ところで、聞きたいんだが…」モジモジ

魔術師「なんだい?」

女騎士「ネクロマンサー…てそもそも何かな?」

僧侶「知らないで引き受けたんですか?」

魔術師「…はぁ、ばかわいいな」

女騎士「???」



8:かものはし 2016/05/05(木) 20:40:37.68 ID:69tovjlwO

【王国内・図書館】
魔術師「ネクロマンサー…死霊術士とも呼ばれるね」

女騎士「死霊術師…物騒な名前だな」

僧侶「物騒なんて生易しい者ではありません!彼等の扱う術は神への冒涜です!!」

女騎士「神への冒涜…か」

魔術師「ネクロマンサーは死体を用いた魔術、死霊術を用いる魔術師」

僧侶「死霊術は死体に魂を押込み使役する禁術です」

魔術師「自身の魔力で死体を操るのも何故か死霊術に含まれるが…神への冒涜…死者への冒涜であることには変わらないね」

女騎士「今回の相手が外道であることは理解できた。しかし、何故そのような魔術に手を染めるんだろうな」

魔術師「よくあるパターンだと、永遠の命を手に入れるためか…愛する人を甦らせたいか…かな」

僧侶「…」

女騎士「解らんな。そのような術で甦らされても愛する人は喜ばないだろうに…」

魔術師「それは僕らが気にすることじゃない。考えるべきは…」

女騎士「あぁ、そうだな。そんなネクロマンサーが何故軍に対してテロ行為を働いたか…だな」



9:かものはし 2016/05/05(木) 20:56:26.30 ID:69tovjlwO

僧侶「敵国に雇われて…でしょうか?」

女騎士「いや、それは無い。これを見てくれ」ペラ

魔術師「…これは?」

女騎士「ネクロマンサーにより襲撃された施設名。上が自国の施設、下は敵国の施設だ。大臣が解る範囲で調べてくれた」

僧侶「敵国もネクロマンサーから襲撃を受けているんですか?」

女騎士「あぁ、だからネクロマンサーが敵国と繋がっているとは考えにくい」

魔術師「クククッ、これは厄介だね」

僧侶「魔術師、楽しそうな顔で言うことじゃ無いわよ?」

女騎士「ネクロマンサーは2つの国に対して交互にテロ行為を行っているらしいが…目的が解らんな」

魔術師「交互?…女騎士君、次はどちらの国の番なんだい?」

女騎士「次は…私達の国の番だ」



12: ◆4/2Q774846 2016/05/05(木) 21:25:21.46 ID:69tovjlwO

【国王軍・A地区前線基地】
僧侶「…ふう、遠かったですね」

魔術師「無駄足にならないと良いが…」

女騎士「そればかりは賭けだな。…ネクロマンサーはそれぞれ対応している施設を襲撃している」

魔術師「最近、敵国のA地区の基地が襲われたから次はここではないかと?」

女騎士「そういうことだ」

僧侶「…本当にネクロマンサーは何を考えているんでしょうね?」

魔術師「…ふむ、両軍の力が弱まれば互いに決定打を与えにくくなる。その結果、戦争が長引く。…戦争が長引くと死体が増え、死霊術の研究がしやすくなる…とかじゃないか?」

僧侶「…それは、あり得そうですね」

女騎士「兎に角、奴を見付けて討伐する。目的なんて、倒してから聞けば良い」

魔術師(脳筋思考…ばかわいいな。)



17:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/05(木) 21:53:24.95 ID:69tovjlwO

副隊長「あの……女騎士殿ですか?」

女騎士「はい、そうですが……貴方は?」

副隊長「この基地の副隊長です。隊長の命により、基地内を案内しに来ました」

魔術師「ほう、これは驚いた」

女騎士「まさか、副隊長殿が直々に基地を案内してくれるとはな」

魔術師「いや、女騎士君がちゃんとアポを取っていたことにだよ」クククッ

女騎士「なっ! 私だってそれぐらい……」

副隊長「あの、案内を開始しても大丈夫ですか?」

僧侶「……はい、お願いします」

副隊長「何処から案内しましょうか?」

女騎士「……この基地に死体安置所はありますか?」

副隊長「ええ、出来る範囲で戦死者の亡骸を回収してご家族の元に送ってますので……」

女騎士「ならば、そこからお願いします」

魔術師「ふむ、妥当な判断だな」

僧侶「魔術師、私達は一応女騎士さんの部下なんだからね?」

魔術師「あぁ、解っているさ」クククッ

女騎士「僧侶……一応という言葉も傷付くんだが……」

副隊長(大丈夫か?この娘達……)



20: ◆4/2Q774846 2016/05/05(木) 22:15:25.21 ID:69tovjlwO

【基地内・死体安置所】
副隊長「ここが死体安置所です」ガチャ

僧侶「……戦死者がこんなに」

副隊長「前線基地ですからね。……昨日入ってきた新兵が使い捨ての道具の用に死んでいきます」グッ

僧侶「……祈りを捧げても良いですか?」

副隊長「是非とも。彼等に安らかな眠りを……」

女騎士「……魔術師、どうだ?」

魔術師「ふむ、死霊術は見たこと無いからね。今の時点では何とも言いがたい……僧侶君! 離れろ!!」

副隊長「危ない!」ザシュ

僧侶「へ……? 何が……?」

女騎士「本当に現れたな……ネクロマンサー!!」

死体A「アー、アー」ブスブス

僧侶「副隊長さん、血が! 血が!」

副隊長「これぐらいかすり傷です。ここは私が食い止めるので隊長に報告を……」

魔術師(動き出した死体がナイフで他の死体を刺している?……クククッ、面白いじゃないか)

死体B~Z「アー、アー!」

女騎士「他の死体達も動き出した?」

魔術師「女騎士君、あの死体が持っているナイフだ。あのナイフで刺されると死霊術がかかるらしい」

女騎士「なるほど」

副隊長「早く、早く隊長に報告を!!」

女騎士「魔術師、君は隊長に報告に行ってくれ! 僧侶、副隊長殿の治療を!」

副隊長「……貴女は、どうされるつもりですか?」

女騎士「あのナイフを破壊します!」チャキン




21: ◆4/2Q774846 2016/05/05(木) 22:36:39.99 ID:69tovjlwO

魔術師(死体安置所があったのは基地の地下1階、隊長がいる司令室は最上階の3階か。……他の兵達に声をかけながら行けば被害を最小限に留められるかな?)タッタッタッ

【基地内・1階】
魔術師「皆! 襲撃だ! 地下1階の死体安置所で……何だと!」

死体達「アー、アー!」

兵達「急げ、武器を確保しろ!!」「何なんだこいつらは?」「嘘だろ? さっきまで一緒に飯食ってたじゃないか……おい! おい!!」

魔術師(死体安置所から抜け出してきた? 有り得ない、女騎士が逃がすわけが無い。……死体を予め操って、生きているフリをさせ、兵に紛れ込ませていた?)「クククッ、ネクロマンサー……やるじゃないか」

【基地内・死体安置所】
死体Z「アー……」バタン

女騎士「はぁはぁ……安らかに眠れ」

副隊長「あの数を一人で……強い」

僧侶「女騎士さん! 大変です! 他の階でも襲撃が」

女騎士「クッ、解った」ダッ

副隊長「私も……ぐっ」ガクン

女騎士「副隊長殿、無理はしないでください」

副隊長「しかし……」

女騎士「ネクロマンサーは私達が討伐します。それより、この死体達が二度と悪用されないように処理しておいてくれませんか?」

副隊長「女騎士殿……お心遣い感謝します」






22: ◆4/2Q774846 2016/05/05(木) 23:13:50.62 ID:69tovjlwO

【基地内・司令室】
魔術師「遅かったか……爆発音がしたから急いできたが……」

隊長「」プスプス

魔術師(黒こげになっているのはここの隊長か?他にも黒焦げの死体が数体…ふむ。)

魔術師「これは……成る程、考えたな」

女騎士「魔術師!」

魔術師「女騎士君……見てくれ」

女騎士「何だ、ネクロマンサーは操った死体達に魔法まで使わせれるのか?」

魔術師「いや、そうじゃない。……ほら、バラバラになっている死体があるだろ? ネクロマンサーは死体の中に爆弾を仕込んでいたんだろう」

僧侶「爆弾……ですか?」

魔術師「死体の処理方法で僕らの国で最もポピュラーなのは火葬だからね。動く死体に対しても、同じ対処をするのは自然だ」

女騎士「此方が火炎魔法を使うのを予期して爆弾を仕込んでいたということか?」

僧侶「……女騎士さん、これは不味いんじゃないでしょうか?」

女騎士「……あぁ、不味いな急いで死体安置所に戻ろう!」

【基地内・死体安置所】
副隊長「皆、すまないな。本当は故郷にまで送り届けてやりたかったんだが……安らかに眠ってくれ」


副隊長「火炎魔法」

【A地区前線基地付近・丘の上】
死霊術師「……ふぅ、今回も上手く言ったか」

錬金術師「凄く大きな爆発だったね~」

死霊術師「爆弾の提供感謝する。……何時も悪いな」

錬金術師「ははは、気にしないの君と私は同志だ」

死霊術が「そうだったな。……ずらかるぞ」



23: ◆4/2Q774846 2016/05/05(木) 23:23:39.01 ID:69tovjlwO

【A地区前線基地・跡地】
魔術師「見事にしてやられたな」

女騎士「あぁ、僧侶の結界魔法が少しでも遅れたら……私達も死んでいたかも知れない」

僧侶「……許せません」

女騎士「僧侶?」

僧侶「私、許せません! 死者を操り生前の仲間を襲わせて、更に体内に爆弾を仕込む? そんなの卑劣過ぎます!!」

女騎士「あぁ……私も同じ気持ちだ」

魔術師(彼女達の感情が普通なんだろうな…… 僕にはネクロマンサーのやり方が酷く効率的に思えて……感心してしまった)

女騎士「私達の手で絶対ネクロマンサーを倒そう!!」



32: ◆4/2Q774846 2016/05/06(金) 08:50:24.84 ID:ZonIoFroO

【王国内・喫茶店】
女騎士「さて、次にネクロマンサーが攻めてくるまでに対策を考えないとな」

僧侶「交互にテロ行為を行うなら、敵国の施設が襲撃されるまでは猶予があるわけですもんね」

魔術師「ふむ、交互に襲撃すると思い込んで動いたら足元を掬われそうだが……しょうがないか」

女騎士「今回の件について大臣に報告し、戦死者は中身を確認してから処理するようにしてもらった」

女騎士「また、施設内に生きたフリをした死者が侵入しないように警備の強化も要請した」

魔術師「なるほど、妥当な対策だ」

女騎士「死霊術についての資料が見付からず、他に対策が思い付かなかったというのが本音だが……」

魔術師「僕の母校なら見付かるかも知れないね」

僧侶「魔術師の母校って……魔術学園ですか?」

魔術師「あぁ、禁術について書かれた書物が図書室にあったはずだ」

女騎士「ならば、魔術師は魔術学園に行って死霊術についての資料を集めてくれ」

魔術師「クククッ、任された」

僧侶「魔術師……死霊術を面白そうとか思ってない?」

魔術師「興味深いとは思っているよ」

女騎士「……全く、君という奴は」

魔術師「その間、君達はどうするんだい?」

僧侶「……教会本部に死霊術を扱った女性が監禁されてます」

魔術師「ほう」

女騎士「面会できるのか?」

僧侶「事情を説明したら可能かと……」

魔術師「しかし、監禁とは……禁術を使ったものは即刻死刑されると記憶していたが」

僧侶「特例です。 監禁されている人は……昔、聖母と呼ばれたほどの人ですから」

女騎士「聖母……敵味方関係無く傷付いた者を癒すために戦場を駆け巡った英雄ではないか?」

魔術師「クククッ、死霊術を扱ったとしても、彼女の回復魔法の知識を失うのは痛手だな」

僧侶「そういうことです」

女騎士「……私と僧侶で会いに行ってくる。 4日後、ここで集合しよう」

魔術師「心得た。 しかし、僕達は何で何時も喫茶店で会議してるんだい?」

僧侶「女騎士小隊で軍に登録されているのに……会議室も使わせて貰えないなんて不遇です」

女騎士「私が……不甲斐ないばっかりにごめんよ」シュン

魔術師・僧侶(……落ち込んでる顔もかわいいな)




33:♯かものはし 2016/05/06(金) 09:15:49.52 ID:ZonIoFroO

【魔術学園・図書室】
魔術師「……ふむ、解らないな」

魔術師(刺すだけで死霊術をかけられるナイフ……死霊術師にそんなもの作れるのだろうか?)ペラペラ

教授「……」ジー

魔術師「……」ペラペラ

教授「……」ジー

魔術師「……わっ! 先生!! 何時からそこに……」

教授「やぁ、魔術師ちゃん。 学園に戻ってくるなら、研究室に寄ってくれたら良かったのに」

魔術師「後で行こうと……」

教授「嘘だね」ニッコリ

魔術師「……相変わらずお元気そうで」

教授「魔術師ちゃんは相変わらず小さいね」

魔術師「セクハラですか?」

教授「身長の話だよ。 それで、何が解らないんだい?」

魔術師(説明出来る範囲で説明して、意見を貰ってみるか……)

教授「説明出来る範囲だけ話してくれたら意見ぐらいは出すよ」ニッコリ

魔術師「本当に相変わらずですね」



39: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/06(金) 13:53:31.17 ID:FE1kj6onO

教授「なるほどね。 危険なことしているな、君は」

魔術師「……」

教授「私としては学園に戻って、研究者としての道を歩んで欲しがったが」

魔術師「今日はそういう話をしに来たわけじゃありません」

教授「ははは、では、口説くのはまたの機会にしよう。 ところで、魔術師ちゃんは剣を持っている相手と闘う時どうする?」

魔術師「……距離を取って、相手の間合いに入らないように闘います」

教授「それが妥当だね。 しかし、この剣士は魔法剣士でした! 残念!!」

魔術師「なっ! ずるいですよ!」

教授「剣に見せかけた杖を持ってる魔道師でした! 残念!!」

魔術師「……先生、ふざけないでください」

教授「ははは……剣を持っている前提に拘ったら足元を掬われるということだよ。 相手が死霊術師だからという前提に拘ってたら視野が狭くなることもある」

教授「今の君の疑問は?」

魔術師「……死霊術師が刺すだけで死霊術を行使できるナイフを作れるか……」

教授「死霊術師に拘らなければ?」

魔術師「刺すだけで死霊術を行使できるナイフを作れるか……です」

教授「錬金術に魔術概念を物質かする手法がある」

魔術師「つまり、相手は死霊術師であり錬金術師であると?」

教授「ははは、滑稽だな」

魔術師「……」ムスッ

教授「何で単独だと決めつけている」

魔術師「多くの死霊術師は他の魔術師とは交わらず単独で……」

教授「多くの死霊術師はテロ行為を行い戦争に介入したりしないさ」

魔術師「……ご指導ありがとうございます」

教授「あぁ、また何時でも頼っておくれ」

魔術師「それでは、失礼」タッタッタッ

教授(彼女は学生時代から好奇心を優先して行動するところがあった)バイバーイ

教授(そんな、彼女が死霊術と関わるか……)

教授「……心配だね」



44: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/06(金) 17:04:33.13 ID:FE1kj6onO

【教会本部】
女騎士「……相変わらず、でかいな」

僧侶「迫力ありますよね」

女騎士「さて、入ろうか?」

僧侶「ハイ……」

僧侶友「あんた、緊張しすぎよ?」

僧侶「ウヘッ! 僧侶友ちゃん!!」

僧侶友「何その奇声?」

女騎士「僧侶、知り合いか?」

僧侶「同じ教会で奉仕していたことのある僧侶友ちゃんです。 本部で働いているの?」

僧侶友「フフフ、まぁね」ドヤッ

女騎士(凄いドヤ顔だ)

僧侶友「人見知りのあんたの為に案内役を引き受けてあげたのよ!」

女騎士「僧侶は人見知りなのか?」

僧侶「私に会いたくて引き受けたって言うのが恥ずかしいみたいですね」

僧侶友「なっ! 何いってるの!? 馬鹿じゃないの!? あんた、馬鹿じゃないの!?」///

僧侶「ふふっ、顔真っ赤だよ?」

女騎士(解りやすい人だな)

【教会本部・面会室】
僧侶友「ここで暫く待っていてください。 すぐに連れてきますので」

女騎士「あぁ、ありがとう」

僧侶「僧侶友ちゃんに会って少し緊張がほぐれました」

女騎士「ははは、友達とは良いものだな」

女騎士「……友達とは良いものだな」ショボーン

僧侶「女騎士さん?」

女騎士「幼い頃から稽古ばかりでな……。 友達を作る暇も遊ぶ暇も無かったんだ」ハハハ

僧侶「……女騎士さんには私がいます。 それに魔術師も」

女騎士「……ありがとう」

ガチャ

元聖母「…………」

女騎士「さて、雑談はここまでにしようか」

元聖母「続けても良いわよ? 私、他愛ない話って好きだし」

女騎士「そういうわけにはいかない。……死霊術師としての貴女に聞きたいことがある」

元聖母「そう……他愛ない話になりそうで嬉しいわ」

女騎士(この女、何処を見ているんだ?)

僧侶(私達の方を見ているのに……別の何かを見ているような)




47: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/06(金) 20:38:33.92 ID:4zeEu2/xO

僧侶(女騎士さんが説明している間も目線は変わらなかったな……)

女騎士「ネクロマンサーの動機について貴女の意見が聞きたい」

元聖母「ふーん、なるほどね。 私の意見の前に、貴女達の見解を聞きたいわ」

僧侶「私達の見解としましては、戦争を長引かせて死霊術の研究がやり易い環境を維持するのが目的じゃないかと……」

元聖母「死霊術の研究? 何を目的として研究をしていると思ってるの?」

女騎士「不老不死か……愛する人を甦らせたいか……」

元聖母「……不老不死を研究している人が死のリスクの高いテロをするかしら?」

女騎士「では、甦らせたい人がいるということか……」

元聖母「それも、ないわね」

女騎士「……何故だ?」

元聖母「ふふっ、貴女に言っても理解できないわ。 貴女の魂はそういう形をしているもの」

元聖母「……でも、僧侶……貴女なら理解できるかもね」

僧侶「!?」

女騎士「……僧侶が?」

僧侶「……解りません」

元聖母「ふふっ、そう。 それなら良いわ……そのまま進めば良い」

女騎士「貴女に答える気が無いと解った失礼する」

元聖母「……短気な人ね」

元聖母「……ねぇ?」

僧侶(ようやく理解した。 この人が見ているものは……)

元聖母「貴女の生き返らせたい人は誰かしら?」クス

僧侶(私の……魂だ)

僧侶「いませんよ。 私も失礼します」

元聖母「そう……じゃあね。 湖教会の生き残りさん」

僧侶「……へ?」



48: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/06(金) 21:09:26.14 ID:4zeEu2/xO

【敵国・B地区街の酒場】
客A「聞いたか? ネクロマンサーの噂」

客B「おぉ、C地区の物資補給基地、D地区の防衛砦に続いてA地区の戦前基地も襲撃を受けたんだろ?」

客C「……その話は止めろ」

客A「やけに不愉快だな? どうした?」

客C「息子が戦死した……」

客A「それは……お気の毒に」

客C「墓に入れてやりたいが……クソッ、死体は軍が処分しちまった!」

客B「軍を攻めるなよ? 死体を利用するネクロマンサー……全部あいつのせいだ!」

客C「あぁ、そうだ! ……全部、全部……クソ!!」

客A「マスター……一番強い酒と一番美味いツマミを頼む。 代金は俺が払うからよ」

マスター「……英雄が一人死んだんだ。 代金はとらんよ」

ガヤガヤ

錬金術師「何処でも君の話で持ちきりだね? 気分はどう?」

死霊術師「最悪な気分さ……恨まれて当然だがな」

錬金術師「それで、 次はどうするの? 死体が処理されて、警備も強化されたんじゃ打つ手無しかな?」

死霊術師「君は……言われたモノを準備すれば良い」

錬金術師「……私は君の同志だ。 志に共感し、行動している……もう少し手の内明かしてくれても」

死霊術師「同志であることは認めよう……しかし、共犯者にはしたくない」

錬金術師「……はぁ、爆弾を無償提供している時点で共犯者だよ」

死霊術師「脅されてやっていることにすれば良い」

錬金術師「……」

死霊術師「……」

錬金術師「……そんな目で見ないで」

死霊術師「小屋にこの紙に書いているモノを持って来い。 逆らえば……えっと、……お、犯す」

錬金術師「バッチコーイ!!」

死霊術師「……女の子がそんなこと言うものじゃない」

錬金術師「それなら、殺すぐらい言ってみなさいよ」

死霊術師「殺すなんて……言えるわけ無いだろ?」


死霊術師「人は……死んだら生き返らないんだから」



50:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/06(金) 23:43:35.05 ID:Ti2dQAMpO

【敵国・B地区軍事拠点】
門番A「む? 何だあれは?」

門番B「ネズミだな……」

門番A「凄い数のネズミだな」

門番B「こっちに向かってきてないか?」

屍鼠s「……」ダダダダ

【B地区軍事拠点・司令室】
兵士A「ご、豪腕隊長! 襲撃です!!」

副隊長「……ネクロマンサーか?」

兵士A「いえ、それが……鼠です」

副隊長「鼠? 魔物化した鼠か?」

豪腕隊長「ハッハッハッ! そんなもの焼き払ってしまえば良いだろう!!」

兵士A「そ、そう思い……門番が火炎魔法を唱えたのですが……鼠が爆発しました!!」

豪腕隊長「……ほう」

【B地区拠点・屋外】
兵士B「アー……」

兵士C「何だよ! どうしたんだよ!!」

兵士D「死んだ奴等が……さっきの爆発といい……ネクロマンサーか!?」

兵士E「クソ! クソ! クソ!! 人間の死体だけじゃねぇのかよ!!」

兵士E「鼠に殺されたあげく、操られるなんて冗談じゃね!!」

【B地区軍事拠点・司令室】
副隊長「……死霊術をかけるにはある程度対象に近付く必要がある」

兵士A「副隊長、そのような話をしている場合では! 下はパニックです!!」

豪腕隊長「黙れ! だからと言って、我々がパニックを起こしては対処できんだろ?」

兵士A「……くっ」

副隊長「ネクロマンサーのテロが今まで止められなかったのは、特殊なナイフを用いることで離れていながら死霊術を行使できたからだ」

豪腕隊長「……それで」

副隊長「鼠はナイフを持てない……ネクロマンサーもこの施設内に侵入していると考えるのが妥当だ」

豪腕隊長「どうやって探し出す?」

副隊長「これを使う」

兵士A「……何ですか、その円盤は?」

副隊長「魔道具商会からの支援物資……魔術探知機だ」

副隊長「魔術を公使した方向に針が向く。 兵士A、兵士達に魔術を使わないように伝達しろ」

兵士A「はっ!」

副隊長「豪腕隊長……針が動いたらすぐに」

豪腕隊長「ハッハッハッ! 任せろ! ぶん殴って終わらせてやるよ!!」



51: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/07(土) 00:10:30.33 ID:W/1n4yOSO

死霊術師「……すまない。 安らかに眠らせてやれなくて」

兵士E「……ア、ア、アー!!」

死霊術師「さて、そろそろか」

豪腕隊長「そろそろ引き際……ということか?」

死霊術師「いや、そろそろ隊長が出てくる頃か……という意味さ」

豪腕隊長「ほう、ただの臆病者かと思えば……俺と闘う気か?」

死霊術師「いや……闘わせる気さ。 彼等をね」

死兵B~E「アー……」

豪腕隊長「……臆病者の予想は外れだが、下衆野郎という予想は当たったか。 ハッハッハッ、貴様だけはここで殺す!!」

死霊術師「行け! 死者達よ!!」

豪腕隊長「ふん!」

死兵B「」バタン

豪腕隊長「はっ!」

死兵C「」グシャ

死霊術師「……あっさりやられてるね。 やはり、ただの死体じゃ駄目か」

豪腕隊長「ハッハッハッ! 先代から受け継いだ豪腕の名を汚すわけにはいかんからな」

死霊術師「先代? 豪腕の名は襲名性だったのか?」

豪腕隊長「あぁ、俺でも憧れる肉体を持つ偉大な軍人だった……と、世間話をしに来たわけではなかったな!!」

死兵D・E「」メリメリメリ

死霊術師「部下の頭部を握りつぶすとは」

豪腕隊長「貴様が言うな」

死霊術師「それもそうだね。 ところで、さっきの世間話を続けないか?」

豪腕隊長「悪いな、時間稼ぎに付き合うつもりはないんだ」

死霊術師「つれないな。 では勝手に話すとしよう」ボンッ

豪腕隊長(何だ? いきなり棺桶が現れた?)

死霊術師「先代豪腕って……もしかしてこの人のことかな?」

パカッ

先代豪腕「アー……アー……」

豪腕隊長「そんな……先代……」

死霊術師「あってたか。 確かに優れた肉体だ。 死霊術の良い素材だったよ」

豪腕隊長「貴様ぁぁぁああ!!」

先代豪腕「アァアァアアアアァ!!」




55: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/07(土) 07:11:57.19 ID:sjsFkVHtO

【B地区の森の小屋】
錬金術師「おかえりなさい」

死霊術師「……帰ってなかったんだ」

錬金術師「待っててあげたのに……酷いな」

死霊術師「待っててほしいと頼んだ覚えはない」

錬金術師「……襲撃した後、君は何時も罪悪感で押し潰されそうな顔をするね」

死霊術師「……心配してくれているのは有難いが」

錬金術師「正直、そういう顔がまたまらん!」ハァハァ

死霊術師「その性癖……直したほうが良い」

錬金術師「性癖は私の自由でしょ?」

死霊術師「……全く」

錬金術師「それで、今回は失敗したのかな? B地区の軍事拠点は対して破損してないようだが」

死霊術師「今回の目的は軍事施設の破壊じゃないから」

錬金術師「重要人物の殺害ってこと?」

死霊術師「察しが良いな」

豪腕隊長「」

死霊術師「後は質の良い死体の確保……も目的の1つだな」

錬金術師「確かに豪腕隊長の肉体は役に立ちそうだね」

死霊術師「……彼は知っていたのだろうか」

錬金術師「……」

死霊術師「この戦争が無意味なことを……この戦争の意味を……」

錬金術師「……君がやろうとしていることは間違っていない」

死霊術師「いや、僕は間違っている。 どんな目的があろうとその過程で人を殺しているんだ」

錬金術師「綺麗事じゃ世界は変えられないでしょう?」

死霊術師「……解って……いる」

錬金術師「……」ハァハァ

死霊術師「……僕を元気つけるための冗談じゃなかったんだね」

錬金術師「うん、この性癖は本当だよ!」

死霊術師「……その……女の子が性癖って連呼するのも……如何なものかと」

錬金術師「本当に死霊術師らしくない性格してるよね」

錬金術師「それで、次は王国側のB地区を攻めるのかしら?」

死霊術師「いや、豪腕隊長と同じ立場の人間の殺害を目的とする」

錬金術師「ふーん。 それって?」

死霊術師「F地区の剣豪隊長……彼を殺す」

錬金術師「……殺す、君が嫌いな言葉だね」

死霊術師「奇麗事だけじゃ世界は変えられないんだろ?」

錬金術師「……」ハァハァ

死霊術師「……ついてこなくて良いよ」

錬金術師「ごめん、ごめん! 自重するから!!」



57: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/07(土) 09:13:46.78 ID:sjsFkVHtO

【王国内・F地区教会跡地】
僧侶(今日は女騎士さんが大臣に呼び出されたから休暇になった)ゴシゴシ

僧侶(折角の休みなのに私の頭の中では元聖母の一言に支配されていた)フゥ

元聖母『貴女の生き返らせたい人は誰かしら?』

僧侶「……私が生き返らせたいのは」

ガチャ

僧侶「だ、誰です?」

???「旅の者です。 突然雨が降ってきまして……」

???→死霊術師「雨宿り……しても良いですか?」

僧侶「なるほど、どうぞ好きなだけ休んでいってください」

死霊術師「ありがとうございます」

僧侶「……」

死霊術師「……」

僧侶・死霊術師(気不味い!)

僧侶(これは私から話し掛けた方がいいんでしょうか? でも、馴れ馴れしいと思われたらどうしましょう? でも、密室空間に二人っきりで無言っていうのも……あれ?私って本当に人見知り?)

死霊術師(これは僕から話し掛けた方がいいのか? しかし、あまり人と関わりを持つのも良くないしな。 人が居なければ、剣豪隊長を始末するまでの拠点にしようと思っていたのに……)

死霊術師「……この教会の僧侶さんなのですか?」

僧侶「えっ、あの……元ですけど」

死霊術師「元……ですか?」

僧侶「ええ、実はこの近くが戦場になったことがありまして……その時、この教会まで戦火が及び……」

死霊術師「なるほど……」

僧侶「貴方は?」

死霊術師「僕はとある事情で旅をしてまして」

僧侶「そうなんですか」

死霊術師「……何か、ありました?」

僧侶「へ?」

死霊術師「何というか……辛そうな顔をしていましたので」

僧侶「……ふふっ、お優しいんですね」

死霊術師「……そんなことは……無いと思います」

僧侶「……」

死霊術師「……」

僧侶「ねぇ、旅人さん……貴方に生き返らせたい人はいますか?」



58: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/07(土) 09:14:57.94 ID:sjsFkVHtO

死霊術師「……人は生き返りません」

僧侶「もしも、それが出来たとしたら」

死霊術師「……」

僧侶「ははは、ごめんなさい。 変な話をしてしまって」

僧侶「私は戦争で両親を失いました。 この教会の神父様に拾われて、育てていただいて……」

僧侶「私以外にもこの教会には孤児の子達がいて……私にとって……大事な……家族で……」

僧侶「そんな……皆に、死霊術でも何でも良いから……また会いたいなんて……変ですよね」ポロポロ

死霊術師「死霊術で生き返らされても……貴女の愛した人達は喜ばない」

死霊術師「そんなことをしても……相手を苦しめるだけだ」

僧侶「……」

死霊術師「ただ……愛しい人にまた会いたいと思うのはおかしなことなんかじゃない……と、僕は思います」

僧侶「……ありがとうございます。 何だか、私が僧侶なのに……立場が逆ですね」クスッ

死霊術師「ええ、立場が逆ですね」ニコ

僧侶「何だか、話したらスッキリしました! 明日からも頑張れそうです!!」

死霊術師「それは良かった」

僧侶「よーし! 絶対にネクロマンサーを討伐するぞ!!」

死霊術師「……へ?」

僧侶「実は少しでも早く戦争を終わらせようと、今は軍に所属しているんです!」フンス

死霊術師「ソウナンデスカ」ダラダラ

僧侶「テロ行為をして、戦争を長引かせようとする悪いネクロマンサーがいまして」

死霊術師「ソレハタイヘンデスネ」ダラダラダラ

僧侶「それの討伐任務を任されてるんです!!」ドヤ

死霊術師「…………」ダラダラダラダラダラ

僧侶「凄い汗ですね?……大丈夫ですか?」

死霊術師「ははは、気のせいですよ。 雨も大分弱くなったので僕は失礼しますね」

僧侶「そうですか……折角なので旅のお話も聞きたかったんですが……」

死霊術師(じ、尋問される)

死霊術師「それでは!」ダッ

僧侶「旅人さん!」

死霊術師「」ビクッ

僧侶「また、何処かで!」

死霊術師「は、はい……また」

僧侶(良い人でしたね、旅人さん)フフ

死霊術師(今のは宣戦布告なのか?)ビクビク



60: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/07(土) 16:51:36.96 ID:GxOB3bTNO

【敵国・B地区街の酒場】
兵士A「……副隊長、こんなところにいたんですか?」

副隊長「……」クビクビ

兵士A「一緒に来てください……豪腕隊長の葬儀が始まりますよ」

副隊長「中身の無い棺桶を囲んで何になる?」

兵士A「お気持ちは察します……」

副隊長「あの人は……強いんだ。 俺みたいに後ろで指示して、司令室に籠ってるような……兵士紛いとはちげぇんだよ」

副隊長「ネクロマンサーなんかに……ネクロマンサーなんかに殺されて良い人じゃねぇんだよ!!」バン

兵士A「いい加減にしてください……」

副隊長「何だと?」

兵士A「いい加減にしろって言っているんです! 貴方がパニックを起こしたら……誰が豪腕隊長の仇を取ると言うのですか?」

副隊長「……俺は強くなんか無い」

兵士A「ならば……私が貴方の剣になります!」

副隊長「一般兵が偉そうに……解ったよ……葬儀でも何でも行ってやる」

兵士A「ありがとうございます」

副隊長「その代わり……葬儀の次は仇討ちだ。 こき使ってやるから覚悟しとけ?」

兵士A「はっ!」



63: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/07(土) 20:39:40.76 ID:sjsFkVHtO

【王国・城内】
女騎士「……あの豪腕が」

大臣「あぁ、敵国側の大きな痛手は喜ばしいことだが……」

女騎士「次は我らのB地区の施設が襲撃されるのでしょうか?」

大臣「あるいは豪腕と同程度の実力者が狙われるか……か」

女騎士「と、言いますと?」

大臣「今回の施設の破損自体は大したモノでは無かったらしいからな。 最初から豪腕を狙っての行動だったのかも知れん」

女騎士(大臣殿は敵の内情をどうやって調べているのだろう? 詳しすぎないか?)

大臣「聞いているのか? 女騎士」

女騎士「はい! ……豪腕ほどの実力者となると、剣豪隊長、槍隊長、猫背殿でしょうか?」

大臣「恐らくな」

大臣「槍隊長は城勤めだから、手を出しづらいだろう。猫背は……また、勝手に何処ぞに行きよった」

女騎士「相変わらずですね、あの方も」

大臣「女騎士、F地区に迎い剣豪隊長を護衛せよ」

女騎士「はっ!かしこまりました!!」

女騎士(とは言っても、剣豪隊長に警護が必要なのだろうか?)



65: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/07(土) 23:39:10.80 ID:IOQco5hmO

【王国内・F地区防衛本部】
剣豪隊長「カッカッカッ! それで小娘三人組が儂を守りに来たということか? 笑わせおるわ!」

女騎士「小娘三人組ではなく、女騎士小隊です」

剣豪隊長「小隊? そんな立派なモノには見えんがな」

女騎士「……ネクロマンサーの前に貴方から倒してあげても良いんですよ?」

剣豪隊長「勝てると思っとるのか?」

魔術師「女騎士君、喧嘩しに来たわけじゃないだろ?」

僧侶「剣豪隊長もあまり煽らないでください」

女騎士「……ネクロマンサーを討伐するのが私達の任務です。 貴方が狙われる可能性が高い以上暫く一緒に行動させていただきます」

剣豪隊長「好きにせい! おってもおらんでも大差は無いがな!!」

女騎士「……」ゴゴゴゴゴ

僧侶・魔術師「……はぁ」



66: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/07(土) 23:40:45.75 ID:IOQco5hmO

【王国内・F地区付近の村跡地】
錬金術師「……戦火に巻き込まれたのかな? 酷いものだね」

死霊術師「あぁ……大きな街は強固に守られ、食べるモノにも困らない」

死霊術師「小さな村は戦火に飲み込まれ、飢えで苦しむ」

錬金術師「……それで、今回はどんな策で行くのかな?」

死霊術師「……無策」

錬金術師「へぇ~、君らしくない」

死霊術師「F地区防衛本部は大陸一の防衛力を誇る。 そこを真正面から壊滅させたら両国とも僕を無視できないだろう」

錬金術師「君は……魔王にでもなる気なのかな?」

死霊術師「それも良いかもしれないね。 ……今回は冷戦状態に持ち込めたら御の字だがな」

錬金術師「……」

死霊術師「僕がこの戦争を終わらせる」



67: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/07(土) 23:41:33.51 ID:IOQco5hmO

【王国内・2年前の城内】
大臣「さて、皆の意見を聞こう。 女騎士に小隊を組織する資格があるか」

女騎士「……」

槍隊長「彼女の軍への貢献は皆も知っているだろう? それを考慮すれば……」

隊長A「しかし、小隊と言えど小娘を隊長とするのはいかがなものだろうか?」

隊長B「隊長Aの言うことももっともだな」

重鎮「女が隊長になるのは……とは言わんが若すぎる」

猫背「むにゃ……むにゃ……ヘヘ……」zzz

大臣「審議するまでも無いか……」

女騎士「待ってください! 今の軍には遊撃部隊となり得る機動力を持つ小隊が……」

隊長A「君が私達より軍に必要なモノを知っているとは思えないがね?」

女騎士「……くっ」

剣豪隊長「カッカッカッ! 皆さん、お優しいことで」

女騎士「何が可笑しいのですか、剣豪隊長?」

剣豪隊長「解らんのか? 要するにお嬢ちゃんの実力が足りないって皆さんは言いたいんだ」

剣豪隊長「ザコモブに小隊を作る権利なんてねぇよ……てな」

槍隊長「言葉が過ぎるぞ、剣豪隊長!」

剣豪隊長「部下が可愛いのは解るが、色眼鏡の掛けすぎは良くないぞ……槍隊長」

槍隊長「色眼鏡など……」

猫背「……喧嘩は駄目」

剣豪隊長・槍隊長「!?」ビクッ

猫背「……むにゃ……ふぇ……」zzz

槍隊長「寝言か……」ホッ

女騎士「……槍隊長、ありがとうございました」

槍隊長「女騎士?」

剣豪隊長「ようやく諦めたか」

女騎士「……剣豪隊長、表に出ませんか?」

女騎士「私が本当にザコモブかどうか……判断してください」チャキン

剣豪隊長「カッカッカッ! 腹が痛い。 儂に向けて剣を向けたんだ……死ぬ覚悟は出来ておるな?」



68: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/07(土) 23:42:44.89 ID:IOQco5hmO

【王国内・F地区防衛本部】
女騎士「……久しぶりに嫌な夢を見た」

僧侶「女騎士さん、おはようございます!」

女騎士「あぁ、おはよう……魔術師は?」

僧侶「周辺の探索を……死霊術は準備が必要な魔術だから、準備を妨害出来れば被害を最小限に抑えられる……と言ってました」

女騎士「許可ぐらい取ってほしいものだ」

僧侶「ははは、そうですね。 でも、彼女の行動力には助けられて来ましたし」

女騎士「それもそうだな」

僧侶「……」

女騎士「……」

僧侶「そうだ、朝御飯作りましょうか? 」

女騎士「……なぁ、僧侶。 私に話しておきたいことがあるんじゃないか?」

僧侶「……ネクロマンサーの目的が甦らせたい人がいるからではない理由」

僧侶「……死体を甦らせたい人が……死体の中に爆弾を詰めるでしょうか?」

僧侶「死体が何時か甦ると思っている人が……爆弾なんて詰めれるでしょうか?」

女騎士「……」

僧侶「このネクロマンサーは死者が甦らないという結論に行き着いているのではないでしょうか……」

女騎士「……僧侶、君にも甦らせたい人がいるのか?」

僧侶「……いえ、もういません」



71: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/08(日) 08:35:09.70 ID:s+7bNQLlO

【王国内・F地区防衛本部】
剣豪隊長「……ほれ、もう一本打ち込んでこんか」

女騎士「くっ……怪我しても知りませんよ?」

剣豪隊長「カッカッカッ! まだ目が覚めておらんのか?」

僧侶「朝の訓練……にしては激しすぎませんか?」

剣副隊長「ここの防衛本部は大陸一落としにくい施設と言われてるのはご存じか?」

僧侶「ええ……」

剣副隊長「この施設は地理的には決して守りやすい場所ではなく、設備も正直充実しているとは言えん状況だ」

剣副隊長「それでも、ここは落とされない」

僧侶「それは何故です?」

剣豪隊長「ほれ、女騎士。 そんなことでへばっていたら何も守れんぞ?」

剣豪隊長「守りたいモノがあるならば強くあれ」

剣豪隊長「弱者に権利なんて者はない! カッカッカッ!!」

女騎士「私は弱者ではありません!!」ダッ

剣副隊長「皆が剣豪隊長と同じ志を持ち……日々鍛練しているからだ」

僧侶「強くあれ……か」



72: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/08(日) 08:55:52.35 ID:s+7bNQLlO

剣兵A「隊長! 剣豪隊長!!」

剣豪隊長「どうした?」パシッ

女騎士(剣を掴まれた)ガーン

剣兵「対軍用探知機に反応が!」

僧侶「対軍用探知機?」

剣副隊長「敵軍が進軍してきた時に方角、数などを測定する機械だ。 魔道商会に最近売り込まれてな」

僧侶「そんなモノがあるんですね」

剣豪隊長「敵国軍か?」

剣兵A「それが……死体の大軍のようで」

女騎士「ネクロマンサー……」グッ

剣豪隊長「カッカッカッ、本当に来よったか」

剣副隊長「集合!!」

剣兵s「はっ!!」

剣豪隊長「敵は世間を騒がしておるネクロマンサーだ! 儂にも女騎士にも遠慮はいらん! 武士達よ、武功を上げよ!!」

剣兵s「うぉおおおおおお!!」

剣副隊長「うぉおおおおおお!!一番槍は俺の者だ!!」

剣士B「待て、副隊長! 上司と言えどそれは譲れん!!」

剣士C「どけどけ!!」

僧侶「女騎士さん、一気に士気が上がりましたね? ……あれ?女騎士さん?」

剣豪隊長「カッカッカッ! 一番槍は儂に決まっとるだろ?」

女騎士「何を言う! 一番槍は私のものだ!!」

僧侶「混ざってる!?」

剣士A「……私だけは冷静でいよう」ハァ



73: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/08(日) 09:15:29.38 ID:s+7bNQLlO

【王国内・F地区洞窟】
錬金術師「もうすぐ防衛本部に死体軍が到達するね」

死霊術師「あぁ……」

錬金術師「不安なのかい?」ハァハァ

死霊術師「不安に決まっているだろ? 後、性癖は抑えといてくれ」

錬金術師「ごめん、ごめん」

死霊術師「防衛本部総戦力の5倍の死体軍を送ったがそれでも勝てるかどうか……」

錬金術師「流石に私一人じゃナイフも量産できないしね」

魔術師「へぇ、あのナイフを作っていたのは君なのか?」

死霊術師・錬金術師「!?」

魔術師「探知魔法が得意なものでね」

死霊術師「……何か用かな?」

魔術師「クククッ、君に興味がある」

錬金術師「なっ!?」

死霊術師「僕を討伐しに来たのでは?」

魔術師「僕の仲間は討伐する気満々なのだが……好奇心を抑えるのが苦手なものでね」

死霊術師「何が聞きたい?」

魔術師「君の目的。 何の為にテロを行う?」

魔術師「いや、なぜ死霊術を用いてテロを行うんだい?」

死霊術師「……だって」


死霊術師「命が勿体無いじゃないか」



78: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/09(月) 11:23:05.93 ID:ClK3tZIFO

【王国内・F地区防衛本部前】
剣豪隊長「おりゃ!!」ザンッ

死体1「ア……アァ……」バタン

剣豪隊長「カッカッカッ! ほれほれ、者共儂に続け!!」

剣副隊長・女騎士「うぉおおおおおお!!」ザンッ

死体2・3「アー……ァ」バタン

女騎士「一番槍はとられたが、討伐数では負けない!」

剣豪隊長「小娘に遅れを取るな!」

剣士s「うぉおおおおおお!!」

女騎士「私は……小娘じゃない!!」

剣豪隊長「それは己の剣で示してみせろ!……儂についてこい!!」

女騎士「うぉおおおおおお!!」

【王国内・F地区防衛本部司令室】
僧侶「女騎士さんが吼えてる……」

剣士A「兵士の質は此方が上ですが……数が多すぎますね」

僧侶「他の施設から援軍は?」

剣士A「既に要請しましたが……間に合うかどうか」

剣士A「僧侶さん、すみませんが負傷者の応急処置の指揮を取ってもらえますか?」

僧侶「はい!剣豪隊長も女騎士さんも戦ってるんです……私達も出来ることをしましょう!」

【王国内・F地区防衛本部前】
女騎士「剣豪隊長! あのナイフだ、あのナイフで刺された死体は動き出す!!」

剣豪隊長「よし! ナイフの破壊を優先せよ!! 仲間の死体でも遠慮せず切り伏せろ!! 死者の為に生者が死ぬ必要は無い!!」

剣士s「おう!!」

剣副隊長「剣豪隊長! 右方向に被害多数! 敵にも強者がおるようだ!!」

剣豪隊長「強者がいる? カッカッカッ、そんなことわかっとるわ!」

豪腕隊長「……」ザッ

剣豪隊長「……惨めだな、豪腕。 貴様の誇り高きあり方は敵だというのに嫌いになれんかった」

剣豪隊長「カッカッカッ! 湿っぽいのは性にあわんな。 元より敵だ! 儂は貴様の屍を越えていく!!」

剣士B「他にも王国、敵国の隊長の死体が多数……」

剣士C「先代豪腕までいやがる」

剣士D「こんなの……も……も……」

剣士B・C・D「燃えるじゃねぇか!!」



81: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/10(火) 00:08:04.38 ID:H2SYEJN9O

【王国内・F地区防衛本部付近】
錬金術師「中々苦戦しているね、君の死体達……」

死霊術師「……あの士気の高さには一種の狂気を感じるな」

死霊術師「!?」ビクッ

錬金術師「どうしたの?」

死霊術師「……今、剣豪隊長と目があった


錬金術師「嘘? 混戦状態の真っ只中で私達の気配を感じ取ったということ?」

死霊術師「移動しよう……追いかけてくれてきたら好都合だ」

魔術師「……」

死霊術師「それで、君はどうするんだい? 僕の目的が解った上で邪魔をするのかい?」

魔術師「いや……君についていこう」

錬金術師「は!?」

死霊術師「……あまり、大人数で行動する気は無い。 共感してくれたのは嬉しいが……」

魔術師「僕は国王軍の内情に詳しい……役に立つと思うが?」

死霊術師「……はぁ、勝手にすれば良い」



82: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/10(火) 00:10:40.81 ID:H2SYEJN9O

【王国内・F地区防衛本部前】
剣豪隊長(……あやつがネクロマンサーか?)

豪腕隊長「アァ!!」ブンッ

初代豪腕「アゥアアァ!!」ブンッ

剣豪隊長「くっ!」ガキン

剣豪隊長(動きは生前の方が鋭いが、体が頑丈になっておるな……弄られたか?)

剣豪隊長(今、儂がこの場を離れるわけにはいかんか……)

剣副隊長「……ふんっ!!」ザンッ

豪腕隊長「アッ……ウグゥ」グラ

剣副隊長「……大丈夫ですよ」

剣豪隊長「む?」

剣副隊長「我々だけで抑えきってみせますので、行ってください!」

剣豪隊長「……カッカッカッ! 豪腕とやりおうてみたいだけだろ?」

剣副隊長「えぇ、先程から武者震いが止まりません」ニヤ

剣豪隊長「……死ぬなよ? 剣副隊長」

剣副隊長「おう!!」

剣士B「おりゃ!」ザン

剣士C「アー……アァ……」バタン

剣士B「ははは、クソ!クソ!……クソが!!」ポロポロ



85: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/10(火) 13:53:11.88 ID:fYZ/Ms6jO

【王国内・F地区洞窟】
剣豪隊長「よう、ネクロマンサー。 陰気な手で人を攻め立てよって……追い詰められた気分はどうだ?」

死霊術師「この死体の数を見ても、僕が追い詰められたと思うのか?」

死体s「アー……アァー!」

剣豪隊長「当たり前だろ? 儂を誰だと思っとるんだ?」チャキン

死霊術師「……剣豪隊長。 世界が魔王に支配されそうになった時、伝説の勇者と共にそれを止めた英雄の一人」

剣豪隊長「カッカッカッ、英雄と言われるのは照れるが……魔王に立ち向かった儂が今更ら死体ども相手にビビるわけが無かろう?」

死霊術師「……魔王と立ち向かった時は4人だったんだろ?」

剣豪隊長「……そうだが? それがどうした?」

死霊術師「一人でも……魔王を倒せる自信はあるかな?」

剣豪隊長「……貴様、まさか?」

魔王「…………」ゴゴゴゴゴ

魔王「アァ……アァ……」

剣豪隊長「魔王の死体! 何故ここに!?」

魔王「アァアヴァアアァ!!」

死霊術師「これが、僕の最高傑作だ」



86: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/10(火) 14:24:54.21 ID:fYZ/Ms6jO

【王国内・F地区防衛本部前】
女騎士「はぁ!!」ザンッ

剣副隊長「……ア、アァ……」バタン

剣士B「」

剣士D「F地区の精鋭達がこれだけしか残らんか……」

女騎士「死体どもが退いていく……追わねば」

剣士A「深追いは禁物です」

剣士D「剣士A……解った」

女騎士「くっ……私は何も守れなかった」

剣士B「」

剣士C「」

剣副隊長「」

僧侶「女騎士さん……」

女騎士「剣豪隊長に……剣豪隊長に顔向け出来ん」グッ

剣士A「ところで、剣豪隊長は何処に?」

剣士D「ネクロマンサーを見付けた見たいでな……」

剣士E「……噂をしたら戻ってこられたぞ!」

剣豪隊長「」ヨタヨタ

女騎士「剣豪隊長……?」

剣豪隊長「アーァア……」

僧侶「そんな……」



87: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/10(火) 14:26:05.85 ID:fYZ/Ms6jO

【王国内・2年前の城内】
隊長A「……何れぐらいに経った?」

隊長B「一時間以上は……」

女騎士「はぁはぁ」

剣豪隊長「カッカッカッ、もうバテたのか? 女騎士?」

女騎士「まだまだ!!」

重鎮「剣豪隊長が手を抜いてるのでは無いのか?」

槍隊長「いえ、剣豪隊長は本気です」

隊長A「……くっ」

隊長B「なんと……」

猫背「……ここにいる何人が、剣豪の初手を受けられるのかな~?」

猫背「ザコモブは誰なのかな~?」

隊長A・B「何だと!?」

猫背「すぴ~……すぴ~……」zzz

大臣「もうよい! もうよい!! 双方剣を収めよ」

大臣「女騎士の実力……しかとこの目で見た。 私の権限により、女騎士小隊の設立を許可する!!」

女騎士「……あ、ありがとうございます」



88: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/10(火) 14:26:47.56 ID:fYZ/Ms6jO

【王国内・2年前の城下町入口】
槍隊長「もう、帰るのか?」

剣豪隊長「見送りに来てくれたのか? F地区のバカ共に稽古をつけないといけないからな」

槍隊長「……何故、女騎士と本気で斬りあった?」

剣豪隊長「別に……ただ、生意気なところが昔一緒に冒険した女に似てたから」

剣豪隊長「ムカついただけだ」

タッタッタッ

女騎士「はぁはぁ、剣豪隊長……」

剣豪隊長「何だ? 続きでもしに来たか?」

女騎士「本気で……本気で相手をしてくれてありがとうございました!」

剣豪隊長「……小娘、守りたいモノがあるんなら強くなれ」

女騎士「はいっ! 鍛練を怠りません!!」

剣豪隊長「剣の話じゃない。 心の話だ」

剣豪隊長「守りたいモノがあるなら、心を強く持て。 どんなに恐ろしい相手でも己を魂を燃やし、立ち向かえ」

剣豪隊長「カッカッカッ、 わざとらしくても笑ってみせろ!!」

剣豪隊長「それだけ、出来たら小娘って呼ぶのを止めてやる」カッカッカッ



90: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/10(火) 20:37:33.00 ID:39mEFS8TO

【王国内・F地区防衛本部前】
剣豪隊長「キ……」シャキン

剣士A「……皆さん、来ますよ」

剣士D「嘘だろ? ……剣豪隊長が……やられるわけが」

剣士A「剣士D、哀しむのは後です」ツー

剣士D「へっ、泣きながら言ってんじゃねぇよ」シャキン

剣豪隊長「アァ!!」ザシュ

女騎士「なっ!」

僧侶「……」

剣士E「……剣豪隊長」

剣士A「自らの……体に……」

剣豪隊長「……キ……レ……オンナ……キシ」

女騎士「そんな、何故私に……」

剣豪隊長「コムスメ……ジャ……ナイ……シメシテ……セヨ」

女騎士「……解りました」シャキン

剣豪隊長「ア……リガ……ト……ヨ」

女騎士「此方こそ……ありがとうございました」

ザシュ



91: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/10(火) 20:50:05.35 ID:39mEFS8TO

【王国内・F地区教会跡地】
僧侶(剣豪隊長が亡くなってから3日が経ちました)

僧侶(大臣様が敵国の大臣と会合を開き、一時的に休戦協定を結ぶ準備をしているそうです)

僧侶(女騎士さんは何時も以上に鍛練に打ち込んでいます)

僧侶(魔術師は……何処かに行ってしまいました)

僧侶「……はぁ、こんなことしてて良いのかな?」

僧侶(魔術師が失踪した為、女騎士小隊が解体されました。 ネクロマンサー討伐隊が編成される予定なので、正式に配属されるまで休暇を与えられました)

僧侶「……ネクロマンサーは結局何を企んでいるんだろう」



96: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/10(火) 23:19:41.43 ID:H2SYEJN9O

【王国内・教会本部地下牢】
元聖母「退屈ね……何もない1日って嫌いだわ」

看守「休戦始まった。 ……何もない日じゃない」

元聖母「私には関係無い話よ」

看守「……英雄の死?」

元聖母「人は死ぬもの。 英雄も例外じゃないというだけのこと」

元聖母「それに……どちらも過去にあったことだしね」

看守「???」

元聖母「……貴女って本当に無知ね。 可愛いわ」

看守「……」テレテレ

元聖母「退屈しのぎに、そうね……少し歴史の授業をしてあげる」


元聖母「魔王が現れたのは15年前。 村や街に多大な被害を与え、今回の死霊術師と同じく両国が休戦協定を結び対処することになった」

看守「……」メモメモ

元聖母「ふふ、勉強熱心ね」

看守「知恵を仕入れる……それは楽し」フンス

元聖母「そう。 続けるわね?」

元聖母「両国がそれぞれ、勇者を選抜して魔王討伐を命じたわ。 勇者達は5年間の冒険を経て魔王の討伐に成功したの」

看守「元聖母」スッ

元聖母「何かしら? 看守ちゃん」

看守「魔王を討伐したのは王国の勇者? 敵国の勇者?」

元聖母「ふふ、 どちらかしらね。 その議論も戦争再開のきっかけになったわ」

看守「……も?」

元聖母「魔王を討伐した王国側の魔法使いと敵国側の賢者はこれを機に戦争を未来永劫凍結するように訴えた」

元聖母「後で僧侶友ちゃんにでも資料を見せて貰いなさい。 二人とも、声を枯らすほどに必死に世界に訴えていたのよ」

看守「かっこいい! それからどうなった?」ワクワク

元聖母「二人が暗殺されたわ」

看守「……え」

元聖母「それをきっかけに戦争は再開。 ふふ、平和を訴えた二人の死がきっかけなんて……良い喜劇ね」

看守「……英雄の死」

元聖母「ええ、呆気ないものね」

看守「……他の勇者の仲間は?」

元聖母「勇者は今も国王軍に属しているはずよ? 勇者と冒険した僧侶は……」クス

看守「……?」

元聖母「きっと何処かでのたれ死んでいるんじゃないかしら……どんくさい娘だったから」

ガチャ

僧侶友「看守! ご飯の時間よ?」

看守「ご飯! ご飯!!」

看守「元聖母、また色々教えてくれ」

元聖母「ええ、良いわよ」ノシ




97: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/10(火) 23:20:52.14 ID:H2SYEJN9O

僧侶友「……何を教えてたんですか?」ジトー

元聖母「安心して、死霊術とは関係無いことよ」クス

元聖母「ただの歴史の授業……」


勇者『空は何で青いのかな~?』

魔法使い『勇者! ちゃんと前を向いて歩きなさい!!』

剣士『カッカッカッ! 魔法使いは勇者のオカンか?』

魔法使い『誰がオカンよ!!』

僧侶『ふふ……オカン……』クスクス

魔法使い『僧侶ちゃんも笑わないでよ!』


元聖母「―そう、ただの昔話よ」クスクス



100: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/11(水) 09:10:31.79 ID:TT0HRT2RO

錬金術師(私の朝は死霊術師の作った朝御飯から始まる)

錬金術師「いただきます」

死霊術師「召し上がれ」

錬金術師(私が食事を取っている間、彼は新聞に目を通せば)

死霊術師「……あれだけ殺してやっと休戦か」

錬金術師(罪悪感に押し潰されそうな……辛そうな顔をするのである)

錬金術師(訂正しよう……私の朝は死霊術師をオカズにするところから始まる)

錬金術師「……マジ勃○もんやで」ハァハァ

死霊術師「何か言ったか?」

錬金術師「別に何も言ってないよ」アセ

錬金術師(死霊術師と行動をするようになって2年、最初は彼の戦争を止めると言う目標に共感してついていっていたのだが……)

錬金術師(いつの間にか死霊術師の辛そうな顔に興奮してしまうようになってしまった)

錬金術師(……私は変態なのだろうか?)クチャクチャ

死霊術師(錬金術師、またクチャクチャ言っているな? 口閉じているのに……)

?「おはよう」

錬金術師(最近そんな私の日常を邪魔する存在が現れた)

死霊術師「おはよう……魔術師」

錬金術師「おはよう、魔術師ちゃん」

魔術師「良い匂いだね……僕の分も用意してくれたのかい?」

死霊術師「あぁ、口に合えば良いが」

魔術師「……朝からそんな顔をしていると1日もたないぞ?」

死霊術師「ははは、そうかも知れないね」

魔術師「あぁ、そうだ。 君の死霊術に関する資料を見させてもらったよ」

死霊術師「え……僕の部屋に勝手に入ったのか?」

魔術師「すまない、好奇心が抑えられなかった」ククク

死霊術師「はぁ……勝手にしろとは言ったがプライバシーまで犯して良いとは言ってない」

魔術師「そう怒らないでおくれ。 それよりも、死霊術の魔力コストについて気になる点があるんだが……」

錬金術師(この女、魔術師である。)ゴゴゴゴゴ

錬金術師(死霊術師が辛そうな顔をしていれば励まし、悩んでいたら相談に乗り、私のオカズを減少させる悪女)

死霊術師「確かにその方法なら死霊術にかかるコストを下げられるか……上手く出来ればだが」

魔術師「使役魔術の効果持続の手法だが、応用可能だと思うぞ? 今日やることが無いなら試してみよう」

死霊術師「あぁ、魔術師が食べ終わったらやってみよう」

錬金術師「わ、私も一緒に……」

魔術師「君は今日はナイフの作成をするんじゃなかったのかい?」

錬金術師「そ、それは……」

魔術師「少人数で大きなことをするんだ。 それぞれが役割を果たしていかないといけないのでは?」

死霊術師「……君達はあくまで脅されてやっている、ということにしておいてくれ?」

魔術師「おや、僕は脅されていたのかい? 逆らったどうなるのかな?」

死霊術師「えっ……あの……お、犯す」

魔術師「ククク、それは楽しみだね」

錬金術師(おのれ……魔術師め)メラメラ




101: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/11(水) 09:11:10.10 ID:TT0HRT2RO

死霊術師「ところで、魔術師……れいの件だが」

魔術師「あぁ、昨晩考えて見たが槍隊長が適任だろうな」

死霊術師「どうやって連絡をとる?」

魔術師「僧侶は休暇を与えられたら、必ず昔住んでいた教会に戻るんだ」

死霊術師「……あぁ」

魔術師「だから、僧侶に渡して女騎士君経由で槍隊長に届けて貰おう」

錬金術師「……な、なんの話?」

魔術師「おや? 錬金術師には次の作戦について話してないのかい?」

死霊術師「錬金術師が知る必要は無い」

錬金術師「」ガーン

錬金術師「し……死霊術師のバカ!!」ダッ

死霊術師「錬金術師……食べ終わった食器はちゃんと流しに浸けてくれって何時も言ってるだろ?」

魔術師「いや、それを注意している場合じゃないと思うぞ?」

錬金術師「……」バッ

魔術師「あっ、戻ってきた」

錬金術師「……」カチャカチャ……ポチャン

魔術師「ちゃんと流しに浸けた!」

錬金術師「死霊術師のバカ!!」ダッ

死霊術師「錬金術師、食べ終わったらちゃんとご馳走様と言えと言っているだろ?」

錬金術師「ご馳走さま!!」

魔術師「……君達は本当に仲が良いな」



105: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/11(水) 20:46:45.91 ID:ugHtGVrhO

【王国内・F地区教会跡地】
僧侶「……女騎士さん、来ないな」

僧侶(ネクロマンサー討伐隊が編成されたら、連絡しに来てくれると言ったのに……)

僧侶「まだかな?」

魔術師「恋人でも待っているみたいだね」

僧侶「ま、魔術師!!」ガバッ

魔術師「やぁ、僧侶。 相変わらずこの教会には良い茶葉を置いてるね」ズズー

僧侶「何処から入ったの? というより……どこ行ってたの?」

魔術師「ククク、それは言えない」

僧侶「はぁ、全く……出会った時から変わらないね」

魔術師「君のような理解者がいて助かるよ」

僧侶「……ネクロマンサーの元にいるんでしょ?」

魔術師「……」

僧侶「何で……女騎士さんを裏切ったの? 好奇心を優先して?……そんな、そんな言葉じゃ許せないよ」

魔術師「……死霊術師に共感した」

僧侶「……何……言ってるの?」

魔術師「彼はこの戦争を終わらせようとしている……終わるはずの無いこの戦争を……」

僧侶「解らない……魔術師が何言ってるのか解らない……」

魔術師「この手紙を槍隊長に渡してくれ……女騎士君経由でならすぐに届くだろ?」

僧侶「……自分で渡したら良いでしょ?」

魔術師「……死霊術師が待っているんだ」

僧侶「私が逃がさないって言ったら?」

魔術師「僕にここで魔法を撃たせ無いでおくれ……君の大事な場所を傷付けたくない」

僧侶「……」

魔術師「さよなら……僧侶」

【王国内・F地区教会跡地前】
魔術師「無用心だな……僧侶に顔を見られるぞ?」

死霊術師「彼女とは既に知り合いだ……十分誤魔化せる」

魔術師「……」

死霊術師「君は僕に共感したと言った……しかし、それだけでは納得できない」

死霊術師「君にとって彼女達がそんな理由だけで裏切れる存在だとは……思えない」

魔術師「君に……何が解る」

死霊術師「君が辛いのが解る……本当に正しいことをしているのか不安だと言うことが解る……僕も同じだから」

死霊術師「それでも……僕にはこの戦争を止めたい理由がある。 君にはその理由はあるのか?」

魔術師「理由?」


僧侶『魔術師は何で軍に入ったの?』

魔術師『ククク、戦場に興味深いモノが転がってるかも知れないだろ?』

魔術師『そういう君は何で軍に入ったんだい?』

僧侶『私? ……私はね』

僧侶『少しでも早くこの戦争を終わらせたくて入ったんだ』


魔術師「ただの好奇心さ。 平和というものが本当にあるのか知りたくてね」



108: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/12(木) 09:05:09.99 ID:uO85gXLgO

【王国内・城内槍隊長の部屋】
コンコン
槍隊長「どうぞ」

女騎士「……失礼します」ムス

槍隊長「おぉ、女騎士。 久しぶりだな。 ……どうした?」

女騎士「何でもありません……ネクロマンサーからの手紙を届けに来ました」

槍隊長「手紙? 中身は?」

女騎士「受取人本人しか開けられないように封印が施されておりまして」

槍隊長「ふむ……」ペラ

女騎士「槍隊長は部下に裏切られたことはありますか?」

槍隊長「あるぞ? 後ろから刺された」

女騎士「……その時、どう思いました?」

槍隊長「そうだな……ただ、不甲斐ないと」

女騎士「不甲斐ない?」

槍隊長「どうしてその者に裏切らせてしまったのか」ペラペラ

槍隊長「どうしてその者が裏切らないといけない状況になる前に気が付けなかったのか」ペラペラ

槍隊長「そう思うとな……隊長としての自分が未熟で不甲斐なく思う」

女騎士(私はそんな考え方出来ません……槍隊長)

槍隊長「さて……どう動いたものか」

女騎士「手紙の内容は何だったんですか? ……もしや、襲撃予告!?」ハッ

槍隊長「その方がましだった。 ……女騎士、これは」

槍隊長「軍の不正に対する告発文だ」

女騎士「へ?」

槍隊長「もう少しちゃんと説明すると、王国軍と敵国軍の相互的資金援助についての告発文だな」

女騎士「相互的資金援助?」

槍隊長「あぁ、魔道商会という組織を通して片方に物資の不足が生じたら、もう片方が援助するという仕組みらしい」

女騎士「それって……つまり」

槍隊長「あぁ、上層部はこの戦争を終らせる気がない」グッ

女騎士「……なっ」




109: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/12(木) 09:05:59.31 ID:uO85gXLgO

女騎士「そんなわけありません! 軍に何の得があるというのですか!!」

槍隊長「……今、この国は軍事産業により経済が支えられている。 鍛冶、医療、食料……その他の事業の中心には軍が深く関わっている」

女騎士「そんな……」

槍隊長「それらを掌握している軍部には……権力が集中している」

女騎士「槍隊長は軍部が権力の保持の為に戦争を続けているとおっしゃりたいのですか?」

槍隊長「以前から違和感はあった。 相手を追い詰めても理由を付けては攻めきらない」

槍隊長「魔道商会の中立的な立場を許容していることにも疑問があった」

女騎士「こんな資料、ネクロマンサーが偽装したものに違いありません」

槍隊長「もちろん、その可能性はある」

槍隊長「女騎士、君は魔道商会について調べてくれ。 私は上層部を調べる」

女騎士「槍隊長!?」

槍隊長「私は!! ……もう嫌なんだ。 戦争で部下が死ぬところを見るのは……もう嫌なんだ」

女騎士「……ネクロマンサーは信じられません」

女騎士「しかし、私も戦争を止めたい」

女騎士「槍隊長からの任……この女騎士果たさせていただきます!」ピシッ

槍隊長「あぁ、任せた」

女騎士「では、失礼します」

槍隊長(大事になってきたな)

槍隊長(形だけの王族は何の権限も無い。 今、軍部を牛耳っているのは……)

槍隊長「……大臣殿」グッ



110: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/12(木) 12:38:49.90 ID:XKkmgC/wO

【中間都市・会議室】
大臣「予期していたより大事になりましたな……敵国の大臣殿」

敵大臣「えぇ、そうですな……王国の大臣殿」

大商人「しかし、ビジネス(戦争)を中止してまで対処するほどの相手ですか? そのネクロマンサーと言う男は」

大臣「放置しておいたら魔道商会にも何れ、火の粉が降りかかるであろう」

大商人「……つまり、彼の目的は」

敵大臣「我々のビジネスを壊滅させることであろうな」

大臣「さて、討伐隊を編成しようと思うのだが……」

敵大臣「そちらの女騎士小隊が討伐を任されていたのでは?」

大臣「彼女らを中心に編成することを考えておったが……隊員の一人が行方不明になったらしくな」

大商人「行方不明……で、ございますか?」

大臣「恐らく、ネクロマンサー側についたのであろう」

敵大臣「なるほど、ならば編成からは外した方が無難だな」

大臣「他に適任者はおらんか?」

敵大臣「豪腕隊長の副隊長……奴の復讐心は利用できそうだが」

大商人「豪腕隊長の頭脳……と呼ばれた方ですか?」

大臣「其奴なら適任だろう……我が軍も苦しめられた」

敵大臣「苦しめられた? ふふ、兵士が一人死ぬことは食扶持が一人居なくなることと変わらんと言ったのは誰であったか?」

大臣「まぎれも無く私だ」ハッハッハッ

大臣「では、豪腕の頭脳を中心に両国共同で討伐隊を編成するとしよう」

敵大臣「……心配なのは、ネクロマンサーの討伐後スムーズにビジネスが再開出来るか否かだな」

大商人「魔王の討伐後も戦争を止めるように訴える連中がいましたしね」

大臣「そうなれば、また彼に始末して貰えば良い」

敵大臣「……彼? あぁ、そちらの」

「―勇者様か」

密偵「……槍隊長に伝えなければ」

?「そんなところで何してるのかな~?」

密偵「貴方は……ぐふっ」

?「軍に逆らうなんていけないな~」



114: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/13(金) 09:45:22.18 ID:kzsIwyNfO

【中間都市・魔道商会本部】
僧侶「教会本部に負けず大きな建物ですね」

女騎士「……あぁ」

僧侶「さ、早速入りましょう! 中には色々な魔道具があるみたいですよ!」

女騎士「そうみたいだな……」

僧侶「仕事なのに少しワクワクしちゃいますね! なーんて……」

女騎士「…………」

僧侶「女騎士さん……魔術師はきっと」

女騎士「うあぁぁぁああ!!」

僧侶「わっ!!」

女騎士「魔術師は裏切ってないじゃないか! 戦争を止めるために死霊術師を利用しようとしているだけだ!!」

僧侶「へ?」

女騎士「なのに私は彼女を信じれず……何が女騎士小隊だ!」

僧侶「えっと、あの……」

女騎士「すまん、僧侶……頭の中整理していた。 もう大丈夫だ」ニコ

女騎士「魔術師が私を裏切るなんて、よくよく考えたらあり得るわけが無いからな」ウンウン

僧侶「……女騎士さんのそういうとこ凄いと思います」

女騎士「む? そうか?」テレテレ

僧侶(照れてる、可愛い)

女騎士「ネクロマンサーは許せんが、魔術師を私は最後まで信じる!」

僧侶「はい! 一緒に戦争を止めましょう!!」

【物陰】
死霊術師「……何で魔道商会本部の前であの二人は堂々とあんな話をしてるんだ?」

魔術師「女騎士君は脳筋だし、僧侶は人の気持ちは読めるけど空気は読めないところがあってだな……」

魔術師「全く、僕がいないと……」クドクド

死霊術師「今からでも戻ったらどうだ? 彼女達のこと好きなんだろ?」

魔術師「君にも僕が必要だろうからね」

死霊術師「……さぁ、どうかな」

死霊術師「しかし、ついていないな。 魔道商会への襲撃が彼女達の訪問と被るとは」

魔術師「ククク、確かに……嫌な縁だ」



115: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/13(金) 09:46:41.77 ID:kzsIwyNfO

【中間都市・魔道商会本部】
商人A「国王軍の女騎士様でございますね」

女騎士「あぁ、少し尋ねたいことがあってな」

商人A「左様で……何でございましょう?」

女騎士「貴様らが戦争状態を維持させようとしているとは本当か?」

僧侶「おおおお、女騎士さん! 直球過ぎませんか? そんな聞き方したら」

商人A「はい、本当でございます」

僧侶「答えた!?」

女騎士「自白するのだな?」

商人A「自白?……我々は何一つとして悪いことはしておりませんよ?」

女騎士「何?」

商人A「我々は商人です。 自分達が儲かる状態を維持させるのは当たり前のことでしょう?」

女騎士「……それで、人が死んでもか?」

商人A「ははは、人が死んで哀しむ前に臓器の値段を考えるのが性分でして」

商人A「もっとも……我々が戦争状態を保持させたくても、ま・さ・か軍部がそれを許すわけありませんがね」

僧侶(何だろ……軽くあしらわれている気がする)

女騎士(あくまで、責任は両国の軍部にあると言いたいのだろう)

女騎士「両国の軍部が魔道商会を通して資金援助をし合っていると聞いたが……」

商人A「お金は動くものでございます。 会計上、そう捉えられる場面はあるかも知れませんね」

女騎士「…………」

商人A「……ご用はお済みで?」

僧侶「……あの、私からも良いですか?」

商人A「構いませんが……貴女は?」

僧侶「女騎士小隊所属の僧侶と申します」

僧侶「あの……国王軍と魔道商会の取引明細を見せていただけますか?」

商人A「全てですか? ……構いませんが、膨大な量になりますよ?」

僧侶「はい、それでも構いません」

商人A「……畏まりました。 此方にお越しください」

女騎士「僧侶……そんなもの見てどうする?」コソコソ

僧侶「明細上にあるのに軍備に無いものを見付ければ……魔道商会が両軍と結託している証拠になるかと……」コソコソ

女騎士「なるほどな……」

女騎士(しかし、証拠となり得るモノがあるならこの男がもう少し焦りそうだが……)



116: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/13(金) 09:47:21.63 ID:kzsIwyNfO

【中間都市・魔道商会本部】
死霊術師「ここから先は僕一人で潜入する」

魔術師「あぁ、承知した。 僕の仕事は逃走経路の確保だね?」

死霊術師「仕事じゃない……脅されて嫌々やらされていることにしてくれ」

魔術師「何て脅されてるんだっけ?」ニヤニヤ

死霊術師「……君は……本当に……」

魔術師「全く、従わなければ殺すぐらい言ってみなよ?」

死霊術師「人は死んだら生き返らない……命と言うのはそんな……軽いものじゃないんだ……」

魔術師(それが解っていながら、奪ってきた自分への罪悪感か……)

魔術師(しかし、何と言うかこの顔……ゾクゾクするな)

死霊術師「とにかく、君は一度錬金術師と合流して……」ストーン

魔術師「し、死霊術師!?」

魔術師(……落とし穴に落ちる人……始めて見たな)



117: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/13(金) 09:48:04.35 ID:kzsIwyNfO

【中間都市・魔道商会本部資料室】
僧侶「……す、すごい……量ですね


商人A「ええ、どうぞご自由にお調べください」

女騎士「あぁ、ありがとう……では、早速……」ストーン

僧侶「女騎士さん!!」

商人A「おっと、これは申し訳ありません。 防犯設備を解除するのを忘れていました」

僧侶「……女騎士さんは何処に行ったんですか?」

商人A「安心してください、私が迎えに行ってきますので」

商人B「……」サッ

商人A「女騎士さんをお連れするまで、貴女は大人しく……死んでおいてくださいね」ニコ

僧侶「……へ?」

商人B「……」ザンッ



118: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/13(金) 09:48:45.74 ID:kzsIwyNfO

【中間都市・魔道商会本部地下】
死霊術師「くっ……警戒を怠った僕のミスだな」

ドサッ

女騎士「いたた……罠にはめられたのか? 僧侶は!?」

死霊術師「……」

女騎士「……」

死霊術師(…………やばい)

女騎士「貴様、何者だ?」シャキン

死霊術師「君の敵ではない……」ダラダラ

女騎士「国王軍所属なのか?」

死霊術師「……そ、そういうわけでも
無いが」ダラダラダラダラ

女騎士「貴様……もしや、ネクロマn」

キマイラ「ガルルルル」

女騎士「なっ、何だこいつは?」

死霊術師「キマイラ? なるほど、侵入者は餌にされるということか」

女騎士「餌だと!? 喰われるわけにはいかん」

死霊術師「あぁ、僕もここで死ぬ気は無い……」

女騎士「よし! 戦うぞ!!」
死霊術師「それでは、逃げようか」

女騎士「お前とだけは相容れん!!」



119: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/13(金) 09:49:27.20 ID:kzsIwyNfO

【中間都市・魔道商会本部資料室】
商人A「クッ……何故、私を……」

商人B「ア……アーァ」

僧侶「これは、死霊術?」

僧侶(私には攻撃してこない……?)

僧侶「……はっ、女騎士さんを探さないと」

僧侶(ネクロマンサーがいるなら魔術師も来ているのかな?)



120: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/13(金) 09:50:57.89 ID:kzsIwyNfO

【中間都市・魔道商会本部地下】
死霊術師「まさか、本当に倒すとはな」

女騎士「ふん、ネクロマンサーがこんな臆病者だとは思わなかった」

キマイラ「アー……」ダッダッダッ

女騎士「こんなやつに……剣豪隊長は」

死霊術師「……すまない」

女騎士「許せるわけが無いであろう……貴様は……人の命を何だと思っているんだ?」

死霊術師「……すまない」ツー

女騎士(……泣いている、のか?)

死霊術師「思ったより、地下は広いが、キマイラの足ならばすぐに出られるだろう」

女騎士「……自分が殺したキマイラに乗るとは、変な気分だ」

死霊術師「あぁ、死霊術とは陰気な魔術だからね」

女騎士「ならば、何故それを使う? 愛する人でも甦らせたいか?」

死霊術師「……そんなことをしても、愛する人を哀しませるだけだ」

死霊術師「生者を使ってテロを起こせば、より多くの人が死ぬ」

死霊術師「ただでさへ、休戦状態に追い込むまで両軍に死者を出したと言うのに……これ以上死者を出すわけにはいかないだろ?」

女騎士「……貴様の考えは理解した。 その上で……私は貴様が憎い」

死霊術師「ならば、戦争が終わったら僕を君の手で処刑すれば良い」

女騎士「何?」

死霊術師「禁術に手を染めた時から覚悟を決めていた」

死霊術師「その代わり……僕をこの戦争関係の最後の死者にすると約束してくれ」

女騎士「……」

死霊術師「……」

女騎士「……解った」



121: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/13(金) 09:51:44.50 ID:kzsIwyNfO

【中間都市・郊外】
錬金術師「……死霊術師、大丈夫かな?」

魔術師「彼なら大丈夫だろ……悪運が強そうだしね」

錬金術師「意外かも知れないけど、ハプニングに弱いのよ? 死霊術師は」

魔術師「では、これ以上ハプニングを起こさないように指定された場所で待機しておこう」

錬金術師「……心配じゃないの? お仲間さんのこと」

魔術師「ククク、死者達に指定した人物を襲わせない方法を死霊術師と開発したからね」

錬金術師「……貴女は軍にいるより、研究機関とかの方が向いてそうね」

魔術師「うっ、先生と同じことを……」



122: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/13(金) 09:52:29.28 ID:kzsIwyNfO

【中間都市・魔道商会本部】
僧侶「はぁはぁ……女騎士さんは何処に?」

死者s「アーァァ……アァー」

商人C「警備の者達は何をしている?」

会計「それが、警備の者たちから優先的に死霊術の被害に……」

商人C「くそっ、死者を紛れ込ませていたのか?」

会計「ネクロマンサーの狙いは何でしょう?」

商人C「恐らく……特務文書であろうな」



123: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/13(金) 09:53:54.08 ID:kzsIwyNfO

【中間都市・魔道商会本部地下】
女騎士「特務文書?」

死霊術師「あぁ、大臣同士の会合で話し合われたことを記したモノでな」

女騎士「それを手に入れれば、動かぬ証拠になるわけか」

女騎士「しかし、何処にあるか解るのか?」

死霊術師「優秀な魔術師が仲間にいてね……占術的手法と建物の構造から予測をたててくれた」

女騎士「ふふふ、彼女は優秀だからな」

死霊術師「……彼女のことを許してやってくれ」

女騎士「許すも何も魔術師は悪いことをしていない」

女騎士「戦争を止めるために動いているだけだ。 その為にネクロマンサーを利用しているだけだ」

女騎士「彼女は私を……私達を裏切っていない」

死霊術師「……君は」

女騎士「なんだ?」

死霊術師「君は素敵な人だな」

女騎士「なっ!!」///

死霊術師「もうすぐ、地上に出るぞ? 地上に出たら、今乗っているキマイラを暴れさせて囮にする」

死霊術師「その間に君が特務文書を取りに行ってくれないか? そして、槍隊長に届けてほしい」

女騎士(男の人に素敵と初めて言われた)///

死霊術師「聞いてるのか?」

女騎士「ハ、ハイ」



124: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/13(金) 09:54:49.26 ID:kzsIwyNfO

【中間都市・魔道商会本部】
僧侶「この扉が地下に繋がっているのでしょうか?」ガチャ

キマイラ「アー……」

僧侶「~~~!!」パキン

女騎士「……僧侶、大丈夫だ」

死霊術師「彼女は何をやっているんだ?」

女騎士「僧侶は怯えると結界魔法を張り、その中に引き込もってしまうところがあってだな」

死霊術師「かなり頑丈な結界魔法のようだが……これを一瞬で?」

女騎士「ふふふ、僧侶も優秀だからな」フンス

僧侶「ビックリした。 女騎士さん、無事で良かったです。 あれ?何で旅人さんが?」

女騎士「知り合いか? こやつがネクロマンサーだ」

僧侶「」アングリ

死霊術師「とにかく、君達は特務文書を……囮は僕が引き受ける」

女騎士「先程は逃げようとしていた癖に……勇ましいじゃないか?」

死霊術師「ここにはたくさん死体(武器)が有るからね」

女騎士「やはり、貴様は外道だ」

死霊術師「あぁ、僕は外道だ。 しかし、生者を食い物にするこのシステムを壊せるなら」

死霊術師「僕は外道でも構わない」

死霊術師「死者を犠牲にしてでも生者を救う……それが僕が」

死体s「…………ァ……ア……アァ」ユラリ

死霊術師「死霊術を使う意味だ!」



125: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/13(金) 09:55:29.82 ID:kzsIwyNfO

【中間都市・会議室】
商人C「はぁはぁ……大商人殿」ミミウチ

大商人「……なんと! すみません、大臣様……私、少々野暮用が出来てしまいましたので先に失礼いたします」

敵大臣「む? そうか? 久しぶりにゆっくり話したかったのだが……」

大臣「何やら緊急事態のようだな……彼を貸そうか?」

大商人「いえいえ、結構でございます」

大商人(王国側の人間にも、敵国側の人間にも見られたら都合の悪いものがありますので……とは、言えないな)

大商人「あくまで、魔道商会の問題でございますので。 では、失礼」サッ

大臣「食えん男よ」

敵大臣「此方の軍に所属していた時から変わっておらん」

大臣「あぁ、当時はまさか商人になるとは思わなかったものだ」



126: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/13(金) 09:56:23.39 ID:kzsIwyNfO

【中間都市・魔道商会本部】
女騎士「この部屋に特務文書があるはずだが……」

僧侶「これでしょうか?」

女騎士「恐らくな……しかし、取ろうとしてまた落とされたらどうしよう」

僧侶「確かに罠が有るかも知れませんね」

女騎士「……僧侶、危ないから下がっておいてくれ」

僧侶「いえ、女騎士さん、私が取ります」

女騎士「しかし……」

僧侶「結界魔法で貼って取れば大抵の罠には対処出来ますから」ピキーン

僧侶「……それでは、取りますよ」

女騎士「……何も起こらんな」

僧侶「みたいですね……撤退しましょうか」

女騎士「あぁ、そうだな」

ガチャ

大商人「やはり、狙いは特務文書でしたか?」

女騎士「むっ、何者だ?」

大商人「私は大商人……此方の責任者でございます」

女騎士「大商人……そうか、貴様が」

大商人「その資料……返して貰えませんかね? 騎士様か強盗などするべきでは無いと思いますが」

女騎士「申し訳ないが、国を守るのが騎士の役目でな」

大商人「その文書は国を崩壊させるモノですよ?」

女騎士「返して欲しければ……力付くで来い」

大商人「良いのですね?」

大商人「この私に……そのような口を聞いて良いのですね?」ギロリ

女騎士「!?」ゾッ

女騎士「僧侶……逃げろ」

僧侶「わ、私も戦います!」

女騎士「駄目だ。 ただ者ではない」

大商人「元敵国勇者パーティが一人、魔道武道家の実力」ムキムキムキ

僧侶(肉体強化魔法!?)

大商人「特とご覧あれ」ダッ

女騎士「王国軍女騎士小隊隊長……女騎士! 推して参る!!」



127: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/13(金) 09:57:06.51 ID:kzsIwyNfO

女騎士「……はぁはぁ」

大商人「どうしました? 国王軍の騎士様の実力はその程度でございますか?」

女騎士(僧侶は逃がせたが……)

女騎士(この男強い……魔王討伐に選出されただけのことはある)

大商人「火炎魔法」ボッ

女騎士「くっ!」ダッ

大商人「不用意に間合いを詰めるのは感心しませんね? 火炎拳!」

女騎士「はっ!」ガキン

大商人「受けましたか……それにしても、その剣は使い古されていますね」

女騎士「世間話をする気はない」

大商人「いえいえ、後1、2発ほど殴れば折れるかと思いまして」

大商人「商人ですので目利きには自信があるのですよ」グッ

女騎士「魔法使いであり、武道家であり、商人でもあるか……強欲な男だ」

大商人(とは言っても、先程の目利きは嘘なんですけどね)

大商人(あぁ言われれば剣で攻撃を受けるのを躊躇する……その隙をついて次で仕留めさせてもらいましょう)ダッ

大商人「火炎拳!!」

女騎士「ふん!!」ガシッ

大商人「なんと!」

大商人(燃えている拳を掴んだ……だと!?)

女騎士「剣で受けれぬのなら、我が身で受け止めるまで……熱くない……私はもっと熱い男を知っているから」

大商人「……くっ、ならば至近距離で爆破魔法!!」

僧侶「結界魔法!!」ピキーン

大商人「何!?」

女騎士「さらばだ、大商人!」グッ

大商人「私が負ける? 私は何でも出来るのに……魔法も武術も商売も……それなのに……」

女騎士「私は剣を振るうことしか出来ない……」ブンッ

大商人「」ザシュ

女騎士「……案外、お前もこの戦争の被害者だったのかも知れないな」

女騎士「……僧侶」

僧侶「ごめんなさい……女騎士さんを置いて逃げれませんでした」

女騎士「全く……うちの小隊は言うことを聞かないな」

女騎士「ハッハッハッ、それが私達らしさなのかも知れないな」

僧侶「……ふふふ、そうですね」

女騎士「さぁ、槍隊長の元に戻ろう」



128: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/13(金) 09:57:43.29 ID:kzsIwyNfO

【王国内・某所】
槍隊長「む? 帰ってきていたのか」

槍隊長「相変わらず神出鬼没だな」

槍隊長「剣豪隊長が殺されたことは知っているか?」

槍隊長「そうか……少し話したいことがある」

槍隊長「着いてきてくれないか?」

「―猫背」

猫背「話したいことって何かな~?」

猫背「オイラも槍君に用事があったから、丁度良いけどね~」ニッコリ



131: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/13(金) 15:01:02.74 ID:D+sR+hHHO

【王国内・僧侶の家】
ジリリリリリリリ
僧侶「……むにゅう……魔術師、目覚まし止めて」

僧侶「魔術師ってば…………あっ、今いないんだった」

僧侶(私と魔術師は軍の借家で同居しています)

僧侶「……二人分作っちゃいました」

僧侶(朝御飯を作るのは私の係、洗濯は魔術師の係です)

僧侶「あれ? 洗剤何処だろう?」

僧侶(全く分担をサボるなんて)

僧侶「魔術師が帰ってきたら、料理も暫くやってもらいましょう」フフフ

僧侶(……独り言、増えたな)

コンコン

僧侶「はい、今出ます!」ガチャ

僧侶友「おはよう! 遊びに来てあげたわよ」

僧侶「僧侶友ちゃん! おはよう、急に来てビックリしたよ」

僧侶友「元気そうで安心したわ」

僧侶「……あっ、私のこと心配して来てくれたんだ」

僧侶友「べ、別にそういうわけじゃ」///

僧侶「安心したって言ってたよ?」

僧侶友「まぁ、少しは心配してたわよ! ただ、それだけの用事で態々来たわけじゃ無いんだからね!」

僧侶「へ~」ニヤニヤ

僧侶友「……これ、元聖母が貴女に渡せって」

僧侶「元聖母が?」

僧侶「……僧侶友が貴女が心配だと騒がしい。 何とかしなさい?」

僧侶友「なっ!!」

僧侶「へ~」ニヤニヤ

僧侶友「し、仕方ないじゃない……貴女は……私の友達なんだから……」///

僧侶「僧侶友ちゃん……顔赤いよ?」

僧侶友「うるさい!」

僧侶「僧侶友ちゃん……ありがとう」

僧侶友「……うん」

僧侶「僧侶友ちゃんの顔見たら元気出たよ」

僧侶友「……うん」///

【教会本部・地下牢】
看守「何で、僧侶友を行かせた?」

元聖母「ふふ、私は百合の花が好きなのよ」

看守「???」

元聖母「小首を傾げて……可愛いわ」



133: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/13(金) 15:50:10.97 ID:D+sR+hHHO

【中間都市・魔道商会本部】
副隊長→討伐隊長「ここにネクロマンサーがいたのか?」

兵士A→討伐兵士「そのようですね」

剣士A→討伐剣士「……軍事的商品を中心に破壊されていました」

剣士D→討伐大剣「けっ」

討伐剣士「討伐大剣……気持ちは解りますが」

討伐隊長「敵軍同士だが、今は協力してほしい」

討伐隊長「俺は何が何でもネクロマンサーを殺さないと気がすまない」

討伐大剣「へいへい、解ってますよ」

討伐大剣「隊長達が勝てなかった相手に俺ら一般兵の寄せ集めが勝てるかは疑問ですがね」ハッ

討伐剣士「……決してネクロマンサーが強かったから隊長達は負けたわけじゃないと思います」

討伐兵士「と、言いますと?」

討伐剣士「ネクロマンサーは常に先手を取り、下準備をしている状態で現れます」

討伐隊長「あぁ、特に隊長格と戦う時は孤立させて相性の良い死体で戦わせているんだろう」

討伐隊長「ネクロマンサーを見つけ出し、先手を取れば案外簡単に仕留められるかも知れねぇぞ?」

?「その見解は正しいよ。 死霊術は決して戦闘特化の魔術ではないからね」

討伐大剣「何だあんた?」

教授「魔術物理学者の教授だ。 ……討伐隊長に助言が欲しいと言われて来たんだが?」

討伐隊長「俺が討伐隊長だ」

討伐剣士「魔術物理学者?」

討伐兵士「ええ、何でも魔術の専門家からの見解を得ることがネクロマンサー発見の近道になるのではないかと……」

討伐剣士「なるほど、一理ありますね」

討伐大剣「何が魔術物理学者だ! こんなジジィが何の役に立つ?」

教授「ははは、見るからに脳が小さそうだな」

討伐大剣「何だと!?」

教授「……さて、ネクロマンサーが操っていたと思われる死体を集めてきてくれ」



134: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/13(金) 15:50:59.51 ID:D+sR+hHHO

討伐大剣「なぁ、隊長さんよ? あんなジジィを呼んだ意味なんかあるのか?」

討伐隊長「使えるものなら何でも使う。 学者でも敵軍でも……自分の命でもな」

討伐隊長「ネクロマンサーを殺すために犠牲に出来ないプライドがあるなら隊から抜けろ」

討伐大剣「……」

討伐剣士「教授さん、何をされているのですか?」

教授「ん? 死体中の魔力残渣を調べてるんだよ」

討伐兵士「魔力残渣?」

教授「あぁ、魔法をかけたものには微量の魔力が残留するんだ」

討伐剣士「なるほど……」

討伐大剣「で? それを調べて何になるんですか?」

教授「少し待ってくれ、君にも解るように説明するのは難しいんだ」

討伐大剣「何だと!?」

討伐剣士(討伐大剣さん、遊ばれてるな……)

討伐隊長「此方も余裕がある状態じゃない……なるべく無駄なことはしたくないんだが」

教授「君達が私の生徒なら自分で考えてごらん……と言うところだが」

教授「ふむ……簡単に言うとだね。 ネクロマンサーの住み処が解る」

討伐隊一同「はぁ!?」

教授「魔力と言うものは内部で作り出すモノと外部から取り込む二種類があるのだがその波長を調べることにより個人、土地を推定することが……」

討伐兵士「そんないっぺんに言われても解らないですよ!」アワアワ

討伐隊長「つまり、今回は外部的魔力の波長のみを調べてネクロマンサーが最も頻繁にいる場所を炙り出すということか?」フム

討伐兵士「理解してらっしゃる!?」

討伐剣士「しかし、外部的魔力の波長はどの程度の範囲で異なるのでしょうか? あまりにも広範囲ならば、そこから更に絞りこんで行くしか……」

討伐兵士「此方も理解してらっしゃる」

討伐大剣「なるほど……全く解らんがジジィすごいな! 正直悪かった!!」

教授「ははは、そろそろジジィと呼ぶの止めてくれないかな? 若造君」

教授(魔術師ちゃん……無事だと良いんだけどね)



136: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/13(金) 19:56:54.15 ID:xrtLcwZwO

【死霊術師の住み処】
魔術師「……」

討伐隊長「貴様が死霊術師か?」

魔術師「さぁ、どうかな?」

教授「どうかなじゃないよ、魔術師ちゃん」

魔術師「ククク、先生を巻き込んでしまいましたか……すみませんね」

教授「……」

魔術師「死霊術師から君達にメッセージを預かっている」

【王国内・F地区教会跡地】
錬金術師「……置いてきて良かったの? 魔術師ちゃん」

死霊術師「……魔術師の言葉を信じよう」

魔術師『恐らく、すぐにここの場所はバレる』

魔術師『……先生が僕を探すために軍と協力するだろうからね』

魔術師『僕なら話ぐらいは聞いてもらえる……仲間は多いに越したことは無いだろう?』



137: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/13(金) 19:58:02.01 ID:xrtLcwZwO

【死霊術師の住み処】
討伐隊長「…………」

討伐兵士「……今の話は本当ですか?」

討伐大剣「じゃあ……俺達は何の為に……命をかけて……」

討伐大剣「剣豪隊長はな! 国を守るために戦ってきたんだぞ!! それが経済維持の為のハリボテの戦争だって言うのか!?」

討伐隊長「……最後に書いていたことは本当か?」

魔術師「あぁ、本当さ」

魔術師「両軍の戦争状態が解除された後……死霊術師は投降し」

魔術師「一切の抵抗せずに処刑される」

討伐剣士「ぶ、文書の上では何とでも言えるじゃないですか」アセ

教授「最後に書かれている署名は契約のペンで書かれたものだね?」

魔術師「……はい」

討伐隊長「契約のペン……違反者を呪い殺す呪詛のペンか」

討伐兵士「討伐隊長……どうするんですか?」

討伐隊長「……俺の目的はネクロマンサーを殺すことだ」

討伐隊長「その為なら……戦争だって止めてやる」

討伐大剣「へへへ、隊長命令ならしょうがねぇな」

討伐兵士「そうですね、ははははh」グサ

「あー、もう嫌になりますね」



138: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/13(金) 19:58:46.69 ID:xrtLcwZwO

討伐隊長「討伐兵士!!」

討伐大剣「お前……何やってるんだよ?」

討伐剣士「剣豪隊長の見張りの仕事が終わったと思ったらコレですからね……はー、もう少し休ませて欲しいものです」

討伐大剣「……見張り?」

討伐剣士「えぇ、剣豪隊長に戦争のことがバレたら厄介でしたからね。 バレる前に死んでくれて、正直ほっとしましたよ」

討伐大剣「テメェ!!」ブンッ

討伐剣士「おっと」ザシュ

討伐大剣「……クソッ……タレ……」バタン

討伐剣士「さて、知られてしまったからには君達にも死んでもらうとしましょうか?」

討伐隊長「一般兵の割には強いじゃねえか……」

討伐剣士「ありがとうございます。 一応、反乱分子の始末が仕事ですので……腕には自信があるんですよ」

魔術師「凍結魔法」

教授「火炎魔法」

討伐剣士「おっと」ヒョイ

討伐隊長「やぁ!!」ブンッ

討伐剣士「遅い剣ですね」ガシッ

討伐隊長「何だと……」

討伐剣士「貴方のことは敵大臣様から聞きましたよ?」

討伐剣士「頭は良く、決断力もあるが腕はからっきし……豪腕との相性が良かったから副隊長になれただけの男」

討伐剣士「使い捨てるには良い駒だから、邪魔だと思ったら処分してくれ……とのことです」バリン

魔術師(剣を握り潰した!)

討伐隊長「……くっ」

討伐剣士「言い返す言葉も剣も無くなってしまいましたか? では、命も無くしてしまいましょうね」

「剣ならある」ガシッ

討伐兵士「討伐隊長の剣なら……ここにある」

討伐隊長「討伐兵士!!」

討伐剣士「ね、ネクロマンサーか?」

討伐兵士「残念……虫の息ですが、まだ生きていますよ」ハァハァ

討伐剣士「そのような状態で何故動けるのですか!?」

討伐兵士「約束したから……私が剣になるって約束したから」

教授(討伐兵士君が何かを持っている?)

魔術師「……錬金術師が作った爆弾、残っていたのか!?」

討伐剣士「……止めろ」

討伐兵士「豪腕隊長の下で……」

討伐剣士「一般兵風情と心中なんて」

討伐兵士「討伐隊長の下で働けて……私は……」

魔術師「先生、外に出ないと爆発に……」

教授「あぁ、君も来なさい」

討伐隊長「討伐兵士……討伐兵士!!」

教授「彼の覚悟を無駄にしたいのか!!」

討伐兵士「幸せ……でした」

ボンッ



139: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/13(金) 19:59:41.88 ID:xrtLcwZwO

【死霊術師の本拠地外】
討伐隊長「……」

魔術師「……」

教授「……」

討伐隊長「何だよ……何だよ……これは……」

討伐隊長「誰を憎めばいいんだ……誰を恨めばいいんだ!」

魔術師「それは僕には解らない」

魔術師「ただ、やらなきゃならないことは解る」

魔術師「僕はこの戦争を止めたい。 豪腕の頭脳と呼ばれた男よ……君の力を貸してくれ」

討伐隊長「……少し、考えさせてくれ」

教授(……生徒の成長とは嬉しくも悲しいものだな)



141: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/14(土) 09:00:44.20 ID:ucTiN76JO

【王国内・城内槍隊長の部屋】
コンコン
女騎士(返事がないな……)

女騎士「槍隊長、いらっしゃらないのですか?」

女騎士(む?鍵が開いている)

女騎士「失礼いたします」ソー

槍隊長「」

女騎士「槍隊長!?」

女騎士「そんな……槍隊長ほどのお人が……」

「これは、何と言うことだ」

大臣「槍隊長が殺されたと言うのか?」

女騎士「……大臣様」ギロ

大臣「女騎士よ? 何故、私を睨む?」

女騎士「貴方がやって来たことは解っています! 国を操り、軍を操り無意味な戦争を続けてきた……その証拠がここにあります!!」

大臣「ほう、そうか? しかし、それで貴様の罪が消えるわけではない」

女騎士「私の罪?」

大臣「あぁ、ネクロマンサーと結託し魔道商会へテロを行い、自分の元上司である槍隊長を口封じの為に殺したのであろう?」

女騎士「違う! 私は槍隊長を殺してなどいない!!」

猫背「大臣~、この場において大義名分なんていらないんじゃないかな~?」

女騎士「猫背殿……貴方もそちら側だったんですか」

大臣「そんなことは無い。 ネクロマンサーの仲間を公開処刑すれば、民の軍への期待が高まるであろう?」

大臣「であれば、ネクロマンサー討伐後戦争を再開しやすくなる」

猫背「オイラにはよく解らないや~」

女騎士「……」シャキン

猫背「ありゃ? 剣抜いてどうしたの?」

女騎士「貴方達がネクロマンサーにも劣る外道だと解った。 容赦はしない」

大臣「血迷ったか、女騎士?」

大臣「魔王を倒した勇者に勝てるとでも思っているのか?」

猫背「あんまり、勇者って肩書き好きじゃないんだけどね~」

女騎士「うぉぉおおお!!」

猫背「……おやすみ」



142: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/15(日) 20:42:58.50 ID:P3l97n4xO

【王国内・F地区森の中】
僧侶「はぁはぁ…………」

王国兵1「あそこだ! 捕まえろ!!」

僧侶(女騎士さん……)

女騎士『城内は危険かも知れん。 私が1時間経っても戻って来んかった例の場所に逃げろ』

女騎士『恐らく、魔術師もそこにいるだろう』

王国兵2「捕まえた!」ガシッ

王国兵3「はぁはぁ、女子を追い掛けるとか俺得ですぞ」

僧侶「離してください!」

王国兵1「黙れ、反逆者め! 貴様も女騎士同様処刑されるのだ!!」

僧侶「女騎士さんが処刑!?」

王国兵2「当たり前だろ? ネクロマンサーの討伐を任されながら裏切り、ネクロマンサー側についたのだから」

僧侶「戦争ゴッコで民を裏切っているのは誰ですか?」

王国兵1「何を言っている? 戦争ゴッコ?」

僧侶「可哀想な人……何も知らないのね」

王国兵1「……何だその目は」

王国兵1「何だその目は!!」パシン

僧侶「……」キッ

王国兵3「おいたはいけませんぞ? 王国兵1殿」

王国兵1「うるせぇ、オタク野郎」

王国兵3「デュフフフ、拙者にとっては誉め言葉でござる」

王国兵3「しかし、感情に任すはオタクに劣る畜生の域でござる」

王国兵1「……王国兵2、さっさと縛って連れてくぞ」

王国兵2「……」

王国兵1(……背中にナイフが刺さってる!?)ハッ

王国兵2「……ア、アァ!!」ブンッ

王国兵1「クソッ!!」ガキン

僧侶「ネクロマンサー……逃げなきゃ」

王国兵3「拙者を忘れておらんか?」

僧侶「……貴方は知ってるの?」

王国兵3「戦争ゴッコについてでござるか?」

王国兵3「残念ながら、何も知らないでござる……だから、知りたいでござるよ」

僧侶「……実は!」

王国兵1「待ちやがれ! クソアマ!!」

王国兵2「」

王国兵3「お話はここまでのようでござるな」デュフフ

王国兵1「テメェ! 何のつもりだ?」

王国兵3「戦争ゴッコと言われて、拙者にも思うところがありましてな」

僧侶「……オタクさん」

王国兵3「デュフフフ、僧侶殿逃げるでござるよ! ヴァルハラでまた会うでござる!!」

僧侶「ヴァルハラが何処かは解りませんが……ありがとうございます」ダッ

王国兵1「ブタ野郎、覚悟出来てるんだろうな?」

王国兵3「疑問も持たずに給金の為に動くソナタの方がブタらしいでござるよ?」

王国兵3「さっさとかかって来いよ、ブタ野郎」



144: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/16(月) 08:40:19.87 ID:R/KQ6rJuO

【王国内・F地区教会跡地】
教授「と、いうように物質に対して転移魔法を行使することにより、ナイフが刺さるという結果だけを作り出すことが出来るんだ」

錬金術師「なるほど、勉強になります!」

教授「とはいっても先程の王国兵2君のように同じ場所に留まっていてくれないと上手く行かないがね」

死霊術師「あのおじいさんは?」

魔術師「……僕の先生だ」

死霊術師「何故、連れてきた?」

魔術師「勝手に着いてきたんだよ」

バタン

僧侶「はぁはぁ……魔術師!」

魔術師「僧侶! 無事だったか!!」

僧侶「無事だったかじゃないよ……女騎士さんが……」

死霊術師「処刑されそうなんだってな」

僧侶「……ネクロマンサー」

死霊術師「特務文書は?」

僧侶「女騎士さんが持っていたので……」

死霊術師「……ここまでか」

錬金術師「ま、また、取り返せば良いじゃん」

死霊術師「いや、不可能だ。 大臣の手によって処分されているだろうからね」

錬金術師「……そんな」

魔術師「……」

僧侶「……」

教授「ところで、そこの僧侶ちゃん」

僧侶「はい、何ですか?」

教授「特務文書の中身は見たのかい?」

僧侶「私は……見てません」

魔術師「私は?」

僧侶「女騎士さんは中身を確認していました」

教授「ふむ、死霊術師君……まだ、何とかなるかも知れないよ?」

死霊術師「……え?」

教授「記憶操作の魔術の応用で、女騎士ちゃんの視覚的記憶を取り出し、投影魔術と組み合わせて実体化させることが出来れば……」

死霊術師「そんなこと出来るんですか?」

教授「準備に時間はかかるが、私なら可能だ」

錬金術師「先生すごい!!」

教授「錬金術師ちゃんと魔術師ちゃんに協力して貰わないと難しそうだけどね」

僧侶「それじゃあ、女騎士さんさへ助け出せれば……」

死霊術師「活路はある……」

魔術師「……先生がここまで死霊術師に協力的とは」

教授「ははは、新友の孫を助けるのは当たり前のことさ」

魔術師「親友?」



145: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/16(月) 16:21:30.80 ID:Q9r3cRHEO

【王国内・城内牢獄】
女騎士「……」

囚人「辛気臭い顔しとるね」

女騎士「処刑が決まって笑っていられるか?」

囚人「なんや、君も処刑されるん? 俺と一緒やん」ニコニコ

女騎士「……貴様のようなキチガイと一緒にされたくない」

囚人「初対面やのに酷ない?」

女騎士「正気には見えないからな……本当に処刑されるのか?」

囚人「そやで」ニコニコ

女騎士「ならば、何故笑っていられる」

囚人「自分のしたいことを貫いたからや」

囚人「人から間違っていると言われても、折れとうないことってあるやん?」

囚人「それを貫いた結果がこれやからしゃないわ」ハハハ

女騎士「……」

囚人「お嬢ちゃんはまだ貫き切れてへんねやろ?」

女騎士「あぁ、このまま死ぬわけにはいかない」

囚人「じゃあ、抗うしか無いな」

女騎士「抗う? 運命にか?」

囚人「処刑されるんは運命ちゃうやろ」

囚人「ただの圧政者の我儘や」

女騎士「知っているのか……この戦争の真実を」

囚人「さて、どうやろね?」

「囚人、牢から出ろ」

囚人「処刑の時間みたいや。 行ってくるわ」ニコニコ

女騎士「……ありがとう」



146: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/16(月) 16:23:06.70 ID:Q9r3cRHEO

【王国内・城下町酒場】
「聞いたか? 囚人さんが処刑されたってよ」

「本当か? 何でまた」

「危険思想を広めようとしたからだって」

「戦争ゴッコでござるよ」

「そんなの都市伝説だろ?」

「しかし、そう考えれば……うむ」

僧侶「……何だか、風向きが変わりましたね」

死霊術師「ずっと臨戦状態だったんだ、兵達に考える暇なんて無かったんだろうからね」

僧侶「休戦まで持ち込んだのは、皆が冷静に思考出来るようにする為だったんですか?」

死霊術師「それもあるな」

死霊術師「処刑された囚人のように戦争に対して疑問を持っていた人達が行動しやすくすることが一番の理由だ」

死霊術師「……そう考えれば、囚人が処刑されたのも僕のせいだな」

僧侶「懺悔ならば聞きますが?」

死霊術師「止めておこう。 許されるつもりも無いし、救われるつもりも無いさ」

僧侶「貴方はどうして、そこまで戦争を止めようと?」

死霊術師「……それは」

【10年前・賢者の家(現死霊術師の本拠地)】
孤児(死霊術師)「……賢者さん、起きてください。 賢者さん」

賢者「ん~……むにゃむにゃ……ジィジかオジィタマ……あるいはグランパと呼んでくれない限り起きない」

孤児「起きてますよね!?」



147: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/16(月) 21:46:59.61 ID:R99frccVO

孤児「ちゃんと起きてくださいよ? もうすぐ、魔法使いさんが来る時間ですよ」

賢者「敬語を止めて、可愛い声で、ジィジと言わん限り動かんぞ」

孤児「えーっと、賢者さんのボトルシップ何処でしたっけ?」

賢者「よし! 超起きた! 起きたからボトルシップには手を出すな!!」

賢者「しかし、貴様は何時まで経っても他人行儀だな。 もっとフランクにしても良いぞ?」

孤児「……とは言っても、大恩人にそんな」

賢者(まぁ、喋れるようになっただけで良しとするか)

賢者「大恩人がジィジと呼べと言っておるのに逆らうのか? ほーん」

孤児「…………ジ」

賢者「ん? はて、何か言ったか? 耳が遠くてな」

孤児「さっさと顔洗って、朝ごはん食べてきてください! ジィジ!!」///

賢者「孫カワユス!!」グッ



148: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/16(月) 21:47:33.25 ID:R99frccVO

コンコン
孤児「賢者さん、魔法使いさんがお見えになりました」

ドア「……」

孤児「ジィジ……魔法使いさんがお見えになりました」///

賢者「入ってよいぞ~」

魔法使い「君も苦労するね」

賢者「魔法使い、来てくれたか」

魔法使い「えぇ、貴方の言う通りになりましたからね」

賢者「やはり、王国側も戦争再開に動き出したか」

魔法使い「王国側もということは」

賢者「うむ、敵国側も戦争再開の準備をしておる」

魔法使い「貴方の推測に現実味が出てきましたね?」

賢者「孤児よ、お金をあげるから少し出掛けておいで」

孤児「お使いですか?」

賢者「遊んできて良いと言っておるのだ」

孤児「ジィジが働いているのに、僕だけ遊ぶなんて出来ません!」

賢者「孫天!」(孫マジ天使の略)

孤児「何ですか、それは?」

魔法使い「孤児君、では私から君にミッションを与えよう」

孤児「ミ、ミッションですか?」

魔法使い「実は彼女を待たしているんだ。 話が長引きそうだから、私が戻るまで話相手をしてあげてくれないかな?」

孤児(魔法使いさんって女だよね?)

賢者(孫よ! それ以上は考えるで無い!!)

孤児(脳内に直接!?)

魔法使い「ここに居場所を記しておいた。 他愛ないことは好きでも退屈は嫌う娘でね」

孤児「……解りました。 行ってきます」



149: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/16(月) 21:48:17.62 ID:R99frccVO

【賢者の家付近・大きな木】
孤児「……あの」

聖母「あら、 ナンパかしら? 悪いけど、私は汚い茸が生えた生物に興味がないの」

孤児(汚い茸?)

孤児「えっと、魔法使いさんの使いで来ました」

聖母「そっ。 じゃあ、用事は長引きそうね」

孤児「そうみたいです」

聖母「ふーん」ジロジロ

孤児「……何ですか?」

聖母「貴方は私の暇を潰す為に来たのよね?」

孤児「はい……えぇ、まぁ」

聖母「そう」ニッコリ

……

孤児「こんな格好させられるなんて」ゲッソリ

聖母「男の娘……ふふっ、悪くなかったわ」

孤児「」ビクビク

聖母「そんなに怯えなくても良いじゃない。 ふふっ、私の暇を潰してくれたお礼をしてあげるわ」

孤児「お礼?」

聖母「貴方が知りたがっていることを教えてあげる」



150: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/16(月) 21:48:48.61 ID:R99frccVO

【賢者の家】
孤児「……帰りました」

賢者「おぉ、孫よ帰ったか? 晩ご飯を作っておくれ」

孤児「はい……」

賢者「……聖母から聞いてしまったのかい?」

孤児「!?」

賢者「言いたいことがあるなら言っておくれ」

孤児「……止めてください」

賢者「……」

孤児「戦争を止めるとか……その為に軍と戦うとか……そんな危険なことは止めてください」

賢者「……すまん、いくら孫からのおねだりでもそれだけは出来ん」

孤児「嫌だ! 賢者さんが……お爺ちゃんが死ぬなんて……嫌だ!!」

孤児「お爺ちゃんは命の危険をおかして魔王を倒したんだろ? もう良いじゃないか! 隠居して……僕と……二人で……」ポロポロ

賢者「……ありがとう、孫」ギュッ

賢者「本当に私の孫になってくれて……ありがとう」

孫「う、うわぁぁぁ! 嫌だ! 嫌だ!! 嫌だ!!!!」



151: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/16(月) 21:49:40.29 ID:R99frccVO

賢者「泣き疲れて寝てもうたか」

「そんな死を覚悟した顔をしていたら不安にもなるさ」

賢者「今日は来客が多いの」

教授「魔王討伐が終わって、学園に帰ってくるかと思ったら……今度は戦争に介入かい?」

賢者「貴様のような陰気なインドア派とは違うからのう」ククク

教授「命知らずのアウトドア派よりはましだ」ハハハ

賢者「で、親友殿……私を止めに来てくれたのかい?」

教授「止まらないことは私が一番知っているさ」

賢者「そうであろうな」

教授「……何故、命をかける?」

賢者「孫天!」

教授「……ははは、もう何も言わないよ」

教授(孫が生きる未来の為か……)



152: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/16(月) 21:50:11.64 ID:R99frccVO

【とある町の広場】
賢者「皆には平和に生きる権利がある!」
魔法使い「戦争を止めて、共に歩んで行こうじゃないか!」

「その通りだ!」「良いぞじいさん!!」「もう争いはこりごりだ!!」

【中間都市・大通り】
賢者「そもそも、この戦争の当初の目的はだな……」
魔法使い「私達は争う必要なんて無かったんだ!!」

「何だって!!」「これ以上は本当に無駄な争いだな」「新しい時代の幕開けだ!!」

【魔法使いの家】
勇者(猫背)「なーんて、上手くは行かないんだよね」

魔法使い「」

賢者「……ゴホッ……ゲホッ」

勇者「流石、賢者はしぶといね」

賢者「何故だ勇者? 魔法使いは貴様と一緒に旅をした仲間ではないか!」

勇者「オイラ、そういうの興味無いんだ~」

賢者「何!?」

勇者「オイラは仕事をしてるだけ、このビジネスの邪魔をする者を削除するって仕事をね」

勇者「だから、魔王を殺すのと君達を殺すことに特に違いが無いんだよ」

賢者「外道め」

勇者「外道? 道を外れてるのはどっちかな~?」



153: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/16(月) 21:50:44.21 ID:R99frccVO

【とある教会】
孤児「……聖母さん」

聖母「あら、遊びに来てくれたの? 嬉しいわ」

「ねぇ、魔法使い」

孤児「……」

魔法使い「アァー……ァア……」

孤児「……その術、僕にも教えてください」

聖母「……止めときなさい、誰も救われない術よ」

聖母「どれだけ愛していても、人は蘇らない」ツー

孤児「お爺ちゃんを蘇えらせる気はないです」

聖母「あら、では何をする気かしら?」ゴシゴシ

孤児「その術を使って戦争を止める」

孤児「生者を喰いモノにするこの戦争を……死者を使って止める!!」

聖母「ふふっ、そう、そうなの……退屈しなさそうな人生ね」

聖母「良いわ、私が出来る範囲で教えてあげる……後は自分で極めない」

孤児「……」コクン

聖母「……ネクロマンサー、それが貴方の名よ」クスクス



155: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/16(月) 23:49:13.84 ID:GmBIq4l0O

【現代・王国内・城下町酒場】
死霊術師「語るほどのことは無いさ」

僧侶「……貴方は誰にも理解されずに死ぬつもりなのね」

死霊術師「……君は僕のことより、女騎士を救い出すことを考えるべきだ」

王国兵3「そうでござるよ」デュフフフ

死霊術師「……誰だ?」

僧侶「オタクさん! 無事だったんですね?」

王国兵3「当たり前でござる? ヴァルハラで会うと約束したでござろう」キリッ

僧侶「ヴァルハラが何か解りませんが、良かったです」

王国兵3「死霊術師殿、拙者達も処刑に合わせて暴動を起こす」

死霊術師「あまり、大勢を巻き込む気は無い」

王国兵3「こんな規模のことをしておいて、それは不可能でござるよ」デュフフフ

死霊術師「…………」

王国兵3「勘違いしてはいけませんぞ?」

死霊術師「勘違い?」

王国兵3「覚悟を決めているのはお主だけではない」キリッ

王国兵3「我々は民を守るための軍なり! 入団した時より死ぬ覚悟は出来ている!!」

王国兵3「しかし、犬死にでは我慢ならん……より良い未来の為に我々は死兵に成りたいのだ!!」

王国兵3「そうであろう! 皆のもの!!」

王国兵s「「「「うぉぉおおおおお!!!!」」」」

王国兵3「槍隊長氏の死の違和感、囚人氏の処刑、女騎士女史の公開処刑予告を受け今や軍の3割は此方側に流れている」

王国兵3「死兵と死者は大差無し……死霊術師殿ともにヴァルハラにいきましょうぞ」ニコ

死霊術師「……解った。 僕も手段は選べない」

死霊術師「君達の命を使わせてもらう」



157: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/17(火) 23:17:10.71 ID:DljGvnWIO

【王国・城下町広場】
ザワザワザワザワザワ

処刑人「静粛に! これより女騎士の処刑を執り行う」

処刑人「女騎士はネクロマンサーと手を組み魔道商会に対しテロ行為を行い」

処刑人「また、それに気が付いた槍隊長を口封じの為に殺害した……以上の罪により処刑を行う!」

女騎士「……」

処刑人「女騎士よ、言い残すことはあるか?」

大臣「そんなこと聞かんで良い。 さっさと処刑せよ」

処刑人「大臣様の命でも聞けません。 処刑は伝統に沿って執り行います」

処刑人「そうしなければ、殺戮と変わりますまい」

大臣「……ふん、頑固者め」

女騎士「……では、少しばかし語らしてもらおう」

女騎士「この処刑を見ている皆に問う……皆はどう生きたい?」

女騎士「戦火に恐れて生きたいか? 愛する者の死を背負って生きたいか?」

女騎士「皆はどう生きたい?」

女騎士「私はただ健やかに……平和に生きたい」

女騎士「明日が当たり前のように訪れる日常の中で生きたいのだ」

女騎士「愛する人々と……当たり前のようにおはようという日常が欲しい……」

僧侶「……女騎士さん」

王国兵3「……」

死霊術師「……」

女騎士「私利私欲の為にそんな日常を奪うものを私は許さない」

女騎士「尊い日常を守るためだったら騎士道だって捨てていい」

女騎士「……だから、お願い……ネクロマンサー」


女騎士「助けてよ……この国を……私達の日常を……」

女騎士「助けて! ネクロマンサー!!」



158: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/17(火) 23:18:10.33 ID:DljGvnWIO

処刑人「……以上か?」

バーン!!

大臣「何だ! 今の音は!!」

衛兵1「城の方から聞こえましたが……」

衛兵2「大臣殿! 城に敵襲です!!」

大臣「……まさか、ネクロマンサーか」

【処刑の前日・王国内・城下町酒場】
王国兵3「……城を攻めるでござるか?」

死霊術師「あぁ……」

王国兵3「死体を城内に持ち込むぐらいは何とかなるが……」

死霊術師「ハリボテの王と言えど、攻め込まれたら守りに行くだろう」

僧侶「それならば処刑を中断出来るかも知れませんね」

王国兵3「どうでござろう? 処刑人は頑固者で有名ですぞ?」

王国兵4「いっそのこと、防衛本部を攻めた時みたいに、大量の死体で攻め混んだり出来ないのか?」

死霊術師「……無理だ。 処刑が城下町で行われるなら、住人に被害が出る」

王国兵3「処刑人を説得するしか無いですな」



159: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/17(火) 23:18:46.59 ID:DljGvnWIO

【現代・王国内・城下町広場】
処刑人「……処刑は継続する」

女騎士「……くっ、殺せ」

王国兵3「クッコロ、いただきましたぞ!」

処刑人「何だ、貴様? 神聖な処刑台の上に勝手に上がるな」

王国兵3「罪も無き者を処刑しようとしているところが神聖とは思えませんな」

処刑人「……女騎士が魔道商会を攻めたのは事実、槍隊長の殺害についても筋が通っている」

王国兵3「槍隊長ほどのお方が……女騎士に遅れをとったと言いたいのでござるか?」

処刑人「……油断して」

王国兵3「ネクロマンサーと手を組んでいる疑いがある者に油断するのでござるか?」デュフフフ

処刑人「……一度、執り行い始めた処刑を中断など出来ない……それが、処刑における伝統だ」

王国兵3「うるせぇよ!」

王国兵3「伝統だか何だか知らないが、それを守るために罪が無い人を殺すのか?」

王国兵3「それこそただの殺戮じゃねぇか!!」

処刑人「……」ガチャ

女騎士「……処刑人」

処刑人「……私は処刑人だ。 殺戮者ではない」

女騎士「君の誇りある対応に感謝する」ダッ

処刑人「……自分を殺そうとした相手に感謝する、か」

処刑人「ところで貴方は行かないのか?」

王国兵3「拙者、口論は得意で御座るが、戦闘は不得手でござるよ」デュフフフ



160: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/17(火) 23:19:23.89 ID:DljGvnWIO

【王国内・城内王の間】
王「……」

死霊術師「……」

王「……無力な王で苦労をかけるな」

死霊術師「此方こそ……城を破損させてすみません」

王「良いのだ。 ハリボテの城など壊してしまった方が良い」

王「儂に勇気があれば……軍と大臣の暴走を止めておれば……君のような青年に業を背負わさずすんだのかも知れん」

猫背「王がそんなこと言ったらいけないな~」

王「勇者よ……もう止めにしよう。 戦争はこの世界に不要なモノだ」

猫背「そうかも……知れないね~」

王「解ってくれたか、勇s」バタン

猫背「戦争は世界には不要なモノかも知れないね」

猫背「でも、オイラと大臣には必要なんだ」

猫背「戦争で富を得る大臣と、戦場でしか生きられないオイラにとってはね」

死霊術師「……王まで殺すか?」

猫背「あれれ? 王を殺したのはオイラだったかな~?」

死霊術師「……貴方と話しても無駄だと解った」

豪腕隊長「アァ……」
初代豪腕「アァアァァ!」
魔王「アァアァァ!!」

猫背「……良いね、オイラ好みの戦場だ」ヘラヘラ



161: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/17(火) 23:20:30.27 ID:DljGvnWIO

【王国内・城内】
大臣「何をしておる! さっさとネクロマンサーを捕らえんか!?」

衛兵1「それが殆どの兵が公開処刑を見に行っておりまして」

大臣(くっ……見せしめにしようとしたのが仇となったか)

衛兵2「また、軍の中で大規模な反乱が起きております! 3割、いや、4割り近くの兵が……」

大臣「何だと? ……猫背は何処に言った! 早く抑えよ」

衛兵1・2「お断りいたします」

大臣「何!?」

衛兵1「私達も」シャキン

衛兵2「その、4割りですので」シャキン



162: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/17(火) 23:21:20.97 ID:DljGvnWIO

【誰かの記憶】
「ほう、これが魔王を倒すためのホムンクルスか?」

「まるで人間のようだな」

「おぉ、凄い力ではないか」

「ふふふ、これならば間違いなく魔王を殺せる」

―魔王を殺した後はどうしたらいいのかな?

「次は戦争に参加してくれ」

―戦争が終わったらどうしたらいいのかな?

「戦争は終わらんさ」

―賢者と魔法使いが終わらそうとしている

「ならば彼等を殺せば良い」

賢者「皆には平和に生きる権利がある!」・

―魔王を殺すために造られたオイラにもその権利があるのかな?

魔法使い「私達は争う必要なんて無かったんだ!!」・

―争いの為に産み出されたオイラはどうしたらいいのかな?

女騎士「私はただ健やかに……平和に生きたい」

―皆が求めている日常にオイラはいないんだな



163: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/17(火) 23:22:29.70 ID:DljGvnWIO

【王国内・城内王の間】
猫背「……はぁはぁ」

魔王「」バタン
豪腕隊長「」
初代豪腕「」

死霊術師「まさか、勇者がここまで強いとは……」

猫背「ネクロマンサー……本当はオイラも君達が求める日常の中にいたいのかも知れないよ」

猫背「でもね、無理なんだ。 力を抑えられない……戦うように、争うように頭から爪先まで造られてしまったんだよ」

死霊術師「……」

猫背「オイラは外道なのかな? 産まれたときから既に外道だったということかな?」

猫背「そんなの……辛いじゃかいか」ザシュ

女騎士「……」

猫背「……ははは、ネクロマンサーとの会話に夢中で気が付かなかったよ」

猫背「ところでネクロマンサー……オイラと君が操る死体達は……良く……似ているね」バタン

死霊術師「あぁ、そっくりだ」

死霊術師「ならば、貴方は外道ではない」

死霊術師「動く死体が道を外れたのではなく、死体を動かすネクロマンサーが道を外れているだから」



164: ◆Q6fo44/dLk 2016/05/17(火) 23:56:45.45 ID:DljGvnWIO

【その後】
女騎士の記憶から特務文書を再生でき、世間に公開された

これを受け、両国共に反戦争運動が活発し戦争状態が解除

両国の新しい代表を中心に会議が行われ、1つの国に統合する流れとなった

女騎士……記憶を弄られた影響で1ヶ月間アヘ顔を晒す羽目になるが、完治後は新しい軍の重役に任命された

僧侶……軍を止めて教会本部にて過ごしている。 女騎士とは今でも交友があるようだ

魔術師……魔術学園に戻り、研究に明け暮れている。 教授が引退した後のポストを約束されているらしいが、「先生を越えられる気がしない」と日々悩んでいる

錬金術師……死霊術師がいなくなってしまった為、生き甲斐を失う。 教授と魔術師に誘われて魔術学園に身を寄せて魔術師の助手として働いている

教授……研究室がハーレムになって大喜び。 特務文書の再生の功績により巨万の富を得るも戦争の被害を受けた村の復興の為に寄付してしまう

王国兵3……王国側の新しい代表に抜擢され、敵国との和解・国家統合で大忙し。 妻となった処刑人に支えられながら日々奮闘している

大臣・敵大臣……国家を操り、無意味な戦争に誘導した罪により処刑された

【教会本部・地下牢】
討伐隊長「お前と関わった人間の近況はこんなところだ」

死霊術師「……それより、僕の処刑は何時になりそうだ?」

討伐隊長「俺は今すぐにでも殺したいが、残念ながら世論はお前を英雄視していてな」

死霊術師「……それは難儀だな」

元聖母「ほんと、難儀ね。 地下牢の住人が増えるなんて」

死霊術師「師匠は黙っていてください」

元聖母「師匠……良い響きね」クスクス

討伐隊長「新しい国が出来て、世間が落ち着いたら殺してやるよ」

死霊術師「あぁ、楽しみに待ってるよ」

僧侶「討伐隊長さん、面会時間は終了ですよ」



死霊術師「はぁ、ことを終えたら死ぬつもりだったんだかな」

僧侶「良いじゃないですか? 平和な国が出来るのをゆっくり眺めて生きましょう」

END



元スレ
女騎士「助けて!ネクロマンサー!!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1462445661/
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         コメント一覧 (15)

          • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年05月18日 03:26
          • ところどころ女騎士の扱いがアレで笑った
          • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年05月18日 03:47
          • 最後の重要なポジションをぽっと出にやらせたのはちょっと違和感あるけど全体的には楽しかった
          • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年05月18日 05:15
          • 似通った名前が多いのと性別がわかりづらいのとで難儀したが ラストの処刑人が一番驚いたw

            投獄された時点で刑には処されてるわけだから 契約のペンとやらのペナルティは発生しないってことなのかな
          • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年05月18日 07:20
          • アへ顔晒すのかwwwwwwww
          • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年05月18日 08:11
          • 後半がクソつまらん
          • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年05月18日 09:12
          • 女騎士がドールにされる話かと
          • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年05月18日 19:22
          • 後半で強引すぎる展開や巻き展開が多すぎるあたり疲れたのか飽きたのか
            お話としてはそこそこ考えられてるからもう少し丁寧に仕上げていてほしかったね
            特に後半でやらかすとそのイメージが強くなるから

            てか処刑人は証拠も無しにわめいてるだけの相手に説得されてやめるとか仕事してる自覚ないんかい
          • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年05月18日 21:05
          • 後半の駆け足っぷりやばいな、疲れたんだろうか
            それっぽいポジションの新キャラが登場しすぎて笑う
          • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年05月18日 23:39
          • オタク生きてたんだな・・・
          • 10. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年05月19日 11:27
          • 敵国の勇者が出てこなかったな。

            あと、魔王のポジションと強さがよく分からなかった。
          • 11. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年05月26日 12:00
          • B地区軍事拠点が、トップレス(胸だけ開いた鎧)の女兵士で沢山溢れてると想像した俺は、相当疲れてるようだ
          • 12. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年05月30日 14:45
          • ※2、11が代弁してくれたな
            あと、処刑人が女でビックリも言及していて禿同

            全体的に名有りの登場人物たちが物語を彩っていたね、過去の王国・敵国パーティ(敵国勇者は?)とか、現在の豪腕剣豪関連とか。
            12ページじゃなくて15ページでもう少しボリュームを増して丁寧に書き上げて欲しかったな。後日談とか読後の清涼感を引き出すのに結構必要よ。
            どちらにせよ、勇者・魔王・ファンタジー部門ではTOP10には入る名作と思うよ。上手く肉付けすればTOP5も夢じゃない。
            1、2はもう決まってるけどね。
          • 13. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年06月02日 20:51
          • 戦争の90%が後世の人が呆れる理由でおこり、残りの10%が当時の人が呆れる理由でおきた。
          • 14. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年12月27日 15:05
          • 4 ほんと、最後の駆け足が悔やまれるよね。処刑人の説得と勇者の最期を書き込んでさえいれば…
            最後は魔術師と僧侶と女騎士の友情にも触れて欲しかった

            まあ、作者のモチベーションもあるし、言っても仕方ないな

            誰が死ぬか分からないワクワク感とか、言葉のやりとりにシンプルながらセンスのあるものを感じた
          • 15. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2019年01月20日 23:26
          • 「私たちも」
            「その4割ですので」


            ここ超しびれた
            かっこいい

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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