女「不健全なことをしよう」男「!」
女「私ももう大人なのだ。そういうことをするのは当然だろう」
男「いや当然ではないと思うけど……」
女「というわけで私の不健全行為に付き合ってくれたまえ」
男「そ、そういうのはもっと、段階を踏んでからするものだと思うよ!」
女「そういうものなのか?」
男「そうだよ! だから早まらずにもっと良いお相手さんを探してだね……!」
女「私は男君となら構わないと思うが」
男「!」ドキッ
女「ああ」
男「な、何で僕なの……?」
女「……ちょうどそこにいたから、だろうか」
男「アウトだよぉっ!!!」
女「?」
男「期待して損したよ! よりによって『そこにいたから』って! 山登りじゃないんだからさ!」
女「そういうものなのか?」
男「そうだよ! そういうのはね、好き合ってる人同士でだね……!」
女「私は男君を好いているぞ?」
男「!」ドキッ
女「ああ」
男「……それは友達として?」
女「ああ」
男「だろうと思ったよ! もう何か薄々そんな気がしてたよ! そういう『好き』じゃないんだよこれは!」
女「そういうものなのか?」
男「そうだよ! そういうことはだね、恋愛的な意味において好き合ってる人同士でするものなんだよ!」
女「恋愛、か?」
男「そう! 友情とはまた違うの!」
女「……言われてみれば」
男「……?」
女「私が男君に抱く好意は、友情とは少し違う、かもしれない」
男「!」ドキッ
女「一緒にいると、その、胸が苦しいような気がして、でもとても幸せで……陳腐な表現ではあるが、そういう気持ちになるのだ」
男(まじすか……)
女「だからきっと、私は君と不健全行為がしたいのだ!」
男「で、でも……!」
女「好き合っている者同士なら構わないのだろう?」
男「そうは言ったけど……」
女「それに……こうして私を自分の部屋に招いている時点で君にもそういう気があったのだろう?」
男「! それは……」
女「ふふ、さあ、来たまえ――」スッ
布団の下で彼女が優しく抱きついてくるのを感じる。服ごしでも感じられる体温は熱に浮かされたかのように熱い。
彼女の顔は、こうしているだけでも互いの息がかかるほどに近く、その瞳は何かを強請るかのようにじっと僕を見上げている。
「ふふ、こうして君と寝るのは小学校以来だな」
「そ、そうだね」
突然懐かしい話を振られて少し苦笑してしまう。
「ただ、あの時は君がすぐに寝てしまったから、今のようにゆっくり話すことも叶わなかったのだがね」
「そうだったっけ?」
「そうだ。私は夜更かししようと言っていたのに、君は『お母さんに怒られるから』と言ってさっさと寝てしまったではないか」
「ああ、そんなこともあったね」
「あの頃の君は本当に意気地なしだったからな。いや、それは今も変わらないな」
そう言って悪戯っぽく笑う彼女の何気ない仕草にどきりとする。間近で見る彼女の笑顔はとても美しかった。
そんな動揺を誤魔化すかのように僕は強がってみせる。
「失礼な。僕だってちゃんと成長してるさ」
「ふふ、そうだな。大して勉強ができるわけでもなかった君がここまで辿り着いた努力は私が一番知っているつもりだ」
そう、中学、高校時代の僕は勉強が得意な彼女の志望校に追いつくために必死になって勉強に励んでいた。今思い出すと恥ずかしくなるような話だが、そのおかげで僕はこうして今も彼女とともにいることができているのだ。
「こうして思い返せば、本当に色々なことがあったものだ。
「うん、そうだね。本当に……」
これまでたくさんのことを彼女と一緒に経験してきた。そしてこれからも、たくさん彼女とともに経験を積み重ねてゆく。そうありたいと、心の底から願う。
そのまま僕たちは一夜を語り明かした――
男「うわっ!」ガバッ
女「……」ムスッ
男「えーっと……おはよう、女さん」
女「何が『おはよう』だ! 一人で勝手に寝て! 不健全な行為をするのではなかったのか!」
男「ご、ごめん!」
女「……これでは小学生の時と同じではないか」
男「ごめん……ん?」
女「何だ?」
男「ああ、いや、意気地なしだよね。ごめん」
女「全く、今度こそ朝まで語れると思ったのに……」
男「ごめん……んん?」
女「何だ?」
男「ああ、いや……んー?」
女「だからさっきから何なのだ一体」
男「えーと、ごめん、何の話だったっけ?」
女「だから今度こそ君と一緒に夜更かししたかったのに、という話だ!」
男「……ちょっと待って」
女「?」
男「そもそもは不健全なことをしようって話だったよね?」
女「そうだ」
男「それと夜更かしとの関係がどうしても分からないのだけど……」
女「? 不健全行為と言えば夜更かしだろう」
男「え?」
女「大人というものは皆夜更かしするものなのだろう?」
男「ええと、えーと……じゃあ、女さんが言ってた不健全行為ってのは、夜更かしのことだったの……?」
女「当たり前だろう」
男「えー」
男「えー……」
男「ええと、えと、えぇっと……し、知らない!」
女「何だ、言えないというのか? やはり君は意気地なしだな」
男「うう……」
女「……まあ、言いたくないのであれば仕方あるまい」
男「ごめん……」
女「だが、いつか私にも教えてくれないだろうか。好き合っている者同士で行う不健全行為というものを」
男「いつか……うん、そうだね。約束するよ」
女「ふふ。では、その時が来たらまた、改めて――」
女「不健全なことをしよう」男「!」
終わり
元スレ
女「不健全なことをしよう」男「!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1462406789/
女「不健全なことをしよう」男「!」
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コメント一覧 (10)
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- 2016年05月05日 12:15
- 先が読め過ぎた
-
- 2016年05月05日 12:24
- ラノベっぽい。
-
- 2016年05月05日 13:10
- ここまでを全部ラノベの題名にしちまえ
-
- 2016年05月05日 13:23
- ここから寝取られるまでがデフォ
-
- 2016年05月05日 13:38
- 女が何となくリゼちゃんで再生された。
-
- 2016年05月05日 13:38
- トリップがSSRか。ガチャ神に愛されているな
-
- 2016年05月05日 14:19
- 予想はしてたが予想通り過ぎた
ライ○ップの指示を無視して暴飲暴食するネタならもうちょっと面白みがあったがな
-
- 2016年05月05日 14:23
- ミダラ ミダラ ミダラ ミダラ ミダラ ミダラ ミダラ ミダラ ミダラ ミダラ ミダラ ミダラ
ダイミダラー
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- 2016年05月05日 14:23
- 不健全っつーか不健康では…
-
- 2016年05月05日 15:09
- ※9
そのツッコミを待ってた