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【艦これ】円卓の鬼神の海戦記【エスコンZERO】【その3】

関連記事:【艦これ】円卓の鬼神の海戦記【エスコンZERO】【その2】











638: ◆Q8foA/1VQQ 2016/01/17(日) 15:32:16.43ID:a3Lrngf4o

サイファー「ビスマルクだと!?」

ピクシー『ああ。加賀達からはそう伝わってきている。どうする、相棒?』

サイファー「……ベルカの残党が噛んでいる可能性が出てきたか。可能ならば鹵獲して尋問したいところだな」

ピクシー『だが、相手は戦艦だ。そう易々と鹵獲はさせてはもらえないだろうぜ』

サイファー「ビスマルク以外にはいるのか?」

ピクシー『駆逐艦のZ1、Z3、重巡プリンツ・オイゲン、UボートU-511、それに空母のグラーフ・ツェッペリンが展開しているってよ』

サイファー「そこそこのバランスが取れた面倒な艦隊だな」

ピクシー『そうだな。そっちも突入まで時間が無い。どうするか言ってくれ』

サイファー「…派手に動いてもらう。可能ならば無力化して拿捕だ。もしあの島の連中が気づいて深海棲艦を送り込んできたとなればそれが証拠ともなる」

ピクシー『だがそれだと嬢ちゃん達が危ねぇな。深海棲艦と同時攻撃されるとなりゃ無事じゃ済まねぇ』

サイファー「ピクシー、お前が今からスクランブルで向かったとしてどれぐらいの時間がかかる?」

ピクシー『…そういうことかよ、相棒。わかったぜ。こっちもそれで準備しとくぜ』

サイファー「頼む。通信を切る」



639: ◆Q8foA/1VQQ 2016/01/17(日) 15:32:42.80ID:a3Lrngf4o

サイファー(本当にベルカが絡んでいるのか?ベルカの残党はオーシアのラーズグリーズの連中が完全にケリをつけたはずでは…)

烈風妖精「サイファー、今は証拠を掴むことに集中すべきよ」

流星妖精「まだ完全にベルカ公国の残党が噛んでいると決まったわけではありませんから」

彩雲妖精「本当の所はどうなのかは本人達に尋問すれば全てわかるはずよ」

サイファー「…そうだな。今は加賀達を信じるしかないな」

彗星妖精「サイファー、最終防衛ライン突破するよ~!」

サイファー「周辺に敵影はあるか?」

彩雲妖精「ないわ。このまま向かって大丈夫よ!」

サイファー「よし。突入だ!」


――――――



640: ◆Q8foA/1VQQ 2016/01/17(日) 15:33:09.80ID:a3Lrngf4o

大和「何故答えないんですか!?あなた達は何の目的があってここにいるんですか!?」

加賀「それとも答えられないのかしら?」


グラーフ「ふんっ。敵に易々と情報を与える馬鹿が何処に居るというんだ?」


愛宕「やっぱりベルカ公国が噛んでるのかしら」

矢矧「ということは、目的はベルカの再興っ!」


ビスマルク「私達はベルカ公国の再興なんて興味ないわ」


大和「では何故!?」


Z3「それを教える理由はないわ。ただ私達はここにいて、あなた達の進行を阻止するためにいるだけ」


蒼龍「なんのメリットがあってそんなことを!?旧ドイツ、そしてベルカの艦艇だったあなた達はベルカの再興が目的ではないの!?」


ビスマルク「オーシアとユークが友好を再び結んだ現在、ベルカの再興なんて余計な戦火を広げるだけよ」

Z1「それにベルカ公国は滅んでも、ベルカ人の心はみんなの中に生きている」

U-511「ゆー達はこれ以上戦火を広げたくないからここにいるんですって」



641: ◆Q8foA/1VQQ 2016/01/17(日) 15:33:36.24ID:a3Lrngf4o

時雨「その戦火を広げかねない原因がこの先にあるかもしれないんだ。どいてくれないかな」


グラーフ「それは出来ない相談だな。それにその戦火がお前達が原因で広がるかもしれないと考えないのか?」


大和「どういうことですか!?私達が原因?何故私達が原因に!?」


グラーフ「おしゃべりが過ぎたようだな。今引き返せばこの場は見逃してやろう」

ビスマルク「けど、先へ進もうと言うなら」ガシャン

プリンツ「私達は全力を持って相手します!」ガシャン


加賀「……了解。サイファー提督からの伝言はみんな聞いたわね」

愛宕「聞き分けの無い子にはおしおきしないといけないわね」

大和「各員散開!距離を取りつつ陣形を立て直します!」


『了解!』


ビスマルク「させないわよっ!」




ドォォォォン




――――――



642: ◆Q8foA/1VQQ 2016/01/17(日) 15:34:01.75ID:a3Lrngf4o

サイファー「まもなく衛星写真で捉えた建造物が見える頃だな」

彩雲妖精「流石ステルス機ラプターね。サイファーの操縦もだけどここまで捕捉されないなんてね」

サイファー「秘密裏に作った施設なんだろう。そのせいか本土で採用されている最新鋭の防衛システムまでは導入出来なかったと見るのが正解だろうな」

彗星妖精「最新鋭のシステムが入ってたら、いくらラプターでも今頃SAMに攻撃されてるだろうね~」

サイファー「…見えた!彩雲!」

彩雲妖精「待って!海上じゃないから深海棲艦を正確に捕捉出来ないわ。もっと接近して!」

サイファー「わかった!頼むぞ。お前らの目が頼りだ」

流星妖精「…あれは震電Ⅱ!こんなところに配備されているなんて」

烈風妖精「それだけじゃないわ」

サイファー「イーグルにバイパーゼロ。システムエルフを量産導入するつもりか」

彩雲妖精「…いた!あそこ!2番ハンガー付近!レーダーに出すわ!」

サイファー「空母ヲ級に雷巡チ級か。撮影はいけるな!?」

烈風妖精「少し角度を代えて。あの震電Ⅱと一緒に写すわ」

サイファー「了解だ!」クイッ


―機体を少し旋回させ、空母ヲ級と雷巡チ級、そして震電Ⅱを同時に捉えた写真の撮影に成功させる―


流星妖精「サイファー、あの施設から出てくる人影を撮影します!接近してください!」

サイファー「肉眼でラプターを確認してのこのこ出てきたか」


―さらに旋回し、施設からラプターを目撃し出てきた研究員と戦艦タ級を写真に捉えることに成功した―


サイファー「写真は大丈夫か?」

彗星妖精「バッチリ撮れたよ~!ピントも問題なし!これで物的証拠はバッチリだよ~」



643: ◆Q8foA/1VQQ 2016/01/17(日) 15:34:27.92ID:a3Lrngf4o

彩雲妖精「サイファー!空母が艦載機を飛ばしてきたわ!」

サイファー「任務は終了だ!離脱するぞ!」ゴォォ


―アフターバーナーを点火させ、施設にいた深海棲艦の空母から発進してきた艦載機を猛加速で振り切る―


流星妖精「流石ラプターですね。艦載機が全く追いついてこないです」

烈風妖精「後ろは振り切れるわね。けど…」

彩雲妖精「サイファー、前方からも敵艦載機の反応よ!」

烈風妖精「どうするの、サイファー?このラプターは離脱時の加速を優先させて兵装のほとんどを置いてきてるわ」

サイファー「どの道このまま真っ直ぐ来た道を戻るつもりは端から無い」

流星妖精「ではどうこの状況を切り抜けるつもりですか?」

サイファー「まぁ見てな。何も真正面から戦うだけがパイロットの仕事じゃねぇからな」


――――――



644: ◆Q8foA/1VQQ 2016/01/17(日) 15:34:58.51ID:a3Lrngf4o

―海上では砲雷戦が繰り広げられ、双方多大なダメージを負っていた―


大和「はぁ…はぁ…手強い…!」

時雨「U-511の無力化に成功…。けど僕ももう碌に魚雷は撃てない…」

加賀「こちらも飛行甲板をやられて発艦は出来ないわ。応急修理には時間がかかってしまうわ」

矢矧「私がこの魚雷でビスマルクを…!」

愛宕「ダメよ矢矧ちゃん。あなたのその損傷した魚雷発射管では撃てないわ。最悪自爆するわよ」

矢矧「けど、相手も損傷しています!ここで一気に追撃して…!」

加賀「撃沈させる気かしら?サイファー提督からの命令を忘れたわけじゃなくて?」

蒼龍「くっ!飛行甲板さえやられてなければ…!」


グラーフ「ずいぶんと…派手にやられて…しまったな」

Z1「日本の艦娘を甘く見てたわけじゃないけど、ここまで損害が出るなんて予想外だったよ」

Z3「U-511は無力化されて、私ももうダメね」

プリンツ「けど、ここを…通すわけにはいきません!」



645: ◆Q8foA/1VQQ 2016/01/17(日) 15:35:29.78ID:a3Lrngf4o

U-511「何か…来る!島の方向から…!」

ビスマルク「援軍!?遅いじゃないの…って、違う!あれは…!」


―ビスマルク達が見たものは、施設から離脱し迂回してきたサイファーが乗るラプターだった。しかし後方には深海棲艦の艦載機を引き連れているのも見える―


プリンツ「戦闘機が深海棲艦の艦載機に追われてる!?助けないと!」

ビスマルク「待ちなさい!あの戦闘機は島の方角からやってきたみたいよ。けど、それが何故深海棲艦の艦載機に追われて…」


蒼龍「あのラプターは私達の提督であるサイファー提督が乗っているはず…!」

時雨「単独偵察に成功したのかはまだわからないけど、あれが…あの深海棲艦の艦載機があの島がどういうものなのかを物語る証拠だよ」


グラーフ「単独偵察だと!?我々はそれに気づかなかったというのか…。いや、彼女らも詳細を知らされていないようだな」

Z3「敵の目も味方の目も欺く…。大した作戦ね。私達は見事に陽動作戦に乗せられたってことね」


大和「これでわかりましたか?私達が何故あの島を目標に前進していたかを」

愛宕「ラプターを追う深海棲艦の艦載機、しかも出所はあなた達が守っているあの島。これでもまだあの島が戦火を広げかねない要因では無いと否定できる?」


ビスマルク「ど、どういうこと…!?なんであそこから深海棲艦の艦載機が出てくるの!?私達はあの施設には世界を平和にするための鍵を研究していると…」

グラーフ「どうやら我々が一杯食わされたということだろう。よくもベルカの誇りを踏みにじってくれたものだ」

U-511「なんにしても、あのラプターを助けないと」

Z1「けど、僕達も日本の艦娘もどっちも損害が大きすぎて援護出きるかどうか」



646: ◆Q8foA/1VQQ 2016/01/17(日) 15:36:00.37ID:a3Lrngf4o

大和「ここは一時休戦でいいですね?今はサイファー提督のラプターの離脱を援護します」

矢矧「後のことは私達の基地で話を聞くわ。あなた達の質問に対する回答も含めてね」


Z3「けど、そんな状態で出来るのかしら?」


加賀「やらなければ私達の提督が落とされることになりかねないわ。やれるやれないではなく、やるだけよ」


ピクシー『その必要はねぇぜ、嬢ちゃん達よ!』


加賀「ピクシーさん!?」

ピクシー『加賀達はそのビスマルクとか言う嬢ちゃん達を連れて基地まで後退しな!あとは俺に任せとけ』

加賀「わかったわ。ビスマルク、私達の基地まで後退するわ。あなた達もしっかりついてきなさい」

ビスマルク「あのラプターを見捨てると言うの!?」

大和「違います。援軍が来てくれました。あとはその援軍に任せれば大丈夫です」

グラーフ「援軍だと?何処にそんな艦娘が…」





…シュゥゥゥゥゥゥン……





プリンツ「ミサイル!?何処から!?」





ドォォォォン キィィィィィイイイイイィィィン…






647: ◆Q8foA/1VQQ 2016/01/17(日) 15:36:26.83ID:a3Lrngf4o

Z1「イーグル!?それに深海棲艦の艦載機を撃墜!?」

U-511「通常の兵器で艦載機を撃沈。こんなことできる戦闘機ってあったんだ…」

矢矧「あれが私達の、いえサイファー提督が離脱するための援軍よ」

時雨「ラリー・フォルク。TACネームのピクシーって名前ぐらいは聞いたことがあるんじゃないかな」

グラーフ「戦闘機1機で何が出来る!?」

大和「先ほどのあれを見たでしょう?サイファー提督とピクシーさんは特別なんです。円卓の鬼神と片羽の妖精、伝説のガルム隊は聞いたことありませんか?」

Z3「ガルム隊…。ベルカ公国を滅ぼした一因とも言われているあの伝説の飛行隊」

ビスマルク「ガルム隊があなた達の基地にはいるっていうの!?」

愛宕「そういうことになるわね。さ、巻き添えを喰らっちゃう前に私達も後退するわよ」

プリンツ「ここは素直に従いましょう。それに今の私達では援護どころか邪魔になりかねませんし」

グラーフ「そうだな。この状態でガルム隊を相手にしてしまえば轟沈は免れん。だが、国際法に基づいた捕虜としての扱いを保証してもらいたい」

大和「その心配はありません。あなた達はただあの島の人達に騙されたようですし、尋問はされますが決して非道な扱いは行いません。それを約束します」



648: ◆Q8foA/1VQQ 2016/01/17(日) 15:36:53.13ID:a3Lrngf4o

ビスマルク「ならいいわ。案内してちょうだい。皆、動けるわね?」

Z1「最大戦速は無理だけど、離脱ぐらいなら大丈夫」

Z3「私もね。無理は利かないけど、この場から離れるぐらいなら大丈夫よ」

U-511「ゆーは少し辛いです…。引っ張ってくれたら嬉しい」

グラーフ「U-511は私が曳航しよう」

プリンツ「私も手伝います」

加賀「ではブイン基地まで後退します。逸れないように気をつけて」


『了解!』





ドォォォォン     ドォォン   ドォォォォン


―――――
―――



652: ◆Q8foA/1VQQ 2016/01/24(日) 16:26:16.40ID:HiPO5WKro

―ブイン基地―


ビスマルク「ここがブイン基地か」

プリンツ「なんというか…海軍基地…というよりもちょっと空軍っぽい感じですね」

大和「この基地は一度深海棲艦の猛攻を受けてほぼ壊滅状態になりました。それからサイファー提督が着任されて今の形になったんです」

グラーフ「サイファー…。円卓の鬼神の好みに造りかえられたということか」

愛宕「少し違うわね。サイファー提督の機体を満足に動かせるようにちょっとだけ手を加えたらこうなったって感じかしら」

矢矧「それに伴って色々と近代化されたのが今のブイン基地よ」

Z3「管制塔、ハンガー、フルスケールの滑走路、普通に見たら海に隣接した空軍基地ね」

Z1「ここにあのガルム隊がいるんだね」

U-511「海軍式じゃなくて、陸・空軍式の挨拶しないとダメ…なのかな」

時雨「海軍式で大丈夫だよ。サイファー提督は確かにパイロットだけど、ここは海軍の基地だから」

蒼龍「それよりもまずは私達全員の修理ね。高速修復剤の使用許可は出てますし、早く直しちゃいましょう」

加賀「そうね。このままではお互いボロボロの状態でサイファー提督と向かい合うことになるわ」

大和「ベルカの皆さんは申し訳ないですけど、武装解除をお願いします」

ビスマルク「わかってるわ。敵…と言っていいのかわからないけど助けられてるんだから、最低限のマナーは守るわ」

大和「ではご案内します。っと、その前に…。ようこそブイン基地へ。私達はあなた方を捕虜としてではなく、客人として歓迎します」

グラーフ「客人…か。甘いというか、底が見えんというか…」

加賀「サイファー提督も底が見えない人よ。皆それに感化されているのかもしれないわね」

Z1「上に立つ人の影響って少なからず出るもんだね」

大和「では今度こそ行きましょう。ついてきてください」


―――――
―――



653: ◆Q8foA/1VQQ 2016/01/24(日) 16:26:42.40ID:HiPO5WKro

―ハンガー前―


サイファー「よっと!やっと帰ってこれたか」スタッ

ピクシー「よっと!おつかれ、相棒。とりあえず任務終了だな」

サイファー「ああ。あとは撮れた写真の解析作業と、あの施設をどうするかを考えんとだな」

ピクシー「そうだな。にしても本当に宣言どおり無傷だな」

サイファー「このラプターを傷つけたらあいつがとんでもねえ顔して怒るのが見えてるからな」


ザッザッザッザッザッ


ローマ「戻ってきたのね。…ふぅん、本当に傷一つ入れてないようね」

サイファー「そういう約束だからな」

イタリア「凄い操縦技術ね。こっちは送られてくるレーダーの情報で見てただけだけど、あれだけ囲まれて無傷逃げ切るなんて流石サイファーね」

リベッチオ「これならAdmiralもローマも怒らないで済みそうだね」

ローマ「なんで私が怒ることに繋がるのよ」

リベッチオ「だって…」ニヤニヤ

イタリア「ねぇ…」ニヤニヤ

ローマ「まったく。いい加減にしてくれるかしら。他国の戦闘機を他国の軍が使用して傷つけたなんて、間違いなく国際問題になるからそれを懸念してただけよ」

リベッチオ「ふぅん…」ニヤニヤ

イタリア「そうなの~…」ニヤニヤ

ローマ「もう…」



654: ◆Q8foA/1VQQ 2016/01/24(日) 16:27:09.21ID:HiPO5WKro

サイファー「なんにしても無傷で帰ってこれたんだ。約束どおりこの機体はエメリアに返す」

ピクシー「あと、交換条件になった『ケッコンカッコカリシステム』の情報もな」

イタリア「よかったわね、ローマ。これで任務完了よ」

リベッチオ「ケッコンカッコカリは待ち望んだシステムだもんね」

ローマ「どうして私が待ち望んだことになってるのよ」

リベッチオ「あれ?ローマが待ち望んだとは一言も言ってないよ?」ニヤニヤ

イタリア「エメリアにとって待ち望んだってことなのに、どうしてローマが出てくるのかしら?」ニヤニヤ

ローマ「うっ…!あ、あんたたち…いい加減にしなさい!」

イタリア「きゃー!ローマが怒ったー!」ダッ

リベッチオ「逃っげろー!」ダッ

ローマ「あ、コラ!待ちなさい!…まったくもぅ、姉さん達はいっつも…」ハァ

サイファー「仲が良いんだな」

ローマ「からかわないでくれる?」

サイファー「そんなつもりで言ったんじゃない。なんにせよラプターを貸してくれたことに感謝する。おかげで重要な証拠を掴むことが出来た」

ローマ「そう、ならよかったわ。ところであなた達が戻ってくる少し前にこの基地の艦隊がベルカの艦娘を引き連れて戻ってきてたわよ」

サイファー「ああ、知っている。許可を出したのは俺だ。これから色々と聞かないといけないことがあるからな」

ローマ「そう。なら早く行ってあげたら?大淀がサイファーが戻ったらすぐに執務室に来るよう伝えてほしいって言ってたわ」

サイファー「そうか。烈風、ラプターの整備を頼んだぞ」

烈風妖精「わかったわ。完璧な状態にして返すわ」

ピクシー「俺も行こう。景雲、イーグルの整備頼んだぜ」

景雲妖精「了解したわ」


―――――
―――



655: ◆Q8foA/1VQQ 2016/01/24(日) 16:27:36.66ID:HiPO5WKro

―執務室―




knock knock




サイファー「入れ」




ガチャ




大和「失礼します。大和、及び旧ベルカ公国の艦隊旗艦ビスマルクさんと随伴5名をお連れしました」

サイファー「ご苦労。座って楽にしてくれ。大和、コーヒーを人数分頼む」

大和「了解しました」


サイファー「さて、このブイン基地によく来てくれた。俺がここの司令官のサイファーだ」

ピクシー「俺は陸軍で、今はMPの所属になってるラリー・フォルクだ。皆はTACネームのピクシーで呼んでいる。嬢ちゃん達の上を飛んでいったのは俺だ」

ビスマルク「あの伝説のガルム隊が揃い組で出迎えてくれるなんてね。私は…」

サイファー「自己紹介は結構だ。君達の事は大和達から聞いている」

ビスマルク「そう。話が早くて助かるわ。捕虜としてではなく、客人として迎え入れてくれたことに感謝するわ」

サイファー「勿論最低限のルールは適用させてもらうがな。さて、ここに呼ばれた理由は検討が付いているだろう?」

ビスマルク「勿論よ。何故私達があの場所にいたのか。それとあの施設のことでしょ?」

サイファー「そうだ。それを聞かせてもらえるな?」



656: ◆Q8foA/1VQQ 2016/01/24(日) 16:28:02.46ID:HiPO5WKro

ビスマルク「その前に私達がどういう存在なのかを知っていて?」

ピクシー「旧ベルカ公国の前身であるドイツの艦隊、その艦娘であり、ベルカ公国が無くなった現在はオーシアとユークを守る様に独自に動いていたとは聞いているが」

グラーフ「その通りだ。言うなれば我々は根無し草だったわけだ」

サイファー「それが何故あの場所にいて、あの場所を守っていた?」

グラーフ「サイファーとピクシー、いやフォルクがかつてウスティオにいたのと同じと言えばわかるな?」

ピクシー「俺のことはピクシーでいい。つまり傭兵としてあの場所にいたということか」

ビスマルク「だいたいはそれで合ってるわ」

サイファー「雇われた理由はなんだ?」

プリンツ「私達はグラーフが言ったとおり根無し草でした。根無し草ではどうしても補給や損傷を受けてしまうとその問題を解決するのに時間がかかってしまいます」

サイファー「つまり、補給や修復を受ける代わりに雇われたということか」

ピクシー「しかしそれじゃあその間のオーシアとユークを守るという本来の目的から逸れちまって本末転倒になっちまうんじゃねぇか?」

プリンツ「はい。ですので最初はお断りしてたんです。けど、その心配はいらないとあの人達は言ったんです」

サイファー「どういうことだ?」

ビスマルク「我々は深海棲艦の脅威に打ち克つ術を研究している。その研究は既に実用段階に近い状態だ。だから心配はいらないと言ってきたのよ」

Z1「けど実用段階に近いと言っても、完全に実用化してるわけじゃないからってことで、僕達は断っていたんです」

Z3「そこで私達が警護に付く代わりに、その間のオーシアとユークの警備は日本の艦娘が引き受けることを条件にしてきたのよ」

ピクシー「つまりオーシアとユークは日本から警護する。その代わり嬢ちゃん達はあの施設を守ってくれってことか」

グラーフ「私達にとって悪い条件ではなかったわ」



657: ◆Q8foA/1VQQ 2016/01/24(日) 16:28:41.61ID:HiPO5WKro

サイファー「大和、悪いが大淀と一緒にここ3ヶ月の日本の作戦を全部洗ってくれ。オーシア、ユークの海域に遠征記録があるかを確認したい。人手が必要なら増援も許可する」

大和「了解しました。ではその間の秘書は扶桑さんにお願いします。扶桑さんが到着次第、調査を開始します」

サイファー「頼んだ」

ピクシー「わざわざ自国の艦娘を警備に当たらせないで、ベルカの艦娘を当たらせるところからすると益々きな臭ぇ話だな」

サイファー「この国の艦娘にはそれなりの権限が与えられている。だが傭兵となれば話は別だ」

ピクシー「余計な探りを入れられないためってわけだろうな。下手に探られて深海棲艦の技術研究でも見られた日にゃ大問題だからな」

サイファー「あの施設について知っていることはあるか?」

ビスマルク「残念ながらさっきサイファーが言ったとおり、私達は傭兵で権限は最低限しかなかったわ。だから知っていることは最低限のことだけね」

グラーフ「あの施設は艦娘を運用するには十分な設備があり、レーダー監視網で近づく不穏分子はすぐに発見出来るというぐらいね」

プリンツ「正直あの施設がどれぐらいの規模があって、どんな研究をしているのか詳細は一切知らされてなくて、あの島も全容は誰もわからないんです」

ピクシー「嘘をついているようには見えねぇな。だとするとこいつはやっかいだぜ、相棒」

サイファー「ああ。研究施設の全貌がわからないとなれば、クローンを造っているであろうプラントの位置も把握出来ない。証拠はあるが、完全に潰すことは困難だな」

ピクシー「手っ取り早ぇのは絨緞爆撃して施設を島ごと完全に破壊するのが一番だが、日本国内のことだけに機体も人も全く当てにできねぇ」

サイファー「アークバードやストーンヘンジなら可能かもしれんが、それも今ではもう無い。やっかいな相手だ、まったく」



658: ◆Q8foA/1VQQ 2016/01/24(日) 16:29:07.96ID:HiPO5WKro

U-511「あの…」

サイファー「どうした?」

U-511「島の内部に繋がっているかもしれない場所なら…知ってます」

サイファー「どういうことだ?」

U-511「ゆーが潜って島の周辺を警備してたときに、貨物船の搬入口みたいなところを見たことがあるんです」

U-511「そこがなんなのかわからなくて一度迷い込んだことがあるんです。けどただの搬入口ならすぐに荷降ろし場に着くはずなのに凄い長いトンネルになってたんです」

U-511「おかしいなと思って浮上してみたら警備の人に見つかって止められて引き返したんですけど、その時にこの水路は島の反対側に繋がっていて、上下水道の代わりになっているって聞いたんです」

サイファー「トンネルの規模はどれぐらいだ?」

U-511「タグボート牽引なら大型の貨物船が通れるぐらい…だったと思います」

ピクシー「それだな」

サイファー「ああ、間違いない。だがプラントまでの道が知りたいところだな。コンテナをそのまま搬送すると考えればトンネルの規模は相当なものだろう」

ピクシー「元々は地下街もあったそれなりに栄えた島だ。古い地図を当たれば見えてくるかもしれねぇ」

サイファー「よし、ならばそれと照らし合わせて作戦を練ろう」



659: ◆Q8foA/1VQQ 2016/01/24(日) 16:29:34.75ID:HiPO5WKro

ビスマルク「ところで、私達からいくつか質問させてもらってもいいかしら?」

サイファー「なんだ?答えれる範囲なら答えよう」

ビスマルク「まずは私達の処遇ね。私達は傭兵として戦ったとはいえ、あなた達に敵対し鹵獲される形になったわ。今後の私達の処遇を聞きたいわね」

サイファー「武装はこちらで預かる。その上で監視は付くがある程度の自由は与えるつもりだ」

グラーフ「本当に客人としてもてなすつもりなのか?」

サイファー「そう考えてもらっていいだろう」

ビスマルク「私達がオーシア、ユーク、ひいてはベルカの残党部隊と繋がっていると考えたりはしないのかしら?」

サイファー「ベルカの残党部隊なら先の環太平洋戦争でオーシア軍が殲滅したと聞いている。完全にいなくなったとは思わんが、オーシアとユークの現状を考えれば今更どうにかできることではないだろう」

サイファー「それにオーシア、ユークとのパイプなら、ここにいるピクシーも持っている。ビスマルク達がここにいるからといって即戦争なんてことにはならん」

ピクシー「それにサイファーはエメリアとのパイプも持っている。下手な基地よりも手を出したらやっかいな場所なんだぜ、ここってよ」

プリンツ「それであのラプターなんですね」

ビスマルク「それともう一つだけ。何故あなた達はここにいるの?確かピクシーはISAFに、サイファーはベルカ戦争後に行方不明になったって聞いてるけど」

ピクシー「俺はISAFに義勇兵として参加してたときに日本にスカウトされて今に至るってわけだ」

サイファー「俺はベルカ戦争後に各地を転々として、成り行きでここの司令官になった」

グラーフ「な、成り行き…。大丈夫なのか、この国の軍部は」



660: ◆Q8foA/1VQQ 2016/01/24(日) 16:30:00.91ID:HiPO5WKro

サイファー「今後の処遇についての詳しい事は大和達から伝えられるだろう。よく話してくれた。感謝する」

ビスマルク「ま、私達も半分騙されたようなものだったから、お返しはしないとね」

Z1「何か思い出したらすぐに教えるよ。深海棲艦を使っていたなんて許せないから」

Z3「ベルカの誇りを踏みにじってくれたお礼は返させてもらわないとね」





knock knock




サイファー「入れ」




ガチャ





扶桑「扶桑、ただいま到着しました。大和さん、秘書艦交代しますね」

大和「はい。では扶桑さん、あとはお願いします」

ビスマルク「お、おおぅ!パゴダマスト!これがあの有名なパゴダマスト!」

プリンツ「凄い!凄いです!」

サイファー(また…か。扶桑呼んだのは失敗だったか?)

サイファー「扶桑、ビスマルク達を客室に案内してくれ。その後のことは…」

扶桑「監視付きではあってもある程度の自由を与える…ですね?」

サイファー「そうだ。任せてもいいな?」

扶桑「はい。了解しました」



661: ◆Q8foA/1VQQ 2016/01/24(日) 16:30:27.58ID:HiPO5WKro

サイファー「では話はこれで以上だ。今日はもう休んでくれ。わからないことがあれば監視についている者に聞いてくれればいい」

グラーフ「わかった。捕虜としてではなく、客人として扱ってくれることに感謝する。では失礼する」





バタン





<凄い!どうなってるのこれ!?

<なんで倒れないの!?

<触ってもいい?

<いいですよー

<きゃー!本当に倒れない!凄ーい!





ピクシー「…だからそんな表現し辛ぇ顔すんなよ、相棒」

サイファー「あ、あぁ」

ピクシー「さて、俺達もやることは決まったな」

サイファー「だがのんびりとやる時間はない」

ピクシー「ああ、そうだな。さっさとケリ付けてこの問題を終わらせようぜ、相棒」

サイファー「そうだな。今度こそ終わりにしよう」


―――――
―――



666: ◆Q8foA/1VQQ 2016/01/31(日) 20:09:54.59ID:ebZsEJ9To

―2日後―


サイファー「これで現状で手に入る資料は揃ったな」

ピクシー「ああ。だが意外と広いな。こうも広範囲だとプラントの位置を正確に割り出すのは困難だぜ」

サイファー「そうだな。それに新たに増設された通路もあるだろう。絞りきるには資料がもう少しほしいな」

ピクシー「だな。こうなりゃハッキングでも仕掛けるしかないか」

サイファー「お前、そんなことできたのか?」

ピクシー「俺が出来るわきゃねぇだろ」

サイファー「なんだ。てっきり会わない内にハッキングなんてスキルを身につけたのかと思ったぜ」

ピクシー「それが出来てりゃもっと資料が揃ってるっつうの」

サイファー「そうだな。で、実際問題どうする?」

ピクシー「研究施設なんてもんになりゃあセキュリティはガッチガチだろうし、かといってオーシアやユークを頼っちまったら下手すりゃ国際問題だしな」

サイファー「そうだな。かといって国内で頼めるツテなんてねぇし、何より今は信用していいのかすら怪しいしな」

ピクシー「震電Ⅱを餌にしてみるか?」

サイファー「どうやってだ?」

ピクシー「それはこれから考える」

サイファー「ノープランかよ。却下だ却下」

ピクシー「あ~…まいったぜ。時間も無ぇってのによ」



667: ◆Q8foA/1VQQ 2016/01/31(日) 20:10:20.78ID:ebZsEJ9To






knock knock




サイファー「入れ」




ガチャ




大淀「サイファー提督、大本営から伝令です」

サイファー「読んでみろ」

大淀「はい。明日ヒトマルマルマル時より保管されている震電Ⅱを調査を行う。なお、拒否した場合は反逆罪に処する。以上です」

ピクシー「今まで強硬手段には出てこなかったのにこのタイミングでか」

サイファー「差出人はわかるか?」

大淀「海軍本営の大将からのものです」

サイファー「尻に火が付いて自分から出てきたか」

ピクシー「どうするサイファー?エメリアの艦娘とラプターを乗せた船の出航は明日だ。ラプターの存在がバレちまったらあいつらは証拠隠滅の為に手段は選んでこねぇだろうぜ」

サイファー「かといって出航を早めても、恐らくは既に囲まれているだろう」

ピクシー「ここは受け入れるしかねぇ…か」

サイファー「そうだな。大淀、要求を飲むと伝えておいてくれ。ただし、こちらにはエメリアからの来客がいるからくれぐれも注意してくれともな」

大淀「了解しました」





バタン







668: ◆Q8foA/1VQQ 2016/01/31(日) 20:10:47.31ID:ebZsEJ9To

ピクシー「こいつはやべぇな。どうする、相棒?」

サイファー「賭けに出るしかねぇな」

ピクシー「なんか策があんのかよ?」

サイファー「正直策と言える代物じゃねぇけどな」

ピクシー「けど、それしかねぇんだろ?どうすんだよ?」

サイファー「一応俺にもこの国でのコネクションはある。現状ではあまり頼りたくないが、もし俺の考えが正しければ…」

ピクシー「打開策がそれしかねぇんなら賭けてみるしかねぇだろ。一か八かだぜ」

サイファー「ああ。やってみるさ。ピクシー、悪いがイタリア達に伝えてくれ。ラプターは今日中に貨物船に搬入してくれと」

ピクシー「少しでも時間を稼がねぇとな。了解した。そっちは頼むぜ、相棒」

サイファー「ああ、最善は尽くす」





バタン





サイファー「ここで証拠を手放すわけにはいかん。なんとしても喰い止めねぇとな」



カタカタ…カタカタカタ…



カチッ



―――――
―――



669: ◆Q8foA/1VQQ 2016/01/31(日) 20:11:13.47ID:ebZsEJ9To

―翌日―


大将「ほぅ、見ないうちにずいぶんと様変わりしたようだな、このブイン基地も」

サイファー「はるばる本土より長旅お疲れさまです」

大将「となりの貨物船はなんだね?」

サイファー「昨日お伝えしたと思いますが、エメリアからの来客です」

大将「まさかあれに震電Ⅱを積んでいるということは無いだろうね?」

サイファー「まさか。震電Ⅱはハンガーで厳重に封印しています。ご覧になられればわかるかと」

大将「ふんっ。まぁいい。あの船はいつここを発つ予定なのかね?」

サイファー「本日の予定でしたが、大将が来られるということで延期してもらいました」

大将「そうか。では予定通り調査を開始させてもらう。異論は無いね?」

サイファー「もちろんです。ですが、スクランブル発生時に即応するためにストライクイーグル2機は滑走路で待機させていただきますが、よろしいですか?」

大将「ハンガーにいても調査の邪魔になるだけだ。かまわん、好きにしろ」

サイファー「ありがとうございます。では客室へご案内します」

大将「結構だ。あの船は意外と快適でね」

サイファー「そうですか。では早速ご覧になられますか?」

大将「ああ。案内を頼むよ」

サイファー「了解しました」


―――――
―――



670: ◆Q8foA/1VQQ 2016/01/31(日) 20:14:12.45ID:ebZsEJ9To

今回はここまでです
本当に短くて申し訳ありません
聖☆おにいさんなんて一気読みしてしまった自分が悪いです
あれはあかん…あかんやつや。シリアスな会話が頭の中から全部飛んだ

ではまた
ありがとうございました



675: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/10(水) 21:29:56.79ID:vpyKDAYLo



―輸送船内―


イタリア「ねぇローマ」

ローマ「なに?」

イタリア「どうなると思う?」

ローマ「さぁ?ただ、穏便に震電Ⅱとかいう機体を解析して終了、はいさようならとはいかないでしょうね」

リベッチオ「この船の中も調べられちゃうのかなぁ?」

ローマ「可能性はあるわね。けど、あくまでこの船はエメリアからの来客扱い。名目上が震電Ⅱの調査なら別の理由が必要になるわ」

イタリア「けど、恐らくはあの大将さんは…」

ローマ「そうでしょうね。この輸送船に積まれているラプターがメインでしょうね」

リベッチオ「けど、撮影したデータは既にサイファーに渡ってるんだよね?」

ローマ「最終目標はそのデータの入手でしょうね。ただ、施設の防衛エリアを突破した機体がここにあるという証拠が欲しいのも確かでしょうね」

リベッチオ「何か手は打ってるの?」

ローマ「まぁ時間稼ぎ程度には…ね。相手が紳士ならそれでいけるでしょうけど、どうかしらね」

イタリア「なりふり構わず強権を発動させれば終わりってことね」

ローマ「それで終わりならまだいいわ」

リベッチオ「まだ何かあるの?」

ローマ「それで機体が没収、私達も鹵獲されるなんてことがあれば、最悪日本とエメリアが戦争をすることにもなりかねないわね」

イタリア「……今はサイファーを信じましょう。彼ならきっとなんとかしてくれるはず」

ローマ「そうね」


―――――
―――



676: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/10(水) 21:30:42.62ID:vpyKDAYLo

―基地内・客室―


ビスマルク「なんでこんなところにいきなり海軍のお偉いさんが来てるのかしら」

グラーフ「恐らく先日のあの件だろう」

ビスマルク「じゃあ裏で糸を引いてたのはあいつだっていうこと!?」

グラーフ「まだそう決まったわけじゃない。だが、あまりにもタイミングが良すぎる」

プリンツ「証拠を押さえられて、その証拠を握りつぶすためにここに来たということでしょうか」

Z1「けど、サイファーは震電Ⅱの調査だって」

Z3「名目上はそうでしょうね」

グラーフ「ゆー、彼らを見たことは無いか?」

U-511「無い…です」

グラーフ「そうか」

U-511「けど、あの船は見たことあるような…。トンネルの方に向かっていったのを見たって」

ビスマルク「ちょっと証拠にしては弱いわね」

プリンツ「このまま私達はここで大人しくしているだけなんでしょうか」

グラーフ「残念ながら現状ではそうなるな。下手に動けばサイファーの足を引っ張ることになりかねん」

ビスマルク「悔しいわね。せっかく拾った命なのに何も出来ないなんて」

グラーフ「今は我慢するしかない。今はただ耐え、最悪の事態に備えるだけだ」

ビスマルク「…そうね。頼むわよ、サイファー」


―――――
―――



677: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/10(水) 21:31:16.00ID:vpyKDAYLo

―応接間―


大将「よくまぁあそこまで厳重に封印したもんだな」

サイファー「ええ。あの震電Ⅱには危険なシステムが組み込まれていましたから。それが再起動して暴走する可能性がある以上は当然の処置です」

大将「貴様が使っているシステムピクシーとかいうシステムかね?」

サイファー「いえ、あの機体に積まれているシステムは似て非なるものです。報告書に記載していた通りのものです」

大将「深海棲艦側の技術が組み込まれてたと言ったな?」

サイファー「その通りです。自分に付いている妖精がそれを探知しました」

大将「そのようなシステムを悪用するものには厳罰を与えねばならんな」

サイファー「決して使用してはならないシステムと思っております」

サイファー(この狸が…!)

大将「ところで、先日我が国の領空内に見慣れない戦闘機が侵入してきたのは知っているかね?」

サイファー「大本営からはそのような報告は聞いておりませんが」

大将「まだ何処の機体か判明していないからな。私はその機体の捜索も任されていてね」

サイファー「機体の種類は判明しているんでしょうか?」

大将「機体はステルス機F-22ラプター。味方の識別信号を出していなかったからね。領空侵犯の機体として捜索中なのだよ」



678: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/10(水) 21:31:47.40ID:vpyKDAYLo

サイファー「それなら既に母国に帰投しているのではないでしょうか。偵察目的で飛行してきたのなら、空母艦載機でもない機体なら一度母国に戻るかと」

大将「普通はそうだろうな。だが、目撃者の証言からその機体はこのブイン基地の方角に飛んだと聞いていてね」

サイファー「つまり我々がその機体を目撃していないかということですか?」

大将「そういうことだ」

サイファー「しかし不可解ですね。何故大将ともあろう方が領空侵犯の機体の捜索を任されるのでしょうか。領空侵犯を犯した機体の捜索ならば空軍の仕事では?」

大将「見つけたのが私の管轄する部下だったものでね。そこで私が任されることになったのだよ」

サイファー「その情報は空軍には?」

大将「いや、まだ報告していない。もし艦娘のデータを盗みに来たというならば管轄である我々海軍が片付けねばならんことだ」

サイファー「でしたら余計に情報漏えいを防ぐためにも空軍に協力を依頼すべきでは」

大将「サイファー、君は元傭兵であまり軍上層部の事情を知らないのかもしれないが、これは海軍の問題なのだよ」

サイファー「そのラプターはどのような情報を握ったのでしょうか」

大将「それは教えられん。未だ機密事項でね」

サイファー「ラプターの特徴はわかりますか?」

大将「機体はごく一般的な塗装の機体だ。ただ、部隊章すら付いていないという奇妙なものでね」

サイファー「そうですか」

大将「ただ、君のスーパーホーネットとストライクイーグル、あれにも部隊章は付いていなかったね?」

サイファー「つい先日、憲兵部隊のラリー・フォルクがこの基地に正式に着任したと同時に部隊章が付けられました。自分の機体には部隊章が付いております」

大将「ただ、基本的には君は海軍では数少ないパイロットであり、基本的にワンマンアーミーということに変わりはなかろう」



679: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/10(水) 21:32:15.76ID:vpyKDAYLo

サイファー「…つまり何がおっしゃりたいのでしょうか」

大将「君が新たな機体を手に入れて私の管理するエリアに無断で侵入したのではないかと疑っているのだよ」

サイファー「何故自分がそのような事をする必要性があると?」

大将「…ふんっ。ただの傭兵上がりと思っていたが話術も大したものではないか」

サイファー「お褒めに与り光栄です」

大将「回りくどい会話はここまでにしよう。君も察しが既についているのだろう?」

サイファー「………」

大将「賢すぎる傭兵は軍には嫌われるよ、サイファー」

サイファー「あなたの目的は何なのですか?」

大将「それを聞いてなんになるのかね?データは何処だ?しゃべってもらおうか」カチャッ


―そういうと大将は銃を取り出し、サイファーに突きつける―


サイファー「何の話でしょうか」

大将「もういいのだよ。君も私が裏で手を引いているというのは察しが付いているだろう?そして現状は私が圧倒的有利な立場にある」



680: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/10(水) 21:32:41.79ID:vpyKDAYLo

サイファー「…一つだけ教えてもらえますか?何の目的で動いているのかを」

大将「艦娘の力というのは強大だが、あの小娘共は利口すぎるのだよ。世界の覇権を握るならば人に牙を向けられる深海棲艦の力が必要なのだよ」

サイファー「つまり、力で世界を掌握しようと」

大将「そうだ!そして私はその力を手に入れた。君のお陰でね」

サイファー「力で世界をねじ伏せるなど不可能だ。かつてのベルカがそうであったように」

大将「私はベルカとは違うよ。ただベルカの思想は間違ってないとは思うがね。私は私なりにベルカのやろうとしたことを実現するだけだ」

サイファー「……」

大将「さぁおしゃべりはここまでだ。君がラプターで撮影したであろうデータを渡してもらおうか。さもなくば…」





ガチャ




???「そこまでだ!」

大将「誰も入るなと言っているだr…な、何故あなたがここに…?」

サイファー「来ていただけましたか。状況が状況でしてお迎えにあがれず申し訳ありませんでした」




サイファー「……元帥閣下」



元帥「ああ、構わんよ。それより君のお陰で首謀者をこうやって追い詰めることが出来た。よくやってくれた、サイファー君」



681: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/10(水) 21:33:08.16ID:vpyKDAYLo

ピクシー「まさかお前のツテが元帥閣下とは思わなかったぜ。さて大将さんよ、その銃を下ろしな」

大将「これは何かの罠です!これは私を陥れるためにサイファーが仕組んだことです!」

サイファー「残念ながらここでの会話は録音されている。証拠は十分だ」

ピクシー「それに元傭兵でベルカ戦争を生き抜いたサイファーが、銃を易々と突きつけられる状況になってるほうがおかしいと思わねぇのか?」

大将「…ぐっ!貴様等は私の言うことを聞いていればいいんだ!」

サイファー「だったら俺はもうお前の命令は聞くつもりはない」グッ


―サイファーは自身の軍服の階級章を外し投げ捨てた―


ピクシー「お、おい相棒!?」

サイファー「シッ!!」

大将「くぅっ!」


―直後、一瞬の隙を見てサイファーが大将に向けて打撃を繰り出す。腕にサイファーの打撃を喰らい、大将は怯み下がった―


大将「おのれぇ!こうなればっ!」


―元帥の部下に身柄を拘束される寸前に大将は軍服のポケットからスイッチを取り出し、そのボタンを押した―


ピクシー「てめぇ!なにしやがった!?」

大将「私が最悪の事態を想定してないとでも思ったのかね?もしもの時は私の部隊がこの基地を破壊する手はずになっているのだよ」

サイファー「大将の部隊…ということは…!」

大将「そうだ!私の最高傑作の部隊、クローン部隊だよ!穏便に済ませようと思っていたのだが、こうなっては仕方が無い。全てを破壊して証拠を消し去ってやる!」

元帥「い、いかん!至急私の部隊を展開させろ!このブイン基地を守りきるのだ!」



682: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/10(水) 21:33:34.20ID:vpyKDAYLo

サイファー「…一つ、計算ミスをしたようだな」

大将「何!?」

サイファー「俺が何故ストライクイーグル2機を滑走路で待機させたと思っている?」

ピクシー「最悪の事態はこっちも想定していたってわけだぜ」

サイファー「行くぞピクシー!」

ピクシー「おう、相棒!」

元帥「待ちたまえ、サイファー君!」

サイファー「すみませんが、スクランブルですので後ほど」

元帥「そうではない。ほらっ」スッ


―元帥はサイファーが投げ捨てた階級章をサイファーに手渡した―


サイファー「しかし自分はもう…」

元帥「縫い付けが甘くて落ちてしまった。そうだろう?次は鳳翔に縫い付けを頼むと良い。自分の物は大切にせねばならんぞ。戦闘機も、軍服も、そして仲間もだ」

サイファー「……了解!では」


―サイファーはそれを受け取り滑走路へとピクシーと共に走り去っていった―


元帥「さて、君には聞かねばならんことが山ほどある。本土できっちり全てを話してもらうぞ」

大将「ふんっ!生きていればな!私の部隊は普通の深海棲艦とは比べ物にならん。たかが戦闘機2機増えたところで何が出来る!」

元帥「彼等ならなんとかしてくれるだろう。私は彼等を信じるよ」

元帥(そうであろう?円卓の鬼神、片羽の妖精)



―――――
―――



688: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/14(日) 19:14:43.75ID:SEM6w+lno

―滑走路―


サイファー「待たせたな。ストライクイーグルはどうだ?」

烈風妖精「いつでも離陸可能よ。敵の部隊を察知した時点で火は入れておいたわ」

サイファー「流石だ。敵の部隊の様子はどうだ?」

彩雲妖精「真っ直ぐこの基地に向かってきてるわ。それもかなりの数がね」

サイファー「最終防衛ラインを突破されれば終わりだ。なんとしても守り抜く。出るぞ!」プシューガコン


――――――


ピクシー「敵の数はどんなもんだ?」

景雲妖精「現状はざっと60ってところね」

ピクシー「おーおー、また大盤振る舞いかましてきやがったな。俺と相棒で30隻ずつか」

天山妖精「んー一応基地防衛に出てる艦娘も、元帥の部隊も展開してるんだけどねぇ」

ピクシー「あのいけすかねぇ大将の野郎にゃ俺達を敵に回すとどうなるか見せてやらねぇとな。出るぜ!」プシューガコン


――――――


大淀『滑走路クリア!サイファー提督、ピクシーさん、発進どうぞ!』

サイファー「ガルム1、出るぞ!」ヒュィィィゴォォォォォォ

ピクシー『続けてガルム2、出るぜ!』ヒュィィィゴォォォォォォ


大淀『サイファー機、ピクシー機、共に高度制限を解除します!御武運を!』



689: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/14(日) 19:15:09.72ID:SEM6w+lno

サイファー「大将が部隊を展開したということは、敵の本丸にも動きがあるはずだ。時間はかけられんぞ」

烈風妖精「わかってるわ。それに相手はクローン部隊。手加減なんてしたらこちらが落とされかねないわ」シュゥン


ピクシー「ちゃっちゃと片付けて研究施設に突っ込むぞ。時間との勝負だぜ」

景雲妖精「けど、その前に目の前の敵を完全に叩かないとね」シュゥン





<System Pixy Standby>ピピッ!





サイファー「敵との相対距離は…まだあるか」

彩雲妖精「まだハープーンの射程範囲外ね」

サイファー「あの大将のことだ。クローン部隊の発見を恐れてかなり後方で待機させたんだろう」

ピクシー『元帥の部隊も防衛ラインに向かってるぜ。中々仕事が早ぇな』

サイファー「だが元帥の部隊といえど元々は護衛のための部隊で少数だ。ブイン基地の艦娘が居るとはいえ、孤立したら終わりだ」

ピクシー『なら俺らが叩くしかねぇな』

サイファー「だが念には念を押しておく。大淀、元帥閣下に伝えてくれ。ブイン基地所属の者も含む全艦娘の指揮をお任せすると」

大淀『了解しました!』

元帥『大丈夫だ。聞こえているよ。艦娘のことは私に任せて君達は敵の撃破に集中してくれたまえ』

サイファー「了解!」



690: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/14(日) 19:15:36.75ID:SEM6w+lno

大淀『え!?ちょ、ちょっと!あなたたち!今は作戦行動中で…!』

サイファー「どうした?何が起こった!?」


ビスマルク『聞こえてるかしら、サイファー?こちらはビスマルクよ。私達も出してちょうだい』

サイファー「しかしお前達は…」

ビスマルク『敵は一方から来るとは思えないわ。確かにこのブイン基地の艦娘を展開してるけど、相手は殲滅戦をする気なのよ。何処から来るかわからないわ』

ビスマルク『イタリア達にはもう話をつけてあるわ。私達を出して!私達もこの基地の防衛に回るわ』

サイファー「……信頼していいんだな?」

ビスマルク『任せて!もてなしてくれた礼はさせてもらうわ』

サイファー「了解した。頼むぞビスマルク」

ビスマルク『了解よ。ベルカ艦隊、およびエメリア艦隊はこれより元帥閣下の指揮の元、ブイン基地の防衛に付くわ』

サイファー「了解だ。元帥閣下、お願いします」

元帥『ふむ、了解した』


ピクシー『こりゃ余計にヘマするわけにゃいかなくなったな、相棒』

サイファー「元よりヘマをするつもりなんてねぇよ」

ピクシー『だろうな!傭兵の頃だったら報酬上乗せだっただろうけどな!』

サイファー「残念だったな」

ピクシー『へ!何も金だけが報酬じゃねぇからな』

流星妖精「サイファー!ハープーン射程範囲に入りました!」

サイファー「当てられるか?」

流星妖精「敵のスペックが未知数なので半々かと」

サイファー「ならば…ここだ!ターゲット戦艦ル級、ハープーン Fire!」カチッ

流星妖精「距離、相対角確認!ハープーンミサイル発射!」バシュゥゥン


ピクシー「こっちもいくぜ!陣形を完全に整える前に叩く!ハープーン Fire!」カチッ

天山妖精「上手く巻き込んでみるよ!ハープーン発射!」バシュゥゥン


―――――
―――



691: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/14(日) 19:16:07.68ID:SEM6w+lno

―管制室―


大淀「サイファー機、ピクシー機、敵部隊との戦闘を開始!初弾の攻撃により計9隻撃沈しました!」

元帥「初弾でか、凄まじいな」

大淀「サイファー機、ピクシー機、共にさらに接近。ミサイル攻撃によりさらに6隻撃沈!」

元帥「このわずかな時間で敵の1/4を殲滅か。しかし、ミサイルの数が不足するな」

大淀「敵の陣形が崩れました!それぞれの距離を取り、ミサイルによる攻撃の巻き添えを警戒した模様です」

元帥「足止めは成功したと言ったところか。大淀君、新たな敵の反応はあるかね?」

大淀「現状ではありま…いえ、新たな目標を発見!距離1300000、数20!」

元帥「やはり来たか。ビスマルク君」

ビスマルク『流石元帥閣下ね、いい勘してるわ』

元帥「若い娘に褒められると嬉しいもんだ。サイファー君とピクシー君は援護には来られないだろう。君達が頼りだ」

ビスマルク『ふんっ。にしては随分となめられたものね。この程度で私達を倒せると思ってるのかしらね』

グラーフ『だが相手は日本の艦娘の戦略を熟知した部隊だ。通常の深海棲艦とは違う』

イタリア『だから私達なんでしょう?日本だけではないエメリアとベルカの混成部隊なら相手には情報は無いはず』

ローマ『元帥閣下。サイファーにも伝えておいてくれるかしら。これは貸し一つよと』

元帥「その貸しは私が支払おう。だが今はこの基地を防衛することだ。この基地が無くなってしまえばそれどころではなくなってしまうよ」

ローマ『そうね。まずはこの基地を守り抜くわ。そちらの部隊で輸送船の護衛もお願いするわ。あれには大事なものが載っているわ』

元帥「客人の荷物を傷つけさせるつもりはないよ。任せてくれたまえ」

ローマ『頼りにさせてもらうわ』



692: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/14(日) 19:16:33.76ID:SEM6w+lno

元帥「大淀君、サイファー君達はどうなっている?」

大淀「既に敵部隊の半数を撃破!依然サイファー機、ピクシー機共に健在です!」

元帥「流石は円卓の鬼神と片羽の妖精と言ったところか。大将君は大きく計算ミスをしたようだね」




knock knock




元帥「入れ」




ガチャ




元帥部下「報告です!大将個人のノートPCのデータから施設の情報を発見しました!」

元帥「よくやってくれた!その情報の中に施設内の地図はあったかね?」

元帥部下「はい!地図のデータと管理されている深海棲艦のクローンを製造するプラントの位置も記載されていました!」

元帥「ふむ。ではそのデータをストライクイーグルにインストールする準備をしてくれたまえ。それと弾薬と燃料の補給を戻り次第すぐに行えるよう手はずを整えてくれたまえ」

元帥部下「了解しました。それと震電Ⅱを解析している者達はいかがいたしましょうか?」

元帥「可能ならば手伝わせろ。彼らは恐らく末端の者だろう。厳に監視しつつ不備の無いようにな。ここからは我々も時間との勝負になるぞ」

元帥部下「了解しました!」





バタン




大淀「よろしかったのでしょうか?解析チームも大将の手の物ではないでしょうか?」

元帥「用心深い彼のことだ。一部の者にしか情報は与えていないはずだよ。彼らもある意味では被害者なのかもしれん」

大淀「この基地からも監視に艦娘を付けましょうか?」

元帥「ああ、頼むよ」


―――――
―――



693: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/14(日) 19:16:59.91ID:SEM6w+lno

―戦闘空域―


サイファー「残り20!ピクシー、残弾はどうだ?」

ピクシー『流石に怪しくはなってきやがったな。誘導爆弾と機銃でなんとかしてっけど、数が少なくなってきた分巻き込んで撃沈とはいかなくなってきやがったからな』

サイファー「だがこいつらを倒さないと今までの苦労が全て水の泡だ」

ピクシー『撤退は許可されないわな!さっさと残りを片付けるしかねぇな』

サイファー「時間を掛ければそれだけ不利になる。沈めれる奴から確実に沈めていくぞ。サイドワインダーFire」バシュゥゥン

ピクシー『そんな艦載機じゃ俺に勝つのは無理ってもんだぜ!』ドガガガガ


大和『サイファー提督、ピクシーさん!これより艦砲射撃を行います!射線軸から離れてください!』

サイファー「来たか!」

ピクシー『頼んだぜ、嬢ちゃん達よぉ!』

大和『全艦砲撃用意!目標敵クローン部隊!撃ち方始めっ!』


―大和達の砲撃により敵の大半を撃沈。敵部隊の残数は残り僅かとなった―


ピクシー『おーおー!えげつねぇな。あれだけの数の砲弾を一斉にぶちかまされりゃ逃げ場はねぇな』

サイファー「だがそのおかげで残りは3隻…いや4?」

ピクシー『新たに反応が増えたな。何処に隠れてやが…った?』



694: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/14(日) 19:17:31.83ID:SEM6w+lno

サイファー「あれは…北方棲姫!奴らめ、こんなクローンまで造りやがったのか!」

ピクシー『ちっ!とことん腐った奴らだぜ!』

サイファー「だが、今回は艦載機鹵獲が目的ではない。一気にケリをつける!」

ピクシー『帰ったらあいつを1発ぶん殴らねぇと気が済まねぇな!いくぜ、相棒!』

サイファー「ああ!AMRAAM Fire!」バシュゥゥン

ピクシー『サイドワインダーFire!』バシュゥゥン


―北方棲姫に向かって空対空ミサイルを発射。クローンとは言えど元は北方棲姫のDNAデータを元に造られた者だけあって艦載機を展開し防御。空対空ミサイルは完全に防がれた―


サイファー「今だ!ハープーンFire!」バシュゥゥン

ピクシー『こっちもだ!ハープーンFire!』バシュゥゥン


―しかしその行動を読んでいたサイファーとピクシーは続けざまに空対艦ミサイルを発射。艦載機を防御の為に発射させた北方棲姫は無防備の状態で直撃を受け轟沈する―


サイファー「艦娘の戦術行動パターンだけでなく、俺達の行動もデータに取り入れておかなかったのがお前達の敗因だ」

ピクシー『2度も同じ相手をして手こずる俺達じゃねぇってな』

大和『サイファー提督とピクシーさんは基地に戻ってください!元帥閣下が施設のデータを入手したとのことです!』

サイファー「!そうか、わかった。あとは任せるぞ」

大和『了解しました』


―――――
―――



695: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/14(日) 19:17:58.34ID:SEM6w+lno

―ブイン基地・滑走路―


サイファー「クローン製造施設の情報が手に入ったんですか!?」

元帥「ああ。私の部下が大将個人のPCを解析したところ、その中から地図データとプラントに関する詳細なデータが出てきてね」

ピクシー「こうしちゃいられねぇ!さっさと補給を済ませてすぐすっ飛んでいかねぇと!」

元帥「慌てるではない。補給は我々も協力する。君達はいつも妖精達にやってもらっていたのだろう?」

サイファー「はい。全て妖精達が問題なく行っておりました」

元帥「今は時間が無い。我々も協力して補給とデータのインストール作業に取り掛かる。君達は一度休憩したまえ」

ピクシー「了解しました。ではお言葉に甘えて休憩を頂きます」

サイファー「烈風、プラントの破壊はわずかなタイミングしかないだろう。燃料気化爆弾も搭載させておいてくれ」

烈風妖精「わかってるわ。ピクシー機にも、でしょう?」

サイファー「そうだ。ただ今回は伝えるだけでいい。お前達も少しの時間だが休め」

烈風妖精「そうさせてもらうわ」


イタリア「サイファー、戻ったのね」

サイファー「ああ。そっちはどうだった?」

イタリア「少し苦戦はしたけど撃破してきたわ。今はこの基地の艦娘に引き継いで私達も補給しているところよ」

サイファー「よくやってくれた。すまないな、客に戦わせるようなことになってしまって」

イタリア「大丈夫よ。それに私達も戦わなかったらこの基地がどうなっていたかわからないもの」

サイファー「何か礼をしないといかんな」

イタリア「ふふっ。だったら今度はサイファーが私達の基地に来てくれるかしら?あの人も久しぶりにサイファーに会いたいと思ってるはずよ」

サイファー「そうだな。機会を見つけて会いに行かせてもらうか。手紙にも遊びに来いと書いてあったしな」

イタリア「口約束だけにならないようにね」

サイファー「ああ、善処する」



696: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/14(日) 19:18:24.75ID:SEM6w+lno

ピクシー「ふぅ、やれやれ。これでやっとクローンなんて胸糞悪いもんとおさらば出来るか」

元帥「む、いたな。ピクシー君、君に少し大事な話がある」

ピクシー「元帥閣下。なんでしょうか!」

元帥「ああ、楽にしていてくれたまえ。君達は先ほどまで戦闘していたんだ。次の任務までは休んでくれ」

ピクシー「すみません。で、話というのは?」

元帥「君は妖精とコンタクトを取れる『資質』の持ち主だ。どうだね、今回の事件が終わったら海軍に移籍するつもりは無いかね?」

ピクシー「それは自分を新たな提督として据えるということでしょうか?」

元帥「そうだ。今回の騒動で壊滅した基地もあるのでな。人員が欲しいところなのだよ」

ピクシー「…せっかくですが、俺は陸軍から離れるつもりはありません」

元帥「それはサイファー君の存在があってということかね?」

ピクシー「相棒の存在の影響が無いと言えば嘘になりますが、俺は陸軍では若手のパイロットの育成も行っていました。その任務が半端な状態になって今に至っています」

元帥「つまり、これからは自分は若手の育成に尽力を尽くしたいと?」

ピクシー「そうです。正式に教官として戻るその日まではここで戦いますが」

元帥「そうか。実に残念だよ」

ピクシー「申し訳ありません」

元帥「なに、これからは君達が軍を引っ張る存在になってくれればそれでいいのだよ。何か困ったことがあればいつでも私を頼ってくれたまえ」

ピクシー「もったいないお言葉を。ありがとうございます」



697: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/14(日) 19:18:51.13ID:SEM6w+lno

元帥「それと君にもう一つ朗報だ」

ピクシー「なんでしょうか?」

元帥「君のもう一つの愛機ADFX-02モルガンの件だ。サイファー君から言われていてね。私の乗ってきた船に部品を積んである」

ピクシー「相棒が!?モルガンのパーツ!?」

元帥「メーカーからの人員も用意する予定だ。君のモルガンを修復を行う」

ピクシー「モルガンが直る…。そうですか」

元帥「特殊な機体故に時間はかかってしまうがね。それでも完全な状態に修復させるよ」

ピクシー「そうですか。本当に何から何までありがとうございます」

元帥「礼ならサイファー君に言いたまえ。彼が君への礼を返したいと言ったことが始まりだよ」

ピクシー「…そうですね。そうします」

元帥「君もサイファー君も、お互いに良い友人に恵まれたようだね。いやはや、若いというのは良いものだ」

ピクシー「自分達はもう若くはないんですが…」

元帥「何を言う。君たちはまだ十分に若い。私みたいな老人には出来ないことが君達には出来る。それは若さの証拠だよ」

ピクシー「そういうものでしょうか」

元帥「そういうものだよ。さて、補給が終わったようだ。今度こそ片をつけてきてくれ、ピクシー君」

ピクシー「はっ!了解しました!」


―――――
―――



698: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/14(日) 19:19:21.73ID:SEM6w+lno

サイファー「元帥閣下とえらく話し込んでたな。何話してたんだ?」

ピクシー『なに、ちょっとしたことだよ』

サイファー「大方海軍に誘われたと言ったところか?」

ピクシー『良い勘してるぜ、相棒。まぁそれもあるが、モルガンが直るって話もな』

サイファー「そうか。用意してくれていたか」

ピクシー『ありがとな、相棒』

サイファー「お前が大事にしていた機体だからな。壊れたままじゃ格好もつかんだろ」

ピクシー『俺は案外このストライクイーグルも気に入ってるんだぜ』

サイファー「一応そいつは俺の予備機だぜ。忘れんなよ」

ピクシー『贅沢な野郎だぜ』


大淀『滑走路クリア!サイファー機、ピクシー機、発進どうぞ!』


サイファー「今度こそ終わらせる!ガルム1、出るぞ!」ヒュィィィゴォォォォォォ

ピクシー『命を弄ぶ奴らを許しておくわけにはいかねぇな!ガルム2、出るぜ!』ヒュィィィゴォォォォォォ


大淀『サイファー機、ピクシー機、共に高度制限を解除します。今度こそ終わらせてきてください』


サイファー「わかっている。これで全てのケリを付ける」

ピクシー『データが入ってるとはいえ、プラントまでの道のりは頭に入ってるよな、相棒?』

サイファー「当然だ。お前こそ途中で迷子になるんじゃねぇぞ」

ピクシー『へっ!言ってろ!』




キィィィィィィィィィィィンンンン………



―――――
―――



700: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/14(日) 19:20:19.71ID:SEM6w+lno

   ―バレンタインはチョコの日ではありません―


大和「はい、サイファー提督。チョコレートです!受け取ってください」

扶桑「サイファー提督、よかったらチョコレート受け取ってもらえますか?」

サイファー「お、おう。しかしなんだって今日はこんなにチョコレートを皆くれるんだ?」

大和「え?日本ではバレンタインデーには女性から男性にチョコレートを送る日なんですよ?」

サイファー「は?なんだそりゃ?聞いたことねぇぞ?」

扶桑「海外では違うのですか?」

サイファー「チョコレートを送る日なんてのは初めて聞いたな」

大和「そうですか。それにしてもサイファー提督、たくさん皆からもらっていらっしゃるようですね」

サイファー「ああ。もらえるのはありがたいが、こんなにもらっても消費しきれるか怪しいな」

扶桑「まぁこの基地は艦娘も多いですからね」

サイファー「ふ~む、溶かしてフォンデュにするぐらいしないと消費しきれんかもしれんな」

大和「そ、それはどうかと思いますが…」




knock knock




サイファー「入れ」



701: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/14(日) 19:20:46.05ID:SEM6w+lno





ガチャ




ピクシー「よう相棒!どうなってんだ今日のこの基地はよ!なんか知らねぇけどチョコを大量に貰っちまったんだけどよ」

サイファー「お前もかピクシー」

ピクシー「お前もかって、相棒も大量に貰っちまったってことか」

サイファー「まぁな。で、この大量のチョコレートをどうしてくれようか考えてたところだ」

ピクシー「こりゃ食うにしても全部食ってたら歯が逝っちまうぜ」

サイファー「ところで、貰うのはともかく、俺達はなにかしなくてもいいのか?」

大和「一応3月14日のホワイトデーにお返しを頂く風習になってますが」

サイファー「来月か。今返してはダメなのか?」

扶桑「ダメということは無いんでしょうけど」

サイファー「そうか。ちょっと悪いが大和と扶桑は席を外してくれ。ピクシー、ちょっと相談がある」

扶桑「了解しました」



702: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/14(日) 19:21:16.22ID:SEM6w+lno

大和「変な悪巧みはしないでくださいね」

サイファー「別になにか変わったことをするつもりはねぇよ」

大和「ならいいんですが。なにかあれば呼んでくださいね」





バタン




ピクシー「で、相談ってなんだよ?」

サイファー「ああ。バレンタインってのはヴァレンティヌスが元だったよな?」

ピクシー「ああ、そうだぜ」

サイファー「そこでだ。チョコの日と勘違いしてる日本の艦娘に正しいことを理解してもらおうと思ってな」

ピクシー「そりゃいいが、何する気だ?」

サイファー「ああ………」


―――――
―――



703: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/14(日) 19:21:42.65ID:SEM6w+lno

―ヒトキュウマルマル時・食堂―


サイファー「今日は皆がチョコレートを俺達にくれた礼に、俺達が皆に晩飯を振舞うことにした。遠慮なく食べてくれ」

ピクシー「男の料理だからって甘く見んなよ!傭兵やってりゃ色んな国に行くからな。料理もそれなりに出来るんだぜ」

大和「2人で相談してたのはこれだったんですね」

鳳翔「人数が人数ですので私達も手伝いましたが、ほとんどはサイファー提督とピクシーさんの手によるものですよ」

赤城「美味しそうですね!色んな国を回った傭兵だからこそ色んな料理が出来るんですね」

榛名「にしてはなんか色が少し濃いような気もしますが…」

夕立「どこの国の料理っぽい?」

能代「アネアっぽい気もするけど、エストバキアもあるような…」

愛宕「これはサピンかしら?こっちはウスティオ?」

サイファー「皆からもらったチョコレートだが、俺達2人では消費しきれんからそれぞれ皆で分け合って食べようということでフォンデュにした」

ピクシー「デザート感覚で食べてくれ。せっかく俺達2人にくれたが、こういうのはみんなで分け合うのが一番だと判断したんだ」

扶桑「やはりそうでしたか」

龍驤「なんやこの黒いのはなんぞやと思とたけどチョコフォンディかいな」

サイファー「まぁとりあえず食べてくれ」



704: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/14(日) 19:22:09.01ID:SEM6w+lno




《いっただっきまーす!》




<はむっ…んぐんぐっ!?

<なにこれー!?

<かっらーーーーーーーい!

<水水ーーーー!

<水じゃだめ!こっちのラッシー!

<チョコフォンディ出動!これあかんやつーー!



ピクシー「なあ、やっぱ辛すぎたんじゃねか?」

サイファー「だがなぁ、ヴァレンティヌスは超辛党だったっていうからなぁ」

ピクシー「だよなぁ。辛党の聖ヴァレンティヌスがチョコレートって言われたら本人もビックリだろうな」



<ふざけんじゃないわよこのクソ提督達!

<うん、辛さが食をそそりますね!

<あんたなんで平気なのよ…

<ご飯おかわり貰ってきます

<どうなってんのよ、あんたたちの舌は



サイファー「まぁ辛さに耐えられなくなった用にチョコフォンデュも用意したわけだからいいだろう」

ピクシー「だな。俺達も食べるとするか」

サイファー「そうだな。そうするか」



《ふざけんなーーーーーー!》



―こうしてこの日の晩はサイファーとピクシーの手によって激辛パーティとなった。後でサイファーとピクシーは説教を喰らうことになるのだが、本人達は何が悪いのか全く理解していなかったそうな―


―――――
―――



707: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/26(金) 23:22:26.08ID:61udjpLho

ピクシー『よう相棒、聞こえるか?』

サイファー「ああ、バッチリ聞こえてるぜ」

ピクシー『良い眺めだ。ここから見ればどの国も大して変わらねぇ』

サイファー「そうだな」

ピクシー『けど、この景色を地獄に変えようとしてるやつがいる』

サイファー「だから深海棲艦のクローンなんてふざけた物を破壊するんだろ?」

ピクシー『それだけじゃねぇ。それを造ることを許可したやつを許しておくわけにはいかねぇ』

サイファー「お前は大将を自分で裁きたいというのか?」

ピクシー『昔の俺ならそうしただろうな』

サイファー「結局は一人が動いたところで何かが変わるわけじゃない。皆を動かさなきゃ変わらない」

ピクシー『そういうこった。相棒、この事件の決着にはお前の力が必要だ』

サイファー「ああ、協力してやるよ。今度はお前と俺で考えが食い違っては無ぇからな」

ピクシー『食い違ってたらまた1戦やり合ってただろうな』

サイファー「それだけお互いが歳食ったってわけだ」

ピクシー『違ぇねぇな』



708: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/26(金) 23:22:52.85ID:61udjpLho



ザザッ


金剛『サイファー提督!聞こえるデース?』

サイファー「金剛?どうしたこんな時に」

金剛『サイファー提督達はこれからあの島に突入するデース。けどその前に深海棲艦のクローン部隊とかSAMがあるネー』

サイファー「まぁそうだろうな…。まさかお前っ!?」

金剛『ワタシ一人じゃないネー!ワタシ達がその露払いをするネー!』

榛名『サイファー提督達はミサイルや爆弾を施設破壊の為に節約しないといけないんですから、その前にある障害は榛名達がなんとかします!』

ピクシー『お、おい相棒!嬢ちゃん達のいる位置は!』

サイファー「誰が今そこにいる!?」

金剛『対クローンにはワタシに榛名、翔鶴と瑞鶴、それに高雄と愛宕ネー』

霧島『対SAMはこの霧島に比叡お姉様、武蔵さんに長門さん、それと飛龍さんと蒼龍さんです』

サイファー「……何故お前らはそこにいる」

金剛『勝手に前に出ていたことは謝りマース。けどサイファー提督達なら間違いなくこのタイミングで出てくると思ったからデース』

武蔵『命令違反したことはあとで処罰を受けよう。大和には少々怒られてしまったが今は私達にも協力させてもらおう。拒否はさせるつもりはないがな』

サイファー「…いいだろう、任せた。俺達が到着するまでに蹴散らしておけ!」

榛名『サイファー提督、ありがとうございます!』

サイファー「お前達の処遇は戻ってから決める。必ず罰を受けてもらうから絶対に沈められるんじゃないぞ」


『了解!』




709: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/26(金) 23:23:18.51ID:61udjpLho

ピクシー『ハハッ、良い司令官っぷりじゃねぇか相棒』

サイファー「茶化すな。しかしありがたいな」

ピクシー『そうだな。この状況で援軍なんて考えてなかったけど、この援軍はありがてぇ』

サイファー「弾薬が節約できるのはありがたい。それにこの状況なら最短の航路で行ける」

ピクシー『これがお前の創り上げた艦隊だぜ、相棒。嬢ちゃん達は本当に戦況をよく見てやがる』

サイファー「状況を見極め、最適な動きをとはよく言ってはいたが、まさかこの場面でやってくれるとはな」

ピクシー『俺は前に言ったぜ。あの基地の艦娘は相棒じゃねぇと動かねぇってな』

ピクシー『サイファーの考えをよく理解して、サイファーの為に動く。お前が司令官じゃなきゃありえねぇことだぜ』

サイファー「……」

ピクシー『お前もそろそろ受け入れる時だぜ相棒』

サイファー「……そうかもしれないな」

ピクシー『へへっ、ようやくその言葉を言ったか。俺が証人だから言い逃れ出来ねぇぜ』

サイファー「馬鹿言うな。戻ってからじっくり考えるって意味だ」

ピクシー『まぁそういうことにしておくか。さて、おしゃべりはここまでだな』

サイファー「お前達、いけるな?」

烈風妖精「ええ。少し休ませてもらったから大丈夫よ。やるわ」シュゥン

彗星妖精「深海棲艦だって必死に生きてるのに、その命を自分の欲の為に使うなんて許せないからね~」シュゥン

彩雲妖精「本気で潰しにいくわ!やって良い事と悪い事があるわ!」シュゥン

流星妖精「今度こそ決着をつけます!」シュゥン






<System Pixy Standby>ピピッ!





ピクシー『こっちもシステム起動したぜ。どうやら嬢ちゃん達が会敵したみたいだな』

サイファー「対SAMの霧島達も長距離砲撃を始めたようだ。向こうが混乱している内に突っ込むぞ!」

ピクシー『おう!』


―――――
―――



710: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/26(金) 23:23:45.19ID:61udjpLho

瑞鶴「サイファー提督さん達が来る前に!」パシュゥン

翔鶴「敵の数を減らします!追撃行ってください!」パシュゥン

金剛「2人はそのまま制空権の確保をお願いネー!サイファー提督達の航路を確保するデース!」ドォォン

高雄「サイファー提督達の邪魔はさせませんわ!酸素魚雷発射!」バシュン

愛宕「空を気にして足元がお留守になってるわよ!喰らいなさーい!」バシュン

榛名「対空砲装備は…あいつ!勝手は!榛名達が!許しません!」ドォンドォン


―金剛達対クローン部隊はその全戦力を持ってクローンを相手に戦っていた。先の防衛戦で疲労があるにも関わらずその勢いは鬼気迫る物であった―


金剛「HEY霧島!そっちはどうネー?」

霧島『SAMの4割の破壊を確認しました。残りの3割はここからでも破壊は可能ですが…』

瑞鶴「残りの3割は回り込むか、接近しないと射程外ってわけね」

翔鶴「瑞鶴、やるわよ!」

瑞鶴「当然!烈風達はそのまま制空権を確保!爆撃隊行って!」パシュゥン

翔鶴「こっちもよ!瑞鶴の部隊に遅れないで!」パシュゥン

金剛「翔鶴達の爆撃隊の進行を援護するデース!ターゲット航路上の重巡リ級!Fire!」ドドォォン

愛宕「この距離なら私でも届くのよ!目標軽巡ツ級!撃てぇい!」ドォォン

高雄「他の鎮守府の艦娘ならいざ知らず、サイファー提督の元で訓練した私達を見くびったあなた達を馬鹿めと言って差し上げますわ!」ドォォン



711: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/26(金) 23:24:11.14ID:61udjpLho

榛名「新たな敵影、11時の方向です!」

金剛「リロードにちょっと時間かかるデース。榛名お願いしマース!」

榛名「はい!…捉えた!主砲!発射!」ドドォォン

翔鶴「まだです!雷撃隊、追撃を!」


―榛名の砲撃と翔鶴の雷撃隊の追撃により現れた新たなクローン部隊は大幅に戦力が削られた―


金剛「Great!流石榛名に翔鶴ネー!」

榛名「まだです!まだ敵の戦力は残っています!追撃します!」

高雄「深追いはダメです!私達はサイファー提督達の航路を確保するのが目的なんですから」

榛名「そ、そうでした。すみません、少し頭を冷やします」

金剛「熱くなりすぎネー。デモ気持ちはわかるデース」

愛宕「私達の仕事は敵の戦力を極力減らしつつ、意識を私達に向けさせてサイファー提督達の突入をサポートすることですからね」

瑞鶴「目標のSAMを発見したわ!爆撃開始!」

金剛「少し戦線を押し上げるネー。SAMの破壊で敵に意識がまた空に向き出したみたいデース」


『了解!』


――――――



712: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/26(金) 23:24:37.56ID:61udjpLho

――――――


武蔵「残り4割!あと少しだ!」

比叡「少しでもサイファー司令達の突入を楽にしないと!」

蒼龍「今なら島の東側に回りこめます!このまま一気に!」

飛龍「進軍のサポートは私達に任せて!」

霧島「蒼龍さん、飛龍さんお願いします!行きましょう!ここからでは武蔵さんの砲撃以外は届きそうにはありません」

長門「そうだな。ここからでは少し苦しいところだ」


―対SAM部隊の霧島達は島の東側に回りこむよう航路を取った。しかしその先には…―


霧島「敵の防衛部隊が!」

長門「やはりいたか。比叡、応戦するぞ!」

比叡「はい!気合!入れなおして!いきます!」

飛龍「けどその前に…ね!」

蒼龍「私達の存在を忘れられたら困りますね!」


―そこを飛龍と蒼龍が発艦させていた爆撃隊によって撃破―


飛龍「どうよ!」

蒼龍「ニ航戦の実力は揺るぎません!」

武蔵「流石だな。よくやってくれる」

蒼龍「五航戦の爆撃隊がSAMを攻撃開始!撃破に成功した模様です!」

飛龍「やるなぁ!よぉし、こっちも負けてられないよ!」

霧島「もう少しでサイファー司令達が来るはずです。それまでに多少の無理をしてでも出来る限りのSAMを破壊しましょう!」


『了解!』


―――――
―――



713: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/26(金) 23:25:03.84ID:61udjpLho

金剛「ハァ…ハァ…て、敵の戦力はあとどれぐらいネー」

榛名「あ、あと5ぐらいに思えますが、いつ増援が来るか…」

瑞鶴「制空権は確保し続けてるけど、これ以上増援が来られると航空魚雷と爆弾の残弾が怪しくなるわね」

愛宕「けど弱音は吐いてられないわね。サイファー提督達はついさっきまでこれ以上の艦隊を相手にしていたんですもの」

高雄「それも無傷で…ね」

翔鶴「1時の方向に新たな敵影を発見しました!」

金剛「Shit!やっぱり敵の本拠地は簡単じゃないネー!」

榛名「けど、ここで引くわけにはいきません!」

高雄「弾薬が尽きるまで戦いぬいてみせるわ!」

金剛「霧島!そっちのほうはどうネー!?」

霧島『敵の地対空設備は残り2割まで減少しましたが、私達も敵の防衛部隊と交戦中です!』

瑞鶴「もう少し!もう少しだけ頑張れば…!」




サイファー『よく頑張ってくれた。あとは俺達に任せろ!』



714: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/26(金) 23:25:30.56ID:61udjpLho





フォォォォォン フォォォン フォォォォォン




金剛「ミサイル!?」

榛名「サイファー提督!!」





ドォォォン ドォォン ドォォォン




翔鶴「敵戦艦タ級、空母ヲ級2隻撃沈確認!サイファー提督!」

瑞鶴「美味しいところを持って行ってくれちゃってさ!あとで間宮さんのアイス奢ってもらうからね!」

サイファー『誰も沈んでないな。よく踏ん張ってくれた』

ピクシー『これだけ敵を減らしてくれりゃ十分だ。ありがとうな、嬢ちゃん達』

金剛「私達も霧島達も頑張ったネー。鎮守府に帰ったらイッパイ褒めてほしいデース」

サイファー『ああ、帰ったらな。ブイン基地から補給を終えた艦隊も向かってきている。お前達は後退しつつ艦隊と合流、引継ぎを済ませたら基地に戻れ』


『了解!』


ピクシー『霧島達もだ!それだけSAMを破壊してくれりゃ十分だ。あとは俺達がなんとかする』

霧島『了解しました!私達も後退します!』


――――――



715: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/26(金) 23:25:56.87ID:61udjpLho

――――――


サイファー「突入後の弾薬も必要だ。このまま突っ切るぞ!」

ピクシー『これだけ敵部隊が減ってりゃ楽なもんだ!行くぜ相棒!』


―金剛達に意識が完全に向いていたクローン部隊は、現れたサイファーとピクシーに戸惑い、迎撃行動に移るもその行動の遅れが仇となり完全に逃してしまう―


ピクシー『ハッ!遅いぜ!まだPJの野郎の方が歯ごたえがあるぜ!』

サイファー「意識を完全に艦娘に向けて周りが見えなくなっていたようだな。戦場で周りが見えてないやつは…」


―その直後、好機と判断した金剛達の攻撃により残存兵力の大半を撃沈する―


サイファー「…死ぬだけだ」

ピクシー『あったぜ、相棒!あれがU-511が言ってたトンネルだ!データとも一致した!』

サイファー「よし、突入する!」



キィィィィィィン キィィィィィン


―――――
―――



716: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/26(金) 23:26:25.94ID:61udjpLho

―トンネル内部―


サイファー「思っていたより広いな」

ピクシー『ああ、貨物船が入るぐらいだからもう少し狭いかと思ってたんだが、かなりの規模だぜこりゃ』

サイファー「深海棲艦のクローン共の訓練設備も併設されているらしいからな」

ピクシー『艦載機や砲をぶっ放すんじゃあ狭いと話になんねぇからな』

サイファー「公に出せない分、地下を広大な設備に拡大したんだろう」

ピクシー『おかげでこうやってストライクイーグルでも突入出来るってもんだぜ』

サイファー「高低差が少ない分、以前突入したアヴァロンのV2コントロール施設と同じぐらいか」

ピクシー『そういやお前は以前アヴァロンでV2のコントロール施設に飛び込んだんだっけな』

サイファー「結局はお前がコントロールを握っていたんだがな」

ピクシー『モルガンには絶対的な防御に自信があったからな。正直あの時落とされるとは思ってなかったぜ』

サイファー「どんな機体にも弱点はあるもんだ。見えた!あれが施設内部に繋がる通路だ!」

ピクシー『データ通りだ。寸分の狂いも無ぇ。良い仕事してくれたぜ』


―機体を旋回させクローンが製造させている施設内部へと突入していく2機のストライクイーグル―


ピクシー『嬢ちゃん達が踏ん張ってくれたおかげで内部の守備はガラガラだな』

サイファー「ああ。あとで何か褒美をやらんとな」

ピクシー『前に相棒が隠し持ってた酒でも振舞ってやりゃあいいんじゃねぇか?』

サイファー「あれは作戦用に買った物だ。それにそんなもん大盤振る舞いやった日には俺の財布が撃墜されちまうぜ」

ピクシー『せっかく元帥閣下がいるんだ。経費で落としてもらえよ』



717: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/26(金) 23:27:15.67ID:61udjpLho

サイファー「それが通るんなら苦労しねぇよ。…まもなく製造プラントだ」

ピクシー『さて、これで終わりにしてやるか!』

サイファー「見えた!」

ピクシー『俺から行く!瑞雲、外すなよ!』


―ピクシー機から放たれた燃料気化爆弾が着弾。大爆発と共にプラントが破壊された―


サイファー「プラントはあと2箇所だ!このまま行くぞ!」

ピクシー『今度は俺が前に出る。頼んだぜ、相棒!』

サイファー「…あった。彗星!」カチッ

彗星妖精「任せて~!絶対に外さないよ~!」ヒュゥゥン


―続けてサイファー機より燃料気化爆弾を投下。着弾し大爆発を起こし第2プラントの破壊に成功する―


サイファー「プラントの破壊を確認した」

ピクシー『次が本命だぜ、相棒』

サイファー「ああ。この次は…」


―基地を発つ前に見た資料には第3プラントには鬼級、姫級と言った強力な深海棲艦のクローンを研究、製造していると書かれていたのであった―


サイファー「なんとしても破壊しなくてはならないプラントだ」

ピクシー『タイミングは合わせるぜ、相棒!』



718: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/26(金) 23:27:48.33ID:61udjpLho

サイファー「……見えた!」

ピクシー『こりゃあ桁違いのデカさだぜ』

サイファー「なんとしてもここは破壊する。やるぞ!」

ピクシー『ああ!3!』

サイファー「2!」

サイファー・ピクシー「1!」


サイファー・ピクシー「気化爆弾投下!」ヒュゥゥゥン



ドォォォォォォォォォォン…



―2機の気化爆弾投下により最後のプラントである第3プラントも完全に破壊され、瓦礫の山と化した―


サイファー「プラントの破壊を確認した」

ピクシー『これでもうクローンは造れねぇはずだ!』

サイファー「だがまだ破壊すべきものが残っている」

ピクシー『そうだな。システムエルフを搭載した戦闘機を破壊しねぇと、データが回収されちまったらまた何処かでクローンが造られちまう』



719: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/26(金) 23:28:14.29ID:61udjpLho

サイファー「……出口だ!地上に出るぞ!」

ピクシー『さて、最後の仕上げといこうぜ、相棒!』

サイファー「ああ。これで終わらせる!」


―トンネルを抜けた2機はそのままターンし、今度は上空から施設に向かう―


サイファー「彩雲、捉えているな?」

彩雲妖精「当然よ!システムエルフ搭載機はバッチリ捕捉してるわ!」

サイファー「よし、烈風!彗星!流星!」

烈風妖精「1機残らず破壊するわ」

流星妖精「こんなもの、あってはならないものですからね」

彗星妖精「上手く人を巻き込まないようにはやりたいけど、そうも言ってられないね」

サイファー「人的被害は最小限に抑えてみせる。それは俺の仕事だからな。それにここはB7Rではない。…まずはあれだ!AMRAAM Fire!」バシュゥゥン

ピクシー『こっちもいくぜ!紫電、外すなよ!ピクシーFox 2!』バシュゥゥン


―サイファーとピクシー、2機のストライクイーグルの攻撃により、施設に配備されていた戦闘機は次々と破壊されていく―


ピクシー『SAMを破壊してくれたおかげでずいぶん気が楽だな』

サイファー「全て破壊しきったわけじゃねぇから油断するんじゃねぇぞ」

ピクシー『わかってんよ、相棒!…こいつを喰らいやがれ!』バシュゥゥン



720: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/26(金) 23:29:02.67ID:61udjpLho

彩雲妖精「サイファー!方位70!距離92000!新たな敵影を探知したわ!」

サイファー「クローンの残存部隊か!?」

烈風妖精「いえ違うわ。これは…!」

彩雲妖精「間違いないわ。本物の深海棲艦よ!」

サイファー「ちっ!こんな時によく…!」

ピクシー『おい相棒!深海棲艦が来ちまったみたいだぜ。どうする!?』

サイファー「…鳥海、聞こえるか!?」


鳥海『はい!聞こえます。どうしましたか!?』

サイファー「お前達の現在地は何処だ!?」

鳥海『私達の現在地は、島から約170キロ程離れた地点です』

サイファー「…どうやっても間に合わんか」



721: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/26(金) 23:29:37.38ID:61udjpLho

鳥海『どうなされたんですか!?サイファー司令官さん!』

サイファー「鳥海、金剛達とは無事に合流出来たか?」

鳥海『はい。合流後、金剛さん達は基地に帰投しました』

サイファー「金剛、霧島達を追撃していたクローン部隊はどうだ?」

鳥海『追撃してきたクローン部隊は全て殲滅しました。しかしそれがなにか?』

サイファー「ならお前達も撤退しろ」

鳥海『え!?何故ですか!?まだサイファー司令官さん達がそちらにいらっしゃるのでは!?』

サイファー「こっちに本物の深海棲艦の大部隊が接近している。こっちは施設に残っているシステムエルフ搭載機を破壊しているために深海棲艦を相手に出来るほど残弾は残らん」

鳥海『だとしたらサイファー司令官さん達が危険です!私達もすぐに向かいます!』

サイファー「ダメだ!現状のお前達の戦力ではあの大部隊を相手にするには力不足だ。ここは撤退しろ!」

鳥海『サイファー司令官さん達はどうなさるおつもりなんですか!?』

サイファー「俺達はシステムエルフ搭載機を破壊したら離脱する。心配するな。もうじき終わる」

鳥海『…了解しました。私達はこれより撤退します。サイファー司令官さん、必ず戻ってきてくださいね。くれぐれも無理をなさらないよう…』

サイファー「ああ、わかってるよ。通信を切る」



722: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/26(金) 23:30:04.91ID:61udjpLho

ピクシー『粗方片付いたな。残すはあのハンガーだけだ』

サイファー「あのハンガーは俺が破壊する。ピクシーは撤退しろ」

ピクシー『そう言ってお前は研究員を深海棲艦から逃がすために時間稼ぎをするつもりなんだろ?』

サイファー「…わかっていたか」

ピクシー『流石に俺も残弾が残り少ねぇから、深海棲艦を相手するにゃあちょっときついが時間稼ぎぐらいは出来るぜ』

サイファー「危険な仕事だぞ」

ピクシー『パイロットやってりゃいつだってそうだろ?それにお前だって残弾少ねぇだろ、相棒?』

サイファー「……無理はするなよ」

ピクシー『そりゃお互い様だぜ相棒!』

サイファー「まったく、頼りになる相棒で助かるぜ。彗星!」

彗星妖精「目標は捕捉してるよ~」

サイファー「これで最後だ!SLAM Fire!」バシュゥゥン


―施設に残った最後のシステム搭載機が収められているハンガーを空対地ミサイルで攻撃。これによりシステムエルフ搭載機の全機の破壊が完了した―




723: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/26(金) 23:30:31.31ID:61udjpLho

烈風妖精「これで任務は完了ね」

サイファー「ああ。だが今度は別の仕事があるがな」

彩雲妖精「私はちょっと複雑な気分だけどね」

流星妖精「それでも助けられる命があるなら助けないと」

彗星妖精「死んじゃったら何も出来なくなっちゃうからね~。罪を償うこともね」

サイファー「そうだ。ここにいる連中はここから脱出して生きて罪を償わなければならない。そのためには一人でも多くの人間を脱出させる必要がある」

ピクシー『陸軍にはこっちから手配しておいたぜ。あとはその方向に向かわせないように上手くやるだけだ』

サイファー「仕事が早くて助かる。流石だな」

ピクシー『元々ここを破壊したら全員逮捕するつもりで動いてもらってたからな。ちょっと予定が変更になったぐらいだぜ』

サイファー「あとは俺達の頑張り次第だな」

ピクシー『そうだな。全員脱出させれたら報酬上乗せでボーナス請求だ!』

サイファー「まだ傭兵の頃の癖が残っているようだな」

ピクシー「お前もだろ、相棒?」

サイファー「まぁな。行くぞ!」ゴォォ

ピクシー「ああ!海対空の鬼ごっこを始めるとするか!」ゴォォ


―――――
―――



726: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/29(月) 02:56:06.46ID:bzGW4WAmo

―ブイン基地―


大和「サイファー提督とピクシーさんは大丈夫でしょうか」

扶桑「場所が場所ですし、少し心配になりますね」

雪風「サイファー司令とピクシーさんなら大丈夫と思います」

矢矧「そうね。円卓の鬼神と片羽の妖精の2人なんですもの」

時雨「あの2人が撃墜されるなんて、ちょっと想像出来ないかな」

扶桑「そうね。あのお2方なら大丈夫よね」

時津風「それに、金剛さん達が援護に向かったんだしねぇ」

大和「最初は武蔵達が向かうって言い出した時は軍規違反になるからと反対はしたんですけどね」

陸奥「けど、絶対にサイファー提督は来る!って金剛さん達が譲らなかったのよね」

赤城「作戦を完全に成功させるには、サイファー提督達の道を作らなければいけないって瑞鶴たちもね」

加賀「勝手に行動するなんて軍規違反もいいところだけど、あの子達はよく見えていたと思うわ」


ザッザッザッザッザッ


元帥「皆ここにいたのかね」

大和「元帥閣下!」バッ

元帥「そう畏まらなくてよい。金剛達の援護に向かった鳥海達が撤退して戻ってくるとのことだ」

扶桑「作戦は成功したということでしょうか」

元帥「そのようだ。サイファー君からはそう伝えられたと言っていたよ」

大和「そうですか。よかったぁ」

時雨「やっぱりあの2人は凄いね。僕達だけだったらきっと攻略にもっと時間がかかってたかもしれない」

夕立「ならもうすぐ戻ってくるっぽい?」

元帥「そうであればいいんだがね」



727: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/29(月) 02:56:32.81ID:bzGW4WAmo

加賀「何か心配事がおありでして?」

元帥「サイファー君達のいる島に本物の深海棲艦の大部隊が接近してきたと言っていてね」

赤城「深海棲艦の大部隊!?」

陸奥「でもあの辺りは既に制海権を確保していたはずじゃあ」

元帥「恐らく、深海棲艦のクローンを造りそれを利用していたことに対して怒り故のことではないかと考えているんだがね」

雪風「ということはサイファー司令達が危ないです!」

扶桑「施設にあるであろう技術や物を破壊するためにミサイルや爆弾は使用するでしょうから、残弾も少なくなっているはず」

大和「元帥閣下!私達に出撃命令を!」

元帥「いや、それはならん」

大和「何故ですか!?」

元帥「サイファー君は援護に向かった鳥海達に撤退命令を出したのだよ。間に合わないと判断してね」

矢矧「しかしそれではサイファー提督達が孤立してしまいます!今からでも援護に」

元帥「あくまで予想だがね、サイファー君達は施設の人間を逃がすために時間稼ぎをするつもりではないかと思っているのだよ」

夕立「だったら余計に援護に行った方がいいっぽい!」

元帥「今から向かったところで到底間に合わんよ。それに君達はサイファー君達を信用してないのかね?」

大和「それは…」

加賀「…大丈夫だと思います。いつだってサイファー提督は無事に帰ってきましたから」

赤城「それにピクシーさんも、片羽の妖精と言われているエースパイロットですし」



728: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/29(月) 02:56:59.03ID:bzGW4WAmo



タッタッタッタッタッ


大淀「元帥閣下!サイファー提督から基地に帰投すると連絡が入りました!作戦は成功とのことです!」

元帥「ピクシー君も無事かね?」

大淀「はい!サイファー、ピクシー両名とも無事とのことです!施設にいた者達は陸軍が全員確保、島を完全に放棄し撤退中とのことです」

大和「ということは」

元帥「作戦は完全に成功したということだよ。これで一連の事件に片が付いたということだ」




ワァァァァァァァァ!!




夕立「やったぁ!これで本当に終わったっぽい!」

時雨「流石サイファー提督とピクシーさんだね」

扶桑「これで…これで本当に終わったんですね」



729: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/29(月) 02:57:25.26ID:bzGW4WAmo

加賀「けどまだ気がかりはあるわね」

陸奥「そうよね。深海棲艦の大部隊、それをどうするかよね」

矢矧「間違いなく島を占拠するでしょうね。奪われた制海権を奪取しないと」

大和「それに、完全にクローンが全滅したとは限りません。プラントの破壊は成功しましたが、撃破しそこねた戦力もあるでしょうし」

赤城「でも今はこの事件が完全に決着したことを喜びましょう。島の攻略はまたサイファー提督が作戦を立案してくれるはずです」

雪風「そうですよ!もうこれで変な事件は起こらないんですから」

時津風「解決解決!今夜はパーティになるね」


元帥「あとは私達の仕事だな」

大淀「事件の全容解明をお願いします。他の基地の沈められてしまった艦娘も、それでうかばれるでしょうから」

元帥「ああ、わかっているよ。ここから先は我々老人の仕事だ。二度とこのような事件が起きぬよう全力をつくそう」


大和「今は作戦成功と事件の解決を喜びましょう。さ、みなさん。サイファー提督とピクシーさんを滑走路までお迎えに行きましょう。今夜は祝勝会です」




ワァァァァァァァァ!!




―――――
―――



730: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/29(月) 02:58:10.22ID:bzGW4WAmo

サイファー「ふぅ、なんとかなったな。ピクシー、施設の人間は本当に全員確保出来たのか?」

ピクシー『一応生存者はな。最終的には名簿の確認をしねぇとわからねぇが、今のところは全員確保できたらしい』

サイファー「これで本当に終わったのか」

ピクシー『ああ、終わったな。あとは取り調べをして事件の全容解明をするだけだ』

サイファー「それとあの島に向かってきた深海棲艦の大部隊だな」

ピクシー『そこはお前の仕事だろ相棒』

サイファー「まぁな」

ピクシー『それに撃ちもらしたクローンは絶対にいるはずだ。それがどうなるかだな』

サイファー「変な言い方だが、野生化するか、それとも深海棲艦に取り込まれるか…」

ピクシー『それとも深海棲艦側に撃沈されるか…だな』

サイファー「クローンといえど、やるせないな」

ピクシー『クローン技術ってのは人類の希望になる技術だけどよ、使い方を間違えればこうなっちまうんだよ』

サイファー「そうだな。命を弄んではいけないという人類に対する戒めなのかもしれねぇな」

ピクシー『なにはともあれ、今は作戦成功を喜ぼうぜ。ほら滑走路を見ろよ。盛大なお出迎えだぜ』


―滑走路に目を移すと、多くの艦娘がサイファーとピクシーの帰りを待ち望んで集まっていた―


サイファー「こりゃ今夜は大騒ぎになるな」

ピクシー『いいんじゃねぇの?今夜ぐらいは思いっきりハメを外してもよ。嬢ちゃん達もお前もよ』

サイファー「…フッ、そうだな」


大淀『サイファー機、ピクシー機、着陸を許可します。滑走路に進入してください』


サイファー「了解した。これより着陸する」

ピクシー『こっちも了解だ。着陸するぜ』




キィィィィィィィィィィィンンン……



―――――
―――



731: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/29(月) 02:58:36.75ID:bzGW4WAmo

―滑走路―



プシュー カンッカンッカンッ スタッ スタッ



ピクシー「よう相棒、まだ生きてるか?」

サイファー「おかげさまでな」

烈風妖精「流石に疲れたわ。燃料と弾薬の補給はしておくけど、整備は明日でもいいかしら?」

天山妖精「もうヘトヘトだよ~」

サイファー「ああ、構わん。今日は祝勝会になるだろうから、整備は明日からでいい」

ピクシー「お前達もお疲れさん。よく頑張ってくれたぜ」

彗星妖精「流石に堪えたねぇ。今すぐ寝れそうだよ~」ケラケラ

紫電妖精「ここで寝ちゃダメですよ」

景雲妖精「ま、それも叶わないでしょうね。これからここは大騒ぎになるわ」

彩雲妖精「でしょうね。ていうか、もう聞こえてきてるわね」

瑞雲妖精「巻き込まれる前にストライクイーグルをハンガーに運んじゃいましょ」

流星妖精「けどもう遅いようですけどね」クスッ




ワァァァァァァァァ!!







732: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/29(月) 02:59:03.63ID:bzGW4WAmo

大和「サイファー提督、ピクシーさん、ご無事でしたか!?」

鳥海「お怪我はありませんか!?」

夕立「今日はパーティーっぽい!みんなでお祝いするっぽい!」

阿賀野「サイファー提督さん!ピクシーさん!本当に本当に終わったんだよね!?終わらせてきたんだよね!?」

電「これでもう命を弄ぶ人達はいなくなったのですよね!?」

サイファー「落ち着けお前ら。…これでミッション終了だ。一連の事件はこれで一先ずは解決となっただろう」

ピクシー「あとは陸軍と大本営が事件の全容解明のために取り調べを行って完全に解決するだろうよ」

扶桑「本当に終わったんですね。サイファー提督、ピクシーさん、本当にお疲れ様でした」

サイファー「本当の解決はこれからだがな。一先ず俺達が出来ることは全て終了だ。皆よく頑張ってくれた」

陸奥「流石に円卓の鬼神と片羽の妖精といえど、疲れてるみたいね」

ピクシー「そりゃそうだ。俺達ももういい歳したおじさんだぜ。あんだけ連続して飛んでりゃ疲れるってな」

サイファー「アヴァロンで経験があるといえど、やはりトンネル内の飛行は気を張るからな」

時雨「今考えると、トンネルを戦闘機で入っていくなんて普通じゃ考えられないね」

響「2人とも操縦技術は凄まじいけどね」

サイファー「思っていたよりは広かったが、それでもな」

ピクシー「そうだな。壁に機体がかすっただけでアウトだからな。バランス崩したら一貫の終わりだからな」

酒匂「ぴゃん!酒匂も一回体験してみたい!」

能代「そんなジェットコースターなんか目じゃないぐらい怖い体験したくないわ」



733: ◆Q8foA/1VQQ 2016/02/29(月) 02:59:29.88ID:bzGW4WAmo



ザッザッザッザッザッ


元帥「ご苦労だったサイファー君、ピクシー君。よくやってくれた」

サイファー「いえ、これも元帥閣下の協力があっての作戦成功です」

ピクシー「あの大将からデータを入手できなかったら、このミッションは失敗していたでしょう」

元帥「いや、私は少し手助けしたに過ぎんよ。この事件の解決は確かに君達の頑張りがあってのことだ」

サイファー「自分よりも、ここにいる艦娘のおかげです。彼女達がいなければ作戦の遂行すら出来なかったでしょう」

元帥「サイファー君、君は本当に良い部下を持ったようだね。私のところの艦娘も良い娘達ではあるが、ここまで各々の考えが光る娘達は珍しいことだ」

ピクシー「それだけサイファーが良い司令官として機能しているということでしょう」

元帥「うむ。そして君もだよピクシー君。艦娘では支えになれない部分を君はよく補完している」

ピクシー「もったいないお言葉を」

元帥「今日は祝勝会だ。私が全責任を持とう。君達は宴の時間まで休みたまえ」

サイファー「ありがとうございます」

ピクシー「ではお言葉に甘えて休ませてもらいます」


ザッザッザッザッザッ……


元帥「さぁ皆、祝勝会の準備をするぞ。皆で準備に取り掛かるんだ」


『了解!』


元帥「本当に良い基地だなここは。皆が活き活きとしておる。私まで若返った気分になる」

元帥「私も若い者達に負けてはおれんな。まだまだ現役ということを見せてやらんと」

元帥(本当によくやってくれた。ありがとう、サイファー君、ピクシー君。これで本格的に軍部の膿を出し切ることが出来るだろう)


―――――
―――



737: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/03(木) 01:34:14.50ID:zkh2Tnkko

―事件の解決、そして深海棲艦のクローンを研究していた施設の破壊任務を無事に終えたブイン基地の面々は、それぞれが喜び安堵し、宴を楽しんだ。そして…―



―フタサンサンマル時・サイファー自室―


サイファー「ふぅ、やれやれ。毎度毎度バカ騒ぎしやがって。なんでいつもいつも俺に絡んできやがるんだ。ったく」

サイファー「しかし、これでようやく一連の事件が解決したわけだ。あとは元帥閣下達が軍部の膿出しをしてくれるだろう」




knock knock




サイファー「ん、誰だ?どうぞ」




ガチャ




ピクシー「よう相棒、まだ生きてるか?」

サイファー「かろうじてな。今日は大目に見ると言った途端俺に絡んでくるやつが多かったからな」

ピクシー「凄ぇ光景だったぜ。いつもの隼鷹と千歳だけじゃなく、長門に大和、武蔵に那智はともかく、まさか鳳翔にまで酒を勧められてたからな」

サイファー「おかげでこっちは撃墜寸前だ。自分でもわかるぐらい酒が回ってやがる」

ピクシー「相棒からしたらロックオンアラートが常に鳴りっぱなしみたいなもんだったろうな」

サイファー「そういうお前はどうなんだ?」

ピクシー「見ての通り、俺も撃墜寸前だ」

サイファー「お前もか。まぁ今回ばっかりは仕方ないな」

ピクシー「まぁな。一連の事件が解決したってんだからな」



738: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/03(木) 01:34:47.96ID:zkh2Tnkko

サイファー「ありがとうな、ピクシー。お前がいてくれたおかげで事件を解決することができた」

ピクシー「なに、俺はちょっと相棒の手助けをしたぐらいだぜ。本当に頑張ったのは紛れも無くサイファー自身だ」

サイファー「…俺一人ではここまで出来なかっただろう。全員の協力があって達成したことだ」

ピクシー「だが、間違いなく相棒がいなければ達成できなかったはずだぜ。お前が艦娘を運用して、お前自身も飛んで初めて達成されたことだ。これを他の基地の連中に真似しろって言ったところで間違いなく殉職するだけだ」

サイファー「結局は平和は1人で造るものではないと再確認することになったな」

ピクシー「そうだな。俺ももう一度国境の意味を考えたくなるぐらいに…な」

サイファー「ピクシー、お前…」

ピクシー「なぁに、心配すんなよ。別に日本を出てISAFに戻るなんてことをするつもりはねぇよ」

サイファー「……そうか」

ピクシー「ところでよ、お前陸軍に来る気は無ぇか?」

サイファー「どういうことだ?」

ピクシー「島へ出撃する前に元帥閣下に言われて考えたんだ。俺達が飛んできた意味、その答えを見つけてくれるやつを俺は育てたいと思っている」

サイファー「………」

ピクシー「相棒が一緒にやってくれればその答えも早く見つかるんじゃねぇかってな」

サイファー「俺は…」

ピクシー「別に今すぐ答えろなんて言わねぇよ。それに今相棒を引き抜いちまったら嬢ちゃん達から大ブーイングの嵐だ。下手すりゃ俺が撃墜されちまう」

ピクシー「それに引き抜くにしたって後任者がいなければどうしようもねぇしな。元帥閣下がサイファーを降ろして後任を用意するとはちょっと思えねぇ」

サイファー「確かに俺は前提督とは後任者が着任するまでの間という契約でこの基地を運営しているが、一向に後任が来る様子は無ぇな」

ピクシー「ま、あんだけ戦果を上げてりゃ手放したくは無いだろうぜ」



739: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/03(木) 01:35:14.22ID:zkh2Tnkko

サイファー「ミサイルの使用頻度を考えると国庫を圧迫して更迭されそうな気もしないわけではないんだがな」

ピクシー「ハハハッ!確かにそりゃ言えてるぜ」

サイファー「傭兵のままだったら傭兵としての人件費とミサイル費用で予算がとんでもねぇことになりそうだな」

ピクシー「だけどよ、今回の事件解決の報酬(ボーナス)は出るんだろ?」

サイファー「まぁな。お前はどうなんだ?」

ピクシー「俺か?俺も出るのは出るが、モルガンの修理とある意味引き換えだからお前ほどじゃねぇぜ」

サイファー「そうか」

ピクシー「なぁ相棒、お前深海棲艦に奪還された島のことを考えてねぇか?」

サイファー「ああ。設備は破壊したとはいえ、残骸が残っているはずだ。そこを占拠されたとなればどうしてもな」

ピクシー「確かにな。完全に消滅させるには核を使うか、エクスキャリバークラスの大火力をぶつけるしかねぇからな」

サイファー「奴等の正体は完全に判明しているわけではない。そんな連中にあの施設も占拠されたとなれば…」

ピクシー「あれだけ派手に吹っ飛ばしたんだ。再稼動は不可能だろうけどな」

サイファー「そうだな。俺もそうは思うが…」

ピクシー「なぁに、ありゃある意味人類の技術の結晶みてぇな所だったんだ。深海棲艦(むこう)に妖精みてぇな存在がいてもあれを復元するのはまず無理だぜ」

サイファー「…そうだな」



740: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/03(木) 01:35:40.85ID:zkh2Tnkko

ピクシー「島の攻略はこれから大本営からの通達が出て、相棒や他の基地の司令官達と一緒に艦娘を指揮してやることだろ」

サイファー「確かにそうだな。相手は深海棲艦だ。海軍が主軸となって島の奪還に動くことになるだろう」

ピクシー「お前の司令官としての手腕が問われるぜ、相棒」

サイファー「他人事だと思って気楽に言ってくれるぜ」

ピクシー「ハハハッ!ま、俺も協力出来ることには協力してやるからよ」

サイファー「当てにしまくってモルガンで単機突入させてやろうか?」

ピクシー「勘弁してくれよ相棒」

サイファー「フッ、冗談だ」

ピクシー「悪い冗談だぜ。っと、もうこんな時間か。んじゃ俺はそろそろ戻って寝るとするぜ。陸軍の件、考えておいてくれよな相棒」

サイファー「ああ。気をつけて帰れよ」

ピクシー「ああ。またな」




バタン




サイファー「後継を育てる…か。今までそんなことは考えたこともなかったな」

サイファー「俺が飛ぶ意味……か」


―――――
―――



741: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/03(木) 01:36:07.35ID:zkh2Tnkko

―某島・研究施設跡―


???「コレガ…コレガ北方棲姫ヲ元ニ造ラレタ物トイウノ?コレガ…」

???「コンナ物ガ…コンナ…フッ…フフフッ…アハハハハハハ!」

???「フザケルナヨ人間ドモメ!我々ノ命ヲ弄ンダ罪、必ズ償ワセテヤル!必ズ…!」

???「全テノ人間ヲ…滅ボシテヤル!ソレガ北方棲姫達ノ命ヲ弄ンダ罰ダ」

???「アハハハハハハ!ハハハハハハ…」


―人類が起こしたクローンによる事件は解決した。しかし人類はその決して弄んではいけない『命』というものに手を出してしまった罪を償わなければいけない時が近づいていてた。例えそれが一部の人間の独断だとしても、弄ばれた方としてはその行動を許してしまった人類も同罪なのだから―


―――――
―――



745: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/09(水) 22:36:21.57ID:opiOjDA4o

   ―サイファーと飛ぼう:Chapter 3―


サイファー「ん…~あぁ~疲れた。肩がこるぜ。ったく」ノビー コキッコキッ

大和「お疲れさまです。執務はもう少しで終わりますから、あと少し頑張りましょう」

サイファー「そうだな。もう一息ってところだな。悪ぃけどコーヒーを頼む」

大和「了解しました。少しお待ちください」


サイファー「ふぅ。それにしたって、震電Ⅱの開発テストが終わったと思ったらASM-3の改良テストかよ。こき使いすぎだぜ、まったく」

大和「お待たせしました。どうぞ」

サイファー「お、ありがとうな」

大和「それにしてもパイロット業務も大変ですね」

サイファー「まぁな。とはいっても普通じゃありえねぇこと言われてんだけどな」

大和「と、言いますと?」

サイファー「震電Ⅱの開発テストは理由が理由だけにまだわかるんだが、ASM-3の改良テストなんて現場の人間にやらすもんじゃねぇってことだ」

大和「確かに新型兵器の改良テストなんて、通常ならテスターの方々がいらっしゃいますものね」

サイファー「俺じゃなくてピクシーにならまだ話はわかるんだがな」

大和「確かにピクシーさんは震電Ⅱのテストパイロット兼教官でしたものね。サイファー提督にはどう言った内容で改良テストに携わっていらっしゃるんですか?」

サイファー「震電Ⅱに乗っていたときに実際に使用したインプレッションをレポートにしてるんだが、今度は実際にミサイルそのものを送ってきやがるつもりでよ」

大和「けどこの基地にある機体ではASM-3は使用できませんよね?」

サイファー「そうだ。普通ならストライクイーグルでもスーパーホーネットでも、ましてやモルガンでも使用不可だ」



746: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/09(水) 22:36:47.65ID:opiOjDA4o

大和「普通ならということは、何か別のやり方で使用すると?」

サイファー「デバイスを追加させるつもりらしい。幸か不幸か、あのストライクイーグルは近代化改修されたやつだから機体そのものの中身は比較的新しいんだ」

大和「それは可能なんですか?」

サイファー「可能だ。どこぞの国では最新鋭の兵装をトムキャットで使いこなす国もあるぐらいだからな」

大和「砂漠の多い国…でしたっけ?それはそれで凄い気がしますが…」

サイファー「それには俺も同感だ。F-14なんて使いにくい機体をよくあそこまで使いこなせるもんだとな」

大和「それで、どうなさるおつもりなんですか?デバイスのインストールを許可されるんですか?」

サイファー「その任務の見返り次第…と言いたいところだが、機体の燃料と弾薬を融通してもらってるから受けざる得ないといったところだな」

大和「あっ…。もしかして私達のせいですか?」

サイファー「実も蓋もない言い方をすればそのとおりだ」

大和「すみません、サイファー提督」

サイファー「今更の話だ。それにこの件で燃料と弾薬の融通が利きやすくなるならこれをカードとして使えるということだ」

大和「転んでもただでは起きませんね」

サイファー「先を見据えるのも仕事の内だ」



747: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/09(水) 22:37:16.24ID:opiOjDA4o

大和「けど、インストールの作業は誰が行うんですか?まさかサイファー提督自身が行うんですか?」

サイファー「俺は技術者ではないからそんなことは出来ん。向こうはこっちのやり方を把握しているだろうから、恐らく妖精達にやらせるだろうな」

大和(ディスクを読み込んで…機体に覚えさせて…)ポワポワポワ



――
―――

=大和妄想中=

烈風妖精『これがドライバディスクよ。彗星、お願いするわ』

彗星妖精『はいよ~』アーン パクン

彩雲妖精『はい、そのままキープね』

流星妖精『…OKです。読み込み完了です。飲み込んでいいですよ』

彗星妖精『今回のこれあんまり美味しくないね~』バリボリボリ ゴックン

烈風妖精「それじゃあ後は乗り込んでシステム起動するわ。しっかりと覚えさせるのよ」

―――
――



大和(かわいいかも…)

サイファー「なんか変な想像してねぇか?」

大和「いえ、なんでもありませんよ」

サイファー「刺し当たってデバイスのインストール作業には夕張と明石も同席してもらうつもりだ。PCでの入力作業はどうしても必要だからな」

大和「あ!そ、そうですよね!入力作業をしないといけないですよね!」

サイファー「何動揺してんだ?やっぱり変な事考えてただろ」

大和「い、いえ、なんでもないですってば」

サイファー「まぁいいか」

大和「それで、インストールして終了というわけにはいかないんですよね?どうなさるつもりなんですか?」

サイファー「そりゃあ…」


―――――
―――



748: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/09(水) 22:37:43.81ID:opiOjDA4o

―Case 6:何より最新機器が大好きです+α―


明石「サイファー提督、デバイスのインストールは終了しましたけどあんまり無茶な使い方はしないでくださいね」

夕張「実際に飛行しながらデータを取るんだからバッチリ取れるようにお願いね」

瑞鳳「最新の装備を付けて最新のアビオニクスを積んだ機体で飛べるなんて最高よね」

サイファー「データ取りは任せる。が、変なところにアクセスしてミサイルが撃てなくなるとかは勘弁してくれよ」

夕張「それは大丈夫よ。飛行中はデータを取るだけで中身をいじったりすることはないから」

瑞鳳「それにサイファー提督の飛行の最中にいじる余裕なんて無さそうだしね」

サイファー「それにしたって明石と夕張はわかるんだが、瑞鳳も触れるのか?」

瑞鳳「航空機だけは勉強してるのよ!最新鋭機っていいじゃない」

サイファー「好きこそ物の上手なれってやつか」

明石「サイファー提督も、もうすっかり日本に馴染みましたね。そんな言葉が出てくるとは思いませんでしたよ」

サイファー「色んなやつから貸してもらった本のおかげだな。で、誰から乗るんだ?」

夕張「私からいくわ」

明石「その次が私で、最後に瑞鳳さんです」

サイファー「了解した。準備が出来次第乗り込んでくれ」

夕張「了解よ!」


―――――
―――



749: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/09(水) 22:38:10.21ID:opiOjDA4o

=夕張の場合=


夕張「ちょっ!ここで使うの!?しかも全弾命中とかどうなってるのよ!?」

サイファー「当てれると判断したから発射しただけだ。わざわざ敵の出方を待ってやる必要なんてないだろう」

夕張「あーあーあー!滅茶苦茶じゃない!もうほとんど敵部隊が壊滅してるわよ」

サイファー「流星、使ってみた感じはどうだ?」

流星妖精「ん~悪くはないんですが、後付なせいか震電Ⅱの時に比べるとバランスが微妙にずれてる感じがしますね」

サイファー「改良を加えたやつらしいからな。使えるか?」

流星妖精「使えることは使えますよ。けどハープーンの方がこの機体にはマッチしますね」

サイファー「機体そのものの基本設計から来る問題か?」

烈風妖精「というよりもこの子が混乱してるような感じかしら」

夕張「や、やっぱり妖精さんにはそういうのがわかるの?」

彗星妖精「わかるね~。新しい知識が増えたから馴染むのにちょっと時間かかってるみたい」

夕張「妖精さんから直接データ取ったほうが早いかも」

彩雲妖精「流石にそれは無理ですよ。サイファー、残りを!」

サイファー「流星、外すなよ!ASM-3 Fire!」バシュゥゥン


―――――
―――



750: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/09(水) 22:38:36.81ID:opiOjDA4o

明石「おかえりなさい。どうでした?」

サイファー「機体そのものがまだドライバに馴染んでないらしい。だが運用自体は問題ない」

瑞鳳「夕張、サイファー提督との飛行はどうだった?」

夕張「ほとんど反則よ。あんなの誰も勝てないわよ」

サイファー「あくまで空戦の基本に乗っ取った戦い方をしたんだがな」

夕張「敵に対しての侵入角がおかしすぎるわよ。あんなの誰も対処出来ないわよ」

明石「次は私ですけど、少し怖い気がしてきましたよ」

サイファー「別に無理な飛び方はしてないぞ。あくまでASM-3のテストが名目だからな」

夕張「あれが無理な飛び方じゃないって言うならやっぱりおかしいわよ」

瑞鳳「凄い体験をしてきたみたいね」

サイファー「次は明石だったな。準備はどうだ?」

明石「は、はい!私の準備は大丈夫です。ASM-3の補給だけやりますね」

サイファー「頼んだ。補給が出来次第出撃だ」

明石「了解です!」


―――――
―――



751: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/09(水) 22:39:03.00ID:opiOjDA4o

=明石の場合=


明石「飛翔速度、命中精度、共に従来のASM-3より上回ってますね」

サイファー「改良品とはいえ、ベースとなったASM-3が優秀だからな」

明石「しかし命中精度はどちらかというとサイファー提督の技量のような気もしますが」

サイファー「当てなければ意味が無いからな。それにしても明石はずいぶんと落ち着いているな」

明石「そうですか?」

サイファー「時雨みたいに肝が据わっているわけでもなく、冷静にデータを分析しているところを見るとな」

明石「これでも少しチビりそうなんですよ」

サイファー「艦娘といえど、女としてどうなんだそのセリフは」

明石「だってしょうがないじゃないですか。むしろ時雨ちゃんとかがよくこの操縦に耐えられたなって思いますよ」

サイファー「そんなに怖いか?」

烈風妖精「サイファーは操縦している側だからそう言えるのよ」

流星妖精「最初の頃は怖かったですからね。タイフーンに乗ってた時も内心怖かったですよ」

明石「ほら、妖精さん達もこう言ってるぐらいですから」

サイファー「意識を飛ばさない程度に飛んでいるつもりなんだがな」

彗星妖精「自覚が無いのがなお質悪いよね~」ケラケラ

彩雲妖精「ま、正直慣れよね。今の私達が平然としてられるのは」

明石「私も何度か乗れば慣れるでしょうか」

サイファー「さぁな。自分で操縦するようになれば慣れるんじゃないか?」

烈風妖精「馬鹿ね。それだと自分の操縦と違いすぎて余計に恐怖が湧くだけよ」

サイファー「…そう…か」ウーン


―――――
―――



752: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/09(水) 22:39:29.61ID:opiOjDA4o

夕張「おかえりなさい。どうだった?」

明石「…機械の技術って、どう頑張っても人間の究極の技術には勝てないんだなと実感しましたね」

瑞鳳「工作船の明石さんにそんな言葉を言わせるなんて、一体どんな操縦してきたんだろ…」

サイファー「至って普通にいつも通りに飛んだだけなんだがな」

明石「あれが普通なら、普通の人は凡人以下ですよ」

夕張「機械はデータ通りか、場合によってはデータ以上に力を発揮してくれるけど、予測を軽々と遥か彼方に飛び越えるサイファー提督が異常なのよ」

サイファー「機械はあくまで機械であって、動かすのは人だからな」

瑞鳳「その動きが信じられない動きになってるから明石さんがそんな言葉を発しちゃうのよね」

明石「私、機械工作に少し自信を無くしそうになりましたよ」

夕張「あの動きを追従するマシンなんて作れるのかしら…」

サイファー「無人機なら出来るだろ。流石に俺でもハイパーXが持っている最高速度記録を塗り替えるとか無理だぞ」

明石「臨機応変といった部分が物を言ってるんですよ。サイファー提督にはどれだけ引き出しがあるんですか」

サイファー「そんなものは場数の問題だろ。最後は瑞鳳だったな」

瑞鳳「うぅ…。結構緊張してきちゃった」

サイファー「別に曲芸飛行とかをするつもりじゃないからそこまで緊張しなくていいぞ」

夕張「下手な曲芸飛行よりよっぽど怖いわよ」

サイファー「…まぁいい。補給が終わり次第出撃だ。準備しておけ」

瑞鳳「りょ、了解です」


―――――
―――



753: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/09(水) 22:39:56.04ID:opiOjDA4o

=瑞鳳の場合=


瑞鳳「わぁ~!凄かった~!これが最新鋭機の動きなのね!」

サイファー「出撃前にはあれだけビビッてたのに、えらくはしゃいでるな」

瑞鳳「う~ん、なんか乗ってたらストライクイーグルの凄さに楽しくなってきちゃって」

サイファー「明石と夕張はなんだったんだ…」

瑞鳳「しょうがないよ。あの2人は工作艦に軽巡洋艦だよ。私は空母だもん」

サイファー「そんなもんか?」

瑞鳳「ところでサイファー提督、ラファールとかは乗らないの?」

サイファー「ラファール?ライセンスは持っているが、何故だ?」

瑞鳳「ラファールはね、アホ毛が可愛いのよアホ毛が」

サイファー「アホ毛?なんだそりゃ?」

瑞鳳「ほら、操縦席の右前ぐらいから伸びてるでしょ?あれよ、あれ」

サイファー「空中給油用の給油口のことか。あれが可愛い?少し理解し難いな」

瑞鳳「もう、サイファー提督はわかってないなぁ!なんなら今使ってないスーパーホーネットをラファールBに代えちゃう?」

サイファー「あれはあれで使いやすいんだ。勝手に代えようとするんじゃない」

瑞鳳「F-14ももうちょっと整備しやすかったらいいのに…」

サイファー「可変翼機は構造が複雑だからな。震電Ⅱなんてよくあれだけまとめたもんだ」

瑞鳳「F-35は…」

サイファー「空母が航空機マニアとか少し笑えないぞ。間違っても自分で飛ばそうとするんじゃないぞ」

瑞鳳「…ダメ?」

サイファー「ダメに決まってるだろ。仮に艦娘用に開発出来たとしても木製甲板の瑞鳳は離着艦に耐えられんだろ。滑走距離も足りん」

瑞鳳「ぶ、VTOL機なら…」

サイファー「…燃えるぞ」

瑞鳳「…う~ん、どうにかならないかなぁ」

サイファー(いや、無理だろ絶対に。ていうか、ライセンス取って自分で乗れよ)

烈風妖精「ツッコんであげなさいよ、サイファー」


―――――
―――



754: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/09(水) 22:40:22.30ID:opiOjDA4o

明石「おかえりなさい。どうでした?」

瑞鳳「すっごい楽しかった!また乗りたいなぁ」

夕張「やっぱり空母は違うのかしら…」

サイファー「いや、瑞鳳の場合は少し特殊だと思うぞ」

瑞鳳「もう最高だったよ!あ、これデータね。きちんと取ってきたから」

明石「あ、はい。確かに」

夕張「瑞鳳って肝が据わってるのかしら」

瑞鳳「それと明石さん、艦娘用にジェット機の開発って出来ないかなぁ?」

明石「それは無理ですよ。第一、造れたとしても使える艦娘(人)がいませんよ」

瑞鳳「あ~やっぱダメかぁ」

夕張「そんなこと考えてたの?」

サイファー「変なスイッチを入れてしまったか?」

夕張「かもしれないわね」



755: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/09(水) 22:40:49.30ID:opiOjDA4o

サイファー「で、これだけデータがあれば大丈夫か?」

明石「そうですね。提出する分にはなんら問題はないと思います」

瑞鳳「というか、もうASM-3の在庫が無いよね」

夕張「きっちり使い切っちゃったわね」

サイファー「そうか。ならデータをまとめて提出してくれ。それを俺のレポートとまとめて提出する」

明石「了解しました」

夕張「役立つのかしら、このデータ」

瑞鳳「さぁ?よりにもよってサイファー提督に頼んじゃったわけだし…」

サイファー「人をデータクラッシャーみたいな言い方すんなよ。さてこれで解散だ。俺はストライクイーグルをハンガーに入れてくる」

夕張「わかったわ。あとはこっちの仕事ね」

明石「データはまとめて2~3日後には提出しますので」

瑞鳳「私の感想レポートも出しとくね」

サイファー「頼んだ。じゃあな」


―――――
―――



760: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/13(日) 16:02:18.72ID:jChQe9g9o

   ―片羽の妖精(提督代理)の海戦記―


サイファー「じゃあしばらくの間頼んだぞ」

大淀「お任せください」

扶桑「どうかお気をつけて」

大和「サイファー提督がお留守の間は私達とピクシーさんで頑張りますので、サイファー提督は本土で少しゆっくりなさってください。サイファー提督は頑張りすぎですので」

サイファー「ありがとうな。それと、ピクシーが無茶したら容赦なくやってくれ」

ピクシー「おいおい!そりゃどういうことだよ」

サイファー「そのままの意味だが?」

ピクシー「モルガンがありゃあTLSで落としてるぜ。ったく」

サイファー「冗談だ。当てにしてるぞ」

ピクシー「はいよ。短期出張だが少しは本土でゆっくりしてこい相棒。トウキョウシティの飯は中々イケてるぞ」

サイファー「ああ、そうさせてもらう。じゃあ行ってくる」

大和「お気をつけて」




ヒュィィィゴォォォォォ キィィィィィィィィィンンン……




ピクシー「やれやれ。まさか本当に司令官代理をすることになるとはな」

扶桑「1週間の間ですが、よろしくお願いします」

大和「陸軍とは勝手が違うと思いますので、不慣れな事がありましたら遠慮なくおっしゃってください」



761: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/13(日) 16:02:44.53ID:jChQe9g9o

大淀「それにしても、サイファー提督が出張に自身の戦闘機で行くとは思いませんでしたね」

ピクシー「何かあったときに対処し易いからってことだろ。スーパーホーネットで行くって言い出した時は何考えてんだって思っちまったけどな」

扶桑「本土に出張が決定した時に護衛艦隊を組む手はずだったんですが、一言「必要無い」と返されましたから」

ピクシー「そりゃ自分で飛んでいくんならいらねぇわな」

大淀「下手に艦隊を組むよりサイファー提督単機の方が動き易いということもあるのでしょうね」

大和「横須賀には滑走路はありませんから、わざわざ横田まで飛ぶことになりましたが」

ピクシー「陸軍にも滑走路のある基地はあるんだが、東京近郊となるとな」

大淀「それは仕方ないですよ。さぁみなさん戻りましょう」

大和「そうですね。では1週間の間、よろしくお願いしますねピクシー提督」

扶桑「フォルク提督の方がよろしいでしょうか?」

ピクシー「その呼ばれ方は慣れる気がしねぇな。それに俺はあくまで代理だから今までどおりピクシーでいいぜ」

扶桑「ではそうさせてもらいますね」

ピクシー「ああ、そうしてくれ。んじゃ仕事を始めるとするか!」


『了解!』


―――――
―――



762: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/13(日) 16:03:11.02ID:jChQe9g9o

―翌日―


大淀「…以上です。この艦隊で海域の哨戒を行ってもらいますが、よろしいでしょうか」

ピクシー「ん~いいんじゃねぇか?けどよ、これだと遠征組がなぁ」

鳥海「遠征に出る艦隊はこのようになってますよ」

ピクシー「どれどれ?……よし、これならいいだろう。出撃準備をさせてくれ」

大淀「了解しました」

ピクシー「しっかし相棒は毎日こんなことやってたのか。こりゃ肩凝るぜ」

鳥海「その上で時間の空きがある時は艦娘を乗せてストライクイーグルで飛んだり、自身で出撃したりと色々してましたから」

ピクシー「タフだなあいつ」

鳥海「ピクシーさんは陸軍のほうのお仕事はよろしかったんですか?」

ピクシー「俺か?俺は今の所属はMPだからな。日誌だのなんだのの提出はあるけど相棒に比べりゃ大したこたぁねぇよ」

鳥海「それでも震電Ⅱの教官でもいらっしゃったので、お忙しいのでは?」

ピクシー「バーサーカー事件の件で体裁上は飛ばされた身だからな。仕事の量も減ってんだぜ」

鳥海「それは…よろしいのですか?」

ピクシー「まぁいいんじゃねぇか?むしろ本土にいたときなんか遊ぶ暇なんかこれっぽっちもねぇほどに忙しかったんだぜ」

鳥海「たこ焼きをご存知無かったぐらいですものね」

ピクシー「そうだぜ。むしろここに来てようやく日本を堪能してる感があるぐらいだ」



763: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/13(日) 16:03:43.09ID:jChQe9g9o





knock knock



ピクシー「入れ」



ガチャ



瑞穂「艦隊戻りました。こちら報告書です」

ピクシー「…確かに。お疲れさん。今日はもう大丈夫だから自室でゆっくりしていいぜ」

瑞穂「はい。では失礼します」



バタン



鳥海「ピクシーさんは漢字が大丈夫なんですね」

ピクシー「まぁな。教官やってりゃ嫌でも身に付くってもんよ。さて、成果を確認するか」

鳥海「了解しました」


――――――

―その頃サイファーさん―


元帥「~~~~…~~」

サイファー「~~~…~」


―真面目にお仕事中―


―――――
―――



764: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/13(日) 16:04:09.76ID:jChQe9g9o

―サイファー出発から3日後―


ピクシー「おー!これが相棒がやったっていう漁師への支援結果ってやつか」

鳳翔「はい。今日も新鮮な一級品の海産物ですよ」

乗組員1「今日はサイファーさんはいないんですか?」

ピクシー「ああ。あいつは今本土に出張中でな。その代理で俺がやってるってわけよ」

乗組員2「司令官代理も戦闘機乗りなんですか?」

ピクシー「まぁな。相棒と一緒に飛んでた仲だぜ」

乗組員3「まさか、翼の片方が赤色だったり?」

ピクシー「よく知ってんな。その通りだ」

乗組員2「もしかしてドキュメンタリー『ベルカ戦争』に出てたラリー・フォルク!?」

乗組員1「…本当だ!どこかで見たことあると思ったら…!」

乗組員3「凄ぇ!サインください!」

ピクシー「いいぜ。どこに書けばいい?」

乗組員3「やったぁ!お、俺のTシャツにお願いします!」

乗組員1「俺もお願いします!」

乗組員2「お、俺も!」


大鯨「乗組員の方々にはサイファー提督よりピクシーさんの方が人気のようですね」

鳳翔「ドキュメンタリーにも出られていた方ですし、知名度で言えばサイファー提督よりあるでしょうね」

間宮「目の前にテレビに出てた有名人がいるんですから、普通の人ははしゃいじゃうかもしれませんね」



765: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/13(日) 16:04:39.78ID:jChQe9g9o

乗組員3「そうだ!こいつは別件だったんだけどサイファーさんいねぇんならフォルクさん受け取ってくれませんか!」

ピクシー「ん?なんだ?相棒宛なら保管しておくぜ」

乗組員3「基地に卸す分の箱詰めの間に釣ったタコなんすよ!良い型が釣れたんで是非」

ピクシー「どれどれ…。おぉデケェな!まだ生きてやがっ…て!?」ニュルルン

ピクシー「ちょっ!足が絡んで!?と、取れねぇ!いててて!」グイー

乗組員3「何やってんすか。剥がしますよ!」


伊良子「元気なタコさんですね。お刺身がいいかもですね」

鳳翔「余った部分はタコワサでも作りましょうか」

大鯨「ピクシーさんはわさび大丈夫なんでしょうか」


ピクシー「は、早く剥がしてくれ!あ、上がってくんなこのやろう!」

間宮「その前にタコがトラウマにならなければいいんですが…」


――――――

―その頃サイファーさん―


元帥「…以上だ。これでいいかね?」

サイファー「はい。ありがとうございました」

元帥「うむ。わざわざ本土までご苦労だった。今日の晩は一緒にどうだね?私の行きつけの良い店があるんだが」

サイファー「喜んでご一緒させて頂きます」


―お仕事を終えたようです―


―――――
―――



766: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/13(日) 16:05:06.39ID:jChQe9g9o

―サイファー出発から5日後―


ピクシー「………」カタカタ…カタ…



バァン!



金剛「Hey!Mr.ピクシー!ティータイムの時間ネー!」

ピクシー「ビックリさせんなよ。ノックぐらいしてくれ」

榛名「すみません、ピクシーさん」

ピクシー「榛名が謝ることじゃない。まぁいいだろう、休憩にするか。妙高、なんか合うもんあったか?」

妙高「はい。ご用意しますね」

金剛「No problem!スコーンも用意してるネー!」

榛名「榛名もクッキーを焼いてきましたので、よろしかったら妙高さんもどうぞ」

妙高「私もよろしいんですか?」

金剛「ティータイムはみんなで楽しむものデース!妙高も一緒するネー!」

妙高「では、お言葉に甘えて」

ピクシー「しっかし、金剛はいつもこうやってサイファーに突撃してたのか?」

榛名「いつもというわけではありませんが…」

金剛「今日は良い茶葉が手に入ったのでおすそ分けデース!」

妙高「このように機嫌の良い日だと突撃することはありましたね」

ピクシー「スパローミサイルみたいな奴だな。比叡と霧島はいいのか?」

金剛「比叡と霧島は今出撃してるから帰ってきてからデース」



ガチャ



暁「あー!なんか良い匂いがすると思ったら」

熊野「金剛さんの紅茶とスコーンでしたのね」

金剛「暁と熊野も一緒するネー!」

暁「え?いいの!?」

熊野「でしたら私も何かお持ちしますわ」



767: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/13(日) 16:05:32.49ID:jChQe9g9o




ガチャ



赤城「美味しいおやつが食べられると聞いて!」

加賀「ここは譲れません」

ピクシー「…妙高、これもよくあんのか?」

妙高「た、たまたま近くにいただけだと思いますけど…」

榛名「クッキー足りるでしょうか」

金剛「スコーンも少し不安ネー」

妙高「でしたら私も何かお出ししますので」

熊野「私もお持ちしますわ。それで大丈夫と思いますわ」

暁「わ、私も持ってくる!」

赤城「わぁ!これが金剛さんのティータイムなんですね!素晴らしい時間です!」

加賀「赤城さん、私達も戻って持ち寄りますよ。このまま頂きっぱなしというわけにはいきません」

赤城「え?」

加賀「えっ」

ピクシー「…5分後に全員集合。それでいいだろ。俺も持ってくっからよ」


『了解!』


ピクシー(あいつも苦労してんだなぁ…)


――――――

―その頃サイファーさん―


サイファー「これがキョウトシティか。古い町並みが残ってるんだな」

店員「はい、生八つ橋どす。京都には観光でこられはったんですか?」

サイファー「ああ。仕事で日本にはいたんだが観光する暇がなかったんでな」

店員「そうどすか。京都はええとこですから、ゆっくり堪能しておくれやす」

サイファー「そうさせてもらう。それにしても良い街だな。トウキョウからシンカンセンですぐに来れる場所にこんなところがあるとはな」

店員「今は九州や東京からも新幹線ですぐに来られるようになりましたから、京都は外人さんにも人気の街なんどすえ」

サイファー「そうだな。速くて快適な道中だった。ところでこのキヨミズテンプルはどう行ったらいいんだ?」

店員「あぁそれやったら…」


―京都を堪能してました―


―――――
―――



768: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/13(日) 16:05:59.11ID:jChQe9g9o

―サイファー出発から1週間後―


扶桑「おかえりなさいサイファー提督」

サイファー「ああ。俺が留守中の間、何か無かったか?」

大淀「特に問題ありませんでした。ピクシーさんも頑張ってくれましたので」

サイファー「そうか。ところで俺が送ったおみやげは届いているか?」

扶桑「今朝届きました。京都にも行かれたんですね」

サイファー「ああ。元帥閣下に相談したら新幹線ですぐに行ける場所だから一度行ってみるといいと言われてな」

大和「京都は楽しかったですか?」

サイファー「ああ。おかげでリフレッシュできた。元帥閣下が教えてくれた店の料理もよかったな」

大淀「お土産も色々買い込まれたようでしたね。よほど楽しかったようですね」

サイファー「本当はスーパーホーネットで持ち帰りたかったんだが、戦闘機には与圧もへったくれもないからな。それにスペースもな」

大和「流石にあの量を戦闘機で持ち帰ってきたらビックリしますよ」

扶桑「サイファー提督が楽しかったようでなりよりです。サイファー提督はこの基地に着任して以来ずっと仕事詰めでしたから」



769: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/13(日) 16:06:32.93ID:jChQe9g9o

サイファー「まぁな。今度はオオサカシティ、ナゴヤシティ、ハカタシティ、サッポロシティにも行ってみたいと思ったな」

扶桑「広島もいい場所ですよ」

大和「四国も東北もいい所ですよ」

大淀「北陸も南九州も山陰もそれぞれの良さがありますね」

サイファー「日本は広いな。一生をかけても観光しきれる気がしねぇ」

大和「この戦いが終わったらゆっくり日本を堪能したらよろしいかと思います」

サイファー「そうだな。ところでピクシーはどうしてる?」

大淀「今は執務室におられると思います」

サイファー「そうか。礼を言わねぇとな。荷物を片付けたらすぐに行く」


『了解しました』


サイファー(あいつ、無茶してねぇだろうな…)


―――――
―――



770: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/13(日) 16:06:59.33ID:jChQe9g9o

サイファー(今はまだ執務室にいるはずだ。さて、あいつの仕事っぷりは…ん?何か聞こえるな)



ピクシー「Oh him? Yeah, I know him.」

ピクシー「It's gonna take a while. It happened years ago.」

ピクシー「Did you know…」


サイファー「ドキュメンタリーでも流してんのか?何やってんだあいつ…って!」ドアノ隙間カラチラ


―執務室内―


ピクシー「and those who can read the tide of battle.」

ピクシー「Those are the three.」

ピクシー「And him?」



バァン!



サイファー「何やってんだお前ら!」

青葉「あっ!さ、サイファー司令官、お、おかえりなさい!」

サイファー「説明してもらおうか。どうして執務室がこうなってのかを!」


<ボロボロの壁、椅子、AKを持ったピクシー>


青葉「いや~折角の機会ですから、サイファー司令官に万が一のことがあった時のために記録を残しておこうかと」

サイファー「な・ん・で!それが執務室がボロボロになってるんだ!?」

青葉「それはその~雰囲気ですよ雰囲気!妖精さんに頼んで作ってもらいました!」

サイファー「なにしょうもないことに妖精を働かせてんだ!」

青葉「妖精さんたちも意外とノリノリで作ってくれましたよ、このセット」

サイファー「何やってんだよ、まったくよぉ…」



771: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/13(日) 16:07:26.05ID:jChQe9g9o

ピクシー「………」スクッ


サイファー「ん?」


ピクシー「Yo buddy. You still alive?」

ピクシー「And thanks friend」

ピクシー「See you again.」

サイファー「お前、何言って…」

ピクシー「」ダッシュ

サイファー「あ!てめっ!逃げやがった!」

青葉「あ~ピクシーさんズルイですよ!青葉も撤退します!煙幕!」モクモク

サイファー「ちょっ!青葉てめっ!ゴホッ!ゴホッ!」



タッタッタッタッタッ



大和「どうされました!?って、なんですかこれ!?」

扶桑「酷い!誰がこんなことを…」

大淀「サイファー提督、ご無事ですか!?」


サイファー「あいつらふざけんなーーーー!!」


―この後執務室は元に戻され無事にいつも通りのサイファーの執務室に戻ったそうです。青葉とピクシーはきっちりサイファーにお仕置きされたそうな。どんなお仕置きかって?それは…―


―・―・―

青葉「あれは…あれはダメなやつです…」ガタガタ

ピクシー「すまねぇ。あれはあんまり語りたくねぇんだ」


―ご想像にお任せします―


―――――
―――



772: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/13(日) 16:07:53.09ID:jChQe9g9o

おまけ


翔鶴「サイファー提督、ずいぶんとお土産を買い込まれたみたいね」

雷「色々あるわね。食べ物に置物に…ってこれ…」

阿賀野「あちゃ~!これ外人さんがやっちゃうパターンじゃない!」

高雄「どうしましょう、これ」

長門「とりあえず分けれるものは皆でわけて、それから考えよう。答えが出なければサイファー提督に相談する」

漣「う~ん、この」


―土産物には嫌げ物も入っていたそうです。皆さんもお土産には貰った人の後のことも考えてあげましょう―



776: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/22(火) 00:19:16.05ID:+J1mocnDo

   ―0:Cipher―


―一連の事件の関係者が全員確保、逮捕され、公表こそされないものの政府、軍部内では完全解決したとされ、残るは深海棲艦に奪還された島の再奪還が最重要作戦となった。そしてその作戦は各地の基地にも伝達された―


サイファー「う~ん……」

扶桑「どうされました?」

サイファー「いや、各基地から深海棲艦に奪還された島の攻略部隊が出ているんだが」

扶桑「なかなか上手くは行ってないようですね。やはり防御を固めているんでしょうか」

サイファー「だろうな。ここからも支援や攻略の為の艦隊を出してはいるんだが…」

扶桑「申し訳ありません。私達が未熟なせいで何度も失敗してしまって」

サイファー「いや、これはゲームじゃない。敵だって相当のことはやってくるのが当然だ。お前達のせいじゃねぇよ」

扶桑「そう言って頂けると心が少し軽くなります。ありがとうございます」

サイファー「ただ…な」

扶桑「ただ…なんですか?」

サイファー「確かに島は奪還された。こっちがこっちでやりあってる隙を狙った深海棲艦の電撃作戦でな。しかし最前線はもっと離れた場所だ」

扶桑「確かに制海権はあの島より離れた場所まで確保されてますが」

サイファー「そこなんだ。島を離れてしまえばこちらの制海域だ。あれだけの大部隊を長期間運用するための補給はそう易々とは出来んはずなんだ」

扶桑「そうですね。周囲は常に他の基地からも派遣された部隊によって補給路は絶たれているはずですから、大規模な補給は無理なはずです」

サイファー「施設を完全に破壊したわけではないから、クローンを運用するための備蓄が残ってはいただろうが、それでも限界はある」

扶桑「裏切り者がいる…と?」

サイファー「いや、それも考えにくい。あれだけの逮捕者を出した事件の後だ。そんなことをすれば己の身の安全が脅かされるだろう。それでも実行するとすればよほどのバカだろう」



777: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/22(火) 00:19:41.99ID:+J1mocnDo

扶桑「確かにそうですね。今だ軍部内では話題になることもしばしばありますし、まだ裁判も始まったばかりですから」

サイファー「それに敵の戦力が減少している気配が無いことが一番引っかかる」

扶桑「私達もそうですが、あやふやな存在といえど無尽蔵に生まれるわけではありませんから、敵が減らないというのは確かに引っかかりますね」

サイファー「海軍大本営が威信をかけた大規模作戦である以上は、安易に俺が飛んで行ってというわけにもいかんしな」

扶桑「クローンを再利用しているという線はありませんか?」

サイファー「その可能性はある。だが、生産施設は俺とピクシーで完全に破壊した。あれを復旧して再稼動させるというのは無理だ。それだけの威力のある爆弾を使用したんだ」

扶桑「ますますわかりませんね」

サイファー「ああ。ここに来て頭を悩ませることになるとは思ってなかったぜ」




knock knock




サイファー「入れ」




ガチャ




陸奥「艦隊帰ってきたわよ」

サイファー「ご苦労だった。で、成果はどうだ?」

陸奥「ごめんなさいね。ダメだったわ」

サイファー「そうか。敵もそれだけ必死なんだろう。また作戦を練り直す。お前達は気にするな」

陸奥「そういってくれると助かるわ。はいこれ、報告書ね」



778: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/22(火) 00:20:14.57ID:+J1mocnDo

サイファー「確かに。対峙して何か気になった点とかはなかったか?」

陸奥「そうね…。気になるというか当たり前のことなんでしょうけど、私達を沈めにかかるというよりは撃退に一貫してるって感じがしたぐらいかしら」

サイファー「やはりか…。わかった。今日はもう休んでくれ」

陸奥「そうさせてもらうわね。サイファー提督もあまり根を詰めすぎちゃダメよ」

サイファー「わかっている」

陸奥「そう、ならいいわ。それじゃ私は戻るわね」




バタン




扶桑「やはり特筆すべき点は見当たりませんね」

サイファー「あの島で一体何をやっているのか、何を企んでいるのかが少しでも判明すればいいんだがな」

扶桑「ピクシーさんに頼んで衛星写真を撮影してもらってはどうでしょうか」

サイファー「それなら既に実行している。今度はオーシアではなく日本政府にやってもらったがな」

扶桑「結果は何も判明せず…ですか」

サイファー「残念ながらな」

扶桑「私も頑張りますので、必ず作戦を成功させましょう」

サイファー「そうだな。当てにさせてもらうぞ」

扶桑「はい!」

サイファー(あまりにも動向が静か過ぎるのが気になるな。やはり俺が行くべきだろうか…)

扶桑「サイファー提督、私達はサイファー提督の元で訓練を積みました。それは私達には確かな自信になっています。ですのでサイファー提督は私達を信じて送り出してください」

サイファー「…考えていることが顔に出ていたか?」

扶桑「いえ、サイファー提督ならこう考えるのではと思いまして」

サイファー「お見通しってわけか。わかってる。お前達を当てにさせてもらうぜ」

扶桑「ありがとうございます」


―――――
―――



779: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/22(火) 00:20:42.02ID:+J1mocnDo

―食堂―


瑞鶴「それにしてもあの島の深海棲艦の防御堅いわよね」

雪風「明らかに今までとは違ったタイプですね」

時津風「攻め込んではこないけど、絶対に突破はさせてくれないし…」

長門「各基地でも色々と作戦を練っては攻撃に向かい、その度に返り討ちにあっているようだ」

赤城「中々難しいですね。けどそれだけ強固に守備を固めてまで守っているものってなんでしょうね?」

武蔵「よほど大切なものであるのは確かだろうな」

瑞鶴「大和さんはサイファー提督さんとかピクシーさんから何か聞いてないんですか?」

大和「サイファー提督もピクシーさんも詳しくはわからないみたいですね。軍事衛星を使って写真を撮ったみたいですが、何も特別なものは写ってなかったと」

時津風「日本の軍事衛星の性能が低いってことはないだろうしなぁ」

雪風「だからといってピクシーさんにまたオーシアに頼んでもらうわけにもいきませんし」

赤城「ウスティオやユーク、エメリアはどうなんでしょうね」


ビスマルク「残念ながら衛星技術ではオーシアが一番上よ」

赤城「あら、ビスマルクさん。ユークやエメリアではオーシアには敵わないと?」



780: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/22(火) 00:21:09.67ID:+J1mocnDo

ビスマルク「そうよ。確かにユークはオーシアと宇宙開発を共同で実施した実績はあるものの、オーシアにはアークバードを始めとした宇宙開発の技術を持っているからよ」

武蔵「そのアークバードも今は海の底…か」

長門「ソーグもだな」

瑞鶴「ストーンヘンジはユリシーズを砕くためのものだし、第一対地攻撃よりも対空攻撃がメインだし」


ピクシー「超兵器は確かに頼りになるが、過ぎたる力は悪用されることもあるんだぜ」

武蔵「ピクシーか。お前も飯の時間か」

ピクシー「ああ。こっちの仕事が良いタイミングで区切りがついたからな」

雪風「確かにアークバードもソーグも、ストーンヘンジもエクスキャリバーも悪い人達が使おうとして破壊されたんですよね?」

ピクシー「エクスキャリバー以外は詳しいことは聞いてねぇけどな」

ビスマルク「あれはベルカの技術の粋を集めたものだからな」

ピクシー「ありゃあ確かにやべぇ兵器だった。所構わずバンバン撃たれてりゃベルカ戦争はもっと激化してただろうな」

長門「ピクシーは何かあの島を攻略する作戦とかは考えたことはないか?」

ピクシー「…破壊するだけだったらV2を使っちまえば1発で片はついちまうがな」



781: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/22(火) 00:21:36.07ID:+J1mocnDo

大和「けどV2は…」

ピクシー「そうだ。紛れも無い核兵器だ。核は使わずに持っているから抑止力としての効果を発揮するもので、使ってしまえば全世界を敵に回すジョーカーだ」

瑞鶴「そんな危なっかしいもの使ったらダメじゃない」

ピクシー「当たり前だ。核を使うってのは本当にどうしようもなくなった完全な手詰まりの状態での最後の苦し紛れの1撃だ」

時津風「それ以外の方法はないかなぁ」

ピクシー「空軍を総動員して絨緞爆撃…と言いたいところだが、生憎深海棲艦に対抗できる力を持っているパイロットってのは俺か相棒ぐらいしかいねえしな」

瑞鶴「じゃあ各基地の提督さんにパイロットとしての訓練を積んでもらって…」

赤城「それじゃあ時間がかかりすぎてしまいますよ」

武蔵「敵もそこまで待ってはくれんだろうしな」

瑞鶴「…だよね。それじゃ遅すぎちゃうか」

ピクシー「次の出撃は誰が行くんだ?」

大和「手はずでは旗艦翔鶴さん、随伴艦に武蔵、長門さん、摩耶ちゃん、時雨ちゃん、夕立ちゃんですね」

瑞鶴「翔鶴姉、かなり気合入ってるみたい。もうこれ以上作戦を長引かせてサイファー提督さんの苦労を無駄にしない!って」

ピクシー「そうか、ならそれに俺も行こう」

長門「ピクシーが出るのか!?」

ピクシー「サイファーはこの基地の司令官で、この作戦ではそう簡単に出撃は出来ねぇんだ。だったら同じく深海棲艦に対抗できる俺が出るのがいいだろう」



782: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/22(火) 00:22:02.09ID:+J1mocnDo

雪風「ピクシーさんは出撃しても大丈夫なんですか?」

ピクシー「俺はこの基地にいるとはいえど、所属は陸軍だからな。命令系統が違う」

赤城「陸軍からの許可は下りるんですか?」

ピクシー「問題ねぇよ。前回の事件が終わってから、その戦果を認められて昇級、独自行動が大幅に認められたんでな」

武蔵「ほぅ、昇級したのか。それはめでたいな」

時津風「昇級祝いのパーティやるの?」

ピクシー「ありがとうよ。そのパーティはこの作戦が終わるまではお預けだな。終わったら盛大に祝ってくれや」

大和「ではサイファー提督にピクシーさんも随伴する旨を伝えておきますね」

ピクシー「いや、その必要はねぇよ。俺が直接伝える」

大和「了解しました」

ピクシー「相棒に確認しときたいこともあるしな…」ボソ

雪風「何か言いましたか?」

ピクシー「いや、なんでもねえよ。こっちのことだ」


―――――
―――



787: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/27(日) 20:58:38.96ID:TEj1Vy9ko

―フタマルマルマル時・サイファー自室―


knock knock




サイファー「どうぞ」




ガチャ




ピクシー「よう相棒、今大丈夫か?」

サイファー「ああ、どうした?」

ピクシー「明日のことでちょっとな」

サイファー「お前も出撃するって話か?それなら大和から聞いてるぞ」

ピクシー「なんだ、もう聞いてたのか。まぁそのことだ」

サイファー「いいのか?お前は陸軍の所属であって、これは海軍がメンツをかけた作戦だという話だぞ」

ピクシー「そんなことを気にしてたらいつまで経っても平和なんて来ねぇよ。それにお前の本音はそんなところじゃないだろ?」

サイファー「まぁな。本来なら俺が飛んでいって、一気に片を付けたいと思っているぐらいだからな」

ピクシー「それをしないのは、後々の嬢ちゃん達のことを考えて…だろ?」

サイファー「ああ。ここで俺が出れば作戦が成功する確率は上がるだろう。だが、そうすれば基地司令官を最前線の一番前に送り出した艦娘として海軍内の立場が悪くなる。ブイン基地の艦娘は役立たずの烙印すら押されてしまうだろう」

ピクシー「最悪、解体なんて処分が下される可能性もあるな」



788: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/27(日) 20:59:21.44ID:TEj1Vy9ko

サイファー「俺が傭兵のままだったら…と考えることが何度もある」

ピクシー「そうすれば最前線に躍り出て敵を殲滅することが可能だろうな。けどよ、そうであったら今の嬢ちゃん達はねぇんだぜ」

サイファー「…そうかもしれんな」

ピクシー「サイファーの元で訓練を積んで、サイファーの作戦を理解して、今の嬢ちゃん達がいるんだ。もしここの司令官が相棒じゃなかったら嬢ちゃん達はとっくに沈んでたかもしれねぇ」

サイファー「それは買いかぶりすぎだ。あいつらには素質があった。どんな状況下でも生き残ることが勝利であるという絶対条件をクリアする素質がな」

ピクシー「だが、その素質を開花させたのは紛れも無く相棒だぜ」

サイファー「俺は少し手助けしたに過ぎん」

ピクシー「なぁ相棒、お前に聞きたいことがある」

サイファー「なんだ?」

ピクシー「お前はこの戦いが終わったらどうするんだ?」

サイファー「どうするもこうするもないだろう」

ピクシー「俺からはパイロット養成の任に、元帥閣下からはこのまま海軍に残ってほしいと言われるとは思うけどよ、お前自身はどうなんだ?」

サイファー「………」

ピクシー「俺はまだその答えを聞いてない。俺と一緒にやってくれるのか、そうでないのかではなく、お前自身が一体どうするつもりなんだってな」

サイファー「俺は……」



789: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/27(日) 21:00:02.16ID:TEj1Vy9ko

ピクシー「…フッ。すまねぇな相棒。これが最後の戦いだなんて決まってるわけでもねぇのによ」

サイファー「…ああ」

ピクシー「けどよ、なんかそんな予感がしちまったんだよ。この作戦が終わったら何か変わるんじゃねぇかってな」

サイファー「今までに無い規模の深海棲艦側の防衛レベルだからな。そう思ってしまうのも仕方ないだろう」

ピクシー「こんな時にモルガンがありゃあなぁ。元帥閣下から何か聞いてねぇか?」

サイファー「いや、俺のほうには何も情報は入ってないな」

ピクシー「そうか。ま、ストライクイーグルも良い機体だしな」

サイファー「…明日は頼んだぞ」

ピクシー「任せとけって相棒」

サイファー「俺もいつでも出撃できるようにスタンバイしておく」

ピクシー「おいおい、それじゃあさっき言ったことと矛盾しちまうぜ」

サイファー「お前なら敵が何を隠しているかを発見することが出来るだろう?時間をかけずに一気に叩ければ問題ないだろう」

ピクシー「嬢ちゃん達と俺で血路を開いたってことにするってわけか。ちと見積もりが甘い気がするけど、まぁ悪くねぇな」

サイファー「撃破すればいいだけだ。それなら誰も文句は言えんはずだろ」

ピクシー「戦果を以って黙らせるってわけか。円卓の鬼神らしいこった」

サイファー「そういうお前も片羽の妖精らしい決断だと俺は思ったがな」

ピクシー「……明日で終わらせるぞ、相棒」

サイファー「…ああ」

ピクシー「んじゃ俺はもう寝るぜ。邪魔したな、相棒」

サイファー「ああ」





バタン





サイファー「全てが終わった後…か。俺は…」


―――――
―――



790: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/27(日) 21:00:28.25ID:TEj1Vy9ko

―翌日・マルキュウマルマル時―


扶桑「では行ってまいります!」

大和「今回はピクシーさんもご一緒ですし、今度こそ成功させてみせます!」

サイファー「頼りにさせてもらうぞ。艦隊出撃!」

大和「旗艦大和!武蔵、扶桑、山城、赤城、加賀、出撃します!」ザァァァ

サイファー「続けて第2艦隊出撃!」

翔鶴「旗艦翔鶴!瑞鶴、高雄、愛宕、時雨、夕立、出撃します」ザァァァ

サイファー「第3艦隊、行けるな?」

金剛「もちろんデース!旗艦金剛!榛名、矢矧、阿賀野、雪風、時津風、行くデース!」ザァァァ

サイファー「…本当に大丈夫なのか?お前達が行って」

ビスマルク「もちろんよ。あの島には色々と貸しがあるからね。それを返してもらいに行ってくるわ」

サイファー「そうか。頼んだぞ」

ビスマルク「任せなさい!旗艦ビスマルク!グラーフ・ツェッペリン、プリンツ・オイゲン、レーベレヒト・マース、マックス・シュルツ、U-511、出るわよ!」ザァァァ



791: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/27(日) 21:01:08.84ID:TEj1Vy9ko

サイファー「これであとはあいつか」

鳥海「それにしてもよろしかったのですか?」

サイファー「何がだ?」

鳥海「ビスマルクさん達のことですよ」

サイファー「ビスマルク達のたっての希望だ。それにあいつらはバランスがよく取れている」

鳥海「疑うわけではありませんが、彼女達はあの島に居た艦娘なんですよ?」

サイファー「だからこそだ。島周辺の環境を誰よりも理解しているだろう」

鳥海「しかし…」

サイファー「それに大和達も一緒に出撃している。鳥海が心配しているようなことがあっても押さえるのはそう難しくはないだろう」

鳥海「わかりました。サイファー司令官さんのお考えを信じます」

サイファー「俺はこれから管制室に行ってくる。後は頼んだぞ」

鳥海「了解です」


―――――
―――



792: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/27(日) 21:01:35.23ID:TEj1Vy9ko

―マルキュウヨンマル時・管制室―


ピクシー『まさかお前が管制室にまで行って見送りとはな。ちょっと驚きだぜ』

サイファー「この作戦の成否はお前にかかってると言っても過言じゃないからな。頼りにしてるぞ」

ピクシー『言ってくれるぜ。ま、その期待に応えてみせてやるよ』

大淀「ピクシー機、離陸開始地点に到達。滑走路、及び周辺空域クリアです!」

サイファー「頼むぞ、ピクシー」

ピクシー『あいよ!ガルム2、ストライクイーグル、出るぜ!』ヒュィィィゴォォォォォォォ

大淀「ピクシー機、高度制限を解除します。皆さんをよろしくお願いします」

ピクシー『任しときな。システム起動!頼むぜお前ら!』


サイファー「………」カッカッカッカッ

大淀「サイファー提督、どちらへ?」

サイファー「パイロットスーツに着替えてくる」

大淀「まさか、サイファー提督も出撃なさるおつもりですか!?」

サイファー「今すぐではない。だが、間違いなく出撃することになるだろう」



793: ◆Q8foA/1VQQ 2016/03/27(日) 21:02:01.53ID:TEj1Vy9ko

大淀「ピクシーさんのことを信頼なさっているのですね。わかりました。この大淀、サイファー提督のお考えを支持します」

サイファー「悪いな、いつもいつも心配かけさせて」

大淀「そうお思いになられるのでしたら必ず無事に帰ってきてください。それが私も含め基地の皆の願いですから」

サイファー「ああ。必ず生き残ってみせるさ」

大淀「烈風妖精さん達に通達してきます」

サイファー「その必要はない。既に準備に入っているはずだ」

大淀「私がサイファー提督を止めないと踏んでのことですか?」

サイファー「ああ」

大淀「…やはり敵いませんねサイファー提督には。私達の全てを見ておられて」

サイファー「そうでなきゃ空なんて飛んでられねぇからな。行ってくる」

大淀「はい」




バタン




大淀(サイファー提督、皆さんをよろしくお願いします。そして必ず帰ってきてくださいね)


―――――
―――



797: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/06(水) 02:20:36.68ID:SjVDJiPJo

―作戦海域付近―


大和「まもなく作戦海域ですね。今日こそは!」

赤城「偵察機、出します!」

加賀「こっちも出すわ」

扶桑「山城、私達も」

山城「はい、姉様!」

武蔵「頼むぞ。大和、こっちも砲撃準備だ!私達が一番砲の射程距離があるからな」

大和「ええ!」


瑞鶴『こっちは偵察機出したわ!そっちはどう!?』

大和「こちらも偵察機を出して索敵行動に入ってます」

翔鶴『流石赤城先輩達ですね。行動が早いです』

加賀「まだまだですが、五航戦もそれなりに早い判断が出来るようになったようね」

瑞鶴『ムッ!そんなこと言ってぇ!私達が先に敵を見つけてやるんだから!』

赤城「加賀さん、それぐらいにしてあげてください。後ろからはピクシーさんも来るんですから、どちらがではなくどちらも的確に敵の情報を得て送らないと」

加賀「そうね。それに水雷部隊も控えてるから確実に敵を見つけないと」



798: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/06(水) 02:21:07.43ID:SjVDJiPJo

金剛『HEY!そっちはどうデースカー!?敵は見つかったデース?』

赤城「いえ、先ほど飛ばしたばかりですからこれからです」

金剛『私達も突っ込むネー!空母の目が頼りだからちゃんと頼むネー』

大和「まだ敵の位置情報を掴んでませんので無暗に突っ込んではダメですよ」

金剛『わかってるネー。けど、いつでもいけるようにこっちは準備万端ネー』

翔鶴『…敵を発見しました!位置情報を送ります!』

赤城「やりますね、翔鶴さん。私達も周辺の情報を!」

瑞鶴『流石翔鶴姉!どうよ!私達が一番最初に発見したわよ!』

加賀「無駄口を叩いてる暇があるなら他の敵の索敵を続けなさい。敵の全体を把握するのが最優先よ」

グラーフ『こちらでも発見した。そちらの位置情報とは別の位置だ』

加賀「…こちらも見つけたわ。やはり強固に守備を固めているようね」

扶桑「爆撃、回避されました」

山城「こちらは空母ヲ級に命中。敵の損害は軽微です」

武蔵「ならば私達が一番槍を入れてやる必要があるな。行くぞ大和!」

大和「ええ!艦隊前進!突破口を開きます!」


『了解!』


――――――



799: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/06(水) 02:21:38.77ID:SjVDJiPJo

ピクシー「どうやら始まったようだな」

景雲妖精「位置情報をこちらでも受け取ったわ。島全体をぐるりと守っているようね」

ピクシー「そうみたいだな。けど、聞いてたより少ねぇ気がするな」

瑞雲妖精「十分多いとは思うけど。けどこれだけの大部隊を撤退に追い込むにしては少ないわね」

ピクシー「他の基地からも出てんだろ?だとしたらこれじゃあ追い返すなんて無理だぜ」

天山妖精「確かに少ないねぇ。何かあるのかな?」

紫電妖精「そう考えるのが自然ですね」

ピクシー「こいつはちょっと無理してでも突破してやる必要がありそうだな。嫌な予感がするぜ」

瑞雲妖精「サイファー提督には連絡しとく?」

ピクシー「…いや、いい。あいつも基地で情報を得て把握してるだろうしな」

景雲妖精「了解したわ。ピクシー、まもなくこっちもぶつかるわよ」

ピクシー「…苦戦してるやつがいるな。敵は空母か。天山!やつに1発食らわせてやれ!」

天山妖精「は~いよ!目標捕捉!ハープーンスタンバイ!」

景雲妖精「ターゲット、ロックオン」

ピクシー「外すんじゃねぇぞ。ハープーン Fire!」バシュゥゥン


――――――



800: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/06(水) 02:22:04.98ID:SjVDJiPJo

高雄「くぅ!」

愛宕「高雄ちゃん、大丈夫!?」

高雄「損傷軽微。大丈夫、まだまだいけるわ!」

瑞鶴「翔鶴姉、こいつらの動き…」

翔鶴「ええ。この動き方は深海棲艦のそれじゃないわね」

夕立「この動き方、見覚えがあるっぽい!」

愛宕「この敵ってクローンのやつじゃない?」

時雨「間違いないよ。この僕達の動きを基準に動いてるやり方はクローン深海棲艦の特徴だよ」

高雄「けど、クローンは所詮クローン。一度動きがわかってしまえばこちらもやりようがあるわ」

ビスマルク『こいつらの動きって、あんたたちが言ってたクローンってやつなの!?』

大和『間違いありません。この動きはクローン深海棲艦のものです』

金剛『そうとわかれば対策方法はバッチリネー!』

加賀『ただクローンといえど、私達の動きをベースにしているので慢心してはいけないわ』

瑞鶴「ちょっとやっかいだけど、クローン対策だってバッチリなんだから!」

翔鶴「!…ミサイル、来ます!」



801: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/06(水) 02:22:34.25ID:SjVDJiPJo

夕立「来たっぽい!」

高雄「なら…!」



…シュゥゥゥゥゥゥン……ドォォォン



翔鶴「ハープーンミサイル、空母ヲ級に命中!撃沈確認しました!」

愛宕「やっぱりクローンね。想定外のことには弱いわね」ガシャン

時雨「混乱してる今が…!」ガシャン

夕立「チャンスっぽい!」ガシャン

高雄「戦場は常に教科書通りではないのよ。それを学習しなかったあなた達に馬鹿めと言ってさしあげますわ!」ガシャン

愛宕「酸素魚雷発射!撃てぇぇい!」



バシュン…コォォォォ…



ドゴォォォォン



高雄「敵部隊の全滅を確認!」




ドォォォン



瑞鶴「奥に控えてた敵にも爆撃しといたわ!私達も前進よ!」



802: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/06(水) 02:23:06.07ID:SjVDJiPJo

翔鶴「瑞鶴!10時方向!」

瑞鶴「え?うわっ!」ザパーン

高雄「大丈夫ですか!?」

瑞鶴「運良く外れてくれたわ。このぉ!やってくれたわね!」




ドォォォン



翔鶴「敵重巡リ級撃沈!加賀さん!」

加賀『戦場では常に周りを見てなきゃダメよ。そうサイファー提督がいつもおっしゃってたことを忘れたのかしら?』

瑞鶴「くっ!ちょっと油断しただけよ!この汚名は必ず返上してみせるわよ!」

加賀『そう。ならピクシーさんの邪魔にならないように頑張りなさい』

瑞鶴「わかってるわよ!」




……ォォォォォン




ピクシー『加賀もまだまだ甘いようだな。お前を狙ってたやつがいたぜ』

加賀『ピクシーさん…』

ピクシー『いくらアウトレンジと言っても、常に自分が狙われていることは想定しとかねぇとダメだぜ。敵は艦隊だけじゃねぇ。基地からだって攻撃してくるんだからよ』

武蔵『流石は片羽の妖精だな。サイファー提督と並んで飛んでいただけのことはある』

プリンツ『ベルカにとって脅威だった人が味方だとこんなに心強いんですね』

榛名『ピクシーさん!こちらから突破してください!』

ピクシー『…よし!海上の敵は任せたぜ!』


『了解!』


ピクシー『突入する!』


―――――
―――



803: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/06(水) 02:23:45.32ID:SjVDJiPJo

―ブイン基地―



ザッザッザッザッザッ



烈風妖精「来たわね」

流星妖精「機体の準備は出来てます」

サイファー「ああ。兵装は…バッチリだな」

彩雲妖精「対空をメインに対艦も積んでるわ。対地は艦娘の砲撃に任せる…ってことでしょ?」

サイファー「ああ。いざとなれば対艦でも対地攻撃は可能だからな」

彗星妖精「ま、サイファーの腕なら対空でも対地攻撃こなしちゃうだろうけどね~」

サイファー「攻撃は可能でも威力が不足する。牽制する分には使えるがな」



ザッザッザッザッザッ



長門「いよいよ出るのか?」

サイファー「まだ敵の隠している情報を完全に掴んだわけではないがな」

霧島「サイファー司令の予感がそうさせるのですね」

サイファー「あいつならそろそろ島に突入する頃だろうからな」

能代「サイファー提督、必ず無事に帰ってきてくださいね」

酒匂「作戦終了のお祝いの準備もしとくからね!」



804: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/06(水) 02:24:14.93ID:SjVDJiPJo

サイファー「…この基地の守備、しっかりと頼むぞ」

長門「了解した。サイファー提督も気をつけてくれ」

比叡「気合!入れて!守ります!」

足柄「出撃出来なかったのは残念だったけど、帰ってくる場所はしっかりと確保しておくからね!」

那智「この基地のことは我々に任せておいてくれ」

サイファー「…頼んだぞ」



プシュー…ガコン……ヒュィィィィィィィィ…



摩耶「ちゃんと帰ってこいよなー!まだあたしはサイファー提督に勝ってねぇんだからよー!」

鳥海「みなさんをお願いします!」

秋月「必ず無事に帰ってきてくださいねー!」

電「みんなで待っているのですー!」




大淀『サイファー提督、ピクシー機が島に突入を開始しました!』

サイファー「読みどおりだな。あいつなら上手くやってくれるだろう。大淀、後は頼んだぞ」

大淀『了解しました!』



805: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/06(水) 02:24:41.59ID:SjVDJiPJo

サイファー「…離陸開始地点到達。大淀!」

大淀『周辺空域、及び滑走路クリア!発進どうぞ!』

サイファー「エンジン最大出力。ガルム1、ストライクイーグル出るぞ!」ヒュィィィゴォォォォォォォォ


大淀『サイファー機、高度制限を解除します。必ず無事に帰ってきてくださいね』

烈風妖精「ちょっと急いだほうがいいかもしれないわね」シュゥン

流星妖精「そうですね。何か嫌な予感がします」シュゥン

彩雲妖精「何か色々と引っかかることが多いのよね。何か仕掛けてきそうな感じがするわ」シュゥン

彗星妖精「さぁて鬼が出るか、蛇が出るかだね~」シュゥン




<System Pixy Standby>ピピッ!




サイファー「奴らもピクシーに突入されれば尻尾を出すだろう。そいつがなんであれ叩き潰すまでだ」

烈風妖精「それが何なのかを早く知りたいところね」

流星妖精「出来れば、相手の体制が整う前に叩いておきたいところですね」

サイファー「あいつなら体制を整わせるほどの余裕なんて与えないだろう。だが…」

彩雲妖精「最悪のケースを想定しないとね」

彗星妖精「ピクシーが落とされることは無いだろうけどね~」

サイファー「…急ごう。今度こそ本当に終わらせる」


―――――
―――



810: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/10(日) 12:55:27.83ID:s6jlU+YJo

―作戦海域―


ピクシー「さぁて、いっちょ突撃といくか!」

景雲妖精「金剛さん達が開けてくれたとは言っても、穴埋めの集結を始めてるわ」

ピクシー「なぁに、これぐらいなら避けりゃいいんだよ。俺を止めるには数が足りねぇってな!」


金剛『Mr.ピクシー!ワタシ達がアシストするネー!』

榛名『榛名と金剛お姉様で対地攻撃を行います!私達の砲撃を合図にアフターバーナーを点火して一気に抜けてください!』

矢矧『集結してきている部隊は私たちがなんとかします』

ピクシー「頼もしいこった!頼むぜ!」


――――――


金剛「榛名、行くデース!」

榛名「はい!金剛お姉様に合わせます!」

矢矧「阿賀野姉、雪風ちゃん、時津風ちゃん、わかってるわね?」ガシャン

阿賀野「もちろんよ!」ガシャン

雪風「金剛さん達の邪魔もピクシーさんへの邪魔もさせません!」ガシャン

時津風「牽制牽制。でも当たったら痛いよ~」ガシャン



811: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/10(日) 12:56:06.13ID:s6jlU+YJo

矢矧「各艦、酸素魚雷、放射状に…ってー!」



バシュン…コォォォォォ……



阿賀野「…今!金剛さん!」

金剛「ナイスアシストデース!ターゲットSAM!全砲門Fire!」ドォォォン

榛名「ピクシーさんの邪魔は!させません!」ドォォォン

金剛「今ネ!Go!ピクシー、Go!」


――――――


金剛『今ネ!Go!ピクシー、Go!』

ピクシー「確認した。ありがとうよ!A/B点火!突破する!」ゴォォ


―金剛と榛名の砲撃を合図にピクシー機はアフターバーナーを点火させ加速。速度を上げ一気に抜けていく―


紫電妖精「ピクシー、撃ってきましたよ!」

ピクシー「そんな攻撃じゃ当たんねぇってな!」クィ


―巧みな操縦により難なく対空網を抜け、ピクシー機は島の上空へ到達した―


ピクシー「抜けた!さて、隠してるもんを見せてもらうぜ!」

瑞雲妖精「対地ミサイルスタンバイ!いつでもいけるわよ!」



812: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/10(日) 12:56:35.57ID:s6jlU+YJo

ピクシー「……見えた!施設跡だ。人はいねぇから遠慮なくやらせてもらうぜ!」

天山妖精「ターゲットロック!いっちゃって!」

ピクシー「発射角合わせよし!殻を破いてやるぜ!マーベリック Fire!」カチッ

瑞雲妖精「マーベリックミサイル、行っけー!」バシュゥゥン




ドォォォォォォン…



ドクン…



瑞雲妖精「目標に命中!」

景雲妖精「…気味が悪いわね」

紫電妖精「そうですね。明らかに静か過ぎる気が…」

ピクシー「だったらそのまま眠ってもらうまでだ!もう一発喰らいな!ペイブウェイ投下!」ヒュゥゥン


―スプリットSで機体を反転させ、再度狙いを定めペイブウェイを投下。投下された爆弾は真っ直ぐに対地ミサイルの着弾地点へ落下していき…―




ドォォォォォォン…



ドクン…ドクン…ドクン…




瑞雲妖精「同地点に着弾確認!」



813: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/10(日) 12:57:01.77ID:s6jlU+YJo

天山妖精「これで地下がバッチリ見え……なに…あれ…」

景雲妖精「あんなもの見たことが無いわ」

紫電妖精「ピクシー、あれは…なんでしょうか…」

ピクシー「さぁな。けど間違いなくヤバイ代物ってことだろ!動き出す前に片を付ける!天山!」

天山妖精「ハープーンだね!?」

ピクシー「ああ!残り2発、きっちり叩き込め!」

天山妖精「ターゲットロック!悪いけどそのまま寝ててもらうよ~」

ピクシー「てめぇは起きちゃいけねぇ奴みたいだからな!ハープーンFire!」バシュバシュゥゥン


―ピクシー機から放たれたハープーンミサイルは露呈した地下に見えいてる“なにか”に向かって一直線に進み…―




ドォォォォォォン…




ドクン……ドクン……ドクン……




ピクシー「これでどうだ!」

景雲妖精「熱源感知!地下のものからよ!」

天山妖精「嘘だよね!?今のでびくともしないの!?」



814: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/10(日) 12:57:28.56ID:s6jlU+YJo

紫電妖精「!?島全体が揺れています!」

瑞雲妖精「まさか起動したの!?」




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…




ドォォォォン




ピクシー「うわっ!なんだ!?」

景雲妖精「熱源が地下から上昇してるわ!」

ピクシー「くそったれ!止められなかったか!」


サイファー『おい、ピクシー!どうした!?何が起こった!?』

ピクシー「悪ぃ、相棒。どうやらヤベェ奴を起こしちまったらしい」

サイファー『どういうことだ!?そっちで何が起こった!?』

ピクシー「深海棲艦が隠してたやつが起きちまったみてぇだ。こいつはちとヤベェぜ」

サイファー『すぐにそちらに向かう!無茶するんじゃねぇぞ!』


ピクシー「デカさはアークバード級か。いや、それ以上だな。なんつうもん隠してやがったんだよ!」


――――――



815: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/10(日) 12:57:54.30ID:s6jlU+YJo

サイファー「あの島で一体何が起こったんだ…」

烈風妖精「間違いなく深刻な事態が発生したと見るのが妥当ね」

流星妖精「ヤバイ奴を起こしたと言ってましたね」

サイファー「大淀。現場の部隊からの情報は!?」

大淀『施設のあった地点より巨大な物体が出現!現在それは高度を垂直に上昇中とのことです!』

サイファー「巨大な物体?垂直離陸!?アークバードでも拾って改造でもしやがったか…?」

彩雲妖精「でもアークバードって高度の変動は出来ても離陸なんて出来ないはずよ」

彗星妖精「SOLGだってそうだしね。ていうか、あれだけのデカイものを拾って搬入するなんて深海棲艦だって無理だよ」

サイファー「なんにしてもヤバイ兵器だってことは間違いなさそうだな」

烈風妖精「ストーンヘンジやアークバード、エクスキャリバークラスの超兵器と見た方がいいわね」

流星妖精「急ぎましょう!どんな武装を持っているかわかりませんから完全に稼動する前に叩かないと!」

サイファー「A/Bを点火させて加速するぞ。いつでも撃てる様に集中しておけ」


『了解!』


サイファー「俺が到着するまで無茶するんじゃねぇぞ…」


――――――



816: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/10(日) 12:58:34.72ID:s6jlU+YJo

ビスマルク「な、なにあれ…」

グラーフ「あんなもの、見たことないぞ!」

U-511「ベルカの技術にもあんなのなかったです」

大和『こちら第一艦隊大和!そちらでもあれを確認出来ますか!?』

ビスマルク「あんなの、どこにいたって確認出来るわよ。大和はあれが何なのかわかる!?」

大和『少なくとも日本の物ではありません。ベルカのもの…でもなさそうですね』

Z1「海中に沈んだアークバードを引っ張ってきたというわけでもないみたいだね」

プリンツ「大きさもアークバード以上、形も全然違うわ」

Z3「あれで何をしようとしているのかしら」

金剛「こっちのクローン部隊はもうちょっとで殲滅完了するデース!艦砲射撃が届く内に撃ちこむネー!」

ビスマルク「そうね!あれだけデカイやつなら主砲でも当たるわ。高度を上げ切る前に!」

グラーフ「援護を頼む!あの空域にはピクシーが突入しているはずだ。私もピクシーの援護に艦載機を発艦させる!」

ビスマルク「了解よ!赤城達も翔鶴達も出来て!?」

赤城『そのつもりです!』

翔鶴『こちらも準備に入ってます!』

ビスマルク「なら、さっさと目の前のクローンには退場してもらうわよ。レーベ!マックス!行くわよ!プリンツとユーは私達のアシストを!」


『了解!』


――――――



817: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/10(日) 12:59:01.24ID:s6jlU+YJo

ピクシー「こいつ、上昇してやがる!」

紫電妖精「上昇を止めます!ターゲットロック!」

ピクシー「プロペラを止める!」ドガガガガ



ドォォン



紫電妖精「プロペラの破壊を確認!…いや」

景雲妖精「修復しているわ」

ピクシー「自己修復機能を持ってやがるのかよ。これじゃあ兵器っつうより生物じゃねぇか」

瑞雲妖精「巨大な深海棲艦…って感じね」

天山妖精「機銃で1つ1つ破壊してたら間に合わないね。ミサイルでいくよー」

ピクシー「マルチロック確認。外すな…ッ!なんだ!?頭ん中にッ!」



818: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/10(日) 12:59:30.62ID:s6jlU+YJo









航空要塞鬼『………コノ私…航空要塞鬼ガ全テヲ滅ボシテ……コノ世界ヲゼロニ戻シテアゲルワ…』








―――――
―――



822: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 13:59:30.41ID:O4oOd+cZo

サイファー「……ッ!」

彩雲妖精「今の聞こえた!?」

彗星妖精「発信源は間違いなくあの島だよね」

流星妖精「航空要塞鬼と言ってましたね」

サイファー「心当たりはあるか?」

烈風妖精「いいえ、ないわ。見たことも聞いたことも無い名前ね」

流星妖精「鬼級、姫級の護衛に付いてる要塞というのはいますが、巨大な垂直離陸をする要塞というのは今まで聞いたことありません」

彩雲妖精「その要塞自体が鬼って名乗ってるとなると…」

彗星妖精「本気で笑えないね」

サイファー「長期戦になる可能性もある…か」

烈風妖精「けど、戦闘機にとって長期戦は…」

サイファー「時間がかかればかかるほど不利になる。弱点を見つけ出し、即ケリをつけねぇと弾薬も燃料も足りなくなる」

彗星妖精「しかも撃ちきってから戻って補給する時間は無いしね」

サイファー「やつは世界をゼロに戻すと言っていた。全ての地域がターゲットだろうが、恐らく一番の狙いは…」

流星妖精「深海棲艦に対する唯一の対抗手段である艦娘を運用する本丸の日本ですね」

サイファー「間違いないだろう。そこさえ叩いてしまえば現状ではオーシアでもエルジアでも対抗は不可能だろう」

彩雲妖精「アークバードもメガリスも無いんじゃあどうしようもないわね」

流星妖精「それどころかユリシーズの時よりも酷いことになる可能性があります」

サイファー「この速度なら作戦空域まであと少しだ。このまま行くぞ!」

サイファー(…持ちこたえてくれよ皆、ピクシー!)


―――――
―――



823: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 13:59:56.48ID:O4oOd+cZo

ピクシー「くそったれが!何が航空要塞鬼だ!お前をここから出すわけにはいかねぇんだよ!」

紫電妖精「AMRAAM発射準備OKです!」

ピクシー「左翼側の2発を狙え!バランスを崩す!外すんじゃねぇぞ、Fire!」カチッ



バシュバシュゥゥゥン



―ピクシー機から2発のAMRAAMが発射。それぞれマルチロックした左翼側のエンジン部2箇所に向かって飛翔する。が…―



ドォン ドォォン



ピクシー「爆発のタイミングが早い!?」

景雲妖精「ミサイルの命中は認められないわ。明らかに事前に爆発。何かに当たったような感じね」

瑞雲妖精「航空要塞鬼から何か出てきてるわ!」

天山妖精「あれって…」


―航空要塞鬼から出現したものは、深海棲艦が運用している艦載機であった―


ピクシー「あれがミサイルからガードしやがったのか」

景雲妖精「こっちに向かってくるわ!」

ピクシー「なめるなっ!全部落として今度こそミサイルをぶち込んでやるぜ!」ドガガガガ



824: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:00:22.77ID:O4oOd+cZo

紫電妖精「敵の数が…!」

ピクシー「なら…ッ!」


―そのまま艦載機を引き付けブレイク。追従してきた艦載機の後ろに回りこむために上昇。ハイ・ヨーヨーのモーションから艦載機の背後に回りこむことに成功する―


ピクシー「数が多くても場数慣れしてなきゃ落とされるだけだぜ!」ドガガガガ


―そして機銃を掃射。背後に回りこまれた艦載機は成す術も無く撃墜されていく―


天山妖精「航空要塞鬼が移動を始めてる」

ピクシー「ちっ!まだそこから動くんじゃねぇ!」

景雲妖精「敵機、まだ来るわよ!」

ピクシー「邪魔だって言ってんだろうが!」ドガガガガ


―航空要塞鬼が垂直上昇から移動を開始。徐々に高度を上げつつ島からの離脱を開始した―


ピクシー「くそっ!これじゃあ奴を狙えねぇ!大和!武蔵!聞こえるか!?」

大和『はい!聞こえます!そちらは大丈夫ですか!?』

ピクシー「今んところはな。けど艦載機が邪魔で航空要塞鬼を狙えねぇ。奴が移動してるのはわかるか!?」

武蔵『こちらでも確認した。奴を長距離射撃で狙えばいいんだな?』

ピクシー「そうだ。これ以上高度を上げさせるな!機関部を狙えれば一番だが難しいなら叩き落すように撃ちこめばいい!」

大和『了解しました!これより長距離射撃に入ります!目標、航空要塞鬼!』

武蔵『金剛、榛名、ビスマルク、お前達が一番近いはずだ。いけるか!?』

金剛『もちろんネー!』

榛名『こちらのクローン部隊の殲滅完了しました!榛名も大丈夫です!』

ビスマルク『もう狙いはつけてるわ!』


―航空要塞鬼が島から離れるギリギリまで進行。その瞬間を狙って大和、武蔵、金剛、榛名、ビスマルクが砲撃を開始する―


大和『目標捕捉!撃てぇぇ!』


――――――



825: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:00:51.36ID:O4oOd+cZo

大和「目標捕捉!撃てぇぇ!」



ドォォォォン



ドゴォォォォォォン



大和「目標に命中を確認しました!」

武蔵「上昇が止まったか!?」


―艦砲射撃は一部が艦載機によってガードされたものの、全砲門一斉射による砲撃を防ぎきれず命中。移動を止める事は叶わなかったものの上昇を止めた―


ビスマルク『高度の上昇が止まったわ!』

金剛『このまま一気に海面に叩きつけるデース!』

武蔵「次弾装填開始!扶桑!山城!次は頼むぞ!」

扶桑「了解!これなら前進して…」

山城「待ってください!航空要塞鬼から何かが!?」


―高度を一定に保ったまま進行する航空要塞鬼から卵状の何かがいくつも海面に投下されていく―


榛名『あれは…なんですか!?』

翔鶴『艦載機からの報告では大きな繭のようなものだと』



826: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:01:17.67ID:O4oOd+cZo

愛宕『着水するわ!』




ドッポォォォォォォォン




高雄『なんでしょうか、あれ』

阿賀野『新型の爆弾!?爆撃に失敗したの?』

加賀「そんなに都合のいい物ではなさそうね」

瑞鶴『…ッそんな!?これって…!』


―着水の水柱が晴れ、海水のカーテンから姿を現したのは…―


空母ヲ級「………」

戦艦ル級「………」

雷巡チ級「………」

重巡ネ級「………」

駆逐イ級「………」

軽巡棲鬼「ニドトフジョウデキナイ…シンカイヘ……シズメッ!」


―クローンではない本物の深海棲艦であった―


矢矧『ちょっと!冗談じゃないわ!』

夕立『あの航空要塞鬼から生まれたっぽい!?』

赤城「あの卵状の物は投下する深海棲艦を保護する繭ということですね」



827: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:01:43.75ID:O4oOd+cZo

時津風『投下された深海棲艦が散り散りになっていってるね』

雪風『って、こっちにも来ます!』

大和「各員近くの艦隊と合流して撃破を!相手は鬼級や姫級もいます!同時に航空要塞鬼を狙える者は周囲を警戒しつつ狙ってください!」


『了解!』


翔鶴『金剛さん、聞こえますか!?私達第二艦隊はそちらの第三艦隊と合流します!』

金剛『了解デース!航空戦力が足りなかったから助かるネー!』

ビスマルク『こちら第四艦隊!大和、私達はあなた達に合流するわ!』

大和「了解しました!こちらも向かいます!」

扶桑「山城…」

山城「ええ、お姉様!」

扶桑「いくわよ!」

山城「はい!」

扶桑「この距離なら…!主砲撃てぇ!」ドォォォン

山城「ギリギリですが、よく狙って…ってぇッ!」ドォォォォン


―大和、武蔵の再装填がまだ終わらない中で、先ほどの先制攻撃で射程距離の関係上撃てなかった扶桑、山城が航空要塞鬼に向けて発砲。これが命中する―


大和「繭の投下が…止まった!?」

加賀「投下は止まりましたが…」

赤城「自己修復を開始してますね。それもかなり早いです」

武蔵「なるほど。修復中は投下、もしくは上昇を同時には行えないということか」

グラーフ『いや、わずかだが上昇している。どうやら機能を集中させているだけに過ぎんようだ』

時雨『だったら修復に集中させるようにすれば勝機があるんだね』

阿賀野『なら私達は戦艦の皆さんのサポートね!』

愛宕『ならやることは決まり!行くわよ、高雄ちゃん!』

高雄『まずは目の前の敵を叩きます!』


―――――
―――



828: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:02:10.33ID:O4oOd+cZo

ピクシー「これでラストだ!」ドガガガガ



ボォン



景雲妖精「航空要塞鬼がこの島から完全に離れてしまったわね」

ピクシー「離脱されちまったもんはしょうがねぇ。だが、まだこちらのレンジ内だ」

紫電妖精「ミサイルで狙いますか!?」

ピクシー「いや、この距離で狙ったところで防御されちまう。接近して叩き込むしかねぇ」

天山妖精「作戦はあるの?」

ピクシー「悪いがほとんどノープランだ。深海棲艦を投下している部分を破壊しても上昇されて修復されちまったらどうしようもない」

瑞雲妖精「ならエンジンを叩いて移動を止めるしかないわね」

ピクシー「嬢ちゃん達には悪いが、頑張ってもらうしかねぇな」

景雲妖精「…機銃の射程内に入ったわ!」

ピクシー「さて、こいつならどう出る!?」ドガガガガ


―機銃の弾薬は全て命中。ミサイルの時と違い、防御を取る様子が見られなかった―


ピクシー「よし!」

紫電妖精「けどダメージが修復されていきます!機銃では火力が足りません!」

ピクシー「だったらこれで!この距離なら間に合わねぇだろ!AMRAAM Fire!」カチッ



バシュゥゥゥン



ドォォォン



天山妖精「ミサイル命中したね。エンジン1機破壊を確認したよ」

ピクシー「やはり防御には一定の時間が必要なようだな。もう1発撃ちこむ!」


―航空要塞鬼を下から追い越しシャンデルでターン。スライスバックで再び背後を取ろうと動く―


景雲妖精「艦載機の発進を確認したわ」

ピクシー「また邪魔が出やがったか!だがその前に!」



フォォォォオン



ドォォォォン



瑞雲妖精「ミサイル!?」

天山妖精「ヒーローのご到着だね」

ピクシー「ったく、おいしいところを持っていきやがるぜ」

ピクシー「なあ、…相棒!」


――――――



829: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:02:41.33ID:O4oOd+cZo

烈風妖精「サイドワインダー命中。エンジンを1機破壊したわ」

サイファー「やつの様子はどうだ?」

彩雲妖精「依然上昇しながら日本本土方面に向かってるわ!」

サイファー「よくもこんなデカイもんを用意したもんだ。ちょっとやそっとじゃバランスは崩れねぇか」

ピクシー『こいつは自己修復をしながら日本に向かってやがる。片翼側のエンジンをぶっ潰して落とすしかねぇぜ!』

彗星妖精「あ!また深海棲艦の投下を再開したみたいだよ」

サイファー「下からは攻撃させないつもりか。大和!翔鶴!金剛!ビスマルク!お前達は目の前の敵を叩け!やつは俺とピクシーでやる!」

大和『了解しました!』

翔鶴『私達もすぐに援護に駆けつけますから、どうかお気をつけて!』

金剛『こんなエネミー、サイファー提督に比べたら大したことないネー!』

ビスマルク『頼んだわよ、鬼神!私達が援護に駆けつけるまで落とされないでよね!』

ピクシー『まずいぞ相棒!奴がプロペラ角を変えて上昇を始めやがったぜ!』

サイファー「させるか!これ以上昇らせるか!」

ピクシー「やつは遠距離からの狙撃では艦載機を防御に使って防ぎやがる。近距離で撃ちこまねぇとダメだ!」

サイファー「北方棲姫と同じようにミサイルを防ぎやがるのか。やっかいなやつだ」

彩雲妖精「艦載機、こっちに来るわよ!」

サイファー「邪魔だ!」ドガガガガ



830: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:03:13.83ID:O4oOd+cZo

流星妖精「ピクシーさんが撃ちこんだエンジンが修復されていきます!」

サイファー「上昇のために機能を集中させたか。だったら!」


―艦載機を撃墜しつつ、僅かな隙を見つけ航空要塞鬼に機銃の弾丸を当て、修復を遅らせる手段を取ったサイファー。しかしその効果は微々たるものであった―


烈風妖精「ダメね。この程度のダメージじゃあ簡単に修復されてしまうわ」

サイファー「だったら修復している部分を狙うまでだ!」ドガガガガ


―バレルロールで艦載機を振り切り旋回。そして狙いをエンジン部に定め機銃を掃射―


流星妖精「ダメです。艦載機を防御に使われて機銃の弾丸がエンジンに命中していません!」

サイファー「修復を邪魔するなってことかよ!」

ピクシー『やつの高度が主砲の砲角限界を超えやがった!これでアタッカーは俺達だけになっちまったな』

サイファー「なら俺達が奴を撃墜するまでだ!ピクシー、そっちは大丈夫か!?」

ピクシー『数が多いだけだ。こいつらの腕じゃあ俺を落とすことは出来やしねぇよ』

サイファー「そいつはなによりだ。さっさと邪魔を片付けてこいつを落とすぞ!」

ピクシー『おう!』

彩雲妖精「あ!また深海棲艦の投下を始めたわ!」

サイファー「別の基地から出撃した艦娘が狙いか!」

ピクシー『本気で奴は全部を滅ぼす気でいやがるぜ』

サイファー「だが今は投下された深海棲艦を相手してられん。本丸のこいつを落とせば終わる」



831: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:03:52.73ID:O4oOd+cZo

ピクシー『俺がAMRAAMを撃ちこむ!援護頼むぜ、相棒』

サイファー「…了解した。サイドワインダーFire!」カチッ



バシュバシュゥゥゥン



ドォォン ドォォォン



ピクシー『流石だぜ相棒。俺の狙いをよくわかってくれる。紫電、外すなよ!AMRAAM Fire!』



バシュバシュゥゥゥン



ドォォン ドォォォン




彩雲妖精「修復されたエンジンともう1機エンジンの破壊したわ!」

ピクシー『これでも上昇を止められねぇってのかよ』

流星妖精「艦載機を発進させてきました!数が今までと違います!」

サイファー「今度は俺達に狙いを定めてきたか。邪魔なやつを落とすぞ!烈風!」

烈風妖精「外さないわ。確実に仕留める」


―深海棲艦の投下を止め、艦載機を今まで以上に発進させサイファーとピクシーへの迎撃行動に入った航空要塞鬼。サイファー達が艦載機を相手に戦っている隙に高度を上げ、ついには高度10000フィートを超えた―


サイファー「次から次へとキリがねぇ!」

ピクシー『よう相棒、お前今この空域に飛んでる艦載機共全部を相手に出来るか?』

サイファー「どういう意味だ?」



832: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:04:19.06ID:O4oOd+cZo

ピクシー『このままじゃあジリ貧だ。俺がやつの胴体に大穴を開けてやる。だからこいつらの相手を頼めるか?』

サイファー「…烈風、いけるか?」

烈風妖精「残弾は問題無いわ。外さなければいいだけよ」

サイファー「なんとかしよう。策はあるのか?」

ピクシー『策なんて言える代物じゃねぇけどな。けどこいつを落とすにはそれしか方法はねぇぜ』

サイファー「わかった。死ぬなよ」

ピクシー『ふっ。お前に落とされても死ななかった俺が、こいつら程度に殺されるかよ。頼むぜ、相棒!』ゴォォ


―ピクシーが艦載機を振り切るようにブレイク、シザーズを繰り返しながら航空要塞鬼に向かっていく―


サイファー「ピクシーの邪魔はさせん!落ちろ!」ドガガガガ

彗星妖精「ねぇ、ピクシーは策は無いみたいに言ってたけど、あの進路にあの速度で突っ込んでるってことは…」

流星妖精「まさか、特攻を!?」

サイファー「!?おい、ピクシー!お前ッ!」

ピクシー『俺のことはいい!今は俺の援護をしてくれ!』

サイファー「クッ!邪魔を…するな!」ドガガガガ


――――――



833: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:04:45.65ID:O4oOd+cZo

ピクシー「流石は相棒だ。頼りになるぜ」



チュイン! ビシッ!ビシッ!



瑞雲妖精「右翼に被弾!ピクシー!」

ピクシー「そう簡単には行かせないってかよ。けどなっ!」


―機体をさらに加速させ航空要塞鬼に向かっていくピクシー。しかし接近すればするほどに弾幕も激しくなり被弾していく―


景雲妖精「エンジンに被弾。出力が低下してるわ」

ピクシー「構うか!あと少し!」

紫電妖精「左翼に被弾!バランスが!」

ピクシー「この程度なら!」

サイファー『止めろピクシー!』











ピクシー「Comooooooooooooooooooooon!」









834: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:05:19.96ID:O4oOd+cZo

天山妖精「燃料タンクに被弾!燃料が!」

ピクシー「ッ!ここだ!ミサイル全弾発射!Fire!」カチッ




バシュゥゥゥゥゥン




ドォォォォォォォォォン




―ギリギリまで接近してのミサイル全弾発射。至近距離で防御もままならない状況で胴体中央部に被弾した航空要塞鬼は、胴体下部に大穴を開けられることとなった―


ピクシー「まだだ!出し惜しみは無しだ!瑞雲!」

瑞雲妖精「了解よ!全部当ったれー!」




ヒュゥゥゥゥゥン




ドォォォォン




景雲妖精「全弾命中。残弾は機銃のみになったわね」

天山妖精「でもこれでちょっとやそっとじゃ直らないダメージを負わせられたね~」


―さらに速度を利用して航空要塞鬼の真上に飛び出て爆撃。上からのダメージも重なり航空要塞鬼は高度を落としていく―


サイファー『ピクシー、無事か!?』

ピクシー「ああ、まだ生きてるぜ」



835: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:05:58.11ID:O4oOd+cZo

サイファー『ビックリさせやがって。カミカゼアタックをするのかと思ったぞ』

ピクシー「それじゃあこいつには効果が無いと思ったんでな。けど、俺はここまでみたいだ」

サイファー『…よくやってくれたピクシー。あとは俺がなんとかする』

ピクシー「ああ、頼んだぜ相棒」


―機首を下げ、ほぼ滑空に近い姿勢で空域を離脱していく―


景雲妖精「追撃来てるわよ」

ピクシー「燃料は…まだいけるか。振り切る!」ゴォォ


―燃料の残量が少ない中で残りの燃料を使い加速。出力が低下しているとはいえ、ジェット機の加速についてこられるわけもなく艦載機を振り切った―


紫電妖精「なんとか振り切れましたね」

景雲妖精「けれど、もう燃料は無いわ。あとはピクシーの腕が頼りよ」

ピクシー「任せときな。ちゃんとやってやるからよ」


ザザッ


元帥『聞こえるかねピクシー君!聞こえたら返事をしたまえ』

ピクシー「この声は元帥閣下。はい、聞こえてます」

元帥『ピクシー君、きみはサイファー君と飛んでいたはずだがこちらで確認する限りでは離れていっている。なにかあったのかね?』

ピクシー「やつに1発おみまいしてやったんですよ。その代わりこっちは機体がボロボロにされて戦えなくなってしまいましたがね」

元帥『きみは無事なのかね?』

ピクシー「ええ。俺は運は良い方でしてね。機体が俺を守ってくれましたよ」

元帥『そうか。では硫黄島基地まで飛べるかね?』

ピクシー「硫黄島?…ギリギリですが可能だと思います」

元帥『ギリギリ?機体に何かトラブルでもあるのかね?』

ピクシー「エンジンと燃料タンクをやられましてね。高度と速度、それに距離を計算する限りではかなりギリギリになるかと」

元帥『無茶を承知で言わせてもらうが、なんとしてでも硫黄島基地に着陸してくれたまえ』

ピクシー「了解しました。しかし何故硫黄島に?」

元帥『きみに渡すものがあるのだよ。では硫黄島基地で待っているよ』

ピクシー「…Roger」


ブツッ




836: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:06:53.79ID:O4oOd+cZo

ピクシー「とは言ったものの、実際の所はどうだ景雲?」

景雲妖精「本当にギリギリね。気流の流れ次第というのもあるけど、最悪届かないわ」

ピクシー「そんときゃあ不時着するしかねぇな。なんとしてでもと言われたんじゃあ泳いででも到着しねぇとな」


―機体の高度はどんどん下がっていき、フゴイト運動を最適化しながら硫黄島基地に向かっていく―


ピクシー「見えた!硫黄島基地だ」

景雲妖精「まずいわ。これじゃあ距離が足りない。滑走路まで届かない」

瑞雲妖精「待って!海上に何か見えるよ!」

天山妖精「あれってあきつ丸とまるゆだよねぇ?」

紫電妖精「あそこから発光信号が!」





     ト・ビ・オ・リ・ロ





紫電妖精「飛び降りろと言ってきています!」

天山妖精「小型船を曳航してるからピクシーを回収して硫黄島に届けるつもりだね」

ピクシー「元帥閣下の読みか、それともあきつ丸が先読みしたか、なんにせよありがてぇことだぜ」


―フラップを下げ、高度をさらに落として不時着体制に入る―


ピクシー「システム解除!脱出するぞ!」


『了解!』


ピクシー「しっかり掴まってろよ!ベイルアウト開始!」



バカンッ! ブシュゥゥゥゥ… バッ!



―キャノピーが弾け飛び、機体を捨てベイルアウト。パラシュートが開きゆっくりと落下していく―


ピクシー「今までありがとうな、イーグル。もし拾ってもらえたらしっかり直してもらえよ」



ザンッ ドッポォォォォォォン……





837: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:07:21.09ID:O4oOd+cZo

紫電妖精「いい機体でしたね、ストライクイーグルは」

瑞雲妖精「本当によく頑張ってくれたわ」

天山妖精「最後にありがとうって言ってたよ、あの子」

景雲妖精「けど感傷に浸ってる暇は無いわね。ここまで来れたのなら、せめて硫黄島基地から何か戦闘機を借りてでもサイファーに合流しないと」

ピクシー「元帥閣下が何を持ってきてくれたのかが気になるところだけどな。着水するぞ」



ドポォォン


ザァァ


あきつ丸「ご無事でありますかピクシー殿!?」

ピクシー「よぅあきつ丸、まだ生きてるか?」

あきつ丸「そのような冗談を言えるなら大丈夫でありますな」

まるゆ「さ、早くこの船に乗ってください。硫黄島基地まで送ります」

ピクシー「サンキュー。助かるぜ」

あきつ丸「さぁ急ぎますよ!元帥殿がお待ちであります!」

ピクシー「よぉ、ところで元帥閣下が持ってきたものって何か知ってるか?」

あきつ丸「それは着いてからのお楽しみであります」

ピクシー「もったいぶりやがって。こっちはこれでも急いでんだぜ」

まるゆ「大丈夫ですよ。ピクシーさんが今一番望む物のはずです」

ピクシー「そうかよ。なら期待させてもらうぜ」


―――――
―――



838: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:07:47.24ID:O4oOd+cZo

―硫黄島基地―


元帥「よくたどり着いてくれた。ご苦労だったピクシー君」

ピクシー「俺に渡したい物とはなんですか?状況は一刻を争う事態です。この基地の戦闘機をお借り出来るならそれでも…」

元帥「まぁ慌てるでない。こちらに来たまえ」


―そう言うと、元帥はピクシー達をハンガーへ案内した。そこにあったものは…―


ピクシー「こ、こいつは…!」

天山妖精「う、うそぉ!」

瑞雲妖精「いくらなんでも早すぎるわ!」

元帥「気に入ってくれたかね?これが私がきみに送るプレゼントだよ」

ピクシー「…ありがてぇ。こいつがありゃあ航空要塞鬼が相手だろうと問題無ぇ!」

元帥「時間が無い。直ぐにでも発進したまえ。航空要塞鬼とやらの追尾はこちらでも行っている。我々も出来る限りの援護にかけつける」

ピクシー「了解です。行くぜお前ら!インストールの作業は奴と対峙するまでに終わらせろよ!」

妖精's「了解!」


―――――
―――



839: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:08:15.49ID:O4oOd+cZo

―戦闘空域―


サイファー「くそっ!こうも多いと狙いにくい!」

彩雲妖精「サイファー!10時方向!」

サイファー「わかっている!邪魔をするな!」ドガガガガ


―自己修復を優先させるために数多くの艦載機を発進させ、サイファーを近づけないよう迎撃する航空要塞鬼。しかし相手は歴戦のエースパイロット。艦載機は次々と撃墜されていく―


流星妖精「航空要塞鬼から再び艦載機の発進を確認しました!」

サイファー「艦載機を中で生産しているとでも言うのかよ。次から次へと湧いて出てきやがって!」


―しかし、質は圧倒的にサイファーが上回るものの、数というのは多ければ質に匹敵するようにもなる。サイファーはその数の力によって決め手を欠いていた―


烈風妖精「航空要塞鬼の上部の修復がほとんど完了しているわ」

彗星妖精「下部も徐々に修復されていってるね」

サイファー「流星!ハープーンスタンバイ!隙を見て撃ちこむぞ!」

流星妖精「了解です!」


―高度を上げ、ハープーンの軌道を計算し航空要塞鬼に向けて発射する―


サイファー「数で上回っても、本体の防御が疎かになるような質では俺は落とせんぞ!Fire!」カチッ



バシュバシュゥゥゥゥン



――――――



840: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:08:41.67ID:O4oOd+cZo

―島周辺海域―


大和「これで、最後です!」ドォォン



ドゴォォォン



武蔵「ふぅ…なんとか…片付いたな」

金剛「けどまだ本体が生きてマース」

瑞鶴「そっちは艦載機まだある?」

赤城「残念ながらもうありません。撃ち出し尽くしてしまいました」

扶桑「私達の水上機ももうないわね」

プリンツ「航空要塞鬼は…どこに…?」

グラーフ「こちらのレーダーでは既に索敵範囲外に行ってしまったようだ」

加賀「けど追わないいと。まだサイファー提督は戦ってるわ」

榛名「そうです!サイファー提督は一人で戦ってらっしゃるのですから、私達も行かないと!」

大和「……はい、了解しました」

時雨「硫黄島方面だね」

夕立「敵は日本本土に向かってるっぽい」

高雄「急ぎましょう。元帥閣下が私達の補給物資を積んでこちらに向かっているとのことですから」

雪風「雪風達が日本本土を!サイファー司令をお守りするんです!」

大和「総員、硫黄島方面へ移動開始!元帥閣下との合流を急ぎます!」


『了解!』


ビスマルク「他の基地の子達も移動を開始したわね」

愛宕「私たちも遅れないように行きましょう!」



cum potentia sua daemon~♪



武蔵「この歌は…?」

時津風「見て見て!周りの艦娘(人)達がみんな…」


――――――



841: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:09:08.03ID:O4oOd+cZo

―ブイン基地―



mortem in terram deinde~♪



川内「何歌ってるの?」

神通「何故かこの歌が頭の中から流れてきたの。聞き覚えのあるような歌だけど…」

那珂「那珂ちゃんもだよ。なんでだろうね?」

長門「私の頭の中にも流れてきた。お前達、この歌が何かわからないか?」

吹雪「いえ、私にはちょっと…」

初春「わらわもじゃのう」

利根「じゃがこれを歌っていると、なんだかサイファー提督が無事でいられるような不思議な感覚なのじゃ」

熊野「私もそうですわ。今はサイファー提督の無事を祈りましょう」



moritur cum somnus finit Razgriz suget nave~♪



――――――



842: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:09:35.15ID:O4oOd+cZo

―戦闘空域―


サイファー「ハープーンのダメージは効いてるはずだが…!」

彩雲妖精「航空要塞鬼の高度は落ちてるわ。けど、ハープーンのダメージが徐々に修復されていってる」

サイファー「…こうなったら俺もやるしかない…か」

烈風妖精「ダメよ。サイファーまでピクシーと同じようにやれば、航空要塞鬼を止める人がいなくなるわ」

サイファー「だがこのままでは。奴を完全に止めるなら、やつの中心部に全て撃ちこむしかない」

彗星妖精「艦載機がまた出てきたよ!」

サイファー「くっ!機銃の残弾も少なくなっているというのに…!」



ピクシー『高度を上げろ相棒!』


サイファー「ッ!?ピクシー!?」

ピクシー『巻き込まれんなよ!MPBM Fire!』バシュゥゥゥン




ドドドドドォォォォォォン



サイファー「こいつは…!」

ピクシー『よう相棒、まだ生きてるか?』

サイファー「ピクシー!…その機体は!?」

ピクシー『ああ。元帥閣下が俺に用意してくれた切り札だ』



843: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:10:01.59ID:O4oOd+cZo

―・―・―・―


<回想・硫黄島基地>


ピクシー「しかし何故日本がモルガンを?」

元帥「元は武装解除されたほぼモックアップに近い状態だったのだがね」

ピクシー「しかしこいつにはMPBMもTLSもECMPも搭載されています。一体何処から?」

元帥「武装はきみの機体から転用させてもらったよ。残念だが修理が間に合いそうに無いと判断してね」

ピクシー「機体そのものは何故日本が所有しているんですか?」

元帥「震電Ⅱが何故ロール方向に弱いはずの前進翼を採用したかわかるかね?」

ピクシー「ッ!まさか、こいつの飛行データを元に!?」

元帥「その通りだ。そしていつかこのモルガンを使う日が来るだろうと、軍部で秘密裏に保管されていたのだよ」

ピクシー「俺の元の機体はどうなっているんですか?」

元帥「安心したまえ。きみの機体はメーカーの下で修理中だ」

ピクシー「…そうですか」

元帥「頼んだよピクシー、いやフォルク君。この日本を守ってくれ」

ピクシー「了解しました。モルガンをお借りします」


―・―・―・―



844: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:10:27.64ID:O4oOd+cZo






cum historia mutat valde Razgriz revelat ipsum primum daemon scelestus est






ピクシー『こいつなら艦載機共を一網打尽に出来るぜ!喰らいな!』バシュバシュゥゥゥン



ドドドドドォォォォォォン



彩雲妖精「艦載機の8割以上の撃墜を確認したわ!」

彗星妖精「凄いね。これがMPBMの威力なんだね」

サイファー「これならっ!烈風!やつの下に回りこむ!航空要塞鬼下部のダメージ部の中心に撃ちこむぞ!」

烈風妖精「了解よ」

流星妖精「航空要塞鬼からまだ艦載機が出てきてます!」

ピクシー『このモルガンを舐めんな!巻き込まれんなよ相棒!瑞雲、天山、しっかり当てろよ!』バシュゥゥゥン



ドドドォォォォォォン



流星妖精「前方クリア!行けます!」

烈風妖精「ターゲットロック。いけるわよ」

サイファー「落ちろっ!サイドワインダーFire!」カチッ



バシュバシュゥゥゥン



ドォォォォォン



彩雲妖精「サイドワインダー命中!」

烈風妖精「…けどダメージを与えたようには見えないわ」



845: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:10:54.74ID:O4oOd+cZo

サイファー「中心部の防御はより完璧と言う事か」

彗星妖精「見てあれ!航空要塞鬼の中!」

サイファー「なっ…!あれは!」

ピクシー『やろぉ。やっぱり機体の中で深海棲艦を生み出してやがったか』


―露呈した航空要塞鬼の下部から見えたのは投下を止め、待機していた深海棲艦がサイファー達に砲を向けている姿だった―






cum historia mutat valde Razgriz revelat ipsum suget cum nave







サイファー「だがこれだけの上空ならまともに砲撃など出来やしないだろう」

ピクシー『ああ。だが捨て身で撃たれちゃあたまんねぇぜ』

サイファー「俺のハープーンはもう…」

ピクシー『なら俺が隔壁ごと撃ち抜いてやるぜ!MPBM Fire』カチッ




バシュバシュゥゥゥン




ドドドドドォォォォォォン




ピクシー『これでどうだ!?』

彩雲妖精「航空要塞鬼内の深海棲艦は全員撃破したわ!」

サイファー「しかし、奴の内部はまだ生きている」



846: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:11:21.71ID:O4oOd+cZo

ピクシー『これでもダメだってのかよ!だったら!』


―ピクシーは航空要塞鬼の後部に回りこみ、速度を合わせ下部から中心部へ機首を向ける―


ピクシー『援護を頼むぜ相棒!こいつの隔壁を撃ちぬく!』

サイファー「了解した!ピクシーの邪魔はさせん!落ちろっ!」ドガガガガ


―危険を察知した航空要塞鬼が艦載機をピクシー機迎撃に回す。だがそれをサイファーが阻止。クリアな状態でピクシーが狙いを定める―



ピクシー『隔壁を撃ちぬけ!TLS Fire!』カチッ



ビィィィィィ…



―航空要塞鬼中心部に向けTLSを照射―


ピクシー『TLSがぶっ潰れてもいい!全出力をTLSに回せ!』




ビィィィィィイイイイイイイイイイ…






ドォォォォォン ボォン!





紫電妖精『TLS発射装置大破!TLS照射不能!』

景雲妖精『けど隔壁が開いたわ!』



847: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:11:47.64ID:O4oOd+cZo

ピクシー『瑞雲、天山、最後の1発だ!外すんじゃねぇぞ!MPBM Fire』カチッ




バシュゥゥゥン




ドォォォォォォン




彩雲妖精「隔壁の破壊を確認したわ!あれがコアよ!」







cum historia mutat valde Razgriz revelat ipsum cum somnus finit Razgriz suget iterum







ピクシー『今だ相棒!』






veniet!(来たれ!)






サイファー「ミサイル、ロックオン!全弾撃ち込め!Fire!」カチッ





バシュゥゥゥゥゥン






ドォォォォォン







848: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:12:13.41ID:O4oOd+cZo

航空要塞鬼《何故…ゼロニ戻ルコトヲ怖ガル?ヨリ良イ世界ニスルニハ……一度コノ星ハゼロニ戻ル必要ガアルトイウノニ》

サイファー「より良い世界にするにはゼロに戻すんじゃない。今あるこの世界から未来(先)に進む次の1への前進を積み重ねることだ。そして人類はその力を持っているはずだ」

航空要塞鬼《未来ヘ進ム力……ソウ…未来ヘノ希望……人ノ可能性の力…を……信じて…みたい……》






カッ!





ドッオォォォォォォォォォン……






サイファー「航空要塞鬼の撃墜を確認した。ミッション…終了だ」


――――――



849: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:12:39.53ID:O4oOd+cZo

ピクシー「終わったな」

紫電妖精「一時はどうなるかと思いましたけど、片羽の妖精と円卓の鬼神のコンビは流石ですね」

瑞雲妖精「なにか光の粒子が広がってるわ」

天山妖精「綺麗だね~」

景雲妖精「そうね。これで本当に終わったわね」

ピクシー「さて、ブイン基地に帰って祝勝会とするか!緊張が抜けて腹減ってきたぜ」

天山妖精「そうだね~。そうしたいんだけどね~」

瑞雲妖精「これで本当におしまいみたいだからね」

ピクシー「どうしたお前ら?」

景雲妖精「あれは深海棲艦を生み出すコアそのものだったのよ。そのコアが消滅した以上は私達の役目も終わりってことよ」

紫電妖精「憎しみを始めとした負の感情、それに対抗するために生まれた私達は元の世界に戻る時が来たみたいです」

ピクシー「お前ら、何言って…」


――――――



850: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:13:06.18ID:O4oOd+cZo

46cm砲妖精「大和さんと一緒にいられた時間…とても楽しかったよ」

酸素魚雷妖精「私たちのことを忘れないでくださいね」

榛名「え!?どういうことですか!?」

阿賀野「妖精さん達いなくなっちゃうの!?」

WG42妖精「私達はずっと見てるから」

20.3cm砲妖精「この世界をより良い世界にしてくださいね」

ビスマルク「…わかったわ。約束するわ」

高雄「二度とこの世界に深海棲艦が現れないよう…」

矢矧「平和な世界を作り上げるわ」


…約束ですよ…。さようなら……そしてありがとう…


大和「妖精さん達、今までありがとうございました!総員敬礼!」



ビシッ!



愛宕「ところで、艤装が消えちゃったわけだけど、これって海上にいる私達も危なくないかしら?」

金剛「あっ!そ、そうデース!このままだとワタシ達が溺れるネー!」



851: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:13:32.35ID:O4oOd+cZo




ザァァァァ…



武蔵「あれは、元帥閣下の船ではないか!?」

U-511「ゆーは潜水艦だけど、このままだとちょっと危なかったかもです。助かったです」



―元帥の乗る船が大和達の近くまで寄り救命ボートと投下。大和達は海面から引き上げられ無事に乗船した―





スゥ…




山城「あ、足のスクリューも消えましたね」

扶桑「きっと私達が溺れないように最後まで見守ってくれたのよ」

元帥「皆ご苦労だった。他の基地から出撃した艦娘も救助を確認した。これより君達をブイン基地に送り届けよう」

大和「ありがとうございます。よかった、他の基地の皆さんも救助されたんですね」

武蔵「帰ったら盛大に祝勝会といこうではないか!」

金剛「元帥閣下も一緒するデース!」

元帥「ハッハッハッ!よかろう。私も久々に若い者達と飲むとするか」


――――――



852: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:13:58.79ID:O4oOd+cZo




<System Pixy Shutdown>



ピクシー「行っちまったか。ありがとうな“相棒達”」

ピクシー「なんにせよ作戦は終わったんだ。おい相棒、今夜はパーッと祝勝会といこうぜ!」


サイファー『………』


ピクシー「おい相棒、どうした?あいつらとのお別れで感傷に浸ってんのか?」


―突如サイファー機は旋回を開始。ブイン基地とは全く別方向へ進路を取った―


ピクシー「お、おい相棒!何処行くんだよ!そっちはブイン基地じゃねぇぞ!」


―ピクシーが呼びかけるもサイファーからの応答は返ってこない―


ピクシー「何処に行くってんだよ相棒!またベルカ戦争の後みたいに何処かに消えちまうってのかよ!」

ピクシー「後任が来るまでが任務だって言ってただろ!任務を放棄するってのかよ!」


―必死に呼びかけるもやはりサイファーからの応答は返ってこないまま―


ピクシー「待てよ相棒!クソッ!TLSに出力を回しちまったからパワーが上がらねぇ!」

ピクシー「何処に行っちまうんだよ相棒!嬢ちゃん達も待ってんだぞ!」

ピクシー「待てよ!待ちやがれ!」



853: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:14:25.58ID:O4oOd+cZo











ピクシー「サイファーーーーー!!」










―――――
―――



854: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:14:51.93ID:O4oOd+cZo

―半年後・エメリア―



リーンゴーン  リーンゴーン



ザラ「おめでとう提督!」

リベッチオ「ローマさんもおめでとう!」

エメリア兵1改めエメリア提督「ありがとうなみんな!」

ローマ「姉さん達、本当にありがとう」

イタリア「本当に綺麗よローマ。よかったわエメリア提督と結ばれてくれて」

ローマ「もう艦娘じゃなくなったのに、それでもって言うもんだから…」

リベッチオ「ローマさんもまんざらじゃなかったくせにぃ!」

エメリア提督「ローマのツンデレは今に始まったことじゃねぇからな」

ザラ「提督、ローマさんに愛想尽かされないように気をつけてくださいね」

イタリア「大丈夫じゃない?提督はローマにベッタリだし」

エメリア提督「その通りだぜ!それよか尻に布かれんじゃねぇか心配してんだけどな」

ローマ「ちょっと、どういうことかしら!?」

イタリア「それよりローマ!ブーケ投げてブーケ!イタリアに向かってね!」

ザラ「イタリアさん、ちょっとそれずるいですよ。ザラに向かってお願いしますね」

リベッチオ「2人ともずるいよ!ここはリベに向かって投げるのが一番だよ!」

ローマ「もう、姉さん達ったら…」

エメリア提督「いいじゃねぇか。ほら投げて…ん?」

ローマ「どうかしたの?」

エメリア提督「…いや、知ってる顔を見た気がしてな」

ローマ「…そう」

エメリア提督「そんなことより早く投げてやれよ。皆待ち構えてんぜ」

ローマ「そうね。行くわよ!それっ!」ポーイ



ワーワー ワーワー


エメリア提督(サイファー、お前が今何処で何やってんだか知らねぇけど、いつかまた俺に顔を見せに来てくれよな。そん時ぁ子供の顔ぐらい見ていってくれや)


―――――
―――



855: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:15:17.96ID:O4oOd+cZo

―作戦終了から1年後・ブイン基地―


ピクシー「皆忙しい中集まってくれてありがとうな」

大和「いえ、今日で1年になるんですね」

能代「この基地も随分と変わりましたね」

川内「今は海軍の基地じゃなくて空軍の基地になってるんでしょ?」

ピクシー「ああ。この基地はサイファーがいた時に改装されてるから空軍の基地として使うことになったんだ」

陸奥「転属したり民間の会社に就職したり、自営業を始めた子もいるけど、一部の子は引き続きこの基地で働いているのよ」

金剛「ワタシもこの基地で働いてるデース」

榛名「いつかここにサイファー提督がお帰りになられるんじゃないかと思いまして」

摩耶「っんっとに何処行っちまったんだよサイファー提督はよぉ」

酒匂「ぴゃん!ピクシーさんはこの基地で教官さんの仕事に戻ってるんだよね?」

ピクシー「まぁな。この基地の司令官兼教官としてやってるぜ」

鳥海「強そうですね。ピクシーさんの元で訓練を受けているパイロットさんとなると」

瑞鳳「実際かなりの腕前よ。そんじょそこらのパイロットじゃあ即キルコールされて終わるわよ」


大淀「ピクシーさん。そろそろ壇上に…」

ピクシー「お、もうそんな時間か。わかった」



856: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:15:43.64ID:O4oOd+cZo




カッカッカッカッ



ピクシー「皆、忙しい中よく集まってくれた。今日で深海棲艦との戦争終結から1年になる」

ピクシー「あの激戦を戦い抜き、今はそれぞれの道を歩んでいる」

ピクシー「だが、決してあの戦争のことを忘れてはならない。これからの人生も平和とは何か、平和の為には何をするべきかを考えながら生きてほしい」

ピクシー「第一線にいた皆がそれを一番理解し、実感できることだろう」

ピクシー「妖精達も言った『もう2度と深海棲艦のような存在が現れる世界にしないでほしい』との言葉を絶対に忘れるな」

ピクシー「まだ人には隔たりがいくつもあるだろう。俺は国境という存在がそれを示していると思っている」

ピクシー「だがいつかはきっと解り合えるはずだ。俺はそう信じている」


―ピクシーの演説に場内の皆は静かに聞き入っていた。そしてピクシーは乾杯のためにグラスを掲げた―


ピクシー「いつかそうなる世界を願って、終戦1周年を祝って…乾p」





バァン!!




観測員「緊急事態発生!皆さん今すぐ非難してください!」

ピクシー「どうした!?何があった!?」

観測員「所属不明機が当基地に接近中!警告を無視し未だこの基地へ進行中です!」



857: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:16:09.97ID:O4oOd+cZo

ピクシー「なんだと!?せっかくのパーティをぶち壊すやつは何処のどいつだ!迎撃班はどうした!?」

観測員「それが、迎撃に出た機体は振り切られてしまいました。他の搭乗員が現在スクランブル発進準備に取り掛かってます!」

ピクシー「振り切られただと?俺から何を教わったんだか…」


霧島「ここの基地のパイロットの皆さんはかなりの手馴れですよね」

扶桑「ええ。その方々が振り切られるとなると相手も相当の腕前ですね」


ピクシー「相手の機体はなんだ?場合によっては俺が出る」バッ

観測員「所属不明機の機体はF-15E、ストライクイーグルです!」

ピクシー「ストライク…イーグル?」ピクッ

赤城「まさか…」

高雄「それって…」




ザワザワザワ ザワザワ




ピクシー「おい、その機体の特徴はなんだ?迎撃班から連絡は入ってるんだろ?」

観測員「は、はい。機体には部隊章などは一切なく、所属先などを特定できる要因はありません」

ピクシー「そうじゃねぇよ!機体のカラーは何だって聞いてんだよ」



858: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:16:36.38ID:O4oOd+cZo

観測員「はっ!迎撃班からの報告によりますと機体の両翼が青系の寒色のカラーに塗られていると…」

ピクシー「両翼が青色のストライクイーグル…」



ワァァ…!!



愛宕「やっぱり!」

時雨「間違いないね!」

木曾「ずいぶんと遅かったじゃねぇかよ!」


ピクシー「…全員に通達しろ。そのストライクイーグルを滑走路に誘導せよ。こちらからの攻撃はいかなる場合でも一切禁ずるとな」

観測員「りょ、了解しました!」

ピクシー「こっちの誘導命令に従わない場合はその所属不明機に『誘導に従わない場合は遅刻した罰として今日のパーティー代は全額お前の奢りになる』と言ってやれ」

観測員「は、はぁ…」

ピクシー「わかったらさっさと伝えてこい!この基地のパイロット全員にも、その“所属不明機”にもな」

観測員「りょ、了解しました!」ダッ


ピクシー「あ、待った!それとその所属不明機にもう一つ俺からの伝言を頼む」

観測員「なんでしょうか?」

ピクシー「……~………」


―――――
―――



859: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:17:02.64ID:O4oOd+cZo

―ブイン基地周辺空域―


???1「………」


《所属不明機に告ぐ。当基地は日本の空軍基地である。こちらの誘導に従い着陸せよ》


???2「いいのかしら?このままだと撃墜されかねないわよ」

???1「………」

???3「けど、まだ少し青い感じですね」

???4「それでも相手のパイロット達も中々の腕前だね~」

???5「筋は悪くないわね。ただ相手が悪いだけよ。ね?サイファー」

???1→サイファー「実戦慣れしていない感じだな。実戦慣れしないことに越したことはないんだがな」

???2→烈風妖精「サイファーは戦いすぎよ。あなた本当に腰を落ち着ける気が無いのかしら」

???3→流星妖精「他の皆は私達の世界に戻りましたが、私達はこの世界に残ってしまいましたから」

???4→彗星妖精「まだサイファーのやることに着いて行けってことなんだろうね~」

???5→彩雲妖精「ていうか、様子見するだけって言ってもステルス機じゃないこの子じゃあ見つかって騒ぎになることはわかってたじゃない」


サイファー「あいつらが元気にやっているのがわかればそれでいい」

彩雲妖精「まったく。本当に空戦以外はからっきしダメなんだから」

烈風妖精「エメリアにはわざわざ船で行ったというのに」


《所属不明機に告ぐ。こちらの誘導に従い着陸せよ》


彗星妖精「これだけ飛び回ってるのに撃ってこないね~」

流星妖精「そういう命令が出てるんじゃないでしょうか。それとも囲い込みの作戦でも狙ってるのか…」



860: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:17:31.34ID:O4oOd+cZo



《誘導に従わない場合は……本日当基地で行われている終戦記念パーティーに遅刻したとみなし、かかった費用を全額負担してもらう》


彩雲妖精「あら、バレちゃってるわよ」

彗星妖精「どうするのサイファー?」

流星妖精「パーティーの費用を全額負担となるとかなりの額ですね」

烈風妖精「罰金で明日のご飯が食べられないとか御免よ」

サイファー「……了解した。そちらの誘導に従う」


《協力、感謝する。それと当基地司令官より伝言を預かっています》


サイファー「伝言?」


《読み上げます》



861: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:17:58.38ID:O4oOd+cZo













          Yo buddy. You still alive?












キィィィィィィィィィィンンン………





~Fin~



862: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:20:53.49ID:O4oOd+cZo

これにて円卓の鬼神の海戦記は終了です
約9ヶ月もの間お付き合いしていただいた皆様、本当にありがとうございました。
あと少し、設定公開や小ネタをやってこのSSは終わろうと思います

小ネタはまた後日になりますが、あと少しだけよろしくお願いします



863: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:22:01.67ID:O4oOd+cZo

設定その1 妖精's

烈風妖精:機銃、空対空ミサイルなど対空を主に担当。整備の指揮も取る優秀な子。性格は冷静沈着。ファサァ

彩雲妖精:レーダー、ジャミングなど電子機器を主に担当。他の妖精達のサポートが仕事。五十鈴や陽炎のような性格

流星妖精:対艦、対空、対地問わずミサイル火気を主に担当。的確な判断が光るミサイルのスペシャリスト。真面目な性格

彗星妖精:対地ミサイル、通常爆弾などを主に担当。チャフ、フレアの防御面も担当している。元気一杯なお騒がせ担当な性格


景雲妖精:彩雲妖精同様アビオニクス担当。ピクシー機妖精チームの頼れるリーダー。性格のベースは落ち度の無い不知火

紫電妖精:烈風妖精と同様に対空担当。元は紫電改ニの妖精。律儀な性格

天山妖精:流星妖精と同様に対艦、対空、対地のミサイル火気を担当。のんびり屋さん。けどやる時はやってくれる

瑞雲妖精:彗星妖精同様に対地ミサイル、爆撃、及び防御担当。性格のベースは阿賀野



864: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:22:35.22ID:O4oOd+cZo

設定その2 ストライクイーグル

F-15E(サイファー機・ピクシー機)
2014年に近代化改修されたストライクイーグルがベースとなった機体
本来副座式の機体は火気管制は副座で行うが、サイファー機とピクシー機は発射管制を操縦席で行えるようにカスタマイズされている特別仕様
これはトリガーは妖精の手ではなく人の手で引くべきとサイファーや妖精達の考えを汲み取りカスタムされたもの
ピクシー機は元々サイファーの予備機であったため、同じようにカスタムされたものである
機体カラーはエースコンバットZEROでおなじみのカラーに塗られており、ピクシー機に塗装の際にガルム隊の部隊章も両機に入れられている
なお、サイファー機はミサイルテストのためにASM-3の運用デバイスが追加されている
その他の部分は他のストライクイーグルと同じである



865: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:23:23.06ID:O4oOd+cZo

設定その3 航空要塞鬼

航空要塞鬼
深海棲艦を生み出すコアを原動力として動く深海棲艦サイドの最終兵器。ほぼ無尽蔵に深海棲艦を生み出しながら飛行する。別名空飛ぶ深海棲艦鎮守府
サイファーとピクシーの突入作戦時に破壊された震電Ⅱやイーグルなどの戦闘機のジェットエンジンを修復、動力ユニットとしターボジェットからターボプロップ化。コアのエネルギーを燃料としながら飛行する
垂直離陸時はプロペラを上に向け、さながオスプレイの様に離陸する
なお、コアのエネルギーは謎であるが、莫大なエネルギー量であるために深海棲艦を生み出しながら飛行することも可能
ただし最高速度で飛行する場合、作り出す深海棲艦が不完全な状態になってしまうため、最高速で飛行しながらの投下は不可能。
理論上は可能なようだが、落下時の衝撃に耐え切れずに轟沈になる可能性も高くなってしまう
自動修復機能搭載。修復速度はダメージの量によって変動する。バルカン砲をちょっと喰らった程度ならば即座に修復される
ただし、回復機能を集中させるなどを行った場合、他に被弾した場所の修復が後回しにされダメージが残る
なお、機体があまりにも巨大なため、ステルス機能は備わっていない
実際の艦これに実装されたらチートそのもの。運営がまた謝るレベル

搭載兵器
飛び魚艦載機・新型艦載機(タコヤキ)の各種
深海棲艦(駆逐イ級~姫級まで全て生み出すことが可能。ただしモノにより時間は変動する)
自身ではミサイルや爆弾どころか機銃すらも搭載していない

深海棲艦投下方法
完成した深海棲艦を高高度からの落下にも耐えられる繭のようなシェルターに包み込んで投下する
繭が落下時の衝撃を吸収し、着地、及び着水を確認するとシェルターが割れ、中の深海棲艦を開放する
ただし不完全な状態で投下した場合はこれに限らない



866: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/17(日) 14:25:07.80ID:O4oOd+cZo

おおまかに決めてた設定はこんなところです
設定を細かく決めて書いてたら色々と破綻しそうな気がしたので、このSSではさほど決めずに書いてました
まぁ破綻させないように書く手腕が無いだけなんですが…

ではまた
ありがとうございました



868:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/17(日) 19:47:37.38 ID:1i/31ZaAO

乙です。祝完結。

所でこの二人、レシプロ機での空戦経験て有る? 一回レシプロ機同士での空戦演習見てみたいです



871: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/20(水) 21:51:52.88ID:j7sY+iGSo

>>868
採用!
したのはよかったんだけど、思ったより筆が進んでサイファー、ピクシーの両方の勝利パターンが出来てしまった(なお内容に変化は少ない模様)
どっちかをやるべきか、どっちもやるべきか…
最終着地点は一緒なんですがねぇ



872: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/20(水) 23:04:18.69ID:j7sY+iGSo

てなわけで分岐点まで投下します



873: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/20(水) 23:04:56.59ID:j7sY+iGSo

   ―仲良くケンカしな―


ピクシー「今度こそ決着をつけてやるぜ!」

サイファー「ふんっ!また落としてやるだけだ!」


大和「あの~どうしてこの御二方がケンカなさっているんですか?」

鳥海「珍しいこともあるもんですね」

響「ていうか、これ止めなくていいのかい?」

利根「よいではないかのぅ。あの2人も男なのじゃ。時には意地の張り合いもするじゃろうて」

高雄「ていうか、どうしてこうなったのかしら」

赤城「それがですね…」




874: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/20(水) 23:05:29.63ID:j7sY+iGSo

―・―・―・―


赤城「こちらが報告書です」

サイファー「ん、ご苦労だった。負傷者はドッグ入りしてるな?」

赤城「手はずどおりに」

サイファー「そうか、ならいい。今日はもう休んでいいぞ」

赤城「はい。失礼します」




knock knock




サイファー「入れ」




ガチャ




瑞鳳「遠征終わりました!これ、報告書です」

サイファー「ご苦労だった。…うん、よくやってくれた」

瑞鳳「赤城さんも報告ですか?」

赤城「ええ、瑞鳳さんも?」

瑞鳳「はい。遠征の成果報告です」

赤城「どうでしたか?」

瑞鳳「バッチリです!ボーキサイトもいっぱい持って帰ってきましたよ」

赤城「それは素晴らしいですね!」キラキラ

サイファー「…わかりやすいな、お前は」



875: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/20(水) 23:06:05.57ID:j7sY+iGSo





knock knock




サイファー「入れ」




ガチャ




阿賀野「サイファー提督さん、遠征終わったよー!」

サイファー「ん、ご苦労だった」

阿賀野「あれ?赤城さんに瑞鳳さん、2人も報告ですか?」

赤城「ええ」

瑞鳳「私も遠征の成果報告に」

サイファー「3人ともよくやってくれた。あとはゆっくり休んでくれ」


『了解!』




knock knock




サイファー「今日はえらくまとまって来るな。入れ」




ガチャ




ピクシー「よぅ相棒。今戻ったぜ」

サイファー「今度はお前か。どうした?」

ピクシー「なぁに、仕事が片付いたら一杯やらねぇかって誘いに来ただけだ」

サイファー「そういうのはもうちょっと後にしてくれ。時間を考えろよ」



876: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/20(水) 23:06:31.92ID:j7sY+iGSo

ピクシー「別にいいじゃねぇかよ。お、嬢ちゃん達は報告か?」

赤城「はい」

瑞鳳「そうですけど」

阿賀野「それにしてもサイファー提督さんとピクシーさんって仲良いんですね」

ピクシー「まぁな。それなりに付き合いが長ぇからな」

赤城「ピクシーさんはどちらに行かれてたんですか?」

ピクシー「ちょっと空戦講習をな。急遽頼まれて行ってきてたんだ」

阿賀野「あ、ピクシーさんは元教官さんでしたもんね」

瑞鳳「震電Ⅱって凄い機体だったからね」

ピクシー「まぁな。ありゃあ何かとややこしい機体だったからな」

サイファー「お前ら井戸端会議するなら他所でやれ。こっちはまだ仕事中だぞ」

阿賀野「あ、ごめ~ん!」

赤城「ではそろそろ失礼しますね」

瑞鳳「流石に仕事の邪魔しちゃ悪いよね。ゴメンね!」

ピクシー「んじゃ、今日の晩は付き合ってくれよ」

サイファー「わかったわかった。さっさと行け」シッシッ

瑞鳳「もう…。ところで震電でふと思ったんだけど、サイファー提督とピクシーさんってジェット機乗りでしょ?」

ピクシー「ああ」

サイファー「まぁな」

瑞鳳「ジェット機とレシプロ機ってやっぱり全然違うものなの?」

ピクシー「そりゃあ全然違うぜ」

サイファー「最高速も加速力も最大離陸重量も全然違う。もちろん操作性もな」

ピクシー「旋回能力はレシプロ機の方が上だったりするけどな」

赤城「お二人はレシプロ機の操縦経験はあるんですか?」

ピクシー「ターボプロップならともかくレシプロは無ぇな」

サイファー「ベースとなる航空機のライセンスを取得する上では小型機での教習が必須だからな。練習機も今はターボプロップが基本だ」



877: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/20(水) 23:07:06.77ID:j7sY+iGSo

阿賀野「じゃあ2人ともレシプロ機の操縦経験は全く無いってこと?」

ピクシー「…そうなるな」

サイファー「まぁ今更必要の無いことだしな」

赤城「では実際にお二人がレシプロ機に乗ったらどうなるんでしょうか?」

ピクシー「さぁなぁ…?」

サイファー「経験が無いからなぁ」

瑞鳳「ジェット機ではサイファー提督が勝ってるけど、レシプロ機ならどっちが強いのかな?」

サイファー「そりゃもちろん俺だろ」

ピクシー「おいおい。ジェット機とレシプロ機は違うんだぜ。仮にも教官をやってた俺の方が強いだろ」

サイファー「あ?教官っつってもジェット機の震電Ⅱだろうが。俺はモルガンに乗るお前を落としてるんだぜ?」

ピクシー「は?ターボジェットばっかり乗ってるお前と、ターボプロップも扱う時もある俺とじゃあ、ある種の経験が違うだろうが」

サイファー「演習とかで操縦するわけじゃねぇだろ。そんなんじゃあ差なんて無ぇよ」

ピクシー「場数ってのがあんだろうが。操縦してるのとしてないのじゃあ違うだろ。プロペラ機の操縦から随分と遠のいちまってるお前と一緒にすんじゃねぇよ」

サイファー「なんだとこの野郎!」

ピクシー「やんのかコラッ!」

阿賀野「ま、まあまあ!ケンカしちゃダメだって!」

サイファー「うるさい!こいつはもう1回白黒ハッキリつけねぇとわかんねぇらしいな」

ピクシー「そいつはこっちのセリフだ!てめぇには機体を扱える幅の広さってやつを教官である俺がキッチリ教えてやんぜ!」

赤城「だ、ダメですよ!日本軍最強のお二人がケンカしたら大変なことに…!」

サイファー「知るかっ!こいつだけはもう一回シメる!」

ピクシー「上等だ!買ってやるぜそのケンカ!」

瑞鳳「で、でもどうやって決着を付けるの!?妖精さんが乗る艦娘用以外はこの基地にはジェット機しかないよ!?」

サイファー「あ?んなもんはなぁ…」

ピクシー「無いなら用意すりゃあいいんだよ」


『……え?』


―・―・―・―



878: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/20(水) 23:07:36.14ID:j7sY+iGSo

赤城「…というわけなんです」

大和「正直御二方に向かってこう言うのはなんですが…馬鹿じゃないんですか?」

龍驤「アホくさっ。大の大人2人がなにしとんねん」

矢矧「それにしても何処から持ってきたのよ、この零戦」


―ハンガーにはそれぞれのパーソナルカラーに塗られた零戦が2機用意されていた―


瑞鶴「しかもこれ52型じゃない。実機なんて博物館に飾られる代物よ」

明石「それが、妖精さんをフル動員して作っちゃったみたいで…」

妙高「実物大も作れちゃうものなんですね」

榛名「まぁ生きた設計図みたいなものでしょうし…」


烈風妖精「おかげでこっちは凄く疲れたわ」

景雲妖精「くだらないことに動員されるこっちの身にもなってほしいものね」

木曾「烈風達も手伝ってたのか?」

烈風妖精「ええ。私達が乗るサイズのものならともかく、実物大を作れなんて言われたら通常の人数では足りないので」

雷「にしても作れちゃうものなのね」

景雲妖精「正直自分で作れって言いたかったわ」

扶桑「でも作ってしまったんですね」

烈風妖精「まぁレシプロ機でどっちが強いか、興味が無かったわけではないので」

景雲妖精「勝敗は兎も角、私達が使っていたレシプロ機でどの程度飛べるのかを見てみたいとは思ったわ。高感度なセンサーを付けてペイント弾を使用すると言ってもね」



879: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/20(水) 23:08:28.09ID:j7sY+iGSo



―皆が思い思いに雑談している間にサイファーとピクシーはそれぞれ離陸開始地点に向かっていた―


青葉「さぁ張った張った!一口間宮タダ券1枚分からですよー!」

衣笠「サイファー提督にはこっちだよー!」

千歳「ピクシーさんはこっちよー!」

古鷹「青葉に衣笠ったら、何やってるのよ…」

千代田「千歳お姉も。なんで賭けやってるのよ」

武蔵「ふむ、ここはそうだな…教官の経験があるピクシーだ」

金剛「ワタシはサイファーテートクデース!」

摩耶「やっぱサイファー提督だろ!あの強さはレシプロ機でも変わんねぇだろ」

阿賀野「んーでもやっぱり教官さんの強みってあるんじゃないかなぁ。ピクシーさんで!」

那智「私もピクシーだな」

響「鬼神の名は伊達じゃない。サイファー司令官だ」

大和「なにやってるんですか、もう。武蔵まで…」


―皆が賭けに勤しんでいる間に離陸開始地点に両機が到着―


青葉「さぁ!もういませんか!?高度制限が解除されたらストップですよー!」

榛名「~~ッ!サイファー提督で!」

霧島「は、榛名!?」

長門「ここはピクシーだ!頼むぞ!」

陸奥「あら、珍しいわね。長門が参加するなんて」

長門「いや、これは…その…なんだ、日頃遠征で頑張っている駆逐艦を労うためにもだな…」

妙高「じゃあ私はサイファー提督で」

矢矧「ピクシーさんにいっとこうかしら」

雪風「サイファー司令で!」

夕立「妖精さんが作った機体に妖精のタックネームのピクシーさんっぽい!」

大和「あとでどうなっても知りませんよ…?」

扶桑「お二人がピリピリしたこんなときだからこそ明るく皆で不穏な空気を吹き飛ばしたいのだと思いますよ。私は…サイファー提督で」

大和「~~~ッ!サイファー提督に!」



880: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/20(水) 23:08:54.04ID:j7sY+iGSo






ブゥゥゥゥゥゥゥゥンンン…





大淀『両機とも高度制限を解除します。指定されたポイントに到着次第演習を開始してください』

赤城「加賀さん!」

加賀「ええ」


―そして赤城と加賀がリアルタイム中継用に彩雲を飛ばす。妖精にカメラを持たせた特別仕様で―


翔鶴「いつのまにそんなものを用意してたんですか?」

瑞鶴「ていうか、2人がこういうのに参加するとは思ってなかったんだけど」

加賀「ここは譲れません」

赤城「やはり2人の戦いというのは見てみたいものですから」

青葉「いや~一航戦のお二人に是非と」

蒼龍「買収…されちゃったんですね」

雲龍「ちなみにおいくらで?」

赤城「間宮タダ券5枚です!」

瑞鶴「安っ!」


―そしてサイファーとピクシー両機は指定の演習ポイントに到着しようとしていた―


―――――
―――



881: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/20(水) 23:12:49.34ID:j7sY+iGSo

今回はここまでです
この先が分岐です

ちなみに次のSSの考案はしているのですが、現状では着地点が全く見えてないので今やっても確実にエタるのが目に見えているので、着地点が見えるまではあれかな…と
折角読んでくださる方々がいらっしゃるのにエタるのは失礼になってしまいますので

ではまた
ありがとうございました



885: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/22(金) 22:27:48.52ID:D0qH3tUro

お待たせしました。再開します
まずはサイファー勝利パターンから



886: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/22(金) 22:28:15.28ID:D0qH3tUro

サイファー「さて、そろそろだな」

大淀『演習ポイントに到達しました。両機とも演習を開始してください』

サイファー「よし、行くぞ!」


―サイファーは高度を落とし加速、零戦特有の旋回性を良さを生かす低空域からのアプローチを狙う―


サイファー「しかしこうもレーダーが無いってのは落ち着かんもんだな。アビオニクスのありがたさがよくわかるぜ」


――――――

ピクシー「さて、いっちょ講習の時間と行くか!」


―対してピクシーは急降下攻撃を狙うために高度を上げた―


ピクシー「こいつの機動性なら急降下中でも避けられるだろ」

ピクシー「にしても計器周りがスッカスカだな。HUDも無いこんなので戦うなんざ現代でやったら狂気の沙汰だぜ」


―やはりピクシーもアビオニクスのありがたみを実感していた―


――――――



887: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/22(金) 22:29:05.48ID:D0qH3tUro

サイファー(奴ならどう出る…?考えろ…)

サイファー「…上か!?」


―自機の上を見上げるサイファー。そこにはピクシー機の姿が見えた―


サイファー「いやがった!やはり急降下攻撃を狙ってきたか」

サイファー「だがこの零戦は…!」

―速度をさらに上げ、ピクシー機の真下を抜ける機動を取る―


サイファー「かわしてみせる!」


――――――


ピクシー(あいつならこの零戦の機動性の良さを生かすだろうな。けどよ…)


―下方を確認。サイファー機の姿が目に映った。それと同時に加速。急降下攻撃の進路に入った―


ピクシー「やっぱりな。狙わせてもらうぜ!」ドガガガガ


―急降下攻撃開始。確実に仕留められるよう一直線にサイファー機に向かっていく―


――――――



888: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/22(金) 22:29:31.01ID:D0qH3tUro

サイファー「来たか!避けろゼロ!」


―この急降下攻撃を回避。しかし優位的な状況にあったピクシーの攻撃を全弾かわしきるのはサイファーであっても困難。各箇所に被弾する―


サイファー「右翼側とコクピット後方に被弾したか。だがこれで…!」


―ピクシー機が後ろに来ると察知したサイファーはロー・ヨーヨーで加速、旋回―


サイファー「一撃必殺を狙ってきたんだろうが、零戦には一つ大きな欠点がある。それを認識してなかったお前の負けだ!」


―実際にサイファーの言うとおりである。零戦はその徹底的な軽量化に伴い機動性の高さは一級品であるが、同時に機体の剛性が犠牲になったため、急降下攻撃はあまり得意ではない機体である―


サイファー「スピットファイヤやワイルドキャットならやられていただろうがな…よし、後ろに入った!喰らえ!」ドガガガガ


―ピクシー機後方に入り、一転して有利的状況に変わったサイファーは機銃を掃射。これが命中し、ピクシー機のバランスが崩れだした―


サイファー「これで致命傷のはずだ。仕留める!」


―だが相手も同じ零戦。ブレイクで振り切ろうとピクシー機も逃げる―


サイファー「逃がすか!」


―サイファーもこれに追従。スペックが同じ機体であるが故に振り切ることは困難と判断したピクシー機は再度降下攻撃を狙えるループの機動に入った―


サイファー「上昇!?また狙う気か。だが…!」


―これに追従せず加速。ピクシー機を追い越しインメルマンターンでピクシー機に対峙する―



889: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/22(金) 22:30:08.42ID:D0qH3tUro

サイファー「追ってくると考えただろうがそうはいかん。終わりだ!」ドガガガガ


―正面から機銃を掃射。同時にピクシー機も機銃を撃つが、被弾判定が大きいピクシー機は本来よりも低い機動性になっておりループ後の立て直しがワンテンポ遅れた。その結果…―


大淀「勝負あり!ピクシー機撃墜判定によりサイファー提督の勝利です」


サイファー「ふぅ、やばかった。ループの立て直しがもう少し早かったら俺がやられていたところだった」


ピクシー『~~っだーくそったれ!負けたよ、相棒。お前の勝ちだ』

サイファー「こっちも結構やばかったぜ。お前の機体の機動性が落ちてなかったら最後のあれは俺が撃ち負けていただろうな」

ピクシー『最初の1発目を致命傷無しで耐え切るとは思ってなかったぜ。あれで仕留められなかった時点で俺の負けだぜ』

サイファー「正直賭けに等しかったがな。なんにせよ俺の勝ちだ。今日はこの後バーで奢ってもらうぞ」

ピクシー『おいおい、聞いてねぇぞそんなこと!そんな約束してねぇだろ!』

サイファー「うるせぇ!いいじゃねぇかよ勝ったんだからよ」

ピクシー『~~っ!あーわかったわかった!そん代わり今日は飲むぞ!付き合えよ相棒!』

サイファー「ふっ、わかったよ。財布の中身補充しとけよ」

ピクシー『マジかよてめぇ…。人の金だと思って…』




ハッハッハッハッハッ…



―――――
―――



890: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/22(金) 22:30:35.40ID:D0qH3tUro

大和「……どうやら仲直りしたみたいですね」

扶桑「そうですね。どんなにいがみ合ってもやはりお二人は仲がよろしいんですね」

鳥海「これでいつもの鎮守府に戻りますね」

能代「男ってこういうものなんでしょうか。めんどくさい気もしますが、なんだかいいですね」

山城「まったく、人騒がせなパイロット達なんだから…」


<だぁぁ!マジかぁ!

<今週のお小遣いが…

<よっしゃあ!流石は円卓の鬼神!

<そ、そんな…バカな…

<やったぁ!儲かっちゃった!


霧島「…で、あれどうするんですか?」

鳥海「さ、さぁ?」

大和「御二方にバレる前に撤収しましょう」

扶桑「そうですね。大和さん、このあといかがですか?」

大和「あら、いいですね」

武蔵「くっ!や、大和!少し貸してくれんか?」

大和「ダメよ。真っ先に乗ったんだから今週は我慢しなさい」

高雄「鳥海は乗らなかったの?」

鳥海「ええ。私は見てるだけで十分でしたので…」

阿賀野「能代~!」

能代「ダメに決まってるでしょ!」


青葉「はーい!このあと集計して分配しますんで配当はこの後と言う事で撤収しますよー!」


山城「諸悪の根源は…あれ…ですよね」

扶桑「まぁいいじゃないかしら」

山城「姉様、勝ったから余裕ですね」

扶桑「これは不幸だとか幸運ではなくて、サイファー提督を信じた結果だと思ってるの。山城もこのあとどう?」

山城「姉様が行くなら私も行きます!」

大和「では行きましょうか」

扶桑「ええ」


―この後サイファー機とピクシー機が戻ってくるのだが、そこには賭けなどなかったように皆出迎えた。さてこのトトカルチョはバレなかった…のか?―



―――――
―――



891: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/22(金) 22:31:10.54ID:D0qH3tUro

ここまでがサイファー勝利パターンです
続いてピクシー勝利パターン



892: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/22(金) 22:31:43.96ID:D0qH3tUro

サイファー(奴ならどう出る…?考えろ…)

サイファー「…上か!?」


―自機の上を見上げるサイファー。そこにはピクシー機の姿が見えた―


サイファー「いやがった!やはり急降下攻撃を狙ってきたか」

サイファー「だがこの零戦は…!」

―速度をさらに上げ、ピクシー機の真下を抜ける機動を取る―


サイファー「かわしてみせる!」


――――――


ピクシー(あいつならこの零戦の機動性の良さを生かすだろうな。けどよ…)


―下方を確認。サイファー機の姿が目に映った。それと同時に加速。急降下攻撃の進路に入った―


ピクシー「やっぱりな。狙わせてもらうぜ!」ドガガガガ


―急降下攻撃開始。確実に仕留められるようにサイファー機に向かっていく―


――――――



893: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/22(金) 22:32:10.49ID:D0qH3tUro

サイファー「零戦はその軽量故に急降下攻撃では限界が来るはずだ!耐え抜け!」


―致命傷を負わないよう旋回を繰り返しかわしていく。が、相手もエースパイロットであるピクシー。徐々に被弾していく―


サイファー「初手さえ凌げれば…!」


―しかしついに致命傷の1撃を喰らってしまう。サイファー機の機動性が落ちる―


――――――


ピクシー「零戦ってのは急降下攻撃には確かに弱ぇが、限界スレスレならいけるはずだ!」


―ピクシーは一直線に急降下攻撃をするのではなく、サイファーを追従する形でハイ・ヨーヨーに近い形の機動で狙っていった―


ピクシー「持ちこたえろよ零戦!」ドガガガガ

ピクシー「よし!あいつのバランスが崩れた!」


―見事零戦の許容限界ギリギリに押さえたピクシーがそのままサイファーの後ろを取る―


ピクシー「逃がさねぇぜ!」


―速度差に不利があると判断したサイファーはロー・ヨーヨーの機動に入る。が、機動性が落ちたサイファーを追従するのはそう難しくはなかった―



894: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/22(金) 22:32:36.94ID:D0qH3tUro

ピクシー「この速度差なら上が取れるはずだ!これで終わりだ!」


―サイファー機の上を取り、再度降下攻撃を繰り出そうとする。サイファーはこれを読み、ブレイク―


ピクシー「なるほど。加速を利用してブレイクか。けどな!」


―これに追従する形でスライスバック。さらに速度を上げ追従―


ピクシー「正面向いた時が終わりだぜ相棒!…なっ!?」


―ピクシーが目にしたのは背面飛行に入ったサイファー機。ロー・ヨーヨーで加速した速度を利用しループに入っていた―


ピクシー「あくまで攻撃に出るってのかよ!させるかよ!」ドガガガガ


―サイファー機からも背面飛行ながら攻撃を繰り出してくる。しかし低高度から上方向への背面飛行での攻撃は不利。ワンテンポ遅れるも優位的状況にあったピクシー機が被弾しながらもサイファー機をそのまま狙う。結果…―


大淀『勝負あり!サイファー機撃墜判定によりピクシーさんの勝利です』


ピクシー「ふぅ。なんつう作戦できやがるんだよあいつ」

サイファー『あー、負けだ負けだ。お前の方が強ぇよ教官さんよ』

ピクシー「相棒も中々だぜ。最後のあれにはビックリしたぜ。普通なら逃げの一手だろうによ」

サイファー『こっちは致命傷の判定が出て機動性が落ちてたからな。勝負を決めるなら奇策で行くしかないと判断したんだ』

ピクシー「あんなもん、俺は生徒に教えたことは無かったぜ。最後まで相手を落とすその貪欲さには負けるぜ」

サイファー『だが、結果として俺は落とされちまったがな』

ピクシー「お前の機動性が落ちてなかったらやばかったぜ。こっちも最後にエンジン部に直撃判定をもらっちまったからな。正直ギリギリだったぜ」

サイファー『こっちはそれが狙いだったんだがな』

ピクシー「相変わらずお前の読みは凄ぇよ。なぁ相棒、今日は付き合えよ。この前は飲めなかったからよ」

サイファー『わかった。今日のために仕事は進めていたからな。今日は大丈夫だ』

ピクシー「俺が勝ったんだから1杯奢ってもらうぜ。それぐらいはいいだろ?」

サイファー『マジかよ…。わかったよ』


―――――
―――



895: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/22(金) 22:33:02.92ID:D0qH3tUro

大和「……どうやら仲直りしたみたいですね」

扶桑「そうですね。どんなにいがみ合ってもやはりお二人は仲がよろしいんですね」

鳥海「これでいつもの鎮守府に戻りますね」

能代「男ってこういうものなんでしょうか。めんどくさい気もしますが、なんだかいいですね」

山城「まったく、人騒がせなパイロット達なんだから…」


<嘘だろサイファー提督ぅ!?

<やったぁ!さっすが片羽の妖精!

<Nooooooooooo!

<そ、そんなぁ…

<やったわ!私の読みどおりね!


霧島「…で、あれどうするんですか?」

鳥海「さ、さぁ?」

大和「私達も負けてしまいましたね」

扶桑「ええ。けどお二人が仲直り出来たからいいではないでしょうか」

大和「そうですね」


瑞鶴「翔鶴姉、助けて!」

翔鶴「もう…瑞鶴ったら」

摩耶「愛宕姉!高雄姉!悪ぃんだけどちょっとピンチになっちまったからよぅ…」

愛宕「あら、しょうがないわね~。けどその代わりちょ~っとお姉ちゃんに付き合ってもらおうかしら」

摩耶「な、何する気だよ…」


能代「天国と地獄…ですね」

扶桑「けれどこれがいつもの鎮守府らしくていいんじゃないかしら」

大和「まったく。はい皆さん!サイファー提督とピクシーさんを出迎えますよ。賭けをやったことは目を瞑りますから撤収してくださいね」

山城「大和さんも参加したじゃないですか」

大和「そ、それはそれです。とにかくお出迎えに行きますよ!」


―この後サイファー機とピクシー機が戻ってくるのだが、そこには賭けなどなかったように皆出迎えた。さてこのトトカルチョはバレなかった…のか?―



―――――
―――



896: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/22(金) 22:36:30.77ID:D0qH3tUro

気づいたらsage投下してた…
ここまでがピクシー勝利パターンです
一般兵に追われているなら逃げ回る感じで長時間の戦闘がイメージ出来るのですがサイファー対ピクシーでは戦闘描写が短くなってしまいました
エース対エースで、しかもジェット機に比べて遅いレシプロでのドッグファイトだと、何回イメージしても短期決戦で終わってしまう…

では続けて分岐から合流で、最後のオチ(?)を



897: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/22(金) 22:37:22.62ID:D0qH3tUro

―演習を終え、2機はダメージセンサーの判定を解除し、ブイン基地に戻るために並んで飛んでいた―


ピクシー『ところでよ相棒』

サイファー「なんだ?」

ピクシー『お前気づいてたか?』

サイファー「何にだ?」

ピクシー『俺達が離陸する前に妙な集まりになってたあれだよ』

サイファー「ああ、あれか。俺達を見送るわけでも、演習模様の中継を見るわけでもない妙な人だかりだろ?」

ピクシー『筆頭は青葉だったな』

サイファー「それに衣笠に千歳だった」

ピクシー『どう思うよ?』

サイファー「さぁな。だが多分…やってるだろうな」

ピクシー『だろうな。ったく、人のケンカをなんだと思ってやがんだよ』

サイファー「だが、お前もある意味でそれは見越してたんだろ?」

ピクシー『まぁな。お前もだろ?』

サイファー「でなきゃ深海棲艦が出るかもしれねぇ海の上空で妖精(あいつら)を置いていったりなんかしねぇよ」

ピクシー『で、どうすんだ相棒?』

サイファー「真っ向勝負でやったところで逃げるのは目に見えてるし、証拠も既に隠蔽しているだろう。引っ張り出せない尻尾は出させてやるだけだ」

ピクシー『お手並み拝見とさせてもらうぜ』

サイファー「ああ」





ブゥゥゥゥゥンンン…




―――――
―――



898: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/22(金) 22:37:51.92ID:D0qH3tUro

―ブイン基地―


―演習から戻ったサイファーとピクシーは機体をハンガー前に止め、地面に降り立った。そこに艦娘達が出迎える―


大和「おかえりなさい、サイファー提督、ピクシーさん」

扶桑「素晴らしい演習でした。お二人の本気の戦いをこの目で見られる日が来るなんて思ってませんでした」

鳥海「レシプロ機でも高度な戦術を展開されてて、どんな機体に乗ってもお二人の強さは変わらないのが再確認できましたよ」

霧島「攻撃こそ最大の防御なり!見事な戦いでした」


―それぞれが演習を見た感想を2人に楽しそうにぶつける。しかしサイファーはそれに応じるわけでもなく1人の名前を呼び出す―


サイファー「青葉、ちょっと来い」

青葉「はい。なんでしょうか?」

サイファー「お前、俺達が離陸する前になにやってた?」

青葉「そりゃあお二人のガチバトルを記者魂にかけて盛り上げていたんですよ」

サイファー「ほぅ?それは大層盛り上がったんだろうな」

青葉「な、なんですか!?もしかして青葉を疑ってるんですか!?」

サイファー「烈風、お前青葉が何やってたか見ていたな?」

烈風妖精「ええ。青葉さんは確かに盛り上げていたわ。そもそも2人がケンカしてこの基地の空気をピリピリさせたから、皆で楽しんでその空気を吹き飛ばそうとしたのよ」

青葉「そ、そうですよ!日本軍最強のお二人がケンカなんて悪~い空気になってましたから皆でその空気を無くそうと賭けで盛り上げ…あっ」



899: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/22(金) 22:38:17.78ID:D0qH3tUro

サイファー「ほぅ?賭けなぁ。俺は何をやっていたと聞いただけなんだがなぁ」

青葉「あ、あはは…いや、これはですね~」

サイファー「で、お前の手取りはいくつだ?」

青葉「間宮タダ券50枚分ほど…あっ」

サイファー「ずいぶんと荒稼ぎしたみたいだな」

青葉「これは形勢不利です!青葉撤退します!煙まk」

サイファー「彩雲!」

ピクシー「景雲!」

彩雲妖精「ごめんなさいね、青葉さん」ガシッ

景雲妖精「負けは素直に認めるべきです」ガシッ

青葉「あーー!離してくださーい!おしおきはイヤですー!」

サイファー「衣笠、千歳」

衣笠・千歳「は、はい!」

サイファー「賭けに参加した者の名簿と額の集計、持っているな?」

衣笠「い、いや~それはその~」タスケテフルタカ

千歳「な、なんて言うか…ねぇ?」タスケテチヨダ

ピクシー「実弾のハープーンの直撃を食らいたくなかったら素直に出しな。俺がMPだって忘れたわけじゃねぇだろ?」

衣笠・千歳「す、直ぐにお持ちします!」


タッタッタッタッタッ…


サイファー「さて、名簿を持ってくればわかるんだが、今の内に賭けに参加した者は名乗り出ろ」

ピクシー「自首は早いほうがいいぜ。そうすりゃあ多少は罪も軽くなるってもんだ」


―そう皆に告げると次々と手を上げていく―


ピクシー「けっこう多いな、おい」



900: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/22(金) 22:38:45.19ID:D0qH3tUro

サイファー「大和、扶桑…お前らもかよ」

大和「すみませんサイファー提督」

扶桑「サイファー提督を信じてみたかったんです」

サイファー「ハァ…」

彗星妖精「そもそもサイファーとピクシーがケンカなんてするのが悪いんだと思うな~」

天山妖精「すっごい空気悪かったもんねぇ」

サイファー「あ~わかったわかった。全員の処罰は後で通達する。原因は俺達にもあるようだからそれなりにしておく」

ピクシー「ただし青葉、それと今取りに行ってる衣笠と千歳は別な」

青葉「そんな~!どうか御慈悲を~!」

サイファー「ところで赤城と加賀がいねぇな。あいつら何処行ったんだ?」

ピクシー「そういやそうだな。俺達が降りてから一回も見てねぇな」

流星妖精「あの2人なら逃げましたよ」

紫電妖精「青葉さんに買収されて中継してましたからね」

瑞雲妖精「彩雲回収してからの撤収は凄い早かったわよ」

サイファー「あ~お~ば~!」

青葉「ヒィッ!」

ピクシー「古鷹、鳥海、彩雲と景雲に代わって青葉を拘束しとけ」

サイファー「絶対に逃がさん。ガルム隊から逃げられると思うなよ。行くぞ!」

ピクシー「おう!」


―その後、逃走空しく赤城と加賀はサイファーとピクシーの手によって拘束された。青葉達同様、2人も罰を受けるハメに…―


赤城「一航戦の誇り…こんなところで失うとは…」

加賀「やられました」

サイファー「ちったぁ反省しろ!」


―今日もブイン基地は平和です―


―――――
―――



901: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/22(金) 22:41:28.77ID:D0qH3tUro

ここまでです
残り考えている小ネタとしては

・サイファーと飛ぼう「お空の上でぱんぱかぱ~ん!?ふっざけるな!」
・戦後成長した艦娘。ACEへの道!?

こんな感じです
たぶんそれでスレの残りがいい感じに終わるかと

ではまた
ありがとうございました



905: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/29(金) 13:48:49.97ID:IytDA5vLo

小ネタ投下します



906: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/29(金) 13:49:16.51ID:IytDA5vLo

   ―ACEへの道―


《所属不明機が我が国の領空に接近している!このままのコースなら間違いなく領空侵犯になるだろう!航空機部隊はスクランブル発進急げ!》


瑞鳳「まったく、何処の国の機体かしら」

夕立「さぁ?けど一番近いのがこの基地っていうのは相手も運が悪いっぽい」

雷「ピクシーさんに鍛えられた私達が相手だもんね」

榛名「それに、サイファー提督の元で戦っていた私達です。サイファー提督との経験は伊達じゃありません」


《各機、随時発進せよ!》


瑞鳳「了解!瑞鳳、F-35出ます!」ヒュィィィゴォォォォォ

夕立「続けて夕立、F-35発進!」ヒュィィィゴォォォォォ

雷「雷、F-35出るわ!」ヒュィィィゴォォォォォ

榛名「榛名、F-35出ます!」ヒュィィィゴォォォォォ


《所属不明機が領空に侵入した。追い払ってやれ!》


瑞鳳「了解!」

雷「相手も4機編成ね」

榛名「素直に帰ってくれればいいんですが」

夕立「でも相手はやる気満々っぽい!」

瑞鳳「こっちに向かって進路変更を確認!真っ直ぐ向かってくるわ」

榛名「この国での勝手は!榛名が!許しません!」

夕立「そのセリフ、久々に聞いたっぽい」

雷「海の上で戦ってた頃は比較的しょっちゅう聞いてた言葉よね」

瑞鳳「戦艦のあれは、ある意味迫力でしたよねぇ」

榛名「あ、えっと…とにかくおしゃべりはおしまいです。皆さん来ますよ!」



908: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/29(金) 13:49:42.85ID:IytDA5vLo

瑞鳳「撃っちゃってもいいの?」


《所属不明機が攻撃してくるまでは発砲は許可しない。警告を発せよ》


雷「でしょうね」

夕立「やる気満々な相手に通じるとは思えないっぽいけど」

瑞鳳「とにかく領空侵犯してることを警告しないとね」

榛名「榛名がやります!」


榛名『Tell affiliation unknown aircraft.You guys have violated the airspace of our country.Whether retreated rapidly from airspace.』

榛名『Repeatedly warning. There of aircraft are committed overflight.Promptly case withdrawal.It should be noted that,if you do not according to the warning is to shoot down.』


瑞鳳「さて、どう出てくるかな?」


―所属不明機からの応答は無い―


夕立「やっぱり応えないっぽい」

雷「所属不明機散開!戦術展開してきたわ!」

瑞鳳「引く気は無いということね」



909: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/29(金) 13:50:16.78ID:IytDA5vLo

榛名「各機散開!各々に警告を発してください!」


『了解!』


―こちらも散開。各々を迎撃する態勢に入る―


夕立「夕立の相手はあれっぽ…きゃあぁ!」


―夕立に対峙した機体から機銃の発砲。その銃弾が右翼にわずかに被弾―


夕立「う、撃ってきたよ!」

榛名「司令部!」


《相手は発砲してきたんだな?》


夕立「そうだよ!夕立に向かってガンを撃ってきたっぽ…きゃあ!」


―その瞬間、所属不明機の1機が夕立の機体との距離をスレスレで通過していった―


夕立「も、もうバカァ!危ないっぽい!」

榛名「こっちも撃ってきました!損傷軽微!」


《了解した。相手に敵意ありと判断した。発砲を許可する》


榛名「了か…きゃあぁぁ!」


―所属不明機の1機が榛名機との距離スレスレを夕立同様通過していった―


瑞鳳「榛名さん、夕立ちゃん、大丈夫!?」

榛名「こちらの損傷は軽微です。任務続行可能です」

夕立「夕立もまだ全然大丈夫っぽい!」



910: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/29(金) 13:50:43.15ID:IytDA5vLo

雷「2人とも間近を通過したみたいだけど、何処の機体かってわかった!?」

夕立「見たことあるような機体だったっぽい」

榛名「こちらのは機体にリボンのようなものが見えました。あのエンブレムにF-22、相手はISAFと思います」

夕立「こっちのは真っ黒のF-14だったよ!尾翼にラーズグリーズが書かれてたっぽい!」

雷「リボン付きのラプターにラーズグリーズが書かれた黒いトムキャット…!?」

瑞鳳「それって…きゃあ!」


―瑞鳳も僅かに被弾。そして間近を通過していく所属不明機―


瑞鳳「左翼が赤い…イーグル?」

雷「ガンの射程内!これ以上はやらせいないわよ!」ドガガガガガ


―雷機が機銃を発砲、しかし簡単に避けられる―


雷「なんで当たらないの…きゃあ!」


―機銃をかわしたそのままに雷機に向かって、これもまたスレスレを通過していく―


雷「そんな…あの機体って…」


―雷が目撃した期待は両翼が青に塗られたイーグル。それは皆が一番見覚えのある機体だった―


雷「サイファー司令官!?」

瑞鳳「ピクシーさん!?」

榛名「メビウス1だって言うんですか!?」

夕立「オーシアのラーズグリーズの悪魔、ブレイズっぽい!?」



911: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/29(金) 13:51:09.56ID:IytDA5vLo

榛名「…ッ!各機迎撃行動に入ってください!相手が誰であってもこの国の空を守ります!」


『了解!』


夕立「AMRAAM行っけぇ!」バシュゥゥン

榛名「相手が誰であっても…!ASRAAM発射!」バシュゥゥン


―夕立と榛名がミサイルを発射。しかしいとも簡単にかわされる―


瑞鳳「相手がピクシーさんだって…!捉えた!ASRAAM行って!」バシュゥゥン

雷「ベイルアウトした後に話を聞くわ!だからゴメンね!AMRAAM発射!」バシュゥゥン


―瑞鳳と雷もミサイルを発射。しかしこれもかわされてしまう―


雷「この距離でかわされるの!?」

夕立「エースパイロットは伊達じゃないっぽ…きゃあぁぁぁ」


―ミサイルをかわしたF-14が反撃、夕立はそのミサイルの直撃を受けてしまった―


榛名「夕立ちゃん!?」

瑞鳳「そんな!?」

雷「ベイルアウトして!早く!」

夕立「ゴメンね皆。これじゃ戦えないっぽい。ベイルアウトするっぽい!」


―夕立、ミサイルの直撃により撃墜。戦線離脱―



912: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/29(金) 13:51:36.17ID:IytDA5vLo

瑞鳳「よくもっ!」バシュゥゥン


―瑞鳳がミサイルを発射。これもかわされるが…―


瑞鳳「そのミサイルは囮!本命はこっち!」バシュゥゥン


―ミサイルに対し回避運動を行ったのを確認した瑞鳳は、回避先に向けてミサイルを再度発射。しかし…―


瑞鳳「…嘘でしょ!?」


―これも相手に読まれていたのか、回避されてしまう―


瑞鳳「なんであれで避けられ…ハッ!」




ドォォォォォン




榛名「瑞鳳さん!」

雷「そんなっ!」


瑞鳳「機体の損傷が大きい。これ以上は無理ね。機体を捨てます」


―瑞鳳もベイルアウト。これで2対4の構図になってしまった―



914: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/29(金) 13:52:06.00ID:IytDA5vLo

榛名「これが…本物のエース…きゃあああああ!」

雷「あ、諦めてたまるもんですk…きゃああ!」


―続けざまに榛名と雷もミサイルの直撃を受けてしまう。もはや戦闘続行は不可能な状態になってしまった―


雷「いたたた…覚えてなさい!」

榛名「次は必ず落としてみせます!」


―雷、榛名もベイルアウト。相手にダメージを負わせられることなく敗北してしまった―




ブゥゥン




《Mission failure》







915: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/29(金) 13:52:32.45ID:IytDA5vLo

ピクシー「お疲れさん。残念だったな」

瑞鳳「む、無理よあんなの」

雷「なんなのあれ、バケモノ級ばっかりじゃない!」

夕立「あの編隊を落とせたら、それこそ変態っぽい!」

榛名「サイファー提督にピクシーさん、それにメビウス1にブレイズって。無茶苦茶ですよ」


―そう、これはシュミレーターを使った戦闘訓練。その訓練用のデータにはサイファー、ピクシー、メビウス1、ブレイズのデータが入力されていた―


ピクシー「お前達がガルム隊の名前を引き継いで自分達で部隊を編成したいって言ったから、それに見合った腕かどうかを見させてもらっただけだぜ」

瑞鳳「で、その結果は?」

ピクシー「まだまだ訓練不足だな。撃墜されるのはともかく、相手にダメージ0ってのはいただけねぇな」

雷「いくらなんでも難易度が高すぎよ」

ピクシー「ガルム隊の名前を引き継ぎたいんならこれぐらいやってもらわねぇとな」

榛名「それにしても何処でこんなデータを手に入れたんですか?」

ピクシー「そいつは俺のツテってとこだ」

夕立「夢の共演だけど、こっちにとっては悪夢の共演っぽい」

ピクシー「正直、俺も相手したくねぇな。ベルカの連中ならともかくだけどな」

雷「でもグラーバクのデータには勝ったわよ」

榛名「ゴルト隊には苦戦しましたけどね」

ピクシー「せめてフッケバインのデータに抑えときゃよかったか?」

瑞鳳「いいえ。今はまだ全然勝てないけど、いつかは勝つんだから!」

夕立「負けてられないっぽい!」

ピクシー「その意気だ。さ、シュミレーター訓練は終わりだ。次の訓練を受けてこい」


『了解!』


ピクシー(相棒、お前は今何処で何やってんだ?嬢ちゃん達はお前を超えようと頑張ってんぞ。嬢ちゃん達の今の姿、ちったぁ見てやれよ)


―サイファーが姿を消して、皆それぞれ自分の道を歩みだした。しかし今でも何処かでサイファーの“姿”を追っている元艦娘達の姿がそこにはあった―



―――――
―――



916: ◆Q8foA/1VQQ 2016/04/29(金) 14:06:30.14ID:IytDA5vLo

ここまでです
サイファーと飛ぼうも考えたのですが、あまり良いオチが思いつかなかったので、今回の投稿でこのSSは最後とさせていただきます。
このSSにお付き合いいただいた皆様には本当に感謝です。
感想や乙の言葉、そして私自身のミスへのご指摘は本当に励みになりました。

現在構想しているSSは『バグって兵装が現代化しちゃった艦娘達とのドタバタ劇』を考えてます
ジパングとのクロスではありませんので、みらいは出てきません
例を挙げると「戦艦金剛」が「DDG-172こんごう」ではなく「DDG-172金剛」なったり、「航空母艦加賀」が「DDH-184加賀(かがではない)」になったりするSSです
ただこれ何処に着地したらいいんだ?と自分でも着地点が全く見えてないので、着地点が見えたら書こうと思います
このトリップを見かけたら「またお前か」と言った感じに何か書き残していただけると嬉しく思います

ではまたどこかで
長々とお付き合いいただきまして本当にありがとうございました。



元スレ
【艦これ】円卓の鬼神の海戦記【エスコンZERO】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1435985096/
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         コメント一覧 (21)

          • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年04月29日 19:58
          • 1 読んでて恥ずかしい・・・サイファー喋らんやろ。
          • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年04月29日 20:38
          • ゲームでは、喋らないだけだろ。喋らないと話が成立しないし。
            特殊な通訳が無い限り、無理。
          • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年04月29日 20:42
          • なぜ書いたし
          • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年04月29日 21:55
          • 恥ずかしい
          • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年04月30日 00:11
          • お前ら全部読んだの?
          • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年04月30日 01:02
          • サイファーに喋らせるのは無理があってなんだかなあ…
            昔あったストパン×AHみたいにAHとのクロスだったらよかったんじゃないか?
          • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年04月30日 07:38
          • 長い
          • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年04月30日 07:54
          • ZERO大好きで艦これ大好きだけど嫌な予感しかしなかったからまず※欄に来た
            読まなくてもよさそうだな…
            サイファーにじゃなくてピクシーに喋らせればいいのに
            妖精なんだから
          • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年04月30日 15:14
          • 1 ダサい
          • 10. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年05月01日 19:28
          • 途中まで読んだが、サイファーじゃなくてもいい要素が強すぎてギブ
            つか、本編露出が全くないエスコン主人公に日常風景は違和感しかないし、なによりいらない
            ワクワクしながら開いたのにひどく残念
          • 11. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年05月02日 22:51
          • 一応全部呼んだけど展開やセリフに使いまわしが多い
            語呂が少ないのかあまり推敲してないのか知らんが文章としてはどうにもイマイチ
            個人的にはクロスものSS嫌いじゃないからそれなりに楽しんだけど
          • 12. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年05月08日 22:41
          • 5 普通に面白かったあくまでもゲームのサイファーとSSのサイファーで割りきれば違和感もありませんでした。続編待ってます
          • 13. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年06月03日 16:27
          • エスコンの主人公は喋らないし、人物像もそれこそプレイヤーの数だけ存在する。特にサイファーなんかは、プレイスタイルで性格が変わるし。
            (「金!金だ!殺せ!」のサイファーもいれば、「撃てませえええん!」のサイファーもいる)

            どうしてもサイファー出したいなら、一切セリフも心理描写も無しに謎の友軍機として出して、彼らの活躍をただ艦娘達に実況させるしか無いと思う。
          • 14. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年06月16日 16:54
          • 4 個人的に期待の作ですw
            サイファー喋ったらピクシーとの掛け合いとかこんなんだったのかなぁ、とか思いながら楽しめた。
            時系列も設定も違うけど、前作のアークバードとかひょっこり出てくるかと期待してたw
          • 15. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年07月11日 18:54
          • 5 言うほど悪いかなぁ?俺は普通に面白いと思った。
            すごく長い作品だなと思ったら9ヶ月にも渡って書いてたんだね。
          • 16. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年07月11日 19:20
          • クロスは良作が1厘で9割9分9厘はクソだからコメントから見るようにしてるが、
            予想通りクソだったか。

            どうせエスコン勢が大活躍して艦これ勢は添え物だったんだろ?
            クロスSSはいつもそうだからな……。
            なんで出張先のキャラや世界を蔑ろにするんだろう。
          • 17. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年09月30日 13:56
          • 1 やり遂げた根気だけ評価
          • 18. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年03月28日 02:28
          • 5 ここのコメ欄はほんとひどいな
            良かったと思うよ
            何かに精通してる人がそれを創作に繋げるのは素晴らしいもんだ
          • 19. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年07月30日 15:38
          • 5 個人的にすごい良かった。
          • 20. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年09月20日 00:18
          • 4 読まずの評価は愚の骨頂
            下の下であるな。
          • 21. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年05月03日 20:19
          • 5 凄く、痛快な所が読んでて楽しかったですよぉ~(~▽~@)♪♪♪

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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