姫川友紀「カメラが欲しい!」
西川保奈美「同級生の珠美ちゃん」
姫川友紀「事務所にお泊まり」
では、はじめます。
TV『えへへっ。いつもの通りを歩いていると、黒猫が毛づくろいをしていて、つい撮っちゃいました!』
TV『おー、遠近でのピントのボケ具合といい、トイカメラで撮ったものとはとても思えませんね』
TV『ありがとうございます!』
TV『では、藍子ちゃんの撮ったこの写真をケータイ、パソコンの壁紙として配布します! ダウンロードの方法は番組の後半で!』
友紀「おー…、カメラかぁ……」
友紀「んー……。スマホのカメラも悪いわけじゃないだけど」
友紀「憧れるなぁ……」
友紀「ねーねー、プロデューサー?」
P「んー? どうしたー」
友紀「カメラ! カメラ買ってよ! こう、黒くて大きいやつ!」
P「……一眼レフ? だめだめ、そんなの買ったってウチじゃ使わないんだから」
友紀「えー? 撮るよー! いろいろ撮るよー! 風景とかー、お花とかー、珠ちゃんとか」
P「それに買ってって、自分で買いなさい。俺より給料多いだろ?」
友紀「あれは実家とおじいちゃんおばあちゃんに仕送りしてるしさぁー……」
P「い、意外と偉い……」
友紀「ぶー……。あたし色々撮るもーん! ねーねー!」
P「あーあー。女の子って何故かカメラとかに興味持つよなぁ……」
友紀「ぷーろーでゅーさーぁー!」
P「……あ、そういえば備品室の奥にアレが」
友紀「アレ?」
P「一眼レフじゃないけど、結構いいデジカメがあったはず……」
友紀「ほんと!? 出して出してー!」
P「えーと、あったあった。ほら」
友紀「おー! 結構おっきい! よく持ってたねー、こんなの」
P「ほら、最初の宣材写真はこの事務所で撮ったろ? 他のみんなの分も」
友紀「それで買った奴かあ。お願い! これちょうだい!」
P「んー……。まあ、いいか。俺も必要になるかもしれないから、その時は返してくれよ」
友紀「はーい! じゃーぁー、さっそく出かけてくるねー!」
P「充電してないぞ」
友紀「ぶー……」
友紀「じゃあ、行ってくるねー!」
P「おう、暗くなる前に帰ってこいよ」
友紀「はーい!」
友紀「ふー、ふっふーん。さて、何を撮ろうかなー」
友紀「おー、お! たんぽぽが咲いてる! よーし……」
友紀「んー、この角度。いや、ここからー、こう!」パシャ
友紀「どうかなー? ん……、お! いい感じに撮れてる!」
友紀「あたし、才能あるかも……!」
ブロロロロ…
留美「ああ、友紀ちゃん。いたいた」
友紀「あ、留美さんが車に乗ってるの珍しいねー」
留美「そう? 友紀ちゃんと入れ替わりで事務所に寄ったみたいで。私はこれからテレビ局まで行くけど、乗っていく?」
友紀「うん! ……安全運転でお願いします」
留美「そ、そんなに私の運転荒いのかしら……」
友紀「うん! なんだか、こう……。カメラって不思議な魅力があるよねー」
留美「ふふっ。なんだか分かる気がするわ」
友紀「あ、ねーねー。留美さん撮っていい?」
留美「え? ええ。いいけれど、運転中だからポーズはとれないわ?」
友紀「いいの! 自然な感じを撮るアレだから!」
留美「ふふっ、口が上手ね? 表情とかどうしようかしら」
友紀「よし、はい、ちーず!」
留美「…………」キリッ
友紀「おー! 留美さん、かっこいいなぁ……」
友紀「あー、いいよー! いい!」パシャ
留美「ふふっ、まるでグラビアのカメラマンね」
友紀「うん! って、留美さん、あの右の路地から覗いてる車……」
留美「ん? あ、なんだか急に飛び出して来そうで危ないわね……。減速しましょう」
友紀「……あ、ちょ、ちょっと! 動いてる! あの車動いてるよ!」
留美「ッ……! こらぁ!!」
ブァーーーッ!!
友紀「ひゃっ!? クラクション凄い鳴らすね……」
留美「そがぁな運転しよったら危なかろうね…! ったくもう……!」ブツブツ
友紀(こ、怖い……)
友紀「うわ…、凄い怖い顔した留美さんの写真……」
留美「ん、何か言ったかしら?」
友紀「う、ううん! なんでもない、よっ!」
留美「そう? ふふ、もう少しで着くけれど、帰りはどうする?」
友紀「え? 留美さんお仕事時間かかるの?」
留美「そうなの。私の仕事終わりまで待てるなら帰りも送るけれど……」
友紀「んー……。じゃあ、バスとかに乗って帰ろうかなぁ」
留美「ええ、分かったわ」
留美「じゃあ、私はお仕事してくるから、迷子になっちゃだめよ?」
友紀「はーい! 留美さんも頑張ってねー!」
留美「ええ。さて、6階だったかしら……」
友紀「よし、なんかアイドルの写真でも撮れたらいいな!」
友紀「まずはさっそく、留美さんの後ろ姿……」パシャ
友紀「OLさんみたい…。あ、でも元秘書だっけ……。かっこいいなぁ……」
友紀「んー、あ! そうだ!」
みく「ふんふーん。この楽屋は広々としてていいにゃあ…。くあー……」
コンコン
みく「んー? どうぞー」
ガチャ
友紀「突撃! みくにゃんの舞台裏!」パシャ
みく「んにゃっ!? あ、挨拶も無しにイキナリなんにゃあ!?」
友紀「みくにゃんさーん! お久しぶりでーす!」パシャ
みく「……あ! この前のチアガール!」
友紀「姫川友紀でーす!」パシャ
みく「いちいちシャッター切るの止めるにゃあ!」
友紀「いや、呼ばれてないです……。今週ずっとおやすみをいただいてて……」ズーン…
みく「あっ……。って! 呼ばれてないならどうやってこの区画に入って来たの!? いくら友紀チャンもアイドルとはいえ、関係者以外立ち入り禁止にゃあ!」
友紀「それはー、このウチのプロデューサーの名刺を見せればちょちょいのちょいよー? なんかスタッフさんとかめっちゃあたしに頭下げてくるんだよねー……」
みく「な、なに、その魔法のカード……」
友紀「でー……、藍子ちゃんは?」
みく「今はスタジオで打ち合わせ中。みくもこれからスタジオに行く所だったのにゃ」
友紀「えー? せっかく藍子ちゃんの出てた番組見てカメラを手に入れたのにー」
みく「あー、昼にやってたやつかにゃ」
友紀「そっかー…。スタジオかー……。流石にそこまで殴り込みに行く勇気はないかなー」
みく「そ、だから帰った帰ったにゃあ」
友紀「……じゃあ最後に、トップアイドル直伝のグラビアポーズを披露して欲しいなあー、って?」
みく「ま、まあ別にいいけど」
友紀「やった! これを真似すればあたしにもお仕事増えるかなー!」
みく「……なんかごめんにゃ」
友紀「うん? なにが?」
友紀「おー! 可愛いしなんだかセクシー!」パシャ
みく「次はスタンドマイクを猫じゃらしだと思って猫パンチの構え! そして流し目をプラス!」
友紀「うわっ、色気が……!」パシャ
みく「最後に、人差し指を唇に当てて、肩と腰を捻って上目遣い……♪」
友紀「おー……」パシャ
みく「どうにゃー? これがアイドルとしての先輩の実力にゃあ!」
友紀「うん、なんか……」
みく「みくより歳上でしょー!?」
友紀「はぁ…、じゃああたし帰るね……」
みく「う、うん……」
友紀「さて、次は何を撮ろうかなー……」
バタン
みく「……な、何をしに来たのにゃあ」
プップー
友紀「っと、いつものバス停にとうちゃーく。流石にバスの中で写真を撮るのはよくないよね」
友紀「さてと、ここから1番近い何かは……。あっ! 珠ちゃんの高校!」
友紀「ちょうど部活をやってる時間かなー? よし、お邪魔しちゃおう!」
友紀「……待てよ、高校球児も捨て難いなぁ。うーん……」
友紀「……今日は珠ちゃんにしとこうか」
珠美「せいやぁーーー! たあっ! たあっ! てやーー!!」
部員A「珠美ー? 声ちっちゃいよー!」
珠美「はいっ! せぁーーー!」
部員B「珠ー! 背ぇちっちゃいよー!」
珠美「う、うるさいですぞ!」
保奈美「珠美ちゃん、ファイトー!」
珠美「はーいっ! でりゃぁーーーっ!」
友紀「珠ちゃーん? 表情が緩ーい!」パシャ
珠美「は、はいっ! ……え?」
友紀「んー? 珠ちゃんの部活風景を撮ってくるようにプロデューサーに言われてねー」
友紀(嘘だけど)
部員A「すごーい! ゆっきーだ!」
部員B「サインくださーい!」
友紀「いいよいいよー! あたしのでよければ!」
部員「「きゃーーー!」」
珠美「むぅー……! ふたりとも! 珠美もアイドルです!」
部員B「すごーい! 雑誌で見るより可愛いー!」
部員A「珠美より背ぇたかーい!」
珠美「ぐぬぬぬぬ……」
保奈美「た、珠美ちゃん? 私は珠美ちゃん一筋よ?」
珠美「保奈美殿ぉ……」
珠美「ま、まあ、いいですが……」
友紀「はいっ! じゃあまずはー……、笑顔!」
珠美「笑顔!? 部活風景ではないのですか!?」
友紀「……ほら! 笑顔!」
保奈美「珠美ちゃーん! 笑顔よー!」
珠美「うー……。え、えへっ!」ニコッ
保奈美「きゃー! 可愛いわ! 友紀さん! 今! 今です!」
友紀「う、うん……」パシャ
部員B「よーし、珠! あたしと打ち合いするか!」
珠美「の、望むところです!」
保奈美「珠美ちゃーん! 頑張ってねー!」
友紀「よーし、動いてる人を撮るのは難しいらしいけど……」
珠美「ふぅ……」
友紀「お、しゃがんだ! 今がシャッターチャンス!」パシャ
保奈美「あれは蹲踞と言って、いわゆる試合前の作法なんです」
友紀「へー。甲子園とか高校野球で1列に並んで礼するみたいなものかー」
保奈美「さ、流石野球アイドル……」
部員B「ヘアァァーーーッ!!」
友紀「お、おー……。剣道は凄いねー、気合いが違うよー」パシャ
保奈美「ええ。珠美ちゃん、とっても格好いいですよね……」
部員B「せあっ!! 小手ぇぇーーい!」
ベシィン!
珠美「ぐっ……!」
部員A「駄目っ! 浅いっ!」
友紀「激しいなぁ……」パシャ
部員B「ふぉああぁぁぁぁーーッ!」
保奈美「珠美ちゃん、いけるわー!」
部員B「……! とええぇぇーーいッ! めえぇぇぇーー!」シュバッ
珠美「ーーーッ! どおおぉぉぉぉうぁッ!!」
バッシイィィィィンッ!
友紀「お! これは!」パシャ
部員A「うむ! 一本!」
珠美「ふぅ……。ありがとうございました」
部員B「ありがとうございました。あー……」
珠美「……や、やった! 友紀殿! 保奈美殿! 見事珠美が勝利を収めて見せました!」
友紀「かっこよかったよー! 珠ちゃーん!」パシャ
保奈美「珠美ちゃんお疲れ様! はいタオル!」
部員B「……あたしはー?」
珠美「ふふん! 良い写真は撮れましたか?」
友紀「うん! ばっちし!」
保奈美「あの、よければ珠美ちゃんの写真を私にも譲って貰えますか?」
友紀「おっけー! 楽しみにしといてねー!」
珠美「いやぁ、カメラが向いていると思うとなんだか仕事のスイッチが入るというか……。普段より集中出来ました!」
友紀「さっすが珠ちゃん! ちっちゃくてもプロだねー!」
珠美「ち、ちっちゃいは余計です!
」
部員A「さ! 珠美ー! まだまだじゃんじゃん稽古つけるよー!」
珠美「は、はい!」
友紀「じゃあ、あたしはここらでお暇しようかな」
保奈美「お疲れ様です。……写真の方、お願いしますね!」
友紀「さ、さっきも聞いた……」
友紀「いやー、あの後体育館を出た後男の子達に野球部の部室に連れ込まれた時は覚悟したなぁ……」
友紀「ま、サインも沢山書いたし! 甲子園の応援にも行ってあげようかな!」
友紀「17時…。充電もまだあるしー……」
友紀「そうだ! 美優さんちに行こう!」
友紀「今日は美優さんもお休みだし、案外美味しいもの作ってるかも……!」
美優「ふぅ…、いいお湯だった……」
美優「たまには早い時間からお風呂に入って、ゆっくりするのも…。ふふっ……♪」
ピンポーン
美優「ふえっ? あ、どうしよう…、ブラジャー着けてないけど……。待たせるのも悪いし……」
美優「とりあえず、扉ののぞき穴から……」
< ……いないかなー
美優「あ、友紀ちゃん」ガチャッ
友紀「あー! 美優さーん! はい、ちーず!」パシャ
美優「へっ!? ぶ、ブラが……!」
ーーーー……
友紀「……でね、プロデューサーにカメラ貰ったの!」
美優「そう、いい写真は撮れた?」
友紀「うん! ほら、留美さんの運転中とか珠ちゃんが1本とった瞬間とかみくにゃんとか!」
美優「え! みくにゃん!? な、なんであのトップアイドルの写真を撮れてるの……!?」
友紀「楽屋に押し入ったんだー!」
美優「この珠美ちゃんの写真も学校での部活中のようだし、友紀ちゃんの行動範囲がわからないわ……」
友紀「……? えへへー」
友紀「うん! プロデューサーにメールしとこー。美優さんちで晩御飯食べます……、っと」
美優「ふふっ、後は揚げるだけだから、少し待っててね?」
友紀「はーい! 美優さんの料理も美味しいんだよなぁー……! くぅー!」
友紀「……あ、プロデューサーから返信。了解、と……」
友紀「はっ! んんー…。揚げ物のいい匂い……!」
友紀「そういえば、留美さんのソース大好き病は治ったのかな……」
友紀「……治るわけないか」
美優「はい、お待たせ。今日はお酒を飲もうと思ってたから揚げ物中心なの」
友紀「おー! これはビールが進むねー! けど、あたしはまだ事務所に戻るからおあずけー……」
美優「あ、たしかノンアルコールビールが一本だけあったかしら……」
友紀「あ! それ欲しい! ちょうだーい!」
美優「ふふっ、取ってくるね」
友紀「ノンアルでも、ないよりはよっぽどマシだしなぁ……! へへっ!」
美優「はい、これ1本だけだから気をつけてね?」
友紀「うん!」
美優「さて、と……」ドンッ!
友紀「げぇっ!? な、なんで! なんでこれが美優さんちにまであるのー!?」
美優「……事あるごとに、留美さんがソース断ちやソース減量するたびにここに置いて行かれるの……!」
美優「この間もここに置いていった挙句、また新しく大っきいの買ってるし……! ううぅ……!」
友紀「み、美優さん……」
美優「お願い友紀ちゃん! どうか、どうか一緒にこれを消費して! もう、もうひとりじゃ、むりなの……!」
友紀「うん…。あと、美優さん……」
美優「ぐすっ…、友紀ちゃん……?」
友紀「今度、一緒に返しに行こう……? 絶対、絶対喜んで受け取るはずだから……!」
美優「う、うぅ…! ありがとう、ありがとう……! 友紀ちゃん……!」
美優「うんっ! そうね!」
友紀「さて、ソースをかけてー……」トプッ
美優「うぅーん…! 美味しそうね……!」ドポッ!ドポッ!
友紀(あ、美優さんも中毒の沼に片足突っ込んでる)
美優「いただきます。あむっ…、んぅー……! この甘酸っぱいけどコクのある感じ…! たまらないわ……」
友紀「お、いいかお!」パシャ
友紀「……で、別にソース返さなくてもいいと思うな」
美優「へ、え? な、なんで……?」
友紀「さ、あたしも食べるぞー! ビールもあけてー!」
美優「ゆ、友紀ちゃん? なんでぇ……!?」
美優「へ? あ、こう…? あーん……」
友紀「そ! でー、もっと柔らかい笑顔!」
美優「んー…。えへへ……」
友紀「うん! ちーず!」パシャ
美優「ふふっ、どう? 上手に撮れたかな……?」
友紀「うん! やっぱり美優さん綺麗だなぁー……」
美優「そんな…、えと、友紀ちゃんもとっても可愛いわ?」
友紀「ありがとう! でも、あたしがオトナの女の人になれる日は来るかなー……」
美優「……ふふっ。大丈夫、きっとなれるわ?」
友紀「美優さん……」
友紀「口の周り、ソース沢山ついてるよ?」
美優「へ? あ、あぁー……!」
友紀「くぁー…。お腹いっぱい……。美味しかったなぁ……!」
友紀「また今度食べさせてもらおうっと! 揚げ物以外…、ううん、ソースをかけない物がいいな……」
友紀「ん…、だいぶ陽が落ちたなぁ。そろそろ帰ろうっと……」
友紀「お? くんくん…。どこからかカレーの匂い……」
友紀「…………」
友紀「……お母さん」
友紀「げふっ……。よし! 今度はカレーにしよう!」
友紀「あ、早苗さーん! 両手にレジ袋……。スーパーの帰り?」
早苗「そ! 今日はカレーの匂いがするからあたしも、ね?」
友紀「わぁ……!」
早苗「どう、友紀ちゃんもウチで食べる?」
友紀「あー…。実は、もう美優さんちで晩御飯食べちゃったんだー……」
早苗「あら、残念。じゃーあー……。あした! あしたウチに来て食べましょう! 一晩置いたカレーはトロトロで美味しいわよー?」
友紀「うんっ!」
友紀「これはねー。はい、ちーず!」パシャ
早苗「へ!? カメラ?」
友紀「うん! プロデューサーに貰ったんだー」
早苗「もー、カメラならそうと言いなさいよー! あたし今ほぼすっぴんなのにー!」
友紀「えー? 早苗さん美人だからそのままでも全然大丈夫だよー!」
早苗「ま! 友紀ちゃんたら口が達者ねぇ! どうせ薄暗いからよー?」
友紀「えー? あたしは今完全にすっぴんだよー」
早苗「……マジで?」
早苗「はい! シュークリームあげる!」
友紀「わー! やったー!」
早苗「じゃあ、もう暗くなるから寄り道せず帰るのよー」
友紀「はーい! また明日ねー!」
早苗「うーい!」
友紀「……あ、早苗さん1枚しか撮らなかったや。また今度しっかり撮ろう!」
友紀「……さて! あたしも事務所にかーえろ! プロデューサーに写真を上手い具合にして貰おう! 現像も事務所の機械でできるかなー?」
友紀「やっはー! ただいまー!」
P「あー、こら友紀ー。帰ってくるの遅いぞー」
友紀「ごめんごめん! 写真撮るの夢中になっちゃってさー。ね?」
P「ま、それだけ気に入ったならあげた甲斐もあったよ。で、なにを撮ってきたんだー?」
友紀「えっとねー、まずは事務所の前の公園に咲いてたたんぽぽ!」
P「お、もうそんな季節か」
友紀「ねー、こうやって季節を感じることもできるんだよー?」
友紀「んーで、次は留美さん! 車を運転してる所を助手席から!」
P「お、キリッとしててかっこいいなぁ……」
友紀「ねー……。で、これがクラクションを張り手で鳴らしてる時の留美さん」
P「……怖えよ」
P「なにやってんのお前」
友紀「ほら、このなんとも言えないびっくりした表情はお宝だよー?」
P「346プロダクションの人に怒られるから、辞めてくれよ……」
友紀「で、これがみくにゃん直伝のグラビアポーズ! 」
P「おー……、これは印刷しとくか。珠辺りのいい教材になりそうだ」
P「……しかし、あのみくにゃんもジャージ着るんだな」
友紀「女の子が常に華やかなんてのは無いんだよ……?」
P「知ってる」
P「おー、手拭い頭に巻いてるのも似合ってるな」
友紀「それに、ほら! 剣道の試合中! あのちっちゃい体から凄いおっきい声をだすんだよー!」
P「あー……。珠は声量とか肺活量はウチの事務所でトップだからなあ」
友紀「ちっちゃいのにね」
P「ちっちゃいのにな」
P「……でも、写真だと面を着けてるせいでどれが珠だかわからないな」
友紀「そう、そこなんだよねー」
P「お、湯上りか。しめった髪の毛が色っぽ……!?」
P(えー!? 美優さん!? 美優のお胸が! バストトップが!)サッ
友紀「どうしたの? プロデューサー」
P(湯上がりでノーブラの時に撮ったって事か…? くそっ、このお宝写真……。個人的に欲しい所だけど……!)
P「その、友紀。この美優さんの写真は消去しようか……」
友紀「えー!? なんでさぁ!」
P「いや、えっと……。美優さんのお胸のここが……」
友紀「んー…? あ、ちく……」
P「言うな! ……な?」
友紀「うん…、勿体無いけど、美優さんの為にね……」
P「おー、なんか、ヤンママみたい」
友紀「やんまま?」
P「あー、えっと……。ナウでヤングなママ」
友紀「おー! ヤンママ!」
P(意味違うけど)
友紀「明日は早苗さんちにご飯食べに行くから、その時しっかり撮るんだー!」
P「お、いいなぁ」
友紀「プロデューサーも行っていいか聞いてみるー? カレーだって!」
P「おう、頼んでみるわ」
P「……へ?」
友紀「プロデューサー! はい、ちー……」
P「ちょ! こら! お、俺を撮るんじゃあない!」
友紀「えー、なんでー?」
P「嫌だ! 俺はカメラ苦手なんだよ!」
友紀「……ふっ。えい!」パシャ
P「ひいっ!? こ、こら! 友紀ー!」
友紀「とうっ! えいっ!」パシャ パシャ
P「やめ…、止めろォーーッ!」
友紀「……あ、充電切れちゃった」
P「はぁ、はぁ…。やっと地獄が終わった……」
友紀「ねー、プロデューサー。これどうやって充電するの?」
P「ここの蓋を外して、中のバッテリーをこれにセットするの……」
友紀「わかった! 充電終わったらまたゆっくり撮った写真見よーっと」
P「……頼むから、もう俺を撮らないでくれよ」
友紀「……えー? どうかなー?」
P「頼むよ……」
友紀「これからみんなでお出かけする時は、あたしがカメラ係だね! だから、色んな所にまた連れて行ってね!」
P「ああ、いい子にしてたらな」
友紀「うん! あたし、生まれつきいい子だもん!」
P「いい子は人にカメラを向けない」
友紀「いや、普通に向けると思うよ……」
P「……嫌がる人にカメラを向けない」
友紀「はーい」
P「ま、この書類整理が終わったら家に送ってやるから、待っててな」
友紀「うん! へっへー……♪」
P「ふう…、んー……。疲れたぁ……」
友紀「くぅ…、すう……」
P「あ、寝てら」
友紀「んぅ…、んへへ……。ちー、ずぅー……」
P「……バッテリー、いくらか充電できてるかな」
友紀「すぅ…、んん……」
P「よし、友紀ー?」
友紀「んぅー……」
P「はい、チーズ」
友紀「…………♪」ニコッ
パシャ
P「……待ち受けにしようかな」
友紀「くかー……。んへへぇ……」
完
久々の友紀回。
お付き合いありがとうございました。
これにて完結です。
モバP「芳乃ちゃん」
↑よければこちらもお願いします。
それではネタが浮かべば、またいつか。
元スレ
姫川友紀「カメラが欲しい!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1461586419/
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コメント一覧 (29)
-
- 2016年04月27日 02:39
- カメラマン魂が、メラメラしますね…ふふっ
-
- 2016年04月27日 02:42
- 優しい世界
-
- 2016年04月27日 02:44
- このカメラのデータ下さいなんでもしまむら
後ユッキを部室に連れ込むのはやめて!!
-
- 2016年04月27日 03:02
- さりげなく解雇宣告されてて草
-
- 2016年04月27日 03:04
- お好みソースは割と何にでも合うからセーフ
それよりノーブラ美優さんの写真はよ
-
- 2016年04月27日 03:10
- 何で美優さんの写真消したし
P無能
-
- 2016年04月27日 03:20
- ロビンマスク「お願いだ・・・・・・写真だけは勘弁してくれ」
-
- 2016年04月27日 04:52
- ???「通りすがりのカメラマンだ、覚えておけ!」
-
- 2016年04月27日 05:48
- そのカメラの画像くれさい。
140万までなら出せるから頼む!
-
- 2016年04月27日 08:26
- 友紀珠美が主人公だとこの人になるな
残り二人に声つくといいね
-
- 2016年04月27日 09:08
- zipでくれ
-
- 2016年04月27日 09:23
- 最後…
一緒に住んでる?
-
- 2016年04月27日 09:39
- ※10
美優さんに声つけば相方枠で留美さんもいける・・・かも?
-
- 2016年04月27日 11:14
- ※8
ミリオンのアイツかな?
-
- 2016年04月27日 11:37
- ガメラが欲しいに空目
-
- 2016年04月27日 12:04
- 野球部の部室に連れ込まれるゆっきだけで100万回抜いた
-
- 2016年04月27日 13:38
- 野球部の部室に連れ込まれたユッキでおっきした、って書こうとしたら既に先をいかれてた
-
- 2016年04月27日 15:27
- ユッキーでヌッキーですわ
-
- 2016年04月27日 16:14
- そらもうユッキーでボッキーのバッキーよ
-
- 2016年04月27日 16:54
- ※19
ユッキーでバッキーは見る方もトラウマやろなぁ・・・
-
- 2016年04月27日 18:13
- まだそこまで売れてないだろうユッキより給料少ないPって
-
- 2016年04月27日 19:44
- 各種ドリンクは給料から天引きですよ。
うふふ
-
- 2016年04月27日 20:11
- 売れてないって言ってるけど珠ちゃんの学校の人はみんな知っててきゃーきゃーいわれるレベルなんだよな
-
- 2016年04月27日 20:19
- 湯上り美優さんの写真をなんで消したんですかぁ???(血涙)
-
- 2016年04月27日 21:19
- 野球部員「姫川さんはみんなの」
-
- 2016年04月27日 22:33
- このまま美優さんに続きユッキもお好みソースの中毒者に……
いまや東南アジアに製造工場ができ、マレー半島に中毒者を蔓延させる日も近い…!
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- 2016年04月27日 23:18
- セペダが欲しい!
なお
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- 2016年05月02日 23:09
- ※4
解雇宣告?
本文にはそれらしきのものは見当たらなかったが……
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- 2016年06月07日 20:29
- ユッキーの野球部林間合宿