エリカ「カレーの味」
- 2016年04月25日 21:10
- SS、ガールズ&パンツァー
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深い悲しみに選ばれ目から零れ落ちるその涙は、降り止まない雨のように冷たく頬を伝い、
小さな私の部屋にまた一つ影を落とすのでした…。
エリカ「隊長」
まほ「うぐぅぅぅぅ…ゥゥゥ!ヒグッ!ゥグッ!」ボロボロ
エリカ「隊長」
まほ「うぅぅぅぅぅあぐっ…ゥグッ!ェグッ!ふぅ、ふぅ、ぁぁぁ」ボロボロ
エリカ「……」
まほ「ぅぅぅああああァァ…みほぉ…ゥゥゥ!」ボロボロ
エリカ「泣きすぎでしょう」
まほ「ふぅ、ふぅ、まさか出て行くとは…ふぅ、ふぅ」
まほ「思わなかっ…ゥグッ!ふぅ、思わなかったん…ふぅぅぅ、だんだもん…ングッ、ゥゥゥウ!」ボロボロ
エリカ「それはそうですけど」
エリカ「仕方ないじゃないですか、あの子の取った行動に鑑みれば」
まほ「…ふっ、ふっ、ズズッ、はぁはぁ」
まほ「うぅぅう」ボロボロ
エリカ「元副隊長が、それを相手に明け渡してしまったんですから…」
エリカ「結果だけ見たら色んな方面からバッシングされてもおかしくないです……」
まほ「あの子はただ優しかっただけなのに!!!」ボロボロ
エリカ「……」
まほ「ぅぅぅう…なにも……」
まほ「なにも出て行かなくたっていいじゃないか……」ボロボロ
エリカ「……」
まほ「戦車に乗る…のが楽しくなさそうで、ふぅ、ふぅ、ウゥゥ…」ボロボロ
まほ「だから私が…西住流のことなら長女の私が背負っていこうと…」ボロボロ
まほ「みほには何も背負わずただ笑って欲しくて…」
まほ「それだげなのに……うゥゥゥ」ボロボロ
まほ「10連覇も私は別に……ぅぅぅウウウ」ボロボロ
エリカ「みほ…さんは人一倍優しいから耐えられなかったんだと思いますよ」
まほ「……」グスッグスッ
まほ「うっ…ぅぅううゥゥ!」ボロボロ
エリカ「戦車道チームの視線も」
まほ「ううっううっ」ボロボロ
エリカ「西住流という名の重みも…」
まほ「ゥゥゥ!ぅうう」ボロボロ
エリカ「でも根の優しさによる葛藤の板挟みと……」
まほ「うぐぅぅゥ!!ウウッ!ウウッ!」ボロボロ
エリカ「耐えられなかったんです…」
まほ「……」
エリカ「隊長みたいに強い人なら転校なんてしなかったはず…」
まほ「ウワアアアあああ!!!!」ボロボロボロボロ
エリカ「……」
エリカ「…いや、隊長もそんな強くないか?…」
まほ「もうみほはいないんだぞ!!!」ボロボロ
エリカ「!……」
エリカ「わ…私だって」
エリカ「……悲しいに決まってますよ…」
エリカ「あなた方西住流を私はどれだけ…」
まほ「ならどうして!!」ボロボロ
まほ「そんな落ち着いていられるんだ……グスッ!スビビ!!」
まほ「すまんティッシュがない…スビビ!!」グスッ
まほ「どうして平静を保っていられるる…いららるるんだ!」ズズッズビビ!!
まほ「グスグス」
エリカ「……」
エリカ『あんたが泣き喚くから泣くタイミングがないんでしょうが!!!』
エリカ(…とは言えないわね……)
まほ「追い詰められるみほを助けられなかった……」ボロボロ
まほ「ウワァぁぁ…あぁぁ」ボロボロ
エリカ「ティッシュ好きなだけ使ってくださいどうぞ」
まほ「…うっ…ううっ…」シクシク
まほ「みほ……」ごそごそ
まほ「……」ごそごそ
エリカ「何してるんですか?」
まほ「ベッド借りる」
エリカ「不貞寝ですか…」
まほ「ううっ…みほ…嫌だぁ…嫌だよ…」
まほ「行かないでくれ……また昔みたいに……」
まほ「一緒に戦車に……」グスグス
エリカ「……」
エリカ『逸見エリカです!黒森峰並びに西住流の名に恥じないよう全力を注ぎます!』
みほ『よろしくね、逸見さん』
エリカ『西住みほさん、よろしくお願いします!』
みほ『えぇっ、みほでいいよ』
エリカ『えっでも…』
みほ『私も逸見さんと同じ一年生だし、これから一緒に頑張ろうね!』
エリカ『……私も』
エリカ『私も、エリカでいいわ』
エリカ『えっ?敵は稜線を超えたすぐ先にいますよ隊長!行かなくていいんですか?』
みほ『あ、それはね。一回おびき寄せてから突撃して相手の意表をつくの』
エリカ『なるほど…』
みほ『お姉ちゃん口下手だから…はは』
エリカ『あはは』
まほ『聞こえてるぞ、二人とも』
エリカ『突っ走って撃破されちゃったわ…結果も出せずに…』
みほ『そんな!エリカさんが無事ならそれに越したことはないよ!』
エリカ『副隊長…』
エリカ『副隊長は…』
みほ『もう、二人のときは』
エリカ『フフ、ごめんなさい。みほはどこか行きたいところある?』
みほ『新しいショップができたみたいなの!もしかしたらボコのグッズもあるかも!』
エリカ『本当に好きねみほは。じゃあそこに行きましょうか』
みほ『えへへ』
エリカ「どちらも私の憧れだった」
エリカ「二人の戦車道に触れられるのが嬉しくて楽しくて私は好きだった」
エリカ「……」
エリカ「転校先の町にも…」
エリカ「ボコのショップがあるといいけど…」
エリカ「……」
エリカ「……」ポロ…
エリカ「!……」ポロポロ
エリカ「ぐ……」
エリカ「私だって寂しいですよ…」
エリカ「晩ごはん、作らなきゃ」
まほ「……はっ」
まほ「エリカ?」
エリカ「少しは落ち着きましたか?」
まほ「……」
まほ「うっ……」ジワッ
エリカ「……」
まほ「うおおおえぇぇ…えぐっえぐっ」ボロボロ
エリカ「とりあえず顔洗ったらどうです?」
まほ「……」バシャッバシャッ
エリカ「タオルここにありますから」
まほ「…エリカが作ったのか?」
エリカ「ええ。隊長、カレー好きでしたよね」
まほ「…ズビッ!ズビッ!……いいのか?」
エリカ「はい」
エリカ「隊長も副隊長と同じように、たくさん重みを背負っているはずですから」
エリカ「今日のことは誰にも言いませんから…」
エリカ「まぁ、好きなだけ吐き出してください」
まほ「うええぇぇぇええぁりぁおうぅう」ボロボロ
エリカ「いいえ」
まほ「ああ…」
エリカ「……」
まほ「……」
エリカ「……」
まほ「……」
エリカ「?」
エリカ「食べないんですか?」
まほ「……」
まほ「子どもっぽいかもしれないが私は…カレーが好きだ」
エリカ(私はハンバーグが好きだから人のこと言えないけど…)
まほ「みほが初めて私に作ってくれた料理が」
エリカ「……」
まほ「…カレーだったから…」
まほ「……」
エリカ「……」
まほ「……」
まほ「ふっ…う…」ポロ
エリカ「な、泣いてちゃ食べられませんから!冷めないうちに食べましょう!?」
エリカ「ねっ!?」
まほ「あ、ああ、そうだな…すまん。……いただきます」
エリカ「…いただきます」
まほ「……」もぐもぐ
エリカ「……」
まほ「……」もぐもぐ
エリカ(普段は西住流を背負い、黒森峰の隊長として表に立っているけど)
エリカ(隊長も可愛い妹を持つ、一人の女の子なんだ)
エリカ(じゃなきゃ私の部屋に来ていきなり号泣することもないわよね…)
エリカ(きっと家でも自分をさらけ出せずに…)
エリカ「……」
エリカ(私にできることって何かしら…)
エリカ(何か、支えになることができればいいんだけど…)
エリカ「味は大丈夫ですか?一応ちゃんと作ったつもりですが…」
まほ「……」もぐもぐ
エリカ「……」
まほ「決まって甘口のカレーだった」
まほ「優しい口当たりで、食べたら安心して、嬉しくなるカレーだったんだ」
エリカ「……」
まほ「このカレーは…」
エリカ「………辛口…」
エリカ「ですね…」
まほ「ああ…」
エリカ「……」
エリカ「……」もぐもぐ
まほ「……」もぐもぐ
エリカ「……」もぐもぐ
まほ「だが」
エリカ「……?」
まほ「元気の出る…いつも前向きな、エリカの味がする」
エリカ「え…っ?」
まほ「副隊長はお前がやれ、エリカ」
隊長の目は涙で赤くなっていたけれど、
いつもの凛とした表情で、
真っ直ぐな瞳は私を見つめ、そう言ったのでした。
---
--
-
エリカ「へぇ…これが噂の」
みほ「噂って??」
エリカ「噂は噂よ」
エリカ「食べていいかしら?」
みほ「もちろん!食べて食べて」
エリカ「いただきます」
みほ「いただきまーす。熱いから気をつけてね」
エリカ「……」もぐもぐ
みほ「……」
エリカ「……」もぐもぐ
みほ「ど、どうかな?」
みほ「えぇ??」
エリカ「ウフフ」
みほ「笑ってないで教えてよぅ」
エリカ「そうね、甘いわね」
みほ「それって褒めてるの?」
エリカ「さぁどうかしら?」
みほ「えぇ~」
エリカ「でも確かに」
みほ「…つまり?」
エリカ「美味しいってこと」
おしまい。
元スレ
エリカ「カレーの味」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1461581209/
エリカ「カレーの味」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1461581209/
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- P「もう会社辞めたい……」
- 少女「…………………気持ち悪い」
コメント一覧 (31)
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- 2016年04月25日 21:14
- やっぱカレーはチキンが一番だわ
-
- 2016年04月25日 21:18
- カレーって、普通甘いとか辛いとかだろ!!
このカレーくせーんだよ!!
-
- 2016年04月25日 21:29
- 下品なネタを想像した奴は正直に名乗り出ること
-
- 2016年04月25日 21:30
- ばぶばぶ
-
- 2016年04月25日 21:30
- トマトカレー好き
隠し味のケチャップとプチトマトがたまらぬ
-
- 2016年04月25日 21:41
- わた、お姉ちゃんにもそのカレーを食べさせてやってくださいよ
-
- 2016年04月25日 21:41
- 小麦粉を使わずあえてうどん粉を入れてた俺のお袋のカレーはスープカレー
-
- 2016年04月25日 21:49
- 妹が出ていった→逆に考えるんだつまり学校の外でなら好きなだけ甘やかしが出来るようになったと
-
- 2016年04月25日 22:08
- ほー いいじゃないか
こういうのでいいんだよこういうので
-
- 2016年04月25日 22:10
- ばぶばぶの次がこれだから戸惑ってる
いや短いけど綺麗に終わっていいSSだと思うんだけどね
-
- 2016年04月25日 22:16
- 8コマだかの漫画思い出した
みほが居なくなってハンバーグの味が変わる話
あれは最後泣ける
-
- 2016年04月25日 22:19
- 最近渋の方のエリカが出るssは狂ったように胸糞ばかりになったからこういうのはありがたい
-
- 2016年04月25日 22:23
- おかわりもいいぞ
-
- 2016年04月25日 22:36
- カレーはやっぱりチキンカレー
カレーはやっぱりチキンカレー
カレーはやっぱりチキンカレー
-
- 2016年04月25日 23:07
- まほ「私がみほのママになればいいのか…」
-
- 2016年04月25日 23:20
- ※2
唐突な花村氏には草生えますわ
-
- 2016年04月25日 23:42
- まほの泣き声がやけにリアル…
あ、カレー食べたい
-
- 2016年04月26日 00:01
- これだけ悲しんで
大洗で戦車道続けてたら、どんな温厚な奴でもキレるわ
-
- 2016年04月26日 03:59
- エリみほはいいぞ
-
- 2016年04月26日 06:13
- 赤ちゃんプレイにまほ大号泣…ガルパンは凄いなあ…()
-
- 2016年04月26日 07:06
- ハヤシライス派ワイ、いつも内心肩身が狭い
-
- 2016年04月26日 08:51
- あいつはカレーが大好物なんだ!!
このカレーが辛口だから
ちくしょう!!
-
- 2016年04月26日 08:59
- エリみほが好きです
-
- 2016年04月26日 09:11
- ネタに走らないエリカ物が増えて安心してる
-
- 2016年04月26日 11:04
- 最後に井戸田が出てくるんじゃないかとヒヤヒヤした
-
- 2016年04月26日 12:36
- これは綺麗な三ツ井カリヱ先生
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- 2016年04月26日 19:27
- ※22 単行本では何故か、
アイツはハンバーグが大好物なんだよ!
よりによってこのハンバーグがデミグラスだから…
に、改変される模様。
-
- 2016年04月27日 00:16
- まほのむせび泣く声がひどくてゲロ吐いてるように思えます(小並感
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- 2016年04月27日 02:43
- 読み終わってほっこりした後で、真下のスレタイみてやるせない気持ちになった
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- 2016年05月04日 15:04
- ※2
おうジュネス、特売の時間だぞ売り場に戻れ
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- 2016年06月05日 22:23
- 表現力豊かで場の様子や心情を細やかに感じさせる良作。お話の内容とまとまりもイイ