P「病室、きっと夕暮れ」
P「ん……ここは?」
小鳥「プロデューサーさん! 気がつきましたか!」
P「小鳥さん? ここは……?」
小鳥「ここは病室です。なにがあったか覚えていないんですか?」
P「いや、たしか遊園地にいて……」
小鳥「そうです。遊園地でのステージを下見している最中にセットが倒れてきて……」
P「そうだ、俺はその下敷きに……」
P「三日も!? 仕事はどうなってますか!?」
小鳥「心配しなくても、社長と律子さんがフォローしてくれていますよ」
P「はぁ……よかった……」
小鳥「だいたい、仕事をしすぎなんですよプロデューサーさんは!」
P「すみません……逆に怒られるとは」
小鳥「その頑張りもいいところですけど、無理はしすぎないでくださいね?」
P「肝に銘じます」
小鳥「よろしい♪ ではリンゴをどうぞ!」
小鳥「無理せず寝ても大丈夫ですよ」
P「すみません……」
小鳥「体力の回復を優先してください。そうしないと体がもちませんよ?」
P「へっ?」
小鳥「事務所のほうにも連絡しましたから、私以外の子たちもお見舞いに来てくれると思います」
P「ああ……なるほど」
P「わかりました」
小鳥「特に貴音ちゃんは、すごく心配してましたから」
P「そうですか……悪いことしたな」
小鳥「あと……その、プロデューサーさん」
P「なんでしょう」
小鳥「……気を落とさないでくださいね」
P「……ええ、ありがとうございます」
P「…………ん。寝すぎたかな」
「……起きましたか、あなた様」
P「……来てくれたのか、ありがとな」
貴音「ええ、あなた様が目を覚ましたと聞いて、いてもたってもいられなくなりました」
P「そうか……心配かけたみたいだな、すまん」
貴音「謝ることはありませんよ」
P「じゃあ……ありがとうな、来てくれて」
P「ああ、ぼんやりとだけどな」
貴音「そうですか。あの事故の前のこともですか?」
P「……ああ、なんとなくな」
貴音「……そうですか」
貴音「あなた様とはじめて回った遊園地……たくさんの驚きがありました」
P「そうだったな」
貴音「こーひぃかっぷなるものは、もうしばらくは遠慮したいところですが」
P「はは、さすがに回しすぎたか」
貴音「あんなに回るものだとは知らず……恥ずかしい姿を見せてしまいました」
P「あれは貴音が回しすぎたんだろう」
貴音「あ、あれは! あなた様のほうが面白がって回していましたよ!」
貴音「あなた様はいけずです……」
P「いけずで結構。で、悪いんだけど棚の上にある花瓶の水を換えてくれないか」
貴音「棚の上……ですか」
P「ん、どうした?」
貴音「あなた様、申し訳ないのですが先程のれっすんで腰を痛めてしまい……高い所にあるものをとるのは難しそうです」
P「そうか……大丈夫なのか? 腰は」
貴音「安静にしていれば大丈夫、とのことです」
P「わかった、無理はするなよ」
貴音「ありがとうございます、あなた様」
P「じゃあ、リンゴをむいてくれないか」
P「じゃあ、あーんしてくれ」
貴音「あ、あーん、ですか!?」
P「病人だしさ、これくらいは甘えてもいいかなって」
貴音「少し恥ずかしいですが……わかりました」
P「よっしゃ!」
貴音「では、あーん……」
P「あーん。ん、うまいなぁ」
P「ん?」
貴音「あの時の約束は覚えていますか?」
P「あの時……?」
貴音「あの、満月の日に言っていただけた言葉は、覚えていらっしゃいますか?」
P「ああ……覚えているよ」
貴音「とっぷあいどるになれたら……」
P「貴音の気持ちに応える」
貴音「…………ええ」
P「そう、貴音に言ったな」
P「覚えてるよ、もちろん」
P「もちろんだ。忘れるわけはない」
貴音「良かったです」
P「良かった、か」
貴音「もちろんです」
P「そうか、それなら……いいんだ」
ガチャン!
貴音「あなた様!? 大丈夫ですか!?」
P「ああ、ちょっと不注意だっただけさ」
貴音「ああ、こーひぃが床に……」
P「申し訳ない……ふいてくれると助かるよ」
貴音「ふふっ、これくらいのことはいたしますよ」
P「すまないなぁ……こんな年下の世話になるのは申し訳ない気もするよ」
貴音「たまにはよいと思いますよ?」
P「ん? そうか、もうそんな時間だな」
貴音「夕日が差し込み、遠くでからすも飛んでいます」
P「そうみたいだな。じゃあ帰ってしまう前に、ちょっといいか」
貴音「なんでしょう?」
P「お前に謝らなくちゃいけないことがある」
P「そうか、そりゃ……そうだよな」
貴音「それより、わたくしの方からもあなた様に謝らねばいけないことがあります」
P「なんだ?」
貴音?「だましてごめんね、大好きだったよ」
ナイフで胸を刺された。激しい痛みとともに動機が早まり、流れる血は止まらない。
貴音?「もうこうするしかないでしょ?」
P「……そっか、そこまで好きでいてくれたのか」
P「真美」
真美「……兄ちゃん、やっぱ気づいてたんだね」
P「真美のモノマネか本人かなんて、わかるに……きまってるさ」
真美「そっか……ありがとね」
真美「ほんとうに、大好きだよ」
P「ああ……なんとなく気づいてたよ」
真美「兄ちゃんとお姫ちんが付き合ってるってウワサを聞いてからも、ずっと」
真美「だから、確かめたかったんだ。だましてごめんね」
真美「お姫ちんの遊園地デート、楽しかったよね」
P「ああ……楽し……かった」
真美「そっかぁ。真美も、兄ちゃんと遊園地デートしたかったなー……」
真美「でももう、兄ちゃんは真美のものにならないってわかっちゃったから」
……もう、意識がもたない。
真美「でも、最後だからこれくらい……いいよね」
それは、寂しさ、愛しさ、憎しみがないまぜになった濃いもので、
真美「好きだから、ちかたなかったんだ。ごめんね」
そして二回目の刺突を受け、俺は――――
終
過去作
美穂「私にとってのアイドル」
モバP「まほうのメガネ」
元スレ
P「病室、きっと夕暮れ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1457970364/
P「病室、きっと夕暮れ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1457970364/
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コメント一覧 (41)
-
- 2016年03月15日 03:15
- いちゃラブ期待してきたら絶望
-
- 2016年03月15日 03:40
- ドロドロを期待してきたら歓喜
-
- 2016年03月15日 03:44
- ほーん
-
- 2016年03月15日 03:48
- ホームズ顔負けのモノマネスキル
-
- 2016年03月15日 04:57
- はあ?
はあ?
何のための病室?何のための失明?何のための貴音?ギャグ?ギャグSSなのこれ?
マジでわからん、何が書きたかったのこれ????
-
- 2016年03月15日 05:45
- なんでや
-
- 2016年03月15日 06:49
- ※5とまったく同じ感想だわ
これが面白いとかつまらないとかじゃなくて
全てに脈絡がなくて全ての設定に意義を感じない
-
- 2016年03月15日 06:57
- ほほう
-
- 2016年03月15日 07:00
- 作者がミステリーみたいなの作ってドヤ顔したいだけのSS
-
- 2016年03月15日 07:04
- どれもこれもが唐突で安価書いたのってくらい伏線にしたかったあろう内容の脈絡に違和感しかなかった
文章の見せ方は置いておいてプロットも奇を狙いすぎて面白くないっていう
-
- 2016年03月15日 07:16
- 真美の闇は深い…
-
- 2016年03月15日 07:43
- 一応伏線のつもりだったであろうことは書いてあるんだけどな
腰を痛めて高いところは届かないって断ったのに地面に零れたコーヒーを吹いたところとか
伏線としては弱すぎるけど
-
- 2016年03月15日 07:44
- 自分はこう言ったの好きだなー
プロットとか脈絡とか伏線とか難しいこと分かんないけど、たまにこう言ったバッドエンドで投げっぱなしの話が読みたくなる
異性に嫌われる薬とかも大好きだったし、やっぱし好き嫌いなんだろうねきっと、ちかたないね
-
- 2016年03月15日 07:57
- えぇ……
えぇ……
-
- 2016年03月15日 08:01
-
最後の伏線は腰を痛めてるのに床は拭いたとこくらい
つじつまは合ってるけど伏線じゃないよこれは。
必然性の欠けたミステリもどきは害悪でしかない
-
- 2016年03月15日 08:02
- つまらぬ~
この設定だったらアイドル辞めて介助ENDとかの方がまだ読める
なんか全体的に薄くって狂気が感じられん
-
- 2016年03月15日 08:20
- 貴音が、云々
ってとこまで読んだ。
もしかして響が押し潰されてる?
と不安になってコメ欄まで来てしまったが、コメ欄がやっぱり不穏な気がする
-
- 2016年03月15日 08:27
- 読み終わった
コメ欄先読んでしまったので、貴音が来た時
貴音も事故に巻き込まれて車椅子、かと思ったら、真美のモノマネだったので、貴音は死んでるのか、と思ったら別にそんなことはなかった
-
- 2016年03月15日 10:15
- ※12
棚の上の花瓶の水ってPがなぜか具体的な場所と内容を指定したのに違和感持とうぜ
3日間寝てて、その後も寝てたんだぜ
その前には一切話題にあがってない
設定後付けしたのに間違いないわ(投下スピードは書き溜めっぽい?)
3流のハッピーエンドよりも1流のバッドエンドの方が好きだけど
これは3流のバッドエンドだからたち悪い
-
- 2016年03月15日 10:30
-
ばかじゃん?
-
- 2016年03月15日 10:36
- ※13
設定や話の構成はしっかりしてて、その上で内容がかなり人を選ぶ嫌われる薬と
「なんて斬新で意表を突いたオチ!これは読んだ人間全員がひっかかるどんでん返し!!」みたく作者がひとりで勝手に思い込んで
話の整合性や説得力、ついでに読者まで全部置き去りにしたこれをあたかも同列みたいに語るのはNG
-
- 2016年03月15日 11:06
- 元スレ読んでないけど、「有りがちな設定」とか突っ込まれて急に変えたのか?って位支離滅裂。
※19と同じく、「棚の上の花瓶」とか言っているのに眼が見えないとか言い出して「は?」となった。
-
- 2016年03月15日 11:07
- 身長差を伏線にしたかったんだろうが
1、棚の上の花瓶が何故か見えてる(見えてなければ言う必然性がない)
2、貴音169、真美158の差で届かない場所に花瓶
3、危ないし誰がこんな場所に置いたんだ病室ならベッドから使える高さのチェストがあるはず
4、コーヒーの入ったカップは横にあったって事で、なぜ花瓶は棚の上?
5、目が見えないなら手の届く範囲に割れ物その他放置しない
6、重度のヘルニア持ってても跳び跳ねたり重いもの持ったりしなければ、足元を拭くぐらいならゆっくり動作すればできるので、実際に腰を痛めていても伏線にならない
7、リンゴを剥いたナイフを使ったんだろうけど、側に放置すんなと失明者が発見したら自傷する可能性あるだろ
他にも具体的過ぎる思いでのやり取りとかツッコミどころしかなかった
この手のやりたいならもっと丁寧にやらないとゴミにしかならない
-
- 2016年03月15日 11:42
- ※22
元スレ見てきたけど、投下中は連投荒らし沸いてただけだった
まぁその流れで、細かい点指摘できる雰囲気じゃなかったわ
盲目トリックありきだったみたいだけど色々破綻してるよね
-
- 2016年03月15日 11:54
- う〜ん、書きたかったことはなんとなくわからんでもないんだけど
未完成のプロットだけ見せられた感じがするね。
ここから肉付けして起承転結を考えた文章を書いていかないと。
-
- 2016年03月15日 12:14
- ピヨちゃんよ、3日間も昏睡だった人が覚醒したら
とりあえずナースか医者呼ぼうぜ
あとPも冷静だな、目が覚めたら
いきなり目が見えなくなってるのに
-
- 2016年03月15日 12:15
- おまえらが容赦無さすぎて
良いところを探そうとしたけど無かった
-
- 2016年03月15日 12:28
- 書いた後に一度でも通して読み直せば気が付くミスがゴロゴロあるのは酷いな
-
- 2016年03月15日 12:46
- やりたかった事はまあ理解出来る。
ただ圧倒的な実力不足であるだけ。
-
- 2016年03月15日 16:47
- 途中までの雰囲気はけっこう好きよ
作りの粗さは擁護しようもないが
-
- 2016年03月15日 16:51
- 刺されたところで訳も分からず変な笑いが出た
-
- 2016年03月15日 18:19
- 俺がハーレムものにしてやる
-
- 2016年03月15日 18:59
- なんでもひっくり返せばいいってもんじゃない
龍が如くじゃないんだから
-
- 2016年03月15日 19:02
-
クソオブクソ
書き手の雰囲気づくりが下手で読みづらいうえに
登場人物がよくわからないポイントで妙に悟りきってて寒気がする
-
- 2016年03月15日 20:12
-
書きたい事が2つあったら、分けて書くと良いんじゃ無いのかな。
途中迄は良かったから、仕切り直して再度投下してくれ。
俺は書けないから、そんなに非難出来んw
-
- 2016年03月15日 20:29
- 具体的にダメな点を指摘してあげるなんて皆優しいな
脈絡や現実味がないのはともかく設定の矛盾ぐらい潰してから投下しろよとは思った
-
- 2016年03月15日 21:30
- 今更だけどスゴイことに気づいちゃった。
さすがに声真似でそんなに騙されないよね
-
- 2016年03月16日 02:33
- 全部理解できないと楽しめないなんて可哀想
理解するためにそこかしこに情報はあるのにね
-
- 2016年03月16日 11:51
- 米伸びてるから面白いのかと思って読んだら酷すぎで伸びてただけか
-
- 2016年03月18日 03:29
- コメ欄見たら罵倒だらけで悲しくなったわ
ちょっとゾクッとしたぞ俺は
-
- 2016年03月20日 16:03
- SSを読んでいたと思ったら何か良くわからない別物だった
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