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姫「勇者と亡者が私を助けにやってきた」

1:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/13(日) 19:44:53 ID:ybKjezTc


―魔王城―

勇者「姫っ! 助けに来たよ!」バタンッ

姫「!」

姫「ああ……あなたが勇者様なのね? 私を助けに来て下さったのね!」

勇者「そうだよ、姫。魔王はこのボクが倒した。ケガはしてないかい?」

姫「ええ、幽閉されていただけだから大丈夫よ」

勇者「よかった……!」ギュッ…

姫「こちらこそ……」ギュッ…



2:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/13(日) 19:47:56 ID:ybKjezTc


姫「……」

勇者「ん? どうしたんだい?」

姫「あちらの方は?」

勇者「ああ、あいつかい? あいつはボクの付き人のようなものさ。気にしないで」

勇者「よく絵画に描かれてる亡者みたいだろ? だけど一応、あれでも生きてるんだ」

姫「そう……」





亡者「……」



3:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/13(日) 19:49:43 ID:ybKjezTc


勇者「さぁ、帰ろう! 王様やみんなが待つ、王都へ!」

姫「ええ……そうね」チラッ





亡者「……」



4:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/13(日) 19:54:14 ID:ybKjezTc


―城―

王「勇者よ! よくぞ魔王を倒し、我が娘を助けてくれた」

勇者「いえ、こちらこそ王様のお役に立てて光栄です」

王「ふむ……これほどの大手柄を立てても、その謙虚さとは、あっぱれな心意気」

王「おぬしなら人格も家柄もワシの娘に釣り合う!」

王「どうだろうか……ワシの娘をもらってはもらえんだろうか」

勇者「私も……実はそれを望んでおりました」

王「そうかそうか! その正直なところがまた素晴らしい!」

王「ならばこの国の建国記念の日である一週間後に、盛大な披露宴を行おうではないか!」

勇者「ありがたき幸せ!」

姫「……」



5:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/13(日) 19:58:45 ID:ybKjezTc


……

勇者「姫! どうして……どうしてボクと一緒に寝てくれないんだい?」

姫「……」

勇者「ボクとキミはもう結婚する仲なんだ! 恥ずかしがることはないんだよ! さぁ!」

姫「……ごめんなさい」

姫「私、どうしても心の中に何かが引っかかっていて……!」ダッ

勇者「姫っ、待ってくれっ!」



6:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/13(日) 20:00:50 ID:ybKjezTc


―城下町―

姫「……」ハァ…ハァ…

姫(勇者様から逃げているうちに、町に下りてきてしまったわ)

姫(早く戻らなきゃみんなに心配をかけてしまうけど……)

姫(今は一人になりたい気分だし、しばらく散策してみようかしら)スタスタ…



7:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/13(日) 20:03:16 ID:ybKjezTc


―町外れ―

姫「!」ハッ

姫(あの方は……勇者様と一緒にいた――)





亡者「……」



8:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/13(日) 20:05:33 ID:ybKjezTc


亡者「……」ガサゴソ…





姫(こんな町外れで、一人きりでボロ小屋に暮らしている……)

姫(勇者様の付き人だったのに、どうして今はこんな暮らしを……)

姫(あの方っていったい何者なのかしら……?)



9:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/13(日) 20:08:19 ID:ybKjezTc


亡者「……」スパーンッ





姫「!」

姫(ものすごい剣さばきで薪を割った!)

姫(あの方……もしかして!?)

姫(私の心の中にずっと引っかかっていたのは、もしや、あの方……!?)



10:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/13(日) 20:13:30 ID:ybKjezTc


―城―

姫「じいや……」コソッ

執事「姫様!? なぜこのようなところに!? みんな心配しておりましたぞ!」

姫「ごめんなさい……。だけど少しだけ時間をちょうだい」

執事「それはかまいませんが」

姫「私、じいやなら信頼できる……。これから私の尋ねることに正直に答えて」

執事「は、はい……なんなりと」

姫「……」

姫「勇者様と一緒に私を助けに来てくれたあの方……いったい何者なの?」

執事「!」



11:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/13(日) 20:18:25 ID:ybKjezTc


姫「……」

執事「……そのご様子では、おそらく察しはついているのでしょうな」

姫「ええ」

執事「お察しの通り、あの方こそ“真の勇者様”でございます」

姫(やっぱり……!)



12:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/13(日) 20:24:15 ID:ybKjezTc


執事「あの方は魔王を倒すためにそれこそ血のにじむような鍛錬をされました」

執事「しかし、その結果、あのような亡者を彷彿とさせるお姿になってしまったのです」

執事「そして、あの方の存在を知る人間が少ないのを幸いにと、陛下はご決断されました」



王『ワシはあのような者に“勇者”の称号を与えたくはない!』

王『戦いはあの者にやらせるとして、別に“勇者”を立てることにする!』

王『外見も家柄も人柄も、全てが“勇者”に相応しい者をな』



執事「――と」

姫「なんてひどいことを……!」



13:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/13(日) 20:27:39 ID:ybKjezTc


姫「ようするに、魔王を倒したのはあの方ということなのね?」

姫「そしてその手柄を全部、あの勇者様に奪われる形になったということなのね!?」

執事「……そういうことです」

執事「もちろん、陛下はこのことについて固く口を閉ざすよう命じられました」

姫「分かったわ……。ありがとう、じいや」

執事「姫様……」



14:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/13(日) 20:34:39 ID:ybKjezTc


勇者「やぁ、姫! 捜したよ!」

姫「……勇者様」

勇者「そんな青ざめた顔してどうしたんだい? キミには笑顔が一番よく似合うよ!」

姫「勇者様……あのね」

勇者「?」

姫「私……全てを知ってしまったわ」

勇者「な!? だ、誰に聞いたんだ!? そっ、そんなのデタラメだよ! ウソだ!」

姫「今の反応で確信してしまったわ、勇者様」

勇者「うぅぅ……」



15:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/13(日) 20:39:08 ID:ybKjezTc


姫「ごめんなさい……」

姫「あなたが悪いわけじゃないのは分かってるけど、もうあなたと一緒にはいられない」

勇者「姫っ! ま、待って――」

姫「ごめんなさいっ!」タタタッ



勇者「姫っ! 姫ぇぇぇっ!」

勇者「姫ぇぇぇ……」ガクッ



16:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/13(日) 20:42:46 ID:ybKjezTc


姫(今行きます……!)タッタッタ…



姫(全てを奪われたあなたのもとへ、参ります!)タッタッタ…



姫(真の勇者様……!)タッタッタ…



17:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/13(日) 20:43:26 ID:ybKjezTc


―町外れ―

姫「勇者様っ!!!」ザッ





亡者「!」



18:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/13(日) 20:48:58 ID:ybKjezTc


姫「勇者様……ついさっき私は全ての真実を知りました」

姫「魔王を倒したのは……私を助けて下さったのは……あなたなのですね?」

亡者「……」

姫「どうか……どうか私と一緒になって下さいませ!」

亡者「それは……できない」

姫「どうして!? 私はすでにあの勇者様に別れを告げてきました!」

姫「お父様だって私が説き伏せてみせます! 絶対に!」

姫「もはや私たちの仲を引き裂くものは、どこにも存在しないのです!」

亡者「あ、いや……そうじゃなくて……」



19:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/13(日) 20:51:01 ID:ybKjezTc


亡者「こっちにも……選ぶ権利ってあるし……」

姫「ちくしょぉぉぉぉぉ!!!」










―END―



元スレ
姫「勇者と亡者が私を助けにやってきた」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1457865893/
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    コメント一覧

      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月13日 21:59
      • なんだこれ、、、、なんだこれ、、、、
      • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月13日 22:00
      • ―BONFIRE LIT―
      • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月13日 22:01
      • これはいいなwww
      • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月13日 22:01
      • メガワロスwww
        面白い笑
      • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月13日 22:12
      • 良いオチだ
      • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月13日 22:22
      • 2 オチがちょっとだけ残念だった。
      • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月13日 22:27
      • 壮大なシリアスストーリーになるかと思ったらこれだよwww だが嫌いじゃない
      • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月13日 22:31
      • 5 それまでのシリアスな雰囲気がオチの所為で台無しだよ!
      • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月13日 22:31
      • ズコーッ
      • 10. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月13日 22:39
      • 姫のビジョンが最後に小梅太夫になっちまったぜ。
        チクショォォォォォ
      • 11. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月13日 22:46
      • オチが最高だった

        最初から最後までオチのために練られた良作
      • 12. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月13日 22:53
      • 壮大に何も始まらないオチ流行ってんのか
      • 13. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月13日 23:01
      • まぁ別に姫が美人であるとは決まってないしな
      • 14. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月13日 23:35
      • クスッときちまった
      • 15. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月14日 00:05
      • よく分からんが見た目も生活も落ちぶれてるのに自分は選べる立場だと姫の告白を蹴ったのか。こりゃ一生報われんな。
      • 16. エルプサイコングルゥ
      • 2016年03月14日 00:34
      • 嫌いじゃない。
      • 17. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月14日 00:37
      • 姫(39)
      • 18. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月14日 00:40
      • ※15
        そら、結婚したら何十年も配偶者の顔を見るからな。

        大変失礼な話だが……見るに堪えないぐらい顔がアレな方だったら、いくら金持ちでも断ると思うよ。男女入れ替えても同じことだろうし。

        リアルに交際するにも、まずは顔から入って内面は後から判断するし。
      • 19. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月14日 01:14
      • 姫は中身で選んでくれたってのにコレだよw
      • 20. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月14日 03:07
      • ※18
        ・・・言いたいことは結構あるが野暮ったくなるから言えんな。とりあえず作者がこのssの続き書いたとしたら本物勇者はモン娘辺りと結ばれるやろうなw
      • 21. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月14日 03:28
      • やはりホモは悲しみしか生まない
      • 22. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月14日 03:42
      • うっざ
      • 23. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月14日 05:12
      • あ、あら?
      • 24. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月14日 08:52
      • そこからシリアスにしない感性、嫌いじゃない
      • 25. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月14日 14:03
      • 20レス未満という長さが心地よかったw最近の冗長なのはたまに読むのがつらい
      • 26. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月14日 15:26
      • 亡者「報酬は人間性で」
      • 27. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月14日 18:26
      • 人間性を捧げよ
      • 28. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月14日 19:44
      • 5 GJ
        良い仕事だ
      • 29. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月14日 23:35
      • 5 いい話になるのかと思いきやw
      • 30. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月15日 01:32
      • シリアスに入ると思いきや盛大な肩透かしを喰らった。
        こういうのもいいな。
      • 31. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月15日 03:18
      • だが待ってほしい
        勇者(仮)の方は家柄も容姿も(人柄も)勇者に相応しいと王様が太鼓判を押すほど恵まれた人物で、そいつは姫に好意的
        つまり勇者(仮)か亡者のどちらかがB専である可能性・・・?
      • 32. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月15日 15:38
      • おいぃ⁉︎
        このオチのためによく練られた前置き好き。
      • 33. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月15日 17:09
      • 嫌いじゃない
      • 34. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月16日 01:13
      • シリアスから小梅太夫
      • 35. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月17日 22:35
      • 5 このオチは予想出来なかったw
      • 36. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年04月01日 20:48
      • 亡者と聞いてダクソSSかと思ったじゃねえか
      • 37. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年04月08日 22:20
      • とんでもねえぶったぎりオチww
        笑っちまった
      • 38. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年04月12日 23:27
      • 予想外すぎて草生えた

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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