佐藤心「やっぱり女は度胸と愛嬌☆」
P「なんですかいきなり」
P「俺は担当してる人についてはみんな大切に接してるつもりですよ」
心「そんなことありませんー嘘ついてますー」プクー
P「脚をぶらぶらさせない。子どもじゃないんだから」
心「これははぁとのハートが振り子のように悲しく揺れている証拠なのだ☆」
P「はあ、そうですか」
P「今日ミニスカートだから、あんまり激しく振ってると下着見えますよ」
心「………」チラ
心「っ!?」シュバッ!
P「神速でスカートを抑えつけるその速度を見て、俺は彼女の反射神経を活かしてスポーツバラエティの企画に出せないものかと思案した」
心「よくわからんナレーションつけんな! てゆーかどっから仕事のネタ思いついてんだ!」
P「ポ口リもありで」
心「やるなら早めに言えよ、ガチで身体絞らなきゃいけないんだから」
P「しょうがないじゃないですか。悪いとは思っていますけど、別にわざとじゃないんだから」
心「そうだけどさぁ……ほら、もっと言い方ってものが――」
P「あ、電話だ。すみません、この話はあとで」スタコラサッサ
心「ほら、ね? たとえば、急に抜けちゃった埋め合わせに食事とか……♪」モジモジ
心「って、いつの間にかいねーし!」
心「もう怒った! 本気で怒った!」プンプン
麻理菜「ああ、そう」ペラ
心「怒ったったら怒った!」
麻理菜「そう」ペラ
心「あーもうマジで怒ったね☆ これは大マジだね☆」
麻理菜「ふーん」ペラ
心「………」
心「お願いだから話聞いておくれよ~おねーちゃーん」ワーン
麻理菜「最初からそう言えばいいのに。あとおねーちゃん言うな」
麻理菜「扱いが雑、ね……そうなの?」
心「そうなの! ったく、こっちが多少芸人気質だからって失礼しちゃうぞ♪」
麻理菜「自分から芸人属性持ちだと認めていくんだ……」
麻理菜「でも、途中で急用が入っちゃうのは故意じゃないのよ? そんなに怒らなくても」
心「あんだけ急用が入るってことは普段の仕事量が多すぎるってことの証明でしょ? もうちょっと自分の身体を労われっての、まったく!」プンスカ
麻理菜「……あ、そういう気遣い方面で怒ってるんだ」
心「………あ」
心「も、もちろん単純にムカつくっていうのもあるぞ☆」
麻理菜「やさしいねえ、心は」ニコニコ
心「うぅっ……違うからな! ムカつくが9……8割くらいだから!」
麻理菜(この子、私と同い年とは思えないくらいかわいい……というか、イジリがいがある)
麻理菜「あ、Pくん戻ってきた。じゃあ私は用があるからこの辺で」
心「えっ!? ちょ、マリナル!?」
麻理菜「Pくん、私ちょっと外出てくるから。レッスンまでには戻るね」
P「はい、わかりました」
麻理菜「それと、お姫様がご機嫌斜めだから、ちゃんとフォローしておくこと」
P「はい?」
麻理菜「じゃあ」
ガチャ、バタン
P「お姫様……はて、いったい誰のこと――」
心「むすー」
P「……ああ、なるほど」
心「怒ってるわー、マジ怒ってるわー☆」ジトー
P「これほど直球な『怒ってますアピール』は初めて見る」
心「こんな時はスイーツでも食べてスッキリしたい気分だわー」チラッチラッ
P「しかもさらっと交換条件出してるし」
心「これが大人の怒り方ですー」
P「大人というか、あざといというか」
心「え?」
P「これ、駅前の店のケーキです。みんなで食べようと思っていろいろ買ってきたんで、心さんが最初に選んでいいですよ」
心「な、なんでそんな都合よく」
P「いや……俺も、心さんの時だけ現場抜けてるのは悪いと思っていたので。お詫びのしるしとして買ってきました」
P「バッチリ要望に応えられたあたり、俺たち相性いいのかもしれませんね」
心「………あ、ありがと」パカッ
心「あ、これ食べたかったやつ……うれしい♪」
P「これで機嫌直してもらえますか?」
心「……うん、許す!」ニコッ
心「なんか先読みされたみたいで、ちょっとだけムカつくけどな☆」
P「そんなぁ」
心「冗談、冗談♪」
心「『相性がいいのかも』か……ふふっ」ニコニコ
心「ん? どした?」
P「やっぱり心さんはいい笑顔するなー、と」
P「そういう顔が一番似合いますよ」
心「っ……な、なんだよなんだよ♪ いきなりはぁとを口説く気かー?」
P「別にそういうつもりじゃないですけど……怒っているよりは、うれしそうにしている顔がいいっていうのは普通でしょう」
P「特に心さんのは魅力たっぷりですから。アイドルやっていくうえで大きな武器になるくらいの」
心「そ、そうかな……」テレテレ
P「さっきまでの顔とか、膨らんで風船みたいでおかしかったですし」ハハハ
心「なんだとぉ? プロデューサー、やっぱり反省してないだろ☆」
P「あ、また怒らせちゃいましたか」
心「怒った怒った! デリカシーのない男にボディブロー食らわせたい気分♪」
P「こわっ。すみません許してください」
心「だめー、許しませんー♪」
心「許してほしいならプロデューサーのぶんのケーキもよこせ☆」
P「えー? 嫌ですよ、俺も食べたいと思ってたのに」
心「むー! ケーキとはぁと、どっちが大事なの?」
P「………」ウーム
心「本気で悩むな☆」グイグイ
P「うわっ、服引っ張らないでくださいよ」
心「プロデューサーはいっつも乙女心ってやつがわかってない!」
P「乙女……?」
心「そーいうところがわかってないって言ってんだ♪」
P「そんなこと言い出したら、心さんだって男心わかってないじゃないですか」
心「なにー!?」
P「なにおう!」
麻理菜「また喧嘩してる……」
麻理菜「けど、どっちも笑ってるし問題なさそうね」ウフフ
美優「Pさん」
P「美優さん。どうかしました?」
美優「これ……お菓子を焼いてきたんですけど、よかったらもらっていただけないでしょうか……」
P「えっ、いいんですか?」
美優「Pさんには、いつもお世話になっていますから……そのお礼です」
美優「といっても、このくらいではお礼にもならないと思いますけど……」
P「そんなことないですよ! うれしいです」
P「今いただいてもいいですか」
美優「もちろんです」
P「では早速……おお、おいしい」
美優「ほ、本当ですか?」
P「本当です、ありがとうございます」
P「これならいくらでも食べられそうだ」ガツガツ
美優「うふ……気に入ってもらえたようで、よかったです」
美優「あまり一気に食べ過ぎないようにしてくださいね」ウフフ
心「ムムム……!」グヌヌ
麻理菜「口がへの字になってるよー」
麻理菜「あの人は本当、色気と可愛げを兼ね備えた美女よね」
心「プロデューサーもデレデレしちゃって……はぁとが手作りお菓子渡した時と反応が違うぞ☆」
麻理菜「あんなにデレデレしてなかった?」
心「してなかった。フツーに『あっ、ありがとうございます』だけだった」
麻理菜「ちなみにどんな感じで渡したの」
心「『受け取れぇ♪ はぁとのスウィーティーなご褒美を☆』って感じで袋を投げつけた」
麻理菜「それは渡したあんたにも問題があると思う」
麻理菜「もっとおしとやかに渡せば、Pくんの反応も違ったと思うけど」
心「それはそうかもしれないけど……」
心「だって、ほら……面と向かって静かに渡すと、照れるじゃん……」イジイジ
麻理菜「普段グイグイいってるくせに何言ってるんだか……」ハァ
心「ぐぬぬ、耳が痛い……!」
麻理菜「本気で獲物を捕らえたいなら、なおさらね」
心「………本気で」
麻理菜「そ、本気で」
麻理菜(本当はアイドルがこんな会話しちゃいけないんだけどね……ま、心のモチベーションに関わる問題だし)
麻理菜「同郷の友達として、私はあなたを応援してあげる」ニコ
心「本気で……獲物……手に入れる……」ブツブツ
麻理菜「……お姉さん渾身のデレ台詞、聞こえてないし」
麻理菜「それじゃ、また明日」
P「お疲れ様です。気をつけて帰ってください」
麻理菜「Pくんもお疲れさま。あんまり遅くならないようにね」
ガチャ、バタン
心「………」
P「心さん? みんな帰りましたけど、まだ残ってるんですか?」
心「うん……ちょっと考え事してるから、それがまとまったら帰る」
P「そうですか。俺ももう少し作業残ってるんで、それが終わるまではいいですけど」
心「サンキュ♪」
P「……俺が力になれるようなことなら、いつでも相談してくださいね」
心「うん。多分それは一生ないと思う」
P「?」
心「うーん……」
P「………」カタカタ
心「度胸と愛嬌……どうしたらいいかなぁ……」
P「……もうちょっと頑張れるか」カタカタ
心「どうしたら………」
心「あんなこととか、こんなこと……」ウトウト
P「……よし、終わった!」
P「心さん、そろそろ帰りましょうか……って」
心「すぅ………」グッスリ
P「寝てる……ここのソファー、座り心地いいもんな」
P「毎日レッスンしてるし、疲れが溜まってるのかな……」
P(……しかし。こうして寝顔を見ていると、改めて美人だとはっきりわかる)
P(普段はかなーり元気でアグレッシブだから忘れがちだけど……きれいな人だ)
P(このままずっと見ていてしまいそうな……)
P「………」ジーー
心「すー……すー」
心(え、なにこの状況)
心(うとうとしていたと思ったら、いつの間にかプロデューサーがこっちをガン見している件について)
心(なにこれ、なにこれ? めっちゃくちゃ照れるっていうか、どうしたらいいかわかんないんだけど!)
心(今目が覚めたフリして起き上がる? でもでも、このまま待ってたらプロデューサーのほうから何かしらのアクションがある可能性も)
心(ていうか、そもそもコイツはなんではぁとの寝顔に夢中なの? 惚れてるの? だったらめっちゃうれしいけど!)
心(き、きれい……!?)キュン
P「黙ってれば」
心(余計なお世話だコノヤロー☆)
P「あれ、今顔が引きつってたような」
心(……いつまで見てるつもりなんだろ。もう10分くらい経ってる気がする)
心(こんなの、相当な暇人か……それか……見惚れてるか、しかなくない?)
心(プロデューサーは仕事忙しいから暇じゃないし。だとしたら……)
心(はわわわわ……!)
心(も、もしかして。このまま寝顔にそっと口づけなんて、ロマンチックな展開が)
P「………」
心(来い、来い! ロマンチックな何かが来い!)
P「………」
P「そろそろ起こすか」
心(なんでだーっ!)
がしっ
P「えっ」
心(しまった、思わず腕をつかんじゃった!)
心「あ、えっと……」パチッ
P「あー……もしかして、起きてました?」
心「………うん」
P「す、すみません。俺、ちょっとぼーっとしてて」アタフタ
P「か、帰りましょうか。もう外も暗いし」
心「え……」
心(さ、散々やきもきさせといてこれで終わり?)
心(そんなことが許されるだろうか、いやない)
心(女は度胸と愛嬌……愛嬌はさっきの寝顔で見せつけたはず)
心(だったら、あとは)
P「……心さん? あの、そろそろ手を離してもらえると」
心「……コンジョーなしめ」グイッ
P「うわっ!?」
心「そっちがそのつもりなら、こっちから行ってやるんだからな……!」グググ
P「ちょ、なに顔近づけて……まさか」
心「覚悟決めろ☆」
P「だ、ダメですよ! 俺はプロデューサーで、あなたはアイドルで」
心「………」
心「……今だけ、全部忘れて」
P「心さん……」
心「プロデューサー……」
美優「すみません。私、ここに忘れ物しちゃったみたいなんですけど……」ガチャリ
P「」
心「」
美優「………」
美優「し、失礼しました……っ!」ダダダー!
心「ちょ、ちょっと待って美優ちゃん! これは違うの!」
P「無言で逃げないでくださいー!」
麻理菜「なるほど。私が帰った後にそんなことが」
麻理菜「それで朝から、美優ちゃんがPくんに恨めしげな視線送ってるのか」
美優「………」ジトー
P(仕事しづらい……)
心「なんか、保たれてた均衡が崩れた感が半端ないんだけど」
麻理菜「………」
麻理菜「ガンバレ!」ポン
心「……ま、それしかないよね♪」
心「こんなんじゃキスは遠いかなーとか弱音吐いてる場合じゃない!」
心「やってやる、やってやるぞ!」グッ
麻理菜「次回、シュガーハート荒野に散る」
心「変なナレーションつけんな☆」
おわり
ところどころ某エ口ゲOPリスペクトです
前に書いたSS
モバP「桐生つかさは意外と……」
元スレ
佐藤心「やっぱり女は度胸と愛嬌☆」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1453495231/
佐藤心「やっぱり女は度胸と愛嬌☆」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1453495231/
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- 黒井「765のプロデューサーは静かに笑う」
- モバP「きらりいいいいいい!」 きらり「にょ、にょわあああああ!?」
コメント一覧 (32)
-
- 2016年01月23日 08:25
- ありがとう…ありがとう……
-
- 2016年01月23日 08:55
- 心
か
-
- 2016年01月23日 09:06
- 可愛い年長組ほんとすき
-
- 2016年01月23日 09:13
- お前らがはぁとさんに気を取られてる間に、美優さんと式挙げてきますね
-
- 2016年01月23日 09:13
- しゅがはさん最高かよ
-
- 2016年01月23日 09:51
- 心さん、最高かよ
-
- 2016年01月23日 09:53
- 美優さんにジトーされる・・・
最高じゃないか!!
-
- 2016年01月23日 10:19
- 何この心さんかわいい
何この美優さんかわいい
-
- 2016年01月23日 10:53
- 美優さんの手作りお菓子が食べたいだけの人生だった
美優「………」ジトー
「(もう、興味を失ってしまいましたか。私に...)」
「(そういう人だったんですね。)」
-
- 2016年01月23日 10:55
- 美優さんとしゅがはさん、両天秤にかけられるなんて最高じゃないか。
-
- 2016年01月23日 10:55
- あー、またやったなー?
-
- 2016年01月23日 11:19
- 美優さんにそういう人だったんですね…って言われながら俺のチン・ポコ太をしゃぶり尽くして欲しい
-
- 2016年01月23日 12:06
- もし接触現場直撃だったらハイライトオフ必至やな…だが、それもいi
-
- 2016年01月23日 12:18
- 強気っ好きっす
-
- 2016年01月23日 12:59
- 初代つよきすがもう一度10年近く前の作品だと言う事実
-
- 2016年01月23日 13:07
- へい!へい!へへい!
-
- 2016年01月23日 13:23
- 美優さんもしゅがはさんも大好きです。でも早苗さんはもーっと好きです
-
- 2016年01月23日 14:03
- やっべぇなにこのハート可愛すぎる
-
- 2016年01月23日 15:04
- ふたりは幸せなキスをして終了
-
- 2016年01月23日 16:00
- 2人のどちらか、と考えるから駄目なんだ。
逆に両方頂くという思考をだな…
-
- 2016年01月23日 18:24
- つよきすにツンデレはほぼいないから、ツンデレでないしゅがはさんがつよきっすきっす!してもかまわないのだ
-
- 2016年01月23日 19:55
- 事務所の若い娘とイチャイチャして、美優さんに白い眼でみられたいだけの人生だった
-
- 2016年01月23日 20:12
- ※23
ピヨッ!?
-
- 2016年01月23日 20:29
- 麻理菜お姉ちゃんいいぞこれ
・・・あのゲームはむしろヤンデレ入門に向いてますよね
-
- 2016年01月23日 23:59
- シュガハさんほんとかわいいわあ
-
- 2016年01月24日 01:00
- 26歳のアイドル3人で、オーバーレイ!
十年経ってもいまだに疑問なのは、なぜ近衛素奈緒という設定てんこもりヒロインを最初から出さなかったのかということ
-
- 2016年01月24日 01:38
- ※27
最近つよきすに触った者だけど
近衛はあれ、ちょっと付き合いを小学生以前からに設定したら完全にテンプラのヒロインやん
強気っ娘ってコンセプトが薄れそうだから後発で良かったと思うんだが…
-
- 2016年01月24日 02:04
- ※24
年増は黙ってろ焼き鳥にすんぞ
若い娘って言ってるだろ
-
- 2016年01月24日 13:21
- なんでや!?小鳥さん(まだ)若いやろ!?
-
- 2016年01月24日 18:54
- 心さん麻理菜お姉ちゃん美優先輩に囲まれてよしよしされたいだけの人生だった(小梅に憑依する音葉)
-
- 2016年01月26日 22:13
- コメ欄おっさんだらけやないかい!
ありがとう