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酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった4【前半】

関連記事:酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった3【後半】





酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった4【前半】






3:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/06/29(水) 21:14:29.99 ID:iq4xJIGY0

591

--東の王国、会議室--

新王「!!まさか!?」

通信兵「っ!!2カメ!!」

映像が切り替わり、選抜兵の姿が映し出される。

選抜兵『がっあぁ!!』

狐男「こんっ!?」

モニターには、ランスに串刺しにされている選抜兵の姿が映った。

東の王「なんだと!?あの距離を一瞬で詰めたとでも言うのか!?」

試作もこもこ『……にぃっ』

ベチャア!!

もこもこは選抜兵を思い切り地面に叩きつけると蹴りあげた。

ベボキッ!



4:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/06/29(水) 21:15:11.56 ID:iq4xJIGY0

592

--東の王国、会議室--

選抜兵『ッ!!』

東の王「作戦を中止する。控えている兵に連絡を取って選抜兵を回収しろ!!」

通信兵「東の王様……選抜兵が歯が立たない相手なんですよ。普通の兵が行った所で回収すら……」

東の王「奴を失うわけにはいかん!」

試作もこもこ「ヨワッチィナァ」

試作もこもこはガトリングの銃口を選抜兵に向ける。

レン「何をするつもりにゃ……」

槍兵「止めをさす気だ!」

バルルッ!!

ツインテ「ひっ!?」

妃「ッ!」

画家「……」

吹き飛ぶ肉片。



5:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/06/29(水) 21:16:14.09 ID:iq4xJIGY0

593

--東の王国、会議室--

ポニテ「そんな……」

医者「ッ……」

試作もこもこ「……ギヒ」

モニターにはかろうじて胸部から上が繋がっている選抜兵が映し出された。


--湿地帯、ファクトリー--

赤もこもこ「おもったより威力ないもきゅー」

緑もこもこ「連射数も大したこと無いし射程距離も微妙だもきょ」

青もこもこ「もきょ……?」



6:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/06/29(水) 21:18:35.46 ID:iq4xJIGY0

594

--湿地帯、ファクトリー--

黄もこもこ「でも攻撃の選択肢が増えるのはいいこともきゅ」

茶もこもこ「だから魔力武器を積んだ方がいいって言ったもきゅ」

灰もこもこ「燃費も考えなきゃいけないもきゅからねぇ。中々難しいもきょ」

青もこもこ「もきょ……?」

もこもこ達は絶えず送られてくる情報を元に、もきゅもきゅ会議をしている。

赤もこもこ「やっぱしどこでも用をたせる水洗便所を内臓させたほうがよかったんじゃもきゅ」

黄もこもこ「デザインに難が出るもきゅ!」

灰もこもこ「でたー!デザイン厨もきゅ」

茶もこもこ「えーマジデザイン厨!?キモーイ」

赤もこもこ「デザイン厨が許されるのは小学生までだよねー」



7:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/06/29(水) 21:19:54.86 ID:iq4xJIGY0

595

--荒れ地ー--

選抜兵「……」

試作もこもこ「シンダカ」

試作もこもこは動かなくなった選抜兵をランスで突く。

試作もこもこ「エート、コウイウトキハナントイウベキダッタカ」

試作もこもこはうろうろしている。

試作もこもこ「ア、タワイモナイ。タワイモナイ……タロイモナイ?」

選抜兵「なに言ってんだよ黒光」

試作もこもこ「ヌ!?」

試作もこもこの後ろに立っていたのは、

東の王「!!あいつめ変わり身を使っていたのか!道理であっさりし過ぎていると思った!!」

辻切り「否……」

新しく現われた選抜兵は高台から飛び降りた。



8:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/06/29(水) 21:20:26.76 ID:iq4xJIGY0

596

--荒れ地ー--

試作もこもこ「!ニガサ、ナイ!」

ジャッ

爆発的なスピードでそれを追い掛ける。

通信兵「残念ですが東の王様、変わり身は今逃げた方です」

東の王「!?」

剣豪「じゃなきゃわざわざ注意を向かせてから逃げる意味がねぇ」

じゅる

選抜兵の肉片から白い糸のようなものが伸び、選抜兵の肉片に向かっていく。

通信兵「選抜兵の十八番です。体の中に粘菌治癒スライムを飲み込んでおいたんです」

医者「奥義、死んだふりですか」

辻切り「一回くらいなら死なないでござる」



9:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/06/29(水) 21:21:03.27 ID:iq4xJIGY0

597

--荒れ地ー--

試作もこもこ「ヌ……ナンダコレ?カミニナッタゾ」

試作もこもこはランスで貫いたはずの選抜兵が髪に変わって驚いている。

選抜兵(復活……だけど体力が全快するわけじゃないからな……早いうちに決める)

選抜兵は札を引きまくる。

選抜兵(ちゃんとランダムに引かないと強い効果にならないって面倒だ)

試作もこもこ「ナンカ、ハンノウガアルナ」

トッ

試作もこもこは一足で十メートルの高さを跳躍する。

選抜兵「!気付かれたたか!」

試作もこもこ「マ、マタイル……ドウイウコトナノ?」

試作もこもこは困惑していた。



10:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/06/29(水) 21:21:42.24 ID:iq4xJIGY0

598

--荒れ地ー--

選抜兵(少しでも、持たせなくちゃならない!!)「ドロー!!」

選抜兵は札を引く。

選抜兵(この札は……)「俺は幻覚使いを攻撃表示で召喚する」

試作もこもこ「ヌ」

ボゥン

現われた幻覚使いを試作もこもこが視認する。

試作もこもこ「モ、モコミチサン!?ナゼコンナトコニ!!」

もこみち「もきゅ」


--湿地帯、ファクトリー--

赤もこもこ「な、なんでこんなところにもこもこ界のスーパーアイドル、もこみちさんがいるんだもきゅ!?」

黄もこもこ「僕も会いたいもきゅ!サイン欲しいもきゅ!」

灰もこもこ「人間の戦いのパターンは複雑で数も多いもきゅなぁ」

茶もこもこ「これを機に勉強するもきゅ」



11:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/06/29(水) 21:22:31.70 ID:iq4xJIGY0

599

--荒れ地ー--

選抜兵「ドロー、装備札、黄金剣!」

幻覚使い「うしゃあ」

幻覚使いは剣を取ると試作もこもこを切り付ける。

ぎしぃん

選抜兵「っ、ちょっとしか傷がつかない!」

試作もこもこ「モ、モコミチサンヤメテ!ボクダヨ!」

爽やかスマイルで剣を降り続けるもこみち、

選抜兵「ドロー、装備札、マスクオブメル発動!」

選抜兵が札に魔力を込めると奇怪なマスクが飛び出し、幻覚使いの顔にフィットする。

試作もこもこ「ギャアア!モコミチガヘンナマスクヲ!!」

選抜兵「更にドロー!俺は速攻魔法札、阿修羅を使うぜ!」

選抜兵が札を使うと幻覚使いの腕が増えた。

試作もこもこ「ギャアア!?コレナンテラスボス!?」



12:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/06/29(水) 21:23:04.85 ID:iq4xJIGY0

600

--荒れ地ー--

フォンフォン

試作もこもこ「イ、イタイ、イタイヨモコミチ!ボクラノモコミチニモドッテヨ!」

選抜兵「まだまだドロー、俺は魔法札、自爆札を使うぜ!すまない……幻覚使い……」

幻覚使い「……」

幻覚使いは動きを止めた。

試作もこもこ「?ヤ、ヤットワカッテクレタンダネ!?モコミチ!」

試作もこもこは手を広げ、爽やかスマイルのもこみちに駆け寄った。

試作もこもこ「モコミチー」

もこみち「にこ」

ドバーン!!

試作もこもこが触れる直前、もこみちが不細工になって爆発した。

試作もこもこ「モコミチィィィ!?」

シュウ~

選抜兵「はぁ、はぁ……やったか?」

選抜兵は態勢を立て直して煙の中にもこもこを見つけようとする。

選抜兵「……この戦いが終わったらあいつに結婚を申し込むか」



31:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/04(月) 22:02:39.23 ID:iZt2yEfY0

601

--東の王国、会議室--

通信兵「……なんかまずいセリフ口走ってますね」

通信兵は何か嫌な予感を感じ取る。

選抜兵『妹の結婚式にもでないと』

医者「や、やめなさい選抜兵君!貴女妹いないでしょ!」

選抜兵『ふふ、奴の相手は俺一人で十分です。お下がりください』

アッシュ「誰に言ってるんだ!?」

選抜兵『えぇい!!人殺しと同じところにいられるか!俺は自分の部屋で寝る!!』

槍兵「無駄にフラグ立てまくってんじゃねぇよ!!」

もくもく

案の定煙の中から現われるもこもこ。

選抜兵『なん……だと』

妃「うるせーよ!」



32:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/04(月) 22:03:17.58 ID:iZt2yEfY0

602

--荒れ地--

試作もこもこ「キサマァ……」

もこもこはイライラしていた。

選抜兵「ドロー、」

試作もこもこ「ソノチカラカ」

ドジャッ

選抜兵の左腕が吹き飛ばされる。

選抜兵「だっ!!」(くそ、はええよ!)

試作もこもこ「ギィ……」

選抜兵(こいつ相手に何度もチャンスはない、ならやるしか!)

バッ!

選抜兵「スキル、ファイナルドロー!」



33:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/04(月) 22:04:11.43 ID:iZt2yEfY0

603

--荒れ地--

辻切り「!勝負に出たでござる!」

魔法使い(あれは確か、その戦闘で二度とカードを引かない代わりに、カードの力を上昇させるスキル)

キバ(カードって言っちゃった)

魔法使い(おまっ!……心読むなよ)

キバ(てへっ!)

選抜兵「俺の引いた札は……来た!」

選抜兵はその札を天に掲げる。

選抜兵「俺の切り札を見せてやるぜぇぇ!」

通信兵「さっき積み込みしてたくせにわざとらしい。引けるってわかってたんですよあの人」

画家「汚い、さすが忍者汚い」



34:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/04(月) 22:04:55.12 ID:iZt2yEfY0

604

--荒れ地--

選抜兵「デッドアイズブラッドドラゴン〈死眼の血竜〉召喚!!」

ズドギャァァン!!

略してデッドラ『ゴメンネ、ヘンナナマエツケラレテルケド、タダノバジリスクナノ。ゴメンネ』

レン「厨ニ乙」

試作もこもこ「コレハ……」

試作もこもこは目の前に現れた赤い竜を眺めている。

試作もこもこ「ウツクシイ……」

召喚士(しかし切り札が竜種とはやるでやんす。てかむかつくでやんす)

人形師(ちゃんと成体ですしねぇ。羨ましい才能ですねぇ)

選抜兵「行けデッドラ!!」

デッドラ『ぎゃおー』



35:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/04(月) 22:05:45.28 ID:iZt2yEfY0

605

--荒れ地--

デッドラが腕を振るうとカマイタチが発生し、試作もこもこを襲う。

ギャシィン!

試作もこもこ「ギァ!」

しかし鎧に傷一つつかず。

変化師「か、硬い!……そして黒い」

ダッ

試作もこもこは飛び込んだ。

デッドラ『!サイキョウセイブツナメンナヨ!』

ドギャ!

試作もこもこ「!?」



36:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/04(月) 22:06:16.40 ID:iZt2yEfY0

606

--荒れ地--

デッドラの尻尾がもこもこを吹き飛ばす。

デッドラ『ぎゃるる』

デッドラの口から魔力が零れる。それはまるで赤い霧のように辺りを埋め尽くし、死を孕んだ臭いが世界を侵食していく。

試作もこもこ「ッ!」

ドギューン!

そして放たれる魔力弾。赤い血反吐のようなそれは、もこもこに命中した後も直進し、荒野を赤く染めた。

剣豪「竜の咆哮は相変わらずこぇぇ」

ポニテ「血の混じったゲロみたい」

選抜兵「……今度はフラグとか無しで、死んでおいてくれないと困るんだが」

選抜兵は、鎧が溶かされて人の骨格のようなものが露出したもこもこを見つける。



37:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/04(月) 22:06:46.47 ID:iZt2yEfY0

607

--荒れ地--

試作もこもこ「……ギィ」

東の王「竜の咆哮で……死なぬとは」

新王「こんな奴が二万もいるんですか……」

新王は汗とともに髪の毛を落とす。

魔法使い「ステータス上昇した竜でこの様か。まるで城のような防御力だな」

キバ「それだけじゃないよ。傷口の表面が早くも再生し始めている」

見るとじゅくじゅくと脈動しているもこもこの体。

槍兵「パワー、スピード、ディフェンス。どれをとっても一級品かよ。せこいじゃねぇか」

吟遊詩人「ららら~。ならば知恵で勝てばいいわけです~」

妃「ただ野獣のように攻撃してくるんならなんとかなりそうですね~。戦況を把握して指示を出してくる司令官タイプでもいたらやっかいですが~」

新王「いずれにせよ早めに叩かないとまずそうだ」



38:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/04(月) 22:07:15.28 ID:iZt2yEfY0

608

--荒れ地--

ざり

選抜兵「……デッドラ」

デッドラ『モウイイノ?マダウゴイテルケド』

選抜兵「あぁ、いいんだ。よくやってくれた」

選抜兵はデッドラの頭を撫でる。

選抜兵「あとはこっちでなんとか出来る」

デッドラ『ソッカ』

デッドラは選抜兵の顔の高さまで頭を下げた。

デッドラ『キミガボクヲツカッタノハ、コンカイデ3カイメダ』

選抜兵「あぁ」

デッドラ『ジャア契約ハ……コレニテ完了シタ』



39:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/04(月) 22:07:43.05 ID:iZt2yEfY0

609

--荒れ地--

選抜兵「……」

ボッ

選抜兵の持っているカードが燃える。

デッドラ『キミトノタタカイハオモシロカッタヨ』

選抜兵「……なぁ。もう一度契約しないか」

デッドラ『――ダメダヨ。契約ハ、一人ニツキ一度ダケナンダ……』

デッドラは目を細めて選抜兵を見つめている。

選抜兵「そっか」

選抜兵は素っ気なく返してもこもこに近づいていく。

選抜兵「東の王様、敵の討伐完了しました。これから捕獲します」



40:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/04(月) 22:08:11.88 ID:iZt2yEfY0

610

--荒れ地--

ザッ

東の王『うむ。ご苦労』

選抜兵は腰からロープを取り出して解き始める。

試作もこもこ「……」

通信兵『……!?逃げなさい選抜兵!!そいつは自爆する気です!!』

選抜兵「なに?」

ボコッ

もこもこの体が膨れ上がる。

試作もこもこ「捕獲ハサセナイ、敵ニ味方ノ情報ハ売ラナイ」

選抜兵「っ」

通信兵のおかげで一瞬早く反応出来た選抜兵、だが、

ボココ

回避出来ず。

ドガァァァァァァン!!



41:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/04(月) 22:08:41.52 ID:iZt2yEfY0

611

--荒れ地--

通信兵「選抜兵!選抜兵!?応答してください!!」

ザ、ザザー

新王(電波障害……?)

東の王「くっ……」

ザッザザッ

通信兵「回線が回復しました!」

モニターに映ったのは、

選抜兵「……お前」

デッドラ『……』

デッドラが選抜兵に覆いかぶさっている。

通信兵「あっ!!」



42:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/04(月) 22:09:14.62 ID:iZt2yEfY0

612

--荒れ地--

選抜兵「契約は、切れたんじゃないのか?」

デッドラ『ウン……。ダカラコレハ君ヲ守ッタワケジャナイヨ』

たまたま爆発と君の間に入っちゃっただけ、とデッドラは呟く。

選抜兵「そうか……」

デッドラ『ソウダヨ』

通信兵『せ、選抜兵!!よかった……!』

剣豪『ふん、危なっかしぃんだよお前は』

ツインテ『ほっ』

レン『なんとか倒せたみたいだにゃ』



43:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/04(月) 22:09:50.48 ID:iZt2yEfY0

613

--荒れ地--

選抜兵「じゃあこれで終わりだ。さらばだ相棒」

デッドラ『サヨナラ、ボクノ選抜兵』

バサッ

デッドラは重たい羽をはばたかせ、青い空へと飛んで行く。

選抜兵「……」

選抜兵は最後にもう一度だけデッドラに目をやる。

デッドラ『……』

するとデッドラもこちらを向いた。
気がした。

選抜兵『こちら選抜兵、すいません、敵の捕獲に失敗しました。これより帰還します』



44:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/04(月) 22:10:42.91 ID:iZt2yEfY0

614

--湿地帯、ファクトリー--

赤もこもこ「あーららー、負けちゃったもきゅ」

青もこもこ「まぁ仕方ないっちゃ仕方ないもきゅが……中々一筋縄ではいかんもきゅね」

茶もこもこ「こんなんで人類淘汰出来るもきゅ?あっちは僕達より数多いんだもきゅよ」

灰もこもこ「その点なら大丈夫もきゅ。人類は数は多いけどそのほとんどが戦えない個体ばかりだもきゅ。さっきのあいつレベルの使い手は、きっと五十人もいないもきゅ!」

緑もこもこ「おー!それなら楽勝もきゅ!さーてと」

??「作業に戻れきさまら」

赤もこもこ「もきゅ!?」

ずりゅずりゅ

頭部が異常なまでに肥大化した黒い生物が現われた。



45:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/04(月) 22:11:39.98 ID:iZt2yEfY0

615

--湿地帯、ファクトリー--

青もこもこ「おー指揮官型もこもこー。調子はどうもきゅ?」

??改め指揮官型もこもこ「きさまらセカンド風情にどうのこうの言われるまでもない」

黄もこもこ「な、なんて口のきき方もきゅ!?お前らを作ったのは僕達もきゅ!!」

指揮官型もこもこ「黙れ!下等なセカンドめが!」

指揮官型もこもこから触手が伸びて黄もこもこをひっぱたく。

ばちん

黄もこもこ「もきゅー!!」

赤もこもこ「お、親に手をあげるだなんて……ひどい子もきゅ!」

指揮官型もこもこ「きさまらが我々を戦闘特化に作ったおかげで、我々は一切創作ができん……きさまらがまだ生きていられるのは何かを作り出せるからだ」



46:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/04(月) 22:12:19.80 ID:iZt2yEfY0

616

--湿地帯、ファクトリー--

緑もこもこ「……もきゅ?まだ生きて?」

指揮官型もこもこ「きさまら開発チーム以外は全て我らの燃料とする」

青もこもこ「!?お、お前達!まさかもこ美まで!?」

指揮官型もこもこ「セカンドの固有名称などわからぬわ」

茶もこもこ「ひどいもきゅ!!なんでこんなひどいことするもきゅ!!」

指揮官型もこもこ「区別は必要だ。もちろん差別もな」

灰もこもこ「人間のデータ入れまくったせいで僕らの身がやばいもきゅ」

指揮官型もこもこ「さぁ目覚めろ我が同胞達よ!!」

バシャッ、バシャシャッ

次々に培養池の中から飛び出してくる新型のもこもこ達。



47:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/04(月) 22:12:51.92 ID:iZt2yEfY0

617

--湿地帯、ファクトリー--

指揮官型もこもこ「先祖代々の恨みを我々が晴らすぞ……人類への復讐の時が来た」

びちびち

上半身が人型、下半身が魚のもこもこは陸上でびちびちともがいている。

砲台型もこもこ「指揮官殿ー。海中型もこもこ君がうるさくて聞こえませんー」

びちびち

指揮官型もこもこ「うるさいぞ海中型もこもこ!静かにしろ!」

びち

海中型もこもこ「ひゃ、ひゃい」

指揮官型もこもこ「この時代でも、すでに我々のステージに到達するまでに数多くの同胞を失っている!!もはや一秒たりとも」

運搬型もこもこ「指揮官殿ー。海中型もこもこが動かなくなりましたー」

指揮官型もこもこ「なぁぁあにぃぃぃ!?」

土中型もこもこ「やっちまったなぁ!!」

緑もこもこ「こ、これから僕達どうなっちゃうんだろうもきゅ……」



48:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/04(月) 22:13:36.42 ID:iZt2yEfY0

618

--東の王国、会議室--

ツインテ「来ます!」

アッシュ「!?何が来るんだツインテ!?」

吟遊詩人「ららら~呼び捨てすんな~」

ドゴッ

アッシュ「ぎゅっ!?」

アッシュは鳩尾に謎の衝撃を受ける。

アッシュ「あが」

吟遊詩人「♪」

画家「ぎゃはは!ばーか!」

ポニテ「うぅ、私達嫌われてる?」



49:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/04(月) 22:14:19.04 ID:iZt2yEfY0

619

--東の王国、会議室--

東の王「何が来る……?」

ツインテ「もこもこ達が……東の王国を攻めようとしています!」

東の王「!!」

新王「くっ」

剣豪「規模は?」

ツインテ「規模……」

ツインテはもこもこと通信する。

ツインテ「ぜ、全勢力……です」

東の王「非常警報を鳴らせ!奴らを国土の外で迎え撃つ!!」

通信兵「はっ!」

新王「……妃。君は王国に戻ってくれ」

妃「?なんでですか~?」

新王「王国が攻められないとも限らない。僕達はあまりに力を集結し過ぎている」

妃「……まぁ、だるいのは嫌ですし~わかりました~」



50:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/04(月) 22:15:31.05 ID:iZt2yEfY0

620

--東の王国、会議室--

東の王「お前は残るのか?新王」

東の王はいつもと変わらぬ険しい顔つきで訊ねる。

新王「……もちろん。僕はここで戦いますよ」

東の王「……国家元首自ら手助けしてくれようとは。我が国を代表し、礼を申し上げる」

そういって東の王は頭を下げた。

東の王(どうせあの女は役にたちそうもないしな。こいつが残るならそれでいい)

変化師「……」

東の王「それではこれから迎撃の準備に入る!それまで客人達は連絡が来るまで何をしていても構わん。以上!」

槍兵「やれやれ。……楽しくなってきたなぁ」

槍兵はにこにこ笑いながら槍を掴む。

新王「妃、門まで送ろう」

妃「はぁ~?門まで行くのにそんなの」

新王「……」

妃「仕方ないので送らせてあげます~」

変化師「……」

その二人を後方から睨んでいる変化師。



59:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/06(水) 21:36:58.62 ID:BKaZGR/N0

621

--東の王国、会議室--

妃「じゃあお母さんは一足先に王国にもどりますね~」

ぎゅっ

ツインテ「はい。お母さんも気を付けて」

妃「危険なことや、Hなことされそうになったらすぐ吟遊詩人達にいいなさいね~」

すりすりと顔を擦り付ける妃。

ツインテ「わ、わかりましたから、ってH!?」

スッ

妃「じゃあ頑張ってねツインテちゃん~」

ひらひらと妃は手を振って、新王と共に部屋から出ていった。



60:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/06(水) 21:37:46.67 ID:BKaZGR/N0

622

--東の王国、会議室--

吟遊詩人「ツインテちゃんの警護はお任せを~ららら~」

画家「ぎゃはは!私達が完全防護だよ!!」

三騎士の二人がツインテの傍に立つ。

剣豪(最近変化球タイプばっかりだぜ。もっとこう拳と拳で語り合うようなやつはいねぇのかよ)

アッシュ「……ツインテちゃんマジお姫様」

ポニテ「うぅ、なんか一気に距離が開いてしまった感があるよ!」

レン「ツインテ達は部屋の中央のVIP席。レン達は部屋の端っこで立たされてるにゃ」

辻切り「拙者のツインテ殿が遠くに行ってしまったでござる……」

四人は吟遊詩人達と仲よさげに会話しているツインテを見てきゅんきゅんしちゃう。



61:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/06(水) 21:38:17.15 ID:BKaZGR/N0

623

--東の王国、城--

かつんかつん

妃「ここまででいいですよ~」

新王「そう?」

妃「はい~。一階まで行って帰ってきたらあなたも大変でしょ~?」

新王「まだ一線で戦えるつもりなんだけどね、自分的には」

妃「うふふ~。またまた~それに他に目的があってこんなことを言い出したんじゃなくて?」

新王「……気付いてた?」

妃「長年の付き合いですから~……なんて言いたいですけどね~」

新王「……」



62:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/06(水) 21:39:01.42 ID:BKaZGR/N0

624

--東の王国、城--

妃「じゃあ先に行ってます~あなたもお気を付けて~」

コッコッ

妃は一階への階段を降りていく。

新王「……」

新王は妃が見えなくなるまで見守ると、

新王「変化師君……だったね」

変化師「っ!!……お、おで」

ぎゅるん

後ろの壁に擬態化していた変化師が姿を現した。



63:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/06(水) 21:39:50.82 ID:BKaZGR/N0

625

--東の王国、城--

新王「ゴタゴタで闘士君の葬式に行けなかったから、君と会うのは今日が初めてだね。でも君という存在は知っていたよ。色々……調べていたから」

変化師「お、おで」

新王「……見れば見るほどそっくりだ……まるであの頃に戻ったと錯覚してしまうほどに」

変化師「……」

新王「すまなかった」

新王は深く頭を下げる。

変化師「あ、貴方たちがおじさんを見殺しにしたのは、ほ、本当か」

新王「……」

変化師「あ、貴方たちが生き延びるために犠牲にしたというのは、ほ、本当か」



64:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/06(水) 21:41:20.78 ID:BKaZGR/N0

626

--東の王国、城--

新王「……僕や妃と闘士君では担当する戦闘区域が違った。だから僕自身は闘士君の死に目に会うことは出来なかった」

変化師「……」

新王「でもみんなを見捨てて逃げたのは紛れもない事実だ」

変化師「!?」

新王「僕があのパーティから抜けたことによって生き返れなかった人がいたのも事実だ」

変化師「ッ!!」

新王「僕はあの日敗北を恐れ、無理やり踊子さんを連れて逃げ出した。困窮している仲間達の制止を振り切って」

ダンッ

変化師は新王の肩を掴む。

新王「……全てを裏切って僕は今、王様という立場にいる。誰よりも卑怯で最低なのに、玉座でふんぞり返っているんだ」

ドガッ!!

変化師は、新王を殴り付けた。



65:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/06(水) 21:42:13.15 ID:BKaZGR/N0

627

--東の王国、城--

変化師「そ、それじゃあやっぱり、あ、あんた達が闘士おじさんを殺したんだ!!な、なのになんでアンタ達は平然と生きてられる!?」

新王「……」

新王は出血した口を拭う。

変化師「お、おでバカだからわからない!で、でも、なんであんなに優しくていい人だったおじさんが死ななきゃならないんだ!」

変化師は再び新王を掴んで立ち上がらせる。

変化師「き、きっと闘士おじさんは優しいから!な、仲間に見捨てられても笑ってすましちゃうんだ!み、みんなが助かるならそれでいいって!!」

ギリギリ

変化師「な、なんでだよ!!な、仲間だったんだろ!?な、なんで見捨てたりしたんだよ!?」

新王「……………………命に順位を付けてしまった」

新王は静かに目を瞑る。



66:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/06(水) 21:43:49.55 ID:BKaZGR/N0

628

--東の王国、城--

新王「それがきっと、最悪な行為だった」

変化師「あ、アンタ達は最低だ!!と、闘士おじさんは命に順位なんかつけやしない!!つ、つけるとしたら自分より他人を優先する人だった!!」

変化師はポタポタと涙を溢す。

新王「そうだね。闘士君は聖人のような人だったよ。仲間を守るためなら自己犠牲をもいとわない」

バチイン!!

変化師は新王に張り手を食らわす。

ドガっ!

新王「ぐっ」

変化師「そ、その優しさをアンタ達は!!……し、死んだ後も墓参りにもきやしない!墓に置いてあるのはいつも誰が持ってきたのかわからない花が一束だけ!あ、あんた達はおじさんの命を食った自覚があるのか!?」

新王(花束……)「ある」

変化師「!?」

新王「僕は闘士君を助けられなかっただけでなく、仲間を見捨てた罪人だ。だから、君や闘士君の親族に殺されるならそれもよしと考えていた」



67:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/06(水) 21:45:04.09 ID:BKaZGR/N0

629

--東の王国、城--

変化師「……」

新王「でもそんなの闘士君は望まない!何かが解決するわけじゃない……」

変化師「……っ」

新王「だから僕は、一人でも多くの人々が幸せになれるように、国に従事することを決めた。ニートが、引きこもりが、少年犯罪が、いじめが、もう起きないようにと」

新王はガクガクと震えながら立ちあがった。

変化師「そ、そんなことをしたぐらいで」

新王「あぁ、それでも償えないだろう。だから君にあったら言っておきたかった。もし今後僕が償いをやめたら、なんの成果も残せなかったら、これをもって僕を殺しに来てほしい」

そういって新王は王冠の装飾がついたナイフを変化師に渡した。

変化師「こ、これは……」

新王「僕のキングキラーだ。それがあれば僕は何の抵抗をすることも出来ずに死ぬ。そしてそれを使えば殺人に問われることもない」



68:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/06(水) 21:46:11.21 ID:BKaZGR/N0

630

--東の王国、城--

変化師(キ、キングキラー……王が作る王殺しの権利。じ、自分が最も信用における人にのみ渡す、世界で一番危険なナイフ……)

変化師はナイフをまじまじと観察する。

変化師「ほ、本物か」

新王「もちろん。そうでなくては意味が無い」

キングキラーとは王座に付くときに作られるアイテムである。民衆が王と認めない人を、その席から強制的に除外するためのもの……。

新王「……」

王とは、それだけの覚悟無くては、なってはいけないのだ。

変化師「ず、ずるいぞ!他人に任せようだなんて!!辛いことを押しつけるだなんて!」

新王「うん……僕は卑怯だからな……卑怯なりの、へたれなりの償いなんだ」

変化師「……」

変化師はナイフをじっと見ている。



69:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/06(水) 21:48:56.23 ID:BKaZGR/N0

631

--東の王国、城--

新王「なんなら……今使ってくれても構わない」

変化師「!?」

新王「君だって面倒だろうし、今が最高のチャンスだから、ね。……だけど……頼めるのなら少しだけ待ってほしい。僕はまだなにも遣り遂げてはいないから」

僕にチャンスをくれないか、と新王は頭を下げた。それは地面に頭がつくほどの深々としたものだった。

変化師「……」

新王「……」

ぴくりとも動かず、ただひたすら頭を下げる新王。ナイフを振り下ろされればあっさりと死ぬ存在。それを変化師は瞬きせずに見つめていた。
そして、

変化師「……わ、わかった」

新王「!」

変化師「ゆ、許したわけじゃない。ゆ、許すことは永遠にない!で、でも、見届けてやる……」

新王「変化師君……ありがとう。あり得ないと思うけど……もし君に認められる日が来たら……そうしたらやっと闘士君に顔を合わせに行くことが出来る気がするよ」

新王は、遠い目で呟いた。それは変化師に向けて送った言葉なのか。



70:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/06(水) 21:49:29.94 ID:BKaZGR/N0

632

--東の王国、城--

変化師「……お、王に対する暴力は厳重に処罰されるもの。す、好きなように」

新王「いやいや。変化師君の怒りは正当なものだ。何も罰は与えないよ」

変化師「……」

変化師はペコリと頭を下げてその場から姿を消した。

新王「……」

誰もいなくなった廊下で新王は膝をついた。

新王「……ふぅ。歳を取ったのか、変化師君が強いのか。……両方か」

新王は目眩のする頭を抱える。顔はぼこぼこに腫れているのに、どこか晴れ晴れとした表情だった。

妃「やれやれ~相変わらずあなたはかっこつけマンですね~」

新王「なんだ……いたのかい」



71:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/06(水) 21:53:00.67 ID:BKaZGR/N0

633

--東の王国、城--

妃「そりゃ~もう~」

どっしん

妃は新王の隣に座り込んだ。

妃「さすがは新王様~黙って殴られるなんて偉いですね~よしよし~」

ナデナデ

妃は薄くなった新王の頭を撫でる。

新王「何も……偉くなんてないよ。僕がした罪が無くなるわけじゃない。彼の辛さが癒されたわけじゃない」

妃「ふふ。貴方の罪は私の罪ですよ~」

妃は新王の手に自分の手を重ねる。

妃「半分は、いや5分の1くらいは背負ってあげます~」

新王「……ごめんよ」

妃「そこは担当する分すくなっ!!って突っ込めよ~」

妃はくすりと笑って、
貴方に救われた命ですから~、と付け足した。



72:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/06(水) 21:55:56.23 ID:BKaZGR/N0

634

--東の王国、城--

新王「そんな風に思ってもらうために君を連れ出したわけじゃないんだけどね」

妃「私だってそんなくっだらない理由で貴方と結婚したわけじゃないですよ~?」

新王「くだらな、えぇ!?」

妃「……ふふ。貴方はお人好しだから私みたいな毒が必要なんですよ~」

新王「お人好しでも……無いと思うけど」

妃「変化師君に遠慮無くぶん殴られるために、人払いの魔法使っちゃうくせに~」

新王「……君はなんでも知ってるね」

妃「何でもは知らないわ。知っていることだけ~」

新王「ははは」

妃「うふふ~」

新王「……やれやれ。振り返ってみると失敗ばかりの人生だよ本当。なんでそんな行動に至るかな?って思うことばかりだ」

妃「あら。私は全くそんなことないですけれどね~」

新王「僕と結婚したことも?」

妃「そしてツインテちゃん達を産んだことも~」



73:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/06(水) 21:57:09.67 ID:BKaZGR/N0

635

--東の王国、城--

新王「さて、と……じゃあ人払いを解くか。僕も行かないといけない」

立ちあがろうとする新王。

ぎゅ

妃「もうちょっとだけ、こうしてましょ~」

それを妃が捕まえて寄りかかる。

新王「ぐぶっ!?ちょっ、妃」

倍ほどの体重差がある妃に押し潰される新王。

ぎりぎり

新王「ぐる、じ……これ、よっかかるってレベルじゃねーぞ……」

妃「うふふ~ラブラブ~」

ぐじゅ、ぷちっ



74:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/06(水) 21:58:01.72 ID:BKaZGR/N0

636

--東の王国、中庭--

選抜兵「おや、お帰りですか妃様」

妃「えぇ~私がいてもあまり役に立てそうも無いですし~」

選抜兵「ははは」(うちの兵相手に無双かましといてよく言うぜ)

選抜兵は無表情で笑った。

妃「それじゃあご武運を~」

選抜兵「はっ」

手を振る妃と敬礼する選抜兵。

ぱから、ぱから

馬車が小気味よい蹄音を響かせて駆けていく。

選抜兵「ふぅ……やれやれ」



75:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/06(水) 21:58:54.60 ID:BKaZGR/N0

637

--東の王国、中庭--

城護兵「選抜兵様、お疲れ様でございました!」

バッ!

選抜兵を確認すると一斉に敬礼する城護兵達。

選抜兵「はいはい。けーれーけーれー。王様達は会議室だよね?」

城護兵「はっ!その通りであります」

選抜兵は扉を開けてもらい中に入る。

選抜兵「さんきゅー」

城に入り階段に差し掛かる。すると、

選抜兵「!?し、新王様!?」

何かに押し潰されて身体中の穴という穴から中身が飛び出している新王を発見した。



76:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/06(水) 21:59:46.21 ID:BKaZGR/N0

638

--東の王国、会議室--

東の王「全く……こんな時だというに、仲良く夫婦喧嘩とは」

新王「返す言葉もありません……超じゅるって出た」

伝達兵「東の王様!手紙が届いております」

東の王「むお?誰からだ?」

無視して東の王に手紙を渡す伝達兵。

伝達兵「はっ。それが」

パラリ

東の王「……ふん。魔法連合か」

アッシュ「魔法連合か」

ポニテ「魔法連合って何?」



77:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/06(水) 22:01:07.17 ID:BKaZGR/N0

639

--東の王国、会議室--

レン「確か王国から見て東南地方に住んでいる集団。魔導長が確かそこ出身にゃ」

辻切り「その通り。新たに国を立国させようとしている団体でござるよ」

東の王「……捨てろ。返事はしなくていい」

伝達兵「はっ」

ポニテ「え!?断っちゃうんだ?」

アッシュ「まぁ……」

辻切り「向こうはきっと国家として東の王国を助けようとしているのでござるよ」

ポニテ「へ?それが何か悪いことでもあるの?」

レン「東の王国は魔法連合国の成立を認めてないの。自分の領土とかの関係で」



78:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/06(水) 22:01:52.42 ID:BKaZGR/N0

640

--東の王国、会議室--

アッシュ「前から東の王国と北の王国は魔法連合を国として認めていなかった。資源とかもあるしな。そして」

辻斬り「あっちは国として東の王国に助力しようとしているでござる。それを受け入れてしまっては国として認めたことになっちまうでござるよ。こっちとしては手は借りたいのだけれど辛い所でござる」

レン「それだけで認めたことにはならないだろうけど、東の王様の心中としてはそれすらも嫌なんだろうにゃ」

アッシュ「まぁ……こんな状況なのにそんなことをしていて本当にいいのかってのはある……下手をしたら国が滅ぶ決断だからな」

わいのわいの

東の王「あいつらめっちゃ好き勝手言っとるんだけど」

剣豪「首ちょんぱしてやろうか」

アッシュ「東の王は性格が悪いってことで有名らしい」

辻斬り「うちの三強はみんな馬鹿ばっかりでござるよww」

東の王「あいつら死刑」

ツインテ「らめえええええええ!!」



89:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/09(土) 00:20:23.75 ID:UTZShAXF0

641

--東の王国、会議室--

東の王「各員持ち場についたか?」

ザザッ

東の王は通信兵の通信魔法を介して、各隊と連絡を取る。

ザザっ

剣豪『中央荒れ地担当、10621人配置完了』



--中央荒れ地--

画家「ぎゃは」

人形師「最近腰痛がひどいですねぇ」

槍兵「現役退けよおっさん」



90:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/09(土) 00:21:42.00 ID:UTZShAXF0

642

--東の王国、会議室--

ザザっ

吟遊詩人『右橋盆地担当7042人配置完了~』



--右橋盆地--

狐亜人「あの……」

変化師「……」

変化師は自分の筋肉を磨いている。

魔法使い「……」

魔法使いは何かを気にしているようだ。

狐亜人「無口過ぎるコン!」



91:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/09(土) 00:23:25.21 ID:UTZShAXF0

643

--東の王国、会議室--

召喚士『左草原担当8397人配置完了でやんす』



--左草原--

虎男「がお」

虎男は2メートルを越える巨体を揺らしてのしのしと歩いている。

キバ「え!こんな小さな子まで戦いに……?」

キバはアッシュ達を見て驚いた。

ポニテ「こう見えて強いんだよ!」

アッシュ(三強の数が少ないな……この地区担当はまずいか?)

レン「にゃー」



92:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/09(土) 00:23:51.59 ID:UTZShAXF0

944

--東の王国、会議室--

新王『城内外担当7785人配置完了』

東の王「ふむ」

通信兵「……」

空中に作った電子パネルのようなものを操作している通信兵。

選抜兵「俺も戦場にいきたいなぁ」

のびをする選抜兵。

医者「無茶言わないでください。虎の子のデッドラも失ったというのに」

辻切り「ツインテ殿、安心めされよ。拙者が護ってみせるでござる」

ツインテ「ここまで来る頃には相当まずいことに……」



93:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/09(土) 00:24:56.27 ID:UTZShAXF0

645

--東の王国、会議室--

東の王は通信兵が作り出したカメラのようなものに向かう。

東の王「よし……そうだな、まずはよくぞこの危機に集まってくれた、勇敢なる友人達よ。国を代表し、改めて礼を言わせてもらう」

画家『ぎゃは』

人形師『……』

槍兵『……』

東の王「しかし言っておくがこれは他人事ではない。ここでもこもこをどうにかしない限り、いずれは諸君等の国を、ひいては諸君らの大事な者達を危険にさらすことになるだろう……」

狐亜人『……』

変化師『……』

魔法使い『……』

東の王「だが諸君らは勇猛なる兵士。必ずやもこもこを戦滅出来るだろう!それでは諸君らの働きに期待する。これよりもこもこ討伐戦、開始!!」

うおおー!!



94:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/09(土) 00:27:09.80 ID:UTZShAXF0

646

--左草原--

虎男「……」

ミミズ亜人「……虎男様」

虎男「各地の前線が全て亜人兵で固められている……」

プリン亜人「プリン……」

虎男「東の王め……耐久力の高い亜人を前線に置くのが最も効率的だ、だと?」

虎男は怒りで拳を震わせる。

虎男「体よく亜人に危険な任務を任せ、あわよくば同士討ちを期待しているのかっ!!」

ポニー亜人「虎男様……」

虎男「人間めェ!!よかろう!!それでも俺は皆を守る!!」

がぉぉ、と咆哮する虎男。

虎男「亜人の底力見せてやる!!」

方耳兎亜人「ぴょんぴょーん」

槍兵(……死んだら当たり前だが亜人の数が減る。これで生き残れば……亜人はもこもこ以上に危険だとみなされるのか……東の王め、えげつねぇ)



95:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/09(土) 00:27:43.25 ID:UTZShAXF0

647

--東の王国、会議室--

ツインテ「!!来ました!!荒れ地、盆地、草原にそれぞれ到着します!!」

東の王「くるぞ!!」



--左草原--

ポニテ「そして当然の如く戦力に含まれるんだね」

レン「一応レン達はもこもことの戦闘経験あるし」

アッシュ「一刻も早く終わらせることだ。でなきゃツインテを取り返せない」

武器を構えるアッシュ。

ポニテ「だね。で」

ポニテは辺りを見渡す。

ポニテ「なんでつっじーいないの?」



96:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/09(土) 00:28:10.21 ID:UTZShAXF0

648

--東の王国、会議室--

辻切り「オッヒョ。ツインテちゃんジュースはいかが?」

ツインテ「やめて!声マネでも怖いよ!ディ○ニー機関はどこで見てるのかわからないんですよ!」

辻切り「ねぇクリストファー○ビン」

ツインテ「あぶなぁぁぁい?」


--左草原--

ポニテ「ツインテちゃんのお世話係とかないわー。なんで楽してんのー」

アッシュ「仮にもうちらの中で一番強いのに」

レン「東としては自国の戦力を残しておきたいってとこなんだろうにゃ。本人が協力しないと言っていたのを上手く使われちゃったにゃ」

アッシュ「ふん……行くぞ。俺達で食い止める」



97:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/09(土) 00:29:40.54 ID:UTZShAXF0

649

--東の王国、会議室--

辻切り「あ、ツインテ殿。そろそろお着替えの時間にござるよ」

ツインテ「いらないいらない!!きゃあ!何その服!!」

辻切りの手にあったのは異常に短いスカート。

辻切り「ロストアイテム、若芽ちゃんのスカートでござる!!」

ツインテ「そ、そんなの穿いたらぱぱ、パンツ殆ど見えちゃうじゃないですか!!」

通信兵「草原隊、会敵」

辻切り「さぁさぁおじさんにパンモロ見せるでござるよ!!はぁはぁ!!」

ツインテ「!?や、やめて服に手をかけないで!!」

東の王「何をしとるか何を……」

通信兵「草原隊戦闘開始。指示を求めてます」



98:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/09(土) 00:30:26.61 ID:UTZShAXF0

650

--東の王国、会議室--

辻切り「東の王殿……そんなことを言ってるでござるが、このアイテム東の王殿の所有物でござろうが!!」

東の王「どきん!な、なんのことだ……」

辻切り「しらばっくれたところでごまかせないでござるよ!!ほら、ここ!東の王の、ってしっかり書いてあるでござる!!」

通信兵「草原隊死傷者多数。苦戦しているみたいです」

東の王「がっはぁ!!……き、気の迷いだったんだ……だってその証拠に俺、パンモロよりパンチラ派だもん」

ツインテ「そんなこといいから指示出してー!!アッシュ君達がー!!」

辻切り「拙者はぶっちゃけ見えりゃどっちでもいいでござる」

通信兵「草原隊壊滅しました」


--左草原--

召喚士「指令部とかまじイラネーんだけど!!!!」



99:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/09(土) 00:32:30.01 ID:UTZShAXF0

651

--東の王国、会議室--

通信兵「目は覚めまして?」

ぷすぷす

東の王「あぁ……手間をかけた」

ぷすぷす

辻切り「なんで拙者までぶつぶつ」

ツインテ「むしろ主犯じゃないですか!?」

二人は電撃を受けたせいで焦げている。

通信兵「状況を整理しますよ。現在三つの場所で戦闘が起きています。そのうちの草原は既に大多数の兵士が死亡。残存している兵も取り囲まれています」

東の王「……」

辻切り「あちゃーでござる」

ツインテ「ギャグでピンチとか……」



101:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/09(土) 00:33:51.63 ID:UTZShAXF0

652

--左草原--

ヒュルルル、ドガァァン!!

アッシュ「ぐ!大丈夫か!?」

アッシュは砲撃を交わしポニテ達に声をかける。

ポニテ「なんとか!!でもレンちゃんが辛そう!!」

レン「まだ行けるにゃ」

レンは足を引きずりながら方位磁石のようなものを作り出していた。

レン「索敵はレンがするにゃ。アッシュはその眼で敵の攻撃を予測してにゃ!」

アッシュ「おう!」

ポニテ「私は!?」

レン「ポニテは避けきれない砲撃を打ち落としたり、接近してきたやつを叩いて欲しいにゃ」



102:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/09(土) 00:34:30.20 ID:UTZShAXF0

653

--左草原--

ポニテ「なにそれ」

ドンッ、ヒュルル

ポニテ「私が一番大変じゃん!!火属性付与レベル2!!」

ポニテの二つの剣が燃え上がる。

ドガァァン!

ポニテは砲弾を破壊すると不適に笑う。

レン「!前からくるっ!!」

ぶわっ

アッシュ「!?」

槍型もこもこ「ギッ」

爆風の中から黒い鎧のもこもこが飛び出した。



103:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/09(土) 00:35:18.67 ID:UTZShAXF0

654

--左草原--

ガギィィン!

アッシュはナイフで対応するも、とてもじゃないが押さえることが出来ない。

アッシュ「がっ!」

いともたやすく弾き飛ばされる。

ポニテ「アッシュ君!よくも!!」

ボッ

ポニテは足元からバーナーのように火を噴射して加速、

槍型もこもこ「ギッ」

ポニテ「やあああああああああああ!!!!」

ドシャァァ!!

一気に距離をつめたポニテはもこもこを切り付けた。



104:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/09(土) 00:36:03.60 ID:UTZShAXF0

655

--左草原--

槍型もこもこ「ニィ」

ポニテ「くっ!?硬い!!」

ドガッ!!

もこもこの回し蹴りがポニテの左肩を砕く。

ポニテ「ぎゃっ!!」

レン「ポニテ!!錬成、鎌!!」

槍型もこもこ「ナガサノアルヤリ二対シテ、カマ?カテルワケナイジャン」

ヒュッ

レン「にゃっ!!」

槍の突きを、レンは鎌で防ぐこともできず。

ドシュッ!



105:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/09(土) 00:36:44.20 ID:UTZShAXF0

656

--左草原--

槍型もこもこ「ン」

しかしそこは亜人。ギリギリのところで体を捻って槍を避けることに成功する。

ポニテ(くっ!!私達じゃ一体も倒せないの!?)

槍型もこもこ2「ギ」

槍型もこもこ3「ギ」

アッシュ「!?スキル透視眼!」

ポニテ「アッシュ君ダメ!人がいるところに行こう!!」

ポニテはレンを抱えるとアッシュを呼んだ。

アッシュ「っ!対象指定、移動速度上昇レベル3!!」

アッシュは自分たちに魔法をかけると後ろを向いて逃げ出した。

槍型もこもこ「ギ?」



106:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/09(土) 00:37:11.50 ID:UTZShAXF0

657

--左草原--

アッシュ(あれだけ早いやつらから逃げ切れるのか?……)

槍型もこもこ2「ギィハ」

もこもこはクラウチングスタートの格好を取り、アッシュ達を追うべく駆け出した。

ギャッ

アッシュ「!?一瞬で抜かされ」

槍型もこもこ2「オソイオソイ」

もこもこはポニテを突飛ばしレンの頭を掴んだ。

ポニテ「きゃっ!レンちゃん!」

レン「にゃっ……にゃ」

つぷ

槍型もこもこは槍をレンの腹に当てる。



107:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/09(土) 00:37:42.33 ID:UTZShAXF0

658

--左草原--

アッシュ「くっ!やめろ!!」

ずぶ

レン「ぎにゃ!?」

先端がレンの腹部にめり込んだ。

ボタタタッ

ポニテ「レンちゃん!!よくも」

槍型もこもこ「アハハ」

後ろから急接近してきたもこもこにポニテも捕まってしまう。

槍型もこもこ3「無力ダナァ」

見るとアッシュももこもこに捕まっていた。

ズブズブ

レン「ぎっ!ぎにっ!!」

更に深くめり込む槍。



108:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/09(土) 00:38:37.83 ID:UTZShAXF0

659

--左草原--

ポニテ「うああ!!やめろおおお!!」

ボオォッ!!

ポニテは身体中を発火させる。が、押さえ込んでいるもこもこは平然としていた。

槍型もこもこ2「ギハハ。ヌルイヌルイ」

ポニテ「嘘……」

ズボッ

槍型もこもこ3「ギィ」

ブシャアァ!!

そして槍はレンを完全に貫いた。

レン「っ、っ……」

力なく痙攣を繰り返すレン。



109:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/09(土) 00:39:21.28 ID:UTZShAXF0

660

--左草原--

アッシュ「くそぉぉ!!」

ダンっ!!

アッシュは怒りのあまり地面を叩く。

ぎちぎちぎち

そしてアッシュの眼が血走ったかと思うと、両目が変色し始めた。

ポニテ「絶対に許さないんだから!!」

ドガッ!!

槍型もこもこ2「ギッ?」

槍型もこもこ3「……げ、ゲヒ」

なんとレンを掴んでいる槍型もこもこの喉から、何者かの腕が突き出ているではないか。

キバ「遅くなってごめんね君たち。こいつらは私がかたすから!!」



116:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/11(月) 18:18:51.43 ID:1ihkkqhS0

661

--左草原--

ドシィン

倒れる槍型もこもこ。キバはレンを槍から引き抜くと血を操って傷口を塞ぎ始める。

ポニテ「お姉さん!!」

アッシュ(もこもこを背後から一撃……何者だこの女……)

槍型もこもこ「ギッ!」

槍型もこもこ2「ギアッ!」

二体のもこもこがキバに向かう。

槍型もこもこ2「ジャアア!!」

片方の槍型もこもこが槍を突く。



117:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/11(月) 18:19:34.88 ID:1ihkkqhS0

662

--左草原--

キバ「ふんっ!」

それを軽々と受けとめると、キバはもう片方のもこもこにぶん投げた。

ドギャ!

キバ「攻撃力上昇魔法、レベル4!!」

キバは自分の拳を強化し、そして

ドガァァン!!

ぶん殴る。

バキ、バキバキ!!

槍型もこもこ「ギアアア!!」

鎧は砕け、拳で殴られた顔面ははぜた。



118:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/11(月) 18:20:40.78 ID:1ihkkqhS0

663

--左草原--

槍型もこもこ2「ぎ、ギギ」

立ち上がり、なお抵抗しようとするもこもこだったが、

キバ「スキル、血針」

キバの体から伸びた赤い槍がもこもこを貫いた。

ドスッ

槍型もこもこ2「ギッ」

キバ「弱点は、頚椎。そこさえ破壊すれば」

ドシィン!

キバ「簡単に倒せるわ」



119:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/11(月) 18:21:15.26 ID:1ihkkqhS0

664

--左草原--

レン「う、ん」

レンは血だまりの中で目を覚ます。

ポニテ「レンちゃん!よかったよー!!」

キバ「私元々回復タイプだったから」

レン「あ、足まで治ってる!」

アッシュ「頚椎が弱点なんて……どうやって知ったんだ」

キバ「えと、どこを破壊しても中々しぶとかったから、色々試しちゃった。そのせいで来るの遅れたの。ごめんね」

アッシュ「……」

キバ「あ、やる時は前からのほうがやりやすいよ。弱点を保護するために後ろ硬くなってる」

アッシュ(最初後ろから貫いてたやん……)



120:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/11(月) 18:21:53.03 ID:1ihkkqhS0

665

--左草原--

キバ「さぁあっち側は安全だよ行こう!」

キバは先頭を走り三人を手招きする。

ダッ

アッシュ「向こうにはまだ仲間がいるのか?」

キバ「うん。でも強い人以外は、かなりの数減らされちゃったけどね……」

レン(さりげなく死んだ人達ディスってるような……天然さんだにゃ)

ポニテ「……私達、守り切れなかったの?」

キバ「……ううん、まだ諦めないよ」

レン「にゃ」

キバ「勇者は、諦めちゃいけないんだ」



121:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/11(月) 18:23:57.72 ID:1ihkkqhS0

666

--左草原--

アッシュ「!?」

思わぬ単語がキバの口から出たため、アッシュは驚いてその横顔を見る。

キバ「確かに絶望的な状況だけど、もこもこの数は聞いていたのより全然少ない。他の地域は持ちこたえてるみたいだし、私達だけ負けるわけにはいかないよ!」

キバはにこりと笑う。

アッシュ「……しかし、俺達だけでやつらをどうにかできるのか?」

キバ「うん……やってみるよ。この体を流れる勇者さんの力は、人を守るためにあるんだと思いたいから……」

ポニテ「さっきから勇者って言ってるけど、どゆこと?」

キバ「あ……しまった。えっと……えっとね。お姉ちゃん実は勇者だったりするんだなぁ」

アッシュ「!?ばかな!」

ポニテ「えええ!?」

レン「!もしかして砂上船であの人が言ってたのは……」



122:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/11(月) 18:24:59.40 ID:1ihkkqhS0

667

--左草原--

キバ「バカなとは失礼だぞ?……ふふ。だから安心して。君たちは私が守る。残りのもこもこは全部私が一人で倒すから」

アッシュ「!?いやむりむりむり!!さすがに無理だろ!」

キバ「?どうして?」

アッシュ「あんたが強いのはさっきの戦いで理解した。信じられないが……もしかしたら五柱レベルかもしれない」

キバ「五柱かぁ。この体になる前は雲の上の存在かと思ってたけど……そっか。確かに遠くはないね」

何かに納得しているキバ。

アッシュ「だが同時に相手にできるのはよくて三体程度じゃないか?」

キバ「……三強ならタイマンでなんとか安全に処理できるレベル。それを踏まえての、五柱なら一対三まで……ってこと?なるほど。君中々いい目を持ってるね」

ポニテ「馬鹿にしないでよ!!Hなことに使うために必死で鍛え上げたんだもんね!!」

アッシュ「そんなこと言うのやめろぉ!!」



123:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/11(月) 18:25:50.17 ID:1ihkkqhS0

668

--左草原--

キバ「うん、大体その通りじゃないかな。三強の中には多人数戦を得意としてる人もいたから一概にそうとは言えないけどね」

吟遊詩人って人とか、と付け足すキバ。

キバ「でもなんとかなると思うな。げほっ」

笑いながら咳き込むキバ。

レン「……にゃッ!まずいにゃ!囲まれてるにゃ!」

ずらっ

槍型もこもこ4「ぎぃ」

槍型もこもこ5「ギィ」

槍型もこもこ6、7、8、9、10、11、12、13、14「「「ギィ」」」

アッシュ達を囲むようにしてもこもこ達が立っていた。



124:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/11(月) 18:26:28.61 ID:1ihkkqhS0

669

--左草原--

アッシュ「なっ!!こっちは安全じゃなかったのかよ!?」

キバ「やられた……地形変化魔法使われたみたい。まんまと罠にかかっちゃった」

キバは道を間違えさせられたことに気付く。

アッシュ「この数は……さすがに」

ポニテ「終わった……かも」

レン「にゃ……」

ポニテは背中の剣に手を伸ばす。

ポニテ(こうなれば奥の手を……いやだめ。それなら普通に殺された方が望みがあるもん)

槍型もこもこ5「脆弱ナ人間メ。ニゲマワッテナイデサッサトシネ!」

キバ「」




125:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/11(月) 18:27:28.90 ID:1ihkkqhS0

670

--左草原--

キバが音もなく臨戦態勢を取ると、槍型もこもこの足が止まった。

槍型もこもこ5「ッ!!……オット。ソウイエバソコノ女ハ同胞ヲ三体同時二タオシタンダッタナ……」

槍型もこもこ6「アァ、無闇ニトビダスナ。数減ラシガヤツラノ狙イダロウ」

キバ「……無線LANスカイプ状態で何が仲間の身に起きてるのかリアルタイムでわかるんだっけ?」

槍型もこもこ7「!?ナゼソレヲ」

キバ「ふふ……悪いけど……人の力を教えてあげるね」

ギンッ

キバから発しているプレッシャーが一気に増大する。



126:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/11(月) 18:28:23.23 ID:1ihkkqhS0

671

--左草原--

アッシュ「な、なんだこの感覚……」

ズズズズ

ポニテ「わかんない……のに、凄く怖いことのような気がする」

ズズズズズ

レン「まるで遺伝子にそう書き込まれているかのよう……」



槍型もこもこ4「ナニガ……オキテイルノダ?」

周囲が無音になっていく。

キバ「全制限解除、魔王化発動」



127:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/11(月) 18:29:41.13 ID:1ihkkqhS0

672

--左草原--

ゴォォ!!

アッシュ「!?」

ポニテ「ひっ」

レン「にゃあ!!」

キバが解放した力の衝撃波で吹き飛ばされてしまう三人。

しゅうううう

疑似魔王キバ「……」

強烈な存在感を放つ、黒い鎧と魔力を纏ったキバ。

アッシュ「ば、かな……」

ポニテ「お姉さんが……私達が探していた、魔王なの?」

レン「とんでもない魔力量を感じるにゃ……」



128:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/11(月) 18:30:24.79 ID:1ihkkqhS0

673

--左草原--

疑似魔王キバ「君たち、そこでじっとしててね」

キバはアッシュ達を指差す。

びくっ!

それだけでアッシュ達は動くことができない。

疑似魔王キバ「すぐに終わらせるから」

にこりと笑ったキバ。

槍型もこもこ5「アノ感覚……俺達ヲズット封印シテイタチカラニニテイル」

槍型もこもこ6「イッ、一斉ニカカレ!!」

槍型もこもこ7「ウオオ!!」

バッ!!



129:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/11(月) 18:31:02.00 ID:1ihkkqhS0

674

--左草原--

弾けるように飛び出したもこもこ達。

槍型もこもこ8「クラエエ!!」

ガキィィン!!

槍型もこもこ達「「「ナッ!?」」」

四方八方から突き出された槍。それを右手で三本、左手で四本受け止め、後ろからの攻撃四本は、髪の毛が巻き付いて止めていた。

ババキャッ!

粉砕ッ!

疑似魔王キバ「オオオオ!!」

キバは全方位に拳を乱打する。



130:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/11(月) 18:31:52.30 ID:1ihkkqhS0

675

--左草原--

ドギャドギャッドギャッ!!

玉砕っ!!

槍型もこもこ9「バ、バカナー!!コレダケノ数ヲタッタ一人デゲブッ!!」

大喝采っ!!!

ドドーン

疑似魔王キバ「はっ、はっ、はっ」

アッシュ「すごい……」

ポニテ「本当に一人で倒しちゃった……」

レン「あのタイプのもこもこが一撃でぐちゃぐちゃってどんな威力にゃ……」

レンは威力を想像して身震いする。



131:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/11(月) 18:32:44.53 ID:1ihkkqhS0

676

--左草原--

バキャン

キバの体から黒い鎧が剥がれて消滅する。同時に黒い魔力も正常に戻った。

キバ「はっ、はっ……意志疎通ができるのに、選択肢が戦うしかないって嫌だね……」

ピクピクともこもこ達の肉片が動くのを眺めながらキバは呟いた。

ポニテ(っていうか思いっきり人の力じゃなかった件について)

アッシュ「……どういうことなんだ」

じり

アッシュはキバににじり寄る。

キバ「はっ、はっ……?」

アッシュ「お前……勇者と言ったり魔王と言ったり……なんなんだ!?」

アッシュはナイフを抜いて突き付ける。



132:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/11(月) 18:33:17.34 ID:1ihkkqhS0

677

--左草原--

ポニテ「あ、アッシュ君!助けてもらったのにあんまりだよ!!」

レン「……いやでももし本当に魔王なら……なんで人間側にいるのか聞いておきたいにゃ」

キバ「……」

アッシュ「答えろ!」

キバ(助けるために力を使っても……こんな目で見られちゃうんだ……難しいなぁ)

キバはしょんぼりとした表情で下を向く。

キバ(どうしよう、本当のことを言う?でもそれは国家機密だし……かと言って何も喋らなかったら信用してついてきてくれないよね……)

キバはひとしきり考えた結果、

キバ「私は王国で改造された特殊な兵士なの」



133:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/11(月) 18:34:03.27 ID:1ihkkqhS0

678

--左草原--

アッシュ「!?」

ポニテ「改造!?」

レン「王国ってツインテの国にゃ……」

キバ「だから私は……人でありながら勇者の力と魔王の力を使えるの」

キバはそう言って視線をずらした。

キバ(……勇者が次の魔王になる……この事実だけは伏せないとね)

アッシュ「改造……人間」

キバ(だって……若い子にはまだ絶望して欲しくないものね)



134:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/11(月) 18:34:51.38 ID:1ihkkqhS0

679

--左草原--

アッシュ「……それは自分から改造されに行ったのか?それとも……」

キバ「志願だよ。私は人々を守るために力が欲しかった」

そう言ってキバは咳き込む。

ポニテ「アッシュ君……もうやめよ?悪い人じゃないよ……」

アッシュ「悪くなくたって……その力は危険だろ」

レン「にゃあ……」

キバ「……かもね。爆弾は必ずしも悪いことに使われるわけじゃない、って識っていても、爆弾のそばに居たいと思う人はいないもんね」

力の使い方次第ですむ話じゃないよね、とキバは困ったように笑った。

キバ「でも、それでもここは危険だからおとなしく着いてきてほしいな。魔王化も何度もできるものじゃないから」

アッシュ「……」



135:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/11(月) 18:36:10.36 ID:1ihkkqhS0

680

--王国--

ズシーーン

妃「……」

わーきゃー

妃「どうしたのあれ~」

王国兵「は、はっ!!新王様方が東の王国に出向かれて半日ほど経った頃にいきなり現れまして……」

人造勇者J「うおーー。ぼくちんをこんな体にしやがってー。呪ってやるー」

ずがーん

わーきゃー

妃「……めっちゃでかいのが暴れてるの~」

王国兵「何分巨人族ですから」

人造勇者J改めJ「ぼくちん憤慨っ!!」



142:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/16(土) 01:13:44.43 ID:zo8soqc90

681

--左草原--

ポニテ「アッシュ君!」

レン「アッシュ。どうせ死ぬなら信じて死んだほうがいいにゃ」

そう言ってレンはキバに駆け寄った。

レン「錬成、バランスわっか」

ばしゅ

レンはゴムに似た素材でできたリングを作り出してキバの腕につけた。

キバ「これ……何?」

レン「体のバランスを整えてみる。少しでも貴女の不安定な力が制御できたらって」

キバ「……ありがとう」

キバは嬉しそうにリングに手を添える。

アッシュ「ちっ……信じるさ。最初からそれしか答えは無かった」



143:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/16(土) 01:14:52.89 ID:zo8soqc90

682

--王国--

妃「はぁ~なんであれは暴れてるんですか~?というか三騎士の軍師は何をしているんですか~」

王国兵「暴れている理由はよくわかりませんが……口にしている通りなのでは?」

J「うおー。責任者ー、責任者はどこかー」

妃(人造勇者関連の話か)「で、彼は~?」

王国兵「……まことに申し上げ憎いのですが、あの人は職務を放棄して松茸刈りに出かけております……」

妃「ファック!」

妃は馬車から降りて歩きだす。

妃「ならもういいです~私がやります~」

ズシン、ズシン

J「ん?」



144:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/16(土) 01:15:25.48 ID:zo8soqc90

683

--王国--

両者とも地面を鳴らして歩いている超重量級。

J「巨大なぼくちんと同じくらいの音を立てるだなんて、さては……」

妃「?」

J「百貫デブなんだね!?」

妃「ブチッ!」

グッ

妃が屈むと体の肉が左右に広がり、

バンヨヨヨヨ~ン

バネのように跳躍した。

J「!?ってはや!!」

ズギャァアン!



145:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/16(土) 01:16:31.27 ID:zo8soqc90

684

--王国--

妃の猛烈なタックルがJの顔面に命中する。

J「ぐぁあぁあぁあぁあ」

ゆっくりと倒れていくJ。

にきび少女「お母さんお母さん!早く逃げよ!!」

その母「うん、今すぐ行くからちょっとだけまっててね!」

にきび少女「早く早く!もう怪獣が」

ウオン

にきび少女「あ」

ドッシャァアーン!

Jが倒れてきて少女の家は押し潰されてしまう。



146:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/16(土) 01:16:57.71 ID:zo8soqc90

685

--王国--

にきび少女「いたた……お、お母さん?お母さん!?……あ」

吹き飛ばされて地面に転がる少女。背中をさすりながら起き上がった彼女が見たものは、

その母「……」

瓦礫から突き出された血塗れの母親の腕だった。

にきび少女「あ、あぁ!!」

J「くっそー。やったなー」

ごごごごご

Jはその巨大を起こして行く。

にきび少女「お母さん!お母さん!!」

にきび少女は瓦礫の山に駆け寄った。



147:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/16(土) 01:17:49.97 ID:zo8soqc90

686

--王国--

にきび少女「お母さん!!……これ」

突き出した手が持っていたのは、一枚の写真。
そこには少女がお遊戯会で楽しそうにデュエルしている姿が写されていた。

にきび少女「こ、こんなのを取りに……」

少女は母親の手を自分の頬に持っていく。

にきび少女「お母さん……おがあざん!!うぁぁぁん!!」

少女は泣いた。大声で泣いた。爆音の鳴る戦場でかき消されまいと……。

J「今度はぼくちんのばーん」

妃「はんっ!遅いですね~」

ドォン!!

にきび少女「……」

少女はぐしゃぐしゃになった顔で戦場を見つめている。



148:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/16(土) 01:18:17.21 ID:zo8soqc90

687

--王国--

妃「ドォウリィルゥ、キィィック!!」

にきび少女「私は……」

ドギャギャギャギャン!

J「な、なんて火力!!ぼくちんが押されて!!」

にきび少女「私は妃を許さない!!」

王国兵「!?君!まだこんなところにいたのかい!!危ないから早く避難しよう!!」

にきび少女「許さない……許さない!」

王国兵「はっ!?この腕は……」

王国兵は瓦礫から突き出している腕に気付く。

王国兵「……土属性蘇生魔法レベル4」

パァァン



149:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/16(土) 01:19:07.82 ID:zo8soqc90

688

--王国--

にきび少女「許さない、許さない」

妃を睨みぶつぶつと呟いている少女に声がかけられる。

その母「愛……」

にきび少女「!?お、お母さん!!」

振り向いた少女が見たものは、全くの無傷の母親だった。

王国兵「このように少女に多大なトラウマを作ってしまう場面でも、蘇生魔法があればこんなにもあっさり!」

その母「まぁ綺麗!でも……お高いんでしょう?」

王国兵「ふふふ。それがなんと今ならいちきゅっぱでお届けしたいと考えています!しかも今ならお嬢さんの身体中の擦り傷まで治したあげく、城の露天風呂に二人揃ってご招待!!」

少女「まぁ!なんてお得なの!?お申し込みは、」

妃「どっから仕込み!?」



150:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/16(土) 01:21:05.96 ID:zo8soqc90

689

--王国--

J「ふふふ!まさかぼくちんが本気だせる相手がいようとは!」

妃「ばはーっ!ばはーっ!ばはーっ!」

J「……大丈夫?」

ものすごい呼吸を繰り返す妃。肉付きのいい人は、長時間の激しい運動は不得手!これは仕方のないことである。

妃(きっつ!!……いつも一撃で終わらせてましたからね~。まさか耐えるとは……)

妃は膝を擦っている。

妃「……仕方がありません~まがりなりにも人造勇者ですもんね~」

J「そうだよ!早くこの体を直してよ!辛いんだよ!」

妃「……でっかいのは元からでしょ~?」

J「違うよ!頭が、割れそうなんだ!」

妃「!?」



151:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/16(土) 01:21:32.41 ID:zo8soqc90

690

--王国--

J「誰かがずっと囁いているみたいなんだよ!思考が乗っ取られそうになるんだ!!」

妃「……あなた、もう」

守備兵「何を言ってるんだあいつ」

妃(!?……まずい。下手なことをバラされては……やるしか、ないですね)

妃は背筋を伸ばしてJを見上げる。

妃「ごめんなさいね~、あなたのこと救ってあげられそうにありません~……」

J「な、なんでだよ!無責任だ!」

妃「……わけのわからない言いがかりはよしてくださいな~。これ以上暴れるというのであれば、私が貴方を倒します~」

J「!!……ふ、ふん。おばさんにはぼくちんを倒すことなんて出来ないよ!最初は驚いたけど、もうおばさんの攻撃には当たらない!」

妃「おば……極刑~」

妃は右足に体重を乗せる。



152:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/16(土) 01:22:00.10 ID:zo8soqc90

691

--王国--

グググ

妃の右足が肉で覆いかぶされていく。

ズブブ

J「何やってるのかわからないけど、無駄だー!」

Jは妃目がけて足を振り下ろす。

妃「!」

ごごごご

王国兵「妃様ー!!魔力砲!!」

ドゥン

王国兵は咄嗟に魔力を放ち、Jの足の落下地点を変えることに成功する。

ズシーン



153:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/16(土) 01:22:44.83 ID:zo8soqc90

692

--王国--

J「む、余計なことをー」

王国兵「の、ノーダメージ!?」

妃「やれやれ名前も知らない一兵士に助けられるようではまだまだですね~」

ゆら

J「?……なんか今おばさんから変な感じが」

見ると妃の体から六色の魔力の光が零れている。

J「!!ま、まさかおばさんも人造勇者!?」

妃「おばさんゆーな~。全制限解除、脚部限定魔王化、発動」

ドッ

妃の体が一瞬で圧縮され、右脚にのみ黒い鎧が出現した。



154:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/16(土) 01:23:23.61 ID:zo8soqc90

693

--王国--

J「!?おば」

妃「」

ドガァァァァァァァァン!!

目にも止まらぬ速度で跳躍した妃は、その黒い右脚でJの顎を蹴りあげた。

J(いだい!!ぼ、ぼくちんが全く見えなかったなんて!!しかもこの威力)

Jは倒れゆく中で、空中で何度も回転している妃を見た。

J(さ、さっきのぶよぶよな体と違う……引き締まっててボインボインで)

妃「っ」

バサッ

妃の長い髪の毛が踊る。

J(う、美しい)



155:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/16(土) 01:24:43.57 ID:zo8soqc90

694

--王国--

ギュィィィン

妃「貴方~それだけでかいんだから、人造勇者の中で体力一番多いはずですよね~」

妃の体に巻き付く黒い魔力が、まるで竜巻のように渦巻いている。

J「あ、あわ」

Jの体はまだ地面につかない。というのも、回転している妃の体に引っ張られているのか?

妃「魔王技、ドリルキック」

シュン、

ズギャギャギャギャギャ!!

J「ぎゃ、ぎゃあぁぁー!」

ドグオオオーン!

耐えきれず爆発するJ。



156:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/16(土) 01:27:18.72 ID:zo8soqc90

695

--王国--

シュタ

妃(不完全な人造勇者の中でもとりわけ不完全な私~。なんとか戦えるようにならないかと試行錯誤した一極集中でしたが~……中々いいじゃないですか~)

タンタン

妃は右足で地面を蹴る。

妃(いける。まだ私も戦える~)

バキャアン

右足の鎧が砕けて消えた。そして見せた素肌は血だらけだった。

妃(代償も全体で魔王化やるよか何倍もマシですし~)

王国兵「お見事でありました妃様!!討伐しただけでなく、魔力を流し込み、内部爆発させて下への被害を押さえこむとは!!感服であります!」

妃「あ~煩いですね~。そんなことはどうでもいいから食事の準備をなさい~」

王国兵「そんなこと!?」

妃「燃費わりーんです~」

妃はスリムになったお腹を撫でた。



157:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/16(土) 01:28:09.96 ID:zo8soqc90

696

--右橋盆地--

バチバチバチィ

魔法使い「はっ、はっ、はっ……」

狐亜人間違え狐男(こん……やっぱMAP兵器は凄いこん)

変化師(そ、それもすごいが、威力上昇、範囲拡大、魔力回復、溜め時間短縮を同時に全部やってのけるこの男……)

吟遊詩人「ららら~」

変化師は鋭い眼差しで吟遊詩人を見ている。

狐男「しかし聞かされていたのより全然少なかったこんね」

魔法使い「……」

吟遊詩人「……」

変化師「……」

狐男「沈黙やめて!?」



158:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/16(土) 01:29:18.66 ID:zo8soqc90

697

--中央荒れ地--

チンッ

剣豪「……ふぅ」

槍兵「やー終わった終わった。剣豪の旦那、噂に違わぬおっそろしい剣捌きだったぜ」

剣豪「ふん若造が」

返り血を浴びて真っ赤になっている二人。

剣豪(中々見所がある。本来武人はこうあるべきだ。それに比べて)

画家「ぎゃはは!」

人形師「うふふ~」

剣豪「……軟弱過ぎていかん」

槍兵(……旦那はこう言ってるけど、描いたものを全部実態化出来るのは素直にやべぇよな)



159:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/16(土) 01:30:27.06 ID:zo8soqc90

698

--左草原--

召喚士「あ、来たでやんす」

虎男「がお?」

虎男は帰り血で真っ赤になっていた。

キバ「すいません、遅れましたー!」

アッシュ「……」

がやがや

ポニテ「うえ!?見るからに少ない……」

レン「名前のある人は無傷にゃ」

召喚士「よぉし。みんな集まったと思うので撤収するでやんす」

アッシュ「撤収!?」



160:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/16(土) 01:30:53.51 ID:zo8soqc90

699

--左草原--

キバ「それって……私達が負けたってことですか……?」

虎男「いや違う。先程指令部から連絡があった。どうやらもこもこが引き上げているらしいがお」

虎男は自分の体毛についた血を拭きながら喋っている。

ポニテ「え?人間の団結力に恐れをなしたのかな?」

アッシュ「団結力……少なくとも向こうの方が上だと思うが」

召喚士「わからないけど、敵がいないのに戦場に待機し続けても意味がないでやんす。城に戻って休むでやんす」

召喚士は呼びだした召喚獣達をゲートから返していく。

かぷっ

そしてガーゴイルに噛まれる。

レン「……なんか腑に落ちないにゃ。あいつらきっと何か企んでいるにゃ」

ぴっちぱっち『『忘れてるかもしれないけれど僕達もいるよ!!』』

ポニテ「もういちいち登場させるのが面倒くさいから、ここら辺でこいつら逃がしちゃうってのはどうかな」



161:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/16(土) 01:32:28.75 ID:zo8soqc90

700

--湿地帯、ファクトリー--

ぴちょーん

わいわいがやがや

司令官型もこもこ「ふはははは。随分と作戦通りに言ったものだな」

司令官型もこもこは上機嫌でやぎに管を刺し、内容物を吸っている。

参謀型もこもこ「アソコマデ簡単二誘導ニヒッカカッテクレルトハ……明日ニハアノクニヲオトセソウデスナ」

司令官型もこもこ「あぁ……やつらこちらの情報が筒抜けだと思っておるからな」

触手でやぎの頭部を破壊して脳ミソを引きずりだすもこもこ。

司令官型もこもこ「ふはは……四大支柱もこもこを封印から解いた今、我らの勝利は揺るぎないものとなった!」

司令官型もこもこは笑いながら脳ミソを口に運んだ。

赤もこもこ「これが……支柱もこもこか……」

赤もこもこは地下の空洞に横たわる巨大な生物達を眺めている。

ぐるるる

震え上がりそうな唸り声。龍のような姿のものや、タコに似た姿のもの等、全部で四体の生物がもこもこによる修復作業を受けていた。



167:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/18(月) 21:25:21.89 ID:IgBURM0Y0

701

--湿地帯、ファクトリー--

緑もこもこ「ポテンシャルぱないっすよこれ!まじやべーっすよ!」

緑もこもこは歓喜の声をあげる。

黄もこもこ「うーん。第三世代達いい仕事するねぇ。さすがは僕達が作っただけはあるよ!」

青もこもこ「作った僕達が雑用で、作られたあいつらは上で祝杯かぁ」

茶もこもこ「……切ないよね」

灰もこもこ「実力主義もいいけど、敬う心は大事だよぉ」

もこもこ達「「「はぁ」」」

緑もこもこ「ぱねっーぱねっー!!まじぱねっー!!」

もこもこ達「「「……はぁ」」」

ため息の絶えない職場である。



168:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/18(月) 21:25:47.44 ID:IgBURM0Y0

702

--東の王国、野戦病院--

てててっ

ツインテ「あ!皆さん無事で……よかった。本当によかった」

ブルマ姿でアッシュ達に会いに来たツインテ。

アッシュ「ぶっ!?な、なんだその格好は!」

ポニテ「きゃあ!ツインテちゃんかわゆすぎる!」

レン「ツインテはぁはぁ」

真顔のまま鼻血を垂らすレン。

ツインテ「あはは……辻切りさんにその……」

アッシュ「!?や、やつに強引に着せ替えられただとぉ!?」



169:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/18(月) 21:26:31.33 ID:IgBURM0Y0

703

--東の王国、野戦病院--

ポニテ「口リショタ好きな上にブルマ趣味とか!!完全な変態じゃないか!!」

アッシュ「バカ野郎!!あいつは確かに変態だが、ブルマは男ならみんな好きなんだよ!!……あ」

ツインテ「……」

ポニテ「……」

レン「……」

見たことのないような視線を送られるアッシュ。

ツインテ「辻切りさんが、こ、これをきていけばみんな喜ぶって……傷の治りもいいっていうから……だからボク……」

ツインテは恥ずかしそうに体操着をぎゅっと掴んだ。



170:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/18(月) 21:26:58.36 ID:IgBURM0Y0

704

--東の王国、野戦病院--

のアッシュ「ツインテちゃんマジ無防備」

ポニテ「信じちゃうとかないわー」

レン「いいよいいよー」

おっさん兵士「はっ、はっ」

医療兵士「し、しっかりしろ!!頑張れ!頑張るんだ!この臓器が適応しなかったらお前……」

ツインテ達のコントの横で生死をかけた戦いが行われていた。

おっさん兵士「お、おが、おがぁちゃ、んごぶ!」

おっさん兵士は吐血を繰り返している。

医療兵士「そんな、ダメだ耐えろぉぉ!!耐えろよぉ!!」



171:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/18(月) 21:28:01.31 ID:IgBURM0Y0

705

--東の王国、野戦病院--

ツインテ「あ……」

アッシュ「……」

ポニテ「正直かなり犠牲は大きかったよ。私達がみんな無事だったのは本当に運がよかった……あの時だってキバお姉ちゃんが助けに来てくれなかったら今頃……」

レン「にゃあ……」

医療兵士「おいぃぃ!故郷に好きな女がいるんだろぉ!?帰ったら一緒になるって言ってたじゃないかぁぁ!!」

ポニテ「そんなこと言ってたんなら死ぬよそりゃ」

鼻をほじりながらポニテは眺めている。フラグにはシビアである。

おっさん兵士「も、もう一、度……あいつに、会いた、かった」

ふるふると震えながらおっさん兵士は涙を流した。



172:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/18(月) 21:29:35.32 ID:IgBURM0Y0

706

--東の王国、野戦病院--

医療兵士「だ、駄目だ生きろよ……生きろぉぉ!」

ぎゅっ

医療兵士「!?あんた……」

ツインテはおっさん兵士の左手を握る。

ツインテ「駄目ですっ!死なないで……っ!!」

おっさん兵士「暖かい……これは……」

おっさん兵士が閉じていた目を開くと、

ツインテ「……」

おっさんの手を握るブルマ姿の天使の姿が見えた。

おっさん兵士「ブル……マ……ブル、マ……ブルマ……」

おっさん兵士の顔に徐々に生気が宿っていくような気がした。



173:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/18(月) 21:30:25.22 ID:IgBURM0Y0

707

--東の王国、野戦病院--

医療兵士「!?拒絶反応が押さえられていく……やった!助かるぞ!!」

おっさん兵士「ブルマ……もう絶滅したものとばかり……おっさんの若い頃は当たり前のようにいたから気付かなかったよ……こんなにもかけがえのない存在だったんだって……」

失って初めて気付いたんだ、とおっさんは涙を溢す。

おっさん兵士「消滅したはずのブルマがあるなんて……ここはやっぱり天国……なのかな……とても心地よい」

ツインテ「貴方はまだ……生きてます。だからしっかりしてください」

慈愛の眼差しでツインテはおっさん兵士を見つめる。

おっさん兵士「なんてこった……天国でもないのにこんな素敵なものが見られるだなんて……俺はまだ死ねない……生きたい!」

医療兵士「いいぞ!!心臓が力強く血を押し出しているぞ!!」



174:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/18(月) 21:31:00.39 ID:IgBURM0Y0

708

--東の王国、野戦病院--

おっさん兵士「もっとブルマを……ありったけのブルマをかき集め捜し物を探しに行くのさ」

アッシュ「故郷の女はどうなったんだよ」

ポニテ「げに恐ろしきはツインテちゃんの魅力だよ!助かったはいいけどあれじゃただの変態さんだよ!」

レン「いやあれが本心だったんだにゃきっと。あのおっさん死に際まで変態チックなこと言いたく無かったからエアー彼女がどうのこうの言って格好よく死にたかっただけなんにゃ」

ポニテ「エアー彼女て」

アッシュ「正直エアー彼女は許してやって欲しい……」

レン「エアが付くだけでなんでも切なくなるにゃ」

ポニテ「エア病」

アッシュ「仮病だろそれ」



175:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/18(月) 21:31:38.91 ID:IgBURM0Y0

709

--東の王国、野戦病院--

アッシュ「意識がぼーっとしてきて、つい性癖暴露か……。俺ならそのまま殺して欲しかったな」

ポニテ「エアー彼女で死亡フラグ立てるとか、切なさここに極まれり!」

ツインテ(うぅ……回復魔法を流し込んだだけなんだけどなぁ……余計なことだったのかな)

おっさん兵士「ブルマー!!ほあーっ!!ほあーっ!!」

ツインテ「……なんか発狂してて怖い」

おっさん兵士「初めてブルマを盗んだのは小学四年生の頃でした。クラスのマドンナのブルマを盗んだつもりだったんですが、最初はまだ私も不慣れでして、間違って邪異子と呼ばれる女子のブルマを盗んでしまったんです」

アッシュ「おいまずいこと口走り始めたぞ」

ポニテ「蘇生やめたげてよぉ!!」

レン「警察よんどこーぜ」



176:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/18(月) 21:32:05.19 ID:IgBURM0Y0

710

--東の王国、廊下--

虎男「亜人の被害が……あまりに多すぎる!!ろくな作戦も無しに前線に送りこんだからがお……」

虎男はぷるぷると怒りに震えていた。

虎男「くっ!!」

狐男「どこいくコン?」

虎男「東の王殿に直接話をつけにいく!」

バタン!

荒々しくドアを開け、虎男は部屋から出ていった。

狐男「……無駄だと思うこん」

ずんずんずん

虎男(亜人王から賜りし同胞の命を、これ以上失ってたまるものか!!)



177:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/18(月) 21:32:40.48 ID:IgBURM0Y0

711

--東の王国、作戦室--

ばたん!!

虎男「失礼する!!」

東の王「……礼儀がなってないな」

東の王は書類に目を通していたが、虎男の訪問で顔をあげた。

剣豪「なんのようだ虎よ」

虎男「東の王殿!!亜人を前線で使うのをやめていただきたい!!」

東の王「……何を言いだすかと思えば」

東の王は葉巻を口にくわえる。

虎男「全戦闘区域で亜人だけが前線に立たされている!!これは紛れも無く差別的扱いである!!」



178:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/18(月) 21:33:10.57 ID:IgBURM0Y0

712

--東の王国、作戦室--

剣豪「……」

虎男「生き残った者達も被害が大きい!次の戦闘でも矢面に立てば、今日以上に同胞が死ぬことになるだろう!!」

東の王「……却下だ」

東の王は問答無用で切り捨てた。

虎男「なっ!?」

東の王「亜人の屈強な肉体があればこそのこの結果だ。前線に亜人が立っていなければこれ以上の損失が出ていだろう……。亜人達には申し訳ないが変えるつもりは更々無い」

虎男「ッッ!!し、しかし!!」

東の王「俺は命を平等に考えている。一人の命に差は存在しない。そう考えた時、死傷者の数が少しでも少ない方を選ぶのは当たり前じゃないか?」



179:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/18(月) 21:33:49.91 ID:IgBURM0Y0

713

--東の王国、作戦室--

虎男「っ!!」

東の王「それとも亜人の方が価値が高いのか?犠牲者の数まで平等にしろと?亜人が勝手に差別感を感じてヒステリーになっているんじゃないか?」

虎男「ぎっ!!」

飛び掛かろうとするのを自分の腕を掴んで必死に耐える虎男。

東の王「……この戦いがいつまで続くかわからない。だからいちいちそんな意見を聞くわけにもいかん。俺は一人でも多く兵士を生かす。以上だ」

剣豪(方便だなぁ)

虎男「!!……ッ!……お前は鬼だ、悪鬼だ!!」

東の王「……残念ながら鬼には生涯で一人しかあったことがないな」

東の王は煙を吐き出した。



180:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/18(月) 21:34:23.19 ID:IgBURM0Y0

714

--東の王国、野戦病院--

医者「ちょっといいかな?」

アッシュ「ん?」

レン「にゃ?」

医者は食事を取っていたアッシュ達に声をかけた。

医者「君たちに協力を頼みたいのです」

アッシュ「協力?」

ポニテ「なになにー!?」

医者「いやアッシュ君とレンちゃんだけでいいんですが」

ポニテは頬っぺたを膨らましてむくれてみせる。



181:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/18(月) 21:34:53.91 ID:IgBURM0Y0

715

--東の王国、野戦病院--

ポニテ「ふーんだ!どうせ私は何にも出来ないですよーだ!」

ツインテ「ぽ、ポニテさん別にそこまで言ってるわけじゃ」

ポニテ「どうせ無能な大飯ぐらいの役立たずですよーだ!!」

ツインテ「……」

アッシュ「……」

レン「……」

辻切り「……」

医者「……」

ポニテ「……なんでみんな顔反らしたこら」



182:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/18(月) 21:37:37.92 ID:IgBURM0Y0

716

--東の王国、野戦病院--

医者「と、とにかく力を貸して欲しいんです。お二人の力を」

アッシュ「む……まぁ構わないが明日の戦闘に差し支えない程度で頼む」

レン「うん。レンも早くおねむしたい」

医者「それなんですが、君たち二人を戦闘部隊から外させてもらいました」

アッシュ「何!?」

レン「どういうこと?」

医者「それほど……重要なことに協力する、ってことですよ」

ツインテ「すごい……」



183:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/18(月) 21:38:06.09 ID:IgBURM0Y0

717

--東の王国、野戦病院--

ポニテ「えー!?ポニテもポニテもー!!」

医者「ポニテちゃんは明日も戦場で頑張ってもらいます」

辻切り「ごwwざwwるww」

ツインテ「何その笑い!?」

レン「ていうかいたんだ?」

アッシュ「……俺達は何をするだ?」

医者「この戦いを終わらせるんです」

レン「!?戦いに行かずにそんなことが!?」

医者「うまく行けば……ですが」



184:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/18(月) 21:38:33.18 ID:IgBURM0Y0

718

--東の王国、野戦病院--

アッシュ「……しかし、ポニテと連携を取れる奴が戦場にいなくなるのはまずい」

レン「にゃあ」

医者「え?ポニテちゃんは一人の方がいいんじゃないんですか?」

ポニテ「!……まぁそうかも」

ツインテ「?な、何言ってるんですか!!女の子一人の方がいいだなんて、そんなことありえません!!」

ポニテ「あーいいよいいよツインテちゃん、気にしないでよ。他の三強さん達と一緒にいるから大丈夫っ」

辻切り「……」

辻切りは茶飲みに口をつける。

医者「とにかく、二人は食事が済んだらすぐに私の部屋に来て下さい」



185:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/18(月) 21:39:02.94 ID:IgBURM0Y0

719

--東の王国、野戦病院--

新王「……やぁ久しぶり」

魔法使い「……」

新王はお茶の入ったコップを持って魔法使い達に近づいた。

キバ「あ、新王様!……そっか魔法使いの友達なんだよね。じゃあ私席外すから」

魔法使いにそう言って立ち上がる。

新王「あ、いやそこまでしてもらわなくても」

キバ「でも、せっかく持ってきたお茶も2つしかないですし!」

キバはくすりと笑う。

新王「あ……」

キバ「友達同士でしか話せないこともあるでしょうからどうぞ!」

新王「そう?ごめんね」

いーえ、とキバは答えてその場から去っていく。



186:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/18(月) 21:39:31.80 ID:IgBURM0Y0

720

--東の王国、野戦病院--

新王「……」

魔法使い「……」

新王「えっと……お茶どう?」

新王はコップを差し出した。

新王「今どんな生活しているんだい?」

魔法使い「……この国の傍らでひっそりと」

新王「へぇ。大変そ……いや、幸せそうだ」

魔法使い「……」

新王「好きな人と居られるのはそれだけで幸せだ。それはなにものにも替えがたい」

新王はお茶に口をつける。

新王「君だけの居場所が出来たんだね。僕達は……君から奪ってしまったもんね」



203:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/22(金) 22:35:03.33 ID:vN75WtqR0

721

--東の王国、野戦病院--

魔法使い「俺を笑うといい」

新王「え?」

突然の魔法使いの発言に新王は首をかしげた。

魔法使い「あれだけお前らを非難し、実力行使をしてまで連れ戻そうとした俺が……この様だ」

新王「魔法使い君……」

魔法使い「王国の王になったんだ、キバがどんな存在か……わかっているんだろう?それともあの戦争で見たか?」

新王「……」

魔法使い「あいつは勇者の出来損ないであり、魔王もどきだ……俺が……殺そうとした勇者とそう変わらない」



204:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/22(金) 22:36:02.64 ID:vN75WtqR0

722

--東の王国、野戦病院--

新王「……今なら、盗賊君の気持ちがわかるかい?」

魔法使い「どうかな。ただ……」

魔法使いは言葉を飲み込んだ。

魔法使い「……本当にすまなかった」

新王「こっちこそ……ごめんね」

魔法使いはそれだけ言うと顔を背けた。

新王「というより、僕が謝られる理由なんて無いよ……」

新王はコップに口をつけて離す。

新王「盗賊君は勇者さんと、魔法使い君はキバさんと、僕は踊子さんと……。みんな逃げた者同士なんだ」



205:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/22(金) 22:37:01.65 ID:vN75WtqR0

723

--東の王国、野戦病院--

魔法使い「……俺の場合は俺から逃げたわけじゃないけれどな」

ふん、と鼻を鳴らして魔法使いはコップを空にする。

新王「ねぇ王国にこないかい?静かに住めそうな場所を知ってるんだ。今の君たちの境遇よりいくらかましだと思うんだが」

魔法使い「いや、ありがたいが断る」

すっぱりと断る魔法使い。

新王「ん……でも魔王化もうちにくれば少しは」

魔法使い「あいつの最後は、あいつの好きな場所で……眠らせてやりたい」

新王「……もうそんなに悪いのか」

魔法使い「白々しい真似はよせよ。それとも気を使ってくれているのか?知らないわけがないだろう」



206:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/22(金) 22:37:52.77 ID:vN75WtqR0

724

--東の王国、野戦病院--

新王「……うん」

魔法使い「実験材料はごめんだ。薬まみれの生活に価値は無い」

新王「……僕はそれでも生きていてくれたらと思うよ」

魔法使い「俺はそこまで強くない。あいつも。だから、もう決めたんだ」

新王「そうか。それなら仕方ないな……」

新王はゆっくりと立ちあがった。

魔法使い「あぁ……」

新王「死なないでね」

魔法使い「……あぁ…………………………でゅくし」



207:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/22(金) 22:38:27.97 ID:vN75WtqR0

725

--黒空--

バサッ、バササッ

漆黒の闇。月明かりが雲に隠された夜、真っ暗な空を巨大な何かの群れが飛んでいる。

バササッ、バサッ

????「ぬふぅぅあぁぁ……ひぃさしぶりぃぃだぁぁ人間かぁぁぁいよぉぉ……」

??「随分長い間籠もっておられましたからね」

?「東の王国……どのように変わっているだろうか」

???「案外何も変わっていないかもしれない」

????「ぶるぅぅぅあぁぁあ……んんんなぁぁんんにぃせよぉぉ……たのしみではぁぁぁ、あぁるぅぅ……」

バササッ、バササッ

ドラゴン「ぎゃるっるあああ!!」

cv若本が率いる謎の大群が東の王国を目指していた。



208:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/22(金) 22:39:21.29 ID:vN75WtqR0

726

--東の王国、作戦室--

通信兵「各員持ち場についたようです」

東の王「うむ。ツインテ」

ツインテ「は、はい。今日も昨日と同じ布陣で来るみたいです」

辻切り「むにゃむにゃツインテ殿……もうそんなに……ンツ食えないでござるよ」

選抜兵「何を夢で食ってんだ何を」

東の王「よし、皆の者!ここが正念場だ!!今日を持って全てのもこもこを駆逐する!!」

おおー!

虎男「……ぐ」



209:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/22(金) 22:40:39.85 ID:vN75WtqR0

727

--右橋盆地--

どど……

吟遊詩人「目標を肉眼で確認~やっちゃってよ魔法使い君~」

魔法使い「お前に命令される気は、ない!雷属性超範囲攻撃魔法、レベル」

ズボ

土泳型もこもこ「にぃ」

魔法使い「!?こいつ地面から」

地面から現れた細長い体つきのもこもこは、その鞭のような腕で魔法使いをひっぱたいた。

バヂィン!!



210:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/22(金) 22:41:15.07 ID:vN75WtqR0

728

--右橋盆地--

魔法使い「がはっ!」

吟遊詩人(僕のソナーからどうやって……)「回復の詩~」

ポロロン

吟遊詩人はもこもこの鞭を紙一重で交わしながら回復の調べを奏でる。

狐男「魔法使いが危ないコン!水属性攻撃魔法、レベル3!」

バッシャァン!

土泳型もこもこ「!」

もこもこは押し寄せる水流を回避するために穴に潜った。

狐男「回避になってんのかそれ!穴に水流し込むコン!」

ズボ!

狐男の背後から出現するもこもこ。



211:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/22(金) 22:41:56.54 ID:vN75WtqR0

729

--右橋盆地--

狐男「!?はやっ」

ズシャッ!

狐男「はぐっ」

狐男は背中を攻撃される。

ズボ
ズボ
ズボ

吟遊詩人「!」

地面からもこもこ達が出現した。その数たるや十を越える。

魔法使い「各小隊、連携を取りながら各個撃破!」

兵士達「「「はっ!!」」」

吟遊詩人「隊長より命令してるらら~」



212:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/22(金) 22:43:10.51 ID:vN75WtqR0

730

--中央荒れ地--

剣豪「……ばかな……」

ひゅーん
ばささっ

槍兵「まぢかよ……」

画家「ぎゃはは」

剣豪達の遥か上空を飛んでいくもこもこ達。

飛行もこもこ「ククク、キサマラガジベタヲハイズリマワッテルアイダニ、オマラノコロニーヲブチコワシテヤンヨ」

百体を越えるも新種のこもこは、空を黒で埋め尽くして東の王国に向かっている。

剣豪「話と違うじゃねぇか……画家!人形師!」



213:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/22(金) 22:43:50.11 ID:vN75WtqR0

731

--中央荒れ地--

画家「ぎゃはは!」

人形師「やってみましょうかねぇ」

画家は地面にさらりと絵を描いた。すると巨大な大砲が出現する。

人形師「でかいのは召喚士君がいないと取り出せないから不便ですねぇ。私達はコンビになって初めて真価を発揮するというのにぃ。わかってないですね東の王様もぉ」

そう言ってマントの下から蛙のぬいぐるみのようなアイテムを取り出した。

召喚士「ふんふぅん」

召喚士は蛙の口に手を突っ込み中から巨大な鳥を取り出した。



214:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/22(金) 22:45:26.03 ID:vN75WtqR0

732

--中央荒れ地--

槍兵「ため込み蛙か。一個だけならどんなものでもいれておけるモンスター。レア物じゃねぇかうらやましい」

人形師「行きなさいデカバード」

人形師が糸を通して操ろうとしたその時、

ドガァァン!

剣豪「!?爆撃……砲撃か!」

剣豪は目を細めて地平線を見つめる。遥か遠くに、地上を埋め尽くすほどのゆらゆらと揺らめく物体が並んでいた。ムー○ンのにょろにょろみたいなの。

……るるる

剣豪「ッ!来るぞ!!砲撃だ!!」

ドガッドガドガドガァァン!!



215:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/22(金) 22:48:20.64 ID:vN75WtqR0

733

--左草原--

召喚士「他の地域が押されてるでやんすか!?」

通信部下『はいっ!特に剣豪様達の所は……あれ?あの召喚士様?』

召喚士「なんでやんす」

通信部下『今そこは危険じゃ?』

召喚士「いや全然。警戒はしているものの全くなんもこんでやんす」

キバ「けほこほ」

ポニテ「つまんなーい。とか言ってられないくらい強いから正直ほっとしてるー」

虎男「これはまさかでがお……」



216:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/22(金) 22:50:48.78 ID:vN75WtqR0

734

--東の王国、作戦室--

東の王「どういうことだこれは!敵の居場所、数、種類!その他もろもろ全てでたらめじゃないか!」

ツインテ「へ、へぇぇ!?な、なんで?もこもこちゃん……」

ツインテもこもこ『……もこもこちゃんねるに書き込んである情報に間違いがあるはずが……』

もこもこちゃんねるとは、リアルタイムで書き込まれる意見交換ネットワークである。

ツインテもこもこ『……まさか』

ここには作戦内容から遭遇した敵の特徴、救難信号、今日の晩ご飯に至るまで、全ての情報が書き込まれている。

ツインテもこもこ『こっちに気付かれていた?』



217:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/22(金) 22:51:52.61 ID:vN75WtqR0

735

--東の王国、作戦室--

指揮官型もこもこ「やれ」

バチィ!!

ツインテ「んぎゃっ!!」

その時ツインテに電流走る。

通信兵「!?」

辻切り「ツインテ殿!?」

ツインテ「あ、ああ……アアァぁぁ!!」

ツインテは頭を抱えて床に倒れこむ。

東の王「どうしたというのだ!?」

ツインテもこもこ『ま、ママまずい、ハッキングを、うけ、うけうけてる』



218:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/22(金) 22:53:46.43 ID:vN75WtqR0

736

--東の王国、作戦室--

ツインテ「頭が、痛いよっ!」

辻切り「ツインテ殿!!しっかりしてくだされ!!拙者ちょっとリョナもいける口でござるから!!」

辻切りははぁはぁしながらツインテに駆け寄った。

ツインテ「あ、や、いやあああ!!」

涎を垂らしながらビクンビクンと体をはねらせるツインテ。

辻切り「こ、これまずくないでござるか?」

ツインテもこもこ『ぎ、くそ、切断、でき、ね……すまな、ツイン』

ブツン

ガクッ



219:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/22(金) 22:54:43.11 ID:vN75WtqR0

737

--東の王国、作戦室--

ツインテ「……」

ツインテは辻切りの腕の中で動かなくなった。

辻切り「」

力なく垂れた左腕が地面に叩きつけられる。


--湿地帯、ファクトリー--

指揮官型もこもこ「ふん、裏切りものが気を失ったことで回線が切れたか。やつめあえて抵抗せずに落とされるのを待ったな」

補佐もこもこ「オカゲデ対象ヲ完全二洗脳デキナイドコロカ、脳ヲヤキキルコトモデキマセンデシタ」

指揮官型もこもこ「まぁいい。作戦は順調だ。海の部隊はどうなっている?」

補佐もこもこ「マモナク上陸スル頃カト……」



220:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/22(金) 23:00:41.19 ID:vN75WtqR0

738

--東の王国、作戦室--

通信兵「……」

選抜兵「……」

東の王「これはまずいぞ……おい誰か医務室に連れていってやれ」

東上級兵「はっ」

通信兵「ん、東の王様、海岸線沿いを見晴らせていた兵士から連絡がありました。敵の海上部隊が出現したようです」

東の王「なんだと!?手の空いているもの達を急行させよ!」

通信兵「草原を担当している部隊に連絡してみます」

選抜兵「俺も行きますよ」

医者「こんな状況じゃ仕方ないですね……私も行きます。新王様にも声をかけましょう。辻切り君……」

辻切り「拙者はツインテ殿の傍にいるでござる。拙者はツインテ殿を守るのでござる」

医者「……わかりました」

東の王「……よもや敵にばれているとはな。たかがモンスターと侮った」

作戦室は東の王と通信兵、それと兵が二人だけになる。



221:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/22(金) 23:01:07.84 ID:vN75WtqR0

739

--中央荒れ地--

剣豪「けっ……まだこんな隠し玉があったとは……」

血塗れになっている剣豪の前に立っているのは槍型よりもなおごつい鎧を纏ったもこもこ。

上級もこもこ「ふしゅ~」

剣豪「なんてこった。全然つえぇじゃねぇか」

剣豪はうれしそうに顔を引きつらせる。

砲台もこもこ「にょろーん」


--東の王国、作戦室--

通信兵「!最前線の亜人兵より連絡、何か巨大なものが打ち上げられたと!!」

東の王「次から次へと……打ち上げたというのはなんだ?何を」

通信兵「待ってください今映像を」



222:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/22(金) 23:01:40.78 ID:vN75WtqR0

740

--東の王国、作戦室--

通信兵は遠隔操作で操っている人形の視線を探る。

通信兵「!捉えました。メインモニターに映します」

ブゥン

ざわ

兵士達がどよめいた。そこに映っていたのは、煙を出しながら空へと上っていく巨大な生物。

東の王「ま、まさかあの黒の空に行く気なのか?」

ドドドドドド

通信兵「……馬鹿な。あれだけの高度、生物が耐えられるはずが……」

ゴゴゴゴ

モニターに映るそれには、人類を終わらせる力がある。
そう誰もが確信した。



228:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/27(水) 22:10:27.06 ID:hDlZD/kQ0

741

--左草原--

召喚士「急ぐでやんす!みんなこいつに乗れでやんす!」

召喚士が召喚したのは胴の長い、巨大なもぐら。

電車もぐら「もぐー」

召喚士「超特急で海岸に行くでやんすよ!」

虎男「ほう」

キバ「すごいです!私も召喚系の魔法使えますがこんなの見たことない!」

召喚士「甘くみてもらっちゃあ困るでやんす。拙者は召喚系最強の人間なんでやんすから!」

ポニテ「じゅる……」



229:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/27(水) 22:11:10.92 ID:hDlZD/kQ0

742

--右橋盆地--

魔法使い「こいつ……MAP攻撃では倒しきれない!?」

上級もこもこ「ぎゃしゃあ!」

吟遊詩人「それでも大分ダメージ与えられたよ。後は私が受け持とう~」

変化師「お、おでも!」

狐男「やってやるコン!」

ダダダダダ

上級もこもこが恐ろしい勢いで前進してくる。

変化師「!み、みんな!飛べ!」

突然の変化師の発言。

吟遊詩人「?……了解~では皆さん空の旅へご招待~跳躍力強化レベル4」

ビョン!!



230:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/27(水) 22:11:46.00 ID:hDlZD/kQ0

743

--右橋盆地--

兵士たちも含めて百名近くが飛び上がる。垂直飛びで五十メートルほど。

ギリギリ

地面に一人残った変化師は右腕に力を込めて構えている。

変化師「ス、スキル、もぐら叩き」

スッ

ポポポポーン!

地面から勢いよく飛び出して来たもこもこ達。

土泳もこもこ「ギ、誰モイナイ」

変化師「お、おでがいる」

めしゃしゃしゃ!



231:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/27(水) 22:12:23.88 ID:hDlZD/kQ0

744

--右橋盆地--

土泳もこもこ「ぶっ」

顔と腕だけだしたもこもこの顔面に、次々と拳が叩きこまれて行く。

吟遊詩人「対下用スキルとはよく積む気になるなぁ~汎用性低いから覚えなかったよ~」

狐男「スキルページの無駄だって教わったコンよ」

魔法使い「それでもあいつのおかげでノーダメージで切り抜けられた」

変化師「ふしゅ~」

変化師は落ちてくる兵士たちのために両腕を広げた。

変化師「へ、変化、網!」

ぶわわっ!

変化師の両腕が巨大な網になって、みんなを落下から救った。

吟遊詩人「あはは。そういや着地を忘れていたよ~」

魔法使い「そんな全滅は勘弁してくれ」



232:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/27(水) 22:13:00.18 ID:hDlZD/kQ0

745

--中央荒れ地--

西兵士「我々もお役に立つんだ!!行くぞ!!」

南兵士「ぐぅる」

上級もこもこ「かはは!きさまらゴミがいくら集まろうと」

上級もこもこは持っていた槍を振り回す。

ボボボ!

北兵士「ぎゅっ!」

恐ろしい速度と威力をかねそろえた突きが、容赦無しに兵士達を穴抜きにしていく。

東上級兵「ぐっ!こんなばかな!」

ドグシャッ!!

槍で顔面を砕かれて吹き飛ぶ上級兵。



233:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/27(水) 22:13:47.01 ID:hDlZD/kQ0

746

--中央荒れ地--

上級もこもこ「貴様らのエース級ですら我には何も出来なかったというのに。かはは!笑わせる!」

王国兵士「なん……だと」

足を斬り飛ばされた兵士は絶望の表情で上級もこもこを見上げていた。

バガシャッ

問答無用に踏み砕かれる王国兵士。そこに慈悲など存在しなかった。

上級もこもこ「どうあがいても絶望しかないのなら、やっぱり死ぬしかないなぁ」

槍兵「っっ!調子こいてんじゃねーぜ!!」

上級もこもこ「!」

上級もこもこの後方から槍兵が駆けてくる。

槍兵「スキル、百突きィ!!」

ずががががが!



234:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/27(水) 22:14:20.29 ID:hDlZD/kQ0

747

--中央荒れ地--

超高速の乱れ突き。

上級もこもこ「かはは!ぬるい!」

上級もこもこは巧みな槍さばきで全ての突きを弾いている。

上級もこもこ「遅い!」

ガキィン!

槍兵「っ!?」

一瞬の隙を突かれた槍兵は打ち上げられてしまう。

上級もこもこ「弱い!」

上級もこもこの口から魔力弾が放たれる。

槍兵「!」

ドガァァン!!

上空で炸裂し槍兵の血が飛び散った。



235:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/27(水) 22:16:27.27 ID:hDlZD/kQ0

748

--中央荒れ地--

槍兵「ず」

どしゃ

地面に打ち落とされた槍兵。
防御に使った両腕と左足は大量の血を吹き出して、ぐしゃぐしゃに変形していた。

槍兵「溜め無しだからと、あなどったぜ……」

上級もこもこ「ほう、まだ死なんか」

槍兵(後のことなど考えずに一撃必殺を放つべきだったッ!!……俺はまだ未熟だ!!)

槍兵は悔しそうな表情で自分の槍を見つめる。

じゃり

上級もこもこは槍を振り回しながら槍兵に接近する。

槍兵「動くこともできねぇ……くそ情けねぇ」

まだろくに戦っちゃあいないのによ、と槍兵。

上級もこもこ「これが、リアルだ」



236:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/27(水) 22:18:04.56 ID:hDlZD/kQ0

749

--中央荒れ地--

ズガッ!!

上級もこもこ「っっ!な、に?」

背後からの一撃。

剣豪「ッ!不意討ちなんてきたねぇマネしたっていうのに、倒しきれてねぇ!!」

画家「ぎゃはは!」

上級もこもこ「!?きさまら……倒したはずでは」

剣豪(あいつめ。残った少ない魔力で、回復術師を操って俺と画家を治すとは……見直してやらんこともない)

画家(さすがは北の三隊長、人形師。って感じぎゃはは!)



237:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/27(水) 22:18:39.08 ID:hDlZD/kQ0

750

--中央荒れ地、前線--

上半身だけになっている人形師は、仰向けになって空を眺めている。

人形師(やれやれぇ……あの人達ぃ、ちゃんと蘇生チーム呼んでくれるんでしょうねぇ……)

ごふ、と血を吐いて人形師は意識を失った。



--中央荒れ地--

上級もこもこ「ならばもう一度土に埋まれ!」

剣豪「二度もやられっかよっ!」

ギャイン!

画家「ぎゃはは!でっかい斧!」

画家は地面に巨大な斧を描いた。

画家「ぎゃはは!お、おもっ!」



238:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/27(水) 22:19:19.70 ID:hDlZD/kQ0

751

--中央荒れ地--

ズゴゴ

画家は実体化した斧(十メートルはある)を持ち上げると上級もこもこに振り下ろした。

上級もこもこ「っ!こざかしい!」

バガァン!

しかし上級もこもこはそれを素手で破壊してしまう。

画家「っ!?」

バラバラ

上級もこもこ「きさまらが何をやってもー!」

ドッドッド!

上級もこもこは斧の破片が降り注ぐ中、槍を構えて突進する。

カカン



239:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/27(水) 22:21:15.09 ID:hDlZD/kQ0

752

--中央荒れ地--

画家「シールド!」

咄嗟に盾を描いて構えた画家だったが、

ドガァァン!!

上級もこもこはいとも簡単に盾を破壊し、そのまま画家を貫いた。

画家「ぎょぶっ!」

ビチャチャ

上級もこもこ「……そうか、ここでやめては二の舞だな。別に追ってこられても障害にはならないが、」

もぎ

上級もこもこは目の前で痙攣している画家の頭をもいだ。

ぶちぶちぶちぃ



240:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/27(水) 22:21:41.10 ID:hDlZD/kQ0

753

--中央荒れ地--

剣豪「……ッ」

上級もこもこ「こうまですれば追ってこれまい」

上級もこもこは生首を放り投げると、ゆっくりと剣豪の方を向く。

上級もこもこ「……いつまでそこでジッとしてる」

剣豪は刀を鞘に収めたまま、身動きせずジッと構えていた。

上級もこもこ「怖じけついたのか?」

ズン、ズン

剣豪「……」

ズン、ズン



241:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/27(水) 22:22:28.19 ID:hDlZD/kQ0

754

--中央荒れ地--

上級もこもこ「……かはは!まさかびびって言葉も出ないのか!?ならば一撃で葬ってやるとするか」

それでも剣豪は居合い抜きの構えのままピクリとも動かない。

上級もこもこ(……この構えは居合い。納刀からの抜刀技……しかし片腕のこいつには扱いきれんだろうし、威力もたかがしれている。……恐れることはないな)

上級もこもこは槍を構えて、突き出した。

ジャッ

上級もこもこ「」

その瞬間上級もこもこは見た。刀のつばの所に妖精がいる。そしてそれが刀を送り出したのを。

斬ッ!!



242:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/27(水) 22:23:03.03 ID:hDlZD/kQ0

755

--中央荒れ地--

上級もこもこ「……」

剣豪「……」

剣豪と上級もこもこは背中合わせに立っている。

剣豪「……」

ポタタッ

剣豪の脇腹から血が滲み、地面に後を残す。

上級もこもこ「……………………そんなバカな」

バキン、ガラガラ

上級もこもこの鎧に切れ目が入ったかと思うと、音を立てて崩壊していく。

上級もこもこ「俺の防御力を、上回る……だと」



243:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/27(水) 22:23:50.10 ID:hDlZD/kQ0

756

--中央荒れ地--

ブシャアッ!

上級もこもこの胸から血が噴出する。

上級もこもこ「た、たかが人間の攻撃で……片腕の居合いでっ!」

上級もこもこは振り向いて剣豪に飛び掛かる。

剣豪「動揺してんじゃねぇよ、化物」

ズバッ!

剣豪の刀は鎧の剥がれた部分を貫いた。

上級もこもこ「がはっ!!」

ズズゥゥン!!

剣豪「……やれやれだ……一体ぶっ殺すのにこれかよ」

剣豪は脇腹を押えて悪態をつく。



244:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/27(水) 22:24:20.92 ID:hDlZD/kQ0

757

--中央荒れ地--

パタタ

緑の妖精『溜め攻撃は、剣豪ちゃんの最大威力の技だもんね。地味だけど』

妖精は剣豪の周りを飛びまわる。

剣豪「ふん。数ターン使用しなきゃならない博打技だったが……作戦通りいったな」

緑の妖精『感謝しないとね!人形師君に治してもらって、画家君が囮になってくれたから出来たことなんだから』

剣豪「……」

剣豪はぼりぼりと頭をかいてしゃがみ込む。

剣豪「はぁ。普通逆だよなぁ、年齢的に」

若いのが踏み台になってんじゃねぇよ、と剣豪は画家の生首に話し掛けた。

ザっ

東上級弓兵「ここにいましたか剣豪様!」



245:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/27(水) 22:24:54.78 ID:hDlZD/kQ0

758

--右橋盆地--

上級もこもこ「ぬぅ!同士がやられおった!」

魔法使い「はぁはぁ……?」

吟遊詩人「へぇ~剣豪さん辺りかな~?それともキバさんかな~」

狐男「コンコン!」

変化師「お、おで……」

上級もこもこ「ッ!こいつらを撃滅し、一刻も早く仇をとらねば!」

上級もこもこは剣を振るう。

狐男(正直きついコン……早くて硬くて強いなんて反則コン)

魔法使い(ただそれが全てならまだ勝ち目はある)

吟遊詩人(直球がダメでも変化球があるらら~)

変化師(お、おで!)



246:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/27(水) 22:25:42.55 ID:hDlZD/kQ0

759

--右橋盆地--

変化師は赤く染まった両腕を突き出す。

変化師「へ、変化、竜口!」

変化師が叫ぶと、変化師の両腕が竜の顔に変わった。

上級もこもこ「くはは!手品師にでも改名したほうがよかろ!?」

変化師「り、竜咆哮!!」

竜の口に魔力が満ち、灼熱の弾丸が発射された。

ギャオォ!!

上級もこもこ「ぬ!」

ドガァァン!!

直撃。しかし上級もこもこは被弾する瞬間に左腕の盾で防御していた。

ブスブス

魔法使い「っ!あの火力でろくにダメージを与えられないのか」

吟遊詩人「盾は半壊してるらら~」



247:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/07/27(水) 22:26:27.97 ID:hDlZD/kQ0

760

--東の王国、作戦室--

通信兵「!敵、無数の飛行体が本国に接近中!!」

東の王「!!包囲網の上を突破してきたやつらか……俺が出るか」

通信兵「!!王様自らですか!?」

東の王「俺も腐っても東の三強の一人。長らく戦場に立っていないが、まぁなんとかなるだろう」

通信兵「ッ……選抜兵!」

選抜兵「言われなくてもわかってる。私もお供します!」

東の王「あぁ。それと通信兵、新王殿に連絡をしておけ」

通信兵「はい!」

東の王「ふん……」

東の王は右腕の袖をまくりあげる。すると複雑な紋章が姿を露わした。


--東の王国、上空--

飛行もこもこ「王を取る!!」



256:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/04(木) 00:12:12.71 ID:vLFiLX5W0

761

--東の王国--

新王「情報を聞くかぎり中々まずい状況ですね」

東の王「あぁ、全域で押されている。海岸線は?」

新王「第一波はなんとか。選抜兵君達が頑張ってくれました」

選抜兵「はー、はー……」

膝に手を当て息をしている選抜兵。

東の王「……志願はいいが、お前空中戦も出来たのか?」

選抜兵「はい。飛行モンスターを数体捕まえてますから」

東の王「ふむ。若い奴らの職業は汎用性があっていいな」

新王「ですね、羨ましい限りです」

選抜兵「何をおっしゃいますか……!お二方ともあろう方が」



257:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/04(木) 00:13:15.59 ID:vLFiLX5W0

762

--東の王国--

新王「!来ましたね」

東の王「あぁ」

選抜兵「う……北の空が真っ黒だ……」

ギャーギャー

黒い空がけたたましい叫び声をあげながら近づいてくる。

新王「そうですね……出方次第ですが、僕が初撃を与えます」

東の王「ふむ。なら俺が撃ち漏らしを落とそう。選抜兵や弓兵達はその残りを頼む」

兵士達「「「はっ!!」」」

兵士たちは一斉に構えだす。



258:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/04(木) 00:14:49.52 ID:vLFiLX5W0

763

--東の王国、上空--

飛行もこもこ「ナニヤラ迎エ撃トウトシテイルヨウダガ、無駄ナコトヨ!ワレラハキサマラノ射程内ニハイルコトハナイ!」

飛行もこもこ達は一斉に口を開く。

ギギギギ



--東の王国--

選抜兵「!しまった魔力砲撃!今からじゃ間に合わない!!」

東の王「ふん、バカの一つ覚えだな」

新王「報告で聞いていた通りで助かりましたね」

選抜兵「!?な、なんでそんなに余裕なんですか!?あそこから撃たれたら市民達にも被害が!」

新王「多分大丈夫ですよ」

新王は手のひらをもこもこ達に向ける。

スッ



259:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/04(木) 00:16:25.49 ID:vLFiLX5W0

764

--東の王国--

ギギギギ!

もこもこの口にはすでに納まり切らない程の魔力が集約されていた。

東の王「見ておくといい選抜兵。これが勇者パーティに属していた者の力だ」



--東の王国、上空--

飛行もこもこ「ハナテー!!」

ギュイイイン!



--東の王国--

新王「範囲選択、魔力暴発レベル4」

ドガドガドガドガドガドガドガドガドガァァン!!

真っ黒に染まっていた空が大爆発を起こした。連鎖に次ぐ連鎖で、爆音が鳴り響いている。



260:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/04(木) 00:18:43.75 ID:vLFiLX5W0

765

--東の王国--

選抜兵「なっ……!!」

東の王「新王殿の射程距離は人類最長だ」

選抜兵は目の前の光景が信じられないでいる。

新王「!」

ボフ、ボフボフ

爆煙の中からもこもこが飛び出した。

新王「やはり仕留め切れませんでした。強力な個体か、それともあの瞬間に攻撃をやめて防御に撤した勘のいい奴か」

東の王「ダメージが入ってないわけじゃない。焼き切るさ」

東の王が右腕に魔力を流すと、紋章が赤い光を発する。



261:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/04(木) 00:21:24.09 ID:vLFiLX5W0

766

--東の王国--

東の王「ふんっ」

ボッ!

突き出した人差し指から炎のレーザーが発射された。

ジュウン

飛行もこもこ「ぎゃぁ!」

いとも容易くもこもこの装甲を突破するレーザー。そして全身を発火させる。

飛行もこもこ「ぎゃわあぁぁ!!」

ボボボボッ

東の王は爆煙から出てくるもこもこを次から次に打ち抜いていく。

弓兵「……王タッグつえぇ」

選抜兵「や、やることねぇ」



262:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/04(木) 00:23:45.38 ID:vLFiLX5W0

767

--海岸線--

召喚師「海岸線についたでやんす。なんもいないでやんす」

キバ「イカさんタコさんがいっぱい死んでます」

ポニテ「食べたら寄生されるかな……」

虎男「がお。見張りも立たせていないとは、たるんどるがお!」

通信兵『……誰もいない?そんなハズはありません。海岸線の部隊がまだそこにいるはずです』

ひょこひょこと歩く人形が海岸線を覗く。

通信兵『……い、いない。そんな!何かあればすぐに気付くはず!!誰も声をあげずにいなくなるなんてこと……』

キバ「私がみんなを探してみます」

キバは砂浜に降り立つと目を閉じた。



263:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/04(木) 00:24:37.33 ID:vLFiLX5W0

768

--海岸線--

召喚師「いややめるでやんす。あんた随分具合悪そうでやんすし。ここは……」

召喚師が他のメンバーの顔を見わたした。

ポニテ「ふにゃ?」

ポニテはイカやタコもこもこを食している。

虎男「ふんっ!ふんっ!」

暇だと感じたのかスクワットをしている虎男。

召喚師「……わかってたでやんす。おいらがやるでやんすよ」



264:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/04(木) 00:27:40.41 ID:vLFiLX5W0

769

--海岸線--

召喚師「召喚ほい」

ボゥン

六芒星からイルカに似たモンスターが出現する。

イルカ「なるとー!」

召喚士「こいつで探すでやんす」

パシャ

イルカは着水すると、いなくなった兵士達を探すために音波を発し始めた。

イルカ「きゅいーんきゅいーん」

召喚士「パルス音でやんす」

イルカ「ぱーるーぱーるりぱーるりらー」



265:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/04(木) 00:29:07.36 ID:vLFiLX5W0

770

--海岸線--

キバ「それは……」

イルカ「きゅい!」

イルカは必死の表情で召喚士に語り掛けます。
風が語り掛けます。

召喚士「?……!!海の底でやんすと!?」

キバ「海底に兵士達が……?」

虎男「ふむ……なにやら嫌な感じがお」

ポニテ「海底って、死んじゃってるんじゃ……」



266:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/04(木) 00:31:19.39 ID:vLFiLX5W0

771

--海岸線--

召喚士「……ううん。まぁまず間違いなくやられてるでやんしょ」

キバ「……」

虎男「……なら」

召喚士「でも死体を回収できたのなら蘇生するチャンスが生まれるでやんす」

キバ「!」

虎男「ふむ……」

ポニテ「!!」

キバ「見捨て……ないんですか?」

キバは召喚士の顔を覗き込みながら恐る恐る尋ねた。



267:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/04(木) 00:37:11.46 ID:vLFiLX5W0

772

--海岸線--

召喚士「?なんででやんす?意味がよくわからんでやんす」

キバ「蘇生出来るかわからない人達のために命の危険を晒してまで助けにいくなんて……効率的じゃないです」

召喚士「効率的じゃないでやんすよ?」

キバ「今は全体的にかなりピンチな状況なんです!死体を回収するより、他の部隊の援護に回った方がいいに決まってるんです!」

召喚士「決まってるでやんす」

キバ「……それでも……助けに行くんですか?」

召喚士「当たり前でやんす。人を助けるためだけに三隊長になったでやんす」

しれっと言い放つ召喚士。



268:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/04(木) 00:37:41.76 ID:vLFiLX5W0

773

--海岸線--

虎男「うぅむ、中々どうして」

虎男はニヤリと笑う。

召喚士「つっても危ないことには違いないでやんすからおいら一人で行ってくるでやんす。君たちは城に行って」

キバ「かっこいい!!」

突然大声を出すキバ。

召喚士「び、びっくらしたでやんす……」

キバ「かっこいいですぅ……そこまではっきり言い切るなんてかっこいいです!!私ファンになりました!!剣豪さんの次くらいに!!」

キバは目を輝かせている。



269:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/04(木) 00:38:09.31 ID:vLFiLX5W0

774

--海岸線--

召喚士「……別にそんなことはないんでやんす。国としてはマイナスの行動でやんすよ」

キバ「でも人としてはプラスです!」

ポニテ(……そういえば北の王国でもこの人達、いつも他の人のことを)

虎男「我が輩も行くぞ。ここには亜人兵も配備されていたからな……。ちっ、もはや格好がつかんな」

虎男は目を瞑って笑う。

虎男「ん?ってよく考えたら北は南に対して差別的な感情があったような」

召喚士「あー、恥ずかしい話でやんすがあれは国策ということに」



270:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/04(木) 00:39:10.97 ID:vLFiLX5W0

775

--海岸線--

召喚士「本当にお嬢ちゃんも行くでやんすか?危ないでやんすよ?」

ポニテ「いくもん!ポニテだって頑張れるんだから!」

キバ「無理しなくていいんだよ?」

ポニテ「大丈夫だってば!!」

召喚士「危ないし手間がかかりそうだから出来れば残ってて欲しいでやんすのに……」

すごく嫌そうな顔をする召喚士。

虎男「しかしどうやって行くのだ?我が輩泳げないがお」

ポニテ「虎なのに……」

キバ「猫ちゃんは水が嫌いなんですよ」



271:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/04(木) 00:39:41.03 ID:vLFiLX5W0

776

--海岸線--

召喚士「まずは目標の上まで船で行くでやんす。ほいっと」

ばっしゃぁぁぁん!!

召喚士が指を弾くと、海上に大型の帆船が出現する。

キバ「い、いとも簡単に……」

キバは船を見上げて言った。

虎男「むぅ。便利!」

召喚士「さぁ行くでやんす!乗り込むでやんすよ!!」



272:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/04(木) 00:40:48.84 ID:vLFiLX5W0

777

--東の王国、作戦室--

通信兵「各隊より通信、各方面に出現した新型もこもこによって一時は危険な状況でしたが、なんとか戦線を維持しています!」

誰もいない作戦室で一人叫ぶ通信兵。

通信兵「……寂しい」



273:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/04(木) 00:41:51.78 ID:vLFiLX5W0

778

--湿地帯、ファクトリー--

指揮官型もこもこ「ぬ……人間共め……無駄な抵抗を」

指揮官型もこもこは苛立っている。

指揮官型もこもこ「……投入だ」

補佐もこもこ「……ハ?」

指揮官型もこもこ「投入だ!!四大支柱を使う!!」

補佐もこもこ「!!デ、デスガ、マダ」

バチン!!

指揮官型もこもこは補佐もこもこを触手で叩く。

指揮官型もここ「ここが攻めどきだ。やれ」



274:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/04(木) 00:42:44.84 ID:vLFiLX5W0

779

--右橋盆地--

吟遊詩人「今回は際どかったらら~……」

血の滲むわき腹を押さえてなお歌う吟遊詩人。

狐男「き、際どいってレベルじゃないコン!二回瀕死になったコン!」

狐男は仰向けになって息を荒げている。

変化師「ま、魔法使いさん、死んだ」

変化師は血まみれになりながら魔法使いの二つに別れた体を繋ぎ合わせている。

狐男「最後のあの技は耐えきれないコンよ……矛先が魔法使いっちだった、そんだけのことコン。おいら達に来てたらそれはそれで避けきれなかったはずコン」



275:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/04(木) 00:43:16.82 ID:vLFiLX5W0

780

--右橋盆地--

吟遊詩人「だね~でもラックの強さも実力さ。十五年前ならいざ知らず~」

変化師「よ、四分の一を引くなんて運が悪かったんだ。そ、蘇生魔法レベル3」

ポウ

魔法使いは蘇生されながらそんな言葉を聞く。

魔法使い「……」

何だか悲しい思い出が蘇りそうな魔法使いだった。



284:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/10(水) 22:45:35.33 ID:a1ZW2mlU0

781

--もこもこちゃんねる--

44 :VIPにかわりましてmokomokoがお送りします(荒れ地)[sage]:2011/07/18(月) 16:14:24.86 ID:+cC

  人間うぜーーーーーーーーー

45 :VIPにかわりましてmokomokoがお送りします(巣なう)[sage]:2011/07/18(月) 16:15:27.73 ID:kpB
  今どんな感じ?

46 :VIPにかわりましてmokomokoがお送りします(ぼんちゅー)[sage]:2011/07/18(月) 16:16:43.89 ID:edt
  >>45 
  一度は押してたけど、一部の兵士が強くて押され気味。

47 :VIPにかわりましてmokomokoがお送りします(巣なう)[sage]:2011/07/18(月) 16:17:30.05 ID:kpB
  >>45
サンクス。まじか。やっぱ人間もやるんだなぁ。

48 :VIPにかわりましてmokomokoがお送りします(巣なう)[sage]:2011/07/18(月) 16:17:38.91 ID:kpB
  ごめん、↑安価ミスった。
  >>46 だったわ。自演乙www



285:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/10(水) 22:46:54.63 ID:a1ZW2mlU0

782

--もこもこちゃんねる--

49 :VIPにかわりましてmokomokoがお送りします(海もこ)[sage]:2011/07/18(月) 16:18:34.20 ID:mKP
陸軍の雄達ってめっちゃかっこいいらしいよ

50 :VIPにかわりましてmokomokoがお送りします(ぼんちゅー)[sage]:2011/07/18(月) 16:18:54.70 ID:A7j
  そんなことはいいからもこ美ちゃんのエ口画像無い?さっきから探してるんだけど

51 :VIPにかわりましてmokomokoがお送りします(荒れ地)[sage]:2011/07/18(月) 16:19:03.15 ID:vS2
  ちょwwww槍刺さったなうwwwwいたすwwwwww

52 :VIPにかわりましてmokomokoがお送りします(お空)[sage]:2011/07/18(月) 16:19:29.44 ID:Is30
  >>51
  ちょww書きこんでる場合じゃねーだろww

53 :VIPにかわりましてmokomokoがお送りします(ぼんちゅー)[sage]:2011/07/18(月) 16:19:37.58 ID:mKP
  私女だけど、陸軍が最強だと思う

54 :VIPにかわりましてmokomokoがお送りします(お空)[sage]:2011/07/18(月) 16:20:15.66 ID:Cd5
  そういやここにアクセスしてた裏切り者はどうなったの?



286:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/10(水) 22:47:53.01 ID:a1ZW2mlU0

783

--もこもこちゃんねる--

55 :VIPにかわりましてmokomokoがお送りします(巣なう)[sage]:2011/07/18(月) 16:20:46.82 ID:Is3
  マジお前らなにやってんだよ。ちゃっちゃと攻撃して終わらせちゃえよ。俺なんてもう人間20体倒したぞ

56 :VIPにかわりましてmokomokoがお送りします(荒れ地)[sage]:2011/07/18(月) 16:21:56.13 ID:vS2
>>55
  いいからお前戦場にでてこいよ

57 :VIPにかわりましてmokomokoがお送りします(海もこ)[sage]:2011/07/18(月) 16:21:59.29 ID:HmW
  >>55
  自宅警備乙

58 :VIPにかわりましてmokomokoがお送りします(巣なう)[sage]:2011/07/18(月) 16:22:01.51 ID:mKP
  もこもこ陸軍最強

59 :VIPにかわりましてmokomokoがお送りします(海もこ)[sage]:2011/07/18(月) 16:22:07.86 ID:HmW
  さっきからうっせーよカス!!場所書き変えたところでID一緒なんだよ!!



287:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/10(水) 22:49:05.30 ID:a1ZW2mlU0

784

--もこもこちゃんねる--

60 :VIPにかわりましてmokomokoがお送りします(巣なう)[sage]:2011/07/18(月) 16:23:50.12 ID:shV
  >>54
  みんなで一斉にf5したから宿主ごと死んだんじゃね?

61 :VIPにかわりましてmokomokoがお送りします(荒れ地)[sage]:2011/07/18(月) 16:24:34.79 ID:AJB
 やべーwwはぐれたwwここどこー?(´;ω;`)ママー

62 :VIPにかわりましてmokyumokyuがお送りします(お空) [sage]:2011/07/18(月) 16:25:10.41 ID:8YT
  迷子乙

63 :VIPにかわりましてmokomokoがお送りします(荒れ地)[sage]:2011/07/18(月) 16:25:53.01 ID:e+c
  誰か迎え行ってやれよww

64 :VIPにかわりましてmokomokoがお送りします(荒れ地)[sage]:2011/07/18(月) 16:26:03.01 ID:e+c
>>62
こいつもこもこじゃねーよww



288:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/10(水) 22:50:02.81 ID:a1ZW2mlU0

785

--中央荒れ地--

剣豪「ぬん!」

ボッ

槍型もこもこ「ぎひぃっ!」

兵隊長「お下がり下さい剣豪様!二時間も戦いっぱなしですよ!傷の手当てを!」

剣豪「はっ、はっ!……ははははは!!」

ズガッ

剣豪は槍型もこもこの頭部に剣を突き立てて笑う。

剣豪「バカ言ってんなよ。補給無しでぶっ続けでまる1日闘った時に比べりゃ、まだまだ天国だぜ」

兵隊長(俺たちの生まれる前の話をされてもなぁ……)



289:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/10(水) 22:50:56.67 ID:a1ZW2mlU0

786

--中央荒れ地--

剣豪「ッ!!」

兵隊長「どうなされました?剣豪様」

剣豪が飛び上がるような反応をしたので、兵隊長は心配そうに尋ねた。

剣豪「……これはまずいな」

どぉん……

剣豪は今までに見たことがないほど狼狽している。

どぉん…

兵隊長「この音は一体……」

どぉん

剣豪「おい、全部の兵隊を引き上げさせろ。こいつは……かなう相手じゃねぇ……」

どぉん!

兵隊長「!剣豪様がおっしゃるのならば。おい皆聞いてくれ!!」



290:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/10(水) 22:51:34.38 ID:a1ZW2mlU0

787

--中央荒れ地--

どぉん!!

剣豪「けっ……まぁ今更言っても遅いよな……」

剣豪は眼を細めて遥か地平線を見る。

どぉん!!

剣豪「きた」

どぉん!!!

陸王もこもこ「がるあぁぁぁぁぁ!!」

遥か遠くに姿を確認したと思ったら、次の瞬間には剣豪らの上で吠え狂っている。
その姿、二十メートルを越える巨大な獅子。

剣豪「……これが本当の奥の手かよ!!」

剣豪は踏み砕かれた地面の上で、静かに刀の束に手を伸ばした。



291:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/10(水) 22:52:05.80 ID:a1ZW2mlU0

788

--海--

ポニテ「うあー!気持ちいーねー!」

ポニテは腕を広げて海風を感じていた。

キバ「あはは。ポニテちゃん、遠足じゃないんだから」

キバは甲板の上ではしゃぐポニテを見て呆れた笑い。

召喚士「こらぁポニテちゃん!しっかり働けでやんす!!虎の人なんてずっと動力として頑張ってるんでやんすよ!?」

虎男「足漕ぎとかバカなの!?湖にあるアヒルボートなの!?」

水中用もこもこ「ぎゃう!」

びちっ

海からもこもこが出現する。



292:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/10(水) 22:52:32.87 ID:a1ZW2mlU0

789

--海--

キバ「えいっ」

ズバッ

水中用もこもこ「きゅえええええい!!」

それを血で作った剣で切り裂くキバ。

キバ「半魚人みたいなもこもこが増えてきましたね」

召喚士「うむでやんす。もうすぐ目標地点につくでやんすよ」

ざざん

ポニテ「……」

キバ「!」

ポニテの元気が無くなっていて不思議に思ったキバは声をかける。

キバ「ポニテちゃん酔っちゃったかな?」

ポニテ「……なんかいる」



293:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/10(水) 22:53:12.09 ID:a1ZW2mlU0

790

--海--

キバ「ポニテちゃん?」

ポニテが急に真面目な顔になり、海面を見ている。

ポニテ「ひっ!!凄いのがくるよ!!」

召喚士「!!」

キバ「!!」

虎男「!!」

ざざ……

海面が揺らぐ。

召喚士「こいつは……確かにやばい感じでやんすね」

キバ「はい!!船を守らないと!!それもかなうかどうか……」

虎男(誰よりも早く感知したのが小娘とは)

ざざざ



294:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/10(水) 22:53:47.68 ID:a1ZW2mlU0

791

--海--

ざざざざざ!!

キバ(これほどのエネルギーを持った物体が直撃したら、こんな船ひとたまりもないよ……でも船を守らないとみんなの命がないよね)

召喚士「キバっち。多分おいらの召喚獣だけじゃどうにもできないでやんす。頼むでやんす」

キバ「はい!!」(この敵を倒すために力を温存しておきたかったけど、そんなことも言ってられない!!)

キバは一息吸うと、

キバ「全制限解除、魔王化発動!!」

ギンッ!

キバの体を黒い力が包んでいく。

虎男「!」

召喚士「氷の巨人、召喚でやんす!!」

カっ



295:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/10(水) 22:54:35.88 ID:a1ZW2mlU0

792

--海--

ドバシャァアン!!

巨大な氷塊かと見間違うほどの巨人が海に着水する。

ポニテ「うわぶっ!!つめた!!」

氷の巨人「ごあおおおおおおお!!」

召喚士「すまん、頼むでやんす氷の巨人」

氷の巨人「……」

パキパキ

氷の巨人の周囲の水が徐々に凍っていく。

氷の巨人「なるほど。私はそのために呼び出されたのだな」

氷の巨人は深海から猛スピードで近づいてくる何かを感じ取った。



296:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/10(水) 22:56:22.71 ID:a1ZW2mlU0

793

--海--

疑似魔王キバ「はぁっ!スキル、血の翼!」

ズブブ、バサッ!

キバは翼を生やして空中に飛び出す。

ポニテ「おお!!」

召喚士「なんでもありでやんすな。だから魔王は嫌いでやんす」

疑似魔王キバ「スキル、血の綱!!」

今度はキバの掌から無数の赤い綱が出現し、船に纏わりついていく。

虎男「……まさか持ちあげるつもりかがお?この船を」

召喚士「キバっちなら造作もないことでやんすよ」



297:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/10(水) 22:58:11.50 ID:a1ZW2mlU0

794

--海--

疑似魔王キバ「ふんっ!!」

バシャっ

船が水面を離れた瞬間、

ザバアアアアアアアアアアン!!!!

????「ぐもおおおあああああああおおおお!!」

巨大な生物が姿をあらわした。

氷の巨人「ぬんっ!!」

ドガっ!!

それに横からタックルを喰らわす氷の巨人。

????「ぎゃしゃああああ!?」

ポニテ「うおお……怪獣大決戦だ」



298:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/10(水) 22:58:59.70 ID:a1ZW2mlU0

795

--海--

疑似魔王キバ(時間は、二分それまでにこの巨大な的なを倒さなくちゃ!)

????改め海王もこもこ「ぎゃしゃあああ」

巨大なタコのようなイカのような生物は氷の巨人に触手をからめていく。

召喚士「ッ!!……すまんでやんす」

びきびき

ポニテ「!!氷の巨人にひびが入っちゃったよ!?」

氷の巨人「ぐぬうう……」

氷の巨人は海王もこもこの頭部を攻撃し続ける。

どぉんどおん!

海王もこもこ「ぎゃあああああ!!」



299:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/10(水) 22:59:30.96 ID:a1ZW2mlU0

796

--海--

海王もこもこの口から何かが発射される。

ばしゅっ

氷の巨人「」

その弾丸は氷の巨人の体をあっさりと貫いて、遠い海に落ちた。

びき、びきき

虎男「吾輩も準備をしておくか」

虎男は右腕に魔力を集約させている。

氷の巨人「うおおおおおおおおおお」

氷の巨人は海王もこもこを両手で掴むと、

海王もこもこ「!!」

どがあああああん!!

強烈なヘッドバットを見舞った。



300:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/10(水) 23:00:10.85 ID:a1ZW2mlU0

797

--海--

海王もこもこ「あぎゃあああああ!!」

ばきゃ、ばきゃきゃ!!

ヘッドバットの衝撃と、触手の締め付けによって破壊されていく氷の巨人。

ぼちゃん!ばっしゃーーん!!

次々に氷の巨人の体が海へと着水していく。

氷の巨人「これ、で、いい」

氷の巨人は鼻から上が無い状態で言葉を発する。

ばきばき

氷の巨人「これで、いいんだ」

ぼちゃん、ぼちゃん



301:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/10(水) 23:01:09.49 ID:a1ZW2mlU0

798

--海--

海王もこもこ「ぎゅるらあああ!!」

海王もこもこが触手を叩きつけるたびに氷の巨人の体が弾け飛んでいく。

ばっしゃあーーん

氷の巨人「私の体が、海を凍らせる。これで、いいんだな?召喚士」

ぱきぱき

氷の巨人の一部だった氷が、海面を凍らせていく。

召喚士「すまないでやんす……こんなことのために使っちまって」

氷の巨人「否、気にするな。そ、ろそろ私の体もガタ、がきていた。自然消滅は、時間の問題、だった」

ばきばきばき

海王もこもこは、中々壊しつくせない氷の巨人にいらだちを覚えていた。



302:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/10(水) 23:01:51.51 ID:a1ZW2mlU0

799

--海--

氷の巨人「なに、私の体は、不滅だ。また、どこかで凍って、意志を持つ、だろう」

召喚士「……その時は必ず会いに行くでやんすよ」

氷の巨人「……ふ、次に体を持つのは、数百年後、だろう」

ビッ

氷の巨人は召喚士に向けて親指を立てた。

氷の巨人「I'll be back」

海王もこもこ「ぎゅるあああああああああ!!」

バッキャーーーン!!

完全に砕け散る氷の巨人の体。




303:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/10(水) 23:02:18.09 ID:a1ZW2mlU0

800

--海--

疑似魔王キバ「皆さん!氷の上に落とします!!」

虎男「おう、準備は出来ているがお」

召喚士「大事な召喚獣まで失ってしまった。この仮はどうやって返してくれるんでやんすかねぇ東の王国さんは」

ポニテ「ポニテも準備大丈夫だよ」

疑似魔王キバが血の綱を回収すると、船は海王もこもこに向かって落ちていく。

ひゅるるる

召喚士「召喚、雷鳥」

ヒュッ

虎男は召喚士の横をすり抜けていく。

召喚士「あ、こら!」

虎男「ふはは!たぎるたぎる、燃えたぎる!!」

虎男は右手の拳を振り被って船から飛び降りた。

虎男「スキル、虎拳!!」

どっごおおおん!!!!



313:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/17(水) 23:20:23.43 ID:9qam1xeK0

801

--海--

海王もこもこ「ぎゅるるっしゃあぁぁ!!」

虎男「ぬ?さほど効かぬか」

ドガシャァァ!!

そして船が海王もこもこに命中する。

海王もこもこ「ぎぃ」

ポニテ「っ!ほぼノーダメージ。氷に飛び移らなきゃ!」

召喚士「うんでやんす!」

崩壊する船の上からジャンプする二人。



314:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/17(水) 23:20:55.97 ID:9qam1xeK0

802

--海--

虎男「……ならばスキル、覇虎手!!」

ドドドドドド!!

熱した拳のラッシュがたたき込まれる。

虎男「トラトラトラトラトラトラトラトラトラァッ!!」

海王もこもこ「ぎ、ぎゃにゃああ!!」

ぼぅん

虎男「ぬ!」

しかし弾力性にとんだ肉壁は虎男の拳を跳ねとばす。

虎男(虎拳、船、ラッシュでもダメ……打撃ではダメージが通らぬ……)



315:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/17(水) 23:21:47.90 ID:9qam1xeK0

803

--海--



続いて虎男の爪が怪しく光る。

虎男「スキル」

ベジィン!!

虎男「っづ!?」

空中の虎男は海王の触手を叩きつけられて、凍った海面を越えて吹き飛ばされる。

召喚士「!!ちぃっでやんす!雷鳥!」

雷鳥「きょえー!」

雷鳥は虎男を追って羽ばたいた。



316:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/17(水) 23:22:21.58 ID:9qam1xeK0

804

--海--

海王もこもこ「ぎゅる……」

それを見ていた海王は、

シュッ

雷鳥に触手を伸ばした。

疑似魔王キバ「はぁぁぁぁ!!」

ズバッ!

それを飛来したキバが切り裂く。

疑似魔王キバ「やらせません!!」



317:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/17(水) 23:23:14.44 ID:9qam1xeK0

805

--海--

バサッ

疑似魔王キバ「……残り約1分、全力でいきます!!」

ゴゴゴゴ!!

キバが力を込めると、全身から大量の黒いオーラが吹き出る。

召喚士「めちゃめちゃな魔力量でやんす。しかも吐き気がするやなかんじー」

疑似魔王キバ「黒雷属性攻撃魔法、レベル4、雷球!!」

バチバチバチバチ!

キバの周囲に黒い球体が大量に出現した。

虎男「一発一発がレベル4相当がお……」



318:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/17(水) 23:24:04.45 ID:9qam1xeK0

806

--海--

疑似魔王キバ「ああああぁ!!」

キバは雷球を発射する。

キュドドドドド!!

海王もこもこ「ぎゅもぉぉ!!」

ドドドドド!!

疑似魔王キバ「うららららららぁ!!」

ドドドドド!!

息も尽かせぬ猛連射。

ドドドドド!!

疑似魔王キバ「これで、」

ジャキィン

キバは血で巨大な剣を作ると、それに黒い電撃を流し込む。

バジャーン!

疑似魔王キバ「最後だぁぁぁ!!」



319:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/17(水) 23:25:03.56 ID:9qam1xeK0

807

--海--

その剣を持ちかえ、突きの構えで海王もこもこに突っ込んだ。

疑似魔王キバ「はぁぁぁぁ!!」

ドズリ!!

海王もこもこ「ッ!!」

巨大な剣は半分以上肉に埋没した。

バヂバヂバヂ!!

海王もこもこ「ぎゃらぁぁぁ!!」

体内から電撃を流された海王もこもこは、身体中に裂け目が出来て、青い血を氷の上に垂れ流している。

海王もこもこ「ぶぶぶぶぶぶ!!」



320:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/17(水) 23:25:40.69 ID:9qam1xeK0

808

--海--

疑似魔王キバ「ああああぁ!!うっ」

バキィン

キバの身体を包んでいた黒い鎧が突然、砕けて剥がれ落ちる。

キバ「もう、タイムリミット……なの?」

ポニテ「!キバおねぇちゃん!!」

ポニテは落下地点までいきキバをキャッチした。

どさり。

ポニテ「大丈夫!?キバお姉ちゃん!!」

キバ「あ……ありがとうポニテちゃんげほっ!!」

キバは咳き込んで血を吐いた。



321:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/17(水) 23:27:56.93 ID:9qam1xeK0

809

--海--

キバ「!?キバお姉ちゃん!!」

氷に下ろしたキバが突然血を吐いたので、ポニテは慌てて抱きかかえようとする。

召喚士「お嬢ちゃんおいらに見せるでやんす」

ポニテ「え!?」

召喚士は歩み寄るとキバの首に手を当てる。

召喚士「……身体中の魔力の流れがめちゃくちゃでやんす。人の身で魔王の力なんて使うから」

キバ「!……ふふ。人扱いされたのなんて、久しぶり、です」

ポニテ「あ……」

キバ「大丈夫、ですよ。いつものことだから」

キバは身体を起こそうと力を入れる。

召喚士「待つでやんす。今流れを整えているでやんすから」



322:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/17(水) 23:28:22.78 ID:9qam1xeK0

810

--海--

ポニテ「うおー!ぐるぐる眼鏡のおじさんそんなことまでできるんだ!?」

虎男「腐っても三隊長がお」

ズズ

ポニテ「?なんか今音がした」



キバ「!そんな」

召喚士「あれだけの攻撃を受けたでやんすのに!」

虎男「……ふん」

海王もこもこ「……」

海王もこもこは再び身体を動かし始めていた。



323:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/17(水) 23:29:08.14 ID:9qam1xeK0

811

--海--

ズズン

ポニテ「キバお姉ちゃんとぐるぐる眼鏡おじさんは下がってて!」

召喚士「さすがにお嬢ちゃんが直接戦闘は無理でやんしょ!」

虎男「だが今は少しでも戦力が必要がお」

召喚士「っ!」

キバ「召喚士さんも、行ってください。私大丈夫ですから」

召喚士「……駄目でやんす。このまま魔力細胞が暴走して魔王になられちまう方が百倍だるいでやんす」

キバ「……暴走すると、魔王になるん、ですか?」



324:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/17(水) 23:29:39.21 ID:9qam1xeK0

812

--海--

キバは目を見開いた。

召喚士(しまったでやんす)「……なったら困るというだけでやんす」

キバ「……」

キバはそっと目を閉じた。

キバ「このまま力を使い続けたら、衰弱して死ぬものだとばかり、思ってたのに」

キバは一筋の涙を流す。

召喚士「……まだよくわからないことでやんす」

召喚士はキバの顔を見ないようにして治療を続けた。



325:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/17(水) 23:30:16.72 ID:9qam1xeK0

813

--海--

海王もこもこ「ぎゅりあぁぁ!!」

ズシン!!

虎男「ッ!!氷が砕かれる!!」

ポニテ「あわわ!!」

虎男「足場がなくなる前にさっさと決められればいいが、な!!」

ズバッ!

虎男は爪で海王もこもこの皮膚に傷をつける。

虎男(!!圧倒的に決定打にかける!!)



326:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/17(水) 23:31:56.51 ID:9qam1xeK0

813

--海--

海王もこもこ「ぎゅりあぁぁ!!」

ズシン!!

虎男「ッ!!氷が砕かれる!!」

ポニテ「あわわ!!」

虎男「足場がなくなる前にさっさと決められればいいが、な!!」

ズバッ!

虎男は爪で海王もこもこの皮膚に傷をつける。

虎男(!!っく、圧倒的に決定力にかける!!)



327:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/17(水) 23:33:56.50 ID:9qam1xeK0

814

--東の王国、作戦室--

変化師「な、なぜおでだけ帰還命令を!!」

東の王「……事態は深刻だからだ」

東の王は血だらけの右腕を回復兵に治してもらっている。

東の王「止血だけでいい。魔力は他の者に使ってやれ」

回復兵「は、はっ!」

変化師「ど、どういうことですか?」

東の王「……正直なところあの巨大なもこもこ達は恐ろしく強大だ」

変化師「っ」

東の王「正攻法で倒せるとは思えない。ましてや犠牲無しでは不可能だろう」

変化師「……」



328:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/17(水) 23:34:25.10 ID:9qam1xeK0

815

--東の王国、作戦室--

東の王「だからこそお前なのだ」

変化師「!?」

東の王「お前の変化能力は素晴らしい。恐らくは奴らでさえ仲間かどうか見分けがつくまい」

変化師「……せ、潜入」

東の王「そうだ。敵拠点に潜入し、見事指揮官を打ち倒せ!」

変化師「し、指揮官を……叩く」

変化師はじっと東の王の目を見つめた。

変化師「……!だ、だがいくら変化できたとしても、敵の巣につくまでに見つかってしまう!や、奴らは巣に戻ったりしないから」

東の王「わかっている。そのためのコマはすでに用意している。入ってこい」

東の王はドアの方に向かって手招きする。



329:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/17(水) 23:35:08.19 ID:9qam1xeK0

816

--東の王国、作戦室--

ギィ

?「は!」

変化師「し、少年兵?」

部屋に入ってきたのは太い眉毛の少年兵。背中には古びた剣が背負われている。少年は東の王のもとまで小走りで近づくと敬礼をした。

東の王「こいつは魔剣の使い手だ。若いが中々見所のあるやつよ」

変化師「み、見所」

変化師はじろりと少年の尻に目を向ける。

変化師「な、なるほど」



330:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/17(水) 23:36:15.97 ID:9qam1xeK0

817

--東の王国、作戦室--

?「お初にお目にかかります変化師様。私の名は隠蔽兵。そして魔剣の名は」

ジュゥン

変化師「!?き、消えた!?」

東の王「いや、いるさ」

ジュゥン

同じ場所に出現する隠蔽兵。

?改め隠蔽兵「……ステルスブレード。貴方を必ずやもこもこの拠点まで連れていきます」



331:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/17(水) 23:36:48.18 ID:9qam1xeK0

818

--東の王国、城外--

新王「はぁっ!はぁっ!」

選抜兵「新王様!」

選抜兵は血まみれの状態で新王に近づく。

新王「選抜兵君!良かった、生きていたんだね」

選抜兵「はい。ですが……」

新王「……言わなくても大体わかるよ。あんなのが相手なんだ」

新王はうねりながら空を飛ぶ巨大な龍を見る。

空王もこもこ「ぎーん」

選抜兵「大砲、魔力砲、共に大したダメージにはなっていないようです」



332:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/17(水) 23:37:22.61 ID:9qam1xeK0

819

--東の王国、城外--

ドーン、ドーン

攻撃が当たっても、その美しさすら覚えるフォルムは一切変わらない。

空王もこもこ「ぎぎーん」

空王もこもこはゆっくりと円を描くように回り始めた。

新王「!!まずい!きますよ!!」

防御兵達「「「はっ!」」」

防御兵達は直ぐ様魔力障壁を展開するために呪文を唱え始める。

新王(くそ、もしあれが魔力攻撃だったなら……そんなことをボヤいても仕方が無いか)

新王も障壁を作り始める。防御兵達の作った障壁をまるごと覆い被せるように。



333:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/17(水) 23:38:15.16 ID:9qam1xeK0

820

--東の王国、城外--

空王もこもこ「ぎーぎぎーん」

バヂバヂバヂ

自らの尻尾を口に咥え、完全な円となった空王もこもこから、強力なエネルギーが放たれた。

ゴウン!!

ドギャギャギャギャギャギャ!!

眼鏡防御兵「うっ、うう!!」

女防御兵「きゃああああ!!」

新王「多重属性障壁さえ押すほどの威力とは!!」

ギャギャギャギャギャ!!

兵達は、薄い障壁の向こう側で、とんでもないエネルギーがうねりをあげているのを目の当たりにし、恐怖に苛まれていた。

ギャギャギャギャギャ……

新王「はぁっ!はぁっ!……くっ、魔力が底をつくのが先にならないことを祈るしかないね」

しかし決定打を与えられないことを理解している新王の表情は暗い。



350:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/29(月) 22:25:24.21 ID:PrcH2xqZ0

821

--東の王国、作戦室--

通信兵は先程の攻撃を分析している。そして理解し難い程の事実を目の当たりにする。

通信兵「……東の王様」

東の王「どうした」

通信兵「今の巨大敵飛行体の攻撃ですが……魔法攻撃に換算すると、レベル7相当です」

東の王「なんだと!?」

東の王は信じられないと言った表情で立ち上がった。

東の王「レベルが一つ上がるだけで必要な魔力は膨大に変わってくるというのに……7とは」

通信兵「魔力じゃないエネルギーだから一概にそうとは言えないのですが……しかし……」

二人は各戦闘区域のモニターを眺める。

東の王「こうなっては攻撃の切り札は変化師、そして守りの切り札は奴しかいない」



351:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/29(月) 22:26:21.16 ID:PrcH2xqZ0

822

--東の王国、武器室--

忍兵「はっ、わかりました。人造魔王殿、出番だそうです」

人造魔王「モウイッテイイノ?」

大きな倉庫の中で狭そうにして待機している人造魔王。

説明兵「はい。ですが長時間の戦闘はやめるようにしてください。西の王様からの言伝です」

人造魔王「ワカッター」

説明兵(本当にわかってるのかな)「敵は巨大なライオン型のモンスターです。すでに現地で戦っている兵士達と協力して目標の」

人造魔王「ワカッター」

バキバキ

人造魔王は天井をこじ開ける。



352:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/29(月) 22:27:11.08 ID:PrcH2xqZ0

823

--東の王国、武器室--

忍兵「!?な、なにを!」

説明兵「じ、人造魔王殿!!出口から出入りをしてください!!」

人造魔王「?ワカッター」

天井は尚も破壊され、人造魔王は外に出る。

説明兵「……わかってねーじゃん!忍兵!」

忍兵「へ?」

ビッ

説明兵は人造魔王を指差す。

説明兵「人造魔王殿に同行しなさい!」



353:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/29(月) 22:28:22.16 ID:PrcH2xqZ0

824

--東の王国、武器室--

忍兵「え……やだ」

説明兵「あれを制御するやつがいなくちゃ戦場が混乱するだけでしょ!?」

バキバキ

人造魔王「フンフフーン」

忍兵「……おーらい」

シュタ

忍兵は壁を伝って人造魔王に取りついた。

人造魔王「ヨーシ、イクゾー!」

にょにょ

人造魔王の身体が変形し、ヘリコプターのプロペラが出来上がる。



354:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/29(月) 22:29:50.90 ID:PrcH2xqZ0

825

--東の王国、武器室--

キュンキュンキュンキュン

ぶわっ

忍兵「ど、どんな飛び方やー!!」

キュンキュンキュンキュン……

忍兵「しかもはえぇええぇぇえぇえぇぇぇ」

説明兵「……」

空の彼方に消えていく人造魔王達。

説明兵「……まぁなんとかなるでしょ」



355:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/29(月) 22:30:31.32 ID:PrcH2xqZ0

826

--東の王国、医務室--

ツインテ「……」

辻切り「……」

ツインテは治療兵による治療を受けているが、一向に意識が戻らない。

治療兵「……あの辻切り……様」

辻切り「?なんでござる?」

治療兵「ツインテ様のことは私達が責任を持ってお預かりしました。なので……戦場に行っていただけませんか?」

辻切り「拙者はツインテ殿の傍にいるでござるよ」

即答する辻斬り。



356:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/29(月) 22:32:28.88 ID:PrcH2xqZ0

827

--東の王国、医務室--

治療兵「!……辻切り様、今の戦局はこちらに有利なものではありません。前線は少しでも兵力が欲しいはず……!」

辻切り「……拙者はツインテ殿を護るという役目があるのでござる」

治療兵「辻切り様!!そんなことを言っている場合では無いでしょう!?確かに……貴方は……貴方たちはこの国を憎む理由があります。でもそれは大人が悪いのであって、何の罪もない子供たちに非は無い」

辻切り「……」

治療兵「お願いです……貴方のような実力者が加われば、少しは良い方向に転がるかもしれないんです」

辻切り(……話を聞くに、拙者一人増えた所でどうこう出来るとも思えないのでござるがね……)

治療兵「……この国の子供たちを守って欲しいのです」



357:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/29(月) 22:40:24.00 ID:PrcH2xqZ0

828

--東の王国、医務室--

辻切り「……はぁ。じゃあおちゃらけないで言うでござる」

治療兵「え」

辻切り「このまま真正面から戦ってもこの戦局、既に簡単に勝てるレベルのものではないでござる」

治療兵「なっ」

辻切り「拙者が最初から戦いに参加していても何も変わりはしない。それもそのはず、この戦いは開始と同時に決着がついていたんでござる」

治療兵「ど、どういうことですか……」

辻切り「敗因は二つ、ここ十数年、魔王の恐怖から解き放たれた人類はモンスターとの戦闘に力をいれてこなかった」

治療兵「ッ」



358:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/29(月) 22:41:52.93 ID:PrcH2xqZ0

829

--東の王国、医務室--

辻切り「魔王と魔族達がいなくなった今、確かに真に怖いのは人間のほうでござるがね」

治療兵「……」

辻切り「拙者達は互いに牽制し合い、互いに力を削り合った。そして対魔の力は年を重ねる事に弱体化していったでござる」

治療兵「……二つ目は?」

辻切り「人が亜人を差別し続けているからでござるよ」

治療兵「……」

辻切り「今回だって亜人は最前線を強制的につとめさせられ、被害は人間の比じゃないでござる。人間より遥かに強靱な肉体を持っているのにも関わらず……。人間は亜人を盾にして好機を失い、亜人は人への怒りで戦いに集中できず……。仲間同士がギクシャクしていては、勝てるものも勝てないでござるよ」

治療兵「……それをこの非常時に言っても仕方のないことです。この溝は簡単には埋まらない……」



359:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/29(月) 22:44:02.06 ID:PrcH2xqZ0

830

--東の王国、医務室--

辻切り「作った側が何を……」

治療兵「え?」

辻切り「……そう仕方のないことなんでござるよ。なんでも仕方がないと思えばいいのでござる。例えこの国が滅ぼうとも」

治療兵「つ、辻切り様!?」

辻切り「人類は協力し合えばなんでもできるのに……人は能力的にも精神的にももこもこへの対抗手段を失っていたのでござる。ザ・バッドエンド」

治療兵「~~!!」

辻切り「……とは言っても腐っても人間でござるからな。なんとかもこもこを退けることは出来るでござろう」

治療兵「え」

辻切り「どれだけ被害がかさむかはわからないでござるがね。でもま甚大な被害は明るい未来への勉強代でござる。人は痛い目を見ないと学ばないでござるからな」



360:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/29(月) 22:44:57.66 ID:PrcH2xqZ0

831

--東の王国、医務室--

治療兵「ッ!!なら貴方がここに残る理由は……?」

辻切り「この城にもこもこが侵入してきた時のための最終防衛ラインでござる。運び込まれた怪我人やツインテ殿達、子供を逃がさなくてはならないでござるからな」

治療兵「あなた……最初から」

辻切り「誰かに不幸を押しつけて、甘い汁を吸ってきた老害共にはここで退場してもらうのでござる」

ツインテ「でも……例え、自分にとって憎むべき相手でも、死なれちゃうのは嫌ですよ」

辻切り「!?ツインテ殿意識が戻って!?」

ツインテ「まだ意識がぼーっとしてます。でも、もこもこちゃんが……守ってくれたみたいです」

ツインテは一筋の涙を長す。



361:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/29(月) 22:47:12.76 ID:PrcH2xqZ0

832

--東の王国、医務室--

ツインテ「辻切りさん。勝手なお願いだとわかっています……戦って、もらえませんか?」

辻切り「!」

ツインテ「……ひどいセリフですよね、他人を死ぬかもしれない場所に行ってくれと頼むんですから」

辻切り「いや……」

ツインテ「でも、嫌なんです」

ツインテは真剣な表情で辻切りを見つめる。

ツインテ「死ななくていい人を死なせてしまうなんて嫌なんです」

辻切り「……」



362:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/29(月) 22:51:48.39 ID:PrcH2xqZ0

833

--東の王国、医務室--

ツインテ「誰かを守れる力があるのに何もせずにいるなんて、もったいないですよ」

治療兵「ツインテ様……」

ツインテ「それに……卑怯ですよ辻切りさんは」

辻切り「!?」

ツインテ「嫌な人が退場するのを、誰かに任せて待つなんて卑怯です。誰だって自分に都合の悪い人にはいなくなって欲しい、って思っちゃいます。でもそれって卑怯じゃないですか」

辻切り「む」

ツインテ「自分の手を汚さずにいるなんて駄目だと思います。嫌なら自分で行けばいいんです。真っ正面からぶつかっていって、正々堂々ぶっ倒して、あっちが悪いんだと考えを改めさせたらいいんです」

辻切り「……変わんないでござるよ。年を食えば食うほど許容力は減り、意固地になるでござる。絶対に譲れないものができるんでござる。そして拙者なんぞでは正面から戦うことすらできない」

ツインテ「逃げです」

辻切り「へ?」



363:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/29(月) 22:53:32.43 ID:PrcH2xqZ0

834

--東の王国、医務室--

ツインテ「逃げですそんなの。本当に叶えたいことがあるなら、そんな最もな言い訳なんて吐きません」

辻切り「ツインテ殿……」

ツインテ「辻切りさんはいい人です。強い人です。そんな辻切りさんが、こんな弱虫さんだとは思えません」

治療兵「……」

ツインテ「もし……もしでよければボクが力になります。本当にほんっっとーに役には立てませんが、辻切りさんのやりたいことをお手伝いします」

辻切り「な……」

ツインテ「それに……みんなも手伝ってくれますよ。アッシュ君は嫌嫌言いながら協力してくれますし、ポニテさんはご飯さえあればなんでもします。レンさんはボクからお願いしてみます」

ツインテはにこりと笑う。

治療兵(今度餌付けしよう)



364:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/29(月) 22:54:19.08 ID:PrcH2xqZ0

835

--東の王国、医務室--

ツインテ「だから……無理矢理戦わない理由を作らないで下さい」

辻切り「!!」

ツインテ「ボク……もこもこちゃんと同化したせいか、少し感覚が鋭くなったみたいなんです。だから」

ツインテは辻切りの手に触れる。

ツインテ「辻切りさんがすごく焦ってるのがわかるんです」

治療兵「え?」

ツインテ「今すぐにでも飛び出していきたいのに、それを無理矢理押し込めているような……そんな感じが伝わってきます」

辻切り「……」



365:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/29(月) 22:57:29.11 ID:PrcH2xqZ0

836

--東の王国、医務室--

ツインテ「辻切りさん、嘘はいけませんよ。自分に嘘ついちゃ」

辻切り「……」

辻切りはしばらく押し黙った後、


辻切り「……ふ」

突然大声で笑いだした。

辻切り「うわはははは!!こりゃー参ったでござる!心の中までばれていようとは!はははっ!!」

ツインテはきょとんとした顔で爆笑している辻切りを見ている。

辻切り「ひー!ひー!……くくく……なんとも情けない話でござるよ。自分の半分くらいしか生きてない子供にお説教されるとは」

ツインテ「……まだ半分しか生きてないから、好きなこと言えるのかもしれません」

辻切り「なるほどそれもまた一理。……歳を重ねるにつれ無くしたものは増え、関わりたくも無い新たな枷が増える……ふふ」

ガっ

突然辻切りはツインテの前に膝をつけた。



366:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/29(月) 22:58:52.43 ID:PrcH2xqZ0

837

--東の王国、医務室--

辻切り「あっぱれでござる……拙者感服したでござる」

ツインテ「え?何をしてるんですか?」

辻切り「……生まれは東の王国剣の町。血筋は三強剣豪家。現在は破門の身の遊客剣士。申し遅れました。わたくし、名は侍と申します」

治療兵(辻切りが本名だと思ってたー)

辻切り改め侍「拙者ツインテ殿の言葉に触れ、心を揺るがされたでござる。ツインテ殿に惚れたでござる」

ツインテ「ぴ!?」

侍「よって拙者はこれよりツインテ殿の刀になるのでござる」

ツインテ「え、え」

侍「未来永劫、ツインテ殿の所有物になるでござるよ」

ツインテ「……」

治療兵「……」

ツインテ「ええー!!」



367:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/29(月) 23:04:31.34 ID:PrcH2xqZ0

838

--東の王国、医務室--

ツインテ「え、え、え、いきなり何を!!」

侍「我が殿。命令してくれでござる。ツインテ殿の命令ならばなんでも聞くでござる」

ツインテ「え……」

侍「さぁ今一度、拙者に命じて欲しいでござる」

ツインテ「……」

侍「さぁ」

ツインテ「命令じゃありません……お願いです」

侍「!」

ツインテ「ボクは……侍さんの友達になりたいんですから」

侍「……了解したでござるよ」

ツインテ「お願いします侍さん!ボクの仲間を、みんなを助けに行ってください!!」

侍「心得た!!」

侍が仲間になった!



368:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/29(月) 23:09:07.71 ID:PrcH2xqZ0

839

--湿地帯、ファクトリー入り口--

ザリっ

隠蔽兵「……」

変化師(こ、ここまでは誰にも見つからずに来れた。す、すごい魔剣だ)

隠蔽兵「……」

きょろきょろ

隠蔽兵は都合の好さそうな入り口を探していた。

変化師(い、いや、大した使い手だ)

変化師は真面目な顔をして隠蔽兵のまだ幼い尻を眺めている。

隠蔽兵(なんでだろう。ずっと背中に嫌な視線を感じてる)



369:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/08/29(月) 23:09:45.57 ID:PrcH2xqZ0

840

--湿地帯、ファクトリー入り口--

隠蔽兵「ここならなんとか行けそうですか?変化師様?」

変化師「ん、ん?」

隠蔽兵は地上から1メートル程離れた部分にある穴を指す。

隠蔽兵「大きさは少し小さいかもしれませんが、中から気配が感じられません。うまくすれば」

変化師「大丈夫。最初はみんな小さくてきついものなんだ。でも何度もやっていけば」

隠蔽兵「……なんの話をしているのでしょうか?」

変化師「はっ!」



376:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/05(月) 20:58:25.90 ID:5IuBsAvY0

841

--湿地帯、ファクトリー入り口--

変化師は改めて潜入口を覗く。

変化師「ん、ん。じゅ、十分過ぎる」

隠蔽兵「そうですか。ではこれから私は向こう側で騒ぎを起こしてきます」

来た道を指す隠蔽兵。

変化師「な!?あ、危ないじゃないか!」

隠蔽兵「でも外で騒ぎを起こせば、巣に残った他のもこもこが出てくるはず。変化師様も仕事がしやすくなるでしょう」

変化師「お、おでならやれる!!そ、そんな危険を冒す必要は無い!!」

隠蔽兵「お言葉ですが変化師様。この作戦にはたくさんの人の命が関わっているんです。少しでも成功率が上がるのならやってみるべきではないですか?」

変化師「ぎゃ、逆になるかもしれない」

隠蔽兵「?……変化師様。私を信じて下さい」



377:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/05(月) 21:00:09.79 ID:5IuBsAvY0

842

--湿地帯、ファクトリー入り口--

変化師「で、でも……」

隠蔽兵「私なら、やれます……」

隠蔽兵の真っすぐな瞳。

変化師「……」

それを見つめているうちにいきり立つ変化師。

変化師「わ、わかった。き、君を信じることにする。た、頼んだぞ隠蔽兵」

変化師はにゅるりと体を変化させると潜入口から侵入した。

しゅぽん

隠蔽兵「……噂に聞いたまんまの変態だったなぁ」



378:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/05(月) 21:01:04.55 ID:5IuBsAvY0

843

--東の王国、城外--

槍型もこもこ「ギシャー」

援護兵「ひ、ひぃぃ!?」

倒れた援護兵に襲いかかろうとする槍型もこもこ。

援護兵「い、いやだー!死にたくなーい!」

シュ

その時一筋の影が通った。

槍型もこもこ「!」

ギシィン!!

そして槍型もこもこの槍を刀で弾く。



379:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/05(月) 21:02:07.44 ID:5IuBsAvY0

844

--東の王国、城外--

ヒュヒュン

援護兵「あ、あなたは!!」

侍「助けに来たでござるよ」

槍型もこもこ「フン……人間ガ何体フエヨウトオナジコト!!」

侍「そうでござるか」

チンッ

刀を鞘に納める侍。

援護兵「え!?」

槍型もこもこ「ヌ、ナゼ武器ヲシマウカキサマ」

侍「既に用は済んでござる」



380:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/05(月) 21:03:35.32 ID:5IuBsAvY0

845

--東の王国、城外--

そう言って侍は槍型もこもこの横を通り抜けようとする。

援護兵「ふ、防ぐだけなんすかぁ!?後は自分でどうにかしろって!?」

槍型もこもこ「キサマ、素通リデキルト思ウナァア!!」

ボト

槍型もこもこ「?ナッ?」

侍を掴もうとした槍型もこもこの右腕が落ちた。

ビシッ、ビシシッ

援護兵「!?体中に切れ目が!!」

槍型もこもこ「ナッナッ、ナッ~!?」

侍「煩い死体でござるなぁ」

ぶっしゃあああーー!!

槍型もこもこ「イ、イヅノマ、ニ」

ずずーん

援護兵「か、かっけぇ」



381:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/05(月) 21:04:04.76 ID:5IuBsAvY0

846

--中央荒れ地--

陸王もこもこ「がるる……」

剣豪「づ……!」

数え切れぬ死体の頂に陸王もこもこは君臨する。

吟遊詩人「は……おっそろしいね~」

槍兵「こいつは……まじでやべぇ」

諸王国に名を馳せた豪傑達でさえ立っているのが精一杯。

人形師「まったく……インフレにもほどがありますよぉ」

陸王もこもこ「ギャララギャルァァ!!」

画家「ッ!!」

陸王もこもこの咆哮。それだけでその場にいたものは満足に体を動かせなくなる。



382:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/05(月) 21:04:32.49 ID:5IuBsAvY0

847

--中央荒れ地--

狐男「こい、つ!」

ダンッ!

巨体を揺らし陸王もこもこは迫る。次のターゲットは、剣豪。

陸王もこもこ「ぐるぁあ!!」

剣豪(!……やられる!)

シュッ

その時巨大な影が現れ、剣豪と陸王もこもこの前に立ちふさがった。

ガシィィン!

人造魔王「オオー!!」



383:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/05(月) 21:05:00.64 ID:5IuBsAvY0

848

--中央荒れ地--

槍兵「!あいつ、今までなにやってたんだよ!」

人造魔王は陸王もこもこと力比べ。

ギシシ

人造魔王「アッ……ツヨイー」

ズズ

徐々に押されている人造魔王。

人造魔王「コナクソー!火属性攻撃魔法、レベル4!」

魔法使い「!そんな至近距離で撃てば」

ドグォォン!

人造魔王「ボクハジブンノマリョクジャダメージナイモーン」

陸王もこもこ「ぎっ……!」



384:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/05(月) 21:05:32.96 ID:5IuBsAvY0

849

--湿地帯、ファクトリー--

変化師「……」

槍型もこもこ1「……」

ザッザッ

変化師は壁に変化しながらもこもこの巣の中を移動している。

槍型もこもこ1「ココノ外デ人間ガ騒イデイルラシイ」

槍型もこもこ2「コンナトコマデキテイタノカ。油断デキンナ」

変化師(し、少年……)

槍型もこもこ1「俺達モ増援ニムカウカ」

ザッザッ

変化師(……)

去っていく槍型もこもこ達を観察した変化師は、その身を槍型もこもこに変えた。



385:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/05(月) 21:06:12.16 ID:5IuBsAvY0

850

--湿地帯、ファクトリー--

変化師(……よ、よし)

変化師は敵の司令塔を探す。

砲台もこもこ「ニュー」

変化師「!?」

角を曲がった先にもこもこがいた。

変化師(も、もしかして変身シーンを見られた!?)

砲台もこもこ「?……ズットツッタッテドウシタ?邪魔ダゾ」

変化師「イ、イヤ、チョットタチクラミダ」

砲台もこもこ「タチクラミ……ソウカ」



386:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/05(月) 21:06:58.50 ID:5IuBsAvY0

851

--湿地帯、ファクトリー--

変化師「……」

変化師はどうすべきか迷っていた。

変化師(も、もし見られていたら終わりだ……だがここで始末したら死体の処理に困る……どうする)

ドクン、ドクン

砲台もこもこ「オイ、ジャマダト」

ズグシャアア!!

砲台もこもこ「ニギュ!?」

変化師「……」

変化師は槍で砲台もこもこの頭部を貫いた。



387:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/05(月) 21:07:53.86 ID:5IuBsAvY0

852

--湿地帯、ファクトリー--

砲台もこもこ「キ、キサマ……チマヨッタカ」

変化師(い、一撃で仕留めきれなかったか)

グシャッ、ゴキッ!

砲台もこもこ「~……」

変化師の追撃で砲台もこもこは動かなくなった。

変化師「はぁ、はぁ」

変化師はもこもこの血に濡れた槍の色を、元の色に変化させる。

変化師(ば、ばれる前に突き進むしかない)

変化師は奥へ駆けていく。



388:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/05(月) 21:09:20.57 ID:5IuBsAvY0

853

--湿地帯、ファクトリー入り口--

ズザザー

隠蔽兵(くっ!これ以上は危険だ!姿を消して逃げなければ……え)

槍型もこもこ達「……」

槍型もこもこ達は隠蔽兵に止めをささずに一斉にファクトリーに戻っていった。

隠蔽兵(……どういうことだ?もしやバレたのか?)


--東の王国、医務室--

治療兵「な、なにしてるんです!?」

ツインテ「ボクも、この城を守るために闘ってきます」

治療兵「今君はかなり衰弱してるんです!!そんなことは……」

ツインテ「侍さんに行けと言った本人が寝てられませんよ」

ツインテは二コリと笑う。



389:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/05(月) 21:09:52.26 ID:5IuBsAvY0

854

--東の王国、城外--

空王もこもこ「ぐしゅる」

新王「う、く!!またエネルギーを蓄積し始めた!!みんな障壁の準備を!!」

ギィギィ!!

選抜兵「くそ!普通のもこもこでさえ鬱陶しいっていうのに!!」

選抜兵は誰のものとはわからない槍で、飛んできたもこもこを打ち落とした。

飛行もこもこ「ぎいっ!?」

空王もこもこ「ィィィィィィ」

新王「赤く光り始めたっ!障壁を唱えるんだ!!」

詠唱兵「は、はい!」

ブゥン

必死に魔法障壁を唱えるものの、既に人員は少なくなり、個人個人の魔力も尽きかけていたため、敵の攻撃に比べあまりに弱々しい盾が出現するだけだった。



390:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/05(月) 21:10:25.85 ID:5IuBsAvY0

855

--東の王国、城外--

新王「ぐ……これでは」

空王もこもこはゆっくりと回転をやめ、

空王もこもこ「」

ギャオオオオオ!!

強力なエネルギーを放った。

新王「っ」

ドギャギャギャギャ!!

選抜兵「うわあぁ!!」

衝撃波で吹き飛ぶ兵士達。

ギャギャギャギャ!!

かろうじて障壁は耐えているが、それも時間の問題だった。



391:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/05(月) 21:12:17.76 ID:5IuBsAvY0

856

--東の王国、城外--

ドッ、ドドッ!!

防ぎ切れなかったエネルギーが辺りに拡散し、周囲一体を破壊していく。

ドガァン!

新王「く、く!だめ、だ、もう」

障壁は崩れ始め、障壁の中にいた兵士達まで被弾する。

選抜兵「お、王族だけでも逃がさなければ。ぐ!」

立ち上がろうとした選抜兵だったが、吹き飛ばされた拍子に右足が折れていた。

選抜兵「くそぉ!!こんな時に!!」

ビキッ!!びしっ!

障壁が崩れ始めた。



392:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/05(月) 21:12:55.45 ID:5IuBsAvY0

857

--東の王国、城外--

新王「あああああ!!」

???「なんんんだぁぁ……ふがいぃぃないやぁぁつらぁよぉぉ」

その時遥か後方から声が聞こえた。

???「スキィルゥ、雷ぃぃ槍ぅぅぉぉぉ!!」

カッ

ドギヤァァン!!

新王達の後方から放たれた稲妻が、障壁ごともこもこのエネルギーを吹き飛ばした。

ゴゴゴゴゴゴゴ

新王「!?な、なんだこのとてつもない火力は」

振り返った新王。そこには、



393:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/05(月) 21:13:45.81 ID:5IuBsAvY0

858

--東の王国、城外--

アンフィスバエナ「ギャアア!!」

ワイバーン「グォオオ!!」

灰竜「……」

空を埋め尽くすほどの……ドラゴンの大群がいた。

???「ひぃぃさしぶぅぅりの帰郷ぉぉだというぅぅのにぃぃ……なんたぁる体たらくぅぅ!!」

老兵「お、おおお!!あ、あの御方は!!」


--東の王国、作戦室--

ダンッ

東の王は壁をたたく。

東の王「やつめ!!今更になって帰ってきやがって!!」

東の王の顔に邪悪な笑みが宿る。



394:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/05(月) 21:15:18.43 ID:5IuBsAvY0

859

--東の王国、城外--

通信兵「あの、東の王様。あの方を知ってらっしゃるんですか?」

東の王「……そうか、あいつがいなくなったのはお前達が生まれる前の話だものなぁ」

通信兵「生まれる前……!?まさか」

東の王「そうだ、やつは東の王国最古の三強にして五柱の一角」


--東の王国、城外--

???「たぁかが蛇一匹などぉに苦戦してもらってはぁこむぁるなぁぁ」

全長五十メートルはあろう灰竜、その頭部に立つ大柄な男は険しい表情で顎髭を触る。

???「ひさぁしぶりの下界だぁぁ……馳走はあのぉぉドラゴンもどきの蛇ぃぃにするとしようぅぅ」

オオー!!

大柄な男が引きつれた、竜に乗る騎士達が雄叫びをあげる。


--東の王国、城外--

東の王「勇者に最も近いと言われる人類最強の戦士、聖騎士だ」

--東の王国、城外--

???改め聖騎士「ぶるぅぅぅあああ!!」



395:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/05(月) 21:15:51.07 ID:5IuBsAvY0

860

--東の王国、実験部屋--

アッシュ「絶対俺達のこと忘れられてるよな」

レン「どの道レン達の実力じゃ何もできないにゃ。できることがんばろうにゃ」

医師「ごめんねほんと」



402:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/12(月) 21:23:54.13 ID:J0Ei5LJp0

861

--東の王国、城内--

ツインテ「はっ、はっ」

ツインテは廊下を走る。

ツインテ(だい、じょうぶ。ボクはまだ戦える……精神力が危なくなったら違うボクに変わればいいんだし)

??「……」

ツインテ(?あれ?)

ツインテの進行方向に男が一人立っていた。
ニット帽に眼鏡というおよそ兵士らしからぬ服装で、なぜ城内にこんな人間がいるのか、と不審に思わせる雰囲気を醸し出していた。

ツインテ(ん……色んな兵士さんがいるんだよね?外見で判断しちゃいけないよね)

ツインテは会釈してその男の横を通り過ぎようとする。



403:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/12(月) 21:24:58.41 ID:J0Ei5LJp0

862

--東の王国、城内--

たったったっ

??「大気圏外にいる巨大なもこもこが攻撃準備を始めています」

ツインテ(え)

ツインテが男の横を通る瞬間、男は言葉を発した。

??「逃げたほうがいい。さもなくば迅速に対処を」

キッ

ツインテは足を止め振り替える。

??「……でもあなたは誰も見捨てようとせず、みんなを救うために動くのでしょうね」

ツインテ「あなたは、一体……」



404:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/12(月) 21:26:34.95 ID:J0Ei5LJp0

863

--東の王国、城内--

??「あなたのよく知る人物から言伝を頼まれたんです」

ツインテ「ボクの……知ってる?」

男は喉を弄り、何かの粉を飲んだかと思うと、

??「こほん……あー、あー……
『お姉ちゃんお姉ちゃん!久しぶり!元気してる!?ボクだよ!ボクは元気だよ!ってあんまり喋ってられないんだった!要件だけ言うね!今お姉ちゃんがいる場所すごく危ないよ!逃げたほうがいい!ボクなら逃げるよ!でもお姉ちゃんなら逃げないよね!ボクのお姉ちゃんだもんね!きっときっとみんなを守るために頑張っちゃうんだよね!すごいなぁすごいなぁ!ボクも早くお姉ちゃんみたいになりたいなぁ!なれないかなぁ!でも頑張るよ!じゃあね!!』」

幼い少女のような声で喋りだした。

??「ごほ……似てました?」



405:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/12(月) 21:27:25.14 ID:J0Ei5LJp0

864

--東の王国、城内--

ツインテ「」

ツインテの顔が顔面蒼白に変わる。

??「その顔を見ると……似てたようですね」

ツインテは足元がおぼつかなくなったかと思うと、リボンが二つ弾け飛んだ。

バヅン!!

ツインテ「っづ!!」

??「やれやれ。精神ブレイクするほどだったんですか?」

ツインテ「……黙りやがれ!!あいつは既に精神攻撃を受けてボロボロだったんだ!!」



406:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/12(月) 21:28:15.09 ID:J0Ei5LJp0

865

--東の王国、城内--

??「成る程。これがストレートモード」

男はツインテの外見を見てにやりと笑う。

ツインテ「おいこらハゲ!!あいつは今どこにいる!?」

ガっ

ツインテは男の胸元を掴む。

??「あいつとは?我らが王のことですか?」

ツインテ「っ!!……王だかなんだか知らねぇ!!いいからあいつの、フォーテの居場所を吐きやがれ!!」



407:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/12(月) 21:29:41.23 ID:J0Ei5LJp0

866

--東の王国、西の丘--

???「おっそろしい種族コン。私だったらやりあいたくないコン」

狐の尻尾が生えた少女は肩を掴んで震えている。

????「わしの拳ならなんでも砕けるアルヨー」

赤い服を着た少年が拳を構える。

?????「星はもうすぐ戦いが終わるって言っているのよ」

丸い板の上で手をかざす少女。

?「ふふふ!」

そして、

?「楽しみだなー!お姉ちゃんと会える日が待ち遠しいよ!」

四つに髪の毛をまとめた少女?が笑っていた。



408:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/12(月) 21:31:14.23 ID:J0Ei5LJp0

867

--東の王国、城外--

聖騎士「火竜部隊ぃぃ前えぇぇ!!」

グォオオ!

十二匹のドラゴンが聖騎士の位置まで前進する。

聖騎士「ぬぅぅん……っっってぇぇ!!」

ギャオオオオオ!!

聖騎士の合図で一斉にドラゴン達は火炎弾をはいた。

ドヒュドヒュ!

空王もこもこ「!」

ドォン!ドドォン!

空王もこもこ「ギィィン!!」

巨大な火の玉が空王もこもこを焦がしていく。



409:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/12(月) 21:32:07.80 ID:J0Ei5LJp0

868

--東の王国、城外--

ボドォン

新王「!!鱗が剥がれ落ちていく!」

聖騎士「雷竜部隊ぃぃ我に続けぇぇぇい!!」

ギュアア!!

聖騎士はドラゴンを率いて空王もこもこに突撃をかける。

バサッバササッ!!

老兵「生物最強種がこんなにも……なんと壮観なことか!!」

空王もこもこ「ぎーーん」

空王もこもこの周囲を飛んでいた飛行もこもこ達が、迫りくるドラゴン達を迎え打とうと身構えた。



410:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/12(月) 21:32:46.31 ID:J0Ei5LJp0

869

--東の王国、城外--

聖騎士「ぶるぅぅぅあああ!!」

バリバリバリ!!

渾身の力を込めて放たれた雷は、次々に飛行もこもこを打ち落としていく。

飛行もこもこ「クソォォ!!」

サンダードラゴン「バチバチ!」

ドラゴン達も負けじと雷を放ち、空王もこもこへの道を開けていく。

空王もこもこ「!」

押し寄せる飛行もこもこ共をねじ伏せて、

聖騎士「フゥハーッハッハッハッ!!」

灰竜にまたがり、巨大なランスを持った聖騎士が突っ込んできた。



411:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/12(月) 21:33:45.48 ID:J0Ei5LJp0

870

--東の王国、城外--

聖騎士「我がぁぁ祖国にあだなす者はぁ、何人たりともぉ、ゆるさぁぁぁんんん!!」

聖騎士は灰竜から飛び降りて単騎で向かっていった。

聖騎士「くぅらぁあえぇぇ!!スキィルゥ、大雷槍!!」

槍の一部が黒く光ったかと思うと、

バリバリバリッ!!

空王もこもこ「ぎぃぃんんん!!」

膨大な魔力が、全て殺意となって空王もこもこに降り注ぐ。

ビシャビシャーン

新王「なんて魔力量だ……あのでかいもこもこが苦しんでる……ん?この力……」

空王もこもこ「ぎいやぁぁん!!」



412:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/12(月) 21:35:39.07 ID:J0Ei5LJp0

871

--東の王国、城外--

聖騎士「ぬぅ?どうやら雷には耐性がぁぁ、あぁるぅようぅぅだなぁぁ、だがぁ」

バリバリバリィッ!!

聖騎士「知ったことかぁぁ!!そのまま突き破ってくれるぅぅ!!」

空王もこもこ「ぎ、ぎいぃぃぃ!!」

ドッ

空王もこもこの尻尾が弾けたかと思うと、

ボッ、ボボボッ

全身に連鎖していった。

飛行もこもこ「ソ、ソンナ……」

空王もこもこ「ゲ……」

ズズゥン!!

聖騎士「フゥハーッハッハッハッ!!勝利ぃぃ!!」

選抜兵「む……むちゃくちゃだ」



413:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/12(月) 21:36:44.31 ID:J0Ei5LJp0

872

--海--

ざざーん

虎男「ぐ、く」

召喚士「い、いつになれば増援はくるんでやんすか」

キバ「う……ク」

ポニテ「はぁっ!はぁっ!な、何やってもほとんどダメージ入らないよ!!」

海王もこもこ「じゅるじゅる」

既に満身創痍の四人は、健在な海王もこもこを見て焦りを感じずにはいられない。

召喚士「ダメージは入ってるでやんす。それは間違いないでやんす。ただこいつのバカみたいな体力を、おいら達が削り切れるかどうか……」



414:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/12(月) 21:43:27.54 ID:J0Ei5LJp0

873

--海--

虎男「悪いが……既に魔力は残っていないがお」

キバ「私も、です」

ポニテ「ポニテも~」

キバ(ポニテちゃんほとんど何もしてないのに……?)

海王もこもこ「ぐしゅるぐしゅる」

シュッ

海王もこもこは触手を振り上げ、ポニテ達に振り下ろした。

バガァン!!

召喚士「くっ!氷で作った陸地も少しずつ無くなってきたし……困ったでやんす!」

ポニテ「お腹すいたよー」

虎男「んなこと言ってる場合か!!これだから子供は困るがお……」



415:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/12(月) 21:44:24.96 ID:J0Ei5LJp0

874

--海--

キバ「……!もしかして」

キバは触手を避けつつポニテのもとへと駆ける。

キバ「ポニテちゃんって、すぐお腹空いちゃう系女子!?」

ポニテ「うんっ!!」

召喚士(なんだその会話……)

キバ「成る程……燃費が悪いのかな。でもそれって逆にハイパワーってことだよね」

キバはかつて戦ったヤミのことを思い出していた。

ポニテ「え?わかんないけど……」

キバ「お腹いっぱいなら、あいつどうにか出来そう!?」

ポニテ「多分大丈夫」



416:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/12(月) 21:45:57.66 ID:J0Ei5LJp0

875

--海--

召喚士「まじかよ!?」

キバ「ッ!!……じゃあちょっと我慢してね!!」

キバは魔王化すると、自分の左腕を引き裂いた。

ガッ

ポニテ「んぐ!?」

そしてポニテの口を開き、血を流し込み始める。

疑似魔王キバ「はーい。ハイオク入りまーす」

ポニテ「がぼっ、がぼぼっ!!」

召喚士「……うわぁ」



417:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/12(月) 21:46:39.74 ID:J0Ei5LJp0

876

--中央荒れ地--

剣豪「うおぉ!!」

ガキン、キガン!

槍兵「すげぇ……気力だけで戦って……やがる」

槍兵はふらふらになりながら立ち上がった。

槍兵「さすがのさすがにもう戦えねぇ……体力も魔力も尽きそうだ」

槍兵はそれでも槍を構える。

槍兵「おい!誰かまだ生き残ってる奴ァいねぇか?」

槍兵は死体の群れに話しかける。



418:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/12(月) 21:47:59.27 ID:J0Ei5LJp0

877

--中央荒れ地--

吟遊詩人「……ふ」

狐男「……」

人形師「……」

地面に伏した三人が手を上げた。

槍兵「なんだまだいるじゃねぇの。じゃあ魔力供給出来る奴おてあげ」

三人はそのまま腕をおろさなかった。

槍兵「かっかっ。上等。それ全部よこしな。オレがまとめてぶっ放してやる!!」



419:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/12(月) 21:49:14.66 ID:J0Ei5LJp0

878

--湿地帯、ファクトリー--

変化師(!こ、ここは……)

変化師は巨大な空間を発見する。そこではもこもこ達が新たなもこもこを作っていた。

茶もこもこ「まさか宇宙王もこもこのエネルギーを作り出すためとはいえ、同胞に手をかけるだなんて……」

黄もこもこ「ひどいもきゅ……あいつら僕達のこと食い物だとか奴隷くらいにしか思ってないもきゅ」

赤もこもこ「戦闘本能だけを特化していったからなのか……やれやれ、何か一つに偏らせると強いけど、生命としては下等になっちゃうもきゅね」

見張り兵「コラァ!!キサマラナニハナシテヤガル!!キビキビハタラケ!!」

鞭を持った筋肉質なもこもこが声を荒げた。

青もこもこ「きゅぴー!!すいませんもきゅ!」

緑もこもこ「今やるもきゅ!」



420:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/12(月) 21:49:53.00 ID:J0Ei5LJp0

879

--湿地帯、ファクトリー--

変化師(……も、もこもこの中でも身分があるのか?)

紫もこもこ「お前ここで何してるもきゅ?」

変化師「!!」

いつのまにか変化師の後ろには紫もこもこがいた。

変化師「ア、ソノ……」

変化師は槍を持つ手に力を込める。

変化師(こ、この姿のもこもこはここにはこないのか?う、受け答えがわからない……殺すか?)

紫もこもこ「……認識電波に反応しない……もしかして人間もきゅ?」

変化師(!?そ、そんなことで見分けられたのか!!く、くそ!!)

紫もこもこ「……待ってもきゅ。お前がここに来た理由次第では力になってやれるもきゅ」

変化師「!?ど、どういうことだ……」



421:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/12(月) 21:50:54.67 ID:J0Ei5LJp0

880

--湿地帯、ファクトリー--

紫もこもこ「僕達が作った指揮官型、ちょっと失敗ぽいもきゅ。新しいもこもこに創作能力を積み込まなきゃ僕ら創作型を大事にするかと思ってたんもきゅが、奴は平気で切り捨て始めたもきゅ。これはもこもこの将来にとって大きな痛手もきゅ」

変化師「……」

紫もこもこ「お前、こそこそ潜入してきたってことは指揮官を暗殺しにきたんじゃないもきゅか?」

変化師「!!」

紫もこもこ「……図星みたいもきゅね。なら利害の一致もきゅ。手伝うからヤッてくれもきゅ」

変化師「!……!」

突然の申し出に変化師は戸惑いを見せる。

変化師(わ、罠かもしれない……でもうまく利用すれば……)



433:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/20(火) 20:35:35.18 ID:FLdOrOOU0

881

--東の王国、城外--

わいわいがやがや

新王「……宴会始めちゃった」

聖騎士達は空王もこもこの肉を焼き、酒を片手にどんちゃん騒ぎ。

聖騎士「ぶぁーはっはっはっぁあ!!殺したら食う!!それがぁぁ自然界の基本だろぅぅがぁぁ」

聖騎士は新王に肉を投げてよこす。

新王「まだ他の所を回らなくちゃいけないのに」

聖騎士「放っておけぇぇい。増援を期待するよぉぉなぁぁ、弱い個体などいらぬぅぅ」

選抜兵「ひでぇぇ」

新王「……助け合いはいいと思うんだけど」



434:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/20(火) 20:36:01.56 ID:FLdOrOOU0

882

--東の王国、城外--

聖騎士「助け合いならぁぁなぁぁ」

聖騎士はがぶりと肉を引きちぎる。

聖騎士「助ける側はぁ、基本的にずっと助けるだぁけだぁ。弱者が強者を助けることなぞできはせんんん。弱者はぁぁ、常に強者だよりの劣悪種よぉぉ」

新王「だからと言って見殺しには出来ませんよ」

聖騎士「……まぁあ食えぇ」

新王「……」

新王は肉を見たあと、顔をあげた。

新王「殺したら食うって、人間もですか?」

聖騎士「あぁったりめぇぇよぉぉ!!」



435:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/20(火) 20:36:36.90 ID:FLdOrOOU0

883

--海--

ポニテ「!!」

キバ「はっ、はっ……どうかな?」

ポニテ「すごい……こんなに力が湧く食べ物初めてだよ!!」

虎男「食べ物……」

口まわりが血でべとべとになったポニテの笑みはひどく凄惨な感じ。

召喚師「なんとまぁ……随分魔力の器がでかいでやんすなぁ」

これじゃ普段はぎりっぎり動いてる感じなんでやんすね、と召喚師。

虎男「ふむ……」

全身がほんのり発光しているポニテ。

ポニテ「……うん!行ける!私の満腹モード見せてあげる!!」

海王もこもこ「ぐしゅる……」

ポニテは海王もこもこと向き合った。

召喚師「攻撃を引き付けていたせいでもうおいらはフラフラでやんす。あとは頼んだでやんすからね」

虎男「我輩も無理がお」



436:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/20(火) 20:37:08.34 ID:FLdOrOOU0

884

--湿地帯、ファクトリー--

紫もこもこ「こっちだもきゅ」

変化師「お、おう」

紫もこもこに案内されて巣の中を歩く変化師。

槍型もこもこ「ナンダキサマラ。ナニヲシニキタ劣等世代」

紫もこもこ「指揮官型もこもこ様に呼ばれているもきゅ。通すもきゅ」

槍型もこもこ「ナァニィ?……」

槍型もこもこは二人?の顔を見比べる。

槍型もこもこ「……イイダロウ、トオレ」

紫もこもこ「ご苦労様だもきゅ」



437:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/20(火) 20:37:55.10 ID:FLdOrOOU0

885

--湿地帯、ファクトリー--

変化師「……」

二人はそのまま道を進んでいく。

変化師ボソ「……お、お前らよりあいつらの方が立場上なのか」

紫もこもこ「そうもきゅ。年功序列って言葉を知ってもらいたいもきゅ」

変化師ボソ「じ、自分の創作物に支配されるなんて……可哀想だな」

紫もこもこ「うるさいもきゅ。だからそれをなんとかするために、人間なんかと手を組んでるもきゅよ」

こつこつこつこつ

変化師ボソ「……な、なんで人間を襲うんだ?」

紫もこもこ「いきなり何を言うもきゅ。お前らが攻撃してきたからもきゅ」



438:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/20(火) 20:38:22.76 ID:FLdOrOOU0

886

--湿地帯、ファクトリー--

変化師ボソ「ひ、人を殺されたならこちらは反撃するしかない」

紫もこもこ「……人に寄生しなければ生きられない種だったとしてもきゅか?」

変化師「え」

紫もこもこ「……いや嘘もきゅ。遺伝子に染み付いてるもきゅ。かつて空から来た人間が我らの大地を奪ったと、我ら同胞の大多数を虐殺したと」

変化師ボソ「そ、空から来た?」

紫もこもこ「もきゅ。そして父祖の無念を晴らせ。人間を滅ぼせ……そうゴーストならぬ遺伝子が囁くもきゅよ」

変化師「……」



439:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/20(火) 20:38:59.75 ID:FLdOrOOU0

887

--湿地帯、ファクトリー--

紫もこもこ「だから本能に従いお前らを滅ぼそうと動いてるもきゅ」

変化師「で、でもそれは過去のことだろ?お、お前達が何かされたわけじゃないだろ」

紫もこもこ「父祖にされたことは我らにされたこともきゅ」

変化師「……お、おでそんな歴史聞いたこともないけど、お前達が言うのなら本当なんだと思う」

紫もこもこ「本当もきゅ」

変化師「う、うん。で、でも仲直りは出来ると思う」

紫もこもこ「は?」

変化師「ず、ずっと喧嘩してたらいつかどっちかが滅ぶ。も、もしかしたら両方滅ぶ。そ、そんなのよくない」

紫もこもこ「……」



440:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/20(火) 20:39:28.22 ID:FLdOrOOU0

888

--湿地帯、ファクトリー--

変化師「も、モンスターとだって仲良くなれるはずなんだ。ち、調教師や召喚士は、モンスターと仲良くなれるって言ってたし」

紫もこもこ「……僕達はモンスターじゃないもきゅ。あれも外来生物もきゅ」

変化師「え?」

紫もこもこ「元々この星に住む生物は僕達以外滅ぼされちまったもきゅから」

変化師「……」

紫もこもこ「だから人間とモンスターがわかりあえても、人間と僕達がわかりあえることはないもきゅ」

変化師「き、決めつけだ」

変化師はつい大きな声を出してしまう。



441:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/20(火) 20:40:02.81 ID:FLdOrOOU0

889

--湿地帯、ファクトリー--

変化師「た、例えなんであろうと、言葉をかわせるなら仲良くなれるはずなんだ」

紫もこもこ「……」

変化師「い、意志疎通できるなら例え他種族であっても仲良くできる!」

紫もこもこ「無理もきゅ」

変化師「む、無理じゃない」

紫もこもこ「人間同士でも仲良くなれない種族が僕達と仲良くなれるはずが無いもきゅ」

変化師「!?」

紫もこもこはつぶらな目で変化師を見た。



442:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/20(火) 20:40:30.19 ID:FLdOrOOU0

890

--湿地帯、ファクトリー--

紫もこもこ「魔族とは仲良くならないもきゅか?」

変化師「あ、あいつらは根っからの悪だから」

紫もこもこ「亜人とは仲良くならないもきゅか?」

変化師「せ、政治的に難しい」

紫もこもこ「鱗国の人間とは?南の王国の出身者とは?」

変化師「ッ……」

紫もこもこ「お前らも決めつけてるもきゅよ。僕達だけが例外的に仲良くなれるだなんてとてもじゃないが思わないもきゅ。和平を結んでも、ハッピーエンドを迎えても、いつか何年か何十年か立ったら、お互いに嫌な部分を見つけるもきゅ。利益を考えて邪魔になるもきゅ」

変化師「……」



443:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/20(火) 20:41:24.85 ID:FLdOrOOU0

891

--湿地帯、ファクトリー--

紫もこもこ「そして差別する部分を探すもきゅ。そんな仮初めの関係、願い下げもきゅ」

変化師「う、う……」

紫もこもこ「……まだ若い人間よ。名はなんというもきゅ?」

変化師「へ、変化師」

紫もこもこ「変化師。覚えておくもきゅ。どんな生物もずっと仲良くなんてやってられないもきゅ」

紫もこもこは変化師に背中を向けて歩きだす。

変化師「……」

変化師は離れていく小さな背中を見つめている。



444:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/20(火) 20:41:53.95 ID:FLdOrOOU0

891

--湿地帯、ファクトリー--

紫もこもこ「そして差別する部分を探すもきゅ。そんな仮初めの関係、願い下げもきゅ」

変化師「う、う……」

紫もこもこ「……まだ若い人間よ。名はなんというもきゅ?」

変化師「へ、変化師」

紫もこもこ「変化師。覚えておくもきゅ。どんな生物もずっと仲良くなんてやってられないもきゅ」

紫もこもこは変化師に背中を向けて歩きだす。

変化師「……」

変化師は離れていく小さな背中を見つめている。



445:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/20(火) 20:42:22.51 ID:FLdOrOOU0

892

--中央荒れ地--

人造魔王「ウアーン、イタイヨー」

人造魔王は千切れかけた自分の左腕を見て喚く。

剣豪「うっせぇ、ぞ、でけぇ図体しやが、って」

剣豪の体は血と泥でぐちゃぐちゃで、立っていられるのが不思議なほどに傷を負っていた。

人造魔王「オジサン、ヨクソンナニガンバレルネー」

剣豪「やんなきゃ、いけねーんだよ、大人は」

槍兵(体力の限界ギリギリから発動するスキル、ど根性。命をすり減らし戦い続ける最後の手段……そこまで愛国心があるのか、ただの戦闘狂なのか)

槍兵は体中に充足していく魔力を感じていた。



446:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/20(火) 20:43:23.40 ID:FLdOrOOU0

893

--中央荒れ地--

吟遊詩人(魔力残量少ない状態での魔力供給は本当にきついね~。まるでボクサーの減量のよう~。したことないが~)

人形師(これだけ魔力集めてしょぼい技しか使わなかったら泣けますねぇ)

狐男(コン)

槍兵「なんだ、結構だせるじゃねぇすか。完全とは行かないがまぁまぁかな」

吟遊詩人(ぐ、死ぬほどの思いで供給したというのにらら~)

人形師(こういう態度の人いるわー)

狐男(ぐふ……)



447:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/20(火) 20:44:03.90 ID:FLdOrOOU0

894

--中央荒れ地--

陸王もこもこ「ぐるる……」

圧倒的なまでに力の差があるはずなのに倒し切ることが出来ず、陸王もこもこは苛立ちと焦りを感じていた。

ズル

一発一発は大したダメージでは無いものの、一点のみに的を絞った攻撃は少しずつダメージを蓄積していき、ついに陸王もこもこは右前足を引きずるまでになっった。

剣豪「ちぇい!」

陸王もこもこ「!」

ズガッ!

そのせいで攻撃を避けきれない回数が増え、

陸王もこもこ「がう!」

ズキッ

攻撃しようと体重をかけることで、自らも前足にダメージを与えていた。



448:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/20(火) 20:44:35.54 ID:FLdOrOOU0

895

--中央荒れ地--

剣豪(勝機は、見えた)

敵の弱点を観察し、時間と手数を持って強大な獲物を群れで仕留める。

槍兵(今なら後ろからいけるか)

人間の怖さというものを陸王もこもこは再認識していた。

人造魔王「氷属性対単体攻撃魔法レベル4」

ドガッギャーン!!

巨大な氷の槍が陸王もこもこを襲う。

陸王もこもこ「がある!!」



449:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/20(火) 20:45:14.10 ID:FLdOrOOU0

896

--中央荒れ地--

対単体の最大レベル攻撃魔法でも傷には至らない頑強な肉体。だが陸王もこもこは距離をあけられるのが何よりも辛かった。

陸王もこもこ「ぐぎゃる……」

剣豪「いいぞ。攻撃モーションを見せたら弾き飛ばせ」

人造魔王「アイアイサー」

槍兵「うおお!!」

その時槍兵が陸王もこもこの背後に走る。

剣豪「!あいつ、なにを」

陸王もこもこ「!」



450:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/20(火) 20:45:50.12 ID:FLdOrOOU0

897

--中央荒れ地--

槍の先端のみに圧縮され集約された魔力。陸王もこもこは一瞬恐怖を感じ体を翻そうとするのだが、

槍兵「奥義、呪いの槍近接ver!!」

槍兵の槍が一瞬早く突き出された。

剣豪(禁術を自分なりにアレンジだと!?)

ジジジジジジ!!

槍兵「……あ、れ?」

突いたはずの槍。届いた筈の刃先。しかし実際は空中で止まっているかのようだった。

槍兵(不発!?馬鹿な)

ジジジジジジ!!

槍兵(……い、いや)



451:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/20(火) 20:46:27.72 ID:FLdOrOOU0

898

--中央荒れ地--

ジジジジジジ!!

槍兵(削っている……寿命を確かに削っている!!)

ジジジジジジ!!

陸王もこもこ「がる……」

槍兵(だが寿命があまりに長すぎて削り切るのに時間がかかってやがる!)

ジジジジジジ!!

槍の刃先は、肉眼でかろうじて確認できるほどの速度で進んでいた。

ジジジジジジ!!

あと十二センチ。

ジジジジジジ!!

陸王もこもこ「がるらぁ!!」

しかしそれまで対象が動かないわけもなく、

グシャ

槍兵「ッ……!」

槍兵の頭は叩き潰された。



452:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/20(火) 20:47:11.91 ID:FLdOrOOU0

899

--中央荒れ地--

カランカラン

乾いた音をたてて槍は荒れ地に落ちる。主人が絶命したことにより魔力が雲散し効力が切れたのだ。

剣豪「……ち、ばかめ。これだから若い奴はすぐ大技に頼るんだ」

自分は棚上げ。

剣豪「しかし一人減っちまったのはまじぃぜ。三人だからなんとかなっていたが、攻撃対象が二人だとあいつの集中力をあまり割けないし、一人あたりの攻撃回数が増える」

陸王もこもこ「ぐるぅあ!!」

人造魔王「アレーオコッテルー」

ゴゴゴ

陸王もこもこ「ぐぁるぅ……」

陸王もこもこの体毛が赤く変化し、全身から殺気を放っている。



453:Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2011/09/20(火) 20:47:43.62 ID:FLdOrOOU0

900

--中央荒れ地--

剣豪「激昂状態……!奴め、決めにきやがった」

身体から蒸気を発す陸王もこもこを見て剣豪は構える。

人造魔王「ゲッコー……ジョーレイ?」

剣豪「知らんのか!攻撃力速力がぐんと上がり、防御力がぐんと下がった状態だ。……来るぞ!!」

陸王もこもこの口から魔力が溢れだす。

陸王もこもこ「グルるる……がああああああ!!」

ボオオオオオオ!!

陸王もこもこは炎のブレスを吐き、フィールドを変えていく。

剣豪「……これからが本当の地獄か」


酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった4【後半】



元スレ
酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった4
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1309185826/
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