TOP

ハルヒ「キョン「TUEEEEEEE!!!!!!!」 キョン「消失してるぞ?」

関連記事:ハルヒ「キョンTUEEEE!!!!」
関連記事:ハルヒ「キョンTUEEEEE!!!!!」 キョン「退屈しないだろ?」
関連記事:ハルヒ「キョンTUEEEEEE!!!!!!」 キョン「暴走するなよ?」
1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 16:02:13.76 ID:Xefm1Gp40


pipipipipipipipipipipi!!!


キョン「……うるさい、寒い……」

キョン「……zzz」

キョン妹「キョンくん起きてーーっ!!!!」ダーイブ!!

キョン「ふぐっ!!」ドサッ

キョン妹「キョンくん朝、あははは!!!わたし浮いてるーー!! もっとやってー!!」フワフワ

キョン「妹よ、もう少し優しく起こしてくれることはできないのか……?」

キョン妹「んー? これが最低限の譲歩だよー!?」

キョン「……どこでそんな言葉を……はー寒い寒い」

キョン「……こう寒いと地球の最低気温を10℃くらいあげても誰も文句言わないんじゃないのか? やってみようかな……」

キョン妹「早くしないと学校遅刻しちゃうよー!」

キョン「……バカなこと考えてないでさっさと仕度するか」

キョン妹「!! 大変キョンくん!! 雪が!! 雪が降ってるよ!!!!」

キョン「雪ぃ? まったくこんなクソ寒いのに雪まで降っちゃ……」











ヒューーーーーズドン!!!!!!! パラパラ!!!











キョン「…………」

長門「おはよう」

キョン妹「わぁ! いつの間にか誰かいたーーっ!! 誰ー!? おともだちーーっ!!?!?」

キョン「……ああ、部屋の中にまでユキが降ってきたみたいだな」



3:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 16:06:57.17 ID:Xefm1Gp40


キョン「どうした長門、こんな奇天烈な登場ぶちかまして」

長門「天井に穴を空けたのは失敗。今度直す」

キョン「ああ、できれば今度じゃなく、今も雪が降り続けているこの天井を早急に直してほしいんだが」

長門「情報操作は得意」ペラペラペラ

キョン「サンキュー……で、開幕ぶっぱな登場かましてお前は何を」

キョン妹「キョンくーん! ごはんできたよーっ!!!! あっ、有希ちゃんも食べていくー!?!?」バタッ

キョン「こら、大事な話があるから入ってくるなって―――」

長門「ご飯が冷めてはいけない、早急に食事に取り掛かるべき」スッ

キョン「わーお、お嬢さん。このまま説明なしだとあなたご飯タカリに来たと勘違いされてしまいますよ?」

長門「構わない」

キョン「少しは構いなさい。ったく……まぁ、話は登校中にでも聞かせてもらうとするか」

キョン妹「…………朝チュン?」ゴクッ

キョン「いやそれ違うから。それ登校よりも前の時間のことだから。てかホントどこでそんな知識手に入れてんだ小娘」

長門「朝は和食? 洋食?」

キョン妹「んーんー!! 朝はパンだよーっ!!」

キョン「洋食であってるじゃねえか」

キョン妹「フランスパンだから違うよ! 仏食!」キリッ

キョン「仏食じゃねえよ、パンは料理じゃねえ。というか朝からフランスパン出す家庭の人と思われたくないんだが」

長門「家も同じだった」

キョン「ここにその家庭の人いたーーっ!!!!! ていうか長門さん二度目の朝ごはんですかーー!!?」オーイ!



5:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 16:10:52.64 ID:Xefm1Gp40


キョン「じゃ行ってきまーす」

長門「行ってきます」

キョン妹「行ってらっしゃーい!!」フリフリ

キョン「お前も行くの、小学生が何様のつもりでサボろうとしてるんだこら」

キョン妹「ハッ!! 学校あるの忘れてた!!」ガーーン!!

キョン「なんで? 俺が学校の準備してる間なにも思わなかったわけ??」

キョン妹「遅刻遅刻ーー!! 急いで準備だ――っ!!!!」ドビューーン!!

キョン「ったく……落ち着きのない」

長門「ユニーク」

キョン「さて、それじゃ事の顛末をお聞きしようか」

長門「…………」

キョン「…………」

長門「……あなたは、この先起こるであろうことに対し、何も行動はしないと考えている」

キョン「起こるまではな、ま、いつも通りだ」

長門「それはとても危険なこと」

キョン「俺でもか?」

長門「……あなたでも」

キョン「そうか、長門から直々に忠告とは珍しい」

長門「……ただ、これは私という個体からの推測であり」

長門「あなたの持つ情報量を推測でしか観測できない私の予想は、あまり信用できたものではない」

キョン「つまり、どうなるか分からない、と」

長門「現段階では」

キョン「……ふむ」



6:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 16:15:45.22 ID:Xefm1Gp40


キョン「じゃあ長門、お前は俺がどう動くべきだと思う?」

長門「…………」

キョン「正解を聞いているわけじゃない、そもそも正解なんてないようなもんだしな」

長門「…………」

長門「……答えがない問に、答えるのは難しい」

キョン「……そうか」

キョン「じゃ仕方ない、俺は俺なりに自分が信じた行動をとってみるよ」

長門「…………そう」

キョン「心配するな長門、俺と長門のタッグでなんとかならなかったことなんてないだろ?」

キョン「部長氏を救出するときも、夏が繰り返された時も、映画を撮った時も、いつだってどうにかなってきただろ」

長門「それは、あなたがいたから」

キョン「そうだ、俺がいた。それに長門も、朝比奈さんも、古泉もいた」

キョン「だから、みんながいる限り、そうそうの事態で世界は崩れたりなんかしないさ、安心しろ」

長門「…………いる限りでは」

キョン「あー……まぁ、そうだが」

キョン「長門、俺の長所はだな。『無責任な信頼にも答える説得力』だ」

長門「…………」

キョン「なんとかする。絶対になんとかしてやるから」

キョン「俺を頼れ、いいな? お前は一人でなんでもできちまうからそうなりがちだけど」

キョン「どうにもなりそうにない時は人を頼っていいんだ。俺じゃなくたっていい、朝比奈さんだって古泉でもいい」

キョン「お前の味方がいないなんてことはありえねぇ、分かったか?」

長門「……分かった」

キョン「……とまぁ、まだなにも起こっていない時点で言うのも何か違う気がするが……」

長門「そう」



7:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 16:20:09.44 ID:Xefm1Gp40


谷口「あーーっ!!!!!!」ビシッ!!

キョン「あぁ?」

谷口「キョーン!! てめぇ、何朝から見せつけてくれちゃってんだ!!!」

キョン「何をだよ、朝からうるさいやつだな」

谷口「お前の隣だよ、隣!! お前の隣にいる人物の名を言ってみろ!!!」

長門「長門有希」

谷口「本人が言っちゃったよおい!!!!! 本人が自己紹介しちゃったよおい!!!!!!」

キョン「朝から忙しいやつだなお前は」

谷口「えーこれはあれですか? お泊りからの一緒に登校ってやつですか? あーあーキョンさんは流石ですねぇ!」

谷口「涼宮一門に下ってからキョンの周りには美女がわんさか……この待遇の差はなんなんだ一体!!」

キョン「うるせぇな、何を勘違いしてるか知らんが長門は家に泊まってなどいない」

谷口「だったらなんで一緒に登校してるんだよ」

キョン「降ってきたからだよ」

谷口「何が? 雪がか??」

キョン「そう、有希がだ」

谷口「ん? んー……あ、そういうこと、ほー……なるほど」

谷口「わかるかっ!!!!!!!!」ビシッッ!!

キョン「朝からノリツッコミまでかましてんじゃねーよ、うっとおしい」

谷口「なんで雪が降ってきたら長門有希と登校することになるんだ!!? えぇ? それはなんかのルールか? ご褒美か!!?」

長門「…………朝ごはんを食べたから?」

谷口「やっぱ泊まってんじゃねーーーーーーかちくしょーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」ドーーン!!!

キョン「長門、理由になってないし、このバカを混乱させるような発言は止してくれ」

長門「迂闊」



8:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 16:24:20.29 ID:Xefm1Gp40


谷口「はーぁ、キョンですら彼女ができてクリスマスの予定が埋まってるっていうのに俺は……」

キョン「彼女じゃねえし、クリスマスの予定は恐らく、十中八九SOS団がらみだ」

谷口「まぜてっ!!」キラーン!

キョン「ハルヒに言え、俺は知らん」

谷口「なーんーだーよー!! ここは心優しく涼宮に掛け合ってくれる流れじゃないのかよー!!」

キョン「どんな流れだ……にしても谷……口」

谷口「その気になる間やめろ」

キョン「お前彼女とかいなかったか? クリスマスに彼女と会う予定は立ってないのか?」

谷口「……え? なんで急に煽ってきたんだこのクソリア充は、お?」

キョン「うっぜぇ……」

谷口「んな予定があったら朝から惨めったらしくお前らをいじったりしてねーよ!! 余裕がないからこんなことしてるんだっつーの!!」

キョン「自分で言うな、悲しくなるだろ」

キョン「にしてもそうか……谷口は彼女がいないのか」

谷口「なんで口にだす!!?!? なんで俺に精神的ダメージを与える!!!?!? なんの恨みが俺にある!?!?」

キョン「朝からうるさい恨み」

谷口「あー自業自得だったぁあああ!!!! あー!! あー!! 俺も彼女と一緒にクリスマスすごしたーい!!」

キョン「なんなんだこの強烈なウザさは……いつもの1.2倍うざい!」

谷口「え? 逆にこんだけやって1.2倍しかうざくないの? え?」

長門「…………」

キョン「……影響が及んでいる、か」

谷口「なんの話だ? 俺がいつもより1.2倍増しでウザいこととなんか関係あるのか?」

キョン「ない、失せろ」

谷口「教室一緒だろ!!!!」



9:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 16:28:47.32 ID:Xefm1Gp40


教室


谷口「大体よー彼女が出来たんなら親友の俺に一言ぐらいあっても……」

キョン「まだ言ってんのか舎弟の谷……くん」

谷口「谷じゃねーーよ!!? ちゃんとよく喋るうるさい口がついて谷口だからな!!!? あとお前の舎弟になった覚えはねーよ!!!」

キョン「わかってんなら自重しろバカ」

谷口「ったくよぉ……俺だって……俺だってよぉ」ブツブツ

キョン「やっと失せたか……まー面倒な奴に朝から絡まれたもんだ」ハァ

ハルヒ「あら、遅かったじゃない。おはよ」

キョン「おーす、ま朝から色々あったんだよ、色々」

ハルヒ「ふーん、だから疲れた顔してるのね。それよりもキョン! 聞いて!!」

キョン「分かった分かった分かってるから、あれな、うんうん大丈夫大丈夫、だからちょっと寝かせてくれ、あぁ分かってるから」

ハルヒ「…………」ムスー

キョン「……大相撲の」

ハルヒ「ホントに大相撲の話しようとしたこと分か…………ッ!! ち、違うわよ!!? ホントのホントは違う話だからね!!?」ワタワタ

キョン「……zzz」

ハルヒ「……ま、キョンなら分かってるわよね」

ハルヒ「ふふふ……SOS団、クリスマスに向けての緊急会議よ!! 念入りに準備しなくちゃ!!」

キョン「……断る」ムニャムニャ

ハルヒ「手始めにキョンには本物のサンタを誘拐……寝言で!!?!!?!?」ガーーン!!!

ハルヒ「寝言で先手打たれた!!!?!?!? そこまでされちゃもうホントに言うことないんだけど!!?!!?!?」ガガーーン!!!



10:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 16:33:08.02 ID:Xefm1Gp40


放課後


谷口「でさー長門有希は俺にこう言ったんだ。『あなたの方が魅力的』ってよ!!」

キョン「……」

国木田「ふーん、そこまでが夢の話だっけ? そこで起きたの?」

谷口「夢、の、話じゃねーよ!!!!! ただのホラ話だよ!!!!!!」ゴォオオ!!

国木田「うわぁ、なお情けないよ……まだ夢の話の方が悲惨さがマシだよ……」ヒキッ

キョン「だが残念、現実のコイツが一番悲惨ってわけだ」

谷口「あー、どちくしょー……俺にも光陽園学院の彼女でもできねーかな」

国木田「無理だよ」

谷口「…………え? 特に理由もなく!!?」ガーーン!

キョン「お前の無駄話に付き合うのが無理なんだよ、そんじゃあな」

谷口「あっ、また長門有希と帰るつもりだな!」

キョン「俺にとってもお前にとっても残念ながら、俺はこの後SOS団の会議なるものに出席しなければならんのでな」

国木田「大変そうだね」

キョン「まぁ、ハルヒが勝手にしゃべってるのを聞いとくだけさ、そういうことだ、じゃあな」

谷口「……なぁ、国木田」

国木田「なに?」

谷口「それもSOS団に入ったら朝比奈さんとかと付き合えたりするのかなぁ……?」

国木田「うーん……妄想もそこまでいくといっそ清々しいね」

谷口「……この路線でいってみるか!?」

国木田「いや、いいとは言ってないけどね」



11:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 16:36:57.12 ID:Xefm1Gp40


部室


ハルヒ「クリスマスイブに予定ある人いる!!?」

キョン「ああ、俺は全国津々浦々、良い子のみんなに夢と言う名のプレゼントを―――」

ハルヒ「古泉くんは? 彼女とデートとかするの?」

古泉「……フー、そうであったら、どれほど嬉しいことであったでしょう、生憎そのような予定はありませんね」

ハルヒ「みくるちゃんは? 彼氏にクリスマスイブにお泊りデートとか誘われてない?」

キョン「お泊りだなんて、キョンくん許しませんよ!!!!!」ドーーン!!!

朝比奈「ふえっ!? い、いえそんな予定はありませんけど……お泊りデート?」

ハルヒ「有希は―――」

キョン・長門「「ない」」

ハルヒ「なんでキョンも答えるのよ」

キョン「……」グッ

長門「……」グッ

ハルヒ「意味の分からないガッツポーズで意思疎通はやめて、じゃみんな暇ってことでオッケーね!!!」

キョン「こら、言い方を考えろ。暇っていうな暇って」

ハルヒ「というわけで、予告していた通り、SOS団クリスマスパーティの開催が今ここに決定いたしましたー!!!!」パチパチ!

朝比奈「……わ、わぁ」パチパチ

古泉「すばらしいかと」パチパチ

長門「ぱちぱちぱちぱち」

キョン「ったく、やれやれ、仕方ないな。用意するものは蟹とアルコールでいいんだっけ?」

ハルヒ「だからピンポイントやめなさい!?!? ピンポイントであたしが不要と考えているものを用意しようとするのやめなさい!!?!?」ガーーン!!!



13:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 16:40:35.37 ID:Xefm1Gp40


ハルヒ「でねっ、この前サンタコスもってきてたでしょ? あれの他にもうクリスマスグッズ結構買ってきちゃったのよ!!」ドッサァ

キョン「いや買いすぎだろ……総重量いくつなんだ、これ」

古泉「重量で聞かれましても……」

朝比奈「あ、かわいいツリー……鹿さんの人形もある」

長門「それは鹿ではない、そっちがサンタクロース」

朝比奈「あっ、こっちがサンタさんでしたかー」ヘー

古泉「どんな間違いっっ!!?!?!?!? もはや知らないとかいうレベルでないっっ!!!!!!」ガーーン!!

ハルヒ「パーティというからにはこの部屋もそれなりに装飾しなきゃね!!!!」

キョン「んなもん金払って業者に……ってハルヒ、パーティとやらはこの部屋で開催されるのか?」

ハルヒ「他にどこが?」

キョン「河川敷とか……」

ハルヒ「冬の河川敷で何のパーティができるのよ!!!! たき火パーティぐらいしか想像できないわよ!!!!!」

ハルヒ「いーい? SOS団のパーティなんだからSOS団の部室でやるのは当たり前でしょ!!?」

朝比奈「当たり前なんだ……」

ハルヒ「教師がどうとか心配してるのか知らないけど、こういうのはこそっとするのが楽しいの!!!!」

キョン「クリスマスイブとやらの日でなんて不良行為をしようとしてんだお前」

ハルヒ「大丈夫!!! もしバレたらあたしの手製鍋料理を振舞ってあげるわ!!!!」

キョン「そうしてやつらを毒殺、死体の遺棄は俺に任せるってか? おいおい勘弁してくれよー」オイオイオイ

ハルヒ「オイオイオーーイ!!!!! 言ってない!! 言ってないわよそんなこと!! イブになんて恐ろしいこと考えてんのアンタぁ!!!」

古泉「では、機材や材料の方は当日までに買っておいて、保存しておいた方がよろしいですね」

ハルヒ「そうね!! さぁ、この一週間忙しくなるわよーー!!」

キョン「……ああ、まったく忙しくなりそうだぜ」

長門「……」

キョン「……やれやれ」



14:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 16:42:59.47 ID:Xefm1Gp40






























「時空改変プログラムを起動、STCデータ改変――――――――――――世界を、再構築する」








































15:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 16:46:14.26 ID:Xefm1Gp40


翌朝

pipipipipipipipipipipipipipipipipipipipipi


キョン「んん……うるさハッ!!???!?」ビクッ

キョン妹「キョンくーん起きてーーー!!!!!」ピョーン!!

キョン「見切ったっ!!!」シュン

キョン妹「っ甘いよっ!!!」ドゴッ!!

キョン「ガフッ!! 捉え、られた……」ドサッ

キョン「じゃねーーよ!!!! 俺起きてたよな!!?!? 起きてる相手普通に殴っただけだからなお前!!!!!!」ガバッ!!

キョン妹「……あたしわかんなーい、テヘ!」

キョン「テヘじゃねーよ!!!! なに瞬間移動先に追尾して裏拳ぶっこんでんだお前は!!! こえーよ、毎朝が憂鬱だよこれじゃあ!!!!」

キョン妹「はやく起きて学校行くよー!!!! 今日の朝ごはんはなんとフランスパーン!!」

キョン「ったく……昨日と一緒かよ、余りものだな」

キョン妹「んー? 昨日は食パンとボルシチだったよー?」

キョン「……あ、そうだったな寝ぼけてた。って朝から何食わしてんだマジで、変わり種すぎんだろこの家庭」

キョン妹「準備したら降りてきてね――!!!」ダダダッ

キョン「……さぁーって」

キョン「この異様な胸騒ぎは、果たして、この異変だけの影響なんだろうか……」ザワッ

キョン「なにか……重要なフラグをぶち抜いた気がしないでもない、が……」

キョン「……ま、こうなったんならこうなっただ」

キョン「なるようになるさ、いままで通りな」

キョン妹「ボール―シーチーくーん!!!! キョンだよーーー!!!!! はーやーくーぅ!!!」

キョン「逆逆、ボルシチってあだ名つけられる奴どんなやつだよ、おい。てかボルシチは昨日だろうがちくしょう」



16:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 16:50:23.35 ID:Xefm1Gp40


キョン「お」

谷口「お、よぉ、ゴホゴホ」

キョン「どうした? 頭の病気か?」

谷口「どうみても風邪だろ!!? いや頭も痛いけどよ……ったく、こんな大切な時期に風邪なんtゴッホゴホ!!」

キョン「……死ぬ?」

谷口「死なねーよ!!!! ほら元気!! 俺超元気だかっららららららゴッホホホホホホホホ!!!!!」

キョン「ま、それはさておき」

谷口「おおおおおおおおおいちゃうのぉおおおお!!?!!? こんな咳やばいのにぃいいいいい!!?!? ゴホゴホゴホ!!!!!」

キョン「大切な時期とは何だ谷、口」

谷口「ゴホゴホ、だーから、言ったろ? クリスマスイブが俺の勝負時ってよ」

キョン「……あぁ、パチ○コ」

谷口「違うっての!! そういう意味での勝負時違う!!!! 彼女だって彼女!!! マイスウィートハニー!!!!!」

キョン「……熱でもあるのか??」

谷口「……あるよ!!!?!?!? でもこの発言は熱とは関係ねーよ!!?!?!?」ビッシィィィィイイ!!!

キョン「ふーん……彼女と来たか、随分谷口に甘い世界になったもんだ」ケラケラ

谷口「いや俺に彼女ができることって世界規模の異変なわけ……?」

キョン「まあ、そんなトコだ。いいじゃねえか彼女、楽しめよクリスマス」

谷口「おぉ……なんか、そう友達から活気づけられると元気出るわ!!! 俺、クリスマスデートうまくいく気がしてきた!!!」

キョン「大丈夫だ、谷口。クリスマスまでに直してやっから」

谷口「ん? んん? 気持ちはありがてーが、薬でも飲んで横なっときゃ風邪ぐらいすぐ治んだろ」

キョン「……いや、頭の方だ」

谷口「いや頭おかしくねーよ!!? これでデフォルトだからな!!?!?」

キョン「へーへー、元気なこって」



17:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 16:53:16.79 ID:Xefm1Gp40


谷口「へへっ、マジでどこまわろうかな……やっぱ定番の―――」

キョン「(……なんだ、ずっと続くこの胸騒ぎは……)」ザワッ

キョン「(異変の中の違和感……とでも言うべきなのだろうか?)」

キョン「(何か……とんでもないモノが待ち受けていそうな……)」

キョン「…………谷口」

谷口「―――お? なんだ?」

キョン「ウチのクラスで朝倉の他に美人な奴をあげてみろ」

谷口「お、なんだよ急にー、なんだ? 俺ののろけ話でも聞いてけつに火でもついたか!?」

キョン「お前ののろけ話なんか聞いちゃいなかったよ、二重の意味で勘違い野郎」

谷口「は? 何言ってんだ? まぁ、そんで美人なやつだっけ?」

キョン「あぁ、まさか涼宮なんて言わないよな?」

谷口「はぁ? なんで涼宮なんだよ、中学時代じゃあるまいし、てかお前は涼宮知ってるのか??」

キョン「……じゃ誰なんだよ」

谷口「というか完全にお前俺に言わせたいだけだろ? なんだかんだ言ってお前ものろけたがりなやつだなーおい」

キョン「…………誰なんだ?」

谷口「誰ってそりゃあ……」ガラッ






























18:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 16:54:15.84 ID:Xefm1Gp40

































『やあ、おはよう』ニコッ

キョン「…………」































19:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 16:55:04.36 ID:Xefm1Gp40






















佐々木「そして、久しぶりだね。キョン」ニコッ

キョン「…………」




















20:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 16:59:40.74 ID:Xefm1Gp40


谷口「まぁ、佐々木だろ、当然」

キョン「はああぁぁぁあぁあああぁぁぁぁぁ~~~…………ぁあぁあああ……」

佐々木「ふふっ、谷口さんも、おはよう」

谷口「おっす、て久しぶりってなんだよ。お前達毎日のよう、ってキョンなんだその溜息は!!?!?」

キョン「……席につけ谷口、こっからは窓際族の会話だ、お前は立ち入り禁止、はい回れ右してとっとと家帰れ!!!!」

谷口「最初と最後言ってること全く違うけど!!!?!? ゴホッ! てかできるんなら俺も帰りてーっての!! 帰ってハニーとのデートコースを……」

キョン「もうどけ」ピッ

谷口「らっ」シュン!!

佐々木「学友を唐突に瞬間移動させるとは、容赦ないなキョンは」ニコニコ

キョン「…………佐々木よ」

佐々木「なんだい親友?」ニコッ

キョン「…………俺、出てくるなよ? って釘刺したよな?」

佐々木「うん、キョンにしては随分丁寧な前フリだったと記憶しているよ」ニコッ

キョン「……いや、お前こんな簡単に出てこれるキャラでも立場でもないと思うんだが、ていうか本当に聞こえてたのか……」

佐々木「せっかくの再開にそんな水を差すことはないだろう? こんなにめでたい日なのに」

キョン「…………もうちょっと苦労してお前を見つけるとかさぁ……いや、俺だって結構探してたわけだし」

佐々木「なに、サンタさんからの少し早いクリスマスプレゼントさ、あぁ、君は『カレ』の誕生日なんて日を好んではなかったかな?」

キョン「…………もう、ほんと。なんでこのタイミングで出てきてんだよ……佐々木よぉ……」

佐々木「そう落ち込むことはないよ、うん? もしかして感涙のあまり言葉が詰まっているとかそういうことなのかな?」

キョン「…………はぁあぁぁあああああああああぁぁぁぁあぁあああ」ハアァ

佐々木「久しぶりの再会を前に二回目の大きな溜息とは……いただけないな、キョン」ニコニコ

キョン「……お前こんなトコで出てくるはずじゃないんだって、もう、ほんとによぉぉおおおお……」ハァ

佐々木・キョン「……やれやれ」

キョン「……」

佐々木「だね。ふふっ」ニコッ



38:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/09(月) 00:53:06.04 ID:MRKzZQz50


佐々木「さて、状況整理といこうキョン」

キョン「整理される側の人間が言う言葉じゃないなそれ」

佐々木「一問一答でいこう。キョン、なんでも聞いてくれて構わないよ、まぁ君なら全てを知っていても不思議ではないけどね」

キョン「そうかい……なら聞かせてもらおう、佐々木よお前は何故ここにいる? その席はハルヒの席のはずだ」

佐々木「僕がここにいる理由、それは涼宮さんがどこかへ行ってしまったからに他ならない」

キョン「ハルヒがいなくなったからってお前が出てくる理由にはならないだろ」

佐々木「なるとも。全ての事象と事象は因果関係を持っているからね。たまたま、涼宮さんの消失が僕の顕現に繋がっただけさ」

佐々木「まぁ、さすがにたまたまで片づけてしまうのは少しズルいとは思うけどね」クスッ

キョン「……じゃあなんでハルヒはこのクラスから消えちまったんだ?」

佐々木「それはこの世界が元の世界でなくなったから、だよ。改変されたこの世界に涼宮さんはこの教室には存在しないというわけだ」

キョン「……世界改変は誰が起こした?」

佐々木「それを僕の口から言うのは忍びないね」

キョン「……今までどこにいたんだ佐々木」

佐々木「おっと、改変された世界についての質問はもう打ち止めかい? まぁ、答えが分かっている問に時間をかける必要もないね」

佐々木「キョンもよく知っている通り、僕はずっと涼宮さんの中にいて、『涼宮さん』だったよ」

キョン「違う、ハルヒはハルヒだ」

佐々木「その通り。涼宮さんは間違いなく涼宮さんであり、僕個人とはなんら関わりのないただの一人間だね」

佐々木「ただまぁ、その身に宿す『力』が少し珍しいモノであり、それこそが『僕』であったという些細な点を除いては、ね」

キョン「なぁにが些細だ、一番重要なトコだろうがそこは」

佐々木「まぁまぁ、とにかくこのような世界になったから、僕はここにいる。ここに出てこられた」

佐々木「そして旧来の親友に再開するという嬉しいサプライズが起こったという、ただそれだけの話だよ」

キョン「…………はぁ」

佐々木「おや、谷口さんの風邪でもうつったかい? 頭を抱えて随分悩んでいるようだ」クツクツ



39:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/09(月) 00:58:04.46 ID:MRKzZQz50


キョン「……さっきも言った通り、お前はこんな易々と出てきて、俺と再開することができるような状況じゃなかったと思うが?」

佐々木「易々だなんてとんでもない、キョン。世界が改変してしまってるんだよ?」

キョン「ああ、たった世界が改変しちまっただけで、お前が出てくるんだとしたらそっちの方が驚きだね、俺は」

佐々木「くつくつ、随分僕を過大評価してくれてるみたいでありがたいね」

佐々木「まぁ、色々相互作用も働いたし、少々の無理の甲斐あってここに出てこられた……と言えば納得してくれるかな?」

キョン「その少々の無理とやらをしてまで、お前がここに出てくる理由が俺は分からない。だからこうして頭を抱えているんだ」

佐々木「親友とこうして出会うチャンスを見逃す理由はないよ」

キョン「…………本気か?」

佐々木「本気だよ」ジッ

キョン「…………」

佐々木「……まぁ、僕としてはここまでキョンが苦悶の表情をすることは少し想定外だった、かな?」

キョン「…………いや、俺もこうしてまたお前と出会えたことが嬉しくないわけないだろ?」

佐々木「……うん、そう思ってくれて僕は嬉しいよ」ニコッ

キョン「……ハァ、終始ニコニコしてたのはそういうことだったってことか……」

佐々木「嬉しくないわけないだろう? こんなに、サプライズという言葉が似合う状況もないよ、キョン」

キョン「……まぁ、そうだが……佐々木」

佐々木「と、積もる話はまだまだまだ、あるだろうけど……それをこの世界でこれ以上話すのはやめておこう」

佐々木「偽りの世界での本音ほど、悲しく虚しいものはないからね」

キョン「……山ほど聞きたいことはあるが……まぁ、そうだな」

佐々木「……今度、元の世界で会った時にでも、全てのことを話すとしよう」

キョン「……ああ、じゃあまずはこの世界を―――」

佐々木「授業だね、うん、授業の時間だキョン。共に勉学と言う青春に身を捧げてみようじゃないか!」ワクワク

キョン「あらー、ダメダメ佐々木さん、今そんな悠長に久しぶりの現世堪能してる場合じゃないですよ!? おーーい!!」

佐々木「いやぁ、久しぶりだな。知を学ぶというのは、肉が躍るということなんだね、キョン!」

キョン「すごい表現を使うなこの根っから優等生が……やれやれ」



40:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/09(月) 01:02:38.19 ID:MRKzZQz50


昼休み


佐々木「実に有意義な時間だったよ、キョン」

キョン「そうかい、俺はこの退屈な時間を毎日耐え忍んでいるがね」

佐々木「他者の思想や解釈を聞くのは面白いよ、十人十色、千差万別。実に面白い!」

キョン「楽しんでいるようで結構」

佐々木「昼食だ」サッ!

キョン「……お前そんな落ち着きない人でしたっけ?」

佐々木「すまないね、少々浮かれているところは目を瞑っていただけるとありがたい」

キョン「……まぁ、いいけど。ここで食うのか?」

佐々木「ん、どうやらこの世界では僕とキョンとは一緒に昼食を食べている間柄らしいからね」

キョン「あー……だからか……んじゃ食うか」

佐々木「はい、お弁当」

キョン「……そういう間柄、か。サンキュ」

佐々木「感想をいただけるかな、なにしろ手料理なんて幾年ぶりか自分でも分からないからね」

キョン「……うん」パク

佐々木「うん!」

キョン「ふつう」

佐々木「! 普通か! うん、それはいいね、いい響きだよキョン」

キョン「そうか」

佐々木「ただ、女性が作った料理に対し普通という感想を述べるのは紳士としては少し不足ではあるかな」

キョン「……ふつうにうまい」

佐々木「合格だ。僕も、君もね」ニコッ

キョン「へーへー、どーも」



41:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/09(月) 01:07:59.71 ID:MRKzZQz50


朝倉「あら、今日も仲睦まじいのね、キョンくん、佐々木さん」

キョン「おー朝倉。そりゃどうも、仲良きことは美しいかな、だからな」

佐々木「中々、朝倉さんのようにうまくは作れないけどね」

朝倉「あら、佐々木さんのお弁当だってすごくおいしそうよ? 見た目も栄養バランスも申し分なさそうだし」

キョン「食べてしまえば見た目は一緒だろ」

朝倉「そういうこと言わないの、料理っていうのは視覚効果で何倍にもおいしく感じられるんだから」

佐々木「そうだよキョン。五感全てを使って僕の料理を堪能してもらいたいね」

キョン「……朝倉さん、佐々木さんがのろけてくる」

朝倉「……この場合、のろけられてるのはあたしだと思うわ」

佐々木「くつくつ、そんなつもりはなかったんだけどね」

朝倉「ま、ほどほどにね。クラスの風紀が乱れても困っちゃうし」

キョン「風紀とどんな関係があるんだよ」

朝倉「クリスマス前にそんなのろけを見せられたら、見せられた方はたまったものじゃないってことよ、それじゃあね」

佐々木「ふぅん、クリスマス前というのはそういうことにも気を配らないといけないんだね」

キョン「どうだか、俺にとっちゃなんのことはないけどな。さてと、作戦会議だ佐々木よ」

佐々木「ああ、世界をどうやって元に戻すか、だね」

キョン「ハルヒがいなくなった今、SOS団なんていう活動不明の団体は所属しないが、部室はある」

佐々木「まずは、その部室に行って居るであろう部屋の住人に会う、でいいのかい?」

キョン「さすがは親友、話が早い」

佐々木「ゴールと道のりが分かっているなら、あとは歩くだけだからね」

キョン「やれやれ、相変わらずとんだチート野郎だな」フッ

佐々木「お互いさまだよ、キョン」クスッ



42:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/09(月) 01:12:32.10 ID:MRKzZQz50


放課後


キョン「―――で思うんだが、日本のピザの価格っていうのはやっぱりおかしいと俺は―――」

佐々木「キョン。僕が言うのもなんだけど、君まるっきり緊張感を無くしているね。今そんなに日本のピザの話は重要じゃないよ」

キョン「おっとそうだったそうだった。つい今までのノリで……さて、ここが文芸部だ」

佐々木「どうやらこの世界でも文芸部は廃部寸前らしいね」

キョン「部員が集まらないってんなら仕方がない、この世界には不思議パワーも存在していないみたいだしな」コンコン

キョン「ただいまー」ガチャ

佐々木「今はSOS団の部室ではないからそういうのは控えようキョン。失礼します」






















長門「…………誰?」























キョン「…………長門にそういうこと言われるの凄い傷つくなー」シンミリ

佐々木「感傷に浸っている場合じゃないよ、自分が誰なのかと問われているんだから」

キョン「俺はキョンだ」

長門「……」

佐々木「答えとして不適切極まりないね」

長門「了解した」

佐々木「……うーん、了解するとは想定外だ。これだから世界は面白い」クスッ



43:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/09(月) 01:17:44.98 ID:MRKzZQz50


佐々木「あなたは、長門有希さん、ですよね? 初めまして、5組の佐々木です」

長門「……そう」

キョン「……唐突ですまないが、俺のこと覚えているか?」

長門「……覚えている」

佐々木「……彼とは、どこで会ったんですか?」

長門「…………忘却の彼方」

佐々木「……忘れたんですか? どこで会ったのか」

長門「……」コクリ

長門「しかし、確かに彼を知っている」

佐々木「……キョン、これは」

キョン「……長門がアホの子になってしまったかもしれない」ズーン

佐々木「そうではなく、世界改変による記憶改竄と捉えるべきだよ」

佐々木「わたしと会うのは初めてですよね?」

長門「……」コクリ

長門「しかし、何故かあなたには親密さが感じられる」

佐々木「……涼宮さんの影響かな?」

キョン「長門がハルヒに親密さを感じてたとは……精々憐れみとかかと」

佐々木「君の思う長門さんと涼宮さんの関係性について詳しく知りたいね」

長門「……何の用?」

キョン「ああ、えーっと、つまり……」

キョン「長門は宇宙人ですか?」

長門「……………………?」

佐々木「やめておこうキョン、長門さんが宇宙人を見る目でこっちを見ている」

キョン「広い意味では地球人だって宇宙人だし、なんら問題は……」

佐々木「大ありだね、やれやれ……」



75:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/10(火) 19:55:24.70 ID:oyYNIvpt0


長門「……わたしは宇宙人ではない」

キョン「そうか、ていうかまぁそうだよな」

佐々木「君の質問が悪すぎただけだよ」

キョン「じゃあ質問を変えよう、長門、涼宮ハルヒという名前に聞き覚えはあるか?」

長門「…………」

長門「……聞き覚えはない」

キョン「(聞き覚えは、か……)」

佐々木「長門さんは、文芸部員なんですよね? 他の部員の方は……」

長門「いない、わたし一人」

キョン「やっぱりか、部室と言う割には随分寂しい部屋に感じるからな」

長門「わたし部員が一人では満足な部費は下りず、このまま一人だと来年には廃部だと宣告されている」

佐々木「ふむ、がけっぷちのピンチというわけだ」

長門「…………あなたたちは、入部希望者?」

キョン「あー……すまん、俺達は―――」

佐々木「わたしたちは今部活回りをしていて、入部を検討している部活に見学させてもらってるんです」

佐々木「顧問の先生には伺うようご連絡しましたが……お聞きしていませんでしたか?」

キョン「(よくもまぁそんなにペラペラ嘘を吐けるもんだな)」

長門「……顧問と話したのは入部の時だけ」

佐々木「放任的な部活、といわけですね」

長門「そう」

佐々木「そうですか……ではキョン、今日のところはもう失礼しよう。長門さんの準備もできてないし、まだ回るところがあるからね」

キョン「え、もう?」

佐々木「失礼します、キョン行こう」

長門「待って」

キョン「ん?」

長門「……これ」スッ



76:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/10(火) 20:00:13.29 ID:oyYNIvpt0


キョン「あんな唐突に帰ることはなかったんじゃないか?」スタスタ

佐々木「長門さんの現状を知ったことで目的は果たしたよ、とりあえず今の彼女はなにも知らないみたいだしね。長居は無用だ」スタスタ

佐々木「あの部室に留まっていたところでなにもできない……いや、そうだキョン。聞きたかったんだけど」

キョン「ん、なにをだ?」

佐々木「どうして君は、君自身の手で世界を元に戻そうとしないんだ?」

キョン「…………」

佐々木「たかが『改変された世界』程度を戻すことぐらい造作もないはずだけど?」

キョン「……そうだな、お前の言う通り俺が元通りに戻せんことはない」

キョン「ただな、今回、この改変された世界を戻す義務……いや、権利を持っているのは俺じゃない」

キョン「この改変された世界を作った本人にこそ、世界を元通りにする権利が与えられているもんだと、俺は勝手に思っている」

佐々木「もしずっと世界がこのままでも?」

キョン「それが答えだとするならば、な」

佐々木「ふぅん……なるほどね」

佐々木「てっきり僕は、君が僕と別れるのが嫌で元に戻すことを引き延ばしているものだとばかり思っていたよ」

キョン「随分楽観的にものを考えているんだな、まぁお前から言わせりゃ他人事もいいとこか」

佐々木「いやぁ、それにしても久しぶりだね、こうしてキョンと自転車を押しながら帰るというのも」

キョン「いや、こんなシチュエーションに覚えはないぞ? 意外といえば意外かもしれんが……」

佐々木「……ああ、そうだったね」

キョン「?……なに言って」

佐々木「おやあれは?」

キョン「あ?……あ」



77:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/10(火) 20:07:55.30 ID:oyYNIvpt0


谷口「でよー、俺がよー、んでよー!」

「――――――」




佐々木「谷口さんだ、随分話が弾んでいるようだね。隣は彼女さんかな?」

キョン「…………」

佐々木「……おや、どうしたんだいキョン?」

キョン「……佐々木よ、これも改変された世界の影響だと思うか?」

佐々木「……どうだろうね、彼女がどんな影響を受けているのかは知らないが」

佐々木「まさか谷口さんと接触していたとは思わなかったね、彼の魅力に思う所があったのかも知れない」

キョン「あのバカ面バカ話に思う所があったんなら、それはそれで納得がいくな」

キョン「……宇宙人の感性ってもんは、やっぱり分かんないみたいだ、ってよ」





谷口「でさー……」

キョン「よう、谷繁」

谷口「誰っがキャッチャーだこら!!!!!!! って、お前かよキョン!!!」

佐々木「こんにちは、谷口さん」ニコッ

谷口「おぉ、嫁も一緒か」

キョン「……よぉ、久しぶりだな。ちゃんと地球で遭えて嬉しいぜ俺は」

谷口「は? なに言って……キョン!!! お前この子と知り合いなのか!!?!? え!!?!? どど、どこで知り合った!!?」

「――――――」

キョン「別に盗って食やしねえよ」

谷口「当たり前だ!!!!!!!」

佐々木「キョン、表現が生々しいよ」

キョン「なに、本当にちょっとした知り合いってだけさ、互いに名前も知らんから、この機会に挨拶でもしておこうと思ってな」

佐々木「それなら僕も谷口さんの 彼女 に挨拶しておこうかな」

谷口「おぉ……お前ら……そんなに俺のこと思って……」ジーン

キョン・佐々木「「よろしく、周防(さん)」」

谷口「って名前知ってんのかーい!!!!!!!!!!!!!!!!」ガーーン!!!

























周防「――――――ふふ」



78:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/10(火) 20:13:38.99 ID:oyYNIvpt0


谷口「え、わ、笑った? お、俺初めてみたこの子が笑うトコ……」

キョン「本当に付き合ってんのかお前」

周防「―――あなた、だったわね―――間違えていた」

佐々木「間違い? それはどういう意味かな?」

周防「―――あの場所で―――邂逅したのは―――この男ではなかった、と言うこと」

キョン「……」

谷口「は? あの場所? この男、俺? 一体なんの……」

周防「安心して―――何も―――手出しをする――だすつもりはない」

周防「―――ただ―――『力』が消失し―――なんの影響も受けない―――今の内に接触しようと試みた、だけ―――」

キョン「んだよ、結局ハルヒが弱った時にアクションを起こしたってことじゃねえか」

佐々木「そして失敗、キョンではなく谷口さんに接触してしまうとはね、意外とドジっ子さんなのかな?」

谷口「…………???」

周防「―――あくまで―――『力』の消失の―――原因を調査しにきただけ」

周防「―――ついでに―――あなたにも接触した―――それだけ」

キョン「いや接触したの俺じゃなくて谷繁だなんだけど」

谷口「谷口!!!」

キョン「口に出すたび俺とコイツが間違われたということに腹が立つな」

周防「―――今はまだ―――傍観者の―――枠を出るつもりはない」

キョン「あれだけちょっかいだしてきてまだ傍観者を言い張るか」

周防「どうせ―――この世界は元に戻る」

周防「だったら―――この場で何をしようとも無駄……それにはまだ駒が足りない」

周防「―――そう、『器』……探さなければ―――『力』」

周防「ふふ……ふふふ」

キョン「谷口、お前の彼女なんか壊れちまったみたいだぞ」

谷口「お前がなんか変なこと言うからだろ!!!?!? ていうかこの子こんな電波なこと言う子だったの!!?!?」ガーーン!!



81:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/10(火) 20:18:58.36 ID:oyYNIvpt0


周防「――――――」ジッ

佐々木「僕の顔に何かついているのかな?」

周防「―――佐々木」

キョン「……」

佐々木「うん、それは僕の名前だね。何故僕の名前を知っているかは聞かないことにするよ」

周防「―――『力』の『器』―――それが―――『あなた』」

周防「―――あなた―――ではない―――『あなた』」

佐々木「…………」

キョン「なんだ、ハルヒのことを言ってんのか? だとしたら言ってることが意味わからんが……」

佐々木「……そうだね、周防さん。僕は『器』というよりも『力』そのものだしね」

周防「―――間違いではない―――間違いなく―――『あなた』」

キョン「……なに考えてやがんだ、お前は? 何を……」

周防「―――『見た』んでしょう? なら……分かるはず……」

周防「―――いずれ『力』は……戻る……元の、器に」

周防「その時は―――また―――会いましょう」

周防「―――佐々木さん」ニコッ

佐々木「……」

谷口「ひっ」

キョン「彼女の笑顔におびえる彼氏がどこにいる、情けない」

周防「―――」フッ

谷口「!!?!? お、音もなく消えた!!?!? お、おーーい!! どこいったー!!?」

キョン「……谷口」ポン

谷口「あぁ!?」

キョン「どんまい」

谷口「……なんで彼女が消えたのか分からないけど」

谷口「なんとなくお前の気のせいがするからムカつくぞぉおぉぉおおおおおおおお!!!!!!!!」

キョン「じゃ、俺らは帰るんで」

佐々木「またね、谷口さん」

谷口「おぉう……うぅ……」グス



83:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/10(火) 20:24:25.34 ID:oyYNIvpt0


佐々木「谷口さんには悪い事をしたね」

キョン「何を言う、地球外生命体の脅威から身を守ってやったんだぞ、アイツの迂闊な言動がアイツ自身の身を滅ぼしかねんからな」

佐々木「くつくつ、そうなのかもしれないね」

キョン「……にしても、意味の分からんことを言うやつだったな、あいつは」

佐々木「……谷口さん?」

キョン「いや、そいつもだけど、むしろソイツの方が意味わからんとこあるけど」

佐々木「……周防さんか、確かに彼女は変わった人だったね」

キョン「変わった人で済ませられるのか、アレ……」

佐々木「……まぁ、とにかく彼女も今のこの世界でなにかをするつもりでもなさそうだし、放っておいても問題はないだろう」

キョン「俺が気になっているのはアイツが考えていることなんだが……」

佐々木「……さあね、たかだが一地球人の僕らが宇宙の高位知的生命体の考えていることなんて分かる由もないよ」

キョン「……お前が誤魔化したいんなら、俺はこれ以上詮索はしない」

佐々木「……助かるよ、キョン。僕は君のそういうところも結構好きだよ」ニコッ

キョン「そりゃどうも」

佐々木「もう少しありがたがってもらいたいものだね、女性が異性に好きというのはそれなりに覚悟がいることなんだから」

キョン「ならもう少し覚悟のある顔して言うんだな、ニコニコしながら言われても真面目さが足りん」

佐々木「好きだよ、キョン」

キョン「…………いや、言ってほしいとかじゃなくて、だな……」

佐々木「ふーむ、分からないな。男性の異性に対するツボのようなものがいくら時を生きても分からないものだ」

佐々木「それともこれはキョンが相手だからかな? 君に対してならある意味では特別になれるからね」

キョン「俺達は特別でもなんでもない普通の人間なんだろ?」

佐々木「ああ、だからこの特別は僕達二人だけの特別だ、構わないだろう?」ニコッ

キョン「…………そ、そういうの恥ずかしいからやめなさい!!」シュン!!

佐々木「あ、置いて行かないでくれよキョン」



84:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/10(火) 20:28:57.42 ID:oyYNIvpt0


佐々木「さて、明日はどうしようかキョン」

キョン「んーま、そうだな……とりあえずは」

キョン「元の世界に戻るための『鍵』を集めた上で、権利をアイツに返すとしようか」

佐々木「くつくつ、随分とお膳立てをするんだね、これではまるで『世界を戻してください』と言ってるようなものじゃないのかい?」

キョン「仕方ないだろう。当の本人は改変した事実すら忘れてるんだからよ、せめて選択するまでの準備をしてやらなきゃ話にならない」

佐々木「そうだね、でもこういう考え方はできないかな?」

佐々木「改変した彼女がその記憶を失っているのは、もう元の世界になんの未練もないから、だと」

キョン「…………」

佐々木「元の世界に戻そうと考えてないからこそ、自らの記憶を改竄し、この偽りの世界で生きていこうとした……」

佐々木「その可能性について、君が考えなかったはずがない、と僕は思うんだが……どうだろう?」

キョン「…………俺の勝手な希望なんだ」

キョン「アイツが、もし、本当に、この世界を作り上げ、元の世界に戻らないことを決意しているんなら、それでいいだろう」

キョン「……だが、俺にはアイツが望んでこの世界を作り上げたようには思えない」

佐々木「その心は?」

キョン「……中途半端なんだよ、記憶まで消して世界改変を行ったわりにはさ」

キョン「この世界に『こうなりたかった自分』を投影しているのかも知れないが、それにしては元の世界となんら違和感ない世界だと思うんだよ」

キョン「違和感がないからこそ、それなりに元の世界に愛着があるからこそ、この世界はこういう風に出来上がった」

佐々木「なるほど、彼女自身迷いの選択であったとキョンは推測するんだね」

キョン「希望的推測であることに違いはないがな」

キョン「ま、それに俺だってもとの世界には愛着はある。だから俺はできるならアイツに元の世界に戻してほしいんだがな」

佐々木「君にしては優柔不断だね、戻さなくてもいいと言ったり戻してほしいと言ったり」

キョン「…………まぁ、そうかもな」



85:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/10(火) 20:35:06.76 ID:oyYNIvpt0


佐々木「でも、そんなに悠長に迷っている暇もないと思うけどね」ピラッ

キョン「なんだこれは?」

佐々木「元SOS団部室にあった本に挟まっていたものだよ、悪いと思ったけどくすねてきた」

キョン「本開くどころか触ってなかったよな?」

佐々木「まぁまぁまぁ」


『プログラム起動条件・鍵をそろえよ。最終期限・二日後』


キョン「ま、知ってたけどな。鍵が何かも期限がいつかも」

佐々木「彼女からのメッセージだ、ありがたく頂戴するといい」

キョン「へいへい。っとこっちはどうするか……」ピラッ

佐々木「入部届だね」

キョン「どうやら深刻な部員不足はあの長門ですら動かなきゃならん状況らしい」

佐々木「くつくつ、君が長門さんをどう思ってるのかよく分かる発言だね」

キョン「とは言っても入るわけにはいかんしなぁ……あそうだ、分身した俺を入部させれば!」ピコーン

佐々木「うん、それただ普通にキョンが入部しただけだね、分身したところでなにも変わってないね」

キョン「うぅむ、困った……せっかく長門が行動したって言うのに」

佐々木「……そうだね、それはなんとかしてあげるべきだ」

キョン「はぁ、色々考えなきゃならんことができたなぁ……」

佐々木「……君も、人のために考えられる人になったみたいだね」

キョン「ん、そうか? 俺は元からこんなモンだと思うが……」

佐々木「嘘ばっかり。君は君のことで昔は頭がいっぱいだっただろう、それが今となっては人のことで頭がいっぱいなんてね」

佐々木「……喜ばしい成長と呼んでもいいだろう」ニコッ

キョン「……その子供の成長を見守る母親みたいな目やめてくれ」

佐々木「おおっと、失敬」ニヤニヤ

キョン「やれやれ……」



130:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/13(金) 00:36:34.88 ID:HVOt7SCK0


翌朝


キョン「……zzz」

「でねー、こうやって……」

「なるほど、それは面白そうだ」

「じゃいくよー!? せーっの!!!」ピョーン!!

「それっ」ピョーン!!

キョン・キョン「「甘い!!!」」バッ!!

「あ、浮いた浮いたー!! アハハ!」フワフワ

「おや、勘づかれていたようだ」クツクツ

キョン「なにやってんだよ佐々木、そして佐々木になにを吹き込んだ妹よ」

キョン妹「えー! だって佐々木さんがキョンくん迎えに来てくれたのにキョンくんまだ寝てるから―」

佐々木「妹さんに君の効果的な起こし方を伝授していただいていたわけだ」ニコッ

キョン「んなこったろうと思ったぜ……ったく」

キョン・キョン「「一晩中クローゼットの中で分身を待機させて見張ってた甲斐あったな、やれやれ」」ドーーン!!

佐々木「うーん、君に疲れと言う概念はないのかもしれないけど、それ逆に疲れやしないかな?」

キョン「何を言う、こうして未然に防げたのだから文句はないだろう!!」

佐々木「キョンがいいなら、いいと思うけどね。まぁ客観的に見ると愚策でしかないけどね」

佐々木「……キョン、できれば早く下にズボンでも履いてくれ、下着のままと言うのは少し抵抗があるよ」

キョン「何を今さら……俺たちの仲じゃないか!!!」

キョン妹「俺たちの……仲!!?!?!?」キュピーーン!

佐々木「誤解を生むような発言は控えよう。年頃の妹さんの混乱を招くからね、さぁすぐに着替えて学校へ行こう、キョン」



132:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/13(金) 00:42:21.22 ID:HVOt7SCK0


キョン「ふぁ~やれやれ、佐々木、お前のおかげで随分早い時間に登校することになったぞ」

佐々木「どういたしまして、僕は時間には余裕を持って行動するタイプなんだ」

キョン「俺は時間を余裕で操れるタイプだな」フアァ

佐々木「そんなタイプは存在しないよ、キョン。さて、では今日中に元の世界へと戻れるようにお膳立てをしていくかい?」

キョン「んーあー、そうだな。そういうことだから、まぁ……」

キョン「鍵を、キーパーソンを、集めていくか」

佐々木「ではまずは誰から接触していこうか? 涼宮さん? 古泉くん?」

キョン「その二人は北高にいないから、まぁ後から出向くとして……愛しのマイエンジェル朝比奈さんに声をかけておこうか」

キョン「放課後、文芸部室に集まるように、ってな」

佐々木「見ず知らずの人に声をかけられてホイホイついて行くような……ん? おかしいな、ホイホイついていくビジョンが鮮明に映し出されるよ、キョン」

キョン「ああ、あの人はそういう保護欲にかられるようなお方だからそのイメージで間違いない、が……」

キョン「朝比奈さんのナイトには完全無欠の鶴屋さんというお方がいるからな、むしろそっちの方が問題だな」

佐々木「なんいせよ、放課後に集まってもらうならそれまでに接触しておいた方がよさそうだね」

キョン「ふむ、じゃとりあえず今から会いに行こうか」

佐々木「うまいこと朝比奈さんに来てもらうような方法は思いついているのかい?」

キョン「おうともよ、確かポケットに……あった!」」

佐々木「……キョン、それは?」

キョン「飴だよ、見ての通り。これを朝比奈さんに見せつけながらうまく部室の前までおびき寄せて……」

佐々木「君は朝比奈さんを随分失礼な目で見ているということは分かった」

佐々木「さすがにその作戦とも言えぬ作戦が成功したなら、僕は一度人間の思考回路について数百年ほど考えなくちゃならないよ、キョン」



133:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/13(金) 00:46:59.10 ID:HVOt7SCK0


キョン「よっ」シュン!

佐々木「っと」シュン!

キョン「こういう時便利だな、この力」

佐々木「こんな力の使い方をされている間は、さぞかし地球は平和だろうさ、くつくつ」

キョン「そう茶化すなよ、おっ、いたいた朝比奈さんだ」

佐々木「ふむ、後ろ姿からでも分かるくらいに愛くるしい方だね」

キョン「分かるか!? いや、親友のお前なら分かってくれると思ってたんだ、はいこれ!」スッ

佐々木「……バッジ?」

キョン「朝比奈ファンクラブのバッジだ! 会費は月500円、入会金1000円! 入会条件は朝比奈さんの魅力について4000字以上で―――」

佐々木「さあ急ごうキョン、教室に行かれてしまうぞ」ポイッ

キョン「バッジポイッってしないでよぉおおおおおおおおおおお!!!!」ササッ

佐々木「おはようございます」ペコッ

朝比奈「ふえっ!? あ、わたし? お、おはようございます」ペコッ

佐々木「すいません、突然ご挨拶させてもらって……朝比奈先輩、ですよね?」

朝比奈「は、はい。あの、わたしに何か……?」

キョン「実はですね……ここにそんじょそこらの駄菓子屋では買えないおいしーい飴が―――」ゴソゴソ

佐々木「単刀直入に申しますと、今日の放課後文芸部室に来ていただけないでしょうか?」

朝比奈「えっ、今日? 文芸部室? え、えーっとわたしが、ですか? それは、どうして……?」

キョン「どうしてもあなたの力が必要なんです!!!! お願いします!!!!」

朝比奈「ええっ!!? そ、そんなわたし別になにもできないですよぉ!! 急に言われても困ります!」

キョン「そこをなんとか!! お願いします!!!! でないと元の世界に戻れなくなっちゃうんですよお!!!」

朝比奈「元の、世界???? ご、ごめんなさい、ちょっと何言ってるか……」

キョン「ああ、メシアよ……どうか私に救いの手を……」プルプル

佐々木「怪しすぎるよキョン」

朝比奈「ひえっ!!!」



134:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/13(金) 00:53:09.75 ID:HVOt7SCK0


鶴屋「たーーーーっ!!!!!!」ドガッッ!

キョン「だーーーーっ!!?!?!?」バタンッ!!

鶴屋「おーっと少年!! おいたはいけないよっ! ウチのみくるが随分怯えちゃってるからね!!!」

朝比奈「め、メシア……す、救い……」ブルブル

鶴屋「……本当になにを吹き込んだのかな? 返答しだいじゃお姉さん怒髪をついちゃうかもよ?」ゴゴゴッ!!

キョン「ち、違うんです。ただ朝比奈さんは俺にとって癒しで救いの女神で、いわば信仰の対象で……」

鶴屋「ほう、このかわいいみくるを奉りあげて新興宗教でも立ち上げようってかい?」ゴゴゴッ!!

キョン「ひいっ! そ、そんなつもりはなくってですね、所謂朝比奈さんはキーパーソンでして……」

鶴屋「そうやって訳の分からない言葉で押しくるめようたってそうはいかないっさ!!」

朝比奈「わたしが……キーパーソン……!!」ゴクリ!

鶴屋「みくる、ゴクリ!じゃないよ。魅惑のワードに流されないで」

鶴屋「とにかく!! ウチのみくるに怪しいこと吹き込んで、いやらしい展開に持っていこうたってそうはいかないよっ!」

キョン・朝比奈「「い、いやらしい展開……!」」ゴクリ!

鶴屋「みくる、ゴクリ!じゃないってば、さっきから状況分かってるの? みくる」

佐々木「……鶴屋先輩、朝比奈先輩」

鶴屋「おやっ、みくるはともかくどうしてあたしの名前……」

佐々木「お願いします、放課後文芸部室に来ていただけないでしょうか」ペコリ

鶴屋「……だーから、なにをするかも分からないようなところにみくるをいかせられないっさ!」

佐々木「お願いします」

鶴屋「……理由は話してくれないの? みくるじゃなきゃダメっていうのはなんとなく伝わってきたけど、その理由が分からないよ」

佐々木「……お願いします」

朝比奈「……」

鶴屋「……頑なだねぇ、理由を話してくれれば一考の余地があるのに……」

朝比奈「……行きます」

鶴屋「ねぇ、みく、ええっ!!? 行く!? 行くってどこに!!?!? 未来!!?!?」

朝比奈「鶴屋さん、落ち着いて」



135:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/13(金) 00:58:42.10 ID:HVOt7SCK0


朝比奈「これだけ頭下げてもらって、これだけ理由について聞いても教えてくれないってことは」

朝比奈「この人たちにも言うにやまれぬ事情があるんじゃないかな?」

鶴屋「だーめだってみくる! ここで一回そういうレッテルを張られちゃうと、みくるが押しに弱いってことがみーんなに知れ渡っちゃうよ!?」

鶴屋「なにもこっちだって無条件でみくるを行かせないわけじゃないよ? 理由の提示を求めてるのにそれを話してくれないから……」

朝比奈「それが言うにやまれぬ事情なんですよ、きっと」

朝比奈「それに、わたしにしかできないことだったらわたしが行かないとこの人たち困っちゃうでしょ?」

鶴屋「それが決まり文句なんだよ! みくるみたいにかわいい子に言うのは決まってあなただけ、って言葉なんだよ!」

佐々木「……」

朝比奈「……うん、そうかもしれない。確かにわたしはドジだし、嘘つかれてることにも気付けないこともある、けど……」

朝比奈「……わたし、多分心の底じゃこの人たちを信用してる。うん、心から」

佐々木「……」

キョン「……」

鶴屋「な、なんでそんな……なんの根拠もない……こと」

朝比奈「今日初めて話すのにね、なんかずっと前からこの人たちのこと知ってるような気がするの」

鶴屋「そ、それどっちかっていうと誘い文句の方な気が……」

朝比奈「それに、わたし自身、なにか胸に突っかかってるモヤモヤがあるの。それってもしかしてこの人たちが言う」

朝比奈「わたしにしかできないこと……じゃないのかなぁ、って」

キョン「(……朝比奈さんにも、記憶の残滓が?)」

鶴屋「みくる……」

朝比奈「鶴屋さんがわたしのためを思って言ってくれてるのはすごく嬉しい。ありがとう」

朝比奈「でも、わたし、行きます。放課後、文芸部室でやらなきゃいけないことがある、んだと思うから」

朝比奈「……って大げさに言ってるけどただ部室に行くだけだから、そんなに大したことじゃないよ鶴屋さん」

鶴屋「……うん、そうだね。なんかあたし一人で盛り上がってて恥ずかしいっさ!」

キョン「安心してください! 俺も盛り上がってますよー!!」

佐々木「キョン、静かに」



136:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/13(金) 01:03:44.30 ID:HVOt7SCK0


朝比奈「じゃあ、今日の放課後文芸部室に行けばいいんですね?」

佐々木「はい、そこに長門さんという女性がいるので、もし私たちがいなかった場合はそこで待っていただけると助かります」

鶴屋「呼んどいて待たせるのかい?」

キョン「すいません、こればっかりはどうにも……」

朝比奈「はぁい、分かりました」

鶴屋「……もう一度聞くけど、理由についての説明はないのかい?」

佐々木「……すいません」

鶴屋「……むー」

キョン「多分、理由について話しちゃうと『コイツ、ヤバイ……』って思われちゃうんで、あ、もちろんいい意味でですよ?」ハハハ

鶴屋「みくる!!! やっぱり駄目だよ! この人たちヤバイ!!! 話すとヤバイ理由でみくる連れてこうとしてるよ!!?!?」ガシッ!

佐々木「今この場で思われてどうするのさ、キョン」

朝比奈「あは、なんかこの光景にも懐かしさみたいなものを感じます……なんでだろぅ?」

佐々木「……まぁ、平たくいえばその懐かしさに関する説明、みたいな感じですね」

朝比奈「ふえっ? 説明??」

佐々木「それでは、放課後お待ちしています。いえ、待っててもらうことになりそうですが……よろしくお願いします」

キョン「では、失礼します。鶴屋さん、朝比奈さん」

鶴屋「……」ムー

朝比奈「はぁい。もう鶴屋さん大丈夫ですってばぁ!」

鶴屋「……理解はできるけど、納得はいかないっさ! どう見ても怪しいにょろよあの二人」

鶴屋「……真面目な意味で、人外って言うか……んー、なんなのかなっこれ!?」

朝比奈「人外だなんて……言いすぎですよ」

朝比奈「(……でも、やっぱり見慣れた顔だったなぁ)」



137:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/13(金) 01:08:43.23 ID:HVOt7SCK0


佐々木「さて、これで朝比奈さんを呼び寄せることには成功したね」

キョン「ほとんどごり押しだったじゃねえか」

佐々木「そのごり押しまでに鶴屋さんの警戒を高めたのはどこの誰だったかな?」

キョン「誰だぁ! そんな奴ぁ!!!」プンスカ

佐々木「……やはりというかなんというか、朝比奈さんにもあったようだ」

佐々木「元の世界の、記憶の残滓」

キョン「……まったく、ホント中途半端な世界改変なんてしやがって、未練たらたらじゃねえか」

佐々木「さて、この調子で涼宮さんと古泉くんにも都合よく解釈してくれる元の世界の記憶があれば話が早いんだけど……」

キョン「まぁ、あいつら二人は朝比奈さんと違って丁重に扱う必要はないからな」

キョン「最悪生きてたらなんでもいいだろ、多分」ドーーン!

佐々木「うーん、とてもかつての団員、団長に対する心構えではないよね」

キョン「大丈夫大丈夫、なんとかするって」

佐々木「なんとかする、か。それは心強いね」

佐々木「さて、では放課後までの時間は今日もまた思い切り勉学に集中するとしようか」

キョン「佐々木よ佐々木よ佐々木さん? 時間跳躍に興味はないかい??」

佐々木「お生憎様、既に知っていることをまた学ぶことはないよ」

キョン「今更人類の歴史や数式なんか学んだって、それこそお前にとっちゃ過去のことでしかないだろうに」

佐々木「まぁ、そういう意味も含めての懐かしさというのもあるかもしれないね」

佐々木「君と共に授業を受ける懐かしさだってあるしね」

キョン「? 俺お前と一緒に勉強してことなんてあったか? そんな機会が存在したとは思えんが……」

佐々木「……おおっと、そうだったね、そうだった。では、これが僕と君との『初体験』になるわけだ。ふむ、思い出深い」

キョン「こらっ!! ちゃんと『初体験』の前に言葉をつぎ足しなさい!!!!!! あらぬ誤解を生むぞ!!!!」



138:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/13(金) 01:14:05.31 ID:HVOt7SCK0


「でね、あたし思うわけよ。属性らしい属性を持ってる人って案外少数なんだなーって」

「仰る通りです」

「古泉くんの転校生属性も薄れてきてるから、そろそろ追加の属性を用意しないとダメね」

「ごもっともです」

「その点、あなたは分かりやすくていいわよねー」

「―――……分かり、やすい?」

「どっからどうみたって電波ちゃんだし」

「―――電波?」

「そう、どっからから信号を受信しちゃってる系のやつね」

「―――天蓋領域―――から」

「? なにそれ? なんかのアニメの設定? 古泉くん知ってる?」

「いえ、聞いたことありませんね」

「――――――」

「そうそう、こうやって誰にも分からないこというトコとか、結構電波要素高いと思うのよねー……」

「……でもねー、電波や転校生ってだけじゃあねー……天下は取れないなぁ……」

「天下……ですか?」

「そう、天下!! いずれあたしは全国に名を轟かせる人間になって見せるわ!!!」

「人類で、本当に、初めて、本物の、宇宙人や未来人や超能力者を発見した人だーって!」

「それはそれは、大きな野望ですね」

「――――ふふ」

「そのためにはまず、その宇宙人たちに見つけてもらうための属性を集めなきゃ、って思ってるんだけど……」

「いかんせん、集まらないなぁ……ハァー」

「どっかに落ちてないかしらね、宇宙人」

「―――わたし―――宇宙人……」

「「電波だっっ!!!!!!!!!!!!」」ガーーン!!



154:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/13(金) 21:57:33.41 ID:g/nm4Bh00


教室


キョン「なぁ…………口」

谷口「いや谷は!!?!? そっち忘れてたらもう俺何も覚えられてないよね!!!??!?」ガーーン!!

キョン「お前、この前俺が涼宮がどうとか言った時、なんか言ってたよな?」

谷口「ん、あぁ、涼宮なんていやぁ、東中出身者はみんな知ってるぜ」

キョン・谷口「「東中にいた、いかれ女だ」」

キョン「ってか?」

谷口「お、おぉ……よく知ってんじゃねえか、あぁその通りだよ」

谷口「アイツを表わすならとにかく『奇行』だな」

谷口「顔はそれなりのモンもってっから男が言い寄るんだが、大抵その奇行にビビって逃げちまう」

谷口「稀に根性ある奴がいても、今度は涼宮から、つまんない。の一言で切られちまう、ってことさ」

キョン「そんなことを繰り返してりゃ嫌でも有名になる、か……」

谷口「どうした? キョン、どっかでアイツでもみて一目惚れでもしちまったのか? お? 佐々木というモンがありながらよぉ!」

キョン「勘違いで彼女ができたと思っていた奴が何を言う」

谷口「その話は蒸し返すなっつたろぉおぉぉおおぉぉおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」ォオォオオオオ!!!

谷口「……でも、まぁ今となっちゃ初めから不釣り合いだったって気づけたしな」

キョン「ほう」

谷口「俺にはもっと、俺を分かってくれる女が似合うってモンよ……ふっ」

キョン「お前を一番理解してんのは、お前のカーチャンぐらいのモンだろうよ」

谷口「か、カーチャン……? そ、そんな身近に俺の……まさか」ゴクリ

キョン「いやマジにすんなよ、冷静になれおい。すごい気持ち悪いこと考えてるからなお前!」ゾクッ



155:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/13(金) 22:02:33.26 ID:g/nm4Bh00


キョン「で、涼宮は今どこに行ってるか知ってるのか?」

谷口「…………」

キョン「あぁ、光陽園か」

谷口「俺なにも喋ってねーよ!!!! 何回も蒸し返されるのが嫌だから黙ってたのによぉ!!!!!」

キョン「そっか、お前の彼女だった人も光陽園だったな」

谷口「知ってて言ったくせによ……ったく、光陽園じゃ変わり者同士案外仲良かったりするんじゃねーの!?」

キョン「……かもな」

佐々木「なんだい、面白そうな話なら僕も混ぜてくれよ」ドサッ

キョン「……それはいいが、この購買で買ったであろうパンの山はなんだ?」

佐々木「聞いてくれキョン! 購買で買ったんだ!」キラッ!

キョン「おぉ落ち着け佐々木よ、それ俺が今言ったから」

佐々木「いや何事も『初体験』というのは胸が高鳴るものだね」

谷口「佐々木の……初、体験…………だと?」ゴクリ!

佐々木「初めて購買でパンを買うのが嬉しくてついこんなに買ってしまった、みんなで分けて食べよう」

キョン「そんな自分の腹の許容量の分からない子供じゃあるまいし……買いすぎじゃないかこれ?」

佐々木「大丈夫だよ、キョン。残ってしまったんなら外で配り歩けばいい」

キョン「やだよ!? 俺はそんなパンを配る怪しげな高校生の一角を形成したくねーよ!」

佐々木「あ、そうか。もう、今ではそういう風なことはしていないんだったね、うん、すまない。これは僕の落ち度だ」

佐々木「僕が責任を持って残った分は全部食べるとしよう」

キョン「あの……食べ過ぎで動けなくなる佐々木を介抱するのも、イメージするのも嫌だから……その、無理せずにだな……」

佐々木「さあ谷口さん! 僕とどっちが多く食べられるか勝負しようじゃないか!」

谷口「おおよ! 望むところ!! 食うぞぉぉおおおおおおおぉおおお!!!!」

キョン「こら佐々木!! バカを焚き付けて大食い勝負なんて危ないことするんじゃありません!!!!!」



156:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/13(金) 22:07:25.51 ID:g/nm4Bh00


佐々木「はは……少し、無理をしてしまったかな? 行儀が悪くてすまないね、キョン」グデー

キョン「だから言ったのに……はしゃぎすぎだ佐々木。お前らしくない」サスサス

谷口「」チーン

キョン「食べ過ぎてそこに転がってる谷口となんら変わらないことになっちまうぞ」

佐々木「……僕らしくない、か」

佐々木「ごもっともだよ、キョン。以前の僕ならこんな突発的な行動はしなかっただろう」

佐々木「僕の意志か、それとも世界改変の影響か、それとも……やはり少々舞い上がっていただけなのか」

佐々木「まぁ、なんにせよ。久しぶりに君に遭えたことで舞い上がっているのは事実だ。前にも言ったし、お恥ずかしいけどね」

キョン「……まぁ、そういう自分を分析するあたりは、佐々木らしいがな」

佐々木「さて、キョン。谷口さんから涼宮さんの有益な情報は得られたかな?」

キョン「あまり、コイツ自信が有益ではなく有害みたいなモンだからな」ゲシッ

谷口「うっ」

キョン「ただ、コイツの言う分には、ここのハルヒも俺のイメージするハルヒと遜色ないぐらいに」

キョン「イカれてやがるみたいだぜ?」

佐々木「くつくつ、涼宮さんが聞いたら怒りそうだね、まったく」

佐々木「じゃあ放課後はまず光陽園に向かうとしようか、涼宮さんと古泉くんを連れに、ね」

キョン「ああ、それは構わんが、長門に色々話しておかなくちゃいかんだろ」

佐々木「ああ、それならさっき購買に行った帰りに、部室によって長門さんに話して来たよ」

キョン「おぉ、準備が早い」



157:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/13(金) 22:12:39.45 ID:g/nm4Bh00


コンコンコン


長門『どうぞ』

佐々木『失礼します』ガチャ

長門『……昨日の』

佐々木『はい、昨日ここを見学させてもらった5組の佐々木です』

長門『……』ジイ

佐々木『今日、こうしてまたここに来たのは長門さんに話して……長門さん?』

長門『……その、手に持っているものは?』

佐々木『あぁ、これは購買で買ったものです。少々買いすぎてしまったようですけど』ニコッ

長門『…………』

長門『こちらは引き取りになんの問題もない』

佐々木『……ん?』

長門『あなたがそれを買いすぎて処理に困っているなら、手を貸すのもやぶさかでない、と言っている』

佐々木『……これですか? 長門さんもいりますか?』

長門『わたし個人としてそのような嗜好品に興味はないが、人助けの一環として―――』

佐々木『じゃあいいです。クラスの人に分けてあげることにしよう』

長門『欲しい』

佐々木『くつくつ、その切り替えの早さ、嫌いじゃないよ長門さん。はい、これ』

長門『……おいしい』モグモグ

佐々木『それはなにより。それで長門さん、僕から長門さんお願いがあるんだけど……』

長門『なに?』モグモグ

佐々木『放課後またここに来てもいいかい? それと、僕たちの他に3名ほどまた人を連れて……てよく食べるね、長門さん』

長門『構わない』モグモグ

佐々木『それはよかった。では、放課後また伺わせてもらうね』

長門『……断じて、パンに懐柔されたわけではない』キリッ

佐々木『……僕も、そうでないことを切に願うよ、それじゃ失礼しました』



159:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/13(金) 22:18:31.43 ID:g/nm4Bh00


佐々木「という感じで」

キョン「完全に長門をパンで買収してるじゃねーーか!!!!!! 当の本人たちは事実から目を背けてるけど!!!!!!」

佐々木「まあまあ、いいじゃないか。長門さんにとっても僕にとっても喜ばしい結果になったんだから」

キョン「ったく……というか長門にパン分けてもあの量だったのかよ……どんだけ買ったんだ一体……」

佐々木「ともかく、これで舞台は整ったわけだ。あとは―――」

朝倉「佐々木さん? 長門さんにパンを恵んであげたって本当?」ズイッ

佐々木「おや朝倉さん」

キョン「恵んで、なんて表現つかうな、おい」

朝倉「ごめんなさいね、あの子お腹が減ってたら見境なく人に食べ物を要求するから……」

佐々木「うん、可愛らしくて結構なことだと思うよ、反面、健啖家のギャップにビックリするけどね」

朝倉「見た目の割によく食べる子だから……あ、パンのお金いくら? 返しておくから……」

佐々木「いいよいいよ、僕も長門さんの食べる姿が好きでドンドン食べてもらったわけだし、元々一人で食べれる量じゃなかったしね」

キョン「にしても朝倉、随分長門に手を焼いているようだが?」

朝倉「同じマンションのよしみよ」

朝倉「あんなに見ててハラハラする子、あたしの本能が放っておかないわよ」

佐々木「根っからの委員長気質なんだね、朝倉さんは」クツクツ

キョン「朝倉みたいなのに限って、逆に長門に依存してるっていうのもあるよな」

朝倉「それって共依存ってやつかしら? うーん、ないとは思うけど、一概にないって言い切るのは」

朝倉「普段自分がどれだけ長門さんに世話を焼いているか思い返すと言えたもんじゃないわね……」

キョン「オカンか」

朝倉「じゃあ佐々木さん、パンありがとうね」

佐々木「気にしないで、微笑ましい関係が見て取れたよ」

キョン「…………」

佐々木「ん? どうしたんだいキョン?」

キョン「……いーや、なんでも」



160:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/13(金) 22:24:12.20 ID:g/nm4Bh00


放課後


キョン「……zzz」

佐々木「キョン、起きて」

キョン「……Zzz」

佐々木「……いまこそ、妹さんに伝授してもらった―――」

キョン「はい起きた、今起きた、さあ行こうか佐々木」ムクッ

佐々木「くつくつ、あぁそうだね、そうしよう」

キョン「と、ちと急がないと逃げられちまうかもな、佐々木」スッ

佐々木「ん、よろしく頼むよキョン」スッ

キョン「じゃ、いくか」シュン!!

谷口「!!?!? く、国木田ぁ!! きょ、キョンと佐々木が消えたの見たか!!?!?」ガタッ

国木田「かわいそうに……彼女と別れたショックで幻覚が見えているんだね……近寄らないようにしよう」

谷口「てめぇ!!! もっと俺を労われ!!!! 労え!!!!!」
















キョン「っと」シュン!

佐々木「うん、光陽園の生徒も、今出てきたみたいだね」シュン!

キョン「おーおーゾロゾロと……ちらほらと、北高でも見た顔が見えるな」

佐々木「古泉くんと一緒に九組ごと光陽園に転校してしまったようだね」

キョン「さて、この中からハルヒと古泉を見つけなきゃいけないとは……やれやれ」

佐々木「くつくつ、君は言ってたじゃないか何処にいても、見つけてやる……ってね」

佐々木「そして見事に僕は君に見つけられたわけだ」

キョン「お前は自分から出てきたんだっての、ったく」

佐々木「くつくつ」



161:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/13(金) 22:29:59.73 ID:g/nm4Bh00


佐々木「……」

キョン「……」

佐々木「……まだ来ないね」

キョン「そうだな、なにしてんだか」

佐々木「……」

キョン「……」

佐々木「……寒いね」

キョン「……そうだな」

佐々木「覚えているかい? 僕たちが初めて出会ったのも今日みたいに寒い、冬のことだった」

キョン「……覚えているとも、俺の人生で一番驚愕した日のことは」

佐々木「あれから僕たちは出会いと別れを繰り返し、歴史と共に時を歩んできた、それでも……」

佐々木「…………もう一度、君に会えるとは思ってなかったよ」

キョン「…………俺だって、お前を見るのは最後になると思って、最期の別れをしたつもりだったさ」

佐々木「……世界とは実に不思議なものだね、たかが僕程度じゃ御しきれない可能性を秘めている」

キョン「当然だ、俺達はただの人間なんだからよ」

佐々木「くつくつ、違いないね」

佐々木「世界の持つ可能性が君と涼宮さんを出会わせ、僕と君を再会させた……ともなれば」

佐々木「随分……世界というものは僕に意地悪だ」

キョン「……どうしてだよ、そんなに俺と再会するのが嫌だったってのか?」

佐々木「何度も言わせないでくれ、こっちだって顔から火が出るぐらい恥ずかしいことなんだ」クツクツ

キョン「嘘つけ」

佐々木「僕が……君にあえて嬉しくないわけないだろう……同時に」

佐々木「君と別れることは、想像もしたくないぐらい辛いことでもあるんだよ」

キョン「…………」



162:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/13(金) 22:35:16.89 ID:g/nm4Bh00


佐々木「……それでも、君に出会えた喜びの方が大きいから、よしとしようか」

キョン「……佐々木」

佐々木「……さあ、僕は君に再会を果たした。では次に君と再会するのは誰だい?」

キョン「……」

佐々木「見つけてくれ、キョン。『僕』を、涼宮さんを……」

佐々木「そして帰るんだ、元の世界に……君と僕が歩んできた、世界に―――」

キョン「…………言われなくても――――――」ザッ!!





















キョン「ハルヒ!!!!!!!!!!!!」

























ハルヒ「……はぁ?」



165:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/13(金) 22:42:07.46 ID:g/nm4Bh00


キョン「見つけたぞ、このお騒がせ野郎」

ハルヒ「アンタ誰? あたしは知らない男から名前を呼ばれる筋合いはないんだけど」

佐々木「では女性からなら大丈夫かな? 涼宮さん」ニコッ

ハルヒ「……女からだってお断り、アンタたち本当に誰よ」

キョン「周防は一緒じゃないのか?」

ハルヒ「なに? もしかして周防さんの知り合い? 生憎だけど、放課後、彼女がどこへ行ってるのかは知らないわ、ね古泉くん」

古泉「その通りです」

キョン「おぉいたのか古泉」

古泉「あなたの視界にはずっと映ってると思っていましたが……」

佐々木「そうか、周防さんは一緒じゃないんですね、残念だ」

ハルヒ「ねぇ、周防さんへの用ならあたしたち関係ないわよね? もうどいてくれな―――」

キョン「よっ」ボォオ!!

ハルヒ「きゃぁあああ!!?!? 火ぃ!? 火、火がでたわよ古泉くん!?」ビックゥ!!

古泉「え、ええそのようです……これは……」

キョン「懐かしくて涙が出るぜそのリアクション、今じゃ目が肥えちまってこの程度じゃ不満しか出てこねえがな」

佐々木「往来で火を出すのは危ないからやめようキョン」

キョン「マジシャンではないぞ」

ハルヒ「あ、あんたたちホントに何者!!? ま、マジシャ……ッ!?!?」

佐々木「メンタリストでもないですね」

ハルヒ「メンタリッ!!?!? こ、古泉くん……これは一体」

古泉「……分かり、かねますね……この方たちは……」

ハルヒ「……アンタ達……名前は?」キッ

キョン「そう睨むな、俺達は……―――」



166:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/13(金) 22:48:44.92 ID:g/nm4Bh00





















キョン「ジョン・スミスだ」

佐々木「ミラ・スミスです」

























ハルヒ「……」ヘタッ

古泉「す、涼宮さん!? だ、大丈夫ですか!?」

キョン「よぉ、久しぶりだな悪ガキ。彦星と織姫には会えたかよ?」

ハルヒ「じょ、ジョン……だっていうの、アンタが……」

キョン「その通り、三年前は世話をしてやっただろ」

ハルヒ「……じゃ、じゃあこの女の人はあの時の……」

佐々木「えーと、そうだ、婚約者のミラ・スミスです」ニコッ

古泉「こ、婚約者?」

キョン「あー、そういうことだったか……」

ハルヒ「……は、はは、これじゃあまるでアンタ達が彦星と織姫みたいじゃない」

キョン「ふむ、確かにそう思われても仕方がないな」

ハルヒ「……いいわ、認めてあげる。確かにあたしはジョンとミラのことについては誰にも話していない」

ハルヒ「三年前の七夕、あたしと宇宙人にメッセージを送ったのは確かにアンタたちだった!!!!」

キョン「おう、その通り」

ハルヒ「……にしては、ミラ? あなた、なんかちょっと胸―――」

佐々木「おっと、涼宮さんそれ以上いけない」ニコッ

ハルヒ「そ、そう……ごめん」

キョン「ちょっと面かしてくれ、あぁ古泉もな」

佐々木「少し、お話ししましょう。色々と、色々なことを、ね―――」



191:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/16(月) 02:02:09.20 ID:elsBvd3N0


キョン「じゃあ……いくぞ?」

ハルヒ「うん!」ワクワク

キョン「ハァアアアァァァアアア……」ゴゴゴ

キョン「はぁっ!!!!!」パアァア!!

ハルヒ「!!!! ほ、ほんとに……ッ!!!」ゴクッ

ハルヒ「カルピスがカルピスソーダになってる!!?!?」エーッ!!

キョン「ふっふっふ……これが俺の力だ!!」

佐々木「うん、キョン。君の『力』を示し、涼宮さんに納得してもらうのはいいが、如何せんその内容に華がないね」

古泉「というか地味すぎませんか……」

キョン「仕方ねえだろ、まさか店内で火やら血やらを出すわけにもいかねえし、なぁ古泉?」

古泉「すいません、もしかして血の部分を担うのは僕だったりしたのですか?」

キョン「……まさか」プイッ

古泉「目をそらさないでください」

ハルヒ「じゃ、じゃあもしかして……このウーロン茶も炭酸ウーロン茶に……」ゴクリ

佐々木「涼宮さん、そういう非生産的な発想は控えましょう?」

ハルヒ「非生産的でもないわよ! ダークマターが出てくるかもしれないわ!!! あら不思議!!!」

キョン「その理論じゃゴミをだしても生産的だと言えるだろうが、ったく」ゴクッ

キョン「ぎゃぁぁああぁああああああ!!!! カルピスがカルピスソーダになってるぅうううう!!!!!!!!」ブハッッ!!

ハルヒ「アンタが自分でやったんでしょーが!!!!! ていうかそれあ、あたしのジュースぅうう!!!!」

佐々木「くつくつ、すまないね古泉くん。騒がしくて」

古泉「はは、涼宮さんに負けず劣らず、賑やかな、お方ですね」ゴクッ

古泉「…………」

佐々木「古泉くん?」

古泉「……コーヒーにも、炭酸が」ダバー

キョン・ハルヒ「「ゲラゲラ!!」」

佐々木「なんともまぁ、いたずら好き同士引かれあったもんだね、やれやれ」クツクツ



192:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/16(月) 02:06:48.10 ID:elsBvd3N0


キョン「さて、宴会芸はここまでにして……」

ハルヒ「宴会芸!?!? 今のが!? じゃもっとすごい本番用のトリックがあるの!!?!?」キラキラ

キョン「……くっくっく、ああもちろんあ―――」

佐々木「それはおいおいとして、涼宮さん。まずは現在わたしたちが置かれている状況について話させていただいても?」

ハルヒ「あ、いいわよ、いよいよジョンとミラの秘密について知れるわけね!!」

キョン「あー、どっから説明したもんか……ハルヒ、まずこの世界だが……」

キョン「この世界に元々俺たちはいなかった、もしくはこの世界は元々なかった。恐らくは後者になるだろうが、いまはこういうことだ」

ハルヒ・古泉「「……??」」

キョン「まぁ分からんわな。いいか? 俺たち、いや俺がいた世界ではハルヒ、古泉お前たちは北高にいて」

キョン「この佐々木……通称ミラは俺のいた世界には存在しない人間なんだ」

ハルヒ「……???」ハテ

キョン「うーむ……つまりだな……」

キョン「! 頭出せ二人共」

ハルヒ「あたま?」

古泉「なんのために……?」

キョン「うだうだ言わずほら」スッ

キョン「そらっ」ブゥン!!

ハルヒ・古泉「「!!?!?!?!?!?」」ビックゥゥウ!

キョン「どうだ?」

ハルヒ「……全部、理解した?」

古泉「え……と、これ、は……」

キョン「俺の伝えたかったことを言語以外のコミュニケーション方法でお前達に詳細に伝えてみた」フンス

佐々木「やれやれ、手間を省くと言うか面倒くさがりというか……」



193:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/16(月) 02:11:16.35 ID:elsBvd3N0


キョン「ま、長門風に言うと同期ってところか、正確には疑似同期ってかんじだがな」

ハルヒ「…………なるほどね、そういうことだったのね」

古泉「…………僕が、超能力者ですか」

キョン「俺のいた世界ではな」

佐々木「僕のいない世界ではね」

ハルヒ「…………佐々木、さん。あなた……」

佐々木「おやキョン、いやジョン。僕のことまで伝えたのかい?」

キョン「そりゃ理解してもらわんと状況が分からんしな」

ハルヒ「……あなたは」

佐々木「ストップ、ここで話すことではないでしょう涼宮さん?」

佐々木「わたしが誰、何なのか。何故今ここにいるのか。いつから存在したのか……」

佐々木「わたしの存在を5W1Hで問い詰めようとも、どうしても納得できない矛盾が発生してしまうでしょう」

佐々木「……わたしは、その矛盾の上に存在する者……悲しいかな、理屈ではないんですよ」

佐々木「わたしの『力』やキョンの『力』についても同様、説明なんて意味がないんですよ」

佐々木「まぁただの……変わった人だなぁ程度の認識に収めてくれれば、わたしとしては嬉しいですね」

ハルヒ「……そう、じゃあ詳しいことは聞くだけ野暮ね。『あなた』は『あたし』らしいしね」

佐々木「くつくつ、さすがは秀麗な涼宮さん、理解が早くて助かります」

古泉「……完全に置いてけぼりですね、僕たち」

キョン「こればっかりは仕方ないだろう」

キョン「同じ……『力』を持つ、持った者同士通じるものがあるとしか言えまい」



194:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/16(月) 02:14:53.52 ID:elsBvd3N0


ハルヒ「で、アンタたちはこれからどうしようっていうの? 元の世界へ帰る? 元の世界へ戻す?」

キョン「ま、どちらかと言えば戻す、だな。もっと言えば戻してもらう、だが……」

古泉「あてはあるんですか?」

佐々木「もちろん、初めからゴールは見えているからね。あとは必要なプロセスを踏んでいくだけだ」

ハルヒ「ふぅん、世界が改変されてるってのに余裕なのね」

キョン「まぁな」

ハルヒ「……アンタたちって何者?」

キョン「疑似同期した上で、佐々木が釘を刺した上で、まだ問うのかハルヒ」

ハルヒ「性かしら? こればっかりは今、改変されたであろう世界のあたしが質問しなくちゃならないことって思ったのよ」

ハルヒ「不思議を探しているのは、どこの世界のあたしでも変わらないらしいからねっ!!」ニヒヒ

古泉「涼宮さんらしいですね」ニコッ

キョン「そうかい、とはいってもな……俺たちが何者かなんて」

佐々木「僕たち自身考えたこと、はあるか……でも結局分からなかったね」

キョン「ただ一つ言ってやれることは――――――」




























キョン「俺はSOS団団員その1であるってことぐらいだな」

























195:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/16(月) 02:19:37.90 ID:elsBvd3N0


ハルヒ「SOS団……うん、分かる、分かるわジョ、キョン!」

ハルヒ「あたしが作った団、不思議を求める団、世界を大いに盛り上げる涼宮ハルヒの団!!」

キョン「なんか語尾が団ってやつみたいだな」

古泉「そのような方は見たことがありませんね、ただ僕も……自分がSOS団なるものの副団長であったことを覚えています」

キョン「……そうか、そりゃ―――」

古泉「あと 主  演 ! であったことも、鮮明に! 記憶しています」ニコッ!

キョン「なるほど、古泉お前は俺の記憶からは消えたいらしいな……」コオォ!!

ハルヒ「キョンなにその光の球!!! なんかの光学兵器!!?」ワクワク

キョン「そんな上等なモンじゃねぇ……これは、『古泉を消す球』だあぁあ!!!!」コォオ!!

古泉「ネーミングはそのまますぎるっっっ!!?!? というか対僕専用攻撃っっ!?!?」ガタッ!!

佐々木「キョン、周りの人に迷惑だよ、控えて」

キョン「チッ、命拾いしたな古泉……」シュボッ!

古泉「ファミレスで命の危機に遭遇するとは思いませんでしたよ……」ドキドキ

ハルヒ「で、あたしたちになにかできることがあるから、あたしたちに会いに来たのよね?」

佐々木「涼宮さんたちには一緒に来てほしい場所があるんです」

古泉「どこでしょうか?」

キョン「お前はそんな察しの悪い奴じゃないはずだが?」

古泉「確認のためですよ、ええ、分かっています。僕たちが目指すべき場所は―――」

ハルヒ「部室!!! SOS団の部室よね!!! そこであたしたちを待ってる人がいる!!!!」

佐々木「ご名答、いやぁ記憶が残っているというのは実にやりやすいね、キョン」

キョン「別に、連れていくだけなら拉致や誘拐でもよかったんだ、こいつらなら」

ハルヒ「よくないわよ!!!! あたしは団長!! 故に丁重!! 権利尊重!!!」yo!!

キョン「おぉ団長ラップだ、久しぶりだな」

佐々木「くつくつ、実におもしろいね涼宮さんは」



196:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/16(月) 02:25:06.01 ID:elsBvd3N0


部室


コンコン


長門「どうぞ」

朝比奈「し、失礼しまぁす」ガチャ

長門「……朝比奈、みくる」

朝比奈「……な、長門さん?」

朝比奈「あ、あれ? な、なんで名前……あ、わたしもあなたの名前……」

長門「あなたの顔は、見飽きた覚えがある」

朝比奈「見飽きた覚えがあるんですか!!?!?!? 初めて会うのにっ!!!!」ガーーン!!

長門「失言。見慣れた顔だと言いたかった」

朝比奈「あぁ……でも、わたしもあなたの……長門さんのことを知っています」

朝比奈「会ったのも、話すのも初めてのはずなのに……どうして」

長門「……この部室には、あと3人いた」

朝比奈「……はい、それはとっても大事な、人達……」

長門「……もうすぐ、来る」

朝比奈「え?」

長門「……彼が、彼女が、ここにわたしたちを集めた」

朝比奈「え、と……キョンくん?と佐々木さん?……ですか?」

長門「そう」

朝比奈「ここにわたしたちを集めて何をするつもりなんでしょう?」

長門「分からない、ただ、この記憶について彼らはなにかを知っている」

朝比奈「た、確かに……理由を知っているのはキョンくんたちだけっぽいですね」

長門「……待つ」

長門「彼らの到着によって、なにかが始まり、終わる……そんな気がする」

朝比奈「むっ……あ、あまり分かってないかもですけど、長門さんのいうこと、なんとなく分かる気がします!」

朝比奈「待ちましょう長門さん!! キョンくんと佐々木さんが帰ってきた時、全部のことが分かるはずです! だから、待つんです!」

長門「……そう」

朝比奈「待つんです!」フンス!



213:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/18(水) 19:02:30.19 ID:vcgKKKyv0


ハルヒ「じゃ行きましょ! その部室に!!」

キョン「ああ、長門と朝比奈さんが待っているはずだからな」

ハルヒ「長門、朝比奈……有希とみくるちゃんね!!」

古泉「会ったことはないはずですが、なぜか鮮明にお二方の姿が目に浮かびますね」

佐々木「くつくつ、これがSOS団の絆というものなのかな? 羨ましい限りだね」

キョン「そう、と言いたいが、実際は中途半端な改変の結果だな」

キョン「都合よく俺たちの記憶だけを残してくれちゃってよ。まったく……」

ハルヒ「じゃ、あたしタクシーよんでくるから!」

佐々木「ああ、涼宮さん、タクシーならもうここにいますよ?」

ハルヒ「へっ? もう呼んでるの?」

佐々木「ええ、ここに」グイッ

キョン「え? 俺?」

ハルヒ「…………」

ハルヒ「トリックの時間きたーーーーーーっっ!!!!!!!!」

キョン「ばっかやろう!!!! どこの世界にトリックでタクシーになる奴がいるんだ!!!!!」

古泉「少なくとも、この世界と」

佐々木「君が元いた世界では、ね」クツクツ

ハルヒ「さあキョンタクシー! 準備なさい!! 目的地は北高!! オーライ!!?」

キョン「悪いなハルヒ、キョンタクシーは運転手含め三人用なんだ、だから―――」

ハルヒ「キョンがタクシーだとすると、運転手はあたし、であと古泉くんと佐々木さんでちょうどじゃない!! オールオッケー!!!」

キョン「……ちくしょう、俺はモノにまでなり下がったってのか」シクシク

佐々木「それがSOS団団員の役目だよ、キョン」



214:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/18(水) 19:06:20.29 ID:vcgKKKyv0


キョン「よっと」シュン!

佐々木「っと」シュン!

ハルヒ「えっ!?」シュン!

古泉「わっ!?」シュン!

キョン「はい到着北高前~」

ハルヒ「これタクシーっていうか瞬間移動じゃない!!!!!! すごいわキョン!!!!!!」

キョン「だろう、元の世界のお前はことあるごとに俺を利用していたぞ」

古泉「いやはや、これほど便利ならそうしたい気持ちも分かりますね」

キョン「古泉、貴様俺に向かって便利などと言うモノに言う発言は二度と言うな」

古泉「あぁ、すいません脇役さん」

キョン「消し飛ばすぞレッドバルーンいっちゃん」

古泉「……」ズーーン!

ハルヒ「古泉くん!? よくわからないけど精神的ダメージを受けている場合じゃないわ、早く部室にいかないと!!」

佐々木「落ち着いて涼宮さん、今の光陽園の制服じゃ先生方に見つかった時面倒事になるでしょう?」

ハルヒ「あぁー! それもそうね、何か考えとくんだ……キョン?」

キョン「その、『もしかしてキョンなら何か秘策があるんじゃ……』的な目をこっちに向けるのはやめろ」

ハルヒ「あぁ、やっぱり駄目かぁ……」

キョン「まぁ、できるけど」

ハルヒ「さっすがキョン!!!!! あんたを優秀な雑用として扱ったあたしを誉めたいわ!!」

キョン「どこまでも自分主義だなお前、というか優秀ならいつまでも雑用扱いしてんじゃねえ」

古泉「それで、方法と言うのは?」

キョン「お前ら、こっち向け、いくぞ?」

ハルヒ・古泉「「?」」

キョン「はい、ポーズ」パシャン!!



215:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/18(水) 19:10:58.46 ID:vcgKKKyv0


ハルヒ「なっ!」

古泉「これはっ!?」

キョン「ふっふっふ、これは俺流着せ替えカ○ラもどき」

キョン「一瞬にして着せ替えたい服に衣装チェンジできる優れた技なのだ!!!」

佐々木「というわけでお二人には北高の制服を着てもらったわけだね」

キョン「おう、名案だろ」

佐々木「発想はね、ただ……」

ハルヒ「……あの、キョン。あたしは、まぁ、別にいいけど……」

古泉「なんで僕の制服がセーラー服で涼宮さんがブレザーなんですか!!!?!?!?!?」ガーーン!!!

古泉「もはや普通に光陽園の制服で入るより怪しいですよねこれ!!?!?!?!?!??」ガガーーン!!

キョン「おぉ、よくみれば間違えてるなこれ」

佐々木「よく見ずとも色々おかしいよ、キョン」

キョン「ったく、遊んでる場合じゃないぞ古泉」パシャン!!

ハルヒ「あ、入れ替わった」

古泉「どの口が……どの口が言うんですか、まったく……」

佐々木「古泉くん、ズボンの後ろが破けて下着が露わになっているようだけど」

キョン「あら、ホント」

古泉「僕がなにしたっていうんですか!!?!?!?!?!?」ビッシィ!!!

キョン「言うなら俺に対する侮辱罪だ」

ハルヒ「私怨なら仕方ないわ」

キョン「だろ?」

佐々木「くつくつ、キョン。そこまでにしておかないと、そろそろ古泉くんが可哀想だ」

キョン「おぉ、レッドバルーンいっちゃんよろしく、顔が真っ赤ないっちゃんになってるぞ」

古泉「…………」



216:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/18(水) 19:16:38.74 ID:vcgKKKyv0


ハルヒ「へぇーここが北高……年季入ってんのねー」

キョン「新館でこれだからな、部室棟はもっとオンボロだ」

ハルヒ「でもそっちの方がムード出ていいかもね!」

キョン「(まぁ、SOS団の資金は山のようにあるから、部室は色々完備されているがな)」

古泉「…………」

佐々木「おや、古泉くん。何か考え事かい? 顔を曇らせているようだけど」

キョン「拗ねるなよ古泉」

古泉「拗ねているわけでは……いえ、少し考え事をしていただけですよ」

キョン「そうか、ならその考え事はお前が心配するようなことじゃないさ」

古泉「……僕の考えていることがお分かりに?」

キョン「……古泉くんのエッチ」

ハルヒ「えっ!!?!?」ビクッ!

佐々木「ほう」

古泉「断じて!!! 断じてそのようなことは考えていません!!! 彼の妄言にすぎません!!!」

キョン「必死なトコとか怪しいだろ?」

ハルヒ「こっ、古泉くん! 別にあたしはなんとも思ってないからね!」

古泉「……新鮮であり、どこか苦い思い出のような、そんな心象を受けます今は」

佐々木「くつくつ、SOS団副団長という中間管理職も中々に大変のようだね」

キョン「ちなみにハルヒ、残念ながら北高では宇宙人なんか飼育してないからな」

ハルヒ「なっ!! そそっ、そんなこと考えてるわけ、ななないでしょ!!!」

キョン「……ま、ホントは校長室でUMAの目撃情報が―――」

ハルヒ「急ぐわよ!!!!!!        校長室に!!!!!!」ダッ!!!

キョン「嘘だから、嘘だから急ぐのは文芸部室にしてくれ」



217:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/18(水) 19:21:14.82 ID:vcgKKKyv0


部室


ギャーギャー!!


朝比奈「? なにか話し声が……」

長門「…………」

長門「くる」

朝比奈「ふえっ?」




ガチャ!!




キョン「お待たせしました、朝比奈さん、長門」

朝比奈「あ、キョンく―――」

ハルヒ「お邪魔しまーす!!」

古泉「失礼します」

朝比奈「ふぇえぇえええええええええ!!?!……って」

朝比奈「……涼宮、さん?」

ハルヒ「……みくるちゃん!! あなたみくるちゃんね!!!」ダキッ!!

朝比奈「ええっ!? な、なななんで抱きつくんですかぁ!!!」

ハルヒ「会いたかったわぁ!!! みくるちゃん! あんたなんていい匂いなの!!!」ハスハス

朝比奈「ふ、ふえぇ……」グッタリ

キョン「朝比奈さんから離れろ変態、こっから留置所まで送ってやってもいいんだぞ」

ハルヒ「! 有希! 有希よねあなた!!」

長門「……そう」

ハルヒ「んんー! あなた最高ね!! あなたはSOS団になくてはならない無口キャラ!! としてスカウトされたに違いないわ!!」

キョン「スカウトしたやつが言ってどうする」

ハルヒ「…………」キョロキョロ

ハルヒ「……うん、やっぱり覚えてる!」

ハルヒ「ここがSOS団の部室だったのよ!!!!!!!!!!!」



218:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/18(水) 19:26:13.30 ID:vcgKKKyv0


キョン「あー、朝比奈さん、長門。この二人は……」

朝比奈「うん、涼宮さんと」

長門「古泉一樹」

ハルヒ「みくるちゃんと!!」

古泉「長門有希さん、ですね」

佐々木「くつくつ、紹介の必要はなかったみたいだね」

キョン「ま、知ってたけどよ」

キョン「……これで、鍵が揃ったぞ、なぁ―――」ブォン!!














『このメッセージが聞こえている時、あなたたちは鍵を揃えたことになる』















キョン「――――――」

長門「……」

ハルヒ「えっ!? なにこの声!? キョン、の声じゃないわよね……」

朝比奈「あ、頭の中に直接……」

古泉「……あの、僕にだけファミチキ下さいとテレパシーを送っているのはあなたですか?」

キョン「いいから、みんな聞いててくれ」

古泉「あの……」

佐々木「…………」



220:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/18(水) 19:30:46.09 ID:vcgKKKyv0
















『そこには、あなた、涼宮ハルヒ、長門有希、朝比奈みくる、古泉一樹が存在しているはず』

『いまから空間修正の機会を与える。ただし成功の保証はない』

『緊急脱出プログラムの起動条件。それは』

『鍵である五人の署名』

『このプログラムは実行されたのち消去される、故に修正の機会は一度だけ』

『・・・・・・Ready?』















佐々木「……メッセージは終了のようだね」

朝比奈「……この声って」

古泉「……」

長門「……」

ハルヒ「それよりも、修正は一度きり、それに署名ってなんの……」

佐々木「キョン」ゴソゴソ

キョン「これさ」ピラッ

ハルヒ「それって……」

長門「入部用紙?」

キョン「そ、お前が俺たちにくれたもんだ」

佐々木「これに署名することが起動条件らしい」

古泉「なぜ、わかるんですか?」

ハルヒ「どこに署名しろなんて聞こえなかったわよ?」

キョン「分かってしまうからしょうがない、ってところか」

古泉「は、はぁ」

佐々木「くつくつ。便利な言葉だね」



221:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/18(水) 19:34:17.05 ID:vcgKKKyv0


朝比奈「じゃ、じゃあここに名前を書けば元の世界に……」

古泉「あの、お二人のどちらの用紙に名前を書けばいいんでしょうか?」

キョン「…………」

佐々木「…………それは」

ハルヒ「待って!!!!」

朝比奈「ふえっ!?」

古泉「涼宮さん?」

ハルヒ「……聞くけど、その修正をする世界、つまりこの世界は」

ハルヒ「修正したあと、どうなっちゃうの?」

朝比奈「……あっ」

古泉「……消失してしまう、のでしょうか?」

キョン「……」

佐々木「……」

ハルヒ「……保身じゃないのよ、あたしやみくるちゃん、有希に古泉くん」

ハルヒ「元の世界に戻れるってんなら別にそれでいいわ、どっちが元の世界とかはこの際どっちでもいいことにしてもね」

ハルヒ「あたしが存在するって事実さえあれば、『あたし』がどこにいようと関係ないってこと」

ハルヒ「……でも、修正したあとの世界に、初めからいなかった人は……」

朝比奈「……」

古泉「……」

長門「……」

ハルヒ「この世界が消えちゃったら……佐々木さんは……」

佐々木「…………」



222:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/18(水) 19:39:26.22 ID:vcgKKKyv0


佐々木「くつくつ、どうやら君のところの団長は随分心優しい方のようだね、キョン」カキカキ

キョン「ああ……意外にもな」

佐々木「……はい、書いたよ長門さん」

長門「……あなたの署名?」

佐々木「僕の入部届にみんな署名してほしい、まぁ僕の署名は起動条件には必要はないけどね」

涼宮「っでも! そうしちゃうと佐々木さんが」

佐々木「涼宮さん、あなたの気持ちは嬉しいです、心から、でも」

佐々木「元々存在しなかった僕が、この世界に存在することすらおかしいことなんだ」

朝比奈「で、でも……」

佐々木「それと、この世界は、修正後もなくなりはしないよ、おそらくね」

ハルヒ「えっ」

佐々木「わたしが、ここに残るからね」

古泉「佐々木さんが……?」

ハルヒ「それでどうしてこの世界がなくならないって……」

佐々木「涼宮さんの『力』が失われた今、世界の中心は代理としてわたしが担います」

佐々木「それで元の世界とは分裂した世界のバランス、基準点としてわたしが存在する」

佐々木「それにより、この世界は保たれる……はずだ、と思いたいね」クツクツ

ハルヒ「……でも、そうだとしても」

佐々木「……ええ、涼宮さんの思っている通り」

キョン「……俺はこの世界からは消えるな」

キョン「元の世界に戻って空間修正をやってもらわなくちゃならんからな」

ハルヒ「キョン……」

佐々木「……ああ、だから、ここで君とはお別れだ……キョン」

キョン「……」



223:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/18(水) 19:42:43.64 ID:vcgKKKyv0


キョン「……長門」

長門「なに?」

キョン「俺の入部届は返すよ、ここにはいられないからな」スッ

長門「……そう」

キョン「……そう残念がるな、何も俺が名前を書かないとは言ってないだろ?」

佐々木「そうさ、キョン。君にはこちらの、僕の用紙に署名してもらわないと」ピラッ

佐々木「鍵が集まらず、元の世界には帰れないからね」

キョン「ということだ、だから名前だけは書いておくよ、それで幽霊部員としてでも、この世界に俺を残せるならな」

長門「……そう」

佐々木「……さあ、みなさん、どうぞそろってご署名ください」

佐々木「文芸部への入部届に、ね」

ハルヒ「……」

古泉「……」

朝比奈「……わ、わたし書きます」

佐々木「……ありがとう、朝比奈さん。あなたは思っていた通り、とてもお優しい方です」

古泉「……僕も、書かせていただいても?」

佐々木「もちろんだとも、古泉くん。君はやはり聡明で、その頭脳はSOS団になくてはならないものだね」

長門「……書く」

佐々木「……あぁ、長門さん。あなたは自由で実に見ていて気持ちが良い、その凛々しさには感嘆するよ」

ハルヒ「…………」

佐々木「……さあ、涼宮さんも」

ハルヒ「…………」

佐々木「……お願い涼宮さん、書いてくれませんか?」

ハルヒ「……ッ」



224:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/18(水) 19:46:41.09 ID:vcgKKKyv0


ハルヒ「本当に……本当にもう、キョンには会えないの?」

佐々木「それは一概には言えませんね、今回キョンに再会できたのだって偶然の産物であるように」

佐々木「逆に、この世界が存在していけるなら、この先なんらかの奇跡で、またみんなでキョンに会えるかもしれません」

ハルヒ「……」

佐々木「だから、わたしはなにも悲観していません」

佐々木「むしろ、またこうして見て聞いて、話したり、笑ったりできることを楽しみにすらしています」

佐々木「そこに……親友である、キョンがいないのは残念だけれど」

ハルヒ「ほら! やっぱり―――」

佐々木「それでも、やはりキョンは帰るべきなんだ」

ハルヒ「……ッ!」

佐々木「僕のいない、SOS団のいる―――かえがえのない日常に」

ハルヒ「…………」

佐々木「……」

ハルヒ「……書くわ、貸して」

佐々木「よかった、このままだとこの世界のSOS団は『世界を大いに盛り上げる佐々木の団』になってしまうところだったよ」

ハルヒ「その肥大妄想はどうでもいいけど……はい、書けた」カキカキ

ハルヒ「キョン!! 聞きなさい!」バン!

キョン「なんだ?」

ハルヒ「もし……この世界が残り続けるなら、あたしはこの世界でこのメンバーでSOS団を作り上げるわ!」

キョン「そいつは……頼もしいな」

ハルヒ「このまませっかく思い出した記憶とかをうやむやにして終わりたくないしね」

ハルヒ「そしてSOS団の至上目的は一つ!!!」



225:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/18(水) 19:48:36.94 ID:vcgKKKyv0





























ハルヒ「あんたともう一度再開すること!!!!!!! それがあたしたちの、SOS団の達成目的よ!!!!!!」


































226:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/18(水) 19:52:34.98 ID:vcgKKKyv0


ハルヒ「フー!、フー!……」

キョン「お前……」

ハルヒ「……文句ある!!?」

古泉「いえ、これ以上ないものかと」

朝比奈「さ、賛成です!! 絶対にそうすべきです!!!」

長門「異論はない」

ハルヒ「で、佐々木さんは!!?」

佐々木「……僕にとって、反対する理由など1?も存在しないね」

ハルヒ「はい!決まり!!! じゃここにSOS団の創立を!!!!」

ハルヒ「……あんたの署名を持って認可するわ、書きなさいキョン!!」

キョン「……まったく、どこの世界でもとんでもないやつだなお前は」

キョン「……ありがとよ、ハルヒ」

ハルヒ「……フン! 不思議を探すのが目的なだけなんだからっ!」

キョン「あぁ、それがハルヒだよな」

キョン「……じゃあ書かせてもらうぞ」

ハルヒ「……どうぞ!」

朝比奈「キョンくん……お元気で」

古泉「またお会いすることを心待ちにしていますよ」

長門「……また」

ハルヒ「……絶対見つけてやるんだから!」

キョン「……ああ、この世界のSOS団とも、お別れは無しだ」

キョン「また会おう、ハルヒ、朝比奈さん、長門、古泉」



227:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/18(水) 19:57:25.52 ID:vcgKKKyv0


キョン「……んで」

佐々木「……」

古泉「……ここは」

ハルヒ「……部屋から出る?」

朝比奈「あっ……」ガタッ

佐々木「お気になさらず、そんな暗い話をするつもりなんてないからね」

キョン「佐々木の言う通りだ、俺が行くまでここにいてくれよ」

ハルヒ「……そ」

佐々木「みんなで、キョンのお見送りだ」クツクツ

キョン「んじゃ……佐々木よ」

佐々木「なんだい? キョン」

キョン「久しぶりの再会の後は久しぶりの別れだ」

佐々木「そのようだね、再会の後はいつもこれだ」

キョン「また会えてよかった」

佐々木「言うまでもなく、僕も嬉しかったよ」

キョン「……今回は、最期とは言わないでおこう」

佐々木「……そうだね、また会えるのを『みんな』で待ってるよ」

キョン「ああ、待っていてくれ……この部室で」

佐々木「SOS団で、待ってるよ」

キョン「……それじゃあ、佐々木―――」カキカキ

佐々木「……ああ、キョン―――」



228:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/18(水) 20:00:52.34 ID:vcgKKKyv0




























キョン「またな、親友―――」
佐々木「またね、親友―――」


































250:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/21(土) 16:45:02.87 ID:L1iheVq/0

分身は……しなかった、というわけで……
今夜にはとーかー



261:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/21(土) 21:16:15.12 ID:L1iheVq/0

no title



262:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/21(土) 21:17:59.99 ID:L1iheVq/0

no title



263:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/21(土) 21:19:48.56 ID:L1iheVq/0

no title



264:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/21(土) 21:21:49.82 ID:L1iheVq/0

no title



265:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/21(土) 21:25:00.06 ID:L1iheVq/0

no title



266:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/21(土) 21:27:12.01 ID:L1iheVq/0


キョン「――――――ッ」

キョン「……時間移動によるものか?」

キョン「……やれやれ、走馬燈にしては随分と最近のことばかり見えちまったな」

キョン「文芸部室か……しかも、今は三年前……」

キョン「なるほどな、お前がここに飛ばしたわけ、どうやら直接聞けそうだな」

キョン「となると、目指すべき場所、会うべき人は決まってるな」

キョン「……さて、文芸部室とは一旦おさらばだ」

キョン「次来るときゃ、SOS団の謎会議ん時だ」

キョン「……ん、七夕だもんな。神様なら平行世界だろうがなんだろうが平気だろ」カキカキ

キョン「……よし」スッ

キョン「じゃ……いくか!」シュン!!



























【またいつかSOS団でこの部室に!!】



267:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/21(土) 21:29:50.80 ID:L1iheVq/0


キョン「っと」シュン!!

キョン「そうそうこの公園この公園、えーっと座標軸と時間で言えばそろそろ……」

キョン「このベンチがよく見える茂みで待ってると……」



シュン!!!



朝比奈(大)「っと、間に合った? 間に合った?? よかったぁ、まだキョンくんたちは来てないみたい……」ホッ

キョン「こーんばんわぁあああ」ズズッ

朝比奈(大)「みにゃぁああああああああああああああああああああああ!!!?!?!?!?!?」ビクッッ!!

朝比奈(大)「誰っ誰っ誰ぇええ!!?!?!?!? んぐぐ……ッッ!!?!?」

キョン「落ち着いて朝比奈さん、俺です、キョンですよ」シー

朝比奈(大)「んーーっ!!!? ん……ウンウン!!?(キョンくん!!?)」

キョン「誰がウンウンですか、まったく驚きすぎですよ」

キョン「ま、後ろから急に声かけたことは謝りますけど……もう大丈夫ですか?」スッ

朝比奈(大)「プハッ! キョンくん!! もうここに!? って驚かさないでよ!!!」

朝比奈(大)「なんで声かけるだけなのに頭から血糊つけて完全ゾンビメイクしてるのよ!!!?」

キョン「いやぁ、雰囲気にノせられて……つい」ヘヘ

朝比奈(大)「今日七夕だけど!!?!? ハロウィンの雰囲気、毛ほども感じないわよ!!?!?」

キョン「まぁまぁ、過ぎたことじゃないですか。それよりも、俺たちはすべきことがあるでしょう?」

朝比奈(大)「そ、そうだけど……今のキョンくんには言われたくないなぁ……」

キョン「失礼。あ、メイク落とし持ってません? いやー血糊って落ちにくくて」

朝比奈(大)「じゃあやらなきゃいいのに……ていうか絶対自分で落とせますよね……はい、貸しますけど」

キョン「あいや! この御恩例え世が変わろうとも忘れは―――!」

朝比奈(大)「もう!! そのノリが不必要なんですってばぁ!!!」



268:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/21(土) 21:32:54.86 ID:L1iheVq/0


キョン「もうすぐ……俺と朝比奈さんが来ますね」フキフキ

朝比奈(大)「ええ……それを見届けるのがわたしの役目です」

朝比奈(大)「(本当は導くまでが役目ですけど……多分必要ないんだろうなぁ)」

キョン「こんばんわ、朝比奈さん」

朝比奈(大)「?? こ、こんばんわ……ってなんで今頃?」

キョン「朝比奈さん、俺はこっちですよ」

朝比奈「あれ、キョンくんが二人……もう、分身なんてして遊ばないでください!」クルッ!

キョン「いえ、してないですよ」

朝比奈「? そんなはずは……」クルッ








キョン(過去)「あ、えーーと、過去の未来から来た方のキョンです、ややこしくてすいません」








朝比奈(大)「……………………」

朝比奈(大)「来ちゃった!!?!?!?!? また後ろから来ちゃった!!?!?!?」ガーーン!!!

キョン「そうだぞ俺! せっかくあのベンチを見張ってたんだからあっこに出て来い!!! こら!!」

キョン(過去)「そう言われてもなぁ……ちょっと妨害工作にあってよぉ」

キョン・キョン「「言い訳だんなもん! 朝比奈さん(大)が待ってんだぞこっちは!!」」

キョン・キョン(過去)「「んだとぉ!! んならこっちは朝比奈さん背負ってんだぞこらぁ!!!!」

朝比奈「Zzz……」ムニャムニャ

朝比奈(大)「ふえぇぇええええええええええええええええん!!!! キョンくんこれ以上増えないでぇえ!!!」

朝比奈(大)「これ以上わたしの周りをカオスにしないでぇぇええええええええええええええええええええ!!!!!」ビエーーン!!



269:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/21(土) 21:37:19.44 ID:L1iheVq/0


キョン「……朝比奈さん、気を取り直して」

朝比奈(大)「キョンくんのバカぁ……うぅ……スン、スン……」グシグシ

朝比奈(大)「……いえ、ここはわたしがしっかりしなきゃ!」

キョン「そうです、その意気ですよ朝比奈さん!」

朝比奈(大)「しっかり、しっかり……あ、わたしが起きるみたいです」

キョン「?? 朝比奈さん(大)今まで寝言だったんですか??」エェー

朝比奈(大)「分かってる癖に話の通じないふりやめてください!! もう!!!」






朝比奈「―――ふぇ??」

キョン(過去)「おはようございます、朝比奈さん。ちょうど膝が痺れてきたところです」

朝比奈「えっ、えっ、わひゃぁあああ!! ご、ごめんなさい!!!」バッ!!

キョン(過去)「いやあ、カワイイ寝顔が見れたんでいいんですけどね」






キョン「……」

朝比奈(大)「…………なんか言ってくださいよ、恥ずかしいじゃないですか」

キョン「……カワイイですね」

朝比奈(大)「…………」フイッ






朝比奈「そ、それでこれからなんですが……実は……」

キョン(過去)「ええ、南に下って公立中学前にいるアホな子供に協力するんでしたよね?」

朝比奈「え? え? な、なんですかそれ??」

キョン(過去)「なんですか、って朝比奈さんが言ったことですよ? ねぇ、朝比奈さーん!?」






朝比奈(大)「わ、わたしに言ってる!!?」ビックゥ!!

キョン「返事しましょう返事!!」

朝比奈(大)「は、はー……だ、ダメですよ!! ここで返事したらダメ! まずいんですよ!!」



270:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/21(土) 21:42:17.75 ID:L1iheVq/0


キョン(過去)「それじゃ行きましょう」チラッ

朝比奈「? なにか見えましたか??」

キョン(過去)「……いえ、俺の目には朝比奈さんしか映ってませんよ」

朝比奈「ふぇ!? どどど、どういう意味ですかぁ!!?!?」

キョン(過去)「……えーっと……そのままの意味? です」

朝比奈「え、えぇええぇええぇええ!!?!?」


















朝比奈(大)「……本当にそのままの意味でしたね……キョン君のバカ」

キョン「すいません」

朝比奈(大)「ッ!!?!?!?!??!?」ビックゥ!!!!!!!

朝比奈(大)「そ、そう言えばこっちにもキョンくんいましたね……」

キョン「忘れないでくださいよ、さて……過去の俺たちも学校に向かったことだし俺たちも―――」

朝比奈(大)「キョンくん、時間もありますし、少し―――話していきませんか?」

キョン「――――――ええ、もちろん」

キョン「久しぶりに『スーパー平安時代!!』のセール情報でも聞きますか!?」ワクワク

朝比奈(大)「あの……ワクワクしてるとこ悪いんですけど……それは、いいです」



271:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/21(土) 21:46:28.97 ID:L1iheVq/0


朝比奈(大)「キョンくんなら、今の状況……もう解決しているといっても過言じゃないですよね」

キョン「解決……まではまだ分かりません、が。今この状況がどういうものなのかは、理解してるつもりですよ」

朝比奈(大)「……キョンくんは、いつからこういうことが起きると、分かっていたんですか?」

キョン「…………最初から、というわけではありませんよ」

キョン「俺の未来予知は完璧なものじゃない、見えるもの、見えないものもある。間違ったものが見える時もある」

キョン「今回のこの事件……とも呼べる『コト』は、ま起こることが分かっていたものの……」

キョン「色々と……予想外なことも多く起きていました」ハァ

朝比奈(大)「……ふふっ、会いたかった人にでも会えましたか?」

キョン「……朝比奈さん、随分察しが良くなりましたね」

朝比奈(大)「あら、女の子はこういうことには、いつの時代でも敏感なものよ?」クスッ

キョン「敵いませんね、朝比奈さんには」ハハ

朝比奈(大)「……選択は彼女に託す、と?」

キョン「……ま、手前の始末は手前でつけろ、と偉そうに言えたもんではないですが」

キョン「……改変したかったなら、中途半端に未練がましいことするな、ってことを言いたいですね」

朝比奈(大)「そう……それがキョンくんの選択なのね」

キョン「……ま、そんなところです」

キョン「それにしても、朝比奈さんは頼りになるレディになられましたね」

朝比奈(大)「なーに? まるで昔のわたしは頼りない女の子みたいな言い方して」

キョン「いやいや、とんでもない。もはや守りたくなる小動物みたいな感じですよ」

朝比奈(大)「人ですらないのっ!!?」ガーーン!!

キョン(過去)「いやーまったく、俺の意見には全面同意だ」

朝比奈(大)「分し……じゃない! 過去の未来のキョンくん!?!? あーややこしいっ!!! それ言うためだけにここにっ!?!?」



272:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/21(土) 21:50:17.32 ID:L1iheVq/0


キョン「さ、そろそろ……」

朝比奈(大)「ええ……」

キョン「ご飯でも食べに行きましょうか!」

朝比奈(大)「えぇ……えぇ!? このタイミングでお食事のお誘いっ!!?!?」

朝比奈(大)「だ、ダメよキョンくん!! その、お、お食事はあの……もとの世界に戻してから……」

キョン「おでんを食べに!」

朝比奈(大)「ダメよ! そんな夏の夜風に吹かれながら風情ある屋台のおでんなんて……そんな……」

キョン「あの……いくのは長門家ですが……」

朝比奈(大)「……え、あ」

キョン「『おでん屋~あさくら大将~』、どうやら文化祭から大将が出張してるみたいなんでね」

キョン「ちょいと、寄っていきませんか? 酔うのはダメですけどね」

朝比奈(大)「……はい、ご一緒します」

キョン「さぁーって、確か材料はさっきの俺がたんまり買い込んだからまだあるは」

朝比奈(大)「キョンくん? 長門さんがいるのよ?」

キョン「急ぎましょう朝比奈さん!! くっ、『スーパー平安時代!!』ならまだ開いてますっ!!!」

キョン「間に合え……間に合えッ!!!」ダッ!!

朝比奈(大)「ま、待ってぇキョンくん!! は、走るよりか瞬間移動した方が!」ハアハァ

キョン「朝比奈さん!! エコですよエコ!!! 今は瞬間移動してる場合じゃないですよ!!!!」

朝比奈(大)「エコ!!?!? 瞬間移動ってそんなに環境に悪影響を与えるものだったんですか!!?」ガーーン!!

キョン「ええ!! 瞬間移動の度、酸素原子が一つ分解されてしまいます!! だから走って!!」

朝比奈(大)「分かりづらいっっ!!? それなら走る方が酸素消費すると思うんだけどぉおおおおお!!!! 待ってってばぁああ!!」

キョン「待ってろ、大根、はんぺん、こんにゃくぅぅぅううううううぅうううううう!!!!」ダッ!

朝比奈(大)「わあああああああああああああああああん!!」ヘロヘロ



297:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/22(日) 21:50:21.26 ID:NtHHYq0s0


キョン「迂闊だった……まさか過去の俺がほとんど具材を買い、残りがない状態になっていたとは……」ドッサリ

朝比奈(大)「それでもドッサリと言える程度には買い込んでいますけど……」ハァ

キョン「さて、これで安心して長門家へ向えますね」

朝比奈(大)「そうですね、長門さんの家に着くころには過去のわたしたちも帰ってるだろうし……」

キョン「よし、それじゃあ」

キョン「瞬間移動しましょうか」ドーーン!!

朝比奈(大)「ええぇぇええぇえええええ!!!!! さっきあれだけエコだのなんだの説いといて結局ですか!?!?」

キョン「じゃあ聞きますけどこの大荷物持ったまま朝比奈さんは移動したいんですか!!?」プンプン

朝比奈(大)「そ、それは嫌ですけど……かといって逆ギレされるようなことは……」

キョン「ああ……すいません、朝比奈さんにあたるなんて……」

キョン「どうも『スーパー平安時代!!』で出遅れたことが癪に触ってるようです……クソッ!」

朝比奈(大)「それ言わば過去の自分に怒ってるだけですよね? 結局のところ問題はキョンくんのところだけで発生してるだけですよね?」

キョン「碌におでんの具材も置いていないスーパーがどこにあるってんだ!!!」

朝比奈(大)「今夏ですからね、逆に置いてるスーパーの方が珍しいと思いますけど……」

キョン「でも未来のスーパーじゃ当然のごとく置いてるじゃないですか」

朝比奈(大)「ええ、未来のスーパー……って禁則事項ですからぁ!」

キョン「まぁスーパーの話題はどうでもいいとして」

朝比奈(大)「キョンくんが話し始めたんですけど……」

キョン「行きましょうか、朝比奈さん」スッ

朝比奈(大)「……はい」

キョン「……半年後の『スーパー平安時代!!』に!!!」ドンッ!!

朝比奈(大)「もうおでんとスーパーはいいですからぁ!! 具材足りますから!! ていうかわたしに時間移動させるつもりでしたよね今!?!?」ガーーン!!!



298:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/22(日) 21:55:13.42 ID:NtHHYq0s0


キョン「よっ」シュン!!

朝比奈(大)「わっ」シュン!!

キョン「た、たまっ、たまたまごごごご」ガサガサ

朝比奈(大)「具材はいいから……もう帰ったかしらわたしたち」ピタッ

キョン「……朝比奈さん、このマンション結構防音とか凝ってるんで、その、ドアに耳押し当ててもなにも……」

朝比奈(大)「……わ、わかってましたよ!! い、一応やってみただけです!」

朝比奈(大)「ほ、ほらキョンくんなら中にわたしたちがいるか分かるでしょう?」

キョン「仕方ないですね……よっ」


ピンポーン


朝比奈(大)「」

キョン「こうすれば分かりますよ、あ、これはインターホンと言ってですね……」

朝比奈(大)「知ってますよそれぐらい!!!! こんなことしたら中のわたしたちがまだいた場合どんなことになるか……ッ!!」ユサユサ!!

『……』ガチャ

キョン「お、でたでた」

朝比奈(大)「……ッ」ゴクリ

キョン「えーっと、そうだな……第一声としては」

キョン「『三年後から、こんばんわ』って感じで―――」


ガチャ


長門「……」

朝比奈(大)「あ、な、長門さん……あの」

長門「……」ジィ

朝比奈(大)「な、長門さん……?」

キョン「……長門」

キョン「二次会も、おでんだ!!!!」クワッ!!

長門「入って」スススッ

朝比奈(大)「スリッパの準備が早いっっ!!!! すごく歓迎されたーーっっ!!?!?!?」ガーーン!!



299:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/22(日) 21:59:10.36 ID:NtHHYq0s0


キョン「お邪魔しまーす」

朝比奈(大)「お、お邪魔します……」

長門「どうぞ」

キョン「長門よ、さっき俺が来なかったか?」

長門「来た」

キョン「ばかもーん!! そいつがルパ」

朝比奈(大)「いいです、いいですからそういうのは!」

キョン「……長門、未来の朝比奈さんは俺に厳しい」

長門「……強くなった」

朝比奈(大)「そ、そうですか?」テレテレ

長門「……そしてよく分からなくなった」

朝比奈(大)「?」

キョン「おっ、邪魔するぜ、大将」

朝倉「……あらいらっしゃい、あたしの記憶違いじゃなければほんの今さっきあなたたちは帰ったと思うんだけど?」

キョン「俺たちが帰った? ばかもーん!! そいつがル」

朝比奈(大)「そうじゃないですよね?」

キョン「…………」

朝倉「……ま、異時間同位体ってところよね、普通に考えて」

朝倉「……キョンくんはキョンくんとして、朝比奈先輩は……随分、その……」

朝倉「色々、大きくなりましたね……」

朝比奈(大)「…………ハッ!!」

朝比奈(大)「わ、わたし色々な年下の人から成長を暖かい目で見られているっっ!!?!?!?」ガーーン!!

朝倉「あっ、いや! そ、そういう意味じゃなくてですね……ハァ」



300:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/22(日) 22:03:25.47 ID:NtHHYq0s0


朝倉「それで……なんの用かしら?」

キョン「おでんパーリィだ!!!!」

長門「承知した、朝倉涼子、おでんパーリィの準備を」

朝倉「え、また!!? またおでん食べるの!!?!? ついさっき食べたじゃない、ていうかキョンくん知ってるはずよね!!?!?」

キョン「バッカ、大将お前……大将がおでんつくらなくなったらもう眉毛しか残らねえだろうが!!!!」

朝倉「ぶっ飛ばすわよ」

キョン「と、冗談はさておいて……おでん、朝倉作って!」

朝倉「おでんは冗談じゃなかったの!!? というか逆よ逆!! あたしがおでんに作られてなるもんですか!!」

キョン「さあさ、パーリィの準備だ、飯の席でないと話せない話もあるしな」

朝倉「そ、それはあるかもしれないけど……ほんとにあたしたちさっき食べて……」

長門「朝倉涼子」

朝倉「な、なに長門さん?」

長門「パーリィの準備を」

朝倉「……もう、分かったわよ、やるわよ、やればいいんでしょ、もう……」

朝比奈(大)「あ、わたし手伝います!」

朝倉「あ、いいですよ朝比奈先輩、ってこの会話もついさっきやったのよね……」

長門「おでんを食べたら帰る?」

キョン「おう、そうだな」

朝倉・朝比奈(大)「「そうなの!!?!?!?」」ガーーン!!!

朝比奈(大)「いや、そうじゃないでしょ!!? キョンくん!?!??!?」

キョン「……朝倉、でも聞いてくれ俺は……『スーパー平安時代!!』で、失態を侵した……」

朝倉「なんっ……です、って……」ガッシャーーン!!

朝比奈(大)「あああ朝倉さぁぁあああんん!!!! お皿がぁぁお皿がぁぅぉぇ……ってそんなにビックリすることじゃないですよねぇええ!!」



301:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/22(日) 22:07:06.14 ID:NtHHYq0s0


朝倉「はい、お待ちどうさま」コトッ

キョン「おー、こりゃまたうまそうな……でもなんで夏におでん??」

朝倉「それさっき聞いたわよ!!!!! ならわざわざおでんの具買い足してくるんじゃないわよ!!!」

朝比奈(大)「い、いただきます……久しぶりですね、朝倉さんのおでんも」フーフー

朝倉「あたしの体感的には、朝比奈先輩もさっき食べてたばっかりなんですけどね」

朝倉「さて……宴席も整ったところで」

キョン「一番、キョン歌います!」

朝倉・朝比奈(大)「「そうじゃなくて!!!」」

キョン「お、踊る方だったか……?」

朝倉「……朝比奈先輩、あなたから話してください」

朝比奈(大)「そのほうがいいみたいですね」

キョン「じゃあ俺たちはおでん食べておこうか」モグモグ

長門「了解した」モグモグ

朝倉「みんなで、話しましょうねー」グググ

キョン・長門「「……」」グググ

朝比奈(大)「く、首が変な方向に……」

朝倉「さ、どうぞ朝比奈先輩」

朝比奈(大)「あ、はい……それでは」コホン

朝比奈(大)「わたしとキョンくんは今から三年後の十二月の改変された世界から、その世界に修正をしてもらうためにここに来ました」

朝倉「……」

朝比奈(大)「……その、全容はもう知っていると思うけれど……」

朝比奈(大)「時空改変者は、涼宮さんの情報創造能力を最大限利用し、世界を構成する情報を改変した……」

長門「……」モグモグ



302:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/22(日) 22:12:48.56 ID:NtHHYq0s0


朝比奈(大)「この世界を元の状態に戻すには、時空改変者が当該行為をした直後に再修正プログラムを起動させればいい」

朝倉「……それで、その再修正プログラムを組めるあたしたちインターフェースのところに来た、ってことね」

朝比奈(大)「……」

朝倉「…………どうやら、そうではないみたいね?」

キョン「……」

キョン「おべぇつぁつぐぁきっつぁぬわぁ!」ボロボロッ

朝倉「いや汚いわね!! 食べてから喋りなさいよ!!」

長門「……そう」モグモグ

朝倉「長門さんも!」

キョン「ゴクン……俺たちがここに来た理由、それはお前達を頼ってきた、というには少し捉え方が違う」

キョン「朝倉のいう理屈なら誰を頼らずとも、俺自身が、世界の修正を行えばいいんだからな」

朝倉「……つまり、それをできない、しない原因が、あたしたちのところにきた理由、ということね」

キョン「ま、その通りだ。さて質問、この理由とはなんだ?」

長門「おでんが食べたかった」

キョン「んー89点、ってとこだな」

朝比奈(大)「ほぼ正解っっ!!?!?!? 逆に残り11点は!!?!?」

朝倉「いやそれ高くない!!??!? 絶対そうじゃないわよね!!!?」ビシッッ

キョン「……俺が体験した改変世界ではな、長門がいて、朝倉がいて、朝比奈さんがいて」

キョン「学校は違うがハルヒもいたし、古泉もいた」

キョン「正直、ある一点を除けば、結構元の世界と違和感なく過ごせてた気もするんだ」

朝比奈(大)「ある一点……?」

キョン「あー……まぁ、その一点が一番の問題かつ、サプライズだったんですが……」ハァ

朝倉「……」



303:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/22(日) 22:18:24.64 ID:NtHHYq0s0


キョン「まぁ、とにかく俺の感想としては中途半端、これに尽きるもんだったよ」

キョン「世界改変なんて俺にとっては小さな大それたことだけど、それにしてもあまりに変わりがなさ過ぎたんだ」

キョン「それに、SOS団のやつらなんて元の世界の記憶が少し残ってたりもしたんだぜ?」

キョン「もちろん、長門は宇宙人じゃないし、朝比奈さんは未来人じゃないし、古泉も超能力者でもない」

キョン「それでも、ちゃんと、丁寧に、元の世界の記憶を持ってたよ」

キョン「まるで、改変した誰かがわざと、俺たちの記憶を残したみたいでな」

朝倉「……そう」

長門「……」

キョン「……俺の勘違いってんならここに来たのは筋違いもいいとこだが」

キョン「もし、改変した誰かが、元の世界に戻したいって気があるなら」

キョン「俺は、そいつにそうしてもらうようケツを叩きに来た次第ってことだ」

朝倉「…………」

長門「…………」

キョン「……ここまで言っておいて今更だが、この世界を改変した張本人」

キョン「俺に少し早めのクリスマスプレゼントというサプライズを仕掛けてくれた仕掛人」

キョン「……ここでおでんを召し上がることになった犯人」

朝倉「いやそれはキョンくんが買ってきたからでしょ」

キョン「……そして、改変世界を元の世界に戻す、権利を持った者、それは――――――」



304:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/22(日) 22:20:16.58 ID:NtHHYq0s0


































キョン「お前なんだな――――――朝倉」







































340:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/28(土) 18:24:02.44 ID:0jM2pvg50


朝倉「…………」

朝比奈(大)「…………」

キョン「…………」

長門「…………」

長門「おかわり」スッ

朝比奈(大)「ちょっ! 長門さん!? 今結構緊迫してる状況ですけど!?」ガーーン

キョン「おわかり?」

長門「分かっている」

朝倉「……はい、長門さん」スッ

朝倉「……フー、そっかぁ、あたしだったかぁ、時空改変の犯人は」

キョン「とぼけるな、同期でもう分かっていたことだろ」

朝倉「……ねぇキョンくん、あなたはいつからこの時空改変があたしによって行われたものだと分かったの?」

朝倉「まさか最初からだなんてことはないわよね?」

キョン「ああ、最初よりも前、起こる前から分かっていたよ」

朝倉「……さすがキョンくん、あなたはそうでなくちゃ」

キョン「……俺は以前、お前に急襲をかけられた時こう言ったな」

キョン「『俺には未来が見えるからな、朝倉が暴走することはない』と」

朝倉「……ええ、確かにそう言われたわ」

キョン「……で、この状況になったわけだが」

キョン「な、やっぱり俺の言った通りだったろ?」ニッ

朝比奈(大)「……えっ? えっ??」

長門「……」

朝倉「……ハァ、ほんっと、なんでも知ってるのねキョンくんは」



341:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/28(土) 18:30:14.71 ID:0jM2pvg50


朝比奈(大)「え、っとキョンくん、この時空改変が朝倉さんの暴走によるものでないとしたら……」

キョン「簡単ですよ、朝比奈さん、この行動が暴走ではなく規に沿ったものであるなら」

キョン「それは暴走ではなく制御された行動、言い換えるなら、使命といったところでしょうか」

キョン「つまるところ、この朝倉が起こした一連の時空改変は……」

朝比奈(大)「情報統合思念体の意志……で、あるものだ、と」

朝倉「……ええ、その通り」

朝倉「奇しくも、あたしが半年ほど前に独断で行った行動に正式に上が許可を出した形になるのかしら?」

朝倉「いつまで経っても観測で有益な情報は得られず、ジリ貧になった情報統合思念体は」

朝倉「急進派のあたしを使って、なんでもいいから、涼宮ハルヒに関するアクションをとらせた」

キョン「その結果、ハルヒの力は失われ、統合思念体本体がその時空からいなくなっちまうとは、なんという聖なるバリアー」

長門「予想できた展開、しかしそれを受け入れることも自律進化の可能性ではないかと予測したため」

キョン「観測する側が消えちまったら本末転倒だろうに」

朝倉「まぁ確かに、暴走か暴走でないかと聞かれたら微妙なところだけど……」

朝倉「……事実、時空改変を起こしたのはあたしで違いないから……ねぇ」

朝倉「どうする、キョンくん?」

キョン「どうする?」

朝倉「だから……さっきも言った通りキョンくんが時空改変をする意思がないなら」

朝倉「ここで……未来の時空を改変するあたしを、消しておけば……」

朝比奈(大)「ッ!!? そんなっ!!」

朝倉「時空改変そのものが行われ―――」

キョン「甘ったれたことを抜かすな朝倉」

朝倉「―――ッ!!?!?」ビクッ

朝比奈(大)「きょ、キョンくん!?」



342:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/28(土) 18:35:43.20 ID:0jM2pvg50


キョン「俺もさっき言ったよな? 改変世界を元の世界に戻す権利を持っているのはお前だと」

キョン「朝倉よ、なぜこんな時空改変をしたのかはもういい、そもそもそんなことを聞きに来たわけじゃないしな」

キョン「だが、やったからにはお前がこの『コト』の責任を持て」

朝倉「せ、責任って……」

キョン「だから俺に甘いだの、中途半端だの言われるんだ」

キョン「なぜ、SOS団の記憶を残した? どうして自分の記憶は完全に抹消した? なぜ元の世界へ戻るチャンスなんて残した?」

朝倉「……」

キョン「どうして改変世界が元の世界と似ているような世界になったのか……」

キョン「答えは簡単、お前は自分の起こしたことの始末を誰かにとって欲しかったんだ」

キョン「それは俺であってもいいし、俺にその気がなかった場合、SOS団に残した記憶で誰かが緊急脱出プログラムまで辿りつくかもしれない」

キョン「大本命は……長門か? 対抗に古泉を置いてもいい、穴はハルヒで大穴が俺、朝比奈さんはすいません!!」

朝比奈(大)「えっ」

キョン「そんな期待を寄せて、あの緊急脱出プログラムを用意したんだろ? 俺はあんなのを使わなくても元の世界に戻すことなんざ朝飯前だからな」

朝倉「……」

キョン「……向こうの世界のお前は随分と真面目で面白みのない奴だったぜ?」

キョン「なんせ『一度』も、ツッコミをしてくれなかったんだからな、あれが本来の自分と言わんばかりのな」

長門「……一度も、ツッコミを……?」ガタッ

朝比奈(大)「長門さん、そこ動揺するところ違います」

キョン「……なぁ、朝倉。俺は結局情報統合思念体からの指令に従ったお前を暴走とは思ってないが」

キョン「……こういうことなら、むしろ暴走してくれてたほうが、俺としては―――いや、俺のことなんてどうでもいいか」

朝倉「…………」

キョン「……」

キョン「で」

キョン「どうする? 朝倉?」



343:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/28(土) 18:41:25.35 ID:0jM2pvg50


朝倉「…………あたしは」

長門「待って」

朝倉「……長門さん?」

長門「今回の朝倉涼子による時空改変、責任の一端はわたしにもある」

キョン「長門にも?」

長門「そう」

長門「朝倉涼子が事前に時空改変をおこすよう命じられたいたのは知っていた」

長門「主流派のわたしではなく、急進派の彼女に指令が下ったことから、現状を変える手段であるとも」

長門「知りながらも、同じインターフェースでありがらも、わたしは、時空改変をただ傍観していた」

朝比奈(大)「…………」

長門「同じ現場に、それよりも涼宮ハルヒにより近しい私が、時空改変による涼宮ハルヒの『力』の消失は無意味であると、予測できていたはず」

長門「にもかかわらず、判断を朝倉涼子一人に背負い込ませたわたしには、多大な責任がある」

長門「……すまない」

朝倉「な、長門さんそんなっ……」

キョン「……じゃあ、長門はどうしたい?」

長門「改変世界を元の世界に戻したい」

長門「と、わたし個人は考えてはいるが、その権利を持っているのはわたしではない」

キョン「……だとよ、権利保持者さん」

朝倉「…………」

朝倉「……長門さんに、責任なんて欠片もないわよ」

朝倉「結局のところ、意志らしい意志を持たず、上からの指令に思考停止で従ったあたしの責任」

朝倉「……あたし自身、時空改変が無意味なものであると知っていての改変行動」

朝倉「……結局、自分の意志で動けば暴走、上からの指示で動けば間違った行動になる……」

朝倉「……ねぇ、キョンくん。あたしは、一体どうすれば、正解に近づけるの……?」

キョン「……」



344:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/28(土) 18:45:39.75 ID:0jM2pvg50


キョン「……なにが正解なんて行動するまで分かってたまるか、俺は人間様だぞ?」

朝倉「……」

キョン「行動を起こして、その結果が正か否かを決めるのだとしたら」

キョン「その行動を起こす判断をおこなった者に正否は問われる」

キョン「今回、その判断をおこなっていないお前に、正しいも間違いもあるかよ」

朝倉「……ッ! だから! それは今回のことだけじゃない!」

朝倉「あたしが! 自分の意志でキョンくんを襲った時は正解だったというの!? 間違いでしかなかったじゃない!」

朝比奈(大)「襲う?……間違い?……うっ、頭が……」

長門「……」スチャッ

キョン「だから! 間違えることのなにが悪いって言ってるんだよ!」ガタッ!

朝倉「意味わかんないわよ! 悪いから正解ではなく間違いっていうんでしょ!!」ガタッ!

キョン「それは間違えたままでいるからだ!! その間違いは活かすことができるから間違えなんかじゃない!!」

朝倉「正解が分からなくて間違い続けてもいいっていうの!!?!?」

キョン「間違い続けなきゃ正解だって見えてこないだろうが! 先人はそうやって道を開いてきたんだ!!!」

朝比奈「ブツブツ……ハッ!! ふ、二人共喧嘩はや、やめ―――」

朝倉「そんな人間様のご高説なんて聞きたくないわよ!!! こっちは宇宙人なんだから理解できないわよ!!!!」

キョン「宇宙人だから!!? そんなの関係ねぇよ!!! 現に宇宙人のお前だって失敗してるだろうが!!!!」

朝倉「だからこうして!!……こうして!! ッ!! その間違いでさえ正と考える考え方が分からないと言っているのッッ!!!!」

キョン「間違って当然なんだよ!!! どんな完璧な人間だって間違えたことがないわけねえだろ!!!

朝倉「間違って当然!!? そんなのありえないわよ!!! だって!! だって……!!!!!」
























朝倉「あたしはもうこれ以上……間違えるのが怖いもの…………」ポロポロッ






















345:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/28(土) 18:48:47.17 ID:0jM2pvg50


朝倉「……ヒック、グス……」ポロポロ

朝比奈(大)「あ、朝倉さん……」

長門「……泣かないで」スッ

朝倉「……スン……ン」ゴシゴシ

キョン「……」

朝倉「……正解が分からないまま、行動を起こしてなんになるの……?」

キョン「失敗を重ねて正解を探すんだ」

朝倉「……もし、その途中で取り返しのつかない失敗を起こしちゃったら……?」

キョン「取り返しがつかないなんてことはねえ、その失敗を確実に成功に繋げればな」

朝倉「……あたしにはそんな自信はない」

キョン「俺だってない。100%成功させる自信なんてな」

キョン「だから今もずっと、失敗し続けているんだ」

キョン「いつの日か、絶対に成功させるためにな」

朝倉「……」

キョン「……だから、お前が前に俺を襲った時、あれが間違いだったなら」

キョン「それを、その間違いを活かせるようにしよう」

朝倉「……」

キョン「分からないなら、他誰にでもに聞きゃいい、俺でもいい」

朝倉「……」

長門「わたしにも聞いてほしい」

朝倉「……」

朝比奈(大)「わ、わたしもできる限り……っ!」

キョン「朝倉……この時空改変、本来ならお前でなく指示したお前トコの親玉に追及したいところであるが……」

キョン「もう一度だけ、聞いておこう」

キョン「どうする? 朝倉」

朝倉「…………ッ!」



346:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/28(土) 18:49:39.85 ID:0jM2pvg50































朝倉「改変世界を元の世界に戻す!!!!! 戻したいっっっ!!!!!!!」






























347:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/28(土) 18:52:09.12 ID:0jM2pvg50


キョン「……決まりだな」

朝比奈(大)「じゃ、じゃあ早速時間跳躍の準備を!」ワタワタ

長門「急いでおでんの処理を」モグモグ

キョン「よしきた!」モグモグ

朝倉「……ねぇキョンくん、あたしがこう言うことになるのも予想通りなの?」

キョン「ん? そりゃあ見えてなかったと言えば嘘になるが」モグモグ

キョン「おべヴぁおむぁうぇうぉじんずぃつつぁくぁら、くぉういうくぉとになったってことだ」ボロボロ

朝倉「うわ汚っっ!!?!? 汚いし、前半なに言ってるのか何も聞こえなかったし!!!」ガーーン!

キョン「……あぁ、そのツッコミあってこその朝倉だよなぁ」ジーン!

長門「……」ジーン!

朝倉「ちょ、二人してあたしのツッコミに感銘を受けないでよ!! もっと別の部分であたしを認識して!!」

キョン「そんなことより、ほら! 朝倉も食え! 武士は食わねど高楊枝っていうだろ! ほら!」

朝倉「それ言うなら腹が減っては戦が出来ぬでしょ、真逆の意味じゃない、もう……」

長門「……おいしい?」

朝倉「本来あたしが聞くことですけど……自分で作っておいてなんですけど、おいしい」モグモグ

朝比奈(大)「よし、これで……ってあれーーっ!? ななななんでみなさんおでんたべてるんですかー!? 時空改変は!!?」

キョン「ほら朝比奈さんも!! 食べて食べて!! 武士は腹が減っては高楊枝ですよ!!」

朝倉「混ざってる混ざってる、本当に哀れな武士になるからやめてあげて!!」

キョン「あ、言い忘れてたけどな、朝倉」

朝倉「? なに、キョンくん?」

キョン「お前が間違えたのは手段だけだったんだよ、意志を持って行動を起こすっていうのはむしろ正解なんだ」

キョン「そういう意味で、俺はお前の暴走を良いもんだと思って―――と、俺の意見はどうでもいいか」

朝倉「……ええっと???」

キョン「……ま、そういうことだ」



348:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/28(土) 18:54:46.01 ID:0jM2pvg50


朝比奈(大)「そ、それじゃあみなさん準備は?」

朝倉「大丈夫です」

キョン「長門、準備はぁ!?」

長門「大丈夫、ちゃんと持ってきた」ドッサリ

キョン「よし!」

朝倉「いや、よしくないでしょ!!? なにをそんなにドッサリ持っていくものがあるの!!?!?」

キョン「え、乾パンとか水とかレトルトカレーとか……」

朝倉「そんな災害に見舞われる覚悟で行かなきゃダメなの!?!?!?」ガーーン!!

朝比奈(大)「あ、あまり重量が多いと、時間跳躍に乱れが……」

キョン「だって、長門」

長門「…………」

長門「では、わたしは残るから、これを持って……」

朝倉「いや長門さんのスペックが乾パンとかレトルトカレー以下とかありえないでしょ!?!? い、一緒に行きましょう!!?」

長門「……朝倉涼子に頼られたならば仕方がない」

朝倉「そ、そう……?」

長門「では、わたしの代わりに朝比奈みくるの異時間同位体がお留守ば」

朝倉「いやそうでもないでしょ!!?!? このドッサリした荷物を置いていくつもりはないの!!?!?」

キョン「……よし! ツッコミ成分も補充完了だ!」

長門「そう」ポイッ

朝倉「えぁああぁあぁあああ!? それだけのためにあの用意を大事そうにして!!?!?」

キョン「朝比奈さん、お願いしまう」

長門「しまうー」

朝倉「ちょ、この流れで―――」

朝比奈(大)「では―――行きます!」



367:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/02(水) 01:00:52.56 ID:KAkBjAGA0


朝比奈(大)「ん……皆さん、つきました」

朝倉「12月……18日」

キョン「あ、遅かったですね朝比奈さん、朝倉」モグモグ

朝比奈(大)「え?」

朝倉「は?」

長門「……」モグモグ

キョン「いやね、時間跳躍中俺と長門が迷子にされちまったもんだから慌てて追っかけてったら早く着いちまったってだけなんですけど」

朝比奈(大)「ちょっ、ちょちょちょ!!? は、初耳ですよそんなの!! わ、わわわたしの……ッ!!」

キョン「あぁ、朝比奈さんのせいじゃありませんよ、ちょっとしたトラブルみたいなものですから」

朝倉「ん?……してキョンくん、長門さん。お二人から何故か溢れる生活感は何?」

長門「待ってたから」

朝倉・朝比奈(大)「??」

キョン「あー、つまりだな……」

キョン「俺たちと朝比奈さんの到着のラグを時間で言うと、約3年間待ってたというか……」

朝比奈(大)・朝倉「」

キョン「……まぁ笑えないジョークなんですけど」

朝倉「ちょっとぉおお!!! 笑えないって分かってるなら言わないでよ!!! あぁ! 朝比奈さんの呼吸が止まってるっ!!?」

キョン「本当は六時間ぐらいで長門の家でくつろいでただけだ」

朝倉「その6時間も結構なラグだと思うけど!!?!?」ガーーン!!

長門「起きて」ガブ

朝比奈(大)「ひゃぁわぁぁああああああああああああああぁあああぁあああ!!!!!!!」

キョン「んー……なんだこれ?」ハッハッハ!

朝倉「キョンくんのせいでしょうが!!!!!!!!!!!」



368:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/02(水) 01:06:03.09 ID:KAkBjAGA0


朝比奈(大)「うぅ……寒っ」ブルッ

朝倉「あ、そう言えば7月から12月へ飛んだんですものね」

長門「……おでん食べる?」

朝比奈(大)「いえ、もうお腹は……?」ファサ

キョン「上着、貸してあげます」キラッ

朝比奈(大)「キョンくん……ありがとう」

長門「……」

キョン「いえいえ、なんのなん、の?」グイッ

長門「寒い」

キョン「……」

朝比奈(大)「……」

朝倉「……あの、長門さ―――」

キョン「じゃ、じゃあこのブレザーを貸してやろう、うん、あったかいぞぉ」ファサ

長門「感謝する」ギュッ

朝倉「……」

キョン「……」

朝倉「……あの」

キョン「あー分かったよ!! みなまで言うな!! ったく……」

キョン「お前には特別に下半身であっためたズボンとパンツをだな……」カチャカチャ

朝倉「いらんわーーーーーっっっ!!!!!!!!! この真冬にどんな変態になるつもりよ!!!!!!!」ガーーン!!



369:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/02(水) 01:09:20.19 ID:KAkBjAGA0


キョン「……ふぅ、にしても」

キョン「遅いよ朝倉!!! いつになったら改変しにくるんだ!」

朝倉「ええっ!!? それ今のあたしに言うの!!? 気まずいとかないの!!?!?」

朝比奈(大)「時間的にはもうそろそろみたいですけど……」

キョン「…………………ん?」

朝倉「あ……来る」















朝倉(過去)「…………」ザッ














朝比奈(大)「……朝倉さんが時空改変を行ってから、時空改変プログラムを……」

キョン「じゃ、行ってきます!」シュン!!

朝倉「ええ……ってええ!!?!? ちょ、今の話聞いて……ッ!!」

長門「…………」



370:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/02(水) 01:15:11.35 ID:KAkBjAGA0


キョン「よう、朝倉」ザッ

朝倉(過去)「……キョンくん? どうしてこんなところに……」

キョン「お前こそ、こんなところでなにしようってんだ?」

朝倉(過去)「……ああ、なるほど、あたしを止めに来たってわけね」

キョン「生憎、俺はそこまで甘い奴じゃないんでな、やりたきゃやれよ時空改変とやらを」

朝倉(過去)「……ええ、やらせてもらうわ、それが……」

キョン「それがお前の使命ってやつか?」

朝倉(過去)「……ッ! ええ、そうよ!! あたし自身現場の変革を望んでいる!! 時空改変は大きな情報爆発を起こす!!」

朝倉(過去)「こんどは現場の独断なんかじゃない!!!! あたしは……ただ指示通りに……ッ!!」

キョン「……ま、お前が色々考えて大変だってことは分かってる、分かったよ」

キョン「だが……俺から今のお前、そして未来のお前に言えることは一つだ」

キョン「……もっと自分を信じてやれ、過去の間違いを間違いのまま放置しておくんじゃねえ」

朝倉(過去)「……なによそれ」

キョン「さあな、三年前のお前だったら理解できたかもな」

キョン「さ、この寒い中俺の恰好で待つのは少し答える、やるなら早くしてくれないか?」

朝倉(過去)「……ッ、言われなくても……ッ!!」スッ







































キョン「なぁ、周防……ご一行様よ?」



371:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/02(水) 01:21:36.93 ID:KAkBjAGA0


朝倉(過去)「…………は?」

長門「――――――……」ザッ

朝倉「っ敵性因子の反応!?」ザッ

朝倉(過去)「え、ええ? な、なに?? 長門さんと……あたし!? な、なにこの状況……」オロオロ

長門「恐らく、二度にわたり時間跳躍の阻害をおこなった者」

キョン「あーそういや今日だったか、朝比奈さんと時間跳躍をした際に邪魔が入ったのは」

キョン「そして今日も、少しちょっかいを出して俺と長門を時間の穴にでも落とそうしたってわけか」

朝比奈(大)「やっぱり……敵対組織からの妨害だったんだ……」

朝倉(過去)「…………(色々)大っきい朝比奈先輩!!?」ガーーン!!

キョン「何が目的か……とは、聞くまでもなくハルヒの力か」

キョン「朝倉が引っ張り出したとこを狙うつもりなのかは知らんが……」

キョン「こっちにゃインターフェースが三人、未来人一人に、この俺までいるんだぜ?」

キョン「少々分が悪いと、潔く認めるのもまた、勇気ある決断だと思うがね」

朝倉(過去)「…………あの、あたし? さっきからキョンくんは誰に向かってなにを喋ってるの……??」ボソボソ

朝倉「シッ!! ちょっと待っててあげなさい!! もうちょっと、もうちょっとで誰かが現れるはずだから! あなたも感じるでしょう!」

朝倉(過去)「で、でも一向に現れないから……なにもない空間に話しかけている痛い人かなーって……」

キョン「……………………」

朝倉「き、聞こえちゃうから!! もう少し声抑えなさい!!! いまだ誰も出てこないキョンくんの気持ち察してあげて!」

長門「朝倉涼子'sうるさい」

朝倉・朝倉(過去)「「はい……」」

























「あーぁ、バレちゃいましたね」スッ



372:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/02(水) 01:26:32.18 ID:KAkBjAGA0


朝倉「……出てきたわね」スッ

長門「……」

「これもあなたのいう歴史的事実、所謂、既定事項なんですよね?」

「そういうことだ、まぁこの状況になんの問題もないことは確かだ」スッ

周防「―――……―――」スッ

朝比奈(大)「この人たちは……」

キョン「よう周防、お前にもオトモダチらしい奴らがいて俺は少し安心したぞ」

「オトモダチ? くっ、ははは!! 過去人は随分と面白いことを言うんだな」

「あたしたちは……うん、オトモダチとは、ちょっと違うかな?」

キョン「…………」

朝倉(過去)「ね、ねえ、今のって皮肉が結構本気で捉えられてキョンくん結構恥ずかし」

朝倉「だから!! 今そうやって余計な部分ツッコまなくていいから!! あたしってそんな空気読めない女だっけ!!?」

「しかし……つまらないな、随分とそこの過去人にしてやられていたもんだな」

「ええ、仕方ないわよ、あの人は……うん、ちょっとしたイレギュラーみたいなものです」

「宇宙人よりも早く僕たちの存在に気付く過去人がどこにいる? 何者なんだあいつは?」

「うん、あなたはまだここに来て日が浅いから分からないかも知れないけど」

「『佐々木』さんにとって、結構関係が深い人である、といっておきます」

長門「……」ピクッ

朝倉「さ、『佐々木』ですって……?」

朝比奈(大)「で、でも『佐々木』さんは……」チラッ

キョン「…………」



373:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/02(水) 01:31:43.93 ID:KAkBjAGA0


「ふん、まぁいいだろう。いずれ分かることだ」

「そうですね、では今回はもう引き上げましょうか、周防さんもそれで?」

周防「―――構わ……ない」

朝倉「待ちなさい、そう易々と逃がすと思ってるの?」

「いきがるなよ宇宙人、ここで僕たちが容易に引き上げることができるのは既定事項だ」

「そこの人も、あたしたちを見逃すつもりみたいですよ?」

朝倉「キョンくん!? いいの? このままいかせても」

キョン「……構わねえよ、特にアイツらがどうこういたわけじゃねえし」

朝倉(過去)「……それが甘いといっているのに」

「これ以上面倒なことを言われる前にさっさと退散したほうがよさそうだな、さて―――」チラッ

朝比奈(大)「…………なにかしら?」

「……チッ、そうやってのうのうと……クソ!」シュン!!!

朝倉「時間移動……ということは」

朝比奈(大)「彼が……未来人ということですね」

「では、あたしも失礼しますね。『佐々木』さんの……オトモダチさん?」ニコッ

「それではっ―――!」スッ

長門「……局地的な空間支配能力」

朝倉「彼女が……超能力者」

周防「…………クス」シュッ!!

朝倉(過去)「……最後まで謎ね、あの昆布」

朝比奈(大)「ええ、こん……昆布っ!!??」



374:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/02(水) 01:36:29.12 ID:KAkBjAGA0


キョン「…………」

朝比奈(大)「あ、あのキョンくん……」

キョン「大丈夫です、朝比奈さん。あなたも、分かっていた既定事項でしょう?」

朝比奈(大)「……っはい」

キョン「それに……朝比奈さんにも、色々ありそうですし。詮索はしませんが」

朝比奈(大)「ええ……ありがとう」

朝倉(過去「(……んー、さて!)」

朝倉(過去)「(……完っ全にあの異集団に喰われたわね、あたし……)」ドーン!!

朝倉(過去)「(まさかこっからあたしが時空改変を起こすとかいう超絶に空気を読めないことをしても良いのかしら?)」

朝倉(過去)「(……まぁ、でもやるしかない、わよね……)」スッ

朝倉(過去)「それじゃあキョンくん……お望み通り……」

朝倉(過去)「見せてあげるわっっ!!! はぁぁあああ!!! 時空改変プログラム起動っ!!!!」バッッ!!

朝倉「うぎゃぁあああぁあああああ!!! なんか恥ずかしいぃいいい!!!!」バタバタ

長門「騒がしい」

朝倉(過去)「世界は……再構築されるっっ!!」

キョン「他ならぬ、朝倉の手によって再々構築予定だがな、じゃあな朝倉」

朝倉(過去)「? どういう……」

朝比奈(大)「改変、終了……」

長門「スピーディ」

朝倉(過去)「あれ? あたしは何を……キョンくん?」

キョン「……朝倉見てたか? 今ここに、『ツッコまない朝倉』誕生してしまったんだ……」ウルウル

朝倉「…………」

朝倉「だから!!?!?!?!?!???!??」ビッシィィ!!!!

長門「ビューティフォー」



375:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/02(水) 01:41:07.57 ID:KAkBjAGA0


朝倉(過去)「あれ、長門さんも……それに……もしかして朝比奈先輩??」

朝比奈(大)「はは、どうも……」

朝倉(過去)「……実際この目で見てみるとすごく大人っぽくてきれいですね」

朝比奈(大)「いやぁ、あの、その、えへへ……」テレテレ

長門「お世辞」

朝比奈(大)「………………分かってます、ケド?」

朝倉(過去)「これは一体……え、そこの人……?」

朝倉「ビックッゥ!!」

朝倉(過去)「…………」ジィイイ

朝倉「…………」ダラダラ

朝倉(過去)「……あた」

朝倉「あぁぁああぁああああぁぁぁあぁぁぁああああああああああ面倒だわぁああああああああああああ!!!!!!!」ッバァーーン!!!

朝倉(過去)「」パタッ

キョン・朝比奈(大)「「撃ったぁぁあぁあぁああぁあああああああああ!!!?!?!?!?!?」」

朝倉「人聞きの悪いことを!!! プログラムを注入しただけです!!!!」

長門「目覚めない」

朝倉(過去)「」

朝倉「え?」

キョン「……実刑判決は免れんぞ」

朝比奈(大)「あわ、あわわわわわわわあわわわわあ!!!」

朝倉「…………」

朝倉「みんな!! 元の時代に帰るわよっっ!!!!!!!」キラーン!!

朝倉(過去)「放置して帰ろうとするなぁぁああぁあああああ!!!!」ビッシィ!!

キョン「おぉう……朝倉一人で漫才が成立してる……これが『朝倉システム』か」

朝倉・朝倉(過去)「「そんなシステム聞いたことないわよっっっっ!!!!!」」

キョン「おぉー」パチパチ

朝倉・朝倉(過去)「「拍手しないでよっっっ!!!!!!」」



376:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/02(水) 01:46:34.10 ID:KAkBjAGA0


朝倉「……えーっと」

朝倉(過去)「かつてこれ以上スピーディな解決はあったのかしら?」

キョン「『ツッコまない朝倉』が3分もいなかったからな」

朝倉・朝倉(過去)「「そんな異名で呼ぶのは止めて」」

長門「息ぴったり」

朝倉「そりゃあまぁ……」

朝倉(過去)「あたしはあたしなわけだし……」

キョン「その方の登場はまだだぞ」

朝倉・朝倉(過去)「「???」」

キョン「まぁさておいて、さ、朝倉改変世界をとっとと戻しちまってくれ」

朝倉「言われなくても……」

朝倉(過去)「そうするつもり……」スッ

キョン「ッ!!!! ちょっとまったぁぁああああああああ!!!!!!!!!!」

朝倉「な、なに!!?」ビックゥ!!

朝倉(過去)「ど、どうかしたの!!?」

キョン・キョン「「朝倉が二人いる内にマンツーマンツッコミをだな……」」

朝倉・朝倉(過去)「「やらないわよ!!!! そしてくだらないわよ!!!!! ハッ!!?!??!?」」

キョン「よし、これで心残りはない! さあ、いつでも元に戻しちゃってくれ!」

朝倉(過去)「うぅ……自分の性が憎い……」

朝倉「……ねぇ、あたし。あたしは、本当にこの選択で正解だったと思う?」

朝倉(過去)「……さあ、あたしは別に正解だとかは思ってないわ」

朝倉「ええっ!?」

朝倉(過去)「……まぁ、ただ、間違ってたとしても」

朝倉(過去)「その選択を正解と思えるように、していけたらいいんじゃない?」ニコッ

キョン「…………ふっ」

朝倉「…………さすがはあたし、優等生ね」ニッ!



377:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/02(水) 01:53:25.66 ID:KAkBjAGA0


朝倉「……じゃあ」

朝倉(過去)「それじゃあ……」

朝倉・朝倉(過去)「「世界再修正プログラムを起動、STCデータリセット―――」

朝倉・朝倉(過去)「「―――世界を再構築する」」

キョン「…………よし、修正が始まった」ゴゴゴゴゴゴ

朝比奈(大)「修正に巻き込まれる前に、この時空間を出ましょう!」

朝倉「朝比奈先輩、時間跳躍先の座標は、どこに!?」

朝比奈(大)「え? ええっと、12月19……ダメ! まだ世界が構築されてない!」

朝倉「こ、この場合って過去に遡行しても大丈夫なんですか?」

朝比奈(大)「ええっと、ええっとぉ!!!」ワタワタ

長門「……ピンチ?」

キョン「……仕方ない、俺が動かないと言ったのは世界改変までだからな」

キョン「送り便ぐらい、俺が担当させてもらいますよ、捕まって」

長門「……」

朝比奈(大)「あ、ありがとう!」

朝倉(過去)「それじゃあね、気をつけて」

キョン「ああ、今度会ったらおでんパーリィの開催を求む」

朝倉「それはそっちのあたしに任せようかしら」クスッ

キョン「じゃあな、朝倉! また会おう!」

朝倉(過去)「……ええ、また、ね」

朝倉「……それで、行き先は?」

キョン「朝比奈さんは元の時代まで送っていくとして、俺たちの行き先は決まってるだろ」
























キョン「この時間跳躍は、SOS団のある未来行きだ―――!!!」シュン!!!!


















400:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/04(金) 02:20:02.73 ID:obxJdG270


『…………』

『……ホントに消えちゃった……わね』

『……ええ、そのようで』

『ちゃ、ちゃんと元の世界に戻れたんでしょうか……?』

『みくるちゃん、あなた中々ネガティブなこと考えるのね……まぁ見た目通りだけど』

『ふえぇ!!?』

『……大丈夫なのよね? ミ……佐々木さん?』

『…………くつくつ、なんの問題もないですよ』

『なぜなら、我らがSOS団のもう一人の部員がついてますからね』

『……そう』

『……ま、SOS団の部員なら元の世界に帰ることぐらい朝飯前にやってもらわないと困るんだけどね!』

『さて! みんな! これから忙しくなるわよー! 覚悟はできてる!!?』

『もちろんですよ』

『頑張ります!』

『……』コクリ

『団長殿の仰せのままに』ニコッ

『じゃ! ここにSOS団の設立を宣言します!!!!!!! いえーい!!!』パチパチパチパチ!!

『それはおめでたい、ようし、派手やかに祝すとしよう』パチン!

『ひ、ひええぇぇええぇえぇええええええええ!!!!!! し、室内で花火がぁああ!!!』ドンッ!! ドンッ!! ハァ゚ンッ!!

『ミ……さ、佐々木さん!!? あの、僕たち浮いている……んですが!!?!?』フワフワ

『……ユニーク』フワフワ

『いいじゃない!!いいじゃない!! これが一番SOS団っぽいじゃない!!! あはははははははっっ!!!』フワフワ

『くつくつ、喜んでいただけてなによりです』

『さあ! 待ってなさいよキョン!!! アンタが羨ましくてこっちに入りたいと思えるぐらいの団を作って』

『絶対アンタをまた見つけてやるんだから!!!! みんな!! ファイト―!!!!』

『『『『『おーーー!!!!!!!』』』』』



401:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/04(金) 02:24:31.23 ID:obxJdG270


キョン「…………んっ?」シュン!

朝倉「っと」シュン!

長門「……」シュン!

朝倉「無事ついたみたいね、あの人たちの妨害もなく……今は、え!!? じ、事件当日の夜!!? で、長門さん家……」

キョン「…………ふむ」

朝倉「きょ、キョンくん!!? だ、大丈夫なの!? 時間軸的にはさっきよりも過去に戻っ、いや過去に戻るのはいいんだっけ?」

朝倉「……キョンくん? なにか考え事してるみたいだけど……もしかして時間移動をま、間違えた??」オロオロ

キョン「ん、ああ、時間移動はバッチリだ、というか本当のお前たちは7月7日にちゃんと帰ってるぞ」

朝倉「え、てことは……あたしは時空改変を起こす前の、言わばアクションを起こした張本人のあたしってこと? 同期済み??」

キョン「おう、このままお前が時空改変を起こしに行かなければ、そのまま改変世界なんぞは作られないってわけだ」

朝倉「……統合思念体からの指令も下ってないことになってる……そんなことって……」

キョン「……それは、まぁな」

朝倉「ん?……じゃあさっき思いつめていた感じだったのはなに?」

キョン「……夢、夢でもないか、まぁ面白いものを見たんだ」

朝倉「とても面白いものを見ていたようには見えなかったけど……」

キョン「ん、まぁな。俺にとっては珍しく少し予想外のことが起こったみたいだからな……」

朝倉「??? なんの話??」

キョン「なんてことない話さ」

長門「ともあれ……」

長門「無事に改変世界を元に戻せた」

朝倉「そう……よね…………よかった」



402:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/04(金) 02:29:12.61 ID:obxJdG270


長門「……」スクッ

朝倉「長門さん?」

長門「少し、でかけてくる」

朝倉「え、今から?? どこに……?」

長門「すぐ戻る」ガチャ

朝倉「……行っちゃった」

キョン「まぁまぁ、くつろいで待ってようぜ」ゴロン

朝倉「それ、キョンくんもあたしも言うべきことじゃないと思うんだけど……長門さん家だし」

朝倉「…………ねえキョンくん」

キョン「……なんだ?」

朝倉「前にも、いえ、前はキョンくんが強制的に来たんだけど……えーっと、進路相談……」

朝倉「……してもいいかな?」チラッ

キョン「…………えー……」

朝倉「えーっ!!!? なんで嫌そうなの!!? 前の時は頼んでもないのに来たのに!!?!?」ガーーン!

キョン「そもそも俺はそんなに偉そうに口出せるようなあだだだだだだだだだだだだ!!!痛い痛い!!」ギギギ

朝倉「さんざん偉そうに言う口がなにを言ってるのよ!」グググ

キョン「大体、もう俺がお前にいう事なんかないだろ! ちょ、いい加減離して……」ギギギ

朝倉「……」パッ

キョン「いひゃかった……」ヒリヒリ

朝倉「そうね!! もうキョンくんからあたしにいう事なんかないわよね!!」

キョン「なに怒って、怒ってる?」

朝倉「怒ってないけど? ま、キョンくんから言うことがないならあたしから言わせてもらおうかしら!」





































朝倉「ありがとう――――――キョンくん」



404:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/04(金) 02:34:41.51 ID:obxJdG270


キョン「……ありがとう、か」

朝倉「……言わなきゃいけないと思って」

キョン「そんな強迫観念にかられて言わなくたって……」

朝倉「ううん、そうじゃないわよ、ただ、あたしの口から言っておきたいってことよ」

キョン「礼を言われるようなことはした覚えしかないけどよぉ……」

朝倉「そこまで己惚れられると、お礼の価値が下がりそうだからやめてね」

キョン「冗談冗談」

朝倉「うん……まぁ、そうね」

朝倉「元の、この世界に戻れてよかったと思う」

キョン「……今更言っちゃなんだが、俺は結構、それこそ強迫気味にお前に世界を元に戻せと言ったような気がするんだが……」

朝倉「いいのよ、そうでもしなきゃあたしは自分の行動に自信のないまま、後悔したあたしの存在を消そうとしてたわけだし……」

朝倉「むしろ、その後悔したままのあたしを、見つけてくれたキョンくんに対して、ありがとうって言ってるんだから」

キョン「……そうか」

キョン「……これから先も、間違え続ける覚悟はできたか?」

朝倉「……ええ、正直そこのところは不安でしかないけど」

朝倉「やらなくて後悔するよりもやって後悔した方がいいって言うわよね?」

朝倉「間違わずに後悔するなら、間違って後悔した方がいい……」

朝倉「そういうことだと、勝手に解釈してやっていくしか、ないわよね!」

キョン「そうか、随分吹っ切れたみたいで安心したぞ」

朝倉「いつまでもウジウジしてるのはあたしらしくないしね、うん、そうしていく!」

キョン「……長門が気を使ってくれた意味があったようだな」

朝倉「ちょ、それ口に出しちゃうの!!!?!? 出さないからこその粋な計らいだと思うんだけど!!?!?」ガーーン!!

キョン「いや長門に対して粋ってのもなんかおかしいだろ……」



405:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/04(金) 02:38:37.40 ID:obxJdG270


長門「ただいま」ガチャ

朝倉「ほんとに戻ってくるの早いわね!」ギョッ!

長門「(……話はすんだ?)」

朝倉「(うっ……やっぱりそういうつもりだったのね)」

キョン「(前向きに考えていくんだとよ)」

長門「(そう……)」

朝倉「…………」

朝倉「いや口にだしてよくない!!?!? どうせキョンくんには聞こえちゃうんだし!!!!」ガーーン!!

キョン「それはそうと長門よ、その袋はまさか……」

長門「…………………………」

長門「おでん」

朝倉「溜めたわねぇぇえええ!!!!! すっごい溜めたわね!!!!! もはや予想できた展開!!!!」

長門「……カレーでもよかった」

朝倉「じゃカレー買ってきたらよかったじゃないですか!!!! ネタのためにおでんはもういいですから!!!!」

朝倉「ていうか、本当何回おでん食べるのよ……体感的には4食分ぐらいずっとおでんなんだけど……」

キョン「まぁいいじゃないか、今度こそ、季節にあってるだろ?」

朝倉「まぁそうだけど……そうじゃないような……」

キョン「元の世界にもどった記念だ、祝勝会だ! 飲んで歌えや!!!」

朝倉「いやそこまで調子には乗らないけど!!?!?!?」ガーン!!

長門「聖歌隊の準備を」

朝倉「いらんわ!!!!! 長門さん、なんか涼宮さんみたいになってない!!?!? 影響受けてない!!?!?」ガーーン!!



406:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/04(金) 02:43:32.50 ID:obxJdG270


朝倉「もう、一体何回おでんをつくれば……」ブツブツ

キョン「……さて、長門よ。俺は少しおでんができるまででかけてくる」

長門「……そう」

キョン「おう、できるころには帰ってくるから」

長門「……分かった」

キョン「そんじゃ、行ってき―――」

長門「ありがとう」

キョン「ん?」

長門「……」

キョン「…………おう」

キョン「……じゃ行ってくる」シュン!!

長門「……」


























キョン「よっ、と」シュン!

キョン「よぉ、久しぶりだな。といってもここに時間の概念はないか……ん? 初めまして? いやどっちでもいいんだよそんなもん」

キョン「随分とまぁ今回は派手にやってくれたじゃねえか、おい」

キョン「おかげでどう立ち回るか悪戦苦闘したぜ、まぁ本当は悪戦も苦闘も特にはなかったんだがな」

キョン「……まぁ、俺の立場からオマエに対してとやかく言えたモンじゃないが」

キョン「そんなに自律進化の可能性とやらが観測したいんならテメエがここまで出てきやがれ」

キョン「いつまでもコミュ症を理由に朝倉や長門、喜緑さんを駒扱いしてるんじゃねえぞ」

キョン「現にただの人間の俺と意思疎通ができてるだろうが、え? なに? 俺が特別だから? んなことねえ俺だって人間だ」

キョン「……初めに言った通り、俺からオマエに命令なんてモンはできねえが」

キョン「いつまでも、俺が気の長い奴だと高をくくらない方がいい」

キョン「いつ、テメエらの存在自体を消しちまうかも分からねえぞ……なんて平和主義者の俺が言っても説得力はないかもしれないな」

キョン「……つーわけで、おでんが出来上がる前に帰ると約束したんでな」

キョン「……あばよ、知的な情報生命体さんよ」シュン!



407:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/04(金) 02:49:08.91 ID:obxJdG270


『――――――キョン』

「ん、おぉ? 佐々木か?」

『くつくつ、ああ僕だ。どうやら君は元の世界に回帰することができたようだね』

「まぁな、おかげさまってところだ」

『僕としては君の安否が知れてようやく一息つけたところだよ』

「悪いな、こっちとしても報告の手段をとりたかったんだが……」

『……なに、気にすることはない。こっちもなるようになるさ』

「……ああ、よろしく頼む」

『任された。君の頼みとあらば僕の全力を持って答えよう』

「そいつはいいな、世界一、いや宇宙一信頼できる言葉だ」

『くつくつ、つくづく都合がいいね、君は』

「…………」

『おっと、皮肉のつもりなんてないよ、悪かったね、ただの冗談として受け取ってくれ』

「もちろん、分かってるさ」

『…………こっちの僕らとはもう会えないかもしれないけど』

「そんなことはない」

『……いつかまた、君とは再会できる気がしてならないよ」

「当たり前だ、そう約束したじゃないか」

『ああ……だから今度は偽りの世界ではなく、本当の世界で君と再会しよう』

「…………」

『……約束だ、キョン』

「……ああ、期待して待ってるぜ、佐々木」

『くつくつ……ああ、僕もだ――――――』



433:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/06(日) 23:11:21.77 ID:726xDp220


キョン「っと」シュン!

長門「……おかえり」

キョン「ああ、ただい、ま……?」

ハルヒ「ええっ!!? じゃがいもなんかおでんにいれるの!!? もしかして文化祭の時も!?」

朝倉「なんかとはなんですかなんかとは!!? いーい涼宮さん? おでんに不必要な具なんてありません!!!」

ハルヒ・朝倉「「みくるちゃん(朝比奈先輩)はどう思う(思います)!!?!?」」クワッッ!!

朝比奈「え、ええっーー!!!?!?」

古泉「おや、お戻りですか? この僕とは、久しぶり……ということになるのでしょうか? あぁ、既に事情は長門さんからお聞きしていますよ」

キョン「……全ての状況を把握した俺だが、一応聞いておこう。長門、これは一体?」

長門「はっきりとした原因は不明だが、パラドックスにより今夜我々は集合することになっていたらしい」

古泉「涼宮さんが言い始めたのですよ、クリスマスイブに向けてパーティの予行演習をしよう、と」

キョン「もっともらしい理由をつけて遊びたいだけだろう、あいつは」

長門「おそらくは、そう」

古泉「そして現在、台所で朝倉さんとおでん論争を繰り広げるにあたる、というわけです」

キョン「どんなわけだ……ったく」

古泉「おや、久しぶりにこちらの涼宮さんを見た感想がそれですか?」

キョン「別に。特に久しぶりって感じがしないだけだ。一応向こうでも同じようなモンに会ってるしな」

古泉「おやおや、ではこちらの世界に帰ってこれたことに特に感慨深さは感じない、と?」

キョン「なるほど、言葉では伝わらんものもあるもんだ、古泉準備しろ」

古泉「はい?」

キョン「今からオマエを異世界に吹っ飛ばしてやる、こっちに戻ってくるのは一年後、そん時は素晴らしい思い出話と感想を期待してるぜ」

古泉「すいません、調子にのりました」



434:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/06(日) 23:16:24.67 ID:726xDp220


キョン「……どうやら見る限り、特に大きな問題は起きてないらしいな」

古泉「ええ、あなた的には、急遽おでんパーティの予定が組み込まれた、ぐらいのものでしょう」

キョン「なんだ? お前的には何か違うのか?」

古泉「何か、という程のものではありませんが、少しね……」

古泉「あの夏に感じたデジャヴ、程のものではありませんが……あるんですよ」

古泉「僕も長門さんも朝比奈さんも、そして恐らく涼宮さんも……」

キョン「……向こうの世界の記憶、か」

古泉「その通りです、もちろんはっきりとした記憶として覚えているわけではありませんが」

古泉「朝倉さんの時空改変による影響のものなのか、はたまたその他の……」

古泉「セント=ニコラウスからの、クリスマスプレゼントという可能性もあげられますね」ニコッ

キョン「なんでもいいさ、どうせハルヒはただの夢程度にしか認識してないだろうしな」

古泉「ごもっともです、しかし、どうやらプレゼントをもらったのはあなたも同じだったようでは?」

キョン「そんなんじゃねえよ、それよりも古泉」

古泉「なんでしょう?」

キョン「お前、向こうでの記憶があるんだろ? 自分がどこまで向こうの記憶を覚えてるか分かるか?」

古泉「……そう、ですね。所々欠けているのでどこまで、と言われますと……」

古泉「あなたが消えてしまってからの……その先の記憶はないように思われますね」

キョン「……ふーん、そうか」

古泉「なにか、気になることでも?」

キョン「いんや、別に」



435:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/06(日) 23:20:05.74 ID:726xDp220


古泉「……話を蒸し返すようではありますが」

キョン「ん?」

古泉「あなたにとって、あの世界は……未練の残るものではありませんでしたか?」

キョン「…………」

古泉「…………」

キョン「…………へっ」

キョン「古泉、お前もまだまだ俺を理解できていないらしいな」

古泉「と、言いますと?」

キョン「向こうの世界に未練? バカなこと言うな」

キョン「俺はな、こっちの世界に未練を残したから、わざわざ、わざわざ! 帰ってきたんだっての!」

キョン「今の俺が……向こうの佐々木を未練になんてしてられるかよ」

古泉「…………これはこれは」

古泉「僕個人としても、少々嬉しいお言葉を聞けたような気がするのは気のせいでしょうか?」

キョン「え、悪いけど俺ソッチの気は……」ヒキッ

古泉「ご心配なく、僕にもありませんので」

キョン「うそぅ!!?」

古泉「どこに驚いているんですか……」

ハルヒ「はーい! おでんお待ちどうさまー!! ってキョン!! アンタようやく来たわね!!」

キョン「おう、ハルヒ―――ただいま」

ハルヒ「ただいまじゃないわよ! アンタ今の今までどこほっつき歩いてたのよ!! 集合時間聞いてなかったの!!?」

キョン「悪い悪い、ちょっと異世界にだな……」

ハルヒ「何よその言い訳!!!!! そんなのが通じると思ってんの!!? ちょっと後で詳しく聞かせなさい!!!!」

キョン「むちゃくちゃ通じてんじゃねーか、おい」



436:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/06(日) 23:25:04.62 ID:726xDp220


朝倉「あら、キョンくん、おか……いらっしゃい」

キョン「おう、朝倉いらっしゃってるぞー」

朝倉「……呼んでないけどねー」

キョン「ひどい」

ハルヒ「あっ、聞いてよキョン!! 朝倉さんがね、おでんにじゃがいもなんていれるのよ!!?」

朝倉「逆にいれないのが不思議でしょうがないわ!!! おでんに不必要な具なんてありません!!!」

ハルヒ・朝倉「「キョン(くん)はどう思う!!?!?」」

キョン「じゃあ朝比奈さんはどう思いますか!!?!?」

朝比奈「ええっ!!?!?!? ななななんで『じゃあ』なの!!?!? 今私が聞かれてるわけじゃないよね!!?」

キョン「別にじゃがいもが入ってようが、入ってなかろうがおでんはおでんだろー」

朝比奈「(しかしわたしをスルー!!?)」ガーーン!!

朝倉「違うわよキョンくん!! 卵のないオムライス、ネタのないお寿司と同じ!! じゃがいものないおでんはおでんじゃないわ!!」

ハルヒ「それを言うならマヨネーズをかけたラーメン、マヨネーズをかけたチョコレートと同じよ!! じゃがいもありきのおでんなんてなしよ!」

キョン「なんで例えにマヨネーズしかもってこないんだ、アンチマヨネーズかお前は……」

キョン「で、結局このおでんにはじゃがいもが入ってるのか入ってないのか?」

ハルヒ「……こっそり抜いたのがバレてすごい怒られた」ショボーン

朝倉「食べ物を粗末にしちゃいけません」

キョン「もったいないお化けには勝てなかったか……」

古泉「おでんの方もできあがったことですし」

長門「冷める前に食べた方がよい」

朝比奈「な、長門さんめ、目が怖いです……」

キョン「だとよ、団長?」

ハルヒ「……えー、それではこれよりおでん(じゃがいも含む)パーティを始めたいと思います! カンパーイ!!」チンッ!

朝倉「いやだからカッコの中いらないから!!!!! じゃがいもはいるけど!!!!!」



437:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/06(日) 23:30:09.01 ID:726xDp220



ハルヒ「ふむ……なかなか、どうして……じゃがいもありきのおでんも」モグモグ

古泉「いやぁ、大変美味ですねぇ」モグモグ

朝倉「そう? それはよかったわ、それよりも涼宮さんも中々料理上手なのね」

ハルヒ「そりゃあSOS団の団長だし」

朝倉「……答えになってなくない?」

キョン「ところで、クリスマスイブもおでんを食べるのか?」

ハルヒ「バカね、クリスマスイブにおでんなんて食べるわけないでしょ」

朝倉「なんて!!?!? なんてって言ったわよこの人!!!! おでんをなんてって!!!!」ヒイィイィィイ!!

ハルヒ「てぃ、TPOがあるって言いたかっただけよ!!! い、イブにおでんはちょっと和洋折衷というか……」

キョン「まぁ、最近おでんばっかりだったから違うのであればありがたいって思ってたとこだ」

ハルヒ「そうなの? アンタ最近おでんばっかだったの? だったら普通に鍋でもよかったのに」

朝倉「むしろなんで当日する予定のないおでんをつくろうと思ったのよ……」

長門「……」

朝倉「……いや、食べたい人がいたなら尊重すべきとは思うわよ?」

キョン「切り替え早ぇな」

ハルヒ「一応当日は水炊きか中華にしようと思ってるんだけど……朝倉さん何か苦手なものとかある? あ、さすがに鍋にじゃがいもはいれないわよね?」

朝倉「へっ? どうしてあたしの苦手なものとか聞くの?」

ハルヒ「そりゃ苦手なものあったら事前にはぶいてた方が都合がいいじゃない、わざわざ買わなくったって」

朝倉「いや、そうじゃなくって……え、あたしそのパーティに出席するの??」

ハルヒ「え? しないの? もしかして予定とかあった? 彼氏とお泊りデートとか……」

キョン「そんなの許しませんよ!!!」ガタッ!

朝比奈「座ってキョンくん」

朝倉「い、いえないけど……」

ハルヒ「じゃあ出席しない理由がないじゃない!!! 決まりね!!!」

朝倉「え、ええっと……」

ハルヒ「まぁクリスマスに予定がないってのは少し同情するけど」ププー

朝倉「」

キョン「(いや、お前も一緒だろ)」



438:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/06(日) 23:34:51.93 ID:726xDp220


ギャー!! ギャー!!


朝倉「そんなの変な団つくっておでんにじゃがいもいれない人に言われたくないですー!!!!!!!」

ハルヒ「変な眉毛しておでんにじゃがいも入れる人に言われたくないわよ!!!!!」

キョン「意味不明な喧嘩はやめろよ、ったく」

古泉「まぁまぁ、涼宮さんも随分朝倉さんと仲良くなったみたいですし」

朝比奈「あ、あれでですか……?」

長門「喧嘩するほど仲が良い」

キョン「まぁあれは喧嘩にもなってない気がするが……」

古泉「……涼宮さんも随分まるくなったような印象を受けますね」

キョン「……なんだ、お前もそう思ってたのか」

朝比奈「え、キョンくんも古泉くんも?」

古泉「おや、皆さんがそう思うほど分かりやすい変化だったようですね」

キョン「そりゃずっとハルヒを見てる連中の集まりだからな」

古泉「言い方は怪しいですが、その通りですね」

朝比奈「特に、この一年は涼宮さんの心境に大きな変化が見られたと思います」

長門「SOS団の影響が大きいと思われる」

古泉「その中でも、特に、あなたの影響が、ね」

キョン「俺か?」

古泉「あれほど楽しそうに笑う涼宮さんは中学生時代からは考えられませんでしたよ」

キョン「ま、あれがハルヒの素って考えりゃ、なんてことない普通の女子高生ってモンだろ」

ハルヒ「このっ、おでんと一緒に煮込んで宇宙人のエサにしてやるー!!!!!」グググ!!

朝倉「残念でした!!! あたし自身がその宇宙人なのだ!!!! 逆に涼宮さんを明日の晩御飯にしてやるわ!!」グググ!!

キョン「……」

古泉「……あんな物騒な女子高生がいるんですね、というか朝倉さんサラッと正体ばらしてません?」

キョン「……見た目は女子高生でも、心と頭は残念ながら小学生だったみたいだな」



439:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/06(日) 23:38:55.48 ID:726xDp220


ハルヒ「」ゼーハー!!

朝倉「」ハーハァー!!

キョン「息切れするまでやるとか本当の小学生かお前ら」

ハルヒ「くっ……中々やるじゃない朝倉さん」

朝倉「ふっ、涼宮さんこそ……この有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェースにここまで……」

ハルヒ「有機……インターフェース?」

古泉「ネタバレ多すぎですよ朝倉さん!!!」ボソッ!!

長門「あとで注意しておく」

朝比奈「あっ、もうこんな時間」

キョン「ですね、時間も時間だし、そろそろおいとまするか、よっ」パチン!

古泉「おおっ」

朝比奈「おでんが、食器が片付いていく」

朝倉「なんて……便利な!!!!」キラキラ

キョン「そんな欲しい家電を見るような目で俺を見るな」

ハルヒ「お買い得よ!!!」

キョン「買われた覚えはねえぞ、売られた覚えもな」

古泉「では、失礼させてもらいましょうか」

朝比奈「お世話になりましたぁ」

朝倉「ええ、またいらっしゃってください」ニコッ

長門「ここはわたしの家」

朝倉「ハッ!! しまった、つい癖で!」ビクッ!!

ハルヒ「……それじゃ朝倉さん、 ヒ マ なイヴの日、部室で待ってるから、ちゃんとプレゼント用意していらっしゃい?」

朝倉「……ええ、お邪魔させてもらうわ、アンチじゃがいも団のパーティに」

ハルヒ「そんな名前の団じゃないわよ!!」

キョン「そうだ!! 涼宮ハルヒが大いに盛り上がる団! SOM団って名前があるんだぞ!!!!」

ハルヒ・朝倉「「ちょっと違うわよ!!!?!?!?!!??」」ガーーン!!

古泉「それだと涼宮さんが一人で盛り上がってるだけでは……」

キョン「違いねえじゃねえか」

ハルヒ・朝比奈・朝倉「「「ひどい!!!」」」



440:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/06(日) 23:44:22.61 ID:726xDp220


古泉「それでは」

朝比奈「お邪魔しましたぁ」

ハルヒ「じゃ、有希も朝倉さんもまた明日!」

朝倉「ええ、おやすみなさい」

長門「また、明日」

ハルヒ「さー!みんなダッシュで帰ってカ口リー消費よ!!!」

朝比奈「ふ、ふえぇ食べた後でそんなに走れないですよぉ!!」

キョン「やれやれ……じゃあな、長門、朝倉」

朝倉「……ええ、キョンくん」

長門「また、明日……」フリフリ

朝倉「……また、教室で会いましょ?」

キョン「……あぁ、今度はちゃんとツッコんでくれよ?」

朝倉「いやその前にボケないでよ!」

キョン「おぉ、それでこそ朝倉だ」

朝倉「なんか微妙な認識だけど……」

キョン「それじゃあな、おやすみ」

朝倉「ええ、おやすみ……」

キョン「おーい、待てよー! ちょ、エレベータ止めちまうぞ!!!!」ダッ!

ハルヒ「それは迷惑すぎるっっ!!!!!!」ガーーン!!

長門「……」

朝倉「……本当に」




































朝倉「――――――ありがとう、キョンくん」ニコッ



478:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/11(金) 00:38:00.70 ID:mnv5DgsT0


pipipipipipipipipipipi!!!


キョン「……」

キョン妹「……」ザッ!!

キョン「……」スゥ……

キョン妹「……」ユラァ…

キョン「……」シュン!!

キョン妹「……」シュッ!!

キョン「……ッ!!?」グルッ!!

キョン妹「起きてーー!!!!! キョンくーーーーん!!!!!!」ドッシャァアア!!

キョン「いやずっと起きてただろうがぁぁぁあああぁああああああぁぁああああああ!!!! 痛あぁぁああああああ!!!!!」ッグッシャァアア!!

キョン「開幕目覚まし前に起きてたのちゃんと目視確認したよな妹よ!!?」

キョン「今のお前、俺を起こすという大義名分を失って、ただ兄に暴力を振るう鬼畜妹になってるぞおい!!!!!!」

キョン妹「メリークリスマスキョンくん!!! なんかよこして!!!!!!」

キョン「人の話を聞け、そしてそれは俺ではなくサンタさんに頼め、というか今日はまだクリスマスイブだ」ビシッ!

キョン妹「じゃあサンタさんからプレゼントもらって来て!!!!!」

キョン「サンタさんからプレゼントを強奪してこいという子は到底良い子には思えんがな」

キョン妹「だってあたしは悪い女……だもんっ♪」

キョン「…………やれやれ」

キョン妹「話は変わるけど、あたしがサンタさんに欲しいもの、キョンくん分かる―?」

キョン「全然変わってねえよ、まごうことなきさっきと同じ話題だぞ妹よ」

キョン妹「てへっ♪」



479:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/11(金) 00:42:59.28 ID:mnv5DgsT0



登校中


谷口「よっ、キョン」ポンッ

キョン「おぉ、山本」

谷口「……なんでそんなノータイムでかすりもしない他人が出てくるんだ一体」

キョン「で、お前の今日の予定はどうなんだよ」

谷口「学校行くだろ、通知表をもらって凹むだろ、なんだかんだで帰るだろ、テレビ見るだろ、寝る。以上だ」

キョン「おう、素晴らしい一日だな」

谷口「どこが!!?!?!? こんなに寂しい一日他にねえぞ!!?!? 以上っつうか異常だろうが、なぁ!!!!」

キョン「お得意のナンパでもしてくりゃいいじゃねえか」

谷口「あーダメダメ、こんなクリスマスイブなんかに一人でいるような女なんかいねえって」

谷口「どいつもこいつも彼氏彼女持ちでイチャイチャしやがって……クソッ!」

キョン「ふーん、お前も大変なんだな」

谷口「……で、でよキョン? その、なんだ? あー、SOS団の? クリスマスパーティとやらの件なんだが……」

キョン「おぉ? SOS団の極秘情報が山本さんに漏れているとは、緊急事態だなこりゃ」

谷口「お前の口から聞いたんだよ……あと山本でもなければ『さん』をつけるなモミアゲ野郎」

谷口「そうじゃなくってよ、そ、そのパーティとやらに、この谷口を呼ぶって話は……」

キョン「谷口」

谷口「お、おう。な、なんだ?」

キョン「って名前だったのかお前」

谷口「今更!!?!? 俺が言うのもなんだけど、お前何回かはちゃんと俺の名前呼んでるよな!!?!?」ガーーン!!

キョン「あ、パーティとやらの件は定員オーバーでお前の参加はギリ余裕で認められんとのことだ、残念だったな」

谷口「ちっくしょーーーー!!!!!!!!!!!!!! あらゆる意味でぼこぼこにされた気分だよクソ!!!!!」ゴォオオ!!!



480:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/11(金) 00:49:00.09 ID:mnv5DgsT0


教室


ハルヒ「いくわよ?」

キョン「おう」

ハルヒ「せーの……っ!!」
キョン「いよっしゃぁぁあああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
キョン「せーの……っ!!」

ハルヒ「……っあぁ、負けた……まさか数学で取り逃がすなんて……」

キョン「方や俺はパーフェクト、ったく自分の頭脳が怖いぜ」

ハルヒ「なんかあんたさっき互いの通知表見せあう前に喜んでなかった?」

キョン「え? なんの話?」

ハルヒ「……いや、なんでも……」

キョン「ふっふっふ、これでお前の黙秘権は俺のものとなったわけだが……」

ハルヒ「いやそんなもの賭けてないけど!!?!?!? 手に入れたところでどうなるのそれ!!!!」ガーーン!!

キョン「ハルヒ、今日は一旦帰った後、部室に再集合ってことでいいんだよな?」

ハルヒ「そうね、食材の買い出しとかはあたしらでやっとくから、アンタと古泉くんはプレゼントの用意だけしていらっしゃい」

キョン「へいへい」

ハルヒ「……んー」

キョン「ん? どうしたよハルヒ」

ハルヒ「いや、なんか分かんないんだけどね、最近ふいに思うことがあるのよ」

ハルヒ「SOS団には6人目の団員がいた、って……」

キョン「……"幻の6―――」

ハルヒ「いやいや、ホントに!! なんかそんな感じするのよねぇ」

ハルヒ「ずぅっと一緒にいたようで、実際は一度も会ったことがない人……そんな感じ?」

キョン「…………へー」

ハルヒ「んー、ちょっともやもやするけど、まぁよくあることでしょ!! あぁ、早く放課後にならないかしら!!」

ハルヒ「あたしの頭の中ではもう特製鍋プランがグツグツ音を立てて誘惑しているところよ!!!」

キョン「なんて危険な脳内なんだ」



481:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/11(金) 00:53:14.40 ID:mnv5DgsT0


部室


ハルヒ「と、いうわけで今日の団活はここまで!! あとは一旦家に帰ってプレゼント持って再集合!!」

ハルヒ「みくるちゃんと有希はあたしと一緒に鍋の買い出しにいくわよ!!!」

朝比奈「は、はぁい」

長門「……」コクリ

古泉「おや、僕たちはなにもしなくていいんですか?」

ハルヒ「いいわよ!! キョンと古泉くんには余興をやってもらうつもりだから!!!!」

古泉「……え、と……はは」チラッ

キョン「……わぁい、サンタさんが『玩具』をくれたみたいだぁ」ニヤリ

古泉「とてつもなく恐ろしいことを言わないでください、身震いしますよ……」ブルッ

ハルヒ「ふっふっふ、『サンタ捕獲作戦』のカウントダウンはもう始まって……ん、なにこれ?」カサッ!

ハルヒ「入部とど……っっ!!?!?!?」ビクッ!!

キョン「……」

古泉「どうかなさいましたか? 涼宮さん」

ハルヒ「……みんな、この紙に見覚えない?」

朝比奈「? あ、書道部だった時にみた、かも……」

長門「……ない」

古泉「手続きは全て涼宮さんにやっていただきましたから見ていませんね」

ハルヒ「……そう、そうよね」フフッ

キョン「……どうかしたか?」

ハルヒ「……いーや!! ちょっと面白いことがあっただけ!! 全く、七夕とクリスマスが一緒に来た気分だわ!」

古泉・朝比奈「「???」」

ハルヒ「うん、どっかで多分見てるんだわ! ふふっ! だったら見てるだけじゃ我慢できないぐらいのパーティを見せつけてやるんだから!!」

長門「……」

キョン「……やれやれ」フッ




















482:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/11(金) 00:55:10.61 ID:mnv5DgsT0


  入部申請用紙





ミラ・スミス
――――――――――――
朝比奈みくる
――――――――――――
古泉一樹
――――――――――――
長門有希
――――――――――――
涼宮ハルヒ
――――――――――――
キョン
――――――――――――



483:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/11(金) 01:01:17.57 ID:mnv5DgsT0


下校中


ハルヒ「まず、肉でしょ、野菜でしょ、ケーキでしょ、チキンでしょー」

長門「……素晴らしい」

朝比奈「そ、そんないっぱい買うんですかぁ!?」

ハルヒ「大丈夫大丈夫! 朝倉さんが先に現場(戦場)入りしてるから目ぼしいものはキープしてくれてるわよ!」

朝比奈「げ、現場入り……」ゴクリ









古泉「なるほど……涼宮さんが『佐々木』さんをそのように……」

キョン「まぁ、本人は夢やデジャヴとなんら変わらないものと思っているようだがな」

古泉「……涼宮さんが『力』を失っていたとはいえ、あの世界は『力』の『器』である二人が顕現化した世界ですからね」

古泉「僕たちの記憶の残滓も、もしかしたらサンタさんという名の、あなたの親友さんからのものであるかもしれませんね」

キョン「……どうだかな、それはさておき古泉、お前の組織って防弾チョッキぐらい置いてあるよな?」

古泉「は、え? ぼ、防弾チョッキですか? あるとは思いますが……一体何にお使いに?」

キョン「え、だからハルヒのいう宴会の余興だよ、ったくアイツも無茶ぶりするよなぁ」

古泉「……………………」

古泉「一 体 何 に お 使 い に ! ! ! ! ? ! ? ! ? ! ? ! ?」ガーーン!!!!

古泉「防弾チョッキが必要な余興は最早余興とは呼べませんよ!!?!? ただの実験ですよ!!!!!」

キョン「そう言うな、俺はお前の身に何かあってはいけないと思ったからこその提案で―――」

古泉「まず僕の身に何かが起きる可能性の方から排除する方向でお願いします!!!! 聖夜に血を見たくも流したくもないので!!」

キョン「そっか、じゃあ流すのは涙ぐらいにしておくか」

古泉「やめてっ!!!!」



484:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/11(金) 01:06:45.55 ID:mnv5DgsT0


キョン「そんじゃ、行ってきまーす」

キョン妹「おみやげはサンタさんでいいよ!!」

キョン「ドラ○もんでいう四次元ポケ○トを要求しやがったよコイツ……大人しく家で待ってたら考えてやる」

キョン妹「わーーい!!! 大人しくサンタさんへのプレゼントを箇条書きしとくねーっ!!!」

キョン「いや、そういう大人しさじゃないから、むしろありあまる欲望が暴走しちゃってるからなそれ」

キョン妹「行ってらっしゃーい!!!」フリフリ

キョン「ああ、行ってきます」ガチャ





















キョン「あー寒いなちくしょう、地球温暖化ってのは本当に進んでのかね? いや進んでちゃダメなんだが……」

キョン「……クリスマスイブ、ね」

キョン「ま、ハルヒのやつがはしゃぐのも無理はないか」

キョン「…………」

キョン「なんにせよ、無事にこの日に帰ってこられてよかった、ってことだな、うん」

キョン「…………」

キョン「(さて……こんな寒い日にエピローグもモノローグも一人じゃもの寂しいな)」

キョン「(有効期限が本日中だってんなら、まだ間に合うだろう)」

キョン「(なに、クリスマスマジックとでも言い訳すりゃいい、部室までの話し相手を探してるんだ)」

キョン「付き合ってくれるだろ――――――――佐々木」



485:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/11(金) 01:10:31.24 ID:mnv5DgsT0


『くつくつ、メリークリスマスイブ、キョン』

「よう、平日の午後にこんにちは、佐々木」

『クリスマスマジックなんて造語で人を呼んでおいてそれは酷いんじゃないか?』

「冗談だよ、一週間ぶりだな」

『あっと言う間さ、君のいない時間と言うのは一分でも千年でも等しく僕の心を空虚にする』

「なに、一週間ぶりに会おうが一億年ぶりに会おうが、俺たちはずっと変わらんさ」

『……そうだね、いつだって僕たちは親友のままだ』

「それに……お前が言った通り、俺もまたお前と再会するであろうということは感じているよ」

『くつくつ、それが互いの希望を含んだ見解でなければいいけどね?』

「多少以上に含んでいるから俺たちは親友なんだよ、それに……」

『恐らく再会の時間は、すぐ側まで迫ってきている……だね』

「なぜだろうな、そんな気がしてならないんだ」

『まさかクリスマスイブという周りのムードに流されたとかキョンらしくないことを言うつもりかい?』

「言いたかないが、お前との再会を心待ちにしてる分、否定はできないかもな」

『是非とも、その感情は否定せず大事にとっておいてくれたまえ、僕との再会まで』

「おう、忘れちまう前に来いよ、俺は待ってるからよ」

『ああ、待っていてくれ、キョン。必ず、今度はもう一度、僕が君を見つけてみせる』

「隠れもせずに待ってるよ、今の、俺の居場所でな」

『そうかい―――じゃあ』

「ああ―――またな、佐々木」





















キョン「おっかえりー」ガチャ

ハルヒ「遅いわよキョン!!! それに帰ってきた時はおかえりじゃないでしょ!!!」

朝比奈「す、涼宮さんそこツッコむとこじゃ……」

長門「……」モグモグモグモグ

朝倉「ちょ、長門さん、噛んで、噛んで……る? わよね? ていうかフライング……」

古泉「ほ、ほんとうにこの防弾チョッキを……」ブルブル

鶴屋「あっはっはー!! お姉さん期待してるよー? ファイト一樹くん!!!」

ハルヒ「で!! 言うことは!!?!?」

キョン「……ああ――――――ただいま」






                                                   涼宮ハルヒの消失 完



486:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/11(金) 01:13:07.68 ID:mnv5DgsT0

ここまでー! 涼宮ハルヒの消失 完!
続き……は立てたら誘導しますー
補完的な小話でもいいな……
レスどうも! 励みになりました!!
もうすぐ消失シーズン、みんなで見よう消失!



元スレ
ハルヒ「キョン「TUEEEEEEE!!!!!!!」 キョン「消失してるぞ?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1446966133/
このエントリーをはてなブックマークに追加
Clip to Evernote
    • 月間ランキング
    • はてぶ新着
    • アクセスランキング

    SSをツイートする

    SSをはてブする

    コメント一覧

      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月11日 02:01
      • ついにやって来たか!
      • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月11日 02:22
      • やっと来たか!!
      • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月11日 02:49
      • 5 面白かった

        まあ、原作見てもないんだけど……w
      • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月11日 03:29
      • もう佐々木の実登場は分裂まで引っ張るのかと思ったら
      • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月11日 03:29
      • ファミチキでやられた
      • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月11日 03:37
      • あああ佐々木可愛すぎぃ!2人のエピローグ見たい
      • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月11日 03:44
      • 待ってた
      • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月11日 04:51
      • やはり朝倉は突っ込まないとな
      • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月11日 09:34
      • まとめるのはやっ!まだ12時間もたってないぞ
      • 10. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月11日 10:13
      • うーんおもしろかった
        消失みるか
      • 11. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月11日 11:00
      • 消失なんだし長門がヒロインかと思ってたら佐々木がヒロインだったと思ったら朝倉でしたの巻
      • 12. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月11日 11:31
      • 相変わらず素晴らしい
        それはともかくおでんにじゃがいもは必須だろ
      • 13. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月11日 12:27
      • 5
        <ファミチキください
      • 14. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月11日 12:45
      • 5 おでんにじゃがいもは地域限定らしい。因みにウチの地域は絶対入れる
      • 15. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月11日 13:06
      • 朝倉がヒロインって途中まで気付けなかった、相変わらず面白い
      • 16. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月11日 15:06
      • 今までのモヤモヤが晴れたずっと佐々木のこと男だと思ってた女だったんだな
      • 17. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月11日 15:36
      • 生存した朝倉涼子がまさかの世界改変の実行犯で黒幕が情報統合ryとはこの「海のリハクの眼」を持ってしても見抜けなんだわ。 ガビーン!!

        byへっぽこ軍師四天王より
      • 18. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月11日 15:51
      • 5 毎回楽しみだわこのシリーズ

        後輩はよ!
      • 19. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月11日 15:55
      • おお…意外と早く登場したな佐々木
        次作キャラの先だしみたいなカタチではあるけど

        そしてもう殆ど原作とは別エピソードになってきたな…結構続きも楽しみだわ
      • 20. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月11日 16:03
      • 続きはよ
      • 21. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月11日 16:31
      • 5
        消失ってやたら人気あるけど、正直俺は好きじゃない。
        むしろ嫌いまである。
      • 22. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月11日 18:39
      • 佐々木が男と思ってたって……ネタだよな?
      • 23. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月11日 21:31
      • 次はヤスミ登場だね
      • 24. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月11日 22:28
      • (ファミチキください)
      • 25. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月12日 00:36
      • もうそろそろいい潮時だぞ
      • 26. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月12日 01:32
      • ※22
        一人称は僕、下の名前は不明。ここに原作は未読(アニメしか見ていない)、佐々木が恋愛に絡んでいるSSも未読、を加えると、男だと思っちゃっても無理はない。
      • 27. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月12日 07:05
      • おでん食いてぇな
        鍋底大根
      • 28. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月12日 07:26
      • 次も楽しみ
      • 29. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月12日 13:11
      • 4 面白いけど今回はちょっと微妙かな
      • 30. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月12日 22:50
      • ※26
        というか原作でもキョンは、途中まで男女明かさないで古泉と昔の話してた事あったから、※22が勘違いしていても無理はない。
        今でさえ検索すれば出てくるけど、最初がそうだったんだから、読み違える意図と土壌はあった。


        ……何気に佐々木、北高のセーラー服すがたなんだよな? 個人的に振り返れば、ブレザーの佐々木の出てくるSSしか見たこと無かったから、新鮮。
      • 31. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月13日 05:42
      • 佐々木たんが消失世界にいてもハルヒは願望能力使えるのかな?
      • 32. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月14日 02:57
      • 5 せっかくガラケでまったり読んでたのに、>>261からPCになっちまったじゃねーか・・・。
      • 33. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月15日 12:44
      • ハイテンションな佐々木は神原に通じるところがあるな
      • 34. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月15日 17:54
      • 消失待ってたぜ。

        原作の方はもう無理かもしれないから、このSSでハルヒの完結を見たいw
      • 35. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月16日 06:28
      • 今日の夜、消失観てからこれ読もうっと
      • 36. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月16日 19:36
      • 今回の佐々木のセリフで、このストーリーの謎がなんとなく解けたな。
        しかしキョン妹wなんでそうなったw
        長門は色々悩みながらも原作より確実に楽しそう。反対にみくるは原作以上に寿命縮んでそう。
        次回も期待してます。
      • 37. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月27日 04:06
      • 佐々木ぃ…しゅきぃ…
      • 38. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年01月26日 16:00
      • 5 ほんと飽きないわ

        眉毛かわいいよ眉毛
      • 39. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年06月20日 08:53
      • 5 あいかわらず面白いわw何度も笑わせてもらった

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

    カテゴリ別アーカイブ
    月別アーカイブ
    記事検索
    スポンサードリンク
    最新記事
    新着コメント
    LINE読者登録QRコード
    LINE読者登録QRコード
    解析タグ
    ブログパーツ
    ツヴァイ料金
    スポンサードリンク

    • ライブドアブログ

    ページトップへ

    © 2011 エレファント速報:SSまとめブログ. Customize by yoshihira Powered by ライブドアブログ
    多重債務