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ハルヒ「キョンTUEEEEEE!!!!!!」 キョン「暴走するなよ?」

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1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/15(木) 00:18:41.19 ID:7ilQptWy0

『暑い。暑いね、キョン』

『ああ、暑いな』

『この国の夏は中国暦、グレゴリオ暦と文化的影響を受け定義されているらしいね』

『なんの話だ。こんな暑い日に堅苦しい話は話半分にしか聞けんぞ』

『話半分で結構だ。口でも動かしておかないと頭が暑さでやられてしまいそうだ』

『どれ、涼しいところにでも移動するか? ひとっとびだぞ?』

『ズルはいけないな、キョン。この国にいる以上この国の郷に従うべきだ』

『とは言っても、この暑さじゃ何もする気が起きんぞ……』

『夜になれば少しは涼しくなるだろう。それまではひたすら我慢だよ、キョン』

『えぇ……』

『それに、僕は結構夏が好きなんだ』

『農繁期や祭礼、盂蘭盆と、時季の特色がありありと見えているからね』

『そうかい、俺はそれらを打ち消してしまうほどこの暑さが嫌いだけどな』

『行事が多いことは良いことだよ。今日もこの近くで祭りが行われるんだ』

『一緒に行かないかい? キョン』

『えぇ……俺はあまり人の多いところは……それに、お前だってそんな易々と祭りにいける身分じゃ……』

『連れていってほしい。お願いだ、キョン』

『……』

『……ダメかい?』

『……まぁ、祭りの熱気にあてられて、逆に暑さを忘れられることもあるかもな』

『……正直じゃないんだね』クスッ

『連れていってやるんだから感謝しろよ?』

『分かっているさ、ありがとう、キョン』

『あ、でも明日も祭りがあるし、その次は盆花を買いに行ってそれから……』

『……ハァ、夏の暑さにやられたかな、俺もお前も』



5:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/15(木) 00:23:55.43 ID:7ilQptWy0

ミーンミンミンミンミン!!!!!!!!!


『……あ、あたしの誉めるべきところは行動力かしら?』ピッ

『……あ、あたしの誉めるべきところは行動力かしら?』ピッ

『……あ、あたしの誉めるべきところは行動力かしら?』ピッ


キョン「…………」

キョン「あつーい……」ダルーン

ハルヒ「いや今アンタなにやってたのよぉぉおおぉおおおおおおおおお!!!!!!」

キョン「……あまりにも暑いから合宿の時のハルヒの罰ゲームをリピート再生してた」

長門「……」ジィ

ハルヒ「それが暑さとなんの関係があるの!!?!?!? あたしは逆に恥ずかしくて熱くなってきたんだけど!!?!?」

キョン「だったらなんで夏休み真っ最中にわざわざ制服で部室に集合なんだよー」

ハルヒ「言ったでしょ! 今日は重要な夏休みの予定会議を開く日なんだから!!! ねっ、古泉くん」

古泉「はい、僕はそうお聞きしています」

キョン「んなもん喫茶店かどっか涼しいところでやりゃあいいじゃねーか」

ハルヒ「会議はやっぱり本拠地でしないと、情報漏えいしたらどうするのよ!!」

キョン「どうもしねーよ……ああ、もう暑い暑い」

キョン「クーラーつけよ」ピッ

ハルヒ「初めからそうすればいいじゃない……」

ハルヒ「ってクーラーあるのこの部室!!?!?!? 思った以上に快適なのねここ!!!」

キョン「ありあまる巨額の部費の力を舐めるなー」ヒンヤリ

ハルヒ「やるじゃないコンピ研、あー生き返るー」ヒンヤリ

朝比奈「(お、恐らく無断で取り付け工事したのはだ、大丈夫なのかなぁ……)」

古泉「(朝比奈さん、お察しの通り大問題です)」



8:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/15(木) 00:29:22.41 ID:7ilQptWy0

キョン「ほうほう……ふむふむ、へぇー」ペラッペラッ

朝比奈「わぁ、この涼宮さんかわいい」

ハルヒ「それは当然としてこのみくるちゃん、もうすっごくかわいいと思わない!?」

古泉「ええ、とても魅力的かと」

キョン「長門、中々いい写真とるじゃないか」

長門「そう」

朝比奈「あ、でも長門さんカメラマンだったから長門さんの写真が少ないです……」

長門「問題ない」バラッ

ハルヒ「え、何この写真……有希有希、有希……全部有希!?」

長門「朝倉涼子が撮っていたもの」

古泉「専属カメラマンがいたとは……さすがですね」

ハルヒ「……って危ない危ない! 合宿の思い出に浸ってる場合じゃないわ!!」

キョン「もうヒッタヒタだぞ、言うならば肩まで浸かって100は数えてるからな」

ハルヒ「と、に、か、く!! 今日は夏休みの予定を決めに来たんだから! さっそく会議するわよー!」

キョン「はい」シュビッ

ハルヒ「はいキョン!」

キョン「夏はクーラーの効いた部屋でゴロゴロしておくのが―――」

ハルヒ「はい却下!」

キョン「えぇ……」

古泉「あなたにしては珍しい、えらく消極的ですね」

キョン「えーこんなもんだろ、暑いとやる気でねーんだよ、俺は」



11:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/15(木) 00:33:53.14 ID:7ilQptWy0

ハルヒ「……」カキカキ

キョン「おい、ハルヒが一心不乱になにか書き始めたぞ、呪詛か?」

古泉「断じてそのようなものではないかと」

朝比奈「プール……盆踊り……花火大会?」

長門「サンドイッチ……綿あめ……たこ焼き?」

古泉「……なるほど、長門さんにはあの文字がそのように見えている、と」

キョン「自宅待機……自宅待機……自宅待機ぃ!?」キラキラ

古泉「書いてません。あなたの願望が口から出ていっただけです」

キョン「俺には、願望を実現する力がある」

古泉「やめてください。涼宮さんの願望を実現させる方向でお願いします」

ハルヒ「……はいっ! できた!」

朝比奈「『夏休み中にしなきゃダメなこと』……?」

ハルヒ「これはもう決定事項なの! 言わばアカシックレコードに載っている既定事項!!」

キョン「なにっ!? 朝比奈さん、それはマジですか!?」

朝比奈「ななななんでわたしに聞くんですかぁ!!! や、やめてくださぁーい!」ワタワタ

キョン「はは、すいません」

ハルヒ「これはSOS団が実行しなければならない任務とも言えるものよ!!」

キョン「これ全部夏休み中にやるのか?」

ハルヒ「当っ然!! なにか異論でも?」

キョン「……いや、ないけど」

キョン「夏休み中俺は家でゴロゴロしなければならないという使命が―――」

ハルヒ「他になにかしたいことある!? ドンドン増やしていっていいからね!!」

キョン「……夏は夏らしく夏じみたことをすればいいんだ!!!!! つまり、寝る!!!!!!!! 寝るだ!!!!!!」ガォオオオ!!!

古泉「こ、ここ一番で暑苦しい……しかも寝ることは夏じみたことではありません」



13:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/15(木) 00:38:59.30 ID:7ilQptWy0

ハルヒ「みくるちゃん! なんかある!?」

朝比奈「え、ええっと……あ、わたし金魚すくいがいいなぁ」

ハルヒ「はい! 金魚すくい、っと!! 他は!!?」

長門「ベビーカステラ」

ハルヒ「ベビーカステラ、っと!」

古泉「射的、ですね」

ハルヒ「射的、っと!」

キョン「あてもの」

ハルヒ「あてもの、っと!」

ハルヒ「違うわっ!!!!!!」バシッ!!

朝比奈「ひ、ひええ……ノリツッコミ!?」

キョン「なに怒ってんだよ、各々お前が指示した通りやりたいことを言っただけだろ?」

ハルヒ「なんで全部縁日で達成可能なものばっかりなのよ!?!!??」クワッ

キョン「縁日は子供の欲望の塊だ……なにもおかしいことはない」

ハルヒ「まずその言い回しからしておかしいわよ!!! なによ欲望の塊って!!!!」

ハルヒ「夏なんだからもっとあるでしょ!! もっと、こう……あるでしょ!!?」

キョン「お前ももう夏じみたことリストが底つきてんじゃねーか」

ハルヒ「ま、まぁみんながこれでいいって言うならここまでにしといてあげるわ! あ、随時募集はしてるからね!」

長門「リンゴ飴」

ハルヒ「わ、分かったわ、縁日は行くから、絶対行くから!」

キョン「ほら、縁日は子供の欲望の……」

ハルヒ「これは違う!! むしろ大人の事情ってやつよこれはぁ!!!!!」



14:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/15(木) 00:44:34.62 ID:7ilQptWy0

ハルヒ「さあって! 予定も決まったことだし! 今日はこれで解散っ!!」

ハルヒ「明日からバリバリ予定を消化していくわよーっ!!!」

キョン「ああ、分かったから。あ、ハルヒ明日は駅前に10時集合だから遅れるなよ?」

ハルヒ「うん、それあたしのセリフよ! もう、ナチュラルにセリフ盗られて違和感が無くなってきた今日この頃」

キョン「あいつ暑さで頭やられたんですかね? 何言ってんだ?」

朝比奈「さ、さあ……はは」

ハルヒ「あんただけには言われたくない!!! とにかく! 明日遅れないこと!! いいわね! そんじゃ!」バタン!!

キョン「……ふぃー」

キョン「なんか、室内温度がドッと下がった気がするな、うん涼しいやー」ヒンヤリ

古泉「“涼”宮さんがいなくなって“涼”しくなるとは……んふっ」

キョン「お前も暑さでやられたのか?」

古泉「心配なさらず、至って正常です」

キョン「ふぃー……まぁ、なんだ今日も今日とて暑いが」

キョン「さて問題、今日は何回目の今日でしょう?」

古泉「……はい?」

朝比奈「???」

キョン「はい、長門くん、答えて」

長門「今回が4回目に相当する」

キョン「……正解。とまぁ、そういうわけで」

キョン「今、俺達は終わらない夏休みのど真ん中にいまーす、わーい!」

古泉「…………なるほど、そういうことですか」

朝比奈「えっ!? 分かったの!? 今ので!? えっ!?」



15:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/15(木) 00:49:16.58 ID:7ilQptWy0

古泉「つまりは、こういうことでしょう」

古泉「何らか、いや、ここはぼかさず涼宮さんの力によって、時間がループしている」

古泉「終わらない夏休みという発言から考えて、8月31日に時間はリセットされ元に戻る」

古泉「元に戻る日にちは恐らく今日、なぜなら本日涼宮さんが夏休みの予定を立てるという行動をとったから」

古泉「ループ発生の条件と言うのが、夏休みの予定を立てること、そう推理しましたが……違いますか?」

キョン「古泉くん、正解」

古泉「んっふ」

朝比奈「え、え、えっと……でも、わたしそんなこと全然気づきませんでしたよ??」

長門「当然のこと。ループするにあたり記憶はリセットされている」

古泉「そして当然の如く、長門さんとあなたは全てのことを覚えている」

キョン「まぁ、そういうことだ。おかげでいつまでも真夏を味わわなきゃならん」

古泉「ちなみに、ループに気付いたのはいつですか?」

長門「初回のループで気付いた」

キョン「未来予知で知ってた」

古泉「知ってても止めなかった……いえ、止められなかったと解釈しましょうか」

古泉「それで、このことを僕達に打ち明けた時、どのような行動をとったのですか?」

キョン「さあ、打ち明けたの今回のループが初だし、なー長門」

長門「そう」

古泉「え……では2回目3回目のループの時は何を……?」

キョン「ふつーに夏を満喫してた、だって暑いモン」

長門「暑い」

古泉「…………」

キョン「……お、怒るなよ。ちゃ、ちゃんと大丈夫なこと分かってやってるから、な? な?」

古泉「……まったく、ふとしたことから世界崩壊の可能性は生まれるんです。異常に気づいた場合は迅速な報告をお願いします」

キョン「はあーい」ダルーン



16:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/15(木) 00:52:53.81 ID:7ilQptWy0

古泉「それで、今回のループで我々に打ち明けたということは、何か対抗策があるんですか?」

キョン「いんや、まぁ対抗策というか解決策というか」

長門「ループを終わらせる手段は分かっている」

古泉「それは心強い、実行日はいつです?」

キョン「夏休み最終日」

古泉「…………」

キョン「ほ、ほんとだって! もう一回ループしたくてギリギリまでなにもしないとかじゃないから!」

古泉「……信じましょう。なにしろ僕には未だできることがありませんので」

朝比奈「あ、あのぅ……わたしはなにをすれば……」

長門「あなたは過去三回のシークエンスで三回ともプールで下着を紛失している、気をつけるべき」

朝比奈「」

キョン「な、長門? そういうのは朝比奈さんと二人の時でだな……」

長門「そう」

古泉「ところで、涼宮さんはなぜこの夏休みをループさせようとしたのでしょうか?」

キョン「バッカ古泉お前、夏休みが嫌いな学生がいるか! つまりはそういうことだ」

古泉「……そんな理由で?」

キョン「ハルヒにそれ以外の理由がいるのか?」

古泉「……言われてみれば、そう、としか言えませんが……しかし」

キョン「まぁ、あとはこの夏休み中にやり残したことを後悔してループさせてるってのもある」

古泉「ということは、その目星がついているから、ループを終了させることができる、と?」

キョン「ま、そういうことだなー。だからこそ最終日までやることがないわけだ」

朝比奈「な、長門さん。他にわたしが気をつけておくことってあります?」ボソボソ

長門「……古泉一樹に気をつけるべき」ボソッ

朝比奈「なんですかその意味深な発言っ!?!?!?? すごく怖いっ!!!!!!!」ガーーン!!!

古泉「?」



17:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/15(木) 00:56:59.49 ID:7ilQptWy0

翌日


ハルヒ「…………おはよ」

キョン「よう」

朝比奈「おはようございます」

古泉「おはようございます」

長門「……」

ハルヒ「……っはぁ~、我が団は夏休みでも時間に忠実すぎて団長のあたしは感涙にむせび泣きそうだわ」プルプル

キョン「単に一時間半前に来たのに全員いたことが悔しいだけだろ、まぁ一時間半前にいる俺らも俺らだが」

ハルヒ「……気を取り直して」

キョン「言ったよ、気を取り直してって、気を落としてたことバラシちゃったよ」

ハルヒ「さて、みなさん! 本日はなにをする予定か把握してますかー?」

キョン「プールに行くことしか分かりませーん」

ハルヒ「はい、それが全てでーす」

ハルヒ「と、いうわけで本日はプールに行くわよ!!! 市民プール!!!」

朝比奈「プール……うん、大丈夫」

長門「……ちなみに、3回目のループでは予備の下着を持ってきていたのにも関わらずそれさえも紛失していた」ボソッ

朝比奈「それもう盗まれてますよね!!?!? 悪意を持って盗まれてますよそれ!!! うわぁあああああん!!!!」

ハルヒ「!!? みくるちゃん!? きゅ、急に泣き出してどうしたの!? 宇宙人に襲われたの!?」キョロキョロ

キョン「なにワクワクして周り見渡してんだ、いねぇよ宇宙人なんか(いや、目の前にいるけど)」

朝比奈「スン……スン、だ、大丈夫です。プ、プール楽しみだなぁ」

ハルヒ「そ、そう? ならいいんだけど……キョン!!」

キョン「なんだ?」

ハルヒ「市民プールまでひとっとびお願い!」ドーーン!!!

キョン「なんだ急に厚かましい」

ハルヒ「あたしたちの仲でしょ? ねーねー、キョーン―!!!」ベタベタ

キョン「あーあー、暑いのにベタベタするな、分かった分かったから!」

ハルヒ「やった!」

キョン「学校のプールでいいんだろ!?」

ハルヒ「いいわけあるかっ!」ゲシッ



18:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/15(木) 01:01:22.70 ID:7ilQptWy0

市民プール


ハルヒ「着いたっ!」

古泉「一瞬でしたね、さすがです」

キョン「タクシー扱いしやがって、ったく」

ハルヒ「あら、古泉くん可愛らしいバッグ持ってるのね」

キョン「なんだ、女受けを気にしたものなのか?」

古泉「い、いえ……これは通販で―――」

朝比奈「……」ゴソゴソ

長門「ある?」

朝比奈「ふぇ!? だ、大丈夫です、あ、あります。まだ……」

長門「そう」

ハルヒ「それじゃあ着替えてプールの前集合ね!!!」

キョン「おう! 明日の15時だったよな??」

ハルヒ「今市民プールにいるのに明日また市民プールに時間変えて集合するわけあるかっ!!! 15分後よ!! 15分後ォ!!!」ギャーギャー

キョン「ギャーギャーうるせーやつだ」ハァ

古泉「喜ばれているのでしょう、みんなでプールに来たことに」

キョン「こんな人がごった返している市民プールと言うよりは庶民プールと言うべきところでもか?」

古泉「でも、です」

キョン「はー……そうかい」

キョン「…………んー」

キョン「帰ろっかな」

古泉「ダメです。それじゃあ本当のタクシーと変わりません」

キョン「もう夏の間は俺SOS団専属タクシーでいいよ……ピュピュッと行ってポイッだろ?」

古泉「最後捨ててるじゃないですか……みんなで楽しみに来たんです、帰るなんて言語道断ですよ」

キョン「はぁー……まぁ、朝比奈さんの水着に免じてここは残っておくか」

古泉「それがよろしいかと」



19:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/15(木) 01:05:29.86 ID:7ilQptWy0

ハルヒ「お待たせっ!」ジャーン

朝比奈「お、お待たせしましたぁ」ジャーン

長門「……」ジャーン

古泉「おお、三人とも大変麗しいですよ」

ハルヒ「ふふーん! でしょでしょ! みんなの水着ぜーんぶあたしが選んだのよ!」


『……あ、あたしの誉めるべきところは行動力かしら?』ピッ


ハルヒ「なんで今再生した!?!?? なんで今あたしの行動力誉めた!!?」

キョン「いや、ここしかないな、って思って……」

キョン「まぁ、似合ってるじゃないか」

ハルヒ「ぐっ……」

キョン「朝比奈さんの水着」

ハルヒ「……うん」

キョン「……を、選んだハルヒの彗眼はさすがだな」

ハルヒ「うん!」パァアアァアア

古泉「(……夏だからでしょうか、お熱いですねぇ)」

キョン「(そんなに暑いなら冷えてこい)」ゲシッ

古泉「え」


ドッシャーーン!!


古泉「プハッ!! な、なにを!?」

ハルヒ「あ、ダメよ古泉くん!! 団長を差し置いて一番プールに入るなんて!!」

キョン「なんで一番風呂みたいに言ったんだ?」

朝比奈「……」ソワソワ

長門「……大丈夫、今確認したところまだカバンの中にある」

朝比奈「ひえっ!? あ、ありがとうございます……」

キョン「……」チャプ…

キョン「ひょーーーっ!!!! 冷ってぇ!!!! プール最高わっほーい!!!」ザッブーン!!!

ハルヒ・古泉「「小学生並のテンションの上がり方っっっ!!!!!!!」」ガーーン!!!!



20:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/15(木) 01:10:17.69 ID:7ilQptWy0

古泉「……」

ハルヒ「キャーーッ!!! やっぱプールってテンションあがるわねーっ!!!」

長門「……」バチャチャチャチャ!!!

朝比奈「な、長門さん早い……」

キョン「いやープールさいっこう!!」フワフワ

朝比奈「キョンくんは着水してないよぅ……」

古泉「(……確かに、言われてみればですが、この光景を僕は依然見た覚えがある)」

古泉「(デジャブと片づけてしまいそうになるこの現象は、過去のループによるものというわけですか……)」

朝比奈「ふぃー……ちょっとつかれちゃいましたぁ」

古泉「おや、休憩なさいますか? では、手を」スッ

朝比奈「あっ、ありがとう古泉くん」スッ

古泉「(んっ?……この光景にも見覚えが……この後なにかとんでもないことが)」ドンッ!!

長門「あ、すまない」

古泉「ちょ、落ち」

朝比奈「へっ? あっ、やっ―――!!」


ザッパーーン!!!!


キョン「なんというダイナミック入水」

古泉「い、いたた……朝比奈さん大丈―――」フニ

古泉「……ふに?」

朝比奈「~~~~~~//////!!?!?!!?? 古泉くん!! は、離れてぇ!!!!」

古泉「こ、わっ、こ、これは失礼を!! じ、事故です! これは事故で―――」

朝比奈「だ、大丈夫、大丈夫です! わ、分かってますから……グスン」

古泉「あ、朝比奈さん……」オロオロ

キョン・ハルヒ「「こーいーずーみー(くーん)??」」ゴゴゴ

古泉「」



22:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/15(木) 01:14:55.68 ID:7ilQptWy0

キョン「なんとうらやまけしからんやつだ!」プンプン

ハルヒ「は?」

キョン「いえ、なんでも……」

ハルヒ「いーい古泉くん? いくら副団長と言えど、いくらみくるちゃんがかわいいと言っても場を慎みなさい!」

古泉「は、はひ」ボロッ

朝比奈「わ、わたしは気にしてませんから! 本当に……」

長門「わたしは言った、古泉一樹に気をつけるべき、と」

古泉「だったら僕に長門さんに気をつけるべきと一言欲しかったですね……」

長門「迂闊」

古泉「……」

ハルヒ「古泉くんだからこの程度で済んだのであって、キョン! あんたなら明日の日の出は見えないと思いなさい!!」

キョン「どっちにしろ日の出の時間なら布団でぐっすりだよ」

朝比奈「あ、あのぅ……わたしサンドイッチ作ってきたので」

長門「そう、食べるべき」モグモグ

ハルヒ・キョン「「もう食べてるし!!」」ガーン!!!

朝比奈「あ、お茶用意しますね。たくさんあるからどんどん食べてください」

ハルヒ「聖女よ……キョン、あたしには聖女に見えるわ」

キョン「まだまだだな、俺には女神そのものに見えるぞ」

朝比奈「長門さん、いっぱい食べると思ったからつくりすぎちゃったかも」

長門「問題ない、残った分はタッパーで持って帰る」スッ

ハルヒ「なんて庶民派っ!!!!!!」ガーン!!

古泉「(過去のシークエンスで学んだ情報なのでしょうか……)」

朝比奈「うふふ、お残しは許しませんよー?」

長門「……」ポロッ

朝比奈「じょ、冗談です!! ちゃ、ちゃんと持って帰る用にしてもらっても大丈夫ですからぁ!!」ワタワタ

朝比奈「そ、そんなショックうけないでぇ!!!!」

キョン「(微笑ましい)」



23:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/15(木) 01:19:10.61 ID:7ilQptWy0

ハルヒ「はー遊んだ遊んだ! もう満足!! もうプールには二度といかなくていいぐらい!!」

キョン「なんでそんな不満アリアリみたいな感想がでてくるんだよ」

ハルヒ「それぐらい満足したってことよ!! そんじゃ、着替えて前に集合ね!」

キョン「タクシー呼んどこうか?」

ハルヒ「いいわ、無料のタクシー知ってるし」

キョン「あ、そう……」

朝比奈「……」ソワソワ

長門「……大丈夫、今回のシークエンスでは下着を盗まれるような事態には陥らなかった」

朝比奈「! よ、よかったぁ……」ホッ

長門「代わりに服を盗まれている」

朝比奈「」

長門「……ジョーク」

朝比奈「」

長門「……朝比奈みくる?」

ハルヒ「さっ! 二人共着替えに行きましょ!! ん、みくるちゃん? みくるちゃーん!!?!?」

長門「原因は不明、白目を向いて気絶している」

ハルヒ「みくるちゃーん!!! プールから上がってから水死体になるタイムラグはやめてーっ!!!!!!」ユッサユサ

キョン「……古泉が胸揉むから」ボソッ

古泉「…………」ズーン

キョン「……冗談だから、そんなマジで落ち込むなよ」

古泉「はい、承知しています……」

キョン「……鼻の下伸びてるぞ?」

古泉「……承知しています」

キョン「承知してちゃダメだろ!!?!?」ガーーン!!!!



25:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/15(木) 01:26:16.52 ID:7ilQptWy0

古泉「……ところで、教えていただけませんか?」

キョン「何を? 朝比奈さんの柔らかさを俺は教えてほしいんだが??」

古泉「……涼宮さんが夏休みにやり残したこと、つまりはループの原因です」

キョン「無視かよ……原因ねぇ……ま、言った通り最終日まで待てば分かる」

古泉「教えてもらうことは無理みたいですね……ならば、僕なりに推理でもしておきましょうか」

キョン「それは自由だが、答え合わせに参加するつもりはないぞ」

古泉「それは残念」

キョン「はーぁ、予定消化の一日目からこんなに疲れるとはな……先が思いやられる」

古泉「一番はしゃいでたといっても過言ではないように見えますが?」

キョン「プールは人格をも変えるのさ……」

古泉「左様ですか……」

キョン「ところで古泉、過去のシークエンスで朝比奈さんは下着を盗まれるという事件に遭っていた」

古泉「それはそれは……大変なことですね」

キョン「ああ、で、その事件、というか最終的には事故に落ち着くんだが……」

古泉「事故?」

キョン「あぁ、古泉……気づかなかったか? お前のバッグと朝比奈さんのバッグ、色違いのお揃いなんだ」

古泉「なんと! そうでしたか……言いました通り、これは通は…………事故? 下着?」

キョン「察したか、その通り。何らかの事故により、お前と朝比奈さんのバッグか入れ替わるという事態が発生し」

キョン「朝比奈さんは下着を盗まれた上、男性用の下着に入れ替わっているという罰ゲームを受けた状態となってしまった」

古泉「……」バッ!!!!

キョン「幸い、今回のループじゃそんなことは起きなかった……ループは全く同じことが起きる、というわけではないということだ」

古泉「ホッとしましたよ……言わば、バタフライエフェクト、ですね?」

キョン「まぁ、そんなとこだ。些細な行動がループの未来を大きく変える」

キョン「そして、その些細なことでループを終わらせることができる、ってこった」

古泉「……なるほど」

キョン「……で、さっきからお前の右手に持ってる下着は誰のなんだ??」

古泉「ッ!!!?!?!?」ビクッ!!

キョン「あ、おーれーのーじゃねえか、かーえーせーよー!!」ケラケラ

古泉「…………ッ」ポイッ ジャーー!!

キョン「ああっ!! 流さないで!! 俺のパンツを流さないで!! ノーパン瞬間移動になっちゃうぅうううう!!!!」

古泉「……今年も、暑いですね」シンミリ



43:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/15(木) 23:18:29.30 ID:j8Nk2aOj0

prrrrr


キョン・キョン妹「「キョンくんでんわ~」」

キョン・キョン妹「「あっ! またわたしの真似したー!!」」

キョン・キョン妹「「もー! やめてよー!!」」キャッキャ!!


prrrrr!!


キョン「と、そんなことしている場合じゃなかった。心なしかコール音が怒気を帯びて聞こえる」ガチャ

キョン「もしもし」

ハルヒ「あ、キョ―――」

キョン「あ、ハルヒ、古泉が今夜開催される盆踊り会場を見つけたらしい」

キョン「縁日も出てて金魚すくいやベビーカステラもある、あ、それとハルヒたちは浴衣を買う時間がいるから」

キョン「少し早めに、昼ぐらいに集合するとしようか? オーケーハルヒ?」

ハルヒ「…………オーケーよ!!! バカキョン!!!!」

キョン・ハルヒ「「精々浴衣姿を絶賛する誉め言葉でも用意しときなさい!!!」」

ハルヒ「……もー!!」ガチャン!!

キョン「……暑いな」

キョン「おう、ハルヒからだぞ」

キョン妹「キョンくん、電話いつもの団長さ……また先に答え出た!!!」

キョン「あー……暑いと口の自制が効かねえ……」

キョン「浴衣買いに行くって言ってたな。いや、言ったの俺か……面倒くさいな」

キョン「……買いに行くの面倒だから」

キョン「浴衣作って持っていこう! そうだ、そうしよう! なんて名案なんだ!!」ピーーン!!

キョン妹「アハハ! 閃いてるー! キョンくんひらめきさんだー!」



44:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/15(木) 23:24:47.57 ID:j8Nk2aOj0

駅前


ハルヒ「…………」

朝比奈「…………」

長門「……感謝する」

ハルヒ「ハッ!! ほ、呆けてた……」

朝比奈「ハッ!! きょ、キョンくんありがとう!」

キョン「いえいえなんのなんのこれぐらい」

ハルヒ「……ていうかありえなくない!?!? 電話したの九時で今集合一時間半前の十時半よ!!?!?」

ハルヒ「集合してるみんなもおかしいけど、その短時間で浴衣仕立てるあんた何者よぉおおおおおお!!?!?!?」

ハルヒ「てかまずなんで浴衣仕立てれるのよ!!?!? 一介の男子高校生が!!!!!」

キョン「いや、悪いとは思ったよ。でも、人ごみの中浴衣を買いに行くのは気が引けて……」

ハルヒ「浴衣仕立てる方が100倍面倒くさいと思うけど!!?!?!?」

キョン「大丈夫、ミシン用意するのも面倒だったから手縫いだ!」

ハルヒ「難易度と所要時間増やしてかえって面倒になっちゃってるけど!!?!? 色々非効率的すぎるわよあんた!!!!」

キョン「なーんだよ……せっかくつくったのに……浴衣は妹のサイズにでも調整するか」スッ

ハルヒ「……」バッ!

キョン「……なぜ返さない?」

ハルヒ「返すなんて言ってないし」

キョン「いらないんだろ?」

ハルヒ「それも言ってない!!」

キョン「なーんだよ」

ハルヒ「なんでもない!! せ、せっかくつくったものを無駄にするのはエコ団体の団長として許せないだけよ」ツーン!

キョン「いつからエコ団体に……無駄にしねえって、妹用にちゃんと再利用するから」

ハルヒ「だーめ! あたしはもう今日これを着る気分でしかないから!」

キョン「なんなんだよ……わがままだなぁ……今に始まったことじゃないが」

朝比奈「…………」キラキラ ホワホワ

長門「……朝比奈みくるが夢の世界に旅立った」

古泉「ぅ朝比奈さぁーーーん!!!!!!!」



45:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/15(木) 23:30:09.51 ID:j8Nk2aOj0

ハルヒ「……みくるちゃんも有希も似合いすぎて鳥肌立ちそう」

朝比奈「ふふっ、涼宮さんもすっごく似合ってますよぉ」

長門「同意」

ハルヒ「なんでみんなサイズピッタリなのかはこの際水に流してあげましょう……ホントにクオリティ高いわねこの浴衣」

長門「資産価値をつけるなら……」ゴニョゴニョ

ハルヒ「……!!?!?!?」チャキーン!

朝比奈「す、涼宮さん目が\に……」

長門「生地が金襴織物であり、帯の染めも―――」

ハルヒ「ゆ、有希ストップストップ……これ以上あたしの歩をオークションへと向かわせないで」プルプル

朝比奈「涼宮さん。携帯電話からオークション画面を開かないでください」パタン

ハルヒ「くぅ……これが夏の誘惑……」

長門・朝比奈「「違(う)います」」

キョン「おっ、着替え終わったのか」

古泉「おおっ、大変お似合いですお三方とも。全く、常套句しかでてこない自分の語彙力が残念です」

朝比奈「ふふっ、キョンくんが素敵なゆかたを作ってくれたからですよ」

キョン「なに、元来の朝比奈さんの美しさがそれを引き出しているんですよ」

古泉「長門さんも、長門さんの持つ雰囲気と浴衣の色が良い雰囲気を出していますね」

キョン「着てみるもんだろ? 似合ってるじゃないか長門」

長門「……そう」

ハルヒ「…………」

キョン「……んー、似合ってるな。うん、俺の目に狂いはなかった、だろ古泉?」

古泉「ええ、とてもよくお似合いで。さながらそれが正装とも思わせる着こなしぶりですね」

ハルヒ「…………ありがと」

キョン「おう、ちゃんと絶賛する言葉を用意しといてよかったぜ」ヘヘラ

ハルヒ「……ばか、そっちじゃなくて」

ハルヒ「この浴衣の……お礼言ってなかった、から……ありがと、って」

ハルヒ「なっ、なんども言わせるな!! バカキョン!!!!」

キョン「礼を言われて怒られた……理不尽な」

朝比奈「……わぁ」

長門「朝比奈みくる」

朝比奈「わわわっ!! ひゃい! だっ、大丈夫大丈夫ですから!! 自分の世界に入り込んでませんからぁ!!!」



46:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/15(木) 23:37:11.58 ID:j8Nk2aOj0

キョン「ほい、できあがりです」

朝比奈「わあぁ! ありがとうキョンくん、すごくかわいい!」

ハルヒ「……キョン、あたしにもやってもらえるかしら??」

ハルヒ「まえみたく、デカ盛りみたいにしたら許さないんだから!」

キョン「へーへー」シュルルルルルルルッ!!

ハルヒ「既に効果音がおかしいと思うのは気のせいかしら!!?!?」

キョン「気のせい気のせい」シュルルルルル

古泉「おや、長門さんは結ってもらわないのですか?」

長門「いい」

古泉「それはまたどうして」

長門「……過去のループのシークエンスで、短いわたしの髪も結おうとした彼は、気合のあまり」

長門「わたしの髪の焼く60%を引きちぎる事故を起こした」

古泉「」

長門「……ジョーク」

古泉「し、心臓に悪いジョークはやめて下さい!!」ドキドキ

長門「わたしの髪は短いから結う必要がない」

古泉「そうでしょうか? 短いからという理由で結わないのは少しもったいない気がしますが」

長門「……そう?」

古泉「ええ、長門さんほど魅力的な女性ならなおさらね」

キョン「ほいっ、完成っ!!」

ハルヒ「ええっ!!? あの効果音が嘘のようにきれいに仕上がってる!!?」

古泉「ちょうど涼宮さんも結い終わったことですし、彼にお願いしてみてはどうでしょう?」

長門「……」コクリ

長門「……」チョイチョイ

キョン「ん? どうした長門?」

長門「わたしの髪も結って欲しい」

キョン「おう、いいぞ」

長門「と、古泉一樹に頼まれた」

キョン「ほん????」

古泉「や、ややこしくなる発言はやめてください!」



47:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/15(木) 23:42:58.98 ID:j8Nk2aOj0

ハルヒ「うっひゃあ! 人、人、人!! よくもまぁ市営の盆踊りなんかにこんなに多くの人が集まるわねー!」

キョン「お前もその人混みを形成する一部だ」

朝比奈「へぇー……これがお祭り……へぇ」

古泉「(やはり……この盆踊り会場にもデジャブを感じますね)」

古泉「(……確か、この後彼が……)」

キョン「なぁ、盆踊りとかき氷の発音って……似てないか?」キリッ

ハルヒ「似てないわよ」

古泉「(……なぜ、こんな取り止めのない一言を覚えているのでしょう……彼の仕業でしょうか?)」

長門「かき氷、食べたい」

キョン「じゃ買いに行くか」

ハルヒ「キョン!! かき氷早食い対決ね!! 負けた方がりんご飴奢りね!!!」

キョン・長門「「ノった」」ドーーン!!!!

ハルヒ「有希も!!?」

キョン「にしても、俺達に勝負をしかけるとは……破産願望があるらしい、なぁ長門?」

長門「賃金の貯蓄は十分?」

ハルヒ「なっ! そこまで勝つ前提だと負かした後さいっこうに気持ちイイってモンよ!! かかってきなさい!!」

古泉「僕たちは普通にかき氷を味わいましょうか」

朝比奈「そ、そうですね……あれ?古泉くん」

古泉「なんでしょう?」

朝比奈「カレー味がないですよ??」

古泉「…………」

古泉「ないですよ!!?!? かき氷ですよ!!?!?」ガーーン!!!!

朝比奈「ええっ!!? かき氷ですよね!!? カレー味がないかき氷屋さんなんてあるんですか!?」

古泉「むしろあるかき氷屋さんを知りたいんですが……いえ、未来ではそういうことになっている、ということでしょう……」

朝比奈「……豚汁味もない」ズーン!!

古泉「(……何故、未来人は氷と熱いものを合せようと考えたのか……甚だ疑問ですね)」



48:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/15(木) 23:49:27.80 ID:j8Nk2aOj0

キョン「うまいなー長門」ペロペロ

長門「勝利の味」ガジガジ

ハルヒ「~~~っ!!!!」キーン! キーン!!

長門「アイスクリーム頭痛には気をつけるべき、最悪の場合死に至る」ペロリ

ハルヒ「!!?!?!?」ズキズキ

古泉・朝比奈「「追い打ちが酷いっ!!!!!!」ガーーン!!!

キョン「お、盆踊りが始まったみたいだぞ?」

古泉「子供の頃はよく踊ったものですね。年を重ねるにつれて疎遠になっていきましたが」

朝比奈「へー、わぁ」

長門「……」

キョン「朝比奈さんも長門も盆踊りが珍しいみたいだな」

長門「…………たこせん?」

古泉「……その奥の屋台を見ていたようですね」

キョン「まさに花より団子系文学女子ここに極まれり」

ハルヒ「……盆踊りかぁ」

キョン「お、復活したか」

ハルヒ「……」

キョン「一丁、SOS団総員で盆踊っちゃいましょ!! とかはなしだからな?」

ハルヒ「一丁、SOS団そ……なしかー、残念」

古泉「(ファインプレーです)」グッ

キョン「(あたぼーよ、この年になって盆踊りなんてなんの羞恥プレイだ)」グッ



49:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/15(木) 23:57:01.24 ID:j8Nk2aOj0

キョン「なぁハルヒ、縁日のあてもの屋にあたりって本当にあると思うか?」ジー

ハルヒ「どうかしらね、昔はよく詐欺まがいのあてもの屋があったみたいだけど、今は厳しいからね」ジー

キョン「例え頭で分かっていたとしても、あてもの屋には小遣いを投資したくなる魅力はあるよな」ジー

ハルヒ「癪だけど、前面に同意してあげるわ」ジー

キョン「……んー」スッ

ハルヒ「……えー」スッ

キョン・ハルヒ「「これだっ!!!!」」バッ!!











古泉「で、収穫はそれ、ですか」

キョン「いいじゃねえか、今年の流行アイテム間違いなしだぜ?」

古泉「お面が、ですか」

ハルヒ「あたしのなんて魔法が使えちゃうもんね!」ギャラララリィーン!!! パラッパッパッパー!!

古泉「対象年齢、6歳と明記してありますが……」

キョン・ハルヒ「「……」」

キョン「長門、この面やるよ」

長門「……そう」

ハルヒ「みくるちゃん、このマジカルステッキ、SOS団マスコットであるあなたに進呈するわ」

朝比奈「わあぁ!! いいんですか! こんな素敵なもの!」ギャルルルーン!!! テーレッテレー!!

キョン「古泉、このように持つものによってはモノの価値なんてコロコロ変わるもんさ」

古泉「……まぁ、長門さんと朝比奈さんがよろしければ問題ないのですが」



50:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/16(金) 00:03:43.57 ID:ToWU7qOh0

ハルヒ「花火!! しましょ!! せっかく浴衣きてるんだし、まとめてやっちゃいましょ!!」

キョン「おう、ちょうど花火もどっさりあるしな」ドッサリ

古泉「おや、いつの間にそんな量の花火を?」

長門「射的、彼と私で全ての商品をさらった」

古泉「……屋台の方にはご愁傷さまです、としか……」

ハルヒ「しゃーーっ!! ドラゴン花火ー!!」バシャシャシャシャー!

朝比奈「へー、花火ってこんな小さいものもあるんですね」

古泉「おや、未来では手持ち花火は普及していないのですか?」

朝比奈「うん、打ち上げ花火もわたしは聞いたことあるだけでみたことないなぁ」

キョン「なんと、それはいけません。打ち上げ花火、咲かせて見せよう、夜空の星と」

キョン「麗し先輩のためならば、この身を捧げて、大輪咲かす。 古泉一樹」

古泉「えっ」

長門「打ち上げ準備完了」ジュッ

古泉「ちょ」

キョン「さ、縛って縛って……さぁ、でっかい花咲かせて来い!古泉!」

古泉「ちょ、縛っ、縛るって何に!!?!? これ、何がどうなって―――!!?」

朝比奈「へー! 花火ってそうやってやるものなんですね! 楽しみだなぁ」

古泉「違います違います!! こんな人間花火聞いたことありません!!! 危険ですから!!」ジタバタ

キョン「じたばたするな、ここで爆発したらどうする」

古泉「ここで爆発しなくてもまずっっ―――うおっっ!!!」ピシューッ!!

ハルヒ「あら、打ち上げ花火もあったの?」

キョン「ああ、即席だけどな」

朝比奈「うわぁーたかーい」

長門「……」

古泉「が――――――まっ―――!!!」





ドーーーーーーーーーン!!!!!!





キョン・ハルヒ「「たーまや!!!」」



51:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/16(金) 00:08:59.19 ID:ToWU7qOh0

古泉「ゼェ……ゼェ……」

朝比奈「古泉くん! もうすっごく綺麗で感動しちゃいました!!!」

古泉「ゼェ……ハァ……そ、それは、何よりです」ニコッ・・・

キョン「古泉! やったな! 夜空に大輪の花が咲いたぞ!」

古泉「少し……黙っていてください」

キョン「ひどい」

古泉「こっちのセリフです!」

キョン「ちゃんと起爆前に助けたからいいじゃねえか、貴重な体験だろ」

古泉「あたりまえです!! あのまま助けなければ大輪の花どころか血の雨が降る所でしたよ!!!!!!」

長門「落ち着いて」

古泉「長門さんも! 彼のイタズラじみたことに無理に付き合うことはありません!!」

長門「無理にではない。積極的に付き合っている」

古泉「なおさらダメです!! そんなとこに積極性を見出してはいけません!!!」

キョン「古泉! それは長門が人間らしくなることがダメだt」

古泉「あなたは少し黙っていてください」

キョン「はい」

ハルヒ「古泉くん、すっごい怒ってるわねー……」

朝比奈「? なんで古泉くんは怒ってるんですか?」

ハルヒ「そりゃあんな命がけのことやらされたらねえ」

朝比奈「へぇー……」

朝比奈「(打ち上げ花火って命がけなんだ……大変だなぁ)」

ハルヒ「んーでもやっぱり打ち上げ花火は1万発くらいの派手なやつがみたいわねー!」

朝比奈「一万人の命が!!?!? そんな危険なことやるんですか!!?!? 一万人!!?!?!?」ガーーン!!!!!!



52:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/16(金) 00:15:34.17 ID:ToWU7qOh0

ハルヒ「はーっ……今日も楽しかったわね!! やっぱ夏はこうじゃなくちゃ!」

キョン「最近遊びまくってる癖によく疲れないな」

ハルヒ「知らないの? 人間の体って夏休み中は不眠不休で動けるのよ?」

キョン「そんな人体の不思議はいらん」

朝比奈「ふわぁ……あ、帰って課題進めないと」

古泉「そう言えば、僕も手が止まったままですね」

ハルヒ「なに? みくるちゃんも古泉くんも夏休みの宿題終わってないの!?」

キョン「……お前は終わっているのか?」

ハルヒ「あんなもの7月中に終わらせたわよ、じゃないと後顧の憂いなく夏を満喫できないじゃない!!」

キョン「あれはな、ハルヒ。先生方が夏休み中に学生の学力が低下しない様、毎日学習するために作った、ありがたーい―――」

ハルヒ「アンタはやってんの?」

キョン「でんでんやってまてん」ビローーン!!!

ハルヒ「バカ!!」ゴツン!!

キョン「痛っ……こんな暑い中宿題やる脳のメモリーは蒸発しちまってるよ」

ハルヒ「いーい? 来年の夏からは宿題は7月中に終わらせるようにするのよ? そして8月丸々遊び倒すのよ!!」

ハルヒ「で、明日は昆虫採集とバッティング……その他諸々消化していくからねー!!」

キョン「前後の文になんら繋がりがねえ」

ハルヒ「そんじゃ解散!!! あ、虫かごと虫網は持参してくるのよーっ!!!」

キョン「高校生にもなってそんなモン持ち合わせているやつがいるとは思えん」

古泉「僕は持っていますよ?」

長門「わたしも」

朝比奈「あ、わたしも置いてあります」

キョン「……なんだこの虫取り少年少女団は」



53:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/16(金) 00:20:37.41 ID:ToWU7qOh0

朝比奈「……あの、キョンくん」

キョン「ええ、言いたいことは分かっています。未来との通信のことですね」

朝比奈「はい……キョンくんの思ってる通り、未来と通信ができなくなっています」

古泉「それは8月31日以降の未来が存在しないから、ということなのでしょう」

キョン「そういうことなんです。恐らくループを解消しない限りは未来との交信は不可能でしょう」

朝比奈「そう……ですよね」

長門「……心配ない」

長門「すでにループを終わらせる手段は分かっている」

長門「あとはその日がくるまで夏休みを謳歌すればよい」

古泉「その日……つまりは8月31日、ですか」

キョン「ま、正確には8月31日からループしてるから30日に仕掛る、ってことだな」

古泉「……その手段というものがループを終わらせる可能性は?」

キョン・長門「「100%」」

古泉「……それは、頼もしい」

キョン「絶対に限りなく近い。俺と長門がそう言ってるんだ、説得力は世界一あると言っても過言じゃあない」

朝比奈「うん……そうよね、ここでわたしがう狼狽えてる場合じゃないですよね」

長門「その意気」

朝比奈「な、長門さん。励ましてくれてありがとう」

長門「いい」

キョン「……よーし、古泉! 景気づけに一発打ち上っとくか!!!」

古泉「はいっ!!!」

古泉「ってなるわけないでしょう!!!!!」

朝比奈「の、ノリツッコミ……」

長門「ユニーク」



78:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/16(金) 21:08:42.76 ID:OMoxuE2U0

キョン「……なーんつうか、まぁ」

キョン「夏……だなぁ」

古泉「満天の星空をみながら詩でもお詠みになりますか?」

キョン「詩も短歌もよみゃしねえよ」

ハルヒ「んー……ちょっとキョン!! 火星見ても火星人が見当たらないんだけど!!」

キョン「火星人ならつい先日金星に引っ越したってメールきたぞ」

ハルヒ「金星に!!?!? それ火星人じゃなくて金星人じゃないの!!?!? ていうかメール文化が存在したの火星!!?!?」ガーーン!!

長門「高度な知的生命体には言語以外の共通のコミュニケーション手段が存在する」

朝比奈「は、はぁ……」

ハルヒ「あーもう! 流れ星の一つも流れやしないわね!! キョン! ちょっくら宇宙行って流れ星とっ捕まえてきなさい!!」

キョン「つまりは、あれか。衛星を落として来いと」

ハルヒ「……やむを得ない場合は!!!」クワッ

古泉「やむを得ても、お控えいただきたいですね」

キョン「やれやれ……星に願うより自分で叶えた方が早かろうに」

古泉「(涼宮さん的な意味で、ですね)」

ハルヒ「は? バカねーこういうのは雰囲気を楽しむものなのよ!!」


『行事とは雰囲気を楽しむものなのだからね』


キョン「…………」

ハルヒ「? なによマヌケ面して、あたしなんか変なこと言った??」

キョン「……いんや、別に。ただ、懐かしく思っただけさ……」

キョン「16年や25年が昼寝ほどの時間に感じるぐらい、遠い昔のことをよ」

ハルヒ「……はぁ??」



79:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/16(金) 21:12:19.52 ID:OMoxuE2U0

ハルヒ「スースー……」

朝比奈「んん……涼宮さん……」

朝比奈「……チンチ【禁則事項】」

キョン「……俺は【禁則事項】なんて聞かなかった」

古泉「……僕も、朝比奈さんのとんでも発言は天の川にでも流すことにします」

長門「…………」ジイイ

キョン「……長門、なんか見えたか?」

長門「……何も」

キョン「そうか、じゃあ何をそんな一生懸命望遠鏡で見ているんだ?」

長門「……こういう行為に興味があるだけ」

キョン「……好奇心旺盛な宇宙人ですこと」

古泉「それで……夏休みも大分消化されてきましたね」

キョン「昆虫採集、バッティングセンター、肝試し、……なんか対象年齢が割と低めなことばっかのような気がするのは気のせいであってほしい」

古泉「……しかし、これでもなお、涼宮さんは満足していない、というのでしょうか」

キョン「まあな、この行事とも言えんイベントは最初のループの時からやっていたことだからな」

古泉「そうですか……これでいてまだ満足なさらないとは……底なしのお方ですね」

キョン「ついていく方の身にもなれってんだ」

古泉「あなたにも投げかけたい言葉ですね」

キョン「……こういうのはどうだろうか」

キョン「古泉が―――」

古泉「却下です。僕が何をしたところで、涼宮さんが満足するとも思えませんので」

キョン「……まだ何も言ってないのに」

古泉「あなたのお家芸じゃありませんか、僕なりの未来予知です」

長門「……流れ星」

キョン「えっ、どこどこ!!?!?」バッ!!

古泉「あれだけ言ってたのに興味津々じゃないですか……」



80:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/16(金) 21:17:04.47 ID:OMoxuE2U0

翌日


朝比奈「ふ、風船どうですかぁー!!」

古泉「はい、風船いかがですか?」

キョン「……古泉よ」

古泉「はい、どうぞ……なんですか?」

キョン「何故俺達はカエルの着ぐるみなんざ着て風船配りのバイトなんかしてるんだ?」

古泉「……涼宮さんがそう望んだから」

キョン「便利な言葉だなぁおい、肝心のハルヒはと言うとよぉ……」チラッ

ハルヒ「~~~っ!! 重ーいっ!!!」ダラダラ

キョン「俺達よりも遥かに過酷な引っ越しのバイトをしてるし」

古泉「…………なんで?」

キョン「……俺がそう望んだから?」

古泉「何故そんな鬼畜とも言える所業を!!?!? 引っ越し先が僕たちのバイト先近くであることもあなたの赴くままですか!!?」

キョン「そりゃアイツが俺たちがバイトしてる最中アイス食って涼んでようとしたから……な?」

古泉「だからって……夏場の引っ越し作業なんて女子高校生がやるようなことじゃ……」

長門「……」ヒョイ

ハルヒ「有希……冷蔵庫を一人で……?」ガクガク

古泉「って長門さんもあっちぃいいぃいいいいい!!?!?!? なぜわざわざハードな方を選んだんです!!?!?」

キョン「『興味深い』って言ってついて行ったぞ。どうやら天職を見つけちまったらしいな」

古泉「いや、長門さんならなにやっても天職になると思うんですが……」

ハルヒ「んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんっっ!!!!!!!!」グググッ

キョン「おーハルヒが長門に張り合って箪笥一人で持とうとしてるぞ、無理だろー」ケラケラ

古泉「笑ってないで!! 少しは涼宮さんの心配をしてください!!!」

朝比奈「ふ、二人とも!! その格好で喧嘩しちゃ子供の夢が壊れちゃいます!!!!」

キョン・古泉「「すいませんでした」」

長門「……」ヒョイ

ハルヒ「え、本棚も一人で!!?!?」ビクッッ



82:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/16(金) 21:21:03.47 ID:OMoxuE2U0

ハルヒ「ゼェー……ハー……」

長門「……」チュー

朝比奈「お、お疲れさまです……」

キョン「引っ越し組の二人に明確な疲労の差が存在している……??」

古泉「当たり前でしょう」

ハルヒ「みく、るちゃゲホッ……ぐ、そ、れ……ハー、バイ、ト代、ね……ゴッホホ」

キョン「ウホホ」

古泉「黙っていてください」

朝比奈「こ、このカエルさんですか?」

ハルヒ「そ、そう……ケホッ、あたしが、ハー……頼んで、それに、して、もらった、から」

キョン「あーぁ、俺たちの四時間がカエルに化けちまったってことか」

古泉「よいではありませんか、お金では買えないようなものが手に入ったみたいですし」

キョン「有り余る部費で買えるくね?」

古泉「…………」

古泉「さて、これからどうしますか? 涼宮さん」

キョン「流しやがった」

ハルヒ「スーハー……うん復活! もう大丈夫よ!!!」

ハルヒ「そーねぇ、引っ越しのバイト代も入ったことだし、このままみんなでパーッとご飯でも行きましょう!!」

長門「全面的に同意」

キョン「いいねぇ、たまにはいいこと考えるじゃねえか!」

ハルヒ「たまにはは余計だけどね!」

キョン「こりゃ定期的に引っ越しの仕事でもやってもらおうか!!」

長門「賛成」

ハルヒ「は、はんたーい!! 反対よそれはぁ!!」



83:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/16(金) 21:25:33.36 ID:OMoxuE2U0

ハルヒ「なにたべよっかなー、あ、でも有希ならバイキングとかビュッフェの方がいいかしら?」

有希「なんでも食べる」

朝比奈「そ、そういう意味じゃなくてぇ……」

古泉「さて、いよいよ明日に迫ってきましたね」

キョン「ああ……『スーパー平安時代!!』の超特売日……逃す手はねぇ!!」ゴオッ!!!

古泉「いやそうではなく、ループを終わらせる手段の実行日……」

キョン「あぁ……そっちか」

古泉「どう考えてもこっちしかありえないんですが……」

キョン「ははっ、まぁ任せとけって!! よゆーよゆー! 天下の長門様とキョン様が保証してんだぜ?」

キョン「もーハルヒのループなんてポイッだぜ? すぐ解決してやるよ」

古泉「は、はぁ……」

古泉「(な、なぜか、フラグが乱立したような……)」

キョン「さて……超特売日か……AルートCプランでいくのがここはベストか?」

古泉「(特売日の方が真剣に考えてるうううう!!!!! というかあなたは主夫ですか!!? 特売日のチラシを見る目が怖いですよ!!)」

キョン「いや、待てよ……確か朝倉が言うには店中央の精肉店にシークレットセールがあると……」

古泉「(朝倉さんもきたぁあああ!!?!? 『スーパー平安時代』結構大物が出没してたーっ!!?!?!?)」

ハルヒ「いやー、にしても引っ越しって疲れんのねー! あんな重たいとは思わなかったわ!」

長門「確かに」

朝比奈「いや、長門さん説得力ないんですけど……」



84:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/16(金) 21:30:08.28 ID:OMoxuE2U0

翌日


ハルヒ「ちょ、なんっ……プハッ!! きっつ……わっ!!」ググッ

古泉「これは……予想以上ですね……」ギュウギュウ

ハルヒ「み、みくるちゃんを外で待たせておいて……正解だわ。ここはさながら戦場……」

ハルヒ「恐るべし……『スーパー平安時代』……」

ハルヒ「ってなんで団活が超特売のセール品を買うことになってるのよ!?!!??!??」ウガァアアア!!!

古泉「か、彼たっての要望でしたからね……ぐっ、暑い……」

ハルヒ「キョンもキョンでホントに買うモノあるのかしら!?」

キョン「うぉおあああぁああああおぁあああああ!!!!!!!!」

ハルヒ「あ、最前列にいた」

キョン「どけどけどけぇー!!!! その卵は俺のもんだぁあぁあああ!!!!!!」ガッ!!

朝倉「なんのぉおおお!! 譲るもんですかぁああああああああああ!!!!!!!」グワッ!!

ハルヒ「朝倉さんまで……」

キョン「ふん!! いくら主婦や朝倉と言えど、戦場にいれば手加減はせん……浮け!!!!」ビッシッ

朝倉「なあっ!!?!? く、空中浮遊!!?!?」フワフワ

ハルヒ「いややりすぎでしょ!!!?!?!?!? なに当たり前にトリック披露してんのよあんたぁああああああああああ!!!!」

長門「情報操作は得意」

古泉「長門さん、今までどこに……その両手の荷物は?」

長門「……朝倉涼子におしつけられた、『お一人様一品限り』の商品」

古泉「あぁそれで……」

朝倉「くっ……斯く成る上は……一つだけでも、手を伸ばして……!?」ググッ

キョン「ざーんねん、朝倉ぁ。卵は……俺のもんだぁ」ニヤッ

朝倉「くっ、そぉ……!!」

ハルヒ「……はぁ、終戦みたいね」

古泉「そのようで」



85:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/16(金) 21:34:29.05 ID:OMoxuE2U0

キョン「いやー大収穫大収穫! ありがとうみんな!」

ハルヒ「あんな熱くて暑いとこ放り込まして……みくるちゃんなら死んでたわよ!!」

朝比奈「ええっ!? 死んでたんですかぁ!!?!?」ガーーン!!

キョン「悪い悪い、ここは俺が持つから勘弁してくれ」

ハルヒ「ったく……なんで夏休みの終わり近くにこんなことしなきゃダメなのよ」ブツブツ

キョン「俺は夏のイベントの半分くらいはそう思ってたけどナー」

古泉「しかし、朝倉さんとの激闘は見ものでしたね」

キョン「ああ、朝倉と言えど情けはかけんつもりだったからな……」

ハルヒ「彼女、泣いて帰ってたけど……」

キョン「…………」

朝比奈「キョンくん、なにしたか知らないけど、女の子泣かしちゃ……め! ですよ?」

キョン「……長門」ガサガサ

長門「なに」

キョン「これ、持って帰って朝倉にあげてくれ」ドサッ!

長門「……こんなに?」

キョン「朝倉がとり損ねた分だ」

古泉「(思った以上に本気出してたんですね……)」

ハルヒ「さて、っと……まぁ特売は予定にはなかったけど……うん」

ハルヒ「これで予定は消化完了したわねっ!!」

キョン「……ああ、そうだな」

古泉「(……来ましたか、ここが)」

朝比奈「(ループを終わらせる……分岐点!)」

長門「……」チュー



86:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/16(金) 21:38:58.38 ID:OMoxuE2U0

ハルヒ「んーでも、なんか……なにか、足んない気がするのよねー」

ハルヒ「ねえ、みんななにかある? 他やりたいこと」

朝比奈「……」ソワソワ

古泉「……」ニッコリ

長門「……」ズズッ

キョン「……」

ハルヒ「……ないんだったら―――」

キョン「ハルヒ」

ハルヒ「ん?」

古泉「(彼が……動いた!)」

キョン「明日の予定がないんだったら、俺課題をやってていいか?」

ハルヒ「……課題ぃ?」

キョン「なんとビックリ、まだ終わっちゃいねーんだ、ほとんど」

長門「わたしも、まだ少し残っている」

朝比奈「?、??」ワタワタ

古泉「(! そういうことですか)」

古泉「僕も、まだ数学と英語が少々」

ハルヒ「なによ、我が団は課題をギリギリに終わらすタイプだったの!?」

ハルヒ「はー、その辺の意識はまだまだ足りてないわねー。うん、分かったわ!!」

ハルヒ「明日一日は学生らしく、勉学に励みましょう!!! キョン家集合ね!!」

古泉「了解しました」

朝比奈「は、はぁい!」

ハルヒ「それじゃ、ここはキョンが持ってくれるみたいだから! 今日は解散っ!!! また明日―!」バタン!!

キョン「…………」

長門「…………」



88:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/16(金) 21:44:39.87 ID:OMoxuE2U0

古泉「ふー……まさか、ループをするほどの後悔が、『みんなと課題をやれないこと』だったとは」

朝比奈「え、そ、そうなんですかぁ!?」

古泉「ええ、涼宮さんは非常に優秀な方です。夏休みの課題を特に苦労もせず7月中に終わらせることができる程に」

古泉「だから、涼宮さんにとって課題をみんなでやる、というのは未知のものだったのでしょう」

古泉「それが、未体験のモノとしてトリガーとなり、夏休みを―――」

キョン「……もういい」

古泉「ループ……はい?」

キョン「……もう、そんな説明をする必要はない」

古泉「は……ま、まさか僕の予想は外れていた、と?」

長門「当たっている。ループの原因はまさしくそれだった」

古泉「でしたら……」

長門「さっきまでは」

古泉「…………」

古泉・朝比奈「「さっきまではぁ!!?!?!?」」ビクッッ!!

長門「あらたにループの発生点ができた」

古泉「そ、それはどういう……ま、まさかループの発生原因がまた変わった……?」

朝比奈「ふ、ふええぇ!! ま、まだ未来に連絡できない……み、未来に帰れないですよぉ!」

長門「落ちつい、てっ」ビシッ バチッ

朝比奈「あうっ」

古泉「何故僕はビンタっ!!?!!?」

長門「すまない」

古泉「謝られましても……」



89:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/16(金) 21:50:41.96 ID:OMoxuE2U0

キョン「……まぁ、案ずることはない」

古泉「案ずることはない、って……このままじゃまたループが!」

長門「すでに解決策は出ている」

古泉「また! って……っも、もう解決手段を見つけた、と?」

キョン「……ああ、しかもそれは明日実行することだ」

古泉「明日? 明日はもう既にループに組み込まれているんじゃ……」

長門「先ほどの課題を行うという予定を立てたおかげで、ループの発生時間が延びた」

古泉「つまりは……9月1日に、ですね?」

長門「……」コクリ

朝比奈「……よ、よかったぁ?」

キョン「……まぁ、解決策が分かっている以上、最悪の状態でないことは確かです」

古泉「……さきほどから、解決策が分かっているにしては煮え切りませんね……何か、問題でも?」

キョン「…………」

古泉「……なるほど、明日を楽しみにしておけ、と」

古泉「メンタリストではありませんが、あなたの瞳からはひしひしと、そのような言葉が読み取れます」

キョン「賢明だ。明日になればわかることをここで言う必要はないからな」

キョン「…………はぁ」ドヨーン

古泉「と、とんでもない落ち込み様ですね……そんなにまずい原因が?」

長門「わたしとしては、喜びの感情に該当する」

朝比奈「きょ、キョンくんにとって憂鬱で、長門さんにとってはうれしいこと?」

古泉「…………検討がついた、ような気がします」

キョン「ついたか? ついちまったんならお前は俺の様になるか? 長門のようになるか?」

古泉「……お察しの通り」

キョン「俺側だよなぁ」ズーン

古泉「えぇ……」ズーン

朝比奈「えぇ!!?」ガーン!!



90:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/16(金) 21:55:29.10 ID:OMoxuE2U0

翌日


キョン「うぉおあおおぁおおおぁおおぁおおおぁおおぁぁああぁおおぉぉああああ!!!!!!!!!」ガガガッガガガッ!!

ハルヒ「す、すごいペースね……」

長門「……」カキカキ

古泉「ふむ……」

ハルヒ「へー、特進クラスではそんなとこまでやってんのね!」

古泉「ええ、すでに大学受験に向けての授業形式をとっているのもありますので」

ハルヒ「どれどれ、ふーん……なるほど、こうねっ!」カキカキ

古泉「……おおっ、さすがは涼宮さん、正解のようですよ」

ハルヒ「ふっふーん! 団長たるもの、こうでなくちゃ!」

長門「……」カキカキ

キョン「うぉおあおおぁおおおぁおおぁおおおぁおおぁぁああぁおおぉっぉああああ!!!!!!!!」ガガガッガガガッ!!

ハルヒ「黙って手だけ動かしなさい!!!!! うるさいわよ!!!!!!」

キョン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!!!!」ガガガッガガガッ!!

ハルヒ「よろしい」フンス

古泉「(よろしいのだろうか……)」

朝比奈「うーん……」

ハルヒ「あ、みくるちゃんダメよ、小論文の書き方っていうのはね―――」

朝比奈「あっ、へー……なるほど」

キョン「うぉおあおおぁおおおぁおおぁおおおぁおおぁぁああぁおおぉっぉああああ!!!!!!!!」ポチポチポチィ!!!

ハルヒ「だからアンタは黙っ……なんで格ゲーしてんのよっ!!!!!!! あたしも混ぜなさいよっ!!!!!!!」

朝比奈・古泉「「そっち!!?!?」」ガーン!!

長門「……」カキカキ

長門「終わった」ピタッ



91:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/16(金) 21:59:49.89 ID:OMoxuE2U0

キョン「……終わっ、た」ドサッ

ハルヒ「んー、これでみんな宿題は終わったみたいね! SOS団たるもの、そこんとこはキッチリしとかないとね!」

朝比奈「(も、もう夕方ですが……こ、ここから何が……)」

ハルヒ「んー……なにかしら、やっぱなにか忘れてるような……」

キョン「……本当か? 実はもう満足してるんじゃないのか?」

古泉「多大なる欲は身を滅ぼすと言います。どうかご一考の程を……」

朝比奈「(な、なんかキョンくんと古泉くんが止めに入ってるように見える……)」

ハルヒ「……いや! やっぱりなにか忘れてる!! このままじゃあたし夏を終われないぐらいに!!」

キョン「……実際終わんねぇんだよ」ボソッ

朝比奈「や、やさぐれないでっ!」

ハルヒ「でもそれがなんなのか……うーん、なにかしら……?」

キョン「…………」ハァ

キョン「……あてもの」

ハルヒ「は?」

長門「ベビーカステラ」

古泉「射的」

朝比奈「えっ、あ、金魚すくい?」

キョン「綿あめ、りんご飴、亀掬い」

ハルヒ「み、みんな何言って……縁日のことばっか、り……?」

ハルヒ「縁日……花火大会……盆、盆踊り!!!!!!!」

ハルヒ「盆踊り!!!!!!!!」

キョン「うるさい、黙って騒げ」

ハルヒ「・・・・・・!!!!!!! って無理よ!!! 盆踊りよ!! 盆踊り!! それをやってなかったのよ!」

キョン・古泉「「……」」ハァ

朝比奈「あ、そういうこと……」

長門「ベビーカステラ、綿あめ、りんご飴、たこせん、フランクフルト……」



92:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/16(金) 22:03:22.78 ID:OMoxuE2U0

ハルヒ「古泉くん!! まだ盆踊り会場あるかしら?」

古泉「はい、確か隣町の花火大会でも盆踊りが行われているみたいですね」

キョン「(昨日の内に調べてたのか……)」

ハルヒ「よし、今から行っても全然間に合うわね!! じゃ今から浴衣取りに帰って……」

キョン「その必要はない」ドーーン!!

ハルヒ「? どういう―――」

キョン「新しいのあるから」スチャーーン!!

ハルヒ・朝比奈「「また作ってるぅうううう!!?!?!?!?」」ガーーン!!!!

古泉「(おやおや……あなたも覚悟を決めたようですね)」

キョン「ほら、古泉、お前のもある。俺のも」バサッ

古泉「おや、そうなんですか?」

キョン「こうなりゃ骨まで埋めてやる覚悟だ」

ハルヒ「うわー……これまた金襴な……」

朝比奈「きょ、キョンくんごめんね? また浴衣つくってもらって」

キョン「いいんですよ、俺が着てほしいと思ってつくってるだけですから」

長門「……感謝する」

朝比奈「ありがとう」

ハルヒ「……ありがと」

キョン「……どういたしまして」

ハルヒ「……そんじゃ! 着替えて盆踊っちゃうわよーっ!!!!!」

キョン「うぉおあおおぁおおおぁおおぁおおおぁおおぁぁああぁおおぉっぉああああ!!!!!!!!!」ガクガク

古泉「(それ気合の雄たけびじゃなくて嫌悪の叫びだったんですか!!?!?!?!?)」ガーン!!



93:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/16(金) 22:07:15.63 ID:OMoxuE2U0

ハルヒ「あ、よいしょ!」

朝比奈「ふぇ、はっ、うぇ!」

長門「……」

キョン「ほっ、ほっ」

古泉「はっ、はいっ」

ハルヒ「……なんか、あたし達の年で踊ってんのあたし達だけね」

キョン「いま気づくんかーい!!」グルグル スチャッ!!

朝比奈「な、なんて華麗なステップ……」

古泉「でも盆踊りではないですよね」

ハルヒ「まっ、楽しけりゃなんでもいいわよっ! それーっ!」

キョン「おっ、ラテンダンスでもやるか? ノってやるぞぉおおお!!!!」バッ

朝比奈「なっ、なんて情熱的なダンス……」

古泉「ダンスじゃなくて盆踊りを……」

朝比奈「……」ポワポワ

古泉「……長門さん」

長門「なに」ペロペロ

古泉「屋台を満喫しているところ申し訳ありませんが、朝比奈さんを……」

長門「……介錯?」

古泉「……いえ、介抱の方向で」

キョン・ハルヒ「「そーりゃぁあああああああ!!!!!」」バババッ バッ!!!

キョン「どーだぁ、ハルヒ!!! この夏に後悔はないかぁ!!?!?」

ハルヒ「これだけやって後悔したら神様に罰があたるってモンよ!!!!」

キョン「そーかい! それならよかった!! 俺は暑いのが苦手だからよ!!!」クルクルッ!

ハルヒ「こんな情熱的なダンス踊れるのに!?」バッ!!

キョン「お互いさまだろっ!!!?」






ドーーーーーーーーーン!!!!!!






長門・古泉・朝比奈「「「たーまや」」」



94:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/16(金) 22:10:48.53 ID:OMoxuE2U0

翌日


zrrrrrrrrrrrrr!!!!!

キョン妹「キョンくん起きて―っ!!」ガバッ

キョン「うがっ!! 痛っ……妹よ、起こしてくれてありがとう」

キョン「妹よ……今日は何日だ?」

キョン妹「んー8月17日だよー!!?」

キョン「」

キョン妹「あっ、間違えた!! 9月1日だよーっ!!!!!」

キョン「一体どう間違えれば……そうか9月1日か」

キョン妹「学校だよー!!!」

キョン「ああ、そうだな……ったく」

キョン「長めの夏休みが終わっちまった、か」

キョン妹「? キョンくんなんえ笑ってるのー?」

キョン「え、いやぁ……」

キョン妹「気持ち悪ーい!!」キャッキャ

キョン「……辛辣な」

キョン「……仕度しますか」



95:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/16(金) 22:14:51.91 ID:OMoxuE2U0

キョン「うぃーっす」ガチャ

古泉「やあ、こんにちは」

キョン「おう」

古泉「どうやら、長い夏休みが終焉を迎えられたようですね」

キョン「だな」

古泉「おや、随分淡白な反応ですね」

キョン「既定事項にいちいち驚いてられるか」

古泉「あなたにとっては些細なおとかもしれませんが、我々一般人にとっては中々衝撃的だったのですよ」

キョン「どの口が一般人なんて言うんだ?」

古泉「んふっ」

キョン「まぁ、元の日常に回帰できてよかったじゃねーか」

古泉「その通りです、あのまま永久に夏休みという時間に閉じ込められる可能性もあったわけですから」

キョン「ある種の閉鎖空間みたいなもんだったからな、お得意の超能力で解決してもらってもよかったんだぞ」

古泉「では、涼宮さんに『I love you』とでも囁いたほうがよろしかったですか?」

キョン「…………」

古泉「……ジョークですよ」

キョン「……当たり前だ」

古泉「どうです? たまにはポーカーでも」

キョン「インディアンポーカーの方か?」

古泉「普通の方で」

キョン「レートは?」

古泉「ご冗談を、もちろんノーレートでお願いします」

古泉「まぁ、時間がループするならば、考えてもいいですけどね」クスッ

キョン「……ふん、冗談だろ」ヘッ












                                 

                                     エンドレスエイト 完



119:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/17(土) 14:53:18.88 ID:5pCX9btf0

古泉「いやぁ、夏は終わり、秋の到来を感じる季節になってきましたねぇ」

キョン「まだまだ暑くて夏気分が抜けないってのに、暦の上じゃもう秋か」

古泉「ええ、そして涼宮さんが待ち望んでいた一大イベントが催される時期でもあります」

キョン「? 体育祭はもう終わったぞ? 部活対抗リレーは俺と長門とハルヒで二位と3周差つけて終わっただろ?」

古泉「あの公開処刑はさておき……文化祭ですよ、文化祭」

キョン「あぁ……文化祭ねえ、それがあったか」

古泉「涼宮さんにとってはSOS団がなんたる部活なのかを示す絶好の機会と思っているようです」

キョン「まぁ、確かに体育祭の一件でようやく日の目を浴びだしたSOS団だしな」

キョン「勢力拡大にゃもってこいのイベントってわけだ」

古泉「その通りです、してその涼宮さんはどこに?」

キョン「掃除当番だ、それよりも朝比奈さんと長門はどうした?」

古泉「大方、お二方とも文化祭の打ち合わせがあるのでしょう」

キョン「あ、そう言えば俺達もあったんだったな、あのなんの生産性も生み出さないお通夜みたいな打ち合わせが……」

キョン「しかも何するか決まらないまま早急に打ち合わせが終了しちまったしな」

古泉「おや? しかし、あなたのクラスには強いリーダーシップを発揮する朝倉さんがいるではありませんか」

キョン「あぁ……朝倉か」

キョン「…………『スーパー平安時代!!』での負け戦を引きずっているようで、今日も一日どんよりしてたよ」

古泉「……中々、人間臭いところもあるんですね」

キョン「ま、そんなこんなで俺達のクラスからは特に面白みのない出し物が行われそうだ」

古泉「そうなれば、涼宮さんは思う存分SOS団の出し物に時間をかけられる、というわけですね」

キョン「……なるほど、ハルヒがそう望んだから、か」

古泉「そうとも言えます」

キョン「やれやれ……」



120:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/17(土) 14:58:13.64 ID:5pCX9btf0

ガチャ


朝比奈「こんにちはぁ」

長門「……」

キョン「おっ、二人共こんにちは」

古泉「こんにちは、打ち合わせの方は終わったんですか?」」

朝比奈「はい、一応まとまったみたいです」

キョン「なにをするんですか?」

朝比奈「ええっと……焼きそば喫茶、です」

キョン「ほほぅ、これまた焼きそばと喫茶を組み合わせるという斬新な発想ですね」

朝比奈「でも、出す飲み物は水限定で……」

キョン「うん、焼きそば屋さんだそれーっ」

朝比奈「一応、ウェイトレスの恰好するからそこだけ喫茶を取り入れてるというか……」

キョン「うん、焼きそば喫茶だそれーっ!」

古泉「喫茶要素はそこだけでいいんですか……」

キョン「長門はなにするんだ?」

長門「……占い」

古泉「長門さんが占いですか……もはや予言といった方がしっくりきますね」

キョン「で、お前はなにをするんだ古泉よ」

古泉「おや、言ってませんでしたか? 劇ですよ、題材はさておき催し物として演劇を考えているようです」

キョン「ほほぅ、とすると、ハルヒと俺以外はそこそこに忙しい文化祭を送ることになりそうだな」

長門「……あなたたちのクラスの出し物が何になるかを占う」

キョン「ほう……」

古泉「……結果は?」

長門「……アンケート発表」

キョン・古泉「「地味だ」」

朝比奈「(な、なんのアンケートなんだろう……)」




バタン!!!



121:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/17(土) 15:03:18.59 ID:5pCX9btf0

キョン「映画撮るわよっ!! じゃねぇえええええええええええええ!!!!!!!」ドーーン!!!

ハルヒ「映画とっ……まだ何もいってなぁぁあああああい!!!! ツッコミの未来予知禁止ぃいいいいい!!!!!!!」ガーーン!!!

















朝比奈「わひゃあ!! す、涼宮さん!?」ビクッッ!

古泉「こんにちは」

長門「……」ペラ

ハルヒ「キョン! アンタついに先にツッコミをするというお笑いの禁忌に触れてしまったわね!!」

キョン「漫才なんざやってるつもりはねえ、俺はただ単にお前の言わんとすることを阻止したかっただけだ」

ハルヒ「ダメよ、これはもうSOS団の決定事項になってしまったのだから!」

キョン「全部お前の加減しだいだろうに……」

ハルヒ「さっきキョンに邪魔されて言いそびれたけど……」

朝比奈「え、映画撮るんですか??」

ハルヒ「…………みくるちゃん、あなたまであたしから発言権を奪うの?」

朝比奈「あっ、いえ! そ、そんなつもりじゃあなくてっ!!!」ワタワタ

ハルヒ「……ま、いいわそういうことだから!」

ハルヒ「我がSOS団は文化祭に映画を出したいと思いますっ!!!」バーーン!!!

古泉「それはそれは」

朝比奈「わ、わーすごーい」

キョン「……長門よ」

長門「なに」

キョン「この映画製作とやらで、俺が負担を被るかどうか占ってくれ」

長門「……占うまでもない」

キョン「……だよな」ハァ



122:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/17(土) 15:08:04.03 ID:5pCX9btf0

キョン「一応聞いといてやる、ハルヒ、なんで映画なんだ? 出し物なら他にもっとあるだろう」

ハルヒ「そうね、例えばキョンを展示してたらそれだけで客は入りそうだけど」

キョン「映画つくるぞぉおぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」

古泉・朝比奈「「折れるのが早い!!!!!!!」」ガーン!!

ハルヒ「あたしね、昨日中々寝つけなくて深夜にやってる映画みてたのよ、C級映画ってやつ?」

キョン「超C級ですか」

ハルヒ「? まぁそれで見てたんだけど、脚本演出役者全てダメ!! もうダメダメだったわけ!」

ハルヒ「国際電話でイタ電してやろうかと思うぐらい酷い映画だったわけね、そこであたしは考えました」

ハルヒ「じゃあたしが作っちゃえばよくない?? と……」

キョン「なんでだよ」

ハルヒ「あたしの方が絶対あの映画より面白い映画作れるもの!! それを誇示すべくちょうどいい舞台があったってわけ!!」

古泉「それが文化祭、ですか」

ハルヒ「その通り!! もうあたしの頭の中では全てのプロットが完成してるわ!!」

ハルヒ「ついでに文化祭の賞を総ナメにしたあと、ハリウッドに喧嘩売るトコまで想像済みよ!!」

キョン「妄想がお得意なこって」

ハルヒ「もう今日から動いていくわよ!! 文化祭まではもう残された時間しかないんだから!!」

ハルヒ「あー! こんなことになるなら夏休みの段階から準備しておけばよかったわ、そこらへん抜けてたーわ!!」

長門「迂闊」

キョン「……てかハルヒ、そんなに文化祭に意欲的ならクラスでもっと発現したらよかったじゃねえか」

ハルヒ「……いやよ、あたしは団長でSOS団の活動で忙しいし」

キョン「このままじゃああのクラスはアンケート発表で文化祭を迎えることになるぞ」

ハルヒ「なにそれ、つっまんなそう……まぁ、でも心配ないでしょ」

キョン「どうして?」

ハルヒ「……朝倉さんがいるじゃない、あのクラスには」

ハルヒ「それでどうにかなるでしょ、だからあたしは口を挟まない、以上!」

キョン「……そういうことか」



123:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/17(土) 15:13:36.04 ID:5pCX9btf0

キョン「……おい」

ハルヒ「なによ?」

キョン「なぜ俺達はこんなぞろぞろと商店街なんかを闊歩しているんだ?」

ハルヒ「キョン、映画には何が必要だと思う?」

キョン「やる気、元気、情熱、思想、理念、頭脳、気品、優―――」

ハルヒ「カメラよ、何言ってんのよアンタ」

キョン「……」

古泉「盲点でしたね」

ハルヒ「カメラがなきゃ映画撮れないでしょ、それとあと色々小道具とか……」

キョン「……ハッ!!!」

キョン「(し、しまったぁ~!! 無駄に有り余る部費のせいで余計なモンばっかかって無駄に予算が掛かったアホ映画が作られちまう!!)」

ハルヒ「っふっふーん! 部費なら腐るほどあるからね! スポンサーについてもらわなくてもSOS団だけで作り上げられちゃうもんね!」

ハルヒ「みくるちゃん! あなた期待してていいわよ!! しめて劇中で着るコスチュームは10着以上は固いわよ!!」

朝比奈「ひえぇ!! そ、そんなにはだ、大丈夫ですよぉ……」

ハルヒ「もちろんみくるちゃんと対峙する有希のコスチュームにも予算をつぎ込むわよ!!」

長門「……そう」

キョン「おい、そういやまだ配役とか諸々映画に関する情報が一切ないまま学校を飛び出して来たんだが……」

キョン「一体みんなの役割はどんな感じなんだ?」

ハルヒ「んーまぁ、大まかに言うと、主演女優みくるちゃん、主演俳優古泉くん、脇役に有希」

ハルヒ「監督脚本演出にあたし、ってとこかしら?」

キョン「で、超監督に俺?」

ハルヒ「あんたは雑用からパシリまで幅広くこなすアシスタントってとこかしら!?」

キョン「俺の幅狭めぇぇええええええ!!!!! 雑用からパシリってほぼイコールの状態じゃねえか!!! なんも変わらねえじゃねえか!!!」



124:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/17(土) 15:17:40.06 ID:5pCX9btf0

朝比奈「あ、あのぅ……わたし主演なんてできません! お芝居もやったことないですし……」

ハルヒ「その初々しさが観客の心を掴むのよ!! 安心してみくるちゃん! あなたをきっと大女優に育ててみせるから!」

古泉「僕が主演ですか……しかし、涼宮さん僕よりも彼の方が主演に適任かと」

ハルヒ「ダメよ、キョンじゃ華がないし」

キョン「……」

古泉「…………」

古泉「ですね」

キョン「喧嘩売ってんのかこらぁあああああああああああああああ!!!!」ガシッ!!

古泉「ああっ、主演の胸倉を掴まないでください、ああっ、主演の胸倉が!」

キョン「うるせぇぇええぇえええ!!!!! 主演主演うるせぇんだよこの野郎!!」

キョン「ハァ……ハァ……ま、まぁいい……なにもパシリや雑用は悪いことばかりじゃない」

キョン「そう、映画に出なくてもいいという最大のメリットが―――」

古泉「パシリさーん、移動しますよー!!」

キョン「テメェくらぁ古泉ぃ!!!!! なぁにあからさまに調子乗ってんだくらぁあああ!!!!!」

古泉「冗談です、主演ジョーク」

長門「ユニーク」

古泉「ほら?」

キョン「長門なにもユニークなことなんてないぞ!!」

古泉「随分興奮しているようですね、もしかして、涼宮さんに主演に選ばれなかったことに強い憤りを感じているのですか?」

キョン「まさか……俺が憤りを感じているのは」ガシッ

古泉「おや?」

キョン「何故か俺に勝ったつもりでいる古泉、お、ま、え、のことだぁぁあぁあぁああああああ!!!!!」ブン!!!

古泉「ああっっ!!! 主演が空に投げられましたぁ!!!!」

キョン「うるせーーーーーーーっ!!!!!!!!!!!!!」



125:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/17(土) 15:21:11.55 ID:5pCX9btf0

ハルヒ「……ふぅ」ドッサリ

キョン「……涼宮さん? これ本当に全部文化祭で使うの?」

朝比奈「な、なんで朝倉さん口調?」

ハルヒ「あったり前よ!! まだまだ足りない気がするから随時不足分は買い足して行くわよ!」

キョン「……ハー、予想通りのことになりそうだ」

長門「映画の成否、占ってみる?」

キョン「いや……遠慮しとく」

長門「そう」

ハルヒ「とりあえず、キョン! これ持って帰って明日また部室に持ってきなさい!!」

キョン「つまりは明日部室にあればいいんだろ? ほらよ」シュン!!

朝比奈「わっ、き、消えた??」

キョン「テレポートです、これで荷物は部室に送られました」

ハルヒ「よしっ! そんじゃ明日からクランクインしましょ! そんじゃ今日は解散っ!!!」

ハルヒ「英気を養って万全の態勢で映画に望みましょ!! それじゃねー!!」

キョン「…………」

朝比奈「…………」

キョン・朝比奈「「ハァ……」」ガクン

古泉「おやおや、随分とくたびれてますね、お二方は」

キョン「当たり前だ、映画作るわよ発言から三時間でこれだぞ?」

朝比奈「うぅ……わたし、映画なんて……」

長門「……」

古泉「案ずることはありませんよ、この映画は涼宮さんが作りたいと望んだのです」

古泉「その涼宮さんが成功以外のなにかを望むことは、ないと断じてもいいでしょう」

キョン「……えらい自信だな」

古泉「主演ですので」ンッフ

キョン「うぜぇ」



137:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/18(日) 23:47:35.36 ID:vpBjJkcc0

キョン「問題です」タータン

ハルヒ「はい」

キョン「自分勝手、猪突猛進、頭にリボンの生えたモノって涼宮ハールヒ?」

ハルヒ「いや意味わかんないわよ!? 問題の出し方に癖あり過ぎでしょ!! あたしはモノでもないし!!」

キョン「では、問題ではなく質問です」

ハルヒ「はい、どーぞ」

キョン「これはなんだ?」







超監督 涼宮ハルヒ!

主演女優 未来人  朝比奈ミクル役 朝比奈みくる

主演俳優 超能力者 古泉イツキ役  古泉一樹

脇役   宇宙人  長門ユキ役   長門有希

エキストラ 随時募集

その他 雑用            キョン 







ハルヒ「何って……映画の制作本でしょ? 何言ってんのよ?」

キョン「映画はまだいい。俺が言いたいのは、この設定についてだ」

ハルヒ「みくるちゃんが未来人で古泉くんが超能力者……この設定になにか不満あんの?」

古泉・朝比奈「「……」」

キョン「いや、別にないが……」

ハルヒ「ないならこれで進めていくから! もし異論があった場合は文書で提出! 見るだけなら見てあげるわ!!」

キョン「キョンキトク スグヱヰガセヰサク チウシシロ」

ハルヒ「はい、それじゃこれで進めていくわよーっ!!!」

キョン「見もしねぇじゃねえか」



138:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/18(日) 23:53:19.62 ID:vpBjJkcc0

ハルヒ「いーいみくるちゃん? この映画の成功はあなたの双肩にかかっているわ!」

朝比奈「そ、そんな大役なんですか……」

ハルヒ「未来からきた朝比奈ミクルは戦うウェイトレスとして超能力者、古泉イツキを見守るの!!」

キョン「……すまん、これは意味の分からない俺が悪いのか?」

古泉「……考察する必要があるかもしれませんね」

ハルヒ「とにかく! 撮影第一発目はミクルの日常から!! さ、はじめましょ!」

朝比奈「は、はぁ……」

ハルヒ「あ、日常モードのミクルの普段着はメイド服だから」

朝比奈「え」

キョン「それただの朝比奈さんじゃねーかー!!!」バーーン!!

ハルヒ「着替えて着替えて!!」ズルズル

朝比奈「じ、自分でできますからぁ!! す、涼宮さん引っ張らないでぇ!」

キョン「……朝比奈さんが野外での着替えに抵抗がなくなったらどうするんだ」ハァ

長門「……」ギャリリリーン ギュルルルル

古泉「……悪い魔法使いユキの魔女コスチュームと、その、対象年齢6歳の玩具とでは……いささかミスマッチのような」

長門「……ユニーク」 パーラッタラー!! ジャジャジャジャジャッ!

キョン「ユニークっつうよりはシュールだな、それ。まさかあてもののハズレがこんなところで再利用されるとは……」

長門「わたしは悪い宇宙人、長門ユキ。朝比奈ミクル、お前を倒すため地球に来た」

古泉「おや、長門さんは案外乗り気みたいですねぇ、僕も 主演! として手を抜くことは許されなさそうだ」

キョン「俺は悪い一般人、キョン。古泉イツキ、お前を消すためにここにいる」

古泉「おやぁ? あなたは映画には出演していないはずですが???」

キョン「なんだ最近のお前! めっちゃムカつく! めっちゃムカつくぞおい!!」



139:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/18(日) 23:57:15.50 ID:vpBjJkcc0

ハルヒ「はい! 3! 2!……」スッ!

朝比奈「う、うーん……いい天気だなあ」

キョン「……」

朝比奈「こ、こんな日はご主人様にうんとご奉仕したくなっちゃうなぁ」

古泉「……」

朝比奈「そうと決まればさっそくお屋敷に戻らなくちゃ!」

ハルヒ「……」

長門「……やあ」

朝比奈「あ! あなたは悪い宇宙人のユキさん!! ここで会ったが百年目ぇ!! せ、成敗しちゃいますっ!」

キョン・古泉「「…………」」

ハルヒ「……カーット!! おっけーい!!」

キョン「どこがだーーーっ!!!!!!! 今のがどこの世界の日常だこらぁ!!!!!!」クワッ!!

キョン「話がなにも見えてこねえよ!! メンタリストの俺でもこの先の展開が欠片も見えねえよ!!! ていうかどこでカットしてんだぁ!!!」

キョン「まず始まり方が唐突すぎるわ!!! いきなりメイドが出てくるなんて誰も予想してないだろうよ!!」

ハルヒ「いいのよ!! これで脚本通りなんだから!!! あとでアフレコすればいいし!!」

キョン「どんな脚本だおい!!! 一回見せてみろ!!!!」

ハルヒ「……」トントン

キョン「あぁ? なんだそのジェスチャーは」

ハルヒ「……全て入ってるのよ、この頭ん中にね」キラリーン!!

キョン「古泉に続きこいつもなんかうぜーーーー!!!! 映画に懸ける情熱っつぅモンは人をこうも変えちまうもんなのか!!?!?」

キョン「……いや、冷静に考えるとハルヒはもとからこんなもんか」

長門「……」ジュププププオアァ!!

古泉「……あの、長門さん電源を一度落とした方が……」



140:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/19(月) 00:03:03.88 ID:7/ffgFGX0

長門「わたしは悪い宇宙人、長門ユキ。朝比奈ミクル、お前を倒すため地球に来た」

朝比奈「わ、悪い宇宙人のユキさん! 神妙に地球から立ち去りなさい!」

長門「古泉イツキ、彼にはわたしたちにとって大きな価値がある」

朝比奈「い、イツキくんに手出しはさせません!! い、いざ勝負!!」

長門「……望むところ」

古泉「待ってください! 僕のために、二人が争うなんてよしてください!」

ハルヒ「……カーット!!」

キョン「古泉そこにいたんかーーい!!!! ていうかいつからそこにいたんだーい!!!」ビシッ!!!

ハルヒ「うるさいわねぇ……非日常と日常は表裏一体ということを表現した高度な技法でしょうが」

キョン「……できてねーよ!? もはや非日常かつ非日常みたいになってるぞ??? この場において日常なんて存在しねーぞ!!?!?」

古泉「まぁまぁ……映画とは監督の感性を表現したものと言えます。ここは一つ監督の言うとおりに……」

キョン「お前はいつもどおりイエスマンなだけだろうが……ったく、端からめちゃくちゃだなおい」

ハルヒ「アクション!」

朝比奈「い、イツキくん……でもユキさんはあなたの命を狙って……」

古泉「かまいませんよ、美女に命を狙われるのは男の本望ですから」ニコッ

キョン「なにいってだコイツ」

長門「そんな軽い身構えでわたしから逃れられはしない」

長門「……ここは一旦引く、今度会った時が朝比奈ミクル、貴様の命日だ」ザッザッ

朝比奈「ゆ、ユキさん……ハァ、強敵だった」

朝比奈「で、でもわたしは負けません!! い、イツキくんのためにも!!」

キョン「……」

ハルヒ「……カーット!!」

キョン「…………」

キョン「……いちいちツッコんでる暇も気力もなくなってきそうだろうから、先に言っとくが……」

キョン「ツッコミ不足だろうがこれぇぇえええええええええええええええええ!!!!!!!」ガーーン!!



141:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/19(月) 00:08:13.15 ID:7/ffgFGX0

ハルヒ「映画に必要なのは色々あるわ、恋愛、シリアス、サスペンス、推理……でも!」

ハルヒ「その中でも最も必要だと言えるものは……そう」

ハルヒ「アクションシーンよ!!!!」ドーーン!!!!

ハルヒ「というわけでみくるちゃんと有希はファイターコスを着てもらいました!!」

キョン「ほんと、無駄に予算だけは下手なC級映画よりはあるんだよなぁ……ていうかウェイトレス要素はどうしたおい」

朝比奈「へー、なんか体に張り付いて動きやすそう……」

ハルヒ「みくるちゃん! アクションシーンは映画の見せ場!! しっかり決めるべきところよ!!」

ハルヒ「と同時に、女優という役割はサービスシーンの提供も行なわなければならないわよ!!!」

朝比奈「ええっ!!」

ハルヒ「……と、思ったけどみくるちゃんは普通に動くだけでサービスみたいなモンだから取り立てて何かをする必要はないわね」

朝比奈「よかった……」ホッ

ハルヒ「じゃみくるちゃん! 有希!! 派手なアクションシーンよろしくね!! はいアクション!!」カーン!

朝比奈「い、いきます!」ジャキッ

キョン「ファイターコスして銃使うとかマジで意味わからんじゃねえか」

長門「……こい」ギュルラリリリーン!!!

キョン「なんで長門の武器は低予算なんだよ、あてもののハズレじゃねーか」

朝比奈「え、えーいっ―――!!!」




ドゴォオオォォオオン!!!!!




朝比奈「―――え?」

古泉「な……」

長門「……」ギュルルリラーン!!! シュウゥウウゥウウゥゥ…

ハルヒ「はー、やっぱお金かけただけあって中々迫力ある弾でるのねー、うん! いいじゃない!」

ハルヒ「有希のステッキがちょうど魔法を使って防いだようにも見えたし、完璧ね!!」

キョン「……ハァ」

古泉「(今のは……)」



142:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/19(月) 00:12:04.02 ID:7/ffgFGX0

ハルヒ「でね! こっからみくるちゃんは―――」

朝比奈「え、えと……はい……」

古泉「……朝比奈さんには監督直々に演技指導が入ったみたいですね」

キョン「あんなに迫力あるアクションシーンができる女優に、今更演技指導なんて必要ないと思うけどな」

古泉「とぼけないでください。あの放たれた砲弾並の威力を持つ弾はモデルガンの威力を凌駕しています」

古泉「長門さん、もしくはあなたでなければ死んでいてもおかしくはなかったのですよ」

長門「わたしが助かったのは、この魔法のステッキのおかげ」 チャララッリルラーン!!

古泉「……」

長門「……」スリャルルルルールン!!

古泉「……」

長門「……という設定」 キャララララリーン!!

古泉「はい。そういうわけです」

キョン「なんだ今の無駄な時間」

古泉「この不可解な現象は恐らく、いえ、確実に……涼宮さんの力でしょう」

古泉「現象の説明は至って簡単、いつもどおりの、涼宮さんがそう望んだから、です」

古泉「涼宮さんが完成度の高い映画を作るにあたって必要と感じたモノ、演出、現象はすべて常識として起こり得る」

古泉「先ほどの弾丸も、涼宮さんにとってはあの威力がこの映画に必要な演出だったのでしょう」

キョン「映画内で何人死なせるつもりなんだよアイツは」

古泉「この先、これ以上に不可解、不思議な現象が起こらないとも限りません、いえ、恐らくは起こることでしょう」

キョン「まぁ、ハルヒにとっては起こらない方が不自然だからな」

古泉「それも……良き映画の演出として、受け入れても?」

キョン「まぁ……主演さんなら、それぐらいの器を持っていねえとダメなんじゃねえの?」

古泉「んっふ、もちろんできる限りのサポートはさせていただきますよ、おっとサポートするのは僕ではなく」

キョン「雑用である、俺、ってか?」

古泉「よくおわかりで」

キョン「…………やれやれ、怒鳴る気にもなれん」ハァ



144:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/19(月) 00:17:20.12 ID:7/ffgFGX0

長門「つまり、涼宮ハルヒによって望まれた朝比奈みく、ミクル、または、その他の超常現象を全て常識として受け入れる、と」

古泉「ええ、監督、涼宮ハルヒを全てさらけ出した映画を撮るにはこれが一番だと、彼が」

キョン「誰がそんなことを……だが、長門。そうしちまうと、映画の設定上、敵であるお前に対する過度な攻撃が増えちまうんだが……」

長門「問題ない」

古泉「さすがです、長門さん」

長門「あなたも、協力してくれるならば」

古泉「……だ、そうですよ?」

キョン「……言われんでも」

キョン「映画に出演する女優が頑張ってるのに、雑用からパシリまでこなす俺がなにもしないわけにはいかないだろ?」

古泉「雑用からパシリって幅狭くないですか??」

キョン「言ったよ!!!もうそれ俺が言ったことだから!!!!! 俺自身分かってることだからそれ!!!!」

ハルヒ「さて! 監督の演技指導も終わったところで、撮影再開するわよ!!」

古泉「はい、監督」

朝比奈「あ、あのぅキョンくん……さっきてっぽうからでた弾って……」

キョン「ええ、そうです、あれは……」

朝比奈「あれがBB弾なんですよね?? わたし実際見るの初めてで……意外と反動あってビックリしました!」

キョン「いやあれがBB弾なら全国で数多の死傷者がでますよ!!?!? 下手したら実弾より危険ですからねアレ!!」ガーーン!!!

朝比奈「ふぇ!? じゃ、じゃああれは一体……」

ハルヒ「次は有希のシーンからよ! あのね、有希、次は……」

長門「……リョウカイシタ」

古泉「宇宙人ボイス!!?!? 役作りが本気ですね!!!!」ガーーン!!!



163:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/20(火) 22:32:31.91 ID:gJ38r+9f0

ハルヒ「はいっ! そこで大魔法『ナガトトール』!!」

長門「……」チラッ

キョン「(やっちまえ、あとは俺がなんとかしてやっから)」

長門「(了解した)」スッ

長門「ウンタラカンタラナナナナガトトール」ギャルルッルルルーン!!

朝比奈「へっ―――?」カッ!!






チュドーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!






ハルヒ「……そう、世界は核の炎に包まれたのよ……」

古泉「(と、とんでもなくやりすぎではーっ!!?!?!?)」ガーン!!

ハルヒ「カ――ット!!! ナイス演出さすがあたし! いやー、仕込んでいた火薬が良い味だしてるわ、うん!」

朝比奈「あぶうぶぶぶ……」ブクブク

キョン「おい、朝比奈さんが気絶してないか?」

ハルヒ「それがミソなのよ! これがあたしがみくるちゃんに演技指導した賜物よ!!」

キョン「リアルすぎる気絶だな……あとで元気になる魔法をかけておこう」

古泉「(目の前で核爆発並の爆発が起これば正気を保つことは常人には不可能でしょう……)」

長門「(平気?)」

キョン「(ああ、平気っつぅよりかは兵器並の威力だったがな……やれやれ)」

キョン「(ったく、一体どこまで大規模な演出を望んでやがんだハルヒは)」

長門「(あなたがいなければわたしは21回、古泉イツキは144回、朝比奈みくるは1229回、生命活動を停止する計算となる)」

キョン「(朝比奈さん桁違いすぎるわ!!!! どんだけ死者だしたいんだアイツは!!!)」



165:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/20(火) 22:37:37.50 ID:gJ38r+9f0

朝比奈「ふみゅう……」

ハルヒ「はい、そこで行き倒れるのよみくるちゃん!!」

朝比奈「あっ、あふぅ……」パタリ

キョン「今助けます朝比奈さん!!!」ダッ!!

ハルヒ「今撮影中!!! あんたがでしゃばってどうすんのよ!!! ここは古泉くんが来るシーンなの!!!」

古泉「おや、どうかしましたか?」

朝比奈「あっ、いえ、大丈夫です……ちょっと心労がたたって……」

ハルヒ「? みくるちゃん、『足もとがふらついて』のセリフところ微妙にアレンジ加えてきたわね」

長門「心の声」

古泉「本当に大丈夫ですか? 送っていかなくても……」

朝比奈「ほ、本当に大丈夫です。ありがとう……それじゃあ」

ハルヒ「……カーット!!いいわねー、これがミクルとイツキの感動的な出会いってわけよ!」

キョン「こいつ、小生意気にシーン撮りしてたのか……にしては朝比奈さんが行き倒れる理由が不明だが」

ハルヒ「これでミクルはイツキにもうメロメロリンよ! ここから物語がスタートしていくわけ!」

キョン「物語も恋も突然だなぁ……」

古泉「監督、どうでしたか僕の演技は?」

ハルヒ「うん、中々いいものを持っているわね古泉くん! これなら主演俳優賞を十分狙えるわ!!」

古泉「それはそれは、光栄ですねぇ」チラッ

キョン「なぜこっちを見る」

古泉「いえ、なんとなくですよ。なんなら僕の友人という設定で映画に出演させてもらえるよう涼宮さんに打診してみましょうか?」

キョン「断る。なんで俺がお前の友人役何かで映画に出にゃならんのだ」

キョン「朝比奈さんの彼氏役でいいなら、ノーギャラででるのもやぶさかではないが……」

古泉「その設定の役を出してしまうと、朝比奈さんは恋人がいながら僕に恋をすることになってしまいますが……」

キョン「……なに人の彼女に手ぇ出してんだテメェ!!!!!」バシッ!!

古泉「理不尽すぎるっ!!!!!!! あなたの妄想が僕を襲う!!?!?!?」ガーーン!!!



167:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/20(火) 22:43:03.75 ID:gJ38r+9f0

ハルヒ「しまったわ……今日はエキストラの連中呼んでないから別のシーンの撮影ができないわね……」

古泉「おや、エキストラの方たちにはもう出演依頼を出しているんですか?」

ハルヒ「うん、鶴屋さんに国木田くん、あと……」

キョン「谷助。クラスメイトで同郷の名前を忘れるなよ、ったく」

ハルヒ「そうそれ!」

古泉「いえ、それでもなかったような気が……」

ハルヒ「あと、まぁ一応朝倉さんにも声はかけといたわ、有希がだけど」

長門「……」コクリ

キョン「ほーん、中々出演者集めに奔走したみたいだな」

ハルヒ「しっかし、撮影初日にトントンと撮影が進むとは思ってなかったわ、ほとんど一発オーケーだしね」

キョン「(そりゃお前の思うがままの撮影をさせてやってるからな)」

朝比奈「あ、あのぅ……だったらキョンくんに出てもらえば……」

キョン「おはっ、積極的ですね朝比奈さん……まさか朝比奈さんからご指名での彼氏役の出演依頼とは……やれやれだぜっ!」シュバッ!!

古泉「すいません、白タキシードはエキストラにしては目立ちすぎるので脱いでください」

キョン「……」

ハルヒ「えーっ! キョンを映画に出すのぉ?? みくるちゃん、キョンの演技なんかみたいわけ!?」

朝比奈「ま、まぁそういうと語弊があるかもしれませんが……」

朝比奈「せっかく映画を撮るわけですし、できるならSOS団全員がでてる映画を撮りたいなって……ダメ、ですか?」

ハルヒ「みくるちゃん……あなたって子は……」ウルウル

朝比奈「え、えへへ……も、もちろん後で涼宮さんも出てもらって……」

キョン「……」

朝比奈「(キョンくん!! 聞こえていますよね!!? お願いです!! もう映画に出てわたしへの注目を少しでも減らしてください!!)」

キョン「……痛み入ります、その心遣い、喜んで出演させていただきましょう」

ハルヒ「仕方なくだかんね!! みくるちゃん直々の要望だからだからね!!!」

キョン「ああ、本当、切実な要望だったよ……」ウルウル

古泉「なんだかんだやる気じゃないですか、エキストラさん?」

キョン「おう、ここは主演の古泉に胸を借りるつもりで、主演を咬み殺すつもりでやらせてもらうからな!」キラーン

古泉「…………ストレートな殺人予告?」



169:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/20(火) 22:46:44.06 ID:gJ38r+9f0

ハルヒ「それじゃあ、今日はキョンしかモブがいないから」

キョン「モブいうな」

ハルヒ「ユキが操っている手下の一人の刺客役でミクルに攻撃する役でいきましょう!」

キョン・朝比奈「「……」」

朝比奈「(地雷踏んだーーっ!!!!! わたしの負担を減らすどころか攻撃される対象が増えただけだったぁあああぁあ……)」

キョン「(……心中お察しします、朝比奈さん)」

ハルヒ「それじゃ大体そんな感じで、セリフはアンタのアドリブで任せるわキョン!」

古泉「期待されていますねぇ」

キョン「アドリブねぇ……まぁ、やってみるか」

ハルヒ「んー……アクション!」カッ!!

キョン「お前を殺して俺も死ぬぁああああぁああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

朝比奈・ハルヒ「「ええっーーーー!!?!?!?」」ガーン!!

ハルヒ「カットカッート!!! なんでいきなりクライマックス!!!? なんで自分も死のうとする!!?!?」

キョン「いや、やっぱり人一人を殺めるって重いことだと思うんだ、罪の意識に苛まれ夜も眠れぬ日々を俺は……」

ハルヒ「モブにそんな思い設定つけないから!! あと別に殺さなくてもいいから!!! この映画にR指定は入れるつもりないわよ!!!」

長門「……本来なら入っている」ボソッ

古泉「長門さん、控えて」

長門「すまない」

ハルヒ「とにかく、殺さなくてもいいから行動不能ぐらいに……」

キョン「うぉおおおおおお!!! お前を殺すまでもないがせめて行動不能ぐらいに抑えるほどの攻撃をぉおおおお!!!!!!」

ハルヒ「ヘタか!!!!! アドリブヘタかアンタ!!! どんな説明口調で決死の覚悟してんのよ!!!!」ガーーン!!!

朝比奈「わ、わぁあああ!!! 殺されるまでもないけど、行動不能になることは避けられないであろう攻撃がくるぅううう!!!」

ハルヒ「こっちもヘタか!!!!!!! いやこっちはある程度予測できたヘタだったけども!!!!!!」

古泉「辛辣ですね……」



171:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/20(火) 22:52:06.61 ID:gJ38r+9f0

キョン「朝比奈ミクル、お前はユキ様には適わない、早急にこの時代から立ち去るがいい」

朝比奈「た、立ち去るのはあなたのほうですユキさん! ぜっ、善良な市民を洗脳して操るなんて許せませんっ!」

朝比奈「い、今洗脳をといてあげますからね!」スチャ

古泉「コンタクトレンズ?」

ハルヒ「でるわよ、ミクルの必殺技……」

朝比奈「み、ミクルファントム!!!!」

ハルヒ「でたーっ!! 『ミクルファントム』!! オッドアイの彼女の目を見たものは彼女の言うがままにされるーっ!!!」

古泉「…………」

古泉「それ逆に洗脳されただけですよね!?!?!!?? ミクルもユキもやってること変わらなかったーっ!!!」ガーーン!!

キョン「う、うぅ……あ、あたまが痛い……」

朝比奈「……どうですか? 目が覚めましたか?」

キョン「ん……お、おぉ、ミクル様……!」

古泉「あの、目が覚めるどころか別の夢見始めているようですが……」

キョン「きょ、今日もあのうんまいミルクをくれるんですよね? ね? ね?」ハァハァ

古泉「ミルク漬けだーっ!!!! 洗脳した挙句ミルクに依存させてるじゃないですか!!!! ユキよりタチが悪いですよ!!」

ハルヒ「ちょっと!! キョン、そんなのセリフにないじゃないの!! 変なアドリブいれないで!!」

長門「おいしいミルクが飲めると聞いて」ザッ!

ハルヒ「敵の親玉まで出てきた!!? どんだけうまいミルクをミクルは作ってんのよ!!?!?!?」ガーーン!!!

朝比奈「え、ええっと……」

キョン「む……あれは悪い宇宙人のユキ、よくも俺を操ってくれたな」

長門「今もあなたはミクルに操られている、目を覚ますべき」

キョン「へっ、構わないさ、俺にとってはこれが現実なんだからな!」

古泉「かっこよく現実逃避しないでください」



172:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/20(火) 22:57:26.64 ID:gJ38r+9f0

ハルヒ「んーっ、もうどうせならそっから戦闘シーン移行しちゃいなさい!」

ハルヒ「まずはキョンVSユキ!! ま、ここはパパッと瞬殺で頼むわ!!」

キョン「ほう……」

長門「……了解」

朝比奈「ふ、ふえぇ……」ガクガク

古泉「(……涼宮さんはご存じないでしょうが……このアクションシーンはどのハリウッド映画よりもリアルで最高峰のモノになるでしょうね)」

ハルヒ「アクション!!」

キョン「さあ、どうしたかかってこいよユキ、本気でいいぞ?」

長門「……言われなくても」ゴゴゴ

長門「そう、するつもり」ダッ!!

キョン「ふんっ!!」ビュッ!!

長門「……」シュッ!!

ハルヒ「なるほど……まずはキョンを浮かして空中戦にもっていくわけね」

古泉「(……何故、この方はこの現象を落ち着いて見てられるのでしょう……ああ、彼だからですか)」

キョン「くらえっ!!!」ボウッ!!

ハルヒ「なんか火ぃでた!!!!!」

長門「……」バチバチバチ!!!!

ハルヒ「こっちは雷!!!!!!」

キョン「おーららららららららら!!!!!」ビシバシドカッ!!

長門「……」ガガガガガガッ!!!

ハルヒ「そして空中で繰り広げられる乱打戦!!!! すごい、すごいわ二人共!!!!」

ハルヒ「まるで映画を見てるみたいだわ!!!!!!!」

古泉「いや、映画を撮ってるんですが……」



174:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/20(火) 23:02:49.53 ID:gJ38r+9f0

キョン・キョン「「ここだっ!!」」シュン!

ハルヒ「キョンが増えた!! 決めにかかるようね……」

長門・長門「「……」」シュン!!

ハルヒ「有希も増えた―っ!!?!? 本邦初公開!!! 有希の分裂シーンよ!!!」クワッ!

古泉「驚き、いえ、このぐらいは長門さんもできて当然ですね」

朝比奈「(なんか……驚きを感じる器官がずいぶんマヒしているような……)」

キョン「ちぃ! やるじゃないか、宇宙人ユキ!!」

長門「あなたこそ、ただの一般人にしては中々」

古泉「そう言えば彼はモブでしたね、モブがここまで敵の大将と良い勝負する映画があったでしょうか?」

長門「けど、ここまで」

キョン「何っ!?」

長門「ウンタラカンタラナナナナガトトール」 チャラララッララーン!!!!!

ハルヒ「大魔法だわっ!!!! これでキョンは……」

キョン「ぐわぁあぁああああああああああああああああああああ!!!!!!!」バシュッ!!

ハルヒ「きょ、キョーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!」

古泉「おぉ、派手に散りましたね」

キョン「すいません、ミクル様……あなたを守るには、どうやら俺じゃあ役者が不足しています……」フラッ!!

キョン「あとは、任せたぜ……イツゴッフエェッ!!!!」ゾッ!!!

長門「とどめ」

古泉「容赦なくとどめ刺しに来ましたね……辞世の句もまだなのに」

キョン「……く、くくくお、俺を倒しても第二第三のキョンが……」

ハルヒ「なんか悪役みたいなこと言ってるーーーっ!!?!?!!??」ガーーン!!

長門「問題ない、あなた程度ではわたしは止められない」

キョン「くぅ、ここまで、か……」ガクッ!!

ハルヒ「……カーット!! うん、まぁキョンにしては中々の演技だったわ、ほめたげる!」

ハルヒ「迫真の演技だったらね二人共!! あんなアクションシーンハリウッドの演出でも中々できないわよ!! 思いの外長くなったけど全然オッケー!」

古泉「こっちはよりリアルですからね」

長門「そう」

ハルヒ「いやー、まさかキョンが大抜擢とはねぇ、人間どこにどんな才能が潜んでいるかなんて……ちょっとキョン?」

ハルヒ「あんたさっきからあたしの話聞いて……死んでる??」

キョン「」バァーーン!!!!

朝比奈「ひぃ!! アババ……」ブクブク

長門「心臓を貫通する手刀……一体誰が?」

古泉・ハルヒ「「あなた(です)よ!!!!!!!!!!!!」

キョン「」バァーーーーン!!!!!!!



175:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/20(火) 23:07:05.89 ID:gJ38r+9f0

ハルヒ「うん、うん! 順調ね! いい感じだわっ!!」

朝比奈「ふ、ふみゅうぅ……」

キョン「こんなアドリブだらけで順調なのか、やれやれ……」ドクドク

古泉「あなたはまずその流血を止めるべきでは?」

長門「……すまない、やり過ぎた」

キョン「なんてことはない。俺相手にやり過ぎなんてことはないからな」

長門「……そう」

キョン「それに、映画撮影とはいえ中々やりごたえがあったぞ、久々に体を動かした感じだ」

古泉「長門さん相手にそこまで言えるのはあなたぐらいですよ」

長門「わたしも、全力を出して五体が満足でいれるのはあなただけだと感じている」

古泉「おや、朝倉さんは例外ですか?」

長門「彼女とわたしが対峙した場合、双方それなりのダメージを負う」

古泉「なるほど、明確な個体差は感じられない、と」

キョン「ちなみに古泉と長門が対峙した場合は?」

長門「瞬殺」

キョン「だって」

古泉「……え、聞く必要がありましたか?」

ハルヒ「はいはい、集合集合! 今日はこの辺であがりにしましょう! いい感じのまま明日に持ち越しよ!」

ハルヒ「明日は日曜だし、エキストラも捕まえれるでしょ!! 撮影の幅が広がるわねっ!!」

キョン「それじゃあ集合時間、場所は今日と同じ!! 明日に備えて早く寝なさいよね! 解散っ!」

ハルヒ「ってわけで! またあしたー!」

キョン「……アイツ、俺がセリフ奪うの分かった上で最後のセリフ言わずに待っていやがった……!」

古泉「どうやら手の内がバレてきたようですねぇ」

キョン「クソ……こうなったら洗脳でもして」

古泉「そういう危なげな設定は、映画の中だけのことに収めておいてください」



194:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/22(木) 21:13:44.74 ID:Vh3bD3VF0

谷口「で、言われるがまま来てみれば……」

国木田「まさか映画撮影をするなんてね、驚きだよ」

鶴屋「あっはっはー! さっすがハルにゃん思い切ったことするねぇ!!」

ハルヒ「でっしょ! あなたたちはみんなSOS団の歴史に名を刻むことを許されたのよ!!」

朝倉「……ねえキョンくん」

キョン「どうした朝倉?」

朝倉「あたし長門さんになんて言われてここに連れてこられたと思う?」

キョン「……なんて言ったんだ長門?」

キョン・長門「「仕事」」

朝倉「なんで仕事扱い!!?!? あたしは女優でもなんでもない女子高生だけど!!?!? 映画でるのとか初めてなんだけど!!?」バァーーン!!!

キョン「あ、朝倉なんか少し嬉しそうだがそっちの仕事じゃない」

朝倉「え?」

キョン「ツッコミの仕事」

長門「そう」

朝倉「……」

朝倉「……え、あたしなんかすっごい恥ずかしいこと言ってた?」

キョン・長門「「言ってた」」

朝倉「…………」

朝倉「つ、ツッコミの仕事って何よ!!! あ、あたしは別につつ、ツッコミじゃないわっよ!!」ワタワタ

キョン「あからさまに動揺してるな」



195:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/22(木) 21:18:56.18 ID:Vh3bD3VF0

ハルヒ「さて改めて……オホン! エキストラのみなさん! おはようございます! 超監督、涼宮ハルヒです!」

谷口「似たようなこと野球大会ん時も聞いたぞ」

国木田「僕らが呼ばれるときはそういうときなんだよ」

ハルヒ「あなたたちは今作にエキストラとして参加する権利が与えられています」

谷口「義務の間違いだろ」

朝倉「(違いないわ)」

ハルヒ「あたしの映画には演技力は問いません! アドリブ力と熱意! この二点があれば誰でも大歓迎よ!!」

谷口「涼宮よ、一つ質問いいか?」ハイ

ハルヒ「はい……谷、助!」

谷口「誰だそれ……ズバリ、ギャラの有無は!!?」キラーーン!

ハルヒ「は? みくるちゃんと同じ空気、同じ場所にいる時点でアンタにとってはギャラよりも高価なものでしょ谷口」

谷口「ぐぅの音もでん……この時だけ名前思い出しやがって」

国木田「日頃の行いだね」

鶴屋「ハルにゃん!! あたしたちはどんなシーンで出ればいいのっかな??」

ハルヒ「そうね、じゃその撮影ポイントに移動しながら今日の予定を説明しましょうか! それじゃ行くわよ!!」バッ!!

古泉「いやぁ、大所帯になってきましたね」

キョン「これ以上の人材の追加はいらんぞ」

朝比奈「安全に終われますように、安全に終われますように……」ブツブツ

長門「……」パーラッタラーー!!



196:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/22(木) 21:24:23.00 ID:Vh3bD3VF0

ハルヒ「まずはここ! 古泉くん家の近くにいい感じの池があってよかったわー!!」

朝倉「あの……涼宮さん? ここ、立ち入り禁止って……」

ハルヒ「マスターキー!!」

キョン「へいへい」カチャ

ハルヒ「突入!!」ダッ!

朝倉「ちょ、もうすでに映画のシーンみたいになってるけど!!?!?」ガーーン!!

キョン「ヒュー、さっすが仕事人。ほれぼれするねぇ」

朝倉「言い回しまでそれっぽくしなくていいから!! ていうか仕事って言わないでよ!!」

ハルヒ「はい! ここ、みくるちゃん! ここ立ってセリフね! はい、国木田くんはこれもって、アンタはこれ!」

朝比奈「は、はぁい」

国木田「セリフ書いたノートと……」

谷口「レフ版……おいおい、これじゃあ本当にギャラでもでねーと不満がでるぜ」

朝比奈「ええと、あの涼宮さん」

ハルヒ「ん? どうかした?」

朝比奈「あの、あたしはどこで着替えれば……?」

ハルヒ「……それはね、キョン!!!」

キョン「あいあいさー」パチッ

朝比奈「わっ! い、いつの間に衣装に……」

谷口「おおっー!! さっすが朝比奈さん! いやぁ、なんでもお似合いになりますねぇ!!」

ハルヒ「……アンタ、そのまま適役でだしてもなんの違和感もない顔してるわよ」

キョン「じゃ、ついでに」パチッ

谷口「ってうわぁ!!! なんだこりゃあ!! なんで全身黒タイツの某雑魚適役みたいに……」

朝倉「…………これあたしもあとでやられる流れ!!? もう嫌よ!! 合宿みたいなのは!! 自分で着替えるからぁ!!」

キョン「いや、多分朝倉はそのままの服でいいと思うけど……」

朝倉「……あ、そう」

キョン「…………恥ずかしいなあ、もう」

朝倉「う、うるさいわよ!!!!!!」



197:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/22(木) 21:28:31.40 ID:Vh3bD3VF0

ハルヒ「んー、アクション!」

朝比奈「ゆ、ユキさん!! これ以上地球の皆さんに迷惑を掛ける前に、あなたには地球から去ってもらいます!」

長門「あなたにはわたしを倒すことはできない。同時に、あなたはわたしに倒される運命」

朝比奈「そのような既定事項はありません! あるのは……あなたが地球を去る既定事項です!」スチャ!

朝倉「コンタクトレンズ?」

キョン「朝倉、少し構えとけ、くるぞ」

朝倉「くる?」

ハルヒ「ミクルの第二必殺……」

朝比奈「み、み、『ミクルビーム』!!!!!!!!」カッ!!!




ドォオオォオオオオオオォオオオオオオオオオオオオオオオン!!!




朝倉「なっ、長門さーん!!! 大丈夫!!?」

長門「……」 ホーホゥフフォー!!

朝倉「な、なにあれ……」

キョン「魔法の力で助かったようだ」

谷口「す、すげー演出……」

国木田「予算掛かってるねー」

鶴屋「あっはっはー! みくるが変なモン出してるー!」

朝倉「(そ、そんなレベルなモンじゃないでしょ! 粒子加速砲? フォトンレーザー?)」

朝倉「(よく分からないけど朝比奈先輩からは何かしらの化学兵器並のものが放たれている……)」

キョン「(そうだ、なんでもアリアリの映画らしいからな)」

朝比奈「(……随分迫力満点の映画になりそうね)」

キョン「(なんせ超監督がついてるんでね、こっちには)」



198:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/22(木) 21:34:02.58 ID:Vh3bD3VF0

長門「やってくれた、今度はこっちの番、いでよ我が僕」スッ

鶴屋「みーくーるー!」

朝比奈「そ、そんな鶴屋さんに国木田くん! 谷口くん!」

谷口「(おぉおおお!! あ、朝比奈さんに名前呼ばれた……今ならもう死んでもいい……)」

キョン「ならば死ね」バァン

谷口「ゴッッフェ!!!! きょ、キョンテメェ!」ガクッ

朝比奈「きょ、キョンくん! あなたは死んだはずじゃ……!」

キョン「あなたを守るためなら、地獄の底より蘇ってきましたよ、地獄から鬼を連れてね」

朝倉「誰が鬼よ!! って違う違う……オホン! 久しぶりね長門さん、以前あなたに消されたわたしよ」

長門「……鬼」

朝倉「鬼じゃないわよ! 朝倉! 朝倉涼子よ!!!!」

ハルヒ「うんうん、これぞ集合って感じね!! いい感じにキャラクターに因縁も出来たし!!」

朝比奈「キョンくん! でも違うの! あの人たちはキョンくんと同じくユキさんに操られているだけなの!!」

キョン「なんと、それは大変! はやく『ミクルファントム』で洗脳を解いてあげないと……」

長門「そうはさせない、さあ撃って」

国木田「え、僕がかい? うーん、できるかなぁ……それっ!」ボンッ!!

朝倉「! 国木田くんまで……本当になんでもありね、ここは!」バシッ!!

国木田「わっ、本当になんか出たよ、すごい技術だね」

古泉「(国木田さんも鶴屋さんも、大変大らかな人で助かります……)」

谷口「まっ、まだだっ……俺は死にかければ死にかける程に強く……ッ!」

国木田「えいっ」ドチャッ!!

谷口「ゲハッ!!!! なに、すんだ国木田よ!!!」

国木田「技の練習だよ。あと谷口は死にかければ死にかける強くらしいからね、手伝ったまでだよ」

古泉「(大変お黒いようで)」



199:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/22(木) 21:38:23.82 ID:Vh3bD3VF0

朝比奈「み、『ミクルビーム』!!『ミクルビーム』!!!」

長門「……」シュン!! シュン!!!

キョン「総力戦だな……やれやれ」

朝倉「総力戦って言っても……これ大分戦力偏ってない!?」

朝倉「いくら長門さんがいるとは言え、こっちにはキョンくんあたし、そして強化された朝比奈さんまでいるのよ?」

キョン「そうか、では朝倉よ。向こうには誰がいると思っているんだ?」

朝倉「へ?―――ッ!!!??」ガッシィィ!!!

鶴屋「おおっ!! 体が軽い軽い!! よっく動くっさねー!」

朝倉「つ、鶴屋先輩……!?」

キョン「朝比奈さんであれだけ強くなるんだぜ?  そもそものポテンシャルが高い鶴屋さんなら……」

朝倉「(あ、あたしに対抗できるっていうの……信じられないっ!!)」ググッ!!

鶴屋「あさにゃん! 鶴屋流古武術の力、とくとみるがいいさ!! はぁぁあああぁあああああああああああ!!!!」ゴオォオオ

鶴屋「かめは○波ーーー!!!!!!!!」ドォオオォオオオオオオォオオオオオオオオオオオオオオオン!!!

朝倉「もろ流派違うじゃない!!!!!!! ていうかめっちゃ強力なのでてるしーっ!!!!!!」バッ!!

キョン「さて、ユキよ……地獄の底より蘇った俺を止められゴッフェ!!!」ブッシャー!!

長門「なんどでも送ってやろう、地獄に」

国木田「長門さん強いねー……」

ハルヒ「うんうん! 戦局が動いてきたわねー!!!」

古泉「……あの、ここから僕がでてできることってありますかね?」

谷口「お、お、ぉおおおおおおおおおおおお!!!!!」ゴォオオ!!

谷口「す、すげぇ……感じる、感じるぞ!! 俺の眠っていた力が」ドスッ!!

朝比奈「あっ、ご、ごめんなさい谷口くん! み、『ミクルビーム』がうっかり……」

谷口「…………本望です」グッシャァ!!

朝比奈「いやぁぁああああああああああぁああああ!!!! た、谷口くんが肉片に!!!」

国木田「あ、元から肉片みたいなものなんでほっといて大丈夫ですよ」



200:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/22(木) 21:42:17.42 ID:Vh3bD3VF0

ハルヒ「さっ、満を持して……古泉くん、出番よ!!」

ハルヒ「この争いを鎮めなさい!!!!」

古泉「(難易度が高いっ!!!!!! こ、この戦いを終わらせるなんて……)」

鶴屋「あっはっはー!! 楽しいッさねー! あさにゃん!!」ガガガッ!!

朝倉「つ、鶴屋先輩! 楽しいというかすでに人類の域を超えてると言うか……」ガガガガッ!!

朝比奈「『ミクルビーム』!!!」ドォン!!!! ドォン!!!

長門「……」チャッチャチャチャチャ!!!!

古泉「……」ゴクリ

古泉「……では、いざ……スゥー」

古泉「戦いを!!!!! やめて下さい!!!!!」

キョン「おぉおおおおおおおおおおおおっらぁ!!!!!!!!」ガッ!!

谷口「くっ、やるじゃねぇええええええええっか!!!!!!」ガッ!!

古泉「……僕の言葉では、届きませんか」

古泉「(涼宮さんの力が働く今なら……僕に働く最強の力……ご都合主義でもなんでもいい……)」

古泉「僕の、主人公補正よ……今ここにッ、覚醒せよっっ!!!!!!」ゴッ!!!!

ハルヒ「あ、あれはイツキの覚醒モード!!!!!!!!」ガタッ!!!

ハルヒ「レッドバルーンいっちゃん!!!!!!!!!!」

古泉「……レッドバルーンいっちゃん!!!!!!!!!」バァーン!!

朝比奈「レッドバルーンいっちゃん!!!!!??!?!?」ガーーン!!

キョン・朝倉「「ださ」」

キョン「なんだその赤玉のコスプレは、それが主人公の覚醒でいいのか!?」

長門「……戦う気が失せた、ここは退く」

朝比奈「ふ、ふえぇ……イツキくん、その格好は……」

古泉「…………」

古泉「これが、主人公補正……血を流すことなく、場を治めることが、できました」ツー

キョン「おう、血は流れてねえが、お前の目から涙は流れてるぞ」

朝倉「しかも、そのコスプレじゃカッコもつかないわよ、古泉くん」

古泉「…………」



223:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/25(日) 00:14:02.97 ID:tT8r4TLc0

ハルヒ「……カーット!! うんうん、ナイスよ、みくるちゃん!! もうあたしから言うことはないわ!」

鶴屋「あっはっはーみくるぅ、免許皆伝だってさ!! よかったねぇ!」

朝比奈「ふえぇ……」

古泉「……さて、映画製作もようやく大詰め、といったところでしょうか」

朝倉「二日よね? 二日で全部撮り終えられるなんてすごいじゃない」

古泉「まぁ、ほぼノーカットでしたので……」

朝倉「ま、あれだけ派手なことしてちゃそうそう不満なんてでないか……」

古泉「涼宮さんが思うがままに撮影された映画ですからね……それよりも」

古泉「この映画で涼宮さんが起こした非現実的な出来事の数々、あなたはどうなさるおつもりですか?」

キョン「え? 俺? 俺がなにかするのか?」

古泉「……あなた以外に誰が」

キョン「そりゃあ 主演 の古泉さんの名演に決まってるだろう」

古泉「……すいません、調子にのっていたことを謝罪させてください」

キョン「ついでに俺のことをモブ顔って言ったことも謝れ!」

古泉「言ったことはないのですが……すいません」

キョン「でも思ったことはあるだろ」

古泉「…………すいません」

キョン「朝倉、この失礼なやつどうしようか」

朝倉「完全に言わせにかかっておいてそれはないわよ」



224:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/25(日) 00:18:35.53 ID:tT8r4TLc0

キョン「と言っても、具体的になにか俺がすることがあるのか?」

古泉「もちろんですよ、涼宮さんが願ったことが実現していいのはこの映画内だけ……」

古泉「今現在発生している、奇妙珍妙な現象は全てフィクションという枠組みに納めなければならないのですよ」

キョン「つまりはあれか、池にクジラが生息していたり、目からビームでたりするのはNGってわけだ」

古泉「その通りです、尤も……」

キョン「俺は出るけど」ビィイイイィイイ

古泉「……元からNGの存在であるあなたは、例外ですが」

長門「……」ビィイイイィイイ

古泉「……長門さんも」

朝倉「……」

古泉「……朝倉さんも?」

朝倉「あ、あたしはやらないわよ!! で、できるけど……」

キョン「要するに、なんでも叶う夢の時間は終わりってことをハルヒ分からせりゃいいんだろ?」

古泉「あまり直接的に申されても困ります。涼宮さんを不機嫌にさせてしまう可能性がありますので」

キョン「ま、そん時ゃまた神人狩りを手伝ってやるよ」

古泉「心強いですねぇ、どうです? 今からでも準主役役への昇格を打診してみましょうか?」

キョン「結構だ、伝記や物語の主人公なんてとうに演じ飽きたさ」

キョン「今は―――ただの、SOS団の一団員でいい」ザッ

キョン「ハルヒ」

ハルヒ「ん? どうしたの、キョン?」

キョン「この映画、絶対成功させるぞ」

ハルヒ「何言ってんのよ!! もうこれは成功は確約されたものよ!! こんだけ素晴らしい演出、脚本、監督なんだから!」

キョン「キャストも誉めてやれよ、といいたいところだったが、ちょうどいい」

キョン「さ、ハルヒ。お前の出番だぞ」

ハルヒ「…………へ?」



225:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/25(日) 00:22:52.52 ID:tT8r4TLc0

キョン「ん? 俺が出たんだし、当然お前も出るだろ? 朝比奈さんも言ってたし」

ハルヒ「……いや、それは……あたし、超監督だし」

朝比奈「そうですよ涼宮さん!! まだ涼宮さんが出てくるシーン撮影してないですよぉ!」

ハルヒ「だ、だからねみくるちゃん、あたしは、その、裏方に徹する存在っていうか……」

朝倉「……涼宮さん、こんなに人を巻き込んでおいて自分は安全圏から出ないって言うのはないでしょう?」

ハルヒ「……ぐ、朝倉さん……言ってくれるじゃない」

鶴屋「ハルにゃんだってお祭りごとは好きにょろ?? だったら一緒に映画にでようっ!! うんっ!」

古泉「団長なくして映画の完成はありえませんね」

ハルヒ「鶴ちゃんに古泉くんまで……」

キョン「もう逃げ場はないぞ超監督さんよ、それともなにか? もしかして演技するのを恐れているのか?」

ハルヒ「……」

キョン「あんなに朝比奈さんに演技指導だなんだ言ってた割に、自分がやるとなるとガッチガチになっちゃうあれか、あーなるほど」

ハルヒ「……はぁ!?」

朝倉「ちょっとキョンくん、言い過ぎよ。誰にだって得意不得意はあるわよ」

長門「彼女の場合、それが不得意に該当しただけ。珍しく」

ハルヒ「…………」

キョン「そうだったのか、いやー悪い悪い。そりゃ無理にはさせれんはな、うん。こればっかりは仕方ないうん」

谷口「s―――」

ハルヒ「やるわよっ!!!!!!!!!」

キョン「お」

古泉「おや」

朝比奈「わぁ」

長門「……」

ハルヒ「映画、超女優涼宮ハルヒ、でるわよっ!!!!!!!!!!!」



226:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/25(日) 00:27:29.53 ID:tT8r4TLc0

朝比奈「じゃ、じゃあわたしがあのキューだしたりしていいですかぁ!?」キラキラ

ハルヒ「そんなにやりたかったのこれ?」

キョン「じゃ、じゃあ俺レフ版もってていいか!? なぁ!?」キラキラ

ハルヒ「あんたはずっとレフ版持ってたでしょうが!!!!! 何今更雑用に喜んでんのよ!!!!!」

ハルヒ「……ったく、なんで監督であるあたしまで映画に……」ブツブツ

朝倉「あら、案外往生際が悪いのね、涼宮さん?」

ハルヒ「……あたしはただ、監督としてのあたしが映画に出ることに異議を呈してるだけで……」

朝倉「監督としてはそうかもしれないけど、団長として映画にでないっていうのも、違うんじゃない?」

ハルヒ「…………」

朝倉「……まぁ、最終的にそう思ったみたいだから、映画の出演を決めたようだけど」

ハルヒ「……朝倉さん、いい性格してるわねあなた」

朝倉「そう? 人間っぽさがでてるならあたしの演技も捨てたもんじゃないってことかな?」

ハルヒ「? まぁ、なんでもいいわ。あなたもエキストラとして見てなさい!」

ハルヒ「超女優涼宮ハルヒの大地を震撼させる名演技を……ッ!!!!」

朝倉「じ、自分からハードル上げていくのね……」

キョン「ま、団長ってのはそういうモンだろ」

長門「そう」

朝倉「SOS団が考える団長の在り方ってのがいまいち分からないわよ……」

ハルヒ「じゃ古泉くん! 位置についてッ!!!!」

古泉「御意に」

ハルヒ「設定はさっき言った通り!! セリフ、カメラワークその他諸々全てアドリブでいくわよっ!!!」

ハルヒ「それじゃみくるちゃん! キューだして!!」

朝比奈「はいっ! じゃあ3!…2!……」スッ!



227:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/25(日) 00:33:07.49 ID:tT8r4TLc0

古泉「ふぅ、ミクルさんとユキさんのいざこざも落ち着いて、また平穏な日常が訪れましたね」

キョン「説明乙」

ハルヒ「ふっふっふ……またぬるま湯の日常に浸かりたいと、あなたは言うのかしら??」

古泉「ッ!? だ、誰ですかあなたは!!?」

ハルヒ「誰?……あたしを知らないの? だと言うなら教えてあげる」

ハルヒ「あたしこそが全ての黒幕、世界の中枢を握る者……涼宮はるひよ!!!!」ドーーン!!!

朝倉「あら、役名の字面がかわいい……」

古泉「す、涼宮はるひ……さん?」

ハルヒ「こう考えたことはない? 全ての行動、現象、結果は誰かによって定められた意味あるものだ、と」

ハルヒ「その誰かがいるのだとしたら……それはあたしよ!!!!!!」

ハルヒ「あたしは、この世界の全ての現象を意のままに起こし、操れるっっ!!!!!」

キョン「よく分かってんじゃねえか」

ハルヒ「ミクルやユキをあなたに向かわせたのもあたしの意志……こうなることは既定事項だったのよ」

古泉「そんな……それじゃあまさか、僕という存在も……ッ!!!!」

ハルヒ「そう、この世界の創造主、あたしによって生み出された超能力少年なのよ!!!」

古泉「そんな……まさか……」

ハルヒ「ビックリした? 落ち込んだ? 絶望した? あなたがどんなリアクションをとろうともそれが既定事項なんだけどね」

古泉「…………あなたを、倒す!!」

キョン・朝倉「「なんで(だよ)?」」

古泉「あなたを倒し、あなたの傀儡とも言えるこの世界を、解放する!!!!!」

ハルヒ「ククク……それが、既定事項だと言うならば受け入れましょう……さあ、いらっしゃい!」ゴォオゴォオオオ!!

古泉「おぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」ブアァアアアア!!!

キョン「以上! 涼宮先生の次回作にご期待ください!!!!」

朝倉「なに言ってんのよ」



228:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/25(日) 00:37:56.55 ID:tT8r4TLc0

ハルヒ「…………ちょっと! みくるちゃん! カットはまだなの!!?」

キョン「おい、まだなんだから喋るなよ」ザッ

ハルヒ「ちょ、あんたこそまだカメラ回って……」

鶴屋「あっはっはーこれ知ってるよ!! 大団円ってやつにょろ!?」スタスタ

朝比奈「み、みたいですね。よくわからないけど……」スタスタ

長門「……」ブワハハハハハッハハッ

朝倉「長門さん、よくわからない音が入るからそれ切っといて」

谷口「俺らも入ってていいんだよな?」

国木田「谷口は外れておいたほうがいいかもね」

古泉「っと、さて全員カメラフレームに収まりましたかね? 大丈夫ですか? 分身体さん?」

キョン・キョン「「おう、バッチリだろ」」

ハルヒ「ちょ、キョンこれ、こういうのするのはいいけど、まださっきのカメラが回りっぱな……」

キョン「いいから、ほらカメラの方向いて」

ハルヒ「?」

キョン・キョン「「それじゃあ、みんなこのセリフ読んでこの映画を締めたいと思いまーす」

鶴屋「なになにー? おおぅ、面白いっさね! それ!」

朝倉「……ま、無難ってとこかしら」

ハルヒ「……こんなこというと興が覚めちゃわない?」

キョン「覚めるかよ、むしろこう言っとかないと真似するバカがしてもダメだろ」

キョン「この演出、脚本、ストーリーはSOS団が映画を作るにあたって、できたことだ」

キョン「決して、他の誰かが、日常で真似しても出来ないことなんだよ。それを分かってもらうために、言わなくちゃならない」

ハルヒ「…………あっそ、じゃさっさと言っちゃいましょ」

キョン「じゃみんないくぞ―っ!! せーのっ――――――!!」



229:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/25(日) 00:42:57.75 ID:tT8r4TLc0

ハルヒ「……カーット!!! はい、これで全シーン撮り終えました!! 完パケですっ!!!」

谷口「うぉおぉぉおおおおおおおおおおおおお!!!!!!! やったぜ!!!!!」

国木田「なんでただのモブがそんなに熱籠ってるんだよ谷口」

朝比奈「よ、よかったぁ……」

古泉「ええ、とてもいい映画になったと思いますよ」

朝比奈「……生きてる」

古泉「あぁ……」

鶴屋「ずぅぅぅぅっと気になっていたけど、有希っこのその衣装はなんだいっ!?」

長門「占い」

鶴屋「占い!!?!!? 占いとはおったまげーだねっ!!! 有希っこ占い出来たんだね!! はーへーすっげー!」

ハルヒ「はい! 各人思う所はあるとは思いますが、あたし個人としてはとってもいい映画ができたと思うわ!!」

ハルヒ「それもこれも、いい映画を作りたいと集まってくれたみなさんのおかげです!! どうもありがとう!!」

朝倉「あたしは仕事って言われて……まぁ、いいか」

キョン「いつからあいつは舞台挨拶と勘違いしてるんだ」

ハルヒ「それじゃあエキストラの皆は解散っ!! また打ち上げに呼ぶわっ!」

キョン「俺達は?」

ハルヒ「SOS団は学校に戻って編集作業!! 今日中に終わらせちゃうわよ!!!」

キョン「時間はあるんだし、なにも今日やらんでも……」

ハルヒ「興奮さめやまぬうちに!!!!!!!」

キョン「……なんだよ」

ハルヒ「鉄は熱いうちに打て!!! 言いたいこと分かるでしょ!! なんとなく!!」

キョン「はいはい……なんとなく分かったんで、さっさと編集しにいきますか」

ハルヒ「~~~っそれじゃあ!! 今から編集長! 一直線よ!!!!」

キョン「いやそれ別のやつ」

朝倉「?」



230:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/25(日) 00:47:19.26 ID:tT8r4TLc0

部室


キョン「とまぁ、なんだかんだ息まいてた癖に」

ハルヒ「スー、スー……」

朝比奈「スー……」

キョン「朝比奈さんと一緒にグッスリってかい。誰がやるんだよこの編集作業は……」

古泉「無論、 主演 の僕と、あなた、そして悪い魔法使いユキ役の長門さんの三人でしょう」

長門「……」ギャリリリーン!

キョン「お前の主演は今日を持って降板した。そしてその今日というのは厳密に言えば昨日であり」

キョン「日を跨いでも帰れない俺達は、はたしてこの異空間化された部室で一体何を行っているのか……」

古泉「編集作業でしょう」

キョン「ええい、言われんでも分かってる」

古泉「……さすがですね」

キョン「何がだ」

古泉「映画のことですよ、涼宮さんはこれで映画は映画、現実は現実と区別することができました」

キョン「ハルヒを馬鹿にし過ぎだ、そんなもん子供でも区別がつく」

古泉「涼宮さんはいい意味で子供のようなお方です。純粋や好奇心といった意味でね」

古泉「その涼宮さんが、現実を映画のようなものだと考えてしまったら……世界はどうなっていたんでしょうね」

キョン「さあな、オッドアイの朝比奈さんがいたり、レッドバルーンいっちゃんが部室に存在したんじゃねえの?」

古泉「…………」

キョン「おおぅ、落ち込んでいる暇はないぞ元主演、編集作業が終わる兆しが見えんのだからな」カタカタ

古泉「……あなたと長門さんがいてそのようなことはないと思うのですが……いえ、これは野暮でしたね」

キョン「野暮も野暮だ、現実と映画の区別を教えておいてここでチート使ってちゃ面目丸つぶれだろう」

キョン「ここは一つ、真面目に、地道にやっていくもんだろ、なぁ長門?」

長門「…………なに?」カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタッ!!!

キョン・古泉「「いえ……」」



231:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/25(日) 00:52:53.54 ID:tT8r4TLc0

『じゃみんないくぞ―っ!! せーのっ――――――!!』

『『この映画はフィクションです、実際の人物団体とは一切関係ありません』』

『『もしあったとしてもそれは他人のそら似で……』』

『ちょっとキョン! こんなことまで本当に言う必要あるの!?』

『バカ、お前せっかくみんなで言ってたんだから合わせろよ!!!!!!』

『今そのキョンくんの声が大きくてなにも聞こえないわよ!!!!!』

『あなたの声も大きい』

『待った待った! みんなあっちの俺のセリフボードを見てだな……』

『えいっ! あっれーおっかしいぁ、最後にもう一回火の玉出そうと思ったんだけどなぁ』

『おい国木田ぁ!! 明らか俺の方向いてたよな!!? 正確に言うと洒落にならん頭に向かってたよなおいぃ!!!』

『あ、あのこれでいいのかな鶴屋さん?』

『いいっさいいっさ!! 盛りあがってなんぼっさ!!! 青春いいじゃないか!!!!!』

『ねえ、収集つかなくなってない?』

『お前が大声でツッコむからだろ』

『涼宮さんが途中で言うのやめちゃうから』

『あたしにとってあの程度、詠唱破棄できるのよ!』

『しちゃだめでしょ!!! ちゃんと読まなきゃ映画が締まらないわよ!!! 詠唱じゃないし!!!!!』ガーン!!

『あーもう!! だったら超監督兼超女優のあたしの一言で締めればいいんでしょ!!』

『できるのか?』

『あたしを誰だと思ってんのよ!!! あーおー、テステス、ゴホン!!」

『えー見てくれた皆さん! どうもありがとう! 提供はSOS団+αでした!!』

『おい、俺らαってひど――――――』

『とっても面白い映画になったってことはあたしも重々理解しているから感想は一々聞くまでもないわねっ!』

『あ、それとこれは危険なスタントシーンとかも含まれているから真似しちゃだめよ? SOS団だからできたことなんだからね!!』

『えーと……ま、つまり!』

『これからもSOS団をよろしく!!!!!! 以上!!! 超監督兼超女優涼宮ハルヒでした!!!!!』

『…………カーット!!!』

『やり直し!!!』

『『なんでよ!!?!?!!?!?』』ガーーーン!!!!




                          

                            




                                               涼宮ハルヒの溜息 完



250:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/25(日) 23:26:40.82 ID:o3d6/nta0

ハルヒ「文化祭来たれり!!!!! ついにこの日がやってきたわ!!!!!!」

ハルヒ「映画を皮切りにSOS団が全国、いや世界配信される日が!!!!!!」

ハルヒ「今ごろは視聴覚室のタイムスケジュールを見て度肝抜かれてるやつが多いんでしょうね!!!!」

ハルヒ「なんせ今世紀最大のダークホース、SOS団の映画が組み込まれているんですもの!!!!!!!」

ハルヒ「さて、そんな我々SOS団の今すべきことは何か……それはズバリ広報活動よね!!!!」

ハルヒ「文化祭という学校行事で比較的人が集まりやすいこの状況で、知名度アップに繋がらないなんてことはないわ!!!」

ハルヒ「というわけで、本日SOS団はいつにもまして広報活動メインでやってくわよーーっ!!!!!!」


























ハルヒ「(……といいたいところだったんだけど、まぁ、今日は休みかしらね)」

ハルヒ「(なんせ……肝心の団員がいないんだものね……)」

ハルヒ「(まったく……有希もみくるちゃんも古泉くんも、ここがチャンスだっていうのにみんななにクラスの出し物なんか出てるのかしら!)」

ハルヒ「(いずれノスタルジーに駆られてフラフラと部室に戻ってくる違いないわ!! そうなったらすぐみくるちゃんはバニーに着替えて―――)」

ハルヒ「(……なんて、みんなクラスの役割があるからそんなことはできない、わよねぇ……)」

ハルヒ「(有希は占い、みくるちゃんはメイド喫茶古泉くんは……演劇だったかしら? ま、どれも忙しいことに変わりはないけど……)」

ハルヒ「(どうしようかしら……一人でやる? ま、別にいいんだけどそれじゃSOS団の活動的にどうなの、ってことになるし……ああもう)」

ハルヒ「キョンよ!!!!!! 全部キョンで予定がくるっちゃったじゃないの!!!!!!!」

ハルヒ「あいつだけはあたしと一緒で当日は暇だと思っていたから安心してたのにぃー!!!!!!」キィー

ハルヒ「よりにもよってクラスの出し物、『おでん屋~あさくら大将~』なるものに駆り出されるとわね……」

ハルヒ「あの空気からまさかおでん屋まで士気を高めるとは……さすがは朝倉さん、見込んだとおりね」

ハルヒ「……ま、朝倉さんもエキストラで映画に出演してくれたし、そのギャラってことでキョンを貸し出してあげるわよ」

ハルヒ「……いつのまにか口から言葉が漏れちゃってたわ……はぁ」

ハルヒ「……暇ね」



252:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/25(日) 23:32:52.64 ID:o3d6/nta0

ハルヒ「(クラスの出し物手伝おうにも、あたしは当日することないしね……)」

ハルヒ「(とはいえ部室で無駄に時間を浪費するってのもなぁ…………よし、決めた)」

ハルヒ「(団長として、団員の文化祭活動をチェックしに行きましょう!!)」ドーン!

ハルヒ「(我が団の団員がクラスで迷惑かけていないかチェックするのよ、うん、それがいいわ!! 暇だし)」

ハルヒ「(そうと決まればすぐ行動よ!!)」ガチャ

ハルヒ「(まずは……そうね、有希のトコいこうかしら? たしか占いの館とかなんとか……)」

ハルヒ「(うーん、あたしが言うのもなんだけど……有希ちゃんとやれてるかしら?)」

ハルヒ「(ちょっと目を離すとフラっとどっかいっちゃいそうな感じがするのよねぇ、あの子)」

ハルヒ「(ちゃんとクラスに溶け込めてるのかしら、あたしが言うのもなんだけど……なんか、我が子を心配する母親の気持ちが分かる気がする)」

ハルヒ「(……まぁ、有希は責任感が強いし、なにごとも中途半端で投げ出すようなことはないんだけどね)」

ハルヒ「……ここね」ピタッ

ハルヒ「ちょーっと覗き見させてもらうわよー……」ソー

長門「あなたは今から2分30秒後にたこ焼きを買う、おいしそう。それから5分44秒後に最後の一つを落とす、もったいない」

ハルヒ「いたいた、ちゃんとやれてるじゃない。やっぱりうちの団員は優s……」

キョン「ほんとなんですよ!!!! これは世紀の大予言です!!!! 地球が、地球が……やばい!!!!!」

ハルヒ「(いたーーーーっ!!?!?!?!?? なんか別のクラスのうちの団員がなぜかここにいたーーっ!!?!?!?)」ガーーン!!

キョン「ちょ、ま、追い出そうとするな!!! いいか、俺はここで占い店が開かれると聞いて駆け付けたんだ!」

キョン「なぜかって? そりゃ俺の大予言をみんなに聞いてもらうためさ! おいそこ、ムービー撮影は禁止だ!」

キョン「いいか、まず俺の予言にはルーティンがあってだな……あ? 呼び出し? アサクラ? 誰だそいつはほっとけ」

ハルヒ「……頭いたくなってきた、もしかしてSOS団って外からみたらあんな感じなのかしら……いやいやそれはないでしょ、うん」

ハルヒ「今のアイツに関わるのはあたしでも躊躇うわ……次いこ、次」

ハルヒ「次は……お腹も減ってきたし、みくるちゃんトコに焼きそばでも食べに行きましょ」

キョン「いいか!? 信じる者は救われるんだ!!!!! さあみんなで祈ろうじゃないか!!!!」オー!オー!

ハルヒ「…………知らない知らない」



253:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/25(日) 23:37:42.35 ID:o3d6/nta0

ハルヒ「(……やっぱりあたしって友達いないのかしら?)」

ハルヒ「(団員は別として、それ以外に交流らしい交流があるのって……大きく見ても鶴ちゃんと朝倉さん、だけよねぇ)」

ハルヒ「(……まぁ、だからなんだと言うか、よりにもよって文化祭でそう感じることになるとは思いもしなかったわ)」

ハルヒ「と、ついたはいいけど……なによ、この行列……全員メイド目的ってわけ!?」

ハルヒ「(ぐぐぐ……こいつら、価値にしてそうとうのものであるみくるちゃんのメイド姿をたかだか焼きそばの代金程度で……)」ワナワナ

鶴屋「あ、やっほーハルにゃん! なになに、焼きそば食べに来てくれちゃったりしたのーっ!!?」

ハルヒ「あ、鶴ちゃん。うん、そんなトコだけど……すごい行列ね、これ」

鶴屋「あっはっはー! いやぁぼろ儲けだよ、ぼろ儲け!! こんなんでお客呼べるんだったら家でもやりたいぐらいっさ!!」

ハルヒ「そうね、まったくみくるちゃんのメイド姿を安売りするなんて……もったいないことこの上ないわ」

鶴屋「あっはっはー確かに! おや? ハルにゃん一人かい? キョンくんは?」

ハルヒ「ああ、キョンならクラスの手伝い。あたしは前日準備組だったから今日はやることないってわけ」

鶴屋「はっはーんなるほど、キョンくんをクラスに盗られた腹いせにやけ食いするつもりにょろ?」

ハルヒ「ないない、別に腹が立ってる訳じゃないし、まぁ団員のチェックってところかしらね、みくるちゃんはどう?」

鶴屋「どうもこうもみくる目当てのお客がいるってだけでもう商売繁盛ってところっさ!!!!」

ハルヒ「集客効果は北高一だもんね、さっすがみくるちゃん。我が団のマスコットの力をいかんなく発揮してくれちゃってるわね」

鶴屋「それじゃあハルにゃん、ちょろーっと列ならんどいてくれるかなっ? あ、もちろん団長様料金でまけとくよーっ!」

ハルヒ「分かったわ、それじゃ待たせてもらうから、期待以上のモノをよろしくね」

鶴屋「おまかせあれっ!!!! とは言っても焼きそばと水以上のクオリティは中々だせないにょろよーっ!! あっはっはー!!」バビューン!

ハルヒ「……嵐のような人とはよく言ったものね」



254:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/25(日) 23:41:18.88 ID:o3d6/nta0

ハルヒ「(……な、長い)」

ハルヒ「(そりゃ列みてりゃ分かってたことだけど……鶴ちゃんのちょろーっとって一体……)」

鶴屋「ハルにゃーん!! お待たせしましたっ!!! どーぞお席にっ!!!!」

ハルヒ「ようやく、ね……」

鶴屋「ささっ、どーぞ、どーぞ……みくるーっ! ハルにゃんにお水持ってきてーっ!!」

朝比奈「は、はぁい!! あ、涼宮さん来てくれたんですね!」

ハルヒ「そうよ、みくるちゃんの勤務態度をチェックしにね!」

朝比奈「ちぇ、チェックですかぁ?」

ハルヒ「そう、あなたの普段のメイドらしさをメイド喫茶というこの戦場でいかに出し切れているか、それが評価ポイントよ!!」

朝比奈「ぽ、ポイント制だったんですね……」

キョン「はい、焼きそばあがりぃ!!!」

朝比奈「あ、はぁい! ただいまぁ!」

ハルヒ「うんうん、まずその衣装の着こなしは完璧……」

ハルヒ「ってなんでまたキョンがここにいんのよっ!!?!!!??!? しかもめっちゃ馴染んでるし!!!!!」ガーーン!!

鶴屋「あーキョンくんね、ハルにゃんが列ならん出るとき、あまりの忙しさに手が回らなくなって」

鶴屋「たまたま通りかかったキョンくんに手伝ってもらってるってわけさ!!」

キョン「はいよっー!! 焼きそば二丁追加了解っ!!!!」ジャージャー

ハルヒ「おでんほっぽりだしてなにやってんのアイツ……」ガツガツ

ハルヒ「と、同時にメイドのウェイトレスじゃなくて安心してる部分もあるけど……ん、ごちそうさま」

鶴屋「おおっ、はやっ!!! あれ? キョンくんに一声かけなくていいのっ!?」

ハルヒ「……忙しそうだからいいわ、それと客が捌けてきたらちゃんとクラスのおでん手伝うように言ってあげてね」

朝比奈「あっ、す、涼宮さん!!」

ハルヒ「みくるちゃん、衣装すっごく似合ってるわ! お店の売り上げはあなたにかかっていると言っても過言じゃないわ!」

ハルヒ「映画の主演を演じた時みたいに堂々としてなさい! あなたには、それができるんだから! それじゃね!」ダッ!

朝比奈「あ、は、はい……行っちゃった……」

鶴屋「うーん、ハルにゃんは嵐のような人だねぇ!」



255:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/25(日) 23:45:41.48 ID:o3d6/nta0

ハルヒ「…………」

古泉「そう、この世界のメカニズムとは案外簡単なものです……たった一人の神によって創造されたものなのだから……」

キョン「解釈の問題だ。お前たちがそう捉えるよう、また俺達も別の捉え方がある」

ハルヒ「(だからなんで行く先々にアンタがいるのよ!!!!!! てか演劇は無理でしょ!!!?!?)」ガーン!

ハルヒ「(にしても、みくるちゃんまでとはいかないけど、古泉くんもすごい人気ね……)」

ハルヒ「(こりゃ古泉くんにも副団長とは別にそういったポストを用意しなきゃだめみたいね……)」

古泉「なぜあなたとは分かち合えないのです!? 我々は目的が同じではありませんか!!」

キョン「ああ、同じさ。だが互いに譲れない手段ってモンが明確に違うだろうが」

ハルヒ「(…………暇ね)」

ハルヒ「(団員のチェックが目的なんだから別に劇をみる必要もないし、古泉くんにある層の集客力があるのも分かったし……)」

ハルヒ「(というかキョンはキョンで一体なにやってるのよ……なんかもうどこ行っても現れそうなんだけど……)」

ハルヒ「……出よう」

キョン・古泉「「ア―――ッ!!」」

ハルヒ「こらぁ!! なんの演劇よ!!!!」ビシッ!

















ハルヒ「……はぁ」

ハルヒ「(文化祭ってこういうモンなのかしら? あたし的には映画作ってる時が一番文化祭っぽかったかも……)」

ハルヒ「(そう、あたしはもう達成感には満たされてるのね、当日あれこれするわけじゃないから……)」

ハルヒ「(だから、今日が本番のみんなの熱意に負けてる、ついていけてないのかしらね……)」

ハルヒ「(……いや、それとは別に)」

ハルヒ「…………ま、一人じゃつまんないわよねぇ」



257:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/25(日) 23:50:04.47 ID:o3d6/nta0

ハルヒ「(……部室、戻るついでにクラスのおでん屋によってこうかしら)」

ハルヒ「(一応、団員も所属してるし、ちょっと喝を入れないとダメそうだし……)」

ハルヒ「(おでん食べて……一人でもできる広報活動でもやっちゃおうかしら)」

ハルヒ「……ああもう!団長たるあたしがどうしてこんな優柔不断に……調子狂うわね」

ハルヒ「(……有希もみくるちゃんも古泉くんも、ちゃんとクラスのこともやってたし……)」

ハルヒ「(あたしがやってないってわけじゃないけど……ま、せっかく準備は手伝ったんだし)」

ハルヒ「(今から行って……忙しそうなら、まぁ……手伝っても、いいか……)」

ハルヒ「……って言っても文化祭でおでんなんかだしても客が寄ってくるわけ……」

朝倉「なにやってるの!!!!!!! はやく調理急いで!!!!! デシャップもっと効率的に!!!!!」ガオーッ!

キョン「こらぁ谷口!!!! まずはおしぼりとお飲み物を伺えっつたろうが!!!!!!」ゴオッ!!

谷口「ひ、ひぃす、すいません!」

ハルヒ「な……な、なにこれ……」

ハルヒ「だ、大盛況も大盛況……今まで見た中で一番賑わってるじゃない……」

ハルヒ「まさかあのお通夜モードのクラスから一転、こんな人気おでん屋さんになるとは……」

ハルヒ「ていうかキョンはここにもいるし、いやここはむしろいなきゃダメなんだけど……アイツさては分身してたわね」

ハルヒ「……手伝おうと思ったけど、むしろこの忙しさじゃ邪魔になるだけみたいね……」クルッ

ハルヒ「……ま、キョンと朝倉さんがいるなら大丈夫でしょ、充分よ充分」

ハルヒ「……あたしは、まぁ、広報活動でもやって―――」

キョン「なに一人でぶつくさ言ってんだ?」

ハルヒ「ッ!!?!? な、ま、また独り言になってた!!?」

キョン「なに言ってるんだお前は」

ハルヒ「ッじゃなくてアンタ!! アンタこそなにやってるのよ!! ほら、あんなお店混んでるのにこんなとこで油売ってる場合じゃ……」

キョン「そうだ、店はあんな混んでる。で、そんな混んでる店ほっぽり出してお前はどこに行こうというんだ?」

ハルヒ「いや、だって、今あたしが店入ったところでなにも手伝ることなんて―――」

キョン「手伝え」グイッ

ハルヒ「へ?」

キョン「今からお前は『おでん屋~あさくら大将』の 雑用!!! だ!!!! 分かったらキビキビ働いてもらうぞ!!」グッグッ

ハルヒ「ちょ、ちょ、ま、引っ張んないで、ってば!!」



258:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/25(日) 23:54:40.23 ID:o3d6/nta0

キョン「大将!! 雑用連れてきたぞ」

ハルヒ「ざ、雑用ってアンタ根にもって……

朝倉「はい急ぐ涼宮さん!!!!! ここに入ったからにはキビキビ働いてもらうわよ!!!」

ハルヒ「いや、あ、あたしは……」

朝倉「返事をしてすぐ急ぐ!!!!!!!!! 返事は!!!!!????」

ハルヒ「は、はいっ!!!!」

朝倉「調理、接客、デシャップ、することは色々あるわよっ!!! 自分がしなければならないこと、それ考えて即行動!!!」

ハルヒ「りょ、了解……」

キョン「3番テーブルあがりぃ!!!!! それと5番の会計よろしくっ!!!!」

ハルヒ「あ、あと払い……ここ普通に飲食店みたいになってるじゃないの……」フキフキ

朝倉「だぁぁぁあああああああああいいこんお待ちぃ!!!!! 9番テーブル急いでっ!!」コトッ

ハルヒ「は、はいぃ!」

キョン「ハルヒぃ!! お客さん待ってるぞ!!! 席に案内だ!!!!」

ハルヒ「ちょ、まだテーブル片づけてないっ!」

朝倉「涼宮さん!!!! 6番さんオーダーよ!!! あと7番に瓶ビール!!!」

ハルヒ「今手が離せな……ビール!!?!? 高校の学園祭でビール出しちゃうのここぉ!!?!?」ガーーン!!!

谷口「た、大将えーと、1番に大根とちくわぶとはんぺん……あと4番にえー……きんちゃく餅……」

朝倉「もっとハキハキ喋りなさい!!!!!!!! オーダー通す時は大きな声で!!!!」

谷口「は、はひぃ!!」

ハルヒ「オーダー!!!1番さん牛串と卵追加ぁ!!! あとテイクアウトでしらたきと昆布巻きお願いっ!!!!」

キョン・朝倉「「はいよーーっ!!!!!」」

キョン「ハルヒーっ!!! 8番さん生中3-っ!!」

ハルヒ「はいよ、ってビールサーバーまで!!?!!? どっから調達してきたのよ!!?!?」ガーン!!



260:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/25(日) 23:57:44.60 ID:o3d6/nta0

ハルヒ「3番さん、7番さんお帰りでーす!!!!」

キョン・朝倉「「ありがとうございましたーっ!!!」」

ハルヒ「ふぅ……大分落ち着いてきたかしら……」

キョン「いやー忙しかったなぁ、昼時のマックくらい」

ハルヒ「おでんにその例えはどうなのよ……」

朝倉「涼宮さん、助かったわぁ。もう、回らないんじゃないかって思ったわよ」

ハルヒ「いざとなったらキョンを分裂させれば済む話よ」

朝倉「うん、その最終手段はできれば使いたくなかったからね」

キョン・キョン「「そうなのか?」」

朝倉「今する!!?!? 今する意味ないのに今する!!?!!?」ガーーン!!

ハルヒ「……落ち着いてきたことだし、あたしはこれでお役御免ってことでいいかしら?」

朝倉「あ、そうね。うん、本当にありがとう涼宮さん。なにか、適当におでんでも……」

ハルヒ「いいわよ、ただクラスの出し物手伝っただけだしね、うん、ちょうど暇だったから」

朝倉「そう? だったらいいのだけど……」

キョン「それじゃ、俺も休憩もらっていいか?」

朝倉「え?いいけど……キョンくんなにかするの?」

キョン「ハルヒなにかするんだろ?」

ハルヒ「え、えーと、まぁ……」

キョン「ま、 雑用 を頑張ってくれた礼だ。何かするなら手伝ってやらんでもない」

ハルヒ「ざ、雑用ゆーな!! そもそもSOS団じゃアンタこそが雑用なんだからね!」

キョン「へーへー、そういうことで、大将休憩行ってきまーす」

朝倉「行ってらっしゃい、ありがとね涼宮さん」ニコッ

ハルヒ「……どういたしまして」



261:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/26(月) 00:01:10.03 ID:FW6B005C0

ハルヒ「まったく……あたしを雑用扱いして……もう!」プンスカ

キョン「いいじゃないか、暇だったんだろ?」

ハルヒ「暇……暇、だった! けど……」

キョン「けど?」

ハルヒ「……ううん、なんでもない。そう、キョンあたし暇だったのよ」

キョン「そりゃまたどうして」

ハルヒ「文化祭って当日自分がやることなければ案外暇なモンだって今日で分かったわ」

ハルヒ「いろんなとこまわったりしたんだけど、どうもいまいち自分が文化祭に馴染んでないような気がしたのよ」

ハルヒ「……まぁ、一人で回ってたからってのもあるけど」

キョン「なんだ、俺はてっきり広報活動にでも赴いてると思ってたんだが」

ハルヒ「やろうと思ったわよ、けど……乗り気にならなかったわ」

キョン「そんなら俺を誘ってくれてもよかったのによ、分裂してやったし」

ハルヒ「いや、至る所でアンタは見たんだけどね……いいのよ、アンタはアンタでおでん屋があったし」

ハルヒ「あーぁ、なんかあたしだけ文化祭らしいことなにも出来てない気がするわ」

キョン「おでん屋は?」

ハルヒ「ん?」

キョン「おでん屋を手伝ってる時はお前は文化祭らしさを感じなかったのか?」

ハルヒ「あれは……あー……まぁ」

ハルヒ「あまりにも統一化されて文化祭っていうよりはただのバイトみたいだったけど……」

ハルヒ「あれはあれで、確かに……文化祭っぽかったかもね。あたしが雑用ってのが気に入らないけど」

キョン「つまりはそういうことだよな、文化祭ってのは、いや文化祭に限らずだが」

キョン「何かをする時は誰かと一緒にする方が絶対に面白い、だろ?」

ハルヒ「…………うん」



263:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/26(月) 00:05:30.73 ID:FW6B005C0

ワーーワー


キョン「ん?」

ハルヒ「なにかしら?」

岡島「ですから!」

財前「あたしたちは今日のために―――」

ハルヒ「もめてるようだけど……」

キョン「……ハルヒ、文化祭らしいこと、まだし足りないよな?」

ハルヒ「え? まぁ、まだそういう部分もあるけど……」

キョン「最後に一丁、広報活動も兼ねた慈善活動じみた文化祭活動をしてみるか」

ハルヒ「……はぁ? どういう意味よ、それ」

キョン「ま、ここで待ってろ。話をつけてくる」

ハルヒ「?」

キョン「あのー……―――」

岡島「え? 本当ですか!?―――」

財前「だったら是非―――」

キョン「ええ、ええ、はい―――」

ハルヒ「(何話してるかしら……あ、帰ってきた)」

ハルヒ「キョン、一体何を―――」

岡島・財前「「よろしくお願いします!!!!!」」

ハルヒ「……え?」

キョン「バンドやろうぜ!!」キラーン!

ハルヒ「……は?」

キョン「いやだから、けい○ん! だよ けい○ん!」

ハルヒ「いや今んとこ意味わかってないけど多分それは違うってことは分かる!!!!!!」ガーーン!!



314:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/10/31(土) 23:54:30.81 ID:4+ZaJJz30

ハルヒ「なるほど、つまり……」

ハルヒ「欠員した二人の部員に代わって文化祭のステージに上がってほしい、と」

岡島・財前「「お願いします!」」

キョン「そういうこと」

ハルヒ「簡単に言うわね」

岡島「無理なお願いだって言うのは分かってます!」

財前「でも、わたしたちはこの日のために今まで……」

キョン「来る日も来る日も練習してきたんだ!! 分かるかハルヒ!!?」

ハルヒ「いや、アンタも知らないでしょ、でも確かにボーカルとギターがいないんじゃステージは無理ね……」ウーン

キョン「……どうする? まぁ、さすがに急だしできないと言うんであれば……」

ハルヒ「やるに決まってるでしょ? あたしが今考えてるのは編成よ編成」

キョン「俺が分身……さすがは団長、即決で了承したか」

岡島・財前「「(分身……?)」」

ハルヒ「どうせなら有希も誘いましょ! あの子ならリードギターできそうだし!」

キョン「ま、俺はなんでもできるが、長門ができるなら俺はリズムギターでの参加でいいか」

ハルヒ「それじゃあたしがボーカルで決定ね!! すぐ歌詞覚えるわ!! キョンあんたは有希を―――」

長門「呼んだ?」ヌッ

ハルヒ「まだ呼んでない!!!! まだ呼んでないけど呼ぼうと思ってたとこ!!! さっすが有希!!!!」

岡島・財前「「(ど、どっから来たんだろう……)」」

長門「そう」

岡島「……あの」

キョン「ああ、大丈夫ですよ。ご覧の通り、お手伝いさせていただきます。文化祭という晴れ舞台をね―――」



315:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/11/01(日) 00:02:22.05 ID:4v+C2O6s0

ハルヒ「ふんふん……なるほど、うん。おっけー! 一旦通しでやってみましょ!」

岡島「え、ま、まだ一回楽譜見ただけじゃ……」

キョン「まぁまぁ、物は試しに一回やってみましょう」ジャラジャラ

ハルヒ「うん、その前にアンタはその馬頭琴、ジャンべ、カリンバ等の必要のない楽器はしまっときなさい」

キョン「へーい」

財前「な、なんであんなに民族楽器が……」

ハルヒ「それじゃ岡島さん! よろしく!」

岡島「じゃ、じゃあ……」チッチッチッチッ



♪~~



岡島「(! す、すごい……完璧に合ってる……一回目なのに!)」

財前「(合ってる……合ってるけど……)」

キョン「♪~~」ドンドラピュープアン!

岡島・財前「「(結局民族楽器ですごい自然なアレンジ加えてきた――っ!!?!!?)」ガーーン!!

ハルヒ「かーわいたー! こころでかけーぬーけるー!」

キョン「おーー! ハルヒ!!!」

岡島・財前「「(合いの手も完璧だ――っ!!!!!!!)」ガガーン!!

ハルヒ「スト―ップ!!! 真面目にやりなさいキョン!! 岡島さん達戸惑ってるじゃないの!!!」

キョン「あ、これはこれは……すいません部活のノリでやっちゃって……」

岡島「い、いえ……完璧だったのでビックリしました」

財前「す、すごい特徴的な音も混じってましたけど……」

長門「♪~~」ソンザイガー!



316:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/11/01(日) 00:07:17.14 ID:4v+C2O6s0

体育館


ザワザワ


古泉「おや」

朝比奈「あれ?」

古泉「朝比奈さんも、見にいらしていたんですか?」

朝比奈「うん、友達が見にきてって……古泉くんも?」

古泉「僕は……そうですね、勘とでもいいましょうか?」

朝比奈「勘? 勘ってどういう……」

古泉「涼宮さんの起こす、面白い事を嗅ぎつける勘……そのようなものです」

朝比奈「???」

古泉「さて……どうなることでしょう」

朝比奈「……あっ!」








ハルヒ「どーもー!! ENOZでーす!!! 正確にはENOZ with SOS団だけどねー!!!」








朝比奈「す、涼宮さん!? な、なんで……」

古泉「大方、バンド内の誰かがトラブルで欠員、その穴埋めとして涼宮さん、彼、長門さんが代役を引き受けた、というところでしょうか」

朝比奈「……な、なんで?」

古泉「……それは『なんでそんな細かい事分かるの?』という意味でのなんで? なのでしょうか?」



317:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/11/01(日) 00:11:55.96 ID:4v+C2O6s0

ハルヒ「ENOZはバンドのメンバー、榎本、中西、岡島、財前のイニシャルの頭文字から付けられたものなの!」

ハルヒ「残念ながらその内、榎本さんと中西さんは今日のステージにはたてなくなっちゃたんだけど……その代わりに!」

ハルヒ「SOS団からあたし、とその他団員2名が急遽助っ人として参加することになりましたーっ!!!!」

ハルヒ「突然決まったことだから、演奏とか拙いものになっちゃうかもしれないけど……そこんとこは長い目で見て頂戴!!!」

ハルヒ「せっかくの文化祭! 軽音楽部とSOS団のコラボなんてめったに見れないんだから目ん玉見開いてよぉーく見ときなさい!!」

ハルヒ「じゃ正規メンバーから紹介していくわね!! ドラムのMIZUKI!!!」


ダララララララララララララシャーーン!!!!


ハルヒ「ベースのMAI!!」


デレレン デレレーン!  ドッドゥドウーン!!


ハルヒ「続いて臨時メンバー、リードギターのYUKI!!!」


ページニハー!! アカイシールシー!


岡島「(なんかちょいちょい違う曲引いてない? 長門さん)」

ハルヒ「リズムギターの、KYON!!!」


キョン「ヒャッハーーーッ!!!! 今日はENOZのライブを心いくまで、地獄まで、楽しんでいってくれやぁあ!!!!」ジャララララララーン!


財前「(なんかもう根本からコンセプトが違う―っ!!!! ていうかいつのまにそんなヘビメタ風メイクに……)」

ハルヒ「そして、ボーカルのあたし!」

キョン「H・A・R・U・H・I ハ・ル・ヒ!! H・A・R・U・H・I ハ・ル・ヒ!!!」

古泉「H・A・R・U・H・I ハ・ル・ヒ!! H・A・R・U・H・I ハ・ル・ヒ!!」

朝比奈「ええっ!!?!?」

ハルヒ「はい、紹介ありがとう。というわけで、あくまでもあたし達臨時メンバーは脇役、主役はENOZの二人だから!」

ハルヒ「それじゃ、みんな楽しんでいってねーーー!!!!!」



オォォオォオォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!



319:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/11/01(日) 00:16:34.35 ID:4v+C2O6s0

古泉「いやあ、すばらしい歌声ですね、HARUHIさんは」

朝比奈「は、はる……そうですね、涼宮さんすごい堂々としてる……」

キョン「ま、ハルヒだからできたことですね」

朝比奈「キョ、キョンくん!!?!?!?」ドキッ!

古泉「焚きつけたのはあなたでしょう?」

キョン「バカ言え、勝手に燃え上がる奴だろ、アイツは」

朝比奈「(こ、古泉くん慣れ過ぎ……分身に慣れるってどうなのかなぁ……)」

古泉「あなたも、中々の演奏っぷりでしたよ?」

キョン「羨ましいか? なんなら来年の文化祭はSOS団総出でバンドやってもいいんだぞ?」

古泉「遠慮しておきます。僕は大勢の前にたつと緊張であがってしまいますので」

キョン「へっ、演劇の主役やっといてよく言うぜ」

古泉「……涼宮さんが喜ばれているようでよかったです」

古泉「今日は少々、精神が不安定なようでしたので」

キョン「……ま、そんな日もあるだろうさ」

キョン「人間、一人でいたい時もありゃ、一人が寂しいって感じることもある」

キョン「一人だと思っていた人間が、寂しいって感じるようになったってんなら、それはいいことなんだろうさ」

朝比奈「涼宮さん、寂しかったんですね……」

キョン「なに、秋の気分にあてられて一時的に大人しくなってるだけですよ」

キョン「現に、ステージで歌うハルヒはいつものハルヒじゃあないですか」

古泉「そうですね、いつものHARUHIさんです」

朝比奈「え、ええ……」

キョン「お、おう。なんだ古泉」

古泉「んっふ」



320:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/11/01(日) 00:21:55.73 ID:4v+C2O6s0

翌々日


キョン「よう、ハルヒ」

ハルヒ「ん、おはよ」

キョン「どうしたよ、また大人びた真似して」

ハルヒ「別に、そんなんじゃないけど」

ハルヒ「もうちょっと、うまく歌えなかった、とかもうちょっと多く歌いたかったとか……」

ハルヒ「悔しさ、なんて上等なモンじゃないけど……まぁ、やり残した感はあるかしら」

キョン「残尿感的な?」

ハルヒ「例えが悪すぎるけど、まぁ、そんなトコ」

キョン「即興にしちゃ十分すぎるできだったろ? 岡島さん達も何回もお礼言ってたし」

ハルヒ「そりゃあそうかもだけど……せっかくあたし達に頼んでくれたんだから、もっと、もっとできたはずじゃ……」

キョン「……お前は十分すぎるほどやったさ、証拠にほら」スッ

ハルヒ「? あ、岡島さん達……」

キョン「行ってやれよ、言いたいことがあるみたいだからよ」

ハルヒ「……あんたも来なさいよ、あんたも出たんだから」

キョン「へいへい」




中西・榎本「「本当にありがとう!」」

ハルヒ「いいわよ、もう何回も聞いたわよ、岡島さんと財前さんから」

岡島「何回いっても足りないぐらい感謝してます!」

ハルヒ「それより、有希に言ってあげて! あの子はあたしに連れられただけだから!」

榎本「うん、言ってきたよ!! なんか『いい宣伝になった』って言われたけど……なんのことだろ?」

財前「(たまに混ざってた変な音のやつかな……」」

ハルヒ「ただ、ちょっとトチっちゃたりしたとこもあったんだけど……ごめんね」

中西「とんでもないわよ、むしろたったあれだけの時間で演奏できるなんてことに驚愕の一言だわ」

榎本「おかげさまでオリジナル音源のダビングが追いつかないぐらい、欲しいって人が来たんだよ」

岡島「本当、なんてお礼したらいいか……」

ハルヒ「いや、お礼なんて―――」
キョン「そうだぞ、ハルヒ。さすがに部費の半額をよこせなんて……」

ENOZ「えっ!?」

ハルヒ「い、言ってない! 言ってないから!!」

ハルヒ「ほんと、あたしもいい曲歌えて気持ちよかったし! SOS団の名前も出させてもらったし!」

榎本「そ、それならよかった」

中西「あのさ、あたしたち卒業までにどっかでライブするからさ、是非見にきてよ!!」

榎本「……オトモダチと一緒にね」チラッ

キョン「アー、オレタチトモダチ」

ハルヒ「何言ってんの? うん、是非見に行かせてもらうわ!!」

岡島「それじゃあ……涼宮さん、とオトモダチも」

ENOZ「「「「ありがとうございました!!!!」」」」

ハルヒ「……あ、あーうん。どういたしまして!」

キョン「……照れちゃってぇ」

ハルヒ「うるさい!」



321:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/11/01(日) 00:28:16.09 ID:4v+C2O6s0

キョン「どうだ? あんだけ人に感謝されるってのは?」

ハルヒ「なによ、あたしが人に感謝されるのが慣れてないみたいな言い方」

キョン「分かってるじゃないか、顔にムズかゆいって書いてたぞ」

ハルヒ「むー……ま、実際そうだったんだけどね」

ハルヒ「あたしは……そんなお礼を言われたいからとか、そんなつもりでやったわけじゃないし……」

ハルヒ「向こうもただ、穴埋めを探してただけで……」

キョン「お前が楽しいと思ったことをやって、人に感謝されるんならそれでいいじゃねえか」

キョン「向こうが満足してんのに、当のハルヒが不満足なんておかしいだろ?」

ハルヒ「……だって」

キョン「そもそも、ENOZの演奏を完璧にこなせるのはENOZだけだ」

キョン「そう思ったから、演奏を聞いてたやつらはオリジナル音源を欲しくなったんだろう」

キョン「そう思わせたお前の演奏はENOZにとって最高のものだったんじゃないか?」

ハルヒ「…………」

キョン「……ま、もしお前が演奏について、悔いが残るような結果に感じてんだとしたら」

キョン「来年、リベンジするときにでも付き合ってやるよ」

ハルヒ「来年……?」

キョン「来年の文化祭はSOS団で出りゃいい、そん時には十分な時間もある。完璧な演奏が出来る、だろ?」

ハルヒ「……それ、いいじゃない!! やるわよ、来年の文化祭! SOS団でライブ!!」

キョン「ああ、だからその時も、だれかに感謝されるような、そんな歌声を聞かせてくれよ。HARUHIさんよ」

ハルヒ「……言われなくても、分かってるわよ!!!!」

キョン「……そうかい」



      
 



                                          ライブ ア ライブ 完



340:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/11/04(水) 00:58:23.55 ID:eSuRI5+50

『キョン。雨だね』

『ああ、雨だな』

『久しぶりの雨だ。長く降り続けてくれればいいのだけど』

『だな、まぁそんなに降り続けるような雨ではなさそうだがな』

『もう長月も終わり、直に冬が来るね』

『もうそんな時期か、早いもんだな』

『それは僕といる時間があまりに楽しくて、時の流れが早くに感じている、ということかな?』

『お前の深読みには驚嘆の一言だが、確かにいつのまにかこんなに時間が経っていたんだな』

『くつくつ。そうだよ、君に初めて会ってから何回目の冬になるんだろうね?』

『さあな。ただ、お前と会った季節は冬で会ったことは覚えてるよ』

『ああ、だからかな?』

『なにがだ』

『僕が冬という季節を好いている理由さ』

『……訳のわからんことを。大体お前は夏が好きだったんじゃないか? いや、そういえば春も秋も好きと言っていたな』

『くつくつ。それはね、キョン。それらの季節も、君と再開してきた季節だからだよ』

『理にかなっているようで、無茶苦茶なことを言うな、お前は』

『……だが同時に君と別れてきた季節でもある』

『…………』

『全ての季節は別れの季節で、また同時に出会いの季節でもある、だね』

『……ああ、そうだな』

『くつくつ……。ではキョン、僕はもういくとしよう』

『……ああ、それじゃあな』

『ああ、それじゃあ親友――――――また会おう』

『―――ああ、またな。親友』



341:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/11/04(水) 01:01:44.70 ID:eSuRI5+50

朝比奈「3…2…………」カション!

ハルヒ「ふ、ふぅーははは!!! 世界の創造主、涼宮はるひここに目覚めたり!!!」

ハルヒ「今ここに、この世界に宣戦布告させてもらうわ!!!!!」ビシッ!!

ハルヒ「世界は我の手にありっっ!!!!!!」ゴォオオ!!

朝比奈「……か、カーット! お、おっけーです!」

キョン「やるじゃあないか、ハルヒ」

古泉「いやぁ、名演技でしたね」

長門「……」コクリ

ハルヒ「…………いや、違うし!!!!!!!」ビシッ!!!!

キョン「お前が作りたかった長門ユキの逆襲 episode00は出演者の意向で延期だ」

ハルヒ「あたしが作りたいのはっ……そう、それ! まぁ、それが延期になったらしいなら、まぁそれでいいわ」

朝比奈「(い、いいんだ……)」

ハルヒ「ただね、だからってなんであたし主演の映画を撮るわけ!!?!? 誰が得するのこの映画!!!!」ガーーン!!!

キョン「そんなこと言うと前の映画だって、誰も得しなかったじゃないか」

ハルヒ「したわよ!!!!! 主に、みくるちゃんのファンクラブとかさぁ!!!」

キョン「お前はその連中に得をさせて何か得することがあったのか??」

ハルヒ「とにかく!! あたしの映画は撮らないから!! そう、このお仕事はキャンセルさせていただくわ! 団長権限で!!」

キョン「でも監督は朝比奈さんだぞ」

朝比奈「じゃ続行でお願いしまぁす」ニコニコ

ハルヒ「ひどいっ!!!! みくるちゃんが笑顔で酷いこと言ってくるぅぅうう!!!!」ヒィイイ

長門「ユニーク」



342:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/11/04(水) 01:06:20.95 ID:eSuRI5+50

キョン「ったく、文化祭でもなんでもないのに続編の映画なんてごめんだっての」

古泉「おや、前回の制作では随分とノリ気のようでしたが?」

キョン「やればできるタイプなんだよ、俺は。やりたくはないが」

古泉「でしたら、僕としましても是非あなたには頑張ってもらいたいところですがね」

キョン「まずはお前が頑張れレッドバルーンいっちゃんよ」

古泉「…………」ズーーン

キョン「いやもう落ち込むのはいいっての」

古泉「……まぁ、映画はともかくとして、次に涼宮さんが企画しそうなイベントと言えば……」

キョン「ま、あれか……」

古泉「あれ、ですね……」

キョン「バミューダ―・トライアングルの日だよなぁ……やれやれ」ハァ

古泉「……当然のことのように言いますが、知りませんよそんなイベントは」

キョン「なんっ、お前バミーダ・トライアングルの日を知らんのかぁ!!?」

古泉「あなたこそバミーダってなんですか、覚えてないじゃないですか。確かに涼宮さんが食いつきそうなイベントの様ではありますが……違いますよ」

古泉「ズバリ、クリスマスですよ」

キョン「ああ、テレホンカードの日の翌々日か」

古泉「圧倒的にクリスマスと言う人の方が多いと思いますが……テレホンカードの日なんてあるんですね」

キョン「しっかし、日本人も熱心なことだな、異教の文化を祝うってんだから」

古泉「神仏習合とも言いますし、大らかなんですよ、この国は」

キョン「ただただ騒ぎたいだけなんだろ、どっかの団長さんみたいによ」

古泉「だとするならば、涼宮さんほど、イベントを楽しんでいる人はいない、ということでしょうね」

キョン「そんなもん、探すだけ無駄だ。見つかりゃしないんだからな」



344:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/11/04(水) 01:11:29.52 ID:eSuRI5+50

キョン「しっかし、もう冬か……早いな」

古泉「涼宮さんやあなた方と出会ってからもう半年以上も経つのですね。いやぁ感慨深いですね」

キョン「まぁ、密度濃い時間を過ごしてきたのは確かだな」

古泉「それはきっと、これからもそうなっていくのでしょう。あなたの目には、どう見えているのかは測りかねますが」

キョン「自分の未来なんてそうそうみたいなんて思わねえよ、全知よりは無知の方が人生を楽しめるぞ」

古泉「……皮肉ですか?」

キョン「……自虐だな」

古泉「あなたの仰る通り、未来を知る術を持たぬ僕からすれば、この先起こっていく出来事にワクワクしていますよ」

キョン「どちらかと言えばドキドキで、そのドキドキも興奮よりかは、心配のドキドキだと思うんだが?」

古泉「涼宮さんのことですか? 心配いりませんよ、彼女はこの半年で随分大人しくなったようですから」

キョン「あれで大人しいって言われるんなら、長門は最早子犬のように大人しいぞ」

古泉「むしろ子犬は大人しくないと思うんですが……これまでの涼宮さんと比べて、ということですよ」

古泉「閉鎖空間の発現頻度は中学時代の10分の1以下、至って平穏無事な精神状態が長く続いています」

キョン「進歩と呼べなくもない、か」

古泉「進歩どころか、進化と言っても過言ではないでしょう」

キョン「おいおい、ただでさえ神扱いしてるくせに、さらにランクアップがあるってのか? 界王様にでも成り上がらせるつもりか?」

古泉「なるほど……そういう考え方もあり、ですね」

キョン「ねーよ」

古泉「では、女神様、ということで手を打ちましょうか」

キョン「それは朝比奈さんで間に合ってる」

古泉「ごもっともですね」



345:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/11/04(水) 01:15:45.22 ID:eSuRI5+50

ハルヒ「はい、入っていいわよ!!」ガチャ

キョン「後ろだ」シュン!!

ハルヒ「ひゃぃいいい!!?!? ば、バカッ!! びっくりすることすんなっ!!!」バシッ!!

キョン「痛い」

古泉「おや、お三方とも、大変麗しいお姿で」

ハルヒ「でっしょ!! この子たちの衣装を選ぶ者においてあたし以上の審美眼を持つ人間はいないと自負してるわ!!!」

朝比奈「あ、あの涼宮さんこれは……」

ハルヒ「見れば、いや着れば分かるでしょ? サンタコスよ、サンタコス!!」

朝比奈「三、タコス……三タコス?」

キョン「朝比奈さんが言ってるのは、なぜ今サンタコスを着ているのかと言うことだ、あと朝比奈さん、あなたの考えているそれは誤解です」

ハルヒ「SOS団は夢を与える団体です」バーーン!!

キョン「なんだ急に。この時期にとてつもなく怪しい宗教団体みたいなこといいやがって、神罰が下るぞ」

ハルヒ「そう、夢を与える者、それすなわちサンタクロース!!!」

キョン「曲解だな。年に一度しか働かない赤いデブに夢だと? そんなもんその赤いデブになることこそが全国の若年無業者の夢だよ」

ハルヒ「いちいち捻くれたこと言ってるとあんたのトコにサンタさんは来ないわよ!!!!」

キョン「ここにいるからいい。ねー朝比奈サンタさん?」

朝比奈「さ、三田さん……あ、あたしはみくるですよ??」

古泉「……どうやら、文化が違うようですね」

ハルヒ「とにかく、あたしたちは夢の象徴なの!! SOS団は夢を背負って生きてるのよ!!」

ハルヒ「で、その夢を分けてあげるのがサンタさんって訳!! それがサンタコスである理由!」

ハルヒ「今この衣装を着るのはクリスマスに向けた衣装合わせってトコ!!!! 分かった!!?」

古泉「ね、次のイベントはクリスマスだったでしょう?」

キョン「ああ、見えてたよ、ずぅぅぅぅっとな、ちくしょうめ」



346:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/11/04(水) 01:19:57.49 ID:eSuRI5+50

朝比奈「あ、あの冬にこの格好はちょっと寒いんじゃ……」

ハルヒ「みくるちゃん、そんな甘ちょろいこと言ってる子にはサンタじゃなくてサタンがくるわよ!!!」

朝比奈「さ、サタンサン……」

キョン「なにがサタンだ、サンタなんかよりゃよっぽどサタンの方が仕事してるぜ」

古泉「先ほどからいやにクリスマスに対し否定的な見解を述べていますね……なにかあるんですか?」

キョン「…………別に」ムスッ

古泉「……なにか、ありそうな面持ちですね」

キョン「……じゃ、例えばだがな古泉、お前にしょっちゅう喧嘩する相手がいたとしよう」

キョン「お互い仲が悪く、相手を良く思っていない間柄だ、お前はソイツの誕生日を祝おうと思えるか?」

古泉「…………ええ、っと」

キョン「ついでにヒントは俺の年齢だ、ここまで言えば聡いお前なら分かるな?」

古泉「…………あの、はい」

キョン「ったく、ウン千年経ってもまぁだ思い出すぜ、あん時はクリスマスなんて言葉はなかったが……」

キョン「『聖なる十字架(グランド・クルス)!!!』なんつってアイツがあんなん撃ってくるから、俺だってつい、なぁ……」ブツブツ

古泉「……どうやら、彼にはクリスマスという歴史そのものに対し受け入れがたいなにかがあるようですね、そう思いませんか長門さん?」

長門「……いえす」

古泉「……うまいですね」

長門「言わせたのはあなた」

古泉「ごもっともです」



347:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/11/04(水) 01:24:27.98 ID:eSuRI5+50

キョン「クリスマス……クリスマスねぇ……」

朝比奈「……!」ピコーン

朝比奈「……」サササッ!!

キョン「ん? どうしました朝比奈さん?」

朝比奈「……あるんですか?」ボソッ

キョン「……なにがです?」

朝比奈「……わたしの言いたいこと、分かってますよね?」

キョン「……ずるいですね、こういう時に俺に俺を使わせるのは」

朝比奈「あるんですよね!? 佐々木さんとのクリスマスエピソォォォオオオオッドッ!!!」

ハルヒ「み、みくるちゃん!?」ビクッ!

朝比奈「あ、大声あげてすみません、なんでもないですぅ!」

ハルヒ「あ、そ……な、ならいいんだけど……」

キョン「ったく……朝比奈さん、そんなこと聞いてもなにもありませんよ?」

朝比奈「あるんですよ! 源氏物語や枕草子とかのお伽噺じゃない、昔のリアリティのある恋バナ!!!」

キョン「恋バナって……そういうのじゃなくてですね……それに、クリスマス文化はそれほど昔にはないですし……」

朝比奈「そうなんですか? わたしクリスマスってあんまり分からないけど、恋人同士がナニかをする日って聞いたことあります!ナニかは分からないけど……」

長門「……―――」

古泉「長門さんの沽券にかけて、僕が一文字もなにも言わせませんよ」

長門「……そう」

キョン「……そのナニか、という情報は誰から……鶴屋さんから」

朝比奈「そうです! だからキョンくんと『佐々木』さんもナニかあったんじゃ……」

古泉「……」

キョン「なんでお前まで聞き入ってんだよ」ゴツッ

古泉「すいません……興味があったもので……」

キョン「……まぁ、ナニってコトはなく、どうってことないことですけど……」

朝比奈「うんうん!」ワクワク



348:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/11/04(水) 01:29:25.08 ID:eSuRI5+50

『クリスマス』

『なんだって?』

『クリスマスと言ったんだ、正確にはクリスマス、イヴだけどね』

『あー……あー……そんな時期か』

『君の彼の間に何があったかは知らないけど、世間では一般的に祝日とされているようだね』

『ほほーこれだけ多くの人に祝ってもらえるなんて、なんて嬉しいことなんだろうなぁ』

『そう邪険にせずに、どうだい僕達も一般の風習にあやかってみないかい?』

『あやかる? あやかるというのはどういうことだ? あれか、赤い服着て鹿に乗って……』

『違うよ。ついでに鹿でもなく、トナカイだよキョン。サンタさんが乗っているのは』

『じゃあなんなんだ、自分の生まれた日も定かでない俺が他人の誕生日に何をしろと言うんだ?』

『はいはい、そう捻くれない。別に、特別なことをして欲しいわけじゃないよ』

『だったらいつも通りでいいだろう? 一般の風習なんてモンに乗っからなくても……』

『一緒にいよう、キョン』

『……ずっと一緒にいるじゃないか』

『特別なことをする必要はないと言っただろ? だからこれでいいんだよ』

『……なんだよ、他になにかやりたいことがあるんじゃないのか?』

『くつくつ。キョンは優しいね、なんだかんだ僕の我儘に付き合ってくれようとするんだから』

『でも、今日はこれでいいんだ。これが今日、僕が君としたいこと、一緒にいてほしいんだ』

『……今日じゃなくても、一緒にいるのにか?』

『いるのにだ。普通の幸せって大事だと思うよ』

『普通じゃない俺らが言うのかそれ』

『普通だよフツー。僕らだって普通の人間さ、特別なのは今日と言う日だけ』

『特別な日に普通のことをするのが幸せなのさ――――――特別な人とね』ギュッ

『……別に、今日だって特別な日じゃないけどな!』ギュッ!

『くつくつ。もうそれは分かったって』



349:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/11/04(水) 01:33:18.63 ID:eSuRI5+50

キョン「……みたいな?」

朝比奈「キャ―――んぐっ!?」

長門「おさない、かけない、しゃべらない」ググッ

古泉「長門さん、それは避難の時です。ここは叫ばない、でよろしいかと」

長門「迂闊」

キョン「な、長門そろそろ朝比奈さんを離してやれ? さっきまで高揚してた顔がみるみる青く……」

長門「失敬」パッ

朝比奈「っっっっぱぁ!! は、ハーハー……帰ってこれないと思いました……」

キョン「サンタさんが三途の川を渡る光景はシュールですね」

古泉「和洋折衷ですか」

朝比奈「キョンくん……すっごいロマンチックな経験してるじゃないですかぁー!!」

キョン「えぇ……今の話ってロマンチックなんですか?」

朝比奈「もう胸キュンですよ胸キュン!! 思ってたんですけど『佐々木』さんって結構乙女な方なんですね!」

キョン「乙女……どうでしょう? どっちかというと凛々しいとかそんな感じだと……」

朝比奈「いいえ、間違いなくキョンくんの前じゃ乙女『佐々木』になってたに違いありません!! 断言します!」ゴォオオオ!!!

古泉「朝比奈さんにもの凄い説得力を感じますね」

長門「普段の彼女からは考えられない覇気を感じる」

朝比奈「いいなぁ、いいなぁキョンくんも『佐々木』さんも。そういう心の通った相手とクリスマスを過ごせて……」

キョン「ま、別にクリスマスらしいことをしてたわけじゃないですけどね」

朝比奈「でも結局ナニってなんなのかなぁ……?」

長門「ナニとは――――――」

古泉「言わせませんよ??」

キョン「……チッ」

古泉「いやなんであなたが舌打ちするんですか」



362:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/11/05(木) 13:34:20.79 ID:tjBGGL310

ハルヒ「ん、よし!! 今日はもう解散しましょ! クリスマスに向けて準備が忙しくなりそうだわ!!」

キョン「専ら忙しくなるのはお前の手足になる俺達だと思うんだが?」

ハルヒ「よく分かってるじゃない! その心意気は評価してあげる!」

キョン「いらん評価だ」

ハルヒ「それじゃ最後の人鍵締めておいてねー!!」バタン!

キョン「……ふー、やれやれ」

古泉「さすがは涼宮さんですね、準備に余念がない」

キョン「その熱意をもっと別のトコに向けれんものかね、まったく……」

古泉「ふふ、では僕達も帰る準備を……おや?」

長門「……雨」

朝比奈「あぁ、降ってきちゃいましたね」

キョン「そういや天気予報は雨だったか……」

古泉「結構降ってきましたね、涼宮さんは傘をお持ちなんでしょうか?」

朝比奈「持ってるようには見えなかったけど、折り畳み傘とか……」

長門「彼女は、そのようなものを持ち歩くタイプではない」

朝比奈「で、ですよねぇ……」

古泉「……」

キョン「みなまで言うな、分かったよ。ちょっと傘届けてくる」

古泉「それはそれは、殊勝な心掛けです」ニコッ

キョン「……ところで、みんな傘持ってるのか?」

古泉「いいえ?」

朝比奈「な、ないです……」

長門「ない」

キョン「……やれやれ」



363:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/11/05(木) 13:43:34.05 ID:0hDELp/Z0

ザーーー


ハルヒ「もー……結構濡れちゃったじゃない」

ハルヒ「まったく、降るなら降るでちゃんと言いなさいよ!!!」

キョン「天気予報では言ってたはずだが?」シュン!

ハルヒ「おわーお! あんたも出てくるなら事前に言いなさい! ちょっとビックリしたじゃない!」

キョン「無理難題を……しかも、お前ちょっと俺が来ること期待してここいただろ」

ハルヒ「……な、なに勘違いしてんのよ!」バシッ

キョン「いや、それどっちかと言うとお前の解釈の問題だから、痛い」

キョン「ほれ、貸してやる」

ハルヒ「? 家までワープしてくれる機能じゃないの??」

キョン「俺はどこ製のワープマシンなんだ、まったく……みんなも傘忘れてるから俺は一旦戻らにゃならん」

キョン「それに、いいか?便利なものに頼り過ぎると人間どこまでも堕ちていくもんだ、いくら俺ができるとは言え少し自重しろ?」

ハルヒ「……そうね、少し失言だったわ。傘、ありがと。明日返すわね」

キョン「あ、それは明日になったら自然消滅してる自然に優しい傘だから返品不要だ」

ハルヒ「使い捨ての傘なんてこの世にある!!?!?!? 一回限りの使用で消滅する方がエコじゃないけど!!?!?!?」ガーーン!!

キョン「俺製だからな、そこら辺は大丈夫だ」

ハルヒ「これほど根拠のない自信に安心できることはないわ……そ、じゃ傘使わせてもらうわね」

キョン「おう、気をつけて帰れよ」

ハルヒ「……うん、それじゃ!」クルッ

キョン「……分かったよ、ちょっとだけ送ってってやるよ」

ハルヒ「え、べ、別にいいわよ、そんな……」

キョン「ま、人間心の中ぐらい素直に自重なんてする必要はないからな、汲んでみただけだその気持ち」

ハルヒ「……え、あ……ち、違うわよ!! 違うわよ!!!?!?」

キョン「何がだ」

ハルヒ「あ、いや……なんでもない、けど」

キョン「そうか」

ハルヒ「…………ありがと」



364:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/11/05(木) 13:46:58.88 ID:0hDELp/Z0

古泉「困ったものです。一向に止む気配がありませんね」

朝比奈「明日の早朝まで降り続けるみたいですね」

古泉「そうですか、まったく、雪ならまだしも雨とはね……参りました」

長門「呼んだ?」

古泉「いいえ」

長門「そう」

朝比奈「……クリスマスかぁ、うーん」

古泉「おや、朝比奈さんも、クリスマスに対し良くない思いでもおありになるんですか?」

朝比奈「え、いや、わたしクリスマスってちゃんとクリスマスらしいことしたことないんですよぉ」

古泉「おや、それはまたどうして」

朝比奈「うーん、禁則事項だから詳しいことは言えないんだけど……仕様です」

古泉「仕様なら仕方ありませんね」

長門「仕様なら仕方ない」

朝比奈「あ、ありがとうございます……」

古泉「では、朝比奈さんにとって初めてのクリスマスパーティはより一層盛大なものにしなければなりませんね」

長門「そう、料理を豪華に、豪勢にすべき」

古泉「……まぁ、料理以外の所にも力を入れるべき所はありますが」

朝比奈「ふふっ、そう考えるとクリスマスが楽しみになってきちゃいました」

古泉「それでいいんですよ、本来クリスマスとはそういうイベントなんですから」

朝比奈「ナニをするイベント?」

長門「ナニとは……」

古泉「長門さんはナニも言わなくて結構です」

長門「……そう」



365:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/11/05(木) 13:50:28.07 ID:0hDELp/Z0

キョン「たーだいま」

朝比奈「あ、おかえりなさいキョンくん」

古泉「おかえりなさい、どうでした?涼宮さんは」

キョン「予想通り、突如でもない大雨に雨宿りを余儀なくされていたよ」

朝比奈・古泉「「送っていきました??」」

キョン「え、なにそのシンクロ」

朝比奈「ど、どうなんですか?」

キョン「まぁ、少しだけ送って行きましたけど……」

朝比奈「やっぱり!」キャー

キョン「その後ハルヒの家で風呂をもらって、ご飯をいただいて、テレビ見てからここに帰ってきたけど」

朝比奈「くつろぎすぎっっ!!?!!?!?」ガーーン!!!

古泉「……あなたの中で流れている時間と我々の時間とでは、些か体感時間に違いが存在するようですね」

キョン「急いだからな! お前たちのために!」

古泉「それはありがたいんですが……急いでどうこうなるようなことでもないと思うんですが……」

長門「……」モグモグ

古泉「……長門さん? さきほど少し席を外されてましたが、どこに行っていたんです?」

キョン「そりゃハルヒん家にお呼ばれしたから……」

古泉「してないですよね!!?!? ご飯の匂いを嗅ぎつけて一人でお呼ばれただけですよね!!?!?」

長門「……涼宮ハルヒの母親の料理は、あまり美味とは言えない」

古泉「勝手に食べにあがっておいて、もの凄い失礼なこと言ってますよ長門さんんんんんん!!!!!!!!」

キョン「ハルヒ曰く味オンチらしいから、仕方ない」

長門「……ただ、料理からは温かみのようなものが感じられた」

キョン「……そうか」

朝比奈「長門さん……」ジーーン

古泉「……いや、いい話風にしてもダメですよ? 勝手にご飯食べに入って文句言ってるだけですからね?? 朝比奈さん、流されてはダメです」



366:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/11/05(木) 13:54:21.44 ID:0hDELp/Z0

キョン「じゃ、俺達も帰るか」

古泉「そうですね、では傘をお借りしたいのですが……どのように?」

キョン「おう、いま作る」グニャァアン

古泉「」

朝比奈「……うわぁ」

古泉「(こ、こうやって傘が作られているんですね……彼の中では……)」

キョン「んんん……よし、できた。ほれ、傘」

古泉「あ、ありがとうございます」

朝比奈「あ、ありがとう」

長門「感謝する」

キョン「それじゃ帰…………」ピクッ

古泉「あの、どうかなさいましたか?」

長門「……」

朝比奈「キョンくん?」

キョン「……いえ、大丈夫です。でもすいません、みんなは先に帰っててもらえませんか?」

古泉「……なにか、問題が発生したんですか?」

キョン「……いや、そうじゃない。安心しろ、ハルヒがどうこう言う問題じゃないからよ」

古泉「……そう、ですか」

キョン「ああ、気にするほどのことじゃない」

古泉「(……あなたが気にかける程のことが、僕たちが気にならないはずがないんですけどね……)」

キョン「…………」

古泉「……分かりました。ただ、何か僕達にできることがあれば、遠慮なく申してください」

朝比奈「な、なんでもいってねキョンくん!」

キョン「ああ、ありがとう」

長門「……」

古泉「……それでは」

朝比奈「……さ、さようなら」

長門「……」





バタン



367:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/11/05(木) 13:56:28.59 ID:0hDELp/Z0

キョン「…………ふー」ガタッ

キョン「(どうして、こう面倒事ってのは起きちまうのかね)」

キョン「(…………未来が変わった)」

キョン「(さすがは時間、空間に縛られない野郎のやることは違うね。優に既定事項をも変えてきやがる)」

キョン「……さて、どうする俺」

キョン「(このままいくと、 そういう 未来に繋がるってことは目に見えている)」

キョン「(それに、俺はアイツに嘘をつくことになっちまうな、このままだと)」

キョン「(……だが、これがアイツの意志だとするならば、オレはまだ止めるべきではないのかもしれない)」

キョン「(それが、出した答えだとするならば…………)」

キョン「…………」

























長門「…………」

朝倉「……長門さん? さっきからボーっとしてるけど……大丈夫?」

長門「……問題ない」

朝倉「ならいいんだけど……おかわりも4杯目で止まってるし……」

長門「問題ない、ラストスパートで挽回する」

朝倉「いやご飯はそういう競技じゃないわよ!?!?!? べ、別におかわりを強要してる訳じゃないからね!?」

長門「……そう」

朝倉「……長門さん、本当に大丈夫?」

長門「……問題ない」

朝倉「……そう」

長門「……」チラッ

朝倉「? な、なにかしら?」

長門「……おかわり」スッ

朝倉「! はい! 今日はまだまだご飯あるわよ!」

長門「……そう」



368:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/11/05(木) 13:58:45.93 ID:0hDELp/Z0

キョン「……12月18、いや19日か」

キョン「ふっ、どんな世界を提供してくれんだお前は」

キョン「ああ、サンタなんぞのプレゼントなんかよりもよっぽど楽しみだよ」

キョン「……見届けてやる、お前が望んだ世界を」

キョン「『佐々木』の力で、作った世界とやらを……」

キョン「…………まぁ、まだ作られてないし確実にそうなるとは限らねえんだけどな」

キョン「さて、性に合わず悩むのは止して、さっさと俺も帰るか」

キョン「雨は……止みそうにないか」

キョン「……『お前』も確か雨が好きだったな」

キョン「冬でも雪より雨が降ればいいのに、とか言ってた変わった奴だったな」

キョン「…………ハルヒの代わりに出てこようとするんじゃねえぞ?」

キョン「こ、これは別にツンデレのツンってわけじゃないんだらねっ!! か、勘違いしないでよねっ!!」プイッ

キョン「…………なんて、キモイ事言ってないでとっとと帰るか」スッ

キョン「……そうだな、題して『涼宮ハルヒの消失』事件まで、あと2週間を切ったってとこか」

キョン「ま、どこにいても俺が見つけてやるさ、ハルヒもアイツも『お前』も」

キョン「だからまぁ、楽しみにまっててやるよ。今度ばかりは俺が傍観者だ」

キョン「…………それじゃあ、帰るか」

キョン「…………じゃあな」

































『――――――またね』                                   サムデイインザレイン 完



369:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/11/05(木) 14:01:14.57 ID:0hDELp/Z0

ここまでー! 
これでこのスレは終わり―!!
射手座カット、次はようやく消失ーーーー!
レスどうもやったやでー!



元スレ
ハルヒ「キョンTUEEEEEE!!!!!!」 キョン「暴走するなよ?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1444835920/
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    コメント一覧

      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年11月05日 15:36
      • このシリーズ驚愕までに完結するのかね?
      • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年11月05日 16:59
      • あれ、まだスレ完結してないがまとめちゃったのか…
        まぁ消失編はスレ立て直すかな?
      • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年11月05日 18:40
      • だって埋まってからまとめると長いとか言う奴が湧いてウゼェし
      • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年11月05日 19:19
      • 20ページだけどハルヒが好きなら関係ないよねっ!
      • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年11月05日 21:22
      • 5 こっちのハルヒは面白い
      • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年11月05日 21:28
      • 消失編楽しみ。佐々木が可愛すぎる
      • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年11月05日 21:56
      • わかりづらいけど一応「!」の数が増えてるんだな
      • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年11月05日 21:59
      • 個人的には長いけど最後まで読んでて飽きない作品、佐々木以外にキョンの過去に係わる『ヤツ』って誰だろうか
      • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年11月05日 23:15
      • 消失直前で一区切りか…お預け食らった気分になってまうな
      • 10. 以下、VIPにかわりまして鳳凰院がお送りします
      • 2015年11月06日 00:26
      • 5 このシリーズ好きだな(o^^o)
        消失編も早く見たい
      • 11. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年11月06日 01:50
      • 消失もどうなんだろ
        あっさり終わっちゃ…わないなきっと
      • 12. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年11月06日 02:32
      • このシリーズ好き
      • 13. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年11月06日 07:28
      • 5 母性に溢れてる方の朝倉さんに続いて、鶴屋さんも戦闘能力が高い方か
      • 14. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年11月06日 08:58
      • このシリーズ好きだわw
        漫画化して欲しいw
      • 15. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年11月06日 10:05
      • 珍しくキョンが押されてる…
      • 16. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年11月06日 12:51
      • 古泉がどんどんいいキャラになってきてるな
      • 17. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年11月06日 14:11
      • 5 この作者スゲーな。
        読み応えあるわ
      • 18. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年11月06日 21:26
      • ハルヒが一番常識人でツッコミ役だとやはり面白い
      • 19. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年11月07日 23:22
      • 原作の「キョン」氏にこの作新に出演オファー出ても絶対拒否するだろうな。

        平行世界の超常能力使ってはっちゃけた同じ顔した人間見たら胃がストレスでマッハだな。

        ん?て事は消失編で消えるのってまさか・・・・・・・・・?

      • 20. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年11月08日 02:23
      • 5 佐々木ぃ…
      • 21. MCC
      • 2015年11月08日 19:16
      • 5 グレート・・・・・・!!
      • 22. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年11月09日 03:19
      • 5 ふぅ……
        やーっと読み終わった……
        やっぱり面白いなこれ

        でも長すぎるだろw
      • 23. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年11月10日 01:55
      • 朝倉がいたらアンケートじゃなくてハムレットやりそう
      • 24. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年11月10日 17:44
      • やっぱこのシリーズ面白いわ。
        4個目のまとめはよ来いー!
      • 25. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年11月11日 09:43
      • いちおつ
        キョンはこれくらい強い方が良い
      • 26. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年11月11日 12:44
      • 終始楽しく映画撮影するSOS団にめっちゃ和んだわ。やはりこのシリーズはいい
        続き楽しみにしてる
      • 27. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年11月15日 09:15
      • 今回はキョンが別人のように大人しくてなんか伏線かと思ったくらいだわw
        次も楽しみだナ
      • 28. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年11月22日 07:24
      • 殊更に主演を強調する古泉にワロタ

        読みごたえあって本当面白いわ
        続きが待ち遠しい
      • 29. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年11月25日 22:47
      • 何で私が超出てるんですか?!
        確かにC級映画は超好きですけど!!
      • 30. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年03月24日 11:39
      • 時が経つほどに周りがチート能力に慣れて、キョンがツッコミ側に回ってきてるのが感慨深いな。
      • 31. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年06月15日 20:15
      • シャミセン...

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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