狐「野球の招待状さ」 いーちゃん「はい?」

2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/21(月) 14:57:26.88 ID:SwwJwBW20

いーちゃん「はい?」

狐「どうした。怖いのか?」

いーちゃん「いえ、怖いというか意味がわかりません。何故野球なんですか?」

狐「ふん。『何故野球なんですか?』か。笑わせるな俺の敵。先日日本シリーズが終わり、プロ野球はこれから本格的にオフシーズンに入る」

いーちゃん「まあ、そうですね」

狐「つまり、もう年内ではプロ野球を観戦する機会がないという事だ」

いーちゃん「そうですね」

狐「それなのに、今年の締めくくりであるはずの試合があんな糞打線でいいはずがないだろ」

いーちゃん「・・・」



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/21(月) 15:07:22.29 ID:SwwJwBW20

狐「日本シリーズでの中日のチーム打率.155だぞ。お前はあんな糞打線を見せられて気持ちよく年を明かせるのか?」

いーちゃん「(狐さん中日ファンなのかな?)」

狐「そこで野球で不満を持った者同士、チームを揃えて試合をし本当の締めくくりとしようではないか」

~~~~~~~~~~~~~~~

いーちゃん「というわけで野球することになった」

人識「ふざけんな」



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/21(月) 15:43:31.39 ID:SwwJwBW20

人識「わざわざ三つ編みデニム使ってまで呼び出したかと思ったら野球だあ? 寝言は寝て言えよ。いや、お前の場合戯言か?」

出夢「ぎゃはは、いいじゃねーかせろりん。僕はこういうの好きだぜ」ガバァ

人識「っだーっ! うぜぇくっつくな! つーか、何でてめえがここにいんだよ? 内臓ぶちまけて死んだんじゃねーのかよ!」

出夢「細けーこたぁいいんだよ。僕と再会できてうれしいのは分るが、そうはしゃぐなって。ぎゃははは」コキコキッ

人識「笑いながら関節技かけてんじゃねーよ! 痛ーーーーーっ! ちょっと待て! その関節はそっちには曲がrあnjfい」

出夢「んで、おにーさん。やるって言ってもメンバーは揃ってんのか? おにーさんと僕とぜろりん入れてもまだ3人だけだぜ」

いーちゃん「うん。とりあえず、呼べるだけ呼んでみたから。時期来ると思うよ」

スタスタ

みいこ「いの字、待たせたか」



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/21(月) 16:16:45.42 ID:SwwJwBW20

いーちゃん「みいこさん、わざわざ呼び出してすみません。・・・えっと、お一人ですか?」

みいこ「萌と崩は遅れてやってくるよ。何でも痴女の仕度に手間取ってるらしい」

いーちゃん「痴女って・・・。というか春日井さん来てくれるんですね。声を掛けといてなんですが少し意外です」

みいこ「ああ、試合には出ないそうだが」

いーちゃん「何で来るんだよ、あいつ!」

みいこ「面白そうだからと言っていたな」



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/21(月) 16:50:33.11 ID:SwwJwBW20

出夢「おにーさん。そのおねーさんは?」

いーちゃん「この人はぼくと同じアパートに住んでる、浅野みいこさん。剣術家で運動神経の良さは保障するよ。そしてみいこさん、こちらは匂宮出夢くん。性格には難がありますが、パワーはS級です」

出夢「ぎゃははは! よろしくな、おねーさん!」

みいこ「うむ。よろしく」

いーちゃん「萌太くんと崩子ちゃんは参加するとして、あと3人か」

みいこ「私たち以外には呼んでないのか?」

いーちゃん「なりふり構わず呼んだんで、まだ来ると思いますよ」

タッタッタッ

一姫「師匠ーー!」



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/21(月) 21:31:19.47 ID:pMDgK2Uv0

いーちゃん「おー。姫ちゃん・・・と子荻ちゃん? あとそのずたずたな服の娘は、確か・・・」

一姫「師匠ができるだけ人集めてきてって言ったんで、萩原さんと西条さんを呼んでみたんですよ。偉いですか?」フンス

子荻「・・・どうも、お久しぶりです」ペコッ

玉藻「あー、ひしとき君だー。何やってんのー?」ポキポキッ

出夢「あ、馬鹿! むやみやたら触んな! 今こいつ微妙なバランスで成り立ってんだから」

人識「」プラプラ



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/21(月) 22:11:27.50 ID:pMDgK2Uv0

いーちゃん「まさか子荻ちゃんが来てくれるとは思わなかったよ。試合には出るの?」

子荻「いえ、試合には出ないで監督の仕事だけを担当させていただこうかと思っています。ですので、スタメン起用や采配等は私に任せてください」

いーちゃん「そっか。いや、子荻ちゃんが仲間になってくれるとなるとぼくとしても心強いよ。正直個性が強い人多いから、チーム全体をまとめられるかどうか不安だったんだ」

子荻「あは。随分弱気なのですね。しかし、私が来たからには大船に乗った気でいてください。私の名前は萩原子荻。私の前では悪魔だって全席指定席、正々堂々手段を選ばず真っ向から不意討ってご覧に入れましょう」バッ

いーちゃん(何か子荻ちゃんやたら気合い入ってるな)

一姫「師匠ー。盛り上がってるところに釘を刺すようで悪いんですが、人数足りなくないですかー?」

いーちゃん「釘じゃなくて水を差してくれると助かるかな。もうちょっとしたら、萌太くんと崩子ちゃんが来るはずだよ」

スタスタスタ

崩子「お待たせしました。不肖闇口崩子、戯言遣いのお兄ちゃんの力になるべく参上いたしました」



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/21(月) 23:10:10.87 ID:pMDgK2Uv0

萌太「遅れてすみません。準備に手間取ってしまいまして」

いーちゃん「いいよいいよ。試合開始までまだ2時間弱あるしね、こうして2人が力を貸してくれるだけども十分ありがたいんだからさ」

春日井「そーそー。むしろ遅れてでもやってきたことに感謝されるべきだよ」

いーちゃん「お前は黙れ」

鈴無「お久しぶりだわね、いの字」

いーちゃん「鈴無さんも来てくれんですか」

鈴無「浅野の頼みだからね。本当、泣く子と地蔵と浅野みいこには勝てないわ」

いーちゃん「いや、本当に感謝します」

鈴無「感謝なら誰にでもできるわよ。誰にでもできることなんてつまらない。あんたはあんたにしかできないことを試合中にやってみせなさい、いの字」



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/21(月) 23:37:22.46 ID:pMDgK2Uv0

子荻「人数も揃ったことですし、早速戦力分析といきましょう。皆さんがどれほど野球できるかを見極めたうえでオーダーを決めさせてもらいます」

いーちゃん「それじゃあ、まずは軽くキャッチボールから始めようか。2人1組で、1組が3人って感じかな?」

一姫「師匠ー。一緒に組みましょーー」

出夢「じゃあ、僕はぜろりんと組ませてもらうかな。ほれ、お前はおにーさんのグループに混ぜてもらいな」ヒョイ

人識「」プラプラ

玉藻「ゆらぁ―――り?」

鈴無「それじゃあ、アタシたちは向こうでキャッチボールするわね」

みいこ「キャッチボールなんか、小学生の頃以来だな」

萌太「それでは崩子、僕たちもキャッチボール始めましょうか」

崩子「戯言遣いのお兄ちゃんとしたかったです・・・」ブスッ

春日井「いっきーお姉さんはのどが渇きました。あと試合が始まるまで暇だから雑誌なんかを恵んでくれると嬉しいです」

いーちゃん「お前、マジ帰れよ!!」



23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/22(火) 10:10:36.55 ID:zqt6hO5q0

鈴無「浅野いくだわよー」

みいこ「あー。いつでも来い」

鈴無「はっ」ビュン

みいこ「ん」パァン!

鈴無「ナイスキャッチだわ、浅野」

みいこ「うん。こっちもいくぞ」

鈴無「いつでも来いだわ」

みいこ「ふんっ」ビュン

鈴無「わっ! ちょっと、どこ投げてるだわよ」

みいこ「すまない。ボールを投げる機会というものがあまりないものでな」

鈴無「限度というものがあるでしょ。胸にとまでは言わなくても、少なくともアタシの手の届くところに投げなさいよ」

みいこ「すまない」ズーン



24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/22(火) 10:24:21.22 ID:zqt6hO5q0

鈴無「ほうこちゃんー。ボール取ってくれるー?」

崩子「いきますよー」ポイッ

ヒョロロロ~~

鈴無「おっと」ポテッ

みいこ「鈴無・・・。あんな山なりボールも取れないようで大丈夫なのか?」

鈴無「う、うるさいだわね。こんな皮の手袋をはめさえしなければ簡単にキャッチできただわよ! 正直グローブの存在価値が分らないわ。大きいし、手が動かしにくくなるし」

みいこ「グローブでボールをキャッチするときは指でボールを掴むのではなく、このポケットで受け取るような感じでいくといいぞ」

子荻(鈴無さんは肩が良くコントロールもいいけれど、キャッチングに問題あり。みいこさんは肩が良くキャッチングもうまいけれど、コントロールが悪いって感じね)



25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/22(火) 12:27:10.82 ID:iVGeH1Pl0

萌太「いきますよ、崩子」

崩子「はい。いつでもどうぞ」

萌太「ほっ」シュッ

崩子「ん」パン

崩子「こちらもいきますよ、萌太」

萌太「しっかり胸に目掛けて投げるんだよ」

崩子「分ってますっ」シュッ

萌太「ほい」パン シュッ

崩子「はい」パン シュッ

子荻(この2人は安定してますね。どこを守らせても大丈夫そうです)



26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/22(火) 12:43:41.12 ID:iVGeH1Pl0

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~

出夢「ぎゃははは! ほれ、取ってこーーいっ!!」ドビュン

人識「だーーーーかーーーーーらーーーーっ! キャッチボールなんだから、ちゃんと俺の胸に向かって投げろって言ってんだろうがーーーーーーーーっ!」ダダダダダダダ  パシッ

出夢「ナイスキャッチだ、ポチ! エサでもやろうか? ぎゃははは!」

人識「マジぶっ[ピーーー]ぞ、てめぇ!」ビッ

ヒューーーーーーーー  ポテ  コロコロ

出夢「ぎゃははは! ぜろりーん。キャッチボールなんだからちゃんと胸に向かって投げなきゃダメじゃねーか! こんなんじゃ、僕のハートは射抜けないぜぇ」

人識「」ピキピキ

子荻(出夢くんはかなりの強肩ね。人識くんがギリギリ届くところに投げてるのを見るとコントロールもかなり良さそう。人識くんは肩はいまいちだけど、足が速くて瞬発力もある。守備範囲もかなり広いわね) 



27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/22(火) 12:55:10.93 ID:iVGeH1Pl0

 ~~~~~~~~~~~~~~

いーちゃん「いくよ、玉藻ちゃん」ビッ

玉藻「ゆ、らぁ~~~~り」グニャ パシッ

いーちゃん「」

いーちゃん(今、明らかに関節がおかしな方向に曲がったよな)

玉藻「ゆ~~~~~~らぁ・りぃ~い!」ビュン

いーちゃん「おっ」パァン

いーちゃん「玉藻ちゃん、ナイスボール!」

玉藻「ゆらーりぃ」

子荻(彼はかなり普通ね。何をとっても常人レベルって感じ。玉藻は動きは独特だけど、ボールはしっかり取れてるし肩も悪くない。一姫は―――)

いーちゃん「姫ちゃん、いくよー」ポイッ

一姫「あ、あう、あう、あう」フラフラ

コン ポテッ

子荻(―――論外ね)



30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/22(火) 13:53:51.13 ID:iVGeH1Pl0

―――2時間後―――

子荻「オーダーも決まりましたし、あとは相手方が来るのを待つだけなのですが・・・まだ来ないのですか?」

いーちゃん「うーん。そろそろ、来ると思うんだけど・・・」

タッタッタッ

いーちゃん「お、来たかな?」

玖渚「いーちゃんーーー!」バッ

いーちゃん「友!?」ギュッ



31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/22(火) 14:17:56.21 ID:iVGeH1Pl0

いーちゃん「友、何でここに?」

玖渚「僕様ちゃんの情報網を甘く見てもらっては困るんだよ。いーちゃんが野球をするという面白イベントを見逃すわけにはいかないからね、さっちゃんに連れてきてもらったんだー」

いーちゃん「」

兎吊木「やあ、久しぶりだね少年」

いーちゃん「・・・お久しぶりです」

兎吊木「そんな警戒しなくても、大丈夫だよ。俺はただ、玖渚友の保護者役として来ただけだからね。そんなに構えないでくれ」

いーちゃん「そうですか」

玖渚「いーちゃんいーちゃん。僕様ちゃんは試合には出られないけど、さっちゃんと一緒に応援してるよ!」ギューッ

いーちゃん「そっか、ありがとうな。友」ナデナデ

玖渚「うにー♪」

崩子「」ジー

みいこ「」ジー

一姫「」ジー

子荻「」ジー

春日井「何か面白そうな予感がしてきたね」ニヤニヤ



32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/22(火) 14:40:27.82 ID:iVGeH1Pl0

人識「つーか、試合開始時刻まであと10分だろ? 何で相手まだ来てねーんだよ!」

出夢「狐さんのことだから、普通に遅れてやって来そうな気がするけどな」

いーちゃん「というより、狐さんのメンバーの方もかなり気になるな。十三階段をそのまま連れてくるとしても、あのメンバーでスポーツって正直想像ができない」

人識「十三階段の面々も、お前にだけは言われたくないだろうな」

出夢「十三階段で来たら来たで、かなり厄介だと思うぞ。奇野や時宮の旦那が本気だしたら間違いなく勝ち目なくなる」

いーちゃん「さすがに、狐さんも呪い名は使ってこないとは思うけど・・・」

萌太「いー兄、来たみたいですよ」



33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/22(火) 15:03:41.55 ID:iVGeH1Pl0

ぞろぞろぞろ

伊織「うふふ。ようやく伊織ちゃんの出番が来ましたよう」

双識「うふふ。そうだね、伊織ちゃん。私としても可愛い妹が汗を振りまきながら白球を追いかける姿を想像すると、込み上げてくるものがあるよ」ニコニコ

軋識「レン、変態もほどほどにしとくっちゃ」

曲識「しかし、それも悪くない」

人識「何してんだ、てめぇらーーーーーーーーーーっ!!」



34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/22(火) 15:24:06.32 ID:iVGeH1Pl0

双識「おや、人識じゃないか。偶然だな。いやこれは運命って言ったほうがロマンチックだったかな?」

人識「そんなことはどうでもいいんだよ! 何でお前らがここにいるのかを説明しろ!」

双識「おやおや。随分とはしゃいじゃって、そんなに私と会えたことが嬉しかったのかな?」ナデナデ

人識「んな訳あるか! いいから説明しやがれ!」バッ

双識「うふふ。相も変わらず人識はツンデレさんだな、全く。だがそこが可愛いとも言える。全くもって可愛い弟だ。可愛い、可愛すぎる。もっともっと可愛がってあげるよお。うふふ」ナデナデナデナデ

人識「だあーっ! 人の頭撫でくり回すなーーっ!!」バタバタ

軋識「レン、時間もないからその辺にしとくっちゃ」



35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/22(火) 15:45:45.18 ID:iVGeH1Pl0

双識「いや、何てことはないんだよ。伊織ちゃんが野球やりたいって言ってる所に、ちょうどよく狐のお面を被った人に野球チームに入らないかって誘われてね、どうせだからアスとトキも誘って野球をしてみようと思っただけさ」

軋識「というわけだっちゃ。そういうお前は何でここにいるっちゃ?」

人識「俺は、まあ何か流れでこんなことになってた」

曲識「まあ、それも悪くない」

伊織「ふふふ。どうやら人識くんとは敵同士みたいですからね、私の超絶プレーで人識くんをぎゃふんと言わせて差し上げます!」

人識「かはは。そりゃこっちの台詞だ。せーぜー今のうちに言い訳でも考えとくんだな」



40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/23(水) 12:31:19.89 ID:i9IguBqF0

子荻「初めまして・・・ですかね。一里塚先輩」

一里塚「先輩はよしてください萩原さん。わたくしはすでに退学となった身ですので、先輩と呼ばれるとムズムズします。それとわたくしのことは木の実、とお呼びください。名字で呼ばれるのは、あまり好きではありませんので」

子荻「・・・木の実さんは今日試合には出られるのですか?」

木の実「ええ。狐さんの頼みですので断るわけがありませんわ。萩原さんは?」

子荻「私は出ません。しかし監督としてチームを指揮させていただこうと思っています」

木の実「そうですか。あなたの評判は前々から聞いていましたから、どのような采配をするのかとても楽しみですわ。お手柔らかにお願いしますね。ふふふ」

子荻「こちらこそ、よろしくお願いいたします」ペコッ



41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/23(水) 12:46:57.14 ID:i9IguBqF0

狐「よー。俺の敵。よく逃げずに来たな」

いーちゃん「遅れて来といて何言ってるんですか。こちらはもう準備万端ですよ」

狐「ふん。こちらの準備も完璧だ。時間通り13時に試合開始だ」

いーちゃん「分りました。・・・それはそうと、狐さんは着物を着たまま試合に出るんですか?」

狐「ん? 俺は出ないぞ」

いーちゃん「は?」

狐「俺はあまり、スポーツは得意ではないのでな。代わりを用意して、俺はベンチで見ている。」

いーちゃん「・・・」

狐「それでは正々堂々やろうではないか」アクシュ

いーちゃん「はあ・・・」アクシュ



42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/23(水) 12:55:00.37 ID:i9IguBqF0

曲識「」ジー

軋識「ん? どうしたっちゃ? トキ」チラッ

崩子「」

一姫「」

軋識「・・・トキ。抑えろ」

曲識「」ジー



44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/23(水) 13:13:30.09 ID:i9IguBqF0

??「わーい! いっくんだー! SSでも会えるなんて嬉しいっ! ≪二人三脚でがんばろう、ただしフルマラソン≫みたいなっ!」

いーちゃん「・・・何でここにいるんですか?」

??「ひっどーい! 折角遠路はるばる来たのにいっくん冷た過ぎだよっ! 冷酷だよっ!」

いーちゃん「というか、それいい加減やめてくださいよ。哀川さん」

哀川「はっ、何だよ何だよ。わざわざ、SSに登場しない可哀想な奴を慮ってやってやったのによ」

いーちゃん「そんなこといちいち考えなくて結構ですから。ただでさえ人数が多すぎて、登場したはいいけと全く出演機会が無い人とか出てきてるんですから。それより哀川さんも野球しに来たんですか?」

哀川「おー。そのつもりで来たぜ」

いーちゃん(あれ? 名字で呼んでも怒らない?)



46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/23(水) 13:39:33.25 ID:i9IguBqF0

いーちゃん「・・・哀川さん野球やったことあるんですか?」

哀川「おー。小さい頃にちょっとな。あん時は一人で全ポジションこなさなきゃならなくて大変だったぜ」

いーちゃん「一人で全ポジション!?」

哀川「ああ。毎回投げるたびに、キャッチャーのとこまで走んのがめんどくさかった」

いーちゃん「・・・」

哀川「いやー、でも今回は一つのポジションにだけ専念すればいいんだから楽っちゃあ楽かな」

いーちゃん「・・・そうですか。それじゃあ、少し待っててもらっていいですか? 子荻ちゃんに頼んで、オーダーを少し調整させてもらいますから」

哀川「あー。その心配はないぜ」

いーちゃん「え?」

哀川「あたしは今回クソ親父の方につくから」



47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/23(水) 14:21:17.80 ID:i9IguBqF0

いーちゃん「な、何でですか? 哀川さん狐さんのこと嫌ってたじゃないですか」

哀川「あー。嫌いも嫌い。大っ嫌いだぜ」

いーちゃん「それじゃあ何で?」

哀川「いや、何。折角のSSだからな、原作ではできなかったいーたんと勝負を、ここでするってーのもいいかなって思ってな」

いーちゃん「そんな・・・」
 
哀川「くくく。そんな絶望した顔すんなよ。大丈夫だって。あんましあたしの独壇場にしたらつまんねーからな。思っきし手加減してやんよ。≪安心しろ峰打ちだ、ただし両刃≫みたいなっ!」

いーちゃん「だから、それやめてくださいって。ていうかその例えだと、全然安心が出来ないんですけど」

哀川「まあ。前みたいに世界を賭けるとかそんなんじゃねーんだから、たっぷり楽しもーぜ」アクシュ

いーちゃん「はー。そうですね。ではお手柔らかにお願いします」アクシュ



48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/23(水) 14:30:08.21 ID:i9IguBqF0

――――――――――――――――――

審判「それでは試合を開始します。選手の皆さんは集合してください」

いーちゃん「それじゃあ、皆行くよ」

「「「「「「「「おーーーーーっ!」」」」」」」」

哀川「おっしゃ、行くぞっ!」

「「「「「「「「おーーーーーっ!」」」」」」」

審判「それではこれより、チーム戯言対チームフォックスの試合を始めます! お互いに礼!」

「「「「「「「「「シャーーーーーーーーーースッ!!」」」」」」」」」



49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/23(水) 14:46:10.95 ID:i9IguBqF0

チーム戯言vsチームフォックス

チーム戯言           チームフォックス
1番 中堅 零崎人識       1番 遊撃 澪標深空
2番 捕手 石凪萌太       2番 二塁 澪標高海
3番 一塁 浅野みいこ      3番 投手 零崎双識
4番 三塁 匂宮出夢       4番 一塁 哀川潤
5番 投手 鈴無音々       5番 捕手 零崎軋識
6番 二塁 西条玉藻       6番 中堅 零崎曲識
7番 遊撃 闇口崩子       7番 三塁 一里塚木の実
8番 左翼 紫木一姫       8番 右翼 無桐伊織
9番 右翼 いーちゃん      9番 左翼 絵本園樹



51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/23(水) 15:15:24.14 ID:i9IguBqF0

鵜鷺『さあ、ついに始まりました。果たして勝つのはいーちゃん率いるチーム戯言か、それとも狐さん率いるチームフォックスか! 本日の実況はういろう大好きこと私鵜鷺が担当させて頂きます!』

鵜鷺『解説は死線の蒼こと玖渚友さん、そしてその保護者役兎吊木垓輔さんです。そして本日はスペシャルゲストに春日井春日さんにもお越しいただきました。本日はよろしくお願いします』

『『『おねがいしまーす』』』

鵜鷺『では一回表、後攻のチームフォックスが守りにつきましたが、玖渚さん、どうやらチームフォックスのピッチャーは哀川さんではないようですね』

玖渚『うにー。潤ちゃんがピッチャーやっちゃったら勝負にならないからね。さすがに自重したみたい。守りもただベースに付くって感じで本気でいく気はないみたいだね』

鵜鷺『そうですか。それはチーム戯言にとってはかなりの朗報ですね』

兎吊木『しかし、打席では人類最強が4番にいるからね。この試合、チーム戯言はいかに4番の前にランナーを溜めさせないかが重要になってくるだろう』

鵜鷺『なるほどー』



56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/24(木) 12:16:27.90 ID:vrF9DCf50

1回表 TZ 0-0 TF
無死 ランナー無し
打者 零崎人識

審判「プレイボール!」

鵜鷺『さあ試合開始です。チームフォックス先発のピッチャーは零崎双識さんです。一体どんなピッチングを見せてくれるのでしょうか? そしてチーム戯言の先頭は零崎人識くん。玖渚さん。いきなり兄弟対決ですね』

玖渚『うにー。キャッチャーもぐっちゃんだし、どんな勝負をしてくるか楽しみだねー』

双識(うふふ。まさか人識とこうして野球で勝負する日が来るとはね、今日は本当に最高の日だよ。もちろん一切手加減はしないけれどね)

軋識(暴君。ここでぐっちゃんはやめていただきたいのだが・・・)



57:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/24(木) 12:30:49.04 ID:vrF9DCf50

人識(まさか変態兄貴がピッチャーとはな・・・。まあ軽ーく一発放り込んだるか)グイッ

軋識「」スッ

双識「」コクッ

ブォンッ!

人識「うおっ!?」バッ

パァン!

審判「ストライーク!」

人識「はあ!?」

鵜鷺『何と双識さん。腕を横にして投げてましたね』

玖渚『サイドスローってやつだね』

兎吊木『彼はかなり腕が長いからね。右打者から見たら、ボールがいきなり背中から出てきたかのように見えただろう』

春日井『ねえ喉が渇いたんだけど飲み物持ってない? あとお茶菓子も欲しいかな』



58:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/24(木) 12:40:44.54 ID:vrF9DCf50

人識(くそっ! 今のがストライクだ? 審判目腐ってんじゃねーのか?)チッ

軋識(人識の奴、相当混乱してるっちゃね。これならもう一球同じコースに投げて―――)スッ

双識「」コクッ

ビシュッ! パァン!

審判「ストライーク!」

人識「くっ」

軋識(ラストに外へ投げれば―――)

ビシュッ!

カキッ

軋識「セカンッ!」

人識「くそっ」ダッ

高海「」パシッ シュッ

哀川「ほいよ」パン

審判「アウト!」

軋識(いっちょあがりっちゃ)



60:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/24(木) 14:28:02.61 ID:gt6DDdPk0

鵜鷺『先頭の人識くん。外角の球を打つもセカンドゴロに倒れました!』

人識「ちっくしょー」タタタ

哀川「くくく。残念だったなー。人識くんよー」

人識「うっせーよ。つーか、何でてめぇ野球なんかやってんだよ。似合わねーにもほどがあるだろ」

哀川「てめぇにだきゃあ言われたくねぇよ。おら。野球少年らしく髪を黒く染め直して、頭丸めてから出直してこいや。セカンドゴロくん」ククク

人識「ちっ。傑作だぜ、全くよ」ハァ



61:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/24(木) 14:59:27.47 ID:gt6DDdPk0

―――戯言ベンチ―――

人識「悪ぃな。先頭出れなくてよ」

出夢「ぎゃはは。勢いよく出てったくせにセカンドゴロかよ。ダッセーッ!」

人識「だあーっ、うっせーよ! そういうてめぇは大きいの打ってくれんだろうな? 四番バッターさんよーー」

出夢「あー、いいぜ。とびっきりでっけー特大アーチかましてやるよ」

子荻「それよりも、実際に打席から見てみてどうでしたか?」

人識「どうもこうもねぇよ。腕長ぇから球の出所めっちゃ見にくいし、ボールが死角からいきなり身体を掠めて出てくんだぜ。ありゃ右の奴は相当苦労するわ」

子荻「そうですか」

人識「最後はボール球振らされちまったし。大将の奴、意外としっかり配球組み立ててきてるぜ」

子荻(向こうバッテリーは兄弟だからか息もあってて、かなりテンポよく投げてくるし。これはかなり厄介そうですね)



62:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/24(木) 15:13:47.79 ID:gt6DDdPk0

1回表 TZ 0-0 TF
一死 ランナー無し
打者 石凪萌太

萌太「よろしくお願いします」ペコッ

軋識「」ペコッ

軋識(こいつ、昔どっかで会ったような・・・。気のせいか?)

双識(アス。集中だよ)

軋識(っと。そうっちゃね。今はこいつをどう打ち取るかに集中ちゃね)

萌太「」スッ



63:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/24(木) 15:38:20.73 ID:gt6DDdPk0

ビシュッ! カキッ

審判「ファール!」

鵜鷺『7球目も打ってファール! 萌太さん粘ります!』

萌太(確かに、かなりリリースポイントが見にくいですね。けれど、ストレートだけなら当てることくらいはできます)

軋識(粘るっちゃね・・・。初回からあまり球数は使いたくないし、使うか)スッ

双識「」コクッ

ビシュッ!

萌太(甘い!)

ギュン! ブンッ!

パァン!

審判「ストライーク! バッターアウト!」



64:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/24(木) 15:46:40.83 ID:gt6DDdPk0

鵜鷺『今かなりボールが曲がりましたね』

玖渚『スライダーだね。サイドスローにとってはかなりポピュラーな変化球だよ』

萌太「すいません。もう少し粘ってみたかったんですが・・・」

みいこ「いや、あれは仕方がないだろ。十分だ。しっかりと見させてもらったよ」

萌太「最後の球は多分スライダーですね。追い込まれてから投げられると、かなり厳しいです」

みいこ「ああ。気をつけるよ」



65:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/24(木) 16:06:25.08 ID:gt6DDdPk0

1回表 TZ 0-0 TF
二死 ランナー無し
打者 浅野みいこ

鵜鷺『三番 ファースト 浅野さん』

みいこ「」スッ

軋識(この女は左か・・・。まあ右だろと左だろうと打たせないことには変わりないっちゃ。まずは膝元に真っ直ぐを―――)スッ

双識「」コクッ

ビシュッ!

キンッ!バンッ!

審判「ファール!」

哀川(・・・・・・ほう)

軋識(詰まるどころか完全に芯を食われた!?)



66:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/24(木) 18:58:01.26 ID:tsrdN8pO0

双識(凄いね。今打球が全然見えなかったよ)

軋識(インコースはまずい・・・。今より少しでも中に入ったら確実にやられるっちゃ・・・)

軋識(となると外、けど真っ直ぐは怖いっちゃね・・・)

みいこ「」スッ

軋識(・・・外角にスライダー。ボールからストライクに入るボールで頼む)スッ

双識「」コクッ

ビシュッ!

キィンッ!



67:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/24(木) 19:09:21.91 ID:tsrdN8pO0

一里塚「!?」

深空「!?」

鵜鷺『三遊間抜けたーーーっ! サード、ショート一歩も動けません!』

双識「あちゃー、やられたね」

軋識(くそっ、きっちり合わせてきやがった・・・)

いーちゃん「みいこさん、ナイスバッティングです」グッ

みいこ「ああ。これも萌のおかげだな」グッ



69:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/24(木) 19:43:31.53 ID:tsrdN8pO0

1回表 TZ 0-0 TF
二死 ランナー1塁
打者 匂宮出夢

鵜鷺『四番 サード 出夢くん』

双識(ふうん。この子が人識がやけに入れ込んでいるっていう子か・・・」

軋識(匂宮の人間が四番か・・・。こりゃかなり厄介ちゃね)

出夢「ぎゃはは。ヨロシクーー♪」

軋識(見た感じ華奢な体格だが、あの女を差し置いて4番に座っているくらいだ。用心するに越したことはないっちゃね)スッ

双識「」コクッ

ビシュッ! パァン!

審判「ストライーク!」

兎吊木『外角いっぱいのストレート。角度のついたいいボールだ』

玖渚『あそこに投げてれば、まず打たれることはないだろうね』

軋識「ナイスボール!」ビッ

軋識(ラッキーちゃ。今のストライクに取ってくれたのはありがたいっちゃ)



70:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/24(木) 20:25:24.35 ID:tsrdN8pO0

ビシュ! パァン!

審判「ボール!」

軋識(外角のスライダー。これもかなりギリギリだったけど、全く動かなかったちゃね。外は好きじゃないっちゃか? それなら―――)スッ

双識(一球目と同じコースにストレート・・・?)

軋識(ああ。またストライクを取ってもらえれば、ツーワン。内角を試す余裕ができるっちゃ)

双識(うふふ。アスの奴かなり真剣になってるね。それなら私も全開でいかしてもらおうかな)スッ

鵜鷺『おーっと! 双識さん大きく振りかぶりました!』

みいこ「!?」ダッ

ドビュンッ!!

キィィィィンッ!!



71:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/24(木) 20:46:41.71 ID:tsrdN8pO0

軋・双識「!?」

鵜鷺『左中間に上がったーーっ! これは大きいーーーっ!』

絵本「ううう~~~~」ダッ

曲識「くっ」ダッ

人識「うおっ!」

一姫「みい姉さん、ホーム行けるですっ!」グルグル

ドッ!

鵜鷺『入ったァアアア! ツーランホームラーーーンッ!! 出夢くんの一発がレフトスタンドに突き刺さりましたーーーっ!』



72:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/24(木) 21:31:16.50 ID:tsrdN8pO0

出夢「イエーーーーーーーーーーッッッ! 見たかぜろりん! レフトスタンド一直線ーーー! 有言実行内閣って、僕のことを言うんだぜーーーーっ! まあ、打ったのは外角だけどなっ! ぎゃはははははは!」タッタッタッ

人識「マジでやりやがった・・・」

一姫「さすが、姫ちゃんをズタズタにしただけのことはありますーーーっ!」

鈴無「やるだわね~~」

みいこ「ナイスバッチ」スッ

出夢「ぎゃははは。イエーーーイッ!」スッ

パンッ!

鵜鷺『出夢くん、今ゆっくりベースを回って―――ホームイン! 一気に2点先制です!』

双識「うわ~。外角のストレートを無理やり引っ張ってったよ・・・」

軋識(外が嫌いなわけじゃなかったのか・・・。あのコースがストライクとコールされると分った途端、今度は迷いなく振ってきやがった・・・)

一里塚「すいません。タイムお願いします」

審判「タイム!」



78:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/25(金) 00:55:59.31 ID:vLH2z9Eb0

一里塚「見事にやられましたね」

軋識「すまない。俺が外は苦手だと決めつけすぎたっちゃ。もう少し慎重に行くべきだった」

深空「全くだ」
高海「全くだ」

深空「折角、狐さんが先発に起用してくれたというのに情けない」ハァ
高海「折角、狐さんが先発に起用してくれたというのに情けない」ハァ

双識「うふふ。まあ、そうアスを責めないであげてくれ。ほら、アスだってこのように反省しているようだしね」

一里塚「そうですよ。まだ初回ですからね。まだまだ挽回の余地はあります。それにホームランでランナーがいなくなって、すっきりしたことですし、後続をしっかり抑えれば問題ありません」

哀川「かかか。2点差なんざ大したことねーよ」

軋識「あれ? 何か俺だけダメみたいな感じになってるっちゃ?」



79:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/25(金) 01:11:52.79 ID:vLH2z9Eb0

1回表 TZ 2-0 TF
二死 ランナー無し
打者 鈴無音々

鵜鷺『5番 ピッチャー 鈴無さん』

鈴無「よろしくだわ」ペコッ

軋識(随分大きい女だっちゃね。レンと同じくらいあるんじゃないっちゃか?)

双識(アス)

軋識(ああ。分ってるっちゃ。これ以上向こうに調子づかせるわけにはいかないっちゃからね。もう出し惜しみなしで全開でいくぞ)スッ

双識「」コクッ

鈴無(向こうはツーアウトからの失点で少なからずショックを受けてるはずだわ。ここは一気に畳み掛けるためにもファーストストライクを叩くだわ!)グッ

ビシュッ! 

ドロンッ

鈴無「!?」
 
ブンッ! パァン!

審判「ストライーク!」



80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/25(金) 01:33:05.99 ID:vLH2z9Eb0

鵜鷺『何と双識さん。ここに来てゆるい球を入れていきましたね。さっきのはチェンジアップでしょうか?』

玖渚『うにー。カーブだと思うよ』

鵜鷺『カーブですか? カーブにしては少し遅かったように見えましたが』

兎吊木『カーブ・・・というより変化球全般に言えることですが、ボールに変化をかける際、その投げ方は人によって違く、それによってかかる変化というのも変わってきますからね。特にカーブは繊細なモノで、ちょっとしたことで全くかからなかったり、逆に予想しない変化がかかったりすることもある』

鵜鷺『なるほどー』

鈴無(初球がカーブ・・・もう一球投げてくるかしら?)

軋識()ジッ スッ

双識「」コクッ

ビシュッ!

鈴無(真っ直ぐ!)

カキィ

軋識「サード!」

鈴無(やられただわ! 今のは甘かったのに!)ダッ

一里塚「」パシッ シュッ

哀川「ほい」パン

審判「アウト!」



81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/25(金) 16:00:30.78 ID:fznlj8U50

―――狐ベンチ―――

双識「いやー。初回から点取られちゃったね」

伊織「うふふ。お兄ちゃん、気を落とさないでください」

双識「ありがとう、伊織ちゃん」ニコッ

一里塚「それでも、続く5番を2球で仕留めれたのは良かったですね。うまく勢いと断ち切れました」

狐「点取られたなら取り返せばいいんだ。打って打って打ちまくれ。そして俺を楽しませろ」

哀川「うっせーよ、クソ親父。ただ見てるだけのくせに偉そうに指図してんじゃねー」

絵本「ううっ。ごめんなさい。私があのホームランボールを取ってれば2点先制されなかったのに・・・」

曲識「いや、あれ無理だろう・・・」

絵本「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」ブルブル

軋識(な、何だっちゃ。この女?)ガクブル



82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/25(金) 16:11:04.36 ID:fznlj8U50

1回裏 TZ 0-0 TF
無死 ランナー無し
打者 澪標深空

萌太「さて、鈴無さん。今度は僕たちが守る番ですね」

鈴無「わざわざ来なくたって分かってるだわよ。初回に先制されて盛り上がってる所に水を差すわけにはいかないものね。絶対にゼロで抑えるだわよ」

萌太「ええ。そうですね。その為にも、哀川さんの前にランナーを出さないことが重要になってきます」

鈴無「人類最強だっけ・・・? 全くいの字も、とんでもない奴を敵に回してくれたものだわ」

萌太「それに関しては別にいー兄のせいってわけではないんですけれど。とりあえず、ランナー出さないためにも、初回から球数使ってくかもしれないんで、よろしくお願いしますね」タッ

鈴無「うん。任せるだわ」



83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/25(金) 16:24:19.92 ID:fznlj8U50

鵜鷺『1回裏 チームフォックスの攻撃は、一番 ショート 深空さん』

萌太(匂宮分家の澪標姉妹が一、二番ですか。これはかなり厄介ですね。この一番を塁に出すと何をされるか分かったものじゃないですからね、哀川さんのことを抜きにしてもこの人を出すわけにはいきません)

深空「」スッ

萌太(とりあえず、一球様子を見てみますか―――)スッ

鈴無「」コクッ

ビシュっ! パァン!

審判「ボール!」

鵜鷺『鈴無さん、初球はストレートを外してきました。玖渚さん。鈴無さんは双識さんと違い、普通にオーバースローからの投球ですね』

玖渚『音々ちゃんは上背があるから、バッターから見るとボールが落下してくるように見えるだろうね』



84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/25(金) 16:33:25.86 ID:fznlj8U50

萌太(内角のストレートに反応しなかった。打つ気があるなら、どこかしら反応するもんなんですけど。先制されて慎重になってるんでしょうか?)スッ

鈴無(もう一球内角。今度はもう少し中に入れて―――)コクッ

ビシュッ! パァン!

審判「ストライーク!」

萌太(やっぱし反応しない。打つ気が無いのでしょうか?)

深空「」クイクイ

萌太(いや、打つ気が無いわけではないみたいですね。狙いが外れて動かないだけか。こちらはまだ変化球を投げてないから、狙ってるのはコース。外角狙いか。それなら―――)スッ

鈴無(もう一球同じコースに、ストレートを―――)コクッ



85:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/25(金) 16:38:41.20 ID:fznlj8U50

ビシュッ! 

カキッ

審判「ファール!」

萌太(さすがに今度は手を出してきましたね。しかし、これで追い込みました。あとは―――)スッ

鈴無「」コクッ

ビシュッ!

ギュン! ブンッ!

パァン!

審判「ストライーク! バッターアウト!」



87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/25(金) 21:58:37.29 ID:RIRzULM00

鵜鷺『三振! 鈴無さん、先頭の深空さんを三振に切って取りました!』

玖渚『最後は外角のスライダー。あれだけ内を意識させられた後だと、さすがに届かないよね』

萌太「ワンナウトー!」

鈴無「ワンナウトー!」

「「「「「「「ワンナウトー!」」」」」」」

萌太(よし、先頭をちゃんと切るとこができました)

鵜鷺『二番 セカンド 高海さん』

萌太(さて、次も澪標の人ですね)

高海「」

萌太(それにしても瓜二つですね。これじゃあ、入れ替わってても区別ができませんよ。打席は姉(妹?)と同じ右打席ですけど、まさか待ち球も一緒なんてことは・・・)



88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/25(金) 22:07:46.45 ID:RIRzULM00

萌太(とりあえず、深空さんと同じように攻めてみますか)スッ

鈴無「」コクッ

ビシュッ!

キィンッ!

出夢「うおっ!」バッ

ドッ!

審判「ファール!」

萌太(迷いなく振ってきた・・・。今度は内狙いですか。ベンチからの指示は徹底されてない感じなんでしょうか?)チラッ

狐「ん?」ダラー

萌太(そもそも指示自体されてなさそうですね)



89:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/25(金) 22:24:32.26 ID:RIRzULM00

キンッ!

萌太「セカンッ!」

玉藻「ゆ・らぁ~~り」パシッ

審判「アウト!」

高海「くっ」タッ

双識(結局、その後はスライダー・スライダー・ストレートか。見事にかわされたね)

萌太「ツーアウトー!」

鈴無「ツーアウトー!」

「「「「「「「ツーアウトー!」」」」」」」



90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/25(金) 23:20:12.92 ID:RIRzULM00

1回裏 TZ 2-0 TF
二死 ランナー無し
打者 零崎双識

鵜鷺『三番 ピッチャー 双識さん』

萌太(ふう。次は『自殺志願』の零崎双識ですか。哀川さんはもちろんですが、この人もかなりの難所ですね)

双識「ふふふ。よろしくね」ニコッ

萌太(この人、左ですか。右投げの左打ちは厄介なんですよねー)ペコッ

双識(さて、ツーアウトランナー無し。ここは思い切って一発狙ってもいいけれど、次が『最強』だからね。私がすべきことは次に繋げること。ここはどんなことしてでも塁に出よう―――)

萌太(―――と思っているんでしょうね。殺し名ならあの人の噂は聞いているでしょうし、そう考えるのも分ります。ですが、その考えを今回は利用させてもらいますよ)

鈴無(随分デカイ奴だわね・・・。いや、デカイというより長いって感じかしら)

萌太(立ち位置はほぼ中央。スタンスも狭めだけど、この人のリーチならどこでも届くでしょう。まずは―――)スッ

鈴無(ストレートをインハイに―――)コクッ

ビシュッ!

萌太(これだけ、腕が長ければ腕を畳まなければならないインコースは苦手なはず。おまけに長打を捨てているとなれば、絶対に手を出して来ません―――)

キィィンッ!

萌太(!?)

双識「―――と思っているだろうと思ってね」アハッ



91:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/26(土) 00:27:05.35 ID:CNgfxnG30

鵜鷺『3番の双識さん初球を打ちましたーーっ! 打球はライト線を―――』

いーちゃん「」パン

双識「なっ!?」

軋識「何でそんなライン際に立ってるっちゃ!?」

審判「アウトー!」

鵜鷺『ライトのいーちゃんさん。打球を予測してたんでしょうか? ライト線の打球をあっさりキャッチしました! スリーアウトチェンジです!』

いーちゃん「零崎の言った通り打ってきたな」

人識「かはは。変態兄貴の考えてることなんかお見通しだっつーの」



93:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/26(土) 00:44:25.78 ID:CNgfxnG30

―――戯言ベンチ―――

みいこ「いの字、ナイスプレー」

一姫「師匠ー、凄かったですー」

子荻「本当にナイスプレーです。よくあそこに飛んでくるってわかりましたね」

鈴無「いやー、本当に助かっただわ」

萌太「すいません、いー兄。自分が勝手に決め付けたばかりに・・・本当に助かりました」

いーちゃん「そんなことないよ。萌太くんは十分頑張ってくれてる」

人識「おい、予測したのは俺だぜ?」ズイッ

出夢「ぜろりん、器小さすぎ・・・」



94:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/26(土) 01:05:02.37 ID:CNgfxnG30

2回表 TZ 2-0 TF
無死 ランナー無し
打者 西条玉藻

鵜鷺『2回の表 チーム戯言の攻撃は、6番 セカンド 西条さん』

玉藻「ゆら~り」

軋識(この女、確か以前戦ったことがあるよな・・・)

双識(うふふ。ここから可愛い娘が続くね。眼福眼福)

軋識(レン、試合に集中するっちゃ。こっからは下位打線。きっちり三人で抑えて、向こうに行った流れを引き戻す)

双識(ああ。分ってるよ、アス)

玉藻「」ユラユラ



97:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/26(土) 14:13:52.02 ID:38nOukD10

ビシュッ! パァン!

審判「ストライーク! パッターアウト! チェンジ!」

一姫「う~っ」ガクッ

鵜鷺『三振! 双識さん、2回表を三者連続三振で切って取りました!』

軋識「レン、ナイスピー」

一里塚「ナイスピッチです。双識さん」

深空「出来るなら、最初からそうしろ。ヘッポコ」
高海「出来るなら、最初からそうしろ。ヘッポコ」

双識「あはは。どうも」

哀川「ちったー、打たせろや。守ってる間暇でしゃーねー」ゲシッ

双識「ぐはぁ・・・。あ、あはは。すいません・・・」ヨロッ

軋識(それにしても、あのズタボロの女。結局一回も振らずに終わったな。やる気がないっちゃか?)

玉藻「ゆら、ゆら―――」



98:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/26(土) 14:28:09.37 ID:38nOukD10

2回裏 TZ 2-0 TF
無死 ランナー無し
打者 哀川潤

萌太「さて、ついに哀川さんの登場ですね」

鈴無「そうだわね」

萌太「しかし、正直2点差あってよかったですね。これなら哀川さんと勝負できますよ。もし、ホームラン打たれても、まだ1点差ありますからね」

鈴無「何で打たれること前提で話してるだわよ。打たれなきゃいいのよ、打たれなきゃ」

萌太「あはは、そうでしたね。とりあえず、この打席で哀川さんに穴が無いか探りを入れていきたいので、大きいの打たれるかもしれませんが気にしないでくださいね」

鈴無「分ったから、さっさと戻るだわ」

萌太「それでは頑張りましょう」ニコッ タッ

鈴無(全く、いの字と違ってしっかりしてるだわね。しっかししすぎて、少し物足りないだわ)



99:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/26(土) 14:53:21.07 ID:38nOukD10

鵜鷺『2回の裏 チームフォックスの攻撃は、4番 ファースト 哀か―――』

哀川「潤だ。あたしのことを名字で呼ぶな」

鵜鷺『・・・4番 ファースト 潤さん』

哀川「よー。久しぶりだな、萌太くんよー」

萌太「お久しぶりです」ペコッ

哀川「くくく。よーしゃあ、いっちょでっけぇのを一発ぶちかますかな」スッ

萌太(左ですか。まぁ、哀川さんならどちらに立とうが打てるんでしょうけどね。・・・・・・それにしても)

哀川「」ドン

鈴無(凄い威圧感。どこに投げようが打たれそうだわ)

萌太(さすがにまともに勝負はできませんね。外角ギリギリでカウントを稼いで、最後は内のボール球を引っ掛けさせてもらいましょう)スッ

鈴無「」コクッ

ビシュッ!



100:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/26(土) 15:07:46.48 ID:38nOukD10

バァァァンッ!!


萌太「」

鈴無「」

人識「」

鵜鷺『・・・・・・』

玖渚『鵜鷺ちゃん』

鵜鷺『・・・え、あっ。ホ、ホームラーーンッ! 1点差に詰め寄る主砲の一発! 目にも留まらぬ速さでバックスクリーンに突き刺さりましたーーーっ!』

萌太(次元が違いすぎます・・・)

鈴無(何よ、あれ・・・)

人識(いつ、俺の頭上を通ったんだよ)



102:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/26(土) 15:37:51.90 ID:38nOukD10

鈴無「・・・ふぅ」

萌太「鈴無さん! すいません、今のは僕のミスです! 気にしないで切り替えていきましょう!」

みいこ「気にするな、鈴無!」

玉藻「まだ1点差あるよう」

崩子「試合はまだ序盤です。焦らず一人ずつ行きましょう!」

出夢「打たれたって、また僕が点取ってやるよ!」

いーちゃん「ガンガン打たせていきましょう!」

鈴無「・・・・・・ありがとうだわ」

萌太「締まっていきましょう!」

「「「「「「「おーーーっ!」」」」」」」

鈴無(こんなに皆に気を遣わせて、情けないだわ。もっともっと厳しくいかないと・・・)



103:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/26(土) 21:23:39.87 ID:WgLbQLYt0

パァン!

審判「ボール! フォア!」

軋識「うしっ」グッ

鈴無「くっ」

萌太「鈴無さん、肩の力抜いてください」

鈴無「……」

萌太(まずいですね。完璧に肩に力が入ってます。タイムをかけるべきでしょうか……? けど、今タイムをかけたら、余計に気を負わせてしまいそうですし……何とかアウト一つ取れれば)

鵜鷺『6番 センター 曲識さん』



105:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/26(土) 21:49:32.04 ID:WgLbQLYt0

2回裏 TZ 2-1 TF
無死 ランナー1塁
打者 零崎曲識

曲識「よろしく」

萌太(ここで、『少女趣味』の零崎曲識さんですか。本当に勘弁して下さいよ)

曲識「」スッ

萌太(バントの構え。次からが下位打線でも、とりあえずランナーを得点圏に進めようということですか。ちょうどいいですね。ここはアウト一つもらって、鈴無さんを楽にさせてあげましょう)スッ

鈴無「」コクッ ザッ

軋識「」ダッ

萌太(走った!?)

ビシュっ!

曲識「」サッ

キィンッ!



106:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/26(土) 21:59:16.83 ID:WgLbQLYt0

萌太(エンドラン!?)

玉藻「ゆ、ゆら~~~~」バッ

ドッ!

鵜鷺『一、二塁間抜けたーーっ! 一塁走者は三塁へ向かう!』

いーちゃん「くっ」パシッ ビシュ

崩子「」パン

軋識「」ザッ

鵜鷺『エンドラン成功ーっ! ノーアウト! 一塁三塁ーーっ!』



107:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/26(土) 22:18:24.83 ID:WgLbQLYt0

萌太「タイムお願いします」

審判「タイム!」

みいこ「だいぶテンパってるな、鈴無。深呼吸でもして落ち着け」

鈴無「アタシは落ち着いてるだわよ……」

みいこ「そうは見えないから言ってるんだ。ほれ、ヒッヒッフ~」

鈴無「そういうボケはいの字がいる時にするだわね。アタシは突っ込まないわよ」

出夢「それより。ノーアウト 一塁三塁だけど、スクイズはあるか?」

萌太「いえ、無いと思います。もしスクイズで失敗した場合ゲッツーもありますし、そうなったら下位打線ではランナーは返しにくくなりますからね」

崩子「犠牲フライでの失点はしょうがないものとして、外野は深めにしといた方がよさそうですね」

鈴無「大丈夫だわよ! 打たせなきゃいいんだわよ、打たせなきゃ! 下位打線なんか三振で仕留めてやるだわ! ほら、さっさと戻るだわ!」 



108:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/26(土) 22:42:37.47 ID:WgLbQLYt0

2回裏 TZ 2-1 TF
無死 ランナー1塁3塁
打者 一里塚木の実

鵜鷺『7番 サード 一里塚さん』

一里塚「よろしくお願いします」ペコッ

萌太()サッ 

鵜鷺『おーっと! 何とチーム戯言、内野、外野ともに前進守備! バックホーム体制です!』

萌太(ここで簡単に一点をあげたら、間違いなく流れが向こうに行ってしまいます。ここはリスクをおかしてでも、点はあげません)スッ

一里塚(さすがですね。私の力ではボールを外野に飛ばすのは難しいですからね。こう前に出られると犠牲フライは無理です。しかし―――)

鈴無(アウトローに真っ直ぐ……)コクッ

ビシュッ!

キィン!

一里塚(―――ピッチャーの顔固いですよ)ニコッ



109:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/26(土) 22:51:55.92 ID:WgLbQLYt0

ドッ!

鵜鷺『打ったーっ! 打球は一二塁間を―――』

みいこ「」パシッ ザザアアア

一里塚「えっ!?」

萌太「ホーム!!」

子荻(ダメです! 浅野さんはコントロールが……)

みいこ「なめるなっ!」ビュン

萌太「」パアンッ

軋識「」ザザア

ドッ!!



審判「アウトォオーー!」



110:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/26(土) 23:10:41.78 ID:WgLbQLYt0

鵜鷺『アウトです! 一里塚さんの抜けるかと思った打球を浅野さんが見事キャッチ! ホームを狙っていた軋識さんはホーム寸前でタッチアウトーッ!』

鈴無「浅野……」

みいこ「鈴無。野球はお前一人でやってるもんじゃないんだよ」

鈴無「……」

みいこ「後ろを見てみろ。お前の後ろにはちゃんと頼りになる仲間がいる。だから、存分に頼ればいいんだ」

崩子「ワンナウトです。気合い入れていきましょう!」

出夢「僕んとこ打たせろってーの! ぜってー取ってやるからよ、ぎゃはは!」

玉藻「ばったー集中でいきましょう~~」

いーちゃん「鈴無さん、リラックスして行きましょう!」

鈴無「そうだわね……。ありがとう、浅野」

みいこ「どういたしまして」



111:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/26(土) 23:22:11.10 ID:WgLbQLYt0

キィンッ!

人識「」パン

審判「アウトー!」

絵本「うう~~~」

鵜鷺『絵本さんはセンターフライでスリーアウト! 鈴無さん見事ピンチを切り抜けましたーっ!』

玖渚『結局この回の得点は潤ちゃんのホームランだけだったね』

崩子「鈴無さん、ナイスピッチです」

鈴無「ありがとう、崩子ちゃん」

萌太(ふう…。何とか一つ目の山場は乗り越えましたね)

出夢「おっしゃー! 次は僕たちの攻撃だかな、点取られた分取り返すぞー!」



117:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/27(日) 13:18:00.30 ID:PmEi7H0Q0

3回表 TZ 2-1 TF
無死 ランナー無し
打者 いーちゃん

鵜鷺『3回表の攻撃は、9番 ライト いーちゃんさん』

いーちゃん「どうも」ペコッ

軋識(何か随分しょぼそーな奴が来たっちゃね)ペコッ

双識(ん? この子……)

いーちゃん「」ジー

軋識(次からは上位、ここで変に球数使うのもバカらしいっちゃ。さっさとストライクもらって片づけるか)スッ

双識「」コクッ

ビシュッ! パァン!

審判「ボール!」

軋識(あれ? どうしたっちゃ? レン)

双識(何かこの子、やりにくいような……)



118:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/27(日) 13:26:05.79 ID:PmEi7H0Q0

審判「ボール! フォア!」

いーちゃん「」カラン

鵜鷺『おーっと! 双識さん結局一つもストライクが入らず、先頭のいーちゃんさんを出してしまいました!』

軋識「レン。どうしたっちゃ?」

双識「いやー、ごめん。何かあの子から人識と同じような空気を感じてね、ちょっと混乱してたみたい」

軋識「人識と同じ空気?」

双識「ああ。けど、もう慣れたから大丈夫だよ。次、しっかり抑えようか」

軋識「ああ。頼むっちゃよ」タッ

いーちゃん「どうも、哀川さん」

哀川「相変わらずえげつねぇな、お前」



119:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/27(日) 13:45:26.12 ID:PmEi7H0Q0

3回表 TZ 2-1 TF
無死 ランナー1塁
打者 零崎人識

鵜鷺『1番 センター 人識くん』

人識「おっしゃー! 次こそはぶっとばしてやるぜ!」

軋識(さて、先頭が出たから堅実にバントしてくるかと思ったが―――)

人識「」ブンブン

軋識(―――なさそうっちゃね)スッ

双識「」コクッ

ビシュッ!

人識(真っ直ぐ、いただき!)グイッ

ギュン!

人識(スライダー!? やべぇ!)

カキィ

鵜鷺『あーーっと! ボールはショート正面! ゲッツーコース!』



120:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/27(日) 13:51:54.53 ID:PmEi7H0Q0

人識「くそがっ!」ダッ

軋識「ショート!」

深空「」パシッ シュッ

高海「」パシッ

審判「アウト!」

いーちゃん「くっ」ザアッ

高海「っ!?」

人識「」タッ

鵜鷺『高海さん、一塁には投げられません! セカンドフォースアウトだけですっ!』

哀川「くくく。いーたんに助けられたな、人識くん」ニヤリ

人識「くっ、うっせーよ!」

鵜鷺『ランナーは入れ替わり、ワンナウト 一塁です』



121:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/27(日) 16:24:09.21 ID:5joaXGDr0

3回表 TZ 2-1 TF
一死 ランナー1塁
打者 石凪萌太

鵜鷺『2番 キャッチャー 萌太くん』

萌太「」サッ

軋識(バントの構えっちゃ。ツーアウトにしてでも、得点圏に回してクリーンナップに繋ぐ気っちゃね)スッ

双識「」シュッ

人識「」ザッ

哀川「」パン パシ

審判「セーフ」

軋識(ランナーに大した動きもない。ならこのバントを確実に潰すっちゃ)スッ

双識「」コクッ



122:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/27(日) 16:32:55.52 ID:5joaXGDr0

コンッ

軋識(ちっ)

一里塚「」パシッ

人識「」ザザァ

軋識「ファースト!」

一里塚「」シュッ

哀川「」パンッ

審判「アウト!」

鵜鷺『送りバント成功! ツーアウト ランナー二塁!』

軋識(くそ、インハイストレートの難しい球なのに、あっさりバント決めんじゃねーよ)



123:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/27(日) 22:07:59.30 ID:INgkZZfO0

3回表 TZ 2-1 TF
二死 ランナー2塁
打者 浅野みいこ

鵜鷺『3番 ファースト 浅野さん』

軋識(くそ、得点圏でこいつに回したくなかったんだが……)

みいこ「」スッ

軋識(この女は前の打席、内のストレートを引っ張って、外の変化球を流した。ミートに関しては天才的だっちゃ。パワーに関しても一球目のファールを見る限り、相当なもの。速球系はさけるべきだっちゃね。となると―――)スッ

双識(カーブを外に―――)コクッ

ビシュッ!

ドロンッ

キィンッ!



124:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/27(日) 22:24:09.03 ID:INgkZZfO0

鵜鷺『打ったーーっ! 打球は一塁線の頭上を―――』

哀川「よっ」パァン

浅野「なっ!?」

審判「アウトー!」

鵜鷺『と、取りましたーーっ! 一塁線の頭上を越えるかと思ったボールをファーストの潤さんがジャンプ一番、見事にキャッチ! スリーアウトチェンジです!』

人識「あれを捕るのかよ……」

子荻「さすがは『最強』ですね」

双識「いやー、助かりました。よく取れたね」

一里塚「本当にナイスプレーです」

哀川「はん。当ったり前だろうが。あんなもん閉眼片足立ちしてても取れるわ」

軋識「何で試合中に体力測定してるちゃ!?」



125:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/27(日) 22:43:04.17 ID:INgkZZfO0

3回裏 TZ 2-1 TF
無死 ランナー無し
打者 澪標――

萌太(さて、ファインプレーの後の守りですからね。先頭は絶対に出すわけには行きません)

鵜鷺『3回裏の攻撃は、1番 ショート 深空さん』

――「」スッ

萌太(澪標姉妹は厄介ですが、内外の好き嫌いがはっきりしてますからね。カウントを稼ぐうえでかなり楽です。1番の深空さんは外角が好きで、2番の高海さんは内角好き。まずはインハイのストレートでストライクを頂いちゃいましょう―――)スッ

鈴無「」コクッ

ビシュッ!

キィンッ!

萌太(なっ!?)



129:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/28(月) 21:48:36.87 ID:5+xeQUOL0

ドッ!

人識「」パシッ

鵜鷺『センター前ヒーット! 深空さん初球を見事に叩きました!』

玖渚『ふうん……』

萌太(初球のインハイを何の躊躇いもなく振ってきた……まさか!)チラッ

深空「」ニヤリ
高海「」ニヤリ

萌太(本当に入れ替わって打席に立ったというのですか!?)



130:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/28(月) 21:56:50.33 ID:5+xeQUOL0

3回裏 TZ 2-1 TF
無死 ランナー1塁
打者 澪標――

萌太(本当に入れ替わっているなら明らかに反則行為です。しかし、それを証明する手立てはありませんし、本当に入れ替わっているかどうかも分りません。こればっかしはどうしようもないですか……)

鵜鷺『2番 セカンド 高海さん』

萌太(とりあえず、今は試合の方に集中です。もし本当に入れ替わっているなら、今バッターボックスに立っているのは深空さん。下手に外角に投げれば右へ打たれて、ノーアウト一塁三塁でクリーンナップを迎えることになってしまいます。それだけは避けないと―――)スッ

鈴無(インローへボールから入るスライダーね―――)コクッ

萌太(この打席、徹底的に右打ちしづらい球で攻めます。もしバントなら、そのままワンナウトもらいましょう)

ビシュッ!

ギュン! キィンッ!

萌太(!?)

狐「スポーツはやっぱし正々堂々やらないといけねーよなー」ニヤリ



131:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/28(月) 22:08:11.47 ID:5+xeQUOL0

ドッ!

鵜鷺『高海さんも初球を狙い撃ちーっ! 打球はレフト正面へ!』

子荻(マズイ! レフトは―――)

一姫「あ、あうあう……」スカッ

深空「!」ダッ

鵜鷺『あーーっ! 一姫さんボールをトンネルー! 打球はレフト後方へ! それを見た深空さん二塁を蹴って三塁に向か―――』

人識「っだらぁ!」パシッ

深空「!?」

人識「出夢っ!」ビッ

出夢「ナイスカバー、ぜろりん!」パン

深空「」ザザァ




審判「セーフッ!」



132:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/28(月) 22:19:26.12 ID:5+xeQUOL0

鵜鷺『セーフです! 3回裏。チームフォックスは澪標姉妹の連打で、またもやノーアウト一塁三塁のチャンスを演出しました!』

萌太(二人は端から入れ替わってなかったというわけですか……見事にハメられましたね。……いや、自分が勝手に深読みしすぎてただけですか)

人識「だあーっ! くっそ!」

出夢「ぜろりんの肩がもう少し強ければな~~」

一姫「ううっ。ごめんなさいです」ズーン

人識「いちいち落ち込んでんじゃねーよ。てめぇがエラーするなんてのは最初っから予想済みなんだからよ。てめぇはてめぇの出来ることをしっかりやりゃあいいんだよ」

出夢「ぜろりんやぁさしぃ~~~~」ヒュー

人識「うっせー! てめぇは黙ってろ!」



133:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/28(月) 22:35:55.98 ID:5+xeQUOL0

3回裏 TZ 2-1 TF
無死 ランナー1塁3塁
打者 零崎双識

鵜鷺『3番 ピッチャー 双識さん』

双識「うふふ。よろしくね」

萌太(限りなく最悪の形でクリーンナップに回してしまいましたね……)

双識(ふうむ。どうやら向こうのレフトの娘はあまり野球が上手ではないみたいだね。レフトを狙うのもいいんだけど、この場面では下手したらゲッツーを食らう可能性があるから、ここは欲張らずに確実に繋ぐことを考えるとしよう)

鵜鷺『チーム戯言の守備は外野はほぼ定位置、内野は中間守備と前の回みたいな前衛守備は取らないみたいですね』

玖渚『前の回と違って、打順がクリーンナップだからね。「1点もやらない」というより「いかに最少失点で抑えるか」って感じだろうね』

兎吊木『双識さんは前の打席でいい当たりをしてましたし、下手に1点を惜しむと、逆に大量失点なんてことも考えられますからね』

鵜鷺『なるほどー』



134:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/28(月) 22:55:01.27 ID:5+xeQUOL0

ビシュッ! パァン!

審判「ストライーク!」

双識(インローの真っ直ぐ、力のこもったいい球だね)

鵜鷺『双識さん、前の打席は初球のインハイを積極的に打ってきてましたが、今回は普通に見てきましたね』

玖渚『というより、手が出なかったという感じだね』

双識「」スッ

萌太(さっきよりベースから下がった。前の打席では内角を打ってましたが、やはり窮屈な内角は苦手なんでしょうか? ……いや、もしかしたら逆に内角を誘ってるなんてことも……)

双識「ふふん♪」



135:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/28(月) 23:04:36.21 ID:5+xeQUOL0

萌太(……決めた。誘ってるんだ。それならあえて内角へ。しかも低めに外すボール球―――)スッ

鈴無(ワンバンOKって……)

萌太(大丈夫です。必ず止ますから)

鈴無(……分っただわ。信じてるだわよ)コクッ チラッ

深空「」サッ
高海「」サッ

ビシュっ!

ブンッ!

ドッ!

萌太「」ドスッ サッ

深空「」サッ
高海「」サッ

審判「ストライーク!」



136:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/28(月) 23:19:33.33 ID:5+xeQUOL0

双識(しまった……完璧なボール球を……)

萌太(よし、追い込みました。次は―――)スッ

鈴無「内角高めにストレート。これもボール球―――」コクッ 

ビシュッ!

双識「」ピタッ

パァン!

萌太「スイング!」

三塁審「」セーフ

審判「ボール!」



137:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/28(月) 23:30:02.52 ID:5+xeQUOL0

萌太(さすがに、このつり球には引っ掛かりませんでしたか)

双識「」スッ

萌太(足を元に戻した。内に3球来て、次は外に来ると予測したんですね。それなら―――)スッ

鈴無(ここで……!?)

萌太(あれを使うなら、ここしかありません。強気で行きましょう!)

鈴無(………分っただわ。あんたの言う通り決めてあげるだわ)コクッ チラッ

深空「」サッ
高海「」サッ

ビシュッ!



138:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/28(月) 23:42:49.50 ID:5+xeQUOL0

ヒョロッ

双識(!? ここで………チェンジ………アップ………ッ!?)

カキィ

鈴無「よっ」パシッ チラッ

深空「」サッ

萌太「セカンッ!」

鈴無「分ってるだわ、玉藻ちゃん」シュッ

玉藻「ゆらぁ~~・りぃ」パン シュッ

みいこ「ん」パン

審判「アウトーッ!」



140:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/29(火) 15:09:53.47 ID:l7FeGl470

鵜鷺『ダブルプレー! サードランナーは動けず、ツーアウトランナー二塁に変わりました』

双識「くっそー。最悪だ」

玖渚『最後のボールはチェンジアップだね。少し甘かったけど、逆にそのせいでバットに当たっちゃったって感じかな』

兎吊木『今日初めて投げるチェンジアップをしっかり投げ切った鈴無さんもよかったけれど、今回は配球の方が見事でしたね』

鵜鷺『配球ですか?』

兎吊木『ええ。3球目。普通ならあそこで変化球を投げさせたくなるんですけれど、きちんんとボール球を投げさせることで、ピッチャーに間を取らせてました。しかもインハイストレートはつり球でバットを振らせるだけでなく、見せ球としても有効でして、全くバッターに余裕を持たせない効率的な配球でしたね』

鵜鷺『おー(何言ってるかよく分んない)』



141:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/29(火) 15:19:40.52 ID:l7FeGl470

3回裏 TZ 2-1 TF
二死 ランナー3塁
打者 哀川潤

鵜鷺『4番 ファースト 潤さん』

鵜鷺『チームフォックスの攻撃は、なおもチャンスは続いて、4番の潤さんを向かえるわけですが、ここは当然―――』

萌太「」サッ

玖渚『まあ、敬遠だろうね』

ビッ! パァン!

審判「ボール!」

哀川「何だよ勝負しろよー」プンスカ

萌太(折角双識さんをゲッツーで打って取ったのに、ツーランを食らってしまっては意味がないですからね)

審判「ボール! フォア!」



142:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/29(火) 16:08:35.31 ID:l7FeGl470

3回裏 TZ 2-1 TF
二死 ランナー1塁3塁
打者 零崎軋識

鵜鷺『5番 キャッチャー 軋識さん』

軋識「」スッ

萌太(さて、ここで『愚神礼賛』の軋識さんですか。この人も左打席。全く3、4、5と左が続く嫌なクリーンナップですよ)

軋識(双識のゲッツーで流れは今、向こうにあるっちゃ。変に長引かせるとこっちがどんどん不利になる。追い込まれないためにも一撃で決める。初球……ファーストストライクを力の限り叩くっちゃ!)

軋識(俺は前の打席フォアボールで出てる。もちろん向こうにもそのイメージはあるはずだっちゃ。だからこそ初球は必ずストライクを入れてくるはず……)

萌太(ツキは今こちらにあります。小細工なしで行きましょう)スッ

鈴無「」コクッ

軋識(迷いなく頷いた……。双識に投げたチェンジアップは見る限りあれは完璧なものではないっちゃ。となるとストレートかスライダーか―――)

軋識(真っ直ぐにしてもスライダーにしても、ここは内にくるっちゃ。レフトの女は守備がザル。レフトに飛ばされないためにも外には投げたくないはず………だよな?)

鈴無「」ザッ

軋識(守備位置はどうだった? また人識の奴がフォローに回ってるなんてこともあるんじゃないか?)

萌太(インハイにズバッと! これが決まれば内外のコンビネーションで打ち取れます!)

軋識(ダメだ、迷うな!)

ビシュッ!



143:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/29(火) 16:20:46.45 ID:l7FeGl470

ビュンッ!

軋識(アウトコース!?)

萌太(逆球―――っ!?)

軋識(読みとは逆だが……行ける!)

キィン!



萌太「サード!」

鵜鷺『あーーっと。軋識さん打ち上げてしまいましたーっ!』

出夢「ほいよっ」パン

鈴無「っしゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!!」グッ

鵜鷺『鈴無さんが咆えたーーーっ! チームフォックスまたもやノーアウト一塁三塁のチャンスを生かすことができませんでした! スリーアウトチェンジです!』



144:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/29(火) 16:45:46.60 ID:l7FeGl470

―――戯言ベンチ―――

人識「ナイスピー」

出夢「ぎゃははは! ねーさん気合いバッシバシだな!」パンッ

鈴無「ありがとう。出夢ちゃんもナイスキャッチだわ」パンッ

萌太(ふう。凄く疲れました……)

子荻「まだ3回が終わったばかりです。大変でしょうが集中切らさないでくださいね」スッ

萌太「分ってますよ。飲み物ありがとうございます」スッ

一姫「ううっ。姫ちゃんがエラーしなければ、こんな大変なことにならなかったです。本当にごめんなさいです」

いーちゃん「大丈夫だよ。姫ちゃんは姫ちゃんの出来ることをしっかりやりな」ナデナデ



157:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/29(火) 22:27:39.32 ID:/MIp00Fh0

4回表 TZ 2-1 TF
無死 ランナー無し
打者 匂宮出夢


キィィンッ!

ガシャンッ!

鵜鷺『左中間フェンス直撃ーっ! 出夢さん、内角の球を積極的に打ってきましたーーっ!』

出夢「ぎゃははは。絶・好・調ーーーっ!」

軋識(くそっ! こいつ内も打てるんかよ!)

出夢「」ザザァ

鵜鷺『ツーベースヒーット! チーム戯言、ピンチから一転チャンスを演出しましたーっ!』



158:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/29(火) 22:46:16.08 ID:/MIp00Fh0

4回表 TZ 2-1 TF
無死 ランナー2塁
打者 鈴無音々

鵜鷺『5番 ピッチャー 鈴無さん』

鈴無「」スッ

軋識(ここを必ず抑えようと思うなら敬遠するべきだっちゃ。しかしそれじゃあ、お前が納得しないっちゃよな。レン)

双識(うふふ。さすが分ってるね、アス。やられたならやり返す。相手が女性なら尚更だ)

鈴無(アタシの仲間はこれ以上なく頼りになるわ。けど、だからって頼りっきりになってはいけない。ここは絶対に打って、流れを引き寄せるだわ)

軋識(この女は前の打席、カーブに全く合ってなかったっちゃ。初見というのもあっただろうが、遅い変化球に対応ができてないのは変わりはない。ここは最後にカーブを打たせて左側にフライを上げてもらうっちゃ)



159:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/29(火) 23:01:08.78 ID:/MIp00Fh0

ビシュッ!

ドロンッ パァン!

審判「ボール!」

軋識(今回はきちんと見てきたっちゃね、それなら―――)スッ

双識「」コクッ

ビシュッ!

鈴無(ストレート!)

キィィン!

バン!

審判「ファール!」

鵜鷺『鈴無さん、大きな当たりでしたがレフト方向へ切れていきました』



160:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/29(火) 23:20:18.43 ID:/MIp00Fh0

軋識(ストレートを引っ張るっちゃか…)

鈴無(よし。今度はちゃんとストレートに付いていけただわ。問題は向こうが最後までストレートを投げるかどうかね)スッ

ビシュッ! 

ドロンッ パァン!

審判「ストライーク!」

鈴無(ツーワン……。次に勝負球がくるだわ)

軋識(よし。やっぱりこの女はカーブは打てない、もしくは捨てているっちゃね。それなら最後も―――)スッ

双識「」コクッ

鈴無(さっきのファールで真っ直ぐには付いて来れていることは分ってる……それなら決め球で来るのは―――)

ビシュッ!

ドロンッ

鈴無(読み通り! 行けぇ―――っ!!)


キィンッ!



161:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/29(火) 23:44:54.41 ID:/MIp00Fh0

鵜鷺『打ったーっ! 打球は右中間へーー!』

鈴無(少し上がりすぎただわ)ダッ

伊織「う、うな~~~~~っ!」ダダダダッ

曲識(ダメだ、切れる!)ダッ

伊織「うなーーーーーーーっ!」バッ



ドッ!


鵜鷺『落ちたーっ! それを見て二塁ランナーは三塁蹴ってホームへ! 打ったバッターも二塁に向かいます!』

曲識「くっ」パシッ ビュンッ

出夢「おっし!」タッ

鈴無「」ザァ

高海「」パンッ

鵜鷺『二塁ランナーホームイン! 点はやらぬが貰ってく、そう言うかのようなタイムリーツーベース! この回点差を2に広げました!』

鈴無「おぉーーっし!」グッ



162:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/29(火) 23:56:49.65 ID:/MIp00Fh0

双識「くっそ~~。やられたね」

軋識「すまん、レン。あそこはもう一球様子を見るとこだったっちゃ」

双識「いや、私のカーブも少し甘めに入ってしまってたからね。むしろ私情で勝負に走ってしまったことを反省すべきだろうね」

軋識「ああ、そうだっちゃね。次からは下位だ。しっかり抑えるぞ」

双識「ああ。分ってるよ」



165:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/30(水) 14:12:23.91 ID:LtIDWJzg0

カキッ

崩子「くっ」タッ

軋識(強引に引っ張りやがった)

鈴無「」ダッ

軋識(三塁は間に合わない)「ボールファースト!」

高海「」パシッ シュッ

哀川「」パン

審判「アウト!」

崩子「くそ」

軋識(散々粘った挙句進塁打かよ。あの女結構しぶといバッティングするっちゃね……)



166:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/30(水) 14:25:39.64 ID:LtIDWJzg0

4回表 TZ 3-1 TF
二死 ランナー3塁
打者 紫木一姫

鵜鷺『この回、チーム戯言は4番5番の連打で一点を追加。続く6番玉藻さんは三振に倒れ、7番崩子ちゃんはセカンドゴロ。その間ランナーは三塁に進み、ツーアウトランナー三塁という場面で打席には8番 レフトの一姫ちゃんを迎えています』

一姫「」スッ

軋識(結局ランナーを三塁に進められたが、バッターがこの女なら心配はないな。ストレートだけで片つけるぞ)スッ

双識「」コクッ



168:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/30(水) 14:48:47.62 ID:LtIDWJzg0

一姫(姫ちゃんは、ここまで全然役に立ててないです……。それだけでなく、エラーして皆をピンチに立たせてしまいました……)

ビシュッ!

ブンッ! パァン!

審判「ストライーク!」

一姫(正直姫ちゃんが出ないで、萩原さんが出た方が皆に迷惑をかけないで済みます。それでも―――)

  ≪落ち込んでんじゃねーよ。てめぇはてめぇの出来ることをやりゃいいんだよ≫
  ≪大丈夫だよ。姫ちゃんは姫ちゃんの出来ることをしっかりやりな≫

一姫(皆、姫ちゃんのことを信じてくれました。姫ちゃんのことを必要としてくれました)

ビシュッ!

ブンッ! パァン!

審判「ストライーク!」

いーちゃん「姫ちゃん打てるよー!」

人識「ボールしっかり見ろー!」

崩子「楽に行きましょうー!」

軋識(おし、次でラストっちゃ―――)スッ

双識「」コクッ ザッ

鈴無「」ダッ

軋・双識(走った!?)

ビシュッ!

一姫(姫ちゃんはそんな皆の期待に応えたいです!)

コンッ

鵜鷺『スリーバントセーフティスクイズだーーっ!』



169:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/30(水) 14:57:35.02 ID:LtIDWJzg0

鵜鷺『打球は三塁線を転がるーーっ!』

兎吊木『打球を殺したいいバントだ』

鈴無「」ダッ

軋識(くっ。ホームは無理だっちゃ。けど、一塁で殺せば問題ないっちゃ)「ボールファースト!」

一里塚「くっ」パシッ シュッ

一姫「うわあぁぁぁぁぁっ!」バッ ザザァ

哀川「」パン




審判「アウトーーーッ!」



170:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/11/30(水) 16:20:14.21 ID:1CUB2Z8m0

一姫「う、うう……」グスッ

哀川「ナイスファイト」ポンッ

一姫「うぇ……?」グスグス

哀川「結果はアウトだったが、よくやった。だから、次はもっともっと頑張れ。お前の仲間と一緒にな」

一姫「じゅ、じゅんざあぁ~~~~~~ん゛っ」ボロボロ


―――戯言ベンチ―――

出夢「かー。アウトかよ」

いーちゃん「ああ。惜しかったね」

人識「あの審判目腐ってんじゃねーのか? ありゃセーフだろ」

みいこ「残念だったな」

鈴無「そうだわね。けどあれだわね―――」

崩子「ええ」

萌太「そうですね」


  「「「「「「「「俄然やる気が湧いてきた(だわ)!」」」」」」」」



177:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/01(木) 13:54:57.42 ID:hfsVfIA80

4回裏 TZ 3-1 TF
無死 ランナー無し
打者 零崎曲識

鵜鷺『4回裏の攻撃は、6番 センター 曲識さん』

曲識「よろしく」スッ

曲識(点を取られた直後の攻撃。向こうに流れた流れを引き戻すためにも、先頭である僕が出塁する必要があるな。ここは死球でも何でも必ず塁に出てみせる)ズイッ

萌太「」スッ

鈴無「」コクッ

ビシュッ!

曲識「!」

ズパァン!

審判「ストライーク!」

曲識(球の速度が上がってる……!?)



178:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/01(木) 14:11:00.86 ID:hfsVfIA80

ビシュッ! ズパァン!

審判「ストライーク! バッターアウト! チェンジ!」

伊織「うな~~。折角の出番でしたのに……」ガクッ

鵜鷺『三球三振! 鈴無さん、4回の裏を三者連続三振で抑えました!』

萌太「ナイスボールです、鈴無さん」

崩子「ナイスピーです」

みいこ「どうした? 急に絶好調だな」

鈴無「いつもバックに頼ってばっかじゃ悪いからね。アタシも少しは頑張らせてもらうだわ」

一里塚(まずいですね。向こうのピッチャー、自分で点を取ったことでかなり調子に乗っていますね。これ以上好き勝手やらせると本格的に手に負えなくなってしまいます。それにあの人―――)



179:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/01(木) 14:34:49.47 ID:hfsVfIA80

鵜鷺『投球フォームが変わってる、ですか?』

玖渚『変わってるって言っても、ただステップ幅が少し狭くなっただけなんだけどね』

鵜鷺『ステップ幅が狭くなると何か変わるんですか?』

玖渚『うん。ステップ幅が狭くなると、その分身体の重心が高くなるからね。より高い位置からリリースすることができるようになって、音々ちゃんの長身をより生かすことができるんだよ』

兎吊木『加えて、ステップ幅を狭めることで膝に余裕ができ、スムーズに体重を移動させることができるようになる。そうすると、ボールに体重を乗せることができて、より力のあるボールを放ることができるようになるんですね』

玖渚『4回裏に来て、音々ちゃんが自分の体の使い方を覚えてきたって感じかな』

鵜鷺『なるほどー。しかもステップ幅を小さくすることで、最終回への体力温存も考えられるということですね?』

玖渚『逆だよ、鵜鷺ちゃん。ステップ幅が狭くなることで下半身に対する負担が増えて、より消耗しやすくなるんだよ』

一里塚(―――私たちが突くとしたら、そこですね)



180:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/01(木) 14:57:51.64 ID:hfsVfIA80

5回表 TZ 3-1 TF
無死 ランナー無し
打者 いーちゃん

鵜鷺『5回表の攻撃は、9番 ライト いーちゃんさん』

いーちゃん「どうも」ペコッ

双識「……」

軋識(こいつが、レンがやたら違和感を感じていた奴っちゃね)ペコッ

いーちゃん「」スッ

軋識(どう見てもただのしょぼい少年にしか見えないんだが……。やはりレンの思い過ごしじゃないっちゃかね? とりあえず、そんな微妙な感情を抱えたまま投げられても困るし、ここはズバッとど真ん中に投げさせて違和感を取り除いてやるっちゃ)スッ

双識「んー……」コクッ

ビシュッ!

軋識(っ!?)

ビュンッ!

鵜鷺『おおーっと! ボールは大きく外れてバックネットに転がっていきます。ボールです』

軋識(!!??)

双識「あっれ~~?」



181:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/01(木) 16:22:16.13 ID:42oPn+lh0

審判「ボール! フォア!」

いーちゃん「」カラン

鵜鷺『おーっと! 双識さん今回もストライクが一つも入らず、先頭のいーちゃんさんを歩かせてしまいました!』

一姫「師匠ー、ナイス選です!」

みいこ「いいぞ、いの字!」

軋識(くそ、結局この回も先頭を出しちまったっちゃ)

双識(ふう。とりあえず、可愛い女の子見て落ち着こう)フウ



182:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/01(木) 17:05:58.41 ID:42oPn+lh0

5回表 TZ 3-1 TF
無死 ランナー1塁
打者 零崎人識

鵜鷺『1番 センター 人識くん』

人識「」スッ

軋識(先頭を出したのはまずかったが、次は人識の奴っちゃからね。正直楽だっちゃ)

人識(1打席目はセカンドゴロ、2打席目はショートゴロのフォースアウト。バッティングじゃあ全然いいとこ見せれてねーじゃねーかよ、俺)

軋識(今回もゴロを打ってもらってファーストランナーを二塁で[ピーーー]っちゃ。そしてあわよくばゲッツーを―――)スッ

双識「」コクッ

人識(あのねーちゃんがあんなに頑張ってんのに俺だけ怠けてるわけにはいかねーだろ!)チラッ

いーちゃん(ん?)

人識(分ってんだろうな、欠陥製品)

いーちゃん(……ああ、分ったよ。人間失格)

双識「」ザッ

いーちゃん「」ダッ

軋識(走った! スチール!?)

ビシュッ!

人識「」サッ

鵜鷺『おーっと、人識くんバントの構えだーー!』



183:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/01(木) 17:32:45.32 ID:42oPn+lh0

哀川「」ダッ

人識(すっげぇ威圧感。けど、悪ぃな人類最強。てめぇの後ろ通させてもらうぜっ!)

カコッ!

軋識(プッシュバント!?)

ドッ!

人識(よしっ! 抜けた!)ダッ

哀川「だっらぁ!」バッ

人識(!?)

軋識(ば、バク転っ!?)



184:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/01(木) 17:42:34.37 ID:42oPn+lh0

哀川「よっ」パシッ

人識(マジかよっ!?)

哀川「ファースト!」スッ

いーちゃん「」ザシュッ

深空「サード行ったっ!」

哀川「!?」シュッ

高海「」パシッ

審判「アウト!」

高海「」サッ

いーちゃん「」ザァァ

審判「セーフ!」

鵜鷺『決まったーっ! ラン&バント! まさかの奇襲攻撃ーーっ!』



187:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/01(木) 21:17:46.43 ID:qFZSiLU+0

出夢「ぜろりん、ナイスバント―ッ!」

鈴無「いの字もよく走っただわ!」

みいこ「これでワンナウト三塁。チャンスだな」

萌太「よくサインもなく、あんなプレーができますね」

人識「かはは。ざまぁー見やがれ、人類最強」

哀川「ちっ。てめぇじゃなくて、いーたんのファインプレーだろうが。偉そうにしてんじゃねーよ」

子荻(さて、ようやく私の出番が来ましたね)



188:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/01(木) 21:43:32.42 ID:qFZSiLU+0

鵜鷺『5回の表、チーム戯言は9番1番のコンビプレーでワンナウト三塁と追加点のチャンスを演出! この重要な場面でチームフォックスは守りのタイムを取りました!』


哀川「スクイズはねーだろ」

軋識「しかし、あの2番はかなりバントが上手いぞ。3回にもインハイの難しい球を難なく転がしやがったし」

哀川「いくらバントが上手くたって外されたらどうしようもねーだろ。見たところ向こうの3番4番はかなり打つみてーだし、得点圏のランナー潰す危険のあるスクイズよか、ランナー潰す危険の少ねーヒッティングの方がまだいいだろ」

双識「アスには悪いが、私もそう思う。スクイズ失敗だとゲッツーもあるしね」

軋識「確かにそうだが……。一里塚の女はどう思うっちゃ?」

一里塚「そうですね。私は……」チラッ

子荻「」ジー



189:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/01(木) 22:52:36.27 ID:qFZSiLU+0

5回表 TZ 3-1 TF
一死 ランナー3塁
打者 石凪萌太

パァン!

審判「ボール!」

鵜鷺『玖渚さん。チームフォックスは慎重にボールから入りましたが、スクイズなんてことはあるんでしょうか?』

玖渚『うにー。どうだろうね。リードしてるし、無理をするような場面でもないからね。今のボールもキャッチャーは立ってなかったし、ぐっちゃんもスクイズはないって読んでんじゃないかな? さっきのは様子見の一球って感じかな』

軋識(ランナーに動きはなかった。やっぱりスクイズはないっちゃか? スクイズにしてもヒッティングにしても、次の球はできるだけ入れたいっちゃ)

子荻(ノーツーにするとストライクカウントになって狙い打たれますからね。それを恐れてボール球を投げさせれば、もう萌太さんは歩かせるしかなくなる)

軋識(歩かせたらワンナウト一塁三塁。そうなるとウチが取れる手段は満塁策しかなくなるっちゃ。その満塁で迎えるのは今日ホームランを打ってる4番と、同じく打点を挙げてる5番。打ち取れれば相手に与えるダメージは大きいが、正直4番を打ち取るイメージが全く湧かねぇ……)

子荻(仮に次の球を入れることができればどうか?)

軋識(そうなれば、向こうは追い込まれるのを嫌がりくさいとこでも手を出してくるようになるっちゃ。スライダーをストライクからボールになるとこに投げさせれば、手を出す可能性は高いし、仮にスクイズだとしても、スライダーならバントしても転がらない。俺の前に落ちでもすればランナーを確実に殺せるっちゃ)

子荻(だからこそ、向こうとしては次は出来るだけストライクを入れていきたいはず―――)

軋識(しかし、一里塚の女は確か―――)



190:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/01(木) 23:25:53.28 ID:qFZSiLU+0

双識「」ザッ

子荻(行ってください!)

いーちゃん「」ダッ
萌太「」サッ

鵜鷺『スクイズだぁーーっ!』

ビシュッ!

萌太(っ!?)バッ

パァン!

いーちゃん「!?」ザッ

軋識「」タッチ


鵜鷺『スクイズ失敗ーーっ!!』


一里塚(あなたの強気で攻めていく采配は評価しますが、それは裏を返せば常にバクチを打ってるようなもの。その歳でバクチを打つには、まだ早過ぎますよ)

いーちゃん(子荻ちゃんが読み負けた……!?)

子荻「うそ……」



193:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/02(金) 13:52:51.13 ID:abd3SBfq0

パァン!

審判「ストライーク! バッターアウッ!」

鵜鷺『スリーアウトチェンジ! チーム戯言、絶好の得点のチャンスを逃しました!』

子荻(さっきの場面、確実に行こうと思うならもう一球見るべきだった。それでも、向こうは3番4番との勝負を嫌がるあまりカウントを悪くしたくないと判断したのは私の勝手な思い込み……)

子荻(そのせいで折角のチャンスを潰してしまって、鈴無さんが持ってきてくれたいい流れも悪くしてしまって……私、試合にも出てないのに。それなのに足引っ張っちゃて……策士……失格じゃないですか……)

子荻「あ、の。す、すいま―――」

いーちゃん「おっしゃ。次は守りだよ、切り替えてこう!」パンパン

人識「おらぁ。どんなボールだろうが掴み取ってやらぁ!」タッ

みいこ「どんどん打たせてけよ、鈴無」タッ

鈴無「そう言って、エラーしたら許さないだわよ。浅野」タッ

いーちゃん「ミスは誰だってするよ、子荻ちゃん。確かにさっきのスクイズ失敗は痛かったけど、それでも、そのたった一回のミスでは、ぼく達の子荻ちゃんに対する信頼は揺らがないよ。だからさ、どんどんぼく達のことを使っちゃてよ、ね」ボソッ

子荻「……ありがとうございます」ボソッ

いーちゃん「どういたしまして」タッ

子荻(そうだ。失敗なんか今までにだって沢山してきた。大切なのはそれを次どう生かしていけるか。今は試合中。へこんでる暇なんかありません!)パンパン



194:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/02(金) 14:08:42.62 ID:abd3SBfq0

5回裏 TZ 3-1 TF
無死 ランナー無し
打者 絵本園樹

鵜鷺『5回裏の攻撃は、9番 レフト 絵本さん』

絵本「ううっ。よ、よろしくお願いします」ペコッ

萌太(この人、見た目は気弱そうなのですが、多少のボール球は構わず振ってくる意外と荒っぽいバッティングをしてくるんですよね。1打席目は不用意にストライクを入れたら見事にセンターに返していったし、いわゆる打てる9番ですね)ペコッ

絵本「え、えへへ。会釈返してもらっちゃった」テレッ

萌太(とりあえず、チャンスを潰してしまった後の守りですからね。先頭をきっちり切って取りましょう。アウトコースのボール球をファールさせていって、最後は内のボール球を振ってもらいます―――)スッ

鈴無「」コクッ



195:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/02(金) 15:11:00.18 ID:abd3SBfq0

カキッ

高海「くっ」ダッ

萌太「サード!」

出夢「あらよ」パシッ シュッ

みいこ「」パシッ

審判「アウト!」

鈴無「よーっしゃ! ナイスサーッ!」グッ

出夢「ぎゃはは。ねーちゃんもナイスピーじゃねーか!」

崩子「鈴無さん、ナイスピーです」

萌太(この回だけで25球も投げさせられました……)

子荻(最初の絵本さんは5球。そして、続く深空さんと高海さんには10球づつ。これは間違いなくベンチから指示が出てますね)


狐「こっからは俺に代わって木の実に指示を出してもらう。だからお前らはこいつの言う事をしっかり聞くんだぞ」

哀川「何偉そうに言ってんだよ、クソ親父。てめぇ今まで一回も指示なんか出してねーじゃねーか!」

軋識(まあ、正直一里塚の女の方が頼りになるのは確かっちゃね)



196:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/02(金) 16:11:12.77 ID:wf+DHyfP0

鵜鷺『5回が終了いたしましたので、両チームはグラウンド整備をお願いします』


―――戯言サイド―――

人識「あー。めんどくせ~」ズルズル

玉藻「ゆらぁ~~~~~~」ズルズル

一姫「お、重いです~」ズルズル

いーちゃん「姫ちゃん。そっちの鉄のじゃなくて、こっちの木のならしを使いなよ」サッ

出夢「ぎゃはは。なあ? これさ、バレねーようにグラウンドにこっそりへこみを作っとけば、いきなりイレギュラーとかして相手ビックリするんじゃねーか?」

鈴無「やめなさい。スポーツは正々堂々やるものだわ」

みいこ「鈴無、お前はピッチャーなんだからベンチで休んでろ。私が代わる」ヒョイ

鈴無「そお? じゃあお願いするだわ」

崩子「萌太。あなたもベンチで休んだらどうです? 私が代わりますよ?」

萌太「大丈夫だよ、崩子。それより、ちゃんと汗とか拭いてるかい? 11月だけど今日は気温が高いからね、きちんと水分も―――」ガミガミ

崩子(また始まりました……)ハァ



197:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/02(金) 16:25:30.16 ID:wf+DHyfP0

―――狐サイド―――

伊織「うおーーっ! さっさと終わらせますよぅ!」ダダダ

双識「ははは。伊織ちゃん元気だな~」ニヤニヤ

曲識「レン、お前は休んでろ。僕が代わりにやる」

双識「ん? そうかい?」

深空「ダメだ」
高海「ダメだ」

深空「狐さんはならしをしないから、狐さんの分もお前が働け」
高海「狐さんはならしをしないから、狐さんの分もお前が働け」

一里塚「いやいや、休ませてあげましょう。これからは後半戦。これ以上の失点は命取りですからね」

絵本「ううっ。また塁に出れなかった……。しかも、粘ってって言われたのに5球しか粘れなかったし、やっぱり私なんて……」ズルズル

哀川「だーーっ! 全然打ち足りねーーーっ!」ブンブン

軋識「危なっ! おい、こんなとこで鉄のならしを振りまわすなっちゃ!」



201:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/03(土) 11:37:34.28 ID:FSLI1rSb0

鵜鷺『さてグラウンド整備が終わりまして、これから後半戦が始まるわけですが、玖渚さん。前半戦を振り返ってみてどうでしたか?』

玖渚『うにー。そうだね。僕様ちゃんからすると、音々ちゃんが予想以上に粘ってたのが予想外だったかな。3、4失点はするかと思ってたけど、結局前半戦で失点したのは潤ちゃんの一発だけだったし』

鵜鷺『あー。確かにそうですね。2回3回と得点圏にランナーを進めるも、好守備もあって得点を許してませんもんね―――兎吊木さんはどうでしたか?』

兎吊木『私としてはチームフォックスの打線がいまいち機能していないように思えますね』

鵜鷺『機能してないですか?』

兎吊木『ええ。特に3番と5番がそうですね』

鵜鷺『ああー。確かに、今日は両者とも絶好のチャンスで凡退してますからね』

兎吊木『チーム戯言の打撃陣が強力で、守りに予想以上の負担が掛かってしまっているのも一つの要因だと思いますね』

鵜鷺『なるほどー。それではスペシャルゲストの春日井さん。今日の前半戦の感想などを一つ………って、あれ? 春日井さんは?』

玖渚『随分前に帰ったよ』

鵜鷺『へ?』

玖渚『予想外に皆真面目に野球やってて、つまんないって言ってた』

鵜鷺『………後半戦始まります』



202:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/03(土) 12:07:17.63 ID:FSLI1rSb0

6回表 TZ 3-1 TF
無死 ランナー無し
打者 浅野みいこ

鵜鷺『6回の表の攻撃は、3番 ファースト 浅野さん』

みいこ「よろしく」ペコッ

軋識(さあて、またクリーンナップに回ったっちゃ)ペコッ

みいこ「」スッ

軋識(1打席目はストレートを引っ張って、スライダーに合わせてきた。速球系はまずいと思い、2打席目はカーブを投げたが、完璧に捉えられた。正直投げる球がないっちゃ……)

軋識(塁にはランナーもいないし、何を投げて打たれるならいっそ力勝負で―――)スッ

双識「」コクッ

ビシュッ!

キィンッ! ドッ!

鵜鷺『初球攻撃ーっ! 右中間を真っ二つーーっ! 浅野さんは二塁へ。ツーベースヒットです!』

軋識(チートすぎるだろ、こいつ!)



203:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/03(土) 12:59:25.31 ID:FSLI1rSb0

6回表 TZ 3-1 TF
無死 ランナー1塁2塁
打者 鈴無音々

鵜鷺『先頭の浅野さんにツーベースを許し、続く4番の出夢くんを敬遠してノーアウト一塁二塁。この場面で、バッターは5番 ピッチャー 鈴無さん』

鵜鷺『玖渚さん。鈴無さんは4回にタイムリーを打ってますが、ここは勝負なんてことはあるんでしょうか?』

玖渚『あると思うよ。ここで勝負を避けたら余計に音々ちゃんを調子づかせちゃうからね。同点や勝ってるならまだ分かるけど、リードされてるこの場面ではないよ』

鵜鷺『なるほどー』


鈴無「よろしくだわ」ペコッ

軋識(さて、また得点圏でこの女だっちゃね。ここはこの試合でかなり重要なターニングポイントだっちゃよ。気合い入れろ、レン)

双識(ああ。分ってるよ、アス)

軋識(この女は前の打席カーブを捉えた。遅い球が来たのにボールが右中間に落ちたのは、ボールを引きつけすぎたからだっちゃ。つまりこの女は前後の揺さぶりにはある程度対応はできるが、遅い球はあまり得意ではないってことになるっちゃ)

軋識(となると決め球はあくまでカーブ。しかし、見え見えの場面で投げても対応されるっちゃから、ある程度内外に散らして、狙い球を絞れなくする必要があるっちゃね―――)スッ

双識「」コクッ



205:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/03(土) 14:32:39.10 ID:zxbCp0Av0

ビシュッ! 

ギュン!

パァン!

審判「ストライーク!」

鵜鷺『初球はスライダーから入っていきましたね』

玖渚『アウトローいっぱいのいい球だね』

鈴無(かぁ~~。ストライクゾーンギリギリ。厳しいだわね)

軋識「ナイスボール!」シュッ

双識「ん」パシッ

軋識(よし。ファーストストライクは取れた。次はインハイにストレートを―――)スッ

双識「」コクッ

ビシュッ!

ガキッ パスッ

審判「ファール!」

鵜鷺『双識さん、たった2球で追い込みました!』



206:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/03(土) 14:49:09.97 ID:zxbCp0Av0

玖渚『アウトローの変化球からインハイの真っ直ぐ。反応した音々ちゃんも凄いけど、投げた双識ちゃんも凄いね。結構難しいんだよ』

兎吊木『あれだけ四隅に散らせられたら、狙いが絞れないでしょうね』

ビシュッ!

ガキッ 

審判「ファール!」

鈴無(高めのつり球に手出しちゃった。恥ずかしいだわ)

子荻(初球アウトローに変化球。2球目はインハイのストレート。3球目はインハイのボール球。となると、次ですね―――)スッ

鈴無「」ジッ

軋識(遊び球は無し。これで仕留めるぞ!)スッ

双識「」コクッ

ビシュっ!

軋識・子荻(ラストはアウトコースへのカーブ―――!)

ドロンッ


カキンッ!



207:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/03(土) 15:15:18.25 ID:zxbCp0Av0

双識「くっ」バッ

ドッ!

鵜鷺『ピッチャーの足元抜けたーーっ! ボールはセンター前へ―――』

高海「阿――」パシッ パッ
深空「――吽」パシッ シュッ

哀川「あいよ」パンッ

審判「アウトーーッ!」

鈴無「なっ……」

鵜鷺『ゲッツーーーッ! 双子二遊間の超ファインプレー炸裂ーーっ!』



208:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/03(土) 15:48:50.16 ID:zxbCp0Av0

鵜鷺『ゲッツー間にセカンドランナーはサードに進み、ツーアウト三塁に変わりました』


一里塚「ナイスプレーです。深空さん高海さん」

双識「いや~。本当に助かったよ。抜けてたら1点だもんね」

深空「お前がヘッポコだから、後ろの私たちは大忙しだ。しっかりしろ」
高海「お前がヘッポコだから、後ろの私たちは大忙しだ。しっかりしろ」

双識「ははは」

軋識(このプレーは大きいっちゃ! 二塁ランナーはサードに行っちまったが、しかし次の6番は全くやる気がない。しっかりコーナーに投げれば問題なく抑えられるっちゃ)



210:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/03(土) 22:16:37.53 ID:rX+wYOkZ0

6回表 TZ 3-1 TF
二死 ランナー3塁
打者 西条玉藻

鵜鷺『6番 セカンド 西条さん』

玉藻「ゆら~~り」スッ

軋識(やっぱし、打ち気が感じられないっちゃね。念には念を入れて変化球から入れるか。スライダーをインコースに―――)スッ

双識「」コクッ

ビシュッ!

軋識(曲がらない!?)

玉藻「ゆら―――?」

ドスッ!



211:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/03(土) 22:45:50.61 ID:rX+wYOkZ0

審判「デッドボール」

いーちゃん「玉藻ちゃん!?」ダッ

人識「てめぇ、どこ投げてんだ変態兄貴!」ダッ

子荻「誰かコールド持ってきて!」タッ

出夢「いや、あいつは大丈夫だろ」スタスタ

いーちゃん「大丈夫、玉藻ちゃん?」

軋識「本当に悪いっちゃ。わざとじゃないんだ」

人識「当ったり前だ、ボケ! わざとだったらぶっ殺してるぞ!」ガッ

出夢「落ち着けって」ガシッ


鵜鷺『西条さん立ち上がりませんが、大丈夫でしょうか?』

玖渚『思いっきり左肩にぶつかってたね』


子荻「玉藻? 大丈夫?」スッ

玉藻「――ゆらぁーーーりっ」グニャリ スクッ

子荻「……大丈夫そうね。コールドいる?」

玉藻「だいじょうぶ」スタスタ

人識「……前から思ってたんだが、あいつの身体何で出来たんだ?」

子荻「私に聞かないでください」

双識「」ペコッ



212:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/03(土) 22:54:17.47 ID:rX+wYOkZ0

鵜鷺『西条さんは大丈夫みたいですね。プレイ再開です』

鵜鷺『7番 ショート 崩子ちゃん』

崩子「よろしくお願いします」ペコッ

軋識「おー。さっきは本当に悪かったな。あのズタボロの女に後で言っといてくれ」

崩子「分りました。でも、私にはぶつけないでくださいね」

軋識「はは……」

軋識(さて、小さい女に当てちまったが切り替えてけよ、アス)

双識(ああ……。分ってるよ……)ズーン

軋識(全然分ってねーーーっ!?)



213:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/03(土) 23:12:36.35 ID:rX+wYOkZ0

崩子(随分向こうのピッチャーは落ち込んでますね。これなら恐らく内角には投げてこないでしょう。ここは徹底的に外角を狙わせてもらいます)グイッ

ビシュッ!

崩子「!?」バッ

パァン!

審判「ストライーク!」

子荻(インコースに―――)

崩子(―――投げたっ!?)

双識「」ズーン

子荻(明らかに落ち込んではいますが、それで投げれなくなるっていうわけではないようですね。さすがは『二十人目の地獄』ですか……)



214:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/03(土) 23:27:58.14 ID:rX+wYOkZ0

パァン!

審判「ストライーク! バッターアウッ!」

崩子「くっ」

鵜鷺『三振! 双識さん、この回のピンチを三振で切り抜けました』

一里塚「ナイスピーです。双識さん」

軋識「レン。さっきのデッドボールは気にするなっちゃ。抜けたスライダーだから、向こうもそんな痛くなかったって」

双識「ああ……。分ってるよ……」ズーン

伊織「お兄様、あまり気落ちしないで下さい。さっきのはしょうがないです。向こうもきっと分ってくれてますよ」キュッ

双識「伊織ちゃーん! ありがとうーーっ!」ガバァ

軋識「シスコン……」



219:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/04(日) 13:17:55.05 ID:Hq/CDWNH0

6回裏 TZ 3-1 TF
無死 ランナー無し
打者 零崎双識

鵜鷺『6回裏の攻撃は、6番 ピッチャー 双識さん』

双識「うふふ。よろしく♪」

萌太(出来れば気落ちしたままでいて欲しかったのですが、どうやら、もう立ち直ったようですね)

双識「」スッ

萌太(双識さんには、1打席目インハイの真っ直ぐをライトに打たれた。いー兄が取ってくれたから結果的にアウトに出来ましたが、実質的にはヒット同然の一打でした。2打席目はインローの真っ直ぐ。インローのボール球。インハイのボール球。真ん中よりのチェンジアップでピッチャーゴロ)

萌太(これまでの打席、ほとんどインコースで攻めていっています。だから、初球アウトコースで攻めていけば手を出さないと思うのですが……)

双識「ふふん♪」クイクイ

萌太(もちろん、向こうもそれ位のことは分ってますよね。ここは打ち気を逸らすためにも初球は―――)スッ

鈴無(チェンジアップ……)

萌太(ボール球で構いません。しかし出来れば低めにお願いします。向こうは前打席のゲッツーが頭にあるはずですから、初球にチェンジアップを見せれば簡単には手を出してこれなくなります)

鈴無「」コクッ



220:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/04(日) 13:33:06.13 ID:Hq/CDWNH0

ビシュッ!

ヒョロッ パン!

審判「ボール!」

双識(初球がチェンジアップか。本当に嫌らしい配球をするね)

萌太(ちゃんと見てきましたね。これで簡単には手を出してこれないでしょう。次は膝元にストレートを―――)スッ

鈴無「」コクッ

ビシュッ!

キィン!

萌太(!?)

双識「あまり私を甘く見ないで欲しいね」



221:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/04(日) 13:43:42.61 ID:Hq/CDWNH0

みいこ「くっ」バッ

ビシッ ドッ!

審判「フェア!」

鵜鷺『あーっ! ボールは浅野さんのグローブを掠め、ファールゾーンを転々と転がっていきます!』

いーちゃん「」ダッ

萌太「いー兄、急いでください!」

双識「ふっ」ザシュッ

崩子「三塁向かいました!」

い-ちゃん「玉藻ちゃん、中継!」パシッ シュッ

玉藻「ゆら――・りぃっ!」パン クルッ ビシュッ

出夢「」パンッ

双識「」ザザァ



審判「セーーフ!」



222:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/04(日) 14:00:53.72 ID:Hq/CDWNH0

鵜鷺『先頭の双識さん、スリーベースヒットで、いきなり絶好のチャンスを演出しました!』

玖渚『みいこちゃんのグラブに掠らなかったら、多分ツーベース止まりだったのにね。ホントついてないねー』

鵜鷺『この絶好のチャンスの場面で迎えるのは、4番 ファースト 潤さん―――なのですが、ここは当然』

萌太「」サッ

玖渚『敬遠だろうね』

ビッ! パァン!

審判「ボール!」

哀川「てめぇ勝負しろよ!」

萌太()ムシ

哀川(上等だ、コラ)ピキッ

ビッ!

哀川「だっらぁ!」バッ

萌太(!?)

哀川「そっちが逃げるってんなら、こっちから向かってやるわっ!」

キィン!



224:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/04(日) 14:19:25.36 ID:Hq/CDWNH0

鵜鷺『何と潤さん、敬遠球を打っていきました! 打球はレフトに大きく上がったーーっ!』

萌太(ヤバい! レフトは―――)

一姫「あう、あうあう」タタタッ

人識「チビもっと後ろだ、後ろ!」ダダダッ

一姫「あ、あうあう」タタタッ

人識「行き過ぎだ! あと5歩前! そう! そこだ!」ダダダッ

一姫「あうあう」バタバタ

人識「腕バタバタ振りまわすな! グローブを頭に掲げろ! ポケットの隙間からボールを覗くようにして、最後まで目を離すな!」ダダダッ

一姫「あう」パシッ

審判「アウトー!」

一姫「あ。と、取れたですーーっ!」ブンブン

人識「分かったから、バックホームしろ! バックホーム!」

一姫「へ?」

双識「」タッ

審判「ホームイン!」



225:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/04(日) 14:35:44.64 ID:Hq/CDWNH0

鵜鷺『タッチアップ成功です! チームフォックス、6回裏にて点差を1に縮めました!』

玖渚『……潤ちゃんやっちゃったね』

鵜鷺『あ、あれ? どうかしました?』

玖渚『いや、犠牲フライで一点取ったのはいいけど、あそこは大人しく塁に出とくべきだったかな、と思ってさ』

兎吊木『そうですね。チーム戯言も哀川さんが敬遠球を打ってくる可能性を考えて、あらかじめ外野は深めに守っていましたし、外してた球もかなり遠目に外してましたからね』

玖渚『犠牲フライで一点取ったけど、ランナーはいなくっちゃったし、攻撃のリズムもピッタリと止まっちゃった』

兎吊木『もし、あそこで大人しく塁に出てればノーアウト1塁3塁。エンドランやダブルスチール。スクイズなど色々と策を講じることができました。あまけに同点のランナーが塁にいるということで守りによりプレッシャーをかけることもできたのですが……』

玖渚『潤ちゃんを打ち取った、姫ちゃんがフライを取ったことで、チーム戯言は余計にノリに乗るだろうね』

鵜鷺『な、なるほどー』



226:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/04(日) 15:09:20.80 ID:Hq/CDWNH0

ビシュッ! 

曲識「くっ」

ガキィッ

萌太「ショート!」

崩子「」パシッ シュッ

みいこ「」パンッ

審判「アウト!」

鵜鷺『曲識さんはショートゴロでスリーアウトチェンジです!』


曲識「ッ~~。根っこに詰まったってしまった……」

軋識「あの女、『最強』を打ち取ったことで自信がボールに乗り移ってるっちゃね」

狐「おい、どうすんだよ。あれ、お前の責任だろ? 何とかしろよ」

哀川「……」

狐「俺は、お前が打った時はてっきりスタンドに放り込むんじゃねーかと思ったんだがな。何せ『最強』とか言われてるし、さっきからプレー中派手な動きはするし、『こっちから向かってやるわっ!』とか言ってたし。けど、結局外野フライとは)

哀川「…………」

狐「しかも守備が下手そうな奴が守ってるレフト方向に飛ばすという、随分卑怯者みたいな感じになるし、お前一体何なんだ? 人類最強の卑怯者か?」

哀川「だぁーーあ! うっせーーーよっ! 向こうが勝負してこねーのが悪いんだろうが! 第一、打って打って打ちまくれつったのは、てめぇだろ。とやかく言われる筋合いはねーよ!」

狐「打ちまくれとは言ったが、フライを打てとは言ってないぞ。せめて、ヒットを打って欲しかったものだ」

哀川「試合出てねー癖に、ぐちぐち言ってんじゃねーよ! そんな言うならてめぇが出て、ヒットでもホームランでも打ってくりゃいいだろうが!」

軋識「なあ、あれ止めなくていいのか?」

一里塚「ただの親子喧嘩ですよ」



227:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/04(日) 15:44:18.19 ID:Hq/CDWNH0

パァン!

審判「ボール! フォア!」

双識「くっ……」

軋識(っそ~~)

いーちゃん「」カラン

鵜鷺『双識さん、またしても先頭のいーちゃんさんをフォアボールで歩かせてしまいました! 一体どうしたのでしょうか?』

     イ フ ナッ シ ン グ イ ズ バッド
玖渚『≪なるようにならない最悪≫』

鵜鷺『はい? イ、イフ…なんですか、それは?』

玖渚『いーちゃんの体質を言い表したものらしいよ。他にも無為式とか事故頻発性体質並び優秀変態者誘因体質とか言われてるね』

鵜鷺『えーっと…、それはつまりどういった体質なのですか?』

玖渚『まあ、ざっくり言うなら、ただそこにいるだけで周りを狂わせる体質ってことかな。双識ちゃんがいーちゃんに対してだけ、やたらストライク入らないのはそのせいだろうね。対面してるから、よりその影響を受けてるんだろうね』

鵜鷺『はー。よく分りませんが、それなら一番近い位置に座ってる軋識さんが一番影響を受けてもおかしくはないと思うのですが、そういった傾向はあまり見当たりませね』

玖渚『二つに人格を持ち合わせてる人には影響が薄いんじゃないかな?』

鵜鷺『……はい?』

玖渚『ふふっ♪』

兎吊木『………』



228:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/04(日) 16:09:07.39 ID:Hq/CDWNH0

7回表 TZ 3-2 TF
無死 ランナー1塁
打者 零崎人識

人識「―――」
子荻「―――」

軋識(何話してるっちゃ?)

鵜鷺『1番 センター 人識くん』

人識「」スッ

軋識「よお。あの女と一体何話してたっちゃ?」

人識「言うわけねーだろが」

軋識「そうかい」

鵜鷺『さて、5回表と全く同じシチュエーションなのですが、ここは一体どのようなバッティングを見せてくれるのでしょうか?』

軋識『こいつには長打はない。まずはインハイの真っ直ぐでストライクをもらうっちゃ―――』スッ

双識「」コクッ


子荻≪いいですか? 試合は終盤。しかも点を取った後の守備ということで、向こうの守備には相当のプレッシャーがかかってるはずです≫

人識≪おー、それで?≫

子荻≪ですから、フライだけは絶対に打たないでください≫

人識≪高めに手を出すなと≫

子荻≪いいえ、高めに手を出してもかまいません。ただし―――≫


ビシュッ!

子荻≪ボールを右方向狙って、思いっきり上から叩きつけてください!≫

ガシッ! ドスッ!



233:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/04(日) 22:16:00.57 ID:WoNGNI+x0

フワッ

高海(バウンドが高い……!?)ピタッ

一里塚「高海さん、止まらないで! 前出て、前!」

いーちゃん「」ザシュッ

鵜鷺『いーちゃんさん二塁を回った!』

人識「」タタタッ

一里塚(速い!)

高海「」パシッ シュッ

人識「」ダン

哀川「」パンッ


審判「セーフ!」

人識「っしゃあーー!」グッ

鵜鷺『内野安打! 人識くん、俊足を生かして、この試合始めて塁に出ました! ノーアウト一塁三塁です!』



234:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/04(日) 22:31:24.73 ID:WoNGNI+x0

7回表 TZ 3-2 TF
一死 ランナー1塁3塁
打者 石凪萌太

鵜鷺『えー。先ほどノーアウト一塁三塁と申しましたが、いーちゃんさんの前に姫ちゃんがアウトになってますので、ワンナウト一塁三塁でしたね。申し訳ありませんでした』ペコッ

鵜鷺『えー。気を取り直しまして。次のバッターの紹介に参ります。2番 キャッチャー 萌太さん』

軋識(人識が塁に出たっちゃか。正直厄介っちゃね。三塁の坊主とやたら息合ってやがるし、何されるか分かったもんじゃないっちゃ)

萌太「よろしくお願いします」ペコッ

双識(しかも、またこいつの打順っちゃか。前の打席ではスクイズ失敗してるが、この打席は何をしてくる?)ペコッ

萌太「」スッ

人識「おらおら、走っちまうぞ~~」ユラユラ

軋識(ランナーもウザいし、本当に厄介な場面ちゃね……)

人識「」ユラユラ

いーちゃん「」ジー

双識(……何だか、凄く居心地が悪い気がするね……)



235:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/04(日) 22:53:52.71 ID:WoNGNI+x0

人識「おらおら~。走るぞ走るぞ~~」ユラユラ

軋識(走る走る言ってるわりにリードは割と小さめっちゃね。走る気はないっちゃか?)

一里塚(ワンナウトですからね。向こうとしてはクリーンナップに回したいでしょうし、余程自信がない限りは走ってこないでしょう)

軋識(それならバッター集中でいいっちゃね。まずは―――)スッ

双識「」コクッ ザッ

人識「」ダッ

軋識(走った!?)

ビシュッ!

軋識「」パァン スッ

双識「投げるな、アス!」

軋識「!?」ピタッ

いーちゃん「」ピタッ

人識「」ザザァ

双識「出来れば君のことは見たくはないんだけどね。右投げだから丸見えなんだよ」

軋識(あっぶな。すっかり忘れてたっちゃ……)ヒヤッ



236:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/05(月) 00:00:04.47 ID:vtqYyafY0

鵜鷺『盗塁成功! ワンナウト二塁三塁に変わります!』

子荻(まさか、単独スチールをするとは思いませんでしたね……。しかし、これでワンナウト二塁三塁。ゲッツーの心配はなくなりました)

萌太「」スッ

軋識(くそっ。さっきのじゃあ、バッターの動向を確認できなかったっちゃ)

双識(どうする? もう一球外すかい?)

軋識(いや、入れていくっちゃ。ただしアウトコース一杯に頼む)スッ

双識(ああ。分ったよ)コクッ ザッ

いーちゃん「」ダッ
萌太「」サッ

一里塚・軋識(スクイズ!?)



237:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/05(月) 00:23:27.99 ID:vtqYyafY0

子荻(確かに野球において、強気の采配を振るのはバクチを打っているのに等しい。正直、澄百合学園の作戦部に所属していたと聞く木の実さん相手にバクチで勝てるとは思いません。けど、だけど―――)

哀川「」ダッ

双識「くっ……!」

ビシュッ!

いーちゃん(外されたっ!?)タタタッ

双識(捕ってくれ、アス!)

萌太(そう何度も、失敗してたまるかっ!)バッ

子荻(―――仲間を信じることがバクチだとは、私は思いません!)



コンッ!



238:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/05(月) 00:27:22.38 ID:vtqYyafY0

軋識(当てるか、あれを!)

いーちゃん「」ザザァ

双識(くそっ! やられた―――)パシッ スッ

人識「」ダッ

一里塚「なっ!? ホーム行きました!」

双識「!?」シュッ

高海「っ!」パシッ

審判「アウト!」

高海(スクイズで二点もやれるかっ!)ビュンッ

人識「」ザァァ パンッ

軋識「」パンッ



審判「セーフ!」

鵜鷺『ツーランスクイズーーッ! まさに電光石火! 人識くんの超高速スライディングが決まりましたーーーっ!』



241:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/05(月) 15:05:18.76 ID:wh4rvfQ70

人識「っしゃぁぁぁぁあ!」グッ

いーちゃん「ナイスラン、ぼく」スッ

人識「かはは。ナイススタートだったぜ、俺」スッ

パンッ!

萌太「ふう。今度はいー兄をちゃんと返すことができました」

いーちゃん「萌太くんもよく当てたよ。ナイスバント」

人識「かはは。これで3点差。決定的だろ!」カハハ

みいこ「まだまだこの回は終わらせないぞ」スッ


―――戯言ベンチ―――

一姫「師匠ー。ナイススタートですーー!」

崩子「萌太もナイスバントです」

鈴無「あの顔面刺青の子もナイスランだわ!」


子荻(ふう……。よかった……)ホッ



242:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/05(月) 15:26:54.61 ID:wh4rvfQ70

カキィ

曲識「」パシッ

審判「アウトー!」

鵜鷺『スリーアウトチェンジです! チーム戯言、7回表の攻撃は萌太さんのツーランスクイズで2点追加。その後3番浅野さん、4番出夢さんの連打でツーアウト一塁二塁にしますが、続く鈴無さんはセンターフライで倒れ、追撃の得点とはなりませんでした!』

双識「ふう……」

一里塚「ドンマイです、双識さん」

伊織「凄い汗ですけど、大丈夫ですか?」

軋識「レン。水分摂っとけ」スッ

双識「あー。ありがとう」スッ

哀川「この回ボロクソにやられたな。点差も3に広がっちまうし、こりゃ本格的にヤバいんじゃねーか?」

狐「どっかの誰かさんが向こうに流れを与えちまったからな」

哀川「あぁん!?」ギロッ

一里塚「勝負は上位から始まる、次の回です。この回では一球でも多くピッチャーに球数を投げさせてください。出来るだけ疲れさせて上位に回すんです」

伊織「ラジャりました!」ビシッ

絵本「が、頑張ります」オロオロ

一里塚「それでは先頭は私からでしたね―――。双識さんも、あと2回守りが残ってるんですから、しっかり息を整えといて下さいね。次の回では打順も回りますしね」

双識「うん。お気遣いありがとうね」フウ



243:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/05(月) 15:34:14.04 ID:wh4rvfQ70

7回裏 TZ 5-2 TF
無死 ランナー無し
打者 一里塚木の実

鵜鷺『7回裏の攻撃は、7番 サード 一里塚さん』

一里塚「よろしくお願いします」ペコッ

萌太「」ペコッ

萌太(一里塚さんですか。一打席目はファーストゴロ。二打席目は空振り三振と当たっていませんが、萩原さんのスクイズに読み勝つなど予断を許さない人ですね)

一里塚「」スッ

萌太(ここは慎重にボール球から行きましょうか―――)スッ

鈴無「」コクッ

ビシュッ!

ズパァン!

審判「ボール!」



244:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/05(月) 15:45:58.22 ID:wh4rvfQ70

萌太(外角の真っ直ぐに反応なしですか……。やけにしっかり見送ってきましたし、嫌な感じです)

一里塚「」クイクイ

萌太(打つ気がないわけではないでしょう。すでに7回。点差を3に広げられて向こうは相当に焦っているはずですし、際どいところでも必ず手を出してくるはず。今度は内にスライダーです―――)スッ

鈴無「」コクッ ザッ

一里塚「」サッ

萌太(バント!?)

ビシュッ!

鈴無「」ダッ

一里塚「」スッ

パァン!

審判「ボール!」

鈴無「ちっ……」

萌太(ここで揺さぶりですか!?)



245:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/05(月) 16:03:30.22 ID:wh4rvfQ70

萌太()スッ

鈴無「」コクッ ザッ

絵本「」サッ

ビシュッ!

鈴無「」ダッ

絵本「」スッ

キン!

審判「ファール!」

鈴無「はぁはぁ……」

鵜鷺『9球目打ってファール! カウントは2ストライク3ボール。絵本さん粘ります! 玖渚さん、この回、チームフォックスはこれの繰り返しですね』

玖渚『うにー。これをやられると、ピッチャーだけじゃなくて野手もキツいんだよね』

鵜鷺『野手もですか? 打球は全然前に飛んでませんが?』

兎吊木『打者がバントの構えをすると、全ての野手がその度にそれぞれの場所に動かされますからね。一塁三塁は前に走らされ、二塁ショートはベースカバーに。一球ごとにその役割を果たそうと緊張が走らされるんですからたまったもんじゃないでしょう』

玖渚『その結果打球が転がってくれればいいんだけど、打者は粘るに粘る。フェアゾーンに全く飛ばそうとしない。結局無駄な動きをさせられたということで、心身共にドッと疲れが押し寄せてくるってわけ』

鵜鷺『なるほどー』



247:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/05(月) 22:55:41.03 ID:l05ohkXH0

8回表 TZ 5-2
無死 ランナー無し
打者 西条玉藻

鵜鷺『8回表の攻撃は、6番 セカンド 西条さん』

玉藻「ゆらぁ~~り」

軋識「おう。さっきの打席は悪かったっちゃね。大丈夫か?」

玉藻「ゆらぁ? だいじょうぶ」スッ

軋識「そっか、そりゃあ良かったっちゃ」

軋識(さて、さっきはぶつけちまったが。ここで引き摺るんじゃないっちゃよ、レン)

双識(ああ、大丈夫だよ。これは勝負事だからね、勝負に集中するよ)

軋識(うし。さっきの回、一里塚の女たちが粘ってくれたおかげで、うまく気持ちがリフレッシュが出来てるっちゃ)


人識「あの野郎、前の打席ぶつけやがったが大丈夫か?」

いーちゃん「さすがに、向こうも前の打席のイメージがあるから内角には投げにくいと思うけどね」


軋識(前の打席ぶつけたということで、向こうは内角はないと思ってるはずだっちゃ。ここはズバッと内角放り込んで意表を突く―――)スッ

双識「……」コクッ

ビシュッ!

玉藻「ゆら―――?」

ドスッ!

人識「うおぉぉぉぉぉぉぉいっ!」



248:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/05(月) 23:00:33.59 ID:l05ohkXH0

審判「デッドボール」

いーちゃん「玉藻ちゃん!?」ダッ

人識「てめぇ、どこ投げてんだ変態兄貴!」ダッ

子荻「誰かコールド持ってきて!」タッ

出夢「いや、あいつは大丈夫だろ」スタスタ

いーちゃん「大丈夫、玉藻ちゃん?」

軋識「本っ当に悪いっちゃ。マジでわざとじゃないんだ!」

人識「信じられるか、ボケ! 二打席連続だぞ!」ガッ

出夢「落ち着けって」ガシッ


鵜鷺『西条さん立ち上がりませんが、大丈夫でしょうか?』

玖渚『またもや左肩に思いっきりぶつかってたね』


子荻「玉藻? 大丈夫?」スッ

玉藻「――ゆらぁーーーりっ」グニャリ スクッ

子荻「……大丈夫そうね。コールドいる?」

玉藻「だいじょうぶ」スタスタ

人識「……なあ、本当にあいつの身体は何で出来たんだ?」

子荻「私に聞かないでください」

双識「」ペコッ



249:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/05(月) 23:51:27.98 ID:cSk7P4+f0

8回表 TZ 5-2 TF
無死 ランナー1塁
打者 闇口崩子

鵜鷺『7番 ショート 崩子ちゃん』

崩子「よろしくお願いします」ペコッ

軋識「なあ。あの女本当に大丈夫っちゃか? 二度もぶつけちまって、本当に悪かったっちゃ」

崩子「大丈夫ですよ。さっきのはそちらが悪いわけじゃありませんからね。こちらもちゃんと分ってますよ。それにあの方も大丈夫だと思いますよ。どうやら、関節が極端に柔らかいから相当怪我がしにくいみたいです」

軋識「そうか……すまんっちゃね」

崩子「いえ、私にボールをぶつけなければ問題はありません」

軋識「……はは」



250:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/05(月) 23:55:05.61 ID:cSk7P4+f0

人識「さっきデッドボールは玉藻の責任だぁ? 何でそうなんだよ!」

子荻「直接的に玉藻の責任っていうわけでもないですが、さっきのデッドボールは仕方がないものだということです」

人識「何でだよ!? 明らかにぶつけた方が悪いに決まってんじゃねーか」

いーちゃん「落ち着けって、零崎。……子荻ちゃんどういうこと?」

子荻「さっきの打席ですが、玉藻は前の打席デッドボールを受けています」

人識「おー。そしてさっきので二回もぶつけやがった。もうワザと以外ねーだろ!」

出夢「だから、落ち着けって」ブンッ

人識「おぶっ」ドスッ

子荻「ですから向こうは内角に投げにくいだろうと玉藻は予測して、外角を狙っていってたんですね。しかし玉藻の身体じゃ双識さんの角度がついた外角をヒットにするのは難しい。その為、ベース寄りに立って、前に踏み込むように打とうとしたんです」

いーちゃん「なるほど。そこにインコースの球が来て、玉藻ちゃんがその軌道に入っていってしまう形になったというわけか」

子荻「そういうわけです」

出夢「だとよ。分ったか? ぜろりん」

人識「」プラーン



251:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/06(火) 00:16:02.67 ID:YAUJ4kwt0

崩子「」チラッ

子荻(正直、崩子さんには出てもらってから一姫で送らせるというのが一番の理想なのですが、さすがにそううまくはいきませんよね。ここは素直に送りましょう―――)スッ

崩子「」コクッ

軋識(さて、先頭は出てるがここは送ってくるっちゃか? 試合も終盤だし強行は考えにくいが、しかし送って得点圏にランナー置いても後続に返せるとは思えないっちゃが……)

双識(アス。あの少年のことを忘れてるよ)

軋識(ああ。そうだったっちゃね。レン、あのランナーと対戦するとやたら調子崩すっちゃからね。となると、向こうとしてはここと次で送って、ランナーを3塁に置いて、あの少年に回したいというわけか……)

子荻(ランナーが3塁にいる状況下で彼が打席に立てば、それだけで何かしらが起きますからね。勿論ランナーが死ぬという可能性もなくはないですが、しかし、もし相手が暴投でもしてくれれば、タダで一点をもらうことができますからね)

軋識(そういうことなら、ここは絶対にバントをさせるわけにはいかないっちゃね。絶対に阻止するっちゃ―――)スッ

双識「」コクッ



252:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/06(火) 00:24:55.35 ID:YAUJ4kwt0

ビシュッ!

ギュン!

崩子(スライダー!?)

ガキッ!

ドッ!

鵜鷺『あーっと! キャッチャーの前に転がってしまいました!』

崩子「くっ」ダッ

軋識「」パシッ シュッ

深空「」パンッ

審判「アウト!」

鵜鷺『送りバント失敗です! ランナーが入れ替わって、ワンナウト1塁に変わります』

玖渚『スライダーだった分、転がらなかったね』

双識「アス、ナイスプレー!」

軋識「おう! ワンナウトだっちゃ!」



253:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/06(火) 00:32:54.35 ID:YAUJ4kwt0

ビシュッ!

コンッ

軋識(ちっ、やられた)

軋識「ファースト!」

一里塚「」パシッ シュッ

哀川「」パンッ

審判「アウト!」

鵜鷺『今度は送りバント成功です! ツーアウト2塁』

玖渚『インハイの難しい球だったけど、よく転がしたね』


一姫「ふう……」

人識「あいつバントうめぇな!」

萌太「4回のセーフティスクイズもライン際にきっちり転がしてましたし、こういう小技は案外得意みたいですね」

みいこ「姫、ナイスバント」

一姫「えへへ。やったですぅ」



254:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/06(火) 00:49:14.55 ID:YAUJ4kwt0

8回表 TZ 5-2 TF
二死 ランナー2塁
打者 いーちゃん

鵜鷺『9番 ライト いーちゃんさん』

いーちゃん「」スッ

鵜鷺『さて、得点圏にランナーを置いて嫌なバッターが回ってきましたね』

兎吊木『彼のこの試合の出塁率は十割ですからね』

玖渚『三打席全てがフォアボール。しかも一回もバットを振ってないんだから。本当に狂ってるよねー』

鵜鷺『いーちゃんさんの影響でピッチャーのリズムが狂わされているんですよね。やはりこの打席もってことなんでしょうか?』

玖渚『うにー。確かにいーちゃんの影響で双識ちゃんのリズムが狂わされてるのは確かだろうね。けど―――』


ビシュッ!

いーちゃん「!?」

パァン!

審判「ストライーク!」

いーちゃん(ストライクが―――)

子荻(―――入った!?)


玖渚『ずっと狂ってられる人間なんて、この世にはいないんだよね』



255:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/06(火) 01:01:32.66 ID:YAUJ4kwt0

ビシュッ!

パァン!

審判「ストライーク! バッターアウッ!」

鵜鷺『三球三振! これまでいーちゃんさんに対して全くストライクが入ってなかった双識さんですたが、この打席では全てストライクに入れて三振に切って取りました!』

玖渚『ストライクに入ってるのに、結局一回もバットを振らないあたりがいーちゃんらしいね』

子荻(たったこれまでの打席の間に、彼の影響で狂わされるリズムを調整しきったのですか!? さすがは『二十人目の地獄』ですね……)

軋識「よー。どうしたっちゃ? 急にストライクが入ったっちゃね」

双識「うん。何かいっそ暴投したれって投げたらストライクが入ってたよ」



261:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/06(火) 17:02:24.30 ID:SGhDUurw0

8回裏 TZ 5-2 TF
無死 ランナー無し
打者 澪標深空

萌太「さて、この回は1番からの打順です。ここをしっかり抑えれば勝利が見えてきますよ」

鈴無「ええ。分ってるだわ……」

萌太(……汗が引ききってませんね。ただでさえ足腰に負担のかかるフォームになってる上、あれだけ走らされたんですからしょうがないですね)

鈴無「いいから早く戻りなさい。審判がこっち見てるだわよ」

萌太「そうですね。それでは、まず先頭をしっかり抑えましょうね」タッ

鵜鷺『8回裏の攻撃は、1番 ショート 深空さん』

深空「」スッ

萌太(点差は3点。この先頭を抑えられるかどうかで、この試合は大きく変わる。深空さんは外角好きで、どちらかというと流し打つ傾向がありますね。二打席目、内角をレフトでなくセンターに弾き返したのはそのせい。となればここは―――)サッ

深空(守備が左に寄った……)

萌太(これで流し打ちはしにくいでしょう。後は逆に引っ張りにくい球で攻めます。まずは外角にスライダーで―――)スッ

鈴無「」コクッ



262:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/06(火) 17:07:43.82 ID:SGhDUurw0

ビシュッ!

ギュン! パァン!

審判「ストライーク!」

萌太(見てきた。やっぱりこのシフトだと流し打ちはやりづらいみたいですね。それなら、もう一球外に―――)スッ

鈴無(今度は真っ直ぐ―――)コクッ

ビシュッ!

キィン! 

萌太(流し打った!? けど、これはセカンドの守備範囲内!)

玉藻「ゆら―――り……」スッ

ドッ!

鵜鷺『ライト前ヒーット! 先頭の深空さんが出塁しました!』

萌太(!?)



263:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/06(火) 17:18:44.45 ID:SGhDUurw0

鵜鷺『どうしたのでしょうか? 先ほどの打球は十分に玉藻さんの守備範囲に思えたのですが、すんなりとライト前へ抜けていきましたね』

玖渚『どうやら、少しアクシデントが発生してるみたいだね』


出夢「お前、今手伸ばせば捕れただろ!」

玉藻「ゆら、ゆらぁ……りぃ……」

崩子「ドンマイです。次をしっかり抑えましょう」

みいこ「ああ。ランナーは出たが、点差は3点ある。ランナーに気を取られずにバッター集中で行こう」


子荻(さっきと前の打席、デッドボールをもらったのは確か左肩―――)

萌太(まさか、左肩が上がらないのですか―――っ!?)


玉藻「ゆ、ゆら……り……」



264:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/06(火) 17:37:26.01 ID:SGhDUurw0

8回裏 TZ 5-2 TF
無死 ランナー1塁
打者 澪標高海

鵜鷺『2番 セカンド 高海さん』

萌太(マズいですね。玉藻さんの左肩が上がらないということは、セカンドのライナー系は全てヒットになってしまいます。フライなら工夫すれば取れるでしょうから、いー兄と守備位置を変わってもらうというのも―――)

子荻(いや、ダメです。そんなことしたらこちらの守備が崩壊しかねません。あの人をライトに置いたのはこちらの守備に悪影響を与えないために隔離したという要素が大きいのですから。彼の隣りになるセンターも同様です。彼の悪影響を受けないから人識くんだから務まるのであって、玉藻では恐らく務まらないでしょう―――)

萌太(ということは玉藻さんをセカンドのままにしとくしかありませんか……。ライトからの返球をキャッチしてたのを見ると、キャッチボール程度のことはできるみたいですし、何とか2回誤魔化してやっていくしかないですね)

高海「」スッ

萌太(高海さんはインコースが好きの典型的なプルヒッター。サードショートの前に打ってくれればゲッツーもありますが、ここは―――)

高海「」サッ

鵜鷺『高海さん早くも送りバントの構えです!』

萌太(ですよね)



265:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/06(火) 17:47:23.30 ID:SGhDUurw0

萌太(一般的に引っ張るタイプのバッターはボールに対して向かっていく傾向があるため、比較的バントは上手じゃありません。ここはピッチャーの前に転がさせて、二塁で殺します―――)スッ

鈴無「」コクッ

ビシュッ!

コンッ

萌太(きっちり勢いを殺してサード前に転がした!?)

深空「」ダッ

萌太(セカンドは無理――)「ファースト!」

出夢「ちっ」パシッ シュッ

みいこ「」パンッ

審判「アウト!」

鵜鷺『2番高海さん、しっかり送っていきました!』


深空「」グッ
高海「」グッ

萌太(当たり前かのように決めてきた。あの人、引っ張るだけでなく、あんな小技も出来たんですか……)

双識「」スクッ

鵜鷺『さあ、ワンナウト2塁というチャンスの場面で、クリーンナップに回ってきました!』



266:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/06(火) 18:29:34.67 ID:SGhDUurw0

8回裏 TZ 5-2 TF
一死 ランナー2塁
打者 零崎双識

鵜鷺『3番 ピッチャー 双識さん』

双識(さて。4回に点を取った借りはしっかり返させてもらうよ)スッ

鈴無(さっきのチャンスで凡退させた借りは返させてもらうだわ)

鵜鷺『この試合4度目のエース対決! この終盤の重要な場面での対決は、一体どちらに軍配が上がるのでしょうか?』

玖渚『これまでの勝敗は音々ちゃんの2勝1敗。双識ちゃんが五分に戻すか、音々ちゃんが勝負を決めるか注目だね』

兎吊木『点差が3点ありますからね。双識さんは、出来るだけ次に繋げるようなバッティングをしていきたいでしょうね』


萌太(二塁ランナーは気にしないで結構です。バッターが左ですから、三盗はしにくいはずですし、走っても必ず僕が刺してみせます)

鈴無(本当に頼りになるだわね……。それじゃあ今回はとことん頼らせてもらって、アタシはバッターに集中させてもらうだわ)

萌太(初球はアウトコースにストレート。ボール球でも構いません。思いっきり投げ込んでください―――)スッ

鈴無「」コクッ



269:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/06(火) 22:54:58.18 ID:NYne0wFc0

ビシュッ!

ズパァン!

審判「ストライーク!」

萌太(よし、ボールでよかった球でストライクを取れました!)

双識(アウトロー一杯のいい球だね。試合終盤で疲れがないはずがないのに、あそこに今日一番のストレートを投げ込めるなんて本当に凄い女性だ。この試合が終わったら、是非お近づきになりたいものだね)

双識(しかし、これで基準が出来きた。今より少しでも中ならストライク。外ならボール球だ)クイッ

萌太(意識は外。双識さんもさっきの球は最高の球だと感じたようですね。それなら―――)スッ

鈴無「」コクッ

双識(あれ以上の球はまず来ない。だからこそ、ストレートが少しでも内に来たら、それを狙っていかしてもらうよ!)グッ

ビシュッ!

ヒョロッ

双識(チェンジアップ!?)ピタッ

パン!

審判「ボール!」



270:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/06(火) 22:56:54.01 ID:NYne0wFc0

鵜鷺『ワンナウト2塁。チームフォックス追い上げのチャンスです! 二球目のチェンジアップが外れて、カウントはワンエンドワン。玖渚さん。鈴無さんのチェンジアップですが、このピンチの場面でまた投げてきましたね』

玖渚『コントロールはまだできてないみたいだけど、何だかんだでまだ一回も打たれてない球なんだよね』

兎吊木『さっきのアウトローが綺麗に決まったところでのチェンジアップでしたからね。打者の打ち気を逸らすのにかなり有効な一球でしたよ』


双識「」フウ

萌太(ため息? どんな球にも対応できると思ってたけど、双識さんも終盤でのチャンスということで固くなってる? それなら初球と同じコースにスライダーを―――)スッ

鈴無「」コクッ

ビシュッ!

ギュン! ブンッ!

パァン!

審判「ストライーク!」



271:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/06(火) 22:58:40.24 ID:NYne0wFc0

子荻(今のスイング、ワザとらしかったような……)

萌太(よし、追い込みました! ラストはインハイにストレートを―――)スッ

鈴無「」コクッ ザッ

子荻「ちょっ! テンポが速すぎます! ちゃんと間を置いてくだ―――」

ビシュッ!

双識「待ってたよ、ストレート」

キィン!

萌太「なっ!?」



272:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/06(火) 23:07:07.52 ID:NYne0wFc0

鵜鷺『いったぁぁぁっ! ライトへの大きな当たりーっ! フェンス直撃か―――』

いーちゃん「」バッ

鵜鷺『あ、いや。ライトがフェンス際で手を挙げてます。打球はライトフライです』

双識(嘘っ!? フェンス直撃コースで振りぬけたはずだよ……)タタタッ

深空「」サッ

鵜鷺『セカンドランナーの深空さん、タッチアップに備えベースに戻ります』

ガシャンッ!

いーちゃん「」クルッ パシッ

深空「!?」ダッ

いーちゃん「」ビュン

ドッ!

玉藻「」パシッ クルッ

絵本「深空さん、ス、ストップです!」

深空さん「くっ」ピタッ

鵜鷺『セカンドランナー、ホームに還れなーい! ワンナウト二塁三塁です!』



273:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/06(火) 23:36:41.49 ID:NYne0wFc0

鵜鷺『玖渚さん。さっきのプレーなんですが、いーちゃんさん確かに手を挙げましたよね? けど結局はライトフェンス直撃。これは一体どういうことですか?』

玖渚『うにー、簡単だよ。いーちゃんはさっき嘘をついたんだよ』

鵜鷺『嘘……ですか?』

玖渚『うん。さっきの双識ちゃんの打球。いーちゃんはすぐにフェンス直撃コースだと確信したんだね。けど、それだとセカンドランナーはホームに還っちゃうし、バッターも三塁に行っちゃうかもしれないよね?』

鵜鷺『まあ、そうですね』

玖渚『だから、いーちゃんはあたかもライトフライであるかのように手を挙げて嘘をついた。そうするとセカンドランナーはタッチアップに控えて塁に張り付けにされる。結果フェンスに直撃してもホームに還るだけの余裕がなくなっちゃったってわけ』

鵜鷺『おおー。なるほどーー!』

玖渚『いーちゃんの頭脳プレーだね』


いーちゃん「嘘はぼくの専売特許でね」

深空「あの野郎……」チッ

双識(ははは。見事に騙されたね……)



274:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/06(火) 23:50:43.18 ID:NYne0wFc0

8回裏 TZ 5-2 TF
一死 ランナー2塁3塁
打者 哀川潤

鵜鷺『4番 ファースト 潤さん。ですが、ここは―――』

萌太「」サッ

玖渚『敬遠だねー』

鵜鷺『前の打席みたいに敬遠球を打ったりしないんでしょうかね?』

玖渚『前の打席のことは潤ちゃんも珍しく反省してるみたいだったし、ないんじゃない?』

ビッ! パァン!

審判「ボール! フォア!」

哀川「フンッ」カラン

鵜鷺『フォアボールです! 同点のランナーが塁に出ます!』

双識(アス。舐められてるぞ)

軋識(まあ、『最強』と比べられたら、当然そうなるっちゃよね……)



279:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/07(水) 16:08:24.53 ID:AaDmLZVb0

鵜鷺『ワンナウト満塁のピンチの場面で、チーム戯言は守備のタイムを取りました』


萌太「ワンナウトですが、スクイズはありません。ここはバッターとの真っ向勝負の場面です」

鈴無「ええ。分ってるだわ」

みいこ「点差は3点ある。確実にワンナウトを取っていこう」

出夢「どんな打球だって、アウトにしてやんよ」

崩子「満塁ですから、どこに投げてもアウトにすることができますね」

玉藻「ころがってきたら、近いとこになげればいいんだね」

萌太「ここまで来たら、遊びとか、たかが野球とは思いません。絶対に勝ちに行きましょう!」

みいこ「応」

出夢「ぎゃはは。当ったり前だろ!」

崩子「言われなくとも、最初からその気です」

鈴無「必ず抑えてやるだわ!」

玉藻「ぜったいに勝つ」

萌太「絶対に勝つぞーっ!」

「「「「「しゃあぁーーーーーーーーっ!」」」」」


人識「何か盛り上がってるな……」

いーちゃん「外野ってこういう時に、取り残された感があるよね」

一姫「姫ちゃんも混ざりたいですー」



280:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/07(水) 16:09:53.97 ID:AaDmLZVb0

8回裏 TZ 5-2 TF
一死 満塁
打者 零崎軋識

鵜鷺『5番 キャッチャー 軋識さん』

軋識(余計なことを考えるは辞める。今は目の前の勝負にだけに集中する)スッ

双識(私に投げた最後の球、明らかに力んでたよ……)

一里塚(流れは今間違いなく、こちら側に来てます。決めるなら今ですよ)

曲識(後ろのは僕がいる。落ち着いていけ、アス)

萌太「」スッ

鈴無「」コクッ

鵜鷺『ワンナウト満塁! 一発が出れば同点の場面。注目の初球―――』

ビシュッ!

鵜鷺『投げました!』



281:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/07(水) 16:11:07.95 ID:AaDmLZVb0

ヒョロッ ブンッ!

パン!

審判「ストライーク!」

鈴無「」ウシッ

鵜鷺『何のと初球チェンジアップから入ってきました!』

玖渚『しかもここで、低めにきっちり決めてきたよ』

兎吊木『うまく打ち気を逸らしてきましたね』


萌太(迷いなく初球から打ちにきた……狙いはストレートですかね。それなら―――)スッ

鈴無(なるべき低めにスライダーを―――)コクッ

ビシュッ!

ギュン!

萌太(!?)



282:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/07(水) 16:17:07.11 ID:AaDmLZVb0

ドッ!

鵜鷺『あーっ! ボールがワンバンして、後ろに―――』

ドスッ!

深空「!?」サッ

鵜鷺『いや、逸れてません! キャッチャーの萌太さんが、しっかり身体で止めました!』

一里塚(正面じゃあ間に合わないと見て、とっさに右腕を差し出しましたか―――)

哀川「かはっ! 根性あるじゃねーか、アイツ!」

萌太(痛ぇ~~……)ジーン

鵜鷺『いやー。しかし、萌太さんよく止めましたね。後ろに逸れてたら、三塁ランナーが還ってきてましたからね』

玖渚『うん、そうだね。けど、これで鈴無ちゃんはスライダーを投げにくくなっただろうね』

子荻(さすがにこの場面では力が入ってますね……)

萌太「力入ってますよ、鈴無さん。リラックスリラックス」ビッ

鈴無「ふぅ……」パシッ



283:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/07(水) 16:21:55.39 ID:AaDmLZVb0

鵜鷺『スライダーが低めに外れ、カウントはワンエンドワン!』

玖渚『やっぱり長打を警戒して、二球とも低めの変化球だったね。さて、次はどうくるかな?』

鵜鷺『注目の三球目です!』


ビシュッ!

ギヂッ! ガシャンっ!

審判「ファール!」

鵜鷺『ここにきて鈴無さん渾身のストレート!』

出夢「おっしゃー! 追い込んだーーっ!」

萌太「いい球来てますよ、鈴無さん!」


曲識「合ってる合ってる!」

伊織「軋識さん、タイミング合ってますよう!」


一里塚(速い……)


子荻(あれに付いていきますか……)


鈴無「ふぅ……」

軋識(集中……)


鵜鷺『両者の激しいぶつかり合い! 果たしてどちらが勝つんでしょうか!?』



284:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/07(水) 16:24:46.17 ID:AaDmLZVb0

ビシュッ!

カキィ!

ビシュッ!

ガキィ!

鵜鷺『5球目も打ってファール! 軋識さん、鈴無さんの厳しい攻めに必死に喰らいつきます! カウントは依然ツーエンドワン』

曲識「アス! あまりボール球には手出すな!」

双識(いや、あれだけの球だ。手を出すなという方が無理だろ……)

鈴無「はぁ……はぁ……はぁ……」ゼェゼェ

軋識(集中……集中……集中……)ブツブツ

萌太(チェンジアップのボール球にもストレートのつり球にも付いてきた……。嫌と言っても、投げるしかないですよ―――)スッ

鈴無(言わないだわよ。ここでちゃんと投げられなきゃ、皆にマウンドを任せられた意味がないものね―――)コクッ



285:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/07(水) 16:26:27.02 ID:AaDmLZVb0

鵜鷺『カウントはツーエンドワン。鈴無さんは次一体何を投げてくるんでしょうか?』

出夢「ガンガン打たせてけー!」

崩子「絶対に守り抜きます!」

玉藻「ばっちこーい」

みいこ「思いっきり行け!」

人識「ねじ伏せろーーーっ!」

一姫「絶対にフライ捕ってみせます」

いーちゃん「バッター集中!」


鈴無(そんな騒がなくったて届いてるだわよ……皆の声。ちゃんと後ろに皆がいるって分ってるだわ。だから……だからこそ、アタシは今アタシに出来ることをしっかりやる―――!)ザッ

萌太「」グッ

鈴無(指先に集中して、あのアウトコースに思いっきり―――)

ビシュッ!

鈴無(投げる!)



286:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/07(水) 16:27:11.43 ID:AaDmLZVb0

ビュンッ!

曲識(ストレート!?)

一里塚(いや―――)

萌太(よし、アウトコースにピッタリ。ここから―――)

軋識「」フッ





キィィンッ!



287:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/07(水) 16:29:49.86 ID:AaDmLZVb0

鵜鷺『打ったーーっ! ボールはセンター方向へ飛んでいくーーーっ!』

萌太「センターーーーーッ!」バッ


人識(ばっ……ふざけんな!)ダダダッ


いーちゃん「零崎、バックだ!」ダッ

崩子「玉藻ちゃん、ホーム中継任せました!」ダッ

玉藻「わかった!」コクッ


人識(待て、ちょっと待てって―――!)ダダダッ


軋識「」バッ

哀川「」カハッ

一里塚「」グッ





人識「―――ちょっと待てや、ゴルァァァァァァァァァァァァァァァッ!!」





バンッ!



鵜鷺『入ったあぁーーーーーーーっ! 逆転! 満塁! ホームラァァァァァァァァァァァァンッ!!』



293:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/07(水) 22:23:27.99 ID:hujHjFqb0

鵜鷺『軋識さん、今ベースを回って―――ホームインです! 5-6! 8回裏、ついにチームフォックスがこの試合初めてのリードを奪いました!』

軋識「らあああああああああああっ!!」

双識「あはは。やったね、アス」

曲識「まさか、ホームランを打つとは思わなかったが、それも悪くない」

伊織「凄い凄い凄いですっ!」

哀川「てめぇ、あたしより目立ってんじゃねーよ」

深空「ふん。打てるなら最初から打て」
高海「ふん。打てるなら最初から打て」

絵本「や、やりましたーー」ワッ

一里塚「本当にやってくれましたね。おかげで相手に逆王手をかけることができましたよ」



294:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/07(水) 22:25:18.09 ID:hujHjFqb0

鵜鷺『玖渚さん。アウトコースの力のこもったボールでしたが、軋識さんが見事に運んで行きましたね』

玖渚『そうだね。3回の時とは違って、迷わずに振り抜いてたね』

鵜鷺『球腫は何でしたかね?』

玖渚『十中八九スライダーだね』

鵜鷺『え? しかし、鈴無さんのスライダーはここから見ても分かるくらいに変化してるはずですけど……』

玖渚『抜けたんだよ。指にボールが掛からなかったんだね』

鵜鷺『抜けスラですか』

兎吊木『抜けたスライダーは中途半端に回転が掛かってるせいで、普通よりもかなり飛びますからね。アウトローにしっかり入ってたのに、あそこまで飛んだのはそのせいだろう』

鵜鷺『なるほどー』



295:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/07(水) 22:35:20.15 ID:hujHjFqb0

鈴無「」

みいこ「顔を上げろ、鈴無」

崩子「大丈夫ですよ! まだ9回があります。まだ終わったわけじゃありません!」

出夢「その通りだ! 9回は1番からだからな、僕がツーラン打って再逆転してやんよ!」

玉藻「まだまだ、これからー」

崩子「萌太からも、何か言ってください」

萌太「」

崩子「萌太?」

萌太「鈴無さん、手を見せてください」



296:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/07(水) 22:45:37.70 ID:hujHjFqb0

鈴無「」

萌太「鈴無さん!」

鈴無「」サッ

萌太(……指に怪我があるわけでも、爪が割れてるわけではないみたいですね)

グッ

崩子「何、握手してるんですか?」

萌太「力いっぱい握ってみてください」

鈴無「………」グッ

萌太(……握力が、全然ない!?)


鵜鷺『何かマウンドで握手してますが、一体どうしたのでしょうか?』

玖渚『どうやら、あのスライダーはただの失投ってわけじゃないみたいだね』

鵜鷺『え?』

玖渚『ガス欠だよ。ぐっちゃんに対して、最後の最後でガス欠を迎えちゃったんだね』

兎吊木『勝負の分かれ目は、4球目、5球目で勝負を決めれなかったことでしょうね』

鵜鷺『なるほどー。つまり軋識さんの粘り勝ちってことですね』



297:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/07(水) 23:05:36.07 ID:hujHjFqb0

萌太「」ジッ

子荻(あなたのせいではありません。こうなる前に私が動くべきでした―――)

子荻「審判、交代をお願いします」

萌太「あの強力な相手に、ここまで踏ん張ってこれたのは鈴無さんのおかげです。本当によく投げてくれました。後は任せてください―――」

鈴無「………っ!」グッ

出夢「ピッチャー交代つっても、ウチに控えいねーだろ? なんだったら僕が投げてもいいけどよ」

萌太「いえ、バッテリーごとの交代です」

鵜鷺『えー。チーム戯言の守備位置の交代をお知らせします。キャッチャー萌太くんに代わりまして、センターの人識くんが入ります。そして、ピッチャー鈴無さんに代わりまして、ライトのいーちゃんさん』

軋識「なっ!?」

出夢「マジかっ!」

鵜鷺『1番 キャッチャー人識くん。2番 センター萌太くん。5番 ライト鈴無さん。9番 ピッチャーいーちゃんさん』



298:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/07(水) 23:15:58.64 ID:hujHjFqb0

いーちゃん「鈴無さんナイッピーでした。あとはぼくに任せてください」スッ

鈴無「……はっ。頼りないリリーフだわね。……あとはよろしく頼むだわ」パシッ

いーちゃん「はいっ!」


人識「防具って意外と軽いんだな。もっと重っ苦しいもんだと思ってたわ」ピョンピョン

萌太「そうですね。まあ、重かったら野球なんてできないですからね」

人識「グローブはお前のを使えばいいのか?」

子荻「いえ、あなたはこのグローブを使ってください」スッ

人識「ほいよ」パシッ

萌太「それじゃあ行きましょうか」



299:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/07(水) 23:29:55.84 ID:hujHjFqb0

8回裏 TZ 5-6 TF
一死 ランナー無し
打者 零崎曲識

鵜鷺『6番 センター 曲識さん』

曲識「お前がキャッチャーとは、驚きを隠しえないぞ」

人識「うっせーよ。驚くなら、あいつの球を見てからにすんだな」カハハ

曲識(そんなに凄い球を投げるのか? 見た目は、ただの青年にしか見えないのだが……)

いーちゃん「ワンナウトです。しまっていきましょう!」

「「「「「「「おーーーーーーーっ」」」」」」」

曲識(まずはどんな球を投げるのか、じっくり見させてもらおう)

鵜鷺『さて、今まで好投を見せていた鈴無さんに代わって登板するいーちゃんさんですが、一体どんなピッチングを見せてくれるのでしょうか?』

子荻(残り、こちらの攻撃は1回だけ。ここを普通に凌いでも、向こうに行ってしまった流れは変えられない。ですから、ここはなんとしてでも彼にこの流れを乱してもらって、次の攻撃に繋げるしかない)



300:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県):2011/12/07(水) 23:43:17.53 ID:hujHjFqb0

人識(配球とか全然分んねーぞ。どっから投げればいいだ?)

いーちゃん(ストライクゾーンに投げればいいに決まってるだろ?)

人識(それじゃ、配球になんねーだろうが! 内角とか外角とかあんだろ!)

いーちゃん(零崎、ぼくがそんな細かいコントロールを持ち合わせてるハズがないだろ。ストライクゾーンに入れるだけで精一杯だ)

人識(お前あんだけ自信満々に任せろとか言っといて、その程度なのか!?)

いーちゃん(大見栄を張るのもぼくの専売特許でね。とりあえず投げるから、適当に捕っといてくれ)

人識(待て待て待て! 相手はあの『少女趣味』の曲識のにーちゃんだぞ! そんなんで打ち取れるわけねーだろ!)

いーちゃん(『少女趣味』? 何だそれは? 激しく危ない感じがするぞ。ウチの抱き枕には絶対手を出させないからな)

人識(お前の抱き枕のことはどうでもいいんだよ! てか前にも言っただろ、零崎三天王の一人だよ。内臓抉ってその小腸を身体に巻きつけるのが趣味のベジタリアンの奴な)

いーちゃん(危ない奴だったな。崩子ちゃんの小腸はぼくのだからな。手を出すなよ)

人識(出さねーよ! 俺じゃねーっつーの!)


鵜鷺『どうしたんでしょう。中々サインが決まらないようですが……』



310:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/08(木) 15:40:00.82 ID:SLNN0Bj40

いーちゃん(とりあえず、もう投げるから)ザッ

人識(ちょ、待てって!)

鵜鷺『いーちゃんさん振りかぶりました。注目の初球です!』

ビッ!

ヒョロッ

曲識「!?」

パン!

審判「ストライーク!」

曲識(普通のスローボール?)

いーちゃん「よく捕ったね、零崎」

人識「当ったり前だろうが、俺を誰だと思ってやがる!」ビッ

いーちゃん「」パシッ

曲識(? 手元で変化でもしてたのか? 少し目を切るのが早かったな。今度はしっかり見よう)



311:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/08(木) 15:41:21.89 ID:SLNN0Bj40

ビッ!

ヒョロッ

パン!

審判「ストライーク!」

伊織「どうしたんですかー。ただの遅い球じゃないですか、どんどん振っていきましょうよ!」

軋識「トキなら余裕で打ってるっちゃよ。強気で行け強気で!」

曲識(やはりただのスローボールだな。しかし、さっきまでの女の速く上から落ちてくる球筋を頭に入れたまま振れば、打ち上げてしまうかもしれない。ここはしっかり引き付けて、セカンドの頭の上を越すような感じで打っていこう―――)グッ

いーちゃん「」ザッ

ビッ!

ヒョロッ

曲識(よしっ!)グッ

ユラァッ

曲識「!?」

カキィ



312:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/08(木) 15:42:13.71 ID:SLNN0Bj40

曲識「くっ」ダッ

鵜鷺『内野ゴロ―――打球は三遊間を転がります!』

崩子「」ダッ

出夢「」ダッ


崩子「!?」
出夢「!?」

ドスッ!

鵜鷺『あーっ! 接触ーーっ! 内野ゴロを捕りに行ったサードとショートがぶつかってしまったーーっ!』

曲識「」タッ

審判「セーフ!」



313:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/08(木) 15:45:10.76 ID:SLNN0Bj40

出夢「痛ぇーな。何すんだよ崩子ちゃん」

崩子「それはこっちの台詞です。あれは私のボールでしたよ」

出夢「いやいや、僕だろ。崩子ちゃんの肩じゃあアウトにできねーって」

人識「おい! 何してんだよ、てめぇら! 折角のアウトだったっつーのに、足引っ張ってんじゃねーよ!」

出夢「ああ? つーか、てめぇがしっかり指示してりゃこーならなかったんだろうが! サボってんじゃねーぞ、糞キャッチャーが!」

人識「ああん? 何だてめぇ、殺んのかゴルァ?」

出夢「おーおー! かかってこいよ!」

人識「おお上等だ! しっかりかっちり、殺して解して並べて揃えて、晒してやんよ!」

いーちゃん「試合中だって、やめろ」

鵜鷺『曲識さんは、サードショートの接触間に一塁セーフ。チーム戯言、ホームランの後のランナーを出してしまいました』

曲識(何だ? さっきの不規則な変化をする球は……?)



314:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/08(木) 15:47:02.01 ID:SLNN0Bj40

8回裏 TZ 5-6 TF
一死 ランナー1塁
打者 一里塚木の実

鵜鷺『7番 サード 一里塚さん』

一里塚「どうも、お久しぶりですね」ペコッ

人識「けっ」

一里塚(曲識さんはあんな遅い球なのに、詰まっていた……何か秘密があるんでしょか?)

いーちゃん「」ジッ

曲識「」サッ

ビッ!

ヒョロッ

パン!

審判「ストライーク!」

一里塚(やっぱり、ただのスローボールですよね。多分遅すぎて逆に打ちづらかったのでしょう。それなら、私はしっかり引き付けて右方向に打たせてもらいます―――)グッ

ビッ!

ヒョロッ

一里塚(よしっ!)

ユラァッ

一里塚(!?)

カキィ



315:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/08(木) 15:49:49.57 ID:SLNN0Bj40

鵜鷺『ボールはセカンド正面! ゲッツーコース!』

曲識「くっ」ダッ

玉藻「ゆらぁ~~~―――っ!?」

ガッ!

鵜鷺『あーーっと! イレギュラーだーーっ!』

曲識(よしっ! 二塁間に合―――っ!?)コケッ

ドサーーッ!

玉藻「ゆらっ!?」パシッ シュッ

鵜鷺『あーーっと! 一塁ランナーの曲識さん転倒! それを見た西条さん、すかさず二塁に投げる!』

崩子「」パシッ 

審判「アウト!」

崩子(一塁もアウトにできます!)

萌太「その体勢ではムリです、崩子! 投げるな!」

崩子「」シュッ

みいこ「!?」

一里塚「!」ダッ

鵜鷺『あーーっ! 送球が高い! それを見た一里塚さん二塁に向か―――』

みいこ「ふんっ」パシッ

一里塚「!?」

鵜鷺『何と浅野さん捕りました! 逆にランナーの一里塚さん、一二塁間で挟まれてしまったー!』

みいこ「」ダッ

一里塚「」ダッ

鵜鷺『浅野さん、必死にタッチから逃げる一里塚さんを追いかけます!』

みいこ(よしっ、タッチできる―――っ!?)コケッ

一里塚「!?」

ドサーーーーッ!!

審判「アウトー!」

鵜鷺『あーーーっと! ランナーを追いかけてた浅野さん、一里塚さんを巻きこみ転倒! 走塁妨害かと思われましたが、タッチが先ということでアウトです!』

玖渚・兎吊木『………』

子荻(何、この泥試合……?)



319:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/08(木) 16:30:22.67 ID:SLNN0Bj40

一里塚「ふう……」

伊織「ちょっとどうしたんですか、二人とも? ただの遅いボールじゃないですか、逆転したからって気抜けてしまったんですか?」

一里塚「いえ、そういうわけではないのですが……」

双識「何か変化でもしてた?」

曲識「ああ。僕に最後に投げた球は何だか不規則な変化をしてた」

軋識「不規則っちゃか?」

曲識「ああ。何だか揺れるような感じでボールが落ちていった」

双識「球が揺れる?」

一里塚「多分あれはナックルボールですね。普段から踏み込まないスローボールを投げてきてるんで気付きませんでしたが、あの変化はナックル以外ないでしょう」

軋識「マジか。ここに来てナックルボーラーのお出ましっちゃか……」

伊織「あの~~。ナックルって、一体なんですか?」

一里塚「変化球の一つですよ。ボールを限りなく無回転で投げることで、投げてからキャッチャーに届くまで不規則に変化しながら落ちていく球です」

伊織「そんな変化球があったんですか……」

一里塚「投げた本人もどう変化するか分からず、常識では考えられない変化をするため、『魔球』と呼ばれたりしています」

伊織「投げた本人もどう変化するか分らないって………そんなの無責任じゃないですかっ!」

軋識「お前は何に対して怒ってるっちゃ?」

一里塚(しかし、あの投げ方は―――)



320:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/08(木) 17:01:44.48 ID:SLNN0Bj40

―――戯言ベンチ―――

人識「おっしゃー! 抑えたぞコラーーッ!」

鈴無「お世辞にもナイスピッチとは言えないだわね……」

崩子「いえ、戯言遣いのおにーちゃんはちゃんと投げてましたよ。問題があったのは、私たち守りの方です……」

いーちゃん「いや、結構見応えのある守備だったよ」

出夢「おにーさん。それは嫌味か?」

子荻「曲識さんと木の実さんに対して最後に投げたのはナックルですか?」

いーちゃん「え? ああ、うん。まぁ……」

人識「何だ、あの全く回転してねーで変化してくる球はナックルて言うのか? あれ、バッターが振ってくれなきゃ、どうしようかと思ったぞ」

出夢「何だ何だ? 秘密兵器の登場か」

一姫「師匠、凄いですー!」

子荻「しかしナックルにしては何か投げ方が変でしたが、一体何をしたんですか?」

出夢「投げ方が変?」

子荻「基本ナックルは指を立てて、ボールを弾くように投げるのですが、彼の場合腕を振り抜いてました。あれではナックルの変化はかからないはずです」

一姫「?」

子荻「あなたは一体何を投げたのですか?」



321:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/08(木) 17:11:07.07 ID:SLNN0Bj40

人識「んなこと、どうでもいいだろーが! それよりもこの回の攻撃だろ! 欠陥製品がどんな球投げようが、この回点を取れなきゃ負けなんだぞ!」

みいこ「確かにその通りだな。まずはこの回の攻撃に集中すべきだ」

出夢「そうだった! 延長ねーから、この回逆転しなきゃ勝ちねーんだったな」

萌太「その為には先頭が出なきゃ話になりませんよ。大丈夫ですか?」

人識「おうよ! とっておきの秘策がある!」

一姫「……本当に大丈夫ですか?」

人識「ああ。絶対に塁に出るから、後は任せたぞ!」

崩子「本当に大丈夫なんでしょうか……?」



323:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/08(木) 22:26:44.01 ID:Ir6NJ/L10

9回表 TZ 5-6 TF
無死 ランナー無し
打者 零崎人識

鵜鷺『長かった試合もついに最終回。そのマウンドに立っているのはやはりこの人。チームフォックスのエース、零崎双識さんです』

双識「うふふ。本当に長かったね」

鵜鷺『8回裏で見事逆転しましたが、その点差はわずか一点。チームフォックスはこの点差を守り抜き、この試合を制することが出来るのでしょうか?』

鵜鷺『そして、その点差を追いかけるチーム戯言の攻撃は、1番 キャッチャー 人識くん』

人識「っしゃあーーっ!」

軋識(いいか、レン。一つ一つのアウトに集中ちゃよ)

双識(ああ。分ってるよ、アス)

人識「」スッ

軋識(こいつはこれまでの打席一度も内野を越してないっちゃ。だから、ここは徹底的に内角を狙っていく―――)スッ

人識(ここで逆転するには、先頭である俺が出る必要がある。それにはやっぱし―――)

軋識「」スッ

双識「」コクッ

ビシュッ!

人識「これっきゃねーだろっ!」サッ

鵜鷺『おーーっと! 人識くんバントの構えだ!』


崩子「セーフティ……」

出夢「秘策っていう割には浅っ!!」



324:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/08(木) 22:30:02.26 ID:Ir6NJ/L10

哀川「」ダッ

一里塚「」ダッ

人識(バ、バレてる!?)ビクッ

いーちゃん「バカッ! ヘッドを下げんな、フライになんだろ!」

カコッ!

フワッ


一里塚「!?」バッ


ドッ!

鵜鷺『あーーっ! フライになったボールが、前に出てきた一里塚さんの頭を越えたーーーっ!』

人識「うおぉぉぉぉぉぉっし!」ダダダッ

出夢「マジかよっ!?」

双識「くっ」パシッ ビシュッ

人識「」ダンッ

哀川「」パンッ




審判「セーフ!」



325:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/08(木) 22:42:30.16 ID:Ir6NJ/L10

鵜鷺『チーム戯言、いきなり同点のランナーを出しました!』

出夢「おっしゃーっ! まぐれとはいえ、グッジョーーブッ!」

みいこ「よく走ったぁ!」

萌太「あんなことがあるんですね……」


人識「かはは。分ってても俺の足は止められないってことよ!」グッ

哀川「何がだよ。ただの偶然じゃねーか」

一里塚「ツイてないですね……」

双識「何だか、あの少年がピッチャーになってから、微妙な空気になってるね」



326:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/08(木) 22:58:22.32 ID:Ir6NJ/L10

鵜鷺『最終回 ノーアウトのランナーが出塁しました! 続くバッターは2番 センター 萌太さん』

萌太「」スッ

鵜鷺『萌太さん、早くも送りバントの構えです!』

玖渚『まあ、当然だろうね』


一里塚(本気で勝ちにいくなら、ここは絶対やらせてはいけませんよ……)

軋識「」スッ

双識「」コクッ

人識「おらおら~~。走っちゃうぞーー!」ユラユラ

双識「……」バッ シュッ

人識「おっと」バッ

哀川「」パンッ パシッ

審判「セーフ!」

鵜鷺『双識さん、一球牽制を入れました。やはり、人識くんの足を気にしてるようですね』

双識(ちゃんと、いい子にしてるんだよ)

人識「……へっ。するかよ」ザッ

鵜鷺『おーーっと、人識くん。更にリードを広げていきます!』



327:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/08(木) 23:21:32.30 ID:Ir6NJ/L10

双識「むむっ……」

軋識(レン。役割分担だっちゃ)

双識(うん?)

軋識(ランナーは俺に任せろ。だから、お前はここに思いっきり投げ込め―――)スッ

双識(インハイにストレート―――)

軋識(ああ。力で捻じ伏せていくぞ)

双識「」コクッ チラッ

人識「」グッ

ビシュッ!

萌太「っ!」

ガヂッ

審判「ファール!」

萌太(凄い球威……)



328:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/08(木) 23:39:55.34 ID:Ir6NJ/L10

鵜鷺『萌太さん、初球からバントを試みましたがファールです! 玖渚さん。双識さん凄い気迫ですね』

玖渚『ここでバントを成功させるか失敗させるかで、試合が結構左右するからね』

鵜鷺『そんな重要な場面なのですか?』

兎吊木『決して出してはいけない先頭打者をあんな形で出してしまいましたからね。ここですんなりバントを決めさせてしまっては、向こうを余計調子づかせてしまいます』

玖渚『得点圏に足の速い人識ちゃんを置いてたらヒット一本で還るし、それに戯言の3番4番は打つとにかく打つからね。とてもじゃないけど送らせるわけにはいかないよ』

鵜鷺『なるほどー』



329:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/09(金) 00:21:09.90 ID:ST14b3gd0

ビシュッ!

ガッ!

審判「ファール!」

萌太「くっ」チラッ

子荻「」

萌太(サインは出てない。僕を信頼してくれてるみたいですね……)

萌太(なら、その信頼に応えるしかないでしょう)スッ

鵜鷺『ツーストライクですけど、萌太さんはバントの構えです』

双識(やっぱし、徹底的に送ってくる気みたいだね)

軋識(ヒッティングに切り替えてくれりゃ、ゲッツーも狙えたんだが……そう甘くないっちゃね。しかし、ウチが追い込んでるのには変わりはないっちゃ。思いっきり投げ込んで来い!)スッ

双識「」コクッ

ビシュッ!

ギュン!

子荻(アウトローにスライダー!?)

人識(外れてる!?)ピタッ

萌太(絶対にみい姉に送ってみせます!)

コンッ



330:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/09(金) 00:23:42.59 ID:ST14b3gd0

鵜鷺『ボールはピッチャー前に転がったーーっ!』

人識「くそっ」ダッ

軋識「セカンドッ!」

双識「」パシッ ビシュッ

深空「」パシッ

人識「」ザザァ



審判「アウトー!」



331:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/09(金) 00:34:02.81 ID:ST14b3gd0

人識「くそーーっ!」ダンッ

萌太「くっ……」ギリッ

双識「よしっ!」グッ

軋識「レン。ナイスプレーちゃ!」

鵜鷺『送りバント失敗ーっ! ランナーは入れ替わって、ワンナウト一塁に変わります。玖渚さん。ピッチャー前に転がったとはいえ、勢いを殺したいいバントでしたが結局アウトでしたね』

玖渚『アウトコースからのスライダーで外されたのを見て、人識ちゃんのスタートが少し遅れてたね。多分その辺が原因じゃないかな?』

兎吊木『あそこは外れてても、しっかりスタートを切るべきでしたね』


人識「悪ぃ。得点圏でてめぇに回せなかったわ……」

みいこ「大丈夫だ。後は私たちに任せろ!」ザッ



332:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/09(金) 00:53:39.02 ID:ST14b3gd0

9回表 TZ 5-6 TF
一死 ランナー1塁
打者 浅野みいこ

鵜鷺『さて、ワンナウト1塁という場面で回ってきたのは3番 ファースト 浅野さん』

みいこ「」ザッ

鵜鷺『玖渚さん。ここからは強打者が続きますね』

玖渚『みいこちゃんは今日4打数3安打の猛打賞だし、次の4番は3打数3安打1本塁打2打点と、化物的数値だもんねー』

兎吊木『しかし5番の鈴無さんはもう体力が残ってませんし、6番の玉藻さんは2打数2三振と死球を除けば、全く打ててませんからね。この打者を抑えれれば、この試合はもう決まったようなものでしょう』


軋識(この女、最終回で負け越してるっていうのに身体のどこにも力が入ってないっちゃ……)

双識(真っ直ぐも変化球も、内角も外角も、力勝負でも打たれてる……。正直私も抑えられる気がしないよ)

軋識(しかし、こいつだって人間だ。必ず穴があるはずっちゃ。アウトコースでカウントを稼いて、最後はインコースのボール球を振らせるっちゃ―――)スッ

双識「」コクッ



333:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/09(金) 01:07:05.28 ID:ST14b3gd0

9回表 TZ 5-6 TF
一死 満塁
打者 鈴無音々

双識「ふぅ……」

軋識「くっ……」

鵜鷺『玖渚さん。結局浅野さんにはセンター前に運ばれ、続く出夢くんを敬遠で、あっという間に満塁となってしまいましたね』

玖渚『そうだねー。それでも双識ちゃんの緊張の糸は切れてないってんだから、大したメンタルだよねー』

鵜鷺『そうですね。そして、その満塁という場面迎えるのは5番 ライト 鈴無さん』

鈴無「」ドンッ

双識「」バンッ

鵜鷺『両エース同士の対決です!』



334:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/09(金) 01:19:01.16 ID:ST14b3gd0

鈴無(取られた点は絶対に取り返してやるだわ!)

双識(最終回 満塁でエース対決。一本出れば同点。長打が出れば逆転か……)フルフル

鈴無「?」

双識(最っ高に激アツじゃないかっ!)ニカー

鈴無(笑ってる?)

軋識(ここで笑うっちゃか……。本当に頼りになるっちゃよ、お前は……)

鈴無(上等だわ。その笑顔を絶対に歪めてあげるわ)スッ

双識(さあ、張り切って始めようじゃないか。アス!)

軋識(そうだな。それじゃあいっちょ思っきし―――)



軋・双識(零崎を始めよう!)



339:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/09(金) 15:31:55.39 ID:6xq3ZvCb0

ビシュッ!

鈴無「!?」バッ

ズパァン!

審判「ボール!」

鵜鷺『玖渚さん。双識さんはいきなり胸元を突いてきましたね』

鵜鷺『当たれば同点っていう場面だっていうのに、ぐっちゃん強気な采配をするよね』

兎吊木『要求する方も要求する方ですが、そこにきちんと投げ込む彼もかなりの度胸を持ってますよ』


鈴無「ふぅ……」

軋識「」スッ

双識「」コクッ

ビシュッ!

鈴無(またインハイ!)

ガチッ!

審判「ファール!」



340:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/09(金) 15:32:49.01 ID:6xq3ZvCb0

子荻(二球立て続けにインコースに真っ直ぐを投げてきましたか……)

ビシュッ!

ガキッ!

審判「ファール!」

萌太(三球連続……)

鵜鷺『双識さん、ついに追い込みました!』

子荻(内にストレートを続けているってことは、決め球は外角への変化球―――)

ビシュッ!

パァン!

審判「ボール!」

鵜鷺『4球目外れて、ツーツー!』

萌太(鈴無さんにカーブが合っていないのは向こうも分っているはず……。しかし、2打席目と3打席目、そのカーブを打たれているってことを考えると最後に投げてくるのは―――)

軋識「」スッ

双識「」コクッ


子荻・萌太(アウトコースのスライダー!)


ビシュッ!



341:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/09(金) 15:34:35.88 ID:6xq3ZvCb0

ズパァァンッ!



鈴無「」

軋識「」

双識「ふぅ……」

サッ

双識「……どうやら私の勝ちのようだね」ボール

鵜鷺『ピッチャーライナーーーッ! 目にも止まらぬ打球でしたが、その行方は無情にも双識さんのグローブの中に入ってました!』

鈴無「うそ……」ガクッ

軋識「レン。ナイッキャーーッ!」

一里塚「ツーアウトです!」

哀川「おらぁ、あと一人だ!」

鵜鷺『玖渚さん。結局双識さんは最後までインコースで攻めていってましたね』

玖渚『ねー。正直僕様ちゃんも裏かかれたよ。音々ちゃんもよく反応して、打ったんだけどねー。ほんの少し運がなかったみたいだね』

兎吊木『しかし、これでチーム戯言は土俵際に追い込まれてしまいましたね』



342:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/09(金) 15:35:53.06 ID:6xq3ZvCb0

―――戯言ベンチ―――

鈴無「すまないだわ……」

人識「いや、ありゃしゃーねーだろ!」

崩子「そうです、少しこちらにツキがなかっただけです」

いーちゃん「気にしなくても、まだ玉藻ちゃんがいますよ」

人識「それなんだが、あいつに代打出した方が良くねーか? あいつこの試合一回もバット振ってねーじゃねーか」

子荻「いえ、その心配はありません」

いーちゃん「?」

子荻「あの子はやればできる子ですから―――」



343:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/09(金) 15:37:43.81 ID:6xq3ZvCb0

9回表 TZ 5-6 TF
二死 満塁
打者 西条玉藻

鵜鷺『さあ、チームフォックス。チーム戯言をついに追い詰めました。これが最後のバッターとなるのでしょうか? そしてそのバッターボックスに入るのは、6番 セカンド 西条さん』

玉藻「ゆら~~・りぃ―――」スッ

人識「絶対打てよーー!」

出夢「死球でもなんでもいいから、とりあえずランナーを一人返せ!」

萌太「悔いが残らないように振っていってください!」

軋識(こいつは何だかんだで、この試合一回もバットを振っていない。しかし、前回と前々回打席とデッドボールを当てちまってるからな。ここは慎重にアウトコースから―――)スッ

双識「」コクッ

ビシュッ!

キィィィンッ!



344:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/09(金) 15:39:13.82 ID:6xq3ZvCb0

双識「え?」

軋識「!?」

伊織「ほわっ!?」


鵜鷺『西条さん初球から積極的に打ってたーっ! 打球はライトに大きく伸びていくーーっ!』

軋識(いきなり振ってきやがった!?)

伊織(うなっ! 長打はないと思ってたから、前に出てましたのに……)ダダダッ

萌太「」ダッ

みいこ「」ダッ

出夢「」ダッ

鵜鷺『ツーアウトですから、打ったと同時にランナーがスタート切っています!』

人識「抜けろーーーっ!」

一姫「行けーーーっ!」

伊織「うなーーーーーーーーーーーーーっ!!」バッ



ドッ!


鵜鷺『ライトのグラブわずかに届かなーーい! スタートを切っていたランナーが次々とホームイン! そして―――』

出夢「っしゃあぁぁぁぁぁぁぁっあ!」ザァァ

鵜鷺『一塁ランナーも今ホームイン! 走者一掃の逆転タイムリーツーベースッ! チーム戯言、何と9回表に再度試合をひっくり返しましたーーーっ!』



345:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/09(金) 15:41:36.88 ID:6xq3ZvCb0

軋識(そういやあいつ、前ので席では打ちに行った結果デッドボールになったんだったっちゃ。てことは、あいつはレンの球筋をしっかり見るために1、2打席目をワザと捨てていたってことか……)

一里塚(打たれたストレート、少しだけ内に入ってましたね。9回表 さすがの双識さんでも疲れがないわけではなかったということですか……)

双識(例え相手が可愛い女の子でも、最後の最後まで気を抜いてはいけないってことだね……)


人識「おっしゃーーーっ! 逆転だぁぁぁぁっ!!」

一姫「西条さんナイスバッティングですーーっ!」

出夢「ちくしょう。あの野郎、おいしいとこだけ全部持っていきやがって」

いーちゃん「子荻ちゃんの言うとおり、やってくれたね」

子荻「本当、頼りになる後輩ですよ」

玉藻「ゆらぁ~~」



346:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/09(金) 15:43:18.82 ID:6xq3ZvCb0

キィン!

人識「うおっ、初球攻撃!」

出夢「行けっ! もう一点もらっちまえ!」

曲識「くっ」バッ


パシッ!

審判「アウトー!」

崩子「くっ」

鵜鷺『崩子ちゃん、失点直後の初球を狙っていきましたが、曲識さんのファインプレーの前にあえなく撃沈です!』

双識「トキ、ナイスプレー!」

曲識「お前にばかり負担を掛けさせるわけにはいかないからな。最終回、もう一回逆転するぞ!」

双識「ああ。そうだね」ニコッ

鵜鷺『スリーアウトチェンジ! 何とか後続を打ち取った、エース双識さん。しかし、この回3失点。チーム戯言に逆転を許してしまいました!』



347:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/09(金) 16:07:59.56 ID:6xq3ZvCb0

―――戯言ベンチ―――

人識「おっしゃー! ぜってぇ、この回守り抜くぞ!」

いーちゃん「最終回もぼくたちで行くの?」

子荻「ええ。このまま泥試合にして、逃げ切るに賭けます」

萌太「任せましたよ、いー兄」

出夢「打たせてけよ、おにーさん」

崩子「今度は絶対にミスしません!」

みいこ「バックには私たちがついてるからな」

一姫「師匠なら大丈夫ですー!」

玉藻「まかせて」ユラー

鈴無「最後なんだから、きっちり締めなさいよ」

いーちゃん「うん。ありがとう、皆」

子荻「いいですか、相手は死に物狂いで点を取りにきます。一つ一つ、目の前のアウトに集中して下さい。最後の最後まで決して油断しないこと!」

いーちゃん「」

人識「」

みいこ「」

子荻「正直、相手は零崎三天王に人類最強の4番打者。木の実さんもいて、オーダーを見たときは勝ち目がないと思ってました」

玉藻「」

出夢「」

崩子「」

子荻「しかし、そんな相手に終始優勢に試合を運んで、逆転に逆転を返し、今私たちは勝っています。だから―――」

一姫「」

萌太「」

鈴無「」

子荻「だから誇りと自信を持って、堂々とプレーしてください。そして、この回守り切って絶対に勝ちましょう!」

「「「「「「「「「おーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」」」」」



355:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/10(土) 15:27:16.03 ID:StVXpqI/0

9回裏 TZ 8-6 TF
無死 ランナー無し
打者 無桐伊織

鵜鷺『狐さんの気まぐれで開催することとなった、チーム戯言対チームフォックスの野球勝負。チーム戯言の2点リードで残すは9回裏、泣いても笑ってもこのイニングのみです!』

鵜鷺『そして、逃げ切りを図るチーム戯言のマウンドを任されているのは、この試合で謎の出来事を巻き起こしているこの人。いーちゃんさんです!』

いーちゃん「好きで起してるわけではないんだけどね」テテン

鵜鷺『チーム戯言のメンバーが守備位置につき終わりました。さあ、始まります! 9回裏 チームフォックスの最後の攻撃! 先頭は8番 ライト 伊織さん!』

伊織「うなーーーーーーっ! やっと伊織ちゃんが目立つ時が来ましたよう!」ガー

人識「だーっ、うっせー。バッターボックスでそう騒ぐなよ……」

伊織「おやおや、人識くんじゃないですか。こう会話するのは>>35以来ですかね。元気にしてましたか?」

いーちゃん「何だ、零崎。その子とは知り合いなのか? というより、さりげに狐さんのチームにいるけど君は一体……?」

人識「あー、こいつは―――」

ザッ!

いーちゃん「?」 人識「!?」

伊織「ふふふ。紹介奉りましょう。絶滅したはずの零崎一賊の唯一の生き残り。零崎双識の後継者、二十人目の地獄が最後に発掘した才能。殺人鬼が愛した殺人鬼。超プリティフェイス無桐伊織ちゃんとはわたしのことです! 以後お見知りおきを!」キラッ☆

いーちゃん「初めまして、伊織ちゃん。ぼくはこいつ―――零崎人識の友達みたいなものかな。名前は適当に呼んでくれればいいよ」

伊織「(普通にスルーされました……)」スッ

人識「勝手に自分を奉るな。あと『零崎一賊唯一の生き残り』って、さりげに俺を省いてんじゃねーよ」



356:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/10(土) 15:31:24.34 ID:StVXpqI/0

人識「てか、伊織ちゃんよ。試合前、ぎゃふんと言わせてやるとか言ってたくせに試合中全然空気だったよな」

伊織「そうなんですよ! レスしてくれた人の中にも伊織ちゃんの出番の少なさに嘆いてる人もいましたし、とにかく扱いが酷すぎますよ!」

人識「出番があっても、『うなーーっ!』とか言って、恐らく捕れないだろうと思われるボールを必死に追いかける、噛ませ犬役だったもんな」

伊織「こうなったら、新たなスレを立てて伊織ちゃんが活躍しまくるSSを書いてもらうしかないですね」

人識「書いてもらうしかないって、誰にだよ?」

伊織「それはこれを読んでくれてる方の誰かです」

人識「丸投げじゃねーか!」

伊織「タイトルは何が良いですかねー? 『キャプテン伊織』とかどうでしょう?」

人識「そりゃ、サッカーだ」


鵜鷺『さっさと始めてください』



357:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/10(土) 15:33:56.69 ID:StVXpqI/0

伊織「さて。一里塚さんの話を聞く限り、正直わたしではナックルを打てる気がしませんね。となると、狙うのはあのスローボール」

伊織「曲識お兄様と一里塚さんに対して、追い込むまでナックルは投げていなかった。多分何かしら投げにくい理由があるのでしょう。となれば、初球ストライクを取りに来たスローボールを叩きます!」

人識「伊織ちゃん。思ってること全部口に出てるぞ……」

伊織「何と!」

人識「おっしゃ。それならこの打席は全球ナックルで行くかな―――」スッ

伊織「ちょ、ちょっと待って下さい」アワアワ

ビッ!

伊織「ふわ~~っ!」

ヒョロッ

パン!

審判「ストライーク!」

伊織「なっ! 人識くん嘘つきましたね! 普通のスローボールじゃないですか!」

人識「かはは。おいおい、これは勝負事だぜ? 騙し合いも駆け引きの一つだろうが」

伊織「う、うな~~~~~っ!」



358:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/10(土) 15:34:59.07 ID:StVXpqI/0

伊織(もういいです! 人識くんの言うことは信用しません。さっきスローボールで来たってことは、やっぱしナックルを投げにくい理由があるに違いません。今度こそスローボールを打ちにいきます)グッ

人識「今度はナックルを投げるぞー、伊織ちゃん」

伊織(無視無視)フンッ

ビッ!

ヒョロッ

伊織(頂きました!)

ユラァッ

伊織「うなっ!?」

カキィ

いーちゃん「」パシッ シュッ

みいこ「」パン

審判「アウト!」

伊織「だ、騙されましたーーっ!」ガー

哀川「もうちょい真面目にやろうぜ、伊織ちゃん……」



359:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/10(土) 15:38:07.79 ID:StVXpqI/0

鵜鷺『先頭の伊織ちゃんピッチャーゴロです! チームフォックス先頭バッターを出すことができませんでした!』


―――マウンド―――

人識「なあ、いーたん」

いーちゃん「何だい? ぜろりん」

人識「このバッターだけでいいからキャッチャー代わってもらえねーか?」

いーちゃん「は? 無理に決まってるだろ。何で子荻ちゃんがバッテリーごと代えたか、分ってるだろ。いきなりどうした?」

人識「いや、別に何でもねぇこともねぇわけじゃねぇんだがな……」

いーちゃん「何でもないんだな。だったらさっと戻れよ。いちいちマウンドに来られちゃ面倒だ」

人識「……いいか、内角にはぜってぇ投げるなよ!」

いーちゃん「は?」

人識「絶対に内角は投げるな! いいか、絶対だぞ!」

いーちゃん「いや、だからそんなコントロールぼくにはないって」

人識「あいつとは反対側に投げ込もうとすれば、何とかなるだろ。もうこの際歩かせても構わねーから」

いーちゃん「いや、構うって! 何でわざわざワンナウトからランナー出さなきゃならないんだよ」

人識「ああ! 分かったよ! それじゃあ、速攻で仕留めるぞ! 初球からナックルで行くからな!」ダッ

いーちゃん「何でお前が譲歩したみたいになってんだよ」



360:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/10(土) 15:46:47.47 ID:StVXpqI/0

9回裏 TZ 8-6 TF
一死 ランナー無し
打者 絵本園樹

鵜鷺『さあ、ワンナウトです! チーム戯言がこの試合を制するまで、あとアウト二つです!』

玖渚『チームフォックスとしては、大事な先頭を出せなかったのは相当痛いだろね』

鵜鷺『チームフォックスは反撃ののろしを上げることが出来るのでしょうか? 9番 レフト 絵本さん』

絵本「よ、よろしくお願いします」ペコッ

人識「」ガクブル

絵本「あ、あはは。久しぶりだね」

人識「話しかけんな……」ガクブル

絵本「あ、うう。そ、そうだよね。ちょっと面識があるからってあたしなんかに話しかけられたら迷惑だよね……ごめんね。ごめんね。あたしいつもこう調子にのっちゃって、勝手に友達になれたらいいななんて思っちゃて。あたしなんかに友達が出来るはずないのにね……。う、う、ううう。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。これでも自分を変えようとは思ってるんだけどね、でもあたしやっぱしダメダメで、何をやっても失敗ばっかりで、この試合も狐さんに協力してくれって言われたのに全然役に立ててなくて、友達って言ってくれたいっくんとも対立する立場になっちゃったし。きっといっくんも怒ってるに違いないわ。今もマウンドからあたしの頭にボールをぶつけようとしてるんだわ。きっとこれを機にあたしとの縁を切ろうとか考えるのよ。きっとそうだわ、あたしのことなんて、ただの怪我を治してくれる都合のいい女としか思ってなかったのよ。あ、あああああああああああ。あたしってどうしていつもこうなのかな………?」

人識(欠陥製品早く投げろーーーーーーーーっ!!)ガクガク



361:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/10(土) 15:49:22.83 ID:StVXpqI/0

ビッ!

ユラァッ

パン!

審判「ストライーク!」

絵本「うわぁ……本当に揺れてる。いっくん凄いなー」

人識(ほら、さっさと投げろ!)ビッ

いーちゃん(絵本さん、やけにしっかり見てきてるけど大丈夫か?)パシッ

人識(いいから、さっさと投げろ! どうせ次は振ってくるんだからよ)

いーちゃん(分かったよ)

ビッ!

ユラァッ

絵本(さっきとは違う変化……!?)スッ

カキィ

審判「ファール!」



362:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/10(土) 15:52:38.50 ID:StVXpqI/0

人識(ちっ。とっさに腕を引いてファールゾーンに運んだか……。だが、次で終わりだ)

いーちゃん(風が出てきたな……)ザッ

ビッ!

ユラァァァッ

絵本(さっきより変化が大きい!?)

ブンッ!

ドッ!

人識「!?」

絵本「ううっ、三振しちゃった……」ガクッ

一里塚「絵本さん、キャッチャーボール逸らしてる! 走って!」

絵本「!?」ダッ

人識「くそっ!」バッ

絵本「ううう~~っ」ダダダッ

人識「ファースト!」パシッ シュッ

絵本「うわ~~っ!」ザザァ

みいこ「」パン



審判「セーフ!」



363:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/10(土) 16:31:20.53 ID:StVXpqI/0

鵜鷺『9回裏 チームフォックス、ワンナウトから振り逃げで絵本さんが出塁しました!』

絵本「よ、よかった……」ヘナヘナ

鵜鷺『玖渚さん。さっきの球ですが、やけに曲がりましたね』

玖渚『ナックルは風向きや風速、天気や湿度なんかの環境条件に影響を受けやすいからね』

兎吊木『さっき彼が投げる前に少しバックスクリーン方向に風が吹いてましたからね。ボールがモロに空気抵抗を受けて、異常に落ちていきましたね』

玖渚『そのせいでボールがベースの真ん中に落ちてキャッチできなかったんだね。本来ならキャッチャーが身体で止めるとこなんだけど、人識ちゃん、やたら外側に座ってたからね。身体を入れるのが間に合わなかったみたい』

鵜鷺『なるほどー。確かに人識くん、バッターからやたら距離を取ってましたね』

兎吊木『まあ好き好んで、上はビキニ 下はホットパンツの水着を着て、その上から白衣をまとい、レッグウォーマーやマフラーを装着した女に近づきたいとは思わないだろう』


人識「くっ……悪ぃ」

いーちゃん「そういやお前、絵本さんのこと苦手だったんだな」



367:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/10(土) 22:20:11.49 ID:ODkM002W0

9回裏 TZ 8-6 TF
一死 ランナー1塁
打者 澪標深空

鵜鷺『チーム戯言、ここで守備のタイムを要求しましたね。2点差ありますし、そんなに慌てることでもないと思うのですが』

玖渚『それはどうかなー?』

鵜鷺『はい?』

玖渚『ランナー一人出たことで、局面がガラリと変わったよ』

兎吊木『確かにそうですね』

鵜鷺『といいますと?』

兎吊木『チームフォックスはランナーが出たことで様々な策を仕掛けられる状況を得ました。そして、それをチーム戯言の選手が必要以上に警戒し出したら―――』

玖渚『当然守りの姿勢が強くなるよね。守り抜こうと意識すればするほどプレッシャーが増えていく。そうすると選手の動きは鈍くなり、本来のプレーが出来なくなって守備に乱れが生じてくる―――』

兎吊木『そうなるとチームフォックスは、さらに色んなプレーを仕掛けやすくなるという悪循環が生じてしまうんですね』

玖渚『まあ、要するに相手にプレッシャーを掛けられるようになったということだね。ここのタイムは、それを意識しないように互いに注意し合うものだろうね』

鵜鷺『なるほどー』

玖渚『それにチームフォックスは、どうやら勝負を仕掛けてきたみたいだよ』



368:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/10(土) 22:22:37.74 ID:ODkM002W0

人識「バントはあると思うか?」

崩子「2点差ありますし、無いと思いますよ」

出夢「仮にやってきてもツーアウトだし、正直向こうとしても厳しいと思うぞ」

みいこ「出来ればクリーンナップに回さずに、この試合を終えたいな」

崩子「あとアウト二つで1番2番ですからね。シフトは変えず、ゲッツーは取れそうだったら取るって感じでいいでしょう」

いーちゃん「子荻ちゃんも一つ一つ目の前のアウトに集中って言ってたしね」

人識「じゃあ、バントしてきても確実に一塁でアウトな。絶対に無理はすんなよ」

崩子「はい」

出夢「ああ。分かったよ」

みいこ「うむ」

玉藻「めのまえのあうとにしゅうちゅう!」

いーちゃん「もうボール逸らすなよ」

人識「分かったよ! 悪かったな!」

鵜鷺『チームフォックス 選手の交代をお知らせします』


崩子「え?」

みいこ「選手の交代?」

人識「向こうに控えなんかいねーだろ」

出夢「狐さんでも出るのか?」

鵜鷺『1番 ショート 澪標深空さんに代わりまして、代打 石丸小唄さん』



いーちゃん・人識「………えっ?」



369:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/10(土) 23:01:42.19 ID:ODkM002W0

9回裏 TZ 8-6 TF
一死 ランナー1塁
打者 石丸小唄

鵜鷺『9回裏 チームフォックス待望のランナーが出たところで、代打小唄さんを起用しました』
               ディアフレンド
小唄「お久しぶりですわね。お友達」

人識「何でお前がここにいるんだよ?」

小唄「何でとは不思議な事を聞きますわね。代打で出されたからに決まっているでしょう」

人識「そうじゃねーよ! 何でてめぇがそっちのチームにいるんだって聞いてんだ!」

小唄「簡単なことですわ。わたくしがこんなお遊びに参加する理由など一つしかありません。あそこの狐の面を被ってる方に雇われたからですわ」

いーちゃん「商売で来てるってことですか?」

小唄「ふふ。お金をもらうことで野球に身を投じるなんて、どこかの野球漫画みたいですね」

いーちゃん「野球漫画でなくても、プロ野球選手は皆そうでしょう?」

小唄「そうですわね。しかし、わたくしをそんじょそこらのプロと一緒にしない方が賢明かと思いますわよ」

いーちゃん「そうですね」

小唄「曲がりなりにも商売ですからね。一切手加減はしませんので、よろしくお願いしますね。お友達」



370:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/10(土) 23:20:54.26 ID:ODkM002W0

子荻(まさか、ここで石丸小唄さんを出してきますか。噂には聞いてますが、彼女がバッターなら小技から長打。一発もあるでしょうね……)

人識(どうするよ。一塁にランナーいるしナックルは投げにくいだろう?)

いーちゃん(いや、ナックルなしじゃあこの人を抑えられないだろ。というかナックル投げてもこの人を抑えられる気がしないが……)

人識(仮にナックルでこいつを抑えられるとしても、ランナーに走られるぞ。そうしたら、ワンナウト二塁だ)

いーちゃん(そうなったら、小唄さんと勝負する必要がなくなるだろ。歩かせるよ)

子荻(そしたら、ワンナウト一・二塁。次の高海さんで送ってきて、ツーアウト二・三塁となって―――)

双識「」ド
哀川「」ド
軋識「」ン


い・子・人(―――クリーンナップか……)



371:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/11(日) 00:02:31.66 ID:U6B+1Pke0

いーちゃん(絵本さんがランナーとして出なければなぁ……)

人識(悪かったっつてんだろーが! 引っ張ってんじゃねーよ!)

子荻(とりあえず、この状況を打破するにはランナーを[ピーーー]しかありませんね)

人識(正直俺の方じゃ無理だぜ。ただでさえ、こいつの球は糞遅ぇ上に捕りにくいだからな)

いーちゃん(となると、ぼくの牽制でアウトにするしかないってことか? あんま得意じゃないんだけど)

人識(いいから。とりあえず一球牽制入れとけ―――)スッ

いーちゃん(分かったよ)スッ

人識(ん? ちょっと待て―――)

人識「タ、タイム!」

いーちゃん「」ビッ

絵本「!?」

みいこ「……」パシッ

小唄「……」

一里塚「……」

子荻「……」

いーちゃん「ん?」

審判「ボーク!」

いーちゃん「え?」

人識「牽制するのに何で投球モーションに入ろうとすんだよーーーーーーっ!!」



372:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/11(日) 00:15:08.03 ID:U6B+1Pke0

鵜鷺『ボークです! 絵本さんは二塁に進みます。ワンナウト二塁です!』

子荻(本当にやってくれますね。あの人は……)

人識「馬鹿かお前! 普通に牽制すればいいじゃねーか!」

いーちゃん「いやー、ランナーに少しでも投げるぞって思わせたほうがいいかなって思って」

人識「それがボークなんだっつーの! ルールブックちゃんと読め! あんな牽制する奴小学生でもいねーぞ!」

いーちゃん「いやー。何人かはいると思うぞ」

人識「いーや、いないね! 俺が保障する!」

いーちゃん「そんなことより、小唄さんだろ。敬遠するぞ」

人識「ちっ。言っとくが同点のランナーだからな。忘れんなよ」

いーちゃん「ああ。分ってるよ」



373:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/11(日) 00:26:22.39 ID:U6B+1Pke0

人識「」サッ

鵜鷺『あーーっと! キャッチャー立ったまま小唄さんから距離を取ります。どうやら敬遠のようです』

小唄「2点差あるのに勝負しないのですか? 随分臆病なまねをするのですね」

人識「けっ。言ってろ」

ビッ!

パン!

審判「ボール!」

鵜鷺『9回裏 ワンナウト二塁の場面で、チーム戯言は塁を埋める策に出ました!』

玖渚『小唄ちゃんは正直潤ちゃんと同じくらいの実力があると考えていいからね。下手に勝負して一発もらうより、勝負を避けて塁を埋める方がいいと考えたんだろうね』

鵜鷺『なるほどー』

ビッ!

パン!

審判「ボール! フォア!」

鵜鷺『最後の一球も外して、フォアボールです』


小唄「まあ、わたくしとしては楽が出来て十全なのですけれどね」カラン



378:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/11(日) 14:25:15.91 ID:HwMOpJpD0

9回裏 TZ 8-6 TF
一死 ランナー1塁2塁
打者 澪標高海

鵜鷺『9回裏 二点を追うチームフォックスは同点のランナーを一塁に置き、バッターは2番 セカンド 高海さん』

高海「」スッ

人識(木製バット?)

鵜鷺『高海さん、バットを今までの金属バットから変えて、木製バットを使用するようですね』

玖渚『木製バットの方が打球を殺しやすいからねー。どうやらここは確実に送ってくるみたいだよ』

鵜鷺『はあ……。しかし、ツーアウトになってしまうのに送るってことはあるんですか?』

玖渚『チーム戯言にとって一番嫌なのはランナーが三塁にいることだからね』

鵜鷺『そうなんですか?』

玖渚『うん。ランナーが三塁にいれば、ワイルドピッチやパスボールでランナーが還ってくる。処理に手間取れば、二塁にいるのは小唄ちゃんだから一気に同点なんてことも考えられるよね』

兎吊木『それを怖がると、彼の生命線となるナックルが投げにくくなる。かと言ってナックルなしでは、クリーンナップを抑えられないという訳です』

鵜鷺『なるほどー』


子荻(この後の3番は前のイニング逆転され、少なからず落ち込んでいるであろう双識さんだから、もしかしたら高海さんで勝負してくるかと思ったんですが……)

一里塚「」ジッ

子荻(そう甘くはないですね……)



379:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/11(日) 14:26:59.42 ID:HwMOpJpD0

子荻(そうくるなら、こちらも勝負に出させてもらいましょう―――)スッ

子荻「萌太さん!」

一里塚「?」

鵜鷺『ポジションの変更でしょうか?』

萌太「」タッ

鵜鷺『えー、センターの萌太さんがマウンドに向かいますね……。えっと、どうやらセンターの萌太さんを内野の守備位置につけるそうですね。そしてライトの鈴無さんがセンターに入り、ライトはがら空き状態です』

玖渚『思い切ったことするねー』

鵜鷺『センターの萌太さんを三塁とホームの間に置き、三塁の出夢くんは定位置。他の内野外野手は極端な前進守備を取っています』

子荻(これでヒッティングに切り替えてくれれば儲けものです。サードでアウトを取れる可能性もゲッツーを取れる可能性も出てきます。さあ、どうしますか?)

一里塚「」

高海(サインはない……バントか。随分信用してもらっているな。ということは、ここでバントを決めれば狐さんに喜んでもらえるってことか。ならばその信頼に応えるしかない)スッ

鵜鷺『高海さん、変わらずバントの構えです!』



380:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/11(日) 14:34:36.97 ID:HwMOpJpD0

高海(サード方向にはセンターの奴が待ち構えてる。となると、転がすのは一塁方向になるが……)

みいこ「」ザッ

高海(凄いチャージだな……。しかし、サード方向に転がすわけにはいかない。狙うのはあくまでファースト方向。けど、目の前に転がしたら三塁でアウトにされるから、狙うのはピッチャーとファーストの間。そこに転がせば三塁はアウトにならないし、抜ければ、僕も生き残れる可能性が出る―――)スッ

人識(ナックルで行くぞ―――)

いーちゃん(ああ。分ってる)

いーちゃん「」スッ




ビッ!

ヒョロッ

高海(握りは甘めに、木製だから少し強めに押す感じで―――)

ユラァッ

高海(本当に全く回転してない。気持ち悪い球だ……)

一里塚(追いかけないでください。ボールを追いかけるとヘッドが下がってフライになってしまいます)

高海(ナックルなら、こっから揺れて落ちてくるはず……)

スッ

高海(ここ―――)スッ

ピタッ

高海(!? 変化が―――)

一里塚(止まった―――!?)

カコッ!

フワッ

鵜鷺『あーーっと! 打ちあげてしまったーっ!』

人識「ほっ」パシッ

審判「アウトー!」



381:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/11(日) 14:40:04.87 ID:HwMOpJpD0

鵜鷺『送りバント失敗ーー! ツーアウト ランナー一塁二塁に変わります!』

いーちゃん「零崎、ナイッキャッ」

人識「おー! ツーアウトな!」

いーちゃん「ツーアウトー!」

「「「「「「「ツーアウトー!」」」」」」」

鵜鷺『さあ、チーム戯言。ついにチームフォックスを土俵際まで追い込みました! あとアウト一つです!』

高海(何でボールの変化がいきなり止まるんだ……?)

鵜鷺『玖渚さん。高海さんはナックルを積極的にバントしに行きましたが、結局上げてしまいましたね』

玖渚『ナックルは予想外の変化をするからバントも難しいんだよねー』

鵜鷺『何だか、途中変化が止まったようにも見えましたが』

玖渚『鵜鷺ちゃん。鵜鷺ちゃんは何でナックルが落ちるか知ってる?』

鵜鷺『え? たしかボールが回転してないため空気抵抗をモロに受けるからですよね?』

玖渚『そうだね。だから向かい風が来た場合その力が強くなって、絵本ちゃんの時のように急激に変化することもあるんだね。じゃあ、逆に追い風だった場合どうなると思う?』

鵜鷺『えーっと……空気抵抗が軽くなって、ほとんど変化しないで逆に伸びる感じですか?』

玖渚『そうだね。さっき高海ちゃんがバントしようとした時、わずかにバックスクリーンからホームに向かう風が吹いてたんだ。だから予測したよりも球が落ちてこなくて、まるで変化が止まったかのように見えたんだろうね』

鵜鷺『なるほどー。これは何たる不運。チームフォックスにとってはアンラッキーとしか言いようがありません!』

兎吊木(あの少年が投げる際、微妙な間があったが……狙ってたのか?)


いーちゃん「ピッチャーって意外と疲れるな」コキコキ



382:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/11(日) 14:51:05.32 ID:HwMOpJpD0

9回裏 TZ 8-6 TF
二死 ランナー1塁2塁
打者 零崎双識

鵜鷺『9回裏 チームフォックスは同点のランナーを出すも、ツーアウトと追い込まれています。もう後がないこの場面でバッターボックスに立つのは、3番 ピッチャー 双識さん』

双識「」スッ

伊織「お兄様頑張ってください!」

軋識「レン。お前なら打てるっちゃ!」

曲識「思い切って行け!」

哀川「あたしにまで回せ! 死んでも塁に出ろ!」

人識(この変態兄貴で絶対に終わらせるぞ―――)スッ

いーちゃん(ああ。バッター集中だ―――)スッ

ビッ!

ユラァッ ブン!

パン!

審判「ストライーク!」

鵜鷺『双識さん、初球から思い切って振ってきました!』


崩子「ナイスボールです!」

みいこ「後ろは私たちに任せて、思い切って行け!」

出夢「おにーさん。打たせていいからな! ぜってぇ捕ってやっから!」

いーちゃん「ああ。打たせていくから後ろは任せたよ」

「「「「「「「おーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」」」



383:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/11(日) 14:52:44.21 ID:HwMOpJpD0

ビッ!

ユラァッ

パン!

審判「ボール!」

鵜鷺『いーちゃんさん、二球連続でナックルを投げてきました』

玖渚『多分この打席全球ナックルで攻めてくるだろうね』


ビッ!

ユラァッ

パン!

審判「ボール!」

鵜鷺『3球目もナックル。外れてツーボールワンストライク。玖渚さん、いーちゃんさんはこの場面なのに、表情変えず淡々として投げてきますね』

玖渚『ナックルボーラーは少しの気持ちの動揺でも、ボールに影響が出ちゃうからね。ナックルを投げるときは力まず・気負わず・昂ぶらず。心を落ち着かせて投球することが求められるんだよ』

鵜鷺『なるほどー。そういう点では彼にピッタリの変化球なのかもしれませんね』


ビッ!

ユラァッ カキィ

審判「ファール!」

鵜鷺『ファール! カウントツーツー。ついに追い込みました!』



384:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/11(日) 15:18:37.90 ID:HwMOpJpD0

ビッ!

ユラァッ カキィ

審判「ファール!」

双識「ふぅ……」

人識「ちっ。粘るじゃねーかよ。さっさと空振って楽になれや」

双識「ふふ。そうしたいのは山々なんだけどね、ただ私はこれでも結構負けず嫌いなんだよ。人識には悪いけど、この試合絶対勝たせてもらうよ」

人識「けっ。そりゃこっちの台詞だっつーの」

双識(しかし、この変化球は何度見ても慣れないね。ただでさえ不規則な変化球を彼の不気味な雰囲気がさらにそれを引き立たせてる……)

ビッ!

ユラァッ カキィ

審判「ファール!」

鵜鷺『6球目も打ってファール! 双識さん粘ります!』


双識(正直私は裏の世界でも、この野球でも自分はいいプレイヤーだとは思ってない。『二十人目の地獄』とか言われたりもしてるが、そんなのは周りが勝手に言ってるだけだ―――)

ビッ!

ユラァッ カキィ

双識(私は『ただの殺人鬼』として人を殺してきただけだ。そんな私に大仰な二つ名を付けたところで上には上がいるし、事実私の後ろには逆立ちしたって敵わないような凄い人がいる―――)

哀川「」ドンッ

双識(それなら私は、たとえみっともなくても、その人に繋ぐためにも必死にボールに喰らい付くだけだ―――!)

ビッ!

ユラァァァッ

一里塚(変化が大きい!?)

双識「うぐっっっっっ!」ピタッ

パン!

人識「スイング!」



三塁審「」セーフ

審判「ボール!」



385:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/11(日) 15:41:50.65 ID:HwMOpJpD0

鵜鷺『バットが止まりました! ナックルは外れてボール! カウントはツーストライクスリーボール、フルカウントです!』

人識「ちぃっ!」

双識「ふぅ……」

子荻(あれを見ますか……)

一里塚(これで状況は五分ですね……)



いーちゃん(おい、ぼく―――)

人識(―――何だよ、俺)

いーちゃん(この試合楽しいか?)

人識(あん? 何だよいきなり)

いーちゃん(いや、何だかんだで結局のところ、お前を巻き込んだ形で野球やらせてるわけだろ、楽しいのかなと思って……)

人識(けっ。楽しいわけあるかよ。一球一球構えるたんびに緊張が走るしよ、正直寿命が縮むわ)

いーちゃん(そうか)

人識(この回まで、打って走って投げてとプレーするのを楽しいとは全然思わなかったよ)

いーちゃん(そうか)

人識(けどよ、負けたくないとは思うようになった)

いーちゃん(………)

人識(この試合が楽しいかどうかなんてーのは、勝ってから決めればいいんだよ。そうすりゃ答えは簡単に出るぜ―――楽しかったってな)

いーちゃん(……そうだな。それじゃあ、この試合を楽しくするためにも絶対勝つぞ)

人識(当ったり前だっつーの!)



386:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/11(日) 16:03:47.21 ID:HwMOpJpD0

鵜鷺『9回裏 ツーアウトランナー一塁二塁。カウントはフルカウント! いーちゃんさん、この試合を決めることができるのか? それとも双識さんが次の大きな4番、潤さんに繋げるのか? こっからはガチンコの一球勝負です!』

いーちゃん「はぁ……」

双識「ふぅ……」

人識(来い! 次の一球で仕留めるぞ!)

いーちゃん「」スッ

双識(絶対に次に繋ぐっ!)グッ

ザッ!

一里塚(踏み込んだ―――!?)

ビシュッ!

双識(ストレート!?)

人識(今まで散々遅い球を見せつけられてきたんだ、ただのストレートでも体感的には150キロにも感じるはずだ。くたばれ!)

パァン!








審判「ボールッ! フォア!」



393:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/12(月) 15:07:50.62 ID:fZA2Vk8q0

鵜鷺『選んだ! フォアボールです! 3番の双識さんが塁に出て、ツーアウト満塁!』


双識「っしゃらぁぁぁぁぁぁぁっ!!」カラン

伊織「お兄様やりましたーーっ!」

軋識「おおぉし! 満塁だっちゃ!」

曲識「ナイス選、レン!」

双識「さて、私は私の役目はきちんとこなした。あとは頼んだよ、4番バッター」グッ


哀川「おっしゃあぁっ! おいしいとこ全部いただいたらぁ!」ザッ


鵜鷺『9回裏 ツーアウト満塁にて、潤さんの登場です!』



394:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/12(月) 15:10:17.11 ID:fZA2Vk8q0

鵜鷺『1点を追うチームフォックス、最後の最後に最大のチャンスが到来! かたや、あとアウト一つ。勝利目前にして最大の試練。チーム戯言、最後の守備のタイムを取ります』

人識「塁は埋まってんだ、近いとこでアウトな」

崩子「勝負するのですか!?」

人識「ここで歩かせたら点入っちまうだろうが」

崩子「いや、しかし。点差は2点あるんですから、無理に勝負する必要ないでしょう。一発もらったら、その時点で試合終了ですよ?」

人識「あのなー、崩子ちゃん。仮にここで勝負を避け、次の大将を仕留めて勝ったとして、それで本当に勝ったと喜べんのか?」

崩子「……」

人識「どうせ最後なんだ、真っ向からぶつかってラストの締めとしようじゃねーか!」

出夢「ぎゃははは。ぜろりんかっけぇー! 惚れちまうぜ!」

人識「うっせーよ」

出夢「僕もぜろりんと同意見だ。折角こんだけの熱戦なんだ、最後は『最強』の打ち取って、この試合の締めくくりといこうぜ!」

みいこ「私も同じだ。逃げて勝ちを取りに行っても後味が悪いからな」

玉藻「あたしも勝負するー」

いーちゃん「だって、崩子ちゃん。どうする?」

崩子「わたしは、お兄ちゃんがよろしければ……」

いーちゃん「ぼくも勝負でいいと思うよ。やっばりシメは哀川さんじゃないとね。盛り上がらないじゃん」

崩子「分りました。お兄ちゃんがそういうのならば、不肖闇口崩子。全力を以て守り通させてもらいます」



395:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/12(月) 15:11:47.02 ID:fZA2Vk8q0

人識「おっしゃあ! 全員拳出せ!」グッ

いーちゃん「何偉そうに仕切ってんだよ」グッ

出夢「ぎゃははは。いいね。青春だねー」グッ

崩子「正直、こういうのは時代遅れな気がするのですが……」グッ

みいこ「私はこういうのは好きだぞ?」グッ

玉藻「ゆら~~~りぃ~~~」グッ


人識「いいか。これまでやってきたことを信じろ。俺たちの……チーム戯言の野球をすれば、結果は後から必ずついてくる」


いーちゃん「」コクッ

出夢「」コクッ

みいこ「」コクッ

崩子「」コクッ

玉藻「」コクッ


人識「最後の最後だ。気持ちで負けんなよ!」スゥ

人識「絶対勝つぞーーーーーーーーーっ!」


「「「「「しゃあーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」



396:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/12(月) 15:27:13.06 ID:fZA2Vk8q0

9回裏 TZ 8-6 TF
二死 満塁
打者 哀川潤

鵜鷺『9回裏 ツーアウト満塁の場面で打席に立つのは、4番 ファースト 潤さん!』

哀川「作戦会議はもう終わりか、いーたん?」

いーちゃん「ええ。待たせてしまって、すいません。哀川さん」

哀川「くくく。『哀川さん』ねぇ。結局、終始名字で呼んできたな。敵と分かった途端容赦ないねー」

いーちゃん「名字で呼ぶ奴は敵、ですからね。今回は哀川さんの敵役に徹しさせてもらおうかと思います」

哀川「そうかい。それじゃあ気兼ねなく、いーたんと勝負ができるってことだな? あ、それとも敬遠か?」

いーちゃん「いいえ。バッター勝負です。最後に哀川さんを倒して、この試合を終了させます」

哀川「ほー。そうかそうか」ニヤリ

哀川「いいぜ。それなら、こっちも一切手加減なく相手してやんよ。さあ始めようぜ。いーたん」

いーちゃん「ええ。本気で行かしてもらいますよ」スッ



397:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/12(月) 15:53:04.96 ID:fZA2Vk8q0

鵜鷺『どうやらバッター勝負のようです!』

玖渚『へぇ。いーちゃんがねー』

兎吊木『………』


みいこ「行け、いの字!」

玉藻「おー。ばっちこい!」

崩子「絶対に守ってみせます!」

出夢「おにーさん、おいしいとこの独り占めはダメだからな」

一姫「どんなボールも捕ってみせます!」

萌太「打たさせていきましょう!」

鈴無「気合いだわよ、いの字!」

子荻「決めちゃって下さい!」


一里塚「勝負ですか。それなら、あなたの手で決めちゃって下さい」

絵本「お、お願いします!」

伊織「潤さんやっちゃってくださーい!」

双識「お膳立てはできてるよ」

軋識「俺の分も、しっかり取っとくっちゃよ」

曲識「こんな展開も悪くないな―――」フッ

深空「一発放り込め、『最強』!」
高海「一発放り込め、『最強』!」

小唄「わたくしのライバルなのですから、きちんと勝負を決めてくれますわよね?」

狐「ふん。試合関係なしに勝負を楽しんでこい」


いーちゃん「行きますよ」

哀川「おー、来いや!」

いーちゃん「」ザッ


鵜鷺『いーちゃんさん、大きく振りかぶって第一球を―――』

ビッ!

鵜鷺『投げましたっ!』



412:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/22(木) 19:07:37.61 ID:SSmgUPBu0

ヒョロッ

哀川「!?」

パン!

審判「ストライーク!」

哀川「ほー」

鵜鷺『初球ストライク! いーちゃんさん、何と潤さん相手にスローボールから入ってきました!』

玖渚『しかも、長打の出やすいインコースに入れてきたねー』

鵜鷺『一発もらえば逆転サヨナラのこの場面でチーム戯言、強気で攻めます!』

兎吊木『どうやら腹は括ってあるみたいだね』


人識(外角に外せっつったろーが! マジビビったわ!)

いーちゃん(だから、ぼくにそんなコントロールはないって)



413:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/22(木) 19:13:36.88 ID:SSmgUPBu0

人識(ちっ、まあいいか。ファーストストライクは取れたんだ、次からはナックルを投げ込んでいくぞ)

いーちゃん(いや、次もスローボールを投げる)

人識(ああん? お前何言ってんだ? 長らく更新されてなかったから、今がどういう状況か忘れてんじゃねーだろうな?)

いーちゃん(大丈夫。いくらぼくでも10日の間に試合の状況を忘れたりはしないよ)

人識(お前の記憶能力じゃ信用なんねーんだよ。今バッターが誰なのか分かってるか? あの『人類最強』だぞ。二度もスローボールを見逃してくれるはずねーだろーが)

いーちゃん(バッターが哀川さんだからこそ、スローボールなんだよ)

人識(あん?)

いーちゃん(哀川さんだって、この勝負が恐らくこの試合の最後になることくらい分ってるはずなんだよ。だからこそ、ぼくの決め球を打とうと考えるはず。つまり―――)

人識(―――ナックル狙いか)

いーちゃん(そういうこと。だから追い込まれるまではスローボールには手を出してこないはずだ)

人識(……けっ。飄々としてるくせに意外と考えてるじゃねーか。分かったよ。そういうことなら、てめぇの言うとおりにスローボール投げろ。ただし外角に外せよ―――)スッ

いーちゃん(だから、ぼくにそんなコントロールはないって―――)スッ

ビッ!

カキィィィン!

バンッ!

審判「ファール!」

人識(うおぉぉぉぉぉいっ! 打ってきたじゃねーか!)



414:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/22(木) 19:34:06.00 ID:SSmgUPBu0

鵜鷺『潤さん、二球目を打っていきましたが、ボールは大きくライトスタンドを切れてファールです!』


人識(おい! 話が違うじゃねーか! 思っきし引っ張ってきたぞ!)

いーちゃん(けど、結局ファールだったろ。哀川さんがあんな遅い球を打ち損じるはずがない。やっぱりナックル狙いであることには間違いがないんだよ)

人識(遅い球って、お前が投げてるボールだからな……)

哀川「おーい、いーたん! 真っ向勝負っていう割には随分小賢しい真似してくるじゃねーか。御託はいいからよ、さっさとてめぇの決め球放り込んでこいや」

いーちゃん「ええ。言われなくとも投げるつもりですよ。けど、折角の哀川さんとのガチンコ勝負ですからね。どうせ決着をつけるなら三球三振か、もしくはサヨナラホームランじゃなければ花がないじゃないですか」

哀川「くくく。それはつまりアタシはホームランを打たなきゃいけないってことかい?」

いーちゃん「自信がないんですか? あれだけ大口を叩いといて、この試合を締めくくる大きな一発を打つ自信がないんですか?」

哀川「……安い挑発だ。いいぜ。原作では実現しなかったいーたんとの勝負。一対一でしっかり決着つけようじゃねーか!」

いーちゃん「………一対一じゃないですよ、哀川さん」

哀川「あん?」


人識「俺がいんだろ!」

みいこ「私もいるぞ」

玉藻「あたしもー」

出夢「僕のことを忘れてんじゃねーぞ」

崩子「不肖、私もいさせてもらってます」

鈴無「アタシもいるだわよ」

萌太「僕も勿論います」

一姫「姫ちゃんもちゃんといますよー」

子荻「僭越ながら私も―――」


いーちゃん「―――この通り、一対十です」

哀川「………かはっ。いいじゃねーか。全員まとめて相手してやんよ!」グッ



415:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/22(木) 19:40:44.15 ID:SSmgUPBu0

鵜鷺『ツーナッシング! チーム戯言、ついにチームフォックスを追い詰めました!』


人識(今度こそナックルだ。次で決めるぞ―――)スッ

いーちゃん(ああ。分かってる―――)コクッ

哀川「」グッ

いーちゃん(皆、後は任せたよ―――)ザッ

ビッ!

ユラァァァッ

一里塚(変化が大きい―――!?)

哀川(いくら不規則な変化をしようと、別にボールが分身するわけじゃねー。必ずボールは単体でストライクゾーンを通過する。なら、ボールを線ではなく点で捉えようとすれば捉えられないわけがねぇ―――!)バッ


ブンッ!


クッ!


哀川(っ!?)

人識(バットの手前でさらに変化した―――!?)

哀川「っだ・らあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっあ!!」


カキィィンッ!



416:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/22(木) 19:57:29.30 ID:SSmgUPBu0

いーちゃん「っ!?」バッ


ドッ!



鵜鷺『ピッチャーの足元抜けたーーっ! ボールはセンター前へ―――』


哀川「だぁーーーーーっ! ホームランじゃねーけど最低限の仕事はしたぞ、ゴルァァアッ!!」

絵本(ホ、ホームへ―――)ダッ

小唄(わたくしもホームへ行ける―――)ダッ

双識(これは抜け―――)



崩子「――――――っ!」パシッ



ザザァァッ!


双識「!?」

哀川「!?」

人識「崩子ちゃん、セカンドーーーーーッ!」

玉藻「ゆら――」スッ

小唄「」スッ

玉藻「――りぃ?」

崩子「玉藻ちゃん!」シュッ

崩子「!?」

玉藻「っ!」

子荻(送球が逸れてる!?)

出夢「死んでも掴み捕れえっ!」

みいこ「足をベースから離すな!」

玉藻「っ!」ググッ

双識「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっお!!」ザザァッ

玉藻「」パシッ














審判「セェーーーーーーーーフッ!」



417:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/22(木) 20:05:48.38 ID:SSmgUPBu0

崩子「なっ―――!?」

双識「っしゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!!」グッ

小唄「」ザシュッ

出夢「!? バッ―――」

人識「バックホームーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」

崩子「!!」

鵜鷺『何と小唄さん三塁を回って、ホームを狙ったーーーっ!』


玉藻「ゆら―――」グラッ

双識(よしっ! 無理にボールを取りに行ったから体勢を崩してる。これならホームには投げられな―――)

玉藻「―――りぃ」ポイッ

一里塚(バックトス―――!?)

双識(しかし、後ろには誰も―――)


いーちゃん「信じてたよ、玉藻ちゃん」パシッ


小唄「!」

双識「!?」

一里塚「!?」

哀川「―――いーたん!?」


いーちゃん「ぜ・ろ・ざ・きぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいっ!!」ビュンッ


人識「」パァンッ

小唄「」ザァァッ 


ドスッ!















審判「アウトォォォォォォォォオッ! ゲームセットッ!!」



418:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/22(木) 20:13:30.68 ID:SSmgUPBu0

鵜鷺『試合終了ーーーーーッ! チーム戯言、追いすがるチームフォックスの猛攻を躱し、試合に幕を閉ざしましたーーーっ!』


崩子「……か?」

玉藻「ゆらぁ―――?」

いーちゃん「勝った……?」

崩子「」バッ

ドスッ!

いーちゃん「おぶっ……」

崩子「勝ちましたっ! 勝ちましたーーーーーっ!」

いーちゃん「崩子ちゃん……み、みぞに入った……」

玉藻「」ガバッ

ドサッ!

いーちゃん「がはっ……」

玉藻「勝った勝った勝ったーーーっ!」バタバタ

いーちゃん「玉藻ちゃん……のしかかったまま暴れないで……重いって、ん――――?」

人識「」バッ
みいこ「」バッ
出夢「」バッ
鈴無「」バッ
萌太「」バッ
一姫「」バッ
子荻「」バッ

いーちゃん「―――へ?」


ドサァァァァァァァァッ!!



「「「「「「「おっしゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっあ!!」」」」」」」



419:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/22(木) 20:19:49.52 ID:SSmgUPBu0

人識「てめぇ! 送球高ぇんだよ! 上体が起きて死ぬかと思ったじゃねーか!」グリグリ

みいこ「よくやったぞ、いの字」グリグリ

出夢「お前、後ろ見ないでバックトスしたよな! あっぶねーことしてんじゃねーよ!」ギャハハハ

玉藻「ゆらぁ―――ゆらぁ―――」

鈴無「本当に危なっかしくて、全然見てられなかっただわ! 何度アタシがマウンドに戻ろうかと思ったか!」

萌太「崩子もよく止めました! 外野に抜けてたら同点でしたからね!」

崩子「最後の送球は逸れてしまいましたけれどね……」

一姫「それでもナイスプレーですー! 本っ当に凄かったです!」

子荻「何であなたがセカンドにカバーしてるんですか! 普通あそこはホームにカバー行くとこでしょう!」


いーちゃん「お、重い……」



420:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/22(木) 20:22:19.19 ID:SSmgUPBu0

双識「……ふぅ」

軋識「お疲れっちゃ」スッ

双識「ああ……。ありがとう」スッ

曲識「負けてしまったな……」

双識「ああ。まさかこの歳にもなって、本気で試合に負けたことを悔しいと思うなんてな……」

軋識「そうっちゃね。けどお前はよくやったと思―――」

伊織「ま、負けちゃいました……」ズーン

双識「伊織ちゃーーーーーん! そんな落ち込まないで! 伊織ちゃんは本当によく頑張ったよ!」ダーーッ

軋識「……」

曲識「泣くな、アス」

軋識「泣いてないっちゃ!」


絵本「ま、負けっちゃった……」

深空「……」ズーン
高海「……」ズーン

一里塚「立って下さい。整列です。最後の最後くらいちゃんとしましょう」



421:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/22(木) 20:23:45.77 ID:SSmgUPBu0

小唄「……」

哀川「おら、さっさと立てよ!」ゲシッ

小唄「……痛いですわね。むやみやたらに人を蹴るなと、小さい頃に教わりませんでしたか?」

哀川「生憎、あたしは小さいころから甘やかされて育てられててね、そういう教育は受けてねーんだわ」

小唄「あら、そう」

哀川「……何突っ走ってんだよ、てめぇ」

小唄「貴方がいけないのですわよ。あれだけ大言壮語しときながら、結局ショートゴロだなんて……」

哀川「セーフだったんだから、内野安打だろ。ありゃあ、てめぇの暴走だ」

小唄「……」

哀川「あたしに花を持たそうとしたんだろ? 余計な御世話だっつーの。ほれ、整列だ。さっさと立て」スッ

小唄「……ふん。一人で立てますわ!」パシッ

哀川「かはは。そうかいそうかい」



422:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/22(木) 20:28:36.92 ID:SSmgUPBu0

―――――――――――――――――――――――


審判「整列! 8対7でチーム戯言の勝ち! 互いに礼!」

「「「「「「「「「したぁーーーーーーーーーっ!!」」」」」」」」」




人識「かはは。俺たちの勝ちだったな!」

双識「あはは。本当、今回はやられたよ」

軋識「結局、一回も外野にボールを運べなかったくせに偉そうにするなっちゃ」

曲識「試合には負けたが、悪くない試合だったな」

伊織「う~~~~~~~~~~」

人識「どうした、伊織ちゃん? 悔しいのか?」カハハ

伊織「納得いきません!」

人識「納得いかないっつっても事実8対7で俺たちの勝ちだぜ?」

伊織「伊織ちゃんの出番があまりにも少なすぎます!」

人識「そっちかよ!」

伊織「人数が多すぎるのですよ! 今度はもう少し人数が少なくてもできるスポーツで勝負します!」

人識「人数の少ないスポーツって……例えばどんなよ?」

伊織「そうですね……バスケなんかどうですか? あれなら5対5で合わせて10人しか出ませんし、伊織ちゃんの出番が増えると思うんですよ」

人識「何だかベンチウォーマーになって余計に出番が減りそうな気がするがな。……んで、そのSSは誰が書くんだ?」

伊織「それは、これを読んでくれているバスケの詳しい方に―――」

人識「やっぱり丸投げかよ!」



423:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/22(木) 20:59:26.63 ID:SSmgUPBu0

一里塚「今回は貴方の采配にやられました。まさかあそこまでチームの皆を信じることができるとは思いませんでしたよ」

子荻「あ、ありがとうございます!」ペコッ


鈴無「ちょっとそこの長い人!」

双識「ん? 私のことかい?」

鈴無「そうだわよ! 今度やる時は絶対に負けないわよ!」アクシュ

双識「あはは。負けたのはこっちなんだけどね。次の機会があったら私の方からもよろしくお願いするよ」アクシュ


萌太「どうも、お疲れ様です」ペコッ

軋識「おー。向こうのキャッチャーっちゃか。お疲れっちゃ」

萌太「あんな個性バラバラのメンバーを、たった一人でまとめられてたのは凄いと思いました」

軋識「いやいや……。全然まとめられてなかったっちゃけどね」


みいこ「肩、大丈夫か?」

玉藻「ゆらぁ・ゆらぁ~~」

絵本「あ、あの……!」

玉藻「ゆらぁ~~~?」

絵本「君、肩怪我してるよね? 応急処置だけど診てあげるから、こっちきて」グイッ

玉藻「ゆ、ゆらぁ~~~~~!?」ズルズル

みいこ「折角だ、しっかり診てもらえ」フルフル


一姫「崩子ちゃん、この後どうやら打ち上げがあるみたいですよ!」

崩子「そうなんですか?」

出夢「おー、おにーさんの奢りだぞ!」

一姫「姫ちゃん、焼き肉がいいですー! 早く行きましょう!」グイグイッ

崩子「いや、私たちだけで行っても意味がないでしょう」

曲識「」ジー

深空「変態だ……」ガク
高海「変態だ……」ブル



424:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/22(木) 21:02:35.79 ID:SSmgUPBu0

いーちゃん「今回もぼく達の勝ちですね」

狐「ふん。『今回もぼく達の勝ちですね』か。あまり浮かれるんじゃないぞ、俺の敵」

いーちゃん「はい?」

狐「『試合で負けて、勝負に勝つ』という言葉を知っているか?」

いーちゃん「知ってますけど……試合に出ていない狐さんが使う言葉じゃないですよね?」

狐「そもそも、この野球勝負は中日打線に不満を持った俺たちが始めた試合だ」

いーちゃん「そうですね(ぼくは別に中日ファンってわけじゃないんだけど……)」

狐「だから、この試合はよりヒットを重ねた方が勝ちに等しいというわけだ」

いーちゃん「こっち11本でそっちは7本。ぼく達の勝ちですね」

狐「……そう。だからお前は試合に勝って勝負にも勝ったというわけだ」

いーちゃん「………」

狐「………」

いーちゃん「……いい試合でしたね」アクシュ

狐「ああ。いい仲間を持ったな、俺の敵」アクシュ


人識「おーい! これから打ち上げ行くぞー!」

出夢「もち、おにーさんの奢りなー!」ギャハハハ

いーちゃん「あー、……あ? ちょっと待って! 何でぼくが!?」

出夢「おにーさんに付き合って野球したんだから当たり前だろーー?」

萌太「いー兄、ごちになります」ペコッ

いーちゃん「ちょっと待ってって! 今、ぼくそんな持ち合わせないよ? すいません、狐さん。ぼくはこれで―――」ペコッ

狐「ああ。今度はバスケで勝負しようじゃないか」

いーちゃん「遠慮しときます……」



425:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/22(木) 21:12:03.06 ID:SSmgUPBu0

鵜鷺『これにて試合終了。8対7でチーム戯言の勝利と、試合前の予想を大きく覆す結果となったわけですが、いかがでしたでしょうか、玖渚さん?』

玖渚『そうだねー。音々ちゃんの力投とか、ぐっちゃんの満塁ホームランとか、色々あったよねー』

鵜鷺『そうですねー』

玖渚『色々あったけど、特に印象的だったのは>>397で一旦打ち切りエンドを迎えたとこだったかな。一体何が起きたのって思ったもん』

鵜鷺『そうですね……』

兎吊木『あの時の>>1の卒論は本当にヤバかったらしいですからね。22日の提出期限には間に合いましたが、20日の卒論の内容発表には論文間に合わなかったらしいです』

鵜鷺『マジですか!?』

玖渚『そのくせ、真っ先に手を上げてトップバッターで発表したっていうんだからありえないよねー』

兎吊木『しかも一人当たり15分で発表しなければならないのに、さらに15分以上オーバーして話し続けたらしいですよ。トップバッターが。結局そのせいで、その日5人発表するはずだったのに、実際に発表出来たのはわずか3人だけだったそうです』

鵜鷺『はぁ……』

玖渚『しかもしかも、発表の際にはホワイトボードなんかを使っちゃったりしてて―――』

鵜鷺『いや、もう卒論の話はいいですから試合の内容をですね……』

春日井『そうだねー。初回の出夢ちゃんのホームランから始まって。いっきー・人識くん・萌太くんのツーランスクイズみたいな小技から軋識さんみたいなグランドスラムまで何でもござれの試合展開だったね』

鵜鷺『春日井さん!? いつの間に帰ってきてたんですか!?』

春日井『音々さんからいっきーのリレーも良かったし負けちゃったけど双識さんは最後まで一人で投げ抜いた。萌太くんも巧妙な配球で相手を惑わしてたし軋識さんもバラバラだったメンバーを扇の要として必死にまとめようとしてた。その他のメンバーも各々の役割を忠実にこなし力の限り頑張ってた―――』

鵜鷺『はぁ……』

春日井『正直これだけの試合だもんいいところを挙げてたらキリがないよ。けどあえてこの試合を締めくくるとしたら一言―――『ナイスゲーム!』だね!!』

鵜鷺『あ、ありがとうございます!』

鵜鷺(結局、この人が全部まとめちゃった……)

春日井『ナイスゲーム!』

鵜鷺『ああ……はい、ナイスゲーム。えー、それではこの度は『狐「野球の招待状さ」 いーちゃん「はい?」』を読んでいただき、誠にありがとうございます! もし、またのご機会がありましたらお会いしましょう! さようなら!』











~~END~~ 



429:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/22(木) 21:20:28.45 ID:SSmgUPBu0

これで本当に全部終わりです。

途中色々ありましたけれど、最後まで見てくれた人、レスくれた人、本当にありがとうございましたー!



437:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/29(木) 15:52:44.07 ID:SeuzfOhq0

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


とある料亭

いーちゃん「グラス全員分行き渡ってるー?」

崩子「大丈夫です」

萌太「ちゃんと人数分ありますよ」

みいこ「おい! この掛け軸中々なものだぞ!」

人識「焼き肉に鍋。ピザやラーメンもあるし、一体何屋だよ、ここ」キョロキョロ

出夢「お? そっちのジュースの方が美味しそうだな。僕にくれよ」

鈴無「これはお酒だわ。未成年が飲むべきじゃないわよ」サッ

一姫「姫ちゃん、そっちのオレンジジュースがいいですー」グイッ

玉藻「これはあたしのー」サッ

子荻「私のあげますから、騒がないでください」スッ

いーちゃん「人数分行き渡ってるみたいだね。それじゃあ、今日は本当にお疲れ様でした」

 \したーーーーーっ!!/

いーちゃん「今回、狐さんとの勝負事に巻き込んだのは本当に申し訳なかったと思います。けど、正直皆と野球ができて凄く楽しかったです」

 \おーーーーーーっ!!/

いーちゃん「しかも、その後の打ち上げにも皆参加してくれて本当にありがとう。今日はもうハメを外して、とことん楽しんじゃってください」

 \ワーワー!/

いーちゃん「それじゃあ、皆グラスを持って」スッ

 \はーい!/スッ

いーちゃん「今回は本当にお疲れ様でした。せーの―――」

哀川「かんぱーーーーい!」


 \かんぱーーーーい!!/



438:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/29(木) 15:56:59.45 ID:SeuzfOhq0

いーちゃん「何で、哀川さんがここにいるんですか?」

哀川「潤だ。あたしのことを名字で呼ぶなっつーの」

いーちゃん「……何で、潤さんがここにいるんですか?」

潤「何だよー。いちゃいけねーってぇのかよー。いーたんは冷たいねー」

いーちゃん「いえ、いちゃいけないってわけではないんですけど、今日は敵同士だったじゃないですか。それなのに―――」

潤「別にいいじゃねーかよ。折角の打ち上げなんだ、固っ苦しいことは抜きで行こうぜ。なっ、姫?」

一姫「そうですよ、師匠ー。試合が終わったらオフサイドです」

いーちゃん「姫ちゃん、それを言うならノーサイドね」

潤「なーに。ここの飲み代くらいはあたしが払ってやっからよ。今日はとことん楽しもうぜ!」

いーちゃん「はぁ……。そうですね」



439:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/29(木) 16:04:53.01 ID:SeuzfOhq0

伊織「焼き肉♪ 焼き肉♪ 焼き肉♪」

双識「うふふ。はい、伊織ちゃん。お肉の追加だよ」ヒョイ

伊織「ワーーーイ♪」モグモグ

軋識「トキ、お前野菜ばっかじゃなくてもう少し肉も食えっちゃ」

曲識「それじゃあ、ホルモンでも貰うとしようか」

人識「……てか、何でお前らまでいんだよ」

伊織「おや? 人識くんはお肉食べないのですか? でしたら、そのお肉もらいますよ?」ヒョイ パクッ

人識「だぁーーーーーっ! てめぇ! それは俺が温めといた肉だぞ!」

伊織「ふふふ。焼き肉、それは戦場。油断していると一瞬で喰われますよ、人識くん」モグモグ

人識「てめぇ……。上等だ、それなら―――」ヒョイ パクッ

伊織「あーーーーーーーっ! わたしの特製カルビーーーーーッ!」

人識「ふはは。ふはんひへふはらはふいんはへ」

伊織「何言ってるか全然分かりません!」

人識「ゴクッ…。油断してるから悪いんだぜ、伊織ちゃん」カハハ

伊織「う~~~~~。えいっ!」スッ

カキッ!

伊織「!?」

人識「かはっ。そう何度も同じ手を食うはずがねーだろうが」

伊織「う、うな~~~~~~~~~~~~!」スッ スッ

人識「かはは。甘い甘い!」カキッ カキッ


双識「うふふ。二人とも試合の後だというのに元気だね」

軋識「おい、行儀悪いっちゃよ! 箸で遊ぶな!」

曲識「」クチャクチャ



440:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/29(木) 16:35:40.45 ID:RMZzlIvM0

子荻「」キョロキョロ

一里塚「どうしたのですか? 子荻さん」

子荻「いえ、焼き鳥を食べようかと思ったのですが、ティッシュが見当たらなくて……」

一里塚「あー。それなら。お箸貸してもらっていいですか?」

子荻「ええ。どうぞ」スッ

一里塚「焼き鳥のたれが手に付くのが嫌なら、こうやって串から鶏肉を抜き取ってしまえばいいのですよ」スッ パラパラ

子荻「あー。なるほど」

一里塚「よいしょ。これくらいでいいですか?」スッ

子荻「あ、ありがとうございます」ペコッ

一里塚「いえいえ。あ、そこにあるピザ取ってもらっていいですか?」

子荻「あ、はい。どうぞ」スッ

一里塚「ありがとうございます」ニコッ



441:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/29(木) 16:45:00.35 ID:RMZzlIvM0

崩子(お、お鍋に手が届かない……)プルプル

萌太「貸しなさい。僕がよそってあげるよ」スッ

崩子「ありがとう」

萌太「」ヨセヨセ

崩子「萌太、できればお肉は避けてほしいのですが……」

萌太「好き嫌いは駄目だよ、崩子。ちゃんとお肉も食べなさい」サッ

崩子「うぅ……」ガクッ

萌太「玉藻ちゃんも、もっと食べたほうがいいですよ。お椀貸してください」ヨセヨセ

玉藻「ゆらぁ~~~?」

萌太「はい、たんと食べてください」スッ

玉藻「ありがと~~」スッ

崩子「萌太もよそってばっかでなく食べたらどうですか?」

萌太「ちゃんと頂いてるよ。さっきもだし巻き卵を食べたしね」

崩子(それはまた渋いチョイスですね……)



442:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/29(木) 16:53:47.27 ID:RMZzlIvM0

出夢「からあげ、うめぇーーーーっ! イッツ・ア・デェリィーシャァアーーーーーーッス! ぎゃははは!」

一姫「あーーーーっ! 出夢くん、からあげにマヨネーズ付けて食べてるですーっ! 駄目ですよ! からあげにはレモンの汁って相場が決まってるんです!」

出夢「あーん? 何だよ姫ちゃん。姫ちゃんはからあげにレモンの汁をかけて食べる派か?」

一姫「かける派も何も、からあげにレモンは常識ですよ! 何ですか、マヨネーズって? 高カロリーなからあげに脂肪分たっぷりな調味料をかえるなんて信じられません!」

出夢「ああん? 何だと、コラッ! そっちこそ、レモンとかありえねーだろ? あんな酸っぱいものかけるなんて、わけ分かんねーよ!」

一姫「わけが分からないのはそっちです! からあげにマヨネーズなんかかけたらマヨネーズの味しかしないじゃないですか! マヨネーズが好きなら、勝手にそこらでしゃぶっててください!」

出夢「マヨネーズ馬鹿にすんなよ、てめぇ! そっちのレモンだって、何勝手にしゃしゃり出てきてんだよ! 本来レモンは口直しのために付けられてたもので、かえるために付けられてたものじゃねーだろうが!」

一姫「むぅぅぅ。やるんですか!?」

出夢「やんのか、ゴルァ!?」


人識「欠陥製品、お前は何かかけるか?」

いーちゃん「ぼくは何もかけない。人間失格、君は?」

人識「俺もだ。味付けされてんだから、かける必要ねぇだろ」

いーちゃん「全くだ」

一姫・出夢「何か言いました(言った)か!?」

いーちゃん・人識「いえ、何も」



443:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/29(木) 16:58:11.79 ID:RMZzlIvM0

鈴無「ゴクゴクゴク……」ビール

みいこ「ゴクゴクゴク……」ビール

鈴無・みいこ「ぷっはぁ~~~!」

鈴無「やっぱり、運動した後のビールは格別だわね!」

みいこ「うむ。全くだ」

鈴無「ちょっと。そこのあなたも、そんな隅っこにいないでこっち来なさいよ」

絵本「あ、あたしですか……?」オドオド

鈴無「他に誰がいるのよ。折角の一席なんだから、一緒に飲まなければ損だわよ」

みいこ「ほれ、コップ出せ」

絵本「あ、はい」スッ

みいこ「」トクトクトクトク

絵本「あ、ありがとうございます」ペコッ

鈴無「それじゃあ、仕切り直して。かんぱい!」スッ

みいこ・絵本「かんぱーい!」カチンッ



444:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/29(木) 17:05:17.67 ID:RMZzlIvM0

深空「狐さん。何か飲みたいものはありますか?」

狐「ここには日本酒はあるのか?」

高海「狐さん。日本酒です」スッ

狐「」チビッ…

狐「……ふぅ。うむ、美味いな」

深空「狐さん。何か食べたいものはありますか?」

狐「ふむ。今の季節ならカキが旬だろう。カキフライなんかがあれば、酒の肴にはちょうどいいな」

高海「狐さん。カキフライです」スッ

狐「」モシャモシャ…

狐「うむ。美味い」


人識「どこの貴族だよ……」

いーちゃん「澪標さんたちを見事に使ってるね」

人識「あの野郎の一体何がいいんだろうねー」

深空「うるさい! 狐さんの食事中だ、静かにしろ!」
高海「うるさい! 狐さんの食事中だ、静かにしろ!」

いーちゃん・人識「すいません……」ササッ



445:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/29(木) 17:16:59.51 ID:RMZzlIvM0

萌太「ん?」

崩子「どうかしました?」

萌太「いえ、何やらコンロの火が消えてしまったようですね」

崩子「もう一回つければいいじゃないですか」

萌太「それが…中々…つかないんですよ」カチッ カチッ

いーちゃん「どうしたの?」

崩子「いえ、なんかお鍋のコンロがつかなくなってしまったそうです」

いーちゃん「あー、それじゃあ店員さん呼んた方がいいかもね。ちょっと待ってて」カチャ

萌太「本当にすいません」ペコッ

いーちゃん「別に萌太くんのせいってわけじゃないよ」

プルルッ プルルッ ガチャッ!

店員『お待たせしました。何か御注文でしょうか?』

いーちゃん「あ、いえ。お鍋のコンロがつかなくなってしまいまして」

店員「分かりました。今すぐ向かいますので、少々お待ち下さい」



446:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/29(木) 18:00:09.82 ID:RMZzlIvM0

~~~~~~~~~~~~~~~~

ひかり「お待たせしましたー」ガチャ

いーちゃん「ひかりさん!?」

ひかり「あ、これはお久しぶりです」ペコッ

いーちゃん「何で、ひかりさんがここにいるんですか?」

ひかり「えーと、実はここ赤神財団経営のお店なんですよ」

いーちゃん「そうなんですか。それで、どうしてひかりさんが店員として働いてるんですか? イリアさんのお世話は……」

ひかり「実は今。赤神財団は人手不足でして……ですからたまにわたしなどが島から出て、お店のお手伝いしに来てるんですよ。勿論交代で出ているので、あかり達がきちんと島で、お嬢様のお世話をしています」

いーちゃん「はあ、そうだったんですか」

ひかり「それで、コンロがつかないと聞いて参ったのですが」

いーちゃん「あー、そうでしたね。これなんですけど……」スッ

ひかり「」カチッ カチッ

ひかり「本当につきませんね。すぐに代わりのコンロをお持ちしますので、少々お待ちいただいてよろしいでしょうか?」

いーちゃん「はい。元々少食な方なので、そんな慌てなくて結構ですよ」

ひかり「はい。ありがとうございます」ペコッ

ガチャ バタン

崩子「……お兄ちゃん、なんか一気にご機嫌になりましたね」

いーちゃん「うん? そうかな?」

崩子「てい」ゲシッ

いーちゃん「痛っ、どうしたの一体?」

崩子「何だか精神の根幹部分に許容範囲外の負荷を感じましたので、緊急事態と判断し、すみやかに発散させていただきました」

いーちゃん「しなくてもいいような説明だね……」

萌太「いー兄、あまり気にしなくていいですよ。崩子の奴、今日の試合で一本もヒットが打てず、少し気が立ってるんですよ。その上、目の前でデレデレされて怒ってるんですね」

いーちゃん「そうなの?」

崩子「違いますっ! そのような事実は一切確認されてません! それに萌太だって今日の試合では結局ヒット打ってなかったじゃないですか!」

萌太「けど、僕は打点2を稼いでるからね。ちゃんと最低限の仕事はしたよ」

崩子「あれは、お兄ちゃんと人識さんの活躍じゃないですか! 萌太は結局何もしてないですよ!」

いーちゃん「折角の打ち上げなんだから、喧嘩しないでって」



447:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/29(木) 19:31:37.54 ID:lRp5zMbV0

玖渚「いーちゃん、打ち上げでもツッコミに回って大変だねー」パクパクパクッ

兎吊木「少しは大人しく食事というのを―――」パクパクッ

鵜鷺「………」

玖渚「どうしたの、鵜鷺ちゃん?」

鵜鷺「あ、いえ。何か私まで参加してよかったんですかね? 知ってる人は何人かいますけど、どちらからというと部外者のような気が……」

玖渚「別にいいんじゃない? 鵜鷺ちゃん実況頑張ってたし、それに鵜鷺ちゃんの一人や二人増えたところで気にするような人たちじゃないって」

鵜鷺「一人や二人って、私は私だけですよ」

兎吊木「名言だな」パクパクッ

玖渚「ほら、このチーズ美味しいよ」スッ

鵜鷺「あ、ありがとうございます」パクッ

兎吊木「右からシュプレム、ヴァランセ、マルワール、森のチーズだな」

鵜鷺「ほぇ~~~」パクパクッ



448:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/29(木) 19:40:32.39 ID:lRp5zMbV0

鵜鷺「そういえば、一つ聞きたいんですけど」

玖渚「何ー?」パクパクッ

兎吊木「トイレなら、この部屋を出て右に行けばあるぞ」グビグビッ

鵜鷺「いえ、そうじゃなくって……。てか、ビール飲みながらトイレとか言わないでください」

玖渚「それで、何聞きたいの?」

鵜鷺「あ、本編の話なんですけど……」

玖渚「うん?」

鵜鷺「最後の場面。哀川さんが打ち取られた球なんですが、あれ、何故か手元で変化しましたよね? 一体何でなんですか?」

玖渚「セカンドセーフだから、別に打ち取られたってわけじゃないんだけどねー。うーん。あれは簡単に言うとナックルの変化する理由に秘密があるって感じかな」

鵜鷺「変化する理由に秘密ですか?」

玖渚「うん。鵜鷺ちゃん復習だよ。何でナックルが変化するかを言ってみて」

鵜鷺「え? えーっと……たしかボールが回転してないため空気抵抗をモロに受けるからですよね?」

玖渚「そうだね。つまりボールと空気の壁がモロに衝突することによって、ボールは変化するんだ」

鵜鷺「はい……」

玖渚「そして、その空気の壁っていうのが、あの場面でのカギなんだよ」

鵜鷺「空気の壁ですか?」

玖渚「そう。空気の壁っていうのは、つまり進行方向に対する大気の反発エネルギーのことだから、何も風やボールが運動することによって生じる空気抵抗だけじゃないんだよ」

鵜鷺「……と、言いますと?」

玖渚「だからー。あの時。風や空気抵抗以外に、ボールがバットの手前で変化する空気の壁が生じてたでしょー。ほら、よく考えてみて」

鵜鷺「んーと。ボールの変化……空気の壁……バットの手前で変化…………って、まさか!?」

玖渚「そう。潤ちゃんの振った『バットの風圧』が生じてたでしょ」



449:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/29(木) 19:41:35.47 ID:lRp5zMbV0

鵜鷺「え、えええ! いや、でもそんなことって普通ありえなくないですか? バットの風圧で変化するなんて……」

玖渚「うん。まあ、普通はありえないね」

鵜鷺「じゃあ、それじゃあ……」

玖渚「でもさ、ほら。いーちゃんと潤ちゃんだし」

鵜鷺「は、いや、でも……」

兎吊木「あまり細かいことは気にするな。ほら、これでも飲んで落ち着け」スッ

鵜鷺「は、はぁ……。あ、結構です。未成年なので」サッ

玖渚「それに、いーちゃんの投げてた変化球ってナックルじゃないしねー」

鵜鷺「えっ!?」



450:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/29(木) 19:50:07.49 ID:lRp5zMbV0

哀川「おーい、いーたん飲んでるかーー? 折角の打ち上げだ、アルコール飲め!」グイッ

いーちゃん「いえ、お酒は飲まないって決めてるんで。というか、未成年にお酒勧めないでください」

哀川「何だよー、空気読めよー。≪何がほしいかなんてそれを見てみるまで分からない、ただしサンタクロース≫みたいなっ!」

いーちゃん「だからやめてくださいって。あとスティーブ・ジョブスの名言使うのもやめてください」

哀川「まあ、空気を読めって点なら、いーたんの投げてた『シェイクボール』の方が断然読めてたんだけどな」

いーちゃん「……バレてましたか」

哀川「バレバレだっつーの。本来ナックルはボールをはじくように投げるのに対して、お前腕を振り切ってたじゃねーか。あれじゃあ、ナックルは変化しねーよ」

いーちゃん「そうですね」

哀川「お前ロッテファンだったんだな。今年何位だったけか?」

いーちゃん「……最下位です」

哀川「かはは。そりゃ残念だったな」

いーちゃん「何故かぼくが応援に行くと、必ずと言っていいほどに負けてしまうんですよね。負けなくても、主力がケガしたり……」

哀川「……お前、応援行かない方がいいんじゃねーか?」



451:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/29(木) 19:53:13.25 ID:lRp5zMbV0

鵜鷺「それで、シェイクボールって一体何なんですか?」

玖渚「シェイクボールっていうのは、元ロッテの小宮山悟が開発したオリジナル変化球だよ」

鵜鷺「小宮山……ですか?」

兎吊木「2009年に引退したロッテのピッチャー。制球力が非常に高く『投げる精密機械』『ミスターコントロール』などと呼ばれていた。ストレートは140キロにも満たず、お世辞にも速いとは言えないが多彩な球種を持っており、シェイクを始めスライダー、カーブ、スプリッター、チェンジアップ、カット、シンカー、シュートなどほぼ全方向の球種を使いこなす、いわゆる軟投派ピッチャーだな」

鵜鷺「はー、凄いですね」

玖渚「んで。シェイクっていうのはフォークのような握りで、スリークォーター気味から押し出すような感じで投げる変化球でね。通常の投球フォームが違うことや揺れながら変化するところはナックルに類似してるけど、球速は80キロくらいに抑えられているんだよ」

兎吊木「当時監督のバレンタイン監督も、『スネークのようにシェイクする。左右だけでなく前後にも動く。誰にもあの球は打てないだろう』って言ってました」

鵜鷺「凄い変化球なんですねー」

玖渚「けど、独特の握りをすることから投げ損じることも多いんだよねー」

鵜鷺「なるほどー」



452:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/29(木) 19:58:53.51 ID:lRp5zMbV0

アロエデス!アロエデス! ダァー!ワカッタカラスコシダマレ! アロエデス!



人識「ふぅー……」

いーちゃん「お疲れ。飲むか?」スッ

人識「あー。わりぃ。俺酒は飲めねーんだわ」

いーちゃん「そうなんだ」

人識「お酒とか、何がそんなうめぇのか分かんねーんだよな」

いーちゃん「ふうん」

人識「お前は酒飲まねーのか?」

いーちゃん「ぼくは昔色々あって、飲まないって決めてるんだ」

人識「そうか。そこのメロンソーダもらっていいか?」

いーちゃん「もう炭酸抜けて美味しくないと思うぞ。新しく注文するか?」

人識「いや、いいわ。勿体ねーし」グビグビッ

いーちゃん「よく飲めるな」

人識「まあ、これくらいはな。雨水をすすってた頃に比べれば何ともねーわ」

いーちゃん「お前、さりげに壮絶な人生を歩んでたんだな……」

人識「お前にだけは言われたくねーよ」



453:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/29(木) 20:07:35.84 ID:lRp5zMbV0

人識「そういや『最強』はどうした? さっきまで話てたろ?」

いーちゃん「さっき、小唄さんと飲み比べ対決を始めてたよ」

人識「飲み比べ?」

いーちゃん「ほら、あそこ―――」スッ


潤「ゴクゴクゴクゴクッ……」

小唄「ゴクゴクゴクッ……」


人識「……あれ、ウォッカじゃねーか?」

いーちゃん「このお店なんでも揃ってるよな」

人識「そういう問題じゃねーよ」

いーちゃん「まあ、あの二人なら急性アルコール中毒の心配はn―――」

ドスッ!

いーちゃん「ごふっ……」

人識「!? 何だ、一体!?」

崩子「」スッ

いーちゃん「ほ、崩子ちゃん……?」

崩子「えへへ~。おにいちゃ~~~ん///」

いーちゃん・人識「!?」



454:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/29(木) 20:12:39.06 ID:lRp5zMbV0

崩子「おにいちゃ~~~~~~~ん///」ゴロゴロ

いーちゃん「ほ、崩子ちゃん? 一体どうしたの?」

崩子「ヤー! 崩子って呼んでーー!」

いーちゃん「ぜ、ぜろりん。崩子ちゃんがおかしなことになってるんだが……」

人識「落ち着けって。これはあれだ、時宮の仕業だ!」

いーちゃん「とりあえず、お前が落ち着け」

崩子「おにいちゃん!」

いーちゃん「はい!」ビクッ

崩子「私がいるのにほかの人とおしゃべりしゃちゃらめなんれすよ~~///」

いーちゃん「いや、だから、どうしたの崩k―――」

ドスッ!

いーちゃん「がはっ……」

人識「こ、今度は何だ!?」

子荻「んへへへへぇ~~。ちゅーしよ。ちゅ~~~///」チュー

いーちゃん「子荻ちゃん!?」



455:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/29(木) 20:20:05.75 ID:lRp5zMbV0

崩子「ちょっとー! 私のごしゅじんさまに近づかないれくらさいよ~~!」

子荻「いーひゃん、ちゅっちゅちゅ~~~///」チュー


人識「おい! これは一体どうなってんだよ?」

いーちゃん「知らないよ。ぼくが訊きたいくらいだ」ホントヤメテ

人識「だが、訊いてるのは俺だ」

いーちゃん「なら、分からないって答えるさ」チョッ、マジヤメテ

子荻「んちゅ~~~~」

いーちゃん「ちょっと、子荻ちゃんやめてって―――ん?」スン

人識「どうした?」

いーちゃん「子荻ちゃんからお酒の臭いがする……」

人識「はぁ!?」

いーちゃん「ちょっと、崩子ちゃんいい?」スッ

崩子「ふぅあい?」アーン

いーちゃん「」スンスン

人識「かなり危ない図だな」

いーちゃん「やっぱり、崩子ちゃんからもお酒の臭いが……」

人識「マジかよ。一体誰がこいつらにお酒を……」


春日井「ウイッ?」サケビン

いーちゃん「か・す・が・いぃーーーー!」



456:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/29(木) 20:22:38.96 ID:lRp5zMbV0

いーちゃん「何考えてんですか、あなたは!」

春日井「ウイッ?」

いーちゃん「『ウイッ?』じゃないですよ! 何崩子ちゃんたちにお酒を飲ませてるんですか? まだ未成年ですよ!?」

春日井「そう怒らないでよ。折角飲みの一席なんだもん飲まなければ損だよ」

いーちゃん「一体どこの誰が損するんですか!?」

春日井「それに試合じゃ予想以上に皆真面目に試合してて正直見ててつまらなかったんだもん。だからさこうやって無理やり面白イベントを演出してみたんだ」

いーちゃん「なるほど。あなたのハイブロウな事情はよく分かったから、その口閉じて黙れ」

人識「おい。よく見たらテーブルにある飲み物のほとんどがお酒じゃねーか……」

いーちゃん「おい、ぼく」

人識「何だ、俺?」

いーちゃん「ぼくはとりあえずテーブルにあるお酒を回収するから、お前はお酒に手をつけようとしてる連中を止めといてくれ」

人識「……合点」

いーちゃん「ばいばい、セリヌンティウス」スッ

人識「走れ、メロス」スッ


コッ!



464:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県):2012/01/11(水) 12:54:48.70 ID:DJRSFfEO0

崩子「お兄ちゃん~~~~///」デレデレ

子荻「んちゅ~~~~~~///」チュー

いーちゃん「二人とも、動きにくいからそんなくっつかないで……」


人識(あの様子じゃ、全ての瓶を回収するにはかなり時間がかかりそうだな……。俺の方からも止めるがてら瓶を回収してくか―――)

人識「おーい、伊織ちゃん。今テーブルにお酒が流通してっから、手付けんじゃねーぞ」

伊織「………」

人識「? おい、聞いてんのか?」ペシペシ

伊織「………う」

人識「う?」

伊織「うあぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁっん!」

人識「!?」



466:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県):2012/01/11(水) 13:04:02.34 ID:DJRSFfEO0

人識「お、おい。一体どうしたんだよ?」

伊織「ひ、人識くんが頭ぶったぁぁぁ! いたいよ~~~~」アンマリダァ

人識「い、いや、そんな強くぶってないぞ伊織ちゃん! てか、お前泣いちゃダメだろ!」

伊織「人識くんがどなったぁぁ! 怖いよ~~~~~」ビェェ

人識「だぁーー! 怒鳴って悪かったから泣くなって、マジで!」

伊織「わたし、華の女子高生なのに両手なくなっちゃうし、人識くんにお風呂やトイレの様子まで見られちゃうし、ないわ~~~~~~」

人識「だから、そういうこと言うなって! 原作の伏線が台無しになんだろ!」

伊織「ゴクゴクゴクッ……」ビール

人識「飲むなっつーの!」ヒョイ

伊織「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」ビェェ

人識「だから泣くなーーっ!」



467:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県):2012/01/11(水) 13:14:38.28 ID:DJRSFfEO0

伊織「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」

人識「くそっ、めんどくせぇ……」ボリボリ

双識「おい、ゴラァ! 何ウチ妹を泣かしてくれとんじゃ、ワレェ!」

人識「誰だよ、お前!」

人識(何だよ、まさか変態兄貴まで酔っぱらってるって言うんじゃねーだろうな)

伊織「お兄様ぁぁぁぁぁぁぁぁ!」テテテ

双識「伊織ちゃん大丈夫? お兄ちゃんがついてるからね」ナデナデ

人識(あれ? いつも通りか?)

人識「おい、兄貴―――」

双識「うっせっ! ボケッ! ゴルァ! 一賊根絶やしにすんぞ!」

人識「ダメだ……完璧に酔っぱらってやがる」



468:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県):2012/01/11(水) 13:23:41.30 ID:DJRSFfEO0

玖渚「あははははは。私は今すごく上機嫌なんだよ。ほら、ぐっちゃん。試合頑張ったご褒美に、右足の薬指を六十秒舐めさせてあげる」スッ

ぐっちゃん「ありがとうございます」ペコッ

ペロペロペロペロ

兎吊木「あっはははははははははははははは! こいつマジで足の指舐めてやがる! ウケるwwwwwwwwwwwwwwww」

鵜鷺「ち、ちょっと何やってんですか!?」

ぐっちゃん「ん?」ペロペロペロペロ

鵜鷺「ん? じゃないですよ! 人の足の指舐めるなんて異常じゃないですか! 汚いですよ!」

ぐっちゃん「貴様! 暴君の足の指が汚いと何事だ!」

鵜鷺「ええ!?」

玖渚「あはははは。ぐっちゃん、足の指舐めないでいいの? あと四十八秒三一時間しかないよ」ホレホレ

ぐっちゃん「は、いけない!」バッ 

ペロペロペロペロ

兎吊木「あっははははははははははははははははwwwwwwwwww」

鵜鷺「うっわ~~~」


いーちゃん「あそこには、関わらない方がいいな」



469:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県):2012/01/11(水) 13:34:22.28 ID:DJRSFfEO0

曲識「踏んでください!」ドゲザ

潤「ゴクゴクゴクゴクッ……」ウォッカ

小唄「ゴクゴクゴクゴクッ……」ウォッカ

曲識「踏んでください!」ドゲザ

潤「ゴクゴクッ……もう一本追加ぁぁぁぁぁ!」

小唄「ゴクゴクゴクッ……わたくしもですわ!」

曲識「踏んでください!!」ドゲザ

潤「だぁー! うっせぇ! 今勝負の最中だっつーの!」ドゲシッ

曲識「あふん///」


いーちゃん「あそこにも、関わらない方がよさそうだな」



470:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県):2012/01/11(水) 13:39:36.40 ID:DJRSFfEO0

一姫「たまたま一回姫ちゃんをズタズタにしたからって、偉そうにしてんじゃねーぞオカマ野郎!」ジグザグ

出夢「ぎゃははは! また四肢バラバラの惨死体にしてやんよ、多重人格野郎!」イーティングワン

一姫「からあげにはレモンの汁だって言ってんだろうがぁ!」

出夢「僕はマヨネーズだって言ってんだよ!」

一姫「上等! その貴方の意図をここで切り刻んでやんよ!」ヒュンヒュンヒュン

出夢「ぎゃははは! 僕を倒すにはあと五十九億九千九百九十九人足りねーぞ、ゴラァ!」ボウインボウショク

玉藻「あたしも混ざる~~~~~」ズタズタァ


ヒュンヒュンヒュン ブァンッ!ガシャァーン! ユラユラァァァァ


いーちゃん「あそこも無理だ」

人識「お前、もうちょっと回収に意欲持てや!」



471:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県):2012/01/11(水) 13:47:08.02 ID:DJRSFfEO0

いーちゃん「いや、でもあそこは無理だって」

人識「無理でも回収しなきゃ、この騒動は収まりつかねーだろーが!」

いーちゃん「じゃあ、お前行けよ」

人識「ふざけんな。何で俺が行かなきゃなんねーんだよ」

いーちゃん「だって、あそこはぼくには無理だって」


ザシュンザシュン! ガシャーーァン! ズタズタァァァァ


人識「じゃあ、他んとこは?」

いーちゃん「他はほら、あれ―――」スッ


軋識「ペロペロペロペロ」ペロペロ

曲識「踏んでください!」ドゲザ


人識「兄貴ェ……」



472:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県):2012/01/11(水) 13:56:44.27 ID:DJRSFfEO0

人識「てか、曲識のにーちゃんの方はともかく。大将の方は素面じゃねーか……」

いーちゃん「零崎一賊って、変態が集まって家族を作った集団だったっけ?」

人識「違ぇよ! 殺人鬼が集まって家族を作った集団だ! つーか、別に俺はあいつらが家族だなんて思ったことは一度もねーし!」

いーちゃん「まあ、あそこら辺には関わらない方が吉だろうね」

人識「ちっ。分かったよ。あそこはほっといていいから、別のとこをさっさと回収しろ」

いーちゃん「ああ。そうさせてもらうよ」

人識「ああ、それと。ほれ忘れもん」スッ


崩子「あ~~。お兄ちゃんいた~~~。どこ行ってたんれすか~~~~///」

子荻「崩子ちゃんにもちゅ~~~~~~///」


いーちゃん「」



473:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県):2012/01/11(水) 14:11:13.75 ID:DJRSFfEO0

いーちゃん「二人とも重いって……」ズルズル

崩子「お兄ちゃ~~~~~~~~~~ん///」

子荻「ペロペロペロペロ」

鈴無「あら、いの字。両手に花だなんて随分羨ましいわね」

いーちゃん「あ、鈴無さん。ちょっと助けてくだs―――」

ドガッ!

いーちゃん「ごふっ……!」

いーちゃん「……ゴホッゴホッ。……す、鈴無さん? な、何するんですか?」フラッ

鈴無「アタシの名前を気安く呼んでんじゃねーよ。何様?」グイッ

いーちゃん「く、苦しいです。鈴無さん」ブラブラ

ドゴッ! 

いーちゃん「かはっ……!」

鈴無「だーかーらー。気安く名前で呼ぶなつってんじゃん? 馬鹿なの? 死ぬの?」

いーちゃん「く、口調が変わってませんか?」

鈴無「はぁ~~? 口調~~~~? 何それ? 訳わかんない」

いーちゃん「いや、今までは語尾に『だわ』とか付けてたじゃないですか」

鈴無「ああ~~。はいはい。あれね。あれめんどいからやめた」

いーちゃん「やめちゃったんですか!?」

鈴無「だって~、あれいちいちめんどくさいのよね~~。何、『だわ』って? キャラ付け甚だしいっつーの!」

いーちゃん(口調だけじゃなく、キャラも変わってる……)

鈴無「というわけでいの字、一発芸やりなさい」

いーちゃん「何故にっ!?」



474:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県):2012/01/11(水) 14:21:54.07 ID:DJRSFfEO0

鈴無「何よ、アタシの言うことが訊けないってわけ?」

いーちゃん「いえ、というか無茶ぶりにもほどがありますよ」

鈴無「いいからやれや~~!」グリグリ

いーちゃん「い、痛い。痛いですって」アタマガ…

鈴無「ほれほれ~~。さっさとやらんかい!」グリグリグリグリ

いーちゃん「ちょっ、本当に痛いです!」ハゲル…

鈴無「言うこと聞かない悪い子には正義の鉄拳をお見舞いするっきゃねーな!」グッ

いーちゃん「お、落ち着いてくださいって!」

鈴無「喰らえ―――っ!」バッ


ガシッ!


鈴無「!?」
いーちゃん「!?」

みいこ「鈴無、そのへんにしとけ」

鈴無「みぃちゃん!」パァ

いーちゃん(みぃちゃん!?)



475:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県):2012/01/11(水) 14:43:02.60 ID:DJRSFfEO0

鈴無「みぃちゃんどこ行ってたの? 寂しかったんだよ!」ダキッ

みいこ「すまん。少し厠の方に行ってた」ナデナデ

鈴無「そうなんだ。それならそうと一言言ってよ。すっっごく心配したんだからね!」

いーちゃん(またキャラが変わってる……)

みいこ「うん。それより、あまりいの字に乱暴をするな。折角の一席なんだから、暴力沙汰はなしだ」

鈴無「う~~。そうやってみぃちゃんはこの無気力小僧の事ばっか気にして……アタシとこいつ、どっちが大切なのっ?」

いーちゃん「無気力小僧……」

みいこ「勿論鈴無だよ。大切だからこそ、むやみやたらに暴れまわって欲しくないんだ」

鈴無「みぃちゃん……」

みいこ「さあ。向こうで飲み直そう」

鈴無「うん♪」

いーちゃん(みいこさん、女の扱いに慣れてるな……)

みいこ「すまないな、いの字」ボソッ

いーちゃん「みいこさんは酔ってないんですか?」ボソッ

みいこ「ああ。鈴無と飲むと、いつも私が世話役になるから。あいつと一緒に飲むときは少し控えてるんだ」

いーちゃん「そうだったんですか……」

みいこ「何だが色々頑張っているみたいだが、あまり無茶はするなよ。折角の打ち上げなんだ楽しくいこう」

いーちゃん「はい。ありがとうございます」

みいこ「うむ」



476:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県):2012/01/11(水) 15:01:24.57 ID:DJRSFfEO0

人識「大丈夫か?」

いーちゃん「ああ、ちょっと首筋辺りが痛いくらいかな……」イツツ

人識「片腕で男を持ち上げる女とか初めて見たぞ」

いーちゃん「お前、背の高い大人な女の人が好きなんだろ? どうだ、鈴無さんあたりストライクなんじゃないか?」

人識「んー。遠慮しとくわ」

いーちゃん「そうか?」

人識「あの女、昔どっかであったことがあるような気がすんだよな……」

いーちゃん「そうなのか? 鈴無さんは初見だって言ってたが」

人識「ああ。昔というか……未来?」

いーちゃん「は?」

人識「まあ、いいや。忘れろ忘れろ。原作の話だ」

いーちゃん「はぁ……」



477:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県):2012/01/11(水) 15:38:01.31 ID:DJRSFfEO0

いーちゃん「なあ、こっからは二人で回収していかないか?」

人識「どうした、急に?」

いーちゃん「酔っぱらってる人が予想よりも多くて、正直一人で行動するにはかなりの危険が伴ってるんだよ」

人識「さっきのお前みたいにか?」

いーちゃん「ああ。だから、二人で行動すればその危険も和らぐかなって思って」

人識「それだと、単純に俺を保険にしているようにも聞こえるが………まあ、いいぜ」

いーちゃん「本当か?」

人識「ああ。正直お前にだけ回収任せてたら、終わりそうにもねーからな」

いーちゃん「助かるよ」

人識「ただし! 俺がピンチになった時はちゃんと助けろよ! 逆にお前がピンチになった時は助けてやっから」

いーちゃん「ああ。約束する」グッ

人識「おっしゃ。それじゃあ、まずはあそこから行ってみっか!」スッ


一里塚「」



483:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県):2012/01/11(水) 22:17:40.87 ID:YQvYomTN0

いーちゃん「一里塚さんか……」

人識「見た感じ地味で大人しそうだし、仮に酔っぱらってたって、そんな暴れたりはねーだろ」

いーちゃん「むやみやたらにフラグ立てんなよ……」

いーちゃん(まあ、一里塚さんなら大丈夫かな? もう大人だし、結構常識人だし。もしかしたら回収の手助けをしてくれるかもしれない)

いーちゃん「おし、零崎任せた」

人識「何で、俺よ!?」

いーちゃん「ぼく人見知りだから」

人識「嘘つけよ! つーか、あれお前の知り合いだろうが!」

いーちゃん「いや~、知り合い相手でも緊張するよね」

人識「だから、嘘つけよ! お前終始、一切緊張なんかしてねーだろ!」

いーちゃん「いや、本当に緊張してんだよ?」

人識「無表情で言われても説得力ねーんだよ……」

いーちゃん「頼む。お前が気を引いてる間に酒瓶回収しとくからさ」

人識「……ちっ、わぁたよ。ただし、さっさと回収しろよ」

いーちゃん「ああ。そっちも頼んだぞ」



484:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県):2012/01/11(水) 22:28:04.88 ID:YQvYomTN0

人識(行くぞ―――)スッ

いーちゃん(ああ、分かってる―――)スッ

人識「おおい、一里塚……だっけか? 飲んでるか?」

一里塚「」

人識(ん?)

いーちゃん(あれ?)

人識「おい。聞いてんのか?」ポンッ

一里塚「」ユラァ

人識「!?」ビクッ

いーちゃん「」ダッ

一里塚「」バタンッ

いーちゃん・人識「?」

一里塚「Zzz……」

人識「ね、寝てる?」

いーちゃん「そうみたいだね」

人識「見た目も地味だけど、酔っぱらった後のキャラも地味だな……」

いーちゃん「ひかりさんに頼んで毛布持ってきてもらおうか」カチャ プルル スイマセン

人識「てかお前、この女が動き見せた途端真っ先に逃げやがったよな……?」

いーちゃん「気のせい気のせい」



485:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県):2012/01/11(水) 22:43:57.13 ID:YQvYomTN0

萌太「いいですか、崩子。貴方はまだ未成年なのですからお酒を飲んではいけません」

萌太「法律で禁止されているからとか、健康に悪いからとか理由は色々ありますが、何よりも僕は崩子の事を思っていっているんです」

萌太「未成年の飲酒は、身体的にも、精神的にも悪影響を与えるんだ」

萌太「例えば、具体的に例を挙げるなら二次性徴が遅れたりする。崩子はまだ二次性徴を迎えていないどころか、一次性徴すら終えてないよね。そんな身体でお酒なんかを飲んだら、文字通り身体の成長にすら悪影響を与えてしまうかもしれないんだよ」

萌太「小さい身体の娘の方がいいなんて言う人も世の中に入るけど、そんなのはごく一部にしか過ぎないんだよ。何も背が高くスレンダーになれっていうわけではありません。ただ、崩子には健康的で逞しく育っていって欲しいんだ」

萌太「そして、飲酒がいけないというのは何も健康に悪いからという理由だけじゃなく、むしろ一番に分かってほしいのは精神面の方なんだ」

萌太「勿論、崩子には健康的で、強く逞しく育ってほしいと思ってる。けど、一番強くあってほしいのはここ、心なんだよ」ドンッ

萌太「崩子くらいの歳なら、お酒に興味を持ってもおかしくはない。むしろ当たり前といっても良いくらいです。僕も小さい頃には少なからず興味を持ったものですからね」

萌太「しかし、その誘惑に打ち勝ってこそ、本当の心の強さというものがだね……」クドクド


人識「おい、あいつ掛け軸に向かって喋ってるぞ……」

いーちゃん「萌太くんも未成年なんだけど………飲んでるね、あれ」



486:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県):2012/01/11(水) 22:54:17.65 ID:YQvYomTN0

深空「狐さん、純米大吟醸『天領盃』です」

狐「ん……」チビッ

狐「うむ、やはり純米酒は美味いな」フゥ

高海「狐さん、日本酒の肴に『鰯の青じそ巻き梅風味』などいかがですか?」

狐「ん? そんなものメニューにあったか?」

高海「料理人をおどs―――」
深空「料理人に頼みこみ、作ってもらいました」

狐「ふむ、そうか。それでは頂こうかな」ヒョイ パクッ

狐「モグモグモグ………。うむ、美味い」

深空「本当ですか!」
高海「本当ですか!」

狐「ああ、青じそで魚の臭みが取れており、梅の酸味がいい感じに鰯の旨みを引き立たせている。日本酒にも合うし、最高の一品だ」

深空(狐さんが喜んでるぞ! 日本酒に合う肴を、必死に調べたかいがあったな)グッ
高海(ああ。インターネッツという訳のわからないものを使ったかいがあったな)グッ


いーちゃん「何だかんだで、あそこが一番平和だね」

人識「料理人を脅してるけどな」



487:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県):2012/01/11(水) 23:00:31.17 ID:YQvYomTN0

人識「ていうか、お酒って怖ぇな。ほとんどの奴がおかしくなってるじゃねーか」

いーちゃん「ああ、そうだな……」

人識「? どうした?」

いーちゃん「いや、皆酔うと性格が変わってるだろ?」

人識「ああ、もはやキャラ崩壊の域だがな」

いーちゃん「絵本さんが酔っぱらうとどうなるのか、少し興味が湧いてさ」

人識「………」

いーちゃん「見に行かない?」
人識「断る」



488:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県):2012/01/11(水) 23:11:17.67 ID:YQvYomTN0

いーちゃん「即答だな……」

人識「お前、ただでさえまともな部類に入る二人がああなってんだぞ―――」スッ


崩子「お兄ちゃん、どこれすか~~~~~~~~///」

子荻「崩子ちゃん、むちゅ~~~~~~~~~~///」


人識「元から人格が破たんしてる闇医者が飲んだらどうなるか、想像しただけで恐ろしいわ!」

いーちゃん「いや案外180度回転して、まともになるかもしれないじゃないか」

人識「ねーって! 絶っ対悪化するに決まってる!」

いーちゃん「そうかな?」

人識「どうしても見に行くってーなら、一人で行けよ。俺は絶対に行かねーからな」

いーちゃん「うーん、じゃあぼくだけで行ってくるよ」

人識「おー、死ぬんじゃねーぞ」フリフリ

いーちゃん「不吉なこと言うなよ……」



489:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県):2012/01/11(水) 23:28:28.72 ID:YQvYomTN0

いーちゃん「あ、絵本さーん。飲んでますかー?」

絵本「あ、いっくん。久しぶりだね」

いーちゃん「お久しぶりです。えっと………一人ですか?」

絵本「うん。最初は浅野さんや鈴無さんと一緒に飲んでたんだけど、二人とも、いつの間にかいなくなってって。それからは一人で飲んでたの……」

いーちゃん「あー、そうなんですか」

絵本「ううっ……。やっぱり、あたしと飲んでても楽しくなかったんだわ……。だから……」

いーちゃん「」スッ

絵本「あ、フレンチクルーラー!」パァ

いーちゃん「いります?」

絵本「いる!」スッ

いーちゃん「はいどうぞ」スッ

絵本「……えへ、幸せ」ギュッ

いーちゃん(あれ、意外と普段通りの絵本さんだな……)

いーちゃん「絵本さん、お酒飲んでますか?」

絵本「え? うん。いくらでも飲んでいいよって言われたから、この通り―――」スッ


酒瓶×5 デンッ


いーちゃん「結構飲んでますね……」

絵本「あ、ご、ごめんなさい。調子にのっちゃって……」

いーちゃん「いえ、全然構わないんですけど………絵本さんって、結構お酒強かったりするんですか?」

絵本「う、うん。お酒は結構小さい頃から飲んでて、慣れてるんだ」

いーちゃん「はぁ。小さい頃から……」

いーちゃん(詳しいことは聞かないどいた方がよさそうだな……)



490:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県):2012/01/11(水) 23:45:43.24 ID:YQvYomTN0

人識「何だよ、思ったよりも大丈夫そうじゃねーか」


小唄「ま、まだ……の、めま………」ガクッ

潤「だぁーしゃあーーっ! アタシの勝ちーーーーーーーっ!」


人識「そっちはまだやってたんかよ……」

潤「うん? 何見てんだよ、コラッ!」

人識「別に見てねーよ」

潤「見てただろうが。セクハラで訴えんぞ!」

人識(はぁ……うっぜーのに絡まれちった……)

潤「あん? てめぇ、全然飲んでねーじゃねーか。おら、飲め!」グイッ

人識「わりぃが、俺は酒飲めねーんだ」

潤「あん? あたしの酒が飲めねーってぇのか?」

人識「お前のじゃなくて、酒そのものが飲めねーつってんだよ」

潤「あああ! ノリ悪ぃなーーーっ!」

人識「何でキレ気味よ!?」



491:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県):2012/01/11(水) 23:58:22.58 ID:YQvYomTN0

潤「おーーーーーーっい! 人識の野郎が一気飲みするそうだぞーーーっ!」

\ワーワーッ!/

人識「はぁ!? ちょっと待て、ゴラァ! 飲めねーって言ってんだろうが!」

潤「人識のっ! ちょっと良いとこ見てみたいっ!」


\それっ!/


潤「最初の三回っ!」


\パンパンパンッ!/テビョウシ


潤「もうひとつ三回っ!」


\パンパンパンッ!/


潤「最後に三回っ!」


\パンパンパンッ!/


潤「そーーーーーーーっれ! それっ! それっ!」


\飲め飲め飲め飲め飲め飲め飲め飲めーーーーーーーっ!/


人識「いやちょっと待てって、マジで!」


潤「気合いを入れて、もう一回!」


\それっ!/


潤「最初の三回っ!」


\パンパンパンッ!/テビョウシ


潤「もうひとつ三回っ!」


\パンパンパンッ!/


潤「最後に三回っ!」


\パンパンパンッ!/


潤「そーーーーーーーっれ! それっ! それっ!」


\呑め呑め呑め呑め呑め呑め呑め呑めーーーーーーーっ!/


人識「……おい、ちょっと待てって……」


\飲ーーっめ! 飲ーーっめ! 飲ーーっめ!/パン パン パン


人識「くっそ……。おい、欠陥製品なんとかしろ!」

いーちゃん「飲ーっめ! 飲ーっめ!」パン パン

人識「てっめぇーーーーーーーっ!」



492:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県):2012/01/12(木) 00:06:51.22 ID:R9boVoaL0

\飲ーーっめ! 飲ーーっめ! 飲ーーっめ!/パン パン パン


人識「ちくしょー! わぁーったよ! 飲めばいいんだろ!」ガシッ


\ワーワーッ!/


人識「行くぞ、ゴラァ!」スッ

人識「ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクッ………」


\おーーーーーーーーーっ!/


人識「くはぁ……」フラッ


\おーーーーーーーーーっ!/パチパチパチパチ


潤「何だよ、やりゃできんじゃねーか!」

いーちゃん「おい、大丈夫か?」

人識「う……」

いーちゃん「う?」

人識「うぼろろろろろろろろろろろろろろろろろろぉぉぉっ………」

いーちゃん「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」



493:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県):2012/01/12(木) 00:14:22.88 ID:R9boVoaL0

人識「おぇ………お゛お゛ぉぉぉぉぉぉぉぉぉえ゛ぇぇぇぇぇぇぇ………」

いーちゃん「おい零崎、ここで吐くな! トイレ行けトイレ!」

潤「ぎゃははははは! 吐いてやんの、だっせぇ!」

いーちゃん「ちょ、笑ってないで、手貸して下さい!」

みいこ「ほれ、この袋使え」スッ

いーちゃん「あ、ありがとうございます!」スッ

人識「ゲボロロロロロロロロロロロッ………」

伊織「うあああああああああああああああっん! ひ、人識くんが死んじゃうよーーーーーーーーーーーっ!」ビェェ

双識「おい、ゴラァ! ウチの妹泣かしてんのはどこのどいつじゃあ!」

玖渚「あはははははははははは! 今日は特別に足の指のマタも舐めさせてあげるんだよ!」

軋識「ペロペロペロペロ」

兎吊木「ペロペロペロペロ」

鵜鷺「何で、貴方も舐めてるんですかっ!?」

崩子「お兄ちゃん、どこ~~~~~~///」

曲識「お兄ちゃんはここだよ~~~~~」

出夢「なっ! 妹は最高だよなっ!」

萌太「まあ、ウチの妹の方が何十倍のいいですけれどね」カケジク

絵本「うわぁ、すごいことになってる……」

子荻「一姫ちゃんと玉藻ちゃんにも、むちゅ~~~~~~///」

一姫「きゃあ~~/// やめてくださいよう~~~~///」

玉藻「ゆらぁ~~~~~~りぃ」サッ

一里塚「Zzz……」

鈴無「みぃちゃん、大好きだよ~~///」

みいこ「ああ。そうだな」

狐「随分騒がしいな」

深空「おい、騒がしいぞ! 静かにしろ!」
高海「おい、騒がしいぞ! 静かにしろ!」

ひかり「な、何の騒ぎですかっ!?」ガチャ



494:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県):2012/01/12(木) 00:15:58.53 ID:R9boVoaL0

いーちゃん「ちょっと、皆静かにしてって! 他のお客さんの迷惑になってるよ!」


ガッシャァーーーーーーン! 


いーちゃん「な!? 今度は何?」

想影「」ドンッ

いーちゃん「真心!? ちょうど良かった。助けてくれ!」

想影「なかった………」

いーちゃん「へ?」

想影「本編での出番がなかったーーーーーーーーーーっ!」ガー


ガッシャァーーーーーーーン!


いーちゃん「真心落ち着いて!」

想影「俺様も野球やりたかったーーーーーーっ!」ガシャーン

いーちゃん「ちょっ、誰か止めてーーーっ!」

潤「おっしゃ、任せろーーーーーーーーっ!」バッ


ドガッシャァーーーーーーーーーン! 


ウワー! マキコマレルゾ、ニゲロー! オキャクサマオヤメクダサイ! ペロペロペロ ボウインボウショク! ユラァァ タテモノガクズレルゾー! ギャー、タスケテー!










お・わ・り



元スレ
狐「野球の招待状さ」 いーちゃん「はい?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1321853265/
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         コメント一覧 (15)

          • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年10月25日 18:40
          • よほど弾がないとみえる
          • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年10月25日 20:05
          • かなり懐かしいなぁ
            昔読んだな
          • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年10月25日 20:19
          • また懐かしい、しかも戯言ssを
          • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年10月25日 20:32
          • 果して、はじめて戯言シリーズに触れた人は名前を把握出来てるのか…

            あ、初恋おもろかった
          • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年10月25日 21:42
          • 面白かった
            戯言だけどね
          • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年10月25日 21:56
          • 久々の戯言SSがこれか。まあ、悪くない。傑作だな
          • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年10月25日 22:23
          • ずいぶんと懐かしいSSを…
            だが、こういうのも悪くない
          • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年10月25日 23:48
          • 狐の本名が西東天だと覚えてる人が何人いるか、、、それと、西尾維新お気に入りの三人春日井、萩原、絵本を入れるとはこの作者やりおる。
          • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年10月26日 01:38
          • 予想通りくっさいコメのオンパレードだな
          • 10. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年10月26日 03:19
          • まだ今年の日シリは終わってねーぞ(白目)
          • 11. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年10月26日 16:32
          • 最新刊の『人類最強の初恋』は正直微妙だったかな〜。
          • 12. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年10月26日 18:56
          • 十全ですわ。
          • 13. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年10月27日 10:29
          • 重畳
          • 14. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年11月20日 12:32
          • 懐かしいなあ。たまに曲識のキャラと木の実がここまで動けるのに違和感を感じたけど面白かった。
          • 15. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年11月28日 10:50
          • 懐かしすぎんよ

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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