胎児「とっとと出せやコラァ!」妊婦「まだ早いっての」
- 2015年08月13日 17:10
- SS、神話・民話・不思議な話
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─ 自宅 ─
夫「じゃ、ボクは行ってくるけど……」
夫「あまりムチャしちゃダメだよ。お腹に赤ちゃんがいるんだから」
夫「買い物とかは、メール入れといてくれればボクがやるし……」
妊婦「ありがとう、あなた」
妊婦「お腹の中の子も、あなたの優しさには感謝してるわよ」ナデナデ…
夫「ハハハ、そうだと嬉しいね」
夫「それじゃ行ってくるよ」バタン…
夫がいなくなり、妊婦は家に一人きりになった。
いや──二人きりになった。
妊婦「…………」
妊婦「さて、と」
妊婦「もういいんじゃない? パパは出かけたし、そろそろ無礼講でいいわよ?」
すると──
胎児「とっとと出せやコラァ!」
胎児「このせまっくるしいところから、出しやがれェェェェェッ!!!」
妊婦「まだ早いっての」
胎児「なにが早いだ!」
胎児「こちとらもう、いつ誕生日(バースデイ)になったってかまやしねェ!」
胎児「この腐りきった羊水の中でチャプチャプやんのは飽きちまったんだよォ!」
妊婦「ダ~メ」
妊婦「まだアンタには、社会の荒波は三ヶ月早いわ」
妊婦「ビッグウェーブに飲み込まれ、哀れ土左衛門になるのがオチよ」
胎児「クソがァァァァァ!!!」
胎児「だったら……自分で出てやるよ」
胎児「いいんだな? マジでやっちまうぞ?」
胎児「テメェのボテ腹がR-18なグロ画像になってもいいんだなァァァ!?」
胎児「『世界初、胎児がセルフ帝王切開』なんてニュースになっちまっても」
胎児「後悔しねぇんだなァァァァァ!!?」
妊婦「どうぞどうぞ」
妊婦「やれるもんなら、やってみなさい」
胎児「クソババア~、その余裕ヅラをすぐに青ざめさせてやっぜェ~~~~~!」
胎児「オラァッ!」
ドゴォッ!
胎児「ドリャアッ! ダラァッ!! セイヤァッ!!!」
ズドォッ! ドズゥッ! ボゴォッ!
重さと速さを兼ね備えた打撃が、次々叩き込まれる。ところが──
妊婦「ふむふむ、正拳突き、肘打ち、前蹴り、上段回し蹴り、か」
妊婦「もう瓦の数枚くらいなら、割れるかもね」
妊婦「だけど……私のお腹を突き破るにはまだまだだけど」クスッ
胎児「くそォォォォォ!!!」
ボゴォッ! ドゴォッ! ズドォッ! ドズンッ! ドムゥッ!
妊婦「お、お、お、なかなかいいリズムよ。ほらワンツー、ワンツー」
胎児「ちくしょう、ビクともしねぇ……」ハァハァ…
妊婦「あらあら、もう音を上げたの?」
胎児「ケッ……飽きた」ゴロン…
妊婦「じゃあ、アンタが落ちついたところで買い物にでも行こうかしら」
胎児「買い物ォ~!?」
胎児「お袋ォ……テメェ、買い物とかはしなくていいっつわれてただろうが!」
妊婦「人間、するなっていわれると、したくなっちゃうものなのよ」
妊婦「あと私のことはママと呼びなさい。赤ちゃんらしく」
胎児「だれが呼ぶか!」
─ 町 ─
おばさん「あら、こんにちは~」
妊婦「こんにちは」
おばさん「ずいぶんお腹もおっきくなって。もうどのぐらいになるの?」
妊婦「七ヶ月です」
おばさん「あらぁ~、じゃあもうじきねぇ」
おばさん「可愛いお子さんが産まれるといいわねぇ~」
妊婦「……ええ」
妊婦(見た目はともかく、性格が可愛くないってことはもう分かってるんだけどね)
井戸端会議を終え──
妊婦「ふぅ~、あの人と話すと時間食っちゃうのよね」
妊婦「決して悪い人じゃないんだけど……」
妊婦「ところでアンタって、こういう時はなにもしゃべらないわよね」
妊婦「えらいえらい」ナデナデ…
胎児「ケッ……胎児ナメんな。TPOくれェわきまえてるぜ」
妊婦(TPOなんて言葉、どこで覚えたんだか……)
妊婦「──あら?」
不良「とぼけんなよ。さっき見てたんだぜ? テメェがコンビニで金下ろすの」
不良「なにも全額よこせってワケじゃねえんだ。ちょっと分けてくれりゃいいんだよ」
メガネ「うう……」ジリ…
手下A「とっとと出しちまえよ、痛い目あわされたくねぇだろ?」
手下B「メガネ割られてえのか? あ?」
三対一でカツアゲを行う不良グループ。
妊婦「……しょうがないわねえ」
妊婦「あなたたち、やめなさい! おまわりさんを呼ぶわよ!」
不良「だれだァ!?」クルッ
不良「────!」ハッ
不良「チッ、妊婦かよ……命拾いしたな。行くぞ、おめぇら!」
手下A「へ、へいっ!」
手下B「くそっ、アニキが女……特に妊婦には優しくて幸いしたな!」
メガネ「…………」ホッ…
妊婦「さ、あなたもすぐに人通りの多いところに行きなさい」
メガネ「ありがとうございます……!」
胎児「…………」
胎児「おいちょっと待てや! カツアゲしてたクソガキどもォ!」
妊婦「え」
腹の中から、胎児が不良たちに怒鳴りつける。
不良「な、なんだァ!?」
胎児「…………」ニヤ…
妊婦「ちょ、ちょっとアンタ──」
胎児「人様の金をぶんどるダニ野郎が、なァ~に妊婦だからって情けかけてんだよォ!」
胎児「女子供にゃ手を出さねェってかァ? ハッ、笑わせやがる!」
胎児「ちょいとばかしフェミニスト気取ったところで」
胎児「テメェが社会のゴミクズに過ぎねぇってことはなんも変わりねェんだよォ!」
胎児「どんだけデコレーションしようが、クズはしょせんクズなんだよォォォ!!!」
不良「……な」
不良「ンだと、コラァ!」
妊婦「いや、今のは私じゃなくって……」
胎児「悔しいか? テメェみてえなカスでもいっちょまえに恥は知ってるってか!?」
胎児「悔しかったらよォ……」
胎児「そのボテ腹ドツキ回して、流産させてやろうかくれぇのこといってみろッ!」
胎児「それともできねェか? できるわけねェよな?」
胎児「テメェはしょせん、ド腐れタマナシ野郎だもんなァァァァァ!」
胎児「妊婦一人暴行できないチキンッ! とっととカーネルに調理してもらえやァ!」
胎児「ヒャ~ッハッハッハッハッハ!!!」
不良「…………」ビキビキッ
手下A「アニキの顔が、耳まで真っ赤になってる!」
手下A「ああなったアニキは、なにするか分かんねぇぞ!」
手下B「し、しかもアニキは空手の有段者! あの妊婦、マジで殺されるぞ!」
メガネ「妊婦さん、逃げてぇっ!」
胎児(クゥ~ックックックック、挑発成功! チョロイもんだぜ)
胎児(これであの不良が、お袋の腹を蹴り飛ばしてくれれば──)
胎児(もしかしたら、出られるかもしれん!)
胎児(バカとハサミは使いよう……やったれ、不良ッ!)
不良「俺をこんなに怒らせたのはテメェだかんなァ……」ビキビキッ
不良「もう女だろうが子供だろうが……妊婦だろうが、関係ねえッ!」
不良「ブッ殺してやるゥゥゥゥゥッ!」ダダダッ
妊婦「…………」
怒りに我を忘れた不良が、妊婦に襲いかかる。
不良「うおりゃあッ!!!」ブオッ
シュバッ!
不良の回し蹴りが、妊婦の腹部に炸裂した。
手下A「うげえっ! モロに入った! やっちまった!」
手下B「アニキが人殺しになっちまったァ~!」
メガネ「…………」
メガネ「い、いや──」
メガネ「当たってない!」
手下A&B「え!?」
不良(今の感触……当たってねえ……!)
不良(いや、より正確にいうなら……“当たったが手ごたえがない”ってところか!)
不良「バカな! 俺の蹴りはバット三本だってへし折るんだッ!」
妊婦「…………」ススッ…
ブオッ! ビュアッ! ヒュバッ!
不良が何度も何度も蹴りを入れるが、妊婦にダメージはない。
不良「ど、どうなってんだ、これ!?」
メガネ「そ、そうか……! 分かったぞ!」
手下A「な、なんだと!?」
手下B「どういうことだよ!?」
不良「うおおおおおっ!!!」
ブンッ! ブオンッ! シュバッ!
妊婦「いくら蹴っても無駄よ。私にはこのお腹があるからね」
メガネ「彼女は、妊婦さん特有のお腹の丸みで、蹴りを捌き、威力を殺しているんだ!」
手下A&B「な、なにィィィィィ~~~~~!?」
手下A「妊婦の弱み、ウィークポイントと思われていたお腹が──」
手下B「まさか最強の盾だったとは……ッ!」
胎児(チッ、少しは使えるかと思いきや、とんだ役立たずだ! ──クソ不良がッ!)
※この妊婦は特殊な訓練を受けています。絶対にマネをしないで下さい。
不良「幾多のヤンキーを血祭りに上げてきた俺の蹴りが、通用しないなんて……!」
妊婦「勝負あったようね」
不良「なんてこった……!」ジリ…
ガシィッ!
妊婦が不良の股間をわし掴みにした。
不良「はぐぅっ!」ビクンッ
メガネ「あそこまでがっつり捕獲されたら、もう逃れる術はないッ!」
手下A&B「アニキが女にされちまうぅぅぅぅぅ!」
妊婦「他人に暴力振るうってことは、やられる覚悟もできてるってことよね?」
不良「お、俺はアンタの子を殺そうとしたんだ……! やってくれ!」
妊婦「……いい覚悟ね」ギュウ…
妊婦「だけど、やめておくわ」パッ
不良「!?」
不良「な、なぜ!? なんで情けをかける!? 俺みたいなクズチキンに……!」
妊婦「あなたなら、きっといい子供を作れるわ」
妊婦「だから……潰さないでおいてあげる」ニコッ
不良「ううっ……」ガクッ…
この完全敗北をきっかけに不良はきっぱりと足を洗うことになる。
後に不良は優秀なキックボクサーとして大成し、手下AとBは漫才コンビとなり、
メガネの少年はこの時目の当たりにした妊婦のお腹のテクノロジーを利用した発明で、
ノーベル賞を取ることになるが──
それはまた別の話。
妊婦「さて……と」ナデナデ…
胎児「!」ビクッ
胎児(このなで方はマズイ! かなり怒ってやがる……!)
妊婦「アンタ、よくもやってくれたわね」
妊婦「おかげで余計な戦いをするハメになったじゃないのよ」
胎児「へ、へへっ、殴る気かい? やってみろ! できるわきゃねェけどな!」
胎児「だって、腹ン中の胎児を殴るってことは自分を殴るってことだからなァ!」
胎児「アンタがドMでもないかぎり、できるわけがねェ!」
妊婦「……どうやらアンタ、自分の母親をちとナメすぎのようね」
妊婦「ぬんっ!!!」
ドムッ!
自分の腹を殴る妊婦。その衝撃は、的確に“胎児だけ”にダメージを与えていた。
胎児「ぐぎゃああああっ! いでええええっ!」メキメキ…
妊婦「私の拳はね、スイカを外から殴って」
妊婦「皮には傷をつけずに“中身だけをジュース”にすることもできるの」
胎児「鬼か、テメェッ!」
妊婦「もう一発いく? それとも謝る?」
胎児「わ、悪かったァ! 許してくれェ! もう二度としないからァァァァァ!!!」
妊婦「よろしい」ニコッ
胎教成功ッ!
─ スーパーマーケット ─
買い物カゴに商品を入れる妊婦。
妊婦「これと、これと……」ゴトッ
胎児「おいおいおいおい」
妊婦「ん?」
胎児「酒買おうぜ、酒」
胎児「スピリタスでパーッとやろうや!」
妊婦「ダメに決まってるでしょ」
妊婦「パパは家ではお酒飲まないし、妊婦はお酒飲んじゃいけないの」
妊婦「だいたい、こんなスーパーにスピリタスなんて売ってないわよ」
胎児「たまにはよォ……酒でも飲んでパーッとやりてえんだよ!」
胎児「テメェが飲めば、こっちも少しは飲んだ気になれるだろ!」
胎児「分かるだろ、この気持ち!?」
妊婦「お酒は20歳になってから」
妊婦「あと……20年と3ヶ月の辛抱ね」
胎児「ちくしょォォォォォ!!!」
妊婦「じゃあレジに行くわよ」
─ 町 ─
ウ~…… カンカンカン……
あわただしく走っていく消防車。
妊婦「あら? 火事かしら」
胎児「おい! 行ってみようぜェ!」
胎児「火事と喧嘩は江戸の華っていうしよォ!」ワクワク…
妊婦「ここは江戸じゃないけどね」
火災は、ある一軒家で起こっていた。
火の勢いは強く、すでに半分以上燃えてしまっている。
ボワァァァ……!
ザワザワ…… ガヤガヤ……
「すっげえ燃えてる! なんでも火の不始末が原因だとか……」
「うわぁ~、消防車の放水も焼け石に水だな、こりゃ」
「永沢くんちレベルだぜ、これ!」
妊婦「これは……ひどいわね」
胎児「あっちィ~、腹ン中まで火の熱がメラメラ伝わってくるぜェ!」
すると──
「大変だ! 中に子供が一人取り残されてるらしい!」
「なんだって!?」
「全部の出入り口が燃え上がってて、中に入れるような状況じゃないぜ!」
「あそこ、小窓あるけど……」
「バカ! あんなもん入れるの、猫か赤ちゃんぐらいだろ!」
妊婦&胎児「!!!」
胎児「おい!」
妊婦「ええ、分かってるわ」
胎児「猫か赤ちゃんぐらい……これ以上ないお膳立てだわなァ!? フラグだわなァ!?」
妊婦「仕方ない……人命にはかえられないものね」
妊婦「出すわよッ!」バババッ
妊婦が出産体勢に入る。
妊婦「ヒッヒッフーッ!」
妊婦「一時的出産(テイクオフ)ッ!」スポーンッ
へその緒で繋がったまま、一時的に出産された胎児。
胎児「これが外かぁ~」
胎児「正式に出産されたわけじゃないってのが残念だがな」
妊婦「へその緒を延長しといたから、行動半径は50メートルまでオーケーよ!」
妊婦「さぁ、救出(レスキュー)してきなさい!」
胎児「任せときなァ! こちとらやる時はやるんだぜ!」タタタッ
もちろん、すでに二足歩行。100メートルを12秒台で走る。
素早く小窓から侵入し、取り残された子供をレスキューに向かう。
─ 火事の家 ─
ボワァァァ…… ボアァァァ……
少年「ゲホッ、ゲホッ!」
少年「もう逃げられない……ぼくは死んじゃうんだ」
少年「うう……パパ、ママ……」グスッ…
胎児「男がメソメソ泣いてんじゃねえ!」
少年「!?」ビクッ
少年「あ、赤ちゃん!?」
胎児「おうよ! 正確にゃまだ産まれたわけじゃねェけどな! いわば仮免許の身よ!」
胎児「──っと無駄話してる余裕はねェ!」
胎児「つかまりな! とっとと出るぞ!」ガシッ
少年「う、うん」グスッ…
しかし、家から脱出しようというところで──
胎児「……あ」
胎児「この小さな窓……このガキは出られねェじゃん! ──ってこっちのが年下だけど」
胎児「うっかりしてたァ~~~~~!」
胎児「どっ、どうしよォォォ~~~~~!!!」
少年「や、やっぱり、ぼく助からないの……?」
胎児「お、落ちつけ! なにか方法があるはずだァ!」
胎児「なんとかしてくれ、お袋ォォォォォ!」
家の外──
妊婦「ったく、私がそのぐらい考えてないと思ったの?」
妊婦「ふんっ!!!」
ボゴォッ!
妊婦は壁に大穴をあけ、二人を救出した。
胎児「おお……やるじゃねェか、お袋!」
胎児「って壁壊せるなら、最初からやれや!」
妊婦「下手に壁を壊すと、家が倒壊するおそれもあったからね」
妊婦「中にいる子供の安全が保障されてからじゃないとできなかったのよ」
妊婦「このレスキュー、まぎれもなくアンタの手柄よ」ナデナデ…
胎児「ケッ、テメェに褒められても嬉しかねェや!」
妊婦「さ、もう大丈夫よ」
少年「……ありがとうございます!」
少年「赤ちゃんも……ありがとね」
胎児「!」ポッ…
胎児「へっ、ここは熱くてしかたねえ。とっとと腹ン中に戻るぜ!」
妊婦「あらあら、アンタも可愛いとこあるじゃない」
胎児「うっせぇ、黙れ!」モゾ…
胎児はそそくさと胎内に戻っていった。
妊婦「せっかくだから、火事を消しておきましょうか」
妊婦「羊水シャワー!」ブシャァァァァァッ
妊婦は体内から羊水を発射し、燃え盛る炎を消滅させた。
ザワザワ…… ドヨドヨ……
「いつの間にか子供が救出されてる!」
「火も消えちゃったぞ!」
「何が起こったんだ……?」
一連の出来事は、消防士や野次馬にもバレてはいなかった。
妊婦「さ、帰りましょ」
胎児「おう!」
─ 自宅 ─
夫「ただいま~!」
夫「調子はどうだい?」
妊婦「ええ、今日も調子がよかったわ」
妊婦「一人で買い物にも行けたしね」
夫「そうか……それはよかった」
夫「ところで、さっき近所で火事があって、かなりの火の勢いだったみたいだけど」
夫「奇跡的に火が消えちゃったんだってさ」
妊婦「あら、そうなの。私も火の扱いには気をつけなくっちゃ」
──それから三ヶ月後、妊婦が“妻”に戻る日がやってきた。
─ 病院 ─
夫「よく頑張ったね」
妻「ありがとう、あなた……」
おぎゃあ……! おぎゃあ……!
ナース「おめでとうございます、元気な女の子ですよ~!」
産まれたばかりの娘を抱きしめ、笑顔を浮かべる夫。
赤子「おぎゃ、おぎゃ」
夫「ハハハ、かわいいな~! よしよし」
しかし、二人きりになると──
妻「…………」
赤子「…………」
妻「ここから、アンタとの本当の戦いが始まるってわけね」
赤子「そういうこったァァァ!」
赤子「懲役10ヶ月の恨み、たっぷり晴らしてやっぜェェェ!」
妻「あんまり調子に乗ると、また牢獄に叩き込むけどね」
赤子「うぐぅ……」
………………
…………
……
10年後──
胎児であり赤子であった子は、美しく成長を遂げていた。
少女「皆さん、また明日ね~!」
女友「またね~!」
男友「また明日ね~!」
少女「ねぇ、パパ! わたし、また100点取ったの! スゴイでしょ!」ピラッ…
夫「おお、よくやったね」
夫「君はママに似てくれて、ホントよかったよ」
夫「みんなの人気者で、勉強も頑張って、運動もいつも一等賞で……」
少女「そんなことないわ。わたしはパパに似てるのよ。わたし、パパ大好き!」ギュッ…
夫「おいおい照れるなァ」
妻「…………」
少女(もうパパはいないよね……)キョロキョロ…
少女「いいか、お袋ォ! わたしはパパ似だァ! テメェと似てるなんざ反吐が出らァ!」
少女「パパは大好きだが、テメェは大嫌いなんだからな!」
妻「はいはい」
少女「いつかきっと必ず……テメェを超える女になってみせる!」
少女「首ィよぉく洗って……待ってやがれィ!」ギロッ
妻「楽しみにしてるわよ」ニコッ
夫(ふふっ、出産する前からずっと仲がいいなぁ、この二人は)コソッ…
母娘の戦いは、これからも続く。
おわり
転載元
胎児「とっとと出せやコラァ!」妊婦「まだ早いっての」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1432734975/
胎児「とっとと出せやコラァ!」妊婦「まだ早いっての」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1432734975/
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コメント一覧 (16)
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- 2015年08月13日 17:54
- 安定の神話からタグw
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- タイトルで範馬勇次郎かと思ったわ
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- 2015年08月13日 18:07
- むしろ女王も強いメルエムだと思ったわ
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