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男「売られてた奴隷にガチ惚れして衝動買いしてしまった」【後半】

関連記事:男「売られてた奴隷にガチ惚れして衝動買いしてしまった」【前半】





男「売られてた奴隷にガチ惚れして衝動買いしてしまった」【後半】






572:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/04(木) 17:32:36.79 ID:P5vq2mOj0

男「………まったく…」ブツブツ

女兵士「何度もすまないな、さて自己紹介の続きなのだが……」

少女「あ、すいませんまじめに本当の事だけ聞きたいんですけど、ご主人様は王宮に言っていたんですからお城の方じゃないんですか?」

女兵士「むっ?」

メイド「そ、そうです!!若旦那様がナンパやらしょ、娼婦呼び込むやらするわけないですし」

男「……ふ、二人とも……わ、分かってくれてたんだ……!!」ウルッ

女兵士「そうか?女を玩具にして弄びそうな顔をしているが?」ジー

少女「ご主人様はそんな事しないですよ」ニコリ

メイド「……!!」コクコク

男(あ、愛されている!!間違いない俺は愛されている!!ぼ、僕にはまだ帰る場所があるんだ……こんなに嬉しい事はない……!!)ブワッ

少女「………いえ、さっきお二人が外へ行っている間にメイドさんと話していたんですけど、ご主人様の場合ナンパはもとより娼婦なんてお金で女性の体を買うような事はしたくても出来ないし、せいぜい階段の下でスカートを覗いていたとか干してある下着を拝借して憲兵さんのお世話になっちゃうぐらいが関の山って結論が出まして」ウンウン

メイド「だから、うん……事情聴取の憲兵さんとかが妥当かなーと」ジー

男「あれ?理解され尽くしていると断言出来るのに薄ら寒いこの気持ちはなんだろう?」ガーン



573:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/04(木) 17:49:08.69 ID:P5vq2mOj0

男「……はぁ、とりあえずこんな話の初っぱなでいつまでもぐだぐたしてられないし言うけど、この人は用心棒だよ、二人の為に雇ったんだ」

メイド「はい?用心棒ですか?」

女兵士「……なるほど、その手があったか……」ボソッ

少女「……いまなるほどって…」ジー

男「なんでもないよ!!実際この人強いからね!?ほら見てこの腰の剣!!いかにも強そうでしょ!?」

少女「…は、はぁ」

女兵士「腕に覚えがあるのは確かだ、そこは分かってくれ」

メイド「質問して宜しいですか?」ハイ

男「なんだいメイドさん」

メイド「…………身のこなしからして強いのは分かるのですけど……私の方が強いかと」

女兵士「何を言っているのだこの娘は?私の剣術はこの国の正統流派だぞ、その派閥の中でも実力は五指に入ると言われているんだがな、私は」ジー

メイド「はぁ……そうなんですか」キョトン

女兵士「おい!?けっこう凄い事なんだぞ今言ったの!?なんだその反応は!?」

男「いやいや、メイドさんが強いのは知ってるけどさ、用心棒ってことは対人だしね?ちょっとさ……」

メイド「……対人……ぅ…」



574:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/04(木) 18:06:49.25 ID:P5vq2mOj0

少女「メイドさんって人が相手だとダメなんですか?」

メイド「…え、ええ……ちょっと…」

男「昔のトラウマでね、刃物が怖いんだよ」

少女「えっ……そうなんですか…」

メイド「包丁とかはなんとかなるんですけど、それっぽい形の物は持てません」コクリ

男「相手が持ってる場合も一人二人ならなんとかなるけど、それ以上はもうダメだね……まあ、仕方ないんだか」

女兵士「いやいや、ちょっとまて、その言い方だと対人以外ならこの娘は相当強いと言っているように聞こえるんだが……そんな風にはまったく見えないぞ」ジー

男「出来る達人は普段は実力を隠して平凡に見せるって言うじゃないですか、それですそれ」

女兵士「……………なんだ見抜けない私が大したことないと言いたいのか」ギロッ

男「そんなことより話の続きね、つまりさ、ちょっと聞いたんだけどさ、最近屋敷の近くで窃盗団が潜伏してるかもって噂があったんだよ、だから念の為に用心棒雇う事にしたんだよ、おっけー?」

少女「せ、窃盗団ですか……ちょっと怖いですね」

メイド「そんな噂があるんですか……なるほど…」

男(……よし、初めから俺が全部説明しときゃ良かった、俺って嘘つきだなぁ)シミジミ

女兵士「おい!!私の話聞けよぉ!!」ダンダン!!



575:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/04(木) 19:25:35.61 ID:P5vq2mOj0

男「後さ、俺は急な仕事で国外へ行かなきゃならなくなったってものあるんだが」

少女「えっ!?」

メイド「ホントに急ですね、何処まで行くのですか?」

男「南の女王国までちょっとね」

女兵士「おいってば!!無視するな!!」

少女「南の女王国ですか……」ジー

メイド「…………一人で行くのですか?」ジー

男「次は連れてかないよ、国外ってなると二人に構ってられる時間はないし、かなり大仕事だから」

少女「……ぅ…そうですか」ショボン

メイド「………大丈夫なのですか?」ジー

女兵士「………おい、おいってば」プルプル

男「………メイドさんちょっと耳を……実はこの仕事王宮の直々の依頼で……ゴニョゴニョ……」ヒソヒソ

メイド「……二千っ!?ちょ……すごっ…」クワワッ

男「でしょでしょ?だから……終わったらご馳走をだね?……ゴニョゴニョ…」ヒソヒソ

メイド「わかりました、頑張って下さい待ってますので」

男(……よし、こう言っとけばメイドさんは大丈夫、最近金にうるさいからな)ヨシ

女兵士「………」プルプル



577:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/04(木) 19:38:35.26 ID:P5vq2mOj0

男「よし!!それじゃそういう事だから俺は明日すぐに出発する、二人は女兵士んと一緒にここで数日遊ぶなり帰って待ってるなりしててくれ!!いいかな!?」パンッ

メイド「そうですね……どうします?」

少女「ご主人様が居ないのに遊んでいるのもちょっと……」

メイド「……そうですね、では私達は帰って屋敷の方でお待ちしてます」

男「ああ、そう?遊んでてもいいのに」

少女「………ご主人様のバカ」ムスッ

男「……はい?」キョトン

メイド「………」ハァ

男「え?なに?なんで?」オロオロ

少女「なんでもないです」プイッ

女兵士「話聞けよぉぉぉ!!!!おい!!ホントに強いのか力試しするぞ!!納得いかん!!」

男(………めんどくさい人だ)

男「……メイドさん、ちょっと軽く遊んであげて」

メイド「えっ、でも…」

男「いいから、女兵士さんは剣は使わないで下さいよ、彼女はさっき言ったように刃物ちょっとダメなので」

女兵士「素人相手に使えるか!!素手で構わん!!」フンス

男「じゃ、どっか広いところでやってね?」

メイド「……うーん…わかりました」スタスタ

女兵士「ならばこの近くに庭園がある、そこへ行くぞ」ツカツカ

男「俺はちょっと仕事の準備あるから、いってらっしゃい」ヒラヒラ

女兵士「………何故そんな平気そうなのた……自分の使用人が危ないとは思わんのか」

男「やればわかります」



578:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/04(木) 19:47:38.84 ID:P5vq2mOj0

578_1

※画像はあくまでも技のイメージです。

本SSの登場キャラクターと画像のキャラクターとは一切関係ありません。



……………


女兵士「」ピクッ…ピクッ…

メイド「あっ…やりすぎた…どうしよう」ソワソワ

女兵士「…………な、なにが起きた……」ガクガク

メイド「あっ、すごい立ち上がる人は初めてかも…」ヘー

女兵士「……ぐふっ」バタリ

メイド「あっ」

メイド「…………連れ帰って介抱しなきゃ」ヨイショ

女兵士「」グッタリ



581:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/04(木) 20:05:50.33 ID:P5vq2mOj0

………

少女「……ご主人様」

男「ん?あれ、付いて行かなかったんだ?」

少女「はい、ちょっとお話したかったので」

男「うん、そっか……それで?」

少女「ご主人様と街を歩きたかったです、ご主人様お仕事ばっかりでわたしとメイドさんの事ほったらかしなんですもん」プクッ

男「え、あー…ごめん……ちょっと忙しくて」

少女「ご主人様のバカ」プイッ

男「う"っ…いやっ、あのね?ここ今度の仕事終ればたぶんゆっくり出来るからさ!?その時ちゃんと……」オロオロ

少女「…ウソですっ、大丈夫ですご主人様、わたしも…たぶんメイドさんも分かってますから」クスッ

男「え、ええと…」

少女「ちょっと意地悪な事言いたくなっちゃっただけです、だってこの街にだってわがまま言って付いてきただけなんですからホントは文句なんか言えないですし」

男「そ、そんな事ないよ……文句があるならちゃんと言ってくれる方が俺はいい、出来るだけキミとメイドさんには良くしてあげたいんだ」

少女「………そうですか、それじゃ」スッ

男「………ほぁっ!?」ギョッ

少女「…………」ジー

男(近い近い近い近いっ!?ちょっと近づけばむちゅっと唇が触れてまう距離なんですけど!?)ドッドッドッ



582:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/04(木) 20:24:36.63 ID:P5vq2mOj0

少女「………」ジッ

男「ちょ……っ!?ち、近いってば!?」プイッ

少女「ふふっ、やっぱり」ニコリ

男「………んん?な、なにが?」

少女「さっきはご主人様がナンパとかその…娼婦なんて囲わないなんて言いましたけど、ちょっとだけ心配だったんで試してみました」

男「…うっ」

少女「ご主人様は女の子の意思を無視して何かなんか絶対出来ない人です、やっぱりそうでした」

男「………な、なんだかな、ちょっと意地悪じゃなーい?」

少女「ごめんなさいっ、でも確認しておけばこれから心配する事なんかありませんし」

男「心配って……?」

少女「………えと、それはもうひとつ聞きたい事を聞いてから言いますっ……えーと…ご主人様は……その…」モジモジ

男「…………う、うん」

少女「………わたしとメイドさんどちらか必ず片方選んでって言ったら、どうします?」

男「え?それはどういう意味で……」

少女「もちろん女性としてです、ご主人様の本音が聞きたいので」

男「………それは……」



583:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/04(木) 20:33:09.72 ID:P5vq2mOj0

ガチャ

メイド「ただいま戻りました」

女兵士「」グッタリ

男「っ!!お、おかえりメイドさん!!や、やっぱりそうなったかやっぱりねぇーははは…」スタスタスタ

少女「むっ…」

メイド「加減はしたつもりでしたがキレイに決まり過ぎてけっこうダメージあるかもしれないです、どうしましょうか?」

女兵士「………だ、大丈夫…だ……この程度……」プルプル

メイド「あっ、気がついた」

男「……んー…一応医者に見せるか、ちょっとフロントで医者呼んで貰うよ、じゃあよろしく」スタスタスタ

メイド「……?随分と忙しなかったわね、どうかしたの?」キョトン

少女「……メイドさんタイミング悪いです、もっと掛かるかと思ったのに」ムスッ

メイド「はい?」

女兵士「」ピクッ…ピクッ…



585:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/04(木) 20:41:51.33 ID:P5vq2mOj0

…………翌日。

女兵士「………では、我々はお前のこのボロ馬車で屋敷へ……はぐっ…屋敷と向かうとする、お前はそっちの私の馬を使え、大事に乗ってくれ…うぐっ…」グギッ、ビキッ

男「………大丈夫ですか?かなりガタがきてるようですが」

女兵士「失礼な!!私はまだ若いんだぞそんな老人を労るような台詞をんぐっ!?」ビキビキ

男「…………まあ、屋敷へ付いたらゆっくりしててください」

少女「ご主人様はお仕事頑張って下さいね?」

メイド「早めに終らせて帰ってきて下さい」

男「うん、分かってる、そっちも道中気を付けて」



587:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/04(木) 20:59:22.17 ID:P5vq2mOj0

…………

男「………さて、南の女王国まではそうだな……この馬なら一週間って所か、遠いな」サスサス

黒馬「ブルル」トコトコ

男「………いい馬だな、あのバカ王子の愛馬にもひけを取らないんじゃないかお前?」

黒馬「ヒヒン」トコトコ

男「………よし!!お前の本名は分からんが今だけ俺が命名してやる、そうだな……えーとウマゴ(ry

黒馬「パルパルモーン!!」がぶりっ

男「痛っってぇぇぇぇ!?!?放せ!?手を噛むなっつーか乗せてる人の手に噛みつくとか器用だなお前!?」ブンブン

黒馬「……バルル」フンッ

男「……ふーっ…ふーっ…!!分かったよ変な名前はいらないって事な?あー痛ぇ」ヒリヒリ



589:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/04(木) 21:08:40.29 ID:P5vq2mOj0

男「………しかし、ひとりは暇だ、馬とお喋りってなんか悲しい」

黒馬「…………」トコトコ

男「…………はー、誰でも良いから一緒に旅してくんねぇかなー」ウダー


ハーッハッハッハッ!!

男「」ビクッ


ハーッハッハッハッ!!

パカラッパカラッパカラッパカラッ…

男「………このバカっぽい高笑いと蹄の音は…」クルッ


王子「つれないぞ我が友よ!!何故共に旅立ちを始めてくれぬのだ!?やっと追い付いたではないか!!」

白馬「ヒヒーン!!」パカラッパカラッパカラッ

男「なんであんたがここに居るんだよ!!!!」ガビーン

王子「これは異な事を言う!!南の女王国となれば私が行かず誰がゆく!?」クワッ

男「俺だよ!!あんたらが依頼した仕事だから俺が向かうの!!それなのになんで王子まで付いてこようとしてんの!?」



591:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/04(木) 21:20:41.28 ID:P5vq2mOj0

王子「確かに我ら兄妹の依頼でそなたはかの国へ向かっている、しかしだ!!」

男「……なんすか」

王子「私は是非ともそなたと共にかの国の女戦士、その戦闘服を堪能したい!!そなたならこの想い、分かってくれよう!?」キリッ

男「…………………………………………………………………………わかってしまう自分が嫌だ」シクシク

王子「……我が友よ!!」グッ

男「………でも戦士団方へは往かないっすよ王子、あくまでもあの国へ資源調達の交渉に色々回るだけなんで」

王子「……え……?」

男「いや…え?じゃなくて、いかがわしい服きた綺麗なねーちゃんだらけの戦士さま達にはたぶん会わないっす」

王子「見損なったぞ我が友よ!!それでも貴様…それでも貴様は我が同志なのか!?それで良いのかそなたは!!見たくないのか!?」

男「………そんなこと言っても寄り道してる余裕ないっす」フイッ

王子「この馬鹿者が!!それでも貴様は……吾と志を同じくした漢か!?私はそなたの都合を聞いているのではない!!想いの丈を聞いているのだ!!」ウルウル

男「どんだけ必死なんだあんた!?見たいさ!!見たいけど仕方ないでしょ!!これは大事な事なんだから!!」



593:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/04(木) 21:34:00.58 ID:P5vq2mOj0

王子「我が友よ、一目でよいのだ……一目でよいから例のちょっとずらしたらポロリしてしまうというあのブツを…あのブツを拝顔したいと思わぬのか…?」プルプル

男「…………したいですよ」

王子「………我が友よ」

男「…ああ!!貴方の言う通りだ、俺は見たい、例のずらしたらポロリしてしまうといういかがわしいもはや戦闘用じゃねえだろと世界中から総ツッコミされるあの布切れを間近でみて!!あわよくばずらしたいさ!!でもね、でも王子…!!俺は…俺には使命があるんだよ!!あの二人が暮らす……俺達の住む国を何とかしなきゃいけない、奴隷達が無惨にも殺されてしまう悲惨な国を何とかしなきゃいけないって使命があるんだ!!それをおいて……やらなくてはならない使命があるのにそれを置いて欲望に任せてポロリを期待して綺麗なねーちゃんだらけの戦士さま達に逢いに行くなんてこと……誰が赦すんだ!?俺も、故郷で待ってる二人にも!!神様だってそんな事許さない!!だから俺は!!」ブワッ

王子「私が赦す……例え他の誰が赦さずとも……私だけは…!!」

男「……っ…!!…王子…」ハッ

王子「………友よ、逝こう……我らが道を」サッ

男「…………王子…!!」グッ

白馬「…………」

黒馬「…………」



595:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/04(木) 21:55:55.85 ID:P5vq2mOj0

男「ではこうしましょう王子、今から行くのはこの国と南の女王国の国境沿いにある大きな街です、そこにも在中している戦士団の御姉様達は必ずいるはず!!」

王子「うむ、それで?」

男「俺は仕事があるので探してる暇がありません、なので王子……貴方が全力で御姉様達を探して下さい、だいたいの居場所は見当ついてるので大丈夫な筈です」

王子「なるほど、だがひとつ問題がある」

男「なんでしょう」

王子「………どうやって怒られずにずらすかが問題なのだ、我が美男子ぶりを存分に発揮しようと婦女暴行には変わらぬからな、なるべく自然にポロリを誘いたいのだ」キリッ

男「………なるほど……俺は変装でもして軽く暴漢のふりでも王子に頼もうかと思っていたのですが……確かに戦士とはいえ女性だ、乱暴はよくない」キリッ

王子「そうであろう?私もこんな物は用意してあるのだが」スチャ

パピオンマスク「……いくら蝶の化身として身分を偽ろうと行為を致すのは私には変わらぬのだ、出来ることならこんな物は使いたくない」

男「……用意してんのか……まあ、それは良いとして……うーん、そうだな…」

王子「何か策があるのか、我が友よ」スチャ

男「…………そういえば、国境の街の近くに野盗が住み着いてるって話、ありましたよね?」

王子「……ほう?」

男「……ですから……ゴニョゴニョ…」

王子「……ほう?そなたもワルよのぅ、我が友よ」ニヤリ

男「うえっへっへ……若様には敵いませんで…」グヘヘ

…………



612: ◆Ab.sC93XWE:2015/06/05(金) 20:18:32.11 ID:fnAkHu6O0

……数日後。

男「付きました、ここが南の女王国、その入口となる国境の街です王子」トコトコ

王子「ほう……中々賑わっておるようだな」

男「そりゃそうですよ、ここは俺達の国との交易の要ですからね、規模だけで言うなら王都にも負けないですよ」

王子「なるほど……それで我が友よ、戦士団の駐屯地はどの辺りなのだ?」

男「えーと………そこです」ピシッ

王子「なに!?近いではないか!!で、では早速…!!すまぬ我が友よ手綱を頼む!!」スタスタスタ!!

男「……はいはい」スッ

白馬「………」トコトコ

黒馬「……ブルル」トコトコ



タノモウ!!


男「…………」


スタスタスタ…

王子「……おっさんしか居らぬではないか!!謀ったな我が友よ!?」グスン

男「ちゃんと話聞いといて下さいよ、駐屯所は街の入口近くにあるけど連絡員しか居なくて、戦士の御姉様達は普段は在宅待機らしいっすよ、有事の際にのみ戦士団として集まるらしいっす」

王子「な、なんと……ではこの街の女性達はもしかしたら御姉様だと…?」キョロキョロ

男「何人かはそうかもしれないっすねぇ……しかし、なんというかエキゾチックな雰囲気な女の人が多いような」キョロキョロ

王子「うむ……流石は南国という所か……淑やかな娘も良いがこういう色香が充満しているのも……うむ…」キョロキョロ

男「………ここはまだ南国ってほど南ではないですけど……お、お国柄なのかなー?」キョロキョロ

王子「堪らぬな、我が友よ」キョロキョロ

男「ええ、堪りませんでさぁ若様…」キョロキョロ



613:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/05(金) 20:43:53.09 ID:fnAkHu6O0

男「さて、話を戻しますけど、有事の際にのみ集まるって事は何も無ければ御姉様達には逢えないって事なのでございますよ王子」

王子「うむ、そうなるな」コクリ

男「えーですからね、先程通り過ぎた駐屯地は街の入口近くにある訳じゃないですか、そんで、この前言った野盗団が外にあるわけですよ、ええ」

王子「なるほど……要は私がその野盗団を潰して、そやつらを使って……」

男「……………王子様……お声がおおきゅうございます、もっと小声で…」ニヤリ

王子「ふふふ……すまぬな……こんなワルな計らい初めてなのでな……ふふふ…」

男「ちなみに王子、野盗団従わせるって事はつまり力でねじ伏せるって事なんですけど、そっちのほうは大丈夫なんですか?仮にも王族の方を危険な目に会わせる訳にはいかないのでちょっと心配なんですが…」

王子「問題なかろう、十人や二十人程度ならば同時に相手をしても全て切り伏せる自信があるぞ?」

男「相手に手練れがいたらヤバいような気もするんですが……万一でもヤバいなら……」

王子「我が友よ、自らの身を案じて臆していても何も成せぬのだぞ、時には勇気を出して掴み取らねば為らぬのだ」

男「…………そうですか、分かりました……貴方がそう言うのなら」

王子「なに、相手は野盗……所詮武器は持っていても使い方も知らぬ素人達だ、怖れる事はなかろう、そなたの言うように手練れが居ようと変わらぬ、私は剣術でならば負けた事はないからな」フッ

男「なんか妙なフラグ建てるの止めて下さい」



614:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/05(金) 21:11:34.36 ID:fnAkHu6O0

男「それじゃ王子、まずは宿を手配しましょうか、長旅で疲れてるし作戦のほうも俺の仕事も明日からって事で」

王子「うむ、それが良かろう」コクリ

男「ところで王子、宿はやっぱり貴族御用達の高級ホテルの方が良いですよね?俺は安宿にするんですが……」

王子「ん?何故別々にする必要がある?私とそなたの仲ではないか、さみしい事を言うな」

男「えっ?それじゃあ俺も高級ホテルへ!?」

王子「寝る場所など屋根があれば何処でも構わぬだろうに、私は色々ふらついている時にはいつも安宿だぞ、そなたと相部屋ならば尚更無駄にならんではないか」

男「そ、そっすね」

王子「……今宵は二人で語り合うのだ、寝かさぬぞ?」フッ

男「……やだ……そんな……困ります王子……や、やさしくしてね?」キュン

王子「………気持ち悪いのだが…我が友よ」

男「いや、こういうノリをする所なのかなーと」



615:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/05(金) 21:31:22.68 ID:fnAkHu6O0

……夜。

……………

王子「ふむ、では明日は私が野盗達を従わせたら街に一切危害を加えさせぬように騒ぎを起こさせて、戦士団の御姉様達が登場するタイミングを見計らって再び野盗達を懲らしめて御姉様達にそやつらを差し出すのだな?」

男「そうなります、それで騒がせるポイントが昼に見た駐屯所から少し離れたこの辺りにして……」

王子「ふむ、そして野盗達を捕まえたご褒美として……」ゴクリ

男「そうです、回りくどいですが普段は戦士団の御姉様達は普通の格好だし例のずらしたらポロリしてしまうといういかがわしい戦闘服を着ているタイミングでおねだりするしかない…!!」

王子「…………東洋の秘伝、DOGEZAか、果たして効果があるのか…」

男「こっちには野盗を捕まえたという事実がある、なに……何人か居る御姉様達のうちひとりでも「しょうがない坊や……仕方ないから……はい(はぁと)」って反応をしてくれるなら!!」クワッ

王子「御姉様達に乱暴を働くことなくポロリを……!!」クワッ

男「そういう事でさぁ若様……うえっへっへ…」グヘヘ

王子「……今ほどそなたが恐ろしいと思った事はないぞ我が友よ……この策士めが…!!」ニヤリ

男「まあ、そんな訳で王子、明日は王子の実力が物を言います、頑張って下さいね?」

王子「うむ、任せておけ、必ず我らに勝利のポロリを」ビシッ

男「我等に幸あれ!!」ビシッ

王子「では英気を養う為にも休むとしよう」ゴソゴソ

男「ですね、おやすみなさい王子、良い夢を…」フッ

王子「そなたもな、良い夢を…」フッ



617:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/05(金) 21:36:28.36 ID:fnAkHu6O0

カタッ

王子「…………っ…」ピクッ

男「……ん?寝ないんですか王子?」

王子「我が友よ、私の所へ来い」

男「……はい?いや、昼間の冗談ならもうやらんでも……」

王子「違うぞ友よ、どうやら客のようだ」チャキ

男「………へ?」



619:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/05(金) 21:49:36.64 ID:fnAkHu6O0

次の瞬間、突然窓ガラスが破られ何者かが侵入してくる。

反対側の出入口も蹴破られたように突然開いて、複数の影がなだれ込んできた。

男「ちょ……な、なんだ!?」

王子「…………」

突然の事態に反応出来ない男、だが王子の反応は速かった。

窓から入り込んできた一人に即座にレイピアを突き付け、動きを牽制する。

王子「全員動くな、動けばこの者の喉、このまま突き破るぞ」

「………………っ…」

その言葉で襲撃者達の動きは止まる。

王子「どうやら首級はこの者のようだな、何者だ」

「………………くっ……!!」

男「えっ、なに?なんなの!?何が起きた!?」

男はただオロオロしていた。



621:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/05(金) 22:06:43.90 ID:fnAkHu6O0

王子「言え、さもなくば殺す」スッ

男「ら、ランプランプ……!?」ポッ

王子「むっ?」

褐色娘「………くっ…」ジリッ

男「………女の子、だな……」ジー

王子「……………………」ジー

盗賊父「おい!!娘から剣を離せ、降参だ降参……まいった!!」ハァー

盗賊兄「た、たのむ止めてくれ、大事な妹なんだよぉ!!」オロオロ

盗賊弟「な、なんだよ寝込みなら殺れるって聞いてたのにぜんぜんダメじゃねーかよ……!!」

王子「……そなた達、何者だ?言えば剣を引こう」

盗賊「…………盗賊……この街の近くを縄張りにしてる」

男「………盗賊……あー、例の野盗団?」

盗賊父「………団なんてデケェまとまりじゃねぇが……まあそうだ」

王子「とりあえず全員武器を捨てよ、我が友よ、こやつらを縛ってくれ」

男「…お、おう!!」

盗賊「く、くそぉ……」ジリッ



620:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/05(金) 22:02:21.40 ID:TjOX/wmDO

首級ではもう首が飛んでると思うの…
首魁辺りかな?



622:>>620すまん(´・ω・`)勘違いしてた:2015/06/05(金) 22:21:18.34 ID:fnAkHu6O0

………

王子「さて、そなたらが例の野盗だというのは分かったが、何故ここを襲った?」

盗賊父「それは言えんな、言ったら始末されちまう」ペッ

王子「我が友よ」

男「なんでしょう?」

王子「真ん中の男の髪の毛をむしり取ってしまえ、薄いから拷問になるだろう」

盗賊兄「!?」ビクッ

男「がってんしょうち」ブチブチブチ……

盗賊兄「止めろぉぉぉぉぉぉぉぉ!?!?だ、大事に守っているんだや、ヤメテェェェェ!!!!」ジタバタ

盗賊弟「あ、兄者ァァァァ!!!?」

盗賊父「て、テメェこのクソ野郎!?よ、よくも息子のウィークポイントを!!」

王子「さあ!!ハゲを侵攻させたくなくば洗いざらい話してもらおうか!!取り返しがつかなくなるぞ!!」

盗賊兄「ウワァァァァァ!?!?」ブチブチブチ

男「男には容赦しねぇぞ、命狙われてるしな」ブチブチブチ



625:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/05(金) 22:40:29.90 ID:fnAkHu6O0

ハゲ「……うっ………ひっく……ぐすっ……」メソメソ

王子「強情な奴らだ、波平にされても何も言わぬか」

盗賊「………兄貴の髪の毛なんかいくらむしられても何も話すわきゃねぇだろ」

盗賊父「……おお…息子よ、ワシより禿げてしまうとは可哀想に…」クッ

王子「………その強情、いつまで持つかな?我が友よ端の少年をモヒカンベッドにしてやれ、ハサミと理容道具は私が持っている」

男「がってんしょうち」チョキチョキ

盗賊弟「止めろぉぉぉぉ!!!!今のナチュラル無造作ヘアーは彼女気に入ってんだよぉぉぉぉ!?!?も、モヒカンなんか嫌だァァァァ!!!?」ジタバタ

男「彼女持ちだと?生意気な小僧め」チョキチョキ

ハゲ「いいぞもっとやれ!!そんでフラれろこの愚弟が!!」ペッペッ

王子「さあ吐け!!誰の差し金だ!?誰を狙った!!」

盗賊「………さっきからなんで髪の毛ばかり拷問するんだ」



630:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/05(金) 22:55:55.47 ID:fnAkHu6O0

モヒカン「………あ、あんまりだぁ……!!」ウルウル

ハゲ「……へっ、ざまあねぇな弟よ」ケッ

盗賊父「……む、息子達よ……なんと酷い…」

盗賊「兄貴はどっちの味方なんだよ」

王子「…………仕方ない、あまりこの手は使いたくなかったのだが」ジリッ

男「……お、王子?まさか女の子に拷問を……?」

盗賊父「………!!おい、頼む!!娘だけは、娘だけは止めてくれ!?」ジタバタ

盗賊「………くっ…」

王子「……盗賊の娘よ、我が美貌に免じて全てを語ってくれぬだろうか?さあ……その可愛らしい唇で真実の愛と共に…」スッ

盗賊「死ねよ気障野郎」ペッ

王子「…………」

男「……お、王子?」


王子「……………」スタスタ






王子「……………」ショボーン

男「あっ、傷付いてる」

盗賊「なんなんだコイツ」



631:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/05(金) 23:09:30.20 ID:fnAkHu6O0

王子「…………」チョイチョイ

男「はいはい?うん、ふむふむ?」コクリ

王子「…………」コクリ

男「えー、それでは王子に変わりまして、わたくしが尋問を勤めますので、はい」ペコリ

盗賊父「………ちっ…何も話さねぇぞ」

男「まあまあ、それは俺の話を聞いてから判断しようぜおっさん?」

盗賊父「…………」

男「…………とりあえずノリで拷問ごっこしてたが、俺にはだいたいの検討は付いてる、それの確認作業ってだけだ、素直に話してくれたら解放する」

盗賊「…………あん?」ギロリ

男「そう睨まないでくれ、盗賊とはいえ女の子に酷いことはしたくない、その家族にもな」

盗賊「………ちっ…」

ハゲ「十分ひでぇよ!!返せよ、髪返せよ!!」ウルウル

モヒカン「ごっこでこんな頭にされてたまるかよ!!バカヤロォ!!」シクシク

男「うるせぇな、お前ら命取りにきてんだろ?返り討ちにあって加味だけで済むなら儲けもんだろうが」



634:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/05(金) 23:27:46.20 ID:fnAkHu6O0

男「……さて、そんじゃ確認なんだが、殺そうとしたのは俺の方だな?たぶん人相書きでも渡されてんだろ」

盗賊父「………ぐっ…」

男「図星か、それじゃ……以来主は正体不明で、何処の誰か分からんが俺を殺せば金払うってのだけ約束されたとか、そんなとこだろ?」


モヒカン「…お、お前何者だ…なんでそんなの…」

ハゲ「おい!!話すなバカ!!」

男「………当たりっぽいな、よし……予測通り」

盗賊「……なんでそう思う?」

男「ん?ああ……王子さまを狙ったにしちゃ、変だからな……只の物取りならこんな安宿に泊まってる奴なんか狙ったりしないし」

盗賊父「……さっきから言ってるが……王子って誰が……」

王子「私の事だが?この国の隣国である王国の第一子だ」

盗賊父「…っな!?傾国の剣士!?」

盗賊「えっ!?あ、あの誰も敵う奴が居ないって噂の…」

ハゲ「ま、マジかよ……どうりで…」

モヒカン「……オレらが敵うわけねぇじゃんそんな奴……」

王子「正しく傾国の美男子だ!!私は剣士を名乗った事などないぞ!!」バッ

男「……まあ、ここ隣の国だし通り名が歪んで伝わる事ぐらいはするでしょ……それより、やっぱりこの人が王子さまだって事を知らずに襲撃したんだな?」

盗賊父「……あ、ああ……まさか王族の方だとは……コイツはとんでもねぇもん引き受けちまったみてぇだな…」



635:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/05(金) 23:42:56.75 ID:fnAkHu6O0

男「王子、俺に同行するって事、誰にも言って無いでしょ」

王子「うむ、我が妹に「にいさまは現時点ではやることない、遊んでて構わない」と言われたのでな、誰にも言わず黙ってついてきた」コクリ

男「でしょうね、もし王子が同行してるって知ってるなら命なんか狙われてない………狙われるにしてももっと本格的な暗殺者とかが来そうだ」

王子「ほう?何故そう思う?」

男「…………息子の命までは狙わないでしょ、たぶん」

王子「……そういう事か、ふむ……」

盗賊父「お、おい……さっきからなんの話をしてんだ!?」

盗賊「合点がいってるなら解放しやがれ!!おい!!」

男「………まぁ、一人旅してる商人一人なら、野盗にでも襲わせて殺した方が自然で怪しまれないからな……コイツらが俺狙いってのは妥当か……王子がいなけりゃ死んでたなこりゃ」ゴクリ

王子「……すまぬ」

男「いや、礼を言うのはこっちですよ王子、助かりました」

王子「そういって貰えると助かる……だが、何故そなたの行き先が……」

男「…………そこまではちょっと」ウーン

盗賊「………だ、だから解放しろってば…」



648: ◆Ab.sC93XWE:2015/06/06(土) 16:00:47.55 ID:vrmA+mFv0

男「さてと、そんじゃ最終確認なんだが………依頼主が何処の誰か分からんわりには口が固いが………理由は?」

盗賊「………ぐっ……」

モヒカン「……じ、実は………」

ハゲ「おい黙ってろ!!」

王子「貴様こそ黙っていろ、情けで残した最後の一本、無駄にしたいのか」ジロリ

ハゲ「!?」ビクッ

盗賊「……むしろ一本残ってる方が悲惨だろ、一思いにやれよ」クイッ

ハゲ「テメェ妹ぉぉぉぉ!?や、やめてくれ!?これ以上は!?」ブンブン

盗賊父「やめろお前ら、どの道ワシらは失敗してんだ……良いだろう話してやる、だが子供達の命だけは助けてくれ」

王子「約束しよう」コクリ

男「それで、理由は」



651:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/06(土) 16:26:27.65 ID:vrmA+mFv0

盗賊父「だいたいはあんたの推測通りだ……素性の知れねぇ奴にあんたを襲えって頼まれたんだ、用心棒ぐらいは用意してるかもしれねぇが寝込みを襲って一気にカタつけちまえば簡単な仕事だともな」

モヒカン「……ところがどっこい襲撃した瞬間に動きを止められちまったからな……甘かったぜ、たかが商人だと思ってたんだけどな」ケッ

ハゲ「こんなかじゃ妹が一番つえぇしな、その妹をあっさり抑えられたんじゃどうしよもねぇ」

盗賊「……ちっ…!!」プイッ

盗賊父「話を続けるが………こっからがワシらも辛ぇ所なんだが………末の娘を人質に取られちまってんだよ……あんたの命と交換だってな」

男「………その話、マジかよ」

ハゲ「そうでも無きゃ人殺しなんざやろうとするかよ!!おれらは盗賊一家だが殺しはやらねぇって死んだママに約束してんだよ!!」

モヒカン「そうだそうだ!!でもよ、ママとの約束は大事だけどよぉ!!妹捕まってたらそんなの言ってらんねぇだろ!?」

王子「………ふむ、嘘をついているようにも見えぬが、どうする我が友よ」

男「………え?ああ…そうだな……」

盗賊父「どっちにしろワシら家族はおしまいよ……このままお縄になっちまえば全員縛り首だ、末の娘もろともあの世行きだろうな」

盗賊「…………」ギリッ



652:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/06(土) 16:46:41.28 ID:vrmA+mFv0

盗賊父「ああ……チビ…すまねぇ不甲斐ないオヤジで……」チラッ

ハゲ「………ん?ああ……、ちくしょうまだ末の妹は十歳なのに……このままじゃ……」クイクイ

モヒカン「え?おおっ…!!そ、そうだまだこーーんなチビすけでおれらと違って悪さもしたことない良い子なのに……うう……」ツンツン

盗賊「あん?下手な芝居してねえで直接言えよ、おいあんた達、人が良さそうな面してるしオレらの妹助けろ、そこの気障野郎メチャクチャ強いんだろ」

盗賊父「ちょ!?ええいこのバカ娘が!!もっと同情を誘うように下手にいけってんだ!!」

ハゲ「か、顔はママにそっくりで美人なクセにこの男女!!」

モヒカン「口悪すぎなんだよ!!バーカバーカ!!」

盗賊「黙ってろマザコン共、そんで?やってくれんの?」

男「………うーん、幼少時のメイドさんより男勝りだな、王子はどう思います?」

王子「うむ、構わぬぞ?命は狙われたが見かけほど悪人にもこやつらは見えぬし、何より幼子を盾に取るような輩、許しておけぬからな」

盗賊「……よしっ、話は決まりだな?だったら案内するからオレらの縄を……」

男「あ、それは無理、まだ適当な事を言って逃げ出す算段立ててる可能性もあるから」

盗賊「なっ!?て、テメェ…」ギリッ

男「当たり前だろ、こっちは死ぬとこだったんだから」ハァ



653:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/06(土) 17:14:03.91 ID:vrmA+mFv0

男「えーと、それじゃ盗賊妹ちゃん救出にあたってなんだが、俺を殺した後の待ち合わせ場所を教えてくれ」

盗賊父「ワシらのアジト……ってか家だな、そこでワシらが帰ってくるのを娘と一緒に待ってる筈だ」

男「人数は?」

盗賊父「……一人だ、だがとんでもなくつえぇ、四人がかりで傷ひとつつけらんなかったからな」

ハゲ「………そんで、俺達を軽くあしらったと思ったら剣を妹に突き付けてよ、日の出までにあんたを殺して戻ってこいって、そしたら妹は返すし報酬もやるって……」

モヒカン「立派な黒馬を連れたひょろっとした若い商人って事だったからすぐわかったぜ、貴族でもないのに立派な馬持ってるのは珍しいからな」

男「………黒馬…?………」

王子「どうした、我が友よ?」

男「……いや、今はまだいいや……それじゃ王子、今夜中に一仕事お願いします、場所はわかったしすぐに出発しましょう」

王子「うむ、こやつらはどうする?」

男「……………うーん、一番すばしっこいのは?」

ハゲ「………」チラッ

モヒカン「……」チラッ

盗賊父「……」チラッ

盗賊「……オレだけど」

男「じゃ、キミだけ一緒に来て、残りはここで待ってろ、いいね?」

盗賊父「………仕方ねぇ、頼んだぞ娘」

盗賊「………わかった」



657:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/06(土) 21:15:21.23 ID:vrmA+mFv0

………

男「………さてと、それじゃ今から向かうけど救出の段取り決めとこうか」

黒馬「…ブルル」トコトコ

盗賊「段取りってぇと?」

王子「人質がいる場合盾にされるといくら私が強かろうと身動き出来ぬからな、油断させるなりなんなり方法を考えねばならぬ」

白馬「ヒン」トコトコ

男「そういう事」

盗賊「……ふーん?……っとと?!」グラッ

男「しっかり捕まってろー?」トコトコ

盗賊「………クソ……なんでこんな野郎にしがみつかなきゃ…」ギュー

男「…………!!」ピクッ

盗賊「……あんだよ」

男「……思ったよりあるな……C…いやDか?」ブツブツ

盗賊「ああ?なにいってんだコイツ」

王子「まことか我が友よ、おい盗賊の娘、我が友と相乗りが嫌なら私が乗せるぞ?」キリッ

盗賊「あんたの方がやだ、ナルシストの気障野郎とか一番ムカつく男なんだよ、こっちのモヤシの方がなんぼかましだ」ギュー

男「お、おおぅ…?」オロオロ

王子「……………」ショボーン



658:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/06(土) 21:31:16.54 ID:vrmA+mFv0

男「……え、えーと、段取りなんだがとりあえず俺の意見を聞いてくれないか?」

盗賊「ようは油断させりゃ良いんだろ?だったら殺す予定だったんだしお前捕まえたふりして近づきゃ良いんじゃねえの?」

男「……それじゃちょっとな、なんで連れてきた殺せといっただろーとか、そんな展開になったら盗賊ちゃん上手く言い訳出来る?」

盗賊「……ちゃん付けすんじゃねぇよ、言い訳なんか簡単だろ、妹をこっちに渡したらすぐ殺すから早く帰せーとか」

男「……それが通用するなら良いけど、たぶんダメだろな、だからここはまず俺が囮になって前に出るから、盗賊ちゃんが隙を見て妹ちゃんを助けて、そんで王子が横から不意打ちを……」

王子「ダメだな、それも上手く行くとは思えぬ」

男「……えっ、王子?」

王子「今回のような人質がいる敵の場合、如何にして相手と人質を引き離すかが問題になってくる、相手は手練れだというし囮になっている我が友を一瞬で切り殺す事も考えねばならん、それではリスクが大きいだろう」

男「……は、はぁ……あ、あれ?王子がまとも……」

王子「戦いに関しては私は馴れておるからな、そなたの素人の浅知恵よりかは役に立つであろうよ」ニヤリ

男「………う、うーん……まあ確かにそうなのかも?」



660:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/06(土) 21:42:21.58 ID:vrmA+mFv0

男「……それじゃ王子はどうお考えで?」

王子「囮には私がなろう、なに……任せておいてくれれば上手くやってみせよう」

盗賊「……ホントに大丈夫なのか?」ジトッ

王子「大丈夫、そなたの妹は必ず助けてやる」ニコッ

盗賊「……………ふん…」プイッ

男「……あのー王子?俺は何をすれば…」

王子「むっ?そうだな、我が活躍を見物し後世に伝える為の書をしたためておいてもらえると助かるのだが」

男「…………つまり、どっかでかくれて見てろと」

王子「うむ」コクリ

男「……………な、なんていうか……無能だなおれ…」ショボーン

盗賊「弱そうだと思ったけどマジで弱いのかよお前」ジー

男「………俺は頭脳労働派なんだよ」

盗賊「その頭脳労働でも出る幕なかったじゃねぇかテメェは」ジー

男「……………」ショボーン

王子「我が友をあまりいじめないでくれ、娘よ」



661:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/06(土) 21:51:33.77 ID:vrmA+mFv0

…………

男「……ここか、わりと近かったな」ガサッ

盗賊「近くて見つからねぇ場所ってのが盗賊のアジトのセオリーだろ、街から遠いと盗みに行くのがめんどくせぇんだからよ」コソコソ

王子「よし、では盗賊の娘よ………私が惹き付けている間に中へ入り妹を助けだせ、良いな?」

盗賊「…………」コクリ

王子「我が友はここで紙とペンを武器にありのままをかきつらねてくれ、頼むぞ」

男「がってんしょうち」スチャ

王子「………よし、参る!!」スチャ



662:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/06(土) 22:16:27.45 ID:vrmA+mFv0

『伝記、傾国の英雄譚第一章十七節「南国に月夜に蝶が舞う」より』

ーーー彼の者、その身を蝶の如く羽ばたかせ月夜の闇の中より空へと舞い上がる。

月の憐光を浴び耀く四肢はしなやかでいて、軽やかに舞う。

ーーーそれはまさに蝶であった。

素顔を蝶の羽で包み込み、南国に咲く華を求めて月夜を舞う蝶の如く揺らめいて。

美貌の剣士にして、傾国の勇者にして、後の世の英雄となる者は……

その夜に蝶となった。



663:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/06(土) 22:25:02.49 ID:vrmA+mFv0

パピオンマスク「バタフラァァァァァァイ!!!!」ピョーン

男「」

盗賊「」

パピオンマスク「出てくるがよい盗賊共よ!!今宵、蝶の化身たる我が成敗してくれよう!!出てくるのだ!!」ピョーン

盗賊「……おい、あれ…」

男「しっ、見ちゃいけません子供は見ちゃいけません!!」ブンブン

パピオンマスク「ここがアジトだというのは蝶達が教えてくれておる!!さあ盗賊共よ我が蝶剣技に魅了されお縄につけぃ!!」ピョーン

盗賊「………うわぁ…うわぁ……なんでしかも上半身裸になってんだよ…うわぁ…」

男「しっ、見ちゃいけません女の子はあんなもん見ちゃいけません!!」ブンブン



664:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/06(土) 22:33:10.78 ID:vrmA+mFv0

ガチャ

パピオンマスク「……むっ…!!出てきおったか」ピョーン

男「……………ん?あいつは…」

盗賊「アイツだ……アイツがひと人質にしてオレらに命令したやつだ」ガサッ

男「…………」

パピオンマスク「……そなた、何故ここにおる?」

近衛「………おや?王子殿下ではないですか、どうしてこのような所へ?」


男(…………王宮にいた近衛兵じゃねぇか……俺をふんじばった奴……)

パピオンマスク「私は王子ではない、正義の蝶……パピオンマスクだ」チャキ

近衛「……どう見ても王子殿下ではないですか、まあ……それは良いですが」



666:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/06(土) 22:42:38.88 ID:vrmA+mFv0

パピオンマスク「質問に答えて貰おう、そなた……何故ここにおる?」

近衛「休暇でバカンス……という言い分は聞いては貰えなさそうですな?」

パピオンマスク「無論だ」

近衛「………では正直にお話致しましょうか、あの殿下の御友人れ彼を始末するのに色々手を打っておりまして」

パピオンマスク「………貴様…」

近衛「まぁ、お怒りになられるのも無理はありませんでしょうがね、殿下よお聞き下さい……いつまでバカな真似をしているつもりでございますか?貴方は次期国王なのです、お戯れはそろそろ終わりにして陛下と想いを同じくして頂けませぬか?」ハァ

男(……………っ……)ギリッ

盗賊「…お、おい……まだ行かなくて良いのか?話してる最中なら……」ヒソヒソ

男「……ちょっと待ってろ」ボソッ



667:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/06(土) 23:08:36.65 ID:vrmA+mFv0

パピオンマスク「………」スチャ

王子「……………私は私の道を歩む、父の覇道とは交わらぬ道をな」

近衛「……やれやれですな、陛下のお心も理解なされようとしないとは」

王子「………ひとつ聞こう、そなた……我が妹の直属の近衛兵の筈ではなかったか」

近衛「その通りでございます、殿下」

王子「我が妹を謀るつもりか」

近衛「いいえ、御乱心なさっておられるのは両殿下だけでございますゆえ」ペコリ

王子「………!!」

近衛「………話はこれくらいで良いでしょう殿下、陛下は国への謀叛など決して赦したりしない、そういう事です」

王子「………だから我が友をも亡き者にせんとするか、父へ意見を言っただけに過ぎぬ一介の商人でしかない我が友を」

近衛「お父上のやり方はご存じの筈でしょう王子殿下……」

王子「………国への謀叛は許さぬと言ったな、ならば……私も[ピーーー]か?」チャキッ

近衛「さて、そこまではわたくしには分かりませぬが……まあ、子など孕ませれば産まれるものでございます故、不出来ならば捨て去るのも王たる務めではございませぬでしょうか?」

王子「…………………そうか…」



669:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/06(土) 23:22:20.10 ID:vrmA+mFv0

王子「………ところでそなた、私が居ることを知っておったのか?」

近衛「……いいえ、まさか殿下が同行しているなどと思いませんでしたが」

王子「……ふむ、そうか………」スッ

男「………」ガサッ

近衛「……おお?なんだ、あの盗賊共まるで役に立たなかったようですな?」

男「王子様のおかげで無事ですよ、この間はどうも」

盗賊「おい!!こっちは助けた!!もう大丈夫だぞ!!」ザザッ

盗賊妹「zzZ」 スピー

近衛「……あの小娘……なるほど、盗賊共に泣き付かれてここまで……ということでしたか、なるほど」

王子「何故人質を取るような真似をした?それでもそなた、我が国の兵士か?恥を知れ…!!」



670:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/06(土) 23:37:51.19 ID:vrmA+mFv0

近衛「……恥?汚ならしい盗賊共などどうでも良いでしょう?ましてここは我が国ではない、つまり………皆我等の奴隷のようなもの、どう扱おうが咎められはしない」ジャキッ

男「……あんた、本気でいってんのか」

近衛「無論」ニヤリ

王子「……………そうか……」チャキ

近衛「戦いますか殿下?申し訳ありませんが手加減などしませんぞ、どうせ貴方もこのままならば陛下に…」

王子「………」ヒュッ

近衛「びょ」プシャ

王子「もう何も語るな、そなたののような者は害にしかならぬ」

男「……っ?あれ、もう……?」

王子「うむ、隙間……まあこの場合は眼を狙って突いた、それだけで人は死ぬ」キュッ

近衛「」ビクッ…ビクッ…

男「………殺す必要まであったんですか?」

王子「……………我が父の威光を借りて非道を行う輩だった、害にしかならぬ」



688: ◆Ab.sC93XWE:2015/06/07(日) 19:33:23.92 ID:qavpcwkE0

盗賊「………すげっ……オレらじゃ手も足も出なかった奴なのに……」ゴクリ

王子「………それより、そなたの妹は無事か?」

盗賊「あ、ああ……寝てるだけみたいだ」

盗賊妹「………zzZ」

王子「………そのようだな、よもや既に殺されているかも知れぬと危惧したのだが……良かった」ポンッ

盗賊妹「……う?」パチリ

盗賊「あ、起きたか?もう大丈夫だぞ……良かった」ギュー

盗賊妹「ねーちゃん……?……うー……………………………………?」ジー

王子「うむ、幼いが姉に似て顔は整っておる、将来美人になるぞ」ニカッ

盗賊妹「…………」ジー

王子「む?」

盗賊妹「ねーちゃんねーちゃん、とんでもねぇイケメンが真っ裸でウチに微笑んでるぞ、夢か?それとも殺されてイケメンだらけの天国に来ちまったのか?ねぇ?」クイクイ

盗賊「………だ、大丈夫だ死んでないぞ、それとそいつは変態だから近づくな」

盗賊妹「えー……ここまでイケメンならへんたいでもかまわんけどなー……ねーちゃん男は顔だぞー?」ポッ

盗賊「黙ってろマセガキ、とにかくこの人らのおかげでお前助かったんだ、ちゃんとお礼言えバカ」ゴンッ

盗賊妹「そっかー、そんじゃ……ありがとうございました、お礼の方は身体のほうでいっしょうけんめい気持ちよく……」

盗賊「……ッッ!!//////」グリグリグリグリ

盗賊妹「いひゃいいひゃいいひゃいいひゃい!?ねーちゃんやめへもういわないからごめんなひゃい!?」アウアウアウアウ



690:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/07(日) 19:48:41.72 ID:qavpcwkE0

王子「……うむ、ま、まあ気持ちだけ受け取っておこう、私は幼子は守備範囲外なのでな……」

男「……………」

盗賊妹「ん?こっちのにーちゃんは普通だなー?いや、ひょろっちくて微妙だなー?」

盗賊「黙ってろ」ゴンッ

盗賊妹「あうっ」

王子「……どうした我が友よ、この流れで幼子大好きなそなたがだんまりとは」

男「……王子、こいつの言っていた事が気になるんですよ……」チラッ

近衛「」

王子「…………」

男「メイドさんと少女ちゃんが危ない」

王子「……我が友よ、心配するのは分かるが護衛を付けてあるのだ、ここは……」

男「護衛を任せた女兵士さんはこいつの直属の上司でしょ、それに俺は女兵士さんに黒馬を借りた事を誰にも話してない、つまり……」

王子「彼女も敵だと、そう言いたいのか、我が友よ」

男「………あまり考えたくはないですが……王子と王女の二人以外には俺は宮中で信用できる人を知らない」

王子「…………だろうな、私もこの男が父の側の人間だとは知らなかった」



693:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/07(日) 20:12:38.39 ID:qavpcwkE0

男「……………すいません王子、ここまで来といて何ですけど俺は今すぐ国へ戻ります、頼まれて請け負った事は投げ出す事になってしまうけど……でもあの二人に何かあれば何の意味もない!!」

王子「……待て、我が友よ、落ち着くのだ」

男「落ち着く?無理に決まってるでしょ!?俺はとにかく急いで帰る!!」スタスタ

盗賊「…お、おいなんだ?どうしたんだいきなり?」

盗賊妹「うー?」キョトン

王子「……待てと言っておるのだ!!」ガシッ

男「離してくれ!!今すぐ帰んないと間に合わなくなるかも……」

王子「そなたの屋敷へは夜通し馬で駆けても1週間近く掛かる、とにかく落ち着くのだ」

男「……っ!!」ギリッ

王子「気持ちは分かる、だが……そなたは今自分の命が狙われたから気が動転しているだけだ、よく考えろ……そなたの願い故に護衛を付けはしたが本来あの二人を襲うような輩など居らぬ、そなたの命も我が父からすれば「小者だが念の為」程度の理由で狙われたに過ぎぬのだ、その使用人まで狙う理由が何処にある?」

男「………で、ですけど!!」

王子「………とにかく、一度宿に戻ろう、そして気持ちを落ち着かせよ」ポンッ

男「………くっ…」ギリッ



694:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/07(日) 20:38:37.22 ID:qavpcwkE0

……時は遡り、王都で別れた直後。


ゴトゴト

少女「………行っちゃいましたね、ご主人様」ハァ

メイド「うん……そうね」

女兵士「お前達は随分と主人を好いているのだな」

メイド「え、いや、あの、そ…そんな事は…ないですが…」

少女「わたしは好きですよ?優しいですし」

メイド「っ!?」ギョッ

女兵士「………優しい、ねぇ……どうも信じられぬが」ジトー

少女「本当ですってば、女兵士さんの言うような女の敵なんて事は絶対ないです、ちょっとえっちぃ事をずっと考えてるだけで普通の人ですし」

女兵士「………それ、普通…なのか?」

少女「普通ですよ、ねぇメイドさん?」クルッ

メイド「……ち、ちょっとアンタ、この前と言ってる事が違うじゃないのよ!?この前は頭がおかしいから論外とか言ってたのに!!」ヒソヒソ

少女「あんなのメイドさんを素直にさせようとしてついた嘘に決まってるじゃないですか……効果ないので素直に言うことにしました」

メイド「………うぐ…」



696:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/07(日) 20:51:43.39 ID:qavpcwkE0

少女「メイドさんもいい加減素直になって欲しいです」

メイド「………またそれ?いい加減にしてってば……」ハァ

女兵士「なんだ?お前も結局好いているという事か」

メイド「違います!!」ガルル

少女「………意地っ張り」ボソッ

女兵士「………好きな相手が居るなら素直になっておいた方が良いぞ?」

メイド「だ、だからそういう訳ではないって……」ワタワタ

女兵士「………意地を張りすぎるとな……いき遅れるぞ……」ボソッ

メイド「えっ」

少女「…あ、あの……女兵士さん?」

女兵士「男なんか興味ねーし!!なんて言葉……若いから吐けるんだ、そのうち後悔するからやめておけ」ドヨーン

メイド「………えと」ダラダラ

少女「……妙に説得力があるんですが」ゴクリ

女兵士「………」



697:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/07(日) 21:07:41.44 ID:qavpcwkE0

少女「………あれ?」キョロキョロ

メイド「なに?どうしたのよ?」

少女「来たときこんな所通りましたっけ?ずっと大きな街道通って来たのに」

メイド「……あ、ホント……女兵士さん?もしかして道間違えて………」

女兵士「間違えていない、このまま進めば良いのだ」

少女「………えっと、近道とかなんでしょうか?」

女兵士「お前達の屋敷へは戻らん、黙っていたがこれからある所へ一緒に来て貰う」

メイド「………それはどういう……」

女兵士「……ある御方からのご命令でな、悪いが従って貰おう」

少女「………え…?」ギュ

メイド「…………」

…………………

…………



699:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/07(日) 21:19:06.93 ID:qavpcwkE0

…………

盗賊父「おおチビ……よく、よく無事で……!!」ギュー

盗賊妹「うあーあつくるしー、くせー」イヤイヤ

ハゲ「よ、良かった…ホントに良かった…!!」ウルウル

モヒカン「マジで助けてくれたんだな!!ほんっっとにすまねぇ!!」

盗賊妹「おお?にーちゃん達がイメチェンしてんなー?元から不細工だったのになおさらひでー」ウワー

ハゲ「」

モヒカン「」

盗賊「……まあとにかくだ、アンタらには礼を言ってもしたりねぇ、ホントにありがとう」ペコリ

王子「うむ、構わぬよ」



701:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/07(日) 21:41:56.59 ID:qavpcwkE0

盗賊「……と、ところでよぉ……その……オレら盗賊だろ?だからさ……ぶっちゃけこのまま捕まっちまうと全員縛り首だ……命狙っといてあれだけど、その……なんというか見逃してくれると嬉しいなーと…」

王子「私は仮にも王族なのでな……こそ泥と言えど犯罪者をそのまま放置は出来ん」

ハゲ「なっ、なんだとぉ!?そんじゃ妹助けて貰っても意味ねーだろ!?」

モヒカン「な、なんだよそれ……それじゃ何のために……」

王子「人質となった幼子には罪はないからな、それは見過ごせなかっただけの話だ」

盗賊「………ふ、ふざけんな!!こうなりゃ刺し違えてでも逃げ出して!!」ギリッ

盗賊父「まて、落ち着けお前ら……この方は最初に約束してくれてんだ、お前らの命だけは助けてくれるってな」スッ

盗賊「……お、オヤジ?」

盗賊父「子供達には盗賊から足を洗わせる、だがワシは年季が入った筋金入りの泥棒よ………縛り首になるのはワシだけでいい、さぁ王子さまよ……ワシをもう一度縛って何処へなりとつき出してくだせぇ」ペコリ

盗賊「お、おい!?なんだよそれ!!」

ハゲ「すまねぇオヤジ……お、おれ毎日線香上げるからよぉ…」グスン

モヒカン「オヤジの死は無駄にしねぇ!!今日から俺は真人間になるよ!!」ウルウル

盗賊「…こ、この糞野郎共なに簡単に引き下がってんだ!?頭下げてやめてくれぐらいいえよぉぉぉ!?!?」

盗賊妹「あははー、にーちゃん達は根性腐ってるからなー、無駄だぞねーちゃん?」

盗賊「………もうやだこんなクズの兄弟」プルプル

王子「………あー、そのなんだ……」

盗賊妹「イケメンのにーちゃん、ウチとねーちゃんでえっちぃ事色々すっからとーちゃん許してやってくれよー?なー、へんたいなんだったらそそられるだろー?ねーちゃんおっぱいけっこうデカ…いひゃいいひゃいいひゃいいひゃいやめへねーちゃんみみとれりゅ!?」ズキズキ

盗賊「………ッッ!!////ど、どうしてこううちの家族は…!!」ギチギチ



702:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/07(日) 22:03:40.19 ID:qavpcwkE0

盗賊父「……ゴホンっ……すまねぇ王子さま……うちのチビはかーちゃんの影響モロに受けててな、そのなんだ……死んだコイツらの母親は娼婦だったんだ、ぶっちゃけ誰一人ワシの血は引いてねぇ」

王子「ほう?それはまた……どうしてそれでそなたが育てておるのだ、盗賊稼業と誉められた事では無いが男手で四人も引き取るのは覚悟が要るであろうに」

盗賊父「惚れた女のガキ達だ、なんとかしてやりたかったってだけよ……あんたのいう通り盗賊稼業で飯を喰わせても誉められるもんじゃねぇが……」

王子「………ふむ、ならばその罪は償う意思はあるのだな?」

盗賊父「もちろんでさぁ……まだチビが育ちきってねぇのが気掛かりだが……娘に任せときゃなんとかなるだろうしな……こいつは出来が良いもんで」ポンッ

盗賊「………やめろよ、オレはまだオヤジの所を離れるつもりなんかねーからな!?」ジワッ

盗賊父「ワガママ言うんじゃねぇよ……潮時だ、あとはお前らだけでなんとかしろい」ニッ

ハゲ「…お、オヤジ…」

モヒカン「オヤジぃ…」

盗賊妹「とーちゃん…」

盗賊「……………」

盗賊父「さあ、王子さまよ……縄を」スッ

王子「断るッッ!!」クワッ

盗賊父「っ!?」ビクッ

王子「私は隣の国の王族のでな、この南の女王国の犯罪者など別にどうでもよい!!」フン

盗賊「……そ、それじゃ…」

王子「だが私の正義の心はこそ泥を放置して他国とはいえ民衆に迷惑が及ぶ事を許せはせぬ!!故に……そなたらは私の配下となれ!!よいな、さもなくばこの国の憲兵や戦士の御姉様にその首差し出してくれる!!」

盗賊父「………お、おぉ……それでは……」ブワッ

王子「…うむ、これからも家族揃って私についてまいれ、もう悪さはさせぬぞ?」ニヤリ



705:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/07(日) 22:23:05.54 ID:qavpcwkE0

盗賊父「……ありがてぇ……感謝の言葉もねぇ……」ペコリ

王子「ふぅ……本来はつき出すべきではあるし私の目的の上でもそなたらは切り捨てねばならぬのだが……幼子一人残して縛り首にさせるのは気が引けるのでな、やめておくというだけだ」ガックリ

盗賊「目的?」

王子「む?ああ……なに、我が友と話しておってな、街の近くにはこびる野盗をこらしめて、つき出して綺麗な御姉様揃いの戦士団のいかがわしい戦闘服を拝見しようとな……」

ハゲ「あー、あれか」

モヒカン「……でも兄貴、あれって確か……」ヒソヒソ

ハゲ「…国外の人は知らねぇんだよ、きっと」ヒソヒソ

王子「なんだ?何かあるのか?」

ハゲ「……いや、恩人の夢は壊せねぇ、何でもないっす」フルフル

モヒカン「気にしないで下さいって」ブンブン

王子「……なんだ気になるではないか……我が友よどう思う……む?」クルッ

盗賊「あのひょろっちい兄さんならアンタがオレらと話してる時既に居なかったぞ?気づかなかったのか?」

王子「……なんだと?くそ……ええい!!」タッ

バタン

盗賊妹「戦士の戦闘服かー……確かかーちゃんのあったよなー?」

盗賊父「……あ、ああそうだな……まあ正式なもんじゃなく客向けのなりきりコスチュームだが」

ハゲ「………」チラッ

モヒカン「………」チラッ

盗賊「……あんだよ」ギロッ

盗賊父「………恩返し、せにゃならんよな?」ポンッ

盗賊「………ぐっ………この糞野郎共……!!」グッ



706:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/07(日) 22:50:35.46 ID:qavpcwkE0

今日はおわり(´・ω・`)

スペック

盗賊

16歳身長156cm体重52kg
B, 82,W,54,H, 76

褐色ポニーは正義(´・ω・`)鬼妹

盗賊父

53歳、盗賊だが根は良いおっさん。

ハゲ(盗賊兄)

22歳、十代後半から薄くなってきてしまい引きこもりとなるが母親の死と共にこのままではいかんと父となった盗賊に無理矢理外へと連れ出される。マザコン。

モヒカン(盗賊弟)

15歳、彼女持ちのキョロ充。盗賊になったのはカッコいいからという極めて中二臭い勘違いからである。マザコン。

盗賊妹

10歳身長129cm 体重32kg

B, 61W, 48,H, 60

母親の技は全て受け継いでいるがもちろん披露したことは断じて無い。家族総出で止めろと止められているが何処まで言うことを聞きつ付けるかは不明。姉とは違い見た目至上主義でカッコいいならなんでもいい。

じゃ(´・ω・`)おやすみ



720: ◆Ab.sC93XWE:2015/06/08(月) 20:27:12.31 ID:2N3p6jDv0

……………

男「………悪いな、あんまり休ませてやれなくて……でも、どうしても行かなきゃダメなんだ」サス…

黒馬「………ヒヒン」ブルル

男「疲れない程度になるべく急いでくれ、それ…!!」パシン

黒馬「………ブルル」トコトコ

男(………すいません王子、貴方の言い分の方が正しいし、行っても何が出来る訳じゃない、それでも俺は……)ギュッ


……………



721:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/08(月) 20:47:38.45 ID:2N3p6jDv0

男(…………そろそろ街の出入口だな……今から出発して、こいつに負担にならないように進むとしたらどれくらい掛かる?)

男(……既に二人と別れて一週間近くは過ぎてる、更にそこからまた一週間だ………何か危険が迫っていたとして、間に合うのか?いや……もしかしたらもう……)

男「…………くそっ……こんな事なら連れてくれば……いや……そもそも依頼を受けたりしなけりゃ……!!」ギリッ

黒馬「………ヒン」トコ…

男「……?……どうした、急いでるんだ歩いてくれ」

黒馬「………ブルル」

男「……おい!!」パシン


王子「無駄だ我が友よ」

白馬「………ヒン!!」トコトコ

男「………王子……どうして前に……」

王子「我が愛馬に無理をしてもらい先回りをしただけの事だ、その黒馬も我が愛馬が語りかけて止めている」

黒馬「………ブルル」

白馬「………」

男「……………馬同士話が出来るってやつですか?なんだよそれ……」ヘッ

王子「………ふぅ……そなたも頭に血が昇るとダメなようだな、いつもはもう少し思慮深い者なのだがな」

男「………買い被りです、俺は常に冷静でいられるほど頭は良くないですからね」



722:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/08(月) 21:10:59.31 ID:2N3p6jDv0

男「………とにかく、馬がダメなら俺は歩いてでも行きます、すいません」ザッ

王子「………無駄だぞ、我が友よ」

男「無駄でも良いんだよ!!そもそも始めから止めとけば良かったんだ、俺が狙われるだけなら別にどうでもいい、でもあの二人はダメだ!!少しでも危害が及ぶ可能性があるなら俺は動くべきじゃなかったんだ!!」

王子「……………」

男「アイツも、少女ちゃんもようやく明るくなってきて、これからなんだぞ!?なのにどうしてこんな事になる?俺が親父の罪滅ぼしなんか考えてたのがいけないのか!?欲張って善人気取って、少しでも俺ん中のイヤなもん取り除こうとしたのがダメだったのかよ!?」

王子「…………ふぅ、それが本音か、我が友よ」

男「……そうだよ、いけないのか?俺は別に王子さまみたく大義名分とか正義なんかどうでも良いんだよ、ただ親父がしてきた事が許せないから、あんな悪魔とは違う生き方をしてるって証明が欲しいから奴隷の解放も、あんたらに協力もしていただけだ!!」

王子「…………つまりは自己満足、か…」

男「そうだよ、俺はその程度の奴だ、だからほっといてくれ!!依頼をほっぽりだす事への罰なら後で必ず受けに行くから、今だけは行かせてくれよ!!あの二人が居なきゃ俺は……!!」

王子「無駄だと言っているだろうに、そなたは行く必要は無い」

男「なっ……この…!!」ギリッ



723:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/08(月) 21:20:20.49 ID:2N3p6jDv0

王子「そんなにも大事か、あの二人の娘の事」

男「……ああ、大事だね」

王子「……………ならばそう直接本人に言えばよいのだ、よし、もう良いぞ」パチン

男「…………っ!?」

女兵士「聞いているだけで恥ずかしくなりそうな独白だったな……ちょっとときめいてしまったぞ」ツカツカ

男「んあ?は?な、なんでアンタが……」

王子「いやな?我が友よ……私も知らなかったのだが……どうやら我が妹に一杯喰わされたようだぞ、うん」コクリ

男「…………へっ?え?はい?」オロオロ

女兵士「あの時王都で別れた後の事を少し説明してやろう」フン

……………



724:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/08(月) 21:34:08.17 ID:2N3p6jDv0

……再び時は遡り約一週間前。

少女「わ、わたしたちをどうする気ですか!!ゆ、誘拐でしたら断固抵抗しますからね!?」

メイド「屋敷を任されたのに屋敷へ帰さないとかふざけてません!?もっかいキ○肉バスターの餌食にしますよふざけてると!!」ガルル

女兵士「ああもううるさい!?少しは静かにしてられないのか!?ちゃんと説明はするから黙って座っていろ!!」ウガー

少女「説明なら今してくださいよ!!黙ってついてこいなんて言い方でついていくのは破滅願望がある人ぐらいなんですからね!?聞いてますか何処まで連れてくのかぐらいは今すぐ説明を……!!」ワーワー

メイド「貴女が女性じゃなかったらとっくにぼっこぼこのぐっちゃぐちゃにしてますからね!?納得いくだけの最低限の配慮とかないんですか!?」ギャーギャー

女兵士「う、うるせぇぇぇ!!良いから、もう少しだから我慢していろ!!ほらあれだあれ!!あの目の前から来る馬車!!あれに乗っている方に説明はしてもらえるから!!」

少女「むっ」

メイド「でっかい馬車ね、誰が乗ってるの?」

女兵士「大きくて当たり前だ、王族用の馬車だからな」ハァ

少女「……えっ、王族?」

メイド「な、なんでそんな人が……」



725:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/08(月) 21:51:25.79 ID:2N3p6jDv0

王女「脚の早い馬車を用意した、今すぐ南の女王国へ貴女達の主人を追いかけて行って」

メイド「……お、王女殿下?」

少女「えっ、あの……どういう事ですか?」

王女「私の予測通りなら、彼は依頼をほっぽりだして帰還しようとする、それの阻止」

メイド「……は、はぁ……なんでですか?」

王女「………詳しくは内緒、言ったら貴女達は怒りそう、こわい」ササッ

少女「………余計に気になりますよそれ…どうしてご主人様が仕事を投げ出すなんて分かるんですか?」

王女「…………ないしょ」フイッ

メイド「せ、説明になってませんけど……」

王女「…………人の恋路に首を突っ込む趣味はない」ボソッ

少女「はい?」

メイド「へっ?」

王女「なんでもない、とにかく行けば分かる」フルフル

少女「いや…でも…」ウーン

王女「それじゃあ後ひとつ、にいさまに自由時間あげたから間違いなく貴女達の主人と一緒に行っている、あの二人が目の届かない所へ行っているのはちょっと心配では?主に性癖的な意味で」

少女「………」

メイド「………」

王女「………お目付け役、必要ない?」ジー

少女「分かりました、よくわかりませんけど行ってきます」

メイド「しっかりと監視しておきます、お任せ下さい」ペコリ

王女「任せる、それと……これを渡しておいて」

女兵士「畏まりました」ペコリ

王女「じゃ、よろしく」ブイ

………………



727:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/08(月) 22:04:54.34 ID:2N3p6jDv0

…………

女兵士「……と、まあつまりだ、王女殿下の予測通りにお前は動こうとしてた和氣だ」

王子「間一髪だったぞ、先回りしようと街の正門まで行ったら丁度到着した所へ出くわしてな、下手をすれば行き違いになるところだった」

男「…………つまり、メイドさんと少女ちゃんも?」

女兵士「居るぞ、ほれ、その馬車の中だ」

男「…………………………………今の聞かれた?」ダラダラ

王子「さて、知らぬな、というか聞かれていた方が良いのではないか?」

女兵士「聞かれてまずい事なら言わなければ良かったのだ」

男「………あうあうあうあう」オロオロオロオロ

王子「我が友ながら情けないぞ、愛しているなら愛しているとハッキリと……」

男「あーー!!あーー!!聞こえない聞こえない!!なんの事だかさっぱりだーよーー!!!!」

女兵士「………」

王子「………」

男「…………えーと、と、とりあえず二人の無事を確認と……」コソコソ

王子「………」ジー

女兵士「………」ジトー

男「………」ダラダラ



731:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/08(月) 22:21:00.28 ID:2N3p6jDv0

女兵士「待て、その前に王女殿下から預かった物を渡す」スッ

男「……へっ?ああはい……手紙か?」ガサッ

王子「ランプで照らしてやろう、読むのだろう?」スッ

男「はいすいません………えーとなになに?」

男「……………………」

王子「我が妹はなんと?」

男「………どうやら俺が狙われるのは予測してたみたいですね、後、王子も一緒に行動するのも……事前に伝えなくてごめんなさいって謝罪文です」

女兵士「…………殿下は本当に誰にも伝えずにここへ?」

王子「ああ、伝えておらん」

男「その辺りも書いてありますよ、にいさまの性格からして貴方が単独行動するのは危険だと察知する筈、だから命が失われるような事態は万が一にも起こり得ないと確信していた……だそうですよ」

王子「………むっ、ぬぅ…」

男「てっきり俺は王子はガチで例のポロリが見たいが為だけについてきたのかと……」

王子「………ま、まあ……半々程度ではあるがな?うむ……」

女兵士(……照れてる殿下は珍しい)ゴクリ



732:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/08(月) 22:34:53.48 ID:2N3p6jDv0

王子「……ゴホンッ……うむ、それで他は?」

男「………え、ああはい……ははは」

王子「………なんだ、どうしたのだ」

男「い、いえなんでも」ブンブン

女兵士「………ていっ」バシッ

男「ちょっ!?」

女兵士「なになに?えー……『PS.大事に思っているなら隠し事はダメだょねヽ(・∀・)ノ全部話すべきだょ(*≧∀≦*)』………」

王子「………相変わらず思考は愉快なようだな我が妹よ」フム

男「……………う、うぅむ……」

女兵士「………」ジー

王子「………」ジー


男「…………わ、分かりましたよ……と、とにかくちょっと二人を見てきますから!!」



734:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/08(月) 22:47:16.94 ID:2N3p6jDv0

男「……………」

馬車の扉を開けると、座席に寄り添うように眠る二人をすぐに確認出来た。

二人とも規則正しい寝息を立てながら穏やかな表情で瞳を閉じている。

二人を起こさぬように静かに中へと入り、覗きこむ。

男「…………良かった……俺の心配し過ぎってだけだった」

二人の手をそっと握り締める。

男「………良かった」

安堵の為か、それとも………

少しだけ頬に熱い物が流れた。



735:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/08(月) 23:01:42.75 ID:2N3p6jDv0

…………

男「………良かった」

その呟きが耳に入り込み、ほんの少しだけ目覚めを促した。

メイド「………………っ………?」

ぼんやりとした頭で微かに認識できたのは手を握られているという事。

それと、彼が涙を流しているという事。

少しづつ冴えていく思考のなかで、どうすれば良いのか考えるけれど……結局身動ぎ出来ずに寝たふりをしてしまう。

どうして手を握られているの?

どうして泣いているの?

聞いたい。

けど、聞いて良いのかすら私には分からなかった。

ただ、握られた手の温かさが心地よくて、鼓動だけが早くなっていく。

自分の事も、彼の事も……なんにも分からない。

メイド「…………」

少しだけ、ほんの少しだけ手を握り返して心地よい温かさを長持ちさせよう。

そのぐらいならしても良い、そんな風に言って貰えたような気がした。

……



736:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/08(月) 23:27:56.92 ID:2N3p6jDv0

少女「…………」

はっきり言って全部聞いていた。

今、自分ともうひとりの彼女の手を握って安堵している人、自分の主人の独白は、普段から眠りの浅い自分を起こすには十分過ぎた。

………どうしよう?

というのが素直な感想だった。

自分はこの人を好きだ。初恋だと確信もしている、というかここまでされて優しくされて大事にされていたら普通は好きになるでしょ?と、小一時間うんちく垂れられるぐらいには自分の気持ちはよく理解している、隣で呑気に寝ている同い年の意地っ張りよりは自身の気持ちの整理は上手いはずだし。

だからこそ、どうしよう?

正直自分は主人に好かれているとは思っている。だが、それはまず間違いなく気の迷いだろうと決めつけていたのだ。

……だって、この優しい主人には既に最愛の人が居るのだ、どういう理由かは知らないがお互い一線を越えようとしていないが……何処からどう見ても、誰が見ても相思相愛にしか見えなかった。

ぶっちゃけわたし、邪魔者じゃないですかね?

……と、日に何度も考えるほどである。

ご主人様の事は好きは好きだ。でも二人の邪魔者にはなりたくない。どうにかしてくっついてくれそしたら諦めるから!!という感じで最近は過ごしていたのにあの独白である。

あれ?おんなじぐらい好きだと思われてる?

ありえない。いや、この人ならあり得るのか?

どちらにしても困ってしまった。

少女「…………」

寝たふりをしながら、ほんの少しだけ手を握り返しながら。少女は思う。


困る………どうしよう。

わたしは失恋でも良かったのに、これではどうなるか分からないじゃないか、と………。

隣で寝息を立てている彼女が不幸な事になってしまうじゃないか、きっとずっと、すごく好きで居続けている筈で、ほんの一ヶ月ぐらいの自分の気持ちとは比べられないのに。仮に自分が選ばれてしまったら、どうなるのだろうか?

少女(…………うーー……)

困った、ほんとうにどうしよう。まったく良い考えが浮かばなかった。



761: ◆Ab.sC93XWE:2015/06/09(火) 20:27:00.27 ID:tloUTJHM0

女兵士「……あー、なんだ……浸っているところ悪いがさっさと宿を手配して休みたいんだが……」

男「うっ……!?」ゴシゴシ

王子「馬は私が引き受ける、そなたは宿まで一緒に乗っておれ」

男「……は、はぁ」

少女「…………」

メイド「………」

男「………一旦起こすか、仕方ない………おーい?」ペチペチ

メイド「……………」ムクッ

少女「………」パチッ


男「あ、あれ?か、簡単に起きたな……も、もしかして起きてた?」タジッ

メイド「………っ…」ブンブン

少女「……ね、寝てました」ブンブン

男「そ、そお?なら良いんだが……」

メイド「…………えと……その、おはようございます……」モジモジ

男「え?ああうん…おはよう…」

少女「…………えと、お、おひさしぶりです?」

男「………まあ、ひさしぶりと言えばそうかな?うん、ひさしぶり…」

メイド「……………」

少女「……………」

男(………なんだこの気まずい雰囲気)ソワソワ



762:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/09(火) 20:34:27.78 ID:tloUTJHM0

……………で。

男「ホントに良かったのか?こんなボロい宿で、真夜中だっつっても宿ならもうちょいいいとこ手配出来るけど」スタスタ

メイド「……主人より良いところになんて泊まれる訳ないじゃないですか、平気ですよ」

少女「そうですよ、それに別々の所に泊まるのはちょっと」

男「そ、そお?なら良いんだが……」

メイド「それに女兵士さんもさっさと部屋に籠ってしまいましたし」

男「まあ、こんな時間まで御者やってたんだ、疲れてるんだろ」

少女「ですね、ご主人様達に遅れないようにほとんど休まずここまで来てましたから、わたしたちは乗っていただけですけど……」

男「………まあ、馬車なのに誤差が1日もなかったからな、彼女も馬もご苦労様だわそれは」

男(………女兵士さんのこと疑ったの反省しないとな……だいぶ気が動転してたからなぁ)フム



763:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/09(火) 20:36:50.61 ID:tloUTJHM0

メイド「どうかしました?」

男「……いや、なんでもないよ、それじゃ俺はこの部屋だから、二人は向かいのそっちの部屋ね?」

少女「あっはい、それじゃおやすみなさい」ペコリ

男「おやすみ、まあこの時間じゃ大して寝れないけどね、はは」

メイド「そうですね……寝坊してはダメですよ?明日からお仕事なのですから」ガチャ

男「………メイドさんには言われたくないが、りょーかいだ」

バタン

男「…………ふう、さーて………とりあえず疲れてるし、寝るか……色々考えるのは明日以降にしよう」

ガチャ



764:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/09(火) 20:55:12.62 ID:tloUTJHM0

………

盗賊妹「………zzZ」 スピー

盗賊父「…よっと、やれやれ……おぶってやったと思ったらとっとと寝ちまいやがって」スタスタ

モヒカン「疲れてたんだろーぜ、人質なんかになってたんだ、心細かったろうしよ」

ハゲ「そうだなぁ…しかし、今日はとんでもねぇ1日だった………むしられるし
」サスサス

盗賊父「そのぐれぇでメソメソすんな、命があって……そんでもって仕える主人にまで出会えたんだ、釣りが出たなんてもんじゃねぇんだからよ」

モヒカン「それよかオヤジ、姉ちゃん置いてきてホントに良かったのかよ?上手くやれんの?だって姉ちゃんだぞ?鬼姉なんだけど」

盗賊父「大丈夫だろ、あれでもかーちゃんの血を引いてんだ、そっち方面もバッチリだろうよ」

ハゲ「俺はオヤジがあんなもん後生大事に懐に抱き抱えてたのがビックリだよ」

盗賊父「……うるせぇ、お守りみてぇなもんだよ、それにそのお陰ですぐに王子さまのご要望に答えられるんじゃねーか」

モヒカン「………娘にエロい事させようとするとか流石だぜ、俺らクズ兄弟のオヤジにぴったりだ」

盗賊父「ふん、これも親心よ、王子さまに気に入られて妾にでもしてもらえりゃアイツの人生薔薇色だからな」ニヤリ

ハゲ「さすがオヤジだぜ!!ゲスくてこっすい事考えさせたら誰にも勝てねぇ!!」

モヒカン「そこに痺れる憧れるゥ!!」

盗賊父「ふっ、……まあ、後は娘次第だがな、上手くたらしこめよ……」ニヤリ

…………



765:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/09(火) 21:13:37.34 ID:tloUTJHM0

男「………さーて……ん?」


盗賊「ひっ、はひぃっ!?」

部屋の扉を開いたら、男の欲望が形を成してベッドの上に腰掛けていた。

極薄の布地を紐でくくりつけ、ちょっと動いただけでポロリしてしまいそうな面積の狭い本当にほんとぉぉぉに大事な部分しか隠していない例のアレ、しかも薄すぎて微妙に透けている。

腰のほうもとんでもねぇ代物だった、フロント幅2㎝。恐らく尻は丸だしだろう。

そんな上下の極薄布地を腕やら太ももやら首やら肩やらになんとなく戦士のそれっぽい装飾品をつけて無理矢理これは戦闘服なんですよーー!!と、言い訳しているように見える。

とまあ……とにかく、とんでもなく卑猥な格好の盗賊の娘が座っていた。


男( Д)゜゜

目玉が飛び出すかと思うほど強い衝撃を感じたのは言うまでもない。



767:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/09(火) 21:23:57.27 ID:tloUTJHM0

盗賊「……ひ、はぐっ……か、かんひゃの気持ひ……へぐっ、あにょ、お、おにょぞみのかっこで恩返ひを!?」ヒクッ

男「」

盗賊「こ、こにょかっこが見たひって聞いて、はぐっ……あぅぅ!?」オロオロオロオロ

男「」

盗賊「……………ってぇ!?な、なんでてめぇなんだよあの気障野郎の王子さまどうしたんだよ!?」ササッ

男「ち、ちょお!?お、大声だすな!?い、今はまずいホントにまずい!?」ガバッ

盗賊「ふぐっ!?むーーー!?」ジタバタ

男(ヤバいヤバいヤバいヤバい!?と、隣に二人が居るんだぞ!?こ、こんな格好の女の子部屋に居るの見られたら……し、死ぬ!!)ダラダラ

盗賊「んーーー!!むーーーっ!?」ジタバタ



770:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/09(火) 21:39:41.44 ID:tloUTJHM0

盗賊「んんっ……!!むぅ……!?////」モソモソ

男「お、おいマジで静かにしてくれ!?暴れんな!?」ヒソヒソ

盗賊「………っ……!!」ガブリ

男「い、痛ってぇぇぇぇ!?てめ、のこ手ぇ噛むな!?」バッ!!

グイッ、ポロリ

男「あっ」

盗賊「え?あ………」



拝啓、王子殿下。

不肖、わたくし、あなた様の御不在の間に偶然ながらmission completeしてしまった処で御座います。

拝啓、王子殿下。

あなた様は今、何処へおいでなのですか?

出来うる事なら、今すぐ駆け付けて、この事態の堪能…もとい、収束をお願い申し上げます。どうしよう、見ちゃった助けて。

男「」

盗賊「………ひっぐ……うっ……み、見たな……見られたぁ……!!」ポロポロ

男「」



771:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/09(火) 21:52:40.88 ID:tloUTJHM0

男「あっ、えと、その、ご、ごめん!?」オロオロオロオロ

盗賊「うっ……だ、だから恥ずかしいからヤダって……う、う"う"う"……」ポロポロ

男「ご、ごめんね!?ホントにごめんね!?いやマジでここまでずれやすいなんて……」オロオロ


少女「なにしてるんですか」

男「」ビクッ

メイド「……………へー?」

男「……………あ、あの、これには訳が……」ダラダラ

盗賊「……ひっぐ……ぐすっ…」ウルウル

少女「訳?はあ、そうなんですか」シラー

メイド「部屋に女の子連れ込んで、変な格好させて泣かせてるのに深い訳が?」シラー

男「」



773:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/09(火) 22:07:36.36 ID:tloUTJHM0

メイド「……まあ、とにかく、覚悟は出来ていますか?」ボキバキ、ボキッ、バキバキ……

男「ちょっ!?ちょっと待って!!ほ、ホントにこれには深い訳が!!」ズササッ

少女「メイドさん、体罰はしない方がいいです」

男「っ!!」

メイド「…………ですけど…」

少女「良いんですよ、理由があるって言うならちゃんと聞きましょう?ね?」

男(……よ、良かった少女ちゃんは話を聞いてくれる!!た、助かっ………)ゾクッ

メイド「………っ…?」ビクッ

少女「一から十まで説明してもらってキチンと納得出来る理由があるんですよね?」

男(………な、なんだこの威圧感……メイドさんですら気圧されてたじろいでません?)ダラダラ

メイド「………………え、えと…」ゴクリ

少女「一から十までご主人様には全く非が存在しないと誓えてなおかつそれを証明してわたしたちが納得出来る理由があるんですよね?」

男「」カタカタ

少女「返事が聞こえません」

男「ひぃ!?は、はい!!もちのろんです!!」コクコク

盗賊「……な、なんだコイツ……暗殺者みてーな目してる」カタカタ

メイド「…………え、えと……」



778:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/09(火) 22:30:45.57 ID:tloUTJHM0

…………

少女「………つまり、貴女は王子さまの希望に応える為にここで待っていて、そしたらご主人様が最初に来たと」

盗賊「お、おう……」

メイド「人質に取られた妹を助けて貰ったお礼にねぇ……なるほど…」

男「そ、そうだよ?おれは役に立ってないし王子さまとはこの部屋で相部屋だったし?だ、だからね?」ダラダラ

盗賊「まあ、あんたのしたことと言えば兄貴の髪の毛むしって弟モヒカンにセットしただけだしな、くそ……最悪なタイミングで戻って来やがって……あのままどっか行ってりゃ、む、胸見られたり……」ジワッ

男「ぐっ…!?」ギクッ

メイド「…………」ジトォ…

少女「……………」ジトォ…

男「ごめんなさいそれはホントに申し訳ありませんでした」ペコペコ

盗賊「……ちっ、いいよもう……お、オレもバカ親父達の口車に乗ってこんなもん着たのも悪いし……」ヒラヒラ

少女「……はぁ、でもご主人様に悪気はなかったみたいなので、良かったです、ね?メイドさん」ニコリ

メイド「……そ、そうですね」ムスッ

男「………あ、あはは、はは……」ニヘラ

少女「さて、それじゃ次」フッ

男「」ゾクッ

少女「この衣装を王子さまと二人とはいえ着ている人を見つけて何をするつもりだったのか、その説明をお願いします」ニコリ

男「ふ、ふぇぇ……」カタカタ

メイド「……ま、まだ尋問するの…?」タジッ

少女「当然です、メイドさんは安泰だとして、百歩譲ってわたしも対象なのもまあ理解はしますけど……これ以上増えたらたまったもんじゃないので」ジト

男「な、何の話…」

少女「…………あんまり他の女の子と仲良くばっかりなるようなら、わたし怒りますからね?そういう事です」ボソッ

男「は、はい…」ガタガタブルブル

メイド「……な、なんの話?」

盗賊(……か、帰ろ……こんな空気重いとこ居たくない)コソコソ

………………



779:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/09(火) 22:38:22.30 ID:tloUTJHM0

……一方その頃王子さまは。




王子( Д)゜゜



戦士「ねえそこのあなた………この辺りの宿で騒ぎがあったらしくて様子を見に来たのだけれど……何かしらないかしら?」


男の欲望の形そのもの(本物)と遭遇していた。



783:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/09(火) 23:05:45.73 ID:tloUTJHM0

その薄すぎるぬ(以下略

王子(おお、友よ…!!我らが求めたモノが目の前に……今、私の目の前に存在しているぞ……)ブワッ

戦士「……?……急に泣き出してどうしたのかしら?」

王子「……い、いえ何でもございません美しい戦士殿よ、我が瞳から感動により汗が滲み出ただけのこと」キリッ

戦士「あら、お上手ね……ふふ…」クスッ

王子「………その、あれです、戦士殿がお探しの事件は身内が少々騒ぎ過ぎてしまっただけの事でして、その……きつく言い含めましたので心配は無用です」ソワソワ

戦士「あら、そう………なら貴方の事を聞かせて貰えないかしら?念のために不審な者ではないと確めないといけないの……」

王子「………私ですか……そう、言うなれば南国に咲く美しい華に誘われた蝶……美しい華の元に羽を休め……その蜜を求める者といっておきましょう」スッ

戦士「………ふぅん?美しい華に誘われて……それは、私の事なのかしら?」クスッ

王子「貴女は他のどんな華よりも妖しく……美しい」キリッ

戦士「そう、嬉しいわ……貴方……坊やみたいな素敵な子にそんな事言われたら、ね?」サワッ

王子「!!!!」

戦士「………羽を休めに、私のところへ来ても良いわよ……?」


王子(……お、おお……!!なんという……なんという!!いかん、我が友よ今すぐそなたも一緒に……)タッ

王子(……待て、今は恐らく駄目だ、あの二人の娘が来てしまった以上我が友はそちらを向いておらねばならん、今誘えば我が友も、あの二人の娘も不幸にしてしまうだろう……ならば……!!)

戦士「どうしたの?行くの?好きにして良いわよ?」クスッ

王子「今すぐいきます!!」パァ

戦士「そう、ふふ…」ニコリ

王子(たった一人で誘われてしまうのは気が引ける……だが許せ我が友よ……私も男なのだ……そなたは愛する者への純情な想いを貫いてくれ……すまぬ、すまぬ……!!)ソワソワ



786:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/09(火) 23:27:32.80 ID:tloUTJHM0

さて、ここで南の女王国、その国の女戦士団の事を説明しておかなければならない。

女達の戦士団の歴史は古く、発祥はおよそ数百年前だと様々な歴史書に記されている。かつての戦乱の時代、勇者と魔王が争い、世が乱れていた時代にまで遡る。

当時のかの国は隣国との戦乱に巻き込まれ窮地に立たされており、男達は戦いに取られ、疲弊していった。

そして、国が乱れれば犯罪が増える……そこで、残された女達は自衛の為に武器を取ったのだという。

つまり、発祥は自警団のようなものであったのだ。

それから女達の戦士団は活躍し続け、次第に大きくなっていき、南の女王国の当時の兵力と比べても遜色ないほどに強く、大きくなる。

それから次第に国は安定していったのだが女達の戦士団は国のシンボルと呼ばれるまでになっており、簡単に解散とはいかなくなってしまう。

なので、当時の女王は女達の戦士団を『名誉職』とし、存在は維持しながら国の平とは違い無償で呼び掛けに応じる、兵力ではない戦う力となったのだ。


それから説きは過ぎて、およそ5年前、一人の仕立て屋が言葉巧みに戦士団の正式衣装の変更を迫ったそうな。

『女性の力の源はスピードですぞ!!ならば極限まで軽量化するのがもっとも生存率があがるのでございます!!』

……などと捲し立てられ、ついにはその伝統的な戦士の出で立ちを卑猥布切れにしてしまったのだ。



790:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/09(火) 23:36:44.92 ID:tloUTJHM0

そこである問題が発生する。

『こんなもん着るぐらいなら戦士なんかやりません』

戦士達が次々と辞めてしまったのだ。

元々名誉職であり、報酬は出ない……それに国を守る為ならば別に強ければ戦士団に入っていなくとも平気なのだ、そういう訳でたった数年で歴史ある女達の戦士団は滅亡の危機を向かえてしまう。

だが国のシンボルをそう易々と失うわけにもいかない。されど一度変更した衣装をおいそれと変えるわけにもいかなかった、国にも面子がある。

そして、南の女王国の現支配者である女王はある決定をする。


「美しく、顔が女であるならば性別は問わぬ、意地でも女達の戦士団は存続させよ」



現在、女達の戦士団には女性の団員は存在していなかった。



794:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/09(火) 23:41:08.16 ID:s7SvM7hDO

(アカン)



798:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/09(火) 23:43:49.57 ID:tloUTJHM0

蝶は蜜を求めて美しい華に誘われる。

だが、それには危険が伴う。

華の中には……狩人が自らを華と見せ掛け……誘われるままに近寄る蝶を喰らう蟷螂がいるものだ。

蟷螂に囚われた蝶には、無慈悲な結末しか残られていない。



801:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/09(火) 23:49:02.45 ID:tloUTJHM0

王子「……え?ちょ、ちょっと待て、なんだそれは?」

王子「……え?は?ま、まて!!近づくな!!」

王子「……わ、我が友よ!?助けて我が友よーーー!?助けふぐぅ!?」ブチュ





ァァァァァァァ……………

………



803:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/09(火) 23:51:55.90 ID:tloUTJHM0

イメージ画像

803_1



806:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/09(火) 23:57:38.80 ID:tloUTJHM0

…翌朝。


少女「…………と、言うわけで、これからは気をつけてくださいね?……ふぁ…」クァ

メイド「………zzZ」 スピー


男「」ゲッソリ

少女「……あふっ……アサになっちゃいましたね……もう限界です……おやすみなさい……zzZ」 グー

男「……お、おやすみ……」


男(まさか朝までネチネチ小言言われるとは……て、徹夜で仕事か……)ガクッ



807:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/10(水) 00:08:10.13 ID:5Y3U016T0

ガチャ

男「とにかく顔を洗って……そんで段取りしねーと……つーか王子帰って来なかったけどどうしたんだ?」スタスタ

王子「…………」


男「っ!?」ビクッ

王子「………」

男「お、王子…?な、なんすかそのボロボロの格好……ってなんか身体中に小さい痣が点々と……」

王子「……わ、我が友よ……」ヨロヨロ

男「………き、キスマーク?な、にがあったんだ…」

王子「……こ、恐かった………恐かったよぉ……」メソメソ

男「な、何ですかいきなり!?ちょ、なんで抱きついてくんすか!?」

王子「だ、だが……なんとか前も後ろも純潔だけは死守したぞ……恐かった……雄姉様こわい……」プルプル

男「お、御姉様?」キョトン

王子「我が友よ、この国の華は……残酷なまでに……おネエ……だ…」カクン


男「お、王子!?おぉぉぉぉじぃぃぃぃ!?!?!?」

王子「」グッタリ



827:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/10(水) 23:01:18.37 ID:5Y3U016T0

………数日後。

男「さて、手筈通りに依頼は終わらせたし、戻りますかね」

少女「あっ、ご主人様もうお仕事終わったんですか?」

男「うん、ばっちり」

メイド「お疲れ様でした」

王子「うまく事を運べたようだな我が友よ」

男「ええ、後の細かい事は人を雇って……」ヒソヒソ

王子「うむ、それで我が妹の思惑通りに進むのならば任せよう」コクリ

少女「………」ジー

メイド「………どうかした?」ボソッ

少女「……いえ、なんでもないです」フルフル

少女(……結局大事な事はなんにも教えてくれないんですよね……まったくもう…)ハァ



828:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/10(水) 23:12:59.26 ID:5Y3U016T0

………

女兵士「殿下、馬車の用意は整ったおります」

王子「うむ、すまぬな、御者のような真似をさせるのは本来ならば気が引けるのだが」

女兵士「いえ、これも与えられた任務ですので」

男「ところで王子」

王子「む?」

男「あいつらどうすんですか?あれ以来ほっぽりっぱなしですよ?」クイッ

盗賊父「出発ですかい?でしたらワシらもご一緒しますぜ王子さま」

盗賊「……………」ムスッ

ヅラ「やっぱり国を出る事になるんだなぁ……」

王子「…………おお!!そういえばそうだな、すっかり忘れておったぞ!?」ポンッ

男「……忘れてたのか」

王子「…………ああ、まあ…その後の出来事が衝撃的過ぎてな……」フイッ

男「何があったんですか?結局教えてくれませんけど」

王子「…………気にするな、誰にも消し去りたい過去はあるだろう?私はさっさとあの悪夢を記憶から消し去りたいのだ、掘り返さないでくれ我が友よ」カタカタ

男「……は、はぁ」



829:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/10(水) 23:30:58.49 ID:5Y3U016T0

盗賊父「えーと、それでワシらはどうすりゃ?馬は生憎と持っておらんのですが」

ヅラ「なにいってんだよオヤジ?あの馬車に乗っけて貰えば…」

女兵士「……………」ジロジロ

ヅラ「へ、な、なんすか?」

女兵士「………そこの娘、お前は乗っていいぞ、男は走れ」

ヅラ「は、はぁ!?なんだそりゃ!?」

女兵士「………そこのカツラ頭、貴様女性が乗っている馬車の中に堂々と何日も同乗する気か?そんなもの私は許さん」

ヅラ「は?カツラ?な、なにを……」

盗賊「……みっともねぇから堂々としてろよ兄貴」バシッ

ハゲ「あっ」パサッ

女兵士「とにかくだ、どうしても乗りたいなら殿下と馬車の二人の主人であるそこの奴に許しを乞え、私は反対だがな」

ハゲ「…………」チラッ

男「おっさんは乗っても良いんじゃね?盗賊ちゃんが一緒だし馬鹿な真似はしないでしょ、元盗賊ではあるけどな」

王子「ふむ、そうだな我が友よ、この者は中々義理堅い、安心してよいだろう」

盗賊父「へ、へぇ……お恥ずかしい限りで」ペコッ

ハゲ「えっ、お、俺は?」

男「いや、ハゲって性欲強いって言うじゃん?あんたに少女ちゃんとメイドさん見せたくない」シレッ

王子「うむ、一味の中でそなたが一番信用出来んからな……まるでハゲ鷹のような性悪の気配がする」

ハゲ「むしったのあんたらのクセに!!ひどい、ひどいよ!!」ウルウル



832:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/10(水) 23:47:46.44 ID:5Y3U016T0

男「ところで後の二人は?」

盗賊「……妹なら速効で馬車の中に入ってったぞ、ほら」クイッ

ガチャ

メイド「ちょ、ちょっと若旦那様と王子さま!?な、なにか知らない子が……!?」

盗賊妹「おー、お姫さまか?すげー美人が中に居たぞ?みろにーちゃんすげーマブいぞ?しかも二人」パタパタ

少女「え、えっと……ご主人様この子は?」ワタワタ

ハゲ「…………お、おぉう…」ゴクリ

男「……見んなっつってんだろ、あぁん?」グイッ

ハゲ「………んな殺生な」

王子「その娘はここに居る者達の家族だ、我が配下となったので連れてゆく故道中仲良くしてやってくれ」

メイド「は、はぁ……」

少女「分かりました、それじゃこっち来てお姉ちゃん達と乗ってようね?」ニコリ

盗賊妹「おねーちゃんたちとしいくつだ?ねーちゃんよりねーちゃんか?」

メイド「私もこの子も18歳よ、あなたはいくつ?」ナデナデ

盗賊妹「………え?じゅうはち?みえねーサバよんでんな二人とも?」

女兵士「……」ビクッ

少女「………さ、サバって…」

メイド「………………ホントなのに」ショボン



834:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/10(水) 23:54:22.06 ID:5Y3U016T0

男「………子供は恐れを知らんから困る……それで、後一人は?」

盗賊「なんか別れを言わなきゃいけない奴が居るとかなんとかでそっち行ってる、すぐそこだから行くか?」

王子「置いてゆく訳にもいかんからな……よし、行くか」スタスタ

男「あのモヒカン手間かけさせやがって……」スタスタ



835:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/11(木) 00:16:12.07 ID:YpvsSdS50

モヒカン「すまねぇ、もうお別れだ……」

太娘「ど、どうして!?わたしまだ別れたくないよ、置いていかないで!!」フヒュー…フヒュー

モヒカン「俺だってそうだ、でもよぉ……こそ泥だった俺がようやく改心出来るチャンスが来たんだ、だから……」

太娘「そんなのどうでもいいもん!!改心とかそんなの知らない、わ…わたしはあなたが居てくれるだけでいいのに!!一緒にいてよ!!盗賊でも構わないわ、お願い!!」タプン…バルルルル…

モヒカン「バカヤロォっっ!!」ベチーン

太娘「ああっ!?」ボヨンボヨン

モヒカン「盗賊でも構わねぇだなんて……言うんじゃねぇよ!!俺は……俺はお前に相応しい男になってくるって決めたんだ!!今の俺には……お前を背負うには重すぎる……!!」クッ

太娘「ど、どうしてよぉ……わ、わたしがぽっちゃりだから?だから捨てるのね……」ダバダバダバ…

モヒカン「……ちげぇよ、ちゃんと聞いとけバカ……俺はお前に相応しい男になってくるって言っただろ?だから、ちゃんと帰ってくる、お前と一緒に堂々と街を歩ける真人間になって、ずっと一緒にいる為に行ってくるだ」ムニュゥゥゥ

太娘「………う……うえぇぇえん…!!わ"た"し嫌われてないの"ね!?待ってていいんだよね!?」ドスコイ

モヒカン「あたりめぇだろ!!愛してる!!」ボヨンボヨン

太娘「と、盗賊ぐん"……ぶもぉぉぉぉぉ!!!!」



837:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/11(木) 00:28:47.03 ID:YpvsSdS50

男「………」

王子「………」

ハゲ「wwwwなにwwwwあれwwwwでwwぶwwすwwww」ビッタンビッタン

男「おい」

ハゲ「だってwwwwひどいんだもんwwww弟よありゃねーだろwwwwあひゃひゃひゃひゃひゃwwww」ゲラゲラ

王子「黙れ、人の…まして弟の愛の告白を笑うな」ガシッ

男「アイツは勇者だぞ、ああ、天晴れだ、そんな奴をお前が笑う資格はない」

ハゲ「えっ、ちょ……」

王子「やれ、我が友よ」

男「がってんしょうち」ブチブチブチブチ

ハゲ「あ"あ"あ"あ"あ"あ"!?!?き、希望の産毛達がぁぁぁぁぁぁ!!?!?」

男「二度と人を笑えないようにしっかり毛抜きを使って抜いてやるからなー」ブチブチブチブチ


ハゲ「嫌だぁぁぁぁぁぁ!!きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?!?」

王子「そなたは頭より心が禿げておるのだ、私に仕えるなら改心せい」



842: ◆Ab.sC93XWE:2015/06/11(木) 19:17:02.18 ID:YpvsSdS50

ハゲ「……ひっぐ……ふぐぅ!!」サメザメ

モヒカン「……なんで兄貴泣いてんすか?」

男「……ちょっとな」

王子「それよりもう良いのだな?もう出発するが」

モヒカン「大丈夫っす、覚悟決めて来たっす」

王子「うむ、では行こうか」スタスタ

男「いや、マジで勇者だわ…尊敬する」ポンッ

モヒカン「はぁ……どうも」



844:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/11(木) 19:35:02.88 ID:YpvsSdS50

盗賊「あ、戻ってきた」

男「またせ、それそれじゃとりあえずモヒカンくんも馬車乗っていいや、悪さはしないだろ」

モヒカン「……モヒカンくんって言うのやめて下さいよ……あんたらが無理矢理髪型変えたくせにまったくもう…」ガチャ

モヒカン「………」


バタン

モヒカン「………」

王子「むっ?どうした?」

男「もう行くんだから早く乗れって」

モヒカン「……い、いや……あの……中に居る可愛い子誰っすか?超好みっす」モジモジ

男「あ"?」

モヒカン「そ、そのこんくらいのちょっと小さい方……えへ……いや、あの子と一緒に乗るとか緊張しちゃうなぁーって」ニヘラ

男「おい」

ハゲ「はああああん!?!?てめ、この愚弟がぁ!!さっきの別れを告げてきた女どうしたんだゴルァッッ!?テメーにはあのデブス居るんだろうが!!じゃなかったら男のために俺は産毛まで処理されたんだこのやろう!!!!」

モヒカン「やだな兄貴覗いてたんすか?なら知ってるでしょ、別れたんで平気っす」ヘッ

男「…………王子、コイツら置いてきません?」ムカムカ

王子「…………手のひら返しか見事過ぎて……うむ、ちょっと私もそれが良いんじゃないかと思った」

盗賊「………ど、どんなにクズでも家族なんだ……み、見捨てないでやってくれよ……」



845:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/11(木) 19:46:08.80 ID:YpvsSdS50

王子「しかし、見捨てぬにしても……」

男「馬車には乗せられんな、よし、二人とも走れ」

ハゲ「いやいやいやいや、どんだけ長旅なのか知りませんけど無理矢理」ブンブン

モヒカン「こう見えて俺ら二人は体力ないっすよ!!馬にくっついて走れとか無茶振りっすよ!!」

盗賊「こいつら徒歩で移動とかさせたらバックレる可能性があるけど」ジト

男「バックレるならバックレるで構わんような…」

王子「いや、我が友よ……こやつらが逃げるという事は盗賊に逆戻りさせるという事だ、流石にそれは看過出来ぬ」

男「じゃどうするんですか、こいつら二人少女ちゃんとメイドさんと同じ空間に居させたら二人が穢れます、絶対無理」

モヒカン「ひでぇ」

ハゲ「なにこの扱い」

盗賊「だってお前らクズなんだもん…」フイッ

王子「ふむ、ならばこうするとしよう」ポンッ

男「はい?」キョトン



847:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/11(木) 20:05:57.31 ID:YpvsSdS50

…………

少女「…………」ムギュ

男「」

メイド「………」グイッ

黒馬「……………………………………ブルル」オモイ

王子「うむ、なんとか三人乗れたな」コクリ

男「いや、あの、王子?ちょっとこれは馬に負担掛けすぎでは?」

王子「問題無かろう、その馬は我が愛馬と兄妹でな、かなり力強い」

男「……………」

少女「え、えっと……」モジッ

男(俺が手綱を握り、その前に少女ちゃんが乗っている……バランスがやや悪いのでちゃんと手で抑えてあげなくちゃいけないのだが、その………密着してる上に片手を回しているのでなんというか……)クンクン

男(……いかん、いいにおいがする)フラッ

メイド「……………むぐ…」カァ

男(メイドさんは後ろで俺に抱き付いている、彼女は馬に乗れないのでちょっと恐いのだろう、だいぶしっかりと密着されている……)ダラダラ

メイド「…………」ムニッ

男(……………………………またでかくなったらしい、背中に凄い肉圧を感じる……)ゴクリ

男「………ってぇ!!こんな曲芸乗りで数日間も馬操れるか!!無茶言わんでくれ!?」ウガー!!

少女「わ、私は平気ですよ?」

メイド「いざとなれば私は歩きますから大丈夫です……はい…」モジッ

王子「はっはっはっ!!問題無かろう?その馬は利口だ、落馬させるような乱暴な走りはせぬよ」ニカッ

男(俺が持たねぇんだよ!!寝ている時より数段理性が必要だぞこれは!?)ソワソワ



848:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/11(木) 20:27:32.77 ID:YpvsSdS50

王子「なに、途中休みながら行けばよい、そなたもやるべき事はやってのけたからな………後は我が兄妹の仕事となる」トコトコ

男「はい?あれ……王子?」

王子「私は一足先に行かせてもらう、少々遊び過ぎただろうし我が妹が待っていよう」

男「………王子、そうですか……ありがとうございました」ペコリ

王子「なに、そなたと私の仲だ、構わぬ……では女兵士よ、その者らと共に我が友の屋敷へまずは向かってくれ、馬車の中の者らは後々迎えを寄越す、頼むぞ」

女兵士「はっ!」ペコッ

盗賊父「王子さま!!よろしく頼んますぜ!!」グッ

盗賊妹「イケメン行っちゃうのかー……がっかりだなー」

少女「……えっと…あの……!!」

王子「うむ、娘よ、それにもう一人の方もだが……我が友は少々頼りない、二人で支えてやってくれ」ニコリ

メイド「……え、えと」

男「ちょ…王子?」オロオロ

王子「さて、では我が愛馬アルビオングレイファントムトロイホースよ!!白き流星の如く駆けよ!!ハイヨーー!!」ピシン

白馬「………ヒン」パカラッパカラッパカラッ…

ハーハッハッハッ………


少女「……い、行っちゃった……」

メイド「……どういう意味で言ったんだか……」

男「………やれやれ、マイペースなお方だな」フゥ



849:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/11(木) 20:35:49.50 ID:YpvsSdS50

女兵士「私達も帰るぞ、国へな」パシン

男「あ、はい」

盗賊「国外かぁ……出たことないからどうなるのかな…」

盗賊父「なぁに、今までよりゃ真っ当な道だろうさ、心配すんな」ポンッ

盗賊「……ん…」コクン

男「……さて、行こうか」

少女「はい……あの……ご主人様?」

男「ん?」

少女「いろいろ、聞きたい事がたくさんあります、良いですか?」

男「……………おれ、なんかやったっけ?」ダラダラ

メイド「……違いますよ、若旦那様は私達に色々隠し事しているみたいなので、その事です」

男「………う"…」ギクッ



851:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/11(木) 20:45:42.76 ID:YpvsSdS50

少女「王子さまもですが……王女さまも言ってました、細かい事は主人に全部聞けって………」

メイド「…………」

男「………む、むぅ…」

女兵士「なんだ、まだ話していないのか、優柔不断な奴め」ハァ

男「…………」

少女「ご主人様」ジッ

メイド「…………」ギュ

男「わかった、わかったよ………話すよ今まで隠してて悪かった!!」ハァー

少女「……っ…」ホッ

メイド「では話を、何も知らないっていうのもそろそろ嫌なので……」

男「………まあ、道中長いんだ、ゆっくり話すよ、ははは…」

少女「………ご主人様」ジト

メイド「…………はぁ…」

男「と、とにかくだ、か、帰ろう我が家にさ、ね?ね?」ソワソワ

少女「………ばか」ボソッ

メイド「……まったくもう、そればっかりなんだもん昔から」ボソッ


こうして、舞台は再び祖国へ。


つづく。



854:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/11(木) 20:52:25.85 ID:YpvsSdS50

番外編

女兵士「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い」編



855:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/11(木) 21:05:50.04 ID:YpvsSdS50

私には暇さえあれば行っている事がひとつある。

………それは、手紙を書く事だ。

本当なら毎日書き連ねたい程の想いが私の心には渦巻いている。

今の私はもう大人で、日々の暮らしや付き合い等もあって中々出来ないけれど、何をしていても忘れられない程強い想いだから、蔑ろには出来ずにいる。

本当ならこんな事はしたくない、やらずにいられたならその方が幸せだとも思う。

だけど、私は手紙を書き続けるだろう。

それが私に出来るただひとつの事だから。



857:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/11(木) 21:22:38.68 ID:YpvsSdS50

娘「………………」ジー

それとの出逢いは、私が13歳の頃だった。

大きな国に属してはいたが、私の生まれた街は田舎だった。当事から本を読むのが大好きだった私は、中々品揃えが新しくならない本屋にやきもきしながら育ったものだ。

だが……その日は珍しくこの国で人気が出てきているという作家の本が一冊だけ入荷していたのだ。

娘「………ドキドキッ☆イケメン騎士団学園(ナイトパラダイス)ー私、女の子なのに騎士学園入学!?―編……?……なにこれ???」キョトン

正直、人気と言われても誰にどういう人気なのかなんてまだ無知だった私には分からなかったが……手持ちのお小遣いでギリギリ買える金額、なにより他に目ぼしい本が無かった事によりその本を購入してしまったのだ。

私の運命が決定されてしまった日の思い出である。



858:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/11(木) 21:33:57.21 ID:YpvsSdS50

娘「…………………………………………!?!?」

1ページめくっただけで私に衝撃が走った。

なにこれ。

なにこれ?

それまでは児童書や絵本……良くてもファンタジー創作ぐらいしか読んだことのない私には訳が分からなかった。

……カッコいい男の人同士が裸で抱き合っている。

娘「!!!!!!」

内容もすごかった。主人公の女騎士をイケメン騎士が取り合うのだ、1ページ目の挿し絵は主人公の気を引くためにイケメン騎士その1とその2が〇〇〇で☆☆☆で●●●するところであるらしい。

年頃でそういう物にも興味が湧いてきていた私はかなり夢中になってしまったものである。

娘「……しゅごい………ふへ……うへ……」ニヨニヨ



859:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/11(木) 21:38:49.88 ID:YpvsSdS50

娘「……………ふぅ……」ウットリ

何度も読み返し、何日も繰り返し眺め、そして想像する。

騎士。

カッコいい騎士だらけの場所。

そこにわたしが行ったら………。

娘「よし、わたし騎士目指そ」コクン

将来の目標を決めた……決めてしまった瞬間である。



863:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/11(木) 21:48:15.14 ID:YpvsSdS50

しかしそこからが大変だった。

娘「え……平民だと騎士になれないの!?」ガーン

そうなのだ、一応特例で騎士候の称号を得る可能性はあるのだが……かなりの武勲と兵士としての勤続年数が必要なのだと学校の先生に教わった。

しかし当事の私はそれで諦めはしなかった。

娘「まずは兵士になれば良い……よく考えたら自分が騎士になることに拘ることなんかないし」ウンウン

娘「……………とりあえず兵士になればカッコいい騎士さまがわんさか……うへ…ふへへ」ジュルリ

正確には騎士になるのは諦めたが自身の妄想恋愛計画は方向転換こそしたが継続する。



866:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/11(木) 22:02:34.55 ID:YpvsSdS50

大変だったのは剣の訓練だ。なにしろ私は武器の類いは持ったことすらなかったのだ。ついでにいうなら極度の人見知りだった為剣の訓練に付き合ってくれそうな男子に話しかけるなど出来なかった。

「……あ、あの……その剣……」

娘「」ビクッ

「習ってるの?そ、それなら僕と一緒に……」

娘「黙れ」

「」

娘「……あ……じゃ、じゃなくて…」オロオロ

「………」

娘「……切り落とすぞ」

「…………す、すいません二度と話しかけません」ソソクサ

娘「」

何故あの時、私はその前日読んでいた本のイケメンでクールな狂戦士の台詞を口にしてしまったのか、本当はヒロインのツンデレ台詞を言おうとしたのに。



868:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/11(木) 22:16:43.52 ID:YpvsSdS50

仕方ないので独学で剣の訓練は行って。それから数年私は昼は学校でぼっち、夕方剣の訓練そして夜は将来のプランをひたすら練り上げていた、乙女本はもちろん追加でたくさんよんで毎日寝不足である。

今でこそ加齢も気になるし美容には気をつけているが当事の私は酷い顔だったものだ、なにせ目の下に隈が常にでていてくすんだ瞳、さらにお肌カサカサの髮は簡単に後ろで束ねただけのボサボサ、おまけに貧乳である。はっきり言ってブスだった。今は断じて違う。断じて違う。

娘「………酷い顔……これじゃヒロインにはなれんな」ゲソー

娘「……まあ、入隊してからでも大丈夫っしょ、若いからへーきへーき」ニヤッ

私の青春って惨めで悲惨だなーと、もし出来るならこの頃の自分を説教してお肌のお手入れしてやりたい。

……殴れ?嫌だこんなんでも自分の身はかわいいのだ痛いのきらい。



872:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/11(木) 22:33:48.14 ID:YpvsSdS50

そしてそんなこんなで私は18となり、兵士となるために王都へと巣立つ。

ぶっちゃけ私は剣に関しては天才だったらしく女の身でありながらあっさり男に混じって入隊出来た。

しかし、問題というか、予想外の事態が私を待ち受けていた。

男兵士「むんっ」ムキャ

男兵士2「あー、だりぃ」ブッ

男兵士3「娘ちゃんおれの髭そりしらね?」モッサァ

女兵士「」

イケメンが一人も居なかった。ただの一人も居なかった……。


女兵士「………ま、まだだ!!まだ騎士たま達が残って……」メソメソ


男騎士「うほっ」ムキムキ

男騎士2「はっはァ!!たぎる…血がみてぇ……」ギョロギョロ

男騎士3「はんハンバーグ食べたいんだな……うん」デブーン

貴族のボンボン騎士に録なのは居なかった。

女兵士「……ふぇ……うわぁぁぁぁぁん!!がんばったのにっ!!がんばったのにあんまりだぁぁぁぁ!!!!」ポロポロ

暫く私の自室の枕はしょっぱかったものだ。夢が叩き壊されたのだ仕方ないだろう。



873:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/11(木) 22:50:59.74 ID:YpvsSdS50

その後数年の間は絶望に心を蝕まれながらもなんとか兵士としてやっていけた……心のオアシス乙女本を読む量は自らが稼いだ給金ということもあり数倍に増えていたが、まあそれは良いだろう。

そして、勤続五年頃にある出逢いがあった。

王子(当事12歳)「初めて見る人ですね、警備御苦労様です」ニコリ

女兵士「はぐぅっ!?!?」ズキュゥゥゥゥゥン!!

ジャンル、オネショタへの目覚めだった。

その日はすごくハッスルした。不敬だとは思ったが逆に燃えてしまった。仕方ないだろうすんげぇかわいいのだあの頃の純真無垢な王子様は、今でこそ変態になってしまわれたが私は誓ったね、この方に一生捧げるって決めたね、だから難しい近衛兵士試験にもチャレンジしたのだ。



877:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/11(木) 23:14:33.07 ID:YpvsSdS50

そして私は近衛兵士となり、更に剣の腕で他の誰よりも強くなっていたため異常な早さで近衛兵長として王宮勤めとなった。

王女(当事8才)「………よろしく」チョコン

だがしかし私の天使王子たまの近衛にはなれなかった、ちくしょう古株のくそじじいめ交われ、その立ち位置変われよぉぉぉぉッッ!!!!と毎日呪いの如く念を送ったがこればっかりは国王様が決定なされた事なので覆われることは無かった。

王女「…………?」キョトン

女兵士「………む……どうしたのですか殿下?」

私が兵士となったばかりの頃には王妃様……二人の殿下の母君は既にく亡くなりになっていたそうなので少し寂しそうに見えたものだ。

王女「にいさまばっかりみてる」ジー

女兵士「………え、いえ、そのような事はございません」フイッ

王女「にいさまはわたしの、とっちゃダメ」ジー

女兵士「……取りません、仲がよろしいのですね…」

王女「うん」コクリ

事実、二人の殿下はずっと一緒にいた。国王様が多忙というのもあり家族と呼べるのは兄妹だけと感じているのかもしれない、そう思った。

王女「大人になったら、にいさまの子ども生むの」

女兵士「……………」

言葉の節々に聞き流すべき台詞が混じるが、とりあえず聞かなかった事にしている。今でもそれは変わらないが……。



887: ◆Ab.sC93XWE:2015/06/12(金) 22:34:09.11 ID:7bGvhKyG0

さて、そんなこんなで運命の天使には出逢えて毎晩がとても充実した訳ではあるがひとつまた問題が発生する。

……そう、いくら天使でめちゃくちゃのぐちゃぐちゃに愛でてきゃっきゃうふふ(脳内で)していようとも相手は王子、つまり恋愛対照には出来ないのである。

更には実家の母が「そろそろいい人でも見つからないのかねえ?」などとのたまう便りを定期的に寄越すようになる始末。余計なお世話だちくしょう。

だが現実的な考えをするなら母の心配は否定しきれるものでもなし………一瞬私の天使王子たまに「妾にしてください!!頭文字に肉が付く奴隷でも便器でも構わないのでどうかご考慮をッッ!!!!」と東洋の秘伝技を繰り出しながらお願いしようかと本気で考えたがちょっと無理がある。立場的に、年齢的に…。

その頃の私はもういい大人になっていたのだ、脳みその中を夢だけで埋めさせる訳にもそろそろいかん。

なので、今の地位と職権をフルに活用して婚活することにしたのだった。



888:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/12(金) 23:06:05.83 ID:7bGvhKyG0

近衛兵士の長は王族各自につき一名が兵長として国王様に任命される。選抜方法は実力と信用度(簡単に言えば勤めた年数)が重視される、私の場合は近衛となって日は浅かったが実力でその他の候補を蹴落とした、ちなみに兵士になってからは正式な剣術を指南して貰ったがそれ以前は乙女本のイケメン達が使ってた技を繰り出し練習して完全再現させた乙女剣術で兵士試験等を乗り越えた、よく受かったものである。

そしてここからが本質となるのだが、兵長以外は近衛兵士の中から自分で部下を選ぶのだ。

兵長は全部で三人で、近衛兵の総数は二百程度である。そこから好きに選んで良いというわけである。

私は当然の如く顔で選んだ。実力?信頼度?なにそれおいしいの?

するとどうだろう、流石に王子たまには負けるがちらほらイケメンと呼べる者もいるではないか!!汗臭くも不潔でもない兵士もちゃんといるではないか、私は泣いた。マジで泣いた。

幼い頃からの夢の景色がそこに広がっているのだ、こんなに嬉しい事はない。

老近衛「………お前さん、もっと他に考慮すべき事は無かったのか?それじゃ思想も派閥もバラバラじゃぞい」

うるせぇくそじじい良いから不細工ども黙って引き受けてやがれ!!あと女は外せよ王子たまに雌臭さがうつったら大変だからな!!と思いつつキチンとそれっぽい理由は伝える。

美女近衛「まあ、そう言わずともよいではないですか叔父様、わたくしとしては少しはお気持ち、お分かりになりましてよ?」

コイツは国王様の直衛となる近衛兵長で一番位が高い。唯一貴族の出身で騎士候どころか爵位を持っている。なので平民出の私とは基本そりは合わない、何より顔がムカつく。



889:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/12(金) 23:20:55.58 ID:7bGvhKyG0

女兵士「よし、これからは私の下で殿下を御守りすることになる、頼むぞ!!」

イケメン近衛「はっ!!兵長殿!!」

ハンサム近衛「よろしくお願い致します!!」

男前近衛「共に任を全うする所存です!!」

女兵士「………ふひひ…」ジュルリ

近衛「兵長殿、いかがなされました?」

女兵士「……い、いや何でもない……ん?」

近衛「なんでしょうか?」

女兵士(………こんな奴選んだっけ?………まあ、いいか顔は悪くない)キリッ

かくして、私がヒロインの「ドキッ☆イケメン近衛兵士団(ガーディアンパラダイス)ーみんなが団長を奪い合い!?やだっわたし困っちゃう☆編ーがスタートする。


………スタートする筈だったのだ……。



890:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/12(金) 23:29:04.32 ID:7bGvhKyG0

私はひとつ、決定的とも言えるミスを犯していた。

イケメン近衛「………あ、いえ……兵長殿には勝てませんので……はは……」

女兵士「」

………

ハンサム近衛「い、いや……私の背中を守ってくれるか?とか言われても兵長殿背後も隙がないですし」

女兵士「」

…………

男前近衛「……い、いやその……兵長殿は美人ですしお気持ちは嬉しいのですが……その、い、いきなり結婚しろとかは……自分は守られる側にはなりたくないですし……えっ、ちょ……なんだあんた今度は抜刀して脅すのかよどんだけ必死なんですか!?」


私は強くなりすぎた。



892:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/12(金) 23:43:30.16 ID:7bGvhKyG0

女兵士「あんだよもぉぉぉぉぉッッ!!そんなに自分より強い女が嫌なのかよぉぉぉぉ!?!?うわぁぁぁぁぁん!!!!」ポロポロ

女兵士「わ"た"し"ひっし"でがんばっただけだもん!!幸せになるのにがんばって何がわ"るいの"!?な"ん"かいいなさいよ"ぉぉぉぉぉ!?!?うわぁぁぁぁぁん!!!!」シクシク

バーテン「お客さん、飲み過ぎですよ……」

女兵士「呑まなきゃやってらんな"いんだよばかぁぁぁぁ!!!!ひっぐっ……」グビグヒ

バーテン「……大丈夫ですよ、あなたのような美しい方なら必ず想い人はあらわれますよ」フゥ

女兵士「………ひっぐっ……わ、わたしびじん?かわいくなった?」ウルッ

バーテン「………え、ええ………とても綺麗なお方ですよ…」フイッ

女兵士「じゃ、結婚して」

バーテン「……わたくし妻も子供もおりますので」フイッ

女兵士「うそ"つき"!!かわいいっていったくせに既婚かよぉぉぉぉ!!別れてわたしもらえよぉぉぉぉ!!!!」ビッタンビッタン

バーテン(いくら美人でもこんなめんどくさそうな女、独身だったとしても無理だ)



906: ◆Ab.sC93XWE:2015/06/13(土) 15:47:07.82 ID:68xpTXhR0

それじゃ私が弱くなれば良いんじゃね?とも思うのだがそうもいかなかった。

観衆「す、ずげーー!!あの人また勝ったぞ!?この御前試合って手練れの勇者ばかりの筈だぞ!?」

観衆2「当然だ、彼女は女性の身でありながら歴代最年少で我が国最強と言われた近衛兵団の団長に抜擢された実力者だ……この国で剣技で勝てる者など居りはせぬ」



女兵士「折角リカバリーした肌を傷付けられてたまるものかよ!!髪の毛一本たりともかすらせん!!」シュババババッッ!!

重装騎士「け、剣の軌道が見え……っ!?ぐはっ!?」ブシュッ


観衆「おおおおおお!!!!また無傷で切り伏せたぞ!?」

観衆3「きゃーーーすてきーー!!」

観衆4「お姉様ーーー!!いやーーん////」

女兵士「…………またやってしまった」プルプル



908:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/13(土) 16:16:42.42 ID:68xpTXhR0

女兵士(………毎度毎度剣を向けられると条件反射で切り伏せてしまう、い、イケメンはか弱い女の子が好きだというのに!!で、でも傷付けられたらやだしなぁ…痛いのもやだしなぁ…)ウジウジ

「お、おい飛び入りだ、誰か広場に入ったぞ!!」

女兵士「ん?」

「あ、あれは……王子様か!?だ、誰か止めろ!!」


王子(当時16歳)「お見事だ、流石我が妹の近衛を纏める方だ、素晴らしい剣の技です」ニコリ

女兵士「はぐっ!?」キューーン

御前試合というものは毎年開催されており、私はそれまで毎度出場していたのだが(最初は上位入賞すると昇進に有利だと言われたからだが初出場でベスト4、その次優勝と好成績を残しまくっていたので参加しない訳にもいかず毎回出場していた)、これはあくまで御前試合、つまり王族である王子は本来参加などしない筈なのだ。

王子「剣の稽古は爺に受けていたが物足りなくなっていたところでな、良ければ飛び入りを認めて貰いたいのだが?」

女兵士「は、はひ………」モジモジ

成長した王子様は天使どころの騒ぎではないほど美しく成長していた。もはや神である。イケメンの現人神である。

老近衛「わ、若!?いけませんぞあなた様のような高貴な御方がこのような……」

王子「爺、良いからやらせてくれ、私も強く在らねばならぬ身だ、身分の違いなどで私の成長を妨げられたくはない」

女兵士(……あーちょーカッケー試合なら剣のじゃなくてベットの上でやりてー)ボタボタ

王子「ん?どうした?血が出ておるが先程の者に手傷を負わされていたのか?」

女兵士「へっ?あ、いえっ!!こ、これは大丈夫ですただ気分が昂り出てきてしまって…」オロオロ

王子「ふむ、そうか……そなたも一戦交えてみたいようだな」ニコリ

女兵士「な、何ラウンドでもまじわりたいです……」ニヨニヨ

王子「よし、ならば戦るとしよう!!父上、許可を!!」クルッ

女兵士(……や、犯る!?)モジモジ

王「構わぬ、好きにせよ……だがお互い手は抜くな、下らん遊びで観衆を興醒めさせても悪いのでな」

王子「……はっ、分かっております!!」

女兵士「……は、はい!!かしこまりました!!」ペコリ



909:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/13(土) 16:36:30.75 ID:68xpTXhR0

その試合では互角の実力だった。

最初こそ不埒な思考に囚われ焦ったが私もわりとベテランの兵士である。すぐに頭を切り替えて真面目にお相手したものだ。

その上で僅差で負けてしまった。年齢から考えて王子様の才能は私のそれをはるかに上回ると言って良いだろう。

王子「……はぁ……はぁ……やはり強い!!」

女兵士「………くっ…!!」

互いに剣の読み合い、一手間違えば致命となるような剣捌きを続けて、最終的には私の喉元に王子様の剣が突き付けられた。

王子「思っていた通りだ、貴女は最高の女性だ、私はずっとこの時を、貴女と戦う事を待っていた!!」

女兵士「えっ……」

王子「どうか、これからも私と共に剣技を磨いてくれはしないだろうか」ギュ

女兵士「悦んで!!!!」ガバッ

王子「っ!?な、何故抱き付いてくるのだ!?」

女兵士「はっ!?し、失礼致しました…!!」ボタボタ

王子「また鼻血が出ておるが」

女兵士「気にせずにお願いします」ゴシゴシ

弱く無ければいけないという考えは王子様からのお言葉により欠片も残さず吹き飛んだのだが、この頃の王子様はまだまだ純真無垢だったので言葉通りの意味でしかないのが悔やまれる。王子様が変態として堕天するのはもう少し後の話である。



910:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/13(土) 16:53:29.70 ID:68xpTXhR0

それからはしばしば我が神である王子様と剣の稽古等で共に居る時間が増えた。超幸せ、婚活とかどうでもよかったんや。

そんな日々を過ごしていると、ある日王子様がこう言うのだ。

王子「一度旅に出ようと思う、世界の広さを見る事で学べる事もあるだろうからな」

女兵士「……え、殿下それは……」



王子『さの旅にそなたも連れていきたい、来ては貰えぬだろうか?』ギュ

女兵士「そ、そんな……わ、私には姫殿下の護衛という大事な職務が……」モジモジ

王子「む?あ、ああそうだな、うむ」

王子『我が妹は確かに大事だ、だがそなたを我が傍らに置いておきたいというこの想い、そうそうぬぐいされぬ……分かっては貰えぬのか?』ジッ

女兵士「そ、そんな……わ、私などがそんな……い、行けません、私は只の兵士でごさいます!!」クネクネ

王子「………あー、よくわからんが留守の間は我が妹の守りをよろしく頼むぞ?では」スタスタ

女兵士「え、あれ?……ちょ、ちょーっ!?」ガーン

王子「……ん?」クルッ

女兵士「………お、お気をつけて」プルプル

王子「うむ、行ってくるぞ!!」ニカッ

女兵士「…………ちっ……妄想か……ヤバイな私」グスン


そして、次に戻ってきた王子様は変態となっていた。私は世界を憎んだものである。私のカッコいい殿下を帰せ。



911:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/13(土) 17:03:46.33 ID:68xpTXhR0

そして今年、私は再び絶望する事になる。


女兵士「………30歳の誕生日まであと〇〇日…」ブツブツ

思えば私は何をしていたのだ?

女兵士「………30歳の誕生日まであと〇×日…」

まともに恋愛も出来ず、何をしても空回り、望んだ結果には何一つたどり着けない。

そんなんでいいのか私の人生。

女兵士「………やめよう、数えても時は止まらない……気分転換に外へ出よう、今日は新刊出るし」ヨロヨロ



912:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/13(土) 17:16:50.43 ID:68xpTXhR0

本屋「ありゃっしたー!!」

女兵士「…………部屋で読むと気分転換にならんな、公園でちょっと読もう」


………

女兵士(………休日の午後、穏やかな風の中で緑の香りが舞う……そんな中で見る乙女本も中々良いものだ、人には見せられんがな)フゥ…


女兵士(………もう良いか、考えても仕方ない、私は美人になったのだ、年齢がなんだというのだ、いづれいい人が見つかるさ……)


女兵士「………いい気分転換になった、かな……帰るか……」パタン

青年「……あっ…」

女兵士「……?……何でしょうか?」

青年「あ、いえ……すいません、とても絵になってるなと思って…」

女兵士「……え?」

青年「いや……素敵な女性だなって…」テレッ

女兵士「!!!!」

立ち上がり絶叫しそうになった。それほどショッキングな台詞を目の前の青年は言ったのである。



921:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/13(土) 21:35:51.86 ID:68xpTXhR0

女兵士「………」

青年「……えと」

女兵士(落ち着け私、これはチャンスだ、ちょっと頼りなさそうでヒョロっとしてるがけっこう可愛い顔してる、逃がすな、意地でも仕留めろこれを逃したら今後チャンスはないと思え!!)クワワッ

青年「……?」

私はもう大人であり、色々と経験は積んでいるのだ、仕事の付き合い、社交辞令やら生きるためのスキルは身に付けてきたのだ、私はやれば出来る子なのだ。いまやらないでいつやるというのか。

女兵士「そう、ありがとうね?」ニコリ

確かに私は腐っている。だがそれ以前に女なのだ、良い女を演じるぐらい訳はないのだ本来は。

青年「……っ…えと…こ、このあたりの方なのですか?」アセッ

女兵士「ええ、貴方は?」

青年「僕は最近王都に移住してきたんで、まだよく分からないんですが……えーと、む、向こうの方かな?ははは……」

女兵士(……しめた、こいつはお上りさんだ、ちょっと優しくされたらコロッといくぞ!!)カッ!!

まるで餓死する寸前の蜘蛛が巣に獲物を捕らえたような心境だった。



922:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/13(土) 21:37:21.79 ID:68xpTXhR0

女兵士「あら、なら大変でしょう?この辺りは慣れていないとよく迷うし」クスッ

青年「そ、そうなんですよ!!道なんか全然分からないし、今も迷ってここに……」

女兵士「案内してあげる?」

青年「え?い、いやそんな悪いですよ!!なんとか自分で目的地へは辿り着きますから!!」ワタワタ

逃がすものかよッッ!!確実に仕止めてみせる!!

女兵士「人の親切は素直に受け取るもんだゾ♪」(・∀´←)=☆バチーン

青年「……え…?」タジッ

女兵士「ん?」キョトン

青年「………い、いや……マジで大丈夫です」フイッ

何故だ、何故いきなり引きぎみになっているのだこいつは。



923:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/13(土) 21:39:17.60 ID:68xpTXhR0

い、いやまだだ、押せ、押し通れ!!

女兵士「遠慮はだ・め・だ・ゾ・☆」キャピッ

青年「すいません失礼します」スタスタ

何故だ!!男はみんなぶりっ子大好きだろ!?何が間違っているというのだ!?

女兵士「ち、ちょっとまって!?な、なにどうしたの!?」ガシッ

青年「す、すいません離して下さい……」グイッ

女兵士「あっ」バサッ

青年「す、すいません持ってた本……が…………」

女兵士「」

『ミラクルらぶ☆ボーイズ-僕と僕らのキミへのI love you☆‐』

青年「………うわっ…きっつぅ……」ササッ

女兵士「」グサッ

青年「…………ごめんなさい…それじゃ」スタスタスタスタ

女兵士「」





女兵士「………ふ、ふぇぇ……」ウルウル


この時悟った、私は何が間違っていたのか、ハッキリと

………



924:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/13(土) 21:42:17.00 ID:68xpTXhR0

私は暇が出来れば手紙を書くようになった。

私の想いを綴り、連ねてゆく。

女兵士「ドキドキ☆騎士学園作者さま、あなたの作品を私は……」カリカリ

この想いを吐き出さないと、私はどうかしてしまいそうになる。この胸の、心にひしめくモノを言葉に変えて、文字に変えて連ねよう。

女兵士「あなたの作品のせいで私の人生はめちゃくちゃです、あなたがこんなもの書かなければ私は幸せになれたはずなのに、どうしてくれるんですか?」ガリガリ

怨み、つらみ、黒い感情を吐き出そう。

こんなもん生み出した作者に呪いを、我が怨みはらさでおくべきか。

女兵士「あなたの作品はすごく素敵でした、だからこそ許せません」ウルウル

数多の乙女本は怨めない、あれは私のオアシスだ。

だが作者、テメーは別だ。

女兵士「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!!」カリカリ

ええ、八つ当たりです。それがなにか?


番外編おわり。



929:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/13(土) 22:05:19.47 ID:68xpTXhR0

『王宮の兄妹』その1

王女「にいさま」

王子「なんだ?我が妹よ」

王女「そろそろいい?」

王子「はて、なにがだ?」

王女「そろそろ私、大人」

王子「ふむ?」

王女「……………谷間」ムイッ

王子「…………」

王女「…………」

王子「……我が妹よ」ポンッ

王女「……………」

王子「セクシーポーズはあと3年は早いぞ、それと兄である私に見せても仕方なかろう?」

王女「…………」ショボン



930:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/13(土) 22:15:21.20 ID:68xpTXhR0

『王宮の兄妹』その2

王女「にいさまはバカ」

王子「……う、うむ……確かに学門はからきしではあるが」

王女「違う、そういう意味じゃない」フルフル

王子「む?ではなんだというのだ我が妹よ」

王女「にいさまは鈍感、だからバカ」

王子「そんな事はないぞ我が妹よ?私はこれでも空気を読める美男子として世の女性達に……」

王女「それは相手が空気を読んでいるだけ、にいさま自身は正直バカにされてる」

王子「え?」

王女「本当に分かっているならにいさまはとっくに女達と関係を持っている」ジー

王子「すまぬ我が妹よ?ど、どういう意味だ?」

王女「ほら、にいさまはバカ」ニコリ

王子「……む、むう?」

王女「正直にいさまがバカで本当に良かったと思ってる」フゥ

王子「…………意味が解らぬ」



931:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/13(土) 22:29:39.29 ID:68xpTXhR0

『王子七歳、王女二歳』

王子「………母さま…」ジワッ

王女「………?…」キョトン

王子「父上は母さまの死に目にも立ち会わない……王というのはそんなに冷たい生き物なのだろうか……」ゴシッ

王女「にーさま?ないてる」ギュー

王子「………うん、泣いているよ?母さまが死んだんだ、家族はそういうとき泣くんだ」ギュ

王女「………かぞく?」

王子「そう、僕とお前のことだよ、優しくきれいだった母さまが死んでしまったから、僕ら二人だけが家族だ」

王女「……うー?……とーさまは?」

王子「……あの人は、王さまなんだ、家族の前に王さまなんだよ」

王女「……???……よくわからない?」

王子「僕がちゃんと教えてあげるよ、家族とか、色々……優しかった母さまに僕が教わった事は全部」ナデナデ

王女「うん」コクリ



932:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/13(土) 22:47:21.77 ID:68xpTXhR0

『王子十歳、王女五歳』

老近衛「……ふむ、やはり剣の方は中々に筋がよいですな殿下」カンッ、キンッ!!ガッッ!!

王子「ッッ……ハァッ!!」ザンッ!!

王女「………」ジー

老近衛「ほっ、だがまだまだ!!」スカッ

王子「ぐっ!?」ザザッ

王女「………」スタスタ…グイッ

老近衛「これで一本……はぐぉ!?」ビターン

王子「!?」ビクッ

王女「兵法……囮を使い油断させておいて伏兵で討ち取るのは常套手段、トラップなんかも有効」フム

老近衛「」

王子「………繩?地面に軽く埋めてあったのか……」シュルッ

王女「そう、見事に罠に掛けて討ち取った」ブイ

王子「………わ、我が妹ながらすえ恐ろしいな…」

老後「」ピクッ…ピクッ

王子「……おい?じ、爺?な、なぜ動かぬただ転んだだけでは……」

王女「頭に石がぶつかるように配置した」ゴロッ

老事は「」グッタリ

王子「ちょっ、やりすぎだ!!じ、爺しっかりしろ傷は浅いぞ!?」ユサユサ

王女「にいさまを苛めるから」プイッ

王子「いじめられてた訳ではない!!と、とにかく人を呼ばねば!?」タタタ

王女「……むう、あやまる、ごめんなさい」ペコリ

老近衛「………しょ、将来が楽しみなお二方じゃ…」ガクリ



939: ◆Ab.sC93XWE:2015/06/14(日) 09:26:05.41 ID:uC7vXWZl0

『王子十一歳、王女六歳』

王女「にいさま、にいさま」トタトタ

王子「なんだ?どうした?」

王女「…………」ギュー

王子「………ふぅ、お前は僕にひっついてばかりだな?」ナデ

王女「うん」コクリ

王子「僕と一緒に居るだけでは駄目だぞ?人との付き合い方を学べないからな、それでなくともお前は表情が乏しいのだし」

王女「にいさま以外の人はこわい」フルフル

王子「爺はどうなのだ?」

王女「見た目がこわい、ひげもじゃ」フルフル

老近衛「………」

王子「爺、命令だ、剃れ」ジー

老近衛「……な、なんとご無体な……毎日手入れを欠かさず大事にしていた私の長年のトレードマークを……」

王子「我が妹を怖がらせたままで良いのか?そなた言っておったであろう、僕以外にも我が妹がなつく者が居らねば将来不安だと」

老近衛「ぐっ……む、むぐぅ……しょ、承知致しました……」プルプル

……

老近衛「若、それに姫様!!剃って参りましたぞ!!これで怖くなど……」ツルン

王女「こわい」サッ

老近衛「なんと!?」ガーン

王子「我が妹よ、今度はどう怖いのだ?」

王女「つるつる、タコみたい」

老近衛「」

王子「ふむ、確かに……では爺よ命令だ、髪を生やせ」

老近衛「そんな無茶な」



940:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/14(日) 09:43:19.39 ID:uC7vXWZl0

『覚醒の妹』

王女「…………?」トタトタ

侍女「最近殿下が凛々しくなってきているわよねぇ…流石陛下のご子息様だわ」

侍女2「あんた……まだ殿下は十二よ?子供じゃないの」

侍女「今ぐらいが一番良いのよ!!」フンス

侍女3「あたしにはまだ分かんないけどねぇ……後2年って所かしら、そしたらときめいちゃうかも」

侍女2「2年で良いのね……まあ、確かに殿下は同じ年頃の子より背は高いし顔も整ってるけど……」

侍女4「わ、わたしは今のままの方が……大人になったらきっと男臭くなっちゃう…」

キャイキャイ

王女「…………」イラッ


王女「…………?……にいさまの話をされてると不快?」キョトン

王子「どうした?」

王女「……にいさま」クルッ

王子「最近一人でふらついているが、怖いのは治ったのか?」ナデナデ

王女「…………」ジー

王子「む?」

王女「まだこわい」ギュー

王子「………ううん?」



941:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/14(日) 10:02:05.94 ID:uC7vXWZl0

『エロ覚醒の妹』

王女「わたし、にいさまのこどもがほしい」

王子「………う、ううむ?どうしたいきなり?」

王女「初潮が来たらすぐ作る」ブイッ

王子「しょちょーと言うのがよく解らんが……我が妹よ、僕らは兄妹だから婚約は出来ぬぞ?結婚せねば子供は作れぬ」

王女「にいさまが無知なだけ、やりようはいくらでもある」

王子「…………しかしだな、我が妹よ?結婚していないとコウノトリは来ないんだぞ?」

王女「……………はぁ?」ジトッ

王子「っ!?い、妹が表情を!?」ビクッ

王女「……バカだバカだとは思っていたけれどここまでバカだと思わなかった、にいさまは今年12歳なのにまさかコウノトリ信じてるとは」ハァ

王子「あ、あれ?我が妹よ?長いセリフ初めて聞いたかと思ったらなにかバカにされてるような……」オロオロ

王女「………まあいい、その内わたしがおしえる」グッ

王子「……じ、爺!!爺は居るか!?我が妹の様子がおかしいのだ!!おい爺よ!!」トタトタ

王女「………さて、将来の為にもっといろいろ調べる」トコトコ



942:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/14(日) 10:24:05.34 ID:uC7vXWZl0

『異種同類、威嚇と共感』

女兵士「本日より姫様の護衛を勤めさせていただく者でございます、宜しくお願い致します」ザッ

王女「よろしく」

女兵士「………」キョロキョロ

王女「………にいさまは今、爺と稽古をしてる」

女兵士「……っ!?」ギクッ

王女「…………」ジー

女兵士「………」フイッ

王女「にいさまばっかりみてる」

女兵士「……い、いえそのような事はございません…」

王女「にいさまはわたしの、とっちゃだめ」

女兵士「……取りません、仲がよろしいのですね…」

王女「うん、大人になったらにいさまの子どもを生むの」

女兵士「……………」

王女「…………」ピース

女兵士「い、いやピースじゃなくてですね?その、ご兄妹ではそれは難しいのでは……」

王女「愛で撃ち破れない障害など存在しない、目的の為ならば手段を選ぶ必要もない」

女兵士「分かります」キリッ

王女「うん、でしょう?」

女兵士「うっ……しまったつい…」ウグ

王女「あなたとは仲良くなれそう、なにか似た者同士な気がする」

女兵士「そ、そうですか?」

王女「うん、人生の先輩として色々教わりたい、よろしく」ペコリ

女兵士(私の知識なんぞ教えていいもんだろか……)ダラダラ



946:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/14(日) 17:12:35.83 ID:uC7vXWZl0

『特に何かあるわけでもなく本の読みすぎ』

女兵士「老近衛殿」スタスタ

老近衛「む、なんじゃい?」

女兵士「老近衛殿は以前からお二人の殿下の事をお守りしているという事でしたのでお聴きしたいのですが」

老近衛「うむ、私は元々お妃様の家来でな、お亡くなりになられた後もお二人の世話をと頼まれておる」コクリ

女兵士「ならば分かるのかと思うのですが……その、姫様に眼鏡等を与えない理由でもあるのでしょうか?」

老近衛「……眼鏡?」

女兵士「ええ、姫様はかなりの近眼なのにお持ちになっていないそうで、理由でもあるのかと」

老近衛「………はて、初耳じゃな」

女兵士「まさか気付いておられなかったとか?」

老近衛「……………」フイッ

女兵士「おいくそじじい」

老近衛「仕方なかろう!?ちっとも私にはなついてくれんのじゃ!!なんじゃいお主は初日からなつかれおって!!嫌味か!!嫌味か!?」カーッペッ!!

女兵士「……………孫に嫌われた田舎のじいさんかあんたは」



947:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/14(日) 17:32:11.62 ID:uC7vXWZl0

『犬というよりは虫』

王子「うむ?我が妹が目が悪い?知っておったが」

老近衛「……若、知っておったのなら何故言ってくれませんのじゃ」

女兵士「不便なのでは?」

王子「うーん……本人が要らぬと言っていたのでな」

女兵士「しかし、置物や花瓶を人と間違うほど酷いのでは………というかあれでは殿下のお顔も判断出来ぬのでは?」

王子「いや、私だけは判別出来るらしい、他の者は解らんらしいが」

老近衛「一体どのように判別なさっておられるのじゃ?」

王子「うむ、少し実験がてら確認してみるか……そなた、私のシャツと上着を羽織ってそこに立っておれ」ヌギヌギ

女兵士「」ブフォ

老近衛「……若、みだりに肌を露出なされるな」

王子「上だけだ、問題無かろう?では我が妹が来るのを待ち伏せるぞ」

女兵士「は、はひ」ガクガク

…………

王女「………にいさま見つけた」トタトタ

女兵士「」

王女「……?……にいさま?」

女兵士「…………」

王女「………う?」キョトン


※物陰

王子「…この通りだ、どうやら匂いで判別しているらしい」

老近衛「………ちと眼鏡を手配してきますのじゃ、不憫過ぎる」




王女「にいさま?あれ?」クイクイ

女兵士(……あっ、ちょっといい匂い)クンクンスーハースーハー



951:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/14(日) 20:52:01.99 ID:uC7vXWZl0

ある日の事である。屋敷に幼馴染みで使用人の彼女と二人で暮らしていた時の日常の中でどうしようもない事を思い出したと言うだけの話だ。

夕方近くの事である。仕事も一段落して何気なく屋敷をぶらぶらしていると、通路の途中に何かが落ちているではないか。

白いレースのパンツである。

通路の先には洗濯物を干すのに利用している二階のテラス、まあつまり彼女が洗濯物を取り込んだ際に落としてしまったのだろう。

そのまま放置するのがまあ、ベストな選択肢だったのだろうがその時は何故かそのパンツを拾い上げてしまったのだ。

無論、言わずとも分かる筈だがこのパンツは彼女の物である、自分はレースのこんなぴったりフィットしそうな下着を履いたりはしない。

さて、拾ったはいいが別にこれをどうこうしようなど微塵も考えてはいないのだ。世の中には女性の身体そのものよりもこういった下着に興奮する輩も居るという話だが自分はそんな事はない。例えこの下着が彼女が股間に密着していたものであり彼女の大事な部分に張り付いたり擦れたりしてた物であろうが布は布なのだ、ましてや洗濯済みの物になんの価値があるというのか?事実匂いは石鹸の香りしかしなかった。やはり布は布なのだ。



953:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/14(日) 21:10:36.43 ID:uC7vXWZl0

とりあえず両手で摘まんで掲げていると足音が近づいて来ているのに気付く。足取りが不規則でウロチョロしているようだった。

メイド「………あれぇ?ない……足りないから落としたと思ったんだけどなぁ……」

通路の角からこっそり覗いてみるとやはりというか彼女だった。十中八九今自分が被っているレースのおパンツを探しているのだろう。

とりあえず彼女を困らせる気は微塵もないので素直に返す事にしよう。俺は拳の中にそのパンツを握り締めながらやれやれと溜め息を吐く。

未だ通路の向こうでウロチョロしている彼女におーいと何気なく声を掛けて、それから彼女は振り返る。

メイド「あっ……わ、若旦那様」

なんとなく狼狽えているような素振りだったが気にせず例のブツを「これ落ちてたぞー」と軽い感じで渡す。さらばパンツまた逢う日まで。

メイド「……え、ちょ、なっ!?」

渡された物が自分の下着だと認識すると、彼女の顔が一瞬で真っ赤になる。茹でたタコみたいという比喩があるがその通りである、湯気まで出ている気がしないでもない。

メイド「な、なななななんでこれをどこで!?」

わたわたばたばたと身振り手振り狼狽える彼女、まあかわいい反応だと思う。

しかし、彼女の場合羞恥心と言うのが半端なく強いのだ。下着渡されただけでこれである。

メイド「え、えっとその、お、落としちゃ…おちょしてしまいまして!!さすいませんっ!!」

台詞をかみかみ慌てふためきながら走り去る彼女を眺めながらこんな事をふと思ったのだ。

男「………そういや、メイドさんの恥ずかしがりやなあの性格、俺が原因と言えば原因なんだったなぁ」

そう、彼女の異常なまでのアレは自分に原因があるのだ。

……………



955:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/14(日) 21:20:25.94 ID:uC7vXWZl0

………

あれは俺が14歳の夏の日の事だった。その日はこの地方にしては妙に蒸し暑く嫌な日だった記憶がある。

部屋に籠って本を読むにもジメジメとして嫌な汗をかき、ならばと外へ出ようものなら降り注ぐ陽射しでノックダウンさせられてしまう事必至である。俺は基本的に体力はこれっぽっちも持ち合わせていないのだ。

女の子「じゃ、水浴びしたい、付き合って」

お前の誘いなんぞお断りだッッ!!と、普段ならそう言うだろう、何せこの幼馴染みの奴隷女は事もあろうに主人の息子である俺を事ある毎にぼっこぼこのぎったぎたにするわ無理矢理誘拐紛いの方法で俺をふんじばってはどこぞの山やら谷やら森やらへと引きずるように連れ出すのだ、いい迷惑である。

しかしこの時ばかりはその水浴びしたいとの提案に賛成したものだ、暇さえあれば本を読んでいたい俺ではあるが何しろ暑い、暑すぎる、とてもではないが読書に集中出来る環境ではなかったのだ。

女の子「なら早くいこ?汗ベタベタで気持ち悪いし」

男の子「はいはい、それじゃ近くの川まで行くか」

そういう訳で、その日は水浴びのために屋敷に近い、水遊びするのにうってつけな場所へと二人で向かったのだ。



958:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/14(日) 21:46:31.83 ID:uC7vXWZl0

川と言っても流れは穏やかで流される心配もない、それに森の木々が周囲を囲んで陽射しも遮ってくれているので屋敷の中に比べるとかなり涼しいのだ。街からも離れているのでその場所は二人だけの秘密の遊び場でもあった。

男の子「夏はここに居座ってるのが一番避暑になるなぁ……去年も来てたのにすっかり忘れてた」

女の子「冬は来ないもんね……よっ……」

着いた途端に脱ぎだす彼女、だがまあそれも毎年の事である。最近は入っていないが風呂だってずっと一緒に入ってたぐらいなのだ、特に何か思う所などその時点ではまったくなかった。

女の子「はやく入ろうよ?脱がないの?」

ちなみにその時俺は足を水につけながら読書に勤しむ気満々でさっさと川縁の丁度いい大きさの石に腰掛けて本を開いていた、涼しい場所に来たならとにかく本を読める環境という事である、全身水に浸かる気など初めから更々なかったのだが……

女の子「ひとりじゃつまんない、脱げ」

ガシィッ!!と大人もビックリな握力で襟首を捕まれ引っ張られる。腰掛けた石から引き摺り落とされ砂利だらけの地面に背中を着ける。

男の子「痛ってえな!?なにすんだ!?」

女の子「あによ、文句あんの?」

おおありだこのメスゴリラァ!!と言う俺の台詞は口から飛び出す瞬間に引っ込んだ。

女の子「はやく遊ぼうってば、水遊びしに来たのに本なんか詠んでるあんたがおかしいんだからね?」

彼女は既に全裸だった。いや、それは脱いでいたのを認識していたのだから分かっていたのだ。

男の子「………………」

それにも関わらず、見慣れてというか何も感じる事もなかった筈の彼女にその時初めてみとれてしまった。



961:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/14(日) 22:04:47.55 ID:uC7vXWZl0

ちなみに水遊びするのに水着とか着ねーの?という疑問も浮かんだがそんなもん着る訳がないのだ。二人とも風呂だって一緒に入っててしょっちゅう一緒のベッドに寝てお互いおねしょ引っかけあった仲である。まあつまり子供の内は裸だろうがなんだろうが別に恥ずかしくもなんともないのだ。

なんともない何も感じる事はない、というかそういう事を意識したことがない。

男の子「……………」

女の子「…………?…なに?どしたの?」

仰向けに倒れる俺の顔を仁王立ちしながら覗きこむ彼女。つまりそういう事だ。

男の子「っ!?!?ちょ、いやなんだそのな!?」

彼女をそのアングルから眺めているのに凄まじい罪悪感に苛まれて慌てて起き上がる俺。

女の子「???」

俺は焦った。そしてひたすらビビった。それまでは……一年ぶりぐらいに見た彼女の裸がチビガキのすっぽんぽんから視たらイケない女の子の裸体になっていたのでビビった。

男の子「………お前、そういや今年いくつだっけ?」

女の子「へ?えっと、たぶん12…あれぇ?13歳だっけ?」

男の子「……………」

12か13……そうか、よくよく考えたらその辺りの年頃なら成長期なのだ、いつまでもチビガキではないという事だろう。



962:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/14(日) 22:14:36.72 ID:uC7vXWZl0

男の子(………そういやコイツ、学校とかは行ってないからな……同じ年頃の女の子が男の前で裸見せたらどうなるかってのまるで理解してねーな?)

それでも屋敷に居る誰かがその辺キッチリ教えろよ!!!!とも内心思った物である。

まあこれはだいぶ後で気付いた事だが、彼女の場合は奴隷なので羞恥心など邪魔にしかならないという判断だったからあえてそういった事への教育はシナカッタんだろうなーと、その後の例の事件の後に思い立った訳ではあるが……。

男の子「………と、とりあえずだな?裸はやめろ、下着だけは付けとけ」

女の子「なんで?」

男の子(なんでじゃねぇよ!!!!)

とにかく、この羞恥心というもんに無関心過ぎる彼女をどうにかせねば……と、俺はその時股間を押さえながら決意したのだ。



963:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/14(日) 22:32:47.16 ID:uC7vXWZl0

後日、俺は彼女の羞恥心を呼び覚ます為にありとあらゆる手段をこうじた。

女の子「えっ、な、なに?くすぐった……にゃあ!?」

ある時は身体をまさぐり。

女の子「ひぅっ!?な、なんでトイレに入ってくるのよ!!出てってよ!!も、漏れちゃ……!?」

ある時はトイレを限界まで我慢させ、その上で用を足す時に無理矢理侵入し。

女の子「ちょっと!!これアンタのでしょ!?わ、私のベッドにこ、こんな変な本置いてなに考えてんのよバカ!!変態!!変態ぃ!!」

またある時は無修正ポルノを開いた状態で彼女に見せつけた。

女の子「し、信じらんない!!変態ドスケベ糞野郎!!しねっ!!このしんでしまえ気持ち悪い!!」ゲシゲシ

その度に俺は不当な暴力により生死をさ迷ったが、後悔はしていない。

女の子「……う"ぅ……な、なんなのよぉ……」ジワッ

彼女に、真っ当な人間らしい感覚を植え付けられたから、俺はそれで良かったのだ。決して恥ずかしがる顔を見たいが為にセクハラしていた訳ではない。

ついでに言うなら使用人となった彼女が口を開けば俺を変態と罵るようになった原因もこの頃の俺の影響だろう、なんて理不尽な仕打ちだろうか、俺は彼女の為を思ってやった事なのに。



964:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/06/14(日) 22:46:58.55 ID:uC7vXWZl0

…………

男「………ふぅ、しかし……やり過ぎだったかなぁ?ははは」スタスタ

過去の思い出を振り返り、それに笑う。

あの頃の自分は若かった、と…そんな風に考えるほど人生長くは歩んでいないがわりと濃い目の出来事も多いのも事実。ちょっとぐらいなら思ってもいいだろう。

出来る事なら、彼女にも思い出話で笑えるようになって欲しいとも。


男「……………そういえば……」

回想が回想を呼び覚ます、というのはよくあるのだが、今回は自分の事への客観的な判断が思い立った。

男「…………アイツの裸見た時からだな、ロリ系ばっかり好んで見るの、人間性癖は思い出と直結するっていうからなー」


そして、この数日後、俺は一人のロリ系美少女を衝動買いする事になる。


番外編おわり。


男「売られてた奴隷にガチ惚れして衝動買いしてしまった」2



転載元
男「売られてた奴隷にガチ惚れして衝動買いしてしまった」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432042477/
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         コメント一覧 (44)

          • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月16日 03:28
          • まだ完結してないのでござるよ
          • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月16日 03:44
          • 前編の141cmみてどうなんだこれとこっちまで来たけど
            奴隷の女の子買いました系って国が王様がみたいな壮大なの多いよね
          • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月16日 05:24
          • 未完かよ!
          • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月16日 06:01
          • ドワーフじゃないのかよ
          • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月16日 06:41
          • なんか水月の雪さんを思い出した
          • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月16日 07:19
          • これは完結しないパターン
          • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月16日 07:52
          • タイトルからランスを思い出した
          • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月16日 10:48
          • 未完なのに後編とかつけてんじゃねーぞ詐欺師が
          • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月16日 11:13
          • これキッチリ完結したらすごい作品になりそう
            今、2スレ目が始まったばかりだけどどうなるやら
          • 10. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月16日 11:41
          • 長すぎ誰か要約してくれ
          • 11. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月16日 12:55
          • イケメン王子が掘られかけるお話よ
          • 12. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月16日 13:12
          • はい
          • 13. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月16日 14:05
          • 久しぶりに長編すらすら読めましたぞ
            続き期待
          • 14. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月16日 14:09
          • 5 終わってねーじゃねーかよ!
          • 15. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月16日 14:38
          • 未完なら未完って書いとけや糞が
          • 16. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月16日 14:43
          • 書いたやつも糞だがまとめたやつも糞
          • 17. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月16日 14:50
          • おうっ!!
          • 18. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月16日 16:00
          • ウマゴン懐い
          • 19. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月16日 18:44
          • なんで完結してもいないのに前後編に分けてまでまとめたんだ…

            大分前から思ってはいたけど、以前と比べて管理人さん悪い方向に変わっちゃったよね
          • 20. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月16日 19:37
          • これ中編だろ?後編、どこだよ。
            おもしれぇよキャラかわいいよあくしろよ。
          • 21. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月16日 19:44
          • なにこの生殺し
            続きを含めてしっかりまとめてくれ〜
          • 22. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月16日 21:26
          • ____   ┌┐    ________   _ _              __           _
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          • 23. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月16日 21:33
          • あれ?ドワーフやコボルトがメインじゃねえの?
          • 24. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月17日 01:26
          • おもしろかったんだからさぁ、続き早くしてくれ
          • 25. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月17日 03:12
          • 5 続きをお願いします~~
          • 26. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月17日 06:59
          • 今続きやってるで

            それはそれとまとめる時に
            1スレ目とかするべきだった
          • 27. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月17日 08:50
          • 中編にしとけよ勘違いするやろ
          • 28. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月17日 09:03
          • 何が後半だよ。途中作品じゃないか
          • 29. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月17日 21:06
          • 5 続き頼む
          • 30. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月18日 08:07
          • 長編でもサクサク読めて良い!
            けど後編じゃないでしょwまだ未完なんだからw
          • 31. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月18日 18:48
          • 最初は面白かったんだけど、行き遅れネタとかが出てきて萎えた
          • 32. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月18日 19:46
          • 今2スレ目見てるけど王子がカッコよすぎてガチ惚れ指嗾
          • 33. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月18日 20:21
          • 未完ぽいね
            こういう作品って終盤でシリアス分が増えてくに連れて軽さが無くなってくのが悩みの種だけど
            どうなるか気になる
          • 34. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月19日 00:06
          • なんとなく少女の外見をみなわちゃんで想像した
          • 35. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月20日 07:33
          • 続き!続きはよお!
          • 36. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月21日 19:39
          • 嫌な予感がして先にコメ欄見に来てよかった
          • 37. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月23日 21:57
          • 具体的に表記されてないしメイドさんは処女ってことでいいんだよな?いいんだよな?それ以外認めんぞ!!!
          • 38. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月24日 07:24
          • まさぐられただけで未遂でしょ。事に及ぼうとした時点でナイフに気付き…だから
          • 39. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月25日 21:00
          • 続きまだなのかよおおお
          • 40. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年10月28日 13:23
          • このssが書かれてから半年…色々なことがありました。
            でもこれはまだ未完です…
          • 41. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月25日 07:40
          • 5 女兵士の番外編がすごかった。
            笑い、感動、涙だった。
            このひとは『もう崖っぷちで幸福になるしかないだろう』と思った。
            そして⭐5つに決めた。
          • 42. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年10月16日 21:38
          • 続編がないかと2年ぶりにたまたま見かけたから来てみたものの、そういうコメントがなくて悲しい。
            これから探すけど失踪してそうだなぁ
          • 43. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年10月16日 22:51
          • あったわ。タイトルで調べりゃでるはずやで
          • 44. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年10月16日 23:06
          • と思ったら荒らしのせいで続きはあるけど途中で無くなってるわ。それでもいいなら。
            ほんと大作潰してくるやつら困る。
            消えて欲しい。

        はじめに

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