P「嘘をついてはいけない世界」
P「異世界に飛ばされる……某ゼロから始まるファンタジーなラノベを読んだ方なら、一度は夢見る出来事でしょう」
P「しかし、その異世界が貴方にとって望ましい世界であるとは限りません」
P「中には、とんでもない世界に飛ばされてしまう場合もあるかもしれません。そう、彼女のように……」
……
伊織「で、その子は結局帰ってこなかったんだって」
亜美「ひぇぇぇ」
真美「いおりんそれガチなやつじゃん!」
やよい「うぅー、寝られなくなりそうだよぉ」
貴音「」
響「た、貴音!?」
亜美「大変だ、お姫ちんが殺されちまった!」
真美「この人でなし!」
伊織「何よ大げさね。アンタたちこんな作り話にびびり過ぎよ!」
やよい「えー、さっきの嘘だったの!?」
伊織「そりゃそうよ。あんな事現実にあるわけないじゃない」
亜美「ぶーぶー、いおりんの嘘つきー」
真美「嘘つきはオシオキだべー!」
律子「ほら、アンタ達遊んでないで仕事よー」ガチャッ
伊織貴音以外「はーい」
響「うー、貴音重いぞぉぉぉ」ズルズル
貴音「」
やよい「あれ、伊織ちゃんは?」
伊織「私はあと2時間くらい余裕あるから、少し休んでから行くわ」
「いってきまーす」
伊織「はいはい、行ってらっしゃい」
伊織「それにしても、あんな話で怖がるなんて、騙されやすい子達よねぇ」
伊織「……ふぁぁ、少し眠いわね。でも、後二時間で仕事だし」
伊織「寝ないように、しな……い、と」
……
「ゃん、伊織ちゃん!」
伊織「んぅ……何よ」
やよい「伊織ちゃん、起きてよ!」
伊織「やよい? ……って、もうこんな時間!?」
やよい「そうだよ、お仕事の時間だよ!」
伊織「あーもう、寝癖ついちゃってる! タクシーの中で直さなきゃ……」
やよい「あはは。はい、伊織ちゃんの荷物」
伊織「ありがとやよい。いってきまーす!」
やよい「あ、待って伊織ちゃん!」
伊織「何よ? もう時間が……」
やよい「ほら、伊織ちゃんのうさちゃん!」
伊織「あっ! 私としたことが……後やよい、この子の名前はうさちゃんじゃないわ。シャルル・ドナテルロ18世よ」コホン
やよい「……えっ?」
伊織「ん?」
やよい「………………それ、嘘だよね?」
伊織「……え?」
やよい「伊織ちゃん、昔この子はうさちゃんだってプロデューサーに言ってたよね?」
伊織「な、何でそれを////……じゃなくて、この子はうさちゃんなんて子供っぽい名前じゃないんだから!」
やよい「どうしてそんな嘘をつくの?」
伊織「だから嘘なんかじゃ……」
やよい「嘘つきな伊織ちゃんは嫌いかなー」
伊織「……分かったわよ。そうよ、この子はうさちゃんよ。シャルルって言うのは、私が昔咄嗟に考えた偽名よ」
やよい「やっぱりそうなんだよね! あー良かった。私の方が嘘を言ってるのかと思いましたー」
伊織「これで良いわね? それじゃ私は仕事に」
やよい「でもでも、やっぱり伊織ちゃんは嘘ついてたんだよね?」
伊織「どうしたのよやよい。あの双子の悪戯に協力してるならそれくらいにしときなさい」
やよい「おかしいのは伊織ちゃんだよ。嘘つきな伊織ちゃんは罰を受けなきゃいけないんだよ?」
伊織「はぁ?」
やよい「何が良いかなぁ……おめめを刳りぬくので良い?」
伊織「ちょ、ちょっと待ちなさいよやよい。アンタ今日おかしいわよ?」
やよい「大丈夫! 私こないだ春香さんのおめめも刳りぬいたんだけど、あんまり痛くなかったってほめてもらったから!」
伊織「い、いい加減にしないと怒るわよ!」
やよい「じっとしててね伊織ちゃん。手元が狂っちゃうから」
伊織「っ!! やよい、ごめん!」ドンッ
やよい「はわっ! もう、伊織ちゃんったら悪い子ですー!」
……
伊織「はぁ……はぁ、何なのよアレ。目が本気だったわよ」
伊織「やよいのことは後でプロデューサーか律子に相談するとして、とりあえず仕事を済ませなきゃね」
??「あれ、伊織?」
伊織(っ!? だ、誰? ファンの人? 聞き覚えのある声な気がするけど……もう仕事まで時間ないし、とりあえずごまかさないと)
伊織「ち、違います! 人違いです!」
??「いやいや、何言ってるんだ? どうみても伊織だぞ」
伊織「だぞって……アンタ、響じゃない。相変わらず変装に気合入れすぎよ」
響「あはは、自分達も売れてきたからなぁ。伊織こそ、もうちょっとしっかり変装したほうが良いと思うぞ」
伊織「そうね。最近自分の足で街を歩いてなかったからちょっと気が抜けてたわ。それじゃ、私これから仕事だから」
響「ちょ、ちょっと待ってよ!」
伊織「何よ? もう時間が」
響「さっき、嘘ついただろ?」
伊織「っ……な、何のこと?」ビクンッ
響「あ、それも嘘だ! 伊織、呼び止められた時人違いだなんて嘘ついたじゃんか!」
伊織「ちょっと待ちなさいよ、あんたまでその妙な遊びやってるってわけ?」
響「何を言ってるのか分かんないけど、嘘をついたらお仕置きなんだぞ! へへーん、完璧な自分のお仕置きはとっても痛いから、死んじゃわないようにがんばるんだぞ?」
伊織「な、何なのよ一体!」ダッ
響「あっ、逃げるなよー」ダッ
伊織(何よこれ何よこれ何よこれ何よこれ! 皆何を言ってるのよ! 何で嘘ついた程度でこんな目に……大体、こんなの嘘のうちにも入らないわよ)
響「あはははははははははははははははは、待てよ伊織ぃ! 逃げたら殺しちゃうぞー」ダダダダダダ
伊織(くっ、響に足で敵うわけないわよ! ……あれは!)
伊織「タクシー! すぐに○×ビルまで行って!」バタンッ
響「あー、ずるいぞ! 次にあったらお仕置き10倍だからなー!」
……
伊織「やよいだけじゃなくて響まで……これって何かのドッキリ? 趣味悪すぎよ……」ハァ
P「遅いぞ伊織! 仕事までもう時間がない。すぐ着替えてくれ!」
伊織「プロデューサー! それどころじゃないわよ。やよいと響がおかしいの! 何とかして頂戴!」
P「やよいと響が? 待ってくれ、何のことなんだよ」
伊織「あの二人、物騒なこと言いながら私のことを追い掛け回してくるのよ! これ、もしかしてドッキリか何かじゃないでしょうね、だとしたらこんな悪趣味な企画通してんじゃないわよ!」
P「ちょ、ちょっと待ってくれ! いきなり怒鳴られても、俺にも何が何やらさっぱりだ」
伊織「……そうね、ごめんなさい。ちょっと私も混乱していたわ」
P「まず、伊織にドッキリの仕事は取っていない。これは間違いないはずだ」
伊織「そうなの……じゃあ、やよいと響はどうしてあんな事を」
P「それなんだが、伊織は何か心当たりはないか? いや、伊織を疑ってるわけじゃないんだが……そうだな、例えばほら」
P「嘘付いた、とか」
伊織「っ!!」ゾクッ
P「違うんだな?」
伊織「ち、違うわよ! この私が嘘なんてつくわけないじゃない!」
P「そうか、良かったよ。でもそうなると本当に分からないなぁ……」
伊織「そ、そうね……とりあえず、仕事を済ませましょ」
P「ああ、そうだな。ん、悪い、メールだ」ピッ
伊織(何なのよこれ……プロデューサーまで変だし、今日はとにかくさっさと仕事を終えて家に……)
P「伊織」
伊織「何よっ! 早く案内しなs」
P「嘘ついてたのか」
伊織「っ!」
P「さっきやよいと響からメールを貰ったぞ。伊織が嘘をついたって」スッ
伊織「い、嫌……嫌……」ガタガタ
P「悲しいなぁ、伊織から嘘つかれるなんて……プロデューサーとして、もう二度と嘘をつかないよう舌を抜いておこう。そうだそれが良い」
伊織「何よ、何なのよ! 皆おかしいんじゃないの!? もう嫌!」ダッ
やよい「あー、伊織ちゃんまた逃げようとしてる」
伊織「や、やよい!?」
響「伊織がそんな奴だったなんて自分ショックだぞ」
伊織「アンタ達、どうして……」
やよい「だって伊織ちゃん、罰を受けずにどこか行っちゃうんだもん」
響「だからやよいと相談して、こうやってわざわざお仕置きしに来てあげたんだぞ」
伊織「あ、あ……」
P「おまえ達か。ちょうど良かった。伊織の奴、俺にまで嘘をついていたんだ」
響「え、プロデューサーにもか!? うわ、じゃあお仕置きどうしようかな?」
やよい「うっうー、私は伊織ちゃんの歯を全部引っこ抜きますー!」
響「んー、じゃあ自分は身体中の皮膚を全部剥がそうかな」
P「響、幸いまだ身内だけなんだから、顔の皮だけで許してやらないか?」
響「うーん、プロデューサーがそう言うなら、それで許したげるさー」
やよい「良かったね、伊織ちゃん!」
三人「「「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは」」」
伊織「い、嫌……」
P「ほら伊織、どこへ行こうとしてるんだ? しっかり罪を償いなさい」ガシッ
伊織「離して! 離しなさいよ!!」
やよい「伊織ちゃん、すぐに済ませてあげるからね」
響「大丈夫さー。自分完璧だから、殺さないように剥がしたげるぞ」
伊織「嫌ぁぁああああああああっ!!!」
……
「ゃん、伊織ちゃん」ユサユサ
伊織「っ……ん」
やよい「伊織ちゃん?」
伊織「っ!?」バッ
やよい「ど、どうしたの伊織ちゃん、すっごいうなされてたけど……」
伊織「……夢、だったの?」
やよい「大丈夫、伊織ちゃん?」
伊織「え、ええ。大丈夫よ。何でもないわ……」
伊織(時間も戻ってるし、やっぱり夢だったのね。そりゃそうよね……って)
伊織「やばっ、仕事行かなきゃ! やよい、起こしてくれてありがとね!」
やよい「ううん、どういたしまして! あ、伊織ちゃん!」
伊織「ん、何かしら?」
やよい「さっき何でもないって言ってたけど、それって……」
やよい「嘘、だよね?」
おわり
転載元
P「嘘をついてはいけない世界」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1430915985/
P「嘘をついてはいけない世界」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1430915985/
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コメント一覧 (32)
-
- 2015年05月07日 02:18
- 1かな~って
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- 2015年05月07日 02:22
- 俺は興奮してないぞ!本当だぞ!(ビクンビクン)
-
- 2015年05月07日 02:32
- うん、うん……こわい
-
- 2015年05月07日 02:35
- ちくしょう! 本当の事しか言えなくなって皆が赤面するような話だと思ったのに! ブラックコーヒー飲もうと思ったのに!!!
-
- 2015年05月07日 02:45
- 1/4読んだあたりでオチがわかった
-
- 2015年05月07日 02:58
-
※4みたいなのをみんな期待していたんだろうなあ・・・ま、俺もだけど
-
- 2015年05月07日 03:12
- >6 >4
ホントそれ、ちょうど手元にコーヒーあったから飲みながら読んだら2重で寝れなくなった
-
- 2015年05月07日 03:13
- 嘘をつくとアイドル達にお仕置きしてもらえるなんて怖すぎるな
-
- 2015年05月07日 03:15
- ※7
こんな時間にコーヒー飲んでる時点で、最初から寝る気ないだろw
-
- 2015年05月07日 04:41
- やよい「嘘、だよね?」
伊織「ち、違うわよ!」
やよい「ダメだよ伊織ちゃん無理しちゃ! 体調悪いなら言わないと!」
やよい「あ、今日のレッスン休んだ方がいい? わたしが伝えるよ?」
と続くんですよね、わかります(願望)
-
- 2015年05月07日 05:10
- ガチ怖かった…
-
- 2015年05月07日 06:39
- 嘘をつけばアイドルにお仕置きしてもらえるのか・・・
私は童貞です
-
- 2015年05月07日 06:48
- なんて正直な人なんでしょうか
-
- 2015年05月07日 07:35
- 響が完璧とかいう大嘘
-
- 2015年05月07日 08:32
- (物理的に)嘘の無い世界
-
- 2015年05月07日 09:01
- いやいや嘘嘘、冗談だから、本当に嘘。だから嘘じゃないって本当だって、
本当に嘘だから。本当だよ本当、本当の嘘。わかってもらえたかなあ、
嘘じゃないんだよ本当だよ、本当に嘘だから。
-
- 2015年05月07日 11:45
- そう言えば、人が最初につく嘘は赤ん坊の頃の嘘泣きだと聞いたことがある。
つまり、この世界だと赤ん坊は速攻で……。
-
- 2015年05月07日 12:00
- 小鳥さん!!何歳ですか!!
-
- 2015年05月07日 12:20
- ※18
お前の血は何色だぁぁぁぁ!
-
- 2015年05月07日 13:09
- 春香はやよいにどんな嘘をついたんだろうな?
わざと転んでないとか言ったのかな?
-
- 2015年05月07日 14:25
- アイドルには致命的だな
-
- 2015年05月07日 15:49
- 猿夢思い出した
-
- 2015年05月07日 18:33
- ※17
あれは嘘泣きっつーか泣く以外の要求の仕方を知らないっつーか
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- 2015年05月07日 19:07
- 「私は嘘つきです」と言わしたらどうなるんだろうか?
-
- 2015年05月07日 20:44
- やよい「嘘だっ!!!」
-
- 2015年05月07日 20:56
- ・嘘をついてはいけない
・ホモは嘘つき
→この世界に俺の居場所はないということか・・・
-
- 2015年05月07日 22:33
- 俺らのこの世界も別に嘘ついていいわけではないけどな
-
- 2015年05月07日 22:42
- 某ブリタニア皇帝「この世界こそが我が求めた理想郷だ!!ぶるあああぁぁぁぁああ!!!!」
-
- 2015年05月14日 00:56
- KBTIT「ウッソだろお前!
死ぬ寸前まで痛めつけてやるからな」
つまりKBTITは嘘の無い世界の住人である
T.D.N. 証明終了
-
- 2015年05月14日 01:07
- 僕は嘘をついてはいけない
さぁ、書き取りを始めるのですポッター
-
- 2016年12月10日 10:26
- 天狗裁きみたい
-
- 2017年06月09日 04:35
- 響がちびまる子の山田に見えて笑える。
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