美琴「私のことビリビリいってりゃいいのよ!」
- 2015年04月16日 04:40
- SS、とある魔術の禁書目録
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美琴「チェイサアァァーー!!!!!」
ドガア!……ガタンゴトン!
美琴「よっし!ジュースゲットォ~!」ゴクゴクゴク……
上条「いや、だからさあ御坂さん……常盤台中学のお嬢様が、自販
機を蹴って無銭でジュースを飲むなんて行為、普通はやらないんじ
ゃないかって、上条さんは常日頃、思っているわけなんですが……」
美琴「…だから、前にも言ったでしょ?女子校なんてみんなそんな
もんだって。アンタは常盤台中学に勝手なイメージをもちすぎなのよ」
上条「いいや、違うね!!よく街で見かける常盤台の女の子は、すんげえおし
とやかそうで、お前と違って、ぜっったいに自販機を蹴ったりしないもんね!!」
美琴「ああもう、うるっさいわねえアンタは…小さいことをグチグチグチグチ
……ほんっとにしょうもない男ね!」
上条「んなっ……!!な、なんでお前にそんなこと言われなきゃなんねーんだ
よ!!せっかく上条さんが、お前の素行の悪さを注意してやってんのに!……
それに、自販機の件だけじゃねえ!普段、お前と来たら、ことあるごとにビリ
ビリビリビリと……!!」
ビリビリビリビリィィィ!!!!
上条「どわああ!!!……って、言ってるそばから何すんだよ、御坂!!」
美琴「アンタがさっきからごちゃごちゃうるさいからでしょ!!誰に説教たれ
てると思ってんのよ!!」
美琴「前々から思ってたけど、アンタ、私に対する態度が無礼すぎなのよ!!
もっと、この御坂美琴様に敬意を払えっての!!」
上条「はん、なに言ってやがんだ!だーれがお前なんか!レベル5かなんだか知
らねーがお高くとまりやがって!お前なんかただのビリビリ中学生じゃねーか!
ことあるごとにビリビリビリビリしやがって!!
お前こそ、もっと年上の上条さんに敬意を………
って、おい、御坂…」
パリッ…パリッ…
美琴「ほんっとアンタってなにふりかまわず説教するのが好きよね……けどね…
…いいかげん、その説教癖も相手見てからやったほうがいいんじゃないかしら……!!」
バリバリバリ……
上条「わ、わかった…御坂さん!!分かりましたから……!!頼むからこれ以上は……!!
……ってだあああ!!!」
美琴「死っねえええええぇぇぇぇぇーーーーー!!!!!!!!!!!」
バリバリバリバリバリリイイイイ!!!!!!
上条「どあああああああーーーーーーーーー!!!」
その夜…
学園都市郊外
上条「はあ……」
上条「全く、御坂のやつ……アイツに追い回されたおかげで、もうすっかり夜
になっちまったじゃねーか……あの御坂のビリビリぐせ、なんとかなんないものかねえ…」
上条「それにしても御坂のあの態度……いくらアイツがレベル5の超能力者で、俺が
レベル0の無能力者だからといって、あの高圧的な態度はいただけないよなあ…
…アイツって、普段、他の奴にもああなのかな…?
…だったら、直した方がいいとおもうんだが……」
?「そこの君、ちょっといいかしら?」
上条「え?俺ですか?…っていうかあなたは……?」
女記者「わたしはこの学園都市で毎週販売されている、雑誌の記者をやっている
者なんだけど……実は、あなたとさっき一緒にいた御坂さんのことで相談があるの」
上条「へ?み、御坂のことで、俺に??」
とある喫茶店
上条「……で?御坂のことで俺に相談って、一体なんです?それも週刊誌の記者をや
っている人が一体……」
女記者「ええ……実は、今度ウチの雑誌で、御坂さんを記事にとりあげたいとお
もっているんだけど……そのことを御坂さんに了承してもらえるよう、あなたから
も彼女を説得して欲しいのよ」
上条「み、御坂を週刊誌の記事に!????それに、俺に説得して欲しいって
どういうことですか!?」
女記者「どういうこと、ってそのまんまの意味よ?実は私、前々からずっと御
坂さんを題材に記事を書きたいと思っていたの。けど、この間そのことを御坂
さんに話したら、こっぴどく断られちゃってね……結構、粘ったんだけど」
上条「は、はあ……」
女記者「けど、プロのジャーナリストとして、そう簡単に諦めるわけにはいか
なくてさ。彼女に了承してもらう何か良い案はないかなって考えた末…
…私じゃなくて、彼女に近しい人物から説得してもらうのはどうだろう、と思
ったわけよ!!
……どうも、貴方は御坂さんとかなり親しい関係にあるみたいだしね。上条当麻君?」
上条「え?なんで俺の名前を知ってるんですか?」
女記者「そりゃあ、私は雑誌の記者、ジャーナリストよ?記事にしたいと思っ
ている人と親しい人間くらい調査済みよ!……さっきの御坂さんと貴方のやり
とりもばっちり見てたんだから!」
上条「……おねーさん、なんか、ストーカーくさいんですけど……」
女記者「な……し、失礼ね!!これも仕事よ!!取材の一部なの!!」
上条「で……それはそうとおねーさん、御坂なんかをネタに一体どんな記事書くつ
もりなんですか?」
女記者「え……?なにをって、あの御坂美琴よ?記事にしたい内容なんて腐る
ほどあるわよ?」
上条「いや、あの御坂美琴、っていわれても……一体どーいうことですか?……
アイツ、只のビリビリ中学生ですよ??
だって、御坂のやつ、今日だって自販機蹴ったり、俺に電撃かましたりして悪さ
ばっかりして……
あ!!もしかして、アイツの素行の悪さを記事にしたいとか、
そーゆーことですか!?」
女記者「はあ……上条君……。さっきのやりとりを見たときも感じたのだけれ
ど……あなた、御坂さんと親しいわりに、彼女のこと、全然分かっていないみ
たいね……」
上条「え……?」
女記者「だって、御坂さんのことを本当に良く知っているのであれば、彼女に
対してビリビリだのなんだの…
…あんなガサツな態度とれるわけないですものね…」
上条「え?え?……ど、どういうことですか??」
女記者「いーい、彼女は学園都市に7人しかいないレベル5の第3位……!!。
常盤台中学のエース、『超電磁砲』御坂美琴よ!?そのネームバリューだけで
記事にする対象としては十分だとは思わない?」
上条「ま、まあ確かに……そういえば、御坂って結構、有名人でしたね……」
女記者「けどね、聞いて上条君……私個人としては、御坂さんの魅力っていう
のは、レベル5である、というところだけじゃないと思うの」
上条「え?ま、まだあるんですか?」
女記者「ええ。だって、ただレベル5ってだけじゃあ、この学園都市には他にも
6人いるわけでしょ?
……御坂さんの真の魅力というのは、他のレベル5にはな
い、御坂さん自身の人間性にあると思うの」
上条「人間性ねえ……いや、個人的にはそこが問題点だと思うんですけど……」
女記者「まず、御坂さんが他のレベル5と違うのは、彼女が大変な努力家であるという点ね。
……元々、彼女がレベル1だったっていうのは、上条君も知ってるでしょ?」
上条「ああ、そういえば、聞いたことあります…。
確か、元々、レベル1だったのにレベル5まで上り詰めたんですよね」
女記者「そう……目の前に立ちふさがれたハードルを飛び越えずにはいられない、
そんな彼女の性格を表す、象徴的な事例よね」
上条「(……そういえば御坂って、俺と知り合った時にはすでにレベル5だったけど、
それって、努力の末上り詰めた地位なんだよな…
……けど、御坂が努力家なんて、はっきりいってあんまりイメージないんだけどなあ…)」
女記者「また、彼女のもうひとつの魅力は、それほどの地位にいながら、
それを鼻にかけることなく、だれとでも分け隔てなく接するところね。
だって彼女、自分がレベル5だからって、周りに高圧的な態度をとったりしないでしょ?」
上条「はあ……まあ……そうなの…かな??
(…けどアイツ、俺には高圧的な態度よくとるような気がするけどなあ…)」
女記者「ね!?御坂美琴の人間性!!上条君も分ってくれたかしら!?」
上条「う、うーーん……おねーさんのイメージが結構、偏ってる気がしなくもないけど…」
上条「……ま、まあ、大体分かりました。つまりおねーさんは、今言ったような、
御坂の魅力を記事にしたいって、そういうことですよね?」
女記者「うーーん、それもあるんだけど……私が今回、本当に記事にしたいと
思っていることは、彼女のそんなところじゃないの」
上条「へ?」
女記者「だって、私が今話した御坂さんの魅力なんて、彼女をよく知っている人間であれば、当然知っているようなことですもの。
それだけをネタに記事を書こうなんて、そんなことをするつもりはないわ」
上条「…けど、それだったら一体、何をメインに記事を書くつもりですか?」
女記者「ずばり!記事にしたいのは、実は彼女が、裏でこの学園都市を守っている
正義のヒーローなんじゃないかって話よ!」
上条「は、はあ?なんですかそれ??……御坂がヒーローですって??」
女記者「ええ……これはまだ、誰にも言っていない、丸秘ネタなんだけど……私が知る限り、
御坂さんは学園都市を、とある危機から二度も救っているわ……!」
上条「はあ?み、御坂のやつが……??
ま、まさかあ……そりゃあ、不良にからまれてる
女の子を助けるくらいのことはする奴ですけど……」
女記者「聞いたことないかしら?……夏くらいに話題になった幻想御手事件や
ポルターガイスト事件のことを……」
上条「ああ、そんな話、聞いたことあるようなないような……って、そんな
事件に御坂がからんでるっていうんですか!??」
女記者「ええ……世間一般的には、2つの事件はアンチスキルが解決させたことに
なっているけど…
…私の調べによると、実は、本当にこれらの事件を解決したのは御坂さんなのよ!
……ふふ、そんなこと、仲の良いあなたも知らなかったでしょ……?」
上条「けど、ほ、ほんとうに御坂が裏でそんなことを……?」
女記者「ええ、それはほぼ間違いない事実だと思うわ。
…けど、その詳細については私も知らないから、記事を書く為に是非一度、
事件の真相を御坂さんにインタビューしたいと思っているの。
女記者「ふふふ……それにしても、人知れず、学園都市を悪から守っているだなんて……
ほんとにアニメや映画にでてくるヒーローみたいでしょ、上条君?」
上条「(御坂のやつ……俺にはそんなこと、一度も話したことなかったのに……。)」
上条「(……もしかしてアイツ、裏でしょっちゅう危険なことに
首つっこんでたりするのか?あの一方通行の一件とかは、ほんの一部なのか…?)」
上条「(……俺、御坂と知り合って結構立つけど、アイツのことなんて
何にも知らないままだった……普段意識したことなかったけど…
…けどアイツ、やっぱすごいやつだ……俺より年下なのに、世間からも認められてて…
…その上、裏では有名な事件を解決したりしてるくせに、それを表に出すこと
なく暮らしてるんだもんな…)」
上条「(まだ、中学2年生なのに……大したやつだよ、アイツ。
それなのに俺って奴は、御坂のこと何にも知らないのに、普段ビリビリだとか
馬鹿にしたことばっかり言ってしまって…
…今度会ったらあやまらないとな…)」
女記者「上条君……」
上条「は、はい!?」
女記者「突然声をかけてきて、こんな話をするような人間の言うことなんて…
胡散臭くてあんまり信用できないなんて思うかもしれないけど…
…実をいうとね、上条君。私はただ、純粋に御坂さんのファンなのよ。御坂美琴
という、魅力的な人間を、記事を通してもっと世間に知ってもらいたいだけなの」
女記者「……だから、決して御坂さんにとって都合が悪くなるような記事を書いたり
しないわ。インタビューの時だって、答えたくない質問を無理に問いただそうとする
つもりはないし、記事の内容も、雑誌に載せる前に御坂さんにチェックしてもらうつもりだわ。
……だからお願い、記事の話、御坂さんに頼んでもらえないかしら?」
上条「……わかりました。おねーさん、悪い人じゃなさそうだし…御坂が記事
になるくらい、立派な人間ってのも理解できたんで……明日にでも、アイツに
直接会って頼んでみます」
女記者「ほんと!?あ、ありがとう、それじゃあお願いするわね!!」
上条「(……とは言ったものの……御坂が俺の言うことなんて聞くかなあ……
けど、アイツにとって良いことを記事に取り上げるわけだし……
ちゃんと説明すれば別に、御坂も了承してくれるよな)」
次の日
とある公園
美琴「いやだっつってんでしょ!」
上条「……え……」
美琴「ったく……話があるっていうから来てみたら……そんな話だったわけ!!
………なによ…私はもっと……デートに誘うとか……そういう話かと……ぶつぶつ……」
上条「……御坂?なにぶつぶついってんだ?」
美琴「う、うるさいわね!!とにかく!!そんなくっだらない話でいちいち呼び
つけてるんじゃないわよ!!」
上条「く、くだらない話ってなんだよ!!いっとくけどな、おねーさんの意気込みは
本気だったぞ!!純粋に御坂のファンで、お前の魅力も分かっている人で……」
美琴「そーゆー問題じゃないのよ!!その女なら、私のところにも何度も来たわよ!!
何度も記事を書きたい書きたいって私のところに来たけど、
そのたびに嫌だって、断ってんのに……!!あの女、まだ、こりてなかったのね!!」
上条「おいおい…!!そんな言い方ねーだろ!!
……あ、もしかしてお前、記事に悪口書かれるんじゃないかって心配してんのか!?
……だから、そんな心配いらねーって!!おねーさんは……」
美琴「だから、言ってるでしょ!!そーゆー問題じゃないって!!
記事の内容がどーとか、そんなこと言ってるんじゃないわよ!!
記事に取り上げられること自体、嫌だっつてんのよ!!」
上条「な、なんだよ、それ!!別にいいこと書かれるんだから、
記事に載るくらい問題ねーじゃねーか!!」
美琴「記事、記事ってうるさいわね!!だいたいねえ、私の何を記事にするこ
とがあるわけ!?ったく、ほんと分けわかんないわ、あの記者!!」
上条「な!?そんな謙遜することないだろ!?だって、お前って色々すごいやつじゃねーか!!
お前ほど、世間から尊敬されてる中学2年生なんか他にいねーぞ、御坂!」
美琴「な、なに言ってんのよ、アンタは!!??
普段、私のことビリビリとか言って馬鹿にしてるくせに!!気持ち悪いわね!!!」
上条「あ、いや、そーだけどよ……おねーさんからお前の話を聞いてやっとわかったんだよ!!
お前は学園都市に7人しかいないレベル5で……それでいて努力家で……しかもそれを鼻にかけない、
すげえ奴だってことが!!」
美琴「ちょ、ちょっと、ほんとにどーしちゃったのよアンタ……?
あ、頭にウジでもわいてんじゃないの??」
上条「俺は正気だよ、御坂……あ!それにお前、聞いたぞ……皆が知らないところで危険
な事件に首つっこんだりしてるみてーじゃねーか……幻想御手事件だとかポルターガイスト事件とか
……全部お前が事件解決に関わってたんだろ?」
美琴「なっ!!!な、なんでアンタがそんな話まで知ってんのよ!!!……っていうか、
そんなモン、私一人で解決したわけじゃないわよ!!アレは皆の助けがあって……!!」
上条「いいんだ、御坂。そんな謙遜しなくて。……というか、いままでごめんな…お前
のこと、何も知らないで無礼な態度ばっかとって。なんか俺、おねーさんから話を聞いて、
御坂のこと何にも知らなかったなって、ホント思い知らされたよ」
美琴「…………」
上条「御坂って、俺よりも年下なのに、俺なんかよりもよっぽど……」
美琴「もうやめてっ!!!」
上条「……へ?」
美琴「……なんか嫌…」
上条「え、あ、あのーー、御坂さん……今、なんて…」
美琴「嫌だっつってんのよ!!!何よ、アンタ、急に手のひらを返したように私のこと褒めちぎって!!なにあっさり、あの女記者に洗脳されてんのよ、ホント、しょうもない男ね!!」
上条「せ、洗脳…!!??な、なにいってんだ、御坂!?俺はただ純粋にお前のことを見直して……!!」
美琴「あーーーもーーー!!うるさい!!アンタにだけはそんなこと言われたくなかったわ!!」
上条「な、なにいってんだ、お前…??って、なんでそんな怒ってんだよ!?……俺、別に怒るようなことなんて何も……」
美琴「あーーー、だから!!もううるさいしゃべるな!!
……とにかく!!アンタはそんな変なこと言わなくていいの!!アンタはいつもみたく、私のことビリビリいってりゃいいのよ!」
上条「え、お前なにいって……っておい、どこいくんだよ、御坂!!」
美琴「どこって、決まってんじゃない、帰るのよ!!ったく、こんなくだらない話でよびつけて……!!時間の無駄だったわよ、この馬鹿!!!」
上条「ちょ…ちょっと待てよ!!それじゃ、記事は……記事の話はどーなんるんだよ!?」
美琴「だから!!んなもん、了承するはずないでしょ!!」
上条「なんでだよ、御坂!!別にお前にデメリットないだろ!?……ていうか、メリットしかねーだろ!?……事件を解決した記事なんか書いてもらえれば、お前、ヒーローになれるじゃねーか!!」
美琴「なっ……!!な、な、なんでアンタの口からそんなセリフが出るのよ!!!!信じられない!!!」
上条「……え…??」
美琴「誰が事件を解決したかなんて、どーでもいいことでしょうが!!皆が無事だったんだから、それで、なんの問題もないんだから!!
……なんで、それを私がアンタに言わなきゃならないわけ!!?」
上条「ちょ、み、御坂…それ、一体どーいうことだよ……??」
美琴「もし、アンタが私だったら、絶対にそんな記事なんて書いてもらわないくせに……!!心にもないこといってんじゃないわよ!!この馬鹿!!」
美琴「……それに、それに…!!ヒーローっていうんなら、私より、アンタのほうがよっぽど……!!」
上条「おい…、御坂、さっきからお前一体……?」
美琴「ああーーー!!もういいっ!!とにかく、今日のアンタ、ぜんっぜん話にならないわ!!
いーい!?次、会った時、そんな話したらただじゃおかないんだからね!!?
あーー!!イライラするわ!!」
上条「え…お、おい…御坂!?ほんとに帰っちまうのか!?おい、御坂…おい!!」
美琴「うるさい!!ついてくんな!!!」
バリバリバリィィ!!
上条「どあああっ!!!」
上条「……た、頼みを断られるだけならまだしも……なんか本格的に御坂を怒らせてしまった
みたいだけど……
な、なんでアイツあんなに怒ってんだ……??」
その夜…
とある喫茶店
黒子「……なるほど……上条さんが、ワタクシを呼び出すなんて、どういう風の吹き回しかと思いましたけど……そんなことがありましたの」
上条「ああ……けど、別に何も怒らすようなこと、一つもいってないんだぜ俺は…。むしろ俺は御坂のこと、見直したって話をしただけなのに……」
黒子「はあ……この腐れ類人…いえ、上条さん…。上条さんはお姉さんのことをなーーんにも理解してらっしゃらないんですわね…」
上条「…おい……お前今、ものすごい悪口言いかけなかったか…?」
黒子「いいですこと、上条さん…
まず、お姉さまは基本的に、周りから特別扱いされることが好きじゃありませんの。
したがって、記事の良し悪しに関係なく、雑誌に取り上げられて、みんなから注目を浴びるなんてこと、絶対に嫌なはずなんですの」
上条「あ……そういやそうだったけか…?」
黒子「お姉さまにとって、レベル5になったというのは、目の前のハードルを飛び越えた、ただの結果なのであって……周囲に特別な目で見てもらおうだとか、そういう気持ちは一切ないんですの」
黒子「それに、事件の真相だって、お姉さまは決して周りの人間に語ったりはしないんですわ。
最も世間じゃ、アンチスキルが事件を収めたことになっていますから……ワタクシと
しては、そんなお姉さまをみてて少々歯がゆい気持ちもございますけどね」
上条「…そうか、だからアイツ、記事になる話をあんなに必死で断ったのか……
自分が必要以上に注目を浴びたりするのはもう、うんざりしてるってことなのか…」
上条「け、けどな、白井!!多分、御坂が怒ってんのはそれだけじゃあないんだよ!!なんかアイツ、俺が、アイツのことを見直したって話しをした途端、ものすごい勢いで怒りはじめて…!!」
黒子「はあ……上条さん……これだけ話してまーだわかりませんの…?」
黒子「さっきも言いましたけど……お姉さまは特別扱いが嫌いなんですの……だから、自分を褒めちぎるような話されたって、嬉しくもなんともないんですの……むしろ、うざったいだけなんですわ」
上条「いや、それは分かったけど……けど、それだけのことで、あんなに怒らなくても…
ほんと、何時にもまして殺気だってんだぜ!!他に何か理由があるんじゃあないのか!?
……それともアイツ、普段そんなことでいちいち周りに怒りをぶちまけたりしてんのか!??」
黒子「……確かに、いくらお姉さまが特別扱いされることが嫌いといっても、流石にそんなことくらいで、周りの人間を怒ったりはしないですわ。
……だって上条さん、学園都市にいる人間の9割以上は、お姉さまを特別扱いするのですから。……それことついては、お姉さまも半ばあきらめている状態ですしね」
上条「そ、それだったらなんで俺にはあんなに怒ったりしたんだよ……!!」
黒子「何故だなんて……そんなことワタクシの口からはあんまり言いたくないのですけれど……おそらくお姉さまは、どうにも許しがたかったんでしょうね、
上条さんの口から、普段、自分の周囲にいる人間が言うようなセリフが発せられたことが」
上条「……え?そ、それどーいうことだよ!?原因は俺なのか!??
(お、俺、そんなに御坂に嫌われてるのかよ…!?)」
黒子「上条さん……分からないのでしたら何度でも言いますけれども、お姉さまは特別扱いされることが嫌い…それはつまり、もっと対等にあつかって欲しい、ということですわ」
黒子「…普段、決して自分の力を誇示したりせず、他人と分け隔てなく接するのは、きっと、周りにも自分がしているのと同じように、対等に扱って欲しい、というメッセージだと、黒子は思いますの」
上条「あ、ああ……いや、それは今までの話でなんとなく分かるけど……それとこれとなんの関係が……」
黒子「けど、実際のところ、この学園都市にお姉さまを対等に扱ってくれる人間はほとんどいない。輪の中心に立つ事はできても輪の中に混ざる事はできない……お姉さまもそれは分かっているからこそ、半ばあきらめているんだと思いますわ。
………だからこそ、上条さん……きっと、あなたのような存在はお姉さまにとって、とてもかけがえのない存在なんですわ」
上条「え?お、俺が…?なんで??」
黒子「以前にも同じような話をしたはずですわ。あなたは普段、お姉さまを対等に扱ってくれる数少ない人物……。
普段、あなたには必要以上に攻撃的だったり、高圧的な態度をとったりするかもしれませんけど…
…それは上条さんが、絶対に自分に対する態度を変えたりしないって、確信していたからですわ」
上条「……あ…もしかして御坂のやつ、俺が自分を特別扱いしだすんじゃないかって、勘違いしちゃったのか…?」
黒子「ええ……きっと、お姉さまはショックだったんでしょうね。普段、自分に悪態ばかりつく上条さんが、急に、周りの人間と同じように、自分を褒めるようなセリフを言い出すんですもの。
もしかしたら今後、少しずつ、周りと同じように自分を特別扱いしだすんじゃないかって。対等に扱ってくれなくなるんじゃあないかって、不安になったんだと思いますわ」
上条「いや……けどな白井……俺はただ、アイツに素直に感心したってだけで…そんなつもりは一切なかったんだけど……」
黒子「まあ、そんなささいな話しはどーーでもいいですわ、上条さん。
それよりいいですこと?…その記事に関する話は、その記者の方にきっぱり断ってくださいな、理由はもうわかりましたでしょ!?」
上条「あ、ああ……わ、分かったよ…!!」
黒子「それともう一つ!!」
上条「ま、まだあるのかよ…!!」
黒子「当然ですわ、こっちの方が重要なんですのよ上条さん!!
といかく!!いっっっこくも早く、お姉さまと仲直りするんですわ!!!明日までになんとかするんですのよ!?もし、できなければ……わかっていますわよね……!!」ビキビキ…
上条「ちょ……し、白井!!な、なんでそんなに怒って……わ、わかった、分かりましたよ!!ちゃ、ちゃんと仲直りするから……!!……っていってもなあ…どうやって仲直りしたらいいものか…」
黒子「ごちゃごちゃいってんじゃねええええーーーー!!!とにかく急ぐんですのォォォ!!!!!」
上条「は、はいいい!!!」
…………
黒子「(まったく……寮に帰ってきたお姉さまが元気がないと思っていたら……こういうことでしたのね…
…それにしてもお姉さま……あの類人猿にそこまで心を奪われているとは……きいいいいーー!!お姉さま!!黒子は……黒子は悔しくてたまりませんですのよぉぉーー!!!!)」
次の日…
とある喫茶店
上条「……と、いうわけなんです!ごめんなさい、おねーーさん!!!」
女記者「そう……まあ、仕方ないわね。けど、よく考えたらわかることだったわ。『超電磁砲』御坂美琴が、自分が雑誌にヒーローとして扱われるなんて、望んでいるはずないってね」
上条「ええ…力になれなくて、ほんとすいません」
女記者「いえ、その話はもうホントにいいの、きっぱりあきらめたから……実は昨日、私、御坂さんに呼び出されて怒られちゃったの。彼女に怒られるなんて……ホントへこんじゃったわよ」
上条「え!?おねーさんが御坂のやつに!?あ、アイツになんて言って怒られたんですか!??」
女記者「ええ。それはもう、ものすごい剣幕で怒られたわ。『アイツに余計なことを言うな』って。
ふふ……意外だったわ、てっきり記事にする話について怒られるのかと思ってたのに…」
上条「み、御坂が本当にそんなセリフを……??」
女記者「御坂さんが嫌がることをしちゃったんですもの……私ったらファン失格ね。……けど、御坂美琴にあんな可愛い一面があるだなんて……私、ますます彼女のこと、好きになっちゃったわ……
上条君、御坂さんのこと、これからもよろしくね」
上条「え……?あ、は、はい……??」
上条「(よくわからんけど……なんか、おねーさんも諦めてくれたみたいだし、
とりあえず、こっちは一件落着か。
さて、残すは御坂との仲直りだけなんだが……どうしたもんかなぁ……)」
後日…
とある公園
美琴「んで…?こんなところに呼び出して、何の用よ?」
上条「ええっと、その…」
上条「(ほら、謝れ、謝るんだ上条!!…け、けど、なんて言って謝ればいいんだ、こういう場合……?『お前のこと褒めちぎってごめん』とか『見直してごめんな』とかそういうこと言えばいいのか…?そんな謝り方聞いたことねーぞ!??
あーー駄目だ!分けわかんなくなってきた!!けど、なんか言わねーと!!)」
上条「あ、あのな御坂…こないだは」
バリバリバリィィィ!!!
上条「どわあああ!!!」
上条「……って、いきなり電撃かますなんて、何すんだよお前!!」
美琴「……ったく、いっつも思うけど、その右手、一体どうなってんのかしらね?この御坂美琴様の電撃がぜんっぜん通用しないなんてさ」
バリバリバリィィィ!!!
上条「だああ!!だ、だから、何すんだよ!!やめろって、おい!!」
美琴「ふん、どーせ全然効いてないくせによく言うわよ。まあ、そりゃそうよね。アンタは、この御坂美琴を打ち負かしたんだからさ!」
上条「な、なんだよ、急に!今そんな話してるんじゃ……」
美琴「はん!アンタがこの間、この御坂美琴様のことをすごいだのなんだの、上から目線でえらそーに褒めたようなことを言うから、ちょっと分からせてあげようと思っただけよ!!
本当は、自分の方が強いくせに……!……そういうのって強者の余裕に聞こえちゃうのよね、知ってたかしら!?」
上条「いや、その話なんだけど、御坂、俺は別にお前のこと…!!」
美琴「あ、あーーーもーーー!!!ごちゃごちゃうるっさいわね!とにかく!アンタは、そのままでいーーの!!そのままでいなさい!!」
上条「え?…そ、そのままでって、御坂さん…??」
美琴「あ、アンタは、と、とりあえずはいつもどおり接してくれればそれでいいの!!!こないだみたいなこと言うくらいなら、いつもみたいにビリビリ言ったり、悪態ついてくれるほうが、よっぽどいいんだから!!」
上条「御坂……その、俺は」
美琴「アンタが周りの人間みたいにならなくていーーの!!アンタはそういうんじゃあないんだから!!!
だ、だから、だから……!!!
へ、変に私のこと褒めたりしてんじゃないわよ、気持ち悪いったらありゃしないのよ、
この馬鹿!!」
上条「け、けど、あのな御坂、俺は別にそういうつもりで言ったんじゃあ……!!……って、どわああああ!!!」
バリバリバリィィィ!!!!
上条「ちょ……わ、わかった、わかったから!!いいかげん、俺に電撃浴びせんのをやめろって!!御坂!!」
美琴「ああもう!!なんで全然、効かないのよアンタ!!ストレスたまるわねえ!!……
ああ、もういいわ……!!こうなったら、どこまで効かないのか、試してみようかしら!!!」
上条「試してみようって……ちょ、何言ってんだ、やめ……だああああーー!!!!」
バリバリバリィ!!!
バリバリバリバリバリィィィ!!!!
……………
佐天「……あれ?あそこの公園にいるの、御坂さんじゃないですか??」
初春「あ、ホントですね。今日は放課後、用事があるとかいって、先に帰ったって話でしたけど……なんでこんなところに…
……って白井さん!!御坂さんが男の人に、これでもかっていうくらい電撃あびせてますよ!?は、早く止めないと……!!」
黒子「…はあ………いいんですの初春……ほら、ごらんなさいな。あの殿方、全然平気そうですの…」
佐天「た、確かに、あの人……さっきから御坂さんの能力を何回もくらってんのに……キズ一つない……」
初春「ほ、ほんとだ……な、なんで……??白井さん、あの男の人一体……ってひいい!!白井さん!???」
ビキッ!!ビキッ!!!
黒子「くうううう……!!!!それにしても、お、お姉さま……!!!!ご自分の能力が完璧に攻略されているというのに、あんなに嬉しそうにして……!!!そんなにあの腐れ類人猿とじゃれるのが楽しいんですの!???ほんと、悔しいったらありゃしませんわぁぁーー!!!」
ギリギリギリ……!!
初春「白井さん……怖いですう…」
佐天「え、じゃ……じゃれる…??……初春……御坂さん、あれってじゃれてんの??」
初春「さ、さあ……け、けど御坂さん、たしかに心なしか楽しそうな顔してる気がしなくもないし……もしかしたらそうなんですかね……」
佐天「へ、へえー…そうなんだ……じゃ、じゃああれって、御坂さんなりの愛情表現かなんかなのかな……強烈だなあ……」
……………
バリバリバリィィ!!!
バリバリバリィィ!!
美琴「ああーー!!ほんっとうっとおしい能力ね!!いつになったら倒れるわけ!?アンタって!!」
上条「ちょ…!!ほんとにもうやめろ御坂!!死……死ぬ!!死ぬって!!!……って、どわあああ!!!」
バリバリバリィィ!!!
美琴「そんなこと言って!!全然、効いてないでしょうがぁぁ!!つまんない嘘ついてん
じゃないわよ!!」
上条「て、てめえ、御坂!!お前なんかちょっとでも見直した上条さんが馬鹿でしたよ!!
やっぱ、お前なんかただのビリビリ中学生じゃねーか!!、このビリビリビリビリビリーーー!!!!
ビリビリ中学生――――!!!!!!」
美琴「な、なんですってぇぇーーーー!!!だから、アンタはぁぁ、もっとこの御坂美琴様
を敬いなさいって!!!いっつもいってるでしょうがああああーーーーーーーー!!!!!」
上条「え、ちょ……!!御坂さん!!?ついさっき、言ってたことと全然ちが」
美琴「死っねえええエーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!」
バリバリバリバリバリィィィィィ―――――――――――――――――!!!!!!
上条「だあああああーーーーー!!!!!!!不幸だアアアアーーーーーーー!!!!」
おしまい
転載元
美琴「私のことビリビリいってりゃいいのよ!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1272986043/
美琴「私のことビリビリいってりゃいいのよ!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1272986043/
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コメント一覧 (11)
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- 2015年04月16日 07:33
- 半分くらい読んだけど、とあるSSはもうお腹いっぱいだなと思った
何年も変わり映えしない上条その他はもういいや
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- 2015年04月16日 07:57
- オリジナルはダメだわ
妹達はすごく良いのに
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- 2015年04月16日 09:04
- おぅ
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- 2015年04月16日 09:56
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良いね
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- 2015年04月16日 12:49
- レベルアッパー事件解決したの初春だし、ポルターガイスト事件解決したの佐天さんじゃん。
御坂は残ったゴミを掃除しただけ。
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- 2015年04月16日 14:21
- 美琴「チェイサアァァーー!!!!!」
魔進チェイサー「呼んだか?」
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- 2015年04月16日 14:29
- いやホントお前が言うなと
しかしそれでこそ上条
※2
5年前のSS読んで言う感想じゃねえな
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- 2015年04月17日 02:43
- タイトルが富野っぽかった
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- 2015年04月17日 03:13
- 人を簡単に殺せる力を例え無効化されるからといって、死んでしまえと叫びながら人に向けるのは許されることなんかね
発散したかったら生き物以外にすればいいのに
このキャラのこれは本当に分からん
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- 2015年06月11日 12:44
- いや、もし当たっても死なないように手加減はしてるでしょ。
妹達編でもなんだかんだ大丈夫だったし…多分
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