男1「ちょっと、コンビニ寄っていい?」
男1「おいおい、お前の好きなアイドルが週刊誌で取り上げられてんぞ」
男1「なになに、うわっ、俳優さんとラブホから出てくる写真だぜ」
男2「ん?まじかよ、えっ、まじかよ」ポチッ
男1「そう言えばここのアイドルグループの子だよな?」
男3「自殺したやつだろ?」
男1「ああ、そうそう。二人だっけ?」
男3「うん、この週刊誌に載ってる子と自殺したその二人が、所謂センターを飾ってたんだけど」
男3「どうも仲悪くて、とくにその子が苛められてたみたいなんだ」
男1「世の中すげぇわかんねぇな」
男1「命は大切にしろってーの」
男3「確かになー」
男1「取り敢えずカゴも重いからお会計するわ」
男2「わりぃ、このスニッカーズも買ってくれ」
男1「給料日前で厳しいけど優しい俺は許可するよ」ヘッヘッヘー
店員「合計1,898円になりやぁす」
男1「へいへい……っと」ジャラジャラ
男1「あっ、あと398円あればぴったし払えるわぁ」
男1「お前さ、持ってない?」
男1「おお、悪ぃ悪ぃ」サンキュー
男2「……398円ってことは」ブツブツ
店員「丁度あずかりやぁす」ピッピッピッ
男1「レシートはいいや、おっ丁度いいとこに募金箱が」
男1「1円と5円は募金箱に、と」チャリンチャリン
男2「……左腕と……」ブツブツ
男3「ん?なんか言った?」
男2「えっ、あっ、いや」
男3「じゃあ、俺はここで帰るわ」
男1「おう、また明日な」
男2「じゃあな」
━とある公園━
女子高生A「うわっ、やべ」キャッキャッ
女子高生C「なに?なに?」ニヤニヤ
女子高生A「今スマホにニュースきて、開いたらさ、またあのグループの一人自殺したってぇ、やばくねぇ?」キャッキャッ
女子高生B「えっ?まじで?これで何人目?」グフッグフッ
女子高生C「3人目じゃねぇ?」ニヤニヤ
女子高生たち「ちょーこええぇ」キャッグフッニヤ
男1「おい、なに女子高生に見とれてんだよ」
男2「ん?あっ、わりぃ」
男1「歩き疲れたからベンチに座ろうぜ」
ドッコイセ
男2「ふぅー」ドッコイセ
男2「サンキュー」
男1「お前最近そればっかな」
男2「まあ、そうだね」ハハハ
男1「ってかさ、やっぱり小銭って沢山あると邪魔だけど、ないと不便だよなあ」
男2「そうだなぁ」
男1「1円と5円の小銭しかいれてねぇし」
男2「いや、お金だろ?」
男1「いやいや、1円と5円はお金だけどあると邪魔じゃん」
男2「でもでも、お金に変わりないよな?」ムスッ
男1「えっ、ちょっ、お前何怒ってんの?」ダリィ
男2「はあ?ちげぇよ」イラッ
男1「ったく、明日にゃ給料日だから倍にして返してやっから」ケラッケラッ
男2「だから、ちげぇーっての」ハァー
男1「重み?」ンー
男1「1円は1グラムとか?」
男2「そっちの重みじゃねぇよ」ハァー
男2「まあ、いいや」
男2「ところでさ、お前さ“デスノート”って漫画知ってる?」
男1「“デスノート”ってさ、たしか俺たちが産まれる前に流行ってた漫画だろ?」
男1「名前だけ聞いたことあるわ」
男1「へぇ、思ったより単純なんだな」
男2「いや、それは俺の説明が悪いんだけど、もっと内容は頭脳戦が目まぐるしく繰り広げてるんだけどさ」
男1「で、それが何?」
男1「死ぬ理由ななんでもあり?」
男2「ノートに書きさえすればなんでも理由は付け加えれるけど、何も書かなかったら心臓発作が心因になるよ」
男2「けど、書く人間にはそれ相応の対価が支払われんだよね」
男2「死神の目を貰うには、その人の寿命を半分死神に取られちゃうとか」
男1「死神?そんなん出んのかよ」
男1「ギャグ漫画?」
男2「ちげぇーっての」
男2「最終的にはそいつ死ぬんだけどさ死神に言われるんだ」
『デスノートを使った人間が天国や地獄にいけると思うな。死んでからのお楽しみだ』
男2「ってさ」
男2「要するに“無”になんだぜ」
男1「お、おおう」アセアセ
男2「怖いよな。その行為が正義だと思ってても人間の世界だと犯罪者になるし、死んだ後も救われることなくさ“無”になるんだぜ」
男1「いやいや、死んだら誰でも“無”じゃね?ってか、これなんの話?」アセアセアセ
男1(無視された)シュン
男2「流石に俺も詳しく覚えてないけど、時間も秒単位でルールが決まってたりしてさ」
男2「そんなルールを理解して、かつ周囲にはバレないように人を殺していって、結局自分が死んだら“無”になるんだ」
男2「これってさ、考えてみればデメリットしかないよな」
男2「けど、それは対価なんだよな」
男2「けど、命は平等にあるべきだもんな」
男2「だから、それ相応の対価は払うべきなんだよな」
男2「でも、それは俺が内容を知ってるからそう考えれることなのかもな」
男1「実際問題そんなアイテムあったら政府が動き出してんだろうよ」
男2「じゃあさ、お前名前書けるか?」
男2「実際目の前にデスノートがあります」
男2「はい、どうしますか」
男1「どうするもなにも、どうしようかな」
男1「まあ、腹立つ奴は取り敢えず消すかな?」
男1「ゼミの中にいけ好かん奴とかいるし」
男2「しょうがないなぁ……」ガサゴソ
男1(しょうがないなぁ?)
男2「ノートとペーーンーー」タララッタラー
男1「ノートとペン?」
男2「早速そいつの名前書いてよ」
男1「は、はあ?」
男1「……はぁ?」ゴク
男2「そんな緊張しなくても大丈夫だよ」
男2「これはあくまでもジャポニカ学習帳だから、ペンもマッキーだから」
男2「何もデスなんかつかない普通の文具だよ」
男1「お、おう、そうだよな」ゴクリ
男1「……っ!」ビクッ
男2「ん?書かないの?」
男2「ってか書けないよな」
男2「いくらお前がデスノート見てなくても、俺があれだけ説明してだもん」
男2「多少はビビってまうよな」
男1「書けるけど、あえて書かないの」
男2「いや、お前は書けないよ」
男2「自分がどうなるかわかんかいんだもん」
男2「下手に書いたら厄介事に巻き込まれるかもしれないし」
男2「漫画みたいに“L”と対立しちゃうかもだし」
男2「そもそも死神が漫画みたいに大人しいって決まったわけじゃないしな」
男1「……っ!」ハッ
男2「嫌いな奴でも命は平等だもん、そう考えるといけ好かん奴とか言ってたお前でも名前は書けんだろう」
男1「……ったよ」プルプル
男1「わかったよ!書くよ!馬鹿にすんじゃねぇよ!」バッ
男1「……」キュッキュッキンッ
男1「ふーっ、ど、どーだ」ブルブル
男2「いや、本当に書くとはね」
男2「けど、お前震えてんな」ニヤ
男1「ふ、震えてねぇし」ブルブル
男2「さっきも言ったけど、それは本当に普通の文具だ」
男1「あ、ああ、そうだな」フーッ
男2「でも、これが本物ならお前は一人殺したことになるんだ」
男1「本物ならだろ?実際は生きてるし、明日もまたアイツのニタニタ顔をみなきゃならねぇんだろ?」
男1「ったく、せっかくなら実際死んでくれてもいいんだけどな」
男1「いやいや、実際手にしたらやるかもしんねぇよ。アレは偽物だと知ってたから馬鹿らしくて躊躇っただけだし」
男2「いや、お前は人を殺して対価を支払えるとは思えないし」
男2「実際問題デスノート使って人を殺そうとする奴はいないよ」
男2「そんな人にはデスノートなんて渡さなくても、どうにかして解決方法を練るよ」
男2「デスノートなんて誰も使えないんだよ」
男2「無意識の内にビビって使えないよ」
男2「誰かの命ってぇのは、自分のデメリットが生じる時に初めて価値を見いだせるんだよ」
男2「だからデスノートが現実にあったら誰も使えないって思うんだよな」
男1「死んだら誰でも“無”だから関係なくねぇ?」
男2「デスノートの世界でなきちんと“天国”と“地獄”とあるんだよ」
男2「それが“無”と宣告されんだぜ?」
男1「だからなんだよ」
男2「“無”ほど怖いもんねぇだろ!!」
男1「ってか、そんな漫画の話を急にしてなんだ?あれか?さっきの小銭の件の当て付けか?」
男1「明日には男3にはきちんと返すってーの」ケラケラ
男2「……199円」ボソ
男1「ん?199円?」ナニ?
男2「そう考えるとさ、安いのか高いのかわかんねぇよな」
男1「また話変わったけど?何が安いの?高いの?199円が?なに?」オロオロ
男1(また話かわった……)
男2「簡単だとどうだろ?」
男1「簡単だと?」
男2「だから他人は殺せやしないんだ」
男1「なるほど、それだと名前がわかる範囲で殺さなきゃならないな」
男1「そうなると生き残る人間が怪しくなってしまうな」
男2「ご名答だわ、けど漫画の“キラ”はそこも上手いこと誤魔化すんだけどな」
男1「でも、最後は死ぬんだろ」
男2「人は誰でも死ぬさ、いつかはな」
男2「で、そのルールが簡単だったら」
男2「しかも、字を書かずにボタンを押すだけなら」
男1「それだと簡単だからポチッとやりそうだな」
男2「そうなんだよ」
男1「それこそ命の重みなんてわかんねぇじゃん」
男1「余計押してまうかもなぁ」
男1「金額にもよるけどさ」
男2「更にデスノートと違って死後は確実に“天国”に連れて行かれるんだ」
男2「例え生前どんな悪いことしてたもだ」
男1「うわぁ、そうなると押してまいそうだな」
男2「だろ?」
男1「顔が知ってて且つ名前も知らなきゃならねぇんだから」
男2「けど、ボタンはそうならない」
男2「顔を知ってたら押すだけ殺せる」
男2「しかもお金も貰える」
男2「お前なら押すよな?」ガシッ
男2「お前なら躊躇いなく押すよな?」ユラユラ
男1「ゆ、揺らすな、お、押すだろうけど、ゆ、揺らすなよ」
男2「普通は押すよな!」ユラユラ
男1「ゆ、ゆ、揺らすなってぇの!」バッ
男1「……おい、今日のお前変だぞ?」ハァハァ
男1「まあ、いいや。腹減ったから飯行こうぜ」
男1「お前今何円持ってる?」
男2「お札は英世が三人と、小銭は……398円…あっ、597円だわ」
男1「細かいとこまで言わなくてもいいよ」
男1「お前今日やっぱ変だぜ?」
男1「もしかして本当に死神でも見えてんじゃね?」
男2「いや、死神じゃなくて……」
男2「天使は何が好きだと思う?」
男1「はあ?んなの知らねえよ」
男1「取り敢えずモス食いに行こ、もちろんお前のおごりでな」
男1「それお前が最近ハマってる奴じゃねぇか」
男2「……ああ、そうだな」
おわり
転載元
男1「ちょっと、コンビニ寄っていい?」
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1422283767/
男1「ちょっと、コンビニ寄っていい?」
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1422283767/
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コメント一覧 (19)
-
- 2015年01月27日 03:41
- お…お、オチは?
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- 2015年01月27日 03:50
- スイッチ持ってたというお話。
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- 2015年01月27日 04:19
- 199円なのは分かったが左腕とってのがわからん
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- 2015年01月27日 04:32
- こええよ
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- 2015年01月27日 05:46
- 男2「ん?まじかよ、えっ、まじかよ」ポチッ
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- 2015年01月27日 07:00
- ※5からの
また自.殺.したってー
だな
-
- 2015年01月27日 07:03
- デスノートの世界って死んだらみんな無にならなかったか?
-
- 2015年01月27日 07:05
- 誰かアホな俺に説明してください
お願いします
-
- 2015年01月27日 08:45
- デスノートの説明と反応が小学生みたい
-
- 2015年01月27日 09:02
- 押しただけで人を死なせるボタンがある
そのボタンには天使が憑いていて
天使はスニッカーズが好き
ボタンを押すとお金が貰える
ボタンを押すと生前どんなに悪行を重ねようが自分が将来死んだ時に天国にいける
男2の好きなアイドルを虐めていた二人が死んだ
男2の好きなアイドルのスキャンダルを男2が見た次の日にそのアイドルが死んだ
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- 2015年01月27日 10:38
- 男2は天使から貰ったスイッチを押してる自分を正当化したいんだろ
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- 2015年01月27日 11:53
- 398円....あ、199円で一回だから二人殺せるってことか....
これ割りと怖いな....
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- 2015年01月27日 11:55
- わかると怖い内容
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- 2015年01月27日 16:21
- デスノートの世界には天国や地獄はないんだが
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- 2015年01月27日 18:22
- ※12 二人殺したの間違いだろ
つーか男2怖すぎ。言ってることめちゃくちゃだし。一番関わりたくない人種だわ
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- 2015年01月28日 07:55
- ※15
たぶんこの男2は普通の人だったんだと思うぞ
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- 2015年01月28日 17:18
- デスノートを使ったら死後は無の世界ってのは映画の話だな
漫画では人は死んだら全員無で死後の世界なんてないって書いてたはず
-
- 2015年01月28日 17:43
- キラを赤の他人視点から見るとこんな狂った奴に見えたかもしれないって話だわな。
キラは頭良くてちょっとサイコパスの気があったってだけで。
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- 2015年01月29日 01:31
- 他は大体納得いったけど左腕のくだりがやっぱりわからん