男「サバゲーでもしようぜ、ほら」
友「あっ冷たァい!!」キャッキャ
男「踊れぇ!!」キャッキャ
通行人A「おい、あれ見てみろよ」
通行人B「えっ?・・・うわぁ、男同士で水鉄砲掛け合ってる・・・」
通行人A「ホモかな?」
通行人B「冬なのに・・・」
男「マジ唇パープル」
友「風邪ひいちゃうヤバイヤバイ・・・」ブルブル
男「楽しかったね!!」
友「帰ろう・・・帰ろう・・・」ガチガチ
男「やっぱりこの時期に水鉄砲戦は無茶だったね」
友「緩やかな自殺と言っても過言ではなかった。楽しかったけど」
男「お前最後のほう顔から湯気出ててワロタ」
友「動いてるうちはいいんだけど、じっとしてると死者が出るねアレは。あぁコーンポタージュうめぇ」
男「やっぱりエアガン買おうぜ」
男「ほら、ハンドガンだったら3000円くらいで買えるぜ」ホラホラ
友「へー、思ったより安いんだな」
男「1挺くらい買ってもいいじゃん(いいじゃん)」
友「ま、3000円くらいならいいか・・・」
男「ほいじゃポチー」
男「入手したぜ」
友「思ったよりもリアルだー。なんか結構重量感あるし」
男「よし、早速撃ってみよう」
友「じゃ梱包されてた段ボール立てて、と・・・」
友「おー、結構まっすぐ飛ぶなー」
男「エアコキのハンドガン撃つのなんて何年ぶりだろう」
友「エアコキ?」
男「エアーコッキング略してエアコキ。ほら、撃つ前にこうやってスライドを後ろにガチャってやるじゃん?」
友「うん」
男「これがコッキング。こうやって中のポンプに空気入れて、その力でBB弾撃つわけ」
男「18歳以上向けなら20~30mくらいは飛ぶね・・・あとこれはホップアップっていって、弾撃つ前に上向きの回転をかけて飛距離伸ばす機構が付いてる」
友「とりあえず、エアガンが手に入ったことだし早速バトルしに行こうぜ!!」ワクワク
男「あーちょっと待って・・・はいこれ」
友「ゴーグル?」
友「まぁ確かに・・・ってこれ、どう見ても水泳用のゴーグルなんですが」
男「さっき至近距離でBB弾撃ちこんでも割れなかったしへーきへーき」
友「真冬にハンドガン持って水泳用ゴーグルかけてるとか不審者度高っけー」
男「さぁ行くざますよ」
友「なにここ」
男「山」
友「知ってる」
男「いやだってさすがに玩具とはいえ街中でエアガンぶっ放してたら通報待ったなしだよ」
友「それはそうだろうけど」
友「ブルジョアG!!」
男「そう思うじゃん?でも市街地から離れてて利用価値がないんで買い手つかないの」
友「ダメみたいですね・・・」
男「昔はここで米とか椎茸作ってたんだけど。じいちゃん死んでからは野ざらしよ野ざらし」
友「思いのほか悲しいエピソード引きだしちゃってごめん」
男「よし、じゃあ早速始めようぜ!!」
<ガチャスコ
<ポンッ!
<ガチャスコ
<ポンッ!!
<イタァイ!!
友「お前顔は止めろよ顔は・・・」ヒリヒリ
男「そう言ったって、身体は隠れてるしどうしたって顔に集中するだろ」
友「正直エアガンの威力なめてたわ・・・あぁちょっと腫れてる」
男「歯に当たると折れることもあるし、ネックウォーマーとかで顔を覆っておくとイイネ!!」
友「息苦しいけど我慢するしかないか」モゴモゴ
男「じゃ、もう一回やろ」
ホップアップっていって、撃ち出す前にゴムとかシリコンのパッキンのでっぱりにひっかけて回転かけてる
これのお蔭で昔は射程を延ばすためには威力を上げるしかなかった状況が改善された模様
友「お前顔は止めろよ顔は・・・」ヒリヒリ
男「そう言ったって、身体は隠れてるしどうしたって顔に集中するだろ」
友「正直エアガンの威力なめてたわ・・・あぁちょっと腫れてる」
男「歯に当たると折れることもあるし、ネックウォーマーとかで顔を覆っておくとイイネ」
友「息苦しいけど我慢するしかないか」モゴモゴ
男「じゃ、もう一回やろ」
<ガチャスコ
<ポンッ!
<ハァハァ…マエガミエネェ…
<ポンッ!!
<イタァイ!!
友「このゴーグル、めっちゃ曇るよ!!」モワー
男「そりゃまあ気温が低いし、これだけ動き回ればねぇ」
友「もう全然前見えない。ゴーグル外していい?」
男「ダメだよ何かあったら俺が過失傷害の罪に問われちゃうもの」
友「仕方ねぇ、たまに拭くか・・・」
男「いやー楽しかった!」
友「大変痛かったですね・・・俺ばっか当てられて全然勝負にならないし・・・」ヒリヒリ
男「だってお前隠れるの下手なんだもん。構えるのも遅いし隙ありまくりだす」
友「いやー、地べたに寝そべるのって結構抵抗があるし」
男「いやそれなら木の陰とかから撃てばいいのに。お前丸だしなうえに銃構えるとき仁王立ちじゃん。どこの覇王だよ」
友「むむむ・・・」
友「確かにもうちょっと人数がいればもっと楽しいだろうな」
男「本格的にやるなら、ゲームで使えるようなちゃんとした奴が欲しいな」
友「ああいうのっていくら位するんですかね・・・」
男「よーし、ちょっと帰って調べてみよ」
男「色々調べてみた結果、サバゲーに使えるような銃は3万くらいからが相場みたいですね!!」
友「高ァい!!」
男「まぁしょうがないね。電動のバッテリー積んで連射できるようなのが主流だから」
友「なにこれかっこいい」
男「MP5っていうドイツのサブマシンガンですね」
男「いやこれも玩具なんですが」
友「うーん、興味はあるけど3万は簡単に手を出せないなぁ・・・」
男「・・・」スッ
友「ん、あ、あれ?男、どこ行くんだ?」
<モシモシ、オレダ
<レイノブツヲ・・・
<ソウ、アラタナエモノヲミツケタ・・・
<タノンダゾ・・・ピッ
友「ちょっと待って今新たな獲物がどうとかって・・・」
男「俺の後輩にさ、電動ガン何挺か持ってる奴がいるんだよ」
友「待てって」
男「お前の事話したらすぐに持ってくるって」
友「人の話きこうず」
男「あ、来た」
友「早ぇよ!!」ビクッ
後輩「先輩!持ってきましたよ!!」
男「おー、ありがとー」
友「えぇ・・・」(困惑)
友「は、初めまして」
男「何持ってきたー?」
後輩「えぇと、MP5とAK-102にM93Rでしょー、それから・・・」ドサドサ
友「えぇ・・・」(困惑)
(AK-102)
(M93R)
後輩「どうぞどうぞ!!」
友「えぇ、いや、あの・・・」
男「遠慮するなよ」ニッコリ
後輩「ほらほらほらほら・・・」ニッコリ
友「二人ともなんでそんなに食い気味なのなんか恐い・・・」ガクブル
<タタタタタタタ!!
友「ヴォースゲー!!」
男「どうよ?」
友「ヤバイ何これ・・・今ので超欲しくなった・・・」
後輩「これ持って、皆で撃ちあいするんですよぉ~楽しいですよぉ~」
友「むむむ」
友「うん・・・なんていうか、見た目もリアルだし買っただけで所有欲が満たされそう・・・」
男「ほらもう買っちゃえよほらほら・・・」
友「で、でも3万円かぁ・・・それに、さっきも言ってたけどバッテリーとかもいるんだろ?」
後輩「あ、このMP5で良ければ格安でお譲りしますよ!!」
友「えっ」
後輩「最初は何を買えばいいのか分かりませんもんね!今なら銃本体とバッテリー・充電器に予備マガジンまで含めて何とお値段15,800円!!」ニッコリ
友「えっ」
男「買おうよぉ・・・」ホラホラ
後輩「買いましょうよぉ・・・」ホラホラ
友「あ・・・アンタたち端っからこれが狙いだったのね!!」ガクガク
友「は、はぁ・・・」
男「まー本当ならさっき言った通り3万くらいするからなぁー」
友「いやでもコレ・・・売り方がまんま悪徳商法じゃん!!」
男「チッ」
後輩「チッ」
後輩「それに最初は自分が気に入った銃を買うのが一番ですからね~」
友「は、はぁ・・・」
男「これ買うかどうかはおいといて。どう?ちょっとサバゲーやってみたりしたくなくなくなくない?」
友「いや別にそれ自体は吝かではないんだけどね」
友「低霊界?」
男「自由参加型のサバゲー大会みたいなもんだよゴーグルとか銃とか一式借りられる所も多いし」
友「へー、そんなのあるんだ」
後輩「サバゲー仲間増やしたいんですよぉ~」
後輩「あ、いいですね!!」
友「な、なんだかまんまと嵌められた気がするなぁ・・・ま、いいか」
後輩「いつやります?」
男「んーこれから行くかぁ」
友「今帰ってきたばっかりだろ!日を改めようよ!!」
男「ふぃー、どっこいせ」ドサッ
友「何入ってんのそれ?」
男「ん?俺のエアガン」
友「え・・・何かバッグでかくね?」
男「だって電動だもん」
友「えっ」
後輩「わー、先輩のM14久しぶりに見たなぁー、よしよし」ナデナデ
男「お前俺の銃を慈しむように撫でるのやめろ、変態っぽいから」ドンビキ
友「お、お前電動ガン持ってたの?」
男「え?うん」
友「なんでや!こないだ一緒にハンドガン買うたやろ!!」
友「そ、そりゃまぁ・・・」
男「もっといえば、水鉄砲の件が無ければあのエアコキハンドガンだって怪しかっただろ?」
友「う、うん」
男「こないだからお前にFPS→水鉄砲→エアコキとやらせてたのも、実はこのための布石だから」
友「やっぱり俺嵌められてるじゃないですかやだー!!」
友「それはそうかもしれないけどさ・・・ていうか、こないだ撃たせてもらった時点でかなり欲しくなっちゃってるし」
男「まずは身内だけでゲームしてみようぜ。ほら、今日はちゃんとしたゴーグルつけなさい」ハイコレ
友「はい」
後輩「こっちも準備OKです」シュコー
友「ベイダー卿かな?」ビクッ
友「こないだのでもかなり痛かったんですが」
男「だからこういうフェイスガードとセットになってるフルフェイスのマスクつけておくと怪我が防げてイイネ」
友「で、でも見た目がちょっとなぁ・・・」
後輩「いややっぱり顔に当たって跡になったり痛い思いするの嫌ですからね。特に冬は」
友「デスマッチやでぇ~」
後輩「じゃ、今から1分後にスタートで」
男「おー」
友「やべぇーテンションあがってきた!」ワクワク
友(ん、1分経ったな)
友(・・・って、よく考えたらあの二人サバゲー経験者なんだよな・・・これじゃあ俺カモじゃねえか?)
友(とりあえず、始めのうちは見つからないように隠れて様子を見るか・・・)
<タタタタタタタ…
<イヤーー!!
友(ん・・・後輩ちゃんがこっちのほう走ってくるな・・・)
後輩「はぁーっ!はっ、はあっ!ゲホゲホッ、ケヒュッ・・・」ゴホゴホ
友(えぇ・・・開始数秒で既に虫の息じゃないですか・・・)
後輩「はぁっ、はぁーっ・・・ふぅ・・・」ガサゴソ
友(あれ、藪の中から男狙ってんのかな・・・ていうかこっちから丸見えだし・・・)
後輩「のわあ!!ヒ、ヒットです~!!」
友「やったぜ」
<タタッ
友「痛ァイ!!」
男「成し遂げたぜ」
友「いやぁ~、こないだは男相手にほとんどヒット取れなかったけど今日はついてるぜ。ビギナーズラックってやつかな」
男「どうだ?(電動ガンが)欲しくなつただらう」
友「あぁ~かなりキテますねぇー、これ本当貯金はたいて買っちゃうか・・・も・・・ってどうしたの後輩ちゃん」
後輩「あ、いいんです私・・・土とか食べて生きていきますんで・・・」ドヨーン
友「えぇ・・・」(困惑)
男「コイツ銃たくさん持ってるくせにサバゲーは鼻水出るくらい弱いんだよ」
友「まぁ女の子だしねぇ」
男「定例会いくと女の子でもバリバリヒットとってる猛者普通にいるけどな」
友「ララ・クロフトかな?」
後輩「も、もう一回やりましょう!!」
後輩「ヒ、ヒット!!」
<タッ
後輩「ヒット・・・!」
<タッタタタッタタタ…
後輩「ヒットですぅ・・・」エグエグ
友「弱すぎィ!!」
後輩「だって当たらなければ意味ないじゃないですか!!」
男「その前に当てられてちゃ意味ないでしょ」
後輩「うぅ~」
友「てか、お前のエアガンえらい当たるな。なにそれスナイパーライフル?」
後輩「いやでもこの銃は割と命中率が高いんですよ。銃身が長くて初速も集弾率も高いし、箱出しでそのまま使える銃ですね!!」
友「は、はぁ・・・」
男「コイツ、こういうスペックとか内部の構造には詳しいんだけどねー・・・なんていうか、頭でっかち仮分数」
後輩「ひどい」
男「ぼちぼち暗くなるし帰るかー」
後輩「も、もう1ゲーム・・・」ゼェハァ
友「後輩ちゃん大丈夫?なんか手足プルプルしてるけど・・・」
後輩「だ、だって私だけまだヒットとってないんですよっ!このままでは終われませぬ!!」
友「お侍かな?」
男「じゃーあと1回だけな。あともう俺はエアコキに持ち変えるわ」
後輩「舐めプ悔しいです!!」プンスカピー
<タタタタタタ
友「うお!?ヒット!!」
後輩「やったー!!」
<ガチャスコ
<ポンッ!
後輩「あぁぁぁーーー!?」ヒット
男「はいゲーム終了ー帰りますよー」
友「いやー、今日は疲れたね。楽しかったけど」
男「帰ったらストレッチして風呂で筋肉揉みに揉んどきなさいよ。でないと明日地獄をご覧いただくことになりますわよ」
友「なにそのエセお嬢様口調・・・ん?」
後輩「・・・、ホップチャンバー交換して・・・バレルを・・・」ブツブツ
友(う、うわぁ・・・)
男「君はまず銃を強化する前にスキルを強化しようね」
男「買っちゃえ買っちゃえ!!」
後輩「今ならさらにバイオ弾もオマケしますよ!!」
友「い、いや・・・他にどんなのがあるかもっと見てみたいし・・・」
男「そりゃそうだ。今日帰ったらアマゾンとか見てみるといいんじゃない?」
友「うん、そうするよ」
友「ん?」
後輩「メルアド交換しましょう。何買うか決めたらぜひ教えてください!」
友「え?あぁ、うん」
後輩「エアガンで困ったことがあったらいつでも聞いてくださいね!!」
友「おー頼もしいね」
友「うん」
後輩「一緒に買った方が良い用品とかとか・・・」
友「う、うん」
後輩「あとは購入後の調整とかとかとか・・・・」
友「・・・」
男「その辺にしとけって。友困ってるぞ」
友「まぁ、まずは色々見てからかな。何か分からないことがあったらメールするね」
後輩「はい!」
男「まー東京マルイの製品なら間違いはないだろ」
後輩「ですね~」
友「東京マルイね。帰ったらサイト見てみるよ。ありがと」
第1話 おわり
マルイ製エアガンほか色々なエアガンのレビューがあるので購入検討にオススメ
ハイパー道楽
http://www.hyperdouraku.com
友(へー、色々あるもんだなぁ・・・)ポチポチ
友(・・・とりあえず、貯金をかき集めたら35,000円はあったけど)
友(定価のほとんどが4万とか5万だもんなぁ・・・しかもバッテリーは別売りときたもんだ)
友(お、これ自衛隊の銃なんだ・・・げ、5万もすんの!?・・・無理無理!)
友「今日使っててそんなに不便は感じなかったし・・・そういや、ちょっといじってあるみたいなこと言ってたなぁ・・・」
友「でもなぁ・・・FPSをやってた身としてはやっぱスナイパーとか憧れるよなぁ」
友「電動エアガン以外のはいくらぐらいするんだろ・・・ん?」
友「え?なにこれ、VSR-10・・・うお!スナイパーライフルじゃん!!しかもあの映画とかでよく見る横の棒引っ張るやつ!!」 ※ボルトアクション
友「しかも・・・電動ガンより安い!!これや!!」ポチー
友「あれ、でもこれスコープついてくんのかな・・・?」
友「・・・」ウーム
後輩「い、嫌ぁ・・・そこは触らないで・・・」
男「へっへっへ・・・口は嫌がってても身体は正直じゃねえか」ツンツン
後輩「あっ、あああああっ!!」ビキビキビキーン
男「お前昨日帰ってからストレッチしなかっただろ」
後輩「だって・・・あの後銃のメンテしてたらもう夜になっちゃって・・・」←筋肉痛
男「ん?携帯鳴ってるぞ」
後輩「あ、友さんだ・・・えーとなになに・・・」
『VSR-10っての買ったんだけど、これってスコープとかどうやってつけるのかな?教えて下さい』
後輩(アカン)
男(アカン)
友「よー、モノがデカくて持ってくるのが大変だったぜ~・・・って、どうしたの?」
男「い、いやなんでも・・・あぁ・・・VSRだね・・・本当に買っちゃったんだね・・・」
友「え?」
後輩「と、とりあえず中見せてくださいよっ!」
友「うん、待ってねー」ガサゴソ
男(なんでや・・・なんで電動にしなかったんや・・・)
友「はいこれ!」
後輩「おー、ボルトアクションですねー・・・あ、スコープは?」
友「えっとね、はいこれ」
後輩「・・・マウントベースとマウントリング、って・・・ないですよね」
友「何それ?」
男「おぉ、もう・・・」
後輩「ほら、ここのところにあるスコープを付ける台座の部品ですよ~」
友「へー・・・これは買ってないなぁ」
後輩「うーん、マウントリングは私いくつか持ってますけど、VSR用のマウントベースは買わないとですね~」
友「そっか。俺もこれだけでどうやってつけるんだろうと思ったよ」アハハ
友「お、おう?」
男「あえて茨の道を進もうとするお前に、俺は何の言葉もかけてやれない・・・」
友「な、何が?」
男「すまぬ・・・すまぬ・・・」
友「なんで謝るんだよ!やめろよ!!」ビクビク
友「そういや言ってたね」
男「1J規制ってのがあって、威力が高すぎると銃刀法違反になっちゃうのよ」
友「へー」
後輩「だから、私がカスタムするときも規制値以下になるようにしてますね~」
友「そうなんだ」
友「うん。まぁ何とかなるっしょ!」
男(ならないんだよなぁ・・・)
後輩(ならないんですよねぇ・・・)
男「この間はMP5使ってたから気にならなかったと思うけど・・・まあいいやとにかくスコープ乗せたら一緒に山へ行こうね明日はホームランだ!!」
友「は、はぁ・・・?」
後輩「と、とりあえずマウントベースポチりますねー」ポチー
<カーン!!
友「すげー!あんな遠くの空き缶も一発だぜ!!」ヒューッ
男「良かったね、本当に良かったね」(暖かい目)
後輩「うんうん、今度私にも撃たせてくださいね」(暖かい目)
友「コイツと一緒なら負ける気がしねぇ!!」
友「電動ガンには勝てなかったよ・・・」(レイプ目)
男「我々の業界ではスナイパーライフルって漢のロマン武器だからね・・・」
後輩「いや、でもすごいカッコいいですよ!もっと使って欲しいですね!!」
友「そうだね。俺がこれ使ってれば後輩ちゃんでもヒットとれるもんね・・・」
後輩「ち、違いますよぉ!!本当にカッコいいから勧めてるんですって!!」
男「俺もカッコは最高にいいと思うよ。でもお座敷シューティングはともかく、普通のゲームで使いこなせる自信はないけど・・・」 ※お座敷シューティング=室内で的当てして遊ぶやつ
後輩「一発外して場所がばれると致命的ですからねぇ」
友「おまけに長いから走る時邪魔だし、構えにくいし、あちこち引っかかるし・・・」
男「FPSとかやってると取り回しの概念って忘れがちだからねぇ。アイツら疲れないし、構え方もプロだし」
友「あーあ・・・早まったかなぁ」
友「うん、正直何も考えてなかったよ・・・ただ安くて、カッコよかったから」
後輩「そのプロスナイパーだと、15,000円くらいですか?」
友「それくらい・・・あとスコープとか色々買ったから全部で25,000円くらいかかったかな・・・」
男「まぁでも、使いこなせれば最高にクールな武器だから。定例会とかでもギリー着込んで使ってる人いるし」
後輩「草木に隠れられるように作られた擬装用の服ですね。緑色のムックみたいな」
友「へー、こんなのあるんだ・・・」
男「極めた人がこれ着て完全に偽装してると本当分からないからな。俺気付かないで踏んだことあるもん」
友「えぇ・・・」(困惑)
友「なるほど」
男「確かに初速と命中率だけならそのVSRは電動ガンと同等以上だし。マジでスナイパー極めてみたら?」
友「確かにロマン武器だなぁ・・・でも、それを聞いたらオラちょっとわくわくしてきたぞ!」
後輩「その意気ですっ!」ヒュー
男「やっぱ生まれながらのドMは違うぜ!素敵抱いて!!」ヒューヒュー
友「おい」
友「電動ハンドガンかぁ」
後輩「この間私が持ってきたM93Rみたいなやつですねー」
友「あー、あれか。結構かっこよかったなぁそういや」
男「あとはまぁ、やっぱサブマシンガンとかアサルトライフル1挺持ってると、いろんな遊び方ができていいね」
後輩「あ、MP5ありますよMP5!!」
友「な、なんで後輩ちゃんはそんなにあの銃売りたがってるの?」
(UMP)
友「へー」
男「まぁお前なら中身弄れるし、国産以外の選択肢もあるわな」 ※海外製は精度が低い場合があるため
後輩「で、ちょうどそれが15,000円くらいなんですよね~」チラッチラッ
友「そういうことか・・・」
男「でもホントあれは破格の値段だけどね。普通なら3万以上するセットだし、しかもカスタムされてるし」
男「何なら俺に売ってくれよー。バッテリーと充電器はいらないからさ」
後輩「えぇ~?先輩に売るなら本体だけでも1万上乗せですね!」キリッ
男「何それひでぇ」
友「ははは」
友「うん。とりあえず今この銃買った余りが1万あるから、もうちょっとお金貯めて・・・」
後輩「あ、分割でもいいですよ!?何ならすぐにお渡しできますし!!」
友「えっ」
男「なんかえらく必死だな・・・あっ、もしかして」
男「お前、もうUMP買っちゃったんだろ?」
後輩「ぎくぎくっ」
男「で、その分今月の家賃が足りない・・・とか?」
後輩「や、やだなぁ・・・そんなわけ、ないじゃないですか・・・あはは」ダラダラ
友「後輩ちゃん目が泳ぎまくってるよ」
後輩「すみませぬ・・・」
友「お侍かな?」
男「あくまでも趣味なんだから、お小遣いの範囲で楽しみなさいっていつも言ってるでしょ!」
後輩「はい・・・」
友「お母さんかな?」
友「ま、まぁそういうことなら・・・この1万円を手付金に、譲ってもらおう、かな?」
後輩「救世主<メシア>ァァッ!!」ガシッ
友「あのゴーグルとかしたまま抱き着かないで固いとこ当たって超痛い」ガツンゴツン
男「当ててんのよ」
男「ちゃんと友くんにお礼言っときなさいよ!」
友「いや俺のほうこそスコープ乗せてもらったり色々してもらったし・・・ありがとね」
後輩「こちらこそ!これからもメンテなどの御用命がございましたらお気軽にご相談ください!!」キリッ
友「職人かな?」
男「コイツの場合ガンスミスっていうよりただのガンジャンキーな気がする」
第2話 おわり
友「そういや、前に言ってた定例会?だけど」
男「うん」
友「あれって、エアガンだけ持っていけばいいの?」
男「まぁ最悪、初心者が手ぶらで言ってもゴーグルや銃は貸してくれるから大丈夫っちゃ大丈夫だけど・・・」
友「お前と後輩ちゃんが一緒に行ってくれるなら、俺も行ってみようかなって」
友「はぁ」
男「一応山の中走り回るわけだし、足元はしっかりガードしといたほうがいいよ。って、こないだは思いっきりスニーカーだったけどさ」
友「ブーツねぇ・・・山で履きつぶせるようなのは持ってないなぁ」
男「安いので良ければ3000円くらいでも売ってるけど・・・まぁ足首あたりまで隠れてればトレッキングシューズとかでも大丈夫だよ」
男「大丈夫だと思うけど、ガッポガッポして走りにくそうだなぁ」
友「うーん、じゃあちょっとブーツも探してみようかな」
男「あとは、手袋と膝パッドもあったほうが良いね。怪我しないように」
友「確かにこないだ山でやった時、地面に手足つくと結構痛かったもんなぁ」
友「こないだお前に貰った奴、あれ走ってると曇るんだよなぁ」
男「やっぱり汗かいてくるとどうしてもレンズ曇るからね。それに、結構前に買ったやつだしあれ」
友「曇ると全然楽しくないからなぁ」
男「ゴーグルは割と金かけたほうがいいかも。中には排気用のファンが付いたようなのも売ってるし」
友「そんなんあるんだ・・・」
友「曇らないゴーグルってないんですかね・・・」
男「一応メッシュゴーグルっていって、レンズ部分が金属製の網みたいになってるやつもあるよ」
友「ほほう。これなら確かに曇らないな」
友「むむう」
男「あと、レンズに比べてどうしても視界が暗くなるし、スコープとか覗くときに金網部分が邪魔になるっていうデメリットもあるね」
友「一長一短だなぁ」
男「曇り止め塗りなおしてやるから、あのゴーグルそのまま使うかフィールドの奴借りたら?」
友「そうするか・・・」
友「ジャージとかでもいいの?」
男「もうちょっと厚手の方がいいかもな・・・ま、こないだ山でやった時みたいな格好でへーきへーき」
友「なるほど・・・なんか、サバゲーマニアの集いってイメージがあったから、迷彩服とか着なきゃいけないのかと思ったけど」
男「まーそういう人も多いよ。最近じゃ、迷彩服もフィールドで貸出してるとこ多いね」
友「へー」
<ピンポーン
友「あ、後輩ちゃんこんばんは」
男「UMPの調整済んだの?」
後輩「はい、バッチリです!!」
友「へー、見せて見せて」
友「おー、かっこいいね」
男「今度はどこ弄ったんだ?」
後輩「えーとですね!今回はとりあえずメカボ開けてから内部洗浄してグリスアップしたあとモーター変えてセクターカットしてハイサイ化したうえでスプリング変えてチャンバーパッキンとインナーバレル交換して初速と集弾性を・・・」
友「なるほど分からん」
男「まぁ要するに強くなったってこった。コイツにゃ宝の持ち腐れだが」
後輩「ひどい!」
後輩「ですね!また皆でやります?」
男「あー、その事なんだけど。どうやら友が定例会にちょっと興味あるらしくて」
後輩「おおっ!いいですね!!」
友「まぁ、折角エアガンも買ったわけだし、部屋で撃ったりいつも同じ面子でやるのももったいないかなって」
男「で、今どんなもの準備しなきゃいけないか話してたとこだ」
友「うん。男もそう言ってた。こないだ山でやってたような服装でいいって」
男「でもこれもまた凝りだすと色々買っちゃうんだよなー。BDUだけじゃなくてチェストリグとか・・・」
後輩「ヘルメットとか、レッグホルスターとか買っちゃいますよね~」アハハ
友「アカンこの二人から何かガチの空気感じる」ガクガク
後輩「Battle Dress Uniformの略ですね~」
友「あぁーよく自衛隊の人が着てるような奴ね」
後輩「自衛隊の迷彩は優秀ですよぉ~、林の中とかだとすっごい見つけ難いですから!!」
友「こりゃすげぇ」
友「当然二人は持ってるんですよね」
男「んー夏冬用に1着ずつくらいは・・・」
後輩「あ、私5着ぐらいもってますね」
友「買いすぎィ!!」
友「でもお前ら二人はそれ着てくんだろ?やだよ俺だけ浮いちゃうじゃん」
後輩「あ、最近はPMCスタイルっていう、ほぼ私服ベースの格好も流行ってますよ?」
友「PMCスタイル?」
男「民間軍事会社(Private Military Company)の社員風のスタイルだな。シャツとカーゴパンツをベースに、タクティカルベストなんかを羽織るスタイルだ」
(参考図)
後輩「予備のマガジンとか入れるポーチがついたベストのことですね~」
友「へー」
男「これを着るだけでもかなりそれらしくなるけどな・・・どれ、ちょっと俺のヤツ出してみるか」ガサゴソ
男「ほら、こんなの」
後輩「あとはこの足についてるのがレッグホルスターですね。サイドアームのハンドガンなんかは、ここに入れとくんです」
友「レッドロブスター?」
男「レッグロブスターだ」
後輩「レッグホルスターですよ」
後輩「あ、昔使ってたチェストリグとマガジンポーチでよければお譲りしますよ?」
友「ホント?」
男「お前もしかしてまた金が無くなったんじゃ・・・」
後輩「違いますよ!ただあまり似合わなかったんで着けてなかっただけです!!」
友「でもそれ、サイズは大丈夫なの?」
男「ああいうのは基本、フリーサイズだから」
友「そっか・・・で、おいくら万円?」
後輩「えーと、そうですね・・・2000円でどうです?」
友「あ、それくらいなら買う買うー」
男「友が着実に後輩の廃品回収業者にされてて悲しい」
男「レッドホルスターだって」
後輩「レッグホルスターです」
友「いくらぐらいかな?」
男「さっきのやつが大体1000円ちょい・・・ブーツはさっきも言ったけど3000円くらい。手袋は軍手とかでも大丈夫だよ」
男「レッグホルスター日常生活で使う?」
後輩「レッグホルスターですっ!」
友「いや今のは合ってたよ」
男「まぁ確かにブーツなんかは黒買っとけばミリカジっぽいカンジで着こなせるしね。野良作業するときとかも意外と使えるし」
友「シュマグ?」
男「アフガンストールっていって、よくあの原理主義的な人たちが顔に巻いてるやつ」
友「そんなファッションモデルみたことねぇよ!!」
後輩「あぁその、あれ以外にも着け方が色々あって・・・最近流行ってるのは首に巻くスタイルですね」
友「ほう?」
男「ほら、こんな感じの」
友「あー、確かに見たことあるかも」
後輩「サバゲーなんかでも結構巻いてる人見かけますね」
男「首回り隠せるし、柄によってはいざとなればカモフラージュネット替わりにもできるしな」
友「これどうやって巻いてあんの?」
友「ふむふむ」
男「両端を首の後ろに回してからまた前にもってきて・・・胸元のよだれかけの下で結ぶ。ね、簡単でしょ?」キュッキュッ
友「よだれかけて」
後輩「そんなに高くないですし、ネックウォーマーよりも蒸れにくくていいですね」
後輩「それがいいですね~」
男「あ、そういやお前らもうメシ食った?」
友「まだ食ってない」
後輩「私も食べてないですね」
後輩「えっ、おごりですか!?」
友「レッドロブスターですか!?」
男「おごりじゃねえしレッドロブスターでもねえ。ほらいくぞー」
友「そういえばさぁ」
男「ん?」
友「サバゲーって、当たったら自分からヒットって言わなきゃだめじゃん」
男「そうだな」
友「その辺って個人の良心によるわけでしょ?なんか曖昧になりそうだよなー」
男「まぁ、そういう奴は大体分かるから出禁になったりするけどな」
友「へー」
男「トラブルの元にもなるし、その辺はマナー守らないとダメだね。一応大人の遊びなわけだし」
友「でもさぁ。前言ってたギリーだっけ?あんなの着てたら、当たっても気付かないことあるんじゃない?」
後輩「確かに走ってたりすると、バックルとか固いところに当たった時に気付かないこともありますけど」
友「そういう場合ってどうすんの?」
友「なるほどね」
後輩「実際ギリースーツ着てるような人は、周りにBB弾が着弾した段階でヒットコールする人もいるみたいですね」
男「最低限のマナーだからな。大体のフィールドじゃ身体以外にも服や銃に当たって場合もヒット扱いだし」
友「俺も気を付けよう」
友「チキンじゃん」
男「ゾンビするよりはいいだろ?でもまぁ、チーム戦とかだと戦力が減るわけだから味方にとっては有難くないかもだけど」
友「えぇ・・・そんなことまで気にしないといけないの?」
後輩「大丈夫ですよ!そんな他人に強制するような人はほとんどいませんから!私が保証します!!」
男「うん・・・でも君はもうちょっと頑張ったほうが良いかもしれないね」
後輩「・・・」
友「グローブとブーツ買ったよ!!」
後輩「おぉ~」
男「イイネ」
友「これでバッチリだぜ!!・・・あっ」
男「ん?どした?」
男「あぁ、それなら俺達が持ち込むから大丈夫だよ」
後輩「足りなくなればフィールドでも買えますしね!」
友「そっか。じゃあ大丈夫かな」
男「前にも言った通り、ある程度手ぶらで行っても大丈夫なくらいだから。万一銃やゴーグルが壊れても借りればいいわけだしね」
友「それってどれくらいすんの?」
シア式電動はたまらんね
中華ガンはいろいろな業を背負わなきゃいけないから手出しできない、簡単なシム調整くらいしかできないし・・・でもシア式はイイネ
マルイのM14とか89式もトリガーのクリック感でシアが落ちる雰囲気だしました!ってのがウリみたいだけど、使っててもただトリガーが引っかかったようにしか感じないし邪魔なんだよなぁ・・・
友「ほうほう」
後輩「あとは当日の参加費が3000円くらいと、お弁当頼む場合はプラス500円くらいですね」
友「弁当の注文までとってくれるのか。至れり尽くせりだなぁ」
男「それも場所によるけどね」
男「最低限のマナーが守れてれば問題ないよ。フィールドに入ったら他の参加者に軽く挨拶するとか」
友「ふむふむ」
後輩「あとはセーフティーゾーンじゃ銃を撃たないのと、フィールドに入ったらゴーグルは外さないことですね」
友「分かった」
男「まぁ同じ趣味の人たちが集まるわけだし、そんな緊張しなくてもへーきへーき」
男「そうだなぁ・・・直近の定例会でいうと、ちょうど来週の水曜日にあるけど」
友「来週の水曜か・・・ちょうどバイトも空いてるな」
後輩「じゃあ、来週の水曜日に行きましょう!!」
男「よし、決まりだな」
第3話 おわり
http://okini.calamel.jp/?eid=224
なんでURLつなげるとNGワードになるんですかね・・・(困惑)
つづきます
>>112のKSBはKSCの間違いです
TOPもKSCも一応国内メーカーだよ?
マルイの電動は手堅い作りで嫌いじゃないけど、ロマンはあんまりないよね
そして絵いいな
ありがとう!
メカボは中華製って聞いてたけど国産なんだ、知らなかった
ただHK33は当たらない飛ばないって噂がありますね・・・
マルイは確かに優等生だって言われるよね
VSR-10つかってたらマルゼンのAPS-2使ってる人に「良く当たるけどさ・・・よく当たるけど違うんだよ!!」って言われたし
バイクでいうところのホンダやね
友「・・・」Zzz
友「・・・ん・・・んっ?」
男「・・・」ジー
友「うおおおおおおおっ!!!?」ガバッ
男「おはよーございます」(小声)
友「な、なんでいるんだよ!?なんでいるんだよ!?」ドキドキ
友「あっすまん・・・じゃなくて!なんで俺の部屋にいるんだよ!?」ヒッソォー
男「今日は定例会に行く日だから朝早く迎えに行くっていったじゃないか」ヒソヒソ
友「そうだった・・・って、俺部屋の鍵渡してないよね!?」
男「さ、歯磨いて顔洗って準備しろよー。準備できたら出るぞー」
友「なんとか言えって!!」
男「準備できたか?」
友「うん・・・って、まだ6時前じゃねえか」ファーア
男「場所が遠いからな。今から電車乗らないと、8:30の受付に間に合わないんだ」
友「あーせめて途中で朝飯買わせてくれぇ・・・」ネムイ
友「おはよー・・・今日はよろしくね」
後輩「こちらこそ!」
友「それにしても・・・毎回こんな朝早いの?」
後輩「まぁ大体こんな感じですね~」
後輩「平日はともかく休日は結構混みますからね~、仕方ないです」
友「行きの電車の中で寝ればいいか・・・」
男「ほら行きますよー」
二人「はーい」
友「それにしても、二人とも荷物すごいね」
後輩「まぁ着替えとか入ってますからねぇ」
男「俺の場合は銃だけでもそれなりにデカイからな」
友「俺もあのVSR持ってきてたらそんなんなってたんだろうな・・・」
男「行きはいいんだよ、朝早いから人も少ないし。問題は帰りだ」
後輩「一応、抜けるのはいつでも自由ですけど、最後までいると大体16:00か17:00くらいにお開きですね~」
男「ちょうど電車に乗る頃に、通勤通学の方々とバッティングするカンジだ」
友「おおう」
後輩「だから、いつもは終わったらごはんとか食べて遅めの電車で帰ることが多いですねぇ」
男「終わった後に仲良くなった人達とそのまま打ち上げいったりすることもあるね」
友「へー」
男「よーし、ここだ」
友「おぉ・・・平日なのに結構車停まってんな」
後輩「これでも休日に比べると随分少ないですけどね~」
男「ちょうどゲートが開く頃合だな。ぼちぼち準備しとけよー」
友「ほーい」
友「初速チェック?」
男「エアガンの威力がちゃんと規制値以下か事前にあそこでチェックするんだよ」
友「へぇー」
後輩「規制値超えてたら銃刀法違反ですからね~」
友「え?」
男「あ、そうです」
スタッフ「はい、じゃあここにセミオートで3回撃ち込んでください」
友「ここですね?」
スタッフ「84.2m/s」
<タン!
スタッフ「81.7m/s」
<タン!
スタッフ「83.9m/s、はーいOKでーす」
後輩「うちの弾速計よりかなり速く出たんでちょっと焦りました・・・」ドキドキ
友「えっ何そんなヤバかったのこれ」
男「さっき言った規制って、エアガンの弾の威力が1J(正確には0.98j)超えてたらアウトなんだけど、それが0.25gのBB弾の場合だと大体初速87m/sくらいなんだよ」
友「ほほう」
後輩「しかもこのフィールドのルールだと、0.25gの弾の場合初速は85m/sまでですから、1発目とかギリギリでしたね・・・」
後輩「さっき言った通り、銃刀法違反になりますね・・・」
男「最悪ポリスに連行されちゃいますね・・・」
友「マジかよ怖ぇ・・・」ゾッ
男「だからコイツみたいにエアガン弄るような奴は、絶対弾速計もセットで買わないとダメですね」
後輩「でも弾速計も誤差がありますからねぇ・・・ウチで計った時は70m/s後半だったんですけど・・・」
男「ま、何はともあれチェックも通ったし、ほらマーカー貰って並べ並べー」
スタッフ「・・・えー、最後になりますが当フィールドでは全身HIT制でフリーズコールは認めません。ゾンビ行為や暴言など、迷惑をかける行為があった場合はスタッフまでご連絡下さい」
友「フリーズコール?」
男「よく映画とかであるだろ?相手に気付かれないように後ろに回り込んで『動くな!』って言うやつ」
友「あぁーあれね。やっちゃダメなの?」
男「うん。昔は結構OKのとこも多かったみたいなんだけど、参加者同士のトラブルの元になるってことで最近はダメになってきてる」
友「なるほどね」
男「あと、意外に当たってるように見えても当たってない場合って多いから、相手がヒットコールしなくてもキレちゃだめだぜ」
友「うん」
後輩「逆に自分が当たったかどうか怪しいときはいっそヒットコールしちゃうといいですね」
参加者A「今日はよろしくお願いします」
三人「よろしくお願いします」
参加者B「相手の陣地はあの土手の奥にある笹薮のところですね」
参加者A「誰か、アタッカーやりたい人いますか?」
男「相手陣地に向けて突っ込んで行く人。自分の陣地で旗を守る人はディフェンダーね」
友「へぇ」
参加者A「じゃあ、動けそうな人は適宜前線に出る感じで・・・まずは様子を見てみましょうか」
後輩「そうですね~」
参加者B「後にいる方は、前線の援護に回ってください。行けそうだと思ったら、無理せず少しずつ進んでいってください」
男「ん、まずは俺と一緒にくっついてればいいよ・・・あ、そうだ。これ渡しとくわ」ハイ
友「これ・・・トランシーバー?」
男「うん。100mくらいなら届くから」
友「でもこれ、2つしかないぜ?後輩ちゃんにはあげないの?・・・あっ」(察し)
男「アイツはフィールドにいるよりセーフティにいる時間のほうが長いから・・・」
参加者B「ええ、頑張りましょう!」
スタッフ「まもなくスタートでーす!!」
友「おぉ~すげぇ!山でやってた時とはまた違う緊張感!!」ワクワク
男「チーム戦だからね。よし、俺達も頑張ろうぜ」
友「おう!」
<3、2、1・・・スタートです!!
友「うぉ、開幕と同時に弾飛んできた」
男「相手チームにLMG(マシンガン)持ってる人がいるっぽいな・・・まぁ、開始直後は皆走ってるしそう簡単には当たら・・・」
<ヒット~!!
男「あっ、知ってる声」
友「えぇ・・・」(困惑)
友「だ、大丈夫?後輩ちゃん・・・」
後輩「・・・」ノソノソ
友「あ、あれ?」
男「ヒットされたら基本他のプレイヤーと会話しちゃダメなんだ。場所教えてると思われるし、トラブルの元だからね」
友「なるほど」
男「死体はしゃべらないのが鉄則よ」
友「あ、さっきの人が飛び出した」
男「前線押し上げたいのかな・・・あぁでも1人しかついて行かなかった・・・撃ち込まれてるな、あれじゃ頭上げられんぞ」
友「どうする?」
男「援護する。俺が撃ってる間、お前は周りに敵がいないかチェックしてて」
友「分かった」
<タタタッ、タタタタタッ
<・・・ヒットー
男「おぉ、当たったわ・・・」
友「すげーかっけぇ!!」
男(そこから左にあと2人いるみたい)ハンドサイン
参加者A(了解!)ハンドサイン
男「・・・と、まぁこんな感じだ」
友「やばいこれすげぇ楽しい」
<タタタッ・・・タタタタ・・・・
<ヒット~
男「敵も味方も大分減ってきたな・・・」
友「1ゲーム15分だから・・・あと5分ちょいか」
男「よし、俺達もちょっと前進しよう」ガサッ
<ピシッ
男「うっ!?ヒット!!」
男「・・・」ノソノソ
友「ま、まじかよ・・・ていうか、今何処から撃ってきたんだ・・・?」ドキドキ
参加者B「」コッチオイデ
友(ん、俺の事呼んでるっぽい・・・よし!)
友(ひぃぃ!飛び出した瞬間撃ってきた!!)タッタッタ
友「はぁっ、はぁ!!」
参加者B「友達、撃たれちゃった?」
友「はぁ、どこから弾が飛んできたのかまったく分からなくて・・・」
友(ひぃぃ!飛び出した瞬間撃ってきた!!)タッタッタ
友「はぁっ、はぁ!!」
参加者B「友達、撃たれちゃった?」
友「はぁ、どこから弾が飛んできたのかまったく分からなくて・・・」
ごめんかぶった
参加者B「んー、向こうのチームにスナイパーがいるみたいなんですよ」
友「はぁー」
参加者B「さっきAさんもやられちゃって、あと前線でアタッカー出来そうなのが私と貴方くらいしかいなくて・・・」
友「あ、でも自分初心者で・・・」
参加者B「大丈夫ですよ!自分もそんなに上手じゃないんで!」
友「あぁ、味方の人がやられましたね・・・」
参加者B「もう人数も少ないし、残り1分のアナウンスが流れたら一緒に相手フラッグにアタックかけましょう」
友「分かりました」
<タタタタタタタ
参加者B「あ、頭下げて!」タタタタタ
友「うお、危なかった・・・どうもです」
参加者B「多分あのフラッグ脇の藪の中に2人、奥の方に1人隠れてます。飛び出したら私はあの前にある土手の脇から走り込むんで、何とか後ろから付いてきてください」
友「はい」
<残り1分~!
参加者B「いきましょう!」ダッ
<タンッ、タタタタタッ!!
友(よし、俺も!)
パシッ!!
友「うわ、ヒット!!」
<3、2、1・・・終了で~す
参加者A「ナイスアタック!」
男「ナイスアタック!」
参加者B「はは、ありがとうございます」
友「いや~すみません、あの後すぐ撃たれちゃいました」
男「いや本当、撃たれた時全然気づきませんでしたよ」
友「俺も多分最後その人にやられたんだと思う・・・どこから弾が来たのか全く分からなかったし」
後輩「私はいつも通りベンチウォーマーとしての実力を遺憾なく発揮しましたね・・・」ホカホカ
友「うわ後輩ちゃんの座ってたとこ超暖けぇ」
男「お前開幕20秒で討ち取られてたじゃねえか」
後輩「次は頑張ります!!」
<ヒット!!
<ヒットー!!
友「うわ連続でヒットとられてる」
男「すごいな向こうのスナイパー・・・どこにいるのかまるで分からねぇ」
友「これゲームバランスおかしくないですかね・・・」
友「なるほど・・・」
男「アレ多分、お前の持ってるようなエアコキのスナイパーライフル使ってるんだよ」
友「マジかよ・・・ハンパねぇな」
男「前に言ったロマンを極めた人だな・・・憧れるぜ」
友「ほんと憧れる」
友「アタッカーで前線張ってた人達は悉く撃ち倒されちゃったしねぇ」
男「まだ時間も半分以上あるし・・・ここは無理して前進しないで自陣の防衛に努めよう」
友「ん、そうだな」
<ペチッ
友「おおう!ヒット!!」
男「えぇ・・・」(困惑)
参加者A「いや~、また敗けちゃいましたねぇ」
男「誰か、敵チームのスナイパーの居場所分かった人います?」
<イヤ、ゼンゼン・・・
<ステルス迷彩カナ?
友「うーん、すげぇなぁ・・・」
スタッフ「お弁当注文された方はこちらに取りに来てくださ~い」
友「はぁー、なかなか勝てねぇな~」
男「こりゃ午後はチーム替えがあるかなぁ」
後輩「・・・なんで・・・あそこで・・・給弾不良・・・」ブツブツ
友(う、うわぁ・・・)
男「とりあえず落ち込んでないで昼飯食べようね」
参加者B「朝の弾速チェック、結構出てましたもんねー。MP5Kなのにリトラクタブルストックついてるし。もしかしてニコイチですか?」
友「えっ?あぁ、これは僕じゃなくて彼女から譲ってもらったもので詳しくは・・・」
参加者A「へ~、じゃあ彼女が?女の人で中まで弄れるのは珍しいですね」
後輩「いっ、いやぁ私・・・エアガンのカスタムはできてもサバゲーのほうはからっきしですから・・・ははは」スカッスカッ
男「箸が空振ってるぞ」
友「も、もっと楽しそうにご飯食べようよ・・・」
後輩「え、ええ・・・」
参加者A「へ~、中身は中華製なんですよね。どこまでカスタムしてるんですか?」
後輩「一応、メカボ洗浄してホップチャンバーからバレル、モーターまで一通り交換してます・・・ギアも一部金属製にしてありますね」
参加者A「すごい!本格的じゃないですか!!」
参加者B「へぇ~、後でちょっと見せてくださいよ!」
<エ、エヘヘ
<ボクニモミセテ・・・ヴォー!!
友「ああいう楽しみ方もあるのか」
男「まぁ、同じ趣味の人たちが集まるわけだしね」
友「いいなぁ、こういうの・・・」シミジミ
後編へ続く
午後の部。
スタッフ「えー、午前の結果から一部メンバー交代を行いたいとおもいます・・・」
男「ん、やっぱり来たな」
友「誰が変わるんだろ」
スタッフ「えーと、すみませんがあなたはこちらのチームに移っていただけますか?」
参加者C「はい!!」
友「うぉ、でっかいエアガン・・・」ビク
男「LMG・・・午前中に弾ばら撒いてたのはあの人だったのかぁ」
参加者A「こちらこそ、よろしく!」
後輩「わぁ、M60じゃないですか!カッコ良いですね~」
(M60)
参加者C「はは、どうも!!」
後輩「いいなぁ~・・・な、中見てみたいな~」キラキラ
男「そのへんにしときなさい」
参加者C「任せてください!1回の給弾で1200発は入りますよ!!」フンス
後輩「す、すごいなぁ・・・いいなぁ・・・」ヨダレ
友「弾代だけで大変なことになりそうですね」
男「ん、そろそろ午後のゲームが始まるぞ」
参加者C「ぬぅん」
<タタタタタタタタタタタタタタタタ
友「すげぇ・・・あのでかいエアガン腰だめに撃ってる・・・」
男「あれ5kg以上あるだろ・・・」
友「ランボーかな?」
友「おう!!」
参加者C「ぐっ・・・ヒット!!」
男「えぇ・・・」(困惑)
友「えぇ・・・」(困惑)
友「マジでランボーかな?」
男「まぁ、プレイの仕方は人それぞれだし、ロールプレイしてる人に口出しするのは野暮だぜ」
友「あ、でもあの弾幕を張ってた間に味方がかなり前進してるよ」
男「お、イイネ・・・よし、じゃあ俺達は彼らの側面を援護しよう」
友「了解!」
友「OK」
男「無理そうなら一旦止まって。姿勢を低くして、できるだけ隠れながら進んでな」
友「大丈夫、午前中のゲームで結構フィールドの形とかコツが分かってきたし!」
男「よし、なら大丈夫だ。何かあったらシーバーで連絡しよう」
友「了解」
友(・・・いいぞ、今度は前線に結構人が残ってるな)
<ヒット!!
友(む・・・またヒットコールだけ・・・てことは、近くに例のスナイパーがいるのかな)
友(なるべく頭を上げないようにして、っと・・・)
<グニュン
友「えっ!?うおお、なんか踏んだ!!」ドタッ
?「えぅ、ヒ、ヒット!!」
友「いてて・・・なにこの落ち葉・・・って人!?」
?「いたた・・・」
友(あ、プレイヤー同士の接触は両方ヒットになるんだった!)
?「あ、大丈夫・・・」
友(あ・・・もしかしてこれがギリースーツって奴か・・・すげぇ顔まで真っ黒に塗ってらぁ・・・)
友(ん?てことはもしかしてこの人が件のスナイパーか?)
友(マジかよ・・・女の人だったのか・・・)
友「はぁー、びっくりした~」
参加者C「・・・で、弾幕張る分にはいいんだけど、下向きにした場合どうも給弾不良が多くてね」
後輩「あぁ~それだったらゼンマイマガジンに変えてみるといいかもですね!」キラキラ
参加者C「あと中のポンプセクションも壊れやすいって聞くし、できればシリンダーに交換したいんだけど、俺は細かい作業があまり得意じゃなくてねぇ・・・工賃払ったら、誰かやってくんないかな」
後輩「もしよかったら私に見させてくださいよ!!私LMGって触ったこと無くて」ワクワク
友「意気投合してるなぁ・・・」
参加者A「いや~、今度は何とか勝てましたね!」
男「あのスナイパーのヒットとったの、お前だったのか」
友「いやぁそれが、気が付かなくて踏んじゃってさ」
男「はは、だから言っただろ?本気で偽装されると分からないって」
友「ホント、最初は地面が動いたと思ったもん」
参加者B「向こうの人も災難でしたねー」
男「リアルスナイパーウルフだなぁ」
参加者A「でもその人凄いよ。一人いなくなっただけで全然戦況が変わりましたからね」
友「女の人でも活躍できる人っているんだなぁ、本当に」
男「まぁ要は性別なんかより立ち回りだよ。ねぇ?」チラッチラッ
後輩「耳が痛いですぅ・・・」
友「いやー、今日は楽しかったな~」
男「また今度来ような」
友「うん、そうだな!」
スタッフ「皆さんすみませ~ん、当フィールドのサイトに載せる写真がほしいので、よかったら集まってくださーい」
後輩「集合写真だって!行きましょうよ!!」
友「よっこいしょ・・・ん?」
女「・・・」
友(な、なんかこの人近いな・・・)
スタッフ「はーい、じゃカッコイイポーズでお願いしますね~・・・いきまーす!!」カシャッ
参加者A「お疲れ様でした!いやー楽しかったです!」
男「いえいえ、こちらこそ」
参加者B「これ、うちのチームのサイトなんですけど、よかったら帰って見てみてください」
男「へぇ、じゃあ帰ったら拝見させていただきます」
後輩「あ、じゃああの、差支えなければメアド交換しましょう!!」
参加者C「あ、そうだね、いいよいいよ」
後輩「もし壊れたりしたらいつでも連絡くださいね!!」
友(結構みんな和気藹々としてるんだなぁ・・・)
女「・・・あのぉ」
女「さっきは、どうも・・・」
友「え?・・・あぁ!もしかしてさっきの、スナイパーの方ですか?」
女「そうです・・・私を踏んだ時、怪我したりしませんでしたか?」
友「あ、あぁ、全然大丈夫です!あなたこそ大丈夫ですか?」
友「へ?」
女「お尻・・・踏まれたんですけど・・・」
友「えっ、あっああ、す、すすすみませんでした!!」
女「いいんです・・・うふふ」
友(えぇ・・・)ビクビク
後輩「はぁー、疲れたぁ!!」
参加者たち「お疲れ様でしたー」
男「それじゃお先失礼しまーす・・・ほら、友も行くぞー」
友「あ、あのー友達が呼んでるんで・・・本当、今日はすみませんでした」
女「・・・また機会があればいつかご一緒したいですね」
女「・・・」
女「・・・うふふ」
友(この人ちょっと怖ぇ!!)ビクビク
男「忘れ物すんなよー」
後輩「いやー、今日はなんだかいつもより会話も弾みましたねー」
男「あぁ、今日はいい人が多かったなぁ」
友「いつもはあんなんじゃないのか?」
男「うーん、そりゃ何回も行ってればたまには気まずい思いすることもあるね」
友「へー・・・」
後輩「まぁ、なんだかんだ大事になるまえに運営の人たちが対応してくれますけどね~」
後輩「あはは、でしょ~?」
男「そういやお前、帰り際に相手チームの女の人に声かけられてたな」
後輩「あ、もしかしてあの人が例のスナイパーの方ですか?」
友「う、うん・・・なんだけど・・・」
友「なんか、どうやら俺彼女のお尻踏んじゃったらしくてさ」
男「ラッキースケベってやつか」
友「いや相手ギリースーツ着てたし・・・さっきそのこと言われて謝ったんだけどね」
後輩「許してもらえなかったんですか?」
男「なんだ、いい人じゃないか?」
後輩「ねぇ?」
友「それが彼女、なんかちょっと嬉しそうだったんだよな・・・踏まれたことが」
男「えぇ・・・」(困惑)
後輩「えぇ・・・」(困惑)
第5話 おわり
友「はぁー・・・」
男「どうした?溜め息なんかついて」
友「いや・・・こないだサバゲー行ったときに、一緒にVSRに付けてたスコープも持って行ったんだけど」
男「スコープを?まさかあのMP5に乗せるつもりだったのか・・・」
友「いや、最初はもしかしたら使うかなーと思って持ってったんだけど。結局途中で『あ、いらないやコレ』ってことに気付いて使わなかったけど」
友「うん、それが帰ってから探しても見つからなくてさ・・・多分、あそこに忘れてきたっぽいんだよね」
男「ありゃま」
友「何だかんだで1万くらいかかってたから、ショックだ・・・」ハァー
男「なんならあそこに電話してみればいいじゃん。まだ行ってから日も浅いし、もし忘れ物があれば取り置いてくれてるかもよ」
友「そっか。電話してみるわ」
男「どうだった?」
友「男の言った通り忘れ物として保管してあるって!」
男「おぉ、よかったじゃん」
友「ただ壊れ物で郵送とかできないから直接取りに来て欲しいってさ」
友「うん。明日バイトが休みだから取りに行こうかと思うんだけど、お前も一緒に行かない?」
男「あー、明日はちょっと用事があるんだ」
友「そっか・・・」
男「後輩もなんか忙しいみたいだし、一回行ったことある場所なんだから一人で行って来いよ」
男「まぁ、忘れ物取りに行くくらいなら昼頃行っても大丈夫だろ。なんなら一人で定例会殴り込んで来れば?」
友「はは、流石にそれはちょっとまだハードルが高いかな」
男「結構一人で参加してる人もいるけどなー・・・ま、とにかく明日はちょっと無理だ。ごめんな」
友「うん、いいよ」
友「すいませへぇぇ~ん、昨日忘れ物の件で連絡したんですが・・・」
スタッフ「あー、お待ちしてましたよ!・・・これで間違いないですか?」
友「あ。これです!どうも有難うございます!!」
スタッフ「いえいえ!あ、一応連絡先を・・・」
友(よかったよかった・・・さて、用事も済んだし帰るか)
友(って言っても、ここまで来てただ帰るのもなんだなぁ)ウーム
友(あ、そうだ。ホビーショップとか寄ってエアガン見てみよ)
友(へー・・・色々あるんだなあ。見たこと無いようなメーカーのもたくさんあるぞ)
友(何これ超かっけぇ・・・って11万!?高ァい!!)
友(ふーん、いろんなのがあるんだな・・・でもこれ、規制で全部同じ距離しか弾飛ばないんだよな。所詮は見かけ倒し・・・いや、ロマンだな)
<ドンッ
友「あっ、すいませ・・・」
友「えっ・・・あ、あの時の・・・」
女「・・・運命ね」ニッコリ
友「えっ」ビクッ
女「この間はどうも・・・」
友「いやぁ、この間のゲームは凄かったですね。うちのチームの人たちも皆褒めてましたよ」
女「ありがとう」
友「実は自分、こないだのゲームがデビュー戦だったんですけど、やっぱりスナイパーっていいですよね。憧れますよ」
女「そ、そう」
友「自分、何も知らなくて初めてのエアガンにボルトアクションの銃買っちゃって」
友「最初はそれ使って近くの山で仲間内で撃ち合いしたんですけど、これがもう全然あたらなくて!!」
女「ボルトアクション・・・の、何?」
友「えーっと、VSR-10ですね。ちょうどあそこに掛かってるのと同じやつ」
女「・・・運命ね!」
友「えっ」
友「えっとあの・・・」
女「この近くにちょっといい店があるの!そこでお茶でも飲みながら!ね!行きましょう!ね、ほら!ね!!」グイグイ
友「待っ、ちょっ!そんなほぼ初対面の方と・・・」
女「だ、大丈夫ほんとお話しするだけだから、ねっ?ほらこっちにきて!私のお尻を踏んだ代償だと思って!!ほら!!」
<エ、ナニ?チカン…?ザワザワ・・・
友「ちょちょちょ、そんな大声で!誤解されるから止めてくださいよ!!」
友「焦った・・・」ゼェハァ
女「ごめんなさいね。でもどうしてもお話しがしたくて・・・どうしてもお話しがしたくて!!」
友「だ、大事なことなんすね・・・」
女「ほら、このお店よ」
女「ここ、私のおすすめのお店なの」
友「ど、どうみても喫茶店とかには見えないんですけど・・・あっこれひょっとして壷とか絵画とか買わされるやつ!?」
女「ち、違うわ。そんなことしないわよ。この下にシューティングレンジがあるの」
友「・・・シューティングレンジ?」
友「へー・・・エアガンの射撃場になってるんだ」
女「元々地下街の一部だったところを閉鎖して、今は会員制のシューティングバーになってるのよ」
友「なるほど」
女「全長30mの室内射撃場なんて、この辺にはちょっとないわよ?」
友「すごい」(小並感)
友「あ、はい」
女「いまロッカーから、私のエアガン持ってくるから・・・」
友「え」
女「ここは銃の保管もしてくれるのよ」
女「ほら」
友「おー・・・これは、VSR-10とはちょっと違うような・・・?」
女「これはね、APS-2・・・VSR-10とは違うメーカーが作ってるボルトアクションライフルよ」
友「へぇ・・・」
友「え・・・いいんですか」
女「ええ」
友「じゃあ、ちょっとお借りします」
女「どう?」
友「おー、すごい。ちゃんと十字の真ん中に弾が飛んでいきますね」
女「ここだと距離がとれるから、ゼロイン調整するときはいつもここを使うのよ」
友「ゼロイン?」
友「ほー」
女「この時、30m先でレティクル(十字線)の中心に着弾することを『30mでゼロイン』っていうのよ」
友「うーん、そんな厳密な調整はしてないですね・・・乗せて満足してました」
女「エアガンの場合はHOPしたり弾が風で流されたりするから・・・大体狙った辺りに飛ぶように調整できればいいわね」
女「?」
友「これ・・・自分のスコープなんですけど、今日はこないだのフィールドに忘れたこれを取りに行った帰りだったんですよ」
女「なるほど・・・ますます運命ね」ガッツポ
友(なに今のガッツポーズ・・・)
女「ちょうどいいから、ゼロイン調整のやり方を教えてあげたいんだけど・・・時間はあるかしら?」
女「・・・」
女「」ガッツポ
友(えぇ・・・)
女「じゃ、じゃあ、早速そのスコープを貸してくれるかしら!」
女「えーと・・・本当は銃によって微妙に照準が違うから、今日教えるのは参考にしておいてね?」
友「はい」
女「先生」
友「へ?」
女「よ、呼び方は先生で・・・///」
友(えぇ・・・)
女「」
女「ま、まず、スコープを乗せる前にエアガンの届く最大距離を見極めます!」
友(何今の間)
女「大体エアガンの場合3~40m位届くけど、ホップのかけ方や銃身の長さで届く距離が変わるから・・・」
女「弾が浮き上がったり沈んだりせず真っ直ぐ飛ぶ状態・・・つまり適正ホップで届くところまでってとこね」
友「なるほど」
女「ここのレンジは30mだから、このAPSにはちょっと短いけど・・・とにかくまずは十分に標的から距離を取ります」
友「ふむふむ」
友「はい先生」
女「・・・いい」
友「はい?」
女「コホン・・・えーと、そしたらまずはその状態で撃ってみて?」
友「んん・・・なんかかなりズレてますね」
女「いま、一番ダイヤルを締めこんだ状態だから。この時、照準から外れたといって銃口を動かさないように。そのまま何発か撃って着弾点を確認して、まずは左右の調整から始めましょう」
友「調整って・・・どうやるんですか」
女「スコープに調整用のダイアルがついてるでしょ・・・?ほらここ」
友「えっここ開くの・・・あぁ本当だ、中にダイヤルがついてる」クルクル
友「へぇー」
女「他にもズレが大きいようなら、マウントリングとスコープの間に厚紙を挟んだりして調整するといいわね」
友「なるほど」
女「左右の調整が済んだら、次は上下の調整。これも左右の調整と同じように調整します」
<ポシュッ
友「おー、大分真ん中に飛ぶようになりましたね」
女「そしたら今度は、5mのところにある標的を狙ってみて」
<ポシュッ
友「あ、あれ?ちょっと上にずれるな・・・」
女「BB弾は完全に真っ直ぐ飛ぶわけじゃないから、まずは最大射程で調整した後に近くの的を狙って微調整するの」
友「うん、近くの的にも当たるようになったぞ」
女「そしたら、もう一度遠くの的を撃ってみて?」
<ポシュッ
友「ん・・・当たりはするけど、さっきよりちょっと低めに当たりすね」
女「5mでゼロインしたからね。でも大丈夫。近くの的と遠くの的の両方に当たっていれば、その射程内の目標に当てることができるから」
友「へぇ・・・狙撃っていうと、なるべく遠くまで狙えるようにエアガンの最大射程まで飛ばすのが一番大事だと思ってました」
友「うーん奥が深いなぁ・・・」
女「マウントやスコープの精度によっては何度も調整が必要な場合もあるけれど、ゼロインは狙撃の基本だから面倒でもきちんとこなしておくこと。いいわね?」
友「はい先生!!」
女「oh...ふぅ・・・」ゾクゾク
友(えぇ・・・)
友「というわけで、なんかスコープの調整の仕方とか色々教えてもらった」
男「おまえ、結構人に恵まれてるなぁ・・・」
友「せやろか?」
男「なかなかサバゲーでスナイパーやってる人に直で教えてもらうとかできないよ。チームとかに入ってなきゃ」
友「チーム?」
男「うん、全国各地津々浦々にサバゲーを目的としたチームを組んでる人達がいるんだよ」
男「ほら、これ。こないだサバゲーにきてた人達のチームのサイト」
友「はぁー、サークル活動みたいな感じだね」
男「ま、そんなところだね。チーム同士で交流会やったり、地区大会とかも開いてるみたい」
友「ママさんバレーかな?」
男「なんかそのフレーズ久々に聞いたわ」
男「そりゃ最低でも18歳からじゃないとできないし、道具揃えるのにも金かかるからなぁ」
友「うん。今日教えてくれた人もギリースーツとか全部揃えて両手じゃ足りない万円くらいしたって言ってたよ」
男「へー、そりゃすごい・・・てか、女の人でサバゲーにそこまでつぎ込むのは珍しいなぁ」
友「雰囲気的にも結構大人っぽいし、お金に余裕があるんですかねぇ・・・」
友「・・・」
男「なんか俺ちょっと鼻の奥ツーンとしてきた」
友「やめろよ他人の人生想像するのやめろよ俺まで悲しくなるだろ・・・」
<ピンポーン
男「あぁ・・・ここにも予備軍が・・・」
後輩「ほぇ?」
友「なんでもない・・・なんでもないんだよ・・・」
後輩「変な先輩たち・・・」
後輩「そんないつもいつも借りに来ないですよ・・・あの、今度また皆で先輩とこの山行きません?」
男「ん?別にいいけど」
後輩「本当ですか?いや~実はこの子の試し撃ちをしてみたくて!!」ドサッ
友「なにそれ・・・」
男「ああ、例のランボーマン」
友「お前それ失礼な呼び方だなぁ、先に言ったの俺だけど」
後輩「あの後、カスタムを依頼されて預かってきたんですよ、コレ!」
友「えぇ・・・」(困惑)
後輩「流石に部屋の中でやりすぎると、近所迷惑ですからねぇ」
男「一見して『頭のおかしい人の部屋だぁ・・・』ってなるよ」
後輩「そんなことありませんよ!!」
男「そんなことあるだろ。なんで若い女の部屋に旋盤やら万力があんだよ。おまけになんかオイルや有機溶剤の臭い漂ってるし、ポリスがきたら一発だぞ一発」
後輩「むう・・・」
友「ダメみたいですね・・・」
後輩「やったぜ」
男「お前はどうする?」
友「ん?あー俺は明日朝からイベント会場設営のバイトがあるから、ちょっとパス」
男「そうか。最近予定が合わないな」
友「そうだな。まぁ仕方ないさ」
<オーイ、アッチカラビニテモッテキテー!!
友「はいはーい!!えーとビニールテープビニールテープ」
友「あぁ、もう!ダンボールが多くてどこにあるのか分かんねぇ!!」
箱「あ、こっちにあるよー」
友「箱がしゃべった!?」ビクッ
友「あ、あぁ・・・後ろから見たらマジ箱にしか見えなかった・・・ってテープは?」
バイト「ほら、そこの下転がってる」
友「あ、あったあった!ありがとう!!」
<ソッチバミットイテー!!ア、モウテープイイヤ!!
友「えぇ・・・」
友「あぁ~疲れたぁ・・・」
友(なんか最近、バイトといいサバゲーといい肉体労働が多いな・・・よく寝れていいけど)
友(それにしてもさっきはびっくりしたなー、マジで箱が喋ったのかとおもったぜ)
友(あんなに段ボール背負ってちゃ、後ろからは人だって分からねーし・・・ん?)
友(・・・あ、そうか!)
友「みてほら、コレ!」
男「おー、ミリタリーポンチョじゃん。どうしたのそれ」
友「こないだバイトしてて思ったことがあるんだけどさ・・・ポンチョって、頭まですっぽり覆えるだろ?」
男「うん」
友「そうすると肩から頭までの輪郭が隠れて、人だって分かりにくくなると思ったんだよ!!」
男「一体何の会場設営だったんですかね・・・」
男「たしかにギリースーツなんかも、色彩よりもむしろ立体的な偽装が効果的だっていわれてるしなぁ。いい着眼点かも」
友「でもさ。あれ着てたらまともに走れないだろ?それに嵩張るうえに高いし」
男「だなぁ」
友「だから、こうやって軽いナイロン製のポンチョにすればさ、ギリーには及ばないにしても効果的に偽装できるんじゃない?って。それに、雨の日は普段使いもできるし!!」
男「なるほど、考えたな・・・ちょっとそのまま銃持ってみ?」
友「どうよ!?」
男「イイネ!!スターリングラードのヴァシリ・ザイツェフ感出てるよ!」
友「カッコイイ!?」
男「うん、想像以上に・・・でもそれ、迷彩の柄がUCPだね」
友「あぁ、米軍のデジタル迷彩ってやつだろ?カッコイイよなこれ」
友「えっ」
男「一応、米軍の正式装備だったし、人間の目の印象に残りづらい色を基調にしてて目立たないって触れ込みだったんだけど・・・都市部や岩肌の多い場所ならともかく、林の中、それもサバゲーぐらいの距離だと超目立つんだよ」
友「えっえっ」
男「それどころか当の米軍兵士にすら大不評で、結局ACU(陸軍戦闘服)の選定の時に負けたマルチカム柄が採用されてるし・・・」
(UCP)
(マルチカム)
友「えぇ・・・」
友「陸自のでも良かったんだけど、売り切れだったんだもん・・・」シクシク
男「まぁそう気を落とすなよ。それ着てれば雨の中でもスナイピングできるぜ!」ヒュー
友「別にそんな雨の中サバゲーやりたくないですしおすし・・・」
<コンバンワー
友「うーん、でもすぐには無理だよ、お金もかかるみたいだし・・・」
男「確かにサバゲーのスナイパーって、装備もさることながら結構ゲームに慣れてないとできないしな。最初はみんな目指したがるけど」
友「俺も最初はFPSのイメージがあったからなぁ・・・」
男「例のスナイパーウルフに教えてもらったら?」
男「でも、その人色々と教えたがってたんだろ?やっぱ自分と同じことに興味を持った人には知ってることを教えたくなるもんだよ。うん」
友「それはそうかもしれんけど・・・」
男「それに一回会って仲良くなった場合って、2、3週間すると急に関係が冷え込むじゃん。サバゲーで仲良くなってメアド交換した人とかも、よっぽどじゃなければ2,3回メールしたらあとは自然消滅だし」
友「た、確かに・・・って別にメアドとか交換してないし」
友「一人で行って待ってんの?嫌だよストーカーじゃねえかそれ」
男「俺も一緒に行ってやるから!!」
友「・・・お前自分がその店行ってみたいだけだろ?」
男「そうだよ」(便乗)
男「なっちゃえばいいじゃん・・・会員に」
友「工藤健介かな?」
男「室内シューティングレンジとか興味あるんだよー」
後輩「シューティングレンジですって!?」
友「うお!?」ビクッ
男「お、お前いつからいたんだよ!!?」ドキドキ
男「不法侵入やめーや」
友「いやお前もだろ。ていうかあん時どうやって俺の部屋に入ったんだおい」
後輩「ところで、今シューティングレンジがどうとか言ってましたよね?」
男「ああ。なんか、友が例のスナイパーのお姉さんに連れて行ってもらったらしい」
友「話聞こうず。いや本当話聞こうず」
男「連れてってくださいよぉ・・・」ジリジリ
友「わ、分かったよ・・・」
後輩「やったぜ」
男「成し遂げたぜ」
第6話 おわり
友「・・・ここ、なんだけど」
男「へー、なんていうか・・・」
後輩「これはぁ・・・じ、事務所?・・・ですか」
友「俺も最初はそう思ったんだけど・・・この地下がシューティングレンジになってるんだよ」
店員「いらっしゃいませ」
友「あのーすみません、ここの会員カード作りたいんですけど」
店員「ありがとうございます。当店のご利用は初めてですか?」
友「あ、はい。そうですね・・・」
店員「では、こちらにお名前を・・・ロッカーはご利用になられますか?」
店員「その時の空き状況にもよりますが・・・エアガン保管用にロッカーをご利用いただく場合は、年間ご利用料5,000円で承っております」
男「うーん、今のところまだいいかな・・・」
友「そうだな」
後輩「あ、それって2つ借りれたりします?」
男「えぇ・・・」(困惑)
友「えぇ・・・」(困惑)
男「ふーん、なるほど。結構雰囲気いいね」
後輩「そうですね~!ここは結構穴場・・・ってどうしたんですか、友さん」
友「いや、あの・・・」ガクガク
後輩「?」
後輩「うっ・・・な、なんかめっちゃこっち見てる人がいますね・・・?」
男「あれってもしかして・・・」
女「また・・・来てくれたのね・・・」ニッコリ
友「えっ、は、はい・・・」ビクッ
男「いやぁ、この間はどうも。こいつの友人です」
後輩「その後輩です」
女「こちらこそ・・・この間のゲームは楽しかったわ」
男「いやぁ、あの時は本当どこから撃たれたのか分かりませんでしたよ」
後輩「凄いですよねぇ~」
男「ええ」
後輩「誘われたっていうよりも、私達のほうから連れてって!って懇願したんですけどねぇ」アハハ
女「そう・・・」ジリジリ
友「な、なんでちょっとずつ近づいてくるんですかね・・・」ビクビク
後輩「本当に!シューティングレンジも長いし、中で食事もできるんですねぇ」
女「そうね・・・ゲームに行かない日はよくここにいるの、私」
友「と、とりあえず二人とも。早速エアガン撃ってきたら?」
男「ん?そうだな」
後輩「いや~室内だとこの時期でもガスガン撃てるからいいですね~」スチャッ
<エヘヘ、カッチャイマシタ
<ミセテミセテ・・・ヴォー
女「前に定例会に来た時もあの二人と一緒だったけど、友達なの?」
友「あぁ、はい。サバゲーを始めたのも、アイツらに誘われたからで・・・」
女「そう・・・いいわね」
女「あっまだその呼び方してくれるのねうれしい」ウフフ
友「えぇ・・・」
女「私はねぇ、昔ちょっと絵を書いていたんだけど」
友「へぇー、絵ですか」
友「あっ(そんな詳しく言わなくて)いいです」
女「ある日銃を持ったキャラを描くことになって、参考資料用に知り合いからエアガンを借りたのね」
友「ははぁ」
女「最初は何とも思わなかったんだけど、眺めたりしてるうちにだんだん自分が作品の中のキャラになったような気がしてきて・・・」
女「ええ。それからというもの、エアガンを手にする度にどうしても人に撃たれてみたくなって・・・」
友「えぇ・・・」(ドン引き)
女「冗談よ」
友「で、ですよね・・・」
友「へぇ」
女「時間が経つにつれて・・・皆・・・け、結婚したりしちゃって・・・気付いたら・・・わ、私だけに・・・」(涙目)
友「あっ・・・」(察し)
女「そんなわけで今では定例会にも一人で顔を出す行けず後家の廃人スナイパーそれが私よウフフなにこれもう泣きたい・・・」ホロリ
友(ダメみたいですね・・・)ガクガク
友「そ、そんな死んだ魚みたいな目で・・・」
女「狙った獲物は逃がさないわよ!婚期は逃したけど!!」(半ギレ)
友「せ、先生困ります!そんなドロドロしたこと大声で言わないでください!!」
女「うっ・・・うっ・・・誰か私をもらってよぉ・・・」(マジ泣き)
後輩「友さん・・・」マジカヨ
友「うんうん誤解だからね?っていうか俺は無意識のうちに他人の悲しいエピソード引きだしちゃう呪いでもかけられてんの?」
女「冗談よ冗談!今じゃ私いろんな人たちにひっぱりだこなんだからまぁサバゲーに限った話なんだけどねあはははは」
友「先生、笑い声が渇いてます」
男「悲しいなぁ・・・」
後輩「いいなぁ・・・憧れますぅ・・・」キラキラ
女「ええ・・・社会人中心のチームだと、他の人に合わせたりしないといけないから、なんだか息苦しくて」
後輩「確かに、仕事の都合とかありますもんねぇ~」
友(・・・あれ?ってことはもしかしてこの人、無sy・・・いや、何も言わないでおこう)
男「そういえばお仕事は何されてるんですか?」
友(すげぇぇええ!!切り込んでいったー!!!)
後輩「なるほど~、それでこの間平日の定例会に出てたんですねぇ」
女「そう・・・って言っても、ゲームに顔を出すのは結構久しぶりだったんだけどね」
男「確かに、僕らも1年くらい前からあのフィールドにちょくちょく顔出してるけど、多分一度もお会いしたことないですよね」
女「別に誰かといるのが嫌なわけじゃないんだけどね・・・集まりに顔を出せないと、かえって迷惑になるし」
女「え?」
男「確かに社会人に比べれば自由も効くし。緩いチームがいいってことならそれもありなんじゃないですか?なぁ、友」
友「えっ?はぁ・・・」
女「で、でも・・・さすがに学生に混じって大人が一人いるって、世間体的にどうなのそれ?」
友(そこだよなぁ)
男「サークルの顧問みたいな感じだし大丈夫じゃないですか?」
友(えぇ・・・)
女「こ、顧問かぁ・・・それならいいかも・・・」
友(いいのか)
後輩「私もスナイパーの立ち回りとか色々聞いてみたいですぅ~」
女「じゃ、じゃあちょっとしたサークルってことなら私も入ってみようかしら・・・」
男「お前は?別にいいだろ」
友「えっ、俺は全然・・・皆がいいならそれで」
後輩「じゃあ決まりですね!!」
後輩「おねえさま!!」
友「おねえさまて」
男「そう言えば、なんて呼べばいいですかね?」
女「そうね・・・好きに呼んでくれていいわよ」
後輩「じゃあ私はおねえさまで!!」
友「お前ら呼称バラバラじゃねーか」
女「じゃ、じゃあ早速サークル名考えましょ!」ワクワク
友「自分から提案していくのか・・・」(困惑)
後輩「あ、いいんじゃないですか!?」
男「略してそげぶ」
友「一文字しか略せてねぇしそれ」
女「べ、別に狙撃にこだわらなくてもいいのよ?」
後輩「狙撃部狙撃しない担当ですね」
友(えぇ・・・)
女「いいわね、それ」
友(いいのか・・・)
後輩「じゃあ決まりですね!!」
女「へぇ・・・ここが友君の言ってた例の山ね」
男「顧問のところからはちょっと遠いかもしれませんけど、ここで良ければいつでも使えますよ」
後輩「フィールド代もかかりませんからね~」
女「近くにこんな良い場所があるなら、シューティングレンジなんかなくても良いわね」
男「いやぁ、でもやっぱ無風の室内レンジもいいもんですよ」
女「何かしら?」
友「今日はあのライフル持ってきてないんですね?」
女「えぇ。今日は立ち回りの話をしたいってことだったから、後輩ちゃんのエアガンを借りることにしたの」
友「え、そうなんですか?」
後輩「今まで私達二人で定例会に乗り込むだけだったし、チームでの立ち回りってあんまり練習したこと無いんですよねぇ」
友「ふーん、そういうことか」
女「じゃ、折角4人いることだしまずはチームを分けましょう!」
後輩「はいおねえさま!!」
友(・・・あれなんでおねえさまなんだ?)ヒソヒソ
男(さぁ・・・なんか通じるところでもあったんじゃない?)ヒソヒソ
友「え」
男「随分バランスが悪い気がしますが・・・いいんですか?」
女「ええ。最初は一対多だとどうなるか教えてあげるから。遠慮なく撃ってきていいわよ」
男「じゃ、俺達はあっちの納屋から。顧問はこっちの林からスタートで。準備が出来たらホイッスル吹くんで、そこからスタートしましょう」
女「分かったわ」
男「よし、スタートだ・・・数じゃこっちが有利だけど、あの人が相手だと油断できないな」
友「もうすでに先生の姿が見えないんですが」
後輩「大丈夫です!こっちには地の利もありますからね!!」フンス
男「とはいえ、地形的には向こうの方が高い位置にいるから不利だけどな・・・俺達は棚田の土手に伏せて身を隠しながら、ラインを上げていこう」
二人「了解」
男「・・・まだ見えないな」
友「向こうももう動き出してるかな」
男「多分な。顧問がこっちの裏をとろうとした場合、あの外周の林の中を走ってこなきゃいかんから、多分スナイパーのときみたいにアンブッシュしてると思う」
友「アンブッシュ?」
男「茂みとかに伏せて隠れることだ」
男「当然その可能性もある。外周の林を中心に、周囲の警戒は怠らないようにしよう」
友「で、でも・・・正面からならともかく、これサイドからだと俺達丸見えだよね」
男「だから念のため林からは十分に距離を取って進もう。ここなら林から撃った弾はまともに届かないし」
後輩「一番危ないのは、相手のスタート地点に近づいたときですかね」
男「多分な」
後輩「相手はスナイパーですからね。どこに隠れてるか分かりませんよ」
<タタタタタタ
後輩「痛っ!?ヒ、ヒットですっ!!」
友「もうこんな近くまで!?」
<ビシビシビシ
友「い、痛ぇ!!ヒットヒット!!」
男「お、お前(後輩)あんまり威力上げてんじゃねーよ!!当たった時痛・・・ぐあぁヒット!!」ビシビシィ
女「と、まぁこんな感じね」ヒタヒタ
友「我々瞬殺だったわけですが」
後輩「流石です・・・」
男「まさか田んぼを流れる側溝の中に身を伏せているとは・・・」
女「長いことスナイパーやってるとこういうとこに躊躇なく踏み込めるようになるのよね・・・」グッショリ
友「先生ホント風邪ひかないでくださいねマジで」
男「これだとスタート地点から相手の姿が見えますし隠れる場所も少ないですけど・・・いいんですか?」
女「ええ。チーム分けは今と同じでいいわ。今回は私のほうが圧倒的に不利だけど、遠慮せず撃ってね」
男「は、はぁ・・・」
後輩「後進の育成のために敢えて身を挺すわけですね・・・!」
友(この人はひょっとしてただのドMなんじゃないのかな?)
<タタタタタタタタ
<タンッ!タタタタタ!
<ヒットデス!!
<・・・ヒット!
男「若干一名巻き添えを食らった方がいましたね・・・」
後輩「・・・」
女「・・・とまぁ、基本的に一対多なら圧倒的に前者のほうが不利なのは、今やった通りね」
男「まぁ、数が多い方が有利ですよね。姿が見えていれば」
友「そりゃ・・・弾を多くばら撒けるような強い武器を持ってるほうじゃないですか?」
男「それと、ちゃんと落ち着いて相手を狙えるような経験者がいる方ですかね・・・」
後輩「強い武器を持っててちゃんと相手を狙ってる経験者・・・私のことですね!!」ガッツポ
友「えっ?」
男「は?」
後輩「ごめんなさい調子にのりました土でも食べてます許して」
男「役割・・・ですか」
女「臨機応変に行動している2人組と、攻撃と支援という形に分担している2人組なら、普通は後者のほうが効果的ね。もちろん技量やエアガンの性能が同じくらいの場合だけど」
男「確かに。定例会でもガチのチームの人たちに当たるとすごい連携プレイしてるからな」
友「こないだの定例会じゃ、アタッカーとディフェンダーに別れてたけど」
女「ただ攻守ってだけじゃなく、実際にはもっと細かい役割を分担しているケースが多いようね」
女「そうね・・・あとはフラッグ周辺のディフェンスも、ただ待っているだけじゃなくて防衛線を張ったり、警戒範囲を設けて複数人で侵入した相手を迎撃する場合があるわ。そして、そういうポジショニングの戦略をとっているところには、大抵指揮官もいるわね」
友「へぇ。こないだの定例会じゃ、ほとんどただの総当たりみたいな感じだったけどなー」
後輩「平日の定例会だと大きなチームが参加しない場合も多いんで、大体そんな感じになりますねぇ」
友「なるほど」
後輩「ツーマンセルで組んでも、たかが知れてますね・・・」
女「だから、狙撃部としてゲームで動く場合は、味方チームの斥候役に徹してみるのはどうかしら」
男「なるほど、斥候ですか」
友「石膏?」
男「美術室にあるやつじゃないぞ。ありていに言えば偵察部隊のことだ」
男「確かに、あれだけ偽装してたら下手に動いたら見つかっちゃいますもんね。TRX(トランシーバー)も音がばれるから使えないし」
女「そう。だから、4人それぞれの役割を分担すれば、チームで偵察ができそうよね」
後輩「すごい!海兵隊のフォース・リーコンみたいですね!!」
友「4th離婚?」
男「フォース・リーコンは米海兵隊の威力偵察を行う特殊部隊のことだ」
友「え、そうなの?」
男「俺はこのM14にスコープ乗せれば狙撃もできるし」
後輩「ついに私のPSG-1が火を噴くときが来たようですね・・・」フフフ
(PSG-1)
友「後輩ちゃんは一体いくつエアガン持ってんのさ」
女「ということで、早速みんなライフルを持ってみて」
男「よし」←M14
後輩「完璧デスネ!!」←PSG-1
友「後輩ちゃん、心なしか腕プルプルしてない?」←VSR-10
男「だってそれ4kg以上あるもん・・・俺のM14も同じくらいだけどさ」
女「いい・・・こんなにスナイパー仲間が一同に会すなんて・・・」ウットリ
友「先生、帰ってきてください。あとさっきからびしょ濡れのままですけど寒くないんですか」
友「確かに一回隠れちゃうとなかなか動けませんもんね」
女「ええ、だからこそ前衛と一緒に動き回れるスナイパーはかなりの脅威よ。でも一番重要なのは観察力と状況判断力ね・・・敵を見つけてもすぐに撃つわけじゃなくて、状況を判断して撃つか撃たないか、あるいは位置を変える必要があるかを判断する必要があるわ」
後輩「それって、どうすればいいんですか?」
女「簡単に言えばそのフィールドでの定石みたいなものを早く見つける事ね・・・そうすれば、敵の動きを予測して迎撃したり、裏をかくことができるから」
男「なるほど」
後輩「たしかに、どんなに飛んだってBB弾の飛距離なんて40mくらいですもんねぇ」
女「でも、40mも離れてると建物の影や茂みの中にいる敵を肉眼で見つけるのは難しいわ。そこでスコープの出番ってわけね」
男「オススメのスコープの倍率とかあるんですか?」
女「オススメというか、基本入手できるものには3~9倍くらいの倍率のスコープが多いわね。あまり倍率が高いとかえって見づらくなるから、3倍くらいで十分だと思うわ。あとは、スコープを覗いてから照準を合わせるんじゃなくて、飽くまでも視線の上にスコープを被せるイメージね。できればもう片方の目も開いておいて、広い視野を確保しつつ索敵するのがベストよ」
女「たしかに近距離で撃ち合うなら、口径が大きくて倍率の低いダットサイトやCQBスコープなんかのほうが使いやすいわね」
後輩「じゃあ、可変倍率のスコープは色々対応できて良さそうですね!!」
女「機能上はそういえるけど、可変倍率のスコープは重くなりがちだし、どうしてもレンズが暗くなって見えづらくなることも多いわね。他にもレティクルを光らせたりする機能が付いたのもあるけど、普通に使う分には安価で単機能なスコープで十分だと思うわ」
友「なるほど」
女「と、まぁ私が思う前線での動きはこんなイメージなのだけれど・・・どうかしら?」
後輩「うーん、今日だけでかなりスキルアップした気分です!!」フンス
友「たしかに、これならこのVSRを持って行っても活躍できるかも・・・」
女「あとは、それぞれの銃の射撃性能と身体能力を生かした役割分担をしましょう」
男「射撃性能と身体能力・・・ですか」
友「ボルトアクションで前衛って厳しくないですか?」
女「前衛と言っても、アタッカーみたいに撃ち合うわけじゃないから・・・フルオートもできて連射がきく男くんは、いざとなれば近距離でも対応できるから単独行を中心としたマルチシューターはどうかしら」
男「ふむ」
女「ボルトアクションで連射が効かない友くんは、後輩ちゃんと組んで動くとよさそうね。特にVSRは軽いし貴方は脚力もあるようだから、先陣に切り込んでいけそうだし」
友「切り込み隊長っすか」
女「後輩ちゃんは友くんのバックアップを中心に、後方のラインにいる味方の援護と情報の伝達係ね。貴方の声はよく通るから」
男「顧問はどうするんです?」
女「私は最後方で指揮を取りつつ、誰かが欠けた場合のバックアップを務めるわ。狙撃部が目指すのは、誰よりも早く敵を発見して味方に情報を展開する斥候のプロ集団よ」
後輩「やったーカッコイイー!!」ヒュー
女「・・・まぁ、とはいっても強制はしないわ。結局自分が楽しんでゲームするのが一番だからね。・・・久しぶりに話し相手ができて、今日はついヒートアップしちゃったけど」
友「確かに役割決めてゲームするのもこれはこれで面白いよな。ロールプレイってやつか」
女「まだ隠れ方とか索敵の仕方とか色々教えたいことがあるけど、今日はここまでにしましょう」
友「そうですね。そろそろ日も傾いてきたし」
女「・・・」
後輩「あれ?どうしたんです、おねえさま」
友「えっ」
男「今更ですか・・・」
女「わ、我を忘れて話し込んでたから・・・」ガチガチ
後輩「お、おねえさま、よかったら私のウィンドブレーカーを・・・」
女「ちょ、ちょっとあの納屋で着替えさせて・・・」ガクガク
友「なんつーか、変わった人だよなぁ」
男「そうだなぁ・・・顔は悪くないと思うんだけど・・・」
友「・・・幾つくらいなんだろ」
男「少なくとも、俺らより片手くらいは上なんじゃ・・・」
友「悲しいなぁ・・・」
友「まー着替えるって言ってたし・・・」
男「着替えったって・・・あれじゃBDUの下までずぶ濡れだろう」
友「・・・」
男「・・・」
男「そうだな・・・あのー、大丈夫っすかー?」トントン
<あ、せんぱーい!お願いがあるんですけどー
男「お、おう?どうした」
<ちょっと女性用下着買ってきてもらえません?
男「んなもん買えるか!!」
男「あ・・・着替え終わりましたか」
女「えぇ・・・乾いてるって素晴らしいわ」
友(どんな感想だよ)
女「ただ如何せん、下着を着けて無いのは落ち着かないわね」
男(マジかよ・・・)
友(ていうか女捨ててんなこの人・・・)
女「えっ、でも・・・」
後輩「濡れた服・・・うちで洗濯できますし・・・」
男「おいおい・・・そうはいっても、彼女だって都合があるだろう」
女「あ、あぁいえ・・・別に用事とかはないんだけど・・・」
友(あれ?てことはやっぱりこの人ニーt・・・いや家業手伝いって言ってたもんな、うん深く考えるのはやめとこう)
女「い、いいの・・・?」
後輩「いいですいいです!!」
男「まー都合が合うならいいんじゃないですか。濡れた服持って帰るのも大変でしょうし」
女「・・・じゃあ、お言葉に甘えようかしら」
後輩「やったぜ」ガッツポ
友「ふぅー・・・始めてみるといろんな遊び方があるな、サバゲーは」
男「まー最初から役割とか理論を気にするとハードルが高いけどな。でも何回もやってるうちに顧問の言ってることも腑に落ちるようになるっていう」
友「確かに。俺も水鉄砲撃ち合ってた頃から見ると大分進歩したなーって自分でも思うよ・・・っていっても、まだ1回しか大きいゲームに出たこと無いけど」
男「習うより慣れろ!ってやつだな」
友「なんかそれ微妙に使い方違くねぇ?」
友「フォース・リーコンだっけ?目指せサバゲー特殊部隊!ってか。いずれにせよ、サバゲーって子供のころにやったごっこ遊びの延長だしね・・・そういや、先生着替えとか大丈夫だったかな?」
男「・・・」
友「ん?どうした?」
男「いや・・・アイツ(後輩)さ、顧問のことをやたらと家に誘いたがってたよなぁ」
友「ああ・・・まぁ、女同士だし、色々エアガンの話とかしたかったんじゃない?」
友「えっ何それは」(戦慄)
男「前にアイツの部屋でそういう雑誌を見かけた事があって・・・まぁ人の趣味にどうこう言うのは野暮だしその時は何も言わなかったんだけど」
友「先生の危険が危ない」
男「ただまぁ我々に打つ手はありません」
友「ダメみたいですね・・・」
第7話 おわり
友「よっ、久しぶり」
男「おー、元気にしてたか」
友「まぁボチボチかな・・・最近は仕事が忙しくてさ。サバゲーなんて久しぶりだよ」
男「どれ、新しい得物を見せてみろよ・・・お、MP7か」
友「ああ、もう昔みたいに長物は無理。すぐ腰痛くなるし」
男「まだ20代じゃねえか」
男「ゆっくりしていけんの?」
友「あぁー、とりあえず連休は全部休みにしたから、今日明日はお前んとこに世話になるよ」
男「そりゃよかった。ま、上がってくれ」
友「お邪魔しまーす」
友「VSRだ・・・懐かしいな」
男「お前が初めて買った銃だからな」
友「ちょっと触らせて・・・おー、まだ動く」
男「アイツがちょくちょくメンテしてたからな。今じゃ貸し出し用にもたまに使ってるが」
友「就職の時に邪魔になるってんで預けてたんだよなぁ、そういえば」
<タダイマー
男「あ、帰ってきた」
友「おぉー後輩ちゃん久しぶり。老けたねー」
後輩「しっ失礼な!!」
男「まぁこいつももう立派な三十路手前女ですしおすし」
後輩「ひどい!!」プンスカ
後輩「ぼちぼちですねぇ。週末は何だかんだ50人くらいは人が入りますし」
男「まーそっちの収入だけで食ってくのは無理にしても、なんとか回ってるよ」
友「そっか」
後輩「この人が外でお仕事してる間に、私がエアガンとフィールドの管理なんかをしてるんです」
男「まぁ、それだけの素地はあったからなぁ」
友「土地があってエアガン好きが集まればそうなる、か。趣味と実益を兼ねてて羨ましいよ」
男「これぐらいしか使い道のない土地だし、身内営業なら金もかからないからなぁ。コイツはコイツで旦那よりもエアガンのほうを喜んで弄ってやがる」
後輩「あれあれぇ、もしかして焼きもち焼いてます?」
男「別に・・・」
男「うん、まあね」
後輩「私が銃のメンテやカスタム講座を開いたりしてますからね~」フフン
友「充実した暮らしを謳歌していらっしゃるようで」
男「ホントだよこいつの生活ほぼニートだからな」
後輩「ちゃ、ちゃんとフィールド経営してます!!」
男「登記上の経営者は俺なんだけど」
後輩「むう」
後輩「あぁ、いえいえ。ちょくちょくおねえさまが手伝いにきてくれますから!」
友「え、先生手伝いに来てるの!?」
男「あー、うん・・・アルバイトスタッフってことでお手伝いしてもらってる。まぁ、半分正社員みたいなもんだけどね」
友「いっそ正規で雇っちゃえばいいじゃん」
後輩「それが、家業との兼ね合いもあるらしくて難しいそうなんですよぉ」
友「ふーん・・・」
友「おー、じゃあ久しぶりに全員集合だな」
後輩「明日は予約も結構入ってるんですよねぇ。今日のうちに準備しとかなくちゃ!」イソイソ
友「忙しそうだなー」
男「まー力仕事くらいは手伝うけど、書類関係や細かい事はほとんどアイツにまかせっきりだ」
友「考えてみたら後輩ちゃんは社長夫人なんだよな」
男「肩書きだけはね」
男「大丈夫だよ常連でも俺がオーナーなの知ってる人いないもん」
友「マジかよ」
男「多分みんな俺の事セーフティ裏で昼飯用のカレーとか豚汁つくってる人としか認識してないから」
友「そんなんわろてまうやろ」
男「カレーと豚汁には一家言あるんだよ。カレーと豚汁には一家言あるんだよ」
友「大事なことなので2回言いました」
友「おぉー、この山に来るのも久しぶりだぁー・・・やっぱこれだけ人数いると、ちょっと手狭だな」
男「連休初日で今日は申込みが多くてな・・・今日と明日だけで100人くらい予約が入ってるんだよ」
友「すごい!えーと、一人当たりの参加費が3000円だから・・・えらい儲かってまんなぁ」(ゲス顔)
男「まぁ諸々の維持費がかかるし手元に残るのは僅かなもんだよ。それに常に安定した収入があるわけでもないし」
友「もっとお金貯めて、インドアフィールド用の建屋とか作ろうぜ!!」
友「なんというか、予想外に経営者らしい発言にビックリだよ」
男「ここに来る途中の道って農道だからさ。サバゲーのやりやすい春秋はちょうど農家の田植え・稲刈り時期とバッティングして、どうしても参加者と地元農家の間でトラブルが起きやすいんだよ・・・送迎用のマイクロバスとか用意できればいいんだろうけど、人件費もさることながら閑散期はそれだけで維持費がかかっちゃうし」
友「難しいんだな」
男「まぁ、今のところ現実的には農道脇の藪とかを借り上げて、すれ違い用の待避所とか駐車場を作るくらいしか打つ手がないんだ。そういうとこがボトルネックにもなってて、なかなか本腰入れてやるか!とはならないんだよね」
友「なるほどね」
友「あー、昨日言ってた後輩ちゃんのエアガンカスタム講座とか?」
男「ああ。それと、他のフィールド違ってハンドガン~スナイパーライフル、LMGまで色々な銃がレンタルできるようにしてる。一応、マルイの最新ラインナップと目ぼしい海外どころは全部揃えてるな」
友「それ初期投資エライことになってそうですね・・・」
男「間違いなくここが一番金かかってる・・・ていうかこれはもう半分アイツの趣味だから・・・」
友「あぁ・・・」
男「ていうかウチの物置あれヤバイよ、どこのテロリストだよ。家宅捜査入ったら一発よ一発」
男「ああ。ただ、色々試し撃ちしてみたいユーザーとかもいるんで、コアな人にも結構人気があるんだ。それに大抵の故障ならアイツ一人で何とかするし」
友「なるほど」
男「あと、定期的にお一人様向けのイベントも開いてたりする」
友「へー、どんなの?」
男「サバゲー好きのスタッフ数人がフィールドの中に潜んでて、参加者は奥にあるフラッグをゲットしてくるというゲーム。ゲットできた方にはエアガンのカスタムパーツや次回割引券などを進呈」
友「おー、メタルギア的な感じだぁ」
友「あっバイオハザードだった・・・」
男「特に毎月2~3回、不定期で謎のスナイパーが配置されるエクストリーム感謝DAYイベントが発生」
友「謎のスナイパーってあの人じゃないですかやだー」
男「この日だけは景品に電動ガンとか用意してるんだけど、まだ持ってった人はいないな・・・」
友「スタッフによるガチの掃討作戦ですね・・・」
友「なるほど」
男「あと一昨年の夏から、子供向けにエアガンじゃなくて水鉄砲や水風船を使ったイベントも開催してるな」
友「そういえば昔大学生にもなって水鉄砲で撃ち合ってる2人組がいましたね・・・」
男「さすがに子供にエアガン持たせるとPTAとかがうるさいらしくて・・・でも毎回、子供連れで来る人が結構いるよ。ていうか子供より親の方が盛り上がってるかんじ」
友「だって水鉄砲何気に面白いもんあれ」
友「ほほえまC」
男「いくらバイオ弾っていってもしばらくはフィールドに残るしな・・・土に戻るったって、考え方によっちゃ生ゴミばら撒いてるのとかわらんし」
友「なるほど」
男「子供を使ってフィールドのゴミ掃除もできる一石二鳥のイベントってわけよ」(ゲス顔)
友「汚いさすが男汚い」
友「それ別にサバゲー関係なくねぇ?」
男「お持ち帰り販売とかしてるし。結構好評だし」
友「持ち帰り!そういうのもあるのか・・・」
男「冬季限定だけどな。夏は食中毒が怖い」
友「そんな細かいことまで」
友「大変だな」
男「どこから破綻するか予測できないからね。・・・まぁ、なんというか人が来てくれるに越したことはないけど、あまり大々的にもならないでほしいような複雑な心境」
友「・・・お前社長向いてないんじゃない?」
男「だから外に勤めに出てるんだよ。こっちはあくまで趣味でやってる副業」
友「なるほどね・・・」
友「あ、先生。お久b・・・」
女「久しぶりね・・・!」ガッシ
友「ちょ、肩そんな強く掴まないで・・・」ビクッ
女「久しぶりね・・・!!」クワッ
友「そ、それさっき聞きました・・・」ガクガク
友「あれ?お前もゲーム出るんじゃないの?」
男「馬鹿だなお前、俺がいなくなったら誰が今日の分のカレー作るんだよ」
友「えぇ・・・」(困惑)
男「俺は午後から参戦するから、午前中はお前ひとりで楽しむがよい」
友「は、はぁ・・・って、先生は?」
友「はぁ、お手伝いですか」
女「チームの戦力バランスが偏った時は、私も参加するわ」
友「そういうことですか」
女「それ以外の時は・・・ルール違反している参加者をこっそり狙撃してるわ」ニコリ
友「えぇ・・・」(困惑)
<えー、それでは10:00より第1ゲームを開始しますー!!
友「あ、今日はよろしくお願いします」
参加者2「よろしくおねがいしますー」
参加者1「あ、貴方さっきカレーの人と話してましたよね?」
友「カ、カレーの人?」
参加者2「私達常連の間では彼の作るカレー目当てでここに来てる人も結構いるんですよ・・・」
友(えぇ・・・)
友(カレーの宇宙感って何だろう・・・)
参加者2「お知り合いなんですか?」
友「えぇ、まぁ・・・奴とは大学の頃からのサバゲー仲間で・・・」
参加者1「ちょ、じゃあ後であのカレーのレシピ聞いてきてくださいよぉ!」
友「え、は、はぁ・・・」
<間もなくスタートです!
<ヒット!
<ヒットー!!
参加者2「おい、誰かすげぇ人がいる・・・どんどんヒットとっていくぞ」
参加者1「ていうか、どこから撃ってるんだ?もう大分先のほうにいるみたいだけど・・・」
友(うーん・・・勝手知ったるなんとやら、か。意外にこの背面の側溝に気付いてる人いないんだな・・・ん?)
女「・・・」←アンブッシュ中
友「・・・」タタタン
女「痛たたっ!?」
女「えっ・・・あ、こ、ここから不正をしているプレイヤーがいないか監視してたのよ!」
友「こんなところで・・・」
女「あっ、ゲーム中のスタッフはサッカーの審判と一緒で石とかと同じ扱いだから・・・もっと撃ってもいいのよ?」ポッ
友「撃たねぇよ」
参加者2「なんであんな場所知ってるんですか?もう何回も来てるのに全然気づきませんでしたよ」
友「あー、なんというかフィールドになる前にここじゃ結構やりこんでたもので・・・」
参加者1「マジかよ!!」ガッツポ
参加者2「これで勝つる!!」ガッツポ
友「えぇ・・・」
<午前の部終了でーす
参加者2「おつかれーっす」
参加者1「メシじゃー!!」
男「はーい、昼食予約してる人はこっちにならんでくださーい」
友「あっすごい行列」
友「本当っすね・・・ってあれ?それコンビニ弁当ですよね?」
参加者1「ああ、このコンビニのチャーハンの上にカレーをかけてもらうんです!」
友「えぇ・・・」
参加者1「カレーチャーハン、略してカレーハー」
友「そんなコラ画像見たことありますね・・・」※肉ラララ炒め
友「え、俺?」
参加者1「あ、あの人オーナーに連れてかれた」
参加者2「まぁこのフィールド慣れてるっぽかったからねぇ・・・立ち回りも上手だったし」
友(既に後輩ちゃんがオーナーだと思われてる!本物のオーナーはそこでカレー食ってるそいつだ!!)
男「今日のカレーもうめぇ」モグモグ
友「えっ、これ俺のVSR・・・?」
後輩「午後はこれ持って参戦してください」
友「そんな殺生な!?」
後輩「いやぁ・・・さすがに午前中の様子見てたら、友さんが明らかにバランスブレーカーになってましたからね。ハンデです」
友「トホホ・・・」
友「げっ、マジですか」
男「その代り俺もそっちのチームに加わるから、それで少しはバランスとれるだろ多分きっと恐らくもしかして」
友「もっと自信もって言ってくれよ・・・」
後輩「というわけで、午後も頑張ってくださいねー」
男「あー、D-3に4名、C-1に2名・・・あ、一人出たわ」
友「ん。D-2にも2名、うち一人はLMG持ってる・・・D-5バリケードの人たち左から抜けさせるわ」
男「了解・・・D-3、2名クリア、そっちに2人アンブッシュしてるから気を付けて」
参加者2「な、なんかあの2人の間でテクニカルタームが飛び交ってますね・・・
参加者1「それにすぐに敵の場所見つけて報告してくれるし。すごいなあの2人」
参加者2「もしや、あれは・・・」
参加者1「知っているのか、雷電?」
参加者1「へー」
参加者2「上空からフィールド全体を見下ろしているとまでいわれたその索敵能力から、いつしか彼らはサバゲー界隈で『ホークアイ』とよばれるようになった」
参加者1「センスねぇ名前・・・」
参加者2「しかし、ここ数年フィールドで彼らの姿を見た者はいない・・・もしかして彼らこそ、姿を消して久しいとされるホークアイのメンバーなのでは・・・?」
参加者1「多分ただのカレー名人とその知り合いだと思うんですけど」(名推理)
参加者2「あ、自分向こうから回ります」
参加者1「俺はここで援護します」
友「じゃあ俺はF-1押さえて周囲警戒してるわ」
参加者2「そ、そのF-1とかの記号って、もしかしてフィールドの目印かなんかですか?」
友「最初はざっくり6分割くらいだったのに、今じゃもう10倍くらいになってるよね」アハハ
参加者2(マジかよ・・・)
参加者1(頭おかしい・・・)
男「よし、じゃあフラッグ取りに行こうか」
参加者1「おぅ!?ヒット!!」
参加者2「え・・・今どこから」
男「あ、顧問かな」
友「多分な」
参加者2「こ、Common?」
友「まーどのみち先生がいたんじゃあフラグ取れないしな、了解!!」
参加者2(顧問とか先生とか・・・この2人、一体・・・)
<残り1分です!!
参加者1「ヒット通りまーす・・・」ノソノソ
友「先生には勝てなかったよ・・・」
男「場所すら明かさないとはさすが顧問・・・」
参加者1「先生とか顧問とか、一体誰のことです?」
友「あぁ、午後から相手チームにバランス調整のためにここのスタッフが一人入ったんですけどね。その人がまた結構やばいスナイパーで」
参加者2「へぇ・・・どの人です?」
参加者2「えっ」
男「休憩中に格好がばれるとゲーム中に見つかる可能性があるから、なるべく見えないところに隠れてるそうで。多分顔塗り込んでギリースーツとか着てると思うんですけど・・・」
参加者2「本気のやつじゃないですか・・・」
参加者1「カメレオンかな?」
友「本当、カメレオンばりに姿消すからねあの人は・・・」
男「よし、次のゲームが始まるぞ」
男「F-7の樹の上あたりが怪しいぞ!!」
友「いやA-3~A-5の池の中かも・・・」
男「土の中という可能性も排除するな!!」
参加者1「な、なんかあの人たち索敵してる場所がおかしくない?」
参加者2「樹の上や池の中って・・・相手は忍者か何か?」
男&友「ぐわああああ!ヒット!!」
男「お、おい。もっかいバランス見直そうぜ・・・」
後輩「え?バランスはとれてますよぉ~。基本的におねえさまには友さんとあなたの2人を狙ってもらってますから」
男「マジか・・・」
友「あ、今度はうちのチームがフラッグとった」
後輩「あんまり身内で無双しすぎると商売になりませんからね~。皆さんにはほどほどに手を抜いてもらわないと・・・」(ニッコリ)
男「これじゃ俺達だけガチの戦いやないか・・・」
<はーい、それでは今日のゲームは以上をもって終了となりまーす
参加者2「お疲れ様でーす」
友「今日はどうも、お疲れ様でしたー」
男「ふう、さーて後始末しないとな」
友「あぁそっか・・・フィールド運営は大変だな」
後輩「他人事みたいに言ってますけど、友さんにももちろん手伝ってもらいますからね!」
後輩「ダメですっ!今日明日の宿泊費とゲーム代無料にしてるんですから、これぐらい手伝ってもらわないと!」
友「・・・へーい」
男「っていってもまぁ、機材を納屋に入れて火の始末するくらいだからな。ちゃちゃっと終わらせて帰って一杯やろう」
友「あー早く風呂入ってビール飲みたい」
後輩「おっさんですか」
友「おっさんですよ・・・」
友「あ、先生。お疲れ様っす」
男「いやー、やっぱりまだまだ顧問には敵いませんね」
女「私も、久しぶりに全力を出したわ」
友「ていうか、ゲーム中全然見つけられなかったんですけどどこにいたんです?」
友「えぇ・・・」
後輩「おねえさまも今日は泊まって行ってくださいね!!」
女「ええ・・・お世話になるわね」
友「え、マジで」
男「ああ。連日でスタッフやってくれる時は、ウチに泊まってもらってるんだよ」
友「はぁ・・・」
後輩「ほらほら、片付け始めますよー」
男「お疲れ様でしたァ!!」カンパイ
全員「おつかれー!!」カンパーイ
友「あー、ビールが美味い!!」プハー
男「うおォン俺はまるで人間水力発電所だ」ゴクゴク
友「それって垂れ流しってことじゃないですかね・・・」
後輩「二人とも汚いです・・・」
友「あの、開幕1分で寝てる人がいるんですが」
男「ん?あぁ顧問は酒飲むとマッハで眠りに落ちるからな」
友「えぇ・・・」(困惑)
後輩「あ、私部屋に運んできますねー!」
女「ううう」ズルズル
友「めっちゃ引きずられてる」
男「痛そう」
男「んー・・・まぁ、学生時代からなんとなくズルズルきちゃったんだよなぁ」
友「・・・そういや彼女、前にそっちの気があるとか言ってなかったっけ?」ヒソヒソ
男「さぁ・・・少なくとも男がダメってわけじゃなさそうだけど・・・もしかしたら両刀ってやつかな・・・」ヒソヒソ
友「後輩ちゃんの闇が深すぎる・・・」
友「ふーん・・・あっ」(察し)
男「野獣と化した後輩」
友「それ以上いけない」
後輩「二人とも何話してるんです?楽しそうですね~」
友「ヒエッ・・・」ビクッ
後輩「私も仲間に入れてくださいよぉ」
男「いいからお前は早くメシ食ってレンタル用のエアガンの整備してろって。明日も予約入ってるんだから」
後輩「むう」
友「大変だねー、本当」
友「おー、惚気ですね」
男「そういうのうざったい」
後輩「ひどい」
友「なに照れてんだよ」
男「照れてねえし」
友「ごちそーさんでした」
男「さて、俺も明日の仕込みでもするか・・・」
友「仕込み?何の?」
男「明日はチキンカレーだ」
友「そう・・・」
男「玄関脇の部屋明けといたから、そこ使ってくれ」
男「なんならエアガンも出しとけ。アイツにメンテさせとくから」
友「いやいいよ、自分のは自分でするから・・・ていうか、銃よりまず俺の身体をメンテするべきだな」
男「おー、ちゃんと寝る前にストレッチしとけよー」
友「まだギリギリ翌日に筋肉痛が来るからな・・・ちゃんとほぐしとかないと、っと・・・」ノビー
男「ストレッチ・・・スト、ひとりエッチ?」(ゲス顔)
友「そんなもん人の家でしねぇよ」
友(・・・うー、ビール飲みすぎたかな・・・トイレトイレ・・・)ノソ
<グニュン
?「きゃっ!!」
友「うおお、なんか踏んだ!!って、何やってんすか先生!?」
女「えぅ、ヒ、ヒット・・・」
友「ヒットとかでなくて!なんで俺の部屋来てるんですか!?」
友「」
女「冗談よ・・・と言いたいところだけど、割と本気よ」
友「えっ」
女「見つかったからには、強行突破しかないわね!!暴れないで・・・暴れないでよ・・・!」グググ
友「ちょ、何してんすか!?やめてくださいよ本当に!!」ギギギ
友「ちょ、ちょっと、あの、マジ泣きされると困ります・・・」
女「・・・前から言おうと思ってたけど、貴方のことが好きだったのよ!!」
友「こ、この流れでそのセリフ吐かれるとなんか変なもの思い出して萎えるんですが・・・」ゲンナリ
女「もう終わりよ何もかも・・・私、来年大厄だもの・・・」エグエグ
友(oh...)
友「は、はぁ・・・大丈夫ですか・・・」
女「ええ、大丈夫・・・西新井のお大師様に厄除け行ったから・・・」
友「いやそっちじゃなくて」
女「ていうかもうぶっちゃけ開き直った女に怖いもんなんてないわ!この夜這いだって上手くいったらラッキーくらいの気分だったし!!」
友(怖ぇなぁ・・・)
友「は、はぁ・・・」
女「明日は7時にフィールド入りだから・・・ゆっくり休んで、ね」
友「お、おやすみなさい・・・」
女「おやすみ・・・」
友(とりあえず鍵かけとこ・・・ん?)
<マ、マタシッパイシチャッタヨォ…
<オネエサマ…ヨシヨシ
<ウエーン
友(こ・・・怖ぇなぁ・・・)ガクガク
・・・
友「うわぁ・・・今回もまたすげー人だなぁ」
男「あぁー。去年ここにくる道も整備されたし、段々と軌道に乗ってきたよ」
友「スタッフも随分増えたなぁ」
男「流石に俺達だけじゃ手が回らなくなってな・・・まぁ、今日は思う存分遊んでってくれ」
友「ああ、そうさせてもらうよ・・・ってお前は?」
友「お前副業いくつ持つつもりだよ・・・」
男「本業だろ!!」(憤怒)
友「そこで切れんなよ!!」
男「ま、余力があれば午後はちょっと参加するつもりだ・・・ところでそのギリー、顧問のか?」
男「うん、出てる出てる。どっからどう見てもガチのスナイパーだわ」
友「やったぜ」
男「・・・しかし、それがまさか囮だったとはなぁ」
友「あぁ、俺も初めて聞いたときはびっくりしたな」
友「そりゃ気付かないわけだわ」
男「絶対スナイパーやってると思ったもんな」
友「なんていうか、俺達だからこそ裏をかけたってことなんだろうな」
男「着用者が多いマルチカムや陸自迷彩着てフルフェイスのゴーグルされたら特定できないしな」
男「イイネ・・・10年くらい前に言ってたスナイパーを極めて欲しいっていう俺の思いがついに叶ったわけだ」
友「彼女には色々とノウハウを教えてもらったからな」
男「今度俺にも教えてくれよぉ・・・代わりに秘伝のカレーレシピ教えてやるから」
友「ダメだね。これは夫婦の秘密だから」
-おわり-
転載元
男「サバゲーでもしようぜ、ほら」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1419134569/
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コメント一覧 (34)
-
- 2015年01月08日 17:41
- なんだホモか
は置いといて予算3000円縛りならミニ電動ガンに多弾曹つけてが楽しい
結構飛ぶし連射が出来るのと弾数の心配が少ないのでお勧め
-
- 2015年01月08日 17:49
- M4カスタムを借りてサバゲーやったけど、楽しかったよ
-
- 2015年01月08日 18:17
- サバゲーはホモと密接な関係にでもあるんですかね?(熱い風評被害)
サバゲーって敷居高そうで手が出ないとか勝手に思ってたけどそんな事もないのね
仲間内で楽しむのも良さそうだしちょっと興味沸いてきた
-
- 2015年01月08日 18:34
- 気の合う仲間たちと己の黒光りする銃で白いタマを相手に向かって発射する
サバゲーマーはホモ(確信)
-
- 2015年01月08日 18:40
- 後輩が女なのが衝撃
-
- 2015年01月08日 18:51
- ホモネタはここまで突き通すと臭くないんだな(悟り)
普通に面白かった(小並感)
-
- 2015年01月08日 18:55
- 昔からスナイパーな俺には今のサバゲー界の現状はつらい
というかスナイパーの意味がない
最近はシューティングマッチみたいなのしかしてないな
-
- 2015年01月08日 18:55
- リポバッテリーの管理めんどい&家燃やすの怖い俺氏、未だにニッカド愛用の模様
-
- 2015年01月08日 19:14
- この正月は甥っ子共にNERFでシューティングの面白さを叩き込んでやったぜ
そのあと妹に説教を叩き込まれたぜ
-
- 2015年01月08日 19:15
- 魚の人か……どんだけ引き出しあんだよこの人は(絶句)
サバゲーやってみたくなりましたまる
-
- 2015年01月08日 19:31
- PSG-1
VSR-10
L96
G3 SG-1
確かに棘の道だがいいんだ
カッコいいから…
-
- 2015年01月08日 19:35
- 4人がチームで試合する所が見たかったなぁ
-
- 2015年01月08日 20:20
- 俺もスナイパーだけど俺には運命なんてなかった
しかし運営がしっかりしてるフィールドは貴重だよなぁ
-
- 2015年01月08日 21:00
- ※10
やったぜ。
-
- 2015年01月08日 21:32
- 11日サバゲーいってくるぜ
おれのM14が火を吹くぜ
-
- 2015年01月08日 22:03
- 淡々と魚の人ほんとすき
-
- 2015年01月08日 22:42
- 終盤もイラスト欲しかった
ラノベっぽくてイイ
-
- 2015年01月08日 23:55
- 釣りのss書いてた人?
-
- 2015年01月08日 23:57
- 銃のカスタム講座とか一人用イベントとか結構いいと思うんだけど、実際にこういうのやってるとこあるの?
-
- 2015年01月09日 00:26
- サバゲー知らなくても楽しめました。
-
- 2015年01月09日 03:37
- サバゲー、奥深い世界ですね…
とても面白かったです
-
- 2015年01月09日 05:50
- ※20
カスタム講座は個人的にショップでなら
お一人様用はみたことないな
あってもインドア位じゃないか
-
- 2015年01月09日 08:56
- お一人様向けは回転悪そうだし収益見込めないから厳しいだろうね
男みたいに私有地で身内でやって儲け度外視してないとできないんじゃない?
-
- 2015年01月09日 12:40
- M93Rもってるけどよくジャムるからいざという時に困るんだよなぁ……
-
- 2015年01月09日 12:44
- サバゲー知らんかったけど面白かった!
-
- 2015年01月13日 16:00
- スナイパーは極められるとやばい。
よく行くフィールドに来るスナイパーが化け物すぎる。
-
- 2015年01月13日 22:53
- 魚のタイトルはよ
ひさびさに続きが気になる作品で面白かったわ
途中で中断したときとか仕事中にずっとニヤニヤさせやがって
-
- 2015年07月14日 12:28
- 本当に極めたヤツは電動ガン相手にエアコキハンドガンで勝てるぞ。
-
- 2016年05月13日 09:15
- この人のssすごい好きだわ
ちょっとまずいメシもおもしろかった!
釣りのssも探してこよう
-
- 2016年06月06日 13:04
- 久しぶりにサバゲーやりたくなったな
俺もVSRがメインだから身体が疼いてかなわん
骨董品のマルイ製SG550でバーストスナイピングからリハビリしてみっかなぁ…
味方は壊滅
敵軍は我を包囲しつつあり
当方、圧倒的に不利
これで舞台は整った
行くぜ相棒
「フラッグへの道を抉じ開ける。付いて来い」
-
- 2017年04月02日 01:03
- まあ、クソゲーマーは置いといて。関西でクソ強エェわTEAM ghost’s!全員ハンドガンでガンガン距離詰めての全キルっすね!正直ビビる。しかも3人!奴らはキチだな。マジ強エェし
-
- 2018年11月18日 22:44
- 関西圏は森フィールド少なくてスナイパーはガチで茨の道
結果知り合いはVSR10で近接戦特化の変態になった。
-
- 2021年10月11日 18:41
- この人のssを探しています 見かけた方はこのコメント欄に書いてください
サバゲーやってみたくて興味はあるけどやれなかったんだ は !知識だけでも知れてよかったし楽しかったよ!