艦娘「時報担当」【前半】
艦娘の時報を聞いてたら浮かんできた会話を文章にしたり、発展させたりしてみました
キャラ崩壊たまにあるかも
日常系、ほのぼの系、たまにイチャイチャ路線で行く予定です
更新は遅めかもしれません
時報担当 秋月
秋月「司令、夜分遅く申し訳ありません。失礼しますね」
提督「おお、秋月さんか。どうかした?」
秋月「いえ。本日の時刻報告が私なんです」
提督「そうかそうか。お疲れさん」
秋月「いえ!……あ、ちょうど時間になりましたね。司令、この秋月が、時刻を報告します。現在時刻、〇〇〇〇、です!」
提督「……」
秋月「……司令?」
提督「あ、すまんすまん。そんなに畏まらなくてもいいのに」
秋月「そんな、とんでもないです!この秋月、メリハリは付けて参ります!」
提督「まあ……悪いことじゃないしいいか」
秋月「〇一〇〇をご報告します。こんな形でよろしいでしょうか、司令?」
提督「うん、まあ……さっきよりは親近感あるかなぁ?」
秋月「本当ですか!?良かったです!」
提督「それはそうと、この艦隊にも慣れたかな?」
秋月「はい、おかげさまで」
提督「それはよかった。翔鶴や瑞鶴も、さぞ安心しただろうな」
秋月「はい!とても喜んでいただきました」
提督「そうか。これからも艦隊防空は任せたぞ」
秋月「もちろんです!」
秋月「〇二〇〇です。今夜は月が…月が綺麗ですね、司令」
提督「……え?」
秋月「へ?いや、月が綺麗ですね、司令!」
提督(これは例のあれなのか?だとしたらきちんと返さなきゃ……ってこれ男が言うことじゃないのか?)
秋月「ん、司令?」
提督「俺、死んでもいい」
秋月「え!?何を言い出すんですか!何か辛いことでもありましたか?」
提督「えっ」
秋月「この秋月でよろしければ、いつでもお聞きします。だから司令、そんなこと言わないでください……」グスッ
提督「おい秋月さんが泣いてどうすんだよ……」
秋月「だって、司令が突然あんなこと……」
提督「悪かったって。大丈夫だよ死にやしないから」
秋月「本当ですか?何かあったら相談してくださいね?」
提督「それよりお前は、今度はっちゃんに『月が綺麗ですね』の意味を聞いてくるといい」
秋月「え、何かあるのですか?」
提督「本当に無意識だったとはそれはそれで残念だよなぁ……」
秋月「〇三〇〇です、司令。この時間はとても静かですね。本当に静かです…」
提督「そうだなー みんなさすがに寝てるだろうしな」
秋月「そうですね……」
??「夜戦だ夜戦だー!!!」
秋月「……司令、今何か聞こえませんでしたか?」
提督「気にしてはいけない。夜戦騒動に巻き込まれるぞ」
秋月「は、はぁ……」
秋月(まだまだ、この鎮守府の知らないこともたくさんあるみたいです)
秋月「〇四〇〇です。司令、眠くはありませんか?」
提督「だ、大丈夫だ。たぶん大丈夫だぞ」
秋月「目を見開いて無理に起きてるじゃないですか……」
提督「仰る通りです……」
秋月「濃い目のお茶、入れましょう」
提督「面倒をかけてすまない」
秋月「大丈夫です!実は、お恥ずかしいことにこの秋月もちょっと眠くて……」
提督「この時間まで起きてるんだし仕方のないことだ。どれ、手伝おうか」
秋月「あ、だ、大丈夫です!火傷でもされたら大変です」
提督「それはこっちの台詞だ。秋月さんに火傷でもされたら大変だしな」
秋月「司令……ありがとうございます!」
秋月「〇五〇〇となりました、司令」
提督「早いものだな。さっきまで月がどうとか話してたのに」
秋月「司令と過ごしてると、楽しくて時間が早く感じます」
提督「ほう、嬉しいことを言ってくれるじゃないの」
秋月「えへへ♪」
提督「そろそろみんな起きてもらわないとな。頼めるか?」
秋月「はい!秋月、総員起こしの準備、了解です!」
提督「手間をかけて悪いね」
秋月「とんでもないです。これも時報担当、および秘書艦になった楽しみですから」
提督「そう言ってくれると気が楽だよ」
秋月「〇六〇〇です。おはようございます、司令」
提督「おはようも何も寝てないんだよなぁ」
秋月「まあ、そうなんですけど……」
提督「まあでも、日も昇ってきたことだし朝って感じだな。おはよう秋月さん」
秋月「はい!気持ちのよい朝ですね」
??「夜戦……やせ…ん……Zzz」
秋月「あれ、そこで寝てるのは……川内さん?」
提督「いつも通りだな。毎晩夜戦騒動で勝手に疲れて、朝になるとここでこうして寝てるんだよ」
秋月「そうなんですね……あ、でもそれじゃあ出撃とか遠征はどうするんですか?」
提督「どういうわけか3時間も寝れば十分らしく、艦隊行動にそこまで支障は出てないから凄い」
秋月「到底真似できそうもないですね、それ」
提督「真似をしなくていい、しちゃいけないと思う」
提督「……とりあえず部屋に運んでくる」
秋月「あ、司令!お手伝いいたします」
秋月「〇七〇〇です。司令、朝食の用意、こちらです。簡単ですいません……」
提督「ありがとう。これだけあれば大丈夫だよ」
秋月「司令は、省エネってやつなのですか?」
提督「まあ省エネというかなんというか……艦娘みたいに腹が減ることはしないしな」
秋月「そうなんですね。我慢してるのかと思って心配しましたよ」
提督「いやいや、そんなことはないさ。……って秋月さんもそれかなり少なくないか?」
秋月「ふえ?私はこれで十分です!」
提督「秋月さんは明らかに俺より疲れるんだしもっと食ったほうがいいぞ」
大和「そうですよ秋月さん。私の作ったコンソメスープ、いかがですか?」
秋月「あ、大和さん!朝からあまり多くは食べられません……」
綾波「じゃあ、このお味噌汁はどうですか?」
提督「それもかなり質素だと思うぞ」
大和「あ、提督。起きていらしたのですね」
綾波「おはようございます、司令官」
提督「気づくのが遅すぎるんじゃないですかね……」
秋月「あ、あはははは……」
秋月「〇八〇〇。第六一駆逐隊、出撃準備完了です。いつでも抜錨、出来ます!」
提督「……ごめん、今現在第六一駆逐隊は秋月さんのみなんだが」
秋月「え!?いやそんなはずは……あれ?」
提督「幻覚でも見えてるのか?」
秋月「いえ、夢……だったと思います、昨晩の。というか夢で出てきたんでした」
提督「そ、そうか……早く来てくれるといいな」
秋月「はい!照月も初月も、他のみんなも、いつでも迎えられるように準備してます!」
提督「備えあれば憂いなし、だな」
霧島「呼びましたか、司令?」ヒョイッ
天龍「お前は引っ込んでろ」グイッ
提督「……ん?昨晩って秋月さん寝てないよな・・・?」
秋月「あ、私は起きたままでも夢を見れるんです」
提督「フフフ、怖い」
天龍「おい!さりげなくオレの台詞を引用するなよ!」
秋月「あ、天龍さん。いらしたんですね」
天龍「割とさっきからいたぜ」
秋月「そうですか?気づきませんでした」
天龍「」
秋月「〇九〇〇です。司令、本日は秋月はどういたしましょうか?」
提督「ん、そうだな。第一艦隊が出撃するから、そこで防空と護衛を頼んでいいかな?」
秋月「護衛する主力艦は戦艦?それとも空母ですか?」
提督「艦隊に戦艦を入れる予定はないな、空母だ」
秋月「お任せください!ちなみに、誰なのですか?」
提督「今日の第一艦隊の空母は二航戦の飛龍さんと蒼龍さんだな」
秋月「そうですか……実は、あのお二人とはあまり話したことがないんですよね」
提督「そうなのか?二人とも気のいい陽気な子だし、きっと仲良くなれるさ」
『提督、失礼しまーす!』
提督「ちょうどよかった」
飛龍「ん?敵空母が現れましたか!?」
提督「現れてない。今日の護衛を紹介しようと思ってね」
蒼龍「私たちの知らない子ですか?」
提督「本人がそう言うんだ。秋月さん、飛龍さんと蒼龍さんだ」
秋月「お、おはようございます!本日艦隊の防空兼護衛を担当いたします、乙型一等駆逐艦秋月と申します!」
飛龍「へぇ、あなたが秋月ちゃんね。よろしくね!」
秋月「はい!……って、私のことをご存じだったのですか?」
蒼龍「大和さんとか摩耶ちゃんより対空の高い子、それも駆逐艦が来たって噂になってたのよ?」
秋月「そ、そんな……!恐縮です」
提督「防空能力は保証する。間違いなく艦隊でダントツ1位だ、目に焼き付けるといい」
秋月「し、司令まで……!」
提督「まあそういうわけだ、仲良くしてくれな」
蒼龍飛龍「はーい!」
秋月(本当に気のいい人たちね……仲良くなれそう!)
秋月「一〇〇〇をご報告します。司令、演習もしっかりこなしていきたいですね」
提督「そうだな。秋月さんは集中強化の対象だし演習メンバーにも入ってるから、しっかり頼んだぞ」
秋月「お任せください!」
提督「ところで、演習メンバーの瑞鳳とか大和とか、ドイツ艦のオイゲンちゃんとは仲良くなれたかな?」
秋月「はい。みなさんとても良くしていただいて、秋月、感謝です!」
提督「そうか、それを聞いて安心したよ」
秋月「気にかけてくださりありがとうございます」
提督「当たり前だ、これから駆逐艦の主力及び機動部隊の防空の要をお願いしようというんだからな」
秋月「それは光栄です!秋月、今日も頑張りますね」
提督「頼んだぞ」
秋月「では、そろそろ演習の時間なので行って参りますね」
提督「いろいろと学ぶといい」
秋月「はい!防空駆逐艦秋月、出撃いたします!」
秋月「艦隊が無事帰投しました。皆さん、お疲れです!」
提督「おう、お疲れさん」
秋月「あ、一一〇〇です!司令、お昼はどうなさいますか? 秋月がご用意しましょうか?」
提督「もうそんな時間か。じゃあまたお願いしようかな」
秋月「了解しました!お昼までにはお出ししますね」
提督「秋月さんは疲れてるだろうし、昼は食っといたほうがいいぞ」
秋月「そのつもりでお作りしますね」
秋月「一二〇〇です。司令、握り飯と沢庵のお昼です。あ、簡単で、すいません……」
提督「俺はいいんだけどさ……うん。秋月さんは?」
秋月「どうもこう、普通のボリュームがわからなくて……」
「あ、司令官。今日は秋月さんが時報担当かい?」
提督「お、ヴェルちゃんか。そう、今日は秋月さんだ」
ヴェル「……昼食、少ないね」
提督「俺はいいんだが、秋月さんもなんだなこれが」
秋月「普通に作ってるつもりなんですけど……」
ヴェル「お困りのようだね。そんな二人に、これをあげよう」
秋月「……?これはいったいなんですか?」
ヴェル「今日の私のランチ、ピロシキだ。少し多く作ってしまってね」
提督「もらっていいのか?」
ヴェル「むしろもらってほしい。私一人じゃ食べきれないよ」
提督「そうか。ほれ、秋月さんも貰っときな」
秋月「あ、ありがとうございます!」
ヴェル「構わないさ、これくらい。いつでも作ってあげよう」
秋月「あの、今度『普通のボリュームの料理』を教えてもらってもいいですか?」
ヴェル「…普通のボリュームの料理?」
提督「この子ね、どう作っても質素なものにしかならんのよ」
秋月「お恥ずかしい限りです……」
ヴェル「そういうことか。ふふっ、構わないよ。私でよければ、いつでも教えよう」
提督「ヴェルちゃんの料理はいつも美味いし適度な量で助かるよ」
秋月「それじゃあ響さん、明日にでもお願いしていいですか?」
ヴェル「私は構わないよ」
秋月「ありがとうございます!」
ヴェル「教える立場も楽しそうだ」
秋月「一三〇〇となりました。司令、すいません……夕食は豪華に頑張りますから!」
提督「秋月さんの『豪華』がどれほどのものか楽しみだな」
秋月「むぅ……皮肉ですか?」
提督「ま、まさか!!単純に期待してるよ。料理はすごく美味しいし」
秋月「本当ですか!?ふーん……へへっ♪」
秋月「司令、夕食はいつも以上に、腕によりをかけて作りますね!」
提督「そいつは今から楽しみだな(この子チョロい)」
秋月「一四〇〇です。初月、元気かなぁ……」
提督「考え事?」
秋月「あ、司令!初月は元気にしてるかなぁって思いまして」
提督「そうだなー……早く来てくれるといいが、きっと元気にしてるさ」
秋月「そう、ですか……うん、そうですよね!よし!司令、午後も頑張りましょう!」
提督「おう 午後は出撃の予定だし、防空と護衛は任せた」
秋月「もちろんです!艦隊の上空は秋月がお守りします」
蒼龍「秋月ちゃーん、そろそろ行くよ」
秋月「あ、蒼龍さん。いま行きますね!」
秋月「では司令。駆逐艦秋月、出撃いたしますね!」
提督「ああ、頼んだぞ」
――――出撃中(バシー島沖)――――
秋月「現在時刻は一五〇〇です」
飛龍「ここに来てまでも報告しなくてもいいのよ?」
秋月「いえ、これも任された任務ですから!」
利根「それはそうと、秋月どのは明石を知っておるか?軽い損傷なら修理してくれる、デキる女じゃ」
秋月「あ、はい。明石さんにもとってもお世話になりました!」
利根「そうか。小破くらいなら明石に修理を頼むとよいぞ」
神通「あ、利根さん左舷危ないです!」
利根「なぬ!?」ドカーン
羽黒「と、利根さん!?大丈夫ですか!?」
利根「だ、大丈夫、至近弾じゃ。小破といったところか」
蒼龍「よかった……気を付けてよ?」
利根「うむ、少しぬかった。秋月よ、これくらいなら明石に直してもらえるぞ?」
秋月「……」プルプル
利根「秋月や?」
秋月「そ、そんな体を張った証明はしなくていいです!!」
秋月「出撃中だけど報告します。現在時刻は一六〇〇です」
飛龍「報告しないと気が済まないのね」
蒼龍「まあまあ、秋月ちゃんらしいじゃない」
利根「秋月よ、さっきは敵艦にやられたが、対空は万全か?」
秋月「はい、後部にも高射装置を付けましたから、もう万全です!」
利根「そうか、では防空は任せたぞ?砲撃戦は任せておれ!」
羽黒「利根さん、小破していますし無理なさらないでくださいね?」
神通「そうですね。私たちも全力でサポートします」
利根「かたじけないのぅ」
利根「……む?偵察機からの情報じゃ。敵空母が2隻いるようじゃぞ」
秋月「よし、秋月の出番ですね。みなさん、この秋月が敵艦載機をなるべく多く撃墜するので、みなさんは砲撃のほうをお願いします!」
蒼龍「了解。秋月ちゃん、頼んだわよ?」
飛龍「少しでも援護するね。友永隊に戦闘機隊、頼んだわよ!」
神通「来ました!」
敵艦載機「」ブーン
秋月「さあ、始めましょう。撃ち方、始め!」
秋月「弾幕が薄い……ような気がします。弾幕です!」パパパーン
羽黒「すごい……」
利根「ほう、これはなかなかのものじゃな」
飛龍「制空権も取りやすいし、これは助かるわね」
秋月「みなさんのおかげで勝利できました、ありがとうございます!」
蒼龍「何言ってるのよ、秋月ちゃんが対空戦闘で敵空母の艦載機を全滅させてくれたから、被害を抑えられたのよ?」
利根「そうじゃ。あれは凄まじかったのぅ」
飛龍「さすがは防空駆逐艦ね。これからもよろしくね?」
秋月「はい!」
神通「それではみなさん、帰投しましょうか」
羽黒「そうですね。司令官さんも心配しているでしょうし、早く帰りましょう」
秋月「ただいま帰投しました!そして時刻は一七〇〇をご報告します」
提督「帰ったか、お帰り。二航戦の子とは上手くやれたかい?」
秋月「はい!飛龍さん蒼龍さんも、利根さん神通さん羽黒さんも、みんなとってもいい人たちですね!」
提督「ここは基本的にみんな陽気だからな、すぐに馴染むさ」
提督「……外が暗くなってきたな」
秋月「日も落ちますから、対空警戒もここまでですね」
提督「そうだな、今日も防空ありがとうな」
秋月「いえ、私にできる最大の貢献ですから」
提督「はは、そうだったな。でも秋月さんはもっと対空以外にも自信を持ったほうがいいぞ?」
秋月「自信、ですか?」
提督「例えば、装備込での火力も駆逐艦としてはかなり高い部類に入る」
提督「そこらへんも、期待してるよ」
秋月「司令……期待に添えるよう、頑張りますね!」
提督「まあでも雷装が少ないのは夜戦で痛いかなぁ」
秋月「し、仕方ないじゃないですか!実際のとこ取り付ける予定すらなかったですし……」
提督「まあそうだな。だから昼間の防空と砲撃火力、期待してるよ」
秋月「お任せください!」
秋月「あ、でも司令?」
秋月「よ、夜も……」
秋月「別の意味の夜戦なら、できますよ・・・?」
提督「…………」
秋月「…………」
提督「……ごめん、反応できなかった俺が悪かった」
秋月「も、もう!恥ずかしいだけじゃないですか……」
あ、言い忘れました
区切りは時報なので、そんな感覚で読んでもらえるとありがたいです
秋月「一八〇〇となりました」
提督「ん、もうそんな時間か。夕食も頼んでよかったんだっけ?」
秋月「はい、夕食の準備、秋月、豪華に頑張ります!」
提督「楽しみだな。てか自分のためにも豪華に作るんだ、いいな?」
秋月「は、はい!でも豪華の基準がわからないですけど……」
提督「とりあえず今日は、秋月さんの思う『豪華』でいいさ」
秋月「わかりました。それでは準備してきますね」
提督「楽しみに待ってるよ」
秋月「一九〇〇です!司令、夕食の支度が出来ましたよ」
提督「お、そうか。じゃあ早速だけどいただこうかな」
秋月「はい!熱々の麦飯、沢庵、そして牛缶にお味噌汁も♪ どう?」
提督「ほう!これは美味そうだな。いや、『これも』か」
秋月「腕によりをかけて作りましたから、自信作ですよ!」
提督「しかしだ、秋月さん」
秋月「ん?はい」
提督「……たぶんこれが普通のボリュームだ、普通の中でも控えめだが」
秋月「え……そ、そうなんですか?」
提督「うん、てかたぶんこれ武蔵さんとかが見たら目を丸くして一言いうと思う」
??「少ない。少ないぞ」
提督「そうそう、そんな感じで……って、武蔵さん!?」
武蔵「提督よ、邪魔させてもらうぞ」
提督「いやまあ構わないけど……」
秋月「あの、そんなに少ないですか……?」
武蔵「ふむ、そんなに少ないな」
武蔵「一日の疲れを癒す最後の食事なんだ、もっと腹を満たさねばならないだろう?」
秋月「ほうほう……」メモメモ
提督「やめとけ、こいつは特別に量が多いぞ。参考にはしないほうがいい」
大和「あら、武蔵も一緒だったのですね。提督、お隣よろしいですか?」
提督「うん、まあいいけど……大和型二人の食事とか一瞬で料理が消え去りそう」
武蔵「まあそう言うな。たまにはこういうのもいいだろう?」
大和「それにしても量が少ないのですね」
秋月「やっぱりそうですか?」
大和「秋月ちゃんがこれを作ったのですか?」
武蔵「そうらしい。本人も少食だそうだ」
大和「……ん、でも味は抜群ですね!」
武蔵「どれ……。うむ、量に気を取られていたが、これは味だけでも満たされるぞ!」
秋月「わぁ……!嬉しいです!」
大和「なんだか幸せな気持ちでお腹も満たされましたね。行きましょうか、武蔵」
武蔵「ああ、これはいいものを食べさせてもらった。また食わせてくれるか、秋月よ?」
秋月「私のでよければいつでも!」
武蔵「ありがたい……!よし、行くか大和よ」ガチャン
提督「……」
秋月「……司令?」
提督(あの大和型の二人を味だけで腹いっぱいにするとは恐ろしい子だ……いや、でも本当に味は一級品だな)
秋月「司令?悩み事ですか?」
提督「秋月さんや、あんたはもしかしたら料理の天才なのかもしれない」
秋月「へ!?え、いや……あ、ありがとうございます!」
秋月「現在時刻は二〇〇〇です」
提督「うむ。夕食ありがとうな」
秋月「はい!秋月、今日はすこし奮発してしまいました。どうでした?」
提督「よく味わえば量なんて気にならないくらいには美味かった。おかわりがあれば最高だったな」
秋月「そう言ってもらえると嬉しいです!今度はおかわりもご用意いたしますね」
提督「ああ。しかし大和型の二人をあの量で満足させるのは本当に凄い…」
秋月「もう、まだ言ってたんですか?」
提督「これは資材の消費を抑えられることに繋がるかもしれない」
秋月「よ、よくわからないけど……お役に立ててよかったです!」
秋月「二一〇〇です」
提督「ん、もうそんな時間なのか」
秋月「一日というのは、長いようで短いようで、ほんと不思議ですね」
提督「だなぁ……」
提督「そういえば前から聞きたかったんだけど、秋月型の他の子はどんな子がいるの?」
秋月「他の子……たくさんいますけど、どの妹ですか?」
提督「ん、そうだな……じゃあ秋月型三番艦の子は?」
秋月「え、涼月ですか? はい、自慢の妹ですよ。ええ!」
提督「そうかそうか。まだ確認はされていないが、いざ着任したときにどんな子か知っておくと楽だからな」
提督「秋月さんが言うなら、きっととてもいい子なんだろうな」
秋月「我ながらに、本当に自慢の妹です!」
提督「秋月さんの妹となると、さぞしっかりしているんだろうなぁ」
秋月「もう、司令ってば……からかわないで下さいよ」
提督「事実だ、仕方がない」
秋月「もうっ……」
秋月(でも、嬉しいですね……!)
秋月「二二〇〇。…あ、翔鶴さん、瑞鶴さん。お疲れ様です」
提督「おお二人とも。今日もお疲れさん」
翔鶴「提督も秋月ちゃんもお疲れ様です。明日もよろしくお願いしますね」
瑞鶴「秋月ちゃん、時報とか秘書とかはなんとか慣れた?」
秋月「はい、大丈夫です!」
提督「慣れてくれてよかったよ。仕事もよくできるし、これからもたまに頼もうかね」
秋月「はい!光栄です!」
瑞鶴「提督さん、手出したら憲兵に言いつけるからね?」
提督「それは超えちゃいけないラインだろ、さすがにわかってるわ!」
翔鶴「瑞鶴、あまり提督の邪魔をしちゃダメよ?」
瑞鶴「はーい」
翔鶴「それでは提督、失礼しました」
瑞鶴「秋月ちゃん、また明日ね!」
秋月「はい!おやすみなさい」
秋月「二三〇〇。少し、緊張しました。はぁ…司令、本日も大変お疲れ様でした」
提督「秋月さんこそお疲れさま」
提督「そういえば、昨日の夜中のあれ、はっちゃんに聞いてみた?」
秋月「はい。私としたことがとんでもないことを口走ってしまって……申し訳ありません」
提督「いいってことよ。深読みした俺も俺だしな」
秋月「でも司令、その……あの返答は、いいってことですよね?」
提督「えっ?」
秋月「あれは、返答的には肯定の意味ですよね?」
提督「ああ、いや、うん。たぶん深夜の謎テンションで口走った、気分を害してしまって悪いな」
秋月「いえ、私嬉しいです」
秋月「司令、今夜も月が綺麗ですね」
提督「……うん、もう俺死んでいいや」
秋月「ふふっ 司令、これからもこの秋月と、いずれ着任するであろう妹たちををよろしくお願いしますね」
提督「こちらこそ。艦隊の防空を頼んだよ」
秋月「それと、時報担当に秘書担当もお任せください!」
提督「かなり頑張ってくれたしな。こちらとしてもぜひお願いしたい」
秋月「それではこの秋月、艦隊防空の切り札として、そして時報担当も秘書艦も奮戦いたしますね!」
「防空駆逐艦秋月、出撃いたします!」
時報担当 大和
大和「提督、失礼しますね」
提督「ん、大和さんか」
大和「はい。本日は大和が、時報の担当と秘書をさせていただきます」
提督「それはありがたい」
大和「ん、日付が変わりました。〇〇〇〇。深夜ですね」
提督「深夜なー…最近この時間まで起きてるのは当たり前だから、深夜って感覚すらないな」
大和「もう、あまり無理しちゃダメですよ?」
提督「ありがとう。ギリギリ倒れない程度にするさ」
大和「倒れるギリギリまで耐えなくていいです!」
大和「○一○○。提督、そろそろお休みにならないと……」
提督「まだ書類が残ってるんだよ…」
大和「提督も大変なのですね」
提督「艦娘のみんなほどじゃないさ」
大和「でも大変そうです……。提督、大和もお手伝いしますから、早いところ片付けてお休みになってください」
提督「すまない、助かるよ」
大和「これも秘書艦の仕事ですから」
大和「提督、まだ寝なくて大丈夫ですか?」
提督「まだ少し残ってるんだ……っていま何時?」
大和「現在時刻、○二〇〇です」
提督「もう大和さんが来てから二時間も経ったのか」
大和「本当に、早いものですね」
提督「大和さんといると早く感じるな」
大和「あら、嬉しいこと言ってくれますね、提督」
大和「でも、書類はまだ片付いていませんよ?」
提督「はい……」
大和「ふふっ」
大和「○三○○」
提督「もうそんな時間か」
大和「そろそろ流石にお疲れじゃないですか?」
提督「まだだ…もう少しで……よし!やっと全部片付いたー」
大和「お疲れ様です。丸三時間かかりましたね……」
提督「大和さんがいなかったら次の日の分に持ち越すところだったよ」
大和「もう、ちゃんと昼間に片付けてくださいね?」
提督「ほう?その昼間っからここに来ては、駆逐艦みたいに甘えていたのはどこの巨大戦艦だ?」
大和「うぐっ……」
提督「まあその分手伝ってくれたし、帳消しでいいか」
大和「うぅ…言い返せない……」
大和「現在時刻、〇四〇〇です。提督、そろそろ朝になっちゃいます」
提督「結局ほとんど寝れなかったな」
大和「執務も終わって布団に入ったものの…ここまで来ると寝れませんね」
提督「あー、久々にオールかなこりゃ」
大和「しかも執務に追われて寝れないって、全然楽しくないオールですね……」
提督「まったくだ でもここで寝ても起きれなそうだし、オールしかないよなぁ」
大和「すみません提督。原因を作ってしまったのは大和なのに……」
提督「気にするな。手伝ってくれたわけだし帳消しって言ったじゃないか」
大和「提督……。ありがとうございます!」
大和「提督、〇五○○です。空が白み始めてきちゃいましたね」
大和「……提督?」
大和「お休みのようですね。やっぱりお疲れだったのですか」
大和「まあ、深夜まで執務をしていたのでは無理もないですね」
大和「…もっとも、原因を作ってしまったのはこの大和なわけですけど……」
大和「提督は帳消しだと言ってくれましたが…やはり罪悪感が残りますね」
大和「提督、申し訳ありませんでした」ペコリ
大和「いたっ!?」ゴツン
大和「提督にぶつかってしまいました……暗闇でよく見えませんね」
提督「ん、んん……?」
大和「あ、起こしてしまったかも……」
提督「……Zzz」
大和「…ギリギリでセーフですね。重ね重ね申し訳ありません」ペコリ
大和「いたっ!?」ゴツン
提督「ん……明るいな…」
大和「朝です。〇六○○」
大和「提督、朝は本当にお早いですね」
提督「ん、大和さんおはよう。朝から時報ありがとうね」
大和「これが今日の大和の任務ですから!当然です」
提督「そういや俺は寝ちゃったみたいだけど、大和さんは寝られた?」
大和「いえ、今日は時報の担当で遅れられないので、大和はこうして起きていましたよ?」
提督「ああ、悪いな……」
大和「大丈夫です、提督の寝顔も堪能できましたし」
提督「えっ」
大和「ふふっ…可愛かったですよ?」
提督「はぁ……」
大和(どうやら二回ほどぶつかったことは記憶にないみたいですね……良かった)
大和「○七〇〇。朝食の時間♪」
提督「そろそろみんな起きてきたな」
大和「朝食の時間ですからね。起きてこないとなくなっちゃいます」
大和「あ、そうだ提督。大和ホテル自慢のコンソメ、お飲みになります?」
提督(いまサラッとホテルって言ったぞこの子)
大和「……提督?」
提督「ん、ああ。いただくよ」
大和「はい!すぐにお持ちしますね!」
大和「現在時刻、〇八〇〇です。連合艦隊旗艦として、そろそろ動きますね」
長門「連合艦隊旗艦は一人で十分。そしてそれはこの私だ」
提督(あー、修羅場になりそう……)
大和「あら長門さん、いらしたのですね」
長門「当たり前だ。そろそろ艦隊が動く頃だし、私が旗艦を務めなければ始まらないしな」
大和「あら。長門さんがやらなくても、この大和がやるから大丈夫ですよ?」
長門「なにっ!?ちょっと他より強いからって、私よりもレベルの低いお前が何を言うか!」
大和「この大和のほうが適任です。居住性も抜群、防御力も抜群。対空も対艦も誰にだって負けません!」
長門「言わせておけば……!」ドドーン
大和「負けませんよ……?」ドドドーン
提督「やめて!ここ室内!砲撃戦ダメ絶対!」
長門「提督はどちらがやるべきだと思う!?」
大和「そうですよ!提督がお決めになってください!」
長門「提督命令とあらば逆らえぬからな!」
提督「……言ったな?」
大和「もちろんこの大和が!」
長門「違う!この長門が!」
提督「……今日の旗艦は漣さんだぞ」
長門「…………」
大和「…………」
長門大和『えっ』
提督「レベリングも兼ねてな」
大和「で、でも、駆逐艦が連合艦隊の旗艦だなんて・・・!」
長門「そうだ!さすがにそれは荷が重いと思うぞ!?」
漣「ご主人さまー、連合艦隊旗艦の漣が来ましたよーっと」
提督「お、ちょうどいいところに来たな」
提督「ま、そういうわけだ。長門さんに大和さんや」
長門大和『』
提督「提督命令には逆らえないんだろう?」
長門大和『』
漣「はにゃ……?」
大和「○九〇〇です」
提督「そんなぶっきらぼうに言わないでくれよ」
大和「だって駆逐艦が連合艦隊の旗艦だなんて……」ムスッ
提督「言っただろ、レベリングも兼ねてるんだって」
大和「それならこの大和が対象でもいいと思いますよ?」
提督「大和さんは旗艦にしてレベリングするまでもないだろう」
大和「…どういう意味ですか?」
提督「駆逐艦だからMVPが獲りにくいために、旗艦にして経験を積ませるってのが目的だ」
提督「でも大和さんはMVPを乱獲するから簡単にレベル上がるだろ?」
大和「……」
提督「要はそれだけ強いってことだよ」
大和「……本当ですか?」
提督「ああ。さすがは戦艦大和だ」
大和「そう、ですか……ふふっ♪」
大和「提督、今日の作戦行動はどうされますか?」ニッコニコ
提督(チョロい)
大和「提督、他の艦隊の運用はどうされます?」
提督「ん、そうだな…連合艦隊だから第二艦隊は一緒に出撃だったよな」
大和「そうですね。第二艦隊と第一艦隊での、計12で艦隊を組みます。あ、時刻は今一○○○です」
提督「じゃあ、第三艦隊は出撃する海域の道中に支援をお願いする。第四艦隊は同海域の最深部にいる、主力艦隊への支援を頼むとするか」
大和「ということは……久々の総力戦ですね!」
提督「ああ、大規模作戦の大詰めだからな。備えあれば憂いなしってやつだ」
大和「でも、そんなことして資材のほうは危ないんじゃないですか?」
提督「ふっふっふ……これを見越して全資材10万も貯めたのだ!」
大和「わぁ……!さすが提督ですね!」
提督「照れる」
大和「この資材全部使っていいんですね!?」
提督「やめてください死んでしまします」
大和「では早速、出撃してきますね!」
提督「頼んだぞ」
大和「お任せください!武蔵と組んで、一時間で片付けてきます!」
大和「あ、バケツの用意もお願いしますね!では、出撃します!」
提督「えっ、あ、あの」
大和「帰投しました!提督、誰一人欠けることなく、今回も作戦を成功させましたよ!」
提督「一時間弱で帰ってくるとはどんなチートを使ったんだ・・・?」
大和「燃料6万、弾薬8万、鋼材65000、ボーキサイト15000、バケツ500を消費しましたが、まだ余りはあるので安心してください」
提督「だいぶ減ってないそれ!?」
大和「まあまあ、いいじゃないですか」
提督「それにしても本当に一時間で突破するとはなぁ……あとでみんな労ってあげないとな」
大和「楽しみにしてますよ?あ、一一○○です!」
提督「出撃からちょうど一時間だな」
大和「そろそろ昼食の準備をしないと…何がいいですか?」
提督「大和さんの料理ならなんだって食うさ」
大和「嬉しいですね♪それではこの大和にお任せください!」
提督「疲れてたりしないか?」
大和「さっき間宮さんと伊良湖さんからアイスをもらったので大丈夫です!」
提督「どうりでキラキラしてると思ったら間宮さん召喚までしたの!?MVPの功績じゃなくて!?」
大和「あ、もちろんMVPも武蔵と一緒にたくさん獲りましたよ?」
提督「恐ろしい子……」
大和「一二〇〇。ランチタイム♪」
提督「ありがとう。何を作ってくれたのかな」
大和「大和ホテル自慢の!……」
提督「ホテル?」
大和「ぁ…ぅ…ほ、ホテルじゃないですっ!!」
提督「いま完全に自分から言ったじゃないですかー」
大和「み、みんなそういうから間違えただけです!提督の意地悪!!」
提督「悪い悪い、ごめんって」
大和「うぅ……」
提督「ん、大和さんの料理はやっぱり美味しいなー」パクパクモグモグ
大和「もう、知りませんっ……」
提督「まあまあ、一緒に食べよう、な?」
大和「もう……バカ…」
大和「一三○○、です。食後は少し眠くなりますね…」
提督「特に今日なんかは寝てないからなぁ」
大和「提督は、少しお休みになられたらいかがですか?大和が執務をできる限り代行しますよ」
提督「ありがとう。でも俺は大丈夫だ、少し寝たしな。大和さんのが眠いんじゃないか?」
大和「大和は平気です。それに今日は時報担当も兼ねているので、寝るなんてできないです!」
提督「そうか?ぶっ倒れないようにな」
大和「はい!ありがとうございます」
大和「一四〇〇です。ふあ~…………Zzz…」
提督「……大和さん?」
大和「……っ!?あ、寝てませんよ!?」
提督「やっぱり眠かったんだな」
大和「そ、そんなことないです!大丈夫ですから!」
提督「無理すんなって。少しくらい寝ないとダメだぞ」
大和「で、でも……」
提督「オールしたうえに作戦も手短に終わらせてくれたんだ、疲れないはずはない」
大和「提督……」
提督「少し寝ろ。これは提督命令だ」
大和「…ではお言葉に甘えさせていただきますね」
提督「おう。いま布団用意するから」
大和「あ、そこまでしていただかなくて大丈夫です!そんなに長く寝るつもりはありませんから」
提督「そう?」
大和「はい。あ、でも掛布団だけ用意しますね」スタスタ
大和「よいしょ、っと」バサッ
提督「……」
大和「それでは提督、おやすみなさい」
提督「あの、大和さん?」
大和「はい?」
提督「そこ俺の膝……」
大和「そうですけど?」
提督「寝心地悪いだろうに」
大和「そんなことないですよ?こんなに暖かい枕もないですし」
提督「執務もしにくいんですけど……」
大和「…おやすみなさい!」
提督「あの」
大和「…Zzz………」
提督「……」
提督「いま何時だろう」
提督「……時報がないと何気に困るな」
提督「ん、一五〇〇、か」
提督「お?大和さんの頭の近くになんか置いてある」
提督「手紙・・・?」
『提督、ラムネでも飲まれますか?大和の手元を見てください』
提督「手元?」
提督「……ラムネがあるな」
提督「しかも体温で随分と暖かい……まあ貰っとくかな」スッ
大和「ん……ふふっ…」
提督「あ、手に触れて起こしちゃったかな?」
大和「Zzz……」
提督「危なかった」
提督「……」ゴクゴク
提督「…体温で生暖かいけど、美味いなこれ」
大和「Zzz……」
提督「でもこれ炭酸も抜けかけてる……」
大和「えっ」
提督「えっ」
大和「……」
提督「……」
大和「…………」
提督「…………」
大和「……Zzz」
提督「どんな寝言だよ!」
提督「…一六○○、か」
「そろそろ夕暮れ時ですね」
提督「そうだなー…って、え?」
夕雲「すみませんね提督。執務室が開いていたので勝手に入ってきちゃいました」
提督「あー…ドア閉めるのを忘れてたな」
夕雲「寒くなかったんですか?」
提督「これ、これ」
夕雲「え?……あら、大和さんがお休みになってるのですね」
提督「昨晩はオールだったし今日は作戦だったし、まあ無理もないさ」
夕雲「でも意外ですね。大和さんがまるで駆逐艦の子みたい……ふふっ」
提督「そういうお前も駆逐艦だろうに」
夕雲「あら、じゃあ私もこんな甘え方してもいいんですか?」
提督「そんな頻繁にされたら困るけどな」
夕雲「あらあら、ふふっ」
夕雲「ではそろそろ巻雲も心配するだろうし、このへんで失礼しますね」
提督「おう ついでに閉めといてくれ」
夕雲「また誰か来るかもしれないし、開けておきますね」
提督「待って!せめてドアだけでも!……行っちゃった」
提督「……さっきはあまり気にしなかったが、寒い」
提督「…一七〇〇、っと」
提督「大和さんはまだ寝てるな。相当お疲れだったんだろう」
提督「…髪の毛めっちゃサラサラしてる」
大和「Zzz……」
「提督ー!そこ開いてたから遊びに来たぜー!」
提督「シーッ」
長波「ん?誰か寝てるのか?」
提督「大和さんがな」
長波「へぇ、珍しいこともあるねぇ。いいモン見せてもらった気分だな」
提督「まあ、実際珍しいしな」
長波「にしても、日が暮れてきたなぁ」
提督「この時間だからな」
大和「ん、んん……提督・・・?と長波ちゃんですか?」
提督「ん、大和さんおはよう」
長波「珍しいじゃん、大和さんがさ」
大和「おはようございます。……あ、一七○○」
提督「知ってた」
大和「……提督、日が暮れてきました」
長波「知ってた」
大和「う……」
提督「はは、二人とも同じこと言うのな」
大和「え、そ、そうなんですか?」
長波「あたしがさっき同じことを言ったばかりだぜ」
提督「似た者どうしだな」
長波「天下の大和さんと似てるとなるとありがたいな!」
大和「むぅ……寝てたんだから気づきませんよ…」
長波「はは、それもそうか。じゃ、あたしはこれで失礼するかねー」
提督「おう、できれば閉めてくれな」
長波「あいよっ」ガチャン
提督「随分とお疲れだったみたいだね大和さん」
大和「うぅ……すみません…あの、大和は重かったですか・・・?」
提督「全然」
大和「そう……良かった」
提督「あ、ラムネありがとうね」
大和「気づいてもらえたのですね。美味しかったですか?」
提督「おう、もちろん」
大和「大和の特製のラムネ、いつでもご所望くださいね!」
提督(でもあれ、いつ持ち込んだんだろう……)
大和「一八〇〇です。今日は、半舷上陸にしちゃいます?」
提督「しおいも言うから気になってたんだけど、それで半舷上陸ってどうやるんだ?」
大和「え?」
提督「だってあれ、乗組員ありきみたいな行為じゃん?みんな乗組員とかいるの?」
大和「そ、それは……いないですね」
提督「じゃあ半舷上陸ってどうやるんだ・・・?」
大和「……」
提督「……」
大和「提督、こういうのはダメですか?」
大和「半舷上陸という名目で、提督と過ごしたいなーって…」
提督「……『月が綺麗ですね』並みの理解力が必要っていう」
大和「月が綺麗……?」
提督「あ、ごめんなんでもない」
提督「てかこれ、みんなそういう使い方してるの?」
大和「少なくとも大和は…そうですね」
提督「そうだったのか……想像力に欠けていたな」
大和「それでその……半舷上陸、しちゃいます?」
提督「…そうだな、半舷上陸しちゃうか」
大和「はい……!」
大和「一九〇〇。艦隊執務はここまでにして、お夕食にしましょう」
提督「ん、もうそんな時間か。……よし、終わった!」
大和「今日の執務、終わったんですか?」
提督「おう、おかげさまでな。手伝ってくれてありがとう」
大和「いえ、秘書艦として当然のことです!」
提督「じゃ、ちょうど終わったとこだし夕食にするかね」
大和「はい!お夕食も大和にお任せください!」
提督「頼んでいいのか?」
大和「腕によりをかけてお作りします!」
大和「二〇〇〇です。お夕食をお持ちしました」
提督「おー、これまたたいそう豪華なこと」
大和「ディナーはフルコースですよ?なんたって大和ホテルの!」
提督「ほう?」
大和「あ……や、大和特製の!フルコースです」
提督「はは、まあ大和さんの手料理なら喜んで食べるよ」
大和「嬉しいです!提督、お隣いいですか?」
提督「おう、一緒に食べよう」
大和「はい!」
大和「二一○○」
提督「いいのか?膝枕なんてしてもらっちゃって」
大和「先ほど大和は提督にたくさんしていただきましたから。そのお返しです」
提督「にしてもこれ、心地よくて眠くなるなー」
大和「提督、大和の居住性、いかがでしょうか?」
提督「最高です。ふとももとか特に居心地いいわー」ゴロゴロ
大和「あっ…もう、そんなに転がらないでください、くすぐったいですよ」
提督「えー、居心地いいんだもん」ゴロゴロ
大和「もう、仕方のない人ですね。ふふっ」
提督「しかしほんと眠くなるな……」
大和「提督もお疲れでしょうし、少しお休みになりますか?」
提督「いや、大丈夫だ。ありがとうな」
大和「無理なさらなくても…。大和の膝、お貸ししましょうか?」
提督「えっ……」
提督「じゃあ休む」
大和「単純なこと……」
提督「でもなんか悪いし、1時間くらいしたら無理にでも起こしてくれ」
大和「そんな、悪いですよ。大和は大丈夫ですから」
提督「まだ風呂とかも入らなきゃだろ?」
大和「それはそうですけど……」
提督「大和さん今日はよくやってくれたしな。だから、1時間くらいしたらもう起こしてくれ」
大和「……わかりました。ではその一時間、しっかりとお休みくださいね?」
提督「そうさせてもらうよ」
大和「ふふっ おやすみなさい、提督」
大和「……さっき大和が使っていた掛布団、お掛けしましょうか」パサッ
大和「現在時刻、二二〇〇です」
大和「そろそろお風呂タイムかな……」
大和「でも提督は気持ちよさそうに寝ていますし…」
大和「でもこのままだとお風呂には入れないし…」
大和「どうしましょう……」
「司令官、いる?」
大和「ど、どなたでしょう?」
「いないの?ていうか、そこにいるのは誰かしら?」
大和「大和です。提督はいますよ」
「そう、じゃあ入るわよ」
叢雲「失礼する……って大和さん何やってんの!?」
大和「何って、提督に膝枕を……」
叢雲「はあ……ほんっと、しょうがない人ね」
大和「は、ははは…」
提督「Zzz……」
大和「でも、これではお風呂に入れないし、でもこんな心地良さそうに寝られると起こすのも悪いし……」
大和「一応、一時間したら無理にでも起こしてくれって言われたんですけどね」
叢雲「あら、そう。じゃあ躊躇することはないわよ」
大和「えっ?」
叢雲「こら!起きなさい司令官!もう約束の時間過ぎてるわよ!!」
提督「うおびっくりした!?」バサッ
大和「む、叢雲ちゃん、そんなに大声出さなくても…」
叢雲「これくらいしないとこの人は起きないわよ」
大和「ええ……」
提督「ありがとう叢雲。寝過すところだった」
叢雲「もう寝過してるわよっ!」
叢雲「はぁ…大和さんは優しいから、アンタを起こすのを躊躇ってたのよ。だから私が起こしてあげたの」
提督「そうなのか」
大和「だって提督、あんな気持ちよさそうに寝ているんだもの……」
叢雲「ま、こんな感じでね。大和さんがお風呂に入りたいそうだから、起こしてあげたのよ」
提督「なるほど。ごめんな、風呂入ってきていいぞ」
大和「え、あ、はい…失礼しますね」ガチャン
叢雲「…大和さんは優しすぎるのよ」
提督「お前はもうちょっと緩くてもいいと思う」
叢雲「アンタ、酸素魚雷ぶち込むわよ?」チャキッ
大和「戦艦大和、ただいま戻りました」
提督「お帰り。さっきは悪かったな」
大和「い、いえ!大和の膝枕、よく眠れました?」
提督「おかげさまで。とっても心地よくてな」
大和「ふふっ、良かったです」
大和「ん、時刻は二三○○です。提督、本日も一日本当にお疲れさまでした」
提督「大和さんもお疲れさん。今日はゆっくりと寝るんだぞ」
大和「はい。明日も昼寝していては成り立ちませんからね」
提督「ところで、今日の活躍を労って何か頼みとか要望とかあったら聞ける範囲で聞いてるんだが、大和さん何かある?」
大和「要望、ですか?そうですね……」
大和「要望というか、わがままを聞いていただけますか?」
提督「聞ける範囲なら」
大和「今夜も、執務室で寝ていいですか・・・?」
提督「いいけど、そんなのでいの?」
大和「これがいいんです。昨日はあまり寝られなくて、雰囲気も堪能できませんでしたし」
提督「雰囲気っても、寝てたらわかんないことなんじゃ…」
大和「もう、提督と同じ布団で寝る雰囲気、ですよ?恥ずかしいので言わせないでください…」
提督「そ、そんな雰囲気を堪能したいのか……」
大和「滅多にないことですから。ですので提督、今夜もここで寝てもよろしいですか?」
提督「おう。そうと決まればさっそく布団敷くかな」
提督「……二人だと狭いな」
大和「大和はこれ、暖かくて好きですよ?」
提督「まあ暖かいのはそうだな」
大和「提督、もっと寄っていいですか?」
提督「え、うん」
大和「ん……」ギュッ
大和「おやすみなさい、提督」
提督「おやすみ、大和さん」
大和「…Zzz…………」
提督「……」
提督「…………」
提督「………………ちょっと苦しい」
提督「けど、嫌いじゃない」
提督「なんかヴェルちゃんっぽくなったな」
――――暁型の部屋――――
ヴェル「ヘクシュッ!」
暁「あら響。寒い?」
ヴェル「い、いや。そうじゃないんだ」
電「風邪…なのです?」
ヴェル「体調も悪くないさ」
ヴェル「きっと誰かが、私の噂でもしたんだろう」
雷「なんでもいいけど、響お姉ちゃんをくしゃみさせる人は、この雷が懲らしめるわ!」
ヴェル「ちょっとそれは無理があるんじゃないかな…」
「戦艦大和、推して参ります!」
時報担当 酒匂
酒匂「司令、酒匂入るよー?」
提督「ん、酒匂か。どうした」
酒匂「どうしたも何もないよ、今日は酒匂が時報と秘書だよ!」
提督「なるほどそうなのか。……てか最近みんなでローテーションでもしてるの?」
酒匂「んーっとねえ…秘密!」
提督(図星以外の何でもないな…)
提督「まあいいや、そういうことならお願いしようか」
酒匂「じゃあ早速!午前零時です」
提督「まあ、そうなるな」
酒匂「誰かに似てるね~」
提督「意識した」
酒匂「やっぱり!」
酒匂「でも、こんな時間に司令と話すのは初めてだね!」
提督「そりゃ、そんな頻繁にこの時間話してるのもおかしいだろ」
酒匂「司令、今日は一晩中話そ?」
提督「いいけど、寝なくていいのか?」
酒匂「酒匂眠くないし!」ドヤァ
提督「いつまで言ってられるのやら……」
酒匂「午前1時ね。夜はこれからだぁー ひゃぁ~、ねむぅ……」
提督「やっぱ眠いんじゃねーか」
酒匂「あ、ね、眠くないよ!酒匂まだ起きてられるよ!?」
提督「強がらなくていいんだぞ別に」
酒匂「強がってなんかないよ、眠くないもん!」
提督「……」
酒匂「……」
酒匂「…Zzz……」
提督「ちょっと静かになるとすぐ寝るのに。てか寝落ち早いなオイ」
酒匂「……はっ!!ね、寝てないよ、寝てない!」
提督「しぶといなぁ…」
酒匂「阿賀野型は設計が強靭だからね!」エッヘン
提督「そこに絡めてくるの!?」
酒匂「午前2時」
提督「寝なくていいのか?」
酒匂「うん、平気だよ」
提督「そうか」
酒匂「……」
提督「……」
酒匂「……ねぇ」
提督「ん」
酒匂「…寝ててもいい?」
提督「……はぁ、やっぱ眠いんじゃん」
酒匂「だってだって、司令が起きてるんだもん…」
提督「俺はもう少し書類が残ってるんだよ、酒匂は寝てていいぞ」
酒匂「うーん……でも電気ついてると酒匂、よく眠れないなぁ」
提督「じゃあ机の小さい電気だけにして部屋のは消すか?」
酒匂「んー……」
酒匂「でもやっぱり酒匂は、司令が起きてるなら頑張る!」
提督「そ、そうか」
酒匂「ごぜぇん…さん、じ…ぴゅう~……」
提督「だいぶ適当になったな」
酒匂「そおー?さかわはー、いつもどおりだよぉ~?」
提督「すごい眠そうじゃないですか……」
酒匂「ん~?ねむくなんてない…よ……しれーがおきてる…なら……さかわ……」
酒匂「Zzz…………」
提督「……これもうノックダウンでいいよな?」
提督「……」
酒匂「んん……しれぇ~……Zzz…」
提督「寝言でまで呼ばれるの…」
提督「でも寒そうだな、なにか掛けてあげよう」
提督「ん、掛布団が置きっぱだ」
提督「よ、っと」パサッ
酒匂「Zzz……」
提督「…俺も眠くなってきたぞ……」
酒匂「んー……」
提督「……」カリカリ
酒匂「午前4時?」
提督「時報担当が時刻を聞いてくる時代か……合ってるぞ」カリカリ
酒匂「えー、4時でいいの?」
提督「おう、4時で合ってる」カリカリ
酒匂「うん!4時♪」
提督「時報お疲れさん。てか起きてたのな」カリカリ
提督「……」カリカリ
酒匂「……」
提督「…酒匂ー?」カリカリ
酒匂「……」
提督「……え、寝てるの?」ピタッ
酒匂「……Zzz…」
提督「えぇ……」
提督「どんな寝言だよ!『お疲れさん』返してよ!!」
酒匂「Zzz……」
提督「…………」
提督「虚しくなってきた」
酒匂「午前5時」
提督「ん、もうそんな時間か」
提督「え、てか起きてるよな?」
酒匂「司令どうしちゃったの?酒匂が寝たまま時報を言うはずないでしょ!」
提督「一時間前のあれ録音しときゃよかった…」
酒匂「でも5時か~。司令、何をそんなに頑張ってるの?」
提督「これか?今日のデイリー任務の書類をまとめてるんだよ」
酒匂「デイリーって?」
提督「南西諸島に行ってみたり、潜水艦を狩ってみたりするあれだよ」
提督「酒匂もよく行くだろ?バシー沖とかさ」
酒匂「え、そうなの?」
提督「覚えがないの!?」
酒匂「うーん……青葉ちゃんとか初風ちゃんとか、あとは空母のお姉さんもついてよく行くけど…」
提督「え、いや、それのことだよデイリーって」
酒匂「え、そうなの!?なーんだ、そっかぁ」
提督「忘れてたわけじゃないようで良かった……」
酒匂「午前6時」
提督「朝だな、完全に」
酒匂「ていうか…ああ!酒匂今日時報担当だったんだ!」
提督「自分で言って入ってきたのは6時間前だが、これを忘れたのか……」
酒匂「あれ、酒匂そんなこと言ったっけ?」
提督「言った言った、むしろそれが用件だったんじゃないですかね」
酒匂「そっか~ 酒匂最近、なーんか忘れっぽくてねぇ」
提督「なんかお年寄りみたいなこと言ってるよこの子…」
酒匂「司令!今日は一日、酒匂でよろしくね!」
提督「お、おう。切り替えは早いのな」
酒匂「午前7時です。おはようございます♪」
提督「ああ、おはよう……って俺寝てないわ。なんか違和感あると思ったら…」
酒匂「酒匂はちゃんと寝たよ?」
提督「くそぅ、オールで雑談を持ちかけた張本人は寝たのになぜだ…」
酒匂「酒匂、司令の夢いーっぱい見たよ!」
提督「ほう、どんな夢だった?」
酒匂「えっとねー……忘れた!」
提督「知ってた」
酒匂「午前8時。今日も司令、朝から素敵!」
提督「ありがとう。お世辞でも嬉しいよ」
酒匂「お世辞じゃないよー?酒匂は本気だよ!」
提督「はは、まあそれならそれで嬉しいな」
酒匂「ほんとに?」
提督「本当に」
酒匂「そっかぁ…へへっ♪」
提督「なんかお前、金剛さんあたりに似てるとこあるよな」
酒匂「そう?どこが似てるの?」
提督「なんかこう、積極的なとことか」
酒匂「金剛さんって、そんなに積極的だっけ?」
提督「あれを超られる積極性は、酒匂くらいしか持ってないだろう……」
酒匂「嬉しい!それって酒匂がナンバーワンってことだよね?」
提督「え、まあ。ある種でな」
酒匂「やった!酒匂が司令のナンバーワン♪」
提督「なんかいろいろ間違ってそう」
酒匂「午前9時。今日は酒匂が張り付いちゃうからね!ぴゅう♪」
提督「まあ、時報担当兼秘書だしな」
「提督?失礼しますね」
提督「ん、誰かな。入っていいぞ」
千歳「どうも。今日の艦隊の動きの予定を報告に来ました」
提督「ああ、そうか。お疲れ様」
酒匂「さ、酒匂は今日は出撃しないからね!司令に張り付く任務があるしっ」ギュッ
千歳「あらあら、朝からお熱いですね。ふふふっ」
提督「出撃しないってな……てかちょっと苦しい」
酒匂「あ、ごめんね?」
提督「緩めるだけなのね…」
提督「千歳さんごめんね、続けてくれる?」
千歳「はい」
―――――――――――――――
――――――――――
―――――
千歳「…とまあ、こんな感じでいかがでしょうか?」
提督「問題ないと思う。じゃあ旗艦として、しっかり頼んだぞ」
千歳「もちろんです。最重要任務は……」
提督「みんな生還することだ」
千歳「いつも通りですね」
酒匂「でもでも、バシー沖くらいなら大丈夫なんじゃない、司令?」
加賀「それを慢心というのよ、酒匂さん」
提督「加賀さんいつの間に…」
加賀「いま来ました」
加賀「とにかく、慢心したときこそ沈む時よ。よく頭に入れておくといいわ」
酒匂「す、すみません…ぴゅう…」
加賀「わかればいいの。さ、千歳さん行きましょう。みんなもう準備できてるわ」
千歳「え、ええ!それじゃあ提督、行ってきますね!」
提督「おう。気を付けてな」
酒匂「…………」
提督「酒匂、加賀さんの口調は厳しめだが…」
提督「言ってることはもっともだ。『ここなら大丈夫』とか思ってたら、本当に沈んでしまうぞ」
提督「ここのみんな、もちろん酒匂にも沈んでほしくはないからな」
酒匂「司令……わかった!酒匂、気を付けるね!」
提督「それでいい」
酒匂「午前10時。酒匂クイズー!酒匂が好きなモノ、なーんだ?」
提督「唐突だなおい」
酒匂「いいのいいの!締め切りは、次の時報までね!」
提督「案外長いのね」
酒匂「司令、ちゃんと真面目に考えてよー?」
提督「まあ、執務に追われるのも疲れるしな。息抜きに考えるよ」
酒匂「それでいいのです♪」
提督「しっかし、ヒントもなにもなしに『好きなモノ』と言われてもなぁ」
酒匂「午前11時です。お昼ごはん、どうしよう?」
提督「んー、それはあとで考えよう。まだ時間あるしな」
酒匂「そう?」
提督「それよりさっきのクイズなんだが、なにかヒントを欲しい。無理ならもう答えをくれ、もどかしくなってきた…」
酒匂「ん?クイズの答え?なんだっけ、それ」
提督「えぇ……」
提督「でもこの展開すら頭にあったから怖い」
酒匂「正午でーす。なにか食べに行こう!ねえしれぇ、いいでしょ?」
提督「そんな色目使わないでくれよ……」
提督「はぁ…まあいいけど。何がいい?」
酒匂「行ってくれるの!?やったね!」
提督「時報担当やってくれてるしな、そのお返しというかなんというか」
酒匂「司令、ありがとう!」
提督「あんま高いとこにしないでくれよ?」
酒匂「酒匂は、司令が行くとこについてくよ」
提督「そんなんでいいのか?」
酒匂「今日の任務は『張り付く』ことです!司令について行くのが普通でしょ?」
提督「変なとこきっちりしてるのね……」
提督「酒匂ー、昼食べに行くぞー」
酒匂「うん!司令、もう少し待ってて!準備してるから」
提督「艦娘とは言えど女の子だしな。準備に時間はかかるか」
―――――5分後―――――
酒匂「よし……!お待たせ司令!早く行こ?」
提督「ん、案外時間はかからないほうなのか」
酒匂「なんの話?」
提督「準備の時間が割と短いんだなーって思って」
提督「まあいいや。行くか」
酒匂「うん♪」
酒匂「あ、ちょうど午後1時です!」
酒匂「司令これ美味しいね!」
提督「だろ?気に入ってくれて良かった」
提督「…にしても、何気にあのクイズの答えが気になる」
酒匂「クイズの答え?」
提督「いや酒匂が出してきたんだけど……酒匂が好きなモノはなんだ、っていう」
酒匂「司令そんなのもわかんないの!?」
提督「すまんわからぬ」
酒匂「えーっとそれは、『私の目の前にある』だよ?」
提督「目の前に……ああ、なるほどな」
酒匂「わかった?」
提督「目の前にあるって、これしかないからな」
酒匂「あ、待ってまだ言わないで!答えは、これを食べ終わってからね?」
酒匂「ふぅ、お腹いっぱぁい」
提督「満足したか?」
酒匂「うん!ありがとね、司令」
酒匂「ん、午後2時です。司令、クイズの答えをどうぞ!」
提督「よし来た!あの状況で目の前にあったのは一つしかない」
提督「…答えはズバリ、ラーメンだろ?」
酒匂「………ええええ!?」
提督「えっ、違うの」
酒匂「司令のバカバカ!答えはラーメンじゃないよぅ、司令だよー!!」
提督「どんな遠回しな告白だよ!」
マア、オアツイコト
ワカイッテイイワネェ
提督「…………」
提督「と、とりあえず早いとこ帰ろう」
酒匂「むぅ……」
提督「ほら。……帰るよ」ニギッ
酒匂「あ!……もぅ…」
酒匂「午後3時です」
提督「なあ、そろそろ機嫌直してくれよ…」
酒匂「もう、いいよ…司令のバカ……」プイッ
提督「はぁ……」
提督「悪かったって」
酒匂「もう遅いですー」プイッ
提督「…………」
酒匂「……司令が、酒匂の気持ちを受け止めてくれたら、許してあげる…かも」
提督「受け止めるというと?」
酒匂「それは内緒ー」
提督「……まあ、それで機嫌直してくれるならいいよ」
酒匂「ほんと!?」
提督「えっ、うん」
酒匂「やったね!司令だーいすき!」トビコミ
提督「お"う!?」ドサッ
酒匂「あ!司令!?司令大丈夫!?」
提督「おう……なんとかな」
酒匂「良かったぁ……」
酒匂「酒匂の気持ち、受け取れた?」
提督「物理的にも痛いほどに受け取りました」
酒匂「午後4時です。しれぇ、がんばれ、がんばれー!」
提督「なんかあれを連想させるな…」
酒匂「あれって?」
提督「……忘れてくれたほうが色々と助かるかな」
酒匂「ふーん でも酒匂ができるお手伝いは、声援くらいしかないから……」
提督「気持ちだけでも頑張れるよ」
酒匂「ほんと!?じゃあ、もっと張り切っちゃうよー?」
「こいのとぅーう ふぉーお いれーぶんっ♪」コンコンッ
提督「…もっと張り切ってるのが来たな」
那珂「提督!と酒匂ちゃん!失礼しまーす」
提督「どうした、そんなに張り切って」
酒匂「何かいいことでもあったの?」
那珂「あのね、那珂ちゃん歌の練習したいんだけどー、夜は煩くなっちゃうし、できないでしょー?」
提督「もっとうるさいネームシップがいるがな」
那珂「だからね、お昼の間にやりたいんだけどー、いいかなあ?」
酒匂「わぁ!賑やかになるね、司令!」
提督「まあ…昼ならいいか。許可しよう」
那珂「ほんと!?ありがとー!!」
那珂「じゃあ那珂ちゃんはこれで、帰りまーす♪」ガチャン
酒匂「お歌、楽しみだね!ねえ司令?」
提督「悪いことではないな、歌は好きだし」
酒匂「午後5時です。日が陰ってきたねー」
提督「暗くなったな。そろそろ電気をつけよう」
酒匂「りょーかーい」パチッ
??「」ブロロロロロロ
提督「…………え?」
酒匂「ぴゃああ!?」
Unknown「」ブオオオオオオ
Unknown「」ブウウウウウン
提督「…………」
酒匂「…………」
提督「……なんだあれ、昨日気分でひっぱり出してきた檜風呂の中から飛んでったぞ」
酒匂「うーん……誰かの装備だと思うんだけど…」
「司令官さーん!!」
提督「どうした羽黒」
羽黒「はい、あの…私の夜間偵察機ちゃん、見ませんでした?」
提督「や、夜間偵察機……」
酒匂「そ、それっぽいのなら、向こうに飛んでいったよ!」
羽黒「ほんとですか!?ありがとうございます!」マッテー
提督「……あれ夜間偵察機だったのな」
酒匂「お部屋暗かったから、夜と勘違いしたのかなぁ?」
提督「飛行艇だからわからなくはないけど、よりにもよって檜風呂に着水するとはなぁ……しまっておくか」
酒匂「午後6時。そろそろ夜でーすっ」
金剛「夜デース!」
酒匂「夜でーすっ」
金剛「夜デース!」
酒匂「夜でーすっ」
金剛「夜デース!」
提督(似た者同士とは思っていたが、これが確信に変わった)
金剛「ヘーイ酒匂!意外と気が合うネー」
酒匂「ぴゃああ!司令にも言われたけど、私たち似てるね!」
金剛「そうデスネー、提督もよく気が付いたネー」
提督「なんか接してる時の感覚が似ててさ」
金剛「そうなんデスネ。でも酒匂、提督へのLoveは、ワタシのほうが大きいヨー?」スチャッ
酒匂「ぴゃあああ!宣戦布告ですか金剛さん?負けませんよー!?」スチャッ
提督「ここで砲雷撃戦はやめてくれよ…?」
那珂「あいのほーらいげきせんでー あなたのこころを こうりゃくしちゃうかーらー♪」トオリスガリ
金剛「Yes!愛の砲雷撃戦、開始シマース!!」
酒匂「それなら酒匂も勝てるね!」
提督「那珂ちゃん最高!さすがアイドル!那珂ちゃんのファンになる!!」
金剛酒匂「???」ニコッ
提督「……那珂ちゃんのファンやめます」
酒匂「午後7時です。ふあ~、疲れたねぇ…ねっ?」
提督「お前特になんもしてないだろ」
酒匂「そんなことないよ?司令を見てたり、司令を応援したり、司令の仕事を手伝ったり!」
提督「最後のは記憶にないんですがそれは…」
矢矧「提督、矢矧よ。入ってもいい?」
酒匂「ぴゃあああああ!矢矧ちゃん!」
提督「酒匂のほうが反応が早かったな。入っていいぞ」
矢矧「失礼するわね」
酒匂「矢矧ちゃーん!!」ギュッ
矢矧「あ……ふふっ、相変わらずね。上手くやってる?」
提督「なんとかな。いてくれたほうが楽しいし助かるよ」
矢矧「そう、良かったわ」
酒匂「矢矧ちゃん、酒匂のこと心配して来てくれたの・・・?」
矢矧「ま、そんなところね。でも安心したわ」
酒匂「ぴゃあああ!矢矧ちゃん大好きー!」ギューッ
矢矧「さ、酒匂…ちょっと苦しいかも」
酒匂「午後8時。司令、お風呂にする?ご飯にする?それとも……さ・か・わ?」
提督「……酒匂、後方注意な」
酒匂「えっ?」
憲兵「ドーモ、酒匂=サン。憲兵デス」
酒匂「あ、これってダメなの?」
憲兵「マア、ソウナルナ」
提督「酒匂よ、幸運を祈る」
憲兵「デハ、連行シマス」グイッ
酒匂「な、なぁんでええ!?」
酒匂「しれぇえええ!!」ガチャン
提督「…………」
提督「……ご飯にするか」
酒匂「はぁ…司令ただいまー……」
提督「おお、無事だったか」
酒匂「過激な発言は控えなさい、だって~…もうっ」
提督「あれは不運だったとしか言いようがない」
酒匂「……あ、午後9時」
提督「今日はいろいろあって疲れたろう」
酒匂「そうだよねー、そろそろ疲れてきたよ…」
酒匂「司令、ちょっと休憩しよ?」
提督「そうするかー」
酒匂「午後10時!酒匂、遅めの晩ご飯いただいてまーす。もぐもぐ」
提督「さっき食べてなかったもんな」
酒匂「うん。災難だったよー、もう」
提督「憲兵はいつどこにいるかわからないからな、気を付けろよ」
酒匂「司令、後ろ……」
提督「えっ……」チラッ
提督「なんもいねえじゃん!!」
酒匂「あはは!司令、引っかかったー!」
提督「悪ふざけはよしてくれよ……」
酒匂「ごめんね司令?」
提督「これくらいはいいさ、コミュニケーションとして取ろう」
酒匂「そうそう!司令との、酒匂なりのコミュニケーションだよ!」
提督「しかしまあ、この会話の流れでは心臓に悪い」
酒匂「午後11時。11時ですぞー!」
提督「そろそろヤツが騒ぎ出すな」
酒匂「一回夜戦して、そろそろ寝ちゃお?」
川内「夜戦!?」キラキラ
提督「せ、川内いつの間に!?」
川内「いつって、今だよ?夜戦と聞いて部屋から飛んできたに決まってるじゃーん!」
提督「サラっと言うけど、なかなか無理のある話だよな」
酒匂「ニンジャそのものだねぇ~」
川内「で、何!?夜戦するの!?」
酒匂「ごめんね川内ちゃん、たぶん川内ちゃんのいう『夜戦』とは違うと思うよ」
川内「なぁんだ、違うの?夜の闇に紛れて戦いたかったなぁ…」
提督「仲間同士でそれをやるのもどうかと思う」
川内(の髪飾り)「ヤセンダヨ!!」ピピッ
川内「夜戦!?」
川内「夜戦だ夜戦だー!!」ダダダッ
提督「…………」
酒匂「…………」
提督「あの飾り、そんな機能あったんだ…」
酒匂「川内ちゃん、夜戦好きだねー…」
提督「もはや愛の領域だろあれ……」
酒匂「そんなことより司令。酒匂と一回夜戦して、そろそろ寝ちゃお?」
提督「そうする………いや」
酒匂「え?司令?酒匂じゃダメ・・・?」
提督「……頭上敵機注意」
酒匂「敵機って?」
??「」シュッ
憲兵「ドーモ、酒匂=サン。本日二度目デス」
酒匂「ぴゃあああああああ!!??」
「軽巡酒匂、抜錨します!ちゃんと見ててね♪」
時報担当 千代田
「」コンコンコン
提督「ん、今日は誰かなー 入っていいぞ」
千代田「提督、千代田よ。今日は私が時報担当するわ」
提督「え、千代田さんとは予想外」
千代田「な、なんでよ!?」
提督「まさか自分の意志で千歳さんから離れるとは思ってなかった。それも一日中なのに」
千代田「ただの気分転換よ。それに、一日中提督に張り付く任務じゃないでしょ?」
提督「まあそう…なのかな?」
千代田「あ、午前零時です」
提督「日付が変わったか」
千代田「時報はちゃんとやるわ。大丈夫よ」
提督「疑ってるわけじゃないさ、驚いただけだ。よろしくな」
千代田「午前1時。提督、こんな時間までやるの?」
提督「あくまで一日中なんだししゃーない」
千代田「じゃあ寝れないってこと!?」
提督「寝てる子もいるにはいるけど、どっちかってと寝落ちに近いなぁ」
千代田「えー…そろそろ寝ないと……」
提督「寝てもいいんだぞ?」
千代田「でもどうせ一時間後にはまたここに来るんでしょ?」
提督「時報だからな」
千代田「部屋に戻っちゃダメなの?」
提督「いいけど、まあ一時間したらここに来るし、寝る子はみんなここで寝ていくな」
千代田「そ、そんなぁ!!私も千歳お姉と……」
提督「戻ってこられるなら、部屋に帰ってもいいけど」
千代田「さすがに面倒に決まってるじゃない!」
千代田「午後2時。寝ないの?」
提督「これが終わったら寝るかなー」カリカリ
千代田「もう、早く終わらせてよー」
提督「千代田さんが手伝ってくれれば早く終わるんだがなー」カリカリ
千代田「断るわ。執務系はどうも苦手で……邪魔になったらさらに遅くなりそうだし」
千代田「あーあ…提督が寝たら、早く千歳お姉のところに行きたいのに~」
提督「行ってもいいんだぞ?戻ってくるなら」カリカリ
千代田「んー……じゃあ行くわ!」
提督「えっ ちゃんと戻ってきてくれよ?」
千代田「わかってるわよ。じゃ、行ってくるね!」バタン
提督「…………」
提督「なんだかんだで、部屋に戻った子は初めてだな」カリカリ
あ、午後じゃなくて午前でした
訂正します
千代田「戻ったわ」ガチャ
提督「ん、お帰り」
千代田「間に合った、午前3時」
提督「お疲れ様。ありがとうね」
千代田「はぁ…提督に一時間ごとに連絡するなんて、全く、この任務なんなのかなぁ……」
提督「まあそう言うな。てかこれ艦娘が自主的にやってるものじゃないの?」
千代田「まあそうだけど……誰が考えたのかは知らないわ」
提督「最初に来たのは秋月さんだけど、あの子はたぶん違うよなぁ」
千代田「午前4時…」
提督「眠いのか?トーンが右肩下がりだぞ」
千代田「ね、眠くなんかないわ!」
提督「無理しないで、部屋戻って寝てもいいぞ」
千代田「ほんと!?」
提督「許可しよう」
千代田「っ!で、でも大丈夫よ。任務中ですから……」
提督「やっぱ右肩下がりになってるけどなぁ…」
千代田「午前5時。提督、朝よ」
提督「ん……朝か。寝てしまったな、すまない」
千代田「別に気にしてないわ。執務も大変なのね」
提督「案外な」
千代田「でもこの任務、千歳お姉にはさせられないわね…私がやらないと」
提督「ん、なんでさせられないの?」
千代田「千歳お姉、ああ見えて朝が弱いのよね」
提督「そうなのか。強そうにも見えるけど」
千代田「お酒が入らないと夜更かしもできないわ。だからこの任務、私がやらないと」
提督「ほう、つまりあれだ。酒がありゃいいってことか」
千代田「い、意地でもこの任務をお姉にさせる気なの!?」
提督「いずれここに来た時にはだよ、無理にとは言わないさ」
千代田「千歳お姉によく注意しておかないと……」
千代田「午前6時。そろそろ街も動き出す時間ね」
提督「明かりもぼちぼち点いてきたしな」
提督「てかお前、部屋に戻らなくなったのな」
千代田「やってみてわかったけど、案外大変なのよ。今日のところはここにいるわ」
提督「同じ建物のなかでも割と距離あるしなぁ」
千代田「それなのよ。どうにかならないの?」
提督「んー、妖精さんに頼めばリフォームしてくれるかもだけど…この大きさだとけっこう時間かかるな」
千代田「もういっそ爆撃して全壊させて、そこから建て直す?」
提督「えっ」
千代田「攻撃隊、いつでも発艦できるわ。みんなを避難させて!」
彗星「」ブロロロロ
提督「やめてくださいお願いします!!」
千代田「……ふふっ、冗談よ。本気にしちゃった?」クスッ
提督(これ若干デレてるの…?)
千代田「午前7時。提督、朝よ!」
提督「……あれ、また寝ちゃってたっぽい?」
千代田「思いっきり布団にくるまってるじゃない……」
提督「んー、でも寒いしなぁ…あと10分だけ!」ガサッ
千代田「あ!もう、出社前のサラリーマンみたいなこと言わないでよ!」
千代田「ほら、いい加減出てきなさいよー!」グイッ
提督「艦娘ってこんな力強いのかよ!!聞いてないよ!!!」
千代田「はぁ…もう、朝から怠けないでよね」
提督「うぅ……寒い…」
千代田「朝から動いたんだし、シャキっとした?」
提督「寒さのほうが効きましたね……」ブルブル
千代田「ん……そこにいるのは誰?」
「」ビクッ
青葉「ど、どもー恐縮ですー」
提督「…まさかお前、一部始終を見てた?」
青葉「バッチリです!いやぁ、新婚さんってことでスクープしますね!」
千代田「はぁ!?誤解よ誤解!」
青葉「ではでは!」ダダッ
千代田「あ!こら、待ちなさい!」ダダッ
提督「朝から元気だなぁ……もう一回寝てよう」バサッ
コウゲキタイ ハッカンカイシヨ!
マッテソレハハンソクデスー!!
提督「……騒がしくて寝れやしない」
千代田「はあ、青葉を取り押さえるのも苦労したわ」
提督「全攻撃隊発艦とは、実戦さながらだったな」
千代田「他人事みたいに言わないでよ…」
千代田「ん、午前8時」
提督「もうそんな時間か。ぼちぼち業務開始といきますかねー」
千代田「忙しそうね」
提督「まあな。今日も書類がたくさん来てるし」
千代田「仕事?勉強?原稿?」
提督「仕事だな」
千代田「なんでもいいわ。出撃、行くわよ!」
提督「聞いた意味……」
千代田「午前9時。今頃、千歳お姉はどうしているかなぁ…」
千代田「って、出撃中なのに言わなきゃいけないの?なんか口癖みたいになっちゃった……」
千代田「てかここどこ?」
イ級「ガオー」
千代田「敵は駆逐艦だけ?つまりここ、たぶん正面の海域ね」
千代田「まあ勢いで来ちゃって私だけだし、好都合ね。攻撃隊、発艦開始よ!」
彗星「」ブオーン
爆戦「」ブーン
千代田「あれ、爆戦って攻撃隊でいいのかな…戦闘機よね、あれ」
爆戦「」ドカーン
爆戦「ヤリマシタ」
千代田「…まあ爆撃任務こなしてるし、別にいいわよね」
千代田「イ級くらいなら簡単に片付いちゃった。物足りないから進撃するわ!」
千代田「ふぅ。いま帰投したわ」
提督「ん、お帰り。やたらキラキラしてるな」
千代田「ああ、これね。なんか正面海域に一人で行っちゃって、それでこうなったのよ」
提督「あそこは空母のお前じゃ物足りなかっただろ」
千代田「そうね。だから10回は出撃したわ」
提督「えぇ……」
千代田「あ、午前10時ね」
千代田「そういえば前から聞きたかったんだけど、聞いてもいい?」
提督「おう、どうした」
千代田「提督は、千歳お姉のことどう思ってるの?」
提督「随分とストレートに来たな……少し考えをまとめる時間をくれ」
千代田「一時間後には答えてよね!」
千代田「午前11時。提督、考えはまとまった?」
提督「なんとかな」
千代田「そう。で、どう思ってるの?」
提督「俺は、千歳さんのこと好きかな」
千代田「ふーん、お姉のこと好きなのかぁ…」
千代田「……えっ?ええええ!?だ、ダメよ!!」
提督「ダメって言われても…」
千代田「と、とにかくダメなの!前言撤回してよね!」
提督「それは厳しいなぁ」
千代田「ったく……!」
千代田「正午です。…が、提督。さっきの発言を取り消すまで、今日のランチはお預けです!」
提督「取り消さないぞ、俺は取り消さない!」
千代田「あ~じゃあランチはお預けのままね?」
提督「ランチと千歳さんと言われたら、もちろん千歳さんを選ぶまで」キリッ
千代田「そ、そんなに好きだったの!?」
提督「むしろお前は、飯と千歳さんで飯を選ぶのか?お前の愛はその程度か!?」
千代田「くっ……!そ、そんなわけないでしょう!提督が案外レベル高かったから驚いただけよ!」
千代田「私なんて、お姉を見てるだけでご飯7杯分は満たされるわ!」
提督「それはすげぇ…」
千代田(ご、ご飯7杯なんて食べたことないしわからないけど……)
千代田「午後1時です。提督、さっきの発言、取り消してよ!」
提督「まだ言うか。何度言ったって取り消さないからな!」
千代田「むぅ……」
提督「取り消すならランチはいらないぞ」
千代田「もう……千代田もおなかすいたよ~…ねぇ~」
提督「…と、取り消さないからな!」
提督(なにこの子可愛い)
千代田「午後2時」
提督「発言は取り消さないぞ」
千代田「提督も強情ね……今日から恋のライバルよ!」
提督「え、なに千代田さん、兄弟愛てか姉妹愛ってのじゃなかったの」
千代田「でも、仕方ない…。はい、おにぎり」
提督「わざわざ作ってくれたの?」
千代田「ひ、秘書だから作ってあげたのよ!普段は作らないんだから…」
提督「……ん!美味い!ありがとうな、千代田さん!」
千代田「…っ!お、お礼はいいわよっ」
千代田「午後3時です。さて、午後はどっち方面に進撃するの?西?南?」
提督「午後は……うん、西のほうだ」
千代田「西方海域ね」
提督「そうだな。でもその前に、千代田さんは演習な」
千代田「演習?私ってメンバーに入ってたっけ?」
提督「今日から入るんだよ。瑞鳳と交代だ」
千代田「え、でも瑞鳳ちゃんはいいの?」
提督「目標練度に到達したからな。一旦ここで千代田さんに交代だ」
千代田「そう。私は構わないわ」
提督「目標練度は90な。そこまで到達したら報告に来るように」
千代田「てことは……あと10くらいね」
提督「そうだな」
千代田「でも、軽空母で私だけそんなに練度上げちゃっても平気なの?」
提督「ん、お前だけじゃないぞ。90なら千歳さんも一緒だ」
千代田「!!提督、演習行ってくるね!」バタン
提督「……なんかもう、凄いな」
千代田「午後4時。…足りない……千歳お姉が足りないよ~」
提督「……」
千代田「ちょっとお姉のとこ行ってくるね~」フラフラ
千代田「お姉ぇ~」バタン
提督「……はぁ」
北上「ど、どうしちゃったのさ、千代田さん」
提督「ん、北上さんか。千歳さんが足りないそうで」
北上「足りないって?」
提督「なんかよくわからないけど、とにかく足りないらしい」
北上「あー……それ大井っちも同じこと言ってたかも」
北上「あたしが足りないんだってー もう、参っちゃうよね」
提督「お前もいろいろ大変そうだな…」
北上「あたしの勘によると……千代田さんは大井っちと同じニオイがする」クンクン
提督「つまりCPLと……」
千代田「午後5時」
提督「お帰り。千歳さんの補充はできたのか?」
千代田「十分ではないけど、一応ね。生きていけるくらいには」
提督「生死に関わる問題なんだ…」
千代田「そうだ!提督~、お姉のどんなとこが好きなの?」
提督「どんなって……いやそれも唐突だな」
千代田「恋のライバルの研究よ!一時間後に答えてよね?」
千代田「午後6時。さぁ、答えなさい!」
提督「いいだろう。まずはあの凛とした立ち振る舞いだ」
千代田「…ええ」
提督「そしてあの優しさ。それと何気に甘えてくるというギャップ!」
千代田「…ふんふん」
提督「スレンダーな体型にも関わらず立派な胸部装甲を持っているところもいい」
千代田「…えっ」
提督「が、しかし!俺は敢えて『中破したときのタイツの破け方』に注目したいわけだ」
千代田「えええ!?」
提督「それとこの前、膝枕してあげてるときに気づいたんだが」
千代田「う、うそー!?千歳お姉に膝枕したの!?」
提督「ん、けっこうよくあるんだが」
千代田「あ、あり得ない…嘘よ、嘘よね千歳お姉……」
千代田「午後7時。夕食の時間だけど…提督、お先にどうぞ……」
提督「どうした、具合でも悪い?」
千代田「微妙にショックで…喉を通らない……」
提督「微妙じゃないだろそれ…」
千代田「だって千歳お姉を…なんで、お姉ぇ…」
提督「なんでって……向こうから言ってきたからそれに応じたんだよ」
千代田「えっ…ええ!?」
提督「えぇ……」
千代田「もう…立ち直れそうにないわ……」
提督「どうしたものかなぁ…」
千代田「午後8時です…」
提督「ん、なんか目が赤いぞ」
千代田「目が赤いって……?」
提督「もしかして、泣いたりした?」
千代田「な、泣いてないですから!」
提督「そう?でもそんな感じの目はどっかで見た気が……」
千代田「あ、赤い目が?夕立ちゃんとかじゃないの?」
提督「うーん…夕立も赤いには赤いが、なんか違う」
千代田「じ、じゃあ扶桑姉妹のどっちか?」
提督「あの二人も確かに赤いが、それも違うなぁ」
千代田「も、もうっ!なんなのよ……」
提督「あ、思い出した!」
千代田「…………」
提督「戦艦レ級エリート」
千代田「聞かなきゃよかったあああ!!」
千代田「午後9時です…」
提督「元気ないな」
千代田「提督のせいじゃない……」
提督「はは まあそう言うと思って、お詫びと言えるかわからないがこれ、貰ってくれるか?」
千代田「え?これって…」
提督「見ての通り差し入れってやつだ。時報とか頑張ってくれてるしな」
千代田「提督…私に夜食差し入れって…」
提督「お腹も空いただろ、ろくに食えてなかったし」
千代田「それは…ちょっと嬉しいかも…♪」
提督「喜んでくれて良かったよ」
千代田「午後10時です」
提督「元気になってくれてよかった」
千代田「提督、ありがとう。でも……」
千代田「やっぱり千歳お姉が提督の膝枕で寝るなんて、許せない!」
提督「まだ許してくれてないの…」
千代田「当たり前でしょ?許すとでも思ったの?」
提督「千歳さんからの要望なんだし堪忍してつかぁさい……」
千代田「午後11時よ。提督のお姉に関する記憶を塗り替えるわ!」
提督「つまりどういうこと…?」
千代田「いいのいいの!さ、膝枕を差し出すのよ!」
提督「え、千代田さんも寝たいの?」
千代田「ち、違う!お姉に関する記憶を塗り替えるだけよ!」
提督「は、はぁ……」
千代田「ね、寝るわよ?」
提督「なんでそんな怖がってんのさ」
千代田「怖がってないわよ!」ポスッ
提督「……」
千代田「……」
千代田「い、居心地いいのね。お姉が欲するのも無理ないわ」
提督「えっ」
千代田「…おやすみなさい!」
提督「……まあ気に入ってくれたってことなのかな。おやすみ千代田さん」
提督「あ、待ってまさか一晩中この状況なの!?寝れないじゃん……」
千歳「提督、失礼します」
提督「お、千歳さん」
千歳「提督、千代田が珍しく部屋に帰ってこない……って、提督の膝にいたのですね」
提督「いまさっき寝たばっかりだ」
千歳「ふふっ 千代田も気に入ったみたいですね」
提督「そうだといいんだけど」
千歳「この子、なかなかこんなことしませんよ?私はたまにしてあげるんですけどね」
提督「確かにイメージはないな……まあ随分と強引に寝られたんだがな、はは」
千歳「それだけ興味があったんですよ。実は千代田、提督のこと……」
提督「冷やかしはよしてくれよ。今日一日で、千代田さんがどれだけ姉を好いてるかよーくわかったし」
千歳「まあ 少し興味がありますね、それ」
提督「『千歳さんに膝枕した』って言ったら、ショックで泣かれたって言えばわかるかな」
千歳「…それ、本当は私が羨ましかったりしてヤキモチ焼いたのかも」
提督「えっ、そうなの?」
千歳「さあ、どうでしょうね。ふふふっ」
「航空母艦千代田、出撃します!」
時報担当 時雨
提督「今日も寒いなぁ」
提督「もう執務もないし、早いとこ布団に暖めてもらうとするか」
提督「準備よし、と」
提督「おやすみなさい!」バサッ
「深夜零時。日付が変わったね」
提督「っ!?」
時雨「あはは 提督を驚かせようとしたんだけど、期待通りに驚いてくれてよかった」
提督「し、時雨さん……なんでまた俺の布団に入ってるのさ…」
時雨「今日は提督につきっきりの任務があるからね」
提督「…てことは」
時雨「今日は僕が時報の担当だよ。提督、よろしくね?」
時雨「○一○○。提督、疲れたね」
提督「そう?」
時雨「書類をいっぱい処理してたでしょ」
提督「ああ、なるほどね。まあ、もう慣れたよ」
時雨「疲れることに慣れちゃダメだよ」
提督「それもそうだな、ありがとう」
時雨「うん」
提督「……」
時雨「……」
時雨「…僕はまだ、ここにいても大丈夫なのかな……」
提督「というと?」
時雨「一緒の布団だと、狭くない?」
提督「俺は大丈夫だ。なんならこの前買った布団と枕、向こうに敷くか?」
時雨「ううん、平気。僕はここがいいな」
提督「じゃあこのままでいいか」
時雨「〇二〇〇。大丈夫?」
提督「大丈夫だ。何のことかは知らないけど」
時雨「あ、ごめんね。寝なくて平気かなーってさ」
提督「それなら大丈夫だ」
時雨「眠くないの?」
提督「……実はな、昼に執務してる時、無意識に寝てしまってな」
時雨「え……」
提督「てなわけでまったく眠くない」
時雨「……」
提督「みんな頑張ってる時に申し訳ない…」
時雨「みんなには黙ってるよ」
提督「そうしてくれるとありがたい」
時雨「それに、提督らしいなって思ったよ」クスッ
提督「信頼されてるのかされてないのか…」
時雨「〇三○○。静かな夜だね」
提督「そういえば今日は夜戦忍者だの夜戦仮面だの異名を持つ川内が静かだな」
時雨「ん、そういえばそうだね」
提督「まあ、昨日は作戦に参加してもらったしな。疲れもあるだろう」
時雨「そうだね、川内さんかっこよかったよ。本物の忍者みたいに」
提督「あの格好だしな。黙ってりゃかなり美人なのに」
時雨「あははは……」
提督「あ、普通にあのままでも可愛いか」
時雨「提督の川内さんへの評価がわからないよ…」
時雨「〇四○○」
提督「ん、ありがとう」
時雨「深夜の時間の流れは心地よくて好きだね」
提督「こんなにまったりと夜更かしするのも久々だな」
提督「ところで、時雨さんは寝なくていいの?」
時雨「僕は大丈夫」
提督「そうか。眠くなったら寝るんだぞ」
時雨「ありがとう。提督は優しいね」
提督「時雨さんほどではないさ」
時雨「〇五○○。新しい一日が始まるね」
提督「そうだなー」
提督「そろそろ起きて書類を片すか……」
時雨「提督、もうちょっとここにいて?」ギュッ
提督「あれ、朝とか弱い感じ?」
時雨「うん……。朝というか早朝かな。特に冬の早朝は苦手。色々とね…」
提督「色々と……あぁ…」
時雨「夏頃や秋なんかはそうでもないんだけど…」
提督「よし、じゃあもう少しこうして暖まるか」
時雨「提督……ありがとう」
時雨「〇六○○。改めて…今日一日、僕が提督に時間を伝えるね」
提督「助かるよ、ありがとう」
時雨「そう言えば、時報はこんな感じでいいのかな?」
提督「おう 何の問題もないぞ」
時雨「『午前6時』とかのほうが良かったりしない?」
提督「そこは時雨さんの言いたいほうでいいさ」
時雨「そっか。じゃあ僕は、このままでいくね」
時雨「○七○○」
提督「完全に朝だな。そろそろ布団から出れるか?」
時雨「うーん…頑張るよ」
提督「悪いな、朝が苦手だってのに」
時雨「大丈夫。朝は僕も好きだな」
提督「え?」
時雨「提督と迎える朝なら、僕は大好きだよ」
提督(我、天使ヲ発見セリ。)
時雨「〇八○○。提督、そろそろ出撃しよう」
提督「仕事は早いとこ片付けたいしな。よし時雨さん、デイリー任務頼めるか?」
時雨「いいよ。メンバーは?」
提督「そうだな…時雨さんは誰と行きたいとかある?」
時雨「僕の意見で決めていいの?」
提督「デイリーは特に縛られたりしないしな。できる限り尊重しよう」
時雨「じゃあ……」
時雨「久しぶりに西村艦隊のみんなで行きたいかな」
提督「となると、時雨さんに朝雲、最上と満潮、そして扶桑姉妹だな」
時雨「そうだね。でもいいの?」
提督「正直なとこ戦艦2を投入するまでもないけど、資源もあるしまあいいさ」
提督「旗艦は?」
時雨「山城さんにお願いするよ」
提督「あの日のまんまだな…」
時雨「あとは山雲もいればね。なんだかんだで、僕はみんな大好きだから」
提督「そうか。気を付けてな」
時雨「うん。じゃあみんなにも伝えて、出撃するね」
時雨「艦隊が、無事帰投したね。よかった」
提督「デイリーお疲れさん。ありがとな」
時雨「ううん。僕も久しぶりにみんなと話せたし良かったよ。朝雲に至っては、ここに来てから初めて会話したさ」
提督「それはよかった。損傷は?」
時雨「僕は大丈夫。扶桑さんと山城さんがちょっと損傷してるかな」
提督「よりにもよって戦艦か……」
時雨「ん、○九○○」
提督「とりあえず、扶桑と山城は入渠だな。言ってきてくれるか?」
時雨「お安い御用さ。伝えてくるね」バタン
時雨「二人ともどこにいるかな…」
鈴谷「時雨ちゃんおはよー」
時雨「鈴谷さん、おはよう」
鈴谷「うん!またねー」タッタッタッ
時雨「…忙しそうか。聞こうと思ったけど無理だね」
時雨「今日はなんか騒がしい……何かあるのかな?」
ヒエー!!
ズイウンニキョウミハナイカ?
ヨルハマダー?
ポイ!ポイポイ!
時雨「……いつも通りか。ふふっ」
カスリキズテイドヨ、シンパイイラナイワ
時雨「ん、あそこにいるのは扶桑さんかな?早いとこ用件を済ませて戻ろう」
時雨「提督、ただいま」ガチャ
提督「お帰り。手間をかけて悪いな」
時雨「大丈夫さ。それにしても、世間は忙しないね」
提督「お、おう?」
時雨「一○○○。提督の仕事は…」
提督「仕事?いましてるけども」カリカリ
時雨「まあ、提督が仕事だよね、うん」
提督「それしかないだろう」カリカリ
時雨「提督も忙しそうだね。僕も手伝うよ」
提督「それは助かる。じゃあそっちの書類の山を整理してくれるとありがたい」
時雨「これかい?」
提督「そうそう」
時雨「わかった。頑張るね」
時雨「一一○○」
提督「手伝ってくれてるおかげでだいぶ捗るよ」
時雨「ほんとに?嬉しいな」
提督「何かお礼をしないとな」
時雨「そんな、悪いよ」
提督「いいってことよ。何かあるか?」
時雨「えぇ……うーん、今は特にないかな」
提督「そうか。じゃあなんかあったら言うんだぞ」グゥー
時雨「あっ……」
提督「あ、ごめん…いやー、そろそろ腹が減るな。てか朝飯食べてないんだった」
時雨「僕も少し、お腹が空いたなぁ……」
時雨「一二〇〇」
提督「もうそんな時間かー」グダー
時雨「疲れたかい?」
提督「見ての通りです……」
時雨「ふふっ 丁度いい、お昼にしよう」
提督「そうだな。よし、なんか食べに行くか」
時雨「え、いいの?」
提督「手伝ってくれてるお礼だ。もちろん奢りでいいぞ」
時雨「提督……ありがとう!」
時雨「一三○○」
提督「そろそろ行くよー」
時雨「あ、うん。今行くね」
時雨「お待たせ、提督」
提督「じゃあ行くか」
時雨「うん!」
提督「……」スタスタ
時雨「……」スタスタ
時雨「提督……。手、繋いでもいいかな?」
提督「ん、いいよ」
時雨「……」ニギッ
時雨「暖かい…」
時雨「提督とお昼、嬉しいね」
提督「そんなに喜んでもらえると、こっちとしても嬉しいな」
時雨「一四〇〇。提督、お昼はありがとう。あのお店は美味しいね」
提督「喜んでくれて嬉しいよ」
時雨「また連れて行ってくれる?」
提督「言ってくれればいつでも」
提督「じゃ、そろそろ午後の仕事を始めるかね」
時雨「うん。午後の任務も頑張ろう」
ポツ…ポツ…ポツポツ
提督「……雨か」
時雨「いい雨だね」
提督「まさに『時雨』だなこりゃ」
時雨「ごめんね。僕、雨女だから…」
提督「そうなのか?帰ってから降り出してよかったな」
時雨「提督は、雨は嫌い・・・?」
提督「いや、むしろこういう雨は好きかな」
時雨「良かった…。僕も雨は好きだよ」
時雨「一五〇〇。ランキング、気になる?」
提督「ランキングかぁ…あんま気にしたことないな」
時雨「たしかに提督は、あまり艦隊の戦績を見ないよね」
提督「ランキングに入って得するには、それなりの資源が必要だしな」
提督「秋の大規模作戦があったあとだし厳しい」
時雨「……でも、たぶん提督は、作戦がなくても目指さないよね」
提督「まあな。そのおかげで元帥にはなれず、万年大将止まりなんだがな」
時雨「提督はそれでいいの?」
提督「俺は現状でも十分だと思う。元帥になってほしいか?」
時雨「ううん、興味ないのかなーって思ったんだ」
提督「まああまり興味はないな」
提督「でも今月はなんか元帥になっちゃってるみたいだ。まだ前半だが」
時雨「え、何か変わったことでもしたの?」
提督「なーんにも。いつものように拡張海域を全部制圧して、マンスリーはこなして、デイリーを続けて、5-4を一日に5周くらいしてるだけだ」
時雨「聞いた限りだとけっこうやってる感じあるんだけど、気のせいなのかな……」
時雨「一六〇〇。提督、お疲れさま」コトッ
提督「ん、コーヒー淹れてくれたのか?」
時雨「うん。特製だよ?」
提督「コーヒーを特製してくれるとはなぁ ありがたく頂くよ」
時雨「あまり無理しないでね?」
提督「おう。もう少しで終わるさ」
時雨「そっか、良かった」
提督「時雨さんが手伝ってくれてるから早く終わりそうだ。ありがとうな」ナデナデ
時雨「ん……えへっ♪」
時雨「一七〇〇」
提督「今って、外は雨降ってるかな?」
時雨「相変わらずだけど、どこか行くの?」
提督「ちょっと急用ができてな、すぐに行かなきゃいけないんだ」
時雨「提督は忙しいんだね」
提督「さっき言った通り元帥になってるみたいだからな。何かと呼ばれることも増えたんだ」
時雨「そっか……」
提督「留守番、頼めるか?」
時雨「うん。提督、これ」
提督「おお、傘を忘れるところだった。ありがとう」
時雨「気を付けてよ?」
提督「おう。…にしても、弱いけど長くなりそうだな、この雨」
時雨「そうだね。でも……雨は、いつか止むさ」
提督「止まない雨はない、って言うしな」
提督「じゃあ行ってくるよ」
時雨「うん。気を付けてね」
時雨「一八〇〇」
時雨「提督、遅いなぁ」
時雨「こんなに遅いなら、一緒についていけばよかった…」
時雨「あ、でも行っても邪魔になるだけか……」
時雨「僕もお手伝いができたらいいのに」
時雨「…………」
時雨「まだ雨は降ってる、よね」
時雨「提督、大丈夫かな…」
提督「ふぅ、ただいま」ガチャ
時雨「あ、提督!おかえりなさい。寒くなかった?」
提督「なんとかな。留守番ありがとう」
時雨「ほんとだよ、もうっ……遅いから心配してたんだよ?」
提督「ごめんごめん いやー、元帥様の会議はどうも長いようで」
時雨「大将のときより随分と長いんだね」
提督「こんなに長いなら大将に落ちたいくらいだよ…」
時雨「え?そ、そんなに・・・?」
提督「大将のほうがここに多くいられるし、そうなるとみんなと一緒にいられるしな」
時雨「提督……みんなのことを考えてくれてたんだね」
提督「それだけじゃないぞ。ここに多くいられれば、時雨さんも観察できるし」
時雨「それを聞いて幻滅したよ…」
時雨「でも……提督が気にかけてくれてるのは嬉しいかな」
提督「よし、そうとなれば時雨観察タイムに突入だ」ジーッ
時雨「て、提督!?恥ずかしいよ……」
時雨「一九〇〇。そろそろ、夕食の時間だね」
提督「早いもんだな。夜もどっか食べに行く?」
時雨「ありがとう。でも大丈夫だよ。夜ご飯は僕が作ってあげるから」
提督「手料理か!?」
時雨「もちろん」
提督「よし、もう今日はこれで目標を達成したぞ!!」
時雨「そ、そんなに食べたかったの?」
提督「もちろんだ。なんたって、時雨さんの手料理ともなればな」
時雨「…言ってくれれば、朝も昼も作ったのに」
提督「なにっ!?」ガタッ
提督「これは勿体ないことをした……一生の不覚だぁ……」
時雨「て、提督、そんなに落ち込まないでよ…」
時雨「提督が望むなら、いつでも作ってあげるから、ね?」
提督「な、なんだって!?ありがとう!本当にありがとう!!」
時雨「お、落ち着いてよ提督…もう……」
時雨「でも、喜んでくれて僕も嬉しいよ」
提督「世に大天使時雨のあらんことを」
時雨「二〇〇〇。提督、ご飯どうだった?美味しかった…かな?」
提督「もちろんだ。あれなら何杯でもいける」
時雨「大袈裟だよ提督…。でも、喜んでくれてよかった」
提督「また作ってくれるか?」
時雨「うん!もちろん」
時雨「そろそろ夜戦の時間か…。騒がしくなるね」
提督「昨日あんなに静かだったし、今日はドーンと来そうだな」
時雨「まあでも、そのほうがいいのかもね。調子が狂いそうだったよ…」
提督「たしかに……なんだかんだで、あれがないと調子狂うな」
時雨「今日は川内さんは出撃とかしたの?」
提督「今日はずっと遠征だったな。でもあの練度なら余裕だっただろう」
時雨「じゃあ……」
提督「今日は煩くなるな……」
時雨「二一○○。すっかり夜か…」
提督「そろそろ本格的になってくるな……」
「夜戦!夜戦!!」
提督「…来た来た」
川内「提督!夜戦しよ夜戦!」バン
提督「軽くドアを破壊するなよ……それに俺は艤装もなにもないし、そもそも艦娘でも深海棲艦でもないから夜戦できないぞ」
川内「なぁんだ、できないの?じゃあ時雨ちゃん!夜戦の相手して!」
時雨「え?ぼ、僕が・・・?」
提督「やめといたほうがいいぞ、時雨さんは夜戦はクッソ強いからな」
川内「そうなの!?じゃあやりがいがあるね!早く行こう?」グイッ
時雨「え、ちょっと、待ってよ川内さん!て、提督ー!!!」
提督「ま、まあ時雨さんならいける。いつも通りにやってれば絶対勝てるよ」
時雨「えええええ!?」バタン
提督「…………」
提督「まあ、時雨さんならカットインで一撃してくれるだろう」
時雨「て、提督…ただいま」ガチャ
提督「お帰り。大変だったな」
時雨「ほんとだよ、もう……」
提督「で、どうだった?」
時雨「どうって、もちろん勝ったよ。いつもみたいに主砲と魚雷で一撃だったね」
提督「さすがは佐世保の時雨だな」
時雨「あ、もちろん演習弾だよ?」
提督「じゃないと困る」
時雨「ん、二二〇〇…だね」
時雨「提督も疲れてるでしょ?」
提督「まあ、相応にな。自分のペースだし、執務もそろそろ終わるさ」
時雨「マイペースでいいんだ。うん、僕もそうさ」
提督「必要以上に飛ばしても疲れるだけだしな。………よし、終わった!」
時雨「お疲れ様、提督」
提督「時雨さんがいてくれたから早く終わったんだよ」
時雨「お手伝い、できた?」
提督「ああ。本当に助かったよ」
時雨「そっか、良かった。提督は何か飲みたいものとかある?」
提督「頼んでいいのか?じゃあ、時雨さん特製のコーヒーをもう一杯いただくかな」
時雨「気に入ってくれたの?」
提督「かなりね」
時雨「嬉しいよ、提督…。じゃあすぐに持ってくるね!」
提督「手伝うか?」
時雨「いや、特製だからね。作ってるところは秘密だよ?ふふっ」
時雨「二三○○」
提督「今日はお疲れさま。ありがとうね」
時雨「僕は楽しかったよ。提督、またやってもいいかな?」
提督「時報担当してくれるなら大歓迎だな」
時雨「ほんとに?じゃあまた、絶対に来るからね」
提督「待ってるよ」
時雨「そろそろ眠くなってきた…。佐世保の時雨も看板かな」
提督「無理もないさ。今日は白露型の子にも会ってないだろうし、部屋で寝るといい」
時雨「みんなも心配してくれてるだろうしね。そうするよ」
提督「今日は一日ありがとうな」
時雨「いいよ、いつも提督にはお世話になってるからね。そのお返しだよ」
時雨「じゃあ僕は失礼するね。おやすみなさい、提督」
提督「おやすみ、時雨さん」
時雨「うん!」バタン
提督「…………」
提督「……近年稀に見る、幸せな一日だった…」
「時雨、行くよ!」
時報担当 大井ときどき北上
大井「ちょうど零時を回ったところです」
提督「時報を言いながら入ってくるとは斬新だな」
大井「チッ せっかく来てあげたのにうるさいわね」ボソッ
提督「なんか言ったか?」
大井「あ、いえ!提督。夜更け、ですね」
提督「誤魔化された感がものすごいんだが…」
大井「誤魔化しですか?何を誤魔化すんです?」ニコッ
提督(この子怖い……)
提督「てか大井が自分から執務室に来るのって初めてじゃないか?」
大井「そ、そうですか?」
提督「いつも北上さんが居るときにしか、来るイメージも記憶もないんだが」
大井「そりゃそうですよ!北上さんが提督に何かされたら大変ですから!!」
大井「今日来た理由も、北上さんが来ないうちに私が来たまでです!」
提督「というと?」
大井「手を出されたら大変です。触らぬ神に祟りなしです!」
提督「俺を神に例えてくれるのか。いいねぇ、しびれるねぇ」
大井「勘違いしてんじゃねぇぞコラ」
提督「…………」
大井「現在時刻、マルヒトマルマル」
提督「お前そんな硬かったっけ……?」
大井「え?硬い、ですか?」
提督「随分とな。もっと楽でいいぞ」
大井「そ、そうですか…」
提督「とりあえず、『現在時刻』はなくていい。イメージ的に硬そう」
大井「き、気を付けてみます」
大井「現在じっ………」
提督「…………」
大井「あ、いえ♪マルフタマルマルです」
提督「そうか」
大井「提督、こんな感じならどうですか?」
提督「いい感じだな。それで頼む」
大井「マルサンマルマル…ちっ、時報の言い方なんて細かいことを……」
提督「細かいことですまんな」
大井「あっ、いえ!マルサンマルマル、です!」
提督「もはや誤魔化しにすらなってない……」
大井「提督?何か言いましたか?」ニコッ
提督「いや、大井っち怖いなーって」
大井「その呼び方、北上さんにしか許可してないんですけど」スチャッ
提督「世の中とは実に理不尽だ」
大井「提督には、少し寝ててもらいますね?」
提督「えっ、あの」
大井「おやすみなさい、提督♪」
―――――何があったかはご想像にお任せします―――――
大井「マルヨン」
大井「マルマル、です」
大井「提督?」
大井「提督ー?」
大井「……寝たのかしら?」
大井「あ、寝かせてあげたんだっけ?」
大井「…………」
大井「これはチャンスだわ!!!」
大井「マルゴーマルマル!」
大井「北上さんのところに行かなくては!!」
大井「そうよ、きっと困っているに決まってるの!」
大井「北上さぁあああああああああああああああああああああん!!!!!!!!!!!!!」バタン
翔鶴「…………」
翔鶴「何かいま叫び声が聞こえたけど……本能が『関わるな』って言ってる気がするわ…」
翔鶴「……」
翔鶴「私もあんな風に見えてるのかしら?」
翔鶴「ねぇ瑞鶴……?」
瑞鶴「Zzz…………」
大井「マルロクマルマル!!」バンッ
大井「北上さん、大丈夫!?無事!?」
北上「わっ!?どうしたの、大井っち?そんな怖い顔してさ」
大井「だ、大丈夫のようね……」ホッ
北上「なになに?どうしたのさ。……え、てか大井っち何それ」
大井「えっ?」
北上「そ、それ……」
大井「こ、この包丁?」
北上「うん…」
大井「えーっと…あ、朝ごはんの……」
北上「ん、大井っち作ってくれるの?」
大井「え、ええ!もちろん!」
北上「ありがたいねぇ」
大井(本当は、北上さんに近づいてるヤツがいたら刺すためだったけど……いないようでよかったわ)
北上「お、大井っち!?なんかその包丁赤くない!?」
大井「え?あ、ああ!これね、そうそう!こういう模様なんですよ?うふふっ」
提督「…………」
提督「なんか記憶が飛んでるが…とりあえず大井が時報担当なのは覚えてる」
提督「……」
提督「悪い想像しかできないんだが」
北上「マルナナマルマル」ガチャ
提督(あれ、時報北上さんだっけ…?)
北上「提督、大井っちが朝飯作ってくれるって」
大井「北上さん?提督はまだたぶんお休みに……」
提督「えっ」
大井「えっ」
北上「……どうしちゃったのさ、二人とも」
大井「い、いえ!なんでもありません♪」
提督(絶対なんかあるだろ…)
北上「まあいいや。でね、大井っちが朝飯作ってくれるんだってさー」
大井「そう、朝ごはんの、支度をね?してあげようかなーって……」
提督「それ大丈夫なのか・・・?」
大井「おいコラそれどういう意味だ」
北上「え?大丈夫だって!ありがたいねぇ」
大井「北上さん……っ!」
提督(あからさますぎるだろ……)
大井「えっと…お味噌汁の具は、今日はお麩でいい?」
北上「いいねぇ、しびれるよ大井っち!」
提督「まあ、いいかな」
大井「マルハチマルマル」
大井「はいっ♪北上さんのために、腕によりをかけて作った朝ごはん!どうぞ召し上がれ?」
北上「大井っちの作った朝飯、いただきまーす!」パクッ
北上「……ん!これ美味しいねぇ!」
大井「美味しい!?良かったぁ♪」
北上「ね、提督!大丈夫でしょ?」
提督「…………」
北上「ん、あれ?提督どうしたのさ?」
大井「チッ」
提督「……………」
北上「あれ、どうして二人分しかないの?提督のは?」
提督「……北上さんの優しさでお腹いっぱいです」
大井「……」スチャッ
提督「ひぇえええええ!!!」
金剛「いま、比叡の叫び声が聞こえたような…?」
比叡「お姉さま?比叡はここにいますよ!」
金剛「Wow!気のせいデシタカー」ハハハッ
北上「マルキュウマルマル」
大井「北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん北上さん」
北上「…だから大井っち、別に大丈夫だってー」
大井「北上さ……北上さん!?大丈夫!?」
北上「うん。大丈夫大丈夫」
大井「で、でも……」
北上「さ~自分の持ち場に戻った戻った~」グイッ
大井「え、持ち場に戻れって? そんなぁ…」バタン
北上「はい、はいっ」
大井「…………」
大井「持ち場、か……」
大井「…そうよ!私の持ち場はひとつだけ!!」
大井「北上さんの寝ていたベッドだけよ!!!!!」ダダッ
島風「……?」
島風「…なんだろう、あれ」
島風「こっちに来てる…?」
大井「北上さああああああああああああああああん!!」シュッ
島風「!?」
島風「…………」
島風「私より絶対に速いよあれ……」
北上「ヒトマルマルマル。ふぅ…やっと大井っちが戻ってったねー。いや、いい子なんだよ、ホントはね?」
提督「まあ…うん、それも感じてはいるかな」
北上「あ、知ってた?」
提督「うん」
北上「そう?」
提督「なんだかんだで殺すとこまで行かないあたりに優しさを感じるよ……」
提督「その手前まではいくんだがな」
北上「あはは…………」
提督「てかお前も持ち場に戻れよ」
北上「持ち場?」
提督「今日は時報でもなんでもないだろうに」
北上「あー、そういえばそうだったねー」
北上「じゃあ戻りますよー」
提督「おう、お前も大変だな」
北上「ま、まあね…ははは……」バタン
提督「…………」
提督「…そして誰もいなくなった」
―――――30分後―――――
大井「提督ただいま…」
提督「おかえり。どこ行ってたんだ?」
大井「どこに行っていたかって?……そんなの、北上さんのところに決まってるじゃないの!!追い出されちゃったけど…」
提督「薄々そんな感じはしてた」
提督「にしても、大井はこれどうにかならんものか…」
大井「ヒトヒトマルマル。あの…提督?何でそんなに頭を抱えているの?」
提督「なんでもないさ……」
大井「もしかして…お風邪ですか!?」
提督「いや、違う……」
大井「ええっと、風邪薬は、っと……」スタスタ
提督(こういうとこは優しいんだがなぁ)
大井「あ、あった!提督、これ飲んでよくなってくださいね?」
提督「ありがとう。でも風邪じゃないんだ」
大井「え?じゃあなんで頭を抱えてたんですか?」
提督「お前のこと考えてたんだよ」
大井「えっ…えええ!?て、提督、その……私には北上さんが…」
提督「……いやそういう意味じゃないからな!?」
大井「ヒトフタマルマルです。丁度お昼ですね」
提督「もうそんな時間か。朝からバタバタしてて早く感じるな」
大井「私、お昼作りましょうか?」
提督「え、いいのか?」
大井「大丈夫です。料理は得意なんですよ、私」
大井「提督も朝食べてわかってるはずですよ?」
提督「食ってねぇよ嫌味かコンチクショウ……」
大井「あれ、そうでしたっけ?」
提督「…………」
大井「ヒトサンマルマル。さぁ召し上がれ!」
提督「…………」
大井「提督?どうかしたんですか?」
提督「これは……オムライス、だよな?普通の…」
大井「え?これ…?もちろんオムライスです!」
提督「ふ、普通のオムライスだよな?」
大井「はい・・・?普通に作りましたよ」
提督「そうか、それを聞いて安心した」
大井「ケチャップで何か書いてあげましょうか?」
提督「ケチャップに見える別の何かになりそうなのでやめときます」
大井「・・・?変な提督ですね」
大井「ヒトヨンマルマルです」
提督「…………」
大井「提督?なんですかその怪訝な顔は?別に、お昼に毒なんて入っていませんよ?失礼ですね…」ニコッ
提督「もう本人の口から『毒』って出てきたから俺は死ぬんだろう…」
大井「大丈夫です。致死量には至ってませんから」
提督「いやそういう問題じゃないよ!てか否定してほしかったよ!!」
大井「悪くても、数週間寝たきりになるだけですので安心してください」ニコッ
提督「ああああああああああ……」
大井「……本当は、そんなもの入れてませんよ。本当に」
提督「もう信じられないよ……」
大井「北上さんのと一緒に作ったんですよ?入れるはずがありません!北上さんは食べに出たみたいですけど…」
提督「信じる」
大井「ヒトゴーマルマル」
提督「結局なにもせずにこの時間になってしまったわけだが」
大井「そろそろ真面目に作戦を遂行しなければいけませんね…」
提督「そうだなー」
大井「ええ、しっかりやりましょう!」
提督「よし大井、出撃だ」
大井「出撃ですか?」
提督「おう」
大井「チッ 面倒ね」
提督「……北上さんも一緒だ」
大井「行ってきまぁああああああああああああああす!!!!!!!」バンッ
提督「…………」
提督「最近ドアが張り倒されることが多い気がする」
大井「帰投しました!」
提督「お疲れ。早かったな」
大井「北上さんと組めばこんなものです!」
大井「それに、北上さんに怪我されたら大変ですから!!!」
提督「……だからお前は中破してるのか」
大井「ヒトロクマルマル。えっと…遠征任務、艦隊は、どうしましょうか、提督?」
提督「いつも通りに北方鼠と東急二つな。それよりお前は早く入渠して来い」
大井「私は大丈夫です!それより北上さんが2ダメージ受けてて…」
提督「それはすぐ終わるだろ」
大井「で、でも……っ!」
提督「……正直に言うと目の毒だ。入ってきてくれ」
大井「うわぁ……」
大井「気持ち悪いので入ってきます」
提督「自らを犠牲にし艦隊行動を回らせる……これだっ!!」ナミダメ
大井「ヒトナナマルマルです」
提督「上がったか。お帰り」
大井「はい。……あらやだ、もうすぐ夕食の時間ですね。私、ちょっと夕食の仕込み、してきますね」
提督「そうか。悪いな」
大井「いえ、これも北上さんのためですから!」
提督「お、俺の分は……」
大井「今度はちゃんと作りますって」バタン
提督「……」
提督「良妻になる素質はあるんだが、CPLだからなぁ…」
大井「現在時刻、ヒトハチマルマル」
提督「……うん、それはいいけどさ。その鍋はなに・・・?」
大井「この鍋は何かですって?勿論、愛情たっぷりの、大井特製カレーです!行ってきます!」
提督「あ、ちょ、待てどこに行く!」
提督「……まあ一つしかないか」
大井「ヒトキュウマルマル」
大井「北上さーん!」
北上「あ、大井っちー!何でお鍋抱えてんの?」
大井「これね、たまたまカレーを作りすぎてしまったの!よかったら、一緒に食べましょぉおおおお!」
北上「え?大井っち特製カレー?カ、カレーかぁ…。」
大井「カレーは嫌でしたか・・・?」
北上「ああ、うん…いやまあ、ね。食べるよ。食べるけどさぁ…」
大井「フタマルマルマル。提督、戻りました」
北上「失礼しまーす、っと」
提督「お、北上さんも一緒か。予想はしてたけど」
北上「大井っちが一緒に食べようってねー」
大井「ほら、提督の分もちゃんとありますから」
北上「カレーねぇ…お昼もカレーだったんだよねー……はぁ」
提督「俺はカレーでいいけどな」
北上「え、提督、夜もカレーでいいって?ふーん。いいとこあるね、痺れるねぇ!」
提督「だって、俺は昼は大井特製のオムライスだったし」
大井「北上さんのも作ったけど、いなくて……」
北上「あー、そっち食べときゃよかった…」
提督「まあ作ってくれたわけだし食べよう」パクッ
北上「そうしますよー」アムッ
提督「ん……んん!!美味いなこれ!」
北上「大井っちこれいいね!今日食べたカレーの中で一番美味しいかも!」
大井「え…?美味しい?嬉しい!!北上さんに喜んでもらえたわ!」
北上「それになんかこう…体が熱くなってきたよ」
提督「これぞカレー…ってことでいいのか・・・?」
大井「体が熱くなってきた?そうでしょう?うふふふふ♪」
提督「……おまえなんか混ぜたか?」
大井「北上さんへの愛をたくさん混ぜました♪」
北上「…………」
提督「なんか反応してやれよ」
大井「うふふふふふふふふふふふふ♪」
大井「現在時刻、フタヒトマルマル」
北上「まぁ、カレーばっかになっちゃったけどさ、大井っちのも美味しかったよねぇ」
提督「美味いには美味かったな」
北上「なんか変な味もしたけどね」
提督「…やっぱりあれなんか入ってたよな。心当たりあるか?」
北上「んー、実はさ……」
北上「前になんか、危ないクスリ入れられたこともあるんだよねぇ」ヒソヒソ
提督「危ないクスリ…?」ヒソヒソ
北上「その……川内とかがよく連呼してるアレで使いそうな……」ヒソヒソ
提督「えっ……じゃあまさか体が熱くなってきたのって…!?」
北上「声が大きいよ!……でも、あり得るねぇ」ヒソヒソ
提督「何考えてんだあいつ……」ヒソヒソ
大井「さ、洗い物もして、火の周りもオッケー、と。……あら?二人ともそこで何をしてるの?」
提督「あー、いや!なんでもない!」
北上「そ、そうそう!ちょっと今日の出撃での報告をしてたんだよ!」
大井「そう?ならいいけど」
大井「今日も疲れましたね、提督。ふぅ……」
提督「そ、そうだな。大井も北上さんもお疲れ」
北上「じ、じゃあ私はこれで部屋に戻るよ。またあとでね、大井っちー」バタン
大井「あら、北上さん帰っちゃいましたね」
提督「…いつものお前なら追いかけそうなもんだが」
大井「大丈夫です。深夜になったらまた会えますしね」ニコッ
提督(やっぱこれなんか盛ったな……)
大井「フタフタマルマル」
大井「チッ、まーた軽巡が一隻騒いでるわね…。提督、私、ちょっと文句言ってきてもいい?」
提督「たぶんその必要はないと思う」
大井「ぁ、そ…そう?」
提督「あれを見ろ、二水戦の旗艦だ……」
川内「やったぁー!待ちに待った夜戦だぁー!!」
川内「やっせん!やっせん!やっせん!やっせんー!」ウキウキ
神通「川内姉さん……毎晩毎晩と…いい加減にしてください!」
川内「夜戦!?」
神通「は?」スチャッ
川内「ヒッ…」
神通「川内姉さんはいつも夜戦、夜戦と連呼していますが…正直なところ、夜戦なら私のほうが強いという確信があります」
提督「随分とストレートに言うんだな…」
川内「へ、へぇ?じゃあ私と夜戦勝負して、蹴りをつける?」
神通「いいでしょう…姉さんと言えど、容赦はしませんので覚悟してください!」キュッ
川内「っ!?」ドォォォォォォォオオン
提督「……何が起きた」
大井「あの鉢巻みたいのを締め直したら、あの夜戦バカが吹っ飛んだとしか…」
神通「さあ、もう終わりですか?川内姉さん」キュッ
川内「う、うわああああああ!!!」ドォォォォォォォオオン
川内「も、もう騒がないから!許して神通!!」
神通「いいえ許しません。いままで寝れなかった私の睡眠時間を返してくれるまでは……!」キュッ
川内「じ、神通には敵わないってよーくわかったからあああああああ!!」ドォォォォォォォオオン
川内「せめて探照灯と照明弾と夜偵を発動する時間をちょうだい!!」
神通「探照灯照射……突撃します」キュッ
川内「ちょ、まっ」ドォォォォォォォオオン
提督「……………」
大井「……………」
提督「神通さんあれ強すぎないか」
大井「あれは重雷装艦の私でも敵わない気がするわ…」
大井「フタサンマルマル。提督、今日もお疲れ様です」
提督「大井もお疲れ。なんだかんだでありがとな」
大井「いえ、私も案外楽しかったですよ?」
大井「あ、北上さんもう寝たかなぁ?」
提督「寝てたらどうすると」
大井「襲うに決まってるじゃない!」
提督「……起きてたら」
大井「同じくよ!どっちにしろ燃えるわ!!」
提督「…………」
大井「そろそろ仕込んだ薬も効いてくる頃ね!?突撃するなら今よ!」
大井「北上さあああああああああああああああああああああん!!!!!」バァン
提督「ああ…………」
提督「これまた随分盛大に張り倒してくれたな……」
提督「てかやっぱなんか盛ってたんだ…信じたくはなかった……」
ヨク…ネラッテ!
ウ、ウワアアアアア!! ドォォォォォォォオオン
提督「……今日も結局騒がしいのな」
「重雷装艦、大井。出撃します!」
時報担当 Верный
「」コンコン
提督「ん、ヴェルちゃんか」
ヴェル「さすが司令官。ノックしただけなのにわかるとはね」ガチャ
提督「これだけ長く一緒にいるとな」
ヴェル「嬉しいな」
ヴェル「полночь(ポルノーチ)……失礼、マルマルマルマル」
提督「言い直さなくていいよ、そろそろ意味がわかってきた」
ヴェル「そうかい?」
提督「あれだろ、深夜零時みたいな感じの」
ヴェル「まさにその通りだね」
提督「んで、今日の時報はヴェルちゃんか」
ヴェル「うん。何回もやってるけど」
提督「暇があれば秘書やってるしなぁ」
ヴェル「マルヒトマルマル。深夜だね」
提督「今日くらいは寝たかった…」
ヴェル「また書類が片付いてないのかい?」
提督「はい……」
ヴェル「……仕方がない。私も手伝うから早く終わらせよう」
提督「いいのか…?」
ヴェル「これももう慣れたさ。楽しみの一つでもあるよ」
提督「終わったあああ……!!」
ヴェル「司令官、お疲れさま」
提督「手伝ってくれてありがとうな」
ヴェル「お安い御用さ」
ヴェル「マルフタマルマル。夜は海も静かだね」
提督「たぶん深海さんサイドも寝てるんだろうな」
ヴェル「北方海域のあの子とかサンタクロースの格好になったくらいには緩いし、容易に想像がつくね…」
提督「あれって、こっちとしても攻撃しにくいよなぁ……」
ヴェル「うん……」
提督「昼はあんな騒がしいのに、夜はほんと静かなのね」
ヴェル「静かな海は、嫌いじゃない」
ヴェル「マルサンマルマル」
提督「ふぁ~あ……もうそんな時間か」
ヴェル「司令官、眠い?」
提督「ちょっとね…」
ヴェル「眠かったらどうぞ。私の膝を貸そうか」ポンポン
提督「…いいのか?」
ヴェル「司令官にならいいさ」
提督「で、でも……」
ヴェル「眠いんだろう?」
提督「……失礼します」ポスッ
ヴェル「ふふっ♪」
ヴェル「マルヨンマルマル」
ヴェル「司令官、寝なくて平気?」
提督「予想以上に心地よくて眠気すらどっか行った」
ヴェル「お、大袈裟じゃないかな……」
提督「それよりヴェルちゃん寝なくていいの?」
ヴェル「私は任務中に眠くならない」
提督「いまは別に任務中じゃないけど?」
ヴェル「司令官を膝枕する任務中だよ」
提督「どんな任務……」
ヴェル「マルゴーマルマル。空の色が変わる頃だ。…綺麗だな」
ヴェル「…司令官?」
ヴェル「……寝ちゃったみたいだね」
ヴェル「寝顔も…寝顔も好きだな」
ヴェル「ふふっ」ナデナデ
提督「Zzz…………」
提督「……うわ、寝てしまった…」
ヴェル「おはよう、司令官」
提督「ごめん、寝ちゃったみたい…」
ヴェル「気にすることないさ。お疲れだったんだろう?」
ヴェル「マルロクマルマル」
提督「日が出てきたな」
ヴェル「うん。一日の始まりだね」
提督「いやー、ヴェルちゃんの膝で迎えられるとは幸せだな」
ヴェル「そのことなんだけど……」
提督「ん?」
ヴェル「司令官、悪いがちょっと重い…」
提督「あ、ごめんね…」
ヴェル「う、ううん。言ったのは私なのにすまない」
ヴェル(いなくなると名残惜しい…言わなきゃよかったかな……)
ヴェル「マルナナマルマル、朝だ。朝食を摂ろう」
提督「そうだな。何か食べに行く?」
ヴェル「いいのかい?」
提督「朝から間宮さんの食堂で食べれば、元気が付きそうだしな」
ヴェル「そうか、じゃあ行こう」
提督「奢るよ」
ヴェル「そ、そんな、悪いよ司令官…」
提督「膝枕のお礼だ。奢らせてくれ」
ヴェル「……じゃあ、お言葉に甘えて」
提督「いやぁ、朝から食べたな」
ヴェル「頼みすぎちゃったかな……」
提督「いいのいいの。膝枕の代償なら軽すぎるくらいだ」
ヴェル「そ、そうかい…?」
ヴェル「マルハチマルマル。任務を始めようか」
提督「そうだな。早いとこ片付けよう」
ヴェル「私も手伝うよ」
提督「悪いね…」
ヴェル「平気さ。早く終われば……それだけ司令官との時間も作れる」
ヴェル「マルキュウマルマル。艦隊に、遠征の指示を」
提督「久しぶりなのに手馴れてるな」
ヴェル「当たり前だよ、いったいどれだけ長くやってきてると思ってるんだい?」
提督「はは、それもそうだな」
ヴェル「たぶんこれ、もう染みついてると思う…」
提督「じゃあ遠征だ。睦月型を中心に頼む」
ヴェル「了解」
提督「それと、入れるところにレベリングの子も」
ヴェル「いつも通りだね。わかったよ」
ヴェル「ヒトマルマルマル」
提督「悪いね、指示を頼んじゃって」
ヴェル「大丈夫だよ。司令官は書類が山積みなんだし」
提督「ははは……」
ヴェル「司令官。残った艦は、私が引き受けよう」
提督「残った艦……主に戦艦と正規空母、重巡と軽空母だな」
ヴェル「えっ…」
提督「頼める?」
ヴェル「え、えぇ……駆逐艦の私で大丈夫かな…」
提督「大丈夫だよ。みんなヴェルちゃんのレベルより30以上は下だしな」
ヴェル「そ、そうだけど……」
提督「それに………ね?」
ヴェル「え?」
提督「左手のそれ」
ヴェル「……わかったよ」
ヴェル「…………私だけのこれ、嬉しいな…♪」キラン
ヴェル「ヒトヒトマルマル。皆を連れて、演習してこようか」
提督「ん、そうだな。そろそろやっておくか」
ヴェル「うん。編成は?」
提督「大和、オイゲン、青葉、瑞鳳、千代田…で、どうかな」
ヴェル「……その編成だと、私はMVPは無理そうだね」
提督「無理に獲ろうとしなくても、いつもキラキラ状態だし」
ヴェル「それもそうか。じゃあ行ってくるよ」
提督「頼んだぞ」
ヴェル「司令官、ただいま」
提督「おかえり。どうだった?」
ヴェル「なぜか知らないけど、2度もMVPを獲れたよ」
提督「ん、潜水艦でもいた?」
ヴェル「いや、昼に撃ち漏らしたのがいてね。夜戦に移ったら、こうなった」
提督「……それはMVP獲るわな」
ヴェル「あ、полдень(ポルデーニ)……失礼、ヒトフタマルマル。気を抜くと言葉が…」
提督「意味わかってるから大丈夫だよ」
ヴェル「で、でも……気を付ける」
提督「ヴェルちゃんらしいな」
ヴェル「ヒトサンマルマル。今日のランチは…はい、これ。ピロシキだ」
提督「おお!作ってくれたのか」
ヴェル「だって………ね」
提督「……ありがとう」
ヴェル「いつでも作ってあげるよ」
提督「にしても、ピロシキは久しぶりだな」
ヴェル「最近は司令官に作れなかったから…」
提督「ああ……悪かったね」
ヴェル「ううん。今日はいつも以上に、腕によりをかけたよ」
提督「それは美味しいこと間違いなしだな」
ヴェル「ヒトヨンマルマル。午後の艦隊勤務を始めよう」
提督「そうだけど、疲労とかはないか?」
ヴェル「大丈夫。疲れてはいない」
提督「ならいいけど……疲れたら遠慮なく言うんだぞ」
ヴェル「ありがとう…。でも私は少なくとも大丈夫だよ」
提督「えっ?」
ヴェル「ずっと旗艦にして、MVP調整までして、こんなにキラキラがついてるからね。そう簡単に剥がれないさ」
ヴェル「誰がここまでやってくれたのかは知らないけどね」
提督「うぐ…………」
ヴェル「ふふふっ♪」
ヴェル「ヒトゴーマルマル。引き続き、訓練だ。疲労の溜まっている艦は休ませよう」
提督「疲労は誰が溜まってるかわかるか?」
ヴェル「今のところ誰も溜まってないよ」
提督「そうか。まあ一応ローテーションで上手くやるかね」
ヴェル「そうだね。それなら疲労は溜まらないと思う」
ヴェル「ヒトロクマルマル」
提督「そろそろみんな戻ってくるな」
ヴェル「そうだね。全艦隊戻ったら、反省会だ」
提督「……えっなんですかそれ」
ヴェル「たまにはこういうのもいいだろう?」
提督「いや、特にやることないけど…」
夕立「提督さん!今日の報告書書いてきたっぽい!」ガチャ
提督「お、夕立か。ご苦労さん。あとで読むよ」
ヴェル「夕立、ちょうどよかった」
夕立「なになに?」
ヴェル「皆に、反省会をするから集まるように伝えてくれるかな?」
夕立「反省会!?楽しそう!」ポイッポイッ
提督「反省会って楽しいっけ…」
夕立「じゃあ伝えてくるね!」バタン
提督「えぇ……」
ヴェル「大丈夫だよ。なんとかなるさ」
ヴェル「ヒトナナマルマル。司令官、さぁ皆に一言を」
提督「一言って……」
長門「珍しいな。提督が全員呼んで反省会とは」
提督「いや、まあ…うん」
加賀「それで、なんの反省かしら?」
提督「んー……反省というか、労いというか?」
加賀「労い?」
提督「みんないつもありがとうな」
提督「…………」
天龍「…そ、それだけかよ!?」
提督「えぇ……」
ヴェル「司令官、頑張って。どっか連れていくとかさ」ヒソヒソ
提督「…………てことで、今度みんなでどっか遊びに行くか」
艦娘『!!!!!』
加賀「さ、さささ、さすがに気分が高揚します」ソワソワ
武蔵「ほう?楽しみにしているぞ?提督よ」
暁「い、一人前のレディとして場所を選んで欲しいわ!……ゆ、遊園地とかも、いいわよ?」チラッ
青葉「もちろん代金は、司令官の全額負担ですよね?ねぇ?」
提督「あぁ、勢いで言ってしまった……」
長門「では提督、楽しみにしているぞ?」
提督「……わかったわかった。約束するよ」
長門「では全艦、この長門に続け!部屋に帰るぞ」
赤城「続くほどの距離はありませんよ、長門さん」
長門「そ、そうか?」
提督「みんな戻ったか」
ヴェル「司令官は太っ腹だね」
提督「差し向けたな……?」
ヴェル「ふふっ、どうかな。楽しみにしてるよ?司令官」
提督「………ヴェルちゃんには敵わんな。計画しておくよ」
ヴェル「その計画は興味がある。私も手伝おう」
提督「なんだかんだで楽しみではあるな。財布がどうなるかは想像もしたくないが…」
ヴェル「ヒトハチマルマル」
提督「あ、ヴェルちゃんちょっといいかな」
ヴェル「何?司令官。これから演習の予定だけど」
提督「その演習なんだが、連れてって欲しい子がいるんだ」
ヴェル「いいよ。誰だい?」
提督「阿賀野、初雪、望月、卯月、時津風」
ヴェル「ど、どんな選び方を…?」
提督「阿賀野は能代さんと矢矧さんからの要望。その他は天龍からだな」
ヴェル「・・・?意図が分からないけど、まあいいか」
ヴェル「ヒトキュウマルマル」
ヴェル「演習お疲れさま…って……」
阿賀野「うわ~ん、もう阿賀野、今日は動けないぃ~……」グデー
望月「うわーマジめんどくせぇ~……」グダー
初雪「もうやだ、引きこもる」ガサッ
卯月「うーちゃん疲れたぴょん……」シュン
ヴェル「えぇ……」
時津風「あー、疲れた疲れた。訓練がきついよ響ぃ~…」
ヴェル「え、訓練がきついって?それはすまなかった…」
能代「ほら阿賀野姉!シャキっとしてよ、もう!」
天龍「おいお前ら!こんな程度でへばるなよ!遠征もできないぞ!?」
ヴェル「あぁ……私に訓練を頼んだのはこういうことか」
神通「違います陽炎さん!もっとこう……」
神通「不知火さん!その砲撃はなんですか!もっとよく狙って……」
神通「霞さん、あなたはいい感じですね。黒潮さんもたこ焼き食べてないで、ちゃんと見習ってください!」
ヴェル「神通さんって、ひとたび戦いや訓練になると性格が変わるんだよね」
ヴェル「私じゃなくて神通さんに頼んだほうが良かったんじゃないかな……」
ヴェル「フタマルマルマル」
提督「そろそろ夕食だな」
ヴェル「夕食も私が作るよ。何か食べたいのとかあるかい?」
提督「お!嬉しいねぇ」
提督「じゃあここは王道だけど、カレーとかって頼める?」
ヴェル「んー……司令官、カレーは…ちょっとわからない」
提督「あ、そうなのか」
ヴェル「ごめんよ。今度覚えてみる」
提督「じゃあ今日はヴェルちゃんに任せるかな」
ヴェル「いいのかい?」
提督「なに作ってくれても、もれなく美味しいし」
ヴェル「それは嬉しいな。じゃあ今日は私が考えるよ」
ヴェル「フタヒトマルマル」
提督「ん、なに作ってくれてるの?」
ヴェル「あ、司令官。今夜はボルシチでどう?私のは美味い」
提督「もう香りだけでも美味そうだ。楽しみにしてるよ」
ヴェル「ありがとう。みんなにも分けてきていいかな?」
提督「もちろん。きっとみんな喜ぶさ」
ヴェル「私は司令官に一番喜んでもらいたいな」
提督「大丈夫、すでに喜んでる」
ヴェル「フタフタマルマル。ボルシチ、皆も喜んでくれた。嬉しいな」
提督「ありがとうな。また料理が上手になったんじゃないか?」
ヴェル「そうかな?たしかに練習はしてたけど」
提督「じゃあきっと上手くなってるよ」
ヴェル「本当かい?Спасибо(スパシーバ)…♪」
提督「今日の仕事もあと少しだな」
ヴェル「そうだね。もう一頑張りだ。私も手伝うよ」
提督「大丈夫。もう終わるし」
ヴェル「そ、そう?」
提督「休んでて構わないさ」
ヴェル「うーん……じゃあ少し休んでるね」
ヴェル「♪」ポスッ
提督「………」
ヴェル「司令官の膝の上でね」
提督「……まあいいか。可愛いし」
ヴェル「し、司令官!?声に出てるよ…」
提督「知ってる」
ヴェル「フタサンマルマル」
提督「ちょうど終わったあああ…!」
ヴェル「司令官、今日も一日、お疲れ様」
提督「いつもより早く終わったな」
ヴェル「秘書がいないと、だいたいは日を跨ぐしね」
提督「この量は異常だと思う……え、てかこれ他の鎮守府のも混ざってる…」ペラッ
ヴェル「そんなのばっかりだったりして…」
提督「ありそうで怖い……」
提督「今日は早めに寝れるな」
ヴェル「そうだね。早めに寝ちゃおうか」
提督「そうするか。部屋に戻っていいぞ」
ヴェル「何を言ってるんだい?ここで寝るよ」
提督「えっ」
ヴェル「というか、ここで寝たいな。…ダメ?」ユビワ キラーン
提督「……布団一つしかないけどよろしいか」
ヴェル「それを見越してお願いしたんだよ?」
提督「…………つまり」
ヴェル「…そういうこと」
提督「もう今日は憲兵に捕まってもいいです」
「了解。Верный、出撃する」
時報担当 瑞鶴
瑞鶴「提督さん、日付が変わっちゃったよ?」
提督「そうだなー…」
瑞鶴「うん」
提督「てか部屋に戻らなくていいのか?なんか昼間からずっとここにいるけども」
瑞鶴「なに言ってるのよ、今日は私が時報担当してあげるんだから、ここにいるに決まってるじゃない!」
提督「そうかー今日は瑞鶴が担当かー」
提督「…………」
提督「……えっ、あ、そうなんだ」
瑞鶴「時刻はマルヒトマルマル。ねむーい」
提督「昼間たくさん寝てたのにまだ眠いのか?」
瑞鶴「一日に数回は眠くなるのよ」
提督「昼寝しても?」
瑞鶴「昼寝はおやつみたいなものね」
提督「どんな例え…」
瑞鶴「まあつまりは、睡眠のうちには入らないってこと」
提督「あー、たしかにおやつって飯食った感はしないしな」
提督「でも俺は昼寝したら夜は寝れないなぁ」
瑞鶴「それは体質がおかしいのよ」
提督「そ、そうなの……」
瑞鶴「マルフタマルマルよ。眠くないの?」
提督「僕はどこかの正規空母さんと違って昼寝してないので眠いです。とても眠い」
瑞鶴「私なんて昼寝したのに眠いんですけど!」
提督「ダメだもう寝る。おやすみ」バサッ
瑞鶴「あ、ちょっと!」
瑞鶴「………」
瑞鶴「一人で夜更かしも、なんか退屈ね」
瑞鶴「提督さんー、マルサンマルマルになったよ!」
瑞鶴「…………」
瑞鶴「さすがに反応しないか…」
瑞鶴「実は起きてたりしないかなーって期待してたんだけどなー」チラッ
提督「Zzz…………」
瑞鶴「……まあそう上手くはいかないわね」
瑞鶴「マルヨンマルマル」
瑞鶴「ま、まだ起きてます!」
瑞鶴「…………眠いけど」
瑞鶴「提督さん、まだ寝てるよね」
瑞鶴「私も眠いのに寝ちゃダメなのかなぁ?」
瑞鶴「…………」
瑞鶴「寝ながら時報とか言えたらいいのに…」
瑞鶴「まあ、それはそれで怖いけど」
酒匂「……ヘクシュッ!」
酒匂「むにゃむにゃ…………」
酒匂「んー……しれぇ……」
酒匂「…Zzz…………」
瑞鶴「……あー、ついに日が昇って来ちゃった」
瑞鶴「朝じゃん…」
瑞鶴「マルゴーマルマル。夜明けだねー」
瑞鶴「……そろそろ起きてよ~」
瑞鶴「…………」
瑞鶴「ふてくされるぞー?」
翔鶴(かわいい……!!)
瑞鶴「現在時刻マルロクマルマル」
「ロクマル?」
瑞鶴「マ・ル・ロ・ク!…って、誰よ?」
日向「すまない。ロクマルがどうとか聞いたものでな」
瑞鶴「はぁ…。マルロクよ、ロクマルじゃないわ。というか、ロクマルってなんなの?」
日向「さあ。私もよく知らない」
瑞鶴「はい?……じゃあ、ぶいえるえす?っていうのは?」
日向「それも無意識の言葉だ。よくわからない」
瑞鶴「はぁ……」
日向「それにしても、早起きだな瑞鶴」
瑞鶴「早起きというか、夜更かしというか…」
日向「寝ずの番なのか?」
瑞鶴「まあそんなところ。時報担当なのよ」
日向「そうか……」
瑞鶴「…………」
日向「ところでキミは」
瑞鶴「瑞雲なら載せないわよ?だいたい、私には彗星があるし、水上機はいらないわ」
日向「そ、そうか……」
瑞鶴「…でも、瑞雲って優秀よね」
日向「おお、わかるか瑞鶴!飲もう!」
瑞鶴「朝からはお断りですー!」
瑞鶴「マルナナマルマルよ」
瑞鶴「提督さん、いい加減に起きてよ」ユサユサ
提督「ん~……?…あ、瑞鶴」
瑞鶴「やっと起きた……もう、一人で夜更かし退屈だったんだからね!」
提督「起きてたんだ……悪いね」
瑞鶴「一応ね。時報担当だし」
瑞鶴「てことで!朝ごはん作ってよね!」
提督「えっ」
瑞鶴「朝ごはんなになに?楽しみ~!」
提督「えぇ……」
瑞鶴「現在、マルハチマルマル」
提督「まさか俺が作ることになるとは予想してなかった」
瑞鶴「たまにはいいでしょ?オムライス、ありがとね!」
提督「簡単ですまないな」
瑞鶴「美味しかったし平気よ。さぁ、今日も頑張ってアウトレンジしよ!」
提督「……おまえアウトレンジになんかいい思い出あるか?」
瑞鶴「うっ…そ、それは……」
瑞鶴「それはあの対空火器のせいよ!」
提督「一理ある」
加賀「練度の問題を無視しないでください」
瑞鶴「うぅ……」
提督「……航空機の性能も無視しちゃいけないと思うの」
瑞鶴「こ、こんどは大丈夫よ!見ててよね、加賀さん!」
加賀「そう、いいでしょう。見せていただきます…実戦で」
提督「てかみんな勝手に入ってくるのね」
瑞鶴「時刻はマルキュウマルマル。とりあえず索敵しとく?」
提督「とりあえずで索敵するってのも……まあいいか」
瑞鶴「じゃあ、二式艦偵を飛ばしておくね」
二式艦偵「イッテキマス」ブーン
蒼龍「彩雲ちゃん、よろしくね?」
彩雲「オッソーイ!」ブーン
大和「じゃあ私は、とりあえず観測機を飛ばしますね」
観測機「マカセロ」ブーン
提督「索敵機飛ばしすぎじゃないかな…」
観測機「敵機ハッケン」
二式艦偵「ズラカレ!」ブオーン
彩雲「ワレニオイツク 敵機ナシ!」ブオーン
瑞鶴「え、うそ!?戦闘機隊、発艦できる!?」
観測機「イラナイ」
瑞鶴「え?」
観測機「地獄ノ猫クライナラ ナントカナル」
提督「あのたこ焼きな」
たこ焼き「戦闘機イネージャン」ブーン
観測機「ホソクシタ」ダダダダダダッ
たこ焼き「アイエエエエエエ!?カンソクキ!?カンソクキ ナンデ!?」
たこ焼き「ツヨクネアイツ……」ズタボロ
観測機「ヤリマシタ」
瑞鶴「ねえあの子性能おかしくない!?」
瑞鶴「ヒトマルマルマルになったよ。翔鶴姉元気かなぁ?」
翔鶴「提督、失礼しますね」
提督「ん、入っていいぞ」
瑞鶴「あ!翔鶴姉!」
翔鶴「瑞鶴、元気にしてた?」
瑞鶴「それはこっちの台詞よ」
翔鶴「心配してくれたのね。ありがとう、瑞鶴」
提督「それで、用件は?」
翔鶴「瑞鶴がしっかりやってるか確認しに来ただけですよ。安心しました」
提督「ほんと妹大好きなのね」
翔鶴「じゃ、あまり提督さんの邪魔をしちゃダメよ?」
提督「むしろ手伝ってもらってる」
翔鶴「あら、そうでしたか。じゃあ私はこれで失礼します」
瑞鶴「ありがとね、翔鶴姉!」ニコッ
翔鶴(やっぱり可愛いわ瑞鶴…!!!)
瑞鶴「ヒトヒトマルマルよ。お昼なに食べる?」
提督「んー…?ちょっと待ってな」カリカリ
瑞鶴「ねえ、ねに食べる~?」ユサユサ
提督「あんまり揺らすと仕事が遅くなって飯も食えないぞ」カリカリ
瑞鶴「むぅ……」
提督「……手伝ってくれたら早く食えるかもな」
瑞鶴「ほんと!?」
提督「手伝ってくれたらな」
瑞鶴「手伝います!はい!!」
提督「単純……」
瑞鶴「提督!ヒトフタ…っていうかお昼ですお昼!ランチしたーい!」
提督「まあそう焦るな。……よし、午前はこれくらいにしとくか」
瑞鶴「ランチ行こうランチ!」
提督「手伝ってくれたしな。約束通り行くかー」
瑞鶴「やったぁ!早く行こう?」
提督「書類をちょっと整理するから待ってくれるかな」
瑞鶴「そんなのあとよ、あと!行くよ!」グイッ
提督「お、おまえかなり強引だな…てかちょい痛いから!」バタン
瑞鶴「お腹いっぱいになったね!」
提督「ぜんぶ奢らされるとは……」
提督「てか時報は」
瑞鶴「…ヒトサン……んーもう!面倒くさい!!一時よ一時!」
提督「随分と投げやりになったもんだな」
瑞鶴「いいでしょ!?だいたい、提督さんが時計見ればいいのよ!」
提督「それを言っちゃおしまいだろ……」
瑞鶴「それに、『ヒト』とか『フタ』とか、面倒なのよこれ!」
提督「海軍だからしゃーない」
瑞鶴「午後2時よ」
提督「…………」
瑞鶴「……はーいはい。わかったわよ。現在時刻はヒトヨンマルマル…。これでいい?」
提督「一応そう言ってくれるとありがたいな」
瑞鶴「面倒ね、ったく……」
憲兵「規律ガナッテナイ。連行ダ」
瑞鶴「ああ、もう!わかったわよ!言えばいいんでしょ言えば」
提督「ここの憲兵さんって神出鬼没すぎないかな」
瑞鶴「時刻はヒトゴーマルマル。小沢っちは元気かなぁ?」
伊勢「それよね~。また会いたいわね」
瑞鳳「小沢さんに、卵焼き焼いてあげたいなぁ…」
瑞鶴「負けが続いたけど、ほんとに優秀な提督よね」
三人『小沢っち元気かなぁ…』
提督(ものすごく会話に入りにくい)
提督(てか瑞鶴と小沢提督はどんな仲なんだよ……)
瑞鶴「ヒトロクマルマルよ。そろそろ夕方よね」
提督「そうだな。索敵機はそろそろ戻していいぞ」
瑞鶴「そう?」
羽黒「川内さんから借りてるこの子、優秀なのね」ナデナデ
夜偵「ソレホドデモ」
羽黒「今日も夜間偵察、お願いしますね?」
夜偵「オマカセクダサイ」ブロロロロロ
提督「……な?」
瑞鶴「あの軽巡、持ってくる装備はすごく優秀なのよね…」
瑞鶴「だんだん日が暮れてきたー。ヒトナナマルマルです!」
提督「結局今日は出撃しなかったな」
瑞鶴「たまにはこういう日も必要よね」
提督「まあそうか。最近は連日のように出撃してるし」
瑞鶴「ほんとほんと。もっと私たちのことも気にかけてよね?」
提督「反省してます…」
瑞鶴「でもまあいいわ。それでこの練度なんだし!」
提督「やっぱり加賀さんには追いついてないがな」
瑞鶴「そ、そんなこと言っても、2しか変わらないじゃない!」
提督「でもお前、正規空母なのにほんとよく避けるよな」
瑞鶴「みんなが遅いのよ」
提督「いや瑞鶴が素早いんだと思う」
瑞鶴「ヒトハチマルマル。さぁ、夜の時間ね」
川内「♪」ウキウキ
提督「なんか一人おかしなのがいるがな」
瑞鶴「今夜も騒がしくなるね……」
神通「……」
瑞鶴「ヒトキュウ……ん~まためんどうになって来た!7時よ」
提督「お前ってやつは…」
瑞鶴「もう、いいでしょこれくらい」
提督「まあわかるからいいんだけどさ」
瑞鶴「それより、夜ご飯なんだろうね?」
提督「さあ。今日は間宮さんとこ行くし、行かないとわからんな」
川内「もう少しね…!」ウキウキ
神通「…………」
瑞鶴「フタマルマルマル!8時です」
川内「夜戦だぁ!!」
瑞鶴「って、どうでもいいけど…かわう……」
川内「夜戦!?」ギロッ
瑞鶴「…川内うるさい!」
提督「どうでもよくない気もする」
神通「川内姉さん……?」
川内「なに!?夜戦!?」
神通「まだ懲りてないんですか?」ニコッ
川内「うっ……」
川内「…大人しく、過ごします……」シュン
神通「それでいいんです」
瑞鶴「……ねぇ、川内あれなんかあったの?」
提督「ちょっとな…」
瑞鶴「現在時刻フタヒトマルマル。9時よ」
提督「そうか」
瑞鶴「うん」
提督「…………」
瑞鶴「…………」
提督「……え、それだけ?」
瑞鶴「何よ、他になにか言って欲しかった?」
提督「なんか寂しいなぁ…」
瑞鶴「フタフタマルマル。すっかり夜…」
提督「今日は日を跨ぎそうである」カリカリ
瑞鶴「提督さん、そろそろ休まなくていいの?」
提督「休みたいか?」カリカリ
瑞鶴「うーん…昨日寝てないしね……」
提督「それもそうだな。休んでていいぞ」カリカリ
瑞鶴「そんな、横で仕事してるのに悪いわ」
提督「気にするな。今日はよく手伝ってくれたし」カリカリ
瑞鶴「でもなんで終わらないのよ?」
提督「なんかやたら量が多いんだよ……」カリカリ
瑞鶴「ふーん……あれ?提督さん、これ間宮さんのレシピじゃない?」
提督「なんでそんなもの混じってるの…」
瑞鶴「深夜になってきました。フタサンマルマル」
提督「もう深夜の基準すらわからない」カリカリ
瑞鶴「提督さんの『深夜』って何時からなの?」
提督「まず深夜ってなんだっけ」カリカリ
瑞鶴「そこから!?」
瑞鶴「うーん…そろそろ寝ようよ~」
提督「先に休んでていいぞ。俺はまだ終わらなそうだ」カリカリ
瑞鶴「そ、そう?」
提督「おう。二日連続オールはきついだろう」カリカリ
瑞鶴「うーん……じゃあ今日はここで寝るね」
提督「…構わん」カリカリ
瑞鶴「じゃあおやすみなさい」バサッ
提督「おやすみ瑞鶴」カリカリ
提督「……」カリカリ
提督「………」カリカリ
提督「…………」カリカリ
提督「……」ピタッ
提督「仕事が終わらないと言ったな。あれは嘘だ」
提督「瑞鶴は寝てるな?」
瑞鶴「Zzz………」
提督「よし、じゃあ始めよう」
提督「寝顔これくしょん、始まります!」●REC
憲兵「俺モ混ゼロ」ピッ
翔鶴「私も!」ピッ
提督「どっから入ってきたの……」
青葉「…………」
青葉「これはスクープです!青葉、見ちゃいました!」タタタッ
翌朝提督は、多くの彗星に追い回されていた
誰の艦載機かは言うまでもない
「五航戦、瑞鶴出撃よ!」
時報担当 野分
野分「司令、遠征から帰投しました!」
提督「ん、野分か。お疲れ」
野分「はい!」
提督「わざわざ報告に来なくても大丈夫なのに」
野分「あ、いえ。その報告に来たのではありません」
提督「というと?」
野分「司令、本日もこの野分が秘書官を務めさせていただきます。宜しくお願いします!」
提督「……野分さんや」
野分「は、はい!」
提督「『本日も』じゃなくて『本日は』のが合ってる気がするんだ」
野分「…………」
野分「…あ、ああ!し、失礼しました!」
提督「はは、間違いはあるさ。よろしくな」
野分「マルヒトマルマル。司令、深夜です」
提督「寒くないのか?布団入らなくて」
野分「し、司令と同じ布団で寝るなんて……」
提督「ああ、なるほど。ごめんな、もう一つあるからそれを敷くといい」
野分「あ、いや、その……そうじゃなくて、司令と同じ布団なんて申し訳ないです」
提督「そっち!?俺はべつに構わないけど…」
野分「え……じ、じゃあ、いい、ですか・・・?」
提督「そこに居たって寒いだろ」
野分「……し、失礼します!」ガサッ
野分「マルフタマルマル。司令、丑三つ時です」
提督「丑三つ時なぁ…小さい頃はよく脅されたっけな」
野分「脅される…ですか?」
提督「丑三つ時はよく幽霊が出るから、夜更かしするんじゃないぞ~、って」
野分「っ!?…そ、それは本当なのですか・・・?」
提督「さあ?俺は見たことはないな」
提督「でも、わりと昔から言われてるっぽいし、それっぽい理由はあるんだよね」
野分「………」ブルブル
提督「……野分?寒いか?」
野分「い、いえ!その……」
提督「……ん、もしかして」
野分「…し、司令!布団の外には何もいませんか・・・?」
提督「おう、なんもいn………」
野分「…………し、司令?」
提督「……いや、なんかいる。なんか青白いのが浮いてる…」
野分「え!?やだやだ!変なこと言わないで!」ギュッ
提督「…………」
野分「…………」ギュッ
提督「………冗談だよ」
野分「………えっ?」
提督「反応が可愛いなおまえ」
野分「……も、もう!からかわないでください!」ポカポカッ
提督「ははは、ごめんて………あれ・・・?」
野分「ど、どうしたんですか?」
提督「の、野分……後ろ…」
野分「…………え?」チラッ
野分「な、なにもないじゃないですか!」ウルッ
提督(からかうの楽しい)
野分「マルサンマルマル。司令、眠くはないのですか?」
提督「眠くないさ」
野分「さすがです!」
提督「野分の可愛い反応を堪能できたし」ボソッ
野分「え?」
提督「なんでもない。それより野分は大丈夫なのか?」
野分「はい!野分は大丈夫です」
提督「某戦艦を彷彿とさせるな」
野分「マルヨンマルマル。司令、野分の言葉の意味ってご存知ですか?」
提督「たしか……そう、野を吹き分ける強い風…みたいな意味だっけな」
野分「…………」ジーッ
提督「あれ、違った?」
野分「あぁ!流石です!」
提督「合ってたか。よかった…」
野分「もっと言うと、秋の台風のことをそう呼んでたという説もありますね」
提督「そうなのか。勉強になるね」
野分「マルゴーマルマル。朝です。そろそろ総員起こしの準備ですね」
提督「そうだな。てか秋月さんに似てるとこあるよね」
野分「秋月に…ですか?」
提督「生真面目なとことかね」
野分「そうなんですか…。あまり気にしたことがありませんでした」
提督「似た者同士って、本人たちは気づかないよな、うん」
野分「マルロクマルマル。朝です」
提督「朝は食堂で食べるか?」
野分「大丈夫です!朝食の支度、野分が致しますね」
提督「お、それは助かるな」
野分「はい!では早速、準備に取り掛かります」
提督「ありがとうね」
提督「……待てよ、秋月さんに似てるってことは、やたら質素な可能性が…」
野分「マルナナ……マルマル……」
提督「…どうかした?」
野分「あ…すみません、朝食の準備に夢中になってしまって……」
提督「あー、せっかく作ってもらってるのに悪いね」
野分「いえ!ちょうどできたのでお持ちしますね」
提督「楽しみだな」
野分「司令、今日は和朝食です。さあ、召し上がれ」コトッ
提督「どうやら杞憂だったようだ」
野分「杞憂、ですか?何か心配事でもあったんですか?」
提督「食事まで秋月さんに似てたら面白いなーって」
野分「・・・?」
提督「まあ食べよう。冷めちゃうしね」
野分「んー……変な司令ですね」
野分「マルハチマルマル。野分の朝食はいかがでしたか?」
提督「とても美味しかったよ。ありがとうな」
野分「ふふっ、そうですか…♪よかったぁ」
提督「じゃ、飯も食ったし業務開始といきますかね」
野分「はい!今日も頑張りますね!」
野分「マルキュウマルマル。そろそろ我が第四駆逐隊も、本気で出撃ですね」
提督「そうだなー…。出撃か」
野分「はい!司令、命令を!」
提督「よし、第四駆逐隊は出撃!」
野分「了解です!」
提督「…と、言いたいところだけど」
野分「えっ」ガタッ
提督「生憎、他の子がまだ遠征から帰ってきてないのよね」
野分「えぇ……」
野分「ヒトマルマルマル」
野分「あ!司令、舞風が帰投しましたよ!」
提督「ん、ほんとだ」
舞風「我が精鋭艦隊が母港に戻りましたぁー」
提督「遠征お疲れさん」
舞風「補給補給っと~……よし、また踊れますね」クルクルー
野分「ま、舞風、所構わず踊ってたら危ないから…」
舞風「気を付けてるってー」クルクルー
舞風「うわっ!?」バタッ
野分「きゃっ!?」ドサッ
提督「……舞風が倒れて野分が倒れて、最後は俺に当たると…。玉突き事故みたいだな」
野分「あっ、司令、すみません!」ペコリ
提督「大丈夫大丈夫。舞風、気を付けろよ?」
舞風「はーい…」
野分「ヒトヒトマルマル。司令、そろそろお昼ですね。何にします?」
提督「そうだなー…朝は作ってもらってるし、昼は食べに行くか?」
野分「あ、いえ!野分がご用意します」
提督「頼んでいいのか?」
野分「はい!」
提督「じゃあお願いしようかな」
野分「お昼までにはお持ちしますね」
提督「おう。じゃあ俺は少し席を外すが、昼には戻ってくるよ」
野分「ヒトフタマルマ……あっ、赤城さん!」
赤城「あら、今日は野分さんが時報ですか?」
野分「はい!あ、その節は……」
赤城「その節……?なんのことでしょう?」
野分「あ、あの海戦での……」
赤城「そんなことより野分さん、お昼ごはんってありますか?」
野分「…えっ?お昼?」
赤城「お昼です。お腹が空いてしまって…」
野分「あ、あります!いま持ってきますね!」
野分「どうぞ!」コトッ
赤城「わぁ!美味しそうですね!」ペロッ
赤城「おかわり!」
野分「え…!?は、はい!」
野分「どうぞ!」コトッ
赤城「んん!美味しいですね!」ペロッ
赤城「もう一杯!」
野分「……は、はい!」
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―――――――――――――――
――――――――――
―――――
赤城「ご馳走さまでした!」
野分「い……いえ…」ハァハァ
赤城「なんでそんなに疲れてるのですか?」
野分「えっ……あ、ああ!なんでもないです!」
赤城「そうですか。では失礼しますね」バタン
野分「…………」
野分「司令の分まで持ってかれちゃった…どうしよう……」ソワソワ
提督「ただいまー」ガチャ
野分「あ、し、司令!?」
提督「ん?どうしたそんなに驚いて」
野分「あの……その…」
野分「すみません!赤城さんに料理全部食べられちゃいました!」ペコリ
提督「ああ…………よくあることさ」
野分「え?そ、そうなんですか……」
提督「割とな。一緒になんか作るか?」
野分「司令……!はい!」
赤城「……………」
赤城「野分さん。提督の分まで料理が食べられないなんて慢心、してはいけませんよ?」
赤城「慢心は轟沈のもと……です!」スタスタ
野分「ヒトサンマルマル。先ほどは少し焦りました。すみません…」
提督「無理もないさ。赤城さんは食べる量がけた違いだし」
提督「それに、野分と赤城ともなると……ね」
野分「はい……」
提督「赤城さんとは接しにくい?」
野分「いえ、大丈夫です。本人は覚えてないみたいですし」
提督「そうか」
提督(赤城さんが覚えてないはずはないんだよなぁ……気を遣ったんだろう)
野分「ヒトヨンマルマル。さあ、午後の任務も張り切っていきましょう!司令、次は?」
提督「次は……じゃあ執務を手伝ってくれるかな。何気に量がえげつないんだよ…」
野分「あぁ……たしかにこれは多いですね…」
提督「頼めるか?」
野分「はい!野分、執務も頑張ります!」
野分「ヒトゴーマr」
舞風「ポォ~ン!舞風が午後三時をお知らせします!」ガチャ
野分「えぇ……」
提督「相も変わらず元気だな」
舞風「野分!踊ろ!」クルクルー
野分「舞風…ごめん、今執務中だから……」
舞風「え~いいじゃん、ちょっとだけ!ね?」
野分「そうやっていつも長引くじゃない」
舞風「えぇえええ~…」
野分「はぁ、仕方ないでしょう……もう」
舞風「つまんないの~」クルクルー
舞風「じゃあ提督!舞風と踊って?」
提督「なんでそうなった」
野分「はぁ……仕方ないなぁ…」
野分「ヒトロクマルマル」クルクルー
舞風「野分なら乗ってくれると思ってたよー!」クルクルー
提督「……」
野分「司令、すみません…」クルクルー
提督「いやいいけども…。目とか回らないの?」
野分「大丈夫です、艦隊業務に影響はありません」クルクルー
提督「うーん……踊りながら執務ってのも凄いよなぁ…」
野分「ヒトナナマルマル。やっと舞風が満足して帰りました…」
提督「お疲れさん。お前も大変だな…」
野分「いえ、もう慣れましたから」
野分「そろそろ陽が落ちますね」
提督「この時期夕陽は綺麗だよね」
野分「そうですね。でも司令、夕陽って少し……悲しいですね」
提督「まあ、それはあるな」
野分「色々と思い出します……」
提督「……大丈夫か?」
野分「はい。もうそろそろ受け入れないと…」
提督「まだ艦娘になってから間もないからな。仕方ないさ」
野分「はい…。赤城さんとも、ゆっくり打ち解けたいですね」
野分「ヒトハチマルマル。夕食の支度をしますね。たまにはビフテキもどうでしょう?」
提督「そんな豪華なものいいのか?」
野分「はい!夜くらいは豪華にいきましょう!」
提督「じゃあ頼もうかな」
野分「お任せください!早速作ってきます!」バタン
提督「……野分といい秋月さんといい、ほんと生真面目なのね」
野分「ヒトキュウマルマル」
野分「夕食、ちょっと頑張りました。どうぞ!」コトッ
提督「ほう!これは豪華だな。大変だったんじゃないか?」
野分「なんてことありません!それより食べてみてください」
提督「そうだな」パクッ
野分「…司令、お味はどうですか?」
提督「これも美味しいね!料理が総じて美味しいとこは、秋月さんに似てるな」
野分「そ、そんなに似てますか…?」
秋月「司令!秋月、報告書をお持ちしました!って……あ、お食事中でしたか」
提督「ん、秋月さんか。ちょうどよかった、いま秋月さんの話をしてたんだよ」
秋月「え、そ、そうなんですか?」
提督「おう。野分と似てるよなーって」
野分「私はわからないんですけど……」
秋月「…どこが似てると思うんですか?」
提督「生真面目なとことか、料理がすごく美味しいとことか」
秋月「そうでしたか。野分さん、似た者同士ですね!」
野分「え?」
秋月「悪いことじゃないし、いいじゃないですか。ね?」
野分「そ…そうですね!よろしくお願いします!」
秋月「こちらこそ!」
提督「すぐ打ち解けるあたりやっぱり似てるな」
野分「フタマルマルマル。司令、食事の後は運動した方がいいですよ、運動!」
提督「まあ待て。すぐに動くと腹が痛くなるんだ」
野分「そ、そうですけど…」
舞風「野分!踊ろ!!」ガチャ
野分「あ、舞風!ちょうど良かった、司令と踊ってくれる?」
提督「えっ」
舞風「提督と?いいよ!じゃあ早速ね!」クルクルー
提督「あ、あの」
舞風「ほらほら、手掴んでー?」ニギッ
提督「ちょっと待て!タイムタイム!」クルクルー
野分「いい運動になりますね、司令!」
提督「えぇ……」クルクルー
舞風「あはは!いいじゃん提督ぅー!」クルクルー
野分「フタヒトマ……あ、利根さん、筑摩さん!」
利根「おお野分よ。最近着任したそうじゃな?」
野分「はい、おかげさまで!」
筑摩「ここにも慣れましたか?」
野分「はい、筑摩さん。野分、元気にやってます!」
筑摩「そうですか。今度一緒に出撃したいですね」
野分「はい!筑摩さんが良ければ、ぜひ!」
利根「そうじゃの、提督!……はて?」
筑摩「まあ。提督はお疲れのようですね」
野分「あははは……さっき舞風が…」
とねちく「あぁ……」
提督「…………」グデー
野分「司令、大丈夫ですか?」
提督「おう……なんとかな」
野分「すみません、舞風を引き込んでしまって…」
提督「ははは……いやー、あそこまで付き合わされるとは」
野分「あ、フタフタマルマル。司令、静かな夜ですね」
提督「いろいろあって川内が静かになったからな」
川内「やせ………」
神通「…………」ギロッ
川内「…………」
提督「……ほらな?」
野分「ずっとこんな夜だといいですね…」
提督「神通さんがやられない限り大丈夫だろうな」
野分「重巡のみなさんとか、勝てるんじゃないですか?羽黒さんとかそのあたり」
提督「勝ってみろよ、また川内が煩くなるぞ」
野分「あぁ、なるほど……」
野分「フタサンマルマル。司令、本日も大変お疲れ様でした!」
提督「野分もな。初めての秘書お疲れさま」
野分「いえ!野分、楽しかったです!」
提督「俺も野分とじっくり話したことなかったからよかったよ」
野分「言われてみれば……そうですね」
提督「ずっと遠征に行ってもらってたしな」
野分「でも、その甲斐あって改造できましたし、時報もできるようになったんですよ?」
提督「まあそれもそうか。とにかく今日はお疲れさん」
野分「はい。野分、明日も頑張ります!」
提督「おう。じゃあ今日はもう寝ていいぞ」
野分「はい!………あの、司令?」
提督「ん?」
野分「き、今日もここで…寝ていいですか・・・?」
提督「えっ……なんでまた」
野分「その……丑三つ時…怖いです……」
提督「あぁ……まだ気にしてたのね…」
「駆逐艦野分、出撃します!」
時報担当 Bismarck
ビス「提督、そこ開けっ放しよ?」
提督「あ、閉め忘れてた。ありがとな」
ビス「寒いんだし気をつけなさいよ?」
ビス「そして今日はこのビスマルクが時報を担当するわ!期待しなさい?」
提督「お、そうなのか。ドイツ艦は初めてだな」
ビス「もちろん、この私が一番最初に決まってるでしょう?」
提督「そこも競うのね…」
ビス「深夜零時。少し眠いわね」
提督「ビス子はヴェルちゃんみたいに向こうの言葉使わないのね」
ビス「ドイツ語で喋ってほしいの?」
提督「ちょっと興味がある」
ビス「いいわ。Mitternachtね」
提督「…ごめんわからんわ」
ビス「あら、zwölf Mitternachtのほうが良かったかしら?」
提督「ますますわからんが、なんかかっこいいな」
ビス「ein Uhr」
提督「・・・?」
ビス「どうしたの?」
提督「申し訳ありません日本語でお願いします…」
ビス「あら、そう…いいわ。午前1時よ」
提督「ありがとう」
ビス「提督、そろそろ寝ないの?」
提督「んー…まだ寝れなそうだな」
ビス「そう……提督も大変ね。私も起きてるわ」
ビス「午前2時…ふわぁ~……」
提督「大丈夫か?」
ビス「私もさすがに眠いわ…」
提督「お前は寝ていいぞ。特に手伝って欲しいことも今はないし」
ビス「でも…提督が起きてるのに悪いわ」
提督「気にするな。俺に合わせてたら寝れないかもしれないし」
ビス「……この前瑞鶴が寝顔を撮られてたし、迂闊に寝れないわよ」
提督「ビス子のも撮ろうとしてたのに…」ボソッ
ビス「…………撮りたいならそう言えばいいのに」
提督「撮らせてくださいお願いします」
ビス「お断りです!」
提督「なんなのこの子……」
ビス「午前3時」
提督「やっと終わったよ……」
ビス「良かったじゃない。お疲れさま」
提督「ダンケダンケ…俺はもう寝るよ……」
ビス「明日ちゃんと起きられるの?」
提督「たぶん…」
ビス「朝は時間厳守でお願いね?」
提督「あーそれはわからん…おやすみ」バサッ
ビス「わからないって…あ、ちょっと!」
提督「Zzz………」
ビス「……もうっ!」
ビス「…………」
ビス「仕方ないか…。提督も疲れてたのよね」
ビス「午前4時」
ビス「もう朝になっちゃう時間じゃない……」
ビス「さすがに眠いわね。でも今から寝ても1時間しか寝られないし……」
ビス「……提督は寝てるわよね?」
提督「Zzz…………」
ビス「寝てる……わね」
ビス「よし!私はちょっと仮眠するわ。完徹はお肌に良くないし」
ビス「Gute Nacht!」バサッ
ビス「………あれ?」
ビス「これ、提督と同じ布団じゃない!でもこれしかなさそうだし……」
ビス「まあいいわ。今は寝るのが先決よね」
ビス「朝5時よ。さあ、ピシッと起きて!」ビシッ
提督「痛い痛い痛い!起きるから叩くのやめて!」
ビス「こうでもしないと起きないでしょう?Guten Morgen!」
提督「お、おはよう……」
ビス「さあ、布団も離しなさい!」グッ
提督「あああああ布団が!!やめてー!!!」
ビス「ふぅ…。すっきりしたわね。目が覚めた?」
提督「寒いもうやだ引きこもる…」ブルブル
ビス「朝6時。提督、さあ、いろいろ朝のうちに片付けてしまいましょう!」
提督「寒いけど仕方ない……始めるかね」
ビス「その意気よ!」
提督「てかビス子寝てないだろうに平気?」
ビス「私?ちゃんと寝たわ。心配しないで」
提督「えっ、寝たの!?」
ビス「何をそんなに驚くのよ…」
提督「あぁ…寝顔が……」
ビス「まだ言ってたの!?」
ビス「午前7時。提督、朝食の時間よ。私には何をご用意して頂けるの?」
提督「えっなんで俺が用意する流れなの」
ビス「いいじゃない、べつに」
提督「そこはビス子さんがですね……」
ビス「何を!ご用意して頂けるの?」
提督「……はぁ…」
ビス「午前7時。提督の作ってくれた朝食もなかなか良いわ」
提督「まあ結果オーライか」
ビス「これ、なんていうの?」
提督「いや普通にご飯だろ。白米だ」
ビス「違う、こっちよ!」
提督「ああ、そっちか。味噌汁ね」
ビス「ミソシル…っていうのね。美味しいわね!」
提督「気に入ってくれたならよかった。朝の定番だしな」
ビス「そうなんだ…。うん!日本式も悪くないわね!」
ビス「午前9時。さあ、今日も通商破壊戦に繰り出しましょう!」
提督「通商破壊?」
ビス「え?違うの?」
提督「お前は今日は艦隊決戦だな」
ビス「か、艦隊決戦!?いいわね、腕が鳴るわ!」
提督「メンバーは戦艦と重巡だな」
ビス「そう。日本の戦艦の腕前を拝見させてもらうわ!」
提督「まあ好きにしな。もうみんな来るだろうし、お前も行くといいさ」
ビス「了解。ビスマルクの戦い、見せてあげるわ!」
ビス「午前10時」
プリン「あ、ビスマルク姉さま!」
ビス「あらプリンツ。あなたも艦隊決戦に行くの?」
プリン「はい!……あ、ということはビスマルク姉さまもですか!?」
ビス「もちろん!今日は他に誰がいるのかしら?」
プリン「うーん…金剛さんとか、長門さんとかもいるみたいですよ」
ビス「金剛?長門?いえ、知らないわ。誰?強いの?」
プリン「あ!あそこで試し撃ちをしてますね。見てみましょう!」
長門「ビッグセブンの力、侮るなよ!」ドドーン
金剛「全砲門、ファイヤー!」ドドーン
ビス「…ふ、ふーん?強い感じはするわね」
プリン「あのお二人、攻撃も防御もバランス良くて頼りになるんですよ」
ビス「そうなの?」
プリン「はい!…あ、でももちろん、ビスマルク姉さまが一番強くてお美しいです!」
ビス「そ、そうよね!そう、当たり前よ!」
プリン「はい!」
青葉「ビスマルクさんをダメにする重巡『Prinz Eugen』と……いい記事が書けそうです!」メモメモ
ビス「11時よ」
金剛「Hey!ビスマルク!あなたも出撃デスカー?」
ビス「ええ、そうよ。私がいればきっと勝てるわ!」
長門「それは心強いな。しかし、今日は大和たちもいる。MVPは厳しいぞ?」
ビス「…大和クラス?…なんか手強い感じはするわね。会ってみたいわ!」
金剛「大和と武蔵なら、向こうで二人で、模擬戦をやってるヨ?」
ビス「え?」
大和「全主砲、薙ぎ払え!」ドドドーン
武蔵「そんな攻撃、蚊に刺されたような物だ」
武蔵「さあ、行くぞ大和よ!撃ち方…始めっ!」ドドドーン
大和「そ、それで直撃のつもりなの!?」
武蔵「ほう。さすがは我が姉の大和だ。私の砲撃を小破で耐えるとはな」
大和「武蔵こそ。相変わらず自慢の妹ですね」
長門「あんなの絶対大破するな…」
金剛「轟沈しないだけマシな気がシマース…」
ビス「あの大きさの三連装砲・・・?これはもう、手強いとか通り越してるわね……」
ビス「作戦終了。艦隊が母港に帰投したわ」
提督「ん、お疲れ。どうだった?」
ビス「もちろん勝ったわ!」
提督「そうかそうか。損傷は?」
ビス「私は平気よ。金剛が中破して、長門が小破。あとは大和クラスの二人が少しだけね」
提督「じゃあ金剛と長門はすぐに入渠。大和型は明石さんだな。伝えてくれるか?」
ビス「了解!」バタン
ビス「伝えてきたわ」ガチャ
提督「ありがとうな」
ビス「秘書だもの、平気よ。……ん、12時を私がお知らせするわね」
提督「もうお昼か。早いな」
ビス「さあ、お昼を用意してきても良いのよ?」
提督「えぇ…昼は食堂じゃダメ?」
ビス「……しょうがないわね。我慢するわ」
ビス「午後1時。あら、見慣れた艦型の駆逐艦もいるのね。あの子たち知ってるわ」
提督「レーベとマックスね」
ビス「あの子たちもドイツの艦よね?」
提督「そうなるな。てかレーベなんかはお前より早くいただろ」
ビス「そうね、でもシュルツは私より後よ」
提督「シュルツ…?」
ビス「マックスのこと。シュルツのほうが強そうでしょう?」
提督「広島カープにいそう」
ビス「……なぁに、それ?」
提督「野球な」
ビス「や、やきゅー?」
提督「んー……今度連れてってやるよ」
ビス「なんか知らないけど……楽しみにしてるわ!」
ビス「午後2時。シャルンもどこかに来ているのかしら?…また、会ってみたいわね」
提督「…客船?」
ビス「違うわよ!戦艦のほうに決まってるじゃない!」
提督「おお!戦艦シャルンホルストか!」
ビス「知ってるの?」
提督「もちろん。幸運艦として有名だしな」
ビス「武勲も有名よね」
提督「何よりもあの色が美しい」
ビス「あら提督、話が合うわね」
提督「わかってくれるかビスマルクよ!」
────────────────────────
──────────────────
────────────
──────
ビス「あら、シャルンの話をしてたらもうこんな時間ね」
提督「ん?何時だ?」
ビス「午後3時よ。甘いものを少し食べたいわね」
提督「なんだまだいけるじゃないか。いや、それにしてもシャルンホルストはいいな」
ビス「そ、そうね…でも甘いものを……」
提督「なんたって、戦艦が正規空母を撃沈する唯一の例を作ったしな!」
ビス「……ねえ提督、聞いてる?」
提督「聞いてるぞ。ビスケットでいいか?」
ビス「あ、聞いてたのね……」
ビス「午後4時。そろそろ夕方ね。今日の所はこのくらいにしておくの?」
提督「出撃はな。まだ書類がたんまりと待ち構えてる」
ビス「にしても、かなり多いのね……」
提督「なんかいらないものも混じってるしな…」
ビス「……て、手伝ってあげてもいいのよ?」
提督「いいのか?」
ビス「いいわ。提督も大変そうだもの」
提督「助かるよ!じゃあまずはそっちを頼む」
ビス「わかったわ!」
ビス「午後5時。はぁ~、今日も疲れたぁ…」
提督「疲れるのが早くないですかね……」
ビス「いいじゃないの。もう頼まれたノルマは終わったわよ?」
提督「じゃあもう一仕事頼まれてほしいなぁ?」
ビス「……さあ、一段落したら今日もおしまいにしましょ!」
提督「なんか誤魔化されたんだが」
ビス「午後6時。そろそろ夕食ね。提督、どんなメニューをお持ち頂けるの?」
提督「また俺が作るの…」
ビス「いいじゃない!……嫌なの?」
提督「嫌じゃないけど……あ、昨日龍鳳さんが作ってたのでもいい?」
ビス「いいわよ。とにかく何か食べたいわ」
提督「じゃあちょっともらってくる」
ビス「待ってるわね!」
ビス「午後7時です」
提督「お待たせ」コトッ
ビス「なにこれ、ザワークラウト・・・?」
提督「違う違う、まあ食べてみな」
ビス「ん……」モグモグ
ビス「提督のザワークラウト、変な味ね…」
提督「龍鳳さんのな。それにこれ、お漬物っていう食べ物だ」
ビス「え、これお漬け物っていうの?」
提督「まあ、ザワークラウトに似てるかな」
ビス「午後8時。すっかり夜ね…」
川内「夜はいいよねー…夜はさ」
ビス「川内、いつの間にいたの?」
川内「いま来たんだよ」
ビス「悪いけど私、お肌に良くないから、夜戦とかしないわよ?」
川内「最近は騒ぐだけでも神通に怒られるから、夜戦できないんだよね……」
提督「そんなに夜戦がしたいのか?」
川内「え!?いいの!?」
提督「おう。今日とりあえず、深夜に執務室な」
川内「うんうん!!」
提督「えっ…」
ビス「提督、その夜戦は違うでしょ!?」
提督「まさかわからないとは思わなかったんだよ……」
ビス「夜9時…あら?あの人たちは誰かしら?」
提督「ん?ああ、あれは扶桑姉妹だな」
ビス「フソウ……?艦種は?」
提督「戦艦というか航空戦艦というか」
ビス「ふぅ~ん…日本の戦艦ってブリッジが高いのね。あの姉妹、凄いわ」
提督「あの姉妹は特別に高すぎるんだと思う」
山城「扶桑姉さま、私たちってやっぱり艦橋が……」
扶桑「山城、大丈夫よ。他の戦艦が低すぎるだけなの。私たちは標準よ?」
山城「…そ、そうですね!世間が私たちに追いついてないんですね。さすが姉さまです!」
ビス「夜10時よ。私、そろそろ休ませてもらうわね」
提督「そうか。今日はお疲れさま」
ビス「お礼はいいわ」
提督「いやいや、本当に助かったよ。ありがとな」
ビス「そ、そこまで言うなら……いいのよ?もっと褒めても?」
提督「さすがは戦艦ビスマルク。秘書としても優秀だ」
ビス「当たり前よ!」
提督(でかい暁とは上手く言ったものだな…)
ビス「じゃ、私はこれで失礼するわ」
提督「おやすみビス子」
ビス「おやすみなさい、提督」バタン
提督「…………あれ、てかあの子まだ時報残ってる…」
ビス「言い忘れたから言いに来てあげたわ。午後11時よ」ガチャ
提督「わざわざ戻ってくるとは…悪いね」
ビス「いいのよ、これくらい。というか提督、まだやってるの?」
提督「まあな。もう少しで終わるけど」カリカリ
ビス「ふーん………」
提督「……………」カリカリ
ビス「………て、提督が頑張れるなら…撮らせてあげてもいいのよ?」
提督「え?」
ビス「その…寝顔とか……」
提督「!!!」ガタッ
提督「さあさ!お布団はこちらでご用意してありますので!」
ビス「や、やたらと準備がいいわね……」
提督「そこはお気になさらずに!」
ビス「んー……まあいいわ。提督、Gute Nacht」
─────30分後─────
提督「そろそろ寝たかな?」
ビス「…Zzz………」
提督「おお!いい寝顔じゃないですかー」
提督「では早速……寝顔これくしょん、始まります!」●REC
川内「提督!約束通り来たよ!夜戦夜戦!!」バァン
提督「もっとビス子の寝顔を堪能したいだけの人生だった」
ビス「んん……Zzz…………」
「戦艦ビスマルク、抜錨!出撃するわ!」
時報担当 大鳳
大鳳「提督!大鳳、入りますね」
提督「大鳳さんか。入っていいぞ」
大鳳「はい、失礼します!」ガチャ
提督「今日はデイリーに拡張海域にお疲れさま」
大鳳「大丈夫です。提督が贔屓にしてくれて嬉しいです!」
提督「そう言ってくれるとこっちも嬉しいな。これからも頼んだよ?」
大鳳「任せて!……あ、深夜零時です」
提督「あれ、出撃報告だけじゃなかったのね」
大鳳「そう。今日はこの大鳳が、提督に時間をお知らせするわね」
大鳳「マルヒトマルマル」
提督「それにしても、ほんとよく体を鍛えてるよな」
大鳳「日々の積み重ねが重要なのよ?」
提督「続けられるのがもう凄いよね」
大鳳「ん?一緒に訓練する?」
提督「えっ、そんなこと一言も」
大鳳「いいわね!じゃあまずはスクワットからね」
提督「えぇ……」
大鳳「マルフタマルマル」
提督「ほう……」ジーッ
大鳳「さ、最新鋭だからって、そんなジロジロ見られると……困ります!」
提督「新鋭の空母の子って、なんか小さいよね」
大鳳「小さい・・・?」
提督「ほら、瑞鶴とかさ」
大鳳「瑞鶴さんが・・・?なんのことでしょうか?」
提督「あ、でも雲龍さんとかは違うな…」
大鳳「な、なんのことなんですか……?」
大鳳「マルサンマルマル。提督、少し仮眠しませんか?」
提督「俺は大丈夫」
大鳳「えっ?大丈夫なの…?」
提督「今日はなんか眠くならないんだよね」
大鳳「お疲れではないんですか?」
提督「んー、疲れはあるはずなんだけど…」
大鳳「……提督もしかして、昼寝しました?」
提督「」ギクッ
大鳳「図星ね…。もう、気を付けてくださいね?」
提督「はーい……」
大鳳「マルヨンマル…マル………Zzz……」
提督「大鳳さーん?」
大鳳「………はっ!わ、私、寝てませんよ!?はい!」
提督「完全に寝落ちてただろ…」
大鳳「だ、大丈夫です!朝まで持ちます!」
提督「眠かったら寝てもいいけど」
大鳳「本当に大丈夫よ!それに、今から寝ても一時間だけですし…」
提督「あぁ……それもそうか」
大鳳「マルゴーマルマル。朝です。走り込みから始めましょうか!」
提督「それもいいけど、まずはデイリーに関する書類を片付けないといけない」
大鳳「え?デイリー?」
提督「ほら、あの南西諸島行ったりするやつ」
大鳳「あ、いえ。それは知ってるんですけど、こんな朝早くから準備していたんですね…」
提督「そうでもしないと他の書類が片付かないんだよ……」
大鳳「た、たしかに……」
大鳳「提督。私もお手伝いします!」
提督「お、助かるね」
大鳳「はい!今日は秘書でもありますから」
大鳳「マルロクマルマル。提督、朝ご飯はなにが良いですか?間宮さんの和定食?」
提督「それがいいな」
大鳳「じゃあ、時間になったら一緒に食べに行きましょう!」
提督「もちろん大鳳さんの奢りだよな?」
大鳳「……え?」
提督「いやー、最近は奢らされてばっかりでさー」
大鳳「え、えぇ……私もそんなには…」
提督「はは、冗談だよ。ちゃんと自分の分くらいは払えるさ」
大鳳「本気にしちゃったじゃないですか……」
提督「そこが大鳳さんのいいとこでもあると思うな」
大鳳「え?そ、そうですか?」
提督「真面目すぎるくらいにね」
大鳳「あの……やっぱり堅苦しいですか?」
提督「平気平気。俺はいいと思う」
大鳳「そうですか……良かったぁ…」
大鳳「マルナナマルマル。体力作りは基本中の基本です」
提督「それはわかる」
大鳳「じゃあ朝ごはん前に、まず腹筋ですね!」
提督「それはわからない」
大鳳「朝食後がいいですか?」
提督「それは腹が痛くなるやつ」
大鳳「じゃあいまやりましょう!」
提督「それはやりたくない」
大鳳「提督たる者、体作りも大事ですよ?さ、提督!この大鳳がサポートしますから、ね?」
提督「全力でやります!!」
──────腹筋も終わって朝食後─────
大鳳「マルハチマルマル。朝食、おいしかったですね!」
提督「さすがは間宮さんの食堂って感じだったな」
大鳳「いつも美味しい料理を作ってくれて、ありがたいですね」
提督「こんどお礼を言っておこうか」
大鳳「そうね。お礼はぜひ、したいわね」
大鳳「さぁ、次は筋トレです!」
提督「話の流れがおかしくない!?」
大鳳「気にしたら負けです!行くわよ!」グイッ
提督「結局のとこ食後もやるなんて聞いてないよ!!」
大鳳「マルキュウマルマル。朝からいい汗かきましたね、提督」
提督「そうですね……」グデー
大鳳「これで今日の任務もばっちりできますね!」
提督「そうですね……」グデー
大鳳「どうして某番組みたいな返事しかしないの?」
提督「なんでですかね……」グデー
大鳳「提督、なに作戦前から疲れた顔してるんです?大丈夫?」
提督「いまの『大丈夫?』で疲れが飛びました!!」
大鳳「そ、そうなの?まあ良かったわ!」
提督「じゃ、始業といきますか」
大鳳「まずは書類の仕分けね」
大鳳「ヒトマルマルマル。さぁ、そろそろ本格的に作戦開始ですね!」
提督「仕分けもなんとか終わったし、こっからが本番だな」
大鳳「私もお手伝いしましょうか?」
提督「そうしてくれると助かる」
大鳳「はい!あ、でも今日は出撃は…」
提督「今日は大鳳さんはないね」
大鳳「そう。じゃあ執務の手伝いに打ち込めるわね!」
大鳳「ヒトヒトマルマル」カリカリ
提督「どうだ、執務もけっこう疲れるだろ」カリカリ
大鳳「私は普段から鍛えてるから、これくらいは平気です!」カリカリ
提督「えっ」カリカリ
大鳳「まだまだいけますよ?」カリカリカリカリッ
提督「速度が上がった……だと!?」カリカリ
提督「負けてたまるか!」カリカリカリカリッ
大鳳「良い感じですね!提督、体力付いてきたんじゃないですか?」カリカリカリカリッ
提督「ダメだ疲れた……」カリカリ
大鳳「あら、そうでもなかったかしら?」カリカリカリカリッ
大鳳「ヒトフタマルマル。お昼です」
提督「まさか昼までに書類が全部片付くなんて思ってもなかったよ…」
大鳳「頑張れば終わりますよ?執務もあそこまで飛ばせばいい運動になりますね!」
提督「この子いろいろおかしい……」
大鳳「それより、この艦隊ではどんなカレーが出るのかしら?」
提督「それは大鳳さんにかかってるだろ」
大鳳「え?わ、私にですか?」
提督「それしかないだろう」
大鳳「うーん……よくわからないけど、頑張ってみます!」
大鳳「ヒトサンマルマルです」
提督「あれ、大鳳さんカレーは?」
大鳳「え?まだですけど…遅いですね」
提督「秘書官が作ってくれるってはずなんだけど……」
大鳳「そうなんですか……………えっ?」
大鳳「えええ!?秘書官が持ち回りでカレーを作るんですか!?」
提督「あれ、聞いてなかった?」
大鳳「初耳ですよ……」
提督「ああ、上手く伝わってなかったのね…ごめんね」
大鳳「い、いえ!それより早く作らないと……行ってきます!」バタン
提督「……………」
提督「まあべつに、俺が食べたいだけでそんな決まりなんてないんだけどね」
大鳳「ヒトヨンマルマル」
大鳳「ごめんなさい、すっかり遅くなってしまって……。大鳳カレー、です…」コトッ
提督「気にしない気にしない」
大鳳「すみません……知らなかったの…」
提督「そのはずだろうな」
大鳳「はい………って、え?」
提督「あれね、俺が食べたかったから言ってみただけ」
大鳳「……えええ!?」
提督「はは、騙すみたいになってごめんな」
大鳳「ほんとですよ、もうっ……もっと早く言ってくれれば、ちゃんと間に合ったのに…」
提督「いやー、とっさに思いついたものでな」
大鳳「でも、食べたいって言ってもらって嬉しいですね…♪」
提督「急に作らせちゃって悪かったね」
大鳳「今度からは事前に言ってくださいよ?」
提督「そのつもりだよ。さ、食べようか」
大鳳「はい!」
大鳳「ヒトゴーマルマル。どうでした?私のカレー…」
提督「すごく良かったですね」
大鳳「おいしかった…の?」
提督「とっても美味しかったな。ありがとう」
大鳳「良かったぁ…!」
提督「さて、執務も終わったし出撃もないし、やることがなくなったな」
大鳳「そうね……」
提督「大鳳さんはどう過ごしたい?」
大鳳「私ですか?私は……久しぶりに、提督とのんびり過ごしたいわね」
提督「たしかに最近は忙しかったな…。よし、そうするか」
大鳳「え!?いいんですか?」
提督「息抜きがてらのんびり過ごそう」
大鳳「はい・・・!」
大鳳「ヒトロクマルマル」
提督「夕方に入るな」
大鳳「そうね…。夕方は事故が起こりやすいです。気を引き締めていきましょう!」
提督「大鳳さんが言うと妙に説得力があるのは気のせいなのかな…」
大鳳「そうですか?きっと気のせいですよ」
提督「そ、そうだよな!うん」
大鳳「ヒトナナマルマルです」
大鳳「えっ?遠くで爆音が!?」
アラ、ダイサンホウトウ…キョウハチョウシガ ワルイワネ
提督「……そんな音したか?俺にはむっちゃんの声しか聞こえないが」
大鳳「たしかに私には聞こえました…。怖い…怖いですね……」
提督「この時期は火事も多いしなぁ…」
大鳳「火の用心です……」ブルブル
提督「ん、寒い?」
大鳳「い、いえ!寒くはありません…」ブルブル
提督「…………」
──────
────────────
──────────────────
────────────────────────
大鳳「ヒトハチマルマル」
大鳳「あの、すみません。誘爆だけは怖くって……」
提督「それはもう仕方ないことさ」ナデナデ
大鳳「すみません……敵は怖くないんです!」
提督「それも戦いぶりを見てればわかるよ」ナデナデ
大鳳「提督……ありがとうございます」
提督「にしても、頭を撫でてほしいとは思いもよらなかったな」ナデナデ
大鳳「これが落ち着くんです……嫌ですか・・・?」
提督「嫌じゃないさ。落ち着くならそれでいい」ナデナデ
大鳳「…………はい♪」
大鳳「ヒトキュウマルマル。提督、そろそろ大丈夫です」
提督「ん、そうか」
大鳳「はい。ありがとうございました」
提督「なんてことはないさ。艦娘のケアも提督の仕事だ」
大鳳「…………」
提督「……大鳳さん?」
大鳳「…提督が…貴方がいるから」ギュッ
提督「……」
大鳳「今の私は安心してます。ほんとです」
提督「……それはありがたいね」
大鳳「みんなそうだと思いますよ?」
提督「そう思ってもらえてるなら、提督の役目も果たせてるのかね」
大鳳「十分です!」
大鳳「フタマルマルマル」
提督「あ、彗星かな?あれ」
大鳳「…………」
彗星「」ブーン
彗星「」グオォォオン
提督「あれ、危ないんじゃね…?」
彗星「キシュアゲテー」ブゥゥウン
提督「あ、急降下の訓練か」
大鳳「降下、か……」
提督「そういえばあの彗星も……あっ」
大鳳「あの彗星のこと?」
提督「ご、ごめん……」
大鳳「いいのよ、もう大丈夫」
大鳳「あの彗星…そうね。忘れたことはないわ」
提督「……………」
大鳳「フタヒトマルマル。もうこんな時間?」
提督「早いな。もうか」
大鳳「提督といると時間が経つのが早い。不思議…」
提督「のんびり過ごしてるはずなんだけどな」
大鳳「むしろ、作業してた時のほうが遅く感じたくらいね……」
提督「大鳳さんが執務の天才だったとは思わなかった」
大鳳「まあ、天才とまで言ってくれますか?」
提督「今まで昼前に終わったことはなかったしな」
大鳳「まあ…ふふっ」
大鳳「フタフタマルマル。提督、今日のお仕事は終了ですね」
提督「まあ仕事そのものは昼くらいには終わってたけどな」
大鳳「夜食はお酒でもどうですか?」
提督「お、いいねー。そんなにたくさんは飲まないけど」
大鳳「私もちょっとだけにしておく予定です」
提督「予定は未定」
大鳳「け、決定ですー!」
大鳳「提督と飲むのは久しぶりですね!」
提督「随分と長く空いてしまったね」
大鳳「まあでも、今夜はゆっくり飲みましょう?」
──────10分後──────
大鳳「提督?少し飛ばしすぎじゃないですか?」
大鳳「提督は飲みすぎると……あら?」
提督「Zzz…………」
大鳳「……寝てしまうんですよね」
大鳳「ふふっ、寝顔は可愛いのね…」
提督「Zzz……」
大鳳「ふふふっ♪」
大鳳「風邪をひかれては大変です。私がお布団を掛けましょう」バサッ
大鳳「…………」
大鳳「私も寒いし、ついでに添い寝もしてあげましょうか…ふふっ♪」
大鳳「おやすみなさい、提督」ギュッ
「さあ、大鳳出るわよ!タウイタウイのみんなも元気かな…」
時報担当 伊58
ゴーヤ「てーとく、お疲れさま!」
提督「ゴーヤもお疲れさん。執務室に来るとは珍しいな」
ゴーヤ「今日はゴーヤが時報担当、なのでち!」
提督「電になりきれてない感が凄いな」
ゴーヤ「マルマルマルマル。てっぺんでち!」
提督「てっぺん?」
ゴーヤ「ん!ん!」
提督「え?……ああ、アナログ時計だと頂点にある12を指すからか」
ゴーヤ「そうでち!てーとく、よくわかったね!」
提督「いやさすがに指さしてもらえば察しはつくだろ」
ゴーヤ「マルヒトマルマルです。暗いのは怖いでち……」
提督「おいおい、イムヤは『夜は私たちの世界』とか言うのに、お前は違うのかよ」
ゴーヤ「関係ないでち!怖いものは怖いの!」
「司令官、呼んだ?」
提督「お前地獄耳にもほどがあるだろ!」
イムヤ「たまたま通りかかったら呼ばれたから来てみただけよ。さすがに部屋からは聞こえないわ」
提督「この時間に執務室の前を通るのもおかしな話だけどなぁ…」
イムヤ「それで、ゴーヤは夜が怖いって?潜水艦なのに?」
提督「そうなんだよ。夜戦では恐らく一番強い潜水艦なのにな。ビシッと言ってくれよ」
ゴーヤ「…………」
イムヤ「大丈夫よ、私も怖いわ」
ゴーヤ「そうだよね!」
提督「潜水艦の絡みがちょっとわからない」
ゴーヤ「マルフタマルマル。・・・あれ?今後ろに何か……」
イク「」シーッ
提督「後ろ?」
ゴーヤ「あ、いえ、なんでもないでち!振り向かないほうがいいよ!」
提督「そう言われると振り向きたくなる」チラッ
イク「わああああ!!!」ダキッ
提督「っ!?!?」ドサッ
ゴーヤ「ああ……」
提督「イクお前なぁ……」
イク「んふー、提督は何をしても怒らないから、好きなのね!」
提督「もうこれ怒る気力もなくなるよ…」
イク「びっくりした?」
提督「したよ。お前ら潜水艦はなんでこんな夜中に執務室に集まるのか不思議でたまらないよ」
ゴーヤ「マルサンマルマル」
提督「うん」
ゴーヤ「うん」
提督「……」
ゴーヤ「……」
提督「なんでこの時間はそんな素気ないの…」
ゴーヤ「気分でち!」
ゴーヤ「マルヨンマルマル。明け方になりますよー」
提督「静かな夜ってのも珍しいけど、こんなに騒がしい夜はもっと珍しいよ…」
ゴーヤ「でも、楽しかったでしょ?」
提督「……お前これ計画しただろ」
ゴーヤ「し、しし、してないのです!ほんとなのです!」
提督「動揺して口調が変わってるぞ」
ゴーヤ「はわわわわ!」
ゴーヤ「マルゴーマルマル。朝でち!」
提督「潜水艦ズのおかげで寝れなかったよ…」
ゴーヤ「大丈夫!ゴーヤも寝てないでち!」
提督「それ全然フォローになってないからな」
ゴーヤ「でも、潜水艦ズって言っても、しおいちゃんとハチは来てないよ?」
提督「あの絡みにあの二人まで参入したらなんかショック受けるよ……」
ゴーヤ「マルロクマルマル」
提督「日が出てきたな」
ゴーヤ「明るすぎるのも苦手でち……」
提督「目が痛くなるよな」
ゴーヤ「んー…太陽が眩しいよぉ……」
提督「所々で可愛いとこはあるんだよなぁ、おまえ」
ゴーヤ「なんか言ったでち?」
提督「なーんも」
ゴーヤ「マルナナマルマル。何はともあれ、朝ごはんでち!」
提督「寝れなかったけどまあ仕方ない。てかそんなことはもう慣れたな」
ゴーヤ「その意気だよ、てーとく!」
提督「寝られない原因はゴーヤにあるんだが」
ゴーヤ「それはもう過ぎたことでち!」
提督「それは本人が言う言葉じゃないと思う…」
ゴーヤ「ほら、朝ごはんできたよ!」コトッ
提督「んー、気が利くところは憎めない…」
ゴーヤ「ゴーヤを使って作ったゴーヤのゴーヤーチャンプル、ゴーヤと一緒に食べよ?」
提督「なんかもう紛らわしいな」
ゴーヤ「マルハチマルマル。今日はどんな一日になるのかな?」
提督「とりあえず出だしは最悪でしたね」
ゴーヤ「あれ?なんか聞こえるでち」
提督「ん?」
ハチ「アハト」
ビス「違うわ、Achtよ!」
ハチ「アハト!」
ビス「Acht!」
ハチ「アート!」
ビス「Ac……あら?いまあなた『アート』って聞こえたわよ?」
ハチ「そ、そうですか?」
ビス「もっと気を引き締めなさい!Acht!」
ハチ「Acht!」
ビス「いいじゃない!その調子よ」
提督「……はっちゃんも大変だな」
ゴーヤ「あれは、ハチから頼み込んだ練習でち」
提督「そ、そうなんだ……」
ゴーヤ「マルキューマルマル。9時です」
提督「そうだな」
ゴーヤ「てーとく、ゴーヤと一緒にお買い物いこっ?」
提督「……意外とあざといな」
ゴーヤ「せっかくの秘書なんだから、てーとくとどこか行きたいでち!」
提督「まあいっか。特に予定もないしな」
ゴーヤ「今日は、ゴーヤどこに連れて行ってくれるの?」
提督「そうだなー……どっか行きたいとこあるか?」
ゴーヤ「んー…ちょっと考えるでち!」
ゴーヤ「てーとく、ヒトマルマルマル!」
提督「おう。そろそろ決まったかな?」
ゴーヤ「うん!」
提督「どこに行きたい?」
ゴーヤ「ゴーヤ、そろそろ新しい水着欲しいなぁ」
提督「あー、たしかにそれも随分長いしな」
ゴーヤ「いいの!?」
提督「でもそれ、俺がついて行ったら色々と誤解されそうなんだが」
ゴーヤ「大丈夫でち!親子ってことにすれば違和感はないでち!」
提督「俺からすれば違和感しかないな…」
─────お店にて─────
ゴーヤ「ヒトヒトマルマル」
提督「気になるのはあったか?」
ゴーヤ「てーとく、こっちのひらひらの水着も着てみたいよぉ」
店員「いらっしゃいませー」
ゴーヤ「あ!店員さんこんにちは!」
店員「こんにちは。今日はお父さんと一緒に?」
ゴーヤ「うん!」
提督「えぇ……」
店員「あら、いいですね。ごゆっくりどうぞ!」スタスタ
ゴーヤ「はい!でち!」
提督(なんであの子あんなに乗り気なの……)
ゴーヤ「ヒトフタマルマルでち。一回帰ろ?」
提督「ん、どうかしたの?」
ゴーヤ「お腹が空いたでち……」
提督「ああ、そういうことか。じゃあなんか食べに帰るかね」
ゴーヤ「うん!お昼食べてから、もっかい水着見るー!」
─────昼食後再びお店─────
ゴーヤ「ヒトサンマルマル。えーっと、あれもいいしこれもいいし、でもあっちも……」
提督「…………」コクッ
ゴーヤ「てーとくはどれがいいと思う?」
提督「…………」コクッ
ゴーヤ「あー!てーとく、うたた寝してない?」
提督「…………はっ!」
提督「してないぞ!してない!」
ゴーヤ「ほんとにー?じゃあゴーヤが買って欲しい水着はどれでち?」
提督「あーそれね!これだろ、これ!」
ゴーヤ「………違うでち」
提督「えっ…じゃあこっちか!」
ゴーヤ「それも違う!」
提督「えっと……」
ゴーヤ「……ほんとは、まだ決めてないよ?」
提督「…………えっ?」
ゴーヤ「てーとく、やっぱりうたた寝してたー!」
提督「申し訳ございませんでしたっ!!」ドゲザ
ゴーヤ「むぅ……」
ゴーヤ「ヒトヨンマルマル」
提督「なんかいっぱい買わされました…」ドッサリ
ゴーヤ「これで水着でも可愛く見えるね!」
提督「これだけあって全部外れだったら凄いぞ……」
ゴーヤ「よーし!午後もがんばっていこー♪」
提督「はぁ……」
ゴーヤ「ヒトゴーマルマル。おやつ食べよ♪」
提督「結局買ったのは着ないのな」
ゴーヤ「それは予備でち!」
提督「予備でこんなに買わされるとはどういう了見か」
ゴーヤ「いいのいいの!潜水艦は大変なんだよ?」
提督「うちの鎮守府はオリョクルとかしないんだけどなぁ…」
ゴーヤ「と、とにかく、買ったものは仕方ないでち!」
提督「ますます無駄金な気がしてきた」
ゴーヤ「ヒトロクマルマル。夕方になったよ」
提督「昨夜は寝れず昼は大量の買い物をさせられ、災難な日だった…」
ゴーヤ「そんなこと言わないで。まだ一日終わってないよ?」
提督「夜は大量の書類だ…」
ゴーヤ「んー……あ!そうでち!」
提督「どうしたゴーヤよ……」
ゴーヤ「てーとく、書類ってそんなに多いの?」
提督「見ての通りだ…」
ゴーヤ「じゃ、潜水艦みんなで手伝うでち!」
提督「…………え?」
ゴーヤ「実はね、今日買ってもらった水着、他のみんなのもあったんだ」
提督「あー、どうりで種類が違いっぱなしなわけだ」
ゴーヤ「ごめんね?だから、みんなで手伝うでち!」
提督「早くは終わりそうだけど…いいのか?」
ゴーヤ「うん!呼んでくるね!」バタン
提督「…………」
提督「まあよくネタにはされるが、普通に可愛いんだよね、ゴーヤって」
ゴーヤ「ヒトナナマルマル。日が落ちてきたでち」
しおい「提督!お手伝いに来ましたー!」
イムヤ「司令官、手伝うから頑張って!」
ハチ「提督は少し、休んでてください」
イク「夜に遊んでもらったから、お礼にお手伝いに来たのね!」
提督「おお!みんなありがとう!これならすぐに終わりそうだ」
ゴーヤ「みんな、作業開始でち!」カリカリ
ハチ「Feuer!」カリカリ
イムヤ「わぁお!大漁大漁!」カリカリ
しおい「提督、すぐ終わらせるからね!」カリカリ
提督「みんなありがとう!これなら本当にすぐ終わりそうだな」
イク「イクの魚雷攻撃、いっきますなのね!」ドーン
提督「おいやめろ書類が吹き飛ぶ!……って、あれ?」
イク「ふぅ…。作業が終わったのね」
提督「なんなのあの魚雷……」
イク「イク、大金星なのね。提督のご褒美、期待しちゃうなのね~!」
潜水艦ズ『イクちゃん凄い……』
ゴーヤ「ヒトハチマルマル。夜の海って、怖いでち…」
提督「まだ言ってたのか。俺はもうイクのほうが怖いよ…」
ゴーヤ「あれはもう、単純に凄いでち」
提督「ゴーヤとかはあれできないの?」
ゴーヤ「あれは真似できないでち…。でも、ハチの魚雷が本を読み上げてたのは見たことあるでち」
提督「あれそんな機能あったの!?」
ゴーヤ「でも、『ぐーてん』とか『あはと』とか、よくわからないこと喋ってたでち」
提督「魚雷もドイツかぶれしてるの……」
ゴーヤ「ヒトキューマルマル。たまには勉強でもしよっかなぁ」
提督「なんの勉強?」
ゴーヤ「んー、他の国の言葉でち!」
提督「ほう。どこに興味があるんだ?」
ゴーヤ「やっぱドイツ語かなぁ?」
ヴェル「ロシア語もいいと思うよ」
提督「お、帰投したのね。おかえり」
ヴェル「ただいま、司令官」
ヴェル「ロシア語なら、私がいつでも教えてあげるさ」
ゴーヤ「ほんとに!?じゃあロシア語にするでち!」
提督「こいつ特に目的ないだろ…」
ゴーヤ「フタマルマルマル。遅めの晩ご飯でちか?」
提督「そうなるな。まあたまには悪くないさ」
ゴーヤ「自分で作ったんでち?」
提督「いや、これはさっきヴェルちゃんが作ってくれたんだ」
ゴーヤ「へぇ~…ロシア料理?」
提督「まあね。なんにしろ美味い」
ゴーヤ「美味しいの?ゴーヤも一緒に食べるでち!」
提督「ん、たしか向こうにまだ残ってたな」
ゴーヤ「わかったでち!持ってくるね!」
ゴーヤ「フタヒトマルマル。デザートはアイスがいいなぁ」
提督「まだ食えるのか・・・?」
ゴーヤ「デザートは別腹ってやつでち!間宮さん、カモーン!」
金剛「ヘーイ間宮!何か食べたいネー!Come on!」
間宮「はーい、今行きますよ!」
ゴーヤ「は、発音で負けたでち……」
ゴーヤ「英語の勉強するもん!」
提督「ロシアとドイツはどうした」
ゴーヤ「一番汎用性があるのが英語でち!」
提督「突然正論を言うんだな」
ゴーヤ「フタフタマルマル。ゴーヤ寝ますぅ…」
提督「おい唐突だな」
ゴーヤ「もう今日は眠いでち……てーとく、おやすみなさぁい…」
提督「時報もまだ残ってるんだが」
ゴーヤ「……Zzz…………」
提督「……やっぱ可愛いよな、うん」
ゴーヤ「フタサンマルマル…うみゅぅ……」
提督「なんだよ、ゴーヤも酒匂サイドかよ」
提督「…………」
提督「寝顔は……今日はいいか」
提督「これは目に焼き付けておこう」
提督「その代わり隣に潜り込んで朝起きた時の反応を楽しむか」
提督「おやすみなさい!」バサッ
ヴェル「しれい………あれ、寝ちゃってるのか」
ヴェル「…………」
ヴェル「……私なら…潜り込んでも平気だよね」
ヴェル「失礼するよ、司令官」バサッ
ヴェル「………おやすみなさい…♪」
─────翌朝─────
ゴーヤ「きゃあああああああああああ!!!!!」
提督「うわああああああああああああ!!!!!」
ゴーヤ「な、なんでてーとくが!?」
提督「ヴェルちゃん昨日いた!?」
ヴェル「……二人とも、大丈夫かい?」
「ゴーヤ、潜りまーす!」
時報担当 瑞鳳
提督「……瑞鳳」
瑞鳳「提督、なぁに?」
提督「いつまでそこに居るつもりなんだ」
瑞鳳「んー、しばらく、かな」
提督「しばらくって…。もう随分長いだろ」
瑞鳳「んー、そうかな?」
提督「昼からずっと膝の上じゃねーか」
瑞鳳「気にしない気にしない♪」
瑞鳳「ん!日付が変わったよ、提督」
提督「何時間いるんだよ…」
瑞鳳「そんなに嫌だった・・・?」
提督「…嫌じゃないけど」
瑞鳳「やった!お礼になるかわからないけど、今日は私が時報をするね!」
瑞鳳「現在時刻、マルヒトマルマル」
提督「ん、ありがとう」
瑞鳳「時報ですから!」
提督「まあそうだな」
瑞鳳「午前1時とかのほうがいい?」
提督「いや、そのままがいいな」
瑞鳳「時刻はマルフタマルマル。眠くない?」
提督「ありがとう。大丈夫だよ」
瑞鳳「じゃあ、まだいても平気よね!」
提督「はぁ……もうお好きにどうぞ」
瑞鳳「許可もらったら、いるしかないじゃない。ね?」
提督「俺に聞くなよ…」
瑞鳳「提督、マルサンマルマルになりました」
提督「ん、早いな」
瑞鳳「お仕事終わった?」
提督「誰かさんのせいで終わらない」
瑞鳳「えー?誰に邪魔されてるのー?」
提督「…………」
瑞鳳「ふふーん♪」
提督「絶対わざとだろ」
瑞鳳「時刻は、マルヨンマルマルよ。朝じゃないのぉ……」
提督「結局寝かせてくれなかったなぁ?」
瑞鳳「あれ、寝たかった?」
提督「寝たいわけじゃなかったけど、寝たくても寝れなかったなぁ?」
瑞鳳「そ、そうなの?それは災難だったわねー」ボウヨミ
提督「随分と態度が大きいのですね瑞鳳さん?」グニー
瑞鳳「あうー…ほっぺひっぱららいれー」
提督「自業自得だ」
瑞鳳「は、反省してます……」
提督「ほんとに反省してるか?」ワシャワシャー
瑞鳳「してるってば!だから髪をぐしゃぐしゃするのやめてー!」
瑞鳳「現在時刻…マルゴーマルマル…。とうとう朝になっちゃった」
提督「もう寝ようという気すら失せたな」
瑞鳳「こんなに明るいと、さすがに寝れないわね…」
提督「俺も暗くないと寝れないかなぁ」
瑞鳳「…………提督、寝たい?」スタッ
提督「どうした急に立ち上がって。もう眠くないけども」
瑞鳳「むぅ……嘘でも寝たいって言ってみて!」
提督「何をする気だ・・・?」
瑞鳳「いいからいいから!」
提督「んー……寝たい」
瑞鳳「───────はい!寝ていいよ?」ギュッ
提督「…………なんの真似かな瑞鳳さん」
瑞鳳「暗くないと寝れないんでしょ?だから抱き付いて顔を隠してあげてるの!」
提督「なんかもう、これはこれで色々と寝れないよ…」
瑞鳳「マルロクマルマル…おもいっきり朝よ?」
提督「そ、そうだな…」
瑞鳳「…………」
提督「…………」
瑞鳳「あの…さっきは……ごめんなさい」ペコリ
提督「俺もちょっと調子に乗りましたごめんなさい」ペコリ
瑞鳳「……」
提督「……」
瑞鳳「……どうだった?」
提督「幸せでした」
瑞鳳「でも、あのあとまさか抱きしめ返されるとはねー…ふふっ♪」
瑞鳳「マルナナマルマルです。提督、朝ご飯作って?」
提督(この子ちょっとあざとすぎるんじゃないかな……)
瑞鳳「提督ー?」
提督「ん、ああごめん」
瑞鳳「大丈夫?」
提督「大丈夫だよ。簡単にしか作れないけど、なんか食べたいのあるか?」
瑞鳳「んー…じゃあ提督の卵焼き!食べてみたいなぁ」
提督「卵焼きか。了解した」
瑞鳳「待ってるね!」
瑞鳳「時刻は、マルハチマルマルです」
瑞鳳「卵焼き、ありがとね!」
提督「ごめんな、ちょっと焦げてしまった」
瑞鳳「よくあることね。今度コツを教えてあげよっか?」
提督「そんな頻繁に作らないけど……」
瑞鳳「なに言ってるの?頻繁に、私に作ってよね!」
提督「そんなに食べたいのか?」
瑞鳳「うん!提督の作ったものだもの」
瑞鳳「現在時刻、マルキュウマルマルよ。一応直掩機飛ばしとく?」
提督「そうしてくれ。警戒は重要だしな」
瑞鳳「任せて!この前もらった烈風って子、試しに飛ばしてもいいかなぁ?」
提督「まだ使ってなかったのか」
瑞鳳「うーん…脚に可愛げがないのよね……」
提督「どんな基準…」
瑞鳳「とりあえず、引込脚は問答無用で却下です!飛行中に脚を畳んじゃうのは良くないわね」
提督「それって基本的に新鋭機は受け付けないってことなんじゃ…」
瑞鳳「あ、でもこの子は使ってみるね?翼がかっこいいじゃない!」
提督「瑞鳳、逆ガル翼に目覚めるの巻」
瑞鳳「ヒトマルマルマルです。さあ、お仕事お仕事」
提督「今日はお前は出撃ないぞ」
瑞鳳「あ、そうなの?」
提督「昨日から執務ができない原因を作った罰として、今日はずっと執務の手伝いな」
瑞鳳「え!?なにそれ!?」
提督「自業自得ってやつね」
瑞鳳「つまり、今日はずっと提督と一緒ってこと……?」
提督「それも自業自得だ」
瑞鳳「ご褒美じゃない!」
提督「…………はい?」
瑞鳳「ずっと座ってた甲斐があったなー♪」
提督(どこまであざといの……)
瑞鳳「ヒトヒトマルマル。お弁当食べちゃう?」
提督「まだ始めて1時間しか経ってないぞ」
瑞鳳「でも食べたいの~」
提督「もう少し我慢してくれ」
瑞鳳「えー……ダメ?」
提督「…………」
提督「はぁ…。そこで色目は反則だろ」
瑞鳳「やったね。提督が釣れましたー♪」
提督「でももう少しやってからね。今は区切りが悪いし」
瑞鳳「そこは釣れてほしかったんだけどなぁ~……まあいっか」
瑞鳳「提督、約束だよ?」
提督「そんなに楽しみなのか?」
瑞鳳「もちろん!秘書なんだし、楽しまないとね!」
瑞鳳「お昼です!提督、お弁当広げましょ♪」
提督「そうするかねー」
瑞鳳「うん!お昼です!私の作った玉子焼き、食べるぅ?」
提督「食べりゅううううう!!!」
瑞鳳「あ、待って!」
提督「取り乱しました」
瑞鳳「そうじゃなくって……はい、あーん♪」
提督「………」
瑞鳳「……嫌、だったかな・・・?」
提督「…そうじゃないよ。なんでもない」
瑞鳳「そう?じゃあ、あーん?」
提督「あー……ん…美味い!」
瑞鳳「ほんとに!?良かったぁ…」
提督(なんか今日はやたらと積極的なのね。まあこういうのもいいか)
瑞鳳「午後の部です!ヒトサンマルマルよ」
提督「じゃ、飯も食ったし始めますかね」
瑞鳳「おー!」ポスッ
提督「あの………」
瑞鳳「どうしたの?提督?」
提督「あたかも当たり前のように膝に座るのはなんなのか」
瑞鳳「だって、ここ椅子がないでしょ?疲れちゃうのよ」
提督「あーそうか。ごめんな、出してくるよ」
瑞鳳「あ、出さなくていいの!」
提督「もうそこに居たいだけでしょうに……」
瑞鳳「その通り、です♪」
瑞鳳「時刻は、ヒトヨンマルマルになりました」
提督「今日はちゃんと手伝ってくれるのね」
瑞鳳「当たり前よ。昨日のはちょっと反省してるし……」
提督「ちょっとだと?」グニー
瑞鳳「あー痛いってば!」
提督「あ、ごめんね」
瑞鳳「もう……膝から降りちゃうぞー?」
提督「どうぞご自由に」
瑞鳳「ほ、本気で言ってるの?」
提督「さあ?」
瑞鳳「…………」
瑞鳳「もう少し、ここに居させて…?」
提督「…どうぞご自由に」
瑞鳳「ヒトゴーマルマルよ」
提督「ん、区切りがいいな。ちょっと休むか」
瑞鳳「おやつの時間ね。スイーツ食べたいなぁー…」チラッ
提督「……間宮さんにもらってくりゃいいだろう」
瑞鳳「んー?」
提督「…………」
瑞鳳「ねぇ?提督っ♪」
提督「…………奢らないからな」
瑞鳳「ふーん?こんなところに間宮さんの食券があるのね?」
提督「あ、それ俺の─────」
瑞鳳「スイーツ、食べたいなぁー…?」
提督「………何が欲しい」
瑞鳳「そうこなくっちゃね♪」
────────────
─────────
──────
───
瑞鳳「──────あーんっ」
瑞鳳「ん~!美味しいね、提督?」
提督「食ってないから知らんがな」
瑞鳳「あ、食べてないのー?」
提督「…嫌味か?」
瑞鳳「んー、食べてないならあげてもいいけど……」
瑞鳳「あとでちょっと休憩させてね?」
提督「今のこれはなんなの……」
瑞鳳「時刻は、ヒトロク、マルマルですっ」
提督「で、しまってた炬燵を引っ張ってきてどうしようと」
瑞鳳「このほうが暖かくお仕事できるでしょ?」
提督「まあそれはそうだけども…」
提督「隣に座って頭を預けてきてるのはなんなのさ」
瑞鳳「んー、寝る準備?」
提督「…………はい?」
瑞鳳「おやすみなさーい!」
提督「おいちょっと待て」
瑞鳳「………Zzz……♪」
提督「…艦娘って、寝る速度がのび太レベルだと思う」
提督「…………」
提督「まあ膝の上に居られるよりは仕事しやすいか」
提督「ヒトナナマルマル、か」
提督「そろそろ夜だな」
瑞鳳「Zzz…………」
提督「……これじゃ夕食の準備もできやしない」
提督「それにしても、こんな大胆だっけなー、瑞鳳って」
提督「練度が上がるとこうなるものなのか?」
提督「…………」
提督「いい寝顔だ」ナデナデ
提督「日が沈んできたな。時間は……ヒトハチマルマルか」
提督「まだ起きないよなぁ」
瑞鳳「……てー…とく……ぅ…格納庫は……もうっ…」ギュッ
提督「一体どんな夢を見てるのやら…」
瑞鳳「わっ!?」
提督「わっ!?」
瑞鳳「提督、私なにか変なことしてない!?」
提督「もう今の起き方が十分に変だよ!!」
瑞鳳「それ以外は変なとこない!?」
提督「寝癖が可愛いくらいだよ!!」
瑞鳳「よかったぁ……」
瑞鳳「でも、ああいうのも……ありかも…?」
提督「どんな夢見てたの…」
瑞鳳「んー、それはちょっと……秘密かなぁ…」
提督「…まあいいけど」
瑞鳳「ふふふっ……♪」
瑞鳳「ヒトマルマ……あー、つまり、7時よ。日が暮れたわね」
提督「上手く誤魔化したなおい」
瑞鳳「あ、バレちゃった?」
提督「途中で止めるとそりゃバレるだろ」
瑞鳳「あははー……言い直す?」
提督「いや、別にいいよ。時間さえわかればな」
瑞鳳「そう?」
提督「言い直したかったらどっちでもいいけど」
瑞鳳「んー、じゃあ…………」
瑞鳳「言い直さない!」
提督「予想はしてた」
瑞鳳「フタマルマルマル。お腹空かない?」
提督「今日はそんなに空かないかな」
瑞鳳「んー、私もなのよね…」
提督「お前は寝てたしな」
瑞鳳「でも夢ではかなり体力を消耗した…かも?」
提督「いったいどんな夢だよ…」
瑞鳳「それは秘密よ。恥ずかしいし……」
提督「…………」
瑞鳳「……あ、察しちゃった?」
提督「もう聞かないほうがいい気がする」
瑞鳳「そう?」
提督「聞いてほしいのか?」
瑞鳳「聞かれても答えないからねっ!」
瑞鳳「現在時刻、フタヒトマルマルよ。半舷上陸で呑みに行っちゃう?」
提督「呑みかぁ……まあそれくらいはいいかな」
瑞鳳「ほんとに!?じゃあ早速行こ?」
提督「てかお前も半舷上陸って使うのな」
瑞鳳「え、他にもいるの?」
提督「大和さんとかね。用途がわからなくてちょっと聞いてみたんだ」
瑞鳳「そうなんだぁ…。じゃあ意味はわかってるわよね、提督?」
提督「……お前も大和さんと同じ使い方か」
瑞鳳「ふふっ…たぶんね♪」
瑞鳳「それより早く呑みに行こうよぉ~」
提督「呑む前から酔ったみたいな声してるな」
瑞鳳「提督、フタフタマルマルです。今日も疲れたね~」
提督「俺はそんなに疲れてないぞ」
瑞鳳「え?疲れてないのぉ?」
提督「少し呑んで疲れも飛んだし」
瑞鳳「でも……私がたくさん甘えちゃって、疲れたんじゃない?」
提督「んー、それは……」
瑞鳳「……すみません…」
提督「それは疲れてないな」
瑞鳳「…………え?」
提督「久しぶりに瑞鳳と過ごせて、なんだかんだで楽しかったしね」
瑞鳳「ほ、ほんとに?」
提督「……まあ、昨日の昼から随分と座りっぱなしにされてたのは堪えたけど」
瑞鳳「ほんとに疲れてないの・・・?」
提督「疲れてないさ」
瑞鳳「提督………!」
提督「急に手を握ってどうかした?」
瑞鳳「ううん!早く帰ろ?」
提督「……そうするか」
瑞鳳「うん!」
瑞鳳「現在時刻、フタサンマルマル。ふぁぁぁ…早く寝て、早く起きようよ……」
提督「…寝ようにも寝れないぞこれ」
瑞鳳「ん~?……あ、ごめんなさーい…」スタッ
提督「椅子を出せば膝は解放されるのかと思ったが、どうやらそうじゃないらしい」
瑞鳳「だって、椅子より心地いいんだもん…」
提督「それはないだろ……」
瑞鳳「まあいいや!もう私は寝るね」
提督「おう。おやすみ」
瑞鳳「お布団で待ってるね?」
提督「……はい?」
瑞鳳「ん、暖かいね、このお布団……」
提督「ごく普通のはずなんだが。てか部屋でだな……」
瑞鳳「ここがいいの~…おやすみなさーい」バサッ
提督「えぇ……」
瑞鳳「…………」
提督「俺はどこで寝ろと…」
瑞鳳「言ったでしょ?待ってるからね?」
提督「…………」
憲兵「ドーモ、提督=サン」
提督「相変わらず神出鬼没ですな。これで布団に入るのはアウトだな、さすがに」
憲兵「…………」
提督「なんか反応を……」
憲兵「コレハ仕方ナイデス」
提督「えっ」
憲兵「……貴官ノ幸運ヲ祈ル」ビシッ
提督「なんか敬礼して出てったんだが…」
瑞鳳「てーとくぅ、早く来て?寒いよぉ……」
提督「……そう。添い寝だけ。添い寝だけだ」
提督「寝るぞ瑞鳳」バサッ
瑞鳳「うん…!」
瑞鳳「おやすみなさい、提督」ギュッ
提督「…………」
瑞鳳「…Zzz………」
提督「もう考えたらダメだな。寝よう」
瑞鳳「……………ふふっ♪」
「航空母艦、瑞鳳。抜錨しちゃいます!」
時報担当 レーベレヒト・マース
レーベ「提督、ここはどうしたらいいかな?」
提督「そこは……あー、うん。そのままでいいや」
レーベ「わかった」
提督「こんな夜遅くまで手伝ってくれてありがとうね」
レーベ「平気さ。提督がわざわざ頼んでくれたんだ、しっかりやらないとね」
提督「お前ならやってくれそうかなーって思ったんだ。ごめんな」
レーベ「そう思ってもらえて嬉しいよ!」
────────────
─────────
──────
───
提督「ふわぁ~…やっと終わった」
レーベ「提督、お疲れさま」
提督「手伝ってくれてありがとな」
レーベ「うん!」
提督「にしても、もう日付が変わってしまう時間か」
レーベ「そうだね……あ、変わった」
レーベ「零時。新しい一日だね」
提督「付き合わせちゃって悪かったな。戻っていいぞ」
レーベ「ううん。今日はボクが時報だよ」
提督「……あ、そうだったのね」
レーベ「1時。そろそろ眠いかな」
提督「そうだろうな。もう休んだほうがいい」
レーベ「で、でも、提督はどうするの?」
提督「もっと時間かかると思っててね。さっきコーヒーを飲んだんだ」
レーベ「あー…だからそんなに目が冴えてるんだね」
提督「お前も飲むか?」
レーベ「ボクはちょっと……コーヒーは苦手、かな…」
レーベ「2時。マックスはちゃんとやってるかな?」
提督「いや、さすがに寝たんじゃないか?」
レーベ「マックスはまだ起きてると思うよ。けっこう夜更かししてるんだ」
提督「でも今日はさすがに、レーベがいないから寝てるんじゃないかな」
レーベ「あ、ボク部屋ではいつも寝てるよ。今日は珍しく起きてるんだ」
提督「マックスあの子なにやってんだろう……」
レーベ「3時…んぁ~……」
提督「…大丈夫か?」
レーベ「うーん…提督は眠くないの?」
提督「眠くないな」
レーベ「そうなんだ、凄いね…」
提督「コーヒーがまだ効いてるみたいだしね」
レーベ「……ボクも飲んでみようかな」
提督「ん、苦手じゃなかったのか?」
レーベ「苦手だけど…このままだと寝ちゃいそうだし、飲んでみるよ」
提督「─────おい大丈夫か?」
レーベ「な、なんとか……」
提督「少し薄めればよかったのに」
レーベ「後悔してる……」
レーベ「4時。朝になるね」
提督「眠気が飛んだ頃に朝を迎えるとはな」
レーベ「ボクはコーヒーの苦さだけでだいぶ目が覚めたよ…」
提督「そう考えると、時雨さんって凄いな」
レーベ「なんで?」
提督「あの子普通にコーヒー振舞ってくれたし、たぶん自分も飲んでるぞ」
レーベ「大人なんだね…」
レーベ「5時。朝だね、新しい任務をこなしてゆこう」
提督「眠くはないか?」
レーベ「大丈夫、平気さ」
提督「まあそうか」
レーベ「それより、今日のボクの予定はどうなってるの?」
提督「ん、今日は……デイリー任務で出撃があるな」
レーベ「デイリー…あの任務ね。わかったよ」
提督「今日はマックスも一緒だ。頼んだよ」
レーベ「うん!」
提督「マックスも一緒と聞くと本当に嬉しそうなのね」
レーベ「マックスは相棒だからね」
提督(大井とかの路線じゃないよな・・・?)
レーベ「Guten Morgen!6時。提督、おはようございます」
提督「畏まって言ってくれたところ悪いが、俺もお前も寝てないはずだぞ」
レーベ「あ、ごめん…ついクセでね……」
提督「どんなクセ……あれ、てか毎日言ってくれてたっけ?」
レーベ「え?あ、ううん!ち、ちょっとね!」
提督「……?おかしな奴だな」
レーベ(いつでも言えるように練習してるなんて、とても言えないよ……)
レーベ「7時。朝食の時間だね」
提督「眠くはないが腹は減るな」
レーベ「そりゃそうさ、当たり前だよ」
提督「今日はなに食べようかなー…」
レーベ「提督、どこか食べに行くの?」
提督「ん、いや。食堂に行くか迷ってるんだ」
レーベ「それなら心配いらないよ。今日はボクが用意するね」
提督「お!それはありがたいな」
レーベ「じゃあ、用意するから待ってて!」バタン
提督「…………」
提督「エプロン姿のレーベ……これだ・・・!」
提督「いいねぇ、痺れるねぇ!」
───────朝食後───────
レーベ「8時。ニュルンベルガーソーセージはどうでした?美味しかった?」
提督「すごく美味しかった。意外に料理もできるのね」
レーベ「ほんとに!?………あれ、意外ってどういうこと…?」
提督「そ、それは……言葉の綾ってやつ?」
レーベ「…………」
提督「……レーベ?」
レーベ「ボクってやっぱり、男の子に見えるのかな…」
提督「見える」
レーベ「即答しないでよ!」
レーベ「9時」
提督「…さっきはごめんな」
レーベ「いいさ、もう慣れてるよ……」
レーベ「それより、そろそろ本格活動だね」
提督「だな。そろそろ始めるかね」
レーベ「ボクは出撃だよね?」
提督「あと一時間はあるけどな」
レーベ「そっか。じゃあ執務を手伝うよ」
提督「昨晩から悪いね…」
レーベ「10時。そろそろ出撃だね」
提督「あ、もうそんな時間か」
レーベ「うん。デイリー任務は任せて!」
提督「そんな危険な海域じゃないけど、頼んだぞ」
レーベ「うん。……でも、機雷には気を付けないと…」
提督「機雷なんて今までには確認されてないけどな」
レーベ「でも……あ、もしかして今日って、味方の爆撃機とかいる…?」
提督「爆撃機はいないな。あきつ丸に紫電改二ガン積みして同行はさせるけど」
レーベ「爆装……してる?」
提督「紫電か?爆装はしてないぞ」
レーベ「良かった……」
───────出撃中───────
レーベ「11時」
ビス「それにしても、ドイツ艦のみんなで出撃は初めてじゃない?」
マックス「そうね」
プリン「ずっとやってみたかったの!」
ハチ「実現しましたね」
あきつ「ハチどのが完全に溶け込んでるであります……」
あきつ「む?紫電によると、船団を発見!とのことであります」
レーベ「あれは……きっと漁船だ」
ハチ「そう?」
レーベ「漁船と敵艦は間違えないよ、うん」
あきつ「本当でありますか?」
レーベ「もちろん!」
あきつ「…………あれは補給艦であります」
マックス「間違いなく敵艦ね」
レーベ「」
ビス「ま、まあ…そういうこともあるわね!」
レーベ「提督ただいま」
提督「おかえり。大丈夫だったか?」
レーベ「敵艦と漁船を間違えたよ……」
提督「そ、そうか…」
レーベ「まあもう過ぎたことだね。12時。お昼です」
提督「何か食べに行く?」
レーベ「大丈夫。作るよ」
提督「そう?」
レーベ「お昼はなにがいいかな、提督」
提督「んー…レーベの食べたいものでいいよ」
レーベ「僕はお腹が空いてないんだよね…」
提督「……実は俺もだ」
レーベ「え……じゃあお昼はなしでもいい?」
提督「大丈夫だ。なんとかなるだろ」
レーベ「13時。マックスは無事にやってるかな、ちょっと心配」
マックス「提督、報告書を持ってきたわ」ガチャ
提督「ん、タイミングがいいな。レーベが心配してたところだぞ」
マックス「そう…。私は平気」
レーベ「そっか、よかった」
マックス「今日も特に変わりなくこなしました」
提督「それが一番だ。ご苦労さん」
マックス「そうね。失礼するわ」バタン
レーベ「…………」
提督「…………」
レーベ「マックスも相変わらずだね…」
提督「だがそれがいい」
レーベ「14時です。演習も大事だよね、北海でも演習したよ、うん」
提督「演習は何気に経験値貰えるし美味しい」
レーベ「でも、ボクはここに来てからはあまり参加してないかな」
提督「遠征やってからの改造で、いきなり出撃組だしな」
レーベ「ボクは演習はしなくていいの?」
提督「演習したいか?」
レーベ「……出撃でゆっくり練度が上がるのもいいかな」
提督「じゃあこのままでいこう」
レーベ「15時」
提督「そういや、レーベってなんか海上でけっこう危なっかしい感じあるよね」
レーベ「そ、そうかな?」
提督「凌波性…っていうのかな」
レーベ「凌波性の話……うーん、どうなんだろう…」
提督「まあよくやってくれてるし平気か」
レーベ「うーん…たぶん……」
提督「ちょっと気になったんだ。転覆とかしなけりゃいいさ」
レーベ「16時!」
提督「随分と元気だな。寝てないのに大丈夫なのか?」
レーベ「大丈夫、やれてるよ!」
提督「……コーヒーが効いた?」
レーベ「さ、さすがにここまでは持たないんじゃないかな…」
提督「俺もさすがに効力が切れてるんだろうな……」
レーベ「17時。少し暗くなってきたね、うん」
提督「暗くなってきたか…ダメだ、俺が眠い……」
レーベ「提督、大丈夫?」
提督「んー……なんとか…」
レーベ「でも眠そう…ちょっと寝たら?」
提督「そんな、悪いよ。またコーヒーでも飲んで…」
レーベ「それは体に悪いよ」
提督「…………ごめん」バサッ
レーベ「ボクは平気さ。おやすみ、提督」
レーベ「18時」
レーベ「夕食は何にしましょう……って」
レーベ「そっか、提督は寝てるんだったね」
レーベ「お昼は食べてないし、お腹空いてるよね」
レーベ「それを見越してアイスバイン煮込んでるけど…提督は喜んでくれるかな?」
レーベ「……とにかく準備しよう」バタン
提督「……………」
提督「目が覚めた。レーベおはよう……って」
提督「あれ、どこ行ったんだろ」
提督「…ん?なんかいい匂いがするな」
提督「あー、ご飯作ってくれてるのか。悪いね…」
レーベ「よし、と」ガチャ
提督「ん、レーベ。おはよう」
レーベ「あ、提督!ちょうどいまご飯ができたんだ」
提督「匂いでわかったよ。ありがとな」
レーベ「ううん。いま持ってくるよ」
───
──────
─────────
────────────
レーベ「ザワークラウトにアイスバイン、どう?提督、美味しい?」
提督「これ大変だったろうに」
レーベ「お昼食べてなくてお腹空くだろうしね。ちょっと頑張ったんだ」
提督「ありがとう!とっても美味しいよ」
レーベ「ほんとに?頑張った甲斐があるよ…!」
提督「あれ、てか時報は?」
レーベ「あ、19時です」
レーベ「20時。お腹一杯になったね、うん」
提督「レーベが頑張ってくれたからな」
レーベ「そんなに褒めなくてもいいよ、提督」
提督「これくらいは当たり前の範囲だ」
レーベ「……褒められるのもいいけど、ひとついい?」
提督「ん、いいよ」
レーベ「褒めるのも、行動で示してほしいなー…なんて」
提督「…………つまりこうか」ナデナデ
レーベ「ん……やっと女の子扱いしてくれたね!」
提督「あれ、いままでしてなかったっけ?」
レーベ「行動で示してくれたのは初めてかな」
提督「なるほどな」
レーベ「21時。そろそろ夜戦時間だね」
提督「どんな時間だよ…」
レーベ「ボク、あんまり得意じゃないなぁ…」
提督「どっちの夜戦?」
レーベ「え?」
提督「え?」
レーベ「…………」
提督「…………」
レーベ「そ、そこまで女の子扱いを意識しなくていいよ!」
提督「からかっただけだよ、はは」
レーベ「………でも、どっちもあんまり知らないなぁ…」ボソッ
提督「ん、なんか言った?」
レーベ「な、なんでもないよ!調子に乗らないでよ、提督!」
提督「でも意味は知ってるのね」
レーベ「あ…………」カァァアッ
提督(わりと女の子っぽいとこも普通にあるんだな)
レーベ「22時。凄いね、ここのみんなは本当に夜戦が好きなんだね、びっくりだ」
レーベ「あ、もちろん戦闘のほうだよ?」
提督「わかってるって」
提督「てかみんな好きなわけじゃないだろ。ある軽巡が異常なだけだ」
レーベ「名前は言わないんだね」
提督「名前を言わないとわからないか?」
レーベ「………いや、見当はつくよ」
提督「そういうことだ」
レーベ「なるほど…」
提督「納得しちゃうんだ……」
レーベ「23時。提督、今日もお疲れだったね、また明日もがんばろ?」
提督「そうだね。レーベも一日ありがとう」
レーベ「うん。ボクの時報、どうだった?」
提督「そうだな……新しい発見とかもあって楽しかったかな」
レーベ「新しい発見…?」
提督「それは内緒。さ、もう部屋に戻って寝るといい」
レーベ「気になるけど…そうするよ。マックスも待ってるだろうし」
提督「そうだな。昨日寝れなかったんだし、早く寝るといい」
レーベ「そうする。提督、おやすみなさい」バタン
提督「…………」
提督「これはこれで、時雨さんとはまた違った天使なのかもしれないな」
「駆逐艦、レーベレヒト・マース。出撃するよ」
時報担当 明石
提督「明石さんいつもありがとうございますね」
明石「なんてことはないです!これが仕事ですから」
提督「いやー、一晩中修理を頼んだりしてもちゃんとやってくれるし、ほんと頭が上がらない……」
明石「大丈夫ですって!でも、今日はちょっと修理の子が多いですね…」
提督「どれくらいかかりそうです?」
明石「そうですね……これはきっと、丸一日は…」
提督「あぁ……じゃあ今日はずっと旗艦でお願いしようかな」
明石「そうですね…あ、深夜零時」
提督「ん、もうそんな時間ですか」
明石「そろそろお休みされます?」
提督「明石さんが頑張ってくれるのに悪いですよ。大丈夫です」
明石「そうですか…?あ、それと今日はずっと旗艦なので、私が時報と秘書をしますね!」
提督「なんか今までで一番自然な時報宣言な気がしなくもない」
明石「マルヒトマルマルです。さすがに眠くありません?」
提督「俺は平気です。それより明石さんが眠いんじゃないですか?」
明石「え、私? 私は大丈夫です」
提督「いつも夜遅くまで申し訳ないです…」
明石「それより提督?今は二人だけですし、敬語はやめてください」
提督「こうじゃないと調子が狂うんですよ…」
明石「私も調子狂いますよ。だってもう提督の艦隊の一員ですから!私も他の子と同じようにお願いしたいですね」
提督「えぇ……でも…」
明石「提督?これは私からのお願いです!」
提督「んー……わかりました」
明石「もう忘れてますよ!」
提督「あ……」
明石「もう、しっかりしてくださいね?」クスッ
明石「マルフタマルマルです。なんかトラックを思い出しますねぇ…頑張ったなぁ」
提督「なんでまたトラック島を思い出すんで………」
明石「………」
提督「…………思い出すんだ?」
明石「ふふっ…それでいいのです!」
提督「んー、なんかやっぱ違和感が…」
明石「ここでの修理も、トラックに負けず劣らずですねー……」
明石「マルサンマルマルです」
提督「そうだ明石さん」
明石「はい?」
提督「日本に国旗が似てる、かつての激戦地だった島国って知ってます?」
明石「…また敬語になってますよ?」
提督「あ…………し、知ってる?」
明石「言い直しましたね。パラオですよね」
提督「あ、そうだそうだ。思い出した」
明石「忘れてたんですか?」
提督「エピソードとかは覚えてるけど、肝心の国名が……明石さんはパラオにも?」
明石「そうですね。でもパラオは……」
明石「なんでだろう? あまり覚えてないんです」
明石「マルヨンマルマルですね。そろそろ朝ですよ?」
提督「そろそろ日も出てきたな」
明石「あ、普通になってきましたね!」
提督「いちいち言い直すのも面倒だと思って」
明石「それでいいんです!提督、今晩は寝なくていいの?」
提督「もう寝ても寝なくても変わらない時間だと思う」
明石「あー……それもそうですね」
明石「マルゴーマルマルです。空が次第に明るくなってきましたね!」
提督「夜通しの修理ごめんね」
明石「いいんですよ。いつもより楽しかったですし」
提督「え?」
明石「ふふっ♪なんでもないですよ」
提督「気になる…」
明石「さあ、新しい一日です!」
提督「んー…まあいっか」
明石「マルロクマルマルです。提督? 朝食は何にします?」
提督「普通に食堂とか?」
明石「食堂がいい、ですか…?」
提督「え、いやどうしてもってわけじゃないけど…」
明石「その…間宮さんほどじゃないですけど、意外と私のも美味しいですよ?」
提督「……作ってくれるのか?」
明石「はい!喜んで!」
提督「それは嬉しい!明石さんの手料理って食べたことなかったから」
明石「あ……でも今日は朝から修理でした…」
提督「……じゃあまた今度お願いしてもいい?」
明石「え、作らせていただいていいんですか!?」
提督「ぜひお願いしたい」
明石「約束します!」
艦娘「時報担当」【後半】
転載元
艦娘「時報担当」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1418117689/
艦娘「時報担当」
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