ナレーター「エリートの朝は早い」

1 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/16(火) 00:20:04 ID:3WJX3hSI

<エリートの自宅>

エリートの朝は早い。



──おはようございます。

エリート「おはよう」

──朝ごはんはいつもなにを?

エリート「朝食は取らない主義でね。サプリメントで十分さ」ジャラッ

エリート「“大会”のためにね」ニヤッ



そういうと、エリートは大量の錠剤を口に放り込んだ。



2 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/16(火) 00:23:14 ID:3WJX3hSI

リビングの棚には、トロフィーや賞状がずらりと並んでいた。



──すごい数のトロフィーですね。

エリート「まぁね」

エリート「勉学、スポーツ、格闘技に芸術……あらゆるジャンルで優勝してきたよ」

エリート「ボクって天才だからさ、なんでもできるんだよね」

──これらのトロフィーを獲得したのも、“大会”のためですか?

エリート「そのとおりさ」



3 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/16(火) 00:27:10 ID:3WJX3hSI

朝食を終えると、エリートは家を出る。



──どちらへ?

エリート「トレーニングセンターさ」

エリート「そこでは完璧なトレーニングを受けることができる」

──やはり、“大会”のための?

エリート「もちろんそうさ」

エリート「なにしろ、“大会”はもう間近に迫っているからね」



4 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/16(火) 00:30:25 ID:3WJX3hSI

<トレーニングセンター>

トレーニングセンターにたどり着くと、さっそくエリートはトレーニングを開始する。



筋力トレーニング。

エリート「ふっ、ふっ、ふっ」グッグッ…

持久力トレーニング。

エリート「はっ、はっ、はっ」タッタッタ…

さらにはパズルのような問題を次々解くことになる、頭脳トレーニング。

エリート「…………」ピッポッパッ



エリートはこれらのトレーニングを淡々とこなしていった。



5 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/16(火) 00:33:51 ID:3WJX3hSI

正午間近になると、エリートはトレーニングを終了する。



──お疲れさまです。

エリート「ありがとう」

──それにしても、ここはすごい施設ですね。

エリート「最新式の科学トレーニングを行える施設だからね」

エリート「むろん、スタッフもみんな科学医学に精通した超一流ばかりさ」

──トレーニングは午前中で終了ですか?

エリート「長々とトレーニングをしても、さほど意味はないからね」

エリート「トレーニングで、なにより大切なのは効率さ」

エリート「それほどまでに、ボクは“大会”で優勝したいんだよ」



6 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/16(火) 00:36:41 ID:3WJX3hSI

<エリートの自宅>

午後、自宅に戻ると、エリートはパソコンの電源をつける。



──パソコンで何をされるんですか?

エリート「“大会”で出会う相手の情報収集さ」

エリート「徹底的にデータを集めて、分析し、勝率を100%にするためにね」



画面上に、他の“大会”出場者たちの顔写真やデータが映し出される。



7 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/16(火) 00:39:54 ID:3WJX3hSI

──特に注意してる相手などはいますか?

エリート「いるわけないだろ?」

エリート「次の“大会”に出場する選手はボクを含め8人だが」

エリート「どいつもこいつもボクの相手なんかにはならないね」

エリート「圧倒的大差をつけて、優勝してみせるさ」



自信満々のエリート。自分の優勝をみじんも疑っていない。



8 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/16(火) 00:42:39 ID:3WJX3hSI

──エリートさんの“大会”五連覇を期待してよろしいのでしょうか。

エリート「もちろんさ」

エリート「ボクが優勝する姿を、楽しみに待っていてくれよ」

──しかし、意外な相手に足をすくわれるということも……。

エリート「ないない、ありえない」

エリート「それにね、そういう余計なことは考えちゃダメ」

エリート「それが“大会”で優勝するコツってもんなのさ」



我々の取材にもこころよく応じてくれたエリート。

そしていよいよ、“大会”の日がやってきた。



9 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/16(火) 00:45:14 ID:3WJX3hSI

<大会会場>

会場には大勢の観客が詰めかけていた。



エリート「それじゃ、ボクはこれで失礼するよ」

──がんばって下さい。

エリート「がんばる必要すらないよ」

エリート「ボクの優勝は決まっているんだから」ニヤッ



相変わらずの自信満々な口調で、エリートは大会に臨む。



10 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/16(火) 00:48:04 ID:3WJX3hSI

いよいよ大会が始まった。

大観衆に囲まれた中央舞台に、8人の選手が集う。



巨漢「おいおい……こんなチビどもと試合すんのかよ!?」

サイボーグ「改造された私の武力数値は……以前の10倍!」

能力者「オレ様の“能力”でイチコロだァ!」

ナイフ使い「ヒャ~ッハッハッハァ! 皆殺しだァァァァァ!」

卑劣漢「ヒヒッ……正々堂々など、愚か者のやること……」

ライバル「決勝で会おうぜ!」

女子高生「今日も猛烈アタックをかけてやるんだから!」

エリート「ボクの優勝する確率……100%!」



エリートの五連覇をかけた戦いが、今始まろうとしていた。



11 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/16(火) 00:51:40 ID:3WJX3hSI

身長二メートルを超える、巨漢──



巨漢「ケッ、こんなチビどもと試合しなきゃならねぇとは、ついてねぇな」

巨漢「どいつもこいつもあっという間にペシャンコにしてやるぜ!」

巨漢「オラァッ!」ブオンッ

ズガァンッ!

巨漢「ふっはっはっはっはァ!」



パンチで床に大穴があいた。



12 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/16(火) 00:54:31 ID:3WJX3hSI

肉体の半分以上がメカである、サイボーグ──



サイボーグ「以前はしてやられてしまいましたが──」

サイボーグ「体を機械化したことで、私はさらに強くなりました!」

サイボーグ「科学力こそ最強であるということを思い知らせてあげましょう!」

サイボーグ「ククククク……」キュルルルル…



サイボーグの首が回転した。



13 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/16(火) 00:57:35 ID:3WJX3hSI

魔法のような力を持つ、能力者──



能力者「オレ様の“能力”は、『溶解(ディスソリューション)』!」

能力者「この手で三秒以上触れたものを溶かすことができるのだ!」

能力者「アイスみたいにドロッドロッになァ……!」

能力者「さァ……溶かされたいやつからかかってきやがれ!」



両手をかざし、不敵な笑みを浮かべる。



14 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/16(火) 01:00:11 ID:3WJX3hSI

危険な殺気を放つ、ナイフ使い──



ナイフ使い「ウヒャァ~ヒャッヒャッヒャッヒャ!」

ナイフ使い「ナイフは万能の武器だァ!」

ナイフ使い「刺す、斬る、削ぐ、突く、投げつける──何でもアリィィィ!」

ナイフ使い「今宵も俺のナイフが血に飢えているゥゥゥ~~~~~~!」



目を血走らせ、愛用のナイフをベロベロとなめる。



15 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/16(火) 01:03:05 ID:3WJX3hSI

決して強そうな外見ではない、卑劣漢──



卑劣漢「ヒヒッ……下らないねぇ……」

卑劣漢「ワタシの開発した猛毒で……みんなあの世に送ってやるよォ」

卑劣漢「まともに戦うなんざ、バカのやることさァ……!」

卑劣漢「ヒヒッ……ヒヒヒッ……」



暗くよどんだ目で、他の七人をあざ笑う。



16 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/16(火) 01:06:08 ID:3WJX3hSI

端正な顔立ちと確かな実力を兼ね備えた、ライバル──



ライバル「決勝で会おうぜ!」



これだけいうと、彼は最高の笑顔を浮かべた。



17 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/16(火) 01:09:09 ID:3WJX3hSI

いかにも気が強そうな、女子高生──



女子高生「あたしはアンタのことが好きなの!」

女子高生「あんたのためだったら……あたし死んだっていい!」

女子高生「好きで好きでたまらないのよぉ……!」

女子高生「あんたにだったら……あたしの初めてをあげてもいいよ?」



人目もはばからず、熱烈なアプローチをかける。



18 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/16(火) 01:12:59 ID:3WJX3hSI

そして大会四連覇中の、エリート──



エリート「ボクに敗北はない!」

エリート「効率的な科学トレーニングとサプリメントで作り上げたこの肉体と頭脳」

エリート「ジャンルを問わず数々の大会を制してきた経歴」

エリート「コンピュータはボクの優勝確率は100%だと示している」

エリート「はっきりいって、他の七人など敵でもなんでもない」

エリート「ボクの五連覇は決定事項なのだ!」



いつもながらの自信に満ちた表情で、自己を誇示するエリート。

八人目となる、エリートの自慢話が終わると──



19 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/16(火) 01:15:25 ID:3WJX3hSI

いよいよ優勝者の発表である。



審判長「第75回かませ犬オーラ大会、優勝は──」

審判長「エリート選手!!!」



ワアァァァ……! ワアァァァ……!



“大会”の優勝はエリートに決まった。

みごと、宣言通りの五連覇達成である。



20 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/16(火) 01:18:50 ID:3WJX3hSI

体の大きさと腕力だけがウリの巨漢より──

肉体を機械化して復活し、悦に入っているサイボーグより──

自分の能力をベラベラとしゃべる能力者より──

どうしようもなく言動が陳腐で小物なナイフ使いより──

正々堂々とした人物に倒されるしかない卑劣漢より──

どうせ決勝に来れないライバルより──

決して意中の人と結ばれない運命(さだめ)にある押しが強い女子高生より──



周囲を見下し、過剰なほどの自信を持ち、やたらに豪華な経歴を持つエリートこそが、

参加者の中で最も“かませ犬っぽい”と評価されたのだ。



エリートの“大会”までの努力は報われたのだ。



21 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/16(火) 01:25:30 ID:3WJX3hSI

巨漢「おめでとうございます、エリートさん!」

サイボーグ「今回は自信あったんだけどなぁ、ダメだったかぁ~」

能力者「こんな“能力”じゃなきゃ、握手をさせてもらいたいところですよ!」

ナイフ使い「五連覇おめでとうございます!」

卑劣漢「正々堂々やって負けたんで、悔いはありません!」

ライバル「決勝で会おうぜ!」

女子高生「エリートさん、次はあたしが勝ってみせますからね!」



エリート「ありがとうございます、皆さん……!」



好敵手たちの祝福を受け、肩の荷が下りたのか、エリートもにっこりと微笑んだ。

この瞬間、我々取材班はようやくエリートの素顔を見たような気がした──





~ おわり ~



22 : ◆6pLCzcZyj6 2014/12/16(火) 01:26:15 ID:3WJX3hSI

以上で完結です

もちろん、かませ犬にならないエリートキャラも多いですが…



転載元
ナレーター「エリートの朝は早い」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1418656804/
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         コメント一覧 (17)

          • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年12月16日 07:56
          • 最近本当につまらなくなったな
          • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年12月16日 08:23
          • 「~の朝は早い」というセリフで、まっさきに思い浮かぶのが
            大橋巨泉の「伊東の朝は早い」なんだよな~
          • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年12月16日 08:56
          • エリートなら朝早く起きてストレッチやジョギングしてシャワー浴びてからしっかり朝ごはん食べるくらいしろよ
            何ドヤ顔でサプリ飲んでんだよ!只の余裕のないリーマンじゃねーかwww
          • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年12月16日 09:03
          • ???「ぼんち揚げで十分さ」
          • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年12月16日 09:20
          • サプリメント飲んでる姿を見て、亜鉛とかのサプリを飲んで写生大会の準備をしているのかと思った俺は順調に毒されてるな
          • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年12月16日 10:31
          • 一瞬エリート塩かと
          • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年12月16日 10:36

          • このタイミングでエリートと言ったらお兄様じゃねぇのかよ期待させやがって
            失望しました。みくにゃんのファン辞めます
          • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年12月16日 12:02
          • コレジャナイ
            これ朝は早い系にする必要ないよね
          • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年12月16日 14:20
          • ※1禿同
          • 10. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年12月16日 14:46
          • ライバルだけほんの少し面白かった
            でも二度とSS書かないでね。以下でも俺は好きだよ禁止
          • 11. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年12月16日 18:39
          • ※10
            君みたいな人、俺は好きだよ
          • 12. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年12月16日 20:00
          • ※10
          • 13. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年12月17日 06:08
          • 何が書きたかったのかさっぱりわからんかった
            普通に朝は早いのテンプレやればよかったんじゃ
          • 14. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年12月17日 07:59
          • 天才とエリートは違うと思うの
          • 15. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年12月17日 14:23
          • やっぱ情熱大陸って有能だわ
          • 16. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年12月18日 03:18
          • >>1 こういうこと言うの嫌いなんだけど、そう言うならお前が書けよ
          • 17. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年12月29日 00:54
          • 面白いじゃん

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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