上条「お前は大切な存在だ。何たって幼馴染だからな」
- 2014年12月13日 19:40
- SS、とある魔術の禁書目録
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上条「よーし、学校終ったし買い物いこっと」
土御門「おーいカミやん、もうすぐ夏休みだけど何か予定有るのかにゃー?」
上条「あくまでも俺の予想だけど多分補習があるから」
青ピ「安心してええよ、その補習は僕も付き合うで」
上条「小萌先生目当てだろ?」
青ピ「もちろん」
上条「お前はぶれないなー……ん?あそこにいるのは…おーい!」タッタッ
土御門「おっ、カミやん愛しの幼馴染のお出ましだにゃー」
幼馴染>>11まで多数決
土御門
元春
みさきち
みさきち
タラちゃん
食蜂
みさきち
みさきち
食蜂操祈
上条「よう操祈。学校まで迎えに来てくれたのか」
食蜂「あたりまえじゃないのぉ」
上条「これから買い物行くけど、お前もついてくるか?」
食蜂「ええ、今日も当麻さんのおうちで食べさせてもらおうかしらぁ」
上条「俺の料理って大してうまくないと思うけど」
食蜂「そんなことないわよぉ、少なくとも私にとっては」
土御門「うわー見せつけてくれるにゃー」
青ピ「ま、学園都市に来る前からの付き合いらしいし、僕もさすがに口出しできんわ」
上条「じゃあ二人とも、俺達買い物行ってくるから」
土御門「はいはい」
上条「何か希望はある?」
食蜂「あなたの作るものなら何でもいいっていつも言ってるじゃないのぉ」
上条「それが一番困る答えだっていつも言ってんだろ」
食蜂「……ふふ」
上条「……はは」
上条「よし、じゃあ今日は操祈の好きなので揃えようかな!」
食蜂「さすが当麻さん!ありがとぉ!」ダキッ
上条「お、おいやめろって///」
上条「あれ、あそこにいるのは……雲川先輩じゃないか?」
食蜂「無視しましょう」
上条「お前そういうの直した方がいいぞ……おーい雲川先輩!」
雲川「ああ、上条……と、何だ第五位も一緒か」
食蜂「私と当麻さんはいつも一緒よぉ。何たって幼馴染ですものぉ」ニコニコ
雲川「所詮幼馴染だけど」
食蜂「あらぁ、何か言ったかしらぁ」
雲川「何年も一緒に居て未だにそのポジションってのは諦めた方がいいけど」
食蜂「はぁ!?ちょっと当麻さん、この人に何か言ってやってよぉ!……あれ?当麻さんは?」
上条「おーい操祈ー!やったぞ、タイムサービスに間に合った!危なかった!」ハァハァ
雲川「くすっ…」
食蜂「と、当麻さん……もう!」
上条「?」
上条「ふんふんふ~ん」スタスタ
食蜂「……」
上条「さっきから何を怒ってんだよ操祈」
食蜂「べっつにぃ~」
上条「何だよ、雲川先輩と喧嘩でもしたのか?お前はすぐ人間関係こじれるんだから……」
食蜂「むぅ……」
上条「ま、元気出せって」
食蜂「……手、つないでくれたら元気出るかも」
上条「はい?」
食蜂「わ、私が元気ないの、当麻さんのせいなんだからねっ!」
上条「よく分からないけど…はい」ギュ
食蜂「……///」
寮
上条「じゃあ今から作るからちょっと待ってろよ」
食蜂「はぁい」
食蜂「そうだ、当麻さん」
上条「んー?」
食蜂「もうすぐ夏休みだけど、当麻さんはどうするつもり?」
上条「あー…最初の方は俺、多分補習だから」
食蜂「相変わらず馬鹿ねぇ当麻さんは」クスクス
上条「操祈の頭が良すぎるんだよ。レベル5の幼馴染がいて誇りですよ上条さんは」
食蜂「ふふん」
上条「お前は夏休み何するんだ?」
食蜂「当麻さんしだいかしらねぇ」
上条「俺次第?常盤台の友達と遊んだりとかは?」
食蜂「あの子達と遊ぶよりも当麻さんと遊んだ方が面白いものぉ」
上条「俺はいいんだけど、女子ってそういう付き合いどうなんだよ?」
食蜂「いいのよぉ、そんなのどうとでもなるから……あ」
上条「……操祈、お前、無闇に能力を使っていたずらしちゃダメだって言ったろ」
食蜂「や、やあねぇ当麻さん、ちょっとした冗談よぉ」
上条「……ならいいけどさ」
食蜂「で、補習が終わったらどこに遊びに行くのぉ?」
上条「うーん……そうだな…遊園地とかどうだ?」
食蜂「いいわねぇ遊園地!行きたーい!」
上条「あ、でもやっぱやめとこうか」
食蜂「え!?なんでよぉ!」
上条「お前絶叫系全部乗れねーじゃん」
食蜂「絶叫系以外に乗ればいいのよぉ」
上条「メリーゴ-ラウンドとかか?」
食蜂「そうよぉ」
上条「……」
食蜂「な、何よぉ?」
上条「お前は変わんねーなー」ナデナデ
食蜂「ば、馬鹿にしないでよぉ!///」
上条「ほい完成」コトッ
食蜂「わぁおいしそうねぇ」
上条「いただきます」
食蜂「いただきまぁす」
上条「あ、そうだ。お前御坂美琴って知ってるだろ?」
食蜂「」ピタッ
食蜂「…………………………知ってるけど」
上条「あいつに言っといてくれよ、あんまりビリビリすんなって」
食蜂「……当麻さん、もうその人と会わないでね」
上条「え、何で?」
食蜂「何でもよぉ」モグモグ
上条「何で怒ってんだよ…」
食蜂「ふぅ、ごちそうさまぁ」
上条「どうだった?」
食蜂「もちろん美味しかったわよぉ」
上条「そっか、よかった」
上条「まぁとにかく遊園地は色々用事が終わった後ってことで」
食蜂「そうねぇ、そうしましょうか。それまで私も常盤台の誰かと遊んであげようかしらぁ」
上条「よし、じゃあそろそろ帰らなきゃだろ?送るよ」
食蜂「うん!」
上条「はー…それにしても、お前とも長い付き合いになるな」
食蜂「急にどうしたのよぉ」クスッ
上条「いや、ふと思っただけ」
食蜂「これからも私たちは幼馴染だし、学園都市を出てからもあなたに付いていくつもりよぉ」
上条「はは、冗談だろ。俺とお前じゃ将来性が段違いだっての」
食蜂「またレベルの話?そんなの私はどうだっていいのよぉ。ただずっとあなたに付いていきたいだけ」
上条「おいおい、プロポーズかそりゃ」ハハハ
食蜂「に、似たようなものかしらねぇ///」
上条「え」
食蜂「///」
上条「あ、あー!もう常盤台じゃねえか!じゃ、じゃあな操祈!」ダッ
食蜂「ばいばい当麻さん」
7月20日
上条「予想通りとは言えやっぱり補習かぁ…」
上条「とりあえず布団でも干すかー」ガラッ
上条「あれ?もう干してある……てかこれ人間か?」
インデックス「お腹すいた…」
上条「は?」
インデックス「お腹すいたって言ってるんだよ」
上条(なんだよこいつ…補習があるんだけど……関わってる暇ないんだよなぁ)
インデックス「何か食べ物くれると嬉しいな」
上条「は、はぁ…」
色々終わった7月の終わり
上条(こ、ここが俺が住んでた寮か……へー)
インデックス「とうまーはやくはやくー」テテテ
上条「あ、待ってくれよインデックス」
上条(俺とインデックスってどんな関係だったんだろう……たしかこいつ俺のこと大好きとか言ってたよな……)
上条(も、もしかして恋人だったりしたり!?や、やべーって!学生寮で同棲してたのかよ俺達!)
インデックス「どうしたのとうま」
上条「あ、いや、ごめんなんでもないんだ」
上条(色々聞きたいけど……どうなんだろうなぁ)
上条「インデックス、今日って俺たちが出会って何日くらい経った?」
インデックス「どうしたのとうま。今日で一週間ちょっとだよ」
上条(同棲まで早すぎじゃね…?もしかして恋人じゃない?)
上条「なぁインデックス。お前キスとかしたことある?」
インデックス「ええっ!?///と、とうま、いきなり変なこと聞かないでほしいんだよ!///」
上条(この反応……やっぱり恋人とかじゃなかったか)
上条(まぁ、でも)
インデックス「まったくとうまは!」プンプン
上条「悪かったよ。そんなに怒らなくていいだろ」ナデナデ
インデックス「んっ……ふふ、もっと撫でたら許してあげるんだよ」ニコッ
上条(インデックスを救えたんだから記憶なんて安いもんだよな、きっと)
インデックス「とうまー」ダキッ
上条「すっかり機嫌も直ったなぁ」
インデックス「お腹すいたんだよー」
上条「やっぱりそれか」
インデックス「久しぶりにとうまのごはんが食べたいんだよ!」ニコッ
上条「はは、よし待ってろよ。すぐ作ってやるからな」
インデックス「ありがとうとうま!」
食蜂「……」プルルル
食蜂「あれぇ?どうしてつながらないのかしらぁ?」
食蜂「あ、もしや当麻さんたらまた携帯壊したんじゃないでしょうねぇ……ほんっとよく壊すんだからぁ…」
食蜂「もう七月も終わりだし、そろそろ遊園地の件を実行したんだけどぉ…」
食蜂「まぁ直接寮に行けばいいわよねぇ」
食蜂「久しぶりに会うから楽しみねぇ」ルンルン
食蜂「よし、ちゃんと遊園地のチケット二枚持ったわねぇ」
食蜂「さっそく私に行きましょう。そしたら携帯のこと問い出さなくちゃ…まったく」
モブ「あら、女王。お出かけですか?」
食蜂「ええ、ちょっとね。大切な人のところに」
モブ「それってあの、いつも女王が話してくださってる幼馴染のかたですよね?」
食蜂「ええ、まぁね」ニコッ
食蜂「あ、あと御坂さんをちゃんと見張っといてねぇ。くれぐれも近づけさせないで」
モブ「はい」
上条「できたぞインデックス!」
インデックス「やったー!もうお腹ペコペコなんだよ!」バンバン
上条「こらこら、テーブルを叩くなって」
インデックス「はーい!」
ピンポーン
上条「ん?客か。先食べてて良いぞインデックス……ってもう食ってるか」
上条「はいはい今出ますよー」ガチャ
食蜂「久しぶりねぇ」ニコニコ
上条「……え?」
上条(誰だよこの人……?)
食蜂(……?)
食蜂(あれ?確かに当麻さん……よねぇ?何…この目…)
食蜂(まるで初対面の人に向けてるみたいな……)
食蜂(気のせい……よね)
食蜂「はい、これ!約束してた遊園地の……」
インデックス「とうまー!誰なのその金髪!!!」
食蜂(え?あなたこそ誰……)
上条「え!?ええっと……この人はだなー…」
食蜂(どうしてそんなに言いにくそうなの…?もしかして……)
上条(この人は多分俺のこと知ってるんだ!まずいな・・・)
上条「こ、この人は俺の知り合いだよ!」
食蜂(……知り……合い……?)
食蜂(……)
食蜂(……)
食蜂(私達……幼馴染よね…?)
食蜂(この学園都市に来る前から……ずっとずっと前から……)
食蜂(私達一緒だったわよねぇ…?)
インデックス「知り合い?本当に?」
上条「そ、そうだよ!知り合いだ!」
食蜂(……ああ、そうか)
食蜂(私は、この白い子に負けたんだ)
食蜂(この子と当麻さんはもうそういう関係だったんだ)
食蜂(私は、もう、邪魔者でしかないって…そういうこと?)
辛いね
食蜂「邪魔しちゃってごめんなさい!そうたいした用事じゃないから、私帰るわねぇ!それじゃ!」
上条「え、あ、ああ!気をつけろよ」
タッタッタッ
上条(誰だったんだろうかあれは……)
インデックス「何の用事だったの?」
上条「さぁ……何だったんだろうな」
食蜂(私、馬鹿だ)
食蜂(幼馴染ってポジションに、どこか油断してたんだ……)
食蜂(だからあんな貧相な外国人に負けたりするのよぉ……)
食蜂(でも……何かしらぁ?この違和感は…)
食蜂(ただ彼女が出来ただけじゃない……あの目は………私の知ってる当麻さんの目じゃない気がする…)
食蜂(だって……あの当麻さんがいくら彼女の前だからって……私のことを知り合い呼ばわりなんて絶対おかしいわよぉ)
食蜂(いや……私が負けたことには変わりないわよねぇ……)
食蜂(これからは、もう当麻さんの家に遊びに行くことも……一緒に並んで歩くことも……)
食蜂(……もう…)ウルッ
上条「…………」
インデックス「あれ?どうしたのとうま。元気ないね」
上条「ああ、ちょっとな……」
上条(あの金髪の子……俺と知り合い…ぽかったけど、なんか…すげえ親しそうに話しかけてきたような…)
上条(もしかして、記憶を失う前にあの子と仲良かったり…?……でも予想したところで絶対思い出せないんだからあまり意味がないよな)
上条(でももし親しい関係だったのなら、これから誤魔化し続けるなんてとてもじゃないけど無理だ)
上条(正直に話した方がいいのか…?いや、でもそこからインデックスにばれるのは困る……)
上条「う~ん……」
インデックス「とうまが冷たいんだよ……」
上条「よし!決めた!」
インデックス「何を?」
上条「あ、いや、なんでもない」
インデックス「えー…」
上条(正直に話そう。きっと誤魔化すのは難しいだろうからな…)
上条(……待てよ?もしも親しい関係だったとして……あの時俺が言った言葉ってのは……)
上条『知り合いだよ!』
上条(……)
上条(……会いに行かなきゃ。ちゃんと確かめるんだ)
翌日
食蜂(はぁ……)トボトボ
食蜂(当麻さんが盗られて初めて分かったわぁ…私、当麻さんがいなきゃなーんにもすることがないのねぇ…)
食蜂(はぁ……)
モブ「あら女王。どうかされたのですか?」
食蜂「……別に」
食蜂「なぁんにもなかったわぁ」
モブ「そうですか」
食蜂「ええ」
食蜂(それにしても……)
食蜂(私のこれまでの人生って一体なんだったのかしらぁ)
食蜂(ずっと一緒に居れると思っていたのに。将来はお嫁さんになって、幸せに暮らしていけると思っていたのに)
食蜂(油断してる隙にあっさり盗られちゃって、計画は全部水の泡……これから私は何を目的に生きていけばいいのかしら)
食蜂(気分を変えましょう。外の空気でも吸ってこようかしらねぇ)
食蜂「ふぅ…」トボトボ
食蜂(あれ?どこからか当麻さんの声が聞こえるような……)
上条「だからなインデックス!俺はちょっとでも食費を抑えようとだな…」
インデックス「えー!嘘だよ!」
食蜂(こ、こっちに歩いてきてる!?ど、どうしよう…!)オロオロ
上条「何で嘘ってことに!?いいか、俺は……ん?」ピタッ
食蜂「あ……」
食蜂「……っ!!」ダッ
上条「あっ、おい待ってくれ!話があるんだ!インデックス、お前先帰ってろ!」ダッ
インデックス「ちょ、とうまー!?」
食蜂「はぁっ……はぁっ…」タッタッ
食蜂(私は、もう当麻さんと並んで歩けない……私はもう当麻さんにとってただの知り合いと同じなんだからっ…!)
食蜂「はぁ…はぁ…」ゲホゲホ
食蜂(どうしてこうなっちゃったんだろう……私は、ただあの人のそばで……ずっと……)
上条「はぁ…はぁ…見つけたぞ」
食蜂「」ビクッ
上条「どうしても話さなきゃならないことがあるんだ」
食蜂「……もう分かってるわよぉ。彼女ができたんでしょ?ごめんなさいね、二人の邪魔しちゃってぇ」
食蜂(私……嫌な女ねぇ…好きな人の幸せを……)
上条「そうじゃない。インデックスは俺の恋人じゃないんだ。なぁ、君と」
食蜂(君?)
上条「君と俺は、一体どういう関係だったんだ?」
食蜂「…………え?」
食蜂「ふ、ふざけてるのぉ?」
上条「……いいや、ふざけてなんかない……よし、こんな道端じゃ何だし、あそこの店にでも入ろう」
食蜂「……?え、ええ…」
食蜂(どういうこと?当麻さんが私のこと、「君」って…それにふざけて聞いてるわけじゃないって?)
食蜂(何がどうなってるのぉ?)
店
上条「……」
食蜂「……」
上条「何か頼む?」
食蜂「い、いや…大丈夫よぉ」
上条「そ、そうか……」
上条「それで、その…さっそく本題に入りたいんだけど、いいか?」
食蜂「う、うん」
上条「俺と君の関係はどんなものだったんだ?」
食蜂「……あなたも趣味が悪いのねぇ。「知り合い」でしょ、私達」プイッ
上条「……俺さ」
食蜂「何?」
上条「俺さ、記憶が無いんだ。つい一週間くらい前からの記憶くらいしかないんだよ」
食蜂「…………は?」
食蜂「ちょ、ちょっと……冗談はやめてよぉ。私が頭の中を覗けばすぐに分かることだって、あなた知ってるじゃない?」
上条「覗く…?君は精神系能力者なのか?」
食蜂「な、なによぉ……やめてよぉ…そんなの……そんなのって…!」
上条「事実なんだ。俺は、君の知ってる上条当麻じゃない」
食蜂「そ、そんなの信じられるわけないじゃない……!!だって、だって…!」
上条「疑うなら俺の頭を覗けばいい。多分きれいさっぱりなくなってるはずだ」
食蜂「わ、私とあなたは……学園都市に来る前からの幼馴染だったのよぉ!!?ありえない、ありえないわよぉ!」
食蜂「あの頃の思い出が全部なくなったって言うのぉ!?初めて出会ったことも!?初めて話したことも!?」
食蜂「子供の頃一緒に遊んだことも!二人で遊園地に行ったことも!全部、全部忘れたって言うのぉ!?」
上条「…………ごめん」
上条「俺と君は……幼馴染…だったのか……」
上条「本当に……ごめん」
食蜂「……そんな…じゃあ私の知る当麻さんは……もう」
上条「……」
食蜂(そんな……本当に?)
食蜂(本当にあなたは私のことを…?)
食蜂(つまり今私の目の前で俯いているこの人は……当麻さんと同じ顔の別人ってこと…?)
食蜂(私と過ごしてきた時間も、思い出も、何もかも忘れて……?)ジワッ
食蜂「……ぐすっ」ポロポロ
上条「! あ、あの……!!」
上条(……いや、俺の薄っぺらい言葉なんかこの子の耳に入らない。なんたって幼馴染の記憶が消えたんだぞ……)
上条(多分相当辛いはずだ……ここはこの子が喋るまで待とう)
食蜂「ぐすっ……ひ、一つ。聞かせて」
上条「な、何だ?」
食蜂「どうして、あなたは、記憶が無くなったのぉ?」グシュグシュ
上条「…………インデックス……さっき俺と一緒に居た女の子を助けたときに、記憶が破壊されたんだ」
上条「もう絶対に思い出すことは無いってさ……」
食蜂(助けた……?たった一人の女の子を守るために?記憶を失ってまで?)
食蜂「…………はぁ…」
食蜂「ほんっっっとぉにしょうがない人……」
上条「え…?」
食蜂「当麻さんは昔からそうだったわぁ。昔からずっとねぇ。厄介ごとに首を突っ込んでは助けようとして…ボロボロになって…」
食蜂「助けなきゃいいのにって思うこともたくさんあったわぁ。それでも当麻さんは誰だろうと助け続けてた。自分のことを偽善者だって言いながらずっと」
食蜂「挙句の果てに今回は……思い出を全部失って……」
食蜂「本当にどうしようもないわねぇ」ハァ
上条「……」
食蜂「ねぇ、聞かせて」
食蜂「あなたは、記憶を失くした原因のあの子を恨んでる?」
上条「……君には悪いけど…俺はあいつを恨んだことなんて一度もねえよ」
上条「前の俺が必死になって、それこそ全部の思い出を犠牲にしてまで守った子だ。恨む理由なんてない」
上条「きっと前の俺が同じ立場でも、同じことを言う気がするんだ」
食蜂「…………そう」
食蜂「……あなたは、やっぱり「当麻さん」なのねぇ」ニコッ
上条「……え?」
食蜂「私もあなたと同意見よぉ。きっと前の当麻さんでも同じことを言うと思うわぁ」
食蜂「思い出が消えたとしても本質までは変わってないのねぇ」ニコ
食蜂「あなたは変わってない。幼馴染の私から見ても、絶対に」
上条「……よ、よくわかんねえけど…そうなのかな……」
食蜂「ええ」
上条「……その、君にはなんと言ったらいいか……」
食蜂「私の名前は食蜂操祈っていうの」
上条「え?」
食蜂「当麻さんは操祈って呼んでくれてたわよぉ」ニコッ
上条「みさ…き…」
食蜂「うん、なあに当麻さん」
上条「あの……う、うまく言えないけどさ…その…俺…」ポロ
上条「操祈との思い出なんて全然覚えてなくて……でも操祈は覚えてて…その…」グスッ
食蜂「うん」
上条「ごめんな……本当に…ごめん……」
食蜂「いいのよぉ、私はあなたの幼馴染だもの。記憶が無くなったって、それだけは変わらないわぁ」
上条「………ありがとう……こんな俺を、もう一度幼馴染って言ってくれて……」グスグス
食蜂「あなたと私はずっと一緒よぉ」ニコッ
上条「ああ…ああ……ずっと一緒だ……」ポロポロ
食蜂「よしよし」ナデナデ
食蜂「今までのこと、私がいっぱい話してあげるわぁ」
食蜂「それに私達、まだ十代よぉ?これからたっくさん思い出を作っていけばいいのよぉ」ニコッ
上条「……いいのか?付き合わせちゃって」
食蜂「私の生き甲斐はあなたと一緒に過ごすことだけだから、それ以外のことはぶっちゃけどうでもいいのよねぇ」
上条「……ありがとう、操祈」
食蜂「どういたしまして、当麻さん」ニコッ
おわり
転載元
上条「お前は大切な存在だ。何たって幼馴染だからな」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1399280374/
上条「お前は大切な存在だ。何たって幼馴染だからな」
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コメント一覧 (33)
-
- 2014年12月13日 19:50
- やっぱみさきちだな
-
- 2014年12月13日 19:52
- タラちゃんって誰だよ
-
- 2014年12月13日 19:53
- ※2
タラヲ「ボクでーす。」
-
- 2014年12月13日 20:00
- 「じょうじ」
-
- 2014年12月13日 20:06
-
前まではみさきちで妄想するの楽しかったけど、原作で過去開示して妙に冷めたんだよな
パンドラの箱とシュレーディンガーの猫は、開けないからこそ楽しいのにさ
-
- 2014年12月13日 20:08
- 「こんなひんそーでちんちくりんは、穴を掘って埋まってますぅ〜」
-
- 2014年12月13日 20:32
- ※5
お前は食蜂の過去を書かないまま終了すればよかったと言うのか
-
- 2014年12月13日 20:38
- 人味デス〜
-
- 2014年12月13日 20:44
- 原作のみさきちも報われますように。
-
- 2014年12月13日 20:47
- 3年前までなら間違いなく安価で御坂さんが選ばれてたのに、お前らの変わり身の早さときたら…
-
- 2014年12月13日 20:54
- 半年くらい前はオプヌスだかのssばっかだったのにめっきり見なくなったな
だれか欠損通行書いてくれー
-
- 2014年12月13日 21:08
- 幼馴染は負けフラグ
-
- 2014年12月13日 21:08
- 面白かった
-
- 2014年12月13日 21:08
- たまには良いかもしれない
-
- 2014年12月13日 21:48
- お前らの手のひらってホントにクルクル回るよな……
-
- 2014年12月13日 22:01
- 最初のみさきち無双でワロタ
-
- 2014年12月13日 22:41
- 圧倒的みさきち
-
- 2014年12月13日 22:56
- かまちーが件の新約11巻のあとがきで、みさきちに対して
純粋なファミリーと呼ぶにはまだちょっとお客さんっぽいキャラだったのが吹っ切れた
とか言ってたな
かまちーが漫画からの逆輸入キャラのみさきちを認めた巻ってことだし、俺はあってよかったと思うけどなあ
立ち位置がはっきりしたことで今後も本編に絡んで来やすくなったしさ(ヒロイン多すぎて実際に出番があるかは別として…)
次は雲川先輩が来るんじゃないだろうか、うん
上条との関係性が少し語られてたけど肝心の過去話が出てきてないヒロインだし
-
- 2014年12月13日 23:38
- 元春ルートも見たかった
-
- 2014年12月14日 01:00
- さすが安定のみさきち…
本編でもみさきちは報われるべきだと思う
-
- 2014年12月14日 03:59
- 数年前は五和が大人気だったというのに
-
- 2014年12月14日 05:10
- ある意味上池は天才だよ。これだけいろんな種類のヒロインを出してくるんだから
・・・・出してそのまま使い捨てにすることも多いけど
-
- 2014年12月14日 10:08
- みさきちは完全にフェードアウトします
作品が始まってから十年経ってからの逆輸入って段階で、残念ながら大勝利はないだろうしな
-
- 2014年12月14日 13:43
- 単純過ぎる童貞共しかいなくて草
-
- 2014年12月14日 22:41
- 美琴「(#゚Д゚)ギギギ」
-
- 2014年12月15日 02:08
- 食蜂さんが勝てるわけない。
上条さんは記憶喪失のせいで食蜂さんのことを何も知らないしな。
今からじゃさすがに無理。
-
- 2014年12月15日 13:17
- ライトノベルに女共を出さないで売れるわけがない。ライトノベル好きな奴って厄介な思考持った奴が多いからね。ハッキリ言って的を射た言葉だから。
-
- 2014年12月16日 23:35
- ちょっと何言ってるか分かりませんね
やっぱりみさきちがナンバーワン
-
- 2014年12月18日 14:17
- 11巻以前にも食蜂ヒロインSSで記憶喪失絡みあったけどいいものだ
本編は、喪失されただけじゃなくこれからも記憶されないというというハードモードだが
-
- 2014年12月29日 14:45
- 新訳買うの忘れてた
そろそろ一気読みしてみようかな
-
- 2015年01月12日 09:40
- 原作のみさきちに本当の救いは絶対にない。
いつか思い出してくれたらいいなー程度で本人が無理やり納得しちゃってるのがまだ救いかな。
-
- 2016年05月30日 23:35
- この上条はライジングキャノンを放てそうだ
-
- 2016年09月25日 20:29
- 思い出すとか..何の為の11巻だよ。思い出したらお前ら叩くだろうが。 まぁヒロインは無いだろうな。