モバP「お、これは泰葉のファイルか」
ちひろ「もう資料整理始めてるんですか?」
P「いえ、ちょっと漁ってみたくなっただけです。後で戻しておきますんで」
ちひろ「またどうして急に」
P「なんとなく大事な時期かな、と。アニバーサリーも控えていますしね」
ちひろ「あっ、じゃあ私にも見せてくださいよ! それにアニバーサリーの企画は私の担当ですし♪」
P「それもそうですね。じゃあ一緒に振り返っていきますか」
P「これが最初に撮った宣材ですね」
ちひろ「緩やかな弧を描くぱっつんにちょっぴり太めの眉。スタイルはずっと変わっていませんね」
P「幼い頃から芸能界にいるんですが、あまり華やかとはいえないんですよね」
ちひろ「そういえば、そうですね」
P「でも、それは純朴さという強みだ、と判断しました。この時着ている衣装の名前も『ピュアドロップ』ですね」
ちひろ「あー、『ピュア』ですか」
P「ええ。最初からずっと、純粋なままの姿を、というのがコンセプトです」
ちひろ「企画書にもそうありましたね」
P「そしてこれがプロフィールですね」
ちひろ「おおー」
岡崎泰葉-おかざきやすは
16歳
身長 153cm
体重 43kg
B-W-H 79-55-80
誕生日 7月16日(蟹座)
血液型 A型
利き手 左
出身地 長崎
趣味 ドールハウス作り
P「え……っと、今現在特に修正ありませんね。これまた彼女の素のままです」
ちひろ「16歳……っと。アイドルとしては平均的といっていい歳ですが……」
P「ええ。でも泰葉の場合は芸暦が違う」
ちひろ「ずっと昔から子役にモデルにと……経験豊富ですね」
P「はい。他のアイドルに色々教えてあげたり、逆に学ぶことも多かったり――」
ちひろ「まだ成長し続けていますよね。若いっていいなあ……」
P「いえ、まだまだちひろさんも若いでしょう?」
ちひろ「うふふ♪」
P「……え?」
ちひろ「身長は153cmっと……」
P「顔つきもそうなんですが、見た目が結構幼いんですよね」
P「ちなみに喜多見柚、小日向美穂より低くて……」
ちひろ「えっ、そんなにですか」
P「同じ身長は緒方智絵里、佐久間まゆ……」
P「あと、765プロの水瀬伊織とか」
ちひろ「え、それってかなり小柄というか……」
P「でしょう? そういった体格面でもまた愛らしいといいますか」
P「で、3サイズなんですが」
ちひろ「その話題はあまり大きな声では……」
P「ええ。でもちょっと面白いことがありまして」
ちひろ「と言いますと?」
P「智絵里とまゆ。この二人がですね、歳が同じで、身長も同じ。そして3サイズも概ね同じなんですよね」
ちひろ「あら。それは意外というか」
P「でしょう? その内スケジュールさえ何とかなりそうならユニットを企画してみたいな、と」
ちひろ「いいですね。智絵里ちゃんやまゆちゃんは特別忙しいですが、実現できないわけじゃあありませんし」
P「出身は長崎。出会ったのは神戸出張の時でしたが」
ちひろ「地元の話はあまりしませんね。幼いうちから仕事してるんだし、仕方ないですか」
P「ええ。出会ったばかりの頃は結構あっぷあっぷだったというか、どこか切羽詰っていたんですよね」
P「こんなことも言われました――」
『早くアイドルって認められたいの』
『大丈夫、一人で出来ますから』
『ステージには慣れてるから平気よ』
ちひろ「あれ、最後のって敬語じゃありませんね」
P「事務所は大きくなっていきますが、一プロデューサーとしての俺は新人ですしね」
P「あまり頼られるようなことってなかったんです」
P「でも、一人でずっと悩んでたみたいで。よく言ってたんです」
『幼い頃からモデルをしていたから…子どもっぽくない…のかな』
『私にしか出来ない事…考えたい』
『誰にも負けたくないから…』
ちひろ「すごく、厳しい環境下にあったみたいですね……」
P「ウチもどこかでありますよ、やっぱり競争の世界だって」
ちひろ「でも、皆仲が良いんですよね」
P「ええ。ここが特殊なんですかね」
P「それで、必死になってたみたいですけど……思えば、初めて会った時にこう言ってたんですよね」
P「どこかで、誰かにすがっていたかったのかもなって」
ちひろ「私『達』なら、ですか……」
P「でね、ある時こう言われたんです」
『プロデューサー、その、私に興味を持ってほしいな…』
P「なんかもうクラッときましたね」
ちひろ「こら」
P「……えー、それはともかくですね。それから、少しづつ心を開いてくれるようになったんですよね」
P「なんて言われたんです。あれだけ、アイドルとして競争に挑むことばかり考えてた風だったのに」
ちひろ「普通の女の子ですか……」
P「考えさせられる質問ですけど、『ああ、心を開いてくれてるんだな』って」
P「それからはぐっと明るくなったんですよ」
ちひろ「これは、二枚目の宣材ですか」
P「ええ、ポーズも少し大きくなったでしょう?」
『最初はちょっと不安だった…でも最近アイドルのお仕事が充実してきたの!』
『モデルの頃よりお仕事が楽しくなってきたのかなって。この気持ち、プロデューサーにも伝わってますか?』
P「――なんて、言ってくれたんです」
P「それからは、自分の趣味なんかのことも話してくれるようになったんです」
『細かい作業とか好きで…ドールのインテリアとか作ってると楽しいの』
P「――って」
ちひろ「本当に器用ですよね、泰葉ちゃん」
P「ええ。真面目だし、集中力があるんでしょうね。本当に凄いんですよアレ」
ちひろ「結局自らの意思で芸能界にいるんですもんね。自分のイメージっていうのはハッキリしてるのかも」
P「それでこうですよ」
P「泣きましたよ」
ちひろ「そんなにですか……」
P「ええ、だってね――」
ちひろ「あ、呼び方も変わったんですね」
P「流石よく分かってる! 泣くのも分かるでしょう!?」
ちひろ「ちょ、ちょっと落ち着いて……」
ちひろ「……落ち着きました?」
P「すいません、取り乱しました」
ちひろ「いえいえ」
P「では、少し進んで……。ひなまつりイベントを振り返りましょうか」
ちひろ「千佳ちゃんに葵ちゃんに千鶴ちゃん……。九州出身の子が多かったですよね」
P「ええ、たまたまですけどね。そういえば葵は泰葉と同郷の柑奈とも共演してます。これも偶然ですが」
ちひろ「長崎と縁があるんでしょうか?」
P「地元でいうと共通点は……。あ、どちらも有名な温泉地がありますよ」
ちひろ「楓さんが好きそうですね」
P「はい、こちらになります。オフショットですが」
ちひろ「表情がやわらかいですね。私服もかわいいなあ」
P「長くモデルをやってただけありますよ。暖色系の服ってあまり着ないみたいですけど」
ちひろ「またこれ、ソックスがいいですね。いい残し方」
P「着眼点が女性のものじゃないですよ……」
ちひろ「でも絶対領域お好きでしょう?」
P「当然」
P「でも個人的に注目してほしいのはここですね」
ちひろ「あ、ヘアピン」
P「これめちゃくちゃレアですよー。滅多に着けてませんからね」
ちひろ「そういえば着けてるところ見たことないですね。ヘアスタイル的に必要ないからでしょうかね?」
P「いずれ何かいいのをプレゼントしたいなとは思ってますがね。なにせセンスに自信がない」
ちひろ「それでもウチのプロデューサーですか。それにこういうのって、誰から貰うかが大事なんですよ」
P「そう、ですかねえ……?」
ちひろ「ほら、自信持って!」
P「……ええ、自分で選んでみようと思いますよ」
ちひろ「はいっ、それが一番です♪」
『こうしてみんなと笑うあえるっていいですね。ふふっ、こんな時間が過ごせて嬉しいです…』
『流し雛もふたり一緒なら寂しくないですね。…今の私、みたい』
『一緒だと…やっぱり心強いです』
P「まだ影はありましたがね、もうこんなこと言ってくれるようになったんですよ」
ちひろ「いいなあ、かわいいなあ」
P「でしょう? もう側にいるしかねえなって思いましたね」
ちひろ「私だって密着しますよこんなの」
P「流石」
ちひろ「そちらこそ」
P「そしてね、ゆったり流し雛を眺めたりしてたワケですよ。事務所を飾りつけようかなんて話をしながら」
ちひろ「お内裏ロボを送りこんだり?」
P「しませんしません。ドールハウスの要領で~とかそういう話です」
ちひろ「いいですねえ。趣味でイキイキできるって」
P「通帳数える時はそうなりますか」
ちひろ「てめえ」
P「ハッハッハ。でね、ぽつりと泰葉が言ったんですよ」
P「――ってね?」
ちひろ「ああもうお姉ちゃんになります私」
P「義理の姉ですね」
ちひろ「妹かも?」
P「……え、結局どっちですか」
ちひろ「やっぱり、昔から頼られてるんですね」
P「え、ええ。恥ずかしながら俺も世話になりましたし」
ちひろ「でも頼ってもいいかな、と?」
P「いつでも背中投げ出しますとも」
P「はい、イベントの時のショットがこれですね」
ちひろ「これまた絶対領域」
P「これだけでごはん一週間くらいは食えますね」
ちひろ「それにしても、自然な笑顔ですねこれ」
P「俺と出会えてからだって言うんですよ。そんなの泰葉が元から天使だからに決まってるのに」
ちひろ「それで? この時はなんて言われたんですか羨ましい」
P「もう欲しがってますね。えっと、この時はですね――」
『あんまり下から見るのはダメですよ、Pさん。ふふっ』
P「からの」
『ふふっ…もっと見てください』
P「――のコンボですね」
ちひろ「もう色気が凄いですね」
P「辛抱なりませんよ。あの微笑なんなんですかもう」
ちひろ「直撃したら『もう同性でもいいや』ってなりそうです」
P「譲りませんよ」
ちひろ「なにおう」
P「微笑といえばね……」
ちひろ「なんです、まだ爆弾あるんですか」
P「爆弾て」
P「こんなこと言われましたけども」
ちひろ「爆弾じゃないですか」
P「爆弾じゃありませんよ、核ですよ」
ちひろ「即死ものですか」
P「だって、最初の頃思い出してくださいよ」
ちひろ「タメ口が出たことありましたもんね」
P「そうですよ。からの『もちろん隣です』ですよ」
ちひろ「……水爆ですね」
P「いや、反物質かもしれません」
P「お、これまたオフショットですね」
ちひろ「第1回ドリームLIVEフェスティバルの時ですね!」
P「ええ。……あの時のちひろさん妙に気前良くありませんでした?」
ちひろ「初めてのイベントってどうしても混乱しちゃって……」
P「まあ、俺は得しましたが」
ちひろ「あっ、ひどい!」
P「はっはっは」
ちひろ「制服っていいですよねえ」
P「全くですね」
ちひろ「これまたポーズがあざとい! ちょっと胸張ってますよ! 寄せていますし!」
P「流石としか言いようが無い。いやあもう、見せ方ってのを理解してるんです泰葉は」
ちひろ「そしてメガネ! いかにもアイドルのプライベートって感じですね!」
P「またしゃれっ気のない細いフルリムっていうのがいい。お得感ですよ」
『お疲れさまです。試験も近いので事務所で勉強でもと思って…』
『静かな場所の方が勉強もはかどりますし…それに年上の皆さんや○○さんなら勉強みてくれたりしないかなと…』
P「――なんて言われまして」
ちひろ「もうすっかり信用されてますね」
P「もう、事務所をプライベートの一部と見てるんです。考えてみてください、最初は仕事でプライベートなんて無いって言ってた泰葉がですよ?」
ちひろ「事務所に勤める側として、こんなに嬉しいことってありませんね……」
P「ええ、本当に」
『学業がおろそかなアイドルなんて…いやじゃないですか』
P「――って、言ったのを覚えています」
ちひろ「真面目なんですね。何事にも」
P「ええ、俺もそう言ったんですよ。そしたらね?」
『真面目に見えますか?…ふふ』
P「――って」
ちひろ「微笑いただきました!」
P「ちょっと嬉しそうに笑ってるんですよ! さらに――」
『…え? なにか変ですか?』
P「こう!」
ちひろ「ああもうお腹いっぱいです!」
P「それでね? 一緒に勉強付き合ってたら、ぽつりと言ったんですよ」
P「――って」
ちひろ「ついに気付いたんですね!」
P「ええもう。とうとう壁を越えてしまったんですよ」
P「誰もがとっくに知っている事実です。それってね、ほんの小さな一歩なんですよ」
ちひろ「でも泰葉ちゃんには最高に大きい一歩でしたと! そして繋がるんですか!」
P「ええ、お待たせいたしました。一歩踏み出した先がこちらですね。この時俺なんて言われたと思います?」
『私にとって楽しいことって考えてたら…今は○○さんと一緒にお仕事することかなって思ったんです』
『だから今日は、プロデューサーも驚くような新しい私を見せますから…!』
ちひろ「出ましたね」
P「はい出ました。からの――」スッ
ちひろ「えっ、ボイスレコーダー……」
『もうちょっと明るく…ですか?えっと…いぇいっ…みたいな』
P「ですね」カチ
ちひろ「データください今すぐ」
P「はっはっは。スタドリ」
ちひろ「ぐぬぬ……」
P「もうこの時に言われたことって大体覚えてますよ」
『さて、頑張りましょう。…一緒に』
P「とか」
ちひろ「『一緒に』って! また『一緒に』って!」
『一緒に踊りますか? ふふ』
P「とか」
ちひろ「ああ待って、また微笑!」
『ちょっとしたきっかけで…人は変わることができるのかなって』
ちひろ「タイム! ちょっとタイム!」
P「はい」
ちひろ「コイツめ! なんていうかコイツめ!」
P「どうですか」
ちひろ「もっとじっくり味わいたいですよ」
P「最後の言葉ですよね」
ちひろ「まさに『小さな一歩』じゃないですか! 映画撮れますよこれ!」
P「さっき言った言葉も別に格好つけようとかじゃあないんですよ。俺既にドキュメンタリーの企画立ててますからね」
ちひろ「さすが!」
P「はっはっは。それでですね、こんなに明るくて誘う素振りなんて見せる泰葉も――」
『リボン可愛いですか?そ、そう…』
P「なんてふと照れるんですよ」
ちひろ「いいタイミングで褒めますね! この女ったらし!」
P「えっひどい」
P「それで、ステージを終えて戻ってきた泰葉が言うんですよ」
P「――って」
ちひろ「うええ……」
P「ほら、泣くでしょ?」
ちひろ「はい……!」グスッ
P「それでですね――」
『Pさんの前では…笑っていても、いいですか?』
P「って!」
『Pさん…私、アイドルになれて…よかったなって…!』
P「って……!」ズビッ
ちひろ「ああもう、ハンカチ」
P「すみません……。でもね、プロデューサーやってて……本当に良かったなって……!」ズズッ
ちひろ「はい……! 事務員やってて……本当によかったです……!」グスッ
オーイオイオイ…
オーイオイオイ…
――――
――――――
P「はいバレンタイン振り返ってみましょおおおおお!」
ちひろ「やっふううううううううう!」
P「はいバレンタインと言えば!」
ちひろ「アイドルプロデュース チョコレートフォーユー! ですね!」
P「11日間ですよ! 実に238時間つきっきりを許可されましたからね!」
ちひろ「飲んでも飲んでも減らないマイスタが尽きましたか!」
P「ええ消えていきましたね! 風呂の栓を抜くように!」
P「そしてこちらが泰葉の冬服ですね」
ちひろ「ブルーのカーディガン。こういう色もいいなあ」
P「ちひろさんってずっと蛍光グリーンですもんね」
ちひろ「パステルカラーとかに変えたらどう思います?」
P「目に優しいんじゃあないですかね」
ちひろ「あ、ペンダントピンクですね」
P「気付きましたか」
ちひろ「メガネとかヘアピンとか、小物はいつもピンクなんですね」
P「色の組み合わせとか考えてるのかもしれませんね。長くモデルやってたんですし」
ちひろ「自然に笑っちゃって……うふふっ」
P「眩しいですねえ」
ちひろ「笑顔といえば! そしてアイプロといえば!」
P「もちろんスナップ撮ってあります!」
『さて…ん?と、撮るんですか!?スナップ写真…わかりました。はい』
ちひろ「さっと、こういう笑顔が出来るようになったんですね」
P「屈託なく笑ってますよ」
ちひろ「守らなきゃ。どんな手を使ってでも」
P「よっ! 金融界の女帝!」
ちひろ「…………」
P「はい! やはりアイプロですからね! 色々な表情が見られましたよ!」
P「はい」
ちひろ「はいじゃない! ああもうどれもかわいい!」
ちひろ「この三枚目とか」
P「おっ、いいですね。スナップじゃあ真顔ってなかなか撮りませんからねえ」
ちひろ「二枚目もいいなあ。普段先輩って頼られる子ですもんね」
P「それでも緊張しちゃうんですねえ。こういう一面見せられるの本当に弱いです俺」
ちひろ「……実はコスプレって結構勇気がいるんですよねー」
P「ハハッ」
ちひろ「え、ひどくない?」
ちひろ「でも、やっぱりこの四枚目ですよ!」
P「何度でも言いますが色気があるんですよね、泰葉」
P「これって、ファンに配るチョコを作ろうって企画だったんですね」
ちひろ「ええ。フレデリカちゃんとか好き放題やってましたよね」
P「泰葉はね、こう言ってたんですよ」
ちひろ「真面目ですねえ」
P「さりげなく頼ってくれるんですよ。本当にさりげなく」
ちひろ「なんか、いい距離感ですね」
P「分かりますか」
P「そしてイベント当日ですね。こう言ってました」
『今日は特別な日だから...私の衣装も気持ちも特別なんです』
『ドキドキしますけど...アイドルとして成長した私を、ファンのみなさんと...そして○○さんにお見せしますから。ふふっ』
ちひろ「微笑をずっと聞き続けていたいです」
P「他の皆とおそろいの衣装ですね。大きいリボンがシルエットを華やかにするのがポイント」
ちひろ「ドキドキするんですって」
P「ええ、ドキドキしてるそうですね」
ちひろ「これまでの『お仕事』とは違うんだと」
P「そういうことになりますね」
ちひろ「……」
P「……」
ピシガシグッグッ
『ちょっと恥ずかしい衣装も...喜んでくれる人がいるのなら...』
『手渡しが...大事ですよね』
『ファン一人ひとりと触れ合えることが...とても嬉しいんです』
P「――って、言うんですよ。お互いもう感極まっちゃってましたね」
ちひろ「どんどん成長していきますね。アイドルとしても、一人の女の子としても」
P「ええ」
『私のチョコ...欲しいですか?』
『Pさんとふたりだけの特別、たまにはいいですよね?』
P「――なんて言われましたし」
ちひろ「なんか、私勝てる気がしません」
P「俺は勝とうとも思いません」
P「それで……イベントが終わるとき、こんなこと言われたんです」
ちひろ「これ以上かわいくなるんですか!?」
P「もうこっちおかしくなりそうですけどね」
P「さて、次のスナップは……と」
ちひろ「LIVEツアーカーニバル in スペースワールド!」
P「俺頑張りましたよ。ついにメインの仕事とれました」
ちひろ「主役ですよ主役! やりましたね!」
ちひろ「もう、デートなんかしちゃって!」
P「いやーはっはっは」
ちひろ「……ちょっとくらい否定しないとスキャンダルですよ」
ちひろ「瞳キラッキラしてますね」
P「プラネタリウムを見てるからっていうのもありますが……やっぱり、そうじゃない輝きがありますよね」
ちひろ「あれ、っていうかこれ館内……。撮影ってどうやって……」
P「いやーはっはっは」
ちひろ「……」
『あっ…すみません…。初めは星を見ていたんですけど、なんとなく○○さんが気になって…』
『瞳に、星が映っていて…綺麗だなって。私の瞳にも、同じ星は映っているでしょうか…?』
P「――って言われましてね。つい言いかけましたよ」
ちひろ「なんて?」
P「君の瞳に乾杯と」
ちひろ「……うわぁ」
P「……さすがに冗談ですよ。その目やめて」
『Pさんは、例えるなら北極星ですね。私の…目印です』
『Pさん、出会えてよかったって…思ってくれますか?』
『ふふ、名のない星でも…見つけてくれる人は必ずいますから』
P「――なんて。出会ってよかったなんて当然のことですよ」
ちひろ「北極星、ですか」
P「2等星……目立たないけど、いつも空にある星です。嬉しいですね、裏方の身として」
ちひろ「本当にそれだけですか?」
P「まさか」
P「これが、イベント時のショットですね」
ちひろ「ちょっと大人びているというか、中々無いタイプの衣装ですね」
『その…Pさん、これ、透けているんですけど…あの』
P「――とか言われました」
ちひろ「こいつめ」
P「この時はちひろさんも関わったでしょ」
ちひろ「そうでした」
ちひろ「瞳、輝いてますね……本当に」
P「ええ。ここまで来た甲斐があったって感じです」
『打ち上げ時刻は…あ、いえ、ロケットではなく終了の方です。ふふ』
P「――なんてジョークも挟むようになったんですよ」
ちひろ「ふふ、楽しそうですね」
P「さて、そろそろ最新のページですね」
ちひろ「わっ、メルヘンアニマルガチャの時ですか」
P「ええ、ふわふわもこもこですね」
『ふぁ…ねむ…寝不足でお仕事に臨むのはダメですね…あっ!Pさん、いつから…み、見ました?』
『…お恥ずかしいです。あの、普段はあくびなんてしないんです…本当に!本当です!』
P「――って、いつからか随分無防備な姿を見せてくれるようになりました」
ちひろ「照れちゃってまあ……」
P「あの泰葉が寝不足です。すっかり気が抜けてきているようで、俺としては喜ばしいですね」
ちひろ「どんどん普通の女の子になっていくんですよね。なのにどんどんアイドルとしてもかわいくなっていく」
P「もちろん、最後まで見届けるつもりですよ」
ちひろ「お供します」
P「それでね、寝ぼけちゃってるんですかね。俺が率直な感想をもらすと……」
『可愛いアイドル…可愛い…ふふっ』
P「――なんて一人で言ってるんです」
ちひろ「ああもうかわいいなあ」
P「何度もうつらうつらしながら、ハッてしては『大丈夫です!』って」
ちひろ「なんで映像残してないんですか!」
P「本当、うかつでしたよ。でもね」カチ
『ふぁ…あ、Pさん…ふふ、私のあくび、うつりました?』
P「あくび、録音しております」
ちひろ「給料アップです」
P「やった」
P「とどめにこうですからね」カチ
ちひろ「ちょっと西川の毛布買ってきます」
P「既にありますとも」
ちひろ「一緒に使いましたか!?」
P「…………」
ちひろ「どうなんですか!?」
P「こっちがメインの衣装ですね」
ちひろ「あらもこもこ」
『あなたの夢の案内人、ひつじの泰葉ですよ。ふふっ…なんだかそんな風に言ってしまえるほど、ふわふわもこもこの可愛い衣装ですね。ファンのみなさんにすてきな夢をみせてあげたいな』
P「――ってね。アドリブですよ、『ひつじの泰葉』って」
ちひろ「一度お目にかかろうものなら安眠間違い無しですね」
P「むしろテンション上がって眠れません」
『眠いイメージですよね、ひつじさん』
『ひつじさんの衣装、あったかい』
P「って言ったんですよ」
ちひろ「『ひつじさん』って……『ひつじさん』って……!」
P「ね? もうたまらんでしょう?」
P「もうこれから先全ての仕事この衣装で行ったろうかなと思いかけましたね」
ちひろ「新しい仕事重要ですよ!?」
P「分かってます」
P「あと、こんなこと言われましてね」
『Pさん…眠くなるおまじないです。ほらっ』
P「そういう訳なので、多少の寝坊は堪忍してください」
ちひろ「でも泰葉ちゃんこうも言ってましたよね」
『Pさんは寝たらダメです。みんなを見守ってください』
P「聞かれてましたか」
ちひろ「聞いておりました」
P「仕方ないですね……ボイスレコーダー」カチ
『…カメラへおやすみなさいをする感じ…おやすみなさい、ばいばい』
ちひろ「勝てない」
ちひろ「あ! でもプロデューサーさんがあまり寝てはいけない理由があるんですよ!」
ちひろ「ほら、泰葉ちゃん言ってましたよね!」
ちひろ「――って!」
P「夢でもし会えたら素敵なことなので会えるまで寝てもいいですか」
ちひろ「杏ちゃん並の無駄に素早い返し……」グヌヌ
P「まあ、実際眠ってなんかいられません」
P「俺は泰葉をもっと華やかで楽しい舞台に連れて行くって決めてるので」
ちひろ「そうです! すっかり慕われちゃってるんだから責任持たないと!」
P「よーし! アニバーサリーに向けてがんばりましょう!」
ちひろ「シンデレラ目指して!」
「「おー!!」」
――――――
――――
P「ちょっと振り返るつもりが、もういい時間ですね」
ちひろ「すごく楽しかったですよ」
P「いえいえ、泰葉の魅力はまだこんなもんじゃない。俺の力量不足を感じましたね」
ちひろ「ならもっともっと頑張らないと! だってもうすぐ――」
ちひろ「あ!! アニバーサリーの準備!」
P「やべっ! 手伝います!」
ドタドタ・・・
ちひろ「あっ、このディスクって――」
『THE IDOLM@STER シンデレラガールズ ニュージェネレーションズ』
完
以上でおしまいです
拙いですが、セリフのアピールを重点的に書いたつもりです
上位泰葉のパートが少々物足りないのは当時爆死したためです
復刻の頃にはボイス付いていてほしい……
画像まみれで大変読みにくいながらも、お付き合いいただきありがとうございました
ボイス投票受付は午前5時からとなっていますね
ね
転載元
モバP「お、これは泰葉のファイルか」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1417010125/
モバP「お、これは泰葉のファイルか」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1417010125/
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コメント一覧 (45)
-
- 2014年11月28日 08:46
- 選挙が始まるからか泰葉のssが多いな〜
-
- 2014年11月28日 08:47
- 素晴らしい
この泰葉Pに盛大な乙を
-
- 2014年11月28日 08:56
- 億泰に見えて困惑した
-
- 2014年11月28日 09:02
- ※3
モバPは字がうんたらかんたら
-
- 2014年11月28日 09:07
- ~読書中~
俺、幸子Pちゃうかもしれんな。
~読書後~
俺、幸子Pちゃうな。(確信)
-
- 2014年11月28日 09:13
- 非処女好きにはたまらんな(断定)
-
- 2014年11月28日 09:50
- Pがキモい。プロに徹しろ。
あ、泰葉は天使ですよ。
-
- 2014年11月28日 10:10
- ぱっつんは正義。これは宇宙の真理だ
-
- 2014年11月28日 10:13
- (こっそりと録音と写真を持ちさる音)
-
- 2014年11月28日 10:14
- こういうダイマは大歓迎。個人的には、ぼののSR特訓前の先輩が好き。
-
- 2014年11月28日 10:22
- これは超正統派シンデレラ系アイドルですわ(特に理由のない蒼り)
-
- 2014年11月28日 10:26
- ssの方でも各担当Pの水面下の戦いが始まっている…!
おれも泰葉に一票で。
そういやチクビおでんP復活してたな
-
- 2014年11月28日 10:33
- 泰葉は本当に変わったよね。
可愛さが超進化を遂げすぎて、もう財布がヤバい。
-
- 2014年11月28日 10:38
- 選挙前にSS書くの禁止にしよう
-
- 2014年11月28日 10:54
- 選挙活動しなくても先輩にいれるから安心しろよ
なんでイベントなの?
ガチャの方が早いのにorz
-
- 2014年11月28日 11:07
- 愛が溢れてるなおい!
-
- 2014年11月28日 11:23
- いいダイマだ。先輩にも投票したくなった。
しかしさすがにサバイバルエリアボスの台詞は無しか
-
- 2014年11月28日 11:47
- うぬぬ……ほたるに入れようかと思ってたが泰葉も良いな
チクショウ、どうして一人だけなんだ
-
- 2014年11月28日 11:52
- そんなのいいからさっさと選挙の為に課金しろやゴミモバP共
-
- 2014年11月28日 11:57
- ※19
まあまあ眼鏡どうぞ
-
- 2014年11月28日 12:09
- ※21
課金してもラブライブに勝てないモバカスwww
-
- 2014年11月28日 12:21
- ↑お前Pかよぉ!
-
- 2014年11月28日 12:23
- 泰葉は可愛いなぁ
可愛かったんだ(二つ下を思い出して絶望する音)
-
- 2014年11月28日 12:24
- この愛は本物
-
- 2014年11月28日 12:29
- この作者、以前に千鶴の書いた人?
-
- 2014年11月28日 12:38
- あ~これは先輩に投票しそうになるな…
でも関ちゃんも…
それよりチクビおでんP復活が気になるどうしてくれる
-
- 2014年11月28日 12:58
- ※26
今回はしぶりんだな。そろそろhtml化依頼してくれるはず
というか直接SS速報に行けばいい
-
- 2014年11月28日 14:05
- 大天使岡崎プロ
他の子の話も見てみたい
-
- 2014年11月28日 14:11
- アイドルに愛の足りない私としては、
もっとざっくり短くして全員分見たい。
……
ハイ、言い過ぎました……
-
- 2014年11月28日 14:32
- このSSはたまたま康葉を題材にして書かれているだけで、
ボイス争奪選挙には関係ない、いいね?
-
- 2014年11月28日 15:00
- 愛があって、素敵だと思います
-
- 2014年11月28日 16:15
- ああー先輩かわいいんじゃー
-
- 2014年11月28日 17:15
- つよい(確信)
-
- 2014年11月28日 17:50
- ボイス選挙CMに先輩出てきて嬉しかった
先輩に全部投票するよ
-
- 2014年11月28日 18:34
- 素晴らしい!素晴らしいぞ!!
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- 2014年11月28日 22:04
- このキャラは、ある日突然、旦那に金髪豚野郎て言って離婚した人が元ネタ?
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- 2014年11月28日 23:07
- 先輩可愛い素敵。
アイドル好きすぎる事務員も可愛い。
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- 2014年11月28日 23:38
- 岡崎先輩、あのお城みたいな建物に行きましょうか
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- 2014年11月29日 01:33
- これは脱帽ですわ
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- 2014年11月29日 01:59
- あ^~俺のぶっとい肉○をかわいい羊泰葉の腸に詰めたいんじゃ~
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- 2014年11月29日 02:07
- SSも気持ち悪いが※欄の信者のキモさがやばい
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- 2014年11月29日 09:13
- NG'sはぶっちゃけパイセン漫画だと思うの
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- 2014年12月01日 09:02
- 非処女でもいい
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- 2015年09月20日 01:07
- 二次のパッツンはウェルカム
惨事のパッツンは絶滅せよ
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- 2019年11月22日 19:26
- これは良き泰葉ss
パイセンかわいいよパイセン