両津「オトナ帝国の逆襲だぁ?」中川「ええ」
- 2014年11月04日 21:40
- SS、こちら葛飾区亀有公園前派出所
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両津「なんだよそれは」
中川「クレヨンしんちゃんの映画ですよ。麗子さんがBlue-rayをかりてきたので見ようかと思いまして」
麗子「おもしろいわよ?両ちゃんも一緒に見てみない?」
マリア「どうぞ両様!マリアのお隣に!」
両津「そんなガキ向けの映画見れるかよ!お前たちだけで勝手に見とけ!ワシは今日は競馬で忙しいんだ!」シッシッ
本田「ええーせんぱぁ~い。この作品は大人が見ても面白い作品ですよぉ?」
大原「ほっとけほっとけ、良作品をあんなやつに見せてもわかりゃしないだろうからな」
麗子「それもそうね」
両津「へん、なんとでもいいやがれってんだ。さぁてお馬さんお馬さん~わたくしめにお金をおめぐみくださいねぇ~っと!」スリスリ
マリア「もう、両様ったら・・・」
『ザザッ・・・さて今回の〇〇杯・・・このレースを制するのはいったいどの馬なのなのか!』
両津「お、はじまったはじまった!」
『ここでマタグラマツリ!トップに躍り出た!それを追うイダテンシャセイ!』
両津「いけ!イダテン!!させっ!させっ!」
麗子「もう!両ちゃん静かにして!!」
大原「そうだぞ両津!静かにせんか!」
両津「はいはーいっと・・・ったくうるせぇなぁ・・・」
『ここでイダテンシャセイトップに躍り出たーーー!!!』
両津「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?!?!?!きたきたきたキターー!!!!」
中川「先輩静かにしてくださいっていってるじゃないですかー」
両津「このまま行きゃ万馬券だ!!いけっ!!いけーーっ!!」
『・・・ブツッ・・・ピンポンパンポーン』
両津「・・・あ?なんだ?ラジオが急に・・・」
本田「あ、あれ?急にディスクが止まってテレビに変な画面が・・・」
コンニチワ~ コンニチワ~♪
ミライノ~ クニカラ~♪
両津「な、なんだ!?おい!すぐに競馬中継に戻せよ!おい!わしの万馬券!!」バンバン!
ラジオ&テレビ『東京、上野に新しいテーマパークが誕生!』
中川「テーマパーク・・・?そんな話は一度も聞いたことがありませんよ」
麗子「私も聞いたことないわ」
中川「おかしいな・・・そんなものが建つなら僕や麗子さんの会社に情報が入ってくるはずだけど・・・」
『新しいテーマパーク!その名も・・・「20世紀博」! 』
大原「20世紀博・・・」
『あなたもかつての日本、味わって見ませんか?明日オープン!行くっきゃない!』
両津「くそーっ!このポンコツめ!わしの万馬券はどうなったんだー!」ガンガンガンガン!!
大原「・・・」ジーッ
麗子「・・・部長さんったらテレビに釘付けね・・・行ってみたいのかしら」
中川「・・・」
中川「部長。明日派出所メンバーでこの20世紀博、行ってみませんか?」
大原「な、なに!?」
中川「明日はちょうどみなさん昼は空いてますしグッドタイミングですよ!」
大原「そ、そうか!そうだな!」パァ!
麗子「ちょ、ちょっと圭ちゃん!・・・あのテーマパークはちょっと怪しいわよ?」ボソボソ
中川「大丈夫。僕がspを総動員させて客に紛れ込ませる。何かあったときは対応できるように万全の準備をしてから行こう」ボソボソ
麗子「なんでそこまでしてまで?」ボソボソ
中川「麗子さんも見たでしょう。あの部長の少年のような目を」
大原「そ、そうか・・・20世紀博か!楽しみだなぁ両津!」ワクワク
両津「20世紀博なんかよりも私は万馬券の行方の方が大事ですよぉ!」
大原「はは!これを期にお前も競馬などやめろという神のお告げだ!」
両津「そりゃないですよぶちょぉ~~!」
麗子「・・・本当だわ。ご機嫌ね、部長さん」
中川「僕たちはいつも部長には世話になってるからね・・・ほんのお礼さ」ウインク
麗子「圭ちゃん・・・」
両津「ーーーってわけでよ。万馬券になるはずだったイダテンシャセイは落馬してやがったんだよ」
ボルボ「はは、そりゃ災難だったな両津」
左近寺「しかし20世紀博か・・・俺たちもいってみたいな」
ボルボ「ああ、20世紀に活躍した武器や戦闘機などもあるんだろうなぁ」
両津「あるわけねぇだろそんなもの・・・」
纏「ほらほら!また通路で座ってたむろってんじゃないよカンキチ!」
両津「げ、纏!」
纏「カンキチ、またあんた店のネタつまみ食いしたろ?ばぁちゃんが怒ってたぞ」
両津「ゲ・・・ばれたのかよ・・・めんどくさいことになったなぁ」ボリボリ
纏「てか今もしかして上野の20世紀博の話してた?」
両津「ああ、それがどうかしたのか?」
纏「いや、20世紀博なら明日超神田のみんなで行こうって話しになってたんだ。それに誘おうとカンキチを探してたんだけど・・・」
両津「なんだそうだったのか」
両津「ちょうどいいしワシら派出所組+αと纏たちの超神田のやつらで一緒に行こうぜ」
纏「うーん、それがいいかもね」
ボルボ「+αって・・・」
左近寺「俺たち+αにされたな・・・」
纏「ばあちゃん楽しみにしてたよ行くの」
両津「夏春都・・・あいつ20世紀の殆どを生きてきてんじゃねぇのか・・・」
ーーー翌日 上野 20世紀博
パーンパパパーン・・・
大原「おお・・・おお!これが20世紀博か・・・!」
本田「ひぇぇー人がいっぱいですぅ~!」
両津「なんつーか、見た感じふつーの万博って感じっすね」
ボルボ「おお!20世紀の武器の歴史館なんてものがあるぞ!」
左近寺「こ、こっちは20世紀のシミュレーションゲームの・・・ゲフンゲフン!・・・トレーニング器具の歴史館もあるぞ!」
両津「なんでそんなものあるんだよ・・・」
マリア「両様!お昼は是非マリアの作ったこのお弁当をお召し上がりくださいませ!」
両津「おお!ありがとうなマリア!」
マリア「嫌ですわ両様///!当然のことです///!」バキィッ!!
両津「ぎゃあっ!?」ドカッ!!
マリア「りょ、両様ー!!」
両津「て、照れ隠しに蹴るんじゃない!」ゲホゲホ
中川「みんな楽しそうだね麗子さん」
麗子「そうね!部長さんも大はしゃぎみたい」
麗子「・・・ところであの件はどうなったの?このテーマパークのこと」ボソッ
中川「ああ、僕もいろいろ調べてみたんだけどどうやら都に申請は出ているらしいんだ」ボソボソ
中川「だけどこれだけ大きなテーマパーク・・・中川コンツェルンに情報が入らない訳が無いんだけどね・・・」
麗子「・・・やっぱりまずいんじゃないの?」
中川「大丈夫。客の中に3000人以上のSPも紛れ込ませてるしヘリコプター10機で空から見回りをさせてる・・・なにかあったらすぐに対応できるよ」
夏春都「ほお、これが20世紀博かい」
纏父「結構いろんなものがあるみたいだねぇ・・・あ、ここなんかおもしろそうだ」
纏母「あら、ほんとねぇ」
纏「よ、派出所組+α」
ボルボ「+α・・・」左近寺「+α・・・」
両津「よう、お前たちも来たか」
蜜柑「だ、だ!いちろー!」
両津「よう蜜柑ー、元気かー?」ヨシヨシ
檸檬「当然じゃ!みかんちゃんの健康はれもんが守るからな!」
両津「おう、偉いぞ檸檬!」
左近寺「しかしこの人数で移動となると少々不便だな」
中川「ではこうしましょう。それぞれ複数人でグループを作ってそれぞれの行きたい場所にわかれるんです。2時になったらここで落ち合いましょう!」
組み分け
中川+麗子+大原
夏春都+檸檬+纏+蜜柑
左近寺+ボルボ+両津+マリア
纏父+纏母
ーーー14時
大原「いやぁ!ここはいいところだな!子供の頃のワクワクを思い出したよ!」
中川「ええ・・・何故かすごく居心地がいいですね!」
麗子「本当!ずっといたいくらいよ!テディベア館よかったわ!」
夏春都「なんだか昔に戻ったような気分になったよ」
纏「わ、私にはちょっと合わなかったかな~なんて・・・」タハハ・・・
檸檬「何を言うておるのじゃ纏。とても楽しかったぞ。20世紀時代劇館」
蜜柑「だぁ!」
纏「そ、そう・・・」
左近寺「いやぁ良かった・・・ああやってゲームが・・・ゲフンゲフン!・・・ああやってトレーニング器具は発展したんだな」
ボルボ「武器博もよかったな。見聞が広まった」
両津「ワシ的には玩具館などよかったなぁ!ベーゴマにメンコ!かつてのGIジョーなどもあって!」
マリア「わたくしは両様がいればどこでもてんごくですわ!キャッ///」
本田「あ、ちなみに僕は先輩たちと同じグループでしたからね~?」
両津「誰に言ってるんだ本田・・・?」
纏父「いいところだね、ここは」
纏母「本当ね・・・であった頃に戻ったみたいな気分よ?」
纏父「おまえ・・・」
両津「そろそろ腹が減ったな・・・飯くおうぜ飯」
マリア「りょ、両様!お弁当を!」サッ
両津「おお!マリアのお手製弁当があったんだったな!」
纏「なんだ、カンキチ弁当あったのかよ?〝鱒寿司〟作ってきて損したぜ」
両津「な、なにぃっ!超神田の鱒寿司だと!?く、くれ!」
纏「いや、お前はマリアの作った弁当が・・・」
両津「おねげぇしますだ纒様~どっちも食べますだ~鱒寿司をおめぐみください~」グイグイ
纏「おい!引っ張るなって!おい!!やるから!やるから離せ!!」
マリア「・・・」
マリア「やはり纏さんとは決着をつける時がくるかもしれませんわ・・・」
纏「???」
両津「うむっ!!うまいっ!!」ガツガツムシャムシャ!!
纏「お前モノ食ったときの感想そればっかりだな・・・」
両津「感想なんて困難でいいんだよ!うまいかまずいか!最近のレポーターは喋りすぎだ!」ガツガツムシャムシャ!!
マリア「さすが両様!男らしいですわ!」
両津「あったりめえだべらぼうめぇ!こちとら江戸っ子でぇ!」
ーーーそして
中川「そろそろ帰りましょうかみなさん」
大原「もうそんな時間か・・・ここにいると時間が立つのが早いなぁ」
麗子「まだぜんぜん回れてないくらい広いですものね」
纏「檸檬も蜜柑も遊び疲れて寝ちゃったな。悪いなカンキチ。檸檬背負わせちゃって」
両津「こんぐらいどうってことねぇよ」ニッ
檸檬「すぅすぅ・・・」zzz
蜜柑「あぃー・・・」zzz
夏春都「さ、わたしらも帰るよ!」
纏父「は、はい」
左近寺「いやぁ・・・一生ここにいたい気分だ」
ボルボ「まったくだな」
両津「そこまで言うか?ワシは別にたまに来るくらいでいいと思うがな・・・」
本田「いやいやーいれることならずっといたいですよぉ~」
麗子「・・・ところで圭ちゃん。あのことはどうなったの?」
中川「うーん・・・一日中調べ回らせたんだけど何も異変はなかったみたいだ・・・。徒労だったかな」
中川(ただ少し変な電波を受信したっていう知らせもあったけど・・・気にするほどのことではなさそうだ)
ーーー一週間後 派出所
両津「なに?部長がまた20世紀博に?」
中川「ええ、ここのところは毎日ですよ。遅番早番に合わせて時間を見つけては行ってるようです」
麗子「実を言うとわたし達も・・・」
中川「時間が空くとなぜか自然に足が向いてしまって・・・」ハハ
両津「なんだよお前らもか?超神田のやつらや左近寺ボルボも同じような感じなんだよ」
中川「そうなんですか?」
両津「夏春都や纏の両親が通い詰めてるらしくてな。昨日は大変だったぜ」
麗子「まぁ・・・」
両津「本田なんか最近は白バイで勤務中に行こうとしやがるからな」
中川「そ、それは大変ですね」
両津「そこまでのめり込むようなことかねぇ・・・」
麗子「ま、体は大人でも頭脳は子供な両ちゃんにはわからないでしょうけどね!」フフン
両津「なんだと!?大人の証拠を見せてやろうか!?」
中川「ちょ、ちょっと先輩!!ズボンを脱ぐのはやめてください!!」
両津「うるせぇ!お前も脱げ!」
麗子「きゃー!」
ーーーさらに一週間後 超神田
両津「ただいま~っと」ガラッ
シーン・・・
両津「ん?やけにガランとしてるな・・・」
両津「おーい夏春都ー!」
シーン・・・
両津「いないのか?」スタスタ
『ーーーー!ーーーーー!』
『ーーーー!ーーー!』
両津「!・・・この部屋から声が聞こえるぞ、なんだよいるんじゃねぇか」ガラッ
夏春都「ほら!ここ!この場面だよ!檸檬!ここの刀の抜き方がこの役者のミソなんだよ!」
檸檬「も、もうそこは何百とみたのじゃ・・・先に進んで欲しいのじゃ・・・」
両津「なんだなんだ?大丈夫か檸檬?」
檸檬「か、カンキチ・・・おばあちゃんが時代劇のびでおの同じばめんばかり巻き戻して見せるのじゃー・・・」グテッ
夏春都「カンキチ!邪魔するんじゃないよ!ほら檸檬!ちゃんとみな!」
両津「夏春都。檸檬もそこの魅力は充分わかったって!その先を見せてやれ!ドラマはちゃんと流れで見なきゃな!な!」
夏春都「ふん・・・まだ納得してないけどそれはもっともだね。じゃあ続きを見せるか」ピッ
檸檬「や、やっと進んだのじゃ・・・」
両津「よかったな檸檬」
夏春都「ここだよ!!」ピッ
檸檬「!?」
夏春都「ここ!このすり足の仕方!これはなかなか素晴らしいよ!」ピッピッピッピッ
檸檬「も、もういやじゃ~!!」ダダダダ!!
夏春都「こら檸檬!まだビデオは終わってないよ!!」
両津「な、なんだ夏春都のやつ・・・ついにボケたのか?」
『おぎゃあ!おぎゃあ!』
両津「っと!この声は蜜柑か!?何があったんだ!?」ダダダダ!!
両津「大丈夫か蜜柑っ!!」ガラガラッ!
蜜柑「おぎゃあ!おぎゃあ!」
纏父「ほら!ここ!このスペシウムマンのビーム!この表現は昭和ならではだよ!」
纏母「あら!ぷりてぃーみさりんのこの変身シーンも素晴らしいわよ!」
纏父「なんだと!?」
纏母「なんですってー!?」
両津「おいおい!二人とも喧嘩するな!蜜柑が怯えて泣いちゃってるじゃないか!」
纏父「イチローさんもこっちのスペシウムマンが素晴らしいと思うよな!」
纏母「いやいや!イチローさんはこっちのぷりてぃーみさりんの方がいいっていうに決まってるわ!」
両津「そんなことはどうでもいいからとりあえず喧嘩を・・・!」
纏父纏母「「どうでもよくないっ!!」」
蜜柑「びぇぇぇぇぇぇん!!!」
両津「く、くそ・・・何がどうなってやがんだ!?」
両津「とりあえず蜜柑だけは部屋から連れ出したが・・・あの二人がなぜあんなことで喧嘩を・・・」
蜜柑「あぶ・・・いちろー・・・」グスグス
両津「おうおう、大丈夫だからなー蜜柑ー」
檸檬「か、カンキチ!」ハァハァ
両津「檸檬じゃねぇか!・・・あれからずっと逃げ回ってたのか?」
檸檬「も、もう疲れたのじゃ・・・」グタッ
両津「お、おう大丈夫か」
両津「みんな様子がおかしいがどうしたんだ?」
檸檬「わ、わからんのじゃ・・・初めは昔のどらまやあにめのビデオを見て談笑するくらいだったのがいつの間にか・・・」
纏「それに最近じゃ空き時間じゃなくても20世紀博に行くようになってね」ガラッ
両津「纏!今帰ったのか」
纏「ああ、ごめんなカンキチ。見苦しいところみせちまって」
両津「いや、いいってことよ。一応ワシももうここの一員のようなものだしな」
両津「しかしそうなると最近の派出所の状態も似てるな・・・」
纏「派出所?」
両津「ああ、最近は中川も麗子も部長もついでに丸井ヤング館(寺井)や凄苦残念(宝条)も休みがちなんだよ。来ても心ここにあらずって感じでよ」
纏「うーん・・・この一連の騒動なにか裏にあるのかな・・・」
檸檬「何もかもあのにじゅっせいきはくとかいうのができてからおかしいのじゃ」
両津「20世紀博か・・・」
コンニチワ~コンニチワ~♪
ミライノ~クニカラ~♪
纏「なんだ?外に変な車が・・・」
『20世紀に戻りたいみんな!?永久に20世紀博会場に住んでみないかい!?』
『そんなみんなに朗報だよ!この車の荷台にのれば永遠に20世紀の世界で生きることができる!乗るっきゃない!』
両津「な、何言ってるんだ・・・?20世紀の世界って・・・」
夏春都「わたしものせてくれー!」
両津「夏春都!?」
纏父「わたしも!」纏母「わたしもよーっ!!」
纏「父さん!?母さん!?」
檸檬「い、いや!このうちだけじゃないぞ!ほかのうちからも人がいっぱい出ていってる!」
ワーワー!
蜜柑「びぇぇぇぇぇぇん!!!」
両津「ま、まてお前ら!どこに行くつもりだ!」
夏春都「うるさいよ!どきなっ!」ダダダダッ
纏「ま、待てよばあちゃん!!」
両津「ほ、ほら!蜜柑も泣いてるぞ!」
纏父「うるさいっ!!」バシッ!
蜜柑「っ!?」
纏母「そこの車まってぇ~!」ダダダダ!!ドカッ
両津「うぉっとと!」ヨロッ!
両津「く・・・纏!蜜柑を任せた!」スッ
纏「ど、どうする気だカンキチ!」
両津「ワシがなんとしてでもあの車を止めてくる!相手は徐行運転してる車だ!すぐおいつく!」グッ!!
纏「す、すぐ追いつくって言ったってお前!」
両津「あの優しい父親が蜜柑をはたいたんだぞ!明らかに異常だ!考えるよりも行動するべきだ!!」ズダダダダ!!
檸檬「も、もう行ってしまったのじゃ」
纏「あいつ・・・」
両津「おらぁぁぁぁぁ!!待てえええええ!!!!」ズダダダダッ!!ガシッ!!
両津「捕まえた!」
運転手「な、何だあいつは・・・!大人の癖に電波が効いてないのか!?」
運転手2「な、なんかしらんが不味いぞ!荷台に登ろうとしてやがる!」
運転手「くそ!振り落としてやる!」ギュイギュイギュイッ!
荷台の大人達「うわわっ!」
両津「くっ!このぉ!離すかぁっ!!」
運転手2「お前たちっ!そいつの手を荷台から離させたらこいつをやるぞー!」スッ
荷台の大人1「あ、あれは!」
荷台の大人2「カッパのバッチだ!!」
運転手2「コイツをつけてれば電車にタダで乗れるだけじゃなく20世紀博内では特別待遇でお菓子やジュース飲み放題だ!」
荷台の大人「うぉおおおお!!!落とせぇえええ!!!」ゲシゲシ!!
荷台の大人2「カッパのバッチだぁぁぁ!!!」ゲシゲシゲシゲシ!!
両津「ぐぉっ!?お、おまえら!やめろっ!!」
夏春都「手を離しなかんきちぃっ!!」ゲシゲシ!!
纏母「イチローさん!はなしなさい!!」ゲシゲシ!!
両津「ぐぬ・・・!!流石に走りながらこの人数の攻撃を耐えるのも限界に・・・!」
纏父「えいっ!!ブロックを喰らえ!」ガキン!!
両津「ぐえっ!?!?!おおおおおお!?!?!?!?石で人の頭をなぐるなぁぁぁっ!!」パッ
両津「あ」
纏父「やった!離したぞ!俺が離させたぞ!!」
運転手2「よし、よくやった。カッパのバッチをやろう」
纏父「やったぁぁぁぁ!!!」
両津「ぐ・・・くそっ逃がしたか・・・イテテテ・・・」
纏「おいカンキチー!大丈夫かー!」タッタッタッタッ
両津「纏か、すまん逃がした」
纏「い、いや謝る必要ないって・・・つーかカンキチお前頭から血が出てるぞ!」
両津「うぉっ!?マジだ!思いっきり殴りやがって!」
纏「とにかく一度超神田に戻ろう。ここでこうしてても仕方ないし頭の血も止めなきゃな」
両津「・・・」
両津「いたっ!もっと優しくやれ纏!」
纏「うるさいな!男なんだからちょっとズキっときた位で騒ぐな!」
両津「ったくガサツな女だな・・・」
檸檬「・・・みんな一体どうしたんじゃろうかのう・・・ここら一帯の家には子供だらけじゃ。大人はみんなカンキチと纏いがい連れていかれてしまったようじゃ・・・」
両津「しかし20世紀博か・・・何がどうなってやがるんだ?」
纏「それにしても大人がみんな連れていかれたのになんで私とカンキチだけ大丈夫だったんだ?」
両津「うーん・・・それも謎だな」
檸檬(ちょっと理由がわかる気がするけど黙っておくのじゃ。触らなぬ神に祟りなしというからの)
檸檬「てれびも全部古い番組ばかりじゃ・・・」ピッ ピッ
纏「ラジオもそうみたいだね・・・これじゃあまるで本当に昔に戻ったみたいだ」
両津「・・・」カタカタカタ
纏「何やってるんだカンキチ」
両津「いや、パソコンでほかの県のテレビをチェックしてるんだが・・・普通に現代のテレビ番組をやってるらしいからこの騒動は東京内のみで起こってるらしいな」カタカタカタ
纏「な、何げにそんなことチェックしてたのか・・・」
両津「!・・・ニュース速報だ」
『速報です。東京都内の一部の地域で成人した住民たちが集団で移動しているという情報が入りました』
纏「こ、これ!さっきのやつじゃないか!」
『住民たちをのせたトラックはそのまま先日たったばかりのテーマパーク〝20世紀博〟内部へとーーーー』
檸檬「やっぱりみんなにじゅっせいきはくに連れていかれたんじゃな・・・」
両津「20世紀博か・・・一体何をどうしてあんなに大量の人間を・・・」
纏「うーん・・・」
両津「とにかくワシは一度派出所と署の方に行ってくる。まだ誰か生き残りがいるかもしれん」
纏「なら私も行くよ」
両津「纏は檸檬と蜜柑の様子を見ておけ、何があるかわからんからな」
纏「カンキチ・・・」
両津「じゃ、ワシは一旦行くがまた戻ってくるからな。檸檬も蜜柑も大人しくまっとくんだぞ」
檸檬「うむ、心配無用なのじゃカンキチ」
蜜柑「だ、だ」
両津「それもそうだな!纏より檸檬のほうが頼りになるかもなぁ!」ガハハ
纏「な、なんだと!!てめぇカンキチ!」
両津「うわっと!退散退散!あ~ばよぉ~銭形のとっつぁ~ん!」ダダダダ
纏「だれが銭形のとっつぁんだ!!」
両津「おい!お前たちいるかーっ!」ガラッ
中川「あー・・・?だれですかぁん?」ヒック
麗子「あー?両ちゃんじゃない?おもしろいー!」オホホホホホ!!
両津「な、何だ中川も麗子も・・・酔ってるのか?」
中川「いやぁ~いいっすねぇ酒は・・・ヒック・・・大人の証ですよ!」ヒック
両津「な、中川・・・なんだこの反抗期にありがちな感じは・・・」
中川「せんぱぁいせんぱぁいwちょっと聞いてくださいよ~ww」
両津「な、なんだ?」
中川「・・・布団が・・・・・・ふっとんだ」キリッ
両津「」
中川「ひゃははははははwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
中川「布団が!布団がふっとんだだってよぉぉぉぉwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
中川「ぎゃははははははwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
両津「な、中川バカになっちゃったんじゃないか・・・」
麗子「両ちゃん!両ちゃんもこっち来て見なさいよぉ~ほらぁ!」
両津「れ、麗子・・・何だこの部屋・・・一面にテディベアが溢れてる・・・」
麗子「子供の頃はこうやってテディベア集めてベットにしてねるのが夢だったのよぉ~」バフンバフン
大原「隙ありっ!!」ベシッ!!
両津「いてっ!?何するんですか部長!って・・・なんすかその格好!」
大原「私は部長ではないっ!!伝説の忍!大原風魔小太郎!隙ありっ!!」ベシッ!!
両津「いたっ!!やめてくださいよ部長!!」
大原「成敗成敗成敗成敗!」ベシッベシッベシッベシッ
中川「先輩先輩・・・アルミ缶の上に・・・あるみかん」キリッ
中川「ぶわははははははははwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
麗子「おほほほほほ!圭ちゃんったらやだぁ!!」
両津「み、みんなおかしくなってやがる・・・」ゴクリ・・・
コンニチワ~コンニチワ~♪
ミライノ~クニカラ~♪
両津「あの車だ!」
中川「うぉおおおおお!!!俺をのせろー!」
大原「いいや私だ!私だー!」
麗子「いいえ私よ!まって、まってー!」
両津「ま、まておまえら!」
中川「どけ!この庶民が!!金持ち様の道を塞いでんじゃねぇ!」ドカッ
両津「ぐえっ!」
麗子「邪魔よ!」フミッ!
両津「ぶえっ!!」
大原「・・・」スタスタ・・・
大原「・・・ぷっw」
両津「!?」
両津「くそ!まてーっ!!」
運転手「げっ!またあいつだ!」
運転手2「飛ばせ飛ばせ!全速力だ!!」ギュイイイッ!!
ブオオオオンッ!!
両津「く、くそーっ!逃げやがった!」
大原「」アッカンベー
麗子「」オシリペンペン
中川「」ピタピタピタピタ
両津「あ、あいつらー!人のことを馬鹿にしやがってぇー・・・!」
中川のピタピタピタピタ参考画像
http://i.imgur.com/YSLN0W4.jpg
両津「署にも行ってみたが誰もいなかった・・・やはりみんなあの20世紀博に連れていかれたみたいだ」
纏「くそー、どうすりゃいいんだ」ボリボリ
両津「やっぱりあの会場に行くしかないだろうな・・・あそこに行けば何かわかるんじゃないか?」
纏「うーん・・・」
両津「ま、今日はもう遅いし明日改めてってことになるだろうけどな」
檸檬「か、カンキチ、纏。は、腹がすいたのじゃ」
両津「えっ?」
纏「そういえば今日はまだ飯食ってなかったな・・・よし、何か作るか」
ーーー
両津「蜜柑と檸檬はもう寝たのか?」
纏「ああ、相当疲れてたみたいだしな」
纏「・・・明日あそこに一人で行く気か?」
両津「ああ、何があるかわからんからな」
纏「・・・私も行くよ。みんなを狂わせた原因が何なのか、見届けたいんだ」
両津「いやしかし・・・」
纏「・・・私は家族が狂っていくの見てて何もできなかった・・・それが悔しいんだ」
両津「纏・・・」
纏「いってどうなるとかそういうのは分かんねーけどさ!このままじゃなんか寝覚めが悪いかなって」
纏「だから頼むから、私も連れていっちゃくれないか!たのむ!」
両津「・・・」
両津「だったら蜜柑と檸檬も連れていこうぜ。ここに二人残すほうが危険だろうしな」
纏「カンキチ・・・!」
両津「足手まといになるなよ?まといだけにな。がっはっはっ!」
纏「そのギャグ寒いよカンキチ」
両津「う、うるさい!」
ーーー翌日
両津「さて、おまえたち準備はできたか?」
纏「おう!」
檸檬「バッチリじゃ!」
蜜柑「だ!だ!」
両津「よし、じゃあ行くか。『20世紀博』に」スクッ
キィィィィン!!
檸檬「な、なんじゃこの音!?」
『・・・この街に住まう子供達諸君につぐ・・・』
『今すぐ武器等危険物を捨てて、両手を挙げて道路に出なさい』
『そうすれば君たちを君たちの親のところへつれていってあげよう』
纏「・・・どう考えても親のいるところに連れていく、なんて結果にはならなそうだな」
檸檬「罠とはひれつじゃのう」
両津「まぁだけどガキを騙すには十分みたいだぞ纏・・・あれを見てみろ」
ワーワー!!ガヤガヤガヤガヤ!!
子供「はやくのせて!」
子供2「パパとママの所につれてってー!」
運転手「はいはいちゃんと順番通りに乗ってねー!」
纏「くそ・・・このまま見過ごすわけには行かないな・・・止めにーーーー」
「大人しく手を挙げろ!!」
両津「!!」
纏「!!」
檸檬「!!」
蜜柑「あぶ?」
男「・・・まさかあの電波に影響されてない大人たちがいるとはな・・・」ズラズラ
纏「何もんだい、あんたら」
男2「お前たちは知らなくていいことだ!大人しく手を挙げろ!!さもなくば撃つぞ!」
両津「くっ・・・こいつら銃なんか持って・・・」
両津「・・・ん?」
男3「動くな!!撃つぞ!!」
両津「・・・撃てるもんならうちやがれ。ほら、ほら」ズイッ
纏「か、カンキチ!挑発したらだめだこいつらは銃を持ってるんだぞ!」
檸檬「か、カンキチ!」
両津「どうした、撃つんだろ?撃て」ズズイッ
男4「う、うぉおおお!!!!」パァンッ!!
檸檬「か、カンキチーーー!!!!!」
ペチンッ
纏「・・・あ、あれ?」
檸檬「」
蜜柑「だぁ?」
両津「・・・」
両津「やっぱり銀玉でっぽうじゃねぇか!!」バキッ
男4「ぐぴょっ!!」ベシィッ!!
纏「ぎ、銀玉でっぽう?」
両津「ワシが子供の頃はやった玩具だよ。安価な銃のおもちゃだ」ガシッ
檸檬「お、おもちゃかの・・・」
両津「そのまま使うと威力が弱いからバネを二重にしたり伸ばしたりして使ったりしたなぁ」カチャカチャ
纏「なんだよビビらせやがって・・・」
男「く!ぜ、全員撃てー!!」パァンッ!!
パァンッ!!パァンッ!!パァンッ!!ペチンッペチンッペチンッ!!
蜜柑「だっ!?」ペチンッ
檸檬「み、蜜柑ちゃんに弾が!」
蜜柑「ふぇえええええん!!」
両津「だ、大丈夫か蜜柑!」バッ
男「撃てー!撃てー!」パァンッ!!パァンッ!!
両津「この馬鹿野郎!」バキィッ!!
男「くっぴっぽ!?」ドシャッ!
男2「うわぁぁぁぁ!!おまえら!やれ!やれええ!!!」パァンッ!!パァンッ!!
両津「こんなものが・・・ワシに・・・」ガシッ!!
男2「へっ!?」
両津「効くかぁぁぁぁぁ!!!!!」ブンブンブンブン!!
男3「ぶにゃっ!?」バシッ!
男5「いぎゃっ!?」ベキッ!
両津「両津流ジャイアントスイングーっ!!」ブンブンブンブン!!
男2「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」ブンブンブンブン!!
纏「ど、どんなパワープレイだよ・・・」
檸檬「全員巻き込んでたのう・・・」ドキドキ
両津「大丈夫かー、蜜柑ー」ナデナデ
蜜柑「あぶ・・・」ウルウル
両津「ったく、ガキにまでムキになるとは大人気ないやつらめ」
纏「お前が言っても全然説得力ないなそのセリフ・・・」
両津「しかし・・・こうなると20世紀博会場まで行くのにこういう奴ら何人も相手にしなきゃならなそうだな・・・」
両津「よし、こういう時は・・・」ピポパ・・・
トゥルルル ガチャッ
両津「ああ、ワシだ。カーネルに変わってくれ」
両津「おお、ワシだワシ・・・なんだ、あのニュースのこと知ってたのか。ならはなしは早いな」
両津「ああ、旧式ので構わん。別に動けばいい。四人乗りのやつな」ピッ
両津「よかったな、すぐ着くらしい。どうやら国内にいたらしいからな」
纏「国内にいた・・・?一体誰に電話を・・・」
両津「まぁ待ってろ。すぐわかるからな」ニッ
バラバラバラバラバラバラ!!
檸檬「な、なんじゃ!?大きなヘリコプター・・・!?」
蜜柑「あばー!」
纏「お、おいカンキチ!まさかあれって!」
両津「おーい!ここだー!爆竜ー!」ブンブン
爆竜大佐『両津!本当にコイツでいいのか!このヘリで送ってもいいんだぞ!』バラバラバラバラバラバラ!!
両津「構わーん!空から行くと狙われやすいからなー!おろしてくれー!」
爆竜大佐『ジョディ!投下しろ!』
ジョディ『了解よパパ!』ポチッ
バカッ!! ブワッ!!
纏「せ、戦車!?」
檸檬「な、なんと・・・」ドキドキ
蜜柑「だー!」ワクワク
ズシーンッ!!
両津「よし、しっかり着地させられたな」
爆竜大佐『そいつは旧式でもう使わん!お前にやろう!武運を祈るぞ両津!』バラバラバラバラバラバラ!!
両津「ああ!ありがとよ爆竜ー!」
両津「よし、ちゃんと動くし弾薬もある。燃料もたっぷり入ってるな。さすが爆竜だ」カチャカチャ
纏「ほ、本当にそれで行くのかよ!?」
両津「当たり前だ。この先あいつらをいちいち相手にしてる暇はないからなぁ」カチャカチャ
両津「おっとそうだった、この戦車には空調設備がないからな。寿司屋で使ってる氷の塊を入れておこう」スタスタ
纏「あ、あいつ自分のペースで話進めやがって」
檸檬「みかんちゃん。これが戦車だって・・・」ドキドキ
蜜柑「あぶぶー」ペタペタ
両津「おらおらおらぁー!どけどけどけぇー!!」ドォォォン!!キュラキュラキュラ!!
男「うわぁァァァァァ!!!!」
男2「く、くそー!おえーっ!おえーっ!!」ブロロロロンッ!!
両津「わははははははは!!!ワシに勝とうなんて百年早いわー!!」キュラキュラキュラ!!
纏「お、おい!!撃っていいのかよ!?」
両津「ペイント弾だ!生身に直撃を受けたりしない限り死にはせん・・・多分!!」
纏「多分かよ!?」
ーーーその頃 20世紀博会場 通称「オトナ帝国」
中川「集会ってなんだよめんどくせぇなぁ~」
麗子「テディベアちゃんたちとあそびたかったのに~」
大原「なにやら任務でしょうか城主様」シュタッ
ザワザワザワ
男「諸君!静かにしたまえ!今からオトナ帝国の首領であらせられる〝抹種部屋(まっしゅるうむ)〟様のお話だぞ!!」
左近寺「俺はそんなやつの話より沙織と話していたい・・・」
抹種「・・・諸君。私がこのオトナ帝国のトップの〝抹種部屋〟だ。よろしく」
抹種「・・・今、このオトナ帝国に逆らおうとしているバカものがいるらしい」
抹種「・・・そのバカものを止めたものにこれを贈呈しよう」スッ
本田「あ、ああっ!!それは・・・!!」
抹種「・・・箔押しのレアメンコだ。これがあればこの帝国内ではヒーローと崇め奉られるだろう・・・そして」ガチャッ
丸井ヤング館「!!・・・あれは各種〝王〟べーゴマ・・・!!」
凄苦残念「ほ、ほしいっ!!」
中川「くれっ!!それくれよぉっ!!」
抹種「・・・言っただろう。バカものを捕まえたものに贈呈するとな」
抹種「これが欲しければそのモノたちを捕まえろ」スッ
本田「やるぞ・・・やるぞぉおおおおお!!!!」
ウォオオオオオオ!!ヤッタルデー!!ハクオシメンコハオレノモノダァァァァ!!ウォオオオオオオ!!
抹種「・・・ふん、ちょろいものだ」
ーーー
両津「おらぁぁぁぁぁ!!目的地まで直進だー!!」キュラキュラキュラ!!
『まちなっ!!』
纏「な、なんだ!?」
両津「あれは・・・!中川!」
中川『正義の男!中川仮面登場!!』ピタピタピタピタ!!
纏「うわぁぁぁ!なんつうカッコしてんだ!?れ、檸檬!見ちゃだめだぞ!!」
檸檬「う、うむ」
両津「とかいいながら纏はずっと凝視してんじゃねぇか」
纏「う、うるさい!凝視なんてしてねーよ!」
中川「とうっ!!」ピョインッ!ピタピタピタピタ!!
両津「あっ!あいつ!戦車の上に乗りやがった!」
中川「こうすれば僕に砲弾はあたりません!」ピタピタピタピタ!!
両津「くそ!こうなったら直接落としてやる!纏!運転してろ!」
纏「あああ!?オイッ!!カンキチ!?運転ってどうやるんだよ!?オイッ!!?」
両津「覚悟しろ中川ぁ!」カパッ!!
中川「先輩!やっと出てきましたね!」ピタピタピタピタ!!
纏「なんだよ戦車の運転してろって!?どうすりゃいいんだ!?」アタフタアタフタ
両津「落ちろ中川ァ!」ドタドタ
中川「そうはいきませんよ先輩っ!」ピタピタピタピタ!!
両津「とった!」ガシッ!
両津「一本背負いっ!!」ブンッ!!
中川「うわぁ!!」グルッ!ビターンッ!!
纏「うわぁぁぁぁぁ!?」ビクッ!?
両津「し、しまったあんな位置に投げたからフロントガラスを覆っちまったか!!」
纏「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!稲荷ずしがぁぁぁぁ!!!」キキィッ!!
檸檬「うわぁぁぁぁぁ!?」ガクンッ!!
両津「こ、こら纏!!なにやって・・・お、落ちる!!」
中川「うわぁあぁあぁぁぁぁぁあ!?!?!?」ピタピタピタピタ!!
纏「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
蜜柑「あばばぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ザパァァァァンッ!!
檸檬「大丈夫か蜜柑ちゃん?」ビショビショ
蜜柑「あぶぶ!キャッキャッ!」ビショビショ
両津「はぁ、はぁ・・・なんとか全員無事だな・・・」ビショビショ
両津「纏ぃぃぃ!ちゃんと運転しろよ!」
纏「う、うるせぇ!変なもん見せやがって!!こっちはトラウマになるところだぞ!」
両津「見せたのはワシじゃないだろ!おかげで戦車がパァだぞ!!」
中川「逃がしませんよせんぱ・・・あぶっ!」ゲシッ!!
両津「お前の格好は教育に悪いからそこで寝てろ」
纏「しかし、ここからどうするんだよ・・・徒歩で向かうのか?」
両津「くそー、新しい戦車をたのもうと思ったが携帯も水没して使い物にならなくなったしな・・・こうなったらあいつらの車を奪うか・・・」
「お待ちなさい貴方達!」
両津「!!・・・麗子!!」
麗子「魔法少女テディベア☆麗子!くまさんに変わってお仕置きよ!」
檸檬「あ、あれが麗子かの・・・」
纏「なんか、見てる方が痛々しい気持ちになってくるな・・・あの格好・・・」
両津「麗子・・・悪いことは言わんからその格好はやめた方がいいぞ・・・」
麗子「な、なによ!!人を変なものを見る目で見るんじゃないわよ!」
麗子「なんと言われようとビンテージもののくまさんをもらうために私は負けないんだから!」
麗子「テディベア麗子必殺のくまさんスティックをくらいなさい!」キラキラキラッ!!
纏「なんかを取り出したぞ!何をする気だ麗子!」
麗子「くまさんスティック唐竹割り!!」スバァァァンッ!!
両津「いだだだだ!!!普通に殴ってきやがった!!」
両津「ええい!麗子も川の中で頭を冷やしやがれ!!」ガシッ!!
麗子「きゃあっ!女性に乱暴する不届きものは麗子スプラッシュでもくらいなさい!」プシューッ!!
両津「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!」
纏「か、カンキチ!!」
両津「ぐわぁぁぁいてぇええええ!麗子のやつあの棒に催涙スプレー仕込んでやがったのかぁぁぁ!!!!」
纏「催涙スプレーか・・・近づくのは危険だね・・・なら・・・」チャリッ・・・
麗子「あら?今度はあなたが相手?いくわよ!!」
纏「・・・悪く思わないでくれよ麗子。それっ!!」ビシッ!!ビシッ!!
両津「で、でたー!纏の銭投げだ!」
麗子「きゃあっ!あぶない!!」サッ!!
纏「避けたところを掴んで即座に・・・!!」ガシッ!!グルッ!
纏「投げ飛ばす!!!」ブオンッ!!
麗子「きゃぁぁぁぁ!!!!!」ザパーン!
纏「さ!今のうちに逃げるよ!」
檸檬「うむ!!」
両津「ひゅー!さすがリアル女銭形!!」
纏「うるさいよカンキチ!!」
丸井ヤング館「まちな!!」
凄苦残念「ここは通しませんよ先輩!」
両津「・・・」
丸井ヤング館「・・・」
凄苦残念「・・・」
両津「・・・」
丸井ヤング館「・・・えと」
凄苦残念「・・・あの」
両津「・・・通るぞ。どけ」
丸井ヤング館凄苦残念「「どうぞ通ってください!」」サッ
両津「お前ら車に乗ってきたんだよな?」
丸井ヤング館「え、あ・・・そうだけど、それかどうかしたの両さん」
両津「よこせ」
凄苦残念「そ、それはまずいですよ先輩!僕たち抹種部屋さんにしばかれる・・・!」
両津「ワシに今6分の5殺しにされるのと後でその男にしばかれるのならどっちがいいんだ?」
丸井ヤング館「どうぞ・・・車はこちらです・・・」
檸檬「すごいなさけないのう・・・」
蜜柑「あぶぶ~」
そういえば寺井がいないような
>>197
丸井ヤング館「僕が寺井だよ・・・」
凄苦残念「ちなみに私は宝条です・・・」
丸井ヤング館「改名したことも知られてないなんてこれだから僕たちこんなあつかいなのかな・・・」
凄苦残念「そうですね・・・」
両津「よし、飛ばすぞ!しっかり捕まっとけよおまえたち!!」ブォォォン!
纏「お、おい!!少しくらいは安全に・・・!!」
両津「アクセル全開いいい!!!」ブォォォォォォンッ!!!
纏「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ブロロロロロロ・・・
丸井ヤング館「・・・」
凄苦残念「・・・」
丸井ヤング館「・・・帰ろうか」
凄苦残念「・・・そうです・・・ね」
両津「おらおらおらおらぁぁぁあ!!!!両津様のお通りでええええ!!!!!」ブォォォォォォンッ!!!
纏「もっと安全運転しろよおい!カンキチ!!」
両津「安全運転なんてしてたら追いつかれちまうぞ!!」
『まぁてぇぇぇ~!!そこの車両~!!!!』ブォォォォォォンッ!!!
纏「そ、そうだけどよ!!」
蜜柑「だ!だ!」
檸檬「カンキチ!あれが20世紀博会場じゃ!」
両津「よぉし車のまま突っ込むぜ!!おらぁぁぁぁぁ!!!!!」ブォォォォォォンッ!!
パリィィィィン!!!ズガシャァァァァン!!!
纏「いったたた・・・このバカ!危ないだろ!!」
両津「こうするしかなかっただろ!わざわざ降りるわけにもいかない!」
檸檬「二人とも喧嘩してないで早く逃げなきゃ!!きてるぞ!!」
蜜柑「あぶー!」
両津「うぉっとやばいな!走るぞ纏!!」ガチャッ!!
纏「わかってるよ!!」ガチャッ!!
男「くそー!あいつらどこに行きやがった・・・!」ドタドタ
男2「手分けして探そう!!」ドタドタ
檸檬「・・・行ったみたいじゃぞ」ボソボソ
両津「・・・なんとかやりすごせたな」ボソボソ
纏「・・・やり過ごせたっていうけどよ・・・」ボソボソ
纏「・・・なんでこんな狭いおもちゃの家なんかに隠れたんだよ!!」ボソボソ
両津「馬鹿野郎!大声出したら気づかれるぞ!」ボソボソ
纏「お前もな!」ボソボソ
両津「!・・・また来たぞ!」ボソボソ
男3「でてこーい!!!」ドタドタ
男4「どこにかくれているーっ!!」ドタドタ
両津「・・・」
檸檬「・・・行ったらしいぞ」
纏「ぶはっ・・・ったく、なんでこんなギュウギュウ詰めなんだよ・・・」
蜜柑「は・・・ふぁ・・・」
檸檬「・・・みかんちゃん?」
両津「ま、まずい!!くしゃみか!?」
蜜柑「ふぁ・・・ふぁ・・・」
蜜柑「あぶ・・・」すぅ・・・
纏「ふぅ・・・不発みたいだな・・・」
両津「はぁ・・・ひやひやしたぜ」
両津「うおっと、なんか安心したら急に便意が・・・あっ」
プゥ~・・・
檸檬「」
纏「」
蜜柑「」
ガシャァァン!!
纏「ゲホゲホゲホ!!くっせぇな!!」
蜜柑「ふぇぇぇぇ・・・」
檸檬「何を食べたらそんなに臭い屁がでるんじゃ・・・げほげほ・・・」
両津「い、いや、纏たちと同じものを食べてるはずなんだけどワシ・・・」
男「おい!いたぞ!!あいつらだ!」
纏「うわっ!見つかった!!」
両津「に、逃げるぞ!!」
大原「逃がさんぞ・・・抹種さまの命令だ・・・両津勘吉一行!ひっとらえる!」シュバッ!
両津「ぶ、部長!!」
大原「きええええいっ!!」バシーンッ!!
両津「うおっ!!」サッ!!
両津「纏!お前たちは先にいけ!」
纏「な!んなこと言ったって!」
両津「ワシも後から行く!とりあえず部長を足止めしておくから早くいけ!」
纏「わ、わかった!!」
檸檬「カンキチ!ちゃんとあとからくるんじゃぞ!!」
両津「ああ!約束だ!」
両津「さぁて大原部長。というわけでわたくしはささっと部長を倒さなきゃならんようです」
大原「私は大原部長ではない」
両津「へ?」
大原「私はこの国が当主である抹種さまに雇われし侍・・・大原抜刀斎!!」ブオンッ!!
両津「うわわっ!!」シュッ!!
両津「くっ、部長は剣術の基礎ができてるからな・・・!素手で挑むのは危険だ!!」
大原「きええええええっ!!!」ダンッ!!
両津「部長!久しぶりに剣道の稽古のお相手おねがいしますよ!!」スッ!!
大原「ふんっ!貴様も剣を持つか・・・!」
両津「モップは剣に入るんですかねぇへへへ」
大原「ヘラヘラするな!!きぇえええ!!!」ブンッ!!
両津「うぉっとぉ!!」カシッ!!
両津「へへ、こうやって真面目に剣道をするのも久しぶりですねぇ部長!!」ギシッ
大原「なに・・・?」グググ・・・
両津「あれはまだあっしが警察に入って間もないころでしたねぇ!」
大原「・・・!」
ーーーー
大原『では両津くん。竹刀を取りなさい』
両津『は、はい!とっりまーす!』スッ!!
大原『なっとらん!!』
両津『ええっ!?』
大原『竹刀を取るときにはきちんとした動作で取らんか!』
両津『は、はぁ・・・なんだよ・・・取れるならなんでもいいじゃん』ボソボソ
大原『何か言ったかね?』
両津『い、いえ、なにもー!』
大原『なっとらーん!足運びができないぞ!』
両津『は、はいいっ!』
大原『なっとらーん!!お辞儀をせんか!』
両津『は、はい!』
大原『なっとらーん!!』
大原『なっとらーん!!』
大原『なっとらーん!!』
両津『・・・もうやめだやめ!!』バシーンッ!!
大原『こら!両津くん!投げ出すんじゃない!』
両津『もう剣道は結構ですよぶちょー!俺にはあってないよ!いろいろ決まり事があってめんどくさいしもういいっす!』
大原『・・・』
大原『両津くん。なぜ剣道にはこんなにも所作についての決まりがあると思う?』
両津『そんなのしらねーっす』ホジホジ
大原『剣道だけじゃない。柔道だって、果ては茶道や書道なんでも礼儀に関する決まりがある』
両津『考えた奴が頭が硬かったんだ、きっとそうっすよ』ホジホジ
大原『・・・それらにはすべて、「道」という漢字がつく』
大原『「道」とはつまり人生の道・・・人が生きていく道のことを指す』
両津『・・・へ?』
大原『剣や柔術は侍が生きていく上で身につける必要があった力だ』
大原『茶と書は人生を潤してくれる物だ』
大原『そして礼儀とは生きていく上で人間がお互いに心地よく過ごすための取り決めだ』
大原『すべて生きることに関係するものなんだよ両津くん』
両津『・・・』
大原『確かに小難しくてすこし窮屈に感じるかもしれないが、それでもそれには確かに意味がある』
大原『それが理解できるまで・・・もう少し続けてみないか?』ニッ
両津「あの時のあっしにはさっぱりわかりませんでしたけどね、あの言葉には何か得体の知れない力を感じましたよ!」
両津「まぁ今でもなにがなんだか理解はしてないんすけどね!」
大原「・・・」
大原「きえええええっ!!!」ドンッ!!バシーンッ!!
両津「うおっと!!」ガシィッ!!
大原「・・・な・・・ん」
両津「へ?」
大原「防御の仕方が甘い!なっとらーーーん!!!」バシーンッ!!
両津「ぐえっ!!」ドカァッ!!
両津「いててててて・・・!」
大原「ふんっ、十数年の間で理解できんとはやはり両津はバカ者だな」スッ
両津「部長・・・!正気に戻って・・・!」
大原「ワシはいつでも正常だ!!」
大原「ワシが正常じゃなくなったら誰がお前を止めるんだバカもん!」
両津「・・・それもそうスね」ニッ
大原「まだまだ両津には礼儀に対する躾役が必要だからな、うかうしてられん」ニッ
両津「そりゃないですよぶちょ~~!」
ーーー
纏「・・・本当に大丈夫なんだろうなカンキチの奴・・・」スタスタ
檸檬「大丈夫じゃ・・・檸檬とちゃんと約束したからな。カンキチは檸檬との約束は破らん男じゃ!」
蜜柑「だうっ!」
纏「・・・ああ、そうだな!」
トン・・・シャンテン・・・ポロン・・・
纏「ん?・・・なんの音だ?」
檸檬「これは・・・三味線・・・?」
纏「・・・この旋律は・・・」タタッ
檸檬「ま、纏!急に走るでない!」
纏「・・・この部屋からだ・・・」
檸檬「この三味線・・・どこかできいたことがあるような気がするのう」
纏「・・・」
ガラッ
ポロン・・・シャン・・・
若い女性「・・・あら?どちら様ですか?」
若い男性「すいませんお客さん!今日はもう寿司屋しめちゃってて!またの機会にしてもらえますか?」
纏「・・・やっぱり・・・ばぁちゃん・・・」
檸檬「・・・え?」
纏「いきなりで失礼だけど・・・あんた・・・夏春都って名前か?」
若い女性「え、ええ・・・そうですけど・・・」
檸檬「ど、どういうことじゃ・・・!?」
纏「やっぱりか・・・昔ばあちゃんの若い頃の写真を見たことがあるんだ・・・それでピンと来てね」
檸檬「な、なぜ若く・・・?」
纏「そんなの理屈はわからないよ。でも確かにそこにいるのは私達のばあちゃんだ」
夏春都「あ、あの・・・」
纏「・・・夏春都さん・・・いや、ばあちゃん。目を覚ましてくれ」
夏春都「ば、ばあちゃんって・・・私まだそんな歳じゃないし目はちゃんと朝から覚めてますけど・・・」
若い男「・・・」
纏「ばあちゃん。私だよ・・・纏だ・・・あんたの孫だよ・・・」
夏春都「ま、孫!?何わけのわからないこと言ってるのよ!?」
纏「本当のことだよ。そっちにいる二つ結びの子もあんたの孫で私の妹の檸檬と、その下の蜜柑だ」
檸檬「・・・おばあちゃん・・・」
蜜柑「ばぁばぁ!」
夏春都「な、な!?わ、訳がわかりません!!変なこと言わないでください!!ほら!あなたこの人達を追っ払ってよ!」
若い男「・・・」スッ
夏春都「あなた?」
若い男「・・・」ニコッ・・・
スタ・・・スタ・・・
夏春都「あ、あなた!?どこ行くのよ!?あなた!?」
纏「ばあちゃん!」ガシッ
夏春都「なによ!離して!あの人を!あの人を追いかけないといけないの・・・!!」
檸檬「・・・」
夏春都「返してよ!!あの人との幸せな暮らしに!!離して!!」
纏「ばあちゃん・・・」
纏「・・・」スッ
檸檬「纏・・・?」
纏「・・・ばあちゃんの旦那・・・私達のじいちゃんは太平洋戦争で戦死したって聞いたことがある」ボソッ
纏「・・・やっぱりばあちゃんはじいちゃんと一緒にいたかったんだと思う」
纏「・・・私達の身勝手でばあちゃんの幸せは奪えないや」
檸檬「・・・」
纏「行きなよばあちゃん・・・いや、夏春都さん」トンッ
夏春都「い、言われなくても・・・!!」
纏「・・・」クルッ・・・
檸檬「・・・やじゃ」
纏「・・・へ?」
檸檬「・・・嫌じゃ!!」
纏「れ、檸檬・・・?」
檸檬「檸檬はこんなの嫌じゃ!!」
纏「い、嫌って言ったって・・・そうするのが一番ばあちゃんが幸せに・・・私達の身勝手でばあちゃんを縛り付けるわけにはいかないよ!」
檸檬「身勝手でもわがままでもなんでもいい!!檸檬は、檸檬は絶対に嫌じゃ!!」
檸檬「待って・・・待ってほしいのじゃ!!」ギュッ!!
夏春都「きゃっ・・・!な、なんなの!?離して!」
纏「そうだぞ檸檬!わがまま言うな!これが一番幸せなんだ!」
檸檬「ダメじゃ!そんなの・・・そんなのダメじゃ!」
檸檬「母さんが、父さんが、纏が、蜜柑ちゃんが、カンキチが・・・そしてばあちゃんが居なきゃ・・・そうじゃなきゃ」
檸檬「そうじゃなきゃ檸檬の知ってる超神田寿司じゃない!!」ポロッ・・・
両津「・・・その通りだぞ、檸檬」
纏「か、カンキチ!それに大原部長も・・・!」
両津「夏春都。ワシは檸檬を泣かせた奴はゆるさんぞ」
檸檬「かん・・・きち・・・」グスッ
夏春都「・・・」
両津「檸檬は滅多に泣かないんだ。ワシだって泣いたのを見たことがあるのは一回こっきりだ」グシグシ
檸檬「んむ・・・」
両津「よし、涙は拭けたな?檸檬」
檸檬「・・・うむ。ズズッ・・・遅いぞ、カンキチ・・・!」ニコッ
大原「・・・夏春都さん。両津のバカもんが毎日世話になっておりますな。上司として改めてお礼を言わせてもらいます」
夏春都「・・・」
大原「もう、気づかれてるんじゃないですか・・・この虚構の世界に」
夏春都「・・・」
大原「お恥ずかしながら私も先程までこの世界にどっぷりとはまりこんでしまっていましてな・・・そこにいる両津の馬鹿者に目を覚まさせられた次第で」
大原「・・・その世界は居心地がいいですなぁ。やりたいことができて、それがどんなことでも、世間に冷ややかに見られようとも幸せでいられる」
夏春都「・・・」
大原「・・・ですが・・・私は気付かされましたよ。この馬鹿に」
大原「自分が生きてきた人生を無かった事にするのは、もうやめにしましょう」
大原「私も貴女も・・・両津に勝るほどの大馬鹿者だったようです」
夏春都「・・・」
纏「ばあちゃん・・・」
檸檬「・・・」
蜜柑「ばぁば!」
両津「・・・夏春都!孫が呼んでるんだぞ!反応くらいしてやれよ!」
夏春都「・・・」
檸檬「おばあちゃん・・・帰ったら、一緒にあのきんつば食べよう・・・?檸檬が、また作るから・・・」
夏春都「・・・」スゥ・・・
客『超神田はネタもうまいがシャリもうまい!』
夫『はは!こいつのこだわりの銀シャリですからね!』
夏春都『も、もう!あなたったら・・・』
ーーーー
夏春都『・・・あの人が・・・戦死した・・・?』
夏春都『そんな・・・嘘よ・・・嘘・・・』
ーーーー
男の子『おぎゃぁ!おぎゃぁ』
産婆『よかったね。元気な男の子だよ夏春都さん・・・』
夏春都『・・・こんにちは赤ちゃん・・・あの人に少し、似てるかしら・・・』ニコッ・・・
青年『ええ!?もう俺の結婚相手を決めた!?』
夏春都『当たり前だよ!さっさと婚姻届をかきな!』
青年『お、俺の知らない内にかってに縁談が決まってた・・・』ズーン
ーーーー
男の子『おぎゃぁ!おぎゃぁ!』
産婆『・・・元気な男の子だ』
夏春都『・・・いい面構えじゃないか、さすが擬宝珠家の長男だね』
夏春都『名前はそうだね・・・憂鬱だ』
纏父『え、縁談に続き長兄の名前まで・・・』
ーーーー
女の子『おぎゃぁ!おぎゃぁ!』
産婆『よかったね、元気な女の子』夏春都『名前は纏だね』
纏父『決めるのあいかわらず早いな・・・』
纏母『うふふ、お母様はそうでなくちゃね』
夏春都(そうやって・・・檸檬も生まれて・・・あの両津家のバカ男もやってきて・・・そして・・・蜜柑が・・・)
両津『・・・檸檬になにか手伝わせてやった方がいいとおもうんだ』
夏春都『なに?』
両津『なにか仕事をさせて、自分が妹を持つっていう心構えをしっかりさせてやった方がいいとワシは思うんだが・・・』
夏春都『なるほどねぇ・・・なら、産婆のトメさんを呼びに行ってもらおうかね』
両津『トメさん?』
夏春都『119歳の産婆さんだよ。私を取り上げてくれたのも彼女だよ。それだけじゃなく憂鬱も纏もね』
両津『ば、バケモノかその婆さん・・・』
ーーーー
檸檬『どう・・・?』
夏春都『・・・』モグモグ・・・
夏春都『・・・ああ・・・この味だ・・・思い出のきんつばの味だね・・・』ニッ
ーーーー
檸檬「・・・おばあちゃん!」
夏春都「・・・」パチッ・・・
夏春都「やれやれ・・・なんだか長い夢を見ていたような気持ちだねぇ」
纏「ばあちゃん!」
両津「げ・・・姿がいつの間にかいつもの夏春都に戻ってる」
夏春都「うるさいよカンキチ。そんなに給料減らされたいのかい?」
両津「げげっ!そ、それは勘弁してくれ~!」
檸檬「・・・」
夏春都「・・・すまなかったね、檸檬。聞こえたよ、檸檬の声がね」ナデナデ
蜜柑「ばぁば」
夏春都「蜜柑も、それに纏も・・・心配かけたね」
纏「べ、別に心配なんて・・・そんなにしてないよ」
両津「そんなにってことはすこしはしたんだな?」ニヤニヤ
纏「う、うるさいよ馬鹿ンキチは!!」
大原「全くだぞ両津!そんなんだからお前は両津なんだ!」
両津「なんすか!両津家のこと全否定ですかぁ!?あんまりですよぶちょぉ!!」
夏春都「私はどうかしてたね。こんなに可愛い孫達を忘れてしまうなんて」ギュッ
纏「うわわっ!ばあちゃん!急になんだよ!」
檸檬「おばあちゃん・・・!」
蜜柑「だう!」
夏春都「檸檬、帰ったら一緒にきんつばをつくろうね・・・」ニコッ
檸檬「うん・・・・・・うん!!」ギュッ!!
パチパチパチパチ・・・
「まさか自力で電波の洗脳を解くとは・・・実に見事だ」
両津「!・・・誰だ!」
大原「・・・抹種部屋・・・!」
両津「抹種って・・・さっき部長が仕えてるとか言ってたこの組織のトップの名前っすよね」
纏「と言うことはアンタが今回の騒動を起こした男か!!」
抹種「・・・まさしく。私が今回の20世紀回帰計画を立てた」
夏春都「アンタのおかげで私は孫を泣かせちまった。この落とし前はどうつけるつもりなんだい?」
両津「ホンダラ親父みたいな髪型しやがって大逸れた事するじゃねぇか」
抹種「・・・そうカリカリするんじゃない・・・とりあえずこんなところで話しをするのもなんだ・・・来い。あいつらも一緒にな」
両津「あいつら・・・?」
抹種「おい!あの二人を連れて来い!」
男「はっ!」
ドサドサッ
大原「な、中川!麗子くん!」
抹種「・・・こいつらの洗脳も解けている。水の中には電波が届かなかったらしくてな・・・頭から突っ込んで洗脳が解けたようだ」
中川「う、ううん・・・あれ・・・僕は・・・」ムクッ
麗子「い、いたた・・・なんだか記憶が曖昧だわ・・・」ムクッ
両津「・・・二人とも着替えた方がいいと思うぞ。特に中川」
中川「え、先輩・・・ってうわぁ!?なんで僕は裸にマントなんて格好をしてるんだ!?」
麗子「きゃ、きゃー!!」
大原「いいから早く着替えなさい!!」
中川「こ、こんな服しかないんですか?」
麗子「ほ、他の服とかは・・・」
抹種「ない」
両津「いいじゃないか、似合ってるぞ・・・つんつるてんのアイラブ万博Tシャツとジーパン・・・ププッ」
大原「こ、こら両津!笑ってはいかんぞ!・・・ププッ!」
両津「だ、だって部長・・・!あのいつもセレブリティな二人がこんなつんつるてんでダサい服装を・・・ププッ!」
纏「ふ、ふたりとも!似合ってるぞ・・・ウププ・・・」
中川「もう死にたい・・・」
麗子「いっそ殺して・・・」
ーーーー
抹種「・・・」ウィィーン・・・
中川「このエレベーター・・・随分と深くまで下るんですね」
抹種「東京の地下はほとんどが地下鉄だらけだからな・・・広く場所を取るためにかなり深くまで掘り進めた」
麗子「それにしても一体どれだけ下ったのかしら・・・」
両津「おい、まだなのか?まさかそうやって騙してるんじゃないよな?」
纏「だよなぁ、怪しいぜ」
夏春都「・・・静かにつくのを待ちな」
檸檬「二人ともせっかちじゃからのう」
蜜柑「あぶぶ!」
チーンッ・・・
抹種「・・・ついたぞ」
ウィン・・・
大原「なっ・・・!」
麗子「ここは・・・!」
両津「何だこりゃ・・・下町・・・?」
夏春都「・・・地下なのにまるで太陽があるみたいに明るいね・・・」
中川「おそらくこれは・・・有機LEDを天井一面に貼っているんですよ・・・それで太陽を再現してるんだ」
両津「そういや前に中川が似たようなところを作っていたよな?」
中川「ええ、ですけど・・・ここは広さが違いますよ・・・」
抹種「・・・東京23区分の広さがある」
中川「なんですって!?」
中川「そんなものを作ろうとすればそれこそウチの比じゃない程のお金が・・・!!」
麗子「まって圭ちゃん・・・抹種って名前・・・どこかできいたことが・・・あるような・・・」
中川「!」
中川「抹種・・・!抹種コンツェルン!」
抹種「・・・」
両津「抹種コンツェルン・・・?そんな会社があるのか?」
中川「はい・・・いや、厳密には『あった』と言った方が正しいですね」
大原「どういうことだね?」
中川「かつて・・・それこそ十数年以上までほかに比べられるところがないくらい発展した会社があったんです」
纏「それが抹種コンツェルン・・・」
中川「ウチの父ですら足元に及ばない程の規模でいつもその会社の話を父から聞かされてました・・・今思い出しましたよ」
夏春都「ということは、アンタがその大企業のトップだった・・・ってわけかい?」
抹種「・・・」
抹種「昔の話だ」
抹種「君たちは、モーレツオトナ帝国の逆襲・・・という映画を知っているかね?」
麗子「そ、それって・・・!」
檸檬「知っておるぞ。くれよんしんちゃんというあにめの映画じゃ。実際には見たことないがてれびのばらえてぃで紹介されていたのを見たことがあるぞ」
中川「20世紀博のオープンの前日に僕らが派出所で見ていた作品だ・・・・・・あっ!」
麗子「まぁ!」
大原「なんと!?」
両津「え?どうしたんだみんな?」
抹種「・・・」
中川「今回の事件・・・まったくその作品と同じ経緯で起こってるんですよ!」
抹種「・・・その通りだ」
中川「ある日20世紀博というのが開かれるんです、大人たちは子供を連れてそこで遊ぶんですが・・・。だんだん大人たちだけその20世紀博にハマり身の回りのことをきちんとしなくなっていくんです」
纏「!・・・ばあちゃんや父さん母さんもそうだったぞ・・・!」
麗子「そしてある日大人たちはトラックの荷台に乗せられて20世紀博へと連れていかれるの、子供達を残して・・・」
両津「・・・今回起こったことまんまじゃねえか!」
抹種「・・・働き詰めの私は、あの映画に感銘を受けた」
抹種「毎日毎日ビジネスビジネスと精魂尽き果てた私はどっぷりとあの世界にのめり込んだ」
抹種「だが、あの映画では結局計画は失敗し人々は21世紀を生きていった」
抹種「・・・それが私には気に食わなかった」
麗子「どうしてよ!素晴らしい終わりじゃないの!」
中川「そうです!ハッピーエンドですよ!」
抹種「ハッピーエンドなんかじゃない!!」バンッ!!
中川麗子「「!!」」
抹種「・・・ゴホン・・・」
抹種「・・・あの映画はとんでもないバットエンドだ」
抹種「結局愚かな民は情に絆され新たな時代へと向かった。つらく、苦しい21世紀へな」
抹種「・・・だから私は決めたんだ」
抹種「この映画を私がハッピーエンドにしようと」
大原「なんだと・・・?」
抹種「手始めに私は会社をたたんだ。そしてこの地下を掘り・・・そこから10年ほどをここの地下の発展に捧げた」
抹種「金ならいくらでもあったからな」
中川「・・・そしてあなたが会社をたたんだことで中川グループは発展することができた・・・」
抹種「・・・中川圭一・・・君の父は私が消えた穴を自分のグループで即座に補った・・・それでも全体の4割程度のものだったがな」
中川「・・・」
抹種「莫大な資産と時間をかけ、そして私の『20世紀』は完成した」
抹種「それが、この場所だ」
抹種「そして私は20世紀博の建設にかかった」
抹種「もちろん情報は隠し続けた。金をつかってね」
麗子「だから私や圭ちゃんにも情報が入らなかったのね・・・」
抹種「情報が広まり、誰かに邪魔されてはそこでオジャンだからな」
大原「ど、どれだけの財産があればそんなことが可能なんだ・・・?」
両津「ふん、ワシならそんなに金があるならあそび回るがな」
檸檬「カンキチは金がなくてもあそび回るからの、今と変わらんな」
纏「まったくだな」
両津「う、うるせえ!」
夏春都「つまり・・・アンタは逃げたんだね」
抹種「何・・・?」
夏春都「・・・さっきまでそうだった私が言うのもなんだけどね。アンタはただ、辛いことから逃げたかったんだね」
抹種「・・・何が悪い!・・・あんな生きにくくつらい世の中・・・!逃げて何がーーーー」
夏春都「その『時間』を、生きにくくて辛いものにしたのはアンタ自身さ」
抹種「!」
夏春都「嫌だったらやめればよかったんだ、つらいなら楽しくなるようにすればよかった」
夏春都「・・・嫁さんくらい貰って家族でもつくるんだったね、アンタは」
抹種「この・・・老害め!!」ドカッ!!
夏春都「!」ゲシッ!!
纏「ば、ばあちゃん!!」
檸檬「な、なにするんじゃ!」
蜜柑「ば!ば!」
両津「テメェ!!」ガバッ!!
抹種「・・・やれっ!!」バッ
男達「「「はっ!!」」」バッ!!
中川「な!?なんだ!?」
大原「うわぁぁぁ!やめろ!」
麗子「きゃあっ!!やめて!触らないで!」
両津「部長!中川!麗子!!」
抹種「・・・動くなよ両津勘吉。動いたら連れの首が飛ぶぞ」
両津「随分と汚い真似するな・・・やっぱりその髪型の奴はホンダラ親父よろしく汚いのか?」
抹種「お前のようなバケモノをまともに相手するような筋力は私にはない。だからこういう手段を取らせてもらった」
両津「・・・」
抹種「・・・最後の仕上げだ・・・ひとつゲームをしようか」
両津「・・・なんだと?」
抹種「簡単なレースゲームさ・・・正し・・・ハンディキャップありのな!」ドォンッ!!
両津「なっ!!」ブシャッ!!
纏「じゅ、銃・・・!?か、カンキチ!大丈夫か!?」
両津「く、脚をかすっただけだ・・・なんともねえ」ポタポタ・・・
抹種「・・・アソコにタワーがあるのが見えるか」
両津「・・・ああ」
抹種「あのタワーの屋上に、ある装置のスイッチが設置してある」
両津「・・・装置?」
抹種「『表』の世界を完全に20世紀へと変える電波を放つためのスイッチさ」
中川「な、なぜそこまで・・・」
抹種「・・・なに?」
中川「なぜそこまで貴方はあの映画の再現にこだわるんですか!」
抹種「・・・言っただろう。私があの映画をハッピーエンドにすると」
抹種「あの映画をハッピーエンドにすることで、私の野望は真に叶うんだ」
中川「・・・あなたは・・・異常だ!」
抹種「・・・知ってるさ。10年以上前からね」スタスタ・・・
両津「ち、ちくしょう!まちやがれ!!」
抹種「動くな!!」
両津「!」
抹種「・・・しばらくしたらその男たちは拘束を解く・・・そこがレースのスタートだ」スタスタ・・・
男達「「「・・・」」」スッ
大原「げほげほ・・・くっ・・・きつくしめあげおって・・・」
男「・・・スタートだ、君たちは早く行きたまえ」
両津「もちろんスタートするにきまってるだろ?・・・お前たちをぶっ飛ばしてからな!!」バキッ!!
男「ッ!?」ドシャァァッ!!
男2「なっ!貴様っ!!なにを!」
両津「おらっ!!寝てろ!」ズゴッ!!
男3「うわぁぁぁぁ!!!」
両津「お前もだよ!!」メリメリメリメリ・・・!!
男3「いだだだだだだだ!!!!」
中川「せ、先輩先輩!やりすぎですよ!」
麗子「そ、そうよ両ちゃん!その人達変な液体が耳から出てるわよ!?」
両津「ったく・・・とにかく行くしかないな」
檸檬「だけどカンキチ、脚が・・・」
両津「こんなもん大したことないって、心配するな檸檬」
檸檬「カンキチ・・・」
両津「とりあえず夏春都と檸檬と蜜柑はここにいた方がいいだろうな。ヤツはワシらが追う」
夏春都「・・・私はまだやれるよ」
纏「何言ってんだよばあちゃん!ふらついてるじゃないか!」
大原「そうです。ここは我々警察官に任せてください!市民を守り、犯罪者を捕まえるのが我々の仕事ですから!」
夏春都「・・・わかったよ・・・ここはお言葉に甘えるとしよう」
夏春都「檸檬、蜜柑。おとなしく待っているとしようか」
檸檬「・・・そうじゃな」
蜜柑「だ!」
檸檬「カンキチ・・・必ず決着をつけて帰ってきてくれ」
両津「ああ、約束だ。檸檬」
檸檬「・・・破ってはいかんぞ」
両津「ワシが檸檬との約束を破ったことが今まで一度だってあったか?」ニッ
檸檬「・・・ないな!」ニッ
両津「そう言うことだ!ちゃんと夏春都とおとなしくまっとくんだぞ!」
檸檬「わかっておる!」
中川「さて、それじゃあ行くとしますか、先輩!」
麗子「あんまり警察官にオイタしたらだめってわからせてあげなくちゃね!」
纏「妹を泣かせた分と家族を狂わせた分の落とし前はきちんとつけさせてもらうよ」
大原「・・・いくぞ両津。ワシらの21世紀を取り戻すためにな」
両津「・・・みんな準備は万全みたいだな」
両津「さてと、いっちょ警察官の怖さ。教えてやるとしますかね」ザッ・・・
両津「うぉおおおおおお!!!!!!どけどけどけぇ!!!」ズダダダダダ!!!
纏「ちょっ・・・すこしスピードダウンしろよカンキチ!!」ハァハァ
両津「うぉおおおおおお!!!!!!」ズダダダダダ!!!
大原「あ、あのバカ・・・!本当に足を銃で撃たれてるのか・・・!?」ハァハァ
麗子「し、信じられない身体能力ね・・・!」ハァハァ
中川「本当に先輩の体はどうなってるんだ・・・」ハァハァ
両津「オラオラオラオラぁぁぁぁぁあ!!!!!!」ズダダダダダ!!!
両津「おい!はやくしろ!間に合わないぞ!」
大原「お、お前は早すぎだ!」ハァハァ
纏「い、一分もたたずにタワーまでついたぞ・・・」ハァハァ
麗子「な、なんとかついていくのがやっとよ・・・」ハァハァ
「・・・ここは通しませんわ!」ズダッ!
両津「!!この声は!!」
マリア「わたしですわ!両様!!」
両津「やはりマリアか!」
麗子「ま、マリアちゃん・・・あなたも洗脳されていたのね・・・!」
マリア「愛する両様や信頼する皆様に暴力を振るうのは嫌ですが・・・マリアはやりますわ!」
中川「ま、マリアさん・・・なにがそんなにマリアさんをふるい立てるんだ!」
マリア「あなた方を倒せばわたくしは・・・等身大の両様人形を手に入れることができるのですわ!!」
両津「な、なにぃ!?等身大のワシの人形!?」
纏「しゅ、趣味悪い人形だな・・・」
マリア「全身の関節はすべて曲がるのですわ!あの人形は人間にできる動きすべてを再現することができるのです!!」
中川「な、なんかそれ先輩本人でいいような気がする・・・」
マリア「ッーーーーー!!!!」ズシャーンッ!!
マリア「そ、それですわー!」
中川「うわっ!?」
マリア「両様を傷つけて人形をもらうよりも両様を傷つけずずっとお傍にいればいいのですわ!」
マリア「はぁーーーんっ!!」バタッ!!
両津「ま、マリア!?」
纏「な、なんだ?急に倒れたぞ?」
麗子「だ、大丈夫マリアちゃん!?」
マリア「・・・」
マリア「あ、あれ?わたくしはなぜこんなところに・・・?」
中川「マリアさん・・・まさか今ので洗脳が解けたのか!」
大原「どんな解け方なんだ・・・」
両津「大丈夫かマリア」
マリア「りょ、両様・・・マリアは一体・・・?」
マリア「ってあれ?よく見たら今マリアが着ている服・・・両様の制服とおそろっちですわー!」
両津「お、おそろっち?なんだそれ新しいたまごっちか・・・?」
マリア「マリアしあわせですわー!」バキィッ!!
両津「はうっ!?」ドカッ!!
中川「れ、麗子さん。普通に照れ隠しで先輩を傷つけてるように僕には見えるんだけど・・・」
麗子「圭ちゃん・・・それは言わないでおきましょう」
中川「そ、そうですね」ハハ・・・
両津「なに!左近寺とボルボと本田もこのタワーにいるのか!?」
マリア「ええ、私含めてこの四人がここで両様たちを足止めするようにと言われたんです」
大原「くっ、どこまでも姑息なやつめ」
麗子「でも左近寺さんとボルボさんはともかく本田さんなら楽そうね」
中川「ほんとだね」
纏「本田の扱い低いな・・・」
両津「・・・いや、そうはいかないかもしれんぞ」
中川「え?」
両津「もしかしたらその本田・・・」
本田「両津の旦那御一行じゃねぇか・・・わりぃがここは通せねぇぜ」
大原「な・・・!これは・・・!」
両津「や、やっぱりか・・・この本田は『族モード』の本田だ」
麗子「そ、そういえば本田さんって元族だったのよね・・・」
両津「それも関東一帯をしめてた程の暴走族の総長だぞ・・・」
中川「せ、先輩・・・!それってまずいんじゃ・・・!」
マリア「両様!ここはマリアが!!」バッ!!
両津「い、いかんマリア!!」
マリア「どりゃぁぁぁぁぁ!!!!」ブオンッ!!
本田「女に手を上げるのは趣味じゃねぇが・・・仕方ねぇ」スッ
本田「でりゃあっ!!」ズンッ!!
マリア「ッ!?!?」ガホッ・・・!!
マリア「げほっ!ゲホゲホッ!」
纏「そ、そんな!マリアを一撃で!?」
大原「・・・関東連合総長だった本田の得意技は・・・」
中川「・・・部長?」
両津「飛び込んできた相手の急所を的確に攻撃すること・・・ですよね部長」
大原「うむ、それで何人もの警察官が病院送りにされた」
麗子「ま、マリアちゃんでもかなわないなんてどうすれば!」
両津「ワシがなんとかしてもいいが・・・ここは簡単な方法を使おう」
中川「先輩?」
両津「本田!どうしても通してくれないのか!」
本田「こればっかりは聞けねぇな・・・ここを守りゃ俺は伝説のヤンキーと戦えるんだ」
両津「伝説のヤンキーね・・・まぁそれでもいいが、このことはイブちゃんに報告させてもらうからな」
本田「!?」ビクッ
纏「いぶ?」
中川「そうか!先輩考えたなぁ!」
纏「なぁいぶって誰なんだ?」
麗子「イブちゃんっていうのは本田さんの妹さんよ。本田さんはその妹さんを溺愛してるの」
本田「りょ、両津の旦那・・・それは・・・」ビクビク
両津「あ~あ~、イブちゃん泣いちゃうだろうなぁ~」
本田「い、いぶ・・・」
両津「『お兄ちゃん、しんじてたのに(裏声)』なんて言いながらぼろぼろなくんだろうなぁ~」
本田「し、しかし・・・伝説のヤンキー・・・!」
両津「そしてイブちゃんも、兄に失望して夜の蝶とかやりながら遊んで生活するんだろうなぁ~旦那さんもかわいそうにな~」
本田「・・・」
両津「最後には風俗嬢・・・いろんな男に抱かれちゃうんだろうなぁ~」
本田「う」
本田「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!!」バターンッ!!
大原「やった!」
中川「やりましたね先輩!」
本田「」チーン・・・
麗子「あ、あれ?本田さんの様子がちょっとおかしくないかしら・・・?」
マリア「な、なかなか起き上がりませんね・・・」
本田「」チーン・・・
両津「ちょっとやり過ぎたか・・・まぁそのうち目を覚ますだろ!先に行こうぜ」
中川「それもそうですね、時間は有限ですし」
麗子「それじゃあね、本田さん」
本田「」チーン・・・
左近寺「うぉおおおおおお!!!!」ズガァァァァン!!
両津「うわっ!?左近寺!」シュッ!!
中川「せ、先輩大丈夫ですか!?」
両津「あ、ああ・・・左近寺のやついきなり殴りかかってきやがった」
左近寺「悪く思うなよ両津・・・お前を倒せば俺はフルスケールの沙織フィギュアが・・・」
両津「左近寺!どきメモ今日の新作今日発売だったよな!」
左近寺「うわぁァァァァァ!!!!!」バターンッ!!
中川「・・・びょ、秒殺でしたね」
両津「ちょろいなこいつ・・・」
バシュンッ!!
両津「うわっ!?銃弾!?ってことは・・・!」
ボルボ「ふっふっふっ・・・待ってたぞ両津・・・」
麗子「ぼ、ボルボさん!」
両津「く、銃とは厄介だな・・・すまん!マリア!麗子!」グッ!!
麗子「えっ!?きゃあっ!!」バッ
マリア「な、なにごとですのー!?」バッ
両津「ボルボ!!これを見ろ!!」
ボルボ「なに・・・?はぅあっ!?」
麗子乳「ボイーン」
マリア乳「ボイーン」
ボルボ「くぁwせdrftgyふじこlp!!!」バターンッ!!
麗子「なにするのよ両ちゃん!!」ゲシゲシゲシ!!
マリア「ひどいですわ両様!!」ゲシゲシゲシ!!
両津「ぐほっ!!ゆるじでっ!!」
中川「自業自得ですね・・・ってあれ、部長」
大原「メロンがよっつだよ~ん!あべべべべ!」
纏「ダメだなこりゃ」
左近寺「お、おいボルボ・・・起きろ」ボタボタボタボタ・・・
ボルボ「う、ううむ・・・」
両津「とりあえずこれでもう配備されてるやつは全員だな?」
マリア「ええ、その筈ですわ」
「・・・あまーい!」
「まだ終わりませんよ!!」
中川「なっ!その声はまさか!!」
丸井ヤング館「そのまさかだ!」
凄苦残念「ここは通しませんよ!!」
両津「・・・」
丸井ヤング館「・・・」
凄苦残念「・・・」
両津「・・・」
丸井ヤング館凄苦残念「「どうぞ」」
両津「よしみんないくぞー」
男達「「「うぉおおおおおお!!!!」」」ザザザザ!!
左近寺「むっ、こいつらは!」
大原「なんて数だ・・・最後のあがきというわけか・・・」
中川「数百・・・いやそれ以上・・・!?」
マリア「これだけを相手にするのはこのメンバーでもきつそうですわね・・・!」
ボルボ「・・・仕方ない。行け両津」
両津「なに?ワシも戦うぞ」
麗子「だめよ、両ちゃんは上に行って。時間がないわ」
大原「ワシらがあの男達を足止めする。おそらくこの先にも多くいるはずだ」
中川「そんなの蹴散らしてすすめるは全人類の中でも先輩ぐらいしかいませんもんね!」ニッ
両津「・・・わかった!そこは任せたぞ!!」
纏「任せな!さぁて行くよっ!」ダッ
男「うぉぉっ!!」ガバッ!!
左近寺「ふんぬぁっ!!」バキィッ!!
マリア「でぇぇぇぇい!!!」ボキィッ!!
ボルボ「はぁっ!!」ザシュッ!!
男152「くそっ!なんだこいつら!バケモノか!?」
男68「!あそこにいるピンクの服の女なら楽勝そうだ!!」バッ!!
麗子「きゃっ!?」
中川「麗子さん危ない!」ドォンッ!!
男68「ひ、ひぇっ!?」カスッ!!
男68「じゅ、銃弾が・・・か、かすった・・・」ヒヤッ
麗子「この・・・!ピンヒールでも味わいなさい!!」ゲシッ!!
男68「ギャッ!!」
両津「おらおらおらおら!どけどけぇえええええ!!!!!」ダダダダダ!!
男125「うわぁっ!!」ゲシッ!!
両津「邪魔だ邪魔だぁぁぁぁぁ!!!!」ダダダダダ!!
男4「く、くそっ!止まれ!!止まれーーー!!」
両津「うるせぇええええ!!!雑魚の相手をしてる暇はワシにはないんだよっ!!」バキッ!!ボコッ!!
男201「く、くそ!なんだこいつ・・・!!一人でこの数を相手に・・・!!」
男165「と、止まらねぇええええ!!!本当に足を怪我してるのかよ!?」
両津「うぉおおおおおおお!!!!!!!!!そこのけそこのけワシが通るぅうううううう!!!!!!」ズダダダダダ!!!
ーーーータワー屋上
抹種「・・・」
抹種「・・・遅かったな、両津勘吉」
両津「はぁ・・・はぁ・・・なんだ?律儀にワシを待ってたのか?」
抹種「・・・このゲーム、君の負けだ。おとなしくそこで表の世界が終わる瞬間をみているんだな」
チュイーンッ!!
抹種「!!」
両津「・・・次は当てるぞ、抹種」
両津「今すぐ両手を挙げて五歩後ろに下がれ」カチリ・・・
抹種「・・・やれやれ、日本の警察はいつから発砲していいようになったんだ?」
両津「残念だが、そんなもんワシには関係ないからな。ワシが銃を弾きたかったら弾いてもいい事にしてるんだ」ニッ
抹種「しかし驚いた。その怪我した足で普段と変わらぬ身体能力を発揮するとは・・・本当にバケモノだな」
両津「万全の状態だったらあと三十分は早くついてたな」
抹種「そうか」
両津「・・・」
抹種「・・・」
両津「・・・スイッチを入れないのか?」
抹種「・・・入れれば撃つと君が脅したんだろう。両津勘吉」
両津「ははは、そうだったな」
両津「・・・」
両津「抹種・・・お前、最初からそのスイッチを入れる気なかったんじゃないか?」
抹種「・・・なに?」
両津「ワシがつくまでの時間に、いくらでもそんなことできたはずだ」
抹種「・・・君の目の前で全てを崩そうと考えただけさ」
両津「・・・違うな」
抹種「・・・」
両津「あの映画をハッピーエンドで終わらせるなら。ここにきてすぐにスイッチを入れればいいだけのはずだぜ」
抹種「・・・あの映画の内容を知っていたのか」
両津「昔本田と一回だけ見に行ったことがあってな。今思い出したんだ」
両津「お前がやりたかったのはあの映画をハッピーエンドにすることじゃなくて、あの映画の黒幕・・・『ケン』のように止めてもらいたかったんだろ?」
抹種「・・・」
両津「あんたもこの計画を進めるうちに薄々気づいてしまったんじゃないか?自分がただの意気地なしなだけだってことに」
抹種「・・・」
両津「だから夏春都にあんなことを言われてムキになった。それは自覚があったからだよな」
抹種「・・・」
抹種「フフ・・・」
抹種「・・・」
抹種「・・・そうかも・・・しれんな・・・」
抹種「終わりだ、もはや何もかも終わり」
抹種「・・・もうこの映画の幕は降りた・・・いや、幕が上がってすらいなかったのかもしれないな・・・」
両津「・・・」
抹種「だが、ここまで来てハッピーエンドというのもシャクだ・・・最後まで足掻かせてもらうよ」カチャッ・・・
両津「抹種!・・・銃で自殺するつもりか!!」
抹種「・・・この演目の終わりは、トゥルーエンドということで手を打とう」
両津「よせっ!!抹種!!」
抹種「・・・さらばだ。私が作った20世紀の世界・・・」クッ・・・
両津「抹種ーーーーーーっ!!!」
ズガァァァァン・・・!!
チュイーンッ!! カランカランカラッ・・・!!
抹種「ぐぬっ!?」ブシッ!!
大原「・・・久しぶりに撃ったが・・・ワシの腕はなまってないようだな」
両津「ぶ、部長!!」
大原「何をしてる両津!はやく抹種を確保しろ!」
両津「は、はい!抹種!確保します!」ガシッ!
抹種「くっ・・・!最後の最後まで・・・何も上手くいかないのか・・・私は・・・!」ポタタッ・・・
両津「・・・いいや。全部お前の思い通りだったみたいだな」
抹種「なに!?」
両津「ワシらを利用してお前は死ぬことからも逃げることができた」
抹種「・・・」
抹種「はは・・・!ははは!」
抹種「そうか・・・そうか・・・私は・・・」
抹種「初めから生きることからも死ぬことからも逃げたかっただけのどっちつかずの男だったわけか・・・」
大原「抹種・・・」
抹種「・・・どうすればいい。私はこれから・・・どうすれば・・・」
両津「・・・」
両津「そんなんワシが知るわけ無いだろ?」
抹種「なっ・・・!」
大原「りょ、両津!!」
両津「ただ、ワシは21世紀の世界が苦しいとかキツイとは思わん」
両津「今こうしてる時にも21世紀の世界では新たな遊びが開発されてるかもしれん」
両津「遊びの幅は昔よりはるかにおおくなってる。それだけでワシは生きてる理由になるな!」
抹種「・・・」
両津「これから自分がどうするかなんて人に聞くんもんじゃないぞ。それはこれからのお前が決めることだ」
両津「・・・ま、その前にお前は豚箱に行くのが先だけどな」ニッ
大原「・・・まったく、お前という奴は遊びのことばかりだな!」
両津「へへへ、勘弁してください部長!」
中川「先輩!部長!無事ですか!」
大原「おお、みんな。大丈夫だ。無事解決したぞ」
纏「なんだ、もう終わったあとだったのかよ。すぐに駆けつけたのに」
麗子「・・・でもよかったわ。二人とも無事で」
マリア「心配しましたわ両様~!」ギューッ!
両津「ま、マリア・・・ぐるじ・・・い!」
左近寺「おら、キリキリあるけ!」
抹種「・・・」
ボルボ「なにはともあれこれで一件落着か・・・」
本田「な、なんだか良く分からないけど目が覚めたら全部解決してました~・・・」
両津「・・・それじゃあ帰るか。ワシらの亀有公園前派出所に!」
麗子「ええ!そうしましょう!」
中川「はい!先輩!」
纏「ああ!」
マリア「ええ!」
左近寺「おう!」
ボルボ「うむ!」
本田「はぁい」
大原「・・・ああ!」
ーーーー
ーーー1週間後
両津「ふぁぁ・・・今日も朝から本官は勤務ですよ~っと」
「おいカンキチ!何ボケっとしてるんだよ!」
「そうだぞ!警察官ならしゃきっとしろよ!」
両津「ん?・・・なんだお前らか。びっくりさせるんじゃねぇよ」
トン平「お前らかって・・・友人に向かってそれはどうなのよ?なぁ!」
珍吉「まったくだぜ、古くから友人にそのあつかいはねぇよなぁ?」
両津「ったくうるさいやつらだな・・・ワシらは友人というより腐れ縁だろ?」
トン平「違いねぇな!わはははは!」
トン平「なんだ、こっちの方は俺たちがいない間になんか大変な事になってたみたいだな」
両津「まぁな・・・というかお前らはどこに行ってたんだ?」
珍吉「オレは親戚のところに1ヶ月手伝いに行ってたんだよ。んでコイツは旅行だとよ!」
両津「かー!けしからん!ワシが奔走している時に呑気に旅行かトン平!」
トン平「へへ、まぁそういうなって!」
両津「まったく・・・」
両津「・・・お前たちガキの頃に戻ってみたいって思ったことあるか?」
珍吉「あ?なんだそれ?」
両津「ただの質問だよ質問」
トン平「うーん・・・おもったことないな」
珍吉「ていうか俺たちがガキの頃に戻ってもまた先生に絞られるだけだぜ?大人の方が気楽だよ」ハハハ
両津「それもそうだな!わははは!」
トン平「・・・まぁ真面目な話。俺たちガキの頃になにか悔いなんてあるか?」
珍吉「・・・オレは無いね」
両津「・・・ワシもないな」
トン平「悪事も友情も恋も、やりたいことは全部やったもんな!」
両津「・・・確かにな」ニッ
トン平「おっと、そろそろ帰らねぇと」
珍吉「俺もだ!じゃあなカンキチ!」
両津「ああ、またな!」
両津「・・・行ったか・・・」
両津「・・・」
両津「ガキの頃に悔いはない・・・か」
両津「ふっ・・・」
両津「さぁてはやく派出所にむかわないとまた部長にどやされる!」ギィッ!
『パチンコタマデール!新台入荷でーす!』
両津「・・・」
両津「うひょおおおお!!出る出る出る!玉がどんどん出るぞ~!!」ジャラジャラジャラ!!
両津「やはり新台は最高だなぁ!!」ジャラジャラジャラ!!
「ほう、そんなに新台は当たるのか」
両津「もうジャンジャカジャン!今日は調子いいぞ~!」
「・・・仕事はいいのかい?」
両津「いいのいいの!ワシ一人いなくてもどうにかなるって!」
両津「それにうるさい上司にあわなくていいし今日は風邪ってことにして休んじゃおうとおもってさ!」
両津「ていうかおじさんそんな冷めるようなこと言わないでよ!ね!」クルッ
部長「・・・やぁ、おはよう両津くん」
両津「」
両津「ぶ、ぶちょお・・・ご、ごきげんうるわしゅう・・・」
大原「どうも、うるさい上司ですこんにちは」ニコッ
両津「い、いや!あ、あれは言葉のアヤでして・・・!」
大原「今日は風邪で休むんだよな?両津くん?」
両津「あ、そ、そういえばなんだか熱があるような~」
大原「署の方にきちんと知らせておくよ・・・両津は『永久休暇』に入りましたとな?ゆっくり風邪を治すんだぞ?」
両津「ぶ、ぶちょぉぉぉ~!!」
大原「両津・・・お前と言う奴はオトナ帝国の電波などなくても普段から子供らしいなぁ」
両津「ぶ、部長部長!私がそのオトナ帝国から都を守った英雄ですよ!!」
大原「・・・そうだな、だから特別に『減俸処分』でゆるしてやろう」
両津「そ、それはダメです!!それはダメですよぶちょお!!」
大原「処分をくだされることが嫌だったらな・・・勤務時間にパチンコなんてするんじゃない!ばかもーん!!」
両津「ひ、ひぇええええええ!!」
ーーー亀有公園前派出所
大原「まてぇえええ!!!両津ーー!!!!」ダダダダ!!
両津「ひえええ!!許してくださいよぶちょおおおお!!!」ダダダダ!!
中川「うわっ!?先輩!急に走ってこないでください!危ないじゃないですか!」
麗子「また部長さんと追いかけっこしてるの?今度は何したのよ両ちゃん」
両津「お、おちついてください部長!!どうか落ち着いて!!」
大原「だめだ!今日という今日は許さんぞ両津!!」
プルルルル!!
両津「ほ、ほら!電話!電話がなってますよ部長!!」
大原「今日という今日は何があっても逃がさんぞ両津ー!」
両津「う、うわぁ!!なら私が出ます!私が!!」バッ!!
中川「ちょ、ちょっと先輩!!」
麗子「きゃあっ!!ちょっと両ちゃん!!」
大原「この、ばっかもーーーん!!!!」
両津「うわわっと!はい!こちら葛飾区亀有公園前派出所ー!」ガチャッ!
ーーーこちら葛飾区亀有公園前派出所
両津「オトナ帝国の逆襲だぁ?」中川「ええ」
完
■おまけ■
凄苦残念「・・・丸井さん・・・ここ、どこなんですか・・・?」
丸井ヤング館「わ、わからないよ・・・気がついたらここにいたんだもん・・・」
凄苦残念「どうすれば亀有に帰れるんですか・・・僕たち」
丸井ヤング館「わかんない・・・」
凄苦残念「・・・」
ーーーエンディング
葛飾ラプソディ
転載元
両津「オトナ帝国の逆襲だぁ?」中川「ええ」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1408843386/
両津「オトナ帝国の逆襲だぁ?」中川「ええ」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1408843386/
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コメント一覧 (20)
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- 2014年11月04日 22:13
- この中川は初期の中川
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- 2014年11月04日 22:25
- 人質とられたら、人質ごとナパームでぶっ飛ばすのが両さんです。
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- 2014年11月04日 22:29
- 麗子はもっと強い
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- 2014年11月04日 22:30
- てか今の両さんはしんちゃん全部見てるだろ。
纏登場前は見てないだろうが
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- 2014年11月04日 22:31
- 両さんならもっとえげつない方法で解決しそうだけど
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- 2014年11月04日 22:48
- 両さんなら、ヘリとか戦車じゃなくて戦闘機使いそう
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- 2014年11月04日 23:09
- こち亀クロスは両さんのキャラ性のせいか何にでも馴染むなぁ
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- 2014年11月04日 23:31
- こち亀もクレしんも、アニメはバカやってるけど映画は感動するね
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- 2014年11月05日 00:10
- 去年死んだ婆ちゃん思い出して泣いちゃったぜ。
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- 2014年11月05日 00:40
- 特殊刑事が出なかったのが残念
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- 2014年11月05日 00:40
- 懐かしいな
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- 2014年11月05日 01:39
- ヨロシクが育児放棄して娘に手をあげたクズ野郎で終わっとる……
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- 2014年11月05日 05:37
- 洗脳されてたし、温厚な親父が切れるなんておかしいって話だから仕方ない
ゲバ婆さんのエピソードやった後に親父やっても微妙だし。
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- 2014年11月05日 07:22
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こち亀とのクロスSSは面白いの多いな
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- 2014年11月05日 11:39
- 今度はアッパレ戦国大合戦をお願いします
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- 2014年11月05日 17:11
- 面白かった
大人帝国見直すかな…
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- 2014年11月09日 19:14
- アソコにタワーが卑猥用語に見えたから病院行ってくる
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- 2015年09月16日 08:04
- 単にキャラ置き換えただけかと思いきや、元ネタであるクレしんの方の映画が物語に絡んでいるという凝った設定
でも、もしもそれがない場合はこち亀がオリジナルと言われても信じられるレベル
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- 2019年10月19日 01:54
- エモい
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- 2020年04月14日 04:09
- どうでもいいけどオトナ帝国はブルーレイ化されてないぞ・・・
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