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キャーリサ「家出してきたし」上条「帰って下さい」【前半】

3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/03(木) 01:47:09.55 ID:Mjt8MUJYo

上条「」

キャーリサ「久しぶりだし、小僧」

上条「」

キャーリサ「何なのこの部屋は? 玄関か? しかし先ほど靴は脱いだし、テレビやベッドもあるな。
       お前、もしかしてここで生活しているのか?
       むー……それは何と言うか……不憫だし」
        
上条「ぇぇぇぇええええええぇぇぇぇえええええぇぇぇええ!!!!!!!!!!????????」

キャーリサ「うるさいぞ。何だ突然」

上条「こっちの台詞だ! な、ななんでお前がここに!?」

キャーリサ「あー気にするな。家出してきた」

上条「帰って下さい」



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/03(木) 01:48:37.95 ID:Mjt8MUJYo

キャーリサ「断る!」

上条「何でだよ! 英国王女サマがこんなところにいちゃ駄目でしょ!」

キャーリサ「いちいちがなるな。やかましーぞ。
       それよりどうだ、私服を着る機会は実はあまりなくてな、可愛いか?」

上条「いや……その……っつか話聞いてもらえませんか」

キャーリサ「うんうん。いー反応だ。ここに来るときも眼鏡をかけるだけで誰も気付かなかったんだ。
       あまりのオーラの無さに人が避けて通ったぞ。我ながら完璧な変装だし」

上条「オーラが隠しきれなくて避けただけだと思います」

キャーリサ「おー! これが日本のこたつとか言うやつか!
       いいなこれ! ぬくぬくだ! おい、緑茶が飲んでみたい、淹れてくれないか?」

上条「な、なんなんだ一体……」



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/03(木) 01:49:59.53 ID:Mjt8MUJYo

―――


上条「よし、お茶だぞ。これでいいな? 一旦落ち着いて話そう!」

キャーリサ「ご苦労。何ださっきから。話がかみ合わないぞ」 ズズッ…

上条「こっちの台詞だよ。とりあえず、キャーリサ、でいいんだよな?」

キャーリサ「こんな知的で可憐で妖艶な知り合いが他にいるの? いるなら呼んでくるがいい、
       あまりのスペック差にべっこべこに凹ませてやるし」

上条「まあいいや。何しに来たんだよ?」

キャーリサ「つれない反応だな。清教派の……何て言ったかな、金髪の男からお前の話は一度聞いたことがあるの。
       お前は見知らぬ女のために危険に飛び込んでいく奇怪な趣味があるそうだな。
       光栄に思え、私を助けさせてやるし」

上条「帰れ」 ガシッ ズルズルズル…

キャーリサ「わ、分かった! 私が悪かったの! とにかく話を聞いてくれ!

上条「何だよ」

キャーリサ「王女に対する扱いとは思えないし……」



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/03(木) 01:54:14.13 ID:Mjt8MUJYo

上条「いいから話せよ。インデックスに見られたら噛み付かれるのは上条さんなんですよ」

キャーリサ「そー言えば禁書目録はどーしたの?」

上条「友達のとこだ。夜には帰ってくるよ。ほら、本題を早く」

キャーリサ「何だか冷たいし。もっと優しくしろ、王女だぞ」

上条「冗談抜きで殺されるところだったからな」

キャーリサ「それを言うなら、お前だって私を殴り飛ばしたの。
       本来なら国際問題だし」

上条「う……」

キャーリサ「ふふんっ」 フンスッ!

上条「じゃ、じゃあおあいこということで……」

キャーリサ「いーだろう。過去の遺恨は置いておいて、これからのことを話し合おーじゃないか」



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/03(木) 01:56:13.95 ID:Mjt8MUJYo

上条「それで、さっき家でっつってたけど」

キャーリサ「うむ。母上と喧嘩した」

上条「それで?」

キャーリサ「? それだけだし」

上条「おい! そんだけのためにわざわざ半日以上かけてここまで来たのかよ!?」

キャーリサ「違う違う。超音速旅客機使ったから1時間くらいだ。
       ちょっと学園都市見てみたかったしな」

上条「そんなもん使ってショッピング感覚で来るの止めてもらえませんかねぇ……」

キャーリサ「馬鹿を言うな。これでもポケットマネーで動かしたんだ。国費は使っていない。
       国民の血税を親子喧嘩になぞ使えるか馬鹿者」

上条「そういう常識的な考えをどうして上条さんにも向けてくれないんだ……」

キャーリサ「久しぶりに堪忍袋の緒が切れたの。母上のことは許せん。いや、他の連中もだ」



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/03(木) 01:57:57.73 ID:Mjt8MUJYo

上条「何があったんだ?」

キャーリサ「聞いてくれるか上条当麻」

上条「聞きたくねぇけどな」

キャーリサ「実は、母上から最近結婚を勧められていてな……」

上条「え、そうなのか。キャーリサって今いくつだっけ」

キャーリサ「年は訊くな少年。どーしても知りたければググッたら出てくるし」

上条「そうか……俺はそういうレベルの人と話してるんだよな。
    こたつで緑茶啜ってるから忘れてたぞ」

キャーリサ「それでだな、私はまだそーいうのはいいと言ったんだが、良い縁談があるから会ってみないかと勧められたんだ」

上条「ふーむ……王室だし色々あるよな。それで揉めて出て来たのか?」

キャーリサ「いや違う。その時、部屋のテレビで日本のアニメ『けいおんがく!』が丁度放送されていたの」

上条「あー、そういやインデックスの奴がそんなの見てたな……って、え?」



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/03(木) 02:01:24.30 ID:Mjt8MUJYo

キャーリサ「最近王宮では空前の『けいおんがく!』ブームでな。
        私達親娘と騎士団長(ナイトリーダー)の五人もバンド組もうという話になったところまではよかったんだ」

上条「あの……キャーリサさん?」

キャーリサ「そーしたら母上、何と言ったと思う? あろーことか、あずにゃんをやりたいとか言い出したの!
       信じられるか!? あずにゃんはどう考えたって私だろー!?」

上条「おい、やっぱお前帰れよ」

キャーリサ「うるさい聞け」

上条「ひでぇ……」

キャーリサ「だから私は言ってやったの『母上はりっちゃんでもやっていればいーだろー!』ってな。
       そしたら今度はヴィリアンが怒りだしたんだ。
       この偉大な姉に向かって『りっちゃんを馬鹿にするのは許せません。戦争です。
       母上にはせいぜいみおちゃんがお似合いです』とな」

上条「」

キャーリサ「だから私もまー……大人げなく言ってしまったんだ。

       『よろしい。ならば戦争だ』とな。       

       姉上は生粋のむぎちゃん派だからむぎゅむぎゅ言ってるだけだったんだが、
       さらにまずいことに、騎士団長はフルンティングを痛剣に改造する程の、私でも引くくらいのみお厨だったものだからもー大ゲンカだし。
       結局、パートを決める前に音楽性の違いでバンドは解散。
       私はそんな奴らに嫌気がさして出てきたというわけだ」



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/03(木) 02:05:20.39 ID:Mjt8MUJYo

上条「キャーリサ……」

キャーリサ「同情してくれるの? やはりお前のところに来て正解だったし」

上条「お願いですから帰って下さい」 ドゲザッ!

キャーリサ「おお、これが噂に聴くジャパニーズドゲザか。
       だが断るッ!」

上条「付き合ってられるか!」

キャーリサ「頼む。この通りだ!」 フンスッ

上条「胸を張るんじゃねぇ。せめて頭下げろよ」

キャーリサ「違うし。お前巨乳の年上が好きなんだろー? ほら、好きなだけ凝視していーぞ」

上条「相変わらず胸元が際どい……ゴクリ」

キャーリサ「よし、家賃は払ったの。じゃあ早速昼食にしよう」

上条「はっ! お、おい! 今の無し!」

キャーリサ「聞こえんな。おい従僕、今日の昼食は何だ?」

上条「家主であるはずの上条さんの地位の下がりっぷりが著しいのですが……」

キャーリサ「私の質問には速やかに応えよ」



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/03(木) 02:07:07.51 ID:Mjt8MUJYo

上条「モヤシ炒め」

キャーリサ「誰がペットの餌と言ったの。食事だ」

上条「だからモヤシ炒めだっつってんだろうが! 上条さん家の冷蔵庫の中身なめてんじゃねぇぞ!」

キャーリサ「馬鹿な……確認させてもらうし」

ガチャッ

キャーリサ「……」

上条「……」

バタンッ

キャーリサ「うん……コホンッ、何と言うか、すまんかった」

上条「そういうことだ。うちに来たって良い事無いぞ。最近特にロクなもん無いから不憫に思った小萌先生達がインデックスにご飯食べさせてくれてんだ。
    俺は悪いから遠慮してるけど……」

キャーリサ「よ、よし。私がここにいる間、食費は私が払ってやるの!
       それが家賃だ! 好きな物を食べるといいし!」

上条「キャーリサ! いつまでもここにいてくれていいんだぜ!」 ガシッ



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/03(木) 02:09:13.90 ID:Mjt8MUJYo

キャーリサ「ん……うん。その、急に手を握られると照れるな」

上条「あ、わ、悪い!」 バッ

キャーリサ「いや……で、では買い出しついでにどこかに連れて行ってくれ。
       昼は外で済ませよー」

上条「お、おう。じゃあどっか行くか」

キャーリサ「楽しみだな。食事はお前がいつも食べているよーな店が良い」

上条「えー……いいのか?」

キャーリサ「構わんし、こんなことでも無い限り一生口に出来んだろうからな!」

上条「くっ! 悪気は無い……よな」

キャーリサ「よーし、行くぞ従僕! エスコートしろ!」



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/03(木) 02:11:51.89 ID:Mjt8MUJYo

―――学園都市 牛丼屋

ザワザワザワ… ガヤガヤガヤ…

店員「お待たせしましたー!」

キャーリサ「おー! もー来たのか!? 早いな!?」

上条「早さがウリだからな。っつか、ほんとによかったのか、こんな店で」

キャーリサ「問題無いし。看板は我が国でも見た事があるが、入る機会が無くてな。
       一度食べてみたかったの」

上条「そっか。ま、食ってくれ」

キャーリサ「いただくの。どれどれ……むぐむぐ……ふんふん……んー」

上条(牛丼食ってるだけなのに上品に見える……さすが王女様だ。 
    心なしか周りの視線が集中してるような……)

キャーリサ「美味い! 美味しいぞ上条当麻!」

上条「はは、そりゃ良かったな。味噌汁付だ、そっちはどうだ?」

キャーリサ「これは飲んだことがあるし。色が独特だが、嫌いじゃなかった。ズズッ……うん、いけるの」

上条(牛丼屋に連れてきてこれだけ喜んでくれるなんて……意外と庶民的なとこあるんだな。
    まあ母親があんな感じだから分からなくては無いけど。楽しそうで何よりだ)



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/03(木) 02:14:03.89 ID:Mjt8MUJYo

キャーリサ「おい上条」

上条「ん?」

キャーリサ「この赤いのは何なの?」

上条「あぁ、そりゃ紅ショウガだよ。ちょっと辛いけど、美味いぞ。無料だから食ってみろよ」

キャーリサ「ふむ。そーか、では……パクッ」

上条(そういやインデックスを初めて連れて来た時もこんな感じだったな)

キャーリサ「これもいーな。気に入ったぞ上条。どーした? 食が進んでいないみたいだし」

上条「あ? ああいや、そんなことないよ。はむっ」

キャーリサ「うん。男の子は良く食べないと駄目なの。強くなれんぞ」

上条「もぐもぐ……やっぱキャーリサは強い男が好きなのか?」

キャーリサ「ん? そーだな、別に強くないと駄目ということは無いが、騎士団長に代わって私を守れる程度には強く在って欲しいものだし。
       じゃないと、そもそも王宮に連れ帰った時点で騎士団長本人に吹っ飛ばされる」

上条「まじですか。キャーリサと付き合う男は大変だな」

キャーリサ「そー……だな」

上条「ん? どうかしたか?」



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/03(木) 02:16:37.06 ID:Mjt8MUJYo

キャーリサ「いや、私は男と付き合ったことなど無いから、よく分からないの」

上条「へー、まあ王女様だもんな」

キャーリサ「間もなく三十路にさしかかろーという女が、未だに男を知らんというのもどーなんだと思うし」

上条「別にいいんじゃないか? キャーリサ美人なんだし、結婚相手にだって困らないだろ?」

キャーリサ「そーいう問題ではないの。私とて、ヴィリアンのように恋に恋い焦がれる乙女な時分もあったんだし」

上条「ぷっ、キャーリサがか? ははは、想像出来ないな」

キャーリサ「むー、腹の立つ男だ。まーでもその通りなの。私も今やそー言ったものは諦めている」

上条「へ? 何で?」

キャーリサ「機会が無いというのが一番の理由だな。こー見えて、結構ワイルドな男が好みなんだ」

上条「どう見てもそうとしか考えられんが」

キャーリサ「しかしだな、やはり私が出会う相手と言えば比較的家柄も良く、気品漂う男ばかりなのだし。お前と違って」

上条「耳が痛いから余計なことは言わないで下さいませんかねぇ……」

キャーリサ「まー騎士派の中にはそーで無いものもいるが、基本的には同じよーなものだ。
       あの騎士団長の下にいれば猿でも立派な紳士になる」



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/03(木) 02:18:56.97 ID:Mjt8MUJYo

上条「嫌なのか?」

キャーリサ「嫌という訳ではないの。好みで無いというだけの話だし、いざ結婚と言うことになればそーいった相手の方が何かと都合も良い。
       ただな……」

上条「ただ?」

キャーリサ「私はもっと屈強な! 血みどろになっても戦い続けるアクション映画のよーな男がいいの!」

上条「分かるような分からんような……」

キャーリサ「ま、とにかく一度人並に恋人の真似事をしてみたいというところだし」

上条「ふぅん……」

キャーリサ「……」 ジー

上条「……?」

キャーリサ「……」 ジー

上条「あ、あの……」

キャーリサ「……」 ジー

上条「何だよ!」

キャーリサ「良いこと思いついたし。お前、しばらく私の恋人になれ」



22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/03(木) 02:21:55.63 ID:Mjt8MUJYo

上条「はい?」

キャーリサ「そーだそーだ。こんなところにおあつらえ向きの奴がいるじゃないか
       まー本当はウィリアム=オルウェルあたりが私的にドストライクなんだが、
       アレに手を出すとヴィリアンが本気で殺しにかかってきそーだしな。
       お前で我慢しておいてやるし」

上条「おい、色々と発言内容省みてみろよ。おかしいだろ。人に物言う態度じゃねぇぞ」

キャーリサ「ぶっちゃけた話、お前私の事結構好きだろ?」

上条「こんなに上から来る女の人は上条さんでも初めてですのことよ」

キャーリサ「癒し系の年上管理人系美人が好みだって聞いたぞ」

上条「そもそもキャーリサは癒し系じゃねぇだろ」

キャーリサ「そんなことは無い。癒してやるぞ」

上条「どうやってだよ……癒しのオーラが欠片も出てないんだが」

キャーリサ「体を使う。まーフリではさすがにそんなことは出来んがな。私の貞操は国家に身を捧ぐ覚悟が出来たならくれてやる」

上条「上条さん好みのお姉さんはそんなこと言いません!」

キャーリサ「ふーむ、違うのか。青少年はとりあえず胸さえあればいーんじゃないのか?」

上条「ひどい偏見だ! 家事も出来る女の人がいいです」

キャーリサ「家事など使用人に任せておけばいーし」

上条「ほらもう! 全然駄目じゃねぇか!」



23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/03(木) 02:24:07.53 ID:Mjt8MUJYo

キャーリサ「ごちゃごちゃうるさいし! ちょっとした遊びだし遊び。
       せっかく身内の目も無い異国で羽を伸ばせるんだ、付き合え!」

上条「上条さんの身内はいっぱいいるんですけど!?」

キャーリサ「自慢していーぞ」

上条「いや結構です……」

キャーリサ「なんだ、お前彼女でもいるの?」

上条「いやいないけど……」

キャーリサ「じゃーいーじゃないか。それとも……こんなオバさんは嫌なの?」 ウルッ

上条「うっ……」

上条(キャーリサって確かに結構年上だけど……綺麗だし胸も大きいし、外人だからスタイルも抜群なんだよな……。
    お姫様って割には話し方もフランクで明るくて話しやすいし……。
    うーん……フリじゃなかったとしても、全然悪く無いような……)

キャーリサ「胸ばかり見ているなお前は。私の目を見ろ」

上条「み、見てませんのことよ!」

キャーリサ「まー構わん。見せてやってるんだ、ありがたく見ておけ。
       それより食べ終わったぞ、どこか行こう。デートってやつだな」

上条「あ、ああ、そうだな……」



24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/03(木) 02:26:37.50 ID:Mjt8MUJYo

―――学園都市 公園


スタスタスタ…

上条(うう……まさか腕を組まれて歩くハメになるとは……胸が……胸が……。
    しかもすっげー良い匂いがします……やばいです上条さん)

キャーリサ「ふーむ、いいなこーいうの。さっきすれ違ったカップルを真似てみたんだが、どーだ?」

上条「いやその……ありがとうございます!」

キャーリサ「何の礼だ? あ、おい上じょ……当麻。少し喉が渇いたの。自動販売機があるから飲み物を買ってくれないか?」

上条「自分で買えよ」

キャーリサ「日本円は持っていない。さっきの店もカードで支払った」

上条「マジですか。仕方ないな……」

??「っ!! あ、あんたっ!!」

上条「? おう、御坂か。白井も」

御坂「な、ななな、なんつー状態で歩いてんのよ!」

白井「あらあらまあまあ。昼間っからお熱いですこと」



25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/03(木) 02:29:03.73 ID:Mjt8MUJYo

上条「は? ああ……こいつ言っても離さないんだよ」

キャーリサ「私はお前の指図など受けないし。やりたいようにやるの」

御坂「言っても離さない……ですって……」

上条「って訳だ、ん? どうした?」

御坂「ま……まさか彼女ってんじゃないでしょうね……」

上条「ああ、今はそうだ」

キャーリサ「うむ、恋人だし!」 ガシッ ムニュッ!

上条「うっ……」

白井「お姉様、残念でしたわねー。さ、こんな類人猿など放っておいて、黒子が癒して差し上げますの。
   ……あら、そう言えばあの女性どこかで……」

御坂「っざけんじゃないわよぉぉおっ!!」 ビリビリッ!

白井「はぁうっ!」 バシッバタンッ

御坂「い、いつから付き合ってんの!?」



26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/03(木) 02:31:17.61 ID:Mjt8MUJYo

上条「ん? 今日からだぞ」

御坂「今日!?」

上条「ああ、ほんとに今さっきだ」

御坂「さっき……!?」 ビクッ

上条「ああ、うちにしばらく居候することになってさ」

御坂「い、居候……」 プルプルプル

上条「そのついでに恋人になってんだよ」

御坂「つ……ついでで恋人……」 カタカタカタ

キャーリサ「おい当麻、この娘は誰だ?」

上条「ああ、御坂美琴っていうんだけど、学園都市第三位の超能力者のすごい中学生だ」

キャーリサ「ほーう、それは大したものだな」

御坂「よ、余裕の態度ってわけね……!」



27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/03(木) 02:34:45.12 ID:Mjt8MUJYo

キャーリサ「? おい、何か様子が変だし」

上条「いつもこんな感じだけど。お、おいビリビリ! 電撃は駄目だぞ電撃は!
    キャーリサは一般人だ!」

キャーリサ「一般人ではないがな」

御坂「安心しなさい……あんたが守れば済む話でしょうがぁぁああ!!!!!!!」 バリバリバリッ!

キャーリサ「ふんっ!」 シュパッ! ゴォォォオンッ!

御坂「なっ! 電撃を……! っていうか空が割れた!?」

上条「そ、それってもしかして……」

キャーリサ「うん。カーテナの破片だし。護身用に持ってきた」

上条「学園都市吹っ飛ばす気かよ!」

キャーリサ「この破片にはそこまでの力は無い。せいぜい周囲の次元を切断できるくらいだ」

上条「十分過ぎるだろ」

御坂「な、なんなのよその女……!」

キャーリサ「王女だが?」

御坂「ふ、ふざけんじゃないわよ! 何よ……それってつまり、そこの男が王子様て訳!?
    年がいもなくメルヘンチックなこというじゃない……私への当てつけ!?」

キャーリサ「? まあ、そういうことになるか今は。別に当てつけではないが」



28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/03(木) 02:39:43.72 ID:Mjt8MUJYo

御坂「う……うう……こんな痛い女に……」

キャーリサ「おいどーした。顔色悪いぞ」

上条「大丈夫か? 白井も倒れたまんまだし、病院連れていってやろうか?」

キャーリサ「そーしろ。何かあっては困るし」

御坂「う、うるさいほっといて……! うわぁぁああああああああんっっ!!」 ダー!

上条「おい御坂!」

白井「はっ! お姉様の悲鳴! お待ちになってぇっ!!」 シュンッ!

キャーリサ「全く、こんな往来で騒がしいことだな」

上条「あんなんでも超お嬢様学校通ってるみたいだぞ」

キャーリサ「子供ならあんなものか。何をはしゃいでいたのかはよく分からんが、元気そーだし大丈夫だろ」

上条「そだな。白井に任せよう」

キャーリサ「それより喉が渇いたの」

上条「あー、そうだったそうだった。んじゃ1000円札投入……頼むぞー……」

キャーリサ「?」



29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/03(木) 02:43:33.19 ID:Mjt8MUJYo

ウィーン…

上条「……」

キャーリサ「……」

上条「……」

キャーリサ「反応が無いし。壊れてるの?」

上条「だぁぁあー!! ですよねー! そうですよね!? 絶対そうなると思ったよチクショー!」

キャーリサ「返却レバーを回せばいーではないの」 ガシャコンッ

シーン…

キャーリサ「……」

上条「……」

キャーリサ「ほう……私の命令に従えないのか」



30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/03(木) 02:45:14.40 ID:Mjt8MUJYo

上条「いや、こいつそういうのなんだよ。あーもう最悪だ……」

キャーリサ「何か解決法は?」

上条「ん? あー……さっきのビリビリとかは自販機蹴ったりもしてたけど……」

キャーリサ「攻撃すればいーのだな……」

上条「え……おいちょっとキャーリサさん?」

キャーリサ「ふんっ!」 

ズパァッ! ボゴォォオオオッ! 

上条「自販機真っ二つぅぅううう!!!!??」

キャーリサ「私の命に背くからだし。料金は入れたぞ、窃盗ではないの。
       ふーむ……このヤシの実サイダーにする。ほら、お前も選ぶといーの。
       千円分だし」

上条「ふ……不幸だぁあああああ!!!!!!」 ダー

キャーリサ「あ、おいどこへ行くの!?」



71:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/04(金) 01:10:55.15 ID:aqHpqTGVo

―――学園都市 大通り

キャーリサ「ひどいじゃないか当麻。私を異国の地で一人置き去りにするなんて。
       お前が私の護衛だったら免職ものだぞ」

上条「すみませんでした」

キャーリサ「おまけに変な機械に追いかけられるし、スクラップにしてやったがな」

上条「壊すなよ……バレたら捕まるぞ」

キャーリサ「まったく、お前は女の扱いというものがまるで分かっていないよーだし」

上条「お前だって男と付き合ったことないくせに!」

キャーリサ「むっ、そ、それはそーだけど……今付き合ってる」

上条「フリだろ」

キャーリサ「別にいーじゃないか。私は結構楽しんでるし」

上条「え、そうなの?」

キャーリサ「こんな経験なかなか出来ることじゃないし。
       さあ、当麻。もっと恋人らしいことをしよーじゃないか」



72:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/04(金) 01:14:17.12 ID:aqHpqTGVo

上条「恋人らしいことって何だよ?」

キャーリサ「知らん」

上条「駄目じゃねぇか……」

キャーリサ「お前くらいの年だと、映画とかじゃないの?」

上条「あとはカラオケ、ボーリングあたりかな」

キャーリサ「む、それは知らんな。行ってみたいし」

上条「今日は駄目だ」

キャーリサ「何でだ。金なら私が出してやるぞ、元々私の言い出したことだし」

上条「恋人ならなおさら全部女の人に出させるわけにはいかねぇだろ。
    最低割り勘だ」

キャーリサ「経済力に差があるのだから問題ないと思うがな」

上条「上条さんのプライドの問題です」

キャーリサ「……そーか。ではお前に従うし。
       ふふっ、なかなか分かってきたじゃないか」

上条「何が?」



73:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/04(金) 01:15:39.38 ID:aqHpqTGVo

キャーリサ「後は『女の子』と言えたら、少しはお前にときめいたかもしれないな」 

上条「っ……!」

キャーリサ「顔が赤いぞ、小僧。年上をエスコートするのは大変か?」

上条「そ、そんなことないけど。……んじゃセブンスミストでも行くか?」

キャーリサ「何だそれは?」

上条「女子学生向けのショッピングセンターだよ。キャーリサにゃちょっと子供っぽ過ぎるかもしれないけど」

キャーリサ「いや、構わん行こう。何だったら制服も来てやるぞ」

上条「それはきついんじゃないかと……」

キャーリサ「私は老けて見えるか……?」 シュン…

上条「うっ! い、いやそんなことはないですよー。キャーリサなら何でも似合う!」

キャーリサ「そんなに褒めるな。下心でもあるのか?」

上条「こ……いつ……」 ピキピキッ

上条(我慢我慢……。下手に機嫌を損ねられたら上条さん国際指名手配でもされかねん。
    機嫌よく帰ってもらうことを考えないとな)



74:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/04(金) 01:18:13.39 ID:aqHpqTGVo

キャーリサ「じゃーそこ連れてってくれ」

上条「ん、こっちだ」

キャーリサ「おい、手」

上条「え?」

キャーリサ「手が留守だ。ほら……」

上条「あ、ああ……」 ギュッ

キャーリサ「ん…………」 ギュッ

上条「!」

上条(……結構手小さいんだな……って何考えてんだ俺は。
    オリアナとか神裂より全然年上だぞ……平常心平常心)

キャーリサ「黙るな……愉快な話でもして私を楽しませろ」

上条「無茶言うなよ……」

キャーリサ「お前、今何様だとか思っただろー?」

上条「思ってないですよ」

キャーリサ「答えてやろう。王女様だ」

上条「ぷはっ、言うと思ったよ」



75:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/04(金) 01:20:00.04 ID:aqHpqTGVo

キャーリサ「ふふっ、そーか。お前は女と遊びに行く時はどこに行くの?」

上条「いやー、上条さん彼女いない歴=年齢なもんで」

キャーリサ「それはかわいそうなことを聞いたし。ではもしやこれが初デートなの?」

上条「だからフリだろ?」

キャーリサ「興が殺がれるよーなこと言うな。こーいうのは楽しんだもの勝ちだし」

上条「分かったよ。ああ、初デートだ」

キャーリサ「そーか……そーか!」

上条「……!」

上条(何で嬉しそうなんですかねぇ……ドキッとしちゃうだろ。
    上条さんは純情なんですよー)

キャーリサ「いや何、お前のよーな若い奴の初めてを奪ってやるのは、申し訳ないと思いつつも少々嬉しいものだし。
       例えるなら、敵の領地を占領したよーな感覚だな」

上条「したことあんのか?」

キャーリサ「無いが。いちいち細かいことに突っ込むな。モテんぞ」

上条「どうせモテませんのことよ」



76:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/04(金) 01:22:13.49 ID:aqHpqTGVo

キャーリサ「そーでも無いんじゃないのか?」

上条「何で?」

キャーリサ「清教派の連中からお前の名はよく聞くの」

上条「それはたぶんそんなんじゃねぇって」

キャーリサ「ふーむ……そーなのか」

上条「そうだよ。あ、着いたぞここだ」

ワイワイワイ… ガヤガヤガヤ… イラッシャイマセー

キャーリサ「おー、何だか楽しそーな店構えだし」

上条「キャーリサもこういうの興味あんのか?」

キャーリサ「おい、私も女だぞ。ショッピングは好きだ。どこへ行くにも護衛はいたがな」

上条「窮屈か?」

キャーリサ「そういう時もある。たまにはこーして、自由に行先を決めて当ても無く遊びに出かけたいものだし」

上条「大変なんだな」



77:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/04(金) 01:25:57.98 ID:aqHpqTGVo

キャーリサ「ふふ、簡単に言ってくれるの。さすがにこの年になると気にならんくはなったが、
       お前くらいの時はとにかく自分の立場が嫌でたまらなかったな」

上条「あ、やっぱそういうもんなのか?」

キャーリサ「もちろん学校には通っていたが、友人ともロクに遊びに行けなかったの。
       私達姉妹は割と母上が放任だったからまだマシな方だったらしいがな」

上条「俺には想像もつかねぇよ」

キャーリサ「子供の考えだ。私は英国王女としての身分の価値など何も分かってはいなかった。
       よく王宮を抜け出して友人の家に泊めてもらったものだし」

上条「そりゃ大騒ぎだろ」

キャーリサ「うむ。母上にぶん殴られたし。理由は諸々あるが、私を守ることを仕事としている者達を無為に困らせたことを叱られた。当然だな」

上条「他の姉妹もそうなのか?」

キャーリサ「姉上は引きこもっているか放浪しているかどちらかだ。
       私は騎士派の連中が殺気立って街を探し出すからなかなか外には出られないの。
       ヴィリアンは基本的に城内でふわふわしている」

上条「そっか……」



78:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/04(金) 01:28:21.42 ID:aqHpqTGVo

キャーリサ「つまらん話をしたの」

上条「いやそんなことねぇよ。俺には縁の無い世界の話だから、もっと聞きたいくらいだ」

キャーリサ「まーおいおいな。あ、あの店を見てもいーか?」

上条「おう、行こうぜ」

キャーリサ「ふーん、日本では今こーいうのが流行ってるのか?
       スカート短く無いか?」

上条「上条さんに流行のことを訊かれても応えられませんよ」

キャーリサ「それもそーだ。お前どー見てもあか抜けてないし」

上条「事実だとしてもちょっとは気ぃ使えよ!」

キャーリサ「悪かったの。あ、こんなの似合うか?」

上条「王女様のする格好じゃないことは確かだ」

キャーリサ「そう? ハードなパンクファッションも嫌いじゃないし」

上条「ドレスがアレだもんな、そりゃイメージにピッタリだ」

キャーリサ「かっこいーだろあのドレス。『軍事』のキャーリサと呼ばれて久しいからな、 
       強そうな衣装を選んでるんだ」

上条「む、胸がすごかったです……」



79:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/04(金) 01:29:56.67 ID:aqHpqTGVo

キャーリサ「もっと見たいか? ほれほれ」 ムギュッ

上条「や、やめれー! 今日からしばらく一緒に過ごすんだぞ!」

キャーリサ「あ……そ、そーだな……挑発するのはやめておくの」

上条「ん? なんだよ急に大人しくなって」

キャーリサ「襲われてはかなわないの……」

上条「カーテナ持ってる奴の台詞じゃねぇぞ……」

キャーリサ「そーいう問題ではない! 女としての……まーいい、お前はそんなことしない」

上条「え……」

上条(信用されてるのか……? こりゃマジで下手なことできないな。
    いや、するつもりなんて無いですよ?)

キャーリサ「何故そこで沈黙する。あやしーし」

上条「ち、違う! そんなんじゃねぇよ!」

キャーリサ「ふん、まーいい。よし、次は上の階に行こう! 寝間着が必要なの」



80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/04(金) 01:30:55.73 ID:aqHpqTGVo

上条「持ってきてないのか?」

キャーリサ「あるにはあるが……私のシースルーのネグリジェ姿が見たいの?」

上条「い、いや……」

上条(正直ちょっと見たい)

キャーリサ「お前が良い子にしてたら見せてやるぞ」

上条「なんですと!?」

キャーリサ「ふふっ、冗談だ。行くぞ、着いてこい」

上条「ですよねー」

上条(けどキャーリサの奴楽しそうだな。
    普段なかなか王宮から出られない奴にとっちゃ、こういうのはやっぱ新鮮なんだろうな)

上条(短い間だろうけど、いろんなとこ連れてってやるか) 



82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/04(金) 01:33:20.06 ID:aqHpqTGVo

―――学園都市 セブンスミスト前

キャーリサ「いやーふふふふ、買った買った。久しぶりに衝動買いをしてしまったぞ当麻」

上条「はは、凄まじい買い物っぷりだったな……」

キャーリサ「買い物などなかなか出来んからな。たまの浪費くらい見逃せ」

上条「文句はねぇよ。お前が自分で稼いだ金だろ」

キャーリサ「そーは言うが、一応国民の血税から出ているわけだからな、気は引ける」

上条「キャーリサって意外と真面目だよな。
    いや、意外でもないか。真面目じゃなきゃあんなクーデターなんか起こさないわけだし」

キャーリサ「その話はよせ。結果的には失敗に終わったことだし」

上条「成功してたらこんなとこにゃいねえし、こうやって二人で遊ぶことも無かったんだ。
    俺にとってはよかったよ」

キャーリサ「私はその結論をまだ出すわけにはいかないの。
       私の行動が正しかったか否かは歴史が証明することだし」

上条「スケールがでかすぎますよ……」

キャーリサ「しかし……お前とこーして顔を突き合わせるのは、あの出来事がなければありえんことだ。
       今はそれで好しとするの」



83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/04(金) 01:34:56.06 ID:aqHpqTGVo

上条「キャーリサ……」

キャーリサ「ん……下らんことを言ったし。さ、さあ! 次だ! 次はどこへ連れていってくれるの?」

上条「そうだなー、でも時間も時間だから今日は帰らないか? 晩御飯の買い物もしなくちゃいけないし」

キャーリサ「禁書目録が帰ってくるんだったな」

上条「ああ。あ、それじゃ今日の夕食はすき焼きにしようか。
    久しぶりだからインデックスのやつも喜ぶし」

キャーリサ「すき焼き? 名前は聴いたことあるが、どんなものかは知らないし」

上条「地方によって色々作り方が変わってくるみたいだけど、基本は割下っていう甘辛い出汁で肉を煮込む関東風と、
    砂糖と醤油で肉を焼く関西風に別れるんだ。
    ちなみ上条さんとこは関西風だ。砂糖と醤油で出来るから簡単だ」

キャーリサ「全く分からん」

上条「一蹴ですか……まあ関東とか関西なんて言われてもわかんねぇよな」

キャーリサ「食べてみれば分かるの。それにしよう」

上条「はいよ。んじゃスーパーはこっちだ」



84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/04(金) 01:36:46.62 ID:aqHpqTGVo

―――学園都市 スーパー

ワイワイワイ! ザワザワザワ!

キャーリサ「おー、やけに賑わっているな。見たところ学生服の奴が多いよーだが」

上条「キャーリサさん、ここは学園都市ですよ。多いも何も、ほとんど学生だよ」

キャーリサ「そーかそーか、そーだった。
       で、奴らは何をあんなに騒いでいるの? 目が血走ってるし」

上条「もうすぐ特売の時間なんだよ。俺も始まったらあの中突っ込むから、キャーリサはこの辺にいてくれ」

キャーリサ「私も行ってみたい」

上条「おいおい、危ないぞ。学生にとっちゃ生きるか死ぬかの特売戦争なんだ。
    キャーリサの顔に傷でもついたらどうするんだよ。大変なことになるぞ」

上条(主に上条さんが)

キャーリサ「心配してくれるの?」

上条「そりゃそうだ。大切なお姫様だからな」

上条(上条さんの余命的な意味で)

キャーリサ「むっ……そーいうのは、何かかゆいし……」



85:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/04(金) 01:38:34.43 ID:aqHpqTGVo

上条「あん?」

キャーリサ「何でもない。とにかく私も征く!
       戦争と聞いて、この『軍事』のキャーリサがイモを引くわけにはいかんな」

上条「そうかよ。怪我しないようにな」

キャーリサ「うむ。制圧してやる」

ザワザワザワ…ピタッ

キャーリサ「な、何だこの緊張感は……あの店員がどーかしたの?
        皆奴を見ているし」

上条「あの人があそこの脚立に登ったら開戦だ」

スタスタ… ギシッ

キャーリサ「……ゴクリ」

ギシッ…

上条「い、行くぞ……!」

店員「ただ今より、卵お一人様一パック50円になります! 押さなわー!」

ウォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!

キャーリサ「!!」

上条「うぉぉぉおおおおおお!!!!!!!!!!!!」

キャーリサ「なっ! この私が気圧されるとは……学生と言えどあなどれないし。
        お、おー!」



86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/04(金) 01:41:16.02 ID:aqHpqTGVo

―――

キャーリサ「はぁ……はぁ……」

上条「大丈夫か?」

キャーリサ「駄目だ、まさか一つも確保出来んとは……ふがいない」

上条「最初はそんなもんだって。まともに押し合っても目的の商品にはたどり着けないんだ。
    上手く回りこんだり、体を入れないとな」

キャーリサ「しかもどさくさに紛れて誰かに胸を揉まれたし……犯人の手首をもう少しで切り落とせたんだが、逃がしたよーだ」

上条「上条さんの知らないところで殺傷沙汰が……」

キャーリサ「ん? お前、どーして二パックも持っている? お一人様一パックだろ?」

上条「あ、いや、キャーリサにもレジに並んでもらおうかと……駄目?」

キャーリサ「わ、私のために戦利品まで獲得してきたというの?」

上条「んな大げさな……」

キャーリサ「よし! これを持ってレジに並べばいーんだな! 任せておくといいし!
       並ぶくらいは私にも出来るぞ!」

上条「てっきり怒られるかと思ったよ」

キャーリサ「まさか! 武功を立てたお前を咎めなどしないの。
       これもルールの範疇だろー? さあ貸せ、レジへ並ぶぞ」



87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/04(金) 01:43:05.33 ID:aqHpqTGVo

上条「いやいやまだ卵しか持ってないぞ」

キャーリサ「そーだったの。つい楽しくてな、いかんいかん」

上条「はは……スーパーでそんなに楽しめる奴なかなかいないぞ」

キャーリサ「笑うな、初めてなんだからいーだろ。で、後は何を買うんだ?」

上条「悪い悪い。そうだなぁ。白菜、ネギ、豆腐、麩、うどん。それから……」 チラッ

キャーリサ「ん?」

上条「お肉を買ってもよろしいでしょうかお姫様」

キャーリサ「うむ、苦しゅーない」

上条「うぉお!! この恩は一生忘れないからな!!」

キャーリサ「下らんことをさせるな。見たところこのスーパーの商品は異様に安いの。
        好きなだけ買え。何だ? 店ごと買ってやろーか?」

上条「でかい……何てでかいお人なんだ……上条さんまぶしくて目が開けられないですよ」

キャーリサ「ふふっ、崇めろ、奉れ。私の従僕であったことを誇るがいーの」

上条「おう、今真剣にキャーリサの下僕になってもいいと思っちゃいましたよ」

キャーリサ「ふふーん、ほめ過ぎだぞ従僕。ところで、うどんとは何なの?」



89:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/04(金) 01:44:26.94 ID:aqHpqTGVo

上条「あ、これだよ」

キャーリサ「おー、これは食べたことあるぞ。そーいえばそんな名前だったな」

上条「日本食食べたりもするのか?」

キャーリサ「清教派の最大主教がバカっぽい日本語を使うおかしな奴だし、
       その影響でたまに食べたりもする」

上条「どんな生活してんのか想像つかねぇな」

キャーリサ「遊びに来るか?」

上条「いや結構です」

キャーリサ「つれないこと言うな。前回のよーに妙なことに巻き込むことはしないし」

上条「滞在費は国民の血税だから、金払うか働けってお前の母ちゃんに言われたぞ」

キャーリサ「私の部屋なら問題ないの」

上条「ぶっ! な、だ、駄目に決まってんだろそんなの!?」

キャーリサ「私は気にせんぞ?」

上条「上条さん騎士団長に真っ二つにされちゃいます。上/条みたいな感じで」

キャーリサ「それは否定できんな」



90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/04(金) 01:46:43.46 ID:aqHpqTGVo

上条「否定しろよ……」

キャーリサ「あれは変なところで融通の利かん男だからな。
       有能ではあるんだが、ああ見えて暑苦しいところもあるし」

上条「アックアの友達だしな……。なんつーか、気苦労が多そうだな」

キャーリサ「うん。何せ口うるさい男だし」

上条「いや向こうが」

キャーリサ「おい! どーいう意味だ!」

上条「な、何でも無いです。よ、よし買い物終わり! 帰るぞ!」

キャーリサ「お前私をちょっと馬鹿にしてるだろー」

上条「してませんしてません。あー、久しぶりの肉が楽しみだ!!」

キャーリサ「むー、いつか覚えていろ」



92:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/04(金) 01:49:41.52 ID:aqHpqTGVo

―――学園都市 上条の部屋
       

上条「お、もうこんな時間か。そろそろ晩飯の支度するか」

キャーリサ「気張れよ従僕」

上条「手伝えよ。と言いたいところだけど、食費全部出してもらったのでゆっくりしといてください」

キャーリサ「分かったの。テレビでも見てるし」

上条「おう。さーてと……」 

トントントンッ ザクザクザクッ

『こんばんは、夕方のニュースです。本日第二学区では……』

キャーリサ「……」

キャーリサ「……」

キャーリサ「……」

キャーリサ「……」 キョロキョロ

キャーリサ「おい」

上条「んー?」



93:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/04(金) 01:51:01.10 ID:aqHpqTGVo

キャーリサ「暇だ」

上条「テレビ見てるだろ」

キャーリサ「大したニュースがやってないし」

上条「学園都市は今日も平和でいいことじゃないか」

キャーリサ「そーだが……ん?」

上条「どした? またいらんことすんなよ」

キャーリサ「いらんこととは何だ! 上じょ……当麻、これは何なの?」

上条「あー? ああ、それ耳かきだけど、イギリスには無いのか?」

キャーリサ「初めて見るの。どー使うんだ」

上条「どうって……ちょっと貸してみろ。こうやって耳の中に……」

キャーリサ「ひっ!」

上条「ん?」

キャーリサ「お、お前なかなか度胸があるんだな……そんなものを耳の中に突っ込むなんて……」



94:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/04(金) 01:52:58.03 ID:aqHpqTGVo

上条「大丈夫だよ。って言うか、耳垢溜まったらどうしてんの? まさか子供の頃からずっと放置か!?」

キャーリサ「馬鹿者。この清流の如く透明感ある清潔な私がそんな真似するか。
       定期的に耳鼻科へ行くだけだ」

上条「そうなんだ。あ、恋人で思い出したんだけど、女の子が膝枕で男の耳掃除をするってのは日本の恋愛ドラマとか漫画じゃベタだぞ。
    ベタ過ぎて最近見ないくらいだ」

キャーリサ「お、いーなそれ。やろーやろー。おい、そこに寝ろ」

上条「いや今料理の途中……」

キャーリサ「そんなもん後でいーし。禁書目録が帰ってくるまででいーから」

上条「ったく……仕方ねぇな……」 ヨイショ

上条(と言いつつキャーリサの太腿にドキドキする上条さんです)

キャーリサ「ん……結構近いな……」

上条「何が?」

キャーリサ「……お前の顔だし」

上条「あ、ああ……」

キャーリサ「よし行くぞ。えいっ」 グサッ

上条「っ……いっ! てぇぇぇえええええ!!!!!!!!」 ジタバタ



95:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/04(金) 01:54:16.49 ID:aqHpqTGVo

キャーリサ「え? あ、あれ? おい、どーしたの?」

上条「突っ込み過ぎだバカ! 鼓膜ブチ抜く気かよ!!」

キャーリサ「うっ……わ、悪かったの。痛かったか……?」

上条「滅茶苦茶痛かったですっ!」

キャーリサ「すまんかった……」 シュン…

上条「……」

キャーリサ「……」

上条(き、気まずい……初めてだもんな、ちょっと言い過ぎた)

上条「ま、まあ誰でも最初は失敗するって。気にすんなよ」

キャーリサ「それもそーだな。最初に説明しなかったお前の責任だし」 ケロリ

上条「くっ……立ち直りの早いお姫様だ……!」

キャーリサ「んー、でも難しいみたいだな。怪我をさせるわけにもいかんし、やめておくの」

上条「あ、じゃあ俺がやってやろうか?」

キャーリサ「本当か? じゃあ頼む。言っておくが、痛くしたら極刑に処するし」

上条「たかが耳かきに命がけかよ……」



96:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/04(金) 01:56:19.63 ID:aqHpqTGVo

キャーリサ「さー、優しくしてくれ……」

上条「う……」

上条(む、無防備なキャーリサがこんなに近くに……駄目だ駄目だ。変なことを考えるなよ……。騎士団長騎士団長。
    上条さんの決定は国の決定だと思うんだ。イギリスと学園都市に戦争させるわけにはいかねえ……)

上条「い、いくぞ……」 スッ

キャーリサ「ん……」 ピクッ!

上条「動くな、危ないぞ」

キャーリサ「で、でもくすぐったいし……ぁっ……んっ!」

上条「変な声出すなよ……」

上条(上条さんには刺激が強すぎます……)

キャーリサ「ふぅ……ぁ……んっ!」

上条「……」

上条(キャーリサがこんな可愛い声を出すとは……いかん、いかんですよ。
    相手は一回りも年上のお姉さんだ……無心だ、素数を数えろ……おちけつ上条さん)

キャーリサ「ぁ……いーな……悪く無いの……そこだ……」

上条「……」 ムラッ

キャーリサ「……当麻、上手いなぁ……蕩けそうだし……」

上条「……フゥッ!」

キャーリサ「ひゃんっ!!!」



97:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/04(金) 01:57:52.87 ID:aqHpqTGVo

上条「あっ、やべっ」

キャーリサ「な、何をするの無礼者! わ、私の耳に吐息を……お、お前、死にたいの!?」

上条「ご、ごめん! ついムラッときて!」

キャーリサ「くっ!」

上条「ち、違う誤解だ! ここまで含めて恋人はみんなするんだよ! だからカーテナの破片をしまえ!」

キャーリサ「むー……」

上条(あー! 上条さんのバカ! よりにもよってキャーリサにあんなことしちまうなんてっ!
    死んだ! はい死にましたよー! みんなさよならっ!)

キャーリサ「まーいい……私もお前に痛い思いをさせてしまったし、これであいこだし」

上条「え……」

キャーリサ「次こんな真似をしたら……」

上条「しません! もう絶対しません!!」

キャーリサ「……ならいいの」

上条「ふぅ……」

キャーリサ「……ふふっ」

上条「あん?」



99:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/04(金) 01:59:14.88 ID:aqHpqTGVo

キャーリサ「いや、気持ちよかったぞ、当麻」

上条「うっ……」

キャーリサ「ほー、照れてるのか? お前にも可愛いとこあるの」

上条「う、うるせぇよ!」

キャーリサ「まーでも、私の耳は綺麗なもんだったろ?」

上条「まぁな。……あ、そういやこんな話聞いたことあるな」

キャーリサ「ん?」

上条「耳垢が湿ってる人はわきがだって研究結果があるらしい」

キャーリサ「……」

上条「……え?」

キャーリサ「おい、私がそーだと言いたいの?」

上条「へ? ち、違います! たまたまそういう話を思い出しただけで!!」

キャーリサ「ほほー……何だか腹の立つ意見だし。お前あれか? 
       外人は皆体臭がきついとか思ってるクチか? 許せないの」

上条「だから違うっつの!」



100:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/04(金) 02:00:55.53 ID:aqHpqTGVo

キャーリサ「女に対してそんなデリカシーの無い発言をするとは最低だし。
        おい、嗅げ。私の春風のように爽やかな香りを堪能するがいーの!」 ガバッ!

上条「きゃぁぁああ! 誰か助けてー!」

キャーリサ「ふふ、良いではないか良いではないか」

上条「うぷっ! む、胸が! 挟ま……むむー! もがもが」

キャーリサ「ふふーん、どーだ? いー匂いがするか? 思わず理性でも飛んでしまうのではないの?
       だがこらえろ従僕。しびれを切らせばお前は二度と子作りに励めない体になるし」

上条(うぉおお……う、嬉しいような苦しいような……何と言う絶妙なボリューム感!
    そしてめちゃくちゃ良い匂いだ……!)      


バタンッ!


禁書「とーまー! ただいまー! あのねあのね、あいさがお土産にお米をくれたん」


上条「あ」

キャーリサ「ん?」


禁書「……だよ……?」



101:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/04(金) 02:03:34.24 ID:aqHpqTGVo

キャーリサ「おー、禁書目録か! 久しぶりだし。この前は世話になったの」

禁書「とうまがキャーリサと……な、何してるのかな……?」

上条「ち、違っ! これには深くて浅い事情がっ!!」

キャーリサ「うむ、しばらくここで居候させてもらうことになってな。ついでに今は恋人ということになっているの。
       そんなわけだからよろしく頼むし」

禁書「う……」 ジワッ

上条「おっおいインデックス! 違うぞ! それは合ってるっちゃ合ってるけど間違ってるっちゃ間違ってるんだ!」

禁書「うわぁああん!! とうまのバカぁぁぁぁあああああああっ!!」 ダッ!

上条「インデックスぅぅううううううううううううううううううう!!!!!!!!!!!!!」

キャーリサ「? どーしたんだ?」

上条「はぁ……」

キャーリサ「何を怒っていたの?」

上条「この体勢考えりゃ分かるだろ」

キャーリサ「? ……っ! あ、ああ……なるほどそーだな。忘れていたし」

上条「どうすっかなー……」

キャーリサ「追いかけろ、外は暗いから娘一人では危険だし」

上条「だよな。ちょっと行ってくるわ」



102:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/04(金) 02:04:49.63 ID:aqHpqTGVo

キャーリサ「うむ」

上条「多分小萌先生んとこだろ……一応お詫びにすき焼きの材料半分持ってくか」

キャーリサ「おい」

上条「ん?」

キャーリサ「禁書目録は……私達を……恋人だと思ったの?」

上条「たぶんな。っていうか、とんでもないことの真っ最中だと思ったんじゃねぇか?」

キャーリサ「なっ……ふむ。……そーか、それはいかんな」

上条「じゃ、行ってくる」

キャーリサ「気を付けてな」

上条「おう」

バタンッ

キャーリサ「……」

キャーリサ「外から見ても、そう見えるのか……ふーむ」

キャーリサ「……意外と悪く無いかもな」



154:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/05(土) 00:11:22.58 ID:Kg5Gyp6bo

―――学園都市 小萌の家

上条「っていう訳なんです……ごめんなさい」

小萌「全くもうっ! 上条ちゃんはもう少し女の子の気持ちを考えた方がいいのです!」

上条「面目ない……」

小萌「ほらシスターちゃん。上条ちゃんが迎えに来てくれましたよー。
    お家に仲良く帰るのです」

禁書「やだ。とうまの顔なんか見たくないもん」

結標「そんなこと言わないの。誤解だっつってんでしょ?
    駄々こねてないで帰んなさいよ」

禁書「だってとうまは家に帰ってもどうせイチャイチャしてるんでしょ」

上条「しねぇって。あれはフリだよフリ」

小萌「フ、フリなのですか!?」

上条「え? ははっ、もちろんそうですよ。
    遊びみたいなもんで」

バタンッ!

上条「あれ……?」



156:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/05(土) 00:12:32.56 ID:Kg5Gyp6bo

小萌「上条ちゃん見損ないましたです! 遊びで女の人とお付き合いするなんて、そんな生徒さんのことなんて、先生はもう知らないのですっ!!」

上条「ち、違いますって! 誤解解けてねぇ! じゃなくて小萌先生! そもそもキャー……!」

上条(って……素性をばらすのはまずいのか……?)

小萌「キャ、何です?」 ガチャッ チラッ

上条「い、いやその……キャ、キャサリン! そうキャサリンはちょっとした知り合いで……」

ヒュンッ

上条「ヒュン?」

ゴッ!

上条「ぐぉっ! いってぇぇえええ!!!!! な、なんだ!? 消火器!?」

結標「あなた、最低ね。そんな爛れた場所にあの子を帰すなんてこと出来るわけないでしょ」

上条「だから違うってさっきから……!」

結標「何が違うの? あなたが金髪美女と部屋でいかがわしいことをしていたのは事実なんでしょう?  
    言い訳があるなら、せめてその関係を清算してからにしなさい。
    あんまりしつこいと、死ぬことになるわよ?」

上条「う……」

小萌「上条ちゃん、さっきはああ言いましたが、先生は上条ちゃんを信じているのです。
    その女の人のことを真剣に考えて出した結論なら、先生は応援してあげたいのです。
    ですから上条ちゃん、シスターちゃんのことはしばらく先生に任せて、自分の身の振り方を考えなさいなのです」



157:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/05(土) 00:14:44.12 ID:Kg5Gyp6bo

上条「身の振り方も何も、あいつ次第なような……」

小萌「年上でも、女の人は男の人にリードされたいものなのです!」

上条「盛大な勘違いが留まるところを知らねえ……。
    わ、分かりました。じゃあしばらくインデックスをお願いできますか?
    多分そんなに長い時間はかからないと思うんで」

小萌「はいなのです! お互い悔いの無い結論を出すのですよ!」

結標「優柔不断な真似したら小萌に代わって叩き潰しに行くわよ」

上条「分かってるよ、そもそもそういう話じゃねえって。
    ……あ、これすき焼きの材料。インデックスに食わせてやってくれ」 ガサッ

結標「……分かったわ」

禁書「とうま……」 コソッ

上条「お、おうインデックス」

禁書「とうまのこと、信じてるからね」

上条「ああ、キャーリサのことはお前も知ってるだろ? 色々と事情があるんだよ。
    お前が思ってるようなことは無いから安心しろ。あ、あいつが本物の英国王女だってことは内緒だぞ。
    大騒ぎになっちまうからな」 ヒソヒソ

禁書「……分かった。私がいないからって変なことしちゃ駄目なんだからね」

上条「ああ、当たり前だろ。じゃあな」

禁書「うん……気を付けてね



158:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/05(土) 00:15:58.88 ID:Kg5Gyp6bo

スタスタスタ…

禁書「むー……」

結標「やれやれ、まさかあんな男だとは思わなかったわね」

禁書「とうまはそんな人じゃないもん」

結標「怒ってるのか、信頼してるのかどっちなのよ」

禁書「どっちもだもん!」

小萌「まあまあ。上条ちゃんが悪い子じゃないのは先生は知っているのです。
    男女は時に薄氷を渡るような危険な恋に溺れてしまう時もあるのですよ。
    先生も昔は」

結標「妄想に浸ってる小萌は放っておいてすき焼き食べましょ」

小萌「も、妄想じゃないのです! ほんとにほんとなのですー!」

禁書「お、お肉!? やったー!」

結標「ええ、彼が持ってきてくれたわよ」

禁書「……むー、で、でもこんなんじゃ許してあげないんだから!」

結標「はいはい、そういう台詞は、せめて涎を拭いてからにしなさいよね」

小萌「こらー! ちゃんと先生の話を聞かないと駄目ですー!」



159:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/05(土) 00:18:25.72 ID:Kg5Gyp6bo

―――学園都市 上条の部屋


上条「というわけで消火器叩きつけられて追い返された」

キャーリサ「そーか。何だか悪いことをしたの」

上条「まあ実際誤解なんだし、大丈夫だと思うけどな」

キャーリサ「その誤解誤解というのはやめろ。つまらん」

上条「じゃあ本気なのかよ」

キャーリサ「それは……そーではないが」

上条「ほとぼりが冷めたらお前からもインデックスに説明してもらうからな」

キャーリサ「分かったの。しかし……お前、禁書目録に随分と愛されているんだな」

上条「そんなんじゃないって」

キャーリサ「どーかな。ふふっ、だが……」 グイッ

上条「なっ」 ドキッ

キャーリサ「今は私のものだし。そこをはき違えるなよ?
       この際だから言うが、別に手ごろなところにお前がいたからだけでこんな真似をしているのではないし」

上条「違うのかよ……」



160:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/05(土) 00:19:44.06 ID:Kg5Gyp6bo

キャーリサ「当然だし。私はお前を高く評価しているの。
       少なくとも姉上やヴィリアンがお前に向けるものよりはな。
       この私にとどめをさしたのはお前だし。私を傷物にしたのもお前だ」

上条「そ、それは……」

キャーリサ「分かるな? 王女を殴り飛ばした責任の一端を感じろと言っているの」

上条「それがこの恋人ごっこの目的か?」

キャーリサ「そーだ。ついでに言えば、お前を頼ってここに来たのも同じ理由だし」

上条「戦いとは言え、とんでもないことをしちまったのか俺は……」

キャーリサ「……そーだ、高くついたぞ、あの拳は。悔やむなら、あの時私を殴り殺さなかったことを悔いるがいいの」

上条「それを言われると何も言えねぇな……」

キャーリサ「まあ世話になっている身だ、強くは言わん。
       が、覚えておいて欲しーの。私とて、まるきり興味の対象で無い男と、恋人遊びに興じる程暇ではないということをな」

上条「そ、そうなのか……」

キャーリサ「……」

上条「……」 ドキドキ…

キャーリサ「ふふん、可愛いなお前」

上条「なっ!」

キャーリサ「ますます気に入ったぞ。さて、からかうのはここまでにしておいてやる。
       晩餐にしよう」



162:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/05(土) 00:21:21.22 ID:Kg5Gyp6bo

上条「お、おう……」

上条(なんか……すげぇな。上条さんこのままキャーリサに食われてしまうのか!?
    これが肉食系女子というやつなんですか!?
    駄目だ駄目だ……上条さんは家主だぞ、インデックスにも何も無いって説明したばっかなんだし、
    誘惑に負けるわけにはいかねえ! 何か対抗策は無いのか……?)

キャーリサ「おーい、この野菜そっちに運べばいーのか?」

上条「あ、お姫様は座っててくださーい」 ニヘラッ

上条(見てろよ、上条さん愛想笑いなら得意なんだぜ。このままなし崩し的に間違いを犯して首と胴体がさようならなんてことにはさせねぇからな)

キャーリサ「何だ急に、気持ち悪い。もう8時過ぎだぞ、私もいー加減腹が減ったし」

上条「キャーリサちゃんはお手伝いが出来てえらいですねー」

上条(なんてな、テッラっぽく言ってみたり)

キャーリサ「ば、馬鹿にしてるのお前は!? 私は子供ではないし!」

上条「ぷふー、怒るなよかえって子供っぽ……ハッ!」

上条(こ……これだ! 小萌先生が言っていたリードってのはこーいうことなんだな!
    これを使えば……家主としてキャーリサの上に立てるかもしれないぞ。
    ありがとう小萌先生! 小さくても大人の女の人だな!
    ところで小萌先生とキャーリサはどっちが年上なんだろう……)



163:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/05(土) 00:24:07.32 ID:Kg5Gyp6bo

キャーリサ「おい何とか言え! そ、そんな薄気味悪い扱いはやめろ!
       私を何歳だと思っている!?」

上条「キャーリサって……可愛いよなっ」 キリッ!

キャーリサ「っっっっっっっっっっっっっっ!!!???」

上条「よしよししてやるよ」 キリッ ナデコナデコ

キャーリサ「……!」

上条「あ」

キャーリサ「…………」 プルプル…

上条(やべぇ……やり過ぎたかな……)

キャーリサ「……やめろ……そーいうのは、恥ずかしいし……」 カァァ

上条「っ!」

上条(なな何ですか何ですか何なんですかこの反応は……!
    冗談じゃなくて結構可愛……いやいや、一回り上一回り上……)

キャーリサ「次下らん真似したら……許さんからな……」 キッ

上条「お、おう……」

上条(こ……これは……いらんスイッチを押してしまったのでは無いでしょうか……)

キャーリサ「あ……」 チラッ

上条「ん?」

キャーリサ「……」 プィッ

上条(……上条さん、もしかして墓穴掘った?)



164:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/05(土) 00:26:32.09 ID:Kg5Gyp6bo

―――学園都市 上条の部屋

ガララ…

キャーリサ「……風呂借りたぞ」 ホカホカ

上条「おう、狭くて悪いな」

キャーリサ「いや何。確かに狭かったが、温泉の元というやつは悪くなかったぞ。
       あれは土産に買って帰りたいな」 ソワソワ

上条「あんなもんで喜んでくれるならよかったよ」

キャーリサ「ん……そーか。お前は優しーな、とーま」

上条「……ん、いや……」

キャーリサ「……」 モジモジ

上条(駄目だ……あれからキャーリサが何か他所他所しいというか、そわそわしている。
    飯の時ももじもじしてほとんど喋らなかったし。
    あんな風に上から来られたことないんだろうな……くく、大成功ですよ。
    これで平和に暮らせる……のか?)

キャーリサ「……もー寝るか、とーま」

上条(そして何となく呼び方に愛情が感じられる……つまり、どういうことだってばよ?)

上条「そうだな。じゃあ上条さんは失礼して……」

キャーリサ「? おい、どこへ行く?」



165:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/05(土) 00:27:59.93 ID:Kg5Gyp6bo

上条「ん? ああ、俺いつも風呂場で寝てるんだ」

キャーリサ「何故だ。どれほど狭い場所が好きなのお前は」

上条「いや好きってわけじゃないけど、色々とまずいだろ?
    男女が同じ部屋ってのはさ、インデックスでもそうしてるのに、ましてやキャーリサは大人のお姉さんなわけだから」

キャーリサ「違う、お前の恋人だし」

上条「あー、そか。そうでした」

キャーリサ「だからここで寝ろ」

上条「……はい?」

キャーリサ「寂しいんだ……一緒に……寝てくれないか?」 ウルッ

上条「っ!」

上条(まずいぞまずいぞ……正直20代後半の女の人をこれほど可愛いと思ってしまったのは初めてだ……。
    こんなのと一緒に寝たら……上条さんは明日を迎えられない!)

キャーリサ「とーま……」 スッ

上条「ぅ……」

上条(袖掴まれちゃいましたよー!? パジャマ姿ですっぴんのキャーリサって結構若く見えるな……じゃなくて!
    ど、どうしよう……食われる!)

キャーリサ「命令だし。私に……添い寝しろ」

上条「は、はい……」

上条(オワタ……さよなら俺の人生。でもキャーリサと夢のような一晩を過ごすなら、俺……死んでもいいかも……)



166:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/05(土) 00:28:54.74 ID:Kg5Gyp6bo

―――


上条「じゃ、じゃあ電気消すぞ」

キャーリサ「ん……」

カチッ… モゾモゾ

上条「……失礼しまーす……」

キャーリサ「…………」

上条(何やってんだ俺は……英国王女と一緒のベッドで寝ちゃってますよー?
    ……騎士団長に知られたらどうなっちまうんだ……そもそも今晩中にキャーリサに次元ごと斬られるんですけどねー……)

キャーリサ「とーま……」

上条「は、はい……」

上条(肌綺麗だな……潤んだ瞳が……もういいか……覚悟を決めよう) 

キャーリサ「目を閉じろ」

上条「キャーリサ……」

キャーリサ「……早く、もう我慢できないし……」

上条「あ、ああ……」 ギュッ

キャーリサ「……」

上条(な、なんだろう。……キスか? キスなのか? 上条さんのファーストキス、綺麗なお姉さんに奪われちゃいますよー……) グッ



キャーリサ「ほれ」 グッ!



167:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/05(土) 00:30:40.25 ID:Kg5Gyp6bo

上条「いでぇっ!」

キャーリサ「何と言う顔をしているの馬鹿者め」 ギュゥゥゥウウ!

上条「鼻! 鼻折れる!!」

キャーリサ「あははははははっ! 馬鹿者め! 引っかかったの!」

上条「いでぇええ! 何すんだ! 離してぇええ!!!」

キャーリサ「いーや離さん。何のつもりか知らんが、王女を愚弄した罪は重いし。
       とっくりと話を聞かせてもらうぞとーま」

上条「お、お前騙したなっ!!」

キャーリサ「お前が勝手に勘違いしただけだし間抜け。王女がそんな簡単に心と体を許すものか」

上条「ぅぉおおおお……と、とにかく離して下さいっ」

キャーリサ「わたくしこと上条当麻は偉大なるキャーリサ第二王女に生涯の忠誠を誓いますと言え」

上条「な、なんだって!?」

キャーリサ「二度は言わんし」

上条「わ、わたくしこと上条当麻は偉大なる大キャーリサ第二王女殿下に生涯の忠誠を誓いますぅっ!!」

キャーリサ「よかろー。許す」 パッ



168:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/05(土) 00:32:44.40 ID:Kg5Gyp6bo

上条「いでぇ……鼻もげるかと思った……」

キャーリサ「ふん、お前が私を馬鹿にするからだし。何なのあの食事の時の態度は。
       私を幼女を愛でるかのよーに馴れ馴れしく頭を撫でたりして、腹立たしーぞ」

上条「申し訳ありませんでした」

キャーリサ「頭が高いし、平伏せよ。
       貴様は今誓ったぞ、私に生涯の忠誠をな。分かるなとーま?」

上条「ははーっ!」

キャーリサ「ふむ、反省したか? 悔い改めよ従僕。お前は私の何だというの?」

上条「下僕であります。猛省いたします」

キャーリサ「……違うだろー」

上条「へ?」

キャーリサ「恋人だし」 クスッ

上条「お、おう……」 ドキッ

キャーリサ「さて、いじめるのはこれくらいにしてやるが。説明せよ。
       何故お前はあのよーな真似をしたの?」

上条「いやその……キャーリサをリードしようかと……」

キャーリサ「……は?」



169:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/05(土) 00:34:57.48 ID:Kg5Gyp6bo

上条「なんつーかその……さっき先生に言われてさ。女の人は男にリードしてもらいたいもんだって。
    一応恋人って設定なんだから、試してみようかと思っただけなんだ、悪かったな」

上条(まさか上条さんの地位向上と保身のためとは言えない……)

キャーリサ「お前……私のためにあんなことを……?」

上条「ま、まあそうだけど」

上条(うう……良心が痛む……) ズキズキ

キャーリサ「とーま……」

上条「何だよ」

キャーリサ「この……馬鹿者めっ!」 ガバッ ギュッ!

上条「なっ! キャーリサ何すんだ!」

上条(とっても柔らかいです! ありがとうございます!)

キャーリサ「ふふふ、そーかそーか。お前がそんなことをなー。
       可愛いな、可愛い奴だなお前は。殊勝と言うかなんというか、嫌いじゃないしそーいうの」

上条「やめれー、髪がグシャグシャになる!」

キャーリサ「やめないし! 褒美だとーま。我が抱擁を心して受け取るがいいの。
       私は忠を尽くす部下は好きだからな。お前の心遣いが私は嬉しーの」



170:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/05(土) 00:36:25.38 ID:Kg5Gyp6bo

上条「そ、そか」

キャーリサ「すまんすまん。少々テンションが上がってしまったの。
       私はてっきり馬鹿にされているものと思っていたし」

上条「いやそれはないって。年上なんだからさ」

キャーリサ「年上は嫌なのか?」

上条「好みです」

キャーリサ「知っている。私は年下など至極どーでも良かった」

上条「ここにきてまさかの一刀両断かよ」

上条「……ん? 良かった?」

キャーリサ「ふふっ……少し、ドキッとしたぞとーま」

上条「」

キャーリサ「やるじゃないか……。私を動揺させるとは」

上条「え、えーと……」

キャーリサ「その調子で励むといいの。飽くなき挑戦者たれ。
       私はそーいう男が好きだし」



171:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/05(土) 00:38:01.11 ID:Kg5Gyp6bo

上条(どうしよう……結果的には余計気に入られちまった……。
    ……まいったな)

キャーリサ「おい、そんなに見つめるな。メイクをしていない顔などあまり見られたくないの」

上条「いや綺麗だと思うけど……」

キャーリサ「……そ、そーか。照れるし。んー……ふふ、なんだろーな、何か変な気分だ。
       よ、よし……もう眠るし!」 バサッ

上条「お、おう……おやすみ」

上条(何か楽しそうだな……すげーテンション高い……)

キャーリサ「うん、おやすみ、とーま」 クスッ

上条「っ……」

上条(まあ俺も……結構楽しいな……)



172:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/05(土) 00:39:09.77 ID:Kg5Gyp6bo

2日目

―――学園都市 上条の部屋

チュンチュンチュン…

キャーリサ「とーま、とーま。朝だ、起きよ」 ユサユサ

上条「ん……んー……」

キャーリサ「起きて即行動出来ん奴は早死にするし。
       敵が今まさに攻めてこよーと言う時に、お前はのんびり惰眠を貪るのか?
       起きよ、王女の命令だ」

上条「んぅ……あと五分寝かせてくれ……」 ゴロン

キャーリサ「むー、仕方の無い奴だし。カーテナで薄皮だけ斬れるよう出力の調整は出来るのだろうか……?
       まー斬ってから考え」

上条「おはようございます!!」

キャーリサ「おはよう。明日からは私よりも早く目覚めよ。
       王女に起こさせるなど論外だし」

上条「わ、悪い。すぐ飯作るよ」

キャーリサ「既に出来ているし」



173:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/05(土) 00:40:54.79 ID:Kg5Gyp6bo

上条「え? ……ほ、ほんとだ……お前が作ったのか?
    めちゃくちゃ彩り豊かで美味そうなものが並んでるけど……え、隣の舞夏じゃないよな?」

キャーリサ「誰だそれは。ちゃんと私が作ったの」

上条「キャーリサに料理なんて出来たんだな……」

キャーリサ「失礼な奴だし。王女に不可能などない」

上条「いやそりゃ嘘だろ」

キャーリサ「私は偉大なる第二王女キャーリサだし。全方位に於いて万能だし。
       たまたま『軍事』が特に秀でていただけのことだ。敵を斬り捨てることだけが能と思うなよ」

上条「へーへー、そういうことにしとくよ。
    ありがたくいただきます」

キャーリサ「うん。私の手料理を食せる者などこの世にお前しかいないの。
       心して食せ。」

上条「うまそーだ。どれどれ、一口……パクッ」

キャーリサ「どーだ? 美味いか?」

上条「うぐぅ!」

キャーリサ「?」



174:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/05(土) 00:43:03.51 ID:Kg5Gyp6bo

上条(な……なんだこれは……まずい……まずすぎるぞキャーリサ……。
    見た目はこんなに高級料理っぽく仕上げてあるのにどうしてこんな味になる。
    料理が下手だとかそういうレベルじゃねぇ……何を間違えたらここにたどり着くのかが分からないくらいの不味さだ……。
    けどもちろんそんなこと本人に言えないよな。
    ど、どうしよう……オブラートに包んで伝えるべきなのか……それとも嘘でも美味しいと言ってやるべきなのか……) チラッ

キャーリサ「ふふっ、そんなに噛みしめなくてもいーんだぞ。ほら、感想を言ってみろ」

上条(駄目だ、この笑顔に向かってまずいなんて言える訳がない!
    上条さん結構へたれなんですよ。いや、言っちゃ駄目だろ男として人として。
    そうだ、これは……優しさなんだ!)

上条「う、美味いよっ」

キャーリサ「そーか。じゃー私も」 パクッ

上条「あ」

キャーリサ「まずい!」 ガシャーン!

上条「あわわわわわ……」

キャーリサ「何だこれはふざけてるのか! この料理を作ったのは誰なの!?」

上条「お前だよ」

キャーリサ「そーだった。こんなはずでは……というかお前、私に嘘をついたの……?」



175:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/05(土) 00:45:37.95 ID:Kg5Gyp6bo

上条「あ、ご、ごめん。お前の嬉しそうな顔見てたら言い出せなくてさ……余計なことしちまったな」

上条(すげぇ悲しそうな顔だ……悪い事したな……)

キャーリサ「そーか。……まぁそーいうことなら……許してやるし」

上条「ごめんな」

キャーリサ「構わん。それよりこちらこそ悪かったの。これでは朝食が台無しだな、すぐに作り直すし」

上条「あー悪い、そこまで時間は無いんだ」

キャーリサ「どーいうことだ?」

上条「いや、学校ですが」

キャーリサ「あ、そーか。お前学生だったな。てっきり学園都市の便利屋だと思っていたし」

上条「やっぱ魔術サイドじゃそういう扱いなのね」

キャーリサ「ついでに禁書目録の世話係な」

上条「ですよねー……どーりで上条さん平日でも平気であっちゃこっちゃ飛ばされるわけだ……」

キャーリサ「しかし、学校ならなおさら朝食を抜かせてしまって悪いの」

上条「いいっていいって。食わないこともあるし、キャーリサは適当に作るなり買うなりして食っててくれ。
   俺は準備して行くわ」



176:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/05(土) 00:46:59.91 ID:Kg5Gyp6bo

キャーリサ「分かった。高校だな? ここから近いの?」

上条「ああ、結構近いよ」

キャーリサ「そーか……」

上条「さて、着替え着替えっと……」

ガラッ…

上条「こ、これは……!」

キャーリサ「ん? どーかしたの? 別に風呂場で着替えなくても、お前の着替えごとき私は何とも思わんぞ」

上条「い、いや何でも……ははは……。いつものことだからこっちで着替えるよ」

キャーリサ「そーか」

ピシャッ!

上条「キャーリサ……着替えたんなら下着くらい見えないようにしといてくれよ……ゴクリ」

ピラッ

上条(あのキャーリサだから下着も黒とか赤だと思ってたが……まさか白とは……。
    さすが王女、清純だ……って、駄目だ駄目だ。思わず手にとっちまったけど、こんなとこキャーリサに見られたら……)

キャーリサ「……」 ジー

上条「うわぁっ!」



177:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/05(土) 00:49:42.76 ID:Kg5Gyp6bo

キャーリサ「ふふっ、愚か者め。それは私があえて放置しておいた罠だし。
       お前、地雷と分かっていて飛び込んだな」

上条「朝から上条さんを惑わすのはやめて下さい!」

キャーリサ「惑わされる方に非が無いとは言わせないし。
       下着くらいで一喜一憂できるとは、青いなーとーま」

上条「昨日スーパーくらいで喜んでた奴の言い分とは思えねぇ……」

キャーリサ「う、うるさいし。お前ハニートラップに簡単に引っかかりそーだな」

上条「不幸だ……」

キャーリサ「不幸ではないし。お前は私と生活を共にする権利を得たぞ。
       身に余る幸運だろー? おまけに私が身に着けていた下着を手に取る機会に巡り会うとは、
       お前、一生分の運を使い果たしたし」

上条「ええそーですー。わーいついててよかったー」

キャーリサ「棒読みが腹立つし。で、その下着をどーするつもりだったんだ? ん? うりうり」

上条「み、見てただけだよ……脇腹突くな」

キャーリサ「では禁書目録の下着もあんな風に生唾ゴックンしながら不埒な視線で凝視しているの?
       正直ちょっと引くし」

上条「しねぇよ! キャーリサだからだろ……」

キャーリサ「なっ……ど、どーいう意味なの?」



178:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/05(土) 00:53:07.91 ID:Kg5Gyp6bo

上条「あん? そりゃ大人の女の人だからな、上条さんはドキドキなわけですよ」

キャーリサ「あーそーいう意味か。驚かせるな」

上条「何が?」

キャーリサ「何でも無い。お前の周りの女共は苦労するのだろーな。
       昨日のミサカミコトとか言うのが何故怒っていたか今ようやく分かったし」

上条「何でそこで御坂が出てくるんだよ?」

キャーリサ「気にするな。気付かぬ方が私には都合が良い」

上条「?」

キャーリサ「私が誰より一歩先んじたという話だし。気分が良い」

上条「まあ機嫌が良いのはいいことだけど」

キャーリサ「そーだろー? 私の機嫌が良いと色々いいことが起こるぞ?」

上条「へぇ、例えばどんな? 」

キャーリサ「例えば、ティータイムのお菓子が一品余計に増えたりな」

上条「それ買いに行くの上条さんでしょ」

キャーリサ「細かいことはいーじゃないか。それに私の従僕ならお菓子は手作りに限るし」

上条「さすがの上条さんでも王女様の舌に合う菓子作るスキルはねぇよ」



179:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/05(土) 00:58:16.87 ID:Kg5Gyp6bo

キャーリサ「ならば励めばいいじゃない。それよりのんびりしていて良いのか? 遅刻するのではないの?」

上条「あ、やべっ!」

キャーリサ「まったく。お前何故遅刻がいかんか分かるか? 
       ……っと、そんなことを言っている場合では無いな。早くせよ」

上条「お前が邪魔しなけりゃすぐ済むっての」

キャーリサ「断る。私はお前のそーいう狼狽える姿を愛らしく思うし」

上条「ペットじゃねぇぞ……」

キャーリサ「ふふっ、何せとーまは可愛いやつだからな」

上条「うれしくねぇ……」

キャーリサ「そー言うな。私に仕えたいという男は世界中に山のようにいるぞ。
        お前はその栄誉を手にし、私のお気に入りとなったのだし。
        噛みしめよ、お前は世界に誇れる幸運を手にした男なの」

上条「……ま、そういうことにしとくよ」

キャーリサ「ふふ、悪く無い反応だし」

上条「……」



180:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/05(土) 01:00:03.46 ID:Kg5Gyp6bo

―――


上条「んじゃ行ってくる」

キャーリサ「うむ、勉学に励めよ少年。無知はお前を殺すものだし」

上条「大げさだって。昼は適当にやっといてくれ」

キャーリサ「お前は?」

上条「購買でパンでも買うつもりだよ」

キャーリサ「そーか」

上条「それじゃ」

キャーリサ「待て、後ろ。シャツが出ているぞ」

上条「あ、また小萌先生に注意される」 ゴソゴソ

キャーリサ「よし、ではな」

上条「おう」

ガチャッ バタン

キャーリサ「…………ふっ」

キャーリサ「さて、私も行くとするかー!」 グッ



213:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/07(月) 03:32:35.49 ID:ek+Lza/yo

―――学園都市 とある高校 教室


ワイワイワイ… ガヤガヤガヤ…

上条「ふぁ~あ……やっと3限が終わった」

吹寄「上条当麻! 貴様まだお昼にもなってないのに無闇にだらけるな!」

上条「だって仕方ねぇだろ、朝から色々と……」

吹寄「?」

上条「な、なんでもない」

吹寄「もう少しシャキっとしなさいシャキっと! ったく」 ズカズカズカ…

土御門「よーうカミやん。お疲れみたいだな。 また何か不幸にでも見舞われたのかにゃー?」

上条「ああ、家でも学校でも似たような奴がいて心休まらねぇよ」

姫神「?」

土御門「なんだ、いたのか姫神」

姫神「ずっといた」



214:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/07(月) 03:34:17.70 ID:ek+Lza/yo

青髪「まさかカミやーんまた可愛い女の子と知り合いになって、寝かせてもらわれへんかった、なんて
    言うんちゃうやろな?
    ええ加減にせんと、ボク本気でカミやんぶっ飛ばさなあかんくなるで?」

上条「女の子ねぇ……」

土御門「同感だにゃー。カミやん、今度は誰と知り合っちまったんだ? ああん?」

上条「お前ら笑顔で殺気放つな。代われるもんなら代わって欲しいもんですよまったく」

青髪「聞いたか?」

土御門「聞いたぜい」

青髪「どうやらほんまに一回地獄にたたっこまなあかんみたいやね」 ゴゴゴゴゴ

土御門「カミやん、覚悟はいいかにゃー?」 ゴゴゴゴゴ

上条「あー、また今度な。上条さん今はそんな元気ないんですよー」

青髪「?」

土御門「何かほんとにお疲れみたいだぜい」

姫神「何かあったの?」



215:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/07(月) 03:35:22.42 ID:ek+Lza/yo

キーンコーン カーンコーン…

姫神「あ。授業始まるから席戻るね」

土御門「次は小萌センセーの授業だぜい」

青髪「ボクはもちろん今日も宿題あえてやってへんでー」

上条「鬼かお前」

ガララ…

吹寄「……?」

上条「……え」



216:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/07(月) 03:36:42.61 ID:ek+Lza/yo

―――学園都市 とある高校

スタスタスタ…

小萌「じゅっぎょーう♪ 生徒さんとたっのしっいじゅ・ぎょ・う♪」

小萌「前の授業の片付けが長引いて遅れてしまいましたのです」

小萌「まぁでも、シスターちゃんもすっかり結標ちゃんと仲良くなって、先生は安心してお仕事に行けるので安心なのです。
    あとは上条ちゃんと仲直りするだけですねー」

小萌「あら? 随分教室の方が静かなのです。いつもなら廊下まで大騒ぎが聞こえてきているのに」

小萌「あ、さては先生のこと心配してくれているのですねー! もう、生徒さんはいつまで経っても先生離れの出来ない可愛い生徒さんなのですーうふふふふ」

ガララ…

小萌「みなさーん、遅れてごめんなさいなのですー! 楽しい授業のじか……」

キャーリサ「良いか? 何故遅刻が駄目なのか分かるの? 答えよとーま!」

小萌「んですよー……?」



217:ガンパレの話出てたのでガンパレネタ。:2011/03/07(月) 03:38:44.52 ID:ek+Lza/yo

上条「わ、わかりません……」

キャーリサ「馬鹿者め。軍隊とはタイミングが命なの。バラバラと遅れて入ってきても連携がとれない。
       各個撃破される」

小萌「え? え?」

キャーリサ「百人が一斉にお前一人に襲いかかってきたら、お前は負けるの。
       だがその百人がそれぞれ一人、五分ずつ遅れてくればお前一人でも結構やれるし。
       それは一対百じゃない。一対一が百回だ」

上条「は、はあ……」

土御門「お、おいカミやん……あれキャーリサだよな? イギリス王女の。何やってるにゃー……?」

上条「知らねぇよ……」

キャーリサ「つまりそーいうことだ。理屈も無く遅刻をするなと言っているのではないの。
       お前と、お前の仲間達の命に係わる問題だし。
       それからとーま、土御門。私が話しているの、私語は慎め」

土御門「はい! スミマセーン!」

青髪「はぁう……ボクも怒られたいなぁ」

上条「何なんだ一体……」



218:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/07(月) 03:40:09.96 ID:ek+Lza/yo

小萌「あ、あのー……」

キャーリサ「お前達。今ここは軍隊ではないと考えた者がいただろー?
       それは大きな間違いだ、会社、学校、あらゆる集団において同じことが言える。
       いーか? 足並みを揃えてこらえるべきところに遅れて来るものがいたらどうなるの?
       答えは明白。士気が落ちる。士気が落ちれば、お前達を待っているものは敗北だし」

小萌「ちょ、ちょっと……!」

キャーリサ「よし、では次は我がイギリスがかの忌々しいナポレオン軍を破ったワーテルローの戦いについてだ。
       ノートは取らなくて良い。覚えるの。戦場ではノートを開いている暇など」

小萌「あの!!」

キャーリサ「ん? おいとーま、何なのこの子供は? 迷子が入りこんでるぞ?」

青髪「ぶふぉっ!」

姫神「……プッ」

小萌「こ、子供ではないのです! 先生なのです!」

キャーリサ「そーかそーか。よしよし。だがここは子供の遊び場では無いし。
       おい委員長、この子をどこかで保護してやるといいの」

吹寄「私別に委員長では……というか本当に先生なんですけど……」

キャーリサ「あ、そーなの? こんなに小さいのに……」

小萌「小さいからって先生は先生なのです! もう! 何なのですかあなたは!」



219:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/07(月) 03:41:51.95 ID:ek+Lza/yo

キャーリサ「私はイギリス第二王じ」

上条「どぅぁああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

小萌「ひゃぁっ!? な、どうしたのですか上条ちゃん!」

上条「先生! そいつ昨日言ったうちの居候のキャサリンです! 語学留学中で日本の学校にとっても興味があるみたいで連れてきちゃいましたごめんなさい!」

キャーリサ「キャサリン? 語学留学? おい、何の話を」

土御門「おおおおおおおおお!!! そうだったんかカミやぁぁあああんん!!! 道理でカミやんだけフランクな呼ばれ方してると思ったぜぇええええい!!!!!」

上条「わ、悪い土御門……」 ヒソヒソ

土御門「いやもう事情は聴かずとも分かったにゃー……。アレは表沙汰にしちゃいかんだろ色々と……」 ヒソヒソ
        
小萌「留学生ちゃんでしたか。もう上条ちゃん、前もって言ってくれないと困るのです」

上条「申し訳ないです」

小萌「キャサリンちゃん、先生の授業でよろしければ、見学していっても構わないのですよ?」

キャーリサ「感謝するの。でも興味ないし。他にも見たいところがあるからな」

小萌「え」



220:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/07(月) 03:42:54.53 ID:ek+Lza/yo

キャーリサ「とーま、昼食は一緒に摂るぞ。校内を散歩しているから終わったら探すがいーの」

青髪「何でや……何でカミやんばっかり……」

姫神「あの行動力……。私もあれくらいしないと駄目なの……?」

土御門「全然関係ないとこで二名程凹ませて帰ったぜい……」

キャーリサ「失礼したの。それではお前達、ごきげんよう」 

ピシャッ!

小萌「な……何なのですかあの人は……颯爽と言いたい放題やりたい放題で帰ってしまったのです……」

土御門「カミやん、後で詳しく教えてくれ……」

上条「あ、ああ……」



221:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/07(月) 03:44:04.06 ID:ek+Lza/yo

―――学園都市 とある高校 屋上


キャーリサ「おー、とーま。授業は終わったよーだな」

上条「よーだな、じゃねぇよ! 何しに来たんだお前は!」

キャーリサ「そっちのは土御門か。久方ぶりだし。そーいやお前とーまと同じ学校だとか言ってたな」

土御門「だにゃー。くくっ、お二人さん随分仲良くなったみたいだにゃー」

キャーリサ「うん。聴いて驚け、なんと恋人になったんだ!」 グッ

上条「わっ!」

土御門「へー、いいにゃー。こいび……なんだって?」

キャーリサ「恋人だ。昨日こいつ、私の生涯の伴侶になることを誓ったんだし」

土御門「なん……だと……?」

上条「ち、違うぞ土御門。これはな、フリだ。キャーリサが誰とも付き合ったことが無いって言うから仕方なくだな。
    それに伴侶じゃなくて下僕なんじゃないのか……?」

キャーリサ「その割には私の下着に興味を抱いたり、私の頭を撫でたり、あまつさえ朝まで隣で寝たではないの」

上条「こうやって既成事実ってのは作られるのか……」



222:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/07(月) 03:44:52.97 ID:ek+Lza/yo

土御門「……」

上条「だいたい、それは成り行き上そうなっちまっただけだろ! 下着はお前が勝手に放置したんじゃねぇか!」

キャーリサ「ふふーん、隠さなくてもいいし。お前は初めて会った時から私の胸ばっか見てたし。
       構わん構わん。見るだけなら好きなだけ見ていろ」

土御門「……」

上条「お前はどうしてそう極端なんだ! しかも変に前向きだし!」

土御門「……おいカミやん?」

上条「あん? 何だよ土み」

ドゴッ!!

上条「ぐほっ!!」

土御門「お前なんか知らん! 勝手に皇太子にでも王子様にでもなっちまえばいいにゃー!
     ばーかばーか! 悔しくなんかないぜい! 学校中にカミやんが中学生と淫行してたって言いふらしてやるからにゃー!!」 ダッ!!

上条「身に覚えのない嘘バラまくなー!!」

キャーリサ「仲が良さそーだな」

上条「どこをどう見たらそう見えんだよ」



223:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/07(月) 03:46:02.59 ID:ek+Lza/yo

キャーリサ「友人は大事にせよ。それより、先程購買で菓子パンを買ってみたんだ。
       こーいうのあまり食べたことないからな、つい買い過ぎてしまった。
       一緒に食べてくれ」 ドサッ

上条「買い過ぎだろ……10個以上あるぞ……。仕方ない、余った分は明日の朝飯だ」

キャーリサ「どれにしよーかな……あんぱんってあんこが入ってるのか?」

上条「そりゃあんぱんだからな。食ったことないのか?」

キャーリサ「無い。このやきそばパンというのは何だ。グロいな」

上条「あ、それ美味いぞ。購買の中でもオススメだ」

キャーリサ「そーなのか。ではこれにするの」

上条「んーと、じゃあ俺はよもぎあんぱんとカツサンドもらい」

キャーリサ「おー! それもいーな!?」

上条「お前自分で買ったんじゃねぇのか……」

キャーリサ「適当に見繕っただけだからな、後でお前に教えてもらおーと思ってたんだ」

上条「んじゃ何個か開けて半分ずつ食うか?」

キャーリサ「そーしよう。色々と楽しみたい」

上条「はいよ。どっか座ろうぜ、食堂行くか?」

キャーリサ「いや、ここでいい」

上条「そうか? まあ王女様は高いところが似合うしな」

キャーリサ「そーではない」

上条「?」

キャーリサ「ここならお前と二人きりだろー?」



224:試験的に地の分投入してみます。:2011/03/07(月) 03:48:06.70 ID:ek+Lza/yo

―――学園都市 街中


キャーリサ「~♪」

キャーリサはすこぶる上機嫌で鼻歌混じりに街を歩いていた。
時刻は間もなく夕刻に差し掛かろうという頃。
上条が補習があると言うので、昼食後彼女は適当に校内を見物した後悠々と学校を後にした。
今のキャーリサは自由だった。
もともと生真面目ながらも母から受け継いだ奔放さを併せ持つ王女だ。
護衛も自らを知るものもいない街中を歩くのはとても気分が良いことだった。

キャーリサ(あいつはからかうと面白いな。昼食の時など耳まで真っ赤にしていたし)

居候先の少年の顔を思い出す。
キャーリサの周辺には今までいないタイプの人間だった。
そもそも立場が違うので当然と言えば当然であるのだが、何にせよ彼の存在はキャーリサの興味を強く引いた。

キャーリサ(さて……そろそろあいつの学校も終わる時刻だな。
       ふふっ、では校門まで迎えに行ってやるとするの。
       奴め、感動でむせび泣くかもしれないし。健気だな私は)

校門前で待ち構え、上条が出て来た時彼がほろりと涙を零して崩れ落ちて足元に縋り付く場面を想像し、
キャーリサは満足げに笑みを浮かべる。
キャーリサの懐の広さに深く感嘆し、やがて上条は心からの敬意を向けてくるのに違いない。
うんうんと頷きながら、彼女が午前中と同じ通学路を歩いていると、ふと横道に逸れる路地が目についた。



225:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/07(月) 03:50:01.31 ID:ek+Lza/yo

キャーリサ(……っと、ここの路地に入れば近道か?
        少々薄暗いが、まあ向こう側も見えているし問題ないの。
        待っていろとーま。私が傾国の微笑で出迎えてやるし)

彼の照れる姿が早く見たいキャーリサは、何の躊躇いも無く薄暗い路地裏へと足を踏み入れた。
表通りからわずかに漏れる夕焼けの光が、高いビルの間の狭い道を物悲しく照らしている。
その中を、上質な生地と素晴らしい縫製で仕立てられた真紅のコートを纏ったキャーリサが高いヒールを打ち鳴らして悠々と歩いていく。

スキルアウトA「ひゅぅっ、お姉さん、こんなところで何してるの?」

その時、キャーリサの目の前に三人の男達が立った。
外からでは分からなかったが、廃ビルの裏口が路地の途中にあり、そこにガラの悪そうな連中が溜まっていたのだ。

スキルアウトB「ここを通るには通行料がいるんだけど、払ってもらえる?」

足を止めたキャーリサに、大柄な男がそう告げる。
ニタニタと野卑な笑みを口元に浮かべ、向こう側に行けぬよう大きな身体で通路を塞いでいた。

キャーリサ「通行料? 関所があるなど聞いていないし。断る、そこを退け」

当然進路を塞ぐ邪魔者など許せないキャーリサは、自分よりも頭一つ分も大きな男の目を射殺すようにねめつけて透き通るような声で言い放った。
笑みを浮かべていた男の口元が歪み、眉間に皺が寄る。

スキルアウトC「おいおい、退け、だってよー」

別の男が茶化すように周りの二人に向けてそう言い、キャーリサを笑い飛ばした。
キャーリサの眉が一瞬ピクリと動いたことに、男達は気が付かない。



226:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/07(月) 03:51:15.24 ID:ek+Lza/yo

スキルアウトA「大人しくお金払っときゃぁ見逃してやったのに、馬鹿だねぇ」

スキルアウトB「高そうな服着ちゃってさ、どこのお嬢様」

スキルアウトC「ぎゃはははっ、お嬢様って言うのはちょっと年食ってるけどな」

スキルアウトA「いやいやぁそりゃテメェがJKしか興味ねぇからだろ?
          全然いけるって」

スキルアウトB「そうだな。外人さんだけど、悪く思うなよー?
          ちょろっと俺達と遊んでくれりゃいいからさー、こっちこいよー」

好き放題に言わせておけばいいとキャーリサは冷めた視線で彼らの会話を聞いていたが、とうとう男のうちの一人が彼女の腕を掴んだ。
ゾワリと全身を逆流していく嫌悪感。嗚咽でも漏らしそうな程不愉快に思い、キャーリサは己の中で沸々と怒りが湧いてくるのを感じていた。

キャーリサ「! 離せ!」

一刻たりとも触れられていたくなかった。
勢いよく掴んだ手を振りほどき、その勢いで男の鼻ッ面にキャーリサの裏拳がさく裂した。

スキルアウトB「いてっ!」

のけぞり、男の鼻からだらりと血が零れる。
キャーリサはその手の甲に付着した男の血液を、ポケットから取り出したシルクのハンカチで乱雑に拭い去る。

スキルアウトC「ああっ!? ンだテメェっ! 抵抗すんじゃねぇぞババァッ!」



227:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/07(月) 03:52:44.66 ID:ek+Lza/yo

キャーリサの態度が気に障った男達が殺気立つ。
だがそんなものは、かのクーデターを起こした張本人たる彼女にとっては些末事でしかない。
他人の羨望も悪意も、あらゆる感情を向けられる王女である彼女、ましてや争乱の中心であった彼女にとって裏路地のチンピラがいくら凄んだところで効果などあるはずもなかったのだ。

キャーリサ「バッ……!? ……ふーん、死にたいようだし」

それどころか、男達の言葉はキャーリサの憤怒を煽っていく。
キャーリサの手がコートのポケットに突っ込まれた。
体中数か所に隠し持っている護身用の『剣』。
カーテナ=セカンドの残骸がそこにある。
本来なら人知を超えた力を有するはずのそれも、今はガラクタ同然の霊装。
しかし、男3人を人たちの元に斬り捨てるには十分に過ぎる。

スキルアウトA「やめとけって。悪いね、でも大人しくしといたほうが身の為だよ?
          綺麗な顔と体に傷つけられたくないでしょ?」

スキルアウトB「へへっ、身体の方は今から使わせてもらうけどなー」

スキルアウトC「写真とビデオばらまいてやるから覚悟しとけよゴラァッ!」

首筋に死神の鎌がかかっていることなど露とも知らない男達は、口々にキャーリサを威圧するように罵声を浴びせていく。
キャーリサは罵詈雑言にも聞き飽きて、溜息をついてポケットの中でカーテナの破片を握りしめた。

キャーリサ「下賤過ぎて言葉も無いの。もーいい、論外だ、極刑だし」

キャーリサの口元が麗しく、そして残酷に歪む。
2度と他人に襲いかかれぬようにしてやろう。
そしてキャーリサは、断罪の刃を握りしめた手をポケットからそっと出した。
その時。


??「待てお前ら!!」



228:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/07(月) 03:53:49.27 ID:ek+Lza/yo

キャーリサの背後から、声が聞こえた。
ドキリと高鳴る鼓動。
何故己の心臓がそのような反応を示したのか、キャーリサにはその時明確な答えを出すことが出来なかった。

スキルアウトA「あー?」

スキルアウトB「ンだテメェ……? 何か文句でもあるんですかぁ?」

カツカツとコンクリートを踏みしめて歩いてくる声の主。
彼はやがてキャーリサの隣に立ち、ほんの一瞬こちらに視線を向けた。

キャーリサ「……とーまか」

上条当麻。
キャーリサの居候先の家主であり、恋人遊びに興じる相手。
学ラン姿の彼は、持っていたカバンをキャーリサに押し付けると、彼女を庇うようにして前に立った。

上条「キャーリサに手ぇ出してんじゃねぇぞ。殺されてぇのか!」

彼の背中からそんな言葉が聞こえてきた。
キャーリサは驚きに目を見開く。
同時に、やけにもやもやとした感情が胸に渦を巻いた。

スキルアウトC「あァッ!? 誰が誰を殺すってぇ!?」

キャーリサ(いや、さすがに殺さなくてもいいし。
       それは私の役目と言うか、せいぜい男性機能を破壊する程度に留めておいてやろーと思っていたが。
       ……そーか、お前そこまで私のことをな……)



229:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/07(月) 03:54:52.02 ID:ek+Lza/yo

少しだけ顔が熱くなる。
そこまで言ってのけるほど、彼は自分のことを守りたいと思ってくれているのだ。
キャーリサはそのように解釈した。
悪くない。
愛すべき主君を守るために命を賭す勇敢な騎士。
実にキャーリサ好みの展開であり、台詞だった。

上条「ふざけたこと言ってんじゃねぇぞ馬鹿!」

激昂する上条。
キャーリサはドキドキが収まらない。
正直そこまで強く想われているとは思わなかった。
恋人を演じているとは言え、所詮彼は一回りも年の離れた少年だ。
本気になどなれないし、向こうがその気にならないだろうと彼女は思っていた。
しかし、彼のそうした言動はキャーリサにとって予想外だった。
故に、虚を突かれた彼女は心の脆い部分をもろに突かれたような衝撃を受けることになった。

キャーリサ(うん……よく分かったぞお前の気持ち。そーとまで想われるのは、嬉しいものだし。
       ……とーま、お前がそーだと言うなら……私も……)

キャーリサと男達の間に立ちふさがる上条の背中に視線を送り、桜色の唇を噛みしめる。
もっと彼の言葉を聞きたいと思ってしまった。
忠を尽くそうとする誠実な言葉を。義侠に溢れた勇敢な言葉を。
そして、愛情がそこに在ってもいい。
キャーリサにとって、今彼のとった行動と言葉はそれだけの価値があった。
やがて開かれる上条の口。
そこから放たれる言葉を聞き逃さぬよう、キャーリサはギュッと瞳を閉じた。


上条「お前等がキャーリサにぶっ殺されるに決まってんじゃねぇか!!」



230:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/07(月) 03:56:50.73 ID:ek+Lza/yo

戸惑いは確かにあった。しかし、彼が求めるなら応えてやるのも主君の務めかとも考えた。
なのに。
従僕たる男の口から飛び出てきたのは、あまりに信じがたい言葉だった。

キャーリサ「……は?」

ポカンと口を開け放ってキャーリサが思わず問いかける。
今何と言ったのだ?
男達ではなく、むしろ彼女の方が上条の言葉に耳を疑った。

上条「よく見てみろ! お前達3人を目の前にしたってまるで動じてねぇんだぞ!
    どう考えたって何かあるだろうが!! ここは能力者の街学園都市なんだ!
    見た目だけで相手を判断することがどんなに危険なことか、お前達にだって分かるはずだ!
    こいつがとんでもねぇ能力者だったりしたらお前等どうするんだよ! マジで死ぬぞ!!
    っていうかほとんど当たってる! こいつは空間切り裂いたり空割っちまうような学園都市で
    も規格外のおっそろしい能力を持ってるんだ、死にたくねぇなら今すぐ逃げろ!!」

キャーリサ「…………」

わなわなと拳を震わせるキャーリサ。
少年らしい少し無鉄砲で熱い言動に、年甲斐もなく少し、いや大分ときめいてしまった自分の乙女心を返して欲しい。
未だ熱が上手く収まらないキャーリサは奥歯をギリリと噛みしめ、やがてそんな己を鼻で笑い飛ばした。

スキルアウトC「あぁ? マ、マジで言ってんのかぁ?」

スキルアウトB「ど、どうするよ……」

スキルアウトA「本当かどうかは分からねぇが、本当だったらヤベェな……」



231:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/07(月) 03:57:51.70 ID:ek+Lza/yo

腹立たしいことに彼の説得に心を折られかけている根性のないチンピラ共などもはや眼中に無く。
キャーリサは張り付けたような笑みのまま猫なで声で上条に甘えるように声をかけた。

キャーリサ「おいとーま」

スキルアウト達「「「っっ!」」」

一歩前へ出たキャーリサに男達が後ずさる。
キャーリサの目があまりに笑っていないことを恐れてのことだが、もちろん彼女本人はそんなこと知る由も無く、
むしろ上条の言葉を本気しているように思えて怒りに拍車がかかった。

上条「どうしたキャーリサ。お前は早く逃げろ。もう大丈夫だからな」

安心させるように力強くそう声をかけてくる上条。
少しだけ揺らいでしまった。
しかし、忘れかけの乙女心を踏み躙られた怒りがまだ今は勝る。

キャーリサ「…………出迎えごくろー」

上条「えっ!? うぉっ!」

ポツリと呟き、キャーリサは上条の背中を思い切り蹴飛ばした。

スキルアウトC「いてっ!」

勢いよく吹っ飛んでいった上条のヒジが男の顎に突き刺さる。
グラリと揺らめいた男は何とか周りに支えられ、体勢を立て直す。



232:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/07(月) 03:58:32.19 ID:ek+Lza/yo

スキルアウトB「ババァッ! 何しやがん」

キャーリサ「殿(しんがり)の大役、見事こなしてみせよ」

怒りを露わにした男になど目もくれず、キャーリサは踵を返して一目散に表通りへ飛び出して行った。

上条「……えええええええええええええ!!!!!!!!!!??????????」

その背中に驚きの声をあげる上条。

スキルアウトC「テメェコラ! 初めから油断させようってハラか!?」

スキルアウトB「ふざけんじゃねぇぞ!! やっちまおうぜ!!」

スキルアウトA「許せねえ! とんでもねぇ女だ!! だがまずはテメェからだ!!」

上条「ふ、不幸だぁあああああああああああああ!!!!!!!!!!」

激昂する男達の声と、嘆く従僕の声を遠くで聴きながら、キャーリサは満足げに笑みを浮かべて「ふん」と息を吐いた。



233:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/07(月) 04:02:01.61 ID:ek+Lza/yo

―――学園都市 街中

上条「はぁ……はぁ……ひ、酷い目にあったぞ……」

キャーリサ「よくぞ私の元まで戻ってこれたの。結構やるなお前」

上条「慣れてますから……じゃなくて! せっかく助けに来てやったのに蹴っ飛ばして放って行くって何だよ!
    せめて大人しく逃げてくれればよかったのに……」

キャーリサ「ふん、お前が悪いし」

上条「? なんで?」

キャーリサ「……期待した私が馬鹿みたいじゃないか」

上条「期待って、何を?」

キャーリサ「それは……」

上条「それは?」

キャーリサ「……知りたいの?」

上条「え?……あ、ああ」

キャーリサ「こーいうことだし……」

上条「え……っ――――!?」



234:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/07(月) 04:02:55.58 ID:ek+Lza/yo

キャーリサ「んっ……」

上条「っっっ!!????」

キャーリサ「…………ど、どうだ……?」

上条「」

キャーリサ「そ、そう照れるな。ふふっ、私を見事守り抜いた報酬だし。心して受け取れ……」
       
上条「」

キャーリサ「お、おい! 固まってないで何とか言ったらどーなの……?
       何か言ってくれないと……私も恥ずかしーの……」

上条「ハッ……! い、今のは何だ!? 幻想か!?
    上条さんの唇にとっても柔らかくて温かい感触があったような無かったような!?」

キャーリサ「お、思い出さなくていーし!」

上条「な……なんでこんなことを……」

キャーリサ「私がお前の恋人で……年上だから……」

上条「年上……」

キャーリサ「……い、嫌だったか?」

上条「び、びっくりしました」

キャーリサ「……質問に応えて欲しーの。
       私だってこれでも……初めてだし」



235:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/07(月) 04:04:27.88 ID:ek+Lza/yo

上条「えぇっ!? 向こうじゃ挨拶みたいなもんじゃねぇのか?」

キャーリサ「例えそうだったとしても……今のは違うし……」

上条「…………い、嫌じゃないです」

キャーリサ「……そ、そーか。ならいいんだ……」

上条「あ、ああ……」

ザワザワザワザワ… ヒソヒソヒソ… 

キャーリサ「あー……へ、変な雰囲気になってしまったな。衆目を集めてしまったよーだし……。
       うん、晩餐の為の買い物をして帰るとしよー。
       さ、さっきコンビニに生まれて初めて入ったんだ! あそこは便利だな……!」

上条「お、おう! そうだろ!? いやー便利な世の中だよなー!」

キャーリサ「むー……無理してる感が拭いきれん……帰るか」

上条「……だな……」

キャーリサ「…………」

上条「…………」

キャーリサ「…………」

上条「……な、なあキャーリサ……」

キャーリサ「……? どーしたの?」



236:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/07(月) 04:05:33.53 ID:ek+Lza/yo

上条「……」 ギュッ

キャーリサ「……!」

上条「手、握ってもいいでしょーか……?」

キャーリサ「……訊くな馬鹿者。それに……もう握ってるではないの……」

上条「ご、ごめん」

キャーリサ「構わんし……王女の口付けに調子づいたの?
       …………今は図に乗ることを許可する」

上条「……」

キャーリサ「……」

キャーリサ(これは……どーいうことなの……?
       私があんな真似をしたから、こいつが若さに任せて……や、やるじゃないの)

上条「きょ、今日の晩御飯は何にしよう?」

キャーリサ「お、お前の作るものなら何でも構わないの」

上条「そっか、んじゃ昨日は肉だったし今日は魚かな」

キャーリサ「そーしよー。楽しみだし……」



238:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/07(月) 04:07:27.92 ID:ek+Lza/yo

キャーリサ(……こうしていると、本当の恋人になったよーな気分だし。今更何を意識しているの私は……?)

上条「鯖にするか鮭にするか、うーん……」

キャーリサ(……何なのこの気持ちは。本気になんてなるわけがないし……)

キャーリサ「とーま」

上条「ん?」

キャーリサ(……私があと10も若ければ、何かを躊躇う必要もなかったの?)

キャーリサ「何でも無い」

上条「?」

キャーリサ(お前は随分と私の心の中に簡単に入り込んでくるし……。
       まったく、憎らしいぞとーま……しかし)

キャーリサ「そら行くぞ。私は鯛の煮つけとかいうのが食べてみたいの」

上条「鯛……だと。そんなもんうちの食卓の選択肢に上がったことありませんよ」

キャーリサ(従僕のくせに生意気だし……まるで、私だけが意識しているみたいじゃない……)



281:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/09(水) 00:09:27.83 ID:QNkpPsC+o

5日目 

―――学園都市 第七学区 街中

五和(皆さんこんにちは。
    間もなく日本にも冬が訪れようという季節。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
    私こと五和は今、緊急の用事で学園都市を訪れています。
    何の用事か、ですか?)

五和「それは、上条さんの身に危機が迫っている予感がしたからですっ!!」 グッ!

ザワッ… ヒソヒソヒソ…

五和「あ……」 カァァ

五和(気合を入れ過ぎてしまいました……。
    と、とにかく、何かとんでもないことが彼の周りで起こっているような気がしたのです。
    上条さんに最後に会ったのは例の第二王女率いる騎士派によるクーデター以来。
    最近彼に会っていないので、そろそろ会いたいなぁなんて思っていたのですが、何せ簡単には入れない学園都市。
    今回こうして侵入出来たのもその用があったからなのです)

五和(実は今現在、英国では密やかに大きな騒動が起こっている最中です。
    それは突然の第二王女の失踪。
    市民の間には広まっていない情報ですが、私は女教皇様や教皇代理から話を聞かせて頂いたので知り得たことでした。
    第二王女キャーリサ様の行先は、現在騎士派だけでなく清教派の皆さんも協力して探している最中で、
    超音速旅客機が日本の学園都市に向けて飛び立ったという情報から、彼女の行先は概ね判明しています)



282:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/09(水) 00:11:22.91 ID:QNkpPsC+o

五和(そう。
    学園都市で王女様が行くところなんて、上条さんのところしか有り得ません)

五和(母親であらせられる女王陛下は、
    『あのバカ娘も家出に飽きたら帰ってくるだろうからほっといていいぞ。むしろすぐ迎えに行ったらつけあがる。
    国は違えど、市民が普段どんな暮らしをしているのか知るいい機会なんじゃないか?』
    とおっしゃったそうで、騎士団長さんにも待機命令が出ているらしいです)

五和(そこで、私がここに来た理由について話が移ります。
    ぶっちゃけた話、上条さんが第二王女と仲良くなってしまわないか、とっても不安なんですっ)

五和(女教皇様も学園都市のお知り合いの土御門さんから何やら不安を煽るようなことを言われていたようで、
    もう2、3日中にはここに訪れることでしょう)

五和(その尖兵としてまず私が来ました。
    実際上条さんのところにキャーリサ様がいらっしゃる確証があるわけではないので、
    一先ず様子を見るために送り込まれたのです。
    もちろん志願したのは私ですけど……)

五和(そんな訳で、私は今上条さんのお家に向かって歩いている真っ最中。
    久しぶりに彼の顔が見られると思うと、ドキドキが止まりません。
    もしキャーリサ様がいなかったら、何日か滞在させてもらえるよう頼んでみたいです)

五和「そしてそのまま結婚、なんてことに……てへへ」

五和(失礼しました。妄想が加速しすぎて急展開を迎えてしまったようです。
    彼の家までまだもう少しあります。
    何か菓子折りでも買っていったほうがいいですね。
    あの子も喜ぶでしょうし……)



284:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/09(水) 00:13:40.21 ID:QNkpPsC+o

五和「えーと……お土産さんはどこかに……」 キョロキョロ


キャーリサ「おいとーま! アレがゲームセンターとか言うやつか?
       ふーん、この筐体は城で見たことあるな」

上条「城内にゲーセンあるのかよ……どんな王室だ」

キャーリサ「母上が清教派の最大主教からもらってくるの。
       私はやったことないが」

上条「学園都市から送られてくるらしいとか土御門が言ってたな……」


五和「……?」

五和(何か聞き覚えのある声が聞こえた気がします。
    いえいえ気の所為でしょう。確かにそろそろ放課後ですが……」


キャーリサ「とーま、これを取ってくれないか?
       間抜け面が可愛いし」

上条「無茶言うなよ。上条さんクレーンゲーム苦手なんですよー」

キャーリサ「大丈夫、お前なら出来るの。もし取れたら頬にキスしてやるぞ」

上条「いや、いいです」

キャーリサ「お前! 王女の口付けだぞ! 嬉しくないの!?」



286:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/09(水) 00:16:31.50 ID:QNkpPsC+o

上条「そうじゃなくて、こんなの取るのに何千円かかると思ってんだよ。
    買った方が安いって」

キャーリサ「むー、そーなのか……」


五和「」

五和(女教皇様、事件です。
    上条さんとキャーリサ様が、それはもう憎たらしい程に楽しそうにクレーンゲームで遊んでます。
    何だか年の離れた恋人みたいです……。
    もうちょっと近くまで寄ってみましょう……)


キャーリサ「では私がやるの!」 チャリーン

上条「はは、まあ2、3回試してみればいいんじゃないか?
    無理だって分かるからな」

ウィーン…ポイッ

キャーリサ「おい! 取れたぞ!」

上条「嘘!?」

キャーリサ「見たかとーま? これがお前と私の生まれ持った天運の差だし」 ドヤッ

上条「(´・ω・`)な顔のぬいぐるみ抱きしめながらドヤ顔されても……っつかマジですか」

キャーリサ「ではとーま。口付けをせよ」

上条「え」



287:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/09(水) 00:19:07.22 ID:QNkpPsC+o

キャーリサ「お前が取ったら私がお前にするという約束だったはずだ。
       私が取ったのだからその逆だろー?」

上条「どっちにしろするのか……」

キャーリサ「そ、そんなに嫌か……?」

上条「い、いやそんなことはないけど……人が見てるし……」

キャーリサ「では後でも構わんし。言っておくが唇は駄目だからな。
       そこはとっておきだ」

上条「分かってるって」

キャーリサ「ならいーの。あ、中にあるあの派手な箱は何なの?」

上条「プリクラだよ」

キャーリサ「ぷり……クラ? あ……あープリクラな! あれは白熱するな!」

上条「知らないならそう言えよ」

キャーリサ「お前如きに私が無知蒙昧で愚劣などーしよーもない馬鹿王女だと思われたら死にたくなるし」

上条「そこまで思わないって。でも俺達にとって普通のことでも、結構知らないことあるんだなーくらいには思うけどさ」

キャーリサ「だからこーして知ろーとしているの」

上条「別に面白いもんじゃないぞ?」

キャーリサ「そんなことは問題ではないの。何事も経験だしね」



289:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/09(水) 00:22:23.30 ID:QNkpPsC+o

上条「そうだな。んじゃ撮ってみるか?」

キャーリサ「撮る……? あー、写真機が中にあるのか。ふむふむ」

上条「まあ上条さんもそんなに使ったことは無いですけど」

キャーリサ「よしやってみよー! しかし……」 チラッ

上条「ん?」

キャーリサ「周りにいるのは女学生ばかりだし……。私のよーな成人して10年近く経つよーな女が利用していいものなの?
       筐体の装飾も品の無い派手さだし、これは世間知らずな行動ではないの?」

上条「そんなん気にしなくていいだろ。
    年齢制限なんて無いって。ウチの親だって二人で撮ったのメールで送りつけてきやがったぞ。
    さすがに両親のプリクラ見せられるのはきつかったけど……キャーリサなら全然大丈夫だ」

キャーリサ「……そーか。じゃーお前に任せるの」

上条「はいよ。んじゃまずこっちだ」 バサッ

キャーリサ「個室なのだな。密室に連れ込んで、ミョーなことするなよ? ふふん」

上条「しませんっ!」

キャーリサ「冗談だ。さー、やり方を教えてくれ」

上条「はいはい。と言っても俺も詳しくは……まず映りを選んで……」

キャーリサ「美白で頼むし」

上条「十分白いだろ」



290:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/09(水) 00:24:24.32 ID:QNkpPsC+o

キャッキャッ! ワイワイッ!


五和「」

五和「」

五和「」

五和「」

五和「」

五和「ハッ! な、何が起こっていたんでしょう!?
    今のは一体……? え……仲良くなりすぎてませんか……?」

五和(ま、まさか……キャーリサ様その財力に任せて上条さんを虜に……。
    確かに生活に苦しい方ですし、美味しいものでも食べさせられたらコロッとなびいてしまうかも……?
    私もそれを期待して毎回手料理には力を入れていたのに……。
    い、いえそんな犬じゃあるまいし食べ物だけで……。
    でも上条さん年上のお姉さんが好きらしいですし……。
    キャーリサ様は見た目も華やかで美しい方ですから……そ、そんな……)

五和「そ、そんな訳ありません!!」

??「絶ッッッ対何かの間違いに決まってるわ!!」

五和「え……?」

??「ん……?」

五和「あ、あなた確か……」



291:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/09(水) 00:26:28.08 ID:QNkpPsC+o

??「げっ、あんた先月くらいにお風呂で会った女っ!」

五和「五和です……」

御坂「御坂美琴よ……あんた、何やってんのこんなところで」

五和「御坂さんこそ……柱の陰に隠れて……」

御坂「こ、これは……外歩いてたらアイツの姿が見えたから……その……」 ゴニョゴニョ

五和「わ、私もそうです……」

御坂「と、とにかく今大事なところなんだから邪魔しないでよね!」

五和「あ、あなたこそ! ……上条さんがキャーリサ様と……」

御坂「え? あんたあの女のこと知ってんの?」

五和「あ、いえ……」

御坂「やばっ、出てきた! 隠れるわよ!」 コソッ

五和「はいっ……!」 コソッ

五和(うー……なんかストーカーみたいで気が引けます。
    ごめんなさい上条さん……)



293:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/09(水) 00:28:52.72 ID:QNkpPsC+o

キャーリサ「ふふっ……お前、なかなか大胆なことするな。ここでキスされるとは」

上条「いやキャーリサが抱き着いてくるから……」

キャーリサ「ポーズの参考画面にそー出てたではないの。
       とか言って、嬉しかっただろー?」

上条「はい、嬉しかったです」

キャーリサ「よしよし、お前も分かってきたな」

上条「……じゃ、じゃあ次はこっちで落書きな」

キャーリサ「ふむ、興味深いの」

上条「上条さん絵心無いからなー……」

キャーリサ「安心しろ。美的センスの塊のような私に任せておくがいいの」


御坂「なんなのよあの女ぁ~! 急に出てきたと思ったらあいつといつの間に仲良くなってた訳!?」

五和「私も驚きです……よりにもよってどうしてあのお二人が……」

御坂「んで、あの女は誰なの?」

五和「……お、教えられません」

御坂「何でよ」



294:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/09(水) 00:30:42.38 ID:QNkpPsC+o

五和「それは……色々と事情がありまして」

御坂「お願い! 絶対誰にも言わないから……!」

五和「えと……」

御坂「……駄目?」

五和「ご、ごめんなさい……」

御坂「むぅ……仕方ないわねー……。でもあれってイギリスだかどっかのお姫様に似てない?
    ちょっと前もニュースになってたし」

五和「!!」 ビクッ!

御坂「……え?」

五和「……」 ソワソワ

御坂「ほ、本当に……?」

五和「……だ、誰にも言わないで下さいよ……?」

御坂「えっ、な、何で……そんなのとあいつが知り合いなの……?」

五和「まあ色々とありまして……」

御坂「……ありえないっつの……」

五和「残念ながら……ありえたんです」

御坂「あいつ……今度は皇太子にでもなるつもりなの……?
    誰彼構わず助けて首突っ込むのもいい加減にしなさいよねったく!」



296:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/09(水) 00:37:38.27 ID:QNkpPsC+o

キャーリサなかなか面白いな。よし、もー一回撮るの!」

上条「またかよ。もういいだろ」

キャーリサ「だって見ろとーま。あそこに衣装を貸してくれる所があるし」

上条「ん? あー、そうだな」

キャーリサ「……お前の見たいやつ着てやるぞ」

上条「み、見たいやつですか……」 ゴクリ

キャーリサ「うむ。ほらあっちの女学生が着ているアレなんてどーだ?
        胸元なんかヘソまで来てるぞ。私があれ着たらどーなってしまうだろーな」

上条「あ、あの犯罪的な衣装をキャーリサが……」

キャーリサ「騎士派の連中には内緒だぞ? 騎士団長が荒れ狂うし」

上条「……」

キャーリサ「さーどーする。こんなチャンスは二度と無いかもなー」

上条「……何でも着るんだな?」

キャーリサ「王女に二言は無いの。私なら何を着たって着こなしてしまうし」

上条「よ、よし。じゃあアレを……」

キャーリサ「ん? ……え、お前アレは……」



297:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/09(水) 00:40:09.94 ID:QNkpPsC+o

―――


キャーリサ「よりにもよってこれを選ぶか……信じられないし……」

上条「ふっ、上条さんのささやかな仕返しですよ。
    キャーリサが一番嫌がりそうなやつを選んでやった」

キャーリサ「嫌という訳ではないが……お前鬼だろー……。
       泣きたくなるし……」

上条「いや、思ったより全然イケるぞ」

キャーリサ「見え透いたお世辞は止せ……私が……女学生の格好など……くっ」

上条「え、でもお前昨日は制服着てやるとか言ってただろ」

キャーリサ「そ、それはまさか本当に出てくるなんて思わなかったからだし。わ、私を何歳だと思ってるの……!」

    
御坂「アウト! あれはアウトよね!!!」

五和「正直イメクラにしか見えません……いえ、イメクラがどんなものかなんて知らないですよ?」

御坂「あの年でセーラー服なんて……年考えなさいよね……」

五和「でも着こなしていらっしゃいますよ……?」

御坂「外人はこれだから……。スタイル良すぎじゃない」

五和「私もちょっとは自信あったのに……」

御坂「え?」

五和「い、いえ何でも……」



298:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/09(水) 00:42:15.31 ID:QNkpPsC+o

キャーリサ「は、早く撮ろー。拷問だし……ほら、クスクス笑われているの」

上条「んなこと無いって。可愛いと思うけどな」

キャーリサ「むー……こんな時ばかりそんなことを言うな……ほ、ほら中入るぞ……」 グィッ

上条「お、おう……」


五和「……」

御坂「……」

五和「先ほどより距離が縮まっていませんでしたか……?」

御坂「そう……ね。なんか惨めな気分になってきたわ……」

五和「確かに……虚しいですね、私達」

御坂「弱気になってどうすんのよ!」

五和「そ、そうですよね!負けちゃ駄目ですっ!」



299:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/09(水) 00:43:47.42 ID:QNkpPsC+o

―――学園都市 街中

上条「あーもう暗くなってるな。早くスーパー行かないと」

キャーリサ「まったく……お前という奴は恥ずかしい目にあったし」

上条「もう一枚撮りたいって言ったのはお前だろキャーリサ」

キャーリサ「そーだけど。あんな目に合わされるとは思わなかったの。屈辱だし……」

上条「その割には笑顔だったな」

キャーリサ「カメラを向けられると勝手にそーなるように体が出来上がっているの。
       王女たる者、いつどこで人に見られているやもしれんし」

上条「じゃあこの前手繋いだりしたのってヤバいんじゃないのか?」

キャーリサ「大丈夫だ、こんなところではそうそう気づかれん。それ以前に、キスもしただろー?」

上条「そ、そうでした……」

キャーリサ「お前、騎士団長にバレたら殺されるな」

上条「言わないで下さいお願いします」

キャーリサ「黙ってて欲しければもっと私に優しくするの」

上条「こんなにへりくだってるのにまだ足りねぇのか……」

キャーリサ「ふふっ、好きな相手にはいくらでも優しくされたいものよ」



300:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/09(水) 00:47:11.99 ID:QNkpPsC+o

上条「好きな相手って……キャーリサは上条さんのこと好きなんですかー?」

キャーリサ「…………」

上条「え、そこ黙るのか」

キャーリサ「正直……分からないの」

上条「い、いや冗談だぞ? そんな深刻な顔しないでくれ」

キャーリサ「冗談? お前は冗談でそんなことを訊いたの?」

上条「あ、悪い……」

キャーリサ「……まーいいけど。私はお前のことは嫌いではない。それは間違いないし」

上条「そっか……ありがとな」

キャーリサ「むー、素直だな……」

上条「ぷっ、お前が冗談嫌がったんじゃねぇか」

キャーリサ「ふふっ、そーだな」


五和「……何でしょう。とても入り込めない雰囲気ですよ」

御坂「頭痛くなってきたわ……。ねぇ、あの二人ってどんな知り合いなの?」



301:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/09(水) 00:49:39.88 ID:QNkpPsC+o

五和「えっと……キャーリサ様が英国でちょっとした騒動を起こされて、上条さんもそれを止めるのに協力して……」

御坂「あ、もういいわ。やっぱいつものパターンね。元々あんなに仲良かったの?」

五和「とんでもない。上条さん、キャーリサ様のお顔をぶん殴って顔面骨折寸前までいったらしいですよ」

御坂「あ、あいつって結構外道なことするのね……」

五和「不可抗力だったみたいですけど……」

御坂「ってことはもしかして、私をキズモノにした責任とれとか言われて脅されてるとか!?」

五和「まさか……キャーリサ様は王室の大切な王女様ですよ?
    上条さんには失礼ですけど、一般人がとてもお近づきになれるような方ではありませんし、
    賠償を要求されても交際を強制されるなんて有り得ませんよ……」

御坂「でも向こうから来るってのはあるかもしれないわよね」

五和「それは……あるかもです」

御坂「と、とにかくもう少し様子を見ましょう。あいつ鈍感だけど押しには弱そうだからコロッと靡いちゃうかも知れないし……」

五和「御坂さんも上条さんのこと好きなんですか?」

御坂「ふぇっ!? す、好きって……そ、そんなんじゃないけど……あいつが誰かにとられちゃうのはちょっと……ゴニョゴニョ」

五和「で、ですね……行きましょう」



303:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/09(水) 00:51:59.12 ID:QNkpPsC+o

―――学園都市 スーパー

ガヤガヤガヤガヤ… ワーワー! 

キャーリサ「とーま! 見てくれ! 今日は一人一パックの豆腐を手に入れたの!
       私の初勝利だし!!」

上条「本当か!? すげぇなよくやったキャーリサ!! お前も立派な特売戦争の戦士だ!」

キャーリサ「うん! これが勝者の見る景色か。悪く無いし」

上条「そりゃ大げさだが、何にせよ助かったよ。今日はあっちこっちで特売やってるから、一人じゃ回り切れなかったんだ」

キャーリサ「私は役に立ったか?」

上条「ああ、ありがとうなキャーリサ!」

キャーリサ「そーか……! そーか!! 嬉しーの。とーま、もっと私を崇めろ。
       私がいてよかったか?」

上条「ああ、キャーリサがいてくれてよかったよ」

キャーリサ「ふふっ……お前に迷惑ばかりかけていた気がするが、よーやく挽回できたよーだし」

上条「迷惑かけてるっつー自覚あったのか」

キャーリサ「多少はね。気を遣ってもらっていることには感謝しているの」

上条「やめてくれよ今更じゃねぇか。さ、買うもん買って帰ろう」



305:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/09(水) 00:53:29.66 ID:QNkpPsC+o

キャーリサ「あ、あの猫の餌はいいのか? 切らしていたと思うが」

上条「忘れてた。スフィンクスの餌のことなんてよく覚えてたな」

キャーリサ「お前が学校行ってる時は猫と遊んでるし。
       一向に懐かんが……」

上条「今日は餌やってみるか? ご飯くれる相手だって分かると懐くぞ」

キャーリサ「現金なものだ。でもやってみたい」

上条「インデックスがいなくてあいつも寂しがってるだろうしな」

キャーリサ「禁書目録の愛猫だったの。奴はどうしている?」

上条「小萌先生から毎日話は聞いてるよ。先生ん家の居候と仲良くなったらしい」

キャーリサ「まだ仲直りは出来ないの?」

上条「いや、さすがにもう怒ってはいないみたいだけど、まだ戻ってくるつもりは無いみたいだな」

キャーリサ「私の所為か……」

上条「キャーリサというより上条さんだと思います」

キャーリサ「禁書目録には悪いことをしたの。お前を独り占めにしている」

上条「いやまあ……そう言っちまうとなぁ……」



306:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/09(水) 00:56:41.18 ID:QNkpPsC+o

キャーリサ「安心しろ。私も適当なところで切り上げて帰るつもりだし。
       すまないがもー少しだけ置いてくれ」

上条「好きなだけいろよ。インデックスだってキャーリサがいようがいまいが、戻りたくなったら戻ってくるさ」

キャーリサ「そーか……」

上条「上条さんも、もうキャーリサがいる生活に慣れ始めてるからな」

キャーリサ「贅沢だな。王女と生活を共に出来るなど、この上無い誉だし」

上条「はは、お前が帰っちまったらそんな台詞も聞けなくなるんだな」

キャーリサ「寂しーのか? 殊勝なことを言う」

上条「少しな」

キャーリサ「……そーか」


五和「また良い雰囲気になってますよ」

御坂「何なのよあいつらはー! 人目もはばからずいちゃいちゃと……」

五和「イチャイチャという訳ではないですけど、見てるの辛いですよね」

御坂「もう帰ろうかな……」

五和「私も……」



307:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/09(水) 00:58:37.27 ID:QNkpPsC+o

キャーリサ「とーま、私今日はワインが飲みたいし、持ってくるからそこでちょっと待ってろ!」

上条「おー」

御坂「げっこっち来る!」

五和「あっ……」 バッタリ

キャーリサ「んっ……?」 バッタリ

御坂「げっ……」

五和「きゃ、キャーリサ様……」

キャーリサ「んー? お前、どこかで見たことあるな。そっちのはミサカミコトだ」

御坂「よく覚えてるわね」

キャーリサ「苦労しているよーだからな」

御坂「?」

キャーリサ「あー、お前も思い出したぞ、天草式の女だ」
       
五和「ど、どうも……」

キャーリサ「お前達、こんなところで何をしているの?」

五和「い、いえその……」

キャーリサ「もしかしてとーまに用か? なら今呼んできてやる」

五和「ち、違うんです!」

キャーリサ「? では私なの? もしや私を連れ戻しに……」



308:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/09(水) 01:01:25.25 ID:QNkpPsC+o

御坂「じゃなくて! あんたとあいつは恋人だって言ってたけど、本当なの!?」

五和「こ、恋人!? それってどういう……」

御坂「あんたは黙ってて!」

五和「は、はい……」

キャーリサ「……ほほー」 

御坂「な、何よ……その思わせぶりな笑みは」

キャーリサ「私ととーまの関係が気になって仕方なく、それでわざわざ追いかけてきて監視していたというわけか?」

御坂「!」 ギクッ

キャーリサ「図星のよーだし。安心せよ、私ととーまはまだお前達の案じているような関係には至ってないの」

御坂「そ、そう……」 ホッ

五和「ま、待って下さい。今、『まだ』っておっしゃいましたね……」

キャーリサ「耳が良いな。申し訳ないが、お前達にとーまは渡さないし」

御坂「!」

五和「や、やっぱりキャーリサ様は上条さんのこと……」

キャーリサ「それは分からん」

御坂「わからんってどういうことよ! 自分のことでしょうが!」



309:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/09(水) 01:04:19.26 ID:QNkpPsC+o

キャーリサ「そーだが、何ぶん初めてのことでな、折り合いも上手くつけられないの」

御坂「何よそれ」

キャーリサ「が、お前達には渡したくない。とーまは……私のものだし」

五和「このまま見てろって言うんですか……?」

キャーリサ「なあ頼む……奴を譲ってくれないか……?」 ウルッ

御坂「なっ!」

五和「そ、そんなこと言われても困りますっ……」

キャーリサ「なんて言うと思ったか?」

御坂「っ!」

五和「……」

キャーリサ「『恋』とは戦争らしーの。お前達の好きにしろ。
       だが、この『軍事』のキャーリサ。本気で行かせてもらうし。
       こと戦争に於いて、二度と敗北を喫する訳にはいかないしね」

御坂「ライバル宣言って訳ね……」

五和「望むところです……」

キャーリサ「蹂躙してやるし。かかって来い、小娘共」



310:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/09(水) 01:07:59.58 ID:QNkpPsC+o

タッタッタッ…

上条「おーいキャーリサまだかー? ワインこっちあったぞー。
    って何やってんだよそんなとこで……あれ、御坂に、五和!?」

御坂「あ……」

五和「上条さん……」

キャーリサ「待たせてすまないの。こいつらが私と話したいと言うものだから」

上条「ふーん……。五和はどうしたんだ? 学園都市に何か用か?」

五和「い、いえキャーリサ様の捜索が始まっているので、学園都市に調査に来たんです」

キャーリサ「私を連れ戻しに誰か来るの?」

五和「それは……分かりませんけど。女教皇様は来られるかも」

キャーリサ「聖人か……まずいな、力づくで連れ帰られるのはかなわん」

上条「まあ俺は迷惑してないから、神裂にも無理しなくていいぞって言っといてくれ。
    あ、でも王女様が外にいるのはまずいのか……?」

御坂「そりゃまずいでしょ」

上条「って言われてるけど……」

キャーリサ「お前が私をかくまえばいい話だし。
       とーま、お前から離れたくないの」 ダキッ

上条「!!!!」

御坂「なっ!」

五和「ちょっ!」



311:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/09(水) 01:09:32.36 ID:QNkpPsC+o

上条「は、ははは……五和、くれぐれも騎士団長には内緒にしといてくれな。
    上条さん寿命もゼロにされちゃうから」

五和「……」

上条「五和?」

五和「はっ、はい! わかりました……」

上条「じゃな二人とも。御坂も道草食ってないで帰れよ」

御坂「道草ってねぇ……子供か私は!」

キャーリサ「さーとーま。子供のことなど放っておいて、帰って大人の時間を堪能しよーじゃないの」

上条「上条さんお酒飲めませんよ」

キャーリサ「そのほーが都合が良いし。ではな、怪しい者に声をかけられても付いて行っては駄目よ、少女達。
       行こーとーま。腹が減ったし」

上条「お、おう……」

御坂「くっ! あのオバサンがぁ……!」

五和「許せないですね……」 ゴゴゴゴゴゴ…

御坂「……ビクッ」

五和「上条さんをこのまま渡すわけにはいきません! 大丈夫です、私達には若さがありますからっ!」

御坂「そ、そうよね! あいつだって年が近い方がいいに決まってるわ!
    ったくあのオバサン何なのよ、『分からん』とか言ってたくせにあいつのこと好きなんじゃない。
    それとも私達への当てつけかしら」



312:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/09(水) 01:10:51.75 ID:QNkpPsC+o

五和「あ……」

御坂「ん? 何?」

五和「い、いえ……」

五和(キャーリサ様、『恋』だとおっしゃってました……本当は、とっくに自覚しているんじゃないですか?
    けど、それならわざわざ私達を焚きつけるようなことを言う理由が分からない……。
    『軍事』を司るキャーリサ様はこれを戦争だと言いました。
    だったら、真正面から正々堂々なんて正攻法を使われるとは思えないです。
    勝利を確信してるから……? それとも別に理由があるんでしょうか……?)

御坂「あ、ヤバ、門限過ぎてる。黒子に電話しないと……。
    私帰るね、あんたは?」

五和「あ、私はホテルをとってますから」

御坂「そ。んじゃね」

五和「はい。お気をつけて」

スタスタスタ…

五和(……私も宿に戻って女教皇様に報告をしないと)

五和「――――!!!??」 バッ

五和(い、今一瞬……尋常じゃない魔術の気配を感じました……。
    キャーリサ様……? それとも別の誰かがこの学園都市に……)



364:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 00:22:26.92 ID:ksmiMOd0o

―――学園都市 上条の部屋 脱衣所


キャーリサ「ふぅ……」

キャーリサは浴室前の脱衣所で、一糸纏わぬ姿で鏡を覗き込んでいた。
ゆったりと風呂にでも浸かって今日の疲れを落とそうと考えていた矢先、キャーリサは先ほどのスーパーでの一件を思い出してしまったのだ。

キャーリサ(やれやれ……大人げなくあの娘たちを挑発してしまったの)

上条当麻に思いを寄せる二人の少女。
彼女らに向けてキャーリサは高らかに宣戦布告をした。
自らの胸中すらロクに理解出来ぬままにだ。

キャーリサ(ムキになってしまうとはな……私もいよいよ後戻りできなくなってきたし)

理解出来ない。いや、それはきっと嘘だと自覚していた。
城を飛び出して、迷うことなく彼の元へ向かったその時からきっと兆候はあったのだ。
キャーリサは鏡の中の自らの身体を眺める。
大きく膨らんだ胸、細く引き締まりくびれた腰。形の良いお尻と、スラリと長い脚がそこにある。
だがキャーリサは、生まれて初めて誇示すべき己の身体を憎らしく思った。

キャーリサ(……この体が恨めしーぞとーま。
       ハイティーンであるあの娘達に比べて、やはり年齢を感じるの。
       まだまだいけると思っていたが、10代の子供と比較すると勝ち目は薄いか……)



365:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 00:25:12.01 ID:ksmiMOd0o

肌の張りやツヤはどうしても10代である彼女達には劣って見える。
普段からしているように掌で胸を手繰り寄せ、押し上げてみるも、重力の残酷さをまざまざと見せつけられる結果に終わるだけだった。
深く溜息をつく。
常に自身に満ち溢れたキャーリサの表情が、わずかな陰りを見せた。

キャーリサ(ここ3日ほど、同じことを考えているな。
       とーま……あと10年早く会いたかった。そーすれば、英国随一と詠われる私の美貌でお前を虜にしてやったのに)

同じ土俵で勝負に出れば、自分があの少女達に勝てぬことは十分に理解出来ていた。
それでも、彼を手放したくはなかった。
それはキャーリサにとっての意地だった。
もう少しで手が届きそうなものを、横からかすめ取られるような真似はプライドに懸けて許せない。
上条に対する想いよりも、己の矜持に従うことを優先しているという事実が、キャーリサを自己嫌悪に陥らせていく。
もっと真っ直ぐに何もかもをかなぐり捨てるように恋に溺れたいのに。
そうするには彼女はあまりに年を重ねすぎた。
そんな恋愛を経験することなく大人になってしまったことが、彼女の身動きを封じていたのだった。

キャーリサ(臆病者め。勇敢とは程遠いぞお前は……所詮私も、ヴィリアンと何も変わらぬ絵本の中のお姫様という訳か?
       いや、或いはそれ以下だ。私は……何も結果を残していないし)

鏡の中の己に悪態をつくキャーリサ。
攻撃を好む王女は、彼への想いが積もる程に、前には進めなくなっていることに気づかされた。
その時。

上条「~♪」

ガラリと、浴室の引き戸が勢いよく開けられそこから上条が姿を現した。

キャーリサ「キャァッ!!?」



366:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 00:27:03.64 ID:ksmiMOd0o

彼女自身でも驚くほどに甲高い嬌声があがった。
こんな声を出すことなど、ここに来た当初なら絶対に有り得なかったというのに。

上条「うぉっ!! ご、ごめんキャーリサ!! 風呂入ったと思ってた!」

焦り、慌てて扉を閉める上条。

キャーリサ「な、何の用だ! 私の下着でも漁りに来たの!?」

キャーリサは床に落としていた服を拾い上げて体を隠し、扉の向こうに向けて問いを投げかける。

上条「違いますっ! バスタオル持って来たんだよ!」

わずかに開けられた扉の隙間から、先程まで干してあった真っ白いタオルが投げ入れられた。

キャーリサ「そ、そーか……ありがとう」

上条「あ、ああ……」

それを拾い上げ、礼を告げると、扉の向こうからぎこちない声が聞こえた。
顔を見ずとも照れていることが丸わかりだった。

キャーリサ「……とーま」

そんな彼の態度が我慢ならぬほどにむず痒く、愛らしく思えたキャーリサは、意を決したように唇を一度噛みしめると扉に飛びつくようにしてそれを開いた。

上条「うわぁっっ!!!!」



367:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 00:28:58.77 ID:ksmiMOd0o

裸のままの彼女の姿を見て、上条は飛び上がって驚愕する。
そんな状態で出てくるなど、彼は夢にも思わなかったのだ。

キャーリサ「……化け物に出くわしたような反応は止せ……正直凹むし」

少しくらいは照れてほしいが、必死に目を逸らされるのも悲しい複雑な乙女心。
30を目前にした女が乙女などと言うと笑われると思いながらも、キャーリサは正真正銘の乙女なのだからいいだろうと自らに言い聞かせた。

上条「そ、そんなつもりじゃないですよ……? 上条さん耐性が無いもので……」

顔を明後日の方向に向けながら、ブツブツと弁解をする上条。
その言葉を遮るように、キャーリサは震える声で言葉を紡いだ。

キャーリサ「こ、こっちを見ろとーま……」

キャーリサのその言葉に、上条の肩が跳ね上がる。

上条「ええ? だ、だってキャーリサ今裸なんじゃ……」

耳まで赤くしながらチラチラと彼女の方に視線を送っている。

キャーリサ「構わないの……見て、欲しいし」

キャーリサにとっては一世一代の告白だった。
あれこれ悩むのは好きでは無いが、意外と繊細で生真面目なキャーリサはそれでも悩んでしまう性分だった。
それを自覚し、克服したいと考えていたキャーリサにとっては、さほど不自然な行動でも無い。
悩むよりも、本人に訊いた方が速い。
そんな理由で彼女にとっては十分だった。



368:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 00:30:51.41 ID:ksmiMOd0o

上条「え……?」

キャーリサ「わ、私はお前の目にどー映るの!?」

ましてや日に日に想いを積み重ねる相手。
恥ずかしくはあっても、嫌であろうはずが無かった。
そして思い切って尋ねる。

上条「あ、あの……?」

キャーリサ「正直に答えよ……。私は……その……そそるか?」

上手く言葉に表せなかったが、結局はそういうことなのだ。
上条当麻という一人の男にとって、キャーリサという女に魅力を感じることが出来るのか?
彼女が知りたいのはただその一点だった。

上条「は?」

キャーリサ「わ、私を抱きたいかと聞いてるの! 速やかに答えよとーま!」

呆ける彼に詰め寄る。
胸も、二の腕も、お尻も、太股も、全てを曝け出してキャーリサは答えを問う。
彼女が求めていたのは、そうして得ることの出来る希望では無かったのかもしれないが。

上条「は、はい……とっても魅力的だと上条さんは思いますが……」

キャーリサ「ほ、本当だな……?」

その答えを聴いて。キャーリサは胸を撫で下ろすと同時に言い知れぬ不安も感じていた。



369:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 00:32:32.91 ID:ksmiMOd0o

上条「当たり前だろ……何言ってんだよ……」

もやもやと胸に立ち込める黒い暗雲。
その意味を彼女は理解していたが、上手く言い表すことは出来なかった。

キャーリサ「ん、悪かった……閉めていーぞ」

彼が女性として意識してくれることは嬉しかった。

上条「あ、ああ……新手の生殺しか……?」

しかし。

キャーリサ「そーだ」

冗談めかして応えるキャーリサの胸中はただただ複雑だった。

上条「ひでぇ! さっさと風呂入れよ、風邪ひくぞ」

キャーリサ「ふふっ、覗くなよ」

上条「覗きませんっ!」

毎日のように繰り返す軽いやりとりで、和やかに扉を閉める。

キャーリサ「…………」

そして彼の顔が見えなくなった瞬間、キャーリサの表情に影が落ちる。

キャーリサ(……参るし。何を聞いているの私は……。勝ち目が無いと分かっていれば、撤退も出来るというのに……)



370:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 00:37:04.19 ID:ksmiMOd0o

いっそ興味の対象ですら無ければ、この共同生活にもさっさと見切りをつけることも出来たかもしれない。
あの少女達と、年甲斐なく張り合う必要も無くなったのかもしれない。

キャーリサ(お前がわずかな勝算をチラつかせるから……私はお前を追ってしまうし)

しかし。
そうはならなかった。
彼がそう応えるしか無かったとしても、その状況を作り上げたのは彼女自身。

キャーリサ(駄目だ、お前と日々を共にするほどに、本気になっていくの)

結局、彼女は上条に想われたくて。
キャーリサ自身だけが彼を意識しているのが辛くて、明確な彼との合意が欲しかった。
一人の少年と、女が、一つ屋根の下で暮らしているのだという事実を確かめ合いたかったのだ。

キャーリサ(とーま……本気にしていいの? )

キャーリサは閉じた扉の向こうに問いかける。
締め付けるように彼女を苛む原因不明の胸の痛みの理由が分かった今、彼女は己の持ち得る全てを賭して戦いに臨まねばならないことを理解したのだった。

キャーリサ(……では征くとするの。弱気はここまでだし。
        例えこの先に待っているものが何であろーとも、これがただひと時の幻想であろーとも、せめてお前に抱いた感情に誠実でいたいの。
        これはあの娘達と私の戦いではない。
  
        お前と私の戦いだ、とーま

        本気にさせたのはお前だし……後悔するなよ……)



371:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 00:38:11.80 ID:ksmiMOd0o

―――学園都市 上条の部屋


上条「よーし、そろそろ寝るぞー」

キャーリサ「お、おー……」 フルフル

上条「あん? どうしたキャーリサ?」

キャーリサ「み、見てくれとーま。スフィンクスが……私の膝で……」

上条「あ、寝ちまったか。いいよ、そのままじゃ立ち上がれないだろ。起こしてくれ」

キャーリサ「可哀想ではないの。それにこれは……か、かわいーなぁ……」 ホゥ…

上条「キャーリサって猫好きなんだ。ライオンとか虎とか好きそうだけど」

キャーリサ「ネコ科でもえらい違いだな。これは誰が見たって可愛いだろー」

スフィンクス「……ナー」 ピョコンッ

キャーリサ「ほら、お前が話しかけるから起きてしまったじゃない」

上条「はは、悪い悪い。でもスフィンクス、キャーリサが餌くれると分かった途端コロッと懐いたな。
    現金な奴だ」

キャーリサ「餌に釣られて動くとは、傭兵のよーだな」



372:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 00:39:54.66 ID:ksmiMOd0o

上条「おい、一瞬アックアが猫耳着けてるの想像しちまっただろ」

キャーリサ「そーいえば奴は傭兵だったな。それこそ猫ではなく獅子の類だが」

上条「あいつがヴィリアンにプロポーズしたって本当か?」

キャーリサ「それは騎士団長のやつが誇張して勝手に言ったことだし。
       ヴィリアンは頭がお花畑だから本気にしてるがな」

上条「おいおい、まずいんじゃないですかそれは。アックアがたまたま立ち寄ったりしたら……」

キャーリサ「どーだろーな。ウィリアムは断るだろーか」

上条「……無言で困ってるアックアが想像つくな」

キャーリサ「……ウィリアムがお前の義理の弟か」

上条「?」

キャーリサ「お前が私の伴侶となれば……」

上条「!?」

キャーリサ「……なんてな」

上条「か、上条さんはまだ高校生ですのことよ! 結婚できません!!」



373:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 00:42:33.47 ID:ksmiMOd0o

キャーリサ「卒業後なら構わんということか?」

上条「い、いやそーいうのは……お互いのことをもっとよく知ってからですね……」

キャーリサ「おー、何が知りたい。答えてやるし」

上条「え、えーっと……そ、それよりアックアが義弟って……」

キャーリサ「意外と仲良くやれるかも知れないし。奴は案外お前のことは嫌いではないと思うしね」

上条「仲良くって……」


    アックア『兄者、トレーニングに付き合うのである』

    アックア『兄者、共に汗を流すのは心地よいものであるな』

    アックア『兄者、サウナに行くのである』

    アックア『兄者、ここの筋肉を触ってみるといいのである。どうであるか?』

    アックア『兄者、ウィリアムと……いや、ウィルと、呼んでほしいのである……』

    アックア『兄者……今日は一緒に寝ても』


上条「ぉおおおおおおお!!!!!!!! らめぇえええええええええ!!!!!!!!!!!」

キャーリサ「ど、どーした」

上条「おぞましいものを想像してしまった……おぉ……それはいかん、いかんですよー……」



374:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 00:43:42.01 ID:ksmiMOd0o

キャーリサ「ではもっと建設的なことを考えると良いの」

上条「建設的? 何だよ」

キャーリサ「例えば……わ、私との新婚生活などどう?」

上条「キャーリサと……新婚生活……ゴクリ」


    キャーリサ『とーま、起きよ、食事の用意をせよ』

    キャーリサ『とーま、美味いし。よく出来たな、ほめてやろーよしよし』

    キャーリサ『とーま、行ってくるがいいの。お出かけのキスでもしてやろーか?』

    キャーリサ『とーま、あの店は何なの? おー! 行ってみたいし! 着いてこい!』

    キャーリサ『とーま、今日の特売は牛乳だぞ。確保出来たし! この私を崇めろ!』

    キャーリサ『とーま、風呂にするの。ふふっ、覗くなよ?』

    キャーリサ『とーま、そろそろ寝るとしよー、こっちへ来い』


上条「あれ、今と大して変わらなくないですか?」

キャーリサ「なっ!」

上条「ん?」

キャーリサ「そ、そーか……私達は既に夫婦と言っていいのか……」



375:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 00:45:50.53 ID:ksmiMOd0o

上条「いやそれはどうだろう」

キャーリサ「じゃなくてもっとあるだろー。夫婦だぞ? 想像の中でなら私に何したっていいんだし」

上条「な、何しても……ゴクリ」


    キャーリサ『とーま……この偉大なる第二王女に永久の愛を誓え……』

    キャーリサ『とーま……我らもそろそろ跡継ぎを作るべき時だと思わない?』

    キャーリサ『とーま……ここまでしているの……わかるな……?』

    キャーリサ『とーま……初めてだし、優しく』


上条「ハッ! な、何でもないですっ!」

キャーリサ「?」

上条(アックアだ……こういうときはアックアを思い浮かべるんだ……鎮まれ俺の幻想殺しっっ!)

キャーリサ「とーま……」

上条「っ!」

上条(キャーリサがいつの間にかこんな近くに……さっき変なこと想像しちまったからな。
    妙に意識してしまうぞ……)

キャーリサ「今日はもー寝るぞ。こっちへ来るの」



376:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 00:47:39.50 ID:ksmiMOd0o

上条「あ、ああ……」

キャーリサ「ふふっ、どーしても我慢できなくなったら胸くらい触らせてやるぞ?」

上条「えっ!?」

キャーリサ「期待してるし、とーま」

上条「……ゴクリ」

上条(ここ2日くらいは大人しかったキャーリサが今日になって積極的になった……。
    上条さん誘われてるのかな……?)

キャーリサ「すっかりこのベッドにも慣れたな。そら、電気を消してくれ」

上条「あ、ああ……わかった」

カチッ モゾモゾ…

上条(いやいや……これこそ見え透いた罠だろ。
    胸なんか触ろうもんなら上条さんの指全部無くなっちゃいます。
    そろそろ学習しないとな……)

上条(でも今日は一段と胸が強調されてたな……。あんなパジャマも買ってたのか……。
    あの柔らかそうな膨らみは上条さんには刺激が強すぎて悶々とします)

上条(いかんいかん、アックアが一人、アックアが二人、アックアが三人……冷静になれ……)

上条(あー!!! 寝れねぇえええ!!!!!!)



377:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 00:49:12.80 ID:ksmiMOd0o

―――


キャーリサ(ちょっと誘い方が露骨すぎたか……?)

キャーリサ(いや、こいつかなり鈍感だし。これくらいで丁度いいはずなの)

キャーリサ(私は構わないのとーま。手を出して来い。
       さすがにヴァージンをくれてやるにはまだ少々早い気もするが、胸や尻くらいなら触ってもいいし。
       さー、愛と欲望のままに突っ走るがいい。ここは年上の私がリードしてやるし)

上条「……」 ソワソワ

キャーリサ(悶々としてるのは伝わってくるし……。
       とーま、そんなに我慢しなくてもいいんだぞ)

上条「……」 モゾモゾ

キャーリサ(なかなか辛抱強い奴だし……。どれ、ちょっとすり寄ってやろー) ピトッ

上条「!」

キャーリサ(ふふっ、動揺してるの……辛抱たまらんだろー? 来い、とーま)

上条「スー……ハー……」

キャーリサ(くっ……深呼吸とは……冷静さを取り戻そうと必死のよーだし。
       ならばその鼻と口に私の髪を押し当てるまでよ) グッ

上条「!」

キャーリサ(どーだ。良い匂いがするか? こんなこともあろーかとシャンプーもトリートメントも念入りにしてあるし。
       ムラッと来るだろー? 今なら許してやるぞ)



379:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 00:50:31.26 ID:ksmiMOd0o

上条「クンカクンカ……フゥ」

キャーリサ(逆に落ち着かせてしまったか……? 汗の匂いとかのほうが興奮したんだろーか?
       手ごわい奴め……)

上条「…………」

キャーリサ「……?」

キャーリサ(反応が……ま、まさかこいつ……)

上条「スピー……」 zzz…

キャーリサ(寝やがっただと……お、おい……私の高ぶった気持ちはどーなる……)

上条「スピー……」 zzz…

キャーリサ(くっ……可愛いし……スフィンクスに負けずとも劣らないの……。
        あーっもうっ! 私が我慢できないのっ!) ピトッ ギュッ!

上条「コォォオ……」 zzz…

キャーリサ(あー……落ち着くし……。だが許さんぞとーま……私のせっかくの好意をお前……)

上条「……ムニャムニャ」 zzz…

キャーリサ(……まーいい。説教は明日だ。ふふっ、先に寝た罰だし。勝手に腕枕にしてやるの。
       腕の感覚が無くなるまで使ってやるから覚悟するがいい)

上条「ウーン……」 zzz…

キャーリサ(おやすみ、とーま)



380:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 00:52:28.09 ID:ksmiMOd0o

6日目

―――学園都市 上条の部屋

チュンチュンチュン…

キャーリサ「起きよとーま。お前は私に何度起こされれば気が済むと言うの?
       いー加減にしないと王女の逆鱗に触れるぞ」 ギュムッ

上条「うむっ!! な、なんだっ……!?」

キャーリサ「お前が何度言っても聞かないからな、オシオキだし。
       あ、もしかしてお前顔踏まれて興奮するタイプの奴か? それは困ったの」

上条「あ、あの……」

キャーリサ「ん?」

上条「パ、パンツが見えております王女様……」

キャーリサ「見せてるんだし馬鹿者。朝なんだからどーせ勃ってるだろー?
       そっちも踏んでやろーか」

上条「上条さんを開発しようとするのやめてもらえませんか」

キャーリサ「ふん、では支度を整えて朝食にせよ」

上条「? な、なんか怒ってるか?」

キャーリサ「……怒ってなどいない!!」



381:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 00:53:46.39 ID:ksmiMOd0o

上条「えー……。でも何か雰囲気が棘棘し……」

キャーリサ「うるさいっ! お前が悪いんだし!」

上条「上条さんてばまた何かしちゃったんでしょーか……?」

キャーリサ「何もしなかったのが悪いの」

上条「は?」

キャーリサ「ふんっ、遅刻するし。早くせよとーま」

上条「お、おう……?」

キャーリサ「今日は私も出かけるの」

上条「おいおい、もう学校は……」

キャーリサ「誰がお前のいる学校など行ってやるものか。
       そーではない。帰国するにあたって、土産でも物色しよーかと思ってるの」

上条「あ、もう帰るのか?」

キャーリサ「お前次第だし」

上条「俺? どういうことだよ?」

キャーリサ「とーま、共に英国へ渡るの。お前を……母上に紹介したいし」



382:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 00:54:45.69 ID:ksmiMOd0o

上条「女王様に? いや知ってるし、お前の姉ちゃんも妹も」

キャーリサ「そーではなくて……その、そーいう意味だ」

上条「そういうって何だよ」

キャーリサ「だぁ! まどろっこしい! お前それ本気で言ってるならビョーキだし!」

上条「人を病人扱いすんなよ。ちゃんと話してくんなきゃ分からねぇっての」

キャーリサ「だ、だからっ!! 私と―――」

ピンポーンッ…

キャーリサ「っ……」

上条「誰か来たみたいだな。はーい今開けますよーっと」

スタスタスタ…ガチャッ

御坂「おっはよー♪ 一緒に学校行かなーい!?」

五和「おはようございます上条さんっ! 朝ごはんいかがですか!?」

上条「うわっ! な、なんだ二人とも!」

ダッダッダッダッ!

キャーリサ「待つがいい! お前達、何をしているの!」



383:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 00:59:02.31 ID:ksmiMOd0o

御坂「あらオバサンいたのー? こいつ今から学校だから迎えに来たのよ文句ある!?」

五和「上条さんこれから学校なのに家事するの大変ですよね! あと私がやっておきますから!
    夕飯も作って待ってますし! お昼のお弁当もこの通りですっ!」 ズィッ!

上条「お、落ちつけ二人とも」

キャーリサ「ふんっ。来い、とーま。食事を続けるの」 グイッ

上条「おわっ! 引っ張るな! 首締まるだろ!」

御坂「ちょっ、まだ話終わってないわよ!」

五和「上条さんを独り占めしないでくださいっ」

キャーリサ「キャーキャー五月蠅い小娘達だし。朝くらい静かに出来ないの?
       見苦しーの」

御坂「なっ……よ、余裕ですって……?」

五和「完全に馬鹿にされてますね……」

キャーリサ「馬鹿者。功を急ぎ過ぎだ。『私達の』生活に土足で踏み込むな、鬱陶しーな。
       とーま、本当に時間が無くなるの、私も手伝うから速やかに朝食を準備するぞ」

上条「何の話なんだか……。まぁとりあえずそれが先決だよな。
    なぁ、お前らも食ってくかー?」



384:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 01:01:33.79 ID:ksmiMOd0o

キャーリサ「っ!!」

御坂「ふっ……墓穴掘ったわね。うん、食べる食べるー!」

五和「チャンスですねっ……いただきます上条さんっ!」

上条「いいよなキャーリサ?」

キャーリサ「……構わないの。子供の食事の用意くらい、つ、妻の役目だし」

上条「えーと卵卵っと……」

キャーリサ「……むー……」

御坂「プッ……ねぇ、私も手伝おっかー?」

五和「わ、私も」

上条「いやこのキッチンそんな広くねぇし、座って待ってろよ、お客だろ」

御坂「う、うん……チッ、こんなこともあろうかと可愛いエプロン持ってきてたのに」

五和「上条さんとドキドキ密着お料理が……」

キャーリサ「ふっ……」

御坂「くっ!」



385:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 01:02:30.97 ID:ksmiMOd0o

キャーリサ「とーまとーま」

上条「ん?」

キャーリサ「指を切ってしまったの。舐めろ」

上条「ええっ!?」

御坂「!」 ガタッ!

五和「!」 ガタッ!

キャーリサ「痛くてかなわんし。お前の治療が必要なの」

上条「い、いや自分で……」

キャーリサ「お前に舐めて欲しーの……駄目か?」

上条「だ、駄目じゃないですっ!」

キャーリサ「いー子だなお前は。そら」

上条「はい、失礼します……」 ドキドキ…

チュパ… チュプ… ペロペロ

キャーリサ「ぁっ……気持ちいーぞ、んっ……とーまぁ……」 



387:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 01:04:40.14 ID:ksmiMOd0o

上条「か、上条さんは何をさせられているんだ……」 ペロペロ

五和「あ……あわわ……」 ドキドキ…

御坂「そ……そこまでやるの……? この女馬鹿じゃないの……」

上条「こ、これでよろしいでしょうか……?」

キャーリサ「……ん、ごくろー。……パクッ」

上条「っ!? そこはい、今上条さんが舐めてたところですよー……?」

五和「!」 ガタッ!

御坂「!」 ガタッ!

キャーリサ「チュパッ……ふふっ、お前の味がするの」

上条「お、おお……」 ドキドキドキドキドキ…

キャーリサ「言っている間に朝食が出来たし。とーま、ドキッとしたか?」

上条「そ、そりゃもう……」

キャーリサ「そーか。ならいいし」

五和「ど、どういうことですか……私達いること忘れられてませんか……?」

御坂「あの年増ァ……あ、諦めないわよ……!」



388:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 01:06:17.39 ID:ksmiMOd0o

キャーリサ「そら小娘共。食事だ、心して食べよ」

御坂「くっ……」

五和「御坂さん……ここは私達の敗けのようです……次のチャンスを待ちましょう」

御坂「そ、そうね」

上条「二人ともいつの間にそんなに仲良くなったんだ?」

五和「お気になさらず。共同戦線のようなものです」

御坂「共通の敵がいるからね」

上条「?」

キャーリサ「気にするなとーま。子供の戯言だし」

御坂「うー……っ」

五和「この余裕……年の功ですか……」

キャーリサ「ふふん、私と張り合おうなどと、10年早いの」



389:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 01:08:33.64 ID:ksmiMOd0o

―――学園都市 大通り


上条「やべー……遅刻だー……」

御坂「わ、私だってそうよ! あんたの所為だからね!」

上条「なんでだよ」

五和「上条さん、バイクでも借りてお送りすればよかったですね」

上条「いやそこまでしなくても……」

御坂「あ、ね、ねぇ……」

上条「あん? 何だよ御坂」

御坂「明日の休みって暇? もしよかったら私と……」

五和「なっ!」

キャーリサ「すまないが、明日は暇ではないし。
       私と楽しく遊びに出かける予定があるの」

上条「え、そうだっけ?」

キャーリサ「休みの日くらい一日中一緒にいて欲しーし」

御坂「ちょっと! あんたは引っ込んでなさいよ!」

キャーリサ「うるさいぞ小娘。中学生の考えるデートなど、どーせジャンクフードでも貪ってあても無く街を彷徨うだけだろー? くだらん」



391:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 01:12:02.55 ID:ksmiMOd0o

御坂「な、何よ、それの何がいけないの! それじゃあんたには何が出来るってのよ」

キャーリサ「そ、それは……」

御坂「ははぁん、もしかして何も思いつかないとかー?
    そーいや初めてがどうとか昨日言ってたわよねぇ? その年でデートもしたことないなんて……
    ぷぷっ、人の事子ども扱いして恥ずかしくないのかしら?」

キャーリサ「そ、そーいうお前はしたことあるのか!?」

御坂「えっ!? い、いや……も、もちろんあるわよ!!」

キャーリサ「なん……だと……?」

御坂「み、見なさいよこのストラップ」

キャーリサ「何だそれは……まさか!?」

御坂「そーよ。あ、あいつとペア契約したカップル限定のゲコ太ストラップなんだからね!」

キャーリサ「そ……んな……私だってまだペアの物など持っていないのに……」

御坂「分かった? あ、あいつと私はそれくらい仲が良いのよ。ちょっと一緒に住んでるくらいで彼女面しないでよね……!」

キャーリサ「た、確かにペアの品物は持っていないが、別に私は行く場所が思いつかないわけではないし……!
       お前達に着いてこられてはかなわんから、内緒にしてるだけだし!」

御坂「ほほー? 怪しいわねー?」

キャーリサ「黙れ小娘。遅刻するのではないの? 散れ!」



392:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 01:13:00.48 ID:ksmiMOd0o

御坂「っとそうだったわ。……あれ、五和は?」

五和「上条さん、これ、先ほど渡しそびれたお弁当です。よかったら食べてください」

上条「助かるよ五和」

五和「い、いえ……あ、キャーリサ様たちお話が盛り上がってるようなので学校まで私がお送りしますね。行きましょう」

上条「ん? そうだな、時間もないし……」

御坂「待ちなさいっ! 抜け駆けしてんじゃないわよ!」

キャーリサ「そーはさせないし天草式!!」

五和「ちっ……」

上条「えーっと……もういいか?」

キャーリサ「あ、わ、悪かったの。急げとーま。……それから明日のことだが……」

上条「分かってるよ、せっかくだしどっか行こうぜ」

キャーリサ「う、うん……分かったの」

御坂「……」

五和「……」



393:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 01:14:13.21 ID:ksmiMOd0o

上条「じゃーな! また後で!」

キャーリサ「……行ってらっしゃい」

上条「行ってきまーす」

御坂「……はぁ、何か疲れたわ……私も学校行こ」

五和「私も……やることがあるので失礼しますね」

キャーリサ「分かったの」

五和「あ、そうでしたキャーリサ様……」

キャーリサ「ん? どーした天草式……あー、五和か」

五和「はい……あの……」 チラッ

御坂「?」

五和「実は……昨日学園都市内でとても強力な魔術師の気配を感じたんです」 ヒソヒソ

キャーリサ「……何だと?」

五和「なので一応お伝えしておこうと思って……お気を付けて」

キャーリサ「うむ……分かったの、教えてくれて感謝するし」

五和「い、いえ。それじゃ私はこれで……」

キャーリサ「うむ」



394:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/11(金) 01:16:56.62 ID:ksmiMOd0o

御坂「かんっぜん遅刻だわ……んじゃね」

キャーリサ「いーから急げ」

タッタッタッ…

キャーリサ「……」

キャーリサ(魔術師……だと……?
       この時期に学園都市を攻めるとは……十中八九私かとーま狙いだろーな。
       しかし誰が……?)

キャーリサ「強大な魔術師と言っていたが……」

??「―――それはきっと私のことであろうな」

キャーリサ「!?」

??「…………」

キャーリサ「お前は……!」

??「……もう忘れたのであるか、先日会ったばかりのはずだが」

キャーリサ「こんなところでお前に会うとは意外だったし。
       だがなるほど、お前は魔術師だったな……――――」




「――――ウィリアム=オルウェルッッッ!」



アックア「……旧友からの頼みである。貴様を英国へと連れ帰らせてもらおう」



464:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:10:53.84 ID:A65Kna+do

―――英国 バッキンガム宮殿


神裂「ア、アックアにキャーリサ王女の迎えを頼んだ……ですか」

騎士団長「ああ。私は今も待機命令が出ている。が、キャーリサ様はカーテナの破片を持っておられるからな。
      まともに打ち合える者と言えば、貴女か奴くらいのものだ」

神裂「それは分かりますが……手荒なことになるのでは」

騎士団長「キャーリサ様が無意味に抵抗しない限りは大丈夫だろう」

神裂「彼女ならするのでは……」

騎士団長「……かも知れないな」

神裂「はぁ……」

騎士団長「まったく。キャーリサ様も何も逃げ出すことは無いと思うのだが」

??「仕方あるまい。急に『あんな事』を言った私も悪かったのだ」

神裂「じ、女王陛下!」

騎士団長「エリザード様。先程も申し上げましたが、あの男を差し向けたので明日にはキャーリサ様もお戻りになられるかと」

エリザード「放っておけばいいものを。と言いたいところだが、事情が変わった。
       早急に連れ戻す必要があるのだ」

騎士団長「何か事件にでも巻き込まれては困……ちょっと待って下さい。今何と?」

エリザード「『例の件』が少々早まることになった。急いて連れ戻させろ」

騎士団長「それはしかし…………いえ、了解しました」

神裂「しかし、何故王女が家出など……。 親子喧嘩でもされたのですか?」

エリザード「ん? ああ、実はな――――」



465:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:13:41.15 ID:A65Kna+do

―――学園都市 とある高校 正門前


ワイワイワイ… ガヤガヤガヤ…

上条「ふう。今日も楽しい学校が終わりましたよっと」

上条(……あれ、今日はキャーリサの奴来てないのか。いつも大体この辺りにいるのに)

上条(あ、けど今日はお土産物色するとか言ってたな。それが長引いてんのかな)

土御門「よーうカミやん。お疲れだにゃー。あれからキャーリサとはどうだ?」

上条「土御門か」

土御門「御挨拶だな。ねーちんからキャーリサが家出してるって今朝聞いたぜい。
     カミやんと随分深い仲になってるって言っといたにゃー。ざまあみろ」

上条「? んなこと神裂に言ってどうすんだよ」

土御門「深い仲ってとこ否定しねぇとは、恐ろしいにゃー」

パタパタパタパタッ!

上条「……ん?」

五和「上条さーんっ!」 タッタッタッ

土御門「五和だにゃー」

五和「あ、ど、どうも……」 ペコッ

上条「どうしたんだそんなに慌てて」



466:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:16:21.04 ID:A65Kna+do

土御門「カミやん迎えに来たとか?
     オラァッ! カミやんぶっ殺してやるぜいっ!!」 ゲシッ

上条「いてっ! なんでだよ!」

土御門「ムシャクシャしてやった。反省はしてない。カミやんが悪い」

上条「ひでぇな……で、何か用か?」

五和「あ、あの……。キャーリサ様がどこにいらっしゃるかご存じ無いですか?」

上条「キャーリサなら土産買いに行くとか言って朝一緒に出ただろ」

五和「はい……あの、上条さんが学校に行っている間、私がキャーリサ様から目を離さないようにと
    女教皇様から指示を受けたんですけど……いないんです」

上条「いない? キャーリサが?」

五和「はい……」

土御門「その辺ほっつき歩いてんじゃないかにゃー。
     元々結構奔放なお姫様ですたい。腹でも空いたら帰ってくるぜい」

上条「だな。買い物に時間かかってんだろ。この前だってセブンスミストで目輝かせながら大人買いしてたぞ」

五和「で、でももう5時前ですよ……? あれから8時間以上経ってるのに……」



467:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:18:57.78 ID:A65Kna+do

上条「言われてみりゃ確かに長いな」

五和「何かあったんじゃないでしょうか……」

土御門「まあ確かに可能性はあるな。カミやんは初対面からタメ口だったらしいから全く気にして無いだろうけど、
     あの女は元々こんなとこウロウロしてる訳がねぇ超VIPなんだぜい。
     誘拐すりゃいくらでも使い道がある訳だしにゃー」

五和「そ、それで、実は上条さんにも話しておこうと思ってたんですけど……」

上条「ん?」

五和「どうも学園都市内に魔術師が入り込んでいるみたいなんです」

上条「何!?」

土御門「それは本当か五和」

五和「ええ……最初は私の気の所為かと思ったんですけど、一応女教皇様にもお伝えしたら王室派と騎士派の方たちにも相談してみるとのことで……正体はまだつかめていません」

土御門「お姫様の家出騒動なんて清教派には関係無ぇことだが、誘拐とかになると面倒なことになるぜい」

上条「じゃあもしかして、キャーリサはその魔術師に攫われたんじゃないか!?」

土御門「有り得るな。どうするカミやん?」

上条「キャーリサはカーテナの破片を持ってるんだ。そう簡単にどうこう出来る奴じゃねぇはずだ。
    まだ間に合うかもしれない!」



469:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:21:01.50 ID:A65Kna+do

土御門「カミやん携帯で連絡とれないのか?」

上条「あ、そ、そうだな! 電話してみる!」 ピッ

土御門「英国王室第二王女の番号が入ってるとは……恐れいるぜい」

五和「確かに……。それより繋がればいいんですが……」

上条「キャーリサ…………」

prrrrrrrrrrrrrrr……!prrrrrrrrrrrrrrrr……!

上条「クソッ、駄目か……」

prrrrrrrピッ!

キャーリサ『おー! どーしたとーま。私の声が聴きたくなったの? ふふっ、帰ったらいくらでも囁いてやるぞ』

上条「……え?」

五和「ど、どうしたんですか!?」

土御門「落ちつけカミやん。まずは居場所を確認するんだぜい。犯人が近くにいるかどうかもな」

キャーリサ『何を呆けた声を出しているの? あー、分かったの。お前私が待っていなかったから拗ねてるんだな。 
       可愛い奴め。いーぞいーぞ、今から迎えに行ってやるの。ちょっと待』

上条「キャーリサ! 大丈夫か!? 今どこにいるんだ!」



470:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:25:12.94 ID:A65Kna+do

土御門「カミやん。助けに行くなら協力するぜい。オレみたいな清教派にとっちゃ、王室派と騎士派に貸しを作るチャンスだ」

五和「私もですっ。上条さん、場所はどこですか?」

キャーリサ『大きな声を出すな。怒ってるの? 今はえーと……おい、ここはどこだ?』

上条「キャーリサ! 誰かと一緒にいるのか!?」

キャーリサ『んー? あっ! ふふっ、もー、お前はほんと可愛いな。ジェラシーか?
       安心せよ、確かに男と一緒だが、これはそんなのではない。私はお前の方が断然気に入ってるし』

上条「何言ってるんだ……もしかして犯人が近くに……? 何かメッセージを伝えようとしてるのか……?」

 キャーリサ『ん? 犯人……? んー? ……あー、成程成程そーいうことか……。では……コホンッ」

上条「キャーリサ?」

キャーリサ『……キャァァァアアアアアアアアア! 助けてとーまぁぁ!!
        今はえーっとここは……第七学区自然運動公園で囚われの身だしっ!!
        わー、滅茶苦茶にレイプされるー! ガチャガチャッドタバタッ!』

ブツッ……ツーツーツー…


上条「おい! 大丈夫かキャーリサ! おいっ!!」

土御門「どうしたカミやん!?」

五和「キャーリサ様はご無事ですか!?」

上条「分からない。でも自然運動公園にいるらしい……助けに行かないと」

土御門「了解だ。学舎の園の近くだな。急ごう」

五和「はいっ!」

上条「ああ、行くぞっ! 待ってろキャーリサ、今行くからなっ!」 ダッ



471:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:26:18.89 ID:A65Kna+do

―――学園都市 第七学区 自然運動公園前


土御門「ここだにゃー」

上条「この公園のどこかにキャーリサがいるはずだ」

土御門「あそこに地図があるな」

上条「……駄目だ、かなり広いぞ」

五和「それに小さくても林のような場所もあります。そう簡単には見つからないかもしれませんね……」

上条「手分けして探すか」

土御門「待てカミやん。まずはあの高台へ行こう。あそこなら公園全てが見渡せる。開けた場所にいないか、先にそれを確認した方がいい」

上条「よし、行こう」

五和「キャーリサ様……どうか無事でいてください……」



472:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:29:20.93 ID:A65Kna+do

―――高台


上条「よし、ここが高台だな」

土御門「キャーリサは外人だし金髪でよく目立つ。多少遠目でも分かるはずだにゃー」

五和「屋外でじっとしているとも思えませんが……」

土御門「魔術的な手段で隠れているなら、外の方が都合が良い場合もあるぜい。
     まずは居場所を探り当てないとな」 スッ…

上条「お、おい土御門! まさかお前魔術を使う気じゃ!」

土御門「大丈夫だって。オレは案外死なねぇからな。それにカミやん、事は一刻を争うんだぜい」

五和「土御門さん……」

上条「すまねぇ……」

土御門「何、オレがやるのが一番手っ取り早いってだけのことだぜい。気にすんなよ」

上条「ああ……」

キャーリサ「ほう、これが東洋の魔術か。珍しーな。どうやって使うの?」

土御門「ああ。まずはこの紙を……ん?」

上条「え」

五和「あ」



473:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:30:53.68 ID:A65Kna+do

キャーリサ「遅いぞとーま。孕まされるところだったし」

上条「えええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!????????」

土御門「あっさり見つかったにゃー……」

五和「だ、大丈夫なんですか!? 命からがら逃げて来られたとか!?」

キャーリサ「あのなお前達。何を勘違いしているのか知らないが、私がいつ命の危機に陥ったと言うの?」

上条「え……だ、だって囚われの身って……」

キャーリサ「お前があんまりにも鬼気迫る声で心配するからだし。
       私も囚われのお姫様というやつをやってみたかったんだ。
       ヴィリアンのようにな」

上条「じゃ、じゃあレイプがどうとか……」

キャーリサ「そんなもん嘘に決まってるし」

上条「」

土御門「」

五和「」

キャーリサ「ふふっ、上から見ていたが、なかなか愉快な見物であったぞ。
       真剣なお前に表情にまた少しときめ――」

パンッッ…!!



474:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:31:51.63 ID:A65Kna+do

キャーリサ「――――!」

五和「か、上条……さん?」

土御門「おいおい、お姫様だぜい……」

上条「お前、俺達がどんだけ心配したと思ってんだよ!」

キャーリサ「お……お前……わ、私に手をあげたの……?」 プルプル

上条「俺の勝手な勘違いだったかもしれねぇけど、土御門はそれで死ぬかもしれねぇ魔術を使うとこだったんだぞ!」

キャーリサ「そ、そんなこと私は知らないし……」

上条「下らねぇ真似すんな。人の不安煽って楽しいかよ?
    お前に何かあったらどうしようって、みんな心配してたんだぞ!」

キャーリサ「…………」

土御門「ま、まぁまぁカミやん。無事だったんだからいいじゃねぇか。
     お姫様の気まぐれに付き合ってやるのも小市民の役目って奴だぜい」

上条「…………」

土御門「おお……カミやんが珍しく怒ってるにゃー……」

五和「そ、そうですよ上条さん。こうして何事も無かったわけですし……」



475:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:33:49.18 ID:A65Kna+do

上条「そういう問題じゃねぇだろ……何か言うこと無いのか?」

キャーリサ「…………すまなかったの……」

上条「分かればいいんだ。帰るぞ」

キャーリサ「とーま……」 スッ

上条「ん?」

キャーリサ「私のこと……嫌いになったの……?」

上条「え……い、いやそういうわけじゃないけど」

キャーリサ「そ、そーか……ならいいの」

上条「お、おう……」

土御門「にゃー。痴話げんかはクソ腹立つから二人だけでやっといてくれにゃー。
     それより、お姫様は誰かと一緒だったんじゃないのか?」

五和「確かに……結局、何されてたんですか?」

キャーリサ「うん? ……あー、奴ならそこにいるの」

五和「え?」

土御門「……っ!」

上条「なっ……!」

アックア「英国以来であるな、上条当麻。貴様とは何かと縁があるようだ……」



476:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:35:43.69 ID:A65Kna+do

上条「ア、アックアッ!!? 何でお前が!」

アックア「こちらにも色々と事情があるのでな。貴様が気に留めることではない」

上条「キャーリサを連れ戻しに来たのか?」

アックア「そうであった」

土御門「あった……ねぇ」

キャーリサ「少々事情が変わったのだ。ウィリアムはお前の学校が終わるまでの間、護衛を務めてくれていただけだし」

アックア「…………」

キャーリサ「睨むな。レイプだの囚われただのの発言が気に障ったの?
       別にお前の名前を出した訳ではないし、いいではないの。
       小さいことを気にするとは、賢者とも呼ばれるお前の底が知れるぞ」

上条「アックアによくそこまで言えるよな……怖ぇって」

五和「もう何だか一周回ってかっこいいですね……」

アックア「……私の役目は一先ず保留としたのである。
      上条当麻、彼女の身の安全は貴様が保障しろ」

上条「え、お、おう。もちろんだ」

キャーリサ「お前のよーな木偶の棒よりとーまの方が余程頼れるし。
       おまけにそこの五和にもお前は負けたのだろー?
       そして土御門はとーまより喧嘩が強いらしーと聞いてる。
       何が身の安全を保障だ。ではこの中で一番弱いのお前ではないの」 グイッムギュッ



477:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:38:43.09 ID:A65Kna+do

上条「っ!」 ビクッ

アックア「ふ……そうであるな」 フッ…

土御門「お姫様、アレをあんまり挑発しないで欲しいにゃー……」

五和「勝てたのなんて女教皇様達や上条さんの力があった上で、ほんとにギリッギリですし……」

上条「キャーリサさん……お願いだからその辺にしといてください……」

アックア「だが事実である」

キャーリサ「くっ、はは、冗談だ傭兵。
       ご苦労であった。私の子供じみた我儘を察してくれて感謝するし」

アックア「…………あくまで保留である。私の立ち入る問題では無いようであるからな」

キャーリサ「ありがたいが、つれないことを言うの。お前は私の義弟になるかも知れない男だし」

アックア「……何の話であるか」

キャーリサ「んー? ふふ、帰りにヴィリアンに会って行くと良いの。あいつの熱っぽい目を見れば分かるぞ」

アックア「つまらぬ話である…………失せろ」

キャーリサ「くっくくくっ、怒るな怒るな。私ではなくお前の旧き友の仕業だしね。
       安心しろ、あの男と喧嘩するときは私はお前を援護してやるからな。二人であの余裕の面をボッコボコにしてやるとしよー」

アックア「……」



478:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:39:46.78 ID:A65Kna+do

上条「何の話だ?」

キャーリサ「聞いて驚け、ヴィリアンはウィリアムが」

アックア「……」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

キャーリサ「……む、これ以上はやめておくの。奴にも限度というものはあるらしいし」

上条「あ、い、いやそうじゃなくて……キャーリサの問題って?
    バンドがどうとかの親子喧嘩じゃないのか?」

キャーリサ「……」

上条「キャーリサ?」

キャーリサ「じき話すの。……そーだな、明日。お前が一日私に付き合ってくれたら、夜にでも話してやろー。
       ……それでお別れだ」

上条「え……」

キャーリサ「そんな顔をするな。今生の別れではないの。一度城に戻ってケジメをつけねばならないしね」

上条「それってどういう……」

キャーリサ「今は聴くなとーま……。もうー少しだけ、私に淡い幻想を見せていて欲しーの」



479:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:40:58.04 ID:A65Kna+do

上条「……?」 チラッ

アックア「…………」

上条「分かった、明日だな」

キャーリサ「うん。お前達も手間をかけたな。食事でも奢ってやろー。何でも良いぞ」

土御門「マジですか。 肉がいいにゃー」

五和「い、いいんでしょうか……?」

キャーリサ「うむ、来い来い。ウィリアム、お前もどーだ?」

アックア「私は遠慮するのである。科学の街の食事は口に合わん」

キャーリサ「意外と繊細なのところがあるの。 まーいい。では焼肉屋というのに行ってみたいの!」

土御門「任せてくれにゃーお姫様、超美味い店があるんですたい」

キャーリサ「そーか、では案内せよ」

土御門「ここぞとばかりに食ってやるぜいっ! ひゃっほう!」

上条「なあ、アックア」 ヒソヒソ

アックア「……何であるか」



480:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:44:59.95 ID:A65Kna+do

上条「キャーリサの家出の原因って……」

アックア「貴様が何を聞かされているのかは知らんが、私から話すことでは無いのである。
      明日真実を知ることになるならば、時を待て。早さが解決することでも無い」

上条「……そうだな。キャーリサを見ててくれてありがとな」

アックア「私は彼女を無事英国へ送り届けることを頼まれた。
      そこに護衛が含まれていただけのことである」

キャーリサ「おーいとーま。早くせよ。私よりその男の方がいいのかー? それはちょっとショックだし」

上条「今行くよ! じゃあな、アックア」

アックア「……ああ」

キャーリサ「まったく、王女を待たせるとは従僕失格だし」

上条「ごめんごめん。焼肉かぁ……一体いつぶりだろう……」 ホロリ…

キャーリサ「泣くほどのことか。お前の食生活ってどんなのだったの……」

土御門「聴くも涙語るも涙だにゃー。隣で暮らしてるオレがいたたまれなくなるくらいの極貧ぶりですたい」

五和「言ってもらえればいつでも上条さんのためにご飯くらい……ブツブツ」

アックア「…………」



481:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:48:09.33 ID:A65Kna+do

―――学園都市 上条宅


上条「はー……食ったー……こんなに肉食ったの学園都市に来て以来初めてかも」 ゴロン

キャーリサ「とーま、だらしがないぞ」 ゴロン

上条「キャーリサだって」

キャーリサ「ここはいかんな。誰も見てないと思うとつい怠けてしまうの。
       宮殿内だとこーはいかんし」

上条「耳が痛いです」

キャーリサ「単純に羨ましいだけだし。こーしてお前と横に並んで寝転がっているだけでも、私には得難い経験なの」

上条「ふーん……あ、今思い出したけど。朝何か言いかけてなかったか?
    ほら、五和達が来る前」

キャーリサ「んー……? ああ……」

上条「話の途中だったからな、何だっけ? 確か女王様達に紹介がどうとか……?」

キャーリサ「……いや、あれはあの時の気の迷いだし。気にするな」

上条「そうか? まあキャーリサがそう言うならいいんだけど」

キャーリサ「うむ」



482:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:49:19.94 ID:A65Kna+do

上条「…………」

キャーリサ「…………」

上条「……キャーリサ」 スッ

キャーリサ「……んっ」 チュッ

チュッ……チュプッ……

上条「……っ」

キャーリサ「んぅ…………ずるいし」

上条「……何がだよ」

キャーリサ「色々すっ飛ばし過ぎだと言ってるの……」

上条「……好きだ、キャーリサ」

キャーリサ「――――っ」

上条「……こ、こういうことだよな……」

キャーリサ「……こんな時だけ察しがいいの……」 ギュッ

上条「だ、駄目か……?」

キャーリサ「お前惚れっぽいのか……?
       正直好きになるのが速すぎる気がするの。
       ……少し心配になるし」

上条「自分でもビックリしてるよ。……まあでも上条さん経験が色々と足りてないので、キャーリサの度重なる誘惑にコロッといかれちゃってるとこはあるけどな」



483:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:50:40.51 ID:A65Kna+do

キャーリサ「ふふっ……何だそれは」

上条「笑うなよ。正直な気持ちだろ」

キャーリサ「そーか。嬉しーの」

上条「……」

キャーリサ「返事が欲しーか?」

上条「いや……その……」

キャーリサ「答えてやるかどうかは明日のお前の頑張り次第、と言ったところか。
       ……もっとも、もう答えは決まっているけど」

上条「…………」

キャーリサ「だがそれまではお預けだし。
       ふふっ、とーま。私を手に入れてみせろ。お前の持つあらん限りの策を弄して」

上条「が、がんばりますよ」

キャーリサ「無論私もそのつもりだし」

上条「えっ……」

キャーリサ「……私は王女だし、欲しいものは手に入れよーと思えばある程度のことまでは不可能ではない。
       だがな……困ったことに、いつも私の欲しいものは、簡単には手に届かぬものなの」



484:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:52:55.17 ID:A65Kna+do

上条「……イギリスのことか……?」

キャーリサ「やはり鈍感だな、お前は……」

上条「面目ないです……」

キャーリサ「……お前が欲しーぞ、とーま。私の数少ない欲望だし。
       だが私は偉大なる英国第二王女。私のものになってくれなどと頼むつもりは毛頭無いの。
       とーま……」

上条「あ、ああ……」

キャーリサ「私のものにしてくれと、お前に懇願させてやりたかったの」

上条「キャーリサがそうしろってんなら俺は……」

キャーリサ「やめよとーま。お前との戦いをそー簡単に終わらせたくは無いの。
       これが終われば私は……」

上条「キャーリサ……お前何か隠してるのか?」

キャーリサ「隠している」

上条「や、やけにあっさりなんですね」

キャーリサ「嘘をついてお前に殴られた。だからもうお前に嘘はつかないし」

上条「あ、ご、ごめんな。痛かったよな……」

キャーリサ「許さん。許さないしとーま。私を二度も殴ったのはお前と母上だけだ。
       …………許さないの」 クスッ

上条「も、申し訳ありませんでした。上条さんどう責任をとればいいやら……」



485:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 01:55:41.29 ID:A65Kna+do

キャーリサ「……ふふっ、お前はずるいな、とーま」

上条「え……?」

キャーリサ「すまんが、今は話せん」

上条「そっか……」

キャーリサ「悪く思わないで欲しーの。話せばこの幻想は終わり、魔法の解けたシンデレラはただの惨めな娘となる。
       お前はガラスの靴も無く、私を救い上げることが出来るのか?」

上条「意味が分からねぇよ……」

キャーリサ「そーそー都合良く、王子様は迎えになど来てはくれんということだ。
       故に私は自らの力でそこから脱しようとしたの。もっとも、そんなことをしても何も変わらなかったと、今日知ったのだが。
       ……つまらん話をしているの。安心しろ、この話の結末は、誰も不幸にはならない」

上条「……お前もだよな?」

キャーリサ「そーだ。とーま……私を朝まで抱き締めよ。
       優しい幻想は幻想のまま、英国へと持ち帰りたいし」

上条「あ……ああ……分かった」 ギュッ

キャーリサ「男に抱き締められるなんて……生まれて初めてだし」 グッ

上条(思ったよりずっと華奢だな……年上だし何か偉そうだから大きく見えてたけど……ただの女の子と変わらないじゃないか……。 
    考えてみりゃ当たり前か……。キャーリサ、お前、何隠してるんだよ……こんなに震えてるくせに……)



486:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 02:01:42.86 ID:A65Kna+do

キャーリサ「一回りも年下の少年に体を預けるとはな……妙な気分だし」

上条「上条さんは何度も言うように年上のお姉さんが好きなのでむしろ御褒美ですよ」

キャーリサ「年上年上言うな。少し凹む」

上条「言い出しっぺはお前だろ」

キャーリサ「はははっ、そーだな。とーま、明日はどこへ行こう」

上条「ん……そうだなぁ……」

キャーリサ「どこへでも行くぞ、お前となら。特別なことなど無くて良い。
       ただ私が生涯忘れ得ぬよーな、そんな一日にして欲しーの」

上条「分かった」

キャーリサ「……良い返事だし。このまま寝たいところだが、シャワーくらい浴びんとな。
       焼肉くさいし」

上条「だな……よいしょ……ん? おい、離してくれなきゃ起き上がれねーよ」

キャーリサ「……もう少しだけ」

上条「……まあいいか」

キャーリサ「ふふっ……温かいぞ、とーま。こんな時はその……何だ。柄にも無く言ってしまうな……使い古された言葉だ」

上条「何を?」

キャーリサ「このまま時が止まれば良いのに」

上条「――――!」

キャーリサ「……時を止めてくれ、とーま。お前なら出来る……」

上条「上条さんは無能力者なので……ごめんな」

キャーリサ「そーではない。簡単なことだ。……むしろお前にしか出来ん」

上条「えーっと……どうすりゃいい?」

キャーリサ「こーするんだ……」 スッ

上条「えっ……――――」



489:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 02:03:25.51 ID:A65Kna+do

番外編

【焼肉】

ワイワイワイ…ガヤガヤガヤ… ジュージュー…

土御門「美味そうだぜい! ハラミいただきっ!」 ヒョイパクッ

五和「上条さん、そろそろこちらが焼けますよ」

上条「お、ありがとな。五和も焼いてばっかいないで食えよ。ほら」 ヒョイッ

五和「あ、ありがとうございます……。上条さんと間接キス……」 ボソボソ

キャーリサ「…………」

上条「あん? どうしたんだキャーリサ。俺の顔に何か着いてる?」

キャーリサ「あー着いているぞ、いやらしくて許しがたいものだ。
       まーそれよりとーま。食べさせてやるの。あーん」

上条「い、いーよそんな……」

キャーリサ「遠慮するな。ほれほれ」 グイッ

上条「あっづー!! それ熱い!! ぎゃぁぁぁああああああ!!!!」

キャーリサ「ふんっ」 パクッ

土御門「はははっ。あーあ、カミやん死ねばいいのににゃー」

上条「お前まで何怒ってんだよ」



490:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 02:05:13.50 ID:A65Kna+do

土御門「分かって無いとこが超腹立つぜい。こっちのホルモンいただきっ!」 パクッ

キャーリサ「こら土御門。それは私がとーまのために育てていたの!」

土御門「もぐもぐ。もう食っちまったにゃー。焼肉ってのは戦争なんだぜい」

キャーリサ「ほほー……」 ピクッ

上条「バカっ、キャーリサ煽るようなこと……!」

キャーリサ「よかろー。受けて立つの。ほら、これを食べろ土御門?」 ポィッ

土御門「? ありがたくいただくぜい」 パクッモグモグ

キャーリサ「今だ! とーま、こいつを食え! 私の育てた特上カルビだしっ!」

上条「お、サンキュー」 パクッ

土御門「むぐっ、しまった! そいつを狙ってたのに!」 

キャーリサ「ふっ、箸を伸ばしても遅いわ。貴様が今食べたのは安い上ミノ。噛んで飲み込むには少しばかり時間がかかるし」

土御門「甘いぜい! こんなもん無理矢理飲み込めば……」

キャーリサ「今だし! そのお冷にトラップを仕掛けるのっ! こいつを食らえっ!」

土御門「むぐっ! ……か、辛ぁぁああ!!! テメェ今何突っ込みやがったぁああ!!!」

キャーリサ「豆板醤だし。さー、とーま。こっちの特上ロースが焼けたの。安い肉は土御門に任せてお前は」



491:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 02:06:11.62 ID:A65Kna+do

五和「上条さん、サラダ入れましょうか?」

上条「お、悪いな。さすが五和、気が利くな」

五和「えへへ、慣れてますから。はいどうぞ」

上条「何だか盛り付けまで女の子っぽいぞ。五和に入れてもらったっと思うと余計に美味しそうに見えるなー」

五和「そ、そんなそんな! でも嬉しいです。あ、網焦げてますね。すみませーん、網変えてくださーい」

上条「出来る子だ……一家に一人欲しい逸材だな」

五和「いえいえそんな。ふふっ、でも嬉しいです」

キャーリサ「……」

五和「あ、グラス空ですね。何か飲みます? 」

上条「んー? ウーロン茶で。五和も食えよ。上条さん焼くから」

五和「いえ、いいんです。焼きながら食べてますし、そんなにたくさん食べる方じゃないので」

上条「そーか? あ、キャーリサ、お前は何か飲み物」

キャーリサ「ツーン」 プィッ

上条「は?」

キャーリサ「ツーン」 プィッ

五和「も、もしや拗ねておられるのでは……」 ヒソヒソ



493:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 02:07:27.01 ID:A65Kna+do

上条「な、何で……?」 ヒソヒソ

五和「そ、それはその……私と上条さんが恋人のように見えたからですよ」

上条「えっ!?」

キャーリサ「おい五和! いくら何でも盛りすぎだし! せーぜー仲の良い友人程度だし!」

五和「チッ……ほ、ほらキャーリサ様も。お食事が進んでいませんよ。この焦げたハラミでもいかがですか?
    発がん性物質も含まれてるお得な一品ですよー」

キャーリサ「いらん! 私はとーまが食べさせてくれなきゃ食べないの!」

上条「おい、どういうことだそれ」

キャーリサ「あーん」

上条「えー……」

キャーリサ「あーんっ!!」

上条「わ、分かったよ……ほら」

キャーリサ「むぐっ……むぐむぐ……うん、美味い」

上条「お前もっといいもん普段から食ってるだろ」

キャーリサ「違うし。……お前が食べさせてくれるからだし……」



494:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 02:09:38.10 ID:A65Kna+do

上条「うっ……そ、そうですか……」

キャーリサ「うむ……」

土御門「あー……オレらのこと忘れてるんじゃないかにゃー……」

五和「キャーリサ様の攻めは苛烈過ぎます……すぐ持ってかれちゃいました……」

土御門「五和もあれくらい積極的にいかないとにゃー。ま、オレはねーちん派だから手助けはしないぜい」

五和「わ、私には無理ですよあれは……たぶん女教皇様にも」

土御門「いやいや、案外……お?」

ワイワイ… スタスタスタ…

上条「ん?」

禁書「あ」

結標「あら、また会ったわね」

土御門「おー、結標ー」

結標「げっ……何で」

土御門「げっ、とは御挨拶だにゃー」

小萌「上条ちゃんもここでお食事なのですか? ここ結構高いのですよー」

上条「いえいえ小萌先生。今日はキャー……ゲフンゲフン、キャサリンという強い味方がいるから大丈夫ですっ!」



495:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 02:11:33.07 ID:A65Kna+do

キャーリサ「財布のような扱いはやめよ。腹立たしーぞ」

上条「滅相も無い。土下座しないと奢らないと言うなら上条さん何のためらいもなくしますよ」

禁書「とーうーまー! もしかして私がいないのを良い事に毎日こんな美味しいもの食べてるんじゃないのかな!?」

上条「そ、そんな訳ないだろ! なあキャ、キャサリン!」

キャーリサ「うん。こんなものより余程美味いものを食べさせてもらっているし」

禁書「ずるいんだよ! 小萌がいない時私はあわきの今一つなご飯で我慢してるっていうのに!
    ぶっちゃけ料理の本見ながら私が作った料理の方が美味しかったんだよ!」

小萌「確かにそうでした」

結標「ちょっと。微妙に凹むんですけど」

キャーリサ「何を言う。お前はずっと食べて来たんだろー?」

禁書「ふぇ?」

キャーリサ「私が毎日食べているのはこいつの手料理だ。見てくれは大したことないが……愛が詰まっているし」

五和「なっ!」

小萌「ふぇっ!」

上条「っ!?」



499:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 02:12:58.64 ID:A65Kna+do

禁書「と・う・まぁあああああああ!!!!!!!?????????
    愛情ってどういうこと!? 私の時にはきっとたぶんそんなの入れてくれてなかったよね!?
    やっぱり私がいないときキャーリサとイチャイチャしてるの!? ちょっと詳しく説明してもらいたいかも!!」

上条「誤解だって! 愛情ってどうやって入れるんですかー!? つか名前! 名前言ってる!」

小萌「あの上条ちゃん、今キャー」

上条「あああああああああああああ!!!!!!!!!! 久しぶりにインデックスに会えて嬉しいなぁああ!!! 
    よーし一緒に食おうぜぇええええ!!!!!」

禁書「え? そ、そう……? そこまで言うなら一緒に食べてあげてもいいんだよ!」

キャーリサ「うむ。一人二人増えよーが構わないの。運がいーなお前達。今日は私の奢りだし」

禁書「な、なんだか見た事の無いお肉がテーブルにズラリと並んでいるんだよ!
    これは一体何なのかな!?」

上条「ああ、上条さんも初めて見るんだ。知ってるかインデックス?
    これ……霜降りって言うんだぜ?」

土御門「哀しくなってくるにゃー……」

五和「上条さんほんと苦労されてるんですね……」

キャーリサ「? 普通こーではないの? やけに赤味の肉がスーパーで売っているなと思ってはいたが……」

上条「そしてインデックス。このお人が今から俺達に霜降り牛を食べさせてくれる神様だ。
    多少腹の立つ言動もあるが基本的に神様だ」

禁書「ありがとうなんだよキャーリサ!! 私、キャーリサの家の子になりたいんだよ!」

上条「だから名前……もういいか……」



500:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 02:15:53.87 ID:A65Kna+do

キャーリサ「別に毎日肉は出てこないし」

禁書「イギリスの王室なら、きっと古今東西ありとあらゆる美食が味わえると思うんだよ!
    キャーリサ、一ヶ月くらい泊めて欲しいんだよ!」 キラキラキラキラ

キャーリサ「何を想像しているか知らんが王室とは言え決して贅の限りを尽くしているわけではないぞ……」

土御門「ってかもうイギリス王室とか言っちまってるにゃー……」

小萌「……????」

上条「良かった……半信半疑のままみたいだ」

五和「普通信じないですよね……英国の王女様が学園都市で焼肉食べてるなんて」

結標「どうでもいいけど隣の席座っていいの?」

キャーリサ「おー座れ座れ。こーいう食事は人数が多い方が楽しいだろー」

小萌「キャサリンちゃん。先生も半分出させてもらうのです! ここは大人のお姉さんに甘えるといいのです!」

キャーリサ「大人……の?」

土御門「そこは深く突っ込んではいけないにゃー」

キャーリサ「そーか。別に気にすることはないぞ」

小萌「いえいえ! 大人ですからっ!」 ドンッ

キャーリサ「そ、そーなの……?」

結標「気にしないで。貴女に張り合ってるだけだから」

キャーリサ「?」

五和「ではお肉を追加しましょうか」

キャーリサ「そーだな。とーま、その間私達は先ほどの続きをするの」



501:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/03/15(火) 02:17:10.39 ID:A65Kna+do

五和「むっ……」

小萌「何ですか?」

禁書「? ねぇ、続きって何?」

上条「わ、馬鹿っ!」

キャーリサ「バカとは何なの。そら、さっきのお返しだ。とーま、あーん」

禁書「!?」

上条「そ、それは……」

キャーリサ「あーん」

上条「う……パクッ」

キャーリサ「美味いか?」

上条「はい……ムグムグ……美味しいです」

キャーリサ「そーか。よかった」 クスッ

禁書「……とうま」 ボソッ

上条「!」 ビクッ

禁書「私、お肉の前に食べたいものがあるんだよ」

上条「何でしょうインデックスさん……」

禁書「それはね……」

上条「ゴクリ…」

禁書「とうまの頭なんだよっっっっ!!!」 ガブッ

上条「ギャァァァァァァアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!
    不幸だぁぁぁぁあああああああああああ!!!!!」!!!!!!!!!!!!!!!」


キャーリサ「家出してきたし」上条「帰って下さい」【後半】



転載元
キャーリサ「家出してきたし」上条「帰って下さい」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1299084274/
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