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美琴「こ、これで…いい?」上条「おぉ…これは……っ!」

1: ◆jPpg5.obl6:2011/05/05(木) 21:52:29.09 ID:DOUy4DoAO

・美琴病から重度の上琴病を併発してます
・上条さんには弱いツン坂さん。
・ちょっとスケベなエロ条さん。
・性描写→二人の愛におよそ必要な分だけ有
・上条さんと美琴さんがいちゃいちゃしてるだけのSS特にオチはありません
(携帯から投下してます読みにくかったらごめんなさい)



4: ◆jPpg5.obl6:2011/05/05(木) 21:59:49.90 ID:DOUy4DoAO

「お…おじゃましま~す」

まだ慣れない扉の鍵を開けて、何の返事も返ってこない部屋になんとなく忍び足で踏み込んだ。

美琴はキョロキョロとあたりを見渡し、落ち着かない様子で手に持っていた荷物を床に置いた。

ビニール袋の中で、スーパーで買った品物たちがくしゃりと崩れる音がやけに大きく響く。

「…なんか…ドキドキするなぁ…」


美琴は靴を脱いで上がり込むと、胸に手を当てて、ポツリと呟いた。

玄関先から、二・三歩進んで部屋の奥へと顔をのぞかせた…
午後、てっぺんまで昇った太陽がだんだんと傾きはじめている。
美琴は、自分がこの部屋に一人で居ることに違和感を感じて仕方ない。

たぶん、それは、いつもは彼と二人で過ごす部屋だから。

なぜ、彼の居ない部屋に一人で訪れることになったのか。

それは、つい先ほど……時間をいくらかさかのぼる―――



6: ◆jPpg5.obl6:2011/05/05(木) 22:05:08.71 ID:DOUy4DoAO

――――…………


「はぁ~…」

美琴はいつもの場所で、上条当麻と待ち合わせをしていた。
まだかなぁと心を浮き立たせ、美琴は彼がやってくるであろう道の先に目を向ける。

恋人同士…なんて、甘い響きの関係になってから、美琴の毎日は彼を中心にまわっていた。

今日もこの約束の時間を目指して一日を過ごしてきた。

そうして、焦点を絞って約束の時間を守ってきたのに…


―――何してんのよ、アイツ…


約束の時間になっても、彼からの連絡がない。手に持った携帯電話がならないことにも苛立ちがつのる。

美琴は気を紛らわせようと手鏡を出して、前髪と花のピンの位置を整える。

この動作もここについてから、何度目だろうと思う。


――――大丈夫かしら?
髪変じゃないかな…
別に、アイツに可愛いって思われたいとか、そういうのじゃないわよ…
そ、そうよ。
女の子の身だしなみだしっ!


頭の中で自分に妙な言い訳をしながら鏡を見終え、また鞄にしまう。

美琴自身、今日はいつもより学校から出るのが遅くなった。思っていた予定が狂い、なんとか狂った予定を取り戻そうとここまで慌てて駆けつけてきたのだった。

結局、約束の10分前にはついていたのだが。


「黒子のやつが余計なことするから…」
お姉様と慕ってくる後輩が、シャワールームで《余計》なこをしてくれたおかげで、ここまで全力疾走するはめになった。


つぅっと、首筋に汗が流れる感触。


(う、走ったから…汗が…
においとか…大丈夫かしら)



8: ◆jPpg5.obl6:2011/05/05(木) 22:11:16.16 ID:DOUy4DoAO

腕を顔に近づけて、くんっと鼻をならしてみる。
自分の匂いなんて、よく分からなかった。

(だ、大丈夫よね…たぶん)

首筋の汗をぬぐって、ふと顔を上げると、慌てて走ってくる少年が目に入った。

「あ、きた!」

美琴は思わず、笑顔いっぱいに声を漏らした。
走ってくる彼の姿に、手を振ろうと腕をあげたのだが…

彼は待ち合わせ時間に遅刻しているのだ。
上条の姿をみて、はしゃいでいるような自分を見せるのはなんとなくしゃくに障る。

「お、遅い!連絡ぐらいしなさいよ、このバカッ!」

素直に、会えて嬉しい気持ちを先に伝えられたらといいのに…と、考えつつも先ほどあげた手をグーにして美琴は怒りを露わに声をあげた。

「す…すまん」

待ち合わせに遅刻をしてきた上条は、美琴にむかってがっちり手のひらを合わせてきた。

「連絡するつもりだったんだけど……ごめん、携帯忘れてきたみたいで…できなかった」

必死に走ってきた様子を見るからに、それは言い訳でなく本当だろうと美琴は納得する。



10: ◆jPpg5.obl6:2011/05/05(木) 22:20:20.50 ID:DOUy4DoAO

遅刻はしたものの、上条がちゃんと来てくれたことに美琴は安堵した。

そう、この男の遅刻なんてさして珍しいことでもないのだ。
美琴は気分を切りかえようと腕組みをし、上条に向かう。

「美琴サマを待たせた埋め合わせはどうしてくれるのかしらっ?
まぁ、今回の遅刻は、あそこのクレープで許してあげてもいいわよ」

フフンっと、公園内に店を構えるクレープ屋をピシッと指差す。
美琴はこのあとの二人きりの予定を、頭の中でもう一度組み直していた。
上条が遅れてきたことなんて、もう実のところは気にもしていない。

これから二人の楽しい時間が始まる。
そんな期待で美琴は心を弾ませ嬉々としていた。

「いや、その…実は、もう一つ謝らなければならないことが…」

そんな美琴とは正反対に、上条の表情は暗く…美琴の顔色を恐る恐るうかがっていた。


―――…嫌な予感


何を言いたいのかと問いたいところだが、きっと自分にとっていいことではないのは彼の表情を見るに明らか。

「………」

美琴が黙って上条を見つめ、次の言葉を待った。

「…補習が……」


―――…またか、またなのか!

「補習を受けなければ…ならなく…なって、しまい…ました」

―――こんのやろー!

今の今まで思い浮かべていた二人で過ごす楽しい時間は音を立てて粉々に、ガラスのように崩れていった。

補習があるからどうするつもりなのか、美琴にとってはこのあとの上条の提案が重要だった。


―――さて、一体このあと……


どうするつもり?



26: ◆jPpg5.obl6:2011/05/06(金) 23:12:58.74 ID:6YKvIrRAO

「そう……ま・た!補習なのね」

「はい、その通りでございます」

『また』のところを、かなり皮肉をこめて言ってやった。

「その……いつ終わるか…わかんねーし。
待たせるのも悪いからさ…また別の日じゃだめか?」

ほんとに嫌な予感は的中。
この男、何も分かっていない。


「もう、知らない!!!」

上条なりに、待たせるのは悪いからと気をつかわせたつもりなのは分かる。
しかし、それは美琴が期待する答えではない。
怒りが沸々とどこかで音をたてている。


「スミマセン……」

その音を感じたのか、上条はただただ謝罪の言葉を口にした。


―――簡単にじゃあ、今日は無しで!別の日で!
なんて、できるわけがないでしょうが!!!!


上条があっさりと、今日の約束を無しにしようとする態度が嫌だった。


―――私との約束なんて、いつでも都合がつくから後回しでも平気ってわけ…?


美琴がそんなひねくれた考えをおこしていると、上条がまたさらに頭を一つ下げた。

「上条さんの日頃の行いのせい…自業自得なのは分かっております…」

頭を下げる上条の姿を見て、本当にもう今日の約束が無くなってしまうのかと悲しい気持ちになってきた。

「…すっごく、すっごく楽しみにしてたのに…」

美琴は、悲しさいっぱいに言葉をこぼした。

上条は、その声に顔をあげた。
美琴の悲しみが伝わってきて、罪悪感がつのる。

「美琴……」

楽しみにしていたのは、上条も同じだった。
その自分の思いを伝えようと、上条は視線に合わせようと美琴の顔をのぞきこんだ。



27: ◆jPpg5.obl6:2011/05/06(金) 23:23:43.13 ID:6YKvIrRAO

「そりゃぁ、俺だって…」
「もう、いいわよ」

美琴が上条の言葉を遮るように言った。

「今日は、無し。私は今から帰る。それでアンタは満足でしょ」

「そうじゃねーって……そんなに怒るなよ…」

美琴は、上条から視線を逸らし唇をキュッと固く閉じている。

すっかりつむじを曲げてしまった美琴の機嫌をどうしたものかと考え、上条がう~んと唸り声をあげた。

「…俺だって…今日一緒に居れなくなるのは…嫌だって思ってんだよ」

「…でも、補習だからダメなんでしょ」

「…ダメって…わけじゃ……はぁぁぁ~」

上条がまた、一際大きく溜め息をつく。

「うん…待たせちまうと思うけど…美琴が良ければ」

上条はすっかり肩をすぼめて小さくなっていた。

「なにが?」

「…補習、できるだけ早く終わらせますから!」


上条の言葉に、美琴の表情が少しやわらいでいく。


「だから………待っててくれるか?」



28: ◆jPpg5.obl6:2011/05/06(金) 23:58:46.57 ID:6YKvIrRAO

言葉とともに美琴の頭の上に上条の右手がポンッと重なる。

「……待ってていいのね?」

頭に置かれた上条の手を美琴は掴んでのけた。
その手を捕まえたまま、笑んでしまいそうになる顔を抑えて上条にの瞳をとらえる。


「その、御坂さんが…良ければ、上条さん家で…待っていてくれると安心です」

「え…」

「嫌か?」

嫌じゃない、むしろ何だかすごい嬉しさがこみ上げてきた。


上条が、ポケットを探りなから鍵をカチャリと取り出して、そのまま美琴に差し出す。

小さな重みが美琴の気持ちを満たしていった。


手に鍵の重みを感じた瞬間。
美琴の頭の中で、また今日2人で過ごす新たなプランが決まった模様。

「……し、仕方ないわね!!夕食でも作ってお風呂も沸かして、あ、アンタの帰りを待っててあげるわよ!!!」


「それは助かりますが…いいのか?」

「仕方ないでしょ!アンタ待ってる間、ぜったい暇なんだから!」

上条は美琴の明るい顔つきに、曲がったつむじも元に戻ったかと安心した表情を浮かべる。

「じゃあ、俺学校戻るわ」

「ちょろっと!」

上条が踝を返して、元来た道を戻ろうとすると、美琴がキュッと制服の裾をつまんできた。

上条が何だろうと、美琴の方に向き直る。

「が、頑張って…早く……帰ってきなさいよね」

「……おう、早く帰れたらご褒美ちょうだいね、美琴さん」

そして、彼はまた急ぎ足で美琴の元をあとにした。


美琴は、鍵をキュッと握りしめて知らぬ間に緩む頬に手を当て、上条の背中を見送るのだった。



37: ◆jPpg5.obl6:2011/05/07(土) 22:20:15.19 ID:Al8qVrqAO

………――――



(…ん?ご褒美?)


上条とのやりとりを思い出しながら夕食の準備をしていた手をピタリと止めた。
美琴は最後に言われた『ご褒美』の意味について考える。


―――ご…ご褒美…
アイツ…わっ私に、何を期待してんのよ…っ!?


ポッと音を立てたように美琴の顔が赤に染まった。
頭の中に浮かんだ良からぬ妄想を振り払うように、首を左右に振る。

美琴は中途半端だった、夕食の準備に戻ろうと手をいそいそと忙しなく動かした。

「は、はい…できたっ!」

上条が帰ってきたらすぐに夕食の用意ができるようにと下準備を整えた後、美琴はふいに時計に目を向けた。

「……いつ帰ってくるんだろ…」


(どのくらい時間かかるのかなぁ…)

思ったより早く準備が整ってしまい時間を少しもて余してしまう。
美琴はとりあえず休憩っ!と、テレビでも見てようかと部屋をうつりベッドにもたれかかるようにして座り込んだ。


「あ、携帯…こんなところに忘れてる」

テーブルの下に転がっている、上条の携帯電話を手に取った。


(…………見たい…)

秘密をたくさん抱えていそうな小さな個体が美琴を執拗に見つめ返す。

『いいモノが入ってますよ~お嬢さ~ん!さぁさぁ、どうぞごらんあれ!』

聞こえるはずない誘惑の声が聞こえてきた気がして、美琴は自分の手におさまる小さなそれを握りしめた。

「だ、だめ!疑ってるみたいでアイツに悪いじゃない」

……と、言いつつ手の中ではしっかりっと携帯電話の待ち受け画面が開かれている。


(何も、無いわよねぇ……?うん、そうよね…少しなら……―――)



38: ◆jPpg5.obl6:2011/05/07(土) 22:46:01.32 ID:Al8qVrqAO

―――――ブーブーッ



「うわッ!!」


手の中でいきなり携帯がうごめいて、美琴の体がビクッとはねた。

「めっメール!?」

自分のゲコ太携帯とは仕様が違い、うっかりボタンを押してしまうとメールが開かれてしまった。

「……あ、開けてしまったわ」

なら仕方ないと言わんばかりに美琴は続けざまにボタンを押した。

決して、態とやったわけではないと自分に言い聞かせる。


―――…これは事故よ!事故!


「相手は、土御門…元春…」

名前を見てどこかで聞いたことがあるようなと、頭に引っかかった。
だが、うっかり開いたメールの内容の方が気になり、その引っかかりはすぐにほどけ落ちてしまった。

「…女の子ではないみたいね」

美琴はとりあえず相手が女の子では無いことにほっと息をついて、メールの内容に目を通した。


それなりに多少の罪悪感を感じつつ。



――――――――
Frm:土御門元春
Sub:無題
****************
カミや~ん
えらく真剣に頑張って
るんだにゃー

そんな頑張り屋さん
カミやんにご褒美を
送りますや~

これみて元気出して
残りの課題も頑張ろ
うぜ~カミやん!


――――――――



「む…ご褒美?」


メールには、データが添付されていた。
何の気になしに、美琴はその添付データを開いてみる。

ボタンを押してそこに、映し出されたのは……―――


「な゛ッ!!!!」

画面いっぱいに女性が大きな胸を強調して、体をしなやかに曲げている写真。
そして、なんとも色っぽい下着を身にまとい…いや、もう寧ろそれは下着としての役目を果たしてはいなかった。



39: ◆jPpg5.obl6:2011/05/07(土) 23:00:02.32 ID:Al8qVrqAO

「なによコレッ!!!!」


―――…アイツ、こんなのが好きなの!?


美琴が取り乱していると、また携帯電話がブルルッと手の中で美琴を呼びかける。

「――…次は何よ!?」

美琴は半ば切れ気味に荒っぽく声をあげると、今度は手慣れた仕草で素早くメールを開く。

受信メールの一覧に先ほどと同じ名前が連なっていた。

「またかっ!!」


――――――――
Frm:土御門元春
Sub:無題
****************

慌てて出て行ったと
ころを見るとカミや
ん硬直状態になった
のかにゃ~?(^o^)/
――――――――


次のメールにも、添付データが。

美琴は恐る恐る、そのデータを開いてみる。


「………」

またまた色っぽいお姉さんが、妖しげに視線を送り…そして、今度は大きく脚を開いた悩殺ポーズを決めている。
(大事な部分はうまく手で隠されているが)

―――アイツ…
やっぱり、胸が大きくて
こういうセクシーな大人な女の人が好みなのね……



自分でもよく分からない怒りが沸き立ちバチッと、電流が体から漏れていた。

「私と…全然ちがうじゃない」


しかし、これが彼の好みの女性なのかと思わされて美琴はシュンと肩を落としていた。

果たして、自分は彼にとって好みの女の子になれているのか……

美琴は急に不安になってきた。



40: ◆jPpg5.obl6:2011/05/07(土) 23:13:26.49 ID:Al8qVrqAO

ふと、美琴はスカートをめくってみた。

「あ、コレ…はいてたら、そりゃあ色気はでないわよね」

美琴は短パンをスルッと脱ぎおろして、今日の下着を確かめてみる。

「さり気ないデザインのつもりだけど…」

今日の下着は小さなドット柄のようにゲコ太が散りばめられているなんとも可愛らしい下着。
美琴はこの下着をかなり気に入って購入したのだが…

「……なんか…これはダメな気がしてきた」

先ほどの画像でのセクシーな下着が判断基準となり、お気に入りの下着も否定せざるをえなかった。
どこかで後輩の、

「だから、その胡散臭いキャラクターもののお召し物は早くやめた方がよろしいと言っておりましたのに」

…なんて言っている声が聞こえた気がした。

「むぅ…だって、仕方ないじゃない好きなんだもん」

誰に言うでもなく、美琴はひとりごちた。
それでも、今この下着をなんとかできないものかと美琴は考えてみる。

(あ!今日シャワールームの荷物そのまま持ってきたんだった!)

後輩に邪魔をされたため、寮に戻らず荷物をそのまま持ってきたことを思い出す。

バタバタと自分の荷物をひらけて、いつも下着を入れているランジェリーポーチを見つけ出した。

(コレよりはマシな下着があるかも!)

せめて、ゲコ太は自重しようと美琴はポーチをあけた。

「……ん?」

美琴の動きがピタリと止まる。
自分の持ち物であるはずなのに、何か違和感を感じた。



47: ◆jPpg5.obl6:2011/05/08(日) 21:57:03.29 ID:hDcUmo9AO

「…見覚えないわよ」

明らかに自分の下着では無いものが、そこには詰め込まれていた。

「………」

一枚引きずり出すと、布面積が恐ろしく小さい刺激的な下着がひらりと現れた。

犯人は確定。


「くっ黒子ぉぉ――――っ!」


自分の下着は黒子の手の内に落ちたのか!?

下着を盗み出して、悦ぶ後輩の姿を想像して美琴は身震いをした。


――――はっ!



「いや……これは、逆にナイスな展開よ。黒子グッジョブ!」

美琴は拳を握りしめガッツポーズを決めた。

自分の下着がどうなったのかは気になるが、とりあえず今は求めようとしている基準の下着がここにあるのだ。

ただ、いくつかは布が小さすぎて…とてもじゃないが、美琴には身につけれそうに無い。

「こ、これなら…いいかも?」

美琴はいくつかある下着の中から、自分にもはけそうなものを選び出した。

「こ・れ………えっと、普通にはいたらいいのよね」

美琴が選び出した下着は布面積も(他の下着と比べて)マシでデザインもシンプル、色も可愛らしいものだった。
一見すれば普通の下着と変わらないと思えた。

「……ひも…」

そう、サイドが紐で結ぶ形になっていることをのぞいては…。



48: ◆jPpg5.obl6:2011/05/08(日) 22:09:03.64 ID:hDcUmo9AO

なんとも頼りない布地の柔らな紐は、可愛らしくリボンの形に結ばれていた。

「まぁせっかくだし…はいてみて…っと」


美琴はその場でゲコ太下着から脱ぎ変え、そのサイドが紐になっている下着にスルリと足を通していった。

「ん!」

そして、ゲコ太を急いで隠すようにまわりに出した荷物と一緒にひとところに片付ける。

「うわ……」

そのままスカートをたくしあげて、自分でその下着姿を鏡の前で確かめた。


―――こ、これは



「アイツ…喜ぶ……かな?」


自分で言うのも何だがよく似合っている。


「…あの写真のオンナのヒトには…負けちゃうかも知れないけど…」

胸も無いしと、心の中でつけ足して…
しかし、それでもなかなかの高評価である。

下着一つで、おかしな話だが…彼の好みの姿に少し近づくことができたようで嬉しく思えた。

「これ、簡単にほどけたりしないわよね…」

サイドの紐の部分がやたらと目についてしまう。この紐はこれからどんな役目を果たすつもりなのだろうか。

「…アイツにほどかれちゃうのかな…」

下着の頼りない紐を指先で遊ばせ、美琴の脳内では……


『お風呂にする?
ご飯にする?』


―――…それとも、


『わ・た・し?』


「きゃ~っっ!そんなこと、言えるかしら!」

なんて、上条の前でこの下着をチラつかせてベタなセリフを言う自分の妄想が広がっていた。
自分のこの姿を見た時の上条の反応に期待が募る。



49: ◆jPpg5.obl6:2011/05/08(日) 22:41:23.15 ID:hDcUmo9AO

「へへ…いきなり、押し倒されちゃったりして…」

美琴は、にやつく口元と熱くなった頬を両手でおさえながら、ふらふらぱたんっとベッドに倒れ込んだ。

「あはは…ヘンなこと考えすぎでしょ…っ!」

自分に対してパシッと空にツッコミを入れて、気を落ち着かせようと美琴は大きく深呼吸をした。

「……あ」


―――…アイツの匂い

美琴はベッドから感じた匂いを確かめるように、もう一度息を吸った。

まるで、上条がすぐそばにいるような錯覚に陥る。



―――なんか安心する、この感じ…


「…当麻」

声に出すと、まだ帰ってこない上条の存在が大きくなった気がした。
それと同時に、はやく帰ってきて欲しい気持ちが溢れてくる。

いつもなら居るはずなのに、今ここには居ない。


―――…当麻


ここに来てからずっと、心にすっぽり空いた隙間があることに気づかされた。


―――…寂しい


「~…もぉっ」


先ほどまで、気付かないようにしていた感覚。
いつもは二人でいる部屋に、一人きり。
妙な孤独感に、胸がきゅぅっと締め付けられた。

心に見つかった小さな隙間を隠すように美琴はベッドの上で、体を寄せて小さく丸まった。

(アイツはもうすぐ帰ってくるんだから!
寂しくない!違うこと考えよ!)



50: ◆jPpg5.obl6:2011/05/08(日) 22:56:17.45 ID:hDcUmo9AO

美琴は目瞑って、違うことを考えようと努めるが…
浮かんでくるのは、上条のことばかり。

大好きな人の部屋にいて。
大好きな人の香りがする。
そんな状況で、彼以外のことを考えろと言われてもなかなか難しい。

「…はやく、はやく……帰ってきなさいよ…あのバカ…」

上条の姿が頭に浮かぶほど、寂しさもどんどんと増してきた。


―――はぁ…
アイツのことで
こんな気持ちになるなんて…

私の心は全部アイツが基準なわけ?

「…どんだけ好きなのよ……」


―――私ばっかりこんな気持ちになるなんて

なんかズルい……



上条は美琴に『好きだ』と気持ちも伝えてくれるが…
美琴はいつもどうにも分が悪いと感じていた。



―――なんか、私ばっかりが当麻のこと好きみたいな感じがするし…


好きすぎて、たまに損してるんじゃないかなって気分になる…



「はぁ~」


(何考えてんだろ…)

溜め息をつきながら軽く閉じたはずの瞼が、急に重くなった気がした。

「ふぁぁ…」



―――なんか、眠くなってきた…




美琴の意識は、そのままだんだんと遠ざかってゆく。


―――早く帰ってきて…当麻……



しばらくして、部屋には小さく寝息が響いていた。



―――



56: ◆jPpg5.obl6:2011/05/09(月) 23:28:45.48 ID:Zq4n5S3AO

―――

そのころ上条は怒涛の勢いで補習課題を終わらせ、美琴が待つ自宅へと帰路を急いでいた。


「思ったより早く終われた!なんたる幸運!」

いきなりの補習は不幸であったが…と、思いながらも駆ける足はリズミカルで上条の心を映し出しているようであった。

「……あいつ、どうしてるだろ」

自分ではちょっと早く帰ってきたつもりだが、美琴はきっと『遅いわよ!バカ!』なんて悪態をついてくるんだろうなと、上条は思う。

―――まぁまぁ…
ぎゅーっと抱きしめてやったら、
すぐに機嫌もなおっちゃうんでしょうけども



美琴のお怒り行動パターンは上条にはもうすっかりお馴染みのようだ。

「…意外に単純だもんなぁ」

そんなことを考えながら、上条は柔らかな表情を浮かべて部屋の前でポケットの中から鍵を探っていた。

「……あ、そうだ。鍵渡してたんだったな」

美琴に預けたことを思い出して、上条はそのままドアノブに手をかけた。

カチャリと、何の抵抗もなくドアノブがまわされた。


――――んっ?


「おい、鍵開いてるじゃねーか」


―――…不用心な!
まったく、上条さん家は
お嬢様の寮とは違うのでありますよ


危ないなぁと、言葉をこぼして上条が玄関に足を踏み入れた。



57: ◆jPpg5.obl6:2011/05/09(月) 23:38:04.64 ID:Zq4n5S3AO

「美琴…ただい……ま」


―――…鍵をかけることなんて、お留守番の基本だろ
これは、ちょっと説教だな!
これだからお嬢さまは………



上条はカチャンと後ろ手で扉と鍵を閉めた。

上条が鍵をかけようとしていると美琴が黙って、抱きついてくる…

「あーおいおい。いきなり抱きついたりしてんじゃ……ん?」

なんてことは無く。
上条が一人芝居のように手と体の動きをつけて言っていたのがピタリと止まった。

上条はてっきり美琴が飛び出してくるものと、想定していたのだが…

「あれ…っ?」

部屋はしんっと静まりかえっていた。
想定外の状況に、思わず足元にある靴を確かめる。
美琴のローファーが上条宅の玄関にそぐわない雰囲気でキチッと美しく並べられている。

「靴はある…いるんだよな?」

上条が不安げに部屋をのぞいた。
さらに奥へと踏み込んだ瞬間、ベッドに横たわる美琴が目に入った。

「…なんだ、寝てんのか」

美琴がすやすやと静かに寝ている姿を見つけて、上条は安堵の息をついた。

「…寝てる時はまた可愛らしい顔をしてるもんだな」

寝顔を見れるというのは何だか特別な感じがするなぁ、と思いながら美琴の顔から足元へと上条はなんとなく目をやった。

「……!」

美琴の体のラインを順に追う視線が二回、ある場所で停止した。

足先に行くまでに、思わず二度見したのは美琴の足がスラッとのびるスカートの部分だった。



60: ◆jPpg5.obl6:2011/05/10(火) 00:12:10.03 ID:djlUpsCAO

「み、御坂さ~ん……スカートの下が見えてしまいますよ~って…」

いつもなら、この捲れ方の時点で短パンさんが見えるはずなのだが…

(なっなぜ、はいていないのでしょうか…!?)

上条はドキドキと胸を踊らせて手で顔を覆いながらも、指の間からしっかり瞳をのぞかせていた。



もしやラッキースケベイベント発令中?

「ん~っ」
「ッ!!?」

美琴が甘く声を漏らしながら、足をもぞもぞと動かして寝返りをうった。

(うわ、そんな寝返りをうっちゃ…
みっみ見えてしまうじゃないか!美琴さんったら!
危ない!はやく起きましょう!そうしましょう!)

心の声は、心の声としてこの部屋に落とされることは無く。
上条は美琴を起こさないようにそぉぉっと歩みを進めた。

(何だろう、たかがパンチラごときにこの興奮度…)

「ふにゃ…ぅ~」

上条はそのままベット脇にそっと腰を下ろした。
自分の方へ体を向けて、横たわる美琴はまだ静かに寝息をたてている。
上条は起きないだろうか…と、美琴の気配を感じながら注意深くその下半身へと目を凝らす。

スラリと伸びる足は力無く、くてんと曲げて重ねられていた。

際どいところギリギリまで太股が露出して、気休めのようにスカートの布が美琴の肌に重なっている。

あと少し、あと少しと願ってしまうのはなぜだろうか。


―――あと少し、ズレろ!


今なら、何か物体を動かす能力が目覚めるかも知れないと思うほど…
上条はその際どいところに熱く熱く視線を向けた。



71: ◆jPpg5.obl6:2011/05/12(木) 22:09:23.43 ID:Qlv3+1mAO

んーっと目を凝らして見るが、そっと重なるスカートはびくともしない。

(おいおい、何なんだ…この胸のドキドキ)

見えそうで見えない、スカートの絶妙な位置にゴクリと息を飲み込んだ。

穏やかな呼吸に合わせて胸元が上下し、美琴は気持ちよさそう眠り続けている。

上条はなぜだか緩む口元に手を当てて考えこむような仕草を見せ、ふんふんと誰かに同意するように頷いた。

(あぁ~…なるほど。チラリズムってやつですか。わかります)

少し手をかければ、もろいスカートの防波堤はあっけなく決壊してしまうだろう。

いや、そうせずとも体の角度を変えるだけで中身はバッチリ拝めてしまうのではないか。

たかが、パンチラ。
されど、パンチラ。


場面設定により、その興奮度は計り知れないものがあるという結論に至る。



72: ◆jPpg5.obl6:2011/05/12(木) 22:16:25.85 ID:Qlv3+1mAO

(…はっ!まさか、何もはいていないなんて展開もありうるのか!!?)

見えないスカートの下が一体どうなっているのか…よからぬ妄想は膨らむばかりだ。

(ははは…何もはいてないのはまずいでしょう。
制服の下がノーパンなんてどんなマニアックなエロ設定だよ。
てか、そんなエロすぎることを美琴が……美琴が……)

気持ちが高ぶってきて、だんだんと上条の息使いが荒くなっていた。

「…はぁ…はぁ」

(美琴がそんなエロい所行を…)

(ま…まぁ、まさかそんなこと!いや、少しだけ、もしかしたら…)

(まさかとは思うが…そんなことしてたらパンツはけとビシッと指導を入れなくてはならないな。
そうだな、うん、一応確かめるか)


起こさないように静かに…上条はズリズリと体を床の上で平行移動させていく。

(そうそう。パンツはいてるか、はいてないかの確認だ。確認)

手をそっと床について、お尻をそっと浮かせて……

(忍者の動き、忍者の動き…―――)


体の重みで床が軋む音と布が擦れていく音がやけに響いている気がした。
その音で美琴が目覚めてしまうのでは無いだろうか…上条はより注意深く慎重な動きに配慮した。

(あと、少し……)

補習で使い切ってしまったかと思った集中力が、ここにきてまた発揮されたようだ。

良い位置までくると、グッと息を飲み込んでピタリと止めた。
そして、上条は首を伸ばして美琴の太股の隙間をのぞき込もうと首をぐぅーっと曲げた。



73: ◆jPpg5.obl6:2011/05/12(木) 23:04:42.04 ID:Qlv3+1mAO

―――ブーブーブー


「ひゃいッ!!!!」

「ふぁッ!!」

まるで悪魔が地を這うような、とてつもない音が部屋中を響き渡った。
携帯のバイブレーションがテーブルの上で音を上げていた。

上条は驚いてベッドから離れるように後退り、そして音のする後方に目を向けてテーブルでゲコ太携帯がピカピカと光って踊っているのを確認する。

「…っ!(ゲコ太…に邪魔された)」

美琴はひゃいっと驚いた上条の声にびっくりして、目をバッチリ開いてはね起きていた。

「―――ッ!!!!?」

そして、そのまま壁際に後ずさるようにベッドの上に座り込んでいた。

美琴は上条が床で胸元を押さえてのけぞり返っているところを視界に捕らえる。

―――と、当麻!?



美琴が帰りを待ち望んで仕方なかった上条は何とも情けない姿で登場した。

一瞬夢かと思ったが心臓が飛び出すんじゃないかと思うほどの息苦しさから、現実で間違いなさそうだと美琴は思った。

「あ、あ、あああアンタいつの間に帰ってきてるのよッ!!!!!!!!」

さっきまで居なかった上条がいきなり現れたこの状況をすぐには飲み込めきれず、頭の中が混乱した。

―――あぁ!!もうっ!!
こんな時に眠りこんでたなんて!


美琴は自分がするつもりだったお出迎えができなかったことを頭の隅っこで小さく後悔していた。


「お、おう…ただいま~…ははは」


上条が胸元をさすりながら、のっそりと起きあがってきた。



78: ◆jPpg5.obl6:2011/05/13(金) 23:38:11.83 ID:Rg7wfZIAO

(はぁ…心臓止まるかと思った)


「…はは…上条さんは今さっき帰ってきたところですよ…」

さっきの自分の行動が美琴にバレたら電撃確定間違いナシ!

そんな雰囲気を感じて、上条はバレないようにと平然を装った。

「か、帰ってきたなら…何か言ってから入ってきなさいよ!びっくりするじゃない!」

「いやあ~~寝てるみたいだったからさ。
お、起こしちゃ悪いかなぁと思ってな…はは…ははは」

上条は返す言葉のテンションが自分でもおかしいと感じていた。
先ほどの名残かまだ呼吸も荒く焦りが出てしまいどうしようもない。

「……どうしてそんな息あがってんのよ?」

美琴は少し冷静になった目で上条を見つめる。

「あれ、なんか顔も赤いみたいだけど…」

顔色と呼吸の乱れに体調でも悪いのかと、美琴は心配そうに上条の顔を覗き込んで問いかけた。

「いや!はっ、は、走って帰ってきたから!全力疾走で!」

上条はのぞき込むように自分の様子をうかがおうとする美琴にギクッと肩をすぼませた。


バレたとは思わないが、向けられる視線がなぜだか痛かった。

言えない。
美琴が寝ている間に、スカートの中を覗こうとして呼吸を乱していたなんて。



79: ◆jPpg5.obl6:2011/05/14(土) 00:04:02.49 ID:y4YNOLTAO

上条の言葉に美琴は目を見開きぽかんとした表情を浮かべた。

「は、走って帰ってきてくれたの?」

「おう」


―――そんなに息があがるほど…急いで帰ってきてくれたんだ…


……私のため?


「な、早く帰るって言っただろ」

上条が二カッと笑みを浮かべる。
上条はごまかしのためにその笑顔を浮かべたが、美琴にはそうは映っていなかった。
美琴は、じっと上条を見つめたまま頬を熱くさせた。
悔しいほどに、彼の笑顔には弱い。


―――嬉しい
嬉しい、嬉しい!


上条が自分のことを考えてくれていたのだと思うと、美琴は嬉しくてたまらなかった。



80: ◆jPpg5.obl6:2011/05/14(土) 00:08:12.04 ID:y4YNOLTAO

向けられた笑顔も自分だけのものに思えて、その笑顔を見ていたら待ってる間のぽかんと空いた寂しさの隙間もすぐに埋まってしまっていた。

「…も、もう!それでも待ちくたびれたわよ!
逃げ足ばっかり早いんだから」

「おッ」

美琴はそう言いながら、ふわりっとベットから降り立つと上条の前に立って自慢気に腕組みをした。

「でも、ま、まぁ思ったよりも早かったんじゃないかしら…それはほめてあげるわ」

自分でも、可愛くない反応をしているなぁと思う。
素直になることが恥ずかしいなんて、この性格はいつ卒業できるのだろうか。

ふと視線を落とすと、ソワソワした様子の上条が目に入った。

「ん??……どうしたの」

視線を定めない上条の様子を怪しんで見つめながら問いかけた。

「…いや…べつに」
「…なによ?」

立ち上がった美琴に対して、上条は気が気でなかった。

「何かあるなら言いなさいよ」

美琴の問いかけに上条の鼓動が早くなる。

(き、聞いていいんだろうか…?)

何故なら、美琴がベットから降り立った時。

完全に見えてしまったからだ。

「いや……御坂さん、あの~今日は何故にはいてないのでしょうか?」

わざとらしく、人差し指で頬をポリポリかきながら上条は問いかけた。



91:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸):2011/05/14(土) 22:31:16.00 ID:y4YNOLTAO

「え?」


美琴は上条が何のことを言っているのか分からず、首をかしげてみる。

おずおずと美琴の様子をうかがいつつ、上条は言葉を付け足した。

「…短パンさんはいずこへ…?」

上条のこの一言で、スカートの下がいつもよりスースーしていることに思い当たる。

風通しが良すぎる気がした。

美琴はスカートの上から確かめるように手でお尻あたりをペタペタと押さえてみた。

「美琴?」

「…………?」

―――あれ、短パンどうしたっ………


「……あの、みこ―――」
「ふにゃあああああぁぁぁぁぁぁッ!!!」

ビリッと、蒼白い光が美琴の体から溢れ出ていた。


―――わ、忘れてたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!



―――短パンはいてないっっ!!!



「うわぁぁぁ!!!美琴ぉぉぉ!!落ち着けぇぇぇ!!!」


―――ちょっと待て!これは、普通に大惨事になりかねません!!



92: ◆jPpg5.obl6:2011/05/14(土) 22:36:46.72 ID:y4YNOLTAO

「み、美琴!漏電、漏電!ビリビリしてるから!」

上条は慌てて美琴のそばに寄ると、右手を美琴の頭に重ねビリビリと美琴の体を取り巻いていた能力を打ち消した。

「……ッ!!!」

美琴はとっさにスカートを両手でがっちりと押さえこんで、身を守るように足もぎゅっと固く閉じ込んだ。

もう、顔なんて上げられない。


―――…見られたわよね…
あぁ~こんな予定じゃなかったのに!


上条はそのまま美琴の頭をゆっくりと撫でる。

「……とりあえず、落ち着こうな。家電全滅しちまうよ…」

さらさらと柔らかな美琴の髪が上条の指の間をくぐっていく。
美琴の頭を撫でながら、上条はそのままスッと手を離していった。
その手を追うように俯いていた美琴が顔をあげる。

顔をあげた美琴に対して、上条が少し困り気味に笑みを向けていた。



93: ◆jPpg5.obl6:2011/05/14(土) 22:43:50.57 ID:y4YNOLTAO

「うう…見た?」

美琴は、羞恥に瞳を潤ませて上条に確かめるまでもない質問をした。

「あぁ…見えちゃったな」

「何で見ちゃうのよ…」

自分の想定していた状況とは違うことに美琴は溜め息をこぼした。

「いやいや、そんな短いスカートはいてるんだから普通見えるだろ…」

「むぅぅ…」

「こら、上条さんのことをそんな目で見るのはやめなさい。…事故だろ、事故」


―――はぁ~
こんなことになるなんて…っ


美琴はもっと余裕を持って上条の前に立ちたかった。
けれど今はもう、恥ずかしさばかりで自分にも余裕なんてない。


「それより……」

上条が口を開いた。美琴がスカートを押さえている手元に視線を向ける。
見えないスカートの下にいつもいるはずのヤツの所在が気になった。


―――あれだけこだわってた短パンを…
はいてないなんて……


いつも美琴を守ってくれているはずの短パンさんは…一体、いつからいないのだろうか上条は気になってしかたがなかった。


「今日は何で短パンはいてないんだ?」


美琴はドキリと一瞬肩を揺らして、短パンを脱ぐまでの過程を思い返した。



94: ◆jPpg5.obl6:2011/05/14(土) 23:09:21.95 ID:y4YNOLTAO

「……えっと……それは、その…」


―――勝手に携帯を見て…結局、こんなことになっていることを…

それをなんて言うべきか……っ!!


うまく説明できそうになくて、言うか言わぬか美琴は口をもごもごとさせていた。


美琴の様子に上条が怪訝そうな顔を浮かべた。


「まさか、今日ずっとはいてなかったのか」

「え」

上条の口調が少し鋭さを持ったようにトゲトゲしく美琴の鼓膜に響いた。



――待ち合わせのあの時点ではいてなかったとか…?


「それは上条さん的に許せないんですが…」


―――ほかの、男に見せびらかしてたのかよ?


自分にだけならいい。

けれど、もし美琴が今日、短パンをはかずに行動していたとすれば、かなりの確率で他の男が美琴の下着を見たと言って間違いないだろう。

そんなことを考えると、上条は誰に向ければいいか分からない苛立ちにおそわれる。

短パンをはいてない美琴に?

もしかしたら見たかもしれない他の男に?

美琴を自分だけの所有物のように思っている自分に?


―――なんだよ
俺ってそんなに独占欲が強かったか?



95: ◆jPpg5.obl6:2011/05/14(土) 23:30:53.34 ID:y4YNOLTAO

「えっ、ちょっ、違うわよ!」

「……」

なんだろうかと、美琴には分からない上条の苛立ちが伝わってくる。
上条の変化に焦りと不安を覚え、とにかくこの状況を打破しようと美琴はそのまま急いで言葉を続けた。

「短パンはここにきてから脱いだの…っ!」

「何で?」

つかさず、上条が不満を声にこめて問いかけた。

「その、喜んでもらいたくって…あ!下着変えたの。アンタに見せたいから…っ!!!」

美琴が勢いに任せて言い切った後、上条と目が合った。
美琴は何を言われるのかとごくっと息を飲み込む。

「…ん?俺にパンツ見せたかったのか、美琴」

「っ!!!?」

確かにそうとらえられる言い方をした。
美琴は自分の口から何も考えず飛び出した言葉たちを今すぐ回収、抹消してしまいたい思いに駆られていた。



―――あ゛ぁぁ!!もっと何か言い方があったでしょ~っ!!
私何言ってんのよー!!
そうだけど!
確かにアンタの言う通りなんだけど!
でも、違うの!
いや、違わない?

あーもうっ!!!



頭の中では、小さな自分がバタバタと暴れまわっている。
それに合わせるように、苦悩にふらふらと美琴は頭を揺らした。

そして、動きをピタリと止めて、何ともいえない表情で上条と視線を交える。


「……」
「……」

2人とも何か言いたげにお互いの出方を待っていた。



107: ◆jPpg5.obl6:2011/05/15(日) 22:56:31.28 ID:IFll1cbAO

「美琴……」

先に沈黙を破り動き出したのは上条だった。

「……なに」

美琴は弱々しく力ない返事を返す。
スカートと足の守りはそのままに、先ほどのダメージが残るのかガクンと肩を落としていた。

「………見せてくれねーのか?」

「は?」


―――見せるって?
…………下着を?


「いや、さっきチラッとしか見えなかったし…改めて、見せてもらえないのかなーって」

いつもは美琴がどんな下着をはいてるかなんて気にもしていなかったが…

(たぶん、ゲコ太な感じだったと思うのですが……?)

先ほどチラりと見えた下着は、“いつも”のとは違うというの何となくわかった。

女の子の下着に興味が無いことは無い。

―――むしろ、じっくり見れるならちょっと見てみたい


今は彼氏という特権もあるのだ。
何も遠慮することはない。



――『アンタに、見せたいから!』――


美琴の言葉を聞いて、見たいと思う気持ちも大きくなった。

―――俺を喜ばせたいってことだよな…


「…美琴がせっかく俺のためって考えてくれたんなら…」

「…え」

「見たいなー…って思うわけですよ」

上条は美琴の下着姿に期待を膨らませて、若干瞳をギラつかせながら空をつかむように指を動かした。何かの準備運動をさせているみたいに。
何の準備かとはこと知れない。



108: ◆jPpg5.obl6:2011/05/15(日) 23:06:46.83 ID:IFll1cbAO

「だめか…?」

「え…あ、う…」

上条のその雰囲気に美琴はなぜか圧されてしまう。


―――う、嬉しい反応じゃない…
何も、ビクつくこと無いわ!


上条が美琴の下着姿に対して少なからず美琴の求めていた反応を返していることは確かに嬉しい。
しかし、美琴は心のどこかで、…何か違うなぁと小さな疑念を抱いていた。


「だめじゃ…ない。アンタが……見たいって言うなら……」

美琴が、スカートを押さえ込んでいた手の力を緩めた。
ぎゅっとつかまれていたスカートが握りしめたカタチで少しシワになっていた。
手を緩めるとそのシワが元に戻ろうとじんわりと布の上を広がって伸びていく。

「うわ、上条さん何だかわくわくしちゃう」

上条は口調も滑らかにいそいそとベッドに腰掛ける。
上条は言葉なく美琴の方に顔を向けてこっちにおいでと手招きをした。



111: ◆jPpg5.obl6:2011/05/15(日) 23:58:57.94 ID:IFll1cbAO

「もうっ変なしゃべり方してんじゃないわよ…っ」

美琴は上条の手招きに誘われるように、てくてく歩いて彼と向かい会うようにその前に立った。


「何だろうパンツなんていつも見てんのにな…
むしろパンツの下の美琴の可愛いところまでもう全て生で拝んで…うぐ…っ――」


「だ・ま・り・な・さ・い」

美琴が冷たく上条の言葉を斬る。
ついでに顎をぐっと掴みあげて唇を無理やり尖らせてやった。

上条はくぐもった苦しげな声をあげながらコクコクと頷いた。

「…げほっ…いや、まぁ、上条さん女の子の下着なんてじっくり見たことないから…
ちょっくら勉強させてもらいます」

「……じっくり見たことがあるって言うなら、今ここで死因は感電死に決定よ」

ベットに腰掛けた上条の前に立つと、高さ的にちょうど上条の頭あたりに美琴の下半身部分があたる。

目の前といえば、目の前すぎるくらいに近かった。


―――うわっコイツの頭、こんなとこにある…


近すぎると感じてしまう距離に戸惑いつつも、美琴はこれからどんなことが起こるのかと小さな期待を胸に秘めていた。


「で、どうすんのよ…」

でも、やっぱりちょっと不安で腰を引き気味にじりっと足を一歩後ろに引き下げ、上条に言った。

「…では、美琴さん俺に見せたがってた下着を見せてくださいませ!」

上条は嬉々とした目で美琴を見つめる。

「みっ見せたがってなんかないわよ!!!」

―――ん?あれ??

てっきり、自分が受け身になるのだとばがり思っていたが……

―――はぁ!?
ちょっと待って、
それってもしかして!

「へ……っ!?
ちょっ、私が自分でスカートめくるの??」



119: ◆jPpg5.obl6:2011/05/17(火) 00:24:34.29 ID:TASjdWmAO

先ほど、自分一人でめくり上げているときは何とも思わなかったが…
美琴は上条が見ている前で自分からスカートをめくり上げるなんて恥ずかしすぎて、できるわけないと思った。

でも、同時にそれをしようとしている自分を思うと体が熱くなっていった。
恥じらいの心だけでない美琴のナニかを刺激される。

「そりゃあ、上条さんもめくりたい気持ちはありますが…
ここは是非とも、“ご褒美”ってことで美琴さん自ら見せていただけること望みます!」

上条の言葉に、美琴はハッと思い出す。

補習に出かける前に言い残された“ご褒美”のことを。

―――そういえば…“ご褒美”どうしよう?
これが“ご褒美”って…私何したらいいの??
はッ!私がスカートめくるってことか…
それがコイツにとってのご褒美に……

ん?

…………なるの、かな?



「…わ、わかったわ」

「さぁ、いつでもカモン!心のシャッターの準備はいつでも出来てるぜ!」

気合いバッチリに上条は膝を叩いて音を立てた。

美琴はどこに向けたらいいか分からない目をぎゅっと閉じて、スカートの裾を掴んでそぉっと少し持ち上げてみる。



120: ◆jPpg5.obl6:2011/05/17(火) 00:29:27.75 ID:TASjdWmAO

「……っ」

じわじわとスカートを上げていく行為に頬だけじゃなく、耳まで赤くそまっていく。
美琴の手の動きに寄せられる上条の視線も熱かった。

美琴は目を閉じているため上条を視界にとらえられない、彼がどんな表情をしているかなんて分からなかった。
けれど…黙ってじっと見つめてくる上条の視線は体に刺さって痛いほどに感じられた。

見られていると思えば思うほど、スカートを持ち上げる手もためらってしまう。

「…手、止まってるぞ…そう焦らされると期待も高まりますが」

「~~~ッ」

思いっ切ってバッと一回でめくってしまえば良かったと美琴は少し後悔する。

少しずつ肢体が露わになり肌の色に混じって下着の色がチラっとのぞいていた。

いよいよ下着が見えはじめて羞恥の思いも倍増していく。

「…ん…ぅっ」



―――もう、いい!どうにでもなれっ


下着の全貌が見えそうになったところで美琴は吹っ切れたように、スカートの裾を掴んだ手をそのまま一気におへその上あたりまで引き上げた。

上げたその両手をお腹の方にピタリと寄せる。
スカートを掴んだ手が不安げに寄り添いあっていた。



121: ◆jPpg5.obl6:2011/05/17(火) 00:42:50.28 ID:TASjdWmAO

「こ、これで……いい?」

「おぉ………これは…」

美琴は自分の体が小さく震えているのが分かった。
唇を小さく噛み締めて、美琴は恥ずかしさに涙がこぼれ落ちそうになるのを必死に耐えた。

そんな美琴とは違い上条は『おぉ』とか、『ほぉ』とか感嘆の声をもらしてこの状況を楽しんでいる。
その感嘆の声はもちろん美琴の耳にも届いていた。


―――も~~~っ!
なんなのよ、その反応は…!?


美琴の下着を項目別にじっくり見ながら、上条はその総評価をつけているようである。

美琴がめくり上げて露わになるスカート下の姿を上条はじっくりと目で追っていく。


手触りの良さそうな布地が美琴の体にそって張り付いているようだった。

美琴の体に張り付くための支えになっていたのは、何とも頼りないリボン結びの紐だった。

「…ひも、か……」



あまり見てはいけないと思いつつも上条の視線はサイドから、足を閉じこむその中心部に向かう。

小さなそこには、思わず行く先を追ってしまう一本の短いラインが浮かび上がる。
下着に浮かぶ他のシワとは違いよりハッキリとしているそれは、美琴の体に張り付いて…いや、食い込んでいると表現すべきか。



―――んんん…こ・れ・は!



133: ◆jPpg5.obl6:2011/05/18(水) 23:36:53.02 ID:9snwtIuAO

「……~ッ」


上条がゴクリと息を飲み込む。
ガバッと、何か衝動的な思いがこみ上げてくるのを思わずゴホゴホと咳払いをしてごまかした。

「ふぅ……」

ゆるりとした動きで、スカートをたくし上げた美琴はどうにも誘っているようにしか見えなかった。

自分から要求したことではあるが…
その姿に気持ちが高ぶって仕方ない。


―――何なんですか!
このこみ上げてくるものは一体…っ!


上条はスカートをめくる美琴の足先から頭までその全身を見やる。
俯いた美琴の顔はぎゅっと瞳を閉じられていた。
そのたえる表情からは、いつもの強気な態度は感じられない。
なんだか弱々しい雰囲気に上条は触れたい、守りたいと…美琴にだけ覚える特別な欲を知る。

それだけではない、何かを必死で耐えている美琴の表情を見て、もう一つの欲が溢れてきていることを感じていた。
上条は乾いた唇を湿らせる。



134: ◆jPpg5.obl6:2011/05/18(水) 23:42:04.40 ID:9snwtIuAO

―――うむ、一体どうしてこうなった

女の子にこんなことさせて楽しいなんて…
俺はいつからこんなヘンタイさんになってしまったのでせうか?



「…ね…まだ?まだこのまま?」

美琴が耐えかねたように小さく口を開いた。

「あ、あぁ…このあたりもみたいから。
も、もう少しだけ…」

このあたりって何だ?と、突っ込み所もあったはずなのに美琴はなぜか、あぁそっかと心で頷いてスカートを握りしめる手にまた力を込めた。


―――いや、そうだそうだ…!
この状況を楽しんで何が悪いと言うのでありましょうか!


上条は息を荒く考えを巡らせていた…そんな、雰囲気に美琴は気づけなかったようで……。


―――見たけりゃ、見たいと言えばいい。
触りたきゃ、触ればいい。
たった、それだけのことではないですか!


これから後に何か企みを決め込んだのか
上条は薄ら笑いを浮かべた。

一方、美琴はこの恥も一時のものだと言い聞かせて耐えしのごうとしていた。
上条の言う『あと少し』を信じて。


―――うぅ…もう少し……
もう少し、だけなのよね…


「…何だろうこの感じ…すごく可愛いんですけど……」

上条の言葉に耳がピクリと反応をしめして、誘い込まれるように美琴はうっすら瞳をあけた。
ぎゅっと閉じていた瞳は視界がぼやけてすぐには定まらなかった。



135: ◆jPpg5.obl6:2011/05/18(水) 23:47:20.20 ID:9snwtIuAO

「えっ…ほ、ほんと…?」


上条の姿がまだ、ぼやっとしてはっきり輪郭をつかめないまま、美琴の瞳に映り込んでいる。

だんだんはっきりとしていく中で、少しぼやけながらも上条の浮かべる笑みが見えた。

美琴の好きな表情だった。

―――あ…なんか嬉しそう………
私が……コイツにこんな顔させてるの…かな


可愛いと言われた嬉しさと、自分がしている行為の恥ずかしさでもう心はいっぱいだった。

けれど、美琴はつい考えてしまう。
今、上条が嬉しいと感じている理由が自分であればなんて幸せなんだろうと。


―――そう…だったら、嬉しい…



嬉しさも恥ずかしさも、どちらも美琴の体をじわじわと熱くさせていく。

「ねぇ…」


「ん?」

息が苦しくなるほど、美琴の心臓はせわしなく動いている。

上条もまた体の真ん中に熱が集まっていくような感覚に胸を高鳴らせていた。



136: ◆jPpg5.obl6:2011/05/18(水) 23:49:47.64 ID:9snwtIuAO

「あ、アンタ…、こうゆうの好きなんでしょ?」

「え?そりゃあ、もちろん嫌いじゃねーけど…」

そう反応を返す上条だが、返事もそこそこに美琴の姿にまだ夢中な様子だった。
まじまじと、美琴の下着に上条の視線が注がれた。

「……っ」


―――うわぁ~…っ
まだ、見てる……
そんな見られるなんて……
思ってる以上に恥ずかしいんだけど…


「も、もういいでしょ?…そんな、見られたら…恥ずかしいし」

そろそろ限界とばかりに、美琴は上条に震える声で訴えた。


「いや、これを見ないなんて無理な話でしょう」

「……でも」

「これ、脱がすときやっぱり紐ほどくんだろうな…」

美琴の言葉にはお構いなしと、上条は言葉を続けた。

美琴が自分の指で紐を遊ばせた時と同じように、上条も指先でリボンに結ばれた紐をひらりと舞いあげる。


「んっ」

上条の指先がリボンの紐と一緒にほんの少し肌をかすれていく、そのくすぐったさに美琴は声を漏らして体をビクッと震わせた。



144: ◆jPpg5.obl6:2011/05/21(土) 23:58:40.14 ID:zPVbt78AO

「これ、ひっぱっちまおうか…」

上条は悪戯な笑みを浮かべながら、美琴を見上げた。

「え!!だっ、だめ!」


上条の言葉を打ち消そうと思わず首を横に振る。

上条の瞳が心を見透かすように美琴の表情を見つめていた。
上条の笑んだ顔つきに美琴は焦りを覚える。

「…うっ……」

美琴の体温は確実に熱さを増していった。スカートをあげたままの風通しの良いはずの下半身は、冷め切らない顔と同じくらい赤くなってるんじゃないかと思うくらい。

なぜだか体もムズムズとして落ち着かず、その感覚をどうにかしようと美琴は体に力を入れてギュッと足をとじる。

「…っ」

「どうしたんだよ?」

「な、なんでも……ない」

大丈夫か?と、心配そうに上条の手のひらがピタッと美琴の太ももに触れた。



147: ◆jPpg5.obl6:2011/05/22(日) 00:28:28.36 ID:UQ1zvuQAO

「や…っ!」

触れられた瞬間、スカートの布が体の震えとともに揺れる。
美琴は上条の行為に対してそのまま眼差しで抗議した。

スカートを上げたまま手を離さない美琴の姿を見るに、上条のその手はそこに居ても構わないと言う無言の許可を得たようだった。


―――うぁ……


美琴の体は上条の手で触れられることを期待しているのだ。
彼の手が触れているところが熱くてたまらない…


(…俺は、どうしたいんだろうな)


美琴の熱を帯びた肌に直接触れると、自分の肌にもまた熱が伝わってくるようだった。
それは、上条の体を駆けめぐり、身のうちに潜んだ何かを呼び覚ます。



―――なんで、コイツに…触られたら…
私、こんな気持ちいいって…思っちゃうのよ…



手を添えられる、たたったそれだけの行為なのに。

そんな美琴の心の動きは上条にしっかりと読みとられてしまったようだ。

「あ、紐ひゅるる~ってされるの……期待してましたか?」

美琴の顔を眺めつつ、上条は自分の心の動きを見守った。


―――もっと、触れたい



ただ、強くそう思う。



148: ◆jPpg5.obl6:2011/05/22(日) 00:48:24.84 ID:UQ1zvuQAO

「ばかっ!なんでそんなこと、きっ期待しなくちゃ……いけないのよ!!」


上条はまるで自分には、そんな気が無いのだと言わんばかりに美琴のおでこを人差し指で小突いた。

「……ンッ!?」


「……やらしいこと考えてたんだろ」

「な゛ッ…!!!!うるさいわね!!!!アンタに言われたく…な…ァッ」

上条が美琴の肌に触れた手をそのままツーっと太ももを指先でなぞるように落としていった。

「こんなエロい下着を見せたがってた美琴には言われたくないなぁ~」

「…んんっ」

指先が軽く触れてなぞっていくと、ぞわぞわと肌が浮き立った。


「そんな、ヘンな声まで出しているわけですし…」

「ヘ、ヘンな声なんて出してなんか…ひゃっ――」

「ほら、ヘンな声出した」

また上条の指先が同じ路をたどって美琴の肌の上をなぞるように戻ってきた。

うーっと、のどの奥から悔しそうな美琴の声が聞こえてきた。


―――なによ!なによ!!なによッ!!!


「もうっ!!!アンタのその調子乗ってるところがムカつくわ!」

上条のからかうような口調に余裕な態度が気に食わない。

「私の下着姿なんかには興奮しないってわけね!
はっ!余裕ってかんじかっ!あーそうですか!」

自分ばかりが、ペースを乱され…その気にさせられているような気がした。


それが、悔しい!



154: ◆jPpg5.obl6:2011/05/22(日) 23:23:44.85 ID:UQ1zvuQAO

「ちょっと…自分に余裕あるからってナメてんじゃないわよ!!!人がせっかくアンタのためにこんな…
こんなことまでしたのにっ!!!」

美琴は上条の思うようにはさせまいとスカートを持つ手を離して、上条の頭にポカポカとグーの手を喰らわせる。

「…~~ッいつまでそうするつもりなのかしら!その手のけなさいよ!!!」

美琴の手から離れたスカートはハラリと落ちて、まだ太ももにそわされているままの上条の手を隠していった。

「あのー美琴さん、一人で盛り上がってるところ申し訳ないのですが……」

上条がまだ続行されている美琴の乙女パンチをあまんじて受けながら答えようとするが…

「ふんっ!!わ、わかってるんだから…からわれてることぐらい!!
アンタの言うことなんて聞かないんだから!!!」

美琴はまったく聞く耳を持とうとはしなかった。


「も、もうダメっ!コレおしまいっ!!
短パンはくっ!はやく手離しなさいよ!」

上条の手はまだ美琴に触れたまま、離れてはいない。
上条が美琴の体を掴んでいるわけではなく、軽く触れているだけなので美琴が自分から動けば済む話なのだが…


―――まったく…
言葉と行動が全然合ってねーぞ
素直なんだか素直じゃないんだか…

うん、そこが可愛いとこなんですが…


上条はそう思いつつ、はぁっと力無くため息をこぼした。



156: ◆jPpg5.obl6:2011/05/22(日) 23:37:50.82 ID:UQ1zvuQAO

「ため息ついてんじゃないわよ!ガッカリしたならしたって言えばいいじゃない!」

「いや…そんなつもりじゃ……あの、な、みこ………」

「そーよね。どうせ私は、アンタが言うところの…色気のないガキだろうし!」
「……それは、そうとも言えますが…とりあえずな、」


―――…俺の話もちゃんとききましょうね


「みーこーーとっ!」

「きゃっ!?」

上条はもう片方の手を美琴のスカートの下へと運び込み、なめらかな手触りの下着の上を滑らせていく。

「ふにゃあッ!」

両手で美琴のふにっと柔らかな形のいいお尻をつかまえて、その体を力強く自分の方へと引き寄せた。
急に引っ張られたものだから、美琴は体のバランスを一瞬クラッと崩してしまった。

「―……ッ!!」

「………」

なんとか持ちこたえるように足を踏ん張った美琴だったが、
結局のところ上条が美琴の体を支えているような形になっていた。



165: ◆jPpg5.obl6:2011/05/25(水) 00:12:05.02 ID:N932nwtAO

上条はスカートの中から腕をぐるっと回して、さらに美琴を自分の体の方へ近づけた。
耳を当てるように上条は美琴のお腹あたりにくっついていた。

「ちょっ…」

行き場に困った美琴の手は両手を広げて宙を掴む。
いや、すり寄ってくる上条の邪魔にならないようにと、手をのけているようにも見えなくもない。

「な…んの、つもり……?」
「ん~~~」

行き場に困っていた美琴の手がなんとなく上条の頭に重ねられ、ツンツン頭がくしゃりと崩されていた。

上条の行動がどういった意図を含んでいるのかわからず、美琴は自分のお腹あたりにくっついてくる上条の姿を怪しげに観察している。

「……美琴」

名前を呼ばれるのと同時に、上条がまたギュッと美琴を抱きしめる。
自分の名前を呼ぶ、上条の色を含んだ甘い声に美琴の鼓動が早くなっていった。

何かを、期待させられる。

「んっ」

スカートの下で美琴の肌に直接触れている上条からの体温が下着の薄い布越しに伝わってくる。


彼に、触れられている場所が熱い。


「な、なっなによ……っ!?ちょっと!
もぅ!!そんなにくっつかないで!!!」

そう言いつつ、美琴は上条が自分にすり寄ってくる姿を見て悪い気はしていなかった。



166: ◆jPpg5.obl6:2011/05/25(水) 00:18:09.91 ID:N932nwtAO

「んぅ~甘えんぼさんになってみましたぁ~~」

「はぁ…何言ってんのよ?」

気の抜けたような上条の声に美琴の肩の力がストンと落ちる。
上条がふぅ…っと一呼吸おいて唇を開いた。

「余裕なわけないだろ」

「へっ?」

上条がくっついたまま、顔を上げて美琴を見つめた。

いつもは、上条を見上げることが多いのに…。
自分を見上げてくる上条の姿は見慣れななくて、少し照れ気味に上条の頭に手を置いたまま美琴は視線を交える。

「美琴が、その“俺のために”って考えてしてくれる時点で上条さんは幸せいっぱいです」


―――当麻……



美琴は上条の言葉にそっと耳をすませていた。普段、彼からあまり口にされない言葉が自分が与えたものであることを知って胸が高鳴る。

「そ、それに……」

言葉を続ける上条に美琴はゴクリと息を飲み込み、次の言葉に期待を膨らました。

「…俺のために一生懸命な姿見せられると、うん、…なんですか……」

視線を交えあった上条の目がふいに美琴を避けた。

「………上条さんの下条さんも限界だぁーとおっしゃっていてですね……」

「…コラ。ここでふざけるってどうゆうことよ?」


少しロマンチックな展開を期待してしまった自分に美琴はガッカリした。

美琴はそのガッカリした分の仕返しとばかりに、上条の頬をぎゅっと両手で左右に引き伸ばすようにつねってやった。

うやーっと、上条が情けない声をあげたものだから美琴は呆れ気味に手をぱっと離してやる。



175: ◆jPpg5.obl6:2011/05/26(木) 00:53:21.61 ID:YJlSLn/AO

「だぁーー!わかんねーのか!!」

「んんっ!?」

上条が叫び声に合わせるように、美琴の体に顔をうずめて首をふった。

「美琴の下着姿見ただけで……その、こんな風になってる自分を知られるのは…
なんだ…あれだ…ほら………」

上条は言いにくそうに言葉を紡いでいて、その開かれた股の間にちょうど美琴の体がいた。
“こんな風に”と、なってると言われて美琴はハッと気がつく。


―――あ…それって、

「そんなヤツに余裕なんてあるわけないだろ……我慢するのに必死だっての」


「やっ…あっ」


ベッドに浅く腰掛けるようにして、上条が腰を浮かせて体を少し前に出して座り直した。
“こんな風に”なっていると思われる上条の固さを帯びたそれが、美琴の体に触れる。



―――私の体に当たってる…!?


つまりは、彼も自分と同じであることを知り、美琴はホッとした気持ちになった。

「まぁ、もう、我慢はしませんが…」

「ちょっと、まっ……あっ……」

スカートの下に潜ませた上条の手が、下着の上から美琴のお尻のカタチをなぞりその感触を楽しんでいた。

「んんっ」

上条の指先が怪しげな動きを見せている。
お尻の割れ目を辿るように後ろからそのまま美琴の秘部に向かって指を股の間に侵入させた。

「おぉ……」

「あっ…ぁ、ぁ…」


指先をすっと美琴の股の間にすべり込ませた上条の指はふにふにと柔らかな美琴の秘部の感触に包み込まれていた。



176: ◆jPpg5.obl6:2011/05/26(木) 01:19:08.31 ID:YJlSLn/AO

「美琴のここすげぇ熱くなってるっ…大丈夫か?」

美琴の秘部から放出される体の熱を感じて、上条の胸が高鳴る。

「はぁ、あっ……んん」

「熱冷ましてあげないとなぁ~…」

いつもとは違う後ろから攻められる感覚に、美琴は興奮の色を隠せなかった。

熱くなるそこは上条を求めて仕方ない様子でヒクヒクと震えるように動いていた。


―――アンタが、そんな風に触るから
熱くなるのに!


「はぁ…っや、だ…これ、へん……な、かん……じが…んんっ」

「これされるの嫌なのか?」

下着越しに上条の指が何度もスライドしていく中で、その軽い刺激に美琴の体がどんどん犯される。

「なぁ、なんか俺の指が湿ってきているのは…美琴のここが濡れてるから?」

美琴は上条の頭を抱きかかえるようにして、体を上条に預けた。



177: ◆jPpg5.obl6:2011/05/26(木) 01:30:04.70 ID:YJlSLn/AO

「しかも、かなり」

「はぁ…ぁっ…ぁ…」


―――うぅ、何でそんなこと言うの……



上条の言葉で、急に意識させられて…
彼の指が動くたびに、布地が擦れる音に混じって小さくクチュっとぬれた音が美琴の耳に届いた。

触れられれば、触れられるほど立っているのが辛くて仕方ない。

彼からのたったこれだけの刺激でこうなってしまう自分に美琴は心の中で呆れていた。


彼しか、ダメなのだ。

―――アンタじゃなきゃ……
こんな風にはならないんだからっ


「ひぁ!あ…ぁっ」

上条はさらに美琴の秘部に深く指を入り込ませた。
柔らかな秘部の間にある固さをもった小さなそれに、上条は何かを仕掛けるように時おり、強く触れる。


―――あ、もぅ……やだっ!
体が変に、なる……


「あぁっ…あ、やぁぁっ」

何度も何度も軽く指を後ろから入り込ませてスライドする中で、その強い刺激がくるたびに押さえきれない甘い声が溢れ出ていた。


「っ………と、とう……ま」

美琴の膝がガクッと力なく崩れた。



―――もぅ…立ってらんない…



「なぁ、美琴は俺にどうしてほしい?」

絶え間ない律動のように、指の刺激は続けられる。


「あっ…やぁ…」



「どうしたいんだ?」



196: ◆jPpg5.obl6:2011/05/28(土) 22:21:06.00 ID:ZSlqsruAO

美琴はふらふらする足で自身を支えようとしたが、上手く立てなくて…
倒れそうになる美琴を上条が自分の股に挟み込む形で受け止めていた。


―――も、やだ…コイツまた私のこと
バカにして…っ



「……っ…」


これから何をされるのか、美琴は息を殺して上条を見つめた。

恐いような楽しみなようなそんな気持ちがないまぜになって美琴は上条の口元から目を離せない。

「―――…あっ」

上条は美琴に触れていた手を引いて、今度は美琴の左脇腹あたりを探りはじめる。
もぞもぞと、不自由そうに上条は美琴のスカートに手をかけた。

上条の指先がくすぐったくて、美琴は思わず体をよじらせる。

「んぅ…」

足にうまく力が入らいために、上条の肩に手を置いて体をあずける。
体は上条に捕らわれてしまっている状況だ。



―――…う、何してるの?



上条がしきりにある場所を探っていた。

美琴は熱にほだされる頭の中で、上条が何をしているのかとふと考えこんだ。


(あ…っ!!!)


上条の行動の答えに思い当たった瞬間。



197: ◆jPpg5.obl6:2011/05/28(土) 22:35:08.68 ID:ZSlqsruAO

遅かった。




「なっ…なんでっ」


気がついた時にはもうスカートのファスナーが下げられ、金具が器用にカチャリと外されていた。

「…っスカートは、脱がさ……な、く…ても……」

纏う支えを無くして、スカートが美琴の体から重力に従って落ちていく。
途中、上条の足に引っかかったが器用に足を広げてスカートは床に落とされた。


「や…やだ…んっ!!!」


手を引いて、言いかけた美琴の唇を上条は自分の唇でふさいだ。


「ん…ふぁ…ぁっ」
「…っ…は…」

美琴は少し前屈みになる体勢で、口づけてくる上条の肩に置いた手をそのままするっと上条の首にまわしていった。


―――あぁ…当麻の


唇から

熱い吐息。
甘い声。


唇をついばみながら、口腔内を犯そうとする上条の強引な舌先に何をするまでもなく美琴は侵入を許した。


今は体のどこを刺激されても、

―――熱い


彼だけを感じたくて、
体は彼を求めて仕方なくて、


―――もっともっと…


それは、もう自分じゃどうしようもできなくて。

溢れる、情欲を
止められない。



198: ◆jPpg5.obl6:2011/05/28(土) 22:47:22.92 ID:ZSlqsruAO

「はぁ…はぁ……」

上条は美琴の体を抱きかかえるように立ち上がり、興奮を隠せない様子で夢中でキスを繰り返した。

「……ンッ」

体をキツく抱きしめられて、ほんの一瞬息が止まった。

「と……ぅ、まぁ…」
「はっ…」

名前を呼ぶのに開いた口の隙間から、忍び込んできた上条の舌に美琴も舌先で触れる。

「んっ…ハァ…っ…」
「……はっ…」

上顎をなめられ、そんなことより舌をぎゅうぎゅうと絡ませたいと、美琴はいっそう強く上条の唇を求めた。



―――なんで


濡れた音を立てながら上条の舌は巧みに動いて、追いすがる美琴を焦らしては、逃げ、そして絡めとる。

―――キスだけなのに…


「……んっ……ん…」


―――当麻にされたら…
もう、自分の体じゃないみたいになっちゃう…


「…んぁっ」

体に痺れるような感覚が走る。まるで電流が流れるみたいにビリビリした。
甘い痺れに体は言うことを聞いてはくれない…

ふいに、美琴の体重がズシッと上条の腕の中に伝わる。
唇を離して、頭を上条の肩口に置いた美琴が上条の体にすがるように寄りかかってきた。



199: ◆jPpg5.obl6:2011/05/28(土) 23:08:07.11 ID:ZSlqsruAO

「ふぁ…っ」

「おっと、あぶねぇ……大丈夫か、美琴?」


体の力が抜けて倒れそうな美琴を上条はゆっくりと支えながら、座らせようと体を下ろしていく。

ついでにと、上条は足元に落ちたスカートを足先でひょいっとテーブルの下あたりまで飛ばしてやった。

「はぁ……はぁ…っ」

「息、つらそうだな…」


―――アンタのせいでしょうが!


うつろな瞳でそう言おうとした美琴だったが、乱れた呼吸を整えるのに必死で言葉にできなかった。

しかし、そう言う上条も、少し荒い呼吸で肩が揺れている。

「…こう見ると、またいやらしい下着だな」

美琴はスカートを纏わない、下着一枚という姿のまま正座をくずしたように、ぺたりと床に座り込まされた。

「…は……ぅ…っ」

何かを言い返したいところだが、言葉は上手く出せそうにない。


美琴は発熱とは違う熱によって瞳を潤ませている。
そんな瞳に見上げられて、上条もたまらない気持ちになった。



『美琴はどうしたい?』

問いかけてきた上条の声が頭にこだました。



「…ハァ…ぁ…っ」

「…美琴?」



200: ◆jPpg5.obl6:2011/05/28(土) 23:18:13.72 ID:ZSlqsruAO

―――私から、したい


「…んっ…ご、ほう…び……」

「……え?」

美琴は両手をのそっと持ち上げると、上条のズボンに手をかけた。


上手く力が入らなくて、手間取りながらも美琴はカチャカチャと上条のベルトをはずし出す。

「へ、ぇ?ちょっと……!?」


―――アンタにばっかり、やらせてあげないんだから



ボタンを外して、美琴はファスナーの金具を歯で噛みこんだ。
そのままジーッと音を立てて滑らしていく。
金属の独特な匂いと味が美琴の鼻先に広がった。


「ちょっ!?美琴さぁん!!!?」

美琴の思わぬ行動に上条は思わず上擦った声をあげる。


―――なっ!何が起きたって言うんだ!!!?


ズボンをギュッと掴んで美琴は体重をかけるようにして、そのまま上条のズボンを引き下ろしてしまう。

急に起こったこの状況に、パンツ一丁にされた上条は、ただぼんやりと美琴の動きを追っていた。



214: ◆jPpg5.obl6:2011/05/29(日) 20:57:55.46 ID:RLzUvSDAO

「これは…どうゆう……」


美琴は体を支えるように床にぺたりと手を置き、熱っぽさにくらくらする頭を持ち上げて上条の姿を確認する。

「はっはーん…こ、これは…何だ…あれか、」

「……っ…」

上条の下着越しに、ほんの少し浮き上がっているカタチを見て美琴はグッと息を飲み込んだ。


「…か、上条さんのパンツも見せろってことだな…ははっ」


上条が笑い混じりにそう言うと、美琴は小さく首を振った。

「あ、あー…あの、美琴?」



―――違うわよ。
今からすることは……


睨みつけるような、挑戦的な眼差しが上条に向けられた。



―――“ご褒美”っていう名の……





「……し、…仕返しよ」

「えっ?」

言いながら、美琴は自分の言葉と、上条にも予感させてしまったであろう自分がこれからする行為を思って頬を紅く染めた。


―――や、やるわよっ


美琴は上条の下着に手をかけると、ゴムの反発を受けながらぐいっと力をこめて引き下ろしてやった。



215: ◆jPpg5.obl6:2011/05/29(日) 21:06:34.34 ID:RLzUvSDAO

「おぉぃ…!」

上条が驚きと期待に震えるような声を上げた。


(あれ、何これ。もしかして、もしかしなくても……)


下着をずり下ろされ、上条のソコが美琴の目の前にひょこっと姿を現す。

上条のソコは固さを帯びてはいたが、まだまだ硬度にかけている状態だった。


(えーっと…御坂美琴による、上条当麻のための…)


美琴は何かを確かめるように、上条を見つめた。


(…初ペロペロフラグか…)


上条はゴクリと喉から音を立てて飲み込んだ。

(そんなフラグが存在するとは…って、おい!)


上条は思わず自分の思考に突っ込みを入れた。



―――いやいや、そんなこと考えてる場合ではなくて。


美琴の行動は何やら期待でわくわくさせられるのだが…
上条には、はい!お願いします!とすぐに受け入れるような心の準備はまだできていなかった。



216: ◆jPpg5.obl6:2011/05/29(日) 21:16:51.95 ID:RLzUvSDAO

「いや、いや……ちょ、これは…」


「……嫌、なの?」

「ん?嫌じゃないけど…そりゃ、もちろん嬉しい気持ちとわくわく感でいっぱいですが…
……って違う違う、そうじゃなくてだな……」

「…じゃあ、座りなさいよ………」

「え、あ、はい……」

上条は見つめてくる美琴の真っ直ぐなその瞳に、なぜか頷くしかできなくて…

言われるがままに、またベッドに腰を下ろしていく。
座る体勢を整える間に美琴の手を借りてズボンと下着が片足から脱がされ、もう片方の足に絡みついていた。

「…ん」

「…っ!」

ベッドに腰掛けた上条のソレに美琴は震える指先を伸ばしていった。

指先が敏感な部分に触れ、上条の唇が割れて声がこぼれた。


―――うわ、こんな感触だったんだ……
そういえば、コレ……はじめて触った…


上条の感触を楽しむように美琴はやわやわと緩慢な手の動きで触れていた。


―――見た目はグロいけど…よく見たら、なんか可愛い…かも……



「……ぅっ」


上条は声が漏れそうになるのを耐えるように、唇をぎゅっと固く閉じていた。

美琴はその様子をそっと、見つめる。



―――あ、こんな顔するなんて知らなかった……


自分しか知れない上条の表情に、美琴の心は特別な想いに満たされて胸が高鳴った。



230: ◆jPpg5.obl6:2011/05/30(月) 23:44:03.90 ID:ndDhmQJAO

美琴の手の熱さが、直接上条の体に伝わってくる。
美琴の体温と手の感触を感じとるほどにゾクゾクと、肌の表面が浮き立つようだった。

「っ………」

美琴の興味本位の触り方から、だんだんと上条の反応を見ながら学び取るように、手の動きが変わっていった。


―――ちょ…っと、これはマズい
非常にマズい

このペースでやられてしまうと……

俺……


「…」

美琴の手は上条が体を震わす場所を確実に責めていった。


―――このままイっちまうんじゃ……


「美琴…っ」

上条は自分の体の奥で熱い塊がうごめいているのを感じていた。
美琴から与えられる刺激を体が全てを受け取ろうと敏感に反応を示す。

「ね、ねぇ、合ってる……間違ってない?」

「ん…は、い…もう少し…力入れてもらっても……うっ」


自分の手の中で硬度が増していくのを感じて美琴は、人体の神秘…!と、上条の変化していくソレを喜々とした様子で観察していた。


(え、こんなに、強く握っちゃっても大丈夫なの?)


美琴は恐る恐る、上条のそこを掴む手にさらに力を込めた。



231: ◆jPpg5.obl6:2011/05/30(月) 23:50:00.59 ID:ndDhmQJAO

「…あっ」

「…当麻?」

(あ、なんだろ…えっと……)


「き、きもちいい?」

「………うん」


上条が小さく震えて頷く姿に、愛しさが溢れてくる。




男に向けるべき言葉ではないかも知れないが、



―――かわいい…



そう思った。


(ゲコ太以上に…)


なんて、美琴はふざけてゲコ太を引き合いに出してみる。
上条が幼い子どものように見えて、美琴の母性がくすぐられた。
こんな行為をしながら、こんなことを考えている自分が妙におかしくて美琴の顔がふにゃっとゆるんで笑みをこぼした。

そんな美琴の笑みを、上条は官能的な微笑みだと思ったようで、



―――なっ、何この子!?
下条さん捕まえて、ナンテ危険な微笑みをこぼしちゃったりなんかしちゃってるんデスカっ!?


焦る、まだ大した刺激は受けていないはずなのに。
目に見えて上条から、『余裕』という二文字が消えていった。




(こんな感じで…擦るのかしら…確か……痛くないのかな?)


ぎゅっと掴んだまま手をスライドさせると、上条が押さえきれない声をこぼす。



「うぁ…っ」

上条の余裕のない声が美琴の鼓膜に響いて、下腹部にじんっとした甘い痺れがひろがった。



232: ◆jPpg5.obl6:2011/05/30(月) 23:57:21.05 ID:ndDhmQJAO

―――もっともっと聞きたい、
当麻のその声…聞かせて




「はぁ…」

「…ちょ…美琴…」

美琴は上条のそこに唇を寄せた。
そして、手で支えながら舌で根元から舐めあげる。

自分の手とは違う温かく湿った感触に、上条の息があがった。
天井を仰ぎ見るように、首をのけぞらして声が漏れないようにと上条は口元に手を重ねて押さえ込んだ。

「…っあ」


意を決した美琴は唇を大きく開いて、ためらいなしに上条の性器を口に含んでいった。
くちゅっと音を立てて、口の中…奥へと上条のそこをくわえこむ。


「みこ……っ!」

「ふ…ぁぅ…」

柔らかな口の粘膜に上条が触れた。
固く立ち上がる竿の感触を今度は舌先で確かめるように触れていく。

「んっ…ふ……」


「っ……」

上条の漏らす声に、竿を舐める美琴の愛撫にも熱がこもった。

ほどなくして、上条の先端から透明な液体が溢れてくる。
溢れてくる液体は、美琴の喉元から口の中全体に上条の塩の味を広げていった。



247: ◆jPpg5.obl6:2011/06/01(水) 22:08:18.78 ID:vMC13GTAO

口の中が上条の張りつめるものでいっぱいになる。


「んぅ…」

限界まで口に含んで、流れ落ちる唾液を拭えないまま粘着質な音を立てて、美琴は上条の竿を口でスライドさせた。


「っ……」



―――あ、あ…口の中で……
びくびくしてる…

何コレ?
大丈夫なの?


口の中で感じる上条の反応に美琴は自分がちゃんとできているのか不安になった。

けども、興奮が高まり…込み上げる何かを堪えるのに上条は必死だ。



美琴が自分のモノを口にしている。



ただ、それだけのことで上条の意識は下半身の熱に集中する。
性器が血の流れを集めるようにドクドクと脈打っていた。



―――当麻、きもちぃ……?


そう尋ねる美琴の心の声を読み取ったように上条が口を開いた。




美琴の頭に上条の手がぽんっと優しく重なる。


「……気持ち……いい、ぞ……美琴…」

くぐもった上条の声が、美琴の背中にゾクゾクとした何かを走らせた。



248: ◆jPpg5.obl6:2011/06/01(水) 22:15:50.32 ID:vMC13GTAO

上条の声に誘われるように、そのモノをくわえたまま、美琴は瞳を向ける。



―――ほんとに?



「ん…んん、…はぅ…」


「…っ!?」



―――うぉ、おぉ…!くわえたまま、上目づかいとは破壊力ありすぎだろっ





美琴のその姿が上条の体に、口でされる以上の刺激を与えた。



―――落ち着け!落ち着くのだ上条当麻!


一瞬、果ててしまいそうな感覚になるもなんとか抑えた。

「くっ……」

「…?」

美琴の頭に優しく置いたはずの手は、美琴の動きを押さえ止めるかのように力が込められていた。

―――ちょっとストップ…


…頼むから、今動かないで。そんな、上条の切実な思いが手に込められる。



―――そうだ、美琴だって、そんなムチャして責めてくるようなことはまず……無い…


だから、この一波をすぎればと思っていたが…

床にペタッと座り込む、まるみのあるお尻のライン、そして弓なりに反った背中…美琴の足の指先はぎゅっと固く丸め込まれている。


美琴がふいに体をよじると、下着の紐が、ゆらりと揺れていた。



―――……確かにここからの、アングルはたまらないわけですが…



268: ◆jPpg5.obl6:2011/06/05(日) 22:10:45.79 ID:RbeGLc3AO

上条のおどおどした視線が気になって、美琴は問いかけるように口をあけた。

「……ふぁ…に?ふぉー…みゃ?」

「…ぁうっ」

くわえたまま口を動かした美琴からのふいの刺激に声をあげた。

先端を刺激するような、美琴の舌先の動きが上条の体に反応を起こさせる。


「んぁ…ッ」

彼の口から漏れる甘い声。



もっと、という要求が感じられた。



―――んっ…当麻が…



声とともに上条の体がぴくっと小さく震えて反応を返している。



―――私を求めてくれてる…



そう思うと、美琴は浮き立つような気持ちになった。

「…ん、……ぁ」

上条の反応に気分を良くした美琴は、挑むような視線を上条にねめつけながら、舌で根元から舐め上げる。

「…んーー…」


「…っ」



―――アンタが喜んでくれるなら


美琴は手を添えて、唾液に濡れている先端や茎のつぎめの敏感なところを愛撫した。


(ヤバい…美琴さん、それ責めすぎ……)


「はっ……」
「んっ…ん…」




―――もっとしたい


「お、おい、一体どこで覚えてきたんだよ…っ…こんな……っ」



269: ◆jPpg5.obl6:2011/06/05(日) 22:19:15.84 ID:RbeGLc3AO

自分がしている行為に、上条の反応に、美琴はかなり興奮していた。
もう、自分じゃコントロールできないほどに高まる気持ち。


「あ、…っ…美琴…」

高ぶった気持ちが、美琴の行動を大胆なものにさせていく。


「っ…あ、ぁ」

「…ん……ぁ」



―――…あぁ…っ
もう、アンタのそんな顔見たら、



自分の体から何かがトロッと溢れ出してくる。
その感覚に美琴はビクッと体を震わせた。



―――私も我慢できなくなる…っ



「あっ…ん…っ」

刺激を与えるばかりでなく、自分の体も刺激を求めてしかなかった。

熱くなる体に触れて欲しい、求めてやまない体を満たしてやりたい。

「あっ…ぁっ…」

美琴は浅ましい欲に駆られて、座り込んだ床に自分の秘部をこすりつけるように腰を揺らした。



自分の体も慰めたいが、上条に尽くすこの行為もやめたくなかった。

「ふぁ、ぁ…ん…っ」

美琴は口を軽く開けて先端だけをくわえるように唇と舌先で尽くし、片手で上条の性器を掴んだ。

「……んっ」

そして、空いた自分のもう片方の手を疼く秘部へと運んでゆく。


―――あぁ…だめ、こんなの恥ずかしいのに…



270: ◆jPpg5.obl6:2011/06/05(日) 22:27:38.83 ID:RbeGLc3AO

「は…ぁ…んっ…あぁ」

美琴は自分を慰める行為をあまりしたことが無かった。

恥ずかしい行為だというのは分かるし、何よりやり方もイマイチわからなかったからだ。

けれど、上条と付き合いはじめて“気持ちいいこと”を体に教え込まれてしまった。
そして、体が求めた時、それに応える方法も。



知ってしまっては、もう求めて仕方なくて。
上条の手で満たされない時には、こっそりと…
自分の手や指を上条になぞらえて行為に及んだ。


「はっ…ぁぅ…」


そんな恥ずかしいこと、人前でなんて…いくら上条の前でもできるわけ無い。


…と、そう思っていたのも一瞬だった。

「んんっ」


美琴は上条のものをくわえたまま、指をしっかりと自分の秘部へとあてがった。



272: ◆jPpg5.obl6:2011/06/05(日) 23:18:10.33 ID:RbeGLc3AO

「ふっ……っ…」

下着越しに秘部にそわせた指先は柔らかな場所の間を割ってクチュっと濡れた音を立てさせた。
指をわずかに曲げてはグイグイと感じる場所に押し当てる。

「はぁ…ぁんっ」


口でもまた同じように、淫らに濡れた音を立てて美琴は上条の性器をしゃぶっていた。

「は…っ、なんか、やらしい…眺め、だな」


―――恥ずかしいのに…こんなことっ


あてがえられた指で秘部を慰め、そこに押しあてるように美琴の体が小さく揺れている。

必死に上条に尽くそうと、性器を口にして…そして、我慢できない自分の欲を少しでも満たそうと自慰に耽る、そんな美琴の姿。


―――その腰つきはエロい…っ




「あっ…んぁ…」



―――どうしよう、これ…なんか…やめられない…っ


美琴は自分のことに集中してしまい、上条への行為がおろそかにしてしまっていた。

「なぁ…っ…美琴?」

そのおかげで少し余裕が戻ってきた上条は、美琴の頭に置いた手で指通りの良い髪をかき上げながら問いかける。



274: ◆jPpg5.obl6:2011/06/05(日) 23:27:05.53 ID:RbeGLc3AO

「…っ…いつも、その指で一人でやってんのか…?」

上条の言葉には美琴の自慰行為を咎めるようなニュアンスがこもっているようだった。


「なぁ、その指は何の代わり?」

自分の浅ましい姿を指摘されて、美琴の頬が快感とは違う紅に染まっていく。

羞恥の思いに体が脈打っていた。

「ふぁ…あ…」

美琴は自分の指をそのままに腰を揺らし続ける。

でも、自分で自分に与える刺激じゃ本当に求めている快感は手に入らない。


わかっている。

このままじゃ、


満たされないことぐらい。






―――当麻じゃなきゃ




「ぅ…んっ…とぉ…ま」


尽くしたいという思いで続けていた上条へ行為がピタリと止まる。

口元から上条の固くなった性器が離れ、美琴の片手は力なく上条の太ももに寄せられた。



289: ◆jPpg5.obl6:2011/06/07(火) 22:35:47.03 ID:G+qH2eFAO

「おしまい…?」


上条が柔らかい表情を浮かべ、小首をかしげて問いかけた。
止められた行為に不満を言うでもなく、その声に含まれた甘さに美琴の体がくすぐられた。

「うぅ…っ」


―――体が奮えたのは、きっと…



美琴は秘部にあてがった手を自分の股で挟み込むように、ほんの少しだけ閉じていく。


―――思い出しちゃったからっ……



「だって…」

私に触れてくる、コイツの指…

耳にかかる熱い息…

体を力強く引き寄せてくる腕…

………私の中に入ってくる……―――



「だって…なんだよ?」


俯きかげんにそう言う美琴に上条はつかさず鋭く言葉を重ねた。

「……っ」

その問いに、美琴は思わず唇を噛みしめる。


―――…わかってるくせにっ!


上条の太股に重なった美琴の手にぎゅっと力がこもった。



―――だって、もぅ…



美琴は浅く呼吸を繰り返して顔を上げると…その潤んだ瞳で上条を誘う。



290: ◆jPpg5.obl6:2011/06/07(火) 22:40:41.51 ID:G+qH2eFAO

「―――も……我慢できなくなっちゃったの…っ!」


いろんな思いに耐えながら、美琴は懇願の言葉を口にした。

そんな美琴の姿が愛しくて仕方なかった。
いつもの美琴とは違う、その必死な姿がたまらなく可愛い。


―――俺だけだよな


「……じゃあ、俺はどうしたらいい?」


―――ぜんぶ、俺だけしか知らない美琴だ


一人の女の子を自分のものにしているという感覚が、男の欲を刺激した。

上条は優しく問いかけているが、その求める答えは美琴にとっては簡単に答えられるようなものではない。


「――…っ!?」


何も無いような平気な顔で、意地悪く問いかけてくる上条が憎たらしい。


(わ、私に、なに言わせたいのよ…っ)


でも、もう恥ずかしいからとかそんなことはどうでもよかった。


―――はやく、はやく……



満たされたかった。



―――………欲しいのっ



どうしようもなく。
彼だけを求めて。



「―――………欲しいのよっ!ばかっ」


挿れてほしい。

中をいっぱいにして、

擦られて、


上条が与えてくれる快感で満たされたかった。



291: ◆jPpg5.obl6:2011/06/07(火) 22:59:16.58 ID:G+qH2eFAO

「……欲しいのか?」

美琴は涙目になりながら、無言でうなずいた。

はやく、はやく満たされたいと焦る心が瞳に映っている。


何が?と、さらに問いを重ねようと思ったがやめておいた。

―――そんな顔すんなよ
俺だって我慢できなくなるんだから…


「そうか、わかった」


そして、上条は腰を上げて美琴の体を跨いでいった。

その背後にまわり、美琴の体を押し上げる。

「んっ」

美琴は先ほどまで上条が座っていたベッドに肘をついて、うつぶせるような体勢にさせられた。

上条は後ろから、抱き締めるように美琴の体をつつむと
制服の下から手を突っ込んで美琴の肌に直接触れた。

「あぁ…っ」

熱い指先が、美琴の腹部を這って胸元へとのばされた。

ブラをずらされて、美琴のつつましい胸が上条の手のひらにおさめられる。


「はぁ…っ…美琴…」

ふにふにと胸を掴まれたまま、上条の熱い息が背後から耳に吹きかけられ、美琴はゾクゾクと体を震わせた。

その反応に、上条はまたわざと耳元で囁くように唇を開く。



293: ◆jPpg5.obl6:2011/06/07(火) 23:20:30.11 ID:G+qH2eFAO

「美琴が頑張ってくれた分……俺もご褒美…返してやるよ」


上条の声に鼓膜が震え、囁かれた言葉は美琴の頭の中で何度も繰り返し響いていた。


その言葉を消し去るように、美琴は首を振る。

「あっ…んんっ……」

上条の手から与えられる刺激に、美琴は背中を反らせると
背後にまわった上条にお尻を突き出すような格好になってしまった。

「はぁっ…可愛いお尻だな」

上条は荒く呼吸をしながら左手で、美琴の胸を掴んだまま右手でお尻をさする。


「あっ」

お尻を撫でていた、上条の指先が触れたのは下着の紐だった。

美琴が一瞬、声を上げた間にその紐はつんっと軽く引っ張り上げられると……
いとも簡単にほどけ落ちていった。

「おぉ…これは、思った以上に燃えるわ」

紐をほどく動作に、上条の胸が熱くなる。
こうした嗜好に目覚めてしまいそうだと、一人うなずいた。


もう片方の紐は、ほどかなくとも下着がぺらっとめくれて、美琴の足から落ちていった。


「やだっ…なにすん…の…っ」

上条は両手で美琴の腰をつかみ高くかかげ上げた。

後ろからでは上条の行動が見えなくて。
何をされているのか…と、美琴は少し怖くなった。

そっと後ろをうかがうように腕の隙間から顔をのぞかせる。



314: ◆jPpg5.obl6:2011/06/12(日) 22:15:03.73 ID:uIhzT5bAO

のぞいた先に見えたのは、歪んだ上条の表情。
それが、笑顔だということに気づくまで、いくらか時間がかかった。

上条が浮かべたのは、与える者の余裕の笑みだ。



「ひゃぁっ」


美琴があられもない声を上げ、逃げるように腰を引いてベッドのシーツを握りしめた。

期待していたモノとは違う何かが敏感になった秘所に触れていた。

生暖かく、湿った感触。

「やっ…ぁ…あぁっ」

愛液に濡れた場所に、上条の舌が入り込んでいた。

知らぬ感覚に美琴は、体を震わす。
上条は柔らな場所に舌を這わせて、逃げようとする美琴の体を掴んで、何度も舐め上げた。


「…ん…ぁ…気持ちいいか?」

言葉を口にされると、敏感なそこに息が吹き当たっていた。

ぺちゃっとした音が際立って鼓膜に伝わってくる。
その音が自分のそこから発せされているものだと思うと美琴は恥ずかしさに唇を噛みしめた。

「ぁっ…あっ…」

慣れない刺激に体がどうしようもなくビクビクと震えていた。



315: ◆jPpg5.obl6:2011/06/12(日) 22:23:22.11 ID:uIhzT5bAO

「やっ…だ…やめ」

上条の唾液と美琴のそこから溢れるものが、舌でかき混ぜられる。
濡れた音が美琴の嬌声と共に部屋に響いた。

「あっ…舌…入ってっ……ぁぁ…んんーーーっ」



―――ダメ
そんなとこっ…汚い…

私、ヘンになっちゃぅ…

当麻…やめて、

やめてよ…っ



「これ、やっ…ァッ…んっ…や、だぁ…」

美琴が思った以上の反応を示したものだから、上条も夢中になって舌を這わせていた。

温かく、柔らかな舌で敏感な場所をしつこく舐められて美琴は、さらに力を込めてシーツをぎゅっと握りしめる。

もう、いく…っ。絶頂に近い感覚が迫ってきて美琴は一際高い声を発した。



「ーーー…あぁッ!」

つま先がぎゅっと丸まって、強張るほどに全身に力がこもる。

先ほどまでとは比べものにならない愛液が一気に溢れ出していた。

唾液と愛液と、どちらのものともつかない粘着質な液体が美琴の太ももを伝う。


「…はぁ、ここ…美琴の…すごい匂いがする……」

「ば…かっ……。な、なに、言って……」

熱に浮かされたように、上条がどこか楽しげに言葉を口にした。



316: ◆jPpg5.obl6:2011/06/12(日) 22:33:22.05 ID:uIhzT5bAO

舌を離すと上条は顔を上げ、手の甲で口元を拭う。
今の雰囲気には似合わない、なんだか男らしい仕草だった。

上条の温かい感触が離れて、部屋の空気に美琴の濡れた秘部は冷たさを覚える。
秘部が濡れ、紅くなってひくついていた。
そこは上条の視界にしっかりととらえられている。


「美琴…?」

後ろから聞こえてくる上条の声に、首を曲げ背後をうかがおうとしたが力が入らない。
左半分の頬をベッドに埋めて、美琴は苦しげに呼吸する。


「はぁ…っ……ぁっ」

「かるく、イっちゃった?」


声からするに、意地悪く誇らしげな笑みを浮かべているのだ……きっと。

美琴は頭の中で、そんな彼の顔を思い浮かべて悔しくて、たまらない気持ちになった。

去った上条の舌先に名残を惜しみつつ、美琴は足を小さく震わしてベッドに体半分を沈ませていた。

もうしばらく動けないのでは無いかと思うくらいの脱力感にくてんと体を横たえている。

「びっしょぬれ…」

「ア…ンタが、はぁ…っ…したから…で、しょ…っ」

「俺もしてもらったから、ペロペロ返しです」

「はぁ…はぁっ…とぅ…ま…の、ばか……」

息もたえだえに美琴は背後の上条にそう言った。



325: ◆jPpg5.obl6:2011/06/14(火) 22:29:33.35 ID:lnOktGLAO

「んっ」

「ほら、すげぇぬるぬるしてる…わかるか?」

溢れる愛液を指で絡め取るように、上条は美琴の秘部をなぞっていった。

そのまま、ぐいっと力を込めるとさしたる抵抗もなく指は美琴の中へと侵入していく。

「やっ…あ、あぁっ」

愛液にぬめった指先が、くちゅくちゅと音を立てながら美琴の中を浅い場所で出入りした。

「とぉ…ま、…もぅ…」



―――こんな、こんなことばっかり


「…も、いいからっ」

あえぐように言った美琴の言葉に上条はだまって、返事を返さない。


―――これ以上、焦らされたら
おかしくなりそう……


美琴の心を知ってか知らずか…指使いで、奥へ奥へとほぐしていく作業を上条は寡黙に続けている。


―――き……っ気持ちいい、けど…
今は…指じゃ…だめ…

なんで、それがわかんないのよ…っ!


「も……指…いいっ…からっ…はやく…」

「はやく??」

「~~ッ!?」

そこだけ、上条はとぼけた声で返事を返してきた。
本気で言ってるのか、態とやっているのか…どちらにしても腹立たしいのに変わりない。


「ん……ぁ…あっ」

美琴は出入りを繰り返す上条の指の感覚を追いながら、伏せていた腕を抜いて不自由な体勢で後ろを指差した。



327: ◆jPpg5.obl6:2011/06/14(火) 23:12:37.69 ID:lnOktGLAO

―――もう、本当にこれ以上…



「指じゃ…なくって…ァ…それ…入れてよぉ」



「……っ!?」

上条が一瞬ぐっと息を止めた。
美琴の切なげな声に、心を刺激される。

美琴に指差された、自分の下半身に目をやった。
自分のそこも、溢れ出る先走りの透明な液体ですっかり先端が濡れている。

「あー…」

上条が口元に手を当て視線を落とし、息を吐くように声を漏らした。


―――こんなのフェアじゃない


「もぉ…ヒクッ…お願い…だか、ら…グスッ……こんなのやだ…」


―――私ばっかり、


アンタのことほしがって

やらしく…されて、

余裕なくて…

恥ずかしいこと
言わされそうになって……


(…っ……いつから…こんな自分になったのよ……)


入れて欲しいとねだる美琴に、上条の口角があがった。

「焦らし過ぎちゃったな…悪かったよ」

「…んっ」

美琴の体からふいに指が引き抜かれる。

「ちょっと…待って…俺の準備が、まだ…だから……っ」

また後ろから抱きしめ、耳元で囁くと…その言葉で安心したように美琴はこくんと従順な頷きを見せた。



328: ◆jPpg5.obl6:2011/06/14(火) 23:20:19.28 ID:lnOktGLAO

やっと、人心地つけそうだ…と、そんな気がした。


「ほいっ、と…たしかこのあたりに…」

上条は美琴の体を追い越すようにベッドの枕下に手を伸ばしていた。

そしてビニールの破れる音がして、これから与えられるであろう快感への期待で体に震えが走る。

「はぁっ…」

悩ましげな声が美琴の口から発せられた。


「ん…早く、当麻」

「………そんな風に名前呼ぶの…なんか反則じゃねーか」

美琴がもう限界ギリギリなのと同じように、上条も切羽詰まった状態になってきていた。


「……余裕なくて優しくできねぇかも」


二人の欲望は、それぞれに求め合いながらお互いを追いつめてゆく。

「痛かったら言えよ?」

「…そん…な、しんぱい…今さら、い…らない、わよ…」

そうつぶいたかと思うと、入り口に熱いものが当てられた。
上条の手が美琴の腰に当てられる。



329: ◆jPpg5.obl6:2011/06/14(火) 23:26:53.74 ID:lnOktGLAO

「ぁ……っ」

熱い先端が入り口にひたと触れて、びりびりと美琴の体に緊張が走る。

ぐいっと腰を押して、一番太い先端が美琴の入り口を擦って中へと進んでゆく。

「…っ」

いくら、濡れてほぐされていても指とは比べものにならない太さと固さ…そして熱をもったものが入ってくるのだ。

入ってくるときのその激しい違和感はぬぐえない。

「力、ぬけよ…美琴がつらくなんだろ」

「んんっ」


上条は無理に押し込もうとはしないで、少しずつ体を押し進めていく。

美琴も、少しでも深く、深く上条を受け入れられるようにと、
両肘をベッドについて腰を浮かせた。

「ん…っ」

「はっ…」

そそりたった肉棒が美琴の中に吸い込まれていくのが後ろからはっきりと、見えていた。


「そう…、そのまま……も、う…少しだから……っ」


「…ぁ…あっ……んっ……」

待ちかねていたものを与えられて、無意識のうちに美琴は満足の声を漏らした。


「…美琴……」


すっかり根元まで中に入ると、上条がため息を吐くように美琴の名前を呼んだ。



348: ◆jPpg5.obl6:2011/06/18(土) 21:11:40.54 ID:xPrjXQzAO

「くっ……んっ…、んんっ……」

最奥まで貫かれて、ゆっくりと抜き差しがはじまった。

じわじわとした快感が美琴を襲う。
美琴は体が前に押しやられていくのをシーツを掴んで必死にこらえていた。

擦れるたびに、美琴は上条をぎゅっと締めつける。
もう、そうとうな快楽を感じているようだった。

「はぁっ……はっ…………」

「ぁ…っ…んっ」

入り口で茎を擦られて、上条の性器はよりいっそう美琴の中で成長してゆく。

「んっ…やぁ…あっ……あぁっ………」

美琴の口からあえぎ声が漏れ、またぎゅっと固くシーツが握りしめられた。

腰を打ちつける強さが増して、美琴は肘をついているのもつらくなってきた。
左の肘がくだけ、美琴の体が前に倒れた。
ベッドに体が崩れ落ちる。

「う…あ、みこ…美琴」

熱に犯され、震えた声で名前を呼ばれる。

それだけで、心が震えた。

自分だけを求められているようで美琴は嬉しかった。




―――もっと……
もっと……名前、呼んでほしい



349: ◆jPpg5.obl6:2011/06/18(土) 21:40:47.41 ID:xPrjXQzAO

「んん…と、う…まぁっ…」

鼻にかかった、甘い声で名前を呼ばれる。



―――うあ…なんかぐっときました…っ



胸の中に、美琴への愛しい思いが満ちていった。
たった一つ、その思いを表す言葉が頭を駆け巡る。
伝えずにはいられない…そんな思いに駆られた。



―――可愛い

「みこ、と……」


―――俺だけの…


「ーーー…美琴っ」


「んっ…と…ぁっ…まぁ…っ…」


美琴の意識という意識がそこに集中している。
快感が高まるにつれ、頭の中が白く霞んでいくようだった。

「とぉ…ま、んっ、あ…当麻ぁ……」

繰り返し、繰り返し何度も名前を呼んだ。



―――体も、頭の中も…熱くて溶けちゃいそう……



手の中のシーツが汗でじっとりとぬれていた。


「ぁ、…ぅぁ…っ…みこ…ぁ……と…」


抜いて、挿れる。


肌のぶつかり合う音が激しさを増す。
上条は腰の動きを早めていった。



「…美琴…美琴っ」

上条もうわごとのように愛しい名前を繰り返していた。

そして、一段と強く腰を打ちつけて、大きく体を震わせた。



350: ◆jPpg5.obl6:2011/06/18(土) 21:55:12.38 ID:xPrjXQzAO

射精をした高揚感に、上条の全身が満たされる。


「……んんっ」

美琴は上条が達したことを知った。

体内で脈打つそれがドクドクと熱い液体を放っていた。
快感に溺れた美琴の体は欲張ってその小さな刺激を追い続けている。

「はぁ……はぁ…」

そのまま、上条は美琴をまた背中から抱きしめた。


後ろから、上条の荒れた呼吸が美琴の耳をかすめていった。
「…あ…」

呼吸を整えている中、ふと、美琴に名前を呼ばれ…伝えたくて仕方なかった言葉があったことを思い出す。


―――美琴……


耳元で聞こえるか、聞こえないか…
乱れた呼吸にまじって、そっと囁かれた―――――




『好き、だ…』



上条の口から、ふいに出た言葉に美琴はぶるっと肩から体を揺らした。

「ひぁ…っ」

まだ中にいた上条にその震えがダイレクトにつたわる。

汗が流れるように美琴の秘部から溢れた液体が太ももを伝って床にぽとっと落ちた。



356: ◆jPpg5.obl6:2011/06/18(土) 23:53:06.69 ID:xPrjXQzAO

「ありゃ…?」

「~~~ッ!!!」


囁かれた言葉で……


――――……イっちゃった


耳の性感帯を刺激されたから?
体が敏感になってたから?
とにかく、彼の言葉一つがきっかけになり美琴の体は絶頂をむかえてしまったのだ。


「…急に、…そんなことっ…」

「…美琴さん…これは一体?」

ポタポタと落ちる雫に上条は目を向けた。

「ア、…ンタ、ほんと…ズルいわよ」

「なにが?」

「……ズルいっ」


ずるいも何も、ただ、思ったことを口にしただけ。

たったそれだけなのだ。


「なんで?なんで私の弱いトコ……」

「ん~?」

「…そんな……確実に、ついてくんのよ」

「そんなこと言われてもなぁ~……」

息が整った上条は腰をひいて、そっと美琴の体から自身を引き抜いた。



357: ◆jPpg5.obl6:2011/06/19(日) 00:19:57.04 ID:AAQbKYdAO

「んっ!」

「……分かんねぇよ、偶然だろ」

別に、狙って言った訳ではないのだから。

「きゃっ」


ベッドに崩れた美琴の体を、上条が引き起こして自分の方へと寄せた。

「まぁ、美琴さんが上条さんのこと、好きーなのと同じように……」

上条が座り込んだ間に美琴の体がすっぽりとおさまる。
腕に抱きかかえられて、美琴は顔をあげた。

「ぁ……」


―――ほら、またそんな顔して……


やっと見えた上条の顔、なんだか久しぶりに見たような気がした。

優しく笑み浮かべて、上条は口を開く。


ゆっくりと、言葉がちゃんと聞こえるように。

確実に、心まで伝えられるように。


上条の優しい声に…低い響きが美琴の鼓膜を揺らす。



「……俺も美琴が大好きってこと」



「……~~ッ」

美琴は、上条の背中に腕を回してさらに抱きついた。
体をできるだけぴったり寄せて。


それに応えるように、上条も抱きしめる腕に力を込めた。



―――…はぁ、何もかもコイツのせいで乱されまくってる…


「ばか…」



―――………そういうとこが、


ズルいって言ってるよ…



・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・――――――



369: ◆jPpg5.obl6:2011/06/19(日) 18:57:40.77 ID:AAQbKYdAO

――――…………


情事を終え、美琴は軽くシャワーを済ませた後、食事の用意にいそしんでいた。

一方、上条はというと、いろいろと散らかってしまった
ベッド周りを片付けた後、シャワーへと向かっていた。


「できたわよー!」

「はいはーい、今行きますよ~っと」

上条は濡れた髪をタオルでわしゃわしゃとふきながら、美琴の呼び声に答えた。

「おおっ!いい匂いがする!!!」

シャワーを浴びて戻ってくると、部屋は食欲をそそるいい匂いに満たされていた。

鼻が自然と動いてしまう。

美琴は二つのお皿を両手で運んで、上条にそこへ座るように促した。

「ふふん♪美琴サマお手製ハンバーグよ。早く座って」

二人分の食事の用意が揃うと小さなテーブルの上はいっぱいになる。


「すっげーうまそう…あぁ、お肉を食べるなんていつぶりのことなのでしょうか…」

ほろほろと、目元に手を当てながら貧乏学生上条は、感慨深く言葉を口にした。

「おおげさね。さっ!早く食べましょ」

体を動かした後ということもあり、二人ともお腹がペコペコだった。



370: ◆jPpg5.obl6:2011/06/19(日) 19:10:32.85 ID:AAQbKYdAO

ほかほかのご飯の湯気に、ハンバーグにかかったソースの匂いもそそられる。
そして目に映る彩りよく飾られた野菜たち。

視覚からも嗅覚からも、食べる意欲を掻き立てられた。

「「いっただきまーす!!!」」

手を合わせ、声を合わせて食事の挨拶をすませると上条は勢いよくパクッと大きめの一口でハンバーグを口にした。

「ど、どうかしら?」

味にはそれなりに自信はあったが、やっぱり彼の口に合うのかどうか…少し不安だった。

聞かずにはいられない。


「………上条さん、今ばっかりは幸せって言いたい」

「お、おいしい……?」


美琴は自分の口に運ぼうとしていた箸を止めて聞いた。


「最高においしい!!!」

箸も一緒にぐぅっと握りしめた手を掲げ、声も高らかに上条は言った。
その言葉に美琴の顔が頬からふにゃんとゆるんで明るい表情に変わる。

「いや、本当お世辞抜きで…
こんな美味しいハンバーグ食べたの生まれてはじめてです!」

「そ、そう!良かったわね!しっかり味わって食べなさい」


―――うわ、食べてる食べてる…嬉しいっ!



371: ◆jPpg5.obl6:2011/06/19(日) 19:24:33.14 ID:AAQbKYdAO

パクパクと箸を進める姿にほっとして、美琴も食事を進める。

二人で食べると美味しさも倍になる気がした。

(ん……おいしっ♪)

口に箸を入れたあと、上条の動きがピタリと止まる。


(あれ、なんか嫌いなものでもあったのかしら……?)


美琴は不安げに上条の顔をのぞきこんだ。

上条が天井をあおぎ、あーっと何か思い出すように声を漏らす。



「なに?どうしたのよ?」

「……なぁ、美琴のでぐしょぐしょになった紐パンツどうすんだよ…白井のなんだろ?」

「ーーー…ぶっ!!」

変なことを言い出すものだから、美琴が口に含んだ食べ物たちが吹き出しそうになった。

「おい、何やってんだお嬢様」

「あ、アンタが食事中に変なこと言うから!」


先ほど、下着のことについて聞かれたため、美琴は黒子にすり替えられたものだと説明したのだ。

「あ、新しいの買って返すわよ…」

「洗って返すより…そうだな、その方がいいよな」

上条の茶碗が空になったのが目に入り、美琴が手を差し出した。
よからぬ話題にいきそうなのを軌道修正する意味もこめて。

「いる?」

「あ、お願いします」

渡された茶碗にご飯をよそごうと美琴は立ち上がった。



375: ◆jPpg5.obl6:2011/06/19(日) 21:06:42.35 ID:AAQbKYdAO

「今は、ヘンな話題禁止ね」

そう言って牽制しながら美琴が上条の前に茶碗を置くと「ありがとう」と言いながらまたハンバーグを口に含んで幸せそうな顔を浮かべた。

とりあえず、美味しい食事がさめないうちにと、食べることを再開。



――――――――…………

「ふぁ~ごちそーさん!ありがとなー美琴」

「どういたしまして。そんな風に食べてくれると、作ったかいがあるわ」


美琴が作ったハンバーグはすっかり彼の胃の中におさめられていた。

「美琴の分までがっついてしまって…上条さんは情けないです…」

「いいわよ、アンタに食べてもらう方が嬉しいし」

上条がハンバーグをまだ欲しそうな顔をしていたから、美琴は自分の分を半分にわけっこしてやったのだ。
今度作る時は当麻の分は3つ用意するわね、なんて嬉しい約束をしながら。

彼はそんな贅沢できねぇよって、苦笑いしていたけれど…

それほど、望んで食べてくれたことに美琴は満足に笑む。


幸せな気持ちで胸がいっぱいだ。



376: ◆jPpg5.obl6:2011/06/19(日) 21:16:01.07 ID:AAQbKYdAO

「あ、片付けは俺がするから置いとけよ」

「いいわよ、私がするから…」

「いやいや、ハンバーグを半分わけっこまでしていただいたのですから
美琴さんはゆっくりしてなさい」

上条が、立ちあがろうとする美琴の肩をポンっとおさえてお皿をまとめて持って行こうとした。


「あ……やだ」

「え、あ、どうしたんだよ?」

不満と悲しさが混じったような声で、美琴は上条の服の裾を掴む。

上条は何かマズいことをしてしまったかと、焦りの表情を浮かべていた。

「…もうすぐ帰んなきゃ行けないし…あんまり、離れたくない…」

「……」

(離れたくないとは、今この部屋から台所までのこの距離の
ことを言っているのでせうか…?)

上条は今の居場所から、向かおうとした台所に目を行き交わせる。

(すぐ、そこ…なんですが……まったく、またそんな可愛いことを……)


「………帰したくなくなるじゃねーか」


ぼそっと、言葉が落とされた。


「えっ」

美琴は上条の言葉を聞き取れなくて、聞き返すつもりで声をあげた。



395: ◆jPpg5.obl6:2011/06/20(月) 22:53:14.30 ID:pubpNzNAO

「はいはい、じゃあ片付けは後!水につけて置いときましょう
じゃあ、俺これ全部持ってくから美琴はコップ頼みま・す・よ」

「な、何よその言い方…っ」

何か誤魔化されたような気がしたが、皿を持ち運んでいく上条の背中を
美琴はコップを持って追いかけた。

洗い場に上条は本当に食器たちを適当に水につけておくだけだった。
美琴は自分がやるべき仕事を中途半端に残すみたいで気がひけたが、
強引に肩を押されて部屋へとかえされた。

「今から帰るまでのいちゃいちゃタイムだなー」

お皿が気になって、困り気味に立ち尽くす美琴の背中から上条が声をかけた。


「なっ!!」

振り返ってみると、ほっぺたに上条の人差し指が刺さった。
あ、ひっかかった!と上条は嬉しそうに言う。無邪気にはしゃぐ少年の顔だ。


「何だよその顔?美琴もいちゃいちゃするの嬉しいくせに」

「ぅ……」

なんて、上条の言葉が決め手になった。
その通り、上条とくっついていられる時間が欲しいのだ。

もう、お皿のことなんて気にもしていなかった。

「さ、おいでおいで」

上条は部屋に戻ってベッドにもたれると、座り込んで手招きをし美琴を呼んだ。



396: ◆jPpg5.obl6:2011/06/20(月) 23:08:28.76 ID:pubpNzNAO

「何が、おいでよ…私はアンタのペットか何かか」

言いながらも、上条に近づき、向かい合うよう足をまたいで美琴もその体の間に座り込む。

「………」

近づいた上条の頬に自分の頬をピタリと当てた。
頬の火照りがじわっと広がる。


まだ少し湿り気を帯びているツンとした髪から、シャンプーの匂いがした。


―――このシャンプーの匂い…すき


安心し、満たされる身体中の感覚。


首に手を回して、美琴は上条を抱きしめた。

ほんの少し呼吸がしずらくなるくらい、ギュッと……。

「ん、美琴…?」


上条が肩口に寄せられた美琴の頭に手を置くと、
美琴の甘い香りにまじって、ハンバーグの匂いがした。

あぁ自分のためにと頑張ってくれたんだなぁ…と、また嬉しい気持ちになる。


離したくない、帰したくない、まだまだ抱きしめていたい。




―――でも、



402: ◆jPpg5.obl6:2011/06/21(火) 05:01:03.21 ID:DADOEHEAO

―――そんなこと、俺が言っちゃだめだよな…


「なぁ、美琴……」

美琴を困らせることはしたくない。
だから、本当の気持ちを隠して、


「……何時に…出よっか」

決意が揺らがないように、美琴に言った。

ゆっくりと、はっきりと。



上条も美琴の体を包み込む。


―――俺が「帰るな」って言ったら
帰らないんだろうな、きっと……



言葉に反して、その腕は美琴を離すまいとしているようだった。
それに答えるように、美琴が身をよじって、またさらに密着度を高める。

「………」

「あんまり、遅くなったら…いけねぇしな…」


――――まだ、一緒にいたい



(やっぱり帰りたくないなぁ…)


「………」


―――って言ったら、コイツのこと……困らせちゃうわよね…


「……なぁ…」

返事のない美琴に頭でコツンと呼びかける。

求められてるその返事は、帰らなければならないこと。

もうすぐ、彼から離れなくてはいけない。

―――やだ


「………」

(あ~黒子また怒るかな……)


―――離れたくないの……


―――まだぎゅってしてたいのよ…



412: ◆jPpg5.obl6:2011/06/22(水) 22:43:09.12 ID:Mrl2UO7AO

「……まだ、一緒にがいい…」

美琴は首筋に顔を埋めながらくぐもった声で言った。

すり寄ってくるその姿が小さく、可愛らしく感じる。
甘えた仕草に、上条が抱いた決意がぐらついた。


―――こんな状況で、それは何かズルいだろ…


一瞬聞こえないふりをしようと思ったが、声にまじって
首筋に吹きかかる美琴の熱い吐息がそうはさせてくれない。

焦るように胸の鼓動も早くなる。


「いや、まだもう少しは一緒にいるけどさ…時間決めとかないと
上条さんも困っちゃうわけで……」

美琴の背中をトントンたたいて、埋めた顔をあげるように促した。
それはつまり、美琴に少し体を離すようにと提案する手だった。

美琴はそれに反抗して顔をあげるどころか、回した腕をきつくして上条の体を締め上げる。

「んお、ちょ、と…苦し、い…です」

「ばか」


(アンタも同じ気持ちなら、………)


―――私のこと、離さないでよ


「…離れたくない……」


「~~っ」


―――お、押しに負けるな!
会う度、お泊まり………ほら、なんか体裁的にも
まずい気がしますし……



426:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸):2011/06/23(木) 23:46:48.95 ID:xdO/vzjAO

>>412
なんか、ごめんなさいここだけ訂正

「……まだ、一緒がいい……」



に いらね



413: ◆jPpg5.obl6:2011/06/22(水) 22:54:25.97 ID:Mrl2UO7AO

「だっ…だめ。ほら、白井が待ってんだろ…あんまり心配かけてやるなよ」

「何よ、そんなに私に帰って欲しいの?」


そんな意地悪な質問を重ねて、美琴が上条の背中に
手を置いたまま顔をあげる。

…そこには不満で頬を膨らせた美琴がいた。

「……そうじゃないけど…でもなぁ……」

向かい合う形になり、美琴の瞳に上条が捕らえられた。

逃げられない、その瞳から。

「……こうゆう時、アンタが“帰したくない”って
言ってくれるもんじゃない?」

「…何言ってんだよ、そんなこと言ったら
美琴絶対帰らないだろ…だから言わん」


美琴は、じぃーと上条を見つめたまま思案を巡らせ、下唇を噛み締めていた。




「……ねぇ」

小さく首を傾げると美琴の髪がさらっと流れっていった。


「何だよ」

「…言ってよ」

「…可愛くいったって……だめだからな」

美琴は上条の態度にまた一段と頬を膨らませる。


「もうっ!そのへんの男らしさが足んないのよ、アンタにはっ!」


美琴の苛立ちのこもった声が、上条の耳に響く。



414: ◆jPpg5.obl6:2011/06/22(水) 23:00:25.48 ID:Mrl2UO7AO

「はぁ…すまん」

思わず、上条は力ない声で謝罪の言葉を口にした。

美琴が怒りを覚えている自分の男らしさとは何なのか…
自分にとっては果てない疑問に頭からはてなが飛んだ。

「だいたい…っ、え、えっちな時ばっかり強引で、
ここでそれが出せないっていうは、一体どうゆうことなの……?」

「はぁ……、ん?」


(………なんか、さらりと何やら引っかかることを言われたような…)


「ふーん…つまりは、上条さんに本気だせってことか…」

「そうよ、男らしいとこみせなさいって………」
「―――いいのかよ?」

急に雰囲気を変わった、力のこもった声に美琴の体がピクリと反応する。


「え」

何か怒らせてしまった?
そんな不安がよぎるくらい、上条の瞳は真剣だった。




「上条さんが本気出したら、美琴…一生俺の腕から逃げられないぜ」


「…っ!!」



―――いっ、一生……は、はは離さない……
ど、どどどうしよう


「ふ、ッに、ゃ……ぁっ!!!?」

「いや、美琴さん、何言ってるかわかんないし
ここ真っ赤になるとこじゃなくてツッコむところよ」


上条がおーいと呼びかけながら、どこかに飛んでしまった美琴の意識を呼び戻そうとした。



422: ◆jPpg5.obl6:2011/06/23(木) 22:55:01.61 ID:xdO/vzjAO

「まぁ、とにかく今日は帰りましょう」

まだ、望まない言葉を続けた上条に意識を戻した美琴は、不満を露わに言った。

「なっ!一緒がいいって言ったじゃない!」


「……帰るって言ったのは美琴だろ」


―――言った、確かに言ったけど……
そんなの、本当は違うってことくらい分かるでしょ……


「……」

「な、なんでせうか…」

美琴の瞳が何かを探るように、見つめてくる。

上条が今抱いている美琴を帰らせなければならない
とする決意を何とか崩してやりたかった。


―――絶対、私を帰らせたくないって、
そう…思わせるためには………



美琴が考えて導き出したその答えは…


―――そうよ、私から、仕掛ければいい



つまりは、意図的に自分から誘うことだった。


―――私が、



「なぁ美琴、今日じゃなくたって…また………んッ!?」


―――アンタをその気に、させればいい



「はぁ…ん、むっ」

美琴は上条の口を唇でふさいだ。
ふさぐだけじゃなくて、ついばむようにして柔らかな唇を甘噛みする。

「ん、はぁ…ちょ、……みこ…んんっ」

「んっ」



思わず、唇を軽く開いて上条は自分の舌先で美琴の舌を誘ってしまった。



423: ◆jPpg5.obl6:2011/06/23(木) 23:01:50.88 ID:xdO/vzjAO

唇から侵入しつきた美琴は、吸いつくように、噛みつくように…舌を不規則なリズムで絡み合わせ、男の本能を刺激する。

つたないながらも、美琴なりに何かを必死に伝えるような
そんな熱のこもったキスだった。


「んぁ…ぁっ」
「はぁ…」


何を言うでも無く、唇が離れ、鼻がぶつかる距離で二人は見つめ合った。

荒い呼吸に、二人の肩が揺れている。

上条の決意はもうぐらぐらと、支えを失い揺れていた。

「…な…なんですか、急に」

また、腕をまわされた上条は美琴に抱きしめられる。


そして…――――




「帰らない」


最後の一撃。

とどめの一言。

上条のその決意はあっけなく崩れた。


「………わかったよ、」

抱きしめ返す形で、上条は言葉とともに返事を返す。






「………帰さない」



「…うん」

上条の言葉に美琴が満足そうに、少し頬を緩める。
嬉しい気持ちを隠そうとするが隠しきれないといった様子の小さな笑顔だった。

「…あぁ上条さん、また悪者扱いですね……
どんどんダメな悪い男になってる気がするよ…」

「そんなことないわよ。黒子には上手く言っとくから大丈夫、だいじょーぶ…!」


(………うん、たぶんね)



424: ◆jPpg5.obl6:2011/06/23(木) 23:19:08.48 ID:xdO/vzjAO

上条はもう吹っ切れたように、美琴の体を抱きしめながら、
触れられる面積を増やそうと傾けた頭を美琴の頭にのせた。


「美琴ってさ…」

「ん?」

「なんか、だんだんと、そういうことに積極的になってきたよな…かなり…
ん?いや、割とはじめから積極的だったような気も…?」

「ちょ、ちょっと何の話かしら?」

何だか嫌な予感がして、美琴は抱きしめる力を弱めて顔を上げた。

上条の傾けていた頭が、美琴が顔を上げるのとほぼ同時に元の位置へと戻された。

「なんつーか、回を重ねるごとにエロさ倍増?」

「ひっ人のこと変な言い方しないでよ!!!!」

美琴は、上条の肩口に向かい拳を振り落とした。

「いてっ電撃よりマシですが…あんまり乱暴は……」

美琴は落ち着かない様子でもじもじと俯いている。

「あ、アンタだって、はじめの時は私に触るので精一杯だったくせに…」

「いや、だから奥手の上条さんをこのようにけしかけたのは美琴さんで……って……」

(お、全然俺の声聞こえてない顔してんな)


上条は生物の珍しい行動を見る研究者のように、ふむふむと美琴の様子を観察していた。



425: ◆jPpg5.obl6:2011/06/23(木) 23:28:15.83 ID:xdO/vzjAO

―――なんかフルフルしてる……


(頬の紅潮度から見るに、美琴たんは何やら
恥ずかしいことを思い出しているようだ)



「なの…に、今日は……わ、私の、あ…あんなとこ、ろ、を……」


(ふむふむ…)


「な、舐めたり…う、う、後ろから、し、したり……」

美琴は自分のことでいっぱいで、言葉がつかえてうまく言えていなかった。

「そういや俺もペロペロ初体験だったのですが…いつの間にフェラまで覚えた……って、うぉぉぉっ!」

ビリビリッと目の前に電光が走った。


「ちょ、ま、絶賛らぶらぶ密着中に、それはない!!ビリビリ禁止!」


防御として上条は右手で美琴の…、

「きゃっ!」

お尻を掴んだ。


「な、ヘンなとこ触んないでっ!」

「つ、掴みやすいところだったので、つい……」

上条が、そう言って笑うと美琴も少し落ち着きを取り戻した。

「まぁまぁお互いペロペロデビューしたわけですが……」

「…そう、ね」

「美琴もあそこ舐められるの良かった?」

「なっ!?」

「……気持ちよかった?」

二度重ねた問いかけ、美琴の顔が赤く上気した。
上条の声が呼び水になり、先ほどの情事が感覚までも鮮明に脳裏に浮かぶ。



433: ◆jPpg5.obl6:2011/06/25(土) 20:55:24.51 ID:45u3b/FAO

「気持ちいい」と返事を返すのは羞恥の思いが固く口を閉ざしてくるし、
「気持ちよくなかった」と嘘の返事をするのはいけないと
善をなそうとする思いが制止した。


―――何で、コイツこんなことばっかり聞くのよっ



答えは、簡単。

美琴の反応が可愛いから、もっとその姿を見たいから、
上条は楽しんでいるのだ。



―――へんじ、しなきゃ…だめ?

すっと、瞳を向けると上条とばっちり目があってしまった。

「ん~~?」

「……ッ」

上条は美琴の頭を両手で撫でながら、見つめてくる美琴に何も言わずに返事を急かした。


―――言わなくても…知ってるくせに


そして、美琴は首をゆっくり縦にふって、そのまま俯く。


黙って、うなずくしかなかった。

「気持ち良かったんですね…素直に返事ができるとは、いい子いい子!」

「やだ…!ちょっと」

いい子いい子と、頭を撫でるかわりに手をスカート下の中にスルリと滑り込ませた。

「なっ……!」

スカートの下に入った手が美琴の内股をスルスルと指先と手のひらが這う。



434: ◆jPpg5.obl6:2011/06/25(土) 21:02:15.64 ID:45u3b/FAO

「……美琴からちゅーされて、もっと触れたくなってしまいました」

「えっ…ぁ……!?」

「美琴も、そのつもりだったんだろ」

美琴を抱き上げて、体をくるっと反対に向け、ベッドに乗せる。
上条はそのまま美琴の手首を押さえて、押し倒した。

二人の体の重みにベッドが、ギシッと音を立てる。

「…っ、や…ちょっと、待って」

「今さら、やっぱり帰るとか言うなよ」

上条に押さえつけられたまま、美琴は身動きが取れない状態だった。

「す、するの!?」

「さて、上条さんから美琴へご褒美の時間です」

そう言って上条が、美琴へ唇を落とそうとした。

「ちょっと待って!!」

美琴の声に上条の動きが止まった。
先ほどまでとは違う、はっきりと彼の動きを止めるための言葉だった。

「え……」

戸惑いに揺れた上条の声。
何の根拠もないが、美琴が自分を拒否することは無いと思っていた。

「どうしたんだよ…?」

美琴の表情からは、何も見えなくて…
上条は、小さな不安を胸に美琴に問いかける。



「…その、」

言いにくそうに、視線をそらした美琴は小さく唇を開いた。



437: ◆jPpg5.obl6:2011/06/25(土) 21:59:42.95 ID:45u3b/FAO

「さっき…後ろからされるの…ちょっと、嫌だったから…」


小さな声で、聞き取るのもやっとだった。

『嫌だった』
その言葉だけが頭に響いて、美琴が口にしたことの意味を
頭できちっと理解するまで少し時間がかかった。



―――あ、さっきなんとなくの流れで後ろからやってしまいましたが…


『―――…嫌だったから』


―――嫌だったの…か


自分のことばかりで、美琴への気遣いができていなかったと
…その言葉が上条を責めていた。


―――気づけなかった……



ひやっと、一瞬、体の温度を失ったそんな気がした。


「………ごめん、痛かった、とか……?」

美琴の手首を掴んだ手をゆっくりと放して、上条は体を起こした。

美琴に嫌な気持ちをさせてしまったと、上条の表情に
後悔の色が浮かぶ。

「…ち、違う!」

上条の表情に美琴は慌てて声をあげた。


―――嫌だったのは、そういうことじゃなくて…


「そう、じゃ…なくて、その……」

自由になった美琴の手が、あっちを指差しこっちを指差し…
くるくる動いて、あたふたと目の前でせわしなく動いていた。


「?」

「痛いじゃなくて…………えっと、」



438: ◆jPpg5.obl6:2011/06/25(土) 22:06:29.86 ID:45u3b/FAO

胸元で制服のシャツを握りしめ、視線を泳がせたまま美琴は言葉を続けた。

何を言おうとしているのか、上条は上から美琴をのぞき込むように見つめている。

頭を左に向けて、美琴は上条のその視線から逃げていた。

「………ア、」

横顔の美琴が声を発して、唇を噛みしめた。

「“あ”?」

唇を閉じて、続きを言おうとしない美琴に上条は美琴の発した一言を返す。

その声にほんの少し急かされて、美琴は横目に上条を確認する。
すぅと息を吸い込んで、深呼吸をしてから上条の方に顔を向けた。

唇が何か言いたげに、パクパク動いて…やっとの思いで言葉が発せられる。

「アンタの………!」

潤んだ美琴の瞳が、不安げに揺れていた。




「……顔が見えないのが、嫌なの…」



―――だって、



「後ろから…してもいいけど…その、」


―――そばにいるのに、体も、心も繋がってるのに


美琴は上条の服を掴んで自分の方へ導くように引き寄せる。


「最後は……アンタの顔…見てたいのよ」


―――目を開けときに、当麻がいなかったら嫌だもん…



446: ◆jPpg5.obl6:2011/06/26(日) 00:08:27.49 ID:qOBAsx7AO

「………」

上条は何も言わず、瞳を落としていた。
美琴は、まだ彼が自分の言葉で不安を抱いているのかと思い
その心を慰めようとした。

「ほ、ほんと痛かったとかの…嫌じゃ、ないから……あれ?」

美琴が服を掴んでいる事なんて気にしない様子で、
上条はいきなり着ていたシャツを脱ぎ上半身を露わにしていた。

「なにしてんの!?」

抜け殻になったTシャツが、美琴の手に残っていた。
そのTシャツが顔にかかる。

「んぅ…」

彼の匂いに、体が甘い疼きを覚えた。

「美琴、可愛いこと言いすぎ…」

そして、美琴のシャツのボタンに手をかける。

「もー、俺は悪い男になってもいいです」

着衣が乱されて、美琴の肌も露わになった。
美琴は思わず、上条が脱いだTシャツで、見えそうになる体を隠そうとした。

しかし、上条はそれを許さず、美琴からTシャツを
取り上げ、ベッド脇へと落とした。

「え、…ぁっ…!?」

「…さっき…本当に美琴に嫌な思いさせちまったんじゃないかって
俺も…不安になったんだ」

神妙な顔つきで上条はベッドに肘をついて、美琴に近づいた。

「………もう、絶対に不安な思いはさせないから」

「とう、ま……」



448: ◆jPpg5.obl6:2011/06/26(日) 00:14:16.71 ID:qOBAsx7AO

上条は美琴の背中の下へ手を滑り込ませた。
美琴も分かったように少し体を浮かせる。

上条は滑り込ませた片手で器用にブラのホックを外した。

「と、言うわけで、つぎは美琴さんご希望の正面なら…
正常位?お、騎乗位もちゃんと顔が見えますが、どうだ?」

「な、な何言って…んのか、わか…わかんないっ!」

上条の提案に、美琴は頬を染めて首をふる。

「美琴が不安にならないように、考えてんだよ」

締まりがゆるんだブラが浮いて、美琴の胸がその隙間からのぞいている。

上条の手がブラを押し上げ、美琴の胸に重なっていた。

「…っ!」

明るい部屋でそこが露わになるのは自信がない……見られるのは気が引ける。

見栄をはるわけでは無いが、胸を寄せるように腕を組んで隠そうとした。

上条の手は重なって、止まっている。
2人の体温が重なる場所が熱い。

「……な、に」

「それは、誘ってるようにしか見えん」

「ひゃっ…あ…」

重なった手が、美琴の胸を優しく包んで柔らかさを確かめるように指先が動いた。
ふにふにと、くすぐったさにまじって、敏感な先端も刺激された。

「ん、ぁ…ぁっ」

美琴の顔が快感に歪む。



450: ◆jPpg5.obl6:2011/06/26(日) 00:31:09.31 ID:qOBAsx7AO

「その顔…バッチリ最後まで、見ておきますからね」

「ふえぇ…それは、何か、ちが………や、電気消してよ!」

左で肘をついて、上条の右手がスカートをめくり上げながら太ももを撫でていった。
美琴の体が小さく震えている。

「…あ、ゲコ太だ」

めくれたスカート下をよく見てみると、美琴の好きなキャラクターがいた。

「な、何よ悪いっ!?」

「この方が美琴らしいな」

「……」


―――私、らしい…


その言葉に自分が認められてるようで、嬉しくなった。

「でも、ゲコ太の出番もおしまいです」

「はいっ!!!?」

上条の手が、ゲコ太の下着にかかる。
美琴が足をよじって抵抗した。

「いきなりすぎやしないかしら…」

「だって」


―――だって、

「求めずにはいられません」


―――その姿で
―――その言葉で


「俺をこんな風にしたのは、美琴だろ」

「…当麻…」


肘をついていた左手が、美琴の頬に触れた。

熱い指先、隠しきれない美琴への思いが表れているようだった。


―――何言ってんのよ
私を、こんな風にしたのもアンタじゃない……



「……美琴」

ゆっくりと近づいてくる上条の唇を待ちながら、
美琴はそっと目蓋を、閉じるのだった。



―――お互い、様ね―――






お熱い夜を!


おわり



478: ◆jPpg5.obl6:2011/07/17(日) 23:56:26.02 ID:1vgMewKAO

>>357からの分岐点おまけです

ほんと、思いつきだけ。笑



480: ◆jPpg5.obl6:2011/07/18(月) 00:03:47.11 ID:Up/cI87AO

――――

「ね、ねぇ……」

しばらく抱き合う二人だったが、美琴が先に手をゆるめた。

「やだ」

離れようとする美琴の行動に、上条は離れられないようにと
さらにきつく美琴の体を抱きしめる。

「…なっ」


力強く抱きしめられるのは、嬉しい。

けど、今は落ち着いてその喜びを感じることなんてできなかった。


だって…――――



「や、やめてよ!」


……今の自分の姿が…その、…あれなだけに。

「なんで?」

わざとらしく、また美琴の体を自分の方へと寄せた。

「や…っ…」

上条に体を寄せられるほど足が開いて、そこを広げさせられてしまう。


「あれ、こうされるの嫌いだったか?」

「…ううん、すきだけど……って、ちがっ!…は、離して!
わ、分かっててやってんでしょ!」

「…?」

「こんな格好のままいれるわけない…っ!!
着替えるの!」

熱がさめてきた今は、お尻も何もかもさらけ出された…

この、下半身丸出し状態の自分の格好に耐えられなかった。

「そのままでいいんじゃ…うぉっ」

「バカ!!そんなことできるわけないじゃない!」

勢い任せに彼の胸元を押してやる。
ぐらっと体勢を崩した上条から逃げるように、
美琴はすぐさま離れていった。



481: ◆jPpg5.obl6:2011/07/18(月) 00:15:35.08 ID:Up/cI87AO

上条は後ろ手をついてなんとか倒れずにすんだが、
そこそこのダメージは受けたようで胸元に右手を当てている。


「いってぇ…」

「アンタもいつまでそんな格好してるつもりよ…っ!?」

美琴は直視できない、上条の下半身へ注意を入れつつ…
申し訳程度に着ているシャツの裾を引っ張る。
見える体をわずかに隠しながら上条からまたもう一歩離れていった。

美琴は足下に落ちていたスカートを慌てて掴んで、前の部分を隠す。


(早くスカートはいて…それから……っ)

一人わたわたとしている美琴の行動を上条はじーっと目でおっていた。

「な、こっち見ないでよ!」

視線に気がついた美琴がそう言うと一応、上条は気をきかせてくれたのか
顔を横にむけて壁の方を向いた。


「仕方ねーだろ…そりゃ見ちまうって…」


美琴はその場でスカートをはこうとしたが、止めた。

(このままスカートはいたら、前…見えちゃうし…
コイツに背中向けたら…お尻…見えちゃうし……)



482: ◆jPpg5.obl6:2011/07/18(月) 00:29:59.87 ID:Up/cI87AO

どうしようもない状況で…
もう、とにかく、前だけは隠すことにした。



「つーか、今さらそんな恥ずかしがらなくても…」

上条は顔を横に向けたまま、目だけで美琴の様子をチラリとうかがった。

「見るなって言ってんでしょうがっ!!!!!!」

室内ということもあり手加減はしているのだろうが、
美琴は電撃を上条に向けた。ビリビリと青白く光る。

「んなっ!あぶ…っ!!」


電撃は、はじけた音を立てて上条の右手で打ち消された。


「あ、あ、あっちで着替えるから!」


上条が右手をかざして顔を下に向けているその間に、
美琴は踝を返して、急ぎ足でお風呂場の方へと向かうのだった。




「ったく…どこで着替えたって一緒じゃねーか」

顔を上げた時にはもう美琴は居なかった。
とりあえず自分も着替えようと、腰を上げる。

「パンツ、パンツ~っと!」

ズボンに絡まる下着をとろうと手を伸ばした。


「…あ、」

自分の下着のもう一歩先。

片方の紐がほどけた、美琴の下着が小さく丸まっていた。


(ふーん。スカートしか持ってってねーのか……)



――――
―――――――――
―――――――――――――



483: ◆jPpg5.obl6:2011/07/18(月) 00:54:40.51 ID:Up/cI87AO

―――――――――――
―――――――――
――――――



「あー腹へったなぁ~」


美琴は自分の状態をうまく飲み込めずにいた。

「これは……」

先ほど、裸ではまずいということになり、
そして今、お腹もすいたなぁ…と、いうことで、
二人はとりあえず夕食の準備をすることになったのだ。

美琴はそのまま制服で、上条はTシャツ半パンというラフな格好で…

そうして身なりを整えた二人は今、向かい合うように立っていた。

「ん?…何だよ」

首を曲げて、自分より少しだけ背丈が小さい
美琴の視線に合わせてみた。

(おかしい、こんなの絶対ありえないわ)

上条を避けるように、視線を落とした美琴は今の状態を
冷静に判断しようとふぅーっと深呼吸して息を吐く。

(まず、私のさっき脱いだ下着はどこよ)


(それから、他の下着も入ってるはずの…私の荷物はどこよ)


(…ちょっと待って…恥ずかしいからって…お風呂場の着替えにいって…
えーっとそれで、その……)


美琴はサマーセーターは着ずに、制服のシャツのボタンだけを整えて、
それから、スカートを身にまとい、その上からエプロンをつけていた。



484: ◆jPpg5.obl6:2011/07/18(月) 01:00:30.21 ID:Up/cI87AO

確かに見た目的には、ばっちり料理ができる身支度は完璧。


(…やっぱり分かんない…なんで、こ、んな…こんな……)


けれど、今の自分の状況はおかしい。

「私の…下着…ないのは……」

それは見えない場所で、少しずつ美琴の心を羞恥の思いが侵蝕していった。

「……どうゆうこと…かしら?」

美琴は顔をあげ、なんとか上条と視線を交えて言ってみる。

上条は、ふぅっと一息ついて美琴の視線も一緒に促すようにスカートに目を向けた。

「どうも、こうも…男の憧れちょっとマニアックな
エロ設定ですね」

エプロンの下から短いスカートがチラリとのぞいていた。


エプロンと対比すると、やっぱりスカートは短いなぁと、
美琴を見つめる上条は頭の隅っこで考えてみる。

「…っ」

落ち着かなくて美琴は思わず足をぴったり合わせて
閉じ込んでいた。


(こう、エプロン姿っていうのも…なかなか……)


エプロンの柄……?

美琴のお気に入り…と言えば、もうお分かりのことでしょう。

無論、エプロンの柄はゲコ太である。

(……イイッ!)


自分より少し低いところで、美琴がスカートの下を
気にして身じろぎする姿が、たまらなく可愛らしかった。



495: ◆jPpg5.obl6:2011/07/18(月) 18:16:57.07 ID:Up/cI87AO

(くぅぅぅ…ッ!こりゃぁ、なんつー萌える類の生き物なのでしょうか…!)

ぐっと胸元を掴むと、Tシャツの柄になってるどこかのスポーツチームのマークが歪んだ。

(そしてそして、このスカートの下が……)

今すぐにでも、美琴をぎゅーっと思いっきり抱きしめたくなるその衝動を抑えるのに必死だった。


(ま、マニアックなエロ設定だと思うと…はぁ…はぁ……)


「…ん?」


上条の異変に気がついて、何やら身の危険を感じた美琴は
無意識に一歩後ろへと下がった。

美琴の反応を見て、まずいと思った上条は息を整え、
咳払いをし、またわざとらしい口調で話し始める。

「…さ、さて、晩飯の準備するんだろ?エプロン装備もバッチリ!
遅くならないうちにはじめようぜ」

この男はこのまま料理をさせる気なのか…

「……ヘンタイ」


もちろん、制服にエプロン…という姿のことに対してではない。

「…だって、あの下着汚れちゃっただろ」

仕方ないと言わんばかりに、洗濯機の方に視線を送る。

「いや、かわりの下着くらいあ……んぅっ!?」


上条は美琴の言葉を人差し指で押さえ込んで、その言葉を無理やり飲み込ませた。

「はいはい、いいじゃねーか、スカートはいてるんだから。
それに下着はもう洗濯機の中ですし……ね?」


見かけは何ともない。

そう、問題はスカートの下。

(ありえない…)



496: ◆jPpg5.obl6:2011/07/18(月) 18:24:24.06 ID:Up/cI87AO

スカートの下ではお尻も、何もかも下半身丸出し状態なのである。

美琴は、こんな恥ずかしいことをしている自分を耐えれそうに無かった。



「大丈夫です。見えませんから」


上条の顔を見て美琴は、その笑みは何だ!と、思わず突っ込みをいれたくなった。


「ぜったい嘘」

もう、諦めたように美琴はため息をつくと、スカートの後ろの裾を
少しでも長くしようと手で引っ張って、上条に背を向けキッチンに向かう。

「ア、アンタは、そっちの部屋片付けるんでしょ」


「へいへい、では、おいしいご飯を食べられるように
準備しておきます!」

先ほどのように、下半身丸出し丸見えというわけでは無いのだ。
下着は無いが、ちゃんとスカートをはいている。


―――気にしないようにしよう



そうすれば、平気よ!と、美琴は心の中で自分を励ました。


(き、気にしないっ!気にしないっ!)


お尻に直接触れてくるスカートの違和感に体がぞわぞわと
震えてしまいそうだった。

とりあえず、美琴は冷蔵庫へむかって直行。
上条が帰ってくるまでに下準備をしていた食材を冷蔵庫から取り出そうとした。

ほんの少し前屈みになって手をのばす…―――



497: ◆jPpg5.obl6:2011/07/18(月) 18:37:55.15 ID:Up/cI87AO

―――――はっ!!!



美琴は勢いよく振り返って後方を確認。


何もない。誰もいない。



「……?」

(あれ…アイツかと思ったけど…)

首をくるっと回して、隣の部屋に視線を向けた。

当の彼は自分の方に背を向けてベッドまわりを片づけている。

(おかしいな…一瞬、すごい視線を感じたような…)

ふと、美琴の視線に気がついたのか上条が振り返った。

「ん?何か手伝おうか」

「い、いい!いいっ!来ないで!!
こっち来なくていいから…!!!」

美琴は片手でスカートを押さえながら、全力でその申し出を
お断りをした。

「そ、そうか、こっちはすぐ終わるし何かあったら言えよ」

(アイツのことまで…いちいち、気にしてたら
進まないじゃない…)

美琴は半分聞こえないふりをして、冷蔵庫から
準備していたハンバーグを取り出した。


(気にしない、気にしない…)

続けて両手でいくつか野菜を掴んで、手がふさがったものだから
つい、いつもの癖で太ももを使って冷蔵庫を閉めてしまった。



498: ◆jPpg5.obl6:2011/07/18(月) 19:03:12.25 ID:Up/cI87AO

「…ふゃ…っ」

スカートの下で露わになる敏感な美琴のそこが、
その刺激を受け止めてしまう。

体が震えた。

その震えは、性的なものを含ませていた。

「……っ!?」


―――わわわ、私ってば…な、な、何て声出してんのよ!!

情事後ということもあり、そこはまだ湿り気を帯びている。
足を開くと、本当に音が聞こえるわけでは無いがくちゅっと
濡れ合わさる感触が全身にゾクゾクと伝わった。

軽く足を開いたり、閉じたりするだけで妙な感覚に襲われる。

「ぁ…っ」

嫌な感覚じゃない。


だから、困った。


―――なんか、体ムズムズする…


そのムズムズを確かめるように、また股を小さく開いてみる。

ぬるっと濡れた感じが伝わってきた。

(ぅぁ…っ…)

つい、もっと求めてしまいそうになる。

(…う…私は…これが、気持ちいいってこと……?)


そんな風に考えていると、下着をつけていない自分に
わずかばかり、興奮していることに気づかされた。

(…っ…ノーパンがいいなんて……そ、そんなの、
……アイツみたいに、ヘンタイじゃない)



500: ◆jPpg5.obl6:2011/07/18(月) 20:08:02.00 ID:Up/cI87AO

気を紛らわそうとするが気にしないようにと、
すればするほど体中の神経は一点集中で、そこからの
刺激と興奮が伝わってくるのを待ちかねている。

スカートの下で、じわじわと熱がこもっていった。


(や、やばい…なんか変な気分に……―――)





「美琴?」

「ッ!!?」

ビクッと肩が大きく震えて、背筋がピンと張った。

いやらしい考えごとをしていたせいか焦りで心臓がドクドク激しく脈打つ。

「あ…いや、そんな脅かすつもりは無かったんだけど……」

その反応に首を傾げながら、上条は美琴の背中に声をかけた。

「…どうかしたのか?」

美琴がその声に振り返えれば、上条が台所へと顔をのぞかせている。
いつから上条がそこにいたのかと思うと、美琴の頬は真っ赤に染まっていた。


「い、忙しいのよ!話しかけないで!!あっち行ってよ!」

音量をフルにしてあげた美琴の声は、上条の耳にキーンと響く。


美琴はまた上条に背を向けて、野菜を持って流し台に向かった。

全く進んでいない料理の続きをするために、首をふって、
なんとか雑念を取り払おうとする。

(あぁ…っ!ばか、私のばか)


手元で野菜をくるくる回している自分に気がつき、
野菜を洗うために慌てて水を出した。

(……大丈夫、大丈夫。落ち着くのよ…)



ジャーッと勢いよく蛇口から流れでた水は、やけに大きく部屋に響いていた。



509: ◆jPpg5.obl6:2011/07/20(水) 22:32:43.16 ID:un2IJMsAO

―――……んっ?


水の流れる音に混じって、何かが自分に近寄ってくる気配がした。


(――…なんかこっそり近づいてきてる?)

美琴も気づかれないように、その気配に少し意識を向けてみる。


―――アイツよね…?


学生寮の決して広いとは言えない、この一室で何か近づくその気配の正体は上条以外に考えられなかった。


その気配に何だかわくわくとするようなそんな気持ちに
美琴の心は浮き立つ。


そのまま背を向ける美琴に対して、上条がまた一歩、
足音を消して近づいてくる。


(…気配消すのはうまいけど、私にそんなのは通用しないんだから)


息を殺して近づいてくるのが分かる。
時折、上条は苦しげに浅い呼吸をしていた。


(何かする気かしら?…)

『美琴ぉ』

『んっ!』


―――アイツの手が頭にのっかって…



『お!がんばってるなぁ~いい子いい子』

『も、もう!やめてよ!そんなことされても…っ
う、うっとうしいだけなんだからっ』


―――…なんて、ぽんぽんって撫でてくれたり?


気配もすぐ後ろまで迫ってきた…。
一歩、一歩、確実に上条が忍び足で近づいてくる。



510: ◆jPpg5.obl6:2011/07/20(水) 22:45:58.95 ID:un2IJMsAO

『美琴?』

『ん…なに…』


―――後ろから呼びかけられて、振り返ったら…



ちゅっ


『…ッ!!!!』

『エプロン姿にきゅんとして…ついキス
…したくなっちまったよ』


―――…振り返りざまにキス…な、なんて…なーんて……


「…っ」

また一歩、近づいた。

今度は、彼が動いた分のその空気が頬をなぞっていく気がした。

近い、すぐ後ろ。

(ヘンなことしてきたら……び、ビリビリ…
しちゃうんだから……)



もう、ほんとにすぐ後ろ…体から放たれる熱が
感じとれるんじゃないかと思った。

少しだけ距離を置いて足がピタリと止まった。

怪しい気配に、美琴の鼓動が早くなる。

(絶対ヘンなことする気だわ…うん、絶対に……)

何かしようとする彼の動きを感じた美琴は身構えることなく…

いかにも、
『料理中で、アンタになんてぜんっぜん気づいてないわよーっ』
…という自分を野菜を洗いながら自然に振る舞って見せた。

……つもりである。



511: ◆jPpg5.obl6:2011/07/20(水) 23:25:34.39 ID:un2IJMsAO

ジャーっと流れ出ていた蛇口をひねる。

ピタリととまった水音。



―――あっ…


より慎重な動きで、背中越しに上条の手が美琴の体に
伸ばされてくるのが分かる。

「……」

美琴はその動きを感じながら、その手の行く先を黙って待っていた。


何だか分からないが、息苦しい…鼓動の速さもまた増していく。



スッと美琴の肩口を通って頬の横を上条の熱っぽい腕が通っていった。


(ほら、きた……―――)



「ッ!!!」

肩口を通った上条の腕は、美琴の体にまわされ、もう片腕は腰のあたりから美琴の体を半周して細くすぼまったくびれをつかんでいた。


「え、ぁ…っ!?」

そう、美琴の体は後ろから…

―――ガバッと包み込むように抱きしめられたのだ。

「な、なによ…?」

ドキドキと心臓をならしながら、美琴は声をあげた。


この状況は美琴が期待した…いや、ある程度予想を
していた行為だったが、やっぱり体はびっくりしたようで
手に持っていた野菜がシンクに向かって、ゴロンと
音を立てて落ちていった。



524: ◆jPpg5.obl6:2011/07/24(日) 21:53:49.52 ID:VLLmnHpAO

美琴の問いかけに、答えるのでなく上条は黙ったまま抱きしめる腕に力を込めた。

ぎゅーっと力が入ると、背中あたりが熱くなった。

「んっ」

美琴は思わず目を閉じる。


―――う、あ…


背中からじわじわと感じるその温もりが心地よくて、体が溶けてしまいそうだった。


―――きもちいい…



後ろから、頭まで上条に包み込まれるように
抱きしめられると…

それはもう、全身からふにゃーっと力が抜けて
ふわふわした気持ちになった。




―――…しあわせっ


頭の中では、そんな言葉が飛び跳ねている。


素直にそのまま、この温もりを感じていればいいのだが
美琴の性格上そうはいかなかった。


「やっ、やっやっぱりヘンなことするじゃない!
アンタってば、ほんとに…」

「ヘンなことではありませんのことよ。
これは、健全たる男子のごく自然な行為でしてね……」

美琴の頭にのせられた上条の手は、小さく動いて優しく頭を撫でていた。
時折、美琴の柔らかな髪をくしゃっとしながら。



525: ◆jPpg5.obl6:2011/07/24(日) 21:58:27.44 ID:VLLmnHpAO

「な、何またわけ分かんないこと言って…」


もっとして欲しい、やめないで欲しいと、行き場に困った
素直な思いをスカートの裾をぎゅっと掴んで、
美琴は自分を誤魔化そうとした。


「も、もう…いい加減、離してくれないかしら?」

片手でやっぱり気になるスカートを押さえたまま
腰あたりにのばされた上条の腕に手を重ねた。

それは、離しなさいと促すつもりの手なのか…
けれども、その仕草からは、そんな気なんてこれっぽっちも
感じられない。

離れて欲しくないと、引き止めているようだった。


「まぁまぁ……こうやって、ヘンなことされるのを
美琴さんは期待して待ってたんだから、もう少し
このままでいいんじゃないか?」


「私は!そっそんな、期待なんてして………!!!!」

そのまま首を曲げて振り返ると、唇が簡単に触れられそうになる。

二人の間の距離が、ぐっと縮まった。


「し、て……な、い……」


思わぬ距離に、美琴は言葉が詰まった。


「……気づいてたくせに…」

そう言って、美琴の目にうつった上条の口角があがる。

頬を歪めニヤリと笑う上条に美琴はやられたっ!と、唇を噛み締めた。



526: ◆jPpg5.obl6:2011/07/24(日) 22:19:03.53 ID:VLLmnHpAO

―――コイツ…私が気づいてることに、気づいて……っ


気がつかないふりをしていたのがバレていた…気持ちまで
見透かされたようで、美琴は悔しさと恥ずかしさで俯いてしまう。



「ちなみに、上条さんは美琴がさっき足もじもじさせて、
変な声出してたのも見ちゃってたりなんかしちゃってたり
してなぁ~…」


軽やかなリズムをもった口調で、上条からさらりと
告げられた事実を美琴はビクッと体を震わせ受け止めた。


「ッ!!!!!!!!!!?」


先ほど、自分がしていたことが脳裏に浮かぶ。


下着をつけていないことの違和感だったはずのものが、妙な快感を得るものに変わっていたこと。

思い出してしまった。



上条の言葉に驚いたのと同時に、足を閉じ込むと、
そこからぬるっとした感触がする。
それは、美琴に妙な焦りを感じさせた。


「……美琴」

優しく、低い響き。
耳元で囁かれて、美琴の体がびくんと跳ね上がった。

「ここ、どうかしたのか?」

そう言って、上条は美琴のくびれを掴んでいた手でスカートの上を
撫でるように、ゆっくりと下に向かってすべらせていった。

「あっ!」


そこを撫でられると、小さく鋭い叫びが美琴の口からもれた。



527: ◆jPpg5.obl6:2011/07/24(日) 22:39:40.70 ID:VLLmnHpAO

―――なに、する…つも、り………?


自分に何かをしてこようと企む上条に、少し不安がこみ上げてくる。


「美琴のこんな姿みて…我慢できる自信ねぇよ」

吐息とともに甘い声で上条が耳元で囁いた。


スカートを押さえたた美琴の手をよけて、上条はスカートの下に手をはわせた。

美琴の内股をつーっと指先だけで撫でる。

「んっ」


じわっと、下腹部に熱が広がった。



―――や、やだ…まさか、こんなところで……っ!


台所の壁の向こうからは、遠くでガチャンと扉の閉まる音や、
コツっと廊下を歩く足音が聞こえる気がした。

流し台の小さな窓からも外の世界がより近く感じられる。



―――どうしよう…



自分でも分からないほどの甘えた声が聞こえるかも知れない。

自分の恥ずかしい音が響くかも知れない。


―――こんな場所じゃ……



「ね、誰かに……―――」

美琴は、なにやらスイッチの入り始めた上条に
自分の抱いた不安を伝えようとした。

そんな美琴の耳元に唇を寄せて、上条が答える。



「………声、出すなよ、美琴」




―――誰かに気づかれるかも知れない…



538: ◆jPpg5.obl6:2011/07/30(土) 22:34:15.71 ID:d7Z8Pq1AO

彼と二人だけの閉ざされた部屋にいるはずなのに
まるで、家の中じゃなくて外に晒されているようだった。


―――こんなところで、されたら…困る!


そう思った瞬間、エプロンの隙間から上条の手が侵入してくる。

「…や、やだ!」

美琴が声を張り上げたちょうどその時。
ガタンと、外からドアの閉まる音が聞こえて、
美琴は息を飲み思わず口をつぐんだ。
キツく扉が閉められたその音は、上の階からだろうか
…少し遠くに感じる。


一度、気になり始めると聞こえてくる様々な音に
感覚は研ぎ澄まされていった。

人が住んでいる場所であるのだから、人の気配を感じるのは
当たり前のことかも知れない。

誰かが近くにいる、そんな気配に美琴は触れられた刺激とともに
ブルッと一瞬体をふるわせた。

「美琴…」

「…あっ」


一体、どのようにしたのか…気がつけばエプロンの中で
シャツのボタンが器用に外されていた。
そして、その手は直接、美琴の腹部を撫でていく。

思わず、腰を引いてみたが上条の体にとんっとぶつかっただけ。



逃げようがなかった。



539: ◆jPpg5.obl6:2011/07/30(土) 22:42:38.72 ID:d7Z8Pq1AO

「っ…ん…誰かに…気づかれ……っ」



「大丈夫だろ、のぞかれて見られるわけじゃないんですから…」


その声はまるで熱にほだされたように浮ついていた。


ベッドでの戯れとは違う。

いつもとは違うシチュエーション。


―――ごめん、美琴…


上条も興奮の色を隠せない様子だった。


―――止められそうにない…です……


指先で美琴の柔らかい肌に触れると、確かな熱をもって
欲望が中心に集まってくる。

もう、どうしようもなかった。

「声、出ちゃ…う、し……」

防音対策バッチリとは言えない薄い壁の学生寮である。
確かに、外の世界に近いこの場所では誰かが上条の部屋の前を通った時に、
音で何をしているのか…知られる可能性が高いだろう。

でも、




「気づかれないと思いますけど……美琴さんが大きな声出さなきゃ…」


熱い息。
からみつくように粘りのある声。

その上、そう言いながら上条は美琴の耳朶を甘噛みをしてくるのだ。

「ぁ、うっ!…んんっ」

生暖かい感触。
そのくすぐったさに美琴は首をすくませた。


上条は美琴のスカートの下にすべりこませていた手を
スルッと上に持ち上げていった。



540: ◆jPpg5.obl6:2011/07/30(土) 22:51:20.72 ID:d7Z8Pq1AO

上条は手にスカートの布地をのせていきながら
めくりあげていく。


「ちょ…っ」

スカートが持ち上がると、冷たい空気が流れ込んできて、
美琴は思わず体を震わす。

下着を身につけず、露わになったままの秘部は
空気の変化に敏感に反応を示した。


「…やっ、ぱ…だめだってばッ、!」

上条は制止の言葉を聞かずに、美琴の髪にちゅっと口づける。

「あ、その…美琴さ、ん?…えぇっと、触っても、いいよな……」

コイツは何を言ってるのかと、耳元で息を荒げている
会話の繋がらない男を美琴は横目で睨みつけた。

太股の付け根あたりをつたうように指先が迫ってくる。

美琴はスカートの上から上条の手に自分の手を重ねて、
弱い場所に悪戯をしかける手をはずそうと力を込めた。

「―――…やっ」

言葉と態度で拒否したところで、無駄なことは上条の態度を見るに明らか。

「もう、今更…止めらんねーから…」

言葉とともに、上条は下半身を美琴に押しつけた。
美琴のお尻に触れた竿の固さが、上条の高ぶりを雄弁に語っている。



541: ◆jPpg5.obl6:2011/07/30(土) 22:59:25.55 ID:d7Z8Pq1AO

―――な、こんな固く…っ


「…んッ」

上条の指先は力の弱まった美琴の手から逃れ、隙間をかいくぐって美琴の秘部に触れようと狙ってきた。

「あっ…ぅ…」

スイッチの入りきってしまった上条は、誰かに気づかれようが
どうしようが、この行為をやめるつもりは無いらしい。

「~~~ッ!!!」

美琴は仕方なしに、手で唇を押さえ込んで、漏れる声が
少しでも小さくなるように努めた。

快楽に溺れるまま、声を上げたいところだがそういうわけにも
いかない今の状況である。


そんな美琴の努力をむげにするように、秘部の中心を指の腹で軽く撫でていく。

(あっ…あっ…そ、んな…触りかた…)

「ー…ンーーっ」


―――大きな声、出せない…!出しちゃ…だめ!



そう思えば思うほど、美琴の体は敏感に上条のあたえる刺激に反応してしまう。

ついに指先が中心を割るように入り込んできて
体中にぞわぞわと肌が浮き立つような感覚が走る。


(ひぁ…ぅ、も…そこは…っ)


ぬるっとした感触が残るそこは、上条からの刺激を受け、
さらにぬるぬると愛液を溢れさせた。



547: ◆jPpg5.obl6:2011/07/31(日) 00:24:08.93 ID:Teq13NCAO

「美琴さん、これはやばいです…
すでに、濡れてます分もありましたが…」

上条がそのまま指をおりこむと、美琴は反射的に足を閉じた。

そんな小さな抵抗はまるで何ともないというように、
くちゅくちゅっと音を立てて上条の指がさらに奥へと
入り込んでいった。

「はっ…ぅ…っ!」


美琴の愛液に濡れた上条の指先に力が入ってぐっと美琴の
内部に侵入してきて感じる部分に刺激を与えはじめた。

上条の熱い吐息が何度も耳元にかかる。
美琴は、そこから逃げるように何度も身をよじった。

「ふっ…ん、ぁ、あっ」

手で押さえても我慢仕切れない甘い声が美琴の口から漏れていた。

上条のもう片方の手が胸元に寄せられて、美琴の柔らかな胸が包み込まれる。
ブラの上から探るように先端を刺激されて、美琴の体が震える。

下と上、両方を同時に責め立てる上条の愛撫に
美琴の腰が揺らめいていた。

「はっ…はぁ…あっ」

「…美琴、…この、音…聞こえて、るか…?」

上条は、わざと音を立てるように指を動かす。
感覚が鋭敏になった美琴には、上条の震える声が鼓膜に響くだけでも、たまらない気持ちになった。



548: ◆jPpg5.obl6:2011/07/31(日) 01:10:50.96 ID:Teq13NCAO

蜜がこぼれ落ちそうになるのを感じて、美琴は
大きくなりそうな声を必死に押し殺しながら言った。


―――こんなところで…


「…だめ、当麻…」


―――イっちゃったら…



「…美琴……」



低い、優しい響き。
愛しい思いのこもった声で名前を呼ばれた。



「んっ、…っ。んんっ!」

上条の声に、美琴の心のストッパーがはずれ落ち、今までなんとか耐えていたものが雫となって溢れ落ちていった。

「!」

上条の手がピタリと止まる。

美琴の体は小さく震えていた。

「あぁー、こんなお漏らししちゃって…ま、まぁ…
し、下着つけてなくてよかったじゃないか…なぁ……ははは」

「……~~っ!」


足下の安っぽい布のキッチンマットは美琴の体から
こぼれたもので点々と色濃く染まっていた。


美琴は、こんな場所で自分の意志に反して
羞恥に耐えかねるようなことをしてしまうことになり…

ヒクッと喉を鳴らして、瞳に溜め込んだ涙を一筋落とした。



―――も…、ばか!当麻のばか!さい、てい…!



553: ◆jPpg5.obl6:2011/07/31(日) 20:33:03.83 ID:Teq13NCAO

「あ…」

上条は、自分が口にしたからかいの言葉がいき過ぎてしまったことに気つく。

はっと気がついた時はもう遅い…美琴の表情から伝わるものに
心がチクリと痛んだ。

「…ごめん、美琴」

小刻みに震えている体を、上条がぎゅっと抱きしめた。



「悪かった……」


優しく力を込めながら上条はもう一度謝罪の言葉を口にする。

美琴は俯いて、しばらく黙ったままだった。

「……そ…んなの」

「え」

美琴が不機嫌さを残した声で言葉を口にした。


「…固いもの…当てられながら言われても…全然、伝わんないわよ……」

悪いなんて思ってないんでしょ、と言いながら
上条の固くなったそこを美琴はお尻で小突いてやる。


「はうっ!すんません!」

不意の攻撃に、情けない声を上げて上条は腰を引いた。

固くなったそこにその攻撃はかなりの効果があったようだ。

「ごめんなさい。またしても…ちょ、調子に乗りすぎてしまいました…」

「……」



554: ◆jPpg5.obl6:2011/07/31(日) 20:40:23.66 ID:Teq13NCAO

今にもバチッと電撃を向けてきそうな美琴の反応に、
もうここでやめた方が良いと判断した上条は
抱きしめる手を少しずつゆるめていった。

「…!」


美琴は、後ろにいる上条に厳しい視線を送る。


「あれ、美琴さん?」



―――…アンタってば、ほんとバカね


美琴は離れようとした上条の手に自分の手を重ねて、
ほんの少し、力を込めた。

離すことを許さない…そんな思いが感じられる。


「あ、」

「バカ…」


―――求められることに…悪い気は…しないの…



「離さないでよ…」


「…みこ…と?」


心臓あたりにじんとした甘い痺れが走る。

ここまでされて、美琴だって…もうとっくに、
スイッチが入りきってしまっている。


体は、もう満たされることを望んで仕方なかった。



―――……私をこんな風にさせるアンタって最低よ




「え…あの、これは……」


美琴は上条の腕の中でくるっと、体を捻って体勢を変える。

向き合うカタチになると、美琴の顔がぐっと近づいた。



555: ◆jPpg5.obl6:2011/07/31(日) 20:55:36.70 ID:Teq13NCAO

「んっ!」

唇が重なる。

はむっと、上条の唇を一回ついばんで美琴は唇を離した。

本人はきっと無意識なんだろうが、潤んだ瞳で誘うように
上条を見上げた。

「……当麻」

「…美琴、それは…ズルい」

「何が、ズルいのよ?」

「……のぼせた頭が落ち着いてきたところだっつーのに…」

「…私は…のぼせてきたところ、かも……」

美琴は、上条から少し視線をそらして上条の着ているTシャツをギュッと握りしめた。


「…次はもう、本当に止められないからな」


そう言うと上条は美琴に唇を落とした。

「んっ…」

ちゅっと可愛らしい音を立ててキスをする。

「は、ぁぅ…んっ…」

今度は荒い呼吸を交えながら、何度も、何度も繰り返しキスを重ねる。


「…はっ。…あ…あっ」


しだいに、キスは粘液質の音をたてはじめて…
舌が絡み合い、濡れたが重なり合い、その音が二人の唇から漏れ出ていた。



558: ◆jPpg5.obl6:2011/07/31(日) 23:12:13.97 ID:Teq13NCAO

「んっ、……あっ…あっ」

美琴のその声は、上条の股間を熱くさせるのに十分なほど
甘く、色を含んでいた。

「はっ…はぁ…っ」

唇を離しキスを終えると、上条はふらつく美琴の体を
支えながら少し二人の間に隙間を作った。

上条の動きに美琴は視線を落として、何があるのかと
首を傾げてみる。



―――あっ


視線を向けた先には上条のモノが先ほどよりも大きく増してそそり立っていた。

中からこれでもかと言うほど、張りつめまるで半ズボンの下で
苦しいと悲鳴を上げているようだった。


「ぁ…こ…これ、」

「ん?」

美琴は、半ズボンの上にしっかり張られたテントの
一番突き出しているところに触れてみた。

「苦し……?」

ソコは美琴の指先に、ピクンと小さな反応を返してきた。


小さな生き物の反応に美琴はゴクリと息を飲み込んだ。


「美琴は…ここ…」

上条は美琴の背中を撫でるように手を下ろしていく。

「…っ」

美琴のお尻に手を置いた上条はスカートを上げて、
秘部にむかって指を入り込ませていった。

「…うぅ…」

「こんなになってるのに…もう、これ以上我慢なんて無理だよ…な?」



それは、確かに…その通りで…。



559: ◆jPpg5.obl6:2011/07/31(日) 23:35:31.40 ID:Teq13NCAO

上条が少しだけ下着ごとズボンをずりおろした。


―――あっ

固くそそりたった性器が見た目とは違いひょこっと
可愛らしい動作であらわれる。

―――…何度も見てるけど…

「…」


―――なんで…こんな大きさになるのかしら…


なんて疑問を思い浮かべていると…上条は固くなったそれで
美琴のスカートを持ち上げてきた。

「えっ」

予想外の動きに、美琴が身構えると、上条は
そのスカートの中にその身を寄せる。


「…ひゃっ」

思わぬ刺激に、美琴の体がびくっと大きく震えた。


「…ぁっ…やぁ」


柔らかさと固さを帯びた太い先端が、スカートの下で
美琴の秘部に触れてきたのだ。

ぐりぐりと押しつけられて、美琴は立っているのも辛くなるほど、
その刺激にふるえていた。

「んんっ」

秘部から溢れる愛液の助けも借りて、ぬるぬると
美琴の股の間に固くなった自身を押し込んでいった。

そのまま、秘部の割れ目にそって固くなった自身を滑らせる。

「あ…ぁ…ぁっ…んん」

まるで、美琴の中に入った時のような律動で上条は腰を動かしてきた。



560: ◆jPpg5.obl6:2011/07/31(日) 23:50:12.29 ID:Teq13NCAO

「はぁ…ぁ…美琴、俺もう」


上条は腰を揺らしたまま、余裕のない声色で美琴に言う。

「んっ…あ、ぁ…っ」

―――んっ私も、……だけ、ど…


「んっ…とぉ…まっ」


だからといって、ここでするのはやっぱり…


「んっ、あ…ねぇ……ちゃんと…ーーー」


―――ベッドで…



上条の腰の動きが止まる。


「ん…っ」

与えられていた刺激がピタリと止まり、名残惜しさに声が漏れた。

「はぁ…は…美琴……」

上条が、それ以上何を言うでもなく美琴の名前を呼ぶ。

美琴は上条の胸元に頭をぽんっともたれかけさせた。


上条も美琴の体を包むようにして、抱き上げようと手をかける……――――


―――あーぁ、ご飯食べるの遅くなっちゃうな…


―――でも、今は…早くアンタの温もりが欲しい…


―――もっともっと…

苦しくなるまで


…ねぇ、当麻―――



562: ◆jPpg5.obl6:2011/07/31(日) 23:59:53.51 ID:Teq13NCAO

「……ぎゅって、………」

「……ん…?」



―――…して、とう……







ピーンポーーーーン



「「ッ!!!?」」


その無機的な音が二人の動きを止めた。



571: ◆jPpg5.obl6:2011/08/01(月) 23:04:46.93 ID:nKoKvs3AO

―――誰っ!?


美琴の潤んだ瞳が、不安げに上条の方を見つめ揺れている。

二人は目を合わせると、ゴクリと喉を鳴らした。



宅配便かも知れないし…黙っていれば大丈夫と、
上条は美琴に向かって静かにするよう唇に人差し指を当てた。

息を殺して、インターホンを鳴らした存在が立ち去るのを待った。



しばしの沈黙。



ほんの数秒が驚くほど長く感じた。


まだ、まだだ。


扉の前に立つ気配は消えていない。




―――宅急便宅配便お間違いの引っ越しセンター!回覧板さん!
…は、ねぇか……とにかく、なんでもかまいませんから
早く諦めて立ち去ってはくださらないでしょうか…っ!

上条は必死に天に向かって、お願いをした。





数秒後、一番起こり得て欲しくない最悪の事態が訪れる。



572: ◆jPpg5.obl6:2011/08/01(月) 23:12:10.98 ID:nKoKvs3AO

「カミや~~~ん」



その声に背筋が凍る。




―――つ、つつ、土御門ーーーッ!!!!


「あれ~~?カミやんおらんのん?」


―――青髪までーーーッ!!!!



陽気に響いた声に、上条はガクンと肩を落として
最悪の状況に目を背けたくなった。



―――まずい


思わず、ドアが施錠されているかどうか確かめた。

大丈夫だ。

鍵はかかっている、無理やり入って来られることは無さそうだ。



―――…コイツの…知り合い……よ、ね?


明らかに焦っている様子の上条に、美琴もどうしたものかと
首を傾けながら小さく問いかける。

(ちょっと…、ね、と、当麻!)

(しーっ!!!!あいつらに見つかったら何言われるか分かんねーぞ!!!)

上条は手で美琴の口を塞いだ。

(うぐ…っ)


(………いや、居ないって分かったら諦めて帰るかも知れないし…もう少し、このままで……)



573: ◆jPpg5.obl6:2011/08/01(月) 23:31:41.04 ID:nKoKvs3AO

「ん~これはどっかにお出かけ中ちゃう?なんや約束あったみたいで慌ててたし…」


キター!とばかりに上条は、青髪ナイスそのまま諦めて帰りましょうと、
心の中で青髪の背中をぐいぐい押して帰りを急がせた。



―――悪い。友よ。
今日はここいらで帰ってください…マジで…



(……ん!うっ!…むぐ!)

美琴が苦しげに声をあげたが、上条はそれには
全く気づかない様子で。


美琴は自分のことを無視して、しきりに外の状況を気にする上条が嫌で仕方なかった。

(もうっ!)

口に当てられた手を無理やり離してやると、やっと上条がこっちを向いた。



――…が、今度は動くなと言わんばかりに体をギューッと
キツく抱きしめられる。


(んっ!)


密着した二人の体。


中途半端に、当たる上条の性器が美琴の太ももに擦れている。



(…ぁ、これ…もうっ!)

この男は何も感じないのか。

自分ばかりが、その刺激に翻弄されていることが
なぜだか腹立たしい。



574: ◆jPpg5.obl6:2011/08/01(月) 23:38:00.09 ID:nKoKvs3AO

美琴が何となく、上条に敵意を向けて睨みつけていたら
また、外から彼の友人たちの声がした。


「いや、さっき何か物音してたし、きっと中にいるんだにゃー」



―――!!?




「えーほんまに?ボクらが、カミやんの忘れ物届けにきて
あげったってゆうのに居留守かいなぁ~」




(どうすんのよっ!)

(わ、声出すな!あいつらに気づかれるぞ)

「あ!ほんまや!なんや気配がするでぇ!」

喜々とした声が高らかに響いていた。

上条が居留守を使うことはつまり…何か、都合が悪いということ。

二人にとってそれは、何か自分たちにとってオモシロいことがあるということで。
上条にとって不都合なほど、二人にとっては最高においしいネタとなるのだ。

そんなネタを嗅ぎつけ確信しては、明らかにしないわけにはいかない。



土御門と青髪は、目を合わせニヤリと顔を歪ませた。




「そこから様子でも、うかがってみるかにゃー」



575: ◆jPpg5.obl6:2011/08/01(月) 23:45:20.64 ID:nKoKvs3AO

ん?……そこって…


チラリと、台所の小窓を確認した。


まさか……


人影がゆらりと近づいてきている


鍵を確認。


台所の空気入れ換え用の小さな窓、誰かが侵入できるわけない。


そんなところをいつもちゃんと鍵を閉めていただろうか?



防犯意識の低い場所。


美琴と上条は、そこを見て一気に顔が青ざめる。


窓はキッチリしめられているが…







―――鍵などかけられていなかった。





(やばいっ!)
(どうすんのよっ)


上条も、美琴もテンパってしまう。
二人がわたわたと静かな、焦りを見せる中…


窓ガラスに、手がはっきりとうつりこんだ。


――――…っ!!!!!





もう、観念するしかないのか。



584: ◆jPpg5.obl6:2011/08/03(水) 20:48:10.93 ID:pYZjAEDAO

――――ガタンッ

「いっいる!!!!いるから!」

上条は慌てて声をあげた。
美琴をしゃがませ、大きく一歩踏み出し、その小さな窓をしっかり押さえ込む。

日頃の不幸で鍛えられた反射神経やら瞬発力やらの御陰でしょうか。



危機一髪、間に合った。




「ほーら、絶対にいると思ったぜい」

「おるやん!なんや居留守使わなあかんような
やらしいことでもしてたんかいな~」

「い、や、ちょっと手が離せない状況でしてね………
……あは、あははは…は、はは」

窓にうっすらうつる二人の人影に怯えつつも、
早く大きくなる鼓動を隠すように…声はなるべく平然を装った。

上条の手が美琴の背中を押して無理やりしゃがみこませた
ものだから、美琴はどんっとお尻をついて床に座り込んでいた。


「い、今あけるからちょっと待っててくんねーか…な…」


―――はぁ!?この状況であけるつもり!?


上条の言葉に美琴は眉間にしわを寄せた。

(ちょっと!ねぇ!)


上条はズボンを引き上げ、身なりを整えている。

(無視してんじゃないわよ!私のことは、どうすんの!)



―――何か…腹立つわね……



585: ◆jPpg5.obl6:2011/08/03(水) 20:59:37.82 ID:pYZjAEDAO

自分の体裁を守るのに必死といった感じに見えて、
上条の行動ひとつひとつに美琴の苛立ちが増していった。

もちろん、美琴としてもこの状況を誰かに見られるのはいやだったが…

自分を隠そうと上条に背中を押されたところが
少し痛む気がした。



―――…痛いっつーの!


すると、上条が振り返って美琴に慌ててかけよった。



―――やっと気がついたかこのバカ!


美琴が不機嫌を露わに、頬を膨れさせたら……


いきなり、がっと上条に足を掴まれた。

(!?)

そのまま力を込めて無理やり足をくずされる。


「え」

(ばかやろう…!足…三角座りじゃ…丸見えだっつーの)

美琴は顔を真っ赤にして、座りこんだままスカートを押さえた。
美琴は気づかなかったかも知れないが、同じく上条も顔を真っ赤に染めている。


(…あ……ぁ……)

(…み…美琴?)



あぁ…すっかり忘れていた。
短パンだけでなく、下着すら穿いていなかったことを。


恥ずかしいところをさらけだすように座り込んでいたことに気づいて、
羞恥の思いから頭がすっかり真っ白になってしまった。



586: ◆jPpg5.obl6:2011/08/03(水) 21:17:41.86 ID:pYZjAEDAO

(…ふ、や…にゃ…)

(だーっ!今ふにゃってなるな!なっ!気を確かに美琴センセー!!)

上条は、焦点の定まらない美琴の肩を揺すってみたが、

まるで効果は無かった。

(…も、…ふや…およめ…ゥ…いけな…ぁ…い…ゃ…)


(わけ分かんないこと言ってねーで早くあっちいって隠れ…―――)

上条は美琴を正気に戻すには時間がかかると判断して、
美琴の体を抱き起こして部屋の奥へと運ぼうと手をかけた。


―――――――その時



上条当麻、


気が回らない鈍感さのせいか。


あと一歩、詰めが甘かった。







それは彼のもつ不幸なのだろうか。




―――――――ガラッ


「もーカミやん、はよして~………………えっ?」



587: ◆jPpg5.obl6:2011/08/03(水) 21:19:34.42 ID:pYZjAEDAO

緊急事態発生。







なぜ、先ほど窓に手をかけた時に鍵をかけなかったのだろう。





後悔先に立たず。




時間は戻らない。








さて、改めてまして、


(不幸だ………)



592: ◆jPpg5.obl6:2011/08/03(水) 22:05:30.71 ID:pYZjAEDAO

「えぇっ!」


青髪がその場の光景に声をあげると、土御門がその後ろから顔をのぞかせた。

「うわ~……カミやん、ついにやっちまったんだにゃー」


上条は恐る恐る振り返る。

「うっわー…ついに、やってしもたんやね」

「それは、手ぇ離せないはずだぜい……」

美琴は、すっかり硬直していた。




―――見られた!





見た目には、大丈夫なはずだが……自分の今の格好を考えると、
もしかしたら気づかれてしまうのではないかとハラハラした。

「あぁ…カミやんが女の子を襲ってるやなんて………」

口元に手を当てながら、ニヤニヤ顔を隠せなさそうに青髪は言う。


「はぁ!?」


ちょっと待てと、上条は冷静に自分の現状を分析してみる。

美琴を抱き上げようとした手の位置が悪かったのか、
いや、今の状況であれば何をどうしたって結果は同じだったかも知れない。



593: ◆jPpg5.obl6:2011/08/03(水) 22:23:03.98 ID:pYZjAEDAO

「……あ」


とりあえず腰を掴んで、抱き上げようとしたものだから
変に自分の方に引き寄せているように見えた。

また美琴もスカートはガッチリ押さえ込んでいて、その上…涙目。

どう考えても、上条が無理やり何かしようとしているようにしか見えない。


「ちっちがう!紳士な上条さんは無理やり女の子を
どうにかしてしまおうとするような野蛮さは
持ち合わせておりません!!!!」


(いや…でも……確かに、無理やり抱き上げようとはしたんですが…)


上条が美琴のたてになるようにして態勢を変えて立ち上がった。

上条の後ろにいる少女の存在を確かめようと、
青髪は首をまげて覗き込む。


「いつの間に…完全なリア充になってたんや」

「いや…あの、そのですね…あとでちゃんと説明すっから………」


「――――……でぇ、その女の子は…誰なんやーーーッ!!!!」

ビシッと指差し、青髪が尋ねる。

自分のことを言われてるのに気づいた美琴は、指差す青髪ピアスの少年の方を向いた。


つい、向いてしまった。



―――どっどうしよう!?


視線が合ってしまえば、何か言わなくてはならないような気がして。


「こ、こんにちは…」

どうしようもなくて、とりあえず挨拶の言葉を口にしてみた。



594: ◆jPpg5.obl6:2011/08/03(水) 22:37:00.91 ID:pYZjAEDAO

「はい、こんにちは~……なんとまぁ、土御門君、見て。
ほれ、めっちゃ可愛いで」


上条は美琴と青髪に交互に視線を送る。
美琴が何を言い出すのか、青髪が何を言い出すのか…

どちらともに心配だった。

「なぁ、君は襲われてたわけやないんやね?
…同意の上、強引の上でなく合意の上…とうゆうことは…
君はカミやんの…?」


美琴はスカートを押さえたまま、もう片方の手を不安そうに胸元に寄せた。

「…えっ…と………」

美琴は、さり気なくエプロンのしわを直すふりをして、
その下で、乱れてぐしゃっとなっている制服のシャツを
どうにかしようとした。

「むむっ!」

美琴がエプロンに手をかけた途端、青髪が何かいいたげにそこへと視線をむける。

「へっ!?」




―――…な、なに!?なんで!?そんな見られたらっ…



見えるわけないが、視線を向けられると…

エプロンの下や、スカートの下がどうなっているのかバレてしまいそうな気がした。

おもむろに、青髪は唇を開く。

「その格好って…」





―――き、きっ気づかれた!?



600: ◆jPpg5.obl6:2011/08/04(木) 00:47:32.44 ID:HQ1EYG/AO

「なかなかマニアックなえぇ趣味してるやーん!」






「…………へっ?」

何を言われたのか分からなくて、美琴はポカーンとして、間抜けな声をこぼす。

上条もまた、同じく青髪の言葉を掴みきれず、ポカーンと口をあけていた。


「制服にエプロン!!!そいでもって、エプロンがお子様趣味ときたー!!」

青髪は妙にテンションが上がったようで、親指立ててグッドと褒めポーズをバシッと決める。


―――お子様…趣味……



褒められたか、バカにされたかで言うと…自分でもよくよく分かっている
お子様趣味つまりはゲコ太をバカにされたと言うこと……だと、思う。



「年上好き言うといて、カミやんにもやっぱりロリ属性が
あったんやね…あ、ちなみに、ボクぁ何でもいけるから
カミやんの萌え話なんぼでも付き合ったるから安心しい~」

「何言ってんだ。エプロンなんて中途半端な装備より、メイドがいいときまってんだぜい。お前は本当にわかってないにゃー」

「なにおう!ちなみに、お子様エプロンに巨乳でも萌えるな。ギャップ萌みたいな。な、カミやん」

「また、そんなもん対象が限定されちまうだろうが。
ぺたぺたっこ天使こそオールマイティー萌だと思うぜい」



601:寝落ちしてた ◆jPpg5.obl6:2011/08/04(木) 00:51:32.43 ID:HQ1EYG/AO

「…も…もう、いい…。何言われてもいいから早く帰ってくれ……」



呆れと、そして諦めと…上条がそんな感情によりうなだれていると、
土御門が青髪の肩を叩く。

「まぁまぁ…お楽しみ中なとこお邪魔してしまったみたいだしにゃー。
俺らも帰るとするぜい……!」

「あぁ!そやったねぇ♪」

青髪がポンっと、手を合わせると、二人はまた顔を見合わせニタァっと笑った。

もちろん、その好奇に満ち満ちた輝く瞳を上条に向けながら。


「「…♪」」

その笑いと瞳を向けられることは上条にとって、不愉快以外の何ものでもない。

「な、なんだよその笑いは…」

帰ろ帰ろ~と、どこぞの旅館の女将のように青髪はご丁寧に
両手を添えて窓をそろそろと閉めていった。

完全に閉めきる間際、青髪はまた美琴の方をじっと見つめる。

その視線に、何を言われるのかと美琴はぐっと体に力を入れて身構えた。


「カミやんの彼女さん♪」

「っ!?」


―――か、かの…かの、じょっ!!!


言われなれない、自分を指し示す言葉に動揺した。



602: ◆jPpg5.obl6:2011/08/04(木) 01:00:15.26 ID:HQ1EYG/AO

「男って言うんはオオカミさんやからね、ちゃんと言うて
優しいしてもらうんやで!」


「へ、あ、は…ぃ…ふぇっ!?」

「あと、“いや”“やめて”“あかん”系は、
逆にやる気満々誘っちゃうことにもなっちゃうからね…
嫌な時は本気で言わなあかんよぉ~」

美琴は湯気でも出てるんじゃないかって思うほど、もう本当に頭のてっぺんまで熱くなった。



――――気づかれてる。たぶん…いや、絶対何か分かってるんだわ…
そ、そう、いえ…ば……この人たちいつからそこに居たのかしら……?


美琴の頭の中ではぐるぐると、もう考えたってどうしようもないこと
ばかりが回っている。

「カミやん、可愛い彼女大事にしたってなぁ~」

またボンっと音を立てたみたいに、美琴の頬が紅潮していく。


「もう、ほんっと!余計なこと言わなくていいですから!」



603: ◆jPpg5.obl6:2011/08/04(木) 01:06:48.21 ID:HQ1EYG/AO

「今から土御門ん家行くけど、ボクらのことは気にせんと
続きやってくれてかまへんからね」

「できるわけねーだろうがっ!!!」

―――つまりは、隣にいるんじゃねーか!


ほな~と、窓がピシャリと閉めれられた。


今度こそ抜かりなく、上条は手を伸ばして鍵を閉める。

カチャリと、鍵が確かに閉められたかどうかを、窓をもって最後まで確かめた。

もう、今更そこまでしたって意味がないような気がするが…それについては、考えないことにする。

そういえば、二人が善意で持ってきてくれたはずの
忘れ物をもらっていないことを上条は思い出した。


(俺は一体なにを、忘れてたんだ…?
もう…いいや……また後でいいか……)

もう、しばらくはあの二人の友人とは関わりたくない…
今はそんな気持ちだった。


何だかんだと言いながら、ヤツらの笑い声が少し遠のいていて、ガチャンと扉が閉まる音がした。

その音を最後に、二人の空間は静寂につつまれる。


「………」

「……………」


最初に静寂を破ったのは上条だった。



604: ◆jPpg5.obl6:2011/08/04(木) 01:21:59.90 ID:HQ1EYG/AO

「み、美琴、大丈夫か?」


しゃがみこんで、肩に触れようとしてきた上条の手を、
美琴はバチッと電撃混じりに弾いた。

とっさに手を引っ込めたが……

「え~…っと…な、なにやらお怒り中なのでせうか……?」




―――元はと言えば…


美琴は上条に目をむけず、まっすぐ前方に鋭い視線を向けている。


―――下着はけなくて……



「……私の下着が入った鞄……持ってきなさい……今すぐ」

「は、はい………」


―――このまま料理しろなんて言うから……


上条が部屋に移動している間に、美琴は立ち上がると
エプロン下のシャツのボタンをとめていく。


―――やだって言ったのに…
………こんな場所で変なことしてくるから……


「こ、これでございます」


上条は部屋に行って、すぐ戻ってくると低い姿勢で美琴に献上した。

美琴はそれを持つと、黙ったまま上条を部屋へとつき返す。
「えぇっと…美琴さん?」


―――恥ずかしい格好しちゃったし…




「アンタは頭と、その情けない下半身冷ましに行ってきなさい」




―――じゃあ、知らない人に見られるし…



605: ◆jPpg5.obl6:2011/08/04(木) 01:33:56.48 ID:HQ1EYG/AO

「……………あの」


―――それも、これも…全部、全部


「今の美琴センセーは、優しくないの。なんかすっごい
もやもやとイライラがたまってんのよ」



―――アンタのせいじゃない!!!!



「…はい」

美琴の声色に、自分を責め立てるニュアンスがこもっているのが分かって。
上条はくずっと鼻を鳴らして、とぼとぼとお風呂場へと向かう。


上条がお風呂場に入ったことを確認すると、美琴は鞄から下着を取り出して、
すぐさま足を通した。

「私、何してたのかしら……」

下着を身につけた何とも言えない安堵感にもやもやの一つが消えていく。

改めて、ゲコ太パンツの偉大さを知る美琴であった。


向こうから、シャワーの流れる音が聞こえてきて美琴は深呼吸をした。

気持ちを落ち着け、夕食の準備を再開する。



606: ◆jPpg5.obl6:2011/08/04(木) 01:44:26.04 ID:HQ1EYG/AO

ふと、台所の小窓が目に入った。



―――もうっ!!こんな恥ずかしい思い、二度としたくない!


「むぅ…」


そう思ってはみたが。


これから、この小さな窓を見る度に先ほどの出来事を
思い出してしまいそうだ。

次々に頭の中に思い浮かんでくるので、消し去るように
美琴は頭を左右に振った。



『カミやんの彼女さん♪』


「…かの、じょ……」


(彼女…私よね)


どこを見るでもなく何となく顔をあげた。


(私ちゃんとアイツの彼女に見えてんのかしら…)



すごくすごく特別な感じがした。


(そういえば、私もみんなにアイツのこと紹介してないなぁ)


「さて、お風呂から出てくる前に、せめてここまでは準備しとかなきゃね…」



―――私の彼氏か






―――今度、ちゃんとみんなにも…紹介してみようかな………






“彼氏”その言葉に、ふにゃっと頬がゆるむ美琴だった。











ぜひ、みんなの前で惚気てください!
オマケ終われ。



転載元
美琴「こ、これで…いい?」上条「おぉ…これは……っ!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1304599949/
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      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年10月18日 18:08
      • なセ
      • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年10月18日 19:56
      • まとめ
      • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年10月18日 20:03
      • 昔の禁書SSをまとめるのが
        管理人の今のブームなの?
      • 4. MCC
      • 2014年10月18日 21:02
      • 5 素晴らしすぎる
        大正義上琴万歳!!
      • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年10月20日 12:04
      • 5 GJ!
      • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年10月31日 09:30
      • 5 いいセンスだ!

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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