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上条「み、御坂さ~ん」美琴「触んないでよ。」

7 : ◆jPpg5.obl6 2011/03/13(日) 23:29:37.04 ID:tbmAzIEAO

「み、御坂さ~ん」
「……」

本来ならば安息の地であるはずの我が家で、さっきから、ヒジョーに気まずい空気が流れているわけで…

「いつまで、そうしてるんですか。」

「…………」

この、うんともすんとも言わず上条に背を向けている少女は御坂美琴。

時間的には時計の尖った長い針が半周と少しほど、この状態が続いている。



―――…うぅ、なぜ、こんなにも息苦しいのだ



名前を呼んでもダメ。
理由をたずねてもダメ。
とりあえず、謝ってもダメ。

そもそも、いきなりだんまりを決め込まれた理由が上条には分からなかった。


この状況、上条さんにどうしろと?


上条宅に帰宅するまで、楽しく健全たる週末の学生デートを満喫していたはずだった。
ゲーセンに行って、パンチングマシンで勝負してはしゃいで、美琴が行きたいって言う、ファンシーキュートなキャラクターたちが並ぶカフェにだって行った。美琴同様に、目をキラキラ輝かせた女子たちに混じって並ぶにには、いささか恥があった。

「不幸だ……。」

小さな声で口癖をこぼした上条と同じ立場であろう男子が前方に並んでおり、その肩身の狭い気持ちは上条さんにはわかるのです!共に戦おうぞ同士よ…!と、視線を送っていたものだ。

かわいい!かわいい!と、満足げに笑みをこぼしながら言う美琴の姿に、上条の心も満たされる。
言葉にはしないけれど、この笑顔が見れるのだから、幸せだと感じていた。






8 : ◆jPpg5.obl6 2011/03/13(日) 23:33:35.06 ID:tbmAzIEAO



―――ぜんっぜんわかんねー。俺、何したよ…


家につくまでの、デートの回想をしてみたが美琴の機嫌を損ねるような出来事には思い至らなかった。


「…なぁ、美琴、こっちむけよ。」

背を向け、三角座りをする美琴の肩に手を伸ばす。


「――…ッ!触んないでよ!」



―――――バチッ






「…ッ!何なんだよ、いい加減にしろよ」

伸ばした手は、小さくバチッと光る電撃で触ることを拒否される。

思わず、言葉尻がきつくなった。


理由が分からないことに、


何も変わらない状況に、


何より、
美琴の態度に、

腹が立った。



美琴は、三角にした足を抱え込むようにぐっと手に力を入れた。絶対に顔をあげない、そう決め込んだような仕草だった。



「…」


頭を下げた、美琴の表情はうかがえない。


「…、あぁ!くそっ!」





9 : ◆jPpg5.obl6 2011/03/13(日) 23:38:21.86 ID:tbmAzIEAO

「やだっ!触んないでって……!」

美琴の肩を掴み、無理やり体勢をこちらに向ける。
触れた右手の力も働いて、先ほどの電撃攻撃は来ない。


「さすがの上条さんも限界ですよ。何も話さないのはズルいぞ美琴。さぁ、俺が悪いにしたって理由を話してくれなきゃ…ちゃんと、あやまること、も、できねぇ…って……え。」

上条は、思わぬ美琴の表情に言葉がつまってしまった。

唇をキュッとかたくとじて、うっすらと、瞳に涙がうかべている。驚きで、美琴の肩を掴んだ手の力がぬけた。
目が合った瞬間、その溜め込んだ涙がこぼれそうだった。
反射的に、美琴の目は上条を避ける。

「いや、ほんと、マジでわからないのですが。」

この涙の原因は間違いなく自分にある。そう感じて、声にはかすかに焦りがこもっていた。

こんな態度をとる美琴が悪いと心のどこかで決めつけた自分を後悔した。

こんな顔をさせるほど、自分は何かしてしまったのだ。


でも、何を?







10 : ◆jPpg5.obl6 2011/03/13(日) 23:50:02.27 ID:tbmAzIEAO

「…ごめん。俺のせいだと思う。」

好きな子が、自分のせいで悲しんでるのは間違いない。
そんなことにも気づけない自分が情けないと上条は思った。

「お前にそんな顔してほしくない。させたくないんだ。だから、…気づけない俺ほんとにバカだと思うし、無神経なこと言ってるかもしれないけど……でも、美琴が苦しんでいるわけを教えてほしい。」


「…。」


――――困らせてるのは分かってる。



「……っ…な、いのよ…」

「え、」

上条の表情をうかがうように美琴が小さく顔をあげた。

上条もまた、美琴の表情から気持ちを探ろうと真っ直ぐに見つめる。



―――べつにコイツが悪いわけじゃない。

そうじゃないの、


「私だって…、ッなんで…こんな、ヒクっ‥気持ちになってるのか……グス…わからないの‥…―」

ひくっと喉を鳴らして、美琴は上条の制服の襟元に視線を落とした。
上条の心配そうな顔は、美琴には自分のせいで困らせてしまっているようにしか思えなかった。
これ以上、言葉を紡いでも、何も言わず黙っていても、上条にとっては面倒な状況に変わりないだろう。

―…言ったら、嫌われるんじゃないか。そう思うと、美琴は怖くなってしまった。



続く言葉は出ない。






「美琴…?」

次の言葉を急かすのではなく、ゆっくりとした優しい低い響きが美琴の鼓膜を揺らす。
心にある引っかかりが少し緩んで外れそうな、そんな気持ちになった。





22 : ◆jPpg5.obl6 2011/03/14(月) 21:30:50.53 ID:1KOJvhFAO

美琴はゆっくりと、小さく唇をひらいた。

「……嫌だったの、」

ふっと、顔をあげほんの一瞬、うかがうように上条の目をとらえる。しかし、視線はすぐに外れてしまった。

今にも流れ出そうな涙を零さぬようにして、絞り出した声で美琴が言う。


「っ…て…」

「うん」

小さい子の話をゆっくり丁寧に聞くように、上条は頷きながら見守る。

子ども扱いされるのは嫌だけれど、この優しさはなんだか心地よくて、美琴はこの優しさを素直に受け入れることにした。

今から話そうとする内容も子どもじみているから、今の自分には子ども扱いはぴったりなのかも、とどこかで冷静に考えている自分がいた。

少し間を置いて、美琴は言葉を続ける。

「…‥はなすから…」

間が空いて、バラバラになった言葉を上条は頭の中でつないだ。

聞き取れた言葉は『て』と『はなす』。

「はなす…?『て』って、…手か?」

妙な言葉のリズムで、左手をグーパーしながら美琴に示す。

「なぁ、『手を離すから』ってこと?」

美琴は上条の動きに反応して、顔を上げた。言葉の内容を丁寧に確かめられて、どうしようもない恥ずかしさがこみ上げる。そして、先ほどの悲しげな瞳とは違って、羞恥にたえるような瞳に変わっていた。





23 : ◆jPpg5.obl6 2011/03/14(月) 21:35:05.71 ID:1KOJvhFAO



その変化を上条も妙なかたちで感じ取っていた。




――――なんでしょうか。
このような状況で、この顔は…上条さんは妙にそそられております。


潤んだ瞳に、見上げるような上目使い。

妙な情欲が上条の中にふいに沸き立つ。
美琴の表情に一瞬、抱いた欲望を押さえ込むように美琴の向こう側にある窓の景色に目をやった。

「……んっと?その、つまり、それは、一体どういうことなんでしょう」

言葉はつかめたがその中身は、上条には心当たりがなかった。


美琴は恥ずかしいから、嫌だって言いながらも、いつも、その手は上条の手に繋がれることを待ち望んで仕方ない様子だった。

今日だってもちろん手はつないでいた。

『手を離すから』

上条は、美琴の言葉を思い出す。

「んー、トイレに行った時?となると、美琴さんと上条さんはこれから用を足すときもいっし……「ばっっ!!ばかっ!なっななな何考えてんのよ!!!!」

勢いあまって、美琴の顔がぐいっと上条に近づいた。



「嫌だったのは……ッ!私の知らない女の子の前で手離したことよっ!」






25 : ◆jPpg5.obl6 2011/03/14(月) 21:54:00.70 ID:1KOJvhFAO



「………いつ?」



美琴がキッと上条を睨みつけた。青白い光がバチっと光る。

「いや、あ、あれか、……姫神か!」


上条宅に向かう帰路、公園の通りで姫神と確かに出会った。
よ!と、簡単に挨拶を済ませ美琴のことをつっこまれる前に退散しようとした。
その時の姫神の反応がイマイチ思い出せないが…

短いやりとりだったはずである。

上条はよくよく思い出そうと、うーんと腕を組み首を傾けて見せた。

「何それ、覚えてないの?」

上条の動作を見て、美琴の声に怒気がこもる。

その声がスイッチとなり、ふっと手を上げ答えた。

「はい!美琴センセー!思い出しました!」

「ふざけんなぁ!」
バチバチと音を立てほとばしる、青白い光。

「あ、や、すんません。確かに、『よっ』て声かける時に手離したかもしれな…‥」

「は・な・し・た・の!!!」

「ちょっと待て!一瞬だったじゃねーか。しかも、姫神と別れた後、俺はつなぎなおそうとしたはずだぞ!そっから、手つながなかったの美琴だろ」

「う、だ、だって……ッ!」

思ってもいなかった反撃に美琴は、ずいっと引き下がる。





27 : ◆jPpg5.obl6 2011/03/14(月) 23:29:32.31 ID:1KOJvhFAO


確かに、手をつなごうと差し出された上条の手にそっぽを向いたのは自分だ…
けど、そんな気持ちになった後、すぐに手なんかつなげるわけがない。


「…そんなに俺の手離したくなかったんなら、素直にそう言えよ」

「い、言えたら苦労しないわよ!それに嫌な気持ちになったの手だけじゃない……」

「何だよ。」

「ぅ…その‥‥~ほっ…」


――――何言ってんのよ…私ッ!
こんなこと言ったら


「っ…他の…知らない女の子と‥話してるのも、嫌だったし…」


こいつ絶対、私のことバカにするじゃない。


「それが、なんかムカついて…」



「ふむふむ。つまり…やきもちって、ことですか?」

からかう言い方に腹が立ったが、どうにもこうにも、否定はできない。

これが事実。

「べ、べつに、何ともないことぐらいわかってるわよ…?こんなの、大したことない、し………で、でも!…嫌だって思ったのよ」


どうしようもない恥ずかしさに、視線は上条をとらえるなんてできなくて…

「…それに、」

言いたくない!という脳からの指令はことごとく無視され、一度出した言葉たちは、後戻りできない。

「…こんなことがいちいち、嫌だって言ったら、面倒くさいだろうし……その、面倒になって私のこと…嫌になるかも‥…‥」

一体どんな顔して聞いてるのかしら、頭の隅っこで、考えてしまう。
気になって仕方がないが、相手の顔をうかがう余裕なんてなかった。






35 : ◆jPpg5.obl6 2011/03/15(火) 23:57:04.13 ID:Kzy3KMCAO


らしくない自分を見たくない気持ちで、美琴はきゅーっと目を閉じた。

「……」


――――なんで何にも言わないのよ!


あぁ~それより私が何言ってんのよ…って感じか。


もう、やだ…
恥ずかしい。



何の反応もない上条に不安になるが、この静けさにも耐えられない。


静まり返った部屋の少し重苦しい空気(私がそうしてしまったんだけど)を変えようと、美琴は当てのない言葉をつないだ。


「それで、その…‥そう思っ…た、ら…その…何も言えなく…なっ、て…」


声がだんだんとフェードアウトしていく。そして、美琴の言葉が完全に消えかかる前に、上条が動き出す。

ふわっと、ゆるい風にのって彼の匂いが近づいた。

美琴は、鼻をくんとならして…その匂いを確かめるように、自然と目をあける。





36 : ◆jPpg5.obl6 2011/03/16(水) 00:01:50.56 ID:oXoeqoNAO


「…」

「ふにゃあ!?」

美琴の眼前には、上条が。

上条が自分に近づいたことは分かった。しかし、目を開け、もう予想だにしなかった距離に美琴は思わず声をあげた。



「…―」


―――…なに?
なんで、そんな顔してるの?


美琴の顔を覗き込んでいた上条は、まっすぐ美琴をとらえて離さなかった。

逃げ出したいと思うほど、上条は見つめる…


その瞳から、逃げるように唇へと美琴はみる場所を下げた。
とたん、上条の唇が柔らかく開いた。


「なぁ、美琴」

聞き慣れた、
優しい声。
心が彼にすい寄せられる。






「…思いっきり抱きしめていい?」






その言葉が鼓膜に響いて、脳内できちっと理解される前に、美琴の体は上条の手に捕らえられていた。





45 : ◆jPpg5.obl6 2011/03/17(木) 00:20:31.44 ID:k+LsbhvAO



「な…な、なな!?」

グッと、体を引き寄せられて美琴は、彼の腕の中にすっぽりとおさまってしまった。


「このやろっ!上条さんは胸きゅん指数がやばいです」

美琴の体を抱きしめる腕の力が、ぎゅっと強まる。
触れたところから上条の体温が、美琴の体に伝わってきた。

「‥…可愛いすぎて、どうしようもないですな、まったく」

上条の行動と言動に美琴の思考回路は、一旦停止。

「…っ‥!?」


上条の言った言葉がやっと、通常の思考回路にのって美琴の頭の中で理解される。

理解されるとは言ったものの、言葉は分かるが……


「いっい、意味分かんない!な、なに言ってんのよ!」

「はいはい、上条さんのことを、好きでたまんない美琴たん萌え」

さっきまでの雰囲気は何だったのか。恥ずかしい言葉を言っているのは、上条なのに、美琴は先ほどの自分とは比べものにならないくらいの羞恥を感じた。

「美琴たん言うな!あ…頭おかしくなっんじゃないの。」

抱きしめられて、わけの分からないやり取りをしているうちに、美琴の気持ちがふわふわっと浮き立つような気持ちに変わっていた。





46 : ◆jPpg5.obl6 2011/03/17(木) 00:30:25.61 ID:k+LsbhvAO



「んー、俺も恥ずかしいからこんな風にふざけながらじゃないと言えないと思ったんだけど…」

上条が美琴の頭にコテンと、寄りかかる。
美琴はのしかかってきた上条の頭の柔らかな重みを受け止めながら首を傾けた、美琴を包む彼の匂いもよりいっそう近くなる。

「まぁ、ちょっと黙って聞きいとけ。」
美琴の頭に、頬をスリ寄せ、内緒話をするように耳元で小さくつぶやく。
甘えてくるような仕草に、美琴の胸の鼓動が高まる。




「安心しろよ」

美琴の頭に右手の重みがプラスされ、上条は美琴の髪に埋まるように鼻をくっつけていた。

すぅと、息を吸う音が美琴の耳元で響く。

「――…っ?!」


「この匂いが好き」

上条は右手で美琴の頭を撫でた。
撫でる手はそのまま美琴の頭の形から、体のラインにそってゆっくりと下がっていった。

「この髪も好き。撫でるとお前も喜ぶし、美琴が笑ったら、俺も幸せ」

いつもの口癖はどこへ…?なんて、上条の言葉に美琴は心の中で小さく突っ込む。

上条は自分の発する言葉のペースに合わせて、首筋、背中と…その手で美琴の体に触れていく。


「たま~~~~~に、素直なところも好き」

その手は、美琴の腰までくると、また体にそって、次は元来た道をたどるように上っていく。

「ー…んっ」

背中の真ん中あたりで、手が止まり、抱きしめる腕の力が強まった。



ほんの少しだけ、息が苦しくなる。




55 : ◆jPpg5.obl6 2011/03/18(金) 22:28:51.29 ID:WQCiTMTAO



「俺に、こんなにも好きって気持ちをたくさん感じさせてくれる、美琴ってすごいと思う」


「……自惚れすぎよ」


「はは、そうか」

美琴は上条の首元にに顔をうずめた。
すっと背中に手を回して、自らも上条の体を引き寄せるように、力をこめる。


「とにかく、体もこの温もりも…美琴の全部が好き」

言ってみたあとで、『体が好き』というのはどうなんだ?と表現に引っかかり、上条は慌てて訂正をしようとした。

「ん?いや、あ、なんか語弊がありますね。その、何ですか。性的な意味ではなく……」

美琴に背中をギュッとつかまれて、背筋がピシッとのびた。

「ふーん…性的な意味はないのね」

「…ッ!も、もちろん性的な意味も、少しはあるんですが……こほんッ」

美琴のその反応になぜか、上条の体は強張った。

――…さっきまであんなんだったのに

何なんですか。


その、挑戦的な態度は…



美琴の体を少しだけ抱き上げて、体勢を整えようと目を合わせた。

上条の頬が紅く染まる。



―――照れてるの?

ここまで言っておいて、今さらこんな顔するんだ。

なんか、可愛い‥



「まぁ、つまりだ。考えても見ろよ」

美琴も、上条がどうしたいのかを知って足を開いて、上条が思う体勢に座り直した。

肩を支えに、上条の上に乗りかかる。

今度は、美琴が上条の瞳を捕らえて離さなかった。






56 : ◆jPpg5.obl6 2011/03/18(金) 22:32:31.47 ID:WQCiTMTAO



「う…‥その、こんなに好きなのに、そんなことぐらいで嫌いになるかよ!ってことを言いたかったのですが……‥」


美琴の視線に圧されて、上条の声はだんだんと弱々しく響いていく。

美琴は、ふんっと鼻を尖らせ上条の首に腕をまわした。

「はぁ、ドキドキしてたのに。あんたって最後の最後が、決まらないわね」

何を言うでもなく、二人の唇が近づく。


「美琴さん、この距離はまずいのではないでせうか…」


「ほらまた、すぐそうやって、雰囲気こわす…」

美琴も、なんとなく上条と同じこと考えているのだろうと思った。


少しだけ、間をおいて。

美琴から、唇に触れる。
美琴からのそのキスは、ちゅっと唇を一瞬重ねるだけだった。

けれど、そこにはたくさんの想いがこもっていた。





不安だった気持ちも

嫌だった気持ちも


―――…‥いつの間にか
打ち消されてたみたい





57 : ◆jPpg5.obl6 2011/03/18(金) 23:22:30.75 ID:WQCiTMTAO



「ん…―」


唇をそっと離した後に、上条は美琴に問いかける。

「…これだけ?」

上条はわざとらしく、残念そうに唇を曲げてみせた。

残念ながら、このキス以上の何かを自ら攻めたてて行くようなスキルを美琴はまだ、持ち合わせてはいなかった。


「どうゆう意味よ」
美琴は、カァと頬を染めて上条を睨みつけた。

「…‥もう機嫌なおったのか?」

「ぅ…!おかげさまでね」

美琴はばつが悪そうに、微笑んで見せた。
ことの起こりが、自分の素直になれなかった態度のせいなだけに、これ以上は何も言えそうにない。

「……なぁ、美琴」
柔らかく、上条の頬が緩んで、なんだか愉しげな表情を浮かべている。

いたずらを思い付き、それを必死に隠そうとするが顔に出てしまっている小さな子どもみたいに。


「今の、もう一回」

「へ?」

「ほら、さっきみたいに、ちゅって!」

上条がぐいっと唇を美琴に差し出した。

はやく、はやくと人差し指で自分の唇をトントンと指さしている。





80 : ◆jPpg5.obl6 2011/03/20(日) 22:44:50.55 ID:mrCzAI1AO



「‥…い‥いいけど」



ふっと、雰囲気に合わせてするのとは違い、待ち構えられるとやりにくかった。

上条は目を閉じて、ニコニコ嬉しそうに指で、早く早くとさらに美琴を急かしている。


――――な、なんかタイミングが難しい

んー!
えぇぇい!
らしくないわ!
さっきは自然にできたじゃない!


覚悟を決めるわよ!



美琴が意を決して待ち構える上条の唇に向かおうとした。
上条の肩に乗せた手にぐっと力がこもる。


そう思った瞬間。


「…んッ!?」


上条は美琴の頬を両手で捕まえる。


「ん、んん…っ」


そして、そのまま、まるで求めて仕方ないように唇をついばませた。



―――…いっいきなり?!なにッ!



「ふぁっ…ァ‥んん‥‥っ」


くすぐったい刺激に美琴の体がビクンと震える。


「んっ…‥っんん‥‥…」


上条は開けろ、と言わんばかりに閉ざされた美琴の唇を舌先でつついてた。


―――だめ、

これヤバイ。




「とぉ…ま…ふぁ、ァ…ぁッ」


本気のキスを仕掛けられそうになり、熱っぽくなる頭を一旦落ち着けようと上条の名前を呼んだ。

しかし、名前を呼ぶためにわずかに開かれたその隙を上条にとらえられてしまう。





81 : ◆jPpg5.obl6 2011/03/20(日) 22:57:01.59 ID:mrCzAI1AO


美琴の唇を割って、上条の舌が侵入してくる。


「んん…っ」

くちゅっと音を立て、美琴の口の中を上条の舌が這い回る。
何度か出入りする音が、耳に届き、刺激と音に美琴の身体は小さく震えていた。
「ふぁ…ぁ‥ァ」


上条は、舌を自分の口へと納めると唇は軽く触れたままで、美琴の頬を包んでいた手をそっと離していった。

その手が離れた瞬間に、火照った頬は部屋の少し冷たい空気を感じ取る。

その刺激さえ、何やら妙な意味合いを持ち合わせているようだった。

頬から首筋を指先で撫で、上条は美琴の体を探りはじめる。

「んやっぁ…ちょっと…まっ…‥」

触れようとする上条から逃げるように身悶えた。

座った上条の上に乗っかかり、端から見れば美琴から求めて攻めているようにしか見えない体勢だ。

そんな中、逃げようなんて意味がないことくらいわかっていた。けれど、素直に触れられることをじっと待つなんてできない。

動いているうちにただでさえ、短いスカートの裾が捲れあがる。

そこから覗くのは、白の…可愛らしい下着では無く、短パンだ。

他の女の子にはあまりない、美琴の隠れた特徴である。
そして、誰もが知るオープンな情報の一つなのかもしれないが。

「あ!この短パンも好きだな~」

上条は思い出したように言うと、そこを目指すようにして手を伸ばしていく。






82 : ◆jPpg5.obl6 2011/03/20(日) 23:30:14.25 ID:mrCzAI1AO



「ハァ‥ァ‥うそつき…」



上条は短パンの裾をつまんで、その存在を確かめるようにつんつんと引っ張っり上げる。

「いつも色気がないとか、‥なんとか…ハァ……嫌がって‥言う、ハァ‥じゃない…」

「嫌よ嫌よも、なんとやらです」

唇から乱された呼吸は、言葉を一つ返そうにもうまく言わせてはくれなかった。

「それと、このスカート短すぎ。いや、よく見えるんだからな…絶対に誰かが見てることを忘れるな!」

デート中にも、短パンをはいているからと活発に動き回る美琴のスカートが危なげにひらひらと舞うと、チラチラ見る男たちがいたのである。
短パンだからと言っても、自分の彼女が知らぬ男にそうした視線を向けられるのは嫌だった。


自分が逆の立場であるのは、まぁ別だ。

「‥…‥うん?」

何やら思い出しながら、上条は怒っているような素振りを見せる。

俺なら見てる!と、その確信もあったのか、なかったのか、なんだかわからないが言葉には説得力があった。美琴も思わず普通に返事を返してしまっていた。

「お前は…俺以外のやつに見せないように美琴を守ってくれてるんだよな…えらいぞ、短パン。」

目を閉じて、語りかけ、心から感謝するように短パンをさすってやる。

「ひゃぁッ!」

つまりは、美琴のお尻を撫でていただけなのだが。

「しかし、短パンさんっ!上条さんにその守りは必要ないのです!」

そう言って、太ももから短パンの隙間に狙いを定める。

「…だ、だめよ!まだヤダ!なんか嫌!」


手の動きを止めたい気持ちもあるのに、なぜか、上条の手の動きを視線で追うだけになってしまっていた。




96 : ◆jPpg5.obl6 2011/03/23(水) 22:46:02.85 ID:tYREwHSAO


「‥…そんな否定されると…悲しいなぁ~」


そんなことを言いつつ、上条はニヤリと不敵に笑みをうかべる。

焦れったいほどゆっくりとした動きで触れてくる。
指先を滑らせ、手のひらでべったりと触れる。

その様子は、完全に美琴の反応を楽しんでいた。

美琴はこの先に触れてほしいと思う反面、触れられたらその後の自分がどうなってしまうのかを考えると…‥

期待か、不安か。
どちらともつかない思いで緊張して体に力が入る。


「ふぁ‥」

そう考えつつも美琴は気づいていた。

自分が彼に触れられたいと望んで仕方ないことに。

同じように上条も、美琴の気持ちに感化されていた。
感情がだんだん高まってきて、上条の息も少し上がってきている。

互いに触れたくて、触れたくて、求めて仕方ない思いがたぎる。

正直に言えば、上条は、もう今すぐにでも美琴を自分の思うままにしたかった。

けれど、

「…‥」


―――この必死になってるのが…‥

反応が可愛い‥

だから、
ついつい、
こう意地悪を
したくなるわけで…


「(…でも‥がまんできなくなってきたかも)」

そんなことを考えながら、美琴の表情をじっとうかがう。

短パンの入り口近くで、指先が少しだけ入るか入らないかのところに手を滑らせたまま。


「…ぁ…うぅ‥…」





98 : ◆jPpg5.obl6 2011/03/23(水) 22:53:56.80 ID:tYREwHSAO


そんな上条の瞳なんかに気づかないくらい、美琴は手の動きを追うのに必死の様子だ。


「んん‥…っ」



―――どうしよう

どうしよう

あ…‥
なかに、入って‥

こいつの指…‥

入って
きちゃう‥…ッ


上条の手の行く先を想像するだけで体の熱も増してくる。


頭の中で上条の手が美琴の隠している弱い部分に触れてるたびに、ほんとに体がピクッと反応してしまっていた。



「まだ何もしていませんが…?」

「はぁ‥んっ…だって…」

「体ピクッとしてるけど…」

「‥そんな、言わないでよ‥…」

「想像で感じちゃうとか、いやらしいなぁ~‥いつから、そんなエロい子になったんだか」

「ぅ‥あんたの…せいじゃな、い…‥」

心臓は驚くほど早く、美琴の体の内側から勢いよくぶつかってくる。

「美琴が想像してること、してあげようか」


上条の手はついに、その短パンの小さな隙間から中へと、太ももの外側あたりから手をはわせた。

「やぁ‥っ!」

するすると肌を撫でながら、短パンの隙間は上条の手の侵入でゆとりはなくなり少し圧迫される。


「んっ‥…んん‥…」

上条の手の温もりだけが、体の上をつたっていくような感触に震えた。

「…‥嫌か?」



指先を奥へ奥へと、運んでいく。






117 : ◆jPpg5.obl6 2011/03/25(金) 00:49:56.57 ID:rv0YJ52AO


「ふぁ…あ、こんな…の、んっ、ズルい‥…」


上条の指先が太ももの付け根あたりに優しく触れた。
際どき場所に近いだけに、美琴の体が弓なりに反る。

「うぅ‥…」

ゾクゾクして、もう座っているこの体勢でさえうまくバランスを保てなくなってきた。
ついには、彼の肩に頭を落とす。

上条の片手は、未だ短パンの中だ。

「美琴?」

「…手、のけて…」

「やだ」

そう言って、まだ見ぬ下着の下に指先を滑り込ませた。


「…う、ゃ‥そんな、とこに…手‥…あったら…‥困る‥」

指先を少し踏み込ませただけで、やっぱり、手はそれ以上進まず、ただそこに居座ったままだ。

期待しても、それ以上触れてこようとはしない。

そんな上条の態度に美琴の欲望も、もう限界で自分からここにふれてほしいと懇願してしまいそうになる。


「んん…~その手ぇ…っ」





118 : ◆jPpg5.obl6 2011/03/25(金) 01:01:30.94 ID:rv0YJ52AO

――自分でもわかる

求めて仕方なくて、

体がくすぐったい

「はぁ…ふぁ…‥」

上条の手が近くにあるだけで、美琴の体は反応する。
意志とは関係なく、熱は下から、しっとりと溢れ出てきていた。

「…そのままじゃ…っ…ゃ‥だ…‥」

満たされたいのに満たされない。焦れったすぎて、もう我慢できそうにない。

「…‥もっと…‥さわって‥…ほし…‥ぃ‥」

涙でほんのり潤む瞳は、視界に入る事物をうまくとらえきれない。

美琴の頭の中には
もう、上条当麻
たった一人。

彼のことだけで、

他のことは考えられない

「なぁ…‥…美琴‥」

少し甘えるような熱っぽい声が、美琴の体に甘い痺れを与える。

「‥…ん…っ‥」

ぽーっとする頭の中に、浮かんでくるのは…

美琴の不安を打ち消した


『すき』

という彼の言葉。


―――‥わたし言ってない‥…


体中…
彼の声が響いて
彼の匂いで満たされて

―――言わなきゃ…
わたしも‥


「美琴‥…」


―――私も、すき


「わ‥たし、も…」

――‥すきなの

―――あんたの匂いも

―――声も

――――体も


――――ぜんぶ

ぜんぶっ

「――…すき‥」

美琴は上条に寄りかかり、体の全てを上条にあずけていた。
肩口に置いた手だけが、囁いた言葉に合わせてほんの少しキュッと力が入る。



126 : ◆jPpg5.obl6 2011/03/26(土) 22:57:46.08 ID:bvowGg9AO


上条は、この雰囲気に似合わない少年らしい顔で、にかっと笑う。

「うん、知ってる」

首を曲げて、寄りかかる美琴の頬にぐいっと近づき可愛くチュッと音を立てた。

「ん…っ‥」

少し苦しげに美琴の小さな胸が呼吸をする度に大きく上下した。

ふと、自分の体から何かが失われたような感覚。

「…え…‥?」

美琴に触れていた上条の手がすっと引き抜かれたのだ。


―――何で…‥
離れちゃうの?


自分の言葉のせいで、彼の何かを損なってしまったのかも知れないと思い不安になった。


―――自分から、触ってなんて

おかしかった?

嫌だった?

引かれた‥?


顔だけスッとのぞかせて、少し斜めうえの上条の方を見る。


「‥と、当麻‥…?」

目を瞑り、じっと何かを考えこんでいるように唇は真っ直ぐ閉じられていた。

「…‥」

「‥?」

どうしたんだろう?と、確かめようと美琴は体を起こして不安げに上条の顔を覗き込む。

上条の目がすっと開いた。






127 : ◆jPpg5.obl6 2011/03/26(土) 23:06:22.54 ID:bvowGg9AO


目があう。


ごくっと息をのむ音がやけに響いて聞こえた気がした。



―――限界です


「きゃ!」

上条は黙ったまま急に動き出し、美琴は上条の膝の上から、こてんと床に転げ落とされてしまう。


―――もう、だめだ



「フンッ!」

「―――ッ!?」

声にならない声を上げると、座り込んだ美琴が起きあがる前に上条はぐいっと一気に抱き上げた。

「ふゃぁぁ~…なっ何!?」

抱き上げ方はお決まりの、お姫様スタイルで。

「御坂さん、ごめんなさい。…素直になれって言いながら、俺が素直になれてなかったです」

すぐそばのベッドまで歩み寄ると、美琴をそっと横たわらせる。

「つい、調子にのって…意地悪ばかりしてしまいました」

上条もベッドの端に腰掛けると、美琴の髪に指を通す。

「…その、調子にのってた割には、それをやり通すことも、できそうに、無いとゆう…ね。だから‥」

弱々しい声に反して、上条はキリッと美琴を見つめる。
見つめられては胸がドキドキして、続く言葉を聞き逃すまいと上条の唇の動きを追った。



「―――…俺も自分に素直になる!」


「‥…へ?」

美琴は小首を傾げて考える仕草を見せる。

―――どうゆうこと…?


コホンッと、一つ間を置いて、美琴の髪を撫でながら上条が尋ねた。





129 : ◆jPpg5.obl6 2011/03/26(土) 23:13:22.60 ID:bvowGg9AO


「美琴、今日帰るつもりだった?」


美琴は黙って、上条を見つめ首を横に振った。

どうやら、今日は帰るつもりはなかったらしい。

…と言うよりは、確かな約束なんてしていなかったけれど、週末デートの後はなんとなくお泊まりと決まっていた。

上条もその決まりを基に美琴の返事は予想出来ていたので、改めて聞く必要なんて無かったかもしれないな…と、なんとなく笑みがこぼれた。

小さく首を横にフルフルする美琴の動作に愛しさも増す。
瞳の奥に見える美琴の『期待』を感じて、自分が求められていることに上条も興奮の色も隠せない。

「‥…ま、まぁ‥帰ると返事があっても、帰さないつもりだったけどな…」

少しふざけて言ってみても、今度は小さくコクンと首を縦に頷き、美琴は黙って上条を見つめていた。

一つ一つの動作が、妙にそそられる。

「…」

上条は自分のやましい思いを全て見透かされているような気がして、美琴の目から逃げるように髪をなでながら美琴の耳元に近づく。

息も荒くなり、いつの間にか熱い吐息が部屋に響いていた。

素直に自分の思いを見せるのは照れが先にまわって、なんだか言葉もうまく出てこない。


どんな風に伝えたらいいんだろう。






130 : ◆jPpg5.obl6 2011/03/26(土) 23:22:32.43 ID:bvowGg9AO


「…‥美琴…」


もぞもぞと上条は、優しく包み込むように美琴の体の上に重なった。

上条の重さは苦しいほどに美琴にとっては心地よく、甘い声をこぼれさせた。

「ふ…ァ‥、と‥ぅ‥…ま」

重なった体から、上条の心臓が忙しなく動いているのが分かった。ドキドキと鳴るその音が本当に聞こえてきそうなくらい。

耳元で上条の荒い息づかいを感じると、美琴は体をよじれさせた。


―――こいつも、私と同じだ




「…はぁ‥美琴…」


―――興奮してる



美琴の太ももに熱く、固く、張りつめているものが当たっていた。


「…もう、意地悪しないから。もっと触ってもいいか?」

熱い吐息とともに囁かれた言葉に、体温もまた少し上昇する。

「…さっきから‥言ってるじゃない…」

美琴も手をまわして、自分の上にのった上条の体重を感じながら浅く息を吐き出した。

「―――…触ってほしいって…」





148 : ◆jPpg5.obl6 2011/03/31(木) 22:35:09.44 ID:1Zcw1XEAO


「…美琴」

上条は、心底愛おしげな声で名前を呼んだ。

それが合図になり、目を閉じて美琴も全てを上条に委ねる。

「…んっ」

布と布の擦れる鋭い音が聞こえ、上条の手の動きとともに、短パンが脱がされていた。

「…あ‥」

そして、ボタンをいくつか外した制服のシャツから何からを一気にまくり上げられた。
美琴の小さな胸の膨らみに上条の手が重なる。

乱れた制服姿からのぞく下着は、視覚的にも上条を興奮させた。

「うん、なかなかの絶景で…」

「なに言って…ぁ‥ゃっ」

美琴の柔らかなふくらみに重ねた上条の手は、その柔らかさを確かめるように自然と動かされる。

ふにふにと柔らかな美琴の感触を確かめるうちに上条の手の動きも性急なものになっていった。

―――…なん、で
そんな触りかた…するのよ

私の胸が小さいから…?


興奮を隠せなくなってきた上条の少し荒っぽい手つきを揉みごたえが無いと不満を表した行動に感じたようだ。

「んっ…小さくて…わるかったわね…」

思わず、悪態をつく。

「ん?悪いなんていってないだろ。…‥いいんじゃねぇか」

「んん…っ」

ブラの隙間から入った上条の指が美琴の胸の先端を刺激した。





151 : ◆jPpg5.obl6 2011/03/31(木) 22:50:49.44 ID:1Zcw1XEAO


「…ひゃっ」

声とともに体も跳ねる。
伝わりすぎるくらいの刺激に足の先までピンと張りつめていた。

「‥…敏感で、エロくて…」

「あっ…ぁ」

「俺は、好き」

何度も指の腹で転がされるうちに、美琴の胸の先が固さをおびてゆく。
固さが増すほどに、刺激も強く感じやすくなっていった。

「‥‥んっ…ん‥ん」

熱が下腹部に集中する。

「はぁ‥美琴、気持ちいい…?」

耳元に唇を近づけ、上条は美琴の耳を甘噛みした。

体を走るくすぐったさから、美琴の足元は落ち着かない様子だ。

そのまま上条の舌は美琴の耳の中をねぶる。
ねっとりとした感触に、熱い息がふきかかった。
美琴の触覚だけでなく、聴覚をも刺激する。

「っ…」

思わず、声が漏れそうになるのを美琴は反射的に唇を噛んで押さえ込もうとした。

「…‥声、我慢するなよ」

すぐに見透かしたようなタイミングで上条がいった。

「…聞きたい。もっと」

そして、甘えるように頬をすりよせながらもう一度囁く。

「俺しか聞いてねぇんだから」

ここは、ふたりだけの密室なのだ。

「ん…あっ」

上条の言葉に誘われるように、美琴から甘い声がこぼれ落ちる。





153 : ◆jPpg5.obl6 2011/03/31(木) 23:00:44.25 ID:1Zcw1XEAO


美琴は唇と同じように足をかたく閉じていた。
そうしていないと、意志とは関係なく体から何かが溢れてしまいそうだったから。
美琴のその行動はそんな自分を隠したいと思う小さな抵抗だった。

しかし、股の間を開くように美琴の体を促しながら上条は手を内股に滑らせていった。

美琴の小さな抵抗にも気がつかないほど、いとも簡単にスルリと入り込む。

「んんっ」

普段は短パンに隠されている柔らかい部分を薄い下着の布越しにひと撫でする。

「んっ」

それだけで、充分すぎるほど美琴の現状が伝わってきた。

「…ここ、すごいことになってる」

下着の上から、少しだけ力を込めて上下に繰り返し撫でる。
それだけでも、くちゅっと濡れた音が聞こえてきた。

自分を求めての愛液だと思うと、上条の高ぶりもさらに増していく。

「は‥…あ…‥ぁ‥…」

もっと美琴の期待に応えたいと上条は起き上がる。
そして、自分の太ももの上に美琴の下半身を乗せ、下着をずらしていく。

「あぁ…っ」

美琴は一際大きく声を上げた。
外気に晒され、露わになった美琴の秘部に上条の手が直接触れる。

自分の体温より冷えた上条の指が秘部の間をわって入り込んでゆく。





155 : ◆jPpg5.obl6 2011/04/01(金) 00:20:39.11 ID:vA1YspfAO


体温の違いに体も敏感に反応する。

けれども、指の冷たさもすぐに美琴の熱い体温に溶け込んでいった。
残る違和感は、上条の指の感触だけ。

「ん…んっ」

上条が小さく、指先を動かすだけでも思っている以上の快楽を得ることができた。

もう、ずいぶんと体は彼に慣らされてしまった。


「やば、ぐしょぐしょ…これ、俺のせい?」

からかいの色を含んだ声に、美琴は眼差しで抗議する。


――…当たり前じゃない!

あんたのせいでしょ

ぜんぶ、ぜんぶ

当麻のせい…



「…っ…‥んっ‥」

入り口を収縮させて秘部の割れ目をなぞる上条の指にひくつく。
その動きは上条にも確かに伝わってきた。


「やっ‥あっ…ァ…」

「…はぁ‥‥俺のせいで、こうなってると思うと…たまんねぇわ」

くちゅくちゅと、濡れた音が響く。

――…だめ、だめ

とうま、とうま、とうま…


ぼやっとだんだんと白くなる頭の中で、彼の名前を繰り返す。

もっと、もっと、と体は素直に求めている。

声に出して、言葉にしたい。素直に伝えたいのに。
うまく言葉にできない。


浅く触れられるだけでも、溢れる愛液が切ないほどに彼を求めて仕方ないことを伝えていた。





163 : ◆jPpg5.obl6 2011/04/03(日) 04:16:48.77 ID:cUONMyHAO


美琴の腰が浮かび上がり、ねだるように上条の手の平に押しつけられる。

「…‥‥そんな、せかさなくても…」

「っ…‥ちが…」

違うと否定したかったが、結果として上条の言葉通りのことをした自分に美琴は羞恥を覚えた。

「‥…ぅぅっ」

思わず、手で顔を覆う。

「そんな、恥ずかしがらなくてもいいだろ」

「ふ…はぁ、あっ…だって‥」



―――‥そう言われても、

恥ずかしいものは、
恥ずかしいのだから
仕方ないじゃない。

「…気持ちいいことをもっとしてほしくなるのは当たり前だしな‥ほら、こうしてほしいのか?」

上条の指が、美琴の陰核に触れる。


「ん…ッ!」


その瞬間、電流のようなものが体を走った。もちろん、自分の能力ではない。

十億ボルトの電流を操る電撃使いでも、快楽の電流の操作はできなかった。

「‥はぁ…んっ」

体の甘い疼きが美琴の背中をしならせ、顔を覆った手がベッドに落ちていった。




164 : ◆jPpg5.obl6 2011/04/03(日) 04:20:59.21 ID:cUONMyHAO


「美琴が気持ちいいって思ってんなら‥…」

「…あっ‥」

「――…俺だって気持ちいいんだからな」


―――…私も。

アンタが
気持ちいいって
感じてくれたら、

嬉しくなる‥


「んんっ」

落ちた手がシーツを握りしめ、上条の指をさらに受け入れようと足が積極的に開かれる。

吹っ切れたように大胆な行動だった。

「あー‥…なんですか、こう…下半身にぐっときます」


自分が彼に熱を与えていることに美琴は喜びを感じる。

「あ‥あ…っ‥」

「こんだけ濡れてたら、大丈夫でしょうが…」

上条は自分にもう少し我慢と言い聞かせるように、ふぅと息を吐き出した。

「まぁ‥いきなりはまずいので、馴らしましょうね」

美琴は、小さな期待に体を震わせた。


「指‥…入れるから」


言葉とともに、上条が、そのままそっと美琴の入り口に指を突き立てた。

「んっ」

頭の中がその快楽のことでいっぱいになる。

「…ふ‥…はぁ…‥ぁっ」

ゆっくりと奥に進められて、それは愛液の力を借り、あっけないほど簡単に美琴の中へと潜り込んだ。






165 : ◆jPpg5.obl6 2011/04/03(日) 04:30:36.02 ID:cUONMyHAO


「…‥美琴の中、あったかい…」


「ん…あぁ…‥ッ」

指がゆっくりと入り口に近い場所で出入りを繰り返している。

「…んっ…‥んんっ」

指がぐぅっと中に進につれて、美琴の体は熱く燃えゆくようであった。


体中もう、自分のものでは無いように思えた。

全ては、彼のもの。
「‥‥美琴っ…」

美琴の反応を確かめながら、上条は挿れる指を2本に増やした。

「あっ…んっ…‥ん」


入り口が開いて、中をかきまわされる。
美琴はどうしようもなく声を上げてしまう。
声には知らず知らずのうちに媚びが含まれ、今まで以上に甘いものになっていた。


―――もう、指じゃ‥やだ


「も‥…やっ‥…」

一度知ってしまっているから。



自分の中に入って満たしてくれるもののことを知ってしまっている。



美琴が瞳を潤ませ自分の体をいじる上条を見つめた。

「とぉ…‥ま、もう‥…」

表情も快楽に溺れ、切なげな声で美琴は訴える。
痙攣するように体がびくびくと震えていた。

「俺も、もう…」

溜め息を吐くようにそう言うと、美琴の中からそっと指を引き抜いた。






169 : ◆jPpg5.obl6 2011/04/03(日) 19:11:48.74 ID:cUONMyHAO


「ふ…ぁっ‥…」

指が中から引き抜かれると、小さな圧迫感が消え去る。
体から力が抜け美琴はくたっとベッドに身を沈めた。

上条は着ていたシャツを脱ぎ捨て、上半身裸になった。
そのまま、カチャカチャ音を立てズボンのベルトを外し、ジッパーを下げる。

美琴の視線が、上条のそこに集中した。

「とう…ま…‥」

潤んだ瞳で、美琴は上条を見つめる。


素肌と素肌が触れ合う感触や、熱さ、一つになる確かな感覚。

それが、欲しかった。

美琴の視線は、上条にその想いをしっかりと伝えていた。
上条も早くそれに応えようと、ベッドの上あたりに手を伸ばし何かをさぐる。

「‥ちょ…っ…まてよ」

上条がごそごそと身動きする気配を感じた。

「…‥マナー違反はできませんので…」

そう呟いたかと思うと、薄いゴムを纏った上条の性器が美琴の秘部にひたと当てられた。

上条が入ってくるのを待ちかねたように、そこは淫らにひくついている。

これから、訪れるであろう快感への期待で、美琴の体に震えが走った。

「美琴…これは、また…ぬるぬると…やらしすぎるぞ…」

自身をあてがった、美琴のそこを見て興奮気味に上条は言った。

「…‥っ」

美琴は、ふざけた言葉に言い返そうと思った。
けれど、自分が話すことでもうすぐそこまで来ている上条の行為が止められることが嫌だった。





171 : ◆jPpg5.obl6 2011/04/03(日) 19:39:14.52 ID:cUONMyHAO


入り口に触れたそれは、熱くて、美琴は早く、早くと誘い込むように腰を浮かせた。

そのせいで、上条が腰を進める前に先端が内部に少し侵入する。

「積極的‥すぎねーか、それ」

美琴が見せた思わぬ行動。
ある意味では、その素直さに上条は戸惑いの声をこぼした。
なまめかしさが滲む美琴の表情がさらに上条を掻き立てる。

「あぁ‥なんで、そんなことすんだよ」

そう言う、上条の声は焦るように早口で、熱っぽかった。
上条も耐え難い欲望に支配されているのが美琴にもわかった。

「‥っ」


上条の手が美琴の腰を掴む。
熱い指先が美琴の脇腹に触れ、美琴は小さく体を震わした。

「とっ‥ぅ、ま……あっ……んっ」


上条を呼ぶ美琴の声が喘ぎ声にかわる。

ぐいぐいと熱くて、固いものが入ってきたのだ。
体内を圧迫されて美琴の口から吐息が漏れる。

いつも、上条が中に入るときに感じる微かな違和感と、充実感があった。

相反する感覚ゆえに、それは美琴の体を興奮させていた。
背筋がゾクゾクとする。

「―――‥…ん…うっ‥ぅっ」

じょじょに体の中が、上条のソレで満たされる。

温かくて、柔らかくて。

安心できるそれは、上条が美琴に向ける感情そのもののように思えた。






172 : ◆jPpg5.obl6 2011/04/03(日) 19:47:40.10 ID:cUONMyHAO


「あぁ‥…っ」


溜め息に似た、満足気な声が美琴の唇から吐き出される。

「みこ…と‥」

すっかり中に入ると、上条も熱い息とともに美琴の名前をふいにこぼす。

上条はゆっくり腰をひき、抜き差しを始めた。
ゆるやかで、規則正しい律動に美琴の体が揺れる。

「あっ…‥あっ…」

美琴の中を上条の性器がこすっていく。こすれるたびに、じわじわと快感が美琴の全身を覆った。

美琴の口から甘い声が漏れる。
溺れるような感覚。

自分の体がどこかに沈んでいってしまいそうで、思わず上条の背中に手を伸ばした。

そんなはずは、無いのに。
体は確かにベッドの上にあるのだから。

「んっ、あっ…‥あぁっ」


美琴の膝が自然に折れ、足の指先がシーツを掴むように曲げられた。

下半身に入った力が上条を受け入れる入り口を狭めてしまう。

「きつ‥そんな締めつけられたら‥動けねーよ」

「‥んっ‥でも…力、抜けな…ぁっ‥っ…‥」

上条の背中をかき抱く美琴の手にも、さらに力が込もる。

自分の思うように体の力を操作できなくて、美琴は左右に首をふるわせた。





179 : ◆jPpg5.obl6 2011/04/04(月) 21:47:49.89 ID:wiK7iRtAO


「そんな‥…されると、俺もやばいから‥」


上条の息が荒い。


「‥…ごめん‥美琴……」

荒い息づかいに隠れて、上条の声がかすめる。

「―…んっ!」

体を起こして、美琴の腰をぐいっとつかみあげた。

力の入った手が美琴の肌に深く入り込む。
急に雰囲気が変わった上条の姿に、心臓が大きく跳ねた。

美琴の中で、上条が一層大きさを増した。

「…‥はぁっ」

続く律動がまた激しさを増す。

「あっ…んっ‥あ、あっ」

強く打ち付けられる度に、美琴の口から声が漏れ、次第にその間隔も短くなる。

「‥っ…‥だ‥め、んっ‥んん…‥―――」


全身を流れる快楽の激流が、一直線に下降する。





180 : ◆jPpg5.obl6 2011/04/04(月) 21:58:30.89 ID:wiK7iRtAO



「あぁっ」


がくがくと乱暴に体が揺さぶられ、頭の中がどんどん真っ白になっていった。


―――だめ、やだ、やだ‥
そんな風にされると

おかしくなる‥っ


熱い火照りが、下腹部にじんとした痺れをあたえる。

「やぁ‥ぁっ、あぁっ」

美琴の思考はすっかり麻痺してしまった。

もう、上条の行為がもたらす快感で頭がいっぱいだった。
普段の彼とは違う、荒っぽさに美琴の気持ちも高ぶって仕方ない。

彼になら、何をされてもいい。
むしろ、彼の思うままにされたかった。

自分が上条の求めるままに、満たされていくことがたまらない。

彼のものになった自分だけにしかできない、特別なことだから。


上条をのみこんでひくつく秘部が、少しでも刺激を与えられる瞬間を伸ばそうと上条をギュッととらえているようだった。

敏感になる美琴の体が攻め立てられるたびに、体をよじらせる。

「とお‥ま‥…あぁっ」

切なげな声をあげた。
それは上条も、同じで。


「‥…‥美琴、…っ‥美琴‥」

うわごとのように愛しい名前を繰り返す。
そうして、ひときわ強く腰を打ち付けた。

「ん…あっ‥ぁ…あ‥あぁっ」



「…‥ぅ…ぁ‥」


上条が呻くように声を漏らす。
その瞬間、上条が達したことを美琴は知った。





184 : ◆jPpg5.obl6 2011/04/04(月) 23:32:00.52 ID:wiK7iRtAO



美琴は自分の中でドクドク脈打っているものの存在を感じていた。
美琴の体の中で、熱いものを放たれたことが分かる。

「んっ…」

美琴の体がぴくんっと小さく何度も跳ねる。
彼が体の中で脈打つ、その微々たる刺激さえ今の美琴は敏感に感じとっていた。

「…はぁ…‥はぁっ」

上条は黙って、乱れていた呼吸を整える。

ふっと何となく、美琴と上条の視線が、どちらともなく絡み合った。



「うああーー‥」

「ふ‥やぁっ‥!」
上条が美琴の体に倒れ込むように落ちてきた。

まだ、美琴の中にいる柔らかな固さをおびた彼が悪戯に美琴を刺激する。

「ん…‥ぁっ」

重なった体を愛しげに体を抱きしめながら、ついばむように口づけを交わした。

「ん‥…っ」

「ふっ…ぅ‥っ…」

情事を終えたばかりのお互いの体は熱く、汗をかいていた。

上条が体をひく。
ずるりと自分の中から彼が抜けてゆく感覚に美琴は身を震わせた。

「ふ…ぁ‥…」

体はまだそばで抱きしめられているのに上条が離れていくと、わずかばかりの寂寥感が美琴を襲う。




200 : ◆jPpg5.obl6 2011/04/10(日) 19:40:33.73 ID:Nyw9G2aAO


「‥…」


上条はすっと体を浮かせ、美琴の中から抜け出た自身に手を伸ばす。そこには、美琴の中で放った自分の熱がゴムの中にたぷんと溜まっている。
このままでいるのは、いささか不快感があった。

上条は手早くゴムをはずすと、ベッド際のゴミ箱にティッシュにくるんで捨て去る。

一連の味気ない作業の間、美琴は上条の温もりが感じられないのが不満な様子だ。

「…んっ」

ほんのわずかでも離れているのが、たまらなく寂しくて、なんとなく上条を引き寄せるように抱きしめた。

「うお…!」

美琴が力強く引き寄せたものだから、上条の体勢ががくっと崩れる。
ちょうど美琴の左側に体を落とした。

「な‥なんでしょうか」

美琴が上条の方に寝返りをうち、上条の肩口におでこをこすりつけた。

「‥…甘えん坊さんになって、どうしたんだよ」

「…‥」

上条の体に手をまわして、足はしっかりと上条の太ももの間に入り込ませて絡めていく。

離れちゃだめという無言の要求が上条に伝えられる。

「…うん‥…はい、わかりました」

その要求を飲み込んで美琴の方を向き、体を寄せた。

美琴の伸ばした腕の中におさまるようにほんの少し体を丸めて。





201 : ◆jPpg5.obl6 2011/04/10(日) 20:01:34.38 ID:Nyw9G2aAO


「‥…あの~、美琴さん?」

「…‥なによ」

美琴は気怠そうに、応える。
こうした行為の直後は、美琴はどこかそっけない態度だった。
今まで乱れていた、自分に対する照れ隠しなのかも知れないが…

「…‥…気持ちよかった?」

不安げに、自信なさげに上条は美琴に問いかける。

美琴のことより自分優先となって快楽を追ってしまった。
そして、あっけなく果ててしまったのだ。
男として自分が情けなく、上条は内心落ち込んでいた。

「‥…!」

美琴は上条のその声色と様子から、そういうことかと悟ったようだ。



―――…ふーん

だからさっき、
『ごめん』って言ってたのか



「…ん!こっち向くの!」

美琴は上条の顔をとらえて自分の方へと向けさせた。

「へ?」

なんとも間の抜けた、声がポツリと落とされる。

「…‥あの…美琴?」


「…‥きもちよかった‥…‥」



美琴が小さくつぶやいた。聞こえたのか、聞こえなかったのか上条はだまっている。


―――アンタが気持ちいいなら
私も気持ちいいのに

はやくイっちゃったことなんか関係ないのに…



そのまま美琴も黙って、上条のツンツン頭を撫でる。
感触を楽しむようになでなでと繰り返した。
そこには、なんとなく楽しげなリズムが生まれていた。






202 : ◆jPpg5.obl6 2011/04/10(日) 20:10:21.34 ID:Nyw9G2aAO



「‥…アンタは気持ちよくなかったの?」


「そんなわけあるか!気持ちよかった、よすぎた、よろしすぎましたッ!の三段活用の表現でも足りませぬ」

「なによそれ?」

はてなが飛ぶ会話に上条の頭を撫でる美琴の手もとまる。

「つまり、良かったってことよね」

「はい…‥我慢できず、はやくイってしまうくらい…」

上条は美琴と目が合わせられず、はだけた美琴の胸元に逃げ込んだ。

「あっ」

上条の髪の毛が素肌に触れ、くすぐったくて美琴の口から思わず声が漏れる。

「なっ何してるのよ」

「だって、かっこ悪ぃじゃねーか」

上条がさらに美琴の胸元に隠れ込むようにすり寄った。

「…‥気にしないでよ」

自分が思っている以上に気にしているのかもしれない…美琴の表情から心配の色が先ほどよりも濃くあらわれた。


「!?」


ところが、胸元に逃げ込んだ上条は妙な動きを見せていた。

「こうしないと、ふにゃふにゃ柔らかさを感じられない~」

胸元に顔をしずめるが、残念なことに期待していたように柔らかく包み込んではくれない。

「ふぁ…やっ!」

上条は、美琴の胸をギューッと手で寄せ、その柔らかさをこぼすことなく堪能しようとしていた。





203 : ◆jPpg5.obl6 2011/04/10(日) 20:45:37.84 ID:Nyw9G2aAO


「うっ‥やっぱり、小さいのはダメなんじゃない…」


上条の言葉と行動に美琴の、小さい胸の悩みだけがまた大きくなってしまった。

彼の好みは胸が大きい方がいいなら‥自分もそうなりたいのに。現実はそうはいかない。


「ちがうって、このサイズが今俺にとってのベストなんだよ…いーの、いーの」

ほんとに?と美琴は視線を送った。
上条はこっくりと頷いた。

「…‥んっ‥…ぁっ」

上条の手が動きが美琴の体を刺激する。乳房を包みこんで揉みしだく。
時折、上条の指と指の隙間で胸の先端部分を挟み込まれ、その刺激に先ほど冷めかけた熱が再び呼び戻されるようだった。


「‥ぁ…変な触り方しないでよ‥」


「美琴が可愛い上にエロすぎるから、つい‥…」

そう応えながら、手の動きは止まらない。

「んっ‥急に変な触り方‥…して、エロすぎんのは…‥アンタでしょーが‥ッ」

「俺は男だからかまわねーの」

美琴が呼吸に混じって甘い声を漏らす中、上条は言葉を続けた。

「美琴‥俺、驚いたんだからなー。
自分から腰ぐいぐいして、俺のを飲み込もうとするし、通常女の子には無いエロスキルなのでは?…‥そんなの一体どこで身につけているのでせうか?」

「うううぅっるさい!!
そんなことしてな‥!!う‥っ!
するつもりはなかったの!!
だ‥だだって、アンタも意地悪したりしてきたし!
素直になれって言うし!
とっとにかく‥…ぜ、ぜんぶ!アンタのせいでしょ!!!」

先ほどの情事中の出来事を振り返って、指摘され美琴の顔が一気に紅潮した。





212 : ◆jPpg5.obl6 2011/04/11(月) 22:35:08.34 ID:OZGO3u0AO



自分でもかなり積極的なことをしてしまったとは思う。

でも、こんなタイミングで改めて指摘してくるのはズルい。


意地悪しないって言ったくせに!と、美琴は心の中で強く言い放ちながら上条を睨みつけた。


「もしや、俺に隠れて一人でえっちな勉強をしていたり?」
小首を傾げて、上条が期待を膨らました声で問いかけた。
女の子の性の事情はとても興味深い。

「しっしてない!そんなこと…んっ‥して‥ない、もんッ」
美琴は、思いっ切り否定した。

「‥…取り乱すとこが怪しいな」

…できるだけ、力強く、否定したつもりだが、乳房をふにふに上条の手につかまれたままでは、そうも行かない。

そこに気をとられて言葉尻がどうにも弱々しかった。

上条がニヤニヤと、次はどんな風に仕掛けようかと思案をめぐらした表情で美琴を見つめる。

表情に悔しい思いを滲ませながら、美琴も何かコイツを負かせてやれないかと考えていた。






215 : ◆jPpg5.obl6 2011/04/11(月) 22:48:14.58 ID:OZGO3u0AO


「アンタなんか、すぐイっちゃったくせに!」


勢いづいて、上条が今もっとも気にしているであろうことを突きつけてやった。

「うわっ!グサッときた!」

余裕綽々に美琴の胸を弄んでいた上条の手がとまり‥横になったまま、本当に上条がガクンと肩を落としたように見えた。

「‥…‥もう、今のショックすぎて勃たないかも…‥」

「えっ!」

上条のポツリとこぼした発言に美琴は驚いた声をあげた。


美琴があたふたしていると、上条が言葉を続ける。
ゆっくりと、なにやら怪しい含みを込めて。

「もう、俺からじゃだめそうだ‥…優しくしてくれる人が相手じゃないと‥…もう、えっちできないかも…」

「えぇ!?」

美琴の声を聞いて、上条は落ち込んだふりをしながら、このまま美琴をからかうことを決めたようだ。


―――…でも、ま、こんなこんなからかい作戦には、
乗ってこないよなぁ



「…な、なにをすればいいのよ…‥」


ちょっとした、いつもの遊びのやりとりのつもりで上条も楽しんでいた。
美琴もきっと同じだろう‥と、そう思っていた。

「上条さんは何もしません、できませんので…美琴さんに身を委ねるしだいであります」


上条はくるんと仰向けになり、両手をあげて、好きにして!とポーズをとる。


上条は忘れていた。
美琴が意外にも、少女趣味で…乙女な部分は、やや妄想癖を持ち合わせていたことを。


ふと、見ると美琴はなぜか頬を膨らせ、何かをこらえるような顔つきだった。





216 : ◆jPpg5.obl6 2011/04/11(月) 22:52:32.34 ID:OZGO3u0AO


どうやら、美琴には上条の意図が違って伝わってしまったらしい。



「や、やだ!」



―――優しい他の人がいいって言ったの?
私、いらないってこと?


上条が仰向けになって手をふいっと上げて、広げたポーズは、美琴なんかいらないっ!と放棄されたと思ったようだ。


「…へ‥」




「私がアンタを気持ちよくさせるから!他の人はダメ!」

いきなり起き上がると、寝転ぶ上条に向かってキツい視線を落とした。


「えっと、美琴…?」

美琴が自分の上に乗りかかってきた。

「う…っ」

中途半端に脱がされ、素肌がのぞく乱れた制服。

短いスカート姿で、上条の体を跨ぐ下着を纏わない下半身。

思わぬ情景に、ゴクリと息をのみこんだ。

上条の体に、またじわじわと熱が広がっていく。





234 : ◆jPpg5.obl6 2011/04/18(月) 00:25:35.54 ID:r9sjYxCAO


「…当麻の…ためなら、何でもするから」

美琴が腰を落とすと、下着を纏わぬ美琴の秘部が上条の腹部にひたと当たった。

「ちゃんとするから…私とじゃ‥え、えっちできないとか、嫌とか言わないでよ…」

上条は、そこまでは言っていない…と、突っ込みを入れたかったが美琴の色香に心はすっかり囚われてしまっていた。

「ちゃんとって…何すんだよ……」

「……たぶん…アンタが、してほしいこと全部…」

「……たとえば、どういったことを?」

「わ、わかんないけど、こっこれ…」


もじもじと体を小さくさせながら、“これ”と示す方に目を向けた。

「このまま入れるとか…」

このままとはどういう意味なのか、上条はまた息をのみこんだ。喉仏が大きく波うつ。

自分の体の向こう側にある上条のそれを美琴が小さく指差した。
恥ずかしさから、そっと顎をひいてうつむいてしまう。

「……っ」

羞恥と緊張からか、唇が乾き、美琴はなめるように唇を噛む。その表情が、上条をさらに刺激していた。

「美琴……」

「へっ!あっ!」

いきなり腰を掴まれ、驚きで体勢を崩してしまう。
バランスを崩した体を支えるように、上条の胸元に手が置かれた。




235 : ◆jPpg5.obl6 2011/04/18(月) 00:31:52.44 ID:r9sjYxCAO


「んっ」

腹部にギュッと押しつけられるように、さらに腰を引き下げられる。

「あっ…ん、ぁっ……」

敏感で弱い部分が、上条の腹部に…ぴったりと押し当てられていた。
腹筋の固い部分が、美琴が感じやすい部分にほどよい刺激を与えてくる。
強く押し当たるタイミングをはかり、上条はわざと腹に力を入れ、美琴の腰をぐいっと揺らした。

先ほどの情事のあとが美琴の体にまだ残っている。
そのためか、新たな刺激を受けてすぐに、くちゅっと濡れた音が聞こえてきた。

「お腹に美琴のぬるぬるが……」

上条は手に力をこめて、ゆさゆさと揺さぶりを続ける。

「やっ…や…こん…な…のっ」

嫌と言葉を返しながらも、上条が与えだした刺激に体はどうしようもないほど感じてしまっている。

「こ…んな、…んっ…恥ずか、しい…」

こんな行為でも、しっかりと感じてしまっている自分がいるのに驚いた。


―――……へんな体…
いつの間に、
自分はこんな風になったんだろ…


何もかも、上条に教え込まれる体は自分の性格よりもよほど素直だと、美琴はふっと自嘲的に笑みをこぼした。


―――……なんか

もぉ…わかんない






236 : ◆jPpg5.obl6 2011/04/18(月) 00:38:00.50 ID:r9sjYxCAO


上条は美琴の表情に気づき、ゾクッと肩を震わせた。
その震えは、表情だけでなく美琴の行為の変化を感じ取ったからだった。


「ちょっ…」

「ん…っ…」

美琴は、いつの間にか自らいい場所を探り当てようと、押し付けたまま腰の角度を変え…だんだんと自分の意志でその刺激を求め始めていた。

上条の胸元に置かれた手に力がこもる。
美琴の重みが伝わってきた。息が苦しいと感じるのは胸元を押さえられているからか…それとも、また美琴の中に入りたいと願いはじめた興奮からか。
上条が苦しげに息を漏らした。

「…っ」

自分がまだ余裕のあるうちに引き下がろうと、上条が美琴の腰を支えていた手の力をゆるめていく。
そして、自分の欲望を抑えるのと同時に美琴の羞恥を誘おうと言葉で攻め立てようとした。

「…なぁ俺もう、動かしてないぞ…そんな、して気持ちいいのか美琴?」

「んっ、んっ」

美琴は上条のお腹に秘部を押しつけ、その刺激を追い求めている。
やめたら、せっかく絶頂に似た感覚までたかぶってきた波が無くなってしまいそうで、美琴は夢中になって体を揺らした。

「おっおーい!美琴っ…その、それなりに…刺激を、受けて…っ…しまうのですが…っ…」

上条が助けを求めるように声をあげたが、美琴には届かなかったようだ。

美琴が動く度に、美琴のお尻に固くそそりたった上条のモノがあたっていた。
つんっと触れる、そんな小さな刺激でさえも、上条も敏感に感じてしまっている。





241 : ◆jPpg5.obl6 2011/04/18(月) 23:10:45.79 ID:r9sjYxCAO


目をギュッと閉じて美琴は、小さくぴくんっと体を何度も震わせていた。

「…はぁ…ぁっ…ぁっ」

美琴が固くなった上条の存在に気がつくのと同時に、揺れ動いていた美琴の体がぴったりと止まった。

もう少しで達するというところまで来ていたのに、がっちりと上条に腰を押さえ込まれたのだ。
無理やりに、もうすぐそこまできていた波がせき止められてしまう。

「やっ…」

美琴は思わず、不満げに声を漏らした。

「『や』じゃ、ありません。自分だけイってしまう気ですか…?」


少しの痛みを感じて、美琴が痛みの箇所に目を向けると、余裕なく上条の指が美琴の体にくい込んでいた。

「…俺がして欲しいこと何でもするんじゃなかったのかよ」

その声に美琴は潤ませた瞳を向けた。
上条の声が熱っぽく上擦っている。

「どうしたいか…そのくらい分かるだろ」

手を美琴の体にまわして、自分の体に倒れ込ませるように力をこめた。





242 : ◆jPpg5.obl6 2011/04/18(月) 23:20:47.81 ID:r9sjYxCAO


美琴は促されるままに、体を上条の上に重ねた。

「んぅ…」

重なってきた美琴の体を感じながら、上条はギュッと少しだけ抱きしめる。
抱きしめると二人とも満たされるような気持ちになった。

好きな人と触れ合うことは本当に心が幸せで満たされる。

「みこ…と」

また、上条の手に誘われて美琴が顔をあげた。

「―…んっ」
「…はぁっ」

そのまま唇を奪われると、今度は美琴も応戦するように唇をついばませる。

上条の唇からは、また美琴を求めて仕方ない焦りが感じられた。美琴も、無意識に腰を揺らし、上条を求めて仕方ない様子を見せる。

上条によって得られる満たされる充実感を求めて、美琴はねだるようにキスを繰り返していた。

「んぁ…ぁ…」

――……とうま

「ふぅ…ぁっ…」

――…とうま



どうしようもく、焦る心。


「はぁ…はぁ…」

「ぁ…っ…」

濡れた音を立てて、二人の唇が離れ熱い視線が交わった。


「…美琴」

もう、名前を呼ぶだけで十分だった。






247 : ◆jPpg5.obl6 2011/04/20(水) 22:22:05.93 ID:w1zkgp3AO



「…うん」


美琴が、頷きながら返事をする。
期待に胸が高鳴って、心臓の音が自分の中で大きく響いていた。

何を言うでもなく、上条がいつものように枕元を探っている。
美琴を体の上に乗せて待たせる間、寂しい思いをさせないようにと片腕で美琴を抱きしめていた。

不自由な体勢であったが先ほども使ったたため、お目当ての箱はすぐに、コツンと指先に当たった。

スキンを身につけるまでの、この時間が本当にじれったい。

箱の存在に、焦る気持ちも大きくなる。
早く、早くと手も忙しそうに動いていた。


「あ」

上条は、小さく声を漏らした。

「?」

その妙な声色に美琴もきょとんと、目を上条の顔に向けた。
「ど…」
「あ゛ぁぁぁぁぁ!」

“どうしたの”と、問いかけようとした美琴の言葉は、上条の叫び声にかき消された。
あまりの驚きに一瞬、部屋がしんと静まり返る。

上条の叫び声は、あてなく宙をさまよったあと、空気に消えた。

「………」

青ざめた顔のまま、上条はフリーズ。
一旦停止。
唇が何か言いたげに、ふるふると震えていた。

「どっどうしたのよ!?」

固まった上条の頬をぺしぺし叩いて、美琴は心配そうに声をあげた。

「………だ」
「え?」

よくよく唇を見ると、ため息と一緒に彼の口癖が聞こえた気がした。

「ねぇ…当麻?」

青ざめた表情は、何を語ろうとしているのか…美琴は探るように見つめ返していた。





248 : ◆jPpg5.obl6 2011/04/20(水) 22:35:57.59 ID:w1zkgp3AO


上条は本当に、半分泣きべそをかいているようだった。

そして、申し訳なさげに、美琴の視線から目を逸らすと言いにくそうに言葉を告げる。

「………すまん…」

「………」

「…ありません…その、ゴムが…」

「………」

美琴は黙って上条の言葉を受け取る。


つまり。
そういうことだ。

上条があっけなく果てたのが、たった一枚。

最後のスキンだったのだ。


「……不幸だ」
「………」

美琴は黙ったまま、返す言葉が見つからない。

嘆く上条の固く張りつめたそこが、情けなくもその存在を誇示していた。

「………」

いたたまれない空気に上条は、話題を変えようと冷たい表情で見つめ返してくる美琴の頭にポンッと手を置いて言葉を続けた。

「こ、こんなことじゃ……すぐに萎えないあたり、まだまだ若い証拠だな!」


「ばかじゃないの」

冷たく言い放つ美琴の言葉は切れ味抜群に、上条のハートを深くえぐっていった。


しかし、美琴も同じ。

その気になったこの火照った体はどうすればいいのか。






249 : ◆jPpg5.obl6 2011/04/20(水) 22:42:42.98 ID:w1zkgp3AO


「……」

肌の重なり、温もりを求める愛につつまれた甘い空気はもう微塵も残っていなかった。

「………不幸すぎる」

うなだれる上条の姿を見ながら、美琴はそのまましたって構わないんだけどな、と大胆な考えを巡らせる。

でも、スキン無しでするようなことを彼に提案したところで許されないことぐらい分かっていた。

もう、今は続行不可能。
二人の愛の営みは中止するしかない、それがこの状況に対する答えだ。

「はぁ…」

美琴は、上条と同じようにため息をついた。



――…さて、どうするんだろう



あの、甘い甘い雰囲気はいつのことだったかと思えるほど、すっかり変わってしまった。


「………」
「……」

お互いに繕う言葉が見つからない。

とりあえず上条の体にもう一度、美琴は体をどかっと沈ませた。






―――ぐぅぅぅ





「ん?」

「…三大欲求のひとつが目覚めてしまったみたいだな…ははは」


その代わり、三大欲求のうちの一つはついさっき失われましたけど?と、美琴は怪訝そうな表情を浮かべた。



――……ん?
欲求は失われてないか。
ようは、満たされるチャンスを失ったのね。



もう、ここまできたらなんだか彼の“不幸”がとても清々しいと思えた。





254 : ◆jPpg5.obl6 2011/04/21(木) 23:49:06.16 ID:fTx+kDsAO


美琴は、上条の鼻をぎゅっとつまみ上げた。

「んにゃ!」

「なんか食べよっか」

美琴はそういうとぱっと起き上がり、キョロキョロとまわりをうかがった。

上条が上半身だけを起きあがらせて、美琴の行動を目で追う。

「…ほら、あんたもさっさと…
ん!そ・れ!
何とかして…準備しなさいよ」

「あ、はい」

上条は、あわてるでもなく固さを弱めてきたそれをしまいはじめる。

「食べにいくでもかまわないし…何かあるなら作るけど?」

「そうだなぁ…冷蔵庫…空だったような」

「とにかく、どっちにしたって、外出なきゃね」

ベッド脇に落ちていた、自分の下着を拾いあげると細くしなやかな足をするりと通し、身にまとう。
「シャワー浴びたいとこだけど、
お店もしまっちゃうだろうし…ちょっと今は、我慢するわ」

外されたブラのホックを後ろ手に直すと、上条が横になっているベッド際に近づいて膝をついた。できるだけ、彼の近くに寄るように。

「…今日は、まだ一緒にいるんだもん」

美琴が、何だか照れくさそうに言った。

「…あ、…後で、いっしょにお風呂も入れるでしょ?」

「そう…だな」

“いっしょにお風呂”と、甘えるような声色でせまられて、上条はちょっぴり胸がときめいていた。

「お、お風呂に入浴剤とか入れたいから、買い物いくならドラッグストアも寄りたいわ!」

「……ドラッグストア…」

そう聞いて、上条には美琴が意図していることが容易に理解できた。

今、かなりの必要性を要するものがそこにあるからだろう。




255 : ◆jPpg5.obl6 2011/04/21(木) 23:55:08.96 ID:fTx+kDsAO


「入浴剤で、最近いいの見つけたの!
アンタといっしょに使ってみたいなーって…
ず…ずっと前から思ってたのよね!」


美琴が本当に欲しいものは入浴剤ではないのは明らかであった。繕う言葉が、おぼつかない。

本当に手に入れたい“それ”を自分の口から直接買いたい言うのは、躊躇われたようだ。


自分の意図が伝わったかどうか、気にしながらしきりに上条の反応を確かめていた。

「入浴剤ねぇ~…」

「い、いやなの?」

「よし!じゃあ、美琴が一番ほしい、これも!
入浴剤のついでに買いますか!」

片手につかんだ空箱を、上条が美琴のおでこにコツンとぶつけた。

「なっ!」

「ご希望は、とびきり薄いやつだよな…美琴」

「ッ!!!?」


―――うっ薄いの
しかも、ととと
と、とびきり!?


「おーい、そんなんで固まんなよ…お子ちゃまだなぁ」

「なっ!べつに何でも無いわよ!」

美琴がぷいっと顔をそむける。上条が、やれやれと手の動作をつけながら美琴の頭に手を乗せた。





256 : ◆jPpg5.obl6 2011/04/22(金) 00:02:30.65 ID:9CH67CwAO


自分の意図が伝わったのは良かったが…
お子様と、扱われたのは…やっぱり、気にくわない!

「もういい。ドラッグストア行かない!」

思わず、そう言ってしまった。
何かやり返したいが、何も思いつかない。
こんなことを言いかえすしか、できないようだ。

「これ、買わなくていいのか」

「……べつに」

「拗ねんなって」

「拗ねてない」

上条が、美琴の頭をくしゃくしゃっと撫でながら、笑みをこぼした。
美琴は、その笑顔に瞳を奪われてしまう。


―――…なんて顔してんのよ…ばか


目を細め、くにゃっと笑うあどけない笑顔は、美琴の心を揺らして仕方なかった。


「…もぅ…髪くしゃくしゃにしないでよ」

「最初からくしゃくしゃだったし、いいだろ~ほらほらっ」

「もぉ!!」

なんでもない、いつものやりとりがとても心地良いと感じられた。


美琴は、髪をくしゃくしゃと撫でる上条の、その手から逃れるように立ち上がる。





257 : ◆jPpg5.obl6 2011/04/22(金) 00:12:41.50 ID:9CH67CwAO


「おっビリビリは無しだぞ!」

美琴の雰囲気から、上条は反撃に備えて身を構る。

「……ふんっ」

上条に背中を向けながら、まだ開いたままの制服のシャツのボタンを何ともない様子で留めはじめた。

でも、上条の予感は的中…美琴は、反撃を開始しようと様子をうかがっていた。


――…余裕なのも今のうちよ!




制服を整えながら肩口から横顔をのぞかせた。
美琴が悪戯に微笑む美琴と目があった。
その姿がなんだか可愛いくて、愛しい。




「…次は、私が当麻をいじめてあげるんだから」



覚悟しなさい!と付け加えられたように、笑みを含んだ視線が送られる。

その艶っぽい瞳に上条は、焦りを覚える。

「そ、それは……
お手柔らかに頼みます」

少し後ずさり返事を返す、上条の反応に美琴は満足げに笑った。

「ほら、早く着替えなさいよ!」

美琴は落ちていた上条の服をぽいっと投げつける。

「はいはい」

投げつけられた服をもって気怠そうに、袖を通す。
美琴も、身なりをもう一度確かめるように整える。

上条がのろのろ起き上がり、洗面所に向かう。
上条の動きに多少苛立ちを募らせつつ、美琴は時計に目をやった。



時計の針が8時前を示している。



あと何時間?



…当麻と


いれる時間



「さーて、行きますかぁ~美琴ぉ」

用意が整うと上条が玄関口で、美琴を呼んだ。
美琴が、ぴんっと耳を立てていたように、その声に素早く反応した。

そこからそこまで。
上条の元まで間のない短いその距離を駆け足で向かう。


「ね、あとどのくらい一緒にいられる?」






258 : ◆jPpg5.obl6 2011/04/22(金) 00:22:11.87 ID:9CH67CwAO

「ん?…ずっとだろ」



明日は何時にさよならするつもりなのかを確かめるつもりだった。
上条がさらっと返してきた言葉に、美琴は耳から頬までみるみるうちに赤く染めていった。
なんとなく、こぼれ落ちた言葉だからこそ嬉しかった。


―――……ずっとって、
“ずっと一緒”ってこと?



「なに、食う?」

「な、なんでもいい」

「なんだよ、急にしおらしくなって…なんか顔赤いぞ?」

「~…ほっといてよッ」


明日も、明後日も

彼の言うように

『ずっと』


美琴は、思わずふふっと笑った。


「……しあわせ」


――――そんな時間が続きますように



「ん、何か言った?」

「なんでもないっ」

ほら、行くぞ!と上条が手を差し出した。
美琴は、差し出された手にすっと手を重ねる。
重ねた手が、自分の手を包み込むようにきゅっと強く握りしめてきた。

彼の温もりが、優しさが…

体の芯まで伝わってくるみたいだった。

美琴も、自分の体の方へ上条を引き寄せるように手をきゅっと握り返す。


私の気持ちも、


アンタの体に沁みこむほどに、


伝わってるといい。


…カチャンと扉が閉められた。

次に、この扉が開くときは…


2人だけの
愛する時間がまた始まるのだろう。






お幸せに!

おわり



転載元
上条「み、御坂さ~ん」美琴「触んないでよ。」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1300024952/
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    コメント一覧

      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年09月18日 21:37
      • (・-・)…

        (´・-・)…
      • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年09月18日 22:04
      • (・・;)))
      • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年09月18日 22:22
      • (;´・ω・)
      • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年09月18日 22:23
      • ぼくはいいとおもいます。
      • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年09月18日 22:23
      • みこっちゃんに手コキされたい
      • 6. MCC
      • 2014年09月18日 22:35
      • 5 やはり上琴は良い!!
      • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年09月18日 22:41
      • ぐあぁぁぁぁぁぁ
        やめろ!俺にラブラブのssを見せるんじゃねぇよ。
        死にたくなるだろ
      • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年09月18日 23:16
      • 上琴のイチャイチャは、何故か安心して見ていられる不思議。
      • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年09月18日 23:37
      • 黒子「(#゚Д゚)滅殺」
      • 10. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年09月19日 00:03
      • 真顔ポソコンカタカタ
      • 11. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年09月19日 00:05
      • 携帯官能小説って感じ?
      • 12. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年09月19日 00:12
      • 黒子が白子になるな・・・
      • 13. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年09月19日 00:47
      • ばっかお前そこはご奉仕だろ
        だがこれはこれでいい
      • 14. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年09月19日 01:52
      • ヤキモチストリーム
      • 15. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年09月19日 02:07
      • 5 飲んでたコーヒーが死ぬ程甘ったるく感じたよバカヤロー!\(^o^)/
      • 16. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年09月19日 03:31
      • 鳥肌たって読むの止めた
      • 17. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年09月19日 05:20
      • 美琴が経験済みなのかそうじゃないのか何かわかりづらかった
      • 18. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年09月19日 22:00
      • 内容を見返してみるとただセックスするだけの小説なのにここまでみっちりねっとりかけるもんなんだなあ……
        言葉だけでこんなに表現できるって本当すごいわ。

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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