TOP

妹「黒くて渋くて苦いヤツ」

1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 09:52:44.12 ID:KcGcbVEKO

妹「そいつは今、私の目の前で湯気をもくもく容赦なく発生させている…間違いなく…熱い」

兄「…………」ゴクゴク

妹「そして…投入した砂糖とミルクはゼロ、黒い…すごく黒い…英語で言うとブラック…絶対に苦い」

兄「…………」フーッ…

妹「私は苦いのは好きじゃない…むしろ嫌い…かと言って甘いものが好きってワケじゃない…いい感じの…そう…可もなく不可もない…ちょうどいい感じのヤツ…英語で言うとヴァイシュヴァルツ」

兄「……………」

妹「どうすればいい…どうすればコイツの味のバロメータを極めて均等に分配することが可能なのか……いや…もういっそこのままでーーーーーーーー

ドバドバドバドバ…

妹「!!???山の様に注がれる砂糖ッ!…これは甘いッ!絶対ッ…胸焼け確定ッ!!!」

兄「さっさと飲めや」



3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 09:59:52.13 ID:KcGcbVEKO

妹「ちょっとちょっと!これは入れすぎだよ!!」

兄「早く飲まないと冷めちゃうだろ」

妹「そうだけどね!そうだけど!」

兄「お前は優柔不断すぎるんだよ、慎重なのはいい事だけど…コーヒーごときでモヤモヤと」

妹「私は完璧主義なの!!」

兄「俺にはただのアホにしか見えないね」

妹「アホじゃない!」



4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 10:04:26.58 ID:KcGcbVEKO

兄「ほら、冷めちゃったぞお前のコーヒー…もったいないからちゃんと飲めよ」

妹「……うん」

妹「…」ゴク…シャリシャリシャリシャリ

兄「うまいか」

妹「まずい」

兄「だろうな」



5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 10:09:21.76 ID:KcGcbVEKO

兄「さてさて、食前のコーヒーも飲み終わった事だし…そろそろ飯にするか」

妹「ふつう食後じゃないの?」

兄「どっちでもいいんだよ、コーヒーはいつ飲んでもコーヒーだからな」

妹「………」

兄「さて…準備するぞ、手伝え」

妹「はいはい」



8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 10:17:01.05 ID:KcGcbVEKO

兄「ジャジャーン!今日はカレーだ」

妹「朝もお昼のお弁当もだったけどね…お弁当にカレーってどうなの?」

兄「カレーは何度食ってもうまいのだ」

妹「美味しいけど…もう明日はやだよ」

兄「……カレーは何度食ってもーー

妹「いやです!」

兄「…作り過ぎたんです…もうちょっとだけ協力してくたさい」

妹「………」パクパク



9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 10:23:40.23 ID:KcGcbVEKO

兄「まぁそれはいいとして…ほらコップよこせ」

妹「ああ、うん」サッ

兄「…………」キュッポン


コポコポコポコポ…


妹「今日もあいかわらず赤いぜ…」

兄「……まぁ、トマトジュースだしな、ほら」スッ

妹「いただきまーす」ムグッムグッ…

兄「………」

妹「ぷはぁ!いいコク!!この一杯のために生きてる!!」

兄「ようおっさん」




10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 10:29:03.10 ID:KcGcbVEKO

妹「いやぁ…あいかわらずウチのトマトジュースは格別だね!」

兄「そうか?」

妹「うん!なんだか生命のミャクドウを感じる!」

兄「大袈裟だなぁ…」

妹「どこで買ってるの?そろそろ教えてくれたっていいでしょ?」

兄「それは秘密だ」

妹「もう!いつもそればっかり!ケチ!」

兄「ケチで結構」


妹「ねぇね



11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 10:34:59.05 ID:KcGcbVEKO

妹「ごちそうさまでしたー」

兄「はい、お粗末さま…食器洗っとくから、風呂の準備たのむ」

妹「はいはーい」タタッ

兄「……………」

ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
ーーーー





ガチャ…



兄「む、さっきので最後だったか…明日、買いに行かなきゃな」



12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 10:45:09.04 ID:KcGcbVEKO

次の日

先生「であるからして…えー…これがあーなって…こうなって……そうなるんだけど分かる?」

ワカリマセーン

先生「分かれや」




兄「…………」

友「…おい…おいって」ツンツン

兄「あ?」クルッ

友「ボケっとしてんじゃないよ…さっきから呼んでんだろ」

兄「…ああ、すまん…何だ?」

友「昨日のあの店、今日も行こうぜ!」

兄「ええ…?なんでだ」

友「いいから!うまかったろ?な!行こうぜ」

兄「……まぁ、いいけど」

友「よし!決まりだな!」

兄「…………」








13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 10:53:26.50 ID:KcGcbVEKO

ーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー
ーーーーーーー

チリンチリーン

店主「いらっしゃいませー…あら、昨日の」

友「あっ!はい!どどど、どうも!!今日も来ちゃいました!!へへへ!!」

兄「…………」

店主「歓迎するわ、どうぞ好きな席に座ってちょうだい」

友「は、はい!そうします!!どうしよう、あっ!!そうだ!カウンターに座ろうそうしよう!なっ!お前もそれがいいよな!!」

兄「お、おう」

友「だよな!!流石だぜ親友!!はは、ははははは」

兄「…………」



14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 11:07:28.33 ID:KcGcbVEKO

兄「…………」

店主「ご注文はお決まり?」

友「は、はい!決まってます!えと!昨日と同じヤツで!!男はブラック!!!ははは!!」

兄「俺もそれで」

店主「ふふ、かしこまりました」


カチャカチャ…


友「ぬふ、ぬふふふふふ…ふつくしい」

兄「…なるほどな」

友「!ど、どうした…」

兄「彼女が目当てなんだろ?お前」

友「ッ!なななんのことかな!!」

兄「とぼけなくってもバレバレだぞ…、さっきから緩み切った顔しやがって」

友「グウッ……!」

兄「まぁ…なんだ、お前の色恋沙汰にどうこう言うつもりはないが……俺は必要か?」

友「必要だよ!ひとりじゃとても恥ずかしくって来れないんだ!」

兄「…お前なぁ」

友「皆まで言うな!わかってるんだよ!」




15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 11:16:10.53 ID:KcGcbVEKO

友「でもアレなんだ…!どうしても難しくって!しょうがないんだよ!」

兄「 …そうかい…まぁ…頑張れよ」





店主「はい、お待たせ」カチャ…


友「全然待ってないです!!!」

兄「どうも」

店主「ふふ、熱いから気をつけてね」

友「気をつけます!!!アチッ!!」

店主「あらあら…大丈夫?」

友「ダ…ダイジョブッス!」

兄「………」ゴクゴク



16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 11:28:38.15 ID:KcGcbVEKO

友「ムグッ…美味い!ムグムグムグ…」ゴクゴク!

店主「喉乾いてたのね」

友「ムグッ!?…ッはい!、カラッカラでした!!いやぁこの頃ほんと暑いですよね!!」

店主「そうねぇ…今年は本当に暑いわよねぇ…湿気もヒドイし」

友「は、ははは!ホントホント!夜なんて寝苦しいのなんのって!!」

店主「ほんとねぇ…」

兄「…………」



17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 11:41:16.33 ID:KcGcbVEKO

友「そうだ!…なんだか妙な事件が起きたらしいじゃないですか、ここの近所で」

店主「…あぁ、そうね、今朝ニュースで観たわ…結構近所だったから印象に残ってる」

友「なんでも、殺された死体から血が一滴残らず抜かれてるとか!いやぁ、怖いですね!」

店主「ふふ…もしかして…吸血鬼の仕業だったり?」

友「まさか…きっと気が変な犯人なんですよ」

店主「ふふふ、そうね」



20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 11:52:25.93 ID:KcGcbVEKO

兄「…店主さん」

店主「?なにかしら」

兄「昨日、豆を頂いたじゃないですか…実はさっそく家で淹れて飲んでみたんですと」

店主「ええ」

兄「どうにも、あなたの出すコーヒーとは程遠い味と香りになってしまって…なにか…その…コツとかあります?」

友「バッカお前…そりゃプロと素人が張り合える訳ないだろ」

兄「まぁそうなんだけどな」



21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 12:00:58.63 ID:KcGcbVEKO

店主「んー…そうね、別に特別な事はしてないんだけど…」

兄「…………」

店主「ちょっとね…隠し味ってやつかしら」

兄「隠し味…それって?」

店主「あらら?…『隠し味』よ?…もちろんひ、み、つ」

兄「ふふ…そうですよね」

友「そうだぞ!なんたって隠し味だからなぁ!ははは!」

兄「なんでお前が偉そうなんだよ」




22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 12:42:29.67 ID:KcGcbVEKO

兄「…ごちそうさま、じゃあ…俺はそろそろ」ガタッ…

友「えっ!もう!?」

兄「まだ用事があってね、もう行かなきゃならん、…店主さんお勘定を」

店主「ふふ…いいわ、今日はサービスしてあげる、いい常連さんになってくれそうだし」

兄「そいつはどうも」

友「常連さん!?おい聞いたか!常連さんだってよ!!うはっ」

兄「…お前はもう少し居ればいい、じゃあ明日な」

店主「またのご来店を…」




キィ……バタン

カランカラーン



ーーーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー



23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 12:53:02.12 ID:KcGcbVEKO


兄「…………」

ゴンゴンゴン!

ガサガサ…


「あいよ」

兄「…いつもの、そうだな…今回は3本だ」

「また安物ときた…アンタももう長いだろ…上モノの一本や二本、買ってくれてもバチは当たらんぜ」

兄「高いんだよ、まけろ」

「そりゃ無理だ…オレは商品を絶対まけないのが信条なんだ」

兄「はっ、商売人の鏡だね」

「ククク、褒めても何も出ないぜ」

兄「…………」



24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 13:01:35.21 ID:KcGcbVEKO

兄「…じゃあ、交渉不成立だ、いつもの寄越せ」

「ほらよ」

ガシャン!

ゴトゴトッ…

ガシャン!

兄「む?……気のせいか、前より量が少なく見えるな」

「なんだって?そりゃ驚いた…お前さんともあろう者が目を悪くするとはね…ククク」

兄「チッ…クソ野郎が、いつか吠え面欠かせてやるから覚えとけよ」

「楽しみにしとくぜ」



25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 13:09:52.73 ID:KcGcbVEKO

兄「……それと、ほら…妹からだ」

「おぉ!!待ってました!!早くくれ!!」

兄「ほらよ」スッ

ガシャン!!

バッ!

ガシャン!!!

「ククッ!いい匂いだ!ほぅ!今日はクッキーか!!最高だな!!」ガサガサ

兄「…………」

「…最近はこればっかりがオレの生きがいなんだ、妹さんに礼を言っといてくれ」

兄「わかったよ」

「じゃあ、しっかり味わって食うから邪魔だ…さっさと帰れ」

兄「言われなくても帰るさ」





ーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー
ーーーーーー






26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 13:18:36.19 ID:KcGcbVEKO

兄「ただいまー」

妹「おかえりなさい!」トタタ

兄「…いや、もう日は沈んでるってのに暑いな、汗かいちまった」

妹「大丈夫!!部屋に入ったらあら不思議!!一瞬で灼熱地獄から極寒冷獄へご招待!」

兄「設定温度上げなさい」



27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 13:23:42.45 ID:KcGcbVEKO

ーーーーーーーーー
ーーーーー
ーー

兄「ふぅ、涼しい」

妹「クーラー様さまだよねぇ」

兄「お前、飯はもう食ったか?」

妹「冷蔵庫のカレー食べたよ」

兄「…そうかい」

妹「まだいっぱいあるよ」

兄「今日中に全部片付けます、はい」

妹「もう私食べないよ」

兄「わかった、わかったから」



28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 13:31:02.38 ID:KcGcbVEKO

ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーー

兄「ウェップ…やったぜ」ゲフッ

妹「全部食べたの?おつかれ!!」

兄「ああ、うん……うっ」オエッ

妹「…あ!…それよりさ!アレは?」

兄「アレ?」

妹「トマトジュースだよ!トマトジュース!もう無くなってたんだけど!」

兄「…ちゃんと買ってきたさ…ほら、さっき冷蔵庫入れといたぞ」

妹「我が世の春がきたッ!!!」ダッ!

兄「…………ウグッ!」



29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 13:36:01.13 ID:KcGcbVEKO

妹「ムグッムグッ!!……ぷはぁ!!ヤバイ!!沁みるッ!!このために生きてるっ!!!」

兄「よく飲むなぁ」

妹「何ていうの?カラダが欲してるて言うか…本能的に求めちゃってる?みたいな?」

兄「……まぁ、程々にな」

妹「はーい…ムグッムグッ!!」

兄「はぁ…飲みざかりってやつか」



30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 13:44:42.73 ID:KcGcbVEKO

妹「…プハッ…って言うかお兄ちゃん!知ってる?」

兄「ん?」

妹「なんだかすっごい近所で変な事件が起きたって!今日学校でも気をつけなさいって注意されたよ」

兄「ああ、知ってる…お前も気を付けろよ、暗くなる前に必ず家に帰って来るんだ」

妹「お兄ちゃんもだからね!今日も遅かったし!」

兄「俺は大丈夫だ、強いからな」

妹「もう!そーゆー事言って!」

兄「ははは」



31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 13:57:23.78 ID:KcGcbVEKO

数日後

先生「ここがこうで…そこがそうで…こうなる訳なんだけど…分かるやつ!!」

ワカリマセーン

先生「そうか!!田中!!廊下に立ってろ!!」

エッ!ナンデオレッ!?






兄「……………」

友「グフフフフフ…フヘへ」ニヤニヤ

兄「………おい」

友「グフッへ…へ?…どうした?」

兄「さっきから何ニヤニヤしてんだ、気待ち悪いからやめてくれ」

友「えっ?そうか?グヘヘへ」ニヤニヤ

兄「……………」イラッ




32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 14:06:10.72 ID:KcGcbVEKO

兄「当てやろうか…、彼女と何かあったな?」

友「おっ、分かっちゃう?やっぱり分かっちゃうかぁ~ヌフフ」

兄「……あの日からずっと通ってんのか」

友「おうとも!1日も欠かさずにな!…そのカイあって、スペシャルなイベントが俺を待っていたのさ!!」

兄「スペシャル…?」

友「ほら!彼女が言ってただろ!例の『隠し味』!、そいつを俺に教えてくれるんだと!!」

兄「ほう」

友「それってつまりアレだよな!彼女が「私の全てを教えてア、ゲ、ル」って言ってるって事と同じだよな!!つまり脈あり俺にゾッコンって訳さ!!」

兄「お前の脳みそは随分と都合がいいな」



33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 14:15:08.32 ID:KcGcbVEKO

友「まっ、そんなワケで今日も学校終わり次第直行するぜ…!明日になったら多分俺の隣にはあの人がいるこれ絶対…!」

兄「……心に防弾チョッキでも着せとくんだな」ボソッ

友「うぉぉおお!!!テンション上がってきたーー!!!!」

先生「うるせぇぞコラァ!佐藤!!廊下に立ってろ!!!」

オレ!?リフジンダー??



34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 14:26:35.70 ID:KcGcbVEKO

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー

夜 某所




カツカツカツカツ…


女「ああ、バイト遅くなっちゃったなぁ…早く帰らないと」


カツカツカツカツ…


女「最近妙な事件が頻繁に起きてるし…昨日で…六人目だったかな…怖い」

カツカツカツカツ…
コツーン…


女「なんだっけ…確か…全身の血を抜かれてるんだっけ…もしかして…吸血鬼が?…なんてね…ありえないか」

カツカツカツカツ…
コツーンコツーン…

女「………?」クルッ




シーン…



女「…気のせいかな?」



35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 14:34:23.30 ID:KcGcbVEKO






「こんばんは」


女「ッ!!!!キャッ!!」ビクッ??

兄「……………」

女「…だ、だれですか?」ガクガク…

兄「いやぁ、ただの通りすがりですよ…怖がらせてしまって申し訳ない」

女「…………」ガクガク…

兄「そんな事より…、こんな時間に女性が一人歩きしてるなんて…感心しませんね」

女「……え、えっと、その」

兄「最近この辺は物騒ですからね…危険ですよ」

女「ご、ご忠告…ありがとうございます」



36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 14:43:41.76 ID:KcGcbVEKO

兄「…………」

女「…あ、あの…わたしーーー

兄「少し聞きたい事があります」

女「えっ?」

兄「……ここまで、誰かにつけられてる気配を感じませんでしたか?」

女「…つ、つけられてる…気配?」

兄「ええ」

女「……あの…特には」

兄「…そうですか…わかりました…ありがとうございます…、気をつけてお帰り下さい」

女「は、はい…じゃあ…」タタタッ!




兄「…………」






ガサガサッ……!



38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 14:54:56.53 ID:KcGcbVEKO

ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
ーーーーーー

次の日


先生「…なんか、ダルいわ…きょう自習な」

ワッ!ショクムタイマンダー!!

先生「うるせぇ」








「……珍しいね…今日はアイツ休みか」

兄「……………」

「ねぇ…何か聞いてないの?」

兄「いや、なにも」

「そっか…心配だなぁ」

兄「……………」



39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 15:02:17.08 ID:KcGcbVEKO

ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーー

カランカラーン!


店主「いらっしゃいませ…あら、久々のお客さんね」

兄「どうも」

店主「どうぞ…座って、ご注文はーーー前と同じでいいかしら?」

兄「……ええ、お願いします」


ーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
ーーーーー



40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 15:18:26.91 ID:KcGcbVEKO

店主「はい…どうぞ」コトッ…

兄「相変わらず…いい香りだ」

店主「ふふっ、褒めてもらえて嬉しいわ」

兄「………」ゴクゴク

店主「………」

兄「フゥ……」カチャ…



兄「………昨日、あいつが来ましたね?」

店主「え?…ああ、来てくれたわ…と言うかほぼ毎日来てくれてるけど」

兄「知ってます…あいつはあなたに惚れてますからね、もう気づいていたでしょう?」

店主「あら?そうだったの?ふふふ」

兄「……確かにあいつは毎日ここに来ていた…、あなたに会うために…だが、昨日はあいつにとってはかなり特別な日だった」

店主「…………」

兄「…『隠し味』…あいつに教える約束をしましたね?」

店主「…あらあら…あの子ったら、誰にも話さないでって言ったのに…、しょうがない子ね」

兄「…………」



41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 15:30:36.16 ID:KcGcbVEKO

兄「……あいつは今日、学校に来ませんでした、どうしたんでしょうね」

店主「あら?夏風邪でも罹ったのかしらね…心配だわ」

兄「ええ…心配です、本当に…普段…病気なんて滅多に患う奴じゃないですからね……、もしかしたら病気で休んだんじゃないのかもしれません」

店主「…サボりかしら」

兄「……どうでしょうね、ふふ」



42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 15:39:23.00 ID:KcGcbVEKO

兄「……『隠し味』」

店主「え?」

兄「当ててみせましょうか?」

店主「……!」ピクッ

兄「……ふふふ」

店主「面白わね…お手並み、拝見しましょうか…美食家さん?」



43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 15:42:15.62 ID:KcGcbVEKO

兄「………」ゴクッ…

店主「…………」

兄「……………これは…」












兄「……血だ」



店主「!!!!!」



44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 15:57:46.82 ID:KcGcbVEKO

兄「…どうですか?」




店主「………正解…よ」

兄「……………」


店主「だけど、なぜ…?なぜ、気づいたの?…ほんの僅か…人が知覚できない…本当に僅かしか加えていないのに…どうして?」

兄「…ああ、そうだな、普通の人間なら気づかないだろう…けど、俺は血の匂いには人一倍敏感でね」

店主「……………」

兄「実を言うと、初めてここに来た時から気づいていた」

店主「…なんですって?」

兄「だけどまぁ…俺が困る事は無かったんでな…関わらない様にしてたんだが」

店主「………………」

兄「少し、事情が変わってな」



45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 16:04:10.24 ID:KcGcbVEKO

店主「…あの子…ね?」

兄「…あいつはアホだが、一応友人なんだ…頬ってはおけない」

店主「あの子に目をつけたのは……失敗だったわね」

兄「そうだな…あんたは自分から地雷を踏み抜いたのさ」

店主「……………」

兄「聞きたい事がある」

店主「何…かしら」



46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 16:15:46.14 ID:KcGcbVEKO

兄「あんたには他人の血が必要には見えないんだが…どうしてこんな事を?」

店主「……料理中…包丁で指を切ったの…血が出たわ…赤い血が」

兄「……」

店主「それが…たまたま飲んでたコーヒーの中に入ってね…捨てようと思ったんだけど…飲んでみたの…試しに…そうしたら…少し鉄の味がしたけど、何故だか…とても満たされた気持ちになって…あぁ、私は…生きているんだって思えた」

兄「………」

店主「初めは自分の血を使ってた、だけど物足りなくなって…他人の血を使ったの
…そして、なんだか…独り占めするのはずるい気がして…だからお客さんにも」

兄「…………」

店主「あはは…私…よく考えたら…狂ってるわね」



47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 16:31:04.50 ID:KcGcbVEKO

兄「…あんたは血に取り憑かれたのさ」

店主「取り……憑かれた?」

兄「そうだ…、あんたは人の身でありながら…人の道を外れてしまった」

店主「…………」

兄「もう手遅れだ、今のあんたは…人間の肉の味を覚えた熊と一緒なんだよ」

兄「今さら自覚した所で、もうやめられない」

店主「…ふふふ、そうね…私は…私は…もう」

兄「……大人しく…ここで死ね」



グワッ



店主「…ああ、まさか…あなた…本物の…ふふふ…すごい…」






最後に…あの子に伝えて

ごめんなさいって




カブゥッ!!!!!


ーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーーー



49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 16:39:41.77 ID:KcGcbVEKO


兄「おい…起きろ…コラ!」バシバシ!

友「いだっ!!…なんだなんだ!!?何事だ!!」

兄「いつまで寝てんだ…帰るぞ」

友「あれっ!俺寝てた…?ってか何でお前い居んの?」

兄「店主さんに頼まれてな…迎えに来たんだよ」

友「あっ…そっすか…彼女は?」

兄「……さぁな…どこかに行ったよ、ほら帰るぞ」

友「…あ、あぁ」

兄「そうだ、…彼女から伝言を頼まれた…『ごめんなさい』…だとよ」

友「………!!」

兄「………意味はわからんが、確かに伝えたからな」カツカツ…










友「……フラれちったなぁ」



51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 16:56:11.21 ID:KcGcbVEKO

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーー

ゴンゴン!

兄「……おい、来たぞ」

「来たか貧乏人、ククク…安物でいいんだろ?オイ」

兄「いや、今日は上モノだ」

「!…なんだって…?どんな風の吹き回しだ…貧乏人の分際で」

兄「確かに俺は貧乏人だが…今回はびた一たりとも金はださないぜ」

「あぁ?…てめぇ何言ってんだ…?金も払わずに上モノを寄越せだと?安物の飲み過ぎで気でも狂ったかぁ?なぁ」

兄「…今、俺の手元に金は無いが…、ある物がある…なんだか分かるか?」

「……この匂い…まさか…!貴様!!そう言う魂胆か!!!」

兄「察しが早くて助かるね、つまりそう言う事さ」

「てめぇ!…この鬼が!!」

兄「ああ、鬼だが?」



52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 17:02:13.61 ID:KcGcbVEKO

「……何本だ…何本欲しい」

兄「…三十…と言いたい所だが…今日の所は三本で勘弁してやる」

「持ってけくそ野郎!!!」

ガラガラッ!!

ドンドンッ…!

ガラガラビシャっ!!

兄「まいど…今後ともご贔屓に」

「…ちくしょう!さっさと帰れ!バカ!」



兄「……はっはっは、餌付けしたかいがあったな…」

兄「はっはっはっ…」



53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 17:07:37.83 ID:KcGcbVEKO

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー


兄「今帰ったぞ!」

妹「おかえり!なんだか機嫌いいね!」

兄「そうだろうそうだろう!!今日はご馳走だぞ!メシの仕度だ!急げ!」

妹「ラジャー!」タタタッ

兄「はっはっはっ!!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーー



54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/04(月) 17:21:18.34 ID:KcGcbVEKO

兄「飲め!!ほら、最高級だぞ!最高級!!!」

妹「ひゃぁ!!!飲むぞ飲むぞ!!!」

ドプドプドプドプ…

兄「ほら乾杯だ!!グラス持てグラス!!」

妹「やっほーい!!!カンパーイ!!」

カチャン!


兄「ムグムグムグッ!!!!!」

妹「うめぇ!!!ムグムグムグッ!!!うめぇ!!うぉぉぉぉぉ!!濃厚なとろみ!!コクにお口の中が支配されてるッ!!!幸せッ!!!かと言ってしつこ過ぎない!!!飲みこんだ後ッ!爽やかに喉から鼻に好き抜ける清涼感!!!まさにッ!職人の味ッ!!!感動ッ!!!」

兄「妹ッ!!!オイ!!!!」ムグムグ

妹「ナンジャナンジャ!!お兄様!!!」
ムグムグムグッ!!

兄「こんな時に言うのもなんだけどなっ!!!!ヴァイスシュバルツってな!!!英語じゃねぇし!!!ドイツ語だし!!!!どうした完璧主義者!!!!はっはははははは!!!!」ムグムグムグッ!!

妹「あはははは!!!!何で今言ったの!!!!!なんで今言ったの!!!」
ムグムグムグッ





妹「いやマジでなんで今言ったの?」

兄「ごめんなさい」




おわり



61:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/08/04(月) 17:50:47.45 ID:KcGcbVEKO

兄「とまぁ…なんだ。久し振りに興奮してはしゃぎ過ぎたな…」

妹「おえっ…もう飲めないよ…」

兄「…………」

妹「ん?何?…どうしたの?」

兄「……なぁ、もしもだ…お前…自分の知っている自分が、本当の自分では無かったら…どう思う」

妹「…?…どういう意味?」

兄「…いや、わからないならいいんだ…それで」

妹「…よくわからないけど…でも、たとえ私が何者でも…お兄ちゃんは、私のお兄ちゃんで居てくれるんでしょ?」

兄「!…それはもちろんだ」

妹「だったら、それでいいよ…私がどうとか…、お兄ちゃんがどうとか…そんな事はどうでもいい…、お兄ちゃんは…私のお兄ちゃんでいてさえくれれば」

兄「…………」

妹「…それで、私はシアワセだからね」

兄「……そうか…そうなのか……なぁ」

妹「ん~?」








兄「俺たちは、兄妹だ…ずっと、永遠に」

妹「……当たり前でしょ」








転載元
妹「黒くて渋くて苦いヤツ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1407113564/
このエントリーをはてなブックマークに追加
Clip to Evernote
    • 月間ランキング
    • はてぶ新着
    • アクセスランキング

    SSをツイートする

    SSをはてブする

    コメント一覧

      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年08月04日 18:12
      • 何故かスレタイでゴキブリかと思った
      • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年08月04日 18:16
      • ゴキブリを使役してるの?
      • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年08月04日 18:46
      • 作品読んでないけどコーヒー豆じゃないのか?
      • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年08月04日 19:12
      • 良い後味でした
      • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年08月04日 20:17
      • 東京喰種を駄作にした感じ
      • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年08月04日 20:42
      • 1 ゴミかな?
      • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年08月04日 20:44
      • 話自体はそんなに嫌いでもなかった、でもはっきりしない部分もある

        スレタイが残念過ぎるね
      • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年08月04日 23:57
      • 女につけられてなかったか聞いたのがよくわからん
        店主は殺して抜いてるわけじゃないから事件の犯人ってクッキージャンキーなんだよな?
        そいつから血を買ってる以上、邪魔する意味がないと思うんだけど
      • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年08月05日 05:08
      • G連想したのは俺だけじゃなかったのか、よかった
      • 10. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年08月05日 08:42
      • Gはに…がい…?
      • 11. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年08月12日 15:35
      • ※9
        お前まさか…
      • 12. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年08月13日 21:56
      • 俺もGかと

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

    カテゴリ別アーカイブ
    月別アーカイブ
    記事検索
    スポンサードリンク
    最新記事
    新着コメント
    LINE読者登録QRコード
    LINE読者登録QRコード
    解析タグ
    ブログパーツ
    ツヴァイ料金
    スポンサードリンク

    ページトップへ

    © 2011 エレファント速報:SSまとめブログ. Customize by yoshihira Powered by ライブドアブログ
    多重債務