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男「このトッポは俺のだって言ったろ!」友「最後までチョコたっぷり」

1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/07(月) 08:34:51.95 ID:W+sAtKxlO

男「だから取るんじゃねよアホ!」バキィ

友「…痛い、殴るなよ」

男「お前が俺のモン取ろうとするから!」

友「一本ぐらい良いだろ…一本ぐらい…」

男「駄目だ! ダメだって…ちょ、こら! 離せよ! オイ!」グイグイ

友「ッ……!!」プルプル

男「折れるからやめろ…!!」


ポキン


男「あ」

友「もぐもぐ」

男「あー!?」



2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/07(月) 08:44:43.07 ID:W+sAtKxlO

男「クソが、死ねボケカス」

友「…悪かったよ、本当に悪かったって」

男「約束したろーが、これは俺の食べ物だって」

友「………」

男「テメーが考えも無しに配分したのを食っちまうから悪いんだろ…ったくもー…」

友「…ごめん」

男「はぁー……良いよ、もう。怒ったって仕方ないし、俺も少し落ち着くから」

友「……。お腹が空いちゃったんだ」

男「じゃあ我慢してろよアホ。数時間立てば食べれるんだし、ほらもうすぐ七時だろ」

友「…うん」

男「つーこって、お前が作れよ、ご飯。俺の大好きなチャーハンとか」

友「…頑張る」

男「うむ」



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/07(月) 08:50:52.98 ID:W+sAtKxlO

※※※

男「なにしてるんだ?」

友「…アリを数えてる」

男「なにやってんの本当に…? そういう気持ち悪いことするなよ…」

友「楽しいけど、なんで?」

男「普通に考えて気持ち悪いだろ。つか、家にアリを入れるなよ」

友「…友達だから」

男「アリとは友達になれません、絶対になれません」

友「ぶぅーぶぅー」

男「ちょ! や、やめろこっちに見せるなっ! 気持ち悪、オイ! ぎゃー!!」

友「…あり苦手?」

男「虫全般駄目だよアホったれ! 死ね!」

友「…可愛いのに」

男「可愛くない。そいつら──なんでも喰うじゃん、だから嫌いなんだよ」



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/07(月) 08:54:34.32 ID:W+sAtKxlO

ブーンブーン

男「うわぁ…ハエがぁ…」

友「いっぱい」

男「くそ、どうすっか。駆除するにも道具なんて無いし」

友「…虫だけに無視」

男「出来たら世話ねーよ。こっちはお前と違って呑気な性格じゃねーんだからよ」

友「……」

男「ったく、やたらめったに湧きやがって」

友「…ハエは別に嫌いじゃない」

男「お前ならそうだろうな!」

友「…以前、トイレに数時間閉じ込められた時、友だちになった」

男「………」

友「だから、友達」

男「……わーったよ! わかりました! じゃあ無視しますから! はいはい!」



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/07(月) 08:58:51.73 ID:W+sAtKxlO

※※※

男「……」

友「…王手」パチン

男「……」

友「これで112勝2引き分け」

男「てりゃ!」 ブン!

友「あ…」


ガッシャーン


男「…112勝3引き分けだ」

友「前の二引き分けもこんな感じだった…」

男「うっさいわ根暗野郎! つーかなんなんですか、強すぎませんか、高校生で将棋つえーとかくそったれ、ばーか!」

友「…負け犬の遠吠え」ボソッ

男「うるぇえええええええええええええええ!!」



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/07(月) 09:05:17.82 ID:W+sAtKxlO

友「…お腹すいたね」

男「うるさい」

友「うん、知ってる」

男「…きのこの山いる?」

友「たけのこの里派」

男「…………」

友「きのこ派なの? それはちょっと…」

男「ええそうですか何か!? きのこうめーだろうが、たけのこの里って何、クッキー部分甘いじゃん! 口当たり悪いじゃん!」

友「お菓子だもん…」

男「お菓子だからって節度が必要だと思うわ。甘いだけのお菓子、ナンセンス」

友「その味覚ナンセンス」

男「…いい度胸じゃねえか、殺す」

友「……」ビクッ

男「…冗談だっての!」



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/07(月) 09:10:05.25 ID:W+sAtKxlO

※※※

男「小さいころの夢なんだった?」

友「……」ポカーン

男「忘れてくれ。暇すぎて、なんかこう要らないこと言った」

友「…消防士」

男「意外過ぎる! ならもうちょっと太れよ…細すぎだろ、お前」

友「それは小さいころの夢。今は超有名ブロガーになって、一生部屋から出ないで稼ぎたい」

男「…現実的なのか夢見がちなのか良くわからねー夢抱くのやめろ…」

友「…男は」

男「あん?」

友「男は、警察官だよね」

男「……よく憶えてんなガキの頃だろ、それ言ったの」

友「覚えてる。だって、大切な思い出だから」

男「……。あっそ」



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/07(月) 09:15:19.49 ID:W+sAtKxlO

友「スライムって食べれると思う?」

男「やめろ」

友「くんくん。匂い嗅いでるとイケそうな気がする…」

男「気道詰まって死ぬだけだ。やめろ」

友「…だよね」ベチャ

男「ッ……」イライラ

友「……」ネチャネチャ

男「…お前って本当に脳天気だよな、知ってたけど」

友「うん」

男「そーだから虐められるんだよ、馬鹿」

友「…うん」

男「……」

友「でも、今はいいんだ」

男「…なんで」

友「君と暮らせてる。それが良い」

男「……」



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/07(月) 09:19:00.34 ID:W+sAtKxlO

※※※

友「雨漏り…」

男「恵みの雨だな」

友「…本気で言ってるの?」

男「色んな意味でな。よし、バケツ持ってくる」

友「ロッカーに入ってると思うよ」

男「おう」

ポタ ポタポタ

友「……」

男「…溜まっていく水、茶色いな」

友「飲めると思う?」

男「頑張れば飲めると思うけど、いや、待て、なぜ飲もうと思ってるお前」

友「サバイバル」

男「…それは外でやってくれ…」



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/07(月) 09:25:35.35 ID:W+sAtKxlO

~~~

友「ねぇ好きな人居た?」

男「んー?」パラパラ

友「初恋の人とか、付き合っていた人とか、めっちゃラブリーな女の子とか」

男「…なに最後の表現」チラリ

友「どうなの?」

男「いや別にいなかったけど。お前は? 好きな女子とかいたわけ?」

友「イナイデスケド」

男「お互いつまんねー学校生活歩んでたんだな。知ってたけど」

友「…そうだね」

男「……」

友「つまんない学校生活だったよ」

男「…ゴメンな」

友「え?」

男「いや、なんでもない」



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/07(月) 09:29:31.29 ID:W+sAtKxlO

※※※

友「はぁっ…はぁっ…」

男「ほら水だ。飲めるか」

友「あ、うん……ありがと、でも」

男「いーから飲めって。俺のことは気にするな」

友「…ゴクゴク」

男「熱が酷いな…薬効いてねえのかな、コレ」

友「あの、さ…ゲホゴホッ…!」

男「あんまり喋るな。どうした?」

友「…手を握ってくれたら、嬉しい」

男「ハァ? …良いけど、なんで」

友「昔、母さんがやってくれた…それで、落ち着いたから」

男「マザコンですか。ほら、握れたーんと握れ。野郎の手だったら余ってるぞ」

友「…うん、ありがと」ぎゅ



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/07(月) 09:36:25.30 ID:W+sAtKxlO

※※※

男「………」

友「…きっと忘れないと思う」

男「なにが?」

友「君が言ってくれた言葉。一緒に暮らそうと、言ってくれたこと」

男「……」

友「あの時は何を言ってるんだ馬鹿なのかなって、思ったけれど」

男「…うるせぇな、嬉しかったんなら黙っとけよ本音ぐらい」

友「あはは。でも、言っておきたくてさ」

男「…あっそ」

友「君は──僕のこと忘れてしまっていたと思っていたから」

男「………」

友「こんな貧しいっていうか、大変な暮らしがあっても。今でも……ちゃんと君に言えるんだ」

友「──ありがと、おとこ」

男「…あいよ、友さんよ」



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/07(月) 09:41:38.04 ID:W+sAtKxlO

※※※

男「契約書を書こう」

友「…なにさ急にまた」

男「一応だ一応。これも色々と思い出になるだろ、だから書くんだよ」カキカキ

友「内容はなに?」

男「『これからも仲良く喧嘩無く生きること』、だ」

友「…大雑把過ぎる」

男「これぐらいがいーんだよ、あほったれ。だからほら、名前を書きなさい」

友「…これでいいの?」カキカキ

男「よし。ならこれからは互いに守ること、わかったか?」

友「…面倒臭いけど、良いよ」

男「正直すぎるだろお前…まぁ俺もちょっとめんどくさいと思ってるけど…」

友「そういったおとこの、女々しい所好きだよ僕」

男「褒めてんのか馬鹿にしてんのか、殴るぞ」

友「あはは」



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/07(月) 09:49:01.75 ID:W+sAtKxlO

※※※

男「いい加減にしろよお前…!!」

友「ッ…良いだろ、もう僕のことは放っておいてくれたって…!!」

男「何がいいんだよ、ふざけんな! テメーがどれだけ馬鹿げたこと言ってんのかわかってんのか!?」

友「それこそおとこに言いたいよ僕は!! 僕がどれだけ病弱で、君に迷惑かかってるかわかってるから言ってるんだよ!!」

男「オイオイオイ…テメーは何わかったような口聞いてんだゴラ、誰に迷惑かかってるって? 勝手なこと抜かすんじゃねーよボケ!」

友「っ……僕はどうしようもないクズなんだよっ…それぐらい、おとこだって知ってるだろ…っ?」

男「ああ、知ってるよ。根暗でいじめられっ子で、クラスでも影の薄いひ弱な貧弱野郎ってな!」

友「それは言いすぎだよ!」

男「黙れってんだい! あのなアホタレ、テメーは自分のことどーでもいい奴だと思い切ってるかも知れねーけどよ?」

男「──俺はお前と暮らすと決めたんだ、契約書にも書いただろ! お前の命はな、お前だけのモンじゃねーんだよ!」

友「うっ……だって、だって僕は…っ」

男「なんだよ」

友「っ──なら、どうしてあの時、僕をたすけてくれなかったんだよ!」

男「…っ…それは…」



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/07(月) 10:02:30.72 ID:W+sAtKxlO

友「今だけはカッコつけてそうはいってるけれど! 結局はおとこだって、皆と変わらないじゃないか!」

男「……」

友「皆皆同じなんだ……ぐすっ…そう、絶対に変わらない──他人は他人なんだよ、困っていても人は助けないっ」

友「見て見ぬふりをするんだっ…関わりたくない、当たり前の光景、それは個人の問題だなんて──誰もが知らないふりをするっ」

男「違う、それは…っ」

友「──おとこも変わらないよ、皆と同じだ」

男「…違う、俺はちゃんと…っ」

友「僕は弱い人間だ…それは知ってる、だから人から蔑ろにされて、面白いことを一つでも言えればいいのに、それも言えない…」

友「生まれながら不完全で、故障品なんだ……当然のように出来る事も出来無い、きちんとクラスメイトとも会話もできないっ」

友「言いたいことも言えない! ただ弄られて殴られてッ──それが当然な奴だと思われてる!!」

友「僕だって…一緒なのに、ちゃんと生きているのに…なんでこうも違わなくちゃいけないんだよっ……おかしいじゃないか、そんなのおかしいじゃないか!!」

男「………」

友「おかしいじゃないか……もう、嫌なんだ…そんな人生…終わっても、誰も悲しまない…っ」

男「………」



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/07(月) 10:07:57.05 ID:W+sAtKxlO

~~~~

友「……ごめん」

男「……いい、何も言うな」

友「言わせて。本当に、ごめん。あんなこと言うつもりなかった、本当に」

男「良いって言ってんだろ、謝るな」

友「…僕はね、わかってる。ちゃんとわかってる」

男「……」

友「こんな自分は結局、自分のせいなんだって。今がいやなら、変わればいい。そんな単純なこと頭では理解してるんだ」

友「──でも望んだって、何が手がかりなのか分からないんだ。何が答えなのか、ちっともわからないんだ」

男「…ああ」

友「自分が駄目なやつだと思っても、良い自分は何なのか───何を目標にしたらいいのか、それに目標をたてても、自分がちゃんとなれるのか」

友「…わからないんだ、僕には」

男「……」ギュッ

友「でもね、これだけはわかるよ」

男「…なにが?」

友「うん。それは──」



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/07(月) 10:13:42.59 ID:W+sAtKxlO

友「───君がちゃんと僕を見てくれてること」

男「……」

友「たったそれだけでも、人は…うん、いい気分になれるってわかった」

友「この数日─なのかな、わからないけれど──君と暮らせて楽しかった」

男「…俺も楽しい。だから、過去形にするなよ」

友「え? ああ、そっか。こう言ってもいいんだね──僕も楽しいよ、君と暮らせて」

男「…おう」

友「今日はもう寝よう。僕も久しぶりに叫んで、ちょっと熱がぶり返してきたし……うん」

男「…友」

友「うん?」

男「…もう勝手に死のうとか、するなよ。俺、嫌だからな」

友「…うん、わかった」コクリ

男「絶対だからな」

友「ああ、約束」

男「──約束だぞ、友」



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/07(月) 10:14:58.72 ID:W+sAtKxlO

※※※

※※※

※※※

※※※

※※※

※※※

※※※

※※※



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/07(月) 10:19:06.54 ID:W+sAtKxlO

男「───………」


視界が霞む、息が滞る。

自分が何を見ているのか、自分が何処にいるのか。

まるで身体が宙に浮いてるかのような、浮遊感。


男「──ははっ……こりゃ駄目か」


数日ぶりに出した声は、まるで他人のようなし枯れた声。

もう起き上がる気力さえもない。未だ視界を埋め尽くす闇は──


──心も身体も覆い隠す。


男「…ごほっ」


俺は何か出来ただろうか。

その【何か】は俺には全く持ってわからない、けれど、この生活の当初の俺は一つ決めていたことがあった。



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/07(月) 10:29:18.81 ID:W+sAtKxlO

男「………」


平均より小さな身長。
人と関わることが苦手で、運動もままらない、そんな幼馴染。


男「……ああ、」


高校入学を境に、悪質ないじめで疎遠となった。

アイツとこのような暮らしに陥った時から──


友「おとこ」

男「…なんだ?」

友「……」

男「…なんだよ、どうした急に」

友「側に居るのかな。わからないけど、話をつづけるから」

男「お前…」


俺の声聞こえてないのか、何時からだよ、本当に。



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/07(月) 10:36:18.17 ID:W+sAtKxlO

友「…もう感覚もない……けど、うん、だから最後にひとつ言いたくて」

男「っ…」


必死に手を伸ばす。闇の中に居る幼馴染へと。

けれど動きは緩慢で芋虫よりも遅い。それに探し続ける力もなく、ポトリと腕は落ちた。


友「…ありがと、きっと僕は見つけられたんだ」


やめろ、そんなことを言うな。
まだ答えなんて見つからないだろ。こんな場所で、こんな暗闇で何も見つかりなんてしない。


友「これが欲しかったことなんだ。今の時間が、僕にとって大切な目標で…」


違うそうじゃない、俺はまだお前になにもできてない。
今まで何も出来なかったんだ。お前に俺は──あげようと思って、この暮らしを、


友「──これからも、大切な時間なんだと思う」

男「…ち、違う…っ」


──離れていく。よくわからない、ただひとつの小さい熱が、俺の元から離れていく。



22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/07(月) 10:42:12.80 ID:W+sAtKxlO

友「…だから、最後に一つだけ」

男「…おい…やめろって…言うな、言うなよばか…っ」


お願いだ、きっとまだ先はあるはずなんだ。

神サマだっていい、仏様だっていい、今までコイツをいじめてきた奴ら、放っておいた奴らでもいい。

俺が死んでもいいから、コイツだけは、お願いだ。


友「──本当にありがとう、だから、さようなら」

男「…友…!!」


笑わせてやりたかったんだ、沢山の人の中で、コイツを大切に思ってくれる人の中で。

お前はちゃんと生きていい人間なんだって、そこまでコイツと一緒に暮らしてやろうって。

コイツとふたりきりになった時、俺は、ちゃんと、だから、


友「…あ、これって」


あら限りの力を込めて、手を伸ばす。
届く右手、触れた指先にザラついた肌。感触は頬か、首筋か。



23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/07(月) 10:46:46.36 ID:W+sAtKxlO

友「そっか。聞いてくれてたんだ、よかった」

男「友…!」

友「ならよし、だよ」


握り返される右手。

子供の力よりもか弱い力で、きっとアイツは握ってくれている。


友「じゃあね。おとこ、あと、ごめんね」


きっと、きっと、それなのに、その手は音もなく、


男「───………馬鹿野郎」


視界は闇に覆われる。

とうとう一人になった俺は、このまま闇へと飲み込まれるだろう。

何も救われないままに、誰もコイツを見てやれないままに、


──そっと俺は瞼を降ろした。



24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/07(月) 11:03:14.54 ID:W+sAtKxlO

※※※

「この写真を見てくれ。ああ酷い有様だ。これが──一年前の震災によることであっても、悔やまずにいられない」

「事件性は感じられませんが、元より何が起こったのかわからない状況ですね」

「ああ、山頂に建てられた学校故に状況も凄惨たるものだ……」

「…はい、それで何故自分たちは一年前のことを調べてるのですか?」

「実はな、この校舎で生き埋めに遭った人物がな──数日前、意識を取り戻した」

「はぁ…それが何か?」

「……。実は震災直後、瓦礫のやまとなった校舎の一部に空間が出来上がり、数名の生徒が延命してたようでな」

「──最低でも五人は生きていた。しかし、生存は一人」

「……なにか事件性を感じられると?」

「まぁな。掘り返すようで悪いが、これも仕事だ」

「直接事情聴取すれば良いのでは? このような遠回しなことをしなくても…」

「出来たらしてないさ。だからこうしてる、まぁきっと聴取しても彼は話そうとはしてくれないだろう──」

「…それは? ノート?」

「……。ここに書いてある契約を読めば、お前さんもわかるだろうよ」



25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/07(月) 11:10:53.81 ID:W+sAtKxlO

「考えても見ろ。閉鎖された空間、何時助かるか分からない状況、限られた食料に飲水」

「側にはクラスメイトの死体──その状況下で、落ち着きを持つため書かれたものだろう」

「………」

「いや、考えても見ろといったが無理な話か。いやはや、年を喰って嫌になる」

「…信じられませんね、あの状況で平穏な暮らしを続けようとしていたと?」

「たいそれた話だよ。オレも信じきれてない、だがやり遂げたのが彼らなのだろう」

「わかりました、自分も手伝います」

「…ありがとな、ならまずはこっちから調べよう」


~~~~~


男「……」

目覚めると、すんなり自分が助かったのだと理解できた。

駆けつけた家族、親戚、そして見知らぬ偉い人。

誰もが俺の目覚めに笑みを零した。

その中で一番見たかった笑顔は、見れないままに。



26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/07(月) 11:17:17.72 ID:W+sAtKxlO

男「…なんだよ、眩しいな畜生」

窓の外には望んで望み続けた──太陽の日差し。

望んでいた割には、いざ見るとうざったらしくて、看護婦に頼んでカーテンを閉め切ってもらった。


慣れしたんだ闇。

正確には四ヶ月と閉じ込められていたらしいが、人はその程度で光に弱くなるのだろうか。


男「いや、違うだろ馬鹿」


光が嫌なんじゃない。ただ、それを一人で見ていることが嫌なんだ。

眩しくて、辛くて、閉じていても薄っすら染みだすように照らす光を──ただ一人で見ることを。


男「……ああ、」


瞼を閉じると想い出す、あの空間での出来事。

人の命など、己の命の価値の為に切り捨てられる、それが当然なことだった数ヶ月。



27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/07(月) 11:25:15.85 ID:W+sAtKxlO

人は存命の為に、他人を陥れる。
たった五人──そんな生き残りが、人の常識を壊していった。

血で血を洗う惨状。
一週間と持たなかった仲間意識、五人が四人となって、すぐに二人となった。


男「…風が吹いてる」


思わずため息がこぼれて、嫌気がさす。
気分を変えるために俺は窓へと腕を伸ばし、カーテンを引き裂いた。


男「────…………」


風が吹いている。
闇に満ちた病室を光が染め直し、空気が循環されていく。



男「……ああ、ごめんよ」



そっと呟いて、あの時のことを思い浮かべる。
平穏な暮らし、お互いに生きていこうと願った。



28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/07(月) 11:28:21.11 ID:W+sAtKxlO

男「……───」

けれど今は違うような気がして、お前が居ないのなら結局はそれは、

──なんだか望んでいたものじゃない気がして。


男「──さようなら」


溢れかえる光。瞼を通して見える世界はきっと、俺にはまぶしすぎる。

だからそっと離れるように、一歩踏み出して、光へと向かっていく。


身体はふっ───と、宙浮いて。

また懐かしい闇へと、身体は落ちていった。



29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/07(月) 11:30:12.04 ID:W+sAtKxlO

オワリ

過去作
男「見られてない?」イケメン「…」じぃー

ではではノシ



転載元
男「このトッポは俺のだって言ったろ!」友「最後までチョコたっぷり」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1404689691/
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      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年07月07日 12:48


      • その点トッポは凄いよな
        最後までチョコたっぷりだもん
      • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年07月07日 13:03
      • でも僕はコアラのマーチ!
      • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年07月07日 13:42
      • ロッテは不買なをんだ。すまんな。
      • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年07月07日 14:15
      • ポッキー一択
      • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年07月07日 15:19
      • スレタイからただようホモ臭(男受け)
      • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年07月07日 17:01
      • 5 ホモスレかと思ったけどホモスレじゃなかった(絶望)
      • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年07月07日 21:53
      • 2レス目で大体どんな状況か想像つくのはよくないと思うなぁ
      • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年07月08日 06:32
      • トッポッポッポッポwwwwwwww

        え、なにこれ
      • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年07月08日 07:25
      • ※7
        そういうふうに匂わせるのがテクニックだろ?
        何言ってんの
      • 10. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年07月08日 07:41
      • わるい、私はプリッツ派だ。
      • 11. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年07月08日 08:59
      • 最後まで地の文無しで書き切れよ
        チョコの足りてねぇ奴だな
      • 12. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年07月08日 10:36
      • ※9
        臭すぎてテクニックになってないって言ってるんだけど?
      • 13. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年07月08日 16:15
      • 俺は、シミコーン派
      • 14. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年07月09日 10:05
      • アルフォート派の俺は高みの見物

        タイトルからは予想できなかったけど、なんとなくネタが分かってからはしんみりした

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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