両津「なんで私が羽生蛇村に異動なんですか!!」

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/02(月) 23:50:24.43 ID:vaRe8tLj0

部長「やかましい!文句を言うな!上からの直々の指示だ、しっかり勤めて来い」

両津「ううっ……なんであんなド田舎もいいところにこの私が……)」

部長「ひとまずこの夏の間ということだったが……なんならずっと居てくれても構わんぞ」

両津「そんな……ぶ、部長~!!」



7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/02(月) 23:55:41.03 ID:vaRe8tLj0

両津「最寄りの駅から交番まで山を登らにゃならんなんて本格的にド田舎じゃないか(ゲッソリ」

両津「中川はわしと自転車だけ麓まで運んでさっさと帰ったし……寂しくて死んだら化けて出てやるぞ……」

両津「しかしこんな何人も住んでないような集落に交番が必要なのか?これこそ税金の無駄遣いじゃないのか」



12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/02(月) 23:59:26.01 ID:vaRe8tLj0

両津「ちっ……しかも日も暮れてきたし早いところ交番を見つけないとどうにもならんな」

両津「しかしこんな適当な地図だけを頼りにしろなんて酷過ぎるぞ!!」

両津「警察官が交番の位置が分からんなんて笑い話にもならん……」



パァン!!

両津「!?」



15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 00:02:13.03 ID:KGXSFKDo0

両津「今のは……銃声!? 何事だ一体!!」

須田「はぁっ……はぁっ……!!」タッタッタッ

両津「おいそこのキサマ! 何だ今の銃声は!!」

須田「う、うわっ!こっちにも!!」ダッ

両津「待て!!」グイッ

須田「ぎゃあああ!!」

両津「何があった!言えっ!!」



22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 00:06:52.06 ID:KGXSFKDo0

両津「心配するな、わしは警官だ。どうした、何があった?」

須田「心配するなって……今もお巡りさんに襲われて……それで……」

両津「なに?」

須田「俺……はぁっ……(何かよく分からない儀式みたいなの)見てたら……!見つかって……!! そしたらいきなりっ……!」

両津「そうかそうか、よく分かった」


両津「覗きか何かの現行犯だな、取り敢えず話は交番で聞く」カチャッ

須田「なんでっ!!」



23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 00:09:40.84 ID:KGXSFKDo0

両津「こんなド田舎じゃおげれつ本の一つも買えなくて性欲を持て余す気持ちも分からんでもないが覗きは駄目だぞ覗きは」

須田「だから違うって!! 俺はこの村の住人じゃ……」

両津「こりゃ駄目だ、興奮していて話にならん……」

須田「ああもう!!」



28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 00:14:21.94 ID:KGXSFKDo0

石田「……」

須田「あ、あいつ!」

両津「警官に向かって「あいつ」はないだろ」ギュウッ

須田「あいてててて!!」

両津「おーい、覗きの犯人は確保したぞ!!」

石田「……」

両津「わしは葛飾区亀有公園前派出所から移動になった両津勘吉巡査だ、まあ今日からよろしく頼むよ」

石田「……」



石田「……了解、射殺します……」

両津「……なに?」



31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 00:17:30.44 ID:KGXSFKDo0

パァン!

両津「!?」

須田「うわあああああっ!!!」

両津「ちょっと待て!! 幾ら何でもそれはやり過ぎ……」

石田「……」パァン!パァン!

両津「ぎょええええっ!!」



33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 00:20:41.31 ID:KGXSFKDo0

パァン!パァン!

両津「なんなんだこの村は! あんなトリガーハッピーが警官でいいのか!!」

須田「だからあのお巡りさんは普通じゃないんだって!!」

両津「公務員をあそこまで怒らせるとは……もしやキサマ覗きだけじゃなく……」カチリ

須田「なんでこの村のお巡りさんは話の通じない人ばっかりなんだ!!」



37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 00:25:52.20 ID:KGXSFKDo0

両津「待て!石田巡査!!この少年がどんな非道な行いをしたかは知らんがひとまず交番で話だけでも聞いてやろう!!」

石田「……」

石田「おとなしく……出て……来なさい……」

両津「駄目だ……まったく話が通じない……。余りに楽しみが無さ過ぎて仕事中にヤバイ薬でもキメてんじゃないのか、あいつ」

須田「なんでもいいからなんとかしてくれぇ!!」



40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 00:29:58.06 ID:KGXSFKDo0

両津「ちっ……少し手荒くなるぞ!」

石田「……!」パァンパァン!

両津「でええぇぇぇぇぇい!!!」ゲシッ!

石田「……」バタッ


両津「ふぅ、手間取らせやがって……むっ、こいつ職務中に飲酒していたな!」プゥーン

両津「神聖な職場で酒を呑むとはけしからん、他にも隠していたら私が全て没収してやろう」

須田「帰りたい……」



42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 00:33:10.80 ID:KGXSFKDo0

両津「しかし今から下山するのは危険だぞ。天気予報によるもそろそろ降り出すらしいしな」

須田「でも……」

両津「この辺りに交番があるはずだ、今日はそこに泊まっていけ」

須田「……はい」



45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 00:35:10.91 ID:KGXSFKDo0

羽生蛇村交番

須田「降ってきましたね……」

両津「そうだな……まあとりあえず飲め、茶だ」ズズッ

須田「いただきます……」

両津「それでキサマの取り調べに入るわけだが……」

須田「だから違うって言ってるじゃないですか!!」



47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 00:38:33.36 ID:KGXSFKDo0

両津「すると何か?貴様はそのオカルトサイトを見てわざわざこの村までやってきたと」

須田「はい、でも村の人達……なんだかそっけなくて……どうしようか迷ってるうちに変な儀式みたいなのをやってるのを見つけて……」

須田「そしたらなんだか気付かれちゃって、俺、気が動転して走り出したんです。そしたらあのお巡りさんに……」

両津「こんな田舎には独特の宗教とまでは言わなくても言い伝えなんかはよくあるしな」ズズーッ



49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 00:41:57.55 ID:KGXSFKDo0

両津「事情は分かった、朝になれば中川か本田辺りを呼んで迎えに……」チラッ

両津「携帯が圏外だと……何処まで田舎なんだ……」

石田「……う、ううっ……」

須田「ひっ!」

両津「む、起きたか」



53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 00:45:49.25 ID:KGXSFKDo0

石田「ここは……?あ、あなたは……?」

両津「まったく、仕事中にどれだけ飲んどるんだ……」ドンビキ

両津「わしは両津勘吉、ここの交番に異動になった警官だ。こっちのは……ええと……」

須田「須田です。須田恭也って言います」

両津「だそうだ。さっきあんたが銃を乱射しながら追い回してたんだが……まったく覚えとらんのか?」

石田「私が……?」



60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 00:51:54.15 ID:KGXSFKDo0

石田「……分からない……まるで……覚えてないんです……あのサイレンが聞こえた辺りから……」

両津「サイレン?なんのことだ?」

石田「……あなた達には聞こえないんですか?」

両津「(おい……やっぱりこいつヤバイ薬キメてるかも知れんな……)」ボソボソ

須田「(だからさっきからまともじゃないって言ってるじゃないですか!)ボソボソ」

石田「……あ……ああ……」

両津「おい……石田巡査……?」

石田「また聞こえてくる……!」ブルブル

石田「……サイレンが!!」

羽生蛇村 8/3 00:00:00



189:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 21:14:10.34 ID:KGXSFKDo0

両津「……」

須田「両津さん!どうしたんですか!両津さん!!」

両津「はっ!?わ、わしは一体……」

須田「一瞬呆けたみたいになって……どうしたんですか!?」

両津「なに?……う、うーむ……どうも一日弱ばかり意識が飛んでたような気が……」

須田「しっかりしてくださいよもう!」



193:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 21:17:28.48 ID:KGXSFKDo0

両津「それにしてもなんだこの騒音は!!頭が割れそうになるぞ!!」

須田「分かりません!!なんだかサイレンみたいですけど……石田さん、この音が鳴り出した途端に外に飛び出して行っちゃいましたよ!!」

両津「なにっ!?いかん!今あの酒乱警官をこの雨の中放り出したら何をし出すか分からんぞ!!」

両津「わしは石田を追う!須田はそこで待ってろ!!」ダッ

須田「そ、そんな!こんな状況で置いていかないでくださいよ!」ダダダッ



196:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 21:23:17.88 ID:KGXSFKDo0

両津「石田巡査!」

石田「ぅ、うううっ……!!あ、頭が割れそう……だ……」フラフラ

両津「落ち着け石田巡査!それはただの二日酔いだ!!」

須田「絶対違いますよ!!」


両津「まずは交番に戻って落ち着いて水でも飲もう!な!」

石田「う、あうあぁぁぁぁっ!!!」

両津「おい!そっちは崖……!?」グラッ

須田「地震!?両津さん!危ない!!」ダッ

両津「ば、馬鹿!こんなぬかるんだところで走ったらーー」



198:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 21:24:42.66 ID:KGXSFKDo0

須田「う、うわぁぁぁぁっ!!」ズルッ

両津「言わんこっちゃない!ええい!どうとでもなれ!!」ダッ


ザッパーン…



201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 21:29:35.42 ID:KGXSFKDo0

……

須田「う……」

両津「やっと起きたか」

須田「りょ、両津さん……?俺は……」

両津「どうもあの崖の下が運良く川だったらしくてな。どうにかなったぞ」

須田「すいません……俺のせいで……」

両津「あんな状況では仕方ない。にしても見てみろ。この川を」

須田「川?川がどうかしたん……!?」

須田「なん……なんですか……この川……。『赤い』川……?」



202:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 21:33:12.93 ID:KGXSFKDo0

両津「なんなんだこの村は……さっきのサイレンといいこの川といい普通じゃあないぞ……」ブツブツ

須田「……これ、赤いだけで普通の水なんですかね?」

両津「上の方で何か大量の栄養ドリンクでも捨てたんじゃないか? そんな味がしたぞ」

須田「そんなわけないでしょ!!なんだか血生臭いような気もするし……よく飲めましたね、こんなの」

両津「喉が乾いたもんでついな」



208:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 21:36:59.85 ID:KGXSFKDo0

両津「しかしロクに明かりもない中ここからあの交番まで戻るのは骨だな……まだ余震があるかも知れんし、今夜はその辺に泊めて貰うしかなさそうだな」

須田「大丈夫ですかね?俺、さっきもこの辺の人に泊めて貰おうとしたんですけどなんだか嫌によそよそしくて……」

両津「なに、こんな事態だしいざとなれば銃の一つでも突き付けりゃ宿の一つや二つどうってことないよ」ハハハ

須田(この人は本当に警察官なんだろうか……)



211:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 21:39:20.75 ID:KGXSFKDo0

両津「……誰か来るな、足音がする」

須田「よく聞こえますね……」

両津「うむ、この足音だとババアではないがそう若くもない感じの女……」

須田(そこまで分かると逆に不気味だ……)



216:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 21:44:18.24 ID:KGXSFKDo0

八尾「よかった、まだ無事な人がいたんですね……。あら、お巡りさん……?」ホッ

両津「あんたこの村の人か? わしは両津勘吉巡査長、今日からこの村の交番に異動になった警官だ」

須田「あ、俺は須田恭也です。ツーリング来てたらなんだか変なことに巻き込まれて……わけわかんなくて……」

八尾「そうでしたか……。申し遅れました。私は八尾比沙子、この村で求道女をさせていただいております……」ペコリ



220:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 21:48:14.57 ID:KGXSFKDo0

八尾「とにかくここは危険です。ひとまず私達の教会へ行きましょう。少なくとも、ここよりは安全な筈です」

両津「まあそうだな、いつ余震があるか分からんし道も分からんしここは地元の住人のあんたに任せるよ」

八尾「地震……それよりも、もっと恐ろしい存在が、今この村を包んでいるのです」

両津・須田「?」



221:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 21:51:50.94 ID:KGXSFKDo0

八尾「屍人……」

両津「……」

八尾「死して永遠という牢獄に囚われこの世の理から外れた彼らは決して死ぬことなくはなく、ただ生前の習慣に従って行動する……」

須田「……」

八尾「そんな彼らが、今この村の中を彷徨っているのです。未だこの世界に生きて苦しんでいる私達を殺すことで『救おう』として」

両津・須田「……」



223:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 21:56:00.81 ID:KGXSFKDo0

両津「えー、本官はちと急用を思い出したのでこの辺りで失礼……」クルッ

須田「ちょ、ちょっと!!」ガッ

両津「ぐええっ!」

須田「この状況で自分一人行くつもりですか!?」

両津「ほ、本官は忙しいのだ!君はそこの婦人と一緒にその教会とやらに言って尊い教えを乞うてこい!」

須田「いきなり態度変えないでくださいよ!!」



226:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 21:59:40.59 ID:KGXSFKDo0

八尾「どうも、信じて貰えてないようですね……」

両津「い、いや。大変為になるお話だったと思うなぁ、私は! なぁ須田くん!」

須田「何処見ながら言ってるんですか」

両津(冗談じゃないぞ!トリガーハッピーな警官の次は怪電波発信宗教女だと!?もう嫌だこんな村!わしは亀有に帰る!)ボソボソ!

須田(なんでもいいですからひとまずこの状況をどうにかしてからにしてくださいよ!)ボソボソ!



228:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 22:03:38.84 ID:KGXSFKDo0

八尾「分かりました。信じて貰う為に……あなた方に備わった能力についてお教えします……」

両津(頭が痛くなってきた)

八尾「目を閉じて……私の方に意識を集中してください……」

両津(こういう手合いは付き合うフリをしてさっさとやり過ごすに限るな……)ゲンナリ

両津「はぁ……こうか……!?」

須田「……!? りょ、両津さん!これ……!!」

両津「わ、わしが見える……!?」



230:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 22:08:13.89 ID:KGXSFKDo0

八尾「これは幻視と呼ばれる力です……屍人達はこの能力を使って互いにコミュニケーションを取ることが出来るのです」

両津「こいつはたまげた……ん? 屍人は? わしらは普通の人間だぞ?」

八尾「……あなた方、そして私も、この『赤い水』の影響を受けたのでしょう」

須田「なんなんですか?この、赤い水は……」

八尾「そのことについては、また後ほど……今はひとまず安全な場所へ向かうことが先決です」

両津「それもそうだな……」

両津(しかし……この能力があれば……)



232:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 22:11:29.38 ID:KGXSFKDo0

両津(中川のクレジットカードの暗証番号を盗み見る……のは犯罪だから……)ブツブツ

両津(手品師……は割が悪いし……)ブツブツ

両津(となるとやはり趣味と実益を兼ねた覗き……そういえば最近中川財閥の技術部が人の見ている映像をデジタルデータ化する技術を……」ブツブツ

八尾「あの、この方は一体どうなさったのですか……?」

須田「よくないことを考えていることだけは確かです」



234:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 22:16:26.03 ID:KGXSFKDo0

八尾「ともかく、この先はもう既に屍人の縄張りです。くれぐれも彼らに悟られないように静かに行動してください……どうしました?」

両津「ううむ……屋根の上に猟銃を持った奴が一人……通りに拳銃を持った奴が一人……あとは特に気にしなくてもよさそうだな……」ブツブツ

八尾(さっそく幻視を使いこなしてる……)

須田(ドラえもんの道具を悪用する時ののび太みたいだ……)



235:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 22:19:22.27 ID:KGXSFKDo0

八尾「でも先ほども申し上げましたが彼らはどんなことをしても決して死ぬことはありません。たとえ倒したように見えてもすぐにまた起き上がってきます。ここはひとまず見つからないよう物陰に隠れながら慎重に……」

両津「……よし!隠れて逃げ続けるのは性に合わん!わしは攻めるぞ!!」

八尾「話聞いてましたか!?」

須田「聞き流してたと思います」



243:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 22:23:59.67 ID:KGXSFKDo0

両津「うおおおおおっ!!」

狙撃屍人「……」チャキッ

ダンッダンッ!

両津「ぎええっ!」チュインチュイン

両津「ほ、本当に撃ってきやがった……」ドキドキ

両津「とても素人とは思えんほど精確に狙ってきやがって……人間様の本気を見せてやるからな!」ガサゴソ



245:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 22:29:56.33 ID:KGXSFKDo0

狙撃屍人「……」キョロキョロ

ガサッ

狙撃屍人「……!」ダンッ!

グッ……ウ、ウタレタ……モウオシマイダァ……

狙撃屍人「……」フゥ



両津「後ろだ馬鹿者!!」グイッ

狙撃屍人「グアアッ!!」ダンッダンッ

両津「こんな単純な手に引っかかるんじゃない!!張り合いがないぞ!!」ギリギリ

狙撃「ギエエエッ!!!」タップタップ



247:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 22:32:34.96 ID:KGXSFKDo0

両津「どれだけ痛め付けてもまたケロリとして復活してくるらしいな!こっちはこんな田舎に飛ばされてムシャクシャしてるんだ!!思う存分新技の練習台になってもらうぞ!」グリグリグリ

狙撃屍人「ゴアアアアッ!!!」パンパン


八尾「酷い……」

須田「どちらが悪者なのか分からない……」



251:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 22:37:32.94 ID:KGXSFKDo0

……

両津「ふぅ……。骨の無い奴だ。確かに中々しぶとかったがそれだけだな」スッキリ

須田「でもそいつらすぐにまた起き上がってくるらしいですよ、どうするんですか?」

両津「慌てるな。その対策の為にさっきその辺のゴミ捨場から拝借しておいた紐で……」グルグル


狙撃屍人「」

両津「うーむ、中々辛い絵面になったな。中年親父の亀甲縛りなんて誰が得するんだ……」

須田(起き上がっても動けないようにする為なのは分かるけどなぜわざわざこう縛ったんだ……)



252:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 22:38:27.16 ID:1Xtc/iC30

亀甲wwwwww



256:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 22:41:55.62 ID:KGXSFKDo0

屍人A「」ブラーン

屍人B「」ブラーン

屍人C「」ブラーン

両津「うむ、これでこの辺りの屍人は全員無力化したな!」

両津「あとは夜道で会ってもビックリしないようにユーモラスな顔にしてやるか……」キュッキュッ

須田「オニだ……」

八尾「あの、もうその辺りで……」



276:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 23:21:44.61 ID:KGXSFKDo0

……

八尾「……というわけなのです」

須田「つまり屍人は元々人間で、赤い水を飲み過ぎたことでああなってしまったと……」

八尾「はい……」

両津「げぇーっ!!思いっきり飲んじゃったぞ!!」ゲホゲホ

八尾「そう大量に飲まなければ……すぐに彼らのようになることはありません」

両津「その言い方だといずれはわしもああなるようにしか聞こえんぞ!」ゲロゲロ

須田「ちなみに両津さん、どれくらい……飲んじゃったんですか?」

両津「妙に美味い水だと思ってガブガブ飲んだからな……うう、寒気がしてきた。ションベンしてくる」

須田「この人は……」



278:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 23:25:54.27 ID:KGXSFKDo0

両津「まあションベンして外に出せばなんとかなるだろ……」ジョボジョボ

両津「しかしこんなことに巻き込まれるなんて……このまま帰れなかったりしたら恨んでやる部長の奴~!!」ジョボジョボ



キャイーン!!

ケルブー!

両津「!? な、なんだ!?」ジョボジョボ

須田「両津さん!聞こえましたか!?今の!!」

両津「ああ、只事じゃ無さそうだ!すぐに行くぞ!」ジョボジョボ

須田「……っていつまで出してるんですか!!」

両津「生理現象だ!すぐには止められん!」ジョボジョボ



281:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 23:30:04.24 ID:KGXSFKDo0

須田「せめて手洗ってくださいよ!」ダダダッ

両津「あんな不気味な水で手を洗えるか!問題ない!そのうち綺麗になる!」ダダダッ

須田「なるわけないでしょう! とにかく絶対その手で俺に触らないでくださいよ!」ダダダッ

両津「それよりさっきの悲鳴だ!確かこの辺りで……」



美耶子「……」

ケルブ「クゥーン……」


須田「両津さん!あそこに女の子が!!」

両津「ああ……」



285:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 23:34:34.37 ID:KGXSFKDo0

ケルブ「……」ガクッ

美耶子「ケルブ……そんな……いや、いや!!」

両津「ち……遅かったか」

須田「ねぇ……君、大丈夫?」

美耶子「う、ううっ……」ポロポロ

須田「とにかくここ……なんだか危ないみたいだからとりあえず……ここから離れよう?」

須田「その犬……もう死んでるっぽいし……」

美耶子「!! う、うううっ……!!!」ドカッ

両津「おい、その言い方は無いだろ……」

須田「俺だっていっぱいいっぱいなんですよ!!」



288:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 23:40:42.00 ID:KGXSFKDo0

両津「とにかくここは危ない。安心しろ、わしは警官だ。とりあえずここから離れよう」

美耶子「ケルブ……」

両津「……ちょっと待ってろ」

須田「両津さん?なにを……」

両津「いいからお前も掘るのを手伝え。即式の物しか今は出来んが野晒しにはしておけんだろ」

須田「そうですね……」



292:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 23:46:26.67 ID:KGXSFKDo0

……

両津「残念だったな、こんなものしか出来んかったが……また後でちゃんと弔ってやろう。今はとにかく安全な場所へ行くんだ」

美耶子「……わかった」

両津「よし、ならさっさと行こう。わしにおぶされ」

須田「君、名前は?」

美耶子「美耶子……」

両津「よし、じゃあ美耶子。さっきまでわしらが待機していたところがある。そこまで辛抱するんだぞ」

美耶子「……」コクリ

須田(俺の出番少ないな……)



296:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 23:52:30.92 ID:KGXSFKDo0

須田「美耶子はここの村の住人なんだよな?」

美耶子「……」コクリ

美耶子「お前達は……?」

両津(口の聞き方のなってないガキだな……)

両津「わしもこいつも今日この村に来たばかりだ、わしは仕事で」

須田「俺は愛車でツーリングに……」

美耶子「……」



297:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 23:55:08.10 ID:KGXSFKDo0

美耶子「この村は……おかしい」

両津・須田(まったくその通りだ)

美耶子「私は……ずっとこの村から逃げ出したかった、でも出来なかった」

両津「家出の犯行予告とはガキらしいな。家族と仲が悪いのか?」

美耶子「家族なんかじゃない!」

両津「んがっ……いきなり耳元で大きな声を出すな!!」キーン



299:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/03(火) 23:58:13.15 ID:KGXSFKDo0

両津「まったく女って奴はどうしてこう突拍子もなく大声を……」ブツブツ

美耶子「あいつらは……家族なんかじゃない……ケルブだけが……私の……」ポロ…

両津「あーあーもうわかったわかった、泣くな泣くな……まったく……」


淳「酷い言い草だな、美耶子」

美耶子「!?」


両津「誰だ、新キャラか?」

須田「みたいですね」



302:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/04(水) 00:02:43.28 ID:0hQgbL9U0

美耶子「……」ドサッ

淳「美耶子、お前がいないと儀式が続けられないだろ。帰って来い」

美耶子「い、いや……」

淳「ふん……見ない顔だが……義妹が世話になったようだね、とりあえず礼を言うよ」


両津(今度は見るからに噛ませなキャラが出てきたぞ……)ボソボソ

須田(それぞれキャラ立ちし過ぎじゃないですか?)



306:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/04(水) 00:08:16.90 ID:0hQgbL9U0

淳(なんなんだこいつら……僕が話し掛けてやってるのにコソコソ話しやがって!)

淳「ふ、ふん……まだ辛うじて正気を保っているようだが……お前はともかく、お前はあっち側へ行くのも時間の問d」ドガッ!!

美耶子「はぁ……はぁ……」

両津「おい……確かに顔に蹴り入れてやりたいような奴だったが幾らなんでも棒で後ろから殴り掛かるのはどうなんだ……白目向いて泡吹いてるぞこいつ……」

須田「さっきまで散々気取った台詞吐いてただけに落差が激しいですね……」

美耶子「なんでもいい!早く連れてけ!!」



459:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/04(水) 16:55:33.02 ID:0hQgbL9U0

……

両津「……?」

両津「どこだ?ここは……霧がかかってまったく何も見えんぞ……」

両津「そういえば……おーい須田!美耶子!どこだ!!」



462:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/04(水) 16:58:03.60 ID:0hQgbL9U0

両津「須田!聞こえてるなら返事をしろ!!」ムニャ

須田「ぐへぇっ!!」ドカッ

両津「む?なんだ夢か……」

須田「なんだ夢か……じゃないですよ! 寝るなら寝るでもう少しおとなしく寝てくださいよ!!」ウググ…



464:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/04(水) 17:02:16.75 ID:0hQgbL9U0

両津「それはそうとここは何処だ?」ゴシゴシ

須田「教会に戻ろうとしたら道が塞がれてて帰れなくなっちゃってたから結局反対方向に行って、大丈夫そうな廃屋があったからそこで休憩することにしたんじゃないですか……しっかりしてくださいよもう」イテテ

両津「う、うーむ……そういえばそんなことがあったような無かったような……」

須田(本当に大丈夫なんだろうかこの人……)



465:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/04(水) 17:07:08.60 ID:0hQgbL9U0

両津「そういえば……無償にイライラしてその辺にあった石碑を蹴り倒したり何かしらしてきたような……」

須田「いきなり何をし出すのかと思いましたよ」

両津「そうこうしてるうちに民家を見つけてそこでしばらく休むことにしたんだったな」

両津「ところで美耶子はどうしたんだ? 便所か?」

須田(デリカシーが無さすぎる……)

須田「さあ……あの子、目が見えなくてあの一緒に連れてた犬の視界を幻視して生活してたらしいですから今は俺達の視界を見ないとろくに動けないと思うんですが……」



467:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/04(水) 17:10:14.36 ID:0hQgbL9U0

両津「そう遠くに行ったとも思えんが一人で出歩かせると危ない、探しに行くか」アクビ

須田「本当にこんな状況なのに緊張感ないですね……。でも、一人で何処に行ったんでしょう」

両津「物音はしないしどうもこの廃屋の中にはいないようだが……」


アンタダケガキエレバヨカッタノニ!

ドンッ!

両津・須田「!!」



470:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/04(水) 17:14:56.36 ID:0hQgbL9U0

須田「両津さん!今の!」

両津「穏やかな雰囲気じゃねぇな。行くぞ!須田!」



美耶子「……」

須田「美耶子!どうしたんだ!?」

両津「なんだこの壁に突き刺さった鎌は……他に誰か居たのか?」

美耶子「なんでもない……。ちょっと、話をしてただけ。姉と」

両津・須田「……」


須田(実の妹にいきなり鎌を振り下ろすなんてこの村は危ない人しかいないんですか!)ボソボソ!

両津(わしに聞かれても知らん!)ボソボソ!



474:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/04(水) 17:19:54.66 ID:0hQgbL9U0

……

須田「zzz……」

両津「どうした。疲れてるだろ、さっきからずっと目を開けたままで……お前は眠らんのか」

美耶子「怖い……」

両津「わし相手にそんなぶりっ子しても良いことはないぞ。わしが見ておいてやるからいいから寝ろ」

美耶子「違う……」


美耶子「お前達が、お前達じゃなくなるのが……怖い……」



478:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/04(水) 17:25:23.27 ID:0hQgbL9U0

両津「わしらもあいつらみたいになるということか?」

美耶子「!」

両津「心配するな、わしは結構飲んじまったがこいつはこれまで気味悪がってまったく飲んどらん」

両津「あの八尾とかいう女が言うには飲み過ぎたら危険らしいが……わしも今のところ変なことはないし大丈夫だ」

美耶子「八尾……比沙子……」

両津「なんだ、知り合いだったのか。まあこんな小さな村じゃ当然か」

美耶子「違う……」


美耶子「あの女は……嘘を吐いている……」



479:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/04(水) 17:28:12.03 ID:0hQgbL9U0

両津「なに?」

美耶子「その水は……飲まなくても、体に吸収されてしまうの」

美耶子「お前もこいつも、何があったか知らないけど、服はボロボロなのに……体には擦り傷一つない。違う?」

両津(た、確かに……)

両津(幾らわしの頑丈さは折り紙付きだとはいえ一緒に崖から落ちた須田まで異様に無傷過ぎる……)



484:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/04(水) 17:33:08.07 ID:0hQgbL9U0

美耶子「その水は傷を癒す代わりに体に吸収されて……段々、お前達の『血』と入れ替わるの」

美耶子「やがて……お前達の体には血よりもその赤い水の方が多く流れるようになる……」

美耶子「そうなれば次は血の方が赤い水に負けて体の外に流れ出し始めて……そのうちお前達は赤い水そのものになる」

両津「オェーッ!そ、そんな大事なことあの女はまったく言ってなかったぞ!説明不足だ!!」

美耶子「お前達は、あの女に騙されてる。それに……」



486:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/04(水) 17:38:11.38 ID:0hQgbL9U0

美耶子「この村に鳴り響くサイレン……知ってるでしょ?」

両津「当たり前だ。あんな頭が割れそうになる騒音、こんな田舎じゃなかったら直ちに通報されてるぞ」

美耶子「あのサイレンには、人に正気を失わせ、赤い水を体に取り込んだ人間を、屍人に変える作用があるの」

両津「ブーッ!」

美耶子「個人差はあるけど……取り込んだ量は問題じゃない。あの音を聞くだけで、誰でも屍人になるかもしれない」

両津(それで石田巡査はあんなことになってたのか……なるほど……)

両津「って……じゃあどうすればいいんだ!耳栓でもしてればいいのか!?」ブスッ



487:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/04(水) 17:41:11.71 ID:0hQgbL9U0

美耶子「無駄、そんなことじゃ……あのサイレンには逆らえない……」

両津「そんな……じゃあどうすればいいんだ……幾らなんでもあんな化け物になりたくないぞ……」

美耶子「お前らを……あんな奴らにしない方法は……ある」

両津「!? ど、どんな方法だ!?」

美耶子「でも……」



488:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/04(水) 17:47:44.01 ID:0hQgbL9U0

両津「なんでもいいから早く教えてくれ!」

美耶子「……わかった。こうすれば……いい」ブシュッ…ダラダラ

両津「な、自分と須田の手首を切って……お前何を………!!」

須田「う、ううっ……」ドクドク


ーーーーーー!!!

両津「ぐおっ!!またあのサイレンだ!!もうなんでもいい!なんでも……いいから早く……してくれ……」バタッ



492:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/04(水) 17:51:47.72 ID:0hQgbL9U0

須田「う、うぁあ……」ドクドク

美耶子「私の血を入れれば……お前達は屍人にならない……」

須田「……」グッタリ

美耶子「でもその代わり……お前達は絶対に死ねなくなる……」

両津「……」ブシュッ…ダラダラ

美耶子「でも……こうするしかないの、ごめん……」

両津「う、うぐぐ……」ドクドク

美耶子「……!?」



美耶子「な、なに……これ……」バタッ



500:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/04(水) 18:10:28.69 ID:0hQgbL9U0

両津「う、ううむ……やっと鳴り止んだか……」チラッ

両津「気絶する間際手首を切られたような気がしたが……本当にもう治ってるぞ……」ゾオーッ

美耶子「……」

両津「おい、これで本当にわしらは屍人になることはないんだな!?」

美耶子「分からない……」

両津「人の手首を切っておいて分からんだと……まあ仕方ない。後は野となれ山となれだ」ゴロン

美耶子「……」



501:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/04(水) 18:16:11.86 ID:0hQgbL9U0

美耶子「お前達……本当に変な奴……」

須田「俺は関係ないだろ……」ムニャムニャ

美耶子「よく、落ち着いていられる……」

両津「まあこれくらい生きてるとこういうこともあるだろ」

美耶子「……外の人は、お前達みたいなのばっかり?」

両津「わしからすればこの村の連中の方がよっぽど変だが……」



504:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/04(水) 18:22:46.51 ID:0hQgbL9U0

両津「そうだな……。まあわしの周りだと何かするたびにコスプレして派出所に乗り込んでくる石頭がいたり、同僚との旅行で一人頭三兆円ぽんっと出すような金持ちがいたり」

両津「とても婦警とは思えんような小娘がいたり人生万年送りバント男に四年に一度しか起きん男がいたり……まあ退屈はせんかな」

美耶子「なにそれ……。変」

両津「わしからすればお前も十分変だが……」

両津「……この村から一度も出たことがないのか? とんでもない箱入り娘だな」

美耶子「出たくても出れなかった……私は、『神の花嫁』だから……」



507:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/04(水) 18:27:50.75 ID:0hQgbL9U0

両津「また頭が痛くなるような単語が出てきたぞ……。なんだそれは」

美耶子「私の家ではずっと昔から次女は『美耶子』と名付けれて……産まれた時から『神の花嫁』として育てられるの。誰とも関わらずに、隠されて」

両津「ん……? ちょっと待て、それはつまり……監禁じゃないか!!」

美耶子「……そして、成長して私くらいの年齢になると……『実』として捧げられる。それで『美耶子』の役割は……終わり」

両津「……」



509:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/04(水) 18:31:40.63 ID:0hQgbL9U0

両津「それがこの村に伝わる『宗教』か。とんでもねぇ話だ!警察は何をやっとるんだ!!」

美耶子「この村の宗教の本当のあり方は……本当に一部の村人しか知らない。殆どの人達は信者だけど、詳しいことは何も知らない」

両津「……なるほどな」



512:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/04(水) 18:39:51.14 ID:0hQgbL9U0

美耶子「私は……こんな村……大っ嫌い……! 外の世界を……見てみたい……」ポロ…

両津「……わしは警官だ。お前を保護して無事に安全なところにまで連れて行くのがわしの仕事だ」

美耶子「……」ポロ…

両津「そして今までこんな馬鹿げた儀式なんぞを続けてきた連中をきっちり懲らしめてやる!」

美耶子「うん……」ポロポロ…

両津「だから今は休んでおけ、後が辛いぞ」



517:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/04(水) 18:46:34.40 ID:0hQgbL9U0

須田「あの……」

両津「なんだお前、早起きだな」

須田「そんなわけないでしょう!!両津さんの声がデカくて目が覚めたんですよ!!」

須田「話すなら話すでもっと小声で話してくださいよ!」

両津「そう興奮するな、寝れなくなるぞ」

須田「だ、誰のせいだと……!」



525:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/04(水) 18:56:47.79 ID:0hQgbL9U0

美耶子「私も、寝れない。眠くなるまで……外の話して……」

両津「そうだな……。何処か行きたいところでもあるか? 大抵の無茶なら同僚に頼めばなんとかなるぞ」

須田「なんで今から眠ろうとしてる人をワクワクさせて眠れなくさせようとしてるんですか!!」

須田「それに美耶子、外のこと何も知らないんですよ? 行きたいところなんて出てくるはずないでしょう」

両津「なんだお前、さては途中から狸寝入りで盗み聞いてたな? いやらしいやつだ……」

須田「仕方ないじゃないですか! あんな重い空気の中に切り込んでいけるほど心臓に毛生えてないんですよ!!」



527:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/04(水) 19:01:01.84 ID:0hQgbL9U0

美耶子「遊園地……友達が、言ってた遊園地に……行きたい」

須田(遊園地……東京デ○ズ○ーとかですかね)ボソボソ

両津(待て!こんな村の中しか知らないこいつをいきなりあんなナウなヤングで溢れ返ってる場所へ連れて行ってみろ……死ぬぞ)ボソボソ

須田(流石にそこまではないと思いますけど……)ボソボソ

両津(中川か麗子に頼めば貸切にしてくれそうだがそれじゃあ遊園地の醍醐味は味わえんしな……)

両津「よし、それじゃあ外に出たらわしが子供の頃に通ってた花やしきに連れて行ってやる!あそこならド田舎生まれド田舎育ちの箱入り娘なお前にもちょうどいい筈だ」

須田「えぇ……」


キサマ!ハナヤシキヲバカニスルツモリカ!

イヤ、ソンナコトハナイデスケド…

美耶子「……zzz」



804: ◆5bDKWWiLg3a5 :2013/12/05(木) 16:32:13.48 ID:u/Z8SpMH0

……

須田「しかし朝になってから道も分からないまま歩き続けてますけど……今俺たち何処にいるんですかね」

両津「さあな。美耶子は分からんのか」

美耶子「うん……この辺り、来たことないから……」

両津「まあ歩き続けていればそのうち見晴らしのいいところに出るだろ」



806:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 16:34:56.56 ID:u/Z8SpMH0

両津「それにしても晴れんな……ずっと霧ばかりでさすがにわしも気が滅入ってきたぞ」

須田「本当なんなんですかね、なんだかこの世じゃないって感じで不気味ですよ」

美耶子「……」

両津「おっ!見ろ!あそこからならこの辺りが見渡せそうだぞ!!」ダッ

須田「ちょっと!視界悪いし何があるか分からないんですからいきなり走らないでくださいよ!美耶子もいるんですから!」



807:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 16:38:41.46 ID:u/Z8SpMH0

須田「まったく……ほら、美耶子。俺達も急ごう?」

美耶子「……ひょっとしたら、もう……駄目かもしれない。私のせいで……」

須田「……美耶子?」

美耶子「でも……」ダッ

須田(なんなんだ……?)

須田「おい!目が見えないのに美耶子までそんな走ったら危な……」


美耶子「お前も早く来い!愚図!」

須田「ぐ、愚図……?」



809:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 16:40:48.45 ID:u/Z8SpMH0

両津「おい……二人とも……見てみろ……」

美耶子「……」

須田「はぁ……はぁ……なんなんですか……一体……!?」

両津「これは流石にたまげたぞ……」

須田「なん……だよこれ……赤い水に……」

須田「この辺りすべてが覆われちゃってるじゃないですか!!」



810:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 16:45:13.15 ID:u/Z8SpMH0

美耶子「私が逃げたことで儀式が失敗して……この村は、赤い海に包まれた」

美耶子「ここはもう、現世じゃない。この世とは別の理で成り立っている……『常世』」

須田「……」ガクッ

須田「そんな……こんなの……」

須田「どうしようも……ないじゃないか……」


両津「うーむ、確かに流石のわしでもこれを二人抱えて泳いで行くのは辛そうだな……」



812:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 16:50:22.83 ID:u/Z8SpMH0

須田「って……泳ぎ切れるとか切れないとかの問題じゃないでしょう! ここは別の世界なんですよ!? この海の先があるかどうかも分からないんですよ!?」

両津「ふん、違う世界がなんだ。わしからすれば「またこのパターンか」くらいにしか思わんぞ」ハナホジ

須田「」アゼン

両津「なんにせよ問題ない!誰の仕業かは知らんが……わしをこんなことに巻き込んだことを後悔させてやるぞ!!」



815:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 16:53:27.44 ID:u/Z8SpMH0

美耶子「お前達……本当に、変」

須田(俺を一緒にしないでくれ……)トホホ

美耶子「本当は私、ずっと……もう、どうあがいても絶望しかないって思ってた」

美耶子「でも今は……」

美耶子「お前達となら、どうにかなりそうって、そんな気がする」



819:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 16:56:46.00 ID:u/Z8SpMH0

両津「あたりまえだ!わしを誰だと思っている!」

美耶子「……?」キョトン

両津「……ああそうか、そういえばまだ名前を言ってなかったな。年上をお前お前呼びおって……いいかよく覚えておけ!」

両津「わしは両津!葛飾区亀有公園前派出所の両津勘吉巡査長だ!」

須田「俺は普通の高校生の須田恭也です……」



820:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 17:00:07.12 ID:u/Z8SpMH0

美耶子「かつしかくか……? お前、長い……」

美耶子「でも、覚えた。かんきちときょーや、これからもよろしく……」




淳「やっと、見つけた……ぞ……!!」



821:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 17:08:09.11 ID:u/Z8SpMH0

両津「お前……昨日の美耶子のアニキじゃねぇか! てめぇ!よくも妹をあんなふざけたことに巻き込みやがったな!!何様のつもりだ!!」

淳「うるさい!!うるさい!!!!」ガサッガサッ

淳「余所者が……邪魔なんだよ……!!お前ら僕を誰だと思ってる……僕は『あの』神代家の婿養子、神代淳だぞ!!」

両津「知るか!!そんなくだらんものしか誇る物がないなんてつまんねぇ野郎だ!!」

淳「こ、ことごとく僕を虚仮にしやがって……!!許さん!!!」ジャキッ

両津(いかん!あいつ銃を隠し持ってやがった!!)

淳「昨日の……お返しだよ!!」バァン!

両津「二人とも!!」ガバッ

須田「うわぁぁぁぁぁっ!!」

美耶子「ーー!!」



824:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 17:12:51.64 ID:u/Z8SpMH0

両津「ぐっ……」ユラ…

須田「ああああああっ!!」

美耶子「あ……嫌!!」

淳「おっと、お前はこっちだ」ガシッ

美耶子「やめろ!!放せ!!」ジタバタ!

淳「暴れるなよ……暴れるな!お前まで一緒に落とすわけにはいかないんだよ……」

淳「お前には儀式をやり遂げて僕にこの村の神様を見せるって役目がまだ残ってるんだから……その為に……ほら、あの人も一緒に……」

美耶子「嫌だ……嫌!!」


八尾「さあ、儀式をやり直しましょうか。美耶子様?」



827:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 17:20:12.99 ID:u/Z8SpMH0

……

両津「う、うーん……ど、何処だここは!!」

宮田「目覚めましたか」

両津「誰だ貴様!!」チャキッ

宮田「慌てないでください……この格好を見ていただければ分かると思いますが……私は宮田司郎、この羽生蛇村で医者をやらせて頂いているもので……ここは私の病院です」

宮田「倒れていたあなた方をこちらまで運ばせて簡単に治療させて頂いただけですよ」

宮田「もっとも貴方はあの高さから落ちたにしては……不気味なほど傷一つありませんでしたが」



830:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 17:24:36.16 ID:u/Z8SpMH0

両津「なるほど……すまん、世話を掛けたな」

両津「しかしあんた一人か?こんな状況でよく無事でいられたな」

宮田「ええ。もっとも奴らに怯え、ほとんど逃げ隠れ続けていただけですがね。荒事は苦手なもので」

両津「そうか……まあ無理もない。ところでわしの連れの様子はどうだ」



831:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 17:29:52.58 ID:u/Z8SpMH0

宮田「この『赤い水』のおかげというべきか……二人とも気は失っていますがたいしたことはありません」

両津「やはりあんたも知ってるのか。この赤い水について……」

宮田「ええ。傷を癒し死を克服する……こんなものが実際にあったのでは、我々は廃業ですからね」

宮田「『偶然』『たまたま』『何処かの誰かが』捕獲してくれていた屍人を実験して、様々なことが分かりましたよ」

両津(今の台詞だけ妙に棒読みが際立ってたな……)



832:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 17:33:28.55 ID:u/Z8SpMH0

宮田「まず始めに……奴らは本当に、どんなことをしても死ぬことはありません。どんなに細かいサイズにまで分断してもすぐに自己再生を始めてしまう……」

両津「……ぶ、分断?」

宮田「はい」

両津「も、元は人間らしいぞ?そいつら……」

宮田「今は化け物です」

両津「……」

両津(やっとまともな人間に会えたと思ったら……やっぱりこの村には危ない人間しかおらんじゃないか!!)

両津「ほ、ほう……それで?」



833:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 17:38:25.62 ID:u/Z8SpMH0

宮田「この回復力は脅威的です。奴らを無力化するにはその場に縛り付けるか、何らかの手段を用いてその場に封じるしかないでしょう」

宮田「また奴らは時と共に独自の変態を遂げるらしく……まあ後のことはこのカルテに書いておいたので読んでみて下さい。結局、これだけ時間を掛けたのにまだまだ分からないことだらけだ」

両津(ゲェーッ!このカルテ血塗れじゃないか……読めるところの方が少ないぞ……)

両津「ふ、ふむ。大変為になるお話だったよ。それでは本官は連れを起こしてこの辺りで……」アセアセ

宮田「……待ってください」



835:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 17:41:58.30 ID:u/Z8SpMH0

両津「ま、まだ何か……」

宮田「本当に、もうどうしようもないと思っていたんですがね。貴方の血液を調べさせて頂いて、大変興味深いことが分かったんですよ」

両津「……け、血液?」

宮田「失礼ながら……貴方が今どれだけ人間であるかを確かめさせていただきました。人を助けて目覚めてみれば化け物でした、なんて笑えない」



837:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 17:45:04.47 ID:u/Z8SpMH0

両津「そ、それでわしの血は今どれくらい……あの赤い水と入れ替わっているんだ?」

両津「実は何も知らんうちに結構飲んじまったんだが……」

宮田「……よくあんな得体のしれない物を飲む気になりましたね」

宮田「しかし……飲んだというのは、どのくらい?」

両津「うーむ。結構な量だったな……やたら美味い水と思ってバケツ一杯分くらい……」

宮田「……」



838:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 17:48:54.56 ID:u/Z8SpMH0

宮田「見ていただいた方が早いでしょう。こちらのビーカーに例の赤い水が入っています」タプッ

両津「う、うむ」

宮田「そしてこちらの小瓶に貴方から採血させていただいた血液」チャプッ

宮田「貴方の血をこの赤い水の中に混ぜ合わせます」トクトク……クルクル

両津「料理番組みたいになってきたな」



842: ◆5bDKWWiLg3a5 :2013/12/05(木) 17:58:49.68 ID:wki46rNJi

宮田「そろそろ、いいでしょう」

宮田「こちらの中身を顕微鏡でご覧になってください」

両津「どれどれ……」

宮田「お分かりいただけましたか?」

両津「いや!さっぱりわからん!」

宮田「……」ズルッ

宮田「簡単に言わせて頂きますと……これはいろいろと混ざってはいますが、赤い水の成分はほぼ含まれていません。人間の血液そのものです」

両津「な、なんと!」



861: ◆5bDKWWiLg3a5 :2013/12/05(木) 18:19:58.99 ID:wki46rNJi

宮田「ところであなた……名前は」

両津「両津勘吉だが……」

宮田「分かりました。ここにあなたの血液から培養させていただいた抗体がありますが……仮に『リョーツMYTワクチン』とでも名付けましょう」

両津「待て、わしは薬なんぞさっぱりわからんが……そんな簡単にワクチンなんぞ作れるものなのか?」

宮田「……」

両津(ま、まあウイルスの繁殖してるガレキから生み出した蛇から採った血をワクチンと言い張って通用する漫画もあるくらいだし大丈夫なんだろう……たぶん……)



869: ◆5bDKWWiLg3a5 :2013/12/05(木) 18:25:44.59 ID:wki46rNJi

宮田「問題はここからです」ガチャッ

両津「ん?なんだこの部屋……げっ!!」

宮田「このワクチンを屍人に変貌した彼女達に投与する。もしかしたら……もしかするかもしれません」ブスッ

屍人「!!ーーー!!」

両津「おい!物凄い暴れ回っとるぞ!!」

宮田「当たり前です。貴方の血から出来たワクチンは劇薬同然……それもかなりの量を注入しました」

宮田「ですが彼女達はもう既に屍人、少しくらいの量で変化はないでしょう」

両津「しかし……」

屍人「ーーー!!」バタバタ



873: ◆5bDKWWiLg3a5 :2013/12/05(木) 18:28:38.81 ID:wki46rNJi

宮田「フフフ……」

屍人「ーーー!!!」ビクンビクン

両津(なんという光景だ……夢に出るぞ……)

屍人「ぁ、ぁっいっーー!!」

両津「!! おい宮田! こいつーー!」

宮田「まだです。まだどうなるか分からないーー!」



879: ◆5bDKWWiLg3a5 :2013/12/05(木) 18:34:33.72 ID:wki46rNJi

両津「だ、段々ゾンビみたいだった肌色が……」

屍人「あ、あああーっ!!」ガタガタガタガタ

宮田(気のせいか?少し眉がフサフサしてきたような……)

ガクッ

両津「と、止まったぞ……」

宮田「……」スッ、ペタペタ

両津「……ど、どうだ?」



882: ◆5bDKWWiLg3a5 :2013/12/05(木) 18:37:13.44 ID:wki46rNJi

宮田「ははは……」ガックリ

両津「どうなったんだ!自分一人で納得してないでなんとか言え!」

宮田「参りましたね……これは」

両津「そ、それでは……やはり……」

宮田「……ええ」

宮田「傷を癒すが人を化け物に変える赤い水に化け物を人に変えるワクチン」

宮田「これじゃあ医者(おれ)も用無しだ」



884: ◆5bDKWWiLg3a5 :2013/12/05(木) 18:39:45.75 ID:wki46rNJi

両津「わしの血ながら恐ろしい……」

宮田「とにかくこれで証明されました」

宮田「ある種の血が化け物になることを防ぐ予防薬になることは聞いていましたが……信じられないことに」

宮田「あなたの血は、奴らに対しての治療薬になってしまう」



890: ◆5bDKWWiLg3a5 :2013/12/05(木) 18:45:25.84 ID:wki46rNJi

宮田「まったくなんて非常識だ。一度解剖させて貰いたいくらいですよ」

両津「ははは……遠慮しておくよ……」タキアセ

宮田「せっかく人が覚悟を決めていたというのに……これでは丸々計画の練り直しになってしまった」

宮田「しかし手段は変わったが目的は同じこと……それでは私はこれで失礼しますよ」ガタッ

両津「お、おい。何処へ行くつもりだ?」

宮田「なに、一度やってみたかったんですよ。人を救うという行いを」ハハハ

両津(なんだこいつ……酔ってんのか?)ドンビキ



895: ◆5bDKWWiLg3a5 :2013/12/05(木) 18:48:58.39 ID:wki46rNJi

宮田「ああそうだ。これ、差し上げますよ」ポイッ

両津「な、なんだこれ。土偶か?」

宮田「あなたには必要無いかも知れませんが……あなたに渡しておけとうるさいものでね」

両津(だからこの村は変な電波を受信した奴しかおらんのか!!)



897: ◆5bDKWWiLg3a5 :2013/12/05(木) 18:53:30.89 ID:wki46rNJi

宮田「彼女たちはそこにそのままにしておいてください。完全に赤い水の影響を受けなくなった今、じきに『帰れる』筈です」

宮田「もっともそれもあなた次第でしょうが……ご活躍をお祈りしておきますよ。では」バタン

両津「……」

両津「見た目と裏腹にとんでもなくサイコな奴だったな……」



900: ◆5bDKWWiLg3a5 :2013/12/05(木) 18:57:18.33 ID:wki46rNJi

須田「あ、あのー……両津さん……もう、あの人行っちゃいました?」コソッ

両津「き、キサマ……さては早々に目を覚ましておきながら隠れておったな……!!」ビキビキ

須田「ひっ!だ、だってあの人明らかに普通じゃないじゃないですか!」

両津「そんなの今に始まったことじゃないだろ!よくもあんなのとわしを二人っきりにしおったな!」ドカッバキッ

須田「すいませーん!!」



903: ◆5bDKWWiLg3a5 :2013/12/05(木) 19:02:25.39 ID:wki46rNJi

安野「あの~なんだかよくわからないんですけどもういいんですかぁ?」

両津「で、誰だこいつは」ギリギリ

須田「両津さん痛い痛い!」タップタップ

須田「気付いたら俺の隣のベッドに寝かされてたんですよ!!」

安野「私城聖大学四年の安野って言います~。なんだかガッコの先生に付いてきたらマジヤバみたいな?」

両津(こういう見るからに頭弱そうな女を見ると無性にイライラしてくるんだが)ボソボソ

須田「知りませんよ!」タップタップ



905: ◆5bDKWWiLg3a5 :2013/12/05(木) 19:05:56.27 ID:wki46rNJi

両津「む、ところで美耶子はどうした。連れの二人っていうからてっきりわしはお前と美耶子のことだと……」

須田「わ、分かりません……たぶん、崖から落ちた時、美耶子だけはぐれて……」

両津「なんだと……いかん!こんなところでもたもたしとる場合じゃない!急ぐぞ!」ダッ

須田「ゲホゲホ……は、はい!」ダッ

安野「ちょっと~無視しないでくださいよぉ~」タタタッ



908: ◆5bDKWWiLg3a5 :2013/12/05(木) 19:19:55.18 ID:wki46rNJi

部長「>>1の遅漏野郎は何処だ!!」

中川「残りはバイトのあと新スレで書くと言ってました!!」



975:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/05(木) 23:10:08.20 ID:DabIPKyd0

次スレはよ


部長「両津の馬鹿は何処だ……」中川「部長……」



転載元
両津「なんで私が羽生蛇村に異動なんですか!!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1385995824/l50
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