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苗木「どきどき修学旅行?」【後半】

関連記事:苗木「どきどき修学旅行?」【前半】





苗木「どきどき修学旅行?」【後半】






36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 18:12:24.78 ID:e7Pf1LRIP

苗木「戦刃さんはあまり堪えてないようだね」

戦刃「う、うん……死ぬとかそういうのには慣れてるから……。でも気分いいようなものではなかったかな」

苗木「……ボクはみんなが戦刃さんみたいに耐えられると思ったんだけどね」 

戦刃「仕方ないよ……むしろ苗木君みたいに普通の生活を送ってきた人がそこまで強いっていう事が凄いと思う」

苗木「そう……かな。はは、まぁ前向きな所が取り柄だからね」

戦刃「その前向きさも、十分超高校級だと思うよ、私は」

苗木「……ありがとう、戦刃さん」ニコ

戦刃「っ/// う、うん……」モジモジ

苗木「なんていうか、変わったよね戦刃さん」

戦刃「えっ、そ、そうかな?」

苗木「うん、可愛くなった」

戦刃「ななななななな苗木君!?///」ボンッ



41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 18:29:41.34 ID:e7Pf1LRIP

苗木「あ、いや、よく笑うようになったなってさ!」アセアセ

戦刃「そ、そっか……私ってやっぱり無愛想だったかな……?」

苗木「うーん、ちょっと皆から距離を置いてるっていうのはあったかな。元軍人っていう影響かな?」

戦刃「……確かに初めは環境の違いに戸惑ったかな。でも、苗木君は構わず私に話しかけてくれた」

苗木「ご、ごめん、迷惑だったかな」

戦刃「ううん、嬉しかったよ。その、私の方こそあの頃は冷たくあたっちゃってゴメン……」

苗木「全然気にしてないって! 今はこうして仲良くなれたしさ!」ニコ

戦刃「うん! ……あのね、苗木君。私少し迷っていたの」

苗木「迷ってた?」

戦刃「私はずっと戦場にいて、戦い続けて、超高校級の軍人なんて呼ばれるようになった。でも、これが私の望んだ道なのかって」

苗木「戦刃さん……」

戦刃「そんな時、こうして普通の学生になって、世の中にはたくさんの道があるって事を知る事ができた。
   例えどんな才能があったとしても、道を選ぶのは自分自身。それが分かって本当に良かった」ニコ



43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 18:42:53.87 ID:e7Pf1LRIP

……本当の超高校級の生徒は自分の才能だけに頼るような事はしない。

自分の進む道を決めるのは才能じゃない。

時には誰かに助言を貰うのはいいと思う。その相手は家族だったり親友だったり。

でも、最終的に決めるのは自分自身なんだ。


戦刃さんはそれをよく分かっている。

彼女は例えこれから才能を失う事があっても、前を向いて進んでいける。

超高校級の生徒は、才能がなくても超高校級なんだ。

才能があるから超高校級なんじゃない、超高校級だから才能がある。

ボクが信じる本当の超高校級の生徒、みんなの希望はそんな人達なんだ。


戦刃「あ、あの、それで、ちょっといいかなっていう夢もあってね……」モジモジ

苗木「へぇ、聞かせてよ。興味あるな、戦刃さんの夢」ニコ

戦刃「…………笑わない?」

苗木「笑わないって! 約束するよ!」



46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 18:57:11.60 ID:e7Pf1LRIP

戦刃「わ、私の夢はね…………好きな人と一緒になって、家を建てて、子供に囲まれて幸せに暮らしていく事なの」


ボクは一瞬何も考えられなくなった。

幸せそうに夢を語る戦刃さんはとても…………。


戦刃「あっ、苗木君笑った!! 酷い、笑わないって言ったのに!!」プンスカ

苗木「えっ、あ、ごめんごめん!! なんていうか微笑ましいというかなんていうか……!」

戦刃「うぅ……どうせ子供っぽい夢だって思ってるんだ……」

苗木「そんな事思ってないって! 凄く良いと思う!」

戦刃「…………本当?」

苗木「うん! ボクも憧れるなぁそういうの!」

戦刃「ッ!?」ビクッ

苗木「な、なに!?」



49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 19:08:23.70 ID:e7Pf1LRIP

戦刃「な、ななななな苗木君も幸せな家庭が夢なの!?」

苗木「えっ、あー、ごめんボクはまだそういうハッキリしたものは浮かんでないけど、でもそういうのって憧れるよ」ニコ

戦刃「……そ、それじゃあお願いしても……いいかな……」

苗木「お願い?」

戦刃「う、うん……あのね……」


口ごもる戦刃さんの顔は真っ赤だ。

そのまま中々続きを言い出せない様子だったけど、何か声をかけるのも躊躇われたからそのまま待った。

そして。


戦刃「わ、私の夢をかなえるのを手伝ってくれないかな……?」





55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 19:16:33.42 ID:e7Pf1LRIP

苗木「……手伝う? うん、もちろんいいけど、何をすればいいのかな?」

戦刃「……わ、私の夢はまず好きな人と結ばれる所から始まるの。だからね」モジモジ


えーと、それを手伝ってほしいってことなのかな?

つまり戦刃さんはボクに…………。


……そうか、分かったぞ!!!


苗木「あはは、そういう事ね! もう戦刃さん、もっとハッキリ言ってくれないと!」

戦刃「っ!! い、言えるわけないよ///」

苗木「大丈夫大丈夫、ボクはもちろんオッケーだよ」ニコ

戦刃「ほ、本当!? 本当にいいの!?///」


苗木「うん、もちろん! それで、戦刃さんは誰の事が好きなの?」



64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 19:30:03.52 ID:e7Pf1LRIP

戦刃「…………え?」

苗木「あ、ちょっと待って、予想してみるよ! ボクに頼むって事は同じクラスでしょ!」

戦刃「…………」

苗木「高スペックとなると十神クンか……いや、でもちょっと性格キツすぎるかな……」ブツブツ

戦刃「…………」

苗木「ここはもっと押してくる人……桑田クン? いや、待てよ」ブツブツ

戦刃「…………」

苗木「そうだ、戦刃さんは元軍人、それなら相手も強い人か! それなら大和田クンが当てはまる……」ブツブツ

戦刃「…………」

苗木「……そっか何を勘違いしてたんだ。強さっていうのは何も力だけじゃないよね」ブツブツ

戦刃「!」

苗木「それは内面的な強さでもいいはずだ。そしてクラスでも戦刃さんの事を気にかけていた人!!」

戦刃「!!」



71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 19:42:03.95 ID:e7Pf1LRIP

 

そうか、分かったぞ!!!


苗木「これが戦刃さんの恋を初めから振り返ってみよう!!」

戦刃「ええっ!?///」

苗木「まず戦刃さんは軍人から学生になって戸惑う事も多かった。その時は恋どころではなかったはずだ」

戦刃「!!」コクコク

苗木「そんな戦刃さんにクラスに馴染んでもらおうと、手を差し伸べてくれた人がいた!」

戦刃「!!!」コクコクコク!!

苗木「その人の優しさもあって、みんなと溶け込めて仲良くなれた戦刃さん。
   そして、キミはきっかけをくれた一人の男子に特別な感情を抱いている事に気付いたんだ!!」

戦刃「!!!!!」コクコクコクコク!!!!!

苗木「……その男子の名前は」

戦刃「…………」ゴクッ


苗木「石丸清多夏クンだ!!!!!」ドーン!!!



83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 19:53:51.55 ID:e7Pf1LRIP

 

戦刃「…………」

苗木「彼はいつもクラスみんなの事を想っている。この状況でも決してブレなかった。素晴らしい人だよ」ウンウン

戦刃「…………」

苗木「さすがは戦刃さんだ。うん、彼なら間違いない……」

戦刃「苗木君、ちょっと動かないでくださいね」

苗木「え、なに――――」


最後まで言う前に。

戦刃さんは凄い速さでボクの肩を掴んで引き寄せて。

気付けば彼女の顔がすぐ近くにあって。


チュッ


そのまま、ボクと彼女の唇が重なった。



85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 19:55:31.27 ID:Zb/XTaONi

えんだああああああ



88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 19:57:10.09 ID:wH/YEJJR0

ふおおおおおおおおおおおおおお!!



95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 20:05:01.47 ID:e7Pf1LRIP

一秒が何倍にも引き伸ばされたかのようだった。

ゆっくりと離れた戦刃さんの顔は真っ赤で。

ボクも自分の顔が熱くなっているのを感じる。

特に唇。まださっきの柔らかい感触がハッキリと残っている。


彼女は、満面の笑みで言う。


戦刃「それは違うよ、苗木君」ニコ


流石にボクにも分かる。

彼女が、ボクに手伝ってほしいこと。


苗木「……戦刃さん」

戦刃「う、うん……」


だから、ボクは答える。

ハッキリと、自分の言葉で。



103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 20:15:39.50 ID:e7Pf1LRIP

 

苗木「悪いけど、そういう事ならボクは手伝う事はできない」


戦刃さんの顔に影が落ちる。

それでも、ボクは目を逸らしたりはしない。

ただ真っ直ぐ、彼女の事だけを見続ける。


戦刃「……そっか。他に……好きな人がいるの?」

苗木「ううん、そういう事じゃないんた」

戦刃「じゃあ私の事が……」

苗木「それも違うよ。キミからそう想われてボクは嬉しい」

戦刃「それなら……どうして……」

苗木「ごめん、それは言えない」

戦刃「…………」

苗木「断った上に理由も言わない。それが最低だっていうのは分かってる。でも、これがボクなんだ」



111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 20:30:15.77 ID:e7Pf1LRIP

 
戦刃「……ふふ、分かった。でも、私は諦めないよ」ニコ

苗木「えっ?」

戦刃「苗木君がどうして私の告白を断ったのかは分からない。でも、分からないなら分かるようになりたいな、私は」

苗木「…………幻滅しないの?」

戦刃「しないよ。このくらいじゃ、苗木君への気持ちは変わらないよ」

苗木「……はは、そんなにいい人間じゃないんだけどなぁ、ボク」

戦刃「私がどう思うのか決めるのは私だよ」ニコ


彼女の笑顔はとても眩しい。

こんな笑顔ができる人に想われるなんて、ボクの才能も捨てたものではないかもしれない。


ごめんね、戦刃さん。理由はきっと話すから。


――――が終わったその時に。



123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 20:42:37.35 ID:e7Pf1LRIP

 
江ノ島「あはは、思いっきりフラれちゃったねお姉ちゃん!」ニヤニヤ

戦刃「う、うん……でもなんかスッキリしたよ。それにまだ諦めてないし」ニコ

江ノ島「うんうん、他に好きな人がいるとかだったら絶望的だったけど、あれならまだ何とかなりそうだよね!」

戦刃「……そ、それでさ盾子ちゃん」

江ノ島「ん、なに?」

戦刃「そこの人達は……?」


霧切舞園セレス「「……!!!」」ジタバタ


江ノ島「あー、なんか邪魔しそうな雰囲気だったからとっ捕まえて縛った」

戦刃「そ、そう……」



132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 20:52:14.82 ID:e7Pf1LRIP

 

大和田「おい苗木!! オメー何断ってんだよ!!!」

桑田「それがモテ男の余裕か!!!」

苗木「ち、違うって、そういう事じゃなくて……」

葉隠「せっかく俺達が空気読んで大人しくしてたのになー」

苗木「そ、そういえばやけに静かだったような……」

山田「ぐっ……僕もギャルゲーならば……!!」

腐川「そ、そうだわ! あたしもあのくらい白夜様に積極的にいけば!!」

不二咲「それはやめた方がいいような……」

朝日奈「で、でも苗木も理由くらい言えばいいのに……戦刃ちゃん可哀想だよ」

大神「苗木には苗木の事情があるのだろう。この男が理由なく誰かを傷付けぬ事は朝日奈も分かっておろう」

朝日奈「そ、それは……そうだけど……私だったら凹むっていうか……」

苗木「…………」



134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 20:55:34.22 ID:e7Pf1LRIP

 
パーティは続く。

こうして見ると、みんな本当に楽しそうだ。

例えそれが、無理をして装ったものだとしても。



誰と話す? >>136



135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 20:56:11.80 ID:f3v4gdcc0





136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 20:56:13.44 ID:EbKv+myB0

モノクマの中の人



167:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 22:07:51.28 ID:e7Pf1LRIP

江ノ島「やっほー、苗木! うちのお姉ちゃんを見事にふってくれたみたいだね!」ギュッ

苗木「うっ……」

江ノ島「あはは、そんな気まずい顔しなくていいって。あたしも別に怒ってないし」

苗木「でも、江ノ島さんは戦刃さんを応援してたんだよね? 霧切さん達も縛ってたし」

江ノ島「ふふ、そう思う? 何か別の理由があるかもよ?」ニヤ

苗木「別の理由?」

江ノ島「当ててみ当ててみ? 名探偵の苗木なら分かるって!」

苗木「分かんないよ、ボクは探偵じゃないし。霧切さんに言ってよ」

江ノ島「どうかな、霧切ちゃんは今回の黒幕は暴けても、恋愛関係は苦手って感じもするけど」

苗木「…………黒幕、か」

江ノ島「あれ、そっち反応しちゃう? 恋愛の方はスルー?」

苗木「恋愛なら外でもできるじゃないか。今はやっぱり黒幕の方が重要だよ」

江ノ島「それがお姉ちゃんをふった理由……ってわけじゃないよね?」

苗木「うん。それなら隠さないで言ってるよ」



169:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 22:25:45.41 ID:e7Pf1LRIP

江ノ島「それじゃ、苗木が大好きな黒幕の話しよっか?」ニヤ

苗木「大っ嫌いだよあんなの」ハァ

江ノ島「それじゃ大っ嫌いな黒幕の話。ズバリ、誰だと思う?」

苗木「具体的な名前は出てこないよ。でも、初めのウサミの話を信じるなら、学園の関係者だろうね」

江ノ島「ウサミの話?」

苗木「元々この修学旅行は希望のカケラを集めてクラスの絆を強くするっていう目的だった。
   そこに介入してくるって事は、その事情を知らなきゃダメだよね」

江ノ島「ふむふむ、でもそれってあたし達もここに来るまで知らなかったよね」

苗木「うん。だから学園の上層部なのかな…………まぁここに来てから何か仕掛けたっていう可能性もあるけど」

江ノ島「ほう、あたし達の中に黒幕が居る可能性もあるってこと?」ニヤニヤ

苗木「そ、そこまで言ってないよ! それにボク達だとモノクマを操作するのも難しそうだし……」

江ノ島「まぁ妙な動きしてたらバレちゃうか。でもさ、もしかしたら黒幕はそいつであってそいつじゃない。そんな事もあるかもよ?」ニヤ

苗木「そいつであって、そいつじゃない? なぞなぞ?」

江ノ島「さぁ……何となく言ってみただけだよ」

苗木「…………そっか」



173:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 22:35:36.97 ID:e7Pf1LRIP

江ノ島「ちなみにさ、あたし達の中に黒幕が居るとして、苗木は誰だと思う?」ニヤ

苗木「江ノ島さん」

江ノ島「わお、即答! なになに、あたしってそんなに怪しい?」ニヤニヤ

苗木「ううん、根拠なんて何もないよ。そもそもボク達の中にいるとも思えないし。
   ただ、クラスのみんなの中で江ノ島さんの事だけが全然分からない。それだけだよ」

江ノ島「あはは、あたしってそんな謎めいたキャラ? そういうのって霧切ちゃんの方が似合ってない?」

苗木「霧切さんもあまり自分を出さないけど、キミ程じゃないよ」

江ノ島「……そっかそっか。つまり苗木はあたしをもっと知りたいと!」

苗木「…………え?」

江ノ島「分かってるよ苗木、それがあんたなりのナンパ文句なんだね! よし、それじゃ明日の夜辺りに、あたしの部屋来なよ! 色々教えたげる!」ニヤニヤ

苗木「そ、そういう意味じゃないよ!!」

江ノ島「あはは、照れるなってば!!」バンバン!!


霧切「そんな事」ズイッ

舞園「私達が」ズイッ

セレス「許しませんわよ」ズイッ



174:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 22:46:18.95 ID:e7Pf1LRIP

江ノ島「あーあ、ここまでか。ていうか舞園ちゃんは人の事言えないと思うけど」

舞園「あれは合意の下でしたので問題ありません!」

苗木「た、確かにそうだけど……」

江ノ島「はいはいー、それじゃ邪魔者は退散しますよーだ」スタスタ

苗木「あ、江ノ島さん!」

霧切「苗木君、そんなに江ノ島さんが気になるのかしら?」

セレス「なるほど、草食系の苗木君はやはり肉食系の女の子に惹かれるのですか……」

苗木「そ、そういうわけじゃないって!」


……また江ノ島さんを知る事ができなかった。

それとも、向こうは必死に隠そうとしてるのかな。

普段は皆にフレンドリーで親しみやすい印象があるけど、ただそれだけじゃないって事は何となく分かるようになってきた。


でも…………ちょっと遅かったかな。



175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 22:48:59.74 ID:e7Pf1LRIP

 

パーティーはまだ続く。

他には誰と話そうか。


>>177



176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 22:50:40.90 ID:DhsxBgq/0

セレス



177:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 22:50:44.55 ID:QEGyoKBh0

御曹司



180:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 23:02:02.06 ID:e7Pf1LRIP

 
少し頭を冷やすのもいいのかもしれない。

そう思ったボクは休館を出て夜風に当たる事にした。


外に出ると、心地良い風が頬を撫でた。

大広間の前と旧館入口前ではちゃんとモノミが見張りをしていた。


モノミ「あそこに十神クンがいるでちゅ。やっぱり仲間外れにするのは可哀想でちゅよ……」

苗木「……うん。少し話してみるよ」


そう言うと、プールサイドをゆっくりと歩いている十神クンに近付く。


十神「止まれ」



181:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 23:11:50.96 ID:e7Pf1LRIP

 

言われた通りに立ち止まる。

十神クンの声には有無を言わさない威圧感があった。

流石は超高校級の御曹司。常に勝者である人間だ。


十神「……なんだ苗木か」

苗木「うん。やっぱりボク達と一緒にいる気はない?」

十神「分かりきっている事を聞くな」

苗木「そう……だよね」

十神「それに苗木、お前も少しは気を付けろ。もしここで俺がお前を殺そうと思ったらどうする?」

苗木「……でも今ボクを殺したら疑われるのは十神クンだよ」

十神「くくっ、それもそうだ。せめてあそこのモノミが居なければ、お前を殺した後土に埋めて発見を遅らせる事もできたが」


さらっと恐ろしい事を言う十神クン。

それも冗談でもなんでもなく、本気で言っているんだろう。



183:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 23:31:04.49 ID:e7Pf1LRIP

苗木「でも気を付けろだなんて、どうしたの? ボクの心配をしてるわけじゃないよね?」

十神「俺はこのゲームに乗る上で、お前達を三つのグループに分けている。
   一つは意識を向ける価値もない愚図、一つは使い道はありそうな愚民、そして一つは俺を楽しませる事ができる警戒すべき敵だ」

苗木「ゲーム……か」

十神「ふん、反応する所はそこか? しっかりしろ、俺を失望させるなよ。
   簡単にクリアできるゲーム程つまらん物はない。お前と霧切の責任は重大だ」

苗木「……それってボクもキミの言う“敵”に入ってるって事なのかな。霧切さんはともかく、どうしてボクなの?」

十神「とぼけるなよ。お前には状況を冷静に判断し、対処する力がある。加えて霧切にはない、人心掌握術を持っている」

苗木「はは、まさかボクが十神クンに褒められるなんてね」

十神「相手の能力を把握できない奴らはただの小物だ。そういう奴らが足元をすくわれる」

苗木「……キミはどうしてこのゲームに乗ったの? 勝ち続ける宿命を背負っているから?」

十神「……くくっ、そういえばお前には俺の一族の事も少し話した事があったか。あぁ、そうだ。これが勝負である限り俺には勝つ義務がある」



188:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 23:51:34.20 ID:e7Pf1LRIP

苗木「でもそれだとモノクマはどうするの? コロシアイはアイツの望みだ、それに乗るっていうのはアイツに負けたって事にならない?」

十神「俺があのふざけた物体に何もしないとでも思ったか?」

苗木「えっ、じゃあ」

十神「もちろんお前達とのゲームは勝つ。そしてその後に黒幕を潰す。
   今までの様子を見て、どうやらこの場所でアイツを潰すのは得策ではない事が分かったからな」

苗木「つまり、このゲームに勝って、ここを脱出してから黒幕を叩く。それが十神クンの選択なんだね?」

十神「あぁ、そうだ。文句があるなら俺に勝ってみろ。
   お前達の甘過ぎる理想には吐き気がするが、本気で望んでいるならそれを掲げて俺を叩き潰してみせろ」フッ

苗木「…………」


十神クンの言いたい事はよく分かった。

そして、それに対する僕の言い分なんて決まっている。


苗木「文句なんてあるわけない!! 素晴らしいよ十神クン!!!」



197:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 00:16:29.98 ID:PceaEtpXP

 
十神「…………なに?」

苗木「流石は超高校級の御曹司!! そうだよね、キミがただここから出たいが為にモノクマの言いなりになるわけないよね!!」

十神「当たり前だ。俺の標的はあくまでモノクマ。お前らは前座に過ぎない」

苗木「はは、あはははははははははは!!! いいよ、十神クン!!!
   この状況でも常に目的に向かって突き進む!! 石丸クンみたいな人とは考え方は違うけど、それだって立派な強い希望に違いないんだ!!!」

十神「ふん、どうした苗木。それがお前の本性か?」

苗木「本性? 別にボクはいつも何も隠していないよ。ただ純粋に希望を求めているんだ!!」

十神「…………」

苗木「頑張ってね十神クン!! キミなら、ただ生き残る事しか考えられない弱い希望に負けるわけがないよ!!
   そしてその後は霧切さんのような強い希望ともぶつかり合う…………そこで勝てばキミこそ超高校級の希望と呼ぶに相応しい!!!」

十神「おい苗木、言っておくが手を抜くなんていうふざけた真似はするなよ」

苗木「当たり前さ! そんなのキミの希望に対して失礼だ!!」

十神「……分からん奴だな。俺の様な奴が生き残る事を期待しているくせに、なぜアイツらと共に居る」



204:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 00:36:46.37 ID:PceaEtpXP

苗木「あ、いや、もちろんボクにはボクの希望があるよ? でも、キミの希望も素晴らしいっていう事さ!」

十神「ふん、どうせお前の希望とやらも石丸の考えそうな甘いものだろう」

苗木「……うーん、どうかなぁ。キミと似ているかもしれないし、石丸クンと似ているかもしれない」

十神「何を言っている。俺と石丸の望みなど真逆だろうが」

苗木「あはは、それもそうだね」ニコニコ

十神「……だがこれで少し分かった。どうやらお前は俺が想像している以上に警戒すべき人間らしい。理解が及ばない相手というのは厄介だ」

苗木「へぇ、それは光栄だね。ボクは十神クンが素晴らしい人だと分かって嬉しいよ」

十神「ふん、それじゃあな。これ以上お前と話して時間を消費する価値はない」スタスタ


あはは、やっぱりボクの期待通りの人は居るんだ!

でも、ボクは十神クンみたいに弱い希望の人達を見捨てたりはしないよ。

今は弱い希望しかなくても、いつかは強い希望に変わってくれる。だって超高校級の才能を持つ人達なんだから。


だけど、せめてものラインは越えてね?

じゃないとボクが――――。



208:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 00:47:38.51 ID:PceaEtpXP

 

【旧館 大広間】


大広間に戻ると、何やら朝日奈さんが心配そうな表情をしていた。


朝日奈「うーん、石丸大丈夫なのかなー?」

苗木「どうかしたの?」

朝日奈「さっきトイレ行こうとしたんだけど、まだ使っててさー。大丈夫って聞いてみても返事ないし」

苗木「あー、今ボクがここに来る時に聞いて見たけど、中から小さな声で返ってきたよ。朝日奈さんにもよろしくって」

朝日奈「もう、結構本気で重症じゃんか。ちょっと葉隠!! あんた看病してきなよ!!」

葉隠「えっ、男二人でトイレの中で!?」

朝日奈「元々あんたのせいじゃん!!」

苗木「あはは、まぁまぁ朝日奈さん。石丸クンも少しは良くなってきたって言ってたし……あと三十分くらい様子見てもいいんじゃないかな」

朝日奈「むぅ……ならその後ちゃんと行きなよ葉隠!」

葉隠「わ、分かったって…………」

苗木「これに懲りたら葉隠クンも妙なジュースは自重してね」ハァ



214:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 01:20:56.85 ID:PceaEtpXP

 
葉隠「……にしても、ちっと退屈になってきたべ。確か倉庫に遊べそうなもんなかったっけ?」

苗木「えっ、倉庫はやめた方がいいよ。クモとか凄いし。葉隠クンは見たよね?」

江ノ島「あー、そういえば苗木そんな事言ってたっけ。あたしは行かないから!!」

葉隠「けどこの退屈はきついっつーの!! よし、桑田っちも一緒に行くべ!!」

桑田「俺もかよ!!」

苗木「い、いや、でもさホコリとかも凄いし体にも悪いかも……」

葉隠「そんな長くいねえから大丈夫だべ。ちょっと探してすぐ帰ってくんよ」


そう言って葉隠クンは桑田クンを連れて倉庫へ向かっていった。

そして言葉通り、数分足らずで戻ってくる。


葉隠「あったあった!! ツイスターゲームだべ!!」

舞園「ナイスです葉隠君!! さぁ苗木君!!!」

苗木「やらないよ」

桑田「ナチュラルに無視られてんな俺」



219:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 01:34:44.32 ID:PceaEtpXP

 
結局ツイスターゲームはジャンケンで負けた人がやるという事になって、葉隠クンが山田クンに潰される結果になった。

しかもジャンケンの時は男子はなぜかボクを睨んで敵意全開だし、霧切さん達は危ない目をしてるしで居心地は最悪だった。

それから少しして。


苗木「あ、そうだ。食後のデザート事務室に置きっぱなしだった。ちょっと行ってくるよ」

舞園「それでは私も!」

霧切「私も行くわ」

セレス「もちろんわたくしも」

苗木「そんな何人も行ってどうするのさ……じゃあ一番速かった舞園さんで」

舞園「やった!!!」

霧切セレス「「ちっ!!」」

桑田「おいコラ苗木!! テメー舞園ちゃんと二人きりになって何かするんじゃねえだろうな!!」

苗木「しないよ!!」

舞園「え、しないんですか?」

苗木「だからしないってば!!!」



221:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 01:44:59.90 ID:PceaEtpXP

 

【事務室】


入り口近くの事務室に入る。そこは物がいくつも乱雑に置かれており、あまり片付いていない。

そして、大広間から一つだけ持ってきてある丸テーブル。そのテーブルクロスの上に、目当てのデザートは置いてある。


舞園「わぁ、これって結構高級なクッキーじゃないですか!」

苗木「へぇ、そうなんだ。知らなかったよ」

舞園「ふふ、ちょっとだけ二人で食べませんか? あーんし合ったりして!」

苗木「霧切さん達にバレたら怖いから遠慮するよ……」

舞園「大丈夫ですって、バレませんから! ねっ?」ニコニコ


二人きりになるという事である程度は覚悟していたが、想像以上に攻めてくる。

だけど、流されてはいけない。そういう人は結局包丁で刺される無残なエンドを迎えるからだ。


そう考えて、何とか彼女をなだめようと口を開いた時。


ピッ



226:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 01:52:03.21 ID:PceaEtpXP

 

【大広間】


ピッ


霧切「……? 今何か音しなかった?」

大神「我にも聞こえたな……どこからだ?」


大広間に居た何人かはどこからか聞こえてきた電子音にキョロキョロと辺りを見回す。

そして今度は別の音も聞こえてくる。


ゴォォ……


戦刃「あっ、この音。たぶん、あそこのエアコンじゃ…………」


プツッ


戦刃の言葉の直後、大広間は完全な暗闇に包まれた。



232:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 02:08:47.72 ID:PceaEtpXP

「何これ!? 何も見えない!!!」

「あああああんた達暗闇に乗じて卑猥な事したら許さないわよ!!!」

「ふひひひひ、これはラッキースケベのチャンスですな!!!」

「いってえええええええええ!!!!! おい誰か思いっきり足踏みやがっただろ!!!!!」

「な、なぁ、あんまり動かねえ方がいいんじゃねえか? あぶねえべ」

「そうね。みんな落ち着いて、まずは目を慣らすのよ」

「けどさー、こんだけ真っ暗だと慣れるも何も…………あ、お姉ちゃんが居た!!」

「う、うん……もう少し待って。見えてくると思うから……」

「みなさん大丈夫でちゅかー!!」

「あ、あの声はよく分かるね……」

「あれ、苗木君? 舞園さん? ブレーカーはその部屋でちゅよ!」

「むっ、そういえばモノミは大広間の扉の前に居たか……」

「……あれ、石丸クンでちゅか? 体調は大丈夫なんでちゅか?」

「おいおい今出てくんなよ石丸は……」

「…………見えてきたよ!!」



236:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 02:15:00.48 ID:PceaEtpXP

「すごい、お姉ちゃんが残念じゃない!!」

「それではお願いいたしますわ戦刃さん」

「うん、分かった! 行ってくるね!」


バタン


それから少しして。


パチッ


桑田「お、点いた…………な」

朝日奈「はぁ、怖かったぁ……」

霧切「みんなは…………居るわね」


バタン!!!


戦刃「みんな!!! ちょっと来て!!!!!」



239:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 02:25:44.35 ID:PceaEtpXP

不二咲「ど、どうしたのぉ……?」ブルブル

戦刃「じ、事務室で…………とにかく来て!!」

葉隠「なっ、舞園っちに何かあったんか!?」

桑田「はぁ!? くっそ、行くぞ!!!」


ダダダダダダダダダダダッ


大広間の扉を開けると、すぐそこでモノミがどうするべきか分からずにオロオロしていたが、誰も構っている余裕などない。

全員が真っ直ぐ戦刃を追って事務室へ向かう。


そして、部屋の中では。


超高校級のアイドル舞園さやかが。


全身の力が抜けた……まるで人形のように、床に倒れていた。





246:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 02:32:55.51 ID:PceaEtpXP

 
一瞬の静寂。

誰も何も考えられない完全な空白。

そして。


朝日奈「きゃああああああああああああああああああ!!!!!」

山田「ひぃぃぃぃぃぃいいいいいいい!!!!!」

セレス「……酷い事を」

大和田「クソがぁ……!!!」ギリッ

桑田「誰だよ!!! 誰がやりやがったオラァァ!!!!!」

霧切「ねぇ、戦刃さん。舞園さんは」


戦刃「み、みんな、落ち着いて! 舞園さんは生きてるよ!!」


再び静寂。


「「え??」」





248:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 02:42:40.31 ID:PceaEtpXP

霧切「そこにスタンガンが捨てられているわ。おそらくそれでやられたんじゃないかしら」


霧切が指差す先には確かにスタンガンが無造作に捨てられていた。

その瞬間、場の緊張が僅かにだが緩まった。


桑田「な……なんだよ……驚かせやがって…………」ガクガク

朝日奈「……ぅぅ……ぅぅぇぇぇええええん……」ポロポロ

葉隠「こ、腰が抜けたべ……」ヘタッ

江ノ島「お姉ちゃんも早く言ってよもー」

戦刃「ご、ごめん慌ててたから……」

不二咲「ひっく……ぐすっ……で、でもぉ……良かったぁ……」ポロポロ

大神「……いや、待て。安心するのはまだ早いぞ」

大和田「な、何だよ?」

腐川「ま、まだ何かあるわけ? もういいわよ!!」


霧切「苗木君は…………どこ…………?」





252:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 02:53:50.57 ID:PceaEtpXP

 

事務室、大広間、厨房。

次々と探すが苗木は見つからない。元々ここは隠れるような場所は少ない。

手分けした事もあり、五分程で旧館中を探し終えてしまった。


そしてトイレ前に全員が集まる。


葉隠「おーい石丸っち? 苗木っち知らねーか? おーい」コンコン

朝日奈「大丈夫かなぁ石丸……」

霧切「…………扉を破りましょう」

大和田「いっ!? マジか!?」

霧切「この状況よ、止むを得ないわ。大神さん」

大神「ふむ、仕方あるまい…………許せ石丸よ」ガチャガチャ

山田「まぁ見られるのを好む性癖の持ち主もいますし」

桑田「オメーはいつでも気持ちわりいな」


その直後、大神は鍵を破壊して無理矢理扉を開いた。



253:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 03:03:01.94 ID:PceaEtpXP

 
時間が止まった。

誰も口を開かない……いや、開けない。

視覚で情報を得ても、それを脳内で処理する事ができない。


そんな中、後ろの方に居た腐川だけが怪訝そうな表情で、


腐川「ど、どうしたのよ、あんた達石丸の恥ずかしい姿をそんなまじまじ見て、そういう趣味が…………」

霧切「腐川さん」

腐川「な、なによ」

霧切「あなたは来ない方がいいわ」


霧切の言葉に、目を点にする腐川。

だが、次第に。

その言葉の持つ意味を理解し始め…………。


直後、腐川は絶叫と共に外へ逃げて行く。

それをきっかけに、後を追うように他の者達の悲鳴もあがった。



258:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 03:12:42.27 ID:PceaEtpXP

 

『ピンポンパンポーン。死体が発見されました。一定の捜査時間の後、学級裁判を開きます!』


モノクマのアドバイス。そしてみんなの悲鳴。

ボクはゆっくりと身を起こす。ゆっくりと開けた視界は真っ赤に染まっている。

体全体にぬるっとした感触があり、自分の手を見てみるとやはり真っ赤だ。


そして、見た。

全身を縛られ、口にはガムテープを貼られ。

凄まじい量の血に濡れた。



超高校級の風紀委員、石丸清多夏クンを。



苗木「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」





260:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 03:22:10.80 ID:PceaEtpXP

 
朝日奈「どうして……どうしてよ苗木いいいいいいいいいい!!!!!」ポロポロ

苗木「……え?」

桑田「なんで石丸を殺したんだって言ってんだよ!!!!!!」

大和田「ふざけんな……兄弟に何しやがったテメェ!!!!!」

葉隠「う、うそだべ……苗木っちが……石丸っちを……」ガクガク

苗木「なっ……待ってよみんな!!! どうしてボクが石丸クンを殺さなきゃいけないんだ!!!」


朝日奈「じゃあそのナイフは何よ!!!!!」


背筋が凍った。

先程見た左手とは逆、利き手である右手を見ると。


そこには真っ赤に染まった刃渡りの長いナイフが握られていた。


苗木「わああああああああああっ!!!!!」


反射的に投げ捨てる。しかし、そんな事でみんなからの視線が変わることはない。



264:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 03:39:56.16 ID:PceaEtpXP

苗木「ち、違う……ボクは……!!」


確かにこの状況、ボクを疑うのは当然だ。

だが、これでは捜査も何もなしに、ボクがクロだと決められてしまう。

その時。


霧切「待って、苗木君がクロだと決め付けるのは早いわ」


霧切さんの凛とした声が響いた。


桑田「おい霧切……いくら苗木に惚れてるからって何言ってんだよ!! 俺達全員の命かかってんだぞ!!」

霧切「……認めるわ、確かにその感情も入ってる。でも、捜査はきちんとするべきよ。それこそ私達全員の命がかかっているのだから」

山田「で、でもこの状況はどう考えても苗木誠殿が……」

セレス「……わたくしも霧切さんの意見に賛成ですわ。結論を出すにしても捜査を行ってからでしょう」

戦刃「う、うん、そうだよ!! 学級裁判までにできることはするべきだと思う!!」

大和田「だからオメーらも苗木を庇いたいだけだろうが!!」


十神「黙れ愚図が」



266:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 03:54:16.15 ID:PceaEtpXP

 
全員がその声の方向に顔を向けた。

そこには超高校級の御曹司、十神白夜クンが顔色一つ変えずに、この凄惨な現場を見ていた。


大神「十神、お主なぜここに……」

十神「アナウンスを聞いて来ただけだ。とにかく、学級裁判にはお前達愚図だけではなく、俺の命までかかっている。勝手な事をほざくな」

葉隠「い、今更来て何様だべ……」

十神「こうするか。捜査をする気がない、役に立たない愚図は現場の見張りだ。証拠を隠滅されないようにな。
    それと俺や霧切の捜査の邪魔は絶対にするな。学級裁判では思考停止をやめろ、その足りない脳を少しでも動かして俺達の言葉を聞け」

大和田「んだとコラァァ!!!」ガシッ

十神「……なんだ、死にたいのか貴様」ギロ

大和田「ッ!! …………ちっ!!!」バッ


十神クンの言葉で空気が変わった。さっきまでの絶望的な状況が緩和しているのが分かる。

少なくとも、これで何とか問答無用でクロにされる事もなさそうだ。


苗木「……ふふ」





271:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 04:11:13.89 ID:PceaEtpXP

不二咲「えっ……」ビクッ

桑田「い、今笑いやがったぞそいつ!!!」

苗木「ごめんごめん、何でもないよ。ねぇ、ちょっとシャワー浴びてきてもいいかな? 流石に血まみれは気持ち悪いんだけど」

大和田「行かせるかよ、証拠隠滅する気だろうが!!!」

苗木「じゃあ誰かついて来てくれるならいいでしょ?」

葉隠「さ、殺人鬼と一緒に居るなんてできないべ……」

苗木「……はぁ、困ったな」

霧切「……それなら私が行くわ。本当は同性の人が行くべきでしょうけど、誰も行かないのなら」

山田「き、霧切響子殿は苗木誠殿を庇いそうで信用なりませんぞ!!」ビシッ

苗木「分かった、分かったよ。それならこのままで」ハァ

江ノ島「あ、じゃああたしが行ってあげるよ」

戦刃「じゅ、盾子ちゃんが……?」

江ノ島「どう? あたしは苗木を庇いそう?」ニコ

桑田「それは……ねえだろうけどよ……」

大和田「あぶねえだろうが……そいつは人殺しだぞ……」



274:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 04:23:08.18 ID:PceaEtpXP

十神「いや、好都合だ。これで江ノ島も殺されれば判断材料も増える。このゲームでは共犯のメリットもないしな」

戦刃「ッ!!」キッ

江ノ島「んー、まぁ確かにそうかもね。でもさ、腐川ちゃん程じゃないけど、あたしも結構血とかキツイのよ。
     つまり、血まみれの苗木がそこら辺に居ても困るってわけ。だからいいっしょ?」

山田「ま、まぁ、本人がそう言うのなら止めはしませんが……」

葉隠「オーガはできればこっちの方に残しておきてえしな……」

江ノ島「よし、決まり! そんじゃさっさと行くよ苗木ー」グイッ

苗木「わ、分かったから引っ張らなくていいって!」


そうやって江ノ島さんに引っ張られながら、今回の捜査は始まる。

常にみんなをまとめてきた石丸クンが殺された。

これからボク達はその犯人を突き止めなければいけない。

仲間同士で疑い合う絶望的な状況。逃げることは許されない。


……はは。

あははははははははははははははははははははははははははは!!!!!





309:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 12:23:44.95 ID:PceaEtpXP

【苗木のコテージ】


シャワーを浴び終えると、そこには替えの服が置いてあった。

ボクがよく着ているものとは微妙にズレている気もしたが、そのまま着ることにした。

赤い模様が描かれた白いシャツ、深緑色でフード付きの長いコート、黒いスボンにはチェーンがかかっている。

部屋に戻ると江ノ島さんは満足そうに微笑んで、


江ノ島「へぇ、結構いい感じじゃん。でもやっぱもうちょっと身長ほしいなー」ニコ

苗木「えっと……この服は?」

江ノ島「スーパーにあったやつ持ってきたんだ。お礼はいいよー」

苗木「う、うん……」


なんていうか、こんな状況でも江ノ島さんはいつも通りだ。

これは無理をして装っているだけか。

それとも。



314:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 12:32:53.75 ID:PceaEtpXP

江ノ島「ねぇねぇ、ぶっちゃけ苗木が犯人なの? あたしだけにコッソリ教えてよ!」

苗木「それが目的なんだね……」ハァ

江ノ島「あはは、まぁね! それでそれで?」

苗木「さぁ……どうだろうね。とりあえず調べてみないと」

江ノ島「うわーはぐらかされたー!!!」

苗木「ちなみに江ノ島さんは誰が犯人だと思ってるの?」

江ノ島「ん、もちろん苗木だよ?」


何を言ってるんだろうといったキョトンとした表情で言われてしまった。


苗木「あー、うん。まぁ普通に考えればそうだよね……あれ、でもそれならどうしてボクと二人になろうって思ったの?」

江ノ島「別に深い意味はないよ。ただちょっと近くで見たかっただけ」ニコ

苗木「??」


江ノ島さんの言葉には首を傾げる事も多いな。



318:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 12:52:13.65 ID:PceaEtpXP

【旧館 トイレ】


ボクと江ノ島さんが戻ると、トイレでは霧切さんと十神クンが捜査をしていた。

でもこうして改めて見ると凄まじい出血だな。

江ノ島さんは袋に入れたボクが着ていた服を置く。


江ノ島「はいこれ、苗木の服。パクられないように気を付けてねー」ストン

苗木「誰も盗らないって……」

霧切「…………えぇ、そうね」

苗木「なんか今の間すっごく気になるんだけど……」ハァ

霧切「それより苗木君、その服よく似合っているわ」

苗木「えっ、あぁ、うん。ありがとう」

江ノ島「あたしが選んだんだよ!」

十神「そんな話はどうでもいい。苗木、お前には話すべき事があるはずだぞ」

苗木「あ、うん。ボクがどうしてこんな所に居たか、だよね」



319:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 12:58:58.42 ID:PceaEtpXP

十神「そうだ。ここで石丸を刺し殺したから、なのか?」

苗木「ち、違うよ! ボクも襲われたんだ!」

霧切「襲われた?」

苗木「うん……あの事務室に誰かが潜んでたんだ。
   舞園さんのすぐ後ろに居たからボクが何とか助けようと思ったんだけど間に合わなくて…………そういえば舞園さんは大丈夫?」

霧切「…………?」

十神「舞園なら今も大広間のソファーで寝ている。お前は話を続けろ、そいつの顔は見なかったのか?」

苗木「ごめん、なんだか白い布を被っていたから顔がよく見えなくて」

霧切「体型は?」

苗木「あの時は無我夢中だったからよく覚えていないんだ……少なくとも不二咲クンみたいに小さくもなかったし、大神さんみたいに大きくもなかったかな」

十神「ハッキリしないな、つかえん奴め」

苗木「うっ……」

霧切「それで、舞園さんが襲われた後は?」

苗木「その後はいきなり停電して、すぐにボクも気絶させられちゃったよ…………あれ、でも何で犯人はあの暗い中でボクを襲えたんだろう?」

十神「それはこいつを付けたからだろうな。どうやら暗視スコープのようだ」スッ



323:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 13:15:10.33 ID:PceaEtpXP

苗木「それはどこに?」

霧切「トイレの中に落ちていたわか」

十神「それで、気絶させられたお前は気付いたらトイレで、死んだ石丸の側にいた、というわけか?」

苗木「うん……ごめん、ボクは気絶させられてたから事件の流れがよく分からないんだ。教えてくれないかな?」

霧切「……分かったわ。まずあの停電はブレーカーが落ちたのでしょうね、あの瞬間旧館全体が真っ暗になったわ」

苗木「ブレーカー……」

十神「ちなみにそのブレーカーはお前と舞園がいた事務室にあるようだぞ」

苗木「うぐっ……」

霧切「それで、目が慣れた戦刃さんがブレーカーを戻しに行って、その時事務室で倒れている舞園さんを見つけたの」

十神「そしてその後苗木がいない事から旧館中を捜索。最後にこのトイレをこじ開けてみると、死んだ石丸と気絶した苗木を発見した、だったな?」

霧切「えぇ」

苗木「…………それなら犯人はさ」

十神「まさか分かったのか? これだけの情報で?」ギョッ



326:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 14:19:18.10 ID:PceaEtpXP

 

苗木「……ボク、みたいだね?」


霧切さんと十神クンがポカンとこちらを見ている。

そして次第に十神クンはイライラをあらわにして、


十神「つまり、お前は自白した。そういう事でいいんだな……」ギリギリ

苗木「あはは、そういう事じゃないよ。でも客観的に見たら、どう考えてもボクが犯人だ。
   いやー、参った参った。一体真のクロはどんな手を使ったんだろうね!」ニコニコ

霧切「なぜ……笑っているの……? あなたがクロにされそうなのよ?」

苗木「実は少し期待しているんだ、ここまでの事をやったクロはどうしてこんな事をしたのか!
   ただここから抜け出したいからっていうだけならガッカリだけど、もっと素晴らしい理由である可能性もあると思うんだ!」キラキラ

霧切「……どんな理由があろうとも殺人が許されるわけがないわ」

苗木「そうかな? よく推理物でもいろあるじゃない、被害者が凄く酷い奴で、犯人にも同情できるパターンとかさ。
   その犯人は自分の強い希望の為に殺人を犯した、それならボクは応援してあげたいなぁ!」

十神「……やはりこの環境でどこかネジが飛んだんじゃないのかコイツは」



328:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 14:37:07.13 ID:PceaEtpXP

苗木「まぁでも、もちろん諦めるつもりはないよ。それじゃ、捜査を続けよっか!」

霧切「……えぇ、そうね。まず凶器はこのナイフで間違いないと思うわ。死体の傷口とも一致する」

十神「苗木が握りしめていたものだな」

苗木「……なんか調べれば調べる程ボクが怪しいね。ていうか二人共、その手に持ってるのは何?」

霧切「あら、苗木君は受け取っていないの? これは」


モノクマ「モノクマファイルです!」ドーン


相変わらずの神出鬼没っぷりを発揮するモノクマ。

本当にこれどうなっているんだろう?


モノクマ「というわけで、はい。大事に使えよー!」

苗木「……なるほどね、被害者の情報を記録してるんだねこれ」


受け取ったタブレット端末を操作すると、殺された石丸クンの写真とその人型が表示される。



331:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 14:57:40.45 ID:PceaEtpXP

『被害者は石丸清多夏。外傷は喉の刺し傷のみ、体内から薬物反応あり』


苗木「……これだけ? 死亡推定時刻とかは?」

モノクマ「甘えるんじゃない!! これだからゆとりは!!」

苗木「はいはい、分かったよ」ハァ

霧切「血が全く乾いていない所を見る限り、石丸君は刺されてからほとんど時間が経っていないわ。
   死斑もない、体温もまだ下がっていない、死後硬直もほとんど進行していないわ」

十神「……だが、モノクマファイルを読む限りでは、必ずしもこのナイフが死因とは言えないようだな」

苗木「それって…………この薬物反応の所だよね? まさか、毒?」

十神「あぁ、カプセルに入れて飲ませれば好きな時に殺す事も可能だ」

霧切「…………」

十神「そもそもこの状況がうさんくさい。苗木が犯人だとしたら、なぜナイフを処分せずに握りしめていた? せめて窓から捨てるだろう」



332:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 15:04:11.22 ID:JITFV5rg0

死因ってでなかったっけ



334:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 15:18:48.55 ID:YuFEIn0F0

>>332
アリバイとかに関係してると出なかった気がする



335:死因は出ない時もあるべ:2013/08/20(火) 15:19:36.16 ID:PceaEtpXP

十神クンの言葉を聞いて、トイレの窓を調べてみる。

鉄格子がはめられていて腕も通らないけど、ナイフくらいなら捨てることもできるはずだ。


苗木「うーん、でもそれなら犯人はどうやって鍵をかけたのかな? ここって大神さんが無理矢理開けたんでしょ?」

十神「その辺りは大方の見当はつく。鍵のつまみの部分を見てみろ」


言われた通りに調べてみると、何かが付着しているのが分かる。


苗木「これって……テープ?」

十神「単純なトリックだ。わざわざ説明しないぞ」

霧切「……ねぇ、苗木君。あなたは事件前にこのトイレに入った?」

苗木「うん……他にも掃除当番だった人は入った人も居るんじゃないかな」



339:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 15:33:01.14 ID:PceaEtpXP

霧切「それなら聞きたいのだけど、この床の敷物。最初からあったものかしら?」


そう言われて視線を下に向けると、気にしていなかったけど白い布が敷かれている。

何とか記憶を呼び出してみる。なんだか何日も前の出来事であるかのようだ。


苗木「んー、どうだったかな。確か」

モノミ「あちしはこんなもの知りまちぇんよ!」ヒョコ

十神「……盗み聞きか」

モノミ「ち、違いまちゅ! あちしは耳がいいんでちゅ!」

霧切「それならこの布は他の場所から持ち込まれた、そういう事でいいのね?」

モノミ「はい、間違いありまちぇん!」

十神「コイツの言葉を信じるのか?」チッ

モノクマ「大丈夫、ウソなんてついたら兄であるボクがオシオキしてあげるよ!」

モノミ「だからあんたなんてお兄ちゃんなんかじゃないでちゅってー!!」ムキー



341:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 15:47:20.93 ID:PceaEtpXP

 
そんなモノクマとモノミの騒ぎには関心を向けず、霧切さんは布をめくり上げる。


霧切「…………これは」

苗木「どうしたの、霧切さん?」

霧切「布の下にも血が広がっているわ。それもかなりの量」

十神「……ふむ」

苗木「えっと、つまり………」


少し頭をひねってみる。

だけど、ボクが何かを言う前に更に霧切さんが口を開いた。


霧切「それに乾いた血痕もわずかに残っている」

十神「乾いた血痕だと?」

霧切「…………」



343:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 15:52:37.76 ID:PceaEtpXP

 
霧切さんは無言で石丸クンの死体近付く。

そして彼の出血を調べながら、


霧切「……石丸クンの口元にも同じく乾いた血痕があるわね」

苗木「それって……どういう事?」

霧切「それはまだ分からないわ。でもこの血痕、少しおかしいわね」

十神「当たり前だ。その床と石丸の口元以外の血は乾いていないんだ」

霧切「いえ、それ以外にも何か…………」


そう言って考え込む霧切さん。

ボクはただ首を傾げる事しかできない。



394:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 21:55:03.25 ID:PceaEtpXP

十神「……石丸は動けそうにないな」


十神クンは今度は石丸クンを縛っているロープに目を向ける。

口のガムテープも合わさって、まさに監禁されている様子だ。


霧切「石丸クンは動けなかった。それはいつからだったのかしらね」

苗木「うーん……石丸クンはずっとトイレにこもっていたからなぁ」

十神「これでは自殺は不可能か。いや、薬物を使えばあるいはな」

苗木「じ、自殺?」

霧切「……それでもやっぱり首にナイフを指した人間はいるはずよ」

十神「そういう事はお前がやりそうだな、苗木」ギロ

苗木「……あはは。でも、石丸クンが自殺なんて……」

十神「考えられんか? 明日の朝、俺達は死の光景を見せられる予定だった。アイツは自分の命でそれを防いだ。そうは考えられる」

霧切「…………」



400:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 22:08:50.07 ID:PceaEtpXP

十神「ふん、ここはこんなものか。俺はここからは一人で調べるぞ、馴れ合いはここまでた」

苗木「うん……でも何か見つけたら……」

十神「それは学級裁判で教えてやる」


スタスタ


そのまま十神クンはさっさと行ってしまった。

霧切さんも霧切さんで何かを考え込んでいる様子だ。

……うん、二人共期待通りの対応だ!


苗木「ボク達も他の場所調べようか?」

霧切「……ええ、そうね」



『モノクマファイル』
『苗木の証言』
『死体の様子』
『鍵のつまみに付いたテープ』
『床に敷かれた布』
『乾いた血痕』



408:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 22:27:48.50 ID:PceaEtpXP

408_1


【事務室】


トイレから出たボク達は次に近くの事務室に入る。

そこは変わらず多くの物が置かれていた。

苗木「ここなら危ないものとかも隠せそうだよね」

霧切「えぇ、これは完全に私のミスよ。初めにきちんと調べておくべきだった」

苗木「……霧切さんは、みんなの中に誰かを殺すの人がいるなんて思いたくなかったんだよね?」

霧切「…………」

苗木「でもさ、疑うのは全然良いと思うんだ!」

霧切「えっ?」

苗木「ボクも最近気付いたんだけど、無条件に信じるなんて、そんなの信頼なんかじゃないんだよ。
   どれだけ疑っても否定してくれる。そう信じるからこそ疑うんだ」

霧切「…………そう、ね。苗木君の言う通りかもしれないわ」ニコ



415:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 22:36:38.48 ID:PceaEtpXP

 
そう、ボクはみんなを信じている。

だから疑うし、試すんだ。

お願いだから裏切らないでほしいな。


霧切「苗木君が見た不審者はどの辺りに居たのかしら?」

苗木「ここら辺……かな」

霧切「……確かに隠れられなくもないわね」


とにかく、ここは物が多い。

だから隠れようと思えば隠れられる。


霧切「……エアコンのタイマーがセットされているわね」

苗木「あー、うん。そういえば停電前に起動したかな」

霧切「停電前に?」


そう言うと、霧切さんは再び考え込んでしまう。

よく聞くと小さな声で何かを呟いているようでもあるけど、邪魔をしてはいけないと思ったのでそのまま見ていた。



418:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 22:48:15.01 ID:PceaEtpXP

霧切「……苗木君?」

苗木「ん?」

霧切「いえ、その、あまり見られると落ち着かないわ……///」

苗木「あ、ごめん。そうやって考え込んでいる霧切さんって、なんか見惚れちゃうんだよね」ニコ

霧切「えっ///」カァァァ


霧切さんは恥ずかしそうにそっぽを向いてしまう。
そんなに恥ずかしがる事ないのに。

真剣に考え込む霧切さんからは希望が溢れていて大好きだ。


霧切「こ、このテーブルは初めからあったのかしら? 大広間にあったものと同じタイプよね?」

苗木「うん、そうだね。これは大広間から持ってきたやつだよ。クッキーを置いてたんだ」

霧切「テーブルクロスは?」

苗木「あれ、おかしいな。確かに敷いてあったはずだけど」

霧切「…………」

苗木「…………」ニコニコ

霧切「だ、だからあまり見ないで///」



426:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 23:00:00.32 ID:PceaEtpXP

苗木「分かった、霧切さんの事は見ないよ」キリッ

霧切「えっ……そ、それは…………いや」

苗木「じゃ、じゃあどうすれば……」

霧切「苗木君は私を見て。私だけを」

苗木「うん、分かった」ジー

霧切「///」


とにかく霧切さんの要望にはなんでも応えよう。

彼女には気分良く推理してもらわないと。

なんたってこの中では最大級の希望なんだから!


霧切「あら、あの台車」

苗木「台車? あー、あれか」

霧切「金具に何か引っかかっているわ」ゴソゴソ



427:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 23:07:13.57 ID:PceaEtpXP

霧切「……髪の毛ね。これって」

苗木「うん、石丸クンっぽい気がする。でもどうしてこんな所に……」

霧切「こんな低い位置にある金具に彼の髪の毛が挟まっていた。普通に台車を押していて起こる事ではないわね」


確実に手がかりは集まっていく。

流石超高校級の探偵、霧切さん。

クロは彼女を欺く必要があり、ボクとしてはそんな人も見てみたいとも思うんだよね。


まぁそしたらクロ以外死んじゃうんだけど。


『エアコンのタイマー』
『消えたテーブルクロス』
『台車の金具に挟まった髪の毛』



429:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 23:17:43.22 ID:PceaEtpXP

【大広間】


大広間のソファーでは、目を覚ました舞園さんがぼんやりとしていた。

周りには桑田クンや葉隠クンもいる。


苗木「舞園さん? 大丈夫、舞園さん?」

舞園「苗木君……あの、石丸君が……」

苗木「……うん」

舞園「酷い……一体誰がそんな事……」

葉隠「いや、だから苗木っちだべ」

舞園「違いますよ!! 苗木君は私の事を助けてくれたんですから!!!」

桑田「それだって苗木を庇ってるんだろ……? おい分かってんのかよ、俺達犯人当てに失敗したら殺されるんだぜ?」

霧切「だからこそ情報を集めるのよ。舞園さん、襲われた時の事話せるかしら?」

舞園「っ」ビクッ

桑田「おいおい、やめとけよ。怯えてんじゃねーか」



431:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 23:26:50.19 ID:PceaEtpXP

舞園「……な、苗木君。あの、お願いが」

苗木「ん、なに?」

舞園「まだちょっと怖いんで、えっと、抱きしめてもらえませんか……?」ウルウル

霧切「!!」

桑田「苗木ぃぃ……!!」

葉隠「こんな時でもラブコメ全開だべ」

苗木「あー、その……」チラ

霧切「…………別にいいんじゃない。それで落ち着いてくれるなら」プイッ

苗木「そ、それじゃあ……」


ギュッ


舞園さんの体は柔らかく、暖かくて、良い香りがした。


舞園「……えへ、えへへへへへ///」ニタァ


ゴン!!!



435:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 23:38:41.36 ID:PceaEtpXP

 

嬉しそうに頬を緩ませる舞園さんの脳天に、霧切さんの拳が叩き落された。


舞園「いったあああ!!! な、なにするんですか!!!」

霧切「ごめんなさい、手が滑ったわ。でもあなた意外と余裕ありそうだし、このくらい平気でしょ?」

舞園「平気じゃないですよ! ふん、なんですか、どうせ私が苗木君に抱きしめられているのを見て嫉妬しただけでしょう!」

霧切「ええ、その通りよ羨ましい。あなたが憎いわ」

苗木「ハッキリ言い過ぎだから…………それで舞園さん、あのさ」

舞園「はい、もう大丈夫です! 苗木君からたくさんの愛情をいただきましたから」ニコ

霧切「そんなものは気のせいよ、この枕園さん」

舞園「なっ、今なんて言いました!?」

霧切「ごめんなさい、噛んでしまったわ」

舞園「ウソです!! わざとです!!」

苗木「……えーと、そろそろ話してもらえないかな?」



441:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 23:55:30.71 ID:PceaEtpXP

舞園「……分かりました。石丸君の為ですもんね」

苗木「うん。ありがとう、舞園さん」

霧切「…………」ムスッ

桑田「なぁ俺達はどうすればいいんだ?」

葉隠「ただモブでいればいいんだべ」


そして、舞園さんはポツリポツリと話し始めた。


舞園「まず、私と苗木君は事務室でラブラブしてたんですけど」

霧切「ちょっと」

苗木「とりあえず最後まで聞こうってば!」

舞園「そしたら苗木君が私の背後の辺りを見て驚いた顔をしていて、私も振り返ろうとしたんですけど、その前に苗木君に抱きしめられて」

霧切「ねぇ」

苗木「はい、最後ね最後」

舞園「そしたら背中から凄い衝撃が走って、気を失ってしまったんです。苗木君の腕の中で」

霧切「…………」イライライライラ



447:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 00:05:04.31 ID:Utll0qNwP

苗木「ど、どう? ボクが言った話とは矛盾しないよね……?」

霧切「今の話を要約すると、苗木君は舞園さんとラブラブしてて、彼女を抱きしめて幸せのあまり気絶させたというわけね」ムカムカムカムクラ

舞園「そ、そうだったんですか!」

苗木「それは違うよ……」


ダメだ、霧切さんがおかしい。

こういう時は。


苗木「霧切さん、ボクはやっぱり捜査中の真剣な表情のキミが好きだな」ニコ

霧切「舞園さん、今の話で少し聞きたい事があるわ」キリッ

舞園「は、はい……」


葉隠「苗木っちが完全に悪い男だべ」

桑田「やっぱコイツがクロだろ……いや、クロであってくれ」



450:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 00:18:50.92 ID:Utll0qNwP

霧切「まず、あなたは襲われた相手の事を見ていないの? 視界の端に微かに捉えていたりしない?」

舞園「いえ……すぐに、その……苗木君に抱きしめられてしまったので///」

霧切「…………」イラッ

苗木「霧切さん、しっかり」ニコ

霧切「じゃあその様子をここで再現してもらおうかしら。相手は桑田クンで」キリッ

桑田「マジで!? ったく、しゃあねえなぁ……」ニヤニヤ

舞園「いやです」ニコ


笑顔で一刀両断。

アイドルの笑顔っていうのは恐ろしい武器だ。


霧切「これは必要な事よ」

舞園「あの時のことを再現するなら、相手は苗木君の方がいいじゃないですか」

霧切「ぐっ……それは……!!」



453:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 00:27:17.87 ID:Utll0qNwP

苗木「舞園さんの言う通りだよ。相手はボクの方が良いと思う」

霧切「…………分かった……わ……」

葉隠「絶望的過ぎる表情だべ。桑田っちもだけど」

桑田「」

舞園「じゃ、じゃあ苗木君!///」スッ

霧切「待って、あなたそうやって両手を広げて抱きしめられるのを待っていたの?」イライラ

苗木「舞園さん、ちゃんとその通りにやろう」

舞園「わ、分かりましたよぉ。えっと、それで、このくらいの距離で苗木君と話していた時に、彼の表情が変わったんです」

苗木「その時の表情をした方がいいのかな?」

霧切「いえ、いいわ。代わりに私に微笑んで見せて」

苗木「…………」ニコ

霧切「///」

葉隠「いや、何やってんだべ」



457:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 00:36:39.80 ID:Utll0qNwP

舞園「はい、それで次は苗木君が私を守る為に抱きしめるシーンです! ほら、苗木君!」

苗木「う、うん……なんか緊張するな……」

霧切「……ちっ」イライラ


照れくささを感じながら、その時と同じように腕を回す。


舞園「ふふ、もうちょっと背中の方に腕を回してましたよ苗木君」ニコ

苗木「あ、そ、そうだっけ。やっぱり恥ずかしいな……」ギュッ

霧切「…………」

葉隠「恐ろしい程の無表情だべ……」ブルブル

苗木「え、えっと、もういいかな霧切さん?」

舞園「えー、もう終わりですかぁ?」

霧切「…………ええ、もういいわ」

葉隠「あちゃー、完全に拗ねちゃったな」

苗木「……?」


なんだろう、今の霧切さんの表情は拗ねたという様なものではなかった気がする。



459:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 00:50:31.10 ID:Utll0qNwP

霧切「舞園さん、もう一つだけ聞かせて。事務室で何かの電子音を聞かなかった?」

舞園「電子音……あぁ、確かに聞こえました! ちょうど、苗木君が何かを見つける直前です!」

霧切「…………そう、ありがとう」

葉隠「(なぁなぁ、霧切っちマジで凹んでね? 何かフォローしてやろうべ)」ヒソヒソ

苗木「…………」

葉隠「苗木っち?」

苗木「え、あっ、ごめんごめん。なに?」

葉隠「こっちはこっちでぼーっとしてるし……もう知らねえっつーの」ハァ


まさか、霧切さんに限って希望を失うなんていう事はないよね。

大丈夫、彼女は素晴らしい人だ。

例えどんな事があっても、力強く前へ進んでくれるはずなんだ。


霧切「…………」



461:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 01:03:28.21 ID:Utll0qNwP

 
次に霧切さんはエアコンの方へと近付いていく。

ボクもその後を追いながら、


霧切「事務室ではエアコンがついたすぐ後に停電したって言ってたわね。それはここも同じなの」

苗木「……ていう事は、このタイマーは停電の合図っていう事なのかな?」

霧切「それはどうかしら…………でも、やっぱり事務室のタイマーの設定時刻と同じね」


確かにリモコンに表示されているタイマー設定時刻は事務室と同じだ。

つまりあの瞬間、二つの部屋でエアコンが同時に起動した事になる。


霧切「……これがブレーカーを落とすトリックかしら」

苗木「エアコンが?」

霧切「苗木君、直接触れずにブレーカーを落とす方法といえば何が思い浮かぶ?」

苗木「え、それは…………あ」

霧切「そういう事かもしれないわ」

苗木「で、でも、エアコンが二つ点いたくらいじゃ……」



462:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 01:10:25.57 ID:Utll0qNwP

霧切「それだけじゃないのかもしれない。まぁ、そこは他の部屋を調べれば分かるかもしれないわ」

苗木「……そっか」

霧切「あとは……」


バシャッッ!!!


霧切さんはなんと、手近にあったテーブルの上にあったジュースを思い切りこぼしてしまった。


苗木「な、何やってるの!?」

霧切「ちょっとした実験よ」


そう言いながら霧切さんはテーブルクロスを外して、その下を覗き込む。


霧切「……シミ一つないわね」

モノミ「当たり前なのでちゅ!」

苗木「モノミ?」

霧切「このテーブルクロスは水分を通さないのね」

モノミ「はい! ペットボトルの水をドバドバやっても下に染みまちぇんよー!」



464:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 01:16:44.18 ID:Utll0qNwP

霧切「それと、このテーブルクロスって予備とかあるのかしら?」

モノミ「倉庫に二枚ありまちゅよ!」

霧切「そう、ありがとう」

苗木「霧切さん、テーブルクロスがどうしたの?」

霧切「水分を通さないテーブルクロス。使い道はありそうじゃない?」

苗木「……うーん、そうかなぁ」



『苗木、舞園の証言』←情報追加
『エアコンのタイマー』←情報追加
『消えたテーブルクロス』←情報追加



466:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 01:21:52.35 ID:Utll0qNwP

【厨房】


次にやって来たのは厨房だ。

中には大神さんと朝日奈さんが居た。


霧切「……大神さん。あなたには殺人現場のトイレの現場保全の監視をしてもらいたいのだけど」

大神「すまぬ、朝日奈がかなり落ち込んでいてな……」

朝日奈「ううん……私はもう大丈夫だから……」

苗木「あのさ、朝日奈さん」

朝日奈「な、苗木……っ!」ビクッ

苗木「…………」


やっぱりボクがクロだと思われているみたいだ。

まぁ、この状況では仕方ないけど、怯えているだけでは始まらないっていう事を分かってほしいなぁ。

……いや、これもただボクが望みすぎているだけか。



467:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 01:28:20.94 ID:Utll0qNwP

霧切「……そういえば、今日は手作りの料理がいくつか出ていたわね。あれは朝日奈さんが?」

朝日奈「う、うん、苗木もね。ていうか、最初に言い出したのが苗木の方だよ」

苗木「うん、たまにはそういうのもいいかなって。確かにレストランの料理も美味しいけどさ」ニコ

朝日奈「でも苗木、お肉解凍する時にドリップたくさん出しちゃったりして、ダメダメだったじゃん」

苗木「うっ……お、覚えてたんだ……」

朝日奈「……はぁ。あの時はとっても楽しかったのになぁ」

霧切「…………」

苗木「霧切さん?」

霧切「そのドリップ、誰が処分したの?」

朝日奈「え、私はやってないよ。苗木でしょ?」

苗木「うん、そうだね。ボクの失敗だし」

霧切「…………そう」


『肉のドリップ』



468:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 01:42:40.78 ID:Utll0qNwP

【倉庫】


調べるなら全ての部屋を調べるべきだから、当然ここもその対象になる。

でもやっぱりホコリっぽいし、あまり長くは居たくないなぁ。


霧切「予備のテーブルクロスは二枚ともあるわね…………って何をやっているの苗木君?」

苗木「えっ、あ、その、電気勿体ないなぁって」

霧切「…………それで、何をしていたの?」

苗木「えーと、アイロンが三つもコンセントに繋がってたから、抜いてたんだ」

霧切「苗木君、勝手に物を動かさないで」

苗木「ご、ごめんなさい」


自分だってさっきジュースぶちまけたのに……。


霧切「アイロンが三つ……コンセントは繋がっていたのよね?」

苗木「うん、三つともね」



472:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 01:51:31.01 ID:Utll0qNwP

霧切「……これでブレーカーの方のトリックは分かりそうね」

苗木「あ、それとさ霧切さん。この倉庫から床下へ行ける扉があるんだ」

霧切「床下? どこ?」

苗木「ここ、ここ。掃除当番の皆と相談して、南京錠で塞いじゃってるけど」


床下へ続く扉は完全に閉じている。南京錠も壊された形跡がない。


霧切「これ、鍵は誰が持っているの?」

苗木「鍵は壊しちゃった。なんか床下ってトリックに使えそうだったから、念の為塞いじゃったんだ」

霧切「……なるほどね。でも、これって大神さんなら破れるんじゃないかしら」

苗木「……確かにそうかも」

霧切「ちょっとこの下も調べてみるわ。念の為」


それから厨房から来てもらった大神さんに無理矢理こじ開けてもらい、霧切さんは懐中電灯片手に床下へと下りていった。



473:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 01:58:02.85 ID:Utll0qNwP

 
程なくして、霧切さんが戻ってくる。


霧切「特に何もなかったわね。でも」

苗木「でも?」

霧切「シミができている場所があったわ。ちょうど大広間の下かしら」

苗木「あー、それたぶん石丸クンがこぼしたジュースじゃないかな」

霧切「ジュースをこぼした? いつ?」

苗木「旧館の掃除中。ちょっと休憩している時にさ」

霧切「…………」

苗木「その時の話をしたいなら、他の掃除当番の人も一緒の方がいいかな?」

霧切「……えぇ、そうね。聞かせてもらおうかしら」



『消えたテーブルクロス』←情報追加
『三つのアイロン』



475:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 02:10:21.19 ID:Utll0qNwP

【大広間】


朝日奈「あー、うんうん、覚えてるよそりゃ。あのゲテモノジュースのせいで石丸がトイレにこもるはめになっちゃったんだから」

葉隠「いや、そこまでまずくねえって!」

霧切「詳しく聞かせてもらえる?」


大広間には朝日奈さん、桑田クン、葉隠クンが集まっていて、その時の状況を霧切さんに説明する。

霧切さんは特に口を挟むこともなく、ただ何度か頷きながら話を聞いていた。


霧切「……ありがとう、だいたい分かったわ。それで聞きたいんだけど、石丸君がそのジュースを飲んだ後、吐血しなかった?」

桑田「と、吐血だぁ!? ねえよ、そんな事になったら大騒ぎだろうが!」

霧切「…………」


それから霧切さんは少し長く考え込んだ後、


霧切「石丸君の姿が見えなくなったのがいつ頃か分かる?」

朝日奈「うーん……どうだったかなぁ……」

桑田「……確か、葉隠のふざけたミステリーサークル騒動の後はもう居なかったよな」



476:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 02:24:38.18 ID:Utll0qNwP

朝日奈「あー、確かにその前まではソファーに居たっていうのは言えるかも。私、葉隠に言われて外出る前に大広間の石丸の事確認したもん」

桑田「おう、俺も葉隠がソファーで寝てる石丸も誘うかって言ってたから止めたぞ」

葉隠「なんていうか、もはや懐かしい思い出だべ……」シミジミ

霧切「その時の事をもう少し詳しく聞かせてもらえる?」


霧切さんの目が鋭くなっているのが分かる。

葉隠クンはその目に怯みながらも、


葉隠「え、えーとなんだったか……そう、まず俺が旧館の裏手にミステリーサークルを見つけたんだべ!!」

朝日奈「あ、霧切ちゃん、それは調べなくていいよ。どう見ても意味不明な模様だったから」

桑田「あぁ……あの時程時間の無駄を感じた事はなかったぜ……」

葉隠「なんだべなんだべ!! ただお前らの感受性が足りねえだけなんだ!!」

霧切「……まぁ一応念の為後で調べておくわ。続けてくれる?」

葉隠「それで俺が旧館に居た皆を外に呼び出したんだ! 朝日奈っち、桑田っち、苗木っち、腐川っちをな! 石丸っちはダウンしてたから免除したべ」

朝日奈「で、いざ見てみればただの落書き。ホントうんざりしたよ」ハァ

葉隠「だから落書きじゃねえっつの!!!」



481:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 03:02:42.93 ID:Utll0qNwP

霧切「葉隠君が呼んだ時の皆の位置関係とか分かるかしら?」

葉隠「ん、石丸っちと桑田っちと腐川っちが大広間、苗木っちと朝日奈っちが厨房だったな」

霧切「それで、皆すぐに葉隠君についてきたの?」

桑田「あぁ、そうだな。少なくとも俺と腐川はさっさと外に出たな」

葉隠「そう聞くと二人が仲良さそうだべ」

桑田「おいふざけんな、アイツだけは勘弁だ!!」

朝日奈「あ、でもこっちは苗木がトイレ行きたいって言ってたから、私が先に行ったよね」

苗木「うん、そうだったね。遅刻して葉隠クンにも怒られたのは覚えてるよ」ハハ

葉隠「当たり前だべ!! ミステリーサークルの立ち会いに遅刻とは信じられないべ!!」

朝日奈「あーあー、私もオチに気付いてたら遅刻どころか欠席したのに」

葉隠「な、なんだとおおおおおおお!!!!!」

霧切「…………」


霧切さんはじっくり考え込んでいる。

でも、どことなくだけど。

彼女の表情がとても悲しそうなのはなぜだろう。



485:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 03:17:33.13 ID:Utll0qNwP

霧切「……他に掃除当番の皆が全員一箇所に集まるような機会はなかった? できればまとまった時間」

桑田「後は……倉庫の床下へ続く扉をどうするか話し合った時じゃねえか? 苗木が集めたやつ」

朝日奈「あー、確かにその時は皆で倉庫に行ったね。あれ、でも誰か居なかったような…………葉隠だ!」

葉隠「俺はもうその扉については苗木っちから聞いてたから行かなかったんだべ。な?」

苗木「うん、そうだね」

桑田「そういやそんな事言ってたな。まぁ、まとまった時間って言ったらそんくらいだ、後は基本的に結構バラバラだったぜ」

霧切「……そう、ありがとう」

朝日奈「霧切ちゃん……苗木が犯人じゃないって思ってるの……?」

霧切「それはまだ言い切れないわ。でも、もしかしたらこの事件にはかなり特殊な思惑が絡んでいるのかもしれない」

桑田「特殊な思惑……?」

霧切「えぇ。私達では理解できないようなもの、ね。だからこそ常識を捨てて、より柔軟な発想をする必要があるかもしれない」

葉隠「んー、霧切っちの言葉は難しくてよく分からないべ」

苗木「そう? ボクは何となく分かるよ。つまり、どんな事でも『ありえない』って決めつけちゃいけないって事だよね」

霧切「…………えぇ、そうね」

朝日奈「なになに、どゆこと?」



487:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 03:31:56.97 ID:Utll0qNwP

苗木「人が何を大切にしていて、何に怒るのかっていうのは分からないものだよ。
    例えばさ、ボク達がコロシアイをすることになるなんて、この修学旅行前には想像もつかなかったでしょ?」

桑田「そりゃ……そうだろうがよ……」

苗木「それはモノクマが現れてからも同じだったかもしれない。何だかんだ皆の心の底には『コロシアイなんてありえない』っていう気持ちがあったんじゃない?」

朝日奈「…………うん」

苗木「それでも、現にこうして殺人は起こってしまった。もう、何が起こるかなんて分からないんだよ。
    だからもう『こんな事はありえない』なんていう気持ちは捨ててしまった方がいい。そういう所で足元をすくわれてしまうんだよ」

葉隠「はっ……つまり不二咲がオーガを殺すとかそういう事も想定しなきゃいけねえんか?」

苗木「そうだね。条件が揃えばありえるかもしれない。とにかく思考を止めずに、ただ立ち向かっていく事が大切だよ」

霧切「それなら苗木君」


霧切さんは真っ直ぐこちらを見つめてくる。

それはどこかすがりつくような目で、ボクからしたらあまり見たくないものだった。


霧切「あなたが私を殺す、そんな事も起こりえるのかしら」

苗木「……どうだろうね。ないとは言い切れないんじゃないかな」


やめてよ……そんな顔をしないでよ霧切さん。キミはそんなものじゃないはずだ。



524:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 13:04:53.22 ID:Utll0qNwP

朝日奈「ちょ、ちょっと苗木!」

苗木「ボクは予知能力者じゃないよ。未来の事なんて分からない。今回のクロだって修学旅行前までは石丸クンを殺すなんて夢にも思っていなかったはずだよ」

桑田「それは……そうだろうけどよぉ……!!」

霧切「いいわ。確かに苗木君の言っている事も間違いではない。それに今は起きてしまったこの事件に集中するべきよ」

朝日奈「霧切ちゃん……」


そうだ、そうだよ霧切さん!

絶望なんかに負けちゃダメだ、どんなに辛いことがあってもキミは前を向いていないと!


霧切「それと葉隠君と桑田君、あなた達には聞きたいことがあるわ」

葉隠「お、なんだべなんだべ?」

桑田「ま、まさか俺達のどっちかを疑ってるわけじゃねえだろうな……」

霧切「そういうわけではないわ。あなた達ってパーティー中に倉庫へ行ったわよね? そこでアイロンを見なかったかしら?」

桑田「おー、見た見た。なぜか三つも置いてあったな」

葉隠「そうそう、電気もったいねーから俺がコンセント抜いちまったべ」


霧切「…………なんですって?」



526:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 13:15:47.34 ID:Utll0qNwP

葉隠「えっ……ま、まずかったんか……?」

桑田「あー、そういや葉隠が見つけて『こんな無駄遣い許せねえべ!』ってコンセント引っこ抜いてたな」

葉隠「そ、そうだべ! 電気代だってバカにならないんだぞ!!」

霧切「…………」

葉隠「……え、本気で怒ってる? 悪かったって!!」

霧切「……いえ、そういうわけではないわ。ありがとう」

葉隠「???」


霧切さんのあの様子、何かに気付いたみたいだね!

他のみんなも彼女までとは言わないから、少しは前へ進もうとする姿勢を見せてくれればいいんだけど……。



『ゲテモノジュース』
『ミステリーサークル騒動』
『葉隠、桑田の証言』



528:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 13:35:56.64 ID:Utll0qNwP

 
【廊下】


その後、ボク達は大広間から廊下に出る。

霧切さんが話しかけたのはモノミだ。


霧切「あなたに聞きたい事があるわ」

モノミ「はい、もちろんいいでちゅよ! 生徒の質問に答えるのが先生でちゅから!」

苗木「じゃあキミの正体は?」

モノミ「あちしはモノミ……じゃなくてウサミでちゅ! あなた達の先生でちゅ!」


なるほど、それで通すんだね。

まぁ、今はモノミの正体はどうでもいいかな。


霧切「あなたは今回見張りの役をしていたわね? つまり、ここでの皆の動きはあなたが一番良く知っている」

モノミ「……あ、あちしはみなさんを疑うような真似はしたくないのでちゅが…………」

霧切「えぇ、私もそうよ。だから、みんなの無実を証明する為に調べているの」

モノミ「みなさんの無実……」



532:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 14:01:36.12 ID:Utll0qNwP

霧切「その為にはあなたの協力が必要よ。今回の事件、あなたの証言が最も重要な意味を持つはずだから」

モノミ「…………分かりまちた。みなさんが石丸君を殺すなんてありえないと証明してみせまちゅ!!」


あはは、なるほど。確かにそういう形の希望もあるかもね。

みんなを信じたまま死んでいく。それはそれでいい事なのかもしれない。

まぁ、ボクは納得出来ないけどね。


苗木「えーと、まずモノミはボク達が掃除している時は、旧館入り口前で見張りをしていたよね?」

モノミ「はいでちゅ。パーティーの飾り付けで他のみなさんを驚かせたいと頼まれまちたから」

霧切「それは掃除当番の人達全員で決めたのかしら?」

苗木「うん、そうだよ。まぁ、桑田クンとか腐川さんは乗り気じゃなかったけどね」ハハ

霧切「……そう。それで掃除が終わってからは旧館入り口と大広間の前で見張りをしていたのよね?」

モノミ「はい。あちしは何体か出てくる事ができまちゅから。モノクマ対策でちたよね」

霧切「掃除が終わった後、当番の人達は私達を呼びに来たわよね。その時あなたはどうしていたの?」

モノミ「えーと、まず掃除が終わったらあちしは二体目を大広間の前に出しまちた。その後みなさんが出て行ったので、そのままじーっとしていまちたよ」

苗木「飾り付けが終わった部屋をモノクマに壊されたら嫌だったからね」



533:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 14:14:27.20 ID:Utll0qNwP

霧切「掃除中、掃除当番の人以外は旧館に入って来なかった、それでいいの?」

モノミ「はい、その為の見張りでちゅから!」

霧切「掃除当番の人達で旧館の出入りはあったのよね?」

苗木「そりゃスーパーで買い出しとかあったからね」

霧切「その買い出しは全員で?」

苗木「ううん、基本的に二人で」

霧切「それじゃあ、一度に全員で外に出た時は……」

モノミ「一度、葉隠君に連れられてみなさんが出てきた事がありまちたよ! あ、でも石丸君がいませんでちたね……」

霧切「……その時だけという事ね」

苗木「あれ、でもボク達が霧切さん達をパーティーに呼びに行く時も、石丸君以外の全員が旧館から出て行ったよね?」

霧切「その時はもうモノミが大広間の前で見張りをしていたのよ」

苗木「……えっと、そこに意味があるの?」

霧切「えぇ……大きな意味がね」



535:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 14:34:45.38 ID:Utll0qNwP

霧切「掃除中、モノミは旧館の外で見張りをしていた、そうよね?」

モノミ「はいでちゅ」

苗木「それがどうかしたの?」

霧切「本当に旧館の中に誰も居なくなった時というのは、その葉隠君のミステリーサークル騒動の時だけという事よ」

苗木「え、でもその時も石丸君は大広間のソファーに居たままだったよ?」

霧切「…………」


霧切さんは無言で考え込む。おそらく彼女の頭の中では、ボクなんかでは想像もつかないほど様々な事が巡っているのだろう。


霧切「モノミ、私達が旧館にやって来てからの事を聞かせて。
    まず、大広間以外……外に出て行った人やトイレに行った人、事務室、厨房、倉庫に行った人は居なかった?」

モノミ「え、えっと……外に行った人は何人かいまちたよ。苗木君、朝日奈さん、江ノ島さんでちゅかね。
    朝日奈さんと江ノ島さんは元々トイレに行くつもりだったみたいでちゅけど、石丸君が使っていたので外へ行ったみたいでちゅ」

霧切「苗木君はどうして外に?」

苗木「ちょっと夜風に当たりたかっただけだよ」

霧切「……そう」



539:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 15:16:13.07 ID:Utll0qNwP

モノミ「あと、トイレに行った人もその三人だけでちゅね。石丸君がいまちたので、誰も中には入りませんでちたけど」

霧切「石丸君は一度も出てこなかった、そういう事ね?」

モノミ「あ、いえ、停電中に一度トイレの扉が開きまちたので、その時に出てきたみたいでちゅよ」

苗木「よくトイレの扉って分かったね」

モノミ「あちしは耳がいいんでちゅよ。どこの扉が開いたかというのは聞き分ける事ができまちゅ」エッヘン

霧切「そう……それで事務室はどう?」

モノミ「停電前に苗木君と舞園さんが入りまちたね。二人が大広間から出てきて、トイレの前の角を曲がった後に事務室の扉が開く音がしまちたから。
     あとは停電中に二回扉が開いた音がしまちた。一回目は苗木君と舞園さん、二回目は戦刃さんだと思うのでちゅが……」

苗木「ちょっと待って、それはありえないよ。ボクも舞園さんも襲われて気絶させられちゃったんだからさ!」

モノミ「うーん……でも確かに音は……」

霧切「……他の部屋はどうかしら?」

モノミ「厨房は朝日奈さんと大神さんが何度か入っていまちたよ。停電後に苗木君を探すときも、その二人が厨房を担当してまちた。
    倉庫は葉隠君と桑田君の二人、後は苗木君を探しに行った不二咲君と大和田君が入りまちたね」

霧切「…………モノミ、あなたが最後に石丸君を見た時、彼はどんな様子だった?」

モノミ「えーと……あれは掃除中でちゅね。みんなの分のジュースを持って旧館の中に入る時でちゅ。あちしにも一本くれたのでちゅよー」ニコニコ


モノミ「……そんな、良い子でちたのに」ウルウル



541:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 15:31:12.41 ID:Utll0qNwP

霧切「……つまり、その時から石丸君は一度も旧館から出ていない」

苗木「となると、やっぱりトイレなんじゃないかな」

霧切「そう……ね。モノミ、次は停電中の事を詳しく教えてもらえるかしら?」

モノミ「停電中はあちしも全く見えませんでちたから、耳で聞いた事しか教えられないのですが……」

霧切「十分よ。まず、停電中のあなたの言葉を確認したいわ」

モノミ「あちしの言葉……でちゅか?」

霧切「えぇ、あなたは確かあの時……」


『みなさん大丈夫でちゅかー!!』

『あれ、苗木君? 舞園さん? ブレーカーはその部屋でちゅよ!』

『……あれ、石丸クンでちゅか? 体調は大丈夫なんでちゅか?』


霧切「こう言っていたわね?」

苗木「よ、よく覚えているね……」

モノミ「はい、そうでちゅが、それが……」

霧切「これってつまり、最初に事務室の扉が開いて、その後にトイレの扉が開いたという事なのよね?」



544:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 15:51:47.17 ID:Utll0qNwP

モノミ「はい、その通りでちゅ。そしてその次に大広間の扉が開いて、すぐ後にまた事務室の扉が開きまちた。
    そこで電気がついて、戦刃さんが真っ青な顔で再び大広間の中へ入っていきまちた」

苗木「停電中の大広間の扉と二回目の事務室はやっぱり戦刃さんだよね」

霧切「……扉の開け閉めの間隔も教えてもらえるかしら」

モノミ「えっ? んーと、最初の事務室の扉は開いてすぐ閉まりまちた。次のトイレと大広間もそうでちゅ。でも二回目の事務室は開けっ放しでちたね」

苗木「そりゃ、扉を開けたら舞園さんが倒れていたんだからね。閉めなくても不思議じゃないよ」

霧切「そうね。私達が戦刃さんについて行って事務室へ向かった時も扉は開いたままだったわ。でも……」

苗木「あれ、何かおかしい? もしかして戦刃さんを疑ってるの?」

霧切「…………いえ、何でもないわ。次に聞きたいのは十神君よ」

モノミ「十神君……でちゅか?」

霧切「えぇ、彼はこの旧館には入ったのかしら?」

モノミ「いえ、彼は一度もここには入っていまちぇん……彼もみんなの輪に加わる事ができればいいんでちゅが……」ショボン

苗木「十神クンとは一度外に涼みに行った時に会ったけど、彼は彼なりの希望があるんだよ」

霧切「…………」



545:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 16:04:01.32 ID:Utll0qNwP

苗木「えっと、整理すると……停電になったら事務室→トイレ→大広間→事務室っていう順番に扉が開いたんだよね?」

モノミ「はい、その通りでちゅ!」

霧切「…………」

モノミ「き、霧切さん、どうしまちた……? とても顔色が悪いのでちゅよ……?」オロオロ

霧切「……ごめんなさい、何でもないわ。ありがとうモノミ、あなたのお陰でかなり進展したわ」

苗木「本当!? すごい、さすが霧切さんだ!!」ニコニコ

モノミ「も、もちろんみなさんは無実なんでちゅよね……?」

霧切「…………」

モノミ「き、霧切さん……?」


モノミは恐る恐る尋ねているけど、霧切さんは答える事ができない。

それはほとんど彼女の考えを言っているようなもので。

モノミは信じられないような表情で、ただ立ち尽くすしかなかった。


……あは、はははははは。


『モノミの証言』



547:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 16:14:41.77 ID:Utll0qNwP

 
次に霧切さんは不二咲クンと大和田クンに話を聞いていた。


大和田「ん、倉庫だぁ? あー、そうだな、確かに俺と不二咲で苗木を探しに行ったぜ」

霧切「その時、アイロンを見かけなかった?」

不二咲「う、うん……見たけどぉ……」

大和田「そういや何であんな所にアイロンなんてあったんだかな」

霧切「あなた達はそれに触った?」

不二咲「ううん……あの時は苗木君を探すのに必死だったからぁ……」

大和田「んで、いざ見つかったと思ったら人殺してたってんだからな。ったく、やってらんねえぜ」

苗木「あ、あはは……ごめんね……でも、違うんだよ……」

不二咲「ぼ、僕も苗木君がそんな事するはずないと思いたいけどぉ……」

霧切「とにかく、あなた達はアイロンには触れていないっていう事ね?」

大和田「だから言ってんだろ。あの時はアイロンどころじゃなかったってよ」



549:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 16:21:57.01 ID:Utll0qNwP

 

【大広間】


その後、ボクは霧切さんにある事を頼まれた。

それは大広間と事務室、二つのエアコンのタイマーをこれから少し後にセットしろというものだった。

何をしたいのかと聞いても、彼女は“実験”としか言わなかった。


霧切「苗木君、ちゃんとやってくれたかしら?」

苗木「う、うん……後ちょっとで作動すると思うけど…………あれ、霧切さん倉庫に行ってたの? 頭にホコリ乗っかってるよ?」

霧切「え、そう?」

苗木「ちょっと待って、取ってあげるから」スッ


そう言って彼女の髪に手を伸ばすと、


霧切「……いいわ、自分で取れる」サッサッ

苗木「そ、そっか……」


舞園「ふふふ、何もったいないことしてるんですか」ヌッ



551:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 16:27:37.05 ID:Utll0qNwP

霧切「舞園さん……」

舞園「私だったら今のチャンスに思い切り頭を撫でてもらいますよ! おしい事をしましたね」ニヤニヤ

苗木「い、いや、頭くらいならいくらでも撫でてあげるって……」

舞園「ほ、本当ですか!? それではぜひっ!!」スッ

苗木「はいはい」ナデナデ

舞園「えへへ……///」ポー

霧切「…………」

舞園「あれ、何ですか霧切さん。羨ましいんですか? 仕方ないですねぇ、私が十分堪能したら少しだけ代わってあげても……」

霧切「…………」

舞園「……霧切さん? な、何ですかそんな人を哀れむような目で……」

苗木「ん、どうしたの?」

霧切「いえ、何でもないわ」


そう言って霧切さんが目を逸らした瞬間。


ピッ



554:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 16:39:57.66 ID:Utll0qNwP

 

一瞬聞こえた電子音。

しかし、次の瞬間には目の前が真っ暗になっていた。

大広間に居た人達の慌てた声も聞こえてくる。


「て、停電!?」

「またかよクソっ!!!」

「落ち着いて、すぐに点くわ」


その言葉通り、直後には電気は復旧していた。

いきなり光が点いたから、目がパチパチする。


霧切「予め大神さんをブレーカーの近くに待機させておいたわ。懐中電灯も持たせて」

葉隠「い、いきなりでビックリしたべ……」ハァ

桑田「おい少しは説明しとけよなー!!」

霧切「ごめんなさい。でも、これで分かったわ」

苗木「分かった?」



556:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 16:51:14.93 ID:Utll0qNwP

霧切「えぇ、事件の時の停電と今の停電。ハッキリとした違いがあったわ」

苗木「違い…………? って舞園さん腕痛い痛い」

舞園「うぅ……」ブルブル


小刻みに震えながら彼女は腕に抱きついてきていた。

柔らかい感触にはドキドキするんだけど、その前に純粋に力を込めすぎて痛い。


『エアコンのタイマー』←情報追加



【???のコテージ】


その後、霧切さんに連れられてとある人の部屋にやって来た。

勝手に人の部屋に入っていいのかとも思ったけど、モノクマに捜査に必要だと言ったらすんなり入れてくれた。

そして霧切さんはというと、ゴミ箱を漁っている。


苗木「あ、あのさ霧切さん、いきなりそんな所を……」

霧切「……あったわ」



559:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 17:00:02.03 ID:Utll0qNwP

霧切さんが取り出したのは透明な袋だった。

中はほとんど空だけど、白い粉が少し残っているのが分かる。


苗木「それは……?」

霧切「さぁ、何かしらね。後で本人にでも聞いてみましょう」


そう言って霧切さんは次は机の上を物色し始める。

当たり前だけど、清々しい程お構いなしだなぁ。


霧切「これは何かしら?」


霧切さんが手にした紙に目を通してみると、


苗木「『一回十万円、初回サービス九万円』…………あー、これ彼の商売関係の紙なんじゃないかな」

霧切「そう……一応持っておこうかしら」

苗木「えっ、霧切さんそういうのに興味あるの?」

霧切「あると思う?」

苗木「…………って事は事件に関係しているってわけか」



561:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 17:10:58.62 ID:Utll0qNwP

 
【石丸のコテージ】


次にやって来たのは石丸クンの部屋だ。

さすが超高校級の風紀委員だけあって、どこから持ってきたのか勉強道具が充実している。


霧切「……なるほど、ね」

苗木「えっ、それって!!」


霧切さんが拾い上げた紙には…………。


『今夜、殺人を起こす。超高校級の風紀委員ならば止めてみせろ。もしこれを他の者に話せば、無差別に殺す事になるだろう』


ワープロか何かで打たれたと思われる綺麗な書体。だけど、その意味はとてつもなく恐ろしい。


苗木「これって脅迫状……だよね……」ゴクッ

霧切「……今日みんなで集まろうと言ったのも、これが原因だったみたいね」

苗木「でも、誰がこんなもの……!!」

霧切「…………」



565:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 17:17:47.00 ID:Utll0qNwP

 
【苗木のコテージ】


そして次はボクの部屋だ。

こうして目の前でゴミ箱を漁られるのは何だかなぁ……。


苗木「や、やっぱりボクも疑われてるんだよね……」

霧切「当たり前じゃない。苗木君だけ特別扱いはできないわ」

苗木「でも、別に何も出てこないよ? ほら、ボクの部屋って無個性だし」


他の人達のコテージを見て分かったけど、ボクの部屋は極端に物が少ない。

まぁ、何かを運び込む気力も湧かなかったからなんだけど。


霧切「……苗木君」

苗木「ん? どうしたの?」

霧切「ベッドの下にこんなものが落ちていたけど、これは?」


そう言って霧切さんが見せたのは、何かの紙袋の切れ端らしきものだった。



566:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 17:23:35.38 ID:Utll0qNwP

苗木「これはって言われても……そんな小さいものよく覚えてないよ……。何かのお菓子のゴミかな?」

霧切「……そう」

苗木「え、えっと……それも何かの手がかりだと思うの……?」

霧切「さぁ……でも一応そう考えた方がいいとは思うわ」

苗木「うぅ……」


この徹底っぷり。クロが彼女から完全に証拠を隠すのは不可能なんだろう。

人間である限り、どこまで完璧にこなしてもどこかでボロを出しているんだ。



『白い粉』
『商売文句を書いた紙』
『脅迫状』
『何かの紙袋の切れ端』



567:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 17:33:46.62 ID:Utll0qNwP

 
コテージから出るボク達。

そろそろ夜も更けてくる頃で、今日も頭上には満天の星空が広がっている。

そんな時、目の前にいきなりモノクマが出現した。


モノクマ「うぷ、うぷぷぷぷぷぷぷぷ、お楽しみでしたね苗木君!」

苗木「何が……」

モノクマ「まぁまぁとぼけるなってば。こんな夜更けに若い男女が同じ部屋に。そこまでいったらもうアレしかないよ!!」

苗木「何を想像しているのか知らないけど、ボク達は真面目に捜査しているだけだよ」

モノクマ「うぷぷ、キミが捜査してるのは霧切さんのカラダなんじゃないかな?」ニヤニヤ

苗木「はぁ……もういいよ」

霧切「いえ、ちょっと待ってモノクマ。あなたに聞きたい事があるわ」

苗木「え……ええ!? モノクマに!?」

モノクマ「いいよいいよ、答えられる事なら答えてあげるよ!」

霧切「捜査情報をまとめたいの。この島にワープロとかないかしら?」

モノクマ「むむっ!! ダメだよそんなものに頼っちゃ!! あのねー、スペース押して変換に頼ってると漢字書けなくなるよ?
      日本人としてそれはいいのか!? いや、良くない!! というわけで、ボクはキミ達に手書きを強制しているので、この島にそんなものはありません」



571:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 17:47:23.58 ID:Utll0qNwP

苗木「い、石丸クンなら凄く同意しそうだけど、やっぱり不便だよそれ……」

モノクマ「うるさいうるさいうるさーい!! ボクが決めたからそうなの!!」

霧切「……分かったわ。それなら毒薬はない? それも欲しいのだけど」

苗木「き、霧切さん!?」

霧切「どうしてそんなに驚くの? 誰にも気付かれないように誰かを殺すなら、毒が手っ取り早いわ」

苗木「え……ええっ……?」

モノクマ「うぷ、うぷぷぷぷぷぷぷぷぷ。どうやら霧切さんも殺る気になってくれたみたいだね!
      でも残念! 確か苗木クンと朝日奈さんには言ったけど、今キミ達が行ける範囲では毒は手に入らないんだよ!!」

霧切「そう……残念ね」ショボン

苗木「ざ、残念って……」

モノクマ「だって毒あったらみんなそれに頼っちゃうじゃん。そんなのつまんないじゃん」

霧切「でも、スーパーには薬がいくつかあったわよね? それを混ぜればもしかしたら……」

モノクマ「ぶぶー、残念! どんなに調合しても毒にはならないように一生懸命調整してあるから無駄なんだよね!!
      まぁ、ずっと手に入らないとは言ってないじゃん!! コロシアイを進めていけば手に入るようにしてやるから、我慢しろよ!!」ニヤニヤ

霧切「……はぁ、仕方ないわね」

苗木「えーと……霧切さん……?」



572:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 17:55:38.89 ID:Utll0qNwP

モノクマ「それじゃそろそろ学級裁判だからボクはこれで! オマエラ頑張れよー」


楽しげにそんな事を言い残して、モノクマは消えた。

ボクは恐る恐る霧切さんを見て、


苗木「……霧切さんも誰かを殺そうって思ってるの?」

霧切「そんなわけないじゃない。あれはただモノクマの機嫌をとっただけよ。お陰でいい情報が手に入ったわ」

苗木「そ、そっか。そうだよね! 良かった良かった」ニコニコ

霧切「あなたはどうなの、苗木君」ジッ

苗木「えっ?」

霧切「あなたは……人を殺す気はあるの……?」


霧切さんのその目を見て、精一杯強がっているという事はすぐ分かった。

彼女はボクに否定してもらいたいんだろう。『そんな事しないって!』……みたいな感じに。

でも、残念ながらその想いには応えられないんだよね。


苗木「あはは、言ったよね。そんなの分からないって」ニコ



578:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 18:37:34.09 ID:Utll0qNwP

霧切「…………」ウルッ

苗木「えっ……」


……待ってよ。どうして目を潤ませているの?

それじゃあ舞園さんと変わらないじゃないか。

そんなのボクが好きな霧切さんじゃない。

ボクが好きな霧切さんはどんな時でも挫けないで、ただ前だけを見て絶望に立ち向かっていく人だ。

やめてよ……泣かないでよ……。


苗木「霧切さん!!」

霧切「っ!!」ビクッ

苗木「どうしちゃったの!? キミはこんな所で立ち止まっている場合じゃないよ!!
   石丸クンの為に、みんなの為に、キミは常に強くいなければいけないんだ!!」

霧切「…………ぅぅ」ポロポロ

苗木「泣かないでよ!!!」



588:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 19:03:20.04 ID:Utll0qNwP

苗木「キミまで弱さを見せちゃダメだ! 石丸クンはもういない、だからこそキミがしっかりしなきゃダメだよ!
   ここまで頑張って捜査してきたじゃないか!! それってクロ以外のみんなを助ける為でしょ!?」

霧切「……ひっく…………ぐすっ……」ポロポロ

苗木「ここまできて諦めるの!? そんなのモノクマの思い通りじゃないか!!
   クロだってそれ相応の想いがあるんだと思う、でもキミ達もそれに全力で立ち向かわなければいけないんだ!!」

霧切「……で……で、もぉ……ぅぅ……」ポロポロ

苗木「キミならできる!! キミは強い!! とても強い希望を持ってる!! 」

霧切「わ、わたっ……私……は…………」ポロポロ


霧切「私は……強くなんかない…………!!!」


霧切さんが。

いつも冷静で、誰よりも先を見ていて。

本当はとても優しくて、みんなの事をよく見ている。

どんなにみんなが混乱しても慌てず、前へ進んで道を作る。

そんな、最後の希望の砦である彼女が。


膝から崩れ落ちて、ただ泣き続けている。



595:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 19:20:16.28 ID:Utll0qNwP

霧切「もう……いや…………真実なんて……知らなくていい……」グスッ

苗木「…………」

霧切「私は……あなたが……苗木君が居てくれたから…………強くいられた……でも」ポロポロ

苗木「霧切さん」

霧切「な、に――――」


ギュッ


ボクは彼女の体を抱きしめた。

それは想像していたよりもずっと小さくて、弱々しかった。

とても華奢で、今にも壊れてしまいそうで。

それでも、ボクは腕の中の震えを止める為に力を強める。


霧切「っ……」

苗木「霧切さん、ボクもキミに居てほしい。キミだけがここから出る事になってもいいって思ってる 」

霧切「いや……苗木君も……一緒に…………」



597:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 19:39:36.27 ID:Utll0qNwP

苗木「霧切さん、目を閉じてくれる?」

霧切「えっ……分かった……わ……」


無防備に目を閉じた霧切さんの顔。

それはきっと滅多に見ることができない貴重なものなんだろう。


苗木「……初めてボク達が話した時を覚えてる? キミはみんなの輪から外れて一人で本を読んでいた」

霧切「えぇ……忘れるはずがない。私はその時一言であなたを追い払った。でも」

苗木「ボクは何日も繰り返した。ストーカーだとか言われた時もあったかな」ハハ

霧切「ごめんなさい……本当はどうしたらいいか分からなかっただけだったの……」

苗木「大丈夫、気にしてないよ。でも、だんだんキミはボクに構ってくれるようになった。
   えーと、ボクが財布落としちゃった時は結局どこにあったんだっけ?」

霧切「葉隠君の机の中よ」

苗木「あー、そうだっけ。霧切さん、見事に探し出してくれたよね。あと、ボクの筆箱が無くなった時はどうだったっけ?」

霧切「桑田君よ。原因は舞園さんとベタベタしていたから」



599:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 19:41:56.56 ID:11rO5LeM0

桑田wwwww



607:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 19:56:50.68 ID:Utll0qNwP

苗木「あー、それでボクより舞園さんが本気で怒っちゃったんだっけ。あと、腐川さんに因縁つけられた時も霧切さんが助けてくれたよね」

霧切「えぇ。原因は山田君がふざけて描いた苗十ものの同人誌」

苗木「あれ結局全部は回収できなかったんだよね……」

霧切「他にもたくさんあるわ。
   舞園さんがインタビューで苗木君と付き合っているとかいうデマ話したり、セレスさんが苗木君をギャンブルで破滅させて自分で保護しようとしたり」

苗木「ごめん、もういいや。思い出したら頭痛くなってきた」

霧切「…………私にラブレターが届いてあなたに相談した時もあったわ」

苗木「そ、そんな事もあったかな……」

霧切「えぇ……あなたはその相手の事を調べて、熱心に良い人だって言っていたわね」

苗木「あー、うん。そうだったかも……」

霧切「今ならあの時の私の気持ち、少しは分かるかしら?」フフ

苗木「ご、ごめんなさい」ペコッ



612:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 20:20:08.84 ID:Utll0qNwP

霧切「…………」

苗木「…………」

霧切「……つまり、苗木君はこう言いたいのかしら。例えあなたが私の側から居なくなっても、思い出の中にいる。
   だから私は思う存分自分の推理をするべき……って? 本気でそんな言葉で説得できると思ったの?」

苗木「はは、霧切さんにはなんでも伝わるな」

霧切「バカ」


ギュッ


苗木「……今のキミになるまでに、ボクが少しでも役に立てたなら嬉しい。でも、もうキミは大丈夫だよ」

霧切「そんなの……あなたが決める事じゃないわ……」

苗木「霧切さんも本当は分かっているはずだよ。自分が何をすべきかを」

霧切「…………」


沈黙が続いた。

その沈黙は人生で一番重く、そして長く感じた。

彼女はボクを強く抱きしめて離さない。



614:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 20:34:21.69 ID:Utll0qNwP

 

霧切「…………分かった」


霧切さんはゆっくりとボクから離れた。

そしてこちらを真っ直ぐ見る。

その瞳には、強い意志と敵意がこもっていた。


霧切「私は、どんな理由があろうとも殺人とそれを企てた人を許すわけにはいかない」キッ

苗木「……うん、霧切さんらしいよ」ニコ

霧切「それじゃあね、苗木君。私は最後に調べる場所があるの。学級裁判で会いましょう」


そう言って立ち去る霧切さんの背中はいつものように力強く、とても眩しかった。

そうだ、それでこそ霧切さんだ。

口元が緩むのを抑えられない。彼女はこれでまた一つ強くなった!


苗木「……はは、あはははははははははははははははははは!!!!!」


『モノクマの証言』



617:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 20:47:18.92 ID:Utll0qNwP

 

キーンコーンカーンコーン


『さてさてオマエラ、お待ちかねの学級裁判が始まるよ! 今すぐ中央の島にあるモノクマロックへとお集まり下さい。愛らしいボクの顔が目印だよ!』


辺りに響き渡る放送。

ついに始まる、これからボク達は一つの試練を迎える。

失敗すれば死。そんなクロとそれ以外のみんなの戦いが始まる。


苗木「……っ」ブルッ


不意に体か震える。

これは恐怖なのか、それとも喜びなのか。

決まっている、ボクは本当に楽しみにしているんだ。

みんなが勝っても、クロが勝っても、生き残るのはより強い希望だけだ。

それを、あと少しで見ることができる。こんなに楽しみなことはない。

あぁ……もう待ちきれないよ……。



620:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 21:02:13.84 ID:Utll0qNwP

【モノクマロック】


目の前には巨大なモノクマ顔岩がいくつも並んでいる。

何とも悪趣味としか言うしかないけど、それでもボクの高揚感は増すばかりだ。


苗木「どう、霧切さん。思うような手がかりは集まった?」

霧切「えぇ。必ずクロを暴いてみせるわ」

苗木「……でも、気を付けてね。謎を解けばいいってものでもないよ、これは」

霧切「えっ?」

苗木「クロを指摘するにはみんなの投票が必要なんだ。ボクの予想ではキミも苦労すると思うよ」ニコ

霧切「…………」

十神「ふん、余裕だな苗木。おそらく周りの愚図共はお前がクロだと決めつけているぞ」フッ

苗木「まぁ……それは仕方ないよ。でも、キミはそう思っていないみたいだね?」

十神「勘違いするなよ、お前を信用しているわけではない」

苗木「分かってる分かってる。期待してるよ十神クン」ハハ

十神「……ちっ!」



621:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 21:04:53.81 ID:Utll0qNwP

 
周りを見渡してみると、確かに多くの人達がボクを怪しげな目で見ていた。

でも、心配なんてしていない。

霧切さんや十神クンが居るんだ、すんなりと終わるはずがない。


さて、と。裁判が始まるとみんなともゆっくり話せないだろうし、今の内に話してみようかな。


誰と話す? >>623



622:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 21:05:57.93 ID:Js6rRJm3O

バター



623:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 21:06:00.08 ID:yvCp4D9U0

おーが



627:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 21:20:55.42 ID:Utll0qNwP

大神「……張り詰めているな。戦いの空気だ」

苗木「た、確かに……ね。直接ケンカするわけじゃないんだけど……」

大神「同じだ。生き残る為に命を削り合う。そこに変わりはない」

苗木「……うん」

大神「しかし、まさかクラスメイトとここまでの真剣勝負を交える事になろうとはな。
   そう仕向けられたのがどうしても気にくわんが、避けられないのであれば仕方あるまい」

苗木「でも、例え仕向けられたとしても、やっぱりクロには負けるわけにはいかないよね」

大神「あぁ、理由はどうあれ、クロは石丸を殺した。ならば戦わねばなるまい。
   それが死んだ石丸の為に、そして皆の為にすべき事だ」


流石は大神さん!

彼女もやっぱり希望に満ち溢れているね!


苗木「もし朝日奈さんがクロだったとしても、大神さんは彼女に投票する?」

大神「万が一にも朝日奈がそのような事をするとは思えんが、その時は我も覚悟を持って投票しよう」

苗木「……やっぱり強いね大神さんは。身体だけじゃなくて心も」

大神「それはお主もだろう。流石は我が認めた男、お主なら朝日奈も任せられる」



629:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 21:24:11.01 ID:3sH4sztg0

さくらちゃんかっこいい



631:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 21:27:33.30 ID:Utll0qNwP

苗木「あはは、大神さんって朝日奈さんの怖いお父さんみたいだね」

大神「我は女だが」ギロ

苗木「お、お母さんみたいだね……」ブルブル

大神「……あぁ、朝日奈は我に本当に良くしてくれる。かけがえの無い友だ。幸せを望むのは当然だろう」


やっぱり大神さんと朝日奈さんは強い絆で結ばれている。

もしそれを試されるような事が起きても、二人ならきっと乗り越えられるだろう。

ボクは改めて大神さんの強さを実感した。



さて、と。他には誰と話そうかな? >>633



632:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 21:27:51.71 ID:yvCp4D9U0

kskst



633:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 21:27:53.37 ID:jYVX/Whv0

江ノ島



634:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 21:38:45.35 ID:Utll0qNwP

江ノ島「はぁ……めんどくさー」

苗木「ど、どうしたの江ノ島さん?」

江ノ島「ん、あー、苗木かぁ。だってさぁ、もう夜遅いじゃん?
    あたし、こう見えても夜更かしはあんまりしない、規則正しいギャルなのよ。肌にも悪いし」

苗木「……えーと、なんていうか余裕だね江ノ島さん。これから命懸けの学級裁判が始まるんだけど……」

江ノ島「えー、だってあたしバカだからそういう頭使うの無理だし。とりあえず霧切ちゃんとか十神に任せときゃ何とかなるっしょ?」

苗木「そんな人任せな……江ノ島さんだって何か役に立てる事があるはずだよ」

江ノ島「あ、じゃああたしは盛り上げ担当で! 裁判中にみんなが凹んじゃったらチョーウケる話してあげるよ!」ニコ

苗木「…………う、うん、よろしく」


いや、でも江ノ島さんの提案はバカにできない。

その場の空気というのはかなり重要になってくるはずだ。



636:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 21:48:48.87 ID:Utll0qNwP

でも、江ノ島さんも強い。

こんな状況なのにいつもの調子を崩さないなんて、普通の人なら無理だ。

いつもふざけてる彼女も、やっぱり超高校級なんだ。


江ノ島「よしっ、そうと決まれば苗木もみんなを盛り上げる練習でもしよっか!」ニコ

苗木「えっ、ボクも?」

江ノ島「うん!! だってどーせ苗木だって霧切ちゃんの言葉に相槌打つだけっしょ?」

苗木「そ、そんな事ないって! ボクだって議論に参加するよ!」

江ノ島「あはは、無理すんなって。それじゃあ苗木、ちょっとこっち来てみ?」グイッ

苗木「わわっ、なに!?」

江ノ島「まずこーして頭をグチャグチャにして」ワシャワシャ

苗木「ちょ、ちょっとやめてよ!!」


まさに江ノ島さんにされるがまま。

流石にボクにも男としてのプライドはあるから、かなり悔しい……。



642:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 21:58:56.77 ID:Utll0qNwP

 
江ノ島「よしよし、雰囲気出てきたね! 服もいつもと違うし!」

苗木「何の雰囲気さ……」ハァ

江ノ島「うーん、でもやっぱもうちょっと身長が欲しいなぁ。苗木、引っ張っていい?」

苗木「嫌だよ!」

江ノ島「ケチー。まぁいいや、それじゃ次は発声練習でもしとこっか」

苗木「発声練習? 確かに議論ではハッキリ通る声がいいけど……」

江ノ島「ううん、ダメダメ。苗木はもっとネットリした声にしないと!」ニコ

苗木「いやいや、それじゃ逆効果だよ!」

江ノ島「そんな事ないって、むしろ大喜びだよ。主に女の子が」

苗木「え……ええ……?」


ダメだ、江ノ島さんが何を言っているのかが全く分からない。

議論なら舞園さんのようなよく通る声で話した方がいいに決まってる。

確かにボクはそんな声は持っていないけど、わざわざ聞こえにくい声にする必要はないはずだ。



648:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 22:08:43.12 ID:Utll0qNwP

 

……でも、なんだろう。

何となく江ノ島さんが正しい事を言っているようなこの感じは。


江ノ島「それじゃ、練習してみよっか! 今から私が言う事を否定してみて!」ニコ

苗木「えっ、い、いきなり!?」アセアセ

江ノ島「始めるよ! 【苗木はクロじゃない!】」

苗木「そ、それはちが…………えええええ!?」

江ノ島「もー、なに?」プンプン

苗木「い、いや、ボクに否定させるなら、そこは【苗木はクロだ】とかじゃないの……?」

江ノ島「それは違うし!!!」ブレイク!!


ガシャーン!!!


苗木「…………な、なんで?」

江ノ島「自分がクロだっていうのを否定するなんて普通過ぎて面白くないから!!」ドヤァァァ

苗木「…………」ガクッ



651:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 22:18:36.84 ID:Utll0qNwP

江ノ島「あれ、どうしたの苗木? あたしの清々しい程の論破に再起不能?」

苗木「いや、うん、もう何でもいいや……」

江ノ島「それじゃ、もっかいやるよ! 次は決めてよねー!」

苗木「はいはい……」ハァ


江ノ島「【苗木はクロじゃない!】」

苗木「それは違うよ!!!」キリッ


ガキーン!!!


江ノ島「ちっがああああああああう!!!!!」ムキー

苗木「ど、どうして!? ボクなりに全力でやったよ!!」

江ノ島「全力じゃダメなの!!! ほら、深呼吸!!! 肩の力抜きまくって!!!」

苗木「う、うん……分かったよ……」スーハースーハー

江ノ島「んじゃ、本当にうんざりしたような顔してみて。
    写真を年代別に順番にアルバムに入れ終わったら、後からかなり昔の写真が出てきた時みたいな!!」

苗木「な、なんで例えがそんな前時代なのさ…………やってみるけど…………」



653:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 22:35:24.87 ID:Utll0qNwP

とにかく、この様子では江ノ島さんを納得させないと解放されないみたいだ。

えーと、とにかく力を抜いて……本気でうんざりした感じで……。


苗木「…………」ドヨン

江ノ島「それ!!! いいよ、苗木そのまま!!!」

苗木「本当にこれでいいの……?」

江ノ島「声はもっとネットリ!!」


ネットリってなにさ。

よく分かんないけど、イメージ的には…………。


江ノ島「じゃあいくよ!! 【苗木はクロじゃない!】」


苗木「それは違うよ……」ネットリ


ガシャーン!!!


江ノ島「っっ!!」ビクッ



657:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 22:45:40.17 ID:Utll0qNwP

苗木「……えーと、こんな感じで良かったの? やっぱりボクはもっとハッキリ言った方が…………」

江ノ島「……いい」

苗木「えっ?」

江ノ島「いいよ、苗木!!! 今のすっごく良かった!!! あたし、ちょっと濡れちゃったよ!!!」

苗木「なっ……大声で何言ってんの!?」

江ノ島「やっぱりあたしの考えに間違いはなかった!! 苗木、分かってると思うけど、裁判中は常にあの声ね!!」

苗木「ええ!? 本当にあれでいいの!?」

江ノ島「いいからいいから!! 超高校級のギャルであるあたしが言うんだから間違いない!!」


確かに人とのコミュニケーションを教わる上で江ノ島さんは適任なんだろうけど…………。


舞園「苗木君……?」ヌッ

セレス「今、江ノ島さんが何か卑猥な事を仰っていましたが……?」ヌッ


ここでいつもの人達が登場というわけで、ボクは江ノ島さんからのアドバイスを保留という事にして、二人への弁解を始めた。

裁判前に何やってるんだろうボク…………。



659:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 22:53:05.80 ID:Utll0qNwP

 
その後何とか二人から解放されると、溜息をつきながら周りを見渡す。

大部分はやっぱり緊張感のある固い表情をしていて、これが普通なんだろう。

ボクだって江ノ島さんと話す前はシリアスモードだったのに……。


とにかく、ここは他の人と話して緊張感を取り戻そう!



誰と話す? >>661



660:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 22:53:27.83 ID:N8SI1Zfu0

十神



661:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 22:53:34.38 ID:yLEOlM1n0

残姉



672:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 23:49:17.25 ID:Utll0qNwP

苗木「戦刃さん、少し話相手になってくれないかな」

戦刃「えっ、う、うん! もちろん!! …………あれ?」

苗木「ん、どうしたの?」

戦刃「いや、その……雰囲気違うなぁって。服も髪型も……」

苗木「あ……う、うん。江ノ島さんがこれが良いって……変かな?」

戦刃「ううん!!! そういう苗木君も新鮮で、すっごくいいよ!!!」

苗木「はは、ありがと。ちょっと照れるなぁ」テレテレ

戦刃「あっ/// ぅぅ……」カァァ

苗木「戦刃さんはあまり緊張してないみたいだね。やっぱりこういう命懸けの事は慣れてるの?」

戦刃「うん、まぁ…………でも、私もやっぱり怖いよ。だって、大切な人の命がかかっているんだから……」

苗木「…………そっか」

戦刃「戦場にいた時はこんな事なかった。でも今は失いたくない人がたくさんできた」

苗木「それはもちろん良い事なんだよね?」ニコ



676:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 00:00:15.12 ID:9fifw2GRP

戦刃「もちろん!! 確かに前みたいにどんな戦いでも無傷っていうのは無理かもしれない。でも、私は今の私の方が好きだから」ニコ

苗木「うん、ボクも今の戦刃さんの事好きだよ。それに強いとも思う」

戦刃「えっ、す、好き!?/// 本当に!?///」

苗木「本当だよ。ボクはみんなの事が好きなんだから」ニコ

戦刃「…………あー、うん。そうだよね、あははははは……」ズーン

苗木「ど、どうしたの? なんか急にテンション下がったみたいだけど…………」

戦刃「…………」ジトー

苗木「い、戦刃さん……?」タジタジ

戦刃「苗木君が好きっていうから、女の子としてなのかと思っちゃったんだよっ」プイッ

苗木「あっ……そ、そっか……ごめん……」

戦刃「…………」ジトー

苗木「うっ……あ、あの…………」オロオロ


なんだか戦刃さんに押されてる。

これは初めての経験かもしれない。



680:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 00:10:08.51 ID:9fifw2GRP

戦刃「……ふふ」

苗木「えっ……?」

戦刃「なんだか、私また変われたかもね。苗木君に気持ちを伝えてから、結構大胆になれるようになったよ」ニコ

苗木「そ、そうだね……うん、ボクもそう思う……」

戦刃「……やっぱりこれが人間らしいよね。色んな事を経験して、少しずつ変わっていく。昔はそんなのなかったから」

苗木「……まだまだこれからだと思うよ」

戦刃「えっ?」

苗木「戦刃さんはこれからも色んな事を経験する。それは楽しい事だったり、つらい事だったり。
   その度にこれからも少しずつ変わっていきながら、なりたい自分っていうのを探していくんじゃないかな」ニコ

戦刃「…………」ポー

苗木「あ、ご、ごめん、なんか偉そうに……」

戦刃「すごいな……///」

苗木「へっ?」

戦刃「なんていうか……凄く響いたよ! 苗木君、学園ドラマの良い先生みたい!」

苗木「そ、それは褒めすぎだって!」アタフタ



683:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 00:20:08.34 ID:9fifw2GRP

戦刃「ううん、本当にそう思う。そういえば、石丸君も苗木先生って呼んでた事もあったっけ……」

苗木「……そんな事もあったね。石丸クンは本当に真っ直ぐで……良い人だったね……」

戦刃「うん……私にも良くしてくれたよ。いつもクラスの事を気にかけてた」

苗木「そんな石丸クンも……もういない」

戦刃「……でも、落ち込んでばかりはいられないよね。
   ここで私達が全員死んじゃったら、天国の石丸君は悲しむと思う。もしかしたら自分が死んじゃった事以上に」

苗木「そう……だね……。石丸クンはそういう人だった」

戦刃「『こういう時こそクラスみんなで力を合わせて乗り越えようではないか!!』……えへへ、似てたかな?」

苗木「あはは、確かに言いそうだ」ニコ

戦刃「…………でも、石丸君を殺した人もクラスの仲間なんだよね」



686:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 00:30:25.73 ID:9fifw2GRP

戦刃さんの言葉に、思わず黙り込んでしまう。

石丸クンはクラスのみんなの事をいつも想っていた。

そんな彼を殺した人が、そのクラスメイトの中にいるんだ。


苗木「…………でも、ボク達は止まる訳にはいかない。石丸クンを殺したような人を放っておくわけにはいかないんだ」

戦刃「うん……それしか……ないんだよね」

苗木「本当に戦わなきゃいけない相手はモノクマなんだ。だから、ボク達はここで倒れるわけにはいかない。
   みんなの死を引きずってでも、アイツと戦わなくちゃいけないんだ」

戦刃「そうだよ……悪いのは全部モノクマなんだ……アイツさえ居なければこんな事には……!!」


戦刃さんの顔が悔しそうに歪む。

たらればを言っても仕方ないのは分かる、それでも中々割り切る事はできないものだ。


苗木「もしかしたらクロもクロで譲れない想いや夢があったのかもしれない。でも、モノクマと戦うためにはクロに負けるわけにはいかない」



687:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 00:41:18.10 ID:9fifw2GRP

戦刃「そうだね……譲れない夢なら私も持ってる。ここで負けるわけにはいかないよ」

苗木「うん。戦刃さんの夢への気持ちの強さはよく知ってる。きっとクロにも負けないよ」

戦刃「…………」ジー

苗木「な、なに……?」

戦刃「何でそんな他人事なのかなーって。苗木君も大きく関係してるのに///」

苗木「あっ、う、うん……確かに……そうだけど……」

戦刃「ふふ、でもそんなに気を使わなくてもいいよ。私は私の力できっと苗木君を振り向かせてみせるから」ニコ

苗木「…………」


戦刃さんのその笑顔はとても強く、頭上に広がる満天の星空よりもずっと綺麗だった。

だから、ボクは。


苗木「この学級裁判が終わったらさ」

戦刃「え、うん……?」


苗木「ボクがキミの夢を手伝えない理由を言うよ」



692:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 00:53:46.67 ID:9fifw2GRP

すると戦刃さんは目を丸くして、


戦刃「ほ、本当?」

苗木「うん、必ず」

戦刃「……そっか。よしっ、それならなおさら頑張らないとね!! 夢を叶える為に!!」グッ

苗木「ごめんね、本当はあの告白の時に言う事なんだろうけど……」

戦刃「ううん、いいよ。苗木君の事だからちゃんとした事情があるっていう事はよく分かってるから」ニコ


戦刃さんは本当にボクの事を想ってくれている。

それはとても嬉しいし、幸せな事だとも思う。

でも、彼女と同じようにボクにもボクの希望がある。

ボクはそれを曲げる訳にはいかない。例えそれが他の人の希望を傷付けるような事があっても。

でも、心配はしていない。

なんたって、ボクはみんなの中の希望を信じているのだから。

モノクマなんかに負ける事のない、強い希望を。



700:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 01:07:31.00 ID:9fifw2GRP

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!


突然、強い震動が辺りに広がった。

そして次の瞬間。


ガコン!!!!!


モノクマロックの石像の内の一つの口が開き、中からエスカレーターが飛び出して地面に下ろされた。


葉隠「なんじゃそりゃああああああああああああ!?」


そんな葉隠クンの絶叫は、まるでボク達の心を代弁してくれているようだった。

いくらなんでもやりたい放題すぎるだろ…………。


山田「こ、これに乗れという事ですかな……?」

セレス「……激しく気が進みませんわね」ハァ

桑田「あぁ……ぜってー罠とかあるだろこれ……」



705:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 01:18:12.68 ID:9fifw2GRP

そう考えるのも無理はない。これで警戒するなっていう方が無理だ。

でも、ただここに立っているだけでは始まらない。

だから、ボクはみんなの前に一歩踏み出す。


苗木「よし、行こうよ、みんな」


みんなポカンと拍子抜けしたような表情でボクを見ている。

え……何かおかしい事言ったかな……。


江ノ島「ぶふっ、ぎゃははははははははは!!! 苗木あんた緊張感無さ過ぎ!!!」

苗木「えっ、そ、そうだった?」

大和田「ったく、言うならせめて『行くぜ!』くらいは言えねえのかよ。いや、そもそもオメーが言う時点で何かちげーな」

朝日奈「た、確かに自分が一番疑われてるのにああ言えるのはある意味凄いかも……」

舞園「もう、みんな何なんですか!! 苗木君は自分がクロじゃないって分かっているからこそ、こんなにも緊張感がないんですよ!!」

セレス「そうですわ。これは言わば強者の余裕、といった所でしょうか」


や、やっぱり二人にも緊張感がないって思われてるんだボク……。



712:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 01:33:04.35 ID:9fifw2GRP

十神「苗木の緊張感が無いのは今に始まった事ではないだろう」

大神「ふっ、だがセレスの言う通り、それは大物である事の証明とも言えるかもしれん」

腐川「な、何が大物よ……白夜様と比べればミジンコレベルよ……」

不二咲「で、でも僕も苗木君は凄いと思うよぉ……逆の立場だったら僕はきっとこんなに平然としていられないよ……」

山田「ふむふむ、確かに自分が苗木誠殿の立場だったらと思うとゾッとしますな。あ、顔に関しては喜んで替わりたい所ですが」

戦刃「そうだよ、苗木君はとても強い人なんだよ! だから私達も頑張ろう!」

葉隠「へっ、どーせ開き直ってるだけなんだべ」

桑田「はぁ…………けどまぁ話だけは聞いてやるよ。俺らの命もかかってんだからな」


次にボクは霧切さんの方を向く。

そこには期待通り、凛とした表情で真っ直ぐ見つめ返してくる彼女が居た。


霧切「……先導を切るなんて苗木君のくせに生意気ね」

苗木「うっ……じゃ、じゃあいいよ、霧切さんが先で……」

霧切「嫌よ、罠があったら大変じゃない」

苗木「…………」ズーン



715:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 01:46:15.43 ID:9fifw2GRP

霧切「ほら、先頭は頼んだわよ。男子でしょ」

苗木「分かったってば。それじゃ……」


足を踏み出すと、どうやらスピードなどは全て一般的なエスカレーターと同じらしく、少し安心する。

それでも、石像の口の中に進んでいくのは激しく気が進まないんだけど。


それから少しして、ボク達は今度は四角いエレベーター空間の中に居た。

こうしていると、自分達があのモノクマの石像の中に居る事を忘れてしまいそうになる。

こんな技術を持っているくせに、エレベーター自体の性能は高くはなく、細かい震動と音が辺りに響いている。


苗木「……どこまで潜るんだろこれ」

腐川「何よ、逃げられないからって不安になってるわけ?」

舞園「ですから苗木君はクロではないと言ってます!!」

霧切「静かにして。それは裁判所に着いてからする話よ」


……だけど、いざみんな静かになると何だか落ち着かない。

ボクは仕方なく慣れない服を整えたり、江ノ島さんにグシャグシャにされた髪が元に戻らないだろうかと無駄な努力をしてみる。



718:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 02:11:08.13 ID:9fifw2GRP

十神「おい苗木。少しはじっとしていろ、目障りだ」イライラ

江ノ島「あはは、なになに、もしかしてその髪どうにかしようとしちゃってる? ムリムリ、あたしが絶望的にグシャグシャにしたんだから!」ニヤニヤ

苗木「ねぇ誰か寝癖直しとか持ってないかな……」

戦刃「あ、確かスーパーに置いてあったよ!」

桑田「つかこれ終わったらどうせすぐ寝るんだから、直す意味ねえだろ。今何時だと思ってんだ」

山田「苗木誠殿の場合は永眠する可能性もありますがな」

セレス「黙れ豚、テメーを屠殺して永眠させんぞコラァァ!!!」

葉隠「そしたら代わりにセレスっちがクロ確定だべ」

舞園「あれ、でも相手が豚なら殺人にはならないんじゃないですか?」ニコ

大和田「アイドルってのは笑顔ですげー事言うんだなオイ」

不二咲「や、やめようよ殺すとかさ……」ブルブル

朝日奈「そうだよ……聞いてるだけで気が滅入るもん……」ガックリ

大神「安心しろ、我が居る限り同じ空間でそんな事はさせん」

腐川「どどどどうでもいいけど、血は出すんじゃないわよ……」

霧切「……まったく、苗木君のせいで落ち着いて頭を整理する事もできないわ。これが狙いなのかしら」



720:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 02:24:41.05 ID:9fifw2GRP

 
苗木「えっ、ボクのせい!? それは……その、ごめん……」


エレベーターは更に深く潜る。

もしかして止まることがないんじゃないか。そんな嫌な予感が頭をよぎった時。


チーンという軽い音と共に、エレベーターが停止した。

そして扉が開かれると、その先には…………。


苗木「……これが」

モノクマ「はい、学級裁判場へようこそー!!!」


何やら厳かな空気が漂う場所だった。

周りにはたくさんの見物席が階段状に並んでいるけど、誰も座っていない。

そして部屋の中央には円形に並べられた、16個の席があった。



721:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 02:37:35.91 ID:9fifw2GRP

 

モノクマ「それではみなさん、さっそく自分の名前が書かれた席へどうぞ!」


ここで逆らうわけにはいかない。

考えてみればボク達はモノクマによって生かされている状態でしかないんだ。

みんなはぞろぞろと自分の席へとついた。


こうして向かい合うとみんなの表情がよく分かる。

ある人は怯え、ある人は堂々と構え、ある人は敵意を向けてくる。

言葉には出さなくても、感情を直接ぶつけられている感覚だ。


そして、始まる。

それぞれの思惑と策略、希望と絶望が交差する。


命がけの…………学級裁判が。



725:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 03:06:38.29 ID:9fifw2GRP

コトダマ


『モノクマファイル』
被害者は石丸清多夏。外傷は喉の刺し傷のみ、体内から薬物反応あり。

『苗木、舞園の証言』
停電前、二人は事務室に居たが潜んでいた何者かに舞園が襲われた。
苗木は彼女を抱きかかえる事で助けようとするが間に合わず、彼女はスタンガンで気絶させられてしまう。
その後、停電が発生し、苗木もすぐに為す術無く同じように気絶させられてしまった。
相手は暗闇の中でも正確に苗木を襲ってきたことから、現場に残されていた暗視スコープを持っていたと思われる。
白い布を被っていたらしく、顔と体型はハッキリしない。

『死体の様子』
刺された首からの出血はまったく乾いていなく、ほとんど時間が経っていない様子。
死斑もなく、体温も下がっていない。死後硬直もほとんど進行していない。
傷口は苗木が握りしめていたナイフとも合う。
全身をロープで縛られ身動きの取れない状態で、口にはガムテープが貼られている。

『鍵のつまみに付いたテープ』
トイレはつまみを捻って鍵をかけるタイプだが、そこにテープが付着していた。

『床に敷かれた布』
トイレには白い布が敷かれていた。モノミによると、元々そこにあったものではないらしい。
布の下にもまだ乾いていない血液が大量に広がっていた。

『乾いた血痕』
床と石丸の口元に、乾いた血痕が残っていた。



729:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 03:40:37.81 ID:9fifw2GRP

『暗視スコープ』
トイレに残されていたもの。暗闇の中でも良く見える。

『エアコンのタイマー』
大広間と事務室のエアコンのタイマーは同じ時間に設定されていた。
事件当時はタイマーが起動してから少ししてブレーカーが落ちたが、その後の実験では起動した瞬間に落ちた。

『三つのアイロン』
倉庫ではアイロンが三つコンセントに繋がっていた。

『消えたテーブルクロス』
事務室にあった丸テーブルに敷かれていたテーブルクロスが停電後には無くなっていた。
このテーブルクロスは防水性が高く、大量の水分も弾く。予備は二枚あり、どちらも倉庫に残っていた。

『台車の金具に挟まった髪の毛』
事務室にあった台車の金具に髪の毛が挟まっていた。髪質から石丸のものと思われる。
普通に手で押していたらありえない、低い位置の金具なのだが……。

『肉のドリップ』
厨房にて苗木と朝日奈で料理を作っている時に、苗木が肉のドリップをたくさん出してしまった。
いわゆる旨味成分であり、これが出てしまうと味が落ちる。その後苗木が処分した。

『ゲテモノジュース』
石丸が葉隠から受け取ったジュース。葉隠以外の掃除当番全員と共に大広間で休憩している時に口にした。
しかしそのマズさ故か、直後に取り落としてこぼしてしまう。そして気分が悪くなったようで、そのままソファーの上で休む事になる。

『ミステリーサークル騒動』
旧館の掃除中に、葉隠がミステリーサークルを見つけたと言って、旧館の裏手に石丸以外の掃除当番を呼び出した。
石丸はそのまま大広間のソファーに寝かしておき、苗木もトイレに行ってから向かったので他のみんなよりも遅れて行った。
朝日奈や桑田が最後に石丸を見たと思われるのはこの時らしい。



732:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 04:24:37.28 ID:9fifw2GRP

『葉隠、桑田の証言』
パーティー中に葉隠と桑田の二人は、倉庫へ何か遊べるものがないか探しに行った。
その時、三つのアイロンがコンセントに繋がっている事に気付いた葉隠は、電気がもったいないと全て引き抜いた。

『モノミの証言』
モノミは旧館の掃除中は外の入り口前、掃除が終わった後は外の入り口前と大広間の扉の前を二体で見張りをしていた。
耳が良いので、旧館の中に居ればどこの扉が開いたのか聞き取る事ができる。十神だけは一度も旧館に入ることがなかった。
最後に石丸を見たのは、葉隠から受け取ったジュースを持って旧館に入って行く時。

停電中の各部屋の扉の開閉については、事務室→トイレ→大広間→事務室の順番。
最後の事務室の扉以外は全て開いてすぐ閉まった。最後の事務室だけは開いたままで閉まる音はしなかった。

『白い粉』
とある人物のコテージのゴミ箱に透明な袋が捨てられており、中に白い粉が少量残っていた。

『商売文句を書いた紙』
とある人物の商売関係のもの。

『脅迫状』
石丸に出された脅迫状。ワープロで打ったと思われる綺麗な字で書かれている。
“今夜、殺人を起こす。超高校級の風紀委員ならば止めてみせろ。もしこれを他の者に話せば、無差別に殺す事になるだろう”

『何かの紙袋の切れ端』
苗木の部屋のベッドの下に落ちていた何かの紙袋の切れ端。本人は何の物か覚えていないらしい。

『モノクマの証言』
モノクマは手書きを推進していて、ワープロ関係のものを島に置いていない。
今行ける範囲で毒を手に入れる事はできない。他の薬同士を調合しても、毒にはならないように調整されている。



772:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 13:02:10.20 ID:9fifw2GRP

モノクマ「それでは早速始めてもらいましょうか!」

モノミ「うぅ……どうしてこんな事に……」


モノクマは仰々しい立派な椅子の上に座っていて、モノミはその近くで縛られて吊るされている。

だけど、今はそっちに意識を向けている場合じゃない。

これは単なる話し合いなんかじゃなく、命がかかった学級裁判なんだから。


苗木「……それじゃ、まず現場の状況の確認からしようか? 石丸クンは」

舞園セレス「「っ///」」ビクッ

朝日奈「わ、わぁ……///」

苗木「えっ……な、なに? ボク何か変な事言ったかな……?」

十神「何だその不快な話し方は。いつも通り話せ」チッ

葉隠「なんつーか……ネットリしてるべ……」

桑田「はっ、それがオメーの作戦だな!!」ビシッ


全然ダメじゃないか江ノ島さんー!!!!!



775:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 13:13:09.78 ID:9fifw2GRP

苗木「…………」チラッ

江ノ島「えー、いいじゃんいいじゃん!! あたしはこっちも好きだなー。ねっ、お姉ちゃん?」ニヤニヤ

戦刃「えっ!? あ、その、う、うん……そう……かも…………///」

舞園「私もいいと思います!!! なんか新鮮でキュンキュンします!!!」

セレス「そうですわ。いつもと違った雰囲気が緊張感を生み出すのです」モジモジ

山田「主に女性に人気のようですな……。くっ、これだからリア充は!!!」

十神「……もういい、さっさと話せ苗木」イライラ

苗木「あ、う、うん。石丸クンが見つかったのは旧館のトイレ、中からは鍵がかかっていた。首を刺されたみたいで、出血は凄まじい量だった。
    彼の全身はロープで縛られていて、口にはガムテープ。とても身動きの取れる状況ではなかったみたいだね。後、ボクがナイフを握りしめたまま倒れていた」

大和田「なぁ、これってそんな話し合う必要なんかあんのか?」

苗木「えっ?」

大和田「オメー今自分で言っただろ。鍵は締まってた、オメーが中で倒れていたってよ。それなら【石丸を殺せるのはオメーしかいねえじゃねえか】」

苗木「…………」


そうだ、まずはここからだ。


カシャカシャ



777:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 13:26:18.38 ID:9fifw2GRP

『鍵のつまみに付いたテープ』


苗木「それは違うよ……」


ガシャーン!!!!!


大和田「なんだと?」

苗木「あのトイレはつまみを捻って鍵をかけるタイプだった。そこにテープが付いていたんだ」

大神「テープ……それが事件と何か関係しているのか?」

十神「ふん、お前達の為にわざわざ俺がこんなものを見つけてやったぞ」スッ


十神クンが取り出したのは、ヒモ……いや、中央部分を粘着部分同士で合されたテープのようだ。

だけど、両端は合わされていなくて、どこかに貼り付ける事ができそうだ。


十神「大広間のゴミ箱に捨てられてあったものだ。ここまで見せればお前達も分かるだろう」

腐川「ひ、拾ったのはあたしだけどね……うふふ……」

セレス「鍵のつまみにテープを貼り付け、外から引っ張って鍵を締めたのですね。わたくしも以前に苗木君の部屋から下着を盗んだ時に同じような手を使いました」

不二咲「じゃ、じゃあ苗木君じゃなくてもトイレに鍵はかけられたんだねぇ」



780:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 13:39:18.13 ID:9fifw2GRP

舞園「そうですよ!! だからあれは犯人が苗木君に罪を被せるための偽装工作なんです!!」

江ノ島「確かに凶器のナイフ握りしめたまま気絶したフリっていうのもおかしいもんねー」

葉隠「いや、あえてそうやって不自然さを出したのかもしれないべ!!」

苗木「……え、ちょっと待ってよセレスさん。さっき何て言ったの? 下着?」

セレス「それではみなさん、誰かがトイレに入った瞬間を誰にも見られなかった理由。そこから話し合ってみましょうか」

朝日奈「それはあの停電のせいだよね? 真っ暗で何も見えなかったし」

セレス「それは犯人も同じだったはず。ですから現場に残されていた暗視スコープを使ったのでしょう」

苗木「ねぇ、確かにボクの下着が無くなるっていう事があったんだけど、それセレスさん」

十神「うるさいぞ苗木、後にしろ」

桑田「そうだ、今はそれどころじゃねえだろうが!」


…………。


不二咲「で、でもぉ、暗くなったから暗視スコープを使った……それで何が分かるのぉ……?」

霧切「なぜ犯人は都合よくそんなものを用意していたのか。答えは簡単よ、あの停電は犯人によって仕掛けられたものだから」



782:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 13:55:50.18 ID:9fifw2GRP

山田「それではやはりブレーカーのあった事務室に居た苗木誠殿の仕業ですな!!」ビシッ

苗木「ち、違うよ、ボクと舞園さんも事務室で襲われたんだ!」

舞園「はい、間違いありません!!」

腐川「どどどどどうせ二人で口裏合わせてるだけでしょ……」

大神「だが、それで助かるのは一人だけだぞ」

朝日奈「……でも、苗木と舞園ちゃんの関係ならありえなくもないかも」

セレス「いいえ……事務室に居なくてもブレーカーを落とす方法…………あるはずですわよ」


そうだ……ブレーカーを落とす方法は他にもある。

むしろ、直接手で落とすよりもありきたりなものがあったはずだ。


カシャカシャ






787:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 14:08:22.18 ID:9fifw2GRP

『エアコンのタイマー』


苗木「……ねぇ、事務室では停電の前にエアコンが起動したんだけど、大広間も同じだったんだよね?」

戦刃「うん、それはよく覚えてるよ!!」

大和田「けどそれがどうしたってんだよ」

十神「ブレーカーが落ちる原因には何があると思う」

桑田「手で直接落とすくらいじゃねえの? つーかブレーカー落ちた事なんてねえし」

不二咲「あ、僕は一度落としちゃった事あるよ。電気の使いすぎで……」

山田「……そういえば僕も同じ経験がありますな」

セレス「電気の使いすぎ…………もしや」

苗木「うん、大広間と事務室、そこのエアコンのタイマーが全く同じ時間に設定されていたんだ。犯人はこれで電気使用量を一気に増やしてブレーカーを落としたんだ」

江ノ島「うへー、よくそんな事思いつくねー」

朝日奈「……ううん、でもそれはおかしいよ!」

苗木「えっ?」

朝日奈「だってエアコン二つ点けたくらいでブレーカーが落ちるわけないもん!!」

舞園「そ、それは、あの旧館に欠陥があったとか……」



788:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 14:19:56.55 ID:9fifw2GRP

モノクマ「もう失礼だなみんなー、そんな欠陥ないよねモノミー?」

モノミ「は、はいでちゅ……」

舞園「うっ……じゃ、じゃあ……その……」

葉隠「やっぱ舞園っちは苗木っちを庇ってるに違いないべ!!」ビシッ

舞園「そんな事ありません!! 私達は本当に襲われたんです!!」

大神「ふむ……しかし外からブレーカーを落とす事ができなかったとなると……」

桑田「やっぱ苗木なんじゃねえの? 事務室には物もたくさんあったし、苗木の身長でだってブレーカーも十分落とせただろ」

大和田「踏み台になるテーブルもあったしな」

戦刃「ちょ、ちょっと待ってよみんな!! 苗木君がそんな事するわけないって!!」

腐川「ど、どうかしら……最近様子がおかしかったじゃないソイツ……」


ボクがそんな事するわけない。

戦刃さんがそう思ってくれているのは嬉しいけど、それでは到底みんなを納得させることはできない。


朝日奈「でも実際、【エアコン二つだけじゃ】ブレーカーは落ちないって!」


――――ここだ!!



790:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 14:26:59.64 ID:9fifw2GRP

『三つのアイロン』


苗木「それは違うよ!!!」キリッ


ガシャーン!!!!!


江ノ島「ちょっと苗木、戻ってるってばー!!」プンプン

苗木「あ、ごめん……」

朝日奈「な、何が違うの?」

苗木「電気を使っていたのはエアコン二つだけじゃなかったんだ。倉庫にアイロンが三つも置いてあったよ」

不二咲「あ、そういえば……」

十神「ふん、確かに妙だな。あんな場所にアイロンなど」

セレス「つまり、犯人はエアコン二つの他にアイロン三つを使ってブレーカーを落とした、というわけですね」

舞園「そ、そうですよ! そうとしか考えられません!! モノミさん、それならブレーカーは落ちますよね!?」

モノミ「落ちまちゅよ! もう、誰でちゅかそんな無駄遣いしてた人はー!」プンプン

桑田「だ、誰ってそりゃ……」

大神「犯人……というわけだな」



795:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 14:45:19.85 ID:9fifw2GRP

葉隠「な、なんだよ、それじゃ苗木っちが犯人じゃねえんか!?」

十神「別の人間とも考えられるという事だ。それに襲われたという証言も苗木だけではなく舞園もしている」

セレス「ですが、そこまでの仕込みをしたとなると……掃除当番だった方が怪しいですわね。もちろん苗木君は除外ですが」

苗木「あ、あはは……別に除外しなくてもいいよ……」

桑田「なっ……」

朝日奈「そ、そんな!! 私そんな事してない!!!」

腐川「ななななな何よあたしに恨みでもあるわけ!? 呪い殺すわよ!!!」

江ノ島「あはは、あたしらってより腐川の方が恨み持ってそうじゃん」

大和田「おい待てよ、兄弟は停電中に殺られたんだったよな? けどよ、あの時ほとんどの奴らが大広間に集まってたじゃねえか」

十神「ふん、誰が居たか正確に思い出せるのか?」

不二咲「そ、それは……」

桑田「……いや、確実に居なかったって言える奴は居るぜ。それは苗木、舞園ちゃん……………そんで十神オメーだ!!!」ビシッ

十神「ほう……」

大神「そういえばお主はパーティーには一度も顔を出さなかったな」

葉隠「それじゃあ十神っちで決まりだべ!!!」



798:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 15:00:52.80 ID:9fifw2GRP

十神「面白い。ならば言ってみろ、俺のやった事全てを」

桑田「そんなの簡単だ、オメーは事前にこっそり旧館に忍び込んで小細工した後、エアコンのタイマーの時間に合わせて旧館に入ってきたんだ!!
    用意してあった暗視スコープを付けたオメーは、事務室で苗木と舞園ちゃんを気絶させた後、苗木をトイレの中に運んで石丸を殺した!!!」

十神「…………」

葉隠「やったべ!! ぐうの音も出ないだろ!!」

大和田「テメー十神ィィ……!!!!!」ビキビキ

山田「ややや……なんとここで貴重なイケメン枠が……」

腐川「何白夜様に失礼な事言ってるのよ!! この方がそんなすぐバレるような事があるわけないじゃない!!!」

朝日奈「ひ、人を殺すっていう所は否定しないんだ……」

舞園「そ、それで……どうなんですか十神君……」

十神「…………くくっ」

不二咲「えっ」ビクッ

江ノ島「あーあ、笑っちゃったよ。もう諦めたの?」

十神「諦める? 何の事だ?」

大和田「あぁ!?」

十神「俺はお前達があまりにも愚図過ぎるのを見て失笑しただけだが」フッ



801:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 15:22:11.52 ID:9fifw2GRP

戦刃「く、桑田君の言った事に何かおかしい所があるの……?」

桑田「はっ、どうせ負け惜しみだ!!」

十神「……お前達はいつもそうだ」

大和田「んだと?」

葉隠「言いたいことはハッキリ言うべ!!」

十神「お前達は常に妥協の道を探している。高みを、先を追い求める事もなく、今いる場所で安心する。
    この状況も実にお前達らしいものだ。安易な発想に飛びつき、そこで終わりにしてしまおうとする」


十神クンの言葉にみんな思わず黙り込む。

それは超高校級の御曹司の威圧感以外にも、彼の言っている事を正面から否定する事ができない事もあるんだろう。

はは……ははははははは、そうだよ、十神クンの言う通りだよ!!


セレス「……確かに十神君の言う事も一理ありますわ。わたくしも自分の夢の妥協はいたしませんもの」

大神「ふむ、それでは十神よ。お主の言い分を聞こう」

十神「いいだろう、話してやる。まず、俺は死体発見アナウンスを聞くまで、旧館には一度も入らなかった」

山田「で、ですがそんなものは自分ではいくらでも言えますがな……」

十神「そんな事は分かっている。だが、俺にはそれを証明する手段もある」



804:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 15:36:45.97 ID:9fifw2GRP

大和田「いちいち周りくでえんだよテメーはよぉ!!! さっさと言いやがれ!!!」

十神「はっ、お前はバカみたいに口を開けて親から餌を与えてもらうのを待っている雛鳥か? 一応プランクトンからは成長したようだな」

大和田「コロス!!!!! ここでブチ殺してやんよオラァァ!!!!!」ビキビキ

モノクマ「はいはい、そういうのはここ出てからやってよねー」

朝日奈「で、でも十神もハッキリ言いなよ!! 自分の命だってかかってるんだよ!?」

十神「それがどうした?」

不二咲「ど、どうしたって……なんで……そんなに平然としていられるの……?」

十神「お前達が怯えるのはなぜだ? それは自分が負けるのではないかという考えがあるからだ。
    だが、俺にはそれがない。俺は決して負けない、それならば怯える必要がどこにある?」

腐川「んんんっ!!!///」ビクンビクン

セレス「大した自信です事。この状況でその姿勢はもはや感心すらしますわ」

十神「自信ではない、確信だ。さて、お前達の中に俺の無実を証明できる奴はいないのか? 言っておくが、このまま俺をクロにすると本当のクロ以外全員死ぬぞ」

舞園「おかしいですよ……あなた絶対におかしいです……!!」

十神「おかしい? 退屈なゲームを少しでも盛り上げようとする事のどこがおかしいんだ?
    少しは足りない脳みそを動かして足掻く努力くらいしたらどうだ。お前達の大半は俺の敵にすらなれていない」


苗木「…………ふふ」



805:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 15:45:53.21 ID:9fifw2GRP

その瞬間、みんなの視線がボクに集まった。

しまった、笑い声が漏れちゃったみたいだ。


戦刃「な、苗木……君……?」

苗木「……あー、ごめんごめん。ボクに構わず続けてよ」ニコ

十神「どうだ舞園、セレス。こいつだって十分頭が飛んでいるとは思わないか?」

舞園「そ、そんな事ありません!!」

セレス「えぇ……あなたと苗木君を一緒にしないでくださる?」


霧切「ねぇ、いいから話を続けましょう」


霧切さんのその一言。

それだけで一気に場の空気が引き締まる。


霧切「まず、十神君が一度も旧館に入っていない証明、だったわね」

朝日奈「で、でも、入った事じゃなくて、入っていない事なんて……【そんなの証明できないでしょ!!】」


……そんな事はない。証明する方法は確かにある。



806:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 15:53:05.83 ID:9fifw2GRP

『モノミの証言』


霧切「それは違うわ」キリッ


ガシャーン!!!!!


朝日奈「えっ……?」

霧切「証明する方法はある。それはモノミよ」

大和田「モノミが何の役に立つってんだよ」

モノミ「うぅ、酷い言われようでちゅ……」

桑田「……ん、そういやモノミってよ、ずっと見張りをしてなかったか?」

朝日奈「あっ、そっか! 旧館の外の入り口辺りにずーっと居たから十神が入ってきたら分かるんだ!」

葉隠「ど、どっかに抜け道とかあったんじゃねえの……」

霧切「館中を探したけどそんなものはなかったわ。それでモノミ、確か一度聞いたけど、十神君は旧館に入ったのかしら?」

モノミ「いえ、一度も入らなかったでちゅよ。みなさん、仲間はずれは良くないでちゅ……」

十神「ふん、分かったか愚民ども」ドヤァァ

江ノ島「何であんたがドヤ顔してんのか分かんないんだけど……」



809:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 16:10:06.81 ID:9fifw2GRP

腐川「うふふふ、そうよ、白夜様がこんな簡単に終わるなんてありえないもの……」

大神「しかし十神ではないとなると……」

江ノ島「実は誰かがこっそり大広間から抜け出してた、とか? 停電前と停電後、ちゃんとみんな居たって言える?」ニヤニヤ

山田「ぼ、僕の事はみんな見ましたよね!? こんなデブを見逃すはずがありません!!」

桑田「自分で言ってて悲しくならねえのかそれ……」

霧切「そこもモノミに聞けばすぐ分かることよ。パーティー中は大広間の前で見張りをしていたのだから」

大和田「ちょっと待てよ、そいつの言うことってのは信用できんのか?」

モノクマ「うん、信用してやってよ。こいつは一応中立って事でさ」

モノミ「ちゅ、中立なんかじゃありまちぇん! あんたの敵でちゅ!!」

モノクマ「なんだとコイツ!!!」ボコッ!!!

モノミ「むぎゃあああああ!!!!!」バキィィィ!!!

霧切「……それで、モノミの言うことは信用できるのね?」

モノクマ「もちろん、ウソなんかついたら兄のボクが黙ってないよ。それでみんなが騙されるような事があれば、お詫びにここから出してあげるよ」

葉隠「そんな甘い言葉は罠に決まってるべ!!」

苗木「……でもさ、モノクマはボク達を殺そうと思えばいつでも殺せるんだと思うよ。それなのにそれをしない理由は、やっぱりボク達にこんなコロシアイをさせたいからなんだと思う。
    つまり向こうはこれをゲームだと思っているはずだから、ゲーム性を重視して決まり事は守ってくれるんじゃないかな」



810:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 16:24:11.15 ID:9fifw2GRP

モノクマ「そゆこと。モノミを使ってみんなを混乱させるなんてつまんないしねー」

十神「ふん、それでは早く言え。停電前と停電後、大広間には俺、苗木、舞園、石丸以外の全員が居たのか?」

モノミ「もちろんでちゅ! あちしは誰が出て行って、誰が入ってきたか覚えていまちゅから!
    停電前には確かにみなさん大広間に集まっていまちたし、停電後も…………」


そこまで言ってモノミは固まる。

口まで出かかった言葉を、そのまま出していいのかどうか悩んでいるようだ。


十神「……どうした? 誰か居なかったのか」

霧切「…………」

大和田「マ、マジかよ……じゃあそいつが……」

桑田「おい誰だよそいつは!!」


苗木「それはみんなも知っているはずだよ」ニコ


大神「なに?」

朝日奈「ていうか、苗木はその時大広間に居なかったじゃん!!」

苗木「居なくても分かるよ、停電中の話を聞けばね」



813:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 16:39:25.38 ID:9fifw2GRP

不二咲「て、停電中……? でも、その時は真っ暗で何も……」

山田「そうですぞ、僕もラッキースケベを狙えなかったのですから!!」

セレス「命拾いしましたわね、もしわたくしにそんな事をすればあなたが被害者になっていましたわよ」ニコ

江ノ島「それで苗木ー、いったい誰が居なかったってのよー!」

苗木「じゃあさ、停電中の大広間での出来事をもう一度ボクに説明してくれないかな? それで分かるはずだよ」

葉隠「分かったべ。んーまずは…………なんだっけ?」

大神「停電の前にエアコンが作動したな。そしてそれは犯人が仕掛けたトリックだった」

大和田「そんで真っ暗になって……オメーらギャーギャー騒いでたな」

朝日奈「し、仕方ないじゃん、いきなり停電するんだから!!」

桑田「それから確か…………戦刃がブレーカーを戻しに行ったんだよな?」

戦刃「う、うん、私は目が慣れるの早いから……」

江ノ島「それで珍しくお姉ちゃんが役に立って電気が戻りました。めでたしめでたし」


苗木「……じゃあ、停電後に大広間に居なかった人は誰だと思う?」





815:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 16:54:49.43 ID:9fifw2GRP

 
みんなが固まった。

初めはわけが分からないかのようにボクの方を見ていたけど、次第に他の位置に視線が集まっていく。

停電後、つまり電気が戻った時に大広間に居なかった人物。


それは、ブレーカーを上げにいった人だ。


苗木「停電後、キミは大広間に居なかったはずだよね、戦刃さん」

戦刃「っ!!」


戦刃さんは目を見開いて、体を震わした。

それからオロオロと周りを見渡し、他のみんなから向けられる視線を受けて、更に大きく震え始める。


戦刃「ち……ちがっ……わ、私……!!」

苗木「停電中に大広間を出て行ったのは戦刃さんだけだ。そうだよね、モノミ?」

モノミ「は、はい……でちゅ……」

江ノ島「うわー、マジでお姉ちゃん……ドン引きなんですけどー」

舞園「え、えっと……すみません、上手く整理できていなくて。あの、つまり、戦刃さんは……」



822:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 17:11:27.32 ID:9fifw2GRP

苗木「戦刃さんは大広間から出て行った後、事務室でボクと舞園さんを気絶させたんだ。
    そしてボクをトイレに運んで石丸クンを殺した。本当は暗視スコープなんて必要なかったんだよ。あれは戦刃さんがわざと現場に残したんだ」

セレス「なるほど……暗視スコープを置いたのは犯人はそれを使ったとわたくし達に勘違いさせる為でしたか……」

戦刃「違うよ!! 私そんな事してない!! どうして……苗木君……!!」

苗木「ボクだってキミを疑いたくなんてないよ!! でも、実際に大広間から出て行ったのはキミだけなんだ!!」

山田「ふむふむ、考えてみますと喉にナイフを突き刺すというのはいかにも軍人の殺し方ですな……」

戦刃「そんな事ない!! 私だったら綺麗に頸動脈切るもん!!!」

不二咲「ひっ……」ビクッ

葉隠「可愛くとんでもねえ事言ってるべ」

朝日奈「う、うそ……だよね……戦刃ちゃん……?」

大神「……お主は良い戦いの相手だったのだがな」

戦刃「違う!!! 違うってば!!!」

十神「喚くな鬱陶しい。そんなもので俺達を納得させられるとでも思っているのか。根拠を言え」

戦刃「根……拠……。ちょ、ちょっと待って……え、えっと……えっとね……!!!」オロオロ

桑田「おい何もねえのか!? やっぱりオメーなのか!?」

戦刃「ま、待って!! 待ってよ!!!」



830:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 17:27:55.00 ID:9fifw2GRP

苗木「……いいよ、戦刃さん。深呼吸して、落ち着いて、よく考えてみて?」

戦刃「え……?」

苗木「ボクもキミがやったなんて思いたくないんだ。だから、キミの言うことはちゃんと聞くから」

桑田「オ、オメーが言い出したんじゃねえか、訳分かんねえ奴だな!!」

苗木「ん、いや、別にボクはこの考えに自信を持ってるわけじゃないよ。だからおかしな所がないか聞いているだけだよ。
    これは失敗は許されないし、慎重に越した事はないんだ。なんたってボク達全員の命がかかっているんだからね」

舞園「そ、そう……ですよね……よく考えないと」

腐川「ううううう……でもそいつ何にも言わないじゃない……!!」ギリギリ

十神「……どうした戦刃。俺達はお前の言い分を聞く準備があるぞ」

戦刃「えっと……ご、ごめんね、ちょっと待って……うぅ…………な、何か……なにか…………」

江ノ島「はぁぁ……お姉ちゃんは最後まで残念だねぇ……」

戦刃「さ、最後って……ぅぅ……だ、だから私はやってない……よ……」

苗木「大丈夫だよ、戦刃さん。キミはやっていない、そうだよね?」

戦刃「っ!! う、うん!!!」

苗木「それならきっと、それを証明できる事はあるはずだよ。キミならきっと見つけられる」ニコ

戦刃「苗木君…………分かった、私……やってみる……」ポロポロ



836:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 17:37:54.11 ID:9fifw2GRP

大和田「だからテメーはどっちの味方なんだよ!!!!!」

腐川「あ、上げたり落としたり……そういうのが趣味なわけ? この変態!!」

舞園「苗木君の性癖をどうこう言わないでください!! 私は全て受け入れますから!!!」

苗木「え、えーと……別にそういうわけじゃなくてさ……。あと、ボクはいつでもみんなの味方でモノクマの敵だよ」

モノクマ「むむっ、苗木君に嫌われるとはモノミもダメな奴だなぁ」

モノミ「あちしじゃないでちゅ!! あんたでちゅよ!!!」


戦刃「あっ!!! そうだ!!!」


戦刃さんが大きな声を出して顔を上げた。

うんうん、いいよその顔。ボクは好きだな。


十神「ふん、やっとか。話してみろ」

戦刃「うん……あのね、石丸君は首を刺されて殺されちゃった、そのせいでトイレも血まみれ……そうだったよね?」

不二咲「そ、そう……だね……僕は怖くてあんまり見れてないけどぉ……」オドオド

江ノ島「で、それがどうかしたの? 悪あがきなんてやめたら?」シラッ

葉隠「オメー、姉にホント容赦ねえべ……」



837:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 17:47:15.42 ID:9fifw2GRP

戦刃「…………」チラ

苗木「うん、続けて? 大丈夫、ちゃんと聞いてるよ」ニコ

戦刃「あ、ありがとう!! それでね……あんな殺し方をしたらね、どうしても……」

十神「なるほどな、返り血か」


みんなが一斉にハッとした表情を浮かべた。

考えてみればそうだ。あれではどうやっても返り血を浴びてしまい、すぐにバレてしまう。


葉隠「そ、それはほら、軍人的な力でなんとか……」

戦刃「いくらなんでも返り血を浴びないのは無理だよ」

桑田「んじゃ、洗い流したんだろ!!」

戦刃「私、水に濡れてたかな?」

セレス「…………確かにその件に関しては、戦刃さんがクロだと言うのは少し無理がありますわね」

朝日奈「じゃ、じゃあ戦刃ちゃんは犯人じゃない!?」

戦刃「うん!! いくら私だって【返り血を防ぐのは無理】だもん!!」


……ははははは!!!



841:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 17:59:42.80 ID:9fifw2GRP

『床に敷かれた布』


苗木「それは違うよ……」


ガシャーン!!!!!


戦刃「えっ!?」ビクッ

大和田「ま、またテメーかよ!? ホントなんなんだよ、ふざけてんのか!!!!!」

苗木「何って、ボクはいつでもみんなの為を思って行動しているよ……みんなの希望のためにね……?」ニコ

葉隠「や、やばいべ……目がおかしいべ……」ガクガク

苗木「ねぇ、戦刃さん。キミは返り血を防ぐ方法なんてないって言ったけどさ……」

戦刃「っ……う、うん…………!!」ビクビク

苗木「トイレにはあったはずだよ。ほら、床に敷かれていた白い布だよ」

戦刃「え……ぬ、の……?」ブルブル

苗木「うん、しかもその布の下には血が広がっていた。これってさ、床に血が撒き散った後に、その上に布を置いたっていう事なんじゃないかな?」

十神「…………そう考えるのが自然だな」

苗木「つまり戦刃さんはあの白い布で返り血を防いだ、そしてその後に血を防いだ布は床に置いていったってわけだよ!」ハハハ



928:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 22:01:27.81 ID:9fifw2GRP

戦刃「っ……!!!」ビクッ

江ノ島「へぇ、なるほど!! 凄いじゃん、お姉ちゃん珍しく頑張ったんだ!!」

戦刃「ち……違う……よ……!!」

苗木「うん大丈夫、聞いてるよ。他にも何があるんだよね? ボクの言ってる事なんて的外れなんだよね?」ニコ

戦刃「ぁ……ぅぅ……そ、れは…………!!!」ウルウル

桑田「な、苗木……オメー自分で追い詰めといて何言ってんだ……?」

苗木「はは、誤解しないでほしいんだけどさ、ボクは何も戦刃さんをクロにしたいんじゃないんだよ。
   むしろ逆さ。ボクは彼女がクロではないって信じたい。だから問い詰めているのさ。心配しなくても、彼女ならきっとボクの言ってる事を全部否定してくれるよ!」

戦刃「ち……違うの……わ、私じゃ……私じゃないの!!!」

苗木「うん、だからその根拠は?」

戦刃「……ぁ……ぁぁ……わ、私……」ブルブル

葉隠「これは今度こそ決まりだべ」

セレス「ええ……戦刃さん、負けを認めたらどうですか?」

戦刃「……ち……ちが……う……のに……」ブルブル

苗木「…………」



933:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 22:16:17.18 ID:9fifw2GRP

戦刃「うっ……ぅぅ……!!」

苗木「……んー、でも本当にあの布で血を防げたのかな」

大和田「は!?」

大神「苗木よ、お主は何がしたいのだ……」

苗木「いや、ごめんごめん、ちょっと自分でも疑問に思っちゃってさ。ねぇ、戦刃さん?」

戦刃「えっ…………」

苗木「石丸クンからは凄く血が出てたよね……」

不二咲「そ、それをその布で防いだんじゃないのぉ……?」

腐川「ななな何がおかしいのよ……いや、あんたはおかしいけど……」

苗木「だけど、あの量だよ? あれを完全に防ぐなんて……」

戦刃「あっ!! そ、そうだよ! いくら布があってもあの量の血液は布の下まで【染み込んじゃうよ!!】」


……まぁ、普通の布ならそうなんだろうけどね。



940:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 22:28:49.16 ID:9fifw2GRP

『消えたテーブルクロス』


苗木「それは違うよ」


ガシャーン!!!


戦刃「…………え?」ゾクッ

桑田「おい苗木、オメー遊んでんだろ? ハッキリ言ってみろよ」

苗木「いやいや、いくらなんでも命かかってるのに遊べる程ボクは図太くないって。ただ、自己解決したってだけだよ」

大和田「自己解決……だぁ?」ボキボキ

苗木「ご、ごめんごめん、分かったよ。次からはちゃんと考えてから発言するからさ!
   えっとね、停電してから事務室からなくなったものがあるんだ。テーブルクロスなんだけど……」

十神「……ふん、なんだ分かっていたのか。あのテーブルクロスの行方に」

苗木「あれ、十神クンも?」

山田「あ、あのー、二人で通じ合ってないで僕達にも教えてくれませんか?」

腐川「きいいいいい!! 苗木のくせにいいいいいい!!!」



946:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 22:45:24.45 ID:9fifw2GRP

苗木「事務室にあった丸テーブル、これって元々大広間にあったものを移動させてきたんだけど、停電後に敷かれてあったテーブルクロスが無くなってたんだ。
   予備が置いてある倉庫に行ってもないし、他の場所を探してもない。それならトイレにあったあの布なんじゃないかって」

十神「元々トイレにはそんなものを置いていなかったらしいからな。モノミにも確認させたら、やはりあのテーブルクロスだという事らしいぞ」

苗木「確かあれは凄い防水性能があったよねモノミ?」

モノミ「は、はい……でも……戦刃さんが犯人だなんて……!」

戦刃「…………ぅぅ」ガクッ


戦刃さんは膝から崩れ落ちてしまった。

そしてそのまま、顔を上げずにただ震えている。


舞園「い、戦刃さん……?」

セレス「ついに諦めましたか」

苗木「…………」

朝日奈「そんな……ど、どうして!? どうして石丸を殺したの!?」

江ノ島「急にガーッ!! と軍人の血が騒ぎ始めたんじゃない?」

戦刃「…………」ブルブル

江ノ島「あれ、おーい。今のツッコミどころだよー?」



950:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 23:01:56.93 ID:9fifw2GRP

そんな……こんなのあってはいけない……。

戦刃さんはこんな所で負けるような人じゃないんだ!


苗木「ダメだよ戦刃さん!! 諦めちゃダメだ!!!」

大和田「なぁ、いい加減一発殴っていいかコイツ?」

桑田「たぶん効果ねえよ……」

戦刃「……わ……私…………」

苗木「戦刃さん!! 例えキミがクロであったとしても、最後まで頑張ってほしいんだ!!」

葉隠「……はああああああああ!?」

山田「何この子こわい」

戦刃「な、苗木……君……?」

苗木「キミが自分の希望の為に石丸クンを殺したとしても、ボクは許せない。いくら希望の為とはいえ、人の希望を永遠に奪うなんて絶対ダメだ!!」

腐川「もう何言ってんのよコイツ!! 変態すぎるわ気持ち悪い!!!」

不二咲「えっと、つまり…………えっ?」

大神「支離滅裂になっているぞ苗木……」

苗木「でもさ、やってしまったものはもう仕方ないじゃないか!!!」



962:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 23:21:50.07 ID:9fifw2GRP

舞園「し、仕方ないって……苗木君……?」

苗木「石丸クンを殺したのは許される事じゃないよ。でも、キミはそれだけ大きな希望を持っていたはずなんだ!
   そうじゃなかったらクラスメイトを殺す事なんてできないよ!! だからさ、キミは責任をもってその希望を貫き通さなければいけないんだ!!」

戦刃「ま、待ってよ……私は……!!」

苗木「キミが絶望した所で石丸クンが戻ってくる事はない。そうだよ、ここでキミが希望を失ってしまったら彼は何の為に死んだんだ!
   それならキミは最後まで貫くべきだ。何より石丸クンの為に!! そしてボク達の死も乗り越えた先にはもしかしたら究極の希望があるかもしれない!!!」

朝日奈「もう意味分かんないよおおお!!!」


戦刃「……違う、よ」スッ


やった、立った!戦刃さんが立った!

いいよ、その目! それでこそ戦刃さんだ!!


戦刃「私はクロじゃない!!!」

苗木「……じゃあ怖かったのかな? このままだと本当のクロ以外みんな死んじゃうから」

戦刃「……うん。私よりもみんなが、苗木君が死んじゃうなんて耐えられない」グスッ

苗木「それなら頑張らないと! ボク達を救ってよ戦刃さん!」



968:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 23:38:01.11 ID:9fifw2GRP

よし、戦刃さんはまだまだ前を向いていられる。

状況は変わっていなくても、諦めない姿勢というのは大切だ。


苗木「それじゃ、戦刃さん。ボクの考えのどこがおかしいのか言ってもらえるかな?」

戦刃「……ごめん、ちょっと考えさせて」

苗木「うん、待つよいくらでも」

モノクマ「えええええ、言っておくけどボクが飽きたら打ち切るよ?」

桑田「なっ、そんなのありかよ!」

セレス「随分と好き勝手いたしますわね。まぁ、今更ですが」

モノクマ「うんうん、そうだよ今更だよ。オマエラ、ボクに生かされてる事を忘れちゃいけないよ?」

苗木「……はぁ。ごめん戦刃さん、そういう事らしいからてきるだけ急いでくれる? あ、でも焦ったらダメだよ」

戦刃「うん……必ず……私が……」


その時だった。


霧切「ねぇ、苗木君」





973:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/22(木) 23:46:47.00 ID:9fifw2GRP

 
その声に、ボクは震えた。

あぁ、来た。いつ来るか期待してたよ。

全然来ないから心配してたよ……!!


霧切「いつまでこんな事を続けるつもりなのかしら?」


いつもの、真実を見通す冷静な表情で。

心の底まで響いてくる鋭い声で。

彼女は真っ直ぐボクに敵意を向けている。


苗木「……何か言った?」

霧切「えぇ、いつまでこんな事を続けるつもりなのか、と尋ねたわ」

苗木「はは、質問の意味が分からないな。いつまでって、それはもちろんクロを見つけるまで……」

霧切「それはウソよ」

苗木「へぇ、随分とハッキリと言うね? 理由を聞かせてもらえるかな?」

霧切「戦刃さんはクロではない、あなたはそれが分かっているのに彼女を追い詰めているからよ」



987:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 00:06:52.63 ID:uurmnQ2/P

戦刃「えっ!?」

苗木「……どうしてそう思うのかな?」

霧切「あなたの推理には大きな矛盾がある。あなたなら気付かないはずがない程のね」

十神「なに……?」ギリッ

江ノ島「あっ、十神も気付いてなくてショック受けてるし! ぎゃはは、ウケる!!」

大和田「なっ、つまりそいつはクロじゃない奴をわざとクロに仕立てあげようとしてたのかよ!?」

朝日奈「じゃあ……やっぱり……犯人は!!!」

舞園「待ってください!! それはないって言っているでしょう!! 苗木君は私と一緒に襲われたんですから!!」

苗木「……あはは、待ってよ。霧切さんはボクの事を買いかぶり過ぎなんじゃないかな?
   そんな、戦刃さんをクロに仕立てあげようとしているなんて、全部キミの想像じゃないか」

霧切「いいえ、あなたは誰が石丸クンを刺したのかよく分かっているはずよ」

苗木「……どうしてそう言えるの?」


霧切「なぜなら、あなたが刺した張本人だからよ」



6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 00:35:14.74 ID:uurmnQ2/P

コトダマ


『モノクマファイル』
被害者は石丸清多夏。外傷は喉の刺し傷のみ、体内から薬物反応あり。

『苗木、舞園の証言』
停電前、二人は事務室に居たが潜んでいた何者かに舞園が襲われた。
苗木は彼女を抱きかかえる事で助けようとするが間に合わず、彼女はスタンガンで気絶させられてしまう。
その後、停電が発生し、苗木もすぐに為す術無く同じように気絶させられてしまった。
相手は暗闇の中でも正確に苗木を襲ってきたことから、現場に残されていた暗視スコープを持っていたと思われる。
白い布を被っていたらしく、顔と体型はハッキリしない。

『死体の様子』
刺された首からの出血はまったく乾いていなく、ほとんど時間が経っていない様子。
死斑もなく、体温も下がっていない。死後硬直もほとんど進行していない。
傷口は苗木が握りしめていたナイフとも合う。
全身をロープで縛られ身動きの取れない状態で、口にはガムテープが貼られている。

『鍵のつまみに付いたテープ』
トイレはつまみを捻って鍵をかけるタイプだが、そこにテープが付着していた。

『床に敷かれた布』
トイレには白い布が敷かれていた。モノミによると、元々そこにあったものではないらしい。
布の下にもまだ乾いていない血液が大量に広がっていた。

『乾いた血痕』
床と石丸の口元に、乾いた血痕が残っていた。



7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 00:35:59.77 ID:uurmnQ2/P

『暗視スコープ』
トイレに残されていたもの。暗闇の中でも良く見える。

『エアコンのタイマー』
大広間と事務室のエアコンのタイマーは同じ時間に設定されていた。
事件当時はタイマーが起動してから少ししてブレーカーが落ちたが、その後の実験では起動した瞬間に落ちた。

『三つのアイロン』
倉庫ではアイロンが三つコンセントに繋がっていた。

『消えたテーブルクロス』
事務室にあった丸テーブルに敷かれていたテーブルクロスが停電後には無くなっていた。
このテーブルクロスは防水性が高く、大量の水分も弾く。予備は二枚あり、どちらも倉庫に残っていた。

『台車の金具に挟まった髪の毛』
事務室にあった台車の金具に髪の毛が挟まっていた。髪質から石丸のものと思われる。
普通に手で押していたらありえない、低い位置の金具なのだが……。

『肉のドリップ』
厨房にて苗木と朝日奈で料理を作っている時に、苗木が肉のドリップをたくさん出してしまった。
いわゆる旨味成分であり、これが出てしまうと味が落ちる。その後苗木が処分した。

『ゲテモノジュース』
石丸が葉隠から受け取ったジュース。葉隠以外の掃除当番全員と共に大広間で休憩している時に口にした。
しかしそのマズさ故か、直後に取り落としてこぼしてしまう。そして気分が悪くなったようで、そのままソファーの上で休む事になる。

『ミステリーサークル騒動』
旧館の掃除中に、葉隠がミステリーサークルを見つけたと言って、旧館の裏手に石丸以外の掃除当番を呼び出した。
石丸はそのまま大広間のソファーに寝かしておき、苗木もトイレに行ってから向かったので他のみんなよりも遅れて行った。
朝日奈や桑田が最後に石丸を見たと思われるのはこの時らしい。



9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 00:36:49.67 ID:uurmnQ2/P

『葉隠、桑田の証言』
パーティー中に葉隠と桑田の二人は、倉庫へ何か遊べるものがないか探しに行った。
その時、三つのアイロンがコンセントに繋がっている事に気付いた葉隠は、電気がもったいないと全て引き抜いた。

『モノミの証言』
モノミは旧館の掃除中は外の入り口前、掃除が終わった後は外の入り口前と大広間の扉の前を二体で見張りをしていた。
耳が良いので、旧館の中に居ればどこの扉が開いたのか聞き取る事ができる。十神だけは一度も旧館に入ることがなかった。
最後に石丸を見たのは、葉隠から受け取ったジュースを持って旧館に入って行く時。

停電中の各部屋の扉の開閉については、事務室→トイレ→大広間→事務室の順番。
最後の事務室の扉以外は全て開いてすぐ閉まった。最後の事務室だけは開いたままで閉まる音はしなかった。

『白い粉』
とある人物のコテージのゴミ箱に透明な袋が捨てられており、中に白い粉が少量残っていた。

『商売文句を書いた紙』
とある人物の商売関係のもの。

『脅迫状』
石丸に出された脅迫状。ワープロで打ったと思われる綺麗な字で書かれている。
“今夜、殺人を起こす。超高校級の風紀委員ならば止めてみせろ。もしこれを他の者に話せば、無差別に殺す事になるだろう”

『何かの紙袋の切れ端』
苗木の部屋のベッドの下に落ちていた何かの紙袋の切れ端。本人は何の物か覚えていないらしい。

『モノクマの証言』
モノクマは手書きを推進していて、ワープロ関係のものを島に置いていない。
今行ける範囲で毒を手に入れる事はできない。他の薬同士を調合しても、毒にはならないように調整されている。

ホテル旧館図

9_1



24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 00:54:11.07 ID:uurmnQ2/P

苗木「……はぁ、ボクが石丸クンを刺したとなると……また初めからだよね」

舞園「だから何度言えばいいんですか!! 私達だって襲われたんですよ!!」

セレス「舞園さんも共犯……という可能性も挙がりましたが、それよりも戦刃さんが怪しいという話では?」

十神「確かに……な。トイレにあったテーブルクロス、エアコンのタイマーとアイロンを使った停電。
    これらは全て苗木の偽装工作と言う気か? その上で舞園が共犯だと?」

舞園「……まずは戦刃さんが犯人ではないという話からしましょうか」

桑田「けどよぉ、実際停電中に大広間から出て行ったのは戦刃だけだぜ?」

戦刃「それは……そうだけど……。で、でも私じゃないんだよ!! 苗木君でもない!!」

江ノ島「いやいや、そこは自分だけでいいじゃん。なんで苗木も庇うのよ。お姉ちゃん、苗木に追い詰められてたんだよ?」

腐川「そういう趣味でもあったんじゃないの汚らわしい!!」

戦刃「……私は苗木君の事をまだまだ知らないだけなんだよ。きっと彼には彼の考えがあるんだ」

葉隠「もはや健気ってより狂信の域だべ。舞園っちもセレスっちも」

苗木「……分かった、分かったよ霧切さん。ボクの言っている戦刃さんがクロだっていう推理は間違いだって言うんだね?」

霧切「えぇ、それもあなたはわざと間違えていると言っているわ」


苗木「いいよ……そこまで言うなら霧切さん、ボクと勝負だ」



34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 01:12:01.78 ID:uurmnQ2/P

苗木「ボクの推理をもう一度言うね」

苗木「戦刃さんはエアコンとアイロンのトリックを使って大広間に居ながらブレーカーを落として停電させて」

苗木「その後自分でブレーカーを上げると言って大広間を出て、事務室に居たボクと舞園さんを襲った」

苗木「それから気絶したボクをトイレに運び込み、石丸クンの喉にナイフを刺して殺した。その時に事務室から持ってきたテーブルクロスで返り血を防いだんだ」

苗木「戦刃さんは返り血を防いだテーブルクロスを床に置いて、トイレから出る時はテープを使って外から鍵を締めて密室を作り出す。
    それからブレーカーを上げて大広間に戻ったんだ。どう、何かおかしい所はあるかな?」

霧切「そうね、いくつかあるけど、まず一つ言うわ」

霧切「大広間から出た戦刃さんは、あなたと舞園さんを襲った。そう言ったわね?」

苗木「それのどこがおかしいのさ」

苗木「【停電中に】大広間を出て、ボク達を襲えたのは戦刃さんだけなんだから!」



39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 01:27:39.42 ID:uurmnQ2/P

『苗木、舞園の証言』


霧切「それは違うわ」キリッ


ガシャーン!!!!!


苗木「……違う?」

霧切「舞園さん、あなたが襲われた時、まだ停電は起きていなかったのよね?」

舞園「あ……は、はい……」

苗木「…………」

戦刃「えっ、ちょっと待ってよ! 苗木君の推理だと、私は停電中に大広間を出て行った時に事務室で苗木君達を襲ったんだよね?」

霧切「そうよ、だからそれは停電前に襲われたという舞園さんの意見と食い違う。モノミ、停電前は苗木君、舞園さん、十神君、石丸君以外はみんな大広間にいたのよね?」

モノミ「はい、間違いありまちぇん……そもそもパーティー中に事務室へ行ったのは苗木君と舞園さんだけでちゅし……」

山田「……むむっ? それでは戦刃むくろ殿は舞園さやか殿を襲っていない……と?」

朝日奈「えーとえーと、つまり…………戦刃ちゃんは犯人じゃない!?」

大神「……なるほどな。苗木がわざと間違えているというのはこういう事か。舞園を助けようとした苗木が、それが停電前に起きた事を忘れるはずがない」

大和田「んのやろぉぉ……!!!」ビキビキ



44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 01:48:30.60 ID:uurmnQ2/P

霧切「それにあのブレーカーを落とすトリックを使ったのであれば、アイロンをセットする為に戦刃さんは少なくとも一回は倉庫に入らなければいけなかった。
    でも、掃除当番ではない戦刃さんは掃除中は一度も旧館に入れなかったし、パーティー中も倉庫には行かなかった。そうよね、モノミ」

モノミ「その通りでちゅ! 戦刃さんは犯人なんかじゃありまちぇん!! もちろん他のみなさんも!!」

戦刃「え、えっと……苗木君……?」

桑田「おいコラなんとか言えよ、オメー全部知っててあんな事言ってやがったな!!」

苗木「……はは、いや、それは誤解だよ。そうそう、ボクが襲われたのは停電中だったから、その辺りが舞園さんとゴチャゴチャに混ざってただけなんだよ」ニコ

戦刃「そ、そっか!! うん、そうだよね、うっかりしてたんだよね!!」ホッ

舞園「えぇ、こんな緊迫した空間に居るんです、仕方ありませんよ」ニコ

葉隠「いやぜってーウソだべ……」

セレス「……ですが、それでは誰が苗木君と舞園さんを襲ったのでしょう?」

霧切「停電前に襲われた舞園さんの方を先に考えるべきね。あの時、石丸君はトイレの中、十神君は外、それ以外のみんなは大広間に居た」

腐川「何よ……全員無理じゃない……」

不二咲「も、もしかして誰も思いつかないような凄いトリックを使ったのかな……」

霧切「いえ、一人だけ居るじゃない。舞園さんを襲えた人が」

十神「……あぁ、そうだな」

朝日奈「えっ、ウソ!? 誰!?」



48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 02:07:07.65 ID:uurmnQ2/P

 

霧切「苗木君よ」


みんなの視線が一斉にボクに向く。

だけどやっぱり一番良い目をしているのは霧切さんだ。

時間が許せばいつまでも見ていたいくらいだよ。


舞園「……な、何を言っているんですか? 苗木君は私を助けてくれようとしたんですよ!!!」

霧切「あなたを抱きかかえるように……だったわね」

舞園「えぇ!! ふふ、霧切さんだって羨ましがってたじゃないですか!!」ドヤァァ

セレス「ふん、別にそのくらいどうって事ありませんわ。わたくし、寝ている苗木君にキスした事もありますので」

舞園「……は??」ゴゴゴゴゴゴ

山田「ぐぅぅぁぁああああ!!! リア充爆発しろ!!!!!」

桑田「ちくしょう……こんな頭おかしい奴のどこがいいんだよ……!!!」ガクッ

朝日奈「ちょ、ちょっと話がズレてるよ!!」



50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 02:19:17.63 ID:uurmnQ2/P

苗木「えーと……ボクが舞園さんを襲った? はは、冗談はやめてよ」

十神「ありえん話ではない。現に可能だったのはお前だけだ」

霧切「舞園さん、あなたは気絶するとき背中から衝撃が走ったって言っていたわね?」

舞園「え、えぇ……それが何か……」

霧切「苗木君はあなたを抱きかかえた時、腕を背中の方まで回していた。ここまで言えば分かるわね?」

不二咲「えっ……も、もしかして……!!」

大神「ふむ……なるほどな……」

舞園「な、にが言いたい……のですか……?」ブルブル

苗木「…………」

霧切「じゃあハッキリ言いましょうか」


霧切「苗木君はあなたを抱きかかえた時、そのままあなたの背中にスタンガンを当てたのよ」


舞園「ウソです!!!!!」


舞園さんの絶叫が響く。

なんだか盛り上がってきたね。



55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 02:37:28.57 ID:uurmnQ2/P

霧切「でも事実、あなたを襲えたのは苗木君だけよ」

舞園「そんなの……信じられません!! そうだ、石丸君はどうですか!? 実は彼は事務室にずっと隠れてて……」

十神「それはつまり掃除中からずっとという事か?」

葉隠「流石にバレるべ」

舞園「あ、じゃ、じゃあ……えっと……!!」

霧切「反論がないのであれば、次の話をするわよ。あの停電の事なんだけど……」

舞園「待ってくださいよ!! 私まだ納得してな」

苗木「舞園さん、しっかりした考えが浮かんでいないなら黙っていた方がいいよ」

舞園「え……?」

霧切「……それで、停電の事なのだけど、あの時本当にエアコンのタイマーを使ったトリックは使われたのかしらね?」

腐川「ど、どういう事よ……散々得意気に言っておいて……」

霧切「別に言ったのは私じゃないわ。元々私は別意見だったし」

桑田「じゃ、じゃあその時言えよな……」

霧切「少し観察したかったのよ。苗木君の目的をね。それに、もしかしたら私の方が間違っている可能性もあったし」

苗木「それで、何か分かったのかな?」



56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 02:47:23.29 ID:uurmnQ2/P

霧切「えぇ、あなたはクロを追っているわけではない。それが分かれば十分よ」キッ

苗木「……はは、そっか」

大神「それで、どういう事だ。あのブレーカーのトリックが本当に使われたのかというのは」

朝日奈「でも、あんなに証拠みたいなのあるし、やっぱり使われたんじゃないの?」

戦刃「う、うん……大広間でもエアコンがついた後に停電したし……」

十神「倉庫にあったアイロンも明らかに不自然だろう」

不二咲「え、えっと、それも使用電気量を増やすためのものだったんだよね……」

江ノ島「こんだけ仕込んでおいて使わないってのももったいないよねー」

山田「ふひひ、それでもいざという時の為に仕込んでおくのが男の努めですぞ」

葉隠「オメーは一生無駄になりそうだけどな」

霧切「……いえ、仕込んだトリックは使わなかったのではないわ」


霧切「使えなかったのよ」


セレス「使えなかった……?」

霧切「そう。元々苗木君は舞園さんの事を停電中に気絶させる予定だったのでしょうね。でも、アクシデントが起こった」



124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 13:56:44.54 ID:uurmnQ2/P

大和田「アクシデントだぁ? はっ、あんだけ仕掛けてやがったのに何か失敗したのかこいつ?」

大神「しかしあそこまでの下準備をする者がそうミスなどするものか……」

霧切「下準備が多いからこそミスが出てくるのよ。それだけ、どこかのピースが欠けると成り立たなくなるという事なのだから」

桑田「つーか、ブレーカーを落とすトリックってなんだっけ? 俺忘れちまったわ」

朝日奈「もー、何やってんのよー。だから…………あれ、なんだっけ?」

葉隠「あっはっは、朝日奈っちも人のこと言えないべ! 俺も忘れたけどよ!」

十神「お前達は鳥並の記憶力しかないのか。苗木、もう一度説明しろ」イライラ

苗木「ボ、ボク? 別にいいけど……」


なんだか雑用関係は全部押し付けられるよなぁ……。


苗木「まず、犯人はブレーカーを落とす為に、わざとある時間に旧館内で電気がたくさん使われるようにトリックを仕掛けたんだ。
    その証拠に大広間と事務室のエアコンのタイマーが同時刻に設定されていて、倉庫には三つのアイロンが置いてあった」

苗木「三つのアイロンは予め【コンセントに繋がっていて】、後は二つの部屋のエアコンのタイマーが起動すれば好きな時間に電気使用量を上げてブレーカーを落とせたって事さ」



127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 14:16:52.92 ID:uurmnQ2/P

『葉隠、桑田の証言』カシャ


霧切「それは違うわ」キリッ


ガシャーン!!!!!


苗木「……違う?」

霧切「えぇ、確かにアイロンは倉庫に置いてあった。でも、コンセントとは繋がっていなかったのよ。そうよね、葉隠君、桑田君」

葉隠「え、俺?」

桑田「いや、んな事言われてもな……」

霧切「思い出して、あなた達はパーティー中に一度倉庫へ行ったはずよ」

葉隠「あ、そうだべそうだべ。そんでツイスターゲームを持ってきて…………山田っちに潰される悪夢の始まりだべ……」ガクッ

山田「失敬な、僕は見た目ほど重くはありません! 君が大袈裟すぎるのですよ!!」

葉隠「んな事ねえっての!!! オメーちょっとは痩せろよな!!!」

江ノ島「それでそれで? ツイスターゲームが何か関係あんの?」

霧切「そっちじゃないわ……アイロンの方よ」

桑田「アイロン? …………あ!!!」



131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 14:36:38.01 ID:uurmnQ2/P

葉隠「ん、どうしたべ桑田っち」

桑田「どうしたじゃねえよ!! 葉隠オメー、あの時倉庫にあったアイロンをコンセントから抜いただろ!!」

葉隠「……あー、そういやそうだった…………ああああああああ!!!!!」


突然大声をあげる葉隠クン。気付くの遅いって……。


腐川「な、なによ、勝手に納得してないで教えなさいよ……」

葉隠「そうだ、パーティー中に俺、倉庫のアイロンが三つもコンセントに繋がってんのを見つけたんだべ!! んで、そいつを全部抜いた!!」

十神「なぜそれを早く言わない……っ!!」イライライライラ

葉隠「あはははは……うっかりしてたべ……」

桑田「ちょっと待てよ、それじゃそのブレーカーを落とすトリックは使えなかったっていうのか!?」

霧切「えぇ、あのアイロンがないとブレーカーは落ちない。それにパーティー中に倉庫に行ったのは葉隠君と桑田君だけよ。そうよね、モノミ」

モノミ「はい……その通りでちゅ……。あちしもアイロンの事なんて知らなかったでちゅし……」

戦刃「……待って。でも、それなら犯人はどうやってブレーカーを落としたの?」

霧切「それは決まっているじゃない」


霧切「手動で直接落としたのよ」



133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 14:55:31.63 ID:uurmnQ2/P

大和田「直接落としたって……おいそれじゃあ…………」

苗木「…………」

舞園「そんな……違いますよ!! 何かの間違いです!!!」

セレス「……ですが、苗木君の身長であの高さのブレーカーを落とせるのでしょうか?」

霧切「事務室には踏み台になるテーブルがあったし、物もたくさん置いてあって長い箒なんかもあったから、いくらでも方法はあったはずよ」

不二咲「た、確かに物を使えば僕でも何とかなるかも……」

大神「ふむ、苗木は確かにトリックを持ちいてブレーカーを落とすつもりではあった。だが、葉隠がアイロンをコンセントから抜いた事で、使えなくなってしまったのか」

朝日奈「葉隠もたまには役に立つんだね……」

葉隠「たまにってなんだ、たまにって!!」

霧切「苗木君、あなた私と一緒に倉庫で捜査している時に、『アイロンが三つもコンセントに繋がってたから、抜いてたんだ』って言ったわね?」

苗木「……うん」

霧切「でも、あの時アイロンは繋がっているはずがないのよ。
    パーティー中に葉隠君が抜いて、その後入ったのは停電後に苗木君を探す為に入った大和田君と不二咲君……よね?」

大和田「おう、けど俺達はアイロンなんかに触れてないぜ!!」

不二咲「うん、あの時は苗木君を探すのに必死だったから……」

霧切「つまり、あの時苗木君は元々コンセントと繋がっていないアイロンをいじっているフリをして、『コンセントから抜いた』とウソをついたのよ」



136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 15:22:58.12 ID:uurmnQ2/P

苗木「……でもさ、停電は確かにエアコンが起動した後に起きたよね?」

戦刃「う、うん、そうだよ! それは霧切さんも確認してるよね!?」

霧切「……えぇ、そうね」

舞園「それならやっぱり犯人は何らかの方法を使って、電気の使いすぎでブレーカーを落としたんですよ!!」

セレス「ふふ、そうですわね。葉隠君ごときに失敗させられる犯人でしたらもう見つかっているはずですわ」

葉隠「ひ、ひでえ言われようだべ……」ガクッ

霧切「いいえ、あの停電は電気の使いすぎで起きたものではない。断言できるわ」

十神「ほう、そこまで言うなら何か理由があるんだろうな?」

霧切「十神君、あなたはその時旧館に居なかったから分からなかったのでしょうね。エアコンが起動してから停電するまで、少しの間があったのよ」

十神「間、だと……?」

苗木「…………」

霧切「ねぇ、戦刃さん、大神さん。エアコンのタイマーが作動する電子音は聞いたわよね? その後どのくらいで停電したかしら?」

戦刃「うーん……三十秒くらいかなぁ……?」

大神「我もそのくらいだと記憶している」

十神「……妙だな」



138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 15:34:15.68 ID:uurmnQ2/P

山田「ふむ……確かにあの状況でラッキースケベ的なイベントが起きなかったのは妙ですな。
    僕としては、電気がついた瞬間、誰かが卑猥なポーズで倒れているのを期待していたのですが……」

桑田「んなアホが居るわけねえだろ」

十神「お前達は少し黙れ。俺が言っているのはタイマー起動から停電までの間についてだ。
    電力使用量が増加してブレーカーが落ちたというなら、そのタイマーの起動音の瞬間に停電するんじゃないのか?」

霧切「えぇ、そうよ。実際にその後同じ方法でブレーカーを落としてみたけど、その時はタイマーの起動音とほぼ同時に停電したわ」

不二咲「た、確かにブレーカーが落ちるのって、何かの電源を付けた瞬間だよねぇ……」

大和田「じゃあその三十秒の間っていうのは……」

霧切「ねぇ舞園さん。あなたは襲われる前に電子音を聞いたと言っていたわね?」

舞園「……は、はい」

霧切「そして、苗木君はその直後にあなたの背後に不審者を見つけた」

舞園「そうですよ!! それが何か!?」

十神「……はっ、そういう事か」

苗木「あはは、何が言いたいのかな?」ニコ



145:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 16:14:03.81 ID:uurmnQ2/P

霧切「つまりはこういう事よ。エアコンのタイマーが起動した瞬間、停電が起きなかった事にあなたは焦った。
    だからその場ですぐに舞園さんを気絶させて、その後自分の手で直接ブレーカーを落としたのよ」

苗木「…………」

舞園「ウソです……そんなの……絶対に…………」ブルブル

セレス「霧切さん、あなたはどうしても苗木君を犯人にしたいようですけど、まだハッキリしていない事はありますわよ」

霧切「何かしら?」

セレス「あの時石丸君は体調を崩していてトイレに居ました。それは偶然ではないですの?」

朝日奈「そ、そうだよね……葉隠の変なジュースで気分が悪くなっちゃったんだし……」

十神「いや、おそらく苗木は事前に石丸の意識を奪ってトイレに閉じ込めていたんだ」

江ノ島「あはは、苗木がそんなアグレッシブな事したわけ?」

霧切「石丸君の意識が無かったのは確かでしょうね。彼は縛られてはいたけど、それでも扉に体当たりくらいはできたはずだから」

腐川「で、でも、それっていつよ……誰にも気付かれずに石丸をトイレに閉じ込められる【チャンスなんてなかった】じゃない……」



151:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 16:25:00.88 ID:uurmnQ2/P

『ミステリーサークル騒動』カシャ


霧切「それは違うわ」キリッ


ガシャーン!!!!!


腐川「なによ!! あんたはあたしの顔も言い分も存在も否定するのね!!!」

霧切「いえ、否定したのはあなたの言い分だけよ。石丸君を誰にも知られずにトイレに閉じ込めるチャンスはあった。それも苗木君だけに」

苗木「へぇ、でもそれはどうかな? だって掃除中は旧館に必ず何人か居たんだよ? 流石に誰にも気付かれずにそんな事するのは無理だよ」

霧切「いいえ、あったはずよ。旧館内にあなたと石丸君だけが残された時間が」

桑田「んな時あったっけか?」

朝日奈「んー、私は思い付かないけど……」

葉隠「…………あったべ」

十神「お前は黙っていろ」

戦刃「え、えっと……もう少し良く考えてみたらどうかな……?」

江ノ島「どーせまたバカみたいな事言うんでしょー」

葉隠「なんで俺はこんな扱いなんだべ!!!!!」



152:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 16:36:11.46 ID:uurmnQ2/P

霧切「待って、葉隠君なら気付いてもおかしくないわ」

大神「なに? つまりは葉隠が関係している事だというのか?」

舞園「分かりました!! 葉隠君が犯人なんですよ!!!」ビシッ

不二咲「えっ、本当!?」

葉隠「ちっげえええええよ!!! ほら、あの時だ、俺がミステリーサークル見つけた時!!!」

朝日奈「……あー、あの馬鹿騒ぎね」ハァ

桑田「なんつーか思い出すだけでイライラしてくんな」

腐川「わざわざあんたがバカだっていう事を思い出させたいのかしら……そんな事しなくても分かっているわよ」

葉隠「バカバカうっせえええ!!! バカって言う方がバカなんだべ、このバカ!!!」

朝日奈「で、それが何? ていうかその時苗木も居たよね?」

桑田「……いや待てよ、確か苗木だけは遅れて来なかったか?」

腐川「そ、そういえば……そうだったかも……」

朝日奈「あっ……う、うん……トイレに寄ってから行くって…………」

苗木「…………」

霧切「その時はソファーで休んでいた石丸君も大広間に残っていたのよね?
    つまり、苗木君は他のみんなと合流するまで、石丸君と二人で旧館に居たという事になるわ」



156:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 17:01:14.46 ID:uurmnQ2/P

山田「苗木誠殿と石丸清多夏殿が二人きり……何やら腐女子が喜びそうなシチュエーションですな」

セレス「少しは黙ってくださる? それと、時代は苗セレだと決まっていますわよ」

舞園「何言ってんですか、苗舞の方がメジャーに決まっています!!」

十神「いいからまとめて黙っていろ」イライラ

大和田「そんで……つまりは兄弟をトイレに閉じ込める事ができたのは苗木だけって話なのか?」

霧切「えぇ、そうよ。葉隠君のミステリーサークル騒動、この時しかないわ。
    桑田君や朝日奈さんも、その時までは石丸君が大広間に居たと言い切れる……という事だったわよね?」

朝日奈「あ、う、うん、そうだよ!」

桑田「逆にその後からあやふやなんだよな」

葉隠「つまり、苗木っちはあの時俺達と合流する前に石丸っちをトイレに閉じ込めたんか!!」

腐川「あの時は平然とした顔していたくせに……!!」

苗木「……でもさ、石丸君を運ぶっていったって、そんな簡単な事じゃないよ。ほら、ボクって力ないし」

大神「そうだな……苗木に人一人を楽に運べるとは思えん……」

江ノ島「あ、それじゃこれはどう? 苗木は石丸をトイレに行かせるように誘導して、そこで気絶させた!」

霧切「……それも考えられるけど、苗木君は意識のない石丸君をトイレに運んだのよ」

不二咲「どうしてそう言い切れるのぉ……?」



160:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 17:25:05.52 ID:uurmnQ2/P

『台車の金具に挟まった髪の毛』カシャ


霧切「事務室に台車が置いてあったわ。そしてその金具に石丸君の髪の毛が挟まっていたの。それも低い位置にある金具にね」

十神「……なるほどな、苗木はそれで石丸をトイレに運んだ。その時に髪の毛が一部金具に挟まって抜けたのか」

苗木「…………」

霧切「鍵はあのテープのトリックでかけたのでしょうね。あれは両端に粘着部分を残してあった。
    外からテープを引っ張って鍵をかけた後にそのまま回収せずに、もう一端の粘着部分を外からトイレのドアの目立たない部分に貼っておいたのでしょう」

十神「次に入る時はそのテープを鍵をかける時とは逆方向に引っ張れば、今度は外から開くことができるというわけか」

江ノ島「ぶはっ、なんか十神が霧切ちゃんの助手みたいでウケるんですけど!!!」

葉隠「超高校級の助手だべ」

十神「なんだと貴様ら……!!!」ギロ

舞園「ちょ、ちょっと待ってください!!! 他に何かあるはずですよ、私達が想像もつかないトリックが!!! 真犯人は苗木君に罪を被せようとしているんです!!!」

霧切「……苗木君が石丸君を刺したと思う根拠はこれだけではないわ」

セレス「まだ……あるのですか……?」



163:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 17:37:25.05 ID:uurmnQ2/P

『モノミの証言』カシャ


霧切「モノミ、もう一度停電中にあなたが聞いた事を教えてもらえるかしら。どの扉がどの順番で開いたのか」

モノミ「はい……まず事務室が開いて、次にトイレ、その後大広間が開いて、次にまた事務室っていう順番でちゅ」

霧切「それぞれの扉の開いて閉まるまでの間隔はどうだったかしら?」

モノミ「最後の事務室以外は開いたらすぐ閉まりまちた。最後の事務室は開いた音だけで閉じた音はありませんでちたよ」

舞園「そ、それがどうかしたんですか?」

霧切「……まず、大広間と二回目の事務室の扉の音は戦刃さんね?」

戦刃「あ、うん、そうだと思う。事務室に入った時は舞園さんが倒れているのを見つけて、慌ててそのまま扉は締めなかったから……」

山田「美少女が寝ている部屋の扉を全開とは……なんと不用心な……」フヒヒ

戦刃「あ、ご、ごめんなさい、みんなを呼ぼうと必死だったから……!!」

霧切「そして最初の事務室の音とトイレの音は犯人……という事になるわ」

不二咲「あ、あれ、トイレの音は石丸君が出てきたんじゃないの……?」

桑田「あー、そういやモノミも石丸がどうとか言ってたよな」

モノミ「え、えぇ……あちしも石丸君が出てきたのだと思っていたのでちゅが……」

霧切「いいえ、停電中のトイレの音は石丸君が出てくる音ではなく、犯人がトイレの中に入る音よ」



173:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 18:02:37.31 ID:uurmnQ2/P

十神「石丸は縛られて、意識もなかったんだ。自分で出てこられるはずがない」

舞園「で、でも、どうしてそれで苗木君が犯人だって言い切れるんですか……?」

セレス「犯人は気絶した苗木君を運んでトイレに入り、石丸君を殺した。そういう事ではないのですか?」

霧切「モノミの言葉を思い出して、トイレの扉は一度しか開いていないのよ」

セレス「っ……」

舞園「それが……どうかしたんですか?」

霧切「犯人はトイレに入って気絶した苗木君を寝かせ、そこで石丸君を刺した後、トイレから出て外から鍵をかけた。それだと扉は二回開くはずよ」

舞園「そ……それは……扉を開けっ放しにしたまま全部やって……!!!」

霧切「モノミは『トイレの扉は開いたらすぐ閉まった』と言っていたわよ。それに、扉を開けっ放しで石丸君を殺せば、廊下にも血が撒き散るわ。
    トイレの中では石丸君を刺す他に、苗木君を床に寝かせてナイフを握らせて、血を防ぐのに使ったテーブルクロスを床に置く必要もあったわ。そんな僅かな時間でできる事ではない」

舞園「あ……そ……それ、は…………!!」

セレス「…………」

霧切「扉は開く音は一度だけ。それも開閉の間隔は短い。その上でトイレの中で石丸君を刺す事ができた人物。それは」


霧切「苗木君しかいないのよ」


苗木「…………」



177:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 18:16:35.93 ID:uurmnQ2/P

舞園さんもセレスさんも黙ってしまった。

舞園さんは何かを話そうと口をパクパクさせているけど、そこから声が出てくる事はない。

セレスさんは静かに目を閉じて、口も堅く閉ざしている。


みんなの視線が、ボクに集まる。


戦刃「え……な、苗木君……? 何か、その、言って……ほしいな……」

江ノ島「あはは、こんだけ色々話し合って、結局苗木かよ!」

桑田「じゃあ、あのテーブルクロスもオメーの偽装工作なのかよ……!!」

大和田「テメーが……テメーが兄弟を殺しやがったのか!?」

不二咲「そんな……な、苗木君が……本当に……?」

大神「…………我の目も鈍ったものだ」

朝日奈「苗木!!! 黙ってないで何か言ってよ!!!」

腐川「ほほほら言ったじゃない、苗木が犯人だって……」

葉隠「しっかし、危なかったべ……危うく戦刃っちをクロにしてみんな死ぬとこだったじゃねえか……」

山田「な、苗木誠殿……恐ろしいやつ……」



182:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 18:26:39.74 ID:uurmnQ2/P

十神「おい、どうした苗木。反論はないのか?」

霧切「いくらでも聞くわよ。言えるものならね」


苗木「…………」


あぁ、やっぱりだ。

そうだよね、こんなチェックポイントまでは当然来てくれるはずだ。

ううん、きっとキミ達なら最後まで来てくれるって信じているよ。


でも、仕方ないよね。

もう、我慢できないよ。

こんな気持ち……抑えられるはずがないよ!!


苗木「…………ははっ」


苗木「あははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!」





183:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 18:28:41.52 ID:uurmnQ2/P

裁判中断



237:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 22:10:35.25 ID:uurmnQ2/P

 
モノクマ「苗木クンはどうしてモテるのでしょう?」

モノミ「いきなりなんでちゅか!?」

モノクマ「確かに苗木クンは可愛いし、超高校級のスーパーメンタルも持ってるよ。だけどいくらなんでもモテすぎでしょう」

モノミ「そんな事ありまちぇんって……あ、さてはあんた、苗木君がモテるからって嫉妬していまちゅね!」

モノクマ「そんな事ないって。それに、ボクの性別だって分からないじゃないか。今時ボクっ子なんて珍しくないよ」

モノミ「あんた自分で兄だって言ったじゃないでちゅか!」

モノクマ「おおおお、モノミよ! ついにボクをお兄ちゃんだと認めてくれたか!」

モノミ「認めてまちぇん!!!」

モノクマ「さて、話を戻そうか。いくら何でも苗木クンがモテすぎだろうという事でボクは調べた…………そして驚愕の事実を知る事になったんだよ!!」

モノミ「な、何でちゅかそれは……」

モノクマ「ふふふ、実はね、苗木君は…………」


モノクマ「原作ではそんなにモテてないんだよ!!!」ドーン


モノミ「な、なんでちゅってー!!!!!」



243:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 22:29:36.55 ID:uurmnQ2/P

モノクマ「うん、そうなんだ。ゲームだと苗木クンに好意を向けてるっぽい描写があるのって舞園さんと戦刃さんくらいなんだよ。
     あ、そうだ、通信簿進めれば朝日奈さんも苗木クンの事好きっぽい感じになるけど、彼女は十神クンにも微妙にフラグ立ってたような感じだね」

モノミ「えっ、霧切さんは!?」

モノクマ「霧切さんは通信簿進めるとちょっとだけデレるけど、好意を持っているとまでは言えないよ。
     同じくセレスさんもCランク認定するくらいには気に入ってもらえるけど、やっぱり好意があるとまでは言えないね」

モノミ「で、でも、苗木君は霧切さんやセレスさんにも好かれているイメージが……」

モノクマ「それはね、モノミよ……」


モノクマ「SSの読み過ぎなんだよ!!!」ドーン


モノミ「えええええええ!!!」

モノクマ「ああそうさ、苗木クンはモテモテでハーレム状態さ! SSの中ではね!!」

モノミ「つ、つまり、苗木君を巡って霧切さん、舞園さん、セレスさんで争ったりするのも……」

モノクマ「SSの中だけなんだよ!!! あと薄い本とか」



245:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 22:31:29.38 ID:Ysjc8V8z0

な、なんだってー



247:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 22:34:08.18 ID:s/nVSO5R0

SSだから夢が広がるぜ!!!!!!!



258:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 22:53:36.54 ID:uurmnQ2/P

モノクマ「そしてボクは更に考えてみた。なぜ苗木君はSSではハーレム状態になるのか!」

モノミ「えーと、それはやっぱり苗木君がカッコイイから……」

モノクマ「違うんだモノミよ。ほら、ダンガンロンパには可愛い女の子がたくさん出てくるよね?」

モノミ「えぇ、そうでちゅね……」

モノクマ「でも、閉鎖空間でコロシアイっていうクローズドサークル物ゆえに、そんな女の子達のデレが少ない!! ていうか悲鳴とか泣き顔とか死に顔の方が多い!!」

モノミ「それはあんたのせいじゃないでちゅかー!!!!!」

モノクマ「そしてみんなは思うんだよ……『もっとあの子のデレが見たい』と。そしてデレるには相手が必要だ。
      他の作品では進撃の巨人とかAnotherのSSでも、似たような主人公ハーレム現象が見られるね」

モノミ「そ、それで苗木君のハーレム現象が起こるんでちゅか……。でも、女の子のデレが見たいのでちたら、相手は苗木君じゃなくてもいいんじゃないでちゅか?」

モノクマ「分かってないなぁ。だって考えてみろよ、例えばSSでセレスさんが苗木クンのパンツを頭に被ってても笑えるけど、山田クンのパンツを被ってたら狂気を感じるよ」

モノミ「うっ……そ、それは……」

モノクマ「だいたいそういうのは主人公が相手じゃなきゃダメなんだよ。作中で一番プレイヤーが感情移入できるキャラだしね」

モノミ「なるほど……それなら、原作で主人公以外の人に好意を持っている女の子はどうなるんでちゅか?」

モノクマ「うーん、まぁ何だかんだいって原作の影響っていうのも強いからねぇ。そういう女の子はハーレム対象にはならない事が多いよ」

モノミ「なるほど、だから腐川さんが苗木君の事を好きだっていう設定のSSは見かけないんでちゅね」



267:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 23:12:17.56 ID:uurmnQ2/P

モノクマ「いや腐川さんの場合はまず需要が」

モノミ「こらああああああああ!!!!! 何言おうとしてんでちゅか!!!!!」

モノクマ「まぁ、とにかくそんなわけでSSでは苗木クンがハーレム主人公みたいになっているんだよ。スーパー鈍感になったりね」

モノミ「なるほど……」

モノクマ「でも、そんなSS読者に朗報だよ!!」ビシッ

モノミ「えっ、いきなりなんでちゅか!?」

モノクマ「なんと、今度発売される『ダンガンロンパ1・2 Reload』では1のスクールモードが追加されるんだ!」

モノミ「スクールモードでちゅか?」

モノクマ「うん、簡単にいえば2のアイランドモードと同じようなものでね。要するに1の女の子達とデートができちゃうんだ! 学校の中だけど!!」

モノミ「おおおおおおおお!!!」

モノクマ「みんなはSSだけで満足できるのかな? もちろんゲームでも彼女達のデレを見たいだろう!! パンツハンター苗木クンを見たいだろう!!」

モノミ「最後はよく分からないでちゅけど、とっても楽しみでちゅ!」

モノクマ「発売日は十月十日! オマエラ、それまでお小遣い貯めておけよ!」

モノミ「…………結局ただの販促でちゅよねこれ?」


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270:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 23:14:01.97 ID:8Rh/63Ryi

ステ(ルスする気のない)マ(ーケティング)



271:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 23:14:08.08 ID:0T3rWdsi0

(´・ω・`)これは買うしかないじゃないですかー



281:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 23:24:07.85 ID:uurmnQ2/P

裁判再開


苗木「ははは……あははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!」


ダメだ、どうしても止められないよ。

仕方ないじゃないか、ボクはそれだけ嬉しいんだから。

でも、そろそろ無理矢理にでも止めた方が良さそうな空気になってきたかも。


桑田「なんなんだよ……なんなんだよオメーはよおおおおおおお!!!!!」

大和田「ちっ、おいモノクマ、投票だ!!! このイカれたクソ野郎、ブッ殺してやる!!!」

舞園「やめて!!!!! お願いです、やめてください!!!!!」ポロポロ

朝日奈「も、もうダメだって舞園ちゃん……苗木はもう……おかしくなっちゃったんだよ!!!」ウルッ

大神「この極限状態だ。無理はないのかもしれん……」

セレス「お待ちください、苗木君はこの状態です。もしかしたら、彼の精神状態を利用した真のクロが居る可能性も……」

江ノ島「えーでも、もう苗木しか考えられなくない?」

戦刃「そんな事ないよ!! 苗木君はきっと本当の犯人を庇って……」

不二咲「そ、それでも……それって、その犯人以外を全員殺そうとしているっていう事……だよね……?」ブルブル



286:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/23(金) 23:36:22.09 ID:uurmnQ2/P

山田「ひ、ひぃぃぃぃ、どっちにしろヤバすぎますぞ!!」

腐川「あ、あたしは最初からそいつがヤバイ奴だって分かってたわよ……」

苗木「…………あー、一応言っておくけどさ、石丸クンを刺したのはボクだよ?」ニコ


ボクの言葉に、場が静まり返る。

ただ泣き続けていた舞園さんまでもが、ボクの言ったことが分からなかったかのように呆然とこちらを見ている。


葉隠「……じ、自白までしやがったべ」

十神「随分とあっさり認めるものだな」

苗木「え、そうかな? これでも足掻いた方だよ。あーあー、やってくれたよ葉隠クン、せっかくボクが仕掛けたトリックがキミのお陰で台無しだ」ハァ

霧切「……なぜ?」

苗木「え?」

霧切「あなたは『例え希望の為だとしても、死という絶望はダメだ』って言っていたじゃない。そんなあなたが、どうして石丸君を……」

苗木「…………」

桑田「もうそんな奴の言うことなんざ聞かなくていいだろうが!! こっちがおかしくなりそうだ!!」

朝日奈「うん……たぶん、ていうか絶対聞いても理解出来なさそうだし……」



302:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 00:07:01.04 ID:Wo6/UzelP

苗木「誤解しないでほしいんだけどさ、ボクだって好きでこんな事したくなかったんだよ。
    だってみんなは学校で共に過ごしてきた大切なクラスメイトじゃないか」

大和田「どの口が言ってやがる!! ああ!?」

大神「では苗木よ、なぜお主は石丸を殺したのだ」

苗木「……別にさ、ボクが殺らなくてもいずれ誰かが殺ったんだよ」

不二咲「えっ!?」ビクッ

十神「どういう事だ。お前何か知っているのか?」

苗木「いや……ボクもコロシアイが起きるなんて思いたくなかったよ。
    でもさ、無条件で信じるだけっていうのは、良くないよね? そんなの本当の信頼じゃない。だからさ、ちょっと試してみたんだ」

腐川「た、試した? 他にも何かしたわけあんた……」

苗木「別に大した事じゃないよ。でも、その結果は残念だった。本当に残念だった。だって、本気で誰かを殺して自分だけ生き残ろうとしていた人が居たんだからね」

江ノ島「え、あんた以外にもって事? だれだれ? 冥土の土産に教えてよ!」

葉隠「それ逆だべ……」

苗木「はは、別に誰かなんていうのは問題じゃないでしょ。もしかしたら複数居るかもしれない。とにかく、コロシアイに乗ろうと思っていた人は居たんだ」

十神「ふん、それは俺の事か?」

山田「そ、そういえば十神白夜殿はそう表明していましたな……」



310:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 00:22:33.73 ID:Wo6/UzelP

苗木「いや、十神クンはいいんだよ。確かにキミのやり方は許されるようなものではないのかもしれない。
    でも、キミはここから脱出するなんていう陳腐な希望の為にじゃない、モノクマを倒すっていう素晴らしい希望の為にその決意をした」

桑田「それが何だってんだ、結局は人殺しに変わんねえじゃねえか!!!」

腐川「ふふ、何よ……あんたみたいなのが生き残るよりは全然マシよ……」

桑田「ああ!?」

霧切「静かにして。それで苗木君、あなたはそれ相応の大きな希望の為の殺人であれば認めるというのね?」

苗木「本当は認めたくないよ、でも仕方ないじゃないか。例えば戦争を終わらせる為に、誰も死なない方法を考えるなんていうのは、ただ絶望から目を逸らしているだけだ。
    人は死ぬ。その絶望を受け止め、その中で最良の選択肢を探し出す。それが正しい希望としてのあり方だと思うんだよ」

大和田「くそっ、意味分かんねえんだよ!! それで何で兄弟を殺す事に繋がんだ!!!」

不二咲「石丸君はいつも僕達を引っ張ってくれる凄い人なのに……どうして……」

苗木「だからこそ、だよ」

大和田「……は?」

苗木「確かに石丸クンは素晴らしいよ!! こんな状態なのに毅然としていて、自分だけでなく常にみんなを導いてモノクマに立ち向かおうとしていた!!
    いいよね、彼は。彼みたいな人こそ、みんなの希望と呼ぶに相応しい、超高校級の生徒だと思うんだ。あ、もちろん他にも素晴らしいと思う人は居るよ」

桑田「だから何でそんな石丸を殺したって言ってんだよ!!!!!」


苗木「だってキミ達、石丸クンに頼りすぎなんだよ」



315:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 00:40:02.83 ID:Wo6/UzelP

 
やはりみんなは理解していないみたいで、ただ呆然とボクを見ている。

どうして分かってくれないのかなぁ。


苗木「モノクマに勝って全員でここを脱出するためには、一人一人が石丸クンみたいな大きな希望を持っていなければいけないんだ。
    いつまでも彼や霧切さんみたいな人達に引っ張って行ってもらうだけじゃダメなんだよ。みんなで強くならなければいけないんだ」

苗木「それがダメなら十神クンみたいな一人の強力な希望に生き残ってもらった方がいい。彼がモノクマを止めればそれで絶望から救われる人はたくさん居るんだ。
    でもね、ボクはそんな方法とりたくなかった。だってみんなは大切なクラスメイトだ、できるだけ多くの人達に助かってもらいたいって思うのは当然じゃないか」

苗木「だからボクは考えた、コロシアイは止められない。その上でできるだけ大勢の人が助かる方法を。
    そして思い付いたんだ。キミ達は超高校級の生徒だ。例え今は小さな希望しか持っていなくても、いつかは石丸クンのような大きな希望を持ってくれるんじゃないかって」

苗木「ただ、その為には今の状況は良くなかった。とりあえず石丸クンや霧切さんについていけばどうにかなるだろうって、そうみんなが思い込んでいるこの状況はね。
    そんなんじゃ希望は育たない。本当の意味でモノクマに立ち向かう事なんてできない。だからボクはキミ達の成長の為に――――」


霧切「石丸君を殺した、というわけね」


あれ、霧切さんは理解してくれたのかな?

……いや、そうでもないみたいだ。

彼女から向けられる視線からは敵意しか感じられないや。


うん、それでいいんだよ霧切さん。



320:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 00:55:42.61 ID:Wo6/UzelP

苗木「本当はね、キミでも良かったんだよ霧切さん」

霧切「…………」

苗木「でも相手がキミだと、どうしても成功率が下がる。だから今回は石丸クンに犠牲になってもらったんだ。とても悲しかったけどね。
    だけど、良かったよ。彼のような大きな希望が失われても、キミ達はこうしてきちんとボクを追い詰める事ができた。絶望に潰される事はなかった」

苗木「それに分かったでしょ? これだけ色々小細工しても、結局はバレちゃうんだ。だから、誰かを殺してここから抜け出そうだなんて思わない方がいいよ。
    みんな気持ちを強く持って、常に前を向いて、本当に戦わなくてはいけない相手に立ち向かわなければいけないよ。うん、大丈夫、キミ達ならきっとできるよ」ニコ

苗木「あはは、残念だったねモノクマ?」

モノクマ「んん、なにが?」

苗木「彼らはこの事件を通して、あるいはきっかけにして、大きく成長するよ! もうお前の思い通りにはならないよ!!」

モノクマ「……うぷぷぷぷ、それはどうかなぁ」

苗木「笑っていられるのも今の内だよ。お前は必ず負ける。それぞれが大きな希望を持ったみんなにね!!」


そう言ってみんなを見渡すけど、きちんとボクを見返してくれる人は少ない。

でも、大丈夫。ボクは分かっている。

この件は確実にみんなにとって大きな糧になった。ここからみんなの反撃が始まるんだ。


その為にはボクと石丸クンの犠牲は必要だったんだ!



332:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 01:06:03.20 ID:Wo6/UzelP

 
…………って言いたい所なんだけどなぁ。

どうしたのかな、大丈夫なのかな。

このまま終わりなのかな。それはそれで、少し心残りがあるんだけど……。


もう少しだけ頑張ってくれないかな、みんな。


舞園「……苗木君」

苗木「うん?」

舞園「私は……嫌です……。例えここから抜け出せたとしても……苗木君がいないなんて……!!」ポロポロ

苗木「……えーと、その、だから全員で脱出っていうのは無理なんだってば。
    ていうか、ボクは石丸クンを殺したんだよ? それでもボクに生き残って欲しいの?」

舞園「はい」


潤んだ瞳で、真っ直ぐ見つめられた。

これは少し予想外の反応だ。


舞園「私は、苗木君の事が大好きですから」



346:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 01:23:49.49 ID:Wo6/UzelP

苗木「……あのさ、いくら何でもそれはないと思うよ。正直ボクも少し引くな」

舞園「どうしてですか?」

苗木「いや、だって、ボクはクラスメイトを殺したんだよ? そんな人が好きだって? どう考えても普通じゃないよ、おかしいって」

舞園「そう……ですね。私はおかしいのかもしれません」ニコ

苗木「ハッキリ言うよ、殺人鬼が好きな人なんてボクからお断りだ。例えアイドルでも流石にそれはないって」

舞園「……あはは、フラれちゃいました」

苗木「…………」

舞園「でも、想い続ける事は私の自由です。それは苗木君でも止められません」ニコ


眩しい程の明るい笑顔。

彼女が今どんな気持ちなのか、それは分からない。

でも、それは超高校級のアイドル会心の表情のように思えた。


苗木「ねぇ、舞園さん」

舞園「はい?」

苗木「どうしてボクなんだ。もっと周りを見なよ。どれだけ見る目ないのさ」



351:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 01:37:28.93 ID:Wo6/UzelP

舞園「……私にとっての苗木君は、ですね」

苗木「え?」

舞園「普段はちょっと頼りなくても、いざという時はとってもカッコ良くて、ヒーローみたいに私は守ってくれる人なんです」ニコ

苗木「誰それ……」

舞園「ふふ、やっぱり自分では気付いていないんですね。まぁ、そこも苗木君らしいですけど」

苗木「えーと……それで、殺人鬼って所もキミの許容範囲内なの?」

舞園「それは流石にダメですよ。ちゃんと罪を償わなければいけませんし、苗木君には反省してもらわないといけません」

苗木「軽いなぁ……」

舞園「とにかく、私は苗木君の良い所を沢山知っているんです! 全部合わせてあなたが好きなんですよ」ニコ

苗木「…………」


ダメだこれ。

まさか生きてここを脱出しても、ずっとボクの墓に通い続ける気じゃないよね。

なんて絶望的なんだ。


苗木「はぁ……大和田クン。キミからも何か言ってあげてよ」



356:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 01:47:45.56 ID:Wo6/UzelP

大和田「…………」

苗木「え、ちょっと待ってよ、なんでそんなにテンション下がってるの? さっきまで『ブッ殺してやる!!』って言ってたじゃないか」

大和田「うるせえよ……」

苗木「ほら、ボクはキミの兄弟を殺したんだよ? 彼の喉にナイフを刺してね。だからキミはもっと」

大和田「うるせえって言ってんだよおおおおお!!!!!」


聞き慣れた彼の怒鳴り声。

でも、なぜだろう。その声に何か違和感を覚えた。


大和田「オメーがイカれたクソ野郎だってのは分かってんだよ……だからムカつくんだ……それならそれで最初からクソ野郎で居ろよコノヤロウ……!!」

苗木「……え?」

大和田「学校でのオメーはただの演技だったんだろうがよ……それでも俺は、オメーの事を認めてたんだぜ……」


何だこれ。

もしかしてさっきの舞園さんの話にあてられたのかな?

まさかこんな反応が返ってくるなんて。



359:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 01:53:03.91 ID:m6FWmNnP0

バターさん…



362:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 02:02:33.14 ID:Wo6/UzelP

大和田「考えちまったんだ。もし殺されたのが俺で、ここに居るのが兄弟だったら、ってな。
     そしたらアイツは苗木を心から憎んで処刑して、それを見て満足するのか…………ってよ」

苗木「…………」

大和田「たぶんアイツはそんな事ねえんだ。人殺しのオメーの事よりも、このコロシアイ自体を仕掛けたモノクマを憎むんだろうよ」


確かに、そうだ。

でも、それを大和田クンの口から聞けるとは意外だ。


大和田「だからよ……俺の憎しみはモノクマに向ける事にした。それが兄弟の為に俺ができる事だ」

苗木「…………」

モノミ「苗木君」

苗木「なに?」

モノミ「苗木君は確かに許されない事をしまちた。ですが、思い出してくだちゃい」

苗木「思い出す? 何を?」


モノミ「あなたとみんなの希望のカケラは、確かに集まっていたのでちゅよ」


苗木「……はは、そういえばそんなものもあったね」



370:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 02:17:52.67 ID:Wo6/UzelP

モノミ「ですから、こうしてみなさんが苗木君の事を心から憎めないのは絶対に……絶対におかしい事ではないのでちゅ」


みんなの事を見渡す。

するとそれぞれから、今までとは違ったやりきれない視線が返ってくる。


桑田「……ったく、なに舞園ちゃん泣かせてんだ、ふざけんなよテメー」

山田「いつも僕の話に付き合ってくれる苗木誠殿が居なくなるというのも、なんとも寂しいですな……」

朝日奈「私だってまだ信じられないよ……でも、一つだけ分かってる。一番悪いのはモノクマなんだ」

大神「戦うべき相手を見誤ってはいけない。ここに居ると見えづらくなってくる事だな」

戦刃「うん……モノクマさえ居なければ……こんな事に……」

不二咲「僕も怖くて何も考えられなかったけど……でも、やっと分かったよ。僕達は敵同士なんかじゃないんだ」

腐川「ふ、ふん、仲間とでも言いたいわけ……? ま、まぁ、殺されないならそれでいいけど……」


これは予想以上だ。

まさかこの件だけでここまでみんなが変わってくれるとは思わなかった。

これで、モノクマとも戦える。きっと、もうコロシアイなんて起きない。

……嬉しい。本当に嬉しいよ。



373:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 02:31:00.96 ID:Wo6/UzelP

 
正直……もう満足したな。

みんなのこの姿を見られたなら、心残りはないよ。

このまま……終わっても……。


セレス「……少し、待ってくださる?」


あれ?


桑田「なんだよ……言っとくが投票をやめろってのはできねえぞ。そういう問題じゃねえんだこれは……」

セレス「いえ、わたくし先程から少し考えていたのですが……気になる点がありまして……」

朝日奈「そういえばセレスちゃんさっきから黙ったままだったけど……どうしたの?」

葉隠「もう事件の事は懲り懲りだべ……もうやめね?」ハァ


十神「……くくっ、俺はいつまでお前達の反吐が出る綺麗事を聞かせられるのかと思ってほっとしたぞ」フッ

霧切「セレスさん、その気になる点というものを教えてくれる? 私達は、まだ終われないはずよ」



……ははは、あははははははははははは!!!



380:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 02:41:01.81 ID:NzzAM+Yr0

キター



381:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 02:41:45.40 ID:Wo6/UzelP

大和田「なっ……ま、まだ何かあるってのか?」

セレス「えぇ、そして、もしかしたらそれは真のクロを導き出す手がかりになるかもしれません」

十神「はっ、もう終わらせてさっさとベッドに入りたいのかプランクトン」

大和田「んだとコラァァ!!!!!」

不二咲「で、でもぉ、真のクロって……これ以上何を……」

朝日奈「うん……正直私もそろそろキツイかも……」

霧切「……いいわ、選ぶのはみんなよ。議論をここで止めたいなら私はそれに従うわ」

十神「なっ……おいふざけるなよ!!!」

霧切「どちらにせよ、みんなに議論する気がないのであれば同じよ。クロを決めるのはみんなの投票なのだから」


霧切さんはいつもの強い瞳でみんなを見回す。

でも、こうしてみんなにそれぞれ自分で決めてもらうなんて。

もしかして、霧切さん…………。


大和田「……まぁ、やるならとことんやるべきだな。兄弟の為にもよ」チッ

桑田「まぁな……かったりーけど、こればっかは文句言ってらんねえか」



385:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 02:52:15.70 ID:Wo6/UzelP

朝日奈「……わ、分かったよ。石丸の為にも……だよね」

大神「あぁ、よくぞ言った朝日奈よ」

山田「ふっふっふっ、もうかなり遅い時間ですが、ここからはオタクにとってはゴールデンタイムなんですぞ!」

戦刃「私も夜戦は得意だよ!」

舞園「えっ、苗木君は犯人じゃないんですか!? じゃあやっぱり葉隠君なんですよ!!!」

葉隠「舞園っちは俺に何か恨みでもあるんか!?」ガーン

腐川「も、もう、やるなら早くしなさいよ!! あたしは夜更かしするとすぐニキビできちゃうんだから!!!」

江ノ島「……うぷぷ」


霧切「ふふ、どう十神君。問題ないみたいよ」

十神「ふん、嫌だと言っても無理矢理俺が進めた。関係ない」


凄い……みんな本当に変わった!

これからが楽しみで仕方ないよ!!



386:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 02:53:29.29 ID:IRhaZgri0

江ノ島おいw



392:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 03:00:50.02 ID:Wo6/UzelP

不二咲「それでセレスさん、気になる点って?」

セレス「えぇ、みなさんこちらを見てください」スッ


『モノクマファイル』カシャ


桑田「モノクマファイル……だっけか? これがどうかしたのか?」

セレス「これには書いてある情報は少ないですが、一つ無視できない事が書かれていますわ」

朝日奈「無視できない情報…………あれ?」

大神「もしやこの、『体内から薬物反応あり』という所か!?」

山田「や、薬物って……まさか…………」


十神「毒、という事だろうな」


葉隠「なっ、ありえねえべ!!!」

十神「どうしてそう言い切れる? 死因はどこにも書いていないのだぞ」

セレス「むしろ重要な所だからこそあえて書かなかった……という事もあるのでは?」チラ


モノクマ「し、しーらなーい……」ダラダラ



399:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 03:12:09.46 ID:Wo6/UzelP

霧切「この件に関与しているのは苗木君だけではない、もう一人居たのよ」

舞園「そ、そんな……それじゃあ苗木君を身代わりにして…………許せない……!!!」キッ

桑田「お、俺じゃねえよ!!」

葉隠「俺でもねえべ!!!」

大和田「俺でもねえよ! つか無差別に睨むな、結構すげえ目しやがるなこのアイドル!!」


確かにみんなを睨む舞園さんの目は凄まじい。怒った戦刃さんレベルだ。

……いや、こっち見た瞬間笑顔にならないでよ余計怖いから。


苗木「えーと、つまりボクは誰かに利用された……って言いたいのかな?」

霧切「えぇ、それもあなたが自分から利用された……とも考えられるわ」

苗木「あはは、面白い事言うね。それだとボクは初めから死ぬ為にこの事件を起こしたみたいじゃないか!」

霧切「そこまでして生き残らせたい誰かが居たのかもしれない……という事よ」

舞園「えっ、誰!? 誰ですか苗木君!!!」

セレス「それは聞き捨てなりませんわね……」

苗木「ね、ねぇ、もう少しシリアスになろうよ……」



408:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 03:33:00.80 ID:Wo6/UzelP

戦刃「……そっか、誰かが毒で石丸クンを殺した後に、苗木君が彼を刺したのだとしたら!!」

江ノ島「うぷぷ、クロは苗木じゃなくて毒を使った奴だね」

葉隠「ちょ、ちょっと待つべ!! 確かにモノクマファイルには薬物って書いてあっけど、毒とは限らねえべ!! ほら、風邪薬とか!!!」

十神「確かにな……だが、風邪薬を飲んで血を吐く奴が居るか?」

不二咲「えっ……血を吐いた……? 石丸君が!?」

大神「しかし、毒を飲んで吐いた血など見分けられるのか? 部屋はあの惨状だったのだぞ」

セレス「苗木君も何も首を刺さなくてもよろしかったのに……」ハァ

苗木「そ、そういう問題なのかな……」

山田「霧切響子殿なら、血を舐めれば『ペロッ、これは毒による吐血だ!』などといった感じに分かるのでは?」

霧切「あなた少し勘違いしているようだから言っておくけど、私は探偵であってヴァンパイアではないわ」

舞園「でも……きっと石丸君は毒で血を吐いたんですよ! あっ、もしかして苗木君はそれを隠すためにわざと大量出血させたんですか!?
    うぅ……やっぱりそこまでして助けたい人がいるんですね……!! 誰ですか羨ましいですね!!!!!」キッ

朝日奈「ちょ、ちょっと私を見ないでよ!!!」

葉隠「だあああああ!! とにかく、石丸っちが【刺される前に血を吐いたなんてありえねえ】って!!!」



413:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 03:48:25.58 ID:Wo6/UzelP

『乾いた血痕』カシャ


十神「それは違うぞ」ドヤァァ


ガシャーン!!!!!


葉隠「いっ!?」

十神「石丸が苗木に刺される前に血を吐いた証拠はある。石丸の口元と床に残された乾いた血痕だ」

セレス「乾いた血痕……なるほど、確かにそれは刺された時のものではありませんね」

腐川「ど、どうしてそうなるのよ……」

十神「首からの出血は少しも乾いていなかったんだぞ。あれは、刺されてからほとんど時間が経っていない証拠だ。つまり、乾いた血痕というのは、それよりも前からあったという事になる」

腐川「そうよ!! なに白夜様にそんな事わざわざ説明させてんのよあんた達!!!」

桑田「おい」

苗木「なるほど……ね。口元だけじゃなくて床にも残っているのは、石丸クンがトイレの中で吐血したからか」

戦刃「えっと、つまり本当の犯人は石丸君に毒を飲ませて殺した後、苗木君にナイフで刺させたっていう事?」

大和田「おいコラ苗木!! それならオメーは犯人知ってんじゃねえか!!!」

苗木「あはは、ちょっと待ってって。そうとも言い切れないじゃないか。ほら、ボクが石丸クンをトイレに閉じ込めている間に誰かが彼に気付いたのかもしれないしさ……」



420:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 04:07:34.23 ID:Wo6/UzelP

霧切「いいえ、あなたとそのもう一人は協力関係にあったはずよ」

苗木「……はは、参ったな。霧切さんにはボクの事なんでも分かっちゃうんだ?」

霧切「えぇ、あなたの事くらいお見通しよ」ドヤァァ

舞園「なっ、私だって何でも知っています! 苗木君が小学五年生までおねしょしていた事も!!」

苗木「なんで知ってるの!? ていうか言わないでよ!!!」

セレス「ふん、その程度ですか? わたくしは苗木君の下着の種類と数を全て把握していますわよ」

苗木「うん……だからセレスさんは盗んだ下着戻しておいてね。ボクが死んだ後でもいいからさ……」ハァ

桑田「……モテるってのも考えものだな」

十神「いちいち脱線させるな愚民どもが。霧切、なぜお前は苗木と犯人が協力関係にあると思うんだ?」

霧切「……私は怪しいと思う人の目星がついているのよ」

朝日奈「えっ、ホント!?」

不二咲「さ、流石霧切さんだぁ……」

腐川「だ、誰よ、もったいぶらないで早く言いなさいよ」

苗木「でもさ、犯人の目星がついたからって、その人とボクが協力関係だなんて言えるのかな?」

霧切「えぇ、言えるわ。なぜならその人物は苗木君の犯行を助け、そして同時に挫く事もした。それはどういう意味を持つのか」



426:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 04:32:24.25 ID:Wo6/UzelP

山田「なるほど、分からん!」

大神「助けるだけではなく挫いた……か」

朝日奈「うーん……その人も苗木と同じで上げて落とすのが好きな人?」

苗木「いや別にボクはそういう趣味があるわけじゃ……」

戦刃「い、いいよ、苗木君がそういうのが好きなら……私……///」

苗木「だから違うってば!!」

大和田「そこは否定すんだなオメーも」

十神「ある程度までは苗木の計画を手伝い、失敗する要素も用意した。つまり、苗木に罪を被せて自分は助かろうとしていたのだろう。
    そして、その方法はお互いが協力関係になければ考えられないものだった。そこまで分かれば当てはまる奴などすぐ分かるはずだぞ」イライラ

江ノ島「えー、あたしバカだから分かんなーい。ねぇねぇ教えてよ、苗木がそこまでして助けたい人なんでしょ!?」ニヤニヤ

舞園「えぇ、私も気になります!」

セレス「その方には処刑前にじっくりとお話を聞く必要がありますわね」

霧切「……私が最初にその人に疑問を持ったのは、停電後に戦刃さんが慌てて大広間に入ってきた時の会話よ」

戦刃「えっと、それって私が倒れている舞園さんを見つけてみんなを呼びに行った時?」

桑田「あん時の会話つってもなぁ……あんまし良く覚えてねーぞ」

霧切「大丈夫、私が覚えているから。あなた達には確認をしてほしいのよ」



431:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 04:45:14.23 ID:Wo6/UzelP

戦刃『みんな!!! ちょっと来て!!!!!』

不二咲『ど、どうしたのぉ……?』ブルブル

戦刃『じ、事務室で…………とにかく来て!!』

葉隠『なっ、舞園っちに何かあったんか!?』

桑田『はぁ!? くっそ、行くぞ!!!』


不二咲「よ、よく覚えてるねぇ……確かにそう言ったかもぉ……」

戦刃「うん……霧切さんの言う通りだと思うよ!」

桑田「俺もたぶん……そんな感じの事言ったっけか」

葉隠「いやー、あの時はマジで焦ったべ! もしかして舞園っちが死んじまったんじゃねえかってな!」

舞園「私はアイドルの道を極めて苗木君と結婚するまで死にません」

苗木「なんかそれだとアイドルを極めた先にボクが居るみたいなんだけど……ボクってそんなに大層な人間じゃないよ……?」

霧切「……停電前は事務室には苗木君と舞園さんが居た。それに停電中にモノミが石丸君の事も呼んでいたわね」

朝日奈「確かにそうだったけど……それがどうかしたの?」


霧切「ねぇ葉隠君、あなたはなぜ舞園さんだけの名前を出したの?」



502:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 13:05:01.18 ID:Wo6/UzelP

その瞬間、一斉にみんなの視線が葉隠クンへと向けられる。

いや、だから舞園さん目怖すぎだから。

そして、当の葉隠クンはというと、一瞬呆然とした後、ダラダラと大量の汗をかき始める。


葉隠「あっ……い、いや……それはだな……!!!」

霧切「結果的にはあなたの言っている事はおかしくなかった。本当に舞園さんが倒れていたのだから。
   でも、あなたはなぜあの時点で襲われたのが舞園さんだって分かったの? その時戦刃さんはまだそこまでは言っていなかったわよね?」

戦刃「う、うん、そうだよ……おかしいよ葉隠君……!」

朝日奈「葉隠……あんたなの!?」

桑田「マ、マジかよ……俺達は葉隠に騙され続けてたのか……?」

大神「抜けた様子を見せていたのは我らを欺くためのものだったか」

腐川「はっ、あ、あたしはそいつの事ずっと胡散臭いって思っていたわよ……」

山田「た、確かに信用ならない人ではありましたが……まさかここまでの策略を巡らせる人だったとは……」



505:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 13:15:20.91 ID:Wo6/UzelP

舞園「やっぱりあなたじゃないですか!!!」

セレス「葉隠君ごときに追い詰められていたとは……一生の不覚ですわ」

不二咲「そ、そっかぁ……あのまま苗木君をクロにしていたら僕達……」

江ノ島「あれ、ちょっと待ってよ。それじゃあ苗木がそこまでして助けたかった奴って…………葉隠?」

「「…………」」


なんだか嫌な感じの沈黙が流れる。

舞園さんとセレスさんからの視線が特に痛い。


山田「アッー!!」

苗木「それは違うよ! なんでそうなるのさ!!」

舞園「な、苗木君……? あの」

セレス「まさか真の敵は同性ではなく異性に居たとは。迂闊でしたわ」ギリッ

苗木「待って、誤解だよ! ボクは女の子が好きだ!」

十神「おい、苗木がホモかどうかなど今はどうでもいいだろう。それより葉隠、何か言い分はないのか?」

葉隠「あるに決まってるべ!! そんな一言だけで犯人にされたらたまんねえっての!!」



508:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 13:30:23.12 ID:Wo6/UzelP

朝日奈「でも、あの言葉は明らかにおかしいって!!」

腐川「あんた知ってたんでしょ、苗木が何かやらかすって……」

葉隠「あ、あれはだな……そう、ほら、何かあるとすれば舞園っちが一番可能性が高いだろ! 可愛いしよ!」

舞園「あなたに可愛いと言われても何も嬉しくありません」

桑田「そりゃそうだ。こんな奴に言われてもな!」

舞園「あ、桑田君に言われても嬉しくないですよ? 苗木君だったら飛び上がるくらい喜びますけど♪」ニコ

苗木「いや、期待した目で見ないでよ……一応真面目な場面だってここ……」

桑田「」チーン

十神「だが葉隠、お前が起こしたミステリーサークル騒ぎとやらで苗木は石丸を運ぶチャンスを得た。
    そして、お前が倉庫にあったアイロンのコンセントを抜く事で苗木は停電のトリックを使えなくなり、追い詰められた。これは偶然か?」

葉隠「偶然だべ!!!」ドーン

不二咲「凄い……堂々と言い切ったよぉ……」

セレス「流石に苦しいですわよ葉隠君」

葉隠「そんなん知るか!! 偶然なもんは偶然なんだべ!!! だいたい、俺がいつ石丸っちに毒を飲ませられたんだっつの!」



510:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 13:52:24.67 ID:Wo6/UzelP

大和田「おい、いい加減しろよテメー!!」ボキボキ

苗木「待ってよ、大和田クン。彼の話もちゃんと聞こうよ」

戦刃「え……ええ? ど、どうして苗木君が庇うの……?」

桑田「諦めろ、考えても分かんねーよ。なんか俺も慣れてきたぜコイツの壊れっぷりによ……」ハァ

セレス「あなたも適応してきたという事ですわね」ニコ

山田「元々Sだったのに叩かれ続けて、いつの間にかMになったようなものですな」

腐川「なんであんたはいちいちそんな気持ち悪い事しか言えないのよ……」

朝日奈「だから脱線しすぎ! なんの話してたのか分かんなくなっちゃったよ!」

大神「……葉隠はいつ石丸に毒を飲ませる事ができたのか、だったな」

不二咲「それは、苗木君が石丸君をトイレに閉じ込めた後こっそり……」

十神「……いや、まず苗木が石丸をトイレに運ぶ所から考えてみろ。
    苗木は台車を使って石丸を運んだようだが、例え気分が悪くて寝ていたとしても、流石に起きるんじゃないか? 台車の金具に挟まって髪の毛まで抜けているんだぞ」

江ノ島「ん、つまりどゆこと?」

戦刃「石丸君はただ自然に眠っていたわけじゃないっていう事だね。それか苗木君相手でも抵抗できない程弱りきっていた……っていう事かな」



513:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 14:05:30.09 ID:Wo6/UzelP

舞園「少しも抵抗できない程弱りきっていたって……もしかして……」

十神「あぁ、石丸はその時点で毒が効いていた可能性がある」


十神クンの言葉に、みんな静まり返った。


朝日奈「そ、そんな……じゃあもしかしてあの時ソファーで寝ていた石丸は毒に苦しんでて……それなのに私、助けられなかったの……!?」ブルブル

大神「朝日奈よ、あまり自分を責めるな。お主の責任ではない」

桑田「ウソだろ……石丸は俺達の目の前で毒に苦しんでたってのか!?」

腐川「だ、誰か気付きなさいよね……」

苗木「仕方ないよ、みんなは毒を飲んだ人なんて見た事ないんだしさ。あ、霧切さんが居れば気付いたのかな?」

大和田「オメーは気付いてたんだろうがよぉ……!! ちっ、おい、それで葉隠はいつ兄弟に毒を飲ませたんだ!?」

葉隠「決めつけてんじゃねーよ!! 俺は石丸っちに【何も飲ませてねーべ!!!】」



514:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 14:07:22.50 ID:eCnDoTXbT

それは違うよ!



522:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 14:20:33.47 ID:Wo6/UzelP

『ゲテモノジュース』カシャ


霧切「それは違うわ」キリッ


ガシャーン!!!


山田「高校生探偵キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」

葉隠「な……何が違うんだべ! ずっと黙ってたくせによ!!」

霧切「あなたは確かに石丸君に飲ませていたものがあったはずよ。掃除当番のみんななら知っていると思うけど」

桑田「……いや、流石に毒飲ませてる所見りゃ気付くっての」

朝日奈「うん、力尽くで止めたはずだよ!」

腐川「だいたい、あたし達の前で毒なんて飲ませるわけないじゃない……」

苗木「…………あのゲテモノジュース、だね?」


ボクの言葉に、掃除当番のみんなの血の気が引いた。

でも、一番変化が大きかったのは葉隠クンだ。



525:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 14:34:10.54 ID:Wo6/UzelP

 
葉隠「……あ……な、苗木っち………?」

苗木「なに?」ニコ

葉隠「…………!!」パクパク


あはは、なんだろう葉隠クン。

ボクにはエスパーなんてないんだから、言いたい事があるならハッキリ言ってもらえないと分からないよ。


朝日奈「そっか……そうだよ!! あのジュースを飲んでから石丸はソファーで寝込んじゃったんだよ!」

桑田「確かウインナーソーセージ珈琲だっけか? そういやあれ……石丸は葉隠に貰ったとか言ってたよなぁ……しかも飲みかけをよぉ!!」

大和田「つーかオメーら最初から怪しいって思えよ!!」

腐川「仕方ないじゃない、だってアイツが最後に発した言葉って『マズイ……』とかよ。毒飲まされただなんて思わないわよ……」

苗木「うん……それに血を吐いたりもしなかったし…………あれ、それだと少しおかしくない?」

葉隠「そ、そうだべ! 毒飲んだならその場で血を吐くはずだろ!」



526:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 14:45:03.03 ID:Wo6/UzelP

十神「毒にはじわじわ効いてくるものなどいくらでもある。見苦しい悪あがきをするな」

戦刃「うん……十神君の言う通りだよ。毒の事なら私も少し分かるもん」

葉隠「ぐっ!!」

江ノ島「うぷぷ、毒に詳しい高校生ってのもおかしいよねー」

不二咲「え、えっと、つまり葉隠君が毒で弱らせた石丸君を、苗木君がトイレに運んで……」

大神「石丸はその後毒が完全に回り、トイレの中で血を吐いて死んだ。そして死んだ石丸を苗木がナイフで刺した、というわけか」

山田「ややこし過ぎますぞ!!」

セレス「……これらの事を全て葉隠君が考えられるとは思えませんわ。計画自体を企てたのは苗木君……あなたですね?」

苗木「はは……買いかぶりすぎだって……」

舞園「そ、それでも直接石丸君を殺害したのは葉隠君です! それなら苗木君はクロではありませんよね!?」

モノクマ「うん、その場合は実行犯である葉隠君がクロだね」

モノミ「ど、どちらにせよ、苗木君もクロと変わらないでちゅよ……先生は悲しいでちゅ……」グスッ

葉隠「おいちょっと待てって! 俺を犯人だってことで話を進めんな!!」

霧切「……葉隠君。あなたが事件に関与している証拠はまだあるのよ」



529:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 14:59:07.06 ID:Wo6/UzelP

葉隠「うがああああああ聞きたくねーべええええええ!!!」


葉隠クンはついに両耳を押さえてしまった。

あれが何の解決になるんだろう……。


十神「それなら今すぐ投票を始めるぞ。対象はもちろん葉隠だ」

葉隠「やめろおおおおお!!!」

朝日奈「聞こえてんじゃん……」

大和田「往生際がわりーぞ葉隠!! 最期くらい漢らしく堂々としたらどうだ、あぁ!?
     オメーみてえのに兄弟が殺されたって考えると、やりきれねえんだよチクショウが!!!」

葉隠「ぐぅぅ……!!」チラ

苗木「…………なに?」シラッ

葉隠「っ……ぅぅぅうう……!!!」

霧切「葉隠君、少し商売の話をしましょうか。私、あなたの占いに興味があるのだけど」

葉隠「マジで!? よしよし、そういう事なら占ってやんべ! 一回十万円、初回サービス九万円だべ!!」

桑田「なんつー立ち直りの早さだ……」



535:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 15:19:37.44 ID:Wo6/UzelP

『商売文句を書いた紙』カシャ


霧切「えぇ、料金の事は知っているわ。これ、あなたが書いたものよね?」スッ

葉隠「なっ、どこでそれを!?」

霧切「ごめんなさい……どうしてもあなたの占いの事が知りたくて、あなたのコテージから持ってきてしまったわ……」

葉隠「……なんだなんだ、そういう事なら構わねえべ! わっはっはっ!!」

不二咲「そ、それでいいんだぁ……」

大神「つくづく商売命な男だ」

セレス「ふふ、相手を知りたい気持ちは止められないものですわ」

苗木「いや、キミは少し自重しようよ。ホントに後でボクの下着戻しておいてよ?」

舞園「ふふ、それにしてもどうしたんですか、霧切さん? もしかして葉隠君に乗りかえるとか? それなら私は一向に構いませんけど」ニコニコ

霧切「そこの恋愛脳のスイーツは置いといて、話を続けましょう。この紙の商売文句、とても綺麗な字だけど、あなたが書いたの?」

葉隠「おう、もちろん! へっ、綺麗な字ってのも占いには重要なんだべ!」ドヤァァァ

舞園「ちょっと、今なんて言いました!?」

霧切「…………そう。それが聞ければ十分よ、ありがとう」

葉隠「えっ、う、占いは?」



540:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 15:33:47.23 ID:Wo6/UzelP

霧切「そんなもの、私が興味あるわけないじゃない。そこのスイーツ相手にお金巻き上げていれば?」キリッ

舞園「さっきから何なんですかあなたは!!!」ムカッ

葉隠「騙された……べ……」ガクッ

腐川「いつもあんたがやってる事じゃない……」

江ノ島「てか今だってあたし達を騙して自分だけ助かろうとしてるしね!」ニヤ

葉隠「ち、ちげえって! 俺はクロじゃねえ、占いにもそう出てるべ!!」

戦刃「でもそれって七割外れるんだよね……?」

葉隠「三割当たるって言え!」

十神「どうでもいい。それで霧切、今の問答にどんな意味があったんだ?」

山田「意味……? 舞園さやか殿が恋愛脳のスイーツ()だという事を証明したのですか?」

舞園「なっ……どんだけ性格悪いんですか!!!」

霧切「落ち着いて、舞園さん。私がわざわざあなたの為に余計な時間と酸素を消費するわけないじゃない」

舞園「そ、そうですか……それならいいですけど…………あれ、今私凄くバカにされませんでした?」

朝日奈「もう、ケンカなら後でやってよ! それで、霧切ちゃんはどうして葉隠のくだらない商売話を聞いたの?」

霧切「それを説明する上で、まずみんなにはこれを見てもらいたいの」スッ



547:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 15:47:53.68 ID:Wo6/UzelP

『脅迫状』カシャ


霧切さんが取り出したその紙を見た瞬間、みんなは凍りついた。

当たり前だ、そこにはハッキリと殺人予告が書いてあるんだから。


大和田「おいおい、なんだそれは!!!」

不二咲「脅迫状……だよね……」ブルブル

十神「文面を見る限り石丸に出されたもののようだな」

苗木「その通りだよ、これは石丸クンの部屋から見つかったんだ」

葉隠「な、苗木っち!?」

桑田「……まさかアイツ、これを読んで俺らを一箇所に集めようとしたのか!」

霧切「えぇ、そうでしょうね。そして、その場所にホテル旧館を提案したのは苗木君……あなただったわね?」

苗木「……うん、そうだね」

朝日奈「そ、それじゃあこれも苗木が!?」

大神「なるほどな、そうやって我らを旧館に集め、トリックを仕掛けたのか」


霧切「いえ、違うわ。これは苗木君が書いたものではない」



549:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 16:00:31.67 ID:Wo6/UzelP

セレス「……苗木君ではない? となると共犯関係にあると思われる」チラ

葉隠「そんなもん俺は知らねえ!!! 苗木っちとも共犯なんかじゃねえよ!!!」

十神「……ふん、先程の霧切と葉隠の問答の意味はそういう事か」

戦刃「えっ、この脅迫状と関係あるの!?」

腐川「ふふふ、流石は白夜様……!」

江ノ島「あのさー、ドヤ顔はいいから早く教えてよ」ハァ


苗木「筆跡……だね?」


その瞬間、葉隠クンが怒りの表情で睨んできた。


葉隠「オメーは何なんだよ!!!!! なんで……なんでだべ……!!!!!」

苗木「どうしたの?」ニコ

葉隠「~~~~!!!」

山田「筆跡……ほう、なるほど! この綺麗な字は葉隠康比呂殿のものですな!」

葉隠「待てって!! こんなもん、【ワープロ使えば】いくらでも似せられんだろ!!!」



552:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 16:15:26.62 ID:Wo6/UzelP

『モノクマの証言』カシャ


霧切「それは違うわ」キリッ


ガシャーン!!!


葉隠「な……にが……?」

霧切「この島にはワープロ関係のものは置いていないのよ。そうよね、モノクマ?」

モノクマ「はい! ボクは手書き推進派ですので!」

モノミ「た、確かに手書きも大事でちゅけど、いくらなんでもやりすぎでちゅ……」

十神「つまり、あの字を書けるのは葉隠しかいない、という事だな」

朝日奈「……あれ、でも確かパーティーの横断幕にも、ワープロで打ったような綺麗な字が書かれてたような…………」

桑田「いや……あれを用意したのも葉隠だったはずだぜ」

葉隠「あ……いや……ま、待つべ……これは…………!」



557:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 16:22:47.74 ID:Wo6/UzelP

舞園「これで決まりです!! やっぱり犯人は葉隠君だったんですよ!!」ビシッ

不二咲「そ、そういえば、舞園さんはもっと前から葉隠君が犯人だって言ってたね……」

大神「むっ、それではお主は気付いていたのか?」

舞園「ふふ、エスパーですから」ニコ


エスパー万能すぎるな……。


山田「真実はいつも一つ。キミの負けです!」キリッ

江ノ島「意外といい声してんのよね山田って」

葉隠「あ……がぁ……!!」

セレス「これ以上醜態を晒してどうするんですか。もう楽になったらどうですか?」

戦刃「うん……もう言い逃れはできないよ!!」

苗木「――いや、まだだよ」

大和田「分かった分かった、オメーは黙ってろ。オラどうした葉隠ぇぇ!!!」

苗木「ちょ、ちょっと聞いてって! 葉隠クン、諦めちゃダメだよ!」



563:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 16:35:33.72 ID:Wo6/UzelP

腐川「や、やっぱり苗木ってソッチ系なんじゃないの…………汚らわしい!!」

山田「おや、僕は『ホモが嫌いな女子なんていません』という名言を見た事がありますが……」

舞園「うぅ……私、負けませんよ! 例え相手が男の人でも!!」

戦刃「え、えっと、私もそういうので差別とかしないから大丈夫だよ苗木君……?」

セレス「というより、葉隠君はこのまま処刑されるので問題ありませんわ」

苗木「だからそれは誤解なんだって!」


葉隠「ああああああああああああああああああああああああ!!!!!」


突然、葉隠クンが雄叫びをあげた。

もしかして何かに覚醒した?



565:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 16:44:19.12 ID:Wo6/UzelP

葉隠「俺はやってねえ!!! 犯人は苗木っちだべ!!!」

十神「ふざけるな。根拠を言え」

葉隠「俺がやってねえって言ってんだからやってねえんだべ!!」

山田「ですが、キミは大広間で妙な事も口にしていたではないですか! 停電後、舞園さやか殿の名前だけを挙げた事です!」

葉隠「知らねえ知らねえ!! 俺はそんな事言ってねえ!!!」

大神「ミステリーサークル騒動に、アイロンのコンセント。これも偶然とは思えんぞ」

葉隠「偶然なもんは偶然なんだべ!!!!!」

桑田「じゃあ石丸がオメーから受け取ったジュースを飲んでから体調を崩したのも偶然だってのかよ!!」

葉隠「そうだべ!!! それ以外に考えられねえ!!!」

江ノ島「あはははは、ダメだこりゃ」

葉隠「オメーらは何も分かってねえべ!!! 俺は悪くねえ!!!」

朝日奈「苗木がやれって言ったんだーって? それでも人殺しには変わりないよ!」

大和田「そうだ、毒を飲ませたのはテメーじゃねえか!!!」


葉隠「うるせええええええ!!! 俺は【薬一つ持ってねえべ!!!】」



571:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 16:49:30.25 ID:Wo6/UzelP

『白い粉』カシャ


霧切「それは違うわ」キリッ


ガシャーン!!!


葉隠「………は?」

霧切「あなたのコテージのゴミ箱からこんなものが出てきたわ。薬一つ持っていないなら、これは何かしら?」スッ

不二咲「そ、それってもしかして……!!」ブルブル

腐川「どう見ても毒じゃない……」

葉隠「ち……ちげえええよ! それはあれだ……そう、砂糖か塩だべ!! 俺、実は料理すんだ!!」

十神「……どうやらまだ少量だが残っているようだな」


十神「それじゃあ葉隠、それがただの砂糖か塩なら残っている粉を全て飲んでみせろ」ギロ


葉隠「!!!!!」



651:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 22:03:41.68 ID:Wo6/UzelP

十神クンの言葉に、葉隠クンは完全に動きを止めた。

ただ呆然と、何も見えていない様子で立ち尽くしている。


葉隠「…………」

十神「どうした? できないのか?」

朝日奈「黙ってないで何か言いなよ葉隠!!」

大和田「おいコラ葉隠ぇぇ!!!」

葉隠「…………」

江ノ島「あはは、もしかしてそうやって黙ってれば何とかなるとでも思ってんの? それでも勝手に投票始めちゃうってば」

戦刃「うん……だからせめて何か話してよ……」

大神「葉隠よ、お主は負けたのだ。それを認める事だ」

不二咲「弱さを認める事も強さの内……だと思うよ?」

腐川「ふ、ふん、どうせあんたはいつかやるとは思ってたわよ……」

桑田「苗木にそそのかされたとか何でも言い訳は聞いてやるから、とりあえず話せっつの」



653:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 22:15:48.27 ID:Wo6/UzelP

山田「ほれほれ、全部吐いちまえば楽になりますぞ……?」

舞園「正直に話した所で私は許しませんけどね。苗木君に罪を被せて自分だけ助かろうとしたんですから」

セレス「まぁ、わたくし達が許そうが許すまいが、彼は処刑されるので関係ありませんわ」

霧切「…………」

苗木「……ねぇ、葉隠クン」

葉隠「っ!!」ビクッ

苗木「本当の裁判とかでもさ、早い内に自白して反省した方が罪が軽くなるんだよ。
    大丈夫、キミだけが悪いわけじゃないんだ。だからもう、全部話してみよう?」

葉隠「…………」


ボクの言葉に、葉隠クンは俯いた。

そして次第にポツリポツリと話し始める。


葉隠「……そうだよ、俺がやったんだ」


その言葉に、みんなはただ押し黙った。



658:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 22:34:10.41 ID:Wo6/UzelP

葉隠「だけどよぉ、元々は苗木っちから誘ってきたんだべ!! 『キミだけがほぼ確実に脱出できる方法がある』ってよぉ!!
    なんだよこれ、全然ダメじゃねえかよ!! あのまま苗木っちがクロにされるんじゃなかったんかよ!!!」

十神「……やはりか」ジロ

苗木「あはは、バレちゃった」テヘ

舞園「なぜ……葉隠君なんですか……?」

セレス「えぇ。苗木君と葉隠君は特別仲が良いようにも思えませんでしたが……」

霧切「……それって苗木君がコロシアイが起きるかどうか知る為に試した事っていうのと関係しているんじゃないかしら」

苗木「流石霧切さんだね。うん、その通りだよ。ボクは葉隠クンに殺人計画を話して試したんだよ。
   ボクの見た感じだと彼が一番小さな希望しかないようだっからね。逆に言えば、彼がその計画に乗らなければ、他の人も乗らないだろうって思えた」

桑田「……で、葉隠はまんまと飛び付いたわけだ」

苗木「考える素振りも見せなかったね。即答だよ即答」

葉隠「し、仕方ねえだろ、他の奴らだって同じように受けたに決まってるべ!! そうだろ!?」


そう言って葉隠クンはみんなを見渡すけど、返ってくるのは敵意のこもった視線だけだ。


葉隠「な……なんだよ……良い子ぶってんじゃねーよ!! 人間、誰だって自分が一番可愛いんだっつの!!!」



664:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 22:45:20.26 ID:Wo6/UzelP

苗木「……はぁ。とにかく残念だったよ。ボクとしては受けてほしくなかったんだけどね。
   お陰で石丸クンを殺すことになってしまった。コロシアイが起きないって確信できたらもっと別の方法もあったんだけどね」

大和田「もうオメーの言い分は分からねえ事がよく分かったから黙っとけ」

朝日奈「葉隠あんた……ろくな奴じゃないとは思ってたけど、ここまでとは思わなかったよ!」

江ノ島「えっ、そう? コイツってこんなもんじゃん!」

腐川「ま、まさかこんな汚ギャルと意見が合うなんてね……」

大神「葉隠よ。本当の強さというものは」

葉隠「うるせええええ!!! 説教か!? そんなもん聞きたくねえべ!!!」

セレス「……そうですわね、これから死ぬあなたにいくら言っても仕方ありませんわ。投票を始めましょうか」

葉隠「待てよ!! 待てってば!!!」

不二咲「え、えっと……結局、この事件はどういう流れだったのかな……?」

山田「ううむ、確かに僕も頭がこんがらがっていますぞ。犯人は葉隠康比呂殿という事は分かりますが……」

舞園「苗木君が犯人じゃないと分かっていれば十分ですよ」

戦刃「そ、それでいいのかなぁ?」

苗木「あはは……でもこの際だし、事件を最初から振り返ってみようか」



674:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 23:12:45.32 ID:Wo6/UzelP

苗木「まず昨日の夜、ボク達はモノクマによって、仮想現実の世界で自分の死の直前まで体験する事になった。
   そして明後日までにコロシアイが起きなければ、最後まで見せると脅しをかけた」

苗木「当然、そんなものを見せられて平然としていられる人なんてそうそう居ない。ボクもかなりキツかったしね。
   ただ、それでもコロシアイなんて起きないと思いたかったんだけど、桑田クンがあそこまで取り乱しているのを見て不安になった」

苗木「だからボクは試してみる事にしたんだ。実際に殺人計画を持ちかけて、乗っかってくる人が居るかどうかをね。
   その時は、その計画を持ちかける相手は桑田クンにしようかとも思っていたんだけど、その前にボクに接触してきた人が居た」

苗木「そう、葉隠クンだ。実は彼はみんなの中で一番あの死の光景に怯えていた。何とかあれを回避できないかと考えたんだ。
   回避するにはコロシアイを起こすしかない。でも、彼は自分自身の力をよく分かっていた。いくらトリックを仕掛けても、霧切さんや十神クンを欺けるとは思えなかったんだ」

苗木「そんな彼が思い付いたもう一つの選択肢。それは自分は誰も殺さない代わりに、誰かに死んでもらおうというものだった。
   つまり、葉隠クンはボクに自殺を頼んだんだよ。ボクを選んだ理由は、一番引き受けてくれそうだから、だそうだ」

苗木「まぁ、条件がコロシアイで自殺でもいいのかっていう疑問はあるけど…………そこら辺はモノクマにでも聞いたのかな?」

モノクマ「はい、聞かれました。まぁ、殺人に見せかけて自殺っていうのも面白いからアリにしたよ!」

苗木「で、ボクはそんな彼の様子を見て確信したんだ。ボク達の中で一番小さな希望しか持っていないのは葉隠クンだって。
   だからボクはすぐに彼に殺人計画の話を持ちかけた。すると驚くほどすんなり乗っかってきたんだ。流石にボクも絶望したね」

苗木「まぁでも、そのくらいの絶望で凹んでいるわけにもいかない。ボクはその夜の内に彼に計画の詳しい内容と毒を渡した。
   石丸クンへの脅迫状を書いたのもその時で、葉隠クンが彼のコテージのポストに入れておいた」



683:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 23:43:08.71 ID:Wo6/UzelP

苗木「そして次の日の朝、脅迫状を受け取った石丸クンは期待通り今夜はみんなで集まろうと提案してくれた。
   すかさずボクは場所にホテル旧館を提案して、掃除当番にもなった。同じように葉隠クンにも掃除当番になってもらう必要があったけどね」

苗木「そして旧館の掃除中。葉隠クンはボクが渡した毒をジュースに入れて石丸クンに渡した。
   他のみんなの前で飲ませたのもわざとだよ、他の人のジュースも渡すことでそう仕組んだんだ」

苗木「そして毒を飲んだ石丸クンは体調を崩す。でもあの毒は青酸カリみたいにすぐ死ぬようなものではないから、マズイジュースを飲んだギャグのように装う事ができた。
   当の本人もソファーに横たわりながら『マズイ』なんて言ってくれたからね。あれはファインプレー……いや、彼にとってはそうでもないか」

苗木「その後、葉隠クンは手はず通りにボクと石丸クン以外の掃除当番を外に連れ出した。ミステリーサークルなんてものを使うのは予想外だったけどね。
   とにかく、衰弱した石丸クンと旧館に二人残されたボクは、台車を使って彼をトイレに運んで、体を縛って放置した。そのまま毒が回って死んでくれるようにね」

苗木「その後、外からテープを使って鍵をかけて、また外から開けられるように、テープの端はトイレの扉に目立たないように貼っておいた。
   そして、外に出て旧館の裏手に回ってみんなと合流したんだ。よく分からないミステリーサークルに困惑してる掃除当番のみんなとね」

苗木「エアコンのタイマーとかアイロンとか暗視スコープとかを仕掛けたのは掃除中だ、みんなごたごたしてたから怪しまれずにできたよ。
   あと掃除中に葉隠クンにやってもらう事があった。それは石丸クンの様子を確認してもらう事だよ」

苗木「だからボクは倉庫から床下へ行ける扉を教える為に、葉隠クン以外のみんなを倉庫に集めた。葉隠クンにはもう教えたからって言ってね。
   その時葉隠クンはトイレの中に入って石丸クンの状態を確認したんだ。血を吐いて死んでいる石丸クンをね」

苗木「ただ、その後はちょっと焦ったよ。石丸クンの死を確認した葉隠クンが想像以上に動揺していてね。まぁ、バレはしなかったから良かったけどさ」



688:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 00:07:25.23 ID:5HsYsUFbP

苗木「パーティーが始まってからモノミに外だけではなくて、大広間の前でも見張りをしてもらった。モノミの証言は必要だったからね。
    その後パーティー中に葉隠クンは桑田クンを連れて倉庫に向かった。アイロンをコンセントから抜く為にね。桑田クンはその証人だ」

苗木「エアコンのタイマーの設定時刻近くなったら、ボクは舞園さんと事務室へ向かった。相手はとりあえず女子なら良かったかな。霧切さんとか大神さんとか戦刃さん以外ならね。
    そしてタイマーの設定時刻になっても停電は起きなかった。当たり前だよね、そう仕向けていたんだ。だから、ボクは予定通りに舞園さんをスタンガンで気絶させた」

苗木「それからテーブルを踏み台にした上で、物まで使って何とかブレーカーを手動で落としたんだ。ほらボクってそんなに大きくないからそれなりに苦労したよ。
    ブレーカーを落としたボクは用意していた暗視スコープを使って事務室を出ると、トイレに入って既に死んでいる石丸クンの首にナイフを刺した」

苗木「後はボクはそのままナイフを握ったまま気絶したフリをして、トイレの中でみんなを待っていたってわけさ。死んだ石丸クンと一緒にね」


……はぁ、疲れた。

こうして話してみると中々面倒な事をしたものだなぁ。

でも、その割にあった成果は上げられた。みんなは確実に成長する事ができた。

だからきっと、みんなはボクの期待通りの結末へ導いてくれる。

全員が協力してモノクマを打ち倒す結末へとね!


十神「ふん、まぁ中々……といった所か。最初の事件にしては悪くないんじゃないか」

朝日奈「な……何言ってんの! これが最初で最後だよ!!」

セレス「ここまで策を講じても見抜かれてしまうのです。誰かを殺して脱出するという考えは止めた方がいいですわね」

不二咲「そ、その前に人を殺すなんてダメだってばぁ……」



690:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 00:20:23.75 ID:5HsYsUFbP

大和田「ちっ、毒を飲ませただとか、縛っただとか、ナイフで刺したとかよぉ……オメーら人の命を何だと思ってんだ」

江ノ島「お、暴走族のくせにまともな事言うじゃん。まー、そのくらいはギャルにも分かるけどさー」

戦刃「うっ……わ、私はそんなに言えないかも……」

大神「クラスメイトにここまでする事ができるとはな……我もまだまだ見えていないものばかりであったようだ」

山田「このような非日常的な空間では非日常的な事態が発生する。まぁ、考えてみれば当然ですな、ラノベではお馴染みですし」

桑田「にしたって、キツすぎんだろ。現実なんだぜここは」

腐川「事実は小説より奇なり……ってやつかしら……」

舞園「苗木君……やっぱり殺人なんてダメですよ。考えなおしてはくれないですか?」

苗木「いや、今更言われても……もう石丸クン殺しちゃったし、葉隠クンが。それにボクは後悔なんかしてないよ、むしろ満足してるよ!」ハハハ


葉隠「おいモノクマ!!! 俺は……俺は処刑されるんか!?」


葉隠クンは必死の形相で尋ねる。

ここまで本気の人間の顔というのも初めて見たかもしれないな。


モノクマ「うん、キミに投票されれば、例えキミがクロであろうとなかろうとどっちにしろキミは死ぬね」

葉隠「やめてくれ!!! 助けてくれよおおおおおおおお!!!!!」



696:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 00:39:05.17 ID:5HsYsUFbP

モノクマ「いや、ボクに言われても。投票権を持っているのはみんなだし、そっちに言ってよ。キミが殺ったわけじゃないなら、そう訴えなよ」

葉隠「殺ったよ……殺ったけどよ!!!!! オメーも分かってんだろ、俺は苗木っちにそそのかされたんだよ!!!!!
    苗木っちがあんな事言ってこなければ、石丸っちを殺す事なんてなかったんだよおおおおおおお!!!!!!」

モノミ「ぅぅ……葉隠君……」グスッ

モノクマ「いやいや、殺しちゃったんなら罪は償わないと。例えそれが誰かに仕向けられたものだとしても、殺人は殺人だよ。こんなの小学生でも分かると思うけどなぁ」ハァ

葉隠「い、いやだべ……ほら、情状酌量の余地ありとか……」

モノクマ「そんなのありません! これだから最近のゆとりは!!」

苗木「大丈夫だよ葉隠クン」ニコ

葉隠「はああ!? 元はと言えば全部オメーのせいだべ!!! オメーさえ居なければ俺はこんな事にならなかったんだ!!!!!」

苗木「いや、キミは素晴らしいよ。よく働いてくれた。キミの今の状態をそこまで悲観してはいけないよ! だってこの事件のお陰でみんなは成長してくれた。
    キミみたいなゴミみたいな小さな希望しか持てない人でも、みんなの役に立つ事ができたんだ! だから、心残りなんてないはずなんだよ!!」

葉隠「心残りなんてありまくりに決まってんだよ!!!!! 俺は死にたくねえ……死にたくねえよおおおおお!!!!!!」

大和田「…………ちっ、ここまで哀れな格好晒されると言いてえ事もなくなるぜ」

セレス「これは葉隠君の為にも、もう終わらせて差し上げるべきでしょうか」

桑田「くそっ、こんな奴でも後味わりーなちくしょう」


霧切「……一つ、いいかしら」



706:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 00:51:33.91 ID:5HsYsUFbP

 
霧切さんの声で場が静まり返る。

特に大きな声でもないのに、彼女の声にはそんな力があるみたいだ。

先程から喚いていた葉隠クンも、ただ彼女の方を向いて黙っている。


霧切「苗木君、ハッキリさせておきましょう」

苗木「何を?」


霧切「私はあなたの事が好きよ」


…………ん?


苗木「え、なんだって?」

霧切「私はあなたの事が好きよ」

苗木「……いや、でもキミは殺人を企てる人なんて許せないって言ってたじゃないか」

霧切「えぇ、許せないわ。でも、好きなの。悪い?」

苗木「いや、悪いとは言ってない……けど……」



715:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 01:05:49.70 ID:5HsYsUFbP

 
いきなりの事過ぎて、いつもは突っかかってくる舞園さんやセレスさんまで呆然としている。

それは当然だ、ボクだって何が何だか分からない。


霧切「ずっと自分に言い聞かせていたわ。あなたは憎むべき相手。一切の情も持ってはいけないって。
    でも、無理だったの。これだけあなたが残酷な事を……許されないような事をしても、どうしてもダメだったの」

苗木「…………」

霧切「私は探偵失格ね。真実よりもあなたを取りたいと思ってしまう。そんな事間違っているって分かっているのに。
    こんな理屈の通らない行動を選びそうになってしまう辺り、私は本当に変わったものね。これもあなたのせいよ」

苗木「…………」

霧切「私はどうしても譲れない希望を持っている。それはいつかあなたと分かり合って、お互いが納得する答えを出す事。
    どれだけ時間がかかったとしても、私はあなたと一緒にその答えを探していきたい。ずっと……ずっと一緒に居たい」

苗木「それが……キミの答えなの? それならガッカリだ。本当にガッカリだよ」


口に出しながら、ボクは思った。

そんな事はない。きっと彼女なら大丈夫。

根拠のない安心感が、今はとても信頼出来る。


霧切「あなたの望みを聞かせて、苗木君」



719:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 01:14:27.50 ID:5HsYsUFbP

苗木「ボクの……望み?」

霧切「えぇ。私って意外と尽くす女よ。好きな人の望みなら……叶えてあげるわ」


……ああ、そういう事か。

何だか、こう周りくどい所も霧切さんらしいなぁ。

でも、そういう所も…………大好きだよ。


苗木「ボクの望みはみんながどんな絶望にも負けない大きな希望を持って、モノクマに立ち向かい、打ち勝つ事だ」

霧切「…………分かったわ」


霧切さんは口元に小さな笑みを浮かべて頷いた。

そして、視線をみんなに移す。


霧切「この事件はまだ終わっていないわ。犯人は葉隠君じゃない」





727:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 01:27:31.74 ID:5HsYsUFbP

また、沈黙。

だけど今度はそう長くは続かなかった。


大和田「おい……まだあんのかよ?」

朝日奈「ウソでしょ……今度こそ終わったって思ったのに……」

桑田「葉隠が犯人じゃないだと? なんだよそれ霧切!!!」

山田「これ以上こんがらがるのは流石にギブアップですぞ……」

十神「おい霧切、本気で言っているのか?」ギリッ

腐川「びゃ、白夜様も終わりって言ってたんだから終わりでいいんじゃないの……!」

不二咲「ぅぅ……まだ、やらなくちゃいけないのぉ?」

大神「……確かにようやくこの学級裁判とやらから解放されるかと思っていた所にこれは堪えるものがあるな」

江ノ島「あはは、やっと解決しそうだったのに真犯人浮上って絶望的ね!」

戦刃「盾子ちゃんは元気そうだね……すごいよ」

セレス「いくらなんでも、ここまで来てしまったのであれば、霧切さんの思いすごしという可能性はないのですか?」

舞園「私も……もう止めたいです。こんな学級裁判なんて……もう……」

葉隠「おいマジか霧切っち…………マジで俺はクロじゃないんか!?」



730:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 01:38:23.87 ID:5HsYsUFbP

霧切「えぇ。葉隠君、あなたはクロではないわ」

葉隠「頼むべ!!! 何とかみんなを納得させてくれ!!!」

苗木「いいよ霧切さん、ボクはどこまでも付き合うよ」

朝日奈「ちょ、ちょっと待ってよ! 苗木の自白はともかく、葉隠の自白まで演技だったっていうの!?」

霧切「そうじゃないわ。葉隠君は自分が殺してしまったと勘違いしただけなのよ」

桑田「ちょっと待てよ……それで別のクロを決めてよ……それでも本当は葉隠であってたなんて事になったら……」

腐川「は、葉隠がまんまと生き残っちゃうじゃない!! もう続ける必要なんてないわよ、葉隠がクロよ!!」

葉隠「ち、ちげえ!!! 俺はクロじゃない……らしいぞ!?」

大和田「テメーそうやって助かろうとしてんじゃねえだろうなぁ……!!!」ビキビキ

戦刃「わ、私もこれ以上考えたら……なんだか間違った答えだしちゃいそうな……気がするな……」

江ノ島「うーん、もう面倒くさいし葉隠がクロでよくね? ほら、テスト終了直前まで二択で悩んでる時って、答え変えると大体変える前があってたっていうオチじゃん!」


みんなはもうかなりキツイらしく、疲れきった表情をしている。

そしてこれ以上考える事に対する不安。間違えた時取り返しがつかない事からくる恐怖。

そんな中で、霧切さんは真っ直ぐ強い瞳でみんなを見渡す。



733:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 01:52:02.15 ID:5HsYsUFbP

霧切「私は強制しないわ。みんなの不安も分かる。でも、どんなに暗い道だとしても私は前に進みたい。ただ、それだけよ」

十神「面白い」


真っ先に反応したのは十神クンだ。


十神「まだ続きがあるだと? くくっ、いいだろう、俺は逃げはしない。そんなものがあるなら見せてみろ」


すると、それを皮切りに賛同する人達も出てくる。


大神「そうだな……石丸の為にも我らは最後まで戦うべきだ」

戦刃「……うん、分かったよ。これも苗木君の言う、希望を持って立ち向かうっていう事なんだよね」

江ノ島「うぷぷ、ここまできて苗木の言うこととか信じてんの? いや、まぁお姉ちゃんがそう言うなら付き合ったげてもいいけどさー」

セレス「はぁ……仕方ありませんわね。苗木君がとことん付き合うというのであれば、わたくしもご一緒いたしましょう」

舞園「あっ、先に言わないでくださいよセレスさん!! 私だって苗木君に地の果てまでついていきますよ!!」


なんか舞園さんとかセレスさんの言い分は怖い……だけど、まだまだ余裕がありそうで頼もしい事は頼もしいな。

特に舞園さん。キミは本当に強くなったよ。



738:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 02:03:34.98 ID:5HsYsUFbP

大和田「ちっ、兄弟の為……か。そう言われるとやるしかねえじゃねえかよ」

不二咲「僕も……ここで逃げちゃ強くなれないよね……!」

山田「まぁ確かに不完全燃焼というのも、ストーリー的には陳腐なものですしな」

朝日奈「分かったよ……やっぱり不安だけど、何とか頑張ってみる!!」

腐川「あ、あたしは白夜様に付いて行くだけよ……」

桑田「はぁ……オメーらがやるってんなら俺だけやらねえわけにはいかねえじゃねえか」

葉隠「オメーら……俺の為に……」

苗木「い、いや、そういうわけじゃないと思うけど……」


とにかく、いよいよこれで最終局面だ。

今度こそ……全てが終わる。そして、始まるんだ。


霧切「まず、私が疑問に思った事……それは、毒はどうやって手に入れたか、よ」

葉隠「それは苗木っちに聞いてくれ! 俺はアイツから受け取ったんだべ!」

苗木「そんなの大した問題じゃないでしょ、あのスーパーには薬も沢山あった。【毒くらいいくらでも手に入るよ】」



740:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 02:13:57.94 ID:5HsYsUFbP

『モノクマの証言』カシャ


霧切「それは違うわ!」


ガシャーン!!!!!


苗木「……へぇ?」

霧切「あなたもモノクマの言葉を聞いたはずよ、『今行ける範囲で毒は手に入らない』と言っていたわよ。そうよね、モノクマ?」

モノクマ「はいはーい、その通りです。だって毒殺ばかりじゃつまんないしねー」

十神「しかしモノクマファイルには薬物反応ありと書いてあるぞ」

霧切「えぇ、そうね。でも、どこにも毒薬とは書いていないわ」

大和田「……確かにそうだな。じゃあ兄弟は毒なんか飲まされてねえのか!?」

葉隠「そ、そうだったんだべ!! 俺は苗木っちに毒だって騙されていただけだべ!!」

朝日奈「じゃあ、あんたの部屋にあった白い粉飲んでみれば?」

葉隠「うっ……そ、それは、なんつーか…………霧切っち飲んでくれねえか!?」

霧切「ごめんなさい、それは無理よ。これは少量でも意識が混濁するそうだから、今は飲めない」

桑田「やっぱ毒なんじゃねえのそれ……?」



747:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 02:30:09.60 ID:5HsYsUFbP

苗木「ねぇ、でもさ、葉隠クンのジュースで確かに石丸クンは衰弱していたよね?
    もし毒が入っていなかったっていうなら、あれはなんだっていうのさ。まさか本当に毒とか関係なしに気分が悪くなっていたっていうの?」

桑田「……確かに何か入ってなきゃあの反応はおかしいな」

十神「それに、長い時間トイレの中に閉じ込めていられる程弱らせる事ができるものとなると、やはり毒なんじゃないか」

葉隠「だ、だから毒じゃなくてだな……」

江ノ島「だからそう言うなら自分であの白い粉飲んでみろってのー!」

葉隠「それは嫌だべ!!!」

セレス「……しかし、毒ではないと言っている霧切さんも、その粉を飲むことは拒否しましたわね」

腐川「や、やっぱり毒だっていう事じゃない……」

霧切「いえ、毒以外に意識を失わせる事ができる薬はあるはずよ」

十神「…………睡眠薬か」

山田「むむっ!? 薄い本にもよく出てくる人気物ですな!!」

不二咲「そ、そっかぁ、だから霧切さんも飲めないんだねぇ、ここで眠るわけにはいかないから……」

苗木「つまり霧切さんは、ボクが葉隠クンに渡したのは毒薬ではなくて、睡眠薬って言いたいんだね?」

霧切「えぇ、その通りよ」

苗木「でもさ、結局はそんなものキミの憶測だよね? 誰かにその粉を飲ませれば証明できるかもしれないけど……まだ毒の可能性も残っているものを飲ませられる?」



748:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 02:37:12.09 ID:5HsYsUFbP

『何かの紙袋の切れ端』カシャ


霧切「苗木君の部屋で見つけたこの紙袋の切れ端、覚えているわよね?」

苗木「……うん」

霧切「あの後スーパーに行ってこれと同じ種類のものを探したわ。薬関係を中心にね」

大神「なっ……あそこから探したのか……!?」

桑田「とんでもねえな……俺だったらぜってー見つけられる自信ねえぜ」

朝日奈「そ、それで!? その切れ端ってもしかして!!」

霧切「えぇ、睡眠薬が入っている袋だったわ」

苗木「…………」

大和田「つまり苗木は睡眠薬を持ってやがったのか……!!!」

舞園「…………え? あ、あの、すみません、この流れって……クロは……」


舞園さんの顔色が変わってきた。

でも、ボクは気にしている余裕はない。


苗木「……うん、まぁ確かに睡眠薬は持っていたよ」



750:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 02:45:35.80 ID:5HsYsUFbP

腐川「なっ……そ、それじゃあ、葉隠に渡した薬も……!!」

苗木「さぁ、それはどうかな? 石丸クンの症状には睡眠薬だけでは説明がつかないものがあったはずだよ」

十神「吐血、だな」

戦刃「あっ……そ、そうだよ、石丸君は血を吐いていたんだよ!」

苗木「睡眠薬を飲んで血を吐くなんておかしいよね?」

大和田「まさかオメー……兄弟を殴って血を出させたんじゃねえだろうな!!!」

苗木「いやいや、ボクにそんな力ないって。それにモノクマファイルにも喉の刺し傷以外の外傷なしって書いてあるじゃないか」

大神「それでは自分の血……という事も考えられるのではないか?」

山田「苗木誠殿はMだったのですな!!」

苗木「でも、あの乾いた血ってそれなりの量があったよ? 血を出すのも大変だと思うけどなー。ボクの体調べてみる?」

舞園「はいっ!!!」

セレス「それではわたくしが」

江ノ島「ホント絶望的にブレないわねこの二人」

霧切「いえ、あなたは血を用意できたはずよ」

苗木「へぇ、どうやって?」



754:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 03:03:20.89 ID:5HsYsUFbP

『肉のドリップ』カシャ


霧切「朝日奈さん、あなたは苗木君と厨房で料理を作っていたわね? そしてその時に苗木君は肉のドリップを沢山出してしまった」

朝日奈「あ、うん…………え」

苗木「…………」

霧切「そしてそのドリップは苗木君が処分した、そうだったわね?」

朝日奈「そう、だけど……もしかして!!」

十神「おい何の話をしている!!」

霧切「十神クンの知識には入っていないのね。お肉って冷凍状態から解凍に失敗するとドリップというものが出てくるのよ」

山田「あれですな、2ちゃんねるで名前欄に#を入れて……」

苗木「それトリップ」

葉隠「分かったべ!! あのまるっとスリットお見通しの」

霧切「それはTRICK。お肉のドリップは旨味成分……ようは肉汁よ」

桑田「肉汁? 肉汁がどうかしたのかよ?」

霧切「その肉汁ってこういうものなのよ」
aVIfXV1




757:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 03:08:11.01 ID:j0XoLT4H0

よくこんな画像まで用意してるな



758:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 03:16:15.24 ID:5HsYsUFbP

十神「なっ……!!」

不二咲「それじゃあ……苗木君はこれを使って石丸君の血に見せかけたの!?」

苗木「…………」

戦刃「そんな……苗木君!?」

大和田「結局……結局オメーなのかよ!!!」

霧切「葉隠君、薬を飲ませた石丸君の様子を見に行く時に、苗木君に何か言われなかった?」

葉隠「そんな大した事は言われてねえべ……いつまでみんなを倉庫に引きつけられるか分からないから、確認はすぐ済ませてくれって……」

大神「……今となってはじっくり見られるのが不都合だったかのように思えるな」

十神「それに石丸を縛ったのは僅かな動きも封じようとしたから……とも考えられる」

苗木「…………」

霧切「葉隠君、石丸君の死体を確認した時だけど、口にガムテープはあった?」

葉隠「…………なかったべ」

舞園「そ、それがどうしたっていうんですか!!」

霧切「あのガムテープは苗木君が石丸君を刺す直前に貼ったものじゃないかしら。喉を刺したんだから声は出ないでしょうけど、万が一の為にね」

江ノ島「あれ、それって死人を刺すにしてはおかしくない?」ニヤニヤ



765:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 03:27:50.22 ID:5HsYsUFbP

十神「そういえば霧切、お前は乾いた血液を見た時に何か違和感を覚えていたな。それは」

霧切「えぇ、ハッキリとは分からなかったけど、人間の血と比べての違和感……でしょうね」

腐川「あんな血の違いを見分けるとか、あんたやっぱりヴァンパイアなんじゃないの……」

舞園「待ってください、どうしてまた苗木君が犯人だっていう話になっているんですか!!!」

セレス「……まだ弱いですわよ。彼が生きている状態の石丸君を刺したという根拠を出してください」

不二咲「でもぉ……生きている時に刺したのか死んでいる時に刺したのかって分かるのぉ?」

山田「中々に無理難題な感じですな……」

葉隠「いや、なんかあるはずだべ!! そうだよな霧切っち!?」

朝日奈「あんたはもう少し自分でも考えなさいよ……」

桑田「つっても、俺達はそんな死体とかに詳しくねえから分かんねえよ。戦刃はどうなんだ?」

戦刃「う、うん……何とか思い出そうとしてるんだけど……死んだ後に刺された時の特徴……」

江ノ島「あーあー、お姉ちゃんはどこまでも苗木ラブだねえ」

大神「血なら我も見てきたが……思いつかんな…………」


苗木「はは、それはそうだよ。【生きている内に刺された痕跡なんてないんだからさ!】」



766:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 03:37:04.23 ID:5HsYsUFbP

『死体の様子』カシャ


霧切「それは違うわ!」


ガシャーン!!!!!


苗木「……あるの?」

霧切「えぇ……それもハッキリと大きくね。みんなもあの大量の出血を見たわよね?」

桑田「あ、当たり前だろうが……あんなもん、もうそうそう忘れらんねえよ……」

腐川「ふふ、あたしは見てないけど……」

大和田「あの血まみれの便所に何かあるのか?」

霧切「戦刃さんや十神君なら分かるんじゃないかしら。死後に刺されたのであれば、あの部屋の惨状はおかしいわ」


戦刃「…………あ」

十神「くそっ、俺とした事が……!!!」ギリッ


葉隠「おい何だべ、勝手に納得してんじゃねえよ!」

霧切「死後……つまり心臓が止まっている状態であそこまでの大量出血なんてありえないのよ」



772:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 04:01:06.49 ID:5HsYsUFbP

不二咲「えっ……本当なの!?」

十神「心臓はポンプの役割を持っている。人体に傷を付けてもすぐに心臓が止まるわけではない、だから場所によっては血が噴き出る。
    だが、元々心臓が……ポンプが停止した状態では、血が多く詰まっている部分を傷つければ血は出るが、あの大量出血などはどう考えてもありえん」

戦刃「う、うん……え、でも……それって…………」

苗木「…………」

霧切「石丸君の死体は死後硬直もほとんど進んでいなかったし、体温もまだ下がっていなかった。死亡してからほとんど時間が経っていない証拠よ。
    死斑が出ていないのはあの大量出血のせいだと思うけど、もし毒で死んでいたのであれば、やはり出ているはずよ。あれだけ縛られて動けなかったんだし」

セレス「……それでは、本当に…………」

舞園「ウソですよ……ねぇ、苗木君……?」

霧切「それと苗木君、あなたが毒薬を手に入れたというなら、その方法を教えてもらえるかしら?」

苗木「…………」

桑田「どんだけ何重に仕掛けてやがったんだよコイツ……!!!」

大和田「じゃあオメーは葉隠がクロだってバレる所まで予想してたってのかよ!?」

不二咲「そこまでは解いてくれるって思って……それで……!!!」


苗木「それは違うよ」





775:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 04:22:38.94 ID:5HsYsUFbP

 
苗木「ボクはみんなを信じていたよ。きっと最後まで解いてくれるってさ」ニコ

江ノ島「はい自白したー」

大神「何とも歪んだ信頼だな……」

腐川「え、ちょっと待ってよ、それじゃあ後ちょっとで苗木だけが生き残る所だったんじゃない!!」

葉隠「はっ、結局はオメーも自分だけここから出たかっただけだべ!!」ビシッ

霧切「それは……どうかしらね。少なくとも最初にクロにされかけた時の自白はかなり危険だったと思うけど」

苗木「いいよ、そう思われても仕方ない……ていうか、場合によってはそれでも良かったって思ってるし」

朝日奈「全員犠牲にして自分だけ生き残ってもいいって事……!?」

苗木「うん。少なくともこの事件を霧切さんが解けないわけがないんだ。
    それなのにボクが勝ってしまうっていう事は、それはつまり能力とかそういう問題ではなくて、ただみんなの戦う意思がなかっただけだよ」

十神「そんな奴らなどは皆殺しにしていい、代わりに自分が生き残ったほうがマシ……か。ふん、理解できなくもない」

山田「ひぃぃぃぃ……なんだか通じ合っていますぞ……!!」

腐川「なっ、ふざけんじゃないわよ……それはあたしの役割よ……!!」

苗木「いや、ボクはそんな事望んでいなかったよ。もしボクだけが生き残ってしまったら、それは限りなくバッドエンドに近いトゥルーエンドみたいな感じかな。
    もちろん犠牲になったキミ達の為に、どんな事をしてでもモノクマを追い詰めたんだろうけど、それでもやっぱりみんなが居ないと嫌だしね」



779:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 04:51:19.99 ID:5HsYsUFbP

 
ボクは両手を広げる。

なんだかとても清々しい。

みんなの強い希望が見れたんだ、それだけでボクに心残りはない。

みんななら、きっとモノクマなんかには負けない。

全員がそれぞれ大きな希望を持って立ち向かって、打ち勝つことができるはずだ。


……まぁ、葉隠クンとか不安な人も居るけど。


苗木「じゃあね、みんな。投票は満場一致で頼むよ」ニコ


モノクマ「はいはい、それでは議論の結論が出たみたいですし、そろそろ投票タイムいっちゃうよー!
      オマエラはお手元のスイッチで投票してください! あ、言っとくけどちゃんと誰かには投票しろよー?」

モノクマ「ではでは、運命の投票ターイム!! 誰がクロに選ばれるのか、そしてそれは正しいのか!? さぁ、どっちだー!!」


そんなモノクマの声と共に、何とも場違いなスロットが回る。

そこには何やらみんなの顔が書かれていて。

スロットが停止した時、ボクの顔が横に並んでいた。



785:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 05:04:25.31 ID:5HsYsUFbP

 

モノクマ「満場一致で大正解ー!! 今回石丸清多夏クンを殺したのは苗木誠クンでした!!」


モノクマの声が響き渡っていく。

みんな、口数は少ない。


大和田「オメーらも苗木に投票したんだな」

舞園「…………ふふ」

山田「ひっ」ゾクッ

朝日奈「ま、舞園……ちゃん……?」

桑田「おいふざけんなよ苗木、オメーのせいで舞園ちゃんが壊れちまったぞ!!!」

舞園「……いえ、大丈夫ですよ。私はここで潰れるわけにはいきませんから。苗木君の為にも」

セレス「その通りです。モノクマに打ち勝つんですから、こんな所で落ち込んでいる暇はありませんわ」


そう言う二人の表情は見えない。いや、見せないようにしているのかな。

見せたくないならボクも無理には見ないよ。

それに、その言葉だけでボクは十分嬉しい。



789:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 05:27:02.52 ID:5HsYsUFbP

モノクマ「うぷぷ、それではみんなお待ちかねのオシオキが始まるよー!!」

モノミ「やめなちゃーい!!!」ガッ

モノクマ「うるさい離せコイツ!!!」ボコボコ

モノミ「うぎゃあああああ!!!」ベキィィ!!


大神「苗木よ、お主には別の道があったと、我は思うぞ」

朝日奈「…………バカ」

不二咲「ぅぅ……僕、泣いてないよ……!」

山田「結局一度も僕の本の売り子をしていただけなかったのが悔やまれますぞ」

腐川「ふ、ふん……あんたはそこそこマシな方だと思ってたのに……」

葉隠「だ、大丈夫だべ、苗木っちは天国行きだ! 俺の占いは三割当たる!」

大和田「オメーの言ってる事は訳分かんねえし、兄弟を殺した事を許すつもりもねえ。けどまぁ、あのふざけたぬいぐるみぶっ飛ばすのは約束してやってもいいぜ」

桑田「ったくよ……こんなのがモテるってのが信じらんねえよ。けど俺は自分のやり方でモテまくってみせっからな! オメーは指くわえて羨ましそうに見とけ!!」



792:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 05:38:08.85 ID:5HsYsUFbP

 
うん、みんなちゃんと前を向いてる。

心配なんて必要ないね。


戦刃「…………私の夢を手伝えない理由って、これだったんだね」


戦刃さんの声を受けて、ボクは頭を下げた。

ごめん。それに、ボクのワガママを聞いてくれてありがとう。


戦刃「……それじゃ、子供は養子を貰おうかな。幸せなら血の繋がりなんて関係ないよね!」ニコ


そこは素直に他の人と結婚しようよ。


十神「…………」


十神クンからは一言もないようだ。うん、十神クンらしいや。

というか、なんだか凄まじく怒っているような気がするんだけど……。


モノクマ「それでは、超高校級の幸運、苗木誠クンの為に、スペシャルなオシオキを用意しました!!」



830:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 11:48:32.31 ID:5HsYsUFbP

 

モノクマの言葉の直後、いきなり引っ張られて。

気付けば、目の前に霧切さんの顔があった。

それと、唇には柔らかい感触。

えっと、つまり、これは。


霧切「ありがとう」


とてつもなくベタなお別れって事だ。

でも、彼女の笑顔はとても可愛らしかったから何でもいいかな。


【追加補習】


机、椅子、ベルトコンベアー。

そして後ろから震動。

またか。芸がないなぁ。


江ノ島「あ、今『結局これかよ』とか思った? しょーがないじゃん考えるの面倒だし。大丈夫、大丈夫。ちょっとは変えてあるから」ニコ



834:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 12:04:36.07 ID:5HsYsUFbP

目の前の黒板の前には江ノ島さんが立っていた。

その間にも、ボクはベルトコンベアーで後ろに運ばれていく。


苗木「……江ノ島さんか」 

江ノ島「あれ、反応そんなもん? あたしとしてはもっと絶望的にビックリするかと思ったけど」

苗木「ボク達の中に黒幕が居るとすれば、江ノ島さんが一番怪しいって言ったじゃないか。だからそこまで驚かないよ」

江ノ島「うぷぷ、それならみんなに言えばいいのに」

苗木「こんなのボクの勘なんだから言えるわけないよ。余計みんなを混乱させるだけだ。
   ていうか、このオシオキってみんなにも見せてるんじゃないの? これじゃあ黒幕バレバレじゃないか」

江ノ島「あ、そこら辺は大丈夫だよ、みんなから見ればあたしはモノクマに見えてるし声も聞こえてないから」

苗木「随分と都合が良いね……キミって本当に超高校級のギャル?」

江ノ島「あはは、実はそこら辺もこの島の秘密を知るためのヒントだったりするんだよね! と言ってる間に一つ目のプレス機が見えてきたよ!!」 


ズドン!!!


苗木「……一つ目?」



837:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 12:16:15.85 ID:5HsYsUFbP

江ノ島「やっぱ補習らしくさ、これからあたしが出す問題に答えられたらプレス機を通過できるってのはどう? 全部で三問!」ニコ

苗木「はは、どうせ五問解いても助からない仕様なんでしょ?」

江ノ島「うぷぷぷぷ、どうでしょう? さて、それじゃあ第一問、ズバリ黒幕は誰でしょう?」

苗木「いきなりそこなんだ……ていうかキミなんじゃないの?」

江ノ島「えー、それはどうかなぁ。もしかしたらただの内通者かもしれないじゃん」

苗木「うーん……そうだなぁ」 


ボクは少し考え込む。

次第に震動も大きくなってきていて、プレス機が近づいているのが分かる。


苗木「そういえば、『黒幕はそいつであってそいつじゃないかも』とかって言ってたよね江ノ島さん」

江ノ島「おっ、覚えていてくれた?」

苗木「黒幕はキミであってキミではない……つまり多重人格……それか分身のようなものかな?」

江ノ島「♪」

苗木「いや、みんなの前でモノクマをあれだけ動かせるんだから、分身の方がありそうだね」

江ノ島「それでそれで? その分身ってなんなの? あたしって別に忍者じゃないから好き勝手に分身なんてできないよ」



841:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 12:27:52.87 ID:5HsYsUFbP

苗木「…………」

江ノ島「おーい、どした? 早くしないとミンチだよ?」


ズドン!!!!!


もうかなり近くから聞こえる。

おそらくあと数秒でボクの体はグチャグチャな肉塊に変わる。

……そういえば、不二咲クンに聞いた事があったな。確か――――。


苗木「AI…………とか」


ゴォ!!!


プレス機がボクの頭上数センチの所で停止した。

そして、そのままボクは更に後ろへと運ばれていく。

本当にいい趣味してるなぁ。


江ノ島「大正解ー!! 黒幕はあたしのAIでした!!」



846:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 12:39:33.83 ID:5HsYsUFbP

苗木「まさかそこまでのAIが存在するなんてね」

江ノ島「うぷぷ、世の中には知らない事がたくさんあるもんだよ」ニヤニヤ

苗木「……あれ、でもそれだとキミも安全圏に居たわけじゃないよね? 誰かに殺されそうになったらAIが助けてくれる仕組みだったのかな?」

江ノ島「そんなわけないじゃん。クラスのみんなでコロシアイなんていう絶望的なイベント、あたしだって同じように参加したいに決まってんじゃん!」


そう言う江ノ島さんの笑顔を見て、彼女は根本的な所からみんなとは違うっていうのが分かった。

それなら、もしかして。


苗木「……これはクラスの絆を強くする為の修学旅行だって聞いたけど、もしかして本当はキミを少しでも変えるためのものだったのかな」

江ノ島「へぇ、やるじゃん苗木! まったくバカだよねー、そんなんで上手くいくわけないのに。ヤバイと思ったならさっさと隔離するなり処分するなりすればいいのに」


たぶん学園長はそれでも江ノ島さんの事を見捨てられなかった。あの人らしいな。

そして、二つ目のプレス機が近付いてくる。



849:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 12:50:33.81 ID:5HsYsUFbP

ズドン!!!


江ノ島「そんじゃ、第二問! ズバリこの島の秘密とはなんでしょう!!」

苗木「また核心を突くような問題だね……」

江ノ島「そりゃこの状況で足し算引き算しても面白くないじゃん! あ、それじゃあたしのスリーサイズとか当ててみる?」

苗木「いや、遠慮するよ。そっちの方が分からないし」


この島の秘密…………それは何度か目撃してきた魔法じみた現象と関係しているはずだ。

普通に考えたらありえない、それでも目の前で起こってしまっている数々の現象はなんだろう。


江ノ島「実はもうあたしもヒントは出してんだよねー。霧切ちゃん辺りならもう何となくは気付いてんじゃないかな!」

苗木「ヒントは出した? うーん……」


重苦しい震動音が近付いてくる。



851:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 13:00:09.48 ID:5HsYsUFbP

そういえば、話を聞いているとこれは江ノ島さん一人の暴走のように思える。

でも、彼女と彼女のAIだけでここまで大がかりな事ができるのかな?

このモノクマロックだって、明らかに後から作られたものだ。

それほど万能なAI…………もしくはAIの力が最大限に引き出される環境なのか。


苗木「…………」

江ノ島「おっ、なんか思い付きそうな顔してる! でも急げー!!」


ズドン!!!!!


もうすぐ後ろまで来ている。

いや、気にしてはダメだ。考えろ。

AIが力を発揮できて魔法のような現象が起きる。


そう、それこそゲームに出てくるような…………ゲーム?


……あれ、そういえば今回の殺人の元々の発端って。



852:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 13:14:54.02 ID:5HsYsUFbP

 

苗木「――ここも仮想現実の世界なの?」


ゴォ!!!


またプレス機が頭上数センチで止まった。

ボクの体はまだ原型をたもったまま、更に後ろへと流されていく。


江ノ島「またまた大正解ー!! さっすが苗木、あたしが生理的に受け付けないだけあるよ!!」

苗木「それは褒められているのかな………? でも、仮想現実の世界なら別に死んでも…………いや」


自分で言ってて甘い考えだとは思った。

そもそも、ここが仮想現実の世界ならこんな状況になったなら外から無理矢理終了させればいいんだ。

江ノ島さんはこの世界で好き放題しているんだから、外から電源を落としてしまえばそれで終わりなんじゃないか。

でも、それができない理由。それはきっと、そんな乱暴な方法を使うとボク達に影響が出るからだ。

この仮想現実世界のボク達だけではなく、現実のボク達にも。



856:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 13:35:55.17 ID:5HsYsUFbP

仮想現実世界での影響が現実にも出る。

それはあの死の光景を見せたモノクマも言っていた。実際ボク達も体験した。ここは現実ではないみたいだけども。

逆に現実にも影響が出るからこそ、江ノ島さんを変える為の手段として使われたんじゃないか。


苗木「たとえ仮想現実だとしても、ここで死んでしまったら現実でもただでは済まない」

江ノ島「うぷぷ、こういう話があるんだよ。死刑囚を目隠しさせて、足の指先に傷を付けます。そんで水音を聞かせて『お前の血を抜いている』っていうの。
    そしたら本当は血なんてほとんど出てないのに、その死刑囚はやがてショック死してしまいました。他にも焼きごてを当てる前に火傷の跡が出てくる話もあるよね」

苗木「つまり、例え自分の思い込みでも、それが現実だと信じ込んでいれば実際に現実でも影響が出てくる?」

江ノ島「うん、まさにどっかの学園都市に出てくるパーソナルリアリティ!! …………ちょっと違うかな」

苗木「でもボクはここが現実じゃないって分かっちゃったけど?」

江ノ島「そーいう問題じゃないんだよねー。分かっていても分かっていない。あんたの頭の深い部分では、ここが現実だってバッチリ認識しちゃってんのよ」



857:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 13:49:19.33 ID:5HsYsUFbP

苗木「はは、やっぱりここで死んじゃったら現実でも死んじゃうんだね」

江ノ島「いや、そんな事もないよ。まぁ、ただ心臓を動かすだけの物体になるだけだよ。頭が死ぬっていうのかな」

苗木「それって生きてるっていうのかな?」

江ノ島「ちょっとー、そういうのってデリケートな問題なんだからもっと気を使いなさいよねー」

苗木「絶対そんな事思ってないでしょ。ていうか今まさにボクもキミによってそんな状態になりそうなんだけど」


ズドン!!!


三つ目のプレス機が近付いてきた。

これが……最後。

江ノ島さんの事だ、おそらくボクはあれをくぐり抜ける事はできないんだろう。


江ノ島「じゃあ…………第三問いってみようか?」

苗木「お手柔らかにね」

江ノ島「うぷぷ、大丈夫だよこれが一番簡単だから。ほら、ラスボスよりその前に出てくる敵の方が強いってあるじゃん?」


それから、江ノ島さんは満面の笑みを浮かべて…………。



863:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 13:58:12.34 ID:5HsYsUFbP

 

江ノ島「世界に必要なものは希望が絶望か!」


なんだ、本当に簡単だった。

江ノ島さんの事だから最後に無理難題を出してくるものだと思っていたのに。


苗木「希望だよ」

江ノ島「ファイナルアンサー?」

苗木「ファイナルアンサー」

江ノ島「えー、もうちょっと考えなよ、まだプレス機に行くまで少しあるよ?」


少し背後の音に集中してみると、確かにまだあの全てを押し潰す音も離れた所から聞こえる。

でも、だからって他に考える事なんてない。


苗木「厳密に言えば希望の為には絶望も必要だと思うけど……そんな答えは認めないよね?」

江ノ島「もち!!」

苗木「それじゃあボクの答えは変わらないよ。所詮絶望なんて希望の為の踏み台でしかないんだし」



865:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 14:08:13.73 ID:M2ALsu9R0

あっ...(察し)



867:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 14:14:37.53 ID:5HsYsUFbP

江ノ島「本当にいいの? 正解かどうか決めるのはあたしだよ?」

苗木「あはは、そこまでボクに絶望だって答えさせたいの? 言うわけないじゃないか、ここでそれを言ったら今までボクがしてきた事はなんだったんだ」

江ノ島「死ぬよ? 絶対的で永遠の“死”っていう絶望が待ってるよ?」

苗木「言ったよね、ボクは絶望なんかに負けたりはしない。本当に負けるっていうのは、絶望してそのまま立ち上がれない事なんだ。
   誰だって絶望はするよ。そこから立ち上がるからこそ希望なんだよ。これから死ぬとしても、ボクは希望を失わないよ」ニコ

江ノ島「っ……!!」

苗木「ここでボクが死ぬ事は無駄なんかじゃない。石丸クンもね。この件でみんなはキミに立ち向かう希望を得た」 

江ノ島「そんなもん、あたしがすぐ塗りつぶすし!」

苗木「やってみればいいさ」

江ノ島「……なによ、あんた頭おかしいんじゃない!? なにこれから自分が死ぬのにヘラヘラしてるわけ!?」

苗木「キミは本当に心の底から希望を嫌っているんだね」

江ノ島「つまんないつまんないつまんない!!! なにあんた、最悪なんだけど!!!」



872:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 14:44:42.04 ID:5HsYsUFbP

 

ズドン!!!!!


プレス機がすぐ近くまでやってきた。

ボクの命もあと少し……か。

意外と悪いものじゃなかったよ。


江ノ島「死ね!! 死んじゃえ!!! グッチャグチャの汚い肉塊になっちゃえ!!!」


舞園さんはトップアイドルとして、みんなに笑顔を与えていくのだろう。

桑田クンは野球はそこそこに、とにかく女の子ばかりを追い続けるのだろう。

大和田クンはお兄さんのように……いや、お兄さん以上に強くなって、族のみんなを引っ張っていくのだろう。

不二咲クンもきっと強さを手に入れて、堂々と男の子として歩いていくのだろう。

朝日奈さんはこれからもずっと明るく元気に色々な事に挑戦していくのだろう……もちろん悩んでいた恋愛関係も。

大神さんはこれからもずっと地上最強の座を守り続けていくのだろう。あの人の為にも。

セレスさんはこれからもお城で暮らすという夢の為に、たくさんの人をギャンブルで破滅させていくのだろう。

腐川さんはこれからも素晴らしい恋愛小説でみんなに夢を…………いつかは自分自身の恋愛も報われるといいんだけど。



878:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 15:11:14.05 ID:5HsYsUFbP

山田クンはこれからもノリノリで好きなキャラを陵辱していくのだろう…………そういえば、考えているっていうオリジナルを読めなかったのは残念だな。

戦刃さんは自分で決めた夢に向かって、幸せな家庭を築いていくのだろう。できればボクの事とか気にしないで結婚してほしいけどな。

十神クンはこれからも大きな重圧を背負って勝ち続けていくのだろう。あ、もしかしてあんなに怒っているみたいだったのは、ボクが彼を出し抜いたからなのかな。

石丸クンが生きていれば、きっと自分の信念を貫き通して、努力によってお爺さんのような過ちを無くそうとしていったのだろう。

葉隠クンは……うん、まぁその内本気出してくれるだろう。占いの確率が上がったりすれば凄いし。


それに霧切さん。

彼女はきっとこれからも常に冷静に物事を見極め、真実だけを追い求めていくのだろう。

最後のキスは少し驚いたけど、あれも霧切さんなんだよね。普通の女の子らしくなったと思うけど、ボクはいいと思う。

あ、そうだ。できれば、学園長とももう少し仲良くしてほしいな。


ズドン!!!!!!!


いよいよ次だ。

次にボクはプレス機の真下にいる。



888:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 15:35:10.92 ID:5HsYsUFbP

視界が暗くなる。見上げなくても分かる、ボクは普通の真下にいる。

江ノ島「ねぇ、どんな気持ち!? これからペシャンコにされるけど、どんな気持ち!?」

苗木「…………」

江ノ島「あはは、やっぱり怖い!? ほら、まだ間に合うって!! 言っちゃいなよ!! この世に必要なのは絶望なんだって!!」


ここでボクが絶望だって答えたら彼女は喜びのあまり、どうかしてしまうかもしれない。そのくらい彼女は興奮している。

だから――――。


苗木「それは違うよ」ニコ


ボクが最期に見た光景は。

江ノ島さんが恍惚の表情で、体をビクビクさせているものだった。

なるほど、ボクが絶望って答えれば他人の絶望を楽しめて、希望って答えれば自分の絶望を楽しめるのか。

でも、死に際に見たものがこれかぁ…………あはは、なんて絶望的…………いや、これはこれで、もはや希望なんじゃないかな。


そんな事を考えて。


グシャァァァァァァァァァ!!!!!



889:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 15:37:51.26 ID:5HsYsUFbP

視界が暗くなる。見上げなくても分かる、ボクはプレス機の真下にいる。

江ノ島「ねぇ、どんな気持ち!? これからペシャンコにされるけど、どんな気持ち!?」

苗木「…………」

江ノ島「あはは、やっぱり怖い!? ほら、まだ間に合うって!! 言っちゃいなよ!! この世に必要なのは絶望なんだって!!」


ここでボクが絶望だって答えたら彼女は喜びのあまり、どうかしてしまうかもしれない。そのくらい彼女は興奮している。

だから――――。


苗木「それは違うよ」ニコ


ボクが最期に見た光景は。

江ノ島さんが恍惚の表情で、体をビクビクさせているものだった。

なるほど、ボクが絶望って答えれば他人の絶望を楽しめて、希望って答えれば自分の絶望を楽しめるのか。

でも、死に際に見たものがこれかぁ…………あはは、なんて絶望的…………いや、これはこれで、もはや希望なんじゃないかな。


そんな事を考えて。


グシャァァァァァァァァァ!!!!!



894:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 15:49:03.92 ID:5HsYsUFbP

 

『刑務所から脱走した江ノ島盾子は未だ発見されず……』


ピッ


テレビを消すと部屋には静寂だけが広がる。

ベッドに寝転がったまま、制服にシワがつくのも気にせずにぼーっとする。

もう夕方、外からはオレンジ色の柔らかい光が差し込んできている。


時計を見た。そろそろ行かないと。


霧切「…………」


鏡と向き合って、自分の顔を直視する。

最近化粧を覚えた。あまり得意ではないけれど。

もっとも私は化粧なんかしなくても、低く見積もっても上の上クラスの容姿のはず。苗木君には十分すぎるわ。



899:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 16:02:47.68 ID:5HsYsUFbP

病院へ向かう途中、ケータイが振動した。

相手は……舞園さん。


霧切「おかけになった電話番号は現在使われていないか」

舞園『思いっ切りあなたの声じゃないですか!!!』

霧切「あら、最近のケータイは高性能で持ち主の声紋を」

舞園『今普通に受け答えしてますよね?』

霧切「……それで、何の用かしら? というか、あなたこれからステージ公演じゃないの?」

舞園『ちょっと時間見つけて電話したんですよ。いいですか、この前みたいに苗木君のベッドの中に入らないでくださいよ!?』

霧切「だから言っているじゃない
、あれは事故よ。足がもつれてベッドの中に入ってしまったの」

舞園『どうもつれたらそうなるんですか!!!』

霧切「はいはい、気を付けるわ。それでもセレスさんのディープキスよりはマシでしょう」

舞園『あれは論外です……もう二度とあの人を苗木君の病室には入れません……』

霧切「それは私も同感よ。それじゃ、ステージ頑張ってね」

舞園『あっ、はい、ありがとうございます…………もう一度言いますけど、決して苗木君に』



905:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 16:11:56.81 ID:5HsYsUFbP

 

プツッ


……言葉の途中だったかしら。

まぁいいわ、いつもの事だし。


【病院】


通いなれた病院。

一階ロビーに足を踏み入れると、偶然クラスメイトに出会う。

その特徴的過ぎる髪型に周りから視線が集まっているのを感じる。


大和田「よう、オメーも来たのか」

霧切「えぇ……あなたは石丸君?」

大和田「あぁ、一応苗木もな。ホントはあんな奴どうでもいいんだけどよ、後で兄弟にガミガミ言われそうでよ」

霧切「ふふ、確かにそうね」



908:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 16:19:11.18 ID:5HsYsUFbP

大和田「オメーはやっぱ苗木か?」 

霧切「えぇ。もちろん石丸君の所にも行くわよ」

大和田「けっ、どうせ兄弟はついでだろ」

霧切「そんな事ないわよ。石丸君にだって早く目覚めてほしいわ」

大和田「……あぁ、いつまで寝てんだって話だ」


みんなは立ち止まっていない。

苗木君の願い通り、確かに歩き続けている。


【病室】


いつもの病室。ノックはいらない。

ただ、このノックをしない事で、扉を開けると舞園さんやセレスさんの暴走っぷりを目の当たりにする事もある。

そして今日は、扉を開けた瞬間、目の前に人が立っていた。


「……やぁ」


不思議な人だった。



917:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 16:27:01.06 ID:5HsYsUFbP

希望ヶ峰学園の制服を着た、白髪の男子。

何かしら、この感覚は。


霧切「あなたは? 苗木君のお友達?」

「ははは、ボクなんかが彼の友達になれれば光栄なんだけど……」

霧切「……?」

「大丈夫だよ」

霧切「大丈夫?」

「うん。彼はきっと目覚める。だから、希望を失っちゃダメだよ」

霧切「……えぇ、言われなくても分かっているわ」

「そっか……そうだよね。ごめん、ボクなんかに言われなくても、キミ達はよく分かっているよね」


そう言って、彼は部屋から出て行く。


「それじゃ、邪魔者はここで。ごゆっくり」ニコ


バタン



924:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 16:37:47.91 ID:5HsYsUFbP

何だったのかしら、あの人。

今のところ情報は希望ヶ峰の生徒で、苗木君に憧れ……いや、それとも少し違う気がする。

それにどことなく声が苗木君に似ていたわね。


すると、外から先程の彼の声が聞こえてくる。


「あれ、日向クン! 予備学科の日向クンじゃないか! どうしたの、授業はもう終わったの予備学科の!」

「うるさいなぁ……俺はただお見舞いに……」

「なるほど、何の才能もないボク以下のキミが超高校級の希望に会いたいと思うのは当然だね!
 でも、今は遠慮した方がいいよ、彼女さんが来ているから。予備学科ではなく本科のね!」

「おい、お前いつもいつも何なんだよ!!!」

「びょ、病院では静かにしてくださいぃぃ~~!!」


……彼女、ね。

中々良い人じゃない、あの白髪の人。



926:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 16:40:07.14 ID:svzEewY30

日向クンの扱いwwww



932:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 17:05:24.84 ID:5HsYsUFbP

ベッドの近くの椅子に腰掛ける。

そのままいつもの様に、苗木君の頬に触れる。

手の火傷は治してしまった。もう私には、戒めは必要ない。


苗木君は暖かい。ちゃんと、生きている

だから、私はいつものように学校の事、みんなの事を話す。


霧切「舞園さんがあなたが起きない事を良い事に、またあなたと付き合っているってテレビで言っていたわよ。早く起きてくれないと大変な事になるわよ」

霧切「あとセレスさんはついに城を建てたわ。でも、あなたは行かない方がいいわよ、たぶん一度入ったら出てこれないから」

霧切「大和田君の暴走族はその内海外進出も狙っているみたい。警察との睨み合いが続いているわ」

霧切「そうそう、山田君の漫画がアニメ化されたわ。内容は言いたくないけど」

霧切「朝日奈さんはまた胸が大きくなったわ。告白される回数も凄い事になっているけど、いつも好きな人がいるって答えているらしいわ。誰の事かしらね」ジロ

霧切「腐川さんの新刊がダブルミリオンを記録したわ。私も読んだけど、凄く良かった。本人が十神君にフラれた回数はそろそろ三桁らしいわよ」

霧切「大神さんは未だ無敗よ。昨日も一つ上の学年のマネージャーをふっ飛ばして校舎壊して父が頭を抱えていたわ」

霧切「桑田君は野球は凄いけど、女の子からの人気はまだまだね。この前舞園さんの周りにいた黒服の人達に、どこかに連れて行かれるのを見たわ」

霧切「不二咲君のAI技術はまだまだ伸びているわ。山田君なんかは変な方向に期待しているみたい。
   あなたのAIを作ろうかって言われたけど、断ったわ。だって、あなたはここに居るのだから」ナデナデ



941:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 17:48:25.99 ID:5yBiR8lDP

霧切「戦刃さんは居なくなった江ノ島さんを探し回ってたけど、本人にいらないって言われたみたいよ。
   それと、役所に行って昏睡状態の人と結婚できるかって尋ねていたらしいから、私達で警戒しているわ」

霧切「十神君は相変わらずその財産を使い込んで、全力であなたが目覚める方法を探しているわ。勝ち逃げされたと思っているのでしょうね」

霧切「葉隠君は最近学校に来ていないわ。噂では海外に飛ばされたとか東京湾に沈められたとかあるけど、定かではないわね」

霧切「石丸君はまだあなたと同じ状態よ。彼が居ないから学校は前よりかなり緩くなって先生が困っているわ」

霧切「江ノ島さんは……どこで何をしているんでしょうね。彼女はたぶんまた、私達の前に立ちはだかるような気がするわ」


霧切「……私は、いつも通りよ。学校でみんなと過ごして、個人的に受けている依頼をこなして。あ、父とは一日に三回程話すようになったわ」

霧切「男子に告白される事もあるわ。その度にあなたと付き合っているって言っているけど、構わないわよね?」


霧切「……苗木君。待っているから。私は、ずっと待っているから。あなたがまた、みんなと一緒に笑っている、あの光景を」


苗木君の表情は変わらない。

ただ穏やかに、彼は眠り続ける。


窓の外では、明るく眩しい夕焼けの空がどこまでも広がっていて、彼を照らしていた。



942:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 17:49:40.56 ID:5yBiR8lDP

終わり。くぅ疲



944:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 17:50:30.49 ID:fg4BSdUF0

面白かった



945:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 17:50:59.73 ID:zb1awS6S0

いちょっつ



952:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/25(日) 17:53:06.87 ID:6LXa1Qe6O

乙でした





◆以下、おまけ(小ネタ)になります。



モノクマのPC用壁紙下さい

619:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 19:09:38.74 ID:Xto3MPhYP

モノクマのPC用壁紙下さい



621:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/24(土) 19:23:59.22 ID:WF7vBXxn0

>>619

621_1
621_2
621_3



転載元
苗木「どきどき修学旅行?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1376887037/
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         コメント一覧 (119)

          • 20. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月25日 23:58
          • なんで狛枝化してんだ
          • 21. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 00:34
          • 5 苗木くんが希望厨になってたけど、これはとてもいいな2のステージが別の殺し方で見れたのもとても良い!
            1とかの犯行も加害者と被害者が別になった話とかよみたいな
          • 22. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 00:38
          • 結局なんで苗木がこまえだになったかの説明が無くて消化不良だわ
            いっそのこと仮装空間にぶち込む際に意識が混ざったとかにしてくれれば違和感もとれたのに
          • 23. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 00:41
          • 霧切と舞園の性格が本編以上に下衆
          • 24. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 00:41
          • 石丸…
          • 25. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 01:04
          • おもしろかった。

            久しぶりに引き込まれたわ
          • 26. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 01:06
          • 素晴らしい作品、感無量ですね。
            でも一つ疑問が、仮想世界でプレス機で死んだのは私様で苗木(狛枝?)は生きてるという事は元の苗木は仮想世界のいつ死んでしまったんですかね?
          • 27. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 01:41
          • 仮想現実空間だし、てっきり中身が狛枝でしたオチかと思ってたのに……
          • 28. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 01:52
          • 5 これは凄い
          • 29. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 02:00
          • 5
            超高校級に面白かった

            でも苗木の狛枝化のとこだけ説明してほしかったわ
            仮想現実なんだからいろいろ説明できたんじゃね?
          • 30. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 02:13
          • 3 面白かっただけに説明不足が残念。

            何で江ノ島AIがいるのかとか苗木の狛枝化の理由とか、そこら辺しっかりしてればもっと良かったと思う。
          • 31. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 02:50
          • 5 超面白かった!
          • 32. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 02:56
          • 4 面白かった。
          • 33. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 03:01
          • ナニコレスゴイ…見を終わっても…うん…続き見たいような見たくないような?他のssと違う風なのは感じた
          • 34. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 03:41
          • 狛枝は「一歩間違えた苗木」がコンセプトらしいから多分この世界の苗木は間違っちゃったんだろう。
            逆に狛枝が間違わなかったのかもしれない、ただノリがウザいすごくいいやつなのかも。
          • 35. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 04:22
          • 最後に原作通りの苗木君が2みたいに来てくれると思ってわくわくしてたのに…
            そのまま終わったので絶望しました。
          • 36. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 04:23
          • 5 久々に良SSを見た
          • 37. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 05:04
          • 5 ※34
            なるほど、なんとなく腑に落ちたわ
            とりあえずおっと良作発見伝と言っておきますぞ
          • 38. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 07:50
          • 正直一歩どころの間違いじゃないよね
          • 39. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 08:35
          • 苗木と狛枝って全然違うしな
            狛枝はみんなの希望を見たいって思う側で
            苗木はみんなに希望を与える側だし
          • 40. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 12:24
          • 面白かった!脳内再生余裕でした!

            あと仮想世界でオシオキされたの苗木だから、私様じゃねえから
          • 41. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 12:54
          • 長かった
          • 42. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 14:14
          • このSSに拍手してるやつはゲーム本編やってないやつだよな
            アニメ終わってないのに見てよかったのか、1・2ともにネタバレ全開だと思うのだが
          • 43. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 15:39
          • ドリンクこえーな
          • 44. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 15:41
          • ゲーム本編やってるみたいな気分で楽しめたわ
            何で狛枝化しちゃったのかは気になるけど
          • 45. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 19:06
          • いやー面白かったわ

            1と2のパロディも入ってたし、トリックも良かった
          • 46. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 20:05
          • 4 >希望が絶望か!
            いいところで誤字ってんじゃねーよハゲ!!

            いやーでも面白かった
            イマイチ裁判中もシリアスになりきらないのも原作っぽいし笑えた

            石丸クン復活に希望持ってもいいんだよな……
          • 47. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 20:44
          • 3 これは、アレかな?
            幸運が二人いたから、人物データが混ざっちゃったのかな?

            絶望?
            絶望は1人だけだよ
            もう1人はただ絶望的に残念なだけだし
          • 48. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 20:44
          • 超長え


            面白かったけし、良いと思う


            でも、やっぱり霧切さんと十神くん以外は苗木たちに頼りすぎのグズだな
          • 49. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 21:07
          • 渋の俺新訳と同じくらい面白かった
            やっぱり手の混んだIF物は最高だな
          • 50. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 21:13
          • 一つ言わせてもらうならば、密着した状態でのスタンガンはダメだろ。
          • 51. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 21:46
          • 狛枝は超高校級の幸運を持ってなくて抽選で入学しただけならましになってたのかな
          • 52. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月27日 01:17
          • 苗木より石丸クンに復活してほしいわ。
            この話の中では一番の善人だろ。
          • 53. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月27日 02:05
          • 狛枝は堕苗木が元ネタなんだから別に苗木が希望厨になっててもおかしくはないでしょ
          • 54. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月27日 03:00
          • 4 確かに「一歩間違えたら~」っていう設定はあるけど、狛枝レベルの幸運ない状態の苗木がダークサイドってのはよくわからん。結構1,2やったけどどうしても違和感がぬぐえない。
            折角の長編なんだからもうちょっと説明して欲しかったな。
          • 55. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月27日 06:36
          • 1 時間かかりすぎ
            狛枝化した理由の説明無し
            論値
          • 56. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月27日 09:14
          • 舞園霧切はわかるけど、セレスって苗木に対して、明確な好意持ってたっけ?まあSSだし面白いからいいんだけどね
          • 57. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月27日 10:36
          • 面白かったっす

            露骨過ぎて推理パートが作業
            切霧さんが抱きついて自白するシーンは最後につけた方がよかった


            苗木が成長したらこんな奴になんのかねぇ
          • 58. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月27日 11:24
          • 結局苗木がなんで「あの人」みたいな性格になってたのかがわからん。
          • 59. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月27日 19:47
          • 苗木が変態になるSSみたいに「苗木がこんな性格だったら」って書いただけじゃね?理由なんて無いだろ。
          • 60. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月27日 20:23
          • 石丸の「これはマズイ」は葉隠に毒だと知らせるため?
          • 61. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月27日 20:49
          • 「約束する。俺が最後の超高校級の希望だ」

            コトダマ

            ・プレーンシュガー
            ・プレーンシュガー
            ・プレーンシュガー
          • 62. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月27日 23:38
          • 1のオチに納得出来なくて、2に手を出せてなかったけど作者のせいで1、2リロードポチっちまったぞクソァ!
          • 63. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月28日 01:12
          • この苗木くんは目が覚めても女性関係の絶望が待ってるんですがそれは

            あと、EDでさり気なく葉隠くんが人生バイバイさせられてるよね
          • 64. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月28日 02:25
          • ※53
            それは違うよ!
            やっぱ苗木は苗木だし、狛枝は狛枝だよ
            苗木自身が希望であって、希望を見たがってるわけではないもの
          • 65. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月28日 03:19
          • 5 おもしろいというより凄かった
          • 66. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月28日 03:45
          • 5 これはまちがいなく良作
          • 67. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月28日 07:08
          • 面白かったな
          • 68. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月28日 13:11
          • なげーけど面白かった
            けど裁判の中割劇場はいらんかったかな
            楽しんでたのに水さされたって感じ
            作者が書いてんだから水さすとは違うかw
          • 69. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月28日 13:14
          • なげーけど面白かった
            けど裁判中の中割劇場はいらんかったかな
            楽しんでたのに水さされたって感じ
            作者が書いてんだから水さすとは違うかw
          • 70. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月28日 13:27
          • 自由時間+本編完結まで見てたらanotherSSとか巨人SSよりは女性群が主人公に大小関わらず好意寄せてるって点にそんな違和感は無いな
            キャラ立ちのためかダブルヒロイン+セレスらへんは好意MAXどころじゃないのが多い気がするけど面白ければそれで良
          • 71. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月28日 18:21
          • ダンガンロンパ本編をやっていると逆に違和感があるんだろうな、とか…

            苗木の狛枝化とか気にしている人もいるがこのSSの舞台と本編の舞台との差異でパラレルワールド的なモンで

            良いかなとか思って読んでたわ…
          • 72. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月28日 20:32
          • 一歩間違ったというより狛枝の人格インストールされた外見だけ苗木って感じ
          • 73. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月29日 02:40
          • 5
            >モノクマ「分かってないなぁ。だって考えてみろよ、例えばSSでセレスさんが苗木クンのパンツを 頭に被ってても笑えるけど、山田クンのパンツを被ってたら狂気を感じるよ」

            ワロタwwwww
          • 74. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月29日 02:48
          • 5
            最後のおしおきも主人公補正で助かってしまうんじゃないかとか希望を持ってしまったけど、そういった所も良い意味で期待を裏切ってくれた。

            製品化してもいいんじゃないかってくらいに読みごたえあったよ!
          • 75. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月29日 08:42
          • 5 評価つけるの忘れた
            このSSは何度も読み返したくなるわ

            よく本編をプレイしてると思う
            凄い
          • 76. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月30日 02:13
          • 5 ついついPSP起動してBGM流しながら見たわ
            久しぶりに素晴らしいSSを見た

            これ!と思うダンロンSSに出会えてなかっただけに、感無量だった
            スクロールバーが下に行くのがつらかった・・・
          • 77. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月31日 05:17
          • 凄い面白かった
            欲を言うと苗木ハーレムはいらなかったと思う
            特にセレスさんには裁判のブレーンの一人になって欲しかった
          • 78. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月31日 10:11
          • 5 めっちゃ面白かったー
            2の一章と同じ流れだと思ってたから最後のドンデン返しがよかったな

            モノクマ劇場も妙に納得できたわw
          • 79. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年09月02日 20:47
          • 5 残された証拠いつ使うんだろうと思いながらも上手く騙されたわ。
          • 80. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年09月02日 22:25
          • 良かった。すごく良かった。それだけに途中のモノクマの茶番が残念だった。あれはいらなかった。無粋だよ。
          • 81. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年09月02日 22:30
          • SSだからこそこういうのもアリってモノクマ劇場の尻馬か
          • 82. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年09月03日 01:24
          • 5 苗木君なんか怖いw
            でもそういうところも含めて、内容とか面白かった
            すごい
          • 83. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年09月04日 05:59
          • 5 読みふけったわ。
            面白かった。
          • 84. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年09月04日 13:56
          • 苗木の狛枝化はSSでは多いよ
            すごく面白かった
          • 85. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年09月04日 18:43
          • 狛枝と苗木……
            こまえだ?なえだ?こまぎ?
          • 86. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年09月05日 23:44
          • 5 面白かった
          • 87. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年09月07日 03:20
          • 読み終わるのにかなり時間かかった…
            けどおもしろかったぁー
          • 88. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年09月07日 20:48
          • 俺新訳読んでいるから、舞園ちゃんがアホだとスゲェ違和感
          • 89. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年09月08日 06:07
          • 4 ミステリーパートは非常に素晴らしかった。トリックも良く出来ていた、見ていて引き込まれていった。

            ただ惜しいのが苗木がなんで希望厨化してるのかということの説明が無かったことかなー
            それ除けば凄い出来の作品でした
          • 90. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年09月08日 19:43
          • 4 狛枝化していった理由が説明されてないのがちょい難点
            AIとかバーチャル云々は1,2プレイしてればおkだし推理とかもしっかりしていて最高だったな
          • 91. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年09月09日 10:49
          • 素晴らしいよ!
            これがSSの希望なんだね!
          • 92. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年09月11日 00:28
          • 5 ダンガンロンパSSの中でも特に評価れるべき。
          • 93. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年09月11日 13:12
          • 読んでないんだけど2のネタバレってあった?
          • 94. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年09月12日 02:38
          • 5 ステマ乙
          • 95. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年09月14日 06:16
          • わかりやすい飴を置いての三段構えは騙されるわ
          • 96. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年09月15日 18:51
          • セレスさんの長編の人か、凄いな
          • 97. 以下、VIPにかわりまして超高校級の希望がお送りします
          • 2013年09月23日 01:13
          • 5 すごいね!
            ほんとにわかってるよ!
            超高校級の希望であるための考え方!
            これだけわかってるなんて希望を
            ほんとに愛してるんだね!

            あと、これは僕のちっぽけな望みだけど、”苗木 誠”が目覚めたあとのssを描いてほしいな。
          • 98. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年09月23日 20:44
          • 4 おそらくこのゲーム世界を作ったのは本編と同じくちーたん(アルターエゴ)なんだから、ちーたんも一緒に閉じ込めたらアカンだろwww
            だから(なぜか存在して襲ってきた)江の島アルターに乗っ取られても対処できなくなるんだよwww

            そうでなければ乗っ取られたときに強制ゲーム終了、もしくは石丸は殺される寸前に強制シャットダウン出来て救えたのに

            あ、『朝比奈が「トイレの中の石丸を呼んでも返事が無かった」と言ったときに苗木が「ぼくが呼んだら返事したよ~(ニコッ」』が結局回収されなかったな
          • 99. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年09月24日 09:39
          • 5 クオリティ高すぎゲーム化決定
          • 100. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年09月25日 10:54
          • 5 希望は絶望なんかに負けないんだ
          • 101. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年09月29日 23:31
          • 素晴らしい
          • 102. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年09月30日 04:25
          • よかった
          • 103. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年10月02日 12:57
          • 苗木が石丸を自決に追い込んだんだと思ってたわ
            「苦しいでしょ?実はボクがコーヒーにこっそり毒を入れたんだ
            君がこのまま毒で逝けば何の罪も無い葉隠クンが
            毒殺殺人のクロになっちゃうよ」つって舌噛ませたりして
          • 104. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年10月03日 00:14
          • クオリティー高杉
          • 105. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年10月04日 00:05
          • タイトルでほのぼの系かと思ったら本編レベルの事件だった…!
            すごく面白かった
          • 106. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年10月04日 10:39
          • 完成度の高さと下手だけど上手い宣伝も混ぜるあたり、スタッフの誰かが没案をブラッシュアップしたか遊びで書いたんだろう と邪推する
          • 107. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年10月10日 18:29
          • 鳥肌ものだ…!
          • 108. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年10月11日 02:41
          • 完成度高すぎワロス
            これはリロード買わないといけませんな!!
          • 109. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年10月11日 22:35
          • 5 なぜか泣きそうになってしまった…
            最高でした。
            乙です!!
          • 110. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年10月20日 16:26
          • キャラ設定に違和感があったものの、トリックはよく出来てたと思うよ。特に最初の苗木くんが犯人だと思わせたところとか。そこそこ楽しめた。
          • 111. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年12月30日 18:00
          • 苗木の狛枝化について語るには尺が足りなかったんじゃ?
          • 112. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年03月06日 23:37
          • 犯人こいつだなぁと読者に誘導できるところがこの作者のすごいところだと思った。

            あと苗木くんはこの世界が仮想世界だと始めから知ってるもんだとおもってたわ…
            そしてみんなを超高校級の希望に育ててるのかと思った。
          • 113. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年03月22日 14:30
          • 5 狛枝風の苗木とヒロインたちの変態っぷりがめっちゃツボった。

            何人か言ってるけど『苗木の狛枝化の説明』って必要なのかね?
            『もし苗木の本質が狛枝のそれだったら』っていう設定のキャラ崩壊アリSSだと思って読んでたけど。
            そんなこと言ったら舞園たちが苗木ラブすぎるのにも説明が必要ってことにならないかな?
            そういう世界観、設定の二次創作なんだからそういうもの。って見れないかね。
            っていうマジレス。
          • 114. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年07月01日 04:30
          • 苗木は好きだか狛枝は苦手というのもあり、苗木が意味も理由もなくただ単に「外見苗木で性格狛枝」というのががっかりだった。
            設定案では~という意見があるけど、設定案と決定稿はキャラとしては全くの別物だし、意味のない苗木の狛枝化は苗木にも狛枝にも失礼ではないか?


            トリックとかは良かった。
          • 115. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年10月08日 05:49
          • キャラに失礼ってw
            ssに何言ってんだ、んなこと言いだしたらパンツ盗んでるセレスの方がよっぽど失礼だろ
          • 116. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年10月22日 16:09
          • ※64
            苗木が何か絶望的な事件に巻き込まれて、それでも絶望しきれないでネジがとんじゃったってことじゃないかな?それなら、希望に対する異常な執着にもうなずけるし、白い髪もストレスのせいに出来るし、絶望も希望の踏み台する為なら利用してみせるのも絶望側に少し影響を受けているって考えれば説明出来るし、割と納得のいく話じゃない?
            ま、そんなのもう一歩どころじゃない踏み間違いだけどね。
          • 117. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年03月11日 01:43
          • 5 もう 凄い の一言に尽きる
          • 118. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年05月21日 20:28
          • 3 おもしろかった!けど、苗木ハーレムはちょっとやりすぎ…
            石丸君には早く起きてもらいたいですね。石丸くんがすごくいい子だったので石丸ファンとしては読んでいて楽しかったです!
          • 119. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2018年12月31日 20:58
          • 1 特に意味のない苗木の別キャラ化とハーレムが寒い、絶望的な原作無視&キャラ崩壊
            そういうよくあるネタSSだとしても無駄に長くてシリアスも混ぜてきてるから違和感バリバリ
            これが完成度高いはないわ。そもそも苗木が狛枝だったら女子たちは惚れないだろ
            葉隠のニューゲームみたいに筋通ってれば納得できたんだけどねぇ

            ※114に同意、※115はどっちも失礼なだけ。そういうの好きな人には楽しめたのかもしれないけど
            ※116原作にもSSにもない妄想語られても…

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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