「世界が終わる前に考えた、いくつかのこと」

1 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:17:54.57 ID:p/27QdiH0


「先輩。もうすぐ、世界が終わっちゃうらしいですよ」

終わっちゃうんだよな、と僕は紫煙を吐き出して言った。
僕の後輩にあたる彼女は、空を見上げながら笑っている。

「終わっちゃうんだっけ。何でだっけ。あの穴だっけ」

「え。色々あって、色々を経て世界終焉らしいですよ」

「そっか。奇跡って、こういう時に起きてほしいよな」

ニュースでは、都心部の方でパニックが起きてるらしい。
この田舎からは、各自が家族に会いに行って消えてった。
僕の両親は「日帰り旅行に行ってくる」なんて言ってた。

「僕の両親、旅行の行き先は三途の川だ。どうしよう」

「先輩も、ですよ。私とてそうですし。気にしない。
 未練を残さず死にましょうそうしましょうよ、先輩」




2 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:19:47.82 ID:p/27QdiH0


「でも、これから何する? 今日一日で世界終了だよ」

「どうしましょ。右も左も分かりません。ええ全く。
 過去は振り返れないので、後ろも振り返れません。
 というわけで、前に進みましょう。そうしましょう」

画策するよりかは、なるようになるさという意味だろう。
確かに、僕と彼女から名案が出るなんて思っちゃいない。

「なら、そうしよう。車はここに置いてこう。歩こう」

「はい。のんびり死にましょう。あ、お腹空きました」

時計を確認した。午前十時だ。すぐ死んじゃいそうだな。
そんなのんびりもしていられないな。僕は彼女に言った。

「でも、この辺のお店なんて全部閉まってるみたい。
 コンビニとかなら開いてるけど、店員がいないんだ」

「え。どうしても食べたいところだけ襲撃しましょう」

「いやいいよ。どうせだし、手作りで何か食べようよ」




3 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:21:25.65 ID:p/27QdiH0


「これから幸せになる為の方法でも探すとするかな。
 僕って、いまいち人と比べてついてないと思うから」

と、家までの道を彼女と手を繋ぎながら何気なく呟いた。
すると、彼女は暑いのかふらふら歩きながら僕に言った。

「比べても、人によって幸せなんて人それぞれです。
 大事なのは、先輩が幸せと思える事だと思います。
 私は自販機でコーラ飲めただけでも人生幸せですし」

上目遣いで手を引き、僕にコーラを求む彼女がそこに居た。
女の魅力を最大限使ってまで欲しいコーラってなんだろう。
僕は百二十円で彼女に幸せを買って、渡した。嬉しそうだ。

「ああ幸せ。幸せ。もう死んでもいいです。さよなら」

「後十四時間はあるけど、もう死んじゃっていいの?」

「あ。もう先輩の家です。入りましょう開けて下さい」




4 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:22:32.52 ID:p/27QdiH0


ところどころ、というか玄関に入ってすぐ穴が開いていた。

穴と言っても、手のひらサイズのものがぽつぽつとだ。
そして付け加えると、全く人工的なものではなかった。
正しく言うならば、空間に穴が開いてるって感じかな。

「先輩。私のお気に入りのサンダルが吸い込まれました」

「無念だよ。買い直すか適当に僕の靴でも使っていいよ」

「いえ。あれは唯一無二の存在です。他にはありません」

この前商店街で買ってきたって言ってたじゃねえかよ。
僕もお腹が空いていたのでそそくさと台所へ移動した。
しかし、冷蔵庫の備蓄たちは昨日、消費したんだった。

「暑いし、ちょっと休憩してから何か買いに行こうか?」

「はい。お腹が空けば、できることもできなくなります」

「できること、か。僕は、僕を変えてみたかったんだ。
 でも、そのチャンスはもうないんだよな。少し悲しい」




5 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:23:32.15 ID:p/27QdiH0


「チャンスを探すからですよ。今やればいいんですよ。
 今の先輩ができる範囲で、少しずつ。ちょっとずつ。
 そうすれば、大きくじゃなくとも変われると思います」

「少しずつでも、かな。今の僕にできること。そうだな」

そこまで呟き、僕は財布をポケットに入れて立ち上がった。
今の僕にできることは、とても庶民的だ。でもこれでいい。

「よし。食材調達に行こう。ぐうたらしてる僕は死んだ」

「パン買ってこいよ先輩。それじゃ、行ってらっしゃい」

「君も行くんだよ来いよ。何で後輩が先輩をパシるの?」

エアコンのスイッチを切ると小さく悲鳴を上げ着いてきた。
「靴はかないの」と聞くと「生足フェチで」と帰ってきた。
玄関の穴が大きくなっているので、窓から出ることにした。

「奇跡が起きて、世界終焉はなしってオチはないかな?」

「ありません。降ってくる奇跡なんてのはないのです。
 降ってこない奇跡に縋るほど弱い人間はダメですよ。
 奇跡は自分で起こさないと。起こせる人にならないと」




6 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:24:37.94 ID:p/27QdiH0


「店員さんが居ません。焼きそばパンが買えません先輩」

「こんな事態でいらっしゃいませって言われたら驚くよ」

「パンが吸い込まれる前に私がいくつか回収してきます」

一応、倫理に則り彼女が回収した色々の代金を置いてきた。
それを見て、すぐに彼女も思い出したようにお金を置いた。
きちんとこういうことをするあたり、彼女は真面目だった。

「最後に残ってた棒アイスも回収できました。ハッピー」

「一本ずつか。こういう夏の日には丁度いいものだよな」

「はい。ああ、はずれですよ。はずれを掴まされました」

「掴んだのは君だよ。あ、僕はあたりだ。何か嬉しいな」

「お店には、もうアイス無いですよ。持っときましょう」

そうしようかな。人生の最後の最後で、ささやかな幸せだ。
こういうことに喜べるあたり、僕って僕らしいなと思った。




7 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:25:49.89 ID:p/27QdiH0


「私やりたいことをやります。食べたいものを食べます」

家に戻った時には十一時過ぎで、玄関はもう塞がっていた。
少し高いお金を出して買った靴も、全て吸い込まれている。

「僕も食べたいものを食べる。どれにしようか迷うな。
 でもこういう時に限ってあれ食べたいとかあるんだよ」

散々好きなものを各自で取った挙句、奪い合う事となった。
「返せよ」だとか「殺すぞ」という怒号も飛び交っていた。
それが落ち着いてから、彼女は僕に一つサラダを手渡した。

「不自由な選択肢の中から先輩は自由な選択をしました」

「つまり、不自由な選択肢も選べますって言いたいの?」

「そういうことです。自由すぎはダメです。自制です。
 不味いものを食べて、美味しいものがより美味しく。
 不自由だからこそ、一瞬の自由が何より幸せなのです」

自制か。今じゃ、人殺しだってやっても罪も何もないよな。
でも、自由すぎはいけないな。その辺は倫理的にも自制だ。

彼女は面白い事を言うな、と改めて思った。




8 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:26:52.07 ID:p/27QdiH0


「君は会いに行きたい人って居ないの? 家族だとかさ」

「居ました。もちろん。家族にも、もう連絡しましたし」

「そうなのか。他には居ないの? 特別な人だったりさ」

僕がそう言うと、彼女は口を抑え必死で笑いを堪えていた。
何か面白いことでも言ったのだろうか。少し不安になった。
理由を視線だけで求めてみると「だって」と言い、続けた。

「私の人生で出会うことができた皆は、全員特別です。
 ですから、それに見合うだけの付き合いをしました。
 少しでも心の片隅に残っていられれば、私は満足です」

「なら、きっとその人達も君の事を覚えてるんだろうな」

「もし彼らが忘れたとしても、私が覚えていますから。
 人に忘れられるってことは、相当に寂しいことです。
 よかったら先輩も、私のことを忘れないでくださいよ」

「うん。僕は少なくとも、食い物の恨みは忘れないから」




9 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:27:57.75 ID:p/27QdiH0


「日差しも弱くなってきたみたいだし、少し外行こうか」

「はい。そろそろ、裸足で歩くのは止めることにします」

それがいいな。帰ってきた時、足の裏すごい赤かったしな。
玄関がダメなので、僕は部屋からいくつか靴を持ってきた。
彼女は僕のくたびれたスニーカーを履くことにしたようだ。

「わざわざ汚いの履かなくてもさ、こっちのは新しいよ」

「汚くてもよくないですか? 歩いたから汚いんです。
 ただ綺麗なものより、ずっと味があって好きですけど」

「そう言うなら別にいいけど。行く前に部屋見とくかな」

この勢いだと、夕方には僕の家は見事に消滅しそうだしな。
必要なものを取ってこようかな、と思って、結局はやめた。

「いいんですか? 色々、大事なものってあるでしょう」

「いいんだ。持ってこなくても、僕はもう持ってるし。
 親への感謝とか、思い出だとか、全部胸のうちにある」




10 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:28:55.18 ID:p/27QdiH0


小さな庭で彼女と靴を履き替えながら、軽く庭を見渡した。

蝉が唯一、僕らの静かな街を賑わせてくれているようだ。
さて、行く宛なんて考えてないけれど、どこに行こうか。

「先輩。別れ道です。世界の終わりで人生の岐路ですよ」

「わけがわからない。で、どっちの道が正解なんだろう」

「どちらにしろ、人生の帰路にはつけると思いますけど」

ああじゃあこっちでいいよ、と僕は片方の道を歩き出した。
彼女は何も言わずにとことこ着いてくる。非常に楽しそう。

「どっちに行っても、何にもない風景ばっかなんだよな」

「何もないと思っていても、案外色々あると思います。
 人間、見たいものしか見ないような気がするんですよ」

「じゃ、色々な物が見たいって思えば、見えるのかな?」

「見えるんじゃないでしょうか。きっと、いえ、絶対。
 些細なことにでも感慨深くなれると、私は思いますよ」




11 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:29:50.50 ID:p/27QdiH0


「先輩。喉が乾きました。コーラを買って下さいコーラ」

「君さっき、思いっきりコンビニで財布出してたじゃん」

「お金は返しますが、私にプレゼントをしてください。
 誰かに貰えるものほど嬉しいものってそうないですよ」

それなら、と思って彼女からお金は受け取らず、手渡した。
こっちの自販機は懐かしき瓶のコーラがあり、僕も買った。

「栓抜きは自販機の横にありました。開けさせて下さい」

「嫌だよ。この瞬間が一番楽しいんだし。ああ、開いた」

「開いてしまわれた」と膝を折る勢いの彼女を横目に一口。
瓶も取り出してすぐに汗をかいている。僕も彼女も同様だ。

「懐かしくなった。子供に戻れた感じがするよ。いいな」

「いつだって子供です。ただ少し、子供より大きいだけ」




12 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:31:04.29 ID:p/27QdiH0


「大きくなると、背が伸びて目線だって高くなります。
 でも、それは少し嬉しくて、悲しいことだと思います」

「遠くが見えるようになって、世界が狭く見えるよな。
 無限大に広かった世界が、もう目と鼻の先なんだもん」

「はい。あれだけ駆け回って、やっとここまで来れた。
 そういう感動すら、どこか遠くへ行っちゃうんですよ」

確かに僕もそう思う。昔の二歩が、今は一歩になっている。
歩き疲れて達成感を覚えていた僕は、もうどこにもいない。

「成長して知恵がついていくごとに、僕は変わったよ。
 『楽しい』がいつからか『疲れた』に変わったりさ。
 何も知らない僕の方が、ずっとずっと楽しそうだった」

「時が流れれば、色々なことも変わっていくものですよ」

「友達だってそう。昔は無作為に誰とでも友達だった。
 なのに、いつからだろう。友達を選びはじめたのは。
 前まで、好きな人だけを好きになってたんだよ、僕は」




13 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:32:03.36 ID:p/27QdiH0


「僕に都合のいい人間だけを周りに集めていたんだよ。
 自分を肯定してくれる人。合わせてくれる人だとか。
 そうしないと、僕は僕に自信が持てなかったからだな」

「ああ、何となく分かります。私だってそうでしたから」

「都合のいい人間だけを集めたら、都合が悪くなった。
 皆が皆に賛同するし、何が正しいか分からなくなった」

それから、僕はようやく自分をさらけ出したんだったかな。
友達も多くないし、嫌われもした。けれど、ずっと楽しい。
今では、いけないことをいけないと言ってくれる人も居る。

「汚い人間だけど、僕は割と僕を気に入ってたりするよ」

「私も、先輩のそういうところが気に入っていますよ。
 その汚いところが。靴と同じで、味が出ていますし。
 思い悩んで、苦しんで、その結果が先輩の味なんです」

だから、新品の靴よりずっといい色をしていると思います。
そう笑顔で言われてしまっては、僕としては何も言えない。




14 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:32:55.97 ID:p/27QdiH0


「実際、何もないと思ってたけど、色々あるもんだよな」

正確に言えば、見えるという意味合いでは何も見えない。
けれどそこには、見えない僕の幼少期の思い出があった。

「そう思えたのなら、もっと違うものも見えてきますよ」

そう言いながら、彼女は空間の穴にコーラの瓶を捨てた。
見事に吸い込まれて、世界規模のポイ捨てを成し遂げた。

「これを上手く使えば地球環境改善できそうですよ先輩」

「神様は僕らを掃除して環境改善に勤めると思うけどな」

見たところ、空間の境界あたりから強く吸い込んでいる。
となれば、それに近付かなければ少し長生きできそうだ。

「僕の通ってた小学校。だいぶ消えちゃってるみたいだ」

「なら、消滅する前に行きましょう。縦笛はありますか」




15 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:33:41.54 ID:p/27QdiH0


不法侵入も今さら何もないが、内心できちんと謝っていた。

彼女は百葉箱をこじ開けていた。何をしてるんだろう。
そして、僕は竹馬に乗りつつも彼女に近づいて行った。

「先輩いきなり成長しました。これは世界レベルですよ」

「竹馬に乗ってるから。ちゃんと見て。足元をよく見て」

小学校の頃はボール遊びばかりで、竹馬遊びをしなかった。
後は一輪車だとか、女子の遊びだと割り切り触れなかった。
やり残したことを、何か今さらになってやりはじめていた。

「懐かしいです。乗って『背が伸びた』とか言いました」

「そうそう。大人みたい、とか言って皆で笑ってたりな」

「大人に憧れていたからでしょう。子供の希望ですから」

「うん。僕らは、そんな希望の大人になれたんだろうか」




16 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:34:14.95 ID:p/27QdiH0


僕らは「あの頃なりたかった僕ら」になれたんだろうか?

学校の先生は神様みたいで、絶対で、とにかくすごい。
誰からも好かれる先生。大人ってすごい。かっこいい。
僕は、子供たちにそう思われる大人になれただろうか。

ゆっくりと成長にするに連れて、僕は色々嫌になっていた。

最初に持っていた僕の夢はなんだっけ。子供の頃の夢。
サッカー選手でも、野球選手でも、宇宙飛行士だって。
何でもいい。僕はあの日、何になりたかったんだっけ。

中学校に入って、学力という概念をはじめて知ったっけな。

少しずつ差は開いて、中学三年生では歴然としていた。
入りたい高校に入れなくて、ただ人を羨んでいたっけ。
高校で見返す。そう思っても、数ヶ月も続かなかった。

そして、きっと輝いていただろう夢はゆっくりと色褪せた。




17 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:35:55.27 ID:p/27QdiH0


「ねえ。君は。君の小さな頃の夢って、何だったのかな」

「私は、何でしたっけ。お菓子屋さん、とか書きました」

「僕は。僕は、何になりたかったのか、分からないんだ」

このまま大学生活を終えて、何となく就職して生きていく。
僕はいつしか、それを疑いもせずに受け入れていたんだな。
僕の夢は、ほこりだらけで、泥だらけだ。光ってすらない。

「せめて、夢を抱いて死にたかった。悔しい。悔しいよ」

涙が零れた。人前で、女の子の前で泣くなんて恥ずかしい。
けれど、そういうことを一度考え出したら止まらなかった。
涙する僕を見て、彼女は真剣に、けれど優しく僕に言った。

「先輩。走れます? 私早いですよ。家まで競争ですよ」

「負けたらコーラおごりですよ」と本当に全速力で消えた。
女性とは思えない速度だった。僕も涙を拭って家へ走った。

「全てが消滅する前に、先輩の夢だけは見つけましょう」




18 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:36:52.89 ID:p/27QdiH0


僕はぜえぜえと息を切らしているのに、彼女は涼しい顔だ。

もう、家の半分以上が消滅している。かなり危険だった。
止めようとしても、彼女は戻る様子もなく、後を追った。
「ありませんありませんどこですか」と何か探していた。

「崩れる前に、見つけるもの見つけないと。先輩の夢を」

散らかった部屋を隅々まで素早く目を移し、見ていく彼女。
何もかもをひっくり返した後「あった!」と大声をあげた。

「すみません。では出ましょう。割と頭上がやばいです」

「それがいい。世界が終わる前に頭上が終わりそうだし」

いくつか大きくなっている空間の穴を避け、外へ辿り着く。
もう二度と中に入るべきではないだろう。命の危険がある。

「というわけで、黒歴史ノートをとってきました。ええ」

「僕の小学校の卒業文集じゃないか。人聞きが悪すぎる」




19 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:37:52.92 ID:p/27QdiH0


「えー、では、読み上げますよ。先輩の黒歴史をどうぞ」

感情を込めて読み上げる彼女の声で、僕は少し思い出した。
前置きが長いし、読書感想文みたいだ。話が飛んでるよ僕。

「お父さんみたいな、立派な人になりたいです。そして」

そして、の後から文脈があってないし、なんだろうなこれ。
でも、必死で書いたんだよな。父さんを尊敬してたからだ。
誰よりも正しくて、僕を母さんと同じ位、愛してくれてた。

「ぼくのお母さんは『好きなことをしなさい』とぼくに」

母さんは、逆に父さんとは違ってすごく気楽な人だったな。
間違った事だけはきちんと叱って、後は知らんぷりだった。
「間違いさえしなければそれでいいの」って言ってたよな。

「お父さんとお母さんの話をきいて、ぼくは思いました」

お父さんみたいに、立派な人になれるか分からないけれど。
お母さんみたいに、優しい人になれるか分からないけれど。
ああ、思い出した。僕の夢。最初に抱いた僕の夢の欠片を。

「ぼくは、人を幸せにすることをしたいなと思いました」




20 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:38:53.96 ID:p/27QdiH0


僕って、昔から言葉にするってことが苦手だったっけな。

幸せにすることって何だよ。これじゃ、減点されちゃうよ。
ああでも、これだよ。全然定まってない、これが僕の夢だ。

「先輩。中々いいこと書いてるじゃないですか。白歴史」

「僕の人生、ずいぶん遠回りしちゃったな。何でだろ。
 大事なことはシンプルで、すぐそばにあったってのに」

「単純で、純粋で。だからこそ、見れなくなるんです。
 大人になって、あの頃の自分との違いに怖くなるから」

そうなんだよな。あの頃の僕の純粋さを怖がってたのかも。
そして、恥ずかしがってたのか。何も恥ずかしくないのに。

「全然具体性も何にもない夢だけど、判ってよかった。
 途方も無いくらいの夢で、呆れるぐらい無謀な夢だ。
 けど、何も知らなかった純粋な僕が書いた、僕の夢。
 これが、僕が本当になりたかった僕自身だったんだよ」




21 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:39:42.47 ID:p/27QdiH0


今からでも間に合うだろうか。僕の夢は叶うのだろうか?

もう十年近く前の僕の夢を、今十年越しに叶えるんだ。
あの時の僕と同じように、思ったことをそのままする。

「先輩が夢を叶えるとしたら、私を幸せにしないとです」

「協力してくれるの? ありがとう。本当に、色々とだ」

「けど、その前にまずは私の夢を叶えてほしいです先輩」

そう言えば、ここ家の前なんだよな。陽はだいぶ傾いてる。
時刻を確認した。十五時過ぎ。世界終焉までは後九時間だ。

「うん。もちろん。お菓子屋さんだっけ。どうするの?」

行きましょう行きましょうと言われて、僕は着いていった。
すごいふらふらしてる。暑いのか。コーラ足りないのかな。
着いていった先は、この辺で唯一の小さな洋菓子店だった。

「というわけで、お菓子作りです。そして食べて下さい」




22 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:40:39.61 ID:p/27QdiH0


彼女は言動が何か抜けてる感じがするし、実際そうだろう。

泥棒の如くシャッターを上げ、洋菓子店に侵入していた。
「どれ食べましょう」と言う辺り作る気あるのか本当に。

「シンプルなところだとクッキーでしょうか。さて開始」

「僕はどうすればいいかな。黙って見てる方がいいかな」

「先輩は座ってまったりしつつ、エアコンつけて下さい」

またエアコンかよ。そう思いつつ暑いしエアコンをつけた。
発電所が穴に飲み込まれたらつかなくなりそうだと思った。
何気なく空を見上げていたら、空にまで穴が侵食していた。

天井近くに設置されたテレビが目につき、電源を入れた。

映らないチャンネルが殆どだったが、残っているのもある。
必死にカメラマンが空間の穴と人のコメントを拾っている。
最後の最後まで仕事熱心だ、と思っていたら途中で切れた。

多分飲み込まれたんだろうな。僕はたばこに火をつけた。




23 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:41:15.47 ID:p/27QdiH0


「できました。どうでしょうこの色。美味しそうです」

「すごい不揃いな色してるよ。全体的に色が濃いよな」

「チョコレートクッキーです。ええどうぞ早く食べて」

口に入れて噛んでみた。ふむ。何回か続けて噛んでみる。
なるほど。うん。あまり美味くはない。が、好きな味だ。

「どうでしょう。ほどよく不味いでしょう。びっくり」

「知ってて食べさせたの? おこげ凝縮した味だった」

殺すぞと言われた後、すぐにお茶を差し出された。美味。
口の中がじゃりじゃりする。もう一度言うが好きな味だ。

「あ。ええと。そのう。不味かったなら、すみません」

「うん。割と不味かった。けど、僕は好きだよこれ。
 だって美味しいもの食べたかったら市販のあるし。
 手作り感アップだよ。僕の為にわざわざありがとう」




24 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:41:54.55 ID:p/27QdiH0


と、そこまで言ったところで部屋の全ての電気が落ちた。

ブレーカーかと思ったが、すぐに思い直した。穴だ。
この街周辺の送電線を飲んだ可能性だって十分ある。

「もう作り直せないです。不味いクッキーエンドです」

「いいよ。僕は、君の手作りってだけで嬉しかったよ」

「そう言っていただけるのなら、嬉しいです。ふふふ」

外はまだ陽が差し込んでるけれど、これからは違う。
「外に出よう」と声をかけて、僕らは外へ向かった。
もう十七時だ。まだ明るいけれど、それも後数時間。

「これからどこで過ごそうか。エアコンはつかないよ」

と言うと、彼女はこの世の終わりみたいな顔をした。
実際のところ、本当にこの世の終わりなんだけれど。

「私はどこでもいいですよ。どこだって死ねますから」




25 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:42:44.87 ID:p/27QdiH0


「穴もだいぶ大きくなってきた。本当に終わりか世界」

「はい。案外、日常と非日常は裏表だと思いましたよ」

「これも神様が選んだ結果なのかな。ちょっと残念だ」

さっき、僕は彼女との競争に負けたのでコーラを買った。
腰に手を当て銭湯のおっさんさながらの飲みっぷりだな。

「直前の死を実感します。人生振り返りたくなります」

「振り返らないんじゃないの。まず後悔してなさそう」

「してませんよ。成功も失敗も、私の選択ですから。
 振り返るというのは、回想という意味ででしょうか」

「なるほど。少なくとも後悔って言葉じゃないわけか」

「ええ。それ以前に、私の人生は成功ばかりですよ。
 何かを失敗することにも、私は成功したのですから」




26 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:43:19.30 ID:p/27QdiH0


「全員が全員、君みたいな人だったならいいのにな。
 争いごとも起きなさそうだし。世界は幸せになるよ」

「六十億人も私は要りません。オンリーワンですよ私」

「いい考えだと思ったんだけどな。何かダメだった?」

「全部ダメです。色々な人がいるから面白いのです。
 全員違うから、一つの出会いに価値があるのです。
 六十億人もいたら、私なんて使い捨てのゴミですよ」

そこまで言ってないんだけどな。あまりに悲観的すぎる。
でも、誰もが一人であるからこそ一期一会なんだろうな。
嫌いな人も好きになれるんじゃないか、と僕は少し思う。

「さて、この辺りもそろそろダメです。行きましょう」




27 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:43:57.39 ID:p/27QdiH0


そろそろ、大丈夫な場所を探すことも難しくなってきた。

そこら中が大きくなってきた穴ばかりで、これは辛い。
すぐに大きくなるだろうし、小さな穴を探さないとな。

「この調子だと、日付が変わる頃に本当に世界終焉だ」

「はい。生き残るのも不可能でしょう。残念です本当」

「君はいまいち、そう思ってなさそうな気がするけど」

失敬な、と胸を張った後は何だかしょんぼりとしていた。
僕も同感だ。いきなりはい死にますじゃ用意もできない。

「来世とかがあるなら、また、同じ皆と出会いたいな」

「会えますよ。会いたいと思ってさえいれば、きっと」




28 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:44:27.00 ID:p/27QdiH0


「あ。僕の家、もう見事に全て消えちゃったみたいだ」

そこにあるのは、家より少し大きい規模の穴だけだった。
お隣さんも今からゆっくりと飲み込むところなのだろう。

「今日は帰りたくない、が実現する瞬間になりました」

「どっちかというと帰る家がなくなっちゃったんだよ」

見てみると、もう低い所にある穴は海も飲み込んでいた。
綺麗な景色だったんだけどな。まだ少しだけ見えるけど。

「高い位置の方がまだ飲み込まれずに済むみたいです」

「そうみたいだ。この辺で高いとこは僕らの高校かな」




29 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:45:01.85 ID:p/27QdiH0


「疲れました。もう無理。おぶって下さい死にますよ」

「僕も疲れたよ。よく高校時代はこんなとこ歩いたな」

なかなか急な斜面で一歩一歩を踏みしめる足が強張った。
何気なく死にますと言って僕を脅迫するのは勘弁である。

「あの頃は走っても登れたんですが。とても辛いです」

「さっきまで全速力で走ってたのに、何を言ってるの」

「あの時は」と口をもごもごさせつつも、彼女は怒った。
ようやく登りきった時に見えた景色はそこら中穴だらけ。
例えるならば、割った時のざくろをイメージしてほしい。

「登って時間もかかりましたし、プラマイゼロですよ」




30 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:45:54.20 ID:p/27QdiH0


どうやら鍵は開いているようだった。どうにも好都合だ。

校舎に入り穴のある地点を確認した。体育館はダメか。
校庭にもそこそこのサイズの穴がある。出られないな。

「校舎内に居るのが、今のところは最善策みたいだな」

「ええ。もうどうでもいいです。休ませて下さいはい」

適当な空き教室に入って、彼女はすぐに干からびていた。
「暑い」と不満を零し、続けて半分までコーラを飲んだ。

「これが尽きたとき、私の命も尽きる時なのでしょう」

「もう少し休みます」と告げて、彼女は再び干からびた。
窓から外を見てみた。あ、まだ何人か残っているようだ。




31 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:46:34.59 ID:p/27QdiH0


「ねえ、まだ人が居たんだ。ここが実家なんだろうな」

老夫婦だった。とぼとぼと何やら会話しつつ歩いている。
遠目から見ても、何事もなかったかのように歩いている。

もしかしたら、僕らみたいに色々な事を考えているのかな。
彼らであれば、馴れ初め話に花を咲かせたりであるとかだ。
でも、何だかとても幸せそうだ。僕には、そんな気がした。

「懐かしい校舎だし、少しだけ歩いてみたりしない?」

「いいですよ。詰め込んだ焼きそばパン残ってるかな」

綺麗な思い出どころか焼きそばパン詰めて卒業してたのか。
残っていても間違いなく食べられないだろう。腹を壊すよ。

「それじゃあ、まずはどこから歩いてみるとしよう?」




32 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:47:29.23 ID:p/27QdiH0


と言っても、それほどまでに歩く箇所なんてのは無かった。

「ここで友達とご飯食べたな」や「授業で使ったな」だ。
あまり思い入れがあるような物は特に存在してなかった。

「新入生との入れ替わりで、色々入れ替わったんですよ」

「思い出が残ってないのは、ちょっと寂しいもんだよな」

「形あるものでなくたって、別にいいじゃないですか。
 先輩は覚えていました。形がなくたって、胸の中に。
 一番寂しいのは、やっぱり、全て忘れられることです」

「そうなのかな。それが嫌なものでも、良い物でもか。
 何かが残ってくれただけ、ありがたいのかもしれない」

そう言って、最後の一箇所である、屋上へのドアを開けた。




33 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:48:08.58 ID:p/27QdiH0


「綺麗。と言いたかったところですが、あんまりですよ」

「夕立でも降ったのかな? 少しだけ濡れてるみたいだ」

「ちょっと涼しくて、良い感じです。暑かったですから」

屋上から見える景色は、ところどころどころか穴だらけだ。
何かややこしい言い方だったけれど、それで適切だと思う。
しかし、それでもここから見える景色はどこか格別だった。

「小さいけど、星も光ってますよ。ああ見えてよかった」

「やっぱり、僕としてはここが一番思い出の場所、かな」

「ええ。私としても、ここが一番の思い出の場所です。
 ここで、先輩は私に思いっきりふられちゃいましたし」




34 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:49:24.71 ID:p/27QdiH0


「それを言われるときついな。悶えて死にたくなるんだ」

「どちらにしろ、もうすぐ死ねますよ。あと少しですよ」

「そうなんだけど。最後の最後で掘り返さなくてもだよ」

今も頭を抱えて叫び回りたい衝動に駆られている途中だった。
彼女は「ふう」とあくびをして、何とも思っていない様子だ。

「あの時の先輩は、色々ろくでなしでしたからダメです」

「ああ。うん。人間として腐ってた時期だと僕も思うよ」

それから、何かしらの会話は続かなかった。本当に何も、だ。
彼女は思い立ったように、給水塔へのはしごを登りはじめた。

「こっちの方が景色がよく見えますよ。世界の終わりも」




35 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:50:48.14 ID:p/27QdiH0


「君よく濡れてる上に横になれるな。気持ち悪くない?」

「暑いですし、ひんやりしていて気持ちいいくらいです」

僕もそれに習って、彼女の隣に腰を下ろし、横になった。
冷たい。薄いシャツが間違いなく透けているのが分かる。

「もう、あまり時間も残っていないみたいです。世界も」

言われて、ちらりと時計を確認した。もう二十二時過ぎだ。
上体だけを起こして辺りを見回してみた。学校もやばいな。
空からゆっくりと穴が僕らの方へ近づいてくるのが分かる。

「下に降りれば、日を跨いで数分ほど生きられるかもだ」

「いえ。私はここでいいです。思い出の場所がいいです」




36 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:51:49.70 ID:p/27QdiH0


そこからも引き続いて、僕らに何も会話は起こらなかった。

けれど、悪くない雰囲気だった、と僕としては思いたい。
たまに回想して「ああ、こんなことがあったな」だとか。
彼女は隣のコーラをあけてたまにくぴくぴと飲んでいる。

「もうすぐ、というか一時間もないよ。後十分ほどだな」

「そうですか。あ、最後にたばこを一本吸わせて下さい」

尻ポケットからたばこを取り出したはみたが、濡れている。
中身をかさかさと振ってみて、たばこが二本助かっている。

「ああ、じゃあ一本ずつだ。ライターも中々つかないな」




37 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:52:29.83 ID:p/27QdiH0


「あ、点いた。ほら、息吸って、そう。これで大丈夫だ」

次に僕も再三試してみたが、もうダメになっているらしい。
人生最後のたばこは僕に手を差し伸べてはくれないらしい。

「げほ。げほげほ、まず。たばこって美味しくないです」

「吸わないのに、何で吸ってみようだなんて思ったの?」

「先輩が吸ってましたし。ちょっと気になってまして。
 ほら、好きな人の事って色々知りたくなると思います」

さらりととんでもないことを言われ、一瞬思考が止まった。
リセットして、改めて彼女の顔を見た。少し紅潮していた。

「どうしてこのタイミングで言うかな? もう終わるよ」

「終わるからこそ、ですよ。気付いてると思いましたが」




38 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:53:07.12 ID:p/27QdiH0


「考えすぎかなって思ってた。同情その他だろうなって」

「同情するくらいなら、私は家族と過ごして死にますよ」

「そっか。でも、ありがとう。そう言えば前髪切った?」

「はい。気付いてましたか。どうでしょう似合いますか」

「似合う似合う。可愛い可愛い。本当にそう思ってるよ」

彼女のマイペースに慣れたせいか、僕も平常を取り戻した。
黒い穴は見事に僕らの数メートル先まで近付いてきている。

「それに、僕もずっと君の事が好きだったよ。よろしく」

「はい。これで私は幸せになりました。夢叶いましたよ」




39 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:53:41.12 ID:p/27QdiH0


「ああ、そっか。僕の夢、やっと叶ったのか。嬉しいな」

「さて、これからどうしましょう。世界はもう終了です」

「困ったな。たばこ吸ったら喉が渇いた。コーラ欲しい」

「私の命の源ですが。あ。当たり棒と引き換えますよ。
 ささやかな私の幸せを、先輩のささやかな幸せと交換」

そう言われて、僕は微笑しながら折れた当たり棒を渡した。
「引き換えました!」と宣言してから僕にコーラを渡した。
「半分だけですよ」と釘を刺されてじっと観察されている。

「最後に飲んだものは、コーラか。ごちそうさまでした」

「いいえ。私の唾液というところですよ。間接キスです」

「生々しいな。思春期の中学生でもそんな事思わないよ」




40 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:54:50.42 ID:p/27QdiH0


「この場で結ばれてハッピーエンドもいいですけれど。
 すぐにバッドエンドですから、この位がいいのですよ」

「ま、そうだ。手を握るくらいは許してほしいんだけど」

「分かりました。私の最大限の譲歩、というところです」

彼女は最後に残ったコーラをくぴっと飲み干して、笑った。
「マジで間接キスです」と何やらテンションが上がってた。

「さて、来世でもきちんと私に告白をしてくださいよ?」

「うん。色々な事を考えられたし、僕はきっとできる。
 会いたいと思えば、会える。君もそう言ってたからな」

「はい。では、そろそろ私たちも消えるとしましょうか」

うん。そう言って笑って、僕らは、ゆっくりと目を閉じた。
少しだけ「手を握る力が強まったな」と最後に僕は思った。
最後に思い出したのは、彼女の笑顔と、彼女と共に語った。



世界が終わる前に考えた、いくつかのこと。




41 : ◆DmLHJ6FzMs 2013/08/02(金) 15:55:18.00 ID:p/27QdiH0


おわり




44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/02(金) 15:57:45.80 ID:mCgJgc19O

おっさんの胸に来るSSだった
非常によかった



転載元
世界が終わる前に考えた、いくつかのこと
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1375424274/
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         コメント一覧 (25)

          • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月02日 20:25
          • 素晴らしかった。
          • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月02日 20:25
          • 十分十五分くらいの暇潰しに十分よかった
            安易なハッピーエンドにしないあたりが好感持てる
          • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月02日 20:31
          • 先輩と後輩がどうなっちゃったんか分からんからもどかしいけど、あえてやってるんだろなぁww
            考えさせられる話だった。。
          • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月02日 20:33
          • オリジナル作者もごちゃごちゃした設定つけるよりこういうさらっとしたの書けばいいのになあ。
            短編集とかで読みたくなった。
          • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月02日 20:41
          • いいねえ
            すごく上手い文章なわけでもないけど読みやすくてひき込まれた。主人公の夢とか大人の話のくだりで心に来たわ
          • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月02日 20:51
          • 世界が終わるってのに二人とも良い意味でサバサバしてて『そして明日の世界より』を思い出した
            あれも世界の終わりにしては綺麗すぎて違和感あったけど「だがそれがいい」なゲームだったなー
            良いSSだった
          • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月02日 21:01
          • 5 「懐かしくなった。子供に戻れた感じがするよ。いいな」

            「いつだって子供です。ただ少し、子供より大きいだけ」

            この下りが凄くグッときた
            多分前にも人生観テーマで書いた人だろうな
          • 8. MCC
          • 2013年08月02日 21:05
          • 5
            響いたぜ……!!
            心によ………!!!
          • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月02日 21:13
          • 綺麗なピンクのダニか
          • 10. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月02日 21:46
          • 良かった(小並感

            あすせか思い出すのわかるなぁ…
            健速さん今何してんだろ
          • 11. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月02日 21:56
          • うむ
            なかなか味わいのあるssだった

            来世で幸せになってることを願おう
          • 12. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月02日 22:40
          • 5 こういう話好きだ。

            電撃のスーパーカブで旅するやつ思い出した。
          • 13. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月02日 22:56
          • 寿命を七日にするSSの人かな?
            ありがちな設定なのに濃い人生観のSSで面白かったよ。いいなーと思う
          • 14. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月02日 23:08
          • 穴は未来日記の黒い球体がゆっくり広がって行くのをイメージしたけど合ってるのかな?
          • 15. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月02日 23:40
          • げんふうけいかな?
            世界の終わりが来たらっていうのはよく考えるけど、こんな風に静かに過ごせたら良いなあ
            実際はガクブルしてるんだろうけどさww
          • 16. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月03日 01:58
          • げんふうけい氏?(適当)
          • 17. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月03日 07:18
          • げんふうけいではない気がする
            確認こそ取ってないけど、文体がぽくないし宣伝もないし

            すげーおもしろかった。こういうの増えて欲しいけど、それこそちょっとだからいいんだよな
          • 18. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月03日 08:05
          • ※14
            俺もこれだった

            面白かったよ。台詞一つ一つがほんといい
          • 19. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月03日 23:36
          • 読ませるSSだな。面白いというより世界観に引き込まれた。
            文章の書き方がうまい。淡々としてるのに微妙な強弱が
            あって飽きさせない。
          • 20. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月04日 15:44
          • げんふうけいではないな、
            「僕の人生、ずいぶん遠回りしちゃったな。何でだろ。
             大事なことはシンプルで、すぐそばにあったってのに」

            「単純で、純粋で。だからこそ、見れなくなるんです。
             大人になって、あの頃の自分との違いに怖くなるから」

            ここらへん言葉でうまく表せるあたりうまいなぁ
          • 21. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月04日 16:44
          • こういう最後なら来てもいいかもな
          • 22. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月04日 23:19
          • 何か下手な文章だが雰囲気が良いな
            俺は好きだ
          • 23. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月09日 03:56
          • うぅん?

            この作者、俺の同級生か・・・・・・も?
          • 24. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月10日 19:48
          • 5 明日世界が滅べば…
            しかし俺の隣には誰もいないんだろな…
          • 25. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年01月07日 17:58
          • ひしぶりにこのssを見返した。
            やはり良いものだと思う。これは

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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