御坂「操祈、さっさと起きなさいよ」 食蜂「う~ん、あと5分~」

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 19:29:29.90 ID:D2yYcSuPP

  ~常盤台女子寮・御坂の部屋~


  ジリリリリリリリリッ ガシャ


御坂「ふぁ~あぁ、う~、もう朝かぁ……」

食蜂「すぅ……すぅ……」zzz

御坂「操祈ぃ、朝よ~」

食蜂「すぅ……すぅ……」zzz

御坂「ったく、いっつも寝起き悪いんだから。先にシャワー浴びようっと」



3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 19:31:45.25 ID:D2yYcSuPP

  タッタッタッタッタッ


食蜂「あ~ん、遅刻しちゃうよ~! 美琴ぉ~、どうして起こしてくれなかったのぉ~!」

御坂「何度も起こしたわよ! アンタがいつまで経っても起きなかっただけでしょうが!
   ルームメイトの遅刻は連帯責任になるっていうのに、んもう!」


  キーンコーンカーンコーン  ガラガラッ


御坂「ギリギリセー――――」

教師「遅刻だ。2人とも廊下に立ってろ」

御坂「ちょ!」

食蜂「うう……そんなぁ」


クラスメイト『またあの2人よ』クスクス



5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 19:35:11.11 ID:D2yYcSuPP

御坂「ったく! アンタのせいで今日も遅刻よ! 内申書に響いたらどうしてくれんのよ!」

 両手に水の入ったバケツを持たされ、
 廊下に立たされる御坂と食蜂。

食蜂「ごめんねぇ。私、低気圧だから」

御坂「それを言うなら低血圧でしょうが……。
   大体、夜の10時には寝てるのに、どうしてそんな寝起き悪いのよ、アンタは」

食蜂「だから低血圧だからだってばぁ。ひとの話きかないわよねぇ、美琴って☆」

御坂「☆つけんな! 気持ち悪いわ!」

  ぐぅ~

食蜂「お腹すいたぁ」

御坂「朝ごはん食べられなかったもんねぇ、誰かさんのせいで」

食蜂「美琴がちゃんと起こしてくれないから……」

御坂「そろそろ本気でぶっ飛ばすわよ……」



8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 19:37:41.95 ID:D2yYcSuPP

  ~放課後~


黒子「お姉様~!」タッタッタッ

御坂「おっす、黒子」

食蜂「おはよう、黒子ちゃん」

黒子「おはようって、もうすぐ夕方ですわよ、操祈お姉様」

食蜂「あ、そっか。ケドさー、おはようとこんにちはとこんばんはって、分からなくなることってあるわよねぇ」

黒子「はぁ、相変わらずですわねぇ、操祈お姉様は」

御坂「四六時中ずっと一緒にいるこっちの身にもなってほしいわ……」

黒子「初春たちはいつものファミレスで待ってるそうですわ。行きましょう」



10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 19:40:00.58 ID:D2yYcSuPP

初春「へえ、じゃあ今日も遅刻しちゃったんですか?」

御坂「そうなのよ。今月に入って5回目だから、そろそろマジでやばいわ」

食蜂「ごめんねぇ。でも美琴がちゃんと起こしてくれれば……」

御坂「まだ言うか!」

佐天「うーん、いつも思うけど、食蜂さんってとてもレベル5に見えませんよねぇ」

黒子「しかも、能力開発を受けた瞬間にレベル5に認定された超天才ですものね。
   お姉様でさえレベル1からのスタートだったのに」

食蜂「ん~、でもぉ、今じゃ美琴が3位で私が5位だしぃ、もっと頑張らないとなぁって思ってるの」

御坂「別に頑張らなくていいわよ。普通に朝起きてくれればそれで……」

食蜂「あっ」

御坂「何よ」

食蜂「チョーカーのバッテリー切れそう」

御坂「はぁ!? どうしてちゃんと充電しとかないのよ!」

食蜂「ううぅ~、美琴がちゃんと起こしてくれないから……」

御坂「もうそれはいいっつの!」



12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 19:42:11.02 ID:D2yYcSuPP

佐天「困りましたね。このファミレスのコンセント借りられるか、店員のひとに聞いてみましょうよ」

御坂「そうね、すいませーん!」




初春「よかったですね。充電させてもらえて」

食蜂「うん、これが切れると大変なことになるから助かったわぁ」

御坂「ったく、アンタは本当に世話がかかるわね」

食蜂「ごめんね、美琴」

御坂「もう慣れたわよ、子供の頃からの付き合いだし」

佐天「でも羨ましいなぁ~。幼馴染ってやっぱ特別な関係ですよね~」

御坂「そんないいもんじゃないわよ。こっちが一方的に面倒見させられて大変だわ」

食蜂「私も、どうせならカッコいい男の子のほうがよかったなぁ」

御坂「アンタ、散々わたしに迷惑かけておいて、言うことそれかい……」



13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 19:42:36.59 ID:wV+ywjnwO

仲良しさんとは新しいな




14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 19:44:22.51 ID:D2yYcSuPP

――――――――
――――
――



初春「もうこんな時間ですね。もう帰らないと」

佐天「うん、それじゃ御坂さん、食蜂さん、白井さん、あたしたちはこっちですからー」

食蜂「うん、飾利ちゃん、涙子ちゃん、またねぇ」

御坂「またー」

黒子「ごきげんようですわ」


御坂「それじゃ私たちも寮に戻りま――っ! ごめん、アンタたちは先に戻ってて!」

黒子「あっ、お姉様、どこへっ!」

  タッタッタッ

黒子「行ってしまいましたわ」

食蜂「お腹すいたぁ」グー

黒子「操祈お姉様は何があってもマイペースですわねぇ……」



15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 19:47:17.46 ID:D2yYcSuPP

上条「ふんふんふーん♪」


御坂「ちょーっと待ったー! 久しぶりに勝負よ!」

上条「げぇ! ビリビリ!」






御坂(むぅ、いつも通り傷1つ与えられなかったわ。もっと戦法を変えないと駄目ね)


御坂「ただいまー」ガチャ


食蜂「あ、おかえりぃ」

御坂「あーお腹すいたわぁ。食堂行こっか?」

食蜂「私、もう食べたよ」

御坂「……どうしてアンタはそう協調性に欠けるのよ」



17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 19:50:41.90 ID:D2yYcSuPP

食蜂「ねぇ、美琴って、結構前から1人でどっかに行っちゃうことが多いよねぇ」

御坂「そ、そうかしら」

食蜂「ズバリ! ……おとこ?」

御坂「なっ! ちちちちち違うわよっ! そんなんじゃないっつの!」

食蜂「あれ? 違った? さっきね、黒子ちゃんとお話してたんだ。
   ひょっとしたら、美琴に好きな人がいるのかもって」

御坂「んなっ! なななななっ!」

食蜂「そしたらね、黒子ちゃんってば、
   美琴に彼氏ができたらそいつを殺す、だって。おかしいよねぇ」アハハァ

御坂「……いや笑えないわよ、ったくもう黒子のやつ。
   とにかく、そんなんじゃないからっ」

食蜂「ゲームやろっと」ポチ

御坂「……アンタ、ほんっとマイペースっていうか、ひとの話を聞かないわね」



18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 19:55:02.31 ID:D2yYcSuPP

  ~ある日の公園~


食蜂「すんすんすーん♪ ……ん?」


上条「あ、あれぇ~、おかしいな。金いれたのに……」

食蜂「どうしたんですかぁ?」

上条「あ、いや、金入れても反応しなくて」

食蜂「それ壊れてるみたいですよ。友達も1万円呑まれたって」

上条「ええっ! 不幸だ……、2000円札なんて入れるんじゃなかった……」

食蜂「そういう時はぁ~、ちぇすと!」

  ぽんっ

食蜂「……あれ。美琴はここを叩いて中の缶を出してたけどなぁ」

上条「い、いやぁ、それは犯罪だから駄目でしょ……」

食蜂「そうなんですかぁ」

上条「はぁ、もういいよ。気にかけてくれてありがとうな。それじゃ」

食蜂「はい、お気をつけて」



19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 19:58:58.03 ID:D2yYcSuPP

上条(変な子だなぁ……。まぁお嬢様ってのはああいうもんなのかもな)スタスタ


食蜂「私も帰ろうっと」

不良A「お、きみ可愛いねぇ。常盤台の子?」

不良B「俺たち暇してるんだよねぇ。一緒に遊びにいかない?」

食蜂「はぁ」

不良B「常盤台って中学じゃなかったっけ。胸大きいねぇ!」

不良A「ね、ね! どこかゆっくりできるところでお話でもしようよ」

食蜂「い、いやぁそのぉ」

不良B「変なことしないから行こうぜ!」ガシ

食蜂「は、離してっ」

食蜂(仕方ない、能力を使って……。あ、でも、むやみに能力を使うのは校則違反だっけ。う~)


上条「あー、ちょっとすいません」



21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 20:01:44.91 ID:D2yYcSuPP

不良A「あ?」

食蜂「あ、さっきの人」

上条「その子は俺の知り合いなんすよっ。さ、待たせて悪いな! 行こうか!」

食蜂「あっ」

不良B「ちょっと待ちなぁ! 獲物を横取りしようとはいい度胸じゃねえか」

不良A「痛い目に遭いてえのかァ?」

食蜂「あわわ……」

上条「ふぅ、仕方ねえな……。いいぜ、やるっていうなら」

  ガシッ

上条「逃げるぞっ!」ダッ

食蜂「わっわっ!」

不良A「待てやゴラァ!!」



23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 20:04:18.78 ID:D2yYcSuPP

  タッタッタッタッ!


上条「こっちだ! 隠れるぞ!」

食蜂「は、はいっ」


不良A「クソッ、どっちに行ったっ!」

不良B「こっちかっ?」


  ダッダッダッ


上条「…………」

食蜂「…………」ドキドキ


上条「……ふぅ~。行ってくれたかぁ~。いや~ビビった~」

食蜂「あ、あのっ、ありがとうございます」



25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 20:06:51.56 ID:D2yYcSuPP

上条「いやいいよ。俺の勝手なお節介だ。学園都市にはああいうのが多いから気を付けろよ」

食蜂「はい、本当にありがとうございます」

上条「いいよ。怪我はないよな? さて、もう大丈夫だと思うから、俺は行くよ。そっちも気を付けてな」

食蜂「あのっ、何かお礼をっ」

上条「いいって! それじゃあな!」

食蜂「あっ」

  タッタッタッ

食蜂「……行っちゃった。ん、これって」

食蜂「お財布だ。多分あの人の……どうしよう」



27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 20:10:34.34 ID:D2yYcSuPP

  ~その夜、御坂の部屋~


御坂「はぁ~? 不良に絡まれた?」

食蜂「うん、怖かったぁ」

御坂「ったく、レベル5がチンピラ相手に怖気づいてるんじゃないわよ。
   アンタなら能力を使えば、何百人相手だろうとまとめて倒せるでしょ」

食蜂「でもぉ、他の人に能力を使うのは駄目だって先生が言ってたしぃ」

御坂「んなもんケースバイケースでしょうが。身を守るためなら許されるわよ。正当防衛じゃないの。
   それにアンタの能力の場合、傷つけずに追い返せるでしょ」

食蜂「そうだケドぉ」

御坂「ったく、アンタは本当になに考えてるんだか……」

食蜂「それでね、お財布拾った」

御坂「……話が見えないっつの。今の話と関係あるわけ?」



28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 20:12:48.03 ID:D2yYcSuPP

食蜂「助けてくれた人が落としていったの」

御坂「ああそういうこと。不良に絡まれてる女の子を助けるだなんて、
   中々骨のある奴もいるのねぇ。どんな人? 男?」

食蜂「うん、男の人。カッコよかったなぁ」ポワーン

御坂「へぇ~! 何だかロマンチックじゃない! いいなぁ、そういうの」

食蜂「でもね、お財布の中、レシートや割引き券ばかりで住所や名前が分かるものが入ってないの」

御坂「どれどれ、あらホント。何だかごちゃごちゃしてて、如何にも男の財布って感じがするわねぇ。
   お金は……、えーっと92円しか入ってないわね……。これ届けなくてもいいんじゃないの?」

食蜂「でもでもぉ、困ってるかもしれない。ううん、絶対困ってるよ。届けてあげないと」

御坂「じゃあ明日にでもジャッジメントに渡せば?」

食蜂「でもそれじゃ届かないかも……。直接会って、ちゃんとお礼したいし」

御坂「じゃあどうすんのよ」

食蜂「明日、またあの公園に行ってくる」

御坂「お人好しというか、暇人というか……」



29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 20:16:23.62 ID:D2yYcSuPP

  ~そして翌日~


御坂「でもさー、またここを通るとは限らないでしょー。探しても見つからなかったらどうすんのよ」

食蜂「また明日探すわ」

御坂「本気~? ったく、こうなるとアンタは頑固だからねぇ~」

食蜂「うーん、いないのかしらぁ」キョロキョロ

御坂「あーあ、折角のいい天気になにやって――――あっ!」


上条「落としたとすればこの辺だと思うんだけどなぁ~」ウロウロ



32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 20:20:52.11 ID:D2yYcSuPP

御坂「アンタ! こんなところで何やってんのよ!」

上条「ん? げっ! ビリビリ!」

御坂「御坂だっつの! いい加減覚えろ!」ビリビリ

上条「い、いや、別に覚えてないわけじゃないけどさ」

食蜂「あー! 昨日の人ぉ!」

御坂「へ?」

上条「あ、君は昨日のっ」

御坂「そ、それじゃあ、操祈を助けた男の子って……」



36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 20:23:22.66 ID:D2yYcSuPP

  ~ファミレス~


上条「いやぁ、わざわざ届けに来てくれるなんてマジ助かったよ。ありがとな」

食蜂「いえ、お礼を言うのはこっちです。昨日は本当に助かりました」

御坂「アンタもいいとこあるじゃない。見直したわ」

上条「そう褒められるほどのもんじゃないさ」

食蜂「好きなもの注文してください。私が払いますから」

上条「ええっ? いや、それは悪いって」

御坂「92円しか財布に入ってない奴が遠慮すんじゃないわよ」

食蜂「ふふ、私がお礼したいんです。させてください」

上条「そ、そう? それじゃ遠慮なく……」



37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 20:28:41.72 ID:D2yYcSuPP

  ~その後、ゲームセンター~


御坂「あ、エアホッケーがあるわ! アンタ、勝負しなさい!」ビシッ

上条「えー、お前、超本気出しそうで怖いんだが」

御坂「勝負なんだから本気出して当たり前でしょ。いいから、そこに立ちなさい」

上条「しょうがねえなぁ」

食蜂「ふふ、2人とも頑張れぇ~」




御坂「2回やって2回とも私の勝ち! ま、当然の結果ね」

上条「腕いてぇ~。ムキになりやがって……」

御坂「だらしないわねぇ、それくらいで」



40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 20:31:01.43 ID:D2yYcSuPP

食蜂「あ、スト4だ。当麻くん、勝負しよっ☆」

上条「まぁ、こっちの方が平和だな」

  チャリン

食蜂「私、ザンギエフね」

上条「じゃあケンで」


  あっ


上条「という間に負けた……」

食蜂「むー、手ごたえなさすぎてつまんなーい」

上条「これでも本気でやったんだがなぁ。操祈はゲーム強いんだな」

食蜂「まあねっ☆」

御坂「…………」

御坂(何よ、2人とも出会ったばかりなのに、もう名前で呼び合って……。
   アイツ、私のこと美琴って呼んでくれないくせに……)



41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 20:36:18.17 ID:D2yYcSuPP

上条「どうした御坂?」

御坂「な、なんでもないわ。あー、写真撮らない? ほら、コスプレプリクラだって。
   何か衣装貸してくれるみたいよっ」

食蜂「へぇ、面白そぉ」

上条「コスプレって……、まさか俺もか?」

御坂「あったりまえでしょっ。ほらほら行くわよっ」

上条「押すなってぇ~」




食蜂「当麻くーん、そっち着替え終わったぁ?」

上条「おお、いいぞ」

御坂「カーテン開けるわよー」

  サァ

食蜂「えへへぇ、どうかしらん☆」

上条「お、おお……」



42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 20:42:11.91 ID:D2yYcSuPP

 3人が選んだ衣装は古代ギリシャ風。
 御坂と食蜂が着ているのは、ドリス式キトンと呼ばれる、
 シンプルな白いドレスにベルトでウエストを締めたものである。

御坂「な、なに固まってんのよ」

上条「いやぁ、2人ともすげえ綺麗だよ。本物の女神みたいだ」

食蜂「ほんとっ? 嬉しいなっ」

御坂「アンタは学芸会の脇役みたいね」アハハ

上条「ちぇ、まぁ男なんてこんなもんですよ。
   ……ん? その首に着けてるチョーカーは外さないのか?
   衣装と若干ミスマッチな気がするけど」

食蜂「あ、これは外せないんだぁ。
   それよりも、胸がちょっとキツいかなぁ」

上条「……へぇ」ゴクリ

  ギュッ!

上条「いってえ!!」

御坂「いやらしいのよ、アンタは!」

上条「何も言ってないだろっ」



44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 20:47:28.78 ID:D2yYcSuPP

食蜂「ねぇ、早く撮りましょう」

御坂「そうね」


食蜂「あーん、中は意外と狭いわねぇ」

上条「そ、そうだな……」

御坂「その顔はまたエロいこと考えてるわね!」

上条「考えてないって!」

食蜂「それじゃー撮るよー。えいっ☆」ポチ

  カシャッ

御坂「あっ、こら、まだ早いわよ!」

食蜂「だって、私はもう準備できてたんだモン」

上条「あー完全に視線外れてるな。もう1度撮り直しだ」

食蜂「じゃ、もう1回ポチっと」ポチ

  カシャッ

御坂「だから早いっつの! ボタン押す前に一声かけなさい!」

食蜂「ぶー」



45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 20:50:33.07 ID:D2yYcSuPP

上条「やれやれ、何度か撮り直したけど、まともな写真ができたな」

食蜂「うんうん、わたし綺麗に撮れてる」

御坂「見るとこは自分だけ?」

食蜂「当麻くんもカッコよく映ってるよ」

御坂「わたしゃオマケかいっ」

上条「ハハ、お前ら本当に仲が良いんだな」

食蜂「うん、だって小さい頃からずっと一緒だモン! 私、美琴のこと大好き!」

御坂「なっ! でかい声でこっぱずかしいこと言ってんじゃないわよっ」アセアセ

食蜂「アハハハぁ」



46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 20:53:33.00 ID:D2yYcSuPP

――――――――
――――
――

  キーンコーンカーンコーン

『もうすぐ完全下校時刻になります。帰宅する準備をしましょう』


御坂「あ、もうそんな時間か」

食蜂「楽しいとあっという間に時間が過ぎるわねぇ」

上条「すっかり遊び込んじまったな。いやぁ今日は本当に楽しかったよ」

食蜂「当麻くん、ケータイの番号教えてっ。メールもね! これからも一緒に遊びたいから」

上条「おお勿論だ。ほい、赤外線通信」ピッ

食蜂「ふふ、これからもよろしくねっ☆」

御坂「あっ……」

御坂(私も……アイツとケータイ番号交換したい。うん、そう言えばいいのよ。
   そうよ、操祈みたいに素直に教えてって言えばいいだけじゃない)



48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 20:56:44.82 ID:D2yYcSuPP

御坂「あ、あのっ――」

上条「んじゃあ帰るとすっかぁ」

御坂「あ、……っ」

上条「どうした御坂?」

御坂「……ううん、何でもない」

上条「そうか」

御坂(言えない。ケータイ番号教えての一声が、遠い……。
   どうして私ってこうなんだろ……)

上条「それじゃあ、俺はあっちだから――――」

御坂「……っ!」



51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 20:58:58.17 ID:D2yYcSuPP

食蜂「ねぇ、2人はもうケータイの番号交換しあったの?」


御坂「へ?」

上条「ん、あれ、そういえば俺、御坂と番号交換したっけ?」

御坂「う、ううん、してないっ!」

上条「そっか、御坂とは色々あったけど、中々そういう機会なかったもんなぁ。ほれ、交換しようぜ」

御坂「う、うん!」

  ピッ

上条「これでよしっと。んじゃあ何かあったらいつでも連絡くれよ。じゃあなっ」

食蜂「うん! 当麻くんからも連絡ちょうだいねぇ~! また~!」



52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:01:11.54 ID:D2yYcSuPP

御坂「…………」ポワーン

御坂(アイツの番号……メールアドレスも……、これでもう完璧に友達よね……?)

食蜂「美琴ぉ~、私たちも帰りましょ」

御坂「う、うん」

食蜂「あーお腹すいてきちゃったなぁ」テクテク

御坂「操祈、ありがとう」

食蜂「ん~? なにがぁ?」

御坂「……こっちの話よっ」

食蜂「?? 変な美琴」



 晴れて友人関係となった3人は、度々会うようになり親睦を深めていった。
 そして数週間後。



56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:03:28.53 ID:D2yYcSuPP

佐天「へぇ~、この人が噂の上条当麻さんですかぁ。食蜂さんが言ってた通りカッコいいですねぇ~」

食蜂「でしょでしょ」キャ

上条「い、いや、そんなことないって」

黒子「そうですわ! こんな類人猿のどこが! ケッ!」

初春「まぁまぁ白井さん。御坂さんも食蜂さんも取られちゃって寂しいのは分かりますけど」

御坂「わ、私は別にこんな奴なんか……!」アタフタ

上条「な、なんか、女の子だらけの中、男の俺がポツンといるのは落ち着かないな……」

佐天「あ、だったら今度、お友達も連れてきてくださいよー」

初春「佐天さんっ、それって合コンってヤツですかー!」キャー

上条(こんな可愛い子だらけのところに、青髪ピアスと土御門を連れてきたら……。怖くて想像できん……)



58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:07:22.60 ID:D2yYcSuPP

佐天「で、上条さんはどっちが好きなんですかっ」

上条「へ?」

佐天「んも~とぼけちゃって~。御坂さんと食蜂さん、まさか二股かける気じゃないでしょうねぇ~」

上条「ふ、二股も何も俺はそんな……っ!」

御坂「そそそそそそうよっ! そ、そういうんじゃないってば!」カアア

食蜂「あらあらぁ」ウフフ

黒子「お姉様、顔真っ赤ですわよ……」

御坂「黒子まで~、んも~!」

佐天(うわ~、御坂さん分かりやすすぎ。可愛い~)

初春(上琴心理かぁ)

黒子(うう、お姉様……、なぜそんな猿に心奪われて……およよよよ)


食蜂(美琴、何で顔を赤くしてるのかしら。熱でもあるのかなぁ)

上条「ハハ……、まいったな」



59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:12:20.77 ID:D2yYcSuPP

  ~その夜、御坂の部屋~


御坂「ふぁ~あ、それじゃもう寝るわよ~。これ以上、遅刻したらやばいんだからね」

食蜂「うん、電気消していいよ」

  カチッ

御坂「んじゃーおやすみなさい」

食蜂「うん、おやすみ」


  チク タク チク タク


食蜂「ねぇ美琴」

御坂「んー、なによ」

食蜂「美琴は……、当麻くんのこと好きなの?」

御坂「ぶっ! だ、だだだだだ誰があんなヤツっ!」



60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:18:33.97 ID:D2yYcSuPP

食蜂「じゃあ好きじゃないの? ホントに?」

御坂「そ、そうよっ」

食蜂「そっかぁ。私ね、当麻くんのことが好き」

御坂「……っ!!」ビクッ

食蜂「もし美琴が当麻くんのこと好きなら諦めるつもりだったけど、うんそっか。
   ねぇ、私、当麻くんに告白してもいいかなぁ」

御坂「す、好きならしなさいよ。アンタみたいに可愛い子から告白されて断るやつなんていないわ……」

食蜂「そうかな。私、不安でいっぱいなの……。
   当麻くん、私のことなんか好きじゃないかもって、
   ひょっとしたら、美琴のことを好きなんじゃないかなって思っちゃって……」

御坂「そ、そんなことないわ……。アイツだって、きっとアンタのことが好きよ……。
   だって、操祈は……素直で可愛くて、誰からも好かれて……」



61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:23:13.81 ID:D2yYcSuPP

食蜂「ねぇ美琴、私の恋が上手くいくように応援して……。
   そしたら私、きっと頑張れるから……」

御坂「勿論よ! 当たり前でしょ! 幼馴染なんだから!」

食蜂「美琴……?」

御坂「あっ……」

 思わず語気を荒げてしまう御坂に対し、
 食蜂は不思議そうな表情を浮かべる。

御坂「ご、ごめん。もう眠いから……!」

食蜂「うん、ごめんね。おやすみ」


御坂(…………ッ)


 御坂は、耳を塞ぐように毛布を頭から被り、
 そのまま眠りに落ちるのをひたすら待った。



63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:31:12.33 ID:D2yYcSuPP

  ~翌日、公園~


食蜂「たまにはのんびりお散歩っていうのもいいよねぇ」

上条「そうだな、金もかからないし」

御坂「んもう、アンタはもう少し気の利いたことを言えないわけ~?」

上条「ハハ、しかし最近はしょっちゅう3人で一緒にいるよなぁ。
   御坂と毎日遊ぶようになるなんて、前は想像もしなかったなぁ」

御坂「そうね……」

御坂(そう、それは操祈のおかげ。私1人じゃ、こいつとこんな近くを歩くなんてこと絶対に無理だった。
   もう十分じゃない……。これで満足。そうでしょ……?)

上条「どうした御坂、暗い顔をして」

御坂「あー、ちょっと急用を思い出したわ。ごめん、わたし先に帰るねっ」

上条「え、あ、そっか。気を付けてな」

御坂「……うん」

  タッタッタッタ

 御坂は、2人の顔を見ないで済むように俯きながら、
 走ってその場を後にした。



69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:49:08.80 ID:D2yYcSuPP

食蜂(ありがとう美琴。私、頑張るね)
 
上条「なんか、ちょっと様子変だったな。なんだろ、用って」

食蜂「あ、あの当麻くん、少し一緒に歩こうっ」

上条「ん、そうだな。夕方だけどまだ日が出てて気持ちがいい陽気だしな」

食蜂「うんっ」

 夕暮れ時のそよ風の中、2人は緑道を歩きだす。
 季節は10月、穏やかな気候が2人を包んでいた。

食蜂「ねぇ当麻くん」

上条「んー?」

食蜂「手、繋いでもいいかな……」

上条「え、ええっ?」

食蜂「あ、駄目だったら別に……」

上条「い、いや駄目じゃねえよっ。ただちょっとビックリしただけでっ!」アタフタ



70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:52:20.38 ID:D2yYcSuPP

食蜂「じゃあ……」

 食蜂は、顔を伏せながらスゥっと静かに手を差し出す。
 そして、その不安そうに小さく震える手に、

上条「これで……いいか?」

食蜂「ぁ……」

 上条は優しく応えた。

食蜂「ありがとう……」

上条「い、いや……っ」


  ザッ ザッ ザッ


 手を繋ぎながら砂利道を踏みしめる2人。
 沈黙のせいか、小石を踏む音、
 風に吹かれて木の葉が揺れ動く音が、鮮明に感じられた。



71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:55:13.78 ID:D2yYcSuPP

上条「…………」

食蜂「…………」


食蜂(黙ってるの変かな。でも駄目、何も出てこない。
   今はただこうして一緒に手を繋いで歩いていたい……)


上条「風、気持ちいいな……」

食蜂「うん……」


 ぎこちない会話が続く中、2人は坂道を少し上り、
 街を展望できる場所までやってきた。


食蜂「うわぁ、綺麗な夕日ぃ」

上条「本当だな。こんな風に景色を眺めるなんていつ以来だろう」



74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:57:39.07 ID:D2yYcSuPP

食蜂「私、こんな綺麗な夕日見たの初めて」

上条「大袈裟だなぁ」

食蜂「大袈裟じゃないよ。当麻くんと一緒に見る夕日だから。
   だから、この夕日は特別……」

上条「操祈……」

食蜂「当麻くん、聞いてほしいことがあるの」

上条「なんだ?」

食蜂「あのね……」

 食蜂は、上条の目をじっと見つめ、
 そして一瞬の時が流れた後、意を決し、声を振り絞った。


食蜂「私は、当麻くんのことが……、好き…………」



77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:02:06.55 ID:D2yYcSuPP

  ~御坂の部屋~


御坂「…………」

 御坂は、暗い表情のままベッドに横たわる。
 ……電気も点けぬまま。

御坂(操祈、告白したのかな……。アイツはOKしちゃうのかな……。
   もしそうなら祝福しなきゃ。操祈は親友なんだから。
   私の一番大事な友達なんだから……)

御坂「そうよ、操祈とは小さい頃からずっと一緒……。大事に決まってるじゃない。
   アイツよりも……大事に決まってるわ……」

  ガチャ

御坂「あっ!」

食蜂「わっ、いたんだ。部屋暗いからいないのかと思ったよぉ。寝てたの?」

御坂「う、うん。ちょっとね。それよりどうだったっ?」

食蜂「んふっふ~! ぶいっ☆」ピース

御坂「あっ……」

食蜂「当麻くんね、私と付き合ってくれるって! 勇気を振り絞って本当によかったぁ~!」キャー

御坂「そう……なんだ……」



78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:05:13.75 ID:GyBzWD5C0

キタキタキタキタキター!!!!



80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:06:05.81 ID:D2yYcSuPP

食蜂「美琴が励ましてくれたおかげだよ! 告白のタイミングもばっちりだったし!
   ありがとう! 美琴!」

御坂「私は何も……してないでしょ」

食蜂「それでね! 早速明日デートするんだぁ! あーんキスとかしちゃうのかなぁ~!」キャー

御坂「そう……ね……」

食蜂「あ~安心したら何だかお腹空いちゃったなぁ~。ねぇ、食堂行こっ」

御坂「ごめん、私はいい……。シャワー入ってくるね……」

食蜂「ん、そぉ? それじゃ私は食堂いくねぇ~。また後でぇ~」ルンルン


  ガチャ  バタン


御坂「……シャワー浴びなきゃ」



83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:09:30.62 ID:D2yYcSuPP

  シャアアアア


御坂「…………」

御坂「……うっ、うっぐ、えっぐぅ、ひぅ、うぇええええぇぇえぇえぇん!!」

 御坂は泣いた。失恋の痛みが胸いっぱいに広がり、
 堰を切ったように涙がとめどなく溢れ出した。

御坂「どうしてぇ……! いっぐっ、どぅして私じゃないのぉ!
   どうして操祈なのよぉぉぉおぉ!!
   ひっぐっ、ぃぅううぅ! うわあぁあぁあぁん!!」


  シャアアアアア


 シャワーの音が御坂の嗚咽をかき消す。
 だが、心の傷までは流してくれない。
 ただひたすら泣いて震えることしか、今の彼女に出来ることはなかった。



87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:12:40.40 ID:Lyw9Ecr00

どさくさにまぎれて小便してるのかと



92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:13:42.14 ID:D2yYcSuPP

  ~翌日~


黒子「そうですか。遂にあの殿方と恋仲になったのですね、操祈お姉様」

食蜂「そうなんだぁ~。今日ね、これからデートなのぉ~」キャー

黒子「幸せそうで何よりですわ」

黒子(こうなると気になるのが……)チラッ

御坂「…………」

黒子(ああ、可哀想なお姉様! ですが、これはチャンスですわねぇ、うへへへ)

食蜂「ねぇ、美琴と黒子ちゃんも一緒に来るぅ?」

黒子「へ? だってこれからデートなんでしょう??」

食蜂「でも大勢の方が楽しいよぉ~」

黒子「は、はぁ、ですが、わたくしはこれからジャッジメントのお仕事がありますの」



94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:16:04.91 ID:D2yYcSuPP

食蜂「そっかぁ、美琴は?」

御坂「なに言ってんのよ、初デートでしょ。邪魔できるわけないじゃない」

食蜂「邪魔なんかじゃないよ~。美琴もいた方が楽し――」

御坂「そんなデートあるわけないでしょ! 2人きりで行きなさいよ!!」

  シーン……

食蜂「み、美琴?」

御坂「あっ、ごめん……。私、もう帰るね! とにかく操祈は楽しんできて!」

食蜂「あっ!」

  タッタッタッタッ

食蜂「どうしたんだろ、美琴……」

黒子(お姉様……)



97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:18:38.97 ID:D2yYcSuPP

  タッタッタッタッタッ


御坂「ハァ……ハァ……! うぐっ……!」ゼェゼェ

御坂(私、何やってんのよ……! 祝福するんでしょっ! なのに……どうして……)





――――――――
――――
――


食蜂「あーもうこんな時間かぁ。楽しいと本当にあっという間」

上条「気の利いたところに連れて行ってやれなくて悪いな。俺、金ないし……」

食蜂「ううん、当麻くんと一緒にいられるだけですごく楽しいよ。
   毎日会いたいな。ただ一緒に歩いてるだけでもいいの」



101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:21:01.16 ID:D2yYcSuPP

上条「ん、そうか。俺も操祈と一緒にいるだけで楽しい。
   胸がドキドキするっていうか……、恋なんだろうなぁこれって」

食蜂「ふふ、私も同じっ☆ ……ねぇ、ちょっと横向いてくれる?」

上条「んん? こうか?」

  チュ

上条「あっ」

 食蜂は、上条の頬に短くキスをした。

食蜂「えへへぇ、お別れのキスっ。また明日ね、当麻くん!」

上条「え、ああっ、また!」

  タッタッタッタッ

 食蜂は赤くなった顔を見られないように、逃げるようにその場を後にする。
 上条は口づけされた頬をそっと撫でながら、そんな彼女の背中を見送った。



104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:24:25.49 ID:D2yYcSuPP

  ガチャ


食蜂「ただいまー。あれぇ、また部屋が暗い。美琴ぉ?」


御坂「……ごめん、もう寝てるから」

食蜂「ええ? でもまだ19時過ぎだよ?」

御坂「疲れてるから……悪いけど静かにして」

食蜂「う、うん、ごめん」

食蜂(デートの話聞いてほしかったんだけどなぁ。まぁ明日でもいっか)



105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:26:45.69 ID:D2yYcSuPP

  ~翌朝~


食蜂「すぅ……すぅ……」zzz

食蜂「ん、んん~ん。なんかいっぱい寝た気がするわぁ。いま何時だろ……」

食蜂「え~っと、……え!? 9時ぃ!? えっえっえっ?
   美琴ぉ~! 大変だよぉ~! 完全に遅刻ぅ~!! ……美琴ぉ?」

  シーン……

食蜂「あれ、いない。ベッドも片付いてる。1人で学校に行ったの……?」




  ~学校の職員室~


教師「ばっかもん! 最近ようやく遅刻しないようになったと思ったら2限目から来るとは!」

食蜂「ご、ごめんなさ~いぃ」

教師「御坂! お前も何故一緒に来なかった! ルームメイトの遅刻は連帯責任だぞ!
   お前も遅刻扱いにするからな!」

御坂「……はい」



106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:30:46.88 ID:D2yYcSuPP

食蜂「失礼しましたぁ……」

  ガラガラ ピシャ

食蜂「う~、怒られたぁ。美琴ぉ、どうして1人で行っちゃったのぉ?」

御坂「……別に」

食蜂「ね、ねぇ、何で怒ってるの? 私、何か美琴を怒らせるようなことしたかな……?」

御坂「別に怒ってなんかいないわ」

食蜂「で、でもぉ――」

御坂「私、調べものがあるから……」サッ

食蜂「あっ、待って! 美琴ぉ!」


食蜂「美琴……、どうしちゃったの……?」


 結局その日、食蜂が近づく度に御坂は逃げ、
 2人は1度も会話を交わすことなく放課後を迎えた。



107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:33:40.11 ID:D2yYcSuPP

上条「今日もいい天気でよかったな~」

食蜂「うん……」

上条「あー、映画でも行くか。つっても何がやってるか知らないけどさっ」アハハ

食蜂「うん……」

上条「あ、それともまた公園を散歩でもするか?」

食蜂「うん……」

上条「あの、操祈さん?」

食蜂「私、馬鹿だから……」

上条「え?」

食蜂「だから、自分でも気付かない内に何か悪いことしちゃったんだね……」

上条「操祈……?」



 その後も、御坂と食蜂のすれ違いの日々は続いた。
 そしてある日。



109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:36:35.63 ID:D2yYcSuPP

教師「えー、区間[a,a+h]における平均変化率とは、
   ある点のx座標x=aを基準にとり、
   そこからhだけ離れた区間[a,a+h]におけるyの変化する割合をいいます。
   つまりどういうことかというと――――」


食蜂(もう3日も口を利いてくれない……。
   でも考えても考えても、美琴がどうして怒ってるのか見当も付かないよ……。
   もうこうなったらアレを使うしか……。でも……)

 バッグからリモコンを取り出す食蜂。

食蜂(電波を使用するリモコンじゃ美琴の心は覗けない。美琴には電磁バリアがあるから。
   美琴に『心理掌握(メンタルアウト)』を使うには、これを外さないと……)

 食蜂は首のチョーカーに手を掛ける。

食蜂(でも人の多いところじゃ駄目……。街中は勿論、学校内でも生徒の数が多いし。
   あ、でも例えば図書室とかなら……)


  キーンコーンカーンコーン


教師「えー、では今日はここまでにします。ごきげんよう」



110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:40:56.25 ID:D2yYcSuPP

『お昼ご飯いっしょに食べよ~』 『食堂行こっか~』 『席くっつけて~』


御坂「…………」スゥ…

食蜂(あ、美琴が教室を出る……。よし、ついていこう)



  ガチャ  バダンッ


御坂「…………」スタスタ


食蜂「…………」ソォ

食蜂(屋上か。ここならそんなに人は多くない。よし、やるなら今しかないわ……)

 食蜂は覚悟を決め、首のチョーカーを外した。

食蜂「うっ……!」キーン



111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:43:14.73 ID:D2yYcSuPP

  『あー勉強全然ついていけないよ! どうしよう!』

           『ユウコのやつホントむかつく!』

     『ダイエットしなきゃだけど、明日からでいっか』

   『はぁ、100M走のタイム全然縮まない……。あたし才能ないのかな』

 『毎日毎日、ほんとつまんない』

       『マナミ、今日の小テスト、あたしより低かったわね。いい気味!』


食蜂(どれも違う……。美琴の声はどこ……?)


 『私、何やってんのよ……。いつまで操祈を避けるつもり……?』


食蜂(これだ……! お願い美琴、あなたの記憶を少しだけ読ませて……!)


  スウウウウウウウウウ



112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:45:34.23 ID:D2yYcSuPP

 上条『こんな大勢で女の子1人を囲んで情けねえ――――』

――どうして見ず知らずの私のためにそこまでできるの……?


食蜂(これは、美琴の中の当麻くん?)


 上条『勝負勝負って、今までオマエの全戦全敗じゃんか』

――うっさいわね! でも、私と対等に接してくれる男の子はコイツだけ……。


 御坂『何がレベル0よ! 電撃も超電磁砲も効かない! そんな230万分の1の天災のクセに!』

――違う、私はただアイツと一緒にいたいだけ。勝負なんて口実に過ぎない。


 上条『心配したに決まってんだろ』

 御坂『ぁ……ま……、嘘でもそう言ってくれるだけマシってとこかしら……』

 上条『嘘じゃねえよ!』

――アンタには関係ないじゃない。どうして他人のためにそこまで一生懸命になれるのよッ!



113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:47:48.20 ID:D2yYcSuPP

 一方通行『理解できねェな。あの三下もオマエも、なンで人形を庇う?』

 御坂『妹だから……。もう1人も死なせやしない!』

――私自身を犠牲にするつもりもない。そんなことしたらまたアイツに怒られちゃうものね。


 上条『あの実験は色々間違ってたけど、妹達が生まれてきたことだけは良かったよ』

――そうね、私もそう思う。


 上条『御坂とその周囲の世界は俺が守る』

 エツァリ『フッ、まったく、最低の返事だ……』

――そ、そうよっ! その気もないくせにそんな台詞っ! でも、いつかアイツの特別になりたいな……。


――ねぇ、アンタは私のことどう思ってるの? 少しは気にかけてくれてるのかな。

――ねぇ、私を見てよ。私はこんなにアンタのことが好きなのに。私ばかりズルいよ。



114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:50:20.41 ID:D2yYcSuPP

 食蜂『当麻くんっ』

 上条『なんだ、操祈』

――やめてよ。操祈より私を見てよ……!


 食蜂『私ね、当麻くんのことが好き』

――やめて! 私からアイツを奪わないで!!


 食蜂『当麻くん、私と付き合ってくれるって!』

――嘘よ……。私の方が絶対アイツのこと好きなのに……! 操祈なんて……操祈なんて……!




――――操祈なんて、フラれればよかったのに……!!




食蜂「……ぁ…………」

  カランッ

食蜂(そっか、そうだったんだ)



115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:53:09.82 ID:D2yYcSuPP

御坂「ふぅ……」

御坂(もうすぐ午後の授業始まるわね。教室に戻るか……)



  ガラガラ

教師「もうチャイムなったぞ。早く席に着きなさい」

御坂「はい」

御坂(あれ、操祈がいない。どこにいったのかしら。……まぁいいか。別にどうでも)


――――――――
――――
――

教師「それじゃHRは以上だ。気を付けて帰れよー」


『やっと終わったー』 『ねぇカラオケ行こうよー』 『いいよー』


御坂「…………」

御坂(操祈のやつ、結局戻ってこなかった。早退したのかな。でも鞄はそのままだし……)



116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 23:00:10.76 ID:D2yYcSuPP

  ガチャ

御坂「ただいまー。……操祈? いないの?」

 授業が終わった後、まっすぐ寮に戻ってきた御坂。
 しかし、食蜂が帰ってきた形跡はない。

御坂「まさか、授業サボってアイツに会いに行ったんじゃないでしょうねぇ。まったく……」

  ドサッ

 鞄と共に、御坂はベッドに身を投げ出す。
 そして何気なく、鞄の中にしまいっぱなしだった写真を取り出した。

御坂「あの日、アイツと操祈と3人で撮った写真。
   ふふ、わたし本当に邪魔ね。2人の間に割り込んで……」

  グッ

御坂「こんなの……こんな写真なんか――――!!」


  コンコンッ


御坂「だ、だれ? 操祈?」



119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 23:04:59.25 ID:D2yYcSuPP

『お姉様! 黒子です! 開けてくださいまし!』


御坂「黒子?」

  ガチャ

黒子「お姉様! 操祈お姉様は戻ってませんの!?」

御坂「え? い、いや、操祈なら午後の授業から見てないけど……」

黒子「校内の拾得物として風紀委員に届けられましたの、これが!」

御坂「これ……、操祈のチョーカーじゃないの! どうしてこれが!?」

黒子「分かりません。学校の屋上の入り口付近に落ちてたらしくて……。
   ただ、これがここにあるということは、
   操祈お姉様は当然チョーカーを着けてないということでして……!」

御坂「アイツはこれが無いと、周りの人の心の声がだだ漏れで聞こえてしまうのに……。
   長時間その状態が続けば、意識を失う危険も……!」

黒子「探しましょう! 初春にも連絡しておきますの!」

御坂「ええ!」



121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 23:09:54.86 ID:D2yYcSuPP

  『あー毎日つまんねえなぁ』
    『勉強辛い……、もう学校なんてやめたい』
     『ブラック企業に勤めてるが限界かもしれない』
  『昨日のドラマ見逃しちゃったよ~。誰か録画してないかなぁ』
   『クッソ、あっちのスーパーのほうが200円も安いじゃん。損した』
     『あー彼女欲しい。空から女の子が降ってこねーかなー』
 『面倒くせー。もう息するのも面倒くせー』
   『タラヲ氏ね』
     『教師ってほんとストレス溜まるな。生意気な生徒ばかりでウンザリだ』
  『おにぎり食べたいの。あふぅ』
    『クッソ、誰でもいいからヤリてえ! いっそレイプでもすっか?』
   『あの先公、宿題出しすぎだろ。マジうぜえ』


食蜂「ぅぅ……」

食蜂(頭が割れそう……。どこか、人のいない場所に……)



123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 23:11:30.68 ID:NCxQJDEd0

変なの混ぜるなwww



125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 23:12:53.06 ID:D2yYcSuPP

  タッタッタッ

黒子「操祈お姉様ー!」

御坂「操祈ー!!」

黒子「どこへ行ってしまったのかしら……。お姉様、どこかお心当たりはありませんか?」

御坂「そう言われても……。でも、行くとしたら人の少ない場所だと思う。
   例えば公園とか……。そうよ、この前行ったあそこかも」

  ポツ ポツ ポツ

黒子「雨が降ってきましたわね。急ぎましょう!」

御坂「私のせいよ。こんなことになったのも全部わたしが……。
   私が操祈のことを避けたりしたから……。
   もし操祈に何かあったら、私……!」

黒子「お姉様、悔やむのは後にしましょう。今はとにかく彼女を見つけることが先決ですわ。
   手分けして探しましょう!」

御坂「……うん!」



130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 23:16:14.06 ID:D2yYcSuPP

  ザアアアアアア


御坂「操祈ー! どこにいるのー! 返事をして!」


 土砂降りの中、御坂は、食蜂が告白をした公園までやってきた。
 空は雨雲で覆われ、まだ午後4時だというのに、
 辺りは薄暗くなっていた。
 こんな荒れ模様の公園に来る者など他にいない。


御坂「ここじゃないの……? 一体どこに行っちゃったのよ」

御坂(考えるのよ。操祈が行きそうな場所はどこ……?
   私なら分かるはずよ! 1番の親友ですもの。
   操祈が行くところ……!)



132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 23:18:45.32 ID:D2yYcSuPP

  ザアアアアアア


食蜂「雨が降ってくれてよかった。雨の音で気が紛れるから……」

食蜂(私、なんてことを……。応援してだなんて、美琴の気持ちも知らずに、私は……!)

食蜂「胸が張り裂けそう……。これが美琴が受けた痛みなんだよね……。ごめんね、ごめんね……」


  『操祈! どこにいるの! お願い、私の声が聞こえるなら帰ってきて!』


食蜂「っ! 美琴の心の声……」

 食蜂は、心の声が聞こえる方向から逃げるように、
 反対の方角へヨロヨロと歩きだす。



133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 23:22:45.42 ID:D2yYcSuPP

    『私、アンタに謝らなきゃいけないことがいっぱいある』

  『私の心を見たのね? 何も言い訳しないわ。私はアンタに嫉妬した。妬ましいと思ったわ』

 『私と違って素直に自分の気持ちを伝えられるアンタが、羨ましくて仕方なかった』

   『馬鹿よね、何もせずに好きになってもらおうなんて、そんなムシのいいこと考えて……』

  『何1つ想いを伝えないくせに、勝手に嫉妬して、勝手に傷ついて……』


食蜂「違うよ……美琴は悪くない……」


  『多分、私はアイツを忘れることなんてできない。これからもずっと好きでい続けると思う……』

   『でもね、それでもやっぱり、私にとって1番大切なのは操祈なの』

 『だって幼馴染ですもの。小さい頃からずっと一緒。これからだってそうよ!』

    『もう嘘はつかない。操祈から顔を背けるなんてことはもうしない!』

   『だからお願い。帰ってきて。もう1度……アンタの親友をやらせて……』


食蜂「美琴……、美琴……美琴ぉ……!!」



135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 23:28:15.99 ID:D2yYcSuPP

  ザッザッザッ


御坂「ここに……いたんだ」

食蜂「美琴……」


  ザアアアアアアアアア


御坂「この研究所、もう使われてなかったのね。私たちが初めて出会った場所」

食蜂「うん、とっくに閉鎖されて、そのまま廃墟になってたみたい……」


  ザアアアアアアアアア


食蜂「ごめんね。私、馬鹿だから……。能力を使わないと、ひとの気持ち分からない……」

御坂「馬鹿は私。アンタをそんな風に追い詰めて……。ホント、自分がイヤになるわ」

食蜂「ごめん、ごめんね……」

御坂「こっちこそごめん。今まで無視して……本当にごめんなさい」



137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 23:30:54.38 ID:D2yYcSuPP

食蜂「美琴……」

御坂「多分、これからも操祈に嫉妬すると思う。でも、もう隠すのはやめるわ。
   私の気持ち、全部アンタに伝える。綺麗な気持ちも汚い気持ちも……。
   だから――――」

  ギュ

食蜂「あっ……」

御坂「もう私の傍からいなくならないで。ずっと操祈の傍にいさせて……」

 御坂は、食蜂の体をぎゅっと抱きしめた。
 ずぶ濡れで冷たくなった2人の体に、温もりが伝わってくる。

食蜂「み、こと……」

御坂「っ! 操祈! しっかりして!」

  ビリビリッ

御坂「これは――――ッ」



139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 23:33:49.00 ID:D2yYcSuPP

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


みさき「…………」


御坂『この映像は、子供の頃の操祈? それにここは確か、昔の研究所の中庭だわ』



男の子A「やーい、リモコン女~!」

男の子B「外でリモコンなんて変なの~」

みさき「ううぇえん! 変じゃないモン~!」

男の子A「変だよなぁ!」

男の子B「変だ変だ!」


みこと「ちょっとアンタたち、女の子をイジめて楽しいわけ!」


御坂『あれは昔の私だ! そうよ、この日は私と操祈が初めて出会った日』



142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 23:36:17.97 ID:D2yYcSuPP

男の子たち「うわぁ、ビリビリ女だ! 逃げろぉ!」


みこと「ったく、ねぇあなた大丈夫?」

みさき「う、うん……。ありがとぅ」

みこと「いいわよ、初めて会うわよね? 私はみさかみこと。あなたは?」

みさき「しょくほうみさき」

みこと「変な名前」

みさき「変じゃないモン~。ううぇええぇん!」

みこと「あっ、ご、ごめんなさい! うん、変じゃないっ!」



御坂『これは操祈の記憶。でも私の記憶でもある』



143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 23:38:42.09 ID:D2yYcSuPP

みこと「へぇ、そのリモコンで能力を使うんだぁ」

みさき「うん、この首のチョーカーで能力を抑えてるんだけどぉ、
    それだと完全に使えないから、このリモコンで制限を解除するの」

みこと「むつかしい言葉知ってるのねぇ、みさきって」

みさき「えへへ」

みこと「でも、泣き虫よね」

みさき「うー」

みこと「だから私が守ってあげるわ! みさきを泣かせるやつは、私がみんなやっつけてあげる!」

みさき「ほんとー? でもみことの電気ってちょっと痺れるだけだよね」

みこと「こ、これから頑張ってすごくなるの!」


御坂『そうだ。これが、私がレベル5を目指した理由。
   操祈を守るため。そして、対等な友達として操祈と同じ位置に立つために』



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



145:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 23:40:59.71 ID:D2yYcSuPP

食蜂「……ぅん」

御坂「あ、気が付いた?」

食蜂「ん、あれ、ここは?」

御坂「病院よ。アンタ、熱出して倒れたから」

食蜂「あ、そっか……」

御坂「…………」

食蜂「…………」

御坂「ごめん」

食蜂「……私、当麻くんのこと大好き。でも、美琴のことも同じくらい好きだよ」

御坂「私もよ。忘れてたけどやっと思い出したわ。
   私にとって、操祈は誰よりも特別だってことを」

食蜂「うん、これからも美琴の友達でいさせて」

御坂「当たり前でしょ。喧嘩をすることもあるけど、私たちは幼馴染なんだから。
   いつだって、最後には仲直りするんだから」

食蜂「うんっ!」



148:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 23:45:08.49 ID:D2yYcSuPP

  ~そして数日後~

上条「おーい! ごめんごめん、待たせちまったか?」

食蜂「ううん、こっちも着いたばかり――」

御坂「おっそい! 女の子を待たせるんじゃないわよ!」

上条「いやぁ、電車が途中で止まってさ」

食蜂「そうだったんだぁ。災難だったねぇ」

御坂「言い訳するんじゃないわよ、まったく! それにデートなんだから、もうちょっと服装に気を使えないもんかしらねぇ」

上条「あー……、何で御坂がいるんだ?」

御坂「私は操祈の保護者なの! アンタが変なことしないか監視する義務があるわ!」

上条「変なことって……。俺と操祈は付き合ってるわけで」

御坂「操祈は発育いいけど、まだ中学生なのよ! キ、キスまでなんだからね! それ以上は許さないんだから!
   というわけで、これからは私もデートについていくわ」

上条「ま、まぁ、操祈が構わないなら、俺も別にいいけど」


食蜂「もちろん全然構わないよ。だって私、美琴のこと大好きだモン!」


 おわり



158:ゴミクズ:2011/06/16(木) 23:48:06.38 ID:D2yYcSuPP

色々改変してごめん
読んでくれた人ありがとう



168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 23:59:55.55 ID:2mfnFQDM0

うむよかった



163:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 23:51:25.50 ID:CHlouc9nO





転載元
御坂「操祈、さっさと起きなさいよ」 食蜂「う~ん、あと5分~」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1308220169/
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         コメント一覧 (23)

          • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年06月06日 12:17
          • ( ^ω^)
          • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年06月06日 12:23
          • 大変よろしい
          • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年06月06日 12:33
          • これが食蜂初出のSS(完結)だっけか
          • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年06月06日 12:35
          • (・∀・)
          • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年06月06日 12:52
          • あれでみさきと読むのか
            へぇ
          • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年06月06日 13:07
          • 原作あまり知らないんだけど、上条さんの喋り方ってこんなんなん?
            SSの影響のせいか違和感ある
          • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年06月06日 13:14
          • 5
            キタ━━━━━(゚(゚∀(゚∀゚(☆∀☆)゚∀゚)∀゚)゚)━━━━━!!

            SSのまとめ依頼をした者です!!
            此処にまとめてもらったおかげで久々に読む事が出来ました!!
            ありがとうございました!!
          • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年06月06日 13:25
          • 1 御坂と食蜂で百合しとけばよかったな
            上条いらん
          • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年06月06日 13:30
          • チョーカーの設定知らなかったー
          • 10. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年06月06日 13:57
          • うわ、くっそ懐かしい
            みさきちが本誌で出始めた頃に一目惚れして探し回って見つけたSSだからよく覚えてるわ
            あと同時期に上条さんとのシリアスな純愛ものがあったはず
          • 11. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年06月06日 14:21
          • 5
            百合厨は気持ち悪いので大嫌いだが両手に華ENDは良かった、GJ!
          • 12. 天才
          • 2013年06月06日 14:29
          • 5
            実にイイ!!!

            ※8
            ヴァカか貴様は!!!!!
            上条サンが居ないと物足りんわヴォケ!!!!!
          • 13. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年06月06日 14:37
          • ミキミキがさり気なくいてわろた
          • 14. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年06月06日 17:34
          • ほのぼのとした終わり方で良かった
            読んでる最中はどこかでどんでん返しが来るんじゃないかとビクビクしてたよ
            (全員の記憶消して赤の他人ENDとか、最初から記憶操作で遊んでたとか)
          • 15. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年06月06日 22:13
          • これはハーレムルートはいったわ
          • 16. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年06月06日 23:51
          • ※14
            俺もどっかでそう来ると思ってた
          • 17. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年06月07日 07:42
          • なんで最後だけ>>1の名前がゴミクズになってんのw
          • 18. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年06月07日 07:52
          • 1 この流れはハーレムルートも無理っぽいし後味悪い
          • 19. MCC
          • 2013年06月08日 00:08
          • 5 どうなるかと思ったが綺麗に終わって良かった!
          • 20. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年06月08日 13:23
          • 珍しいの見ちゃったよ

            よかったです
          • 21. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年06月22日 11:02
          • 5 素晴らしい!
          • 22. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年07月16日 16:31
          • 御坂の内面を読み取る所が好き
            まぁ彼女が上条さんに惚れたのは妹達の件以降だったはずだけどな
          • 23. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月26日 12:13
          • 5 イイ………!!!

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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