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ミカサ「エレンは私と一緒にいないと早死にする」

1 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 12:19:40 ID:5BcTir4.

いたらないところはありますが、お付き合いいだけると嬉しいです。

アニメは見ていないのでわかりませんが、ネタバレを含むかもしれないのでご注意ください。

ここに書かれているのは私の勝手な想像なのであしからず



3 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 12:20:47 ID:5BcTir4.

何度も同じ夢を見た。

正確には同じ夢ではなく、同じ結末の夢。

最初は悪夢だったということしか思い出せなかった。

しかし回数を重ねる内に内容もだんだんと思い出して来た。



4 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 12:21:26 ID:5BcTir4.

全てはとても長い悪夢だった。

最愛の家族である彼が死んでしまう夢。

最近は夢とは思えない程に鮮明になってきた。

夢の始まりはいつも同じだ。

壁を超える高さの巨人を目の当たりにした日。

そして、私とエレンのお母さんが死んだ日。



5 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 12:22:57 ID:5BcTir4.

その日から5年が過ぎた。

今日は訓練兵団の解散式

「本日諸君らは「訓練兵」を卒業する・・・その中で最も訓練成績が良かった上位10名を発表する。呼ばれた者は前へ。

主席 ライナー・ブラウン

2番 ベルトルト・フーバー

3番 アニ・レオンハート

4番 ミカサ・アッカーマン

5番 エレン・イェーガー

6番 ・・・・・・・・・
・・・・・・・以上10名ーー
ーーーーーーーー本日はこれ
にて第104期「訓練兵団」解散式を終える・・・以上!」



6 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 12:23:59 ID:5BcTir4.

その夜は送別会が行われ、エレンとジャンが喧嘩を始めた。

私は喧嘩を止めるためにエレンを抱えて外にでて、わざと地面に落とした。
熱くなったのを冷ます為とはいえ、強く落とし過ぎたかもしれない。



7 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 12:24:41 ID:5BcTir4.

「熱くなるとすぐに衝動的に行動する・・・」

ジャンに言われたことを気にしてか、配属兵科の希望を聞いてきたが私に希望はこれといってなかった。

しかし、エレンの居場所が私の居場所。

希望を持つにはこれで十分だった。

「私は調査兵団にする」



8 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 12:25:29 ID:5BcTir4.

せっかく10番以内になったのにもったいないと言われたが、憲兵団の為に頑張ったわけではない。

「あなたが憲兵団に行くのなら私も憲兵団に行こう。あなたが駐屯兵団に行くのなら私もそうしよう」

エレンはそんなこと頼んでないと気まずそうに答えたが、これは一度死んだ私を再び生き返らせてくれた恩だ。



9 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 12:26:46 ID:5BcTir4.

そこにアルミンがやってきて送別会がお開きになったのとアルミンも調査兵団に入るということを聞いた。

彼は体力がある方ではない。

エレンも止めようとしたが、アルミンの意思は揺るがなかった。



10 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 12:27:38 ID:5BcTir4.

エレンは一部記憶がない。

父親と最後にあった記憶。

それを思い出そうとすると頭が破裂するような感覚になるらしい。

その日もそれが原因でエレンは倒れた。

ハンネスめ。



11 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 12:34:58 ID:5BcTir4.

次の日

どうやらエレンは回復したようだ。

今日は訓練兵としての最後の仕事となる。

明日からはそれぞれ希望の兵科について、新しい仕事が始まる。



12 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 12:40:19 ID:5BcTir4.

今日はまだ訓練兵団で、仕事は班ごとに大砲の整備。

私とエレンは違う班なので名残惜しいが、仕方がなく別れて作業を始める。



13 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 12:43:16 ID:5BcTir4.

気を抜いていたわけではない。

いや、どこかで抜けていたのかもしれない。

五年という歳月は、恐怖を薄めるには短いものではなかった。

そして異常は起きた。



19 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 13:45:29 ID:5BcTir4.

警報が鳴る。

また超大型巨人が現れ、壁に穴を開けたのだ。

すぐに私達も本部に戻り戦闘準備を整え、超大型巨人出現時の陣形を組もうと動く。



20 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 13:49:09 ID:5BcTir4.

本部につくと皆が慌ただしく準備に取り掛かっている。

エレンも準備をしていた。

その隣でアルミンが激しく同様している。

調査兵団は殉職率が高い。

十分な準備をしてもそうなのだから、今回のような事態ではどうなるかなんて考えるまでもないからだ。

アルミンは聡明故に恐怖もその分大きいのかもしれない。

私にはかける言葉が見つからなかった。



21 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 13:51:25 ID:5BcTir4.

どうやら私達訓練兵団は中衛部で戦うようだ。

死ぬかもしれないことへの恐怖によって今日であることへの愚痴や胃の中のものを吐く者もいた。

「エレン!どうか死なないで!」

エレンに言ったがこの混乱では聞こえたかは定かではなかった。



22 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 13:53:59 ID:5BcTir4.

私達の仕事は巨人の殲滅ではない。

穴を塞ぐ術があるならば違ったのかもしれないが、今のところ方法はない。

私達の仕事は巨人の恐怖にさらされている市民の避難が完了するまでの間の時間稼ぎ。

撤退の鐘がなるまでの間、持ち場にやってきた巨人のを倒すこと。

持ち場に着くとしよう。



23 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 13:58:08 ID:5BcTir4.

これで何体の巨人を倒しただろうか。

いや、数えきれない程の数を倒したわけではない。

数えている余裕がない程に疲弊しているのだ。

命のやり取りをしているからか色々な感覚がおかしくなっていた。



24 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 14:06:19 ID:5BcTir4.

奴らを倒すのに何人死んだのだろうか。

誰かが巨人を一体倒すのに平均で30人が死んだと言っていた気がする。

その数値からしたらよくやっている方なのかもしれない。

だが、被害は決して小さいものではなかった。

エレンは、他のみんなは無事だろうか。



25 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 14:12:39 ID:5BcTir4.

もう、限界が近い。

体力、気力、残りのガスと刃、その全てが危ない状態になっていた。

そんなとき、撤退の鐘の音がなった。

どうやら避難が完了したようだ。

それぞれの持ち場についていた人たちも急いで撤退を始めている。

最初の人数の半分もいなくなってしまった私達の班も撤退することにした。



26 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 14:26:39 ID:5BcTir4.

撤退後、エレンの姿を探した。

どこもかしこも負傷兵と市民で溢れている。

怪我を負ったのかと思い、救護室も探したがどこにもいない。



27 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 14:35:47 ID:5BcTir4.

そんな中、知っている顔を見つけた。

「アニ!エレンは!エレンはどこにいるの!?」

何を言っているのか分からなかった。

正確には、分かりたくなかった。

「エレンが・・・死んだ・・・?」



28 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 14:37:12 ID:5BcTir4.

他にもたくさんの仲間が死んだらしいが、頭には入ってこなかった。

吐き気が、目眩が、頭痛が襲ってくる。

何も見えない。

目の前が真っ暗になるとはこういうことだろう。

いつも

そうやって目が覚める。



29 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 14:48:58 ID:5BcTir4.

目が覚めた?

眠っていたわけではない。

布団で目が覚めたわけではない。

また、あの日がやってきたような、そんな気がした。

長い間、未来を生きていたような、そんな気がした。

もう、何度経験したかは分からない。

もしかしたら全ては気のせいで、母親の死んだショックでおかしくなったのかもしれない。



30 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 15:15:50 ID:5BcTir4.

この、ゴールのない迷路を歩き続けているような感覚。

しかし全てが同じではなく、確実に変化はあった。

あるときの訓練で、不注意で怪我を負った気がしたが、怪我は負わなくなった。

始めてやる訓練も慣れた訓練のように体が動いた。

成績は4番だった気がするが、3番になった。



31 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 15:29:05 ID:5BcTir4.

それでも、またエレンは死んでしまった。

その度に絶望して、その度にわけがわからなくなり、意識が遠のいていった。

そしてまた、何度目だかわからないあの日がきた。

私はなんなのだろうか。

先程目の前で私とエレンの母親が死んだ。

なのに何故、涙が出ない。

何故、慣れてしまっている。

一度しかない筈の死という事実なのに、何故慣れるということがあるのだろうか。



32 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 15:38:50 ID:5BcTir4.

「・・・あぁ、また、これか・・・」

不意に言葉が漏れた。

今という不可侵な筈の領域が過去に何度もあったような感覚。

どのような言葉でも説明出来ないような不可解で不快な感覚。

そんな感覚を押し殺してまた私は歩き出した。

今を生きるために。

彼を助けたいその一心で。



33 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 15:45:47 ID:5BcTir4.

そしてまた、五年の月日が経過した。

もう何度も受けたような訓練兵団解散式。

「本日諸君らは「訓練兵」を卒業する・・・その中で最も訓練成績が良かった上位10名を発表する。呼ばれた者は前へ。」

始めての聞き慣れたセリフ。



34 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 15:46:25 ID:5BcTir4.



「主席 ミカサ・アッカーマン

2番ライナー・ブラウン

3番 ベルトルト・フーバー

4番 アニ・レオンハート

5番 エレン・イェーガー

6番 ・・・・・・・・・
・・・・・・・以上10名ーー
ーーーーーーーー本日はこれ
にて第104期「訓練兵団」解散式を終える・・・以上!」

気づけば私は主席になっていた。



41 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 19:04:16 ID:5BcTir4.

全てはエレンを守りたいがため。

どんなに頑張っても彼は必ずこの後に何らかの形で命を落とす。

しかしそれは、死ぬ運命というものではない。

送別会で、ジャンとの喧嘩のときに死んだこともあった。



42 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 19:14:25 ID:5BcTir4.

あのときのことはよく覚えている。

喧嘩をしていて、誰も止めずにいると、喧嘩の衝撃で落ちたコップでエレンが転んでしまって頭をテーブルにぶつけた。

打ち所が悪かったせいかそのままエレンが目を覚ますことはなかった。



43 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 19:25:26 ID:5BcTir4.

しかしそこから学んだこともある。

彼らは喧嘩をよくするが、2人とも仲間思いだったということ。

エレンが動かなくなったとき、最初はバカにしていたジャンだったが、動かないのをみると、すぐに駆け寄り医務室まで連れていった。

まあ、だからと言って別に何かあるわけではない。



45 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 19:31:33 ID:5BcTir4.

それとどうやら、エレンには死のタイミングのようなものがあるらしい。

今までは2人の喧嘩を止めることによって

それを回避していたようだ。

つまり死ぬことは確定ではないのかもしれない。

だから、エレンを助けることは可能かもしれない。



46 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 20:09:34 ID:5BcTir4.

それは希望的観測だった。

しかし、今の私にはそれに縋るしかない。

エレンを助けれないというのなら、何のために今まで生きてきたのだろう。

そんな最悪の可能性を振り払い、前に進む。

何があってもエレンを守れる強さを求めて。



47 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 20:38:48 ID:5BcTir4.

気づけば私はただの主席ではなく、並の兵士60人以上の働きをすると言われていた。

しかしそんなことはどうでもいい。

エレンがいなければ私は前に進むことができないのだから。



51 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 21:24:02 ID:5BcTir4.

そしてまた、あの日がやってきた。

すでに始めての感覚ではなくなってしまったような始めての感覚。

いつの間にか涙は出なくなっていた。

そしてまた私達は訓練兵団になった。



52 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 21:30:38 ID:5BcTir4.

「エレンは私と一緒にいないと早死にする」

送別会の喧嘩の後、エレンと話をした。

どんな反応が帰ってくるかと思ったが、エレンはそんなこと頼んでないと気まずそうに答えるだけで、あまり変わらなかった。



53 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 21:47:58 ID:5BcTir4.

そしてやはり、巨人はやってきた。

何をすれば変わるのかはわからなくなっていた。

今の私は並の兵士100人程の力を持っているらしい。

自分の持ち場を放棄してエレンを守ったこともあったが、そのときは市民が沢山死んだ。

私が兵士100人ならエレンは市民何人分の命を持っているのだろうか。



56 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 22:10:20 ID:5BcTir4.

大衆を犠牲にすればエレンがあの戦いで命を落とすことはなかった。

しかしその事実を知ったとき、エレンの心は死んでしまった。

だから私がすべきことはもう決まっている。

エレンを守り、市民を守る。

そう決めた。



57 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 22:20:39 ID:5BcTir4.

今回はエレンにはっきりと伝えようと決めた。

私が持ち場を離れたら、市民を守りきることができない。

ならば

「戦闘が混乱してきたら私のところに来て」

エレンの耳元で囁いた。

エレンは、自分とは違う班だといって困惑していたがここで引き下がるわけにはいかない。

混乱した状況下では筋書き通りにはいかないからだ。

私はそれを筋書きのように知っていた。

「私はあなたを守る!」



58 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 22:23:29 ID:5BcTir4.

エレンが死ぬのが筋書きだというのなら、私はその筋書きを変えてみせる。

そして。

変化は突然やってきた。

それも、予期せぬ方向へと。



59 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 22:42:43 ID:5BcTir4.

その言葉を聞いたときは声が出なかった。

確かに変化を求めていた。

しかし何故、どうしてこうもよくない方へと進むのか。

「・・・私の腕では足手まといになります!」

自惚れではなく経験から、その辺にいる兵士よりも腕は上だと思っている。

だからこれは嘘だ。

嘘をついてでも私にはやらなければいけないことがある。



60 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 22:50:37 ID:5BcTir4.

しかしあっさりと私の意見は却下された。

避難が遅れている今は、住民の近くに多くの精鋭が必要とのことだが私は・・・。

「し・・・しかし!」



61 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 22:52:08 ID:5BcTir4.

不意に頭に衝撃が走る。

どうやらエレンに頭突きされたようだ。

そうだ、彼は人一倍仲間思いで、人一倍巨人が憎く、人一倍責任感が強かった。

それを知っているからこそ、何も言葉に出せなかった。

「悪かった・・・私は冷静じゃなかった・・・でも・・・頼みがある・・・1つだけ・・・どうか・・・」

死なないで・・・

そう告げて、私は後衛部に移動した。



62 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 23:15:51 ID:5BcTir4.

後衛部は基本的にそこまで仕事はない。

後衛部に仕事があるということは、その巨人が通って来た道の部隊はやられたということ。

もしくは、このような奇行種。



63 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/28(火) 23:27:09 ID:5BcTir4.

さすがは精鋭部隊

他の人たちに比べたら確かに早い。

しかし、まだ遅い。

この人たちではこの奇行種に追いつけない。

そう思うと体が勝手に動いていた。

精鋭部隊の間を抜け、避難している市民の元にたどり着く前に奇行種のうなじをそぎ落とした。



66 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/28(火) 23:49:19 ID:5BcTir4.

やってしまった。

力みすぎて刃を使い物にならなくしてしまっ・・・!?・・・は・・・?

避難が遅いと思ったら・・・

「何を・・・しているの?」

聞くまでもない。

聞くまでもないが、状況がうまく飲み込めない。



67 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/29(水) 00:05:45 ID:MK.b1/bM

「今、仲間が死んでいる・・・住民の避難が完了しないから・・・巨人と戦って死んでいる・・・」

そう言うと醜く太った豚は何かを喚き散らした。

そうか、彼にとっての認識はそうなのか。

人が人のために死ぬのが当然だと。

なら・・・

「きっと理解してもらえるであろう。あなたという一人の尊い命が多くの命を救うことがあるということも」



68 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/29(水) 00:17:12 ID:MK.b1/bM

するとまたその豚は何かを囀ったが、よくわからなかった。


「・・・? 死体がどうやって喋るの?」

一つだけ感謝しよう。

久しぶりに怒りという感情を持てたことを。

・・・。

どうやら道を開ける気になったらしい。

ならば削ぐのはやめておこう。



69 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/29(水) 00:25:43 ID:MK.b1/bM

その場にいた少女とその母親がにお礼を言われた。ありがとう、と。

私はその少女に向かって敬礼で返す。

しかし、私はお礼を言われるような人間ではない。

どこか遠い昔に私はこの市民たちをエレンを救うために犠牲にしたのだから・・・。



70 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/29(水) 00:33:06 ID:MK.b1/bM

親子、か。

どうしてこんな時に思い出す・・・?

あの日。

家族とお別れをした日。

そして、エレンの家族になった日。

この世界は残酷なんだと知った日。

勝者しか生きることは許されない残酷な世界。



71 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/29(水) 00:44:15 ID:MK.b1/bM

何体の巨人を倒しただろうか。

まだ撤退の鐘は鳴らないのか。

住民の避難が完了しないのかを危惧している時、丁度鐘が鳴った。

住民は守り切った。

エレンは無事だろうか。

今回はいつもと全く違うことが起きている。

もしかしたら何か結果が変わっているかもしれない。

そう信じている。

「前衛の撤退を支援してきます!!」

私には・・・この世界に帰る場所がある。

エレンがいればなんでもできる。そう感じていた。



72 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/29(水) 00:50:52 ID:MK.b1/bM

・・・何かがおかしい。

なぜ撤退の鐘が聞こえたハズなのに壁を登ろうとしないのだろうか。

皆焦った顔をしている。

あれは・・・!?

本部に巨人が群がっている。

恐らくそのせいでガスが補給できなくて、壁を登ろうにも登れないのだろう。



73 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/29(水) 00:57:01 ID:MK.b1/bM

人は何人か見当たる。

見知った顔もある。

どうやらアルミンが生きているらしい。

屋根の上で座っているアルミンを見つけた。

「アルミン・・・ケガはない? 大丈夫なの?」

彼は頷いた。

どうやら大丈夫のようだ。

よかった。

今回は何かが違った。そう確信していた。

「エレンはどこ?」

早くエレンに会いたい。今すぐにでも会いたい。

しかし、いきなり泣き出した親友の口から出てきたのは、

エレンの戦死報告だった。



74 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/29(水) 01:20:44 ID:MK.b1/bM

また、ダメだったのか。

いつもと違うことばかりが起きたのに、結果はやはり変わらない。

また、あの日に戻るのか。

・・・・・・・・・。

・・・・・・。

・・・。



何も起きない。

いつもは、エレンの死に絶望して、気づけば私はあの日に戻っていた。

なのに、なぜまだ目の前で親友は泣いて謝っているのだろうか。



77 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/29(水) 03:21:53 ID:MK.b1/bM

そもそも、今までのことは現実なのだろうか。

もしかしたら本当にただの夢だったのかもしれない。

もしくは、いつもと違い過ぎたのかもしれない。

全ては不確定な事だった。

何一つとして確定した事なんてなかったのに。

いつの間にか、やり直せることが当たり前になっていたのかもしれない。

なら、これはきっと私への罰だ。

そして、今やるべき事は一つ。



78 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/29(水) 03:31:26 ID:MK.b1/bM

「落ち着いて、今は感傷的になってる場合じゃない」

今をどうにかしないといけない。

私自身ガスを補給せずにやってきたから、残りもそんなにあるわけではなかった。

その後、誰かに作戦とも言えない作戦を言った。

数が多くて難しいと言われたが、できる、とだけ答えた。



79 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/29(水) 03:41:11 ID:MK.b1/bM

発破をかけるには、感情に訴えかけるのがいいと何かで知った。

だから私は出来るだけ強い言葉で、仲間を激励した。

それはもう、まるで一流の教官のような様だったに違いない。

エレンはいつも私の言葉で奮起していた。

なぜかアルミンは苦笑いだったけど。



80 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/29(水) 03:50:40 ID:MK.b1/bM

何かをすれば勝てるわけではない。

それでも、戦わなければ、勝てない・・・。

少なくとも、エレンならこの状況で諦めたりはしないだろう。



81 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/29(水) 03:55:28 ID:MK.b1/bM

それからはあまり覚えていない。

目の前にいる巨人のうなじを削ぎ落とし、全力で本部を目指して進んだ。

気づけば、背中が痛く、目の前には空が広がっていた。

どうやら落ちたらしい。

何よりも自分自身が驚いている。

ガスがなくなるまで気づかないなんて、今までなかったことだった。



82 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/29(水) 04:01:29 ID:MK.b1/bM

まただ・・・またこれだ・・・。

また家族を失った。

またこの痛みを思い出して・・・。

また・・・ここから始めなければいけないのか。



83 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/29(水) 04:22:43 ID:MK.b1/bM

・・・・・・・・・また?

この奇妙な感覚には覚えがあった。

私は、今を知っている。

そんな気がした。

あれではダメだったのだ。

・・・あれとはなんだろうか。

頭の中で答えの見つからない自問自答が繰り返される。

何かを知っているような、何も知らないような。

もしかしたらこれは走馬灯なのかもしれない。

しかしおかしい。

この走馬灯はまだ経験したことがない。

経験したことがないことを経験している。



87 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/29(水) 16:02:36 ID:MK.b1/bM

いやしかし、ないことがある、というのはありえない。

ということは、それは、確実にあったのだ。

そうだ、思えば、あの日からおかしかった。

繰り返していたような感覚。

今回は予想外のことだらけだった。

エレンは死んでしまったのに、私の世界は回り続けた。

だから、あれはただの夢だと思って今を生きた。



89 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/29(水) 16:31:10 ID:MK.b1/bM

私は既に諦めていたのかもしれない。

いい人生だった、とすら思っていた。

しかし、あれらが全て現実だとしたら。

恐らく、私は今を既に経験しているのだろう。

なら、生きる可能性はある。

そして、わかってしまったのだ。

死んでしまったらもう・・・・・・あなたのことを思い出すことさえできない。



90 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/29(水) 16:35:32 ID:MK.b1/bM

戦え!と言ってくれた。

あの言葉かあったから私は今を生きている。

立ち上がることができているのだ。

だからーー何としてでも勝つ!

何としてでも生きる!!



91 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/29(水) 18:08:05 ID:MK.b1/bM

理解が追いつかなかった。

人類が巨人について知っていることはあまりない。

少なくともわかっていることから外れる行動をするモノには奇行種と名前をつけた。

ならば、これも奇行種なのだろう。

目の前では、巨人が巨人を殺していた。



92 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/29(水) 18:18:22 ID:MK.b1/bM

頭の中は困惑と少しの高揚感で埋め尽くされた。

その光景がまるで、人類の怒りのようにも見えたから。

背中から何かがぶつかったと思った次の瞬間、私は屋根の上にいた。

どうやらアルミンに助けられたらしい。

そこに同期のコニーもやってきて逃げるようにいわれたが、あの巨人が気になって仕方がなかった。

そしてその奇行種はまた巨人を殺した。



93 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/29(水) 18:30:35 ID:MK.b1/bM

異様な巨人だった。

巨人が巨人を殺すというのも異様だが、その巨人には格闘の概念があるようにも感じ取れた。

答えが出ずに困惑していると、コニーが本部に急ごうと促してきた。

しかし、私のガスは・・・。

そこでアルミンは自分のと装備を交換しようとした。

そんなことをすれば・・・アルミンは・・・。



94 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/29(水) 18:36:54 ID:MK.b1/bM

アルミンに言われて気がついた。

今度は大事に使ってくれ。
みんなを助けるために。

そうだ、私はみんなを先導したのだ。

みんなの命を背負う覚悟も無いままに。

それどころか、ガスが尽きたときに、自分の命さえ放棄した。

いい人生だったとかってに納得した。

エレンさえいればよかった。

しかしもうエレンはいない。

だから私は・・・。



97 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/29(水) 19:29:38 ID:MK.b1/bM

気づけば、私の装備は変わっていた。

ガスは心もとないが刃は全て揃っていた。

逆にアルミンの装備は何もない。

使えない刃を持ってアルミンは一体何をしているのだろうか。

生きたまま食われることだけは避けたいんだ。

そう言ったのか。

そうか、これが私のやったことか。

そんなことをさせるわけにはいかない。

私はその刃を取り、捨てた。

「アルミン!ここに置いていったりはしない」

彼もまた私の大切な人だ。



98 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/29(水) 19:46:45 ID:MK.b1/bM

アルミン・アルレルトは体力はあまりないものの、頭がとてもいい。

そんな彼が提案してきた。

彼に考えがあるなら、私はそれを信じる。



99 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/29(水) 19:54:12 ID:MK.b1/bM

結果から言うと、アルミンは正しかった。

だからこうして私たち3人は本部の中にいる。

アルミンの作戦は、巨人を殺す奇行種を利用したものだった。

奇行種の周りの巨人を排除し、本部のにいる巨人を表的にしてもらう。

単純だが、これは一種の賭けだった。

コニーが本部にいた人たちに説明したがやはり半信半疑のようだ。

今まで巨人は敵だった。

その巨人に助けてもらおうというのだから当たり前かもしれない。

しかし、あの巨人により長く暴れてもらうことが、私達がか生き残るための最善策だった。



102 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/29(水) 22:21:20 ID:MK.b1/bM

本部についたのはいいが、状況はあまり良くはない。

何よりガスがないのだ。

先ほどまでガス置き場には3~4m級が7体いたようだ。

私たちの武器はこの刃と散弾銃。

巨人相手に散弾銃が役に立つのか疑問もあったが、無いよりはマシというレベルだった。

アルミンが言うには、占拠しているのが7体のままならこの程度の火力でも同時に視覚を奪えるらしい。



103 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/29(水) 22:26:11 ID:MK.b1/bM

アルミンの作戦は、本部にあったリフトを使い、散弾銃を持っている人たちを投下する。

占拠しているのが「通常種」ならば、そのリフトに引きつけられる。

そこでリフトの人たちは巨人に向けて銃を放ち、視覚を奪う。

そして、天井に隠れている私たちが発砲と同時に巨人に斬りかかり、うなじを削ぎ落とす。



104 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/29(水) 22:32:28 ID:MK.b1/bM

攻撃できるタイミングは限られている。

立体起動装置は役に立たないため、失敗すれば一気に窮地に立たされる。

だが、アルミンは正解を導く力がある。

私もエレンも以前はその力に救われたことがある。

アルミンは自覚がないようだが、また後でアルミンとそのことについて話すとしよう。

今はこの場を切り抜けるのに全力を注ぐ。



105 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/29(水) 22:41:44 ID:MK.b1/bM

どうやら作戦の準備が整ったようだ。

座学でやった巨人の弱点。

大きさに拘らず頭より下のうなじにかけての縦1m幅10cm。

そこを削ぎ落とす。



106 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/29(水) 23:34:30 ID:MK.b1/bM

ライナーが言っていた。

巨人の弱点はうなじ、もしくはこいつを奴らのケツにブチ込む!!弱点はこの二つのみ!!と。

なぜか二人ほど信じた。どういうことだ。

これから命をかけるにはというのに、ライナーはそれが最後の言葉になったらどうするのだろうか。

考えがジャンとかぶった。なんてことだ。



107 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/29(水) 23:39:05 ID:uWBTPCD2

準備は整った。

数は増えていないようだ。

ならば作戦は続行する。

リフトが降りていく。

それにつられ、巨人どもが動き出す。

どうやら奇行種はいないようだ。

もともとこれは不利な戦闘だった。

これ以上一人も死なせたくはない。

だから、この一撃で決める。



108 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/29(水) 23:45:52 ID:MK.b1/bM

ーーー捉えた・・・!!

皆は・・・!?

まずい、2体仕留め損なっている!

リフトから叫び声が聞こえる。

それと同時に走り出した。

間に合うかはわからない。

巨人とはいえ小さい方だ、間に合いさえすればやれないこともない。



109 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/29(水) 23:50:33 ID:MK.b1/bM

サシャは間一髪で巨人の攻撃を回避した。

と、同時に巨人にたどり着き、うなじを削ぐ。

危なかった。

もう一体はアニが倒したようだがこの状況で誰も犠牲にならなかったのは奇跡に近かった。



110 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/29(水) 23:56:23 ID:MK.b1/bM

どうやら本部の巨人は殲滅できたようで、奇行種が暴れているおかげか巨人が入ってくることもなかった。

ガスを運び出し、一斉に補給する。


全員の補給作業を終えた所で一斉に外へ出た。

私が窓から出たとき、そこには不思議な光景が広がっていた。



111 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/30(木) 00:01:26 ID:7.V0k3Og

ひとまず屋根に登りそれを観察した。

説明は簡単だ。

あの奇行種が他の巨人に食べられていた。

初めてあの奇行種を見たとき、巨人を殴り飛ばしたときの傷はすぐに回復していた。

しかしなぜか巨人に食べられている今は再生をしていない。

あれではあの巨人は長くは持たないだろう。

巨人は体の大きさが既に驚異だが、再生力が驚異なのだ。

だから一撃で仕留めなければならない。



115 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/30(木) 00:10:13 ID:7.V0k3Og

どうにかしてあの巨人の謎を解明できれば、この絶望的な現状を打開するきっかけになるかもしれないと思ったが・・・。

巨人を襲う奇行種、再生しない理由。

この2つの謎がわかれば現状は変わるかもしれなかった。

しかし既にあの巨人は満身創痍だった。



116 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/30(木) 00:14:01 ID:7.V0k3Og

あの奇行種を延命させる、という意見にライナー、アニ、ベルトルトが同意を示した。

確かにあの巨人をうまく使えば、人類にとっての協力な武器になる。

ジャンがその意見に難色を示したが、肝心の巨人はもう叫ぶだけで動かなくなっていた。



117 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/30(木) 00:19:07 ID:7.V0k3Og

そう思っていた次の瞬間、奇行種は動きだし、自分を喰っている巨人には目もくれず、離れた所にいた巨人に向かって動きだした。

巨人の下にたどり着くと、勢いのままにうなじに噛み付き、食いちぎる勢いでもう一体の巨人ににその巨人をぶつけた。

そして叫んだ後、奇行種は膝から崩れ落ち、倒れた。

奇行種は力尽きたようだ。



118 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/30(木) 00:20:38 ID:7.V0k3Og

倒れた奇行種は体から蒸気を発し、体表の色を変色させていった。

どうやら本当に力尽きてしまったようだ。



119 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/30(木) 00:23:24 ID:7.V0k3Og

一体何が起きているのだろうか。

やはりこれは夢だったのかもしれない。

目の前には信じられない光景があった。

巨人のうなじから、人が出てきた。

見間違える筈がない。

あれは、最愛の家族。

エレンだった。



120 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/30(木) 00:26:09 ID:7.V0k3Og

体が勝手に動いていた。

間違いない。

あれはエレンだ。

しかしまだ信じられずにいた。

しかし近づけば近づくほどエレンに間違いなかった。

気づけば私はエレンを抱きかかえていた。



123 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/30(木) 00:31:41 ID:7.V0k3Og

これはエレンだ。

しかし、これはエレンか?

答えはわからないが胸に耳を当ててみた。

心臓の音がきこえる。

ああ、これはエレンだ。

エレンの心臓の音だ。

涙が溢れてきた。

泣いたのはいつ以来だろうか。

繰り返しの中で涙はとうに枯れたものだと思っていた。

しかし今は全てがどうでもよかった。

ここにエレンがいる。

ただそれだけで。



124 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/30(木) 00:57:44 ID:7.V0k3Og

エレンが生きていた。

それだけで十分なほどに心は満たされていた。

ずっとこうしていたかったがそうもいかない。

エレンを安全な場所まで運ばなければいけない。



125 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/30(木) 01:07:44 ID:7.V0k3Og

覚悟はしていた。

アルミンも言うように、誰にも見られていないとは思ってはいなかった。

壁の中に入れたのもアルミンの賜物だ。

しかし扱いはいいものではなかった。

エレンを処分する。

それだけでもこいつらの肉を削ごか考えたが思いとどまった。

それでは何も変わらない。

それに。

処分するかどうかはエレン本人の意思を聞いてからでも遅くは無いと、アルミンの説得により、少しの猶予が与えられたのだ。



126 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/30(木) 01:14:52 ID:7.V0k3Og

エレンの声が聞こえた。

どうやら目を覚ましたらしい。

殺シテヤル。

エレンがそういったためか、場はさらに混乱した。

その混乱の中、エレンの命の処遇を問う質問が投げかけられる。

エレンは答えるが、このままではまずい。

この場を支配しているのはエレンへの恐怖だ。

このままではいつ爆発してもおかしくはなかった。



127 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/30(木) 01:19:05 ID:7.V0k3Og

恐怖が膨らんでいき、エレンを処分しろとの声が高まってきた。

このままではいつ榴弾を放たれるかわからない。

・・・・・・・・・。

「私の特技は、肉を・・・削ぎ落とすことです。必要に迫られればいつでも披露します。私の特技を体験したい方がいれば・・・どうぞ一番先に近づいて来てください」



128 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/30(木) 01:22:23 ID:7.V0k3Og

時間稼ぎをしたいわけではない。

ただ単純に、そう、単純に怒ったのだ。

私は決めたのだ。

エレンを守ると。

アルミンに人と戦ってどこに逃げるのかと聞かれたが、そういうことではないのだ。

何であろうとも、エレンが殺されるのは阻止する。

理由はそれ以外に必要なかった。



129 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/30(木) 01:32:55 ID:7.V0k3Og

人間です。

正体を問われ、エレンはそう答えた。

しかし、やはり手遅れだった。

既に恐怖は伝染し終わっていた。

恐らくもう何を言っても無駄だろう。

「エレン!アルミン!上に逃げる!!」

もう逃げるしかない。

しかし現実は残酷だった。

上にも人がいる。

このままでは・・・。



130 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/30(木) 01:34:24 ID:7.V0k3Og

アルミンは尚説得を試みるが、もはや意味はなさないだろう。

振り上げた手は降ろされるのだ。



131 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/30(木) 01:38:53 ID:7.V0k3Og

何が起きたのだろうか。

私とアルミンがエレンに引っ張られると同時に激しい音と衝撃に包まれた。

・・・・・・・・・。

・・・・・・。

なぜ意識があるのか。

・・・これは・・・巨人の骨?

何もわからない。

わからないが、エレンが私達を守った。

今はそれだけ理解できればよかった。



132 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/30(木) 01:45:01 ID:7.V0k3Og

目の前にエレンがやってきた。

エレンが言うには、この巨人はもうじき蒸発するらしい。

今は静かだが、エレンの言うとおり今は一時的に静かなだけですぐに攻撃を続行するだろう。

もうすでに、人間と言うには無理がある。

そして、エレンは一つだけ記憶を思い出したそうだ。

地下室。

私たちの家の地下室に何かがあるらしい。



133 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/30(木) 01:47:28 ID:7.V0k3Og

エレンが動揺しているのも無理はない。

どうやらこの巨人の謎には父親が関わっているらしかった。

だが、今は他にすべきことがある。

ここで悩んでいる場合ではない。



134 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/30(木) 01:49:45 ID:7.V0k3Og

ここを離れる。

エレンは確かにそう言った。

これといった方法は無いが、どうにかしてここから逃げ出すらしい。

うまく説明できないが、巨人の力をうまく使い、何とかしようとしている。



135 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/30(木) 01:54:25 ID:7.V0k3Og

エレンの鼻から血が出ていた。

顔色も悪く、呼吸も早い。

明らかに体調が悪かった。

それでもエレンは続けた。

これからは単独で動こうと思うと。

「私も行く」

とっさに言葉が出ていた。

理由は特になかった。



136 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/30(木) 02:00:11 ID:7.V0k3Og

エレンには子供でもないと怒られたが私の意思は変わらない。

考えは2つある。

私の言葉を遮るようにエレンがいった。

もう1つの考えはアルミンに任せるとのことだった。

もしアルミンが駐屯兵団を説得できると言うならば、それに従うと。



137 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/30(木) 02:12:23 ID:7.V0k3Og

私も決めたことがある。

何があってもエレンを守ると。

以前、私はエレンにこう言った。

エレンは私といないと早死にする。

確かにそうだった。

しかし違った。

これは、私はエレンといないと早死にするということでもあったのだ。

私の世界はエレンを中心に回っているのだから。

これから何が起きようとも、私の意思は変わらない。



138 : ◆3Gmc8OGI.I 2013/05/30(木) 02:17:10 ID:7.V0k3Og

とりあえずここでお話をおわらせときます。

長々とお付き合いさせてしまい申し訳ないです。

本来はだいーーーぶ早く終わる予定だったのですが、タイミングを逃してしまいぐだくだと長引いてしまいました。

読み返してみると、おかしな部分が多々ありますが、処女作なので勘弁してください。

また進撃ssをかきたいと思いますので、機会があればお会いしましょう。



140 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/30(木) 02:43:27 ID:mdY8G7qM

最高に素晴らしかったです
おつ



141 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/30(木) 07:00:10 ID:OA0UtElg

斬新だったよ乙



転載元
ミカサ「エレンは私と一緒にいないと早死にする」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1369711180/
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         コメント一覧 (32)

          • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月30日 16:41
          • 1( ^ω^)
          • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月30日 16:58
          • 以前の進撃SSで本編の引用が多い!と発狂してコメント欄で暴れてたのがいたのでこれも叩かれそう
          • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月30日 16:58
          • こっちにものったのか!
            嬉しい限りだ。
            もっと書きたいと思たわ。
          • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月30日 17:03
          • ネタバレ含むか含まないのかハッキリしてくれ
            それくらい管理人が補足したほうが良いと思うけど
          • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月30日 17:54
          • 因果動体はミカサの方か、この世界は誰の見ている夢なのかね
          • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月30日 18:05
          • 面白くなかった
          • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月30日 18:10
          • ネタバレやなやつ原作読んでからこいやハゲ
          • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月30日 18:14
          • 「ネタバレ嫌だし怖いから事前に誰か忠告して当然」

            お前は赤ん坊かよ
          • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月30日 18:18
          • ※2
            SSは何をしても叩かれるな
          • 10. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月30日 18:28
          • シリアスな展開でいきなりジャンとの喧嘩で死んだって出てきてワロタのは俺だけ?
          • 11. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月30日 18:29
          • いまのとこループっぽいとこって一話冒頭と、初期ミカサの態度くらいだから実際どうなるんだろうね?
            案外ループに見せかけた別の特別な理由のある演出にも見えるけど
          • 12. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月30日 18:31
          • >考えがジャンとかぶった。なんてことだ。

            別にいいじゃねえか!おrジャンと考えがかぶって何の問題があるんだよ!
          • 13. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月30日 18:39
          • ※12
            キルミーベイベ訓練兵!イェーガー訓練兵殺害の容疑で拘束する。
          • 14. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月30日 19:09
          • こないだ進撃をやっと10巻まで読んだが何故ループ説が出てるのかがわからない
          • 15. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月30日 19:43
          • ※14

            一巻の冒頭でエレンが「すげー長い夢みてた気がする」とか「ミカサ、髪伸ばしたか?」の発言とか
            ミカサが頭痛起こしてからの「またか…」とか

            それと、作者がマブラヴっていう作品を強く意識してるっつー公式に発表してるんだけど
            その作品でも主人公がループを繰り返してるから

            今んところはこのくらいがループ説の根拠かなぁ
          • 16. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月30日 19:54
          • マブラブって何かわからんかったからググって見たけど18禁のエロゲーか。
          • 17. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月30日 20:04
          • ミカサが脳味噌だけになってる展開だけは勘弁
          • 18. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月30日 20:24
          • ※15
            なるほど、マブラヴ以外は解釈によるな
          • 19. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月30日 22:30
          • 超常的なループはやめてほしい
          • 20. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月31日 01:13
          • 18
            ついでに言うと今回のアニメ8話Bパートにて

            ミカサ「大丈夫、アルミンは正解を導く力がある、私もエレンもその力に救われた」

            アルミン「そんな・・・いつ?」

            と言う会話があるよ、アルミンの知らない事をミカサが知ってるのも変でしょ
            あとはグリシャがアニメにおいていつエレンに鍵を渡して注射したと思う?
            脱出後、ミカサと離れる描写も森に行く描写も無いのに起きたら鍵を持っていた

            ループもだけどパラレルも並行して存在する因果律量子論が支配する世界なのは
            ほぼ間違い無さそう
          • 21. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月31日 01:43
          • ※20
            それは単に5年前ハンネスさんを呼びにいったことじゃない?
            すぐ後にエレンが調査兵団に処刑されそうになった時にそういうアルミンの劣等感のやり取りが上手いタイミングで出てきてるし。

            もしループ対象がミカサだとしたら立ち回り方が下手すぎる気がするんだよなぁ…
          • 22. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月31日 01:44
          • 間違った処刑しようとしたの駐屯兵団や
          • 23. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月31日 01:58
          • 例え読者の予想が正しくて展開を読まれてしまったとしても、
            本編は奇をてらわずに最初の構成で最後まで書いてほしいな
          • 24. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月31日 04:07
          • そういやマブラヴ意識〔パクリ〕してるっていってたからループ設定はありそうだなぁ

            つかマブラヴはシリーズ最新作〔去年〕はとうとう18禁指定外れてるしFate路線に走ってくのかなぁ、次いつでるのか知らんけどあれも人類勝てそうにないんだよなぁ、残ってるのアメリカ大陸とハワイだけだし、まだ人類どうしでもめてるし

            進撃はうまくやってほしいなぁ
          • 25. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月31日 05:26
          • 最初にただし書きがあるssは相当萎える。
          • 26. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月31日 07:30
          • 進撃SSでこんなにつまらねーは初めてだわ
          • 27. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月31日 08:58
          • まあつまらんかった
          • 28. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月31日 12:01
          • つまらんというよりおもしろくない
          • 29. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月31日 12:24
          • 書くのは上手いと思うんだけどなあ。

            どうも「俺が考えた世界観」となってしまってる。シリアスはハードルが上がる難しいね
          • 30. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月31日 19:08
          • 面白くない
            ループ確定とか言ってる馬鹿もうざい
          • 31. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年06月01日 01:14
          • ループどうこうは別としてssだからなんでも、いいんじゃね。
            俺は日常系が好きだけどさ
          • 32. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年06月01日 18:55
          • ループって作者が否定したんじゃなかった?

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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