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モバP「なにげなくなやむしゃちょうのいちにち」

1 : ◆C7ms5oNKB6 2013/04/22(月) 10:41:53.34 ID:CqYQHVO70


それは、いつからだっただろうか。

思い直すと…私が社会人になった頃からだろうか。
少しずつ、けれど、確実に…大切なものを失っていった。
人に必ずあるべきもの。今、私はそれを…取り戻そうとしている。

最初は特に、気にもしていなかった。
まだ、若い。まだ、そんな歳ではない。
そう自分に言い聞かせてきて、気付いた。

これはただ、現実から目を背けているだけなのだ、と。

いまさら後悔しても、遅いというのに。
若き日の写真と今の私を比べると、涙が出てくる。
あのとき、こうなる前に…もっと早く手を打つべきだった、と。

原因は、なんだったのだろうか。
生活環境の変化からの、ストレスだろうか。
ああ、違う、今はそんなことを考えても仕方が無い。

文字通り、頭を抱え思案していると、その悩みはますます大きくなる。

悩んでいても、仕方が無い。
これは私自身のことなのだから。
私自身…その表現は適切ではない。

…私の、髪のことなのだから。




2 : ◆C7ms5oNKB6 2013/04/22(月) 10:51:58.46 ID:CqYQHVO70

早朝の5時に目が覚める。

習慣づけているわけではない。
けれど、どうしても起きてしまうのだ。
夜間頻尿、不眠症…老齢特有の悩みだろうか。

おかげで私の朝は人よりも早かった。

しみのついた掛け布団を押しのけて身体を起こす。
そろそろ買い換えるべきだとは、わかっているのだが。
長く使って愛着が湧いてしまい、捨てられなくなっている。

見事に老齢特有の加齢臭が、そこには染み付いている。

父の激臭に顔をしかめ、加齢臭と罵った事を思い出す。
ああ、これでは、人のことなど言えないではないか。
タンクトップに纏った加齢臭と洗面所へ向かった。

そこで私は、日々、現実を見ることになっていた。




3 : ◆C7ms5oNKB6 2013/04/22(月) 10:57:16.51 ID:CqYQHVO70

乱れた髪。

見るに耐えない。私の率直な意見だ。
完全に頭頂部の頭皮が露出している。

側頭部も、ほのかに人間らしい肌色を露呈している。
髪の隙間から現れる肌色は、明らかに人目を引く。

少なくなった前髪は、もう整髪料で上げざるを得ない。
それでなければ、見苦しいバーコードとなってしまう。

自らの姿に毎朝緊張を覚え、頭皮を傷つけぬように指で触れる。

さらり、さらり。手触りだけはなめらかだ。
そして、はらり。1本、2本。髪が抜け落ちてゆく。

力を入れすぎただろうか。どうにも感情的になってしまう。
許せない。こんなに容易に抜けてしまう頭皮に育てた覚えはない。

…朝の洗面所では、日々30分以上を浪費していた。




4 : ◆C7ms5oNKB6 2013/04/22(月) 11:04:16.53 ID:CqYQHVO70

私は誰よりも髪に気を使っている。

彼らは繊細な存在だ。
酷く儚い存在だと言える。

もう半世紀以上、この私の頭皮と同居して気付いたことだ。

些細な刺激に彼らは身を燻らせ、私の元を離れていく。
ブラッシングで愛想を尽かされぬよう、努力する他なかった。
毎日のトリートメントを欠かしてはいないのに、その結果は虚しかった。

ああ、もう、耐えられない。

このまま悩みを抱えていては、ますます髪を失ってしまう。
1人で悩むことはない。そうだ。相談すればいいではないか。
けれど、勘付かれぬように。できるだけ、何気なく、何気なく。

私の戦いがはじまった。




5 : ◆C7ms5oNKB6 2013/04/22(月) 11:10:32.12 ID:CqYQHVO70

整えられたスーツを取り出し、身支度を整える。

抜けた髪が、私のスーツの肩を占拠していた。
お気に入りのネクタイの上にすら、彼らはいた。

リビングで、妻がいないことに気付いた。
まだ、眠っているのだろう。
そして、思った。

たまには、私が朝食を作ることも悪くない。
料理ができないわけでもない。楽をさせてあげよう。
まだ、最愛の妻には…溢れんばかりの、髪があるのだから。

冷蔵庫を開き、予定通りのものを手にとった。




6 : ◆C7ms5oNKB6 2013/04/22(月) 11:21:38.56 ID:CqYQHVO70

まずは妻の分からだった。

ラップをして保管しておけばいい。
手早く出汁巻き玉子とベーコンを焼き上げた。
妻ほどではないが、そこそこには出来上がっただろう。

隣にコールスローを添え、バランスを整えておく。

さて、私の分だが、どうしようか。
バターと醤油、数枚の余ったベーコンが鎮座している。
私もいい年齢だと自覚している。まさか。朝から胃に負担をかけるような。

そう思ったときには、白く輝く米粒の上に、バターが侵食した。

ああ、これだ。私の求めていたものは、これだ。
醤油を回しがけし、遠慮無く口に運ぶ。
リモコンで、テレビを点けた。

そして、目眩がした。

…そんなバカなことが、あるだろうか。
原因は私にあるというのか。
箸が止まった。

『昨今、偏った食生活が抜け毛の原因の1つとされていますが―――』




7 : ◆C7ms5oNKB6 2013/04/22(月) 11:27:53.30 ID:CqYQHVO70

とても食べる気になどなれない。

毛根の死滅か、ひとときの楽しみを選ぶならば。
私に選択の余地はなかった。
不可能だ。

どうして私の心を抉るような内容なのか。

世間の老齢の方々が起きてくる頃ではないか。
ピンポイントに抜け毛の話をする必要がどこにあるのだ。
残った少ない毛髪と寿命を執拗に攻撃して、何が楽しいというのか。

陰鬱な気分になりながらも、もうすぐ出社時間になろうとしていた。
ヘアスタイルはこれで完成されている。触ってはいけない。

私は言い聞かせながら、メモを置いて、家を出た。




10 : ◆C7ms5oNKB6 2013/04/22(月) 11:46:48.47 ID:CqYQHVO70

まだ少し早い時間だからか、人は多くない。

駅に着き、電車を待っている間、視線を泳がせる。
さまざまな広告が、私の視線の落ち着きどころだ。

歯科、歯科、保育園、アイドルのコンサート。
やはり公共の場での宣伝効果は大きいのだろう。

私たちも、巨大広告を掲載できるように頑張らねば。

アナウンスと共に、電車がやってきた。
私は、常に最前列を選んで乗っていた。

無論、やってきた電車の風の影響が少ないからだ。

丹精に入念にセットされたヘアスタイルを崩したくはない。
公共の場でバーコードと化す場面だけは避けねばならない。

…電車に乗って、逃げられない。そう思った。
進行方向に目をやり、車内広告に目をやり。
見つけてしまった。見なければよかった。

技術増毛体験の広告が、そこにあった。




11 : ◆C7ms5oNKB6 2013/04/22(月) 11:53:05.18 ID:CqYQHVO70

ああ、どうしてだというのか。

こうして小さな希望を私の前に見せつけて。
私は、藁をも掴むという心情を理解した。

技術増毛体験。

技術増毛体験。

なるほど。そういう手もあった。
私の手に負えないのであれば、次は科学だ。
最先端の技術なのだ。きっと上手くいくに決まっている。

植毛だろうと、増毛だろうと、知ったことではない。

私は失ったものを取り戻す。
それは、もともとあるべきものなのだから。
私の頭頂部から後頭部にかけて、そして側頭部にかけても、だ。

もう10円玉とは呼ばせない。




12 : ◆C7ms5oNKB6 2013/04/22(月) 12:03:18.10 ID:CqYQHVO70

事務所に到着すると、みなが私を迎えてくれた。

ああ、彼ら…彼女らは、私を10円玉とは思っていない。
そう。きっと、そうだ。多分。そのはずだ。

「おはようございます!社長」

プロデューサーの彼が元気に私に挨拶をする。
悩みを抱えている私は彼の頭頂部に目を移す。

さらりと綺麗に生え揃った髪。
縮れることなく、程よく弧を描く髪。
私は彼の髪がうらやましく仕方がなかった。

『ああ、社長。おはようございます』

ちひろくんも明るい声で挨拶をしてくれる。
彼女もまた、美しい髪を持っていた。

さて、どうやって手がかりを掴もうか。
社内共有のPCで技術増毛体験を調べるのはよろしくない。
勘がよくなくても、髪に悩んでいそうな人間は私くらいだと気付くだろう。

まずは、仕事をしなくては。




14 : ◆C7ms5oNKB6 2013/04/22(月) 12:08:38.37 ID:CqYQHVO70

「社長、今度のアイドルのCM契約の話について…」

『ああ、いいよ。どれのことかな』

仕事に身が入りだした頃のことだった。
少し困った顔をしている彼を、放ってはおけない。

「ええと、これなんです…この、契約の」

彼の問いに悩むこと無く応答していく。
彼の仕事の飲み込みの速さは、素晴らしい。

満足そうな顔で、彼は私に礼を伝えた。

私もそれに釣られ、微笑していた。
ああ、そういえば、聞いていない。

『そういえば、それは何のCMの契約かな』

「え?ああ、これは」





「シャンプーのCMです」




15 : ◆C7ms5oNKB6 2013/04/22(月) 12:13:04.33 ID:CqYQHVO70

シャンプー。

…シャンプーのCM、か。
なるほど。何らおかしくはない。
なのに、この胸のわだかまりはなんなのか。

『あ、ああ…そうか、では、頑張ってくれ』

「はい!失礼します!ありがとうございました!」

ぱたん、と社長室のドアが閉じられる。
シャンプー。リンス。コンディショナー。

確かに、彼女らは美しい髪を持っている。
彼女らにぴったりではないか。
当然の事とも言える。

けれど、このタイミングで髪の話題に触れられた。

意図していなくとも、毛根を刺激する材料になった。
かぶりを振ると、予定通りというように髪が抜け落ちた。

今日は、のり弁を買おう。




16 : ◆C7ms5oNKB6 2013/04/22(月) 12:22:21.44 ID:CqYQHVO70

昼休みに入り、アイドル達も昼食をとっていた。

社内でわざわざのり弁を買って食べているのは、私くらいだろう。
妙な優越感と共に、頭に吹き抜ける虚無感に我に返った。

「あ。社長、お昼、一緒にどうでしょうか」

ちひろくんが、対面のソファに座って声をかけてくれた。
お茶も用意してくれていたようで、断る理由などありはしない。

『もちろんだ。ぜひ、一緒に食べよう』

「はい!」

彼女の笑顔には社内も明るくなる。アイドル並みの容姿もある。
事務員としても有能で、私は人に恵まれていると実感していた。

『ちひろくんは、いつも手作りのお弁当なのか』

「ええ、たまに買うこともありますが」

小さな、淡い緑色をした弁当箱を嬉しそうに開けている。
遠足に行く娘を彷彿とさせ、顔がほころぶ。

…そして、また、だった。

『今日のおかずは、何にしたのかな』

「ええと。今日は…」





「ひじきの煮物に、ほうれん草のおひたしに…あ、お米は玄米です」



17 : ◆C7ms5oNKB6 2013/04/22(月) 12:28:24.56 ID:CqYQHVO70

ひじき。ほうれん草。玄米。

髪の発育に良いものばかりではないか。
今日は髪…神に嫌われているとでも言うのか。

彼女に悪意はない。それは分かっている。
嬉々として食事を楽しんでくれている彼女に失礼だ。
そしてふと、彼女は私の昼食、のり弁に目をやり、付け加えた。

「社長…お弁当もいいですが、バランスよく栄養とらないと、ダメですよ」

ダメ?
何がダメなのか。
身体によくない?それとも…?

ああ、いけない。邪推してしまう。
私の方が彼女より身長も座高も高い。
ここから私の頭頂部に気がつくことは。

しかし、側頭部に至ってはフォローしきれない。

迷わず彼女から目線を逸らさないことに決めた。
そして、気付いてしまった。アイドル達に気付かれる。
私と彼女が向かいあっていては、横を通るアイドルたちに…。

もう、手段は選んでいられない。
食事を終えたアイドルたちが歩き回っている。
変な目で見られようと構わない。私に余裕などありはしない。

食事中、頭を振り続けた。




18 : ◆C7ms5oNKB6 2013/04/22(月) 12:41:18.39 ID:CqYQHVO70

ちひろくんは私の事を心配し続けた。

ついに狂ってしまったのか、と思われなかっただけマシだろう。
彼女の慈愛に満ちた崇高な精神に感謝せざるを得なかった。
私は休むように言われ、社長室で休息をとっていた。

ああ、何を意味の分からない事をしているのだろうか。

女性との食事中、頭を振り続ける老人など、想像も出来ない。
猛スピードで頭を振る老人を見て彼女は何を思ったのだろう。

目眩がした。どちらの意味でも。

私は仕事をほとんど終わらせていたので、特にやることはなかった。
ふと思いつくことがあったので、無理を承知でちひろくんを呼んだ。

「ええと、社長。もう、大丈夫ですか?」

それは頭の表面か、中身か、身体のどの心配をしてくれているのだろう。
けれど、とりあえず、私は大丈夫だ、という事を伝えて、続けた。

『少し…少しだけ、私は外に出てくるよ…すぐに戻るから』

「一緒に行かなくても?」

『うん、すまない…ありがとう。では、行ってくるよ』

申し訳なさに頭を下げようかと思ったが、下げられなかった。




19 : ◆C7ms5oNKB6 2013/04/22(月) 12:56:36.75 ID:CqYQHVO70

私は、記憶を辿りながら歩き出した。

まだ先ほどの目眩が取れない。振りすぎた。
確か、あの角を曲がれば、すぐそこにあったはずだ。

見つけた。

技術増毛体験。私の夢を叶えてくれる存在。
私たちはアイドルの夢を叶え、彼らは私の夢を。

体験しなくてもいい。まずは私の毛根の現状について知らなければ。
ここから毛根の活性化が可能なのか否か、まずはそこからだ。
重い足取りながら、懸命に勇気を振り絞り、進んだ。

いくつかの問診表に生活習慣、こうなった年齢について記載した。
受付の方々は悩むことなどないのであろうほど生えていた。
この人達に私の悩みが分かるのだろうかと懸念した。

そして私の名前が呼ばれ、リノリウムの床の上を歩き出した。




20 : ◆C7ms5oNKB6 2013/04/22(月) 13:02:18.59 ID:CqYQHVO70

このような人も医者と呼ぶべきだろう。

医者は私の問診表と、顔と、側頭部に目をやりながら言った。
髪について悩んでいる人の頭を見ないで欲しい、とも思った。

「ええと、では、こちらの画面をご覧ください」

そう言って医者の助手は私の頭にペン型のカメラを添えた。
ああ、そんなに力を入れないでほしい。抜けてしまうではないか。

「ああ…」

その感嘆で全てを察したような気がした。
重い口がゆっくりと開かれた。

「ダメです、死んでます」

たった十文字で私の心を抉るのはよしてほしい。
もっとオブラートに包むべきだろう。

「ええ…死んでます」

復唱しないでください、と声が出そうだった。
だが、しかし、死んでいるのか。私の毛根はダメなのか。
もう2度と、あの健康的な髪の毛に触ることはかなわないのか。

えりあしの縮れ毛をそっと撫で、私はそこを後にした。




21 : ◆C7ms5oNKB6 2013/04/22(月) 13:08:35.68 ID:CqYQHVO70

死んでいる毛根が息を吹き返すことはない。

そんなことが出来ればこんな悩みは生まれない。
ああ、私はどうするべきだろうか。
植毛をする?

日に日に急激に増えていく髪をみて、みなはどう思うだろうか。
それを思えば、カツラだって同じ事だろう。
そんな勇気はなかった。

1日で生え変わりました、と真顔で言える度胸はなかった。
もうそこまで行けば生まれ変わったというべきではないか。

事務所に戻ると、みながテレビを見ていた。
正確に言うと、彼女らが出演したドラマやCMのチェックだった。

私もそれに加わろうと思い、彼らの隣に肩を並べた。




24 : ◆C7ms5oNKB6 2013/04/22(月) 13:27:00.29 ID:CqYQHVO70

まずはクラリスくんのドラマのワンシーンだった。

『神のご加護を』

髪のご加護はなかった。続けて神崎蘭子くん。

『闇に飲まれよ!神は死んだ!』

いい演技力だ。確かに髪は死んでしまった。黒川千秋くんが続く。

『このトリートメントで髪の潤いを…』

確かに美しい髪だが、直球すぎる。古澤頼子くん。

『当時はこれが、無上の佳味として重宝されていました』

博識な彼女は言葉遣いも適切だ。適切すぎた。荒木比奈くんに変わった。

『えー…この香美市のやなせたかし記念館では…』

私も新しい髪よ、と誰かに投げてはもらえないだろうか。

もらえないだろう。




25 : ◆C7ms5oNKB6 2013/04/22(月) 13:35:10.46 ID:CqYQHVO70

私の髪についてはさておいて、彼女らはとても成長している。

無論髪のことではない。彼女ら自身の事だ。
輝かしい成長を見守ることができて幸せだと思う。

ひと通り終わった後、テレビを通常の番組に戻していた。

そこには少し前放送されていたドラマが放映されていた。
…ああ、このシーン、私は酷く泣いた覚えがある。
素晴らしい友情に涙せずにはいられない。

確か、よくお世話になる765プロダクションのみなが主演だ。

『私たちにはあなたが必要なの!』

ああ、そうだ。このシーン。久しぶりにみてもハンカチが必要だ。

『私たちは1人でも欠けたら、私たちじゃないのだから』

うん、うん。アイドルたちも食い入るように見つめている。

『私のことが必要だと…言ってくれるの?』

ここの演技は、きっとアイドル達にも参考になるだろう。

『当たり前じゃない!だって、私たち…』

『仲間だもんげ!』





…そんな毛はない。




26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/22(月) 13:44:08.60 ID:p+5twYHf0

ヤメロwwww



27 : ◆C7ms5oNKB6 2013/04/22(月) 13:47:05.77 ID:CqYQHVO70

どこへ行っても髪と毛に追い回される。

いや、いっそ追い回してくれないだろうか。
そんな悩みは私には今のところ遠い夢だ。

みなも今日やることが終わったのか、帰る準備をはじめていた。

私も帰ることにしようか。
ああ、業務日誌を書いていない。

彼とちひろくんに施錠はしておくと伝え、業務日誌を開いた。

手書きの方が、何やら質感があっていい。
そういえば…技術増毛体験に行くとき、誰かとすれ違った。
そこで頭を抱える。髪には触れないようにそっとした手触りの上でだが。

見られていた?

『社長…今日、何気なく悩んでいらっしゃるよう、でしたが…』

「え?ああ…うん。少し。大した悩みじゃ、ないんだ…笑い話なんだ」

『そう、ですか?』

「うん、笑いの種にしてくれて構わない」

『………なら』

『何毛無く、悩んで…ふふっ』

「え?」

『え?』

『あ、失礼します。お疲れさまでした』

「あ、ああ…お疲れ様」

「………」

こうして、私の何毛無く…何気なく悩む社長の1日は終わった。

よし、明日、技術増毛体験をしに行くことにしよう。

もう、500円玉になってきたのだから。




                         おわり




28 : ◆C7ms5oNKB6 2013/04/22(月) 13:48:47.69 ID:CqYQHVO70

以上です。ありがとうございました。
html化依頼を出させていただきます。

ちなみにトリップは#nohairでした。




29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/22(月) 13:52:57.95 ID:p+5twYHf0


面白かったけど切なくなった



30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/22(月) 14:09:32.86 ID:1FWh3QN3o



楓さん、そこはハゲましてあげようよ



転載元
モバP「なにげなくなやむしゃちょうのいちにち」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1366594913/
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         コメント一覧 (46)

          • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 15:13
          • 仲間だもんげで笑った
          • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 15:15
          • ヘドバンしてる社長想像したら声出してワロタ
          • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 15:16
          • 社長ェ…
          • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 15:33
          • 新鮮で尚且つ秀逸だった 面白かったです
          • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 15:41
          • 高木社長と黒井社長はフサフサだったよな。
            どこであの二人と差が付いてしまったのか……
          • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 15:43
          • この社長は確実に元パッションP
          • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 15:49
          • 面白かったけど、なんでこんな題材を描こうと思ったんだろうw
          • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 15:51
          • バーコードにすらならない芋洗坂タイプというのがあってだな……
          • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 16:07
          • おいやめろ








            やめろ
          • 10. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 16:18
          • おいこら高垣ィ!!
          • 11. 七草粥@CoP
          • 2013年04月22日 16:28
          • 5 なんでこんな無駄に文章力高いんだよwwwそんな毛はないで腹筋がやばいwww

            この社長は間違いなく元PaPだな
          • 12. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 16:39
          • ヤムチャ症かと
          • 13. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 16:43
          • この楓さんはひっぱたいていい。
          • 14. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 16:44
          • 5 おまえらはハゲと猫には優しいな。
          • 15. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 16:48
          • CoPなのにPaPなんだぜ・・・ 笑えよ・・・

          • 16. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 16:53
          • だもんげの不意打ちwww
          • 17. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 16:55
          • これほどまでに胸をうつSSがあっただろうか
          • 18. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 16:55
          • 今日は海藻類を食べるか・・・
          • 19. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 17:08
          • 小フーガハゲ短調が脳内でひっきりなしに流れてるんだが
          • 20. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 17:27
          • 5 とても笑ったわ
            同時にハゲへの恐怖が襲った
          • 21. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 17:33
          • やめろ。もういい、もうやめて休め。
            いいからもう休むんだ。
            聞こえなかったか? や め ろ
          • 22. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 17:56
          • ハゲてきてんだからマジやめてくれ…
          • 23. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 18:10
          • 4 だもん毛不意打ち過ぎだろちくしょうwwwww
          • 24. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 18:27
          • 仲間だもん毛wwwwww
          • 25. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 19:41
          • 楓さん…
          • 26. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 20:09
          • ※13
            ハゲ増すよりハゲ増さないほうがいいと思ったんだよ……
            仕方ないじゃん、25歳児なんだし。
          • 27. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 20:31
          • 意外とハゲに悩むコメが多いなw

            俺だけじゃないんだと安心したよ
          • 28. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 20:46
          • 電車の中でガチで笑ってしまった
            鼻水垂れるしふざけんなwwww
            しかしこの作者の無駄な文章力www
          • 29. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 21:37
          • 4 世界呪う
          • 30. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 21:53
          • おい25歳児ィ!
          • 31. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 22:01
          • 5 的確に心をえぐりに来るCMたち
          • 32. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 22:12
          • 5 俺はハゲない...俺はハゲない
          • 33. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 23:22
          • 5 やめろwww
            モバマスSSである必要性がカケラもねえじゃねえかwww
          • 34. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 23:47
          • 5 いいじゃないこんなSSも
            台詞だけの台本形式ばかり見てたから読んでて面白い
          • 35. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月22日 23:47
          • この25歳児にはキレていいw
          • 36. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月23日 05:11
          • ハゲて来たらいっそスキンヘッドにしよう(提案)
          • 37. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月23日 06:23
          • 中学でハゲる奴もいるからなw

            はぁ…
          • 38. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月23日 11:46
          • ボリュームあまりないせいで昔からハゲるハゲる言われてたけど、そう言ってたヤツラの何人かがアラサーになったここ数年で、俺をあっさり追い抜いて凄い勢いハゲて笑ったw
          • 39. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月23日 12:55
          • やめてください! 20になったばかりなのに、髪の毛薄いと言われて泣いた私だっているんですよ!
          • 40. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月23日 13:56
          • マジレスすると、髪の毛と海藻類は殆んど関係ない
            色や形に騙されてるだけ
          • 41. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月23日 20:43
          • ひとつ、人よりはげがある
            ふたつ、ふたつのはげがある
            みっつ、右にもはげがある
            よっつ、横にもはげがある
            いつつ、いっぱいはげがある
            むっつ、むこうにはげがある
            ななつ、ななめにはげがある
            やっつ、やっぱりはげがある
            ここのつ、ここにもはげがある
            とうで、とうとうつるっぱげ
          • 42. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年04月26日 07:06
          • ハゲ増さないようにハゲます
            ってかwwwww
          • 43. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年09月27日 03:40
          • 楓さん…… 楓さんっ!wwwwwwwwwwwww
          • 44. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年03月18日 07:31
          • 何、なんてことはない。
            ちょっと他人より大きめのつむじだと思えば。
          • 45. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年04月13日 14:54
          • 雰囲気好きだわwww
          • 46. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年07月07日 22:56
          • たとえハゲても、しょげちゃいけない。毎日ケガなく、身体は元気に生きてるじゃないか。
            毛根が後退しても、お前が後退してどうする。ひたすら前進だ!
            つき進め、テッペン目指して!


            頭の皿は乾かすんじゃないぞ(小声)

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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