シンジ「お姫様ゲーム?」
- 2012年12月23日 17:01
- SS、新世紀エヴァンゲリオン
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シンジ「なにそれ」
アスカ「お姫様の言うことを、従者が聞くゲーム」
シンジ「それだけ?」
アスカ「そうだけど」
シンジ「……説明だけ聞くと、まったく楽しくなさそうだね」
アスカ「説明だけだとね」
シンジ「実際は違うの?」
アスカ「ええ」
シンジ「へー」
アスカ「じゃ、始めるわよ」
シンジ「一応聞くけど、僕は……」
アスカ「従者」
シンジ「ああ、うん。そうだろうね」
アスカ「じゃあ、シンジ」
シンジ「うん」
アスカ「私の肩を揉みなさい」
シンジ「えっと……えっ?」
アスカ「返事は『かしこまりました。お姫様』」
シンジ「そういうことじゃなくて……」
アスカ「ハリー!」
シンジ「わ、分かったよ! かしこまりました、お姫様!」
アスカ「……」
シンジ「……」モミモミ
アスカ「……」
シンジ「……」モミモミ
シンジ「アスカ」
アスカ「なによ?」
シンジ「勘違いじゃないと思うけど……これ、楽しくないよ」
アスカ「ウソでしょ!?」
シンジ「驚くとこなんだ」
アスカ「涎を垂らしながら喜ぶのが普通よ」
シンジ「アスカは梅干しかなにかなの?」
アスカ「……しょうがないわね。じゃあ、やめていいわよ」
シンジ「助かった」パッ
アスカ「さて、次の命令はどうしようかしら」
シンジ「ゲームは続行なんだ」
アスカ「そうね、じゃあ……」
シンジ「?」
アスカ「頭を撫でなさい」
シンジ「ええっ!?」
アスカ「その位置からだと、ちょうど撫でやすいでしょ?」
シンジ「ま、まぁそうだけど」
アスカ「やりなさい」
シンジ「でも、なんのために?」
アスカ「……普段、やらないことをするのは、労力が必要でしょ?」
シンジ「うん」
アスカ「そういうのを敢えてやらせることで、姫側が権力を握ったことを実感するためよ」
シンジ「なる、ほど?」
シンジ「えっと、じゃあ」
アスカ「ええ」
シンジ「……」ナデナデ
アスカ「……」
シンジ「……」ナデナデ
アスカ「……」
シンジ「ねぇ」
アスカ「……ふあっ」ビクッ
シンジ「えっ」
アスカ「あ、いや……なに?」
シンジ「これは、どうすれば終わりになるの?」
アスカ「どちらかが敗北を認めるまでよ」
シンジ「勝負だったの!?」
アスカ「当り前よ。人生とは常に、死ぬかくたばるかでしょ」
シンジ「どっちみち死ぬんだ」
アスカ「いいから、撫で続けなさい」
シンジ「あ、うん」
アスカ「……」
シンジ「……」ナデナデ
アスカ「……」
シンジ「……」ナデナデ
アスカ「ちょっと」
シンジ「なに?」
アスカ「左手、持て余してるじゃない」
シンジ「それは……だって、両手で撫でるのなんて、変だろ?」
アスカ「そういう時は、腕をこう……分かるでしょ?」
シンジ「?」
アスカ「だから……左腕を、私の首に回して」
シンジ「締めればいいの?」
アスカ「んなわけないでしょ!」
シンジ「ええっ」
アスカ「ほら、その……優しく、人形を抱くような感じで」
シンジ「えっと、こう?」ギュッ
アスカ「そう、それよ。そのまま撫でる」
シンジ「……」ナデナデ
アスカ「~♪」
シンジ「……アスカ、これ、ちょっとマズイ気がするんだけど」
アスカ「なにが?」
シンジ「人が見たら誤解しそうっていうか」
アスカ「誤解~?」
アスカ「まさか、カップルがイチャついているようにしか見えないとか、そういうこと?」
シンジ「う、うん」
アスカ「やだー! そんなこと考えてたんだ。へんたーい!」
シンジ「ええー……」
アスカ「そんなだから、クラスの女子に、ムッツリってあだ名付けられるのよ」
シンジ「初耳だよ!?」
アスカ「私の裸をシンジが見たことを話した時の、ドン引きっぷりったらなかったわね」
シンジ「完全にアスカのせいじゃないか!!」
アスカ「大丈夫よ。近づかなければ無害っていう結論に至ったから」
シンジ「近づいたら有害なのかよ……」
アスカ「現に、私はこんな目に遭ってるし」
シンジ「アスカがやらせてるんだろ!!」
アスカ「洗濯の時とか、私の服の匂い、嗅いでるんでしょ」
シンジ「嗅いでないよ」
アスカ「くんかくんか……これがアスカの匂い……はぁはぁ」
シンジ「僕はどんだけ変態なんだよ」
アスカ「くんかく……!? なんだこの加齢臭は! 消え去れ!!」ポイッ
シンジ「ミサトさんに謝れ!」
アスカ「ミサトの名前なんて、出してないんだけど」
シンジ「うっ」
アスカ「へぇー、アンタはミサトから加齢臭がすると思ってるんだ。へぇー、へぇー!」
シンジ「違うよ! ミサトさんは良い匂いがするよ!」
アスカ「なんで知ってんのよ」
シンジ「そ、それは……」
アスカ「……」
シンジ「……」ナデナデ
アスカ「……」
シンジ「……」ナデナデ
アスカ「ねぇ」
シンジ「―――不可抗力なんだ!」
アスカ「はぁ?」
シンジ「洗濯しようとしたら! どうしても匂いは嗅いじゃうだろ!!」
アスカ「……」
シンジ「服に顔を埋めるとかはしてないけど、近づくだけで、大人の香りが漂うんだ……」
アスカ「……」
シンジ「むしろ僕は被害者だよ。あんな匂いを嗅がされて、おかしなことをしてないだけ善良だよ……」
アスカ「……」
シンジ「アス」
アスカ「―――第三ゲーム!!」
シンジ「えっ」
アスカ「離して」
シンジ「あ、うん」
アスカ「よし……じゃあ、どうぞ」パッ
シンジ「?」
アスカ「早く来なさいよ」
シンジ「ごめん、どういうこと?」
アスカ「だから、私の胸に飛び込んできなさいって言ってんの!」
シンジ「ええっ!?」
アスカ「ほら!」
シンジ「流石にそれは……」
アスカ「また逃げるの?」
シンジ「また……?」
アスカ「逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ」
シンジ「なんでそれをアスカが知ってるんだよ!!」
アスカ「いいから、来いっつってんのよ」ガバッ
シンジ「わっ」
アスカ「……」ギュー
シンジ「……」
アスカ「……」ギュー
シンジ「……」
アスカ「……で?」
シンジ「え?」
アスカ「どっち?」
シンジ「なにが?」
アスカ「だから! 私とミサト! どっちが良い匂い!?」
シンジ「そ、それは……」
アスカ「私でしょ?」
シンジ「えーと……」
アスカ「私よね!?」ギュー
シンジ「痛い痛い痛い! アスカです、アスカです!!」
アスカ「ふふん、そりゃそうよ。この私が、三十路のおばさんに負けるわけないんだから」
シンジ「頭が爆発するかと思った……」
ミサト「―――だーれが、三十路のおばさんですってぇ……!?」
アスカ「げっ!」パッ
シンジ「わっ」
ミサト「私は三十路じゃないわよ! まだ29よ!!」
アスカ「変わんないじゃない」
ミサト「変わるわよ! エヴァとエバーくらい違うわ」
アスカ「……?」
ミサト「と、とにかく、私をおばさん扱いしないで!」
アスカ「気にしてたの?」
ミサト「まぁ、うん……」
アスカ「それは……ごめん、ミサト」
ミサト「それともう一つ、不純異性交遊は禁止です」
アスカ「し、してないわよ!」
ミサト「思いっきり抱き合ってたじゃない」
アスカ「……清純異性交遊よ」
ミサト「ふーん、そういうことしてたのは認めるんだ」
アスカ「それは……」
ミサト「まぁ、ゲーム形式にしたのは、中々いい考えだと思うわ」
アスカ「……! い、いつから覗いてたのよ」
ミサト「『かしこまりました、お姫様』あたりから」
アスカ「ほとんど初めっからじゃないのよ!!」
ミサト「おほほ」
ミサト「というか二人とも、お風呂まだでしょ。早く入っちゃいなさい」
アスカ「あ、うん」
ミサト「……二人で入るのも、今なら許可するわよ?」
アスカ「ミサト!」
ミサト「はいはい、もう言わなーい」
アスカ「ったく……」
アスカ「……」
シンジ「……」
アスカ「……」
シンジ「……」
アスカ「一緒に入る?」
シンジ「……遠慮しとく」
アスカ「そう」スタスタ
シンジ(え、え?)
―――翌日
アスカ「ただいまー」
シンジ「おかえり、アスカ」
アスカ「なにしてんの?」
シンジ「映画見てる」
アスカ「ふーん……私も見る」
シンジ「どうぞ」
アスカ「よいしょっと」ポスッ
シンジ「わっ」
アスカ「ふぅ」
シンジ「なんで、わざわざ僕の上に座るの?」
アスカ「アンタがここで見てたってことは、ここが一番映画を見やすい場所じゃない」
シンジ「えーっと」
アスカ「さっすが私! 天才的!」
シンジ「うーん……」
シンジ「あと、痺れそうなんだけど」
アスカ「羽のように軽い私が乗ってるだけなのに?」
シンジ「羽のように軽いアスカが乗ってるだけなんだけどね」
アスカ「しょうがないわね……じゃあ、一旦どくわ」
シンジ「一旦?」
アスカ「んで、体育座り」
シンジ「こう?」
アスカ「で、ちょっと足を開いて」
シンジ「うん」
アスカ「私が間に入れば、完成」ポスッ
シンジ「……」
アスカ「これで、痺れない」
シンジ「あのさ」
アスカ「……」ギロッ
シンジ「ごめん、なんでもない」
シンジ「……」クンクン
アスカ「なに?」
シンジ「そういえば、今日は体育あったなーって」
アスカ「……!」ガバッ
シンジ「え?」
アスカ「……」
シンジ「どうしたの?」
アスカ「私、汗臭い?」
シンジ「そんなことないけど」
アスカ「でも」
シンジ「……あ! ごめん、たしかにいつもと匂いが違うなって思ったけど、別に汗臭いってわけじゃないよ!」
アスカ「……」
シンジ「むしろ、なんかいつもより良い感じだなって思うくらいで」
アスカ「……」
アスカ「ダメ」
シンジ「えっ」
アスカ「シャワー浴びてくる」
シンジ「わざわざ?」
アスカ「技もパワーもへったくれもないのよ!」
シンジ「意味分かんないよ……」
アスカ「ふんっ!」スタスタ
シンジ(そもそも、僕を座椅子代わりにしなきゃいいんじゃないのかな……)
―――数十分後
アスカ「シャワー浴びたてアスカ様」
シンジ「はぁ、どうも」
アスカ「特技は水飛沫スプラッシュ」プルプル
シンジ「わっ! やめてよ!」
アスカ「拭いて」
シンジ「分かったから、こっちきてよ……」
アスカ「ドライヤーもね?」
シンジ「はいはい」
アスカ「あ、お姫様ゲーム!」
シンジ「忘れてるくらいなら、言わなくていいよ」
アスカ「お姫様ゲーム!」
シンジ「……かしこまりました、お姫様」
アスカ「よし」
アスカ「知ってる?」
シンジ「なにを?」
アスカ「女性にとって、髪の毛を触らせるのは、体を触らせることより抵抗があることなんだって」
シンジ「へぇ」
アスカ「個人差もあるみたいだけど」
シンジ「ふーん」
アスカ「良かったわね」
シンジ「なにが?」
アスカ「……話聞いてなかったの?」
シンジ「えーと……髪の毛より、体を触って欲しいってこと?」
アスカ「ヘンタイ! エッチ! スケベ!」ゲシゲシ
シンジ「わっ! なんだよ、なんなんだよ!!」
アスカ「はぁ……スケベシンジがここまでスケベなスケベだと思わなかったわ」
シンジ「スケベがゲシュタルト崩壊しそうだね」
アスカ「まぁいいわ、それより、この映画ってなんて映画?」
シンジ「バタフライ・エフェクト」
アスカ「どんな映画?」
シンジ「過去をやり直せる能力を持った主人公が、色んな人を救うために、過去へ飛ぶ映画」
アスカ「ふーん、で、オチは?」
シンジ「……オチを聞いちゃうの?」
アスカ「うん」
シンジ「それはダメだよ。どうせなら、最後まで一緒に見ようよ」
アスカ「でも、途中からだしー」
シンジ「なら、最初っから見よう。いいでしょ?」
アスカ「まぁ、それなら」
シンジ「じゃあ、巻戻しっと」
―――数時間後
シンジ「……っていう、話なんだけど」
アスカ「なんか、スッキリしないわね」
シンジ「そうかなぁ」
アスカ「マルチエンディングじゃなかったら、イライラして、バカシンジに一発芸でもさせてるところよ」
シンジ「製作者のみなさん、本当にありがとうございます……」
アスカ「でも、過去をやり直せるっていいわね」
シンジ「アスカはなにかやり直したいことがあるの?」
アスカ「……ペンペンに驚かないようにしたい」
シンジ「それは……まぁ、うん……」
アスカ「アンタはなにかあるの?」
シンジ「そうだなぁ……」
アスカ「?」
シンジ「いっぱいあり過ぎて、答えられない」
アスカ「うわっ、もっと、今を懸命に生きなさいよ」
シンジ「でも、やっぱり変えないままがいいかも」
アスカ「どうして?」
シンジ「バタフライエフェクトで、アスカに会えなくなったら嫌だし」
アスカ「……」
シンジ「……」
アスカ「それ言ったら、私が喜ぶと思ったでしょ?」
シンジ「うん、ごめん、かなり……」
アスカ「私を喜ばせたいんだったら、そうね……」
シンジ「うん」
アスカ「今月からお小遣い全て献上します、とか」
シンジ「もはや台詞じゃないよね」
アスカ「ご主人様の靴を舐めるのだけが生きがいです、とか」
シンジ「僕が望んでる関係と違うよ……」
アスカ「望んでる関係って?」
シンジ「えっ」
アスカ「ん?」
シンジ「……そこで聞くのは卑怯じゃないかな」
アスカ「私を喜ばせたいんでしょ?」
シンジ「……」
アスカ「ほらほら」
シンジ「望んでいるのは……こう、学校の帰り道で手をつなぐような……その……」
アスカ「へー?」
シンジ「……もう勘弁してよ! お願い!」
アスカ「スケベシンジは手を繋ぐのをお望みなんだ?」
シンジ「スケベじゃないよ、むしろ純情だろ!」
アスカ「手、繋いであげても良いわよ」
シンジ「……ほんと?」
アスカ「一回1000円で」
シンジ「高いよ!」
アスカ「恋人繋ぎなら1500円」
シンジ「あ、それもありなんだ……やらないけど!」
アスカ「じゃ、手を出して」
シンジ「え?」
アスカ「いいから」
シンジ「あ、うん」
アスカ「こんなのが嬉しいんだ」ギュッ
シンジ「まぁ、その……そうだね」
アスカ「私は頭を撫でられる方が……」
シンジ「ん?」
アスカ「……今のは、聞かなかったことにして」
シンジ「わ、分かった」
シンジ「アスカの手は温かいね」
アスカ「……」
シンジ「アスカ?」
アスカ「心が温かい人は手が冷たくて、その逆もまた然りなんだって」
シンジ「へー」
アスカ「傷つくわ……」
シンジ「……!? 理不尽すぎるだろ!」
アスカ「何気ない一言で傷つく人もいるのよ。覚えておきなさい」
シンジ「いや、そうじゃなくて」
アスカ「言い訳しない!」
シンジ「は、はい」
アスカ「よろしい」
シンジ「なんで僕が怒られてるんだよ……」
ミサト「―――アンタ達って、私がいない時、いっつもそんなことしてんの?」
アスカ「げっ、ミサト!?」
シンジ「わっ」
ミサト「ムカツクわね、こっちは頑張って仕事してるっちゅーのに」
アスカ「別に、いつもじゃないわ」
ミサト「そうなの?」
アスカ「週に六回くらい」
ミサト「ほぼ毎日じゃないのよ!」
ミサト「学校でもそんな感じなの?」
アスカ「まさか、学校のみんなに知られるくらいなら、死ぬわよ」
ミサト「そんなに嫌なの?」
アスカ「流石に、この歳で殺人の罪を背負うのはちょっと嫌だけど」
シンジ「死ぬの僕だったの!?」
ミサト「そういえば、外で二人がイチャついてるの、見たことないわね」
アスカ「別にイチャついてないし」
ミサト「今さらそこを否定するの?」
アスカ「イチャついてない!」
ミサト「じゃあ、もうそれでいいわよ。面倒臭いわね」
アスカ「面倒臭くない!」
シンジ(いや、アスカはそうとう面倒臭いよ)
ミサト「内と外の使い分け、しっかりしてるのね」
シンジ「その代わり、外のアスカの相手をするのは辛くって」
アスカ「バカシンジ!」
シンジ「ご、ごめんなさい」
アスカ「ったく……でも、ミサトだってそうでしょ?」
ミサト「え?」
アスカ「公私の使い分け、しっかりしてるじゃない」
ミサト「そ、そうかしら?」
アスカ「家ではダメ人間の見本みたいな生活してるのに」
ミサト「私の評価って、そんなに低かったのね……」
アスカ「私も、それを見習ってるの」
ミサト「あらあら、保護者として少しは影響与えてるのね!」
シンジ「ミサトさんがちゃんとした大人なら、アスカももっと……」
ミサト「シンジくーん? なにか言ったかな―?」
シンジ「い、いえ。別になにも!」
アスカ「ちょっと、バカシンジを怯えさせないでよ」
ミサト「え?」
アスカ「すぐ止まるんだから、こいつの心臓」
シンジ「そんなノミの心臓してないよ!」
ミサト(仲良いわねぇ……)
―――翌日
シンジ「あ、おかえり、アスカ」
アスカ「……」
シンジ「あのさ、実は……」
アスカ「―――シンジ」
シンジ「ん?」
アスカ「お姫様ゲーム」
シンジ「えっ」
アスカ「今から『ドーン』するから、耐えなさい」
シンジ「『ドーン』ってなに?」
アスカ「行くわよ」
シンジ「え、だから『ドーン』って……」
アスカ「ドーン!!」バッ
シンジ「う、うわっ!」
ドッシャーン!!
シンジ「……いてて」
アスカ「ちょっと、耐えろって言ったでしょ」
シンジ「いきなり飛びかかられて、耐えられるわけないだろ!」
アスカ「長州力なら耐えられるわ」
シンジ「できるかもしれないけど!」
アスカ「同じプロレスラーでしょ?」
シンジ「いつ僕がレスラーになったんだよ!」
アスカ「三日前」
シンジ「最近だね!」
アスカ「おっひめ様ゲ~ム」
シンジ「い、いや、今はマズいよ」
アスカ「頭撫ぜる―」
シンジ「だ、だからね、アスカ」
アスカ「お姫様だっこー」
シンジ「アスカ!」
アスカ「そのまま宇宙へ飛ぶー」
シンジ「出来たとしてもやらないよ!」
アスカ「……なによ、さっきから文句ばっかり」
シンジ「文句じゃなくて、あの」
アスカ「?」
ヒカリ「―――あ、その、えーと」
トウジ「お邪魔……させてもらっとるわ」
シンジ「あ、あのね、さっき来たんだ」
アスカ「……」
シンジ「アスカと僕に、話があるみたいで」
アスカ「……」
シンジ「『ドーン』の前に、僕は二人のことを話そうとしたんだよ、本当だからね?」
アスカ「……」
アスカ「ふぅ」スッ
アスカ「―――いらっしゃい、ヒカリ、鈴原」
ヒカリ「う、うん」
トウジ「お、おう」
アスカ「もてなしの準備をするから、ちょっと待っててね」スタスタ
ヒカリ「……」
トウジ「……」
シンジ「……」
アスカ「お待たせ」
ヒカリ「!」
トウジ「!」
シンジ「!」
アスカ「やっぱり、もてなしと言ったら、これよね」
キラーン
シンジ「包丁!?」
アスカ「アンタたちを殺して、私も死ぬわ」
シンジ「スプラッタ宣言!?」
ヒカリ「落ち着いて、アスカ!」
アスカ「ありがとうヒカリ。私、あなたに会えて良かった」
ヒカリ「遺言を残さないで!」
シンジ「あ、アスカ!」
アスカ「……最初の犠牲はアンタ?」
シンジ「違うよ!」
アスカ「じゃあ、なによ」
シンジ「ほ、ほら、二人が僕たちに話があるって言っただろ?」
アスカ「……ああ」
シンジ「トウジ!」
トウジ「お、おう」
ヒカリ「あ、あのー、私たち」
トウジ「正式に付き合うことになってな」
アスカ「へ?」
ヒカリ「流石にまだみんなに言う気にはならないんだけど、二人には言っておこうかなって」
アスカ「……そうなんだ、へー」
ヒカリ「う、うん。それだけ、それだけだから……」
トウジ「ワシらはお邪魔? させてもらうわ」
ヒカリ「じゃあ……」
トウジ「ほんならな!」ソソクサ
ガチャ
バタン
アスカ「……」
シンジ(うまく逃げたなぁ)
シンジ「……」
アスカ「……」
シンジ「……」
アスカ「……」
シンジ「アスカ」
アスカ「ん?」
シンジ「とりあえず、その手に持ってるやつ……」
アスカ「刺す?」
シンジ「置くんだよ!」
アスカ「冗談に決まってるでしょ、まったく」コトッ
シンジ「マジな目してたじゃないか……」
シンジ「でも、あの二人もとうとうかぁ」
アスカ「そうね」
シンジ「……どうする?」
アスカ「なにが?」
シンジ「いや、だから、僕たちも……」
アスカ「?」
シンジ「……分かってないふりしてる?」
アスカ「ぜんぜん?」
シンジ「ホントかなぁ」
アスカ「……アンタばかぁ?」
シンジ「えっ」
アスカ「男から言うものだから……してるんでしょ?」
シンジ「!」
シンジ「……」
アスカ「……」
シンジ「……」
アスカ「……」
シンジ「ア、アスカ!」
アスカ「……」
シンジ「ぼ、僕と―――」
エピローグ
シンジ「お待たせ」
アスカ「……」
トウジ「おう、センセ。今日はよろしゅうな」
シンジ「うん」
アスカ「……」
ヒカリ「……碇君、碇君」ヒソッ
シンジ「なに?」
ヒカリ「なんで、アスカはムスッとしてるの?」
シンジ「あー……外であんまり遊んだりしないから」
ヒカリ「照れてるの?」
シンジ「たぶん……」
ヒカリ「ふふっ、そっか」
ヒカリ「じゃあ、いこっか」
トウジ「おう」
ヒカリ「鈴原」
トウジ「ん? ああ」ギュッ
ヒカリ「えへへ」ギュッ
シンジ「……」
アスカ「……」
シンジ「……」
アスカ「……」
アスカ「よくもまぁ、公共の場であんなことを」
シンジ「そうだね……」
アスカ「なに?」
シンジ「あ、いや、別に」
アスカ「?」
シンジ「……」
アスカ「ああ、そういえば前に」
アスカ「……しょうがないわね」
シンジ「アスカ?」
アスカ「お姫様ゲーム」
シンジ「えっ?」
アスカ「手、出して」
シンジ「!」
アスカ「……」
シンジ「かしこまりました。お姫様」
終劇
もうこれでシンジ×アスカはお腹いっぱいやでほんま。
なんか自己欲求を満たすスレになってるから、続けてこの前投下中に過疎過ぎて落ちたSS投下するわ。
つまり内容はご察しな上、四時までに投下し終えないといけないから、さるったら途中から携帯で投下する。
というか現時点で捕まってるんで、すぐ携帯に移ると思う。
では。
>>363
どんだけ創作意欲に満ち満ちてんだ
いいぞもっとやれ
シンジ「綾波がニコニコ動画に『踊ってみた』を投稿してる!?」
転載元
シンジ「アスカ様ファンクラブ?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1356179701/
シンジ「アスカ様ファンクラブ?」
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コメント一覧 (19)
-
- 2012年12月23日 17:28
- うまうま
-
- 2012年12月23日 18:42
- そこはかとなく漂うコレジャナイ感。
もうアスカは腹一杯だわ…
逆に嫌になる
-
- 2012年12月23日 18:47
- 俺も従者の立場でこのゲームやったけど、終わった後2万円ほど取られたなあ
-
- 2012年12月23日 19:57
- >女性にとって、髪の毛を触らせるのは、体を触らせることより抵抗があることなんだって
アララギさん?
-
- 2012年12月23日 20:04
- ケンスケが取り残されてるな
-
- 2012年12月23日 20:57
- ケンスケは犠牲になったのだ…
-
- 2012年12月23日 21:31
- アスかわいい
-
- 2012年12月23日 21:31
- せ、か~いで~いち~ばん、お~ひ~め~さ~ま~
-
- 2012年12月23日 22:57
- いいSSだなこれ
もっとLAS見たい
-
- 2012年12月23日 23:50
- 男同士で将軍と家臣をやってた俺
-
- 2012年12月24日 00:04
- このアスカ最高
-
- 2012年12月24日 00:46
- ミサトさんがエヴァって言った!
-
- 2012年12月24日 13:45
- LASLAS!!!
まんぞくーふふ
-
- 2012年12月24日 21:41
- ケンスケお前は俺の仲間だよ
-
- 2012年12月25日 04:17
- ssだとシンちゃんが明るくて嬉しい
-
- 2013年10月22日 23:46
- めっちゃよかったです!!
また書いてくれると嬉しい
-
- 2015年08月13日 07:42
- 最高
-
- 2017年12月12日 07:05
- エヴァSSの傑作のひとつ
-
- 2017年12月24日 09:20
- アスカはシンジと絡むと輝くな