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マミ「ここは…どこ?」 落田「しあわせ島でやんす」【前編】

1: ◆ctuEhmj40s:2011/10/11(火) 21:10:08.89 ID:OJ0wjx5G0

・マミさんinパワプロクンポケット6 裏サクセス しあわせ島編
 マミさんが、しあわせ島に流れ着きます。


・作品紹介

 パワプロクンポケット6 裏サクセス しあわせ島編
 野球ゲームシナリオ
 野球ゲームのはずだが、重い展開かつ人が空しく死んでいく。
 が、最後は救われる。
 明らかに、CEROAではない。


 魔法少女まどか☆マギカ
 魔法少女アニメ
 魔法少女物のはずなのだが、重い展開かつ魔法少女が空しく死んでいく。
 が、最後は救われる。
 明らかに、子供向けではない。



2: ◆ctuEhmj40s:2011/10/11(火) 21:15:53.76 ID:OJ0wjx5G0

―某所―


???「本当にいいんですか? まがりなりにも法律上はあなたの娘でしょうに」

???「勝手に死んであんなのを押し付けたアイツが悪いんだ。私が面倒をみる義理は無い」

???「わかりました。じゃあ、彼女をつれていく、ということでよろしいですね?」

???「ああ、やってくれ。これでせいせいする」

???(幼子から遺産をかすめ取ったくせに。よくいうよ)



3: ◆ctuEhmj40s:2011/10/11(火) 21:16:44.99 ID:OJ0wjx5G0

???「では、契約書にサインを。ところで方法はどうします?」

???「何でもいい。それより、これで借金は本当になくなるんだろうな?」

???「ええ。あなたの借金は私たちが肩代わりしますから。そのかわり、本来は労働力を提供してもらうんですけれども」

???「それは、アイツにやらせてくれ。そういう契約だ」

???「わかりました」



4: ◆ctuEhmj40s:2011/10/11(火) 21:17:22.86 ID:OJ0wjx5G0

―見滝原市―


マミ「ふぅ、今日の魔女は中々強敵だったわね」

QB「お疲れ様、マミ」

マミ「ありがとう、キュゥべえ。帰ってご飯にしましょう」

QB「そうだね。もう、気配はないみたいだ。家に戻るとしよう」

マミ「ええ、そうしましょう」



6: ◆ctuEhmj40s:2011/10/11(火) 21:17:53.90 ID:OJ0wjx5G0

―マミ宅―

QB「ごちそう様」

マミ「お粗末様、キュゥベエ。それじゃあ、お風呂に入りましょうか」

QB「ごめん、マミ。僕はこれから用事があるんだ」

マミ「え…」

QB「ここ最近、魔女が多いからね。君以外の新しい魔法少女が必要だと思うんだよ。
   佐倉杏子はこの街から離れてしまったし、いつまでも君ひとりに無理をさせるわけにはいかないだろう?」

マミ「あ…、そう…よね」

QB「だから素質のある子を探してくるよ。それじゃあ、ちょっと出かけてくるね」

マミ「…うん。いってらっしゃい…キュゥべえ」



7: ◆ctuEhmj40s:2011/10/11(火) 21:18:23.67 ID:OJ0wjx5G0

マミ(…今日も、一人ぼっち)

マミ(少し前までは佐倉さんと一緒にご飯を食べたりしたけれど、彼女は私の下から居なくなってしまったわ)

マミ(お父さんも…お母さんも死んじゃって…、佐倉さんも…)

マミ(学校の友達はいるけれど、魔法少女のことを話せる友達なんていないのよね)

マミ(…私、このままずっと一人ぼっちなのかしら)

マミ(このままずっと一人で魔女と戦って、一人で生きて、一人で…)



8: ◆ctuEhmj40s:2011/10/11(火) 21:18:50.37 ID:OJ0wjx5G0

マミ「…!」ハッ

マミ(いけない、いけない。そんなこと考えたらダメよ、マミ!)

マミ(貴方にはキュゥべえがいるじゃない。それにキュゥべえが探してくれてるんだから、新しい魔法少女の友達もきっとできるわ!)

マミ(そんなことじゃこの街を守れないわ。ただでさえ魔女が多いんだから頑張らないと! 弱気は禁物よ、マミ!)



マミ「…うん!」

マミ(きっと疲れているから、こんな弱気になっているのね…。ここの所、使い魔も魔女も多かったから)

マミ(キュゥべえ…は窓から入ってくるから、玄関を閉じても大丈夫よね?)

マミ(それじゃあお風呂に入って、今日はもう寝ましょう)



9: ◆ctuEhmj40s:2011/10/11(火) 21:19:21.88 ID:OJ0wjx5G0

ピンポーン



マミ「…あら?」

マミ(こんな時間に誰かしら?)ノゾキ

???「すみません。宅配便です」

マミ「あ、はい。今開けます」

マミ(こんな時間に珍しいわね)ガチャ



10: ◆ctuEhmj40s:2011/10/11(火) 21:19:50.13 ID:OJ0wjx5G0

???「…」ガバ

マミ「え…? んっ!」

???「…」

マミ「んー! んー!」

???「…」

マミ「…」



11: ◆ctuEhmj40s:2011/10/11(火) 21:20:30.76 ID:OJ0wjx5G0

―???―


マミ「…はっ!」



うおん、うおん、うおん…



マミ「こ、ここは?」

???「…あら、あなた起きたの?」

マミ「あ、あなたは…?」

???「あなたと同じ、お金で売られた人間よ」

マミ「え…? な、何を言っているの?」

???「あら、あなたも分かっているでしょ? 私たちは売られたの」

マミ「あ、あの…?」

???「ここのこと? ここは船のなかよ。これから私たちは遠いどこかに運ばれて、働かされるの。
    まぁ、女ばっかり集められているから、ロクな場所じゃないでしょうけどね」

マミ「…」



12: ◆ctuEhmj40s:2011/10/11(火) 21:21:01.85 ID:OJ0wjx5G0

マミ(えーと…。状況を整理しましょう)

マミ(覚えていることは、玄関で宅配のお兄さんに何かされたこと。気を失ったから、薬か何かかしら?)

マミ(それで、今は船の中。行先は遠いどこか。そこで、…働かされる?)

マミ(あの人は借金と引き換えって言っていたけど、私はもちろんしていないし、お母さんたちがしていたという話を聞いたことはない)

マミ(まさか、後見人のあの親戚の人? お金使いは荒いと聞いていたけれど…)

マミ(…)



13: ◆ctuEhmj40s:2011/10/11(火) 21:22:08.64 ID:OJ0wjx5G0

マミ「な、なんてことなの…!」

???「なによ、うるさいわね。他の人もいるんだから静かにしなさいよ」

マミ「何か逃げる方法はないんですか、ねぇ?!」

???「あなた、知らないうちに売られてた口? あきらめなさい、ここは海の上。逃げ場なんてないわよ」

マミ「そ、そんな…」

???「まぁ、そのうちどこかの港につくでしょ。目的地か、燃料入れるのかは知らないけど」

マミ「…!」

???「でも、無理よ。アタシみんな縛られているんだから、逃げようがないわ」



マミ「…」

マミ(寄港…。その時が勝負ね!)



14: ◆ctuEhmj40s:2011/10/11(火) 21:22:38.41 ID:OJ0wjx5G0

―どこかの港―


マミ「ティロ・フィナーレ!」チュドーン


 ワー! ワー!


マミ(変身して、脱出したわ。混乱しているうちに、早く逃げないと!)

マミ(あの人たちも逃げてくれているといいけれど…、とりあえず今は自分のことが優先ね)

マミ(どこかに日本に戻りそうな船は…)

マミ「…あ!」



15: ◆ctuEhmj40s:2011/10/11(火) 21:23:18.02 ID:OJ0wjx5G0

 しあわせ丸



マミ(日本の名前の船! これなら日本に戻るんじゃないかしら?)

マミ(どこに着くかはわからないけれど、とりあえず日本の土を踏むのが第一課題だわ)

マミ(それじゃあ、早く乗り込みましょう)イソイソ



マミ(それにしても、どうしてこんな目に…)

マミ(早く見滝原に帰らないと…。魔女が多くて大変なんだから)

マミ(何だか、どっと疲れたわ。時間もかかりそうだし今日はもう寝ましょう)ZZZ



16: ◆ctuEhmj40s:2011/10/11(火) 21:24:12.73 ID:OJ0wjx5G0

―しあわせ島―


BB兵「今回の補給物資は、またえらく大量だな」

船員「新しい収容者が増えたからな。まぁ、すぐ数が減って元に戻るだろう」

BB兵「そうか。…ん?」

船員「どうした? 何かあったか?」

マミ「…ZZZ」

船員・BB兵「…」



17: ◆ctuEhmj40s:2011/10/11(火) 21:24:57.51 ID:OJ0wjx5G0

―所長室―


ヘルガ「補給船に、女が紛れ込んでいただと?」

マコンデ「はい。といってもまだ子供ですが」

ヘルガ「ふむ。素性ははっきりしてるのか?」

マコンデ「ええ。どうやら別の島に運ばれる予定だった収容者のようです。どうやら、あの騒ぎで逃げ出したのが紛れ込んだようですな」

ヘルガ「ああ、あれか。結局、敵対組織の襲撃だったのかどうかもよくわからなかったな」

マコンデ「人身売買がバレてあの収容所はもう使えないとの、連絡がありましたな」

ヘルガ「さて、どうするか…」

マコンデ「ほっほっほ、それなら所長。それなら私めに良い考えが…」



18: ◆ctuEhmj40s:2011/10/11(火) 21:26:06.21 ID:OJ0wjx5G0

―広場―


マミ(ああ…、なんてこと。眠っている間にまた捕まってしまったわ)

マミ(変身は…銃を突きつけられているから、できそうにないわ。変身中に撃たれたら終わりよね)

マミ(とりあえず、ソウルジェムの指輪を奪われなかっただけ、良しと考えるべきかしら…)



マコンデ「こいつです、所長」

ヘルガ「なんだ、本当に子供だな。これでは労働力は期待できんか」

マコンデ「そうでしょう? やはり私めの提案通り、リフレッシュ小屋送りが得策かと…」

ヘルガ「しかし、最低の100日も耐えられると思えん。壊れては元も子もないぞ」

マコンデ「ほっほっほ、元々、イレギュラーな人材です。このさい、短期間での成果に期待してはいかがでしょう?」

ヘルガ「…」

マミ(意味は分からないけれど、恐ろしいことを言われている気がする…)



19: ◆ctuEhmj40s:2011/10/11(火) 21:26:57.65 ID:OJ0wjx5G0

(そのころ…)


6主「ああ、今日も暑いなぁ…」

落田「あ、6主くん。おはようでやんす」

6主「きのう、試合で負けてペラを取られてから、やる気がわかないよ。試合には結局出られなかったし…」

落田「規則だからしょうがないでやんす。負けたらみんなで払う。これが基本でやんす」

6主「手もちは残り56ペラ。1000ペラにはとおいなぁ…」

落田「がんばるでやんす! がんばるしかないでやんすよ! 6主くん!」

6主「はぁ…」

6主(俺、こんなんで任務を果たせるのかなぁ…)



20: ◆ctuEhmj40s:2011/10/11(火) 21:27:23.58 ID:OJ0wjx5G0

6主「…ん?」

落田「どうしたでやんすか?」

6主「なにか、向こうで兵隊が集まってないかい? 新しい収容者かな?」

落田「ホントでやんす。でも、まだ収容者がくる日じゃないでやんすけど」

6主(気になるなぁ…)

落田「…もしかして、行ってみようとか思ってるでやんすか?」

6主「うん」

落田「あんまり色んなことに関わっていると、この島では生きのこれないでやんすよ?」

6主「まぁ、ちょっと見てくるだけだから」

落田「やれやれでやんす。くれぐれも見るだけにするでやんす」



21: ◆ctuEhmj40s:2011/10/11(火) 21:28:01.35 ID:OJ0wjx5G0

BB兵「おい、貴様。何をやっている! さっさと仕事場に行け!」

6主「今日は管理棟のそうじなんですよ」

BB兵「なんだそうか。早く行けよ」

6主(あれは…女の子? 女の子なんてめずらしいなぁ。でも、この島の子じゃないみたいだ)



マコンデ「だから、やはりこの娘はリフレッシュ小屋が良いと…」

ヘルガ「しかし、規則がだな…」


6主(リフレッシュ小屋だって!)ダッ

BB兵「あ、おい待て! 貴様!」



22: ◆ctuEhmj40s:2011/10/11(火) 21:29:05.43 ID:OJ0wjx5G0

6主「ちょっと待て! こんな子をリフレッシュ小屋で働かせるつもりか!」

マコンデ「貴様は、このあいだ来たばかりの…。おい、なにをやっている早く連れて行け!」

6主「しつもんに答えろ!」

ヘルガ(…!)



ヘルガ「ああ、そうだ。この娘は手違いでこちらに来てしまってな。この島ではこんな子供が働ける場所はない。
    だから、せめて少しでも役に立ってもらおうと思ってな」

6主「それなら、その働ける場所に移動させればいいだろ!」

ヘルガ「今日の船はもう出てしまった。次に来るのはまた先だ。こいつ一人に船を出すわけにはいかないのだよ」

6主「だからって…」



23: ◆ctuEhmj40s:2011/10/11(火) 21:29:42.80 ID:OJ0wjx5G0

マミ「あの、すみません」

ヘルガ「なんだ、小娘?」

マミ「私が、その『リフレッシュ小屋』という場所で働けばいんですか…?」

ヘルガ「それなら、話はまとまるのだがな」

マミ「じゃあ、そこで…」

マミ(次の船が来るというし、それまでそこで我慢すれば…)



24: ◆ctuEhmj40s:2011/10/11(火) 21:30:20.16 ID:OJ0wjx5G0

6主「ダメだ!」

マミ「え? な、なんでですか…?」

6主「とにかくダメなものはダメだ! あそこは君みたいな子が行くような場所じゃない!」

マミ「でも、それしかないんじゃあ…」

6主「とにかくダメ!」

マミ「え、ええ…?」

6主「君のようなCEROAのゲームしかしないような子が、行ってはいけない場所なんだ!」

マミ(わけがわからないわ)



25: ◆ctuEhmj40s:2011/10/11(火) 21:30:59.64 ID:OJ0wjx5G0

ヘルガ「じゃあ、どうするというのだ。貴様は?」

6主「それは…」

ヘルガ「この島に来た以上は、ペラをためなければ日本に帰ることは出来ん。この娘が帰れる可能性を取り上げるのか?」

6主「でも…!」

ヘルガ「ペラをためなければ帰れない。それがここに規則だ。ペラさえあれば、期間が来れば返してやれるのだがな」

6主「…」



26: ◆ctuEhmj40s:2011/10/11(火) 21:31:39.55 ID:OJ0wjx5G0

6主「その子は、どのくらいのペラを溜めればいい?」

ヘルガ「…」

マコンデ「なにをいっているんだ、貴様は?」

ヘルガ「マコンデ、答えてやれ」

マコンデ「は? はぁ、資料によれば1500ペラですが」

ヘルガ「だ、そうだが?」



27: ◆ctuEhmj40s:2011/10/11(火) 21:32:29.92 ID:OJ0wjx5G0

6主「じゃあ、俺がその子の分までペラを稼ぐ!」



マミ「え?!」

マコンデ「な、なんだと?!」

6主「ペラをためれば帰れる! なら俺が用意すれば文句はないだろ!」

ヘルガ「いいのか? 貴様の分も合わせて2500ペラだ。それだけのペラを溜められるのか?」

6主「そうしないと、この子が帰れるアテはないんだろ? ならやるだけだ」

ヘルガ「…」

マコンデ「き、貴様、勝手に話を進めおって…」

マミ「あ、あの…」



28: ◆ctuEhmj40s:2011/10/11(火) 21:33:11.57 ID:OJ0wjx5G0

ヘルガ「…いいだろう。それならば、貴様がその小娘の面倒をみるがよい」

6主「言ったな、約束だぞ?」

ヘルガ「ああ」

マコンデ「し、所長いいんですか?」

ヘルガ「あの男が二人分働くと言っているんだ。それならば、こちらにとっても得だろう」

マコンデ「しかし、どう考えても、耐えきれるとは思いませんよ?」

ヘルガ「ダメになったら、その時にまたあの小娘をリフレッシュ小屋に送ればいい。特に問題はないと思うが」

マコンデ「はぁ…まぁ所長がそういうなら」

ヘルガ「団長には私が話しておく。それと…だ」

マコンデ「まだ、なにか?」



29: ◆ctuEhmj40s:2011/10/11(火) 21:33:56.43 ID:OJ0wjx5G0

ヘルガ「不敬罪。鞭打ち30回、その男にしておけ」

6主「え?」

マコンデ「よし、その男を連れて行け」

BB兵「はっ!」

6主「ああああああ、落田くーん、その子をよろしくー!」ズルズル

マミ「…」ポカーン

落田「ああ、やっぱりこんなことになったでやんすね…」



31: ◆ctuEhmj40s:2011/10/11(火) 21:35:08.17 ID:OJ0wjx5G0

    キャラ紹介


・巴マミ
 魔法少女まどか☆マギカ 登場人物
 頼れる先輩だが、人一倍、寂しがりやな人
 本編での活躍で、色んな意味でファンに愛させれている
 巨乳


・パワポケ6主人公(6主)
 パワプロクンポケット6主人公 23歳
 とある目的のために町工場を守るために働いていたが、失敗し、多額の借金を背負ってしあわせ島に送られてしまった。
 歴代主人公の中で、3番目の戦闘能力を持つ男(8>9>6>3>その他)。
 熱い男。アニメが好きだったりする。


・ヘルガ
 しあわせ島の所長 女性 24歳
 コンゴで国連の治安維持部隊に従軍していたことがある
 ノルウェー国籍だが、祖父がドイツ人であるためドイツ人だと主張している
 基本的には冷酷な軍人



32: ◆ctuEhmj40s:2011/10/11(火) 21:35:53.16 ID:OJ0wjx5G0

Q&A


Q.しあわせ島にマミさん以外のまどかキャラ来るの?
A.きません。


Q.しあわせ島に女の子って、野獣の群れに肉を入れるようなものだけど?
A.6主が守ってくれるます。


Q.あれ? 6主って女子高生とホテルに…
A.好感度MAXにならなければ大丈夫です。


Q.6主の目的とか、しあわせ島の真相はネタバレしていい?
A.そこだけ自重してくれると嬉しいです。


Q.野球ゲームとは思えない単語が出てくるんだけど?
A.パワポケではよくあること 



52: ◆ctuEhmj40s:2011/10/16(日) 20:53:02.19 ID:lDJ3/w3r0

―宿舎―


落田「まったく、6主くんのお人よしっぷりには呆れるでやんす。あんなんじゃ、いつまでたっても日本に帰れないでやんす」

マミ「あ、あのー…」

落田「ああ、もう少し待ってるでやんす。もうちょっとたったら、きっと帰ってくるでやんす」

マミ(…やんす?)



53: ◆ctuEhmj40s:2011/10/16(日) 20:53:47.08 ID:lDJ3/w3r0

6主「痛てててて…」

落田「あ、6主くんお帰りでやんす」

マミ「あの…大丈夫ですか…?」

落田「6主くんはしあわせ島に来て早々、反抗的な態度を取ってボコボコにされた男でやんす。このくらいは、平気でやんすよ」

6主「平気じゃないよ、痛て、痛ててて…」

マミ「すみません。私のせいで…」

6主「ま、まぁ、心配しなくても大丈夫だよ。こっちもなれてきたから…」

マミ「そ、それでここはどこなんですか…? しあわせ島って…」



54: ◆ctuEhmj40s:2011/10/16(日) 20:54:22.77 ID:lDJ3/w3r0

(そして…)


マミ「借金を抱えた人が送られる島…?」

落田「それが、しあわせ島でやんす」

マミ「そんな場所があるなんて…」

6主「信じられないかもしれないけど本当なんだ。ここでは借金を肩がわりしてくれるけど、その代わりに労働力を提供しなきゃならないんだ」

落田「でもって、働くと『ペラ』と呼ばれるお金がもらえるでやんす。これを溜めるとこの島から出られるのでやんすよ」

6主「他にも、この島ではこれで色んなものが買えたりするんだ。ここではペラが全てなんだよ」



55: ◆ctuEhmj40s:2011/10/16(日) 20:55:35.24 ID:lDJ3/w3r0

落田「でも、えーっと…、名前をいいでやんすか?」

マミ「あ、はい。巴マミです。よろしくお願いします」

6主「マミちゃんか。なんかどこかで聞いたことがあるような名前だなぁ」

落田「むかし、そんな名前のアイドル魔法少女アニメがあったでやんす。6主くんも意外とマニアックでやんすね」

マミ(一応、本物の魔法少女なんですけど…)

落田「マミちゃんはどうしてこの島にきたでやんすか? とても借金をするとは思えないでやんす」

マミ「確証はないんですが、おそらく…」



56: ◆ctuEhmj40s:2011/10/16(日) 20:56:33.80 ID:lDJ3/w3r0

(そして…)

6主「な、なんだってー!」

落田「ヒドイでやんす! 借金を押しつけるなんて、とんでもないヤツでやんす!」

マミ「前から引き取ってくれた叔父の噂は聞いていたんですが、早々にお金を渡されて一人暮らしをしてましたし、詳しくは知らなかったんです。
   まさかこんなことをするなんて…」

6主「それで、逃げるときにここにくる船に乗ってしまったのか」

落田「まだよかったでやんす。きっとそのままだったら、きっと、もっとヒドイところに連れていかれてたでやんすよ」

マミ「は、はぁ…」

マミ(ここも、あまり変わらないような…)



57: ◆ctuEhmj40s:2011/10/16(日) 20:57:06.22 ID:lDJ3/w3r0

6主「でも、所長たちはマミちゃんの借金の資料を持っていたんだよな。ということは、ほかにもBB団系列の収容所があるのか」

落田「そうなんでやんすか? BB団も意外とグローバルでやんすね」

マミ「あの…BB団って?」

6主「この島を支配している秘密組織だよ。ちなみにさっきの女の人がここの所長、ヘルガだ」

落田「隣の男が副所長のマコンデでやんす。所長は美人でやんすが、マコンデはすぐに収容者をなぐる、いやなやつでやんす」



58: ◆ctuEhmj40s:2011/10/16(日) 20:58:08.62 ID:lDJ3/w3r0

マミ「とにかく、ここではペラをかせがないと、日本には帰れないんですね…」

6主「あと最低100日は滞在しないと、この島から出ることができないんだ」

マミ「ひゃ、100日も?! こんな南の島で?!」

6主「うん、そうなんだ。俺も早くペラを溜めて、こんなところから脱出したいんだけど…」

落田「ああ、6主くんは10日まえにこの島にきたのでやんす。マミちゃんと同じ、新入りさんなんでやんす」



59: ◆ctuEhmj40s:2011/10/16(日) 20:58:40.01 ID:lDJ3/w3r0

マミ「ペラを溜める以外に、島からでる方法はないんですか? 物資を運んでくる船に密航するとか…」

落田「港は兵士で厳重に警備されているでやんす。さらに海にはBB団の砲艦がいて、ほかの船で脱出しようとしてもムリでやんす。
   ペラをためる以外、方法はないでやんすね」

マミ(魔法少女に変身しても、脱出できそうにないわね…)

6主「もし2500ペラためても、俺とマミちゃんで10日のズレがあるのか。なんとかならないかな」

落田「あ、それならマミちゃんの着替えを持ってきた兵士が、期間は6主くんと同じでいいといっていたでやんす。
   予定外の収容者のために、スケジュールの変更はおこなわないそうでやんす」

6主「となると、あと90日で2500ペラか…」



60: ◆ctuEhmj40s:2011/10/16(日) 21:01:53.16 ID:lDJ3/w3r0

マミ「あ、あの、お二人ともお名前を聞いていいですか?」

落田「そういえば、自己紹介がまだだったでやんすね。オイラは落田でやんす」

6主「俺は6主だよ。よろしく」

マミ「すみません、迷惑をかけてしまったみたいで…」

6主「気にすることはないよ。こんな女の子に変なことさせようなんてこと見過ごせないからね」

落田「まったく、6主くんはお人よしでやんす」

マミ「それであの…、お二人はどうしてこの島に?」


落田「オモチャを買いすぎたでやんす」
6主「野球の試合に負けて」


マミ(わけがわからないわ)

6主「とにかく、あと90日で2500ペラをかせぐ方法を考えよう。こんな島に100日以上もいたくないだろう?」

マミ「はい…」



61: ◆ctuEhmj40s:2011/10/16(日) 21:02:40.44 ID:lDJ3/w3r0

(そして…)


6主「うーん、なかなかいい案がないなぁ」

マミ「その仕事場の『キツイ仕事』を毎日やるではダメなんですか?」

落田「ムリでやんす。あんなの3日も連続で続けたら、死んじゃうでやんすよ」

マミ「やっぱり、私が『リフレッシュ小屋』に…」

6主「それはダメ!」

落田「CEROが許してくれないでやんす!」

マミ(い、一体どんな場所なのかしら…)



62: ◆ctuEhmj40s:2011/10/16(日) 21:03:12.91 ID:lDJ3/w3r0

6主「プレイルームで一攫千金…も、ムリだろうなぁ」

落田「6主くんは目押しができないでやんすからね」

6主「じゃあとにかく、俺ががんばって働くことにするよ。できるだけ、キツイ仕事も入れてみる」

マミ「すみません…6主さん」

落田「じゃあ、今度は寝床を作るでやんす。女の子なんだから、ちゃんと男とはわけなきゃいけないでやんすからね」

マミ「すみません、落田さん…」



63: ◆ctuEhmj40s:2011/10/16(日) 21:03:39.17 ID:lDJ3/w3r0

―夜―


江川「…というわけで、うちの班に新しいメンバーが加わることになった。巴マミくんだ」

マミ「巴マミです。よろしくお願いします」

小杉「お、女の子?」

布具里「女の子がなんでこの島にいるんだ?」

江川「彼女はBB団の事情によりこの島で働くことになった。なお、彼女の管理は6主がおこなうらしい。そうだな?」

6主「はい。そうです班長」

江川(私ではなく、なぜこいつが…)



64: ◆ctuEhmj40s:2011/10/16(日) 21:06:19.98 ID:lDJ3/w3r0

中田「ま、いいんじゃないか?」

渡辺「まぁ、男が増えるよりはいいことだな」

三谷「マミ助か! よろしくな。工場で働くなら俺にきいてくれ!」 

倉刈「ああ、日出子…。元気にしてるかな…」

マミ「みなさん、これからお世話になります」

江川「お世話か…。シャワーやトイレに関しては6主と話して決めてくれ、私は知らん。以上だ」フン

マミ「あ、あの…」

落田「気にしちゃダメでやんす。班長は自分の思いどおりにならないと、キゲンが悪くなるでやんす」

6主「君のことは、俺たちに任せるのがBB団の方針らしいから。班長になにかいわれても、俺に話をとおしてくれ」

マミ「は、はい」



65: ◆ctuEhmj40s:2011/10/16(日) 21:07:02.54 ID:lDJ3/w3r0

マミ(服は作業着。シャワーも、トイレも男性用…。6主さんたちが色々便宜を図ってくれているけれど…)

マミ(私、ここでやっていけるのかしら…)

マミ(ううん。私にはあの街を守るという使命があるんですもの! がんばって絶対に戻らないと!)


(マミのやる気が上がった!)





残り90日 手持ち56ペラ 犬レベル5



66: ◆ctuEhmj40s:2011/10/16(日) 21:07:35.67 ID:lDJ3/w3r0

―???―


???「ふう、今日も使い魔だけか…」

???「はやく、何とかしないと…」



67: ◆ctuEhmj40s:2011/10/16(日) 21:09:02.73 ID:lDJ3/w3r0

―キャラ紹介―


・落田太二

しあわせ島編におけるメガネ。本家の矢部ポジション。
やはりマニアであり、食玩を買いすぎて多額の借金を作ってしまい、しあわせ島にやってきた。
本人も知らない異母兄弟が沢山おり、他のパワポケの主人公と関わっている。
メガネにしては、珍しくイライラするイベントがない稀有な存在。

ショート
落田○
ミAパC走A肩A守A


・マコンデ

しあわせ島の副所長。
病気を蔓延させて大量の収容者を死亡させてしまった責任を問われ、半年前に所長から副所長へ降格された。
女の下で働いている現状が不満らしい。
そのため、収容者に暴力を振るっている。


・江川茂

野球班の班長。
元々は一流銀行の部長候補だったが、嵌められて島に来たと言っているが、実は麗香というキャバクラの女性に熱を上げて、
銀行の資金を横領してしまったために転落し、島に送られる事になった。
リフレッシュ小屋にて、人形を麗華に見立てて見立てて会話したり、暴れたり、泣き出したりしている。
この姿にドン引きしたプレイヤーは多い。



68: ◆ctuEhmj40s:2011/10/16(日) 21:09:50.65 ID:lDJ3/w3r0

―システム用語―


・犬レベル

 しあわせ島編のみ存在するメーター。
 主にBB団に従うと上昇、反抗すると下降する。
 グラウンドで野球の練習をしても下降するため、一定の値を維持しないといけない。
 0になると反乱分子とみなされて、射殺される。
 100になると、完全にBB団の犬になってしまい、島から脱出できなくなる。


・ペラ

 しあわせ島編で使用できる通貨。
 これを目標額までためると、一応ゲームクリアとなる。
 働くともらえ、リフレッシュ小屋・グラウンドを使用すると使用料を払う。


・リフレッシュ小屋

 しあわせ島編の休憩施設。
 ここに行かないと、気力を回復することができない。気力が0になると、死亡しゲームオーバーとなる。
 コマンドは、昼寝・テレビ・本・ビデオ・ さおりちゃん二号・メスヤギ
 右に行くほど回復効果が高く、ペラがかかる。
 どうみてもOUT



81: ◆ctuEhmj40s:2011/10/18(火) 21:12:33.27 ID:CO/uxKdO0

―朝―


 ザワザワ ザワザワ


マミ「な、なにか周りから見られているような気がするんですけど…」

小杉「女なんてめずらしいからな」

落田「髪型も変えて、胸にさらしをまいてみたでやんすけど、やっぱり隠しきれないでやんすね」

6主「離れちゃダメだよ。絶対にウチの班の連中以外と一人にならないこと。いいね?」

マミ「はい…」



82: ◆ctuEhmj40s:2011/10/18(火) 21:12:58.78 ID:CO/uxKdO0

収容者「お、お、お、…」

マミ「?」

収容者「女だぁー!」

マミ「きゃっ!」

6主「とりゃ!」バキッ

収容者「げふっ」

マミ「い、一体なにが…」

落田「男だらけで、うるおいがないでやんすから。女の子がいるだけでこれでやんす」

マミ(想像以上に危険な場所なのね…)



83: ◆ctuEhmj40s:2011/10/18(火) 21:13:32.84 ID:CO/uxKdO0

BB兵「おい、貴様ら何をやっておる!」

6主「はっ、急に襲ってきたのでやむなく抵抗しました!」

BB兵「何だと? よし、そいつを連れていけ。残ったものは洗面! 早くしろ!」パーンパーン


 ゾロゾロ


マミ(とりあえず、手持ちのグリーフシードは3つある)

マミ(何かあったら迷わず変身しないと)パシャパシャ



84: ◆ctuEhmj40s:2011/10/18(火) 21:14:23.10 ID:CO/uxKdO0

BB兵「おい、お前はこっちだ」

マミ「え? きゃっ!」

6主「おい! その子に乱暴するな!」

BB兵「うるさい!」バキッ

6主「あう…」ドサ

BB兵「心配するなとの所長からの伝言だ。貴様は自分の職場に行け!」

マミ「6主さん!」

落田「マミちゃん、6主くんはオイラが見るでやんす。マミちゃんも、なにかヒドイことされたら、ちゃんというでやんすよ」

マミ「落田さん、お願いします」

マミ(6主さんだけに苦労はさせられない。私もがんばるわ…!)



85: ◆ctuEhmj40s:2011/10/18(火) 21:15:13.95 ID:CO/uxKdO0

―プレイルーム―


よしこ「はいじゃあ、これに着替えてね」ドン

マミ「あの…ここは?」

よしこ「ここはプレイルーム。3つの仕事場をまわったら、くることのできる賭博場よ。
    あなたには、ここで収容者の案内をしてもらうわ。そしてこれが、制服よ」

マミ「な、なんですか! この服は!」

よしこ「見てのとおりの、バニーガールの衣装よ? カジノにバニーはつきものでしょう?」

マミ(胸が強調されて、ハイレグに網タイツ…。こ、こんな服を着るの?)

よしこ「所長からの支給品らしいから、扱いは慎重にね。はい、着替えた着替えた」

マミ(ううう、我慢我慢…)



86: ◆ctuEhmj40s:2011/10/18(火) 21:15:39.45 ID:CO/uxKdO0

よしこ「うん、サイズもぴったりね。それにしてもその年齢でそのスタイル、うらやましいわ~」

マミ「…ありがとうございます」

よしこ「じゃあ、収容者が来たら案内すること。セクハラされたら兵隊さんに報告するのよ。リフレッシュ小屋の意味がなくなっちゃうからね。
    それじゃあ、よろしく~」

マミ(この人はどうしてこの島にいるのかしら…。謎だわ…)



87: ◆ctuEhmj40s:2011/10/18(火) 21:16:27.03 ID:CO/uxKdO0

(そして…)


渡辺「さてさて、今日は勝てるかな、っと」

マミ「い、いらっしゃいませ!」

渡辺「あれ、マミちゃんじゃないか。なにやってるの?」

マミ「それが、ここで働くようにと言われて…」

渡辺「あー、なるほど。うん」

マミ「あ、あの…?」

渡辺「いいんじゃないか? ここなら、兵士の監視があるから、安全だろうし」

マミ「でも、この格好は…」

渡辺「俺は似合ってると思うけど。エロいし」

マミ「エ、エロ…!」

渡辺「はいはい。いいから案内する。さぼってたら兵士に怒られるぞ」

マミ「じ、じゃあ、こちらになります…」

渡辺「一発当てて、すこしでもペラを返さないとなぁ…」



88: ◆ctuEhmj40s:2011/10/18(火) 21:17:12.30 ID:CO/uxKdO0

(数日後…)


収容者A「おい、プレイルームにあの子が働いているらしいぞ」

収容者B「なんでもバニーの格好をしているとか…」

収容者C「噂だと、あそこで大当たりを出せばあの子と1日だけ…」



89: ◆ctuEhmj40s:2011/10/18(火) 21:17:40.73 ID:CO/uxKdO0

マコンデ「所長。ここ数日の、収容者の労働力が大幅に上がっています」

ヘルガ「そうか。あの小娘をプレイルームに配置したのは正解だったな。うわさも尾ひれがついてうまく機能しているようだ」

マコンデ「ただ、リフレッシュ小屋の利用者も増加してるようですか…」

ヘルガ「労働量が増えれば当然だろう。さしたる問題はない」

マコンデ「ところで、あの服はまさか所長の…」

ヘルガ「団長の私物だ! バカモノ!」



90: ◆ctuEhmj40s:2011/10/18(火) 21:18:13.28 ID:CO/uxKdO0

―宿舎―


落田「いやー、マミちゃんが安全に働ける場所ができて、よかったでやんす」

マミ「ちっともよくありませんよ! 色んな人にじろじろ見られて恥ずかしくて…」

6主「まぁまぁ、ずっとウチの班の連中がガードに付くわけにもいかなかったし。
   安全な所にいれられるだけよしとしないと」

小杉「けっ、良いよな。あんな服きて台に連れて行くだけでペラがもらえるんだから」

倉刈「マミさんはまだ子供ですから。あんまり無理はさせられませんよ、小杉くん」

小杉「小杉『くん』? 『さん』だと、何度いったらわかるんだよ!」

倉刈「ああ、すみません。小杉くん」

小杉「けっ、このバカ! 俺はもう寝るぞ!」スタスタ



91: ◆ctuEhmj40s:2011/10/18(火) 21:18:59.28 ID:CO/uxKdO0

マミ「私、嫌われているんでしょうか…」

落田「小杉は、誰に対してもあんな感じでやんす。気にする必要はないでやんすよ」

マミ「ちょっと前まで好きだった野球選手に、顔も名前も似てるんですけど、中身は別人ですね…」

落田「ああ、それなら似てるんじゃなくて本人でやんす」

マミ「え?」

6主「それって小杉優作選手のことだろ? 本人だよ。あれが本物の小杉」

マミ「え、だって、え?」

落田「なにがあったかは知らないでやんすけど、こんなところにくるまで落ちぶれたのでやんす。
   入団当初は大型ルーキー選手だったのでやんすけどね」

マミ「…ショックです」

倉刈「あ、私もプロ野球選手だったんですよ。一応、チームが日本一になったこともあるんですけど」



92: ◆ctuEhmj40s:2011/10/18(火) 21:20:16.07 ID:CO/uxKdO0

三谷「おおい、マミ助。こっちにきて酒を注いでくれ」

落田「三谷さん。マミちゃんは晩酌係じゃないでやんす!」

三谷「いいじゃねーか。一回だけだよ一回」

マミ「私は別にいいですよ?」

落田「マミちゃん、イヤなら断らなきゃダメでやんす」

マミ「いえ、大丈夫ですから…。はい」トクトク

三谷「マミ助はいい子だなー。ウチの娘とは大違いだ」グビグビ



93: ◆ctuEhmj40s:2011/10/18(火) 21:21:20.09 ID:CO/uxKdO0

マミ「あのー、三谷さん。少し気になったんですけど、そんなにお酒飲んでペラは大丈夫なんですか?」

三谷「うぐっ…。そうなんだよなー。だからいつまでたっても、帰れねーんだよなー」ショボン

マミ「三谷さん?」

落田「三谷さんは稼いだペラのほとんどをお酒とつまみに使ってるのでやんす」

マミ「そうなんですか…」

落田「ペラを飲んでいるようなもんでやんすね。だから4年いるけど、たくわえはほとんどないみたいでやんす」

6主「4年…気が遠くなりそうだよ」



94: ◆ctuEhmj40s:2011/10/18(火) 21:22:14.19 ID:CO/uxKdO0

6主「あれ、中田さんと布具里は?」

落田「中田さんは、風邪をひいて隔離状態でやんす。布具里はかさかさ虫に取りつかれてダウンでやんす」

マミ「かさかさ虫? そんな虫がいるんですか?」

三谷「ああ、違う違うマミ助」

落田「仕事場の音のせいでなる、精神病みたいなものでやんす。耳から音が離れなくなるのでやんすよ」

三谷「まぁ、マミ助とは無縁だろうが。なってもパニックになるんじゃねーぞ。あんまり騒ぐと兵士に撃ち殺されるからな」

マミ(…さらっと恐ろしいことを言われた気がするわ)



95: ◆ctuEhmj40s:2011/10/18(火) 21:23:04.01 ID:CO/uxKdO0

マミ「それにしても…」

マミ(島は酷い暑さ。プレイルームの仕事は1日2ペラ。宿舎には虫が這っていて、食事にもたまに虫が入っている事がある。
   想像以上のひどさだわ。覚悟はしていたけど、ここまでなんて…)

マミ(周囲は、男の人ばかりだし…)

マミ(ケーキや紅茶は、もちろんない。そのかわり、従ってさえいれば命の危険はないみたいだけれど。一人で魔女退治をする生活が、こんなに恋しくなるなんて…)

マミ(これで『しあわせ島』。なんて皮肉が効いているの…)



96: ◆ctuEhmj40s:2011/10/18(火) 21:23:36.17 ID:CO/uxKdO0

6主「マミちゃん、大丈夫か?」

マミ「あ、6主さん…」

6主(苦しいだろうけど、我慢してくれ。俺もこんな場所からは早く抜けだしたいんだ)ボソ

マミ(え?)

6主(こっちでも島の住人や管理棟の間取りはしらべてある。それと団長と呼ばれる人物がいるらしい。
   そいつをどうにかすれば、もっと早くこの島を脱出できるかもしれない)

マミ(あ、あの…?)

6主(とにかく、あきらめないでくれ。希望をすてないで。君はかならず日本にかえすよ)



97: ◆ctuEhmj40s:2011/10/18(火) 21:24:12.47 ID:CO/uxKdO0

落田「あー! 6主くんがマミちゃんにセクハラしてるでやんす!」

三谷「なんだと。6主! 見そこなったぞ!」

6主「こらー、誤解だ! 落田くん!」

落田「問答無用でやんす!」



ボコボコボコボコ!!


マミ(…なんだったのかしら?)

マミ(でも、6主さんのいう通りね。あきらめたら終わりだわ。希望をもっていきましょう)

6主「マミちゃーん! 無実を証明してくれー!」

マミ「…うん。がんばりましょう」



98: ◆ctuEhmj40s:2011/10/18(火) 21:24:59.76 ID:CO/uxKdO0

―次の日―


マコンデ「今日は2軍選手の力を見てやろう」

江川「はい、副署長様。おい、お前たち! とっとと始めるんだ」

マミ「あの、これは一体…」

落田「ああ、マミちゃんは知らないのでやんすね。これは野球班の実力テストでやんす」

マミ「野球?」

落田「BB団はスポーツに力を入れていて、収容者は各スポーツ班に配置されるのでやんす。ウチは野球班なんでやんすよ」

マミ「はぁ…」

落田「他にもマラソン班やサッカー班、重量挙げ班などがあるでやんす。
   まあ、他の班に移動することはないでやんすから、気にしないでいいでやんすよ」

マミ「悪の組織なのに、ずいぶん健康的なんすね…」

落田「育成能力もすごいでやんす。この島に来てから、メキメキと才能を開花させた人が一杯いるのでやんすよ」

6主「実力が認められると、一軍にいくことができるんだ。そうなったら待遇もよくなるし、働かなくてもペラを大量にもらえるようになる。
   こうなったら、なんとか一軍にいってペラをかせぎたいところだね」

落田「そうなったら2500ペラためられる可能性が、グッと高くなると思うでやんす。6主くんはがんばるでやんすよ」



99: ◆ctuEhmj40s:2011/10/18(火) 21:26:16.59 ID:CO/uxKdO0

(そして…)


マコンデ「ふぁ~あ。退屈だからそろそろ帰るか」

江川「次で最後なんですが…」

マコンデ「ん、誰だ? ああ、アイツか」



6主(よーし、ここで実力を見せてやる!)ブンブン

マミ「6主さん、がんばってくださいね」



マコンデ「んん~? あの娘はやらんのか? 野球班なのだろう?」

江川「はぁ、子供ですから必要ないと思いまして…」

マコンデ(…いいことを思いつきましたよ!)ニヤリ



100: ◆ctuEhmj40s:2011/10/18(火) 21:27:06.34 ID:CO/uxKdO0

マコンデ「やらせろ」

江川「は?」

マコンデ「あの娘にやらせろ。新入りだからといってやらせないのはかわいそうでしょう。野球班としての実力を見てあげますよ」

江川「わかりました、副所長様。おい、巴!」

マミ「は、はい! 何ですか?」

江川「打撃のテストだ。バットを持ってそこに立て」



101: ◆ctuEhmj40s:2011/10/18(火) 21:27:32.19 ID:CO/uxKdO0

マミ「え?! で、でも…」

江川「お前も野球班だろう。実力テストだ。早くしろ、私に恥をかかせる気か!」

6主「おい、どういうことだ。女の子なんだから、試合に出られるわけないだろう!」

マコンデ「実力があるならそうしますよ。私は実力主義者だからな。これはそれを知るためのテストだ」

6主「嘘つけ! どうせ嫌がら…」

落田「6主くん! 抑えるでやんす! 危険分子とみなされて殺されちゃうでやんすよ」

6主「でも…!」



102: ◆ctuEhmj40s:2011/10/18(火) 21:27:59.12 ID:CO/uxKdO0

マミ「…6主さん、大丈夫です」

6主「マミちゃん!」

マミ「私が打てたら、6主さんのテストもやってください。お願いします」

マコンデ「いいだろう」

マミ(野球なんてしたことないけど…)

マミ(でも、私が打てれば何の問題もないわ…!)



103: ◆ctuEhmj40s:2011/10/18(火) 21:28:58.12 ID:CO/uxKdO0

(そして…)



10球 0安打



マコンデ「ふん。使えんな、やはりただの子供か。私は帰るぞ」

江川「はい、副所長様。お気をつけて…」

野球班「…」

江川「おい、貴様ら何をやっている。テストは終わりだ! さっさと仕事場に戻れ!」

小杉「…おう。わかったよ」



104: ◆ctuEhmj40s:2011/10/18(火) 21:31:19.16 ID:CO/uxKdO0

マミ「6主さん。ごめんなさい…」ポロポロ

6主「マミちゃんのせいじゃないよ。ああほら、泣かない泣かない」

マミ「でも、せっかく一軍にいけるチャンスだったかもしれないのに…」

落田「気を落とさないでほしいでやんす。きっとまだチャンスはあるのでやんす」

マミ「…」グスグス

6主(…この子はこの島じゃ長続きしそうにない)

6主(最悪でも、あと80日後には脱出しないと…!)

(マミのやる気が下がった!)



105: ◆ctuEhmj40s:2011/10/18(火) 21:32:05.97 ID:CO/uxKdO0

残り80日 手持ち256ペラ 犬レベル3


収入
マミ 20ペラ
6主 192ペラ

支出
リフレッシュ小屋 -12ペラ



111: ◆ctuEhmj40s:2011/10/18(火) 22:00:12.80 ID:CO/uxKdO0

―キャラ紹介―


小杉勇作

元・スタープロ野球選手。
入団1年目に新人王に輝いた実力者だったが、2年目からスランプに陥り成績が急降下。
そのまま成績が戻らず、球界から姿を消し、友人の裏切りによってしあわせ島に送られた。
昔は謙虚な性格だったが、今はとても横暴な性格になっている。
実はもの凄い秘密がある。詳細はパワポケ5をプレイ。

ピッチャー
小杉○
球速150 コントロールB スタミナB
スライダー3 フォーク3 シュート2


三谷権造

初老の男性。野球班のメンバー。44歳
かなりの技術屋でありバイク屋を経営していたが、悪徳金融に引っかかってしまい島に来た。
そのため工場の仕事に関しては、非常に頼るになる。
酒豪で、稼いだペラは全てがビール代に消えてしまっている。
奥さんと娘さんがおり、仲も良好だった。

キャッチャー
三谷○
ミAパA走D肩B守A



136: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 21:55:47.22 ID:kq+/1whG0

―朝―


6主「10日でかせいだペラが、二人で200ペラか…」

マミ「このままじゃ、あと80日で2500ペラには届きませんね…」

6主「かといって、これ以上仕事は増やせそうにないし。なにか方法を考えないとなぁ」

マミ「そうですね…」



137: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 21:56:38.36 ID:kq+/1whG0

6主「ところで今日の健康診断はなんだったんだ?」

落田「たまに、こうやって予告なく健康診断が行われることがあるのでやんす」

マミ「何かへんな注射も打たれたんですが…」

落田「予防接種じゃないでやんすかね。こんなさいはての島でやんすから、変わった病気があるのかもしれないでやんす」

6主(本当にそうなのか…?)

マミ(何故か体が軽い…。こんな感じ、始めて。もう何も怖くない!)


(マミのやる気が上がった!)



138: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 21:57:57.77 ID:kq+/1whG0

6主「さて、今日も仕事場に行くか…あ」

ヘルガ「…」

マミ「所長…!」

ヘルガ「…ん。なんだ小娘か。どうだ、島には慣れたか?」

マミ「…おかげさまで」

ヘルガ「ハハハ、どうやらまだ目は死んでいないようだな。それくらいの元気がなければ、この島ではやっていけんぞ」

マミ「…そうですか」



139: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 21:58:54.92 ID:kq+/1whG0

6主「所長は、なにをしておられるんですか?」

へルガ「なに、本を読んでいただけだ。…そうだこの本をやろう」

6主「え、いいんですか?」

へルガ「何度も読み返すような内容でないからな。それにこの島では、小娘には娯楽がなかろう。壊れてもらっても困るからな」

6主(ふーん…冒険小説か)

マミ「…結構です」

ヘルガ「こんな島では、なにか楽しみがなければやっていけないのは、お前も十分わかっているだろう。
    一時の屈辱に甘んじてでも未来を繋ぎ止めることは、恥ずかしいことではないぞ、小娘」

マミ「…」



140: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 22:00:35.83 ID:kq+/1whG0

6主「では、お借りします。所長」

マミ「6主さん!」

6主「まぁまぁ、少しでも息抜きできることがあるのはいいことだよ」

ヘルガ「読み終わったら感想でも聞かせてくれ。…仕事場に戻れ」

6主「わかりました、所長」



141: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 22:01:36.55 ID:kq+/1whG0

マミ「…6主さんて。プライドがないんですね」

6主「かっこ悪いけど、危険分子として射殺されるわけにはいかないからね」

マミ「それにしたって…」

6主「それと、はい」

マミ「え?」

6主「夜中とか、不安であんまり眠れていないでしょ。本を読めば、すこしは落ち着くかもよ」

マミ「…ありがとうございます」

マミ(鈍いのか鋭いのか、よくわからない人…)



142: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 22:02:36.74 ID:kq+/1whG0

―プレイルーム―


マミ(6主さんのいう通り、このままじゃ後80日で2500ペラは溜められない…。
   かといってこの島に+100日もいられないわ。早く帰って魔女退治に戻らないと…)

マミ(いっそのこと、プレイルームで…。でも、ギャンブルなんてリスクが大きすぎるわ)

渡辺「マミちゃん、順番いいかな?」

マミ「あ、渡辺さん。いいですよ。では、こちらの席へ」

渡辺「ここ最近、プレイルームの利用客が増えたよな。おかげで、なかなか順番がまわってこないよ」

マミ「…渡辺さんは今日もギャンブルですか? そんなことしてたら、いつまでたっても島から出られませんよ?」

渡辺「島をでるペラをためる前に、返さなきゃいけないペラがあるんでね。そうもいってられないのさ」

マミ「え?」



143: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 22:05:11.96 ID:kq+/1whG0

(渡辺はマミに説明をしました)

マミ「…呆れました。色んな人たちから、だましてペラを借りているんですか?」

渡辺「失礼な。ちゃんと利子をつけて返すんだから、だましているわけじゃないよ」

マミ「返す当てもないのに借りるのは、詐欺と変わりませんよ?」

渡辺「そう言わないでくれよ。しかし、そろそろ返さないと怒る人が増えてきていてね。ここで一発当てでもしないと、俺の明日がない」

マミ「だからってギャンブルは…」

渡辺「ま、これも俺なりの責任の取り方ってやつでさ。手持ちのペラじゃ返しきれないしね」



144: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 22:07:11.99 ID:kq+/1whG0

マミ「そんなに借りているなら、いっそのこと一人からたくさん借りて、借金を一元化したらどうです?」

渡辺「ん?」

マミ「そうすれば急場はしのげますし、時間も出来てコツコツ働いて返せますよ?
   嫌なことは一度にまとめてしまうのと、同じ考えです」

渡辺「…そうか、そういう手もあったか。しかし、よくそんなこと思いつくね」

マミ「一人暮らしをしてましたから。何かと効率よくやらないといけないんです」

渡辺「俺もひとり暮らしだったんだけど。うーん、女の子はやっぱり違うな」

マミ「でも、ちゃんと返さないといけませんからね。一人だからって踏み倒すのは無しですよ?」

渡辺「んー、わかってるわかってる。よっぽどのことがない限りちゃんと返すから。よし、そうと決まれば借りてこよう」タタタ

マミ(あの様子だと、踏み倒すつもりかしら。借りられる人はご愁傷様ね…)


渡辺(借りるのは6主くんかな。時間がかかっても、許してくれそうだし)

渡辺(でも、借りっぱなしも悪いから、ちょっとまじめに野球もするかな)


(渡辺がパワーアップしました!)
(マミのやる気が下がった!)



145: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 22:07:50.05 ID:kq+/1whG0

―広場―


中田「おう、マミちゃん。調子はどうだ?」

マミ「あ、中田さん。まぁまぁです」

中田「どうだ、メシの時間までキャッチボールをしないか? みんな疲れててやってくれないんだよ」

マミ(キャッチボール…。また、前みたいに急に野球をやらされるかもしれないから、練習したほうがいいかしら?)

マミ「そうですね、やりましょう」

中田「よし、それじゃ、あっちでやろう!」



146: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 22:08:27.28 ID:kq+/1whG0

中田「おお、だいぶさまになってきたな」シュ

マミ「でもまだ、上手く投げれなくて…」ヒョイ

中田「やったことないなら、こんなもんだよ。ととと」

マミ「あああ、すみません!」

中田「しかしこんなんじゃ、次の試合は出せそうにないな」シュ

マミ「試合?」ヒョイ

中田「20日ごとにBB団一軍との試合があるんだよ。勝ったらペラがもらえるんだけど、負けたらペラを払うんだ。全員でね」シュ



147: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 22:09:59.44 ID:kq+/1whG0

マミ「え…?」

中田「6主くんの実力もよくわかんないし。ここ最近勝てた覚えがないから、こりゃあまた負けかな。50ペラ用意しないと」

マミ「50ペラも払うんですか?!」

中田「ああ、一人ね。マミちゃんも払うだろうから、6主くんにいって用意してもらったほうがいいよ」

マミ(50ペラも払うだなんて…。二人で100ペラ。これじゃあ2500ペラがますます遠く…)

マミ(もしかしたらもう帰れないのかしら…)


(マミのやる気が下がった!)



148: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 22:10:50.21 ID:kq+/1whG0

―宿舎―


マミ(はぁ…今日も今日とて粗末な食事。こんなのでも、貴重だから食べないと…)

マミ(何で私がこんな目に合ってるのかしら。しかも、帰れる算段がまるでないなんて…)

マミ(もう嫌…)

マミ(…)イライラ



149: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 22:11:40.14 ID:kq+/1whG0

小杉「おい、ガキ! 落田! ちょっとこい!」

マミ「な、なんですか?!」

6主「小杉! マミちゃんに何をするんだ!」

小杉「野球の特訓だよ! 次の試合はどうしても勝たなくちゃいけないんだ。こいつに足を引っ張ってもらっちゃ困るんだよ!」

6主「なんだよ。またプレイルームで負けたのか?」

小杉「うるさい! 落田、お前はキャッチャーやれ! こいつには、せめてヒットの一つでも打ってもらわなきゃいけないんだ!」

落田「オイラ、今日はもう寝たいでやんす…」

6主「おい、小杉いい加減に…」

小杉「なんだよ。このままじゃ足手まといなのは本当のことだろ。試合に負けてもいいのか?」

6主「それは…」

小杉「別に煮て食ったりはしねぇよ。俺も、こんな所に流されてきたバカなガキに興味はないからな」

マミ「…」ブチッ



150: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 22:12:55.73 ID:kq+/1whG0

マミ(…ふふふ)

マミ(我慢の限界だわ…!)

マミ(何で私がこんな目に合わなきゃいけないのよ! 好きでこんなところに来たわけじゃないわよ!)

マミ(こうなったら、魔力を使っても構わない…)

マミ(マミ、この鬱憤をこの人に叩きつけてやるのよ!)

マミ「よろしくお願いします! 小杉さん!」

小杉「俺は手加減はしないからな、覚悟しておけよ」

落田「…まぁ、ヤバそうになったらオイラが止めるでやんすよ、6主くん」

6主「大丈夫かなぁ。っと、俺も少しでも野球の練習をしないと」



151: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 22:14:07.56 ID:kq+/1whG0

―翌日―


6主「結局、昨日はどうなったんだろ。あ、マミちゃん」

マミ「おはようございます。6主さん」

6主「大丈夫だった? 消灯時間ぎりぎりまで外にいたみたいだけど」

マミ「ええ、大丈夫ですよ。いい練習になりました」スタスタ

6主「元気そうだから大丈夫かな? あ、落田くん、ってずいぶん疲れているね」

落田「ろ、6主くん。マミちゃんはタフでやんす…。野獣でやんす…」

6主「なにをいってるんだ」

落田「人は見かけによらないでやんすよ、6主くん」

6主「小杉は…リフレッシュ小屋か。アイツまたサボってるな」

落田「あんなにされたら当然でやんす…」

6主「そういえば、そろそろ1軍との試合か。今度は試合に出れるかなぁ…」



152: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 22:15:01.28 ID:kq+/1whG0

―夜―


落田「…毎日これはキツイでやんす」

小杉「…」シーン

マミ「…」ペラペラ(読書中)



マミ(はぁ…小杉さんにストレスをぶつけてもしょうがないわ。明日になったら、謝りましょう)

マミ(でも、少しはボールを打てるようになったわ。これで、足手まといにならずに済むかしら?)

マミ(とにかく。明日は試合よ。悔いのないようにしないと…)

マミ(さて、寝る前にトイレへ…)



153: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 22:18:51.17 ID:kq+/1whG0

―外―


マミ「…」ヒタヒタ

マミ(消灯時間を過ぎると本当に暗いわ。足元には気をつけないと)

マミ(トイレも外にあって本当に不便。日本って、あんなにも住みやすい国だったのね…)

マミ(…あら?)

マミ(あそこに誰かが…。暗くて顔は…)



154: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 22:21:19.94 ID:kq+/1whG0

???「…班長、これを」

江川「これは…ははは、君もここでのやり方がわかってきたようだね」

???「では、明日の試合はお願いしますよ」

江川「ああ、いいだろう。君をスタメンで出そう」

???「ありがとうございます、班長」

江川「いやいや、君の善意に対しては当然の事だろう? はっはっは」

マミ「…」



155: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 22:24:08.68 ID:kq+/1whG0

―試合の日―


6主「よし、今日は一軍と試合だ!」

江川「おい、6主。今日はお前、スタメンだから。頑張れよ」

6主「ようし、頑張るぞ!」

マミ「わたしは控えですね。がんばってください」

6主「うん、がんばるよ。あれ、小杉は?」

落田「マミちゃんとの練習の疲れがたまって、今日はダウンでやんす」

6主「なんだよ、エースなのにだらしがないな」



156: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 22:26:16.01 ID:kq+/1whG0

(そして…)


マミ「最終回で5-3。負けちゃってますね…」

落田「6主くんが頑張ってヒットを繋げてるでやんすけど、布具里くんが炎上して台無しでやんす」

布具里「いや~、悪い悪い」

三谷「こりゃあ、今日も負けだな」

中田「下位打線だしな、さすがに無理だろ」



157: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 22:28:53.94 ID:kq+/1whG0

落田「あ、下山くんが打ったでやんす」

布具里「地味に活躍するよな。守備も上手いし」

落田「あ、中久保くんが続いたでやんす。これはチャンスでやんすよ! 一発決めれば、サヨナラでやんす!」

渡辺「次は、6主くんか。今日は調子がいいから、ひょっとしたらひょっとするかもな」

落田「あれ? 6主くんの様子がおかしいでやんすよ?」



158: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 22:32:49.67 ID:kq+/1whG0

マミ「6主さん! しっかりしてください!」

6主「ううう…」

落田「6主くんしっかりするでやんす!」

三谷「こりゃあ、ヤバいな。ドクターを呼ぶか」

6主「だ、大丈夫です。今、打席に行きますから…」

倉刈「ああ、だめですよ。ここでは体を壊したらお払い箱なんですから安静にしないと」



160: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 22:36:47.14 ID:kq+/1whG0

落田「休憩時間を返上して野球の練習なんかするからでやんす。ただでさえ仕事を増やしてたのに、無茶しすぎでやんすよ」

マミ「え? そ、そうだったんですか?!」

6主「だ、大丈夫、大丈夫…」

三谷「はいはい。病人はゆっくり養生してろよ」

渡辺「とにかく、これじゃあ打てそうにないな。誰か代打で出ないと」

マミ「6主さん…」



161: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 22:39:40.69 ID:kq+/1whG0

マコンデ「2軍は何をやってるんだ?」

BB兵「はぁ、なんでも6主とかいうバッターが過労で倒れたとか」

マコンデ「な~んだ、またアイツか。だらしがないやつだな」

BB兵「今、誰を代打で出すか決めているそうです」

マコンデ「そんなものに私の貴重な時間を使わせる気か? 面倒だから、またあの小娘にやらせろ。
     どうせ2軍なんて誰が出ても一緒だからな」

BB兵「はっ!」



162: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 22:43:13.04 ID:kq+/1whG0

(そして…)


落田「副所長の命令で、マミちゃんが代打になっちゃったでやんす…」

布具里「こりゃあ、負けは確定か。あ~あ」

三谷「マミ助。怪我だけはするなよ」

倉刈「6主くん、とりあえずベンチに寝かせましたよ。あとドクターを呼びました」

マミ「…はい。がんばります」ゴゴゴ

落田「…なにか様子がおかしかったでやんすね? ありゃ、寒気がするでやんす」ブルブル



163: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 22:46:17.32 ID:kq+/1whG0

マミ「…」

マミ(虐げられた扱い…! 不当な要求…! 理不尽な境遇…! 汚い大人…!)

マミ(もう、うんざりだわ…!)

マミ(魔力で体も強化したわ。ふふふ、何か黒いものが体から湧き上がるわね…!)

マミ(練習したせいで、ボールの軌道もよく見える…!)

マミ(この溜まりに溜まった鬱憤を叩きつけてやるわ!)



164: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 22:48:37.13 ID:kq+/1whG0

孫「…!」シュッ

マミ(腑抜けたストレート。案の定舐められてる!)

マミ「…」グッ

マミ(こんな現実なんて…吹っ飛ばすわ!)



マミ「ティロ・フィナーレ!」カッキーン! 



マミ「…」フッ

全員「…え?」



165: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 22:49:53.49 ID:kq+/1whG0

―宿舎―

6主「それじゃあマミちゃんがサヨナラホームランを打ったのか?」

落田「すごかったでやんす! あまりの出来事にみんな絶句してたでやんす!」

マミ「6主さん、6主さん! それよりこんなにボーナスをもらえたんですよ!」ドサ

6主「え、300ペラ?! どうしてこんなに…?」

マミ「6主さんと私が、それぞれ個別で50ペラのボーナスだそうです!
   6主さんが3打席3安打。私は最後のホームランが評価の理由だといわれました!」

落田「それから1軍に勝ったので、全員に100ペラのボーナスでやんす。しめて300ペラのボーナスでやんすね」

マミ「それで、考えたんですけど6主さん!」

6主「な、なに? マミちゃん?」

マミ「野球でペラを稼ぎましょう!」


(マミのやる気が上がった!)



166: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 22:50:43.44 ID:kq+/1whG0

残り70日 手持ちペラ587ペラ 犬レベル15


・収入
マミ 20ペラ
6主 205
試合ボーナス 300ペラ

・支出
渡辺の借金 -150ペラ
リフレッシュ小屋 -12ペラ
??? -30ペラ



167: ◆ctuEhmj40s:2011/10/20(木) 22:51:20.09 ID:kq+/1whG0

―キャラ紹介―


・渡辺彰俊

親の多額の借金を抱え込み、返済のためにしあわせ島にやってきた元フリーターの男。
借金癖は親譲りで、同じ班の人間からも借金をしている。
ペラを貸し続けると、最後に利子と特殊能力をつけて返してくれるが、そこまでイベントが進まないとペラを持ち逃げされる。
ハイリスク・ハイリターンなイベントの人物。

セカンド
渡辺○
ミAパB走A肩B守B


・下山&中久保

モブチームメイト。ゲーム中には人物として登場しない。
が、モブとは思えない驚異的な能力値と鉄壁の守備・中々の打率を誇るため、妙に印象に残るモブ。
よっぽど良い当たりでない限り、飛んだ打球はほとんど処理する。

センター
下山
ミAパD走A肩A守A

レフト
中久保
ミAパD走A肩C守D



180: ◆ctuEhmj40s:2011/10/22(土) 21:31:12.92 ID:ZZnsxWKX0

―管理室―


ヘルガ「あの小娘が、試合でホームランを打っただと?」

マコンデ「はっ、それはもう見事なもので…」

ヘルガ「ドクターがなにかしたのか? 無理な投薬をしたのなら…」

マコンデ「確認しましたが、特別なことは何もしていないそうです。そもそも、貧弱そうな被献体には興味はないとか」

ヘルガ「ふむ…、では小娘との相性が良かったということか」

マコンデ「どうしますか? 良いデータが取れるなら別の班にでも…」

ヘルガ「いや、しばらくは様子見だ。収容者の作業効率も上がっていることだしな」

マコンデ「はぁ…」

ヘルガ「ところで、収容者の謎の死亡事故はどうなっている? 調査は進んでいるのか?」

マコンデ「そちらの方ですが、まだ原因は…」



181: ◆ctuEhmj40s:2011/10/22(土) 21:32:01.96 ID:ZZnsxWKX0

―広場―


落田「野球でペラをかせぐ、確かにそれしかないかもしれないでやんすね」

マミ「いいアイデアですよね! 聞いたら、打撃のテストでも良い結果を出せばペラがもらえるそうじゃないですか!
   これしかありませんよっ!」

落田「でも昨日の試合は、不意打ちみたいな部分が大きいでやんす。次の試合でも勝てるとは限らないでやんすよ?」

マミ「だからみんなで練習しようと思うんです。ペラを払えばグラウンドを使えるんですよね?
   だったら、もっと練習してみんな上手くなればもしかしたら…」

落田「まぁ、確かにみんな、昨日のマミちゃんと6主くんの活躍でやる気は上がってるでやんす。
   練習しようっていえば、ついてきてくれるかもしれないでやんすね」



182: ◆ctuEhmj40s:2011/10/22(土) 21:32:34.54 ID:ZZnsxWKX0

マミ「そういえば、6主さんはどうしたんですか?」

落田「そういえば見ないでやんすね。どこにいったやんしょうか」

6主「…」トボトボ

マミ「あ、6主さん! って、その顔どうしたんですか!」

6主「…ああ、落田くんにマミちゃん。おはよう」

落田「また、兵士に反抗したんでやんすか? そのうち本当に死んじゃうでやんすよ?」

6主「…それより、ちょっと手伝ってもらっていいかな? マミちゃんは早く仕事場に…」

マミ「あ、私も手伝いますよ。まだ時間もありますから」

6主「いや、でも…」

マミ「大丈夫です。それより、何をするんですか?」



183: ◆ctuEhmj40s:2011/10/22(土) 21:34:01.08 ID:ZZnsxWKX0

―墓地―


落田「…」

マミ「あの、この人は…」

6主「さっき、副所長にゲロをかけちゃってね。ずっと調子が悪そうだったんだけど、そのせいで兵士にボコボコに…」

マミ「ひ、ひどい…」

6主「…助けようとしたんだけど、無理だったよ」

落田「6主くん。今後はそんなことになっても、絶対に手を出したらいけないでやんす。そんなのバカのやることでやんすよ。
   マミちゃんも肝にめいじておくでやんす」

マミ「落田さん、でも…」

落田「6主くんやマミちゃんがこんな姿になるのは、おいらは嫌でやんすよ」

マミ「でも…!」

6主「いや、いいんだ。落田くんのいうとおりだよ。手伝いありがとう。さ、早く仕事場にいかないと…」

マミ「6主さん…」

マミ(魔法少女なのに、こんな時に何もできないなんて。でも魔女を倒せば解決するという話ではないし…)

マミ(私って、こんなに無力だったのね…)


(マミのやる気が下がった!)



184: ◆ctuEhmj40s:2011/10/22(土) 21:36:10.82 ID:ZZnsxWKX0

―グラウンド―

6主「けっこうみんな集まってくれたなぁ」

落田「マミちゃんが、がんばって呼びかけをしてくれたでやんすからね」

三谷「マミ助が前の試合であれだけがんばったんだから、俺たちもがんばらねーとな」

渡辺「ペラの件で世話になったし、練習なら付き合うよ」

マミ「みなさん…。ありがとうございます」

6主「さて、じゃあマミちゃんの特訓と行こうか」

マミ「よろしくお願いします」

落田「守備はやったことないでやんすよね? それじゃあ、まずどこを守るか決めるでやんす」



185: ◆ctuEhmj40s:2011/10/22(土) 21:37:24.40 ID:ZZnsxWKX0

(そして…)


6主「うーん、やっぱりファーストかな。そこなら、俺と同じポジションだから教えられるし」

落田「能力が低いなら、たいていファーストになるでやんす」

マミ「じゃあ、そこでお願いします。野球のことはまだよくわかりませんけど、がんばりますから」

6主「と思ったけど、マミちゃん意外と肩もいいんだよなぁ。キャッチャーや外野もなかなか…」

落田「いきなり配球を考えるとかムリでやんす! それに遠投も難しいから、やっぱりファーストがいいでやんすよ」

6主「でもしばらくは代打要員かな。守備は難しいし、それなら打撃を伸ばしたほうが良いよね落田くん」

落田「そうでやんすね。じゃあ布具里に投げてもらうでやんす」

布具里「よ~し、いくぞ~」

マミ「お願いします!」



186: ◆ctuEhmj40s:2011/10/22(土) 21:38:37.07 ID:ZZnsxWKX0

(そして…)


マミ「ティロ・フィナーレ!」カキーン

布具里「…」

落田「なんというか、ホントにバッティングはすごいでやんす…」

6主(…というか、どう考えてもおかしい。明らかに女子中学生の身体能力じゃないぞ?)

落田「布具里が完全に自信を失っているでやんすね」

6主「まあ、すぐに立ち直るだろ」

マミ「6主さんどうですか? とりあえず、打てるボールは全部打ってみたんですけど」

6主「う、うん。打撃は問題ないから、あとは守備かな」

落田「じゃあ、ノックの準備をするでやんす」

6主「ところで『ティロ・フィナーレ』ってなに? 『最終射撃』って、これバッティングなんだけど…」

マミ「あ、意味わかるんですか? 必殺技なんです! かっこいいですよね!」

落田「おお、わかるでやんす! 必殺技はロマンでやんす! 様式美でやんす!」

マミ「ですよね! ロマンですよね!」

6主「…まぁ、タイミングが取れてるならいいか」



187: ◆ctuEhmj40s:2011/10/22(土) 21:39:41.57 ID:ZZnsxWKX0

(そして…)


落田「つかれたでやんす~」

6主「よし、今日はここまでにしよう」

マミ「みなさん、ありがとうございました!」

中田「まぁ、俺たちもいい練習になったしな」

倉刈「あ、片付け終わりましたよ」


(ぐう~)


6主「しかし、すごく腹が減ったなぁ~」

落田「オイラも減ったでやんす~」

マミ「でも夕食までは、まだだいぶ時間がありますよ。材料と火さえあれば、何か作れるんですが…」

落田「そうでやんす! 海で魚を釣って食べるでやんす! どうでやんすか?」

6主「よし、釣りに行こう!」

マミ「でも、いいんですか? 兵士に見つかったら…」

落田「秘密の場所があるでやんす。たまにシャワー代わりに汗を流したりもしているでやんすよ」

6主「じゃあ、そこに行ってみようか」



188: ◆ctuEhmj40s:2011/10/22(土) 21:40:32.42 ID:ZZnsxWKX0

―海辺―


6主「うまかったなぁ~」

落田「いっぱい釣れて、ラッキーだったでやんす~」

6主「マミちゃん、料理も出来るんだね。おいしかったよ」

マミ「焼き加減を調整しただけですけど、お口にあったみたいですね。よかったです」

落田「マミちゃんがいてよかったでやんす! 最高でやんす!」

マミ「そ、そんな…」テレテレ

マミ(でも、食べて大丈夫な魚だったのかしら…。もう、食べてしまったけど)



189: ◆ctuEhmj40s:2011/10/22(土) 21:41:13.71 ID:ZZnsxWKX0

バオ「あ、お前らは!」

インミン「あ、6主ね」

落田「あ、バオにインミンでやんす」

マミ「知り合いの方ですか? 収容者には見えませんけど…」

6主「この二人はこの島の人だよ。元々住んでいる人もいるんだ」



バオ「だれだ、この人?」

6主「俺たちと同じ収容者だよ。巴マミちゃん」

マミ「こんにちわ、巴マミです」

インミン「コンニチワね」

バオ「ふーん、女の収容者なんて珍しいな」



190: ◆ctuEhmj40s:2011/10/22(土) 21:41:43.43 ID:ZZnsxWKX0

(そして…)


マミ「そうなんですか。BB団にこの島を…」

バオ「大人たちは砂糖とか服とかもらってだまされているけど、俺はだまされないぞ!」

6主「バオ達には、なにかあった時に協力してもらう手はずになっているんだ。
   といっても、今のところなにかしてもらう予定はないんだけど」

落田「オイラは止めろっていってるでやんすけどね。まぁ、オイラに迷惑にならない範囲なら協力するでやんす」

インミン「はい、島の果実ね。食べるよ」

マミ「あ、どうも…」



191: ◆ctuEhmj40s:2011/10/22(土) 21:42:29.34 ID:ZZnsxWKX0

バオ「そうだ、6主! 島の洞窟でスゲーもん発見したんだぞ!」

6主「すごいもの? なにそれ」

バオ「ええと、『ニジューゴバン』? とにかくすごいんだ!」

落田「25番? それって旧日本軍の爆弾でやんすが…」



マミ(島の住人とも仲良くなって、着々と反抗の準備をしている…。6主さんって本当に何者なのかしら?)

6主「却下。ムリだな」

バオ「ええー。これであいつらをどかーんって」

落田「そこまでの破壊力はないでやんす。せいぜい、建物一つが限界でやんすね」

6主「まぁ、でもなにかに使えるかもしれないな。BB団に見つからないようにできるか?」

バオ「ああ、あいつらにはわからない場所にあるから大丈夫だよ」

落田「あ、そろそろ帰らないとまずいでやんす」

6主「それじゃあ、帰るかな。じゃあ、管理はたのんだぞ、バオ」

バオ「おう、任せとけ!」

インミン「じゃあね、マミ」

マミ「はい、さようならインミンさん」



192: ◆ctuEhmj40s:2011/10/22(土) 21:44:49.05 ID:ZZnsxWKX0

―次の日―


落田「すまんでやんすが、今日は仕事場にいかせてもらうでやんす。三谷さんも来れないでやんすよ」

マミ「わかりました。お仕事がんばってくださいね」

落田「マミちゃんに応援されたらがんばるしかないでやんす!」スタスタ


マミ「そういえば、仕事場って具体的に何をしているんですか?」

6主「仕事場として『鉱山』と『幸せ草畑』と『兵器工場』の3つがあってね。そこで働くんだ」

マミ「『しあわせ草』?」

6主「なんでもこの島でしか取れない植物とか。そんなもん、収穫してなにに使うかは知らないけど」

マミ「それにしても、兵器工場って…」

6主「ああ、ここで作って紛争地域に売っているみたいだ」

マミ「…」



193: ◆ctuEhmj40s:2011/10/22(土) 21:50:24.85 ID:ZZnsxWKX0

6主「俺だって、いいことだとは思ってないよ」

マミ「え?」

6主「生きるためっていっても、人を殺すものを作っているのは変わりないさ。恨まれてもしょうがないね」

マミ「そ、そんなことは…」

6主「いいんだ。肝心なことからは目をつむっている偽善者って考えるのが、普通だよ」

マミ「6主さん…」

6主「マミちゃんはその考えを忘れないでくれ。ここにいると、なにがいけないことなのか分からなくなるからさ」

マミ「…わかりました。でも6主さんも忘れないでくださいね。そういう自分の管理は、自分でやってもらわないと困ります
   良い大人なんですから、中学生に甘えないでくださいね」

6主「はは、きびしいね…」

マミ「それじゃあ、6主さん。グラウンドに行きましょうか」

6主「あ、その前に寄るところがあるんだけどちょっといいかな?」



194: ◆ctuEhmj40s:2011/10/22(土) 21:53:13.52 ID:ZZnsxWKX0

―所長室―


6主「所長、本を返しに来ました」

へルガ「ん? ああ、そんなこともあったな」

マミ「…」


マミ(ちょっと6主さん! そう言って、所長に会いに行くなんてどういう神経してるんですか!)

6主(だって、本は返さないといけないし。それに、所長室に入るいい口実だからさ)

マミ(さっき悪いこと悪いことだと忘れないって言ったのに、それなのに所長と仲良くするんですか?)

6主(それは、それ。これは、これ。これくらいの本音と建前は使いわけないと)

マミ(…大人って汚いです)

6主(ヒドイいわれようだな)



195: ◆ctuEhmj40s:2011/10/22(土) 21:55:27.82 ID:ZZnsxWKX0

ヘルガ「なにをコソコソ喋っているんだ?」

6主「は、ちょっとした大人と子供の意見の食い違いです」

ヘルガ「ふむ、興味深いが今はよそう。で、本はどうだった?」

マミ「…」イライラ

6主「感想ですか? そうですね…」

マミ「…」

6主「私の考えとしては…」


マミ「単純すぎますね」

6主「?!」

マミ「子供向けのつもりでしょうが、薄っぺらいです。ハッキリ言って面白くなかった、と言えばいいですか?」

6主「…」

ヘルガ「…」

マミ(…ふん!)



196: ◆ctuEhmj40s:2011/10/22(土) 21:56:07.26 ID:ZZnsxWKX0

へルガ「なんだ、同じ意見か。まぁ、当然といえば当然か」

マミ「え?」

ヘルガ「うむ、それは私も感じた。どうやら作者は子供を意識して書いたようだが、いささか物語の掘り下げが足りない。
    子供だまし、というやつだな」

6主「子供はそういうのに敏感だから、子供もだませないんじゃないですかね」

へルガ「ハハ、なかなかいいことを言う。確かにその通りだ。子供は純粋であるがゆえに、ごまかしがきかないからな」

マミ「え? え?」



ヘルガ「どうした? 私はなにかおかしなことを言ったか? 小娘」

マミ「い、いえ。別に」

ヘルガ「もしや、私が『私の本をバカにするとは万死に値する』とでもいうと思ったのか? 心外だな」

マミ「そ、そんなことはないです…けど…」

ヘルガ「そもそも、そんな大事な本なら収容者に渡すわけがないだろう。何度も読み返すような内容でないから、渡したまでだ」

マミ「う…」

ヘルガ「まったく。挑発なら、もっと考えてからしてもらいたいものだな」

マミ「…」ズーン



197: ◆ctuEhmj40s:2011/10/22(土) 21:56:57.82 ID:ZZnsxWKX0

ヘルガ「さて、こんなものでよければそこの棚にまだまだあるぞ」

6主「うわ、ほんとだ。小説をこんなにたくさん?」

へルガ「ここでは本は手に入りにくいから、島から出るたびについつい買ってしまうんだ。まぁ、あの部屋に比べればどうってことはないがな」

6主(あの部屋?)

へルガ「そうだな…。次はこれなんてどうだ?」

6主「…モダンホラーですか?」

へルガ「うむ、話は良くできている。いっておくが、この本のために作業をさぼったりするんじゃないぞ」

6主「はい。気を付けます」

ヘルガ「小娘もだ。別のことに気を取られて、本来の目的を忘れるなよ」

マミ「…」



198: ◆ctuEhmj40s:2011/10/22(土) 21:57:30.99 ID:ZZnsxWKX0

―グラウンド―

マミ「ティロ・フィナーレ! ティロ・フィナーレ! ティロ・フィナーレ!」

布具里「マミちゃ~ん、もうかんべんしてよ~」

落田「マミちゃん荒れてるでやんすね。何かあったでやんすか?」

6主「大人の懐の深さを思い知らされたのさ」

落田「?」

マミ「ティロ・フィナーレ!」イライライラ


(マミのやる気が上がった!)



199: ◆ctuEhmj40s:2011/10/22(土) 21:58:20.98 ID:ZZnsxWKX0

―宿舎―


落田「また、布具里がめった打ちだったでやんす」

6主「まぁ、すぐに立ち直るだろ。布具里だし」

落田「そうでやんすね」

マミ「あ、落田さん。洗濯物まとめておいてくださいね。あとで全員分持っていきますから」

落田「分かったでやんす」

倉刈「マミさん、私も手伝いますよ」

マミ「倉刈さん、ありがとうございます」

落田「それにしても、マミちゃんは明るくなったでやんすね。少し前とは大違いでやんす」

6主「ペラをためる具体的な方法が見えたからね。希望があることはいいことだよ」

落田「6主くんもがんばらなきゃいけないでやんすよ。マミちゃんとは運命共同体なんでやんすから」

6主「わかってるよ、落田くん」

落田「運命共同体だからって、手を出すのもご法度でやんすよ」

6主「人をどんな目で見てるんだよ!」



200: ◆ctuEhmj40s:2011/10/22(土) 21:59:06.78 ID:ZZnsxWKX0

マミ「三谷さんも洗濯物お願いしますね」

三谷「ん…? ああ、ありがとうな、マミ助。…はぁ」トボトボ

マミ「?」

6主「どうしたの?」

マミ「今日の三谷さん、元気が無いですけど、何かあったんでしょうか…」



落田「ああ、三谷さんは禁酒に失敗したのでやんす」

6主「禁酒? あのビールは酒じゃないっていってる三谷さんが?」

落田「なんでもマミちゃんを見て、家族の居る家に早く帰ろうと決心したらしいのでやんす。
   それで、ペラのかかるお酒を止めようと思ったのでやんすよ」

マミ「でも、どうして禁酒に失敗したんですか?」

落田「今日、工場でミスしてしまったのでやんす。三谷さんが工場でミスするなんて、初めて見たでやんす」

6主「それって、お酒を飲まなかったから?」

落田「一晩飲まなかっただけで、あんなことになったのでやんす。早めに切り上げてよかったのかもしれないでやんすね」



201: ◆ctuEhmj40s:2011/10/22(土) 22:00:18.03 ID:ZZnsxWKX0

マミ「三谷さん、大丈夫でしょうか…」

6主「うーん、どうにかならないかなぁ。お酒を飲まないわけにはいかないみたいだし…」

マミ「ちょっと、励ましてみます。私が力になれるかどうかわかりませんけど」

落田「頼むでやんす。こんなときは若い子の応援が一番でやんすよ」

6主「マミちゃんが元気だと、みんなやる気が出るからお願いするよ」

マミ「は、はい! がんばります!」タタタ

落田「マミちゃんの方はしばらくは大丈夫そうでやんすね」

6主「でも、こんな島にいつまでもいさせるわけにはいかないよ」



202: ◆ctuEhmj40s:2011/10/22(土) 22:01:45.97 ID:ZZnsxWKX0

―野球テストの日―


江川「今日は、野球のテストをするぞ!」

6主・マミ「はい!」

江川「では打撃のテストからだ。始めろ」

マミ「6主さん! がんばりましょう!」

6主「前回はテストできなかったからね。ここで一発アピールしないと!」



203: ◆ctuEhmj40s:2011/10/22(土) 22:02:38.25 ID:ZZnsxWKX0

(そして…)


6主「まぁ、こんなとこかな」

落田「今回はちゃんと受けられたでやんすね」

6主「まぁ、副所長もいつまでも嫌がらせをするほどヒマでもないんだろ」

落田「最後は、マミちゃんでやんすね。おや?」

6主「どうしたんだ? 落田くん」

落田「ピッチャーが小杉に代わってるでやんす」



小杉「お前のおかげで俺のプライドはズタズタだ…!」

マミ「あ、小杉さん」

小杉「だが、俺は元プロだ。小娘に負けっぱなしじゃいけないんだよ!」

マミ「は、はぁ…?」

小杉「俺とお前、どっちの野球の腕が上か! 勝負だ!」

落田「…しばらく、仕事場に姿を見せてなかったと思ったら特訓してたみたいでやんすね」

6主「アイツも、無駄にプライドだけはあるからなぁ…」



204: ◆ctuEhmj40s:2011/10/22(土) 22:03:19.66 ID:ZZnsxWKX0

(そして…)


マミ「ティロ・フィナーレ!」カキーン

小杉「ちくしょー、次は負けないからな!」

マミ「は、はい…」

落田「あっさり返り討ちでやんす」

6主「7安打か。流石にホームランはなかったけど」

落田「それにしても凄いでやんす。また一段と打撃が冴えわたっているでやんすね」

6主「マミちゃん、成長期だからなぁ。こりゃあ、まだまだ伸びそうだ」

落田「肉体はもう十分育ちきってるでやんすけどね」

6主「…」ボカッ

落田「痛いでやんす…」



205: ◆ctuEhmj40s:2011/10/22(土) 22:04:13.26 ID:ZZnsxWKX0

残り60日 手持ちペラ740ペラ 犬レベル30


収入
マミ 10ペラ
6主 108ペラ
テストボーナス マミ7安打 48ペラ 
        6主6安打 44ペラ


支出
リフレッシュ小屋 -12ペラ
グラウンド代 -50ペラ



206: ◆ctuEhmj40s:2011/10/22(土) 22:10:15.39 ID:ZZnsxWKX0

―キャラ紹介―


・布具里珠男

『ふぐりたまお』
大手下着メーカー「フールグーレ」の御曹司だったが、実家の会社が倒産したためにトレジャーハンターに転向。
宝探し中にしあわせ島に流れ着き、夜な夜なしあわせ島にあるという宝を探している。
特殊能力に『ムラッ気』があり、ゲーム中に登板するとよく炎上する。ふぐりしね。
とても卑猥な顔をしている。

ピッチャー
布具里○
140km コントロールA スタミナC
スライダー4 フォーク4


・バオ&インミン

しあわせ島の原住民
BB団にしあわせ島を支配されてからは、物資を貰う代わりにBB団基地内で食事を作ったり、残飯を片付けるなどの仕事をしている。
一部島民からはこの支配に対して不満が出ており、BB団を島から追い出そうとしている。



207: ◆ctuEhmj40s:2011/10/22(土) 22:11:18.66 ID:ZZnsxWKX0

―しあわせ島の仕事場について―


・鉱山

しあわせ島の鉱山で鉱物の採掘作業を行う。
ここで採掘された鉱物を使い、工場にて武器を製造する。
筋力が上がる。


・幸せ草畑

しあわせ島のみで採取できる幸せ草を栽培し、収穫する。
採取されたしあわせ草は島のドクターや、研究施設に送られている。
素早さが上がる。


・兵器工場

鉱山で採掘された鉱物を使い、武器を製造・開発する。
製造された武器はBB団の販売ルートを通して、表立って武器を買えない組織(反政府組織やテロリストなど)に売られている。
技術が上がる。


・プレイルーム

上記三つの仕事場を一回づつ回ると入れるギャンブル施設。
謎の人物・吉田よしこが受付嬢をしており、勝つとペラや仕事用具・特殊能力がもらえる。
実はサイコロを目押しできる。



224: ◆ctuEhmj40s:2011/10/24(月) 21:41:30.21 ID:PF9orA0+0

―グラウンド―


小杉「おい、ガキ! また、どっちの野球の腕が上か勝負だ! 今度は50ペラ賭けてな!」

マミ「いいですけど…」

小杉「俺が負けるはずがない…! 俺は元スター選手だからな!」

マミ「あの、自分で『元スター』というのはどうかと…」




落田「あれから、小杉は練習があるたびにマミちゃんに勝負をしかけているでやんすね」

6主「まぁ、いいんじゃないか。マミちゃんのバッティング練習になるし、小杉もグータラから真剣に野球に打ち込むようになったしな」

落田「小杉からペラも巻き上げられて一石三鳥でやんすね。
   マミちゃんに手加減するように言わない当たり、6主くんもなかなかの悪者でやんす」

6主「ははは、何を言っているんだい落田くん。小杉が勝手に払ってくれるだけだよ」

落田「そういうことにしておくでやんす」




マミ「もうこんなことはしないほうが…」

小杉「くそっ、勝つまでやめないからな!」


(小杉がパワーアップしました)



225: ◆ctuEhmj40s:2011/10/24(月) 21:42:17.15 ID:PF9orA0+0

―広場―


マミ「それにしても…」

落田「どうしたでやんすか、マミちゃん」

マミ「BB団の目的ってなんなんでしょうね。わざわざこんな島で、草の刈り取りや武器なんか作って」

落田「オイラは団長じゃないでやんすから。聞かれても分からないでやんす」

マミ「団長? 所長じゃないんですか?」

落田「ああ、ヘルガ所長はあくまでこの施設の所長なんでやんす。団長は別にいるのでやんすよ」

マミ「どんな人なんですか?」

落田「さあ? ただ相当なマニアであることは確かでやんす。たくさんの食玩やおもちゃが船で運ばれてきたのを見た人がいるそうでやんすから」

マミ(まるで落田さんみたいな人ね…)

落田「きっといいやつでやんす。マニアに悪いやつはいないでやんすからね」

6主(どっちかっていうと、悪いやつの比率の方が高そうだけど…)



226: ◆ctuEhmj40s:2011/10/24(月) 21:43:56.76 ID:PF9orA0+0

6主「なあ、落田君」

落田「なんでやんすか?」

6主「この島全体が、大きな武器工場みたいなもんだよな? でも誰が買うんだ? こんな非合法なものを」

落田「世界中の犯罪者と過激派に売りつけているそうでやんす。兵隊がそう話してたでやんすよ」

6主「長距離ミサイルやロボットまで? 小さな組織でそんな高い武器を変える連中って、そんなにいないだろ」

落田「ここだけの話、武器が表だって買えない国なんかにも売っているみたいでやんす。
   それに基本的にもうけることは考えてないどうでやんすから。格安なので、買える人間は多いみたいでやんす」

6主「へ? もうける気が無い? なんだよそれ。武器をばらまくのが目的なのか?」

落田「まあ、悪の組織の考えなんてオイラには理解不能でやんす」

6主「まあ、そうだよな」

マミ「結局、謎のままですね…」



227: ◆ctuEhmj40s:2011/10/24(月) 21:47:05.25 ID:PF9orA0+0

落田「まったく、武器を作るならもっといい設備を作るでやんす。わざわざこんな質素な島で作るなんて、どうかしてるでやんすよ」

マミ「そういえば、所長の部屋も質素でしたね。本はたくさんありましたけど」

6主「確かに、儲けているようには見えなかったな」

マミ「…何がしたいんでしょうか、BB団って」

落田「あ、そういえば、知ってるでやんすか? 地下の工場で巨大ロボットを作ってるでやんすよ」

6主「…何だって?」

落田「あれはよく理解できるでやんす。巨大ロボットは、悪の組織のロマンでやんすからね!」

6主(…そうかぁ?)

マミ「男の大人でも、そういうのが好きなんですか?」

6主「大きなお友達は好きなんじゃないかな?」



228: ◆ctuEhmj40s:2011/10/24(月) 21:47:38.92 ID:PF9orA0+0

―所長室―



(…は依然として抵抗を…空港は一時的に…)



ヘルガ「…」

マコンデ「所長、緊急の呼び出しとはいったい何事です?」

へルガ「このテレビ放送を見ろ。リアルタイムの中継だぞ」

マコンデ「は? これは戦争…ですか?」

ヘルガ「ちがう。テロ組織アルサハクの本拠地が国軍の奇襲攻撃を受けた」

マコンデ「アルサハクというと、ウチの製品の仲介をやってたところじゃないですか! 薬や兵器が売れなくなってしまう!」



229: ◆ctuEhmj40s:2011/10/24(月) 21:48:16.69 ID:PF9orA0+0

???「心配することないでやんす」

ヘルガ「これは団長!」

???「こういうこともあろうかと、ちゃんと他の販路は確保しているでやんす。じゃ、オイラは出かけてくるでやんす」

マコンデ「おお、さっそく行動ですな! ではこの私めも一緒に…」

???「いや、今日はチョコタマゴの新シリーズの買い出しでやんす」

ヘルガ・マコンデ「…は?」



230: ◆ctuEhmj40s:2011/10/24(月) 21:53:18.81 ID:PF9orA0+0

―しあわせ島・村―


6主「今日は、村から食料を運ぶ作業か…」

落田「この仕事はペラが出ないでやんす。まったく、タダ働きほどやる気の出ないことはないでやんすよ」

6主「そうだね。だからさっさと片づけようよ、落田くん」

落田「ああ、早くグラウンドに行って、マミちゃんの飛び散る汗が見たいでやんす…」

6主「…」バキッ

落田「冗談でやんすよ、6主くん」タンコブ



231: ◆ctuEhmj40s:2011/10/24(月) 21:55:43.72 ID:PF9orA0+0

(ぷ~ん)


6主「ん? 甘いにおいがするな、何だろう」

落田「おいらには、そんな匂いはしないでやんすよ」

6主「いや、確かにこっちのほうから…」

落田「6主くん、犬見たいでやんすね」

村長「ん? ああ、これはですな…」



232: ◆ctuEhmj40s:2011/10/24(月) 21:56:40.61 ID:PF9orA0+0

(そして…)


マミ「お酒を作ってたんですか?」

6主「ドブロク、というお酒らしいね。なんでも、昔この島にいた日本兵から作り方を教わったそうだよ」

落田「あんなの、お酒じゃないでやんす! クセが強すぎて飲めないでやんすよ!」

6主「俺も一口もらったけど、島民以外、誰も欲しがらない理由がすぐにわかったよ…」

マミ(あれ? でももしかしたら…)

6主「作り方は簡単だったけど、あれじゃあ誰も飲まないだろうな」

マミ「あのー?」

落田「ん? どうしたでやんすか。マミちゃん」



233: ◆ctuEhmj40s:2011/10/24(月) 21:57:28.43 ID:PF9orA0+0

(次の日…)


三谷「グビグビ、ぷはっ…。なんでい、もう終わりかよ」

マミ「あの、三谷さん。よかったらこれ飲んでみてください」

三谷「ん、マミ助か。なんだこりゃ?」クンクン、ペロッ

マミ「一応、お酒なんですが…」

三谷「ドブロクかっ!! どれ、お味は…」ゴクン



マミ「…」ドキドキ

三谷「ぐ…きつい味だな。いや、しかしこのアクの強さがクセになるな。いったいコレどうしたんだ?」

6主「村の爺さんに作り方を教えてもらったんですよ。これでビール代のペラ、節約できますよね?」

三谷「6主、マミ助、おまえら…」グスッ

マミ「な、泣かないでください三谷さん! まだ、ありますから…」

三谷「すまねぇ。しかし、もらいっぱなしってのはオレの気がすまねぇな」

6主「それじゃあ…」

マミ「野球をがんばってもらえませんか。私たち、どうしても試合に勝ちたいので…」

三谷「そうだな、勝てばペラももらえるんだし、こんな楽しみができたんならがんばらねーとな!」



(三谷がパワーアップした!)



落田「しかし、よかったでやんすか? お酒を作るのに、6主くんのご飯を使ってしまったでやんすよ?」

6主「まあ、いいってことさ」グゥ~



234: ◆ctuEhmj40s:2011/10/24(月) 21:58:12.11 ID:PF9orA0+0

―試合の日―


6主「よし、今日は一軍と試合だ!」

江川「おい、6主。今日はお前、スタメンだから。頑張れよ」

6主「ようし、頑張るぞ!」

マミ「わたしは今日も控えですね。がんばってください」



235: ◆ctuEhmj40s:2011/10/24(月) 21:58:57.52 ID:PF9orA0+0

(そして…)


落田「3-2で勝ったでやんす!」

マミ「やりましたね!」

落田「最後は小杉がいい感じで押さえてくれて、何とかなったでやんす」

6主「打線も、三谷さんが爆発してよかったな」

マミ「私の代打ホームランも、見事に決まってよかったです!」

落田「もう、マミちゃんはウチの主砲でやんすね」

マミ(野球がこんなに楽しいなんて…。見滝原でもやってみたいけど、魔法少女で忙しいからできないわよね…)


(マミのやる気が上がった!)



236: ◆ctuEhmj40s:2011/10/24(月) 22:00:06.34 ID:PF9orA0+0

―宿舎―


6主「俺がボーナス50ペラ、マミちゃんが30ペラ」

マミ「それに、試合に勝った報酬で合わせて200ペラですね」

6主「うん、いい感じに溜まってきたな」

マミ「そうですね。2500ペラまで現実味が出てきたと思います」

6主「よし、このまま野球でペラを稼ぐ方法で行こう。それにはもっと練習しないとなぁ」

マミ「すこし仕事をする回数を減らして、練習に当てたほうがいいかもしれませんね。一回でも負けると、だいぶ苦しくなりますから」

6主「そうだね」



237: ◆ctuEhmj40s:2011/10/24(月) 22:02:05.61 ID:PF9orA0+0

BB兵「おい、お前ら何をやっている。もう消灯の時間だぞ!」

6主「はっ、申し訳ございません!」

マミ「それじゃあ、寝ましょうか。ペラの管理はお願いしますね」

6主「分かってるよ、それじゃあおやすみ」

マミ「おやすみなさい」



238: ◆ctuEhmj40s:2011/10/24(月) 22:03:00.39 ID:PF9orA0+0

―夜―


マミ(ふう、夜にトイレに行きたくなると大変ね。蛇とかいないといいのだけれど)

マミ(それにしても、臭いがひどいわ…。何とかならないかしら? 簡単な設備だから、少し手を加えれば改善しそうだけれど)

マミ(そのうち、皆さんに提案してみようかしら)

マミ(…ん?)ピクッ



マミ(これは…使い魔の反応?!)

マミ(そんな、こんな島にまで魔女がいるなんて!)

マミ(反応があったのなら、近くにいるはず…。探さないと!)



239: ◆ctuEhmj40s:2011/10/24(月) 22:03:57.54 ID:PF9orA0+0

―外―


マミ(使い魔はどこに…)

マミ(こんな島だから、人死の多い場所なんてありふれているし…。せめて手がかりの一つくらいでも…)

収容者「…俺はもうダメだ。俺はもうダメだ」フラフラ

マミ(あれは…使い魔に操られている!)

収容者「…あははははは、いひひひひひ、うふふふふふ」

マミ「ていっ!」ボカッ

収容者「えへっ!」ドサ

マミ(気絶させたから、もう大丈夫よね)

マミ(さて、ということはここらへんに使い魔がいるはず…。変身!)ピカッ



240: ◆ctuEhmj40s:2011/10/24(月) 22:05:30.07 ID:PF9orA0+0

―魔女空間―

使い魔「…」カサカサ

マミ(こ、こ、こ、これは…)

使い魔「…」テカテカ

マミ「ゴ○○○ーーーーーーーーーーーー! いやぁーーーーー!!!!」

使い魔「…」ツヤツヤ
使い魔「…」ツヤツヤ
使い魔「…」ツヤツヤ
使い魔「…」ツヤツヤ
使い魔「…」ツヤツヤ



241: ◆ctuEhmj40s:2011/10/24(月) 22:06:00.73 ID:PF9orA0+0

マミ(無理無理無理! しかも何でサイズが大きいの?! 子供の背丈ぐらいあるじゃない!)


使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ


マミ(しかも数が多い! 何でこんなにいるのよぉ!)

マミ「こ、こっちにこないでーーーーー!」バンバンバン



242: ◆ctuEhmj40s:2011/10/24(月) 22:07:12.93 ID:PF9orA0+0

使い魔「…」プシュー

マミ「はぁ、はぁ…。こ、この調子で残りも…」

使い魔「…」プリッ
使い魔「…」プリッ
使い魔「…」プリッ

マミ「え…?」


 パーン ワラワラワラ


アレ「…」カサカサ
アレ「…」カサカサ
アレ「…」カサカサ
アレ「…」カサカサ
アレ「…」カサカサ
アレ「…」カサカサ
アレ「…」カサカサ
アレ「…」カサカサ
アレ「…」カサカサ
アレ「…」カサカサ
アレ「…」カサカサ
アレ「…」カサカサ



243: ◆ctuEhmj40s:2011/10/24(月) 22:08:00.66 ID:PF9orA0+0

マミ(つ、使い魔が生んだ茶色いものから、普通サイズのアレが…!)


  ワラワラワラワラワラワラワラワラワラ


マミ「「うっ、うっ……うわあああああん!」」パンパンパンパンパンパン

使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ

マミ「もう……許してよぉ……!」パンパンパンパンパン

使い魔「…」プシュー
使い魔「…」プシュー
使い魔「…」プシュー

マミ「う、え……うえええええん!!」ボロボロ



244: ◆ctuEhmj40s:2011/10/24(月) 22:08:33.71 ID:PF9orA0+0

(そして…)


マミ「ひっく、ぐす、ひっく。も、もういないよ…ね…」

収容者「…」

マミ(こ、この人も、無事。使い魔はいなくなったんだよね…。そうだよね?)

BB兵「おい、こっちで何か物音がしたぞ」

マミ「ふぇ……?」

マミ(い、いけない…。ここから離れないと…)



245: ◆ctuEhmj40s:2011/10/24(月) 22:09:51.38 ID:PF9orA0+0

―宿舎―


マミ(うう…。体から寒気が抜けない…)

マミ(結局、あの場から一目散に逃げ出しちゃったわ…。兵士には見つからなかったと思うけど…)

マミ(使い魔は全部倒したから、あの人も無事なはず…。おいてきて大丈夫よね?)

マミ(と、とにかく今日はもう無理! 絶対に無理! ま、魔女探しは別の日にしましょう!)



246: ◆ctuEhmj40s:2011/10/24(月) 22:10:36.52 ID:PF9orA0+0

マミ(それにしても、こんな島にも使い魔がいるなんて…)

マミ(使い魔がいるということは、必ず魔女も近くにいる。被害が増える前に倒さないと…)

マミ(でも…)

マミ(あんな使い魔を使役してる、本体の魔女はたぶん…)


虫「…」カサカサ


マミ(…)ゾクッ



247: ◆ctuEhmj40s:2011/10/24(月) 22:11:48.62 ID:PF9orA0+0

残り 50日 手持ちペラ1208ペラ 犬レベル45



・収入

マミ 10ペラ
6主 120ペラ
小杉との勝負 150ペラ
試合ボーナス マミ 30ペラ 
       6主 50ペラ
       勝利 200ペラ   


・支出

リフレッシュ小屋 -12ペラ
グラウンド代 -50ペラ
??? -30ペラ



248: ◆ctuEhmj40s:2011/10/24(月) 22:12:42.45 ID:PF9orA0+0

―キャラ紹介―


・しあわせ島の使い魔(オリ)

 黒光りしていてつやつやしているあれ。
 小型・中型の二種類がおり、卵を産んで通常サイズ分身を産みだし攻撃してくる。
 耐久力はない。
 元ネタはパワポケ6にてプレイヤーを阿鼻叫喚させたミニゲームの雑魚キャラ



267: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:14:55.23 ID:juvY7v6U0

―宿舎―


6主「ふぁ~あ」ネムネム

落田「6主くんおはようでやんす。今日はめずらしく最後でやんすね」

6主「昨日はちょっと寝つきが悪くてね。…あれ?」


三谷「マミ助。これをこっちにやってくれ」

マミ「はい、わかりました。持っていきますね」

渡辺「これは、こっちかな?」

小杉「ちげーよ。まったく、いい加減なやつだな」

布具里「いや~、小杉にそれをいわれたらおしまいだな」

倉刈「あのー、私はなにをしたら…」



268: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:15:37.21 ID:juvY7v6U0

6主「朝から、なにやってんの?」

落田「環境改善のための、宿舎設備の改良でやんす。マミちゃんの一声で始まったでやんすよ」

6主「マミちゃんの?」

落田「まぁ、前々から匂いとか気になってたやんすからね。でも、面倒だから誰もしようとしなかったでやんす」

マミ「あ、6主さん。おはようございます。ちょっと手伝ってもらえませんか?」

6主「ああ、いいよ」

マミ「これで、少しは住み心地が良くなるといいんですが…」

三谷「まぁ、幾分かはマシになるだろ」

6主(…まぁ、いいか)

江川「…くそっ、なんでみんなあんな小娘のいうことに賛成するんだ…」ブツブツ



269: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:16:15.14 ID:juvY7v6U0

中田「しかし、マミちゃんは働き者だなあ。俺も見習わないと」

マミ「皆さんのためだけじゃなくて、私のためにもなりますから。おあいこですよ」

中田「いやいや、立派だって。俺もしっかりしないとな。お袋も待っていることだし」

マミ「え?」

中田「ん? いやさ、田舎にお袋がいるんだけど、長い間ここにいるからほったらかしになってるんだ。
   無事に帰れたら、親孝行しようと思ってるんだけど、なかなかペラが溜まらなくてなぁ…」

マミ「…」



270: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:17:04.94 ID:juvY7v6U0

マミ「…中田さん」

中田「ん?」

マミ「がんばりましょう!」

中田「へ? ど、どうしたの?」

マミ「がんばってペラを溜めて、早くお母さんに親孝行するんです!」

中田「そうなんだよ。わかってるんだよ。でも全然ペラが溜まらないんだよ。どうすれば…」

マミ「がんばるんです! がんばるしかないんです! とにかくがんばらないと、いつの間にかお母さんがいなくなってしまうかもしれないんですよ?
   それでもいいんですか?!」

中田「…そうだよな。お袋もいつまでも生きてるわけじゃないんだし。
   よし、一緒にがんばろうぜ。マミちゃん。一日も早く脱出できるように!」

マミ「はい! その意気です、中田さん!」

6主「なんか今度は中田さんが励まされてるな」

落田「ホント、マミちゃんは希望の光でやんす」


(中田がパワーアップしました!)



271: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:18:16.39 ID:juvY7v6U0

―グラウンド―


マミ「じゃあ、今日も練習しましょう!」

一同『おー!』

6主「すっかり、チームを引っ張っているな」

落田「女の子に応援されて、がんばらない男はいないでやんすからね。こんな島じゃなおさらでやんす」

6主「さて、それじゃあ俺も負けないように頑張らないと」

落田「オイラも気合を入れるでやんす!」



272: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:19:00.54 ID:juvY7v6U0

マミ「ティロ・フィナーレ!」

小杉「ちくしょう。何で勝てないんだ!」

落田「そりゃあ、今まで適当にやってたからでやんすね。体がなまっても仕方がないでやんす」

小杉「凡田は黙ってろよ!」

落田「だから、オイラは落田でやんす!」

中田「まぁ、落田は平凡だから『凡』田でもいいんじゃないか? 『落』よりはいいだろ」

落田「わーん中田さん、酷いでやんす~」

一同『わははははは』

マミ「ちょっと、みなさんひどいですよ?」

6主「いや、ごめんごめん」

落田「やさしいのは、マミちゃんだけでやんす!」




収容者「…」



273: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:20:25.76 ID:juvY7v6U0

(そして…)


6主「うん。守備もだいぶ上手くなったね」

落田「これなら、ファーストを任せても大丈夫そうでやんすね」

マミ「でも、それだと6主さんとポジション争いになっちゃいますね…」

6主「まあ、俺がポジションを変えてもいいし。最悪、俺とマミちゃんどちらかが出られればいいよ」

落田「ショートは止めてほしいでやんす」

マミ「代打のままでも、気楽でいいんですけどね」

落田「じゃあ、守備用の必殺技を考えるでやんす!」

6主「へ?」

マミ「いいですね! 考えましょう!」

落田「取ったボールの勢いを利用して素早く送球する『ジャイロキャッチ』なんてどうでやんすか?」

マミ「私としては銃撃のような送球をする『ティロ・キャッチ』も捨てがたいんですが…」

落田「おお、それもかっこいいでやんすね!」

6主(…『射撃補球』?)



(マミのやる気が上がった!)



倉刈「それじゃあ、私は道具を片付けますね」

マミ「あ、お願いします」



274: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:21:14.90 ID:juvY7v6U0

―翌日―


マミ「そういえば倉刈さんって、どうしてこの島にいるんですか? 良い人だし、とても借金をするような人には見えませんけど…」

落田「倉刈さんは、娘さんの大学のお金を作るためにここに来たのでやんす」

6主「娘さんには昔の知り合いの人がついているから大丈夫みたいだけど、なにもいわないで来ちゃったらしいんだ」

マミ「…」

落田「マミちゃん、どうしたでやんすか?」

マミ「いえ…。私、両親がいませんから、そういう話を聞くとちょっと…」

6主「ああああああ! ごめんマミちゃん。ほら、落田くんも!」 

落田「ごめんでやんす、マミちゃん」

マミ「だ、大丈夫ですから。そんなに頭を下げないでください」



275: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:22:48.54 ID:juvY7v6U0

倉刈「あの~何か用ですか? 呼ばれた気がしたんですが」

6主「あ、倉刈さん」

マミ「倉刈さん、娘さんに何も言わずにここに来たって本当ですか?」

倉刈「いや、恥ずかしい話で…ホントにダメな父親ですよね私…」

マミ「そんなの悲しいです。生きているって、分かっているだけでも、どんなに嬉しいか…」

落田「マミちゃん…」

倉刈「ええ、そうです。そんなことも分からなかったダメな父親なんですよ、私は…」ションボリ

マミ「…」

6主(なんとかして、娘さんと連絡できないかな? この島で、外部との連絡ができる場所といえば…)


(マミのやる気が下がった!)



276: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:23:28.49 ID:juvY7v6U0

―プレイルーム―


よしこ「はい、景品はこちらになります。また来てね~」

マミ「また来てくださいね」

よしこ「やっぱり、マミちゃんが手伝ってくれると、客の入りがいいわね~」

マミ「あはは…」



マミ(さっきは、倉刈さんにひどいことを言ってしまった。あとで謝らないと)

マミ(ああ、早くグラウンドに行きたい)

マミ(野球の練習もしたいところだけど、でも今日はプレイルームで仕事をしないと。あんまり仕事場から離れると、またあの所長に嫌味を言われるかもしれないし)

マミ(でも、暇があったらグラウンドに行ってみよう。チームに貢献できるように、はやく一人前にならないといけないわ!)



277: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:24:16.83 ID:juvY7v6U0

インミン「あ。ここにいたね」

マミ「あ、インミンさん」

インミン「6主、知らないか? バオが用があると言って探してるのだが?」

マミ「6主さんですか? 今はグラウンドにいるはずですが…」

インミン「グラウンド?」

マミ(あら、場所を知らないのかしら?)

マミ「よしこさん、少し休憩していいですか?」

よしこ「いいわよ~。というか今日はもう、抜けても大ジョブよ。マミちゃん」

マミ「あ、そうですか。じゃあ、ちょっとグラウンドの方に行ってきます」

よしこ「がんばってね~」



278: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:24:48.79 ID:juvY7v6U0

収容者「あれ、マミさんは?」

よしこ「ちょっと、用事ができたから早めに上がったわ」

収容者「なんだよ、じゃあ今日はやっぱり…」

よしこ「だめよ~? 一度入ったらちゃんとプレイしてもらわないと。兵隊さんも見てますからね」

BB兵「…」

収容者「ちっくしょう。マミさんがいないんじゃ俺は何のために…」

よしこ「はいはい、男は度胸。しっかり、稼いでいってね~」

収容者「ああ、マミさん…」

よしこ「一度、マミちゃんが居ることが流れれば、あとは入れ食いだわ~」



279: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:25:27.24 ID:juvY7v6U0

―ジャングル―


6主「バオ。急にどうしたんだ? こんなところに呼び出して」

バオ「向こうだと、兵士に気付かれるかもしれないだろ? 秘密の話なんだ」

マミ「私も来てよかったんでしょうか…」

バオ「いいのいいの。秘密を知ってる仲間だし。むしろいてくれないと困るよ。…あれ、オチタは?」

6主「落田くんなら、BB兵にリフレッシュ小屋の掃除を押し付けられたってぼやいてたよ」

バオ「大変だな、6主たちも。マミは大丈夫なのか」

マミ「大変ですけど、班の皆さんが守ってくれてますから…」

6主「ところで、用は何なんだ? 世間話したいわけじゃないんだろ?」



280: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:26:22.05 ID:juvY7v6U0

バオ「そうそう! 思いついたことがあるんだ。あんたらが畑で作っているしあわせ草ってあるだろ?」

マミ「何故か畑で栽培している、妙な草ですね」

6主「あの草が、どうかしたのか?」

バオ「あれは、もともとこの島に生えていたものなんだけどさ。あれを食べると生き物が大きくなるらしいんだ」

マミ「大きくなる?」

バオ「そう。食った分だけどんどんな!」



マミ(もしかしてあの使い魔はただの…。いえ、結界があったし、大きくなったアレじゃないわよね)

6主「なんだそりゃ? 本当に?」

バオ「北側の洞窟に、ニホン人が勝っていたトカゲがいるんだ。こいつが、しあわせ草を食って大きくなったって、じじいから聞いたぜ」

6主「ふーん、…それで?」



281: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:27:48.01 ID:juvY7v6U0

バオ「だからさ、その辺の生き物片っ端から食わせて、大きくなった生き物に兵隊たちを襲わせるのってのはどうだ!」

マミ「うーん…、でも、そんなに簡単に上手くいくんでしょうか」

バオ「いけるいけるって。草なんて、畑にたくさんあるし、少し盗んでも…」

マミ「あれ? 島に生えてるんじゃないんですか、バオさん」

バオ「生えてるけど、あれだけじゃ数が足りないよ。わざわざ栽培してくれているんだから、そこを利用しないとな!」


6主「…だめだな」

バオ「えー、どうして?」

6主「まず、あの草は変な臭いがするのか、虫もよらない。だから食べさせるのは難しいな。
    次にそんな作戦だと、俺たちも村の人たちも危ない。  
    最後に…その飼われていたトカゲって、人を襲うのか?」

バオ「いやぁ、おとなしいもんだぜ。…………あっ!」

6主「根本的にダメじゃないか、やっぱり無理があるよ」



282: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:28:51.10 ID:juvY7v6U0

バオ「だめか、良い案だと思ったんだけどなー」

6主「とはいえ、良い情報だったよ。これも何かの役に立つかもしれない。俺たちの方でも考えてみるからさ」

バオ「わかった。一緒にあいつらをこの島から追い出そうぜ!」

マミ「がんばりましょう、バオさん。きっと、そう遠くないうちに解放されますよ」

バオ「あたり前だ! 絶対に自由になって見せる! だから、お前もがんばれよ」

6主「そういえば、爆弾の方は大丈夫か?」

バオ「ああ、見つかってない。もともと、ジジイが厳重に隠していたものだから。そう簡単にはバレないよ」

6主「じゃあ、引き続き管理を頼むよ」

バオ「わかった!」



283: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:29:33.03 ID:juvY7v6U0

6主「…にしても、食べると大きくなる草ねぇ」

マミ「なにか信じられません。そんな草があるなんて…」

6主「そうだよなぁ。かといって、バオがそんな嘘をつくとも思えないし」

マミ「BB団を倒すことに真剣ですからね、バオさん」

6主「しあわせ草しあわせ草…何かに役に立つかなぁ」

マミ「自分たちで食べて大きくなるとか…はダメですよね」

6主「戻る方法があれば、それもいいけどね。そもそも人間にも効果があるのかわからないし」

マミ「大きくなったら、体にどんな悪影響が出るのかもわかりませんし、ダメですねやっぱり」



284: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:30:10.99 ID:juvY7v6U0

6主「それより、そんな草をわざわざ栽培してるBB団が気になるな」

マミ「この効果を知ってる…ということになるんでしょうか?」

6主「でも、さっきも話した通り動物に食べさせることは難しいし。大きくさせたくらいじゃ、コントロールできないんだよなぁ」

マミ「口当たりなんて何とかできるんじゃないでしょうか? 敵のいる場所で、動物を大きくさせて暴れさせているとか…」

6主「制御できない兵器なんて、意味がないよ。もし失敗したら自分たちにも被害が出るんだし、買い手がつくとは思えないな」

マミ「うーん…」

6主「まぁ、BB団がそんな草を栽培している理由はひとまず置いておこう。とにかく、この島を脱出することをまず考えないと」

マミ「…」



285: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:31:20.72 ID:juvY7v6U0

マミ(でも、この島を脱出しても、この島の人たちはBB団に支配されたままなのよね…)

マミ(私たちだけ、脱出する…。それで本当にいいの?)

マミ(この島でBB団を追い出すまで、この島に滞在する。一度約束したのなら、そこまでとしないといけないんじゃ…)

マミ(島にいるのは苦しいけど…、でも…)



6主「マミちゃん、余計なものまで背負っちゃだめだよ」

マミ「ひゃっ…!」

6主「ああ! ごめんごめん。なんか色々考えているみたいだからさ」

マミ「い、いえすみません。私も変な声出して…」

6主「ゴホン。それで、マミちゃんに忠告! 余計なことまで考えないこと、とにかく島を出ることだけを考えるんだ」

マミ「はい…」

6主「君はまだ中学生だし、できないことなんて沢山ある。だからできないことがあったって、そのことを責める人間はいないよ。
   自分で何でもしようとしないで、できないことはいっそのこと他の人に任せちゃうこと! いいね?」

マミ「それでいいんでしょうか…?」

6主「良いも悪いも、出来ないことなら自然とそうなるんだからいいんだよ。
   そのかわり、自分に出来ることは一生懸命やる。それで世の中上手く回るものさ」

マミ「そういうものでしょうか…」

6主「そういうものだよ。さ、戻ってグラウンドに行こう。時間があるなら、少しでも練習しないと」

マミ「そうですね。戻りましょう」

マミ(自分に出来ることを一生懸命にやる…)

マミ(魔法少女の力を使えば、もしかしたら…)


(マミのやる気が上がった!)



286: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:31:54.36 ID:juvY7v6U0

―???―


収容者A「おい、最近マミさん、プレイルームにいないときが多いと思わないか?」

収容者B「何でも野球の才能があって、グラウンドで練習しているらしいな」

収容者C「くそっ、野球班の連中だけズルいじゃないか! マミさんを独り占めして!」

収容者D「さっきなんて、いつも一緒にいる男と人気のない場所に行っていたぞ…」

収容者E「ああ、俺たちのマミさんを…!」

収容者F「なぁ…こんなのは不公平じゃないか?」

収容者G「ああ…マミさん…マミさん…」



287: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:32:40.11 ID:juvY7v6U0

―翌日―


マミ「おはようございます」

落田「おはようでやんす」

マミ「洗濯物、乾いたのを皆さんの寝床に置いておきました」

落田「いつもスマンでやんす」

マミ「いいえ、私の方こそお世話になっていますから。このくらいはしないと」

6主「おはよう~。ふぁ~」

落田「今日も眠そうでやんすね? 不眠症でやんすか?」

6主「いんや、ちょっとね」

落田「まさか、就寝時間後に抜け出しているんじゃないでやんすよね? 最近、そんな人が増えていると兵士が言ってたでやんす」

6主「そうなの? いや、別にそんなことしてるわけじゃないんだけど」

マミ(あの使い魔のせいかしら。早くなんとかしないと…)



288: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:34:27.72 ID:juvY7v6U0

ワーワー ワーワー


6主「ん? なんか騒がしいな」

落田「なんかウチの班の連中と他の班がケンカしているみたいでやんすね」

マミ「ケンカですか…。あまり見たくないですね」

落田「大丈夫でやんすよ。巻き込まれそうになったら、おいらが守ってあげるでやんす!」

6主「やれやれ、また小杉かな…。ん?」



289: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:35:13.84 ID:juvY7v6U0

収容者A「おい、江川班! お前たちだけマミさんを独占してズルいぞ! 俺たちにもマミマミさせろ!」

小杉「知るかよ。ていうか、何だよマミマミって」

収容者B「マミマミはマミマミだ!」

収容者C「もう、三日もバニー姿を見てないんだぞ!」

収容者D「マミ成分が切れる!」

収容者E「そんな言葉も理解できないお前らに、マミさんを独り占めする資格はない!」

ファン一同『そーだ! そーだ!』

渡辺「なんか恐ろしいことになっているな」



290: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:36:02.36 ID:juvY7v6U0

収容者A「とにかく、江川班だけにマミさんを独占していることに異議を申し立てる!」

ファン一同「そーだ! そーだ!」

小杉「だいたい、あのガキがウチにいるのは俺たちが決めた事じゃないんだ。文句はBB団に言えよ」

収容者A「BB団に逆らったら殺されるだろう! これは俺たちとマミさんの間で決めるべき問題だ!」

ファン一同「そーだ! そーだ!」

収容者A「俺たちにマミさんをマミマミさせろ!」

ファン一同「そーだ! そーだ!」



291: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:36:35.24 ID:juvY7v6U0

マミ「…」

6主「…なんかすごいな」

落田「いつの間にか、こんなにファンがいたのでやんすね」

6主「なんで『さん』づけなんだろ」

落田「気持ちはわかるけど、こうやって見てみると気持ち悪いでやんす」

6主「…」

マミ「…」

落田「何で離れるでやんすか? マミちゃん」



292: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:37:21.82 ID:juvY7v6U0

収容者A「あ、いたぞ!」

収容者B「マミさんだ!」

収容者C「マミマミさせろ!」

収容者D「マミマミマミマミマミマミマミマミマミマミ!」



マミ「ひっ…」

落田「6主くん。ちゃんとマミさんを守るでやんすよ」

6主「何で君もさん付けなんだよ! というか手伝え!」

落田「オイラ、暴力はからっきしでやんす」

一同『マミマミマミマミマミマミマミマミマミマミ!』


(パーン)


BB兵「やめんか、バカモノども!」



293: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:38:20.42 ID:juvY7v6U0

―所長室―


BB兵「…ということがありました」

へルガ「いかんな。収容者どもにストレスが溜まっている」

BB兵「ここ最近、マミさんはグラウンドに入りびたりでしたから。姿を見れなくてストレスがたまったものと思われます」

ヘルガ(マミ『さん』…?)

ヘルガ「とにかく、収容者の要望をおいそれと聞くわけにはいかん。我々は管理者なのだからな」

BB兵「しかし、やつらの言い分ももっともですよ。野球班がマミさんを独占しているのはおかしいと」

ヘルガ「…とはいえ、どうしたものか…」

マコンデ「それならば所長。この私めに、良い考えが…」



294: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:39:04.25 ID:juvY7v6U0

―宿舎―


6主「えっ、班対抗の運動会?」

江川「うむ、10日後に行うらしい」

落田「また急でやんすね」

江川「なんでも、巴が賞品で勝った班が新しい所属班になるらしい。あとペラも、もらえるとのことだ」

マミ「え?」



295: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:40:10.33 ID:juvY7v6U0

6主「どういうことですか! 班長」

江川「知らん。ここに種目を置いておくから勝手に決めてくれ。私はもう寝る」フン

6主「あ、ちょっと!」


小杉「こいつが賞品?」

三谷「わけわかんねーな。マミ助なんぞ賞品にしたって、しようもなかろうに」

渡辺「ま、ペラがもらえるならがんばらないとな」

中田「俺、これがいいなマラソン」

布具里「じゃあ、おれは砲丸投げかな」

倉刈「あのー、騒がしいですがなにかあったんですか?」

マミ「わ、私が賞品…?」



296: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:40:49.28 ID:juvY7v6U0

落田「はい、全員聞くやんす!」


小杉「なんだよ凡田」

落田「オイラは落田でやんす。とにかく、これは野球班の危機でやんす! 仲間が一人連れ去られようとしているでやんすよ!」

三谷「まぁ、そうだな。マミ助を移動させる意味がよくわからんが」

落田「これは、人権無視の非道なおこないでやんす! 人間を賞品するなんて許されないことでやんすよ!」

中田「いまさらこんな島で人権叫ぶのも変な話だけどな」

落田「うるさいでやんす!」



297: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:41:30.62 ID:juvY7v6U0

落田「見るでやんす! マミちゃんは泣いているでやんすよ!」

落田(はい、泣くでやんす。マミちゃん!)

マミ(え、あ、あの…)シクシク

落田「はい。こんなに悲しそうでやんす!」

倉刈「ああ、マミさん泣かないでください…」

6主(いやいや倉刈さん…)

落田「一体、ここ最近一番この班のために働いていたのは誰でやんすか。他でもないマミちゃんでやんす!
   こんないい子を、あんな野獣の群れに放り込んでいいわけがないでやんす!
   こんな不当な扱いをするBB団に、我らの意地を見せなければいけない時が来たのでやんすよ!」

一同『…』



298: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:42:13.79 ID:juvY7v6U0

渡辺「まぁ、言われなくても適当にやる気は無いけどな」

三谷「おう、マミ助は大事な仲間だ!」

中田「ここ最近、試合に勝てているのもマミちゃんのおかげだしな」

小杉「よーし、あいつらに今日の借りを返してやるぜ」

布具里「マミちゃんに打たれまくったおかげで、俺も打たれ強くなったからな~。パワーアップした気がする」

倉刈「あ、私は…」

マミ「み、みなさん…」

落田「マミちゃん。マミちゃんは必要とされているでやんす! 君は全力で守るでやんすよ!」

マミ(私…必要とされているんだ…)



落田「皆の衆! 10日後は、がんばるでやんす!」

一同『おう!』



299: ◆ctuEhmj40s:2011/10/26(水) 21:43:05.59 ID:juvY7v6U0

6主「…ところで、何で落田くんはそんなにやる気があるの?」

落田「マミちゃんがいなくなると生活に潤いがなくなるでやんす」

6主「本当にそれだけ?」

落田「そうでやんす」

6主(…本当かなぁ?)

落田(マミちゃんが他に行くと、写真が売れなくなるでやんす)



(布具里がパワーアップしました!)



310: ◆ctuEhmj40s:2011/10/27(木) 21:29:05.82 ID:3N47b1By0

―グラウンド―


落田「それじゃあ、練習をがんばるでやんす!」

一同『おおー!』

マミ「みんながんばっているのに、私だけ何もできないなんて…」

6主「競技に出れないからね。こればっかりは仕方ないよ」

マミ「はい…」

6主「それにしても、マミちゃんを賞品にするなんて。何を考えているんだBB団は?」

マミ「私、何かまずいことでもしたんでしょうか…」

6主(…ちょっと、確かめに行ってみるか。口実もあることだし)


落田「絶対に勝つでやんすよ!」

一同『おう!』

落田「口でクソたれる前と後に“Sir”と言え 。分かったか、ウジ虫ども! 」

一同『死ねっ! 』



311: ◆ctuEhmj40s:2011/10/27(木) 21:29:51.03 ID:3N47b1By0

―所長室―


マミ「こんにちわ」

6主「所長、本を返しに来ました」

へルガ「ん? ああ、お前たちか。そんなこともあったな。で、どうだった?」

6主「確かに面白かったですが、心理描写が足りないですね。登場人物にあまり共感ができませんでした」

マミ「私も同じ意見です。ストーリーにはドキドキしたんですが…」

へルガ「そうだな。ストーリーは良くできているが、登場人物がどれもこれも薄っぺらに感じるな」

マミ「それと、残酷描写がちょっと…。過激すぎて嫌な気分になりました」

へルガ「……ほほう?」



312: ◆ctuEhmj40s:2011/10/27(木) 21:32:10.57 ID:3N47b1By0

6主「所長、一つよろしいでしょうか?」

ヘルガ「許可する。なんだ?」

6主「今度の運動会のことです。彼女は私に任せるとのことだったのでは?」

マミ「…」



ヘルガ「収容者内で野球班に対する不満が溜まっていてな。このままでは管理に支障が出る、それを取り除くための措置だ」

6主「それじゃあ話が違う! ペラを含めて、この子の面倒は俺が見るとの約束だったじゃないか」

ヘルガ「この島で唯一の女収容者を野球班のみに配置しているという不平は、正論だ。不満が出るのも当然の事だろう。
     それらを我らが無理に従わせても、結局は不満は溜まることになり問題解決にはならん。
     溜まりに溜まって、問題や反乱を起こされても厄介なのでな。こうするに至ったのさ」

6主「銃や暴力で脅しておいて、今さら反乱が怖いだって? そういう淡い希望を徹底的に排除しているのが君らのやり方だろ。
    たかだか、班同士の小競り合い程度のケンカにどうしてそこまで気を使うんだ?」

マミ「そうです! それに、ここでは秩序が保たれています。私が野球班にいることくらいで、そんなことになるなんて…」



313: ◆ctuEhmj40s:2011/10/27(木) 21:33:27.59 ID:3N47b1By0

ヘルガ「貴様ら、地雷でバラバラになった死体を見たことがあるか?」



6主・マミ「え?」

へルガ「では、大勢が無抵抗の人間をなぶり殺しにすることは? 女子供が無残な姿にされるところは見たことがあるか?」

6主「何の話をしているんだ?」

ヘルガ「この程度の秩序など、むき出しの憎悪と狂気の前では無意味だ。たかだか女一人といったが、この環境では女も立派な動機となりうる。
    我らの力も、本物の大多数の暴力を前にしては無力も同然だよ」

6主「…だから、その原因は見逃せないというのか?」

ヘルガ「ああ。火種となりうるものは徹底的に排除する。それこそ、危険分子から小娘の配置に至るまで、な。
    現実は常に予想の一歩上を行くものだからな」

マミ「そんなこと…」

ヘルガ「小娘、先ほどお前は本の残酷描写が嫌だといったな。あの程度の残酷さなど現実に起こっていることに比べれば、どうということはない。
    所詮は、作り物だよ」

マミ「それは…」

マミ(魔女…使い魔…。佐倉さんの家族…)

マミ「…それを知っておきながら、こんな島を作ったんですか? 世界中に不幸をばらまくような、こんな場所を」

ヘルガ「…」



314: ◆ctuEhmj40s:2011/10/27(木) 21:35:13.27 ID:3N47b1By0

6主「…君は、一体何を見たんだ?」

へルガ「紛争地域の平和維持活動だ。慣れるほど地獄は見てきた」

6主「…」

へルガ「さっきの無礼な口調と問いかけは不問にする。…下がれ」

マミ「…」

ヘルガ「それから、もしお前たちの班が勝てば、小娘の配置はそのままだ。
    この程度の現実など跳ね除けられなければ、期日までに2500ペラを溜めることなど不可能だぞ」



315: ◆ctuEhmj40s:2011/10/27(木) 21:38:09.61 ID:3N47b1By0

―広場―


6主「あれじゃあ、考えを変えることは出来そうにないな」

マミ「そうですね…」

6主「ごめんね。結局、何もできなくて」

マミ「いえ、私の方こそ、いつも助けてもらってばっかりで…」

6主「こうなると落田くんの言う通り、運動会で勝つしかないか」

マミ「…」



6主「でも、マミちゃんががんばってくれたおかげで、みんな練習に打ち込むようになったし。
   もしかしたら大丈夫かもしれないな。こうなったら、それにかけてみよう。」

マミ「そんな…私なんて何もできなくて…」

6主「そんなことないよ。君のおかげで、みんなこんな島でも希望を持てるようになったんだ。
   こうなったら、それにかけてみようよ。みんな君のことを守りたいって思っているんだからさ」

マミ(私、役に立てているの…?)

マミ(良かった…)



316: ◆ctuEhmj40s:2011/10/27(木) 21:38:49.73 ID:3N47b1By0

落田「こらー、6主くん! どこに行ってたでやんすか! マミちゃんが奪われるかもしれない瀬戸際なんでやんすよ!」

6主「わかってるよー、落田くーん。じゃあ、俺は練習に行くけど、マミちゃんはどうする?」

マミ「応援させてください。私にはそれくらいしかできませんから」

6主「それで、十分だよ。じゃあ行こうか。みんな待ってるよ」

マミ「はい!」



317: ◆ctuEhmj40s:2011/10/27(木) 21:39:15.86 ID:3N47b1By0

―数日後―


6主「ふう、今日もみんなよく練習したなぁ」

落田「マミちゃんの今後がかかっているでやんす。やる気が出るでやんすよ」

マミ「お二人とも、お疲れ様です。みなさん、宿舎に変えられるみたいですよ」


(ぐう~)


落田「それにしても腹が減ったでやんす。また海に釣りに行かないでやんすか?」

6主「そうだな。そうしよっか。マミちゃんはどうする?」

マミ「あ、それじゃあ私もご一緒します」



318: ◆ctuEhmj40s:2011/10/27(木) 21:40:42.50 ID:3N47b1By0

(そして…)


6主「うまかったなぁ~」

落田「いっぱい釣れて、ラッキーだったでやんす~」

マミ「お粗末様でした♪」

6主「しかし、今日の夕日はきれいだな」

落田「腐っても、南の島でやんすからね。海から見る夕日は格別でやんす」

マミ「BB団さえいなければ、この島も良い場所だと思います」

6主「バオ達がBB団を追い出したがる気持ちがよくわかるよ。やつらさえいなければ、ここも本当にしあわせな島なんだと思うな」

マミ「そうですね…」



319: ◆ctuEhmj40s:2011/10/27(木) 21:41:58.78 ID:3N47b1By0

落田「それにしても、マミちゃんの応援を聞くと元気になるでやんす! 魔法の声でやんすね」

マミ「そ、そんな…普通ですよ」テレテレ

6主「どの競技もいい記録が出てきたし、この分なら上位入賞は確実だな」

落田「何いっているでやんすか! 狙うは優勝、マミちゃんはどの班にもわたさないでやんす!
   マミちゃんも他の班より、ウチの班がいいでやんすよね?」

マミ「は、はい…」

マミ(6主さんと離れるのはいかないし、それに見滝原に帰るまでに、もっと野球をやっていたい…)



320: ◆ctuEhmj40s:2011/10/27(木) 21:43:07.87 ID:3N47b1By0

落田「いやー、マミちゃんを見ていると昔の魔法少女のアニメを思い出すでやんす。みんなの希望の星でやんすよ」

マミ「あ、もしかしてそれって…」ゴニョゴニョ

落田「それでやんす! まさかマミちゃんの年齢で知っているとは思わなかったでやんすよ」

マミ「面白かったですよね! アイドルになりたいって、思いましたもん!」

落田「あれはシリーズの、一作目なんでやんす。アイドル魔法少女ものはたくさんあるんでやんすよ」

マミ「知ってます! エミちゃんとかララちゃんですよねっ!」

落田「おお、そっちも知っているでやんすか! こんな近くに同好の士がいるとはでやんす!」

マミ「もちろんです! 魔法少女は大好きでしたから、たくさん知ってますよ! 砂沙美ちゃんとか可愛いですよね!」

落田「オイラは美紗緒ちゃん派でやんす!」



321: ◆ctuEhmj40s:2011/10/27(木) 21:43:40.45 ID:3N47b1By0

6主(そういえば、何か忘れているような…なんだっけ?)

6主(まぁ、ペラも順調に溜まってきているし、ペラ関係じゃなければ大丈夫だろ)

6主(それよりも、あの問題も早く解決しないとなぁ…)

落田「たとえー2人ー離れーばなれーになってもー♪」

マミ「わーたしはー、世界ーを変えるー!♪」

6主「…おーい、二人ともそろそろ帰るよー。明日はテストなんだから、早めに休まないと」


(落田がパワーアップしました!)



322: ◆ctuEhmj40s:2011/10/27(木) 21:45:07.10 ID:3N47b1By0

―次の日―


江川「今日は、野球のテストをするぞ」

6主「はい!」

江川「では打撃のテストだ。順番を守って始めるように」

落田「うおおおお! 真の仲間を見つけたオイラに不可能はないでやんす!」

マミ「落田さん、気合入ってますね」

6主「俺もがんばらないとな」



323: ◆ctuEhmj40s:2011/10/27(木) 21:45:36.34 ID:3N47b1By0

(そして…)


江川「…大したもんだな」

6主「どうやらうまくいったようだな」

落田「オイラも存在感を示せたでやんす」

マミ「私もいい結果でした!」



BB兵「テストの成績が良かったものから、既定の賞金を渡そう」

落田「ふふふ、今日はオイラの勝ちでやんす」

6主「別に勝負をしてるわけじゃないよ。落田くん」

BB兵「次! 巴マミ!」

マミ「はい!」

BB兵「今回もいい成績だったな。その年でこの成績は自信を持っていいぞ」

マミ「は、はい!」

マミ(褒められたのって、久しぶり。魔法で強化しているけど嬉しい…!)

落田「なんだか、全体的に好成績でやんすね」

6主「がんばったんだ。このくらいの成果が出るのは当然さ」


(マミのやる気が上がった!)



324: ◆ctuEhmj40s:2011/10/27(木) 21:49:00.30 ID:3N47b1By0

―宿舎―


三谷「いやー、俺らもなんだかんだ言いつつ力がついているな」

小杉「ふん。俺は元プロなんだから当然だ」

布具里「あの、俺は罰金だったんだけど…」

倉刈「この感じ、あの頃を思い出すなぁ」

中田「仕事の合間にもキャッチボールしていた成果が出たかな?」

渡辺「運動会に勝てばペラが貰えるんだったな、そろそろ6主くんに返さないと」



325: ◆ctuEhmj40s:2011/10/27(木) 21:49:37.37 ID:3N47b1By0

落田「諸君、今日はいい成績が出たでやんすが、油断は禁物でやんす!」

布具里「あの~、俺は罰金だったんだけど」

落田「歩く卑猥物は黙っているでやんす。敵は女を見れば野獣のように襲ってくる連中でやんす!
   おそらく、奴らも運動会に向けて恐ろしい訓練を積んでくるものと思われるでやんす!」

中田「向こうも必死だからな。分からなくもないけど」

落田「今日のこの結果に満足するのではなく、明日からはこれを超えるよう努力するでやんすよ!
   そうしないと、我らが仲間を守ることができないでやんす!」

マミ「落田さん…」グズ

落田「さあ、明日からも気合を入れるでやんすよ!」

一同『うおー!!』

6主(いつの間にか、落田くんがリーダーになっているな)



マミ(私、こんなに必要とされてる…。こんなの初めて…)

マミ(見滝原で戦っていても、こんなに必要とされたことなんて…)



326: ◆ctuEhmj40s:2011/10/27(木) 21:50:57.33 ID:3N47b1By0

6主「うーん…」

落田「どうしたでやんすか6主くん。一人だけテンションが低いでやんすよ」

6主「いやさ。やっぱり最近、何か忘れているような気がして」

落田「そんなのどうでもいいでやんす。ちゃんと練習に集中してくれないと困るでやんすよ」

6主「ひどいな。どうでもいいかどうかはわからないだろ?」

落田「忘れるようなことなら、基本的にはどうでもいいことでやんす。どうでもよくないなら、そのうち思い出すでやんすよ」

6主「うーん、そうなのかなぁ…」

落田「さ、今日はもうとっとと寝るでやんす。明日も練習するでやんすよ」

6主「はいはい」



327: ◆ctuEhmj40s:2011/10/27(木) 21:51:33.36 ID:3N47b1By0

―夜―


マミ「…」

マミ「……」ゴソゴソ

マミ(起こさないようにしないと…)

一同「ZZZ…」

マミ(それじゃあ、ちょっといってきます)



328: ◆ctuEhmj40s:2011/10/27(木) 21:52:20.28 ID:3N47b1By0

―海岸―


マミ(班のみなさんががんばっているのに、私だけ楽をしているわけにはいかないわ)


マミ(今日こそ魔女と使い魔を倒して、せめて私ができる範囲でこの島を平和にしないと…!)

マミ(あんな姿をしていても、所詮は使い魔…。ずっと見滝原を守っていた私の敵じゃない!)

マミ(私がこの島を守る! あなた達の好き勝手にはさせないわ!)



329: ◆ctuEhmj40s:2011/10/27(木) 21:52:48.95 ID:3N47b1By0

マミ「さぁ、使い魔! かかってきなさい! この魔法少女・巴マミが相手になるわ!」


使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ



330: ◆ctuEhmj40s:2011/10/27(木) 21:53:37.11 ID:3N47b1By0

―宿舎―


6主「あああああああああああああああああーーーーーーーーーー!」

落田「…うるさいでやんす、6主くん」

6主「思い出した!思い出した!思い出した!思い出した!思い出した! 思い出した! 思い出した!」

落田「いきなりなんでやんすか。こんな夜中に大声出さないでほしいでやんす」



331: ◆ctuEhmj40s:2011/10/27(木) 21:54:11.40 ID:3N47b1By0

(そのころ…)


マミ「ひぃぃぃぃぃぃぃいいいーーーーーーーーー!!!」パンパンパン


使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ



332: ◆ctuEhmj40s:2011/10/27(木) 21:54:40.93 ID:3N47b1By0

6主「マミちゃんって、魔法少女だ!」


落田「…何、いってるでやんすか?」



333: ◆ctuEhmj40s:2011/10/27(木) 21:55:20.79 ID:3N47b1By0

残り 40日 手持ちペラ1400ペラ 犬レベル65


・収入

マミ 10ペラ
6主 120ペラ
テストボーナス マミ 62ペラ 8安打  
        6主 62ペラ 8安打 

・支出

リフレッシュ小屋 -12ペラ
グラウンド代 -50ペラ



334: ◆ctuEhmj40s:2011/10/27(木) 21:55:59.09 ID:3N47b1By0

―キャラ紹介―

・倉刈仁志

愛娘・日出子を大学(医学部)へ行かせるために、多額の借金を背負いしあわせ島へ来た人。
2・3・5・6・11と出演したパワポケシリーズ最大の苦労人。
再登場するとほぼ必ず不幸になるというパワポケの伝統にもれず、シリーズが進むたびに悲惨な人生となっていった。
11にてついに引退。その結末は…。

ライト
倉刈○
ミAパB走A肩B守B


・中田洋一

実家に母親を残し上京するが、ふとしたことで借金生活に陥り、しあわせ島にくることになった。
田舎に帰って実家の農家を継ぐのがささやかな夢。
この人自身はおかずを分けてくれたり道具をくれたりと良い人なのだが、イベントが進むと、必ず風邪をうつされるために嫌われてしまう悲しい人。

サード
中田○
ミBパB走C肩A守C



341: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:24:44.46 ID:5Eyf6RMs0

―宿舎―


江川「今晩、江川班は追加の作業があるぞ」

6主「運動会で使う道具を作るのか。こういうのくらいは、BB団が用意すればいいのに。まったく…」

落田「6主くん、チャンスでやんすよ! この玉入れに細工をして…」

6主「…まともに作れ。イカサマして勝ったらイチャモン付けられるぞ!」

落田「ちぇー、でやんす」



342: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:25:54.35 ID:5Eyf6RMs0

一同『…』ギラギラ


マミ「なんか、みなさん目が血走ってるんですが…」

落田「大丈夫でやんすよ。一同! マミちゃんを奪うものは!」

一同『殺す!』

落田「よくできたでやんす」

マミ「ほ、本当に、大丈夫なんですか…?」

落田「ちょっと今日に向けて、発破をかけ過ぎたでやんすかね? まあ、闘争心があるのはいいことでやんす」

6主(これも才能…か?)



343: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:26:43.54 ID:5Eyf6RMs0

―所長室―


へルガ「しかしマコンデ。お前にしては健全な提案だったな。これならば、勝っても負けても自己責任でケリがつく」

マコンデ「ほっほっほ、それに関しては続きがあります。所長」

へルガ「ん?」

マコンデ「これからは、あの娘の収容先を定期的に変えるのですよ。今回のことは配置換えもあるというキッカケにすぎません。
     さらに兵士にペラを渡せば、配置に関して要望を聞くという噂を流します。
     一人の女を巡って、収容者は我らに賄賂を送るようになり、さらに互いに憎しみを増大させるよう仕向けるのですよ!」



へルガ「却下だ」

マコンデ「ええっ!」

へルガ「そもそも収容者同士が不満を取り除くのが目的なのに、いっそう大きくさせてどうする。
    それに少々毒が効き過ぎだ。それが発端となって殺し合いを始められても困る」

マコンデ「連中が結束するよりは、よほどマシだと思いますが…。賄賂のペラを稼ぐために労働力も上がりますし」

へルガ「現状で労働力に問題はない。それに、これ以上搾り取ろうとすれば死者が出るぞ。新しい収容者を集めるも楽ではない。
    それにそういった賄賂が平然と行われるようになれば、秩序が崩壊するぞ。そうなれば管理は困難になり、生産に支障が出る。
    『ペラを渡せばBB団は尻尾を振る』などという認識が広まるのも避けたいところだな」



344: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:27:32.39 ID:5Eyf6RMs0

???「ブルマでやんす! 運動会と言えばブルマと相場が決まっているでやんす!」バンバン

へルガ「団長。そんなものはこの島にありません」

???「オイラの私物があるでやんす! これを、あの娘に着せるでやんす!」

マコンデ「…分かりました。手配させましょう」

???「ついでにヘルガ。おまえも…」

へルガ「お断りします!」



345: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:28:15.79 ID:5Eyf6RMs0

―運動会当日―


マコンデ「ウォッホン! それでは、第1回しあわせ島班対抗運動会を開催する!」


(ぱーん!)


BB兵「副所長、実弾を撃つのはお止め下さい!」

マコンデ「そうだったか? まあ、大丈夫だろ」



346: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:29:30.19 ID:5Eyf6RMs0

6主「暑いなー、こりゃ何人か熱中症で倒れるんじゃないか?」

落田「出番が来るまで、倒れるんじゃないでやんすよ。なにせ選手の替えが効かないのでやんすから」

6主「マミちゃんは…壇上か。本当に賞品扱いだな」

落田「うおおおおおおお、ブルマでやんす! 体操服でやんす! BB団も気が利くでやんすね!」

6主(あんな服がなんであるんだろ?)

落田「わかってるでやんす! 用意したのは相当のマニアでやんすね!」

6主(てことは、団長が…?)



347: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:29:56.53 ID:5Eyf6RMs0

6主「にしても…」

野球班『…』ギラギラ

他の班『…』ギンギン

6主「なんというか、全くガス抜きという雰囲気じゃないな」

落田「男たちの真剣勝負でやんす。当然でやんすよ」

6主「この分なら、乱闘系の競技が少なくてよかったよ。でも、玉入れと騎馬戦は危なそうだな…」

落田「6主くんは砲丸投げでやんしたね。流れ弾に気を付けるでやんす。記録を出す前に潰されたら元も子もないでやんす」

6主「こわいこというのは止めてくれ。落田くん」



348: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:31:00.30 ID:5Eyf6RMs0

『WWWWWWWWOOOOOOOOOOOOoooooooooo!!!!!!!』


マミ(…。運動会ってこういうものだったかしら?)

収容者「…」ギラギラ
収容者「…」ギラギラ
収容者「…」ギラギラ

マミ(オマケに何かものすごく視線を感じる…)

マミ(こんな恰好をしているのが、いまさらながら恥ずかしい…)

マミ(ううん。班のみんなががんばっているんですもの。このくらいのことは耐えないと!)



349: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:32:22.13 ID:5Eyf6RMs0

他の班A「行け! つぶせーーー!」

他の班B「死んでも勝て! マミさんは俺たちのものだ!」

落田「6主くん、流れ弾を狙うでやんす!」

6主「物騒なことをいうな!」



マミ(凄い気迫…。男の人ってこういうものなのかしら)

マミ(勝ちたいと思うのは普通のことだとはわかっているけど、こんなのを見せられると普通のことじゃないように思えてくるわ)

マミ(ペラがもらえるだけなのに…。それだけでこんなにまでなるのかしら?)



350: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:33:04.30 ID:5Eyf6RMs0

他の班A『マーミ! マーミ!』

他の班B『マミマミマミマミマミマミマミマミ!!』

収容者「マミさんを渡せ!」

落田「マミちゃんは絶対に渡さないでやんす!」

収容者「マミさんは俺たちにとっては光なんだ!!」

落田「知ったこっちゃないでやんす!!!」


マミ「…」ゾクッ



351: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:34:41.88 ID:5Eyf6RMs0

ヘルガ「さぞ、気分いいだろう? こんなにまで人に必要とされるのは」

マミ「所長…様」

ヘルガ「ん? 話しにくそうだな。この場に限り、対等に話すことを許そう」

マミ「…わかったわ」

ヘルガ「意外と物怖じしない性格だな」

マミ「あら、対等に話すしてもいいと言ったのは、そっちでしょう? なら遠慮はしないわ」

ヘルガ「ふむ。しかしよかったな。大の男たちが自分を求めて争う。これは女としては極上の喜びだ。初めての経験だろう? 男を手玉に取るというのは」

マミ「…そんなことはないわ。自分を賞品にされるなんて屈辱よ」

ヘルガ「そうか? 心なしか嬉しそうに見えたのでな」

マミ「私は野球班の応援をしていただけよ。大事な仲間だし、私はあの場所を離れたくないから」

ヘルガ「離れたくない…か。まあ、いいだろう」



352: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:35:50.05 ID:5Eyf6RMs0

マミ「所長」

ヘルガ「なんだ?」

マミ「他人が苦しむところを見て、そんなに楽しい?」

ヘルガ「急におかしなことを聞くな」

マミ「こんなことをするのも、結局はそういうことでしょう? 
   現実の残酷さを知っていてこんな島を作るなら、それはそういうのが『好き』ということでないかしら?」

ヘルガ「私が、サディストとでも言いたいのか。まあ、選んでこんなことをしている以上、否定はしないが」

マミ「やっぱり…!」

ヘルガ「しかしそれは軽薄な考えだな。個人の感情以外で物事をえらぶこともある。いや、むしろそちらの方が多い。
    そういうことは多いぞ、小娘」

マミ「…こんな島を作ることが、やらなきゃならないことだっていうの?」

ヘルガ「ああ、現実にこの島は必要だ。お前にはわからんだろうがな」

マミ「わかりたくないわ」

ヘルガ「こちらも理解されようなどとは思わんさ」



353: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:36:53.15 ID:5Eyf6RMs0

マミ「貴方が、本を読むのもそれが理由なのかしら?」

ヘルガ「ん?」

マミ「貴方から借りた本は、全部ファンタジーやホラー。架空の話だった。
   そうね、今理解したわ。そういうのを好んで読んでいるのは、この現実から逃避するためでしょう?」

ヘルガ「ヒドイ言われようだな。逃避しているのではないさ。もはや人類にとって神秘の世界など宇宙や海の底など、個人では手の届かない場所にしか残っていないのだ。
    それを作り話に救いを求めて何が悪い?」

マミ「神秘…?」

ヘルガ「そうさ。奇跡も魔法も、身近にはありはしない。あったとしても、個人の努力で見れるものではないさ」

マミ「…」



354: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:38:03.16 ID:5Eyf6RMs0

へルガ「それから、私はこのつまらん現実と戦う気を失ってなどいない。だがいささかうんざりはしている。
    例えばこの島だ。どうも、お前は大きな勘違いをしているような気がする」

マミ「…どういうこと?」

へ「いいか、私が管理するこの島ではあの収容者達をさらったりはしていない。あれは自分たち自身の事情でこの島にいるのだぞ?」

マミ「それは…」

ヘルガ「お前は例外だがな。だから、ある程度のわがままは聞いたつもりだ。
    とはいえ、ここに連れてこられるような状況になったのも、やはりお前の都合だ」

マミ「…じゃあ、どうすればよかったというの?
   勝手に売られるような、そんなことを避けられることが私ができたっていうのかしら?」

ヘルガ「そんなことは知らん。そんなことを考える義理は私にはないからな。出来るのは安い同情だけだ。
    だが、こんなところに来るのがお前の願望だったわけではないだろう?」

マミ「…」



355: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:38:37.26 ID:5Eyf6RMs0

へルガ「話を戻そう。それをなんだ、恨みがましい目で。挙句の果てに脱走だの反乱だの企てる。うんざりだよ、全く」

マミ「でも、銃で脅されて働かされていたら、そういう風には考えられるわけないじゃない」

へルガ「フン。こちらも単なるボランティアでこんなことをやっているわけではない。お前たちを利用しているんだ。我々は持ちつ持たれつの関係となのだよ」

マミ「なんのために、そんなことをするの?」

へルガ「人類に、希望をもたらすためだ」

マミ「え?」



356: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:39:10.64 ID:5Eyf6RMs0

ヘルガ「ここまでだ」

マミ「待って! いまのはどういう…」

ヘルガ「ここまでだと言った。これ以上は不敬罪を適用するぞ」

マミ「くっ…」

ヘルガ「…どうやら、野球班が優勢のようだな。配置換えはなさそうだ。よかったな小娘」

マミ「…みなさん、良い人ばかりですから。やさしい人ばかりですよ。だから、私の事にも一生懸命になってくれるんです」

ヘルガ「なるほど、良い人か。もしかしたらそれが原因か」

マミ「え?」



357: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:39:46.60 ID:5Eyf6RMs0

ヘルガ「小娘、お前は本当にこの島から出ていきたいのか?」

マミ「…?」

ヘルガ「気付いていないのか? まあいい。私がいわずとも、あの男がいうだろう」

マミ「何をいって…」

ヘルガ「さらばだ。私は終わりのフォークダンスまで待たせてもらう」スタスタ

マミ「あ…」

マミ(フォークダンス…。あるの?)



358: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:40:42.66 ID:5Eyf6RMs0

(そして…)


BB兵「結果を発表する! …野球班の勝利!」

野球班「やったー!」

他の班「ちっくしょぉぉぉぉぉぉ!!!」

BB兵「負けたチームからは50ペラを全員から徴収し、勝ったチームに渡すことになる。以上で本日の運動会を終わる。解散!」



マミ「あれ? フォークダンスはしないんですか?」

落田「もしかしてしたかったでやんすか? かわいいでやんすね」

マミ「い、いえ。しないなら別に…」

マミ(所長…楽しみにしていたのに…)



359: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:41:30.56 ID:5Eyf6RMs0

―宿舎―


(わいわい…)


6主「はぁ~、今日は疲れたなぁ」

落田「運動会の打ち上げということで夕飯が豪華になるとは、BB団も気が利くでやんすね」

マミ「お疲れ様です。6主さん、落田さん」

落田「ふふふ、オイラたちの力があれば、ざっとこんなもんでやんす」

6主「これで、マミちゃんを他の班に移動するなんてことは当分ないだろ。ホント、勝ててよかったよ」

マミ「はい…」

6主「ありゃ、元気が無いね。どうしたの?」

マミ「いえ…大丈夫ですよ」

落田「あんなところにずっと座らされてたら、そりゃ疲れるでやんす」

6主「いつにもまして暑かったからね。日射病にならなかった?」

マミ「日よけがありましたし、飲み物も貰えましたから」



360: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:42:29.07 ID:5Eyf6RMs0

6主「…しかし」


(わいわいわい…)


6主「…なんだろうな」

マミ「あんなに、激しい運動会だったのに。もう、あまりいがみ合っているようには見えませんね。ちょっと、不思議です」

6主「いや、そうじゃないんだ。こうしてみると、みんな、ここの暮らしに満足しているように見えてさ」

マミ「そうですか? BB団への不満を聞かない日はありませんよ?」

6主「それでも、本当に何かを進言したり、行動を起こすことは滅多にないだろ?」

落田「人間、管理される側はらくちんでやんすからね。何も考えずに、ただ従っていればいいでやんすから。
   少しの不自由さえ我慢すれば、ここも表の世界も、それほど変わらないかもしれないでやんす」

6主「そうかもね。支配される側は、文句さえ言っていればいいんだからな。まあ、ここではその文句さえ言えないんだけど」

落田「でも、それでもみんな満足しているみたいでやんすよ?」



361: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:46:17.05 ID:5Eyf6RMs0

(わいわいわいわいわい…)


6主「満足か…。たぶん、本当に満足してしまってるんだろうな」

マミ「満足…ですか? こんな何にもない島で」

6主「人間低いところでとどまっていると、そこでよどむんだよ。よどんでしまったら、人間は終わりさ」

落田「そうでやんすね。オイラもこんな場所で満足したくないでやんす」

6主「落田君。俺は元の世界に戻るからな、絶対に!」

落田「オイラもでやんす!」



6主「ね? マミちゃんも」

マミ「…」

6主「マミちゃん?」

マミ「あっ、え…あ、すみません…ちょっとボーっとしてました」

落田「やっぱり疲れているでやんすよ。今日は早く寝るでやんす」



362: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:46:56.07 ID:5Eyf6RMs0

―試合の日―


6主「よっしゃ、今日も勝ったぞ!」

落田「6主くんとマミちゃんが来てから、連勝でやんす!」

三谷「もう、一軍と二軍交代してもいいじゃねーか? がははははは!」

小杉「これが俺の実力だよ。やりゃあできるんだ」



363: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:47:22.52 ID:5Eyf6RMs0

マミ「…」

落田「マミちゃんは今日は不調だったでやんすね」

マミ「すみません。ちょっと調子が上がらなくて…」

6主「まぁ、そんな日もあるよ。でも野球はチームプレイさ。一人が調子悪くても、みんながそれを補えばいいんだから」

マミ「ありがとうございます」

BB兵「集まれ! 今回の個別評価を行う!」

6主「それじゃ、行こうか」

マミ「はい…」



364: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:47:58.91 ID:5Eyf6RMs0

―夜―


マミ(今日こそは魔女を仕留めないと…!)タッ




―魔女の結界内―


使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ


マミ(もうだいぶ慣れてきたわ…! 怖いことなんて何もない!)



365: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:48:34.98 ID:5Eyf6RMs0

ドドドドドドドドドド!!!



使い魔「…」シュー
使い魔「…」シュー
使い魔「…」シュー
使い魔「…」シュー



マミ「ふぅ…」

マミ(一匹一匹は大して強くない。姿さえ気にしなければ、これまで戦ってきた使い魔の中でも、弱い部類に入るわ)

マミ(大丈夫、この分なら本体の魔女の力も大したことないはず。がんばるのよ、マミ!)



366: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:49:27.28 ID:5Eyf6RMs0

  ガサガサガサガサガサガサ


マミ「…」

マミ(…向こうから、何かものすごい音が聞こえたような)

マミ(あ、反応がある。…こっちなのね)

マミ(ものすごく嫌な予感がするけど、覚悟を決めないと…)

マミ(…よし! 行くわ)



367: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:51:07.11 ID:5Eyf6RMs0

(そして…)



魔女「…」ガサガサガサガサガサガサガサガサガサ

マミ「いゃあああああああああああああああああ!!!!」



368: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:52:15.42 ID:5Eyf6RMs0

マミ(無理無理無理無理無理無理無理、こんなの絶対に無理よ!)

マミ(大きさがおかしいわなんでこんなに大きいの無理無理無理)

マミ(はやくしとめましょう。ええしとめましょう。さっさとしとめましょう!)

マミ「ティロ・フィナーレ!!!!」


ドゴォオオオオン!!!



369: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:52:50.34 ID:5Eyf6RMs0

(もくもく…)


マミ「ハァ…ハァ…」

マミ(た、倒したわよねっ…! もういないわよねっ…!)

マミ(とんでもない強敵だったわ。もう二度と見たくもない、ううう…)

マミ(さあ、帰って寝ましょう…。今日のことはもう忘れたいわ…)



370: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:53:49.21 ID:5Eyf6RMs0

  ぎゃーーーーーーーーー!!



マミ「!?」

マミ(今の悲鳴は…。誰かが結界の中に?!)

マミ(というか、魔女の結界が元に戻っていない…。まさか、逃がしたの?)

マミ(ううん、今は早く助けに行かなきゃ!)



371: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:54:22.25 ID:5Eyf6RMs0

???「や、止めろ! くるなー!」ズビー!

魔女「…!」ガサガサガサガサ

???「ふう…」



使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ

???「くっそ、次から次へと…」



372: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:54:49.57 ID:5Eyf6RMs0

マミ「はっ!」ドンドンドンドンドンドンドン!!!!

???「?!」


使い魔「…」シュー
使い魔「…」シュー
使い魔「…」シュー
使い魔「…」シュー


マミ「もう、大丈夫――。って…」



373: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:56:20.00 ID:5Eyf6RMs0

6主「…マミちゃん」

マミ「ろ、6主さん?!」



6主「やっぱり…」

マミ「6主さん、どうしてこんなところに?!」

6主「その前に!」プシュプシュプシュ


使い魔「…」シュー
使い魔「…」シュー
使い魔「…」シュー


マミ「え…?」

マミ(武器を持ってる…。でもどうして…)

6主「話は後! 魔女と戦った?」

マミ「え、あ、はい。どうも逃がしてしまったみたいで…って、どうして魔女のことを知ってるんですか!」

6主「あ、ごめん。こっちの武器はもうエネルギー切れみたいだ。きょうはもう戦えそうにないよ」

マミ「え、戦うって…」

6主「どうする? 戦いに行くのなら止めないけど、こうなった以上、君と協力したいんだ。
   別の日になれば、こっちも万全の状態で挑めるんだけど…」

マミ(え、だって6主さんは普通の野球好きの人で…え?)

6主「…もしかして混乱してる?」

マミ「当り前です!」

6主「…そーだよなぁ」



374: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:57:05.48 ID:5Eyf6RMs0

マミ「とにかく、6主さんはもう戦えないんですね?」

6主「ごめん。もう手持ちの武器が燃料切れで…」

マミ「じゃあ、今日は逃げます。こっちも消耗しているし、6主さんを連れて魔女と戦えるかどうかわかりませんから」

6主「わかった。結界を抜ける方法は知ってるんだよね? こっちも把握してるから、使い魔がきたらお願いしてもいいかな」

マミ「わかりました」

6主「じゃあ、いこう。長居は無用だ」

マミ(使い魔や魔女。結界のことまで…)

マミ(でも、魔法少女であるわけないし…。でも、そうじゃないと説明が)

マミ(ううん、今は無事に結界を出ることを考えましょう)



375: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:57:48.16 ID:5Eyf6RMs0

―外―


6主「なんとか抜けたね…」ゼェゼェ

マミ「はい…。大丈夫ですか?」

6主「そっちこそ大丈夫? グリーフシードがないと、ソウルジェムを回復できないんでしょ?」

マミ「あ、はい。まだ、2個。持ってますから…。あと一個はこれ以上穢れを移せませんけど…」

6主「やっぱり、これ以上長引かせるわけにはいかないよなぁ…」



376: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 20:59:33.07 ID:5Eyf6RMs0

マミ「あの…」

6主「俺のこと…だよね?」

マミ「どうして魔女のことを知ってるんですか? 魔女の知っているのは魔法少女だけのはず…」

6主「うん…」

マミ「しかも魔女は見えているし、結界にも出れる。どういうことなんですか? しかも使い魔とも戦えるなんて…」

6主「…」

マミ「…もしかして、本当は魔法少女なんですか? 魔女の影響で変わり果てた姿になったとか…」

6主「か、変わり果てた…。それ、結構傷つくなぁ」ガーン

マミ「ご、ごめんなさい。で、でも、それくらいしか…」



377: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 21:00:05.29 ID:5Eyf6RMs0

6主「あのね、マミちゃん」

マミ「はい」

6主「俺が未来から来たっていったら、信じる?」

マミ「…え?」



378: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 21:00:39.80 ID:5Eyf6RMs0

残り 30日 手持ちペラ1788ペラ 犬レベル75



・収入

マミ 10ペラ
6主 120
ボーナス マミ 20ペラ 
     6主 50ペラ
     勝利 200ペラ
運動会勝利 100ペラ


・支出

グラウンド代 -50ペラ
リフレッシュ小屋 -12ペラ
??? -50ペラ



379: ◆ctuEhmj40s:2011/10/30(日) 21:01:12.92 ID:5Eyf6RMs0

―キャラ紹介―


・パワポケ6主人公(6主)
 
 未来から来た男。
 タイムパトロールに所属しており、時間犯罪者の野望を阻止するためにこの時代にやってきた。
 本来ならばこの任務を果たして未来に帰る予定だったが、あえなく失敗し、しあわせ島に流されてしまった。
 原作でも、タイムパトロール所属の未来人であること以外、全ての経歴が不明。
 未来から物は持ち込めないため、現地調達で武器を作る能力がある。
 


・しあわせ島の魔女(オリ)

 巨大な黒光りしていてつやつやしているあれ。
 体当たりと、巨大な腹部から通常サイズ分身を産みだし攻撃してくる。
 やわらかい腹部が弱点。
 元ネタはプレイヤーを絶句させたミニゲームのボスキャラ



394: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 22:53:24.80 ID:pYCv6j7W0

―夜―


マミ「な、何を言ってるんですか…? 6主さん」

6主「いや、冗談にしか聞こえないだろうけど。本当のことなんだ」

マミ「実は女で魔法少女っていわれた方が、まだ納得できます!」

6主「あー、そうだよね。うん」

マミ「しょ、証拠は?! 未来の硬貨とか、免許証とか…」

6主「と、いわれても、武器はこっちに来ててせいで作ったやつだし。そもそも、未来から物は持ちこんじゃだめっていわれているしね」

マミ「タイムパラドックスの回避…! 因果律を守るための措置ですか?! まさか本当に…」

6主「まぁ、そんなところ。といっても、こうやって過去に人を送っている以上、対処療法みたいなものなんだけれど」

マミ「で、でも、それも証拠には…」

6主「うーん。魔女とか見えるのは未来の技術なんだけど、証拠にならないよね?」

マミ「素質があれば見えますから…。大人の男の人で、魔女が見える人というのは聞いたことがあ
りませんけど」

6主「どうしようか…」



395: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 22:54:00.52 ID:pYCv6j7W0

マミ「じゃあ聞きますけど、未来でも魔女は存在しているんですか?」

6主「それは…」

マミ「魔女や魔法少女のことを知っているなら話してください。普通の人は知らないことですから。ある程度の判断材料には、なると思います」

6主「…辛い話になるかもしれないけど。それでもいいかい?」

マミ「お願いします。とにかく情報をください。真偽はこちらで判断しますから」

6主「…わかった」



マミ(本当に6主さん未来人かどうかはわからない)

マミ(でもキュゥべえやソウルジェムとか単語を知っているなら、未来人かどうかは別にして魔法少女に関係している人である可能性は高いわ…)

マミ(とにかく、どういう人なのか判断しないと…)



396: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 22:55:37.52 ID:pYCv6j7W0

6主「まず、魔女は存在している。半世紀くらい前からインキュベーターが大量発生して少女と契約しようとするようになってね。
   それに対抗するために、以前から進められていた対魔女用の技術が投入されたんだ。それが、俺の体にも仕込まれている」

マミ「え、インキュベーター?」


6主「魔法少女を仕立て上げる宇宙人のことだよ。その目的はエネルギーの採取と聞いてる。知っているだろ?
   第二次性徴期の少女の、希望と絶望の相転移をエネルギー源として考えているらしい。それによって宇宙のエントロピー問題を解消しようというのが奴らの目的だ。
   奴らの手口は、巧妙だ。契約しそうな素質のある少女の下に現れて、メリットのみを話してデメリットをひた隠しにして契約を迫る。
   中には選択の余地のない状況で迫って、無理矢理契約を行う場合もあるらしいね。
   奴らは一度だけ、どんな願いでもかなえてくれる。でも、その代償は大きすぎる。魔法少女は途中で止めることはできないし、その末路は悲惨なものでしかない。
   戦いによる体力と精神の消耗によってソウルジェムがグリーフシードへと変わるとき、やつらはそこで発生させる膨大なエネルギーを採取して…」


マミ「ちょ、ちょっと待ってください! ソウルジェムがグリーフシードに変わるって、何を言っているんですか?!」

6主「え? これが魔法少女を増やしたくない君の理由だろ? 魔法少女は魔女になるしかない。だから君は…」

マミ「魔法少女が、魔女になる…?」

6主「もしかして…。げ、まだ何も知らないのか?!」

マミ「どういうことですか! 答えてください!」

6主「…」

マミ「6主さん!」



397: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 22:56:31.85 ID:pYCv6j7W0

(そして…)


マミ「そんな…そんなことって…」

6主「ごめん。まだ知らないとは思わなかったよ。この話は君から多くの人に教えられた情報だったから…」

マミ「私が…?」

6主「うん。君がこの情報を人々に知らせた最初の魔法少女だったんだ。資料を見れば、必ずその名前は出てくる。だから俺も君の名前を知ってたんだ」

マミ「…未来の私は、一体何をしたんですか?」

6主「インキュベーターと呼ばれる生き物が、少女をだまして魔法少女にし、魔女を生んでいること。それを伝えたんだ。
   おかげで、魔法少女になる子供は減少し、魔女そのものの数も減少傾向にある。
   一般的には知られていないけれど、俺みたいにタイムパトロールとかそういう仕事に就いた人間なら誰でも知っているよ。
   人類に警告を促した、最初の魔法少女だってね」

マミ「タイムパトロール?」

6主「それが仕事なんだ。時間犯罪者を追って、その犯行を阻止する。今はこんな身だけどね」

マミ「…」



398: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 22:57:27.15 ID:pYCv6j7W0

6主「…やっぱり、信じられないか」

マミ「…すみません。ちょっと時間を下さい」

6主「一ついいかな。俺はこの島にいる魔女を倒したい。
   武器の準備には少し時間がかかるから、それまでに一緒に戦えるかどうか、返事をくれないかな?」

マミ「…わかりました」

6主「なにか聞きたいことがあったらなんでも聞いてね。これくらいのことは、誤差の範囲内だから」

マミ「はい…」


6主(未来でも、魔法少女を人間に戻す方法は確立されていない…。魔法少女は見つけたら、即…)

6主(でも、そんなことは彼女には伝えられないよな…)

6主(過去の世界で魔女を倒すことは禁じられていない…。インキュベーターによる犠牲者は可能な限り少なくしないと…)

マミ「…」



399: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 22:58:04.82 ID:pYCv6j7W0

―所長室―


マコンデ「そろそろ、例の大会ですな」

ヘルガ「チームの仕上がりはどうか?」

マコンデ「は、万全です。あの大会の景品がなんなのか、未だにわかりませんが…」

ヘルガ「そんなものはどうでもいい。上位入賞、できれば優勝だ。しあわせ草の宣伝こそ。われわれの目的なのだからな」

マコンデ「しかし、優勝となると…。あの国のチームに勝ってしまうわけですが」

ヘルガ「…それだ。わが組織の今度を考えると、あの国のチームにはわざと負けるのが賢明かもしれん」

マコンデ「しかし、そうなると…」

ヘルガ「ああ、わが組織の技術が、かの国に劣ることになる。何か良い方法はないものか…」

マコンデ「そういえば、先ほど団長がお呼びでしたよ。この件に関することかもしれません」

ヘルガ「そうか…では向かうとしよう」



400: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 22:58:43.22 ID:pYCv6j7W0

―???―


ヘルガ「団長! 何の御用ですか?」

???「ああ、入るでやんす」

ヘルガ「では…うわっ」

ヘルガ(ま、また物が増えている…)

ヘルガ(こんなに大量のマニアグッズ、集めてどうしようというのだ? いや集めること自体に価値があるのか…)



401: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 22:59:13.68 ID:pYCv6j7W0

???「ヘルガ! まだ船は来ないのでやんすか?!」

ヘルガ「ハッ、三日後になるかと思います」

???「到着が遅れると、ダブったガチャガチャをネットで売る時期を逃すでやんす。
    オイラは完璧なマニアでやんすから、それは困るでやんす! この島には空港が必要でやんすね!」

ヘルガ「…ヘリポートはいかがでしょう? 比較的早く完成しますが」

???「頼りにしてるでやんすよ。オイラは誰よりもマニアでなくてはならないのでやんす」

ヘルガ「…」

ヘルガ(絶対に満たされない欲望か…)

ヘルガ(だからこそ、世界に絶望を振りまきたいのかもしれんな)



402: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 22:59:54.85 ID:pYCv6j7W0

―グラウンド―


落田「ここ最近、マミちゃんはずっと体調を崩しているでやんす。大丈夫でやんすかね?」

三谷「ここにきて、疲れが出たのかもな。まー、6主がついているから大丈夫だろ」

小杉「くそっ、練習に張り合いがねーぞ」

倉刈「マミさん、早く元気になってほしいですね」



403: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:00:23.52 ID:pYCv6j7W0

―宿舎―


マミ「…」

マミ(キュゥべえの目的がそんなことだったなんて…)

マミ(6主さんが嘘をついている、と考えられれば楽だけど…。そんな嘘をつく理由がないわ)

マミ(ということは、魔法少女が魔女になるというのは真実?)

マミ(それじゃあ、私がしてきたことって…)



404: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:03:13.10 ID:pYCv6j7W0

6主「マミちゃん、大丈夫?」

マミ「あ、6主さん…」

6主「インミンから島の果物をもらってきたよ」

マミ「…ありがとうございます」

6主「今日のはなかなかおいしいよ。こんなものでも気晴らしになるかと思ってさ。さ、食べよ」

マミ「…」コクン



405: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:04:05.92 ID:pYCv6j7W0

マミ「あの…」ムグムグ

6主「なに?」モシャモシャ

マミ「未来の私がどうして、魔女や魔法少女の真相を知ったのか知りませんか?」

6主「え?」

マミ「私、けっこう長い間魔法少女でいるんです。それなのに、そんなこと何一つ聞いたことがなかったからどこでそんなことを知ったのか気になって…」

6主「一応答えられるけど…。大丈夫?」

マミ「…もう、だいぶ落ち着きましたから」

6主「俺が見た資料によると、仲間の一人が目の前で魔女になったらしい。そう書いてあったよ」

マミ「…その人って、佐倉杏子さん?」

6主「いや、違う。美樹さやかっていう子だったかな。確か」

マミ(知らない名前…。これから会うのかしら?)



406: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:06:15.96 ID:pYCv6j7W0

6主「佐倉杏子…。その名前も記憶あるな。彼女はその魔女を倒すときに犠牲になったらしい」

マミ「そんな…」

6主「他にも君には仲間がいたよ。確か、他に出てくるのは暁美ほむらと鹿目まどかって名前だったかな」

マミ「…知らない名前ばかりです。本当に私なんですか? それ」

6主「少なくとも、見滝原市という場所で魔法少女をしていたとは書いてあったけど」

マミ(じゃあ、間違いは…ないわ)


6主「この2人は、色々あったみたいだね。ほむらって子がまどかって子を魔法少女にしないために頑張っていたらしい。
   結局、契約してしまったらしいけど」

マミ「…当然ですね。こんな残酷なことを知っていれば、絶対に魔法少女に誘いません」

6主「魔法少女に関することは、このほむらって子から教えてもらったとあったよ。インキュベーターが隠していたことも全部ね」



407: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:06:44.20 ID:pYCv6j7W0

マミ「凄い人なんですね。その『ほむら』て人は。私とは大違いです」

6主「いや、この子は君の後輩だったらしい」

マミ「え、でも…」

6主「何でも、時間を戻せる能力があって、親友だったまどかって子を助けるために何度も時間を変えてやり直していたらしい。
   彼女の能力は、魔法少女の尋常じゃない能力の例として記録されている」

マミ「何度も時間を…?」

6主「…結局、その願いは叶わなかったけどね。その最後もあわせて、彼女のことは魔法少女の危険性を伝えるため伝えられているよ」



408: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:07:47.27 ID:pYCv6j7W0

マミ「…私にそんな仲間がいたんですね」

6主「うん。色々あって、仲間って呼べるようになるには時間がかかったみたい。でも、かけがえのない仲間だったらしいね。
   君に関する情報では、この四人が仲間として出てくる。…残念ながら、全員亡くなったそうだけど」

マミ「…後の二人も?」

6主「暁美ほむらは魔女と戦いで死亡。最後に鹿目まどかのことを託されたそうだよ。
   鹿目まどかは…その、君が最後に介錯をしたみたいだ」

マミ「…!」

6主「それから君は彼女たちのような犠牲を生まないために、人々に魔女の存在を伝えたらしい。
   君に何があったかは、そこまでしか分からないな」

マミ「そうですか…」



409: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:08:28.38 ID:pYCv6j7W0

マミ「…6主さん」

6主「?」

マミ「未来って変えられるんでしょうか?」

6主「可能だよ。それを防ぐために、俺みたいなタイムパトロールがいるんだけど」

マミ「私が未来を変えようとしたら、私も捕まりますか?」

6主「魔女を倒すのなら、その必要はないよ。インキュベーターに関しては、歴史に干渉してでも、その目論見を阻止するように言われているんだ」

マミ「…いいんですか、それ? 歴史が変わってしまいますよ」

6主「それほど、未来でのアイツらに対する憎悪は大きいんだよ。なにせ、こっちをエネルギーを生む家畜にしか考えていないらしいから」

マミ(キュゥべえ…。私たちをそんな風に見ていたなんて)



410: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:09:01.36 ID:pYCv6j7W0

マミ「…ご心配おかけしました。もう起きれそうです」

6主「大丈夫? もう少し寝ていても平気だよ」

マミ「ここで寝ていても、何も始まりませんから。とにかく、今は脱出と魔女のことが最優先ですよね」

6主「うん。でも、こっちの準備にはまだ時間がかかるんだ。それからでいいかい?」

マミ「はい。じゃあ、グラウンドに行きましょう」

マミ(体を動かしていた方が、気持ちも楽になるし…)



411: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:10:06.75 ID:pYCv6j7W0

―広場―

BB兵「ちょうどよかった。貴様らに仕事がある」

マミ「あ…」

6主「彼女は、病み上がりです。仕事なら私が引き受けますが」

BB兵「いや、その娘もいたほうがいい。重労働ではないから、着いて来い」

6主「しかし…」

マミ「私なら、大丈夫です。それに重労働じゃないみたいですから」

BB兵「では、ついてこい。こっちだ」



412: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:10:48.34 ID:pYCv6j7W0

―墓地―


6主「あの、この人は…」

BB兵「昨晩、容体が急変してな。そのまま、回復しなかった」

マミ「…」

BB兵「小娘、こいつはお前のファンだった男でな。良かったら、少し祈りを捧げてやってくれないか?」

マミ「え?」

6主「マミちゃん、お願いしてもいいかな?」

マミ「は、はい…」

BB兵「あまり変な様式とかにはこだわらなくていい。ただ、安らかに眠れるように祈ってやってくれ。
   それが一番喜ぶだろうからな」

マミ「…」



413: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:11:38.68 ID:pYCv6j7W0

BB兵「本当は、牧師か何かいればいいのだがな。お前たちのなかにもいないだろう」

6主「…残念ながら」

BB兵「明日は我が身だ。俺たちも他人事ではない。そういうのがいれば、少しは気は楽になるのだがな」

6主「…ここに埋められて平気か?」

BB兵「平気ではないな。だからこうやって、自分を慰めている」

6主「…」

BB兵「すまなかったな、もう戻っていいぞ」

マミ「はい…」



414: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:13:37.89 ID:pYCv6j7W0

―広場―


6主「…」

マミ「…」

へルガ「ここでなにをしている」

マミ「…先ほど、収容者の人がお亡くなりに」

ヘルガ「ああ、埋葬作業か。ご苦労だったな」



415: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:15:21.38 ID:pYCv6j7W0

マミ「…あなたは、平気なんですか?」

ヘルガ「なにがだ?」

マミ「こんな島じゃ、死ぬことはあなたにとっても他人事ではないでしょう。
   いつ何が起こってもおかしくありませんし。こんな最果ての場所で誰にも知られず死んでいくなんて…」

ヘルガ「私には目的がある。それを成すならば、それくらいは些末なことだよ」

マミ「些末って…」



416: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:16:10.30 ID:pYCv6j7W0

6主「…」

ヘルガ「お前はどうした? 心ここに在らず、といったかんじだが」

6主「ちょっと考え事をね。この組織…BB団は、単なる普通の犯罪組織には見えないな」

へルガ「犯罪組織の『普通』というのも奇妙に聞こえるな」

6主「いや、この組織には動機がある。それが何かはわからないけれど、少なくとも金じゃないな。この島は快適とはほど遠い
   それなのに活動できるのは、強い信念があるからだ」



417: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:17:56.05 ID:pYCv6j7W0

へルガ「…まあ、貴様らになら話しても良いだろう。教えてやろう、BB団の目的を」

マミ「目的なんてあるんですか? こんなことをする目的が」

ヘルガ「当然だ。BB団の目的は、人類を救うことだ」



6主・マミ「…はぁ?」

へルガ「お前達は気づいていないかもしれないが、今、人類は危機に直面している。文明と科学の進歩がまねいたことだ」

6主「具体的にどういう危機なんだい。核爆弾か? 汚染か? 電磁波とでも?」

マミ(まさか…魔女?)

へルガ「ふむ、それは滅亡にいたる方法にすぎん。われらが問題にするのは、動機の方だ」

6主「へ? 動機…だって?」

へルガ「疫病、飢饉、戦争…。こういったものはたしかに存在し、今でも大きな問題ではある
    だが、それはほんの10年前と比べてもどんどん改善されている。いずれ、人間をおびやかす外的な要因は弱まり、無視できるようになるだろう」

マミ「それって良いことじゃないんですか? それなら、みんな幸せになるということでしょう?」



418: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:18:36.63 ID:pYCv6j7W0

へルガ「そして人類は直面することになる。己自身の闇に、な」

6主「なにを言って…」

へルガ「生きるのが困難で忙しいうちは良い。あまり、それを考えなくてすむからな。克服すべき障害、戦うべき敵を失った時、誰もが冷酷な真実に気づくのだ」

6主「…」

へルガ「そう、もはやこの世界に未来を託すべき希望、夢も神秘も残されてはいない。
    もし、この世界から解決すべき問題がなくなってしまったら、そこには絶望しか残っていないのだ」

マミ「…!」



419: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:19:10.85 ID:pYCv6j7W0

6主「絶望しか残ってないって…」

ヘルガ「その事実に、目を向けさせないために我々は存在している」

6主「なんてことだ…。まさか、君たちは?」

へルガ「そうだ! 人間には敵が必要なのだ。憎み、戦い、打ち倒す。自分たちが不幸であることの言い訳となってくれるものがな」

6主「ばかな! そのために世界中の犯罪者とテロを援助しているのか? それは単に不幸な人を増やすだけだ!」

へルガ「その苦しみが一つ終わった時、それ以上の人間が希望を得るさ。これで幸せになれる、とな。悲劇と絶望なくして希望の種は育たんのだよ」



420: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:20:55.18 ID:pYCv6j7W0

マミ「そんなのは間違ってます! 希望を持つために敵を作るなんて、そんなことは本末転倒です!」

ヘルガ「もはや、そんなことをしなければ希望を持てないほど、世界は行き詰っているのだ。お前にも覚えがあるだろう?」

マミ「…何の話ですか?」

ヘルガ「今のお前を見ればわかるさ。お前は行きづまっていた。以前の生活にな。なにをしていたのかは知らないが」

マミ「勝手なことをいわないでください! そんなことありません! こんな島にいるよりはまだ…」

ヘルガ「そうか? 今のお前はこの島での生活を楽しんでいるように見えるぞ」


マミ「え…?」

ヘルガ「さぞ、気分がいいだろうな。周りから必要とされて、それに答えられるという環境にいるのは。
    反抗すべき敵もいて、無力であるがゆえにその敵が消えることもない。
    今のお前にはこの島に来た時のような、反抗的な目が感じられん。他の収容者と同じ、飼い慣らされたものの目だ」

マミ「私がこんな島にいることを望んでいるっていうんですか? そんなことあるわけない!
   私はあの街に戻りたいんです! 私が守っていたあの街に…」

ヘルガ「本当にそう言えるのか? よく思い出せ。お前の住んでいた街での生活を。本当に戻りたいのか?」

マミ「そんなの、あたりまえ…」



421: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:22:37.01 ID:pYCv6j7W0

(…私、このままずっと一人ぼっちなのかしら)
(このままずっと一人で魔女と戦って、一人で生きて、一人で…)



ヘルガ「躊躇したな?」

マミ「っ…」 

ヘルガ「絶望から脱けだすためならば、人間どんなことでもするさ。こんな島で生活することもな。
    だから人類全体の絶望から救うためには、敵が必要なのだよ。その犠牲に見合う対価は、十分すぎるほどだ」

6主「そんなの…!」

へルガ「まぁ、よく考えるのだな。そうすれば、理解できるはずだ。私の正しさが、な」スタスタ



423: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:24:19.11 ID:pYCv6j7W0

マミ「…」

6主「マミちゃん、気にすることはないよ。とにかく、もう期間も間近なんだ。魔女を倒して、ペラを稼ぐことを考えよう」

マミ「はい…」

6主「所長…それは間違っている、絶対に」



424: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:25:43.73 ID:pYCv6j7W0

―グラウンド―


マミ(私はどうしたっていうの…?)

マミ(所長の言う通り、この島から出たくない? ううん、そんなわけないわ。こんな地獄のような場所からは早く抜け出したいもの)

マミ(…でも、見滝原に帰って私は何が出来るというの?)

マミ(キュゥべえは味方なんかじゃなかった。魔女と戦っても、私が魔女になるだけ…)

マミ(ううん、そんなこと考えてはダメだわ。あの街には思い出がある。それを守るためにも魔女と戦わないと…)



425: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:26:24.85 ID:pYCv6j7W0

マミ(…魔女と戦いたい? 私は魔女に居てほしいの?)

マミ(そうすれば、嫌なことを忘れられるけど…。でも、そんなのあの所長と同じじゃない)

マミ(嫌…そんなの…)

マミ(その前に見滝原に帰れる? 以前のような生活に戻れるの?)

マミ(もうあの親戚の人はいない。こんなに長い間離れていたら、マンションだって引き払われている可能性だって…)

マミ(あの街に、私の居場所は残っているのかしら)



426: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:26:59.31 ID:pYCv6j7W0

マミ「…」

落田「マミちゃん、やっぱり調子悪そうでやんす」

渡辺「6主、練習させていいのか? まだ休ませたほうがいいんじゃないかな」

中田「それより、ペラは大丈夫なのかよ。ちゃんとこんな島から出してやれよ」

布具里「う~ん、ライバルがいないと張り合いがないな~」

倉刈「6主くん、無理しないでくださいね。私のことなんて後回しでいいですから」



427: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:27:36.00 ID:pYCv6j7W0

―打撃テストの日―



BB兵「よし。成績の良いものから、既定の賞金を渡す! 呼ばれたら物から来るように!」

落田「マミちゃん、成績は好調でやんしたね。もう大丈夫なんでやんしょうか?」

6主「…」

BB兵「次、巴!」

マミ「はい」

BB兵「相変わらずいい成績だな。所長も褒めているぞ」

マミ「…はい」



428: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:28:24.14 ID:pYCv6j7W0

6主(マミちゃん)

マミ(何ですか? 6主さん)

6主(武器の調整が終わった。予定通り、今夜魔女を仕留めようと思うんだけど、大丈夫?)

マミ(…はい)

6主(じゃあ、夜になったら抜けだそう)

マミ(わかりました)



429: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:28:51.86 ID:pYCv6j7W0

―魔女の結界内―


6主「じゃあ、行こうか」

マミ「はい!」ヘンシン!

6主「…うーん、こうしてみると本当にアニメみたいなんだな、魔法少女って」

マミ「あ、あんまりジロジロ見ないでください…」

6主「ああ、ごめんごめん。俺、魔法少女にあったことなかったから、めずらしくてね」

マミ「未来で、魔法少女にあったことはないんですか?」

6主「管轄が違うからね。まぁ、それでも魔女と戦えるような訓練はさせられたんだけど」

マミ「訓練で何とかなるんですか? 魔女って相当に危険ですよ」

6主「体に色々仕込んだりね。まぁ、魔女と戦う以外じゃ使えないようになっているんだけど」



430: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:29:24.28 ID:pYCv6j7W0

マミ「あの、その武器は…」

6主「これはこっちの時代に来てから作ったんだよ。未来からあんまり物は持ち込めないから。基本的に現地の部品を使って作るのが、規則なんだ」

マミ「ゴキジェットにしか見えないです」

6主「まぁ見た目はね。でも性能は …ほら!」ズビー!

マミ「ビーム…! 凄いですね」

6主「厳密には違うんだけど。広範囲型と、一点集中型の二つのモードに切り替えるように調整したんだ。これで、使い魔と魔女、両方に対応できるはずだよ」

マミ「じゃあ、役割を決めましょうか。魔女との戦いは私の方が経験があるようですから、私が前に出て戦うということでいいですか?」

6主「うん。こっちは使い魔の方を相手にするよ。集中型は消耗が激しいから、短時間しか使えないんだ。追いつめたら、一緒に一気に畳み掛けよう」

マミ「じゃあ、最後は『ティロ・フィナーレ』で決めましょう」

6主(やっぱり、それが必殺技なんだな)



431: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:30:00.25 ID:pYCv6j7W0

(そして…)


6主「おりゃ!」ピュンピュンピュン

使い魔「…」プシュー
使い魔「…」プシュー
使い魔「…」プシュー

マミ(本当にあんな武器で戦えている…)

マミ「使い魔はお願いします! 6主さん!」

6主「わかった!」

マミ「私は魔女を!」

魔女「…」ガサガサガサ



432: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:30:35.15 ID:pYCv6j7W0

マミ(大きいくて素早いけど、攻撃や動きは使い魔と変わらない…! そんなに強い魔女ではないわ)

マミ「ハッ!」ドンドンドン

魔女「…」ガンガンガン

マミ(ただ、外殻は比較にならないほど固いみたい…。後ろを取って腹部を狙わないと!)

魔女「…」プリッ ワラワラワラ

6主「しつこいぞ!」ピュンピュンピュン

マミ「6主さん、何とかして後ろを取りましょう。正面からは、あんまり効果がありません!」

6主「わかった! こっちが囮になるから、マミちゃんがその間に!」

マミ「はい!」



433: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:31:01.13 ID:pYCv6j7W0

6主「おりゃおりゃおりゃ!!」ピュンピュン

魔女「…」ガサガサガサ

マミ(腹部がこちらに向いた…! 今!)

マミ「くらいなさい!」ドンドンドンドンドン!!!

魔女「…!」

マミ(動きが止まった!)

マミ「6主さん、今です! 挟み込んで!」

6主「よし、これで止めだ!」

マミ「ティロ…」



434: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:31:33.65 ID:pYCv6j7W0

「そうか? 今のお前はこの島での生活を楽しんでいるように見えるぞ」


マミ「…!」

6主「ちょ、マミちゃん! 照準、照準!」

マミ「あ…」

マミ(手元が…!)



435: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:32:08.01 ID:pYCv6j7W0

 チュドーン


6主「おわ!」

マミ「6主さん!」

魔女「!」ガサササササ

マミ(魔女が逃げる…けど、6主さんが!)



436: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:32:49.58 ID:pYCv6j7W0

(そして…)


マミ「6主さん、大丈夫ですか…?」

6主「いてて、うん俺は大丈夫。だけど、魔女は…」

マミ「…逃げられてしまいました」

6主「ごめん、俺を気にしたからだよね。ソウルジェムの方は大丈夫?」

マミ「はい。6主さんの方は…」

6主「こっちもまだ残量に余裕があるよ。でも、今日はここまでにした方がよさそうだ。
   また、体制を整えなおして次に備えよ?」

マミ「…」



437: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:33:29.29 ID:pYCv6j7W0

マミ「…すみません」

6主「そんなに謝らなくていいよ。調子が悪いのに無理させたこっちも責任があるし。次は万全の状態で…」

マミ「違うんです…」

6主「え?」

マミ「あの時、絶対に外さない状態だったんです。外したのは、私が余計なことを考えたから…」

6主「マミちゃん?」

マミ「これで倒せるって時に、考えちゃったんです。この魔女を倒したら、この島での、私のいる一つ意味がなくなっちゃうって。
   魔女がいれば、このままこの島でも人々を守れる魔法少女のままでいられるって、そんなことを…」

6主「ちょ、ちょっと待って。いったい何を…」



438: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:34:19.68 ID:pYCv6j7W0

マミ「…きっと、わたしはこの島から出たくないんです」

6主「そんなことないよ。君はこれまでずっとがんばってきたじゃないか」

マミ「思い出しちゃったんです。外に出たって私には…。だったら、この島にいたほうが、幸せでいられるって…、きっと…、そんなことを…」

6主「そんなの…!」

マミ「だって、私にはもう何もないんですよ?」

6主「え…?」

マミ「あそこに居ても、希望なんて見えないんです。だったら居心地のいいこの島で暮らしてもいいないじゃないですか…」

6主「そんなの何も解決していない! 目を逸らしてるだけだ! こんな島で淀むなんて、君らしくない!」



439: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:34:52.24 ID:pYCv6j7W0

マミ「私らしい…?」

6主「そうだよ。こんなの君らしくないよ」

マミ「私らしいってなんですか! 何にも知らないくせに!」

6主「君はこんな島に来たって、あきらめなかったじゃないか! だからみんな君のことが好きだったんだよ」

マミ「そんなの、何も知らなかっただけです! こんなこと、知っていればそんな風に振る舞えません!」

6主「そんなことない! 君はこの島で行われていることが許せるのか? 
   許せないから、あんなに所長に噛みついたり、野球をがんばってこの島から出ようとしたんだろう」

マミ「そんなの知りません!」

6主「マミちゃん!」



440: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:35:38.06 ID:pYCv6j7W0

マミ「貴方は知ってるんですか?! 一人で寝ることの寂しさや魔女と戦うことがどれほど怖いのか!
   それでも、魔法少女になって魔女から人を守るって考えれば我慢できたんです!
   でも、それももう無理です! 私はキュゥべえに利用されてて、魔女になるんですよ! こんなの耐えられるわけないじゃないですか!」

6主「君は一人じゃない! それに魔女と戦う以外の生き方だってあるだろ!」

マミ「一人なんです、私は!」

6主「そんなこと…!」

マミ「あの、何もない生活に戻りたくないんです。誰もいない、待っていてくれない暗い部屋に戻りたくない!
   それなら、こんな島での生活の方がまだ救いがあるじゃないですか!」

6主「本気で言っているのか! そんなこと!」

マミ「さっき魔女を倒せなかったのが、私の本心なんです! 魔女がいれば、使い魔や魔女を倒すという使命を、嘘でも果たし続けることができるから。
   どうせ、収容者は沢山いるしこんな島に来る人間なんだから、死んだって構わない。そう考えたんです、私は!」

6主「そうじゃない! そんなこと君が考えるはずないだろ!」   

マミ「そんな人間じゃないんです…。最低なんです、私…!」

6主(…?)



441: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:37:32.83 ID:pYCv6j7W0

6主(おかしい…)

マミ「6主さん、私はどうすればいいんですか…」

6主(不安を抱えていたけど明るい子だったのに、この変化…。何があったんだ?)

マミ「この島がおかしいのはわかってます。でも、帰っても私には何もないんです」

6主(明らかに言動がおかしいぞ。思考がネガティブな方向に走りすぎている)

マミ「友達もやるべき事も、未来も。結局なにも変わらないんですよ。それなら、このしあわせ島にいる方が、しあわせじゃないんですか…?」

6主(絶望…。呪い…。資料にあった通りなら、これってソウルジェムがヤバいんじゃないか?)

マミ「でも、本当にそうだとも思えなくて…。こんな島が間違ってるってことも、どうしようもなく感じてしまうんです」

6主(マズイ! どうにかしないと…)

マミ「もう、どうしたらいいかわからない…。わからないんです」

6主「…」



442: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:38:21.28 ID:pYCv6j7W0

6主「君はどうして、魔法少女になったの? そのことは資料には書かれていなかったから」

マミ「事故にあったんです。そこにキュウベエが来て、願いを…」

6主「…選択の余地はなかったんだね」

マミ「自分だけ生き残って、一人になりました。だから、この命を人のために役立てようって思ったんです。
   でも、それももう無理です。魔法少女は魔女になるしかない。もう私には何もないんですよ。使命も、友達も、家族も、なにも…」

6主「本当に何もないのか?」

マミ「じゃあ、私に何があるっていうんですか?」

6主「君が戦ってきたことで助かった人がいるのは確かだ。何もないないなんてことはない。そうやって、正しく生きてきたって誇りがあるだろ?」

マミ「…」

6主「何にもない人間なんてこの世の中には居ないんだよ。どんな人間だって、思い出や他人や過去を背負って生きてるんだ」

マミ「そんなもの、私には何にもならないです! 誰も、私の事なんか知らないし、居なくなっても気にしてもくれない。
   もう一人ぼっちは嫌なんです。誰かに居て欲しいんです…」



443: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:38:55.83 ID:pYCv6j7W0

6主「だったら君は、なおのこと、この島から出るべきだ。君が欲しいものはここにはないよ」

マミ「え…」

6主「こんな閉じた場所に逃げ込んでも、君の感じている寂しさからは解放されないよ」

マミ「でも…あの部屋に帰っても…誰も…」

6主「もう一度、よく思い出すんだ。君が今まで出会った人や思い出、街や学校のことを。
   君が欲しいのはそういうものなんだろう? こんな島で過ごすことなんかじゃないはずだ」

マミ「…」

6主「君の人生は君のものだ。BB団のものじゃないし、ましてや未来が決めることでもないんだ。君が考えるんだよ」



444: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:39:47.31 ID:pYCv6j7W0

マミ「…」

6主「俺はこれからもペラを貯めるよ。絶対に君をここから解放する、約束だ」

マミ「…でも」

6主「それと、ちょっとソウルジェムを見せてもらえるかい」

マミ「え? …あ」

6主「やっぱり大分濁っているね。グリーフシードでちゃんと浄化しないとダメだよ?」

マミ「…すみません」シュウゥ

6主(これで気持ちが落ち着くといいけれど…)

マミ「…」

6主(…マミちゃん、信じてるぞ。君はこんな島にいる子じゃないんだから)



445: ◆ctuEhmj40s:2011/11/02(水) 23:40:14.94 ID:pYCv6j7W0

残り 20日 手持ちペラ 2128ペラ 犬レベル75


・収入

マミ 0ペラ
6主 208ペラ
グラウンド代 0ペラ
ボーナス
     マミ 72ペラ 8安打
     6主 68ペラ 7安打


・支出

リフレッシュ小屋 -18



474: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 21:44:09.01 ID:zJRj076j0

―番外編・その頃の見滝原




―???―


杏子「はぁ? マミのヤツがいなくなった?」

QB「うん。マミの行方がわからないんだ」

杏子「それって魔女やられたってことなんじゃねーの?」

QB「いや、あの日は魔女を倒して、もう休むってマミは言っていたよ。反応もなかったし、あの後戦いにいったとは考えにくいな」

杏子「急にまた新しく反応が出たんじゃねーのか? あのエリアは人も魔女も多いし、アイツは『正義の味方』なんだからさ」

QB「まあ、消えた経緯はあまり問題じゃないんだ。問題なのは、今あのエリアに魔法少女が誰もいないということなんだよ」

杏子「で、アタシのところに来たと?」

QB「そう。君ならつい先日まであの街にいたし、最適だと思ってね。新しい魔法少女が生まれるまで任せたいんだ」

杏子「そんなのいらねーよ。もうあのエリアはアタシのものだ。グリーフシードも全部な」

QB「やれやれ。まあ当分の間は頼むよ。素質のある子がなかなか見つからなくてね」

杏子「…いらねーってんのに」



475: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 21:44:58.42 ID:zJRj076j0

―魔女の結界内―


杏子「ロッ…うおりゃ!」

魔女「…」

杏子「へっへっへ。大量大量」

杏子(魔女も使い魔を多いし、餌もたくさん。グリーフシード狩り放題だな)

杏子(全くいい狩場だよ。ここで稼いだら、もっとアタシのエリアを広げてみるか。これだけありゃ負けることもないだろうし)

杏子(さて、グリーフシードを孕んだヤツは狩り終わったし、そろそろ帰るとするかな)



476: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 21:45:56.84 ID:zJRj076j0

―マミホーム―


杏子「…ただいまー」



シーン



杏子(ってアタシはなにやってんだ。誰もいないってのに)

杏子(鍵をとっておいて正解だったな。これで寝床もゲット、と)

杏子(とりあえず、あんまり騒がないようにしないと。行方不明なんだし、怪しまれてばれたら元も子ねえ)

杏子「…さーて、飯飯っと」

杏子(材料はあるけど、そのまま食えるものはすくねーな)

杏子(ケーキ…は止めた方がいいな。食えそうに無いものは捨てちまおう。ゴミも出さないと、臭いがきついな)

杏子(うーん、食えるもんはないな。仕方ない、何か買いにいくか。金はあるし)

杏子(しっかし、絶好の狩場に拠点もある。サイコーだなここは。あー、ベッドがフカフカだなぁ。今日はもう寝ちまうかなぁ…)



477: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 21:46:42.36 ID:DKYEFbwp0

「佐倉さん――」




杏子(知るかよ)

杏子(勝手にいなくなった、アンタが悪いんだ。この街はアタシがもらうよ)

杏子(それに、アタシはもうアンタみたいにはなれないんだ)



478: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 21:47:32.40 ID:zJRj076j0

(そのころ…)


???「博士、出かけるのでバッタ? あそこになにがあるのでバッタか?」

???「そーだぜ、それより悪の組織らしいことをやろーぜ博士」

???「お前ら何も知らんのか。今、あの街には謎の行方不明事件や自殺が頻繁に起きておる」

???「そいつがどーかしたのか?」

???「するのじゃよ。何とも言えない悪の香りが。何か、とてつもない陰謀が渦巻いているのかもしれん」

???「陰謀でバッタか!」

???「そいつは悪の組織としては見過ごせねーな」

???「そうじゃろうそうじゃろう。ならば我らでこの陰謀を突き止め、我が組織に吸収してやろうではないか。片田舎で行なっておるんじゃ。大した組織ではあるまい。
    役に立ちそうに無ければ、陰謀だけ奪い取ってこちらで利用してもよかろうて」



479: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 21:48:14.26 ID:zJRj076j0

???「おおー、何か極悪人みたいでバッタ!」

???「ケケケ、悪の組織として久々に血が騒ぐぜ」

???「まずは吾輩が情報収集してくる。何が起こっているのか調べねばなるまい。行動はそれからじゃ」

???「博士が行くのか? 俺たちが行ってやってもいいんだぜ」

???「お前たちではバカすぎて話にならん。留守番を頼んだぞ」

???「わかったでバッタ。気をつけて行ってくるでバッタ」

???「博士、土産に焼きまんじゅう買ってきてくれ。名物らしいからよ」



480: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 21:48:50.86 ID:zJRj076j0

―路地裏―


杏子(今日だけでグリーフシードが三つ…)

杏子(思った通り、使い魔が育ちまくってるな。これなら予想以上に稼げそうだ)

杏子(他人が犠牲になろうが知ったことかよ。アタシはアタシ自身のために魔法を使うって決めたんだからな)

杏子(そうだ。正義の味方なんてバカじゃねぇか。だったらアタシは悪の手先で十分だよ)

杏子(…お?)



481: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 21:49:56.73 ID:zJRj076j0

杏子(魔女の結界だ! おいおい今日はまだ稼げんのかよ!)

杏子(やっぱ、ここは最高の狩り場だぜ!マミのやつにはもったいなかったな!)

杏子(さーて、ちゃちゃっと片付けるとするかな)

???「――ぬおぉぉぉぉぉぉ」

杏子(…ん?)



482: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 21:51:10.74 ID:zJRj076j0

???「な、なんだここは! どうしたというのだ!」

杏子(なんか悲鳴が聞こえるな。誰か迷い込んだのか)

杏子(悪いが、アタシはマミみたいな正義の味方じゃないんだ。恨むんなら、こんなことに巻き込まれた自分を恨みなよ)



???「くそっ、もしや吾輩の頭脳を狙った組織の陰謀か! 一人で行動していたのがあだとなったか! だが、こんなもので吾輩は屈せんぞ!
    必ずや、この窮地を脱出し、この世の真理を見つけ出してみせよう! そのためなら、いかなる困難も敵ではないわ!
    天上天下どこにあろうとも吾輩のほかに悪はなし! 吾輩をおいて真理なし! 天地開闢から終末に至るまでの、あらゆる事象は吾輩によって…」

杏子(…うるせーなぁ)



483: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 21:51:44.56 ID:zJRj076j0

(そして…)


杏子「死ねっ!」

魔女「…」

杏子「ふぃー、終わりっと」

杏子(流石に4戦目はキツイな…。今日はもう帰るか)

杏子(しっかし、たった数日でこんなに稼げるとはね。これなら、まだまだ稼げそうだな)

杏子(さーて、今日は何を食うとするかな。昨日はラーメンだったから、今日はピザでも…)



484: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 21:52:26.31 ID:zJRj076j0

???「おや、景色が戻ったのう。もしかして出られたか」

杏子(ん、この声は。生きてたのか、運の良いやつだな)

???「ん? 何じゃ貴様は?」

杏子「…」

???「おお、ちょうどいい。今さっきまで、ここに変な空間が広がっていなかったか? ダリの『柔らかい時計』のような…」

杏子「は? 何言ってんだじいさん? ボケてんのか?」

???「本当に知らんのか? ううむ、ボケたとは思いたくないが…」

杏子「…もういくぜ。徘徊してねーで家に帰れよ」

杏子(…変な服着た爺さんだったな。黒マントかよ)



485: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 21:53:07.21 ID:zJRj076j0

―数日後―


杏子(今日も大量大量っと。笑いは止まらねーな、こりゃ!)

杏子(狩っても狩っても狩りつくせねぇ。使い魔がガンガン人を襲ってくれるから、育てるのも楽だなこりゃ)

杏子(この調子でグリーフシードを集めて、もっとエリアを広げてみるか。これだけありゃ、他の魔法少女に負けるはずねーからな)

杏子(くっくっく、夢が広がるぜ…!)

杏子(さてと、今日はもう帰って寝るかな)



486: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 21:53:44.27 ID:zJRj076j0

―マミホーム―


杏子「ただい…」

杏子(っと、またやっちまった。返事なんか返ってくるわけねーのに)

杏子(いい加減、一人も長いんだからな。慣れないと)

杏子(今日は、何を食べるかな…)


???「おう、帰ったかの」

杏子「…は?」

???「外で待っているのも辛いのでな。勝手に上がらせてもらったぞ」

杏子「…」



487: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 21:54:25.53 ID:zJRj076j0

杏子(おいおいおい、何だこのジジイ?!)

杏子(い、いや、その前に何で勝手に部屋に上がっているんだよ。鍵はかけといたぞ)

杏子(まさか、ボケて上がりこんだってことはないよな? 鍵はかかってたんだし)

杏子(もしかして新手の空き巣か? この野郎、人の家に土足で上がりこみやがって!)


杏子「出ていけ、ジジイ! 今なら冗談で許してやるよ」

???「ん? なんじゃ。何か気に障るようなことでもしたか?」

杏子「人の家に勝手に土足で入られて喜ぶ人間がいるかよ! ここはアタシの家だ! 出て行かなきゃ警察呼ぶぞ、ジジイ!」

???「何が警察じゃ。お前さんも他人の家に上がりこんでるくせに」

杏子「なっ!」

???「知っとるぞ。ここの本当の家主は行方不明じゃろ。お主は勝手にここで住んでいるにすぎん。警察を呼んでもわしは別にかまわん。
    ボケたふりしてやり過ごすからの」



488: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 21:55:06.51 ID:zJRj076j0

杏子「…爺さん。何者だ?」

黒野「よくぞ聞いてくれた! 吾輩こそは悪の天才科学者・黒野鉄斎じゃ!」

杏子「なんだ、やっぱりボケジジイか」

黒野「失礼なやつじゃな」

杏子「自分のことを悪だの天才だの言うやつは、ボケてるのと変わらねぇよ!」

黒野「事実なんだから、仕方ないじゃろ。自己分析は重要じゃぞ」

杏子「…で、その悪の天才科学者がなんのようだよ。アタシをスカウトしにでも来たのか?」

黒野「ふん、生意気な小娘がわが組織に入ろうなぞ10年早いわ」

杏子「こっちだってそんな変なもんに入るなんて願い下げだよ」



489: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 21:56:11.18 ID:zJRj076j0

黒野「お主、あの変な空間のことを知っておるじゃろ」

杏子「…なんのことだよ」

黒野「とぼけても無駄じゃ。ここ数日、行動のデータを取らせてもらった。お主の行く先々であの妙な空間が広がっておる」

杏子「んなっ!」

黒野「最初にあった時も、あの空間を出た瞬間だったからな。何かあると思って、発信機を付けておいたのが正解だったみたいじゃな」

杏子「外せ! 今すぐ外しやがれ!」

黒野「外してもいいが、その前にあの妙な空間のことを教えんか。なんじゃ、大神かプロペラ団の残党が何かしとるのか?」

杏子「やっぱいいや。位置を教えるくらいなら、気にしないしな」

黒野「いまここで警察を呼んでもよいぞ。わしはボケたふりをするから、お主はさっさと補導されるんじゃな」

杏子「…このクソジジイが」

黒野「いいからさっさと教えい。秘密を教えれば、こちらも可能な限りで何か報酬を払うぞ?」

杏子「…別にいいけど。どうせ信じないだろうし」



490: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 21:57:08.65 ID:zJRj076j0

(そして…)


黒野「ふうむ、魔女に魔法少女か…面白いの」

杏子「…やけにあっさり信じるんだな」

黒野「世の中には色々あるからな。このくらいじゃ、もう驚きもせん」

杏子「色々ってなんだよ。こんなバカの妄想みたいな話が他にもあるってのか?」

黒野「吾輩の知り合いには神隠しの呪いにかかった高校生や、他人とぶつかった拍子に体が入れ替わった野球選手がおるぞ」

杏子「は? なにそれ? 冗談でも笑えないんだけど」

黒野「吾輩から見れば、お主の方が冗談みたいな存在じゃがな」

杏子「うるせぇ」


黒野「それで、お主がその魔法少女なんじゃろ?」

杏子「ちげぇよ、アタシはただの一般人。魔法少女のことを知ってるだけ」

黒野「つまらん嘘を付くでない。そうじゃなければ、わざわざ結界なんぞに近づく理由なぞないわ」

杏子「ちっ…」

黒野「魔法少女なら変身してみい。報酬は出すと言ってるじゃろ」

杏子「さっきから何だよ報酬って。金でもくれるのか、ええおい?」



491: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 21:58:05.28 ID:zJRj076j0

黒野「金かでいいのか? ほれ」ドサ

杏子「なっ…」

黒野「遠征のために、ある程度は持ち合わせがあるからの。変身すれば、その半分をやろう」

杏子「やっぱ止めた。いいよ金なんて。そんなもんアタシも持ってるし」

黒野「そうか? じゃあ、何が欲しい」



杏子「アンタの目的を教えろ」

黒野「そんなことでいいのか? それを聞いてどうするんじゃ」

杏子「どうするかは、アタシが決める。あんたは目的を教えてくれればいい」

黒野「まぁ、いいじゃろ。教えてやろう」

杏子(この爺さんが、なんなのか。手札も全く見えやしねェ)

杏子(とにかく情報が必要だ。アタシの邪魔をするようなら、変身したついでにそのまま…)



492: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 21:59:04.65 ID:zJRj076j0

杏子「ほれ、これが魔法少女だよ」ヘンシン

黒野「ふうむ――」

杏子「触るなよ。何かしたら警察に突き出してやるからな」

黒野「…この宝石で変身したのか? たしかソウルジェムといったか」

杏子「ああ、そうだよ。魔法の力でちょちょいのちょいってね」

黒野「一つ聞くが、これが濁りきるとどうなるんじゃ? 定期的に濁りを取らなくてはならんとか言っていたが」

杏子「知らねーよ。魔法が使えなくなるんじゃないの? 使ったら濁るんだし」

黒野(おかしいの。使ったら、普通は何かしら減るものだと思うが、濁りが増えるとはどういうことじゃ?)

杏子「ほれ、もういいだろ。変身して見せたんだから、さっさとアンタの目的を教えなよ」

黒野「謎は尽きないんじゃが…。まあいいだろう」



493: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 22:00:16.55 ID:zJRj076j0

(そして…)


杏子「…世界征服?」

黒野「そうじゃ。男としてこれ以上の目標はあるまいて」

杏子「なんだ。やっぱりただのボケジジイか」

黒野「ふん。そうやって、バカにしておるがよい。吾輩は寛容じゃからな。
   それに有益な情報をくれた例じゃ。征服した際にはお前さんさえよければそれなりのポジションを用意してやろう」

杏子「いらねーよ、そんなもん」

黒野「な、なんだと! おのれ、このような破格の待遇を蹴るとは。物の価値がわからん奴め」

杏子「そんな重荷みたいなもん、アタシはごめんだね。それに悪どいことなら今でもやっているし、スカウトされなくても勝手にやってやるよ」

黒野「ほう。魔法少女なんて人々を守る仕事をしているくせに、悪どいこととな?」

杏子「…なんだよ?」



494: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 22:01:20.25 ID:zJRj076j0

黒野「どうせ仕事をサボって寝てるとかそんなもんじゃろ? そんなものと、吾輩の悪を一緒にするでないわ」

杏子「あんだと! そっちだって、どうせ口だけで何もしてないんだろ!」

黒野「そんなことはない。吾輩の組織は、平和の水面下で着々とその勢力を伸ばしておる。
   プロペラ団の研究や実験体の確保にも成功しておるからの。つい先日も怪人製造マシーンの開発に成功した。
   世界征服のための準備は確実に進んでおるわい」

杏子「なんだよ、プロペラ団って?」

黒野「知らんのか? 奴らの活動は、一時期は表だっていただろうに。主にスポーツ界で問題となったじゃろ」

杏子「アタシんちはテレビがなかったんだよ。スポーツの事情なんか知らないね」

黒野「なんじゃ、意外と苦労人なんじゃな」

杏子「うるせぇ」

黒野「まあいい。この街に来たのも、活動の一貫じゃ。ここ最近、この街で行方不明者が続出しておることを聞いての。
   何かあると思ってきてみれば、この通り収穫あり。これだけでも、成果といえるんではないかの?」

杏子(ちっ…。あんまり派手に動きすぎると、こんなのが寄ってくんのか。面倒くせぇなぁ…)

杏子「ふん。それでも、大して結果は出ていなんだろ?」

黒野「まぁ、まだ目に見えた大きな結果は出ていないな。それも時間の問題じゃ。大事には辛抱も重要じゃからの」

杏子「何もしてないのと同じじゃねえか。アタシの悪事とは比べものにすらならないね」

黒野「では聞くが、お前さんは具体的になにをしているのだ? そこまで言うなら、相当な悪人なんじゃろ?」

杏子「当然だ。アタシのしていることは、しょぼい爺さんの悪事なんかとは違うんだからな。自分勝手に好き勝手やってるのさ」

黒野「良いから、早くいうてみい」

杏子「ああ、聞いて驚くなよ」



495: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 22:02:08.76 ID:zJRj076j0

杏子「アタシは使い魔に人間を食わせているのさ」

黒野「ほう…」

杏子「使い魔が人間を食うのは説明しただろ? ならグリーフシードを孕ませてから倒した方が得だからな!
   こうやって、アタシはグリーフシードを集めているのさ」

黒野「なるほど。そうやって、効率よくグリーフシードを集めているというわけか」

杏子「ああ、そうすれば好きなだけ魔法が使えるからな」

黒野「魔法が使えれば、どんな相手にも負けることはない。そういうことじゃな?」

杏子「わかってんじゃねーか。そういうことだよ」



496: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 22:03:30.61 ID:zJRj076j0

黒野「で、それのどこが、悪いことなんじゃ?」

杏子「は?」

黒野「そのグリーフシードが無ければ、魔法が使えんのじゃろう? なら集めるのは当然のことじゃろ」

杏子「だ、だってその為に使い魔を放っておいているんだぞ? 人間を襲うのに!」

黒野「自分のために他人を蹴落とすなど、普通に誰でもやっていることではないか」

杏子「え、あ、それはそうかもしれないけど…」

黒野「それに魔法が使えるといっても、魔女を倒すために使うのなら良いことではないかの」

杏子「そんなことねーぞ! 新しく狩場を手に入れるために、他の魔法少女と戦ったりだな…」

黒野「それでも、結局は世の中に呪いをまき散らす魔女と戦うのじゃろ?
   むしろ人一倍魔女と戦う分、真面目な魔法少女ではないか。そんなもの、悪事でもなんでもないわ」

杏子「んな…!」



497: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 22:04:00.24 ID:zJRj076j0

黒野「もっと何かないのか? 悪の魔法少女というなら、なんかそう言えるだけのものを」

杏子「え、えっと…。食い物盗んだり、お金をちょろまかしたり、ATMぶっこわしたり…」

黒野「ショボいな」

杏子「う、うるせえ!」

黒野「お前さんは悪人でも何でもない。ただの苦労人じゃ。変に悪ぶる必要などないぞ?」

杏子「なんだよ! アタシが良い人だとでもいうつもりか!」

黒野「そのキュゥべえの言い付けどおり、魔女を倒している以上、善人な方じゃろ。それがお前さんにとって正義なのかどうかは知らんがの」



498: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 22:05:10.23 ID:zJRj076j0

杏子「…出てけ」

黒野「ん? なんじゃ?」

杏子「出て行けって言ってんだ! このクソジジイ!」

黒野「やれやれ。お前さんだって、この部屋の部外者ではないか。ま、今日はひとまず退散するとするわい」

杏子「うるさい! もう2度と顔見せんな!」

黒野「わかったわかった。それじゃあ、また今度会うとするかの」バタン

杏子(善人なんて、そんなことあるわけない…!)

杏子(アタシはこの力を全て自分のためだけに使い切るって決めたんだ! 自分の為だけに!)

杏子(善人なんて、それじゃあ人のために戦っているみたいじゃねぇか!)

杏子(そうなったら親父みたいなことがまた…。もうあんな間違いはしないって決めたんだ、絶対に!)



499: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 22:05:40.19 ID:zJRj076j0

―路地裏―


杏子「はっ!」

使い魔「…」シュウゥ

杏子「…グリーフシード、ゲットっと」

杏子(…あー、なんかつまんねぇ)

杏子(相変わらず、この街は使い魔の育ちもいいし、数も減らない。グリーフシードも順調に手に入る)

杏子(思いのままに魔法も使えるし、不満なんかあるはずねぇのに)

杏子(…いや、不満ならあるか)



500: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 22:06:14.68 ID:zJRj076j0

黒野「今日も見事じゃな。こちらも良いデータが取れたわ」

杏子「…」

黒野「しかし、小娘がこれだけの力を発揮できるとは驚きじゃ。やはり、魔法ではなく身体そのものが変化しているとしか…」ブツブツ

杏子(このクソジジイ…!)



501: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 22:09:45.31 ID:zJRj076j0

杏子「おい!」

黒野「なんじゃ。いまこっちは解析に忙しいんじゃからあとにせんかい」

杏子「なんで、ずっとついてきてるんだよ! 邪魔だっつーの!」

黒野「吾輩は目的をちゃんと話したじゃろうが。なのに魔法少女のことは、まだ全部知ることができておりゃせん」

杏子「こっちはちゃんと変身しただろ!」

黒野「吾輩は、秘密を教えろといったんじゃ。そっちが提示した対価は払ったんじゃから、吾輩には知る権利がある。
   お前さんが知らんことはこっちで調べるから、さっさと戦わんか。今はデータがとにかくほしいからの」

杏子「…ていうか、何なんだよ。その機械やらゴーグルは」

黒野「お前さんのいう、魔女や使い魔を計測する機械じゃよ。普通の人間には見えないと言っていたからな。
   手がかりさえつかめれば、吾輩の頭脳があればこんなものを作るのも容易いわ」

杏子「本当かよ、それ? 機械を使ってあいつらが見えるなんて聞いたことねーぞ」

黒野「不可能を可能にするのがマッドサイエンティストじゃからな。このくらいできなければ名折れじゃ。ほれ、のぞいてみるか?」

杏子「いいよ。アタシは元々見えるんだから、見えたとしても本当にその機械が動いているのかわからないし」

黒野「それもそうじゃな」

杏子(とはいえ、このジジイ。勝手についてきている割には使い魔がきたら一目散に離れるし、居場所はちゃんとわかってたんだよな…)

杏子(性格はともかく、本当に天才科学者だったんだな)



502: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 22:10:23.17 ID:zJRj076j0

黒野「ん? 何じゃこの白いのは。また使い魔か?」

QB「…」

杏子「キュゥべえじゃん。なにやってんだ?」

黒野「ああ、こやつが例の…」

QB「…杏子。どういうことだい? だれだい、この人は。どうして僕の姿が見えるんだい?」

杏子「悪のマッドサイエンティストだって。真理を探究してるんだと」

黒野「黒野鉄斎じゃ。さて、質問をさせてくれんか。お前さんに聞いた方が早いことがいくつかあるのでの」

QB「…」



503: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 22:11:07.45 ID:zJRj076j0

QB『杏子』

杏子『なんだよ』

QB『彼は何者だ?』

杏子『さっきいっただろ。それより、あんたからも言ってやってくれ。何を言っても勝手についてくるし、発信機でこっちの場所見つけるし。もう疲れたよ…』

QB『いや、他に疑問がある。どうして、僕や魔女が見えるんだ? 素質がなきゃ見えないはずなのに』

杏子『さっき、マッドサイエンティストって言っただろ。自分で見える装置を開発したって』

QB『本当かい? …いや実際彼にはこっちの姿が見えている。しかし、この星の技術レベルではまだ…』

杏子『言っておくけど、アタシに説教するのはおかしいからな。一般人にバラすな、なんて言われたことないし』

QB『…ああ、それはいいよ。しかし、一つお願いだ。彼と行動するのは今後一切…』



504: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 22:11:52.83 ID:zJRj076j0

黒野『――ああ、ようやく聞こえたわい』ワンワン

杏子『ぎゃぁっ!』

QB『!』

黒野『テレパシーとはなるほど。ふむふむ、こういうものか。癖を掴めば、ラジオと変わらんな』ワンワン

杏子『な、なんだジジイ! どうやって念話を…』

黒野『ふっふっふ、吾輩を甘く見るでない。急に黙ったら、何か内緒話をしていると疑うのは当然じゃ!
   テレパシーのことはお前さんから聞いておったからの。ピーンときたわい。
   いい機会じゃから、先日開発したテレパシー装置の試験駆動に付き合ってもらったぞ。うむ、これも見事に成功じゃな』ワンワンワン

杏子『勝手に変なもん作るな! あと、うるせえよ! ボリューム下げろ!』

黒野『む? そんなものはないぞ。そもそも相手の技術を利用して勝手に割り込むものじゃから、細かい操作は…』ワンワンワンワン

杏子『あ”あ”あ”あ”ーーーーーー。頭がーーーーーーーー!!!』



505: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 22:16:33.79 ID:zJRj076j0

(そして…)


杏子「あー、死ぬかと思った…」

黒野「ふむ…。まだ、問題点は山積みのようじゃな。よい、実験結果が得られてよかったわ」

杏子「勝手に人で実験すんじゃねぇよ! 脳みそに変なの叩き込むんじゃねぇ!」

黒野「科学の発展には犠牲が付き物じゃ。死体にならなかっただけ、吾輩に感謝せい」

杏子「死ね! 本当にくたばれこのクソジジイ!」

黒野「おことわりじゃ。まだ世界征服しとらんからの」

杏子「ったく、キュゥべえのやつはいつの間にか消えちまったし。アイツは本当に死んだんじゃねぇの? 体弱そうだしな」

黒野「逃げられただけじゃろ。まぁ、別にかまわん」

杏子「そりゃ、いきなりあんなことされちゃあな。ビビるだろ、フツ―」

黒野(まあ大方、バレると困る隠し事がったんじゃろうて)



506: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 22:18:15.90 ID:zJRj076j0

―マミ宅―


杏子「…ねぇ」

黒野「なんじゃ。今、データをまとめるのに忙しいんじゃ。食事は作っておいたじゃろ」

杏子「ああ、うん…」

黒野「まったく、一匹オオカミを気取っているくせに、食事の一つも作れんとは。情けないのう」

杏子「悪のマッドサイエンティストが、一人台所に立ってるのも十分情けないと思うんだけど?」

黒野「何を言う。自分の身の回りのことも出来ない男が、世界征服なんぞできるものか」

杏子「そーいうのは、普通部下にやらせんじゃねーの? アタシに言わせれば、飯の一つも作ってくれる部下の居ない男なんてボス失格だね」

黒野「口の減らない小娘じゃな。立花もたかゆきも、留守を任せているのだからしょうがなかろう。
   ほれ、これを機に何か覚えんか。スパゲティなんか楽じゃぞ?」

杏子「いーんだよ。どうせアタシは家なしだし。ジャンクフードで十分だよ。この一瞬を生きてりゃいいの」

黒野「刹那的じゃのう。若者の特権といえば特権じゃが、お前さんの場合はそうではあるまいて」

杏子「わけわかんねー。いただきます、っと」

黒野「そういえば食器くらいは洗わんか。昨日も洗ってなかったぞ」

杏子「アタシは悪い子なんだから、そんなことはしないの」



507: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 22:18:42.53 ID:zJRj076j0

杏子「今の今まで聞かなかったんだけどさ」ハムハム

黒野「なんじゃ?」

杏子「この部屋に居て何でばれないの? アンタ普通に玄関から入ってるけど、家主は行方不明ってことになってるんだけど」

黒野「ああ、広域催眠装置でマンション一帯にお前さんが家主に見える暗示をかけたから大丈夫じゃ」

杏子「勝手にとんでもないことしてんじゃねえよ!」

黒野「ちなみに吾輩はお前さんの祖父ということになっておる。行方不明になっておったから、様子を見に来ているという設定じゃ。
   溜まっておった家賃も払ってあるから、追い出される心配もないぞ」

杏子「そういうことは早く言えよ! 毎日、ベランダから入ってたアタシがバカみてーじゃねーか」

黒野「施しが嫌いそうだったんだでな。吾輩の気遣いに感謝せい」

杏子「他に気を使うことがあるだろ!」

黒野「勝手に部屋を使っているお前さんが言えた義理か」



508: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 22:19:18.95 ID:zJRj076j0

杏子「ていうか、何でこの部屋で居ついているんだよ」

黒野「この街にはまだわが組織の拠点がないからの。利用させてもらっているというわけじゃ。家賃は払っているのじゃから、問題はなかろうて」

杏子「勝手に全部進めやがって」

黒野「家主はお前さんではないからの。有効利用させてもらっただけじゃ」

杏子「今はアタシがここの持ち主だ。知り合いの家だしな。アンタよりはここに居る権利があると思うけど?」

黒野「持ち主に許可を取っていない以上、吾輩もお前さんも空き巣とそうかわらんわい。大体何でお前さんはここにおるんじゃ。自分の家に帰ればよかろうに」

杏子「アタシ、家はないの。家族はみんな死んじまったから」

黒野「ほう。大変じゃな」

杏子「だからわかるだろ? 生きるためには何でもしなきゃいけないの。それこそ汚いことだってなんだってしてな」

黒野「じゃが、皿くらいは洗わんかい。それを言い訳にしてサボるでないわ」

杏子「うるさいな。どうせもう普通の生活には戻れないんだから、アタシは好き勝手やるって決めたんだ。
   食器の片付けなんてかったるいことやってられっかよ」

黒野「好き勝手生きるとな?」

杏子「ああ、そうだよ。そのせいで、知らない誰かが死んだって構うもんか。アタシは自分の為だけに力を使うって決めたの」



509: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 22:19:52.70 ID:zJRj076j0

黒野「前から聞きたかったんじゃがの」

杏子「なんだよ。魔法少女のことならもう知ってることはないけど」

黒野「いや聞きたいのはお前さんの事じゃ。魔法少女は自分の願いを叶えて魔法少女になると聞いた。で、お前さんは魔法少女になって何がしたいのじゃ?」

杏子「そんなもん簡単だよ。アタシはこの力を使って自分の為だけに…」

黒野「だから、具体的に何をするのかと聞いておる」

杏子「グリーフシードを集めるのさ。でもって魔女を狩る。思う存分な」

黒野「なんじゃつまらん」

杏子「なんだと!」

黒野「好き勝手やるとは言っているが、やることは魔法少女の仕事をこなすだけではないか。面白くもなんともない」



510: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 22:20:19.74 ID:zJRj076j0

杏子「あ?」

黒野「義務を淡々とこなすだけ。そんなもの、そこら辺のサラリーマンと何も変わらんわ。
   真面目な生き方かもしれんが、悪のマッドサイエンティストであるワシの興味は引けんな」

杏子「アタシは真面目じゃねぇ! グリーフシードのためなら、どんなことでもやるんだぞ!」

黒野「そのグリーフシードを集めたところで、やることは魔女狩りじゃろう。キュゥべえとやらの契約条件にある仕事じゃ。
   飯を食べて、寝て、仕事をこなす。魔法少女の枠組みから見たら、実に真面目な生き方ではないか」

杏子「そんなわけあるか! アタシは自分の為にしか力を使わないって決めてるんだ!」

黒野「と、いわれてものう。というか、何を怒っておるんじゃ?」

杏子「他人のために力を使うのはバカのすることさ。アタシはそんな奴になりたくないんだよ」

黒野「ああ、なるほどのう…」

杏子「だからアタシは正義の味方なんて真っ平ごめんだね。やるなら悪の手先が一番さ。好き勝手に暴れられるからな」



511: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 22:21:19.81 ID:zJRj076j0

黒野「悪を舐めるでないわ、小娘」

杏子「なんだよ、急に」

黒野「ハッキリ言ってやろう。お前さんのしていることは悪でも何でもない。単なるその日暮らしと何も変わらん」

杏子「あんだと!」

黒野「悪を語るなら、もっとでかいことをやってみんか。契約なら何やらルールで縛られているお前さんに悪を語る資格なんぞないわ」

杏子「うるせぇよ。何で悪いことするのに資格がなきゃいけないんだ」



黒野「お前さんは、単に失敗でもしてヘコんでるだけじゃろ」

杏子「んなっ…!」

黒野「吾輩を舐めるでないわ。なんじゃ、信じていた相手に裏切られたか? それとも自分のせいで友人でも不幸になったのか?」

杏子「…」

黒野「まあいい。そこまで自分の為だけに力を使おうとするのなら、それ相応の理由があるのじゃろ。
   じゃが、それで足を止めるのはならんぞ。自分の為に戦うのなら、もっと強欲に生きんか。中途半端に真面目に生きても辛いだけじゃぞ」

杏子「…なんだよそれ」

黒野「グリーフシード集めると言ったが、集めて何が楽しいんじゃ。他のエリアを乗っ取ると言ったが、結局は魔女退治をすることに変わりはないんじゃろ。
   結局、お前さんは自分の為に生きてはいない。契約内容をただこなすだけに生きておる。自分勝手が聞いて呆れるの」

杏子「…」





黒野「自分勝手に生きたいのなら、契約なんぞ無視せい。自分を縛っているルールなんぞ、壊してみんか。それが自分勝手ということじゃよ」



512: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 22:22:15.49 ID:zJRj076j0

杏子「…んなことできるのかよ」

黒野「そこまでは知らんわい。自分勝手に生きたいのなら、そのくらい自分で初めてみんか」

杏子「じゃあ、魔法少女にとって悪ってのはなんなんだ? どんな手段を使っても魔女を倒すことが真面目っていうなら、何すりゃ不真面目になるんだよ?」

黒野「魔女退治をサボって呑気に生きればいいのではないか? もしくは、キュゥベエを脅してもっと多くの願いを叶えさせるとかでもいいじゃろ。
   新たな魔法少女が生まれるのを邪魔するのもいいかもしれんな」

杏子「ただの嫌がらせじゃねぇか!」

黒野「そうじゃ、嫌がらせじゃよ。ルールに対する反逆じゃ。既存のルールに囚われずに自分勝手に動いて、目的を達成するんじゃ。
   悪とはそういうロマンに溢れたものじゃよ」



杏子「悪はロマン…ねぇ。なんか悪者っぽいな」

黒野「そうじゃろう、そうじゃろう」

杏子「んじゃ、アタシがルールに縛られないためにも、家事は全部爺さんがやってくれよ。当番制も無しな」

黒野「なんじゃと?! ええい貴様、都合よく物事を解釈しおって!」

杏子「だって、そういったのは爺さんだぜ。それにアタシはこの部屋がどうなろうと別にいいんだ。爺さんも適当にやりゃいいのに」

黒野「バカなことを言うでない。ゴミ屋敷に住む世界の支配者がいるものか。人に見られる職業なのだから、それ相応の姿でいなくてはならんのじゃ」

杏子「じゃあ、炊事洗濯は頼むぜ。世界征服を企んでんだから、身の回りはキッチリ清潔でないとな」

黒野「まったく、最近の子供は…」ブツブツ

杏子(しかし、爺さんの言うとおりだな。何でわざわざ、キュゥべえの言うことに従わなくちゃいけないんだ。面倒くせぇ)

杏子(考えてみたら、キュゥべえ脅して親父達を生き返らせりゃいいんじゃないか? アイツも命は惜しいはずだし、とっ捕まえてちょっと刺せばいうこと聞くだろ)

杏子(というか、キュウベェ殺しちまえばもう魔法少女は生まれないんだから、叶えてもらったら始末しちゃったほうが…)

杏子(…)



513: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 22:23:01.45 ID:zJRj076j0

(数日後…)


黒野「吾輩は基地に戻るぞ。今まで世話になったな」

杏子「また、えらく急だな。どうしたの?」

黒野「魔女や魔法少女に関するデータが揃ったのでな。ここいらで、一度向こうでまとめておきたいんじゃ」

杏子「はー、そりゃご苦労なことで」

黒野「だが、また戻ってくるかもしれん。家賃は半年分払ってあるからの。それまではここを使っていてもよいぞ」

杏子「そりゃどうも。んじゃ、遠慮なく使わせてもらうよ」



514: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 22:24:37.19 ID:zJRj076j0

黒野「それと、ほれ」ピラッ

杏子「ん? なにこれ?」

黒野「ワシの組織の連絡先じゃ。暇ならわが組織に協力せい。良い戦力なるから、それなりの待遇で迎えるぞ」

杏子「んー…まあ、貰っておくよ。でもアタシにもやることができたから、期待すんなよな」

黒野「そうかい。そりゃよかったの」

杏子「なんだよそれ」

黒野「別に、ただ嬉しいことがあっただけじゃよ」

杏子「気持ち悪いジジイだな、相変わらず」



515: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 22:26:24.78 ID:zJRj076j0

黒野「それじゃあな、杏子よ。悪を目指すなら、またどこかで会うこともあろうて」

杏子「おー。爺さんも元気でな」


杏子(さーてと、今日もキュゥべえに嫌がらせしに行くかな)

杏子(なんたって、アタシは悪の魔法少女なんだからな!)



516: ◆ctuEhmj40s:2011/11/06(日) 22:26:57.11 ID:zJRj076j0

―キャラ紹介―


・佐倉杏子

魔法少女。マミさんの後輩。
昔は行動を共にしていたが、色々あってマミとは別れることになった。
天涯孤独の身。年齢不詳なので、小卒か中卒かも不明。
初対面の相手には厳しいが、懐くと意外と仲間思い。


・黒野鉄斎

悪のマッドサイエンティスト。真理を探究するもの。
パワポケ4・5・7・8・11に登場。
初登場71歳。11で90歳を超えていると思われる凄い人。
本家で言うダイジョーブ博士のポジションのキャラだったが、空気ではなく本編にもガッツリ絡む。
独特の美学により世界征服を企んでいるが決して悪人ではなく、行動が一貫しているのでむしろ良い人。
7で大活躍。彼の正義と悪の話に惚れ込んだプレイヤー多し。





マミ「ここは…どこ?」 落田「しあわせ島でやんす」【後編】
転載元
マミ「ここは…どこ?」 落田「しあわせ島でやんす」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318335007/
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