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新・ほむら「ボクらの太陽……?」【前編】

1 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/17(日) 00:18:04.59 ID:DtJxSssw0


GBAソフト「ボクらの太陽」シリーズとまどか☆マギカのクロスSS


1週目

ほむら「ボクらの太陽……?」
>http://elephant.2chblog.jp/archives/51999840.html


2週目(初日~決戦前夜)

続・ほむら「ボクらの太陽……?」
>http://elephant.2chblog.jp/archives/51999853.html


※注意事項


  物語    :ワルプルギスナイト
  
  用語解説  :SS-Wiki

  難易度   :ナイトメア






2 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/17(日) 00:19:19.77 ID:DtJxSssw0



続・第29章 「強くあること」






3 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/17(日) 00:21:24.81 ID:DtJxSssw0


おてんこ「もう一度……作戦を確認しておく」


  「…」コクリ



決戦の日、太陽少年と魔法少女は出撃を前にほむらの家で最後の調整をしていた。



おてんこ「まず隊列についてだが……」

おてんこ「杏子、さやか」

おてんこ「2人はワルプルギス本体に接近して、直接奴を叩いてくれ」


杏子「おう」


さやか「ああ」





4 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/17(日) 00:22:57.44 ID:DtJxSssw0


おてんこ「マミ」

おてんこ「お前は前衛の援護、主に使い魔の殲滅に当たってくれ」


マミ「分かったわ」


おてんこ「そして……ジャンゴにほむら」

おてんこ「お前達は遊撃だ」

おてんこ「前衛から後衛へと、状況によって援護から攻撃までこなしてもらう。いいな?」


ほむら「ええ」


ジャンゴ「…」コクリ





5 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/17(日) 00:25:02.09 ID:DtJxSssw0


おてんこ「次に、具体的な作戦についてだ」

おてんこ「奴……インキュベーターから聞いたように」

おてんこ「ワルプルギスの夜は人々の絶望を喰うことによって、その力を増す」

おてんこ「特に、戦闘中はその強化は加速度的に行われる」

おてんこ「何も対策をしなければ……我々の勝利はまずあり得ない」

おてんこ「だが、この状況を打開する鍵がある」

おてんこ「……それが太陽だ」

おてんこ「お前達も見たように太陽の光を持ってすれば穢れの浄化は可能だ」

おてんこ「ワルプルギスに太陽光を照射し、奴の強化を無効化する」

おてんこ「そうすれば、我々にも勝機が見えてくる」





6 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/17(日) 00:27:21.90 ID:DtJxSssw0


マミ「でも、もう外は曇ってて……太陽も隠れているわよ」


さやか「確かに、これから嵐ってのに」

さやか「太陽の光なんてどうやって集めるんだよ?」


おてんこ「それなら問題ない」

おてんこ「戦闘の際は、私が雲の上から太陽の光を中継する」

おてんこ「その光をパイルドライバーによって増幅し、奴に当てる」


杏子「……ねぇ、気になってたんだけどさ」


おてんこ「何だ?」





7 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/17(日) 00:28:35.43 ID:DtJxSssw0


杏子「あの機械を使うってのはいいんだけど」

杏子「アレって小さすぎない?」

杏子「ここにある資料じゃ、ワルプルギスの夜ってのはビル以上の大きさみたいだし……」

杏子「ほむら、アンタもそう思うだろ」


ほむら「……ええ」

ほむら「アイツの巨大さは普通の魔女の比じゃない」

ほむら「見た限りでは、とてもあの魔法陣に収まるとは思えないわ」


おてんこ「無論、その対策もしてある」





8 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/17(日) 00:29:35.31 ID:DtJxSssw0


さやか「対策って……どんな?」


おてんこ「パイルドライバーを強化するのだ」


杏子「そんなことできんのかよ」


おてんこ「……ああ」

おてんこ「パイルドライバーとは太陽のエネルギーを集めて増幅する魔法機械」

おてんこ「当然、太陽の光が強くなればその威力を増す」

おてんこ「お前達が見たのは、あくまでパイルドライバーの1つの形でしかない」

おてんこ「その気になればあの比でない程、巨大な魔法陣を展開することも可能だ」





9 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/17(日) 00:31:03.49 ID:DtJxSssw0


マミ「じゃあ、あの時は力を抑えて召喚したってことなのね?」


おてんこ「……残念ながらそうでもない」

おてんこ「私ひとりの力ではあの大きさが限界なのだ」


ほむら「…」

ほむら「パイルドライバーは強化できても、貴方にはその力がない」

ほむら「結局……何もできないってことじゃない」


おてんこ「確かにな」

おてんこ「だが……それはあくまで私1人で起動した場合だ」

おてんこ「私と同等の力を持ったモノがあれば、話は違う」





10 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/17(日) 00:32:43.04 ID:DtJxSssw0


杏子「アンタ達以外に、助けが来るっていうのか?」


おてんこ「いや……我々にはこれ以上の戦力は望めない」


さやか「なら、その力を持ったモノって何?」


おてんこ「ちょっとした仕掛けだ」


ほむら「仕掛け?」


おてんこ「事前にワルプルギスが来ること知っていた我々は」

おてんこ「一月かけて、町中に中継器を仕掛けた」


マミ「それで一体、何ができるの?」


おてんこ「中継器はその名の通り、それ単体では何の役にも立たない」

おてんこ「せいぜい太陽エネルギーを溜めこむぐらいだ」





11 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/17(日) 00:34:21.87 ID:DtJxSssw0


ほむら「どうしてそんなものを……」


おてんこ「しかし、これにパイルドライバーを組み込めば話は違う」

おてんこ「先ほども言った通り、供給するエネルギーが大きくなれば」

おてんこ「パイルドライバーはより大きく、強力になる」

おてんこ「つまり……」

おてんこ「私の力に加え、新たにエネルギーをつぎ込めばパイルドライバーを強化することが出来るのだ」





12 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/17(日) 00:35:57.72 ID:DtJxSssw0


杏子「それで…その中継器っての仕掛けたわけか」


おてんこ「そうだ」

おてんこ「中継器を用いれば中継器が蓄えたエナジーを私の力に上乗せできる」

おてんこ「そして……我々の仕掛けた中継器には1月分の太陽エネルギーが蓄えられている」

おてんこ「そいつを町中に何十基も設置したのだ」

おてんこ「ワルプルギスの夜を封じ込めるくらいの大きさなら、全く問題ない」


     
    グ オ オ オ オ オ ォ ォ ォ ォ ォ   



話し終えたと同時に、不気味な風鳴りが部屋に響き渡った。





13 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/17(日) 00:37:51.84 ID:DtJxSssw0


おてんこ「……来たみたいだな」


    「…」


おてんこ「これ以上話している時間はない」

おてんこ「行くぞ!」


    「…」コクリ



少女達が決戦の地へ赴く覚悟を決めたとき、


    バタン


    「!」



不意に扉が開き、何者かが入ってくる。





14 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/17(日) 00:39:06.94 ID:DtJxSssw0
 

 「「「「「「まどか(鹿目さん)!?」」」」」」



まどか「はぁ……はぁ……」



ジャンゴ達の前に現れたのは、息を切らせたまどかであった。



ほむら「どうしてここに?!」


マミ「避難所にいなきゃダメじゃない!」


まどか「……ごめん…なさい」

まどか「でも……やっぱり、来なきゃダメだと思って」





15 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/17(日) 00:40:45.24 ID:DtJxSssw0


杏子「……分かってるとは思うけど」

杏子「あたし達の戦いに付いてきたりはしないよね」


さやか「そうだよ……まどか」

さやか「まどかには危険な目にあってほしくない」

さやか「やっぱり……あたしは大切な人を守るために戦いたい」

さやか「全ての人を助けるのはムリかもしれない。でも……」

さやか「せめて自分の近くの人だけでも守りたい、守らせてほしんだよ」


まどか「うん……分かってる」

まどか「わたしはみんなに守られている。みんながいるから生きていられるって」





16 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/17(日) 00:42:01.94 ID:DtJxSssw0


まどか「でも…そうだから、ここへ来たの」

まどか「わたしは一緒に戦うことは出来ないけど……」

まどか「みんなを信じて待ってる。絶対に契約なんかしない、って伝えるために」


ほむら「まどか……」


まどか「だから、いってらっしゃい」

まどか「わたしはここで待ってるよ。みんなの帰りを信じて」


   「…」





17 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/17(日) 00:43:58.68 ID:DtJxSssw0


おてんこ「それがお前の答えか……」

おてんこ「強くなったな、まどか」


まどか「ううん、わたしなんか全然……」

まどか「みんなに頼ることしかできてないよ」


おてんこ「いや、お前は強くなった」

おてんこ「自らの弱さを認め、必要とあれば他人を頼る」

おてんこ「それは……簡単なようでいて、本当は難しいことなのだ」

おてんこ「強さとは、敵を打ち負かすだけを指すのではない」

おてんこ「希望を託して待ち続けることもまた、強さだ」


まどか「…」





18 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/17(日) 00:45:09.65 ID:DtJxSssw0


ジャンゴ「……まどか」

ジャンゴ「これから始まる戦いは……長く、厳しいものになると思う」

ジャンゴ「でも、ボクらは必ず戻ってくる」

ジャンゴ「君に希望を、未来を届ける役目が残っているから」

ジャンゴ「戦いが終わるその時まで」

ジャンゴ「どうか、君も……」

ジャンゴ「太陽と共にあらんことを」


第29章・了





19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/06/17(日) 00:49:10.86 ID:DtJxSssw0
その手は何のためにある?


 『後は、手を伸ばしてそれを掴みとるだけだ!!』


次回:「ワルプルギスの夜」



20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/06/17(日) 01:05:49.98 ID:6fms2C0Eo
新ほむ来たぁ!



27 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/19(火) 00:32:01.29 ID:kmB8LIqC0



続・第30章 「ワルプルギスの夜」






28 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/19(火) 00:33:08.02 ID:kmB8LIqC0


杏子「ここだな」


マミ「…ええ」


ジャンゴ「…」



まどかに別れを告げたジャンゴ達は、ワルプルギスの出現予測ポイントに来ていた。





29 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/19(火) 00:34:15.07 ID:kmB8LIqC0


ほむら「もう、嵐は来ている……」

ほむら「いつ奴が来てもおかしくないわ」


さやか「へへ……」


杏子「どうした、さやか」

杏子「怖気づいたのか?」


さやか「少し……ね」


ほむら「無理して戦う必要はないわ」

ほむら「貴方の言葉だけでも私は戦えるから」





30 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/19(火) 00:35:49.24 ID:kmB8LIqC0


さやか「ううん、一緒に戦うよ」

さやか「ここで逃げ出したりなんかしたら……一生後悔する」

さやか「結果がどうであれ、きっとまた自分を責めると思うんだ」

さやか「だから……私は戦う」

さやか「今日のみんなのために、明日の自分のために」


マミ「そうね……ここで引いたら後悔するものね」

マミ「でも安心して、私達がそんなことさせないわ」

マミ「魔法少女4人と太陽少年が揃ったんだもの、向かうところ敵なしよ」


さやか「…マミさん」





31 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/19(火) 00:37:04.34 ID:kmB8LIqC0


おてんこ「ふっ……そうだな」

おてんこ「これだけ集まって負ける方がおかしい」

おてんこ「さぁ、これが最後の戦いだ!」

おてんこ「全てはこの戦いの結果で決まる」

おてんこ「奴を倒して希望を、太陽を掴め!」

おてんこ「我々の求める明日は目前に迫っている」

おてんこ「後は、手を伸ばしてそれを掴みとるだけだ!!」



  ゴ オ オ オ オ オ ォ ォ ォ ォ ォ ォ



獣の鳴き声のような風鳴りが、静まり返った町に響き渡る。





32 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/19(火) 00:40:21.04 ID:kmB8LIqC0


        「!」



その場にいる全員が、増幅する魔力の波動を肌で感じた。



マミ「まだ姿を現していないのに……なんて威圧感なの」


杏子「これが奴の気配か……」


さやか「なかなか……手強そうだね」


おてんこ「覚悟はいいな?」


ほむら「……来る」


ジャンゴ「…」





33 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/19(火) 00:43:50.26 ID:kmB8LIqC0









ほむら「今度こそ絶対に……」シュン カタカタカタ









マミ「これがあなたの……負けていられないわね」シュン シュン









杏子「そうだな」ジャキ









さやか「行くよ」ジャキッ










おてんこ「行くぞ! ジャンゴ!!」


ジャンゴ「…」ジャキ






    「キャハハハハハハハハハハハハハハハハハ」









34 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/19(火) 00:45:17.69 ID:kmB8LIqC0


耳につく甲高い笑い声と共に最強の魔女は姿を現した。



さやか「あれが……」


マミ「ワルプルギスの夜」



ドレスを着た女性が逆さまになったような姿は、一般で言うところの〔魔女〕に近かった。

しかし、普通の人間ならば他の魔女より多少は親近感を感じるであろうその姿は、



杏子「…っ」


ほむら「…」



人とかけ離れた容姿を持つ魔女と戦ってきた彼女達にとっては異様なモノでしかなかった。





35 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/19(火) 00:47:31.92 ID:kmB8LIqC0


おてんこ「いいか、よく聞け!!」



一同が息をのむ中、おてんこが声を張り上げる。



おてんこ「作戦通り、パイルドライバーで奴に流れむ絶望を浄化しながら戦う」

おてんこ「しかし…あの巨体を封じ込めるほどの大きさになると召喚に時間がかかる」

おてんこ「私はこれから町に仕掛けた全ての中継器をリンクさせ、エネルギー供給システムを構築する」

おてんこ「リンクが形成され次第、パイルドライバーの召喚に入る」

おてんこ「とにかく……お前達は時間を稼いでくれ!」

おてんこ「頼んだぞ!!」





36 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/19(火) 00:48:42.34 ID:kmB8LIqC0


杏子「任せとけ!!」

杏子「行くぜ! さやか!!」ダッ


さやか「応ッ!!」ダッ



おてんこの言葉を聞き、前衛2人は魔女に向かって突撃していく。



マミ「さて、あの娘達を援護しなくちゃいけないわね」シュタッ



マスケットを携えたマミも2人を援護すべく、その場を後にした。





37 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/19(火) 00:50:57.33 ID:kmB8LIqC0


ジャンゴ「……行こう、ほむら」

ジャンゴ「この戦いですべてを終わらせる。そして……」

ジャンゴ「君の、ボクらの夢見る明日を手に入れるんだ!」


ほむら「ええ」

ほむら「今度こそ勝ってみせる」

ほむら「何があっても……必ず!」



おてんこ「さあ、行け! 運命に抗いし者達よ!!」

おてんこ「その力を以って運命を克服してみせろ!!」



ジャンゴ&ほむら「…」コクリ


ジャンゴ&ほむら「…」ダッ




   「キャハハハハハハハハハハハハハハハハハ」




少年の約束と、少女の想いを賭けた戦いの火蓋が切って落とされた。





38 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/19(火) 00:53:20.03 ID:kmB8LIqC0


さやか「ハッ!!」ヒュッ


杏子「やっ!!」ブンッ
   
 
 
飛び出した2人は勢いをそのままに、ワルプルギスに斬りかかる。


   ザシュッ    グサッ
 

   「キャ……ハッ……」



魔女は2人の加速のついた攻撃を真正面から受け止めるが、



   「キャハハハハハハハ」



全くもってダメージを受けている様子は無かった。





39 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/19(火) 00:55:38.45 ID:kmB8LIqC0


杏子「クソッ…」


さやか「攻撃が……効いてない」



2人は敵の予想外の固さに息を呑むが、



杏子「……勝負はまだ始まったばかりだ」

杏子「こっちの攻撃が効かないってんなら……」


さやか「効くまで殴り続けるまでッ!!」



再び魔女へと攻撃を仕掛ける。





40 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/19(火) 00:57:57.07 ID:kmB8LIqC0


   「キャハハハハハハハハ」

  
  ヒュン   ヒュン   ヒュン


向かってくる少女達を確認した魔女は触手を伸ばして牽制する。



杏子「…っ」サッ


  ガンッ


さやか「…!」シュタッ


  ズドォン


杏子「遅い!」ヒュッ


  キンッ



2人は飛んでくる触手をあしらいながら魔女に接近、



杏子「喰らえ!!」


  
攻撃を食らわせようとする。





41 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/19(火) 01:00:04.16 ID:kmB8LIqC0


しかし、



さやか「杏子!!」


杏子「!」


  「グォォオオオ」



ワルプルギスへの集中が仇となり、自身の背後に迫った使い魔への反応が遅れる。



杏子「くっ…」



彼女は被弾を覚悟するが、


    ズドォォン


  「ギャァアアア!!!」
 

    「!?」



使い魔は攻撃を加える前に爆発し、四散する。





42 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/19(火) 01:01:54.75 ID:kmB8LIqC0


さやか「これは……」



爆発のした方向には、



杏子「マミ!!」


マミ「ふっ……」シューー



煙を上げるマスケットを構えたマミの姿があった。





43 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/19(火) 01:03:17.55 ID:kmB8LIqC0


マミ「使い魔は私の担当よ」

マミ「背中は任せてあなた達は本体を叩くことに集中しなさい!」

マミ「来るわよ!!」



   「キャハハハハハ、アハッハアハハ」



  ヒュン  ヒュン  ヒュン  ヒュン



 「ギュォオオ」 「グォオオオ」 「ギャアアアア」



新たな魔法少女の参戦を目にした魔女は、狂ったような笑い声を上げて攻撃を仕掛けてくる。





44 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/19(火) 01:05:52.94 ID:kmB8LIqC0


杏子「多いな…」サッ

 
  ガンッ


さやか「くっ…」


 「ギャァ……」ザクッ


マミ「…っ!」ダンッ ダンッ



先程とは比べものにならない猛攻に3人は押され始めるが、


    
    ドンドンドンドン バァン



 「グワァ……」  「ギャァア……!」


  
   テュン テュン テュン テュン テュン テュン



 ズガッ    ドォン    ゴォォン



背後からの援護によって窮地を脱する。





45 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/19(火) 01:07:05.85 ID:kmB8LIqC0


さやか「お前ら!」


ほむら「…」


ジャンゴ「…」



そこには太陽と月、対なるマフラーを身に着けた少年と少女が佇んでいた。



杏子「助かったぜ」


マミ「ありがとう。2人とも」


ほむら「礼なんていらないわ」

ほむら「とにかく、油断しないで」

ほむら「戦いはまだ始まったばかりだから」


さやか「そうだね」

さやか「こんなとこで苦戦している訳にはいかないもんね」


ジャンゴ「さあ、行こう!」

ジャンゴ「ボクらの戦いはここからだ!!」



明日を掴むべく、少年達は最強の魔女へと向かって行った。





46 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/19(火) 01:08:57.85 ID:kmB8LIqC0


少年達と魔女の戦いは続く。



   「キャハハハハハハハハハ」


  ヒュン   ヒュン   ヒュン  



マミ「…っ!」ダンッ ダンッ


   ズガァン


マミ「……逃した」


ほむら「問題ないわ」ズドォン


   バァン   


杏子「くっ…」カンッ

杏子「さやか!!」


   ガスッ





47 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/19(火) 01:10:35.79 ID:kmB8LIqC0


さやか「了解!」ダッ


  「ギャハ!!」


さやか「!」


ジャンゴ「…」テュン テュン


  「グワッ……」


ジャンゴ「行け!」


さやか「はぁあああああ!!!!」


     ザシュッ 


  「ギャァァアアアア!!!!」





48 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/19(火) 01:11:58.70 ID:kmB8LIqC0


杏子「よし!」


マミ「!」

マミ「みんな、伏せて!!」



   「キャハハハアハハハアハハ!!!!!」


 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ


         「!」


    ズドォォォォオオオオオオオン



     「キャハハハハハハハハハハ」





49 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/19(火) 01:12:54.54 ID:kmB8LIqC0


マミ「みんな……大丈夫?」


さやか「はい…」


杏子「何とかな」


マミ「そっちは?」


ほむら「……大丈夫」


ジャンゴ「・・・」


杏子「全員……無事みたいだな」


ほむら「ええ」





50 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/19(火) 01:14:40.95 ID:kmB8LIqC0


杏子「それにしても何やってんだ、あの野郎」

杏子「いつになったら準備が整うんだよ」

 
  『呼んだか?』


   「!?」



杏子が悪態をつくと何処からか声が響いてくる。



マミ「この声は!」


ジャンゴ「……おてんこさま」


さやか「でも、どうして……」

さやか「あんたテレパシーは使えないはずじゃ」


おてんこ『これはテレパシーではない』

おてんこ『お前達の近くにある中継器から声を送っているだけだ』





51 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/19(火) 01:17:47.47 ID:kmB8LIqC0


おてんこ『そんなことより、パイルドライバーの召喚準備が整った』   


ほむら「本当に?」


おてんこ『嘘などついてどうする?』


さやか「じゃあ早く召喚してよ」


おてんこ『そう焦るな。召喚にはまだ必要なことがある』


マミ「必要なこと?」


おてんこ『パイルドライバー自体はいつでも召喚可能なのだが』

おてんこ『対象の……ワルプルギスの夜の座標が安定しない』

おてんこ『もし捉え切れないとなると、パイルドライバーに奴を押し込こむ必要がある』

おてんこ『その場合、対象がパイルドライバー中心に来た瞬間にジェネレータを起動しなければ』

おてんこ『完全に太陽パイルに封じ込めることは出来ないのだ』





52 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/19(火) 01:18:59.56 ID:kmB8LIqC0


杏子「てことは……あたし達に奴の動きを止めろってわけ」


おてんこ『そうだ……だが、1つ問題がある』

おてんこ『パイルドライバーが起動していられる時間が未知数なのだ』

おてんこ『ワルプルギスの夜がとてつもない量の穢れを溜めこんでるとしたら』

おてんこ『奴を浄化するために放出されている太陽パイルが浸食される』

おてんこ『そして、限界まで浸食が進むとパイルドライバーは強制終了してしまうのだ』


ほむら「それじゃあ、全く役に立たないじゃない」


おてんこ『それはあくまでも何もしなかった場合だ』

おてんこ『パイルドライブ中に奴に攻撃を加えれば浸食の速度を緩和することができる』


さやか「つまり、パイルドライバーを召喚したとしても……」


マミ「攻撃を与えなければ強制的に終了してしまうというわけね」





53 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/19(火) 01:20:29.60 ID:kmB8LIqC0


杏子「だったら、この中の誰かがあいつの足を止める」

杏子「そんでパイルドライバーを召喚した後、残りの奴らが一気にケリを付ける」

杏子「それでいいな?」


さやか「問題は誰が残るかだけど……」


ジャンゴ「それなら……」


おてんこ『いや、ダメだ』

おてんこ『お前は究極太陽弾(ワイルドバンチ)を放つのに必要だ』


ジャンゴ「…っ」





54 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/19(火) 01:22:04.77 ID:kmB8LIqC0


ほむら「……私が行くわ」


   「!」 


さやか「…ほむら」


杏子「いいのか?」


ほむら「佐倉杏子と美樹さやかは足止めするにしても奴に近づきすぎる」

ほむら「そして、太陽少年はこの役目を担うことはできない」

ほむら「この中では私が一番の適役だわ」


マミ「待って……私も行くわ」

マミ「その条件の中に私は含まれていない」

マミ「マスケットとリボンは、きっとあなたの役に立つはずよ」


ほむら「いいえ、私1人で行くわ」

ほむら「その方が失敗したときのリスクが少ないもの」


マミ「でも……」





55 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/19(火) 01:22:56.43 ID:kmB8LIqC0


ほむら「安心しなさい。私には時間停止がある」

ほむら「それに……奴とは何度も戦ってきた」

ほむら「今更1人でも、どうってことないわ」


マミ「…」


おてんこ『……話はついたようだな』

おてんこ『ほむら、頼んだぞ』

おてんこ『この戦いの勝敗……全てはお前にかかっている!』


ほむら「ええ」


おてんこ『後の者は私のところへ来てくれ、誘導する』


  「…」コクリ


おてんこ『作戦開始だ!!』


第30章・了





56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/06/19(火) 01:23:59.14 ID:kmB8LIqC0
召喚せよ!


 『彼女が隙を作ってくれる。その時を信じて待つんだ』


次回:「起動」



58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/06/19(火) 08:43:06.41 ID:xJfyuMOUo

ていうか今回のパイルドライバーは無印仕様か



63 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/20(水) 01:14:35.36 ID:xyp2NVIA0



続・第31章 「起動」






64 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/20(水) 01:18:16.22 ID:xyp2NVIA0


ほむら「…」ダッ



足止め役を買って出た少女はワルプルギスへと一直線に向かう。



   「キャハハハハハハハハハハハ」



     ヒュン    ヒュン



  「ギャハハハ」  「オ オ オ オ」   



向かってくる魔法少女に対して、魔女は触手や使い魔を飛ばす。





65 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/20(水) 01:19:45.54 ID:xyp2NVIA0


ほむら「…っ」サッ

   
   ガァアアン


ほむら「…っ」ダンッ ダンッ ダンッ

 
   ズドォォオン


  「ギャァ……」 



彼女も銃火器を使って抵抗するが、



  「グォオオオ!!!」サッ


   ドォォオオン


使い魔を一匹、撃ち漏らしてしまう。





66 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/20(水) 01:23:45.71 ID:xyp2NVIA0


ほむら「!」

ほむら「くっ…」シュン



危険を感じた彼女はとっさに拳銃を取り出し、



ほむら「はぁああああ!!」パァン パァン パァン パァン パァン パァン パァン パァン


 「ギャハ、ハハハ…アハh……ハハ………」



迫りくる使い魔に全ての弾をぶち込む。



ほむら「はぁ…はぁ……」シューー



使い魔を倒したことを確認すると、


   ドサッ


ほむら「くっ…」ダッ



役目を終えた拳銃を棄て、魔女へと向かっていった。





67 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/20(水) 01:28:27.18 ID:xyp2NVIA0

_______________________________________


おてんこの下へ集まったジャンゴ達はパイルドライバー発動後の計画を聞いていた。


おてんこ「いいか、良く聞け」

おてんこ「パイルドライバーで奴を浄化すれば、穢れの蓄積による奴の強化を食い止めることができる」

おてんこ「しかし……それはあくまでも妨害工作だ」

おてんこ「当然、攻撃を仕掛けなければ奴を倒すことは出来ない」


杏子「そんなの分かってる」

杏子「さっきも言ってじゃないかよ」


おてんこ「慌てるな。話は最後まで聞け」

おてんこ「確かに……攻撃を加えなければパイルドライブが強制終了すると言った」

おてんこ「しかし、問題はそこじゃない」

おてんこ「攻撃をすること自体には変わらないが、その攻撃方法に問題があるのだ」





68 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/20(水) 01:30:37.40 ID:xyp2NVIA0


さやか「攻撃方法?」


おてんこ「お前達の攻撃では奴の体力を削りきるのは難しい」

おてんこ「不可能ではないだろうが……時間がかかりすぎる」

おてんこ「そこで、我々はワイルドバンチを使う」


マミ「ワイルドバンチ……それは?」


おてんこ「ジェネレーターが増幅させたエネルギーを太陽銃で撃つ」

おてんこ「太陽のかけらを撃ち込む、究極の技だ」





69 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/20(水) 01:32:29.09 ID:xyp2NVIA0


さやか「で、それにはどうすればいわけ?」


おてんこ「奴を封じ込める大パイルドライバーの内部に通常のパイルドライバーを召喚する」

おてんこ「お前達にはその……小パイルドライバーに出現する球状のジェネレーターに魔力を注入してもらう」

おてんこ「後はジャンゴ、お前がワイルドバンチを放つんだ」


ジャンゴ「…」コクリ


おてんこ「とにかく今は待機だ」

おてんこ「彼女が隙を作ってくれる。その時を信じて待つんだ」

_______________________________________





70 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/20(水) 01:35:24.20 ID:xyp2NVIA0
   

   「キャハハハハハハハ」



ほむら「…」



向かってくる使い魔や触手を押し切ったほむらは、魔女に肉薄していた。



ほむら「…!」ダンッ ダンッ



彼女は至近距離でロケット弾を発射する。





71 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/20(水) 01:36:47.06 ID:xyp2NVIA0


  ズドォオオン

           ガァァアアン


   「ギャ……ガハッ……」



その弾は直撃するが、



 「キャハハハハアハハッハッハ」



魔女はダメージを受けた素振りを見せない。





72 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/20(水) 01:39:46.86 ID:xyp2NVIA0


ほむら「…っ」



弱らせて動きを鈍らせることは不可能と判断し、波状攻撃で態勢を崩す作戦に切り替える。

作戦の変更を決めたほむらは、



ほむら「…」カチッ


  「キャハハハアハ………」


ほむら「…」カタカタカタカタッ



時間を止め、有りっ丈の装備を辺りにばら撒いた。





73 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/20(水) 01:42:15.09 ID:xyp2NVIA0


ほむら「…」



彼女はそれらを手に取り、



ほむら「…」ダンッ



最強の魔女に向かって弾を撃つ。


    ピタッ   


撃ち出された弾は時間停止の影響を受けて中空で停止する。



ほむら「…」ダンッ ダンッ ダンッ



それに構わず、彼女は次から次へと撃ち続けた。





74 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/20(水) 01:51:11.42 ID:xyp2NVIA0


空中で静止した弾の数は次第に増え、遂には空を覆い尽くした。



ほむら「…」カチッ



彼女はその様子を確認し、時を動かす。



  ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ



止まっていた弾は一斉に動きだし、その標的たるワルプルギスの夜へと向かって行く。





75 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/20(水) 01:53:37.93 ID:xyp2NVIA0


しかし、彼女は



ほむら「…」カチッ



自身が放った弾が着弾するのを見届ける前に、再び時を止める。

そして、先程と同様に



ほむら「…」ダンッ ダンッ ダンッ



魔女に向かってバズーカをぶっ放す。





76 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/20(水) 01:57:30.68 ID:xyp2NVIA0


ほむら「…」カチッ

ほむら「…」ダンッ ダンッ ダンッ

ほむら「…」カチッ


 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ


ほむら「…」カチッ

ほむら「…」ダンッ ダンッ ダンッ

ほむら「…」カチッ


 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ


ほむら「…」カチッ

ほむら「…」ダンッ ダンッ ダンッ



時間を止めては銃を撃って、また時を動かす。

それを手持ちの弾がなくなるまで繰り返した彼女は、



ほむら「…」ポイッ



バズーカ砲を投げ棄てワルプルギスを正眼に捉る。

そして、



ほむら「喰らいなさい」カチッ



時間停止を解除した。





77 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/20(水) 02:00:27.58 ID:xyp2NVIA0


溜まりに溜まったロケット弾は時間の縛りから解放され、



 ズ ガ ガ ガ ガ ガァァァァァァァァァァァアアアアアン



    「ギャァァァァァァアアアアア!!!」



その砲火でワルプルギスを包み込む。 





78 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/20(水) 02:02:17.03 ID:xyp2NVIA0


     「キャハ……キャハハハ……」



直撃を受けた魔女はその場から離れようとするが、



     「ギャァァアアア゙ア゙……………」



 ズ ガ ゴ ゴ ゴ ゴォォォォォォォォォオオオオン

 
          ズダダダダダダダダダダ 
          
                    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ         
 ガァアアアア

       ズ ガ ガ ガァァァァ ズガ ガ ガ ガ ガァ ァァァ


ズ ガ ガ がァァァァアアアアアン

                      ドォォオオオオオオン             

     ズ ド ド ド ド ド ド ド ド


 ズ ガ ガ ガ ガ ガァァァァァァァァァァァアアアアアン



次々に襲いかかってくる砲弾の雨にその動きを止められてしまう。





79 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/20(水) 02:05:44.03 ID:xyp2NVIA0


ほむら「今よッ!!」



動きの止まったワルプルギスを確認したほむらは声を張り上げ、合図を送る。

その直後、




   「太陽ぉーーーーーーーーーーーーーー!!」



 
パイルドライバーの召喚を告げる掛け声が町に響き渡った。





80 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/20(水) 02:08:46.05 ID:xyp2NVIA0


  ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ



魔女を中心にして、中空に魔法陣が展開する。

中継器のエネルギーによって強化された魔法陣は町全体を覆うほどの大きさであった。

魔方陣に遅れ、



    ジャキッ ジャキッ ジャキッ ジャキン



        ガチャン ガタッ
     
  

巨大なジェネレーターが魔女の四方に顔を出し、一斉に起動状態に入る。





81 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/20(水) 02:09:54.25 ID:xyp2NVIA0


そして、



  「「太陽ぉぉぉぉぉぉおおおおおおお!!!!」」



 ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ


 
   「ギャァァァァァアアアアアアア!!!!!!」



魔女はジェネレーターから放出される太陽パイルに閉じ込められた。





82 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/20(水) 02:12:34.70 ID:xyp2NVIA0


ほむら「これで……」



パイルドライバー発動を見届け一息ついたとき、



  「ギャァアア!!」


ほむら「!」



背後から使い魔の残党が襲いかかってきた。



ほむら「…っ!」



銃弾を使い果たしていた彼女は盾から手榴弾を取り出し、投げつける。



  ドォオオオン


  「グワァ゛……」



投げ出された爆弾は使い魔に着弾、爆炎をまき散らした。





83 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/20(水) 02:14:07.55 ID:xyp2NVIA0


ほむら「はぁ……はぁ…」



敵を片付けたほむらは仲間に合流しようと、その場を後にする。

しかし、



  「ガァゴォオオ」


ほむら「なっ!?」



爆発を受けたはずの使い魔が息を吹き返し、背を向けた彼女に攻撃を仕掛けた。





84 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/20(水) 02:16:31.12 ID:xyp2NVIA0


  「グォォオオオ!!」


ほむら「かっ……はっ……」ドンッ



窮地を脱した安心感から油断したほむらは直撃を受けて吹き飛ばされる。


  
  ヒュゥゥゥ   ドゴォオオン



飛ばされた彼女はビルの残骸に突っ込み、沈黙した。


第31章・了





85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/06/20(水) 02:17:03.26 ID:xyp2NVIA0
戦友の想いをのせて……


 『撃て!! ジャンゴ!』


次回:「希望の光」



86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/06/20(水) 04:22:10.72 ID:+4/LY2Oh0

使い魔ェ・・・



91 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/21(木) 00:06:43.06 ID:8zldejUi0



続・第32章 「希望の光」






92 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/21(木) 00:10:32.55 ID:8zldejUi0


   「「「「「ほむら(暁美さん)!!!」」」」」



ジャンゴ達は宙に浮かぶ魔法陣の上から、ほむらが吹き飛ばされるのを目の当たりにする。



杏子「クソっ!」


さやか「待ってろ、ほむら! 今、行くから!!」


マミ「私も行くわ!」



仲間の危機を救うべく少女達は魔法陣から飛び降りようとするが、



おてんこ「ダメだ! 持ち場を離れるな!!」



太陽の精霊によって制止されてしまう。





93 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/21(木) 00:12:36.77 ID:8zldejUi0


さやか「どうして!!」

さやか「助けに行かないつもりなの!?」


おてんこ「……ああ」


ジャンゴ「…」


杏子「このまま何もしなかったら」

杏子「アイツ……死んじまうかもしれないんだぞ!」


おてんこ「そうだ。彼女は自らの命を賭して我々に機会をくれた」

おてんこ「この意味が分かるか?」


マミ「そんなのどうだっていいわ! 今は彼女の命の方が大事なの!!」





94 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/21(木) 00:16:55.20 ID:8zldejUi0


ジャンゴ「マミ………ほむらは覚悟を決めたんだ」

ジャンゴ「時間を巻き戻せる彼女なら、生き残ればまたやり直せる」

ジャンゴ「たとえ負けてしまったとしても……もう一度、この1ヶ月を繰り返すことができる」

ジャンゴ「でも、彼女はそうはしなかった」

ジャンゴ「一歩間違えれば繰り返してきたことの全てが水の泡になってしまうのに」

ジャンゴ「命を賭けてボク達に希望を託してくれた」

ジャンゴ「それは他でもない彼女の意志、ボクらにワルプルギスを倒してほしいという願いなんだ」

ジャンゴ「だから……ここを離れるわけにはいかない」

ジャンゴ「ほむらの想いに応えるなら、ここで……終わらせなきゃいけないんだ」


おてんこ「彼女の救出に向かいたい気持ちは痛いほど良く分かる」

おてんこ「だが……本当に彼女のためを思うなら」

おてんこ「分かってくれ……」





95 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/21(木) 00:21:38.24 ID:8zldejUi0


マミ「…」


杏子「……分かったよ」


さやか「うん…」


おてんこ「私はこれからワイルドバンチに必要なジェネレーターを新たに召喚する」

おてんこ「ジェネレーターは、我々が立っている小パイルドライバーの四方に設置される」

おてんこ「お前達はそれらに魔力を注入し、エネルギーを増幅させてくれ。いいな?」


   「…」コクリ


おてんこ「行くぞ!!」




おてんこ「太陽ぉーーーーーーー!!!」




  シャキン シャキン シャキン シャキンッ


     
巨大な魔法陣の一部、小さなパイルドライバーのそのまた一角に球状の物体が出現した。





96 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/21(木) 00:25:39.42 ID:8zldejUi0
 

  「ギャァア!? グワァア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!」


      ガンッ  ガンッ  ガンッ


     ジュゥォォォォオオオオオオオオオ



新たな装置に危険を感じた魔女は、太陽パイルに閉じ込められつつも暴れまわる。


  
     ギ ギ ギ ギ ギ ギ ギ ギ ギ       



それに従い、パイルがその先端からゆっくりと黒く濁り始めた。





97 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/21(木) 00:33:52.64 ID:8zldejUi0


おてんこ「……パイルの浸食が始まった」

おてんこ「時間がない! 急いでワイルドバンチの準備にかかるんだ!!」



おてんこの指示通り、3人の魔法少女はそれぞれ球状のジェネレータの後ろに待機する。



おてんこ「始めてくれ!!」



おてんこは小パイルドライバーの中心に移動すると、合図を送った。



マミ「行くわよ!」


杏子「おう!」


さやか「はい!!」



合図を受けた少女達は目の前の球体に魔力を込め始める。



      ビィーーーーー



魔力の注入されたジェネレーターはパイルドライバーの中心に向かってエネルギーの放出を開始した。





98 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/21(木) 00:36:30.04 ID:8zldejUi0


おてんこ「ヌッ…」



太陽の使者は放出されるパイルを受け取り、そのエネルギーを凝縮させる。

そして、全ての準備が整った後、



おてんこ「ジャンゴ! 後は頼んだ!!」



太陽少年に指示を出す。





99 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/21(木) 00:43:29.06 ID:8zldejUi0


ジャンゴ「…」ジャキ



少年は太陽銃の銃口をおてんこに向け、



    ギュィィィィィィィィン



凝縮されたエネルギーを収束させる。


 
   ギュォォォオオオオオオオオオオオオ



パイルドライバーの中心には球状のエネルギー体が形成され、おてんこを飲み込むが、


   
  ギュゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ



ジャンゴは構わずエネルギーを収束させ続ける。





101 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/21(木) 00:46:07.24 ID:8zldejUi0


ジャンゴ「…っ」



エネルギーの余波により太陽銃が熱を帯び始めた頃、



  ゴ ガ ガ   ガ   ガ    ガ     ガ      ガ



太陽のかけらはジャンゴの体の倍以上の大きさになり、その膨張を止めた。



   「撃て!! ジャンゴ!」



光の中からおてんこが声を張り上げる。





102 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/21(木) 00:48:23.03 ID:8zldejUi0


マミ「お願い! ジャンゴ君!!」


杏子「行け! ぶっ放せ!!」


さやか「そうだ! これで終わらせるんだ!!」



それに続いて、少女達も少年に声をかける。





103 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/21(木) 00:50:09.65 ID:8zldejUi0


ジャンゴ「行くぞ!!」



期待を一身に背負った少年は目の前の魔女に照準を合わせ、



ジャンゴ「うぉぉぉおおおおお!!!!」カチッ



太陽銃(ガン・デル・ソル)の引き金を引いた。





104 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/21(木) 00:52:44.16 ID:8zldejUi0


   ゴォォォォォオ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ



   「グワァア゛ア゛!! グワァア゛ア゛!!!!!」



撃ち出された太陽のかけらは一直線にワルプルギスの夜へと向かって行き、


  
 ズドォォォォォォォ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ ン



    「ギャァァァァアアアアア……………………」



着弾した。





105 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/21(木) 00:54:26.78 ID:8zldejUi0
 

 ゴオオオオォォォォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ



ジャンゴ「…っ」


おてんこ「ぐっ…」


マミ「きゃ!」


杏子「くっ…!」


さやか「…!」



同時に衝撃波が発生し、ジャンゴ達を襲う。





106 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/21(木) 00:56:59.23 ID:8zldejUi0


  「・・・」



衝撃波が止むと、辺りは静まり返る。



さやか「魔女は!?」


おてんこ「やったのか?」



大パイルドライバーの中心は土埃が舞い、魔女の姿を確認することは出来なかった。
  




107 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/21(木) 00:58:52.95 ID:8zldejUi0


しかし、


  
  「グォォォオオオ オ オ オ オ オ オ オ」



土煙の向こうから聞こえてくる呻り声が、彼女がいまだ健在であることを伝えていた。



さやか「そんな……」


マミ「ダメなの?」


杏子「……なんでだよ」


おてんこ「狼狽えるな!!」

おてんこ「一発でダメなら、二発目……それでダメなら三発目だ!」

おてんこ「絶対にここで奴を沈める!」

おてんこ「落ち込んでいる暇があったら、次弾の用意をしろ!!」





108 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/21(木) 01:00:31.81 ID:8zldejUi0


マミ「そうね……」


杏子「ああ……行くぜ」


さやか「今度こそ、終わらせるんだ」



おてんこの叱責によって魔法少女達は再び、ジェネレータジェネレーターへの魔力供給を開始する。



ジャンゴ「…」ジャキ



     ギュィィィィィィィィン



太陽少年もエネルギーを収束させ、太陽のかけらを生成する。





109 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/21(木) 01:02:52.18 ID:8zldejUi0


    ギュォォォオオオオオオオオオオオオ



チャージは順調に進み、ワイルドバンチが再装填されるまであと少しになったとき、


  
  「キャハ…キャハハハハハハハハハハハハハ!!!!」


     ジュゥォォォォオオオオオオオオオ



魔女が甲高い笑い声を上げ始める。



  ギ ギ ギ ギ ギ ギ ギギギギギギギギギギギギ   

 
       「!?」
  


それに伴い、ワルプルギスを拘束していた太陽パイルの浸食される速度が一気に上昇した。





110 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/21(木) 01:05:03.20 ID:8zldejUi0


おてんこ「これは……」


杏子「何だ?!」


マミ「何が起こってるの!?」


おてんこ「奴の力が増している……いや、違う!」

おてんこ「パイルドライバーの出力が下がっているんだ!!」


さやか「パイルドライバーが!? どうして!!」


おてんこ「光だ! 太陽の光が弱まってる!!」

おてんこ「気づかないうちに日没が迫って来ていたんだ!」


さやか「そんな、ここまで来て……」


杏子「クソッ……アイツのくれたチャンスをムダにしちまったのかよ」


マミ「ごめんなさい。暁美さん……」





111 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/21(木) 01:06:08.36 ID:8zldejUi0


ジャンゴ「諦めるな!!」

ジャンゴ「まだ太陽は沈んじゃいない!」

ジャンゴ「これが最後の弾になろうとも……まだボクらの負けが決まったわけじゃない」

ジャンゴ「この一撃にすべてを賭けるんだ!」


おてんこ「そうだ! まだ終わっちゃいない!!」

おてんこ「日が沈む前、パイルドライバーが強制終了する前に」

おてんこ「太陽のかけらを奴に撃ち込むんだ!」

おてんこ「行くぞッ!!」





112 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/21(木) 01:09:17.09 ID:8zldejUi0


    「キャハハハハハハハハハハハハハ」


     ギギギギギギギギギギギギギギギ



さやか「はぁああああ!!!」


杏子「うぉおおおおおお!!」


マミ「はぁぁぁぁあああ!!」



3人は持てる魔力をすべてジェネレーターに注ぎ込む。



おてんこ「ヌォッ…!」



それによって、増幅された太陽エネルギーが一気におてんこへと流れ込んでいく。





113 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/21(木) 01:13:22.79 ID:8zldejUi0


おてんこ「うぉぉぉおおおおお!!!!」



  ギュゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  ゴ  ゴ  ゴ  ゴ  ゴ



太陽の使者は受け取ったエナジーを凝縮、その密度を上昇させた。



ジャンゴ「くっ……」ガタ ガタ ガタ ガタ


   
膨大なエネルギーを制御する太陽銃は振動を始める。



  「キャハハッハハアッハハハハハハアハハハ」


  ギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギ



対する魔女もパイルの浸食速度を速め、拘束から逃れようともがく。





114 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/21(木) 01:14:57.88 ID:8zldejUi0


そして……



   ギ  ガ  ガ    ガ    ガ     ガ      ガ      ガ



時間との闘いの中、遂にワイルドバンチが発射可能となった。



   ギギギギギギギギギギギギギ   バキンッ



      ヒュゥーーン   ガタン


  
    「キャハハハハハハハハハ!!!!!」



同時にパイルドライバーが機能を停止し、最強の魔女が解き放たれる。





115 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/21(木) 01:17:11.02 ID:8zldejUi0


おてんこ「逃がすな! 撃てッ!!」


ジャンゴ「くっ…」ガガガギッ



少年は暴れまわる太陽銃を押さえつけながら、銃口を魔女へ向けると、



ジャンゴ「うぉぉぉおおおおおお!!!!」カチッ



引き金を引いた。





116 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/21(木) 01:18:44.35 ID:8zldejUi0




   「「「「いっけえええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」」」」




  ズガガ ガ ガ ガ ガ ガ  ガ  ガ  ガ  ガ  ガ   ガ   ガ




少年と少女達の想いをのせた光弾はワルプルギスの夜へと一直線に飛んで行く。 





117 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/21(木) 01:20:36.97 ID:8zldejUi0


おてんこ「よし!」


杏子「これで…」


マミ「終わる」



撃ち出された希望の光に勝利を確信したとき、



    「ギャハハハハハハハハハ」


 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ


        「!?」



魔女が『動いた』。





118 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/21(木) 01:22:49.38 ID:8zldejUi0


  ギュゥォォォォォオオオオオオ オ オ オ オ  オ  オ



ワルプルギスの倒立とともに、凄まじい衝撃波が巻き起こる。



           ゴォゥン  



  ギンッ ギギギギギギギ ギ ギ ギ ギ ギ  ギ  ギ 




魔女へと向かっていた太陽のかけらはその衝撃波にぶつかり、


           ガンッ  
 

  ギュゥォォォォオオオ オ オ  オ  オ  オ   オ



弾き返される。





119 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/21(木) 01:24:30.77 ID:8zldejUi0


 「なっ!?」 「えっ?」 「これは……」 「どういう」       
 

            「…っ」

 
                  
反射された太陽弾は発射地点の小パイルドライバーに向かって飛翔し、

 


  ズドォォォォォォォ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ ン



  
   「「「「「う゛あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」」」」



呆然とするジャンゴ達を巻き込んで消滅した。





120 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/21(木) 01:28:18.39 ID:8zldejUi0


    ピシ     ピシ 



おてんこが吹き飛ばされたことにより、パイルドライバーにも限界が訪れる。



  ピシ   ピキッ  ピキッ
   


魔法陣に入った亀裂がどんどん大きくなり、最後には、



      パキンッ



跡形もなく砕け散った。





121 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/21(木) 01:29:06.95 ID:8zldejUi0


満月の昇る夜の町に残ったのは、



  「キャハハハハハハハハハハアッハハハアハハハハハハ」



夜の名を冠した魔女ワルプルギスの夜、ただ1人であった。


第32章・了





122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/06/21(木) 01:32:46.49 ID:8zldejUi0
まだ……戦える


 『もう……私達に勝ち目なんてないじゃない』 


次回:「不屈の闘志」



132 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/28(木) 00:05:18.31 ID:mimqYAcC0



続・第33章 「不屈の闘志」






133 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/28(木) 00:06:35.12 ID:mimqYAcC0


おてんこ「……大丈夫か? お前達…」


ジャンゴ「うっ……」


さやか「…っ」



おてんこの呼びかけにジャンゴとさやかが反応を示す。



おてんこ「良かった……無事だったか」

おてんこ「後の2人は……」



同じく吹き飛ばされたであろうマミと杏子を探して辺りを見回すと、



マミ「」


杏子「」



少し離れたところに倒れた2人の姿が確認できた。





134 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/28(木) 00:08:12.81 ID:mimqYAcC0


さやか「マミさん! 杏子!!」



2人を見つけたさやかは猪の一番に駆け出し、2人のもとへ向かっていった。



マミ&杏子「」


さやか「・・・」


おてんこ「どうだ? 2人の様子は」


ジャンゴ「…」



彼女に遅れて、ジャンゴ達も2人のもとへたどり着く。





135 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/28(木) 00:11:06.83 ID:mimqYAcC0


さやか「怪我は大したことないから、気絶しているだけみたいだけど……」


おてんこ「何かあるのか?」


さやか「ソウルジェムが……」



彼女の言葉を受け、倒れている少女達のソウルジェムを確認すると



おてんこ「これは!?」


ジャンゴ「…っ」



魔女化する寸前まで黒ずんでいた。



さやか「そして、あたしのもこんなに……」



マミ達を看ていたさやかは、自分のソウルジェムを見せる。



ジャンゴ&おてんこ「・・・」



それも他の2人と同様に濁っていた。





136 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/28(木) 00:15:34.28 ID:mimqYAcC0


さやか「どうしてこんな……」


おてんこ「考えられる原因は……パイルドライバーシステムの崩壊だな」


さやか「どういうこと?」


おてんこ「お前達はワイルドバンチを放つために、ジェネレーターに魔力を注入していた」

おてんこ「この時、ジェネレーターを通じて一時的にエネルギー供給システムにリンクしていたんだ」

おてんこ「そして……最後の一撃のとき」

おてんこ「ワルプルギスの攻撃を受けてパイルドライバーは消滅、同時にシステムも破壊された」

おてんこ「おそらくは、その余波で残ってた魔力を根こそぎ持って行かれたのだろう」


さやか「そんな……」





137 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/28(木) 00:19:38.56 ID:mimqYAcC0


おてんこ「予備のグリーフシードはないのか?」

おてんこ「それさえあれば、まだ……」


さやか「ある……けど、1つだけ」

さやか「他のは吹き飛ばされたときにどっかにいっちゃって」


おてんこ「……そうか」

おてんこ「どうやら、援護は期待できそうにないみたいだな」

おてんこ「覚悟はいいか? 太陽少年」


ジャンゴ「おてんこさまこそ」


おてんこ「ふっ……心配するまでもなかったか」

おてんこ「さやか、2人を頼んだ」

おてんこ「行くぞ! 太陽少年!!」


ジャンゴ「…」コクリ





138 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/28(木) 00:24:25.99 ID:mimqYAcC0


ジャンゴ「…」


   「キャハハハハハハハハ」



月夜に浮かぶ魔女を見据え、少年達が戦いに赴こうとしたとき、



さやか「待って」



少女によって引き止めらる。



おてんこ「どうした? 何か問題でもあるのか」


さやか「どうした……って、あんた達まだ戦うつもりなの?」

さやか「ほむらは使い魔にやられて行方不明、マミさんと杏子は戦闘不能」

さやか「全力で放ったワイルドパンチも跳ね返されて」

さやか「おまけに、1ヶ月かけて準備したパイルドライバーも壊された」

さやか「もう……私達に勝ち目なんてないじゃない」





139 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/28(木) 00:26:02.62 ID:mimqYAcC0


おてんこ「そうかもしれない。だが……」

おてんこ「我々はまだ勝利を諦めてはいない」

おてんこ「終わってみなければ、結果なんて誰にも分からないだろう?」


さやか「でも……この状況でアイツと戦うなんて」

さやか「それこそ、死にに行くようなもんじゃない」


ジャンゴ「違うよ、さやか」

ジャンゴ「ボクらは死にに行くんじゃない。明日を掴むために戦うんだ」

ジャンゴ「たとえ今日がどんなに苦しくとも」

ジャンゴ「明日を信じて今を生き抜けば、必ずまた朝は来る」

ジャンゴ「ボクはまだ……明日を、未来を、勝利を諦めたくない」





140 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/28(木) 00:27:42.84 ID:mimqYAcC0


さやか「…」


おてんこ「それに……まだ可能性がないわけじゃない」

おてんこ「奴はパイルドライバーに拘束されワイルドバンチの直撃を受けたんだ」

おてんこ「確実に溜めこんだ穢れが浄化され、弱体化しているはず」

おてんこ「そこを叩けば勝機はある」


さやか「それでも、あんた達だけでなんて……」


おてんこ「心配するな」

おてんこ「我々だけで大丈夫だ」

おてんこ「それに……まだ奥の手が残っているしな」


さやか「奥の手?」





141 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/28(木) 00:29:11.61 ID:mimqYAcC0


おてんこ「まあ……見てのお楽しみだ」

おてんこ「行くぞ! ジャンゴ!!」


ジャンゴ「…」コクリ



ジャンゴはおてんこの呼びかけに応じると、



ジャンゴ&おてんこ 「「太陽おおおぉぉォォ!!!」」



トランスを発動した。



さやか「…っ!」



少年達からほとばしる光が周囲の景色をぼやけさせる。





142 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/28(木) 00:30:55.66 ID:mimqYAcC0


光が止むと、そこには



   「………」



黄金の輝きを纏った太陽の化身の姿があった。



さやか「これが……」


   「………」



太陽の化身ソルジャンゴは、突然の変化に呆然とする少女を見据える。



さやか「……分かったよ。マミさん達は任せて」



その意図を読み取ったさやかは目の前の少年に応える。





143 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/28(木) 00:33:08.16 ID:mimqYAcC0


   「………」コク


   「……ハッ」ダッ



彼女の返答に満足したソルジャンゴは両足に力を込めて一気に跳び上がった。



   「………」


  「キャハハハハハハハハハアハハハハハ」



宙を舞う彼の瞳は満月を背にする最強の魔女、ワルプルギスの夜を捉えていた。





144 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/28(木) 00:38:24.00 ID:mimqYAcC0


  「ハァァァァァァ」ギュオン ギュオン



跳び上がった太陽の化身は両手のに光球を作り出すと、



   「ハァッ!!」ゴゥン



目の前の魔女へと投げつける。



  ヒューーーー  ズドッ ズドォォン



放たれた光弾は正立するワルプルギスに直撃した。

しかし、



  「キャハハハハハハハハハハッハ」


  ヒュン  ヒュン  ヒュン  ヒュン



彼女はそれを意に介せず、触手を飛ばして反撃してくる。





145 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/28(木) 00:40:25.10 ID:mimqYAcC0


ソルジャンゴは向かってくる触手に対し、



   「……」サッ
 

  ドォォォン


1本目は身をよじって回避。



  「ヤッ! ハッ!!」ガン バキッ

  
  ズダァン  ドゴォン


続く2、3本目は軌道を逸らして、あしらう。

最後の1本は、



   「ウォォォォ……」ギュイン  



光弾を作り出し、



   「ハァァァアアアア!!!!」ゴォン



    ズガァァァアアアアアアン



  「ギャァァァァアアアア゛ア゛ア゛ア゛!!!」



破壊する。





146 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/28(木) 00:42:09.51 ID:mimqYAcC0


そのまま怯んだ魔女へと突っ込み、



  「ハァッ!!」



体当たり攻撃、ソルフレアを仕掛ける。


    ガンッ


  「ギャァ……」



凄まじい速度のタックルを食らった魔女は、後ろへ大きく仰け反った。
 




147 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/28(木) 00:46:23.58 ID:mimqYAcC0


  「ヤッ!!」ギンッ


  「グワッ……!」



仰け反った魔女に追撃を食らわせ、その行動を封じると、



  「ハッ!」


  「ヤッ!!」


  「ホッァ!!」


 
次々に攻撃を繰り出し、連続攻撃に入る。





148 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/28(木) 00:49:56.44 ID:mimqYAcC0


    ガンッ


  「グワッ…」


    ガンッ


  「ギャァッ…!」


    ギンッ


  「ア゛ア゛アァァァ゛」



態勢を崩された魔女はソルジャンゴの猛攻に晒される。

魔女を圧倒した太陽の化身は、



  「ハァッ! ハッ!! ハァアア!!!」


     ガキッ ガキッ ガキンッ 


   「ギャ…ガッ……グォォォオオ」



ソルフレアを連発し、反撃の機会を与えなかった。





149 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/28(木) 00:52:57.22 ID:mimqYAcC0


   「ハァアアアアア!!!」



勝負をつけようと全身にエネルギーを充足させたとき、



   「ギャァアア!!」 


   「グォオオオ!!」 


   「ギャアアアア!!」


      「!」


背後から魔女が放った刺客、使い魔が襲い掛かってきた。





150 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/28(木) 00:55:16.26 ID:mimqYAcC0


   「グァッ……!」ザクッ ザシュ
 


油断していたソルジャンゴは使い魔に取りつかれ、攻撃を受ける。



   「ウオオォォォォ……」



窮地に陥った太陽の化身は蓄えた力をエネルギー波に変換し、



  「ハァァァァアアアアアア!!!!」



敵を焼き尽くすソルプロミネンスを放った。





151 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/28(木) 00:57:41.26 ID:mimqYAcC0


  ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴゴゴゴゴゴゴォォォン 



 「ガッ……」 「ギャァア゛ア゛ア゛…」 「グギャァ……」



エネルギー波によって、取り付いていた使い魔達は一瞬で消滅する。



    「ハァ……ハァ…」


   「ウオオォォォォォォ!!」



エネルギーを浪費した太陽の化身は魔女を倒すべく、チャージを再開する





152 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/28(木) 00:59:28.18 ID:mimqYAcC0


しかし、



   「キャハハハハハハハハハハ!!!!」


         「!」
   


ソルフレアの連続攻撃から逃れた魔女が態勢を立て直し、



    シュ シュ シュ シュ シュ シュン



大量の触手を放って攻撃してきた。





153 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/28(木) 01:05:05.13 ID:mimqYAcC0


    「ウッ……」ジュシャ


   「ハァアアアア!!!」


 ゴ ゴ ゴ ゴゴゴゴゴゴゴォォォン



ソルジャンゴはダメージを受けながらもソルプロミネンスで、向かってくる触手を焼き払う。



   「ギャァアア!!」



身体を焼かれた魔女が怯んだのを確認すると、



   ヒュン  ヒュン


    「クッ……」サッ ガンッ


  ドォォン  ズダァン

 

残りの触手を回避しながら魔女に急接近する。





154 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/28(木) 01:06:42.38 ID:mimqYAcC0


懐に入り込んだソルジャンゴは魔女の反応できないスピードで肉薄、



   「ハァァァァ………」ギュオン



右手に太陽のかけらを生成し、



   「ハァァァアアアア!!!」

 

その胸に打ち込んだ。



   「ギャァァァァァァアアアアアアアアア!!!!!」



かけらを押し付けられた魔女は内部からその身を焼かれる。



    ジュォォォオオオオオオオオオオオオオオ



魔女の体からは穢れが浄化されていることを示す黒煙が立ち上っていた。





155 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/28(木) 01:08:36.09 ID:mimqYAcC0


   「「うぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!!!!!」」



魔女を浄化しつくそうと、さらなるエネルギーをかけらに送り込む。



  ジュォォォオオオオ オ オ オ オ オ オ オ オ オ



    「ギャ……ハハハハ………キャハハハ………」
   
   

浄化の光を受けた魔女はその力の源である穢れを浄化され、弱りはじめる。



   「はぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!!!」


      「ギャ…………キャ……………」
   


太陽の化身は止めの一撃を放つために全ての力を右腕に集中させる。





156 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/28(木) 01:10:58.48 ID:mimqYAcC0


チャージが終了し、全てのエネルギーを解放しようとしたとき、

    

     「!」



自身の力が急速に衰退するのを感じた。


  
   「これは!?」



太陽のような身体の輝きも、いつの間にか鈍い輝きに変わっている。



   「時間……切れ」



それはトランスの終了を知らせる合図であった。





157 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/28(木) 01:13:31.24 ID:mimqYAcC0


   「まだだ!!」


   「「うぉぉぉぉぉおおおおおお!!!!」」



太陽の化身は残された時間で決着をつけようと、霧散していくエネルギーを必死に集める。

しかし、弱まった力で浄化できるはずもなく、



   「キャハ……キャハハハハハハハ」


       ヒュンッ


息を吹き返した魔女に反撃を許す。





158 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/28(木) 01:16:21.51 ID:mimqYAcC0


    「!」
   

     ガキッ


   「ぐはっ……」 



弱体化したソルジャンゴは向かってくる触手の直撃を受け、


     ヒューーーーン    
  

   ズドォォォォォォン


吹き飛ばされた。


第33章・了





159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/06/28(木) 01:17:18.22 ID:mimqYAcC0
敗北、その先には……


 『諦めるのか? 太陽少年』


次回:「絶望」



163 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/29(金) 00:58:40.39 ID:KQRfhHdo0



続・第34章 「絶望」






164 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/29(金) 01:03:25.70 ID:KQRfhHdo0
  

 
    「ここは……」


    「そうだ、私は使い魔にやられて」


    「・・・」


    「結局、私にはできなかったんだ」


    「私にはワルプルギスを倒すことも……まどかを救うことも」


    「ごめんね、まどか」


    「後はみんながやってくれるはずだから」


    「私は……これで」



    『どうするというのだ?』



    「!」






165 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/29(金) 01:06:05.99 ID:KQRfhHdo0


 
    「誰!?」



    『俺か?』
 

    『俺はお前と同じだ』


   
    「同じ?」
  


    『そう……全てを犠牲にしてでも、たった1人を救おうとした愚か者だ』


    
    「…」



    『俺には彼女を救うこと……』


    『人としての生はおろか、その死までも迎えさせてやることは出来なかった』



 



166 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/29(金) 01:09:07.33 ID:KQRfhHdo0



    『お前はどうなんだ』


    『この程度で諦めるほど』


    『お前の覚悟は生易しいものだったのか?』



    「でも、私にはもう……」



    『力が欲しいというなら……くれてやる』


    『その力を以って、愛しき者ために絶望へと立ち向かうか』


    『それとも……全てを諦め、安寧とした死に身を委ねるか』


    『今、ここで決めろ!』



    「私は……」






167 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/29(金) 01:11:40.75 ID:KQRfhHdo0


さやか「そんな……」



太陽の化身と最悪の魔女との戦いを眺めていた少女は、



さやか「……どうして」



最後の希望が打ち砕かれるを目の当たりにする。



    ヒュゥゥゥゥゥゥ



吹き飛ばされた太陽の化身は彼女に向かって飛翔し、



   ズドォォォォォォン



さやか「なっ…!!」



その近くに落下した。



さやか「ジャンゴ!!」



少女は少年達の無事を確かめるために落下地点へと駆け出す。





168 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/29(金) 01:13:32.21 ID:KQRfhHdo0


さやか「ジャンゴ! おてんこ!」



少年達は落下の衝撃でできたクレーターの中心に倒れていた。



さやか「しっかりして!」



揺すり起こそうとするが、



ジャンゴ「」


おてんこ「」



彼らが目を覚ます気配はなかった。





169 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/29(金) 01:15:01.14 ID:KQRfhHdo0


さやか「…っ」

さやか「待ってて! 今、治すから」



少女は懐から最後のグリーフシードを取り出しソウルジェムを浄化。



さやか「…」



満身創痍のジャンゴ達を治療すべく、魔法を発動した。


   パァァァアアア


ジャンゴ「」


おてんこ「」



さやかの発する癒しの光が2人を包み込み、その傷を塞いでいく。





170 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/29(金) 01:16:14.04 ID:KQRfhHdo0


さやか「くっ……」



少年達の傷が塞がっていくにつれ、彼女のソウルジェムは濁る。

そして、



ジャンゴ「…」


おてんこ「…」



治療が終了する頃には、



さやか「…」



元の黒ずんだ色に戻っていた。





171 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/29(金) 01:19:52.63 ID:KQRfhHdo0


ジャンゴ「うっ…」


おてんこ「……っ」



治癒魔法が終了すると同時に、ジャンゴ達は意識を取り戻す。



さやか「気が付いた?」


ジャンゴ「…さ…やか?」


おてんこ「お前が……助けてくれたのか」


さやか「……うん、傷は治療できたけど」

さやか「グリーフシードはもう……」

 
  「・・・」



少年達は、穢れを吸い尽くしたグリーフシードを目の当たりにする。





172 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/29(金) 01:23:03.23 ID:KQRfhHdo0


おてんこ「……ここにいるということは」

おてんこ「我々はやられてしまったのか……」


ジャンゴ「…」


さやか「…」


おてんこ「現状……戦力として数えられるのは太陽少年のみ」

おてんこ「だが、ジャンゴ1人ではあいつには到底適わない」

おてんこ「パイルドライバーシステムの復旧もほぼ不可能」

おてんこ「仮に修復できたとしても……」

おてんこ「太陽が沈んだ今、使い物にはならない」

おてんこ「そして、頼みの綱のトランスまでも打ち破られた」

おてんこ「もう……我々に打つ手は残されていない」





173 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/29(金) 01:28:21.17 ID:KQRfhHdo0


さやか「そんな、嘘でしょ……」

さやか「ホントに何もできないっていうの?」


ジャンゴ「認めたくない……」

ジャンゴ「けど、これは紛れもない事実なんだ」

ジャンゴ「彼女との約束をボクは……」



少年が右手の拳を握りしめながら俯いたとき、




   「諦めるのか? 太陽少年」




ガレキの落とす陰の中から何者かに呼びかけられる。





174 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/29(金) 01:30:33.81 ID:KQRfhHdo0


ジャンゴ「!」


おてんこ「その声は……」


さやか「ほむら!!」



その声は行方不明になっていた魔法少女のものだった。  



さやか「無事だったの!?」


   「……どうだかな」

   「果たして、この状態が無事だと言っていいものか」


さやか「えっ……」


おてんこ「どういう意味だ?」


   「こういうことだ」
    
  
 
少女は陰の中から歩み出てくる。





175 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/29(金) 01:32:43.30 ID:KQRfhHdo0


おてんこ「なっ!?」


ジャンゴ「これは…」   


さやか「ほむら……なの?」



月明かりの下に晒された少女の姿は少年達の知っているものではなかった。



   「フッ……」  



その黒く長い髪は青紫に、瞳は深い緋色に染まっていた。





176 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/29(金) 01:37:17.09 ID:KQRfhHdo0


さやか「あんた……それ…」


   「分かっただろ」

   「俺はお前達の思い描いている人間ではない」


おてんこ「じゃあ、お前は一体……」


   「忘れたのか?」

   「幾度もお前達の前に立ちふさがり、退けられてきた相手を」


ジャンゴ「それは…」


   「戦って戦って戦い抜いて……」
 
   「その先に何が待っていようとも……決して諦めない」

   「諦めないその心こそが、お前にとって最大の武器になる」

   「この言葉まで忘れたとは言わせないぞ、ジャンゴ」


おてんこ「その言い方……」


ジャンゴ「……まさか」





177 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/29(金) 01:39:43.99 ID:KQRfhHdo0
 

   「ようやく気づいたようだな」
 
   「俺はお前を倒すために用意された闇の戦士、暗黒少年」

   「そして、お前の兄……」



ジャンゴ&おてんこ「サバタッ!!」



サバタ「フッ……」



月光に煌めくマフラーをたなびかせながら、少女の姿をした少年は口元を歪めた。


第34章・了





178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/06/29(金) 01:41:08.89 ID:KQRfhHdo0
今こそ、友の力を借りる時


 『まだ居るだろ? この問題を解決することができる者達が』


次回:「仲間」



179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/06/29(金) 02:09:29.16 ID:A6O+NSIto

お兄ちゃんが来てくれた!



184 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/30(土) 00:11:37.80 ID:G+L84Uni0



続・第35章 「仲間」






185 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/30(土) 00:15:26.72 ID:G+L84Uni0


さやか「どういう……こと?」

さやか「なんでこいつの兄貴が出てくるんだよ」

さやか「ほむらはどうしちゃったのよ!」


おてんこ「そうだ」

おてんこ「どうして死んだはずのお前がここに居る?」

おてんこ「そして……何故、ほむらの体を使っているか」

おてんこ「説明してもらうぞ、サバタ」


サバタ「ああ…」





186 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/30(土) 00:18:45.51 ID:G+L84Uni0


サバタ「お前達の知っている通り……俺は既に死んでいる」

サバタ「これは紛れもない事実だ」


ジャンゴ「…」


サバタ「では、どうして死んだはずの俺がここにいるのか」

サバタ「その秘密はこれにある」



少年はその身に纏う、藤色のマフラーを眺める。



さやか「それはジャンゴがほむらに渡したマフラー」

さやか「でも、どうしてそれが……?」





187 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/30(土) 00:24:05.55 ID:G+L84Uni0


サバタ「全てを受け入れ、操り導く」

サバタ「滅びの一族、月光仔を象徴する力」

サバタ「月下美人……母の残したこのマフラーにもその力が秘められている」

サバタ「幼き頃より、俺の身を守ってきた月光のマフラー……」

サバタ「それは俺自身をも受け入れ、導く」

サバタ「死してヴァナルガンドと共にある俺の魂、その欠片がこれに託された」


おてんこ「それではお前は……」


サバタ「マフラーに宿った魂の欠片がこの娘の身体を借りているだけ……」

サバタ「満月の夜、一夜限りの幻影に過ぎない」





188 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/30(土) 00:26:49.42 ID:G+L84Uni0


さやか「それじゃあ、ほむらは……?」

さやか「あいつはどうなってんのよ」

さやか「本当に体を貸しただけなの!?」


サバタ「騒ぐな。彼女は無事だ」

サバタ「ただ……今は俺の中にいる」

サバタ「俺が消えれば、お前の知っている彼女に戻るだろう」


さやか「そう……」


サバタ「これで気が済んだだろ」

サバタ「これ以上無駄話をしている時間はない!」

サバタ「立て、ジャンゴ!」

サバタ「とっととこの戦いにケリを付けるぞ!」





189 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/30(土) 00:29:26.47 ID:G+L84Uni0


ジャンゴ「でも……」


おてんこ「我々にはもう、奴に対抗する手立てはない」

おてんこ「たとえお前が加勢したところで……2人になるだけ」

おてんこ「以前として状況は変わらない」


サバタ「ハッ……」

サバタ「少し見ないうちに随分と腑抜けてしまったようだな」


ジャンゴ&おてんこ「・・・」


サバタ「そこのお前……こっちに来い」


さやか「えっ、あたし……?」


サバタ「いいから早くしろ!」


さやか「は、はい!」



少女は彼に言われるがまま、その傍まで行く。





190 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/30(土) 00:35:53.20 ID:G+L84Uni0


サバタ「そこに立っていろ」


さやか「一体何を……」



少年は目の前に立った少女に右手をかざすと、



サバタ「あんこぉーーーく!!」


さやか「!」



ダークマターを吸収する術、暗黒チャージを放つ。



さやか「これは!?」
 


さやかのソウルジェムから黒い煙が立ち上り、サバタの手のひらに吸収されていく。

チャージが終了する頃には、



さやか「ソウルジェムの穢れが……」



彼女のソウルジェムは光を取り戻し、



さやか「無くなった?」



青い輝きを放っていた。





191 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/30(土) 00:37:49.80 ID:G+L84Uni0


サバタ「これで数の問題は解決した」


おてんこ「お前……」

ジャンゴ「…」


サバタ「他の奴らのところへ案内しろ」

サバタ「そいつらのダークマターも吸収してやる」


さやか「でも、これ以上穢れなんか吸い込んだら!?」


サバタ「フッ……俺の心配か?」

サバタ「そんなことしている余裕があるなら、戦いの準備でもしているんだな」


さやか「ふざけないで!」

さやか「あんたはあいつの……ほむらの体を使ってるんだ」

さやか「何かあったらどうしてくれるのよ?!」





192 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/30(土) 00:40:02.15 ID:G+L84Uni0


サバタ「お前の思っているようなことは起きない」

サバタ「俺には月の血が流れている」

サバタ「この体に俺の魂がある限り、彼女が魔女になることはない」


さやか「本当に?」


サバタ「嘘をついてどうする」


さやか「……分かった、案内する」

さやか「付いてきて」



彼女はサバタを残りの魔法少女達の下へと誘導する。



サバタ「行くぞ、太陽少年」

 
ジャンゴ&おてんこ「…」



ジャンゴ達も遅れてその後を追って行った。





193 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/30(土) 00:43:41.62 ID:G+L84Uni0


マミ「」


杏子「」


サバタ「こいつらか……」

サバタ「行くぞ!」



マミ達の下へ案内された暗黒少年は2人の穢れを取り込む。



マミ「……っ」


杏子「うっ……」



魔力が回復した少女達は呻き声を上げて意識を取り戻した。



さやか「マミさん! 杏子!!」



息を吹き返した2人を見た少女は、その名を呼びながら駆け寄る。





194 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/30(土) 00:46:27.01 ID:G+L84Uni0


杏子「さや…か……?」


マミ「ここは……」


杏子&マミ「!」


マミ「魔女は!? 魔女はどうなったの!!」


杏子「教えてくれ! さやか!!」



覚醒した少女達は自分達の置かれている状況を確認するため、さやかを問いただす。



さやか「それは……」



2人に詰め寄られたさやかは言葉を濁す。





195 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/30(土) 00:51:12.68 ID:G+L84Uni0


マミ「まさか……」


杏子「……負けたのか?」


さやか「…」



俯くさやかの様子に敗北を悟った彼女達は、



杏子「クソッ……」


マミ「そんな、どうして……?」



絶望に打ちひしがれる。



サバタ「全く……どいつもこいつも」

サバタ「とんだ腰抜けぞろいだ」


杏子&マミ「!」



そんな彼女達の様子を見た少年は、少女の姿で悪態をつく。





196 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/30(土) 00:53:03.83 ID:G+L84Uni0


杏子「ほむら! 無事だったのか!?」


マミ「でも……その髪に、瞳の色」

マミ「一体、どうしたの?」


サバタ「これは……この娘が俺を受け入れた証」

サバタ「俺の魂の欠片が目に見える形で現れたモノだ」


杏子「魂の欠片? 俺……? 何、言ってんだ」


マミ「あなた、本当に暁美さんなの?」


サバタ「違うな……俺はこの体を借りている存在に過ぎない」





197 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/30(土) 00:54:11.31 ID:G+L84Uni0


杏子「なっ…?」


マミ「あなたは一体……」



サバタの発言に困惑し、その正体について言及しようとしたとき、



おてんこ「そいつはサバタ……ジャンゴの兄だ」


ジャンゴ「…」


マミ&杏子「!?」



遅れてきた太陽の精霊によってその答えが告げられた。





198 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/30(土) 00:56:00.12 ID:G+L84Uni0


マミ「あなた達!」


杏子「どういうことなんだ?」

杏子「見かけは変わってるけど、コイツは間違いなくほむらだ」

杏子「何でジャンゴの兄貴が出てくるんだよ!」


マミ「そうよ。説明してちょうだい」


おてんこ「それは奴の言葉通り」

おてんこ「ほむらはサバタの魂を受け入れた」

おてんこ「つまり、サバタの意識がほむらの体を動かしているのだ」


杏子「は?」


マミ「どういう意味?」


さやか「その……体はほむらだけど」

さやか「中身はこいつ、ジャンゴの兄貴なんです」


ジャンゴ「…」





199 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/30(土) 00:57:44.87 ID:G+L84Uni0


マミ「それじゃあ、暁美さんは……」


サバタ「安心しろ。彼女が死んだわけではない」

サバタ「俺が存在できるのは満月の夜だけ……朝が来ればまた元に戻る」


マミ「そう…なの」


杏子「なら、いいけど……」


サバタ「これで役者はそろった」

サバタ「後は奴を倒すだけ」

サバタ「そうだろう? ジャンゴ」


ジャンゴ「…」


おてんこ「しかし……幾ら人数を増やしたところで」

おてんこ「我々にはワルプルギスの夜を完全に沈黙させる決定力が無い」

おてんこ「このまま飛び込んでいっても、いたずらに奴の力を強めるだけだ」





200 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/30(土) 00:59:56.95 ID:G+L84Uni0


サバタ「なら、その力を封じ込めてしまえばいい」

サバタ「現にお前達もそうして奴を倒そうとしたはずだ」


マミ「それって、パイルドライバーのこと?」


サバタ「そう……パイルドライバーを以って奴を拘束」

サバタ「そのままワイルドバンチを放って、ダークマターを完全に焼却する」


さやか「でも、パイルドライバーはもう………」


おてんこ「そうだ……それに加えて、エネルギー供給システムまでも破壊されてしまった」

おてんこ「こんな状況でどうしろと言うのだ」





201 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/30(土) 01:04:04.81 ID:G+L84Uni0


サバタ「簡単なことだ」

サバタ「壊れたなら直せば良い」

サバタ「たとえパイルドライバーが破壊されようが、お前達はまだ生きている」

サバタ「抗い続ける限り、俺達の負けは無い……違うか?」


ジャンゴ「そう、だけど……」


おてんこ「パイルの浸食によってシステムのそこかしこにバグやエラーが発生している」

おてんこ「これではパイルドライバーの起動はおろか……その復旧すら絶望的だ」


サバタ「フッ……それはお前ひとりでの話だろ」

サバタ「それが2人、3人と増えたらどうだ?」


おてんこ「……可能かもしれないな」


杏子「ホントか!?」





202 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/30(土) 01:07:38.03 ID:G+L84Uni0


おてんこ「だが……これ以上の増援は望めない」

おてんこ「現状では奴に立ち向かうことすら不可能なのだ」


杏子「…っ」


マミ「そんな……」


さやか「やっぱり……あたし達には何もできないの」



サバタ「何を寝ぼけたことを言っている」

サバタ「まだ居るだろ? この問題を解決することができる者達が」


おてんこ「先程も言った通り」

おてんこ「今、ここに居るのが我々に残された全戦力だ」

おてんこ「お前の言う、システムを復旧させられる人間はなど」

おてんこ「ここには居ない……」





203 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/30(土) 01:09:18.54 ID:G+L84Uni0


サバタ「確かに……ここには居ないな」

サバタ「だが、この状況を打開することができる人物は間違いなく存在している」


おてんこ「それは一体……」


サバタ「……そろそろ頃合いか」

サバタ「ジャンゴ、今回ばかりはお前のお人好しに助けられたようだな」


ジャンゴ「何を言って……」



理解できない事を言うサバタに質問を投げかけようとしたところ、


  prrrr prrrrr


ジャンゴ「!」



独特の警報音と共に、バッグが振動するのを感じる。





204 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/30(土) 01:10:15.54 ID:G+L84Uni0


マミ「何? これは……」


さやか「携帯のアラーム音…?」


杏子「ジャンゴからか?」



辺りに響く、あまりにも場違いな音に少女達は困惑する。



おてんこ「これは!?」

おてんこ「まさか、お前の言っていたのは……」


サバタ「そういうとだ」


おてんこ「 確かにあの者達ならば!」

おてんこ「ジャンゴ、今すぐ電話を取るんだ!!」



そのアラーム音から全てを悟ったおてんこは、ジャンゴに指示を飛ばす。





205 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/30(土) 01:11:13.24 ID:G+L84Uni0


ジャンゴ「…」サッ   



少年はバッグから青色の機械を取り出すと、



ジャンゴ「…」ピッ



通話ボタンを押した。



   『…ザッ…ザ……ンザ…ザー』



機械からは、ノイズ混じりの音声が流れてくる。





206 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/30(土) 01:12:54.06 ID:G+L84Uni0


   『……ゴく…ザッ…』



   『ジ…ザ…ゴく…!』



ノイズは次第に収まり、遂に……



   『ジャンゴ君!』



はっきりとした声が端末から聞こえてくる。





207 : ◆pOKsi7gf8c 2012/06/30(土) 01:14:41.87 ID:G+L84Uni0


ジャンゴ「その声は、やっぱり……」


   『そうだよ』

   
   『ああ、オレ達だ』



PETのスピーカーは世界を超えて知り合った友、



ジャンゴ「ロックマン! 熱斗君!!」
   

ロックマン『久しぶりだね、ジャンゴ君』


熱斗『また会ったな』



ロックマン.EXEとそのオペレーター、光熱斗の声を流していた。


第35章・了





208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/06/30(土) 01:16:57.14 ID:G+L84Uni0
固い友情は世界をも超える


 『ロックマン.EXE トランスミッション!!』


次回:「2つの銃」



211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2012/06/30(土) 04:41:43.16 ID:I/wH+QQ10
ロックマンキターーー!!!



212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/30(土) 06:28:17.13 ID:TBrIF7kZo
まさかの二重クロス



223 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/07(土) 01:17:01.54 ID:GdiIenMk0



続・第36章 「2つの銃」






224 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/07(土) 01:18:36.62 ID:GdiIenMk0


杏子「おい、ジャンゴ」

杏子「そいつら何なんだよ?」


おてんこ「彼らはネットナビ、ロックマンとそのオペレーター、光熱斗」

おてんこ「我々と同じく闇と戦う者達だ」


熱斗『オレは熱斗! よろしくな』


ロックマン『ボクは熱斗君のネットナビ、ロックマン』

ロックマン『よろしくね、みんな』


サバタ「フッ……」


さやか「お、おう……」


マミ「よろしく…でいいのかしら?」





225 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/07(土) 01:21:00.03 ID:GdiIenMk0


杏子「お前達は味方……なのか?」


ロックマン『うん。ボク達はジャンゴ君を助けに来たんだ』


熱斗『バグやエラーで困ってるんだろ?』

熱斗『だったら、オレ達の出番だ!』

熱斗『オレとロックマンが居れば、どんなシステムだって動かして見せるぜ!』


おてんこ「どうしてそのことを……」


ジャンゴ「それに、2人とも…」

ジャンゴ「一体どうやってここに?」


ロックマン『それは……』


   『それについては、僕の方から話そう』


   「!?」



質問に答えようとしたロックマンの声を遮って、聞き慣れない声がPETから流れてきた。





226 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/07(土) 01:23:23.28 ID:GdiIenMk0


熱斗『パパ!』


マミ「パパ……?」


   『僕は科学省の科学者で、熱斗の父……光祐一郎だ』


杏子「そいつの親父?」

杏子「何で、そんな奴が出てくるのさ」


祐一郎『熱斗達は科学省からジャンゴ君のPETにアクセスしている』

祐一郎『僕はそのサポートしているんだ』


おてんこ「それは分かった」

おてんこ「だが……どうやってこのPETにアクセスしたんだ」

おてんこ「我々は世紀末世界ですらない、見滝原にいるんだぞ」


祐一郎『今からその説明をしようと思っていたんだ』





227 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/07(土) 01:25:45.82 ID:GdiIenMk0


祐一郎『ジャンゴ君……君はそっちの世界で何処かにプラグインしたね?』


さやか「プラグ……イン?」


ジャンゴ「・・・」



   『目には目を歯には歯を、電子機器には電子機器をだ』



ジャンゴ「…」コクリ


祐一郎『やはり、そうだったか……』


おてんこ「ロックマン達がここにいるは、そのプラグインが原因なのか?」


祐一郎『そう。君の持っているPETは熱斗が使っていた物だ』

祐一郎『それには僕の作ったプログラムも組み込まれている』

祐一郎『そのせいかロックマンと君達のPETは微弱なリンク状態が保たれている』

祐一郎『だから、ジャンゴ君のPETに何かあると』

祐一郎『その情報の一部がロックマンにも流れ込んでくるみたいなんだ』


杏子「ペット……?」





228 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/07(土) 01:30:22.05 ID:GdiIenMk0


おてんこ「それで我々の状況が分かったのだな」


ロックマン『うん。ジャンゴ君のPETから、見たことのないアドレスのデータが流れてきたんだ』


熱斗『そいつを心配したロックマンがパパに伝えたんだ』


祐一郎『ロックマンから話を聞いた僕はそのアドレスの場所を特定しようとした』

祐一郎『しかし……君達のアクセス履歴は世界中のネットワークはもちろん』

祐一郎『ロックマンの行ったことのある世紀末世界のどこにも合致しなかった』

祐一郎『考え得る全てを探し終えた僕は、ある結論に至った』

祐一郎『新たな異世界(ビヨンダード)が存在する可能性があると』

祐一郎『後は、リンクを頼りになんとかそのPETまで回線を繋げたというわけさ』


おてんこ「そういうことだったのか……」


マミ&杏子&さやか「・・・」





229 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/07(土) 01:37:03.90 ID:GdiIenMk0


ロックマン『ジャンゴ君、そのPETでパイルドライバーシステムにプラグインするんだ』

ロックマン『ボク達がシステムを修復して、もう一度使えるようにする』


おてんこ「大丈夫なのか?」

おてんこ「システムを構築した私でさえ……バグやエラー、その全てを把握できていないのだぞ」


ロックマン『大丈夫!』

ロックマン『熱斗君のオペレートがあれば、ボクはどんな障害だって乗り越えられる!』


熱斗『そうさ、オレ達は誰にも負けない!』

熱斗『電脳世界だって向かうところ敵ナシだ!!』


熱斗とロックマンが威勢よく啖呵を切ったとき、


  『全く、調子の良い奴だ』

  『そんなことではすぐに足元を掬われるぞ?』


  『この任務を遂行するにはお前の力だけでは不十分だ』
  
  『単独行動は許さんぞ、熱斗』



2人を押しのけて、見知らぬ声が割り込んできた。





230 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/07(土) 01:41:29.11 ID:GdiIenMk0


熱斗『炎山! ライカ!』


ジャンゴ「?」


おてんこ「何者なんだ? そいつらは」


祐一郎『炎山君とブルース、ライカ君にサーチマン』

祐一郎『熱斗達と一緒に作戦に協力してくれる仲間だ』


炎山『オフィシャルの伊集院炎山』

炎山『こいつと共にそちらに行くことになった』


ブルース『炎山様のナビ、ブルースだ』


ライカ『同じく、本作戦を担当するライカと……』


サーチマン『サーチマンだ』


マミ&杏子&さやか「「「は、はぁ……」」」


おてんこ「ああ」


ジャンゴ「よろしく」


サバタ「……ジャンゴ、やることは分かっているな」

サバタ「さっさと終わらせて奴を倒すぞ!」


ジャンゴ「…」コクリ

ジャンゴ「プラグ……イン!!」ピンッ



兄に促され、少年は近くにあった中継器へとPETを接続した。

_________________________________





231 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/07(土) 01:45:17.42 ID:GdiIenMk0

_________________________________


熱斗達は科学省の一室、高度なコンピュータと大きなモニターを備えた管制室にいた。



祐一郎「PETの接続を確認した」

祐一郎「名人、転送ゲートを開いていてくれ!」


名人「了解」



名人と呼ばれた白衣の男は目の前のコンピューターを操作する。



名人「座標コードを入力……」



コンピュータにキーが入力されると、



名人「完了」



大きなモニターにネットワークを示す球体が表示された。



名人「転送座標セット……」



それを確認した名人は次の操作に移る。



名人「完了」



表示された球体が分裂し、2つに分かれる。





232 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/07(土) 01:47:05.89 ID:GdiIenMk0


名人「システムに異常……なし」



男は異常ないかを確かめると、



名人「行くぞ」



最後のキーを押す。



名人「ゲート、オープン!!」



モニターには球と球とを繋ぐ橋のようなものが表示された。





234 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/07(土) 01:49:18.28 ID:GdiIenMk0


祐一郎「よし、転送ゲートが開いた!」


名人「何時でも行けるぞ!! 熱斗君!」


熱斗「ありがとう、パパ! 名人さん!」


祐一郎「ああ……行って来い、熱斗」


名人「ゲートについては私達が責任を持って管理する」

名人「だから君達はシステムの復旧に専念するんだ」


熱斗「はい!」


名人「それと、熱斗君……」





235 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/07(土) 01:50:02.53 ID:GdiIenMk0


炎山「光、何をモタモタしている。ささっと行くぞ!」

炎山「ブルース、行けるな?」


ブルース「問題ありません。炎山様」


ライカ「サーチマン、任務開始だ」


サーチマン「了解」



炎山&ライカ「「プラグイン!!」」



炎山&ライカ「「ブルース/サーチマン」」



炎山&ライカ「「トランスミッション!!」」





236 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/07(土) 01:51:41.33 ID:GdiIenMk0


名人「『さん』は……」



熱斗「オレ達も負けてられないな」


ロックマン「うん!」


熱斗「行くぜ、ロックマン!」



熱斗「プラグイン!!」


熱斗「ロックマン.EXE トランスミッション!!」




名人「……いらない」

_________________________________





237 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/07(土) 01:52:50.80 ID:GdiIenMk0

_________________________________


おてんこ「ロックマン達がパイルドライバーシステムへの侵入に成功したようだな」



ジャンゴのPETから反応がなくなったのを見て、おてんこは呟く。



おてんこ「彼らの話にもあった通り、ロックマン達はあくまでシステムを復旧させるだけ」

おてんこ「奴に止めを刺すのはお前達にしかできない」

おてんこ「私はこれから彼らのサポートに入り、パイルドライバーの修復にあたる」

おてんこ「夜明けまでには必ずパイルドライバーを再起動させる」

おてんこ「それまで……どうにか持ちこたえてくれ」


杏子「何だか良く分かんないけど……」

杏子「要は、アンタ達がパイルドライバーを動かせるようにするんだろ?」


おてんこ「ああ、約束する」





238 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/07(土) 01:54:18.25 ID:GdiIenMk0


さやか「だったら、任せといて」

さやか「こんなに味方が居るんだ……そう簡単には負けないよ」


マミ「そうよ、一晩ぐらいどうってことないわ」

マミ「最初からそれぐらいは覚悟してたしね」


おてんこ「済まないな……」


サバタ「話が終わったなら、さっさとあいつらのところへ行け」

サバタ「パイルドライバーの召喚が遅れればそれだけ俺達は不利になる」


おてんこ「そうだったな」

おてんこ「私は付いて行ってやることはできない」

おてんこ「だが、信じているぞ!」

おてんこ「お前達が挫けずに奴に抗い続けることを」

おてんこ「長く辛い夜の果てに、明日を掴むことを!」

おてんこ「頼んだぞ! ジャンゴ、サバタ……そして魔法少女達よ!!」



異世界からの友を手伝うため、太陽の使者はジャンゴ達の前から姿を消した。





239 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/07(土) 01:57:31.16 ID:GdiIenMk0


サバタ「……俺達は朝まで奴の相手だ」

サバタ「覚悟はいいな? お前達」


マミ「2人とも大丈夫?」


杏子「今更、何言ってんだ」

杏子「覚悟なんざ……」


さやか「あいつに勝負を挑んだときから決まってますよ」


サバタ「フッ……愚問だったようだな」

サバタ「今、俺達が立っているのは」

サバタ「過去と未来を、生と死を、そして……世界と世界を超えた場所だ」
 
サバタ「もう、怖れる物など何もない!」

サバタ「後は、明日に向かって突き進んで行く……」

サバタ「あの空に浮かぶ『夜』を沈めるだけだ!!」





240 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/07(土) 02:00:21.39 ID:GdiIenMk0


兄がワルプルギスの夜へと視線を合わせたとき、



ジャンゴ「サバタ!」



少年はその名を呼びかけ、



ジャンゴ「…」ポィッ



何かを投げ渡す。





241 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/07(土) 02:01:14.95 ID:GdiIenMk0


サバタ「…」バシッ

サバタ「これは……」



呼びかけられたサバタはジャンゴが投げた何かを受け取り、確かめる。



サバタ「暗黒銃(ガン・デル・ヘル)……」


ジャンゴ「…」ニヤリ



それは、嘗て暗黒少年が使っていた暗黒銃であった。





242 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/07(土) 02:05:46.35 ID:GdiIenMk0


サバタ「やはり……お前に託して正解だったようだな」

サバタ「太陽銃(ガン・デル・ソル)と暗黒銃(ガン・デル・ヘル)」

サバタ「太陽少年と暗黒少年」

サバタ「クイーンとの戦いと同じく」

サバタ「俺達2人とこの銃が揃えば互いの弱点を克服できるはず!」

サバタ「行くぞ! ジャンゴ!!」

サバタ「これが俺とお前……最後の共演だ!!」



すべての力が集結し、最強の魔女との戦いは第二幕へと移った。


第36章・了





243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/07/07(土) 02:07:00.02 ID:GdiIenMk0
夜は更けていく


 『お前は左、俺は右からだ!! いいな!』


次回:「深更」



245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/07/07(土) 02:08:19.09 ID:0KDFI06Ko
もはやまどマギが関係なくn(ry…ゲフンゲフン



254 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/09(月) 00:19:51.45 ID:LzP1W+as0



続・第37章 「深更」






255 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/09(月) 00:21:10.90 ID:LzP1W+as0


パイルドライバーの電脳の中、



熱斗『どうだ? ロックマン』



少年はシステムの状態をロックマンに尋ねる。



ロックマン「うん……時間はかかりそうだけど」

ロックマン「これなら何とかなりそうだよ」


熱斗『それなら、早速修理に入ってくれ』


ロックマン「分かった」





256 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/09(月) 00:23:24.21 ID:LzP1W+as0


指示を受けたロックマンがプログラムを修復の開始しようとしたとき、



ブルース「ロックマン!」


サーチマン「敵襲だ!」



   「ギャハハハハハ」  


         「グオオオオオオ」



ロックマン「!」



黒い影のようなモノが襲い掛かってきた。





257 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/09(月) 00:24:14.97 ID:LzP1W+as0


それらに対し、



ブルース「ハッ……!」ザクッ


   「ギャッ……」



ブルースは片腕をソードに変形させ一刀両断、



サーチマン「…っ!」ダンッ


   「ガッ………」



サーチマンは腕に備えた大型のスナイパーライフルで狙い撃った。





258 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/09(月) 00:29:26.51 ID:LzP1W+as0


熱斗『大丈夫か? ロックマン』


ロックマン「うん……何とか」

ロックマン「ありがとう、2人とも」


ブルース「気をつけろ、ロックマン」

ブルース「次は無いかもしれない」


サーチマン「そうだ、何が起こるか分からない」

サーチマン「警戒を怠るな」


ロックマン「分かったよ」


炎山『それより何だ? 今のは……』


熱斗『ウイルスなのか?』


ライカ『サーチマン、解析しろ』


サーチマン「了解しました」



サーチマンは襲い掛かってきた影の残骸データの解析を開始する。





259 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/09(月) 00:31:39.57 ID:LzP1W+as0


ブルース「どうだ、分かったか?」


サーチマン「いや……データベースにこいつ等についての情報はない」


ロックマン「じゃあ、アレは一体……」



  「それはパイルドライバーシステムに発生したバグ、魔女の使い魔だ」



謎の敵襲に困惑していると、その正体を明かす言葉が背後から聞こえてくる。



ブルース「その声は……」


ロックマン「おてんこさま!」


おてんこ「うむ」



それはジャンゴ達の下を離れてきた太陽の使者のものであった。





260 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/09(月) 00:33:26.53 ID:LzP1W+as0


熱斗『どうしてここに!?』

熱斗『ジャンゴ達は大丈夫なのか!』


おてんこ「ああ……大丈夫だ」

おてんこ「あいつら兄弟はそう簡単なことでは負けはしない」

おてんこ「それより、パイルドライバーが起動できないことの方が問題だ」

おてんこ「いくら五人揃ったといっても、相手はワルプルギス……」

おてんこ「ワイルドバンチなくして勝利を掴むのは難しいだろう」


ロックマン「…」


ブルース「!」

ブルース「来るぞ!!」



           「ギャハハハハハ」


   「ギュォオオ」 

                 「グォオオオ」 
    

        「ギャアアアア」



おてんこの話を遮って、使い魔たちがロックマン達を取り囲むように湧き出てきた。





261 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/09(月) 00:35:29.80 ID:LzP1W+as0


サーチマン「ライカ様」


ライカ『分かっている』


ブルース「行きます、炎山様」


炎山『ああ、行って来い! ブルース』


おてんこ「ロックマン、私はこのエラーの解除に努める」

おてんこ「お前達はあの使い魔達をなんとかしてくれ」


ロックマン「うん。あいつ等はボク達に任せて!」


おてんこ「頼んだぞ!」


ロックマン「熱斗君! オペレートをお願い!!」


熱斗『分かった!!』

熱斗『行くぜ! ロックマン』



熱斗『バトルオペレーション! セット!!』


ロックマン『イン!!」


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262 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/09(月) 00:37:36.88 ID:LzP1W+as0

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満月の下、少年達は明日を求めて戦い続ける。



  「グォオオオ」 


      ヒュン  
                ヒュン
 

         「ギャアアアア」



サバタ「…」シュン シュン



            ズダァァン

    ドォォォン
 


サバタ「喰らえ……」

サバタ「火炎ッ!!」ブン ブン



    「グゴッ……」
   

         「ガァァアア!!………」
 

_________________________________





263 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/09(月) 00:39:37.81 ID:LzP1W+as0

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杏子「ハッ!」ジャキ



    「ギャァアアア!!」



杏子「!」



     ヒュン

          ヒュン    
                ヒュン
              
    ヒュン    
             ヒュン  
  


杏子「くっ……」カチッ

杏子「邪魔だよ!」ブンブン



    ズガ  
    
           ズドォ    ガンッ 


     グォォォン 
             ズドォォォン


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264 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/09(月) 00:41:08.87 ID:LzP1W+as0

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マミ「やっ…!」ダンッ ダンッ



    ズダァァン   ズドォォン



          「ギャハハハハハ」

  
   「ギュォオオ」    「グォオオオ」 
   

     「ギャアアアア」



マミ「……キリがないわね」

マミ「一気に決めるわ!」


マミ「 テ ィ ロ ・ フ ィ ナ ー レ 」



   ズガガガガガガガガァァァァァァァァン


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265 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/09(月) 00:43:27.59 ID:LzP1W+as0

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さやか「うおぉぉぉぉ!!!!」ザシュ ザクッ ドシャ



           「ギャッ……」


  「ギャ!……」

                  「グァァアア……」



      「ヴォァァアアアアア!!!」



さやか「!」



     ガシュッ



さやか「ぐっ…」

さやか「こんな傷で、負けて……たまるかぁ!!」



      ジャキンッ

 
   「ギャァアアアア……」


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266 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/09(月) 00:45:05.46 ID:LzP1W+as0

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    ヒュン   ヒュン



ジャンゴ「…っ」サッ



          ドォォォン   


    ズガァァァン



ジャンゴ「…」テュン テュン テュン         



    「ギャアアアア!!!!」



ジャンゴ「!」

ジャンゴ「…」シュン



     「グオオオオォォォォ」



ジャンゴ「…!」サッ

ジャンゴ「はっ!!」ザスッ



     「ギャァアア……」


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267 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/09(月) 00:46:51.68 ID:LzP1W+as0

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熱斗『バトルチップ!!』


熱斗『スプレッドガン!』


熱斗『トリプルスロットイン!!』



ロックマン「プログラムアドバンス!」


ロックマン「ハイパー……」ギュィィィイン


ロックマン「バースト!!」


 
   ズ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ     



   「ギャッ……」     「ギャ!……」

       
                     「グゴッ……」   


      「ガァァアア!!………」


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268 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/09(月) 00:48:06.36 ID:LzP1W+as0

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炎山『バトルチップ……』


炎山『ソード』

炎山『ワイドソード』

炎山『ロングソード』


炎山『トリプルスロットイン!!」



ブルース「プログラムアドバンス」


ブルース「ドリームソード!!」


ブルース「うおぉぉぉぉ!!」



         ジャキィンッ



    「ギャ!……」   「グァァアア……」

          
    
        「ガァァアア!!………」     


_________________________________


 



269 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/09(月) 00:49:43.89 ID:LzP1W+as0

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ライカ『バトルチップ』


ライカ『バルカン』


ライカ『トリプルスロットイン!』



サーチマン「プログラムアドバンス!」


サーチマン「ムゲンバルカン!!」


サーチマン「喰らえ!」ジャキ



    ズダダダダダダダダダダダダダダダダダ



   「ギャッ……」     

           「ギャ!……」    「グァァアア……」


   「グゴッ……」  

           「ガァァアア!!………」


_________________________________





270 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/09(月) 00:51:53.48 ID:LzP1W+as0

_________________________________



    「ギュォオオ」

   
           「ギャアアアア」



ジャンゴ「…」テュン テュン テュン



    「ギャ!……」

       
             「グゴッ……」   


      「ガァァアア!!」
 


ジャンゴ「ぐっ…」ザスッ

ジャンゴ「はぁぁあああ!!!」テュン テュン テュン テュン



     「グォオオオ……」



ジャンゴ「うっ……」ズキッ

ジャンゴ「・・・」スチャ

   

   「キャハハハハハ!!!」


      ヒュン  



ジャンゴ「!」





271 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/09(月) 00:53:06.38 ID:LzP1W+as0



   「どけッ!!」ドンッ  



ジャンゴ「!?」バタッ



    ズドォォォン



ジャンゴ「サバタ!」



サバタ「何をボサッとしている! ジャンゴ!!」

サバタ「夜はまだ長い、こんなところで手こずっている暇はないぞ」


ジャンゴ「…っ」


サバタ「奴に挟撃を仕掛ける」

サバタ「お前は左、俺は右からだ!! いいな!」


ジャンゴ「…」コクリ


サバタ「行くぞ!!」ダッ


ジャンゴ「…」ダッ
      
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272 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/09(月) 00:55:18.88 ID:LzP1W+as0

_________________________________



    「キャハハハハハハハハハ!!!」


          ヒュン
    ヒュン
                ヒュン   



マミ「…」シュシュシュシュシュン

マミ「はっ!!」



   ズガガガガガガガガガガガガガガガガ



マミ「はぁ……はぁ……」



   「ガァア!!」 

 
        「キシャァア!!」



マミ「!」





273 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/09(月) 00:56:40.49 ID:LzP1W+as0


マミ「くっ…」ジャキ



   「ハッ!!」  
    

    ザシュッ  


   「グゴッ……」   



   「どりゃッ!!」


     ズシャ


    「ギャ……」



マミ「美樹さん! 佐倉さん!!」


さやか「大丈夫ですか!?」


マミ「ありがとう、助かったわ」


杏子「全く……油断してんじゃねぇぞ」

杏子「!」

杏子「構えろ! 来るぞ!!」





274 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/09(月) 00:58:41.31 ID:LzP1W+as0



             「ギャハハハハハ」  


     「グオオオオオオ」            「ギャハハハハハ」


           「ギュォオオ」    「グォオオオ」 
   
  「ギャアアアア」

                  「ギャハハハハハ」

        「ギュォオオ」              「グォオオオ」 
   

                  「ギャアアアア」
 





275 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/09(月) 01:02:46.04 ID:LzP1W+as0


さやか「なんて数なの……」


杏子「それだけ魔女も必死ってことさ」

杏子「でも、さすがにこれは……相手をしてらんないね」


マミ「2人とも、ここは私に任せてくれない?」


さやか「大丈夫……なんですか? マミさん」


マミ「ええ。この日のために用意していたモノがあるの」


杏子「そいつは一体……」


マミ「話してる時間はないわ。危ないから下がってて」

マミ「行くわよ!」



マミ「ボンバルダァ……」

   
マミ「メントォォォォオオオオ!!!!!」



杏子&さやか「「……っ!?」」





276 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/09(月) 01:04:01.31 ID:LzP1W+as0



          「ギャッ……」     

                 「ギャ!……」       「グァァアア……」
    「グゴッ……」  

                       「ガァァアア!!………」
        「グァァアア……」



    ズドォォォォォォォ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ ン



          「グゴッ……」                 「ギャッ……」             
                   
                       「ギャッ……」
    「ギャッ……」  
   

             「ガァァアア!!………」

          「ギャッ……」            「グァァアア……」



          



277 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/09(月) 01:05:34.97 ID:LzP1W+as0


マミ「ふーっ……」シューーーー


さやか「凄い……」


杏子「あんだけ居た使い魔を一掃しやがった……」

杏子「何なんだ? 今のは」


マミ「……新しい必殺技よ」

マミ「ずっと前から温めたんだけど、なかなか使う機会がなくて」


さやか「何というか……さすが、マミさん」


杏子「……やっぱり、アンタはすごいよ」





278 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/09(月) 01:07:53.22 ID:LzP1W+as0


マミ「でも、装填に時間がかかるし……魔力だってバカにならないわ」

マミ「まだまだ改善の余地はある………ってこんなこと言ってる場合じゃないわ!」

マミ「次が来るわよ!!」


さやか「了解」


杏子「分かってるよ……マミさん」


マミ「!」

マミ「佐倉さん、今……」


杏子「ほら、ボーっとしてるぞ置いてくぞ!!」


さやか「背中から来る使い魔は私達が何とかします」

さやか「マミさんは後ろを気にせず撃ちまくってください!」


マミ「……分かったわ」


杏子「行動開始だ!!」


マミ&さやか「「ええ/応ッ!!」」



少年達を見下ろす満月は天頂にさしかかる。

明日を賭けた戦いは既に佳境を迎えていた。


第37章・了





279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/07/09(月) 01:08:35.66 ID:LzP1W+as0
夜明けはもう、目の前だ


 『私は暁美ほむら……魔法少女よ』


次回:「薄明」



289 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/12(木) 00:32:12.83 ID:bQOUDUrV0



続・第38章 「薄明」






290 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/12(木) 00:38:35.78 ID:bQOUDUrV0


日付が変わっても、少年達の戦いは終わらない。



ロックマン「ロックバスター!」ダンッ ダンッ



   「ギャァアアア!!!」



ブルース「はぁっ!!」ザシュ



   「グオオオオオ……」



サーチマン「…っ!」ジュン



   「グゴッ……」





291 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/12(木) 00:40:00.10 ID:bQOUDUrV0


ロックマン「はぁ……はぁ……」


ブルース「大丈夫……か? ロックマン」


ロックマン「……うん、大丈夫」


サーチマン「次から次へと湧いてくる……」

サーチマン「キリがないな」


ブルース「弱音を吐いたところで状況は変わらない」

ブルース「だったら、出てこなくなるまで倒せばいい」

ブルース「……それだけだ」


サーチマン「それも……そうか」

サーチマン「!」

サーチマン「構えろ! 来るぞ!!」





292 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/12(木) 00:42:23.49 ID:bQOUDUrV0

                  
           「ギャハハハハハ」  


     「グオオオオオオ」      「ギャハハハハハ」
              
                            「グォオオオ」    
  「ギャアアアア」

           「グォオオオ」       「ギャアアアア」
                        
                 「ギャハハハハハ」
     「ギュォオオ」                「グォオオオ」 
   
   「ギャアアアア」
                   「ギャハハハハハ」



ロックマン「………ブルース、サーチマン」

ロックマン「2人とも……背中は頼んだよ」


ブルース「それはこっちの台詞だ、ロックマン」


サーチマン「……俺達の背中もお前に預ける」

サーチマン「だから、絶対に倒れるな」


ロックマン「分かってる」


ブルース「行くぞ!!」

_________________________________





293 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/12(木) 00:54:09.03 ID:bQOUDUrV0

_________________________________



                 「ギャハハハハハ」
        ヒュン


  「ギュォオオ」    「グォオオオ」 
   
                     ヒュン 

          「ギャアアアア」

    ヒュン
   


さやか「…っ」サッ



    ドォォオン  



杏子「やっ!」カンッ ギンッ
         


   ズダァァァン


        ガァァァァン
  




294 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/12(木) 00:58:28.08 ID:bQOUDUrV0


さやか「ハッ!!」シュッ 



     ザシュッ    



   「グォッ……」

 

杏子「喰らいやがれ!」ヒュン
 


     ズシャ



   「ギャァ……」



さやか「はぁ……はぁ……」



  「ウガァァァアア!!!」



さやか「!」





295 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/12(木) 01:00:33.61 ID:bQOUDUrV0


   ゴスッ



さやか「がっ……」


杏子「おい!」

杏子「さやッ……」


  「ガァァアアア!! 」



杏子「なっ!?」

杏子「ぐっ!」ザクッ

杏子「はぁぁぁああ!!」ズシャ



   「グォッ……」



杏子「さやかッ!!」


  
  「ギャハハハハハ!!!」



さやか「うっ……」





296 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/12(木) 01:03:28.29 ID:bQOUDUrV0


    テュン テュン テュン テュン



  「ギャ…ガッ……ァァ……」ドサッ



   「大丈夫か? さやか」


さやか「ジャンゴ……」

さやか「済まないね、助かったよ」


ジャンゴ「気にしなくていい」


  
   「ギャハ、ギャハハハ!!」



ジャンゴ&さやか「!」 



     「はっ!!」ザキッ



    「グァァァアアア……」 





297 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/12(木) 01:06:00.20 ID:bQOUDUrV0


ジャンゴ&さやか「「杏子!」」


杏子「2人とも無事か?」


さやか「……うん」

さやか「でも、その腕……」


杏子「これか……タダのかすり傷さ」

杏子「どうってことないよ」


さやか「けど……」



      ヒュン       「グォオオオ」
                            ヒュン
         
            ヒュン            「ギャハハハハハ」
  「ギャアアアア」

                   「ギャアアアア」
                               ヒュン
      ヒュン
               「ギュォオオ」                    
                           「グォオオオ」 
    「ギャアアアア」       





298 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/12(木) 01:11:53.77 ID:bQOUDUrV0


杏子「どうやら、休んでる暇はないみたいだ」

杏子「行くよ!」



     「ティロ・フィナーレ」    

 
       「火炎ッ!!」

                     
             ゴォォォン 

    「ギャッ……」    
                  「ガァァアア!!………」
  ズガァァン                  
    
          「ギャ!……」   
 

    ズドォォォォォオオオオオオン   


   ババババババババババ バァァァン
  
   
                 「グァァアア……」 
 「グゴッ……」   
           ガァァン
           
                  「ガァァアア!!………」
    「グァァアア……」   
   


  「!?」


杏子「これは……」


さやか「マミさんの技に」


ジャンゴ「……サバタの火球」





299 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/12(木) 01:19:52.54 ID:bQOUDUrV0


サバタ「フッ……待たせたな」


マミ「3人とも、私達が時間を稼ぐわ」

マミ「その間に美樹さんは佐倉さんの腕を治してあげて」


さやか「分かりました!」

さやか「杏子、腕を見せて」


杏子「でもよ…」


サバタ「黙って治療を受けろ」

サバタ「手負いの味方は足手まといになるだけだ」


杏子「…っ」

杏子「分かったよ」


サバタ「自分の置かれている状況を理解したようだな」

サバタ「そこのお前、そいつは任せたぞ」


さやか「お、おう」


サバタ「お前ら、準備はいいな?」


ジャンゴ&マミ「…」コクリ


サバタ「行くぞ!」

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300 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/12(木) 01:25:15.13 ID:bQOUDUrV0

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長く戦いの中、少年達を照らす月は西へ傾き、空はその色合いを薄めていく。



       ロックマン「ロックバスター!!」ダンッ ダンッ

                      
                            杏子「オラッ!!」ザクッ

    炎山『フミコミザン!!』


                       サバタ「喰らえ!」デユ デユ デユ デユン


        サーチマン「スナイプショット!」ジュン
 

                                  熱斗『バトルチップ!』
さやか「ハッ!!」ザシュッ         


                      マミ「ティロ・フィナーレ」
 

    おてんこ「太陽ぉーー!!」      
    
                                     ブルース「でりゃ!!」スパッ
  
 
                ライカ『スロットイン!!』


       
        ジャンゴ「…っ」テュテュテュテュテュテュテュン



皆が求める明日は、着実に近づいてきていた。

_________________________________





301 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/12(木) 01:26:57.41 ID:bQOUDUrV0

_________________________________


サバタ「……この空の色」



空を見た少年は、戦いの終わりが近づいて来ていることを悟る。



サバタ「この戦いも、あと少しか……」



終わりゆく戦いに思いを馳せたとき、



     ヒュン



サバタ「!」



夜を象徴する魔女の触手がサバタに襲い掛かる。





302 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/12(木) 01:27:36.81 ID:bQOUDUrV0


サバタ「くっ…」



向かってくる触手を迎撃するため暗黒銃を構えようとする。



サバタ「なっ!?」



しかし、その意識に反して身体が思うように動かない。



      ガスッ
 

サバタ「うああぁぁぁぁ!!」



    ズドォォォォン



突然の出来事に戸惑ったサバタはそのまま吹き飛ばされてしまった。

_________________________________





303 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/12(木) 01:29:05.45 ID:bQOUDUrV0

_________________________________


ジャンゴ「サバタ!!」ダッ



吹き飛ばされた兄の姿を見て、少年は駆け出す。



杏子「おい!」


さやか「待っ……」

 

共に戦っていた少女達もその後を追おうとするが、



                  「ギャハハハハハ」
          ヒュン


   「ギュォオオ」      ヒュン    



使い魔と触手に行く手を阻まれる。



杏子「くっ……次から次へと」


マミ「2人とも、ここはジャンゴ君に任せて」

マミ「私達は魔女の相手に専念しましょう」


杏子「……仕方ないな」


さやか「来るよ!」

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304 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/12(木) 01:31:42.71 ID:bQOUDUrV0

_________________________________


サバタ「ぐっ…」

サバタ「・・・」



地面に打ち付けられたサバタはうめき声を上げて、蹲っていた。



ジャンゴ「サバタ!」



そこへ兄の無事を確認しに来た太陽少年が駆けつける。



サバタ「お前か…」


ジャンゴ「無事、みたいだね」


サバタ「ひとまずは……な」

サバタ「しかし、俺の力は限界に近いようだ」


ジャンゴ「・・・」





305 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/12(木) 01:33:48.40 ID:bQOUDUrV0


サバタ「もうじき夜が明ける」

サバタ「日が昇れば、月は沈む」

サバタ「満月の光が俺をこの場に引き止めている」

サバタ「それが無くなれば……」


ジャンゴ「……消える」


サバタ「その通り」

サバタ「既に光は弱まりつつある」

サバタ「この体の制御にも支障が出始めた」

サバタ「今からこの体を元の持ち主に返す」

サバタ「そうすれば、制御の心配はなくなるはずだ」





306 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/12(木) 01:37:50.83 ID:bQOUDUrV0


ジャンゴ「…」


サバタ「心配するな」

サバタ「これで俺が完全に消えるわけではない」

サバタ「月が完全に沈むまでは、彼女の中に留まることができる」

サバタ「こいつの中で俺もお前と共に戦う」

サバタ「後は頼んだぞ! ジャンゴ」



少女の姿をした暗黒少年は目を閉じる。

完全に青紫だった髪に黒みがかかり、雰囲気も一変する。





307 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/12(木) 01:39:40.58 ID:bQOUDUrV0


    「…」


ジャンゴ「その雰囲気、君は……」



少年が様子の変わった少女に声をかけよとうとしたとき、


 
   「おい!」


    「!」



背後から呼び止められる。


  
  「無事だったみたいね」


  「全く……あたし達を置いてくなっての」


  「そうだよ、使い魔でも結構大変なんだからね」


ジャンゴ「みんな……」



声の主はジャンゴの後を追ってきた魔法少女達であった。





308 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/12(木) 01:41:46.93 ID:bQOUDUrV0


さやか「サバタ……だっけ?」

さやか「たいしたケガもないみたいだし、良かったよ」


   「……違うわ」


さやか「はい?」


杏子「何言ってんだ?」

杏子「お前、ほむらの体を借りてるって言ってたじゃんか」


   「そうね……確かに彼に体を貸していたわ」

   「でも、今は違う」


マミ「それじゃあ、あなたは……」

   
   「そう」



そう呟いた彼女は閉じていた瞳を開く。



ほむら「私は暁美ほむら……魔法少女よ」



その左目は元の色に戻り、右目は深い緋色に染まっていた。





309 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/12(木) 01:43:28.31 ID:bQOUDUrV0


マミ「本当に暁美さんなの?」


ほむら「ええ、間違いないわ」


杏子「お前がここに居るってことは……」


さやか「あいつは消えたの!?」


ほむら「まだ私の中にいるわ」

ほむら「この髪と瞳の色がその証拠よ」

ほむら「分かったかしら?」


マミ&杏子&さやか「…」コクリ





310 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/12(木) 01:44:57.59 ID:bQOUDUrV0


ジャンゴ「ほむら……」

ジャンゴ「使い方は分かるか?」



ほむらが携える暗黒銃に目をやりながら、ジャンゴは尋ねる。



ほむら「ええ、私もただ単に体を貸していただけじゃないわ」

ほむら「それに……貴方の兄の声が教えてくれるから」

ほむら「この銃と穢れを操る術をね」


ジャンゴ「なら、行こう」

ジャンゴ「夜明けはもう……すぐそこまで迫って来ているんだ!」


ほむら「…」コク



   「キャハハハハハハハ」



薄明の下に立ちふさがる『夜』へ、少年達は向かって行く。


第38章・了





311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/07/12(木) 01:46:01.04 ID:bQOUDUrV0
もう……あと、ほんの少しで届くのに
  

 『ここまで来て、どうして……』


次回:「東雲」



312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/07/12(木) 01:51:30.42 ID:Rlnq0jRIO
おい不吉だぞ



327 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/15(日) 00:32:49.98 ID:lONqs9/j0



続・第39章 「東雲」






328 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/15(日) 00:38:54.39 ID:lONqs9/j0


夜明けが迫るごとに魔女は攻勢を増していく。


      
                       「ギャアアアア」                                         ヒュン  
            ヒュン 

                   「ギュォオオ」
      
   「グォオオオ」                             ヒュン         

              ヒュン       
                            「ギャハハハハハ」




             「キャハ……キャ、キャハハハハハ」




         「ギュォオオ」    
                           「ギャアアアア」

    ヒュン                               
                     ヒュン


            「ギュォオオ」                 
                                  「グォオオオ」 



彼女が放つ触手や使い魔は、明け行く空に黒い染みを作るほどであった。





329 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/15(日) 00:40:24.11 ID:lONqs9/j0


それに負けじと、



さやか「負けるか!」

さやか「行くよ! 杏子!!」


杏子「ああ、そっちこそ……」

杏子「足手まといになるんじゃねぇぞ!」


マミ「援護するわ!」シュンシュンシュンシュン

マミ「ハッ…!!」ダダダダダダダダダダ


ジャンゴ「…」テュン テュン テュン ビィーーー

ジャンゴ「ほむら!」ダッ


ほむら「…っ!」デュン  デュン  デュン

ほむら「分かってるわ」 シュン   シュン



現実世界の少年達も、





330 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/15(日) 00:42:18.18 ID:lONqs9/j0


熱斗『くっ……なんて数だ』


炎山『これが奴の最後の足掻き……というわけか』


ライカ『ああ、これを切り抜ければ俺達の勝ちだ』


熱斗『大丈夫か? ロックマン』


ロックマン「うん……大丈夫。それより」

ロックマン「熱斗君、バトルチップをお願い!」


炎山『ブルース、覚悟はいいな?』


ブルース「問題ありません、炎山様」

ブルース「オペレーティングを続けてください」


ライカ『サーチマン、状況は』


サーチマン「敵は依然として多数、ロックマン達も消耗していますが」

サーチマン「戦闘の続行に支障はありません」



電脳世界の仲間達も、





331 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/15(日) 00:45:22.54 ID:lONqs9/j0


さやか「うおおぉぉぉ!!」ザキッ


杏子「はぁっ!」ザシュッ


マミ「ボンバルダメントォ!!!」ズドォォォォン


ジャンゴ「…!」ブン ブン


ほむら「くっ……」デュン  デュン  デュン



熱斗&炎山&ライカ『『『バトルチップ!!』』』



熱斗『マグナム』


炎山『バリアブルソード』


ライカ『センシャホウ』



熱斗&炎山&ライカ『『『スロットイン!』』』



ロックマン「喰らえ、マグナム!」ズダァン


ブルース「エレメントソニック!!」ザッ ザッ ザッ ザッ


サーチマン「ターゲット補足………発射ッ!!」ズゴォォン



決死の覚悟で対抗する。

_________________________________





332 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/15(日) 00:52:29.66 ID:lONqs9/j0

_________________________________


パイルドライバー起動までの時間稼ぎをする少年達と何度攻撃を受けても倒れない魔女。

体力の削りあいの様相を呈した戦いは、切り札のあるジャンゴ達に有利かと思われた。

が、しかし……



杏子「くっ……」


さやか「ぜぇ……はぁ…」


マミ「…っ、はぁ…はぁ……」



夜明けを迎える前に、長期戦で消耗していた少女達に限界が訪れる。





333 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/15(日) 00:55:46.87 ID:lONqs9/j0


杏子「腕が……上がんねぇ」ガスッ



槍を振り続けた少女その重みを支えられず、力なく腕を垂れ下げる。



さやか「力が…抜けて……」スチャ



戦場を駆け回った少女は足を振るわせ、膝を付く。



マミ「くっ……」ガタッ



自らが砲台となり使い魔を蹴散らした少女は指先の感覚を失い、武器を落とす。





334 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/15(日) 00:59:54.85 ID:lONqs9/j0


ジャンゴ&ほむら「!」



崩れ落ちる仲間の姿を見た2人は、彼女達のもとに急行した。



ジャンゴ「マミ! 杏子! さやか!」


ほむら「貴女達! 大丈夫なの!?」


さやか「うん……大丈夫」

さやか「でも、少し疲れちゃった」

さやか「一緒に戦うのはムリそう……かな」


杏子「クソ……」

杏子「ここまで来て、どうして……」

杏子「動け、動いてくれよ! あたしの腕!!」


さやか「杏子……気持ちは分かるけど」

さやか「私達にはもう無理だよ」

さやか「後は、ほむら達に任せよう」





335 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/15(日) 01:07:59.14 ID:lONqs9/j0


杏子「けどよ…」


マミ「佐倉さん……悔しいけど、美樹さんの言う通りだわ」

マミ「たとえ、今の私達がソウルジェムの穢れを気にせずに魔法を使えるとはいっても……」

マミ「その魔法を放つ身体がまともに動かないんじゃ、話にならないわ」

マミ「彼女達ならやってくれる……そう信じましょう」


杏子「………わかったよ」

杏子「ジャンゴ、ほむら」

杏子「休憩したらすぐに助けにいく」

杏子「それまで絶対に倒れんじゃないよ!」


さやか「加勢できないのは悔しいけど」

さやか「2人とも……ワルプルギスを任せたよ」


マミ「あなた達なら、きっと明日を掴んで帰ってくる」

マミ「それを信じているわ」





336 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/15(日) 01:12:18.27 ID:lONqs9/j0


ほむら「分かったわ……任せておいて」


ジャンゴ「行こう、ほむら」


ほむら「ええ」



仲間に見送られながら、色違いのマフラーを身に纏う2人は、


 
   「キャハ………キャハハハハ」



ジャンゴ「…」ダッ


ほむら「…」シュン



東雲に浮かぶ魔女へ向かって飛び出した。

_________________________________





337 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/15(日) 01:15:16.17 ID:lONqs9/j0

_________________________________


茜色に色付き始めた空の下、少年達は最後の力を振り絞り魔女に立ち向かう。



                  ヒュン
    

        「ギャハハハハハ」
    

   ヒュン
 
             「ギュォオオ」       



ほむら「はっ…!」デュン デュン デュン



         ガァァン
         
         
              「グァァアア……」   


    ゴォォォン 
  


ほむら「…っ」シュン シュン

ほむら「…!」デュ デュ デュ デュン



    「ガァ……グッ、アアア゛ア゛ア゛ア゛!」





338 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/15(日) 01:17:46.39 ID:lONqs9/j0


ジャンゴ「…!」ダンッ ダンッ



   「グォッ……」


            「ギャァ……」



ジャンゴ「…っ」カチャカチャ ガチッ

ジャンゴ「…」テュン テュン ビィーーー



    グォォォン 
         
                ズドォォォン

   
      「ギャァアアアア……」



ジャンゴ「うおぉぉぉ!!」テュン テュン テュン テュン



    「ッ…ギャ、ガッ……キャハハハハハハ!!!」 
 




339 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/15(日) 01:19:41.70 ID:lONqs9/j0


その攻防は、



ほむら「くっ…」デュン デュン デュン

ほむら「はぁ……はぁ……」

ほむら「…っ」シュン シュン



少女から体力を奪い、



ジャンゴ「…」テュン テュン


   カチッ  カチッ


ジャンゴ「!」

ジャンゴ「くっ…」シュン カチッ カタッ

ジャンゴ「…」テュン テュン テュン テュン



少年からエナジーを奪っていった。





340 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/15(日) 01:21:06.68 ID:lONqs9/j0


そして、遂に



   「キャハ……ハハハハハ……」



     ヒュン    ヒュン



ほむら「…っ」シュン


                 
   ドシィィイン
        
    
            ズダァァン



ほむら「…」ジャキ



    「ギャハハハ!!」



ほむら「!」


    ザシュッ


ほむら「ぐっ……」



疲弊しきったほむらは使い魔に反応できずに攻撃を受ける。





341 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/15(日) 01:24:49.91 ID:lONqs9/j0


ジャンゴ「!」

ジャンゴ「くっ……」シュン カチッカタッ

ジャンゴ「うおおぉぉぉぉぉ!!」テュテュテュテュテュテュテュテュテュテュ
   


    「ギャ…ガッ、ギャ…ギャ……ガァッ………」



それを目撃した少年は、彼女を助けるために有りっ丈の弾を使い魔にぶつける。



       「グァァァァァ………」サァーー 
  


大量の光弾を受けた使い魔は跡形もなく消え去り、



     カチッ   カチッ



後には銃の引き金を引く乾いた音が響いた。



ジャンゴ「…」シューーー

ジャンゴ「…っ」ダッ



使い魔の消滅を確認したジャンゴはほむらのもとへ駆け寄る。





342 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/15(日) 01:28:00.58 ID:lONqs9/j0


ジャンゴ「大丈夫か!?」


ほむら「……大丈夫」

ほむら「たいした傷じゃない……まだ戦えるわ」



そう返答したほむらは立ち上がろうとするが、



ほむら「あっ…」ヨロッ


ジャンゴ「!」ガシッ



よろけてジャンゴに支えられる。





343 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/15(日) 01:31:14.49 ID:lONqs9/j0


ジャンゴ「……ほむら」

ジャンゴ「後はボクがなんとかする」

ジャンゴ「君はここで休んでいるんだ」


ほむら「でも、1人でなんて……」


ジャンゴ「心配はいらないよ」

ジャンゴ「確かに今……あいつの前に立っていられるのはボクだけかもしれない」

ジャンゴ「でも、ボクは1人で戦に行くわけじゃない」

ジャンゴ「君やまどか、マミと杏子にさやか、そして……おてんこさまに、ロックマン達」

ジャンゴ「明日を信じるみんなの想いと共に戦うんだ」


ほむら「そうは言っても……」

ほむら「貴方だって限界が近いはず」

ほむら「その銃だって……もう、弾が無いんでしょ」





344 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/15(日) 01:36:28.95 ID:lONqs9/j0


ジャンゴ「太陽銃(ガン・デル・ソル)が使えなくても、まだ別の武器が残ってる」

ジャンゴ「日が昇るまであと……もう少しだ」

ジャンゴ「ここで退いたら、仲間の想いを裏切ることになる」

ジャンゴ「そんなこと……ボクはしたくない」

ジャンゴ「だから、立ち向かうんだ。この命が燃えている限り」


ほむら「…」


ジャンゴ「分かってくれた……みたいだね」

ジャンゴ「じゃあ、行ってくる!」シュン

ジャンゴ「…」ダッ



鉄槌を召喚した少年は、少女に別れを告げて魔女に向かって行った。


第39章・了





345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/07/15(日) 01:37:26.03 ID:lONqs9/j0
最後の力を振り絞って


 『ラストオペレーション! セット!!』


次回:「もうひとつの東雲」



355 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/17(火) 00:47:29.02 ID:JOkOZigR0



続・第40章 「もうひとつの東雲」






356 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/17(火) 00:55:04.01 ID:JOkOZigR0


魔法少女達が戦線を外れた時刻と時を同じくして、



炎山『ワイドソード、スロットイン!』


ブルース「オラッ!」ズシャ



   「グゴッ……」

           「ギャ!……」



ブルース「くっ……まだ湧くのか」

ブルース「!」



      「グォオオオ」   
              
                「ギャアアアア」
                           
                           「ギャハハハハハ」
「ギュォオオ」 
  
                   
             「ギャアアアア」                      



熱斗『ブーメラン!!』
 

ロックマン「はっ!」ザッ ザッ ザシュ


 
    「グゴッ……」
   
                「ガァァアア!!………」



ライカ『メガキャノン!』


サーチマン「…っ!」ドォォォン



            「ガァァアア!!………」

   「グォオオオ」          



電脳の戦士達も苦境に立たされていた。





357 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/17(火) 00:57:49.50 ID:JOkOZigR0


ロックマン「…っ」

ロックマン「大丈夫? ブルース」


ブルース「済まない……助かった」

ブルース「サーチマン、残りの敵数は分かるか?」


サーチマン「残りは10、いや20……まだまだ増加を続けている」


ブルース「……そうか」

ブルース「休む暇など……ないみたいだな」

ブルース「炎山様、チップデータを転送してください」


炎山『…』


ブルース「どうかしましたか?」


炎山『済まん……ブルース』

炎山『さっきのが最後のチップだ』





358 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/17(火) 00:59:03.53 ID:JOkOZigR0


ブルース「!」

ブルース「……本当ですか?」


炎山『……ああ』


ブルース「くっ……」


サーチマン「……ライカ様、残りは」


ライカ『……エリアスチール1枚、バリアー2枚』

ライカ『攻撃用のチップは使い果たした』


サーチマン「…」


ロックマン「熱斗君、ボク達のは……」


熱斗『あと1枚……リカバリーだけ』

熱斗『ごめん、ロックマン』


ロックマン「そんな…」





359 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/17(火) 01:05:59.68 ID:JOkOZigR0


サーチマン「現状、3人の攻撃手段はともに基本装備のみ」

サーチマン「残されたサポートチップの数も少ない」

サーチマン「それに加えて、敵の数は刻一刻と増え続けている」

サーチマン「絶体絶命……だな」


ロックマン「一体、どうすれば……」


ブルース「どうするもこうするも……やるしかない」

ブルース「ここで諦めたら、俺達にもお前の友人にも勝ちはない」



自分たちが置かれた状況に対しブルースが答えを出すと、



   「そうだ。我々の手であいつらに太陽を届けるんだ」
    


それに被せて何者かが肯定する声が聞こえてくる。





360 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/17(火) 01:07:14.79 ID:JOkOZigR0


サーチマン「誰だ!?」ガチャ


ブルース「敵か?」ジャキ



突然の声に驚いた2人は臨戦態勢を取るが、



ロックマン「待って! 2人とも」

ロックマン「この声は……」



感づいたロックマンに制止される。



おてんこ「……私だ」



声の主はエラー解除を担当していた太陽の使者であった。





361 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/17(火) 01:09:15.99 ID:JOkOZigR0


ブルース「お前は……どうしてここにいる?」

ブルース「エラーはどうなったんだ」


おてんこ「それなら問題ない」

おてんこ「パイルドライバシステムに発生したエラーは全て取り除いた」


熱斗『じゃあ、パイルドライバーの修復が終わったのか?』


おてんこ「いや……まだひとつ重大な問題がある」


サーチマン「それは……?」


おてんこ「システムに発生したバグ、魔女の使い魔の存在だ」

おてんこ「このままでは奴らが邪魔してパイルドライバーが起動できない」

おてんこ「少しの間でもいい……バグが少なくなる瞬間があれば」

おてんこ「強引にでもパイルドライバーを召喚できるのだが……」


ライカ『今の疲弊したロックマン達には難しい……か』





362 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/17(火) 01:11:52.98 ID:JOkOZigR0


熱斗『クソッ……どうすればいいんだ!』

熱斗『パイルドライバーを直してみせる、って約束したのに! オレは……』


ロックマン「熱斗君……」


炎山『落ち着け、光』

炎山『まだ敗北が決まったわけではない』


熱斗『けど……』


ライカ『らしくないな、熱斗』

ライカ『どんな困難でも2人一緒に切り抜ける……それがお前達ではないのか?』


炎山『そうだ。約束をしたのなら、最後まで守る努力をしてみせろ』


熱斗『ライカ……炎山』





363 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/17(火) 01:13:22.43 ID:JOkOZigR0


熱斗『そう……だよな』

熱斗『ここまできて諦めるわけにはいかないよな』

熱斗『ごめん。オレ……どうかしてたよ』


炎山『別に……謝る必要などない』

炎山『それより、おてんこだったか……何か策はないのか?』

炎山『いくらブルース達が戦い続けても、このままではジリ貧だ』

炎山『パイルドライバーを召喚する機会さえ作れるかどうか怪しい』


おてんこ「方法があるには……ある」


ライカ『その方法とは?』


おてんこ「ロックマンにエネルギー供給システムをリンクさせる」

おてんこ「そうすれば……この状況を打破できるかもしれない」





364 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/17(火) 01:16:54.66 ID:JOkOZigR0


サーチマン「待て!」

サーチマン「このシステムが扱っているエネルギーは途轍もない量だ」

サーチマン「そんなものが身体に流れ込んだりすれば……」


おてんこ「下手をすれば身体がエナジーに耐えきれず、内部から崩壊するかもしれん」


サーチマン「なら……」


おてんこ「私としてもロックマンを危険に曝したくない」

おてんこ「だが、他に方法が思いつかないのだ」


サーチマン「…っ」


ロックマン「おてんこさま……それで本当にパイルドライバーを召喚できるの?」


おてんこ「確証はない……」

おてんこ「が、このまま戦い続けるよりもずっと確率は高いだろう」


ロックマン「なら……やるよ」


    「!」





365 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/17(火) 01:18:29.63 ID:JOkOZigR0


熱斗『……いいのか?』


ロックマン「うん。ジャンゴ君も命を賭けて戦っているんだ」

ロックマン「だったら、ボクも頑張らなくちゃ」


熱斗『ロックマン……』


ロックマン「心配しないで熱斗君。ボクなら大丈夫」

ロックマン「必ず成功させてみせるよ」


熱斗『分かった』

熱斗『おてんこさま、ロックマンのこと……よろしく』


おてんこ「……ああ、任せておけ」

おてんこ「覚悟はいいな? ロックマン」


ロックマン「…」コクリ


おてんこ「行くぞ!」





366 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/17(火) 01:20:04.73 ID:JOkOZigR0


おてんこ「太陽ぉーーーーー!!」



太陽の精霊は目の前の青いナビにエネルギー供給システムをリンクさせる。



ロックマン「……!」



システムに繋がったロックマンに途方もない太陽エネルギーがなだれ込んでいく。



ロックマン「うっ……」



膨大なエネルギーを取り込む反動はその体を痛めつける。



ロックマン「うあぁぁぁぁ!!!」



あまりの苦痛にロックマンは悲鳴を上げた。





367 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/17(火) 01:23:59.57 ID:JOkOZigR0


熱斗『ロックマン!!』


ブルース「しっかりしろ!」


サーチマン「耐えろ! ロックマン」



仲間達は苦しむロックマンを心配して声をかけるが、



     「ギュォオオ」 
                            「グォオオオ」 
    
            「ギャアアアア」

         
  「グォオオオ」         
                   「ギャアアアア」
                            

                            「ギャハハハハハ」
       
       「ギャアアアア」

                   「ギャハハハハハ」      



次々に湧き出てくる使い魔に邪魔される。





368 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/17(火) 01:25:33.34 ID:JOkOZigR0


炎山『ブルース!』


ライカ『サーチマン!』


ブルース「……分かってます」ジャキ


サーチマン「問題ありません」カチャ



2人は行動不能な仲間を守るべく臨戦態勢に入る。



ブルース「…」ダッ


サーチマン「…っ」ダッ



準備を整え、使い魔に向かって駆け出そうとしたとき、



    「はぁぁぁあああ!!!」


        「!」



覇気に満ちた雄叫びと強烈な閃光が背後から押し寄せてくるのを感じる。





369 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/17(火) 01:28:57.96 ID:JOkOZigR0


ブルース達を通り抜けた光の波は、

   
   
              「ギャッ……」     


   「ギャ!……」  

                         「グァァアア……」

             「グゴッ……」  



向かい来る使い魔達を包み込み、



      カァッ



消滅させた。



ブルース「……これは」


サーチマン「一体…」



突然の出来事に困惑した2人は、光の正体を確かめるために後ろを振り向く。



ブルース&サーチマン「!」



そこには彼らの知る青い友の姿はなく、



    「…」



深紅のマフラーを纏い、赤のボディーアーマに身を包んだナビの姿があった。

_________________________________





370 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/17(火) 01:30:58.73 ID:JOkOZigR0

_________________________________


炎山「光、こいつは」


ライカ「ロックマン……なのか?」



モニター越しにその赤いナビを眺めるオペレータはその正体を熱斗に問う。



熱斗「間違いない」

熱斗「これはロックマンだ」



彼らの質問に対し、少年は断言する。





371 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/17(火) 01:31:53.30 ID:JOkOZigR0


炎山「どうして……そう言い切れる」


熱斗「ロックマンに何が起こったのか」

熱斗「オレにも良く分からない……」

熱斗「でも、これはロックマンだ。それだけは分かるんだ」


ライカ「しかし……」



熱斗の返答に釈然としない2人は言い返そうとするが、



   「熱斗の言ってることは正しいよ」



背後からの声に遮られる。



炎山「光博士……どういうことですか?」


祐一郎「熱斗の言うとおり、あの赤いナビはロックマンだ」

祐一郎「あのナビは今も、熱斗のオペレーティングを受けている」

祐一郎「それが何よりの証拠だ」





372 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/17(火) 01:34:00.80 ID:JOkOZigR0


ライカ「では、ロックマンに何が起こっているのですか?」


祐一郎「それは……」



質問を受けた博士が答えようとしたとき、



   『私の方から説明しよう』



PETの向こうから太陽の精霊の渋い声が流れてくる。



熱斗「おてんこさま」


おてんこ「うむ」


炎山「……説明してくれ」





373 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/17(火) 01:35:07.66 ID:JOkOZigR0


おてんこ『私はロックマンとエネルギー供給システムにリンクを構築した』

おてんこ『その結果、彼には中継器に蓄えられた膨大なエネルギーが流れ込んだ』

おてんこ『自身の崩壊を食い止め、エネルギーを取り込むことに成功したロックマンは……』

おてんこ『限界を超えた存在となった』


ライカ「限界を超えた……存在」


おてんこ『そう』

おてんこ『今のロックマンは単体で、パイルドライバーに匹敵するほどの火力を有している』

おてんこ『それは正に、太陽をその身に宿す存在』

おてんこ『ソルクロスロックマン……とでも言えばいいか』





374 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/17(火) 01:36:04.67 ID:JOkOZigR0


熱斗「……ソルクロスロックマン」

熱斗「この力があれば……パイルドライバーを!」


おてんこ『ああ……だが、まだロックマンは完全に覚醒していない』

おてんこ『彼を目覚めさせるには、オペレーターであるお前の声が必要だ』

おてんこ『呼びかろ! そして……あいつらに太陽を届けてくれ!!』


熱斗「分かったよ……おてんこさま」



おてんこの言葉を受けた少年は、



熱斗「ロックマン!!」



自らのPETに向かってロックマンの名を叫ぶ。





375 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/17(火) 01:38:04.93 ID:JOkOZigR0


熱斗「起きてくれ! ロックマン!!」




      『…』




熱斗「オレ達には、お前の力が必要なんだ!」



  
      『…っ』
   



熱斗「お願いだ! 目を覚ましてくれ!!」




    『…っ…と…』




少年は赤く染まったナビに呼びかけ続け、遂に




     『熱斗君!』




その名を呼ばれる。





376 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/17(火) 01:40:57.09 ID:JOkOZigR0


熱斗「ロックマン!!」


ロックマン『ありがとう、熱斗君』

ロックマン『君のおかげで戻ってこれたよ』


熱斗「いいんだ」

熱斗「そんなことより……分かってるよな?」


ロックマン『うん。ジャンゴ君達に太陽を届けなくちゃね』


ライカ「話は終わったみたいだな」

ライカ「熱斗、サーチマンとブルースは援護に回る」


炎山「お前達は正面からバグを蹴散らせ」


熱斗「おう! 分かったぜ!!」


おてんこ『私は機会ができ次第、パイルドライバー召喚準備に入る』

おてんこ『後は……頼んだぞ!!』


熱斗「任せとけ!!」

熱斗「行くぞ! ロックマン」

熱斗「ラストオペレーション! セット!!」


ロックマン『イン!!』


第40章・了





377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/07/17(火) 01:41:28.40 ID:JOkOZigR0
死闘の果てに


 『これこそがお前の……そして、我々の信じ続けた明日だ!』 


次回:「夜明け」



378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/07/17(火) 01:43:19.89 ID:cn9RbcPDo
まどか要素が消滅しててワロタ



389 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/20(金) 00:04:56.58 ID:sNdD5GVK0



続・第41章 「夜明け」






390 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/20(金) 00:09:26.11 ID:sNdD5GVK0


茜色の空の下、



   「キャハハハハハ」



夜を名を冠する魔女と



ジャンゴ「…」



太陽の名を冠する少年による



   「キャハ、キャハハハハハハハ」



ジャンゴ「…っ」



死を賭した舞踏の幕が開いた。





391 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/20(金) 00:16:20.56 ID:sNdD5GVK0


空高くジャンゴを見下ろす魔女は、



     「キャハッハハハハハハ」


          ヒュン   


    ヒュン          
                 ヒュン



自らの触手を以って、外敵を排除しようとする。



ジャンゴ「…」ダッ



対する少年は、槌を両手にその真っ只中へと突っ込んでいく。





392 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/20(金) 00:18:10.37 ID:sNdD5GVK0


魔女に向かって疾走する太陽少年は、



ジャンゴ「…っ」サッ



   ゴォォォォン



初手を身を翻して回避。



ジャンゴ「…っ」



そのまま鉄槌を横に構えると、



ジャンゴ「やぁッ!!」ゴッ


        ガンッ
   
                           
   ガァァァン 
             ズドォォォン



続く2、3本目をまとめて横に薙ぎ払った。





393 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/20(金) 00:22:16.53 ID:sNdD5GVK0


    「ギャァァァァアアアア!!!」



触手を打ち落とされた魔女は痛みで行動を鈍らせる。



ジャンゴ「うおおぉぉぉ!!」ダッ



その隙にハンマーを低く構えた少年は駆け出し、魔女との距離を詰める。



ジャンゴ「…っ」ガッ



魔女に肉薄したジャンゴは足を踏ん張り、



ジャンゴ「ぐっ……」グッ



限界まで体を捻じると、その反力を利用して、



ジャンゴ「うおりゃぁぁぁあああ!!!」



渾身の一撃を叩き込む。





394 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/20(金) 00:24:18.57 ID:sNdD5GVK0


          ガキィンッ
      
   
    「グワァァアアアア゛ア゛ア゛ア゛………」



鉄槌を打ち込まれた魔女の体はくの字に折れ曲がり、



       ズゴォォォォォオオオオン



夜明けの町を吹き飛んでいく。



ジャンゴ「…」ガスッ



遠くのビルに魔女が激突するのを見届けたジャンゴは、



ジャンゴ「まだか……」



空を仰ぎ見て、日の出までの時間を計る。





395 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/20(金) 00:26:54.92 ID:sNdD5GVK0


     ガラ   ガラ


視線を戻すと、魔女の埋まっている瓦礫が崩れていくのが見えた。



ジャンゴ「…」ガシッ



次なる交戦に備えてハンマーを構えた時、



   「ギャアアアアアア」



ジャンゴ「!」



背後から咆哮と共に使い魔が迫る。



ジャンゴ「…っ」サッ



とっさに横に跳び、やり過ごすが、



   「グギャァァアアア」


ジャンゴ「なっ…!」



使い魔は直角に向きを変えると攻撃を繰り出してきた。





396 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/20(金) 00:29:03.20 ID:sNdD5GVK0


ジャンゴ「くっ…」



     キンッ  



何とか反応したジャンゴはハンマーでその攻撃を防ぐことに成功する。

しかし、



ジャンゴ「…!」バッ



握りの甘かった鉄槌は攻撃に掠われ、



     ガスッ    



何処かへ放り投げられてしまった。





397 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/20(金) 00:31:15.13 ID:sNdD5GVK0


    「ガァァァアアア!!!」



使い魔は丸腰になったジャンゴに向かって、再び襲い掛かる。



ジャンゴ「…っ」



回避や防御が間に合わないことを悟った少年も攻撃に転じる。



ジャンゴ「…」ダッ



正面から使い魔に向かって駆け出したジャンゴは、



ジャンゴ「…!」サッ


    「!?」



身をかがめ、すんでのところでその攻撃をかわす。





398 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/20(金) 00:33:10.09 ID:sNdD5GVK0


そのまま使い魔の懐に潜り込むと、



ジャンゴ「…」グッ



拳を握りしめ、



ジャンゴ「はっ!!」


     ドスッ


   「グァッ……」
 
 

強烈なアッパーカットをぶちかました。





399 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/20(金) 00:37:14.76 ID:sNdD5GVK0


    「アアア……」



ジャンゴの一撃は使い魔の体を掬い上げる。

宙に浮かんだ使い魔は重力に従って落下を始めるが、



ジャンゴ「…!」


     バキッ

 
    「グッ……」
 


太陽少年は次々に拳を繰り出し、



ジャンゴ「…っ!」


     メキッ


    「…ッ……」    



反撃を防ぐとともに、



ジャンゴ「はっ!」


     ボキッ


    「………」 
 


着地することを許さなかった。





400 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/20(金) 00:41:03.66 ID:sNdD5GVK0


使い魔が完全に沈黙したのを確認したジャンゴは、



ジャンゴ「…ッ!!」


      ゴスッ


   「グッ……ガ……」



決め技の回し蹴りを放ち、


 
    ズドォォォン



その体を吹き飛ばす。





401 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/20(金) 00:44:23.32 ID:sNdD5GVK0


ジャンゴ「はぁ……はぁ……」  



窮地を脱した少年は連戦で上がった息を整える。



ジャンゴ「…」シュン



小休止を終えたジャンゴは右手に剣を召喚すると、



   「キャハ……ハハハハハ」



ジャンゴ「…」ダッ



既に戦闘態勢を取っている魔女へと向かって行った。





402 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/20(金) 00:50:13.91 ID:sNdD5GVK0


朝焼けに霞む満月の下、



   「キャハハハ………」



ジャンゴ「…っ」



少年と魔女の死闘は続く。



   「キャ…ハハハ………アハハハ」



決して希望を捨てない相手を前に、魔女はその力を減衰させていき、



ジャンゴ「ぜぇ……はぁ…ッ」



戦い続ける少年は体力を消耗して動きを鈍らせていった。





403 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/20(金) 00:51:44.58 ID:sNdD5GVK0


いつ日が昇っておかしくない状況に焦った魔女は、



      「キャハ…キャ、キャハハハハハ!!!!」


  
              ヒュン
                             ヒュン

    ヒュン   
                     ヒュン
  
          ヒュン   
                     



少年を倒すべく、最後の攻勢に打って出た。





404 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/20(金) 00:59:11.84 ID:sNdD5GVK0


ジャンゴ「くっ…」



全ての攻撃を回避、防御することは出来ないと判断したジャンゴは、



ジャンゴ「うおぉぉぉ!!」



正面突破に踏み切る。



ジャンゴ「…!」サッ



   ドゴォォン



1本目は半身を引いて回避。

     

ジャンゴ「…」スッ



   ガァァアアン



次弾は身を屈めてやり過ごすが、すぐさま3本目の触手が迫る。



ジャンゴ「ぐっ……」ザクッ



少年は傷つくことも厭わずに触手を無視して突破する。

最後の2本は、



ジャンゴ「やぁぁぁあああ!!」キンッ カンッ



   ズガァァンッ

               ゴォォォォン
 


強引に剣で叩き落とす。





405 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/20(金) 01:01:39.89 ID:sNdD5GVK0


     「!?」


   
ジャンゴ「うぉぉぉおお!!」



触手の雨を突破されたことに驚く魔女に接近すると、



ジャンゴ「はぁぁぁあああ!!!」



会心の一撃を放つ。


 
        ザシュッ



    「ギャァアアアアア!!!」



斬撃は魔女を切り裂き、その胸に大きな亀裂を作るが、



        ピシッ



同時に刀身にもヒビを入れる。





406 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/20(金) 01:10:47.23 ID:sNdD5GVK0


ジャンゴ「!」



剣に気を取られたジャンゴは一瞬、行動を停止させる。



   「ヴォァァァアア゛ア゛ア゛ア゛!!!!」
   


深手を負った魔女はその隙を見逃さず、カウンターを繰り出した。



ジャンゴ「…っ!」



反応が遅れたジャンゴは何とかその攻撃を剣で受け止めようとするが、



      バキッ



ひび割れた剣は衝撃に耐えれずに砕け散る。



ジャンゴ「うああぁぁぁ!!!」


  
防御に失敗した少年は吹き飛ばされ、



     ズドォォォォン 



瓦礫の山に突っ込んだ。





407 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/20(金) 01:14:33.39 ID:sNdD5GVK0


ジャンゴ「うっ……」



辛うじで意識を失わずに済んだジャンゴは、



ジャンゴ「…っ」ガラ ガラ



瓦礫の中から這い出す。

薄れゆく満月の空には、



ジャンゴ「くっ…」



   「…ハ、キャハハ……キャハハハ………」



依然として魔女が浮かんでいた。





408 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/20(金) 01:26:10.84 ID:sNdD5GVK0


ジャンゴ「…」スチャ



西の空を見上げる少年はそっと立ち上がり、静かに口を開く。



ジャンゴ「太陽銃は弾切れ、他の武器も……もう使えない」

ジャンゴ「こんな状態じゃ……勝負にすらならないかも知れない」

ジャンゴ「それでも、ボクは絶対に明日を諦めたりしない」

ジャンゴ「諦めない心……それこそが、ボクの……」

ジャンゴ「最大の武器なのだから!」
  


   「よく言った! 太陽少年」



少年の独白が終わると、何者かが声をかけてくる。

それは、



おてんこ「待たせたな」


ジャンゴ「おてんこさま!」



苦楽を共にした相棒、おてんこのものであった。





409 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/20(金) 01:36:32.29 ID:sNdD5GVK0


ジャンゴ「一体、どうして……」


おてんこ「私がここに来る理由はひとつしかない」


ジャンゴ「……もしかして!」


おてんこ「ああ……パイルドライバーの召喚準備が整った」

おてんこ「完璧な状態とは言えないが、ロックマン達のおかげでひとまず召喚は可能だ」

おてんこ「良く頑張ったな、ジャンゴ」

おてんこ「明日を信じて未来を諦めないお前の心……それが我々に光をもたらしたのだ」

おてんこ「見てみろ! あの空を」


ジャンゴ「!」

ジャンゴ「あれは!?」



示された方向を見た少年の瞳には、真っ赤に燃え上がる空が映る。



おてんこ「そうだ……」

おてんこ「これこそがお前の……そして、我々の信じ続けた明日だ!」



その言葉と共に、地平線から射す光が2人を照らし出した。





410 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/20(金) 01:38:58.20 ID:sNdD5GVK0


おてんこ「さぁ、ジャンゴ!」

おてんこ「明日を、未来を、希望を……」

おてんこ「太陽をその手に掴め!!」


ジャンゴ「…」コクリ シュン



頷いた少年は太陽銃を召喚すると、



ジャンゴ「…」スッ



銃口を天高く掲げて、叫ぶ。




ジャンゴ「太陽ぉーーーーーーーーー!!」




東の空には燦然と輝く太陽が、顔を覗かせていた。


第41章・了





411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/07/20(金) 01:39:45.24 ID:sNdD5GVK0
時は満ちた


 『最後ぐらい自分の手で終わらせたいだろ?』


次回:「反撃」



413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2012/07/20(金) 02:46:33.09 ID:GGU4WQzMo

終わりが見えてきたな



414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/07/20(金) 03:38:47.24 ID:EIUI/IQN0
まどか勢の空気っぷり
最後に一仕事してくれると信じてる



419 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/22(日) 00:09:37.80 ID:0u83xL2c0



続・第42章 「反撃」






420 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/22(日) 00:11:46.54 ID:0u83xL2c0


おてんこ「全ての準備が完了した」

おてんこ「後はパイルドライバーを召喚し、ワイルドバンチを放つだけだが……」

おてんこ「それには奴の動きを止め。尚且つ、パイルの浸食を防ぐ必要がある」

おてんこ「……お前ひとりで両方こなすのは難しいな」


ジャンゴ「…」



全ての準備が整ったにも関わらず、



おてんこ「何か方法は……」


ジャンゴ「…っ」



それを実行できない状況に歯痒さに拳を握りしめた時、



   「あたしらに任せな」



何者かに呼びかけられる。





421 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/22(日) 00:13:12.55 ID:0u83xL2c0


おてんこ「その声は……」


ジャンゴ「杏子!」


   「私達も忘れないでほしいわ」


   「最後まであんたに頼りっぱなし、って訳にもいかないでしょ」


ジャンゴ「マミ、さやか……それに」


   「私達だって戦う。この命が燃えている限り……ね」


ジャンゴ「……ほむら」



それは戦線を退いていた少女達のものであった。





422 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/22(日) 00:16:43.51 ID:0u83xL2c0


ジャンゴ「どうして此処に……」


マミ「そんなの決まっているわ」

マミ「決着を付けによ」


ジャンゴ「でも……君達だって限界のはず」


杏子「言っただろ? 少し休んだら助けに行くって」


さやか「体力が無いっても、あいつに止めを刺すくらいわけないよ」


ジャンゴ「…」


ほむら「分かったでしょ?」

ほむら「これは貴方の戦いであると同時に私達の戦いでもあるの」

ほむら「ここまできて、最後は見ているだけなんて癪だわ」





423 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/22(日) 00:17:25.27 ID:0u83xL2c0


ジャンゴ「……分かった」

ジャンゴ「終わらせよう、みんなで」



少女達の言葉に折れた少年がそう言い放つと、



ほむら「ええ」


さやか「ああ」


杏子「そうだ」


マミ「そうこなくっちゃ」



4人は思い思いの返答をする。





424 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/22(日) 00:20:34.22 ID:0u83xL2c0


おてんこ「これで……全員そろったな」

おてんこ「後は、奴に止めを刺すだけだ」

おてんこ「方法は変わらない」

おてんこ「パイルドライバーで拘束後、ワイルドバンチで一気に浄化する」

おてんこ「ただし、それには魔女の動きを止め……」

おてんこ「チャージ中に使い魔の邪魔が入らないようにする必要がある」

おてんこ「さやか、杏子、マミ……頼めるか?」


杏子「ああ……そのために来たんだ。任せな」


さやか「必ず隙を作って見せる」


マミ「だから、安心して待っていて」


おてんこ「ふっ……頼もしい限りだ」

おてんこ「任せたぞ! 3人とも!!」



マミ&さやか&杏子「「「ええ/了解/応!」」」



力強い返事を残して、3人はその場を後にした。





425 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/22(日) 00:26:03.46 ID:0u83xL2c0


ほむら「待って」



魔女に向かっていく仲間の背を見た少女は



ほむら「私も……」



自分も同行しようと声を上げるが、



ジャンゴ「ダメだ」



隣の少年に制止される。



ほむら「どうして!? 私だって戦えるわ!」


ジャンゴ「そう……君は戦える」

ジャンゴ「だからこそ、ボクらと一緒に来て欲しいんだ」





426 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/22(日) 00:26:56.50 ID:0u83xL2c0


ほむら「……どういう意味?」


おてんこ「言葉通りの意味だ」

おてんこ「お前にはジャンゴと共にワイルドバンチを放ってもらう」


ほむら「でも、私の力は……」


ジャンゴ「いや、必要だよ」

ジャンゴ「君がその手に下げているのは暗黒銃ガン・デル・ヘル」

ジャンゴ「サバタの残したその銃は……この銃が持たない力を秘めている」

ジャンゴ「太陽と暗黒、相反する2つの力が合わさって」

ジャンゴ「真のワイルドバンチが完成するんだ」


ほむら「真の……ワイルドバンチ」





427 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/22(日) 00:28:16.19 ID:0u83xL2c0


おてんこ「そうだ。それこそが闇の女王(クイーン・オブ・イモータル)を退けた技」

おてんこ「それを持ってすれば、あの魔女でさえも完全に打ち滅ぼすことができるだろう」

おてんこ「お前の内に眠るサバタだって同じ思いのはずだ」

おてんこ「それに……」

おてんこ「最後ぐらい自分の手で終わらせたいだろ?」


ほむら「…」コクリ


おてんこ「さて、話は終わった」

おてんこ「後は行動あるのみだ!」

おてんこ「終わらせるぞ! 我々の手で!!」



少年達の戦いは遂に、最終幕を迎えた。

_________________________________





428 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/22(日) 00:30:36.27 ID:0u83xL2c0

_________________________________


杏子「…」ダッ


さやか「…」ジャキ


マミ「…」ダンッ ダンッ



赤、青、黄、3色の魔法少女は明日を得るために魔女に向かって走る。




       「……ャハ、ハハ…キャッハハハ」



対する魔女は、



                       「ギャハハハハハ」  

 「ギャハハハハハ」  


              「グオオオオオオ」  
                
                              「ギャハハハハハ」              
                           
     「ギャアアアア」

                                     
                        「ギャアアアア」



自身を守るため、使い魔を呼び出して迎え撃った。





429 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/22(日) 00:32:56.31 ID:0u83xL2c0


杏子「さやか、右だ!!」

杏子「右を頼む!」

杏子「あたしは左から攻める」


さやか「了解! 任せといて」

さやか「マミさん、あたし達が道を作ります!」


杏子「お前はその隙にリボンであいつの動きを止めろ!」


マミ「分かったわ」

マミ「でも、その前に……」


マミ「 ボ ン バ ル ダ メ ン ト 」



       ズドォォォォォオオオオン


 
          「ガッ……」     
  
                   「ギャァ…」
   「ゴッ……」






430 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/22(日) 00:34:24.47 ID:0u83xL2c0


マミ「これで少しはやり易くなったでしょ?」


杏子「へっ……良く言うぜ」


さやか「あ、はは……」

さやか「相変わらずスゴいっすね」


杏子「さぁ、準備はいいかい?」


さやか「ああ」


マミ「大丈夫よ」


杏子「行くぜ! さやか!!」

杏子「ちゃんと付いてこいよ?」ダッ


さやか「そっちこそ」

さやか「やられたりしたらタダじゃおかないわよ!」サッ



赤と青、反対色の魔法少女は左右に分かれ使い魔の群れに突っ込んでいく。





431 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/22(日) 00:35:23.98 ID:0u83xL2c0


マミ「全く……あの子達ったら」

マミ「ついさっきまで、立ち上がるのもやっとだったのに」

マミ「元気と言うか何というか……」

マミ「私も負けていられないわ」

マミ「先輩の意地ってヤツを……」シュンシュンシュン



後輩達を見送った少女もマスケットを召喚し、



マミ「見せてやりましょう!」ダダダダダダン



2人への援護射撃を開始した。





432 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/22(日) 00:38:34.61 ID:0u83xL2c0


魔女に向かって飛び出した2人は、



杏子「ハッ!」              さやか「やっ!!」


     ザシュッ             ガシュッ


  「グォ…オ……オ」        「ギャァァア……」 



絶妙なコンビネーションで両翼から魔女を攻め立てる。



        「キ、キャハ…キャハッハハ……」


  
左右から同時に進攻される魔女は、



    「ギャハハハハハ」           「ギャハハハハハ」  


         「グオオォォォォ」                                  
                              「グゴォォォオオ」              
                           
 「ギャアアアア」
                          「ギャアアアア」
       
     「ギュォオオオ」          
                     「ギャハハハハハ」



使い魔の群れを二分して2人の相手をさせる。





433 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/22(日) 00:39:27.96 ID:0u83xL2c0


分かれた群れが自分たちに襲い掛かってくるのを確認した少女達は、



杏子「…っ! マミッ!!」         さやか「マ…っ! マミさん!!」

   
    ザキッ                       ガシュッ
  
         ゴスッ           ジュシャ           
 


        「ギャ!……」      「グゴッ……」

       
 「グァァアア……」                 「ガァッ!………」




           杏子&さやか「「今だ!!」


          
後ろに控える仲間に向かって合図を送る。





434 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/22(日) 00:40:10.27 ID:0u83xL2c0


マミ「了解!」ダッ



合図を受けた黄色の魔法少女は



マミ「…っ」



二手に分かれた使い魔の間、魔女へと続く一本道を駆け抜け、



   「!」



その眼前に迫る。





435 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/22(日) 00:41:27.47 ID:0u83xL2c0


マミ「これでも……」シュルリ



魔女に肉迫した少女は胸元のリボンを解くと、



マミ「食らいなさい!」ジャキ



それを身の丈の倍はある大砲に変化させ、



マミ「 テ ィ ロ ・ フ ィ ナ ー レ 」



必殺の砲火を放った。



    ズ ゴ ォ ォ ォ ォ オ オ オ オ オ ン



     「ギャァァァァアア ア ア ア!!!」



砲撃は魔女に直撃し、爆炎を巻き起こす。





436 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/22(日) 00:42:37.94 ID:0u83xL2c0


    「グッ、ァア……ア…アアア………」



至近距離で大火力の攻撃を受けた魔女は行動を鈍らせる。



マミ「逃がさないわ!」



その隙を見逃さないマミは、



    シュル     シュル


        「!」



すかさずリボンを召喚。


   
        ガシッ


   「ギャァァァアアアア!!!」   



それを以って魔女を拘束した。





437 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/22(日) 00:47:13.38 ID:0u83xL2c0


敵が身動きを取れなくなったこと確認したマミは



マミ「…!」サッ
    


バックステップを利用してすぐさま魔女から距離を取る。

次の瞬間、



    「太陽ぉーーーーーーーーーーーーーー!!」



   ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ



太陽の精霊の掛け声とともに中空に巨大な魔法陣が出現した。





438 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/22(日) 00:48:17.97 ID:0u83xL2c0


     「ギャ……ガッ、グォォォオオオ!!!」



危険を察知した魔女は必死にもがいて逃げ出そうとするが、


  
        ガシッ     ガシッ
 


彼女を取り巻くリボンがそれを許さない。

そうしている間にも、



    ジャキッ  ジャキッ  ジャキッ  ジャキン



         ガチャン  ガタッ



パイルドライバーの準備が着々と整う。





439 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/22(日) 00:49:13.36 ID:0u83xL2c0


そして、遂に……



    「「太陽ぉぉぉぉぉぉおおおおおおお!!!!」」



  ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ


 
     「ギャァァァァァアアアアアアア!!!!!!」



最強の魔女を拘束することに成功した。



第42章・了





440 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/07/22(日) 00:50:05.10 ID:0u83xL2c0
これで……終わらせる!


 『明日もまた日は昇る! 行くぞ!!』


次回:「最終射撃」



446 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/27(金) 00:21:56.94 ID:sMGLFy6M0



続・第43章 「最終射撃」






447 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/27(金) 00:23:56.27 ID:sMGLFy6M0


昇りくる太陽と沈みゆく月の光を受ける魔法陣の上、



    「ガァァァァアアアアア!!!!」


   
    ジュゥォォォォオオオオオオオオオ



ジャンゴ「…」ジャキ


ほむら「…」ゴクリ


おてんこ「…」



3人はその身を焦がされ悶える魔女と対峙する。





448 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/27(金) 00:26:14.90 ID:sMGLFy6M0


おてんこ「奴を太陽パイルに閉じ込めることに成功した」

おてんこ「これより……究極太陽弾(ワイルドバンチ)の発射準備に入る」

おてんこ「行くぞ!」



拘束された魔女を確認したおてんこは小パイルドライバーの中心へ移動すると、



おてんこ「太陽ぉーーーーーーー!!!」



ジェネレーターを呼び出す。



     シャキン シャキン シャキン シャキンッ



召喚された球体は小パイルドライバーの四隅から浮かび上がった。





449 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/27(金) 00:27:56.70 ID:sMGLFy6M0


おてんこ「準備完了!!」

おてんこ「後はワイルドバンチを発射するだけ」

おてんこ「お前達はその銃で、増幅されたエネルギーを集めて放つんだ!」

おてんこ「夜を終わらせ、朝を呼び出す一撃を!!」


ジャンゴ&ほむら「…」コクリ



頷いた2人はそれぞれの銃の銃口を



ジャンゴ「…」カチャ


ほむら「…」ジャキ



陽光を受けて煌めく太陽の精霊に向けると、



        ギュィィィィィィィィン



凝縮されたエネルギーを収束させる。





450 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/27(金) 00:29:16.32 ID:sMGLFy6M0


      ギュォォォオオオオオオオオオオオオ



相反する2つの力を受けた光球は紫色に染まり、



   ギュゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ



少年達の数倍の大きさまで膨れ上がる。



ジャンゴ「…っ」ガタガタガガタガタ


ほむら「くっ……」カタカタカタカタカタカタ



膨大なエネルギーの余波で銃が振動し始めた頃、



  ゴ  ガ  ガ  ガ  ガ   ガ   ガ    ガ     ガ



太陽のかけらは膨張を止め、チャージを完了した。





451 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/27(金) 00:30:52.54 ID:sMGLFy6M0


     「今だ! 撃て!!」



同時に精霊の声が光の中から聞こえてくる。



ジャンゴ&ほむら「…」チラッ



指示を受けた2人は顔を見合わせて



ジャンゴ&ほむら「…」コク

  

頷くと、



     カチッ



引き金を引いた。





452 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/27(金) 00:32:39.24 ID:sMGLFy6M0


     ゴォォォォォオ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ



撃ち出されたかけらは魔女へと一直線に向かって行く。



    「グワァ…!! ア…アア………グァアアア゛ア゛ア゛!!!」


   
目の前に迫る光球から逃れようと魔女は暴れまわるが、
   


     ガンッ  ガンッ  ガンッ  ガンッ  ガンッ


        ジュゥォォォォオオオオオオオオオ



太陽の光を受け取ったパイルに捻じ伏せられる。





453 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/27(金) 00:34:37.01 ID:sMGLFy6M0


そして、脱出が叶わぬまま



  
 ズドォォォォォォォ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ ン



      「ギャァァァァアアアアア……………………」




魔女は究極太陽弾の直撃を受ける。



      カッ



着弾と同時に強烈な閃光が巻き起こり、



ジャンゴ「…っ」


ほむら「くっ…」


おてんこ「ぬっ……」



魔法陣の上に立つ少年達の視界を白く塗りつぶした。





454 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/27(金) 00:36:54.26 ID:sMGLFy6M0


光が収まり、



おてんこ「お前達……無事か?」


ほむら「……ええ」


ジャンゴ「・・・」



視界を回復させた3人は互いの安否を確認する。



ほむら「!」

ほむら「魔女は? ワルプルギスはどうなったの!?」



おてんこ「それなら……」



魔女の存在の有無を確かめようと顔を上げたとき、



   「グォォォオオオ オ オ オ オ  オ  オ  オ」



腹の底から震えるような咆哮を耳にする。

並みの魔女なら一撃で消し飛ぶ攻撃を受けても、最強の魔女ワルプルギスの夜は健在であった。





455 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/27(金) 00:39:31.26 ID:sMGLFy6M0


ほむら「…っ」


おてんこ「クソ……」



少女と精霊が魔女の絶大な耐久力に言葉を失っていると、



ジャンゴ「おてんこさま、ほむら」

ジャンゴ「2人とも……準備はいい?」



脇にいた少年は静かに2人に呼びかけた。



おてんこ「……ジャンゴ」


ほむら「貴方は……」


おてんこ「そうだな……」

おてんこ「こんなところで立ち止まっている暇はない」

おてんこ「まだ、我々には抗う力が残されている!」

おてんこ「第二射の準備に取りかかるぞ! いいな!!」


ジャンゴ&ほむら「…」コクリ





456 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/27(金) 00:41:26.98 ID:sMGLFy6M0


そうして次なる弾の装填に取り掛かろうとしたとき、



   ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ


           「!」



唐突に地面が揺れ動く。



ほむら「地震!?」


おてんこ「いや、違う! 揺れているのは……」

おてんこ「パイルドライバーだ!!」



振動しているのは他でもない、ジャンゴ達の乗る魔法陣だった。





457 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/27(金) 00:43:33.97 ID:sMGLFy6M0


ほむら「パイルドライバーが? どうして!?」


おてんこ「それは……」



  「キャ…キャ、ハハハ……キャハハハハハハハハ!!!!」

      
            「!?」



動揺する少年達を嘲笑うように魔女は甲高い笑い声を上げ始める。



    ギ ギ ギ ギ ギ ギギギギギギギギギギギギギ   


         ピシッ    ピシッ

 

同時にパイルに浸食も進み、パイルドライバーの魔法陣にヒビが入った。





458 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/27(金) 00:45:02.28 ID:sMGLFy6M0


ジャンゴ「これは……」


ほむら「何が起こっているというの」



状況を飲み込めないジャンゴ達を余所に、



おてんこ「……そういう事か」



何かを悟ったおてんこはそう呟いた。



ほむら「説明して!」

ほむら「あいつは一体、何をしたの!?」


おてんこ「奴には……」

おてんこ「この攻撃法の弱点を付かれた」





459 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/27(金) 00:48:21.26 ID:sMGLFy6M0


ほむら「弱点?」


おてんこ「奴を封じ込めているパイルドライバー」

おてんこ「あれはエネルギーシステムの関係上……」

おてんこ「ワイルドバンチ発射後、数秒間その性能を落としてしまう」

おてんこ「通常なら減衰率は3割程度で対象が逃げ出す前にもとの性能に戻る」

おてんこ「しかし……今の不完全な状態のパイルドライバーでは当然……それを下回る」

おてんこ「奴はワイルドバンチ発射後の、性能が落ちた瞬間を狙って仕掛けてきたのだ」


ほむら「そんな……ここまで来たのに」

ほむら「こんなことって……」


ジャンゴ「まだだよ」


ほむら「でも…」





460 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/27(金) 00:50:20.91 ID:sMGLFy6M0


ジャンゴ「まだ、終わってなんかいないよ」

ジャンゴ「ボクらはまだ生きて、この場に立っているんだ」

ジャンゴ「だったらやることはひとつ……」

ジャンゴ「最後まで抗い続ける、ただそれだけさ」


ほむら「……そうね」

ほむら「約束のために散々繰り返した私がここで諦めるなんて」

ほむら「許されないわ」





461 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/27(金) 00:51:17.13 ID:sMGLFy6M0


おてんこ「話は終わったな」

おてんこ「いいか? 良く聞け」

おてんこ「今、我々は絶体絶命の危機に立たされている」

おてんこ「だが……同時にこれは絶好の機会でもある」

おてんこ「奴はパイルの拘束を解くことに集中して、防御まで手が回っていないはず」

おてんこ「我々が止めを刺すのが先か、それとも奴が逃げ出すのが先か」

おてんこ「これが最後にして、最大の大博打だ!」

おてんこ「明日もまた日は昇る! 行くぞ!!」


ジャンゴ&ほむら「…」コクリ



   「キャハ………ハハハ、アッハ…キャハハハハハハハ!!!」



       ギギギギギギギギギギギギギギギギギギ

    

少年と少女は戦いの幕を下ろすため、最後の一撃の準備に入った。





462 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/27(金) 00:54:52.97 ID:sMGLFy6M0





10





        ビィーーーーー



おてんこ「ヌォッ…!」

おてんこ「来い!! 2人とも!」











ジャンゴ「行くよ!」カチャ


ほむら「分かってる!」ジャキ


 
    ギュィィィィィィィィイイイイイン











   「ギャハ……ギャハハハハハハハハ!!!」
    


     ギギギギギギギギギギギギギギギギギ



           「!」   





 



463 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/27(金) 01:01:28.01 ID:sMGLFy6M0











おてんこ「パイルの浸食速度が上がった!?」

おてんこ「不味い! このままでは……」


ほむら「…っ」


ジャンゴ「くっ……」



     ギュォォォオオオオオオオオオオオオ
 










    「まだ終わってないわ!!」ズダダダダダ


    「諦めんな!!」ザシュ  
      

    「あたし達だって戦ってるんだ!!」ザキッ




    「ギャァァァァアアアアアア!!!!」



     ギギギギギギギギギギギギギギギギ








464 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/27(金) 01:03:38.48 ID:sMGLFy6M0











ほむら「貴女達!?」


ジャンゴ「来てくれたのか!」


さやか「あんた達ばっかに、良いカッコさせてらんないからね!」


杏子「アイツの動きは抑える!」


マミ「その間に、デカいのをかましてやりなさい!!」


ジャンゴ&ほむら「…」コク



   ギュゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ





4   





マミ「ボンバルダメント!!」ズゴォォォオオン


杏子「喰らえ!」ズシャ


さやか「ハッ!!」ガキンッ




   「グォ…! グァァァァァアアアアアア!!!!」



   ゴオオオオォォォォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ
   


          「!?」



    「「「うあああぁぁぁぁぁ!!!」」」








465 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/27(金) 01:06:17.83 ID:sMGLFy6M0











おてんこ「くっ……まだこんな力が残されていたか」

おてんこ「仕方ない……最後の手段だ」

おてんこ「私の力で奴の内部から直に太陽の光を照射する!」


ほむら「待って! そんなことしたら……」


おてんこ「構わん!! ここまできて諦められるか!」

おてんこ「私の持つ太陽の力……ここで使わず、どこで使う!?」

おてんこ「ジャンゴ!! 後は任せた!」


ジャンゴ「…」コクリ











おてんこ「太陽ぉーーーーーーーーーー!!」


    
          「ガッ!?」



      ジュゥォォォォオオオオオオオオオ

    

    「グギャァァァアアアアアアア!!!!!」








466 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/27(金) 01:08:08.18 ID:sMGLFy6M0











  ゴ  ガ  ガ  ガ  ガ   ガ   ガ    ガ     ガ



ジャンゴ「ほむら!」


ほむら「ええ!!」


ジャンゴ&ほむら「「いっけぇーーーーーっ!!!」」



           カチッ








467 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/27(金) 01:12:34.42 ID:sMGLFy6M0


            さやか「行けーーーーっ!!」
 
                                                   ライカ「……長かったな」

                          ロックマン「ジャンゴ君!!」


 ブルース「これで……終わりだ」


                                           マミ「行きなさい!!」




                  「「太陽ぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!!!!」」

                     
         

                                   杏子「終わらせろ!!」


      熱斗「吹っ飛ばせ!!」
            

                                             炎山「これが……太陽の力」          

                   
               サーチマン「目標、行動不能……着弾します!」





468 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/27(金) 01:14:50.02 ID:sMGLFy6M0


      「キャ…………ハ……ッ……………」



2人が放った希望の光はパイルに閉じ込められた魔女を包み込む。



           パキンッ



限界を迎えた魔法陣は砕け、その上にいた少年達は地面に向かって落ちていく。



   「…っ」



落下する少年達の視界は強烈な閃光によって白く染まった。


第43章・了





469 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/07/27(金) 01:15:55.78 ID:sMGLFy6M0
結末は……


 『やることは……分かっているな?』


次回:「朝日」



472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) 2012/07/27(金) 01:55:02.54 ID:7Y/+vgjEo
乙、太陽と共にあらんことを



476 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/29(日) 01:10:19.25 ID:pUO5e4hI0



続・第44章 「朝日」






477 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/29(日) 01:12:25.11 ID:pUO5e4hI0


ジャンゴ「うっ……」



少年は目を覚まして、辺りを見回す。

魔女が拘束されていたであろう場所には何もなかった。



ジャンゴ「…」



それを確認した少年は空を仰ぎ見る。



ジャンゴ「…っ」



薄青い空には太陽が浮かび、少年を暖かい光で包み込んでいた。

地面にも、空にも、何処にも姿がない。

それが最強の魔女を打ち倒した何よりの証拠だった。





478 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/29(日) 01:13:42.40 ID:pUO5e4hI0


ジャンゴ「終わった……」



全てが終わったことを悟った少年は安堵の息を漏らす。

その喜びを仲間と共有しようとしたとき、



ジャンゴ「!」



視界の隅に空から降ってくる何か黒いものを捉える。



おてんこ「」



それは最後の一撃の際、魔女へと突撃して行った太陽の使者であった。





479 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/29(日) 01:15:25.57 ID:pUO5e4hI0


ジャンゴ「おてんこさま!」


おてんこ「お前か……」



駆け寄ってきたジャンゴに対し、地面に落ちたおてんこは弱々しく返事をする。



おてんこ「私のことなら……心配いらない」

おてんこ「私が力を使い切る前に………お前達が奴に止めを刺した」

おてんこ「少し休めば、直に回復する」


ジャンゴ「……良かった」


おてんこ「そんなことより、ジャンゴ」

おてんこ「アレを見ろ」



太陽の精霊の指し示す方向には朝日を受けて煌めく宝石があった。





480 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/29(日) 01:17:55.75 ID:pUO5e4hI0


ジャンゴ「あれは……」


おてんこ「ワルプルギスの夜が落としたグリーフシード、それが浄化されたモノ」

おてんこ「彼女が魔法少女だった頃のソウルジェムだ」


ジャンゴ「…」


おてんこ「やることは……分かっているな?」

おてんこ「眠らせてやれ」


ジャンゴ「…」コクリ



友の言葉に頷くと、その場を離れて魂の宝石のもとへ向う。



ジャンゴ「君は……」



少年は足元の宝石を手に取って静かに語りかけた。





481 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/29(日) 01:21:27.49 ID:pUO5e4hI0


ジャンゴ「この小さな魂の器に」

ジャンゴ「一体、どうしてあれ程までの穢れを溜めこんだのか」

ジャンゴ「……何が君をそこまで絶望させてしまったのか」

ジャンゴ「ボクには分からない」

ジャンゴ「人の体を失ってしまった君を、魔法少女に戻すことは叶わない」

ジャンゴ「だから、せめて魔女ではなく……人としての死を」

ジャンゴ「本当はもっといい方法があるのかもしれない」

ジャンゴ「でも、今のボクにはこれしか思いつかないんだ」

ジャンゴ「どうか……許してほしい」

ジャンゴ「そして、安らかに……」



少年は左手のソウルジェムを投げ上げ、



ジャンゴ「眠れ」テュン



太陽銃で狙い撃った。





482 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/29(日) 01:24:07.98 ID:pUO5e4hI0


        パキンッ



撃ち抜かれた宝石は砕け、



      サァーーーーーー



光の粉になって空気に溶け込んでいった。



ジャンゴ「…」



降りかかる光の粒子を眺めていると、



     prrrr    prrrr



ジャンゴ「!?」



バッグに入れたPETが振動して着信あることを知らせる。





483 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/29(日) 01:25:52.05 ID:pUO5e4hI0


ジャンゴ「…」ピッ



PETを取り出して通話状態にすると、



   『ジャンゴ君』



ジャンゴ「ロックマン……」



スピーカーの向こうから友の声が聞こえてくる。



ロックマン『……終わったみたいだね』

ロックマン『パイルドライバーの電脳にいた魔女の使い魔も消えたよ』


熱斗『やったな』


ジャンゴ「ありがとう。ロックマン、熱斗君」





484 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/29(日) 01:27:56.68 ID:pUO5e4hI0


熱斗『礼なんていらない。オレ達とお前の仲だ』

熱斗『困ってたら何時でも助けに行くぜ』


ロックマン『そう。ボク達だって君に助けられたんだ』

ロックマン『これぐらいどうってことないよ』


ジャンゴ「2人とも……」

ジャンゴ「この借りは忘れない。いつか必ず返すよ」


ロックマン『ありがとう、ジャザ…ゴ君……』

ロックマン『本当はもっザッ……話していザザ…んだけど……ッもう時間…ザァーい』

ロックマン『その…ズザー標が変わザザッ…そろ転送ゲーザザ…閉じちゃザズッ……』

ロックマン『ザザ…ら……ッもう、行くズザー…。またね』


熱斗『また会ザザッ…な! ザッ…ンゴ』


ジャンゴ「ああ、また会おう」



    『ザッ…ザァー……』



別れの言葉を最後に、異世界からの通信はノイズに飲まれてしまった。





485 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/29(日) 01:29:45.84 ID:pUO5e4hI0


ジャンゴ「…」



去って行った友に想いを馳せて空を眺めていると、



   「フッ……相変わらずだな」



背後から何者かに話しかけられる。



ジャンゴ「!」



振り向いた少年の目に入ってきたのは長い髪を紫に染め、深い緋色の瞳をした少女の姿であった。





486 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/29(日) 01:32:20.93 ID:pUO5e4hI0


ジャンゴ「その髪の色……」

ジャンゴ「サバタ…?」



少年のが兄の名で呼びかけると、



サバタ「ああ」



目の前の少女は肯定する。



サバタ「全く……お前という奴は、どこまでお人好しなんだか」

サバタ「自分を殺しにかかってきた相手にまで情けをかけるとはな」


ジャンゴ「・・・」


サバタ「だが、お前の……その甘さがこの勝利をもたらした」

サバタ「もしかしたら、甘さを切り捨てようと躍起になっていた俺には」

サバタ「最初からお前に勝つことなど出来なかったのかもしれないな」


ジャンゴ「…」

_________________________________





487 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/29(日) 01:38:28.22 ID:pUO5e4hI0

_________________________________


太陽を背にした弟と月を背にした兄が最後の別れをしている頃、



マミ「…」ジー



黄色の魔法衣に身を包んだ少女は瓦礫の影から2人を覗いていた。



  
   「あのー、マミさん?」



目の前に集中していた彼女は不意に後ろから名前を呼ばれる。



マミ「!」

マミ「は、はい!! ごめんなさい……って」

マミ「なんだ……美樹さんだったのね」


さやか「なんだ……って」


マミ「ごめんなさい。つい……」


さやか「まぁ、そんなことはいいです」

さやか「それより何してるんですか? こんなところで……」


マミ「それは……アレよ」



後輩に詰め寄られた少女は瓦礫の向こう、兄弟のいる方向を指さした。





488 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/29(日) 01:39:23.22 ID:pUO5e4hI0


さやか「あれは……ジャンゴにほむら」

さやか「……いや、あの髪の色は兄貴かな?」


マミ「そう……死に別れた兄弟が2人きりで話しているのよ」

マミ「なんだか入る込めそうな空気じゃなくて……」


さやか「あー……確かに」

さやか「でも、ならどうしてこんなとこで覗きみたいなことを?」

さやか「別にワザワザ見張っている必要もないんじゃ……」


マミ「それは……その…」


さやか「それは?」


マミ「えーっと……」



   「家族が別れ際に交わす最後の言葉が気になったのだろう?」



さやか&マミ「!」



さやかの質問に口を濁したマミに代わって何者かが答える。





489 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/29(日) 01:40:45.44 ID:pUO5e4hI0


マミ「あなたは!?」


さやか「おてんこ!」


おてんこ「ふっ……」



それはヒマワリの様な姿をした、太陽の使者のものであった。



マミ「どうしてここに?」

マミ「さっきまであそこにいたのに」


おてんこ「まぁ……お前と同じ理由だ」

おてんこ「最後ぐらいあいつ等兄弟、2人きりにさせてやろうと思ってな」


マミ「そう……なの」





490 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/29(日) 01:42:01.81 ID:pUO5e4hI0


さやか「ところで、マミさん」

さやか「こいつの言っていることは当たってるんですか?」

さやか「本当にジャンゴが兄貴に何を言うかを知りたかったんですか?」


マミ「そ、それは…………そうね」

マミ「私にはもう家族と呼べる人は残っていないし」

マミ「パパとママがいなくなった時だって、お別れを言う暇なんてなかったから……」

マミ「ジャンゴ君がお兄さんと、家族と別れる時に何を言うのか気になちゃって」

マミ「いけないことだってのは分かってたんだけど、どうしても……」


さやか「……すいません。考えなしにこんなこと聞いて」


マミ「いいの。私だって褒められたようなことをしていなかったわけだし」

マミ「あなたが気に病む必要はないわ」


さやか「マミさん……」





491 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/29(日) 01:43:35.96 ID:pUO5e4hI0


マミ「だから、美樹さんも一緒にどう?」


さやか「へ?」


おてんこ「・・・」


さやか「あの、マミさん?」


おてんこ「ここは普通、退くもの……ではないのか?」


マミ「だって……気になるんだからしょうがないでしょ」

マミ「それに、あなただって言ったわよね」

マミ「私がどんな決断をしようとも止めはしない」

マミ「でも、悔いの残るような選択はするなって」


おてんこ「確かに……そうは言ったが、それは……」





492 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/29(日) 01:45:01.40 ID:pUO5e4hI0


マミ「ここで聞き逃したら私は後悔する」

マミ「だから一緒に、ね?」


さやか(マミさん、ホントはちゃんとした理由なんかなかったんじゃ……)


おてんこ(全ては私の思い過ごしで……ただ単に覗きたかっただけなのか?)



もっともらしいマミの物言いに2人が複雑な思いを抱いていると、



   「おーい! お前達!!」



またもや背後から彼女達を呼ぶ声が聞こえてくる。





493 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/29(日) 01:46:33.25 ID:pUO5e4hI0


さやか「杏子……あんたも来たのね」


杏子「何だよ、あたしが来ちゃいけないわけ?」


さやか「いや、そういうわけじゃなくて……」


杏子「全く……こっちは魔女に吹っ飛ばされたアンタ達を心配して探してたってのに」

杏子「こんなところで集まって、一体なにしてんだよ?」


マミ「それは…その……」


杏子「別に……言いたくないならそれでいいよ」

杏子「ところで、ジャンゴとほむらはどうしたんだ?」

杏子「まさか……くたばったわけじゃないよね」


おてんこ「それなら、あそこにいるぞ」



太陽の使者は瓦礫の向こうを指し示した。





494 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/29(日) 01:47:51.02 ID:pUO5e4hI0


杏子「そうかい」

杏子「じゃあ、行こうぜ」


マミ「佐倉さん……行くって、どこに?」


杏子「そりゃあ決まってるだろ。アイツらのところへさ」


さやか「待って! 今行くのはマズイって」


杏子「はぁ? 今行かないでいつ行くんだよ」

杏子「戦いは終わったんだろ? だったらアイツらも労ってやらなくちゃ」


おてんこ「待て、さやかはそういう意味で言ったわけじゃない」


杏子「そうか……あたしらが出向くのがダメって言うんだろ?」

杏子「だったら、向こうを呼んでやるよ」



おてんこの発言を取り違えた杏子は、



杏子「おーい!!」



ジャンゴ達に向かって呼びかけ始める。





495 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/29(日) 01:49:58.78 ID:pUO5e4hI0


それに対して、



マミ「ああ、もう! めんどくさいわ」


杏子「ジャ…!? モガモガ」


さやか「ナイス! マミさん」



ジャンゴ達にバレたくないマミは杏子の口を塞ぐ強硬手段に踏み切った。



杏子「モガモガ……! モカ゛…モガ…モガモガ! …モカ゛モガ!!」


マミ「あっ、コラ! 暴れないで」



手で口を塞がれた杏子は必死で抵抗し、



杏子「モガモガ……!!」


マミ「!」パッ


杏子「何しやがんだ! マミ!!」



自分を取り押さえるマミを引きはがすことに成功する。





496 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/29(日) 01:51:26.18 ID:pUO5e4hI0


マミ「それは、あなたに行ってほしくないからで……」


杏子「もういい!」

杏子「アンタらが行かないなら、あたし1人で行く!!」


おてんこ「おい!」


さやか「待って!」


マミ「待ちなさい!」



怒った杏子はマミ達の制止に耳を貸さずにジャンゴ達のもとへ歩いて行こうとする。





497 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/29(日) 01:52:30.86 ID:pUO5e4hI0


マミ「あ~もう! 最後手段よ」

マミ「美樹さん、 行けるわね!」


さやか「ま、まあ……」


おてんこ「おい、待て……何をするつもりだ?」


マミ「見れば分かるわ。行くわよ!」


さやか「……はい」



そうして2人は前を行く赤い少女に飛びかかっていく。



杏子「!?」ガシッ



少年達の下へ向かって歩く少女は突然、何者かに取り押さえられる。

首を回して後ろを確認すると、



マミ「行かせないわよ。佐倉さん」


さやか「杏子……頼むから。おとなしくしてて」



青と黄色の魔法少女が自分の両腕に取りついている姿が目に入った。





498 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/29(日) 01:53:28.86 ID:pUO5e4hI0


杏子「あー!! もう!」

杏子「いい加減にしろ!!」

杏子「アンタら行きたくないのは勝手だけど、それにあたしを巻き込むな!」


さやか「いや、だから……そうじゃなくて」


マミ「そうよ。話を聞いて!」


杏子「いいから放せ!!」



少女達の説得にも関わらず、杏子は2人を振り払おうと腕を振る。

しかし、



マミ「お願いだから!」


さやか「今はダメだって!」



彼女達も負けずにしがみ付く。





499 : ◆pOKsi7gf8c 2012/07/29(日) 01:56:29.34 ID:pUO5e4hI0


あまりにしつこいマミ達に痺れを切らした杏子は



杏子「は・な・ ……」



大きく体を捻って腕を振ろうとするが、



杏子「せ……?」グラッ



バランスを崩してしまう。

腕を抑えられ態勢を立て直せない杏子は、



さやか「あ……やべ」


マミ「ちょっと、待っ……」



自分に取りつく2人もろとも



  「わっ!」  「きゃ!」  「なっ!」


          ドスンッ


おてんこ「はぁ……」



地面に倒れこんでしまった。


第44章・了





500 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/07/29(日) 01:58:08.85 ID:pUO5e4hI0
今日という日が終わって、また明日が来る
  

 『全てが夢……だったりしないよね』


次回:「明日に向かって」



502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/07/29(日) 10:11:07.24 ID:9FD+Ed0S0
そろそろ…終わりかぁ



509 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/01(水) 00:21:53.29 ID:mhXnxqIh0



続・第45章 「明日に向かって」






510 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/01(水) 00:23:52.46 ID:mhXnxqIh0


月と太陽に見下ろされながら、



サバタ「そろそろ時間か……」


ジャンゴ「…」



兄弟は最後の言葉を交わしていた。



サバタ「ジャンゴ、最後に1つだけ頼みがある」

サバタ「この宿主に伝えてやってくれ」

サバタ「『マフラーと銃はくれてやる、体を借りた駄賃だ』とな」

サバタ「これがあれば、時を操る力を失ったこの娘でもそれなりに戦えるはずだ」

サバタ「お前だって……苦労して助けた相手が簡単にやられるのはいい気がしないだろう?」


ジャンゴ「サバタ……」





511 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/01(水) 00:26:53.48 ID:mhXnxqIh0


サバタ「……皮肉なものだな」

サバタ「慈愛の心を持てず、月下美人になることが叶わなかった闇の女王(クイーン・オブ・イモータル)ヘル」

サバタ「奴がお前を倒すために俺に与えた暗黒銃(ガン・デル・ヘル)」

サバタ「俺の体を蝕み、破壊をもたらしてきたこの銃が……こんな形で人を救うことになるとは」

サバタ「やはり奴も月光仔。闇の一族(イモータル)と成り死して尚、その血には逆らえなかったか……」


ジャンゴ「・・・」


サバタ「フッ……感傷に浸るのはこれぐらいでいい」

サバタ「後は任せたぞ」


ジャンゴ「…」コクリ



少年が兄の最後の頼み聞き入れたとき、



       ドスンッ


ジャンゴ&サバタ「!」



近くで何かが落ちたような音を耳にする。





512 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/01(水) 00:29:15.46 ID:mhXnxqIh0


サバタ「誰だ!」カチャ


ジャンゴ「…!」ジャキ



使い魔の残党を警戒した2人は同時に銃を物音をした方向へと向ける。

が、そこいたのは



   「イテテ……」 「ここは……」 「重い……」



折り重なるように倒れた3人の少女と、



   「・・・」    



呆れたようにそれを見つめる太陽の使者であった。





513 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/01(水) 00:31:36.76 ID:mhXnxqIh0


杏子「ったく……何すんだよ」


マミ「あなたが暴れるから……」


杏子「あ? あたしが悪いって」

杏子「元はと言えば、お前達が邪魔したのが原因だろ!」


マミ「それには!」


さやか「あーー、マミさん」

さやか「抑えて抑えて」


杏子「さやか! テメェも……」


さやか「はいはい、杏子も熱くならない」


杏子&マミ「「でも!」」





514 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/01(水) 00:33:03.67 ID:mhXnxqIh0


おてんこ「落ち着け2人とも」

おてんこ「さやかの言うとおりだ」

おてんこ「それにマミ、お前の心配はもう意味がないぞ」


マミ「へ?」



おてんこの言葉の意味を量りかねたマミは視線をずらす。



ジャンゴ&サバタ「・・・」



その方向には黙りこくったジャンゴとサバタが立っていた。





515 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/01(水) 00:36:10.63 ID:mhXnxqIh0


マミ「あ、あなた達……何時からそこに!?」


サバタ「それはこっちの台詞だ」


さやか「マミさん……こいつらは一歩もここを動いてませんよ」

さやか「むしろあたし達が近づいて行ったというか……」


マミ「そんな……」


杏子「まぁ……そんなことはどうでもいいよ」

杏子「それより、ほむら」

杏子「やったな! 遂にアイツを倒したぜ」


サバタ「ああ……だが、俺はお前の呼ぶ人間ではない」

サバタ「その言葉は本人に直接言ってやれ」


杏子「は?」


サバタ「どうした? 理解できなかったか」


杏子「い、いや……そうじゃなくて」

杏子「アンタ、ほむらじゃなくてジャンゴの兄貴なのか?」


サバタ「今はな」





516 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/01(水) 00:38:35.10 ID:mhXnxqIh0


杏子「じゃあ、マミ達があたしを止めた理由って……」


マミ「そうよ。2人の邪魔をしないようにしてたの」


さやか「ま、もう意味ないんだけどね」


杏子「なら、初めからそう言ってくれよ……」

杏子「これじゃあ、あたしはただの空気読めない奴じゃんか」


さやか「心配らないよ。あたし達も同罪だから……」

さやか「ね、マミさん?」


マミ「え、ええ……」



茶番劇を繰り広げる少女達に対し、



サバタ「ハッ……」


ジャンゴ「はぁ……」


おてんこ「……やれやれだな」



遠巻きに眺める3人は呆れてため息をついていた。





517 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/01(水) 00:42:03.65 ID:mhXnxqIh0


サバタ「全く……最後だというのに締まらない奴らだ」


マミ&さやか&杏子「…」


サバタ「まぁ……あれだけの戦いの後で、こんなことしている余裕があるんだ」

サバタ「先の心配はいらないな」


マミ&さやか&杏子「・・・」


サバタ「さて……もう月が沈む」

サバタ「俺の魂にもそろそろ限界が来たようだ」


ジャンゴ「…」


サバタ「こいつにしてみても、何時までも他人に身体を乗っ取られているのは迷惑だろう」

サバタ「それに……俺の帰りを待っているバカが1人いるからな」

サバタ「ジャンゴ、俺は行く。俺の帰るべき場所へ」

サバタ「俺はお前と共に歩むことは出来ない……」

サバタ「だが……お前が明日を諦めず、今日を生き続けている限り」

サバタ「俺の想いはお前の中で生き続ける」


ジャンゴ「・・・」





518 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/01(水) 00:45:36.18 ID:mhXnxqIh0


サバタ「フッ……そんな顔をするな」

サバタ「お前は俺がその力を認めた唯一の男」

サバタ「世界でただ1人の……かけがえのない家族なのだ」

サバタ「だから、胸を張って生きろ」

サバタ「お前がそんな調子ではお前に負けた俺の面子が立たん」


ジャンゴ「……そうだね」

ジャンゴ「お父さんにお母さん、家族はみんな逝ってしまったけれど」

ジャンゴ「ボクはまだ生きている」

ジャンゴ「あの時……ヴァナルガンントとの戦いの後、誓ったんだ」

ジャンゴ「いつかまた、皆に出会える明日が来ることを」

ジャンゴ「その未来を決して諦めないことを」

ジャンゴ「そして……今、こうして会うことができたんだ」

ジャンゴ「だから、ボクは戦い続ける」

ジャンゴ「今日のような日が来ることを信じて」





519 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/01(水) 00:48:33.37 ID:mhXnxqIh0


サバタ「ああ……そうだ」

サバタ「抗い、戦い続けること。それが俺達の……」

サバタ「生きるということだ!」

サバタ「さらば! 太陽少年ジャンゴ!!」

サバタ「我が親愛なる弟よ!!」



少女の姿をした少年がそう告げると、



    「…」
 


その髪の色はもとの黒に戻り、瞳の緋色も抜けた。



ジャンゴ「ありがとう、そして……さようなら」

ジャンゴ「ボクは生きるよ。力の限り、精一杯に」

ジャンゴ「また会うときに胸を張って出会えるように……」



兄の最期の言葉を耳にしたジャンゴは空を仰いで呟く。





520 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/01(水) 00:50:10.08 ID:mhXnxqIh0


ジャンゴ「…」



少年が視線を戻すと、



   「行ったのね……」


ジャンゴ「…」コクリ



目の前の少女が口を開いた。



ジャンゴ「ほむら……サバタからの伝言がある」


ほむら「伝言?」


ジャンゴ「『マフラーと銃はくれてやる、体を借りた駄賃だ』ってね」


ほむら「これは……私が貰っていいものなの?」


ジャンゴ「いいんだ。サバタもそれを望んでる」

ジャンゴ「それに……ボクにはもうそれは必要ない」

ジャンゴ「そんなものが無くたって、いつでもこの胸の中にいるのだから」


ほむら「ねぇ……変なことを聞くようだけど」


ジャンゴ「?」





521 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/01(水) 00:52:21.33 ID:mhXnxqIh0


ほむら「本当にこれは現実なの?」

ほむら「気が付いたら、またあの病室のベッドの上で横たわっていて」

ほむら「全てが夢……だったりしないよね」


ジャンゴ「それは自分で確かめるんだ」

ジャンゴ「此処には共に戦った仲間が、家には信じて待っている友いる」

ジャンゴ「これが夢か現実かを決めるのは彼女達に話を聞いてからでも遅くはないよ」


ほむら「…」


さやか「そうだよ。そうやって何でも1人で決めようとするから今まで苦労したんだ」

さやか「少しぐらいあたし達に話を聞いてもいいんじゃない?」


マミ「私達はもうただの協力者ではないわ。れっきとした仲間よ」

マミ「この戦いが本当だったなら、あなたにもそれが分かってるはずだわ」


杏子「あの戦いが全部夢だって? ふざけたこと言うんじゃないよ」

杏子「あたしはこんな悪夢、ゴメンだね」





522 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/01(水) 00:53:12.33 ID:mhXnxqIh0


ほむら「さやか、マミ、杏子」


おてんこ「どうだ? これでも夢だと言い張るのか」


ほむら「私は……」



黒い魔法少女がおてんこの質問に答えようとしたとき、



   「おーい! みんなー」



遠くから声が聞こえてくる。



マミ「この声は……」


ほむら「まどか!?」



それは、決戦を前に別れたきりの少女の声だった。





523 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/01(水) 00:56:24.43 ID:mhXnxqIh0


まどか「はぁ……はぁ……」

まどか「やっと…見つけたよ」


ほむら「まどか! どうして此処に!?」


まどか「ほむらちゃんの家で待ってるつもりだったんだけど……」

まどか「窓の外を見てたら、夜が明けて空が一瞬、パァって明るくなったんだ」

まどか「それは戦いが終わった合図だなって思って」

まどか「そしたら、居ても立ってもいられなくなちゃって」

まどか「気が付いたら家を飛び出して、みんなを探してたの」

まどか「その……ごめんなさい。心配かけさせて」


ほむら「そんなこといい」

ほむら「それよりケガは? どこか身体に悪いところはない?」


まどか「大丈夫。ケガもないし、もちろん契約だってしてないよ」

まどか「心配してくれてあり……」



黒髪の少女は返答を待たずに、



ほむら「まどか!」ダッ


まどか「わっ?!」



目の前の少女に抱きつく。





524 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/01(水) 00:57:53.68 ID:mhXnxqIh0


ほむら「やった……やったよ。まどか……」

ほむら「やっと…あいつを……」



抱き着いた少女は涙声でまどかに語り始める。



まどか「え、えっと……ほむらちゃん?」



一方、抱きつかれた少女は突然の出来事に困惑して目を泳がせる。



おてんこ「まどか、今はそいつの好きにさせてやってくれ」

おてんこ「今日、この日、この時を何度も夢見て戦ってきたんだ」

おてんこ「これぐらいの褒美があってもいいだろう?」


まどか「そうだよね」

まどか「ほむらちゃん、良く頑張ったもんね」





525 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/01(水) 00:59:40.94 ID:mhXnxqIh0


ほむら「まどか……」

ほむら「もう……どこにも行ったり…しない?」

ほむら「私を…置いて……どこかに行ったり……しない?」


まどか「うん。わたしはどこにも行かないよ」


ほむら「ずっと……一緒にいて…くれる?」


まどか「ずっと、ずーーっと一緒だよ。ほむらちゃん」


ほむら「まどかぁ……」



友の言葉に感極まったほむらは嗚咽を漏らす。



ほむら「…ヒッ…グス…」


まどか「…」ナデナデ



それを見守る少女は優しくその頭を撫でていた。


第45章・了





526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/08/01(水) 01:00:23.88 ID:mhXnxqIh0
最後の仕事、それは……


 『教えてやろう、希望というものをな』


次回:「希望を胸に」



527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/08/01(水) 02:14:15.97 ID:M/fuRwD0o
お疲れ様です
あとちょっとで終わりかあ
太陽とともにあらんことを!



539 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/04(土) 00:20:26.58 ID:/jqYfGT60



続・第46章 「希望を胸に」






540 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/04(土) 00:23:36.88 ID:/jqYfGT60


杏子「これで一件落着だな」


おてんこ「ああ……だが、まだ我々にはやるべきことが残っている」

おてんこ「出てこい、インキュベーター」

おてんこ「そこにいるんだろう?」



太陽の使者は建物の残骸に向かって話しかける。

すると、



   「なるほど……お見通しってわけか」



その陰から小動物の姿をしたものが現れる。



さやか「あんたは……」


マミ「……キュゥべえ」


QB「やあ、久しぶりだね」



それは宇宙からの来訪者、インキュベーターであった。





541 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/04(土) 00:25:35.84 ID:/jqYfGT60


QB「全く……君達には驚かされてばかりだよ」

QB「魔女の落としたグリーフシードを強制的に元に戻したばかりか」

QB「史上最強ともいえる魔女ワルプルギスの夜までも倒してしまうなんてね」

QB「君達の言う太陽に……銀河の片隅にあるちっぽけな恒星にどうしてそこまでの力があるのか」

QB「全く持って、興味深いね」


おてんこ「太陽の光は大地を、あらゆる生命を、そして……人の心を照らす」

おてんこ「それはただのエネルギーではない」

おてんこ「言葉にはできない……伝えることもできない力を人に与える」

おてんこ「太陽とは、銀河の中の星のひとつを指すのではない」

おてんこ「生きようとする者達の意志の表れ」

おてんこ「そして、それこそが……」


ジャンゴ「ボクらの太陽なんだ」





542 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/04(土) 00:26:51.16 ID:/jqYfGT60


QB「生きようとする者の意志ね……」

QB「確かに、君達は最強の魔女を乗り越えて、この場にいる」

QB「けど……それだって何時まで続くか分からない」

QB「魔法少女は戦いの中で力尽きるか、ソウルジェムに穢れを溜めて魔女になるかのどちらか」

QB「契約したら最後、その運命からは決して逃れられない」

QB「君達だって似たようなものさ」

QB「銀河意志ダーク……君達が抗うその敵は、絶対に勝つことができない存在だ」

QB「だったら、生きることに何の意味ある?」

QB「運命に身を任せて、死を受けれた方がよっぽど楽じゃないのかい」


マミ「それは違うわ、キュゥべえ」

マミ「死を前にした生が無意味なんてことはない」

マミ「むしろ、終わりがあるからこそ」

マミ「限られた今をどう生きるか……それが重要なの」

マミ「あなたの言う通り、運命に身を任せれば苦しまずに済むかもしれない」

マミ「けど、それじゃあ何も残らないわ」

マミ「私がこの世界でやってきたこと、その全てを否定することになってしまうのだから」





543 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/04(土) 00:28:53.15 ID:/jqYfGT60


さやか「そうだよ……生きることは辛いし、苦しい」

さやか「失恋もすれば、絶望だってする」

さやか「それは私も身をもって体験した」

さやか「でも……それだけじゃない」

さやか「嬉しいこと、楽しいことだって沢山あるんだ」

さやか「泣いたり笑ったり、時には怒ったりもする」

さやか「それができるのは今日を生きようとする者だけ」

さやか「だから、私は生きる」

さやか「大切な人と一緒に毎日を笑って過ごしたいから」


QB「・・・」


杏子「どうやら……アンタの目論見は上手くいきそうにないね」

杏子「まぁ……端っから人の弱みに付け込む奴らなんて応援してないけど」

杏子「どうせ、お前のことだ。あたし達からエネルギーを取れなくても」

杏子「また別の奴から回収すればいいとか思ってるんだろ?」

杏子「だったら見過ごすわけにはいかないね」

杏子「生きて、生きて、行き抜いて……とことんお前らの邪魔をしてやる」

杏子「いつか魔法少女の運命が変わる、その時までな」





544 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/04(土) 00:30:45.14 ID:/jqYfGT60


QB「今更ながら君達、人間というものが殊更に分からなくなってきたよ」

QB「どうして、希望という不確実なものに縋ることができる?」

QB「なぜ、変えられるはずのない運命に抗おうとする?」

QB「僕には理解のしようがないよ」


おてんこ「理解できないか……まぁ、無理もない」

おてんこ「お前達には感情というものがないのだからな」

おてんこ「希望を胸に、明日を信じて今日を生き抜く」

おてんこ「明確な死の概念がないお前達にしてみれば、意味のないことに見えるかもしれない」

おてんこ「だが、希望を持った人の力は無限の可能性を秘めている」

おてんこ「その想いの力は条理を超えて、不可能でさえも可能にする」

おてんこ「それが今、我々が立っている場所だ」


QB「そうかい……良く分かったよ」

QB「僕達には君ら人間の考えていることなんて理解できないし、する必要がないってね」

QB「でも、1つだけ聞いておきたいことがある」


おてんこ「何だ?」





545 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/04(土) 00:32:59.09 ID:/jqYfGT60


QB「魔法少女のシステムは変わらないし、僕達も変えようとは思わない」

QB「既に彼女達の運命は決まったも同然だ」

QB「死にゆく運命の中で、一体どんな希望があるというんだい?」


おてんこ「ああ、それか」

おてんこ「それなら問題ない」

おてんこ「彼女達に希望を届ける」

おてんこ「それが我々に残された最後の仕事だからな」


QB「希望を届ける? そんなこと本当に出来るのかい」


おてんこ「ああ、出来るとも」

おてんこ「希望の星、太陽の力を使う我々ならば」

おてんこ「さぁ、インキュベーター。私に回線を繋げ」

おてんこ「教えてやろう、希望というものをな」





546 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/04(土) 00:35:22.24 ID:/jqYfGT60


マミ「待って、あなたはテレパシーを使えないはずでしょ」


おてんこ「案ずるな。本当は我々にもテレパシーは使える」

おてんこ「ただ、こいつが取り次いでいなかっただけだ」


杏子「本当なのかよ?」


QB「彼らの思考を取り次いでも、僕達には何のメリットもなかったからね」

QB「でも、今度は話が違う」

QB「彼らの言う希望というものが気になるし、何か益になる情報が得られるかもしれない」


おてんこ「準備はいいか?」


QB「接続は良好。問題ないよ」


おてんこ「行くぞ!」



太陽の精霊は掛け声とともに目の前の異星人に向かって思念を送る。



QB「これは!?」



おてんこの意識を読み取ったQBは無表情な顔を崩し、明らかに驚いた様子を見せた。





547 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/04(土) 00:37:00.50 ID:/jqYfGT60


おてんこ「……以上だ」



全てを伝え終えたおてんこは静かに終了を告げる。



QB「…」



情報を受け取ったQBはもとの表情に戻り、沈黙していた。



さやか「一体……何を教えたの?」


おてんこ「パイルドライバーの構造とその召喚方法」

おてんこ「ガン・デル・ソルや中継器について……」

おてんこ「私の知る限りの知識を与えた」


さやか&マミ&杏子「!?」


マミ「そんなこと教えるなんて!」


杏子「敵に塩を送るようなもんじゃんか!?」





548 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/04(土) 00:41:51.07 ID:/jqYfGT60


おてんこ「確かに、私の話はこいつ等にとって有益なものになるだろう」

おてんこ「だが、奴ら……インキュベーターは敵ではない」

おてんこ「人を騙して利用する。その手口には反吐がでる」

おてんこ「それでも……お前達、魔法少女はこいつと付き合っていかねばならない」

おてんこ「だから、私の持ち得る知識を与えた」


さやか「待ってよ! あたし達がこいつと付き合って行かなきゃならないのは分かる」

さやか「でも……こいつはあんたから聞いた知識を使って、また多くの人を騙すのよ!!」


おてんこ「いや、むしろ使ってもらわなければ意味がない」

おてんこ「こいつらが我々の技術を魔法少女システムに組み込んで、初めて」

おてんこ「お前達の希望となるのだ」


マミ「どういう意味なの?」





549 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/04(土) 00:43:46.30 ID:/jqYfGT60


QB「彼らの行使する太陽の力、それを以ってすれば」

QB「グリーフシードをソウルジェムに変換できる」

QB「つまり……今まで魔法少女から魔女へと一方通行だった矢印が両向きに」

QB「魔法少女→魔女→魔法少女……といった閉じた機構が成立する」

QB「それは戦いで死ぬか、魔女になって終わりだった魔法少女の運命に」

QB「蘇生の選択肢が加わることを意味する」


杏子「……っていうことは」


QB「そうさ。ある意味で君達は救われたと言えるね」

QB「君達の運命は変えることは出来ない」

QB「でも……その運命が変えられないなら、新たな結末を用意すればいい」

QB「それが彼らの言う希望……というものらしい」


おてんこ「どうだ? 散々に人を利用してきた者が利用される気分は」


QB「悪くはないよ」

QB「使い捨てるしかなかった魔法少女を再利用できるんだから」

QB「これほど嬉しいことはない……感謝したいくらいだね」





550 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/04(土) 00:45:22.35 ID:/jqYfGT60


おてんこ「よせ、お前に感謝などされたくない」

おてんこ「お前達はただ……私の与えた技術を使っていればいい」


QB「そうかい……ありがたく貰っておくよ」



白い異星人がそう言い終えると、



    「!?」



突然、何もなかった空間が切れ目が入る。



おてんこ「これは……」



少年達の後ろで黒い口を開けるそれは、



ジャンゴ「……ワームホール」



彼らを見滝原へと導いたワームホールだった。





551 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/04(土) 00:47:37.24 ID:/jqYfGT60


マミ「ワームホール?」


さやか「何なの? それは……」


おてんこ「世紀末世界からこの世界へと通じる穴」

おてんこ「我々の帰り道だ」


杏子「じゃあ……」


ジャンゴ「もう……帰らなきゃ」

ジャンゴ「ボクらにも帰りを待っていてくれる人達がいるから」



黒い穴を横目に捉える少年がそう告げたとき、



    「待って!」



何者かに呼び止められる。

それは、



ジャンゴ「……ほむら」



最愛の友に抱かれて涙していた少女であった。





552 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/04(土) 00:50:12.11 ID:/jqYfGT60


ほむら「待って」

ほむら「貴方達にはまだ、お礼を言っていないわ」


ジャンゴ「いいんだ」

ジャンゴ「ボクはただ……約束を守ろうとしただけなんだから」


ほむら「約束? それは誰と……」


ジャンゴ「ボクに希望を託してくれた少女」

ジャンゴ「友との約束を果たすため、最強の魔女に挑んだ彼女は」

ジャンゴ「その前に倒れ、親友に辛い運命を背負わせてしまった」

ジャンゴ「分かれ際に、彼女はこう言ったんだ」

ジャンゴ「『たとえ同じ世界で生きることが叶わなくても、彼女には生きていて欲しい』って」

ジャンゴ「だから、ボクはここに来た」

ジャンゴ「それだけのことさ」


ほむら「その話……」

ほむら「貴方、もしかして!」


ジャンゴ「…」フルフル





553 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/04(土) 00:52:04.38 ID:/jqYfGT60


ジャンゴ「君は親友と共に待ち望んだ明日を迎えた」

ジャンゴ「もう、過去に縛られる必要は無い。前だけを見て進むんだ」


ほむら「じゃあ、貴方と約束した……」

ほむら「彼女はどうなったの?」


ジャンゴ「分からない……」

ジャンゴ「でも、ボクは信じてる」

ジャンゴ「彼女は今もどこかで戦い続けていることを」

ジャンゴ「その胸に宿した太陽は輝きを失っていないことを」


ほむら「・・・」



太陽少年の言葉に沈黙するほむらを押しのけ、



おてんこ「そろそろ時間だ、ジャンゴ」



精霊は刻限が迫っていることを伝える。





554 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/04(土) 00:53:54.11 ID:/jqYfGT60


まどか「もう行っちゃうの?」


おてんこ「ああ、このまま別れを引き延ばしても辛くなるだけだ」

おてんこ「それに……このワームホールだって何時まで持つか分からない」

おてんこ「この期を逃して元の世界に帰れない……なんてことは避けたいからな」


まどか「また……会えるよね?」


ジャンゴ「それは何とも言えない」

ジャンゴ「けど……君達が明日を信じて生き続けていれば」

ジャンゴ「きっとまた、出会える日が来る」

ジャンゴ「あの空の太陽は何時だって、ボクらを照らしているのだから」


まどか「そうだよね」

まどか「きっとまた会えるよね」

まどか「だから、その時まで……バイバイ」


ジャンゴ&おてんこ「…」コクリ



まどかの言葉に頷いた2人は黒い亀裂へと足を進め、その前で少女達に向き直る。





555 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/04(土) 00:58:40.06 ID:/jqYfGT60


おてんこ「ほむら、まどか、マミ、杏子、さやか……」

おてんこ「世話になったな」

おてんこ「お前達の力がなければ、あの魔女を倒すことは出来なかった」

おてんこ「ワルプルギスの浄化に成功した今、お前達は新たな明日を手に入れた」

おてんこ「しかし……我々はその明日をともに歩むことは出来ない」

おてんこ「帰らねばならない。元の世界へ」

おてんこ「そこが我々が生き……そして、死ぬべき場所であるから」

おてんこ「我々が去ろうとも、お前達の戦いは終わらない」

おてんこ「インキュベーターが魔法少女を生み、その魔法少女が魔女を生んでいるならば」

おてんこ「その戦いに、勝利は無い」

おてんこ「だがお前達が生きている限り、敗北もまた、有りはしないのだ」

おてんこ「未来へ命を繋ぐこと……」

おてんこ「それこそが、命を持つ者にとっての勝利なのだからな!」

おてんこ「さらばだ、魔法少女達よ!」

おてんこ「お前達の未来が……」

おてんこ「太陽と共にあらんことを!!」



別れの言葉を言い終えると、太陽の使者は黒い穴の中へと消えていった。





556 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/04(土) 01:00:02.37 ID:/jqYfGT60


ジャンゴ「明日もまた日は昇る!」

ジャンゴ「でも……望んでいるだけじゃあ、明日は変わらない」

ジャンゴ「未来を変えるのは明日」

ジャンゴ「明日を変えるのは今日」

ジャンゴ「今日できること、1人でできることは小さくても」

ジャンゴ「その積み重ねが明日を変え、いつか未来をも変えるんだ」

ジャンゴ「この先の未来に何が起こるかなんて誰にも分からない」

ジャンゴ「けれど、たとえ辛いことあっても……きっと乗り越えられる」

ジャンゴ「明日もまた、日は昇るのだから」

ジャンゴ「ボクに言えることはただひとつ」

ジャンゴ「諦めずに戦い続けろ!」

ジャンゴ「そして、生き抜くんだ!」

ジャンゴ「ボクらの太陽と共に!!」



深紅のマフラーを翻し、少年は次元の狭間へと飛び込んでいった。





557 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/04(土) 01:02:22.77 ID:/jqYfGT60


2人を飲み込むと、亀裂はその黒い口を閉じる。



     「…」



ワームホールが閉じた後には、何かがあったことなど感じさせないただの空間が広がっていた。



まどか「行っちゃったね……」


さやか「…うん」


杏子「……ったく、帰るならもっと早く言えってんだ」

杏子「最後は碌に話もできやしない」


マミ「まぁ……これで良かったのよ」

マミ「彼らも言っていたでしょ?」

マミ「このまま引き延ばしても別れが辛くなるだけだって」


杏子「…」


さやか「それに……もう二度と会えないなんて決まったわけじゃないよ」

さやか「生き続けていればきっとまた会える……そうでしょ?」


杏子「そうだな」





558 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/04(土) 01:03:58.41 ID:/jqYfGT60


ほむら「…」


まどか「……ほむらちゃん、どうしたの?」

まどか「さっきからずっと黙って」


ほむら「結局、彼らにお礼を言い損ねたわ」

ほむら「世話になったのは私の方なのに……」


まどか「まだ、遅くないよ」

まどか「あの太陽でジャンゴ君達だって照らしてる」

まどか「だから、きっとほむらちゃんの声も届くはずだよ」


マミ「そうよ。暁美さん」

マミ「言わないでいたままだと、後悔するわよ」


ほむら「……そうね」



友の声に同意した少女は空を仰いで静かに口ずさむ。



ほむら「太陽少年ジャンゴ、太陽の使者おてんこ」

ほむら「貴方達のことは決して忘れない」

ほむら「私は生きる。仲間と共に……この世界で」

ほむら「ありがとう……ボクらの太陽を」



第46章・了





559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/08/04(土) 01:05:13.74 ID:/jqYfGT60
最終章


 『君の願い、たしかに聞き届けたよ』


次回:「果たされた約束」



576 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/06(月) 00:35:31.81 ID:u7jjiqvs0



最終章 「果たされた約束」






577 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/06(月) 00:36:59.83 ID:u7jjiqvs0


次元の切れ目に入り込んだ少年は真っ暗になった意識の中、


  
    「……ャンゴ…ん」



何者かが自分を呼ぶ声を聞く。



    「お…き……」



その声は次第にはっきり聞き取れるようになり、



ジャンゴ「…っ」



それに従って、少年の意識も覚醒へと向かう。



   「起きて、ジャンゴ君」



自分を呼ぶ声が少女のものであることに気が付く頃には、



ジャンゴ「うっ…」



少年は完全に目を覚ましていた。





578 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/06(月) 00:37:54.82 ID:u7jjiqvs0


ジャンゴ「!」



視界を取り戻したジャンゴは声の持ち主を確かめるために辺りを見回す。



ジャンゴ「君は……」



彼の目に入ったのはピンク色の長髪に白いドレスに身にまとった少女、



ジャンゴ「……まどか」


まどか「…うん」



鹿目まどかであった。





579 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/06(月) 00:40:08.09 ID:u7jjiqvs0


ジャンゴ「今なら良く分かるよ」

ジャンゴ「君がどういう存在なのか」

ジャンゴ「そして……君の願いにどういう意味があるのか」

ジャンゴ「でも、分からないこともあるんだ」

ジャンゴ「どうして? ボクは君と話すことができる」

ジャンゴ「概念となった君は、もう誰かに触れることさえできないのに」


まどか「うん……それを説明しに来たんだよ」

まどか「あと、最後のお願いを聞いてもらうために」


ジャンゴ「最後の願い? それは……」


まどか「それは、わたしの説明が終わってから……君の意志で判断してほしいの」


ジャンゴ「…」コクリ


まどか「……ありがとう」

まどか「まず、ジャンゴ君がわたしに干渉できる理由なんだけど」

まどか「その前に、元のわたしがいた世界」

まどか「わたしの契約で改変された世界のその後について……話していいかな?」


ジャンゴ「…」コクリ





580 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/06(月) 00:42:19.60 ID:u7jjiqvs0


まどか「ジャンゴ君も知っているだろうけど」

まどか「わたしの願いはあの世界の魔女という概念を消した」

まどか「わたしが概念となる代わりに果たされる願い」

まどか「それで全ての魔法少女が救われるはずだった」

まどか「彼女達は自分の祈りを、絶望に変えることなく済むはずだった」


ジャンゴ「…」


まどか「初めこそ上手くいってた」

まどか「キュゥベえ達も魔法少女を使いつぶすようなことはしなかったし、魔法少女も魔女になることはなかった」

まどか「でも、それは人が増大させるエントロピーを魔法少女システムが凌駕できていた時まで」

まどか「知恵をつけた人間はキュゥベえ達の予想を超えて進化していったの」

まどか「人類は急速にその数を増やし、エントロピーを増大させる」

まどか「繁栄は人の心を満たし、暗い感情を払っていく」

まどか「そうして……負の感情から生まれる魔獣は数を減らしていった」

まどか「そんな状況が続いて、気づけば……魔法少女システムではエネルギーを回収できなくなっていったの」


ジャンゴ「…」





581 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/06(月) 00:44:02.97 ID:u7jjiqvs0


まどか「キュゥベえ達は魔獣の減少を抑えられないことを悟ると」

まどか「自分達の手で魔獣を作り出すことにした」

まどか「彼らが注目したのは、ソウルジェムの穢れ」

まどか「それが魔法少女の心の闇……負の感情であることに気付いたキュゥベえ達は」

まどか「それを研究して、作り出したの」

まどか「人を魔獣にする物質……」

まどか「吸血変化を起こす暗黒物質、ダークマターを」


ジャンゴ「!」

ジャンゴ「……まさか!?」


まどか「そう……君の良く知るアンデット」

まどか「それはキュゥベえ達の生み出した魔獣のなれの果てだよ」


ジャンゴ「だったら、あの世界は……」


まどか「旧世界……大崩壊(ラグナロク)の前、人類が繁栄を極めた時代」


ジャンゴ「…」





582 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/06(月) 00:48:12.11 ID:u7jjiqvs0


まどか「暗黒物質(ダークマター)を作り出したキュゥベえ達は、早速それを使って魔獣を増やした」

まどか「でも、それでもエントロピーを凌駕することは出来なかった」

まどか「キュゥベえ達が手間取っているうちに、遂に……人は資源を求めて宇宙へと旅立った」

まどか「人類が地球を離れることで、宇宙の死が早まることを恐れたキュゥベエ達はある決断をした」

まどか「それは、全ての生命種を抹消することで宇宙そのものの時を止めること」

まどか「命持つの者の敵となったインキュベーターはその名を変える」

まどか「宇宙を総べる者……銀河意志ダーク」


ジャンゴ「…」


まどか「これが……わたしが望んだ世界の結末」

まどか「全ての魔法少女の救済はその代償に、人類そのものを滅亡させてしまった」

まどか「わたしは絶望した。いっそ魔女になりたいぐらいだった」

まどか「けれど……わたし自身の願いがそれを許さない」

まどか「だから、未来を変えることにしたの」

まどか「わたしが契約しない未来、ほむらちゃんの望んだ未来を迎えられるように」

まどか「そうして探し始めたの」

まどか「過去と未来、全ての宇宙でほむらちゃんの力になってくれる人を」

まどか「でも……見つからなかった」

まどか「たとえ、ワルプルギスを倒す力を持っていても」

まどか「概念と化したわたしに干渉できる人間なんてどこにもいなかった」

まどか「最後の希望を失くしたわたしは元の世界……銀河意志によって滅ぼされた世界に戻った」

まどか「動物も植物も何もない……そんな世界で自分の存在も忘れてしまおうと思ってた」

まどか「けど、その世界はまだ死んではいなかったの」

まどか「そこには明日を信じて戦い続ける人々が、今日を精一杯生き抜こうとする人達がいた」

まどか「そして、遂に……見つけたの、わたしが探し続けていた人」

まどか「その身に宿した月の血で、概念になったわたしをも受け入れることができ」

まどか「太陽の力を使って、果てのない戦いに身を投じる」

まどか「太陽少年ジャンゴ……あなたをね」





583 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/06(月) 00:50:38.97 ID:u7jjiqvs0


ジャンゴ「…」


まどか「ごめんね、ジャンゴ君」

まどか「全部……わたしが悪いのに」

まどか「君を騙して、自分の思うとおりに働かせた」

まどか「許してほしいとは言わない」

まどか「でも、わたしがほむらちゃんを助けたいって気持ちは本物なの」

まどか「これだけは信じて」


ジャンゴ「……まどか」

ジャンゴ「君が謝る必要なんて何処にもない」

ジャンゴ「ボクはボクの意志で、あの世界に行って戦ってきたんだ」


まどか「でも……」


ジャンゴ「たとえ、君の選択が世界を滅ぼす原因になったとしても」

ジャンゴ「誰も君を責めることなんてできない」

ジャンゴ「なぜなら、その選択は大切な人を救うためにしたのだから」

ジャンゴ「自分の命を投げ打ってでも、その人を救おうとしたのだから」


まどか「…」





584 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/06(月) 00:52:57.80 ID:u7jjiqvs0


ジャンゴ「それに……君のおかげで今の世界があるなら」

ジャンゴ「ボクは君にお礼を言わなくちゃいけない」


まどか「どうして?」

まどか「わたしは平和な世界を壊してしまったのに」

まどか「あなたの世界をあんな風にしてしまったのに」


ジャンゴ「確かに……あの世界で生きることは大変かもしれない」

ジャンゴ「でも、だからこそ強く感じられるんだ」

ジャンゴ「生きることの喜びを、太陽の暖かさを」

ジャンゴ「もし君がこの世界を創らなかったら……」

ジャンゴ「ボクはそれを感じることがなかったかもしれない」

ジャンゴ「もしかしたら、生まれてすらいないかもしれない」

ジャンゴ「だから……君には感謝しているんだ」

ジャンゴ「ありがとう」


まどか「……ジャンゴ君」

まどか「君には何てお礼を言ったら良いか分からないよ」

まどか「わたしが見つけたのがあなたで良かった」

まどか「あなた以外の人が見つからなくて……本当に良かった」


ジャンゴ「いいんだ」

ジャンゴ「そんなことより……君の最後の願いは?」

ジャンゴ「それを聞くまで、ボクは帰るわけにはいかない」





585 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/06(月) 00:54:30.84 ID:u7jjiqvs0


まどか「あなたの手で終わらせてほしいの……わたしの命を」

まどか「本当は最後まで、見届けなきゃいけないんだろうけど」

まどか「わたしはもう……限界みたい」

まどか「だから、みんなのところへ……ほむらちゃんのところへ行きたい」

まどか「最後の最後まで、身勝手なお願いでごめん」

まどか「でも……自分じゃ出来そうにないから」


ジャンゴ「・・・」

ジャンゴ「君の願い、たしかに聞き届けたよ」

ジャンゴ「でも……ボクも1つだけ、君に頼みたいことがある」


まどか「いいよ。わたしに出来ることならなんでも」


ジャンゴ「じゃあ、右手を出して」


まどか「…」コクリ



少年に指示され、少女は右手を差し出す。



ジャンゴ「…」スッ



少年は差し出された手を右手で握った。





586 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/06(月) 00:56:14.70 ID:u7jjiqvs0


ジャンゴ「『約束は果たした。会いに行けなくてごめん』」

ジャンゴ「向こうに着いたら、こう伝えてほしい」

ジャンゴ「こうすれば、彼女は分かってくれると思うから」



そう言って少年は右手を放すと、



ジャンゴ「…」シュン



代わりに太陽銃ガン・デル・ソルを呼び出した。



まどか「……これを撃って」



ドレスの少女は魂の宝石を取り出すと、胸の前にし差し出す。



ジャンゴ「…」コクリ



それを捉えた少年は頷いて銃を構える。





587 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/06(月) 00:57:40.98 ID:u7jjiqvs0


まどか「ありがとう、ジャンゴ君」

まどか「あなたのこと……絶対に忘れない」

まどか「最後に話ができたのがあなたで良かった」

まどか「本当に……ありがとう!」



最期の言葉を告げるまどかに向かって、



ジャンゴ「…」テュン



少年は光弾を放つ。



       ピンッ
    


放たれた光弾はソウルジェムを打ち抜き、




      パキンッ



砕いた。





588 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/06(月) 00:58:49.72 ID:u7jjiqvs0


まどがが消滅すると同時に、彼女がいた場所に穴が開く。



   ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ



開いた穴はみるみる大きくなり、少年を飲み込もうとする。



ジャンゴ「…」



少年は流れに身を任せ、穴へと吸い込まれていく。



ジャンゴ「おやすみ……まどか」



その言葉を残して、少年の意識は闇へと沈んでいった。

_________________________________





589 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/06(月) 01:00:49.42 ID:u7jjiqvs0

_________________________________


ジャンゴ「…っ」



光を感じた少年は目を開く。



  「目を覚ましたようだな、太陽少年」


ジャンゴ「……おてんこさま」



傍らには先に次元の切れ目に入っていったおてんこの姿があった。



ジャンゴ「ここは……?」


おてんこ「我々が見滝原に旅立った場所、古の大樹の麓だ」



相棒の言葉を聞いて辺りを見回す。

そこには天を衝く大樹と見渡す限りの荒野が広がっていた。



おてんこ「無事に戻ってこれたようだな」

おてんこ「あの町の景色に慣れてしまったせいか、ここが随分と寂しく感じるな」

おてんこ「まぁ……荒れ地の方がこの世紀末世界らしいと言えばらしいか」


ジャンゴ「…」





590 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/06(月) 01:01:41.92 ID:u7jjiqvs0


おてんこ「さて……帰るか」

おてんこ「サン・ミゲルにはお前の帰りを待っている者もいるしな」


ジャンゴ「…」コクリ



頷いた太陽少年は転送装置を起動し、棺桶を呼び出す。

そして、



    ウィーン   ガタン



バイクに変形させてその上にまたがった。



おてんこ「さあ、行くぞ」



掛け声に合わせてエンジンを入れようとすると、



   ギギギギギ   ガンッ 



ジャンゴ「?」



異様な音を立ててバイクはその機能を停止してしまう。





591 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/06(月) 01:04:06.38 ID:u7jjiqvs0


おてんこ「どうした? バイクの調子でも悪いのか」


ジャンゴ「・・・」


おてんこ「見せてみろ」



そう言っておてんこはバイクを調べ始める。



おてんこ「う~む。これは……」

おてんこ「駆動機系がやられているな」

おてんこ「おそらく、あの戦いの余波を受けてイカれてしまったのだろう」

おてんこ「仕方ない……歩いて行くか」

おてんこ「旅を振り返りながら歩いて帰る……たまには、それもいいだろ?」


ジャンゴ「…」ニヤリ



太陽の使者の提案に受けた少年はバイクから降りて、故郷の方角を向く。



おてんこ「行くぞ、太陽少年」


ジャンゴ「…」コクリ





592 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/06(月) 01:05:47.55 ID:u7jjiqvs0


2人が太陽の街へ向かって一歩を踏み出したとき、



    「やっと見つけましたよ、ジャンゴさん」
  
    「どこにも居なくて……心配したんですから」



背後から誰かに呼びかけられる。

それは、


ジャンゴ「!」


おてんこ「お前は……」



    「いつもご利用いただきありがとうございます」

    「暗黒ローン受付の暗子です」



暗黒ローンの暗子ちゃんだった。





593 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/06(月) 01:07:05.99 ID:u7jjiqvs0


暗子ちゃん「……覚悟はよろしいですね? ジャンゴさん」

暗子ちゃん「ワタシ達はエナジーを貸し、アナタはそれを借りた」

暗子ちゃん「アナタの事情も分かります……」

暗子ちゃん「ですが、借りたものは返さなければなりません」

暗子ちゃん「それが世の中のルールです」


おてんこ「待て、何を言っている?」


暗子ちゃん「ワタシは借金の取り立てに来ただけです」

暗子ちゃん「自分が何をしたか……」

暗子ちゃん「ジャンゴさん、アナタなら分かっているはずですよ」


おてんこ「そうなのか? ジャンゴ」


ジャンゴ「…」フルフル

おてんこ「身に覚えがないみたいだぞ」

おてんこ「何かの手違いではないのか?」


暗子ちゃん「残念ながら……事実です」

暗子ちゃん「ちゃんと証拠もあります」

暗子ちゃん「ワタシだってアナタに苦しんでほしくはありません」

暗子ちゃん「でも、これを見てください……」

暗子ちゃん「これがアナタの借りたソル(SOL)です」



彼女は懐から何かの計器を取り出し、それをジャンゴ達に見せる。





594 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/06(月) 01:08:25.67 ID:u7jjiqvs0


ジャンゴ&おてんこ「・・・」


おてんこ「私の目がおかしくなったのか」

おてんこ「借入額が振り切れているように見えるのだが……」


暗子ちゃん「いいえ、アナタの目はおかしくなんかありません」

暗子ちゃん「ジャンゴさんの借金は……100万ソルを軽く超えています」

暗子ちゃん「10万の桁までしかない機械では表示しきれません」

暗子ちゃん「……お分かりになりましたね?」


おてんこ「ちょっと待て、その計器が壊れているのかもしれない」

おてんこ「手持ちのカードを確認させてくれ」


暗子ちゃん「変わらないとは思いますが……いいですよ」


おてんこ「よし、ジャンゴ」

おてんこ「ローンカードを取り出して確認してみるんだ」


ジャンゴ「…」コクリ





595 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/06(月) 01:09:15.74 ID:u7jjiqvs0


ローンカードを探すジャンゴはバッグを探る。

大切なものとして保管しているそれは、



ジャンゴ「…」ガサゴソ

ジャンゴ「?」

ジャンゴ「…」ガサガサガサガサ



絶対にバッグの中に入っているはずだったが、



ジャンゴ「・・・」



見つけることができなかった。



おてんこ「まさか、お前……」

おてんこ「……失くしたのか?」


ジャンゴ「…」


暗子ちゃん「どうですか? ……ジャンゴさん」

暗子ちゃん「ウソじゃありませんでしたよね」





596 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/06(月) 01:10:31.40 ID:u7jjiqvs0


おてんこ「それが、その……」

おてんこ「どうやらどこかでカードを落としてきてしまったようなのだ」

おてんこ「だから今回は……勘弁してくれないだろうか?」


暗子ちゃん「本当ですか? ジャンゴさん」


ジャンゴ「…」コクリ


暗子ちゃん「ホントのホントですか?」


ジャンゴ「…」コクリ


暗子ちゃん「それなら……」



暗子ちゃんがジャンゴ達の言い分をのみかけたとき、



    「騙されちゃダメよ。暗子ちゃん」



またもや何者かが押し入ってきた。



暗子ちゃん「陽子ちゃん! どうしてここへ?!」


陽子ちゃん「暗子ちゃん……ジャンゴさんが見つかったって飛び出して行っちゃったんだもん」

陽子ちゃん「心配で付いてきちゃった」



今度は太陽バンクの陽子ちゃんであった。





597 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/06(月) 01:12:07.45 ID:u7jjiqvs0


暗子ちゃん「陽子ちゃん……でも、さっきのはどういう意味なの?」


陽子ちゃん「暗子ちゃん、アナタは騙されてるの」


暗子ちゃん「え?」


陽子ちゃん「ジャンゴさん……アナタ、ウソを付いてるわね」


ジャンゴ「…」フルフル


陽子ちゃん「とぼけてもムダよ。ワタシには分かってるんだから」

陽子ちゃん「自分の都合で借金して」

陽子ちゃん「それが返せなくなったから、カードを落としたなんて下手なウソを付く」

陽子ちゃん「見損なったわ。ジャンゴさん」


暗子ちゃん「本当なんですか? ジャンゴさん」

暗子ちゃん「ワタシのお仕置きがそんなに……イヤだったんですか」


ジャンゴ「・・・」





599 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/06(月) 01:13:03.29 ID:u7jjiqvs0


陽子ちゃん「分かったでしょう? ……暗子ちゃん」

陽子ちゃん「悲しいけど、これが現実なの……」


暗子ちゃん「そんな……こんなことって」


陽子ちゃん「ワタシ達の知ってるジャンゴさんは……もういない」

陽子ちゃん「でも……取り戻すことは出来るわ」

陽子ちゃん「アナタのお仕置きで、元のジャンゴさんに戻してあげるのよ!」


暗子ちゃん「でも、ワタシのお仕置きなんかじゃ……」


陽子ちゃん「違うわ! 暗子ちゃん」

陽子ちゃん「アナタにしかできないの」

陽子ちゃん「何度もジャンゴさんにお仕置きをしてきたアナタだからこそできるの!」



暗子ちゃん「……陽子ちゃん」

暗子ちゃん「ワタシ……やるよ」

暗子ちゃん「ワタシの手でジャンゴさんを取り戻してみせるよ!」





600 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/06(月) 01:13:48.53 ID:u7jjiqvs0


おてんこ「なぁ……ジャンゴ」

おてんこ「1つ質問がある」

おてんこ「ここで走るのと、後で走るのと」

おてんこ「お前はどちらがいい?」


ジャンゴ「・・・」


おてんこ「どうやら、私と同じ意見らしいな」

おてんこ「さぁ……」

おてんこ「走るぞ!!」


陽子ちゃん&暗子ちゃん「!」



陽子ちゃん&暗子ちゃん「「待ちなさーーい!!」」



最終章・了





601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/08/06(月) 01:14:28.54 ID:u7jjiqvs0
少年と精霊、その運命は……


  『逃げ切らなければ……我々に明日は無い!』


エピローグ:「それぞれの太陽」



※次回はエピローグというか、エンディング
 この章にまとめる予定だったのですが、異様に長くなりそうなので分けました



602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) 2012/08/06(月) 01:15:08.07 ID:pWl2/YcHo
まだ続くのか。ありがたい。



605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) 2012/08/06(月) 02:59:02.56 ID:v4XQlCbfo

ボクタイSSが終わるのは寂しいな…



609 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) 2012/08/06(月) 11:43:27.90 ID:a7yl8t2Io

ラビアンローズって確か6回お仕置きを受けると貰えるんだっけ



611 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/08/06(月) 12:43:00.37 ID:I/5IxNWZo

エピローグか…もう終わっちゃうんだなぁ



619 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/10(金) 00:23:42.46 ID:HIYGfis40



エピローグ 「それぞれの太陽」






620 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/10(金) 00:26:09.95 ID:HIYGfis40

_________________________________


           -太陽少年 ジャンゴ-
 

          -太陽の使者 おてんこさま-   

_________________________________


―荒野―



ジャンゴ「…」タッ タッ


おてんこ「走れ! ジャンゴ!!」

おてんこ「追いつかれたら一巻の終わりだ!」


暗子ちゃん「待ってください! ジャンゴさん!!」

暗子ちゃん「ワタシにお仕置きさせてください!」


陽子ちゃん「逃がしませんよ!」

陽子ちゃん「アナタには世の中のルールをきっちり叩き込んであげますから!!」


ジャンゴ「・・・」タッ タッ


おてんこ「振り返るな!!」

おてんこ「前だけを見て走れ!」

おてんこ「逃げ切らなければ……我々に明日は無い!」


ジャンゴ「…」タッ タッ



暗子ちゃん&陽子ちゃん「「待てーーーー!!」」





621 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/10(金) 00:27:46.48 ID:HIYGfis40

_________________________________


         -因果律の中心 鹿目 まどか-


         -黒の魔法少女 暁美 ほむら-   
 
_________________________________


―見滝原中学校 教室―



ほむら「まどか、一緒に帰りましょう」


まどか「ごめん、ほむらちゃん」

まどか「今日はちょっと用事があって……」


ほむら「……そうなの」

ほむら「でも、用事って?」


まどか「そろそろ……手芸部の作品を作らなきゃいけないの」

まどか「この1ヶ月、色々あってサボっちゃてたから」


ほむら「手芸部……って」

ほむら「貴女、部活に入ってたの!?」


まどか「あれ……知らなかった?」

まどか「てっきり、ほむらちゃんのことだから知ってると思ったんだけど」


ほむら「初めて会ったまどかは魔法少女だったし……」

ほむら「2回目からはそんなこと気にしているヒマはなかったから」


まどか「そう……だったんだ」

まどか「!」

まどか「じゃあ、ほむらちゃんもおいでよ」

まどか「今度は時間もいっぱいあるから、ね?」





622 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/10(金) 00:29:23.83 ID:HIYGfis40


ほむら「でも、私って不器用だし……」


まどか「大丈夫だよ。練習すれば上手になるよ」


ほむら「それに……何を作っていいか分からないわ」


まどか「ぬいぐるみ……なんてどうかな?」


ほむら「ぬいぐるみ?」


まどか「わたしも作ろうと思うから教えられると思うんだ」


ほむら「それなら……」


まどか「やった! じゃあ、何作ろうか?」


ほむら「まどかはもう決まってるの?」


まどか「うん」

まどか「ほむらちゃんもよく知ってる『あの人』だよ」


ほむら「あの人……って誰?」


まどか「へへ……完成するまで内緒」

まどか「さぁ、行こう」

まどか「完成したらマミさん達にも見せてあげようよ」





623 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/10(金) 00:32:45.01 ID:HIYGfis40

_________________________________


           -大地の巫女 リタ-
 

           -ひまわり娘 ザジ-   

_________________________________


―サン・ミゲル 太陽樹―



リタ「…」


ザジ「また祈ってるんか」

ザジ「毎日、毎日……ホンマに良く飽きないもんやな」


リタ「はい……太陽樹様のお力でジャンゴ様をお守りくださいと」

リタ「私にはジャンゴ様の無事を祈ることしかできないので」


ザジ「全く……あいつもしょうがない奴やな」

ザジ「こんな娘を置いて、1人で行っちまうなんて」

ザジ「アンタもそう思わへん?」


リタ「そ、その……私は、ただ……」

リタ「ジャンゴ様のお側にいられればそれで……」


ザジ「アカン……アカンで、その考え方」

ザジ「言っちゃ悪いがあいつの鈍さは一級品や」

ザジ「そんな調子じゃあ、何時まで経ってもあんたの想いは伝わらへんで」


リタ「じゃあ、どうすれば……」


ザジ「そんなん簡単や」

ザジ「あんたから告白し、それでバッチシ解決や」





624 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/10(金) 00:34:50.97 ID:HIYGfis40


リタ「へ?」

リタ「いや、その……ふざけないでください!」


ザジ「ふざけてるわけやないで」

ザジ「あいつは……あいつら兄弟は、2人そろって無茶苦茶な奴らや」

ザジ「危険な場所だって分かってても、そこに飛び込んで行く」

ザジ「ウチらどんなに止めったって、止めようなんてしない」

ザジ「ホンマに……命がいくつあっても足らへん」

ザジ「だから、伝えられるうちに伝えなアカン」

ザジ「いなくなってから後悔したんじゃ……遅いんや」


リタ「ザジさん……」

リタ「……分かりました」

リタ「やります。ジャンゴ様が帰ってきたら告白します」


ザジ「そうや、その意気や!」


リタ「でも、その前に少し……気合を入れてきます」

リタ「師匠も言ってました」

リタ「こういう時は『当たって砕けろ』って」

リタ「では、行ってきます!」


ザジ「ちょ…待ち……」



    「オラオラオラ、オッラー!!」


   ドンッ ガン バキッ  ズドォォォォン
   


ザジ「・・・」

ザジ「大丈夫やろか……」


  「ミャア」


ザジ「ん? あんたも心配してくれるん」





625 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/10(金) 00:36:37.19 ID:HIYGfis40

_________________________________


           -風の戦士 シャイアン-   


             -鋼鉄のスミス-
 
_________________________________


―サン・ミゲル 鍛冶屋―



スミス「焼けッ!!」


シャイアン「任せろ!」



   ゴオオォォォォォォォォ    



シャイアン「!」

シャイアン「打て!! スミス!」


スミス「フッ!」


    カンッ  


スミス「ホッ!!」


    キンッ


スミス「ハッ!!」


    ガンッ


スミス「焼け!」


シャイアン「応!」
 
  

   ゴオオォォォォォォォォォ 



スミス「今だ!」

スミス「冷やせ!!」



   ジュォォォォオオオオオオ






626 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/10(金) 00:37:48.51 ID:HIYGfis40


シャイアン「・・・」


スミス「出来は……どうだ?」


シャイアン「悪くはないが……それまで、と言ったところか」


スミス「わしらだけでは、なかなかに難しいな」


シャイアン「仕方がない、あいつがいない今」

シャイアン「私達だけでどうにかするしかあるまい」

シャイアン「もう一度だ、スミス」


スミス「そうだな」


    「ミャ?」


スミス「コレ! 危ないからお前は下がっていろ」





627 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/10(金) 00:39:32.81 ID:HIYGfis40

_________________________________


       -異世界からの来訪者 ???(ハテナ)-
 

          -アフロマスター キッド-    

_________________________________


―サン・ミゲル アクセサリー屋―



キッド「オレは2枚チェンジ」


???「俺は……3枚だな」


キッド「へへっ……」

キッド「悪いがこの勝負……オレっちがもらうぜ」


???「よっぽどいい手が来たみたいだな」


キッド「今ならまだ降りられるぜ」


???「いいや、遠慮しておく」


キッド「後悔するなよ」

キッド「フルハウスだ!」


???「……いい役だな」


キッド「だろ?」


???「だが、俺の勝ちだ」


キッド「なっ……4カード」


???「約束通りお前のコレクションは貰って行くぞ」





629 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/10(金) 00:40:44.07 ID:HIYGfis40


キッド「・・・」

キッド「これで5戦全敗……バッドだぜ」

キッド「なぁ、何かコツでもあんのか?」


???「まあな」


キッド「頼む! 教えてくれ」

キッド「難ならオレのコレクションをもう1つやるから」


???「いいだろう。よく見ておけよ」

???「袖のここらへんをこうすると……」

???「ほら……カードが出てきただろ?」

???「こいつをバレないように……」


キッド「ちょっと待て……」

キッド「イカサマじゃねぇか!」


???「まあまあ……そう怒るな」

???「代わりに俺が手に入れたアイテムをやるから」


キッド「……ったく、気のいいヤツだぜ」

キッド「だいたい、どこでそんなん覚えてきたんだ?」

キッド「記憶喪失じゃなかったのかよ」


???「頭で忘れていても、体が覚えてるものだぞ」


キッド「……手癖が悪いヤツだったんだな」


???「かもしれないな」

???「どうする? もう一勝負するか」


キッド「もちろん、今度は真剣勝負」

キッド「イカサマはナシだぜ」


???「キツイ勝負になりそうだ」


   「ミャ」
  

???「ん? お前もやるか?」





630 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/10(金) 00:42:18.28 ID:HIYGfis40

_________________________________


         -時計塔の管理人 エンニオ-    

_________________________________


―サン・ミゲル 時計塔―



エンニオ「ここをこうして……」キィコー キィコー

エンニオ「よし、これで大丈夫じゃ」

エンニオ「・・・」

エンニオ「あの小僧……最近、顔を見せんな」

エンニオ「別に、あやつがどうなろうとわしには関係ないんじゃが」

エンニオ「文句を言いに来る奴がいないと張り合いがないわい」

エンニオ「はぁ……」


     ガタッ


エンニオ「!」

エンニオ「何の用じゃ? 時計なら狂っておらんぞ」


    「ミャア?」


エンニオ「なんだ……お主か」

エンニオ「期待していた訳じゃないぞ」

エンニオ「ただ、あの坊主がどうしているか気になっただけじゃ」





631 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/10(金) 00:44:10.46 ID:HIYGfis40


―暗黒ローン 地下100階―



暗子ちゃん「ようこそおいで下さいました。ジャンゴさん」


ジャンゴ「・・・」


暗子ちゃん「ここは暗黒ローンの地下100階、通称お仕置き部屋です」

暗子ちゃん「そして……あちらに見えるのが暗黒発電機」



    「クポ……クポ……」


     ウィーーーン



ジャンゴ「…」


暗子ちゃん「何をなさるのか……もうお分かりですね?」

暗子ちゃん「アナタには今からここで発電をしてもらいます」

暗子ちゃん「方法は簡単」

暗子ちゃん「発電機についているベルトコンベアーの上を走るだけ」

暗子ちゃん「エナジーが発電されれば、それが返済にあてられるというわけです」

暗子ちゃん「簡単ですね♪」

暗子ちゃん「でも、気を抜くと……」



    「クポ…ッ……!?」

    「クポォーーー!!」



暗子ちゃん「奈落の底へ真っ逆さま……大変ですね♪」

暗子ちゃん「それではジャンゴさん」

暗子ちゃん「よろしくお願いします」





632 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/10(金) 00:47:30.56 ID:HIYGfis40

_________________________________


         -青の魔法少女 美樹 さやか-


          -赤の魔法少女 佐倉 杏子-   
 
_________________________________


―見滝原 魔女の結界―



さやか「やっ!!」


      ザシュ


   「ギャァァァアアア」



さやか「よし! これで2体目」

さやか「あたしって……強い?」


    「余所見すんな!」


さやか「!」


      ザクッ


   「グォォォ………」



さやか「杏子! どうしてここに!?」


杏子「最近、ソロ狩りを始めた新米がいるからね」

杏子「お手並み拝見というわけさ」

杏子「けど……その様子じゃ、まだまだみたいだな」


さやか「その、さっきはちょっと油断したけど」

さやか「今週は1人で2体も倒したのよ」


杏子「何体魔女を殺ろうが……死んだらそれでお終いさ」

杏子「アンタだって、死んだら悲しんでくれる人いるんだろ?」


さやか「…っ」





633 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/10(金) 00:48:37.24 ID:HIYGfis40


杏子「因みに……あたしの最高記録は週5体だ」

杏子「こいつを超えるまでは、いくら経験を積もうが」

杏子「アンタを一人前だって認めないよ」


さやか「じゃあ、それを超えたら認めてくれるってわけ?」


杏子「まあな」


さやか「……見てなさいよ」

さやか「その記録、絶対に超えてやるんだから」


杏子「また意地になって、死に急ぐようなマネはするなよ」


さやか「分かってるよ」

さやか「だから、それが出来るようなるまで……」

さやか「よろしくね? 杏子」


杏子「へぇー……ちょっとは素直になったじゃんか」


さやか「まぁ、色々ありましたから」





634 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/10(金) 00:50:35.57 ID:HIYGfis40

_________________________________


          -街の青年 マルチェロ-    


          -ギルドマスター レディ-   

_________________________________


―サン・ミゲル 図書館―



レディ「うーん。困ったわね……」


マルチェロ「あのー、すいません」


レディ「でも、このまま放っとくのもねぇ……」


マルチェロ「レディさん、聞こえてますか?」


レディ「やっぱり、ジャンゴ君がいないダメだわ」


マルチェロ「レディさん!」


レディ「!」

レディ「あら、ごめんなさいね」

レディ「何の用かしら?」


マルチェロ「その……植物図鑑ってどこにありますか?」

マルチェロ「探しても見つからなくて」


レディ「ああ、それなら」

レディ「西側の手前から3番目、1番下の棚にあるわ」


マルチェロ「ありがとうございます」

マルチェロ「それと……どうかしたんですか?」

マルチェロ「なんだか忙しそうですけど」





635 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/10(金) 00:52:14.93 ID:HIYGfis40


レディ「ギルドの依頼が立て込んでて」

レディ「ジャンゴ君もいないから溜まりっぱなしで困ってるのよ」

レディ「ホント……猫も手も借りたいぐらいだわ」


マルチェロ「それは……大変ですね」

マルチェロ「じゃあ、僕はこれで……」


レディ「……ちょっと待って」


マルチェロ「はい?」


レディ「貴方って今……暇?」


マルチェロ「特に、やることは……」


レディ「アルバイトしてみない?」


マルチェロ「でも、僕には……」


レディ「大丈夫よ。単なる書類整理だけだし」

レディ「報酬も弾むから……ね?」


マルチェロ「えーっと…その……」


   「ミャ!」


レディ「あの子はやる気みたいよ?」





636 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/10(金) 00:54:10.21 ID:HIYGfis40

_________________________________


           -街の老人 ルイス-   


          -棺桶を愛する男 棺桶屋-   
  
_________________________________


―サン・ミゲル ガレージ(旧棺桶屋)―



棺桶屋「…」キュイン キュイン


   ギィィィィィイイイ 

     ガン  ガン


ルイス「おい! 棺桶屋」


棺桶屋「ああ……貴方は」

棺桶屋「何か用ですか?」


ルイス「わしの棺桶のことじゃ」

ルイス「一体いつになったら完成するんじゃ」

ルイス「このままじゃ、おちおち夜も眠れぬわい!」


棺桶屋「それなら……」

棺桶屋「もう完成して、後は最終調整だけですよ」

棺桶屋「持ってきましょうか?」


ルイス「おお、そうかそうか」

ルイス「遂に完成したか」

ルイス「待ちわびた甲斐があったわい」

ルイス「早速、持ってきてくれ!」





637 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/10(金) 00:55:23.60 ID:HIYGfis40


棺桶屋「分かりました」

棺桶屋「オイルを入れるのに少し時間がかかるので」

棺桶屋「ここで待っていてください」


ルイス「オイル……?」

ルイス「どうして棺桶にオイルが必要なんじゃ?」


棺桶屋「勿論、動かすためですよ」

棺桶屋「それじゃあ、行ってきます」


ルイス「待て!!」

ルイス「わしが頼んだのは普通の棺桶じゃぞ!」

ルイス「変形する必要なんて全くないんじゃぞ!!」

ルイス「・・・」

ルイス「……行ってしもうたわい」


   「ミャ?」


ルイス「どうやら……わしはまだまだ死ねんみたいじゃ、な?」





638 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/10(金) 00:58:06.48 ID:HIYGfis40

_________________________________


          -暗黒ローンの暗子ちゃん-


          -太陽バンクの陽子ちゃん-   
 
_________________________________


―暗黒ローン 地下100階―



ジャンゴ「くっ……」タッ タッ


    ウィーーーン   


   「クポ……クポ……」


    ウィーーーン

  

暗子ちゃん「ほらほらジャンゴさん」

暗子ちゃん「まだ1万ソルちょっとしか発電してませんよ?」

暗子ちゃん「アナタの走りはそんなものなんですか?」

暗子ちゃん「こんな調子じゃ、何時までたっても……」


 
        ズゴォォォォオオン



ジャンゴ&暗子ちゃん「!」  「クポッ!?」



     「見つけたぞ! ジャンゴ!!」






639 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/10(金) 00:59:27.54 ID:HIYGfis40


ジャンゴ「おてんこさま!!」



    「暗子ちゃん! 止めて!!」



暗子ちゃん「陽子ちゃん! どうして!?」


陽子ちゃん「ワタシはいいから! おてんこさまを止めて!!」

陽子ちゃん「ジャンゴさんに逃げられちゃう!」


おてんこ「準備はいいな!」

おてんこ「行くぞ!!」



     「「太陽おおおぉぉォォ!!!」」
   


  ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ



暗子ちゃん「あわわわわ」

暗子ちゃん「ど、どうしよう……陽子ちゃん」

暗子ちゃん「発電機が壊れちゃうよ……」


陽子ちゃん「逃げましょう……暗子ちゃん」

陽子ちゃん「このままじゃワタシ達も危ないわ」


暗子ちゃん「でも、ローンが……」


陽子ちゃん「ローンは潰れても、また立て直せばいい」

陽子ちゃん「でも、暗子ちゃんを失うわけにはいかないわ」

陽子ちゃん「アナタは……ワタシの大切な妹なんだから」


暗子ちゃん「……陽子ちゃん」


陽子ちゃん「さぁ、行きましょう!」


暗子ちゃん「うん!」


 
        「はぁぁぁぁぁあああ!!!」



  ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 



       「クポォォォォォオオオオ!!!」






641 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/10(金) 01:01:23.75 ID:HIYGfis40

_________________________________


            -暗黒少年 サバタ-   


           -嘆きの魔女 カーミラ-   
  
_________________________________


―楽園 ヴァナルガンドの石碑―



カーミラ「お帰りなさいませ、サバタ様」

カーミラ「久しぶりの再会はどうでしたか?」


サバタ「相変わらずだ」

サバタ「あいつはどこまでもお人好しだった」


カーミラ「そうですか」


サバタ「・・・」

サバタ「お前は……いつまで留まっているつもりだ?」

サバタ「俺のことなんか気にせず、さっさと成仏したらどうだ」


カーミラ「お忘れですか?」

カーミラ「私のあるべきところはただ1つ、サバタ様の側だけ」

カーミラ「そう言ったはずです」

カーミラ「それとも……」

カーミラ「私のことがお嫌いになりましたか?」


サバタ「フン……好きにしろ」


カーミラ「ありがとうございます」


サバタ「全く……どいつもこいつも」

サバタ「俺の周りの奴はいつもバカばかり」

サバタ「いや、俺も大概か……」





642 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/10(金) 01:03:12.80 ID:HIYGfis40

_________________________________


          -黄の魔法少女 巴 マミ-


        -宇宙からの来訪者 インキュベーター-   
 
_________________________________


―見滝原 マミの家―



マミ「…」カキ カキ


QB「…」


マミ「…」カキ カキ


QB「…」ソーッ


マミ「ダメよ。キュゥベえ」カキ カキ

マミ「ここにいなさい」


QB「…」ストッ


マミ「…」カキ カキ


QB「ねぇ、マミ」


マミ「何かしら?」カキ カキ


QB「どうして僕を見張ってるんだい?」


マミ「魔法少女の勧誘をさせないためよ」カキ カキ





643 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/10(金) 01:04:10.79 ID:HIYGfis40


QB「…」


マミ「…」カキ カキ


QB「……何を書いているんだい?」


マミ「コレよ」ペラッ


QB「・・・」

QB「何だい? これは……」

QB「僕にはタダの落書きにしか見えないんだけど」


マミ「失礼しちゃうわ」

マミ「新しい必殺技の原案よ」


QB「それは……どんな技なんだい?」


マミ「聞きたいの?」


QB「参考までに……」


マミ「名前はティロフィナーレ・デルソーレ」

マミ「ジャンゴ君達のパイルドライバーをモチーフにしたの」

マミ「発動するとジェネレーターを模した4門の大砲が……」


QB「・・・」





644 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/10(金) 01:07:22.50 ID:HIYGfis40

_________________________________


          -倉庫番の少女 スミレ-


            -冒険者 クロ-   
 
_________________________________


―サン・ミゲル 街門―



スミレ「クロちゃーーん」

スミレ「どこいるの? へんじして」


   「ミャア?」


スミレ「あっ!」

スミレ「クロちゃん!!」


クロ「ミャ!」


スミレ「もー、クロちゃんったら」

スミレ「またひとりでどこかにいっちゃって。ぷーだっ!!」


クロ「ミャア……」


スミレ「あやまったってゆるしてあげないんだからね!」


   「スミレ!」


スミレ&クロ「!」

スミレ「おじいちゃん!」


スミス「コラッ!! 街の外に近づいちゃイカンと言っただろ!」


スミレ「うう……ごめんなさい」

スミレ「クロちゃんがみつからなくて……」


スミス「全く……」


シャイアン「まあ、いいではないか」

シャイアン「謝っているのだろう?」


スミス「しかしだな」


   「これくらい大目に見たり」

   「こんな素直な子、そうそういるもんやないで?」
   




645 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/10(金) 01:08:47.64 ID:HIYGfis40


スミス「ザジか……どうしてここに?」


ザジ「ウチだけやないで」

ザジ「物の見事に全員集合や」


シャイアン「一体、何故?」


リタ「皆さん、クロさんの後を追ってきたみたいで……」


キッド「あいつ……如何にも何かありそうな素振りをするからさ」

キッド「お前だって気になって付いてきたんだろ?」


シャイアン「あ、ああ」


レディ「まあ……偶にはいいんじゃない?」

レディ「皆が同じところに集まるなんて珍しいし」


クロ「ミャ!」


スミレ「どうしたの? クロちゃん」

スミレ「そっちは……」

スミレ「!」


スミス「どうした? 門の外なんか眺めて」

スミス「そこに何か……」

スミス「!」

スミス「あれは!!」


リタ「まさか!?」


ザジ「……帰ってきたみたいやな」

ザジ「さあ、みんな!」

ザジ「言ってやることはひとつや!」



ザジ「いっくでーーー!!」






646 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/10(金) 01:11:18.28 ID:HIYGfis40












                            おかえりなさい!















647 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/10(金) 01:13:38.10 ID:HIYGfis40










                        続/新・ほむら「ボクらの太陽……?」
 
                            運命に抗いし者達
 
                              -終-













648 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/10(金) 01:15:52.90 ID:HIYGfis40


   「……っとくん……」


   「う~ん……」


   「起きてよ。熱斗くん」


熱斗「ロックマン……あと5分」


ロックマン「遅刻しちゃうよ」


熱斗「もう少しだけ……」


ロックマン「しょうがないなぁ、もう」

ロックマン「熱斗君が起きないのが悪いんだからね」

ロックマン「行くよ……」



    「太陽ぉーーーーー!!」



熱斗「!?」

熱斗「うぉぁあ!?」


  ゴロ ゴロ  ドスン


熱斗「……っ、イテテ」


ロックマン「起きた? 熱斗君」


熱斗「ロックマン! それより今!!」


ロックマン「おてんこさまの声でしょ?」


熱斗「また何かあったのか!?」


ロックマン「ううん。今のはボクが流したんだ」


熱斗「へ?」


ロックマン「ボクがおてんこさまからエネルギーを貰ったとき」

ロックマン「おてんこさまの音声データまで一緒に拾っちゃたみたいなんだ」


熱斗「まさか……」


ロックマン「そう。熱斗君が全然に起きないから流してみたんだ」

ロックマン「効果はバツグンみたいだね」

ロックマン「……今度から、目覚まし代わりに使おうかな?」


熱斗「カンベンしてくれよ」





649 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/10(金) 01:18:00.75 ID:HIYGfis40


                   浄化記録



      ゲルトルート     0体   シャルロッテ     1体 


      エリー        0体   エルザマリア     0体


      オクタヴィア     1体   ワルプルギスの夜   1体


      巴マミ        0体   美樹さやか      1体    
 
 
      佐倉杏子       0体   暁美ほむら      0体 


      鹿目まどか      1体   インキュベーター   1体   


      伯爵         0体   サバタ        1体 





                   総合記録



      戦闘回数      11回   パイルドライブ    1回


      逃走回数       2回   暴走回数       0回


      おしおき回数     1回   オーバーヒート    0回


      見つかった回数    1回   通話回数       2回


      プラグイン      2回   壊したソウルジェム  2個


      壊したグリーフシード 0個   壊した武器      3個


      魔女化した数     1人   気絶させた数     2人





650 : ◆pOKsi7gf8c 2012/08/10(金) 01:20:28.09 ID:HIYGfis40



                [リザルト]

      ________________________
   
       【PLAY TIME】         793:47:33:89       
      ________________________

       【PLAY SIDE】          【WHITE】
      ________________________

       【PLAY STYLE】          【GUN】
      ________________________

         【RANK】             A+
      ________________________






651 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/08/10(金) 01:33:23.00 ID:HIYGfis40
以上で本編は終わりになります
最後の方は更新速度が遅くなってしまい申し訳ありません

思い返せば……
1週目は容赦なくバッドエンドを迎えさせ
2週目はナイトメアの名の下に欝展開を繰り広げる
と、かなり勝手なことをしたスレでした

しかし、無事完結を迎えられて心から嬉しく思います
本当にありがとうございました


後、実はまだ色々と本編に載せられなかった小ネタや少しだけ後日談の構想があるんですが……
需要ってありますかね?



654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) 2012/08/10(金) 01:50:14.25 ID:b0WmxgLjo
お疲れさん、後日談期待してるよ

新・ほむら「ボクらの太陽……?」【後編】



転載元
新・ほむら「ボクらの太陽……?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1339859884/
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