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ほむら「夢にまで見た夢の世界……そこにわたしの居場所は無い」

1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/01(火) 22:02:37.18 ID:57Y76hem0

ほむら「……」

いつもの病室。わたしは起きあがりもせず、部屋の天井を見上げていた。
気になることがあった。

ほむら(ワルプルギスの夜との戦い……)

こうして時間遡行の魔法を繰り出す直前に見た光景。
契約したまどかが、ワルプルギスの夜に向けて弓を引き絞り、攻撃を放った。
その攻撃で、あの世界のワルプルギスの夜は力尽きた。
まどかは魔女化せず、マミや杏子、さやかも生存していた。
かつてないほどに理想的な世界だった。
ただひとつ。まどかが契約をしたという事実を除いては。

ほむら(……いえ、そんなことは今はどうでもいい)

例えどれほど理想的な世界であったとしても。
まどかが契約した以上、そこはわたしが思い描く理想の世界ではない。
問題はひとつ。

ほむら(あの時のまどかの攻撃は……)

別段、特別な力は込められていなかったはずだ。
普通の、魔力を練って作り上げただけの光の矢。
それが、ワルプルギスの夜にトドメを差した。


居場所の社会学―生きづらさを超えて



2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/01(火) 22:09:14.54 ID:57Y76hem0

ほむら(………)

あの時のまどかの攻撃よりも、マミが放った攻撃の方が明らかに強かったはずだ。
なのにそれは、ワルプルギスの夜に致命的なダメージを与えるには至っていなかった。
なぜ、まどかの攻撃が?それが疑問だった。

ほむら(何か、特別な力がまどかに備わっている?)

普通に考えれば、それが正しいように思う。
でも、それはつまり。

ほむら(まどかが契約しなければ……ワルプルギスの夜を乗り越えるのは難しい……?)

それは、わたしにとっては絶望的なことだ。
信じたくない。
まどかは契約させてはいけない。それがわたしの目的なのだから。

ほむら(……ワルプルギスの夜……鹿目まどか……)

両者に、何か関係性があるのか?
いくら思考を巡らしたところで、答えが出るわけもない。



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/02(水) 21:55:57.83 ID:btZ0r2a00

一人思考を巡らしていると、病室のドアがノックされた。

ほむら(お見舞い?わたしにお見舞いに来てくれる人なんていたかしら……?)

疑問に思いながら、返事をする。

ほむら「どうぞ」

その言葉の後に、ドアが開け放たれた。

織莉子「……初めまして、でいいのかしら?暁美ほむらさん」
キリカ「……」

ほむら「………!?あ、あなたたちは……」

そこには。
いつかの世界で敵対した二人がいた。



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/02(水) 21:57:36.53 ID:btZ0r2a00

ほむら「くっ!?」

反射的に、身構える。
……が、二人には敵意は無いようだった。

織莉子「………」
キリカ「………」
ほむら「……何の用、かしら?」

いつ攻撃を仕掛けて来るかわからない。
用心しながら、二人に問いをぶつける。

織莉子「こちらから仕掛けておいて悪いのだけれど……あなたがどこまでわたしたちの事を知っているのか、教えてくれないかしら?
     その返答次第で、こちらが話す内容も変わってくる」
ほむら「………」

どういうことだ?
この二人は……まどかの殺害を目論んでいたはずだ。



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/02(水) 21:58:33.20 ID:btZ0r2a00

織莉子「……沈黙、ということは……やっぱりいい印象はないようね?」
キリカ「面倒だ、こっちの言いたいことだけ叩きつけてやればいいんじゃないのか、織莉子?」
織莉子「そうね……それでもいいかもしれないわね」

言いたいこと?なんだ?敵対宣言か?

織莉子「魔法少女の絶望……それがどういうものか、わかる?」
ほむら「……!? いきなり何を……」

美国織莉子が何を考えているのかがわからない。
魔法少女の絶望。それは、魔女へとその身を落とすことを意味している。
この二人はその事を知っているはず。
そしておそらく……わたしがそれを知っていることも、承知のはずだ。

織莉子「巴マミの絶望……それは、孤独や嫉妬から来るもの」
キリカ「佐倉杏子の絶望……それは、残された最後の希望の消失から来る」
織莉子「美樹さやかの絶望……それは、自分が何を成そうとしていたのかが分からなくなるところから来るもの」
ほむら「……黙りなさい」

彼女達は、わたしの大切な仲間だ。
それを侮辱するのは許さない。



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/02(水) 21:59:31.23 ID:btZ0r2a00

織莉子「ごめんなさい、挑発するつもりはないのだけれど。ただ……なら、あなたの絶望とは、どこから来るのかしら?」
キリカ「………」
ほむら「何を言いたいの?」

苛立ちを隠そうともせず、盾の中から拳銃を取り出す。
そしてその銃口を、美国織莉子のソウルジェムに向ける。

キリカ「あんたは黙って人の話を聞くということが出来ないのか?暁美ほむら」

傍らに立っていた呉キリカが、美国織莉子を庇うようにわたしと美国織莉子の間に割って入ってくる。

ほむら「魔法少女を絶望させるのがあなたたちの目的?違うでしょう?」
織莉子「やはり、わたしたちの事はご存じなのね。それなら話は早い」

間に割って入った呉キリカをその手で制し、再びわたしの前に出て来る。



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/02(水) 22:00:27.58 ID:btZ0r2a00

ほむら「……死ぬのが怖くないのかしら?」

今、わたしがこの引き金を引けば。美国織莉子の命を奪うことが出来る。

織莉子「怖いに決まっているわ。だから、今日のところは撤退させてもらいましょう」
キリカ「………」

二人はわたしに背を見せ、病室の出入り口へと向かう。

織莉子「あなたの絶望が意味する事……よく考えておきなさい。その答えが出た時、それはあなたの命の終わりをも意味することとなる」
ほむら「………っ」
織莉子「行きましょう、キリカ」
キリカ「ああ、織莉子」

意味深な忠告を最後に残し。
二人はわたしの病室を後にした。



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/02(水) 22:01:36.38 ID:btZ0r2a00

ほむら(わたしの絶望が意味する事?)

再び病室に一人となったわたしは、美国織莉子が残した言葉の意味を考えていた。
わたしが絶望するとしたら……それはきっと、いえ、間違いなくまどかに関わることだ。

ほむら(……巴マミ……佐倉杏子……美樹さやか……)

美国織莉子と呉キリカは、この三人の事も言っていた。
三人とも、あの二人は直接知っているわけではないだろう。
織莉子の、未来予知の魔法で知ったに違いない。

ほむら(でも、それなら彼女達はまどかを狙うはず……わざわざ敵対すると知っているわたしに会いに来るとは思えない)

まどかが魔女化し、見滝原を……そして行く行くは世界を滅ぼす未来を見通しているはずだ。
彼女達は一体何を考えている?

ほむら(……どうやら、この時間軸も相当なイレギュラーとなりそうね)

でも、それならそれで構わない。
予測しえない事態が起こると言うことは、それだけわたしが出来る事があると言うことだ。
そして、まどかを守りきる可能性も……未知数、ということだ。

ほむら「やってやろうじゃないの……!」

彼女達……美国織莉子と呉キリカの事は気にかかるが。
わたしはわたしの目的を達成させる為、頑張ろう。



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/03(木) 21:38:10.78 ID:7AzwJe110

それから数日の間は、特にイレギュラーな事態も起こらなかった。
端的に言ってしまえば、平和なのだ。
まどかがキュゥべえと接触してしまったことに関しては、もう仕方ないと思えば割り切れる。
契約さえさせなければいいのだ。
巴マミとは、それほど険悪な仲になることはなかった。

マミ「あら、あなたがキュゥべえの言っていた、イレギュラーの魔法少女ね?わたしは巴マミ。この見滝原を守る魔法少女よ」
ほむら「……わたしの事を、キュゥべえから聞いたのね」
QB「悪いけれど、僕が知る限りのことを話させてもらった」

いつもなら、キュゥべえからわたしの話を聞いたマミはわたしの事を警戒するはず。
なのに今回は、そういうことは起こらなかった。
ある意味、イレギュラーと言えばイレギュラーな事態なのかもしれない。



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/03(木) 21:39:53.26 ID:7AzwJe110

そして来たる、巴マミの天敵……お菓子の魔女が現れる日。

マミ「暁美さん……わかる?ここの魔女……強力な魔女よ」
ほむら「ええ、わかっている」

何度も繰り返したことだ。
マミが一人でここの魔女に挑み、そして頭を食いちぎられて絶命することなど。
でも、わたしが一緒にいれば……そういうことは起こらない。
いえ、わたしが起こさせない。

まどか「だ、大丈夫だよね?マミさんとほむらちゃんの二人なら……」
マミ「心配いらないわ、鹿目さん。ちゃんと、美樹さんを迎えに行ってあげないとね」
ほむら「ところで巴さん……その袋は何かしら?」
マミ「え?あ、あぁ……夕飯の買い物の帰りに魔女の気配がしたものだから……」
ほむら「……まぁ、なんでもいいのだけれど」

マミが持つ袋が発するガサガサと言う音を聞きながら、魔女結界の中枢に辿りつく。



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/03(木) 21:41:33.52 ID:7AzwJe110

さやか「あ、マミさん、まどか、転校生!早く早く!」
ほむら「!? 美樹さん、あなた……」

結界の中枢。そこには孵化しかかったグリーフシードと……魔法少女姿の美樹さやかがいた。

さやか「え、あ、えへへ……あたしも、微力ながら協力しようと思って」
ほむら「っ……」

まさかさやかが、こんなところで契約をするなんて……。
これも、イレギュラーな時間たる所以なのか。

QB「さやかのことはとりあえず後だ!もうすぐ魔女が孵化する!」

まどかはさやかとキュゥべえが隠れている場所へ走って行く。
それと交代するようにして、さやかはわたしたちのいるところへ。
わたしたちは三人並んで、孵化しかけのグリーフシードに相対する。



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/03(木) 21:42:53.76 ID:7AzwJe110

QB「出て来るよ!」
まどか「き、気をつけて、みんな!」

グリーフシードを中心にして、黒い渦が巻き起こる。
そして出て来たのは、小柄な魔女。

シャルロッテ「………」

お菓子の魔女……今は小さな体をしているが。

さやか「あ、あれ?前に見た魔女と違って、ちっこいね」
ほむら「マミ、さやか……大技は控えて。倒しきれなかった場合、大変なことになってしまう」
マミ「え?」
さやか「……なんか、まるであの魔女の事をよく知っているような口ぶりだね?」
ほむら「………」



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/03(木) 21:44:06.22 ID:7AzwJe110

マミ「まぁいいわ。それじゃ、まずはこれで!」

わたしの忠告を素直に聞いてくれたマミが、マスケット銃を魔女の小さな体目掛けて撃ち放つ。
高いところに座していた魔女の体に命中。
その口から、あの大きな体が這い出てくる。
そいつは猛スピードでわたしたちの方へ向かって来る。

ほむら「っ!」
さやか「おっと!」
マミ「っと……あ!?」

わたしたちは散り散りに後退する。
その際、マミがその手に持っていた袋を落とした。

シャルロッテ「……!?」

続けて襲って来ると思っていた魔女が、その落下した袋を凝視していた。



22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/03(木) 21:45:58.12 ID:7AzwJe110

マミ「……!?」
さやか「気を取られてる……のかな」
ほむら「まさか……巴さん、あの袋の中にチーズは?」
マミ「え、えぇ……買っていたけれど……」

お菓子の魔女はわたしたちの事などお構いなしと言った様子で、その袋目掛けて一目散に飛んでいく。
そしてその袋を、まるごとその口に含んだ。

シャルロッテ「……♪」

マミ「……え、ええと」
さやか「ご機嫌……だね」
ほむら「巴さん!いいわ、そのまま攻撃を!」

奴があれに夢中になっている隙に、倒してしまおう。
わたしの言葉を聞いたマミが、大砲を召喚する。

マミ「っ……ティロ・フィナーレ!!」

大砲から放たれた攻撃は、袋に食らいついていた魔女の体を横から盛大に吹っ飛ばした。



23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/03(木) 21:47:15.45 ID:7AzwJe110

シャルロッテ「グギャアアアアアアアア………」
マミ「暁美さん!トドメよ!」
ほむら「っ……!!」

マミのその言葉に扇動され、盾の中から無数の手榴弾を取りだす。
時を止め、態勢を大きく崩している魔女の周辺に無数に散りばめた。

シャルロッテ「グ……ガ……ゴアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア………―――」

わたしのその攻撃がトドメとなったのか。
空中に広がっていた爆煙の中から魔女の大きな体が出てきて、そのまま地に落ちる。
その体の崩壊と共に、結界も崩れて行った。

マミ「ふぅっ!みんな、怪我は無い?」
まどか「三人とも、すごい!!」
さやか「あ、あははは!あたしなんもしてないけどね!」
ほむら「………」



24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/03(木) 21:48:48.74 ID:7AzwJe110

ほむら「美樹さん、あなたが何の祈りで契約をしたのか……聞かせてもらっても、いいかしら?」
さやか「え?あ、えーとね……」

魔女を倒した帰り道。
わたしは、美樹さやかの契約時の祈りがなんであるのかを問いただしていた。

さやか「……あたしの、幼馴染を、さ。助けたかったんだよね」
ほむら「………」

やはり、そうなのか。
でも、そうなってしまったら。
さやかは……絶望してしまう。

さやか「いや……もう、ただの幼馴染じゃ、ないけどね」
ほむら「………え?」
まどか「か、上条くんのこと……だよね?」
さやか「うん、そうだよ」

ただの幼馴染じゃ、ない?



25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/03(木) 21:49:54.28 ID:7AzwJe110

さやか「実は、さ……契約する直前に、恭介……その幼馴染に、告白、したんだ」
ほむら「……っ!?」
さやか「それで、受け入れてもらって……今は、晴れて恋人同士となりまして」
まどか「ほ、本当!?」
マミ「前に言っていた、彼の事ね。おめでとう、美樹さん」
さやか「あはは、ありがとうございます!まぁ、そんなわけで!これからはあたしも、この街を守る為に戦っちゃいますから!」

どういうこと、だ?
彼女が、彼との関係に置いて自発的にそういう行動に出たことなど……今までの時間軸では、一度もなかった。
わたしやまどかが背中を押すことによってなら、いくつかあったことはあるが。

まどか「でも、さやかちゃんも契約したんなら、やっぱりわたしも……」
ほむら「ダメよ、まどか」
マミ「そうよ、鹿目さん」
ほむら「っ?」



26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/03(木) 21:50:56.62 ID:7AzwJe110

マミ「魔法少女には……ならなくて済むのなら、それに越したことはないの」
まどか「………」
マミ「生きる為には仕方なかったわたしや、どうしても助けたい人がいた美樹さんならともかく……あなたには、そこまでして叶えたい願いはないのでしょう?」
まどか「は、はい……それはそうなんですけど……」
さやか「あたしたちに引け目を感じることはないって、まどか!大丈夫!あたしにマミさん、それに転校生もいるんだし!滅多な事にはならないから。ね?」
まどか「……」

意外だ。
さやかはともかくとして、マミが……まどかの契約に、反対するなんて。
いや、彼女が仲間を欲しがっていたのは知っている。
今は、わたしとさやかがそれに該当しているのだから、別段不思議なことではないのかもしれないが……。

ほむら(………)

うまく行っている。そのハズなのに。
この不安感は、なんだ?

マミ「……………」



30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/04(金) 21:51:49.96 ID:z0yAs1zi0

~巴マミ~

病院近くに現れた魔女を倒したわたしは、家に帰ってきて紅茶を飲んでいた。
美樹さんと鹿目さんは、暁美さんと話があるようで暁美さんの家へと向かったらしい。

マミ(………一週間前に、出会った子の言っていた通り、だったわね)

呉キリカ。突然わたしの前に現れ、意味深な忠告をいくつか残して消えた魔法少女だ。

マミ(警戒はしておいた方がいいでしょうけど……彼女の言うこと、少しは信用してもよさそうね)

少なくとも。今日までに起こったいくつかの出来事は、彼女の言うとおりだった。



33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/05(土) 20:28:53.33 ID:nV0CCc1P0

―――――
―――


一週間前―――

マミ(さて、と……)

いつも通り魔女を仕留めたわたしは、家路に着く。
その途中。

??「やあ、恩人」
マミ「?」

誰かに後ろから話しかけられた。そちらを振り向く。

キリカ「初めまして、になるね」
マミ「え、ええと……どなた、かしら?」

そこには、茶色がかった黒髪の少女が立っていた。

キリカ「わたしは呉キリカ。キミに助けてもらったことのある、どこにでもいる普通の少女だよ」
マミ「……?」

何を言っているんだ、この少女は。



34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/05(土) 20:29:44.54 ID:nV0CCc1P0

キリカ「って、あー、そうか。いや、すまない。失念していたよ。織莉子から言われていたんだった」
マミ「え、あの……」
キリカ「それっ!」

勝手に一人で納得していた少女は、手に持っていたストラップを明後日の方へ放り投げる。

マミ「何、を……?」
キリカ「あー、困った。あれはわたしの大切な愛なんだ。どうしよう、このままではなくしてしまうー」

まるで用意されたかのような言葉を口にしながら、チラチラとわたしの方に視線を送っている。

キリカ「どうしよー、誰かが拾ってくれたらいいんだけど、困った、困ったぞー」
マミ「ちょ、ちょっと……」
キリカ「あー困ったー」

………埒があかない。
どうやらこの少女……呉さんは、わたしにさっき自分自身が放り投げたストラップを拾って欲しいらしい。



35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/05(土) 20:30:32.62 ID:nV0CCc1P0

何がなんだかわからないが、とにかくそうしなければ話は進まないだろう。
少しだけ離れた場所に寂しく落ちているストラップを拾い上げ、それを呉さんに渡す。

マミ「これ……あなたのよね?」
キリカ「ああ、そうだ!ありがとう!よくぞわたしの愛を守ってくれた!キミはわたしの恩人だ!」
マミ「………」

何の茶番だろうか、これは。

マミ「それで……あなた、何者かしら?わたしに用があるの?」
キリカ「そうだな。まずは、自己紹介からしようか」
マミ「名前ならさっき……」
キリカ「いや、そうじゃない。わたしの素姓。明らかにしておいたほうがいいだろう?」

そう言うと呉さんは、懐からあるものを取りだして、わたしに見せつけて来る。

キリカ「改めて。初めまして、恩人。わたしの名前は呉キリカ。………こういう者だ」
マミ「…!」

それは、ソウルジェムだった。



36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/05(土) 20:31:36.69 ID:nV0CCc1P0

キリカ「おっと、警戒しなくてもいいよ。わたしは確かにこういう者だが、キミと敵対するつもりは無い」
マミ「………あなたのことは、よくわかったわ。それで?」
キリカ「やれやれ。織莉子から聞いてはいたけれど、なぜそんなに警戒するんだい?」
マミ「顔馴染みならともかく。初対面の魔法少女同士、警戒しない方がおかしくないかしら?」

長い間見滝原を守って生きていたが。
初対面で友好的な態度を取って来た魔法少女なんて、数える程しかいない。
佐倉さんだって……今はもう、わたしとは相容れない。

キリカ「ま、警戒するならそれでも構わないよ。ただ、いくつか伝えたいことがある。その為に、わたしはキミに会いに来たんだ」



37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/05(土) 20:32:47.97 ID:nV0CCc1P0

マミ「……何、かしら?」
キリカ「今日より数日後……正確な日にちはわからないが、病院の近くに魔女が現れる。その魔女との戦いの際、チーズを持っていくといい」
マミ「ち、チーズっ?」
キリカ「それともうひとつ。近々この街に、新しい魔法少女が姿を現すだろう。その少女とは、友好的に接してやってくれ」

……随分と、具体的な事を言う。
何が目的だ?

キリカ「最後に、これだけ。キュゥべえの事は、信用し過ぎないことだ」
マミ「呉さん、あなたは……」
キリカ「悪いね。織莉子から、わたし自身の事は話すなと言われているんだ。だから、今日ここでわたしと会ったことも他言無用で頼むよ」
マミ「………」

何を言ったらいいのか戸惑っているわたしを置いて。
呉さんは、この場を去って行った。



38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/05(土) 20:34:18.00 ID:nV0CCc1P0


―――
―――――

マミ(……)

新しい魔法少女。
タイミング的に考えるのなら、暁美さんがそれに当たるのだろう。
半信半疑だったわたしは、とりあえずは友好的に接することにした。
それが正しかったのか、暁美さんもわたしと積極的に協力してくれている。
暁美さんだけではない。美樹さんもだ。

マミ(………これが、わたしの望んでいたこと、なのかも)

一緒に戦ってくれる、仲間。
暁美さんと美樹さん。
二人とも、とってもいい子だ。
彼女達とは……佐倉さんとのような事にはなりたくない。

マミ(呉さん……)

彼女が何を知っているのかは気にはなったが。
実害が出ていないどころか、わたしに有益な情報を与えてくれた。
出来れば彼女とも……共闘したい。



39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/05(土) 20:35:47.01 ID:nV0CCc1P0

QB「やあ、マミ」
マミ「キュゥべえ?」

キュゥべえを見て、ふと呉さんの言っていた事を思い出す。

キリカ『最後に、これだけ。キュゥべえの事は、信用し過ぎないことだ』

マミ「……」
QB「どうかしたかい、マミ?」
マミ「いえ、なんでもないわ」

わたしは、キュゥべえの事を信用し過ぎているのだろうか?



40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/05(土) 20:37:40.77 ID:nV0CCc1P0

QB「それにしても、まさかマミがまどかの契約に反対するなんて。どんな心境の変化があったんだい?」
マミ「勘違いしているところがようだから言っておくけどね、キュゥべえ。
   わたしは何も、無差別に魔法少女が生まれて欲しいと思っているわけではないのよ?」
QB「……」
マミ「それは確かに、一緒に戦ってくれる仲間が増えてくれるのはわたしとしては嬉しいことではあるけれど。
   今は、暁美さんと美樹さんがいるじゃない。三人もいれば、美樹さんも言っていたけれど、滅多なことは起こらないと思うわよ?」
QB「……そうかい。僕としては、魔法少女が増えるのは嬉しいことだけれど。今後も、まどかを魔法少女に勧誘し続けるよ、僕は」
マミ「止めはしないけれど……」

何故だろう。
今、わたしは、キュゥべえの言っていることよりも呉さんの言っていることの方が信用出来ているようだ。



41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/05(土) 20:38:35.59 ID:nV0CCc1P0

QB「それと、マミ。前にも言ったけれど、さやかはともかくほむらの事は信用しない方がいい」
マミ「あら、どうして?彼女だって、わたしとの共闘を望んでくれていたじゃない」
QB「何度も言うようだけれど、僕は彼女と契約した記憶がないんだ。素姓が知れない」
マミ「……わたしを疑心暗鬼にしようとしていない、キュゥべえ?」
QB「!」
マミ「あなたのことは信用しているけれど……暁美さんの事も、わたしは信じたいの」
QB「……そうかい。まぁその辺はマミの自由だ。僕がどうこう口出しをすることではなかったね」
マミ「……」
QB「僕はもう行くよ、マミ」

それだけ言い残すと、キュゥべえは外へ出て行った。

マミ(………)

呉さんの言っていたこと……もう少し、考える必要がありそうだ。



43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/05(土) 22:06:23.33 ID:YnynJ42Ao

ほむループする前からキリカ動いてたのか



70:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/07(月) 21:43:19.95 ID:ptPpLKyL0

>>43
キリカが行動を開始したのは、ほむらのお見舞いに姿を現したその日の夕方です



44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/06(日) 21:41:46.32 ID:T3VV8s/H0

~暁美ほむら~

マミと分かれたわたしは、まどかとさやかを連れて家へと帰って来ていた。

ほむら「それで、美樹さん。あなたが契約した経緯……もう少し、詳しく教えてくれないかしら?」
さやか「え、うーん……詳しくって言われても。さっき話したことで全部だよ」
ほむら「………」

そんなはずは無い。

ほむら「誰かに後押しされたとか、そういう話は?」
さやか「……な、無いよ?」

眼を逸らした。……何かを、隠している?



45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/06(日) 21:42:29.86 ID:T3VV8s/H0

ほむら「………そう。それじゃ、これについては深く聞かないことにしておくわ」
さやか「……」
ほむら「それじゃ、別の質問。あなたは、魔法少女となって、後悔はしていない?」
さやか「もちろん!あたしも、転校生やマミさんと一緒に戦うから!」

………どうすべきか。ここで、魔法少女の真実を教えてあげるべきだろうか?
いや、それはまだ早いかもしれない。
美樹さやかがその真実を知った時……上条恭介に愛される資格は無いと自身を追い詰めてしまう。
いつかの世界では、佐倉杏子がそんなさやかを立ち直らせてくれたこともあったが……。
今はまだ、やめておこう。
ワルプルギスの夜を、無事乗り越えることが出来たなら……その時、話すことにしよう。



46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/06(日) 21:43:12.30 ID:T3VV8s/H0

ほむら「今、さやかは幸せなのね」
さやか「! 今、あたしの事……」
ほむら「こうして共に戦うことになったんだもの。わたしなりに、距離を縮めようと思って。……嫌、かしら?」
さやか「……そっか。ううん、嫌じゃないよ。それじゃ、あたしもこれからはほむら、って呼ばせてもらうね」
ほむら「ええ。改めて、よろしくね、さやか」
さやか「こっちこそ!」

少しだけ照れがあったが、さやかと握手を交わす。
こうして、さやかと友好的な関係を築けたのは、いつ以来だったか。
魔法少女となってしまったのは残念だが……さやかの事も、出来るなら守り切りたい。

さやか「さってと、そんじゃ帰ろっか、まどか!」
まどか「う、うん」
ほむら「二人とも、気をつけて帰りなさい」
さやか「はいはい!また明日ね、ほむら!」

まどかとさやかは、玄関へと向かう。



47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/06(日) 21:44:33.74 ID:T3VV8s/H0

ほむら「………さやか」

まどかに気付かれないよう、さやかに耳打ちする。

さやか「なに?」
ほむら「まどかの事……よろしくね。契約は、させないで。あなたが、まどかと距離が一番近い」
さやか「……ほむらは、まどかに契約して欲しくないんだ?」
ほむら「………それ、は……」
さやか「……答えられない、んだね。ん、わかった、あたしも今は聞かないよ。でも……いつかは、あたしにも聞かせてね。まどかを契約させたくない理由」
ほむら「……ええ、わかっているわ」
さやか「ん!それならよし!」

わたしに向けて笑みを浮かべ、さやかも玄関へ向かう。
やっぱり、さやかは鋭い。
わたしの目的を……微かにだが、見抜いている。

ほむら(一体、何が起こっているの?)

この時間軸は、あまりにもうまく回りすぎている。
それに……病院に訪れた、織莉子とキリカのことも気にかかる。
だからだろうか。言いようもない不安が、拭いきれない。



48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/06(日) 21:45:45.83 ID:T3VV8s/H0

~美樹さやか~

さやか「そんじゃね、まどか!」
まどか「うん、さやかちゃん。……魔女との戦いは、危険が多いけど……気をつけてね?」
さやか「あっはは、わかってるって!まどかは契約しちゃダメだぞ?」
まどか「うん……」

分かれ道まで来て、まどかとそんな言葉を交わす。
元気、ない。まぁ、無理もないのかもしれないけどさ。

さやか「あんまり深く思い詰めないほうがいいって!あたしのことなら大丈夫!マミさんとほむらがいるからさ!」
まどか「そう、だね」



49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/06(日) 21:47:23.71 ID:T3VV8s/H0

さやか「もう、まどかが元気なくっちゃあたしまで元気なくすぞ~!」
まどか「そ、そんなにわたし、元気ないかな?」
さやか「元気出して!もし、何か叶えたいことが出来たなら……キュゥべえと契約する前に、あたしたちに相談してよ。
     なんか力になれることがあったら、あたしもほむらもマミさんも力になるから。ね?」
まどか「うん、ありがとうさやかちゃん」

よかった、少しは元気出たみたい。
まどかを見送った後、あたしも自分の家へと向かう。

さやか(あたし……後悔はしてない。織莉子さん……ありがとね)

今日出会った人、美国織莉子さんのことを思い出していた。



50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/06(日) 21:48:21.21 ID:T3VV8s/H0

―――――
―――


数時間前―――

今日も、CDを持って病院を訪れる。
まどかは、あたしに気を遣ってか、病院の前で待っている。

さやか「恭介の病室は~……っと……?」

恭介の病室の前。
そこに、見慣れない人が佇んでいた。

さやか「あ、あの……?」
織莉子「待っていたわ……美樹さやかさん」
さやか「っ? あたしの名前……」

誰、だろう?あたしの事を知ってるみたいだけど……あたしの方は、多分知らない人だ。

織莉子「自己紹介が遅れたわね。わたしの名前は美国織莉子」
さやか「……『美国』……?」

聞き覚えがあった。確か、その名前は……。



51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/06(日) 21:49:17.16 ID:T3VV8s/H0

織莉子「ごめんなさい。わたしの名前についてはどうでもいい。わたしは、あなたにお伝えしたいことがあって来たの」
さやか「あたしに……?」

なんだろう……不思議な雰囲気の人だ。

織莉子「わたしの事は……これを見せれば、わかるかしら?」

そう言いながら、懐からある物を取り出し、あたしに見せて来る。
その手の上にあるものは……マミさんや転校生が持っていた物の色違い。

さやか「ソウル……ジェム……?」
織莉子「よかった、説明の手間が省けたわね。それなら、これからわたしが言うことにも頷くことが出来るでしょう?」
さやか「魔法少女が、あたしに……何の、用なの……?」

少しだけ警戒心を抱きながら、その人……織莉子さんに問いかける。



52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/06(日) 21:49:57.91 ID:T3VV8s/H0

織莉子「細かい事は省略しましょう。単刀直入に言わせてもらうのなら……あなた、上条恭介さんに自身の気持ちを打ち明けなさい」
さやか「は、はぁっ!?」

初対面で、しかも魔法少女で、更にはあたしに告白しろ……って、一体どういうことさ!?

織莉子「大丈夫。あなたならきっとうまく行くわ」
さやか「い、いやいや、そういう問題じゃなくって……」
織莉子「それと、もうひとつ」
さやか「な、何……?」
織莉子「彼の事を……本当に救いたい、と思う?」
さやか「………」

なんでだろう。
これだけめちゃくちゃなことを言われてるのに……不思議と、嫌な感じはしない。
それどころか、本当にあたしのことを思って言ってくれてるような気さえしてくる。



53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/06(日) 21:50:47.78 ID:T3VV8s/H0

さやか「恭介の事は、救いたいけど……それが、何?」
織莉子「それならば。彼に自身の想いを受け入れてもらえた後、キュゥべえと契約すべきよ。美樹さやかさん」
さやか「っ……えっと、美国、さん?」
織莉子「わたしの事は下の名前で呼んでください」
さやか「お、織莉子さん……?」
織莉子「なんでしょうか?」
さやか「えっと……聞きたいことは色々とあるんだけど……受け入れてもらえるなんて保障、どこにもないよね?」

あたし……意気地なしだ。
こうして、初めて会った人に背中を押されても、踏ん切りがつかないなんて。

織莉子「………確かに、保障はないわね」
さやか「っ……」
織莉子「でも、あなたは彼の事が好きなのでしょう?」
さやか「だ、第一なんであたしのことを……前に、どこかで会ったっけ?」
織莉子「……あなたとわたしは、今日が初対面」
さやか「そ、そうだよねっ?」

よかった。
これで以前にも会ったことがあるなんて言われてたら、失礼に当たっていた。



54:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/06(日) 21:52:19.56 ID:T3VV8s/H0

織莉子「もっとも、わたしはさやかさんの事をよく知っている」
さやか「……え?」
織莉子「あなたは、心に深い傷を負っていたわたしに手を差し伸べて、立ち上がらせてくれた……なんて、信じてくれるかしら?」
さやか「………」

織莉子さんの眼には。
悲しみの色が灯っていた……ような気がする。

織莉子「これは、あなた自身の問題。だから、無理強いするつもりはないけれど……きっと、あなたの気持ちを打ち明けないで彼の為に願ったら、あなたは後悔する。
     そして……取り返しのつかないことにも、なる」
さやか「後悔……取り返しのつかないこと……」
織莉子「そうなりたくないのなら。……よく考えて、行動すること」
さやか「えっと……」
織莉子「ああ、あともうひとつ。わたしの事は、他言無用でお願いね。それでは、わたしは失礼します」

織莉子さんの言葉の意味を考えているところで、織莉子さんはあたしの横を通り過ぎて行った。

さやか(……とにかく、恭介に会おう。それで、どうするかを決めよう)

そう決め込んだあたしは、病室のドアを開ける。



55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/06(日) 21:53:22.79 ID:T3VV8s/H0

恭介「ああ、さやか。いらっしゃい」
さやか「うん……」
恭介「……?」

ベッドの傍らに置いてある椅子に腰かける。

恭介「さやか?どうかしたのかい?」
さやか「! え、何、なんで?」
恭介「いや、なんだか元気が無いようだったから」
さやか「………」

どうしよう。
魔法少女の事なんて……言うわけにはいかないし。

さやか「ううん、なんでもないよ」
恭介「そう?ならいいんだけど」

恭介に、あたしの想いを……か。



56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/06(日) 21:53:54.96 ID:T3VV8s/H0

さやか「ねぇ、恭介」
恭介「うん?なんだい?」
さやか「恭介は、さ……あたしの事、どう……思ってる?」
恭介「え?どうって……」
さやか「えっと、ね……好きか、嫌いかって感じで」

怖い。
答えを聞くのが怖い。

恭介「好きか嫌いかって……はは、急に何を言い出すのさ、さやか?」
さやか「な、なにかおかしかったかな?」
恭介「そんなの、答えるまでもないじゃないか」
さやか「えっ?」

ど、どういうこと……?



57:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/06(日) 21:54:42.90 ID:T3VV8s/H0

恭介「好きだよ、さやかの事は」
さやか「っ!」
恭介「こうして毎日お見舞いに来てくれて、嫌う理由なんかないじゃないか」

え、嘘。
それじゃ……あたしたち、両思い……って、こと?

恭介「それで、それがどうかしたのかい?」
さやか「……………き」
恭介「え?ごめん、よく聞き取れないよ、さやか」

言え、あたし。
言ってしまえ。
あたしも、恭介の事が。

さやか「好き……」
恭介「……?」
さやか「あ、あたしも恭介の事、好きだよ」



58:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/06(日) 21:55:26.12 ID:T3VV8s/H0

恭介「え、うん……」
さやか「……あ、あれ?」

なんだろう。
なんだか、恭介の反応がおかしい?

恭介「ホントにどうしたのさ、さやか?」
さやか「え、いや、だから、あたしも恭介の事が好きって……」
恭介「いや、うん。わかってるよ」
さやか「…………もしかして恭介。なんか、思い違いしてない?」
恭介「思い違い?」
さやか「あたしが恭介を好きっていうのは、その……男の人として、ってこと、だよ?」
恭介「えっ!?」

あたしがそう言うと、恭介は急に大きな声をあげた。



59:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/06(日) 21:56:13.62 ID:T3VV8s/H0

さやか「恭介も、あたしのことは女の子として好き、っていう意味で言ったんじゃないの?」
恭介「ちょっ、ちょっと待って!え?そういう話だったの!?」
さやか「ほ、他にどういう意味があるのさっ!?」

ああ、もう、恥ずかしい!

恭介「あ、あー……ゴメン、ちょっと急だったもんだから」
さやか「……」
恭介「そっか、さやか、僕のことを……」
さやか「っ……」

振り出しだ。
恭介……あたしは、想いをしっかり伝えた。
後は、答えを待つだけだ。

恭介「ありがとう、さやか」
さやか「……」
恭介「正直なところ……さやかの事をそういう風に考えたことがなかった」
さやか「……っ」

玉砕……か。
まぁ、そうだろうとは思ってたけどさ。



60:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/06(日) 21:57:06.20 ID:T3VV8s/H0

恭介「でも、僕の側にはいつもさやかがいたよね」
さやか「……え?」
恭介「それが僕の中では普通になってたから……なんだろう、さやかが側にいない僕ってのが、想像つかない」
さやか「きょ、恭介……?」
恭介「……こう言うと、自惚れになっちゃうかもしれないけど。さやかは、僕と、その……付き合いたい、って、こと、かな?」
さやか「えぅ……そ、それは……」


静かに頷く。
顔に熱が集中しているのがわかる。
多分、今のあたしの顔、真っ赤なんだろうな。

恭介「それなら……僕も、さやかの気持ちに答えたい」
さやか「えっ?」
恭介「……~~~……だ、だから……ぼ、僕と、その……付き合って、ください……って、こと」
さやか「っ!!」

衝撃。
正に、そのひと言に尽きる、と言った感じだ。



61:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/06(日) 21:57:53.11 ID:T3VV8s/H0

恭介「もう……あんまりそういうことを直球で言わせないで欲しいな……」
さやか「え、うそ、でも、だって、恭介、あたしのこと、そういう風に考えたことがない……って……」
恭介「そういう風に考えたことがなかったら、付き合うのはダメかい?」
さやか「そ、そんなことないっ!」
恭介「よかった。なら、今から僕とさやかは、恋人、だね」

信じられない。
あたしが、恭介と?

さやか「ほ、ホントに?」
恭介「本当だよ」
さやか「ホントにホント?」
恭介「本当に本当」
さやか「後からやっぱり嘘だったって言っても信じないよ!?」
恭介「疑り深いな、さやか。何か証がないと、信じられないかい?」

本当、なんだ。
あたし……恭介と、付き合うことになったんだ。



62:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/06(日) 21:58:38.66 ID:T3VV8s/H0

さやか「恭介っ……」
恭介「だから、僕の側からいなくならないでよ、さやか。僕には、君がいてくれなきゃダメみたいだから」
さやか「うんっ……うんっ!」

気持ちを抑えきれず、恭介に抱きつく。
恭介は、そんなあたしを優しく抱きしめ返してくれた。
ああ、よかった。
あたし、今、すごい幸せだよ。


さやか「………」
恭介「な、なんか照れ臭いね。こうして、改めて落ち着くと」
さやか「そ、そうだね」

確かに照れ臭いけど、嫌ではない。



63:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/06(日) 21:59:16.93 ID:T3VV8s/H0

さやか「ねぇ、恭介」
恭介「ん、なんだいさやか?」
さやか「恭介はさ、またヴァイオリンを弾きたいって思う?」
恭介「っ……そりゃ、ね」
さやか「そっか。それだけ聞ければ、十分だよ」

うん、踏ん切りついた。
恭介の為なら……あたし、もう後悔はしないよ。

さやか「………恭介の腕は、きっと治るよ」
恭介「だといいけれど。……どうなるかな」
さやか「それじゃ、あたしは帰るね。また、明日、来るから」
恭介「うん、待ってるよ……さやか」



64:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/06(日) 22:00:15.69 ID:T3VV8s/H0

―――――
―――


あの後、病院の外に出てから孵化しかけのグリーフシードを見つけた。
まどかはマミさんとほむらを呼ぶ為にその場を離れて。
あたしはグリーフシードを監視する為そこに残って。
そこで……契約、したんだ。

さやか「………」

指輪になっているソウルジェムを見る。

さやか(うん。悪くない、かな)

恭介の腕は、もう治ってるだろう。
あたしはもう満足だ。
何があっても……後悔はしない。胸を張って、そう言い切れる。

さやか「おーしっ!頑張っちゃうぞー!」

握りこぶしを空高く掲げて、そんな宣言をする。



71:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/07(月) 21:44:48.75 ID:ptPpLKyL0

~~~

~巴マミ~

呉さんの事を考えながら過ごしていると、家のインターホンが鳴らされた。

マミ(誰かしら、こんな夜に?)

疑問に思いながら、玄関のドアを開ける。

マミ「はい……っ?あ、あなたは……」

そこには。

杏子「よ、よう、マミ」
マミ「さ、佐倉さん……!?」
??「初めましてー!」
マミ「え、あ、初めまして……?」

佐倉さんと……もう一人、初めて会う少女がいた。



72:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/07(月) 21:45:42.17 ID:ptPpLKyL0

杏子「久しぶり、だな」
マミ「え、えぇ、そうね……」
杏子「相変わらず、正義の魔法少女やってんのか?」
マミ「っ……そうよ。あなたにはもう理解出来ないでしょうけれど」
杏子「はん、そりゃ……」
??「こらっ、キョーコ!」
マミ「っ?」

佐倉さんと喧嘩腰で話していると。
一緒にいた少女が、佐倉さんを叱り始めた。

??「この人と仲直りするってゆまと約束したでしょ!そんなこと言っちゃダメ!」
杏子「わ、わかったわかったって、ゆま」
ゆま「うん!それならいーの!」

ゆまと呼ばれた少女は佐倉さんとの話が終わると、わたしの方に向き直った。

ゆま「あのね、キョーコの話をね、ちゃんと聞いてほしいの」
マミ「え、えぇ……その前に、あなたの名前を教えてもらってもいいかしら?」
ゆま「うん、いーよ!ゆまはね、千歳ゆまって言うの!」
マミ「ゆまちゃん、ね。玄関で立ち話もなんだし、上がって?佐倉さんも」
杏子「お、おう」

二人を居間まで誘導する。



73:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/07(月) 21:46:50.25 ID:ptPpLKyL0

三人分の紅茶を用意して、わたしもソファに座る。

マミ「それで?話があるから来たのでしょう?」
杏子「あ、ああ。とりあえずこいつを紹介するよ。こいつは千歳ゆま。最近契約して、あたしと行動を共にしてる魔法少女だ」
ゆま「よろしく、お姉ちゃん!」
マミ「ええ、よろしく。わたしは巴マミよ」

こんな小さな子供まで、魔法少女に……。

マミ(キュゥべえ……)

ますます、キュゥべえに対する疑問が膨れ上がっていく。

杏子「それで、な……」
マミ「………」
杏子「……あーもう、改めてこういう話すんのって気恥ずかしいな」
ゆま「キョーコ?」
杏子「わかってる、わかってるっての!」

佐倉さんはゆまちゃんと二、三、言葉を交わすと、わたしの方へ向き直る。



74:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/07(月) 21:48:02.76 ID:ptPpLKyL0

杏子「単刀直入に言わせてもらうぞ」
マミ「えぇ、その方が早くて助かるわ」
杏子「悪かった!」

わたしに向けて、頭を下げる。

マミ「……え?」
杏子「あたしもさ、あれから色々考えて……反省した。っつーのも、まぁ、ゆまに諭されちまってな」
ゆま「えへへ」
マミ「ゆまちゃん、が……?」
杏子「ゆまの奴、両親を魔女の使い魔に殺されてな……同情っつーわけじゃ、ねえけど。今は、あたしが面倒を見てるんだ」
マミ「そう、だったの……」
ゆま「あのね、前にね、白いお姉ちゃんに言われたの!」
マミ「白いお姉ちゃん?」
杏子「ああ。そいつの名は知らないらしいんだけど……」
ゆま「これから一ヶ月以内に、この街に『わるぷるぎすのよる』?っていう、すっごく強い魔女が現れるんだって!」
マミ「!!」

ワルプルギスの夜?
歴史で語り継がれている、超弩級の大型魔女。
それが……見滝原に?



75:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/07(月) 21:48:50.74 ID:ptPpLKyL0

杏子「あたしは別にどうでもいいんだけど……」
ゆま「もう、キョーコ!ゆまと話し合って、決めたでしょ!?」
マミ「……」
杏子「………まぁ、なんつーか……マミ一人じゃ、勝ち目なんてねぇだろ?だから、そいつを撃退する為に、力を貸してやろうか、って話だ」
ゆま「それだけじゃないよ!キョーコ、ずっとマミお姉ちゃんの事を気に掛けてたの」
杏子「バッ、ゆま!それは言わなくっていいんだよ!」
マミ「佐倉さんが、わたしを?」

あんな険悪な別れ方をしたのに。



76:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/07(月) 21:49:43.38 ID:ptPpLKyL0

杏子「あー!わかったよ、全部話してやる!」

観念したかのように、佐倉さんは色々な事を話し出す。
見滝原を離れた佐倉さんは、隣町の風見野を拠点にしていたらしい。
ゆまちゃんは、五日前に出会ったとのこと。
その時はまだ魔法少女の契約はしていなかったようだった。両親を殺した使い魔と相対していたところに、佐倉さんが通りがかったらしい。
その使い魔との戦いの最中で、ゆまちゃんは『佐倉さんを助けたい』という祈りで契約した、ということだ。
ゆまちゃんの話の端々に出て来る、『白いお姉ちゃん』。
どうやら、全てはその人の差し金のようだった。

杏子「昔のことを全部水に流して、なんてムシのいい事は言わねぇ。けど、そのワルプルギスの夜をどうにかするまでは……共闘、出来ねぇかな?」
ゆま「素直じゃないなぁ、キョーコは」
杏子「うるせぇ!ゆまは知らないだろうけどな、あたしは一度マミとは決別してんだ!今更ノコノコ姿を現して、こんな恥知らずな申し出なんてそう簡単に出来るわけねぇだろ!」
マミ「………佐倉さんの事は、よくわかったわ」

やっぱり、彼女は彼女で苦労していたんだ。



77:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/07(月) 21:50:30.66 ID:ptPpLKyL0

杏子「で、どうなんだ?イエスか、ノーか」
マミ「その答えを出す前に、わたしの方の話も聞いてくれるかしら?」
杏子「あん?なんだよ」

今度はこちらが話をする番だった。
数日前に現れた新しい魔法少女、暁美さんの事。
今日契約したばかりの新米魔法少女、美樹さんの事。
………呉さんの事は、伏せておくことにした。

杏子「……既に新しいお仲間が二人もいんのか」
マミ「ええ」
杏子「なら、あたしとゆまはいなくても問題ないな」
ゆま「え、キョーコ?」
杏子「風見野に戻るぞ、ゆま」

話はここまでだと言うかのように立ち上がる。



78:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/07(月) 21:51:27.00 ID:ptPpLKyL0

マミ「待って、佐倉さん」
杏子「なんだよ?」
マミ「ワルプルギスの夜の力は未知数……少しでも多くの戦力があったほうがいいと思うの」
杏子「………」
マミ「暁美さんと美樹さんに、会ってみてくれないかしら?それでも佐倉さんが嫌だと言うのなら……その時は、仕方ないわ」

佐倉さんと同じ、他者の為の祈りで契約した美樹さん。
彼女なら、もしかしたら昔の佐倉さんを思い出させてあげられるかもしれない。

杏子「………」
ゆま「キョーコ、マミお姉ちゃんの言うとおりにしよう?ゆま、他の魔法少女にも会いたいな」
杏子「チッ、仕方ねぇな……わかったよ、会うだけ会ってやる」
マミ「ありがとう、佐倉さん、ゆまちゃん」

その言葉を残して、佐倉さんとゆまちゃんは玄関へ向かう。



79:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/07(月) 21:52:38.58 ID:ptPpLKyL0

マミ「明日の放課後、暁美さんと美樹さんを連れて来るから。夕方になったら、またここに来てね?」
杏子「ああ、わかったよ」
ゆま「バイバイ、マミお姉ちゃん!」

佐倉さんは無愛想に、ゆまちゃんは元気に手を振りながら、わたしの家を後にする。
居間へと戻ってきて、飲みかけの紅茶を口に含む。

マミ(わたしに、佐倉さん、暁美さん、美樹さん、それにゆまちゃん……)

魔法少女が、この街に五人。
いや……呉さんも、多分この街にいるのだろう。
それに、呉さんが言っていた『織莉子』という人も……恐らくは、魔法少女。

マミ(一週間前からは、考えられないわね)

これだけの人数が揃ったなら。
歴史に語り継がれる魔女にだって、勝てるかもしれない。

マミ(喜んでいいのかどうか、複雑なところではあるけれどね……)

呉さん、『織莉子』という名の人。
この二人の目的が不明瞭な以上、手放しで喜べる状況ではなさそうだ。



80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/07(月) 21:53:36.49 ID:ptPpLKyL0

以上です
なんでおりマギラストがさやかってことにしたのかと言うと……単に>>1の勘違いです



85:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/08(火) 21:44:17.24 ID:bae6NIT40

~暁美ほむら~

翌日、放課後。
マミが「会って欲しい人がいる」と言うことで、さやか、まどかと共にマミの家にお邪魔していた。

マミ「後は、佐倉さんとゆまちゃんが来るのを待つだけなのだけれど……」
ほむら「! ゆま……?」
マミ「え?ええ、そう、ゆまちゃん。暁美さん、知っている人?」
ほむら「………」

千歳ゆま?いつかの時間軸で、杏子と行動を共にしていた幼子の名だったか。
その子が、この時間軸でも杏子と一緒に行動していると言うのか?

ほむら「いえ、ごめんなさい。聞き間違えただけよ」
マミ「……?」
さやか「まぁ、とにかく。その佐倉さん?って人が、マミさんが会って欲しいって人ですか?」
マミ「ええ。今日の放課後、わたしの家に来てとお願いしたのだけれど……」

佐倉杏子が、何の介入も無しにこの街に来たと言うことか?
いや、それとも、千歳ゆまがそうさせたのだろうか。

ほむら(………)

やはり、うまく行き過ぎている。
言いようもない不安が、更に募る。



86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/08(火) 21:45:05.26 ID:bae6NIT40

マミ「佐倉さん、遅いわね……」
まどか「どこかで魔女と戦ってたりとか、してるんですかね?」
ほむら(……魔女……?)

そういえば。
今日は……ハコの魔女が現れる日ではなかったか?
ソウルジェムを手に取り、魔女の気配を探る。

ほむら(……?)

しかし、反応は無い。
思い違いだったか?いや、何も決まった日に現れるわけでもない。
少しだけ時期がずれ込んでいるだけなのかも……。



87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/08(火) 21:46:32.40 ID:bae6NIT40

思考を巡らしていると、インターホンが鳴らされた。

マミ「いらっしゃい、佐倉さん、ゆまちゃん」
杏子「おう。ここに向かう途中、魔女の気配がしたもんだからさくっと狩って来たぜ!」

居間に、杏子とゆまが姿を現した。

ゆま「うわあ!ねぇねぇ、お姉ちゃんたちみんな魔法少女なの?」
まどか「え、あ、わたしは……」
ほむら「初めまして、ね。マミから話は聞いているわ。佐倉杏子に、千歳ゆまね」
杏子「ん?ああ。そっちの方も紹介してくれよ、マミ」
マミ「ええ。とりあえず、座って。今、紅茶を用意するから」

マミは杏子とゆまを置いて、台所へと向かった。
今この場に、魔法少女が五人。

ほむら(……これだけの魔法少女が集結したのは……あの時以来、ね)

イレギュラーだらけの時間軸。
あの時はわたし、杏子、マミ、ゆまの四人だったか。
それに、敵対していた織莉子とキリカもいた。



88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/08(火) 21:47:41.85 ID:bae6NIT40

マミ「お待たせ」

人数分の紅茶を配り終え、マミも座る。

マミ「まずは、暁美さんから。彼女は一週間前、この見滝原に現れた魔法少女よ」
ほむら「暁美ほむらよ、よろしくね」
杏子「……へぇ。あんた、なんかずいぶんと場馴れしてるって感じだな」
ほむら「………」
マミ「それで、こっちの子が美樹さん。彼女は昨日、契約したばかりよ」
さやか「あたしの名前は美樹さやか。よろしく!」
杏子「お、おう」

さやか……杏子やゆまと同じで、他人の為の祈りで契約した魔法少女だ。



89:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/08(火) 21:48:41.01 ID:bae6NIT40

杏子「んで?あんたら二人はどんな願いを叶えてもらったのさ?」
ほむら「それは……」
さやか「あたしは、幼馴染の手を治してもらったんだ」
杏子「はぁ?たったひとつの奇跡を他人の為に使ったっての?」
さやか「え?うん、そうだよ」
ゆま「キョーコ、ゆまも同じだよ?」
杏子「……ま、あたしも人の事は言えねぇけどな」

ずいぶんと、物腰が柔らかい。

さやか「杏子と、ゆまだっけ?二人はマミさんと知り合いなの?」
杏子「ゆまは違う。あたしはマミと知り合いだけどな」
マミ「わたしと佐倉さんは、昔コンビを組んでたの」
杏子「ま、色々あってな。今は隣町の風見野を拠点にしてるよ」
ゆま「キョーコとコンビを組んでるのはゆまだよ!」
ほむら「………」



90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/08(火) 21:49:45.04 ID:bae6NIT40

マミ「それで、ここからが本題なのだけれど……。ゆまちゃんが聞いた話、してもいいかしら?」
ゆま「うん、いいよ!」

本題?まさか……?

マミ「今から一ヶ月以内に、ワルプルギスの夜がこの街に姿を現すらしいの」
ほむら「っ!!?」

なぜ、ゆまがその情報を?

ゆま「あのね、ゆまが契約する前に会った、白いお姉ちゃんから聞いたの」
ほむら「白いお姉ちゃん?」
さやか「……!」

まさか……美国織莉子の差し金、か?

マミ「それで、そのワルプルギスの夜を迎撃したいのだけれど……どう、かしら?」
杏子「あたしは正直どっちでもいい。元々ワルプルギスの夜の話を聞いて見滝原に帰って来たんだし、そのつもりではいるけどな」
まどか「ワルプルギスの夜……って、なんですか?」
ほむら「結界に身を隠さない、超大型の魔女のことよ」
さやか「……」

わたしの方から話をする手間が省けた、と喜べばいいのか。



91:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/08(火) 21:51:09.76 ID:bae6NIT40

ほむら「そいつに関しては、わたしの方が詳しい」
マミ「え?」
ほむら「奴は、今日から三週間後にこの街に訪れるはずよ」
杏子「どこでその情報を知ったんだ?」
ほむら「………ごめんなさい、それは話せない」
杏子「……」

まだ、言うわけにはいかない。

まどか「そ、そのワルプルギスの夜って……マミさん達が力を合わせれば、倒せるんですか?」
マミ「わからないわ。何しろ、歴史に語り継がれる程の強力な魔女だもの」
さやか「でも、見滝原に来るんなら……倒さなきゃ、ダメですよね?」
ほむら「わたしもそのつもり。……杏子、ゆま。あなたたちにも力を貸して欲しい」
杏子「甘い考えだな」
ゆま「キョーコ!」

甘い考え。
確かに、そうかもしれない。



92:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/08(火) 21:52:26.35 ID:bae6NIT40

杏子「ま、あたしも今は人の事は言えないけどな」
マミ「佐倉さん……」
杏子「あくまで、ワルプルギスの夜を倒すまでだ。それまでは、しょうがねぇ、力を貸してやるよ」
ゆま「うん!ゆまも頑張る!」
ほむら「ありがとう、二人とも……」

心強い仲間が二人。
漠然とした不安は消えないが……かつて無い程に、理想的だ。

まどか「あ、あの……やっぱりわたしも……」
ほむら「まどか、それは……」




杏子「それだけはゆるさねぇ」
まどか「っ!」
ほむら(杏子……?)



93:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/08(火) 21:54:04.03 ID:bae6NIT40

杏子「お前だけ、魔法少女じゃねぇな?名前はなんてーの?」
まどか「か、鹿目まどか、です」
杏子「まどか、な。すでに契約してるあたしたちはともかく、新しく契約するつもりか、お前は?」
まどか「………」
杏子「お前が一人契約したところで、どうにか出来るもんでもない。あたしたちがいりゃ、問題ねぇだろ」

杏子がまどかの契約に反対するのは、いつも通りだ。
まぁ、杏子の場合は単に魔法少女が増えること自体が好ましくないだけかもしれないが。



94:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/08(火) 21:56:01.81 ID:bae6NIT40

まどか「で、でも……」
杏子「魔法少女なんて、好んでなるもんじゃねぇ。マミに教えてもらってねぇのか?」
まどか「……」
マミ「そうね。わたしも、鹿目さんの契約には反対よ」
さやか「あたしも、反対。あたしの嫁を危険な目になんか合わせたくないからね!」
まどか「みんな……」
ほむら「そういうこと、よ。まどか。あなたは、契約してはダメ」
まどか「……」
杏子「命をかけてまで叶えたい願いが見つかったのなら。その時契約すればいいさ」
ほむら「っ……ええ、そうね」

まどかの契約は阻止、出来そうだ。
この時間軸は、わたしに旅の終わりを見せてくれるのか。
期待……してもいいのだろうか。

ほむら(………)

いや、過度の期待は、寄せない方がいい。
それでダメだった場合……考えたくもない。



95:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/08(火) 21:56:54.99 ID:bae6NIT40

以上、ここまで
時系列については……このSSを書き終えた後に、補足説明として話そうと思います



96:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/09(水) 20:59:57.68 ID:4bCbDj3Q0

さやか「あのさ。白いお姉ちゃんって人の事だけど……」
ほむら「! さやか……?」
さやか「実は、さ。あたしも心当たりがあるんだよね。その人の事」

さやかが、心当たり?

さやか「昨日、病院で会った……その人には他言しないでくれ、って言われてるんだけどさ。その人に後押しされたんだよね」
ほむら「………織莉子?」
さやか「え?ほむらの知ってる人?」

やっぱり。
彼女らが暗躍しているのか。



97:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/09(水) 21:00:36.32 ID:4bCbDj3Q0

マミ「織莉子?」
ほむら「マミも心当たりがあるの?」
マミ「え、えぇ……と言っても、わたしは直接その『織莉子』さんに会ったわけではないのだけれど」
ほむら「………キリカ?」
マミ「! ……呉さんと織莉子さんは、暁美さんの知り合いなの?」
ほむら「……知り合い、と言っていいのかどうかはわからないけれど……お互いに、顔見知りではあるわ」

この不安の正体がわかった。
ここまで事がうまく運んでいるのは……その二人の暗躍があったからか。



98:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/09(水) 21:01:30.12 ID:4bCbDj3Q0

ほむら「マミに接触してきたのは呉キリカ。ゆまとさやかに接触してきたのが、美国織莉子。間違いない、わね?」
さやか「う、うん」
ゆま「ゆま、名前を知ってるわけじゃないからわかんないけど……たぶん、そうだと思う」
マミ「彼女達の目的は一体……?」
ほむら「………」

ここで、話してしまった方がいいような気がしてきた。

ほむら「今、わたしが知り得ている情報……それを、話す」
さやか「その、織莉子さん達の事?」
ほむら「ええ」

魔法少女の真実だけは伏せて、あの二人についてわたしが知っていることを簡潔に話す。
わたしの目的、美国織莉子の目的。



99:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/09(水) 21:02:17.12 ID:4bCbDj3Q0

マミ「……驚いた。暁美さんが、時間遡行者?」
さやか「そ、それに……織莉子さんの目的が、まどかの殺害!?」
杏子「ゆまの契約も、そいつらの差し金か……」
ほむら「今までの時間軸では、あの二人の目的は常にまどかの殺害だった。でも……なぜか、今回はその様子が見られないの」

むしろ、わたしに力を貸してくれているような気さえしてくる。
でも、それなら、何故行動を共にしない?

ほむら「……あなたたちは、彼女達をどう思う?」
さやか「う、うーん……悪い人、には思えなかったな」
マミ「わたしも美樹さんと同意見。魔女の弱点を教えてくれたりしたし、わたしに忠告をいくつかしてくれた」
杏子「あたしはなんとも言えねーな」
ゆま「ゆまも、悪い人って感じはしなかったかな」
ほむら「………」

謎が多い。
現時点では、完全に信用しない方がいいのかもしれない。



100:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/09(水) 21:03:05.14 ID:4bCbDj3Q0

ほむら「彼女達の事は……とりあえず、置いておきましょう。わたしたちに敵対するような行動を取らなければ、問題はないでしょう?」
マミ「そう、ね」
さやか「でも、一応まどかの身辺警護はした方がいいんじゃないのかな?」
まどか「………」

まどかの身辺警護。
確かにそれは必要かもしれない。

ほむら「まどかについては、わたしに任せてちょうだい」
まどか「ほ、ほむらちゃんが?」
ほむら「ええ」

いざと言う時は、時を止められるわたしが一番適任だ。



101:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/09(水) 21:04:01.40 ID:4bCbDj3Q0

ほむら「それじゃ、今日のところはここまでね。ワルプルギスの夜との戦い……あなたたちの力、当てにさせてもらうわ」
マミ「ええ」
杏子「ま、それまでの付き合いだな」
さやか「了解!」
ゆま「ゆまも頑張る!」

不安要素はあるが、いい流れでもある。
後は……美国織莉子と呉キリカ。
彼女達とは、一度顔を突き合わせて話をする必要がありそうだ。



102:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/09(水) 21:05:24.96 ID:4bCbDj3Q0

~~~

マミの家からの帰り道。
まどかを家まで送るのに、わたしが着いてきていた。

まどか「なんでわたし、その、織莉子さん?に狙われてるのかな……」
ほむら「………」
まどか「ほむらちゃんは、その理由を知ってるの?」
ほむら「……ええ、一応は」

まどかが魔法少女になり、そして魔女になってしまったら。
この街……見滝原はおろか、世界を滅ぼす最悪の魔女となるから。

まどか「……教えては、くれないんだね」
ほむら「ごめんなさい。ワルプルギスの夜……奴さえなんとか出来たなら、その時全てを話すから」
まどか「ほむらちゃんが一ヶ月を繰り返してる理由も、それまでは教えてくれないの?」
ほむら「………ごめんなさい」

今は、謝ることしか出来ない。



103:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/09(水) 21:06:35.41 ID:4bCbDj3Q0

まどか「……そっか」

まどかはまどかで、深く踏み込んで来ようとはしない。
本当なら、わたしはまどかとは近づきすぎない方がいいのだが。
そんなことは言っていられない状況であるのもまた事実だ。

ほむら「ほら、まどか。着いたわよ、あなたの家に」
まどか「う、うん。ありがとう、ほむらちゃん」
ほむら「気にしなくていいわ。それじゃ、また明日ね」

まどかが家の中へ入って行くのを見届け、わたしも家路につく。


その道中。

織莉子「わたしがお膳立てしてあげて用意出来た戦力、お気に召したかしら?」
キリカ「………」
ほむら「……美国織莉子……!」

閑散とした住宅街に、美国織莉子と呉キリカの二人が佇んでいた。



104:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/09(水) 21:07:52.27 ID:4bCbDj3Q0

織莉子「そう身構えないで、気楽に接してちょうだい?暁美ほむらさん」
ほむら「っ……」

気楽にだと?
どの口がそんなことを……っ!

織莉子「……まぁ、今までわたしがやって来たことを考えたら、無理はないのかもしれないけれどね」
ほむら「何の……用?」
織莉子「立ち話も何だし……あなたさえよければ、わたしの家に行きましょう?話は、そこで」
ほむら「………」

相変わらず、二人から敵意は感じない。

ほむら「………丁度いいわ。わたしも、二人の真意を確認したかった」
キリカ「なら、交渉は成立だな」

先を歩く二人の後を追う。
着いた先は、荒れ果てた一戸建ての家。
その中まで案内される。



105:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/09(水) 21:09:37.80 ID:4bCbDj3Q0

織莉子「何も出せないけれど、座って」

促されるまま、座る。
ここは、敵地の真っ只中だ。……油断は、しない方がいい。
織莉子も、わたしの正面に座る。
呉キリカだけは立ったまま、わたしたちの様子を見守るようだった。

ほむら「ひとつ、確認したい事がある」
織莉子「なんでも聞いて。答えてあげるわ」
ほむら「あなたたちの目的は……救済の魔女が生まれる前に、排除することではなかったのかしら?」
織莉子「………」

救済の魔女。まどかが魔女となった時の事だ。

織莉子「わたしの魔法の事は、知っているわね?」
ほむら「……」
織莉子「今視える未来は……変わっていないわ。鹿目まどかが魔女となり、この街を滅ぼして行く光景。そうね。ほむらさんは、パラレルワールドという言葉をご存じかしら?」
ほむら「並行世界……」

世界は常に分岐の可能性を持っている、という考え方。
わたしがやっていることも、ある意味で様々な並行世界を生み出していると言える。



106:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/09(水) 21:10:55.08 ID:4bCbDj3Q0

織莉子「わたしの未来予知もね、それを見通す力があるの」
ほむら「何を、言いたいの?」
織莉子「単刀直入に言うわ。ワルプルギスの夜、それを鹿目まどかの契約無しで乗り越えるのは非常に難しいと言っていい」
ほむら「っ…!!」

心の奥底にしまっていた事を、はっきりと言われる。

織莉子「それが何故か、あなたにわかる?」
ほむら「……わからないわけ、ない」

この時間軸へ来る前に見た光景。
『あれ』を、そう簡単に忘れられるものか。

織莉子「ちょうどいいわ……あなたがここへ来る前にいた時間を、おさらいしてあげましょう」

そう言って、織莉子は魔法少女の姿となる。
そして、彼女の武器……水晶を手に取った。

織莉子「よく見ていなさい、暁美ほむら……」

その水晶に……あの時の光景が、映し出され始める。



109:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/09(水) 21:55:54.44 ID:ZxtGlFnPo

織莉子の能力の拡大解釈ってやつやな



117:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/10(木) 20:01:33.14 ID:tHolqweh0

投下開始前にいくつか
織莉子の並行世界が視通せる云々は、>>109の言うとおり拡大解釈です
ワルプルの強さに関しては、このSSで触れるので今は伏せておきます



118:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/10(木) 20:02:36.44 ID:tHolqweh0

~~~

ひとつ前の時間軸、ワルプルギスの夜襲来当日。
見滝原大橋に、四人の魔法少女が並んで立っていた。

さやか「あれが……ワルプルギスの夜……」
マミ「こうして直に見るのは初めてね。……怖い、みんな?」
杏子「はんっ、魔女が怖くて魔法少女なんてやってられっかよ!」
ほむら「みんな、油断しないで!絶対に、全員無事で乗り越えましょう!」

厚い雲の隙間から、ワルプルギスの夜が姿を現していた。
その大型魔女を相手に、四人は立ち向かう。




そしてその様子を、影から見守る一人の少女がいた。

まどか「みんな……」

鹿目まどか。四人の事が心配だったまどかは、危険を承知で見滝原に残っていたのだった。



119:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/10(木) 20:04:13.94 ID:tHolqweh0

QB「いざとなったら、すぐにでも契約出来るよ、まどか」
まどか「っ……」

まどかの傍らには、キュゥべえもいた。

ワルプルギスの夜と四人の魔法少女の戦いは、熾烈を極めた。
マミの高火力攻撃、さやかや杏子の近接攻撃、ほむらの銃火器による攻撃。
そのどれもが、ワルプルギスの夜に致命傷を与えるには至っていなかった。
やがて、少しずつ魔法少女達が押され始める。
怪我をしてもさやかの回復魔法によって傷を癒すことは出来るが、それにもやはり限界はある。
この戦いに臨むまでに集めたグリーフシードも、全て使いきっていた。
ワルプルギスの夜の体にも無数の傷がついている。
しかしそれ以上に、四人の魔法少女の消耗が激しかった。



120:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/10(木) 20:05:24.14 ID:tHolqweh0

マミ「どれ、だけ……タフな魔女なのよっ……!!」
さやか「マミさん、今傷を治します!」
杏子「ちっ!舐められたまま終わってたまるかよぉぉ!!」
ほむら「あと、あともう少しよみんな……諦めないでっ!」

ワルプルギスの夜「アハハハハ……キャハハハハハハハハ……」


まどか「キュゥべえ……やっぱり、わたし……契約する」
QB「その言葉を待っていたよ、まどか。さあ、願いを」
まどか「わたしは……みんなを助けたい!見滝原を、この手で守りたい!!」
QB「契約成立だ」

まどかとキュゥべえの間に、まばゆい光が差す。
数刻の後、まどかの手にはソウルジェムが握られていた。

QB「さあ、まどか。キミの力を見せてくれ!」
まどか「……みんな。今行くね!!」

ソウルジェムをかざし、まどかは魔法少女の姿となる。
そして、戦いを続ける四人の下へ駆けて行く。



121:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/10(木) 20:06:19.20 ID:tHolqweh0

まどか「みんなーっ!!」
さやか「まどか!?」
マミ「鹿目さん、なぜ……っ!?」
ほむら「ま、まどか……!?なんで……契約を……」
杏子「まどか……ちっ、契約した以上は何も言わねぇ!お前も戦いに加われ!!」

魔法少女姿のまどかを見て、四者四様の反応をする。
まどかは話は後だと言うかのように、その手に持った弓を力いっぱいに引き絞る。

まどか「ワルプルギスの夜……見滝原は、壊させない!!」

そして、弓を解き放った。

ワルプルギスの夜「キャハハ……――――――!!!?」

放たれた光の弓矢は、傷だらけのワルプルギスの夜の胴体、そのど真ん中に命中した。
それが、決着。
四人がどれだけ高威力の攻撃を放っても堪えなかったワルプルギスの夜が。
まどかが放った光の一矢によって陥落していく。



122:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/10(木) 20:07:16.17 ID:tHolqweh0

ほむら「……ワルプルギスの夜が……」
マミ「力尽きた、のね……」
さやか「すご……まどか、何をしたの!?」
杏子「あのワルプルギスの夜が、一撃で……」
まどか「わ、わかんないよ。ただ、力を込めただけのつもりだったんだけど……」

呆然と見上げる五人の魔法少女を余所に、ワルプルギスの夜はその姿を完全に崩壊させた。

マミ「………何はともあれ、終わったのね……」
さやか「あたしたち、見滝原を守ったんだね!」
杏子「はぁ……あんだけ強かった癖に、グリーフシードは落とさねぇのかよ……割に合わねぇな……」
まどか「みんな無事でよかった!」

四人は笑顔で喜びを分かち合っている。
その輪の中に、ほむらは入って行かない。



123:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/10(木) 20:08:28.03 ID:tHolqweh0

ほむら(………これだけの好条件だったのに、まどかの契約を阻止できなかった)

ほむらにとっては、それが全てだった。

ほむら「………………さようなら。次こそは……」

幸せそうな四人の顔を見届け、ほむらは時間遡行の魔法を発動させた。

まどか「ほむらちゃん!わたしたち、見滝原を……?」
さやか「あれ……転校生は?」
マミ「どこへ行ったのかしら……?」
杏子「さてな……あいつも疲れてたみたいだし、明日になりゃ何気ない顔で姿を現すだろうよ」



124:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/10(木) 20:10:09.03 ID:tHolqweh0

~~~

現在の時間軸、美国の家―――

水晶に映し出されていた光景が、消えていく。
そしてその水晶をテーブルの上に置いて、織莉子はわたしに向き直る。

織莉子「………これが、全て」
ほむら「っ……!」

こんなものを見せて、なんのつもりだ。
嫌がらせが目的か?

織莉子「惜しかった、わね。この戦い、鹿目まどかがいなくても勝てそうだったのに」
ほむら「………過ぎた事よ」
織莉子「そうね、あなたにとっては過ぎた事。でも、わたしの未来予知がこの光景を映し出すと言うことは、時の流れとしては過ぎたことではない。わかるでしょう?」
ほむら「……っ」
織莉子「これは、三日前に視た時の未来。そして、今はまた違う未来が視えている」



125:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/10(木) 20:10:48.09 ID:tHolqweh0

ほむら「何を……言いたいのかしら?」
織莉子「一週間前、あなたにしてあげた忠告を忘れたのかしら?」

美国織莉子の忠告。
わたしの絶望が意味するところ。
明確な答えは、出ていない。



126:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/10(木) 20:11:22.43 ID:tHolqweh0

織莉子「……そうね、例を上げてあげるわ。お菓子の魔女……知っているでしょう?」
ほむら「巴マミの天敵……」
織莉子「そう。あの魔女が最も欲する物……それが何か、わかる?」

奴の大好物はチーズだ。
でも、それを生み出すことだけは出来ない。
魔女とは、そういうモノなのだ。
一番欲するモノは……手に入らない。



127:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/10(木) 20:12:31.43 ID:tHolqweh0

織莉子「同じように、美樹さやか。彼女が最も欲したモノ、それはわかる?」
ほむら「美樹さやか……」

彼女は、幼馴染であり想い人でもある上条恭介の手を治す祈りで契約している。
そして彼女が魔女となった時、その上条恭介を写した使い魔を生み出す。

織莉子「彼女の想い人を写した使い魔は生み出せても、その使い魔は決して魔女の方には振り向かない」
ほむら「……」
織莉子「魔女に背を見せ、魔女の為にと人間の魂を吸い取る演奏を続けるのみ」



128:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/10(木) 20:14:25.89 ID:tHolqweh0

織莉子「そして、巴マミ。彼女が最も欲するモノとは?」
ほむら「魔法少女の孤独を癒す仲間、ね」

巴マミは、長い間孤独に戦い続けていた。
そして、一時期佐倉杏子という仲間が出来た事があった。
しかしその仲間とも、長くは続かず喧嘩別れ。

織莉子「彼女が生み出す使い魔は、その手足を縛られている。何故か?自身の孤独を癒す為よ」
ほむら「……」
織莉子「故に、彼女の使い魔は彼女から離れることはない。彼女の結界に迷い込むモノを、魔女の茶会に招待するだけ」



129:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/10(木) 20:16:44.01 ID:tHolqweh0

織莉子「佐倉杏子。彼女が最も欲していたモノは?」
ほむら「それ、は……」

彼女が真に欲していたもの。
それは、わたしにもわからない。

織莉子「彼女が最も欲しているモノは、彼女自身にもわからない。だからでしょうね。彼女が魔女にその身を落とした時、彼女は霧に囲まれた結界の中を虚ろに彷徨うだけ」
ほむら「……」
織莉子「何が欲しいのか、何を求めているのか。それを彼女が知ることは、永遠に無い」



130:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/10(木) 20:18:00.28 ID:tHolqweh0

ほむら「それ以上……彼女達を悪く言うのはやめなさい」

聞いていて気持ちのいいモノではない。
いつかの世界で、魔女となったマミや杏子をも、わたしはこの手に掛けて来た。
思い出したくもない。かつての仲間をこの手に掛けた記憶など。

織莉子「わたしが何を言いたいのか……まだ、わからないかしら?」
ほむら「わかりたくもない。あなたはやっぱり、わたしの敵ね」
織莉子「わたしとキリカには、今のところはそのつもりはないのだけれど……。よく、考えてみて?」
ほむら「………っ」

ずいぶんと、そこに拘る。
美国織莉子……彼女の未来予知で、彼女は何を見た?



131:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/10(木) 20:20:00.83 ID:tHolqweh0

織莉子「後は、そうね。キリカも例に上げてあげましょうか?」
キリカ「………」
織莉子「キリカの最も欲するモノ。それは、自身の理解者。そうでしょう?」
キリカ「ああ、そうだね。そしてそれは、織莉子、キミがそれに当たるよ」
織莉子「そのキリカが魔女に身を落としたら……わかる?」
キリカ「あまり考えたくない事象だね」
織莉子「わたしだって、出来るならこんな話はしたくない」
ほむら「それじゃ、わたしの口から言ってあげる」

キリカの魔女。
蛆虫庭の魔女。



132:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/10(木) 20:21:30.37 ID:tHolqweh0

ほむら「キリカが最も欲したモノ……自身の理解者。あなたが魔女となった時、すぐそばに織莉子がいたわね。
     でも魔女は、織莉子には指一本触れようとしなかった。いえ、違う。触れようとしなかったのではない。触れることが出来なかったのよ」
織莉子「……」
ほむら「すぐそこに自身が求めるモノがある。手を伸ばせば、それを掴める。なのにそれをしなかった。何故か?
     そこに織莉子がいると、本能で認識を拒否していたから。だからあなたは織莉子に攻撃もしないし、触れることもしない」
キリカ「……やっぱり、聞いていて気持ちのいいモノじゃないね」

それはそうだ。
誰だって、自身の絶望の事など考えたくもないし聞きたくもない。



133:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/10(木) 20:22:56.82 ID:tHolqweh0

織莉子「でも、ほむらさん。あなたはそれを考えなくてはならない」
ほむら「………」
織莉子「わたしの口から説明してもいいのだけれど……どうする?」

わたしの絶望。
わたしが招く絶望とは……なんだ?

ほむら「…………………ごめん、なさい。一人で、ゆっくり考えたい」
織莉子「そう。あなたがそうしたいのなら、そうしなさい」
キリカ「お帰りはこちらだ、暁美ほむら」

キリカに案内され、美国の家を後にする。



134:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/10(木) 20:23:45.71 ID:tHolqweh0

~美国織莉子~

暁美ほむらを見送ったわたしは、キリカと共に紅茶を飲んでいた。

キリカ「あれで、よかったのかい?織莉子」
織莉子「……」

紅茶のカップをテーブルに置き、俯く。

キリカ「暁美ほむらに、全てを話すべきだったんじゃ……」
織莉子「わかっている。でも、全てを話したら……きっとほむらさんは……」

その瞬間に、絶望してしまうのではないだろうか。



135:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/10(木) 20:24:46.69 ID:tHolqweh0

キリカ「でも、あそこまで話したなら。遅かれ早かれ、暁美自身も真相に辿りつくよ。そうなってしまっては、手遅れなんじゃないのかい?」
織莉子「そうなる前には……なんとかする」
キリカ「暁美が退院する当日に織莉子が見通したと言う世界の事……それはやっぱり、話しにくい?」
織莉子「ほむらさん……彼女の目的は、結果としてはわたしたちと合致するのよ、キリカ。
     鹿目まどかの契約を阻止出来るのなら……ほむらさんを追い詰めることは、しなくてもいいんじゃないかしら?」
キリカ「甘い考え、だね」
織莉子「………」

自分でも、甘い事を言っていると思う。



136:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/10(木) 20:25:41.08 ID:tHolqweh0

キリカ「でも、甘いものは大好きだよ、わたしは」
織莉子「………」
キリカ「それにわたしは、織莉子に従うだけだし」
織莉子「……ありがとう、キリカ」

最終的な判断は、ほむらさん自身に任せたい。
そしてそれがどのようなものであっても、わたしは止めない。

織莉子(あなたの運命は、あなたが決めなさい……暁美ほむら)

どちらの道も選べるように、お膳立てはしてあげた。
美樹さやか。巴マミ。佐倉杏子。千歳ゆま。暁美ほむら。
それに。彼女が望むなら、わたしとキリカも対ワルプルギスの夜の戦力に加わってもいい。
これだけの戦力が揃っていれば。おそらくはワルプルギスの夜にだって、勝てる。
…………確証は、無いが。



137:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/10(木) 20:26:40.05 ID:tHolqweh0

織莉子「キリカ。彼女の決断がどうであれ、恐らくはわたしたちもワルプルギスの夜が襲来する日には、戦うことになる」
キリカ「………」
織莉子「覚悟だけは、しておきましょう?」
キリカ「ああ、了解だ」
織莉子「最後に……今日のわたしたちの行動で、未来にどんな変化があったのか、視ておきましょう。キリカ、あなたも視る?」
キリカ「そうだな。暁美が下す選択……気にはなる」

キリカは立ちあがり、わたしの隣にやってくる。
わたしの隣にゆっくりと座ると。キリカは、わたしの手を握ってくれた。

織莉子「キリカ……」
キリカ「怖いかい、織莉子?」
織莉子「ええ……怖い」
キリカ「大丈夫。何があったって、わたしは織莉子の側にいるよ」
織莉子「………。それじゃ、始めるわ」

テーブルの上に置いてある水晶に、魔力を込める。
さあ、視通そう。彼女の選択を。



138:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/10(木) 20:27:28.81 ID:tHolqweh0

今回はここまで



140:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/10(木) 20:40:03.99 ID:tHolqweh0

キリカの魔女名は>>1が勝手につけてるだけなのはお察し
これが一番>>1の中でしっくり来たってだけなので



149:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/11(金) 21:17:58.30 ID:3bc32Eub0

~暁美ほむら~

フラフラとした足取りで、家に辿りつく。
外は既に日が落ちている。
わたしの部屋も、暗い。
電気も点けず、わたしはソファに座り思考を巡らせる。

ほむら「……………」

この時間軸に来た時に、考えていたことだ。
わたしの絶望は、間違いなくまどかに関する事。
美樹さやかの絶望、佐倉杏子の絶望、巴マミの絶望。
………お菓子の魔女が最も欲したモノ。
それらを全て繋げて……わたしに当てはめればいい。



150:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/11(金) 21:19:21.18 ID:3bc32Eub0

ほむら「わたしが望むモノは……まどかが契約せずに、幸せに暮らせる世界」

声に出して、改めて確認する。
そうだ。それが、わたしが最も欲するモノ。
そして、そんな世界でわたしも生きていく事だ。
それを裏返すと……どうなる?

ほむら(………わたしが魔女にこの身を落とすと言うことは……その世界で、わたしは生きていけないと言うこと)

それだけのはずだ。
第一わたしは。わたし自身が魔女へ身を落とす前に、自身のソウルジェムを砕く決心はついている。
それに、それだけで済むのなら美国織莉子はここまで執拗にわたしに忠告はして来ないはず。
つまり、それだけではない、と言うことか?



151:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/11(金) 21:20:14.76 ID:3bc32Eub0

ほむら(………もっと、凄惨な結末が待っている、の……?)

もっと深く考えろ、暁美ほむら。
わたしが望むモノ……。
まどかの契約阻止……。
幸せに暮らせる世界……。
わたしも共に生きる……。

ほむら「………っ?」

まどかの………契約………阻止………?
そう、か。そういうこと、か。
こんな簡単なこと……だったのか。
美国織莉子の目的も、それに合致する。
そんな織莉子が、わたしに執拗に自身の絶望を考えさせた意味。
それら全てが意味する事。



152:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/11(金) 21:21:13.13 ID:3bc32Eub0

それは……………。

ほむら「……ぅ」

思考の迷路、そのゴールが見えた瞬間に。吐き気が襲って来た。

ほむら「うぶ……っ!」

口元を押さえ、嘔吐を堪える。
我慢できずに、トイレに駆け込んだ。

ほむら「ぅえ……あぐっ……ぉ……っ!」

吐瀉物が、便器に落ちて行く。
これが、答えだ。
受け入れなければ……っ!



153:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/11(金) 21:21:54.81 ID:3bc32Eub0

ほむら「ぐぅ……ぁ……!」

ダメだ。
答えを受け入れようとすると、更に吐き気が襲って来る。

ほむら「ぅぉえっ……!」

胃の中を、空っぽにしてしまおう。
そうすれば、この吐き気もきっと収まってくれる。

ほむら「はぁっ……はぁっ……」

ひとしきり嘔吐を繰り返したところで、ようやく吐き気が収まってくれた。
口元を洗い、居間へと戻ってくる。



154:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/11(金) 21:22:57.84 ID:3bc32Eub0

ほむら(答えが………出た)

わたしの最初の祈り。まどかを守れる自分になりたい。
その絶望がもたらす呪いは……………………………………まどかにしか、倒せない自分。
何も、不思議なことではない。
いつかの世界で、キュゥべえも言っていた。
どんな不条理が起こったところで、それは驚くに値しないことだ。

ほむら「ふふふ……」

口の端から、笑いが零れて来る、
全て、繋がった。
織莉子がわたしにした忠告の数々。
魔女の求めるモノが手に入らないと言うこと。
わたしは……どうすればいい?

ほむら(わたしが魔女となってしまったら……まどかが契約するしか、道は無い)

美国織莉子は、それを言いたかったのだ。
それは、わたしも織莉子も求める所ではない。



155:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/11(金) 21:23:59.21 ID:3bc32Eub0

ほむら(でも、問題は無い)

そうだ。
わたしの絶望が意味する事など、さほど重要な事では無い。
要は、わたしが絶望せずにワルプルギスの夜を乗り越えることが出来ればいいわけだ。
その為の戦力も……美国織莉子は、用意してくれた。
とどのつまり、織莉子はわたしに選択の余地を与えてくれたのだ。
わたしも生きて、ワルプルギスの夜を乗り越えるか。
或いは、わたしが自らこの命を断ち、まどかが契約する理由を無くすか。

ほむら(………いいわ。その二択なら、わたしの取るべき選択はひとつ)

例え何があろうとも。
………ワルプルギスの夜は、乗り越えて見せる。
魔法少女としての、わたしの意地を見せてやろう。



156:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/11(金) 21:25:26.38 ID:3bc32Eub0

―――その時は、そこまで考えるのが精いっぱいだった。

―――なぜ織莉子が、わたしの為にそんな選択肢を用意してくれたのか?

―――そこまで考える余裕は、その時のわたしには、無かった。

―――それだって、考えれば答えは出たはずだった。

―――ヒントは他にも散りばめられていたのに。

―――それに気付くことが出来なかったわたしは、本当に愚かだ。

―――ごめんなさい。わたしの居場所は、もうどこにも無い。

―――夢にまで見た夢の世界。それを見届ける権利すら、わたしには与えられていなかったんだ………。



161:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/12(土) 20:40:14.91 ID:tfbzUgLe0

~美国織莉子~

未来予知が、終わった。
暁美ほむら。彼女が選んだ未来。

織莉子「…………あまりにも、残酷ね」
キリカ「………」

彼女に限ったことではない。
魔法少女が魔女になると言うことは、酷く無残な結果しか残らない。
でも、それでも。
あまりにも、彼女は報われなさすぎる。



162:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/12(土) 20:41:30.27 ID:tfbzUgLe0

QB「やってくれたね……美国織莉子」
織莉子「……キュゥべえ」

忌々しい、白い獣。
そいつが、いつの間にか水晶の隣に佇んでいた。

QB「見させてもらったよ。ワルプルギスの夜との戦い、その結末」
織莉子「………」
QB「もちろん、キミはその未来を変えるつもりなんだろう?」
織莉子「当然」

この未来は、迎えてはならない。
でも、これを回避する術は。
……………もう、これしか残された手は無い。



163:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/12(土) 20:42:33.70 ID:tfbzUgLe0

QB「僕が今までまどかに接触しようとしたのを、悉く阻止して来たのも、キミだね?」
キリカ「織莉子だけじゃない。わたしもだよ、キュゥべえ」
QB「……でも、それもこれまでだ。暁美ほむら。彼女を魔女にさえしてしまえば、僕の目的は達成されたも同然」
織莉子「させると思うの?キュゥべえ」

暁美ほむらだけは、魔女にさせてはダメだ。
彼女の魔女は……鹿目まどか以外の者の攻撃を、悉く無効化する。

QB「さて、どうなるかな。キミが暁美ほむらを殺そうとすれば、鹿目まどかはそれを阻止しようとするだろう。そしてその方法はひとつ。僕と契約して、魔法少女となるしか無い」
織莉子「わたしが手を下す事はないわ、キュゥべえ」
QB「へぇ?じゃあ、どうするつもりなのかな?」



164:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/12(土) 20:43:19.05 ID:tfbzUgLe0

織莉子「………キリカ」
キリカ「うん?なんだい、織莉子?」
織莉子「……………ワルプルギスの夜が襲来する日まで、暁美ほむらの監視をお願い」
キリカ「それは24時間付きっきりで、ということかな?」
織莉子「ええ。そして、彼女が魔女になりそうになったら。………その時は、あなたの手で……」
キリカ「……ああ、了解。何事もなく当日が来たらどうするんだい?」
織莉子「………彼女に、視せる」
キリカ「!」

そうするしか、無い。



165:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/12(土) 20:44:32.94 ID:tfbzUgLe0

キリカ「………いいのかい?それで」
織莉子「ええ………後始末には、わたしも動く」
キリカ「わかったよ、織莉子」

それだけ言い残し、キリカはわたしの家から出て行った。

QB「それが、キミの選択かい、織莉子?」
織莉子「………ええ、そうよ。鹿目まどかは、契約させない。それだけは……絶対にさせない」
QB「まぁ、僕にそれを止める手立ては無い。キミがどこまで暁美ほむらを相手に非情になり切れるか、見せてもらおうか」

そうして、キュゥべえもわたしの家を後にする。

織莉子(………………………………)

ごめんなさい、ほむらさん。
何かを犠牲にする事でしか救世を成せない無力なわたしを、許して。



166:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/12(土) 20:46:15.77 ID:tfbzUgLe0

~暁美ほむら~

今までの時間軸では、考えられない程に穏やかな時間が流れた。
この一ヶ月の間に現れる魔女も、さすがにこれだけの魔法少女が揃っていたら手も足も出ず。
みんな魔力をそれほど消耗する事もなく、グリーフシードのストックもそれなりに出来ている。
不安要素だった織莉子とキリカも、どうやらわたし達と敵対する意思は無いようで。
ひとつ前の時間軸以上に、理想的な世界だ。
これで後は、ワルプルギスの夜をまどかの契約無しで乗り越えるだけだ。

ほむら(………今度こそ、絶対に………)

明日。この街に……ワルプルギスの夜が、訪れる。
わたしは、決めた。
この時間軸を、わたしの旅の終着点にする。
これ以上の好条件は、もう望めないだろう。



167:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/12(土) 20:46:54.31 ID:tfbzUgLe0

QB「ここが、キミの旅の終わりかい?暁美ほむら」

薄暗い部屋の窓辺。そこに、赤い目を光らせたキュゥべえがいた。

ほむら「何の用?最近はずいぶんと大人しかったようだけれど」
QB「話をしに来たんだ。キミと、鹿目まどか、その二人と」
ほむら「……まどか……?」

キュゥべえの言葉が終わると、わたしの家のインターホンが鳴らされた。

玄関のドアを開ける。
そこには。まどかがいた。



168:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/12(土) 20:47:47.47 ID:tfbzUgLe0

まどか「ほむらちゃん……」
ほむら「………キュゥべえ。あなたの差し金、かしら?」
QB「そうだよ。これが、僕が打つ最後の一手だ。まぁ、結局邪魔が入ってしまったようだけれどね」
ほむら「?」
キリカ「邪魔とは言ってくれるね。わたしがここに来ることくらい、キュゥべえも分かっていたことだろう?」
ほむら「キリカ……?」

ドアの影に隠れて見えなかったが。
まどかと一緒に、キリカも来ていたようだ。

ほむら「………いいわ、二人とも上がって」

ちょうど、わたしもまどかと話がしたかったところだ。
キリカがいてくれるのも、ありがたい。
もしもの時は、わたしを止めてくれる。



169:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/12(土) 20:50:13.70 ID:tfbzUgLe0

QB「さて。邪魔者がいるけれど、とりあえず舞台は整った」

わたしとまどかはソファに、キュゥべえはテーブルに陣取ったところで、キュゥべえがそう切り出す。
キリカは部屋の壁によりかかり、傍観を決め込むようだった。

QB「まず、ほむら。キミの正体、美国織莉子のおかげでようやくわかったよ」
ほむら「………」
QB「それに、まどかに多大な因果が集まっている理由もね」
まどか「わ、わたしに?」
QB「時間遡行者、暁美ほむら。キミが今まで数々の並行世界を渡り歩いたおかげで、まどかに因果が集まったんだ」
ほむら「………………」
QB「驚かないんだね?」

今更だ。
わたしの絶望が意味するところに気付いた以上、これよりも驚くことなど無いだろう。
それに、これ以上わたしは時間遡行を繰り返すつもりは無い。



170:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/12(土) 20:51:32.98 ID:tfbzUgLe0

まどか「なんで、ほむらちゃんが時間遡行を繰り返すことでわたしに因果が集まるの?」
ほむら「なぜ、わたしがそんなことをしているか。理由はそこにある。……知りたい?」
まどか「………」

まどかは無言で頷く。

ほむら「いいわ。ここで……全て、教えてあげる」

わたしはポツリポツリと話し始める。
わたしが契約した時の願い。
時間遡行を繰り返す目的。
そして、魔法少女の真実までをも。



171:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/12(土) 20:52:16.37 ID:tfbzUgLe0

まどか「そん、な……」
ほむら「……まどかは、わたしに手を差し伸べてくれた。わたしを、守ってくれた」
まどか「わたしが、ほむらちゃんを……?」
ほむら「だから今度はわたしの番。まどかを守って、この手でワルプルギスの夜を……!!」
まどか「……そっか。ほむらちゃんの目的は、わたしを守るってことだったんだ」
ほむら「わかってくれなくてもいい。伝わらなくってもいい。ただ、ひとつ。わたしに、あなたを守らせて欲しい」
まどか「………」
ほむら「それが、わたしの願い」

全て、伝えた。
後悔はしない。
これが、わたしの全てだ。



172:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/12(土) 20:53:56.30 ID:tfbzUgLe0

まどか「わかってくれなくてもいいとか、伝わらなくってもいいとか、そんな寂しいこと言わないで……ほむらちゃん」
ほむら「まどか……?」
まどか「確かに、この世界で生きてるわたしには、ほむらちゃんがどれだけ頑張って来たのかはわからない。
     でも、ほむらちゃんの必死な姿を見てたら、疑うことなんて出来ないよ」
ほむら「………信じて……くれるの……?」
まどか「うん。信じるよ、ほむらちゃんの事」
ほむら「っ……!!」

伝わった。
わたしが繰り返した時間だけ、ずれていっていたわたしとまどかの心が。
ここで……っ!!

ほむら「ありがとう、まどかっ……あなたのその言葉だけで、わたしは頑張れる」

例え、わたしの絶望がまどかの幸せを壊すことになろうとも。
今、この瞬間。わたしは、最高に幸せだ。



173:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/12(土) 20:55:15.98 ID:tfbzUgLe0

ほむら「わたしに……あなたを、守らせてくれる……?」
まどか「うん……ワルプルギスの夜……絶対に、乗り越えてね。わたし、待ってるから」
ほむら「うん……うんっ……!!」

我慢できずに、まどかを抱き寄せる。

まどか「ほ、ほむらちゃん……今まで、つらかったんだね」
ほむら「まどかぁっ……!」

この一ヶ月。
悲しくて、どうしようもなくて涙を流したことは数え切れないほどあったが。
こんなにも嬉しくて、涙が出て来たのは初めてだ。



181:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/14(月) 18:43:44.17 ID:GTqqUjph0

~呉キリカ~

感動的な場面、だね。
でも、このまま何の干渉も行わなければ。あの未来が訪れる。

キリカ(報われない、ね……暁美)

わたしも、少しばかり同情するよ、キミには。

QB「………」

暁美と鹿目まどかは、相変わらず抱き合っている。
震えながら涙を流す暁美を、優しく背中を撫でている鹿目まどか。
そんな二人を、キュゥべえはじっと見つめていた。



182:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/14(月) 18:44:49.80 ID:GTqqUjph0

キリカ「どうした、キュゥべえ?抱き合う二人をじっと見つめるなんて、デリカシーに欠けるね」
QB「いや、まだ僕の話は終わっていないんだけどね。二人がこうなってしまっては、もう話をすることも出来なさそうだ」
キリカ「感動的な場面じゃないか。ま、感情のないキュゥべえにはわからない話か」
QB「僕の最後の切り札は、ワルプルギスの夜だ。彼女に、頑張ってもらわないとね」
キリカ「………」

そういえば、キュゥべえもあの未来を視ていたんだったか。

キリカ「ずいぶんと楽観的だね、キュゥべえ?わたしたちがこのまま、あの未来を訪れさせると思うのかい?」
QB「ワルプルギスの夜、その正体についての僕の推測も話そうと思ったのだけれど……まぁ、それはいいや。いずれにしろ、明日で全てに決着がつく」



183:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/14(月) 18:46:29.63 ID:GTqqUjph0

キリカ「キミの思い通りにはさせないよ、キュゥべえ。わたしも、織莉子も、恩人も、千歳ゆまも、美樹さやかも、佐倉杏子も。
     それに……………暁美ほむらや、鹿目まどかも、ね」
QB「さて、どうなるかな。僕は、美国織莉子の未来予知の魔法を信じることにするよ」

最後にもう一度暁美と鹿目まどかの姿を一瞥して。
キュゥべえは去っていく。

キリカ「………明日、ね」

本当に、どうなるだろうか。
織莉子は、明日、暁美に視せると言っていたけれど。
それで、彼女がどのような行動に出るかな。
わたしと織莉子の思い通りに……なればいいけれど。



184:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/14(月) 18:47:25.41 ID:GTqqUjph0

―――――
―――


~暁美ほむら~

ワルプルギスの夜、襲来当日。
見滝原全域に、避難勧告が出されていた。その為、見滝原には一般市民は残っていない。
そんな街中。見滝原大橋に、五人の影があった。
美樹さやか。巴マミ。佐倉杏子。千歳ゆま。それにわたし。
五人とも、魔法少女姿となって橋の向こうを眺めていた。

ゆま「わるぷるぎすのよる……勝てるかな……?」
杏子「不安か、ゆま?大丈夫だ、あたしがついてるからな」
さやか「杏子は優しいねぇ。あたしも励ましてよ」
杏子「なんだよ、さやか?お前も不安か?」
マミ「ゆまちゃんだけじゃない。みんな、不安なのよ。佐倉さんだってそうでしょう?」
ほむら「………」

かつて無いほどに強力な魔女を相手にしようと言うのだ。
みんな、少なからず不安を覚えているはずだ。



185:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/14(月) 18:48:19.71 ID:GTqqUjph0

ほむら(美国織莉子……呉キリカ……彼女達は、来ないのね……)

わたしの心残り。
二人の魔法少女は、この場に姿を現していない。
遠い空の向こう。そこに、微かにワルプルギスの夜の姿が見え始めていた。

ゆま「来た………」
杏子「さぁて……歴史に語り継がれるほどの魔女。そのグリーフシードがどんなモンか、拝ませてもらおうじゃないの!」
マミ「見滝原を守る魔法少女の力……見せてあげましょうか」
さやか「あたしの大事な人が住む町……壊させない!!」

四人は、それぞれの武器を構え戦いに備えていた。



186:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/14(月) 18:49:03.99 ID:GTqqUjph0

『………暁美ほむら。聞こえる?』
ほむら「っ!」

わたしの心に語りかけて来る声があった。
声の主は美国織莉子。

織莉子『ワルプルギスの夜との戦いが始まる前に……あなたに、話しておきたい事がある。少しだけ時間、いいかしら?』
ほむら『織莉子……?こんな時に、何の話を?』
織莉子『とても、大事なこと……あなたにとっても、わたしにとっても……そして、鹿目まどかにとっても』
ほむら『……わかったわ。どこにいるの?』
織莉子『すぐそこのビルの影に隠れているわ。そこまで来てちょうだい』

織莉子の隠れているビルを、眺める。



187:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/14(月) 18:50:47.22 ID:GTqqUjph0

ほむら「……ごめんなさいみんな。わたし、少しだけ席を外すわ。すぐに、戻ってくる」
杏子「あん?なんだよ、ここまで来てビビったか?」
ほむら「………」
杏子「っ……」
マミ「わたしたちの事は気にしないで。……大事な用事、なのでしょう?」

わたしの真剣な顔を見て、四人とも何かを察してくれたようだった。

ほむら「……ありがとう」

了承を得たわたしは、ビルの影へ向かう。

織莉子「………」
キリカ「………」

真剣な、それでいてどこか悲しそうな顔をした美国織莉子。
その織莉子を支えるように、傍らに静かに佇む呉キリカ。

まどか「……ほむらちゃん……」

それと……避難所に向かったはずの、鹿目まどか。
その三人が、わたしが来るのを待っていた。



188:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/14(月) 18:51:56.10 ID:GTqqUjph0

ほむら「ま、まどかっ……!?なぜ見滝原に残っているの!?」
まどか「……織莉子さんに、呼ばれたの。ほむらちゃんの決断を、見届けてあげて欲しい、って」
ほむら「わたしの、決断……?」

今更、何を決断しろと言うのか。

織莉子「……まずは、視て欲しいものがあるの」

そう言って織莉子は、水晶を取りだした。
それに、あの時と同じように未来の光景が映し出される。

ほむら「……………」

いいだろう、視てやろうじゃないか。
わたしの絶望、それ以上に驚くことなどありはしないだろうが。



189:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/14(月) 18:52:53.36 ID:GTqqUjph0

~~~

とある時間軸―――

暗い部屋の片隅で、暁美ほむらは俯いていた。
何かを考えているようだった。
そして、虚ろな目をしながら、口をゆっくりと開く。

ほむら「もういやだわまどかなんてどうでもいい」

そんな言葉が、ほむらの口からついて出てきていた。

ほむら「ふふ……あははは……あははははははははははは……」

ほむらは笑い始める。
全てを諦めたように、世界に呪いを振りまくように。

ほむら「そうよ!どうでもいい!まどかを救えないわたしになんて、祈りが成就しなかった魔法少女なんて……!!」








ほむら「この世に、必要なんてないじゃない!!!」

その言葉を最期に、ほむらは倒れ込む。
テーブルに置かれていたソウルジェムに亀裂が入り、それはグリーフシードへと変化した。
そのグリーフシードから、魔女が孵化する。

ホムリリー「――――――」

此岸の魔女。黒いオーラを纏い、結界には身を潜めない珍しい魔女だ。



190:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/14(月) 18:53:56.03 ID:GTqqUjph0

~~~

場面は移り変わり、場所はとある魔女が展開した結界内。
そこに、赤い魔法少女と青い魔法少女、おめかしの魔女とその手下が二体、それと此岸の魔女がいた。

杏子「……おい。まさか。やめろ」
さやか「杏、子……?」

此岸の魔女は、おめかしの魔女に近づいて行く。
その眼前まで行くと、おめかしの魔女の体をその手で掴む。

ホムリリー「――――――――」
キャンデロロ「ウフフフフフフフフフフフ」

杏子「やめろっ……!!」

赤い魔法少女、佐倉杏子が動こうとすると、二体の使い魔が杏子の体を拘束する。

杏子「離せ、てめぇらっ……!!」
くろいろさん「……」
あかいろさん「……」

おめかしの魔女を掴んだ此岸の魔女は、その手を自身の体へと持っていく。



191:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/14(月) 18:54:23.00 ID:GTqqUjph0

杏子「やめろやめろやめろやめろっ……!!」
さやか「………え?」

そして。
おめかしの魔女は、此岸の魔女の体の中へ沈んで行った。

さやか「ま、マミ……さん……?」
杏子「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
ホムリリー「―――……アハハハ」

一部始終の行動を終えた此岸の魔女は。
静かな笑い声を、放っていた。



192:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/14(月) 18:55:39.61 ID:GTqqUjph0

~~~

再び場面が移り変わる。
今度は、武旦の魔女が展開した結界内。

ホムリリー「………アハハハ」
オフィーリア「グ……ガアアアア!!」
ホムリリー「アハハハハハハハハハハ」

此岸の魔女は、武旦の魔女の体を片手で吊るしあげる。
そしてその大きな体を、その身に埋め込み始めていた。

オフィーリア「ガガガ……グオオオオオ……」
ホムリリー「………アハハハハハ………」
オフィーリア「グガガガガアアアアアア……オオオオオ……」
オクタヴィア「オオオオオオオオオオ!!」

近くで倒れ伏していた人魚の魔女が起きあがり、此岸の魔女へ向けて多数の車輪を撃ち放つ。
その攻撃は、此岸の魔女に全弾命中……したかのように見えた。
が、実際はその攻撃の全てが此岸の魔女にぶつかる直前に弾き飛ばされていた。
此岸の魔女。暁美ほむらの魔女。
彼女は、とある者の攻撃以外を一切無効化する性質を持っている。
その性質はおめかしの魔女をその身に取り込んだ事で少しだけ緩和されていた。
だが、その程度の緩和なら並の魔女や魔法少女の攻撃は通用しない。



193:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/14(月) 18:56:09.08 ID:GTqqUjph0

ホムリリー「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
オフィーリア「グギ……ギャアアアアアアアアア……」
ホムリリー「……アハハハ……アハハハハハハ………」
オフィーリア「ギャアアアアアアアアオオオオオオオオオオオ………」

少しずつ、武旦の魔女が此岸の魔女の体の中へ沈んでいく。

オクタヴィア「オオオオオオオオ!!!」

人魚の魔女は、それをよしとしない。
尚も攻撃を続ける。
此岸の魔女はそんな事、意にも解さない。

オフィーリア「オオオオオオ…………ガアアアアアアアア………―――」

やがて、武旦の魔女が完全に飲み込まれる。



194:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/14(月) 18:57:05.51 ID:GTqqUjph0

それと同時。周囲の光景は変化する。
武旦の魔女が展開していた結界から、人魚の魔女が展開する結界へと。

ホムリリー「………………キャハハ」
オクタヴィア「オオオオオオオオオアアアアアアアアア!!!!!」

止めることが出来なかったと知った人魚の魔女は、更に大きな咆哮を放つ。

オクタヴィア「オオオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
ホムリリー「キャハハハハ……」

人魚の魔女は、此岸の魔女へ突進する。
剣を構え、周囲には車輪を召喚して。

オクタヴィア「アアアアア!!」

その剣を振り下ろすと同時に、召喚した大量の車輪の全てを此岸の魔女へ向けて撃ち放つ。

ホムリリー「キャハ……キャハハハハハ………」

此岸の魔女は、人魚の魔女の攻撃に応対する。
剣を受け止め、多数の車輪を手で払いのける。



195:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/14(月) 18:57:37.85 ID:GTqqUjph0

ホムリリー「キャハハハ」

払いのけ終えた左手で、人魚の魔女を殴りつける。

オクタヴィア「オ……オオオオオオ……」

吹き飛ばされた人魚の魔女は、結界の壁に叩きつけられた。

ホムリリー「キャハハハ……キャハハハハハハハハハハハ……」

態勢を崩している人魚の魔女の下へ、ゆっくりと近づいて行く。

オクタヴィア「オオ……アアアア!!」

射程圏内までやって来た事を確認した人魚の魔女は、手に持っていた剣を横一閃に薙ぐ。
その剣を、此岸の魔女は根元から叩き折った。



196:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/14(月) 18:58:12.94 ID:GTqqUjph0

ホムリリー「………キャハハ」
オクタヴィア「………オオオ……」

とうとう戦意を失ったのか、人魚の魔女は両手を地面に落とす。
此岸の魔女はそんな人魚の魔女の片腕を掴み、容赦なく吊るしあげた。

ホムリリー「キャハハハハハハハハハハハ」
オクタヴィア「………」

人魚の魔女は、もう咆哮も上げない。
その体を、少しずつ、自身の体へ取り込んでいく此岸の魔女。

ホムリリー「………キャハハ」
オクタヴィア「……―――」

やがて、人魚の魔女の体も全て此岸の魔女に取り込まれた。

ホムリリー「………キャハハハ……アハハハハハハハハハハハハハハ!!キャハハハハハハハ!!」

戦いを制した此岸の魔女は。
かつての魔法少女の最期のように、笑い続ける。



197:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/14(月) 18:59:28.76 ID:GTqqUjph0

~~~

ホムリリー「………」
まどか「……ほむら、ちゃん……?」

計三体の魔女を取り込んだ此岸の魔女は、その戦いを傍観していた少女の元へ向かう。

ホムリリー『………ツギハアナタヨ、マドカ』
まどか「っ……!?」

此岸の魔女は、傍観していた少女、鹿目まどかに語りかける。

ホムリリー『コウスレバ、アナタヲマモルコトガデキルワネ』
まどか「何を言ってるの、ほむらちゃん……?」
ホムリリー『カンタンナコトジャナイ。ワタシ、ナニヲタメラッテイタノカシラ。
       イクラアナタガツヨイソシツヲモッテイヨウト、インキュベータートケイヤクサセナケレバ、タダノムリョクナショウジョネ、マドカ』
まどか「………」
ホムリリー『サア、ワタシトイッショニ、シガンヲタビシマショウ』
まどか「嫌、嫌だよ、ほむらちゃん……正気に戻ってよ……」

まどかは、此岸の魔女に語りかける。



198:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/14(月) 19:00:09.51 ID:GTqqUjph0

ホムリリー『アナタノイウコトナンテ、ワタシニハカンケイナイワ』
まどか「ほ、ほむらちゃん……っ?」
ホムリリー『モウイヤダワマドカナンテドウデモイイ』

自身に言い聞かせるかのような言葉を言い放つ。
それが、彼女の絶望。

ホムリリー『ダッテ、ワタシトヒトツニナッテシマエバ、アナタニハモウドウシヨウモナイモノネ?』
まどか「………」
ホムリリー『サア、コレデワタシノサイショノタビハオワリ。コレカラ、アタラシイタビガハジマルワ。イツマデモイッショヨ、マドカ……』

此岸の魔女が、まどかの体を掴む。
そしてその体を、自身の体へ取り込んで行く。

ホムリリー『……アナタハ、ホカノヒトタチトハベツ。ワタシノカラダノチュウスウデ、イツマデモ、ドコマデモイキマショウ、マドカ』

まどかの体を全て埋め込み終える。



199:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/14(月) 19:01:23.57 ID:GTqqUjph0

ホムリリー「キャハハ……アハハハ……」

全てを終えた此岸の魔女は、その姿を変えていく。
鹿目まどかに対する恋慕とも言える程の感情。
その感情に対する背徳心。
自棄を起こし、この世の全てに呪いを振りまく為。
此岸と言う名の戦いの舞台に、全ての魔法少女を招待する為に。
結局何も成すことが出来なかった魔法少女は、自身の無力さを肯定した。

????????「アハハハハハ……キャハハハハハハハ……」

徐々に姿を変えながら、魔女は空へと浮かんでいく。
かつて魔法少女だった時の能力であった時間遡行の魔法。
それは魔女となることで完全にタガが外れていた。

QB「………そういうこと、だったのか」

一部始終を見届けたインキュベーターが、静かに呟く。

QB「時を操る魔法を使える魔法少女なんて、今まで生まれたことがなかったから考えたこともなかった。
   今、こうして眼の前にしても、まだ信じきれないよ。
   ワルプルギスの夜。その正体は、キミを中心にして集まった、無数の魔女の魂だったんだね、暁美ほむら」



200:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/14(月) 19:02:38.48 ID:GTqqUjph0

ワルプルギスの夜「キャハハハ……アハハハハハ………」

舞台装置の魔女。ワルプルギスの夜は、笑い続ける。
自身の最も求めた世界は、手に入りはしない。
それをも肯定した所為で、わずかに残っていた理性すら完全に消え去った。
後は、ただ笑い続けるだけ。
複数の魔女を取り込んだことによって、まどかの攻撃以外は無効化する性質もある程度は緩和されている。
しかしそれを代償に、魔女としては破格の力を持つに至った。
此岸の魔女の目的は、それだったのかもしれない。
まどかではなく、他の誰かに倒してもらえるように。
だが、それを知る術は、最早無い。

QB「………さて。僕は僕で、仕事を続けるとしよう。さようなら、暁美ほむら―――」

インキュベーターのその呟きを最後に、ワルプルギスの夜はその姿を消した。
過去へ遡り、多くの絶望を振りまく為に。
―――或いは、誰かに倒される為に。



201:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/14(月) 19:05:10.20 ID:GTqqUjph0

以上、ここまで
わかる人はわかると思いますが、この『とある時間軸』は以前に俺が書いたSSでの出来事となっています。
わからない人の為に、ログのURLを残しておきます
ほむら「もういやだわまどかなんでどうでもい」
http://elephant.2chblog.jp/archives/51895771.html



202:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/14(月) 19:05:37.14 ID:YksxGNYIO

あの作者だったのか!



209:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/15(火) 20:11:36.33 ID:CCsMCMO+0

―――――
―――


現在の時間軸、見滝原大橋―――

~暁美ほむら~

織莉子「……………これで、本当に全てよ」

美国織莉子の持っていた水晶の輝きが、完全に消失した。

ほむら「………そ、そん……な……」

空の向こうでは、今なおワルプルギスの夜が笑い声を放っていた。

織莉子「あそこで、悲しい笑い声を発しているのは……誰でもない、あなた自身」
ほむら「わたし、が……ワルプルギスの夜……に……?」

信じられない。
信じたくない。
あそこで笑っているのが………わたし……なの……?



210:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/15(火) 20:12:46.30 ID:CCsMCMO+0

織莉子「……これだけは、あなたに視せたくなかった」

織莉子は顔を伏せ、涙を流しているようだった。

織莉子「この事実をあなたが知らないまま、乗り越えられたらよかった……でも、それは……」
ほむら「………」

おぼつかない足取りで、見滝原大橋に並んでいるさやか達の下へ行く。

さやか「ほむら?どうしたの?もう、ワルプルギスの夜がすぐそこまで来てるよ」
ほむら「……………………………………………………………あははは」
マミ「あ、暁美さんっ?どうしたのっ?」

そう、か。
わたしが思い至った事実は………ほんの入り口に過ぎなかったのか。



211:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/15(火) 20:13:47.13 ID:CCsMCMO+0

ほむら「わたし、もう、ダメだ……」

せっかく、まどかと心を通わすことが出来たのに。
この世界が、わたしの終着点だと決めたのに。
わたしの最大の敵。それを生み出したのが、他の誰でもない、わたしだったなんて。
滑稽。滑稽だ。

まどか「………ほむらちゃん……」
ほむら「まどか……」
まどか「…………………………」
ほむら「もう、わたしは終わりよ………まどか」

変身を解き、ソウルジェムを握り締める。
そのソウルジェムから、嫌な感触が伝わってくる。
ああ、最期にまどかと話がしたかったけれど。
どうやら、それも満足に出来なさそうだ。



212:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/15(火) 20:14:32.61 ID:CCsMCMO+0

ほむら「やっと見えた、希望の光……辿りつけると思った、わたしの……」

わたしが何より求めた、世界。

まどか「………」
ほむら「夢にまで見た夢の世界……そこにわたしの居場所は無い」

そうだ、無いんだ。
だって、わたしは、あそこにいる。
あそこで、何がおかしいのか、笑い続けている。

ほむら「ゴメン、ゴメンねまどか、わたし、わたしが、あなたを……!」

橋の手すりに、わたしの魂を置く。
そして、手に持った拳銃を構えた。
わたしが死ねば、きっとワルプルギスの夜も消滅する。
それでいい。
それがいい。



213:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/15(火) 20:15:55.40 ID:CCsMCMO+0

杏子「おいっ、ほむら!?何をするつもりだ!?」
マミ「暁美さんっ!!?」
さやか「ほむらぁぁぁ!!」
ゆま「ほむらお姉ちゃん、ダメえええ!!」
織莉子「ごめん、ごめんなさい、ほむらさんっ………う、うぅぅぅっ……!!」
キリカ「……………」


ほむら「さようなら……わたしがいなくなった後のことを、お願いね、みんな……」



214:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/15(火) 20:17:17.91 ID:CCsMCMO+0

―――思えば美国織莉子は、最初からこの事実を視ていたんだ。

―――だから、わたしに同情してくれたんだ。

―――そして、わたしにはなるべくこの事実を伝えないように、世界を動かしていたんだ。

―――でも、これだけの戦力が揃っても、明るい未来は視ることが出来なかったんだろう。

―――なら、あと織莉子が選べる選択肢はひとつしかなかったんだ。

―――それが、わたしの死亡。

―――やがてワルプルギスの夜となるわたしが死ねば、きっとワルプルギスの夜も消滅する。

―――それでいい。

―――まどかをお願いね、美国織莉子………。



215:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/15(火) 20:18:25.60 ID:CCsMCMO+0

拳銃が乾いた音を響かせる。
放たれた弾丸は、ほむらのソウルジェムを撃ち砕く。
ほむらはその場に、力無く倒れ伏す。

まどか「……………ほむら………ちゃん……」

後にその場に響いたのは、まどかのその呟きだけだった。



221:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:23:35.16 ID:5ob6lUUo0

ワルプルギスの夜「キャハハハハ……アハハハハ………アハハハハ破波はハハハハハハハハ」

ほむらが倒れ伏したと同時。
ワルプルギスの夜の様子が一変する。

マミ「あ、暁美さん!どうしたの!?なんで……」
杏子「おい、ほむらっ!」
ゆま「ほむらお姉ちゃんっ!」
さやか「大丈夫、ほむらっ!?」

そんなワルプルギスの夜など構わずに、事情を知らない四人は倒れ伏したほむらに駆け寄る。
さやかが、ほむらの体を抱き上げた。



222:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:24:56.60 ID:5ob6lUUo0

さやか「……う、嘘…………い、息……してないよ……!?」
マミ「えっ……!?」
杏子「ど、どういうことだっ!?」
ゆま「え……え……?」

動揺する四人を余所に、織莉子、キリカ、まどかは酷く静かだった。
ほむらが倒れ伏したした理由を知っているから。
一番の理由はこれだろうが、三人は三人で思うところがあった。

織莉子「っ……みなさん、落ち着いて」

涙を拭い、織莉子は動揺する四人に話しかける。

織莉子「全て、お話します。ですが、その前に………」

織莉子とキリカの視線は、四人よりも遥か後方―――ワルプルギスの夜に注がれていた。

織莉子「倒さねばならない魔女が、三体」

ワルプルギスの夜「アハハハハハ……―――」

織莉子の言葉を最期に。ワルプルギスの夜の体が、爆ぜた。



223:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:25:41.79 ID:5ob6lUUo0

杏子「なっ、なんだ!?」
さやか「ワルプルギスの夜が……!?」
マミ「っ、呉さん!その人が、あなたの言っていた『織莉子』さん!?」
キリカ「ああ、そうだよ恩人。とりあえず、落ち着けみんな」

織莉子の後ろに立っていたキリカが先頭に立ち、簡潔に説明を始める。

キリカ「何故ワルプルギスの夜が爆ぜたか、何故暁美が倒れたのか……それは、後で話す。今は、三体の魔女を倒そう」
さやか「魔女……って……!?」
杏子「な、なんだ!?」
マミ「急に、複数の魔女の気配が……っ!」

マミの言葉を皮切りにして六人の魔法少女は三手に分けられた。
おめかしの魔女の結界にはマミとキリカが。
武旦の魔女の結界には杏子とゆまが。
人魚の魔女の結界にはさやかと織莉子が。

更に、人魚の魔女の結界にはまどかと倒れ伏したほむらも連れ込まれていた。








織莉子「さぁ……ほむらさんの選択、その後始末と行きましょう」



224:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:26:37.91 ID:5ob6lUUo0

おめかしの魔女結界中枢。
小さな体をした魔女に、巴マミと呉キリカが相対していた。

マミ「な、なんなの一体!?暁美さんが自身のソウルジェムを砕いたと思ったら、ワルプルギスの夜の体が崩壊して、それで魔女が……っ!」
キリカ「落ち着け、恩人。後で、わたしと織莉子が全て話すから。とりあえず、今は」

動揺するマミを諭しながら。
キリカは、目の前に降り立つ魔女へ視線を向けた。

キャンデロロ「ウフフフフフフフフフ」

キリカ「あの魔女を倒すのを優先しよう」
マミ「っ……もう!本当に何が起こってるのよ!」

魔女が眼前にいることを確認したマミは、複数のマスケット銃を取り出す。
キリカはキリカで、手の鉤爪を構え魔女へ向けて突進する。



225:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:27:15.93 ID:5ob6lUUo0

キリカ「悪いけれど、加減はしないよ!」

右手に付いた三本の鉤爪で、魔女の体を切り刻もうとする。

キャンデロロ「アハハハハ」

しかしその攻撃は、小さい体の魔女には当たらない。
器用に、全ての攻撃を見切られていた。

キャンデロロ「ウフフフフ。アハハハハハ」

攻撃を避しながら、魔女は腕に当たる部分に生えているリボンを伸ばして攻撃を仕掛けて来る。

キリカ「甘いよ!」

伸びて来るリボンを全て切り払いながら、キリカはインファイトの距離を保ち続ける。



226:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:28:28.53 ID:5ob6lUUo0

マミ「呉さん!下がって!」
キリカ「っ!」

マミの一声で、キリカは魔女から飛び退く。

マミ「食らいなさいっ!!」

召喚したマスケット銃を四つ、魔女目掛けて放つ。

キャンデロロ「ウフフフフフフフフフフフフ」

その魔弾をも全て回避した魔女は、いつの間にか後ろに現れていた使い魔の体の中へ隠れる。

キリカ「それで隠れたつもりかい?」

着地後、その使い魔目掛けてキリカは再度突進を仕掛ける。
使い魔の体は、淡い光を放っていた。



227:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:29:59.46 ID:5ob6lUUo0

マミ「っ!!ダメ、呉さん!!避けて!!」
キリカ「えっ…!?」

マミの言葉に気を取られたその一瞬。
黒い使い魔は飛びあがり、大砲を撃ち放つ。

キリカ「ぐっ!?」

それを間一髪、横っ跳びでキリカは回避する。
砲撃はキリカの横を通り過ぎ、直線上に立っていたマミの方へ飛んでいく。

マミ「ティロ・フィナーレッ!!!」

その攻撃に応えるようにして、マミも巨大な大砲を撃ち放った。
二つの砲撃が相殺し、辺りに爆音を響かせる。

キリカ「危ないところだった!感謝するよ、恩人!」

キリカはマミに感謝の言葉を言うと、着地と同時に魔女が隠れている使い魔へ飛びかかる。



228:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:31:09.42 ID:5ob6lUUo0

砲撃後で隙のあった使い魔は、その攻撃に応対することが出来なかった。

キリカ「終わりだ!!」

両の手をクロスさせ、使い魔の体を切り刻む。
倒れ行く使い魔の体から、小さい体の魔女が飛び出してくる。

キリカ「めんどくさい奴だね!これで終わりにする!!」

その掛け声と同時。
片手に三本だった鉤爪が、五本に増える。
それを構え、飛び上がっている魔女を追いかけるように、キリカも跳躍する。

キリカ「これで終いだ!」

クロスしたままだった手を大きく広げるようにして、魔女の体を切り刻んだ。

キャンデロロ「アハハ……ウフフフ……―――」

体に無数の切り傷を付けられた魔女は、地に落ちると同時に崩壊して行く。

キリカ「お疲れ様、恩人」
マミ「………」

マミは何故だか、その魔女が崩壊して行く姿から目を離すことが出来なかった。



229:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:32:03.65 ID:5ob6lUUo0

武旦の魔女結界中枢。
馬に跨った魔女に、佐倉杏子と千歳ゆまが相対していた。

杏子「ちっ……なんだってんだ……!」
ゆま「キョーコ!考えるのは後!」

考えがまとまらない杏子に、ゆまが声を掛ける。
魔女は虚ろな足取りで、辺りを詮索するように歩きまわっていた。
やがて、その視線は。
正面に相対していた二人の魔法少女に向けられた。

オフィーリア「グアアアアアアアアア!!!」

魔女は二人の姿を確認すると、禍々しい咆哮を発しながら凄まじい勢いで駆けて来る。

杏子「ゆま!来るぞ!!」
ゆま「うんっ!」

魔女の突撃を、左右に展開して回避する。
そして、魔女の右方からは杏子が槍を引き延ばして。
ゆまは手に持ったハンマーを頭上高く掲げて。
魔女へ向けて攻撃を仕掛ける。



230:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:32:36.58 ID:5ob6lUUo0

オフィーリア「ガアアアアアアア!!!」

二人の攻撃を受けても、魔女は怯まなかった。
その体が、霧に囲まれて行く。

杏子「なっ、なんだ!?」
ゆま「ま、魔女が……ふえた……!?」

二人が見た光景。
それは、馬に跨った魔女が三体に増えている所だった。

オフィーリア「………」

当然、三体のウチ二体は幻覚だ。
だが、姿形が全く同じな為、見分けがつかなかった。



231:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:33:36.15 ID:5ob6lUUo0

杏子「はんっ!数が増えたところで、あたしには関係ねぇな!!」

多少動揺した杏子だったが、気を取り直して手に持った槍を地面に突き立てる。
辺りが地響きで揺れると、三体の魔女の足元から巨大な槍が姿を現す。
二体には命中。だが、一体はゆまの方に跳んだことでその攻撃を回避していた。

ゆま「っ!?」
杏子「ゆま!!」

ゆま目掛けて突進を仕掛け、その槍を大きく振り抜く。
突然の事で体が反応しなかったゆまは、魔女の攻撃をモロに食らっていた。

ゆま「うぐぅぅっ……!!」

ガードも出来ずに、大きく吹き飛ばされるゆま。

杏子「てめぇっ!!」

魔女の後方にいた杏子は、槍を引き延ばして多節棍を展開する。



232:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:34:45.18 ID:5ob6lUUo0

オフィーリア「グオオオ!?」

その多節棍は、魔女の体にグルグルと巻きつく。
手に持っていた部分を引き寄せ、魔女の体を大きく上へ放り上げた。

杏子「食らいなっ!!」

自身の頭上にいる魔女に視線を移し、空いている手に新しい槍を作り上げる。
それを巨大化させ、魔女目掛けて投げ放った。

オフィーリア「ガアアアアアアアア!!!」

魔女は魔女で、その体を巨大な槍に変形させ、迎撃する。
二つの巨大な槍が衝突する。

杏子「ちぃっ!!」

杏子の投げた槍は弾き飛ばされ、地面に立っている杏子の方へ落ちて来る。
それをバックステップでかわし、その手にまた新しい槍を作り上げた。

オフィーリア「グオオオオオオオ……!!」

一方、巨大な槍から元の姿に戻った魔女は、自身の突撃の威力が完全に失われ、放物線を描いてゆまの方へ落ちて行く。



233:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:35:39.83 ID:5ob6lUUo0

ゆま「っ……!!」

魔女にやられた傷を癒したゆまは立ち上がり、手に握ったハンマーに力を込める。

ゆま「えぇぇぇいっ!!」

落ちて来る魔女の体にタイミングを合わせ、そのハンマーを力いっぱい魔女に打ち付ける。
衝突と同時に、魔女の体に衝撃波を響かせる。

オフィーリア「ギャアアアアアアアアアアア!!!」

ゆまの攻撃をモロに食らった魔女は、断末魔の悲鳴を上げる。
地面に落ちたところで、魔女の体が崩壊していった。

ゆま「はぁ……はぁ……やったね、キョーコ」
杏子「………」

杏子はマミと同じように、崩壊して行く魔女の体を眺め続けていた。



234:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:36:38.47 ID:5ob6lUUo0

人魚の魔女結界。
使い魔が奏でる演奏に聴き入っている魔女に、美樹さやかと美国織莉子が対峙していた。
二人の後方には、更にまどかと倒れているほむら。

さやか「な、何なのさ一体っ!?」
織莉子「さやかさん、落ち着いて……とにかく、この魔女を倒さなくては」
まどか「………」

動揺するさやか、冷静な織莉子、俯いて涙を流しているまどか。

オクタヴィア「オオオオオオオオオ…………オオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」

使い魔の演奏を聞いていた魔女が、突如咆哮を上げる。
それは、自身のコンサートホールに入って来た侵入者三人へ向けて。

さやか「あーもうっ!!後でちゃんと説明してよ、織莉子さんっ!!」
織莉子「ええ……つらい事実を告げることになりますが……」

魔女に向けて駆けて行くさやか。
織莉子は魔女との戦いを始める前に、まどかの周辺に結界を展開する。

織莉子「まどかさんは、ここで……わたしとさやかさんの戦いを、見守っていてください」
まどか「………」

まどかはそれに答えない。
ただ俯き、ほむらの体を抱きしめているだけだった。



235:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:37:48.86 ID:5ob6lUUo0

さやか「はぁっ!!」

両手に持った剣で、魔女に斬りかかる。

オクタヴィア「オオオオ!!」

魔女はその攻撃に、二つの車輪をぶつけることで応対する。
両断された車輪が二つ、さやかの後方へ飛んでいく。

織莉子「さやかさん、そのまま真っ直ぐ!!」

織莉子はさやかを援護するように、無数の水晶を魔女に放つ。
さやかへ向けて振り下ろされていた剣が、その水晶によって軌道を逸らされた。

さやか「ありがとう、織莉子さん!!」

織莉子の援護に感謝の言葉を告げ、さやかはそのまま魔女に取りついた。



236:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:38:41.16 ID:5ob6lUUo0

さやか「くらえええぇぇぇぇぇっっ!!」

左手に握っていた剣を横へ放り投げ、右に持っていた剣を両手で持ち直す。
その剣を、渾身の力で振り下ろす。

オクタヴィア「オオオオオオアアアアアアアアアアアアッッ!!?」

攻撃を放ったところで、さやかは魔女から飛び退いて距離を取る。
魔女の胴体から腰にかけて、痛々しい切り傷が出来ていた。

さやか「……しぶといね。思い切りやったつもりなんだけど」
織莉子「っ……」

織莉子とさやかは、追撃を仕掛けるのを躊躇っていた。
魔女は、攻撃を受けたことで怯んでいるようだった。

オクタヴィア「……オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

数刻の後、魔女は今まで以上の咆哮を上げた。
周囲にはおびただしい程の数の車輪を召喚して。



237:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:39:38.81 ID:5ob6lUUo0

さやか「っ!!」
織莉子「……!!」
オクタヴィア「オオオオオオオオオオオ!!!」

手に持った剣を振り下ろし、車輪の全てを二人に向けて放ってくる。

さやか「くっ!!?」

さやかは織莉子を庇うように前に立ち、その車輪を捌いて行く。

織莉子「……ごめんなさい―――」

誰にも聞こえないように、織莉子は呟いた。
そして、魔女が召喚した車輪の数に負けない程の水晶を召喚し、魔女に撃ち放つ。
多数の水晶玉は、器用に魔女が放つ車輪を避けながら魔女に迫って行く。

オクタヴィア「アアアアアアアアアアアアアア!!!!!?」

水晶のひとつが、魔女に当たる度に炸裂する。
そしてそれは、ふたつ、みっつと増えていく。
魔女の体が、爆煙によって見えなくなる。
全ての水晶を撃ち終えたところで、魔女の咆哮が聞こえなくなった。
爆煙が引いて行く。



238:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:41:05.21 ID:5ob6lUUo0

織莉子「っ……」
さやか「た、倒した……?」

魔女は、ボロボロの体を横たえていた。
魔女が座していた部分が、爆発によって吹き飛んでいた。
そこには。

さやか「……え?ま、まどか……?」

静かに、倒れ込んでいるまどかの姿があった。

まどか「……………」

今まで俯いていたまどかが、その言葉を聞いて顔を上げる。

織莉子「………」

織莉子は何も言わず、ほむらの側でしゃがみ込んでいたまどかの元へ歩み寄る。
そして、ほむらの亡骸を抱き上げた。

さやか「え?お、織莉子、さん?」

さやかの呼びかけにも、織莉子は反応しない。
倒れ込んでいるまどかの側に、ほむらの亡骸を置く。



239:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:41:41.30 ID:5ob6lUUo0

織莉子「………お疲れ様、暁美ほむら。もう、あなたは戦わなくってもいい……ここで、静かに……」

魔女結界の崩壊が始まる。

さやか「っ……ちょっと、織莉子さんっ!?ほ、ほむらと、その……まどかは!?」
織莉子「このままで、いいんです。ほむらさんも……まどかさんの側で消えて行けるなら、きっと本望」

崩れ行く結界に、ほむらとまどかは飲み込まれて行く。

織莉子「おやすみ……ほむらさん……まどかさん……」



240:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:43:16.97 ID:5ob6lUUo0

それぞれが魔女を倒し、見滝原大橋へと戻ってくる。

杏子「さぁ、美国織莉子。何がどうなってんのか、教えてもらおうか?」
マミ「………」
さやか「………」
ゆま「………」

四人の魔法少女は、織莉子に詰め寄る。

織莉子「……わかっている。約束ですもの。全て、お教えします」
キリカ「ここじゃ何だ。織莉子の家に行こうか」
織莉子「ええ……みなさん、ついてきて」

そうして、織莉子とキリカは歩きだす。
マミ、杏子、ゆまはその後を追う。
さやかは、歩く気力の残っていないまどかに肩を貸し、更にその後ろを着いて行った。



241:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:44:05.35 ID:5ob6lUUo0

織莉子「………」

美国の家の中。
そこに、七人の少女が揃っていた。

織莉子「さて、何から話しましょうか……」

織莉子のそのひと言を皮切りに、ぽつり、ぽつりと話が始まる。
ほむらが自身のソウルジェムを砕いた理由。
魔法少女の真実。
先程の三体の魔女の正体。
ワルプルギスの夜の正体。
ほむらが最期、どこへ消えたのか。
それら全てを語り終える頃には、日は完全に暮れていた。



242:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:46:00.65 ID:5ob6lUUo0

マミ「ソウルジェムが、魔女を……っ!?」
杏子「ワルプルギスの夜が、あたしたちが集まった魔女だってーのか……!?」
さやか「あ……あたし、もう……」
ゆま「………」

四人は、ショックを隠せない。
一度に全てを知らされたせいで、それ以上の言葉が出てこなかった。

織莉子「…………ほむらさんは、わたしから聞いた真実を全て知らされて……それで、自身の死亡と言う形でワルプルギスの夜に終止符を打った……」

それが、美国織莉子の最終的な目的だった。
しかし、後味の悪さは如何ともしがたい。



243:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:46:52.49 ID:5ob6lUUo0

マミ「そんな……そんなっ……!」
杏子「っ……!」
さやか「………」

織莉子「わたしからは、謝ることしか出来ません。でも、結果として、彼女が守ろうとしたものは、守り切る事が出来た……」
杏子「っざけんじゃねぇ!!てめぇ、なんとも思わねぇのかよっ!!?」

杏子が激昂し、織莉子の胸倉を掴む。
それを見たキリカが杏子に攻撃を仕掛けようとするが、織莉子は手で制する。

織莉子「なんとも……思っていないように見えますか?」
杏子「っ……」

織莉子の真剣な目は、全てを物語っていた。
どこまでも真っ直ぐな瞳。
その瞳には、今にも零れ落ちそうな程に涙が溜まっていた。

杏子「…………チッ!!」

突き放すように、織莉子の胸倉を離す杏子。



244:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:49:07.69 ID:5ob6lUUo0

キリカ「恩人。キミはこの真実を知って、どうする?」
マミ「ソウルジェムが、魔女を生むのなら……わたし、は……」

マミのソウルジェムが、濁り始める。

キリカ「……暁美ほむらの決意を、キミも見ていたはずだろう?ソウルジェムがグリーフシードに変わりそうになったなら。その時は、破壊すればいい」
マミ「っ………」
キリカ「忘れないことだ。魔女になりたくないのは、恩人だけではない、と言うことをね」

そう言って、キリカは先程手に入れたグリーフシードをマミのソウルジェムに当てた。



245:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:50:54.92 ID:5ob6lUUo0

マミ「それ、は……わたしの……」
キリカ「………別の時間軸のキミに、感謝することだ」
マミ「………」

輝きを取り戻したソウルジェムを、マミはただ見つめる。

マミ(そう、ね。魔女になった魔法少女だって……なりたくて、なったわけじゃない)

なら、後自分に出来ることは。
今まで通り、魔女を倒してこの街を、見滝原を守ることだ。
それが、魔女へその身を落とした魔法少女への手向けにも、なる。
そう、マミは決心した。



246:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:53:07.72 ID:5ob6lUUo0

さやか「……………あたし、もう、人間じゃ……」
織莉子「ごめんなさい、さやかさん……」

織莉子は、謝り続ける。
まどかを契約させず、ほむらにも真実を告げずに、ワルプルギスの夜を撃破する。
それが、美国織莉子の最初の目的だった。
その為には、戦力は多い方がいい。
そこまで思い至り、織莉子はさやかに契約を勧めたのだった。

さやか「………はは、バカみたい。恭介の腕が治って、浮かれて……」
織莉子「後悔……してますか?」
さやか「ううん……後悔は、してない。だって、結果はどうであれ、恭介の腕は治ったんだし。
     それに、織莉子さんに背中を押してもらわなかったら、きっとあたしは恭介に告白する勇気は無かった」
織莉子「………」
さやか「ありがとう……って言うのも、ちょっとおかしいかな。ま、あたしはあたしで頑張る。だから、さ。織莉子さん、落ち込まないで」

それが、さやかの決断だった。
例えどんなことがあろうとも、決して後悔はしない。



247:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:54:23.20 ID:5ob6lUUo0

さやか「胸を、張らなきゃ。織莉子さんは、織莉子さんにしか出来ないことをやったんだから。ね?」
織莉子「………」

さやかは立ちあがり、いつかの自分のソウルジェムであったグリーフシードを織莉子のソウルジェムに当てる。

織莉子「さやかさん………」
さやか「生きられるうちは、あたしも、織莉子さんも……みんなも、頑張って生きようよ。ね?」
織莉子「あなたを唆したわたしを、許してくれるんですか……?」
さやか「許すも何も、あたしは別に織莉子さんに対して怒ってるわけじゃないよ」

自分が決めたことだ、とさやかは自身に言い聞かせる。
いずれにしろ、さやかは幸せなのだ。
ならば、後は。
手に入れた力を、正しいことの為に使うだけだった。



248:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:55:24.94 ID:5ob6lUUo0

ゆま「ねぇ、キョーコ。ゆまたちは、どうするの?」

怒り心頭の杏子に、ゆまは問いかける。
二人は元々、ワルプルギスの夜を倒したら風見野へ帰る予定だった。

杏子「あたしたちはどうするもこうするも無いさ。結果としてワルプルギスの夜が倒れたんなら、後は風見野へ帰るだけだ」
ゆま「魔法少女の真実は?」
杏子「はっ、どうでもいいねンなこと。どっちにしたって、あたしの生き方は変わんねぇよ。ゆまも、そうだろ?」
ゆま「うん!ゆまは、キョーコと一緒なら何も恐くないもん!」

この場に集まった魔法少女の中では、この二人が何よりも強かった。
魔法少女の真実も、ほむらの目的も。
全てを受け入れて、二人はこれからも変わらず生きて行こうと決めたのだった。



249:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:56:01.17 ID:5ob6lUUo0

まどか「………」

鹿目まどかは、一人で相変わらず落ち込んでいた。
ほむらの目的。
ワルプルギスの夜の正体。
それらは、まどかにはあまりにも衝撃が強かった。

織莉子「鹿目まどか……」
まどか「わたし……どうすれば、いいのかな……」

何か、自分に出来ることはないのか。
先程から、そればかり考えていた。



250:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:57:33.60 ID:5ob6lUUo0

キリカ「キミが何かを成したいと言うのなら。暁美の意思を、汲んであげること。それ以外にはないよ」
まどか「ほむらちゃんの、意思を……?」
キリカ「そう。暁美は、キミとの約束を守る為だけに行動していたんだ」
まどか「………」
織莉子「これは、あなたへの罰ですよ、鹿目まどか」
まどか「わたしへの、罰……?」
織莉子「そう。暁美ほむらに掛けた、呪いとも言える言葉。キュゥべえに騙される前の自分を、助けて欲しい。
     その約束の結果が、これなのだから」

全てを知ったほむらは、自身の死亡と言う形でまどかとの約束を守った。
彼女が何より求めた世界は、確かにここに存在していた。



251:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 22:59:35.62 ID:5ob6lUUo0

まどか「………でも、ほむらちゃんは、報われないよ……可哀想だよ……」
織莉子「その想いが強ければ強い程、あなたは魔法少女にはなるべきではない」
まどか「………」
織莉子「ほむらさんの想い……それを、無下にするつもりでは、ないですよね?」
まどか「……グスッ……」
織莉子「厳しいようだけれど……あなただけは、魔法少女にはさせない。
     それがほむらさん自身の願いであり、祈りであり、またわたしの目的でもある」

言葉を選ばずに、織莉子はまどかに当たる。



252:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 23:00:28.31 ID:5ob6lUUo0

まどか「……うん、わかった。わたし……ほむらちゃんの事、絶対に忘れないよ……」
織莉子「そう、それでいい」

まどかの決心を聞き、織莉子は眼を瞑る。
そして、今日の行動によって未来にどのような変化が起こったのかを視る。

織莉子「……………」

視えた未来。
それは、まどかがどこかで、穏やかに笑っている世界だった。

織莉子(ほむらさん……これが、あなたが夢見た夢の世界なのですね)

そこには、織莉子の見知った者は他にはいなかった。
当然と言えば当然。
魔法少女は、一般人と共に生き続けることは出来ない。
でも、まどかは笑っている。
それだけで、織莉子には満足すぎる結果だった。



253:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 23:02:06.41 ID:5ob6lUUo0

QB「………やれやれ、してやられたね」

美国の家の前に立ち、キュゥべえは呟く。

QB「まさか、ほむらが自身のソウルジェムを砕くなんて。そこまでして、鹿目まどかの契約を阻止したかったのかな」

一部始終を離れたところで見ていたキュゥべえは、それが何より信じられなかった。

QB「まどかと契約出来れば、僕のこの星でのノルマも概ね達成出来ていたのだけれど……。
   この様子だと、まどかはもう契約することはないだろうね。潔く、諦めるとしよう」

それが、キュゥべえの最終的な決断だった。
何も、まどかと契約出来なければいけないと言うわけでもない。
キュゥべえはこれからも、魔法少女を、引いては、魔女を生み出し続けるのだろう。



254:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 23:03:31.58 ID:5ob6lUUo0

~     ~

ここは、どこ……
わたしは、たしか、じぶんでじぶんのそうるじぇむをうちぬいて……

「ごめんね、ほむらちゃん」

だれかのこえがきこえる……
あなたは、だれ……

「わたしの無神経なひと言が、どれだけほむらちゃんを追い詰めたのか。ほむらちゃんと一緒に長い時間を漂ったことで、わかったよ」

わたしが、おいつめられた……
ちがう……
わたしは、わたしがのぞむせかいのために……

「もう、ほむらちゃんはいいんだよ。いつまでも、一緒にいようね、ほむらちゃん……」



255:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 23:04:17.16 ID:5ob6lUUo0

……ああ、そうか……
あなたは、まどか……
かなめまどかね……

「あの時のほむらちゃんと、今ここにいるほむらちゃんは違うほむらちゃんなんだよね?でも、それでも、わたしの無神経さを謝らせて?」

あなたは、なにもわるくない……
わたしのねがいが、わたしじしんをおいつめただけだもの……
でも、そうか……
わたし、まじょにはならなかったから……
だから、わたしがのぞむものをてにいれてもいいんだ……



256:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 23:04:49.46 ID:5ob6lUUo0

まどか「行こう、ほむらちゃん」
ほむら「………ええ、まどか」

ゆめにまでみたゆめのせかい……ここが、わたしの、のぞんだせかい―――



257:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 23:05:43.04 ID:5ob6lUUo0

これにて投下終了です
五月の始めから半月の間、お付き合いありがとうございました
では、またどこかのSSスレで会いましょう



258:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank):2012/05/16(水) 23:07:46.90 ID:4erhpdqco

乙。物悲しいけど、本編よりは報われてるかもな。



260:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/05/16(水) 23:12:15.62 ID:5ob6lUUo0

最後に、参考画像を
このシリーズ一作目を書いた後に、こんな感じの終わりをと言われていた画像です
この通りの終わりに、なっているといいのですが……

http://livedoor.blogimg.jp/tmg24news/imgs/7/9/7951b965.jpg



263:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県):2012/05/16(水) 23:21:03.97 ID:1Rg96NVR0

乙!こういう終わり方もいいな

ほむら「だからあなたのことなんか嫌いよ……鹿目まどか」

ほむら「もういやだわまどかなんてどうでもい」



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        コメント一覧

          • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月17日 19:10
          • うーん
          • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月17日 20:27
          • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月17日 20:40
          • ちーん
          • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月17日 20:55
          • 5 確かに結構重い話だったけど作品としては凄くよかったと思う.色々ありましたが最後にほむらが夢の世界で報われたのは本当によかったと思う.真に乙です.次回作期待してます!
          • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月17日 21:11
          • いきなりおりキリがうざかったから見るのやめたんだけどこれおもしろい?
            おもしろいなら見る
          • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月17日 21:37
          • 面白いけど長いし重いな
            ただ本編に比べりゃ救いがあるし丁寧に書かれた良作って感じ
          • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月17日 21:51
          • 上手いなぁ・・・
            けど出来の良さとは別に、というか出来がいいからこそ
            死と救済と一緒になっているような展開は好きじゃない。
          • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月17日 22:07
          • タイトルがそれっぽいと思ったけどやっぱあの人だったか
          • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月17日 22:15
          • これよか本編のほうが救いがあるな

            流石に、夢の世界で救われたから良かったってのは、そりゃないだろう
            それを良いといってしまえば薬でも幻覚でも魔女状態でも良いって話になっちゃうよ
          • 10. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月17日 22:28
          • 三部作ラストか
            確かに死ぬことでしか報われないというのも悲しいものだ
            でもSSとしては素晴らしかった
          • 11. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月17日 22:31
          • ワルプルにまどかの攻撃しか効かないってところでほむプルまでは予想できてたのに続編だと気付けなかった…


            それで、シャルロッテさんはチーズが原因で絶望したってことでよろしいんです?
          • 12. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月17日 22:33
          • ※1、2馬鹿っていうやつが馬鹿なんだってのを体現しててわろす
          • 13. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月17日 22:35
          • ていうかワルプルの正体がなんであれ勝てばいい話じゃね?
            オリキリまでいて勝てないならプレアデスでも連れてくりゃ勝てるだろ。ひとつ前の世界で4人でいいセンいってたんだから
          • 14. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月17日 22:43
          • この人のSSは重いが面白い

          • 15. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月17日 22:53
          • 評価は真っ二つに分かれるパターンな気はする

            俺自身の中でも面白かったって思ってる部分ともやっとしてる部分と両方あるし
          • 16. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月18日 00:48
          • なるほどあの作者だったのか

            ほむほむには救われてほしいがアニメに比べたら救われてるほうだしなあ
          • 17. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月18日 03:30
          • 5 締めくくりは物足りないくらいで丁度良いと言っていた人が居たけど
            これを読んだ後なら少しわかる気がするわ
            これはこれでいい
          • 18. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月18日 07:42
          • オリコとかキリカみたいなオリキャラモドキが出て来るだけで萎えてしまう
          • 19. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月18日 12:54
          • 「あのSS書いたの俺ですドヤァ」とか言わずに、淡々と書いてくれてたらかなりの良作だった
          • 20. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月18日 13:24
          • いや、死後にほむらは夢の世界にいったんじゃなくて
            本編のまど神様の所へ逝ったんじゃないの?
            別に夢の世界で救いを得たとかいうラストじゃない気がする
          • 21. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月18日 13:48
          • 悪くない
            悪くないが、どうしても本編と比べてしまう
            やっぱり本編の終わらせ方は秀逸なんだよな
          • 22. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月18日 15:49
          • 最後の画像で泣いた
          • 23. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月18日 19:41
          • やっぱりまどかのあのセリフってキツイよな
            他のSSの『さやか「見滝原の悪夢」』でも思ったけど
          • 24. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月18日 20:01
          • 5 まどかのセリフの
            「無神経なひと言」
            ってのは、三週目の騙される前のわたしを(ryじゃなくて、前作の
            「守れない約束は(ry」
            じゃないのか?
          • 25. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月18日 20:23
          • 面白いっちゃ面白いんだけど納得いかないところがあって純粋に楽しめない…
            自分の理解力が低いだけなのかもしれないが。

            ワルプルは魔法少女の中では語られ続けるほど昔からいたはずなのに(少なくともほむらが魔法少女になる以前)何で正体がほむらなの?
            時間干渉の願いだったから?
            あとワルプルになったほむらは
            どのほむら?
            てか別の世界はほむらが過去に戻ることで作られるって設定じゃないの?
            語り手となってるほむら以外のほむらがワルプルになってるってことは別の世界も無数に既に存在してるってこと?
          • 26. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月18日 21:00
          • ※24
            どっちもだろ
          • 27. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月18日 21:04
          • SSとしては良い出来だとは思う。
            ただ、まどマギのSSとして見た時に、なんでこんなにムカムカ感が残るんだろう、とは思った。

            で、何でかなーって考えたら、本編の終り方と違って
            まどかとほむらに未来の希望ってモノが感じられなかった事が大きかったのかな、と…
            文章力とか構成力の高い作者なのに勿体無いなー
            このイラッとくる読後感さえ無ければ、と思うSSだったよ。
          • 28. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月19日 04:19
          • 俺は面白かったと思うぞ。
            色々と伏線を回収してるし、完成度高いじゃねーか。
            テーマを絞って、これまでの続編として構成してるのが面白い。
            この作者のまどマギの視聴感は、こういう感じなんだろうよ。
            酷評してる人もいるけど、少なくとも俺は楽しめた。
          • 29. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月19日 17:28
          • 最初に訳知り顔で出てきたキャラが、ほかのキャラを誘導し
            他人を犠牲にして自分の思う結末を迎え、しかもオリキリ自体は、何も失ってないと
            うまくいくいかない以前に、これじゃほかのキャラが最後まで
            おりこの思い通りに動く駒でしかないじゃない
          • 30. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月19日 18:27
          • 前二作は「レベルは高めだけど、バッドエンド病だなー」くらいだったけど
            この三作目も合わせると整合性も取れてて、かなり良い出来のSSだと思う。

            本編は結局まどかの願い事での救済だったし、このエンドの方がほむらは救われてるように感じてしまうな。
            Fateのセイバールートに納得できるか?あたりが近いかな。
          • 31. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月21日 08:19
          • 5 この作者すごいな…
          • 32. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月21日 21:59
          • ※29
            そりゃ織莉子は未来予知の魔法があるからな
            どういう行動を取ればよりいい結果になるかわかるんだろうよ
            おりマギでの織莉子はまどかを○すことに重きを置いてたからうまく行かなかった、って俺は思ってるんだけど
          • 33. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月22日 15:49
          • 原作アンチなのか原作への歪んだ愛情なのか知らないが まどマギSSはギャグ系か鬱やバットエンド(有る意味ではハッピーエンド)とかしかないな
            ギャグ系でのハッピーエンドはよくあるが、シリアスな話でのハッピーエンドは見たことない
          • 34. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月23日 03:33
          • 1 この作者のはあわん
          • 35. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月23日 20:13
          • 5 原作よりもこっちの終わり方の方が好きだなぁ。
            魔法少女の救済じゃなくて、ほむらが救われたっていうのが嬉しい。
            まぁ救われたかどうかの判断は読者次第な所もあるけどw

            織莉子とキリカの活躍や登場が唐突すぎるのが残念。
            出来れば前2作あたりにもちょこっと出番があればなぁ……。
            とは言え未来予知なんて持ってる織莉子位しか出来ない事ではあるんだけど。
          • 36. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月24日 17:18
          • 5 この短期間の間によくまぁこれだけの物語を書けたなと素直に尊敬するわ
            しかも前二作は乗っ取り即興だしな
            全三部構成でこれがラストになるのか?とにかく乙だ、楽しませてもらったよ
          • 37. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月25日 10:10
          • 4 良かった。
            全てのキャラクターに救いがあり、未来があった。
          • 38. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年07月06日 04:40
          • 4 面白かった!面白かったけどほむらに救いが無さすぎる……
            自身でループを終わせられたって意味じゃ救われたといえなくもないけど
            ほむらの理想はまどかを契約させずにワルプルを乗り越えて自分も生き残るなわけで
            この作品の設定だとどうしてもそれに辿りつけない以上報われない……
          • 39. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年07月13日 16:24
          • うーん…これって現象としては魔女化してないけど、最期の瞬間のほむらの心はズタズタに打ちのめされて泣きながら死んでるよね……

            他のメンバーはそんな悲壮な死に様を目の当たりにしているのに、後日談で「彼女の死は仕方なかったんだ、私達は彼女の決意を忘れないよ」みたいな感じで綺麗に処理されているのがかなり違和感を感じた。

            あと、ほむらのそんな末路の至近原因である織莉子がまどかに対して「その心の痛みは貴女への罰だ」って言っているのは流石にイラッとしてしまった。

            物語上の必然性に対する色んな疑問(ワルプルはどう頑張っても倒せないのか、自分と直接関係があるのかも定かではないどこかのほむらの事で何故このほむらが負い目を感じなくてはならないのか等)も相まって色々とモヤモヤしたSSだった。
          • 40. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年08月06日 03:46
          • ↑※
            ほむらの末路の原因がおりこなんてどこに書いてあるの?

            真実を知った上でほむらが自分で選んだ結末でしょ
            出来ればこんな結末にしたくなかったとも言ってるし

            ただの外伝嫌いにしか見えないぞ
          • 41. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年08月06日 23:00
          • いや、外伝が嫌いって訳じゃないよ

            ただこの場合、事実を受け入れて悩み考えて辿り着いた結論って言うよりは圧倒的な絶望や悲嘆に溺れて死んだっていう色の方が濃いように俺には写ったんだよな(現にまどかと満足に話せない程の勢いでジェムは濁ってるし、そんな精神状態で総合的な意思をもって何かを選び取れるとは思えない)

            至近原因って書いたのは末期のほむらの心の内がそうなっていた事に他のメンバーの中で一番直截関わっているのは織莉子だろうって意味(確かにまどかは全体の状況の土壌に関わっているけどこのまどかの記憶にはない事だし、そもそも織莉子にそんな言われ方をせにゃならん云われはない)

            色々書いたけど織莉子単体がどうこうっていうんじゃ無くて、作者の中にあるであろうSS全体を流れる「仕方が無い感」がイマイチ俺には伝わってこなかったなって事が言いたかったの

            紛らわしい書き方ですまんかったね
          • 42. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年09月01日 20:43
          • 何か文章が気持ち悪い
          • 43. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年09月25日 19:03
          • 正直ムカつく

            読み終わったあとのモヤモヤ感とイライラ感で最悪
          • 44. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年09月29日 08:10
          • 続編来てたのか!
            ちゃんと綺麗にまとまってて面白かったぜ!
            本編ラストがこの後にくれば補完も出来るし、パラレルワールドとして見れば、よく練り込まれてるじゃねーの。
            ぐだぐだ言ってる連中は何なんだ?
            SSなんだし、肩の力を抜けよwww
          • 45. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年10月11日 12:12
          • シリアスな話でのハッピーエンドは見たことないって、今まで何を見ていたんだ‥‥ 結構存在するのに‥‥
          • 46. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年11月25日 21:14
          • 最近まどかSSでおりキリが出てるのをよく見かけるな。賛否両論あるけど、本編よりは救われてると思う。
          • 47. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年12月07日 15:58
          • たかが素人の二次創作に対してどういう感想を持つかなんて、個人の自由。叩かれていようが、それに文句を付ける権利は誰にも無い

            ちなみに俺は終始胸クソ悪かった。2ちゃんのほむらアンチスレのキチガイが書いたのかって思えるくらいに
            下の方でも言われてるけど、まず終わらせ方が強引すぎ。駆け足すぎて、他のキャラがほむらの末路に対して納得してる感じが無理矢理すぎ。どこがハッピーエンドなんだか
          • 48. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年12月07日 18:09
          • 外伝ちゃんと読むか。
            ほむらちゃんがまどかとの永遠の世界でよろしくやってますように。
          • 49. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年12月10日 00:46
          • 2 ムカムカする理由は簡単だよ
            オリキリage まどほむsageをくどい言い回しと長ったらしい文章で飾っただけだから
            要するに作者はオリコの意志が通る話が書きたかっただけ
          • 50. John F.K
          • 2012年12月11日 02:18
          • 死ぬ以外ほむらに選択肢なんてあった?
            まさか無意味にループし続けるわけにもいかんし。
          • 51. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年12月13日 11:02
          • 読んだ後のモヤモヤ感が半端ない
            ほむらが約束を守ろうと頑張ってきたのにそれが報われないのは読んでいてつらい
          • 52. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月25日 04:59
          • 1 ここまでクソなss滅多に見ないぞ
          • 53. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年05月25日 04:59
          • 1 この作者gmkzってことでおk
          • 54. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年06月17日 08:54
          • 5 三部通して傑作だったわ
          • 55. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月30日 02:46
          • まーどうしようもないね こういう設定なんだし おりこときりかはまぁ公式と比べれば全然いい性格してるでしょ
            ほむらはそもそも本編ですら色々と詰んでるからこういう形でもまどかが救えるならほむら自身も救われたんじゃないかなと思う
            ほむら大好きだけどどうやっても報われないのよね 公式の設定だと
          • 56. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年10月25日 16:24
          • 1回目読んだときはバッドエンドと思ったけど2回目読んだら生存メンバーは全ての真実を受け入れて前向きに生きてこうとしてるしほむらはまどかに再会してるし一応ハッピーエンドじゃない?
            ただ本編5人の関係がぶつぎりなので全然救われたかんがない…
          • 57. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年01月30日 15:06
          • 5 充分だと思うが
            まあ続編って感じではあったが、それを考えるとコメント19をバカにする事になるんだよなあ

            どや?だか何だか知らないが続編っていうのはそういうものなんだけど

            まあもやもやはあるだろうけどワルプルギスが歴史上云々はワルプル化してから紀元前ぐらいまで(あくまで一例だが)戻れば十分歴史上云々になるわけだが
          • 58. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年02月04日 04:37
          • なんというか、ほむら生存ルートもあるのにBADに行っているからモヤモヤするんだな
            完全耐性のワルプルじゃなくマミ、さやか、杏子を取り込んで「固いけど何とかイケる」ワルプルになっている辺り、作者もエンディングを迷いながら書いていたんじゃないかと

            最後にほむらが諦めなければ、織莉子、キリカも参戦して未来が変わるってな結末も考えていたんじゃないかな
          • 59. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年02月23日 19:47
          • 賛否両論あるけど俺は好きだよ
          • 60. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年04月15日 13:27
          • 5 ※47
            仮に作者に文句を付ける権利があるなら、少なくとも「作者に文句を付けてるやつ」に文句を付ける権利もあると思うがw
            こうもヒステリックに批判する読者がいるってのは、それだけこの作品にパワーがあるからだろうな。
            けっきょくこの長くて重いSSを(あらかた)全部読んだんだろw
            なかなかお目にかかれない力作だよ。
          • 61. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年05月07日 23:44
          • 5 限りなくBADに近い終わり方だから意見が分かれるのは仕方ないと思う。
            ただ、個人的にはこういう終わり方もありだな。
          • 62. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年08月25日 19:07
          • まどマギSSで最高の1つだろうな
            おりこの魔法拡張以外原作設定をほぼ忠実に守っているし、これがアニメ化されてもいいくらいのクオリティ。
            ただ、前作、前々作が暗すぎるせいで、最後まで読む人が少なそう。
          • 63. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年08月25日 19:14
          • ※13
            言っても、逆さま状態で追い詰めてるだけなんだよな
            逆転したらパワーアップっていう、いくら頑張っても勝てなさそうな隠し設定があるから別におかしくない
            老バーン追い詰めたら真バーンになるのと同じ
          • 64. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年08月25日 19:20
          • ※25
            使い魔は成長したら同じ魔女になる
            なら、元凶の消滅で全滅ってのは別におかしくない
            取り込まれた魔女を再現してるのがちょっとネックだが、まあ原作でも使い魔の成長についてそんな細かい設定ないしな
          • 65. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年07月07日 13:05


          • んー?まどか以外無効化がほむプルの特性なら、なんで1週目まどかはほむプルに負けたん?
          • 66. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年11月21日 04:17
          • この作者の前のSSでも思ったが、本当に最悪な考察と設定だよな…いや言葉はあれたが、だからこそ引き込まれる、すごいSSの書き手だなって言いたいんだ
            ほむほむ絶望でワルプル誕生の前作もきつかったが、今回はまさか二人の最初の約束に既にバッドエンドへのフラグが立っていたという考察でくるとはな…どうあがいても絶望、本当すごいSS書くよな
          • 67. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年12月30日 17:08
          • これ前作とか含めて全部読む奴なんてニートかつまらない人生送ってる餓鬼ぐらいだろ。ホントにどんだけ不敏に生きてんだよ。
          • 68. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年05月04日 10:36
          • ※67 流石ごみくずニートはいうことが違うね
          • 69. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年07月17日 21:09
          • 1 この作者自己顕示欲&自己主張強すぎ。文章からそれがひしひし伝わってくる位胸糞悪いわ
            内容も無理やり終わらせた感。まどかとほむらの本来の願いの目的があまりにも描かれてなさすぎ
            てか話の整合性もなさすぎ、ワルプルギスがほむらならなぜ1週目まどかは負けた?それにその理屈だとそれぞれの時間軸に無数のワルプルギスが存在することになるんだが
            おりこがプレーヤーで他がNPC、それをおりこが都合よく動かしているだけのような薄っぺらい中身もないただのご都合主義な駄作にすぎない
            そもそも表現がものっすごく回りくどい。むやみやたらに装飾語重ねすぎて何を本来伝えたいのかが全く伝わってこない、ここにもこいつの俺が一番という自己顕示欲がにじみ出てきてる
            こいつを絶賛してる輩は読解力あるのか?途中の変な擁護もどうせ自演だろ。二度とこいつは物書きするな

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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