魔王「お?俺復活した?」

1:名も無き被検体774号+:2012/03/14(水) 08:34:03.16 ID:TWflXTev0

魔王「ふあー、よく寝たわー」

側近「お目覚めでございますか」

魔王「お、側近久しぶりだな、あれから何年たったんだコレ」

側近「1000年ほどになりますな」

魔王「マジかよー、復活まで随分かかったなー」

側近「申し訳ございません、復活の段取りに少々手間取りまして」


まおゆう魔王勇者 エピソード0 砂丘の国の弓使い



2:名も無き被検体774号+:2012/03/14(水) 08:36:22.23 ID:TWflXTev0

魔王「まあ俺の魂世界中に散ったもんなー、大変だったか?」

側近「少々くたびれましたが、時間はかかりませんでした」

魔王「じゃあなんで1000年もかかってんだよ」

側近「魂を集めてホッとしたら眠くなりまして、900年ほど昼寝を・・・」

魔王「ちょwwwwwwww」



3:名も無き被検体774号+:2012/03/14(水) 08:36:56.87 ID:TWflXTev0

魔王「それにしてもこの魔王城、よく1000年も保ったなー」

側近「どうやら魔王様が留守の間は、別の魔王の方々がこちらをお使いになったようです」

魔王「へー、そういえば知らない家具とか随分あんなー」

側近「はい、雨漏りがしてた天井もキレイに直してあるようでございます」

魔王「とりあえずどんな奴等が居たのか見てみるか、城の頭脳よ、この1000年のログを出せ」

城「アナタヲ初代魔王ト認メマス、ドノ記録ヲ参照シマスカ?」

魔王「んーそうだな、俺以降の魔王の簡単なプロフィールでも出してくれ」

城「了解シマシタ」

魔王「んー、どれどれ」



4:名も無き被検体774号+:2012/03/14(水) 08:38:03.51 ID:TWflXTev0

二代目魔王 異世界から召喚された魔神 召喚者を殺害し、魔王として活動
      世界の半分を支配下におくが、初代勇者の子孫によって異世界へ追放 
 
魔王「ふーん、こええ顔してんなー、結構頑張ったみたいなのになー、残念だねー」

三代目魔王 人間に一族を殺された怨みで魔王になる
      世界中の街の大半を石化させるが、別世界から来た勇者によって討伐

魔王「人間はなー、集団になると何すっかわからねーしなー」



5:名も無き被検体774号+:2012/03/14(水) 08:39:01.30 ID:TWflXTev0

四代目魔王 人間の姫に恋し、拉致するがなびかず
      姫の父親によって公募された勇者の一人によって討伐

魔王「おいおい、フラれた腹いせで魔王かよ、魔王の座が軽く見られるじゃねーか」

五代目魔王 人間と魔物のハーフ 幼少期虐められたため魔王に
      地元を中心に侵略を進めるが、小学校時代のいじめっ子によって討伐

魔王「・・・・・」



6:名も無き被検体774号+:2012/03/14(水) 08:40:29.55 ID:TWflXTev0

六代目魔王 所属していたバンドが音楽性の違いにより解散し、ソロで魔王として活動
      自分探しのために勇者に転職したスイーツ(23)により討伐

七代目魔王 VIPでスレ立てして叩かれた怨みで魔王に 歴代で最大の魔力を誇るが
      ヒキコモリでニートだったため勇者に認識される事なく孤独死

八代目魔王 特に意味もなく魔王になる 歴代で最強の戦闘力を持つが無気力
      隣の県境まで侵攻した所で飽きて改心



7:名も無き被検体774号+:2012/03/14(水) 08:42:02.21 ID:TWflXTev0

魔王「おいおいおいおい、もう魔王のブランド地に落ちてんじゃねーか」

側近「さようでございますな、由々しき事態でございます」

魔王「こんだけヌルい時代が続いたんじゃ人間どもも相当調子のってんじゃね?」

側近「少し思い知らせてやるべきかもしれませぬな」



11:名も無き被検体774号+:2012/03/14(水) 22:53:19.20 ID:TWflXTev0

魔王「よし、まずは1000年経って世界がどのように変わったかみてやろう」

側近「かしこまりました、では目玉系の魔物を人間界に放ちます」

~2時間後~

魔王「・・・・・・・・マジかこれ」

側近「・・・・・・・・マジのようでございますね」

魔王「いくらなんでも人間増えすぎだろコレ」

側近「城の頭脳によりますと、現在世界中で60億ほどの人間がいる模様ですな」



14:名も無き被検体774号+:2012/03/14(水) 23:04:41.19 ID:TWflXTev0

魔王「街とか広がりすぎだし。始まりの平原なんて全部住宅街になってんじゃねーか」

側近「昔の勇者は始まりの街から、始まりの城の間で魔物にやられたりしたものですが・・・」

魔王「今じゃ全部街だぞ街。どこまで行ってもBGMかわんねーぞコレ」

側近「それどころか何やら鉄のイノシシのような物が沢山走っているようですな」

魔王「あれは魔法で動く乗物のようだな、昔は馬車がせいぜいだったくせに・・・」

側近「いやはや、1000年の間にこれほどの魔法文明を発達させるとは」

魔王「人間といえど侮れぬな」



15:名も無き被検体774号+:2012/03/14(水) 23:07:26.74 ID:TWflXTev0

魔王「この、ねっと、とやらは何だ?」

側近「どうやら魔法を使った新しい通信のようでございますな」

魔王「ふむ、我々が配下の魔物と精神リンクするのと似たようなものか?」

側近「そのようでございますな、人間共は何やらぱそこん、とかいう器具を必要とするようですが」

魔王「これにより世界中の情報を即座に共有し、我らの侵攻に備えるというわけか」

側近「なかなか今の人間どもは手強そうでございますな」



16:名も無き被検体774号+:2012/03/14(水) 23:09:54.69 ID:TWflXTev0

魔王「それにしても60億かよ、増えすぎだろ、それもこれも最近の魔王がだらしないのがいかんな」

側近「全く、おかげで魔物が住む地域が随分減ってしまったようでございます」

魔王「それもアレだけどさー、この60億のどっかに勇者が転生してんだろ?」

側近「ああ、そういえばそんなありがちな設定もございましたな」

魔王「60億の中から勇者探して抹殺するとか、めんどくさくて仕方ねーぞ」

側近「さようでございますな、昔のような探し方では何年かかることやら・・・」



17:名も無き被検体774号+:2012/03/14(水) 23:13:08.33 ID:TWflXTev0

魔王「もうめんどくせーなー、世界征服とかやめちゃう?俺と二人でイイコトしようぜ、側近」

側近「お断り致します」

魔王「んだよ、つれねーなー・・・あーもうどうすっかー、何から手をつければいいやら」

側近「そうでございますな・・・例えばこうしてはいかがでしょう?」



18:名も無き被検体774号+:2012/03/14(水) 23:14:54.50 ID:TWflXTev0

側近「この"ねっと"という技術についてもう少し調査を行いましょう」

魔王「ふんふん、そんで?」

側近「勇者といえば人間の希望の証、彼らの情報網には必ずや勇者についての情報があるでしょう」

魔王「そうか、それもそうだな、側近お前なかなかやるな、褒美として俺の熱いキスを」

側近「慎んで遠慮いたします」

魔王「・・・」



22:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 00:23:02.65 ID:2IZzsLsm0

その頃、とある街の転職神殿支部

ニート「母ちゃんがうるせーからwwwwこんなトコまで来ちまったwwwwww」

ニート「まだやってないエ○ゲが沢山積んでるのにwwwwwwww」

ニート「まあwww一生面倒みてもらう予定だしwwww親の顔も立ててやんなきゃwwwwwww」

ニート「どうせなら格好いい職業がいいwwwww賢者とかいいwww俺やれば出来る子だしwwwwww」

ニート「そうだwwwww今のウチに一発抜いておこうwwwwww俺天才wwwwww」

ニート「そうすれば面談の時ちょうど賢者タイムwwww賢者になれるwwwwwwww」



23:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 00:29:25.74 ID:2IZzsLsm0

~10分後~

ニート「ふぅ・・・」

神官「受付番号210番、ニートさん3番窓口までどうぞ」

ニート「ふぅ・・・俺の番だ」

神官「えーと、ニートさん23歳?書類出して下さい」

ニート「ふぅ・・・俺賢者になりたいんですけど」

神官「ニートさん、Fラン魔法学校卒業?職業経験ナシ、資格ナシ、生命力F、魔力F、魅力F・・・」

ニート「ふぅ・・・そういうのいいから早く賢者にして下さい」



24:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 00:31:58.59 ID:2IZzsLsm0

神官「いやーアナタこれキビシイですよ、なれる職業あるのかなー、まあちょっと神託見てみますね」

ニート「ふぅ・・・なんだよめんどくせーな」

神官「なん・・・・だと・・・・!?」

ニート「ふぅ・・・賢者になれました?俺」

神官「いや、賢者はありえないんですが・・・これ神託ミスじゃないのかなー」

ニート「ふぅ・・・なんだよ、もったいぶるんじゃねーよ」

神官「あなたがなれる職業一つだけありました 勇 者 で す」

ニート「ふぅ・・・なんだ、勇者か、ちっ」










ニート「はぁ!?!?勇者!!??」



26:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 00:37:17.99 ID:2IZzsLsm0

神官「はい、どうやら神託によるとそうみたいなんですけど・・・これ何かの間違いじゃないのかなー」

ニート「勇者ってあの?!魔王とか倒したりするあの勇者!?」

神官「そ、そうですね・・・」

ニート「って事は魔王がどっかに生まれてるって事!?」

神官「そういう事になりますね。ここんとこそういう噂は聞いたことがありませんが」

ニート「いやいや、これ何かの間違いだろ?間違いだって言ってくれよ!!」

神官「いやー、私もそう言いたいところですが、何度見ても神託にそう出てるんですよ」

ニート「ふざけんな、俺魔王なんて倒すのやだし!ていうか街から出た事もないし!」

神官「そういっても神託は覆せませんから。はい、勇者さん用の書類はこちらです」

ニート「え、ちょ、ま」

神官「はい、ココにサインして。はい結構です。あとは詳しい事はこちらに書いてありますから」

ニート「どうしてこうなった・・・・・(フラフラと転職神殿を出るニート)」



28:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 00:44:27.08 ID:2IZzsLsm0

~ニート改め勇者、家に帰る~

勇者「母ちゃん、俺、勇者になった」

母「はぁ!?どうせお前神殿いかなかったんだろ?ウソつくにしてももう少しマシな嘘・・・」

勇者「これ、もらってきた書類」

母「なん・・・・・・・だと・・・・・・」

父「どうした?またバカ息子が何かやらかしたか?」

母「いや、ええとコイツが勇者で勇者がオレで・・・」

父「何を言ってるんだお前、少しおちつ・・・な、なんだってーーーーーーーーーーー」



30:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 00:52:05.31 ID:2IZzsLsm0

父「それで、勇者ってのは実際のところ、どういう仕事なんだ?」

勇者「いや、オレもよくしらないけど、魔王とか倒すんじゃねーの?」

父「そんな適当な事で仕事がつとまるか!お前自身の事だぞ!」

勇者「そんな事言われたってオレだってしらねーよ、この100年ぐらい勇者なんていなかったじゃん」

父「大体給料はどうなってるんだ?保険とか厚生はしっかりしてるのか?」

勇者「ちょっと待ってくれよ、多分神殿からもらった書類に書いてあるよ」

父「よし、見せてみろ」



33:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 01:00:20.95 ID:2IZzsLsm0

職業説明書「勇者」

 勇者とは、魔王誕生時に神託によって自動選別される期間限定職となる

世界連邦雇用規定第31093条により、魔王誕生より討伐までの期間を有職期間と認定する

当該期間の間、勇者は世界連邦との雇用関係が発生する

雇用契約は各転職神殿支部および本部において締結されるものとする


・報酬について

魔王討伐時に成功報酬が支給される

魔王討伐を達成した勇者は、居住地区の城、またはそれに相当する政庁に届け出る事

詳細は別紙「魔王討伐報酬(イ、ロ)」を参照



34:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 01:01:55.70 ID:Ymsk45pu0

結構めんどくさいんだな



35:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 01:02:31.17 ID:2IZzsLsm0

・支給品

最低レベルの服、最低レベルの武器、最低レベルの調理器具(防具)が支給される

転職神殿により発行された職業証明書を最寄りの城、または政庁に持参し受領すること


・福利厚生

勇者本人、もしくはパーティ全員の死亡時に、死体の運搬及び蘇生を世界連邦により受ける事ができる

当該する事態が生じた場合は所得の半額を経費として徴収する


・冒険のてびき

勇者として認定された者はすみやかに本書類、および職業証明書を持参し

最寄りの城、または政庁に登庁するべし

これにより冒険フラグが立ち、勇者としての業務が始まるものとする



37:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 01:10:52.19 ID:2IZzsLsm0

勇者「・・・・・・・・・」

父「・・・・・・・・・・」

勇者「これってもしかして・・・・・・・」

父「どうやら魔王を倒さない限り、給料はもらえないようだな」

勇者「ちょ、ふざけんなよ!そんなんニートと何も変わらないじゃねーか!」

父「うーむ、まあ、人間やれば何とかなるものだ、まずは城まで挨拶に行ったらどうだ?」



38:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 01:11:18.54 ID:2IZzsLsm0

勇者「そんな事したら冒険フラグたっちまうじゃねーか!」

父「それが勇者の仕事みたいだからな」

勇者「待ってくれよ、やだよ!オレこの街から出た事もないし!」

父「街どころか、部屋からも出てこなかったお前が今日は神殿まで出かけたじゃないか」

母「そうよ、その調子で次は街からも出てみればいいじゃない」

勇者「ふざけんな!無責任な事言うんじゃねーよ!城なんていかねーからな!」

(階段を駆け上がり、部屋にひきこもる勇者)



40:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 01:17:02.26 ID:2IZzsLsm0

~勇者の自室~

勇者「はぁはぁ、やっぱり大王イカ娘たんは萌えるなあ、シコシコ」

勇者「ふぅ・・・」

勇者「それにしてもいきなり勇者とかホントふざけんなよ」

勇者「どうしたらいいんだよ、城なんか行ったらホントに冒険に出させられちまう・・・」

勇者「まてよ、城に行かなかったらどうなるんだ?フラグが立たないって事は・・・」



41:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 01:18:08.63 ID:2IZzsLsm0

勇者「そうか!このまま今まで通り部屋にひきこもってればいいんじゃね?」

勇者「しかも、今までのニートと違って誰に恥じる事もない勇者だからな」

勇者「親だって世間に顔向け出来るし、俺だってレンタルビデオ屋の申し込み書に無職って書かないでいいし」

勇者「なんだ、俺むずかしく考えすぎてたんだなー」

勇者「大体、魔王だって生まれたって話きかねーし、それなら俺の仕事別にないじゃん」

勇者「うはwwwwwww俺勇者wwwwでも今まで通りヒキコモリwwwwこれ最強wwwwwww」



42:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 01:28:48.73 ID:2IZzsLsm0

~そのころ、魔王城~

魔王「うーむ、ネットの情報を一通り検索してみたが、勇者については何も書かれてねーなー」

側近「左様でございますな、やはり我々に嗅ぎつけられぬよう、厳重に隠匿されているのやもしれませぬ」

魔王「もっとも、ネットの情報は膨大だからどこか見落としている可能性もあるが」

側近「そういう事ならば、誰かに聞いてみるのはいかがでしょう?」

魔王「そうか?しかし人間どもが素直に吐くかなー?まあ手始めに何人か攫って拷問でもしてみっか」

側近「いやいや、そのような面倒な事をする必要はございません」

魔王「ほう?」



43:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 01:34:05.54 ID:2IZzsLsm0

側近「ネットの中には、知らない事を質問すると答えてくれる場があるようでございます」

魔王「あー、そういえばそんなのあったな、つまり、そこに人間のフリして質問をする、というわけか」

側近「左様でございます」

魔王「そうだな、愚かな人間のこと、同じ人間の発する質問とあらば・・・ふふふ、おぬしもワルのよう」

側近「そこは、ワルよのう、ではございませんか?」

魔王「うるさいな、ついだよ、わざとだよ」

側近「どちらでございましょうか・・・・」



44:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 01:35:39.45 ID:2IZzsLsm0

魔王「まあいい、それじゃあこのマホー知恵袋という所が丁度いいだろ」

側近「そうでございますな、何と書き込みますかな」

魔王「こんなモンでどうだ」


質問:勇者ってどこに居るんですか?

 勇者の居る場所が知りたいです!><
 誰か教えて下さい!><
 できたら今日中にしりたいです!><


側近「さすが魔王さま、すでにネット上での感情表現の方法まで習得されるとは」

魔王「まあ、この程度の事、何百種にもわたる魔物を統率する事に比べれば朝飯前よ」



※さて、この質問に対する解答求む

>>46~>>50



46:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 01:39:00.36 ID:pJ05XPJ80

お前の後ろだよ



47:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 01:39:47.13 ID:Ymsk45pu0

とりあえず側近のおっ○いうp

うpしたら教えてやる



48:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 01:48:32.21 ID:oLtaleZH0

勇者なら俺と寝てるけど?



49:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 06:04:43.55 ID:gN/vyUmJ0

勇者ってのはみんなの心の奥にいるんだ
ちょっとした勇気と愛だけが友達なんだ



50:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 08:01:18.36 ID:BEzUzibS0

勇者の居場所は……………







教えてあげないよ! ジャン☆



55:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 17:22:54.27 ID:2IZzsLsm0

~数時間後~

魔王「さて、そろそろ回答が来てるんじゃないか?」

側近「そうでございますな、見てみるといたしましょう」


回答者1
お前の後ろだよ


回答者2
とりあえず側近のおっ○いうp

うpしたら教えてやる

回答者3
勇者なら俺と寝てるけど?

回答者4
勇者ってのはみんなの心の奥にいるんだ
ちょっとした勇気と愛だけが友達なんだ

回答者5
勇者の居場所は……………






教えてあげないよ! ジャン☆



56:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 17:23:35.07 ID:2IZzsLsm0

魔王「・・・・・うーん」

側近「やはり人間どもも用心深いですな、はぐらかされてばかりでございます」

魔王「やっぱ勇者の事は軽々しく話さないように教育されてんのかなー」

側近「これは私の不明でございましたな、これほど人間が口が堅いとは」

魔王「でも、回答者2はお前のおっ○いうpで教えてくれるって言ってるぞ」

側近「これはただのイタズラでございましょう」

魔王「いやでも、もしかしたら教えてくれるかもしれないぞ?試しにどうだ、おっp」

側近「お断りします」



57:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 17:28:45.20 ID:2IZzsLsm0

魔王「まあそういわずにさあ、へへへへ、良く見たらお前、いい胸してるじゃねーか」

側近「ま、魔王さま!?」

魔王「よいではないかよいではないか」

側近「へ、変化魔法!!!(ボンっ!)」

魔王「・・・・・・・・・・・・」

側近「さ、さて、おっ○いうpでしたっけ?」

魔王「誰もガチムチトロルのおっ○いなんか見たくねーよ!」



59:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 17:42:12.52 ID:2IZzsLsm0

魔王「あー、うまくいかねーなー、やっぱ1000年のブランクはでかいかー」

側近「さようでございますな、人間界の事は引き続きもっと調べた方が良いかもしれませぬ」

魔王「かもなー、とりあえずアレだ、勇者探しは一時中止!お前、ちょっと人間界のリサーチやっとけ」

側近「はい、かしこまりました」

魔王「あーそうだ、勇者はいいとして、ウチの軍団の方はどうなってんだ?」

側近「は?軍団と申しますと?」

魔王「軍団って言ったら軍団だよ、100万からの魔物の軍勢がいただろ?」

側近「おりませぬ」

魔王「え?居ない?」

側近「はい、魔王様が復活した事をまだ誰も存じ上げませぬゆえ」



60:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 17:45:41.43 ID:2IZzsLsm0

魔王「え、そうなの?でもお前目玉とか飛ばしてなかった?」

側近「あれらは低級な魔族でございますので、私の魔力で召喚いたしました」

魔王「あーそうか、お前召喚得意だもんなー、俺ニガテなんだよなーアレ」

側近「魔王さまはご自分が目立てる、大雑把で加減の効かない魔法ばかりお得意ですからな」

魔王「お前、俺になにか含むところでもあるのか?」

側近「いえいえ、滅相もございません」



61:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 17:52:53.77 ID:2IZzsLsm0

魔王「それにしても、軍勢はどうするかなー、俺はお前と二人っきりでも楽しいけどさ」

側近「至急我が軍を編成する必要がございますな!!!」

魔王「・・・・・ソウデスカ、じゃあどうする?」

側近「まず、人間界の魔物には布礼を出して希望者を募りましょう」

魔王「うん」

側近「それらが集まるまでは私が魔界から適当に身の回りのお世話をする魔物を召喚いたします」

魔王「俺はお前と二人でもいっこうにかまわないぞ?」

側近「かまいます!」

魔王「ちっ」



62:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 17:56:17.72 ID:2IZzsLsm0

側近「問題は幹部でございますな。幹部に相応しい力を持った者は私の魔力では召喚できませぬ」

魔王「しょーがねーな、それはある程度人数集まったトコで俺が魔界行ってスカウトしてくるわ」

側近「それがよろしいでしょう。今頃どうしてますかな、昔の魔将軍の皆様は」

魔王「懐かしいなー、アイツらにも久々に会いたいしな、よし、さっさと軍団を作るかー」

側近「そういたしましょう」

魔王「そんじゃ、俺ちょっと昼寝するからあとよろしくな、1000年も寝てたせいか眠くてなー」

側近「・・・・かしこまりました」



66:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 19:31:06.29 ID:2IZzsLsm0

~勇者の家~

勇者「よーしwww今日は積みエ○ゲ2本片づけるぞーwwww」

勇者「やっぱ勇者になると気分違うwwwwww俺超前向きwwwww」

勇者「この積みゲー全部片づけたらwwwww俺www変われる気がするwwwwww」

母「勇者ー、入るぞー」



67:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 19:31:53.72 ID:2IZzsLsm0

勇者「なんだよババア、今忙しいんだよ!」

母「ババアじゃねーよ!それよりアンタ魔王倒しにいかないの?」

勇者「魔王ったってドコにいんだよ、何もわかんねーじゃねーか」

母「そりゃそうだけど、まず城行けよ」

勇者「だから、何もわかんないのに城行ったってしょうがないだろ?」

母「それは王様に聞いてみれば・・・」

勇者「何もわかんない状態で王様のトコ行ったって、王様だって困るじゃん」

母「そうかー?」

勇者「だから、最初は自分で出来る範囲の下調べするために今ネットで情報集めてんじゃん!」

母「あ、マジで?てっきりエ○ゲでもやってるのかと」

勇者「(ギク)ふざけんなよ、俺だって勇者になったからにはやる事ちゃんとやるよ!(キリッ)」

母「あら、ごめんね勇者ちゃん、お母さんつい昨日までの習慣で・・・」

勇者「男子三日会わなざればカツドンがなんとかって言うだろ!もう忙しいんだからジャマしないでよ」

母「わかったわ、じゃあ頑張ってね!(バタン)」



69:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 19:49:08.01 ID:2IZzsLsm0

勇者「母ちゃんチョロすぎwwwwwwwwwwしばらくこれでイケるwwwwwww」

勇者「でもよく考えたらこれヤバいwwwww魔王ホントに生まれてたら困るwwwwwwwwwww」

勇者「いいこと考えたwwwwwwwwwwまず魔王の事調べるwwwww」

勇者「もし魔王の情報あったらwww嘘くさいガセネタ沢山流すwwwwwwww俺天才wwwwww」



70:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 20:17:04.15 ID:2IZzsLsm0

勇者「でもwwwwまずはオナ○ーからwwwwwwwww」

~5分後~

勇者「ふぅ・・・さて、魔王でニュース検索と。お?なんだこれ?」

勇者「週刊イタニュース、僻地山に謎の立てカン?」



3月15日、僻地山の麓に奇妙な立て看板が立った
内容は以下のような物

 来たれ!魔物よ!

 魔王と共に世界を征服する簡単なお仕事です
 新規に魔王軍を立ち上げる事になったため、オープンスタッフを募集します
 瘴気たっぷりの職場で貴方の能力を生かしませんか?
 未経験の方でも歓迎です、経験豊かな魔族がやさしく指導します

 ※研修期間3ヶ月
 就労条件:○○
 時給~~
 連絡先:魔王城


真偽のほどは解らないが、ベニア板にマジックで書かれており、おそらくイタズラの可能性が高い
文章は魔物語で書かれており、この立て看板を立てた人物が教養豊かな人間である事が伺える

当局は公共広告法違反の容疑で設置者を捜索中との事



72:名も無き被検体774号+:2012/03/15(木) 20:55:00.62 ID:2IZzsLsm0

勇者「ちょwwwwwww魔王がベニア板にマジックってwwwwwwwwww」

勇者「釣りにしたってもうちょっとwwwwwwww」

勇者「おwwwvipに早速スレ立ってるwwwwwwwww」

勇者「どれどれwwwwおwww盛り上がってるwwwwwww」

勇者「ちょwww魔王軍応募オフとか企画してるwwwwwww」

勇者「場所は僻地山、立てカン前かwwwオフ参加者はうまい棒持参wwwwww」

勇者「これ行ったろかwwwwここに勇者登場とか絶対盛り上がるwwwwww」



78:名も無き被検体774号+:2012/03/16(金) 02:17:25.30 ID:q9FhAxy/0

母「勇者ちゃん、友達きたわよー」

勇者「うはwwww俺友達一人しかいないwwwww僧侶確定wwwwww」

僧侶「よう、お前ニートやめて勇者になったんだって?」

勇者「ちょ、なんで知ってんだよ」

僧侶「お前のおふくろさん、そこら中で触れ回ってんぞ、よっぽど嬉しかったんだな」

勇者「うぜー、それ広まると俺旅に出させられんじゃん」

僧侶「・・・・」



80:名も無き被検体774号+:2012/03/16(金) 02:19:09.13 ID:q9FhAxy/0

僧侶「まあせっかくだからいい機会だしヒキコモリやめて外出てみたら?」

勇者「やだよ、外なんて怖いし、魔王なんか倒せるわけないし」

僧侶「なんだ、お前冒険に出るなら一緒に行こうかと思って教会に休みもらってきたのに」

勇者「余計なお世話だっての・・・あ、だったらこのオフいかね?」

僧侶「オフ?なんだそれ?」

勇者「これこれ(PC画面を見せる)」

僧侶「へー、こんなイタズラがねー、で、オフって何すんの?俺そういうの詳しくないんだよな」

勇者「(ちっ、リア充が)多分集まって騒ぐだけだと思うんだけど、一人だと怖いからさー」

僧侶「別にいいぜ?どうせ休みもらったところだし」

勇者「じゃあ、明日昼の魔法列車で」

僧侶「おっけー、まあここから何か魔王の手がかり見つかるかもしれないしな」

勇者「ああうん(そんなの見つからないでいいし)」



82:名も無き被検体774号+:2012/03/16(金) 03:04:57.50 ID:q9FhAxy/0

~その夜、魔王城~

魔王「側近、軍勢は集まったか?」

側近「はあ、触れは出したのですが、どうも集まりが悪いようでございますな」

魔王「なんだよ、その触れってちゃんと行き渡ってるのか?」

側近「さあ・・・」

魔王「さあって何だよ、どうやって出したんだ?」

側近「僻地山のふもとに立て看板を一枚ほど」

魔王「」



83:名も無き被検体774号+:2012/03/16(金) 03:06:04.03 ID:q9FhAxy/0

魔王「・・・・・いや、お前さ、おかしくね?」

側近「は、何がでございましょう?」

魔王「世界がどのくらい広いか知ってるか?」

側近「はあ、大陸が五つに海が七つ、全てを回るには魔王様の専用船をもってしても数日かかりまする」

魔王「いや、そういうマジレスが欲しかったんじゃなくてだな」

側近「と申しますと?」

魔王「ちっちゃい町内の回覧板じゃないんだから、そんなトコに一枚立てただけでどんだけの魔物に効果あるんだよ!」

側近「いやあ、これから全地区の魔物の密集地に立てようとは思ったのですが・・・」

魔王「なんでやんないんだよ」

側近「は、恐れながら、少々めんどくさくなりまして」

魔王「」



84:名も無き被検体774号+:2012/03/16(金) 03:06:54.20 ID:q9FhAxy/0

魔王「てめえ、もう怒った、今すぐパンツ脱げ」

側近「お断りします」

魔王「いやその、お断りします、とかじゃなくて、俺おこってるの、わかる?」

側近「はい、まことに私の至らなさゆえでございます、申し訳ありませぬ」

魔王「だからね、罰が必要でしょ?」

側近「は、どのような罰でも甘んじて受ける覚悟でございます」

魔王「じゃあパンツ脱g」

側近「お断りします」

魔王「お前言ってる事がおかしいだろ!今どんな罰でも受けるって言っただろ!なんだよお断りしますって」

側近「まあまあ、魔王様、お気をお鎮め下さい、持病の高血圧が悪化致します」

魔王「苛立たせとんのは誰じゃー!それに高血圧なんてかかってねーよ!!!」

側近「は、これはしたり、ついつい魔王様のお体を心配するあまり」

魔王「俺はお前のアタマが心配になるわ!!」

側近「これは私ごときに過分のお心づかい、ありがとうございます」

魔王「・・・・・いや、もういいや、なんでもない」



87:名も無き被検体774号+:2012/03/16(金) 03:37:21.31 ID:q9FhAxy/0

魔王「まったく、お前とこのまま漫才してたらまた1000年たっちまうわ」

側近「いやいや、今のやりとりはせいぜい10分程度、1000年も続けるには少々根気が・・・」

魔王「わーかったから!もうめんどくせーなお前は!」

側近「これは失礼致しました」

魔王「それにしてもさ、お前も考えてみれば1000年前は随分働いたじゃん」

側近「そうでございますな、群がる人間どもをちぎっては投げ、ちぎっては投げ・・・」

魔王「いや、お前この城に居て指示だしてたんだから戦闘には参加してないだろ」

側近「あ、そうとも申しますな」

魔王「そうとしかいわねぇよ」



88:名も無き被検体774号+:2012/03/16(金) 03:38:17.00 ID:q9FhAxy/0

魔王「でもさ、それにしても軍勢を整えて戦略練って、と随分大変そうだったよ」

側近「いえいえ、魔王さまのおためとあらば、辛い事など何ひとつございませんでした」

魔王「なのに、なんで復活したらそんなにやる気ねーの?」

側近「いやいや、やる気が無いわけではございません、ただちょっと寝起きでございますので」

魔王「それで調子が出ないっていうのか?」

側近「まあなにぶん、900年も寝ておりました故、少々勝手がわからない部分もございまして」

魔王「まあ、それはわかるけどな、俺も随分調子狂うからな、こんなに時代が変わると」

側近「は、誠に申し訳ございません。なるべく調子を取り戻すよう努力致します」



89:名も無き被検体774号+:2012/03/16(金) 03:39:42.59 ID:q9FhAxy/0

魔王「まあいいや、とりあえず地上の魔物どもには俺が精神感応で触れを出す」

側近「さようでございますか」

魔王「お前はその間にもうちょっと人間界のリサーチを色々しておいてくれ」

側近「はっ、たまわりました」

魔王「じゃあ、俺は城の頭脳で増幅して魔王復活のニュース流して来るわ(スタスタ)」

側近「・・・・・・・・魔王様・・・・・(ため息)」



92:名も無き被検体774号+:2012/03/16(金) 04:41:05.36 ID:q9FhAxy/0

~魔王城 魔王の自室~

魔王「城の頭脳よ、我が言葉を増幅し、世界中の魔物に伝えよ」

城「精神感応増幅器、起動完了シテイマス、めっせーじノ入力ヲドウゾ」

魔王「よし、いっちょやるか」

『全ての魔物たちよ、我は初代魔王である

 長き雌伏の時は去った

 汝ら、我が魔王城にはせ参じるが良い

 今こそ再び魔王軍を再編し

 人間界を蹂躙してくれようぞ』

魔王「よし、送信・・・と」

城「めっせーじヲ送信シマシタ」

魔王「あとは魔物が集まるのを待つだけだな」

魔王「それにしても、普段使い慣れない言葉遣いすると緊張すんなー」

魔王「まあこのキャラじゃ威厳も何もあったもんじゃないからな」



93:名も無き被検体774号+:2012/03/16(金) 04:42:14.66 ID:q9FhAxy/0

~翌日、僻地山の麓 オフ会場~

勇者「ちょ、すげえ人数いるぞ」

僧侶「100人はいるなー、冗談みたいな立て看板一つでこんなに人が集まるとはねー」

勇者「まあ最近vipもクソスレばっかりだったからな、二日でpart7まで行くスレなんて久々だよ」

僧侶「ふーん、そういうモンかー」

勇者「よーし、ここで俺が勇者だって明かしたら絶対盛り上がるぞ」

僧侶「でもお前、あまり自分が勇者だって知られたくないんじゃねーの?」

勇者「いいんだよ、こいつらどうせ話半分で聞いて信じやしねーから」

僧侶「へえ、そんなもんなの?」

勇者「でも、偽物でもいいから勇者が現れたって言ったら、それをネタに騒げるだろ?」

僧侶「誰かの誕生日をダシに飲むようなモンか?」

勇者「た、多分な(誕生日なんて祝った事も祝われた事もないけど)」



94:名も無き被検体774号+:2012/03/16(金) 04:42:40.42 ID:q9FhAxy/0

僧侶「それにしてもお前、生き生きしてんな、電車の中じゃ対人恐怖症みたいになってたのに」

勇者「うるせーな、ココに居るのは俺と同じvipperばっかりだから気心知れてんだよ」

僧侶「ふーん、逆に俺はアウェイだからよくわかんないけど、勇者が楽しめるならそれでいいと思う」

勇者「お、おう(くそ、コイツはいつもイイヤツで腹立つなー)」



95:名も無き被検体774号+:2012/03/16(金) 04:43:14.57 ID:q9FhAxy/0

主催者「ぁ・・・ぁー・・・キコエマスカー・・・」

参加者「わいわいがやがや」

主催者「拡声魔法!!・・・オフ参加者の皆様、聞こえますか?オフスレ>>1の主催者です!」

参加者「お、>>1キター!」

参加者「オフ開催乙!」

主催者「どうも、今日は参加ありがとうございます、思いつきで開いたこのオフにこんなに沢山うんぬんかんぬん」

参加者「パチパチパチパチ」

主催者「最初は自己紹介、と思ったんですがこの人数では時間がかかりすぎてしまいます」

主催者「なので、オフ参加者専用スレを用意しましたので、そちらにコテとプロフ、簡単な外見の特徴を書き込んで下さい!」

主催者「その上で、周囲の方と交流する時間をもうけたいと思います」

主催者「gdgdで申し訳ありませんが、一応諸注意だけお聞きください」

主催者「まず、ここは国有地ですのでゴミは云々でなんとかかんとか・・・」



97:名も無き被検体774号+:2012/03/16(金) 05:35:28.21 ID:q9FhAxy/0

~世界連邦軍 世界防衛省~

兵士「将軍!さきほど未知の精神感応波が検出されました!現在解読班が内容を解析中です!」

将軍「なんだと!」

兵士「波長は過去のデータに一切ありませんが、精神波の出力は世界全てをカバーする強度です!」

将軍「解析を急がせろ!捕獲中の魔物の脳を使ってかまわん!」

兵士「はっ!」

将軍「まさか・・・・・・」



99:名も無き被検体774号+:2012/03/16(金) 05:35:52.41 ID:q9FhAxy/0

~30分後 世界連邦 危機管理委員会~

大統領「すでに報告を受けている者もいるだろうが、魔王が復活した」

一同「バカな!」「どういう事だ!?」

大統領「詳しくは軍の情報部より報告してもらう」

情報部「さきほど、軍の検知器が未知の精神感応波を検出しました」

情報部「その出力の強さから、高度の危機レベルの可能性アリと判断しました」

情報部「技術的詳細は省きますが、魔物の脳を読心魔術の応用でハッキングした結果」

情報部「初代魔王が復活し、人間世界への侵攻を宣言している事が判明しました」

一同「ざわ・・・ざわ・・・・」

情報部「なお、精神波の発信源は魔王山脈中心部の魔王城と判明しております」



100:名も無き被検体774号+:2012/03/16(金) 05:36:18.51 ID:q9FhAxy/0

大統領「そういうわけだ、諸君、私は世界連邦大統領として、危機レベル5を宣言する」

大統領「これにより全ての連邦加盟国の主権、および国軍指揮権は事態収束まで私に委譲される」

大統領「なお、危機管理委員会の全ての部署は対魔王プログラムに従って動くように」

一同「喧々囂々」



101:名も無き被検体774号+:2012/03/16(金) 05:36:54.02 ID:q9FhAxy/0

幹部A「この件に関して、広報については?」

大統領「現状魔王の勢力、能力、その他全てが不明だ」

大統領「場合によってはこれを告知する事は敵を利する事にもなりかねない」

大統領「また、民衆にパニックが起こる可能性もあるため、当分はこの件については極秘とする」

外務大臣「各国首脳との折衝については?」

大統領「各国首脳にはホットラインで召集をかけてある」

大統領「明日12時までに全ての国の首脳に指揮権委譲と守秘義務の魔法契約書にサインをしてもらう」

大統領「以上だ。諸君がこの危機を今まで同様スマートに乗り切ってくれると信じている」

大統領「質問はないな?では、幸運を祈る」



107:名も無き被検体774号+:2012/03/16(金) 23:07:55.73 ID:q9FhAxy/0

~ 世界連邦 情報部本部 ~

女部員「そんでアタシらは勇者の情報の捜査だって?何かの冗談でしょ?」

男部員「馬のフンに誓って冗談でもなんでもない、さっさと席に行くぞ」

女部員「アタシはLv90の上位魔法使いよ?それがこのカビくさい豚小屋でデスクワーク?最高の待遇ね」

男部員「いいか、俺たちがこのステキな豚小屋でデータ漁りをするって栄誉をたまわったのはな」

男部員「お前が外に出るたんびに、バカみたいな魔力でそこら中のモノを世界の果てまでブっとばしちまうからなんだよ」

女部員「冗談でしょ?アタシが悪いっていうの?」

男部員「ああ、そう聞こえたんならお前の耳は脳ミソと違って正常だよ」



108:名も無き被検体774号+:2012/03/16(金) 23:09:04.38 ID:q9FhAxy/0

男部員「さあ、もうグチは聞き飽きた、さっさと水晶玉の前に座れ」

女部員「はー、もう最悪。大体なんだって勇者なんて時代遅れなモノ探さなきゃいけないのよ」

男部員「戦力的には何の役にもたたんだろうが、トドメは勇者じゃないと刺せないからな」

女部員「核爆殲滅魔法で魔王ボロボロにして、最後のオイシイ所で勇者様においで願うってワケね」

男部員「そういう事だ。既に世界中の戦略空中要塞に魔力注入が始まってる」

男部員「あとは魔王の位置と勇者さえ解ればこの戦いは一日で終わる」

女部員「はいはい、そこんとこがアタシ達名探偵の腕にかかってるってワケね、わかったわ、さっさと片づけましょ」

男部員「まずは転職神殿の職業登録データを洗い出して・・・」



109:名も無き被検体774号+:2012/03/16(金) 23:10:21.46 ID:q9FhAxy/0

~ 僻地山 オフ会会場 ~

参加者「わいわいがやがや」

勇者「それにしてもすごい人数だなー、こういうの俺ニガテなんだよなー」

僧侶「まあその辺の人に話しかけてみようぜ、お、こっちに一人来るぞ」

賢者「やあどうも、賑やかなオフになりましたねー」

勇者「そ、そうですね」

賢者「あ、私賢者といいます」

僧侶「どうもどうも、俺は僧侶です」

勇者「(賢者か、スレ内検索・・・と、なんだよコイツ、国立魔法研究所の賢者とかエリートじゃねーか)」

賢者「ええと、こちらは・・・」

勇者「あ、その、ええと、勇者です・・・ぼそぼそ」



110:名も無き被検体774号+:2012/03/16(金) 23:12:00.25 ID:q9FhAxy/0

賢者「どうも、よろしくです。それにしても、もしかしたら魔王でも現れるかと思いましたが、何も出ませんねえ」

僧侶「まあ、やはりイタズラだったんじゃないですかね」

賢者「そうですねー、もしかしたら未知の大怪異が起きるかと少し期待してたんですが、ははは」

女A「あのー」

賢者「はい?」

女B「国立魔法研究所の賢者さんですよね?」

賢者「あ、はい」

女A「すごーい!どうして今日はこんなトコに?」

賢者「いやあ、ちょっと研究に行き詰まってまして、気分転換をかねて」

女B「そうなんですかー、よかったら一緒に写真撮ってもらえませんか?」

僧侶「あ、それなら僕がとりますよ、どうぞ並んで並んで(パシャっ!)」

女A「ありがとうございますー!」

僧侶「ところで賢者さんはどんな研究を?」

賢者「うーん、簡単に言うと魔力の元となるマナを云々でかんぬんで」

女A,B「(尊敬のまなざし)」

勇者「・・・・・・・・・」



127:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 01:59:15.36 ID:8OxRWeCr0

勇者「くそ、なんだよリア充どもめ、こんなトコに来てんじゃねーよ」

勇者「だいたい僧侶まで一緒になってエリート会話してんじゃねーよ」

勇者「どうせ俺みたいの一緒に居るのが恥ずかしくて賢者とかと近づこうとしてるんだ」

勇者「俺勇者なのに・・・もう魔王が現れて困ってもあいつらは助けてやんねー」

勇者「お?なんだ?あそこ騒がしいな、人が集まってる」

勇者「エ○ゲいコスプレの子でもいるのかな、気分直しに見に行ってみるか」



129:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 02:05:55.97 ID:8OxRWeCr0

参加者「ざわざわ」

勇者「なんだなんだ」

参加者「うはwwwwみんなクオリティ高杉wwwwwwwww」

参加者「たった一日でアレ作ったのかよwwwwwww」

参加者「つかあの格好でココまで来た猛者とか居るらしいwwwwwwwww」

勇者「何の騒ぎだ?やっぱコスプレか?」

参加者「見ろってあれwwwwwwww勇者様大量発生wwwwwwww」

勇者「うわ、なんだあれ、勇者っぽい感じのコスプレしたヤツラが10人以上いるぞ」



130:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 02:09:05.99 ID:8OxRWeCr0

参加者「勇者さんこっち目線下さいー!(パシャパシャ)」

参加者♀「すみませんー、良かったら一緒に写真撮って下さいー!」

主催者「いやー、こういう人が来るとは思ったけど予想以上のクオリティです」

主催者「オフ中継用のスレにうpしても良いですか?」

勇者「なにみんなで偽物祭り上げてんだよ、勇者は俺だっつーの(ぶつぶつ)」

主催者「お、貴方も勇者コスですか?そしたら早く着替えた方がいいですよ」

参加者「そろそろ撮影会も一段落しちゃいそうですからね」

参加者「お、新勇者登場?wwwwwwww」

参加者「期待wwwwwwwww」



131:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 02:13:29.89 ID:8OxRWeCr0

勇者「いやそうじゃなくて、俺本物だから!」

参加者「は?何それツマンネ」

参加者「まあそういってやんな、あのクオリティ見てびびったんだろ」

勇者「ふざけんな、コスプレなんかしねーよ!俺が本物の勇者なんだっつってんの」

参加者「うはwwwww顔真っ赤wwwwwwwwww」

参加者「祭りになると必ず一人は沸くよな、こういうの」

参加者「アオリにしてもちょっと低級すぎんぞwwww」

勇者「アオリでも釣りでもねーよ!見ろ!転職神殿発行の職業証明書だ!『勇者』って書いてあんだろうが!」

参加者「・・・・そっすか、プッ」

参加者「まあ切り口は新しいけどな」

参加者「でも正直中途半端、さめたわ」

勇者「・・・・・・・・・・・・」

参加者「空気嫁」

参加者「つか公文書偽造wwwwwww」

参加者「通報しますたwwwwwwww」

勇者「(泣きながらダッシュ)」

参加者「ちょwwwwアイツ涙目wwwwwwwwwwww」



132:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 02:18:54.11 ID:8OxRWeCr0

~ 同時刻 オフ会場外縁 ~

僧侶「いやー、面白いお話をありがとうございます」

賢者「いやいや、こんな所で研究の話なんかしちゃってすみません、空気読めってヤツですね」

女A「そんなことないですよー、素人の私たちにもちゃんと解るように説明してくれたし」

女B「そうそう、声も顔もイケメンだしー」

賢者「いやいや、お気遣いありがとうございます」

僧侶「いや、本当にありがとうございました・・・・・・あれ?勇者?」

僧侶「(あそこ泣きながら駅の方に走ってってるの、勇者だよな・・・)」

僧侶「では、すみません、私ちょっと用があって、これにて失礼します(ダッ)」



133:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 02:26:17.97 ID:8OxRWeCr0

僧侶「おい!勇者!どうしたんだよ、帰るのかよ!」

勇者「うるせー!お前だってどうせ俺なんかと居るの恥ずかしいんだろ!」

僧侶「いや、お前何いってんだ?」

勇者「いいから俺は帰るからお前は賢者とか女と仲良くやってりゃいいだろ!」

僧侶「まあ落ち着け、どうしたんだよ、つかお前勇者お披露目する予定じゃなかったのか?」

勇者「うるせーよ!もうなんでもいいよ!こんなトコ来たのが間違いなんだよ」

僧侶「勇者・・・・・」

勇者「もう二度と家から出ない、誰も俺の事なんて必要としてないんだよ」

僧侶「・・・わかった、まずは家に帰ろう」

勇者「・・・・・・・」

(電車に乗る二人)



135:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 02:42:26.60 ID:8OxRWeCr0

~オフ会参加者の一人のつぶやき~

@vipperA:そろそろ一次会はお開きな流れ、これから僻地の街に繰り出して二次会

@vipperA:今日の勇者コスの皆様。クオリティ高杉www http://imepicほにゃらら

@vipperA:中にはコスプレのまま会場に来た猛者も。コスプレで入れる飲み屋あるかな

@vipperA:そういえば、勇者の身分証を作ってくるなんて人もいた http://imepicほにゃらら

@vipperA:彼は登場のタイミングが悪かったので叩かれたりしててちょっと可哀想だったかも

@vipperA:それにしても大規模オフは久しぶりだったけど楽しかった。主催者さん乙



136:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 02:47:05.72 ID:8OxRWeCr0

~ 世界連邦 情報部本部 ~

女部員「あーもう、勇者、勇者、勇者、どいつもこいつもデマばっかり!」

男部員「転職神殿にも記録は残ってなかったしな、まだ自分が勇者である事に気付いてない可能性もあるな」

女部員「アンタの召喚する精霊はなんでこんな糞データしか運んでこないのよ!」

男部員「仕方ないだろう、精霊エシュロンといえど、真偽まで判別する事はできん」

女部員「宝箱判別みたいに、すぐに嘘かどうか判別できる呪文ないの?!」

男部員「あったら俺たちは必要ないからな・・・と、待てよ、これを見ろ」

女部員「なに?今度は画期的な安売りでも見つけたの?やくそうが10個で70g!今すぐお電話を!みたいな?」

男部員「いいからこれを見てみろ、この画像だ。転職神殿発行の身分証だ」



137:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 02:49:26.19 ID:8OxRWeCr0

女部員「どうせ偽物でしょ、どこかのバカがパーティで喝采をもらいたくて法律の線をまたいだだけじゃない」

女部員「いい?アタシ達は公文書偽造犯を何人つかまえてもこの豚小屋は出られないのよ!くだらないこt」

男部員「まて!画像解析にかけた、これは97%の確率で本物の職業証明書だ」

女部員「じゃあどうして神殿の転職記録に載ってないのよ?」

男部員「この証明書によれば発行日は昨日だ。まだ報告書が本部に上がっていなくても不思議じゃない」

女部員「それで、どうするの?神殿に念話して担当者を出せって言うの?今日は休日よ」

男部員「まずは現地だな、転移魔法を頼む」

女部員「!!!(目が輝く)」

男部員「ただし、頼むから帰ってくるまでに、一言たりとも破壊魔法を唱えるんじゃないぞ」

女部員「大丈夫よ、アタシには分別ってものがありますからね。よし、行くわよ!転移魔法!」

(魔法の輝きと共に消える二人)



138:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 02:50:30.34 ID:8OxRWeCr0

~どこかの部屋~

謎の女「これはまずい流れ・・・・」

謎の女「先回りできるか・・・?」



139:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 03:22:03.85 ID:8OxRWeCr0

~勇者の地元駅前~

僧侶「なあ、いい加減機嫌なおせよ、何があったんだ?」

勇者「なんでもねーよ、かえってくれ(スタスタ)」

僧侶「待てったら、今日誘ったのはお前じゃないか」

勇者「うるーせーよ(スタスタ・・・ドン!)あ、すみません」

僧侶「なんですか?あなた達は」

男「勇者君だね?」



140:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 03:22:23.92 ID:8OxRWeCr0

僧侶「あなた達は?」

男「君には話していない(勇者に向き直り)勇者君だね?」

勇者「そ、そうですけど・・・」

男「君に、公文書偽造の疑いで逮捕状が出ている、署まで来てくれないか?」

勇者「そ、そんな・・・・」

男「君は今日、僻地山で勇者の職業証明を出したね?それは偽造の疑いがある」

勇者「そんなハズは無いです!転職神殿でちゃんと発行してもらいました!」

男「では、その証明書を見せてくれないか?」



141:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 03:23:19.07 ID:8OxRWeCr0

僧侶「まって下さい、あなたがたは警察ですか?」

男「そうだ」

僧侶「では警察手帳を見せてください」

男「その必要はない」

僧侶「そんな事はありません、警察官には自らの身分を証明する義務があります」

男「もう一度言う、その必要はない」

僧侶「わかりました(パシャ!)私はこの暴挙について、教会のネットワークを使い糾弾させてもらいます」

勇者「な、なんなんだ(オロオロ)」

男「写真を勝手に取るのは肖像権侵害だ、君も逮捕する事になるぞ」

僧侶「公務中の公務員には肖像権は適用されません、あんた、本当に警察か?」

女「睡眠魔法!!!」

僧侶「な・・・どうしt・・・zzz」

勇者「zzz」



142:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 03:24:02.62 ID:8OxRWeCr0

男部員「どうして君はいつもそう唐突なのだ!」

僧侶「zzz」

勇者「むにゃむにゃ・・・大王イカ娘たんハァハァ・・・zzz」

女部員「あら、困ってるようだから助けてあげたのにごあいさつね、それじゃ閃熱魔法の方がよかった?」

男部員「(ヒソヒソ)そういう事じゃない!だいたいこの駅前の往来で眠った大の男二人をどうするつもりだ!」

女部員「(ヒソヒソ)気にする事ないんじゃない?あとは転移魔法で帰るだけよ?」

男部員「(ヒソヒソ)周りの目という物を考えろ!思い切り注目の的になってるじゃないか!」

通行人「あー、あんたがた、何があったんだね?この人たち、倒れとるようだが」



143:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 03:24:47.95 ID:8OxRWeCr0

男部員「いや、その、急に気分が悪くなったみたいで」

通行人「そりゃいかん、教会の救急隊に連絡しといてやろうか?」

男部員「いや!それはまz・・・じゃない、その、この人達は知り合いですので、連れて帰りますから」

女部員「爆裂魔法!(コッソリ)あ!アレを見て!!!(どっかぁ~~ん)」

通行人「なんじゃ!ビルの屋上がいきなり爆発!?」

女部員「いけない!マナ爆発かもしれません!警察を呼んで!」

男部員「(呆然)」

女部員「さ、この騒ぎに紛れて逃げるわよ!転移魔法!!!」

(騒然となる群衆に紛れて転移する二人)

謎の女「くっ!間に合わなかったか!」



144:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 04:18:32.95 ID:8OxRWeCr0

~魔王城~

魔王「爆裂魔法!!」(どっかーん)

魔王「氷結魔法!!」(ぴきーん!)

魔王「烈風魔法!!」(ごおおおおお)

側近「魔王さま、何をなさっておいでで?」

魔王「いやー、1000年も寝てたから体なまってんなーって思ってな」

側近「リハビリのような物でございますか」

魔王「そうそう、これから人間どもとの実戦があるだろうから今のうちになー」

側近「人間が夏が来る前にダイエットに励むのと似たような物でございますかな」

魔王「お前なんでそんな事知ってんだ」



145:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 04:19:28.56 ID:8OxRWeCr0

側近「ところで、魔法の練習なら地下の結界室がございますが、なぜご自室で?」

魔王「行くのめんどくさくてな、それに、あそこって魔法使っても結界が光って吸収して終わりじゃん?」

側近「さようでございますな」

魔王「つまんないんだよな、その点ココならちゃんと魔法の効果が見えるじゃん?」

側近「なるほど、それでお部屋の壁に穴をあけ、床を凍りつかせ、書類を吹きちらかした、と?」

魔王「え?い、いやその、あ、そうだ、ちょっと汗かいたから風呂でm」

側近「お風呂の用意はすぐにいたしましょう、マグマを沸かしてまいります」

魔王「じゃ、じゃあそれまでマンガでも読んで待ってようk」

側近「準備が出来るまでにお部屋をすぐに元どおりにお直し下さい!!!」

魔王「えー、いやほら、俺、部屋がキレイすぎるのも落ち着かないし、これはこれで・・・」

側近「ま お う さ ま?」

魔王「はい、今すぐ片付けます」



155:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 22:30:20.07 ID:8OxRWeCr0

魔王「おーい側近」

側近「はい、何でございましょう」

魔王「いい湯だぞ、お前も一緒に入らないか?」

側近「せっかくですが、わたくしには1000度のマグマは少々熱すぎます」

魔王「そんじゃちょっとうめるからさー、おいでよ」

側近「それではガチムチトロルに変化して入らせていただきたいと思います」

魔王「なんでだよ、そのままでいいじゃん」

側近「なぜわたくしがそのような自殺行為をしなければいけないので?」

魔王「いや、別にその、いやらしい意味じゃなくてだな、たまには裸の付き合いもいいものかなーって」

側近「魔王さまにとって良いだけでござりましょう」

魔王「ちぇー、いけず」

側近「魔王さま、拗ねてもあまり可愛くはございませんよ?」

魔王「・・・・・」



156:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 22:33:29.69 ID:8OxRWeCr0

~世界連邦 情報部本部 拘置室~

勇者「うう、頭いてぇ・・・・・・・・」

僧侶「起きたか、勇者」

勇者「あれ、なんだココ?俺どうしたんだっけ、確か地元の駅で・・・」

僧侶「何者かに睡眠魔法をかけられて、目覚めたらココにいたよ」

勇者「なんだよここ、なんで俺こんなトコ居るんだ?」

僧侶「さあな、わかっているのは、俺達を拉致した奴らがかなりの力を持った連中だって事だ」

僧侶「魔法抵抗の高い僧侶の俺が抵抗の間もなく眠らされた。敵は相当な手練だ」

勇者「拉致?!俺たち拉致されたのか!?」

僧侶「多分な、ドアは一切開かないし、携帯端末は没収されているようだ」

勇者「!!本当だ!!どうしよう!!困ったなー」

僧侶「どうしようもないな、これじゃ助けも呼べんし八方塞がりだ」

勇者「そん・・・・な・・・・・俺、一日一度は2ch見なきゃ我慢できないのに!!」

僧侶「そこかよ、困るところは」



157:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 22:35:50.61 ID:8OxRWeCr0

僧侶「それだけじゃないだろう、困るのは」

勇者「そうだよ!ニヤニヤ動画も見れないし、P2Pでエ○ゲzipもDLできない!」

僧侶「いやいやいや、そういう事じゃなくてだな」

勇者「え?他に?あ!そうだよ!密林商店でエ○ゲも買えないじゃないか」

僧侶「ネットとかエ○ゲとかから離れろよ・・・・」

勇者「バカを言うな!それ以外に俺の存在意義なんて無いじゃないか!」

僧侶「どうしてそういう時だけ自信満々なんだ」

勇者「自分に自信が無いことについては自信がある!」

僧侶「俺は頭が痛くなってきたよ、勇者」



161:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 23:02:43.29 ID:8OxRWeCr0

勇者「だってそれ以外に俺が誇れるような事はないぞ?」

僧侶「いやいや、それよりもっと重大な特性があるだろう、お前には」

勇者「なんだ?童貞だからか?誰か俺の童貞狙ってんのか?」

僧侶「誰も狙わねーよ!どうしてソコ行くんだよ!お前"勇者"だろうが!」

勇者「やっぱり誰も狙ってくれないよなー、俺の童貞なんて・・・」

僧侶「童貞から離れろ!お前どんだけ勇者の自覚ないんだよ」

男「全くだな、驚いたよ」

ドアが開き、二人の男女が現れた



163:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 23:11:09.54 ID:8OxRWeCr0

勇者「だ、誰ですか!?」

男部員「まずは失礼をお詫びしよう、急を要する事だったのでいささか強引に招待させてもらった」

僧侶「・・・アンタ達、どこのエージェントだ?」

男部員「おっと、自己紹介がまだだったな。私は男部員そしてこちらは」

女部員「女部員よ。おっと、身構えないでいいわ、危害を加えるつもりは無いの」

男部員「さて、私は物事をひとつづつじっくり進める主義なんだが(チラっと女部員を見て)」

男部員「こちらの女性は忍耐力が乏しいのでね、簡潔に説明させてもらう」

僧侶「わかった、まずは聞きましょう」

女部員「どういう意味よ・・・(憮然)」



164:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 23:18:32.88 ID:h6W1prgb0

何故に憮然?
むすっとしたとかなら分かるんだが



165:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 23:22:54.62 ID:8OxRWeCr0

男部員「我々は、世界連邦の人間だ。今回は、勇者君に用があってお越しいただいた」

勇者「え、お、俺?」

僧侶「つまり、魔王が復活したんだな?」

女部員「ふーん、こっちの坊や、なかなかカンがいいじゃない」

僧侶「"勇者"に用があるというなら、魔王がらみ以外ありえないからな」

男部員「そう、我々は童貞にも上級自宅警備員にも用はない、勇者の力が必要なのだ」

勇者「(涙目)」

男部員「知ってるとは思うが、魔王の命は勇者以外に奪うことができない」

勇者「待ってください、俺は魔王と戦うなんて・・・」

男部員「もちろん、君の戦闘力は別にアテにしていない」

勇者「(再び涙目)」

男部員「魔王のHPを削る仕事は世界連邦軍が引き受ける」

男部員「その間は勇者くんには安全な場所に控えていてもらう」

僧侶「そして、虫の息の魔王の心臓に剣を突き立てるのが勇者の仕事ってわけか」

女部員「正解♪」



166:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 23:33:52.90 ID:8OxRWeCr0

>>164 憮然って、不満なさま、とかそういう意味じゃなかった?




男部員「純粋な戦闘力で言えば、我々は魔王軍を圧倒している」

女部員「この100年の魔法技術の進化と、魔物の減少のおかげでね」

男部員「しかし、神のさだめた法則により、止めをさせるのは勇者だけだ」

男部員「当然魔王もそれは知っている。ゆえに、勇者くんが狙われる事は明白」

女部員「だからキミを保護したわけ、絶対安全なココにね」

僧侶「保護ね・・・外から鍵のかかった部屋に押しこむ事を、普通は監禁って呼ぶんだけどね」

男部員「呼び方にはこだわらない、好きに解釈したまえ」

女部員「どう呼ぼうと、私達がする事は決められているの。不満はあるでしょうけど我慢してね」



167:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 23:35:41.65 ID:8OxRWeCr0

勇者「あの、つまり、ぼ、ぼくが魔王に止めを刺す瞬間までぼくはココに閉じ込められるって事ですよね?」

男部員「そういうことになるな」

勇者「わかりました、どうせぼくはただのヒキヲタですし、部屋から出ない事には慣れてます」

女部員「あら、随分聞き分けがいいじゃない」

勇者「でも、一つだけお願いがあります!」

男部員「君の無事を家族に知らせる、とかそういう事なら聞き入れるわけにはいかない」

男部員「君の所在がどこからか漏れれば、それを魔王に知られる可能性がある」

勇者「そうじゃないんです、簡単な事なんです!」

男部員「なんだね?言ってみたまえ」

勇者「どうかパソコンとエ○ゲだけ用意してください!あと、書きこめなくていいから2chも!!」

一同「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



168:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 23:54:20.59 ID:8OxRWeCr0

勇者「うひょー!あいつらホントにPCとネトゲ用意してくれたよ!」

勇者「これでネットも見放題!しかもエ○ゲこんなに沢山タダだぜ?勇者になってよかった!」

僧侶「お前・・・・この状態でよくそんな平静でいられるな」

勇者「そりゃさ、本当は2chに書き込んで安価とったり煽ったりしたいけどなあ・・・」

僧侶「そこじゃなくて」

勇者「え?他に何かあったっけ・・・あ、そうか!」

僧侶「どんだけ2chとエ○ゲ以外のことに頭回ってないんだよ」

勇者「ここでエ○ゲはじめても、僧侶の前でオナ○ー始めるわけにもいかないもんなー」

僧侶「だからそこでもねーよ!問題は!」



170:名も無き被検体774号+:2012/03/19(月) 00:14:39.63 ID:a5im0WI/0

僧侶「くそ、脱出魔法も転移魔法もダメか」

勇者「うーん、ガード固いなー」

僧侶「可能性は少ないが物理的に脱出する手段を探してみるか」

勇者「選択肢もあんまり無いしなー、どうしたもんかなー」

僧侶「しかし、この部屋を出たとして、その先どうするか・・・」

勇者「まあ悩んでも仕方ない、まずは先に進むことを考えるかな」

僧侶「そうは言っても、おそらく要塞とかそういう建物だろうから、内部はかなり複雑だぞ」

勇者「まあルート選定は大事だけどなー」

僧侶「この部屋を出ても、袋小路に追い込まれたんじゃ心象が悪くなるだけだからな」

勇者「とりあえず全員心象はよくしといた方がいいよな」

僧侶「まあ、ここで喋ってても仕方ない、まずは部屋を出る方法を考えよう」

勇者「しょうがないな、出たトコ勝負だな」

僧侶「そういうことだ」

勇者「どの道後から全ルート制覇するわけだし」

僧侶「え?この施設中を歩き回るつもりか?」

勇者「とりあえず、このメガネっ娘のルートを目指しつつシナリオすすめるかな」

僧侶「お前、何を言ってるんだ?」

勇者「(ヘッドフォンをはずして)え?僧侶何か言った?」



173:名も無き被検体774号+:2012/03/19(月) 00:43:35.32 ID:a5im0WI/0

僧侶「お前、ホントにすっかりココで落ち着いてんな」

勇者「だって・・・外の世界は怖いよ、外に出るとみんなが俺を見て笑ってるような気がする」

僧侶「だからってお前、ココは体の良い座敷牢だぞ?」

勇者「そうかもしれないけどさ、俺が居た部屋だって牢屋と変わらなかったよ」

僧侶「どういう事だ?」

勇者「あの部屋に俺は居たかったわけじゃないんだ、ただ、どうしても出られなかったんだよ」

勇者「部屋の外に色々すばらしい物がある事は知ってたけど、それは全部俺には無縁だったんだ」

勇者「俺にとって、外にあるのは嘲りとか哀れみとか怒りとか、そんな物が全てだったんだよ」

勇者「だから、恐怖で足がすくんで外には出られなかった。今はドアが開かないから外に出られない」

勇者「どっちも、俺にとっては大して変わらないんだ・・・」

僧侶「そうか・・・・・」



175:名も無き被検体774号+:2012/03/19(月) 00:51:35.41 ID:a5im0WI/0

勇者「でも・・・ごめんな、僧侶にとってはここに閉じ込められるのは辛いよな」

僧侶「あ?俺か?俺の事なら気にするなよ、瞑想に入ればいくらでもじっとしていられる」

勇者「それでも、俺の巻き添えで捕まってる事に変わりは無いよな」

僧侶「最近瞑想の行を怠ってたからいい機会だよ。なんなら俺の瞑想中にオナ○ーしてたっていいんだぜ?w」

勇者「それが神に仕えるヤツの言う言葉かよwww大体お前、瞑想中は外の事はわかんないんだろ?」

僧侶「意識は内面世界に行ってるからな」

勇者「そしたら、お前がふと瞑想から覚めた瞬間に俺がフィニッシュしてたらどうすんだよwwww」

僧侶「それは気まずいなwwww」

勇者「2chに書き込みできたら『親友にオナ○ー見られた』ってスレ立てるレベルだぞwwww」

僧侶「それがどんなレベルか分からないが、まあまずい事は確かだ」



178:名も無き被検体774号+:2012/03/19(月) 01:17:57.66 ID:a5im0WI/0

勇者「僧侶はさ、なんで俺と友達でいるの?」

僧侶「はぁ?」

勇者「俺が他人と関わらないようにしてたら、どんどんみんな離れて行ったじゃん」

勇者「でも、僧侶だけは俺が引きこもってようが何してようが、勝手に俺の部屋に上がりこんで来たじゃん」

僧侶「そうかもな」

勇者「なんでだ?自分でこんな事言いたくないけど、俺はヒキヲタでニートで、何の魅力も無い男だよ」

僧侶「・・・・小学校の時さ、俺引っ越してきたじゃん、その時の事覚えてるか?」

勇者「んー、うっすらと」

僧侶「その時にさ・・・・・いや、なんでもねーわ///、気にすんな」

勇者「なんだよそれ」

僧侶「別に友達に理由とかいらねーべ」

勇者「・・・・かもな」



179:名も無き被検体774号+:2012/03/19(月) 01:25:13.93 ID:a5im0WI/0

僧侶「なんで突然そんな事言い出したんだよ」

勇者「さっきのあいつらさ、世界連邦の人間だって言ってたよな」

僧侶「え?ああうん」

勇者「このまま俺が監禁されててさ、魔王を追い詰めた所で、俺が魔王にトドメ刺すとするじゃん?」

僧侶「奴らの目論見ではそうなってるな」

勇者「そしたら多分、俺は世の中的には英雄って事になるよな?」

僧侶「まあ魔王を倒したら当然そうなるよな」

勇者「で、英雄の俺がさ『世界連邦のヤツらにこんな事されました』って言ったら、あいつら困るよな」

僧侶「・・・・・」

勇者「って事は、あいつら多分魔王にトドメ刺したあと、俺達を殺して相打ちとかそういう事にすると思うんだよ」

勇者「俺は見ての通り、Lv1の名ばかり勇者だし、僧侶がいくらすごくても、大勢には敵わないよな」

勇者「だから、死ぬ前に、どうしても聞いておきたくってさ・・・」

僧侶「お前・・・・」

僧侶「以外とモノ考える頭持ってんのなwwwwww」

勇者「ちょwwwwwww」



181:名も無き被検体774号+:2012/03/19(月) 01:32:19.83 ID:a5im0WI/0

僧侶「まあ、あいつらがそういう事目論んでる可能性は高いけどな」

勇者「だよな・・・・・」

僧侶「だからって今から死ぬつもりで落ち込んでたって仕方ないだろ!」

勇者「でも・・・」

僧侶「いいか、世の中どうにもならない事なんてそんなに無いんだ」

勇者「・・・・・」

僧侶「最後まで諦めなければ、たいていの事はなんとかなる!」

勇者「たいていの事じゃなかったら?」

僧侶「そん時は仕方ないさ、笑って諦めるしかない」

僧侶「だけどな、最後の最後まで、世の中何が起きるかわからない」

僧侶「だから、どんな小さな奇跡でも逃さないために、最後まで諦めちゃダメなんだ」

勇者「・・・・・・」

僧侶「わかったか?」

勇者「・・・わかった」

僧侶「じゃ、まずは体が大事だ。寝不足で居てもいいことないからな、そろそろ寝ようぜ」

勇者「そうだな、ありがとう、おやすみ僧侶」

僧侶「おやすみ勇者」

勇者「(それにしても、さっきの僧侶のセリフどこかで聞いたな・・・いつだったかな・・・・zzz)」



200:名も無き被検体774号+:2012/03/19(月) 17:20:11.47 ID:a5im0WI/0

~魔王城~

魔王「側近、採用状況はどうだ?」

側近「おおむね順調といったところでございましょうか」

魔王「面白いヤツは居たか?」

側近「そうでございますな、そういえば昼間来た魔物の中に一人」

魔王「お、どんなヤツだった?」

側近「非常に身だしなみに敏感な魔物でございましてな、常に鏡を携帯して髪型を直しておりました」

魔王「ナルシストかよ、変なヤツだな・・・その魔物の種族は?」

側近「メデューサでございます」

魔王「・・・・・・・・そいつは今は?」

側近「医務室にて石化の解凍中でございます」



201:名も無き被検体774号+:2012/03/19(月) 17:21:03.74 ID:a5im0WI/0

魔王「もうちょっとマシなのは居ないのかよ」

側近「ああ、そうそう、幽霊族で恐ろしい能力を持つ者がおりました」

魔王「ほう、どんなんだ?」

側近「凄まじい魔力の持ち主で、その姿を見た者は誰でも恐怖のあまり一瞬で発狂してしまいます」

魔王「そいつは凄いな、使えそうじゃないか」

側近「ただ、極度の恥ずかしがり屋で、相手が自分の方を向いていると姿を隠してしまうとか」

魔王「クッパ城でやれ」



202:名も無き被検体774号+:2012/03/19(月) 17:23:01.15 ID:a5im0WI/0

魔王「ちょっとその報告書見せてみろ!」

魔王「対人恐怖症で他人と目を合わせられない邪眼使い・・・」

魔王「世界の果てまで届く強弓を持つ、近眼のケンタウロス・・・」

魔王「高所恐怖症のペガサス・・・・」

魔王「なんでどいつもこいつも自分の能力を使うのに致命的な欠点を持ってるんだよ!」

側近「はあ、これも平和な証拠と申しますか」

魔王「お、こいつはどうだ?身の丈を超える剛刀を軽々と振り回し、体重の何倍もの巨岩をかつぎあげると書いてある」

側近「おお、良い所に目をおつけになられましたな、そやつは勇猛果敢で弱点もございませぬぞ」

魔王「ほうほう、どれどれ・・・・・・・・おい、ちょっとまて、体長3cmってどういう事だ」

側近「ピクシー族は概して小さな種族でございますからな」

魔王「」



208:名も無き被検体774号+:2012/03/19(月) 22:41:55.58 ID:a5im0WI/0

魔王「それにしてもまともな魔物はいないのかよ」

側近「はあ、今あげたような者共を除けば、みな頼もしい魔物ばかりでございますが」

魔王「え?」

側近「今あげた連中はまあ、いささか戦力としては使い物にならないリストでございますからな」

魔王「・・・・・・・なんでそんなのを最初に紹介するんだよ」

側近「は、魔王さまが『面白いヤツ』と申されましたので、私自身思わず笑ってしまったような者たちを・・・」

魔王「文字通りとらえるなよ」



209:名も無き被検体774号+:2012/03/19(月) 22:43:58.68 ID:a5im0WI/0

魔王「で、連中はこの辺にいんだろ?」

側近「は、みな魔王さまのお顔を拝むのを心待ちにしておりまする」

魔王「おし、そんじゃ城の外に並ばせとけ、1時間後に閲兵式をする」

側近「わかりました、みなも喜ぶでございましょう」

魔王「んー、それまで暇だな、おい側近、俺とイイこt」

側近「お断りします」

魔王「ちっ」

側近「あ、魔王さま」

魔王「なんだ?」

側近「兵どもの前に出るなら、イチゴ柄のパジャマはお着替えになった方がよろしいかと」



212:名も無き被検体774号+:2012/03/19(月) 23:18:34.65 ID:a5im0WI/0

~1時間後~

側近「魔王さま、そろそろお時間でございますが」

魔王「おう、今いくからちょっと待ってくれ」

側近「何をなさっておいでで?」

魔王「いやー、暇つぶしに動画見てたんだけどコレが面白くてさー」

側近「はぁ、それは用をお済ませになってからご覧になっては?」

魔王「あと5分で終わるからさ、ほら、見てみろよ、マジうけるwwww」

側近「そんなモノを見ている場合ではございません」

魔王「え、だってほら、コーラにメントスが・・・・」

側近「ま お う さ ま?」

魔王「わかった、わーかった!いきますよ、いけばいいんでしょ」

側近「スピーチの内容はもうお決まりで?」

魔王「え?ああ、そういえば考えてなかったな、まあ適当になんとかするさ」

側近「(嘆息)そんな事ではないかと思いました。原稿を用意しておきましたので、困ったらご覧になって下さい」

魔王「お前、気が利くな、やっぱ俺の事が好k」

側近「冗談をおっしゃってないでさっさと参りましょう」

魔王「・・・・・・・・・・」



213:名も無き被検体774号+:2012/03/19(月) 23:25:53.27 ID:a5im0WI/0

~魔王城 バルコニー~

魔王「拡声魔法!・・・本日は晴天なり、本日は晴天なり」

魔王「諸君、よく集まってくれた、我は魔王である!」

魔物 \魔王さまキター!!!!/

魔物 \おおおおお、本物の魔王さまだー!!!/

魔王「長いことお前ら魔物には辛い日々が続いた事であろう」

魔王「人間どもの文明に住処を奪われ、消えていった魔物も多いと聞く」

魔王「それもこれも、近年の魔王がだらしなかった事」

魔王「そして、この不甲斐ない我が復活に1000年もかかった事が原因であろう」

魔王「まずは、我の不徳を恥じ、その詫びの証に側近のおっぱいうp(ズガッ!!!)」

魔物 \・・・・・・・・?/



215:名も無き被検体774号+:2012/03/19(月) 23:38:14.20 ID:a5im0WI/0

魔王「いてて・・・すまぬ、今のは冗談だ、ともあれ今までのような辛酸の日々は終わりだ!」

魔王「今をもって貴様らは我が魔王軍の誇り高き精兵であり、我が愛すべき民である!!」

魔物 \おおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!/

魔王「人間どもはこの1000年の間に文明を発達させ、幾分強力になったかもしれぬ!」

魔王「だが我々は!!」

魔王「愛のため!戦い疲れた人のため!涙で渡る血の大河、夢見て走る・・・う?」

魔物 \?・・・????/

魔王「(マイクから離れて)おい側近、なんだこの原稿」

側近「おっと、2ページ目の原稿が間違っておりました」

側近「わたくしのカラオケ練習用の歌詞カードが混ざっておりましたな」

魔王「お前、意外とシブい趣味してんのな」



217:名も無き被検体774号+:2012/03/19(月) 23:39:04.84 ID:a5im0WI/0

魔王「えーとそのつまり!これより人間界侵攻の作戦を発動する!!」

魔王「我が魔王軍は軍備を整え次第、各地で一斉に攻撃をかける!」

魔王「魔物どもよ!世界各地に散り英気を養い、我の命令にそなえよ!!」

魔物 \おおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!/

魔物 \人間どもへの反撃の時だ!!!!!/

魔物 \魔王さまバンザイ!!!/

魔物 \キャー魔王様ー!/

魔物 \これは胸熱!/

魔物 \側近のおっぱいうpマダー!?/



218:名も無き被検体774号+:2012/03/19(月) 23:40:24.12 ID:a5im0WI/0

魔王「これより、選出した地域司令官の名を読み上げる!」

魔王「それ以外の者共には後ほど書類を配布する、そこに書かれた配属先に速やかに向かうが良い!」

魔物 \おおおおおおおおおおおおおお!!!!/

魔王「なお、配属希望が多かった地域については抽選のうえ、配属をもって発表に代えさせていただきます」

魔物 \おおおおお・・・・・・お??/

魔物 \懸賞かよ!!!/

魔王「以上だ!諸君の健闘を祈る!!」



220:名も無き被検体774号+:2012/03/20(火) 00:17:17.61 ID:3BcKJuRN0

~世界連邦 大統領執務室~

スタッフ「放送準備OKです!お願い致します!」

スタッフ「放送開始まで5秒前、4,3,2,・・・キュー!」

大統領「世界中の連邦民のみな、私は世界連邦大統領だ」

大統領「今夜は悲しい事に、皆に悪いニュースを伝えなければならない、どうか冷静に聞いてもらいたい」

大統領「軍の報告により、先日、魔王が誕生した事が発覚した」

大統領「・・・・・・・」

大統領「これまでの調べにより、この魔王は伝説に残る1000年前の魔王が復活したものと判明している」

大統領「私は平和を愛し、ひとりひとりの人間の生活がかけがえの無いものである事を知っている」

大統領「しかし、魔王とは決して人間と相容れない存在、私はここに、苦渋の決断をしなければならない」

大統領「我々、全世界連合軍は、魔王軍との全面戦争を宣言する!!!!」

大統領「我ら人間はもはや暗闇に怯える未開の種族ではない!」

大統領「人間が築き上げた魔法文明の力をもてば魔王軍といえど恐れるには足りぬ!」

大統領「私は約束する!速やかに魔王を討伐し、再び平和な世界を取り戻す事を!」

大統領「世界中の連邦民よ、一刻も早い平和のために、どうか協力をお願いしたい」

大統領「見せてやろうではないか!我ら人間の力のほどを!」

大統領「そして、証明してやろうではないか!魔王の上には勝者の栄冠は決して輝かないという事を!!!」

大統領「以上だ、これをもって世界連邦による魔王軍への宣戦布告を終了する」



221:名も無き被検体774号+:2012/03/20(火) 00:18:20.57 ID:3BcKJuRN0

~こうして、魔王軍と世界連邦軍との戦いの幕が切って落とされた~



225:名も無き被検体774号+:2012/03/20(火) 03:04:52.23 ID:3BcKJuRN0

~半年後 魔王城~

側近「以上、現在の戦況の推移でございます」

魔王「はいはい、そんじゃ占拠されてる支部付近は例によって広域状態異常使って奪還」

側近「はい」

魔王「そんで、奪還後は蘇生部隊に護衛軍くっつけて派遣、死亡者を治療しだい帰還させて」

側近「かしこまりました」

魔王「あと、西部戦線は魔法使いの消耗が激しいな、魔力回復薬の支給をいつもより1割増やしてやって」

側近「そうすると他の地方の補給が少々滞りますが・・・」

魔王「南部の国家連合は今内紛中だからしばらく補給減らしても膠着状態でいけるだろ」

側近「わかりました、そのように取り計らいます」



226:名も無き被検体774号+:2012/03/20(火) 03:05:43.50 ID:3BcKJuRN0

魔王「あーあ、それにしてもなー、つまんねーなー」

側近「と申されますと?」

魔王「忙しくなってばっかりで、なんかちっとも手ごたえが無いんだよなー」

側近「さようでございますか」

魔王「どんだけ手強くなってるかと思えば、なんか大して強くないしなー、人間」

側近「さようでございますな、さすがに1000年前に比べますと強力ではございますが」

魔王「そうはいってもさー、人間は60億もいるんだよ?どんな大軍で来るのかって楽しみにしてたのにさー」

側近「どうやら今の人間社会では、昔に比べて戦闘要員の割合が少なくなっているようでございますな」

魔王「よし!ここはひとつさ、退屈だからさ」

側近「何か名案がございますか?」

魔王「俺とちょっとベッドでイチャイt」

側近「お断りします」

魔王「相変わらずつれねーなあ」



227:名も無き被検体774号+:2012/03/20(火) 03:06:02.15 ID:3BcKJuRN0

魔王「他に今日の報告は?」

側近「は、配下から苦情や要請がいくつか」

魔王「生意気だな、何があった?」

側近「まず、妖精族から、オーガやトロルによるセクハラが激しいとの苦情がございます」

魔王「しょうがねー奴らだな、配置換えして、部隊内で接触が無いようにしておけ」

側近「それから、妖魔族用の硫酸風呂で、子供が誤って入浴した事故が相次ぎましてな」

魔王「あー、あの風呂は普通の魔物にはキツいもんなー」

側近「保護者の方から、柵を作っていない魔王軍の落ち度であると、賠償請求が来ております」

魔王「文字通りのモンスターペアレントだな、しょうがないから柵作って注意書きかいとけ」

側近「それから、赤道方面に回された氷雪系の魔物から、クーラーの設置の要請が」

魔王「自分の特性考えて希望配置出せよ・・・・・・はいはい、そいつらは北方に配置換え」



228:名も無き被検体774号+:2012/03/20(火) 03:07:08.81 ID:3BcKJuRN0

魔王「そんなトコか?」

側近「そうでございますな、あとは表だっての苦情、というわけではございませんが」

魔王「何かあるのか?」

側近「最近タカ派の魔物の不満が膨らんでおります。魔王さまの侵攻スピードが遅いのが不満なようで」

魔王「うーん、そうかー、気持ちはわからんでもないけどさー」

側近「タカ派の多くは人間どもに住処を奪われたり、種族を激減させられた連中ですからな」

魔王「むー、めんどくせーなー」

側近「そうはおっしゃいましても、手を打ちませんと内部での軋轢の原因になりまする」

魔王「でもさ、タカ派ハト派っていうけどさー」

魔王「ハトってさ、一旦ケンカすると相手を殺すまでするんだぜ?平和の象徴とか言ってるクセに怖くね?」

側近「さようでございますか、よくわかりました」

魔王「だろ?俺って物知り♪」

側近「いえ、わかったのは魔王さまが意見の調整などについてめんどくさがり屋だという事でございます」

魔王「・・・・・・・・」



229:名も無き被検体774号+:2012/03/20(火) 03:07:25.29 ID:3BcKJuRN0

側近「まあその辺りの調整につきましては私が軍幹部と打ち合わせして処理しておきます」

魔王「よろしくね、俺ほら、こらえ性ないから文句とか聞いてると吹っとばしちゃいそうだからさ」

側近「さようでございましょうとも」

魔王「何か今ちょっとイヤな気分になったぞ」

側近「それにしましても、タカ派の意見ではありませんが、少々我が軍の展開は慎重にすぎませんでしょうか」

魔王「なんかなー、あんまり侵略すすめるの気が乗らないんだよなー」

側近「さようでございますか」

魔王「軍施設を破壊するのはまあ、楽しいしいいんだけどさー」

魔王「市街地を蹂躙したら人間たちだって困るじゃん」

側近「はあ、しかし、魔王さまの本分は人間どもを困らせる事では・・・?」

魔王「そうなんだけどねー、もうそれ1000年前やっちゃって飽きちゃったし」

魔王「ほら、ゲームで言うと2週目みたいな?何か違うルートでクリアしてみたいじゃん」



230:名も無き被検体774号+:2012/03/20(火) 03:08:15.63 ID:3BcKJuRN0

魔王「それに、なんか人間どもはまだ隠してる事がありそうでな」

側近「さようでございますか」

魔王「勇者の行方もわかってないしな」

側近「そういえばそうでございましたな」

魔王「だからとりあえず慎重に敵の兵力を削ぐ事だけやっとこうと思うんだわ」

側近「わかりました、差し出た事を申し上げました」

魔王「いや、側近の意見はいつも的確だからな、ありがとな。お礼に」

側近「遠慮申し上げまする。では、私はいろいろ手配をして参ります」

魔王「まだ何も言ってないのに(´・ω・`)」



238:名も無き被検体774号+:2012/03/20(火) 09:41:15.01 ID:3BcKJuRN0

~世界連邦 情報部本部~

女部員「いったいどうなってるの!?もう半年よ!」

男部員「まあ落ち着け、そんな大声で喚いてたら部長から掃除のオバサンまでまる聞こえだぞ」

女部員「これが落ち着いていられるの?この半年の戦闘での死者の数知ってる?」

男部員「知ってるさ、毎日戦況報告が上がってくるからな」

女部員「もう勇者を囚えて半年よ!あとは魔王の居城に戦略級の殲滅魔法を撃ちこめば全部終わるハズよね!」

男部員「そうのハズだ」

女部員「じゃあどうして連邦は毎日のように大軍での力押しをして死体を量産しているの!?」

男部員「それは魔王の位置がまだ判明していないから・・・」

女部員「ねえ、あなたのその立派な頭の中には脳みその代わりに腐りかけのスライムでも入っているの?」



239:名も無き被検体774号+:2012/03/20(火) 09:41:40.08 ID:3BcKJuRN0

女部員「ここには連邦で最高の情報収集力を持ったエージェントが100人から居るのよ」

男部員「ああ・・・そうだな」

女部員「それも連邦の魔法テクノロジーのバックアップを目いっぱい受けられる立場でね」

男部員「うむ・・・」

女部員「その中で、一人でも『魔王の本拠地』を調査するように言われた部員が居る?!」

男部員「居ない・・・ようだな」

女部員「大体、半年も戦争やってるのよ?敵の本拠地が解ってないなんて事が常識的にありうると思う?!」

男部員「ああ・・・わかっているさ、この戦争が不自然な事はな」

女部員「あらそう、良かったわ、私はまだちゃんと脳ミソを持った人間を相棒にしてるみたいね」

男部員「そうさ、そもそも軍を繰り出した必要性が分からない」

男部員「空中要塞から神の鉄槌を1ダースか2ダース繰り出せば事は済むんだからな」

女部員「そう、最初は魔物の捕虜を得て、魔王城の位置を聞き出すために実戦闘に入ったのかと思ったわ」

男部員「だが、魔物の捕虜は全てそういった尋問にかけられる事なく全て処刑されている」

女部員「そうなの、そしてそこでいつも私の考えは止まるわ。どうして?何度問いかけても答えは出ない」

男部員「何か裏がある事は確かなんだがな・・・」



244:名も無き被検体774号+:2012/03/20(火) 16:40:15.04 ID:3BcKJuRN0

~勇者の実家~

謎の女「それでは、相変わらず勇者さんからは連絡は無いのですね?」

勇者母「はい、勇者が行方不明になってしばらくして、警察の方が来て以来」

謎の女「さぞご心配でしょうに・・・」

勇者母「でも、連邦の方が魔王からの保護は万全だと保証して下さいましたし」

勇者母「何度か勇者の身の回りの品を届けて下さるという連邦の方もいらっしゃったので」

謎の女「今も無事である可能性は高い、と?」

勇者母「はい、そう信じております」

謎の女「ところで、差支えなければお聞きしたいのですが、身の回りの品とはどのようなモノを?」

勇者母「衣服の類と、あとは勇者の持っていたマンガやゲームをいくらか」



245:名も無き被検体774号+:2012/03/20(火) 16:53:06.20 ID:3BcKJuRN0

謎の女「それはお母様がご自分の判断で?」

勇者母「衣服に関しましては私が。ゲームやマンガについては勇者が欲しい物を書いたリストを・・・」

謎の女「それを連邦職員の方が持ってこられた、というわけですね?これは自筆なのですか?」

勇者母「はい、これがそうです。汚い字ですが・・・」

謎の女「(確かに汚い字だ・・・・・・・)」

勇者母「何かわかりましたでしょうか?」

謎の女「いえ・・・すみません、いろいろと立ち入った事を聞きまして、そろそろ失礼致します」

勇者母「いえいえ、いつもありがとうございます、愚息がご心配おかけ致しまして」



246:名も無き被検体774号+:2012/03/20(火) 16:53:38.40 ID:3BcKJuRN0

謎の女「まったく、厄介な結界ね、気づかれないように勇者の実家に出入りするのも一苦労だわ」

謎の女「おかげで勇者の実家に監視の者を張りつける事もできやしない」

謎の女「さてと、これが勇者本人のリクエストしたゲームやマンガ類ね」

謎の女「・・・・・女囚、連続レイプ、包茎天国?まったくどうしようもない趣味をしてるわね」

謎の女「まあどうせ役には立たないだろうけど一応調べてみよう」

謎の女「言霊よ!このリストの内容について調べよ!」

言霊「カサカサカサカサカサカサ・・・・」



247:名も無き被検体774号+:2012/03/20(火) 17:09:56.78 ID:3BcKJuRN0

~勇者と僧侶の軟禁室~

僧侶「そろそろこの部屋に閉じ込められて半年か」

勇者「そうだな」

僧侶「外の戦況はどうなってるんだろうな」

勇者「さあな、このPCからはそういう情報は一切アクセスできないようにされてるからなー」

僧侶「俺がもっと通信魔法について詳しければなあ・・・」

勇者「どの道この部屋の中じゃ魔法は使えないんだから仕方ないよ」

僧侶「そうなんだけどな・・・」

僧侶「それにしてもお前、せっかく実家から取り寄せたゲーム、全然やってないな」

勇者「ああ、それはいいんだ、どれもとっくにクリアしちゃったゲームだし」

僧侶「ふーん・・・?」

僧侶「ところでさ・・・」

 ウ~~~ウ~~~ウ~~~ウ~~~!!!

勇者「なんだ!?」

僧侶「警報みたいだな」



248:名も無き被検体774号+:2012/03/20(火) 17:16:31.36 ID:3BcKJuRN0

~世界連邦 情報部本部~

ウ~~~ウ~~~ウ~~~ウ~~~!!!

部員A「システム内に精神侵入!」

部長「バカな!ここは連邦最高のセキュリティを誇る情報部本部だぞ!」

部員B「精神防壁、無効化されました!」

部長「全ネットワークを遮断しろ!メインサーバーを隔離!」

部員C「了解!今・・・・うっ!」

部員A「施設内の対魔障壁が消滅しました!」

部員B「大量の侵入者アリです!その数・・・」

バシャーン!!!

部員A「なんだ!停電か!」

部長「バカな!予備魔法電源は!?」

部員B「わかりません!切り替わりません!」



249:名も無き被検体774号+:2012/03/20(火) 17:32:21.84 ID:3BcKJuRN0

~情報部本部入り口~

???「障壁、消滅しました!」

謎の女「撹乱部隊突入!最低10分は現場を混乱させておけ!」

???「はっ!行くぞ!」

謎の女「魔力源制圧班!魔力補給ユニットは押さえたか!」

???「間もなく!」

謎の女「ユニットを押さえたら撤退命令あるまで魔力中和!」

???「魔力源制圧班、外部、内部とも制圧完了!」

謎の女「よし!突入!」



250:名も無き被検体774号+:2012/03/20(火) 17:38:45.97 ID:3BcKJuRN0

~情報部本部~

女部員「何の騒ぎ!?」

男部員「侵入だ!拘置所へ急げ!」

女部員「敵の目的は勇者!?」

男部員「わからん、だが今ここにある中で一番貴重な物は勇者の存在だ!」

女部員「わかった、急ぎましょ!」

魔物「キエェェェェ!!!!」(ガッ)

男部員「くっ!魔王軍か!」

女部員「爆裂魔法!!!」(ドッカーン!)

魔物「ぐえぇぇ・・・」(バタッ)



251:名も無き被検体774号+:2012/03/20(火) 17:39:17.59 ID:3BcKJuRN0

男部員「まだ来るぞ!ここは俺が食い止める!お前は勇者の所へ!」

女部員「バカ言わないで!アタシはこの中じゃ最高レベルの魔術師よ!」

男部員「だからこそだ!ここの魔物はただの足止めだ!本命は勇者の所だ!」

女部員「・・・・わかったわ!片付いたらアンタも応援に来て!」(ダダッ)

男部員「すぐに行く!(魔物の方を振り向き)炎精霊召喚!」

魔物A「ぐおおおおおお!」

魔物B「うおりゃああああ」

魔物C「雷撃魔法!」



252:名も無き被検体774号+:2012/03/20(火) 17:40:12.60 ID:3BcKJuRN0

~勇者と僧侶の軟禁室~

勇者「なんだ!真っ暗だ!」

僧侶「停電か!チャンスだ!逃げよう勇者!」

勇者「でも、外はどうなってるんだ・・・?」

僧侶「わからないけど、こんなチャンスは二度と無い!」

勇者「だけど・・・もし魔物が攻めてきたんだとしたら・・・」

僧侶「このままここに居たって死ぬだけだ!大丈夫!大抵の魔物なら俺が守ってやる!」

勇者「わ、わかったよ・・・でも真っ暗でこれじゃ何がなんだか」

僧侶「そうだな、明かりよ!(ポッ)」

勇者「ありがとう!・・・・って待てよ!魔法が!?」

僧侶「あっ!!!魔法が使える!」

勇者「よし!転移で逃げよう!」

僧侶「ダメだ、室内では転移魔法は使えない!天井に頭をぶつけるだけだ!」

勇者「ちくしょう!意外と魔法も不便だな!!」



253:名も無き被検体774号+:2012/03/20(火) 18:04:31.34 ID:3BcKJuRN0

僧侶「とにかく、闇雲でも走りまわって外に出るしかない!」(ダダダッ)

勇者「はあはあ、半年も動いてなかったから体力が・・・」

僧侶「お前が動いてなかったのはもっと何年も前からだろう」

勇者「そう・・(はあはあ)・・とも・・(はあはあ)・・いう」

謎の女「勇者くん!こっち!」

勇者「!?」

僧侶「誰だ!」

謎の女「今は説明している暇は無いわ、とりあえずあなたのお母様の知り合いとだけ言っておくわ」

僧侶「待て、信用できん!」

謎の女「ここでグズグズしてまたあの部屋に帰るつもり?」

勇者「・・・・・・」

勇者「わかった、引きこもりはもう沢山だ、行こう」

僧侶「どこへ?」

謎の女「まずは外へ!」



254:名も無き被検体774号+:2012/03/20(火) 18:04:57.06 ID:3BcKJuRN0

女部員「待ちなさい!」

勇者「くっ、見つかったか!」

謎の女「ちっ」

女部員「その女はおそらく魔王軍よ!」

僧侶「な!?」

女部員「あなた達が我々を信用出来ないのはわかってるわ、だからといって魔王につく気?」

謎の女「ふふふ、我々は魔王軍といっても、別に勇者どのを殺す気はない」

女部員「・・・・・・」

謎の女「ひるがえって君たちは、用が済んだ道具は始末する予定だったのだろう?」

女部員「ぐ・・・」

謎の女「さあ、勇者どの、我々について生き延びるか、それとも人間の希望として死ぬか、どちらを選ぶ?」

勇者「そ、そんな事いま言われても・・・・・」

謎の女「もっともだな、ならばまずは生き延びてから考えればよかろう」



255:名も無き被検体774号+:2012/03/20(火) 18:05:56.30 ID:3BcKJuRN0

女部員「そうはさせないわ!究極炎熱魔法!!!」(ゴオオオオオオオッ)

謎の女「随分気の短い女ね・・・はっ!」(フシュッ)

女部員「バカな・・・気合一つでアタシの最高レベルの呪文を・・・」

謎の女「貴様ら人間は、魔力や体力では魔物に敵わないからこそ文明を発達させたのだろう」

謎の女「それを、たった一人で魔術戦で立ち向かおうとは愚かにもほどがある」

謎の女「さて、少しおとなしくしていてもらおう、睡眠魔法!」

女部員「く・・・・zzzz」



256:名も無き被検体774号+:2012/03/20(火) 18:12:19.89 ID:3BcKJuRN0

僧侶「出口だ!!!」

勇者「はあっはあっ・・・・」

謎の女「もうちょっと頑張って!外に出たら転移するわよ!」

男部員「まて!!!!」

僧侶「鈍足魔法!」

男部員「ぐっ!」

謎の女「よくやったわ!よし!外に出た、私に捕まって!」

僧侶「ああ」

勇者「は、はい!(あ、む、胸が・・ボヨーン・・ハァハァ)」

謎の女「転移魔法!」

男部員「くそ!追跡霊よ!!」(ヒュン!)

---光と共に消える三人



273:名も無き被検体774号+:2012/03/20(火) 23:39:42.11 ID:3BcKJuRN0

~数分後~

男部員「おい!女部員!起きろ!」

女部員「むにゃ・・・男部員・・・はっ!勇者たちは!?」

男部員「転移で逃げられたが、追跡霊をつけてある。追うぞ!」

女部員「待って、少し調べたいことがあるの」

男部員「何を?早く追わなければ勇者たちが危ない」

女部員「今、アタシはかなり高位の魔族と戦ったわ、結果はこのとおり」

男部員「眠らされたようだな、らしくもないドジを・・・」

女部員「ドジ?私は油断していたわけじゃないわ、正面から負けたの!Lv90の上位魔術師の私が!」

女部員「あの化物はアタシの最大呪文を気合一つでかき消したわ」

男部員「なっ!?」

女部員「はっきり言って、あれは人間が何人束になっても勝てる相手じゃないわ」



274:名も無き被検体774号+:2012/03/20(火) 23:40:01.79 ID:3BcKJuRN0

女部員「だいたい、この連邦最高のセキュリティが数十体程度の魔物に破られたのよ」

女部員「アタシたちはかなり魔王軍の強さについて認識が甘かった事になるわ」

女部員「ところが、世界各地の戦線は一進一退を繰り返してる、これはどういう事?」

男部員「それは、ここを攻めてきたのは魔王軍の精鋭だという事じゃないのか?」

女部員「そうかもしれない、だけど、少し気になるの。この戦争にはまだ何か隠された事があるわ」

女部員「どの道、今彼らを追っても、あの化物には勝てるわけがないわ」

女部員「体力、魔力のどれを取っても足元にも及ばない、それなら人間の私達ができることは?」

男部員「む・・・?」

女部員「知力を使うのよ」



282:名も無き被検体774号+:2012/03/21(水) 00:31:56.61 ID:epfENLd/0

~どこかの山奥~

勇者「ここ・・・は・・・?」

謎の女「妖精の隠れ里、ここならしばらくは見つからないでしょう」

僧侶「まずは礼を言っておきます、貴方が何者であれ、助けてくれてありがとうございました」

勇者「あ、あの、ありがとうございました」

謎の女「お気になさらずに、我々には我々なりの思惑あっての行動ですから」

僧侶「そうですか、でもありがたかった事は確かです、ところで貴方は・・・」

謎の女「申し遅れました、勇者どの、僧侶どの、私は魔王様におつかえする側近と申します」



283:名も無き被検体774号+:2012/03/21(水) 00:32:21.02 ID:epfENLd/0

僧侶「そうですか・・・・それで、魔王の側近ともあろう方がなぜ我々を?」

勇者「それに、なんで僕らのいる場所がわかったんですか?」

側近「そうでございますな、まあ、話すと長いのですが、まず勇者どのの質問から」

側近「といっても簡単な話でございます、私はご実家に伺い、勇者どのからのメッセージを受け取ったのでございます」

勇者「あ・・・・そうだったんですか///」

僧侶「お前、いつの間に?っていうかどうやって?」

勇者「その・・・持ってきて欲しいゲームのタイトルの頭の文字で・・・」

側近「はい、あの下衆なタイトル類を並べ替えると『連邦情報部本部』となりました」

勇者「あ・・・・その・・・母さんしか読まないだろうと思って・・・」

側近「まあ、あのような代物だったからこそ、情報部といえどこの稚拙な暗号に気づかなかったようでございますな」

勇者「(赤面)」



284:名も無き被検体774号+:2012/03/21(水) 00:33:26.24 ID:epfENLd/0

僧侶「お前・・・・・だからとっくにクリアしたゲームを・・・」

勇者「僧侶が絶対諦めるな、って言っただろ?だから、無駄かもしれないとは思ったけど・・・」

勇者「本当はもっと頭のいい僧侶にも相談したかったんだけど、あの部屋はずっと監視されてたから」

僧侶「勇者・・・ありがとう!お前、すげーよ、俺はそんな手段思いつきもしなかった!」

勇者「いや、その、単にvipでよく縦読みとかやってたから思いついただけで・・・・」

側近「理由はともあれ、そのお陰で私が勇者どのの所まで辿りつけた事は確かでございますよ」

勇者「・・・・///」



287:名も無き被検体774号+:2012/03/21(水) 00:42:30.21 ID:epfENLd/0

側近「さて、次に私があなた方をお助けした理由でございますが」

勇&僧「ゴクリ・・・」

側近「どこから話はじめますかな・・・・・・そう、まず、あなた方は創世神話をご存知ですか?」

勇者「えーと、そのー、あんまり」

僧侶「ひと通りは知ってます、これでも僧侶ですから」

側近「そうでございましたな、まずは勇者どののためにも人間に伝わっている神話をお話願えますか?」

僧侶「は、はい、わかりました」



291:名も無き被検体774号+:2012/03/21(水) 01:10:08.87 ID:epfENLd/0

~創世神話~

はるか昔、この世にはただ混沌が渦巻いているだけだった

そこに異世界から神が現れ、空を作り、大地を作り、海を作り、世界の全てを作った

神は最後に自分の息子を二人作ると、異世界へと帰って行った

神の子二人は、神の作った世界を更に発展させるべく、生き物を作る事にした

兄は人間や動物を作り、弟は魔物を作った

人間は愚かで小さな生き物だったが、学ぶ事を得意とし、協力しあう事で次第に発展していった

魔物は強大で長命だったが、元から強い力を持つ彼らは何も学ぶ事をせず

その力を、ただ奪う事ばかりに使う邪悪な者たちだった

彼らが増えていくにつれ、次第に諍いが始まった。魔物が人間を襲うようになったのだった

それに怒った兄は、弟に対して、魔物を善なるものに作り変えるよう言ったが

弟はそれに反発し、すべての魔物を率いて兄に戦いを挑んだ

兄率いる人間と、弟率いる魔物の戦いは何百年にもおよんだが

兄弟の力に世界は耐え切れず、崩れ始めた

そこで彼らは和解し、兄は天の国で、弟は地の底の国で眠りにつく事にした

眠りにつく前に、兄は人間たちに「勇気」を与え、魔物に対抗する手段を与えた

弟は魔物に「統率」を与え、魔物がみだりに地を荒らす事の無いよう計らった

そして、神々が消えた後に、今の世界が残された



299:名も無き被検体774号+:2012/03/21(水) 07:44:47.02 ID:epfENLd/0

僧侶「聖典によればこのように語り継がれてます。大雑把な要約ですが」

側近「そうですな、若干善悪の立場は逆転しておりますが、魔物に伝わっているものも似たようなものでございます」

勇者「そういえば子供の頃に聞いたことがあるような気がする」

側近「これは神話でございますので、どこまでが真実を表しているのかは計り知れませんが」

側近「はるか昔に二人の神々が存在したこと、そして彼らが「勇気」と「統率」というお互いの対抗手段を与えた事」

側近「これは確かな事だと思われます」

僧侶「どういう事でしょう?」

側近「長命で強大な力を持ち、ゆらぎの少ない生き物が魔物でございます」

側近「逆に人間は、短命で弱い生き物ながら、大きな繁殖力と文明の進化という特性を持ちます」

側近「『停滞し、安定している者』と『進化し、不安定な者』という相容れない生き物がこの世界を共有しているのです」

勇者「はあ・・・」

側近「その相容れない生き物のバランスを取るために作られたシステムが、魔王と勇者なのです」

勇者「ええっ!?」



300:名も無き被検体774号+:2012/03/21(水) 07:45:54.98 ID:epfENLd/0

側近「ここからは私の推測も入って来ますが、どうかお聞き下さい」

側近「おそらく、二人の兄弟神の聖戦が終わった直後、世界のバランスはとれていたのでしょう」

側近「しかし、人間は繁殖し、進化を繰り返します。その行く先は神々にも予想できなかったのでしょう」

側近「そこで、人間が世界のバランスを崩すような進化を遂げる事を防ぐために神は『魔王』を用意しました」

側近「魔王は、人間世界を侵攻し、殺戮を繰り返し彼らの文明に大きな打撃を与えます」

側近「つまり、人間を殺すためだけに存在する生き物、それが魔王なのでございます」

側近「何かを殺すためだけに存在する生き物、なんと不自然な存在でありましょうか」

僧侶「そうか、そしてその存在が必要なくなった時のために、対をなす勇者が生まれるんだな」

側近「そういう事でございます。限りなく侵攻を続ければ、魔王の力の前に人間は滅び去るでしょう」

側近「その前に、魔王を世界から退場させるために、勇者という存在が必要なのです」

側近「つまり人間の暴走を防ぐためのシステムの起動スイッチが魔王、終了スイッチが勇者ということができます」

側近「勇者は魔王を倒せばあとは自然に寿命でこの世を去ります」

側近「そして、後にはバランスを取り戻した世界が残る、そのような事が1000年間繰り返されてきました」

側近「これが、神々が我等に与えた「統率」と「勇気」の正体だと思われます」

二人「・・・・・・・・」



303:名も無き被検体774号+:2012/03/21(水) 09:18:33.47 ID:epfENLd/0

僧侶「一つ腑に落ちない事があります」

側近「何でございましょう?」

僧侶「人間は、この何百年かで目覚しい進歩を遂げてきました」

側近「さようでございますな、これほどの文明を人間が創り上げるとは、感嘆を禁じえません」

僧侶「しかし、人の身で言うのも何ですが、今の世界がバランスが取れているとは到底思えない」

僧侶「にもかかわらず、ここ最近の記録にある魔王の力はあまりに・・・」

側近「弱体、とおっしゃりたいのでございますね」

僧侶「はい、勇者と魔王の関係が貴方の言うようなものなら、人間の力に応じた力の魔王が生まれるのでは?」

側近「本来はそのハズでした。しかし、私のせいで、実際はそのようにはなりませんでした」

二人「えっ!?」



304:名も無き被検体774号+:2012/03/21(水) 09:18:50.09 ID:epfENLd/0

側近「1000年前魔王さまが倒れたあと、私は魔王さまの魂を集め、復活を試みました」

側近「しかし、死んだ者を生き返らせるには無から有を生み出すほどの大きな力が必要でした」

側近「長い間それを探し求め、ようやくその大きな力の源泉を見つけたのです」

側近「魔王城です。魔王城は、世界のバランスに応じて魔王を生み出す言わば魔王の生産装置」

側近「私は手を尽くして魔王城のシステムに介入し、魔王城の力を魔王さまの復活のために使う方法を見つけました」

側近「とはいえ、その力をもってしても魔王さまの復活には随分と時間がかかり」

側近「その間にも世界のバランスは崩れ、何度か魔王が誕生いたしました」

側近「しかし、彼らに与えられるはずの力は魔王さまの復活のために使われておりまして・・・」

僧侶「その結果、中途半端な魔王が何人も誕生した、という事ですか」

側近「はい、本来ならば人間の力に応じて、過去比類なき力量の魔王が誕生する予定だったのですがね」

勇者「とんでもない話だな・・・」



305:名も無き被検体774号+:2012/03/21(水) 09:19:05.91 ID:epfENLd/0

勇者「それで、結局のところ僕達を助けてくれた理由は?」

側近「ここまでお話すればおおよそ見当はついているかと思われますが、魔王様の安全のためでございます」

側近「魔王さまのお命は、勇者どの以外には奪う事ができませぬ」

側近「ですから、勇者どのさえ居なければ魔王さまは決して死ぬ事はありません」

側近「しかし、勇者どのを殺せば、神々の作ったシステムにより新しい勇者が生まれる事でしょう」

側近「ですから、まずは早急に人間の手から勇者どのを引き離し、かつそのお命を守る必要があったのです」

勇者「・・・・・・・」



318:名も無き被検体774号+:2012/03/21(水) 17:57:26.85 ID:epfENLd/0

勇者「それで、僕らはこれからどうなるのでしょう?」

側近「そうですね、それを決めるのは、魔王さまと貴方がたでしょう」

勇者「どういう事だ・・・?」

側近「我々は魔王さまの安全のためにあなた達の身柄を確保しました」

側近「私個人としては、魔王さまにも連邦にも関わらずどこかに隠れすんでいただければ嬉しいですが・・・」

僧侶「今も戦争は続いているのでしょう?それは受け入れられません」

側近「そうでございましょうな。となれば、どうなさいますか?」

側近「あくまで魔王様を討つとおっしゃるならば、私はあなた方が再び連邦に捕まる前に御命をいただきます」

側近「せっかくお助けした命を無駄にするのは気が進みませんが、魔王さまのためとあらば是非もございません」



319:名も無き被検体774号+:2012/03/21(水) 17:57:42.12 ID:epfENLd/0

勇者「じゃあ、魔王を討つのは少し考える、と言ったら?」

側近「そうおっしゃるならば、当面あなた方の身は私がお守りいたしましょう」

側近「しかし、その間にも戦争は続き、人々は死に続けております、それでよろしいので?」

僧侶「ならば戦争を止める事はできないか?人間は魔王が攻めて来ないならば戦う必要は無いはずだ」

側近「そううまく行くかどうかはともかくとして、それを決められるのは魔王さまだけでございます」

勇者「魔王に・・・会わせてくれないか?」

側近「それがよろしいでしょう、ですが、魔王さまが何とおっしゃるかはわかりません」

側近「ただ、私の賭けが成功していれば、分のない賭けではないかもしれませぬな」

僧侶「あなたの賭け?」

側近「いや、これはこちらの話でございます。ともあれ、魔王さまとの会談は私が責任をもってうけ合いましょう」



322:名も無き被検体774号+:2012/03/21(水) 18:10:16.73 ID:epfENLd/0

僧侶「それじゃ、魔王城へ?」

側近「いえ、それは何かと不都合がございますので、まずは魔王さまにお伺いいたしましょう」

側近「もっとも、めんどくさがり屋のあの方のこと、きっと『ここに来る』とおっしゃるでしょうが・・・」

勇者「ここに!?」

側近「とはいえあの方もお忙しい身ですし、気分屋なところがありますのでいつになるかはわかりませんが」

側近「まあ、私のカンでは明日ぐらいにはこちらにおいでになるのではないかと」

僧侶「そうですか・・・」

勇者「明日・・・・」



324:名も無き被検体774号+:2012/03/21(水) 18:17:39.75 ID:epfENLd/0

~隠れ里の小さな小屋の中~

勇者「明日・・・・・魔王に会ってどうしたらいいんだろう」

僧侶「わからない、だけど俺達が持っている選択肢はそう多くはないからな」

勇者「そうだな・・・戦っても逃げてもダメなら、話しあうしかないよな」

僧侶「側近は、分のない賭けではない、と言っていたがどういう事なんだろうな」

勇者「わからないけど、あの人は根拠なく何かを言う人じゃなさそうな気がする」

僧侶「そうだな、まあ、人じゃないがw」

勇者「そうだった、ずっと人間の姿をしてるからすっかり忘れてたよ」

僧侶「お前、転移の時に抱きついてすっかり赤くなってたもんな」

勇者「う、うるせーよ!童貞には刺激が大きいんだよ!」

僧侶「あんな刺激的な画面ばかり半年も見てたクセに・・・・」

勇者「二次元と三次元は違うんだよ!全くリア充ってのはこれだから」

僧侶「そういうモンかね、まあいいや、とにかくまずは久しぶりに監視の無い部屋でゆっくり寝ようぜ」

勇者「そうだな、おやすみ」



325:名も無き被検体774号+:2012/03/21(水) 18:39:14.71 ID:epfENLd/0

~翌朝~

勇者「ふあぁ~、よくねた・・・昨日は久々に体動かしたから全身筋肉痛だ」

側近「おはようございます、よくお眠りになられたようですな、朝食ができております」

勇者「え、あ、すみません、ありがとうございます」

僧侶「お、勇者おはよう、朝食美味いぞ」

勇者「あ、僧侶おはよう、早いね」

僧侶「早寝早起きは坊主の基本だからな。さて、俺はちょっとなまった身体に鞭入れてくるわ」

勇者「わかった、気をつけてな」

側近「では、僭越ながら私が朝食のお相手をいたしましょう、どうぞ」

勇者「あ、いただきます・・・・・・・美味い!」

側近「お口に会うか心配でしたが、お気に召していただけたようで幸いでございます」

勇者「これは側近さんが?」

側近「はい、とはいってもロクな食材がありませんでしたので有り合わせですが」

勇者「側近さん、料理なんかするんだ・・・」

側近「魔王さまのお夜食など、よくおつくりしておりましたので料理はひと通りは」



326:名も無き被検体774号+:2012/03/21(水) 18:44:06.67 ID:epfENLd/0

勇者「魔族のみなさんも料理してご飯食べるんですね・・・」

側近「我々とて生物でございますからな、他の生命をいただき身体を維持している事にかわりはありません」

勇者「そうか・・・魔物が何を食べて生きてるかなんて考えたこともなかった」

側近「もちろん魔物と言っても多種多様でございますから、それぞれ食物は異なりますが」

勇者「側近さんは普段は何を食べてるんですか?」

側近「私はほぼ何でも食べる事ができますが、鹿肉のシチューなどが好物でございます」

側近「実は今朝もこの辺に鹿が居ないかと探してみたのですが残念ながら見つかりませんでした」

勇者「そ、そうなんですが・・・」

側近「意外でしたか?」

勇者「は、はい・・・」

側近「別に魔物と言っても獣を生で食べたり、人間を頭からまるかじりにしてるわけじゃないのですよ、ふふ」

勇者「そ、そんな事は思って・・・ないことも無かったですけど・・・・」

側近「基本的に人間と魔物はお互い近寄らずに暮らしてきましたからな、無理もございません」



327:名も無き被検体774号+:2012/03/21(水) 18:57:44.16 ID:epfENLd/0

勇者「なぜ側近さんはそんなに人間の事に詳しいんですか?」

側近「長生きをすると色々な事にくわしくなるのですよ・・・(遠い目)」

勇者「・・・・・・・」

側近「そうそう、スープのおかわりはいかがですか?」

女部員「そうね、私にも一杯いただけるかしら?」

勇者「!!!(ガタッ)」

側近「勇者どのはお座りください、ここは私にお任せ下さい」

男部員「まってくれ、戦いに来たわけじゃないんだ」

側近「・・・そのようですな、昨日と違い、殺気が感じられません」

僧侶「ふう、いい汗かいt・・・貴様ら!!!」

側近「僧侶どのも落ち着いて下さい!彼らは話があるようです」

僧侶「(四人の顔を見比べて)・・・・・・わかった、まずは座ろう」

側近「さ、そちらのお二人もお座りになって下さい」

(空いている席に座る情報部の二人)



361:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 16:15:58.99 ID:YWq9Ohm/0

側近「それにしても、私も迂闊でした、勇者どのにこんな物が憑いていたとは(ひょい)」

側近「勇者どのと合流した時に監視の類はすべて解除したはずだったのですが・・・」

男部員「転移の直前につけた私の追跡霊だ、良かったよ、今まで気づかれずに済んで」

側近「これは一本取られましたな、やはり1000年も実戦から遠ざかるといけませんね」

女部員「1000年ぶりの実戦で小指ひとつで叩きのめされたアタシの立場はどうなるのよ・・・」

側近「まあ、腐っても魔族でございますから。ところでお二方はどのようなご用件で?」

男部員「簡潔に言えば、謝罪と質問・・・かな。勇者くん、これまでの非礼を詫びたい、許してもらえないだろうか」

女部員「んと・・・・その・・・悪かったわね(ぷい)」

勇者「そ、そんな・・・やめてください、別に僕はええと・・・」

僧侶「一体どういう風の吹き回しですか?ただ謝られても困ります、理由を教えてください」



362:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 16:20:15.84 ID:YWq9Ohm/0

男部員「わかった、順を追って話そう」

男部員「まず我々はあなた方が本部から逃走して、疑問を覚えたのだ」

男部員「そちらの側近の方の力は、我々が知っている魔物の強さとはケタが違うものだった」

女部員「アタシが完全に子供扱いされるほどの魔物なんて、今まで学んで来た知識ではありえなかったわ」

男部員「そもそも、以前からこの戦争は不可解な点が多すぎた」

男部員「我々には魔法技術の粋を極めた破壊兵器が多々あるにも関わらず、それらが戦線に投入される事は無かった」

男部員「そして、あなた方は我々が知っているよりもはるかに強力だった」

男部員「ところがこの半年、戦況はただ無策に一進一退を繰り返し、死体を量産している」

男部員「実質的な戦果や損害といえば、人的損害をのぞけば郊外の軍事拠点の占拠が関の山だ」

男部員「つまりこの戦争は茶番なのだ、私達はそういう結論に達した」



363:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 16:26:00.35 ID:YWq9Ohm/0

男部員「ただ、問題はこの茶番劇を誰が演出しているのか、だ」

男部員「まずは手近な所、つまり連邦情報部内のデータを洗う事から始めた」

男部員「私にそれなりの権限と能力があった事と、あなた方の侵入で内部が混乱していた事」

男部員「それらが幸いし、私はほどなく真実にたどり着いた」

男部員「・・・・・・」

勇者「真実って・・・・何だったんですか?」

男部員「世界征服を進めているのは、世界連邦なのだ」

一同「な・・・・・!!!」



365:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 16:32:55.16 ID:YWq9Ohm/0

側近「どういう事でございましょう?」

男部員「私が手に入れたのはいくつかの断片的な情報と、状況証拠でしかないが」

男部員「そこから導き出される結論はこういうことだ」

男部員「魔王の出現を機に、世界中の国家と軍の権力を連邦に集約させる」

男部員「そして、魔王に対する攻勢を装いつつ、各国の軍の兵力を損耗させる」

男部員「また、軍需物資の消耗によって経済を困窮させる」

男部員「そうして戦争を長引かせる事によって、充分各国の力を削ぎ落した所で魔王を倒す」

男部員「後に残るのは、弱体化した連邦加盟国と、相対的に中央集権化した連邦政府だ」

男部員「おそらく、彼らが描いている絵はこういった物だろう」

勇者「・・・・・・・・そんな・・・・」



369:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 16:46:02.78 ID:YWq9Ohm/0

僧侶「待って下さい、あなた方の話は確かにもっともらしく聞こえますが、証拠はあるのですか?」

男部員「証拠は、ない・・・・なぜなら」

女部員「そこまで調べた所でアタシたちは何者かに襲われたからよ。それも、人間のね」

僧侶「!」

男部員「そう、おそらく連邦軍の軍人と思われるが、かなりの手練だった」

女部員「まあ、そちらの側近さんに比べたら大した事なかったから、全員のしてきたけどね」

男部員「つまり、我々も今となっては世界中から追われる身なのだ」

側近「それで、ここまで逃げてきたというわけですか」

男部員「ほかに選択肢が無かったというのもあるが、まずは勇者くんと貴方に会いたかった」



371:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 16:58:21.90 ID:YWq9Ohm/0

男部員「私は私なりの誇りをもって、この情報部という汚れ仕事を続けてきた」

男部員「それは、それが連邦60億の人類のためになると信じてきたからだ」

男部員「しかし、彼らのやっている事は、その60億の連邦民に対する裏切りだ」

男部員「私は裏切り者のために働くつもりはない」

男部員「君たちにした仕打ちを忘れて我々を匿ってくれ、などとムシの良い事を言うつもりは無いが」

男部員「もしも許されるならば、この企みを阻止するため協力してはもらえないだろうか?」

僧侶「そちらの女部員さんも同じ考えですか?」

女部員「べ、べつに・・・アタシは何だっていいけど、騙されていいように使われるってのは気に入らないからね(ぷい)」

勇者「クスリ」

女部員「何笑ってんのよアンタ」

勇者「いや、その、何でも・・・・・」



372:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 17:01:45.70 ID:YWq9Ohm/0

僧侶「わかりました、あなた方の行為を水に流すかどうかは置いて、今ここでいがみ合うつもりはありません」

男部員「感謝する」

僧侶「勇者はどうだ?」

勇者「あ・・・うん、俺は・・・その、別に恨んでは居ないっていうか・・・」

勇者「今、俺が味方って言えるのは僧侶だけだから・・・少しでも味方が増えるのは嬉しい・・・です」

男部員「すまない、ありがとう」

女部員「ま、情けない男だけど腐っても勇者様だからね、パーティに入れてもえらえるってのは光栄かもね」



--------男部員と女部員が仲間になった!--------

勇者 男 Lv1
僧侶 男 Lv45
召喚士 男 Lv82
魔術師 女 Lv90



373:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 17:15:38.00 ID:YWq9Ohm/0

側近「どうやら話はまとまったようでございますな、まずはめでたい事でございます」

側近「ところで、最初に『謝罪と質問』とおっしゃいましたが、まだ『質問』については拝聴しておりませんな」

男部員「ああ、そうだった、貴方にいくつか聞きたい事がある」

女部員「側近さん、アナタの強さは正直反則だったわ、今思い出しても冷や汗が止まらないくらい」

側近「お褒めにあずかり、恐悦至極でございます」

女部員「そこで一つ目の質問よ、アナタぐらいの強さを持った魔物は魔王軍にはどのくらい居るの?」

側近「そうでございますな、これは我が軍の機密に触れる事ゆえ、あまり詳しい事は申し上げられませんが」

側近「私は少々特別としましても、あなた方が手も足も出ないという魔物はそれなりの数おりますな」

女部員「全く、アタシは自分の強さにそれなりのプライドを持ってたんだけど、すっかりズタズタね」

側近「申し訳ございませぬ」

女部員「いいのよ、ただの世間知らずだったってだけなんだから。それじゃ2つ目の質問」

側近「何でございましょう」

女部員「それだけの戦力を持っていれば、人間たちの軍なんて大した障害にはならないでしょう」

女部員「大した苦労もなく世界中を蹂躙できたハズよ、それをしないのは何故?」



374:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 17:36:46.40 ID:YWq9Ohm/0

側近「そうでございますな、それについては私なりの推測をする事も可能ですが・・・・」

側近「その前に、魔王さまに直接お尋ねになってはいかがでしょう?」

女部員「なんですって!?」

側近「勇者どのが魔王さまに少々お話がございまして、もうすぐ魔王さまがこちらに見える予定でございますので」

男部員「ま・・・魔王が!?どういう事だ!?」

勇者「その、実は・・・・・・かくかくしかじかで」

 側近から聞いた神話について、魔王についての話を聞かせた

男部員「・・・・・・・・・・・(絶句)」

女部員「言葉が無いっていうのはこういうのを言うのかしらね」

男部員「そもそも今の我々の文明の間接的な原因が側近どのにあったとは・・・・・」

側近「少々刺激的すぎましたかな。おや、僧侶どの、喉が渇いたでしょう、お茶をどうぞ」

僧侶「あ、ありがとうございます」

勇者「ごめん、僧侶、俺がちゃんと説明できなくて・・・ほとんど代わりに言ってくれてありがとう」

僧侶「ああ・・・いいんだ、少し喋り疲れたけどな・・・」



375:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 17:53:50.26 ID:YWq9Ohm/0

僧侶「ところで側近さん、一つ聞いてもいいですか?」

側近「はい、何でございましょう」

僧侶「さきほど、我々が手も足も出ない魔物がかなり居る、と言いました」

側近「さようでございます」

僧侶「そんな魔物がいたなら、過去の勇者はどうやって魔王まで辿りついていたのでしょう?」

側近「それが勇者の勇者たる所以でございまする」

側近「勇者には神々の加護がございまして、魔物に対しての戦闘力が跳ね上がるのでございます」

側近「その加護は勇者本人と、勇者が仲間と認めた人物に対して恐ろしい効果を発揮致します」

側近「もっとも、加護の効果は勇者本人のレベルに左右されますので、今の勇者どのでは大した力にはなりませんが」

勇者「そうだったのか・・・・・・」

女部員「なんだ、今すぐ側近に再戦を申し込もうかと思ったのに、残念ね」

男部員「ふむ、勇者を早い段階で確保し、レベルを上げさせなかったのも何か意図があるのかもな」



376:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 18:01:46.53 ID:YWq9Ohm/0

側近「さて皆様、魔王さまがそろそろいらっしゃるそうでございます」

勇者「え・・・・ちょっと心の準備が・・・・・・」

女勇者「まさかこんな事になるなんて・・・・」

側近「皆様が思っているほど魔王さまは恐ろしい方ではございません」

側近「ただ、決して、絶対に、全くもって心の広い人格者ではございませんので」

側近「あまり恐れたり敵対心をむき出しにすると、話がややこしくなると思われまする」

側近「まずは平常心でお話いただけるよう、お願いいたします」

側近「さて、連邦に探知されると厄介なので極秘の魔方陣でお越しいただきます(カキカキ)」

キィィィィィィ・・・・・ぶわっ!!!
(魔方陣が光り、大量の煙と共に魔王が現れる)



377:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 18:10:02.15 ID:YWq9Ohm/0

魔王「ふははははは、愚かな人間どもよ、我を呼び立てるとは良い度胸だ!」

勇者「ひぃっ!!!!」

男部員「で、でかい・・・・・」

女部員「こ、これが魔王・・・」

僧侶「く、なんてプレッシャーだ」

魔王「ほう、貴様が勇者か、我が天敵にしては情けない面がまえだが、貴様を殺してしまえば我は安泰というわけだ」

魔王「ふふふふ、この虫けらどもの命、どうしてくれようか・・・・」

側近「魔王さま、魔王さま」

魔王「む、側近、ご苦労だったな、ここまで勇者どもをおびき寄せた功績、厚く報いようぞ」

女部員「な!?側近!?」

僧侶「騙したのか!!!」

側近「(嘆息)ま お う さ ま、イタズラが過ぎまするぞ?」

魔王「う?あ、その、いやね、ちょっとぐらい威厳があった方がいいかと思って・・・」

側近「はいはい、威厳たっぷりでございましたよ、話がややこしくなりますからさっさとおやめ下さい」

魔王「わ、わかったよ、ちぇー(ボン!)」

魔王「ははは、みんな驚いた?ごめんごめん、ども、魔王でーす」

一同「・・・・・・・・・・」



379:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 18:18:06.95 ID:YWq9Ohm/0

勇者「こ・・・これが魔王の本当の姿・・・?」

女部員「び、美少年!(じゅるり)」

男部員「それにしても・・・・その出で立ちは・・・・?」

側近「魔王さま、だから人前に出るときはそのイチゴ柄のパジャマはおやめ下さいと」

魔王「あー、そだっけー、いやあさっきまで昼寝してたもんでつい」

側近「威厳がどうとかおっしゃるなら、まずは身だしなみからお気をつけください!」

魔王「はーい・・・・」

僧侶「(ヒソヒソ)な・・・なんか予想してたのと大分ちがうな・・・」

勇者「(ヒソヒソ)側近さん、苦労してるみたいだね」

魔王「貴様ら、聞こえておるぞ!」

二人「ビクッ」

側近「魔王さま?(ギロリ)」

魔王「シュン」



380:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 18:21:41.89 ID:YWq9Ohm/0

側近「さて、改めてご紹介いたしましょう、復活された初代魔王さまでございます」

魔王「おう、よろしくな、魔王だ、好きなものは側近のおっぱ(ガスッ!)いてててて」

側近「そして、こちらが勇者どのと、その愉快な仲間たちでございます」

男部員「いやその、間違ってはないんだが・・・・」

女部員「アタシは少し不愉快だわ・・・」

勇者「すみません・・・・・」

魔王「おや、思ったより随分大勢だなー」

側近「さきほどちょっとかくかくしかじかで勇者どののパーティが増えまして」

魔王「そうだったのかー、まあいいや、観客は多い方が楽しいからね」

勇者「観客・・・?」

魔王「さ、側近、せっかくだからこの大自然の中でまな板ショーでm(どごっ)」

側近「魔王さま!いい加減にして下さい、さっきからちっとも話が進みません!」

魔王「わかったよ、いててて、どこから出したんだそのダンベル」

側近「こんな事もあろうかと懐に忍ばせておりました」

男部員「(懐に忍ばせられる大きさじゃないと思うが・・・・)」



381:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 18:34:20.16 ID:YWq9Ohm/0

魔王「さて、そんで?俺に話があるって?」

側近「そうでございますな、まずは勇者どの・・・か、僧侶どのからお話いただくのがよろしいでしょう」

勇者「わかりました、僧侶、よろしく♪」

僧侶「・・・・・・・・おう」

魔王「よし、聞こうか。が、その前に女よ、ヨダレを垂らしながら俺の後ろに回りこんで何をしてるんだ」

女部員「はっ、べ、べつにアナタの尻に興味があるわけじゃないのよ、ただ魔術師として魔王の身体の仕組みに・・・」

魔王「なんでもいいが、ちょっと気持ちわる、いや、気が散るからあまり近づかないでくれ・・・」

女部員「ふ、さすが魔王ね、人間一人相手にも決して油断しないとは」

男部員「何をやってるんだ・・・・」

僧侶「あの・・・話を始めて良いですか?」

魔王「お、すまんすまん」



382:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 18:40:06.83 ID:YWq9Ohm/0

僧侶「私はあまり口が達者な方では無いので、単刀直入にお話させてもらいます」

僧侶「魔王さん、我々は貴方の命を狙うつもりはありません、ですから、人間界への侵攻を辞めてはもらえませんか?」

魔王「ふむ、そういう話か。お前ら、魔王の役割というモノについて知ってるんだよな?」

僧侶「はい、昨日側近さんから伺いました」

魔王「つまり、魔王というのは生まれながらにして人間を殺す事が本能に刻まれている」

魔王「それを分かった上で俺にそれを辞めろ、と言っているんだな?」

僧侶「はい」

魔王「勇者、お前もか?」

勇者「・・・・・・・はい」

魔王「・・・・・・・・・」

勇者「・・・・・・・・・」

魔王「ふん、目を逸らさないのは褒めてやろう」

魔王「まあ、なぜか1000年前と違って、今の俺は別に人間に対して特に憎悪も愛着もない」

魔王「なんとなく昔の習慣で軍を集めてはみたが、正直別に世界征服なんてどうでもいい気分ではある」

勇者「じゃあ!」

魔王「だけど、まあ、そりゃ無理な相談だわな」



383:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 18:47:26.48 ID:YWq9Ohm/0

魔王「まず、俺が集めた連中の中にはお前ら人間に恨みを持つヤツも沢山いるしな」

魔王「今俺が休戦を言い出したところで、素直に全員が引き下がるとは思えないなー」

勇者「そんな・・・・」

魔王「もうひとつの問題がある、側近から聞いた話によればお前らは人間の大半から追われる身と聞いたけどさ」

勇者「・・・はい」

魔王「お前らさ、戦争を止めたいっていうけど、魔王軍は俺が説得できたとして、人間の軍はどーすんだ?」

魔王「うちらだって、人間が攻めてくりゃ反撃しないわけにはいかねーよ?」

勇者「そ・・・それは・・・・」

女部員「ちょっといいかしら?」

魔王「なんだ?その線よりこっちに来なければ聞いてやるぞ」

女部員「ちっ」



385:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 19:01:17.00 ID:YWq9Ohm/0

女部員「貴方たち魔王軍は、勇者以外の人間の軍隊なんてその気になれば、赤子の手をひねるようなものよね?」

魔王「まあ、ぶっちゃけるとそうだなー、秘密だけどな」

女部員「ところが、開戦から半年、貴方たちは全く勢力を広げようとしない、これはどういう訳なの?」

魔王「だからさっきも言ったろう、俺は正直世界征服なんてどうでもいいんだわ」

魔王「たださ、魔物達には反人間感情があるヤツも結構いるから兵を引くわけにもいかないしさ」

魔王「かといって、本格的に侵攻なんかすれば人間だって死ぬ気で立ち向かって来るだろうし」

魔王「そうなったら俺らみたいな強い連中はともかくとして、弱い魔物たちは犠牲になるからな」

魔王「今の戦況ならほとんど死者は出ないし、蘇生体制も万全だから、とりあえずズルズル引き伸ばしてんだよ」

女部員「つまり、貴方にとっても本心では今の状況は望ましくないって事ね?」

魔王「まあ・・・そういう事になるかな」

勇者「それなら、お願いがあります!」

魔王「なんだ?」

勇者「この戦争を終わらせる方法を一緒に考えてはもらえないでしょうか!?」



386:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 19:16:47.36 ID:YWq9Ohm/0

魔王「まあ・・・いいけどな、俺もこの手詰まりな感じは飽きてきてたしな」

僧侶「ここには魔王と勇者という対を成す鍵があります、そして連邦の内情を知るお二人も居ます」

女部員「知恵を合わせれば何か手が見つかるかも知れないわね」

側近「そうでございますな、まずは問題点を洗い出してみましょうか」

魔王「まず、一つ目の障害は、ウチの軍の好戦派の存在だよなー」

側近「そうでございますね、彼らに納得して兵を引いてもらうにはどうするか・・・」

魔王「そもそもさ、こう言っちゃナンだけど、お前ら人間が街広げすぎなんだよなー」

側近「住処を奪われた者たちはそう簡単に恨みを収める事はできませんからな」

勇者「すみません・・・・」

女部員「かといって、今更街を引き払え、といっても人間たちは納得しないわ」

僧侶「そうですね、それに人間側の兵も矛をおさめなければいけません」

勇者「それってさ、例えば情報部の二人が集めてきた連邦軍の陰謀をバラしたらダメかな」

僧侶「そうか!そうすれば各国は兵を引くかもしれない!」

女部員「ダメね、証拠はどこにも無いもの。今頃アタシたちが見つけた情報はキレイさっぱり消されてるでしょうし」

勇者「あ、そうか・・・・」



387:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 19:20:31.72 ID:YWq9Ohm/0

~1時間後~

魔王「うーん、なかなかうまくいかねーもんだなー、とりあえず頭も煮えてきたし、ちょっと休憩にすんべ」

側近「そうでございますな、そろそろ昼も回りましたことだし、昼食でも作ると致しましょう」

魔王「お、さんせー、よし!側近、ハダカエプロ・・・・・・・」

側近「ジロリ」

魔王「な、なんでもないよ?」

女部員「じゃあ、魔王さまがハダカエプロ・・・・・」

魔王「だが断る」



396:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 21:04:29.72 ID:YWq9Ohm/0

勇者「やっぱり側近さんのご飯は美味いなー」

魔王「だろ、コイツ昔からそういう細かい事得意なんだよ」

側近「いえいえ、大した事はございませんよ」

女部員「・・・美味しいわね、ホントに・・・」

男部員「お前は家事全般壊滅的だからな、少し見習ってみちゃどうだ」

女部員「・・・・」

勇者「あの、ところでちょっと気になったんですが、魔物たちはどうして人間をそんなに恨んでいるんですか?」

魔王「あー、ほらアイツらって変化に弱いんだよ。だから、環境が変わるとストレスになるんだよな」

側近「安定した種族であるがゆえに、環境の変化に適応する能力が低いのでございます」

勇者「そうだったんですね・・・・・」

僧侶「あの、魔物って、世界でどのぐらい居るんですか?」

魔王「そだなー、俺もちゃんと詳しい数はしらないけど、多分数百万ってトコじゃないか?」

側近「一千万には届かぬかと思われます」

魔王「うちらお前らみたいな戸籍制度とかないから、大体しかわかんないけどな」



397:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 21:07:58.15 ID:YWq9Ohm/0

魔王「さて、飯も食ったし、続きやるかー」

僧侶「そうですね、とりあえず出発点に戻って考えましょう」

勇者「あの・・・・さっきの話なんですけど、魔物の暮らす環境って、作る事はできないんでしょうか?」

魔王「ん?どゆこと?」

勇者「その、戦争を終わらせる事に直接関係は無いんですけど」

勇者「魔物が住処を奪われた恨みを少しでもなくすのに、魔物が暮らしやすい場所を作れないかなって」

魔王「んー、まあできないこた無いかもしらんが・・・・・・」

側近「まあ、魔王さまはそういう細かい事は苦手でございますが、私ができるかもしれませぬな」

僧侶「確かに、人間が増えたとはいっても、人間が住んでいるの地域はまだまだ世界の一部分」

男部員「そうだな、世界は広大だからな、数百万の魔物が暮らす場所ぐらいはなんとかなるんじゃないだろうか」

女部員「そうね、特に人間は都市化が進んでいるから、地方部はむしろ人はどんどん減っているわ」

僧侶「ただ、人間は資源や食料を求めていくらでも遠くに行きますから、立ち入りは防がなくてはいけませんが」



400:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 21:13:32.46 ID:YWq9Ohm/0

魔王「んー、じゃあこうしたらどうだ?まずは主戦派の魔物の種族を調べるだろ?」

魔王「そんで、それぞれに適した居住地を側近が作るわけだ」

側近「・・・・なかなか大仕事になりそうですな」

魔王「で、それができたら、そこに『魔王軍の拠点を作り、そこを死守せよ』と命じるわけだ」

側近「なるほど、そして100年200年と住めば、彼らにとってそこが家となるわけですな」

魔王「魔物が守ってれば人間は入っては来れないだろうから、まあ概ね安心だろう」

僧侶「本当は人間側との協定が作れればいいんですけどね」

勇者「正式に魔物の国として人間が認められたら理想だけど・・・」

男部員「ふむ、協定か・・・・そういう手もあるな」

女部員「どうしたの?」

男部員「停戦の件だけど、いっそ停戦協定結んでみるってのはどうだ?」



401:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 21:19:12.64 ID:YWq9Ohm/0

女部員「停戦協定!?無理に決まってるじゃない、あんな陰謀たくらんでる連中よ!?」

男部員「ああ、もちろん真っ正直に話しあおうったって無理な話だ」

僧侶「するとどうやって?」

男部員「簡単だ、大統領府に乗り込んで、脅すんだ」

一同「えええええええええええ」

男部員「もちろん、脅して停戦協定を結ばせるだけじゃダメだ、すぐに反故にされかねない」

女部員「それじゃあどうするの?」

男部員「まずは大統領を抑え、そして今回の陰謀の証拠を揃える」

男部員「そして、停戦を反故にした場合はそれを公開する、というんだ」

男部員「大統領を押さえるところまでは多分魔王たちが居れば簡単だ」

魔王「まあな、それは朝飯前だ」

男部員「そこから先は俺の出番だ、情報系の精霊召喚は得意だからな」

勇者「でも・・・それを消されてたら・・・・」

男部員「いや、それは無いだろう、もちろんネットワーク上には残されてないだろうが」

男部員「この陰謀は完成していない、という事はどこかにそれを管理する書類なりデータなりがあるハズだ」



402:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 21:24:41.54 ID:YWq9Ohm/0

男部員「あまりに大統領が聞き分け無いようなら、まあふんじばって替え玉でも立てるだな」

側近「まあ、その場合は私が読心と変化でどうにか致しましょう」

魔王「俺は別にやってもいいよ、面白そうだし」

僧侶「待って下さい、一つだけ懸念点があります」

男部員「なんだ?」

僧侶「失礼を承知で言います。魔王さんが後々本能につき動かされて停戦を破る、という事は無いと断言できますか?」

魔王「うーん、まあ今んトコちっともその本能が出てこないんだが・・・まあこればっかりは・・・」

側近「断言、とまでは申せませんが、多分お約束できるでしょう」

魔王「なにょ!?」

僧侶「どういう事でしょう?」



403:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 21:36:58.03 ID:YWq9Ohm/0

側近「本当は、これは魔王さまにはお聞かせしたくなかったのですが」

魔王「・・・・?」

側近「実は、魔王さまの復活に1000年もの時間がかかったのは、力の問題だけではなかったのです」

側近「私は魔王さまの魂を拾い集めている間に、神々の作ったバランスシステムについて気付きました」

側近「そして、このまま魔王さまを復活させた所で、かならず勇者に倒されてしまう、という事に思い当たったのです」

側近「そこで、私は魔王さまの魂に恐れ多くも手をつけ、人間を憎む本能の部分を取り除きました」

魔王「な・・・・・お前・・・・・

側近「それは何百年もかかる気の遠くなるような作業でしたが」

側近「ついに私は魔王さまの魂を本能の軛から解き放つ事に成功したのです」

側近「魔王さまの魂に私ごときが手をつけた罪、到底贖えるとは思いませぬが」

側近「どうかこの事が済むまでこの私がお力添えをする事、お許し下さい」

魔王「わかった、この戦いが終わるまでは不問に付すが、その後は覚悟しておけ」

勇者「待ってください!魔王さん!」

魔王「城に戻ったら、お前の制服は裸エプロンだ!!!(ニヤリ)」

側近「そ、それは、その、終わったらお話し合い致しましょう!」

魔王「だめ」

側近「じゃあせめて下着だけでも・・・」

魔王「やだ」

側近「・・・・・・・・・・・・」



406:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 21:49:00.76 ID:YWq9Ohm/0

魔王「よし!俄然ヤル気が出てきた!さっさと終わらせて側近の裸エプロン拝むぞ!!!」

側近「・・・・・・・・(´・ω・`)」

女部員「まあ、私としては魔王さまの裸エプロンが見たいけど・・・まあいいわ、さっさと行きましょう」

僧侶「まって下さい、その前に協定の内容についてもう少し詰めておいた方が良いのでは?」

魔王「まあそれも必要だが、その前にやる事があるな」

勇者「え?」

魔王「出てくるがいい、俺が気づいてないとでも思ったか?」

???「おっと、失礼した、もう少し早く出ていくつもりだったのだが」

???「君たちの漫才があまりに面白くてね」



411:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 22:03:37.63 ID:YWq9Ohm/0

女部員「大統領!?」

男部員「なぜここが!?」

勇者「こいつが・・・」

大統領「ご苦労だったな、二人とも。君たち情報部員には魂レベルで融合した追跡霊が憑いているのだよ」

二人「!!!!!」

大統領「君たち本人の魂と完全に一体化しているからな、外から調べた所で決して気づかない」

魔王「ふん、貴様か、なんだか下らない事をコソコソ企んでた人間は」

大統領「ふむ、君が魔王か、お初にお目にかかる、私が世界連邦大統領だ」

魔王「わざわざ俺の前に出てくるとは・・・アホなのか?お前」

大統領「いやいや、本当はそんなつもりは無かったのだが・・・おっと、君たちは動かない方が良い」

男部員「びくっ」

大統領「軍の精鋭が囲んでいる、魔王には歯がたたぬが、君たちを仕留める事ぐらいは容易いぞ」

兵士「ザッ!!!」

僧侶「く・・・いつの間に・・・」



413:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 22:13:13.71 ID:YWq9Ohm/0

大統領「さて、なんだったかな、そうそう、別に私はここに来るつもりは無かったのだが」

大統領「彼らの耳を通した話によると、大統領府に乗り込んでくる、と聞いたのでね」

大統領「私のオフィスをあまり荒らされるのも困るし、あそこでは大型の兵器は使えないからね」

女部員「兵器・・・?」

大統領「そう、今、全ての戦略型魔導兵器の照準が魔王君と側近にあわせてある」

大統領「いくら君達でも、さすがにこれだけの殲滅魔法を食らっては無事で済まないのではないかな?」

魔王「さあな、で、そんな事を言うためにここまでやってきたのか?」

大統領「まさか、私はそれほど暇人ではない。わたしは君と協定を結ぶためにやってきたのだよ」

魔王「協定・・・だと?」

大統領「もっとも、君たちが考えていたものとはいささか異なるがね」

大統領「いや、実際私も困っていたのだよ、この半年、君たちは侵攻らしい侵攻をしてくれないものだからね」

大統領「それでは世界の人類は一つにまとまらないのだよ、どこか遠い戦場で兵士が死ぬだけでは対岸の火事にすぎん」

大統領「やはり、無辜の市民が犠牲になり、生まれ育った街が蹂躙されて、始めて彼らの心に響くのだよ」

勇者「こいつっ・・・・」



414:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 22:25:50.20 ID:YWq9Ohm/0

魔王「話にならんな、もうコイツさっさと殺して替え玉作るぞ(バスッ!!)」

大統領「うっ・・・・・・」

魔王「まったく胸糞の悪い野郎だ」

大統領「・・・・・気の短い魔王だな」

兵士1「うぐ・・・・・・(バタッ)」

魔王「なにっ!?」

大統領「待ちたまえ、私には何重にも身代わりの魔法がかけてある」

大統領「気が済むまで殺してくれても良いが、兵士たちの命を無駄にはしたくない」

大統領「次何か不審な動きをした場合、即座に全兵器の発射命令を下す。迂闊な事はやめたまえ」

魔王「ふん・・・それで、貴様の言いたい事はなんだ?」

大統領「私は人類の争いの歴史に終止符を打ちたいのだ」

大統領「世界中の国々が一つの連邦に収まった今でも、あちこちで紛争が起きては我々が調停をしている」

大統領「だから、今こそより強い世界政府が必要なのだよ、そこで、魔王君に協力を仰ぎたいのだ」

魔王「いい度胸だな、俺に何をさせようというんだ?」

大統領「もちろん、魔王としての勤めを果たしてもらいたいのだよ」

大統領「最終的には先程君たちが話しあっていたように、魔物の居住地との境界線を決めるのが良いだろう」

大統領「だが、その前にある程度我々に恐怖と損害を与えてくれたまえ」

魔王「ふん、それをきっかけに貴様らは人間世界を掌握するというわけか」



415:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 22:39:49.04 ID:YWq9Ohm/0

大統領「そうだ!そうすれば人類は魔物という共通の敵の前に、争う事をしなくなる」

大統領「そして、終戦後も冷戦という形で緊張感を与え続ければ、人類は常に同士としての連体を持って暮らせるだろう」

大統領「その代わり、我々は君たちに手を出さない。勇者さえ我々が管理しておけば、君は安泰だろう?」

魔王「で、断ったらどうするつもりだ?」

大統領「ありきたりだが命はもらいうける」

大統領「幸いここには我々しか居ないのでね、君の死後も魔王軍が存在する事にしてプランを進めるよ」

魔王「ほう、この私の生命をどうやって奪うつもりだ?勇者がトドメを刺さなければ私は死なぬぞ?」

大統領「その答えはあれを見ればわかるだろう」

ジャキン!!!

僧侶「勇者!何をする!?」

勇者「身体が・・・勝手に!?」

魔王「傀儡か・・・」



419:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 22:56:29.84 ID:YWq9Ohm/0

大統領「その通り、別に勇者本人の意志が必要なわけではないからな」

大統領「さて、そろそろ長話にも飽きてきた、返答を聞こう、魔王」

魔王「そうだな、俺もお前としゃべっていると吐き気を我慢するのが大変だ、いいだろう」

側近「ま、魔王さま!」

大統領「はははは!では、今後ともよろしく頼むぞ、魔王どの」

魔王「何を勘違いしている?俺はお前とのおしゃべりを切り上げる、と言っただけだ」

魔王「大体人間風情がこの俺に脅しをかけてくるとは片腹痛い」

魔王「命だけは助けてやる、側近、こいつを捕まえておけ」

大統領「な・・・・貴様ら!後悔しても遅いぞ!!!全戦略魔導兵器、発射!!!」

(命令を下すと同時に消える大統領と勇者一行 100mほど離れた魔方陣内に現れる)



418:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 22:55:27.22 ID:YWq9Ohm/0

世界中なる数十の空中要塞から、光の束が発射され、魔王に降り注ぐ

キュドドドドドドド!!!!

大統領「連邦軍謹製の光のシャワーだ、よく味わってくれたまえ、後でHP1の君に勇者君がトドメを刺してくれるから」

勇者「くっ、離せ!!!」

女部員「貴様ぁぁ!!!!」

大統領「そう暴れるんじゃない、裏切り者といえど連邦民だからな、むざむざ魔王の殉死者になる事もあるまい」

男部員「裏切り者は貴様だ!!!貴様は連邦民60億を裏切った!!」

大統領「心外だな、私ほど人類全体の事を考えている者は居ないつもりだが」

魔王「くだらぬな」

大統領「なっ!!!!!???」

魔王「貴様らが得意げに自慢するからどの程度のものかと思えば・・・・」

女部員「あの魔力の奔流を片手で受け止めているというの・・・・・・・・?」

側近「とはいえ、さすがにこのエネルギー、魔王様以外では受け止めるのは難しゅうございましょう」

魔王「そうか?側近お前も意外と情けないな」

側近「は、面目ござりません」

大統領「く・・・・・・虚勢だ!ヤツはあれで手一杯のハズだ!撃て!!!」

兵士達「はっ!!!」

ズドドドドドドドド



420:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 23:07:08.67 ID:YWq9Ohm/0

魔王「(魔法の連打に顔色も変えず)まったくくだらんな、さっさと終わらせるか」

側近「それがよろしいかと」

魔王「さっさと終わらせて裸エプロンだな」

側近「・・・・・・・・・・・・・・・」

魔王「側近、大統領にかかってる身代わりの魔法を無効化できるか?」

側近「は、ただちに(フシュッ)」

大統領「んな!?」

魔王「次はもう少しまともなオツムを持って生まれてくるんだな」

大統領「ま、待て!!!」

魔王「爆裂魔法!!!」

ガキーン!!!!!(はじき散らされる魔王の呪文)

魔王「なにっ!!??」

大統領「う・・・うぐ・・・?頭が・・・・・・ぐああああああ」

魔王「何が起きた!?」

大統領「全く・・・・・・・困った魔王だな・・・君は・・・・・」



422:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 23:17:56.53 ID:YWq9Ohm/0

大統領「というより・・・困ったものなのは君だな、側近・・・・・・」

魔王「誰だ!貴様!!!!」

大統領「ちょっと目を離したスキに・・・・システムをメチャクチャにしてくれちゃって・・・・」

魔王「まさか!!!!」

大統領「まったく・・・・人間を殺さない魔王なんて・・・・害悪でしかない・・・・・」

魔王「貴様ぁぁぁ!!!!(キュドドドドド)」

(魔力弾を連発する魔王、全て大統領の前で弾かれる)

側近「おのれ!!!」

大統領「おっと・・・素早いね、一瞬で後ろに現れるなんて・・・・でも、おいたはいけないよ」

側近「ぐ・・・ぐああああああ」

大統領「魔王・・・・君も少しおとなしくしたまえ・・・・」

魔王「う?魔力が出せん・・・ぐああああああああああ」

大統領「まあ・・・せっかく人間が用意した光のシャワーだ・・・少し味わうといいよ・・・・・・」

魔王「うぐああああああああああ」

側近「魔王さま・・・貴様・・・何者だ・・・」

大統領「ああ・・・申し遅れちゃったね・・・ボクは神だよ・・・・・」

側近「なんだと・・・!?」



423:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 23:29:36.38 ID:YWq9Ohm/0

大統領「正確には・・・神の意識の一部・・・といった方がいいかな・・・・」

大統領「まあ・・・今は・・・この男の身体を借りてるからね・・・大した力もないけど・・・・・・」

側近「離せぇぇぇええええ!!!!!」

大統領「それにしても・・・・魔王・・・君は頑丈だねえ・・・・」

魔王「がああああああああああ・・・・ふぅーっふぅー!!!」

大統領「それだけの魔力の奔流を浴びて・・・・・まだ元気そうじゃないか・・・・・」

魔王「貴様ぁぁぁあぁぁぁああああああ!!!!」

大統領「落ち着きなよ・・・・もう君は死ぬんだからさ・・・・さっさと死んでくれないと次の魔王が生まれないからね」

魔王「ふざけるなあああ!!!!(再び魔力弾を打ち出すが、全て防がれる)」

大統領「げふ(吐血)おっと・・・もう限界が近いか・・・・人間ってのは脆くて不便だねえ・・・」



426:名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 23:41:05.55 ID:YWq9Ohm/0

勇者「ちくしょう!!!」

僧侶「おい、勇者!動けるか!」

勇者「あ・・・傀儡が解けてる!」

僧侶「(ちらっと大統領を見て)よし!まだチャンスはある!諦めるな!」

勇者「でも、神なんて相手にどうすれば・・・」

僧侶「神だか何だか知らないが、今はアイツは大統領の身体を借りてるからか、大した事はない!」

勇者「そんな事いったって、あの魔王が歯も立たないよ・・・」

僧侶「だが、俺達にはまったく意識を向けてない、おそらく力はすごいが、感覚器官などは人間の物を使ってるんだ」

僧侶「だから、動くなら今のうちだ!勇者、俺の手を切り落とせ!」

勇者「バカな!そんな事が・・・」

僧侶「俺の魔力と動きを封じてるのは右手の魔力錠だ!これさえ外れれば腕なんて自分でくっつける!」

勇者「そんな・・・俺そんな事・・・・」



491:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 06:06:19.88 ID:8LVuw4TZ0

大統領「まったく・・・世界のバランスがこんなに崩れてるとは・・・・困ったもんだ・・・」

魔王「くそ!くそ!(全力攻撃中)」

大統領「よし・・・ちょっと介入して・・・次の魔王はかなり強力な子にしようね・・・・・」

大統領「人間世界の・・・・大半を焼き尽くしてもらわないといけないからね・・・・」

大統領「でも・・・・その前にちょっと・・・君の魂を調べなきゃね・・・・・」

大統領「まさか・・・ボクのプログラムした本能が・・・除去されるなんてねえ・・・・」

大統領「次はもっと・・・・強力なプロテクトをかけなきゃね・・・・・」

魔王「な・・・貴様!俺の頭の中に入って・・・・うあああああああ」

大統領「うーん・・・よく見えないなあ・・・人間の意識ってのはこんなに世界をぼんやりとしか感じてないのか・・・・」



492:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 06:07:11.64 ID:8LVuw4TZ0

僧侶「急げ!勇者!ヤツが魔王の魂に気を取られてるうちにやるしかない!」

勇者「そんな事できないよ、俺・・・・」

僧侶「なあ、勇者、俺が小学校の時、こっちに引っ越してきた時にさ」

勇者「え?」

僧侶「俺が近所のワルガキに虐められてる所を助けてくれた事、覚えてるか?」

勇者「え・・・」

僧侶「当時からお前、ケンカは弱かったけど、間に割って入ってくれてさ」

勇者「(俺がそんな事を・・・?)」

僧侶「だけど、おかげでなんとか逃げる事ができたんだ」

勇者「・・・・・・」

僧侶「強いヤツが他人を助けるのは簡単だ、だけど、弱いヤツが誰かを助けようと思ったら何倍もの勇気がいる」

僧侶「俺はその時、こいつはなんて勇気のあるヤツなんだろう、って思ったんだよ」

僧侶「だから、お前が勇者になったって聞いた時、俺は当然だと思った。お前ほど勇者に相応しいヤツは居ない」

僧侶「そのお前がこの程度の事でびくついてんじゃねぇよ!俺の信頼、タダのカンチガイにする気かてめぇ!!」

勇者「・・・・・・・・わかったよ、痛いと思うけど、我慢してくれ、僧侶」



493:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 06:07:28.34 ID:8LVuw4TZ0

大統領「んー・・・・ええと・・・ここの構造がこうなってて?・・・・」

側近「くっ、動けない!」

大統領「側近くん・・・・あまり暴れないでくれないかな・・・・気が散ってしかたない・・・・」

大統領「今ボクは・・・大きな力は使えないんだからね・・・・ちょっとそこで干からびててよ・・・」

側近「ぐっ!?力が抜けて・・・・・・(バタッ)」

大統領「あとで君の事も・・・少し調べてあげるから・・・・ごふ(吐血)おっと・・・」

大統領「いよいよ時間が・・・なくなってきたなあ・・・・急がなきゃ」

大統領「もう一回こっちに入ってきたら・・・・兄さんに見つかっちゃうかもしれないしね・・・・」



496:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 10:02:31.15 ID:8LVuw4TZ0

勇者「やあっ!!!(ズバッ)」

僧侶「ぐああああっ!!!!・・・・・・くうっ、魔力が戻った、回復魔法!」

僧侶「ふう・・・・・よし、それじゃ次に男部員と女部員を、解呪魔法!」

男部員「助かった、ありがとう」

女部員「ありがとね」

勇者「それで、どうするんだ僧侶」

僧侶「それは、お前が決めろ、俺たちは勇者のパーティなんだからな」

勇者「え・・・・・・」

僧侶「あの神とやらは多分魔王と側近を処分したら、おそらくこの世界からは消える」

僧侶「大統領もあの様子じゃもう助からない、兵士たちもこの騒ぎで散り散りだ」

僧侶「戦争はしばらく続くかもしれないが、双方の首長が居なくなれば自然とおさまるだろう」

僧侶「このまま放っておけば世界は大体元通りになる、今このまま逃げても構わない」

僧侶「どうする?勇者」

勇者「俺は・・・・・・・・・・・・魔王を助けたい」



498:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 10:13:47.58 ID:8LVuw4TZ0

勇者「俺は・・・側近さんには良くしてもらったし、魔王だって悪いヤツじゃなかった」

勇者「それに、このまま放っておけば、またいつか魔王が現れて戦争が起きるよね」

勇者「世界が元通りになっても、俺はただのヒキニートに戻るだけだ・・・」

勇者「それなら俺は、命をかけてでも『友達』を助けたい」

僧侶「だが、相手は神だ、勝算はひくいぞ?」

勇者「それでも・・・・・できるだけの事はやってみたいんだ」

僧侶「やっぱり・・・お前は勇者だな」

女部員「へぇ、情けない童貞ボウヤかと思ったら、以外と言うじゃないの」

女部員「いいわよ、やったろうじゃない、魔王とはいえ美少年が居なくなるのはこの世の損失だしね」

男部員「世界が元通りになって無職なのは我々も一緒だしな」

勇者「あ、ありがとうございます」



500:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 10:16:46.58 ID:8LVuw4TZ0

女部員「それで、どうする?神様相手のケンカの仕方なんて見当もつかないんだけど」

僧侶「それについては少し考えがあります、これまでのヤツの行動から、いくつか推測できる事があります」

僧侶「攻撃を全て防いでいる事から、体力は人間のままである事」

僧侶「我々に気付いていない様子から、全知全能というわけでは無い事」

僧侶「そして、神の力に人間の器が耐えきれず、長い事この世界に居られない事」

僧侶「つまり、ヤツの裏をついて大統領の体を破壊するか、限界まで魔王を守り切れれば我々の勝ちです」

男部員「ふむ、理屈としては間違ってないかもしれないが」

僧侶「そこで、作戦ですが・・・ごにょごにょ」



501:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 10:21:38.41 ID:8LVuw4TZ0

大統領「ふむ・・・大体わかったよ・・・そろそろこの身体も動かし辛くなってきたし・・・おしまいかな」

(大統領の体中から血が吹き出ている)

大統領「まったく・・・この身体の主が頑張ってるから・・・見守ってあげてたのに・・・・」

大統領「できそこないの魔王一人・・・倒せないなんてね・・・人間はやっぱり役にたたないな・・・・」

魔王「ぐ・・・・・・・・」

大統領「さあ・・・魔王・・・お別れだよ・・・本当はルール違反だけど・・・先にルールを破ったのは君たちだしね」

側近「魔王・・・さま・・・・・・・・(ズルズル)」

大統領「ああ・・・君もいたね・・・折角だから魔王と一緒に送ってあげるから・・・ね」

女部員「超爆炎魔法!!!!(ブオォォォ!!!!)」



502:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 10:24:33.84 ID:8LVuw4TZ0

大統領「(ガキーン)君たちまで・・・ジャマするのかい・・・やめてくれないかなあ・・・・」

男部員「戦乙女召喚!!!」

大統領「(フシュッ)時間が無いんだから大人しくしててよ・・・」

女部員「凍結魔法!!!」

大統領「(カキーン)あ・・・でも人間を殺すと・・・・兄さんに気付かれちゃうかもしれないね・・・」

男部員「魔人召喚!!!」

大統領「(フシュッ)ちょっと・・・固まってておくれよ・・・・(ヒョイ)」

女部員「(キシッ)な・・・・身体が・・・」

男部員「(キシキシッ)うごかん・・・・」

大統領「まったく・・・魔王は君たちの敵だろう・・・何を血迷ってるんだ・・・・」

側近「全身鋼化魔法!!!!!」

大統領「な!?(ピキーン)」



503:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 10:29:15.55 ID:8LVuw4TZ0

側近「ふふふ、僧侶どの、素晴らしいお知恵でございますな・・・と返事はできませんか」

全員「(カチンコチン)」

側近「勇者どのだけに使える全身鋼化魔法は、周囲の全ての『人間』に対して無条件に発動する究極防御」

側近「さしもの貴様も味方に発動する魔法は防げなかったようだな」

側近「これで、動けるのは魔物である私だけ」

側近「とはいえ、このままでは貴様にも手を出せぬし、身体が固まっているから時間切れを待つ事もできぬ」

側近「だが、貴様は鋼化が解けてもロクに動く事はできまい。だから私はこうするのだよ」

側近「強制転移魔法!!!」

(魔法の光が魔王に向かって突き進む)



504:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 10:32:04.98 ID:8LVuw4TZ0

側近「貴様はもはや転移先を探して魔王さまに止めを刺す時間はあるまい!!!」

魔王「ふっ(魔王の前で転移の光がかき消える)」

側近「なっ!?」

魔王(神)「全く・・・最後の最後までおいたが過ぎるんじゃないかな・・・側近くん・・・」

側近「まさか、貴様!!!!」

魔王(神)「運が良かった・・・まだ魔王の魂とリンクが繋がってたからね・・・・」

魔王(神)「そこの役立たずの身体を捨てて・・・こっちに移らせてもらったのさ・・・・」

側近「く・・・なんという・・・」

魔王(神)「あ・・・そうだ・・・せっかく頑丈な身体に移ったんだからもう少し色々やっとこうかな・・・」

フッ(鋼化が解ける)

僧侶「なんてことだ!!!」

勇者「魔王!!!!」

男部員「ばかな・・・あの魔王の身体に神の魂だと・・・・・」

女部員「もう・・・どうしようも・・・・」



505:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 10:44:58.90 ID:8LVuw4TZ0

魔王(神)「でも・・・まずはおいたが過ぎる君を始末しておこうかな・・・側近」

側近「くっ・・・」

魔王(神)「それが終わったら・・・この魔王の魂を改造して・・・ちゃんと人間の敵にしてあげるよ」

魔王(神)「考えてみたら・・・また次の魔王が生まれるまで待ってたら・・・バランスは更に崩れちゃうからね」

魔王(神)「あ・・・側近・・君もっと忠実な手下として作り替えてあげようか・・・?」

魔王(神)「そっちの方がいいよね・・・この身体ならそのぐらいの作業は・・・できそうだし・・・」

勇者「やめろ!!!!」

側近「ぐ・・・・・・離せ!!!」

魔王(神)「さてと・・・あれ・・?身体が・・・・・」

魔王「ふざ・・・けるな!!俺の身体を・・・勝手に・・・・」

側近「魔王さま!!!?」

魔王(神)「なん・・・だと・・・まだ意識があるのか・・・・・」

魔王「貴様の・・・・・思い通りには・・・させん!!!」

ズビュッ!!!(自らの手で腹を掻き切る魔王)

魔王&神「「ぐああああああああああああ!!!」」



506:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 10:45:49.37 ID:Zu8135oai

ど、どうなってしまうんだ!この世界は!



509:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 10:56:09.43 ID:8LVuw4TZ0

側近「魔王さまああああああああっ!!!!!!!!」

魔王「ふぅー、ふぅーっ・・・・ふざけ・・・やがって・・・(腹からは体液が流れ出続けている)」

側近「ま、魔王さま!はやくお手当を!!!」

魔王「待て!」

魔王「勇者・・・お前・・・俺を殺せ・・・」

側近「魔王さまっ!?」

勇者「ええっ!?」

魔王「俺の中には・・・まだアイツがいる・・・俺がヤツを押さえていられるのは長くはない・・・」

魔王「ヤツは・・・俺を作り替えて・・・本物の凶悪な魔王に仕立て上げるつもりだ・・・」

魔王「そんなものはもはや・・・俺ではない・・・俺は・・・俺として生きて・・氏にたい」

魔王「俺を殺せるのは・・・お前だけだ・・・勇者・・・」

勇者「そんな・・・・魔王・・・・」

魔王「それに・・・俺は・・・俺の手が・・・側近を傷つけるのは耐えられん・・・・」

魔王「俺に・・・愛する者を傷つけるようなマネを・・・させないでくれ・・・・・」

側近「グスッ、ヒック」



511:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 11:04:42.31 ID:8LVuw4TZ0

魔王「俺の体力は残りわずかだ・・・今のお前の力でも倒せるだろう・・・・」

魔王「死ぬならば・・・友と呼んでくれた・・・お前の手にかかって氏にたいんだ・・・」

勇者「・・・・・・・・」

魔王「それから・・・側近・・・最後の命を下す・・・」

側近「魔王さま、どうかそのような事を・・・」

魔王「黙って聞け・・・魔王城を・・・破壊しろ・・・・アレがある限り・・・また不幸な魔王が生まれる事になる・・・」

側近「!・・・そんな・・・」

魔王「そして・・・先刻話し合った魔物の自治区の計画を・・・お前が進めろ・・・・」

側近「・・・・・・・・・・・・・・・かしこまりました・・・グスッ」

魔王「そろそろ・・・限界が近い・・・勇者・・・頼む、やってくれ・・・・・・」

勇者「・・・・・わかったよ、友達の最後の頼みだもんな・・・」

勇者「側近さんと一緒に、必ず魔物との平和は実現してみせる」

魔王「ああ・・・・頼んだぞ・・・・」

側近「何があろうとも・・・・必ずや・・・・」

魔王「1000年間・・・・・ありがとう・・・側近・・・」

魔王「では・・・頼む・・・勇者よ・・・・」

勇者「魔王よ!安らかに眠れ!!!!」

ザンッ!!!!!!!!!



515:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 11:23:14.55 ID:8LVuw4TZ0

~ 一年後 始まりの街 ~

僧侶「世界人類、そして魔物が平和であらんことを」

僧侶「そして、亡き魔王の魂が安らかならんことを・・・・」

男部員「お邪魔するよ」

僧侶「男部員さん!お久しぶりですね!」

男部員「おっと、お祈り中だったか、失礼した」

僧侶「いえ、今終わりましたから、さあ、中へどうぞ」

男部員「それにしても・・・神にケンカを売った君は一体誰に祈ってるのか興味があるな」

僧侶「あれは・・・多分神の全てではないのだと僕は信じています、本人も意識の一部だと言っていましたし」

男部員「そうか」

僧侶「それに・・・彼は弟を名乗ってましたからね、僕ら人間の神は、兄貴のほうですw」

男部員「そういえばそうだったな」



517:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 11:29:53.04 ID:8LVuw4TZ0

僧侶「ところで、魔物との交渉業務の方はいかがですか?」

男部員「まあ、毎日てんやわんやだよ、世界は広いし、魔物は多種多様だしな」

男部員「まだまだあっちこっちで争いは起きているが、徐々に進んでるよ」

僧侶「でも良かったですね、新設部署ができて、そこの責任者になれて」

男部員「ああ、側近さんが魔王の名で停戦協定を出してくれたおかげで、話はトントン拍子だったよ」

僧侶「ところで、勇者は元気ですか?」

男部員「ああ、まあヒイヒイ言ってるが、頑張ってくれてるよ」

僧侶「それは良かった」

男部員「まあ、部署内ではデスクトップの画像がキモい、なんて言われてもいるがね」

僧侶「まあ・・・・あれは病気ですね」

ピーピーピー

男部員「おっと、呼び出しか、全く旧友とゆっくりする時間もありゃしないな」

僧侶「でも、死んだ魔王の悲願ですからね、頑張って下さい!」

男部員「君もな、ではまた」


僧侶:始まりの街の教会勤務 司祭Lv20
男部員:世界連邦外務省 対魔部勤務 召喚士Lv85



518:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 11:39:44.02 ID:8LVuw4TZ0

~ 魔王城跡 魔物連合本部 ~

側近「西部地区の魔物特区建設の進捗は?」

魔物「はっ、地元住民との交渉は終了致しましたので、これより建設に入ります」

側近「ここは岩石系が多いな、特殊環境の設備は大丈夫か?」

魔物「先日ボーリングをしまして地質的には問題無しと出ましたので、現在地形改造中です」

側近「他の環境に影響が出ないよう注意をはらえ」

魔物「はっ、わかりました!」

側近「ふう・・・・まったく忙しくてかないませぬな・・・・」

側近「しかし、たった一年で随分形になってまいりました」

側近「あと50年もすれば、私がこの任から退ける日がやって来るでしょう・・・」

側近「魔王さま・・・・」



519:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 11:41:19.78 ID:8LVuw4TZ0

魔物A「お、お前これから側近さんのトコ?」

魔物B「おう、報告書が出来上がったからな」

魔物A「それにしても、なんで側近さんてあんなカッコで仕事してるんだ?」

魔物B「なんでも魔王様の遺言なんだそうだ」

魔物A「へえー、それにしてもこっちはお陰で気になって仕事に集中できやしねえ、少しは考えてもらいたいよな」

魔物B「そんな事言いながら、お前いつも超速で仕事終わらせて、何かっちゃー報告に行ってるじゃないか」

魔物A「まあ・・・・それはその・・・」

魔物B「ま、俺も一緒だけどな!さ、報告に行ってくるわ」

魔物A「くそ、俺も次の仕事速攻で片づけてやる!」



側近:魔物連合会長 裸エプロン勤務



521:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 11:55:34.74 ID:8LVuw4TZ0

~そして、人間と魔物は新しい社会を築いていった
人間の社会と魔物の社会はやがて融合し、一つの世界を作り上げた
世界中で平和な日々と争いの日々が交互に繰り返されながらも、月日は流れて行った
魔物たちの国が世界連邦への加盟を認められた日
魔物連合は解体され、側近はその後の役職を全て断りどこへとも知れず姿を消した
魔王城跡地は、記念碑として魔王城のレプリカが作られ、保存された

その後、魔王や神が現世に現れたという話は聞かない



522:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 11:56:05.55 ID:8LVuw4TZ0

~1000年後

魔王「ふあー、よく寝たわー」

側近「お目覚めでございますか」

魔王「側近・・・・・・・・」

側近「長い事、お待たせ致しました」

魔王「すまないな、俺の方こそ待たせた」

側近「いえ・・・・・・(号泣)」

魔王「その・・なんだ・・・ありがとう」

側近「魔王さま・・・・・」

魔王「それはそうと・・・お前、裸エプロンの約束は?」

側近「ええ、先ほどまで守らせていただきましたが、魔王さまにお目通りするため着替えました」

魔王「ちょ、てめぇ!!なんでだよ!!脱げこの野郎!!!」

側近「キャー」


~fin~



523:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 11:59:20.76 ID:8LVuw4TZ0

あ、一つ貼り忘れてたwwwwww



勇者と女部員の話



525:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 12:00:51.15 ID:8LVuw4TZ0

~ どこかの森の中 ~

女部員「全く・・・なんでアタシが交渉事なんてしなきゃなんないのよ!」

女部員「アタシは荒事専門でずっとやってきたってのに・・・もう、魔物をぶっとばしたらすぐ始末書だし」

女部員「部下はちっとも使えないし・・・・ほら!何グズグズしてるの!さっさと来なさい!!」

勇者「ひぃー!もう足が棒ですよ、少し休みませんか?」

女部員「アンタ仮にも魔王を倒した勇者でしょ!何なのその体力の無さは!!!」

勇者「いやでも、女部員さんの荷物が多すぎて・・・」

女部員「女はね、オシャレをするのも義務のウチなのよ!」

勇者「え・・・まさかこの中は全部服!?」

女部員「そうよ、何か文句でも?」

勇者「いや・・・・・・ないです・・・・・」

女部員「ほら、さっさと行くわよ、アンタが居ないとスライムとかは言葉通じないんだから」

勇者「は、はいー!」

女部員「グズグズしないの!あと50kmも歩けば着くわよ!」

勇者「ひぃー!!」

女部員「あん時は結構カッコ良く見えたのにねえ・・・」



女部員:世界連邦外務省 対魔外交員 魔術師Lv94
勇者:世界連邦外務省 契約職員 魔物使いLv10



526:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 12:04:35.47 ID:8LVuw4TZ0

皆様、どうも長いことお付き合い下さいましてありがとうございました!
SS書くの初めてだったんで、ヘタクソですみません

最初は
「魔王と側近で漫才やらせたら面白いよな」とか
「現代社会に魔王が生まれたらどうすんだろ」とか
「勇者がニートだったら面白いかも」とか
そんな単純な出来心で書き始めただけだったんで
途中で風呂敷がでかくなりすぎて、どうたたんでいいか解らなくなっちゃいました

収束が超展開なのはそんなワケで、ご容赦下さい
よく、マンガで伏線が回収されずに終わる理由がよくわかりましたww



ではでは、どうもありがとうございました
勇者の童貞がこれからも守られる事を祈って・・・



530:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 13:03:03.23 ID:x2sBIZ2D0

乙!面白かった



533:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 13:10:09.41 ID:YbMR4fbxi

乙!こういうのかなり好きだわ



543:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 20:03:03.16 ID:eIlL7e4l0

なんか終わっちゃうのが寂しいw
面白かったよー!
ありがとう!
おつおつ!



544:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 20:15:23.62 ID:8LVuw4TZ0

皆さん、こんな不出来なSSに応援の言葉ありがとうございました。
続きは・・・続けようがないんでもうアレですが
最後に、ちょっとネタバラシというか、いくつか懺悔を



545:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 20:21:04.33 ID:8LVuw4TZ0

・神降臨

当初は最後の敵は大統領のつもりでした
大量破壊兵器から、勇者や側近を身を挺して守り、息絶える予定だったんですが
なんかそれじゃ魔王あまりに弱くね?って思って神を出してしまいました
おかげでつじつま合わせに苦労しました・・・
アニメなんかでよく「誰コイツ?」ってのがラスボスで出てきたりするのって
きっとこういう経緯からなんですね


・勇者のその後
最初考えてた勇者のその後は、平和な世界でニートに戻るってつもりだったんですが
これだけのストーリーが終わった後に、何の成長も報酬も無しじゃあんまりだと思ったので
就職させてみました



546:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 20:26:34.19 ID:8LVuw4TZ0

・勇者のその後2
本当は、勇者は女部員とくっつく予定でした
ところが、途中の話のテンポの関係で、勇者と女部員の絡みがほとんど書くスキマが無かったので
伏線がはれなかったんでその辺のくだりはバッサリと落とす事にしました


・僧侶のセリフ
途中の監禁された僧侶が「諦めたら試合終了ですよ」的な事を言ったシーンがあるんですが
これは、小学校の頃に僧侶を励ますために勇者が言ったセリフだった・・・ハズだったんですが
すっかり忘れてて伏線回収しそこねました


・側近の正体
実は、側近は「元人間」という設定でした。
1000年前に魔王を呼び出した人間が、魔王に恋してしまう、という裏設定があったんですが
この辺についてもすっかり忘れてたのと、説明をする所が無かったのでカットしてしまいました
途中で側近が「長く生きると色いろと詳しくなるのですよ・・・」と遠い目をするのはその名残でした



547:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 20:30:03.62 ID:8LVuw4TZ0

・吹き替え風喋り
最初、女部員と男部員はFOXドラマの吹き替え風の喋りをしています
というのは、世界連邦のモデルがアメリカだから、なんとなくそれらしさを出したかったんですが
すっかり勇者と合流してからは普通の人になってます
ムリな事をやろうとするもんじゃありませんね


・最初の頃の側近が世界征服にノリノリな件
はい、この辺書いてたころは何も先の事考えてませんでした
後から「勇者と魔王システム」のアイディアを思いついたんで
その辺の側近の行動や言動とあとあと説明される設定にちょと矛盾があります



以上、穴だらけで申し訳ない
ホントはこういう楽屋オチ的な事はあまりほめられた事じゃないんでしょうが
まあ、物書きじゃないので、許してもらおうかな・・・って



553:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 21:54:52.02 ID:uj99wUyUO

オツカレ!
ありがとう!



554:名も無き被検体774号+:2012/03/24(土) 22:23:28.17 ID:MLNNsAVp0

おつかれ!
すごくいい話だったよ



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         コメント一覧 (32)

          • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月28日 23:09
          • 5 面白かった
            読んでないが
          • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月28日 23:52
          • 後日談が余計過ぎるな
          • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月29日 00:04
          • 3 途中で説明が()の中に収まるのがちとキツイ
          • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月29日 00:34
          • 1 勇者が気持ち悪いわ。
          • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月29日 00:59
          • 今後の成長に期待
          • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月29日 01:53
          • 5
            面白かった。また書いて欲しいな。
            勇者しか使えないはずの全身鋼化魔法を側近が使ったから、
            てっきり何かの伏線だと思ったんだけど、全くそんな事はなかったぜ。
          • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月29日 02:02
          • つまらなくは無いんだけど先を読もうという気が全く起きない
            読んだけども
          • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月29日 02:48
          • 面白かったけど※欄でも指摘があるように()内の説明がちょくちょく入るのは個人的には好かんな

            でも勇者モノってありきたりで大体やりつくされた感があったから敬遠してたけどいざ読んだら入り込んじゃうものだなwww

            また次を書いてくれるなら期待
          • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月29日 03:27
          • まとめスレで見たうち一番好きだわ。設定でマンネリかと思えば全然ちがったwww
            恋愛絡めてこないのがいいよね、無理やり感なくて

            乙っした!
            個人的には魔王の無敵っぷりが一番好きだぜ!最高!

          • 10. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月29日 10:39
          • 悪くない。でも、きちんと作り込めばもっと良い作品になっただろうに、惜しいな。
          • 11. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月29日 11:03
          • 面白かった~

            5代目魔王が切ない
          • 12. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月29日 11:10
          • 設定面白いのにキャラクターが定まってない感が・・・
          • 13. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月29日 11:49
          • そろそろ魔王らしい魔王がみたいな
          • 14. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月29日 12:06
          • 悪くは無いんだけどなんだかなぁ
          • 15. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月29日 12:12
          • 話悪くはないんだけどもうちょっと目を見張る展開があっても良かったかも

            とりあえず面白かったよ
          • 16. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月29日 12:22
          • 勇者が非力すぎて最後の方は盛り上がりに欠けるかな
            いろいろ惜しい
          • 17. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月29日 23:48
          • ()で状況説明は要らなかったな
            (ちらっと僧侶を見ながら)とかそういうのは大体書かなくても頭の中で再現されると思う
          • 18. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月01日 00:32
          • 4 最終的には面白かったと言える。

            悪い点はコメントのみんなが既に言ってるから言えないじゃないか。

            ボツネタも嬉しかった
          • 19. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月01日 23:41
          • 2 ※見て読んだ気になれた、面白かった
          • 20. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月02日 13:44
          • アメリカンジョークな流れがあったのを最後の補足で思い出した
          • 21. 七草粥
          • 2012年05月02日 15:29
          • 4 面白かったけど惜しいSSだった
            ()の状況説明が不要だったのと、勇者が魔王を友達と呼ぶ理由が希薄
            勇者パーティーと魔王で宴会でもやってから大統領戦に入れば良かったかもね
          • 22. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月02日 21:44
          • 5 米19の意味が分からない


            ss自体はよかったよ
          • 23. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月07日 00:40
          • なんか盛り上がりに欠けるな。勿体ない感じ。
            あと憮然の使い方間違ってるのが気になる。
          • 24. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月14日 22:10
          • 何この上から目線のコメントの多さ
            お前ら何評論家気取ってるんだ?何様?
          • 25. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年06月10日 08:48
          • んんん微妙
          • 26. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年08月10日 22:24
          • おいおい、側近の定まらない口調以外はかなり面白かっただろ。

            特に最後、側近にとってはBADENDで終わるのかと思ったら、ちゃんと千年かけて魔王蘇らせたあたりが読後感の良さを出しててすごく良かった。

            裸エプロン先輩!の英霊を感じたぜ
          • 27. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年08月27日 20:48
          • 裸エプロンの初披露目が雑魚魔物だなんて魔王も浮かばれないな
          • 28. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年08月31日 21:40
          • いまさらだけど読んだ
            いやあ面白かった!
            超展開も楽屋裏も個人的には良いよ楽しかったよ
            でも()での状況説明だけはちょっと…シリアスな場面なのに笑ってしまった…w
          • 29. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月10日 15:21
          • ()のだけは確かに
            全体としては結構良かった
          • 30. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年03月08日 01:56
          • ※だからこそのSSじゃない?


            >魔王「わかったよ、いててて、どこから出したんだそのダンベル」

             側近「こんな事もあろうかと懐に忍ばせておりました」

             男部員「(懐に忍ばせられる大きさじゃないと思うが・・・・)」

            ん?・・・あっ、・・・ん?(未確定)
          • 31. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年08月26日 22:50
          • 3 ちょい微妙
          • 32. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年11月06日 15:12
          • 魔王「お?

            まで読んだ

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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