赤羽根P「俺が」青羽根P「俺たちが」黄羽根P「プロデューサーだ」
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- 1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 09:16:14.76 ID:xkLpayyf0
-フェス会場-
赤P「え!?音が出ない!?」
音響「え、ええ…なんでか分からないんですけど…」
律子「分からないって…どうにかならないんですか!?」
音響「今からやっても間に合うかどうか…やっぱり順番を飛ばすしか…」
青P「ここに音源CDがあります、これでどうにか」
音響「や、やってみますけど…時間かかるし…」
黄P「…そっちのミスだろうが、とりあえずさっさと作業しやがれ」
赤P「お、おい!黄羽根!そういう言い方は…!」
音響「じゃ、じゃあやってみます…」
青P「…俺が付いていきましょう、さあ早く」スタスタ
音響「は、はい…」スタスタ
- 2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 09:17:39.94 ID:K86K2aVF0
新しいのきたー
⇒トップ・プロデューサーの仕事術- 3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 09:19:10.86 ID:xkLpayyf0
黄P「……」
赤P「おい、向こうだって必死なんだ…ああいう言い方は良くないだろ」
黄P「…そうだといいがな」
赤P「…今なんて言った」
律子「と、とにかく!音が戻らない場合のことを考えてつなぎを考えなきゃ!ね!?」
赤P「……ああ、そうだな」
黄P「…俺はちょっと外に出てくる」
律子「ちょ、ちょっと黄羽根プロデューサー!」
赤P「いいよ律子…おい黄羽根!お前だって仕事なんだ、早く戻ってこいよ」
黄P「…」スタスタ
赤P「……なんだあいつ、そんなに怒ることでもないだろ」
律子「ほ、ほら早くこのあとのことを考えましょうってば!」
第21話『まるで花が咲くように』
- 4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 09:23:24.45 ID:xkLpayyf0
-アイドルたちの控え室-
律子「…というわけでもしかしたら音が出ないかもしれないの」
響「そんな…」
亜美「せっかく千早お姉ちゃんの歌が…あっ」
真美「あ、亜美!」
千早「……」
真「じゃ、じゃあ!なんとか音が無くてもできることを…」
千早「…ちょっといいかしら」
伊織「ち、千早…」
千早「…みんなが私にいい環境で歌を歌わせてくれようとしてるのはとてもありがたいわ、でも…」
千早「歌ってそういうものじゃないと思うの」
貴音「……」
- 5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 09:29:49.31 ID:xkLpayyf0
千早「…もしかしたらまた声が出ないかもしれない、ファンじゃない人からの罵声もあるかもしれない」
千早「それでも、私は今歌いたい」
春香「…!」
千早「みんなに迷惑をかけることだって分かってる」
千早「…でも、だからこそ今日歌って…ファン、プロデューサー、それからみんなの気持ちに応えたいの」
千早「私は、私の意志で歌を歌いたい!」
雪歩「千早ちゃん…」
律子「…そうね、それなら予定通り一番手は千早でいきましょう!みんな異論は無いわね!?」
美希「千早さんの歌をみんなに見せつけてやるのー!」
あずさ「うふふ、歌は聴かせるものよ美希ちゃん」
千早「みんな…ありがとう」
律子「さっき赤羽根プロデューサーが考えてくれた万が一の進行表もあるわ、みんなしっかり準備していきましょう!」
- 6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 09:32:53.62 ID:xkLpayyf0
音響「こ、これは音が出ないかもしれないなー、厳しいなー…」
青P「…そこをなんとかお願いします」
音響「…が、頑張ってはみますけど…」
青P「お願いします!今日は大事な日なんです!」バッ
音響「…っ」
青P「よろしく、お願いします…!」
-ステージ裏-
千早「……」
春香「ちーはーやーちゃんっ」
千早「…春香」
- 8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 09:36:43.56 ID:xkLpayyf0
春香「えへへ、さっきの千早ちゃんすごくカッコよかったよ」
千早「そう…それならダジャレを言うのは我慢して良かったわね」
春香「……ちょっと聞いてもいい?」
千早「ええ、いくわよ」
春香「うん」
千早「…私は、私の意志で歌を歌いたい!」
千早「その意思はとっても固いわ!石だけにね!」
千早「どやっ!」
春香「千早ちゃん」
千早「どうかしら」
春香「それはない」
千早「…くっ」
- 9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 09:40:17.04 ID:xkLpayyf0
千早「…それにしてもずいぶんハッキリ言うのね」
春香「へ?あ、それは…その…」
千早「…ふふ、私としてはそっちの方がうれしいわよ春香」
春香「…え?」
千早「気をつかわずにいてくれた方が、私としても気が楽だもの」
春香「あ…」
千早「…それじゃ、スタンバイしてくるわね」
春香「…うん、頑張ってね千早ちゃん!」
千早「ええ、もちろんよ」
春香「……」
春香(…私も、前に進まなきゃ!)
- 10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 09:44:35.48 ID:xkLpayyf0
冬馬「みんなー!今日はありがとー!」
今井「と、とうまー!とととととうまー!」
北斗「愛してるよファンの女の子たち!」
浅倉「北斗ぉー!ちゃっちゃちゃチャオー!!」
翔太「えへへ、それじゃまたね!」
滝田「翔太ぁーん!翔太きゅんぺろぺろー!!」
北斗「いやあ、今日もいい感じだったな」
冬馬「…へっ、ファンの女どもに媚び売ってたら俺の凛子がうるせえんだけどな」
翔太「冬馬くんラブプラスの話は仕事現場ではしないって約束だったでしょ?」
冬馬「いや、だけどよ……ん?」
冬馬(今すれ違ったのは765プロの如月…次はあいつらの出番なのか)
- 11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 09:48:33.26 ID:xkLpayyf0
-ステージ-
客A「お、おい千早ちゃんじゃねえか…大丈夫なのかよ…」
客Z「え?千早?この前親の離婚がどうとかで騒がれてた人?」
客X「声が出ないって言ってたじゃん…今日も歌えないんじゃねえの?」
ザワザワ ザワザワ
千早「……」スゥ
千早「…ずっと眠っていられたら この悲しみを忘れられる…」
客B「え…アカペラ?」
客Y「……でも上手いな」
翔太「…あれ?リハのときはオケかかってたよね?」
北斗「おかしいな、普通はこんなことあるはずが…」
冬馬「……!!」
- 12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 09:51:37.72 ID:xkLpayyf0
冬馬(そういえばリハーサルの後に黒井のオッサンが音響スタッフに何か言ってやがった…!)
冬馬(…どこまで卑怯な真似を……っ!!)
冬馬「くっそ!あの野郎!」ダッ
北斗「お、おい!冬馬!」
翔太「と、とにかく追いかけよう!」
-961プロ控え室-
冬馬「おいオッサ…!」
黒井「…冬馬か、来客中は静かにしないか」
冬馬「……なんであんたがここにいる」
冬馬「765プロ…!」
黄P「……」
- 13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 09:55:18.34 ID:xkLpayyf0
冬馬「…まあいい、765プロの件はオッサンがやったのか?」
黒井「だとしたらどうするつもりだ」
冬馬「…テメエ……ッ!」ガッ
北斗「冬馬!熱くなるな!」
翔太「そうだよ!ここで黒ちゃんを殴ってもなんにもならないよ!」
黒井「…ふん」
黄P「…そうだ、ガキは黙ってろ」
冬馬「ガキ…っ!大体なんであんたがここに…!」
黄P「殴るのは俺の役目だ」ザッ
冬馬「へ」
ガッ バキッ ドサッ
- 16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 09:59:18.16 ID:xkLpayyf0
翔太「ちょ、ちょっと!」
北斗「……まさか本当に社長を殴るとはな」
冬馬「お、おい!765プロ!どういうつもりだ!」
黄P「どういうつもりか聞きてえのはこっちだ!!!」
冬馬「…!」
黄P「おい黒井!お前がうちの社長と因縁があるのは知ってる!!」
黄P「だったらなんでこんな卑怯な真似ばっかしやがる!!男なら正々堂々かかってこいや!!」
黒井「ぺっ…口から血が出るなど何年ぶりかな」
黒井「……言いたいことはそれだけか」
黄P「……てめえまだ懲りてねえらしいな」ジリッ
北斗「…765プロさん、そのへんで」
黄P「…ちっ」
- 18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 10:04:26.90 ID:xkLpayyf0
冬馬「…オッサンのやり方が気に食わないのは俺たちも同じだ、今日こそは聞かせてもらうぜ」
黒井「……所詮お前らは私の駒に過ぎんと何度も」
翔太「もう誤魔化されないよ、黒ちゃん」
北斗「…社長、お願いします」
黒井「………」
黒井「…私は、高木より優れていることを証明しなければいけないだけだ」
黄P「…それだけか?」
黒井「それだけだ」
黄P「……」
冬馬「……本当は殴ってやりたいところだが、もうそんな気持ちも起きねえよオッサン」
黒井「…どういうつもりだ」
- 19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 10:08:46.31 ID:xkLpayyf0
北斗「もう潮時だってことですよ、社長」
翔太「…ここまで来ちゃあ、続けられるわけないよね」
黒井「…辞めるつもりか」
冬馬「もうオッサンには付いていけねえ…今まで世話になったな」スタスタ
翔太「あ、冬馬くん待ってよ!」タッタッタ
北斗「……」ペコッ スタスタ
黒井「ふん、勝手にしろ」
黄P「……もっとマシな理由があるかと思ってたよ、がっかりだ」
黒井「…お前も面白い男だな、私を殴って問題が起きるとは考えなかったのか?」
黄P「そんなことビビってたらそもそもここまで来ねえよ、それに…」
黒井「それに?」
黄P「……」
黄P「あいつらはもう、俺がいなくてもやっていける」
- 22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 10:13:58.30 ID:xkLpayyf0
黄P「…勘違いすんなよ、俺がいなくても大丈夫なくらい成長したってことだ」
黒井「……ふは、ふはは!面白い、実に面白いな!」
黄P「笑うんじゃねえ、気持ちわりぃな」
黒井「そのなりふり構わん姿勢、すばらしい行動力!」
黒井「気に入った!気に入ったぞ765プロ!」
黄P「…俺一人が765プロってわけじゃねえだろうが」
ネームリーヒメー メザメルワタシハーイマー…♪
黒井「ライブの音も元に戻ったようだな…しかし今はそんなことどうでもいい」
黒井「…おい、私の提案を飲む気は無いか」
黄P「……提案だぁ?」
黒井「ああ、そうだ」
黒井「私の元に来い、765プロ」
- 23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 10:17:39.76 ID:xkLpayyf0
-駐車場-
赤P(それにしても良かった…音も戻って千早の歌もうまくいって…)
赤P(他のみんなの感触も上々だったしな、これで仕事がもっと増えるかもしれない!)
赤P(…しかし黄羽根は結局最後まで戻ってこなかったな、何してんだアイツ…)
冬馬「おい765プロ」
赤P「き、キミは…ジュピターの小早川凛子」
冬馬「一文字も合ってね……ちょっとうれしいじゃねえか…///」
翔太「冬馬くん、照れに来たんじゃないでしょ」
冬馬「そ、そういやそうだった…おい765プロ、今日はあんたたちにその…礼を言いに来た」
赤P「礼?何の話だ?」
冬馬「…あんたたちのおかげで俺たちの行く道が見えたってことだ、言わせんな恥ずかしい」
北斗「冬馬冬馬、あんまり真面目な感じに聞こえない」
- 24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 10:20:58.04 ID:xkLpayyf0
冬馬「と、とにかく!961プロを辞めたあとも俺たちはあんたたちに負けるつもりはねえってことをだな…」
赤P「そうかそうか…、って辞めた!?961プロを!?」
冬馬「ああそうだ!今日はそれを言いに来ただけだよ」
北斗「あの破天荒なプロデューサーさんにもよろしくお伝えください…では」
翔太「へへっ!じゃあね、765プロさん!」
赤P「あ、ああ…また…」
「それじゃあ今日は僕の家で打ち上げしよっか!」
「いいなそれ、ストⅡでもやるか」
「また俺だけ余るじゃねーか!!」
赤P「……」
赤P「…破天荒って、黄羽根のことだよな」
- 26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 10:25:15.53 ID:xkLpayyf0
-おしゃれなバー-
社長「さ、ここだ」
美希「ふわー…大人の場所ってカンジなの…」
伊織「…ここ、政財界の大物がたくさんいるじゃない」
赤P「それにしても、どうしたんですか急に…こんな立派なお店にみんなを連れてきて」
社長「はは、まあいいじゃないか…さ、みんな座りたまえ」
やよい「あわわ、こんなお店入ったの初めてですー…」
真「あ!あそこのカウンターに座ってるのって……え?」
雪歩「……なんで黒井社長とプロデューサーが一緒にいるの?」
赤P「…!」
- 27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 10:29:34.60 ID:xkLpayyf0
青P「……急にいなくなったとは聞きましたが、まさかここにいるとは…」
赤P「アイツ…!よりによって黒井社長とこんなところに…!」
高木「…ふむ」
赤P「…ちょっと行ってくる、みんなは座っておいてくれ」
響「で、でも…!」
春香「響ちゃん、みんな…お店の中だしさ、座っておこ?ね?」
貴音「…そうですね、あまり騒ぐのも得策ではないでしょう」
赤P「…春香、すまん」
春香「…いいえ、プロデューサーさんも…ケンカとかしないでくださいね」
赤P「……ああ、分かってる」
- 29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 10:35:20.15 ID:xkLpayyf0
赤P「…おい黄羽根、お前どういうつもりだ」
黄P「あ?大丈夫だよ、一応バイクだから酒は飲んで…」
赤P「そういうことじゃないって分かってるだろ!」ガシッ
青P「赤羽根くん…!」
黒井「…ふん、765プロの連中は飲食店のマナーすらわきまえてないのかね」
高木「ははは、すまないね…マスター、いつものを頼むよ」
マスター「…かしこまりました」
黄P「…そろそろその手ぇ離せよ赤羽根」
赤P「お前…なんで黒井社長と一緒にいる?仕事はどうした」
黄P「引き抜きだとよ、961プロにな」
赤P「っ!」
青P「……」
- 30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 10:38:51.09 ID:xkLpayyf0
赤P「…それでお前受けるつもりか」
黄P「……どうだろうなァ、お前がいたら765プロにいる意味もねぇかもな」
赤P「…お前っ!!」
高木「赤羽根くん、わきまえたまえ」
赤P「……っ、すみません」
高木「…それで、黄羽根くんはどうするつもりだね」
黄P「どうでしょう…まだ何も考えてないっすね」
黒井「ふん、765プロなんぞよりわが961プロの方が優れているとなぜ分からないのだ」
青P「…黄羽根くん、そういった冗談はあまり好きではありませんね」
黄P「へっ、なんだよどいつもこいつも…」
- 31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 10:42:15.03 ID:xkLpayyf0
黄P「…ま、今のところは辞めるつもりはありませんよ」
黒井「今のところは、な…」
高木「…今日のところはこのあたりにしてやってくれないか黒井、わが社のアイドルもいることだし」
黒井「ふん…」
青P「それでは俺たちは向こうのテーブルに戻りましょう、赤羽根くんも黄羽根くんも」
赤P「…申し訳ありませんでした社長、騒がしくしてしまって」
高木「いやいいんだよ、赤羽根くん」
高木「ただし、アイドルの諸君にとってキミたちは必要不可欠な存在だ…決してそのような姿を彼女たちの前では見せないでくれたまえ」
赤P「……了解しました」
黄P「ごっそさん、黒井の社長よ」
黒井「お前がその気になればいつでも連絡をしてこい」
- 32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 10:46:47.39 ID:xkLpayyf0
春香「あ、プロデューサーさん…」
赤P「ああ…すまん、待たせたな」
千早「…何かあったんですか?穏やかではない雰囲気でしたけど…」
青P「…それは」
黄P「俺が仕事サボってたらたまたま黒井のオッサンと会ってな、一人酒は寂しいから付き合えっつーからよ」
伊織「アンタねぇ!それでよりによって黒井社長と一緒になんて…!」
やよい「…?なんだか急に暗くなりましたね」
響「あ!?す、ステージの上!!」
真美「ぴ、ピヨちゃん!?なんでステージにいんの!?」
亜美「…でもピヨちゃん、すっごいキレイ…」
黄P「…おい、ちょっと付き合え」
赤P「……?」
- 33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 10:50:45.71 ID:xkLpayyf0
高木「…相変わらずだな、お前は」
黒井「変わったのはお前の方だ、高木」
高木「そうかもしれないな、私には第一線でプロデュースする才能は無いと気付いたからだろう」
黒井「…それは私とて同じだ」
高木「……珍しいな、お前がそんなことを言うなんて」
黒井「私とお前、どちらかが優れていればあのようなことにはならなかったはずだ」
高木「……彼女のことは、もう…」
黒井「…だが私は私のやったことを否定するつもりは無い…でなければ彼女そのものすら否定することになるからだ」
高木「楽しいから、ではいけないのか?」
黒井「…」
- 34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 10:56:33.71 ID:xkLpayyf0
高木「歌うことが楽しいから…みんなが笑ってくれるからアイドルをする、それだけで十分ではないのか?」
黒井「……そういった環境を勝ち取らなければ、歌うことすらできないだろうが」
高木「…まあ、ここで分かりあえるようであれば……お互い独立なんてしなかっただろうな」
黒井「私は悟ったのだよ…アイドルに必要なのは絶対的なバックアップ、多少強引でも自らを前に出そうとする意欲と工夫」
黒井「そして何より…優れたプロデューサーの存在」
高木「……最後に関しては同意するよ」
黒井「…私は先に失礼する」スッ
高木「…次は、善沢くんと3人でまたこの店に来よう」
黒井「……ふん」
キィ チリンチリン バタン
高木(……)
高木(アイドルを想うあまり…か)
- 36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 11:01:13.27 ID:xkLpayyf0
-店の外-
赤P「…なんだ急に」
黄P「お前、俺のこと怒ってるか?」
赤P「…当たり前だろ…!」
黄P「…何に対してだ」
赤P「千早が正式に復帰してからの初ライブだ!それに他の子だって不安がっていたのに勝手に現場を離れるなんて…!」
黄P「わかったわかった、大きい声あげんなよ」
赤P「お前、どのツラ下げてそんなこと…!」
黄P「すまんかった!!」
赤P「…は?」
- 37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 11:05:28.98 ID:xkLpayyf0
黄P「…俺は961プロに行く気もねえし、勝手に現場を離れたのは悪いと思ってる」
黄P「ただよ、うちのアイドルの邪魔ばっかしやがる黒井に…我慢ならなくなったってのはお前に言っとかなくちゃと思ってよ」
赤P「…はぁ、もういい頭上げろよ」
黄P「へへ、お言葉に甘えて」
赤P「……別にお前が961プロに行こうが何も言えないさ、そこは個人の自由だからな」
赤P「ただ…まだ765プロにいる以上、やることはしっかりやってもらわなきゃ困る」
黄P「へっ、お前一人でもどうにかまわりそうな気はするけどな」
赤P「バカ言うな…今まで4人でやってきてそんなこと急にできるわけないだろ」
黄P「ご謙遜」
赤P「…一発殴ってやろうかと思ったけど、そんな気も失せたよ」
黄P「俺は黒井のやつを一発殴ってやったけどな」
- 38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 11:09:36.25 ID:xkLpayyf0
赤P「はぁ!?お前何してんだよ!」
黄P「へへ、黒井のやつ殴られて俺のこと気に入ったとか言ってたからな…実はドMなんじゃねえか?」
キィ チリンチリン バタン
青P「二人とも、ケンカは終わりましたか?」
赤P「ケンカってほどじゃ…ま、どうにか無事に終わったよ」
青P「そうですか…ところで今、ステージで小鳥さんが歌っていますよ」
赤P「え!?本当かそれ!黄羽根、早く見に行こう!」
黄P「俺は一服してから行くわ、お前だけで行ってこい」
赤P「なんだよもう…まあいいや、それじゃ行ってくる」
キィ チリンチリン バタン
青P「……彼はなんと?」
黄P「自分はまだそんな器じゃねえとよ、自分に自信がねえってのも困りもんだな」
- 40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 11:12:26.59 ID:xkLpayyf0
青P「…では例の件も?」
黄P「社長から連絡があるんじゃねえのか?少なくとも俺から言うことじゃねえよ」
青P「そう、ですね…」
黄P「…ま、とりあえず俺たちも小鳥さんの歌でも聴こうや」
キィ チリンチリン バタン
青P「……」
青P(…この話を聞いたら)
青P(彼は、赤羽根くんは…どんな反応をするでしょうか?)
青P(…心配しても、仕方ないでしょうね)
青P(今はただ、自分のやるべきことを…)
第21話『まるで花が咲くように』 完!
- 41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 11:12:39.38 ID:2GY/Cv070
前も青羽根とか黄羽根とかで、書いてた人か?
- 42:>>41 他にいなければそうだと思います:2012/04/08(日) 11:16:10.76 ID:xkLpayyf0
-テレビ局廊下-
赤P「あれ、どこだ…?確かにこの自販機の下に…」
春香「…プロデューサーさん、お金でも落としたんですか?」
赤P「うわっ!!…ってなんだ、春香か」
春香「廊下に膝ついて自販機の下を覗き込んでる人がいたら声もかけたくなりますよ」
赤P「はは、面目ない…実は今使ってる財布がボロボロでな…」
春香「もー、お財布くらいカッコイイの使ってくださいよー」
赤P「そうしたいのはやまやまだけど…買いに行く時間も無いしなー…」
赤P「ま、とりあえずは今日の収録だ!がんばれよ春香!」
春香「はい!」
春香(……お財布、か)
第22話『聖夜の夜に』
- 43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 11:20:02.74 ID:xkLpayyf0
-収録終了後、楽屋-
春香「ね、最近なんだか忙しくなってきたね!」
千早「ええそうね、うれしいことだわ」
春香「ふふ、前は歌のお仕事以外いらないって言ってたくせに」
千早「そ、それは…バラエティとか出ると近くで芸人さん見れて面白いし…」
春香「あはは、ちなみに千早ちゃんは誰が好きなの?」
千早「だ、ダンディ坂野さんとか…」
春香(んー?)
千早「あ、ち、違うのよ!?好きって言ってもそういう好きじゃ…!」
春香「違う千早ちゃん、分かってる分かってるから」
- 45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 11:24:33.49 ID:xkLpayyf0
ガチャ
赤P「…どうした千早、ゲッツのポーズなんてして」
春香「あ、プロデューサーさんは好きな芸人さんとかいますか?」
赤P「んー、俺か?俺は正統派が好きだからな…ちょっと古いかもしれないけどオール阪神巨人とかますだおかだとか…」
春香「わかりますわかります!お正月の特番とかすっごく楽しみですもん!」
赤P「はは、この前はそれこそ正月特番の収録でますだおかだと共演してたじゃないか」
春香「はい!岡田さんに『春香ちゃんのリボンうわぉ!』って言われたときはもううれしくてうれしくて…」
赤P「まあ春香たちもそれくらい名前が売れたってことだ…よし、そろそろ帰るぞ」
春香「はーい…千早ちゃん、ダンディさんの持ちギャグやってみてって振ったのは謝るからさ」
春香「だからゲッツのまま固まってないで帰ろ?ね?」
千早「……//////」プルプル
- 47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 11:30:39.87 ID:xkLpayyf0
春香「うー寒い…もうそろそろクリスマスだね」
千早「そうね…」
春香「もう怒らないでよ千早ちゃーん…クリスマスパーティーのとき好きなお菓子作っていくから!」
千早「それはうれしいけど…今年はパーティーできるか分からないわよ?」
春香「え?」
赤P「クリスマス頃はみんな仕事がたくさん入ってるからな…パーティってのはちょっと…」
春香「……あ、あはは!そうですよね!お仕事忙しいもんなー最近!」
赤P「…なあ春香、パーティーって楽しいか?」
春香「へ?…あ、プロデューサーさんは去年はまだいなかったですもんね」
春香「もうすっごく楽しいですよ!みんなでケーキとか一品料理とか持ってきて…あと社長の手品も!」
赤P「そっか、楽しいのか…」
春香「…?」
- 48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 11:33:02.99 ID:xkLpayyf0
貴音「それではお疲れ様でした」
黄P「おうお疲れさん、今度着物着るんだから帰りにラーメンとか食べすぎんじゃねえぞ」
貴音「……ふふっ!」
黄P「なんだその意味深な…おっとメールか…」
黄P「…赤羽根から?」
美希「それじゃハニー!お疲れさまなの!」
青P「はいお疲れ様、今日は帰ったらすぐに寝て疲れをとってくださいね」
美希「心配無いのー!」
青P「でしょうね」
青P「メール…赤羽根くんからですか、なになに…?」
- 51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 12:02:41.75 ID:xkLpayyf0
春香「それじゃ千早ちゃんまたね!」
千早「ええ、また来週」
テクテク テクテク…
春香「…来週、かぁ」
春香「前は毎日会ってたみたいなものだったのに…」
春香「…ううん!お仕事が忙しいのはいいことだもんね、頑張らなきゃ!」
春香「よーっし、せめてクリスマスパーティーはみんなで集まれるように連絡取り合おっと!」
ピッ ピッ prrrr prrrr
春香「…あ、もしもし真美?クリスマスのことなんだけど…」
春香「……え?うん、うん…」
春香「へ?プロデューサーさんからもう連絡があった?」
- 52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 12:07:01.77 ID:xkLpayyf0
-クリスマス当日-
春香「もう!ひどいですよプロデューサーさん!私に黙ってみんなに連絡とって!」
『いやいや、ひどいってことは無いだろ…スケジュール調整大変だったんだから』
春香「それはうれしいけど…一言くらい相談してくれても」
『春香は美希との舞台の仕事が決まったばかりだったからな、今日だってちゃんと練習頑張ってるか?』
春香「が、頑張ってますよ!今は休憩中なだけです!」
『はは、分かってる分かってる、無理するなよ』
春香「…なんでクリスマスパーティーしようと思ったんですか、みんな忙しいのに」
『へ?いや、だって春香が楽しいって言ったから』
春香「え」
『それに俺も楽しそうだと思ったからだ、それじゃダメか?』
春香「……」
- 54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 12:11:04.35 ID:xkLpayyf0
『…おーい春香?聞いてるか?』
春香「…今日、遅れてでも絶対行きますからね」
『ん?おう、待ってるからな』
春香「はい、それじゃ失礼します」ピッ
春香「……」
春香「…よっし!」
スタッフ「休憩終わりでーす、立ち稽古続きいきまーす!」
春香「はい!今いきまーす!」
美希「ねえ春香、今誰と電話してたの?」
春香「えへへ…内緒!」
美希「?」
- 55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 12:15:32.09 ID:xkLpayyf0
春香「お疲れ様でした!失礼します!」
美希「春香!ミキもインタビュー終わったらすぐ行くからねー!」
青P「星井さん迎えに来ましたよ、早く行きましょう」
春香(よし、ケーキ買って早く事務所に行こう!)
-街中-
春香(…えへへ、ついついホールのケーキ買っちゃった)
春香(残ったらプロデューサーさんが食べてくれるよね、うん)
春香(…あ、お財布が飾ってある…)
春香(……)
春香「…よし」
- 56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 12:21:02.59 ID:xkLpayyf0
-765プロ事務所-
春香「お、遅くなりました!」
真美「遅いよはるるん!」
響「準備もそろそろ終わるさー!」
やよい「メリークリスマス、春香さん!」
春香「あ、おいしそうなチキンだねやよい」
やよい「これですかー?えへへ、プロデューサーさんが買ってきてくれたんですよ!」
春香「プロ…あ、プロデューサーさんは…」
赤P「おう、おかえり春香」
春香「あ…」
赤P「ほら、ただいまはどうした」
春香「…た、ただいま!」
小鳥「ふふ」
- 57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 12:25:30.63 ID:xkLpayyf0
-それから-
あずさ「あらあら、とっても立派な会場になってるわね~」
伊織「ふん!こんな狭いところじゃなくてうちでやった方が…」
亜美「んっふっふ~、そんなこと言ってうれしそうですぞいおりん」
真美「これぞツンデレですな→」
伊織「んなっ…!う、うるさいのよアンタたちー!」
真「あはは、相変わらずだなあ伊織は」
貴音「あの…このらぁめんのようなものが乗ってるけぇきは一体…」
千早「それはモンブランですよ、四条さん」
貴音「もんぶらん……面妖な…ふふっ!」
律子(ショートケーキおいしそう…)
- 58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 12:29:01.29 ID:xkLpayyf0
ガチャ!
美希「お、お待たせなの!」
青P「萩原さんは…まだ来ていませんね」
美希「はぁ…なんとか間に合ったの…」
真「よっし!これで準備万端だね!」
高木「ふむ…仕事もいいが、やはりこういうのもいいねぇ」
小鳥「ですね、うふふ」
高木「最近は黒井のちょっかいも無いし…いいことずくめだねぇ!」
小鳥「その通りですね社長」
高木「今日は初の人体切断マジックをしようと思うんだが、音無くんにぜひアシスタントを」
小鳥「お断りします」
高木「知ってた」
- 59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 12:34:22.53 ID:xkLpayyf0
雪歩「はぁ…はぁ…」
黄P「おら雪歩、着いたぞ」
雪歩「うぅ…いつまで経ってもバイクの二人乗りは慣れないですぅ…」
黄P「いいからさっさと行け、ほら」ドン
雪歩「へ?あ、ちょ、押さないでくだ…!」
ガチャ! パーン! パーンパーン!
雪歩「……へ?」
春香「せーの!」
全員「雪歩!メリークリスマス!アンド…ハッピーバースデイ!」
雪歩「み、みんな…うう…」
黄P「おらせっかくのめでたい日に泣いてんじゃねえ、笑え」
雪歩「ぷ、ぷろでゅーさー……えへへ…」グスッ
全員(かわええ)
- 61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 12:39:10.09 ID:xkLpayyf0
ワイワイ ガヤガヤ
「あー貴音!それは自分のチョコケーキだろー!」
「いつの間にか1ほぉる全部食べてしまいました……面妖なっ!」
「キメ顔されても困るよお姫ちん」
春香(ふふ、みんな楽しそう…プレゼント交換会も面白かったし)
春香(でも当たったプレゼントがスコップっていうのは…)
春香(…いや、何も考えないようにしよう、うん)
春香(……あ、そうだプレゼントって言えばプロデューサーさんのお財布買ってきたんだった!)
春香(今から渡しちゃおうかな、えへへ)
春香「プロデューサーさ…」
春香(…あれ?プロデューサーさんたちが話してる…?)
- 62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 12:42:51.77 ID:xkLpayyf0
黄P「…でよ、仕方ねえからあのとき黒井の社長に名刺渡したんだよ」
赤P「うん」
黄P「そしたら毎日『961プロに来い』ってメールが来てうるせぇの」
青P「意外とマメなんですね」
黄P「そんでメールの題名が」
赤P「……」
黄P「全部『ウィ。私だ』」
赤P「ぶふっ!」
青P「で、オチはどこなのでしょうか」
黄P「…お前はもうちょっと日常会話を勉強しろよ」
春香(…よかった、この前は心配だったけど仲直りしたみたいで)
春香(んー、でも今はプレゼント渡せそうにないかな…)
- 63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 12:46:34.59 ID:xkLpayyf0
高木「…よし、そろそろみんな集まってくれるかね」
伊織「?」
ゾロゾロ ワイワイ
高木「ふむ、まずはメリークリスマス!それから…」
高木「星井美希くん、シャイニングアイドル新人部門受賞、おめでとう!」
美希「…へ?」
真「す、すごいじゃないか美希!」
美希「あ、うん…ハニーは知ってたの?」
青P「まあプロデューサーですからね」
美希「…むー!隠し事は良くないの!」
- 64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 12:50:15.34 ID:xkLpayyf0
やよい「はわー…美希さんすごいですー」
響「最近の美希はすごいもんな!化粧品のCMも出てるし!」
高木「おっと諸君、それだけではないぞ」
千早「…?」
高木「なんとわが765プロが、シャイニングアイドル事務所部門を獲得した!」
雪歩「…そ、それってすごいんですか…?」
律子「す、すごいなんてもんじゃないわよ!該当事務所無しのときだってたくさんあるのに…!」
小鳥「アイドル事務所にとっては最高の名誉ね、所属しているみんなが本当に活躍してないと貰えないもの」
高木「そう!つまり765プロが今現在最も輝いている事務所ということに」
全員「やったーーーーーー!!!!!」
高木「おっとと…ははは、ようやく事の重大さが分かったかな?」
- 65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 12:54:23.34 ID:xkLpayyf0
春香「す、すごいね千早ちゃん!そんな賞を2つも…!」
千早「…ええそうね、これもプロデューサーたちのおかげよ」
春香「うん!うん、そうだね千早ちゃん!」
高木「…それでそれらの賞にはそれぞれ副賞がついてくる」
貴音「副賞…ですか?」
高木「うむ、美希くんには雑誌とのタイアップ企画」
美希「モデルさん?それならミキ、おにぎりが良かったの」
高木「はは…それで事務所部門の方だが」
高木「所属するプロデューサーに1年間のハリウッド研修の権利が与えられる」
春香「…!!」
- 67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 12:59:12.15 ID:xkLpayyf0
高木「…まあ来年4月からという急な話ではあるが、是非ともプロデューサー諸君の誰かに行ってもらいたいと思っている」
亜美「誰かってことは…兄ちゃんたちとりっちゃん全員が行くわけじゃないの?」
黄P「全員行っちまったらその間の仕事どうすんだよ」
真美「あ、そっか」
高木「うむ、連絡は以上だ!それでは遅くなりすぎない程度に楽しんでくれたまえ!」
やよい「はりうっどですかー…飛行機代とか大変そうですー!」
伊織「そんなの向こうが出してくれるに決まってるじゃない」
響「…でもすごいなー!自分たちが一番輝いてるアイドルってことでしょ?」
あずさ「そうね、みんなで頑張ったことの証拠だものね」
春香「……」
千早(…春香?)
- 68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 13:01:35.25 ID:xkLpayyf0
千早「春香、せっかくおめでたい話なのにどうしたの?」
春香「…へ!?あ、いや、そうだよね!おめでたいよね!えへ、えへへ…」
千早「……それにその手に持っているのは」
春香「こ、これは…なんでもないよ…」サッ
千早「…そう、それならいいけど…」
春香(……プロデューサーさん…)
-パーティが終わって-
赤P「それにしても驚いたな…シャイニングアイドル事務所部門か…」
黄P「いや、俺は事前に社長から聞いてたけどな」
青P「俺も星井さんの件も含めて聞いてました」
赤P「なんだよお前ら…それなら早く言えよ」
- 69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 13:05:43.64 ID:xkLpayyf0
黄P「まあ律子は知らなかったみたいだけどな、リアクション的に」
赤P「…ハリウッド、か」
青P「ええ、誰が行きましょうか」
赤P「……」
黄P「……」
青P「……」
黄P「…お前が行け、赤羽根」
赤P「……なんで俺なんだよ」
青P「まず秋月さんは年齢的に厳しいところもありますし、正直まだまだ鍛えあげるべきところもたくさんあります」
黄P「…それに、担当アイドルのこともある」
赤P「担当…?」
- 70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 13:10:39.87 ID:xkLpayyf0
黄P「今俺の担当は雪歩、貴音、真美の3人だ」
青P「俺は如月さんと星井さんの2人だけです」
赤P「……」
黄P「赤羽根、お前は春香、真、響、やよいの4人を担当してる」
赤P「……だからそれがどうしたって…」
青P「…赤羽根くんの担当を俺と黄羽根くん…それから秋月さんに割り振れば、人数が増えたうえで均等になります」
赤P「……まさかそれだけじゃないだろうな」
黄P「隠してもしょうがねえな…アイドルの連中の性格を考えてみろ」
赤P「性格…?」
青P「…星井さんは間違いなく俺に依存しています」
赤P「……!」
- 71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 13:14:38.77 ID:xkLpayyf0
青P「最近では俺が現場に行かない日があると一気に機嫌が悪くなります…困ったものです」
黄P「ノロケはあとにしろ…と言いたいところだが、俺も似たようなもんだ」
赤P「…黄羽根も?」
黄P「正直なところ、赤羽根に雪歩を任せたところでうまくいくかわからねえ」
赤P「……否定できないのが悔しいな」
青P「それは俺も同じですがね」
黄P「まあ、このままでいいとは俺も思ってねえ…雪歩も美希も、いつかは一人でどんな仕事でもこなせるようにならなきゃいけねえしな」
黄P「…だが、お前の担当アイドルの連中は違う」
赤P「……」
黄P「……お前がいなくても、頑張れるやつらばっかだ」
赤P「…それは……」
- 72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 13:18:33.82 ID:xkLpayyf0
青P「別に赤羽根くんがいらないというわけではなく、アイドルの子たちが以前に比べて成長したということで…」
赤P「…うん、それは分かってる」
黄P「春香も真も仕事に対して一生懸命だ…響はお前と仕事こなしてるうちに前より明るくなったし」
青P「高槻さんは多少つらいことなら乗り越えられる強い心の持ち主です」
赤P「…だからって、急に担当が変わったらあいつらも…」
黄P「急じゃねえだろうが、あと3カ月はある」
赤P「……でも」
黄P「でもじゃねえ!お前が行かなきゃいけねえんだ!!」
赤P「…!」
黄P「引き抜きの件だけじゃねえ!もし、もし俺たちが急にいなくなったら!」
黄P「お前やっていけんのかよ!?」
- 74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 13:23:18.81 ID:xkLpayyf0
赤P「…いなくなるって、おい……」
青P「……あくまで例えばの話です、赤羽根くん」
黄P「…とにかく、向こうに連絡するまではまだしばらく時間がある」
黄P「お前自身が行くかどうか…しっかり考えて決めろ、俺たちは行かねえ」
青P「…ええ、さっき行けない理由も言いましたからね」
赤P「……」
黄P「俺は帰る、じゃあな」
青P「…それでは、赤羽根くんも気をつけて」
ガチャ バタン
赤P「……」
赤P「俺は…」
第22話『聖夜の夜に』 完!
- 76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 13:28:13.17 ID:xkLpayyf0
-765プロ事務所-
春香「ただいまー…」
小鳥「はい、失礼します……あら春香ちゃん、おかえり」
春香「あ、小鳥さんお疲れ様です…みんなは?」
小鳥「今日はまだ春香ちゃんしか来てないわね、みんな忙しいみたい」
春香「…そう、ですか」
小鳥「ちなみにプロデューサーさんも外をかけずり回ってるわよ」
春香「へ!?べ、別にプロデューサーさんのことが聞きたかったわけじゃ…!」
小鳥「あら、私は春香ちゃんが“みんな”って言うからそれに答えたつもりだったんだけど」
春香「うう…小鳥さんのいじわる…///」
小鳥「うふふ」
第23話『私』
- 78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 13:32:45.69 ID:xkLpayyf0
小鳥「…やっぱりプロデューサーさんがいなくなるの寂しい?」
春香「……でもずっといなくなるわけじゃないし…」
小鳥「春香ちゃん、言いたいことは言いたいときに言わないと後悔するわよ?」
春香「…!」
小鳥(…まあ私もそのクチなんだけど)
小鳥「とにかく、プロデューサーさんが安心してハリウッドに行けるように、今度の舞台頑張らなきゃね」
春香「…はい!」
小鳥「うん、やっぱり春香ちゃんは笑顔の方がいいわね」
春香「えへへ…」
春香(プロデューサーさん…)
春香(……やっぱりハリウッド、行っちゃうんですか?)
- 80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 13:38:07.00 ID:xkLpayyf0
-舞台稽古場-
美希「そう!私は星のように…」
監督「…ストップ!おい天海、お前やってみろ!」
春香「は、はい!」
美希「……」
「休憩15分入りまーす!」
春香「ふぅ…」
美希「よいしょ…っと」ストン
春香「あ、美希…」
美希「おつかれなの、春香」
春香「うん、お疲れ様」
- 81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 13:42:31.01 ID:xkLpayyf0
春香「…やっぱり厳しい監督だね」
美希「そうだね…でもミキは楽しいよ?」
春香「…うん、なんだか自分が成長していくのが分かるっていうか」
美希「そうそう!ここまできたらなんとしても主役とってやるからね、春香!」
春香「…うん、そうだね!どっちが主役になってもいいように…」
美希「……春香、それは違うと思うな」
春香「…え?」
美希「せっかく監督が主役は春香とミキのどっちかにするって言ってるんだよ?」
美希「なんでミキと勝負しようとしないの?」
春香「…!」
- 83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 13:47:24.17 ID:xkLpayyf0
美希「…ミキは、ぜったい主役とるよ」
美希「それで、ハニーをもっともっと喜ばせてあげるの」
春香「……」
美希「だから、春香もぜったい主役とるって思わなきゃダメだよ」
春香「…うん、がんばる」
ドウモー オツカレサマデス
春香「!」
赤P「おいおい、暗い顔してどうした春香…稽古がきついのか?」
春香「プロデューサー、さん…」
青P「俺も時間ができたので来ましたよ」
美希「ハニー!会いたかったの!」
- 84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 13:53:36.83 ID:xkLpayyf0
黄P「はー、これが舞台か…スゲーなセットとか」
春香「き、黄羽根プロデューサーさんはなんで…?」
赤P「こいつは単なる見学、監督の作品のファンなんだってさ」
春香「いろいろと幅広いんですね…」
赤P「それからほら、差し入れのドーナツ」
青P「俺はどら焼きを持ってきましたよ」
黄P「俺はガム」
春香「ガムて…」
美希「やったー!ハニーのどら焼きなのー!」
青P「残念、それはハチミツ味ではなくこしあんです」
- 85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 13:58:16.75 ID:xkLpayyf0
美希「んー!どら焼きおいしいのー!」
青P「それはなによりです」
黄P「ガム…はもういいや、ドーナツくれ」
赤P「勝手にとれよ」
春香「あはは……」
赤P「…で、どうだ?稽古の調子は」
春香「うーん…どうなんでしょうかね、わかんないです」
赤P「なんだそれ」
春香「えへへ…」
赤P「まったく…頼むぞ?俺がハリウッド行くまでに心配事はひとつでも減らしておきたいんだから」
春香「……っ!」
- 87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 14:03:39.63 ID:xkLpayyf0
春香「…あの、プロデューサーさん」
赤P「ん?なんだ?」
春香「……ハリウッド研修は、プロデューサーさんで決まりなんですか?」
赤P「あー…うん、まあな」
春香「…なんで他の人じゃないのか、聞いてもいいですか?」
赤P「うーん、まあ事務所の都合が一番かな…千早はそろそろ海外レコーディングもあるから青羽根は残っておいてほしいし」
春香「…黄羽根プロデューサーさんも、貴音さんと雪歩が映画出演決まりましたもんね」
赤P「うん、長期の仕事だからな…あいつらだけじゃちょっと心配だし」
春香「私は……」
赤P「ん?」
春香「………いえ、なんでもないです…」
- 88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 14:06:27.89 ID:xkLpayyf0
春香(言いたい)
春香(私のことは心配じゃないんですかって、私のために残ってくれないんですかって)
春香(でも、でも…)
赤P「俺はさ、春香」
春香「! は、はい…」
赤P「春香がいるからハリウッドに行くことを決めたようなもんだぞ?」
春香「……え?」
赤P「春香なら多分一人でも仕事頑張れるし、他のみんなも引っ張っていってくれる」
赤P「だからこの舞台の仕事も早く主役とって、早く安心させてほしいなーって思ってるんだ」
春香(っ!!)
赤P「まあ美希と主役を争うのは気分的にも乗らないかもしれないけどそこは…って、春香?」
- 90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 14:10:15.47 ID:xkLpayyf0
赤P「どうした?急に立って」
春香(…私、いけない子だ)
春香(お仕事がうまくいってなかったら、プロデューサーさんはハリウッドに行かないかもって…)
春香(いつも通りドジな私でいたら、ずっとそばにいてくれるかもって…!)
春香(でも、でもプロデューサーさんは私の成長を喜んでくれてて…っ!)
赤P「おい春香、後ろ向きに歩いたら危ないぞ」
春香(…前に進むって決めたんだもん、トップアイドルになるって決めたんだもん)
春香(だったら私は)グラッ
春香「あ」
赤P「春香っ!」ダッ
- 92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 14:15:12.24 ID:xkLpayyf0
赤P「…!!」ギュッ
春香「あ…」
赤P「バカ野郎!疲れてるんならもっと足元に気をつけなきゃダメだろ!」
春香「プロデューサーさん、私、私…」
赤P「最近転ばなくなったなって思ったらこんなときにドジっぷり発揮して…」
春香「ぷ、プロ…う、うう…!」
赤P「…大丈夫だ、無理しないで頑張ればいいから…春香はそれでいいから」
春香「う、うえ、うええぇぇん…!ぷろ、ぷろでゅぅさぁさぁん…っ!」
美希「…こんなとこでハグなんて赤色プロデューサーもけっこーダイタンなの」
黄P「……なんだよ、アイツも大丈夫じゃねえか」
青P「…そのようですね」
- 93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 14:19:47.34 ID:xkLpayyf0
-帰路-
赤P「それじゃ春香、あとは電車で大丈夫か?」
春香「はい、大丈夫です!すみません、こんなところまで送ってもらっちゃって…」
赤P「あんなことがあった後だからな…なんなら家まで送ってやってもいいんだぞ?」
春香「そ、それはさすがに悪いですよぉ…」
赤P「はは、やっぱり春香はドジっ子なんだなって再確認したよ」
春香「むぅ…」
赤P「ま、明日からはああいうことにも気をつけて稽古頑張るんだぞ?他の仕事だってあるんだし」
春香「…プロデューサーさん」
赤P「ん?」
春香「私、絶対に主役とりますから」
赤P「…おう、頑張れ」
- 94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 14:24:24.96 ID:xkLpayyf0
-翌日夕方、765プロ事務所-
春香(うん、今日は稽古もいい感じだった!一歩前進って感じかな?)
春香(…プロデューサーさんがハリウッドにいなくなるのは寂しいけど、だからこそ私が頑張らなくっちゃ!)
春香(…よし!)
ガチャ!
春香「おはようござ…!……あれ?どうしたんですか?」
小鳥「…春香ちゃん、青羽根プロデューサーさんは今日稽古場に来た?」
春香「へ?いえ、来てないですけど…」
赤P「……黄羽根と青羽根に連絡がまったくつかない」
春香「………え?」
- 96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 14:29:18.86 ID:xkLpayyf0
春香「ま、まったくって…どういうことですか?」
小鳥「そのままの意味よ……電話もメールも、今日2人を見たっていう人もいないわ」
赤P「…くそっ!何してんだあいつら…!」
小鳥「このままじゃあ他のみんなの仕事にも影響が…」
赤P「…俺がやります、そうするしかない」
春香「で、でもプロデューサーさん!アイドル全員を一人で見るなんて…!」
赤P「春香…心配はうれしいけど、今はやらなきゃいけないときなんだ」
小鳥「…律子さんもいるから、分担をうまくやっていきましょう」
春香「…プロデューサーさん、手伝えることがあったら私も手伝いますから」
赤P「……ああ、ありがとう」
春香「……」
- 97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 14:33:24.06 ID:xkLpayyf0
春香(……それから、プロデューサーさんの激務が始まりました)
春香(最初は律子さんともうまく連携がとれてどうにかなっていたみたいですが…)
春香(…急に2人も中心人物を欠いた状態で今まで通りいくはずもなく)
春香(……プロデューサーさんが日に日にやつれていくのは目に見えて分かりました)
春香(…それもそのはず、仮にもシャイニングアイドル事務所部門を受賞した765プロです)
春香(人気アイドルを複数抱えていて、プロデューサーが1人では仕事もうまくいくわけがありません)
春香(…心の支えをなくした雪歩や美希のモチベーションは下がる一方)
春香(そんな中、私は…)
春香(………)
春香(…舞台の主役を務めることが決まりました)
- 98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 14:38:28.36 ID:xkLpayyf0
-夜、765プロ事務所-
ガチャ
春香「…おはようございます」
赤P「……いや違う、これだとこっちがキツキツに…ええい、くそっ!」
春香「……プロデューサーさん、お疲れ様です」
赤P「…ああ春香か、お疲れ…そうだ響の仕事を午前中にまわして…」
春香「コーヒー、淹れましょうか?」
赤P「ああ頼む…ブラックでな」
春香「…今日私、主役決まったんですよー、えへへ」カチャカチャ
赤P「主役…?」
春香「…っ、舞台のです、美希と競争してたやつの」コポポポポ
赤P「ああそうか、そんな時期か…うん、おめでとう」
- 101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 14:44:00.51 ID:xkLpayyf0
春香「……そういえば、私がこの前あげたお財布、使ってくれてます?」
赤P「財布……あー、すまん…引き出しの中に入れっぱなしだ…」
春香「…!…だ、ダメですよー、今のプロデューサーさんじゃお金たくさん落としちゃいそうで…」
赤P「…はは、笑えない冗談だな」
春香「……っ!!!」ガチャン
赤P「…おい春香、割れものを扱うときは気をつけろって前から……」
春香「…今のプロデューサーさんにそんなこと言われたくない!」
赤P「!」
春香「なんなんですか!?私には無理するなって言っといて、自分は無理して!!」
赤P「…春香」
春香「周りのことだって全然見えてない!律子さんだって千早ちゃんだってスケジュール管理手伝うって言ってるのに結局全部自分でやるし…!」
- 105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 15:00:53.63 ID:xkLpayyf0
春香「…それにお財布のことだって忘れてるし、舞台のことだって忘れてるし…!」
春香「私が誰のために稽古頑張って…っ!」
赤P「…おい、春香」
春香「…知らない!プロデューサーさんなんてもう知らない!」
春香「プロデューサーさんなんて…っ!!」
春香「早くいなくなっちゃえばいいんだ!!!」
ガチャ バタン!! タッタッタ…
赤P「……」
赤P「何やってんだ、俺…」
赤P「…くそっ」
ガチャ バタン タッタッタ…
- 106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 15:05:17.62 ID:xkLpayyf0
春香「はぁ…はぁ…」
春香「……違う、違う!そんなこと言いたかったんじゃないのに…!」
春香「プロデューサーさんだって頑張って、私たちに負担をかけないようにしてくれて…」
春香「…帰らなきゃ、プロデューサーさんに謝らなきゃ」
「……香ー!春香ー!どこだー!」
春香「…!」
春香「プロデューサーさん…!」
赤P「…なんだそこにいたのか、すまん俺も今すぐそっちに…」
春香「…!!」
春香「プロデューサーさん!信号!」
赤P「え」
春香「プロ
- 107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 15:08:45.38 ID:xkLpayyf0
キキーッ バン ドサッ
第23話『私』 完!
- 108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 15:11:25.90 ID:UjuQBFIv0
あかばねPって声の人の名前だって今調べて知った・・・
- 109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 15:13:52.58 ID:xkLpayyf0
第24話『夢』
-とある病院-
響「はぁ…はぁ…、ぷ、プロデューサーは!?」
小鳥「……今は集中治療室に入ってるわ、まだどうなるか分からないの」
響「そ、そんな…!何も…何も悪いことなんてしてないのに、どうして!」
貴音「響、ここは病院です…少し声を落としなさい」
響「貴音は悲しくないのか!?このままじゃプロデューサーが3人とも…!」
貴音「声を落としなさいっ!!!」
響「!!」
貴音「…申し訳ありません、外の空気を吸ってまいります」
響「…う、ううっ…!」
小鳥「…響ちゃん、貴音ちゃんも悪気があってああいう言い方したわけじゃないのよ?分かってあげてね?」
響「分かってる…分かってるけどぉ…!」
- 110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 15:18:04.73 ID:xkLpayyf0
真「……」
雪歩「もうダメだよぉ…!黄羽根プロデューサーも青羽根プロデューサーも…!」
雪歩「赤羽根プロデューサーもいなくなったら私たち…!」
真「……雪歩」ギュッ
雪歩「…あ……」
真「…手を握るくらいしかできなくてごめん、でも」
真「……今は、手を握っておいてくれないか…!」プルプル
雪歩「真ちゃん…」
雪歩「…うん、そうだね…信じなきゃね」ギュッ
真「うう…っ!」
雪歩(プロデューサー…)
- 111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 15:23:48.71 ID:xkLpayyf0
-レコーディングスタジオ-
千早「…はい、如月です」
千早「どうしたの律子、こんな時間に……」
千早「……!」
千早「赤羽根プロデューサーが…!?一体どうして!」
千早「……交通、事故…っ!」
千早「……」
千早「…ええ、分かった…それで春香の様子は?」
千早「……そう、こっちの仕事が終わったらすぐに行くわ」
千早「…大丈夫、一発で終わらせるわ…それじゃ」ピッ
「如月さん、『眠り姫』レコーディング始めまーす!」
千早「…はい!」
- 113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 15:28:44.25 ID:xkLpayyf0
-それからしばらく-
亜美「ピヨちゃん!赤色の兄ちゃんは!?」
小鳥「亜美ちゃん真美ちゃん…プロデューサーさんはどうにか一命を取り留めたわ」
真美「ふわぁー、よかったー…」
小鳥「…ただ、すぐには現場復帰できないのも確かよ…その間は各自責任感を持って頑張ってもらわないと」
亜美「トーゼンっしょ!?こんなときだからこそ、お仕事頑張らなきゃね!」
真美「じゃなきゃ黄色の兄ちゃんにボッコボコにされちゃうよ→!」
小鳥「…うん、そうね…さ、今日はもう遅いから帰りなさい」
亜美「りょうかーい!ピヨちゃんも無理しないようにね!」
真美「夜更かしはお肌の天敵だよ→!」
小鳥「こーら、病院の中で大きな声出さないの」
- 114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 15:33:37.05 ID:xkLpayyf0
伊織「ちょ、ちょっと小鳥!アイツどうなったのよ!?死ぬの!?」
やよい「そ、そんな…死んじゃうなんていやですぅ…」
小鳥「大丈夫よ二人とも、プロデューサーさんの命に別状は無いわ」
伊織「そ、そうなの…なによ心配ばっかかけちゃって…」
やよい「う、うう…ぷろでゅーさー、よかった…よかったぁ……!」
伊織「ああやよい…泣くんじゃないわよ、家まで一緒に帰ってあげるから…ね?」
やよい「い、いおりちゃん…ごめんね、ありがと……ぐすっ」
小鳥「…それじゃ二人とも、気をつけてね」
伊織「…あんたこそ無理すんじゃないわよ、小鳥」
小鳥「……ありがと、伊織ちゃん」
- 115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 15:38:49.47 ID:xkLpayyf0
小鳥「……」
あずさ「…音無さん、もうみんなは帰ったんですか?」
小鳥「ええ…あとは治療室前の春香ちゃんと、千早ちゃんだけです」
あずさ「……とりあえず、無事でよかったですね」
小鳥「…ええ、本当に」
あずさ「音無さん」
小鳥「…?」
あずさ「…今は、二人だけですから」
小鳥「あずさ、さん……う、うう…よかった、本当によかったよぉ……」
あずさ「……お疲れ様でした」
あずさ「…」
あずさ(…プロデューサーさん、今あなたはどこにいるんですか…?)
- 117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 15:43:43.39 ID:xkLpayyf0
-病室前-
春香「……」
千早「…春香」
春香「………ちは…ちゃん…」
千早「……いくら病院の中だからって、そこまで声を小さくしなくてもいいのよ」
春香「…あはは」
千早「……隣、いい?」
春香「……」
千早「…赤羽根プロデューサーは生きてるのよ?なにもそこまで…」
春香「……私がケガさせたんだもん」
千早「!」
春香「…私がわがまま言って、プロデューサーさんは私を追ってきて、それで…」
パァン!
- 121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 16:03:25.51 ID:xkLpayyf0
春香「…へ?」
千早「甘えないで」
春香「千早…ちゃん……?」
千早「…私は春香のそんな顔を見たいんじゃない、ちょっと前のあなたはもっと輝いてた」
春香「…でも、私はプロデューサーさんのために頑張って……」
千早「本当に誰かのために頑張りたいなら!」
春香「……」
千早「まずは自分のために頑張りなさい!」
春香「…!」
千早「…叩いてごめんなさい、それじゃ」
春香「………私は」
- 123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 16:09:21.33 ID:xkLpayyf0
-後日、舞台稽古場-
スタッフ1「…春香ちゃん、しばらく休むらしいな」
スタッフ2「まじかぁ、せっかく主役決まったばっかりだったのにな」
監督「おい星井、今日からお前が天海のところ入れ」
美希「…はいなの」
監督「まあプロデューサーが大怪我してショックなのは分かるけどな…」
監督「お前まで降板なんてことになったらここにいる全員に迷惑がかかる、それだけは覚えておけ」
美希「……春香は」
監督「あ?」
美希「春香は、降板なんてしないの」
監督「…おう、じゃあお前も主役の座ぁ死守してみろ」
美希「はい!」
- 124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 16:14:31.74 ID:xkLpayyf0
-春香の自宅-
春香(……もうお仕事休んでからどれくらい経つかな)
春香(律子さんにも、小鳥さんにも迷惑かけて……)
春香(…私は一体何がしたかったんだろう)
「春香ー?たまには外に出ないと体に悪いわよー、買い物でも行ってきなさい」
春香「……」
春香(…太陽、まぶしっ)
春香(そりゃそっか、ここ最近外にも出てなかったし)
春香(……あれ?こんなところにライブハウスなんてあったっけ?)
春香「…ちょっと覗いていこ」
- 125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 16:19:02.65 ID:xkLpayyf0
冬馬「…あれ?お前確か765プロの…」
春香「あ、ジュピターの…」
冬馬「今はジュピターじゃねえ、ジュピタープラスだ」
春香「あ、そうなんだ…961プロ辞めたって聞いたけど…」
冬馬「なんだ知ってんのか…ま、イチからやり直そうと思ってな、ちょっと前じゃ考えられないくらい小さいハコから再出発だ」
春香「……なんで続けられるの?」
冬馬「あ?」
春香「…信じてた人から裏切られて、頼れる人もいなくなって……なのになんで」
冬馬「…お前けっこうきついこと言うのな」
春香「あ、ご、ごめん…」
- 126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 16:23:31.40 ID:xkLpayyf0
冬馬「…そりゃお前、歌うのが俺の夢だったからな」
春香「…え?」
冬馬「じゃなきゃ田舎から東京になんて出てこねぇよ…そういう意味では黒井のオッサンには感謝してるけどな」
春香「夢…?」
冬馬「途中はファンの女がどうとか黒井のオッサンへの恩義がどうとか…そんなことばっか考えてたけどよ」
冬馬「やっぱ自分のためにやらなきゃ楽しくねえんだよ」
春香「……!」
冬馬「ガキの頃見たんだ、でかいステージで歌って踊って…かっけーアイドルをさ」
冬馬「俺もあんなふうになりてえって…961プロを辞めてから思い出したんだよ」
春香「……」
- 127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 16:27:48.21 ID:xkLpayyf0
冬馬「それと765プロのあの…破天荒なプロデューサー」
冬馬「…アイツ見てたら俺もやりたいことやらなきゃ損な気がしてきてよ」
冬馬「だからお前らも…」
「冬馬くーん!照明確認するよー!」
「早く来いよ冬馬ー!」
冬馬「分かった!今行く!」
冬馬「…とにかく、俺たちはお前らに負けないように努力するつもりだ」
冬馬「お前らもサボってんじゃねえぞ!じゃあな!」
春香「…冬馬くん」
冬馬「…あ?」
春香「……ありがと」
- 128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 16:32:17.88 ID:xkLpayyf0
-病室-
ガララララ パタン
小鳥「…プロデューサーさん、お加減はどうですか?」
赤P「小鳥さん…ええ、だいぶいい感じです」
小鳥「ダメですよ、まだ体は動かしちゃいけないんですから」
赤P「いつもお見舞い来てもらってすみません…みんなはどうですか?」
小鳥「頑張ってますよ、プロデューサーさんたちがいない分、それぞれがスケジュール管理も気を配ってて」
赤P「……春香は?」
小鳥「………」
赤P「…あはは、やっぱりなぁ」
小鳥「プロデューサーさんと一回会えば、大丈夫だと思うんですけど…」
- 129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 16:35:58.14 ID:xkLpayyf0
赤P「俺がこんな状態ですからね…春香が自分から来てくれないとなんとも…」
小鳥「…他のプロデューサーさんたちも戻ってこないし」
赤P「……小鳥さん、俺ね」
小鳥「はい?」
赤P「入院してから、青羽根と黄羽根のこと考えてたんです」
小鳥「…2人の行方、ですか?」
赤P「いや、2人が何者なのかってこと」
小鳥「何者って…そう言われれば2人とも不思議な人でしたけど…」
赤P「…俺が入社面接受けたときのこと、覚えてますか?」
小鳥「……?」
- 131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 16:40:49.38 ID:xkLpayyf0
赤P「面接受けたとき、最初は俺1人だったんですよ」
小鳥「…まあ、あのときはうちの事務所も弱小でしたから」
赤P「社長と1対1で面接して、ティンとこられて、合格して…」
赤P「…正直不安だったんです」
小鳥「……」
赤P「もしかしたら仕事に手が回らなくてみんなに迷惑かけるかもしれない、適当なこと言っちゃってアイドルの信頼を失うかもしれない」
赤P「…こんなふうに俺がケガでもしたら事務所全体が大変なことになるかもしれない」
小鳥「…でも、あの2人はその面接の翌日に事務所に来ました」
赤P「そうなんです、まるで俺の不安をカバーするみたいにポッとやって来た」
赤P「…それで最近、俺が自信を持ち始めたらポッといなくなった」
- 132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 16:44:30.06 ID:xkLpayyf0
小鳥「それは…偶然じゃ……」
赤P「…ええ、そんなわけないんです…そんなわけないんですけど」
赤P「あの2人はまるで、“夢”みたいな存在だったなって」
小鳥「……そんなこと、あるわけ」
赤P「俺も無いと思います…だけど、現実にあの2人はいなくなってしまった」
小鳥「プロデューサーさん…」
赤P「だから、だからこそ余計に…」
赤P「今何もできない自分が悔しいんです…!」
小鳥「……」ギュッ
赤P「………すみません小鳥さん」
小鳥「いえ…」
- 134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 17:03:25.53 ID:xkLpayyf0
-街中-
春香「……」
春香(とりあえずぶらぶら歩いてたら…)
春香(……いつの間にか稽古場の前に来ちゃった)
春香(…お仕事休む前は舞台の主役のことばっかり考えてたからかなぁ……)
春香(……美希が私の代わりに主役やってるんだよね、多分…)
春香(私、こんなところでも迷惑かけて……)
「あれ?春香?」
春香「…!!」
美希「……久しぶり」
春香「…あ、み、美希…」
美希「…ちょっと付き合うの」
- 136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 17:07:17.66 ID:xkLpayyf0
-公園-
美希「……」
春香「………あ、あの…えと…」
美希「さっきね、監督から主役やれって言われちゃった」
春香「…!そう、なんだ…」
美希「もうね、すっごくみっともないなって思ったの」
春香「…え?」
美希「だってさ、ミキ最初は春香にぜったい負けるもんかって思ってお稽古頑張ってたんだよ?」
美希「それなのに春香が休むから代わりに主役やれなんて…みっともないよね」
春香「……っ」
美希「…それに、ハニーにも申し訳ないの」
春香「…!」
- 137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 17:11:50.48 ID:xkLpayyf0
美希「ハニーはミキに主役とるよう頑張れって言ってくれて、ミキもそれに応えようと思って頑張ってたの」
美希「ミキは頑張って主役取ろうって、主役取ってハニーによろこんでもらおうって」
美希「でも、今日主役貰っても全然うれしくなかった…なんでか分かる?」
春香「……」
美希「…春香がいないからだよ」
春香「!!」
美希「ミキは春香と主役の取り合いしてるときが一番楽しかった」
美希「春香はどう?」
春香「わた、しは…」
美希「…だから、ハニーの気持ちに応えてるつもりでホントは自分のためにしか頑張ってなかった」
美希「そういう意味で、ハニーにはごめんなさいしなきゃいけないの」
- 138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 17:15:37.68 ID:xkLpayyf0
美希「でもハニーはもういない」
美希「だったら、自分のやりたいことやらなきゃ自分にもハニーにも失礼じゃないかなって思ったの」
春香「……!」
美希「…ミキはお稽古頑張るよ、春香の方が良かったなんて言われないように本気で頑張るの」
美希「だから春香も、本気でミキから主役取りにきてよ」
春香「美希……」
美希「…さてと、それじゃミキは次のお仕事あるからそろそろ行くね!」
春香「……美希、ありがと」
美希「…アリが10匹でありがと、なの」
春香「……」
美希「じゃあね春香……待ってるから」
- 139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 17:20:19.70 ID:xkLpayyf0
美希「……」
美希(…どこにいるか分かってるだけ、まだマシなの)
春香「……美希…」
春香「私は、私は…」
「ダメだよー!わたしがおひめさま役やるのー!」
「ちがうの!……がおひめさまなの!」
春香「!」
「じゃあ…クンはどっちがおひめさまにふさわしいと思うの!?」
「ええ!?ボ、ボクはどっちでも…」
「だったらわたしと……でしょうぶしようよ!」
「……は……になんてぜったいまけるきしないの!」
- 140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 17:25:30.63 ID:xkLpayyf0
春香(…子供たちが遊んでる)
春香(お遊戯…おままごとかな……)
春香(でも、なんにしても……)
春香(…すっごい楽しそう)
「わたしはお歌が歌えればどっちでもいい…」
「ひうぅ…け、ケンカはダメだよぉ…」
「ケンカじゃないっしょ、……ぴょん!」
「そーそー、いつものことじゃん?」
春香(……あれ?なんだかこの子たち…)
春香(私たちに似てる…?)
- 141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 17:29:54.03 ID:xkLpayyf0
「なんだー?あの2人またお姫様役でケンカしてるのかー?」
「ふん!おひめさま役はわたしでいいじゃない!」
「でも、……ちゃんのおばあちゃん役、わたしは好きだよー?」
「ふむ…めんような」
「あらあら、……ちゃんったらむずかしいことば知ってるのね~」
「あーもう!早くしないとゆうがたになっちゃうじゃない、まったく!」
春香(……あ、いつの間にか勝負ついたみたい)
「じゃあ今日は……のかちなのー!」
「うう、くやしい……」
「でも、明日はぜったいまけないからね!」
春香「!!」
- 142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 17:34:50.23 ID:xkLpayyf0
春香(…そうだよ、小さい頃はなにがあっても自分の思い通りにならなきゃ悔しかった)
春香(相手が悪かったとか今日は体調が悪かったとか)
春香(いつから言い訳するようになっちゃったんだろう)
『本当に誰かのために頑張りたいなら、まずは自分のために頑張りなさい!』
春香(……ごめん千早ちゃん、言葉の意味を理解するのにこんなに時間かかっちゃった)
春香(私、美希と勝負して舞台の主役取りたい)
春香(みんなと一緒に、歌、歌いたい!)
「ねぇお姉ちゃん」
春香「…へ」
「なんで泣いてるの?おなかいたいの?」
- 144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 17:38:13.43 ID:xkLpayyf0
春香「え、あ、これはその…そう!花粉症なんだお姉ちゃん!」グスッ
「かふんしょう?わかんないけどたいへんだね!」
春香「えへへ…心配してくれてありがとね」
「そうだ、これあげる!」
春香「……これ」
「うん、キャラメル!おいしいんだよ!」
春香「…うん、これがあれば涙も止まるよね」
「えへへ、お姉ちゃんリボンかわいいね」
春香「あはは、キミもリボンすっごく似合ってるよ!」
「ありがと!かふんしょうにまけないでがんばってね!じゃあね!」タッタッタ
- 145:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 17:42:49.59 ID:xkLpayyf0
春香「…別に人に感謝されたくてなにかするわけじゃないんだよね」
春香「やりたいことをやる…子供ってすごいなあ」
春香「……」
春香「…でも、みんな今更…」
prrrr prrrr
春香「!!」
春香「び、びっくりしたぁ…電話か…」
春香「…千早ちゃん…!?」
春香「……」
春香「…はい、もしもし」
- 148:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 18:00:23.82 ID:xkLpayyf0
-レッスンルーム前-
春香「はぁ…!はぁ…!」
春香「……っ!」
ガチャ!
春香「…みんなっ…」
千早「あら、遅かったわね」
伊織「こんだけサボっといて遅刻なんていい度胸じゃない、にひひっ♪」
響「さ、早く合わせるぞ春香!」
春香「みんな、どうして…忙しいはずなのに…!」
真「…これ見てよ春香」スッ
春香「……!」
- 149:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 18:03:58.85 ID:xkLpayyf0
春香「これ…プロデューサーさんの写真…!」
あずさ「赤羽根プロデューサーさんが音無さんに撮ってもらったそうよ」
やよい「私は伊織ちゃんに見せてもらいましたー!」
雪歩「…春香ちゃん、赤羽根プロデューサーさんがそばにいなくて寂しいのは分かるよ、でも」
雪歩「みんな、おんなじ気持ちなんだよ?」
春香「……!」
亜美「そーそー!だからこうして集まってんじゃん!」
真美「真美たちだけでもこんくらいできるよってこと、兄ちゃんたちに見せつけてあげなきゃ!」
貴音「…月を見ていれば、またいつか会える日も来るでしょう」
春香「みんな……」
- 151:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 18:06:59.55 ID:xkLpayyf0
ガチャ
美希「おはようございますなのー!」
律子「あら、春香の方が早かったみたいね」
春香「美希…律子さん…」
美希「もー、これだから春香は…全員でお迎えするつもりだったのに」
春香「…美希、私」
美希「春香、おかえり」
春香「……!、う、うう…っ!」
真美「あー!ミキミキ泣かしたー!」
亜美「兄ちゃんに言ってやろー!」
美希「だ、ダメなの!ハニーに言うのだけはダメなのー!」
春香「…あは、あはは」
- 152:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 18:09:49.57 ID:xkLpayyf0
千早「…さ、練習しましょう」
春香「千早ちゃん……ありがとう」
千早「あら?別にお礼を言われることは何もしてないわよ」
春香「え?」
千早「私が春香とステージに立ちたいから勝手にみんなを集めただけ…それじゃダメ?」
春香「ち、ちはやちゃぁん…」
真「よーっし!さっそくみんなで合わせていこうか!」
律子「ニューイヤーライブまで時間無いわよ!少ない時間、死ぬ気でレッスンよ!」
響「とくに春香はな!」
春香「うへぇ…が、がんばります…」
- 153:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 18:13:11.95 ID:xkLpayyf0
貴音「それでは春香、いつものやつ、というのをお願いします」
春香「へ?」
伊織「そりゃそうよ、そのためにアンタ待ってたんだから」
あずさ「やっぱり春香ちゃんのかけ声じゃないとしまらないものね~」
雪歩「ほら、春香ちゃん!」
春香「みんな……」
やよい「うっうー!円陣組みましょー!」
春香「……」スゥ
春香「…765プロー!!ファイトー!!!」
『オーーーー!!!』
- 155:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 18:16:10.65 ID:xkLpayyf0
-その夜-
赤P「…はは、そうかみんないつも通りだったか」
『はい…それにしてもひどいですよプロデューサーさん、私にだけメール送ってくれないで…』
赤P「いやあ…重傷の写メなんて見たら気絶するかと思って」
『もう…そんな冗談笑えないですよ』
赤P「ははは、すまんすまん」
『…ところで、病院って長電話していいんですか?』
赤P「いや、あんまり良くないな…個室だからまだいいかもしれないけど」
『じゃあ言いたかったことだけ言いますね』
赤P「ん」
『プロデューサーさん』
『好きです』
- 156:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 18:19:57.21 ID:xkLpayyf0
『…そうか』
春香「返事はいらないですよ!私が言いたいから言っただけですし!」
春香「…それに、今はそんなこと考えられないですよね」
『はは、春香はなんでもお見通しだな』
春香「今度のライブ、頑張ります」
『うん、頑張れ』
春香「よかったら見に来てください」
『おう、病院抜け出してでも見に行く』
春香「…おやすみなさい」
『うん、おやすみ』ピッ
春香「……」ズルズル
春香「言っちゃったぁ…///」
- 159:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 18:23:16.00 ID:xkLpayyf0
『春香の将来の夢はなあに?』
はるか『ゆめ?うーん、アイドルと、およめさん!』
『あらあら、欲張りなのね春香は』
はるか『よくばり?』
『ううん、それはとってもいいことだと思うわ』
はるか『…そっか!じゃあがんばる!』
『そうね、お歌もダンスも、お料理も頑張らなきゃね』
はるか『うん!だってわたし、アイドルもおよめさんも』
はるか『どっちもしょうらいの“ゆめ”だもん!』
第24話『夢』 完!
- 161:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 18:25:48.62 ID:Uu9vB2pz0
ついに最終話か…
- 178:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 19:54:58.06 ID:xkLpayyf0
-ニューイヤーライブ当日、楽屋-
真「…とうとうこの日が来たね」
雪歩「うん…プロデューサーたちは戻ってこなかったけど…」
亜美「まーまー!黄色の兄ちゃんも青色の兄ちゃんも、実は客席で見てるんじゃないの?」
真美「ありそ→!『おい、あのデコの動き悪いぞ』なんて言ってそ→!」
伊織「ちょっ…!アンタたちねえ!」
ワーワー ギャーギャー
律子(…どうにか各自のモチベーションを保ちながら練習はしてこれたけど)
律子(全員が全員、以前のような気持ちでないのは私にも分かる…)
律子(とくに赤羽根プロデューサー以外は消息もよく分からない状況だし…)
律子(……プロデューサー…)
第25話『みんなと、いっしょに!』
- 179:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 19:58:17.15 ID:xkLpayyf0
高木「アイドル諸君、調子はどうかね?」
律子「あ、社長…」
高木「ふむ…まあプロデューサー諸君がこの場にいないとなれば、気分がいまいちのらないのも仕方ない」
高木「よし、ここは私の手品で…」
千早「いえ、私のとっておきのダジャレで…」
響「ち、千早!?それはやめておいた方がいいさー!」
千早「あのダンディさんと一緒に考えたダジャレ…ここで披露せずにいつ披露するのよ」
ワイワイ ガヤガヤ ガチャ
小鳥「おはようございま~す…なんだか騒がしいわね」
貴音「おや小鳥嬢…もしや差し入れを、……!」
赤P「…おはよう、みんな」
- 181:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 20:04:55.85 ID:xkLpayyf0
やよい「…プロデューサー!プロデューサーです!」
あずさ「あ、赤羽根プロデューサーさん!車椅子ですけど大丈夫なんですか!?」
赤P「ははは…小鳥さんに頼んで抜け出しちゃいました…」
高木「ふむ、まあ近々退院するのだからそんなに変わりあるまい!」
小鳥「あはは…そういうものじゃないと思うんですけどね…」
春香「……」
赤P「春香」
春香「…プロデューサーさん」
赤P「ほら、これ」スッ
春香「それ、私のあげたお財布……」
- 182:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 20:08:04.32 ID:xkLpayyf0
赤P「うん、大事に使わせてもらってる」
春香「……」グスッ
赤P「この財布使ってさっそく差し入れ買ってきたんだ、ほらドーナツ」
春香「…もう、ライブ前にそんなの食べたらノド乾いちゃいますよ?」
赤P「ああ、そうだな」
赤P「だから、ライブ終わったらみんなで食うぞ、いいか?」
春香「……はい!」
真「ぷ、プロデューサぁー!」ガシッ
赤P「お、おい真!俺一応ケガ人…いてっ!いてて!」
春香「…ふふ」
春香(あ、そうだ美希にも教えてあげようっと…多分休憩室だよね)
- 183:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 20:11:43.78 ID:xkLpayyf0
美希(……)
美希(…結局ハニーは戻ってこなかったの)
美希(千早さんはすごいなあ…ぜったいさみしいはずなのに…)
美希(……でも、きっとどこかでハニーも…)
「おや、そんな沈んだ表情は星井さんらしくないですね」
美希「…もー、それがハニーのせいだって分かってるくせ、に…」
美希「………え?」
春香「美希、プロデューサーさんが見に来てくれ…」
春香「……え」
「おいバカリボン、今いいところなんだから邪魔してやんなよ」
春香「………えぇ?」
- 185:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 20:15:58.26 ID:xkLpayyf0
響「…でも結局青羽根プロデューサーと黄羽根プロデューサーは戻ってこなかったさー…」
貴音「響、そのことはそれ以上……」
あずさ「…それでもやっぱり、ちょっと寂しいわね…」
律子「……はいはい!もうすぐライブも始まるんだし、暗い話題はそこまでに…」
ガチャ! ガチャガチャ バターン! ドンガラガッシャーン!!!
赤P「うおっ!?は、春香、一体どうしたんだそんなに慌てて!」
春香「も、戻ってきた!」
千早「…は?」
春香「プロデューサーさんたちが戻ってきた!!」
小鳥「…本物だわ」
青P「どうもお久しぶりです…星井さんいい加減離れてください」
黄P「おーっす!伊織は相変わらずいいデコの光り方してんなあ!」
- 186:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 20:20:07.87 ID:xkLpayyf0
雪歩「あ…あぁ……ううぅ…ぐすっ」
伊織「あ、アンタねえ!久々に再会して一言目がそれなわけ!?」
黄P「バカデコ、今俺はお前のデコを初めて褒めたぞ?」
伊織「た、確かに…ってだまされないわよこのバカ犬ー!」
黄P「雪歩様わんわーん!」
雪歩「や、やめてくだ……ひうぅぅ…っ、ぐす、ぐすっ…」
亜美「ゆきぴょーん、せっかくメイクしたのに台無しだよ→」
真美「ま、兄ちゃんに会えてうれしいのは真美も亜美も同じだけどね!」
黄P「…へへ、わりいな心配かけて」
伊織「本当よ…このばか……」グスッ
貴音「……ふふっ、おかえりなさい…あなた様」
- 187:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 20:24:03.74 ID:xkLpayyf0
青P「みなさん本当におひさし…ですから星井さんいい加減離れてください」
美希「……」フルフル
あずさ「きっと泣いている顔を見られるのが恥ずかしいんですよ…ね、律子さん?」
律子「わ、私は別に泣いてるわけじゃ…!」
千早「…我慢しない方が楽よ、律子」
律子「……う、ううー…心配したんですからぁ…っ!」
青P「申し訳ありません、星井さんも、あずささんも秋月さんも…如月さんも」
千早「私は別に心配していませんでしたよ?」
青P「ほう」
千早「まだ“約束”を果たしてもらってませんから」
青P「…これは如月さんが一枚上手でしたね」
あずさ「うふふ、おかえりなさいプロデューサーさん」
- 189:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 20:29:17.87 ID:xkLpayyf0
やよい「うっうー!みんな集合しましたー!」
真「うぅ…良かったね雪歩ぉ…!」
響「あはは!貴音もすっごくうれしそうさー!」
春香「…よかったですね、プロデューサーさん」ギュッ
赤P「……ああ、本当によかった」ギュッ
やよい「ところでなんでお2人は手をつないでるんですかー?」
赤P・春香「!!!」バッ
響「よーっし!その上に自分も手を置くぞー!」スッ
真「あ、ボクもボクも!」スッ
やよい「えへへ、いつもの円陣ですー!」スッ
赤P「あはは、こりゃまいったな春香……春香?」
春香「……うぅ///」
- 190:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 20:33:17.05 ID:xkLpayyf0
春香「…よし、みんな揃ったね」
美希「顔が赤いの春香」
亜美「はるるんかわいー!」
春香「うう…と、とにかく!プロデューサーさんたちも、私たちもみんな揃いました!」
赤P「心配かけたな」
青P「おかげで俺の心肺機能も心配です」
黄P「あずささんと手を重ねられるなんて胸が熱くなるぜ」
あずさ「あらあら」
律子「あはは…みんないつも通りね」
貴音「ええ…まこと、いつも通りですね」
- 191:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 20:37:06.59 ID:xkLpayyf0
「765プロさーん!そろそろスタンバイお願いしまーす!」
千早「…春香、いつものお願い」
響「ガツンと頼むさー、春香!」
春香「……」スゥ
春香「…765プロー!!ファイトーーー!!!!」
『オーーーーーー!!!!!!』
「よし、行こうみんな!」
「プロデューサー、私頑張ってきますね!」
「ハニー!キラキラしてるところいっぱい見ててね!」
ガヤガヤ バタバタ…
高木「…さて、話を聞こうか」
- 193:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 20:42:03.11 ID:xkLpayyf0
赤P「そうだお前ら、今までどこに…」
青P「961プロにいました」
小鳥「…へ?」
黄P「まあ正確には監禁されてた、だな!黒井の社長は俺のことが好きすぎて困るぜ」
赤P「い、いやいや…それって普通に犯罪じゃないか!」
青P「…まあ俺たちも犯罪まがいのことをしてたのでなんとも言えないのですが」
黄P「そうだ社長、新しい事務所の物件…アレ早く手放した方がいいっすよ」
高木「ど、どういうことかね」
黄P「あのブラックなんとかっていう仲介業者、黒井が元締めですよ」
青P「事前に調べた結果そういったことが明らかになりました」
高木「なん……だと……」
- 194:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 20:42:50.20 ID:qb3VjI580
ゴクリ・・・
- 200:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 21:00:52.82 ID:xkLpayyf0
律子「ちょ、ちょっと!そんな情報どこから…!」
黄P「んー…まあ昔の仲間から…」
青P「それで961プロに潜入して、黒井社長の資料まわりをあさってたら黒井社長に見つかりまして」
赤P「そりゃそうだろ…そもそもどうやって社長室とかに入ったんだよ…」
黄P「俺、黒井に気に入られてる」
赤P「うん」
黄P「事前に連絡して顔パスできるようにしてもらう」
赤P「うん」
青P「黄羽根くんが通ったあとに、同じ顔の俺が通る」
黄P・青P「完全犯罪成立っ!!」
赤P「961プロの警備ザルかっ!!」
- 201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 21:06:40.47 ID:xkLpayyf0
青P「まあ結果黒井社長に見つかって、勧誘を断ったらこの有様です」
黄P「放置プレイされたのは初めてだぜ」
赤P「お前ら……とにかく無事でよかったよ…」
小鳥「…本当に、無事でよかった…」
律子「ほら小鳥さん、せっかくならライブで泣きましょ?」
黄P「へへ、さっき青羽根の顔見てボロボロ泣いてたやつに言われたかねえな」
律子「んなっ…!」
青P「…まあ律子さんにはサプライズもあるので期待してもらいましょう」
律子「へ?」
高木「詐欺…新事務所は詐欺……」
赤P「社長、お気を確かに」
- 202:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 21:10:22.06 ID:xkLpayyf0
高木「…はっ!こうしてはいられん、早くアイドル諸君の活躍を見に行かなければ!」
小鳥「うぅ…私絶対最後まで泣き通しですよぉ……」
律子「プロデューサーたちも早く来てくださいね!」
ガチャ バタン! スタスタスタ…
青P「…お疲れ様でした、赤羽根くん」
黄P「どうしたその体、真にでもやられたか?」
赤P「これは…まあ、俺のせいだ、信号不注意」
黄P「へへ、そうかい」
青P「黒井社長から大事故だと聞いて心配していましたよ」
赤P「……あの人はなんだかんだうちのことを気にしてるよな」
- 204:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 21:15:03.11 ID:xkLpayyf0
赤P「…俺はお前たちこそどっか消えちゃったのかと思って」
黄P「は?そんなことあるわけねえだろ」
青P「そうですよ、そんな非科学的なことあるわけないでしょう」
赤P「そこまでボロクソ言われるとは思わなかった」
青P「……ふふっ」
黄P「へへ、変わんねえな」
赤P「お前らもな」
青P「…それで、どうするつもりですか?」
赤P「ああ、決心がついた」
赤P「俺、やっぱりハリウッドに行くよ」
- 208:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 21:18:57.54 ID:xkLpayyf0
黄P「…そうかい」
赤P「お前らがいなくなって気付いた、今の俺一人じゃ事務所をまわすなんて到底無理だ」
青P「まあ普通に考えればそうでしょうね」
赤P「…それに一番気がかりだった春香のことも踏ん切りがついた」
黄P「はっ、ニクいねぇ」
赤P「お前たちが戻ってきた今しかないチャンスなんだ、行ってやるさハリウッド」
赤P「…それで、俺一人でも事務所をまわすくらいの力を身につけて帰ってきてやる」
黄P「期待せずに待ってるわ」
青P「何年先になるか分かりませんがね」
赤P「お前らな…」
- 209:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 21:22:42.93 ID:xkLpayyf0
黄P「ま、今はあいつらの頑張ってるところをしっかり見てやろうや」
青P「そうですね、俺と黄羽根くんは久々ですし」
赤P「…うん、そうだな」
青P「そろそろ、始まりますよ」
「みんなーお待たせー!」
「うおおおおおお!!765プロだー!!」
「りっちゃーん!今日は出ないのかー!!」
「いおりーん!!!いお、いお、いっおりぃーん!」
「それじゃいっくよー!!!」
「『READY!!&CHANGE!!!! SPECIAL EDITION』!!!!!」
ワアアアアアアア…
- 210:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 21:27:04.06 ID:xkLpayyf0
-それからしばらく、春-
真美「いやー、お花見楽しかったですなあ!」
亜美「酒池ちくりんでしたなあ!」
律子「それじゃ竹がいっぱい生えてることになるじゃない…」
あずさ「あらあら、テキーラはもう無いのかしら~」
千早「あずささん、もう控えた方が…」
伊織「そうよ、もうすぐ空港着くんだし」
雪歩「四条さんもそろそろ残りのご飯を食べるのはやめた方が…」
貴音「ふふ、たっぱぁを忘れてきてしまったのです」
美希「あふぅ…着いたら起こしてほしいの…」
青P「ですからもう着くんですって」
黄P「しかしハイヤーを準備するたぁデコもなかなかやるじゃねえか」
- 212:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 21:31:06.05 ID:xkLpayyf0
春香「……」
真「…春香、大丈夫?」
春香「…へっ!?あ、ああ、うん!大丈夫だよ!」
やよい「無理しちゃダメですよ春香さん」
響「…なあ春香、寂しいのは春香もプロデューサーも同じだと思うさー」
春香「…それは分かってるけど」
真「もしかしてボクたちに気を遣ってる?」
春香「そ、そんなこと…!」
真「あはは、図星だ」
春香「うぅ…///」
- 213:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 21:35:21.28 ID:xkLpayyf0
やよい「好きな人には好きってちゃんと言わなきゃいけないんですよ!お母さんが言ってました!」
春香「や、やよいまでぇ……」
真「…ボクは、プロデューサーのこと好きかどうか分からない」
真「もしかしたら、恋に恋してるみたいな…そういう感じなのかなって思ってるんだ」
春香「真……」
響「自分もよく分からないんだ、ただにぃにみたいだなーって思っててそれを好きだと勘違いしてるかもしれないし」
春香「…響ちゃん」
真「だから後悔するかもしれないけどさ、ボクたちは春香にちゃんと気持ちを伝えてほしい」
響「電話じゃなくて直接顔見て言えば気持ちもちゃんと伝わる!なんくるないさー!」
春香「…みんなぁ……う、うぅ…」
やよい「ああ!春香さん泣いちゃダメですよー!」
- 214:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 21:39:55.66 ID:xkLpayyf0
-空港-
赤P「それじゃ、行ってくる」
貴音「…いざとなると寂しいものですね」
千早「だけど…1年後にはまた会えますからね」
真美「んっふっふ~、そのころには真美も亜美もボンキュッボンのないすばで→になってるかもね!」
亜美「あずさお姉ちゃんなんて目じゃないぜい!」
赤P「はは…楽しみにしてるよ」
赤P「……それじゃあとは頼んだ、青羽根、黄羽根」
青P「ええ、生水には気をつけて」
黄P「向こうの姉ちゃんに気ぃとられてんじゃねえぞ?」
赤P「おう、そっちこそ俺がいない間頑張ってくれよ」
- 218:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 22:00:19.89 ID:xkLpayyf0
高木「赤羽根くん、事務所はキミが帰って来てから引っ越すことにしたよ」
赤P「社長…」
高木「キミが帰ってきやすいようにね、分かったかい?」
赤P「……はい!」
春香「……」
赤P「…春香」
小鳥「……はいはい、それじゃみんなは向こうに行ってましょうね」
あずさ「そうですよ~、じゃないとお尻ペンペンしちゃいますよ~」
雪歩「ひうぅ!怖いですぅ!」
美希「あはは、逃げろーなのー!」
- 220:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 22:04:31.36 ID:xkLpayyf0
ザワザワ ガヤガヤ…
春香「あの…これ……」
赤P「ああクッキーか…ありがとう、機内で食べるよ」
春香「あ、はい…」
赤P「寂しくなるな」
春香「そ、そうですね…えへへ…」
赤P「……」
春香「……あの」
赤P「春香」
春香「へ」
赤P「好きだ」
- 223:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 22:09:08.80 ID:xkLpayyf0
春香「…………へ?」
赤P「聞こえなかったのか?好きだ、春香」
春香「へ?あ、ちょ…」
赤P「…何回も言うの恥ずかしいんだけどな」
春香「…いや、その…はわわわわ//////」
赤P「なんだよ、この前の返事しただけだろ」
春香「そ、そうかもしれないですけどっ!不意打ちは卑怯っていうか…その…///」
赤P「…なあ春香」
春香「……?」
赤P「1年間、待てるか?」
春香「……はい」
- 228:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 22:14:34.52 ID:xkLpayyf0
春香「…いくらでも待ちますよ、それくらい好きですもん」
赤P「ん、そうか」
赤P「…そろそろ出発の時間だ、行ってくる」
「赤羽根プロデューサーがんばってくださーい!」
「またね赤色の兄ちゃーん!」
「寂しくなったらすぐ戻ってくるさー!」
赤P「はは、あいつら……それじゃ、春香」
春香「プロデューサーさん」
赤P「ん」
春香「 」
またね!
第25話『みんなと、いっしょに!』 完!
- 229:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 22:17:25.47 ID:Uu9vB2pz0
終わったのか?
乙です
- 231:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 22:19:01.56 ID:DLbj0ine0
乙
まさかの26話行き?
- 232:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 22:19:09.26 ID:xkLpayyf0
「えへへ、あんまり変わってないですね」
「そうかー?1年間のアメリカ生活で少したくましくなったような気がするんだけど」
「ハンバーガーばっかり食べてお腹ぷにぷにしてませんか?」
「……ま、これからは忙しくなって少しは痩せるだろ」
「それじゃこのクッキーはあげられませんね」
「なんだよ、それさっきから楽しみだったのに」
「ふふ」
「そうだ、みんなはどうしてる?」
「貴音さんが黄羽根プロデューサーさんの企画でラーメン店をオープンさせましたね、先月」
「それは…ある意味売れるかもな」
「貴音さんがお店のメニューを勝手に食べちゃうから売り上げはプラマイゼロらしいです」
「なんだそりゃ」
- 234:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 22:20:53.73 ID:XdfT/pwJ0
後日談キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!!
- 235:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 22:23:17.65 ID:xkLpayyf0
「でも面白いからアリだって言ってましたよ、黄羽根プロデューサーさん」
「はは、あいつらしいや」
「青羽根プロデューサーさんは千早ちゃんと全国ツアー中です」
「ああ、小鳥さんから聞いたよ…なんでも歌はもちろんトーク部分がウケてるとか」
「…毎回恒例のご当地ダジャレが大好評だそうです」
「……スベり芸ってやつか」
「でもスベってる千早ちゃんがかわいいって意見がほとんどみたいだし…2人ともダジャレ考えてるとき楽しそうだから」
「まあ、いいのかもな」
「はい!」
「で、お前は?」
「んふふ、それ聞いちゃいます?」
- 237:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 22:27:36.58 ID:xkLpayyf0
「なんと!今度の映画で主役とっちゃいましたー!」
「おーすごい」
「えー、それだけですかー」
「だってお前ならそれくらいできるって思ってたしな」
「むぅ」
「……冗談だよ、よく頑張ったな」
「…えへへ」
「オーディションはお前だけだったのか?」
「いえ、美希も一緒でした」
「へえ、リベンジ達成じゃないか」
「けど、美希も準主役で出るんですよね…『今からでも主役勝ち取ってみせるの!』って言われちゃいました…」
「はは、あいつらしい」
- 238:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 22:32:51.05 ID:xkLpayyf0
「ま、これからは俺も現場についていくからな!中途半端な芝居するんじゃないぞ」
「他のみんなも寂しがってましたよ?真も響ちゃんも、それからやよいも」
「そうか、それなら早く帰らないとな」
「とくにやよいの急成長ぶりは目を見張るものがあります」
「…まじか」
「ふふ」
「……」
「プロデューサーさん」
「ん」
「おかえりなさい」
「おう」
「ただいま」
赤羽根P「俺が」青羽根P「俺たちが」黄羽根P「プロデューサーだ」 完!
- 239:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 22:33:36.74 ID:vhjgWdL20
おつかれ!!
- 244:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 22:37:02.38 ID:t7l3NKjG0
乙!
長い間頑張ったな
- 246:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 22:37:14.14 ID:xkLpayyf0
というわけで終わりです
軽い気持ちで書き始めたものがこんな長くなるとは思いませんでした
最初にスレタイ思いついて、23話のPが奈落に落ちるところで「あそこPが1人じゃなかったらどうにかなるんじゃね?」って思ったのがきっかけです
本当は春香を赤Pがつかみ、赤Pを青Pがつかみ、青Pを黄Pがつかみ、黄Pが柱をつかみ…
という感じで「ゲェー!あの深い奈落に落ちずに済みやがったァー!」っていうふうにするつもりだったんです
なんにせよ書ききれたので良かったです
これまで支援・保守・その他レスありがとうございました 本当にうれしかったです
批判もいろいろ勉強になりました感謝しています
最後に春香さんマジメインヒロイン!
それでは読んでくれてありがとうございました!
- 249:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 22:48:20.72 ID:4fq4E7bL0
長かったな
乙!
- 252:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 23:03:36.82 ID:avFwZDBEO
乙でした
このシリーズも終わりか、さみしいのう
- 254:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 23:13:11.23 ID:gvZNC31Z0
乙でした
もっと書いてもいいのよ
- 256:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 23:20:05.12 ID:JrA4Q/Wn0
乙!
新作も期待してます
- 258:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/08(日) 23:31:25.24 ID:fjlde8PU0
遂にこのシリーズも終わっちまったんだな、感慨深いものがあるなぁ…
何はともあれ乙
「Amazon」カテゴリのおすすめ
「アイドルマスター」カテゴリのおすすめ
コメント一覧 (29)
-
- 2012年04月09日 00:20
- サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム
-
- 2012年04月09日 00:28
- ひたすら微妙なSSだった
-
- 2012年04月09日 00:48
- くそつまらんもんをよくシリーズにできたな
-
- 2012年04月09日 00:54
- ?のやつら確実に読んでないだろ…
最近コメ欄にあらしが多すぎ…
-
- 2012年04月09日 01:08
- Pにそれぞれ特徴とか出てて面白かった。乙
-
- 2012年04月09日 01:28
- 相変わらずだった
-
- 2012年04月09日 01:32
- 君が向こうから・・・
-
- 2012年04月09日 01:42
- Pが3人になって読み手が感情移入しづらくなってる、それが一番問題
アイドルがPごとに区分けされたせいで、読んでてアイドル盗られた気持ちになる
下手に恋愛書かずに、三人のP全員に尊敬の念を持たせるようなストーリー展開にすれば良かったのに
-
- 2012年04月09日 01:47
- 及第点以下
-
- 2012年04月09日 01:55
- このシリーズ結構好きだったんだけどなー
-
- 2012年04月09日 01:56
- イイネ!
無事完結お疲れ様です!
-
- 2012年04月09日 02:01
- 物語後半からギャグが少なめだったけど、面白かった。また一つアイマス長編SSが終わって寂しい。
-
- 2012年04月09日 02:10
-
全体通して見ると尻窄みな印象だなぁ。
結局黄Pと青Pが何者なのかも解らないし、途中で面倒になったか風呂敷たためなくなったかで
予定変更して無理矢理終わらせた感がハンパねぇ。
-
- 2012年04月09日 02:41
- ジュピタープラスww
ラブプラスのパクリかww
-
- 2012年04月09日 02:41
- 面白かったとは思う
ただ本スレでもいわれてたけど青に出番の多いちはみきがいるのと
黄のキャラが濃いせいで赤は何してんだ・・・ってのはあった
-
- 2012年04月09日 02:45
- アイマスは結局キャルゲー関連の創作だから必ず恋愛が絡んでくるのは分かってたが
男はPくらいしかいないから同じようなハーレムになりやすくなる事も多い
その点では3人に分けてアイドルの好意を分散させてバランスを保ってた
アニメに添った話だからどうしても本編と比べてしまうな
公式じゃ出来ない事をやれるからそこら辺は楽しめた
-
- 2012年04月09日 04:07
- なんだかんだで楽しめたからいいや
おつ!
-
- 2012年04月09日 10:12
-
1~12話まではテンポも良くて面白かったけどなあ
後半がちょっとダレちゃったなーという印象
それでもちゃんと完結させるあたり乙としか言えない
-
- 2012年04月09日 17:18
- 結局強肩が売りの黒羽根Pが登場することはなかったか
-
- 2012年04月09日 23:01
- ※8に概ね同意。
担当を分割するんじゃなくて、役割を分割して話を運んだ方が良かったと思う。
担当するPを固定してしまったあまりアニメの話に合わせられなくなって破綻してる。
-
- 2012年04月10日 16:44
- なんにせよ面白かった
-
- 2012年04月11日 07:49
- 普通に面白かったです!
初コメするくらいに!
悪評つきたい人は暇なだけですね
次回作期待
-
- 2012年09月25日 22:07
- 面白かった
-
- 2012年12月29日 20:19
- 赤羽根と青羽根と黄羽根フュージョンさせたらどうなるの?
-
- 2012年12月29日 20:20
- 評価付け忘れた。あとアイドル盗られたの意味がよくわからん
-
- 2013年03月27日 08:53
- ※24
そらお前原色を3色混ぜたら強肩が売りの黒羽根になるだろ
-
- 2013年04月16日 18:55
- 赤羽根が無能というか鈍感すぎ黒井社長が曲止めたくらいさっせず殴りたい何やってたって…赤羽根だけ魅力が無かった
-
- 2013年05月08日 02:14
- 結構面白かった
普通に考えて、あの人数に対して
P 少なすぎだろと思ってたからこれくらい
が普通だろうな
お疲れさんです!
-
- 2013年08月23日 04:27
- この言葉を送る、乙だ。