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兄「ハンバーグだよ! ハンバーグっ!」

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 11:13:52.60 ID:Id/ENdNh0

妹「大喜びですね」
兄「だって美味そうだよっ。チーズとろけてるし」
妹「今ご飯をよそいます」
兄「いーやっほう! 日本人でよかった!!」
妹「どうぞ」
兄「いっただっきまー。うは、んまー」
妹「いただきます」
兄「うまい、うまい!」
妹「はい」
兄「はぐはぐ、ぐはっ。んまんまーっ」
妹「もぐ」
兄「んまんま、んまー。けふん、けふ」
妹「麦茶を飲みましょう」
兄「おー! のむぜー! ごきゅごきゅ」
妹「もぐ」
兄「美味かった! ハンバーグは神の食い物!」
妹「お粗末さまでした」
兄「とんでもない、妹料理最高だぜー」
妹(子供のようなひとだなぁ)


ハンバーグハンバーグ



3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 11:14:37.06 ID:Id/ENdNh0

兄「帰ったぞ~。たっだいまぁ」
妹「おかえりなさい」
兄「今日も暑いな、汗だくだよ」
妹「シャワーでもどうですか」
兄「おう! でも喉渇いた。なんか飲むかな」

妹「動かないで」
兄「うお!?」
妹「麦茶を持ってきますので、脱衣所に向かってください」
兄「それくらい自分でやるよ。鬼兄貴じゃないぞ?」

妹「汗がたれてます。廊下に」
兄「おおー!? すまねぇ」

妹「……世話の焼ける兄です」



4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 11:16:55.09 ID:Id/ENdNh0

兄「妹ー。妹ー」
妹「なんです?」
兄「良い湯であった。麦茶も感謝だ」
妹「はい」

兄「よって今晩は何かおごるぞ? ピザとか、鰻とか」
妹「太刀魚の焼いたものと茄子の冷やし汁を
 考えていたのですが」
兄「それで決定」

妹「おごりになっていませんよ」
兄「だって妹のほうが美味そうだ」
妹「……むー」

兄「太刀魚かー。夏場は美味いよな!」
妹「仕方ありません。醤油を買ってきてください。
 あと、かぼすも」
兄「了解であります! 上官殿っ!」

妹「……なんだか兄の行く末が心配です」



6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 11:18:37.82 ID:Id/ENdNh0

兄「うっはぁ……」
妹「兄さん」
兄「やっぱ夏はいいなー。うっすらと透けた白が……」
妹「兄さん」
兄「健康的な小麦色の太ももがちらちらと……」
妹「兄さん」
兄「髪の毛を掻き上げたときにのぞく脇とかっ
 くっはー。サイコーっ」
妹「兄さんっ!!」
兄「おおう、妹っ! いつからそこにいたんだ!?」

妹「いいから兄さん、買い物籠を持ってください」
兄「お、おう?」
妹「ちゃんとついてくる!」
兄「う、怖いぞ。妹よ」

妹「ご飯抜きにしますよ」
兄「了解であります。上官殿っ」



9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 11:21:22.92 ID:Id/ENdNh0

妹「今日は夏野菜とチキンのカレーです」

兄「うっはー! カレーですよっ。
 匂いで判ってたけどねっ。数ある神々の料理の中でも
 カレーといえば黄金聖闘士ですよ!」
妹「……」

兄「ランクでいえば、蠍座のミロくらいかな。
 あ、あれ? 急に微妙な気分が……」

妹「いいからお皿出してください」
兄「あいあいさー」

妹「いただきまーっす」
兄「いったっだっきまーっぐはもぐもぐもぐ」
妹「そんなに急がなくても」
兄「おかわりっもぐもぐもぐもぐもぐ」
妹「喉詰まりますよ」
兄「おかわりっ」



12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 11:24:04.58 ID:Id/ENdNh0

妹「兄さん、兄さん」ゆさゆさ
兄「ん、むぅ……」
妹「起きてください」
兄「もうちょっと……」
妹「もうちょっとって」
兄「3600秒くらい……」
妹「それじゃ一時間じゃないですか!」

兄「むぅ……タオルケットは僕に
 優しくしてくれたんだ……」
妹「兄さん」ゆさゆさ
兄「むぅ……。俺とタオルケットは相思相愛なのだ……。
 生まれ変わっても一緒に寝ようねと誓い合った……。
 愛を邪魔するやつはびろんびろんなのだ」

妹「……ベーコンエッグからベーコンと卵を抜きますよ」
兄 がばっ!!
妹「そんなにおなか減ってるんですか」
兄「起きます! っていうかむしろ起きてました!」



14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 11:27:00.87 ID:Id/ENdNh0

妹「メールですね」

兄『今日の晩御飯は何だ? なんか買い物追加あるか?
 兄としては肉が食べたい気分だぞ。英語で言うと
 ミート』

妹「それはカタカナです」

兄『韓国語でいうとカルビとかでも良いぞ』

妹「ただの焼肉ですね」

兄『一人で持てるか? 一緒に買い物行くか?
 待ち合わせでも良いぞ』

妹「……ほんやpi本屋で、6時にpi……送信」

妹「何を作るか本屋で料理の本を見ないと
 何か美味しいものを。お肉で」



15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 11:29:25.01 ID:Id/ENdNh0

兄「妹よ。待ったか?」
妹「いいえ、待ってません」

兄「そうかそうか。それでは出発だ!」
妹「ご機嫌ですね」
兄「今日も妹ご飯だしなっ」
妹「……」

兄「今日のメニューは何だ?」
妹「鶏の南蛮揚げですよ。あと薩摩芋と林檎のサラダです」
兄「美味そう!」
妹「兄さんはなんでも美味しそうって言いますね。
 ちっとも参考になりません」

兄「そ、そうか。『美味そう』じゃ参考にならないか」
妹「ええ、なりません」
兄「判った。んじゃ美味いっ!」
妹「……」
兄「いつも美味いぞ。妹よ」
妹(お日様みたいにニコニコして、
 本当に馬鹿兄です)



16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 11:30:24.85 ID:Id/ENdNh0

妹「ごちそうさまです」
兄「ごちそうさまー!」
妹「兄さん麦茶ですよ」
兄「あんがとなー」
妹「伸びてますね」
兄「のびー」
妹「だれてますね」
兄「だれー」

妹「兄さんリラックスしすぎです」
兄「いいんだよ。妹のご飯でおなかいっぱいでさ
 扇風機でひんやり涼しいしさ。
 幸せでだれだれもするっての」
妹「そうですか」
兄「そうなの。お前のご飯は、すごく美味しいけどさ
 なんかそれだけじゃなくて、幸せの味だよな。
 自宅だからかな。満足しちゃうっていうかさ」
妹「……」
兄「毎日食っても飽きないし、ずっとこのままが良いな」
妹(!? 不意打ちです、兄さんっ)



17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 11:31:30.58 ID:Id/ENdNh0

兄「女とさー」
妹「えっ?」
兄「女とさー。飯くいにいくとさ」
妹「兄さん彼女いたんですか?」
兄「今はいないよ」
妹「いたことがあるんですか?」
兄「俺をどんな生き物だと思ってたんだ」
妹(おっきな小学生かと……)

兄「まぁ、行くとさ。いろいろ調べたりして
 それなりの場所に行くんだけどさ。」
妹「はい」

兄「やっぱ、そんなに美味しくない訳だ。
 自宅のが一番美味しい」
妹「そうですか?」
兄「麦茶も出てくるし! おかわりできるし!」
妹(こういう馬鹿でした)
兄「向かい側に妹座ってるし」
妹「!?」



18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 11:32:58.32 ID:Id/ENdNh0

兄「どした?」
妹「え、あ……な、何を云って」
兄「妹と一緒は美味しいよ?」
妹「ば、ば、ば(馬鹿なことを)」

兄「やっぱさ、食事の心配ってのは
 身内の感情なのかな。ちゃんと食べてるかな
 美味しいもの食べさせてあげたいなーとかさ」

妹「そ、それはっ」
兄「ん?」

妹「私の台詞です。いつも私が
 作っているではないですか」
兄「あー」
妹「『あー』ではありません」
兄「いつもあんがとな!」
妹(くっ、卑怯な笑顔をっ)



19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 11:34:16.52 ID:Id/ENdNh0

――市街中心部

女友「だからネストの範囲ももうちょっとね」
兄「係数二倍で? でもそれじゃ精度上げないと
 cnt振り切っちまうだろ」
女友「面倒だけど、全部型変更かなぁ」

妹「兄さん」

兄「お? 妹か。どした? 珍しいな
 この辺で会うなんて」
妹「ええ、スパイスを買いに」

女友「ねぇねぇ。この娘、男くんの妹さん?」
兄「うん、そう」
妹「こんにちは。妹です。
 兄がいつもお世話になっています」
女友「うわぁ、かわいいーっ。それに礼儀正しい!」
妹「いぇ、あのっ。そ、撫でないでっ」
兄「こらこら、妹困ってるだろ」
女友「うっわー。男くんがお兄さん風吹かしてる!」



20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 11:35:20.58 ID:Id/ENdNh0

兄「兄だからな」
女友「またまた~」
妹「な、撫でないでっ」
女友「ちいさくて可愛い~」

兄「ほら、女友。いくぞ」
女友「え~」
兄「帰ってソース叩くんだろう。早くしないと
 来週のパケに間に合わないぞ」
女友「はーい」

兄「妹、んじゃぁな。気をつけていけよ。
 今日も帰るの同じくらいだからな」
妹「はい」
女友「まったねー! 妹さん」
兄「うるさいなー。早く行くぞ」
女友「判ったわよぅ、まったくー」

妹「……」

妹(兄さん。なんだか普通の大学生みたい。
 外ではマトモな人間だったんだぁ)



21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 11:36:24.91 ID:Id/ENdNh0

妹 ペラペラ

妹「今週は、肉、魚、魚、野菜、肉……
 でしたから。魚でしょうか」

妹「八月ですから、いわしが美味しいですね。
 すると、ツクネか、シソ揚げか……」

妹「つけあわせは、トマトと大根の梅肉サラダ
 でどうでしょうか」

妹「ふふ。これで完璧ですね! 隙なしですね!
 『八月の献立第四週 バリエーションNo.18』完成です」

妹「さーってつぎは『バリエーションNo.19』ですね。
 イワシは中心にすえつつ、今度は椀物で……」



24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 11:37:59.53 ID:Id/ENdNh0

兄「だばだば、だばだば♪」
妹「兄さん」
兄「びろんびろ~ん♪」
妹「……」

兄「妹よ、ただいまだ!」
妹「おかえりなさい」
兄「いっやー今日も暑かったな」
妹(その奇妙な踊りに対するコメントはないんですか?)

兄「ふふん、妹よ、知っているぞ!」
妹「何をです?」
兄「今日のメニューはイワシだろー!!」
妹「ええ、そうです」

兄「イワシんマいよなーっ! で、なんだ? なんだ?
 イワシハンバーグか? 明太子イワシのはさみ焼きか?」

妹「今日はバジルフリッターです」

兄「いやっほー! 神様ありがとうっ。
 早速ご飯ー。ご飯~。いもうとごっはん~♪」

妹「手はちゃんと洗うんですよ、兄さん」



25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 11:39:52.90 ID:Id/ENdNh0

妹「ごちそうさまです」
兄「ごちそうさまー!」

妹 カチャカチャ
兄「俺も食器下げるぞ!」
妹「邪魔だからそっちで麦茶飲んでてください」
兄「ぶーぶー」
妹「静かにテレビでも見ていてくださいね」

兄「今日のフリッターとかいうのも、いいな。
 さくっとしてて」
妹「普通の揚げ物よりも軽い味わいですよね」
兄「うん。味付けも、塩のやつがよかったな」
妹「クレイジーソルトと云うんですよ」
兄「ほぉ」

妹「岩塩とハーブの調味料でアメリカでは
 揚げ物なんかには定番だそうですよ」

兄「いぇい! クレイジー!」
妹「……」
兄「クレイジーフォーユー!!」
妹(昼間見たのはやっぱり他人の空似じゃないのでしょうか)



26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 11:41:18.63 ID:Id/ENdNh0

――学食

女友「いやー。それにしても」
兄「なに?」
女友「妹さん、かわいかったねー♪」
兄「そうか?」
女友「うん、ちっちゃくて、色白くて~。
 髪の毛さらさら濡れ羽色でさ。
 生真面目そうな表情がいいよね!」
兄「んー」

女友「可愛いと思わないの?」
兄「そりゃ家族だから可愛いとは思うけれど」
女友「けど?」
兄「容姿は意識したことが無いな。
 どうでも良いだろ、普通」
女友「そうかなぁ。うちは弟だけど、
 全然可愛くないよ」
兄「ふむ」
女友「あたしより大きいし」
兄「それは普通だろう」
女友「うん、そうだけどさっ。
 妹ちゃんは小さい! 可愛い!!」
兄「そんなもんかな」



27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 11:43:26.10 ID:Id/ENdNh0

女友「だから別れちゃったのかな、と」
兄「はぁー?」

女友「ほら、元カノとさ」
兄「お前、頭あったかくなったか?」
女友「あはー」

兄「まったく関係ないだろう」
女友「いや、ほら。あたしも紹介した手前さ」
兄「お前にも悪い事したな」
女友「いやいや。ほら、こういうのは、ね。
 相性って云うか、運っていうか。
 仕方ないよね、うん」

兄「そうな。仕方ない、な」
女友「あの娘も可愛いかったでしょ?」
兄「可愛いって言うか、美人だよな」
女友「うん、それにでかいよね」

兄「……あー」
女友「揉んだ?」
兄「うん」



28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 11:43:59.69 ID:Id/ENdNh0

女友「どうよ?」
兄「でかかった」

女友「だよね!!」
兄「何で嬉しそうなんだお前」
女友「いや、あはは。なんか、こう
 感動するじゃない。でかいと。おおーって!」
兄「否定はしない」
女友「やっぱね! マシュマロとか言うけどさ!
 手に乗っかるようなあの重さがたまらないよね!」
兄「お前本当に嬉しそうな」
女友「いやー。照れますな!」
兄「照れなくていいから」

女友「もしかして、でかいのがダメだった?」
兄「はぁー?」
女友「いや、青い蕾が趣味なのかな、と」
兄「あの」

女友「具体的に云うとロリなのかな、と」
兄「阿呆は黙れ」



29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 11:45:22.87 ID:Id/ENdNh0

女友「じゃ、なんで別れたのさー」
兄「――そういうのとは、関係ないよ。」
女友「ふむぅ」
兄「ただ、メシがさ」
女友「?」
兄「メシが、大変だなぁ。って。食事の場所考えたり
 なに食べようか悩んだりするのって、大変だよな」
女友「そんなもん?」
兄「うん、大変だって思った。楽しい食事って
 作ろうとすると思うと、難しいよな」
女友「そうかもね」

兄「だから、ってわけじゃないけど。
 俺には彼女とかまだ早いんだとおもうよ。
 修行足りてないんじゃねぇかな」
女友「あー」
兄「判った?」

女友「全然わかんない」
兄「そっか」

女友「チャンスがあるんだかないんだかも判らないや」



30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 11:46:40.71 ID:Id/ENdNh0

兄「いもうとー」
妹「何ですか?」
兄「デザートたべたい」
妹「んー、何かあったでしょうか」

 冷蔵庫ガチャガチャ

妹「すみません。適当なものを切らしているようです」
兄「いいよいいよ。そんなたいしたもんじゃなくてさ」
妹「何も無いんです。……手抜かりでした」
兄「そうじゃなくてさ。コンビニにいこうぜー」
妹「え?」
兄「アイス買いに行こうぜ!」
妹「あ、はい」
兄「そうと決まれば善は急げだハリアップジャスティス」

妹「……」

兄「コンビニはジャスティスっ! ワンモアセッ」
妹(ほんとうに小学生です)



33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 11:50:02.57 ID:Id/ENdNh0

ドーン!!! ぱらぱら……
  ドーン!! ドーン!!!

妹「あ……」
兄「花火綺麗だよな~」
妹「ええ、今日は」
兄「隅田川の日、だもんな。こればっかりは
 圧巻だよな~」
妹「すごいです……」
兄「腹に響くよな! 生花火はさぁ、これが風情だよ!」

妹「はい……」
兄「ほら、アイス」
妹「ありがとうございます」
兄「うっわ、ガリガリ君うめぇぇー。いかすーっ」
妹(兄さん、花火の事知ってて……?)

兄「うっは、ナにこれ、ソーダ味って神過ぎる。
 黒歴史を超える封印された必殺技並みに美味い。
 例えて云うならばディーヴァダッタが空中浮遊するくらい」
妹「兄さん、あの」(お礼を……)

兄「あ、ヤバイ。こめかみにキーンってきたぁ。
 Oh!! 頭痛いっ。マジでいたい。ギブギブっ」
妹「……」
兄「た、助けて妹~」
妹「とりあえず、ハンカチで涙拭いてください」



34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 11:51:36.24 ID:Id/ENdNh0

妹「兄さん、兄さん」ゆさゆさ
兄「ん、むぅ……」
妹「起きてください」
兄「もうちょっと……」
妹「もうちょっとって」
兄「ケマサクさん先に起こして……」
妹「ケマサクさんって誰ですか?」

兄「ケニア在住の気の良いヲタク……」
妹「兄さんっ! ふざけないでください」ゆさゆさ
兄「ケマサクさんが寝てるからもう少し寝る……」
妹「どんな関係があるんですかっ!」

兄「むぅ……。妹が俺を弾圧する。ケマサクさんは
 寝てるのに……。これが人種差別か……。
 弾圧には屈しないぞ……」
妹「……カボチャのクリームスープを抜きますよ」
兄 がばっ!!
妹「やっぱりメニューが減るのはいやそうですね」
兄「起きます! っていうかむしろ起きてました!」



35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 11:53:33.04 ID:Id/ENdNh0

――吹奏楽部部室

妹友「ぅぁー。疲れる~」
妹「お疲れさまです」
妹友「なにやってるの?」
妹「ん。メール。兄さん宛です」

妹友「お兄さんいるんだ。うちは弟だよ!
 仲、良いんだね~」
妹「そうでしょうか? 普通だと思います」

妹友「うちの弟とはめったにメールなんてしないよ?」
妹「わたしが夕食当番なんです。
 でも、今日は遅れちゃうから」
妹友「そか。連絡だ。そうしたらお兄さんが作ってくれるの?」
妹「いえ、兄は料理ダメなひとなので」

妹友「うちもだよー。男は馬鹿だよねー」
妹「馬鹿ですね」
妹友「声おおきいしねー」
妹「大きいですね」
妹友「そしてスペースをふさぐ」
妹「ええ。本当に。視界をさえぎります」



36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 11:54:16.64 ID:Id/ENdNh0

妹友「うちのも、もう中学生だけど子供でさぁ」
妹「兄さんは大学生ですけど」
妹友「日曜朝に特撮番組とか見ちゃってるわけよ」
妹(兄さんなんか大学生だけど見てます……)

妹友「お子ちゃま過ぎて見てらんないわけ」
妹「はい……。ほんと」

妹友「で、むたくた食うわけ」
妹「ええ、本当に。ぺろりですね」
妹友「だから大きくなるんだけどね。
 妹ちゃんが食事作ってるの?」
妹「ええ、大体そうです。朝ごはんと晩御飯は。
 お弁当はたまーに、です」

妹友「すごいね! 偉いね! お兄さんは食べるだけなんだ」
妹「ええ、そうなんですよ。
 何を作っても、むしゃむしゃーってすごい勢いで」
妹友「怪獣だね」
妹「怪獣っぽいです」

妹友「んー。ふふふ」
妹「なんでしょう?」
妹友「妹ちゃん、にこにこしてるねっ」
妹「そ、そんなことはありません。普通ですよ」
妹友「なんかあれだー。女の幸せ? みたいなっ」
妹「そんなんじゃありませんっ」



37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 11:55:36.31 ID:Id/ENdNh0

――21:30

妹「うーん。やっぱり遅くなってしまいました。
 兄さんには言ってあるので
 夕ご飯は何か食べててくれるかと思いますが」

 がちゃり

妹「ただいまです」
兄「おお、お帰り妹よ! お疲れ様だ」
妹「兄さんもいつも元気で、はぁ」
兄「大変そうだな。コンクールの練習って。
 麦茶だぞ、妹よ」
妹「大丈夫ですよ、兄さん。晩御飯食べました?」
兄「おう、問題ないぞ」
妹「なに食べたのですか? ピザでもとりましたか?」

兄「いや、ご飯を炊いて」
妹「わ。ちゃんと作ったんですね」
兄「白米に鰹節とマヨネーズと醤油をかけて食べた」
妹「……兄さん」
兄「いや、 これはこれで美味いんだぞ。
 男料理の真髄なんだってば。いやまじで。Bグル板見ろ」
妹「兄さん」
兄「でも、やっぱ妹が作ったほうが美味しいぞ。
 それに、妹がいたほうが幸せだな」



38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 11:56:43.56 ID:Id/ENdNh0

妹「仕方ないですね」
兄「気を使わなくて良いぞ」
妹「ニコニコしながら座ってて説得力がありません」
兄「いい匂いだし」
妹「晩御飯食べたんだから、軽いものですよ」

兄「何作ってくれるんだ?」
妹「トマトグラタンです」
兄「美味そうだっ!」

妹「はい、どうぞ」
兄「しかも早いっ!」
妹「重ねこんで焼くだけですからね」

兄「いっただっきまーっちチチチアチっ!!」
妹「当たり前でしょう、兄さん」
兄「あふ、これあふすぎですよ、じょうかんどの」
妹「はい麦茶です」
兄「あふ、さんきゅ、いもうと……きがきく」
妹「熱いなら時間をおいて食べれば良いですのに」
兄「だって熱い方が美味しいし」
妹(ほんと馬鹿な兄さんだなぁ)



39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 11:57:50.61 ID:Id/ENdNh0

兄「いやー。食ったね!」
妹「お粗末様です」
兄「美味かったー。ホワイトソースとトマトの
 酸味がめたくたんマいですよ、あれは」

妹「兄さんは大げさです」
兄「そんなことは無いだろうー。食は人間の生活の
 基本だぞ。美味しいと感じるのは幸せの基本だ」
妹「それは、そういうところもありますけれど」

兄「村上春樹は云ってるぞ。
 男が機嫌が悪いときは八割がた腹が減ってるから
 食わせれば機嫌が直る、って」
妹「食糧補給係みたいで微妙な気分になる言葉ですね」
兄「そうかなぁ」
妹「そうですよ」

兄「食い物をくれる人になつくのは生物として自然だ」
妹「!?」
妹(え、っと。そ、それは兄さんが私に、
 その……懐い……て?)
兄「餌付けってそんなもんだろ」



40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 11:58:35.94 ID:Id/ENdNh0

妹「兄さん!」
兄「どうした?」
妹「餌付けって、そういう……。どーぶつのような」
兄「??」
妹「私はそういう意図で食事を作ってるのでは」
兄「気にするな!」

妹「?」
兄「こっちが勝手に懐いているのだ」
妹「っ!」
兄「懐くと進化するぞ!」
妹「ポケモンですか、兄さん」

兄「いつもありがとう、ってこと」
妹「別に。……たいしたことはしてません。
 これはデザートのコンポートです」

兄「ンマーい! ぐは、なんだこれ。
 ちょっと感動するぞ、林檎とシナモンがっ!」
妹(食べてるときは、卑怯にも可愛いんですよね
 兄さんはまったく困った人です)



42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 11:59:53.58 ID:Id/ENdNh0

――サンドイッチ専門店のカフェテラス

女友「悪かったねー。荷物持ちさせちゃってさ」
兄「いや気にするな」
女友「わたしもあんなにあるとは思わなくてさっ」
兄「俺だって思わなかった。
 教授の手伝いとかするもんじゃないな」

女友「うははは。ここは私の奢りだからさっ」
兄「ごちそうになるぞ。……でも良いのか?
 ここ、結構高そうだぞ」
女友「チケットもらったんだ。母さんから。
 んじゃ、サンドイッチもって来るねー」
兄「おう」

 わたわた
  わたわた、とってってっ

兄「あいつ、なんか動きがぎこちないな。
 危なっかしいことこの上ないぞ。
 ……脚に来るほど疲れてるのか?」

女友「お待ちどうさまっ!」
兄「なんか一杯だな」



45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 12:01:03.10 ID:Id/ENdNh0

女友「その通り。色々もらってきたのだ」
兄「バイキングになると目の色変わるな」
女友「任せてっ」
兄「んじゃ食べよう」
女友「頂きます」
兄「頂きます」

――もぐもぐ

女友「男くんはさ」
兄「?」
女友「『いただきます』とか『ごちそうさま』が
 キチンとしてる人だよね」
兄「そうかな」
女友「そうだよ。背筋も伸びているしさ」
兄「うーん。やっぱり、そのへんはさ。礼儀というか
 感謝の気持ちだろう」
女友「お祖母ちゃん子みたいな、男くん」
兄「妹がお祖母ちゃんみたいなんだよ」
女友「えー!? 可愛いのに」
兄「中身は厳しいんだ」
女友「そうなんだー」



47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 12:01:52.25 ID:Id/ENdNh0

兄「これ、うまいな」
女友「どれどれ?」
兄「これ。アボカドとシュリンプだな」
女友「へー。お洒落だね」
兄「定番の組み合わせだけど、
 ここのは味付けが重くなくていいな」
女友「重いって?」

兄「マヨネーズで和えるから、
 味付けが重くなることがあるんだよ」
女友「ほほう。詳しいね!」
兄「普通だよ」
女友「ぐっ。私は判らなかった」
兄「別にかまわないだろう。
 美味しく食べられればそれで十分だ」
女友「むー」

兄「重くなりすぎるのを避けるために柑橘類、
 例えばレモン汁なんかをたらすことも多いのだけど
 ここは隠し味で山葵を入れてあるんだな」
女友「あーっ。本当だ。云われてみれば判るっ!」



50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 12:05:04.30 ID:Id/ENdNh0

兄「涼しい味な。腹が減る味っていうかさ」
女友「また判んなかった……。あたし、女失格」
兄「もぐもぐ」

女友「男くん、料理とか出来る人なんだね」
兄「普通だって」
女友「私、あんまり出来ないよ。へこんじゃうなぁ
 カレーとかお味噌汁とか食らいは作れるけど。
 こういう可愛い料理ってどうやって作るのかなぁ」
兄「良いんだって。美味しいのは判るんだろう?」
女友「うん……。そりゃね」

兄「目の前に出てきたものを、感謝しながら
 美味しいねって食べられればそれが一番いいんだよ」
女友「そういうもんかなぁ」
兄「そういうもんだよ」



56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 12:12:52.54 ID:Id/ENdNh0

女友「むー」
兄「しかめっつらすると、ご飯が美味しく無いぞ」
女友「え?」
兄「笑ってた方が良いぞ。そのほうが美味しいし、
 もてるようになるだろう」
女友「もて、る。かな……」
兄「ああ」
女友「う。うへへ……」にこっー
兄「それで良いと思うぞ。ん」
女友「あ。飲み物無いね。わたしもってくるよっ」

兄「俺が行く」
女友「どうしてー? 給仕くらいさせないさいよー」
兄「珍しくパンプスだろう? 足元、危ない。
 せっかく女らしい服着てるんだから
 ひっくり返して汚しちゃうリスクは避けておこうぜ」
女友「あっ。……うん。お願い、します」
兄「行って来る」

女友「――気がついてくれちゃうんだよね。
 そういうとこだけはさぁ」



57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 12:16:55.40 ID:Id/ENdNh0

妹「さて。今日の課題は
 『献立バリエーションNo.8』です」

妹「夏の食材といえば、キノコ、サツマイモですね。
 カボチャ、銀杏、桃、プラム。魚介で云えば、
 戻りカツオに、手長エビ、ムール貝」

妹「お兄ちゃん評価でいいますと。
 戻りカツオは☆5つですね。あと桃も大好き。
 きのことサツマイモも大好きで、カボチャは
 神の食い物、だそうです」

妹「……全部好きってことじゃないですか。
 ほんとうに役に立たない兄ですね」

妹「仕方ないから勝手に美味しいレシピを
 作るしかないですね。まずはカツオのバリエーション
 から考えますか。土佐造りは基本として……」



58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 12:19:38.77 ID:Id/ENdNh0

兄「いぇあ! ぎゅいーん!!」
妹「兄さん」
兄「美味い。美味すぎる。夏の終わりの戻り鰹。
 帰ってきたスイートハーッツ! ニンニクの
 香りも鮮やかにっ」

妹「静かに食べなさい」
兄「あい」

妹「もぐもぐ」
兄「もぐもぐ、ぐはっ。んまー。うまうま」
妹「もぐもぐ」
兄「おかわりー!」
妹「はい、どうぞ」
兄「うーっまーっいーっ」
妹「……」
兄「ごちそうさまっ!!」
妹「おそまつさまです」

兄「麦茶でまったり。今日も最高の食事ですたい」
妹「左門豊作ですか」
兄「よかたい、よかたい。おいは満足たい」
妹「つかぬ事をお聞きするのですが」
兄「なんでも聞いてほしいたい!」
妹「付き合ってた彼女というのは」
兄「え」



59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 12:21:25.29 ID:Id/ENdNh0

妹「どのようなお付き合いだったのでしょうか」
兄「あー」
妹「いわゆる彼女だったのですよね?」
兄「うん」

妹「兄さんは妹の私から見て、
 多少ですが子供っぽいように見受けられます」
兄「あー。うん」

妹「妹は、兄さんが世間にご迷惑をかけないか
 とても心配です。その方とはちゃんと
 お付き合いできてたんですか?」
兄「う。多分」

妹「多分、ですか。大学生ともなれば、
 小洒落たイタリアン等で食事をして、
 プールバーとやらにも行くと聞いています。
 うちは極端に外食が少ないですが、
 そのへんちゃんとエスコート出来てたんですか」
兄「う、うん」

妹「そこらの公園の芝生で一日日向ぼっことか、
 国会図書館で十五時間読書とか、
 そういうデートコースを立てたりはしていませんよね?」

兄「はい」がくぶる



60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 12:23:16.11 ID:Id/ENdNh0

妹「本当ですか?」
兄「んー。妹よー」
妹「はい」
兄「信用なさ過ぎだな、俺。完璧だった、とは
 いわないけれど、何でそんなに信用が無いんだ、俺」
妹「だって振られたではないですか」
兄「は?」

妹「振られたのでしょう? 今は彼女がいないと
 云っていたではないですか。
 きっと兄さんがふがいないので振られたんだと
 思うのですが」
兄「……」

妹「兄さん。兄さんは確かに子供っぽくてお馬鹿で
 類例を見ないくらい食い意地がはっていますが
 優しいしまめだし良いところが沢山あると
 私は思っています」

兄「ぁー」
妹「振られてはしまいましたが、まだチャンスは
 何回もあります。ですから女心をおさえたエスコート
 位は身につけないとダメですよ」

兄「なんか涙出てきた」



61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 12:24:10.00 ID:Id/ENdNh0

妹「もう……。兄さんも打たれ弱いですね」
兄「サンドバッグに浮かんで消える
 憎い力石あんちくしょうな気分だよ」
妹「ヤムチャ並みに弱いです」
兄「ぐさっ。余計に胸が痛む」

 かちゃり

兄「これは!?」
妹「新作『桃のシブースド 和風アレンジ』です」
兄「!?」
妹「自信作です」
兄「食べて良いのか? 妹よ!?」

妹「どうぞ」
兄「美味い! なんっていうか、涼しげで、
 きめが細かい絹みたいな甘さっ」にこーっ
 
妹(本当に単純ですね。兄さんは。
 もうあんなににこにこして)

兄「美味いな、これは殿堂入りだな」
妹「また作りますからね」
兄「嬉しいぞ、妹よ! 妹の彼氏も果報者だな」
妹「え?」



62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 12:26:53.00 ID:Id/ENdNh0

妹「何を云ってるんですか?」
兄「え? だって妹も高校に入ったわけだし。
 そろそろ彼氏とかそういう話が出てもおかしくないだろう?」
妹「あ、はい」
兄「別に今は彼氏がいなくても、そのうち出きるんだろうし」

妹「別に、そういうのはいいんです」
兄「そうか? 彼氏が出来たらいろいろ
 遊びに連れて行ってもらえたりするぞ?」
妹「別に遊び歩きには興味が無いですし。
 もしそんなことがあったら、何気ないお話をしたり
 それに料理を」

兄「料理?」
妹(料理を作って、食べさせて、あげたり……)
兄「どうした?」

妹(料理を作って、食べさせて、あげたり……)
兄「おーい」

妹(料理を作って、食べさせて、あげたり……)
兄「妹、どうしたんだー? 帰ってこーい」

妹「と、とにかく。私はそういうのは良いんですっ
 今は他にも大事なことがあるんですっ」
兄「そうなのか。変なやつだなぁ」
妹「ううう。兄さんにそんなことを言われるとは」



64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 12:28:57.55 ID:Id/ENdNh0

――台所

妹「このタイミングで、ショウガの絞り汁を入れます」
妹友「ほむほむ。欠片も入れるの?」

妹「欠片は好みで。かじっちゃうと辛いので
 敬遠する人もいます。風情を楽しみたい人もいます」
妹友「ふーん。難しいね」

妹「そうでもないです。食べてほしい人に
 素直に聞けば良いです」
妹友「ふぅーん。妹ちゃんは本当に料理上手だね!」
妹「……ありがとうございます。でも普通ですよ」
妹友「誰に食べてもらってるの?」
妹「家族です。……兄さんとか」

妹友「お兄さんかぁ。云ってたもんね」
妹「ええ、馬鹿ですけど。大きな子供です」
妹友「妹ちゃんクールだなぁ」
妹「世話が焼けるんです」

ガチャ

兄「たっだいまぁ~」



65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 12:31:20.48 ID:Id/ENdNh0

妹「!」
妹友「あ。お兄さんかな」
妹「あ、あの。友さん!」
妹友「なに? 妹ちゃん」

妹「うちの兄は相当に天然の馬鹿ですけど、
 別に悪気のある馬鹿じゃないんで出来れば
 嫌わないでやってください」

妹友「あはははは。大丈夫大丈夫!
 うちにも弟いるもん。同じだよね~。
 男子はがさつで馬鹿だもん。
 ゲームとえっちなことしか興味ないしねー♪」
妹(いや、この場合「嫌わないで」というよりは
 「引かないで」というような意味なんですが……)

トン、トン、トン カチャ

兄「ただいま。お客様?」
妹「兄さん」
妹友「はい。妹ちゃんの友達の妹友です!
 お邪魔しています、お兄さん」
妹「あの、料理の勉強を」
妹友「教わってましたぁ!」
兄「ゆっくりしていってね。俺は自室に戻ってるから
 妹、なにかあったら呼んでな」



70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 12:37:03.36 ID:Id/ENdNh0

妹友「妹ちゃんっ!」
妹「何でしょう?」
妹友「お兄さん格好いいじゃないっ」
妹「へ?」

妹友「格好良いよ。白シャツきりっとしてて!
 理系っぽいし!」
妹「理系……ですか?」
妹友「頭よさそうだよぅ、大人っぽいよぅ」
妹「……」
妹友「うわぁ~ん。うちのアホ弟ととっかえたいよぅ」
妹「……」
妹友「全然馬鹿じゃないよぅ。優しくて紳士だよぅ」
妹「……」
妹友「『ゆっくりしていってね』ニコッ」
妹「……」

妹友「神様のえこひいきだよ。金メダルの数が
 不自然だよぅ!」
妹「……」

妹友「断然かっこう良いじゃん!
 妹ちゃんは予防線張ってましたね! ズバリ」



74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 12:38:38.74 ID:Id/ENdNh0

妹「予防線?」
妹友「お兄ちゃんが取られないようにだよー」

妹「そんなことは無いです。兄はずぼらでいい加減で
 変な踊りを踊りながら食事の喜びを表すような
 お馬鹿ですよ。いつも欠食児童みたいに
 おなかをすかせてるし」
妹友「小食よりは良いじゃない」
妹「それは……。そうですが」

妹友「食事作っても好き嫌いばっかりの
 男っていやなものだよ」
妹「……」
妹友「いいなぁ、あんな優しそうなお兄さんなら
 勉強とか教わったり、買い物一緒に行ったり
 デートしちゃったりするんだけどなぁ」

妹(洗濯物の仕分けで叱ったり、醤油を買いに行かせたり
 犬まる先生の散歩当番をやってもらったり、
 一緒に時代劇を見たりはするんですが……)

妹友「一緒にプール行っちゃったりっ!」
妹(水風呂入りたいってごねて、
 後でお風呂掃除するのは私でした)

妹友「私はうらやましいっ!!」
妹「夢を見すぎです」



75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 12:40:41.99 ID:Id/ENdNh0

兄「あれ、お客さん帰ったの?」
妹「はい。彼女も家でご飯を作るそうです」
兄「そっか。だばだばだば♪ だばだばだばだ~♪」
妹(また変な踊りを)

兄「ところで我が家のご飯は何なのだ?」
妹「今日はさきほどの都合もあって、サバの味噌煮です」
兄「サバの味噌煮!」
妹「それと大根のサラダとナスの味噌汁です」
兄「サラダ! 味噌汁!!」
妹「気分に合わないですか?」
兄「あいまくりっ。早く食べよう」
妹「おなかが減ってたのですね」

兄「うん、具体的な品名を聞くと余計に減ってきた」
妹「では用意しますから、テーブルで待っててください」
兄「いぇーいブラボー! セットアップハリー!」

妹(友さん。こんなのが良いんですか?
 本当にただの大きな子供だと思うんですが)



76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 12:42:56.63 ID:Id/ENdNh0

――日曜日

妹「兄さん、出かけますよ」
兄「いってらっしゃーい、むにゃ」
妹「兄さんもですよ」
兄「なんでー。俺はパジャマ貴族ですよ。
 睡眠は無二の友達、安息の天使……」
妹「……」
兄「この布団はわが砦、難攻不落ですよ。
 もげははは……ZZzzzz」

妹「……カップラーメン」
兄「?」
妹「塩おにぎり、具なしサンドイッチ」
兄「??」
妹「三食そうめん。肉ぬき薄カレー」
兄「な、なに? その寂しい食生活」

妹「白米、ふりかけ、水」
兄「ううう。いやだー! そんな貧しい食体験は
 いーやーだー!!」

妹「では買出しです。兄さん」



83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 12:48:56.31 ID:4D8aO1mz0

>>76
お、、俺の食生活を全否定、、、?



84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 12:51:04.80 ID:Id/ENdNh0

>>83
書いてる俺の食生活も否定されてるから気にシルな。



78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 12:44:14.85 ID:Id/ENdNh0

兄「で、こうなる、と?」
妹「そうです」
兄「ドコなんだ、ここは」
妹「ショッピングモールです」
兄「ずいぶん小洒落たところだなぁ」
妹「最近出来たらしいです。
 多目的ショッピングセンターですから、大きいですよ」

兄「おおっと。すいません。ごめんね。
 ――結構混んでるな」
妹「日曜ですからね」
兄「で、どこにいくんだ? マイシスター
 ここまできたら荷物持ちらしく荷物を運ぶぜ」
妹「私も初めてですからね。案内図を見ましょう」

兄「えらくでかいなぁ。
 プールやアスレチッククラブまであるのかよ」
妹「ええ。この区画はエンタメゾーンですね。
 映画館もあります。スクリーン二枚ですね」
兄「ふぅん。何やってるんだ?
 『大作戦姉3』か。相当に頭の悪いタイトルだな」
妹「では映画は避けましょう」
兄「?」
妹「雑貨屋に行きましょう、兄さん」
兄「あ、ああ」



80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 12:46:42.06 ID:Id/ENdNh0

妹(じー)
兄「なんだ、妹よ。にらんだりして」
妹「いえ」
兄「腹でも減ったのか? 空腹か?
 なんか奢ってやろうか?」
妹「兄さんが減ってるだけではないですか」
兄「!? お前、ココロを読んだなっ」
妹「そんな事すぐ判ります」
兄「むぅ」

妹「あそこにベーグル屋さんがあります」
兄「検索屋に用は無い」
妹「それはグーグルです。
 ベーグルはヨーロッパで食べられるパンの一種です。
 サンドイッチに使ったりします」
兄「ふむ。んで、美味いのか? それは」
妹「目がきらきらしてますね」
兄「美味いのか? 美味しいのか?」

妹「ええ、今日の目的の一つです。
 あそこでベーグルを買って研究したいのです。
 持ち帰りもしますが、イートインも出来るみたいですね」
兄「ほほう。んでは、試みに食べてみよう」



82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 12:48:33.55 ID:Id/ENdNh0

兄「もぐもぐもぐ」
妹「もきゅ」
兄「もぐもぐもぐ」
妹「もきゅ、もきゅ」

兄「……これは、なんというか、新食感。
 パンだと思っていると意表を突かれるな」
妹「ええ、面白いですね。中身のきめ細かさと表面の香ばしさが」

兄「セサミ入りの美味いぞぅ。そっちはほうれん草か?」
妹「緑の生地ですね」
兄「……(じー)」
妹「はい。ひとくちですよ?」
兄「もぐっ!」(にこーっ

妹「はぁ……。兄さんは食べてるときは幸せそうですね」
兄「そんなことは無いぞ。妹の作ったものが
 一番美味しくて幸せだ。何でも良いわけじゃない」

妹(……格好いい事いってるんだけど、
 やっぱり大きな小学生だなぁ。
 友さん、どこが大人っぽくて知的なんでしょうか?)



85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 12:52:38.39 ID:Id/ENdNh0

兄「で、雑貨屋か」
妹「ええ、しばらく検討します。申し訳ないですが」
兄「ああ、気にするな。ぶらぶらしてる」
妹「助かります」

……。
…………。

妹「ん。んぅ」
兄「どうした?」
妹「いえ、その」
兄「バレッタか?」
妹「ええ、髪も伸びてきましたし。髪留めを、と」
兄「何をうなってるんだ? おなか冷えたのか?」
妹「兄さんじゃありませんっ。ただ……。
 どちらにしようかと悩んでいただけです」

兄「ふーむ」
妹「男性には退屈だと思います」
兄「そうか。……でもさ」
妹「?」
兄「アクセサリ屋もたくさんあるだろう?
 なんで雑貨屋なんだ?」



88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 12:54:09.31 ID:Id/ENdNh0

妹「こういう場所のアクセサリ屋さんは
 私にはちょっと華美過ぎます。
 輸入雑貨屋さんくらいのが地味な私には丁度いいんです」

兄「そういうものか?」
妹「です」
(それに、女の子風味が強すぎる店は兄さん本当に退屈でしょうし)
兄「そういうものなんだなぁ」

妹「あっ!」
兄「どうした?」
妹「髪に絡めてしまいました。
 あ、だめです。引っ張っちゃダメですよ」
兄「珍しいな、こんな不器用」
妹「不覚を取りました」

兄「じっとしててな。とってやるから」
妹「は、はい」
兄「……」
妹「……」
兄「……」
妹(兄さんの胸におでこをくっつけて)
兄「……」
妹(友さんに見られたら困る……のかな?)
兄「……」
妹(友さん以外にもそう見えるのでしょうか。
 ……そう見られちゃってますよね!?)
兄「……」
妹(顔、赤くなっていませんように)



89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 12:56:35.84 ID:Id/ENdNh0

兄「取れたぞ」
妹「ありがとうございます。
 じゃぁ、これを買ってしまいましょう。
 もうちょっと待っててください、会計をしてきます」
兄「ああ、ちょっと待て。ジャスタモーメント!」
妹「またいんちき外国語を」
兄「俺自身が討って出る」
妹「兄さんノリノリですね」

兄「これ。これも買おうぜ。これ似合うから」
妹「それは……。楓材ですよ。ちょっと高いです」
兄「似合うから良いのだ。おーい、店員さーん」
妹「ちょっ」
兄「ばっははーい」
妹「私を置いていってどうします」

兄「ほらよ」
妹「ありがとうございます」
兄「今晩はハンバーグが良い」
妹「なぜか屈辱的ですね」
兄「トマトソースのやつが良い。オリーブ乗ってるの」
妹「やけに具体的で高度な要求を」
兄「ふははは。贈賄の力、ここに極まれりっ」



90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 12:58:28.24 ID:Id/ENdNh0

妹「仕方ないですね」
兄「おお! 要求が通ったぞ! 勝訴!!」
妹「くっ。今晩はハンバーグにします」

兄「ハンバーグだよ! ハンバーグっ!」
妹「うーん、玉ねぎとパンはあったので、
 ひき肉と、牛乳と……」
兄「これとこれだなっ!」

妹「ああ、違います。合びきで作るんですよ」
兄「逢引? デートか? らぶらぶか?」
妹「なっ。――馬鹿を言わないでください。
 混合ひき肉のことですっ」
兄「うう。ぶたなくても良いだろうに。
 へっへーん。横暴シスターめー。打撃系ストライカーめ」
妹「兄さんがふざけたことばかり言うからですっ」

兄「ベーコンで巻こうぜー」ひょいっ
妹「もう、勝手なことを。一応プランがあるのにっ」

どんっ

兄「おっとっと。兄妹かな、ちっさいなー」
妹「走っちゃ危ないですよー」



91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 13:00:31.72 ID:Id/ENdNh0

ちび男「これかってー!」
ちび女「これかってー♪」
ちび男「あんぱんまんはんばーぐ」
ちび女「どきんちゃんはんばーぐー♪」

ちび男「たべたい、たべたいー!」
ちび女「これがいー!」
母「こんなのがいいの? ちゃんと作るわよ?」
ちび男「おっきいの?」
ちび女「でみすらくそーすついてる?」

母「失礼ね。インスタントなんかより
 母のほうがずっと上手ですよ」
ちび男「なら、そっちー」にこーっ
ちび女「いっしょにつくるー♪」にこーっ

――。

兄「なんだ、にこにこして」
妹「兄さんみたいだなぁ、って」
兄「俺はあんな欠食児童じゃないぞ!?」
妹「兄さんは、それでいいんですよ。
 さ、帰りますよー」にこ
兄「急に機嫌直ったのか? 不可思議なやつだなぁ」



119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 15:11:20.55 ID:Id/ENdNh0

 めるめるめる。めるめるめる。

兄「妹か」

妹『本日の夕食はキスと茄子の天ぷら、ほうれん草の
 おひたし、じゃこ豆腐サラダ、わかめのお味噌汁。
 以上の予定です』

兄「うっわ、美味そうだぞ、おいおい。
 JoJoに勝った時のDIOみたいな気分になってきたぞ」

妹『リクエストはありますか? 帰宅は何時ごろですか?』

兄「むぅ。……追加piは、特になしpi。帰宅は、すぐ帰る
 ハラヘッタ。課題は全・放・置☆」

妹『追伸。勉強と作業は全部終らせてこないと
 ご飯は一切作りません』

兄「くそっ。見透かしてやがる。あいつはエスパー伊藤かよ。
 ……ごめんなさいpi、いまのはpi、嘘だぴょん、っと」

兄「しゃぁねぇな。真面目にやって帰るか。
 どっかでプリンでもお土産に買っていくか」



123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 15:15:43.16 ID:Id/ENdNh0

――帰宅途中、スーパー

兄「土産を入手しなければ俺の夕飯が危ない。
 ここでのミッションは妹の機嫌を取るべく
 プリンを入手することにある。
 諸君らの健闘を期待する。らじゃー。隊長っ」

 ぶらぶら

兄「流石にこの時間は混んでるな」
妹友「あっ」
兄「……プリンは、あっちかな」
妹友「お兄さん、お兄さ~ん」
兄「ん? ああ。妹の」
妹友「はいっ。妹友ですっ」
兄「お買い物?」
妹友「そうですっつ。今日は私がご飯を作るんですよ」
兄「偉いね」
妹友「えへへへ~。あの、妹ちゃんは?」
兄「今は家だよ」
妹友「そっかぁ。今日もご飯作ってるのかな?」
兄「うん、そのはず」



125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 15:18:21.20 ID:Id/ENdNh0

妹友「すごいなぁ。妹ちゃんは。料理上手ですよね」
兄「いつも感謝だよ」
妹友「わたしも、今日のは妹ちゃんに教わりましたっ」
兄「んっと。さばの味噌煮だね。つけあわせは竹の子?」

妹友「うわ、すごい。すぐ判るんですね」
兄「妹が作ってくれるからね。でも渋い趣味だ」
妹友「笑わないで下さいよ~。もうっ」
兄「笑ってなんか無いよ?」
妹友「目が笑ってますっ。
 これは、父に作ってあげるからなんです」
兄「ああ、うん」
妹友「これなら父も喜んでくれるかなーって。
 妹ちゃんは『絶対です』っていってくれたけど」
兄「そっか」

妹友「喜んでくれるかなぁ」
兄「うん。お父さん、東北の方なんでしょ?」
妹友「うん、ですけど。なんで?」
兄「材料、レシピ通りでしょ?
 わざわざ辛口の赤味噌買ってるってことは
 そうなんだろうな、って」

妹友「あ、あーっ!」
兄「ね?」
妹友「そうだったんだぁ。気がつかなかったぁ」
兄「だから、きっと喜んでくれるよ」



127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 15:23:47.03 ID:Id/ENdNh0

妹友「ありがとうございますっ。
 材料選び付き合ってもらっちゃってっ!」
兄「こちらこそ。美味しいプリン教えてもらったからね」
妹友「妹ちゃんはそこのメーカー好きなんですよっ」
兄「ほう。覚えておくよ」

妹友「なんか、いいなっ」
兄「ん?」
妹友「お兄さんがいるのって、良いですよねっ。
 うちは弟なんですが、憧れますっ」
兄「うーん。そうかな」
妹友「そうですよ! 絶対お兄さんですよっ。
 そ、その
 格好いいしっ(赤面)」
兄「そんなこと無いよ?」

妹友「お兄さん、妹ちゃんと
 あの、その……。じゃなくて、いわゆる、ほら
 大学に……」
兄「?」



128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 15:24:44.49 ID:Id/ENdNh0

妹友「えっと、べつに。あれかなーって」

 わたわた

妹友「別に深い意味は無いんですけれど、
 なんとなく好奇心のアレの質問っていうか、
 お兄さんは、彼女さんとかそういう」

兄「はい。妹友ちゃん」
妹友「ひょぇ?」
兄「チョコミント。そこのアイス屋さんの」
妹友「あ、あの」
兄「ん?」
妹友「ありがとうございます」
兄「まだまだ暑いよね」

妹友(妹ちゃん。お兄さんぜんっぜん馬鹿じゃないよぅ。
 うちの弟ととっかえてよ、こんなのっ!!!)

兄「?」
妹友「え、いやっ! 美味しいです! これっ!!」
兄「う、うん。溶けてこぼれちゃうよ?」
妹友「速攻で食べますっ」



131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 15:30:42.59 ID:Id/ENdNh0

――リビング

兄「だばだば、だばだば♪」
妹「お帰りなさい、兄さん」
兄「びろんびろ~ん♪」
妹「……」
兄「だばだば♪ バッシャー・アクアトルネードっ」
妹「……」

兄「ただいま帰宅~」
妹「おかえりなさい」
兄「今日も暑かったぞー。オナカスイタ マルカジリ」
妹(相変わらず兄さんは子供のようです)

妹「判ってますよ。お風呂でもどうですか?」
兄「でもハラヘッタ」
妹「いや先にお風呂でも」
兄「ハラヘッタ」
妹「それは判りましたが」
兄「ハラヘッタ。ヴー」
妹「子供を越えてドーブツですかっ!!」
兄「しかしー」

妹「本日は天ぷらです。揚げたてを供しますから
 兄さんはお風呂へどうぞ。タイミングを合わせて
 出せるように準備が要るのです」
兄「了解だ! エスパー伊藤っ!」
妹「だれがですっ!!」



132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 15:34:14.70 ID:Id/ENdNh0

兄「風呂から上がったどー!」
妹「おかえりなさい。さっぱりしたでしょ?」
兄「応。さっぱりだぜ。そのうえ食欲180%っ」
妹「いま出来ますよ」
兄「麦茶もらうぞ~。もっきゅもっきゅもっきゅ。うめぇ!」

妹「……♪」
兄「忙しそうだな」
妹「天ぷらは速度と手際です」
兄「そか」

妹「はい、そこの天つゆを作るっ!」
兄「あいあいさーっ」
妹「生姜を下ろしてください。用意してあります」
兄「忘れてたのか? らしくないな」
妹「直前におろすのが香りがよいのです」
兄「うう、厳しい」

妹「出来ました。運んでくださいっ」
兄「なんかスパルタ!?」
妹「ぐずぐずしないっ!」
兄「はい~っ」



133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 15:37:25.39 ID:Id/ENdNh0

兄「いただきますっ!」
妹「召し上がれ」

兄「もぐっ! うまっ! 熱っ! もぎゅもぎゅ」
妹「もぐ」
兄「美味い、美味いよこれっ!」
妹「いいから静かに食べてください」
兄「もぐっ、もぐっ。……んっく、うまうま」
妹「もく」
兄「うまうまうまうま!」
妹「もぐ」

兄「茄子が、中身、とろとろっす!」
妹「それが美味しいのです」
兄「まさに真実! ジャスティス! フリーダム!」
妹「よく判りません」
兄「美味すぎるって事! キス天ぷら幸せ!」
妹「はい」

兄「妹よっ」だむん
妹「なんですか。いきなり」
兄「感動した!」
妹「大げさな」
兄「天ぷらは手際が命だと悟った!」
妹「はいはい。兄さんは素直なところが良い子です」



146:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 16:18:33.22 ID:Id/ENdNh0

兄「うむー。食った食ったー」
妹「おなか一杯ですか?」
兄「余は満足じゃ」
妹「ご馳走様でした」
兄「ご馳走様でした」

妹「では、流してきます」
兄「俺もやるぞー」
妹「ゆっくりしてて良いですよ」
兄「うんにゃ、やる」

妹「そうですか、じゃぁ、そっちをお願いします」
兄「ほいさー。今日の食事も美味しかったぞー」
妹「はい」
兄「ありがとうな、妹よっ」
妹「はい(じー)」

兄「ん? どうした? こないだもだけど」
妹「いえ。友人が兄さんを羨ましいと云っていて」
兄「なんだろな、それ」
妹「この間、ここで挨拶をした友ちゃんなのですが」



148:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 16:22:00.06 ID:Id/ENdNh0

兄「ああ。そういえば、さっき会ったよ。
 プリン買いに行ったらスーパーで出会った。
 向うはサバを買ってたよ」
妹「そうでしたか」

兄「味噌煮つくるんだろう。なんか感謝してたぞ」
妹「たいしたことはして無いのですが。
 喜んでもらえてるなら嬉しいです」
兄「おー。食いもんは一番の功徳だぜ」

妹(じー)
兄「??」
妹「スーパーでも『だばだば~♪』とか云って
 踊ったりしてないでしょうね?」
兄「ぐっ。信用ないな」
妹「兄さん子供なんですもの」
兄「普通にしてたってのっ。っていうか
 俺はいつでもジェントル大人指定だってのっ」

妹「洗い物終ったら兄さんが買ってきた
 プリンが冷やしてありますよ」

兄「ひゃっほーぃ♪ プリンうまうま~」にこにこ
妹(ジェントル大人指定はどこにあるんでしょうか)



150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 16:27:46.87 ID:Id/ENdNh0

――兄の自室。起床。

妹「兄さん、兄さん」ゆさゆさ
兄「ん、むぅ……」
妹「起きてください」
兄「もうちょっと……」
妹「もうちょっとって」
兄「率直に言うと、もうちょっとじゃなくて、かなりだいぶ」
妹「『かなりだいぶ』とはどれくらいですか」

兄「……おおよそ8時間くらい」
妹「……」
兄「わかった、譲歩する。……7時間くらい?」
妹「……」
兄「お主もとんだ策士よのぅ。……6時間でどうじゃ」
妹「……」



151:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 16:32:37.94 ID:Id/ENdNh0

かちゃり

兄「出て行ったぅ……。我が抵抗が勝利した。
 睡眠パルチザンの勝利……この運動を総括せよ……。
 むさぼれるのです、安眠を。あと5時間56分くらい……。
 むにゃむにゃ……。
 朝ご飯は何かな……。あ、寝てる間に……昼か。
 あれ。昼も過ぎて、夜? かな……
 朝、昼、抜きかな……」

兄 がばっ!!

兄「起きます! っていうかむしろ起きてました!」



154:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 16:35:00.05 ID:Id/ENdNh0

兄「妹っ! 上官殿っ」
妹「おはようございます、兄さん」
兄「俺の朝食はどこだーっ!?」
妹「がっつかなくてもちゃんとありますよ」
兄「おおっ」
妹「はい。座ってくださいね」
兄「おうっ」
妹「今日の朝ごはんは丸干しとトマトのサラダと
 豆腐のお味噌汁とひじきですよ」
兄「和食だぁ。兄は和食が大好きであるぞ!」
妹「知ってます」

兄「いっただきます!」
妹「いただきます」
兄「はふはふはふはふ。ん、ま~いぃ」にこー
妹「もぐもぐ」
兄「妹、これんまいぞ!」
妹「ありがとうございます。お味噌汁お代わりしますか?」
兄「おう!」
妹「兄さん。よく食べますね」
兄「毎日おさんどんさせてすまないなっ」にこにこ
妹「いえ。かまいませんけど。料理はだめですか」
兄「うっ。不器用で
 トマトを切るのもおぼつかないぞ」
妹「世話の焼ける兄です」



158:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 16:46:48.51 ID:Id/ENdNh0

――女友の自宅。ワンルームマンション。

女友「ご、ごめんね。男くん」
兄「気にするな、寝てろ」

女友「今お茶入れますよ美味しい紅茶の粉、粉……
 あれ、粉はコーヒーだっけ? 粉体の流動性?
 コロイド破断? あれ、あれれれ」

兄「無理だ。斜めにぐらぐらしてるぞ」
女友「えへへー。やっぱり?
 私も地震すごいなーって思ってたんだ~」
兄「お前がぐらぐらしてるんだ」

女友「そんなに手抜き工事じゃないですよーだ」
兄「判ってる。風邪を引いてるんだ」
女友「けほんけほんっ。よく判ったわね」

兄「熱がある」
女友「生きている証拠なのっ」



162:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 16:50:16.87 ID:Id/ENdNh0

兄「いいから布団に入れよ」
女友「はぁーい」ぷんぷん

兄「不服そうだ」
女友「楽しくないな。せっかく男くんが来てるのに」
兄「週に四日はゼミで顔あわせるだろ」
女友「家に来たのは初めてだよ」
兄「そうだっけ。そうだな」

女友「えへへへー」
兄「細い声で笑うなよ。痛々しい」

女友「いや、面目ない」
兄「素直に謝られても困る。
 これがお前のデスクから持ってきたMOで、
 こっちは資料。こっちは日程。まとめ作業は俺のほうで進める。
 説明は話しても朦朧としてそうだから、
 メールに放り込んでおく」

女友「ん。あんがと」
兄「首まで布団に入れ」
女友「はぁーい」むぅ

兄「膨れたってだめだ。
 医者は行ったのか? 薬は飲んでるのか?」
女友「お医者は面倒だよ。薬は薬局の飲んでる」



163:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 16:53:41.89 ID:Id/ENdNh0

兄「これか」
女友「うん。明後日あたりまで熱が下がらなければ、
 どうにもならないから注射打ってもらいに行くよ」
兄「それがいいな」

女友「えへへー」
兄「どうした?」
女友「なんでもない」
兄「変なやつ」

女友「いやぁ。私、上京組だからさぁ」
兄「ん?」

女友「風邪引いて、ガッコ三日休むとさ、
 ほんとに丸三日誰とも話してないしさ」
兄「うん」

女友「男くんが来てくれて嬉しいわけよ」
兄「良いから寝ろよ」
女友「やだよ。やだやだ。もっと話す!」



178:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 18:01:29.48 ID:Id/ENdNh0

兄「馬鹿いうな。めまいしてるだろう、
 目が回ってる感じだ」

女友「回って無いもん。回ってるのは天井だもん」

兄「君は子供ですか」

女友「子供じゃないですよ。うら、でかいんだぞ。
 ほれほれ。ばよんばよんっ。
 あたしだって男くんの元カノに負けてないぞ~」

兄「いいから」
女友「あっ」
兄「こうして目閉じてろ」

女友「あ、ぅん。……手、おっきいねー」
兄「いいから」
女友「ん……」

兄「無理してはしゃぎすぎだよ」
女友「う……ん……」

兄「目、つむってると。眠れるからな」
兄「うん……。なんだか、あったかい……」



189:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 18:25:48.82 ID:wkHDq2A3O

>>178
兄が寝てるぞ



190:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 18:27:38.83 ID:Id/ENdNh0

>>189
記憶を失え~。



180:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 18:08:34.61 ID:Id/ENdNh0

――。
――――。

女友「けふんっ、けふんっ」
女友「うー。寝ちゃってたんだ。
 暑いよぅ、パジャマ気持ち悪い……。
 あれ? 男くん、いたよね? あれれ」

女友「おーい。おーぅい。
 男くーん。いませんかー? いーませんかー?」

女友「いない、か。寝ちゃったら、帰っちゃうよねぇ。
 いないっかー。うわ、いませんよ! いませんよっ」

 しーん

女友「誰か返事してもいいじゃん。
 なんだよ、寂しいなぁ。ずっこいよ、誰もいないんだもん」

 しーん

女友「くそう、そっちがそのつもりなら
 一人っきりでおっぱい劇場してやるからねっ。
 ソロプレイヤーとしての技量を見せ付けてやるからねっ」

 がちゃり
兄「それはどうかと思うな」
女友「えひゃいっ!?」



181:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 18:11:11.51 ID:Id/ENdNh0

兄「おっす」
女友「お、男くん。なな、な、な、な」
兄「買いだし行ってきた」

女友「ど、ど、ど、ど」
兄「お前んち何もないんだもん」

女友「どこ、ど、どこ、こ、こ、こ」
兄「おっぱい劇場から」

女友「あ、あわ、わ。あばばばばば」
兄「三日も風呂に入ってないおっぱいなんか
 どうでもいいから気にするなよ」
女友「#&(”=лЩ☆!!!!」

兄「投げるなよっ。枕くらいなら、くぁ!?」
女友「ふーっふーっ」
兄「痛っ。おま、ディスクケースは反則だ」

女友「乙女の清らかな胸に何たる暴言!!」
兄「お前が云ったんじゃん」(ぼそり)

女友「うわぁぁーっ。もう学校に行けないぃぃぃ」
兄「大丈夫だ。風邪で朦朧としているからすぐ忘れるよ」
女友「私の記憶が消えても問題が解決しないよっ」
兄「そうか? 概ね解決じゃないか?」



183:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 18:14:22.98 ID:Id/ENdNh0

兄「まぁそんなことは瑣末なことだ」
女友「瑣末な胸って云われた」
兄「えーっと」

女友「取るに足りない胸って云われた」
兄「胸から離れろよ」

女友「自慢の逸品なのに……」
兄「ほら、こっち向けよ」
女友「へ?」

 ひやっ

女友「ひゃっこい!」
兄「タオル、冷水で固く絞ってあるから。
 汗が気持ち悪いだろ、拭くといいぞ」

女友「うわぁ~」
兄「どした」
女友「男くん、サービスが良い!」
兄「ちゃきちゃき協力しろよ病人」
女友「ん」

兄「洗濯も回してコインランドリーで乾かしておいたぞ」
女友「うっわ。なんか恥ずかしいな」
兄「恥ずかしいアイテムは除去してある」
女友「余計恥ずかしいよっ」



185:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 18:18:27.08 ID:Id/ENdNh0

兄「台所借りるぞ」
女友「どうぞぉー」(もそもそ
兄「いまのうち、身体もふいちゃえ。
 予備のタオルはここに置くからな」

女友「うん、あんがと」(もそもそ
兄「お前、パジャマとか予備ある?」
女友「奥にしまっちゃってあるかも」

兄「洗濯にTシャツ何枚か入ってたから、
 着替えるといいと思うぞ」
女友「うん、そうする」

兄「聞き分けいいな」
女友「流石に汗で湿ってて気持ち悪かった」
兄「そっか」
女友「男くーん」
兄「なんだ?」

女友「パンツも代えたー」
兄「はいはい」
女友「お土産に持ってかないでよね」
兄「黙れ」



188:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 18:22:27.72 ID:Id/ENdNh0

女友「ぶつこと無いじゃない。私と男くんの仲なのに」
兄「友情があるから真摯な忠告として体罰したんだ」
女友「むー」

兄「馬鹿やってないで布団は入れよ。
 タオルケットも変えたんだから」

女友「はーい」のそのそ
兄「不服そうだな」
女友「男くん、ノリ悪い」
兄「女がシモネタすぎなんだ。
 そういうのはステディなやつとやれ」
女友「へいへーい。いないってもんですよ」

兄「女、身体起こせるか?」
女友「なに?」
兄「おかゆ作ったぞ」
女友「わぁ!」

兄「背中、クッションあてとけよ。食えるか?」
女友「うん、食べる食べる! ずっと何にも食べてなかった!」
兄「駄目な病人だなぁ、お前」
女友「実家暮らしにはわかんないよ」



192:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 18:31:46.21 ID:Id/ENdNh0

女友「はふ、はふ、はうはうっ」
兄「落ち着け」
女友「はぅーはふはふ。美味しい、これ、何?」

兄「茶色いのは、牛そぼろの餡だ。おかゆの定番だな。
 白かゆには邪道なんだが、女くらいの体調だと
 ただのかゆは寂しいだろう。食欲はあるみたいだし」
女友「うんうんっ。――この赤いのは?」

兄「ゆかりだよ。赤しそだね」
女友「そっか、なんか美味しい♪」
兄「ゆっくり食え。気持ち悪くなるぞ」
女友「平気、美味しいー」
兄「そか」

女友「もうちょっとある?」
兄「ああ。よそってくる」
女友「ありがとう!」
兄「いえいえ」

女友「はふ、はふ、はうっ」
兄「……」
女友「今度はとき卵だよね。これも美味しいねー」
兄「めんつゆで延ばすのがコツだ」
女友「はぅーはふはふぅー」
兄「麦茶、ここに置くぞ」



193:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 18:35:27.35 ID:Id/ENdNh0

女友「ごちそーさまでしたっ!」
兄「お粗末さまでした」

女友「美味しかった♪」
兄「ああ。冷蔵庫に、桃ゼリーとか入ってる。
 おちついたら食え」
女友「うん、重ね重ね、ありがとう」

兄「食ったから体温上がるはずだ。冷えピタはって
 布団で汗かいて、一気に治せな」
女友「うん……」

兄「どした?」
女友「男くん、料理上手だね」
兄「そうかな。普通の域は出ないだろ」
女友「手際良いよー」
兄「まぁ」
女友「?」

兄「高校くらいまでは普通に毎日作ってたからな」
女友「妹さん、小さかったからかな」
兄「あー、うん。そんなところ」
女友「?」

兄「こっそり布団から脱出しようとするな」
女友「だって気になるー!」



199:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 18:57:34.92 ID:Id/ENdNh0

兄「食器洗って、台所片付けてるだけっ」
女友「つまんない」
兄「台所洗剤が固まるほど使ってないのかよ」
女友「~♪」

兄「ごまかすくらいなら布団で寝てろよ」
女友「はぁーい」(ぷんぷん
兄「不機嫌なのか。訳判らんぞ」
女友「そんなことないよー」

兄「さてと」
女友「ふぇ?」
兄「綺麗になった。帰る」
女友「えー。もうちょっと遊んでいこうよ」
兄「俺がいると女は寝れない」
女友「そんなことないってば。もう遅いよぅ。
 終電も無いかもしれないよっ? お話してようよ」
兄「病人でしょ、君は」
女友「そだけどさ」

兄「治れば、ゼミでいくらでも会える」
女友「うん」
兄「とっとと治して。論文、詰まってるよね?」
女友「う゛。判った」
兄「んじゃな。お大事にな」

女友「うん、ありがとうね! 今度恩返しします」
兄「気遣い無用。とりあえず、寝ろ」



201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 19:03:04.86 ID:Id/ENdNh0

――自宅。リビング。

妹「これで洗濯は終了、ですっ」

妹「まったく兄さんは誰に似たのか大きいですからね。
 シャツなんか私が二人入ってしまいそうです。
 洗濯もこれだけ大きいと壮大な感じですね」
妹「夏場はあっという間に乾いて、ありがたいです」

妹「掃除も終了です。――次は」

めるるるる。めるるる。

妹「あれ。兄さんですね。えっと……。
 今日は遅くなる。場合によっては終電を逃がすかも。
 朝には帰るので、晩御飯は楽しみすぎるけれど、
 ごめんなさい。――ですか」

妹「兄さんもやっぱりお付き合いとか、
 色々あるんでしょうね」

妹「と、なると。ご飯も量はなくて良いですね。
 鮭は明日の朝食に回して、余ったトマトは茄子と
 グラタン皿で焼いちゃいますか。
 ちょっとアラビアータっぽくしましょう。
 うん。それは美味しそうです」



205:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 19:19:55.78 ID:Id/ENdNh0

妹「もぐもぐ」

妹「もぐもぐ。ん、やはり正解です。
 鷹の爪いれると美味しいです。
 これなら兄さんは大喜びです。ね?」

 しーん

妹「っと、いないのでした」

 しーん

妹「もぐもぐ」

 しーん

妹「だいたいっ」

妹「大体、兄さんがいつも食事を
 賑やか過ぎるほど賑やかに食べているから、
 こんなときの静けさが一掃引き立つんです。
 兄さんはお子様怪獣ですからね。
 グラタン皿一つに大騒ぎで大喜びです」

妹「……むぅ」

妹「――ご馳走様でした」



206:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 19:22:59.64 ID:Id/ENdNh0

妹 ペラペラ

妹「九月です。まだ暑いですけどね。
 えっと、食材としてはアスパラ、胡瓜、おくら、
 さといも、ミニトマト、秋茄子、松茸、しめじ。
 魚だと、秋刀魚、秋鮭、さばといわし。
 果物も美味しいですね。柿、無花果、梨、栗、と」

妹「松茸は、やっぱり高いですから……。でも、どこかで
 一回くらいは季節に食べておきたいです。
 美味しいのはしめじっていう気もしますけれど、
 季節のイベントですものね。兄さん喜びますしね」

妹「秋ですから、肉も味噌漬けなんか作ってみたいですね。
 となると、牛肉ですか。牛肉の味噌漬け焼き。
 つけあわせは胡瓜の酢の物と、ミニトマトのチーズサラダ。
 お味噌汁は、絹サヤと油揚げ、かな」

妹「とりあえず、これでファイルを。
 『九月の献立第1週 バリエーションNo.21』完成です」

妹「去年だけで7つも書いたんですね。
 そっか。もう、5年になるんだ。
 なんだかずーっと一緒みたいです」



209:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 19:25:29.85 ID:Id/ENdNh0

――お昼ご飯、教室。

妹「……と、いうわけで兄さんは
 朝ご飯もすっぽかしたのです」

妹友「外泊だー」
妹「ええ外泊です」

妹友「妹ちゃん。目がちょっと怖い」
妹「だって外泊ですよ?」

妹友「でも、無断じゃ無いんでしょ?
 お兄さん、21だっけ? それくらいなら、外泊くらい
 普通にするんだと思うよー」

妹「それは、そうですけど」
妹友「妹ちゃんブラコンだ」
妹「そんなんじゃありません」
妹友「そうかなぁ」
妹「当たり前じゃないですか」



210:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 19:29:33.77 ID:Id/ENdNh0

妹友「いや、あのさ。うーん。
 お兄さんのこと嫌いなの? 仲悪い?」

妹「そんなことは無いです。兄さんは馬鹿ですけれど……。
 世間の基準で言えば、多分、仲は良いほうだと思います」

妹友「休日にお兄さんと一緒に出かけたりする?」

妹「ええ。この間はショッピングモールに。
 映画とかプラネタリウムも行きますよ」

から揚げひょい、もぐもぐ

妹友「うーん。その辺だよね。うちは行かないよ?」
妹「え?」

妹友「多分、クラスの皆に聞いても同じだよ。
 中学高校ともなれば、兄妹なんて
 そんなに一緒に遊ぶものじゃないんだよー」
妹「そうなんですか?」



212:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 19:34:22.63 ID:Id/ENdNh0

妹友「お兄さんが子供かどうかは置いておいてさ、
 とりあえず背は高いじゃない」

妹「ええ、無駄に」

妹友「顔だってすっごい美形! って訳じゃないけど
 というか、むしろ凛々しいと思うよ」
妹「喋るとすべてが台無しになるんです」

妹友「お土産にプリン買ってた。荷物持ってくれたり」
妹「そういうことはマメなんです」

妹友「妹ちゃんは見る目、厳しいんだよ。
 お兄さんとずっと一緒にいるからハードル上がっちゃってるの。
 さっきも言ったけれど、普通の兄妹はそんなに
 行動一緒じゃないんだよ。
 お兄さんとデート一杯しているんだから」
妹「デートじゃないです。買い物ですってば」

妹友「デートだよ。ずっと一緒にいるんだから、
 とにかく、そんな風に仲良く出かけたりしてるなら
 意識するほうが『当たり前』なんだよ」
妹「……」



213:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 19:37:34.76 ID:Id/ENdNh0

妹友「私はお兄さん、その……格好良いと思うな。
 優しいし。ちゃんと……うーん。気持ちのある人だよ。
 話すときに、ちゃんと聞いていてもらえる感じがするもん」
妹「え?」

妹友「話す内容が、ちゃんと通じてる感じする」
妹「そんなの」

妹友「これは『当たり前』じゃないんだよ」
妹「そうでしょうか」

プチトマトをおすそ分け、ポテトサラダをもらう。

妹友「そうなの。うちの弟なんか、日本語でさえ
 通じて無いんだよ? 男子なんて結構そうじゃん」
妹「んぅ」

妹友「わたし、お兄さんの彼女に立候補して良いかな」
妹「え?」

妹友「恋人になってほしい、かも」
妹「ええーっ!?」



216:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 19:41:02.84 ID:Id/ENdNh0

妹友「変かな」
妹「変ですよ。兄さんは子供ですよ?
 おっきな小学生で、オマケに怪獣で、踊りますよ!?」

妹友「そのへんは全然平気だよ。だって妹ちゃんからして
 そういうの、そんなにイヤでもなさそうだもん」
妹「そうかもしれないですけど」

妹友「それとも、やっぱりブラコン?」
妹「違います。……多分」

妹友「妹ちゃんのお兄さん格好良いし優しいから
 恋人になってくれたらいいなぁ~って
 思うけど私のは軽症だもん。
 でも妹ちゃんのは自覚症状無しで重症っぽいよー?」
妹「そう、なんでしょうか」

妹友「兄離れしないとだよ」
妹「……」

妹友「無理にすることは無いと思うけどね」
妹「あの、友さん、私と兄さんは、本当は」

妹友「もぐもぐ。あ、そだ! そうそう」
妹「?」



219:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 19:46:58.81 ID:Id/ENdNh0

ごそごそ

妹友「じゃん!」
妹「雑誌、ですか?」
妹友「ここんとこにねー。こんなことが書いてあるのだ」
妹「?」

『彼の事を好きかどうか判らない?
 こっそり彼の寝顔を見てみよう
 ドキドキしたら恋の証拠。見飽きなければ愛の証拠』

妹友「簡単判別法だよっ」
妹「なんか信用度低いです」
妹友「とにかく、確かめてみたら?」

妹「友さんはなんでそんなに相談に乗ってくれるんですか?」
妹友「――悔しいから、かなぁ」
妹「え?」

妹友「じゃなくて。うん……。お兄さんは格好良いな、
 羨ましいな、あわよくば彼氏欲しいな、って思うけれど
 妹ちゃんは友達だしね。妹ちゃんが恋愛オンチだと
 心配ではらはらするよ」

妹「すみません……」
妹友「とにかくっ。そういうことっ」



262:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 22:50:36.37 ID:Id/ENdNh0

――自宅、台所

妹 混ぜ混ぜ

妹「我ながら、美味しそうに出来ました。栗ご飯です」
妹「あとは……。鮭とアスパラのサラダと香の物で
 良いですよね。寂しいかな? でも栗ご飯の
 見栄えがありますからね」

 かたかた。しゅんしゅん。じゅーじゅー。

妹「お味噌汁はお豆腐で……」

妹「それにしたって」

――意識するほうが『当たり前』なんだよ?

妹「そんな事。あるわけ無いのに。
 友さんも気の回しすぎです。
 兄さんなんて小学生で怪獣でびろんびろ~ん♪ ですよ」

妹「それは、美味しそうにご飯を食べてるときとか、
 買い物に飛んでいくときは
 おっきな犬っぽくて可愛いな、
 とかは無きにしも非ずですけど……」

妹「それ以外はあるわけ無いです。ほんとに」



271:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 23:03:24.10 ID:Id/ENdNh0

 がちゃり

兄「たっだいまぁ。お。食い物に香り発見っ!!」
妹「あ、兄さん」

兄「だばだば、だばだば♪ 感謝の踊りを捧げるのだ~」
妹(これだもんなぁ)

兄「だばだば、だばだば♪」
妹「お帰りなさい、兄さん」

兄「おう! ただいまだぞ、妹!! 今日も美味そうだな!」
妹「今日は栗ご飯です」
兄「!! でかしたぞ! ブラボーマイシスター」 くしゃ

妹「あ、あ。兄さん」
兄「ん?」
妹「頭、撫で……。そういうのは」
兄「だめか?」
妹「駄目じゃありませんが。子ども扱いは禁止です」

兄「そっか。まぁいいや。ご飯ごはーん!」
妹「ちゃんと手を洗ってください」
兄「はーい」



272:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 23:08:07.94 ID:Id/ENdNh0

兄「いっただきまーっす!!」
妹「召し上がれ」

兄「はぐはぐ。もぐっ。うまうま。うー。はぐっ」
妹「もぐもぐ」

兄「うまい、うまい!」
妹「はい」
兄「はぐはぐ。んまんまーっ。もっきゅもっきゅ」
妹「兄さんは口が大きいです」

兄「妹は小さいな」
妹「それはまぁ」

兄「その戦力格差が、こうなるっ!!」ひょいぱくっ!
妹「ああっ私のアスパラっ!」
兄「うまぁーいっ」にこっ

妹「兄さんっ」
兄「判ったよ。妹には、俺のプチトマやるから」
妹「もう」



274:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 23:12:58.85 ID:Id/ENdNh0

兄「栗、甘くて美味いなぁ!」
妹「千葉の叔父さんからです」

兄「あー。俺はあの人苦手だ」
妹「――食べ物には罪が有りません」

兄「ん。そだな。
 もっきゅもっきゅ、美味い! おいしいっ!
 妹ご飯は神の味っ! いつもあんがと!!」
妹「何もして無いです」

兄「そんなことないぞ。いまどき一体何割の家庭で
 ちゃんとした炊き込みの栗ご飯出てくるかって話だ」
妹「考えたことは無いですがレアですか?」
兄「土星の衛星くらいになっ。はぐはぐっ。
 鮭の脂の乗った部分と、栗ご飯の組み合わせが幸せだっ」

妹「がっつきすぎですよ、兄さん」
兄「おかわりっ!」
妹「もうっ」
兄「おかわり、ないのか?」しょぼん

妹「あります。よそいますから」
兄「わーい! 栗のとこねーっ」



276:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 23:19:25.17 ID:Id/ENdNh0

妹(じーっ)
兄「まふはぐっ。んっ。んまっ!」
妹(じーっ)
兄「美味いなぁ。栗ご飯は偉いなぁ~」
妹(じーっ)
兄「妹、どうした?」
妹「兄さんは本当に幸せそうに食べますね」

兄「幸せだぞ。栗ご飯なんだぞ?
 かのジュリアスシーザーもポンペイウスと結び
 栗ご飯の保護に努めたんだぞ。それとも……
 まさかっ!
 妹よ、駄目だ。
 いくら惜しくても一度俺の元に来たからには、
 これらの栗は俺の保護下にある。
 返せといわれても返せない。むしろ食う!!」

妹「古代ローマに栗ご飯は無いです」
兄「あぅっ」
妹「それに私は兄さんほど腹ペコ怪獣じゃ有りません」
兄「ちっ」

妹「もう、兄さん」
兄「うまうまっ! はぐはぐ。もっきゅ」



278:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 23:23:34.11 ID:Id/ENdNh0

妹「洗い物も、終りっと」
兄「妹ー」
妹「なんです、兄さん?」
兄「犬まる先生の散歩行ってくるけど、
 なんかお使いある?」

妹「えっと、牛乳、かな」
兄「了解」
妹「あ、兄さん」
兄「?」
妹「ちょっと待ってください。私も一緒に行きます」
兄「いいんだぞ。別に。お使いくらい」

妹「いえ、兄さんは目を離すと
 アイスを買い食いするような気がします」
兄「なぬっ!?」
妹「しないのですか?」
兄「良いアイデアだ。採用しよう」
妹「やぶへびでした……」がっくり

兄「犬まる先生と生協マートに出発だぜ~♪」
妹「犬まる先生もご苦労様です」
犬まる「わふぅー」



280:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 23:26:48.27 ID:Id/ENdNh0

妹「わぁ」
兄「川べりは、涼しいな」
妹「昨日からちょっと涼しくなりましたね」
兄「もう八月も終わりだからなぁ」
妹「気持ちよいです」
兄「うん」

犬まる「わふぅー!」

兄「犬まる先生、遊び行きたいか?」
妹「河川べりで走りたがるんです。
 最近暑くて散歩さぼってましたから」

兄「そか。行ってくる?」

犬まる「ばうっ!」

妹「いってらっしゃーい」
兄「いってこーい、ばか先生~」

 ごそごそ

兄「そしてじゃん!! 草餅~!」
妹「アイスじゃなかったんですか?」
兄「涼しかったからな」
妹「そういえば、そうですね」



281:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 23:30:39.33 ID:Id/ENdNh0

兄「まぁ、一個どうぞ。つか、まだあるぞ」
妹「いただきます。もきゅ」
兄「もぐもぐ」

 そよそよ

妹「涼しいですね」
兄「ああ、いい風なー。もぐり、もぐり」
妹「……」
兄「もぐもぐ」

妹「あの、兄さん?」
兄「なんだ、妹よ。もっきゅもきゅ」

妹「その、友さんが」
兄「もきゅ。友ちゃん? この間の?」

妹「ええ、その友さんが、あの。兄さんを、
 好きというか、あの、そういう意味合いではなく。
 ……彼氏? ですか。そういうものに。
 でも、その……。
 私の気持ちを考慮して
 その件は後日善処をするというような
 ……抜本的対策が必要とされるというような
 そもそも私の気持ちなどと言われてもこちらとしても……」

兄「ふぐぅーっ! ふぐぅーっ!」
妹「兄さんっ!? 何個草餅詰め込んでるんですかっ!」



282:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 23:34:33.43 ID:Id/ENdNh0

――。

兄「くはぁ。死ぬかと思った!」
妹「兄さんは本当の馬鹿です」
兄「酸素が無いのがこんなに苦しいとは」
妹「酸素欠乏症になってもそれ以上馬鹿にはなりません」
兄「妹がデビル妹にクラスチェンジだっ」

妹「馬鹿はいいから麦茶飲んでくださいっ」
兄「むきゅ、むきゅっ。ぷはぁ」

妹「心配かけすぎですよ」
兄「すまんのだ、妹よ。で。なんだっけ?」
妹「はい?」
兄「友ちゃんが、なんだかとか?」

妹「い、いえっ」ぶんぶん
兄「おろ?」

妹「よく考えたら取り立てて
 たいした話題でもありませんでした」

兄「そうなのか?」
妹「ええ、そうなんです」
兄「すっきりしないな」

妹「兄さんは明日の朝食のことでも考えていてください」
兄「クロワッサンかなぁ」にこーっ
妹(ごまかすのが簡単すぎる兄です)



283:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 23:43:04.78 ID:Id/ENdNh0

――兄の自室。起床。

妹「兄さん、兄さん」ゆさゆさ
兄「ん、むぅー……」
妹「起きてください」
兄「もうちょっと……」
妹「いつもいつも……。ん」

兄「睡眠らぶ。ストロベリータ布団」
妹「……」

かちゃり

兄「……むにゃ。出て行った。
 我が人民は帝国主義の弾圧には……
 屈しない惰眠むさぼりんぐ王国……ZZzzz」

じゅー。じゅー。

兄「……。……?」

じゅー。じゅー。

兄 がばっ!!

兄「これはソーセージの焼ける匂い!? 待て待て待て
 いま俺が食卓に着くぞーっ」



289:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/24(日) 23:59:05.63 ID:Id/ENdNh0

――研究棟、実験室。

女友「結果、出たー?」
兄「うん」
女友「こっちも」
兄「実験結果はcsvでいいんだっけ?」

女友「そのはず。うわぁーん。疲れた」ごき、ごきき
兄「すごい音だな」

女友「うん、背中凝ってる。肩も」
兄「座りっぱなしだったからな」

女友「コヒー。飲む?」
兄「うん」
女友「入れてくるね」
兄「悪いな」

女友「いやぁ、いつもお世話になってます」にぱ
兄「俺は何もして無いぞ」

こぽぽぽ。ぽぽぽぽ。

女友「……はい」
兄「ん。さんく」
女友「なに? メール?」
兄「おう。帰宅時間だけな」
女友「すごい律儀だね」
兄「妹がうるさいんだ」



290:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 00:05:37.18 ID:/hjDvU/40

女友「ありゃ。妹さんか。
 あんなに可愛い娘に懐かれて嬉しかろう。うりうり」
兄「可愛い、のか? あれ」

女友「あれ、って。まぁ、ほんとに。
 男くんはそういうの、ぜんっぜんダメだめだなぁ」
兄「よく判らないから仕方ない」

女友「妹ちゃんは逸材だよ。
 地味な格好してるけれど磨けば光るよ。
 ちょっとメイクしたら男がほうっておかないよ」
兄「妹はまだ高校だぞ」

女友「高校生になったらスキンケアだの
 軽いメイクだのはみんなやってるもんです」
兄「女だってして無いじゃん」

女友「む!」ぽかっ
兄「何をするんだー」
女友「私はちゃんとしてる。ナチュラルメイクというのっ」
兄「??」

女友「『メイクなんてして無いです、
 素でこういう顔なんですよ~』というメイクなのよ」
兄「偽装工作か」

女友「むーっ!」ぽかっ



292:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 00:11:29.98 ID:/hjDvU/40

女友「男くん」
兄「はい」

女友「男くんはすごく良い人だし
 頼りになるけど、ちょっと鈍感だし、
 妹さんに冷たい気がするよー。
 もう高校生でお洒落にも興味ある年頃なんだからっ」
兄「そういうものなのか、ふむ」

女友「そういうものなの。うんうん」
兄「ふむ……」
女友「女の娘のことは私に相談してよ」威張りっ
兄「ふむ、じゃあ」
女友「なになに?」

兄「来週の日曜、妹の服とかを買いに行くときに
 女友にも参加してもらおう」
女友「え」

兄「女友にも食事を奢る。一石二鳥だ」
女友「ええーっ」
兄「問題あるか?」

女友「いやそんな急に言われても着ていく服とか」
兄「そのジーンズでいいだろ」
女友「……ううう」
兄「決まりだ」



359:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 07:17:29.66 ID:/hjDvU/40

妹「兄さん、兄さん」
兄「どした?」
妹「暴れん坊将軍が始まります」
兄「見るのか」
妹「見ます」
兄「チャンネル変えていいぞ」

カチャ。
ちゃりら~ん♪ ぱんぱんぱ、ぱゃ~~ん♪

妹「……」
兄「正座して見てるよ」
妹「……」じー

ぱからっぱからっぱからっ

妹「暴れん坊将軍のOPは完璧です」
兄「それは同意せざるを得ないな」

ほのぼの

妹「徳田さんは市井の住民に気を
 配っておられるのです」
兄「この定食屋のメザシも美味そうだな」



361:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 07:25:27.04 ID:/hjDvU/40

がやがや

妹「北島三郎は歌なんか歌わないで
 暴れん坊将軍専属になればいいと思うのです」
兄「それはどうかなぁ」
妹「め組でにこにこしているほうが
 芸能界の黒幕よりも格好いいですよ」
兄「妹が熱く語ってる」

ちゃきーん、ちゃきーん!!

妹「おお」
兄「定番の殺陣なんだけどこの音楽のせいで
 なんだかすごく血が騒いで悔しい」
妹「兄さん、静かに見てください」

終了

妹「ふぅ。堪能しました」
兄「……」
妹「満足しました」
兄「はい」

妹「暴れん坊将軍は素晴らしいです」にこっ
兄「俺もたいがいだけど妹だってやはり変だ」



362:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 07:38:27.59 ID:/hjDvU/40

妹「そんなことは無いですよ。
 暴れん坊将軍は皆が好きですよ」
兄「そうなのか?」
妹「シリーズ12作、放映回数は計831回ですよ?
 日本のTV史上そびえたつ金字塔です」
兄「う、うん」

妹「兄さんだって好きじゃないですか」
兄「う。ああ。チープだとは思いつつも、
 特撮に通じる盛り上げと、
 音楽の力で毎回みちゃうんだよなぁ」
妹「そういうものです」

兄「本当に好きなのな」
妹「ええ。それに、ドラマとかバラエティは
 騒がしくてよく判らないのです。
 時代劇はわかりやすいし面白いし最高の娯楽です
 日本の誇る伝統芸能です。
 松平健はサイボーグになって後百年吉宗を演れればいいのに」

兄「松平健すきなのか? マツケンサンバとか」

妹「あんなのは論外です」

兄(厳しいなぁ、妹)



366:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 08:17:54.71 ID:/hjDvU/40

――再びリビング

妹「レモネード作りましたよ」
兄「ああ。あんがとっ」にこー

妹「たまに飲むと美味しいんですよね」
兄「すっぱいんだけど、落ち着くんだよなぁ」
妹「落ち着きます」
兄「暴れん坊将軍でエキサイトしたからだ」
妹「そんなことはありません」
兄「ふぅむ。……ああ」
妹「はい?」

兄「そろそろ秋モノだろう?」
妹「ええ、先週箪笥から出しておきましたよ。
 虫干しも終って、順次整理して戻して行きます」
兄「それもだけど。秋モノ衣料を仕入れに行こうと思って」
妹「えっと。まだ早いですよ」
兄「箪笥から出したのなら早く無いだろ」
妹「はい……」

兄「んで、週末に出かけようかと。
 この間のショッピングセンターとかでいいかな
 俺は午前中は学校のほうの図書館に用事あるんで、
 合流してから移動とか、現地で集合とか」



370:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 08:35:56.07 ID:/hjDvU/40

妹「はい、かまいませんよ。
 特に予定は入っていないので」
兄「前から思ってたんだが」
妹「なんでしょう?」

兄「妹は週末の予定、がらがらだな」
妹「そんなことはありませんよ。コンクールがあります」
兄「吹奏楽だろ。予選勝てるのか?」
妹「勝てれば週末に大会です」
兄「やっぱり寂しい予定状況だなぁ」

妹「意地悪な事を言わないでください兄さん。
 冷奴から生姜とネギを抜きますよ」
兄「くっ。食料を軍事目的の恫喝に使うとは」
妹「外交です」

妹「それに、週末はゆっくりと時間をとって
 家事を行うのが私の主義なのです」
兄「そうなのか?」
妹「ガスコンロの油掃除をしたり、
 衣替えをしたり、家庭菜園の計画を練ったりします」
兄「あー」
妹「すごく心が休まります」
兄「そうなのか」



372:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 08:49:20.83 ID:/hjDvU/40

兄「それからさ」
妹「はい」

兄「いつも服の相談とかほうりっぱなしでごめんな」
妹「気にしないで下さい。
 男性には興味が無いことだと心得ています」
兄「むー。なんか針のむしろ?」
妹「針のむしろの痛みはこんなものではありません」

兄「そこで、今回は女友にも来てもらう事にした」

妹「え?」

兄「妹も服の相談が出来てばっちり。
 女友もお前に会いたがってたぞ。
 なんだかよく知らないがあいつはお前の事好きなんだ。
 小さくて可愛くてお持ち帰りとか、
 いつもそんな事を言ってる。
 まぁ、本人は決して悪い人間じゃないからな。
 それに洋服は任せてだとか云ってた」

妹「え?」



374:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 08:55:48.81 ID:/hjDvU/40

兄「あいつも午後になれば時間が空くそうだから
 適当なタイミングで拾い上げて、
 一緒に買い物してなんか飯をおごる予定だ。
 妹も食べたいものあったら考えておいてな~」
妹「あ、はい」

兄「おれはバッシャーマグナム買っちゃおうかな~。
 だばだば♪ だばだば♪」

妹「……あの」
兄「びろんびろ~ん♪」
妹「兄さん」
兄「なんだ、妹よ」

妹「えーっと。つまり、3人で遊びにいくと
 そういう認識でいいのでしょうか?」
兄「いえす、ナイス認識」
妹「……バッシャー禁止」ぼそり

兄「え?」
妹「兄さんは当分バッシャー禁止です」
兄「えーっ!? だばだばも!?」
妹(こくり)

兄「横暴だ。圧制シスターだーっ」
妹「これも兄さんの社会的信用のためなのですっ」



378:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 09:11:39.13 ID:/hjDvU/40

――深夜。兄の自室。

カチャ

妹「……兄さん、起きてますか?」
兄「ZZZzzz……」
妹「寝てますか?」
兄「ZZZzzz……」

ゴソゴソ、カチャ、ポム

妹「……寝てます」
兄「んぅ……。くふー」
妹「わんこみたいな寝姿ですね」
兄「ZZZzzz……」

妹「……」
兄「……」
妹「ジューシーハンバーグが攻めてきましたよ」(ぼそり
兄「……うま、はぐ……いっぱい」にこーっ

妹「まごうことなき小学生です」
兄「ZZZzzz……」



380:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 09:17:48.30 ID:/hjDvU/40

妹「で、なんでしたっけ。えーっと」

――こっそり彼の寝顔を見てみよう
  ドキドキしたら恋の証拠

兄「くふー……ZZzzz」
妹「寝顔を見てもドキドキなんかしませんよ」

すやすや

妹「なんだかお腹のほうがちょっと重くて、
 イライラするような優しいような甘えたいみたいな
 ほんの少しだけそんな気分がするだけです」

兄「ZZZzzz……」

妹「だいたい。
 ――そうですよ。ドキドキしたって当たり前ですよ。
 他人の寝室に夜中に忍び込むだけで十分ドキドキです。
 信用度に著しい欠乏がある判定方法です」

兄「むぅっ!」くてん
妹「!」

兄「サーモン……ZZZzzz……」
妹「……寝返りですか。
 ちょっぴりドキってしました。不覚です」



381:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 09:25:04.03 ID:/hjDvU/40

妹「冷房、弱いのかな。寝苦しいのでしょうか?」
兄「くふー……。くふー……」

妹「何かあるかな。
 ……この下敷きとかでいいでしょうか」
兄「くふー……」くてー

妹「扇いでみましょうか」ぱたぱた
兄「……んぅ」にこっ
妹「わんこです」
兄「……ZZZzzz」にぱ

妹「ふむふむ」ぱたぱた
兄「……ZZZzzz」

妹「扇ぐのをやめると」
兄「……むぅ」くてー
妹「楽しいです」

妹 ぱたぱた
兄「……ZZZzzz」にぱ

妹 ぴたり
兄「……んぅ」くてー

妹「楽しいです」



383:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 09:31:31.88 ID:/hjDvU/40

兄「……んぅ」

妹「前髪が伸びてきて寝苦しいのですよ。
 兄さんに散髪の指示を出さなければなりませんね」
兄「……ZZZzzz」にぱ

妹「お馬鹿ですねー」ぱたぱた
兄「……ZZZzzz」

妹「兄さんは本当にお馬鹿です」ぱたぱた
兄「……くふぅ」

妹「世話ばかりかけて。兄さんは。
 ほんとにもう。
 食いしん坊だし
 小学生だし
 お馬鹿だし」ぱた、ぱた

妹「ん」にこ

兄「……ZZZzzz」
妹「良い夢を。兄さん。
 ――明日の朝食も、美味しいですよ?」

カチャリ、トントントン……トントン



386:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 09:37:56.53 ID:/hjDvU/40

――大学構内

妹「お待たせしました」
兄「いや、全然待って無いぞ、妹」
妹「はい」

兄「なんだか改まった格好だな」
妹「外出着とはそういうものです」
兄「そうか」
妹「はい」

兄「大学はいるの初めてか?」
妹「ええ。予想より混沌としていますね」
兄「そうかな」
妹「変な人が沢山います」
兄「ふむ」
妹「あっちの木陰でかなり本気でビーチ装備の人がいました」
兄「焼くつもりなんじゃないかな」
妹「あっちには着ぐるみのひとがいました」
兄「趣味なんだろうな」
妹「ワンダーです」

兄「面白いか?」
妹「ええ、すごく。さっきまで図書館にいました。
 大学生かと聞かれるかと思ってのですが、
 別に何も聞かれませんでした。管理が甘いです」
兄「大学ってそんなもんだ」



392:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 09:46:25.45 ID:/hjDvU/40

兄「で。俺の提出も終ったし。
 移動して合流かな。
 ……いや、そのまえに何か食べるか。
 時間が時間だし、先に済ませるのが良いかなぁ」

妹 つんつん

兄「どうした?」
妹「ランチを持参しました」
兄「なぬ!? 本当かっ」
妹「はい。軽食ですが、問題ありません」
兄「妹ご飯~♪ 妹ご飯~♪ だば」
妹「だばだば禁止」
兄「……」

妹「どうしましょう」
兄「うう。だばだば禁止かぁ。案外痛いなぁ。
 翼をもがれたエンジェルってこんな気分なんだろうか」
妹「ランチを食べるような場所はあるでしょうか?」
兄「ううう。じゃぁ学食のほうにいこうか」

妹「ええ。飲み物だけどこかで調達したいです」
兄「トラットリアで何か買おう」
妹「はい」



394:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 09:54:24.05 ID:/hjDvU/40

妹 きょろきょろ

兄「どうしたー?」
妹「いえ、なんでも。ただ慣れない場所なので」
兄「面白いのか?」
妹「それもありますけれど、ちょっと緊張します」

兄「はぐれるなよ」くしゃ
妹「兄さんっ」
兄「ん?」
妹「あたま撫でたり。そういう子ども扱いは禁止です」
兄「むぅ。禁止多いなぁ」
妹「兄さんのためです」

ウィーン。ガチャ

兄「ついたぞ、ここと二階が学食だ」
妹「広いですっ。綺麗ですっ」
兄「一昨年だったかに建て直したからなぁ」
妹「高校の学食は教室三個分くらいです」
兄「そんなもんだよ」

妹「どこに行けばいいですか?」
兄「その辺ならどこでも良いよ。飲み物買ってくる」
妹「あ」
兄「どした?」
妹「一緒に行きます」
兄「座ってれば?」
妹「はぐれたらいやです」



399:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 10:13:12.50 ID:/hjDvU/40

――大学、学食カフェテリア2F

兄「おおーっ」
妹「研究発表『ベーグルサンド』です」
兄「すごいぞ! 妹よ」
妹「食べてください」

兄「もぐっ!!」
妹(じーっ)
兄「もぐり、もぐりっ! はぐはぐ、はぐっ」にこーっ
妹「はい」にこっ
兄「あむ、あむ。もっきゅ、もっきゅ」
妹「はい、飲み物です」
兄「おうっ♪ これ、んまいぞ! 妹よ」
妹「ありがとうございます」

兄「これは、クリームチーズとスモークサーモンだな」
妹「はい。今日は正統派な具材にしてみました」
兄「美味いなぁ。オリーブの塩味がいいな」
妹「美味しいですか」

兄「すごく美味いぞ! 妹も食べろ?」
妹「はい。もきゅ」
兄「うまいなぁ。もぐもぐ、もっきゅもっきゅ」にこーっ



403:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 10:19:29.32 ID:/hjDvU/40

妹「やはり人気店のものにくらべて皮の香ばしさが
 不足しているような気もするんですが」

兄「そんな事無いだろ。
 ゴマの感じがぷちっとしてて気持ちよいぞ。」
妹「そういってもらえると。
 ――そっちのものはどうですか?」

兄「こっ、これは!!」
妹「アボガドシュリンプです」
兄「これも定番だ、美味いなぁ! マヨ美味しい」
妹「マヨですか」
兄「マヨはジャスティス! 美味い~♪」
妹「涙ぐむほどですか」

兄「もっきゅもっきゅ」にこーっ
妹「お口に合いますか?」

兄「ん。美味いっ。山葵じゃないのな」
妹「えっ」

兄「もぐもぐ。はむはむ。……うまうま」

妹「――ホースラディッシュです。
 みじん切りにしてマヨネーズに混ぜてみました」
兄「もう一個たべていい?」

妹「もうっ。……いいですけど」



407:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 10:24:20.78 ID:/hjDvU/40

兄「いえす。分捕ったサンド! 俺のトレジャー」
妹「もう」
兄「うーん。ベーグルちゃん。
 君は食べてしまいたいほどに可愛いよ」
妹「静かに食べてください」
兄「はーい」

妹「もぐもぐ」
兄「もっきゅもっきゅ」にこーっ

妹「そんなに急いで食べなくても」
兄「美味しいものだと、自然に加速しちゃうんだよ」
妹「そうなんですか?」
兄「男って大抵そうだ」
妹「変な習慣ですね」
兄「本能的なものだ。もっきゅもっきゅ」

妹「最後はデザートベーグルです」
兄「おお。貫徹してるな」
妹「夏みかんのママレードです」

兄「生地にもみかんの皮入ってる」
妹「ええ、そこがポイントなのです」
兄「美味い~♪」



411:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 10:31:36.64 ID:/hjDvU/40

――女友のワンルーム。

女友「うわぁぁああああん!!」

がちゃ、がちゃ、ぽいっ、ぽいっ

女友「寝坊しちゃった。寝坊しちゃいましたよぅ」

女友「おふ、おふ。お風呂。いや、しゃわーっ。
 寝癖ーっ。うわーん、酷い顔~っ」

女友「ぐ。死ね、私。むしろ今すぐ涅槃へ旅立て。
 なんでこんな日に寝坊なんかするのよ。
 夜遅くまで製図なんてしてたからだぁ。
 適当云って午後からにしてもらってよかったよう。
 これ朝からだったら開戦前にポツダム宣言だよっ」

女友「えっと、で。なんだっけ。
 何をすればいいんだ、私。考えるんだ!
 最高率の行動をシミュレートするんだ。
 一片の時間の無駄も許されないんだっ。
 服っ。そだ、シャワーの前に服の準備を」

女友「ジーンズにTシャツっと……馬鹿か私はーっ。
 男く○に言われたそのまんまでどうするっ。
 変則だけどデートなのにっ。
 それに妹さんに足元見られるっー」



414:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 10:39:14.74 ID:/hjDvU/40

女友「じゃぁ、こっちか。リトルセクシーか。
 だめだぁ、けばいよぅ。合コンじゃないんだしっ」

がちゃ、がちゃ、ぽいっ、ぽいっ

女友「何でこういうときに限って
 みんなクリーニングに行っちゃってるのかなぁ。
 昨日、寝る前はなんだか平気な気がしてたんだけどなぁ」

女友「これだっ! 男く○にクリティカルヒット1万ダメージ!
 甘ロリで清純さと可愛らしさをアピールですよっ!
 ――それダメじゃんっ!!
 妹さんとキャラかぶりですじゃんっ」

女友「ちゃちゃちゃぁ。おいも泣きたくなってきたけん。
 このままじゃ時間だけが流れていくきに~。うわぁん」

ぽいっ、ぽいっ

女友「ううう゛~。結局、こんな感じ?
 カジュアル? ワンピの下に七分丈デニム?
 水色サンダルどこだっけぇ、なんか壊滅的だよぅ。
 女の子としての終着駅を感じさせる展開だよぅ。」

がちゃ、がちゃん。こけっ。

女友「痛っ。おでこぶつけたぁ!?
 ううう。だめだめですよ、エンディング流れそう。
 男くんと休日に会えるっていうきにー。うわぁん」



491:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 14:32:27.88 ID:ibBVSdbm0

――ショッピングモール、中央吹き抜け。

ズシャァ
女友「登場成功っ!!」

兄「いや、後ろにいるし」

ズシャァ
女友「登場成功っ!!」

兄「繰り返すなよ。滑ったことがばれるから」
女友「うう。冷たい。男くんは冷たいよ」
兄「いつにも増してハイテンションだな」

女友「いや、色々事情があって……」
兄「それは省略しよう」
女友「う。言い訳すら聴かない極寒の世界!?」

兄「長くなりそうだし。きっと寝坊とかの隠蔽だろうし」
女友「な、なーっ」わたわた



492:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 14:37:42.81 ID:ibBVSdbm0

女友「あの」
兄「ああ。改めて、女友。これがうちの妹な」

妹「こんにちは。今日はよろしくお願いします」
女友「うわぁん。やっぱり、ちぃさくて可愛いっ。
 よろしくね、妹ちゃん。
 今日はお姉さんがエスコートしますよっ」

妹「はい、お願いします」
女友「うわぁ。聞いた? ね、聞いた?
 『はい、お願いします』だって! 可愛い」ぎゅむ

妹「あ、あの。そのっ」じたばた
女友「私妹以内からこういうのちょっと
 憧れあったわけですよ。んー、良いなぁ」くりくり

妹(兄さんっ。ヘルプですっ!)
女友「んーう。かわいいなぁ。
 愛いです。ういー♪」



497:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 14:43:52.82 ID:ibBVSdbm0

兄「そこら辺にしておけ。
 妹が視線で救援信号を出してる」
妹「ううう」

女友「む。そうか。
 妹ちゃんは段階をふんで欲しい娘か」
兄「意味不明の設定を加えるなよ」

妹「その、抱きつくとかは」
女友「膨らみ始めた肉体が敏感なのねっ」
兄「セクハラするな」ぽかっ
女友「うぅっ」

兄「女はゼミだともっとまともなのに
 何でプライベートだと急にテンション上がるんだ」
女友「それはそのぅ(男くんがいるからなんだけど)」
妹「兄さん。私別に平気ですし」

兄「いや、釘を刺しておくから」
女友「うううー。おでこ痛いぃ」
妹「兄さん。あの……。さっきから注目が」

 ざわざわ。くすくす

女友「若手芸人が受けるような視線をっ」
妹「とりあえず、移動しましょう。
 ――恥ずかしいです」



504:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 14:53:15.68 ID:ibBVSdbm0

――ショッピングモール、2F大回廊。

女友「とりあえず、この辺から攻めますか」
兄「何を攻めるんだ?」
女友「店よ。この大通路の両脇に、ずらっと並んでるでしょ」
兄「ふむ、並んでる」

女友「このフロアはレディスの服飾の店ばっかりだから
 とくにティーン用が多いでしょ。だから店に行くわけ」
兄「で、どの店に行くんだ?」

女友「どの店、って。
 こっちの端っこから順番に全部行くの」

兄「は?」

女友「だから。こっちの端っこから始まって、
 あっちの西側に向かって全部の店の
 全部のアイテムを見ていくわけよ」
 
兄「正気か? 何軒あると思ってるんだ!?」
女友「50やそこらでしょ。カルチャーショック受けてる
 みたいだから云って見るけれど、
 さほど変なことは云って無いよ。
 女の娘なら普通にやることだもん」

兄「そうなのか? 妹?」
妹「そうですね。珍しい話ではありません」
女友「ねー?」



506:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 15:02:15.68 ID:ibBVSdbm0

兄「そうだったのか……。
 それが本当なら確かに俺はいままで
 余りにも妹を放置しすぎてきたような気もするんだが。
 というか、本当にそんな事をするのか?
 俺はなんかの詐欺の渦中にいるのでは?」

妹「兄さん。あの、私、なるべく早く切り上げてきますから」

女友「ダメです。何いってるんですかっ。
 本日の目的は妹ちゃんの服を新調することもありますが
 男くんの再教育もかねているのです。
 余計な情けは為になりません」
兄「ううう。なんだか知らんがすごい挫折感だ」

妹「えっと、兄さんはどこかその辺でひゃぅ」
女友「ええい。拉致です♪ 略取です♪」むぎゅっ

妹「あ、あっ。連絡しますからっ」
女友「ばっははーいっ! その辺で遊んでてね~!!」

どたどたばたばた~。

兄「……」

兄「なんか今更ながらに微妙な気分だ。
 相性悪くないとは思うんだが、
 あの二人、どうなんだかなぁ……」



513:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 15:15:11.61 ID:ibBVSdbm0

――ショッピングモール。下着屋。

女友「じゃんっ。ぱんつ屋にきました!」
妹「女友さん……」

女友「お姉さんです」
妹「……お姉さん。何で冒頭解説を?」

女友「定型のお約束です」
妹(押されてます。私、押されてます)

女友「まぁ時間がどれくらいあるか判らないし。
 男くんじゃ確実にフォローできて無いあたりから
 手を入れるほうが効率的だろうしね」
妹「はい。すいません」

女友「ん。じゃぁ失礼して」もみもみ
妹「――」ピシリ
女友「なかなか。良い弾力」もみもみ
妹「――」ギギギ

女友「大体判った。やっぱり新しいブラを買おう」
妹「な、な、なにを」あぅあぅ
女友「揉んだだけだから、スルーしてね」
妹「あ、あ、あ、あ」
女友「店員さん、このシリーズのサイズ出してもらえますかぁ?」



518:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 15:22:51.54 ID:ibBVSdbm0

女友「どう? サイズは」
妹「えっと、これはちょっと脇がきついです」
女友「こっちは?」
妹「ちょっと遊ぶ感じがするけど、大体良いです」

女友「じゃ、これだね。
 このサイズで、後はデザインで探そう」
妹「はい(じーっ)」

女友「ん? どしたの?」
妹「い、いえ。女……お姉さんは買わないんですか?」

女友「うん、あたしもパンツは買おうかなぁ。
 じゃなくて、男くんから予算預かってるのだ。
 だから今日は妹ちゃんをおめかしするのっ」
妹「そうですか」ちらっ

女友「揉みたいの?」
妹「!」(ぶんぶんぶん)

女友「可愛いっ♪」ぎゅむっ
妹「そ、そういうのは、過剰なスキンシップですっ」
女友「冗談はさておき」
妹「冗談なんですかっ」

女友「いや、じゃれるのは楽しいけど。
 他にもやらなきゃならないことが多いしね」
妹「は、はぁ……」
妹(この人が兄さんと仲が良いのもわかった気がします)



520:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 15:33:13.03 ID:ibBVSdbm0

女友「普段の下着はどんな感じ?」
妹「こういった感じです。グレイとか、チャコールとか。
 モカブラウンとか。白とか」
女友「ふむふむ」
妹「変ですか?」

女友「ううん。地味だけど良いと思うよ。
 妹ちゃんは清潔感あるから似合うよね」
妹「ありがとうございます」
女友「うーん。これ、買おう」
妹「えっと、ピンクですか」
女友「うんっ」

妹「……私には可愛すぎます。きっと」
女友「一着くらい、持っておきなさいって」
妹「え?」

女友「先輩からの忠告ですよー。
 一着くらい、持っておきなさいって。
 パニックになるときに、下着屋は開いてないものなのよ」
妹「……?」
女友「モノを揃えるってのはね、モノが大事じゃなくて
 モノをそろえることで、ココロの備えがされることが
 大事なんだよね。判るかな」
妹「判らないです……」

女友「そっか。いつか判るよ」にこっ
妹「……はい」こくり



527:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 15:49:18.03 ID:ibBVSdbm0

――ショッピングモール。ティーンズブティック。

女友「妹ちゃんは、普段はそんな感じかな」
妹「えっと。はい」

女友「モノトーンとか?」
妹「モノトーン多いです。シャツと、ブラウスと、
 巻きスカートとかかな。ミドル丈のとか。
 寒がりなので、冬はタイツとか多いです」

女友「なんか負けた気がする」
妹「?」
女友「いやいや、こっちの話」

妹「地味なので、華美な服は気持ちが負けちゃいます」
女友「そっか。じゃ、こことか好みかな」

妹「はい。ネットで見て、知ってました」
女友「よっし♪ 行こう! お姉さんも付き合っちゃうぞー!」
妹「はい」にこっ



532:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 15:54:58.31 ID:ibBVSdbm0

女友「どうー?」
妹「えーっと。これとか、こっちとか」
女友「お。いいね。可愛いね。
 ボタンダウンだ。渋いね」
妹「ネクタイもついてます」

女友「やっぱりおとなしいのが好みなんだ」
妹「はい。家で作業することが多いので、
 機能性とかを考えるとどうしてもそうなります」

女友「遊びに行ったりとかは?」
妹「あまり。……家にいるの好きなんです」

女友「……。そっか♪」なでなで
妹「あぅ。お姉さん」
女友「ん?」なで
妹「頭、撫で……。ダメです」
女友「ん。了解」にこっ

女友「こうゆうのは? サロペットだよ」
妹「可愛いです。けれど着れるでしょうか」
女友「似合うよ。だいじょぶ、可愛い」
妹「……う」
女友「尻込みしてちゃダメだよ。ほら、試着してくるっ!」
妹「えっと、なんで携帯を構えてますか?」
女友「てへ♪」
妹「もうっ。絶対ダメですからねっ」



535:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 16:02:51.37 ID:ibBVSdbm0

――ショッピングモール。玩具店。

 一方、その頃の兄は。

兄(だばだば♪ だばだば♪)
兄(びろんびろ~ん♪)

兄「お、あの子供だかりはまごうことなくムシキングだな」
兄「が、しかし」

 スッ

兄「ムシキングはすでに卒業したこの身体。
 アデュー。少年の日の輝かしき日々よ。
 君たちもいつか判るときがくるさ」

兄「俺の目的はバッシャーマグナムただひとつ。
 バッシャー禁止とはいわれたが、
 遊んだりばれたりしなければ購入は許されよう。
 これを励みにバイトをしてたようなものだしな。
 この辺の棚かな? いざパラダイスへっ」

兄(だばだば♪ だばだば♪)



540:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 16:10:34.38 ID:ibBVSdbm0

ジャキン、ガキン、ギュィィーン!!

兄「おお、店頭宣伝用ビデオかっ。
 回るッ! 光るッ! 音が出るッ!!
 いいね、いいね。特撮玩具はこうじゃなきゃいけないよね」

ジャン♪ がきょん! アクアトルネードっ!!

兄「ふむぅ。満喫した! 余は満足じゃ。
 で、肝心のバッシャーマグナムは……これか」

兄「あれ? なんか箱が軽いな。
 それに、なんか写真の造形が甘いような……。
 ありていに言うと、出来が悪いような……。」

――本玩具には電源は必要ありません。
 光る、音が出るなどのギミックはないので
 あらかじめご了承ください。

兄「なん、だと……?」

兄「うわぁん。モチベーションさがったぁ!?
 嵌められた、なんかの詐欺だぁ!? 政府の罠だぁ!!」

子供「あの兄ちゃん変な踊りで悶えてる」



546:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 16:27:40.44 ID:ibBVSdbm0

――ショッピングモール。2Fベンチ。

女友「ちょっと疲れさせちゃったかな」
妹「大丈夫です」
女友「まぁまぁ、座ろうよ」
妹「はい」

女友「結構買ったと思ったけれど、包んでみると全然だね」
妹「そうですか? こんなに一杯買ったのは初めてです」
女友「そっか。お買い物、しない人?」
妹「こういうものは、買うの苦手です」
女友「そっかー。年頃の女の子なんて、
 お金があれば服に突っ込んじゃうような娘一杯なのにね」
妹「私、下手なんですよ。きっと」

女友「若いのにねっ♪」
妹「女……お姉さんは」
女友「なにー?」

妹「兄さんの彼女さんなんですか?」
女友「うくっ」
妹「?」
女友「いや、なんだろ。直球だ。剛速球。
 この球は私の歳だと投げれないなぁ」

妹「考え無しに投げれる球じゃないですよ」
女友「あはははー。それはそうだよねー」



550:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 16:43:10.56 ID:ibBVSdbm0

女友「……」
妹「……」

女友「うーん。見栄はっても仕方ないからさ。
 違うよ、全然そんなんじゃないよ。
 妹ちゃんのお兄さんとはゼミが一緒なだけだよ。
 論文のジャンルとか実験が近いから、
 学校では一緒に過ごすことが多いけれど
 それだけだよ」

妹「……」

女友「まぁ、正直言うとさ。
 こっちは全然付き合いたいんだけどね。
 なかなか上手くいかないね。
 こういうのは巡り合わせもあるからね」にこっ

妹「あの……」
女友「ん?」
妹「昔、兄さんと付き合っていたのは、
 お姉さんじゃないんですか?」

女友「あははは。違うよ。全然別っ。
 あれも、なんだか今考えるとどうにかしてたんだけどさ。
 あたしが友達をお兄さんに紹介したんだよ。
 なんだかうじうじしてるのイヤになっちゃってさ。
 やけくそになってたのかな」



552:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 16:48:36.85 ID:ibBVSdbm0

女友「思わせぶりに女の子とか紹介すれば、
 私の気持ちに気がつくかも。とか。
 そんな夢みちゃってたのかなぁ。
 勇気もないのに、都合いいよね。
 あたし。あははっ」
妹「……」

女友「その子は……。
 胸の大きな美人の娘だったんだけどね。
 性格も素直で健気でという反則キャラだったんだけど。
 なんだかそれも上手くいかなくてさ」
妹「……」

女友「2週間くらいで別れちゃった。
 男くん、振っちゃったんだよ」
妹「え?」

女友「やっぱり自分で好きになった人じゃないと
 ダメなんだって。それはそうだよね。判る気がする。
 自分でスタートしないと、気持ちがついていかないからって」
妹「兄さんが?」

女友「うん」
妹「そうだったんですか」



555:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 16:53:08.43 ID:ibBVSdbm0

女友「……」
妹「……」

女友「あははは。ごめんね。
 なんか急に愚痴になってしまった。申し訳ないっ」
妹「いえ、これくらいなんでも」

女友「うん、妹ちゃんは可愛いぞーっ」ぎゅむっ
妹「……」
女友「うらー。ぎゅむぎゅむだーっ!」ぎゅー
妹「……」
女友「あ、あれ?」
妹「……」
女友「抵抗しないの?」

妹「はい。
 ――こういう時には肩を貸すものと理解しています」

女友「そか……。うっわぁ。
 お姉さん驚きました。
 やっぱり、男くんの妹なんだなぁー」にこっ
妹「え?」

女友「偉いぞ。かっこいいぞ!」
妹「そんな……」

女友「よし。次っ! 次はコスメだよっ
 高校には一旦だから、スキンケアの基本と
 ナチュラルメイクの土台くらいは覚えないとねっ!!」



562:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 17:08:15.02 ID:ibBVSdbm0

――ショッピングモール。コンコース。19:00

妹「兄さんっ」
女友「男くんっ」
兄「……」

妹「兄さん」ゆさゆさ
女友「どうしちゃったのさ?」

兄「……日本経済は大いなる矛盾を
 その内側に抱えてしまったのではないだろうか?」
女友「はぁ?」

兄「マスメディアという巨大資本は自らの権力におごり
 一般消費者の姿を見失っているのではないか。
 それはとりもなおさず、
 この消費型社会が余りに肥大化した自重に耐えかねてあげる
 末期の悲鳴のようなものではないのか?」

女友「おーい」



563:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 17:09:45.15 ID:AEGsU2G90

兄wwwwwwwwww



566:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 17:10:28.49 ID:pNtNZTEVO

そこまでショックだったのかwwwwww



570:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 17:14:34.69 ID:ibBVSdbm0

兄「我々はこの消費機構の歯車となった挙句
 野辺に咲く可憐な花のような思い出の一片を
 醜い消費単位として忘却への島流しにしていないだろうか。
 それが少年や少女の無垢なる心を
 どれだけ傷つけているかを知りもせずに。
 しかし彼らのその失望が、いずれ彼らが成人した時に
 社会に対する失望へと焼け付を起こし、
 精神世界をより荒廃させることにより
 我々の消費社会は一層の絶望に支配されていく」

女友「男くーん、もどってきてよー。ねーってばー」

妹「お姉さん。こうするんですよ」
女友「ほえ?」

妹 べきっ!!
兄「なっ!?」

妹「兄さん、おはようございます」
兄「おう。妹よ、おはようだぞ」
女友「う、わ。男くん」
兄「へ? なんか頭ががずきずきする」

妹「早速ですが、兄さん。ご飯ですよ」
兄「おう。終ったのか? 二人とも」
妹「ええ。こんばんは外食ですよね? 珍しく。
 お姉さんとも相談しましたが焼き鳥を食べに行きましょう」
兄「おー♪ 焼き鳥か。あれは外で食べたほうが美味いなっ」
女友(こんなんで良かったんだぁ……)



573:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 17:23:21.35 ID:ibBVSdbm0

――夜の電車。23:15

妹「ZZZzzz……」
兄「ん、しょっと」
女友「寝ちゃってるねー。妹さん」
兄「ああ。今日は結構話してたからなぁ」
女友「そうなの?」

兄「ああ。女と随分打ち解けてたよな。
 こいつ、人見知りするからこんなにはしゃぐのは珍しいよ」

女友「私のハイテンションにひきずられちゃったかな」
兄「かもな。未成年のクセして飲んじゃったしなぁ」
女友「ごめんごめん。味見させてあげようと思ってさ」

兄「ん。いいよ」
女友「うん」



578:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 17:29:38.00 ID:ibBVSdbm0

妹「ZZZzzz……」

女友「可愛いね。妹ちゃん」
兄「あー。うん」
女友「男くんも、ほんとうに見る目ないんだから」
兄「だってさ」

女友「妹ちゃん、店員さんに薄くメイクしてもらって
 すっごい美人だったのに。
 『どっかで風呂でも入ったのか? 小奇麗だけど』
 ってそりゃないよー」
兄「そういうのは本当に判らないんだよ」

女友「まぁ、きょうは色々買い物したからさ。
 今度可愛い格好してたら褒めてあげるんだよ?」
兄「善処します」

女友「それは『いただきます』とか
 『ごちそうさま』と一緒なんだからねっ」
兄「なぜか説教されてるし」



580:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 17:36:37.00 ID:ibBVSdbm0

女友「いやー。今日は飲んだし、食べたなっ♪」
兄「あったりまえだ。奢りだと思って」

女友「男くんだってむしゃむしゃ一杯食べたじゃない」
兄「俺は男だから基本搭載量がちがう」
女友「むー。美味しいものを独り占めは良くないよ」

妹「すぅ……すぅ……」にぱ

女友「あ、微笑ったよ?」
兄「?」

女友「眠りながら、にこってした。
 うわぁ、妹ちゃんはやっぱり可愛いなぁ」
兄「くねくねするなよ」

女友「するよぉ。すごいらぶらぶりぃだよぉ。
 そんな眠る美妹に肩を貸してる男くんの感想は?」
兄「重みがなくて実感がない」

女友「うっわ。云われたい。
 そんなの絶対云われたいっ。
 『おまえ意外に軽いんだな』だとかっ!」

兄「女はそういうの気にしすぎだ」



585:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 17:42:43.01 ID:ibBVSdbm0

女友「ほんとさ」
兄「ん?」
女友「良い娘だよね」
兄「うん」

女友「ちょっと不思議なところあるし。
 難しい娘なのかなぁ、とも思うけれど」
兄「だな」

妹「すぅ……すぅ……」

女友「それにさ。訂正するよっ」
兄「何を?」

女友「妹ちゃんに冷たいって。あれ、違ったね。
 ぶっきらぼうなだけでさ。冷たくないよ。
 目が優しいもんね。妹ちゃんといるときは」

兄「そうかな」
女友「そうだよ。ちゃんと『お兄さん』してるよね」
兄「俺、出来てるかな」
女友「ん?」
兄「兄、出来てるかな」
女友「うんっ。そう思うよ」



589:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 17:49:37.73 ID:ibBVSdbm0

兄「……」
女友「……」

かたたん、かたたん

女友「今日は楽しかった! 呼んでくれてありがとうね」
兄「いや、こっちこそ助かった。
 妹の買い物の相手、俺じゃしてやれてないのも判ったしな」
女友「あはははは。そんなの当たり前だよ。
 男の兄弟なんて、頼るようなところじゃないもん」
兄「そうか」

かたたん、かたたん

女友「ん。……うん。私、この駅」
兄「おう。また今週な。火曜かな」
女友「そうだね。火曜だね。――またねっ!」



592:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 17:52:54.98 ID:ibBVSdbm0

ぷしゅー。しゃきん。がたん、がたたん!

女友「ふぁー。手振ってくれてる。まったねー
 また遊ぼうねーっ。って聞こえないか」

女友「行っちゃったぁ。
 行ってしまいましたぁー。
 あー。あぁ。
 楽しかったな。妹ちゃんは可愛かったし。
 男くんはにこにこしてたしっ。
 優しくしてくれたしなっ」

くるくる、しゅたんっ。

女友「今日はいい日だったな。
 出掛けのトラブルを取り戻して大幅貿易黒字だなっ。
 うん、すばらしい。よくやったぞ、私っ」

女友「はぁ。んー。楽しかった分。
 ……家に帰るとき、寂しいな」

ぽとっ

女友「あれ……。ノート? これ、なんだろ」



660:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 21:02:04.50 ID:ibBVSdbm0

――朝。兄の自室。

妹「兄さん、兄さん」ゆさゆさ
兄「ん、むぅ……」
妹「起きてください」
兄「もうちょっと……。暖かい布団の中で
 惰眠のエレクトリカルパレードなのだぁ……」

妹「お願いします」

兄「…………。ん。起きた」
妹「ごめんなさい。無理やり起こして」

兄「どした?」
妹「兄さん、私の緑のノート知りませんか?」
兄「ん?」
妹「A5版で、ちょっと厚手のものです。
 昨日は持ち歩いていたんですが……」

兄「いや、見てないな」
妹「そうですか……」
兄「大事なものか?」
妹「いえ、その。大丈夫です」
兄「……」

妹「さ。起きたんだから起きましょう。兄さん。
 今日の朝ごはんは、トマトオムレツとかき菜のお味噌汁ですよ」



666:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 21:11:30.41 ID:ibBVSdbm0

――放課後。ファーストフード。

妹「というわけで、焼き鳥屋さんなるものに
 初めて行くことになったのです」
妹友「そっかぁ。お兄さんもお茶目だねぇ」

妹「なんだかわかりませんけれど、相当に凹んでました」
妹友「妹ちゃんはお兄さんにだけは点数辛いから」

妹「そうでしょうか」
妹友「そうだよっ」

妹「むぅ」
妹友「買ってきた服、今度見せてね」
妹「ええ。良いですよ。
 今度の全体練習の日に着て行きますよ」
妹友「よし、約束だー」
妹「お兄ちゃんの友達のお姉さんも、楽しくてよい人でした」

妹友「彼女さんだったの?」
妹「うーん。違う感じでした。
 でも、彼女さんになるかもしれません」

妹友「微妙な関係なんだ」
妹「微妙な関係そうでした」

妹友「妹としては許可?」
妹「許可するも何も……。
 兄さんの気持ちじゃないですか」



676:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 21:25:03.46 ID:ibBVSdbm0

妹友「あれれ。ブラコン治ったの?」
妹「最初から発病してませんっ」

妹友「そうなのかなぁ。妹ちゃんはさ」ポテトぱくっ
妹「はい?」

妹友「自分で気がついてないと思うけれど、
 お兄さんの話してるときが一番表情が優しいよ」
妹「それは……。家族ですし」

妹友「そかー」ぱくっ
妹「そうですよ」

妹友「アレ、やってみた?」
妹「なんですか?」
妹友「寝顔を見る、っての」
妹「ああ。はい」

妹友「やったんだ! どうだった?
 ときめいたりした? 効果あった?
 私もやってみたいけれどさすがに不法侵入は
 躊躇われちゃうし」
妹「あれ、全然ダメですよ?」

妹友「ダメって?」きょとん



678:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 21:32:49.82 ID:ibBVSdbm0

妹「まず、寝顔を見るために、
 異性の部屋に深夜忍び込むわけですが」
妹友「うんうんっ」

妹「友さん、なぜかすごく嬉しそうです」
妹友「続けて続けて♪」

妹「忍び込むわけですが、
 兄とはいえこの時点でかなり緊張しますよ。
 つまりドキドキしてるわけで、まったく判定方法になりません」
妹友「えーっ」
妹「つまらないオチですけれど、そうなんです」

妹友「うわぁ、盲点だぁ」
妹「妥当な結果です」

妹友「寝顔見てもなんにも感じなかった?」

妹「強いて言えば、なんだかちょっと
 イライラするような気分でした」
妹友「イライラ?」



681:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 21:38:17.44 ID:ibBVSdbm0

妹「焦るような、急ぎたくなるような。
 何かしなきゃいけないような。
 でも別にいやな気分じゃないんです。
 優しくしたいような八つ当たりしたいような気分です」

妹友「……」

妹「とても表現しずらい感じです。
 懐かしいというか、軋むというか、
 憧れるような、辛いような。
 うーん。
 近いのはやっぱり八つ当たりしたい気持ちみたいです」

妹友「……えっと」

妹「だいたい兄さんが太平楽な寝顔で
 ぐぅぐぅ寝てるから微妙な気分になるんですよ。
 寝てるときも困った兄さんです」



693:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 21:49:50.19 ID:ibBVSdbm0

妹友「ふむふむ」にやにや

妹「おおきな犬みたいにぐてーってして
 たいそうだらしなかったですよ、兄さんは。
 ちょっと扇いであげたら、にぱーっとか笑うので
 扇いだり止めたりしてみました。
 それはちょっと楽しかったですね。
 ふだん振り回されている分の復讐です」

妹友「ほほう」にやにや
妹「もう、友さん。なんでニヤニヤしてるんですかっ」

妹友「いやいやいや」
妹「?」
妹友「おめでとう。妹ちゃん」
妹「え? え?」

妹友「妹ちゃんは、ばっちりふぉーりんらぶです」
妹「そんなことは無いですよ」

妹友「でもいまのを聞いたらどう聞いてもそうだよ?」
妹「そんな事無いですよ。
 全然恋愛感情とは関係ないじゃないですか」
妹友「そうかなぁ」



697:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 21:55:45.33 ID:ibBVSdbm0

妹「兄さんは大きな小学生で怪獣でお馬鹿なんです。
 それに――兄さんなんですから。
 そういう対象とは違いますよ」

妹友「ん~」

ぱくり、むしゃ。

妹友「でもさ。そしたら
 例えば、さっき話に出てきた女の人と、
 お兄さんとお付き合いしちゃったりすることもあるわけだよね」
妹「ええ。それは。そういうこともあると思います」
妹友「それは妹ちゃんは良いの?」

妹「だから許可するとかしないとか」
妹友「そうじゃなくてさ。気持ちは?
 気持ちのほうはOKなの?」



700:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 21:59:21.33 ID:ibBVSdbm0

妹「……」
妹友「お兄さんとその人が一緒にいてもちくちくしない?」

妹「それは」
妹友「うん」
妹「します」

妹「……けど、それは家族でもするじゃないですかっ」
妹友「妹ちゃん?」

妹「今までいた人がいなくなっちゃったり
 今まであったものが壊れちゃったり
 今まで頼ってたのに離れちゃったりしたら
 ちくちくは、やっぱりするじゃないですか」

妹友「だから、だったら。
 それはやっぱり好きなんじゃないかな」

妹「……でも、兄さんは。
 兄さんはやっぱり兄さんで」

かちゃん。

女子A「あっ!! 妹? 妹だよね?」



708:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 22:05:51.17 ID:ibBVSdbm0

妹「あっ」

女子A「うっわー。懐かしい! 覚えてるかな!!」
女子B「妹だ、懐かしいっ。びっくりしたよーっ」

妹「ご無沙汰してますっ。覚えてますよ。
 女子AさんとBさんでしょ。みんなは……元気ですか」

女子A「うん、みんな元気。びっくりしたよ。
 うちエスカレーターだから、みんな一緒かと思ってたのに
 急に妹ちゃんはいなくなっちゃうしさ!
 この辺に越してたんだっ」

妹「ええ。色々ご心配をおかけしました」
女子A「ううん。元気なら良いんだ!
 我らが委員長が困ったことになってるんじゃ無いかって
 皆とも昔は良く話してたんだよっ」



709:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 22:07:05.81 ID:ibBVSdbm0

妹「ごめんなさい」

女子B「違うんだって。みんな妹ちゃんのこと
 思い出したりしてタだけ。
 こっちはみんな持ち上がりで高校生になって。
 相変わらず女の花園なんだよっ。
 妹ちゃんは、そのぅ……。ご家庭の事情とか、聞いたけど」

妹「ええ。お世話になっている家の方が、
 良くしてくれてるんです。高校も公立に通っています」

女子A「そっかぁ。あ、お話の途中だったよね。
 そだ、これ。携帯の番号だよ。……よし、っと。
 今度電話してね! 絶対だよっ」

妹「はい。皆さんにも、よろしく伝えて下さい」

女子B「邪魔してゴメンね。またね! 妹ちゃん」
女子A「電話待ってるからね♪」



716:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 22:15:08.19 ID:ibBVSdbm0

妹友「……」
妹「……」

妹友「……」
妹「……」

妹友「えーっと」
妹「……はい」

妹友「じゃ、お兄さんとは」
妹「私、養子なんです」

妹友「だって、それじゃ」
妹「血は繋がってません」

妹友「それじゃさ、いつも妹ちゃんがご飯作ってるのとか
 家事を全部やってるのとか、図書室で勉強してるのとか
 週末の遊びも断ったりしがちなのとか、
 それってなんだか絶対」
妹「違います」

妹友「でも、それっておかしいよ。変だよっ」
妹「でも違うんです」



721:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 22:19:37.14 ID:ibBVSdbm0

妹「私は……」
妹友「……」

妹「自分の部屋に帰るとすごくほっとするんです。
 家に帰ると幸せな気分になります。
 聞いて楽しい話だとは思いませんけれど……」

妹「自分の居場所があるってすごく幸せなことです。
 誰にも邪魔されたりしないで、自分でいられる。
 そんな場所があるってすごく幸せです」

妹友「……」

妹「私そういうのは、憧れてましたから……。
 いつかもし、そういう場所が出来たら
 すごく大事にしようって決めてました。
 綺麗に掃除して、大事にして。
 布団もタオルケットも洗濯をして
 シーツなんて毎日干しちゃって。
 お台所なんかピカピカにしようって思ってました。
 フォークもお皿も一個ずつ磨いて、
 棚に並べてあるって素敵です」



728:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 22:28:02.69 ID:ibBVSdbm0

妹友「……」

妹「それから、ご飯です。
 もし、なにかのすごい偶然で
 私がご飯を作らせてもらえたら……。
 きっと、精一杯がんばって美味しく作ろうって
 いつも、毎日寝る前に思ってました。
 ううん、美味しいとか美味しくないとかじゃなくて、
 たぶん……。
 『どうぞ食べてください』っていう気持ちで作りたいな。
 そういうのって、すごく良いなって思っていました」

妹友「うん……」

妹「なにぶん当時は……。まだ子供だったので
 今でも全然子供なんですけれど。
 でも、レパートリーもがんばって増やして、
 作れるものが一個ずつ増えて、
 新しいレシピが作れるたびに、
 ちょっとずつ居て良い場所が増えていくような気がして」

妹「だから、家事をしてるのとか、料理をしてるのは
 全部私の我がままなんですよ。
 友さんのそれは、間違ってるんです」

妹友「うん。……判った」



730:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 22:34:39.88 ID:ibBVSdbm0

妹「それにほら!」にこっ

妹友「?」

妹「兄さんは、家事も料理も全然ダメな人ですからっ。
 何度も言いますが、ほんとうに大きな小学生な人なんです。
 この間はトマトもろくに切れないって豪語していました」

妹友「あははっ」

妹「だから一家の主婦としては家族に美味しい
 ご飯を作るのは当然なんですよ。
 そういう風に云えるのが、わたしは嬉しいんです」

妹友「……うん」
妹「はい」

妹友「――ごめんね」
妹「どうしてです?」
妹友「喋りたくないこと、話させた」



735:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 22:41:50.72 ID:ibBVSdbm0

妹「良いんです。今までだって何度も言いかけたんです。
 でも、タイミングが合わなくて」
妹友「でも」

妹「友さんには言いたかったんです。
 友達ですもん。ちゃんとしたかったんです」

妹友「妹ちゃん……」
妹 にこっ

妹友「でも、でもさ」
妹「はい?」
女友「お兄さんのことは?
 お兄さんのことは良いの?」

妹「兄さんは……。美味しいって云ってくれました。
 いまでもです」

妹友「――っ」

妹「だから、兄さんの話は終わりです」

妹友「……」



740:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 22:46:07.86 ID:ibBVSdbm0

――駅ビル

妹「メールですね。誰かな。兄さんだ。
 こんな時間にどうしたんでしょう」

兄『title:キミは知っているかな? 至高のプリンを』

妹「相変わらずお馬鹿なタイトルですね」

兄『そこに行けばどんなプリンも
 有ると言うよ。
 誰も皆、行きたがるが、はるかな世界
 その店の名はモロゾフ
 どこかにあるユートピア
 どうしたら行けるのだろう? 教えて欲しい』

妹「私のほうが教えて欲しいです」

兄『やってきましたモロゾフ! 
 待っているんだ。兄ちゃんがレアチーズケーキを
 買っていってやるさかい!』

妹「大阪人になってしまいましたか、兄さんは。
 ……きょうはPi、ちょっとpiきたく、帰宅pi
 遅れますpi……送信」



749:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 22:55:28.73 ID:ibBVSdbm0

――ショッピングモール。総合案内所。

妹「すみません、有りませんでしたか?」

案内嬢「申し訳有りません。ノート類の落し物
 お届けは、過去一週間ございません」
妹「そうですか……」

案内嬢「もしご連絡先を頂戴できましたら、
 届出をもう一度調べて、または届出があった時点で
 ご連絡できますが」

妹「お願いします。携帯のなんですが」

案内嬢「はい。番号お預かりします」
妹「よろしくお願いします」

妹「困りましたね」

妹「あれがないと……。
 それは……。絶対にダメってわけじゃないですが
 やっぱり、大事です。ずっとつけてたんですから」

妹「別に。こだわるようなものじゃないです。
 こだわるようなものじゃ、無いんですけれど……」



758:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 23:01:43.62 ID:ibBVSdbm0

とぼとぼ、とぼとぼ……

妹「兄さん、かぁ……」

トスン

(――だばだば♪ だばだば♪)

妹「云ってはなんですが。お子様です。
 大学で、もう院にもというのに、スーパーヒーロータイムとか。
 変な踊りをしますし。もう」

(――あむ、あむ。もっきゅ、もっきゅ)

妹「それに大食いです。口も大きいですし。
 その辺もやっぱり子供な部分が出ているんです。
 マナーの問題でもあります。きっと会食とかでは
 困ったことになるはずです。教育が必要です」

(――いっただきまーっす!!)

妹「元気が良いのは◎です。
 そういえば、食事の挨拶だけはすごくきちんとしてます。
 いつからなんでしょうか」



763:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 23:07:34.56 ID:ibBVSdbm0

(――犬まる先生と生協マートに出発だぜ~♪)

妹「なんだかんだ云って、協力はしてくれるんですよね。
 買出しだって、大掃除だって、洗濯だって。
 いつもご飯作らせてるからって、
 犬まる先生の散歩はずっと兄さんの仕事です。
 どっちも犬みたいですから、
 どっちが散歩させてもらってるか判りませんけど」

(――う、怖いぞ。妹よ)

妹「当たり前です。怒らせるような事をしてるんです。
 兄さんはまったく怪獣というかお馬鹿というか……」

(――もうちょっと眠らせてくれぇ)

妹「毎朝の儀式もそうです。
 どこの世界に毎朝あんなに抵抗を続ける兄が居るんでしょうか。
 一人暮らしをすることになったら兄さんはどうするんでしょうか。
 こっちが5分起こすのを早めると5分長くごろごろするという
 悪質なまでの周到さを見せます。
 きっと兄さんの怠惰さは神様も見ているはずです」

(――おかわり、ないのか?)

妹「そんな訳ないじゃないですか。
 ずーっと兄さんのご飯を作ってきたんです。
 どれくらい用意すればいいかなんて判ってます。
 いい加減信用してもらっても罰は当たらないはずです」



764:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/25(月) 23:09:41.25 ID:ibBVSdbm0

(――こっちが勝手に懐いているのだ)

妹「兄さんはそういうところが勝手なんです。
 いつも最後の最後に『にこっ』とか。
 怪獣の癖に、お馬鹿の癖に。それで全部帳消しです」

(――美味いなぁ! マヨ美味しい)

妹「食いしん坊です。嫌いなものなんか無いんです」

(――コンビニにいこうぜー。アイス食おうぜ!)

妹「いっつもにこにこして」

(――ご馳走様っ! 余は満足じゃ!)

妹「美味しい、美味しいって」

(――ご馳走様っ。今日も最高に美味しかったぜ)

妹「私の作ったもの、美味しいって」

(――いつもあんがとな! 妹よ!)

妹「私の作ったものなんか、美味しいってっ」

ぎゅぅっ。



814:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 00:17:03.91 ID:uLDYCQIR0

――自宅近くの河川敷、21:00

兄「結構高かったなぁ。モロゾフ」

兄「でもこれで多少元気が出ればな」
犬まる「わふぅん♪」

兄「あいつ、なんか元気、無いよな。
 週明けからかな。――あの買い物の後か。
 別に女ともめたわけじゃないよな。
 焼き鳥屋ではそこそこ機嫌よかったんだし」

兄「何かあったんかなぁ……。
 でかいことじゃなきゃ良いけど。
 もう、でかいことは、十分なんだから……」

犬まる「わふっわふぅ♪」

兄「犬まる先生、走りたいのか?」

犬まる「わっふぅ♪」

兄「おし、行ってこい。ほらっ」

ダカダカダカダカダカッ

妹友「お兄さん」
兄「あれ、妹友ちゃん」



821:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 00:25:26.75 ID:uLDYCQIR0

妹友「こんばんわ」
兄「こんばんわ。こんな時間に。偶然だね」
妹友「えっと。あんまり偶然じゃ有りません」
兄「え?」

妹友「……」
兄「えっと、まじめな話?」
妹友「はい」

兄「場所、移す?」
妹友「いいです」

兄「判った、聞くよ」
妹友「……」
兄「……」

妹友「お兄さんは、妹ちゃんの事を、どう思いますか」
兄「うん」
妹友「……」
兄「――俺には、過ぎた妹だよ。
 よく気がつくし、掃除も、洗濯も、料理も。
 家事は全部やってもらっちゃってる。
 申し訳ないし、いつもありがとうって思ってる。
 本当はもっと『外』を知って、出て行けるといいんだけど
 あいつは引っ込み思案だし、まだちょっとの間、
 『殻』が必要なのかな、とも思う」



824:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 00:30:13.81 ID:uLDYCQIR0

妹友「……」
兄「……」

妹友「それじゃない方を」
兄「……うーん」
妹友「聞いてる意味はわかりますよね?」
兄「うん」
妹友「お願いします」

兄「歩こうか」
妹友「……はい」

兄「……」
妹友「……」

兄「友人にも、云われる。
 あんな可愛い妹、とか。シスコンじゃない? とか」
妹友「はい」

兄「ごまかすつもりもまったく無いんだけれど
 俺には本当にそれってよく判らないんだ。
 質問の意味がわからないわけじゃないけれど、
 質問の正しさがよく判らない」



829:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 00:36:24.17 ID:uLDYCQIR0

妹友「質問の正しさ?」

兄「例えば――『火星はなぜ夜空のあちこちを
 気ままに動きますか』とか。
 この質問は古代の科学者を悩ませてきたよね」
妹友「はい」

兄「別に火星は意思を持ってるわけじゃない。
 だから勝手にあちこちに行くわけじゃない。
 ただ古代の科学者は天動説を知らなかった。
 公転どころか自転も把握してなかった。
 だから複合運動する火星の動きを説明できなかった」

妹友「……」
兄「妹は、やっぱり妹だよ」

妹友「――っ」
兄「でもその答は、答える前から、なんだか間違ってるよね。
 でもそれは。本当は、答えが間違ってるんじゃなくて、
 質問が間違ってるんだよ」

妹友「……」
兄「だから、『妹の事を女性として好きかどうか』
 っていう問いには答えない」



833:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 00:43:50.79 ID:uLDYCQIR0

妹友「だって、そんなのっ」
兄「妹友ちゃんが、どっちを望んでいるかは
 判らないけれど」
妹友「え」
兄「でもね」にこ

妹友「――」
兄「どっち、って答えても。妹は半分は幸せになって
 半分は不幸になっちゃうと思うんだよ。
 いつ気持ちがすれ違っちゃうか判らないような
 不確かな『恋人』になんかなってもさ。
 『家』は妹が手に入れた、たった一つの居場所なんだし」

妹友「……」
兄「だから、そんなどちらを選んでも
 半分しか正解じゃないような質問は、
 質問そのものが間違ってるんだよ」

妹友「だって、だって」
兄「大丈夫だよ」くしゃ
妹友「だっでっ」

兄「だいじょぶ。俺は妹の料理を、食べてるから。
 世界中で一番沢山、妹の料理を食べたから」
妹友「え?」



839:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 00:49:42.05 ID:uLDYCQIR0

兄「『言葉にしなくても伝わる』なんてさ
 そんなの99%は嘘だよね。
 そんな風に伝わる気持ちなんて本当は無いよ。
 なんでも精一杯話さないとね。
 ギリギリまでがんばって、
 ギリギリまで誠意を尽くして、
 それでも伝わるかどうか判らないのが
 気持ちなんだと思うから。
 ――でもさ」

兄「でも『残り1%』があるのなら
 きっとそれは、妹のご飯の中にあると思うんだよ」

妹友「……」

兄「だから、大丈夫。
 きっと『正しい質問』は見つかるよ。
 ううん、見つけるから」

妹友「お兄さん」

兄「ごめんね。ありがとうね」にこっ

妹友「絶対、絶対の、絶対に」
兄「うん。――約束する」



846:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 00:53:42.41 ID:uLDYCQIR0

――自宅の食卓

兄「今日も美味そうだなっ。妹よっ」
妹「ありがとうございます」

兄「はやくはやくっ」
妹「ちゃんとよそいますから」
兄「うーん。白米つやつやだっ。美人米っ」
妹「米どころは美人が多いといいますからね」
兄「おうっ。食欲が唸るぜ!」
妹「聞いてませんね」

兄「上官殿っ」
妹「なんでしょう?」
兄「本日の献立詳説をお願いします」

妹「今日はごく普通の晩御飯です。
 まずは秋刀魚。大根おろしと酢だちが添えてあります」
兄「旬だもんな」
妹「旬というのは、本来月を三つに分けたものです。
 上旬、中旬、下旬というものですね。
 それはつまり、十日という事を意味します」
兄「ほうほう」

妹「旬の食べ物、というのは、ですから
 『365日のうちのもっとも美味しい十日間』という
 意味でもあるわけです」
兄「ほほう!!」



856:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 00:58:41.32 ID:uLDYCQIR0

妹「因みに秋刀魚は一尾120円でした」
兄「ナイスプライスっ!」
妹「安いのは正しいです。旬は美しいです」
兄「まったく同意っ!」

妹「次はイカとサトイモの煮物です。
 イカのワタの味が少しだけ出て、
 煮汁にコクが出るのが特徴です」
兄「大好物!!」

妹「茄子のしぎ焼きは、タレにほんの少しカキ油を
 まぜてみました。変わった風味があると思います。
 あとで感想を聞かせてください」
兄「了解であります」

妹「残りは香の物とお味噌汁です。お味噌汁は
 お揚げとえのきになります」

兄「美味しそうです!」
妹「召し上がれです」

兄「いっただっきまーっす♪」
妹「いただきます」



870:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 01:04:28.03 ID:uLDYCQIR0

兄「まぐまぐっ。もきゅ、もきゅっ」
妹「もぐもぐ」

兄「はぐっ。もきゅ。もきゅ」
妹「もぐもぐ」

兄「もっきゅ、もっきゅ。醤油お願い」
妹「はい」

兄「美味しいぞ、秋刀魚は脂がのってるぞ!」
妹「はい」にこ

兄「はぐはぐはぐっ。もぐ、ごくん」
妹「もぐもぐ」

兄「カキ油は、コクが出るというか、こってりした
 ちょっと中華風のテイストになるな」
妹「ええ、ですよね」

兄「他のメニューとの兼ね合いで、野菜の炒め物に
 ちょっと重さが欲しいときは良いと思う。
 個人的には好きだな。香りとか」
妹「ふむふむ」

兄「?」
妹「もぐ……」



882:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 01:11:10.50 ID:uLDYCQIR0

兄「もぐもぐ、はぐ」
妹「もぐ……」

兄「もっきゅ、ごくん」
妹「もぐ……」

兄「あむ、んまい♪」
妹「もぐ……」

兄「妹よ」
妹「お代わりですか? 兄さん?」

兄「いや。……なんかあったのか?」
妹「いえっ。べつに。取り立てて何も」

兄「元気がないぞ」
妹「そうですか? そんなことは有りません」

兄「うん」
妹「そうだ、兄さん。食後にプリン残ってますよ。
 モロゾフで買ってきてくれたやつ」
兄「おう! 食うか」
妹「はい、食べましょう」にこっ
兄「やったーい。プリンプリン~♪ ん」



890:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 01:15:56.09 ID:uLDYCQIR0

――研究練、屋上

兄「うっわあ。こりゃ良い風だなぁ」
女友「でしょでしょ。結構眺めもいいしね」
兄「どうしたんだよ、鍵」

女友「いや。サークルの先輩にもらった」
兄「もらった、って」

女友「まぁ、悪用しなければいいんだよ」
兄「ずぼらな管理だなぁ」

女友「そのおかげで、この風と景色が手に入るんだよ」
兄「まぁな」
女友「あははは。髪の毛、はたはたしてるよ」
兄「お前もだ」
女友「うっわ、舞っちゃってる。あはっ」

兄「ん」にこ

女友(ああ。私は、やっぱりこの人が好きだ)



899:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 01:21:00.03 ID:uLDYCQIR0

兄「どうしたんだ。ぼーっとして」
女友「いや、してませんよ?」
兄「してたよ」

女友「またまたご冗談を。
 私は精神集中にかけてはヨガの導師クラスですよ」

兄「歯に青海苔ついてるよ」

女友「うそッ!?」

兄「あははははは」
女友「く、くっそー。今日はそんなもん食べて無いもん」
兄「精神集中が脆いぜー」
女友「ううう。苛められてるなっ」

兄「またまたご冗談を。
 俺は自愛の精神においてはマザーテレサクラスですよ

女友「だばだばのくせに」(ぼそっ

兄「なっ!?」
女友「へへーん。妹ちゃんから聞きだしてあるのだっ!!」
兄「き、貴様。見たな」
女友「おうともさっ!」



902:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 01:26:55.05 ID:uLDYCQIR0

女友「あははははっ」
兄「あはははっ」
女友「おかしーっ。男くんも、結構笑うんだ」

兄「ったく。どう思われてたんだ」
女友「結構クールかと」

兄「そんな事無い。生きてれば普通に笑うさ」
女友「あははっ。そうだよねっ。あったりまえだー」
兄「そうだよ」

女友「うっわぁ。なんか笑ったら、気持ちいいな」
兄「うん」

女友「……」
兄「……」

女友「云っていいかな」
兄「……」
女友「云うぞ? こんちきしょー」

兄「えっと、さ」
女友「何さ」

兄「俺、お前の評価高いぞ」
女友「うん」



908:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 01:30:32.27 ID:uLDYCQIR0

兄「真面目だし」
女友「いぇい♪」

兄「まめに働くし。お人よしだけど誠実だし」
女友「なんかトホホだね」

兄「かなり可愛いと思うしさ」
女友「なぬっ。初耳だぞ」

兄「さりげなく胸がでかいし」
女友「自慢なのだ」

兄「シモネタ好きだけどな」
女友「うう」

兄「女の皮をかぶったオヤジかなとか思うけど」
女友「ううう~」

兄「でも、友情は感じてる」
女友「うん」

兄「……」
女友「知ってた」

兄「……」
女友「でもさ」



914:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 01:35:52.11 ID:uLDYCQIR0

びゅうううーっ。びゅううーっ

女友「でもさ、私にも、妹分が出来たからさっ」
兄「……」

女友「そういうチンケなリスクにびびってられない訳よ。
 女としての……。先輩? としてさっ。
 ガツンっとかまさなければならん訳よっ。
 立ち止まってちゃ居られないの。
 そうじゃないと説教できないわけすよ。
 『結果どうあれ先輩は戦いましたよ』ってね」

兄「……」

女友「本当は、こんなのはもっと先手必勝だったわけですよ
 理解した次の瞬間に突撃しておけば良かったんです。
 そうすれば、きっと、もっと――違う場所にさっ。
 それを変に知恵つけちゃって、保身しちゃって。
 でも、あたしが……。卑怯ッ
 だったからっ
 ずーっと、ずーっと、ずーーっと続けちゃっただけでさ」

兄「……」

女友「云うぞ、こんちきしょー」



921:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 01:39:05.01 ID:uLDYCQIR0

女友「彼女にっ。してくださいっ」
兄「……」

女友「いろいろ不足部分があるポンコツなんだけど、
 あたしこれでも体育会系なのだっ。
 鍛えれば良い戦力になる。割とお買い得っ」

兄「……」

女友「自分で云うのもなんだけど、サービス精神はあるよっ。
 各種ご奉仕プレイにだって興味津々だぞっ」

兄「……」

女友「経験不足を補う脅威の成長度Sランクユニットなんだぞぅ」

兄「……」

女友「――だめか?」
兄「うん」

女友「――絶対にデスか?」
兄「ごめんな」



932:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 01:42:39.58 ID:uLDYCQIR0

女友「うん。――判った」
兄「……」

女友「先に行って」
兄「――おう」

ざっざっざっ

女友「男っ」

ぴたっ

女友「あたし、格好よかっだがっ?」ずっ
兄「おう」

女友「良い女だっだがっ?」ずずっ
兄「おう」

女友「こんなチャンスは二度とないんだぞっ」
兄「おう」

女友「妹分に伝えて。覚悟決められたなら
 ――ノート、取りに来て良いって」
兄「……判った」



992:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 02:05:42.14 ID:ei9yLFM6O

1000なら兄は俺のもの



994:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 02:05:52.38 ID:En5yZu9f0

1000ならハッピーエンド



998:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 02:06:31.14 ID:En5yZu9f0

>>1000ならハッピーエンド



999:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 02:06:41.99 ID:iLoESHPL0

1000なら実家に帰る



1000:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 02:06:44.18 ID:ei9yLFM6O

1000なら全員幸せ




58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 02:39:23.43 ID:uLDYCQIR0

――夕刻、駅前

妹「ふぅ……」

とぼとぼ

妹「なんか兄さんの視線が。ちょっと怖いです。
 こんなこと、無かったのにな。
 隠し事してるせいかな。
 私が気持ちごまかしてるせいなのかな」

妹「だから、消えちゃうのかな。
 ――それは、いやです。
 それは本当にいやですね……」

妹「なんででしょうか。
 美味しいもの一杯作って、美味しい美味しいって
 兄さんに食べてもらいたかったのに。
 兄さんが美味しい美味しいって食べてくれる度に
 もっとくっつきたくなって……。
 くっつきたい気持ちなんて、
 隠したって出したって兄さんに心配かけるだけなのに。
 美味しいものを食べて欲しいだけなのに
 食べて欲しいだけなのに
 喜んでくれたのに
 それだけのことが、なんで出来ないんですか」



72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 02:46:24.17 ID:uLDYCQIR0

妹「兄さんが美味しいっていってくれて嬉しかったのに
 ここにいて良いよって云ってくれて嬉しかったのに
 いつからこんなに贅沢になっちゃったんだろう」

妹「贅沢だから。
 多くを望むから。
 ここにも居場所がなくなるのですか。
 また当ても無く歩き回って
 毎日逃げて暮らすような時が来るのですか」

妹「それはやだな。
 ――兄さんと一緒じゃないのは
 いやだな……」

兄 ぽかりっ

妹「兄さんっ?」

兄「何を泣きそうな顔をしてるんだ」
妹「……むぅ。そんな顔してませんよ」
兄「そうなのかぁー」むにっ

妹「ほっぺた、ひっぱら……。もう、子ども扱いしてっ」
兄「乗れ」
妹「自転車で、何でです?」

兄「なんとなく」
妹「ずっと待ってたんですか?」
兄「なんとなく」



77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 02:52:12.53 ID:uLDYCQIR0

――河川敷、サイクリングロード

びゅうううー。びゅうううー。

妹「兄さんっ」
兄「なんだ、妹よっ」

妹「うち、通り過ぎちゃいましたよ」
兄「いいんだ。散歩替わりだよ」
妹「自転車で?」
兄「そう」

びゅうううー。びゅうううー。

妹(夕日、真っ赤です)
兄「真っ赤だな」
妹「え?」
兄「夕日が」
妹「――はい」

びゅうううー。びゅうううー。

兄「寒いか?」
妹「ちょっと」
兄「くっついてもいいぞ」
妹「もうっ。そんなことばっかり」



85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 02:55:39.05 ID:uLDYCQIR0

ききぃ。

兄「よいせっと」
妹「んっ」
兄「ここ、初めて?」
妹「はい」

兄「まぁ、寂れた神社山だからなぁ。
 子供の頃はよく遊びに来たりしたんだけどさ」
妹「こんなところがあるんですね」
兄「うん。ほら、この角度」
妹「?」

兄「この角度だと、駅前からうちのあたりまで
 商店街が全部見えるんだよ」
妹「ほんとです」
兄「真っ赤だろ?」
妹「ええ」

ひゅるるるー。

妹「本当に、夕日で。茜から藍色に……」
兄「あの辺が、肉屋と、総菜屋でさ」
妹「ええ、あっちが八百屋さんですね」
兄「そっちへいくと、酒屋があってさ」



93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 02:59:39.55 ID:uLDYCQIR0

妹「団地も……」
兄「ああ。明かりが灯ったな。マンションも、ほら」
妹「チカチカして。お仕事から帰ってきたんでしょうか?」
兄「学校かもな」
妹「そうですね」

兄「ああいうのさ」
妹「?」

兄「うーん。上手く云えないな」
妹「??」

兄「ああいうのがさ、全部晩御飯なんだぜ?」
妹「え?」

兄「ああいうのが、一個一個さ。
 全部全部、晩御飯なんだぜ?」
妹「ああ!」

兄「なんか、すごいな」
妹「はいっ。すごいです」

兄「あんなに沢山晩御飯があるんだぜー
 何百種類のメニューがあるんだろう。
 きっとすごく美味しいものもあるんだぜ」じゅるり
妹「兄さん、だらしない顔してますっ」



99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 03:02:22.54 ID:uLDYCQIR0

兄「女から伝言」
妹「?」

兄「『覚悟決められたならノート、取りに来て良い』って」

妹「っ!
 じゃぁ、じゃ。ノートは、お姉さんが持ってたんですか?」

兄「事情は知らない。その伝言を預かっただけ」
妹(じゃぁっ。じゃぁっ!)

ぎゅっ

妹「あのっ」
兄「?」
妹「兄さん、お姉さんは?」

兄「格好よかったよ」
妹「……っ」
兄「あいつは、格好いいやつだよ」
妹「……っ」

ぎゅぅっ

妹「私は。だって、私はっ
 私のほうが、卑怯なのにっ」

兄「……だいじょうぶ。ちゃんと覚えてるから」



105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 03:05:08.63 ID:uLDYCQIR0

――同刻、風の屋上

びゅぅぅぅ~っ。ぴゅぅぅー。

女友「……きっついな。
 さすがに今回は、ダメージでっかいなっ。
 死ぬかと思ったなっ。てか、死んでるのかも。あたし」

女友「でも……」

女友「でも。ちゃんとやったもん。
 がつんって云ってやったもんっ。
 ――逃げなかった。
 ちゃんと戦ったもん

女友「だいたい、きついのはさっ。
 くっ。いい男が相手だったからだもん。
 きつくないなら、戦るだけ無駄だもんっ。
 だから、きつくても、ほんの、
 ほんのちょっと……」

女友「ずっこいなぁ。あはっ。
 これはぁ……。
 お姉さん、負けるな。
 気合、入ってるもんなぁ」



114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 03:07:58.01 ID:uLDYCQIR0

 手元のノート。
 風がページを繰る。
 波のように。うねりのように。

『バリエーションno18!
 兄さん専用チキンカレー
 ジャワカレーの一番辛いやつ1/3
 バーモンドの中辛2/3。兄さんは案外お子様舌です!
 じゃがいもたくさん。ニンニクは摩り下ろして入れること。
 鶏はカレー粉(SB限定)をまぶして30分おく』

 ページに
 花びらのように
 風に舞うページに


『バリエーションno21!
 兄さん専用桃のコンポート
 鍋に水はひたひた。砂糖、レモン汁。
 白ワイン半分。ナイショで日本酒(純米)。
 キッチンペーパーはおとすこと。
 皮は綺麗に剥いてから冷蔵庫の一番下で二時間冷やす』

 たくさんの
 たくさんの



118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 03:08:52.41 ID:uLDYCQIR0

『バリエーションno34!
 兄さん専用バジルフリッター
 鶏、もしくはイワシで。塩を振っておく。
 卵黄に小麦粉、ベーキングパウダー、牛乳。
 バジルは乾燥でもいいけど、なるべく生のもの。
 生の場合は冷凍しておくと砕けやすい。
 メレンゲを作って生地と混ぜる。
 (メレンゲはつぶさないようにてばやくさっくりと)
 170度でキツネ色まで揚げる。
 揚げてる間、兄さんは待たせること。
 クレージーソルトか花山椒を添えて供する。
 レモン果汁は必須(ないなら作っちゃダメ!!)』

 兄さん専用すき焼き
 兄さん専用ベーグル改造案
 兄さん専用鮭雑炊(二人前)

 兄さん専用、兄さん専用。etc,etc。

女友「妹ちゃん、すっごいなぁ。
 ――これで勝たなかったら
 お姉さんは神様をぐーでぶつな。
 ずっ。
 すんっ。
 絶対。勝たなきゃ」



129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 03:11:55.51 ID:uLDYCQIR0

――同刻、風の屋上

兄「ちゃんと覚えてるから」
妹「え?」

兄「妹が作ったもの、ちゃんと覚えてるから。
 春のカレイの煮付け、竹の子の煮物、わらびあえ、
 たらの芽の天ぷらも」

兄「夏の鮎もクルマエビも。タコのパスタも。
 トマトのバケットも。胡瓜の酢の物も。
 カボチャの煮物に、辛くしたアラビアータも」

兄「秋の鯛のソテーも。しめじの炊き込みご飯も。
 秋刀魚に、かつおに、お芋も。じゃがバターも」

兄「冬は寒くなって、カニすきも。
 ブリの照り焼きも作ってくれた。ふろふき大根も。
 カキフライに、白菜のクリーム煮。クラムチャウダー!」

妹「……うぅ」
兄「俺、全部覚えてる。食いしん坊だからなっ」
妹「そんなのっ。覚えて。覚えてたって」ぐずっ

兄「ずっと作ってもらえるんだろう?」
妹「へ」



138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 03:14:27.51 ID:uLDYCQIR0

びゅぅぅぅ~っ。ぴゅぅぅー。

兄「あんないんちき問題やることない」
妹「え? え?」
兄「どっちか選ぶとかさ。馬鹿らしいぞ」
妹「……」

兄「覚悟は決まったかっ!!」
妹「え? ええ!?」
兄「覚悟は決まったかっ! と聞いてるんだ」
妹「え。はっ、はいっ」
兄「よしっ」にこっ
妹「?」

兄「じゃ、うちで一緒に暮らすんだ」
妹「え? え?」
兄「ずっと一緒に暮らすんだ」
妹「……」
兄「家族とか、その……アレで、その……好きとかさ」
妹「――!」
兄「そんなの関係ないぞ。どっちか片方なんて損だ」
妹「兄さん」



145:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 03:17:26.77 ID:UXDULUBtO

なん………だと………?



147:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 03:18:37.42 ID:uLDYCQIR0

兄「一緒に暮らして、一緒にご飯食べて
 一緒に暴れん坊将軍を見るんだっ」
妹「兄さんっ」

兄「だいたい、あれだよっ。――恋人とか?
 そういうのが苦しいなら。
 家族でいいんだよっ。
 真ん中すっ飛ばしてお嫁に来れば解決だよっ!」

妹「兄さん、それじゃ解法じゃなくて、
 ただのトンチじゃないですかっ!」

兄「いいの、これでっ。
 アクアバッシャーもそう云ってる」
妹「お馬鹿ですっ」ぐすっ
兄「徳田新之助だって賛成する」
妹「兄さんの馬鹿、馬鹿、馬鹿、お馬鹿っ」

兄「なんだ妹っ。覚悟決まったんじゃないかよっ!!」
妹「そんなものは5年前から決まってますっ!!」

兄「お前ががたがたいったって、絶対説得するからなっ
 そんだけの気合を女から注入されてきてるんだちくしょー」
妹「ずっと、決まってますっ」

兄「……ばか」
妹「兄さんほどじゃ、ないですっ」



155:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 03:21:14.34 ID:UXDULUBtO

兄さん………



163:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 03:23:16.73 ID:uLDYCQIR0

ごーん。ごーん。

妹「鐘の音です」
兄「うん」
妹「この鐘のおと、昔はすごく嫌いでした」
兄「……」
妹「皆は帰るところがあるのに、
 私は帰りたくなくって。いつまでもずるずると公園に居て。
 色んなおうちから、晩御飯の良い匂いがして。それがすごく悲しくて」

兄「……」
妹「兄さん」きゅ
兄「おう」きゅ
妹「良いのですか?」
兄「うん。……帰るぞ」

妹「晩御飯の買い物を、していかなきゃなりません」
兄「おー!! 商店街回っていこうぜ。まだ閉まってなんかいないさ」
妹「はいっ」

兄「あれだ。今日のメニューは俺に決定権がある」
妹「はいはい。兄さん。判ってます何を作るのかも」

兄「おお。決定済みだ。
 妹の作るのが世界で一番美味しい、決まってる。
 ハンバーグだよ! ハンバーグっ!」

おわりっ。



188:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 03:26:11.15 ID:xCSDhl/p0

>>163
お疲れ

久々にいいスレに会えた。これからも期待してるよ。



174:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 03:25:00.93 ID:ei9yLFM6O

乙。すごく良かった。



176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 03:25:05.81 ID:+XI1t9Q40

おつうううううううううううううううううううううううううううう



178:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 03:25:14.01 ID:WWUHWICC0

>>1乙!!



179:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 03:25:17.00 ID:UXDULUBtO

いちょつッッッッ!!!!!



181:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 03:25:43.48 ID:fByDtHTDO

おつかれさま!!



184:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 03:25:56.91 ID:sl+KxY9W0

>>1乙っ!!
お前がNo.1だっ!!!



186:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 03:26:01.28 ID:uYsy7Z6WO

1乙!!!!!よし今夜はハンバーグだ!!



189:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 03:26:12.02 ID:TEROcsth0

おつかれー!楽しかった!!
さんきゅ!!!



193:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 03:26:23.21 ID:uLDYCQIR0

終ったぞ。

支援とか保守とかまじ感謝な。
ご飯とか食卓テーマで書いてみたぞ。兄萌え(?)
伏線を丁寧に拾うのは楽しかったぞ。
スレは一本に収まらなくてスマンだぞ。
なんか色々言いたいこともあるんだが、
このスレ的にはあれだ。

『どうぞ食べてください』っていう気持ちで書いたぞ。
みんなで、召し上がれ。



200:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 03:27:23.77 ID:sl+KxY9W0

>>193
うまかったよほぉぉぉいい!!



216:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 03:29:56.47 ID:4KgTvWcw0

>>193
すごい面白かったよ
お疲れ様でした!



194:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 03:26:38.14 ID:KLi1GgqiO

おつううぅぅぅ!



207:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 03:28:22.31 ID:n/5nBxsjO

>>1
ごちそうさまでした。



208:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 03:28:26.80 ID:Ot8Yv0fQ0

1乙!!
大変おいしゅうございました



238:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 03:41:27.15 ID:iLoESHPL0

おつかれさまでした



247:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 03:53:51.13 ID:SY7x71tM0

良かったぁあああああああーーーーーー!!!!!!
>>1乙ーーー!!!!



267:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 06:37:56.23 ID:WDEDY9RnO

作者乙!!感動したよ、最高だよ!!!!!!!!
早くびっくりドンキー開店しないかな・・・



275:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 08:03:56.79 ID:6nsJRiha0

おつかれー
最高だった!!



286:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 10:13:30.62 ID:745HocvNO

乙!
ごちそうさまでした



303:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 13:41:28.85 ID:uLDYCQIR0

うわぁ。
まだ残ってるよ。
保守してもらっちゃってるよ。
終ったあとに相当眠くて昏倒睡眠してきたぞ。
前1です。一杯読んでもらえて嬉しいよ。



304:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 13:48:15.00 ID:R99vycb60

>>303
ホント乙
良い話だったよ
ハンバーグ食べたくなった



306:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 14:10:53.38 ID:uLDYCQIR0

実は削ったところも、
書ききれなかったところも一杯あって

妹が家に来た経緯とか。
本当は遠い親戚で妹の親が相当酷い人で
親戚中からお金借りて失踪してーとか
鬱展開になりそうだから切ったし。
(千葉の叔父さんが残った伏線)

兄が元カノを二週間で振ったってのも実は嘘で
元カノは女友に惚れてる百合子さんで
女友の云うこと聞いてあげたいって土下座されて
二週間だけ恋人の振りしてたんだけど
そのときに微エロイベントで鍛えられたとか。

子供時代に、出会って間も無い兄と妹が
増水した川から犬まる先生を助けるイベントの話とか。

妹友も(比較的役割が軽かったから)出番切った部分があって
今回のモチーフの一つが「マシューとマリラ」なんだけど
その件で兄を説得するというか説教するシーンは
最後まで入れようかどうしようかとか。



307:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 14:11:35.85 ID:uLDYCQIR0

きっとこの後、家に帰った二人は仲良く暮らすんだけど
すっかり覚悟を決めた妹は毎晩お風呂で肌を磨くのに
兄のほうはタイムリミット解除されたような安心感で
手出しもしないで、だんだん妹が焦れてバッシャー乱射とか。
いざそういう雰囲気になると「用意してあった新品パンツ」に
ものすごく感謝する話だとか。

「男には振られたけれど、妹ちゃんには振られてないもん」
とかいう理由で復活してきた女友が、妹にセクハラ魔王を
しにきて、それで三人ですったもんだして、焼肉屋で
兄を破産させるほどに食べて、女友はやっと兄と
仲直りできる話とか。

兄と対決しにいった妹友(前スレ後半)が
あれだけ馬鹿にしてた弟に「ハーゲンダッツ全部おごり」を
貰って、おいうちのあほ弟だって捨てたものじゃない。
ちゃんと気がついてくれたじゃん。って少しだけ救われる話とか。



309:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 14:12:31.99 ID:uLDYCQIR0

商店街での買出しに兄を連れまわすのだけれど
ただの兄妹にしかみてもらえなくて
なんだかよく判らない鬱屈が心にたまった妹が
黒モードになって兄を苛める話だとか。

ときたま。
ほんのときたま。
妹の敬語が崩れるときが出てきて、兄の胸が
一杯になる話だとか。

コンクールがやっと本選になって兄が見に行って妹が
めちゃくちゃ照れる話とか。

兄と妹が家の中でなんとなく良いムードになるたびに
外資系で海外に居る両親から意味不明の子作り指令FAXが
届く話とか。

いろいろ、たぶん、あるのだけれど。
読み返せばすでに力足らないで書き直したい気持ちもあるけれど

それでもこのお話は、お終いっ。
お終いがあるから始めてよい話っ。と思うっ。
でも、またなにか別のを書くからっ。
(大作戦姉とか長すぎて再開しずらいとか
ブラック同僚とか流れすぎとかあるけど)

だからこのスレは落としちゃってOKだぜー。
スレ保守してくれてありがとう!!



311:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 14:25:32.78 ID:jXHaTuxG0

一オツ!!!!!!!!!!!!



314:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/26(火) 14:31:03.16 ID:ybfVlMNk0

良い話だった。乙



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         コメント一覧 (26)

          • 1. 名無し
          • 2012年02月16日 22:31
          • これめっちゃ長いな
          • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年02月16日 22:56
          • なんともなつかしいSSを
          • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年02月16日 22:56
          • また懐かしいものを・・・・・・ままれさんの名作じゃないっすか
          • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年02月16日 22:57
          • 前読んだことある。同僚女の人だよね?
          • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年02月16日 22:58
          • すごい和んだけど、20分の1くらい読んだ所で長さに気づいて諦めた
          • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年02月16日 22:58
          • そうだね
          • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年02月16日 23:05
          • ネタ切れか
          • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年02月17日 00:39
          • >>1 激しく同意
          • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年02月17日 00:56
          • ままれさんか
            胸にくると思ったぜくそー胸がいっぱいだー
          • 10. 名無し
          • 2012年02月17日 01:44
          • 読んでないやつは読んどけ
            これは名作ですわ
          • 11.
          • 2012年02月17日 02:36
          • 消化不良
            長いのに


          • 12.
          • 2012年02月17日 03:06
          • だれかまとめて
          • 13. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年02月17日 05:34
          • これ読んでたら腹減ってラーメン食っちまった…責任とれよ!
          • 14.
          • 2012年02月17日 08:07
          • 5 ままれ作品は面白いけどボリュームタップリだからな。時間あるときにゆっくり読む事を奨める。
            だばだば~♪一時期口癖のようにつかってたわwww
          • 15. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年02月17日 08:51
          • 子供のような人じゃなくて発育障害だろこれ
          • 16. ω
          • 2012年02月17日 14:58
          • この1は大好きだ
          • 17. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年02月17日 17:42
          • なんだ、ただのままれ神か
          • 18. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年02月17日 19:01
          • やっぱりままれか
            これきっと兄家事できるよな
          • 19. あ
          • 2012年02月17日 19:36
          • あれ?まだ超前半だけど兄死にそう
          • 20. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年02月17日 23:28
          • ※15
            お前は
            何を

            対外的には普通なんだからそれはないわー
            ないわー
          • 21. 通りすがりのヌコ
          • 2012年02月18日 09:44

          • これは良SS

            オラも妹さんの料理食べたいw


            長いと言う人はきっと文章読むのが苦手なんだね
          • 22. ナナシ
          • 2012年02月19日 00:13
          • 分かってた。分かってたさ。女endはないってことぐらい。
          • 23. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年02月19日 10:26
          • 懐かしいな
            長い割に読めちまうんだよな。読まされちまうっていうか
            時間無かったらお気に入りにでも入れてまた読めば良いよ
          • 24. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年02月22日 14:04
          • テンポよくて綺麗にまとまったSSで感動した。

            ようし。俺もいっちょ弟に優しくしてみるかな
          • 25. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月02日 00:41
          • 俺料理できるけどここまで出来ないわ

            将来、大好きな嫁さんできたらしてやりたいな
          • 26. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月17日 06:24
          • 価値観を決めつけるな
            なにが文章読むのが苦手だ
            偉そうに

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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